以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
[第1の実施形態]
<1.構成の概要:図1、図2>
図1は、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
まず図1を参照して、パチンコ遊技機1の正面側の構成について説明する。図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。またさらに上受け皿ユニット8には、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出に変化をもたらすことができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この枠演出ボタン13は、遊技者が操作可能な手操作手段として働く。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する複数の装飾ランプ45が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図2に示す遊技盤3は、略正方形状の木製合板または樹脂板を主体として構成されている。この遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されている。この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示および停止表示が可能である液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面(表示領域)の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護する鎧部として働く。本実施形態では、センター飾り48が遊技領域3aのほぼ中央部に配置されており、遊技領域3aの右側には遊技球の流路が形成されてないように構成されている。しかし、センター飾り48を遊技領域3aのほぼ中央部に配置することにより、遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように構成しても良い。
またセンター飾り48には、適所に、その動作態様により視覚的演出効果を奏する可動体役物51、52、60、80が設けられている。なお図示していないが、センター飾り48には、液晶表示装置36の前側下部に、鎧枠部48bの左側部に設けられた入球口(図示せず)から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて、左右方向中央の落下口(始動口案内路)またはその左右両側から落下させるステージが設けられている。
また遊技盤3の右下縁付近(右下隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。上記の特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、演出画像とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。なお、遊技領域3aの右側に遊技球の流路を形成する構成とする場合は、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入賞容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入賞困難または入賞不可能な構成とするのがよい。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されており、具体的には、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」の入賞装置として構成されている。普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の左斜め上方には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37が設けられている。この普通図柄始動口37(第3の始動手段)は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお、遊技領域3aの右側に遊技球の流路を形成する構成とする場合は、普通図柄始動口37を左流下経路のみに形成しても良い。
上記下始動口35の下方には、開放扉42bにより大入賞口40を開閉可能に構成された特別変動入賞装置42(特別電動役物)が配設され、その内部には大入賞口40に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ40a(図3参照)が形成されている。
上記の上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口40、または一般入賞口43などの各入賞口は、遊技領域3a内に配置された入賞手段として機能し、また、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、または一般入賞口センサ43aなどの検出スイッチ(入賞検出スイッチ)は、入賞手段に入球した遊技球を検出する入賞検出手段として機能する。上記入賞検出スイッチは、フォトスイッチや近接スイッチなどの無接点スイッチや、マイクロスイッチなどの有接点スイッチで構成することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口40は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。なお上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。
<2.可動体役物:図5〜図7>
次に、センター飾り48に設けた可動体役物について説明する。
センター飾り48には、液晶表示装置36の表示領域周囲に複数個の可動体役物が設けられる。この実施形態では、図2に示唆するように、液晶表示装置46の表示領域の下方(下辺側)に第1可動体役物60が、また表示領域の上方(上辺側)に第2可動体役物80が配設され、さらに表示領域の側方(右辺側)に、第4可動体役物51と第5可動体役物52が配設され、計4種類の可動体役物が設けられている。これらの可動体役物60、80、51、52は、液晶表示装置36の表示領域周囲において、その表示領域周縁に一部が跨るように、または表示領域周辺より一部または全体が外側に位置するように設けられている。
(2−1.第1可動体役物60:図5)
第1可動体役物60と第2可動体役物80の構成と配置関係を図5に示す。
図5の下方に示すように、第1可動体役物60は左右方向に所定間隔で配置されかつ上下方向に移動可能な状態で支持される左、右、中の3つの可動体61〜63を備えており、ステッピングモータ64と同モータ64の回転動作を昇降動作に変換して各可動体61〜63に伝達する力伝達機構71、72、73とから構成される昇降機構70によって上下方向に移動され、液晶表示装置36の表示領域に出入可能となっている。
左右の可動体61、62は提灯の形を模した発光装飾部として形成され、また中可動体63は比較的大きな提灯の形を模した発光装飾部として形成されている。力伝達機構71、72、73は、3つの可動体61〜63に対応してそれらの後側に配置される駆動レバー74およびカムギヤ75と、互いに隣り合うカムギヤ75同士を夫々連動させるアイドルギヤ76と、モータ64の駆動軸に固定でカムギヤ75を駆動するモータギヤ65とを備えている。カムギヤ75は全て同径に形成されており、モータ64の駆動により、モータギヤ65およびアイドルギヤ76を介して同方向に同速度で回転するようになっている。カムギヤ75の前面側には、その周方向の所定範囲に略扇形のカム77が突設されており、このカム77の外周に各駆動レバー74が上側から摺接している。これにより、カムギヤ75の回転に伴って、カム77に摺接している駆動レバー74が所定範囲で揺動し、それによって可動体61〜63が、下部位置(原点位置)Aと、中間位置(中間演出位置)Bと、上部位置(最終演出位置)Cとの間で昇降する。78はカムギヤ75の周囲近傍に設けられた原点位置検出スイッチを示す。
上記構成により、第1可動体役物60の全体は、上記の力伝達機構71、72、73によって、液晶表示装置36の表示領域の下辺から表示領域中央に向けて一体的に二段階の前進および後退が可能となっている。ここで二段階の前進が可能とは、可動体61〜63が、原点位置Aから中間演出位置Bへの移動が可能であり、さらに中間演出位置Bから最終演出位置Cへの移動が可能であることである。また二段階の後退が可能とは、中間演出位置Bから原点位置Aへの移動、および最終演出位置Cから原点位置Aへ移動が可能であることである。
第1可動体役物60を上昇させる場合は、演出制御部24の制御下で、モータ64が所定方向に所定ステップ数だけ作動され、それによって可動体61〜63が図8(a)に示す下部位置(原点位置)Aから図8(b)に示す中間演出位置Bまで上昇し、またはこれから更に図8(c)に示す最終演出位置Cまで上昇する。また第1可動体役物60を下降させる場合は、モータ64が所定方向に所定ステップ数だけ作動することにより、可動体61〜63が図8(c)に示す最終演出位置Cから、または図8(b)に示す中間演出位置Bから、図8(a)に示す原点位置Aまで下降される。
(2−2.第2可動体役物80:図5〜図7)
第2可動体役物80は、図5の上方に示すように、日本刀を模した立体モデルであって、抜刀した形を現出し得るように左右にスライド可能な左右一対の可動体81、82から構成されている。左可動体81は日本刀の柄81a、鍔81bおよび刀身部材81cを備え、右可動体82は鞘部材82aを備え、刀身部材81cは相手方の鞘部材82a中に部分的に挿抜し得るように差し込まれている。
この左右一対の可動体81、82からなる第2可動体役物80は、図6に示すように、両側をスライド案内機構によって上下方向に移動可能に支持されて吊り下げられており、モータ91、ギヤ92およびベルト93による力伝達機構からなる昇降駆動機構90により昇降させることにより、上下にスライド可能に構成されている。94は第2可動体役物80に対する原点位置検出スイッチ、95は第2可動体役物80に対する最終演出位置検出スイッチである。
上記構成により、第2可動体役物80は、原点位置(上部待機位置)Aと、これから表示領域中央に向けて前進させた最終演出位置(当り報知演出位置)との間を移行可能となっている。
また第2可動体役物80を構成する左右一対の可動体81、82は、抜刀した形(図8(c)参照)を現出し得るように、鞘側の可動体82が左右にスライド可能に構成されている。図7は、このスライド用の駆動機構を示したもので、モータ96の回転力をピニオン97およびラック98にて直線運動に変換し、ラック98に固定した可動体82を左右方向に移動させる構成となっている。なお、可動体役物51、52も同様なラックアンドピニオン機構により、可動体役物を構成する一対の可動体のうち鞘側の可動体をスライドさせて、抜刀動作を現出し得るように構成されている。
<3.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御に係る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音や可動体役物51、52、60、80など、演出装置についての演出動作制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。図3において電源供給ルートは省略してある。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置や、振動装置、空圧発生装置、可動体役物など、画像や光や音や可動体などの作動態様によって演出を行う装置を広く指す。
(3−1.主制御部20:主制御手段)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM202(主制御ROM)と、RAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。ROM202は、遊技動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(主制御側記憶手段)として機能し、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM203は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、遊技進行の際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。また図示はしていないが、主制御部20は、特別図柄変動表示ゲームに係る抽選用乱数を生成するための乱数生成回路、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を発揮する割込コントローラ回路なども備えている。また主制御部20は、電源遮断時に、電源遮断前の遊技状態を復帰するのに必要な復帰情報をバックアップする機能部(バックアップ手段)を備えている。
ここでCPU201は、Z80(ザイログ社製またはこれの相当品)のCPUである。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、その上、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としないパチンコ機の制御には最適である。またCPU201は、処理を実行するのに必要なデータの読み書きが行われる複数種類のレジスタを備えている。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41aと、大入賞口40の開放扉42bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド42aとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、遊技進行に関する情報(たとえば、大当り当選情報や賞球数情報や図柄変動表示ゲーム実行回数情報など)を、枠用外部集中端子基板21を介してホールコンピュータHCに送信可能となっている。上記のホールコンピュータHCは、主制御部20から送られてくる情報に基づき、パチンコホールの遊技機の稼働状況を管理する管理コンピュータであり、遊技機外部に配設されている。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。他方、払出制御基板29は、主制御部20に対し、払い出し動作状態に関する情報(払出状態信号)を送信可能となっている。主制御部20側では、この払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19が正常に機能しているか否か、具体的には、賞球の払い出しに不具合(払い出しエラー:たとえば、玉詰まりや賞球の払い出し不足)が発生したか否かを監視している。
また主制御部20は、特別図柄変動表示ゲームに関する情報を乗せた演出制御コマンドを、演出制御部24に送信可能となっている。これらの主制御部20からの演出制御コマンドは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御部24を介して主制御部20に入力されることを防止するため、一方向通信により演出制御部24に送信される。
(3−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、ROM242(演出制御ROM)と、RAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、CTC、およびタイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える割込みコントローラ回路などが設けられている。ROM242は、演出動作制御に係る遊技データを記憶する記憶手段(演出制御側記憶手段)として機能し、演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、演出動作制御に必要な種々のデータが格納されている。またRAM243は、ワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出を現出する際に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45やLEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、光演出や音演出を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、可動体役物モータ61に対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な枠演出ボタン13が接続され、演出制御部24は、枠演出ボタン13からの操作検出信号を受信可能となっている。また演出制御部24には、可動体役物60、80の動作を制御するための可動体役物モータ64、91、96が接続され、演出制御部24は、これらの可動体役物モータ64、91、96を制御するための制御信号を送信可能となっている。可動体役物51、52についても同様に構成されている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する可動体役物60、80の動作や、液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示、予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。ここでの「演出シナリオ」とは、装飾図柄の変動表示動作態様、種々の予告演出(背景演出、リーチ演出、疑似連演出などの演出シナリオを構成する要素)を含めた広義の演出パターンを指す。このリーチ演出には、可動体役物60、80の動作による演出が含まれる。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<4.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(4−1.図柄変動表示ゲーム)
(4−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
たとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、つまり、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口40が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口40への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大16ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口40が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出、ラウンド遊技、およびエンディング演出の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り(小当りを含む)」または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選(当り)種別抽選)’とを含む大当り抽選を行い、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、最終的に停止表示させる特別図柄(特別停止図柄)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果、特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」と、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報)を含む「装飾図柄指定コマンド」とを演出制御部24に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。
なお上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(後述のリーチ状態を経由するリーチ演出)の発生を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果情報に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別され、これら変動パターンには、たとえばリーチ演出の発生を指定するリーチ演出指定用の変動パターン(リーチ変動パターン)や、リーチ演出の発生を指定しない非リーチ演出指定用の変動パターン(通常変動パターン)が含まれる。またリーチ変動パターンには、リーチ演出種別(後述のNリーチやSPリーチ種別)を指定する情報を含むことができる。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(4−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41a(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。
(4−2.遊技状態)
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態(通常状態)」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また大当り中は、全機能が非作動となり、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(4−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。
<5.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(5−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選を行うようになっている。この当り種別には、「16R長開放確変大当り」、「12R長開放確変大当り」、「12R長開放非確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」、および「小当り」などの複数種類の当りが含まれる。
これら当りのうち、「16R長開放確変大当り」、「12R長開放確変大当り」、「12R長開放非確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置(手段)で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態への移行契機となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「16R長開放確変大当り」、「12R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当りとなっている。他方、「12R長開放非確変大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態を伴う遊技状態に移行させずに、低確率状態を伴う遊技状態に移行させる「非確変大当り」に属する大当りとなっている。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。
(5−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(5−2−1.16R長開放確変大当りによる当り遊技)
16R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「16R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を16ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口40の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。
ラウンド遊技が開始されて大入賞口40が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は大入賞口40が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の16ラウンドに達していなければ、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても大入賞口40に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、大入賞口40が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、所定時間(ラウンド間インターバル時間)が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の12R長開放確変大当り、12R長開放非確変大当りおよび2R短開放潜確大当りによる当り遊技についても同様)。
(5−2−2.12R長開放確変大当り、12R長開放非確変大当りによる当り遊技)
12R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「12R確変大当り遊技」と称する)と、12R長開放非確変大当りによる当り遊技(以下、「12R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を12ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この12R確変・12R非確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、4ラウンド分の賞球数差がある)。
(5−2−3.2R短開放潜確大当りによる当り遊技)
2R短開放潜確大当りによる当り遊技(以下、「2R潜確大当り遊技」と称する)では、規定ラウンド数を2ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口40の最大開放時間は「短開放時間」の0.1秒に設定される。ここで「短開放時間」とは、大入賞口への入賞自体を困難とする時間幅として定めたものである。本実施形態では、遊技球落下方向変換部材(センター飾り48や遊技くぎ)、または発射装置の性能(たとえば単位時間あたりの遊技球の連射速度性能)、あるいは大入賞口の形成位置などにより、上記「短開放時間」内に大入賞口閉鎖条件の一つである「最大入賞数」に達することが不可能なようになっている。2R潜確大当り遊技では、大入賞口40が短開放時間しか開放されずに、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、実質的には賞球が殆ど得られない大当り遊技となっている(正確には、大入賞口40の入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は極めて低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない)。
以上のように本実施形態では、大当りの種類に応じて、大当り遊技中の賞球数、換言すれば、遊技者が獲得し得る遊技球数(獲得賞球数)が異なるように構成されている。なお、2R潜確大当り遊技では最大開放時間を上記短開放時間に設定すると説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、大入賞口40への入賞がある程度許容されるように、16R確変大当り遊技や12R確変大当り遊技や12R非確変大当り遊技と同じ長開放時間を設定しても良いし、上記最大入賞数に達することは困難または不可能であるが、大入賞口40への入賞球数をある程度確保できるような開放時間(長開放時間よりも短く、短開放時間よりも長い中間的な開放時間:たとえば、5秒)に設定しても良い。また、当りによる賞球数(特賞数:T1Y)を異ならせるために、大当りの種類に応じて、上記最大入賞数をそれぞれ異なる個数に設定しても良い。
(5−2−4.小当りによる当り遊技)
小当りによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、大入賞口40の開放が2回行われ、1回あたりの大入賞口40の最大開放時間が2R潜確大当り遊技の最大開放時間に相当する0.1秒に設定され、1回目の大入賞口40の閉鎖後、2回目の大入賞口40開放までのインターバル時間が2R潜確大当り遊技のラウンド間インターバル時間と同じ時間幅が設定される。また小当り遊技における大入賞口40の閉鎖条件に関しては、最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口40に入賞した遊技球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合かのいずれか一方の条件が満たされた場合となっている。この点も2R潜確大当り遊技と同じである。つまり、この小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口40の開閉動作が、上記2R潜確大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。
この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されない。しかし2R潜確大当り遊技と実質的に同一の動作態様で大入賞口40を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、あたかも2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。また小当り遊技中の当り中演出(当り遊技中に現出される演出)は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、2R短開放潜確大当りへの当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
(5−3.当り遊技終了後の遊技状態)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。
(5−3−1.16R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
16R(長開放)確変大当り遊技後は、図4の1行目に図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動表示動作回数(以下、「特別図柄の変動回数」と略す)が所定回数(本実施形態では、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計実行回数(特別図柄1および2の合計変動回数)):たとえば10000回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当り(内部遊技状態の移行がない「小当り」を除く)が確定するまで(「大当りが確定」するまでとは、特別図柄が大当りを示す表示態様で停止表示され、大当り遊技の発生が確定した場合や、大当りに当選した場合であっても良い。以下同様)当該確変状態が継続され、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該確変状態が終了して、次ゲームから「通常状態」に移行されるようになっている。本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態に移行された後、大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる「回数切りの確変機(回数切り確変機(ST機))」となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。なお本発明は「ST機」に限らず、次回大当りが確定するまで確変状態を継続させる構成としても良い。
(5−3−2.12R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
12R(長開放)確変大当り遊技後は、図4の2行目に図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行され、この確変状態となってからの遊技状態遷移は、上述した16R長開放確変大当りの場合と同じである。
(5−3−3.12R非確変大当り遊技終了後の遊技状態)
12R(長開放)非確変大当り遊技後は、図4の3行目に図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「時短状態」に移行される。この「時短状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば50回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りが確定するまで当該時短状態が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該時短状態が終了して、次ゲームから「通常状態」に移行されるようになっている。
(5−3−4.2R潜確大当り遊技終了後の遊技状態)
2R(短開放)潜確大当り遊技後は、図4の4行目に図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」であった場合には「潜確状態」に、時短状態であった場合には「確変状態」に、「確変状態」であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。なお潜確状態となった場合は、確変状態と同じく、特別図柄の変動回数がST規定回数終了するまでの間か、またはその回数内で大当りが確定するまで当該潜確状態が継続され、その回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該潜確状態が終了して、次ゲームから「通常状態」に移行されるようになっている。
(5−4.小当り遊技終了後の遊技状態)
次に小当り遊技後の遊技状態(図4の5行目に)について説明する。ここで小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続されるようになっている。つまり、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。このため、小当り当選時の内部遊技状態とその小当り遊技後の内部遊技状態とは、いずれも同じ内部遊技状態となる。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。しかし本実施形態では、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行わない一方、後述の演出モードの移行制御は行うようになっている。これにより、小当り遊技後と2R潜確大当り遊技後とで同じ演出をなす演出モードに移行させた場合、演出上から、2R短開放潜確大当りに当選して「潜確状態」に移行したか否かが秘匿、つまり現在の大当り抽選確率状態が秘匿され、高確率状態への突入期待感を遊技者に与えることができるようになる。
<6.演出について>
(6−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。上記演出モードには、具体的には、「通常状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「通常演出モード」、「潜確状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「潜確演出モード」、「確変状態」滞在中はこれに関連する演出をなす「確変演出モード」、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態とし、遊技者に高確率状態の期待感を煽る演出をなす「秘匿演出モード」など、各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定する、といった主制御部側で管理される遊技状態に関する情報を含む「特定の演出制御コマンド(本実施形態では、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、時短終了コマンド、当り中に送信される所定のコマンド(「大当り開始コマンド」や「大当り終了コマンド」)などがある)」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。また演出制御部24は、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号を把握し、主制御部20側と整合性を保つ形で、これを管理可能に構成されている。
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、たとえば「通常演出モード」下では季節‘春’を連想させる背景演出(たとえば、桜の木の背景画像を表示する背景演出:第1の背景演出)、「潜確演出モード」下では季節‘夏’を連想させる背景演出(たとえば、海の背景画像を表示する背景演出:第2の背景演出)、「秘匿演出モード」下では季節‘秋’を連想させる背景演出(たとえば、紅葉の木の背景画像を表示する背景演出:第3の背景演出)、「確変演出モード」下では季節‘冬’を連想させる背景演出(たとえば、雪山の背景画像を表示する背景演出:第4の背景演出)にそれぞれ切り替え制御される。
なお本実施形態の「秘匿演出モード」は、内部遊技状態が潜確状態(高確率状態)であるか通常遊技状態(低確率状態)であるかにかかわらず、季節‘秋’を連想させる背景演出となる同じ演出モードとなっている。これにより現在の大当り抽選確率状態が秘匿状態とされる。なお、内部遊技状態に応じて、潜確状態(高確率状態)下における「本物の秘匿演出モード(第1の秘匿演出モード)」と、通常遊技状態(低確率状態)下における「ガセの秘匿演出モード(第2の秘匿演出モード)」とを設け、これら演出モードに移行制御可能に構成しても良い。
具体的には、内部遊技状態が「通常遊技状態」中に小当りに当選し、当該通常遊技状態が維持される場合には、その小当り遊技終了後に「秘匿演出モード」のうち上記「ガセの秘匿演出モード(低確)」に移行させ、他方、内部遊技状態が「通常遊技状態」中に‘2R短開放潜確大当り’に当選し、潜確状態に移行される場合には、その2R潜確大当り遊技終了後に「秘匿演出モード」のうち上記「本物の秘匿演出モード(高確)」に移行制御可能な構成とすることができる。この場合、各演出モード下における演出に関しては、上記「本物の秘匿演出モード」と上記「ガセの秘匿演出モード」の双方の背景演出を同じにし(たとえば、双方ともに、季節‘秋’を連想させる背景演出)、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)を秘匿状態としつつ、上記「本物の秘匿演出モード」と上記「ガセの秘匿演出モード)」とで、特定の演出の発生確率を異ならせるようにし、高確率状態であるか否かの推測要素を遊技者に与えることができるようになる(たとえば、上記「ガセの秘匿演出モード」よりも「本物の秘匿演出モード」の方が特定の演出(潜確状態の可能性がある旨を示唆または暗示させる、といった「潜確期待演出」)の発生確率を高める、といった形態があげられる)。このような潜確期待演出により、現在の内部遊技状態が潜確状態であるか否かの潜確期待感を遊技者に与え、遊技の面白みをより一層向上させることができる。
本実施形態では、特定の当り(2R短開放潜確大当り、小当り)の当選に起因して、秘匿演出モードに移行させ、その後、図柄変動表示ゲームの実行回数(図柄の変動回数)または所定の演出モード転落抽選に基づき、その秘匿演出モードを終了させ、通常演出モードに移行させるようになっており、したがって通常演出モード下であっても、内部的には大当り抽選確率状態が高確率状態である場合がありうる。
(6−2.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、上述した演出モード下において、主制御部20からの演出制御コマンドの内容(変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば当落抽選結果、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、大当り抽選結果に関連した様々な予告演出を現出制御する機能部(予告演出現出制御手段)を備える。斯様な演出態様には、「リーチ演出(リーチ変動パターンに係る演出態様)」に代表される予告演出の他、これらの演出に付随して、または単独的に発生するものが含まれる。これらの演出態様は、当り種別に当選したか否かの信頼度または期待度(以下、「当り当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感(当り当選期待感)を煽るための「煽り演出」として機能する。上記当り当選期待度は、演出の出現率(選択率)の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の出現率(選択率)の高低に応じて変化する。具体的には、一のリーチ演出(たとえば、SPリーチ)が出現する場合の当り当選期待度は、大当り時およびハズレ時を含めた当該リーチ演出が実行される割合(当該リーチ演出の全出現率)のうち、大当りの場合に当該リーチ演出が実行される割合(当選時の当該リーチ演出の出現率)で示される。つまり、リーチ演出に対する当り当選期待度は、「当選時の当該リーチ演出の出現率/当該リーチ演出の全出現率」で示され、この期待度が異なるように、大当り抽選結果に関連して各リーチ演出の選択率が定められている。以下に、本実施形態に係る予告演出について説明する。
(6−2−1.リーチ演出)
上記「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終結果を表示するような演出態様をいう。この「リーチ状態」とは、装飾図柄変動表示ゲームの結果が導出される前段階において、当該装飾図柄変動表示ゲームの途中で導出表示される一部の装飾図柄が、大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を構成している状態で、未だ導出表示されていない装飾図柄の変動表示が行われている表示態様であり、換言すれば、大当り発生を示す表示態様が導出され易いことを遊技者に連想させうる変動表示態様をいう。たとえば、大当り発生(大当り当選)を示す装飾図柄の組合せが「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」である場合、所定の当り有効ライン上において、装飾図柄の一部が大当り発生(大当り当選)を示す表示態様の一部を表示しており(たとえば、左図柄と右図柄とが「7」を表示しているといった、いわゆる「聴牌状態(リーチ図柄)」を呈している。但し、最終的に導出される結果が必ずしも大当り発生を示す表示態様、たとえば「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」が導出されるとは限らない)、いまだ導出表示されていない装飾図柄(ここでは、聴牌状態(リーチ図柄)を形成していない中図柄)が、所定時間継続して停止、揺動、拡大縮小、または変形しながら、最終結果が表示される前段階で大当り発生の可能性が継続している状態やその様子をいう。したがって、たとえリーチ状態が形成されたからといって、装飾図柄変動表示ゲームの結果が必ずしも「大当り」になるとは限らず、最終的に導出された結果が大当りを示す停止表示態様(たとえば、「7(左図柄)」「7(中図柄)」「7(右図柄)」)でない場合は、今回のゲーム結果は「ハズレ」となる。
上記の「リーチ演出」は、大当りに当選したか否かの期待度を示す当り当選期待度(大当りである可能性がある旨(大当りとなる旨を含む))を予告(示唆)するものであり、当り当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、特定のリーチ状態を伴うリーチ演出が出現した場合、通常のリーチ状態(‘ノーマルリーチ(Nリーチ)’)を伴うリーチ演出が出現した場合に比べて、当り当選期待度が相対的に高まるものがある。このような特定のリーチ状態を伴うリーチ演出を‘スーパーリーチ(SPリーチ)’という。このSPリーチの多くは、大当り期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。本実施形態のリーチ演出には、複数種類のリーチ演出が設けられており、リーチ演出における当り当選期待度は、主として、リーチ演出の選択率の高低や遊技状態に応じて変化する。たとえば、Nリーチ、SPリーチ1〜7が設けられている場合、「Nリーチ<SPリーチ1<SPリーチ2<・・・<SPリーチ6<SPリーチ7」の関係で、当り当選期待度が高くなるように、大当り抽選結果に関連してその選択率(発生率)が定められている。特に、当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ群を「強SPリーチ(本実施形態では、SPリーチ5〜7)」と称し、それよりも低いSPリーチ群を「弱SPリーチ(本実施形態では、SPリーチ1〜4)」と称する。なお、実際の当り当選期待度は、他の予告演出(たとえば、後述の可動体役物に係る当否結着用演出)が伴うか否かに応じて変化する。このため、たとえば、上記SPリーチ5が出現した場合であっても、当り当選期待度の高い予告演出が絡めば、上記SPリーチ6と同等もしくはそれ以上の当り当選期待度となりうる。
(6−2−2.ボタン予告演出)
上記「ボタン予告演出」とは、遊技者が枠演出ボタン13を操作したか否かに応じて、演出の内容が変化し得る演出態様をいい、いわゆる、「遊技者参加型」の演出態様をいう。この「ボタン予告演出」では、所定の操作受付期間中、枠演出ボタン13が操作されたか否かに応じてその後の演出が変化するようになっている。たとえば、枠演出ボタン13の操作に起因して、現出中のキャラクター表示が変化したり、特殊な効果音が発生したり、後述の可動体役物に係る動作演出の動作態様が変化したりする。このように、枠演出ボタン13の操作前後で演出を変化させる「ボタン予告演出」を利用し、当り当選期待度または大当りが確定することを示唆することができるようになっている。このような「遊技者参加型」の演出態様は、遊技者があたかも遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる。
<7.可動体役物に係る演出態様について>
(当否結着用演出について)
上記した特定の変動パターン、たとえばリーチ演出を伴う変動パターンに係る演出シナリオのなかには、複数種類の可動体役物を用いた当否結着用演出を伴うものがある。この当否結着用演出は、リーチ演出を伴わない変動パターン(通常変動パターン)よりも相対的に長い変動時間を持ち、最終的に大当りの当選を報知しうるリーチ変動パターンを利用して、そのリーチ演出中の期間(特にリーチ状態が形成された後)において現出される予告演出であり、最終決着段階中の前半処理において実行される前兆演出と、リーチ演出の最終決着段階中の後半処理において実行される当否結着演出(当り報知演出とハズレ報知演出とが二者択一的に実行される)とを一組とする演出である。
既に述べたように、主制御部20からは、特別図柄の変動パターン情報を含む変動パターン指定コマンドが演出制御部24に送信されて来る。この特別図柄の変動パターン情報には、大当り抽選結果、特別図柄の変動時間に関する情報などの他、特定の予告演出(たとえば、リーチ演出)の発生を指定する情報を含んでいる。よって、特別図柄の変動パターンの種別には、大当り抽選結果が当りの場合の「当り変動パターン」とハズレの場合の「ハズレ変動パターン」との別があるとともに、そのいずれの変動パターンにおいても、リーチ演出の発生を指定するリーチ演出指定用の変動パターン(リーチ変動パターン)、リーチ演出の発生を指定しない非リーチ演出指定用の変動パターン(通常変動パターン)が含まれる。演出制御部24は、変動パターン指定コマンドに含まれるこれらの情報に基づいて、演出制御部24側において予め用意されている多数の演出シナリオのうちから当該装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させるべき演出シナリオを決定する。
当否結着用演出は、演出制御部24側において選択された演出シナリオが、可動体役物を用いたリーチ演出を伴う演出シナリオであって、その可動体役物を用いた演出がリーチ演出の最終決着段階に相当する部分シナリオにおいて実行されることが予定されているシナリオである場合に、そのリーチ演出の最終決着段階に相当する部分シナリオにおいて実行される可動体役物を用いた演出である。この当否結着用演出は、リーチ演出の最終決着段階を担う部分シナリオのシナリオ前半(最終決着段階の前半処理)で実行される「前兆演出」と、当該最終決着段階における部分シナリオのシナリオ後半(最終決着段階の後半処理)で実行される「最終決着演出」とを一組として構成される。
当否結着用演出を構成する前兆演出と最終決着演出のうち、「前兆演出」は最終決着演出が生起することの前触れとなる可動体役物を用いた演出である。また「最終決着演出」は、現在進行中の図柄変動表示ゲームにおける最終決着の結果が、大当りまたはハズレのいずれであるかを、大当り抽選の抽選結果情報に基づいて報知する可動体役物を用いた演出であり、これには大当り抽選の当否結果が大当りであったことを報知する「当り報知演出」と、ハズレであったことを報知する「ハズレ報知演出」の二種類がある。この当否結着用演出の生起する演出シナリオが選択されうるのは、主として、当り当選期待度が相対的に高まる変動パターン種別、具体的には、SPリーチを指定するSPリーチ指定用のリーチ変動パターンであり、特に、SPリーチのなかでも、当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ5〜7を指定するリーチ変動パターンである場合、他のSPリーチ1〜4と比較し、その選択率が相対的に高くなるように定められている。したがって、Nリーチや通常変動パターンのように当り当選期待度が低く、比較的短い変動時間を持つ変動パターンにおいて、当否結着用演出の出現する演出シナリオが選択されることはまれである。また大当り抽選結果に着目した場合、当否結着用演出の出現する演出シナリオが高確率で選択されうるのは、当該大当り抽選結果が大当りである図柄変動表示ゲームの場合となっており、ハズレの図柄変動表示ゲームの場合に当否結着用演出の出現する演出シナリオが選択されることはまれであるため、前兆演出が発生したことは、当該図柄変動表示ゲームにおいて大当り期待度が非常に高い最終決着演出が生起する前触れとして遊技者に認識される。
(7−1.可動体役物による当否結着用演出)
次に、上記した第1可動体役物60および第2可動体役物80の当否結着用演出時における動作について説明する。
(7−2.待機状態:図8(a))
図柄変動表示ゲームの演出シナリオが当否結着用演出付のリーチ演出を伴う演出シナリオであって、リーチ演出の最終決着段階に入る前である場合には、第1可動体役物60および第2可動体役物80は、図8(a)に示す原点位置A、aにて、それぞれ待機している状態にある。なお、図柄変動表示ゲームの演出シナリオがリーチ演出を伴わない演出シナリオ(通常変動パターンに係る演出シナリオ)である場合や、リーチ演出を伴う演出シナリオであっても可動体役物演出を実行しないものである場合には、図8(a)に示す原点位置A、aにて待機している。
当否結着用演出付のリーチ演出を伴う演出シナリオがリーチ演出の最終決着段階に入ると、第1可動体役物60および第2可動体役物80を用いた当否結着用演出のリーチ演出および最終決着演出が次のようにして実行される。
(7−3.前兆演出:図8(b))
まず、当否結着用演出付のリーチ演出を伴う演出シナリオがリーチ演出の最終決着段階の前半処理に入ると、第1可動体役物60が図8(a)に示す原点位置Aから液晶表示装置36の表示領域中央に向けて一段前進して、図8(b)に示す中間演出位置Bに移動し、これにより大当りを予感させる前兆演出を現出させる。
この中間演出位置Bでは、液晶表示装置36の表示領域内かつ表示領域の前方に第1可動体役物60が部分的に入り込む状態となる。また液晶表示装置36の画面に画像演出が発生し、第1可動体役物60による前兆演出とこの画像演出とが協働して当否結着準備演出を現出させる。ここで「当否結着準備演出」とは、中間演出位置Bに来た場合に生起される演出の全てを言い、可動体役物による前兆演出(可動体役物が位置移動の他に振動や揺動運動や回転運動する場合を含む)だけでなく、これとともに生起される画像演出や音響演出その他の音・光・振動(操作ハンドルに対する機械的振動やエアーによる振動)など、この時点で現出させる全ての演出を包括的に含むものである。
第1可動体役物60による前兆演出と画像演出や音響演出等との協働による当否結着準備演出が現出したことは、当該図柄変動表示ゲームにおける導出結果が、大当り抽選(当否抽選)に当選した図柄変動表示動作に係るものであろうとの大きな期待感を遊技者に与えることになる。多数存在する類似の画像演出や音響演出を伴う図柄変動表示動作の中でも、第1可動体役物60が中間演出位置Bへ移動する演出を伴うときは、大当りの前触れとなる前兆演出が現出する位置(前兆演出位置)に第1可動体役物60が移動したことを意味する。したがって遊技者は、大当りする期待度が非常に高い可動体役物60による前兆演出が発生したと理解し、この前兆演出の直後に到来する最終決着演出の実行時には当り報知演出が発生して大当りが確定するであろうと期待することになる。
なお、この前兆演出の実行段階では、第2可動体役物80は図8(b)に示す原点位置aにて、それぞれ待機している。
(7−3.最終決着演出:図8(c))
その後、当否結着用演出付のリーチ演出を伴う演出シナリオがリーチ演出の最終決着段階の後半処理に入ると、最終決着演出が実行され、当否抽選の抽選結果が大当りであるかハズレであるかに応じて、当り報知演出またはハズレ報知演出が実行される。
(7−3−1.当り報知演出:図8(c))
すなわち、当否結着用演出付のリーチ演出を伴う演出シナリオがリーチ演出の最終決着段階の後半処理に入ると、当否抽選の抽選結果が大当りと判明している図柄変動表示ゲームの場合には、大当りであることを報知する当り報知演出として、第1可動体役物60が図8(b)に示す中間演出位置(前兆演出位置)Bから表示領域中央に向けて更に一段前進し、図8(c)に示す最終演出位置(当り報知演出位置)Cに移動する。この最終演出位置Cでは、液晶表示装置36の表示領域内かつ表示領域の前方に第1可動体役物60の全体または大部分が入り込む状態となる。このように液晶表示装置36の表示領域に第1可動体役物60の全体または大部分が入り込む状態とすると、第1可動体役物60の外装または内装に設置されたLEDなどの装飾部が液晶表示装置36の表示領域に入り込むため、当該装飾部の発光と画像の相乗効果などにより、前兆演出や当否結着演出の演出効果が一層高められる。第2可動体役物80についても同様である。
また、第2可動体役物80が図8(b)に示す原点位置aから表示領域中央に向けて落下し、図8(c)に示す最終演出位置(当り報知演出位置)bに移動する。この最終演出位置bでは、液晶表示装置36の表示領域内かつ表示領域の前方に第2可動体役物80の全体が入り込む状態となる。さらに、このとき刀身部材81cが鞘部材82aから一部が抜き出された状態となり、抜き出た刀身部が発光する(図8(c)参照)。ここで「最終決着演出」とは、本実施形態の場合、可動体役物60、80が最終演出位置C、bに位置移動し、第2可動体役物80の左右一対の可動体がスライド移動する演出としているが、その他に、可動体役物60、80が振動や揺動運動や回転運動する場合を最終決着演出の内容に含めてもよい。
また、最終決着演出時には、液晶表示装置36の画面に画像演出が発生し、この画像演出と第1可動体役物60および第2可動体役物80による最終決着演出とが協働して当否結着演出を現出させる。ここで「当否結着演出」とは、第1可動体役物60および第2可動体役物80が最終演出位置C、bに来た場合に生起される演出の全てを言い、可動体役物による最終決着演出だけでなく、これとともに生起される画像演出や音響演出その他の音・光・振動(操作ハンドルに対する機械的振動やエアーによる振動)など、この時点で現出させる全ての演出を包括したものである。
(7−3−2.ハズレ報知演出:図8(c))
当否結着用演出付のリーチ演出を伴う演出シナリオがリーチ演出の最終決着段階の後半処理に入った場合であって、当否抽選の抽選結果がハズレと判明している図柄変動表示ゲームのときは、ハズレであることを報知するハズレ報知演出として、図8(b)に示すように中間演出位置(前兆演出位置)Bに来ていた第1可動体役物60を、図8(a)に示す原点位置Aに降下させて戻す。これにより、第1可動体役物60は液晶表示装置36の表示領域外に退去する。第2可動体役物80は原点位置aのままとする。なお、このハズレ報知演出を現出させる際には、ハズレである旨の効果音などの演出が発生するようにしても良い。
このように当否抽選の抽選結果がハズレの図柄変動表示ゲームの場合にも、リーチ演出の最終決着段階の後半処理における最終決着演出において、第1可動体役物60を中間演出位置Bから原点位置Aに移動させる演出を発生させることにより、このような可動体の移動を伴わない従来のハズレ報知態様に比べ、弾球遊技に対する興趣を高めることができる。
<3.演出制御部側の処理:図9〜図13>
次に、図9〜図13を参照して、演出制御部24側における処理内容を詳細に説明する。
遊技機に電源が投入されると、電源基板31から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて、演出制御部24の制御主体(以下、演出制御部24の制御主体全体を演出制御CPU241のみで代表させて説明する)が図9に示す演出制御部側処理を開始する。
この演出制御部側処理では、コマンド受信処理(ステップS100)と演出実行処理(ステップS200)とが行われる。
(3−1.コマンド受信処理)
コマンド受信処理(ステップS100)では、演出制御CPU241が主制御部20から演出制御コマンドを受信したか否かを監視しており、主制御部20からの演出制御コマンドを受信した場合、その内容に対応する各種の設定処理を行う。また演出実行処理(ステップS200)では、コマンド受信処理(ステップS100)で設定された内容に従った演出を演出装置にて実行する。
(3−1−1.変動パターン指定コマンド受信処理:図10)
図10はコマンド受信処理(ステップS100)において変動パターン指定コマンドを受信した場合に行われる変動パターン指定コマンド受信処理を示す。この処理では、受信した変動パターン指定コマンドに含まれる情報を取得し、その取得した情報に基づいて、現出すべき演出シナリオを構築する。具体的には、受信した変動パターンに対応する演出パターン、つまり装飾図柄の動きや予告演出など、演出シナリオを構成する演出要素を決定し、これらの演出をどのようなタイミングで現出させるかについての演出シナリオを構築し、その演出用シナリオデータをセットする。したがって、変動パターン指定コマンド受信処理は、可動体役物60、80に関し、図柄変動表示ゲーム中に当否結着用演出を発動させる前提となる実行条件が達成されたか否かを監視する実行条件監視手段として働く。なおここでは、本発明との係りの深い当否結着用演出付のリーチ変動パターンに着目して説明し、他の変動パターンについての説明は適宜省略して説明する。
まず、変動パターン指定コマンドを受信した場合、当該変動パターン指定コマンドの内容を取得し、その変動パターン指定コマンドがリーチ演出を伴う変動パターン情報をもつものであるか否かを判断する(ステップS101)。
リーチ演出を伴う変動パターンでない場合(ステップS101:NO)、つまり通常変動パターンである場合、変動パターン指定コマンドの内容に基づいて、通常変動パターン用に設けられた第1演出パターンの群についての演出パターンテーブル(第1演出パターンテーブル:図示せず)を参照して、演出用乱数を利用した抽選により演出パターン(演出シナリオを構成要素としての演出パターン)を選択する(ステップS102)。ここで「演出パターンテーブル」には、今回の変動表示ゲームで現出すべき演出パターン群が、変動パターン指定コマンドに含まれる各種情報、具体的には、大当り抽選結果、変動時間、およびリーチ演出の有無などと関連付けて定められており、ここで選択される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。
その後、上記決定された演出パターン(パーツ演出)を、どのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定し、これにより演出シナリオを構成して、その演出シナリオのデータをRAM243のシナリオ設定領域に設定し(ステップS103)、変動パターン指定コマンド受信処理を終了する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、今回の変動表示ゲーム中において、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。なおここでの演出シナリオは、通常変動パターンに係る演出シナリオ(以下「演出Dのシナリオ」と略す)である。
一方、図10のステップS101の判断において、受信した変動パターン指定コマンドがリーチ演出を伴う変動パターン情報をもつものであると判断した場合(ステップS101:YES)、リーチ変動パターン用に設けられた第2演出パターン(特別演出パターン)の群についての演出パターンテーブル(第2演出パターンテーブル:図示せず)を参照して、抽選により1つの特別演出パターンを選択する(ステップS104)。ここで「特別演出パターンの群」は、その各演出シナリオ中に、可動体役物60、80を用いた当否結着用演出を現出させることが予定されていない特別演出パターンE(非当否結着用演出パターン)の群と、この当否結着用演出を現出させることが予定されている特別演出パターンF(当否結着用演出付演出パターン)の群との集合からなる。この特別演出パターンF(当否結着用演出付演出パターン)が選択されると、可動体役物による当否結着用演出を発動させる発動条件の一つが成立することになる。
特に、当否結着用演出付となる特別演出パターンFは、大当り当選期待感を煽る予告演出の一態様として利用される。したがって、Nリーチや弱SPリーチ(本実施形態では、SPリーチ1〜4)が指定される変動パターンよりも、それよりも当り当選期待度が高まる強SPリーチ(本実施形態では、SPリーチ5〜7)種別が指定される変動パターンの場合の方が、相対的に高い確率で選択されるようになっている。また、同じ変動パターン種別のなかでも、大当り抽選結果に応じて特別演出パターンFの選択率が異なる。たとえば、当り変動に係るSPリーチ1を指定する変動パターンとハズレ変動に係るSPリーチ1を指定する変動パターンとでは、当該当り変動に係るSPリーチ1を指定する変動パターンの方が、相対的に高い確率で、上記特別演出パターンFが選択されるようになっている。これらを纏めると、特別演出パターンFの選択率は「選択率低:Nリーチ(ハズレ)<Nリーチ(当り)<SPリーチ1(ハズレ)<SPリーチ1(当り)<・・・<SPリーチ7(ハズレ)<SPリーチ7(当り):選択率高」の関係となる。
なお本発明はこれに限らず、特定のリーチ種別の場合に限り、たとえば、リーチ種別のなかでも、特に当り当選期待度が高い「強SPリーチ種別」が指定された場合に限り、上記特別演出パターンFが選択されるように構成しても良い。また、当り種別に応じて、選択率を異ならせても良い。たとえば、小当りと2R短開放潜確大当りとは、実質的に出玉の得られない当りであるため、小当りと2R短開放潜確大当りの場合は、特別演出パターンFを選択しない構成とすることができる。なお当り種別を考慮する場合、当り種別に関する情報は装飾図柄指定コマンドに含まれるので、演出シナリオを決定する処理は、変動パターン指定コマンドおよび装飾図柄指定コマンドを受信した後に行うようにすれば良い。
次いで、上記抽選により選択された特別演出パターンが、当否結着用演出の現出が予定されていない特別演出パターンEであるか、または、当否結着用演出の現出が予定されている特別演出パターンFであるか否かを判断する(ステップS105)。
特別演出パターン群の中から選択されたものが、当否結着用演出の現出が予定されていない特別演出パターンEの一つであったときは(ステップS105:NO)、その選択された特別演出パターンEに基づいて、特別演出Eに係る演出シナリオを構築し、これをRAM243のシナリオ設定領域にセットする(ステップS106)。そして、変動パターン指定コマンド受信処理を終了する。なおここでの演出シナリオは、リーチ変動パターンに係る演出シナリオであって、当否結着用演出無し(非当否結着用演出)用の演出シナリオ(以下「演出Eのシナリオ」と略す)である。
これに対して、特別演出パターン群の中から選択されたものが、当否結着用演出の現出が予定されている特別演出パターンFの一つであったときは(ステップS105:YES)、特別演出Fに係る演出シナリオを構築し、これをRAM243のシナリオ設定領域にセットする(ステップS107)。そして、変動パターン指定コマンド受信処理を終了する。なおここでの演出シナリオは、リーチ変動パターンに係る演出シナリオであって、当否結着用演出有り(当否結着用演出付)用の演出シナリオ(以下「演出Fのシナリオ」と略す)である。
当否結着用演出の現出が予定されている特別演出パターンFを演出シナリオに組み込む場合、結果的に、可動体役物による当否結着用演出を現出させるに十分な一定時間(たとえば5秒)以上の変動表示上の時間的余裕がある変動パターンであることが必要である。したがって、当否結着用演出の現出を伴うような変動時間が長い変動パターンであった場合に、これを当否結着用演出の「発動条件」が成立する前提条件の一つに加え、当否結着用演出を発生させるか否かについて、その抽選を行う契機としてもよい。
<4.演出実行処理:図11>
図11は、演出実行処理(ステップS200)の内容を示すフローチャートである。この演出実行処理においては、変動パターン指定コマンド受信処理(図10)で設定された演出別の分岐が行われ(ステップS201)、該当する演出シナリオが実行される。
変動パターン指定コマンド受信処理(図10)において演出Dまたは演出Eのシナリオがセットされている場合は、その対応する演出Dのシナリオまたは演出Eのシナリオが実行される(ステップS202、S203)。また演出Fのシナリオがセットされている場合は、その対応する演出Fのシナリオが実行される(ステップS204)。
(4−1.演出Fのシナリオ実行処理:図12、図13)
図12は演出Fのシナリオ実行処理の内容を、また図13はその可動体役物演出と表示画面の内容とが推移して行く様子を模式的に示したものである。
演出Fのシナリオの実行が開始されると(ステップS300)、ほどなくリーチ演出が開始され、液晶表示装置36の画面には、たとえば図13の(a)に示すように、装飾図柄表示部361に左図柄と右図柄が「7」を表示して聴牌状態を呈する。この段階では、第1可動体役物60および第2可動体役物80が共に待機状態にある。
次に、演出Fのシナリオがリーチ演出の後段に入り、可動体演出(可動体役物60、80による当否結着用演出)の発動条件が成立したか否かが判断される(ステップS301)。演出Fのシナリオがリーチ演出の後段のうちの最終決着段階の前半処理に相当する部分シナリオまで進むと、可動体役物60、80による当否結着用演出の発動条件が成立する。なお、この発動条件が成立するまでは(ステップS301:NO)、何もしないでこの演出Fのシナリオ実行処理を抜ける。
(4−1−2.前兆演出の実行)
リーチ演出の最終決着段階の前半処理に入り、可動体役物60、80による当否結着用演出の発動条件が成立すると(ステップS301:YES)、枠演出ボタン13の操作を促す報知を行う(ステップS302)と共に、第1可動体役物60を図13(a)に示す原点位置Aから液晶表示装置36の表示領域中央に向けて一段前進させて、中間演出位置Bへ移動させる(ステップS303)。第1可動体役物60はその一部が液晶表示装置36の表示領域内に入りかつ表示領域前方に位置する状態となる。すなわち、この第1可動体役物60の動きによって大当りを予感させる「前兆演出」が現出される。また液晶表示装置36の画面に画像演出も発生し、第1可動体役物60による前兆演出とこの画像演出とが協働して当否結着準備演出を現出させる。なお、この前兆演出の実行段階では、第2可動体役物80は図13(b)に示す原点位置aにて待機している。
この前兆演出時には、液晶表示装置36の画面表示は、図13の(b)に示すように、装飾図柄表示部361が右片隅に小さく表示される状態に変化する。また、キャラクタ53による会話予告形式で「成敗!」というメッセージ予告が表示され、その下方に枠演出ボタン13のボタン画像130が表示されて、遊技者による枠演出ボタン13の押し下げ操作を促す。このボタン画像130の表示が、ステップS302による枠演出ボタン13の操作を促す報知であるが、音声を伴っても良い。
また、枠演出ボタン13をボタン配置面からボタン体を突出可能な立体構造にしておいて、上記前兆演出時などの必要時にボタン配置面からボタン体を突出させることで、遊技者に押すことを促す構成としても良い。この場合は、ボタン配置面から突出したボタン体を、その頂面がボタン配置面のレベルとなるまで押し下げることで、枠演出ボタン13のボタン操作をしたことになる。後述する第2および第3の実施形態でも同様である。
この段階まで演出Fのシナリオが進むと、図12のプログラムはステップS304に進み、このボタン画像130が表示されている期間中に枠演出ボタン13がON操作されるのを待つ。すなわち、枠演出ボタン13がON操作される迄は(ステップS304:NO)、枠演出ボタン13の有効時間(ON操作受付時間)が経過したか否かを判断し(ステップS305)、枠演出ボタン13の有効時間がまだ経過していない場合は(ステップS305:NO)、ステップS304に戻って枠演出ボタン13がON操作されるのを待つ。ここで枠演出ボタン13の有効時間は、最終決着段階の前半処理を開始してから当該前半処理を終了するまでの所定時間としてあらかじめ定められている。
(4−1−3.最終決着演出の実行)
枠演出ボタン13を遊技者がON操作した瞬間、または枠演出ボタン13がON操作されることなく枠演出ボタン13の操作有効時間が経過した瞬間、演出シナリオはリーチ演出の最終決着段階の後半処理に入り、最終決着演出(当り報知演出またはハズレ報知演出)を実行する。
(4−1−4.当り報知演出時)
まずステップS306、S307に進み、当該図柄変動表示ゲームが大当り抽選で大当りした変動パターンに基づくものであるか否かを判断し、大当りに対応するものである場合は(ステップS306:NO、ステップS307:YES)、当り報知演出として、第1可動体役物60を、図13(b)に示す中間演出位置Bから図13(d)に示す最終演出位置(当り報知演出位置)Cに移動させる(ステップS308)。この最終演出位置Cでは、液晶表示装置36の表示領域内かつ表示領域の前方に第1可動体役物60の全体が入り込む状態となる。また、第2可動体役物80を図13(b)に示す原点位置aから図13(c)に示す最終演出位置(当り報知演出位置)bに移動させ、かつ抜刀状態に変化させ、露出部分を発光させる。この最終演出位置bでは、液晶表示装置36の表示領域内かつ表示領域の前方に第2可動体役物80の全体が入り込む状態となる。
したがって、枠演出ボタン13を押圧操作した瞬間、液晶表示装置36の表示領域へ、第1可動体役物60と第2可動体役物80の可動体が一挙動して出現するインパクトのある演出が発生することから、遊技者は、心地よい当り報知演出を味わうことになる。
この後、プログラムはステップS310に進み、演出Fのシナリオの残りを実行し、演出Fのシナリオ実行処理を終了する。
(4−1−5.ハズレ報知演出時)
一方、当該図柄変動表示ゲームがハズレの変動パターンに基づくものである場合(ステップS306:YES)、または小当りの変動パターンに基づくものである場合は(ステップS307:NO)、ハズレ報知演出として、中間演出位置(前兆演出位置)Bに来ていた第1可動体役物60を図13(e)に示す原点位置Aに戻す(ステップS309)。これにより、第1可動体役物60は液晶表示装置36の表示領域外に退去する。
このようにハズレの図柄変動表示ゲームの場合にも、リーチ演出の最終決着段階の後半処理における最終決着演出において、第1可動体役物60を中間演出位置Bから原点位置Aに戻す演出を発生させると、可動体の移動を伴わないハズレ報知態様に比べ、弾球遊技に対する興趣を高めることができる。
この後、プログラムはステップS310に進み、演出Fのシナリオの残りを実行し、演出Fのシナリオ実行処理を終了する。
上記の実施態様をまとめると次のようになる。
(1)特別図柄を表示する特別図柄表示手段(特別図柄表示装置38)と、
前記特別図柄表示手段よりも表示領域が大きく、遊技盤の遊技領域に前側のセンター飾り(48)を通して当該表示領域が視認し得るように配置され、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動表示ゲームを表示する表示手段(液晶表示装置36)と、
前記センター飾りに一部または全部が隠れるようにして前記画像表示手段の表示領域周囲に設けられ、前記画像表示手段の表示領域周囲に原点位置を持つ可動体(61〜63、81〜82)が位置検出センサを備えた駆動機構(70、90)によって前記原点位置から前記画像表示手段の表示領域中央に向かう方向に(多段階に)変化し得るように構成された複数の可動体役物(60、80、51、52)と、
前記図柄変動表示ゲームを含む遊技の動作を統括的に制御する主制御部(20)と、
前記主制御部からの制御コマンドに基づき前記表示手段および前記可動体役物を含む演出手段における演出制御を司る演出制御部(24)と、
遊技者が操作可能な少なくとも1つの演出用操作手段(枠演出ボタン13)とを備え、
前記図柄変動表示ゲームの最終段階において実行される当否結着用演出において前記演出用操作手段を操作することにより、大当りの当否結果が前記可動体役物の動きにより報知されるように構成した遊技機において、
前記演出制御部は、
前記複数の可動体役物のうちの第1可動体役物(60)に関し、前記図柄変動表示ゲーム中において前記当否結着用演出の発動条件が達成されたか否かを監視する発動監視手段(演出Fのシナリオ実行処理:図12のS301)と、
前記図柄変動表示ゲーム中に発生させる演出を制御する演出制御手段(演出実行処理:図11)と、を有し、
前記演出制御手段は、
前記発動監視手段において前記当否結着用演出の発動条件が達成されることに基づき、前記図柄変動表示ゲームの最終段階の前半において前兆演出として、前記第1可動体役物(60)を前記原点位置Aから前記表示手段の表示領域中央に向けて一段前進させた中間演出位置Bに移動させるとともに、前記演出用操作手段の操作を促す報知演出(ボタン画像130の表示)を行う前半制御手段(演出Fのシナリオ実行処理:図12のS302〜S303)と、
前記前兆演出において前記演出用操作手段の操作がなされたか、または前記演出用操作手段の操作を受け付ける所定の有効時間が経過したことを条件に(図12のS304:YES、S305:YES)、前記図柄変動表示ゲームの最終段階の後半に進み、最終決着演出として、当該図柄変動表示ゲームが大当りの場合には、前記第1可動体役物を前記中間演出位置Bから表示領域中央に向けて更に一段前進させた最終決着演出位置Cに移動させる当り報知演出を実行し、また当該図柄変動表示ゲームがハズレの場合には、前記第1可動体役物を前記中間演出位置Bから前記原点位置Aに戻すハズレ報知演出を実行する後半制御手段と、を含む、
ことを特徴とする遊技機。
(2)前記主制御部は、
始動条件の成立に基づき、当落抽選と図柄抽選とを含む大当り抽選を行う大当り抽選手段と、
前記大当り抽選に当選したことを条件に遊技者に有利な大当り遊技を発生させる大当り発生手段と、
前記大当り抽選の抽選結果情報に基づき図柄の変動パターンと停止図柄を決定し、制御コマンドとして、図柄の変動パターン情報を含む変動パターン指定コマンドと、特別停止図柄の情報を含む装飾図柄指定コマンドとを演出制御部に送信する手段と、を有し、
前記変動パターン情報は当りの場合とハズレの場合を区別する情報とリーチ演出の発生を指定する情報を含んでおり、
前記演出制御部は、
前記変動パターン指定コマンドがリーチ演出を伴う変動パターン情報を含むことに基づいて、前記当否結着用演出の発動が許されるための実行条件が達成されたか否かを監視する実行監視手段(変動パターン指定コマンド受信処理:図10のS101、S105)を、さらに有し、
前記発動監視手段は、前記実行条件が達成されたことを条件に、前記図柄変動表示ゲーム中において前記当否結着用演出の発動条件が達成されたか否かを監視し、
前記演出制御手段は、前記発動監視手段において前記当否結着用演出の発動条件が達成されることに基づき、多数の演出シナリオのうちから前記当否結着用演出付のリーチ演出を伴う演出シナリオを選択し、当該演出シナリオにしたがって、前記第1可動体役物(60)を動作させて前記前兆演出と前記最終決着演出とを実行する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の遊技機。
(3)前記演出制御部は、前記複数の可動体役物の一つとして第2可動体役物(80)を備え、
前記演出制御手段における前半制御手段は、前記図柄変動表示ゲームの最終段階の前半において、前兆演出として、前記第2可動体役物を原点位置aのままとし、
後半制御手段は、前記図柄変動表示ゲームの最終段階の後半において最終決着演出として、当該図柄変動表示ゲームが大当りの場合、当り報知演出の一環として、前記第2可動体役物を前記原点位置aから表示領域中央に向けて更に前進させた最終決着演出位置bに移動させ、また当該図柄変動表示ゲームがハズレの場合には、ハズレ報知演出の一環として、前記第2可動体役物を前記原点位置aのままとする、
ことを特徴とする上記(2)に記載の遊技機。
[第2の実施形態:図14、図15]
以上に説明した第1の実施形態では、発動条件が成立すると、前兆演出として第1可動体役物を中間演出位置へ移動させる演出を実行し、その後の最終決着演出において、当該図柄変動表示ゲームがハズレの変動パターンに基づく図柄変動表示ゲームであった場合には、ハズレ報知演出として第1可動体役物を中間演出位置から原点位置へ戻す形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、前兆演出として第1可動体役物を中間演出位置へ移動させる替わりに、原点位置Aにある第1可動体役物60に当否結着演出が生起する前触れとなる運動を行わせる実施形態(第2の実施形態)としてもよい。たとえば、第1可動体役物を小刻みに振動させる(突没方向や横方向や上下方向などに比較的小さい幅で往復動する動き、たとえば連打運動を繰り返す)演出を実行し、その後の最終決着演出において、当該図柄変動表示ゲームがハズレの変動パターンに基づく図柄変動表示ゲームであった場合には、当該小刻み振動を停止する構成とすることができる。
以下、この第2の実施形態を図14、図15を参照しながら説明する。ただし以下では、主に第1の実施形態と異なる点について説明し、同じ構成要素については重複記載を避けるために、詳細な説明は省略する。また説明の便宜上、図14のシナリオ実行処理を示すフローチャートの符号(ステップ番号)は、基本的に、図12と同じ符号を付してある。
図14は第2の実施形態における演出Fのシナリオ実行処理を示したものである。ステップS303の前兆演出を実行する処理と、ステップS309のハズレ報知演出を実行する処理の処理内容が、第1の実施形態における演出Fのシナリオ実行処理(図12)と異なっている。すなわち、図14において、演出Fのシナリオ実行処理が開始され、当否結着用演出付きリーチ演出の最終決着段階における部分シナリオの前半(最終決着段階の前半処理)に入ると、発動条件が成立し、前兆演出を行う点は図12の場合と同じである。しかし、この第2の実施形態では、前兆演出として、第1可動体役物を原点位置に留めつつ可動体61〜63を所定方向、たとえば可動体役物の進退方向に小刻み振動させる演出を実行する。この所定方向の小刻み振動をどのようなものにするかは任意であるが、この例では、図15(b)に示すように、第1可動体役物60を、その進退方向(上下方向)に比較的小さい幅で往復動させる繰り返し運動(揺動運動)を行うようになっている。また、この前兆演出時には、図15(b)に示すように、液晶表示装置36の画面に、枠演出ボタン13のボタン画像130が表示されて、枠演出ボタン13の押し下げ操作を促す演出が現出する。
枠演出ボタン13の押し下げ操作をした瞬間、または所定の有効時間が経過した瞬間、演出シナリオがリーチ演出の最終決着段階の後半処理に入り、当否抽選の抽選結果がハズレまたは小当りである図柄変動表示ゲームの場合には、ハズレ報知演出として、図15(b)に示す原点位置(待機位置)Aにて小刻み振動している第1可動体役物60の小刻み振動が止む演出が発生する(ステップS309、図15(e))。このように当否抽選の抽選結果がハズレの図柄変動表示ゲームの場合にも、リーチ演出の最終決着段階の後半処理における最終決着演出において、第1可動体役物60の小刻み振動(前兆演出)を停止させることにより、弾球遊技に対する興趣を高めることができる。
なお、当否抽選の抽選結果が大当りである図柄変動表示ゲームの場合には、図13(d)で説明した当り報知演出が実行される。すなわち、当り報知演出として、図15(b)に示す原点位置(待機位置)Aにて小刻み振動している第1可動体役物60が、表示領域中央に向けて一気に前進し、図15(d)に示す最終演出位置(当り報知演出位置)Cに移動する。また第2可動体役物80が落下して最終演出位置bに移動し、第2可動体役物80の左右一対の可動体81、82が離れる方向にスライド移動して抜刀した形となる。
従来の遊技機における可動体役物演出は、可動体役物が原点位置で待機しており、リーチ演出の最終決着段階(最も遊技者の緊張感が高まるところ)で遊技者が演出ボタンを押下したこと(または有効時間が経過したこと)を契機として、大当りの図柄変動表示ゲームの場合は、可動体役物の可動体が液晶表示装置の表示領域中央に向けて移動し、液晶表示装置の表示領域(画面)中央の前方に一挙動にて現れる。この構成によれば、大当りの場合は、演出ボタンの押下で可動体役物が一挙動にて現出しかつ図柄変動表示ゲームで装飾図柄の図柄揃いが生起するため、非常に遊技者に対するインパクトがある。
しかし、遊技者が演出ボタンを押下し(または有効時間が経過した)場合でも、当否抽選に当選していないハズレの図柄変動表示ゲームの場合は、可動体役物の可動体が原点位置から全く動かない。パチンコ遊技機においては、当否抽選に当選していないハズレの図柄変動表示ゲームが遊技の多くを占める。したがって、図柄変動表示ゲームの多くを占めるハズレの図柄変動表示ゲームにおいて、可動体役物の可動体が原点位置から全く動かないのでは、パチンコ遊技機において可動体役物を用いた演出が有効に活かされていない。また、複数搭載された可動体役物の全部が原点位置にいる状態では、演出ボタンの押下でいずれの可動体役物が作動すれば大当りに直結するのかが分かり難い。したがって、遊技者が可動体演出による演出を理解し難いために、遊技の興趣を高める妨げとなっている。
しかし、この第2の実施形態によれば、演出ボタンの押下前に、位置移動する可能性のある該当可動体役物を突没方向に小刻み振動させるなどにより前触れ動作をさせておき、押下の結果によって可動体役物を移動させる。すなわち、大当りの図柄変動表示ゲームの場合には、原点位置で小刻み振動している可動体役物が最終演出位置へ移動する。また、ハズレの図柄変動表示ゲームの場合には、原点位置のまま可動体役物の前触れ動作を止めさせる停止演出を行う。このため、ハズレの図柄変動表示ゲームの場合にも、可動体役物の動作を活かした演出を行うことが可能になり、また、可動体役物の前触れ動作の有無により大当りに関する当否の判定を行うことが可能になる。
<変形例1:図16>
上記実施形態では、第1可動体役物60および第2可動体役物80の移動形態として、液晶表示装置の表示領域の下方から可動体61〜63が競り上がって中間演出位置(前兆演出位置)Bや最終演出位置Cに位置移動する昇降構造の形態と、液晶表示装置の表示領域の上方から可動体81、82が落下して最終演出位置bに位置移動する昇降構造の形態とについて説明したが、本発明はこれに限定されない。
たとえば図16(a)に示すように、軸101を中心として回動駆動されるレバー102の先に可動体61を取り付け、これをスイング駆動機構103により、原点位置A、中間演出位置B、最終演出位置Cに二段階に移動させることができるスイング式の可動体役物として第1可動体役物60を構成し、また第2可動体役物80も同様に、軸101を中心として回動駆動されるレバー102の先に可動体81を取り付け、これをスイング駆動機構103により、原点位置A、中間演出位置B、最終演出位置Cに二段階に移動させることができるスイング式の可動体役物として構成することができる。
また図16(b)に示すように、二つ折れ可能なリンク104の先端に可動体61を取り付け、このリンクの後端をリンク駆動機構105により回動させて、可動体61を原点位置A、中間演出位置B、最終演出位置Cに二段階に移動させることにより、横方向に突没させることのできる突没式の可動体役物として第1可動体役物60を構成することもできる。第2可動体役物80についても同様に突没式の可動体役物として構成することができるが、この図16(b)ではスイング式の可動体役物として示してある。
<変形例2>
上記第1の実施形態(図8、図16参照)において、第1可動体役物60の原点位置Aから中間演出位置Bまでの距離をL1とし、中間演出位置Bから最終演出位置Cまでの距離をL2としたとき、距離L1とL2については任意の長さに定めることができる。したがって、距離L1とL2を同じ長さに設定することもできるが、距離L1とL2の長さに大小関係を付けると、次のように遊技性を増すことができる。
L2>L1の関係に設定した場合、ハズレ時に第1可動体役物60が中間演出位置Bから原点位置Aに戻る距離L1よりも、当り時に第1可動体役物60が原点位置Aから中間演出位置Bに移動するまでの距離L1の方が長い関係になる。したがって、当り報知演出時の第1可動体役物60によるインパクトのある大きな動き(距離L2)を確保しつつ、ハズレ報知演出時における第1可動体役物60の可動距離(距離L1)も確保することが可能になる。
L1>L2の関係に設定した場合、相対的に長くなった原点位置Aから中間演出位置Bまでの距離L1を有効に活用すべく、距離L1の側で行う第1可動体役物60の動きを取り入れることにより、当り時のインパクトのある当り報知演出を創生することができる。たとえば、当り時に第1可動体役物60を中間演出位置Bから一旦原点位置Aに戻してから最終演出位置Cまで移動させる(中間演出位置B→原点位置A→最終演出位置C)という動きをさせる。このようにすると、当り時に第1可動体役物60の「中間演出位置B→原点位置A」の動きと「原点位置A→最終演出位置C」の動きを伴うので、当り時の第1可動体役物60によるインパクトのある動きを確保することができる。また、ハズレ時には第1可動体役物60が中間演出位置Bから長い距離L1を移動して原点位置Aに戻るので、ハズレ報知演出時における第1可動体役物60の長い可動距離(距離L1)も確保することが可能になるので、ハズレ報知演出の効果を増大させることができる。
また、この場合は、ハズレ時の第1可動体役物60の動き「中間演出位置B→原点位置A」が、当り時における第1可動体役物60の動き「中間演出位置B→原点位置A→最終演出位置C」と途中段階まで重なるため、ハズレ時において第1可動体役物60が原点位置Aに停止するその瞬間まで、第1可動体役物60が当り報知演出動作の前半をなぞるハズレ演出動作を行うことになる。このため、大当りしている遊技ではないかと遊技者に期待を抱かせることが可能となる。よって、ハズレ報知演出の効果を、ハズレ報知演出の効果に負けない実効あるものにすることができる。
<変形例3>
上記実施形態では、第1可動体役物60が中間演出位置Bに移動する場合に、第2可動体役物可動体80は位置移動しないものとして説明した。しかし、第1可動体役物60が中間演出位置Bに移動する場合、第2可動体役物可動体80も独自の中間演出位置b1に移動するように構成し、そして、ハズレ報知演出時においても、当り報知演出時と同じように、これらの複数の可動体役物(60、80)が同時にそれぞれの原点位置に戻るように構成することができる。
すなわち、第1可動体役物60および第2可動体役物可動体80が中間演出位置B、b1から原点位置A、aに戻る移動距離が同じ場合は、第1可動体役物60および第2可動体役物80を同時に中間演出位置B、b1から原点位置A、aに戻す。ただし、移動する速度が可動体役物によって異なっている場合は、その速度の相違を考慮して、第1可動体役物60および第2可動体役物可動体80が同時に原点位置に戻ることができる異なったタイミングに、原点位置に戻す開始タイミングを設定する。
第1可動体役物60および第2可動体役物可動体80が中間演出位置B、b1から原点位置A、aに戻る移動距離が異なる場合は、第1可動体役物60および第2可動体役物可動体80が同時に原点位置に戻ることができる異なったタイミングに、原点位置に戻す開始タイミングを設定するか、または、移動する速度を可動体役物によって異ならせて、第1可動体役物60および第2可動体役物可動体80が同時に原点位置に戻ることができる速度に設定する。
このようにすると、ハズレ報知演出時においても、当り報知演出時と同じように、複数の可動体役物(60、80)が同期して原点位置に戻るという可動体役物演出を実現することができる。
<変形例4>
また、ハズレ時に、二つの可動体役物が押し合いをしている姿を現出させるように構成することもできる。この場合、第1可動体役物60が原点位置A、中間演出位置B、最終演出位置Cに移動しうるのと同様に、第2可動体役物80も原点位置a、独自の中間演出位置b1、最終演出位置bに移動し得るように構成する。そして、ハズレ報知演出時には、一方では、第1可動体役物60が「中間演出位置B→最終演出位置C」という移動を行い、他方では第2可動体役物80が「原点位置a→中間演出位置b1→最終演出位置b→原点位置a」あるいは「原点位置a→中間演出位置b1→原点位置a」という動きをするように制御する。
このようにすると、ハズレ時の可動体役物を用いた演出時間を長く設定し、演出効果を増大させることができる。
<変形例5>
上記実施形態において、枠演出ボタン13は、そのボタン体をボタン配置面から突出可能な立体構造に構成してもよい。この立体構造の枠演出ボタンの場合、上記前兆演出時などの必要時に、ボタン体内部のランプを発光させながら、ボタン配置面からボタン体を突出させることで、遊技者に押すことを促すことになる。この場合は、ボタン配置面から突出したボタン体を、その頂面がボタン配置面のレベルとなるまで押し下げることで、枠演出ボタン13のボタン操作をしたことになる。
また中空な立体ボタン体の中にミニパトランプを模した回転灯を収納した押しボタンランプを搭載している機種の場合、これを枠演出ボタン13の替わりに、または枠演出ボタン13と併用する形で使用することもできる。この場合は、上記前兆演出時などの必要時に、液晶表示装置36の画面に枠演出ボタン13の替わりにミニパトランプのボタン画像130が表示される。遊技者は、その押し下げ操作が促された際に、遊技者がミニパトランプの押しボタンを押すことになる。ミニパトランプの押しボタンを押すと、作動条件が成立している場合(大当りの場合)は、当り報知演出の一環として、ボタン体内部の回転灯が回転しながら発光し、押しボタン操作がされたこと、および大当りしたことを遊技者に報知する。
また、枠演出ボタン13それ自体を、第1可動体役物60および/または第2可動体役物80として構築することもできる。この構成の下では、可動体役物60、80は、多くの場合、液晶表示装置36の表示領域の前面に入り込まない形態となるが、遊技者に近い位置で可動体役物を可動させることができるので、ハズレ時の演出効果を高めることができる。
また、第1可動体役物60および/または第2可動体役物80にモーションセンサを設け、このモーションセンサに枠演出ボタン13の機能を果たさせるように構成することもできる。
<変形例6>
上記実施形態では、第1可動体役物60と第2可動体役物80はセンター飾り48に設けたが、可動体役物60、80は外枠4や前面枠2などの枠側に設けてもよい。そのように構成した場合、可動体役物60、80は液晶表示装置36の表示領域の前面に入り込まない形態となるが、遊技者に近い位置で可動体役物を可動させることができるので、ハズレ時の演出効果を高めることができる。
また第1可動体役物60と第2可動体役物80は、枠側に枠演出ボタン13として機能するように構成することもできる。
<変形例7>
上記実施形態では、第1可動体役物60と第2可動体役物80とが最終決着演出位置C、bで接近する態様として、接したり重なり合わない態様を説明したが、第1可動体役物60と第2可動体役物80とを、まとまりのある集合体(立体モデル)を形作る組合せ用素体、たとえばロボット模型の上半体と下半体を担うパーツとして構成し、これを最終決着演出位置C、bにおいて互いに接近して合体させ、まとまりのある集合体(ロボットの模型)を形作るように構成することもできる。
接近して合体させる場合に、第1可動体役物60と第2可動体役物80とが少し離れている状態で合体していても良いが、接している状態や、一部または全部が前後に重なり合っている状態で集合体の完成した姿態が現出するようにしてもよい。
たとえば図16(b)の駆動機構を用いる場合において、第1可動体役物60が少し手前にあり、第2可動体役物80がそれよりも後ろにあって、合体時に衝突し合わないように配慮されていて、第1可動体役物60と第2可動体役物80とが最終決着演出位置C、bにきたとき一部が前後に重なって、ロボットの上半身と下半身を模したパーツが上下に合体したように見えるように構成し、あるいはまたロボットの胸部の左半体と右半体を模したパーツが左右に合体したように見えるように構成しても良い。上下に合体させる場合に、第1可動体役物60と第2可動体役物80が表示領域のいずれの辺側から表示領域中央に向けて移動してくるようにするか、または第1可動体役物60と第2可動体役物80のどちらが表示領域の上下方向に見て上側に来るようにするかは、任意に定めることができる。
また組合せ用素体の全部が前後に重なり合った状態で、物語上の関連がある集合体の完成した姿態が現出するようにしてもよい。このような物語上の関連がある集合体としては、たとえば図8に示した捕り物の物語を連想させる提灯と日本刀や十手を模した組合せ用素体(第1可動体役物60と第2可動体役物80)とする場合が挙げられる。このような連想関係にある場合には、たとえば表示領域前側から見て面積の大きい提灯を模した第1可動体役物60の前側に、これより面積の小さい日本刀を模した第2可動体役物80が重なり、この重なり合いにより最終決着演出が現出するようにすることができる。ロボットの身体と腰に付けるベルトとを合体させるような場合も同様である。
また、最終決着演出位置でまとまりのある集合体を形づくる場合に、使用する可動体役物の数は2つに限定されるものではなく、2組以上の可動体役物、たとえば3組の可動体役物を用いてまとまりのある集合体を形づくるようにすることができ、そのうちの一つを上記第1可動体役物60とし、他の一つを第2可動体役物80として扱うことができる。
<変形例8>
上記実施形態では、第1可動体役物60が最終決着演出位置Cに移動する場合に、可動体自体が変動しないものとして説明した。しかし、第1可動体役物60が回転、揺動または開閉などの姿態を変化させる運動を伴いながら最終決着演出位置Cに位置移動するように構成して、当り報知演出を現出させるようにしても良い。第2可動体役物80についても同様に可動体が姿態を変化させる運動を伴いながら位置移動するように構成することができる。
<変形例9>
上記実施形態では、第1可動体役物60を液晶表示装置36の表示領域中央に向けて2段階に変化しうる構成としたが、3段階以上の多段階に変化しうる構成とすることができる。かかる構成の下では、以下のような変形例が可能である。
(1)上記実施形態では、前兆演出や最終決着演出に関し、当りの種別が異なっていても可動体役物60、80に同じ動作をさせたが、当り種別に応じて可動体役物60、80の役物動作を異ならせる実施形態とする。
たとえば、第1および第2の実施形態において、出玉あり大当りの変動パターンである場合は、最終決着演出である当り報知演出(図13(d)、図15(d))として、第1可動体役物60に激しい可動体動作(たとえば、右ストレート)をさせるが、出玉なし(2R・小当り系)の変動パターンの場合は、当り報知演出として、優しい役物動作(たとえば、ジャブ)をさせる。ハズレの場合は、何もしないで中間演出位置Bから原点位置A(初期位置)に戻る。
(2)変動パターンの当り当選期待度の高低に応じて、可動体役物60、80の役物動作を異ならせる実施形態とする。
たとえば、強SPリーチ種別のうち、SPリーチ6とSPリーチ7とでは、後者のSPリーチ7の方が前者のSPリーチ5よりも当り当選期待度が高い変動パターンである。
当り当選期待度が相対的に低いSPリーチ6指定変動パターンの場合は、演出ボタンを押す前の第1可動体役物60の動作として、第1可動体役物60が原点位置Aから比較的短い所定の距離L1だけ(たとえば1cmほど)少し前に出る動作(前兆演出)をさせる。
しかし、当り当選期待度が相対的に高いSPリーチ7指定変動パターンの場合は、第1可動体役物60が原点位置Aから相対的に更に少し長い距離L2だけ(たとえば1.5cmほど)少し前に出る動作(前兆演出)をさせる。
このように構成すると、第1可動体役物60が原点位置から相対的に長い距離L2だけ前に出る動作(前兆演出)をした場合、大当りの当選期待度が高いことを遊技者に報知することになる。したがって、遊技者は大当りするとの期待感をもって、大いに緊張しつつ演出ボタンを押すことになる。
また、これの変形例として、たとえば、同じ当り当選期待度を持つSPリーチ6指定変動パターンの場合であっても、当りの場合とハズレの場合とで、第1可動体役物60が前に出る動作距離を異ならせる構成とすることもできる。たとえば、当りの場合は高確率で、所定の距離L2だけ(1.5cmほど)前に出る動作(前兆演出)を行い、ハズレの場合は低確率で距離L2だけ前に出る動作を行う構成とする。
(3)遊技状態に応じて役物動作を異ならせる実施形態とする。
たとえば、「秘匿演出モード」として、既に説明した上記「本物の秘匿演出モード(高確)」と上記「ガセの秘匿演出モード」とを設けた場合、これら演出モードに応じて役物動作を異ならせる。すなわち、潜確期待演出として、第1可動体役物60が前に出る動作を行う前兆演出を行う場合において、通常状態の場合は所定の距離L2(1.5cmほど)だけ前に出る動作を低確率で行うが、潜確状態の場合には、所定の距離L2(1.5cmほど)だけ前に出る動作を高確率で行う。
また、潜確状態を確定的に報知する演出系として、潜確状態の場合は、前兆演出時に、上記前に出る動作とは異なる動作を第1可動体役物60にさせる。たとえば、上記距離L2よりも更に長い距離L3だけ(5cmほど)前に出る動作を低確率で(高確率であっても良い)行う。また別法として、潜確状態の場合は、前兆演出時に、上記第1および第2の実施形態における第1可動体役物60の可動体61〜63のうち、一側の可動体61よりも他側の可動体62の方を高く上昇させ、両可動体の高さを異ならせても良い。
このように遊技状態(大当り抽選確率状態)に応じて役物動作を異ならせる構成にすると、遊技者がボタンを押す前の第1可動体役物60の動作態様を見て、現在の遊技状態(大当り抽選確率状態)が如何なる遊技状態であるかを推測する要素(手掛かり)を、遊技者に与えることができる。また、前兆演出における第1可動体役物60の動作態様から潜確状態が確定する動作もあり得ることを知ることで、遊技に対する興趣を一層高めることができる。
この変形例として、ハズレの図柄変動表示ゲームである場合に、演出ボタンを押した後、第1可動体役物60が原点位置に戻るまでの期間中の前段階に、第1可動体役物60の第3の動作を入れて、遊技に対する興趣を高めることもできる。
たとえば、演出ボタンを押した後、原点位置に単に戻るのではなく、演出ボタンを押すと潜確状態を示唆する何らかの動作(第3の動作)、たとえば振るえを伴う戻り動作を行うか否かが抽選され、当該抽選結果として第3の動作を行うことが決定された場合、当該振るえ動作を経てからまたは振るえ動作を伴いながら原点位置に戻るように構成する。そして潜確時状態の場合は、高確率で、この第3の動作が介在してからまたは介在しつつ原点位置に戻る動作が発生するように構成する。
(4)上記の(1)〜(3)を組合わせた形態とすることも可能である。
(5)またST機において、大当り後の特典遊技状態ST規定回数が消化されるまでの期間中(本実施形態では、大当り抽選確率が高確率状態となる潜確状態中または確変状態中)の期間を前半と後半に分け、その前半区間(高確状態A)と後半区間(高確状態B)において、以下のような構成とする。
(A)STの前半区間と後半区間とで第1可動体役物60の役物動作を異ならせる。つまり前兆演出における演出ボタン操作前の動作(第1の動作)および演出ボタン操作後の最終決着演出における動作(第2の動作)の少なくともいずれか一方の動作を異ならせる。
たとえば、前提として、まず前半区間と後半区間とでは前半区間の方が図柄変動表示動作の変動時間が短くなるように設定する。そして一方の前半区間では、大当りの場合以外では第1可動体役物60を動作させない(ハズレ時は、変動時間が短い(高速変動期間)のため演出時間が確保できない)ように定める。また他方の後半区間は変動時間が長い低速変動期間であるので、後半区間では、大当りの場合の他にハズレの場合でも可動体役物を作動させる演出が発生しうる構成にする。このように構成すれば、前半区間では、役物が動作した時点で大当りが確定する喜びがあり、後半区間ではハズレもあり得るので緊張感が増すという作用効果が得られる。
ST機には、確変が10000回のように実質的に次回当りまで確変が継続するタイプ(以下、タイプ(イ)と言う)と、70回ほどで確変が終了するタイプ(以下、タイプ(ロ)と言う)とがあるが、いずれのタイプのST機でも、STの前半区間と後半区間を設定し、その前半区間と後半区間とで第1可動体役物60の役物動作を異ならせることができる。
(B)前半区間と後半区間で特に変動時間を変化させない機種において、前半区間では役物が動作する確率を高く、後半区間では役物が動作する確率を低く設定する。この構成は、上記した70回ほどで確変が終了するタイプ(ロ)に適する。
たとえば、一方において、強SPリーチ指定の「当り」変動パターンの場合、前半区間では、前兆演出時において第1可動体役物60が動作する確率が40%、後半区間では、前兆演出時において第1可動体役物60が動作する確率が40%(前半区間と同じ)とする。他方において、強SPリーチ指定の「ハズレ」変動パターンの場合、前半区間では、役物が動作する確率が40%、後半区間では、役物が動作する確率が10%とする。
このように構成すると、強SPリーチが発生し、役物動作演出が発生した場合、当り当選期待度は、前半区間では低くなるが(当り時・ハズレ時双方で同じ発生率)、後半区間ではかなり高くなる(当り時が40%とすれば、ハズレ時はその1/4の10%しかない)。したがって前半区間では、ハズレ・当りの双方で、役物動作演出が同じ発生率とした場合は五分五分であるのであまり期待感は得られないが、後半区間では当りの場合が高確率で発生することから、遊技者の気持ちは「当るはず!」となり、緊張感が増すことになる。特に後半区間がST終了10回転(ST終了間近)とすると、ST終了の緊張感が加わることになるので、役物動作演出が発生した時の大当り期待度の緊張感は最大になる。このように、前半区間と後半区間でメリハリのある演出効果を得ることができる。
なお、強SPリーチ指定の「当り」変動パターンの場合、前兆演出時において第1可動体役物60が動作する確率を後半区間と前半区間とで同じ40%としたが、これは前半区間では、ハズレ・当りの双方で可動体役物の役物動作演出が同じ発生率で起こる態様とする方が遊技に対する興趣を高める得るからであり、事情によっては異ならせても良い。たとえば前兆演出時において第1可動体役物60が動作する確率が40%、後半区間では前兆演出時において第1可動体役物60が動作する確率が、20%としても良い。
(C)一方の前半区間では、前兆演出時における第1可動体役物60の動作(第1の動作:中間演出位置への移動または原点位置での小刻み振動動作)を省略し、最終決着演出時にいきなり可動体が最終演出位置に移動する演出が行われ、他方の後半区間では、前兆演出時における第1可動体役物60の動作(第1の動作:中間演出位置への移動または原点位置での小刻み振動動作)を生起させ、そして最終決着演出時にいきなり第1可動体役物60が最終演出位置に移動する演出が行われる構成とする。
上記のように最終決着演出時にいきなり可動体が最終演出位置に移動する演出が行われる場合、枠演出ボタン13を押している間は前兆演出時における第1可動体役物60の動作が継続しており、枠演出ボタン13から手を離すと、第1可動体役物60が最終演出位置に移動する。したがって、この形態は、第1可動体役物60を、その可動体を上から吊り下げている構成にしている場合に効果的である。
このように構成すると、前半区間と後半区間でメリハリのある演出効果が期待できる。ST機の場合、前半区間から後半区間に入ると、すぐに終了してしまうとの緊張感が張りつめており、この後半区間の緊張状態下でのみ、前兆演出時に第1可動体役物60の役物動作が発生するからである。
[第3の実施形態:図17、図18]
図17、図18に第3の実施形態を示す。
この第3の実施形態は、当否結着用演出を伴う演出シナリオにおいて、リーチ演出の最終決着段階の前半処理では、前兆演出を実行しないで(図17中には図12、図14のステップS303が存在しない)、演出ボタン操作を促す報知のみを行い(図17のステップS302)、その後の最終決着演出において、当該図柄変動表示ゲームがハズレの変動パターンに基づく図柄変動表示ゲームであった場合には、第1可動体役物60を原点位置と中間演出位置Bとの間で寸動(たとえば1回の往復運動)をさせる(図17のステップS309a)ように構成したものである。
枠演出ボタン13を押し下げた瞬間、または所定の有効時間が経過した瞬間、演出シナリオがリーチ演出の最終決着段階の後半処理に入り、当否抽選の抽選結果がハズレまたは小当りである図柄変動表示ゲームの場合には、ハズレ報知演出として、第1可動体役物60がピクリと寸動(一往復動)する演出が発生する(ステップS309a、図18(e))。
このように当否抽選の抽選結果がハズレの図柄変動表示ゲームの場合にも、リーチ演出の最終決着段階の後半処理における最終決着演出において、第1可動体役物60の寸動演出を発生させることにより、弾球遊技に対する興趣を高めることができる。なお、このハズレ報知演出を現出させる際には、ハズレである旨の効果音などの演出が発生するようにしても良い。
当否抽選の抽選結果が大当りである図柄変動表示ゲームの場合には、図13(d)で説明した当り報知演出が実行される。すなわち、当り報知演出として、図18(b)に示す原点位置Aにて待機している第1可動体役物60が、表示領域中央に向けて一気に前進し、図18(d)に示す最終演出位置(当り報知演出位置)Cに移動する。また第2可動体役物80が落下して最終演出位置bに移動し、第2可動体役物80の左右一対の可動体81、82が離れる方向にスライド移動して抜刀した形となる。