以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。
A.実施例1
実施例1では、請求項1の発明、参考的開示発明1〜4を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1〜図15を参照して説明する。この遊技機1は、図1に示すように、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠は、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。また、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。更に、遊技機本体は、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102(図11を参照)等とを主要部としている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。更に、中枠3の下方側の前面部には、遊技球を
遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図12参照)等が配設されている。
前面枠4は、ガラス扉枠の具体例を構成するものであり、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製である。また、前面枠4は円形状の開口部4aを有している。この開口部4aは、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。
図2に示すように、前面枠4の裏面において、開口部4aの略矩形状の取り囲む部位のうちで、上辺部を除く部位には、略コ字形に形成された保持部材41が配設されている。この保持部材41は、2つの保持溝41a、41bを遊技機1の前後(前面枠4の厚さ方向)に形成するものである。また、これらの保持溝41a、41bは、前面枠4の上方に向かって開放されており、これらの保持溝41a、41bには、前面枠4の上方から、ガラス板41c、41cが挿入されている。
本遊技機1においては、前面枠4を閉じた状態とすると、前面枠4の開口部4aと、遊技盤10の遊技領域11(後述する。)とが前後方向に位置合わせされる。このため、遊技者は、ガラス板41c、41cを通じて、遊技領域11を視認することができる。尚、本実施例の前面枠(ガラス扉枠)4において、ガラス板41c、41cを直接的に保持する部分(保持部材41)を、前面枠4の裏面に開閉不可能な状態に装着したが、本実施例と異なり、この部分を、ガラス板41c、41cと一体で開閉可能な状態に装着してもよい。
図1に示すように、前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。尚、本実施例においては、図2に示すように、前面枠4を閉じたときに、前面枠4の裏面部47と、遊技盤10の前面部10aとの間に、空間部Kが形成される。
図1に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図12参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について、図3を中心にして説明する。この遊技盤10は、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図6参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置26と、落下演出装置700と、始動口(普通電動役物171)17と、下部装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
図2及び図3に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されている。この中央装置26は、遊技盤10の取付孔10bに装着されるベース部材26aを備えている。そして、このベース部材26aには、液晶表示装置27と、第1の役物装置710と、第2の役物装置720と、普通図柄表示装置32とが装着されている。
ベース部材26aの下縁部における左端側には左案内部材26dが装着され、ベース部材26aの下縁部における右端側には右案内部材26eが装着されている。このうち、左案内部材26dの上面部は、ベース部材26aの中央部方向に向かって右下り傾斜となる左ステージ面261dを形成している。また、右案内部材26eの上面部は、ベース部材26aの中央部方向に向かって左下り傾斜となる右ステージ面261eを形成している。更に、左案内部材26dの右端部と、右案内部材26eの左端部との間には空間部(遊技球3〜5個分の横幅を備える空間部)が形成され、この空間部によって出口部26fが構成されている。つまり、遊技領域11を転動し、中央装置26の左端部から中央装置26に侵入した遊技球は、左ステージ面261dを転動した後、出口部26fを通じて中央装置26の外部に排出される。また、遊技領域11を転動し、中央装置26の右端部から中央装置26に侵入した遊技球は、右ステージ面261eを転動した後、出口部26fを通じて中央装置26の外部に排出される。
図2に示すように、ベース部材26aの略中央部には取付孔261aが貫通状に設けられ、液晶表示装置27は、この取付孔261aを用いてベース部材26aに装着されている。また、ベース部材26aにおいて、取付孔261aの右側方に位置する部位の前方に、「第1の役物装置710を構成する第1の可動部材711」が配設されている。この「第1の可動部材711」の前方は開放された状態であるため、遊技者は、常時、第1の可動部材711を視認することができる。
図2に示すように、ベース部材26aにおいて、取付孔261aの左側方に位置する部位(以下、「左側方部位」という。)の前方に、「第2の役物装置710を構成する第2の可動部材721」が配設されている。但し、この「左側方部位」は、その前方に位置する隠蔽部26gで隠蔽された状態であるため、第2の可動部材721が、「左側方部位」の前方に位置する場合、遊技者は、この第2の可動部材721を視認することができない。ここで、隠蔽部26gは、参考的開示発明1及び参考的開示発明2の「隠蔽用部材」の具体例を構成する。そして、隠蔽部26gに背後において、隠蔽部26gと、「左側方部位」との間に形成される空間部によって、隠蔽用空間部26kが構成される。
尚、液晶表示装置27は、請求項1の発明及び請求項2の発明の「図柄表示手段」の具体例を構成している。また、この液晶表示装置27は、後述するように、「判定結果図柄表示用の図柄表示装置」としても機能する。更に、この液晶表示装置27は、「第1の可動部材711」及び「第1の可動部材721」と共に、「演出手段」の具体例を構成する。
図3に示すように、ベース部材26aの上部中央(ベース部材26aにおいて、取付孔261aの上方に位置する部位)には、普通図柄表示装置32が配置されている。
次に、この中央装置26に組み込まれた各装置(ベース部材26aを介して遊技盤10に配設された各装置)の詳細を説明する。
先ず、液晶表示装置27は、後述する当否判定{遊技機1の遊技状態を通常遊技状態から、大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させるか否かの判定(つまり、当否判定)}の結果を表示するための表示装置として利用される。即ち、液晶表示装置27は、当否判定の結果を示すための「判定結果図柄」を、所定の演出表示(本実施例では、図柄の変動表示)を経て確定表示するための「図柄表示装置」の一具体例を構成する。尚、本明細書において、「左」、「右」、「上」、「下」等の方向は、遊技領域11を目視する遊技者を基準に定める。
液晶表示装置27の表示画面271は、図4(a)に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域271Aと、表示画面271の大部分を占める演出用表示領域271Bとを備えている。このうち、主表示領域271Aは、右端寄りの部分に、2つの本図柄表示部272、273を形成し、略中央に特別図柄保留表示部16aを形成している。そして、各本図柄表示部272、273では、各々、「本図柄」を用いた変動表示(順次、変更される本図柄の表示)と、停止表示(停止した本図柄の表示)と、がなされる。
また、以下の説明においては、遊技者から見て右側の本図柄表示部272を、「第1本図柄表示部272」と称すると共に、この本図柄表示部272に表示される本図柄を「第1本図柄」と称することがある。また、遊技者から見て左側の本図柄表示部273を、「第2本図柄表示部273」と称し、この本図柄表示部273に表示される本図柄を「第2本図柄」と称することがある。
また、演出用表示領域271Bは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この演出用表示領域271Bには、図4(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部275〜277と、その他の部分で構成される背景画面表示部278とが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部275〜277は、演出用表示領域271Bにおいて横方向に3つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部275を「左疑似図柄表示部275」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部276を「中疑似図柄表示部276」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部277を「右疑似図柄表示部277」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部275〜277では、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。また、演出用表示領域271Bに疑似図柄表示部275〜277が表示されるときには、この演出用表示領域271Bのその他の部位によって背景画面表示部278が表示される。そして、この背景画面表示部278には、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。
本実施例では、液晶表示装置27に表示される識別図柄(識別情報)として、2種類の識別情報を予定している。このうちの一方の識別情報は、2つの本図柄(第1本図柄及び第2本図柄)を構成図柄とするものであり、変動表示の態様(変動時間)および確定表示の態様(第1本図柄の停止図柄と、第2本図柄の停止図柄)は、主制御部140(後述する。)において決定される。また、他方の識別図柄(識別情報)は、3つの疑似図柄(左疑似図柄表示部275に表示される左疑似図柄と、中疑似図柄表示部276に表示される中疑似図と、右疑似図柄表示部277に表示される右疑似図)を構成図柄とするものであり、変動表示の態様および確定表示の態様(左疑似図柄の停止図柄と、中疑似図の停止図柄と、右疑似図の停止図柄)等は、主制御部140にて決定された本図柄の変動表示の態様(変動時間)および確定表示態様を基にして、副制御部(音声・ランプ制御部170であり、後述する。)において決定される。更に、本明細書においては、この本図柄と、後述する「疑似図柄」とを、特別図柄と称することがある。また、この「疑似図柄」と、背景画面表示部278に表示される「背景図柄」は、「本図柄」を用いた表示上の演出を盛り上げるためのものであり、以下の説明において、「疑似図柄」及び「背景図柄」を演出用図柄と称することもある。
液晶表示装置27においては、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、本図柄の変動表示(演出表示の一の態様)と、疑似図柄の変動表示(演出表示の他の態様)とを開始する。そして、これらの変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)と、疑似図柄の停止表示(確定表示)とが実行される。このとき、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とが、各々、当否判定の結果の表示する。つまり、本実施例では、液晶表示装置27において、「判定結果図柄」を2種類表示する。即ち、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とが、各々、「判定結果図柄」を構成し、両「判定結果図柄」は、同一のメッセージ(「大当りである。」、「外れである。」等の当否判定の結果)を発信する。但し、本実施例と異なり、「判定結果図柄」を、本図柄の停止図柄(確定図柄)のみで構成してもよい。
また、本実施例では、本図柄を表示するための領域(主表示領域271A)と、演出用図柄(疑似図柄や背景図柄)を表示するための領域(演出用表示領域271B)とが、表示画面271(表示部)において区画されているが、この表示画面271(表示部)の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、「図柄表示装置」を、本図柄の表示を行うための「本図柄表示用の表示装置」と、演出用図柄(疑似図柄や背景図柄)の表示を行うための「演出図柄表示用の表示装置」とで、構成してもよい。
尚、本実施例においては、2つの本図柄表示部272、273は、疑似図柄表示部275〜277よりも小型(例えば、1/10〜1/100)で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域271B(疑似図柄表示部275〜277、背景画面表示部278)に注目して、遊技を進行することになる。
この液晶表示装置27においては、始動入賞を生ずると(始動口17に遊技球が入賞すると)、「判定実行条件」が成立し、当否判定が実行される。そして、当否判定の結果を示す図柄(判定結果図柄)の表示実行条件(つまり、特別図柄の変動表示を開始し、その後、停止図柄の確定表示するための条件)が成立すると、その表示画面271の表示領域(主表示領域271Aと、演出用表示領域271B)に表示される各図柄(本図柄及び疑似図柄)が、それぞれ変動する。そして、始動入賞を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の停止図柄が確定表示される。
つまり、本図柄表示部272、273によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の停止図柄(判定結果図柄)の確定表示がなされる。また、演出用表示領域271Bにおいても、3つの疑似図柄の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ、行った後、3つの疑似図柄の停止図柄(判定結果図柄)が確定表示される。尚、本実施例では、遊技機1が「特別図柄変動時間」を短縮化する制御を受けているか否か、つまり、所謂「遊技機の状態が、確率変動状態や時短状態」にある否かによって、この変動時間は異なったものとされる。
本実施例では、本図柄表示部272、273に表示される大当り図柄として、「異なる態様の大当り遊技状態」の移行契機となる「2つの態様の大当り図柄」を予定している。つまり、「遊技機が、大量の賞球を期待できる、第1の大当り遊技状態」に移行することを確定表示するための「第1の大当り図柄」と、「遊技機が、賞球を期待できない、第2の大当り遊技状態」に移行することを確定表示するための「第2の大当り図柄」と、を予定している。
つまり、本実施例では、本図柄表示部272、273に、第1の大当り図柄が確定表示されると、下部装置18に配設された後述する可変入賞装置31の大入賞口311が入賞容易な状態に開放され、遊技者に「遊技機1の遊技状態を第1の大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させことを内容とする特典」が付与される。また、図柄表示部272、273に、第2の大当り図柄が確定表示されると、可変入賞装置31の大入賞口311が入賞困難な状態(第1の大当り遊技状態への移行時に比べて入賞困難な状態)に開放され、遊技者に「遊技機1の遊技状態を第2の大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させことを内容とする特典」が付与される。このように、2つの本図柄は、その確定表示(停止表示)の態様によって、「当否判定」の結果を表示する。
本実施例では、始動入賞を生ずると、当否判定を実行するための前提条件が成立する。そして、当該当否判定の結果についての表示実行条件が成立すると、本図柄の変動表示を開始する。即ち、図4(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273では、「1」〜「9」の数字をこの順に表示した後、アルファベットの「A」の文字を表示して、その後、「1」に戻り、更に、「1」〜「9」の数字をこの順に表示し、「A」の文字を表示することを繰り返す。尚、図4(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」に表示される「1」〜「9」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
両本図柄表示部272、273に、「当否判定」の結果を示す停止図柄(判定結果図柄)が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、図5(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、当否判定の結果が、「標準型の大当り(以下、「スタンダード大当り」という。)」であることを示す。この両本図柄表示部272、273に、同一の数字を並べて構成される判定結果図柄は、「第1の大当り(即ち、スタンダード大当り図柄)」の一具体例を示している。この場合、遊技機1は「標準型の大当り遊技状態(第1の大当り遊技状態の一具体例を示す。以下、この標準型の大当り遊技状態を、「スタンダード大当り遊技状態」ともいう。)となる。尚、この「スタンダード特別遊技状態」になると、後述するように、多量の賞球を伴う利益が遊技者に付与される。
また、このように、「スタンダード大当り」の表示がなされるとき、図5(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、当否判定の結果が「第1の大当り(第1の大当り遊技状態を生じさせる大当りの意味で用いる。)」であると共に、「確率変動を行うか否かの抽選(以下、「確変抽選」ということもある。)の結果」も、「当り(当選)」であることを示す。
一方、「スタンダード大当り」の表示がなされるとき、図5(c)に示すように、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、当否判定(当否の抽選)の結果が「第1の大当り」であるが、「確変抽選」の結果は「外れ」であることを示す。以下、本明細書においては、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)で、しかも、確変抽選の結果も当選である場合を「スタンダード確変当り(若しくは、スタンダード確率変動当り)」と称し、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)」であるが、確変抽選の結果が落選である場合を「スタンダード通常当り」と称することがある。
図5(d)に示すように、両本図柄表示部272、273に、「A」の文字が並んで表示されると、「当否判定」の結果が、「非標準型の大当り(以下、「チャンス大当り」という。)」であることを示す。この両本図柄表示部272、273に、「A」の文字を並べて構成される判定結果図柄は、「第2の大当り(即ち、チャンス大当り図柄)」の一具体例を示している。この場合、遊技機1は「非標準型の大当り遊技状態(第2の大当り遊技状態の一具体例を示す。以下、この標準型の大当り遊技状態を、「チャンス大当り遊技状態」ともいう。)となる。尚、この「チャンス大当り遊技状態」になると、後述するように、遊技者は、賞球を伴う利益を得る可能は低いが、確変状態の実行による利益を得ることができる。
図5(a)に示すように、「両本図柄表示部272、273」に、異なる数字が確定表示されると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す。つまり、当否判定の結果が、「スタンダード大当り(第1の大当り)」にも、「チャンス大当り(第2の大当り)」にも該当しないことを示す。この場合、「確変抽選」の結果も落選となる。
尚、「確変当り(スタンダード確変当り、若しくは、チャンス確変当り)」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る大当り遊技遊技状態の終了後(つまり、スタンダード大当り遊技状態、若しくは、チャンス大当り遊技状態)に、液晶表示装置27の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、確率変動状態に制御される旨(例えば、確変突入)」の表示(以下、「確変表示」という。)がされ、当該遊技機1の状態が、通常確率状態から確率変動状態に変更される。
そして、遊技機1の状態が、この「確率変動状態」に変更されると、この「確率変動状態」の解除条件が成立するまでの間、判定手段によって「大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り」の判定結果が下される確率が高確率に変動する。また、本実施では、この「確率変動状態の解除条件」は、大当りの判定結果(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を得ないまま、特別図柄が所定回数、変動するか(つまり、外れ判定が所定回数、繰り返されるか)、あるいは、次回の大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を生ずることで成立する。
本実施例では、大当り図柄の構成態様として、(1)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」と、「第1の通常図柄」とで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」のみで構成する態様を例示したが、本各発明において、各大当り図柄の態様を種々変更可能である。つまり、(2)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」と、「第1の通常図柄」とで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成する態様、(3)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」のみで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成する態様、(4)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」のみで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」のみで構成する態様、等であってもよい。
3つの疑似図柄表示部275〜277では、前述の本図柄表示部272、273と、同時に図柄変動(変動表示)を開始する。そして、図5に示すように、各疑似図柄表示部275〜277には、疑似図柄が、順次、変動表示(変更表示)される。そして、この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(停止図柄)も、判定結果図柄であり、前述の当否判定の結果を表示する。
この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(判定結果図柄)には、図6(a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図6(a)の「外れを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図6(b)の「スタンダード通常当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図6(c)の「スタンダード確率変動当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図6(d)の「チャンス当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、がある。
このうち、また、「スタンダード通常当り」は、「1」、「2」、「4」、「6」若しくは「8」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。更に、「スタンダード確率変動当りを示す停止図柄」は、「3」、「5」、「7」若しくは「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。また、「チャンス当りを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277に、左から右に昇順となる数字を並べて(例えば、「1」、「2」、「3」)構成される。「外れを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277のうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「チャンス当りを示す停止図柄」を除いたものである。
ここで、この疑似図柄表示部275〜277においても、始動入賞を前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、図柄の変動(疑似図柄の変動)を開始すると共に、背景画面表示部278には動画が連続的に表示される。この際、変動途中の疑似図柄の表示態様は、それ自体単独で、若しくは、背景の動画が示すメッセージに呼応して、回転、拡大、縮小等を行ってもよい。
本実施例では、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される疑似図柄(以下、「疑似図柄による判定結果図柄」という。)の表示内容と、両本図柄表示部272、273に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「本図柄による判定結果図柄」という。)とが一致している。例えば、本図柄の確定図柄によって「スタンダード確率変動当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「スタンダード確率変動当り」が表示され、本図柄の確定図柄によって「スタンダード通常当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「スタンダード通常当り」が表示される。つまり、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される表示内容が、本図柄表示部272、273に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部275〜277においては、その変動の開始から停止に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部275〜277では、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。但し、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277のみにおいて、「リーチ演出」を実行する。
尚、この「リーチ演出」とは、「図柄表示装置に、当否判定の結果等が表示される前において、大当り遊技状態の可能性が継続している状態のときに、この図柄表示装置において表示される演出表示」のことを指す。即ち、「図柄表示装置」の所定の表示部に表示される最終停止図柄(本図柄の確定図柄や疑似図柄の確定図柄)となる表示図柄以外の図柄(本図柄や疑似図柄)が、大当りとなる特定の停止図柄態様(大当りとなる複数の本図柄の確定図柄態様や、大当りとなる複数の疑似図柄の確定図柄態様)と一致している状態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄(変動中の本図柄や、変動中疑似図柄)の位置が入れ替わっている状態等を指す。
例えば、図柄表示装置(液晶表示装置27)の表示部が、本図柄を表示するための表示領域(つまり、本図柄表示部)や疑似図柄を表示するための表示領域(つまり、疑似図柄表示部)を横方向、縦方向、若しくは傾斜方向にライン状に並べる場合においては、一方の端(例えば、左側、上側、若しくは、斜め上側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「左の図柄」、「上の図柄」、若しくは、「斜め上の図柄」)、他方の端(例えば、右側、下側、若しくは、斜め下側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「右の図柄」、「下の図柄」、若しくは、「斜め下の図柄」)、中間(例えば、真ん中)の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。
このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄(例えば、「左の図柄」及び「右の図柄」、「上の図柄」及び「下の図柄」、「斜め上の図柄」及び「斜め下の図柄」)が同一図柄で停止している状態をリーチ状態という。そして、このリーチ状態となると、「中の図柄」の変動表示パターンを通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクターを登場させたりするなどいろいろな表示態様を採ることで、遊技者の大当り発生に対する期待感を大きくさせ、遊技興趣を盛り上げるように構成してもよい。
本実施例では、本図柄表示部272、273において、前記「当否判定」の結果が「スタンダード当り(スタンダード通常当りであっても、スタンダード確率変動当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記「当否判定」の結果が「スタンダード当り(スタンダード通常当りであっても、スタンダード確率変動当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277では、リーチ表示が行われる。このリーチ表示の態様としては、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が短い場合や通常の長さに簡単に行われると、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が長い場合に行われる発展型のリーチ(スーパーリーチ)とがある。
また、本図柄表示部272、273において、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す「確定図柄」を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す確定図柄が確定表示される。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277で、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ表示」という)と、リーチ表示を行わない場合(以下、「通常外れ表示」という。)とがある。尚、リーチ外れ表示を行う場合も、実施されるリーチ表示の態様としては、「ノーマルリーチ」や「発展型のリーチ」を例示できる。
また、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」を行うことがある。つまり、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、本図柄表示部272、273において、「スタンダード確率変動当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「スタンダード通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「スタンダード確率変動当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、本図柄表示部272、273において、「大当り(スタンダード大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「大当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部140で抽選してもよいし、副制御部(170若しくは160)によって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、本図柄表示部272、273の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、本図柄表示部272、273の少なくとも一方を、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で構成する。そして、この複数の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で、複数の特別図柄(識別情報)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、特別図柄の組み合わせ図柄を、停止表示させてもよい。例えば、液晶表示装置27に、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域とを、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成する。そして、各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていくようにしてもよい。これらの態様では、例えば、表示画面271の本図柄表示部に、同一図柄(例えば、「7、7、7」)で揃って停止表示(確定表示)すると、後述する可変入賞装置31の大入賞口311を開放してもよい。
更に、本実施例では、本図柄表示部272、273を認識困難としていることから、疑似図柄表示部275〜277において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部272、273において「リーチ演出」を行ってもよい(尚、本図柄表示部272、273で、リーチ演出を行う場合には、本図柄表示部272、273の数を3つ、若しくは、9つ等にする必要がある。)。また、本実施例では、同一の液晶表示装置27に、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とを設けたが、両者を別体の表示装置27に設けてもよい。
図4(a)に戻り、特別図柄保留表示部16aは、始動入賞(始動口17への入賞)のうちで、未消化の状態にあるもの数(保留数)を、所定数を上限(例えば、4個、若しくは、4個以上の数)として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、始動入賞を生じたが、液晶表示装置27において、当該特別図柄始動入賞に係る当否判定の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部16aには、「1」〜「4」までの数字を表示するための「数字表示部161a〜164a」を横方向に並べている。そして、保留数(特別図柄保留数)に対応する数字表示部161a〜164aを点灯させたり、全数字表示部161a〜164aを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部161a〜164a」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「0」であると表示される。また、左端の数字表示部161aを点灯すると、その時点の保留数が「1」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に1つずつ増加させていくと、保留数が1つずつ増加する。そして、全数字表示部164aを点灯すると、その時点の保留数が「4」であると表示される。
この特別図柄保留表示部16aでは、始動入賞{始動口(普通電動役物)17への入賞}を生ずるごとに、表示する保留数を1つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動(本図柄表示部272、273における変動)を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部16aによって表示される保留数が1つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部16aを、表示画面271とは別体の装置として構成することもできる。
第1の役物装置710は、図7に示すように、第1の可動部材711と、モータ800(図15を参照)と、第1の検出用センサ196(図15を参照)と、動作位置検出用センサS1(図9及び図15を参照)と、を備えている。ここで、第1の可動部材711は、請求項1の発明の可動部材の一具体例を構成する。また、第1の可動部材711は、「小型の人形」を用いて構成され、右腕部(遊技者から見て左側の腕部)713が、胴部712に対して回動可能を支持されている。更に、第1の可動部材711の動作位置が「原点位置(動作前の位置)」にある場合とは、以下の場合である。つまり、図7に示すように、右腕部713を垂らし、この右腕部713の「手の甲713c」を前方に向けた状態のときに、第1の可動部材711の動作位置は原点位置とされる。
また、モータ800は胴部712に内蔵されている。更に、第1の検出用センサ196は、右腕部713の手713aの位置に対して、右腕部713と一体で動作可能(回動動作可能)な状態に配設されている。この第1の検出用センサ196は、右腕部713の「掌713b」から露出するが{図8(a)を参照}、右腕部713の「手の甲713c」から露出しない状態(図7を参照)とされている。このため、第1の可動部材711の動作位置が「原点位置」である場合、「手の甲713c」が前方(遊技者)を向く。
よって、第1の検出用センサ196は、遊技盤10の前方から隠蔽された状態となり、遊技盤10の前方に位置する遊技者は、この第1の検出用センサ196を視認することができない。つまり、第1の可動部材711の動作位置が「原点位置」にある場合に、この第1の可動部材711の状態(動作状態)は「第1の状態」となる。尚、この右腕部713は、前述の「可動本体部」の具体例を構成し、右腕部713の「手の甲713c」は、「第1の面部分」の具体例を構成する。
モータ800は、ステッピングモータであり、請求項1の発明の「駆動手段」の一具体例を構成する。このモータ800は、その回転軸が右腕部713に接続されている。そして、このモータ800は回転動作(回動動作)し、右腕部713を回転駆動する。
このモータ800の回転動作(回動動作)と停止動作は、音声・ランプ制御部170から送信される制御信号を用いて制御されている。つまり、音声・ランプ制御部170は、請求項1の発明の駆動制御手段の具体例を構成する。具体的には、この駆動制御手段は、音声・ランプ制御部170のCPU171と、音声・ランプ制御部170のROM173に格納された制御プログラム等によって構成されている(図15を参照)。
第1の可動部材711の動作位置が原点位置にある場合(第1の可動部材711状態が第1の状態の場合)に、モータ800を正転方向に回転動作させ、右腕部713を、左回転方向(右腕部713の左側方から観察して、左回転方向)に、180度、回転させると、図8(a)に示すように、第1の可動部材711の動作位置は、「右腕部713を挙手する動作位置」となる。この「右腕部713を挙手する動作位置」では、右腕部713の「掌713b」が前方(遊技者の方向)を向くため、第1の検出用センサ196は、遊技盤10の前方に露出された状態となる。従って、この「右腕部713を挙手する動作位置」では、遊技盤10の前方の遊技者は、第1の検出用センサ196を視認することができる。つまり、第1の可動部材711の動作位置が「右腕部713を挙手する動作位置」にある場合に、この第1の可動部材711の状態(動作状態)は「第2の状態」となる。尚、右腕部713の「掌713b」は、「第2の面部分」の具体例を構成する。
この第1の可動部材711の状態が第2の状態にあるときに、モータ800を反転転方向に回転動作させ、右腕部713を、右回転方向(右腕部713の左側方から観察して、右回転方向)に、180度、回転させると、第1の可動部材711の動作位置は、「右腕部713を挙手する動作位置」から「原点位置」に戻る。つまり、第1の可動部材711の状態が第2の状態から第1の状態に戻される。
動作位置検出用センサS1(図15を参照)は、第1の可動部材711の動作位置を確認するために使用されるセンサである。ところで、図9に示すように、右腕部713のうちで胴部712と対向する部位(以下、「対向部位」という。)713dからは、略円弧状の平面形状を備える突起部tが突出している。この突起部tは、右腕部713の回転基準位置を特定するために使用するインデックス部を構成する。そして、動作位置検出用センサS1は光学センサを用いて構成されており、対向部位713aと対向する位置であって、回転する突起部tが通過する際に、この突起部tを検出可能な部位に配置されている。また、動作位置検出用センサS1は、位置検出基板199を介して音声・ランプ制御部170に接続されている(図15を参照)。
インデックス部を構成する突起部tは、右腕部713と一体で回転し、右腕部713が原点位置に到達すると、動作位置検出用センサ(光学センサ)S1の検出範囲に到達する。そして、突起部tによって構成されるインデックス部が、動作位置検出用センサ(光学センサ)S1の検出範囲を到達すると、この動作位置検出用センサ(光学センサ)S1から通過信号が出力され、この通過信号は位置検出基板199(図15を参照)に送信される。
このように、位置検出基板199が通過信号を受信すると、この位置検出基板197から、音声・ランプ制御部170に検出信号が送信される。このため、音声・ランプ制御部170は、この検出信号を用いて、右腕部713が動作位置が原点位置にあることを確認することができる。尚、本実施例では、モータ800としてステッピングモータを使用するための、モータ駆動回路からモータ800に供給される駆動信号(駆動パルス)の総数をカウントすることによって、右腕部713が動作位置を把握することができる。
第1の検出用センサ196は、検出手段の一具体例を構成するものであり、図10に示すように、発光装置196aと、受光装置196bと、を備えている。このうち、発光装置196aは、赤外線を発光するLED等を用いて構成され、操作検出基板199bを介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。また、受光装置196bはフォトトランジスタ等を用いて構成され、操作検出基板199bを介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。
本実施例では、図10に示すように、「発光装置196aにおいて、実際に光を発光する発光部(図示を省略)」と、「受光装置196bにおいて、実際に光を受光する受光部(図示を省略)」とが、遊技盤10の前方(遊技者の方向)を指向する状態に配置されている。そして、発光装置196a及び受光装置196bの前方(但し、ガラス板41c、41cの後方である。)には、各種光のうちで、発光装置196aの発光部が発光する光(本実施例では、赤外線を例示)だけを透過させるフィルター196cが配設されている。但し、このフィルター(赤外線フィルター196c)を、受光装置196bの前方のみに配置してもよい。
この第1の検出用センサ196の検出領域は、以下の部分によって構成される。つまり、第1の可動部材711の状態が、第2の状態とされ、第1の検出用センサ196が遊技盤10の前方に露出したときに、ガラス板41c、41cの前面部において第1の検出用センサ196の前方に位置する部位(つまり、前方前面部)411cによって構成される。つまり、被検出体(遊技者の指)Yを、前方前面部411cに接触させると、第1の検出用センサ196によって被検出体(遊技者の指)Yが検出される構成となっている。
第1の検出用センサ196の作動は、音声・ランプ制御部170から送信される制御信号を用いて制御されている。つまり、発光装置196a及び受光装置196bは、操作検出基板199bを介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。そして、発光装置196aは、音声・ランプ制御部170から送信される制御信号に基づいて、所定の間、赤外線を発射する。この赤外線は、図10(a)に示すように、第1の検出用センサ196の非操作時に、前方前面部411cに被検出体(遊技者の指)Yが接触していない場合は、ガラス板41c、41cを透過するため、受光装置196bによって検出(受光装置196bによって受光)されることはない。
一方、図10(b)に示すように、第1の検出用センサ196の操作時に、前方前面部411cに被検出体(遊技者の指)Yが接触している場合は、発光装置196aから発光された光が、被検出体(遊技者の指)Yによって反射される。そして、その反射された赤外線が、フィルター196cを透過して受光装置196bによって受光される。このように、受光装置196bが赤外線を受光すると、操作検出基板199bから検出信号が導出され、音声・ランプ制御部170に入力される。
第2の役物装置720は、図7に示すように、第2の可動部材721と、ソレノイド810(図7及び15を参照)と、第2の検出用センサ197と、を備えている。ここで、第2の可動部材721は、請求項1の発明の可動部材の他の具体例を構成する。また、第2の可動部材721も、図7に示すように、第1の可動部材711と同様な形状の「小型の人形」を用いて構成されている。但し、第2の可動部材721においては、全体が一体でのみ動作するものとされている。つまり、第2の可動部材721では、胴部722に対して、右腕部(遊技者から見て左側の腕部)723と、左腕部(遊技者から見て右側の腕部)724とが、動作不可能とされている。
第2の可動部材721の動作位置が「原点位置(動作前の位置)」にある場合とは、以下の場合である。つまり、第2の可動部材721が、ベース部材26aにおいて、取付孔261aの左側方に位置する部位(左側方部位)の前方に位置し、第2の可動部材721全体が、隠蔽部26gの背後(遊技者から見て背後)に位置する場合、第2の可動部材721の動作位置は原点位置とされる(図2を参照)。この場合、第2の可動部材721は隠蔽用空間部26kに収納されるため、遊技盤10の前方の遊技者は、第2の可動部材721を視認することができない。
ソレノイド810は、図2に示すように、第2の可動部材721の左側方(遊技者から見て左側方)に配設されている。このソレノイド810は、ベース部材26aに埋設されているため、遊技者は、このソレノイド810を視認することができない。また、このソレノイド810は、請求項1の発明の「駆動手段」の他の具体例を構成する。このソレノイド810の動作も、音声・ランプ制御部170から送信される制御信号を用いて制御されている。つまり、音声・ランプ制御部170は、このソレノイド810の駆動制御手段の具体例をも構成している。
このソレノイド810は、図7に示すように、外郭体811と、外郭体811に設けられた軸受(図示を省略)によってスライド可能に支持されたプランジャ813aと、外郭体811の内部においてプランジャ813aの外周位置に配置されたソレノイドコイル(図示を省略)と、外郭体811の外部においてプランジャ813aの外周位置に配置された復帰手段(図示を省略)と、を備える。そして、プランジャ813aの突端部が、第2の可動部材721に一体化されている。
ソレノイドコイルへの通電を行わないときに、プランジャ813aにおいて、その突端部側を除く部位が、復帰手段(復帰バネ)の付勢力により、外郭体811に収納された状態となる。これにより、プランジャ813aの突端部は、隠蔽用空間部26kの左端側(遊技者から見て左端側)に配置されるため、第2の可動部材721は、隠蔽用空間部26kに収納された状態となる。つまり、第2の可動部材721の状態は、第1の状態となる。
一方、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ソレノイドコイルからプランジャ813aへ、電流に比例した大きさの牽引力が与えられる。このため、復帰手段(復帰バネ)の付勢力に対抗しつつ、プランジャ813aは、その大部分を外郭体811の外部に突出させるように動作する。これにより、図8(b)に示すように、プランジャ813aの突端部は、「隠蔽用空間部26kのうちで、右端側(遊技者から見て右端側)に位置する部位」配置されるため、第2の可動部材721は、隠蔽用空間部26kから露出し、液晶表示装置27の表示画面271の前方に出現する。このとき、遊技盤10の前方の遊技者は、第2の可動部材721全体を視認することができる。
ところで、第2の検出用センサ197は、左腕部724の「手714a」の位置に配設され、第2の可動部材721全体と一体で動作可能(左右への並進動作可能)とされている。この第2の検出用センサ197は、左腕部724の「手の甲724a」から露出する状態とされている。そして、第2の可動部材721は、左腕部724の「手の甲724a」、常時、遊技盤10の前方に向けた状態となっているため、この第2の検出用センサ197は、常時、遊技盤10の前方を向いている。このため、ソレノイド810において、ソレノイドコイルへの通電を行うと、第2の検出用センサ197は、遊技盤10の前方から視認可能となるように露出する。つまり、第2の可動部材721の状態が、第1の状態から第2の状態に変化する。また、第2の可動部材721の状態が第2の状態にあるときに、ソレノイドコイルへの通電を停止すると、第2の可動部材721全体が、隠蔽用空間部26k内に戻され、第2の可動部材721の状態が第2の状態から第1の状態に戻される。
第2の検出用センサ197も、図10に示すように、検出手段の具体例を構成するものであり、前述の発光装置196aと同様な発光装置197aと、前述の受光装置196bと同様な受光装置197bと、を備えている。そして、発光装置197aは、「前述の操作検出基板199bと同様な操作検出基板199c」を介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。また、受光装置197bも、この操作検出基板199cを介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。
第2の検出用センサ197においても、「発光装置197aの発光部(図示を省略)」と、「受光装置197bの受光部(図示を省略)」とが、遊技盤10の前方(遊技者の方向)を指向する状態に配置されている。そして、発光装置197a及び受光装置197bの前方(但し、ガラス板41c、41cの後方である。)には、各種光のうちで、発光装置197aの発光部が発光する光(本実施例では、赤外線を例示)だけを透過させるフィルター197cが配設されている。但し、このフィルター(赤外線フィルター197c)も、受光装置197bの前方のみに配置してもよい。
この第2の検出用センサ197の検出領域は、以下の部分によって構成される。つまり、第2の可動部材721の状態が、第2の状態とされ、第2の検出用センサ197が遊技盤10の前方に露出したときに、ガラス板41c、41cの前面部において第2の検出用センサ197の前方に位置する部位(つまり、前方前面部)413cによって構成される。つまり、被検出体(遊技者の指)Yを、前方前面部413cに接触させると、第2の検出用センサ197によって被検出体(遊技者の指)Yが検出される構成となっている。
第2の検出用センサ197の作動も、音声・ランプ制御部170から送信される制御信号を用いて制御されている。つまり、発光装置197a及び受光装置197bは、操作検出基板199cを介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。そして、発光装置197aは、音声・ランプ制御部170から送信される制御信号に基づいて、所定の間、赤外線を発射する。この赤外線は、第2の検出用センサ197の非操作時(つまり、前方前面部413cに被検出体Yが接触していない場合)には、ガラス板41c、41cを透過するため、受光装置197bによって検出(受光装置197bによって受光)されることはない。
一方、第2の検出用センサ197の操作時(まり、前方前面部413cに被検出体Yが接触している場合)には、発光装置197aから発光された光が、被検出体(遊技者の指)Yによって反射される。そして、その反射された赤外線が、フィルター197cを透過して受光装置197bによって受光される。このように、受光装置197bが赤外線を受光すると、操作検出基板199cから検出信号が導出され、音声・ランプ制御部170に入力される。
図3に戻り、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、普通変動表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄(例えば、1〜9の奇数数字)を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選(つまり、普通電動役物171を開放状態に変化させるか否かの抽選)の結果を示す停止図柄(普通図柄の停止図柄であって、例えば、1〜9の奇数数字のうちの何れか)を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)36、37のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、7セグメント表示器32aにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、「普通電動役物171」が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図12参照)が配設されている。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32における7セグメント表示器32aが変動表示する。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bが消灯される。
始動口17は、中央装置26とは別体に構成されると共に、中央装置26の下方に離れて配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図12参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図12参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
図3に示すように、下部装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されている。この下部装置18は、可変入賞装置(大入賞装置)31を主要部としつつ、この可変入賞装置31に対して左下入賞口21と右下入賞口22とを一体化した構成を備えている。尚、本実施例とは異なり、下部装置18を可変入賞装置31のみで構成(つまり、左下入賞口21、右下入賞口22等の他の入賞口が一体化されない構成)としてもよい。
この可変入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図12参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図12参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図12参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図12参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図12参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図12参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
可変入賞装置31の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図12参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図12参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ装置38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。但し、本実施例の遊技機1では、この操作ボタンB1、B2を操作しても、遊技上の演出に変化を与えることはできない。尚、各発明においては、この操作ボタンB1、B2を、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるために用いることとしてもよい。
図3に戻り、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。更に、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイド装置38、39がそれぞれ縦円弧状で、相対称状に配設されている。これらのサイド装置38、39は、遊技機1に生ずる遊技状態の変化等に応じて、点灯・点滅して電飾を行う。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図11を参照して説明する。前面枠4(図1)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部140(図12参照)を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図12参照)を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113と、発射制御集合中継基板(図示略)と、が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が配設され、裏機構盤102の右下方部には、払出制御部150(図12参照)を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース118が配設されている。更に、遊技機1の裏面側には、中継基板(図示を省略)が装着されている。
図12にも示すように、この中継基板190は、入賞球検出スイッチ318、1318、19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
(2)遊技機1の電子制御装置130
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図12〜図16を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、図12を用いて、本遊技機1の制御回路全体の構成の概略について説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(払出制御部150、音声・ランプ制御部170等)と、この第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部(発射装置制御部193、図柄制御部160等)。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図12に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
次に、図12〜図16を用いて、電子制御装置130を構成する重要な制御部に関して説明する。
主制御部140は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、図12及び図13に示すように、各種スイッチ(9a、9b、9b、104、192、17s、19s〜22s、36s、37s、318)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。
主制御部140は、図13に示すように、主制御基板340を用いて構成されている。この主制御基板340には、主回路部400と、入出力回路部500とが設けられている。この主回路部400及び入出力回路部500はバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、主回路部400とは、CPU(シングルチップ型)401を含む構成とされている。
CPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482等を含む構成とされている。また、CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判定に関する制御等を行う。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部150及び音声・ランプ制御部170が接続されている(図12参照)。また、入出力回路部500は、払出制御部150や音声・ランプ制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部150あるいは音声・ランプ制御部170に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部160に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部170に向けて出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。
また、入出力回路部500には、始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17sや、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検出器(右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検出器(左普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)36sなどが接続されている。
払出制御部150は、払出制御基板(図示を省略)によって構成されている。この払出制御基板は、主制御基板340と同様に、主回路部と入出力回路部を備えている。そして、この主回路部及び入出力回路部もバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、この払出制御基板の入出力回路部には信号伝送経路500aが接続されている。このため、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して、払出制御部150の入出力回路部に入力される。また、払出制御部150の入出力回路部には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
音声・ランプ制御部170は、図15に示すように、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板370と、制御基板370からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板380の、主に2つの基板から構成されている。このうち、制御基板370には、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174と、サウンドジェネレータ176と、コネクタCN1が設けられており、これらがバス175で相互にデータをやりとり可能に接続されている。また、サウンドジェネレータ176は、予め記憶された音声データをゲームの進行に合わせて再生することで、スピーカー400aから各種の音声を出力する。尚、スピーカー400aから出力される音量は、音量スイッチ基板12によって調整可能となっている。
また、入出力ポート174には信号伝送経路500aが接続されている。そして、主制御部140が、特別図柄の変動・停止、特別遊技態様、確率変動や時短などの遊技モードを指示する制御命令を出力すると、出力された各種の制御命令は信号伝送経路500aを介して入出力ポート174に入力される。そして、制御基板370では、このような制御命令を受け取ると、ROM173に予め記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、駆動基板380に向かって各種の命令を出力する。また、制御基板370と駆動基板380とは、コネクタCN1とコネクタCN2とで互いに接続されている。
駆動基板380には、各種LEDやランプなどを駆動するための駆動信号を発生させる駆動回路部382と、発生した駆動信号を、各種LED基板4d,4f,19f〜22fや、各種ランプ基板216f,262f、枠飾り基板4gなどに出力するためのコネクタ出力部384とが設けられている。これら各基板にランプあるいはLED等が1個または複数個接続されており、コネクタ出力部384から供給される駆動信号により、ゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。尚、コネクタ出力部384を、駆動回路部382とは別基板に設ける構成としても良い。こうすることで、各種LEDなどのランプの数や色が変更されても駆動回路部382の変更を要しない場合には、コネクタ出力部384のみを変更して対応することが可能となる。
また、駆動回路部382には、前述のモータ800を駆動するための駆動回路(モータ駆動回路)と、ソレノイド810を駆動するための駆動回路(ソレノイド駆動回路)と、が搭載されている。そして、モータ駆動回路で発生した駆動信号(駆動パルス)はコネクタ出力部384を通じてモータ800に出力され、ソレノイド駆動回路で発生した駆動信号はコネクタ出力部384を通じてソレノイド810に出力される。
更に、前述の如く、動作位置検出用センサS1は、位置検出基板199を介在させた状態で、所定の信号線を用いて入出力ポート174に接続されている。また、前述の如く、第1の検出用センサ196は、操作検出基板199bを介在させた状態で、所定の信号線を用いて入出力ポート174に接続されている。更に、前述の如く、第2の検出用センサ197は、操作検出基板199cを介在させた状態で、所定の信号線を用いて入出力ポート174に接続されている。
図柄制御部160は、図16に示すように、図柄制御基板360によって主に構成されている。この図柄制御部160は、演算回路構成要素としてCPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路166とを備えており、これら演算回路構成要素がバス165により接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。また、入出力ポート164には、信号伝送経路500aや特別変動表示手段27が接続されている。CPU161は、RAM162をワークエリアとして使用しながら、ROM163に格納された制御プログラムを実行することにより、中央装置26の制御を行っている。
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されており、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、払出制御部150の入出力回路部に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入賞検出スイッチ17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
主制御部140は、これらの情報を受け取って、変動パターン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部170、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。また、主制御部140は、図柄制御部160に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部170にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
音声・ランプ制御部170では、変動パターン指定コマンドと、停止図柄指定コマンドを受けとると、疑似図柄の変動態様と、疑似図柄の停止図柄とを乱数等による抽選で決定する。このとき、音声・ランプ制御部170では、落下演出装置700を用いた演出の実行の可否や、演出の態様等を決定する。尚、これらの詳細に関しては後述する。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口31に入球すると、大入賞口31の内部に設けられた入賞球検出スイッチ318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口(普通電動役物)17に入球した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検出スイッチ17sがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。この信号を受けて主制御部140は、後述する処理を行った後、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。
左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検出して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。主制御部140は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検出した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部150は、こうして主制御部140から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置109を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部140は、上述した各種検出スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、始動口(普通電動役物)入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ318等の検出結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが特別図柄始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「特別図柄始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。また主制御部140は、始動入賞を検出すると乱数値に基づいて当否判定を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部170に出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝送経路500bを介して図柄制御部160に送信される。
(3)可動部材の動作態様
本実施例では、遊技機1の遊技モードが、「有効操作実行許容モード」に切り換えられていない場合(有効期間外である場合)には、図7に示すように、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態が、何れも、第1の状態とされる。このとき、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197は、作動を停止した状態とされる。そして、遊技機1の遊技モードが、「有効操作実行許容モード」に切り換えられると(有効期間が開始されると)、図8(a)に示すように、第1の可動部材711の状態が第2の状態となり、第1の検出用センサ196が、遊技盤10の前方から視認可能となる。このとき、第1の検出用センサ196は作動状態とされる。
第1の可動部材711の状態が第2の状態となった場合、遊技機1の遊技モードが「有効操作実行許容モード」である間(有効期間中)に、第1の検出用センサ196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると、第2の可動部材721の状態が第2の状態となる。このとき、第2の検出用センサ197は作動状態とされる。尚、遊技機1の遊技モードが「有効操作実行許容モード」である間(有効期間中)に、第1の検出用センサ196が被検出体(遊技者の指)Yを検出しない場合は、演出期間(後述する。)の終了後に、第1の可動部材711の状態が第1の状態に戻される。このとき、第1の検出用センサ196の作動状態は解除される。
第2の可動部材721の状態が第2の状態となった場合、遊技機1の遊技モードが「有効操作実行許容モード」である間(有効期間中)に、第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると、液晶表示装置27において、特有の演出表示が開始される(特有のリーチ表示、特有の予告表示等)が開始される。尚、遊技機1の遊技モードが「有効操作実行許容モード」である間(有効期間中)に、第2の検出用センサ197が被検出体(遊技者の指)Yを検出しない場合は、演出期間の終了後に、第2の可動部材721の状態が第1の状態に戻される。このとき、第2の検出用センサ197の作動状態は解除される。
また、遊技機1の遊技モードが「有効操作実行許容モード」である間(有効期間中)において、第1の検出用センサ196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると共に、第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出した場合、演出期間の終了後に、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態が第1の状態に戻される。このとき、第1の検出用センサ196の作動状態と、第2の検出用センサ197の作動状態は解除される。
(4)特別図柄表示ゲームの概要
以下、特別図柄表示ゲームの概要を、「遊技機1の遊技モードが、有効操作実行許容モードに切り換えられない場合(以下、「通常モード」という。)」と、「遊技機1の遊技モードが、有効操作実行許容モードに切り換えられる場合(以下、「許容モード」という。)」とに分けて説明する。
a.通常モードの場合
遊技機1の遊技モードが通常モードである場合、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態は、何れも、第1の状態に維持される。しかも、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197の作動を解除しておく。そして、本遊技機においては、始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図17〜図20に示すように、液晶表示装置27の本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とにおいて、特別図柄の変動表示(つまり、演出表示)を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。尚、図17〜図20においては、第1の可動部材711及び第2の可動部材721の図示を省略している。
このとき、図17(a)及び(b)に示すように、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「外れである」旨の表示がなされると(当否判定の結果が外れである旨の判定結果図柄が表示されると)、この時点で、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。尚、図17(a)では、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)を示し、図17(b)では、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」を示している。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード通常当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード通常当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図18に示すように、「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(スタンダード通常当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態に移行すると、開閉板312(開閉部材)に、「第1の単位駆動」が施される。
この「第1の単位駆動」は、開閉板312(開閉部材)の姿勢を、大入賞口311を閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口311を開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜35秒から選択される時間)維持した後、この開閉板312(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板312(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回(第1の回数の具体例を示す。)実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード通常当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードとされる。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード確率変動当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード確率変動当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)にも、図26に示すように、「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(スタンダード確率変動当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態においても、「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15(第1の回数の具体例を示す。)回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。
これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード確率変動当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の状態が、確率変動状態とされる。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「チャンス当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、チャンス当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図27に示すように、「リーチ表示」を行った後、「大当り表示(チャンス当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行する。そして、この第2の大当り状態に移行すると、開閉板312(開閉部材)に、「第2の単位駆動」が施される。
この「第2の単位駆動」は、開閉板312(開閉部材)の姿勢を、「閉鎖姿勢」から、「開放姿勢」に移行させ、この開放姿勢を、「第1の時間よりも短い第2の時間(例えば、0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」維持した後、この開閉板312(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板312(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「第2の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第2のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計2回(第2の回数の具体例を示す。)実行されると、遊技機1の遊技状態は、第2の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「チャンス当りに起因する第2の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動状態とされる。
本実施例では、個々の第2の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)は、個々の第1の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)よりも短く設定されている。しかも、「第2の大当り遊技状態の間に実行される第2の単位駆動の回数」は、「第1の大当り遊技状態の間に実行される第1の単位駆動の回数」よりも少なく設定されている。このため、「第2の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第2の確率」)は、「第1の大当り遊技状態」の実行中において可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第1の確率」)に比べて低くされている。そして、本実施例では、第2の時間が「ごく短時間(0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」に設定されると共に、「第2の単位駆動」の「繰り返し実行回数」が最小回数(2回)に設定されている。このため、「第2の確率」は特に低くされ、遊技球の入賞は、ごく希にしか生じない。
b.許容モードの場合
遊技機1の遊技モードの「有効操作実行許容モード」への切り換えは、中間に「リーチ表示」を行う特別図柄表示ゲームのうちで、所定の条件が成立する場合に実行される。つまり、(1)大当りに係る(スタンダード当りであっても、チャンス当りであっても、)に係る特別図柄表示ゲームのうちで、所定の条件が成立する場合と、(2)外れリーチに係る特別図柄表示ゲームのうちで、特定の条件が成立する場合と、に実行される。
この場合においても、先ず、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態は、何れも、第1の状態に維持される。しかも、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197の作動を解除しておく。そして、始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図21〜図23に示すように、液晶表示装置27の本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とにおいて、特別図柄の変動表示(つまり、演出表示)を開始する。そして、疑似図柄表示部275〜277において、「リーチ表示がなされる前の期間」に、遊技機1の遊技モードが、「有効操作実行許容モード」に切り換えられる。
つまり、図21(スタンダード当りの場合を図示)及び図22(チャンス当りの場合を図示)に示すように、特別図柄の変動表示(つまり、演出表示)の開始時においては、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態は、何れも、第1の状態とされる。そして、特別図柄の変動表示(つまり、演出表示)の開始後、所定の期間が経過すると、遊技機1の遊技モードが「有効操作実行許容モード」に切り換えられ(有効期間が開始され)、第1の可動部材711の状態が、第2の状態に切り換えられる(「演出ステップ1」という。)。このとき、第1の検出用センサ196が作動となりつつ、遊技盤10の前方に向かって露出し、被検出体(遊技者の指)Yを検出可能となる。
更に、有効期間が終了するまでの間に、第1の検出用センサ196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると、第2の可動部材721の状態が、第2の状態に切り換えられる(「演出ステップ2」という。)。このとき、第2の検出用センサ197が作動となりつつ、遊技盤10の前方に向かって露出し、被検出体(遊技者の指)Yを検出可能となる。
そして、有効期間が終了するまでの間に、第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると、液晶表示装置27の表示画面271に「プレミアムな図柄(太陽を用いた図柄)」が表示され、液晶表示装置27による「特有の演出表示」が開始される(「演出ステップ3」という。)。
有効期間が終了し、更に、リーチ表示の実行時期となると、液晶表示装置27の表示画面271において、「特有のリーチ表示(太陽を用いた図柄を、同時に表示するリーチ表示)」が実行される(「演出ステップ4」という。)。
そして、所定の変動時間を経過した後、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。これにより、演出期間を終了し、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態は、第1の状態に戻される。このとき、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197の作動状態が解除される。
図23に例示するように、「有効期間が終了するまでの間に、第1の検出用センサ196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出しなかった場合」や、「有効期間が終了するまでの間に、第1の検出用センサ196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出したが、第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出しなかった場合」には、演出期間の終了後、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態は、第1の状態に戻される。つまり、ステップアップ演出処理(後述する。)が開始されたが、このステップアップ演出処理が未完に終わった場合は、演出期間の終了後、両可動部材711、721の状態は第1の状態に戻される。
尚、図示を省略するが、「遊技機1の遊技モードが許容モードの場合」においても、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)の確定表示がなされた後の処理は、前述の「遊技機1の遊技モードが通常モードの場合」と同様に行われる。例えば、「大当り表示(スタンダード通常当り図柄を用いた大当り表示)」が行われ、「第1の大当りに移行するための移行表示」を実行すると、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。また、「大当り表示(チャンス当り図柄を用いた大当り表示)」が行われ、「第2の大当りに移行するための移行表示」を実行すると、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行する。更に、「外れ表示」がされた場合、遊技機1の遊技状態は大当り状態に移行しない。
(5)主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置130によって実行される遊技機1の制御の内容について説明する。
a.主制御部メインジョブ
図24は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部140に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部400に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。
尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する(S10)。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後、音声・ランプ制御部170に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う。尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部401に内蔵されているCPU480の動作チェックやRAMの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部170や、払出制御部150、図柄制御部160などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機1の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置32や液晶表示装置27(図2参照)などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部160に対して指定するコマンドである。
図25は、主制御部140から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部140に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部140が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に転送され、図柄制御部160の制御の下で普通図柄表示装置32あるいは液晶表示装置27のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機1では、主制御部140が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160、払出制御部150など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部140と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機1の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部140内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。
主制御部140は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図24に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する(S30)。ここでデモ表示とは、遊技機1がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過したか否かを判断する(S80)。そして、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数が所定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される(S83)。この普通図柄保留数(未始動回数)が所定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、S100へスキップする。また、所定個数内の保留数(未始動回数)であれば、S85において、普通図柄保留数メモリ(図示を省略するが、RAM481に設けられている。)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S90において、普通図柄に関する当否抽選に用いる当否抽選乱数(「当否抽選」に用いる乱数)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ(図示を省略するが、RAM481に設けられている。)に記憶した後、S100の処理に移行する。また、普通図柄変動ゲート36,37を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合(S95:YES)も、S100の処理に移行する。
S100の処理においては、普通図柄表示装置32における演出を制御するためのジョブ(普通図柄制御ジョブ)を行い、更に、S200の処理においては、普通電動役物171の駆動を制御するためのジョブ(普通電動役物駆動制御ジョブ)を行う。
次いで、主制御部140は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検出するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板340に伝達される。そして、主制御部140は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部140は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する(S310)。この賞球コマンドは、主制御部140から払出制御部150に向かって出力され、払出制御部150ではコマンドに従って賞球払出装置109を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部140から音声・ランプ制御部170にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部140は、遊技球の入球した入賞口が始動口17か否か、つまり、始動入賞を生じたか否かを判断する(S315)。そして、始動口17でない場合(S315;NO)は、S350へスキップする。一方、入球した入賞口が始動口17である場合は(S315:YES)、S320において、特別図柄保留数が特定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数(未始動回数)が特定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S500へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数(未始動回数)であれば、S325において、特別図柄保留数メモリ481b(図9参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S330において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S330において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図14参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶した後、S500の処理に移行する。このメモリ481aは、読み込んだ判定乱数値を特別図柄始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
この特別図柄当否判定乱数メモリ481aは、図14(b)に示すように、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ481aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
このS500の処理では、液晶表示装置27における演出を制御するためのジョブ(特別図柄制御ジョブ)が行われる。そして、S500の処理に後続する処理を、遊技状態制御ジョブ(S900)で実施した後、所定の「1つの始動入賞に伴う一連の図柄表示ゲーム」を終了する。尚、特別図柄制御ジョブS500の内容については後述する。また、S350において、特別図柄保留数(未始動回数)が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900)は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFとされたか否かを判断し(S980)、電源がONであると判断された場合は(S980:NO)、再びS30のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機1の電源がOFFになったと判断された場合は(S980:YES)、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機1の遊技状態が終了する。
b.主要なジョブの説明
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)と、遊技状態制御ジョブ(S900)とについて説明する。図26(a)は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S500)は、以下のように行われる。即ち、図27に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図14参照)から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、図13に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か、つまり、遊技機1の遊技モードが確率変動状態であるか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図28に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための第1本図柄と、第2本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ481e(図14参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS668の処理に移行する。
一方、両者が一致していれば(S660;YES)、当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S664の処理に移行する。このS664の処理は、S660の処理で肯定判断された当選(確変当り)が、「チャンス当り」であるのか否かを判断する処理である。そして、「チャンス当り」でない場合(スタンド確率変動当りである場合)は(S664;NO)、そのままS668の処理に移行する。これに対して、「チャンス当り」である場合は(S664;YES)、チャンス当りフラグをセットした後(S666)、S668の処理に移行する。尚、「チャンス当りフラグ」は、チャンス当りを生じたことを示すフラグである。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、特別図柄判定結果メモリ481i(図14参照)にセットする。尚、本実施例では、S660処理、つまり、「確変(確率変動)」に関する抽選(確変抽選)を「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。同様に、大当りの態様(第1の大当りであるか、第2の大当りであるか)を決定するための抽選も、「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この抽選を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この抽選に関する専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図27に示すように、S680で外れ第1本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第1本図柄番号メモリ481f(図14参照)に記憶する(S682)。同様に、S684で外れ第2本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第2本図柄番号メモリ481g(図14参照)に記憶する(S686)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、特別図柄判定結果メモリ481i(図14参照)」にセットする。
特別図柄制御ジョブ(S500)では、図26(a)に示すように、この「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S700)では、「本図柄指定コマンド(本図柄表示部272、273において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「本図柄変動パターン指定コマンド(本図柄表示部272、273において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドであり、図13に示した主回路部400の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている{図26(b)}。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第1本図柄表示部272に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第1本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド1」と表記することもある。)」と、第2本図柄表示部273に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第2本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド2」と表記することもある。)」とが存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、当否判定の結果が「大当り(第1の大当りでも、第2の大当りでもよい。)」の場合(S840;YES)に出力される「大当り関連表示コマンド(S841)」も含まれている。この「大当り関連表示コマンド(S841)」は、大当り図柄の確定表示(大当り表示)の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄(本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。)の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記当否判定(S620、S625)の結果が大当りである場合、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「大当り本図柄番号メモリ481eに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」及び「本図柄指定コマンド2」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記大当り判定(S620、S625)の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第1本図柄番号メモリ481fに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」に設定し、前述の「外れ第2本図柄番号メモリ481gに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド2」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
次に、遊技状態制御ジョブ(S900)に関し、図29〜図31を用いて説明する。この遊技状態制御ジョブ(S900)は、前述の「特別図柄表示ゲーム」において、判定結果図柄の確定表示後に実行される。この遊技状態制御ジョブ(S900)では、特別図柄判定結果メモリ481iに「大当りフラグ」がセットされているか否か(つまり、当否判定の結果が大当りであるか否か)が判断される(S902)。そして、S902で「大当りフラグ」がセットされていると判断される場合(S902;YES)、この「大当りフラグ」を解除し、S921以降の処理に移行する。
S902の処理で「大当りフラグ」がセットされいないと判断される場合(S902;NO)、図31に示すように、「外れフラグ(S690)を解除する(S906)。次いで、確変移行フラグが設定されているか否かを判断する(S904)。そして、設定されていない場合(S904;NO)、S911の処理で否定的な判断がなされること(S911;NO)を条件に遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。これにより、1回の「始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。尚、S911の処理の内容や、S911の処理で肯定的な判断がなされる場合(S911;YES)において、その後、実行される処理の内容に関しては後述する。
S904の処理において、確変移行フラグが設定されていると判断されると(S904;YES)、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S905)。尚、この「確変移行フラグ」は、後述するように(S997)、遊技機1の遊技モードが確率変動状態(確変状態)にあることを示すフラグであって、「確変当りに係る大当り状態(スタンダード確率変動当りに係る第1の大当り状態、若しくは、チャンス当りに係る第2の大当り状態)」の終了後においてセットされる。また、「確変カウンタ」は、遊技機1の遊技モードが確率変動状態(確変状態)に移行した後に、「大当り(第1の大当り、第2の大当り)」の判定結果図柄を表示することなく行った図柄表示の回数(つまり、当否判定で、外れ判定が行われた累積回数)を示す。つまり、遊技機1の遊技モードが確率変動状態(確変状態)に移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置27による図柄の変動表示」の累積実行回数を示す。尚、液晶表示装置27による図柄の変動表示(つまり、演出表示)は、変動表示を開始し、確定図柄(判定結果を示す図柄)を確定表示するまでを「1回」とする。
S905において、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したか否かを判断する(S906)。そして、「50」に到達していなければ(S906;NO)、時短移行フラグが、設定されているか否かが判断される(S911)。但し、時短移行フラグは、後述するように、S906処理で一端、肯定判断されることを前提に設定される。このため、「確変カウンタ」の値が1〜49の場合(S906;NO)、S911において否定的な判断がなされ、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは確率変動状態に維持される。
ここで、「時短移行フラグ」は、後述するように(S910)、遊技機1の遊技モードが時短状態にあることを示すフラグである。この「時短移行フラグ」は、確率変動状態(確変状態)の下で、所定の上限回数(本実施例では、50回)の当否判定を実行し、確率変動状態(確変状態)が解除された後にセットされる。
S906の処理で、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したと判断されると(S906;YES)、「確変カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)し(S907)、確変移行フラグを解除した後(S908)、時短移行フラグを設定する(S910)。そして、このS910処理に続いてS911の処理を実行する。この場合、S911の処理は肯定判断され(S911の処理の直前に、S910の処理を経ているから)、S920の処理に移行する。
S920の処理においては、「時短カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S920)。この「時短カウンタ」は、遊技機1の遊技モードが時短状態に移行した後に、「大当り(第1の大当り、第2の大当り)」の判定結果図柄を表示することなく行った図柄表示の回数(つまり、当否判定で、外れ判定が行われた累積回数)を示す。つまり、遊技機1の遊技モードが時短状態に移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置27による図柄の変動表示」の累積実行回数を示す。また、904の処理において、確変移行フラグが設定されていないと判断され(S904;NO)、S911の処理で肯定判断がされる場合も、S920の処理に移行する。
S920の処理においては、「時短カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「時短カウンタ」の値が「100」に到達したか否かを判断する(S913)。そして、「100」に到達していなければ(S913;NO)、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは時短状態に維持される。
S913の処理で、「時短カウンタ」の値が「100」に到達したと判断されると(S913;YES)、「時短カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)し(S915)、時短移行フラグを解除した後(S917)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは、通常モードに戻される。
また、904の処理において、確変移行フラグが設定されていないと判断され(S904;NO)、しかも、S911の処理で、確変移行フラグが設定されていないと判断される場合(S911)、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは、通常モードに維持される。
図29に戻り、S902で肯定判断がされ、S920の処理を実行した後には、「確変移行フラグ」、若しくは、「時短移行フラグ」がセットされているか否かが判断され(S921)、セットされていなれば(S921;NO)、そのままS923の処理に移行する。一方、「確変移行フラグ」がセットされていれば(S921;YES)、確変カウンタのクリアと、「確変移行フラグ」の解除を行った後(S922)、S923の処理に移行する。また、「時短移行フラグ」がセットされていれば(S921;YES)、時短カウンタのクリアと、「時短移行フラグ」の解除を行った後(S922)、S923の処理に移行する。
S923の処理では、チャンス当りフラグ(S666)がセットされているか否かが判断される。そして、チャンス当りフラグ(S666)がセットされていない場合(S923;NO)、つまり、スタンダード当りの場合、第1の大当り遊技状態を開始する(S924)。一方、チャンス当りフラグ(S666)がセットされている場合(S923;YES)、チャンス当りフラグ(S666)を解除した後(S1924)、第2の大当り遊技状態を開始する(S1925)。
第1の大当り遊技状態を開始すると(S924)、先ず、第1の連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する(S925)。この「第1の連続カウンタ」の値は、「第1の大当り遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS925の処理の後、開閉板312を開放方向に作動し、大入賞口(第1の入賞部)311を開放し(S927)、大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にして、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第1の単位駆動)を開始する。
大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば、29秒)Tを経過したとき(S930;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S935;YES)に、「停止条件」が成立する。そして、開閉扉750を閉鎖方向に作動し、大入賞口311が閉鎖状態とされ(S940)、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第1の単位駆動)を終了する。尚、所定時間Tが経過しておらず(S930;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ318(図12参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S930によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、第1の連続カウンタの値を「+1」し(S950)、第1の大当り遊技状態の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、第1の連続カウンタの値が、所定の回数N(つまり、第1の回数であって、例えば、15回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定の回数Nに達すると(S955;YES)、第1の大当り遊技状態の終了条件が成立する。この場合、第1の大当り遊技状態を終了し(S960)、遊技機1の遊技状態は「通常遊技状態」となる。
一方、第1の大当り遊技状態の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数Nに到達しない場合(S955;NO)と、再び大入賞口311(開閉扉750)が開放状態となり、可変入賞装置31が遊技球受入状態とされ、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(第1の単位駆動)を開始する。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本実施例では15ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦、第1の大当り遊技を開始すると、当該「第1の大当り遊技状態」の最終ラウンドまでの実行が保証される。尚、S950の処理と、S955の処理の間において、「継続条件」の成否の判断を行うこととしてもよい。
S960で、第1の大当り遊技状態を終了した後に、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S995)。つまり、終了した「第1の大当り遊技状態」が、確変当り(スタンダード確率変動当り)に基づくものであるか否かが判断される(S995)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S995;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S996)と、確変移行フラグを設定する処理(S997)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。尚、S997の処理は、遊技モード変更手段の具体例を構成する。一方、S995において、「NO」と判断される場合には、S996の処理と、S997の処理を実行することなく、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
尚、S997において、確変移行フラグが設定され、遊技機1が、「確率変動状態」に移行すると、上記特別遊技状態終了後、特別図柄の変動が50回行われるまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜10倍に向上する。
第2の大当り遊技状態を開始すると(S1925)、先ず、第2の連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する(S1926)。この「第2の連続カウンタ」の値は、「第2の大当り遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS1926の処理の後、開閉板312を開放方向に作動し、大入賞口311を開放し(S1927)、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第2の単位駆動)を開始する。
大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば、0.2秒)tを経過したとき(S1930;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S1935;YES)に、「停止条件」が成立し、開閉板312を閉鎖方向に作動し、大入賞口311が閉鎖状態とされ(S940)、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第2の単位駆動)を終了する。
尚、所定時間tが経過しておらず(S1930;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S1935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ1318(図12参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S1930によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、第2の連続カウンタの値を「+1」し(S1950)、第2の大当り遊技状態の終了条件を満たすか否かが判断される(S1955)。例えば、第2の連続カウンタの値が、所定の回数M(つまり、第2の回数であって、例えば、2回)に到達したか否かが判断され(S1955)、所定の回数Mに達すると(S1955;YES)、第2の大当り遊技状態の終了条件が成立する。この場合、第2の大当り遊技状態を終了し(S1960)、遊技機1の遊技状態は「通常遊技状態」となる。
一方、第2の大当り遊技状態の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数Nに到達しない場合(S1955;NO)と、再び大入賞口311(開閉扉85)が開放状態となり、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(第2の単位駆動)を開始する。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「単位駆動」は、最終ラウンド(本実施例では2ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S1935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦第2の大当り遊技を開始すると、当該「第2の大当り遊技状態」の最終ラウンドまでの実行が保証される。但し、「第2の大当り遊技状態」においては、個々の「第2の単位駆動」が短時間で行われ(0.2秒)、しかも、実行するラウンド数が少ない(2ラウンド)ため、この第2の大当り遊技状態の実行中において、第2の可変入賞装置80への入賞は、困難とされている。
尚、S1925〜S1960に至る処理が、第2の駆動手段(換言すると、第2の大当り遊技状態の実行手段)の具体例を構成する。また、S1950の処理と、S1955の処理の間において、「継続条件」の成否の判断を行うこととしてもよい。この場合、「第2の大当り遊技状態」は、「第2の単位駆動」をただ一回実行したところで、終了する確率が高くなる。
S1960で、第2の大当り遊技状態を終了した後においても、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S995)。但し、終了した「第2の大当り遊技状態」は、必ず、確変当り(チャンス当り)であるため、S995の処理においては、必ず、肯定的な判断がなされる。このため、確変当りフラグを解除する処理(S996)と、確変移行フラグを設定する処理(S997)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
尚、本実施例では、「第2の大当り図柄」を「第2の変更図柄」のみで構成する態様を例示したが、この「第2の大当り図柄」を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成してもよい。この場合、第2の大当り遊技状態の発生原因を構成する「第2の大当り図柄」が「第2の通常図柄」であると、S995の処理において、否定的な判断がなされる。
(6)コマンドの送受信
主制御部140及び副制御部(170、160)間のコマンドの送受信に関し、図32及び図33を用いて説明する。この図32及び33は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ{図26(a)}において、ステップS810の処理が初めて実行される時には、図38に示すように、「変動パターン指定コマンド」が出力される。この「変動パターン指定コマンド」は、本図柄(第1〜第2本図柄)の変動を開始させるコマンドであるばかりか、これらの本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図32及び図33において、実線の矢印は、主制御部140に操作信号が供給されていることを模式的に示したものである。また、「白抜きの矢印」は、(1)「演出操作信号」が、主制御部140から、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、(2)主制御部140の発するコマンドが音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、がある。更に、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部170が発したコマンドが図柄制御部160に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部170から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板370は、図32に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。これにより、本図柄(第1〜第2本図柄)と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが1周目の処理を終了して、2周目にS820の処理が実行されるときには、第1本図柄を指定するコマンド(第1本図柄指定コマンドCts1 )を出力する。尚。主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約4msec掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略4msecに、第1本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約4msec後に3周目の処理が実行される時には、第2本図柄を指定するコマンド(第2本図柄指定コマンドCts2 )が出力される。
尚、本実施例では、2つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。こうして特別図柄(本図柄)についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド(本図柄停止コマンドCtstp)を出力する。
そして、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を送信する(S830、図26参照)。また、音声・ランプ制御基板370は、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。そして、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「大当り関連表示コマンド(例えば、大当り表示開始コマンド)」を送信する。
(6)サブ基板において行われる主要なルーチン
a.概略
次に、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160が協働して行う「演出制御(以下、「図柄・演出制御」)について説明する。尚、以下に述べるように、音声・ランプ制御部170は、「駆動制御手段」、「決定手段」、「遊技モード切換手段」、「演出変化手段」、及び、「作動選択手段」の具体例を構成する。つまり、「駆動制御手段」、「決定手段」、「遊技モード切換手段」、「演出変化手段」、及び、「作動選択手段」は、音声・ランプ制御部170のCPU171と、音声・ランプ制御部170のROM173に格納された制御プログラム等によって構成されている(図15を参照)。
音声・ランプ制御部170は、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、種々の演出に関する制御を開始する。また、音声・ランプ制御部170は、受け取った図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部160に転送し、図柄制御部160は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。尚、本実施例では、この特別図柄の表示制御に関連する「演出制御」を中心に述べ、普通図柄の表示制御に関連する「演出制御」の説明を省略する。
図34は、特別図柄の表示制御に関連する「図柄・演出制御」の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図24に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部170および図柄制御部160が初期化されると、自動的に開始される処理である。
遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押され、このルーチンが初めて開始されると、演出装置初期化処理が実行される(S1002)。この演出装置初期化処理においては、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態は、何れも、第1の状態に維持されているか否か等が判断される。つまり、「動作位置検出用センサS1が第1の可動部材711の状態が第1の状態にあることを検出しているか否か」と、「第1の検出用センサ196及び第1の検出用センサ197が作動を停止しているか否か」、「ソレノイド810においてソレノイドコイルへの通電が解除されているか否か」と、が確認される。
このように、演出装置初期化処理が実行されると、音声・ランプ制御部170においては、図柄表示制御コマンドの受信待ちの状態となる。そして、音声・ランプ制御部170が、変動パターン指定コマンドを受信すると(S1005;YES)、この変動パターン指定コマンドが、直ちに、図柄制御部160に転送され、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動表示を開始する(S1010)。このとき、音声・ランプ制御部170においては、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)の変動時間を管理するための「変動時間タイマT1」がセットされる(S1010)。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、音声・ランプ制御部170が、全ての本図柄指定コマンドを全て受信する(S1020;YES)と共に、全ての本図柄指定コマンドが図柄制御部160に転送されると、演出制御処理を行う(S1100)。
この演出制御処理(S1100)においては、図35に示すうように、先ず、受信した「本図柄指定コマンド」に基づき、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドが、大当り判定に係るものであるか否かを判断し(S1103)、大当り判定に係るものある場合には(S1103;YES)、疑似図柄表示部275〜277において実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、リーチ表示の態様等」として、「大当り用」を選択する(S1105)。
S1103において「NO」と判断される場合は、疑似図柄表示部275〜277において実行される「疑似図柄の表示態様(例えば、疑似図柄の停止図柄の態様、外れリーチ表示を行う場合は、その態様等」として、「外れ用」を選択する(S1110)。この場合、S1110に、疑似図柄の表示態様として、外れリーチ表示(外れリーチ演出)が選択されない場合(S1113;NO)は、リーチ表示(外れリーチ演出)を伴わない「通常タイプの演出」を実行した後(S1125)、演出制御処理(S1100)を終了して、図柄・演出制御ルーチンに復帰する。
S1105において「大当り用」の「疑似図柄の表示態様」を選択した場合と、S1113において「リーチ型の外れ表示」のための「疑似図柄の表示態様」を選択した場合には、S1120において、「ステップアップ演出」を実行するか否かが判断される(S1120)。この「ステップアップ演出」とは、遊技機1の遊技モードが「有効操作実行許容モード」である間(有効期間中)に行われる演出である。具体的には、前述の「演出ステップ1〜演出ステップ4」に係る演出を指す。尚、S1120の処理は、音声・ランプ制御部170が「決定手段」として機能する際の具体的な処理を例示するものである。
このS1120の判断は、例えば、以下のように行われる。つまり、S1005の処理で受信した「変動パターン指定コマンド」に基づいて定められる「全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)の変動時間」が十分であることを前提として、音声・ランプ制御部170において、所定の抽選を行い、この抽選結果が当選である場合のみ、S1120の処理において肯定的な判断がなされるようにしてもよい。尚、「全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)の変動時間」が十分であるとは、例えば、当該「変動時間」が、前述の「演出ステップ1〜演出ステップ4に係る演出」を完結させる上で、十分な長さであることを指す。
S1120において否定的な判断がなされる場合(S1120;NO)には、「通常態様のリーチ表示」を伴う「通常タイプの演出」を実行した後(S1125)、演出制御処理(S1100)を終了して、図柄・演出制御ルーチンに復帰し、S1700の処理に移行する。
S1120において肯定的な判断がなされる場合(S1120;YES)には、S1122以下の処理に移行する。このS1122の処理においては演出フラグがセットされる。そして、このS1122の処理を終了すると、遊技機1の遊技モードが、「有効操作実行許容モード」に移行し、「有効期間」が開始される(S1123)。同時に、「リーチタイマT3」を「リーチ時(疑似図柄によるリーチ表示の実行予定時)」にセットすると共に、「有効期間終了タイマーT2」を「リーチ前(疑似図柄によるリーチ表示の実行予定時前)」にセットする(S1123)。尚、この「リーチタイマT3」は、リーチ表示の実行時を管理するための手段であり、「有効期間終了タイマーT2」は、有効期間の終了時を管理するための手段である。また、S1123の処理は、音声・ランプ制御部170が「遊技モード切換手段」として機能する際の具体的な処理を例示するものである。
S1123の処理に続いて、「ステップアップ演出処理」を実行する(S1130)。この「ステップアップ演出処理」を開始すると、先ず、第1の役物装置710が作動し、第1の可動部材711の状態が、第1の状態から第2の状態に変化する(S1135、「演出ステップ1」を実行)。これにより、第1の検出用センサ196が、遊技盤10の前方を向いた状態となる。このとき、第1の検出用センサ196が作動状態とされ(第1の検出用センサ196が有効化され)、第1の検出用センサ196が被検出体(遊技者の指)Yを検出することが可能となる。尚、S1135の処理や後述するS1150の処理は、音声・ランプ制御部170が「作動選択手段」として機能する際の具体的な処理を例示するものである。
この後、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出するか否かを監視する(S1140、S1145)。そして、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出しない場合(S1140;YES、S1145;NO)、S1280の処理に移行する。
一方、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出する場合(S1140;NO、S1145;YES)、第2の可動部材721の状態が、第1の状態から第2の状態に変化する(S1150、「演出ステップ2」を実行)。このS1150の処理は、音声・ランプ制御部170が「演出変化手段」として機能する際の具体的な処理を例示するものである。このS1150の処理により、第2の検出用センサ197が、遊技盤10の前方に露出した状態となる。このとき、第2の検出用センサ197が作動状態とされ(第1の検出用センサ197が有効化され)、被検出体(遊技者の指)Yを検出することが可能となる。
S1150の処理の後、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出するか否かを監視する(S1155、S1160)。そして、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出しない場合(S1155;YES、S1160;NO)、S1280の処理に移行する。
一方、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出する場合(S1155;NO、S1160;YES)、液晶表示装置27の表示画面271に「プレミアムな図柄(太陽を用いた図柄)」が表示され、液晶表示装置27において特別演出が開始される(S1200、「演出ステップ3」を実行)。つまり、第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出することで、「遊技者が、ステップアップ演出を完結するために必要な操作」を完了する。このS1200の処理も、音声・ランプ制御部170が「演出変化手段」として機能する際の具体的な処理を例示するものである。
このS1200の処理の後においては、「リーチタイマT3」がタイムアップするのを持って(S1270;YES)、液晶表示装置27の表示画面271において、「特有のリーチ表示(太陽を用いた図柄を、同時に表示するリーチ表示)」を実行し(S1275、「演出ステップ4」を実行し)、「ステップアップ演出処理(S1130)」を終了する。そして、演出制御処理(S1100)を終了し、図柄・演出制御ルーチンに復帰し、S1700の処理に移行する。
また、前述の如く、S1140、若しくは、S1155の処理で肯定的な判断がなされる場合、S1280の処理に移行する。つまり、遊技者が、「有効期間」中において、「ステップアップ演出を完結するために必要な操作」を完了しなかった場合(S1140;YES、S1160;YES)、S1280の処理に移行する。そして、「リーチタイマT3」がタイムアップするのを持って(S1280;YES)、液晶表示装置27の表示画面271において、「通常のリーチ表示(太陽を用いた図柄を、同時に表示しないリーチ表示)」を実行し(S1283)、「ステップアップ演出処理(S1130)」を終了する。そして、演出制御処理(S1100)を終了し、図柄・演出制御ルーチンに復帰し、S1700の処理に移行する。
図柄・演出制御ルーチンに復帰した後、音声・ランプ制御部170が本図柄停止コマンドの受信すると(S1700;YES)、この本図柄停止コマンドが図柄制御部160に転送され、全特別図柄(つまり、全本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動が停止する(S1710)。尚、この「音声・ランプ制御部170が本図柄停止コマンドの受信するとき」に、前述の「変動時間タイマ1」もタイムアップ(終了)する(S1710)。
このS1710の処理の後、演出フラグがセットされているか否かが判断され(S1720)、セットされていない場合(S1720;NO)は、つまり、「ステップアップ演出処理(S1130)」を実行しなかった場合は、そのままS1800の処理に移行する。
一方、セットされている場合(S1720;YES)は、つまり、「ステップアップ演出処理(S1130)」を実行した場合は、演出フラグを解除する処理(S1725)を行った後、「復帰処理」を行うことが必要か否かを判断する(S1728)。ここで、「復帰処理」とは、「第2の状態にある可動部材を第1の状態に復帰させると共に、作動状態にある検出手段(検出用センサ)の作動を解除する処理」である。この「復帰処理」には、2通りの態様があり、ステップアップ演出を完結した場合の復帰処理(以下、「前者の態様」という。)と、ステップアップ演出が未完の場合の復帰処理(以下、「後者の態様」という。)と、がある。つまり、「前者の態様」では、第2の状態にある第1の可動部材711を第1の状態に復帰させ、第1の検出用センサ196の作動状態を解除すると共に、第2の状態にある第2の可動部材721を第1の状態に復帰させ、第2の検出用センサ197の作動状態を解除することが必要となる。一方、「後者の態様」では、第2の状態にある第1の可動部材711を第1の状態に復帰させ、第1の検出用センサ196の作動状態を解除すればよい。
S1728の処理で、「復帰処理」が必要でないと判断される場合(S1728;NO)、つまり、「ステップアップ演出処理(S1130)」を実行したが、その実行中に(有効期間終了タイマーT2がタイムアップするまでの間に)、遊技者が遊技機1に対して操作を施さなかった場合(S1140;YES)には、そのまま、S1800の処理に移行する。換言すると、「ステップアップ演出処理(S1130)」を実行したが、第1の検出用センサ196が被検出体(遊技者の指)Yを検出しなかった場合、そのまま、S1800の処理に移行する。
一方、S1728の処理で、「復帰処理」が必要であると判断される場合(S1728;YES)、「復帰処理」を実行した後、S1800の処理に移行する。
S1800の処理では、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し(S1800)、受信した場合には(S1800;YES)、大当り関連表示(S1830)に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFになっていないことを確認し(S1850)、電源がOFFでなければステップS1005に戻って続く一連の処理を行う。ステップS1850において電源がOFFであると判断されたら、図柄・演出制御メインルーチン(S1000)を終了する。
(7)実施例1の効果
以上の実施例1によると、有効期間が開始されると、第1の検出用センサ196が第1の可動部材711と一体で動作し、第1の可動部材711の状態が第1の状態から第2の状態となる。また、有効期間の進行中に、第2の検出用センサ197が第2の可動部材721と一体で動作し、第2の可動部材721の状態が第1の状態から第2の状態となる。よって、遊技者は、「遊技機1の遊技モードが、有効操作実行許容モードに切り換えられているか否か」、換言すると、「現在、遊技機1に対して、有効な変化操作を施すことが可能であるか否か」を、視覚によって認識できる。従って、本実施例によると、遊技者は、「遊技機1に変化操作を施すことができる時期」を容易に認識できる。
また、実施例1では、可動部材711、721が動作することにとって、検出用センサ196、197が作動状態となる。つまり、検出用センサ196、197が作動しているか否かを、可動部材711、721の動作によって正確に把握することができる。このため、「遊技演出の変化を欲していない遊技者」は、検出領域に自己の身体を接触させたり、近接させることがないように注意を喚起することが可能なため、「遊技者の意に反する変化操作」を防止することできる。
また、本実施例では、遊技者が、遊技盤10の前方の検出領域に身体(特に、指)を出現させること(接触させたり、近接させること)で、演出手段が実行する演出に変化を与えることができる。しかも、遊技者は、可動部材711、721の動作(第1の状態から前記第2の状態に移行する動作)を確認した後、この可動部材711、721の検出手段196、197を目がけて変化操作を施す。そして、この後、演出手段(液晶表示装置27、可動部材711、721)が実行する演出に変化を生ずるため、遊技者は、遊技演出に直接、参加しているような印象を受ける。よって、本実施例によると、「遊技者の自己参加性」が高められた遊技機1が得られる。
しかも、「遊技者の変更操作」に起因して実行される演出は、可動部材711、721の動作と、液晶表示装置27の動作とを連動させ行われる。また、この演出は、遊技者の注視度が高い、表示画面271と、その前方で集中的に行われる。このため、本実施例によると、遊技者の変更操作に起因して、「幅の広い演出」を実行することができる。
B.実施例2
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2では、可動部材711、721を用いた演出態様が、実施例1と異なっている。具体的には、(1)図7及び図8の代わりに図37を用いる点と、(2)図36の代わりに図38を用いる点と、が実施例1と異なる。その他の点に関しては、実施例1と同様であるため、本実施例では、これらの相違点のみを述べる。
実施例2においても、遊技機1の遊技モードが、「有効操作実行許容モード」に切り換えられていない場合(有効期間外である場合)には、図37(a)に示すように、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態が、何れも、第1の状態とされる。そして、遊技機1の遊技モードが、「有効操作実行許容モード」に切り換えられると(有効期間が開始されると)、図37(b)に示すように、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態が第2の状態となる。このとき、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197が作動状態となりつつ、遊技盤10の前方から視認可能となる。
また、遊技機1の遊技モードが「有効操作実行許容モード」である間(有効期間中)に、第1の検出用センサ196若しくは第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると、液晶表示装置27において、特有の演出表示が開始される(特有のリーチ表示、特有の予告表示等が開始される。)。尚、第1の検出用センサ196、第2の検出用センサ197が被検出体(遊技者の指)Yを検出するか否かを問わず、演出期間の終了後に、第1の可動部材711の状態、及び、第2の可動部材721の状態が第1の状態に戻される。
実施例2の「ステップアップ演出処理S1130」を開始すると、図38に示すように、第1の役物装置710と第2の役物装置720とが同時に作動し、第1の可動部材711の状態と、第2の可動部材721の状態とが、第1の状態から第2の状態に変化する(S1136、「演出ステップ1」を実行)。これにより、第1の検出用センサ196が、遊技盤10の前方を向いた状態となる。このとき、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197が作動状態となる(有効化される。)。これにより、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197の各々が、被検出体(遊技者の指)Yを検出することが可能となる。
この後、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197のうちの少なくとも一方が、被検出体(遊技者の指)Yを検出するか否かを監視する(S1141、S1146)。そして、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出しない場合(S1141;YES、S1146;NO)、S1280の処理に移行する。そして、S1280の処理と、S1283の処理とを実行した後、「ステップアップ演出処理S1130」を終了する。そして、演出制御処理(S1100)を終了し、図柄・演出制御ルーチンに復帰し、S1700の処理に移行する。
一方、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ196及び第2の検出用センサ197のうちの少なくとも一方が、被検出体(遊技者の指)Yを検出する場合(S1141;NO、S1146;YES)、液晶表示装置27の表示画面271に「プレミアムな図柄(太陽を用いた図柄)」が表示され、液晶表示装置27において特別演出が開始される(S1200、「演出ステップ2」を実行)。このS1200の処理は、音声・ランプ制御部170が「演出変化手段」として機能する際の具体的な処理を例示するものである。
このS1200の処理の後においては、「リーチタイマT3」がタイムアップするのを持って(S1270;YES)、液晶表示装置27の表示画面271において、「特有のリーチ表示(太陽を用いた図柄を、同時に表示するリーチ表示)」を実行し(S1275、「演出ステップ3」を実行し)、「ステップアップ演出処理(S1130)」を終了する。そして、演出制御処理(S1100)を終了し、図柄・演出制御ルーチンに復帰し、S1700の処理に移行する。
以上の実施例2によっても、実施例1と同様な効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例2では、各々検出手段196、197を備える可動部材711、721を2個備えると共に、2個の検出手段196、197が同時に第2の状態となる。つまり、実施例2によると、2個の可動部材711、721の状態を同時に第2の状態に変化させるため、遊技者に対して、より強烈なインパクトを与えることができる。しかも、実施例2では、遊技者が操作対象となる可動部材711、721を選択できるため、この遊技者の遊技上の興趣が更に高められる。
C.実施例3
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3では、(a)中央装置26の構造が異なる点と、(b)可動部材の数と配設箇所が異なる点と、(c)中央装置26以外の盤部品(サイドランプ装置38)に可動部材を配設する点と、(d)ステップアップ演出処理の態様が異なる点と、が実施例1と異なる。具体的には、(1)図3に示す中央装置26のうちで、図39に示す部分を図39に従って修正する点と、(2)図15の代わりに図40を用いる点と、(3)ステップアップ演出処理を図41及び図42に従って実行する点と、が実施例1と異なる。その他の点に関しては、実施例1と同様であるため、本実施例では、これらの相違点のみを述べる。
実施例3においては、図39及び図40(a)に示すように、ベース部材26aの前方に隠蔽板29が配設されている。この隠蔽板29は、開口部(表裏面を貫通する窓部)29aを備える略枠形状に構成されている。この開口部29aは、平面形状が略矩形状とされ、液晶表示装置27の表示画面271と略同一形状、略同一サイズとされている。この隠蔽板29は、開口部29aと表示画面271とを前後方向に位置合わせし、開口部29aを通じて、表示画面271を前方(遊技盤10の前方)から視認可能な状態としつつ、中央装置26に組み込まれている。
隠蔽板29は隠蔽用部材の具体例を構成する。つまり、この「略枠形状に隠蔽板29の裏面部(後面部)」と、「ベース部材26aの表面部(前面部)のうちで表示画面271を包囲する枠状の部位」との間には隙間部が形成され、この隙間部によって隠蔽用空間部29kが形成されている。
遊技盤10の前面部において、中央装置26の左斜め下方に位置するサイドランプ装置38は、その一部(前面壁38b)によって隠蔽用部材の具体例を構成する。つまり、サイドランプ装置38の外郭部38aは、遊技盤10の前面部と所定の間隔をおいた位置に配置される前面壁38bを備えている。そして、前面壁38bと、遊技盤10の前面部との間には隙間部が形成され、この隙間部によって隠蔽用空間部38kが形成されている。尚、外郭部38aにおいて、中央装置26を指向する部位は開口部とされている。
実施例3を構成する演出手段は、第1の役物装置1710と、第2の役物装置1720と、第3の役物装置1730と、液晶表示装置27と、を備えている。このうち、第1の役物装置1710は、図40(a)に示すように、第1の可動部材1711と、モータ800(図41を参照)と、第1の検出用センサ1196と、ランプ装置1714と、を備えている。また、第2の役物装置1720は、図40(b)に示すように、第1の可動部材1721と、モータ801(図41を参照)と、第2の検出用センサ1197と、ランプ装置1724と、を備えている。更に、第3の役物装置1730も、同様に、第1の可動部材1731と、モータ802(図41を参照)と、第3の検出用センサ1198と、ランプ装置1734と、を備えている。
第1の可動部材1711は、請求項1の発明の可動部材の具体例を構成すると共に、「鉄砲を模した形状」を備えている。この第1の可動部材1711は、遊技盤10の前方(ガラス板41c、41cの後方)において、遊技盤10に略垂直な回動軸心を中心に回動可能な状態に配置されている。そして、この第1の可動部材1711の前面部には、「実施例1の第1の検出用センサ196」と同様な構成を備える第1の検出用センサ1196が配設されている。つまり、この第1の検出用センサ1196も、検出手段の具体例を構成するものであり、前述の発光装置196aと同様な発光装置1196aと、前述の受光装置196bと同様な受光装置1196bと、を備えている。また、発光装置1196aは、「前述の操作検出基板199bと同様な操作検出基板1199b」を介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。また、受光装置1196bも、この操作検出基板1199bを介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。そして、この第1の検出用センサ1196は、遊技盤10の前方を向いた状態とされている。
第1の役物装置1710においては、第1の可動部材1711の状態が第1の状態にあるときには、第1の可動部材1711全体が「隠蔽用空間部38k」に収まる。このため、第1の検出用センサ1196は、サイドランプ装置38の前面壁38bによって隠蔽され、遊技盤10の前方から視認不可能となる。そして、この状態から、モータ(ステッピング)800を所定のステップ数だけ、正転すると、第1の可動部材1711の一部が、「隠蔽用空間部38k」の外部に露出する。この際、第1の検出用センサ1196が、「隠蔽用空間部38k」に外部に露出し、遊技盤10の前方から視認可能となる。
つまり、第1の可動部材1711の状態は、第2の状態となる。このとき、ガラス板41c、41cの前面部において、第1の検出用センサ1196の前方に位置する部位が検出領域となる。そして、この部位(検出領域)に被検出体(遊技者の指)Yが接触すると、第1の検出用センサ1196が、この被検出体(遊技者の指)Yを検出する。このとき、ランプ装置1714を点灯させることで、あたかも、「鉄砲を発射したような演出」を行う。尚、第1の可動部材1711の状態が第2の状態にあるときに、モータ(ステッピング)800を所定のステップ数だけ、反転すると、第1の可動部材1711は「隠蔽用空間部38k」に収納され、第1の可動部材1711の状態が第1の状態となる。
第2の役物装置1720は、第2の可動部材1721を中央装置26の上部右側に配設している。この第2の可動部材1721の状態が第1の状態にあるときには、第2の可動部材1721全体が「隠蔽用空間部29k」に収まる。このため、第2の検出用センサ1197は隠蔽板29によって隠蔽され、遊技盤10の前方から視認不可能となる。そして、この状態から、モータ(ステッピング)801を所定のステップ数だけ、正転すると、第2の可動部材1721の一部が、「隠蔽用空間部29k」の外部に露出する。この際、第2の検出用センサ1197が、「隠蔽用空間部29k」に外部に露出し、遊技盤10の前方から視認可能となる。
つまり、第2の可動部材1721の状態は、第2の状態となる。このとき、ガラス板41c、41cの前面部において、第2の検出用センサ1197の前方に位置する部位が検出領域となる。そして、この部位(検出領域)に被検出体(遊技者の指)Yが接触すると、第2の検出用センサ1197が、この被検出体(遊技者の指)Yを検出する。このときも、ランプ装置1724を点灯させることで、あたかも、「鉄砲を発射したような演出」を行う。尚、第2の可動部材1721の状態が第2の状態にあるときに、モータ(ステッピング)801を所定のステップ数だけ、反転すると、第2の可動部材1721は「隠蔽用空間部29k」に収納され、第2の可動部材1721の状態が第1の状態となる。また、第2の検出用センサ1197も、検出手段の具体例を構成するものであり、前述の発光装置196aと同様な発光装置1197aと、前述の受光装置196bと同様な受光装置1197bと、を備えている。また、発光装置1197aは、「前述の操作検出基板199cと同様な操作検出基板1199c」を介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。また、受光装置1197bも、この操作検出基板1199bを介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。
第3の役物装置1730は、第3の可動部材1731を中央装置26の上部左側に配設している。この第3の可動部材1731の状態が第1の状態にあるときには、第3の可動部材1731全体が「隠蔽用空間部29k」に収まる。このため、第3の検出用センサ1198は隠蔽板29によって隠蔽され、遊技盤10の前方から視認不可能となる。そして、この状態から、モータ(ステッピング)802を所定のステップ数だけ、反転すると、第3の可動部材1731の一部が、「隠蔽用空間部29k」の外部に露出する。この際、第3の検出用センサ1198が、「隠蔽用空間部29k」に外部に露出し、遊技盤10の前方から視認可能となる。
つまり、第3の可動部材1731の状態は、第2の状態となる。このとき、ガラス板41c、41cの前面部において、第3の検出用センサ1198の前方に位置する部位が検出領域となる。そして、この部位(検出領域)に被検出体(遊技者の指)Yが接触すると、第3の検出用センサ1198が、この被検出体(遊技者の指)Yを検出する。このときも、ランプ装置1734を点灯させることで、あたかも、「鉄砲を発射したような演出」を行う。尚、第3の可動部材1731の状態が第2の状態にあるときに、モータ(ステッピング)802を所定のステップ数だけ、反転すると、第2の可動部材1721は「隠蔽用空間部29k」に収納され、第3の可動部材1731の状態が第1の状態となる。また、第3の検出用センサ1198も、検出手段の具体例を構成するものであり、前述の発光装置196aと同様な発光装置1198aと、前述の受光装置196bと同様な受光装置1198bと、を備えている。また、発光装置1198aは、「前述の操作検出基板199cと同様な操作検出基板1199d」を介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。また、受光装置1198bも、この操作検出基板1199dを介して、音声・ランプ制御部170を構成する入出力ポート174に接続されている。
実施例3においては、有効期間が開始されると、第1の可動部材1711の状態は、第1の状態から第2の状態となる。そして、第1の検出用センサ1196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると共に、乱数を用いた抽選に当選すると、第2の可動部材1721の状態は、第1の状態から第2の状態となる。更に第2の検出用センサ1197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると共に、乱数を用いた抽選に当選すると、第3の可動部材1731の状態は、第1の状態から第2の状態となる。そして、第3の検出用センサ1198が、被検出体(遊技者の指)Yを検出すると共に、乱数を用いた抽選に当選すると、液晶表示装置27の表示画面271を用いた特別の演出が開始される。この特別の演出は、表示画面271に、「鉄砲が命中したことを示す図柄T」の表示を行うことによってなされる(図39を参照)。
実施例3の「ステップアップ演出処理」は、図42及び図43に従って実行される。この「ステップアップ演出処理」を開始すると、先ず、第1の役物装置1710が作動し、第1の可動部材1711の状態が、第1の状態から第2の状態に変化する(S1135、「演出ステップ1」を実行)。これにより、第1の検出用センサ1196が、遊技盤10の前方を向いた状態となる。このとき、第1の検出用センサ1196が作動状態となり(有効化され)、被検出体(遊技者の指)Yを検出することが可能となる。
この後、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ1196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出するか否かを監視する(S1140、S1145)。そして、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ1196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出しない場合(S1140;YES、S1145;NO)、S1280の処理に移行する。
「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第1の検出用センサ1196が、被検出体(遊技者の指)Yを検出する場合(S1140;NO、S1145;YES)、「第2の役物装置1720を作動させるか否か」に関し、乱数を用いて抽選する(S1147)。そして、この抽選の結果が落選の場合(S1152;NO)、再び、S1140に戻り、S1140以降の処理を実行する。つまり、遊技者は、時間の許す限り(有効期間終了タイマーT2がタイムアップするまで)、第1の検出用センサ1196に対して、連続的な変更操作を施すことができる。この際、遊技者は、あたかも、「鉄砲を連射しているような感覚」を味わうことになる。
当選の抽選の結果が得られると(S1152;YES)、第2の役物装置1720が作動し、第2の可動部材1721の状態が、第1の状態から第2の状態に変化する(S1154、「演出ステップ2」を実行)。これにより、第2の検出用センサ1197が、遊技盤10の前方から視認可能な状態となる。このとき、第2の検出用センサ1197が作動状態となり(有効化され)、被検出体(遊技者の指)Yを検出することが可能となる。
この後、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第2の検出用センサ1197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出するか否かを監視する(S1155、S1160)。そして、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第2の検出用センサ1197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出しない場合(S1155;YES、S1160;NO)、S1280の処理に移行する。
「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第2の検出用センサ1197が、被検出体(遊技者の指)Yを検出する場合(S1155;NO、S1160;YES)、「第3の役物装置1730を作動させるか否かに関し、乱数を用いて抽選する(S1162)。そして、この抽選の結果が落選の場合(S1165;NO)、再び、S1155に戻り、S1155以降の処理を実行する。この場合も、遊技者は、時間の許す限り(有効期間終了タイマーT2がタイムアップするまで)、第2の検出用センサ1197に対して、連続的な変更操作を施すことができ、これによっても、あたかも、「鉄砲を連射しているような感覚」を味わうことができる。
当選の抽選の結果が得られると(S1165;YES)、第3の役物装置1770が作動し、第3の可動部材1731の状態が、第1の状態から第2の状態に変化する(S1170、「演出ステップ3」を実行)。これにより、第3の可動部材731の状態が、第1の状態から第2の状態に変化する(S1165、「演出ステップ3」を実行)。これにより、第3の検出用センサ198が、遊技盤10の前方に露出した状態となる。このとき、第3の検出用センサ1198が作動状態となり(有効化され)、被検出体(遊技者の指)Yを検出することが可能となる。
S1170の処理の後、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第3の検出用センサ198が、被検出体(遊技者の指)Yを検出するか否かを監視する(S1177、S1178)。そして、「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第3の検出用センサ198が、被検出体(遊技者の指)Yを検出しない場合(S1177;YES、S1178;NO)、S1280の処理に移行する。
「有効期間終了タイマーT2」がタイムアップするまでの間に、第2の検出用センサ198が、被検出体(遊技者の指)Yを検出する場合(S1177;NO、S1178;YES)、「液晶表示装置27の表示画面271を用いた特別の演出」を行うか否」かに関し、乱数を用いて抽選する(S1180)。そして、この抽選の結果が落選の場合(S1182;NO)、再び、S1177に戻り、S1155以降の処理を実行する。この場合も、遊技者は、時間の許す限り(有効期間終了タイマーT2がタイムアップするまで)、第3の検出用センサ1198に対して、連続的な変更操作を施すことができ、これによっても、あたかも、「鉄砲を連射しているような感覚」を味わうことができる。
当選の抽選の結果が得られると(S1182YES)、「液晶表示装置27の表示画面271を用いた特別の演出」を行う(S1220、「演出ステップ4」を実行)。このS1220の処理の後においては、「リーチタイマT3」がタイムアップするのを持って(S1270;YES)、液晶表示装置27の表示画面271において、「特有のリーチ表示」が実行し(S1275、「演出ステップ5」を実行し)、「ステップアップ演出処理(S1130)」を終了する。そして、演出制御処理(S1100)を終了し、図柄・演出制御ルーチンに復帰し、S1700の処理に移行する。
また、前述の如く、S1140、S1155、若しくは、S1177の処理で肯定的な判断がなされる場合、S1280の処理に移行する。つまり、遊技者が、「有効期間」中において、「ステップアップ演出を完結するために必要な操作」を完了しなかった場合(S1140;YES、S1160;YES、S1177;YES)、S1280の処理に移行する。そして、「リーチタイマT3」がタイムアップするのを持って(S1280;YES)、液晶表示装置27の表示画面271において、「通常のリーチ表示」が実行し(S1283)、「ステップアップ演出処理(S1130)」を終了する。そして、演出制御処理(S1100)を終了し、図柄・演出制御ルーチンに復帰し、S1700の処理に移行する。
実施例3によると、実施例1と同様な効果が得られる。しかも、実施例3では、各々検出用センサ196〜198を備える可動部材1711、1721、1731を複数個備える。そして、1個の検出用センサ1196〜1198が作動すると、他の可動部材1711、1721、1731の状態が、第1の状態から第2の状態に変化し、当該他の可動部材に配設された検出用センサ1196〜1198が、「被検出体」を検出可能となる。つまり、1個の可動部材1711を対象して、変化操作を行うと、この変化操作に連動して、他の可動部材1721、1731が作動する。即ち、遊技者の変化操作に基づいて、複数個の可動部材1711、1721、1731が連動して動作するため、より斬新で、幅の広い演出を実行できる。
特に、本実施例では、音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御部170のCPU171と、音声・ランプ制御部170のROM173に格納された制御プログラム等)が、「変化作動選択手段」として機能し、S1147、S1152、S1162、S1155、S1180、S1220の処理等を実行する。つまり、実施例3の遊技機は、「演出変化手段を作動状態とするか否かを選択するための変化作動選択手段」を備える。そして、検出用センサ1196〜1198が被検出体Yを検出する毎に、この変化作動選択手段が作動し、役物装置(1720、1730)を作動させて演出に変化を与えるか否か(S1152、S1165)や、液晶表示装置27で特別な表示を行って演出に変化を与えるか否か(S1182)を判断する。このため、実施例3の遊技機によると、より臨場感に富んだ遊技を実行できる。具体的には、「演出の変化を味わいたい遊技者には、あたかも、鉄砲の連射を行うような変更操作を行わせる。」という、より臨場感に富んだ遊技を実行できる。
尚、この「変化作動選択手段」は、実施例3のように、「演出変化手段を作動状態とするか否かを選択するための手段」であってもよいし、「演出変化手段を作動状態とするか否かと、演出変化手段の作動態様とを選択するための手段」であってもよい。また、「演出変化手段の作動態様のみを選択するための手段」であってもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
即ち、本実施例では、検出手段を可動部材と一体で動作可能としたが、図44に示す変形例1のように、検出手段3000を遊技盤10に設け、可動部材3100を第1の状態とすると、検出手段3000の前方が遮断され、可動部材3100を第2の状態とすると、検出手段3000の前方が開放されるように構成してもよい。
各実施例及び変形例2では、弾球遊技機への適用例を述べたが、図45に示す変形例2のように、回胴式遊技機1500に対して、可動部材1510、1520を配設することもできる。この回胴式遊技機1500は、前面部の上方側に演出用の図柄表示装置(液晶表示装置)1501を備え、前面部の中央に、入賞役の確定表示を、変動表示を経て表示するための「入賞役確定表示用の図柄表示装置1502とを備える。この回胴式遊技機1500において、図柄表示装置(液晶表示装置)1501の前方であって、この図柄表示装置(液晶表示装置)1501の表示画面1501aと所定の距離を隔てた位置にガラス板(透明板)1503が配設されている。そして、ガラス板(透明板)1503の後面部と、図柄表示装置(液晶表示装置)1501の表示画面1501aとの間に形成される空間部内に、可動部材1510、1520を配設している。
上記した各実施例や各変形例の形態では、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170の制御下で用いる態様を説明した。即ち、図柄制御部160を、主制御部140の2次側(下流)にある音声・ランプ制御部170を介して、主制御部140の2次側(下流)に接続する設ける態様を例示したが、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170よりも1次側(上流側)に配置することもできる。
つまり、図46の変形例3のように、主制御部140の2次側(下流)に所定の伝送経路500aを用いて図柄制御部160を接続し、図柄制御部160の2次側に所定の伝送経路500bを用いて音声・ランプ制御部170を接続する。そして、音声・ランプ制御部170の2次側(下流)に所定の伝送経路を用いて、液晶柄表示装置27を接続してもよい。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、液晶表示装置27での図柄(本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置32での普通図柄の表示制御を図柄表示部160で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置27における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置32における普通図柄の表示制御とを主制御部140で行い、液晶表示装置27における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部160で行うようにしても良い。