以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下の縁上)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示、変動表示ともいう)される。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、たとえばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、たとえば3つといった複数の変動表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示される。この飾り図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに、飾り図柄の変動表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の変動表示を行ない、変動表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(たとえば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される飾り図柄には、8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行なわれ、図柄番号が最大(「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(「1」)である飾り図柄が表示される。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行なわれる。ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行なわれる。
第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数および合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(「4」)に対応した個数(4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤2における遊技領域の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図示しないソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図示しない第1始動口スイッチや第2始動口スイッチによって検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用の図示しないソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、図示しないカウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
さらに、遊技盤2における遊技領域の中央には、画像表示装置5を囲むように内側フレーム40が取り付けられている。内側フレーム40は、円形枠状に構成されており、遊技盤2の盤面の一部を構成している。内側フレーム40は、この実施の形態では、遊技領域における遊技球が打ち込まれる遊技面から前面側(遊技者側)に突出して形成されており、図示しない打球発射装置から発射された遊技球は、内側フレーム40より外側を流下する。
内側フレーム40の内側には、遊技の際に動作する複数の演出可動機構が設けられている。この実施の形態では、内側フレーム40における上部に第1演出可動機構100Aが設けられており、内側フレーム40における左部に第2演出可動機構200Aが設けられている。また、第1演出可動機構100Aの裏側には、第3演出可動機構300A(図1では図示せず)が設けられており、内側フレーム40における右部に第4演出可動機構400A(第4演出可動機構400)が設けられている。なお、パチンコ遊技機1は、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aの全てが設けられるものに限定されず、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aの幾つかだけが設けられてもよい。また、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aは、図1に示す位置関係で設けられるものに限定されず、それぞれが任意の場所に設けられればよい。なお、以下の説明においては、必要に応じて、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
また、遊技機用枠(台枠)3の下部表面には打球供給皿(上皿)がある。打球供給皿の下部には、打球供給皿に収容しきれない遊技球(遊技媒体)を貯留する余剰球受皿、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)等が設けられている。余剰球受皿(下皿)を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図2参照)が設けられ、スティックコントローラ31Aの操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検出するトリガセンサ127(図2参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検出する傾倒方向センサユニット123(図2参照)が設けられている。また、スティックコントローラ31Aには、スティックコントローラ31Aを振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図2参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ31Aの上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検出するプッシュセンサ124(図2参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ31Aの取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン31Bおよびスティックコントローラ31Aの取付位置を、上皿および下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ31Aの取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行なわれ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行なわれる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行なわれるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(「16」)よりも少ない第2ラウンド数(「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(16回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行なわれる。すなわち、小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の変動表示が開始される。そして、飾り図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。この実施の形態では、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった種類のスーパーリーチ演出が予め用意されている。
飾り図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための変動表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の変動表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行なわれる。「滑り」の変動表示演出では、飾り図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について変動表示を再度実行することにより、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の変動表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の変動表示が開始されてから変動表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(最大3回まで)行なうことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の変動表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の変動表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再変動表示)が行なわれる。この実施の形態では、「擬似連」の変動表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行なわれることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の変動表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の変動表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
飾り図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
この実施の形態では、予告演出として、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるまでの期間に第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aを動作させる演出が実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の変動表示が開始されてから、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、たとえば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行なわれる。時短制御が行なわれることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(システムリセットが行なわれた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行なわれる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行なわれる。確変制御が行なわれることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行なわれるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行なう傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行なわれる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行なわれるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行なわれるようにしてもよい。
高開放制御が行なわれることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行なわれていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行なわれる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行なわれる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行なわれる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行なわれる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行なわれて時短制御や高開放制御が行なわれない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行なわれる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行なわれて時短制御や高開放制御が行なわれない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行なわれずに時短制御や高開放制御が行なわれる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行なわれない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行なわれるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行なわれればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて変動表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行なわれず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、変動表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の変動表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、変動表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の変動表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。なお、小当りとは、突確と同一または近似した開放態様で制御されるようにすればよい。ここで、近似とは、たとえば、突確の開放時間が0.2秒開放するのに対して小当りは、0.1秒や0.3秒開放する場合のことである。また、近似とは、たとえば、突確が4回開放するのに対して小当りは、3回や5回開放する場合のことである。このように、小当りは、出玉が獲得できる16ラウンド大当りに対して突確の開放パターンと近いものであればよい。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の変動表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行なわれる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。
パチンコ遊技機1には、図2に示すような電源基板10、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板15、発射制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板18なども搭載されている。また、電源基板10は、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板15等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各制御基板および機構部品が使用する電圧を生成する。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100や、スイッチ回路114、ソレノイド回路115が搭載されている。スイッチ回路114には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24、入賞確認スイッチ25などの各種スイッチからの検出信号が入力される。スイッチ回路114は、これらの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路、リセット/割込みコントローラと、乱数回路と、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、タイマ回路(PIT)と、シリアル通信回路(SCI)と、外部バスインタフェースとを備えて構成されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるクロック回路は、制御用外部クロック端子に入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックを生成する回路である。クロック回路により生成された内部システムクロックは、CPUといった、遊技制御用マイクロコンピュータ100において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックは、乱数回路にも供給され、乱数用クロックの周波数を監視するために用いられる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるリセット/割込みコントローラは、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部や外部にて発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラが制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路は、16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。CPUは、乱数回路から抽出した数値データに基づき、RAMの所定領域に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工あるいは更新することで、乱数値MR1〜MR4の全部又は一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、CPUは、乱数回路を用いることなく、RAMの所定領域に設けられたランダムカウンタのみを用いて、ソフトウェアによって乱数値MR1〜MR4を示す数値データの一部をカウント(更新)するようにしてもよい。一例として、ハードウェアとなる乱数回路からCPUにより抽出された数値データを、ソフトウェアにより加工することで、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR4を示す数値データは、CPUがランダムカウンタなどを用いてソフトウェアにより更新すればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを開放状態(第1状態)に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPUは、ROMから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPUが外部バスインタフェースやシリアル通信回路などを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPUが外部バスインタフェースやシリアル通信回路などを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行なわれる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPUがROMに格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU)が実行する(又は処理を行なう)ということは、具体的には、CPUがプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROMには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROMには、セキュリティチェックプログラムが記憶されていてもよい。CPUは、パチンコ遊技機1の電源投入やシステムリセットの発生に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100がセキュリティモードに移行したときに、ROMに記憶されたセキュリティチェックプログラムを読み出し、ROMの記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。また、ROMには、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムとなる制御コードの他に、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データや決定用データ、テーブルデータなどが格納される。ROMには、CPUが各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROMには、CPUが主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAMは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAMの少なくとも一部は、電源基板10のバックアップ電源回路500において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間はRAMの少なくとも一部の内容が保存される。RAMには、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞の発生に対応して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPUにより取得(抽出)された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データとが、保留データとして第1特図保留記憶部に記憶される。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞の発生に対応して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPUにより取得(抽出)された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データとが、保留データとして第2特図保留記憶部に記憶される。
遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。遊技制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。遊技制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。遊技制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部には、遊技用乱数の一部または全部をCPUがソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPUによるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPUがランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路は、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。タイマ回路は、内部システムクロックに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(ハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路は、払出制御基板15(払出制御用マイクロコンピュータ150)とのシリアル通信により信号を入出力(送受信)するための回路である。シリアル通信回路は、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150との間における双方向のシリアル通信に使用されればよい。また、シリアル通信回路は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120との間における単一方向(送信のみ)のシリアル通信に使用されてもよい。これにより、演出制御基板12の側から主基板11に対する信号入力を禁止して、不正行為を防止することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える外部バスインタフェースは、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバスおよび各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。外部バスインタフェースは、遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであればよい。
図2に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板18を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、および第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aなどの動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aなどの動作については、演出制御基板12から第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aにそれぞれ含まれるモータ901(後述する第1演出可動機構100A用モータ、第2演出可動機構200A用のモータ、第3演出可動機構300A用モータ、第1役物用モータである駆動モータ414、第2役物用モータであるモータ491)に、駆動指令などを伝送させることにより動作させる。また、演出制御基板12は、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aにそれぞれ含まれる初期位置センサ902(後述する第1位置検出センサ、第2位置検出センサ、第3位置検出センサ、左右位置検出センサ417、回転位置検出センサ497)などからの検出信号が伝送される。
演出制御基板12には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1における演出動作を制御する演出制御用マイクロコンピュータ120や、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)121、演出データメモリ122が搭載されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行なうランプドライバ回路などが搭載されている。遊技効果ランプ9は、プッシュボタン31B内にも内蔵されている。
演出制御用マイクロコンピュータ120は、内蔵または外付けの演出制御用ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作するCPU120Aを備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)とのシリアル通信により信号を入力(受信)するシリアル通信回路を内蔵してもよい。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、主基板11から伝送された制御信号としての演出制御コマンドに基づいて、VDP121に画像表示装置5の表示制御を行なわせる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、CPU120Aのワークエリアを提供する、内蔵または外付けのRAM(図示せず)を備えている。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、受信した演出制御コマンドに従って演出データメモリ122から必要なデータを読み出すための指令をVDP121に出力する。演出データメモリ122は、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくための記憶領域を有する。VDP121は、CPU120Aの指令に応じて、演出データメモリ122の所定領域から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、演出データメモリ122の所定領域に予め記憶された演出制御パターンを構成するパターンデータを読み出し、音声制御基板13やランプ制御基板14に対して各種の制御指令を出力してもよい。
払出制御基板15は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、主基板11から送信された制御コマンドや通知信号を受信して、払出モータ51による遊技球の払出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、払出制御基板15は、払出モータ51による賞球の払出動作を制御する機能を備えている。また、払出制御基板15は、インタフェース基板を介したカードユニットとの通信結果に応じて払出モータ51の駆動制御を行って、球貸し動作を制御する機能を備えていてもよい。
払出制御基板15には、プログラムに従って遊技球の払出動作を制御する払出制御用マイクロコンピュータ150や、スイッチ回路151が搭載されている。スイッチ回路151には、満タンスイッチ26や球切れスイッチ27からの検出信号を受信するための配線や、払出モータ位置センサ71や払出カウントスイッチ72、エラー解除スイッチ73からの検出信号を受信するための配線が接続されている。また、払出制御基板15には、払出モータ51における遊技球の払出制御を行なうための指令信号を送信するための配線や、エラー表示用LED74における表示制御を行なうための指令信号を送信するための配線、インタフェース基板を介してカードユニットとの間で通信を行なうための配線などが接続されている。
図2に示す発射制御基板17は、操作ノブ31の操作量に応じて、所定の発射装置による遊技球の発射動作を制御するためのものである。発射制御基板17には、電源基板10あるいは主基板11からの駆動信号を伝送する配線や、カードユニットからの接続信号を伝送する配線、および操作ノブ31からの配線が接続されるとともに、発射モータ61への配線が接続されている。発射制御基板17は、操作ノブ31の操作量に対応して発射モータ61の駆動力を調整する。発射モータ61は、発射制御基板17により調整された駆動力により発射バネを弾性変形させ、発射バネの付勢力を打撃ハンマに伝達して遊技球を打撃することにより、遊技球を操作ノブ31の操作量に対応した速度で遊技領域に向けて発射させる。
中継基板18を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。演出制御コマンドは、たとえば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(第7ビット[ビット7])は必ず“1”とされ、EXTデータの先頭ビットは“0”とされる。
この実施の形態におけるコマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける第1特図の変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける第2特図の変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1および第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図および第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
また、コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、変動表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、変動表示結果が「大当り」となる場合のうち「非確変」、「確変」、「突確」のいずれとなるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと変動表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、変動表示結果通知コマンドに示される変動表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと変動表示結果(「ハズレ」、「大当り」および「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別など)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと変動表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと変動表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと変動表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の変動表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、変動表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、変動表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。なお、飾り図柄停止コマンドは、主基板11から演出制御基板12に対して伝送されないようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する変動表示時間を、演出制御基板12の側で特定し、飾り図柄の変動表示を開始してからの経過時間が変動表示時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を完全停止表示して変動表示結果を確定させるようにしてもよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始指定コマンドでは、変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り種別や「時短外突確」または「時短中突確」などに応じて異なるEXTデータが設定されればよい。あるいは、大当り開始指定コマンドでは、大当り種別などに応じて設定されるEXTデータを、変動表示結果通知コマンドとは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(ラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、16ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(「1」〜「16」)や、2ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドでは、変動表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り種別や「時短外突確」または「時短中突確」などに応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、大当り終了指定コマンドでは、大当り種別などに応じて設定されるEXTデータを、変動表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドとは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA600Hは、小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する小当り開始指定コマンドである。コマンドA700Hは、小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する小当り終了指定コマンドである。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶部における保留データと第2特図保留記憶部における保留データの総記憶数(「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部と第2特図保留記憶部における保留データの総記憶数を特定することができる。
この実施の形態では、第1および第2始動口入賞指定コマンドと保留記憶数指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1始動条件および第2始動条件のいずれが成立したかの通知内容と、合計保留記憶数の通知内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、成立した始動条件(第1始動条件あるいは第2始動条件)と合計保留記憶数との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、成立した始動条件と合計保留記憶数とを特定できるようにしてもよい。ここで、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定可能とする場合には、合計保留記憶数の上限値が「8」である場合に、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した場合に対応して8種類ずつの合計16種類の演出制御コマンドを用意しなければならない。これに対して、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定可能な演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドとを別個に用意すれば、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれを特定可能な2種類の演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な8種類の演出制御コマンドとからなる、合計10種類の演出制御コマンドを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
主基板11から払出制御基板15に対して送信される制御コマンドは、電気信号として伝送される払出制御コマンドである。なお、払出制御コマンドは、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPUによって払出制御コマンドを送信するための設定が行なわれ、その設定に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路により払出制御基板15に対して送信されるものである。以下の説明では、主基板11から払出制御基板15に対する払出制御コマンドの送信動作に、こうした遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられたCPUやシリアル通信回路による一連の動作が含まれているものとする。
次に、この実施の形態における第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aについて説明する。
第1演出可動機構100Aは、図1に示す画像表示装置5の上端側において第3演出可動機構300Aの前方に位置し、遊技の際に装飾体を進退させたり発光させたりすることによって演出動作を行なうものである。第1演出可動機構100Aは、遊技盤2本体に支持されるベース体と、駆動源としてのモータと位置を検出する第1位置検出センサとを含む駆動ユニットと、駆動ユニットにより駆動されてベース体に対して上下方向に移動する装飾体とを備える。第1位置検出センサは、フォトセンサであり、後述する初期位置検出処理などにおいて、第1演出可動機構100Aの初期位置を検出する。
第1演出可動機構100Aは、演出制御基板12からの指令や制御データに基づいて動作する。具体的に、装飾体が退避位置に位置する状態でモータから動力が出力されてモータギアが回転すると(演出制御基板12からの指令や制御データが第1演出可動機構100A用のモータに伝送され回転すると)、背面部材と装飾体とが前ベース部のガイドレールにガイドされて下方に進出移動する。このときには、装飾体が図1に示す画像表示装置5の前方に位置する。また、装飾体が進出位置に位置する状態で、モータから動力が出力されてモータギアが回転すると、背面部材と装飾体とが前ベース部のガイドレールにガイドされて上方に退避移動する。このときには、装飾体が画像表示装置5の前方に重ならずに上方に位置する。このように、この実施の形態の第1演出可動機構100Aでは、装飾体の進退に応じて、画像表示装置5の視認性が変化するので、遊技者に画像表示装置5と第1演出可動機構100Aとに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第2演出可動機構200Aは、図1に示す画像表示装置5の左端側に位置し、演出制御基板12からの指令や制御データが第2演出可動機構200A用のモータ(パンタグラフ用モータ)に伝送されることで、遊技の際に装飾部材を進退させたり発光させたりすることによって演出動作を行なうものである。具体的に、第2演出可動機構200Aは、演出制御基板12からの指令や制御データに基づいて、装飾部材を後退させてこの装飾部材の少なくとも一部が、当該装飾部材が収納されるケース内に隠れる状態と、装飾部材を画像表示装置5の前方位置に進出させて視認できる状態とに変位させたり、装飾部材を発光させたりするなどの動作を行なうことができる。
第2演出可動機構200Aは、遊技盤2に支持される本体ケースと、この本体ケース内に支持される駆動源としてのパンタグラフ用モータ(第2演出可動機構200A用のモータ)を含む第1駆動ユニットと、このパンタグラフ用モータからの動力を受けて伸縮動作するパンタグラフ機構と、このパンタグラフ機構に装着され、パンタグラフ機構の伸縮動作に連動して進出状態と退避状態とに変化可能な装飾部材と、パンタグラフ機構を伸展させる方向にこのパンタグラフ機構に付勢力を作用させる付勢部材としての付勢ばね(引張コイルばね)と、パンタグラフ機構が縮んだ状態であるか否かを検出する第2位置検出センサ(たとえばフォトセンサ)を備える。第2位置検出センサは、後述する初期位置検出処理などにおいて、第2演出可動機構200Aの初期位置を検出する。
第3演出可動機構300Aは、図1に示す画像表示装置5の上側に後退した状態において第1演出可動機構100Aの裏側(後方)に位置し、演出制御基板12からの指令や制御データが第3演出可動機構300A用のモータ(駆動用モータ)に伝送されることで、遊技の際に装飾体を進出させたり発光させたりすることによって演出動作を行なうものである。
第3演出可動機構300Aは、内側フレームの上部に取り付けられる後ベース部および前ベース部と、当該後ベース部に対して動作可能に支持される可動部と、当該可動部を駆動する駆動ユニットとを備える。可動部は、駆動用ユニットが動作することにより動作する。駆動ユニットは、ベース体と、駆動源としての駆動用モータ(第3演出可動機構300A用モータ)と、駆動用モータの回転軸に取り付けられたモータギアと、モータギアと噛合する駆動ギアと、第3位置検出センサとを備える。第3位置検出センサは、フォトセンサであり、後述する初期位置検出処理などにおいて、第3演出可動機構300Aの初期位置を検出する。なお、第1〜第3位置検出センサは、フォトセンサ以外の種々の非接触式センサ、接触式センサを用いてもよい。
次に、第4演出可動機構400Aについて図3〜図9を用いて説明する。図3(a)は第4演出可動機構400Aの正面図、図3(b)は第4演出可動機構400Aの背面図である。第4演出可動機構400は、演出制御基板12からの指令や制御データが第4演出可動機構400A用のモータ(後述する第1役物用モータである駆動モータ414、第2役物用モータであるモータ491)に伝送されることで、遊技の際に第1役物である上部機構部470を左右方向に移動させたり第2役物である回転体430を回転させたり発光させたりすることによって演出動作を行なうものである。
第4演出可動機構400は、図3に示すように、内側フレーム40の上部に装着される上部支持部材410と、内側フレーム40の下部に装着される下部支持部材420と、上部支持部材410と下部支持部材420との間に支持される上部機構部470(第1役物)と回転体430(第2役物)と下部機構部(台座)480とを備える。上部機構部470(第1役物)は、図1に示す画像表示装置5の前方位置で左右方向に移動可能なものである。また、回転体430(第2役物)は、図1に示す画像表示装置5の前方位置で回転可能である。なお、この実施の形態では、上部機構部470を第1役物としているが、第1役物は、台座480や下部支持部材420、後述する縦軸部471を含んでいてもよい。また、当該第1役物および第2役物は、それぞれ動作を行なう前後において(より具体的には、初期位置、動作中の位置、のいずれにおいても)、常に遊技者から視認可能な位置に備えられている。
回転体430は、図3に示すように、中央に縦楕円形状の開口部441が形成された横回転可能な縦楕円形状の環状装飾体440と、この環状装飾体440の開口部441内に位置する縦回転可能な縦楕円形状の内部装飾体460とを備える。また、回転体430は、環状装飾体440の上部に配設された上部機構部470(第1役物)と、環状装飾体440の下部の配設された台座480とで回転可能に支持される。すなわち、この実施の形態では、第2役物としての回転体が第1役物としての上部機構部470に配設されている。したがって、第2役物としての回転体430は、図1に示す画像表示装置5の前方位置で第1役物である上部機構部470とともに左右方向に移動可能となっている。
具体的に、第4演出可動機構400Aは、上部機構部470(第1役物)を、上部支持部材410の右端の下方位置にある状態(図3(a)に示す状態)と、その位置から左側に移動した左側位置にある状態(図3(b)に示す状態)とに変位可能な構成である。図4を用いて、上部支持部材410と下部支持部材420の構成について説明する。図4は上部支持部材410と下部支持部材420を構成要素ごとに分解して後方視した第4演出可動機構400の分解斜視図である。
上部支持部材410は、図4に示すように、内側フレーム40の上部に装着される横長板状の上部本体枠411と、この上部本体枠411の背面に装着される横長板状の補強用板金412と、上部本体枠411の背面に装着され、上部機構部470(第1役物)を左右方向に移動させる第2駆動ユニット413とを備える。
上部本体枠411は、樹脂などを金型に射出することによって形成される。上部本体枠411は、正面視で略矩形状の横長板状であり、その背面の左上箇所と右下箇所に、内側フレーム40の上部にネジ止めするための締結部が形成されている。補強用板金412は、たとえば金属製であり、剛性が高いものである。
第2駆動ユニット413は、図4に示すように、演出制御基板12からの駆動信号に基づいて動作する駆動モータ414(第1役物用モータ)と、この駆動モータ414が回動することで回動するピニオン群415と、このピニオン群415の第3歯車415cと噛合するラック部416とを備える。ラック部416の上面には、その長手方向に沿って複数の歯が並設されている。
駆動モータ414は、図4に示すように、上部本体枠411の背面側に突出形成されたボス部411bにネジ止めされる。駆動モータ414は、ステッピングモータであり、第1役物である上部機構部470を左右方向に移動させる第1役物用モータである。駆動モータ414は、サーボモータ、ブラシレスモータなどの各種のモータを用いてもよい。
ピニオン群415は、駆動モータ414の回動軸にスプライン結合される第1歯車415aと、この第1歯車415aと噛合する小歯車部415dとこの小歯車部415dよりも径の大きい大歯車部415eとが同軸で重なって一体形成された第2歯車415bと、この第2歯車415bの大歯車部415eと噛合する第3歯車415cとを備える。第2歯車415bと第3歯車415cは、上部本体枠411の背面側に突出形成された軸支部411cに回動可能に軸支される。第1歯車415a、第2歯車415bおよび第3歯車415cは、たとえば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
図4に示すように、上部本体枠411の下部側箇所にはこの上部本体枠411の左右長さ(横幅)に近い長さとする横長状の摺動用孔411aが形成される。ラック部416は、図4に示すように、上部本体枠411の前側から摺動用孔411aに挿入される横長状の摺動部材416aにネジ止めすることで、上部本体枠411に装着される。具体的には、この摺動部材416aの背面側にはたとえば3個の摺動ピン部416bが形成され、各摺動ピン部416bにはリング体416cが挿入され、摺動ピン部416bの先端面にはネジ穴が形成され、ラック部416の貫通孔に挿入されたネジが摺動ピン部416bのネジ穴に螺入されることで、ラック部416が左右方向に移動可能に上部本体枠411に装着される。ラック部416は、樹脂などを金型に射出することによって形成される。
また、図4に示すように、上部本体枠411の右端部の背面箇所には、ラック部416の位置を検出する左右位置検出センサ417(たとえばフォトセンサ)を備え、ラック部416の右端上部箇所には検出片416dが装着される。図3(a)に示すように、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに右端に位置する、つまり、図4に示すラック部416が最右端箇所に移動すると、このラック部416の検出片416dが左右位置検出センサ417に位置する。また、上部機構部470が回転体430とともに最右端箇所から離れた位置にあるとき、つまり、ラック部416が最右端から離れた位置に移動すると、ラック部416の検出片416dが左右位置検出センサ417から外れた位置に位置し、左右位置検出センサ417により、上部機構部470が最右端箇所に位置するか否かを検出することができる。
また、回転体430(第2役物)は、図4に示すように上部支持部材410に垂下支持される。具体的には、回転体430の上部機構部470には、上方に突出する縦軸部471が配設され、ラック部416の下部右端寄り箇所には縦軸部471を軸支する軸受け部418が形成されており、ラック部416の軸受け部418によって、回転体430が回動可能に上部支持部材410に垂下支持される。
また、第4演出可動機構400は、図5(a)、図5(c)に示すように、上部機構部470が回転体430とともに最右端位置P1に位置するとき(すなわち、第1役物である上部機構部470が初期位置に位置するとき)には、回転体430を左向きに変更し、上部機構部470が回転体430とともに最右端位置P1以外の位置にするときには回転体430を前向きとする向き変更機構472を備えている。
この向き変更機構472は、図4、図5に示すように、上部機構部470の縦軸部471の先端側に固定されて前側に突出した平面視靴状の板カム部473と、上部機構部470(第1役物)が回転体430とともに最右端に到達する際に板カム部473の靴先状部473aが当接する、上部本体枠411に形成された当接部411dと、その向きが変更された板カム部473の靴先状部473aが挿入される、上部本体枠411に形成された窪み部411eとを備える。板カム部473は、樹脂などを金型に射出することによって形成される。
図6に示すように、板カム部473の前端部は平面視で直線状の端面である。図5(d)に示すように、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに左側位置から最右端の手前の位置までの範囲にあるときは、板カム部473の前端部が上部本体枠411の背面に当接し、板カム部473は正面を向いたまま維持されるため、上部機構部470も前向きのままである。一方、図5(c)に示すように、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに最右端位置P1に位置に到達すると、板カム部473の靴先状部473aが上部本体枠411の当接部411dに当接してその向きが左向きに変わり、その左向き変更による回動角(45°程度)分だけ縦軸部471が左回動する。板カム部473の靴先状部473aは上部本体枠411の窪み部411eに挿入された状態となり、縦軸部471の45°程度の左回動に伴って上部機構部470が左向きとなる。
すなわち、図5(a)、図5(c)に示すように、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに右方向に移動して最右端位置P1に位置すると(すなわち、第1役物である上部機構部470が初期位置に位置すると)、回転体430(第2役物)が正面よりも左側にたとえば45°程度向いた左向きとなる(すなわち、第2役物である回転体430が初期位置に位置することとなる)。そして、環状装飾体440が前向きで回転停止した状態の場合には、回転体430(第2役物)が左向きになることに伴って環状装飾体440も左向きとなる。また、図5(b)、図5(d)に示すように、第1役物である上部機構部470が、回転停止した回転体430とともに最右端位置P1の手前位置P2から左端位置P3までにあるときには、回転体430(第2役物)が正面を向いた前向き姿勢となる。そして、環状装飾体440が前向きで回転停止した状態の場合には、回転体430(第2役物)が前向きになることに伴って環状装飾体440も前向きとなる。
下部支持部材420は、図4に示すように、内側フレーム40の下部に装着される横長棒状の金属製のスライダー部材421と、このスライダー部材421による左右方向へのスライドに従動する下部本体枠422とを備える。
スライダー部材421は、長手方向に沿って形成された縦断面視コノ字状の受け溝部423aを有する横長棒状のレール体423と、このレール体423の受け溝部423aに装着されレール体423に対して長手方向(左右方向)に摺動可能なスライド体424とを備える。レール体423とスライド体424はたとえば金属製であり、剛性が高いものである。
下部本体枠422は、樹脂などを金型に射出することによって形成され、縦辺部422aと下辺部422bとを備えた背面視で略L字板状としており、その下辺部422bの背面にスライド体424がネジ止めされ、その縦辺部422aの先端側に下部機構部480が装着される。
上部機構部470は、図6に示すように、環状装飾体440を横回転するとともにこの環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460を縦回転させる第3駆動ユニット490と、この第3駆動ユニット490を内部に収納し、前面および側面に装飾処理が施された上部収納ケース474と備える。この上部収納ケース474の上部側には縦軸部471が突出した状態で固定され、この縦軸部471の先端側に板カム部473が固定されている。上部収納ケース474は、樹脂などを金型に射出することによって形成される。
第3駆動ユニット490は、図6に示すように、演出制御基板12からの駆動信号に基づいて回転するモータ491(第2役物用モータ)と、このモータ491が固定されて上部収納ケース474の背面側から装着される固定板492と、モータ491の回動軸にスプライン結合される二重歯車493とを備える。第3駆動ユニット490は、回転体430における回転動作を行なう駆動手段である。
モータ491は、ステッピングモータであり、第2役物である回転体430を回転させる第2役物用モータである。なお、モータ491は、サーボモータ、ブラシレスモータなどの各種のモータを用いてもよい。この二重歯車493は、下側に位置する小歯車部493aと、上側に位置する、小歯車部493aよりも径の大きい大歯車部493bとが同軸で重なって一体形成された歯車である。固定板492と二重歯車493は、樹脂などを金型に射出することによって形成される。
さらに、第3駆動ユニット490は、二重歯車493の大歯車部493bと噛合する歯車部494aが固定された平歯車付軸494と、二重歯車493の小歯車部493aと噛合する歯車部495aが上側に一体形成された円盤体495と、この円盤体495を回転可能に支持する円盤支持板496とを備える。平歯車付軸494と円盤支持板496は、たとえば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
円盤体495の中央箇所には、その回転中心に円形形成された円形開口部495bが形成され、この円形開口部495bに平歯車付軸494が回転可能に挿入される。また、環状装飾体440の上部箇所には、上方に突出する円筒部442が形成され、この円筒部442のたとえば前面先端箇所にキー溝部442aが形成されている。円盤体495の下側には、円形開口部495bを中心に三重の円筒突起部が形成され、そのうちの最小の第1円筒突起部495cが環状装飾体440の円筒部442に挿入され、次に大きい第2円筒突起部495dの内周に環状装飾体440の円筒部442の外周が当接して挿入され、最大の第3円筒突起部495eの外周が円盤支持板496の半円状切欠部496aに当接する。第1円筒突起部の外周所定箇所とこの箇所と対向する第2円筒突起部495dの該当箇所とを連結するようにキー突起部495fが形成され、このキー突起部495fがキー溝部442aに挿入される。
平歯車付軸494は、円盤体495の中央箇所の円形開口部495bに挿入されると、その先端側が円盤体495の下方に突出し、環状装飾体440の外周上部箇所の円筒部442から開口部441に向けて垂下方向に挿入配置される。
また、上部収納ケース474には、図6に示すように、円盤体495の回転位置を検出する回転位置検出センサ497(フォトセンサ)を備える。円盤体495の外周縁部495gには切欠部495hが形成されている。具体的には、この回転位置検出センサ497は、図6に示すように、円盤体495の外周縁部495gを検出するように上部収納ケース474に配設され、第1役物である上部機構部470が第2役物である回転体430とともに右方向に移動して最右端位置P1に位置して環状装飾体440も左向きとなったときに(回転体430が初期位置となったときに)円盤体495の外周縁部495gの切欠部495hが回転位置検出センサ497に位置し、回転体430が初期位置でないときには円盤体495の外周縁部495gの切欠部495h以外の箇所が回転位置検出センサ497に位置する。このようにして、回転位置検出センサ497により、回転体430(第2役物)の初期位置を検出することができる。また、円盤支持板496は、円盤体495を回転可能に支持する状態で上部収納ケース474の背面側からその下部箇所に装着される。
ここで、図7を用いて、環状装飾体440と内部装飾体460について説明する。図7は、環状装飾体440と内部装飾体460を構成要素ごとに分解して前方視した分解斜視図である。
環状装飾体440は、図7に示すように、その中央に開口部441が形成された縦長ドーナツ状体の中空形状であり、その前側半分の外形を形成する前側環状体443と、その後側半分の外形を形成する後側環状体444とを備える。前側環状体443と後側環状体444とを合わせることで形成される内部空間に後述する導光体445、LED実装基板446、環状支持体447およびリングギア448が収納される。前側環状体443と後側環状体444は、その上部左側箇所にネジを挿入して両者が締結され、さらにその下部の突出筒部449に環状の止め具450が装着されることで一体化される。
つまり、環状装飾体440は、図7に示すように、その前側に位置し中央に開口部441を有する前側環状体443と、この前側環状体443の内部に装着される楕円環状で薄板状の導光体445と、この導光体445の背面側に位置するとともにその環状方向に沿って配設される円弧状の3個のLED実装基板446と、これらのLED実装基板446が前面側に装着される環状支持体447と、この環状支持体447が装着され且つ後側に位置し中央に開口部441を有する後側環状体444と、この後側環状体444の内部に装着され且つ開口部441よりも大きい円形環状のリングギア448とを備える。
リングギア448は、その前面に複数の歯がリング状に並設される。リングギア448の直径は、環状装飾体440の開口部441の開口の長径よりも長く、環状装飾体440の外周の短径よりも短い。後側環状体444の内部には、開口部441よりも大きい円形状のガイド溝444aが形成され、このガイド溝444aにリングギア448が装着される。リングギア448をガイド溝444aに装着することでリングギア448の脱落が防止される。
また、第4演出可動機構400全体の重量により圧迫されることでリングギア448がガイド溝444a内を回動し辛くならないように、このガイド溝444aはリングギア448が配設された状態でリングギア448との間に隙間を持たせた大きさとしている。つまり、ガイド溝444aには隙間(ガタ)を大きめにとっている。
3個のLED実装基板446の前面側には、複数のLED446aが実装されており、これらのLED446aからの光が導光体445に入射され、この導光体445の前面が面状に発光し、この導光体445からの光が前側環状体443の背面に照射されることで、前側環状体443が発光する。
内部装飾体460は、図7に示すように、その外形が縦長楕円柱体の中空形状であって環状装飾体440の開口部441よりも小さい形状であり、その前側半分の外形を形成する前側楕円体461と、その後側半分の外形を形成する後側楕円体462とを備え、前側楕円体461と後側楕円体462とを合わせた状態で左右箇所からネジ止めることで両者が一体化される。
後側楕円体462の上下方向中央でその右側部箇所に右横軸部463が形成され、この右横軸部463に横ピンギア464がネジ止めにより固定され、環状装飾体440の開口部441の右箇所の軸受け部441aに横ピンギア464の軸部が軸支される。また、内部装飾体460の上下方向中央で左側部箇所に左横軸部465が形成され、この左横軸部465にリング体466が挿入されて、環状装飾体440の開口部441の左箇所の軸受け部441bに左横軸部465が軸支される。
図7に示すように平歯車付軸494は上ピンギア453にスプライン結合される。なお、平歯車付軸494は図8に示すように円盤体495の円形開口部495bに回転可能に挿入されるものであるが、図7では平歯車付軸494と上ピンギア453とのスプライン結合を示すために、円盤体495の図示を省略している。図7に示すように、上ピンギア453は、環状支持体447の前側上部箇所に位置し、そのギア部分が切欠部447aから環状支持体447の後側に突出しており、上ピンギア453とリングギア448とが噛合する。
また、内部装飾体460の横ピンギア464は、図7に示すように、環状支持体447の前側左部箇所に位置し、そのギア部分が切欠部447bから環状支持体447の後側に突出しており、横ピンギア464とリングギア448とが噛合する。横ピンギア464は、リングギア448と噛合し且つ縦向きの平歯車付軸494とは異なる向き(たとえば横向き)の回動軸を軸心として回動する従動歯車である。
環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所には磁石451が配設される。また、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置には、磁石451が配置される。
下部機構部480は、図6に示すように、環状装飾体440のLED実装基板446に電力供給するスリップリング481を有する電力供給部482と、この電力供給部482を内部に収納する下部収納ケース483とを備える。下部収納ケース483は、たとえば樹脂などを金型に射出することによって形成され、その前面、側面および上面に装飾処理が施されている。
図7に示すように、環状装飾体440の下部には軸体452が下方に突出状態で配設される。軸体452の上端が環状装飾体440の突出筒部449の内側にネジ止めされ、図6に示すように、この軸体452の下端がスリップリング481の挿入孔481aにスプライン結合される。電力供給部482には、回転するスリップリング481の外周面に接触する固定側のブラシ(図示省略)を備え、このブラシに供給された電力が、回転するスリップリング481に通電され、スリップリング481に接続された配線(図示省略)により環状装飾体440内のLED実装基板446に供給される。なお、スリップリング481を介して、制御信号(たとえば複数のLED446aのうち発光させる領域や色、点滅パターンなどを示す制御信号)などの各種信号を環状装飾体440に出力するようにしてもよい。
ここで、回転体430における環状装飾体440の横回転と内部装飾体460の縦回転とが同時行なわれる動作について、図8、図9を用いて説明する。図8(a)〜(h)は、前側環状体443を外した状態の回転体430であって後側環状体444を固定的に見た図である。図9(a)〜(j)は、環状装飾体440が右回りに半周するときに内部装飾体460が縦回りに一周半することを示す図である。
第3駆動ユニット490のモータ491の回転軸が回転することで二重歯車493が回転する。この二重歯車493の回転により、平歯車付軸494と円盤体495とがそれぞれ同方向に回転する。二重歯車493の上側の大歯車部493bの回転により平歯車付軸494が回転し、この平歯車付軸494の下端側の上ピンギア453が回転する。この上ピンギア453の回転によりリングギア448がリング方向に回転する。リングギア448の回転により横ピンギア464が回転し、内部装飾体460が縦回転する。また、二重歯車493の下側の小歯車部493aの回転により円盤体495が回転し、この円盤体495の回転により環状装飾体440が横回転する。
図8(a)には内部装飾体460の前側楕円体461が正面を向いた状態を0度とし、内部装飾体460がそれぞれ45度ずつ回転した状態を図8(b)〜(h)に図示している。なお、内部装飾体460が45度回転すると、環状装飾体440が15度回転するため、内部装飾体460は環状装飾体440の3倍速く回転する。内部装飾体460は、図8(a)〜(h)の回転状態を経て、再び図8(a)の状態となることで360度回転する。
図9(a)〜(j)では、環状装飾体440が右横回転して半周(180度回転)したことを示しており、環状装飾体440が20度回転すると内部装飾体460が60度回転するため、内部装飾体460は環状装飾体440の3倍速く回転する。
上記の第4演出可動機構400Aでは、リングギア448を内部に有し、このリングギア448の内側に開口部441が設けられた環状装飾体440と、この環状装飾体440の開口部441に設けられて、リングギア448の回動に従動する横ピンギア464を有し、この横ピンギア464の従動に連動して動作する内部装飾体460と、リングギア448を円周方向に回動させることにより、横ピンギア464を従動させて内部装飾体460を動作させる第3駆動ユニット490を備える。よって、環状装飾体440の内部において円周方向に回動するリングギア448に横ピンギア464が従動し、この横ピンギア464の従動動作に連動して内部装飾体460が動作するので、環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460の動作に意外性を持たせることができ、装飾体による演出の興趣を向上できる遊技機を提供することができる。
また、環状装飾体440および開口部441は楕円形状であり、リングギア448の直径は、開口部441の開口の長径よりも長く、環状装飾体440の外周の短径よりも短いので、リングギア448を環状装飾体440の内部に適切に収納でき、楕円形状の開口部441内を内部装飾体460が回転するとの意外性のある動作を簡易な構造で実現することができる。つまり、環状装飾体440を真円形状ではなく楕円形状とすることにより、その内側に真円状のリングギア448が配置されているのを想起し難くすることができ、リングギア448に連動した内部装飾体460の動作に意外性をもたせることができる。
また、環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所には磁石451が配設され、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置には、磁石451(維持手段)が配置されるので、静止状態において内部装飾体460が所定の静止位置に誘導されることで、静止状態での装飾性を向上させることができる。また、リングギア448等のガタ(歯車間の遊び、隙間)を大きくとってある場合には特に有効である。また、初期位置に位置する場合に、当該位置にて維持されるため、初期位置からずれることをより精度良く防止することができる。なお、磁石451に代えてモータやソレノイド、ストッパやギア、バネ等を備えていてもよい。また、回転位置によって動作がロックされる構造を有するラックギアであってもよい。
また、第3駆動ユニット490は、環状装飾体440にも駆動力を付与することにより、環状装飾体440を所定動作させるとともに、内部装飾体460を環状装飾体440に対して相対動作させるので、単一の第3駆動ユニット490により環状装飾体440、内部装飾体460をそれぞれ動作させることができ、製造コストを抑えることができる。
また、環状装飾体440は、第3駆動ユニット490からの駆動力で回動する平歯車付軸494が、外周所定箇所から開口部441に向けて挿入配置され、リングギア448は、その表面に複数の歯がリング状に並設され、平歯車付軸494に形成された上ピンギア453と噛合するものであり、横ピンギア464は、リングギア448と噛合し且つ平歯車付軸494とは異なる向きの回動軸を軸心として回動する従動歯車である。よって、環状装飾体440の開口部441内においてこの環状装飾体440の平歯車付軸494周りの回動とは異なる回動で内部装飾体460を回動させることができ、環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460の動作に意外性を持たせることができ、装飾体による演出の興趣を向上できる遊技機を提供することができる。
また、環状装飾体440内のLED実装基板446には、スリップリング481によって電力供給されるので、パチンコ遊技機1の電源投入時の立ち上げ動作において環状装飾体440が安全に回転する。
なお上記した第4演出可動機構400Aでは、環状装飾体440の内部のLED実装基板446により、環状装飾体440が発光する構成としているが、これに限定されるものではない。環状装飾体440の開口部441から出射された光により内部装飾体460が発光するようにしてもよい。環状装飾体440の開口部441を透光性部材で形成する。具体的には、前側環状体443と後側環状体444は透明性樹脂などを金型に射出することによって形成し、開口部441を透光性部材とする。そして、環状装飾体440の内部のLED実装基板446のLED446aを開口部441に向けて発光するよう配置するなどして、LED実装基板446からの光が開口部441に照射されるようにする。こうすることで、環状装飾体440の内部のLED実装基板446からの光が開口部441を透過して内部装飾体460が照射され、内部装飾体460が発光する。このような構成によれば、環状装飾体440の内部のLED実装基板446からの光は、透光性部材である開口部441を透過して、この開口部441内で動作する内部装飾体460に照射されるので、LED実装基板446を設けることが難しい内部装飾体460を発光させることができ、演出効果をさらに高めることができる。また、内部装飾体460の表面にメッキ処理を施している場合には、環状装飾体440からの光を反射させることができる。
また、第4演出可動機構400では、環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所に磁石451を配設し、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置に強磁性体を配置してもよい。環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所に強磁性体を配設し、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置に磁石451を配置してもよい。
また、第4演出可動機構400では、リングギア448はその背面に複数の歯が並設されたものとしてもよく、このリングギア448の背面の歯に上ピンギア453および横ピンギア464に噛合するようにすればよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、環状装飾体440とその開口部441並びに内部装飾体460を楕円形状としているが、環状装飾体440は、内部にリングギア448を有してリングギア448の内側に開口部が設けられればよく、円形形状や多角形形状など任意の形状としてもよい。また、内部装飾体460は、環状装飾体440の開口部に設けられて、リングギア448の回動に従動する従動部材を有し、従動部材の従動に伴って動作すればよく、円形形状や多角形形状など任意の形状としてもよく、環状装飾体440の開口部と異なる形状であってもよい。なお、環状装飾体440の外形や開口部441の開口が円形ではない場合には、リングギア448は、開口の中心から最大となる部位の開口直径よりも大きい直径で、開口の中心から最小となる部位の外形径よりも小さい直径のものが用いられればよい。
また、円形環状の環状装飾体440の開口部441内を、円形状の内部装飾体460がリングギア448の回動方向に回動するようにしてもよい。内部装飾体460の右横軸部463に固定された横ピンギア464に替えて、内部装飾体460の右横軸部463をリングギア448の内周面箇所に固定し、前側環状体443の開口部441と後側環状体444の開口部441との対向間隔を右横軸部463の直径よりも大きくした構成とすればよい。この場合には環状装飾体440が横回転するとともに環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460が開口部441の内周方向に回転させることができる。
また、上記した第4演出可動機構400では、リングギア448の回動に伴って横ピンギア464が回転し、内部装飾体460が縦回転するものとしたが、内部装飾体460は縦回転に代えて又は加えて、環状装飾体440に対する移動や、内部装飾体460に対して可動部材が可動するなど、他の動作を行なうものとしてもよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、リングギア448の前方にLED実装基板446が設けられるものとしたが、これに代えて又は加えて、リングギア448の後方にLED実装基板が設けられてもよい。LED実装基板をリングギア448の前方と後方とに双方に設ける場合には、環状支持体447などによって、2つのLED基板の間にリングギア448が回転可能に支持されるよう構成されればよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、第3駆動ユニット490が環状装飾体440にも駆動力を付与して、環状装飾体440を所定動作させるとともに、内部装飾体460を環状装飾体440に対して相対動作させるものとしたが、第3駆動ユニット490から環状装飾体440には駆動力が付与されないものとしてもよい。
以上が、この実施の形態における第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aの構成である。次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、電源基板10からの電力供給が開始されて遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動すると、CPUが所定のセキュリティチェック処理を実行した後などに、図10のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理を実行する。
図10に示す遊技制御メイン処理を開始すると、CPUは、まず、割込禁止に設定する(ステップS(以下、単に「S」と示す)1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。
次いで、CPUは、払出制御用マイクロコンピュータ150に対して、接続信号の出力を開始する(S4)。続いて、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(S5)。その後、CPUは、RAMをアクセス可能状態に設定し(S6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
クリア信号のチェック処理において、CPUは、クリアスイッチ501からオン状態のクリア信号(操作検出信号)が伝送されたか否か、すなわち、クリアスイッチ501がオンされているか否か確認する(S7)。S7でクリアスイッチ501がオンでない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(パリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合に、CPUは、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、CPUは初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPUは、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPUは、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S10,S11の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPUは、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態へと戻すために、電断復旧時の設定を行なう(S9a)。S9aにて電断復旧時の設定が行なわれた後には、パチンコ遊技機1の電力供給停止時(電断時)における遊技状態が確変状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定を行なう(S9b)。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501がオフであり初期化処理が実行されないことに対応して、電断復旧時の設定が行なわれるときには、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態としての確変状態(高確状態)であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する。
こうして電断時の確変記憶(あるいは時短状態を含めた特別遊技状態の記憶)があるときには、投入時状態信号の出力指定を行なう(S9c)。CPUは、RAMの所定領域に記憶された確変フラグの状態をそのまま保持することにより、投入時状態信号の出力を指定すればよい。この投入時状態信号の出力指定がなされた後、投入時状態信号がパチンコ遊技機1から外部装置へと外部出力されることになる。
初期化処理では、CPUは、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMの全領域を初期化せず所定のデータをそのままにしてもよい。続いて、作業領域の初期設定を行なう(S11)。CPUは、ROMに格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する。
S11の処理によって、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPUは、初期化コマンドの送信設定を行なう(S12)。ROMに格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、画像表示装置5に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板15への初期化コマンド等を使用することができる。なお、S13で設定された後、後述するS15aのシリアル通信回路設定が行なわれてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPUは、初期化処理時に対応して予め定められたセキュリティ信号出力時間(本例では、30秒)を設定する(S13)。セキュリティ信号出力時間に対応したタイマ初期値を、RAMの所定領域に設けられたセキュリティ信号情報タイマにセットする。セキュリティ信号情報タイマは、外部出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、S13でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことに基づいて、後述する情報出力処理(図11のS93参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
CPUは、パチンコ遊技機1における電力供給の開始(電源投入)に対応して、遊技機固有情報を外部出力するための設定を行なう(S14)。遊技機固有情報を外部出力するための設定としては、遊技機固有情報の外部出力を要求する固有情報出力要求フラグをセットし、遊技機固有情報の読出開始アドレスを固有情報読出ポインタにセットする。
また、CPUは、乱数回路を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S15)。この場合、CPUは、所定の乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路に乱数値を更新させるための設定を行なう。
続いて、CPUは、シリアル通信回路を初期設定する(S15a)。この場合、CPUは、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROMの所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路に設定することによって、シリアル通信回路に払出制御用マイクロコンピュータ150とシリアル通信させるための設定を行なう。
シリアル通信回路を初期設定すると、CPUは、シリアル通信回路の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(S15b)。この場合、CPUは、所定の割込優先順位設定プログラムに従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
たとえば、CPUは、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態において、CPUは、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、CPUは、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、S15〜S15bだけでなく、乱数回路やシリアル通信回路の設定処理の一部は、S5の処理においても実行される。S5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
そして、CPUは、所定時間(4ミリ秒)ごとに定期的にタイマ割込がかかるようにタイマ割込設定を行なう(S16)。タイマ割込の設定が完了すると、CPUは、割込禁止状態にして(S17)、初期値用乱数更新処理(S18a)と表示用乱数更新処理(S18b)を実行して、再び割込許可状態にする(S19)。すなわち、CPUは、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
S19で割込許可状態に設定されると、次にS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPUは、後述するタイマ割込処理を実行する。また、本実施の形態では、S17からS19までのループ処理の前にS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行なわれる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ100における遊技制御用タイマ割込処理(タイマ割込処理)について説明する。図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100において所定時間(4ミリ秒)ごとに発生するタイマ割込に基づいて実行される遊技制御用タイマ割込処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理の実行中に、具体的には、図10のS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPUは、タイマ割込の発生に応じて起動される遊技制御用タイマ割込処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理において、CPUは、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(S90)。
そして、CPUは、スイッチ回路114を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24および入賞確認スイッチ25などのスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:S91)。一例として、スイッチ処理では、各スイッチ21、22A、22B、23などからの検出信号においてオン状態が所定時間(4ミリ秒)継続したか否かを判定し、継続したと判定した場合には、RAMの所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられたスイッチオンバッファにおいて、オン状態を検出したスイッチと対応付けられたビット値が“1”に設定されればよい。
S91におけるスイッチ処理に続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行ない、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S92)。メイン側エラー処理では、賞球過多や賞球不足、その他の動作エラーが発生した場合に対応して、異常動作の発生を報知するための設定などが行なわれてもよい。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S93)。
情報出力処理に続いて、遊技用乱数更新処理を実行する(S94)。この後、CPUは、特別図柄プロセス処理を実行する(S95)。特別図柄プロセス処理では、RAM507の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを所定の手順で行なうために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S96)。CPUは、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(セグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPUは、S91におけるスイッチ処理の実行結果などに基づき、入賞検出信号の入力に応じて賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S97)。賞球処理に続いて、メイン側通信制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12や払出制御基板15などのサブ側の制御基板に向けて制御コマンドを送信したり、払出制御基板15から伝送された制御コマンドを受信したりするための通信制御を行なう(S98)。
一例として、メイン側通信制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファに含まれる払出用送信コマンドバッファの記憶データによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、シリアル通信回路が備える第1チャネル送受信回路に送信動作の指示を送ることなどにより、払出制御コマンドの伝送を可能にする。また、遊技制御バッファ設定部などに設けられた払出用受信コマンドバッファの記憶内容を確認して受信コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されているときには、その受信コマンドを読み出す。なお、払出用受信コマンドバッファに対する受信コマンドの格納は、シリアル通信回路にて第1チャネル送受信回路により払出通知コマンドとなる通信データを受信したことに応じて発生する第1チャネル受信割込みに基づいて実行される割込み処理により、行なわれるようにすればよい。他の一例として、メイン側通信制御処理では、送信コマンドバッファに含まれる演出用送信コマンドバッファの記憶データによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、シリアル通信回路が備える第2チャネル送信回路に送信動作の指示を送ることなどにより、演出制御コマンドの伝送を可能にする。こうしたメイン側通信制御処理を実行した後には、割込み許可状態としてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すS95にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPUは、まず、始動入賞判定処理を実行する(S101)。図13は、S101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPUは、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S201;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する(S202)。CPUは、遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S202;N)、遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S203)。
S201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S201;N)、S202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S202;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S204;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(「4」)となっているか否かを判定する(S205)。CPUは、遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S205;N)、遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S206)。
S203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(S207)。始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(S208)。
S208の処理を実行した後に、CPUは、乱数回路や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(S209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(S210)。始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。
S210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行なわれる(S211)。始動口バッファ値が「1」であるときにはROMにおける第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行なう。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROMにおける第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行なう。また、ROMにおける保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行なう(S212)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、特別図柄プロセス処理が終了した後、S98のメイン側通信制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(S213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S214)、S204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S215)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、所定時間内(4ミリ秒内)で実行される処理(タイマ割込処理)によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、S201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、S202、S203の処理を実行してから、S207〜S212の処理を実行した後、S213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、S214の処理を実行してから、S204の処理に進む。そして、S204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、S205〜S212の処理を実行した後、S213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、S215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図12に示すS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPUは、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行なわれる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行なう処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。S112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行なわれる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行なわれる。このように、S112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行なう処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行なわれ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグおよび小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理などが含まれている。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行なわれればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行なわれればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行なう処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行なう処理などが含まれている。こうした設定が行なわれたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行なう処理などが含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行なわれればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
S120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図14は、特別図柄通常処理として、図13のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄通常処理において、CPUは、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。S231の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S231;N)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S232)。このとき読み出された数値データは、遊技制御バッファ設定部に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S232の処理に続いて、第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S233)。また、S233の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、遊技制御バッファ設定部に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(S234)。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S231;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。S235の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S235の処理は、S231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
S235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S235;N)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S236)。このとき読み出された数値データは、変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S236の処理に続いて、第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(たとえば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S237)。また、S237の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(S238)。
S234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(S239)。CPUは、変動特図指定バッファ値に応じて、図15(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと図15(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bのいずれかを使用テーブルに選択すればよい。変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、図15(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを選択する一方で、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、図15(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを選択すればよい。また、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルにおけるテーブルデータを選択すればよい。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行なわれる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果の判定を行なう場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて変動表示結果の判定を行なう場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行なうようにしてもよい。
図14に示すS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」、「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、いずれの特図表示結果に割り当てられた決定値と合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S240)。
S239では現在の遊技状態に対応したテーブルデータが選択されていることから、S240の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が通常状態または時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブルにおいて遊技状態が通常状態または時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。他方、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブルにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
S240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S241)。「大当り」であると判定した場合には(S241;Y)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図16に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(S243)。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行なわれた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行なうようにしてもよい。
図14に示すS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S244)。
S244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
S241にて「大当り」ではないと判定した場合には(S241;N)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(S246;Y)、RAMに設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S247)。
S246にて「小当り」ではないと判定した場合や(S246;N)、S245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(S248)。一例として、S246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定した場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、S246にて特図表示結果が「小当り」であると判定した場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S241にて特図表示結果が「大当り」であると判定した場合には、S244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S249)、特別図柄通常処理を終了する。S235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S235;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図17は、変動パターン設定処理として、図12のS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。また、図18は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。スーパーリーチ変動パターンには、変動表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった態様のリーチ演出がある。図示するように、リーチの種類に応じて変動時間が異なっており、確変図柄によりリーチ状態となるか非確変図柄によりリーチ状態となるかに関わらず、共通の変動時間に設定されている。また、スーパーリーチAの変動パターンであるPB2−1、PB4−1において、後述するように操作演出が実行される場合がある。操作演出が実行される場合には、スーパーリーチAの態様に代えて、操作演出の態様による演出が実行される。
図17に示す変動パターン設定処理において、CPUは、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S261)。大当りフラグがオンであれば(S261;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図19(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aを選択してセットする(S262)。また、RAMに記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(S263)。
大当り変動パターン決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPB4−3、および変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、および変動パターンPB4−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、および変動パターンPB4−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、および変動パターンPB4−3に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定した場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定した場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」の場合の方が、「確変」の場合よりも、多くの決定値がノーマルリーチの変動パターンを示す変動パターンPA4−1に割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当り種別が「非確変」となるよりも「確変」となる可能性が高くなるため、遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、図19(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、スーパーリーチAのリーチ演出を行なう変動パターンPB4−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行なう変動パターンPB4−2の方が、変動パターンPB4−2よりも、スーパーリーチCのリーチ演出を行なう変動パターンPB4−3の方が多くの決定値が割り当てられている。
図17に示すS261にて大当りフラグがオフであるときには(S261;N)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(S264)。そして、小当りフラグがオンであれば(S264;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図19(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル132Bを選択してセットする(S265)。
S264にて小当りフラグがオフであるときには(S264;N)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図19(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Cを選択してセットする(S267)。RAMに設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行なわれる時短制御中であるか否かを特定する(S268)。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル132Cとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図19(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチのリーチ演出を行なう変動パターンに割り当てられている決定値よりも、多くの決定値が非リーチの変動パターンに割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当りとなる期待度が高くなっている。また、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図19(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチAのリーチ演出を行なう変動パターンPB2−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行なう変動パターンPB2−2の方が、変動パターンPB2−2よりも、スーパーリーチCのリーチ演出を行なう変動パターンPB2−3の方が、少なくなるように、決定値が割り当てられている。したがって、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、スーパーリーチBよりもスーパーリーチCの方が、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が高くなっている。したがって、実行されるリーチ演出の種類にも遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図17に示すS263、S265、S268の処理のいずれかを実行した後には、変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S269)。ここで、S269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、S263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPUは、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブル132Bを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPUは、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、S269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、S269の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S270)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
S270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行なう(S271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行なう。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行なう。
S271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行なう(S272)。変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPUは、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROMにおける記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAMに設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPUは、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROMにおける記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。変動表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの変動表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
S272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してからメイン側通信制御処理を実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
S272の処理を実行した後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S273)、変動パターン設定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120(具体的にCPU120A)が、図20に示す演出制御メイン処理を実行する。図20は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用マイクロコンピュータ120は、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ120は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、入力ポートのうちで、中継基板18を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、RAMに設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用マイクロコンピュータ120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら(S702;Y)、演出制御用マイクロコンピュータ120は、そのフラグをクリアし(S703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:S704)。コマンド解析処理では、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行なわれればよい。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御プロセス処理を実行する(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aの動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行なわれる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAMのランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する(S706)。そして、排出異常や異常入賞を検出したこと、初期化処理が実行されたことなどを画像表示装置5等の演出装置を用いて報知する報知制御処理を実行する(S707)。そして、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aそれぞれの初期位置を検出する役物初期位置検出動作処理を実行する(S708)。S708における役物初期位置検出動作処理では、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aそれぞれを順に動作させ(各モータに順に駆動信号を出力して)、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aそれぞれに含まれる位置検出センサ(第1位置検出センサ、第2位置検出センサ、第3位置検出センサ、左右位置検出センサ417、回転位置検出センサ497)により、予め定められた初期位置に位置するよう動作させ、初期位置を検出する。なお、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aの動作が互いに影響がなければ、順番に動作させず、同時に動作させてもよい。S708の処理は、検出条件が成立した場合に実行されればよく、電源投入時(S701の処理の直後に実行してもよい)、または、主基板11から初期化コマンドや電力供給再開コマンドを受信したとき、などを検出条件の成立として実行されればよい。また、これらに限られず、客待ちデモ指定コマンドを受信したこと、客待ちデモ指定コマンドを受信してから予め定められた期間(たとえば1分)経過したこと、客待ちデモ指定コマンドを予め定められた回数(たとえば10回)受信したこと、予め定められた期間経過したこと(予めタイマ値を設定し、S708の処理毎にタイマ値を再設定しておく)、変動表示を100回行ったこと(S708の処理を実行する度にカウント値をクリアするようにして変動表示回数をカウントしておく)、大当り遊技状態が終了したこと、などを検出条件の成立としてもよい。なお、検出条件が成立した場合であっても、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aからのセンサ検知信号を確認し、初期位置である場合にはS708の処理を実行しなくてもよい(初期位置となっていない場合に、初期位置となっていない演出可動機構についてS708の処理を実行するようにしてもよい)。電源投入時については、電源基板10から演出制御基板12に電源が投入されたこと、または、主基板11から電源が投入されたことを示すコマンドを受信したことにより、判定すればよい。S708の処理を実行した後は、S702の処理に移行する。なお、S708における役物初期位置検出動作処理にて第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aのすべての初期位置が検出されるまでは、S708の処理が繰り返し行なわれ、すべての初期位置が検出された後、S702に移行するようにしてもよい。このように、S707の報知制御処理が行なわれた後にS708の役物初期位置検出動作処理が実行されることにより、使用電力が増加してしまうことを防止することができる。
図21は、演出制御プロセス処理として、図20のS705にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、RAMの所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS180〜S187の処理のいずれかを選択して実行する。
S180の変動表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この変動表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の変動表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
S181の変動表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この変動表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の変動表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の変動表示や、その他の各種演出動作を行なうために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。また、変動表示開始設定処理では、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aの動作させる演出の実行設定する処理などを含んでいる。この実施の形態では、特に、第4演出可動機構400Aを、予め定められた複数パターンのいずれのパターンで動作させるかを決定する処理を含んでいる。
S182の変動表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この変動表示中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、演出用模型制御データといった演出制御実行データを読み出す。このとき読み出された演出制御実行データに従って、VDP121へと伝送する表示制御信号の決定や、音声制御基板13やランプ制御基板14へと伝送する各種指令の決定などが行なわれる。これらの決定結果に基づく各種信号の出力により、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった各種の演出装置を用いて、特図ゲームの実行中における各種の演出制御が行なわれる。そして、演出制御パターンから終了コードが読み出されると、所定の表示制御信号をVDP121に対して送信することなどにより、飾り図柄の変動表示結果となる確定飾り図柄を表示させたり、特図ゲームの終了に対応した演出画像を表示させたりする。また、変動表示中演出処理では、S181の変動表示開始設定処理にて設定されたパターンにしたがって、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aの動作させる演出を実行する処理を含んでいる。
S183の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、CPU120Aは、主基板11から送信された大当り開始指定コマンドや小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。大当り開始指定コマンドを受信したきには、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、小当り開始指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。大当り開始指定コマンドや小当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S184の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種指令の出力制御を行なう。これにより、各種の演出装置を用いて小当り遊技状態における各種の演出制御が行なわれる。また、小当り中演出処理では、主基板11からの小当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新する。
S185の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行なう。これにより、各種の演出装置を用いて小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御が行なわれる。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S186の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行なう。これにより、各種の演出装置を用いて大当り遊技状態における各種の演出制御を行なう。そして、主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
S187のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行なう。これにより、各種の演出装置を用いて大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御が行なわれる。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図22は、操作演出の演出動作および画像表示装置の表示領域を示す図である。ここで、操作演出について説明する。操作演出とは、プッシュボタン31B等の遊技者の動作を検出可能な検出手段が遊技者の動作を検出することが演出態様に関与する演出である。図22(a)に示すように、操作演出の実行が決定され、リーチ状態になると、演出制御基板12からの指令や制御データが第1役物用モータである駆動モータ414、および、第2役物用モータであるモータ491に伝送され、後述するS527の操作演出設定処理で決定された操作演出パターンに基づいて、第4演出可動機構400が通常の状態から回転しながら平行移動する動作を開始する。このように、通常の状態から第4演出可動機構400の動作が開始される状態に変化する演出態様を第1の演出態様(第1演出態様)と称する。
ここで、通常の状態とは、図22(a)に示すように、第4演出可動機構400が上部機構部470が回転体430とともに最右端位置P1から、手前位置P2に移動している状態である。このような状態から、第1の演出態様が実行されるときには、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに左方向に移動(水平移動)するとともに、回転体430(第2役物)における環状装飾体440の横回転と内部装飾体460の縦回転とが同時に行なわれる。また、通常状態では、回転体430(第2役物)における環状装飾体440および内部装飾体460の表示面は表面で表示される。
そして、図22(b)に示すように、操作演出が実行される際に、画像表示装置5の表示画面上に、プッシュボタン31Bの操作を促す操作促進画像としてのボタン画像5Bが表示される。また、プッシュボタン31Bの操作の有効期間の長さを特定可能な画像としての操作有効期間ゲージ5Aが表示される。ここで、“有効”とは、検出が制御に反映されることを示しおり、“操作有効期間”とは、プッシュボタン31Bの操作による遊技者の動作の検出が制御に反映される期間を示している。また、どのような操作が必要かを示す画像としての操作説明画像5Eが表示される。また、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されていた飾り図柄は、元の表示画像よりも表示が小さくなり、画像表示装置5の左下に小図柄5Dとして表示される。小図柄5Dは、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに移動する動作により視認できなくなることがない。なお、第1の演出態様においては、第4演出可動機構400が全く動かないようにしてもよい。
遊技者によりプッシュボタン31Bが予め決定された操作回数操作されると、図22(b)の状態から、第1役物である上部機構部470を第2役物である回転体430とともに初期位置から移動する演出が実行される。その演出中に、回転体430は、時計方向に回転するとともに内部装飾体460は、縦方向の回転動作を行なう。そして、第4演出可動機構400は、プッシュボタン31Bの操作により、図22(c)のように検出が有効な期間であることを示す操作有効期間ゲージ5Aの少なくとも一部が隠れる位置まで移動する。このように、第1の演出態様から第4演出可動機構400が操作有効期間ゲージ5Aの少なくとも一部を隠す位置まで移動した状態となる演出態様を第2の演出態様(第2演出態様)と称する。このような状態において、変動表示の表示結果が大当り表示結果である場合には、遊技者によりプッシュボタン31Bが予め決定された操作回数操作されると、図22(d)、(e)、(f)の順に演出態様が変化する。また、変動表示の表示結果がハズレである場合には、図22(g)、(h)の順に演出態様が変化する。ハズレの場合、遊技者によりプッシュボタン31Bが操作されたとしても、第4演出可動機構400は、図22(c)の状態から図22(d)の状態へ演出態様が変化することはない。
図22(c)の状態から、大当り表示結果となる場合には、図22(d)に示すように、第4演出可動機構400は、上部機構部470が水平移動動作の最大位置(左端位置P3)に到達すると、通常状態で表面が表示されていた回転体430の表示面が裏面(環状装飾体440と内部装飾体460とが裏面)となり回転を停止する。小図柄5Dは、大当り表示結果を示す「777」が上下に揺れながら表示される仮停止表示される。また、操作有効期間ゲージ5Aは、第4演出可動機構400により全体が完全に隠れる。このように、第2の演出態様から、第4演出可動機構400が操作有効期間ゲージ5Aを完全に隠す位置に移動した状態となる演出態様を特定演出態様と称する。そして、図22(e)に示すように、回転体430の回転動作を行わず、裏面を表示したまま上部機構部470を回転体430とともに初期位置に戻す動作が行われる。このとき、小図柄5Dとして小さく表示されていた飾り図柄は、画像表示装置5の中央に移動して、変動表示結果が大当りであることを示す大当り表示5Fとともに大きく表示される。そして、図22(f)に示すように、上部機構部470が回転体430とともに初期位置に戻ると、大当り表示結果を示す「777」が最終停止する演出が実行される。
なお、裏面を表示した上部機構部470は、大当り表示結果の導出後のタイミングや、大当り遊技終了後のタイミングにおいて、表面が表示されるように制御されればよい。具体的には、裏面(「B」を表示)が表示されたときは、図柄確定コマンド、ファンファーレコマンド(大当り開始指定コマンド)、エンディングコマンド(大当り終了指定コマンド)等を受信したときに、表示面が裏面か否かを判定し、裏面であれば、表示面を表面に戻すようにすればよい。また、操作演出を伴わない大当りの変動パターンが実行されるときに、大当り表示結果となる飾り図柄の表示タイミング(リーチ演出の結果表示時)等において、操作を伴わずに役物(第4演出可動機構400)を特定演出態様に変化させてもよい。
一方、図22(c)の状態から、ハズレ表示結果となる場合には、遊技者がいくらプッシュボタン31Bを操作したとしても、図22(c)の状態より水平移動動作の最大位置(図22(d)の状態)には到達しない。つまり、ハズレ表示結果となる場合には、第2の演出態様から特定演出態様へと演出態様が変化しない。ハズレ表示結果となる場合には、図22(c)の状態から、回転体430の表示面が表面に回転し、上部機構部470を回転体430とともに初期位置に戻す動作が行われる。このとき、小図柄5Dとして小さく表示されていた飾り図柄は、画像表示装置5の中央に移動して、ハズレ表示結果を示す残念表示5Gとともに大きく表示される。そして、図22(h)に示すように、上部機構部470が回転体430とともに初期位置に戻ると、ハズレ表示結果を示す「767」が最終停止する演出が実行される。
図23は、操作が検出された際のプッシュボタンの態様を示す図である。操作演出において、プッシュボタン31Bが遊技者に有効に操作されたことに基づいて、プッシュボタン31Bに内蔵されていた遊技効果ランプ9としてのLEDランプが消灯される演出が実行される。プッシュボタン31Bが有効に操作されたか否かは、操作の有効期間内にプッシュセンサ124により、プッシュボタン31Bの操作が有効に検出されたか否かに基づき判定される。なお、このようなLEDランプの点灯、消灯は、操作演出が実行された場合のみに限らず、通常の状態において、遊技者がプッシュボタン31Bを操作したときに実行されるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者に操作が有効であることをLEDランプの点灯により認識させることができるので、操作に集中させることができ、演出の興趣を向上させることができる。なお、プッシュボタン31Bを透明性のある枠部材で形成し、そのボタンの枠部材の中に視認可能な役物が設けられている場合に、遊技者がボタンを有効に操作されたことに基づいて、ボタンの枠部材の中の役物が動作するようにしてもよい。また、画像表示装置5にボタン画像を表示し、プッシュボタン31Bが遊技者に有効に操作されたことに基づいて、そのボタン画像の態様が変化するようにしてもよい。
図24は、変動表示開始設定処理として、図21のS181にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す変動表示開始設定処理において、CPU120Aは、まず、主基板11から伝送された変動表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(S521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(S521;Y)、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の変動表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(S522)。
S522にて非リーチ変動パターンであると判定した場合には(S522;Y)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S523)。一例として、S523の処理では、まず、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、S523の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
S522にて非リーチ変動パターンではないと判定した場合には(S522;N)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S524)。一例として、S524の処理では、まず、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(たとえば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄および右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
S521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(S521;N)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であるか、または、特図表示結果が「小当り」であるか、これら以外の場合であるかを判定する(S525)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(S525;Y)、たとえば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S528)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
S525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(S525;N)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S526)。一例として、S526の処理では、まず、RAMのランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いて演出データメモリ122などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行なわれる。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。なお、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定してもよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定した場合には、変動表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行なわれず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定した場合には、変動表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行なわれればよい。なお、526の処理では、予め変動表示結果が「大当り」となる場合、「確変の大当り」となる場合と「非確変の大当り」となる場合とで異なる変動パターンを用意しておき、変動パターン指定コマンドを確認することにより、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄とするのか、確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄とするのかを決定するようにしてもよい。
このように、S524やS526の処理にて確変図柄でリーチ状態となるか非確変図柄でリーチ状態となるかが決定される。したがって、同じ変動時間に決定されている場合であっても(同じ変動パターンに決定されている)確変図柄でリーチ状態となる場合と非確変図柄でリーチ状態となる場合とがあり、すなわち、リーチを構成する図柄に関わらず共通の変動時間に決定されることとなり、変動パターンを少なくすることができる。
S526の処理を実行した後またはS524の処理を実行した後は、操作演出の実行設定を行なう操作演出設定処理を実行する(S527)。以下に示す例では、操作演出が第4演出可動機構400Aを動作させる演出であるとして説明するが、操作演出は、第4演出可動機構400Aを動作させることに加え、第1演出可動機構100A〜第3演出可動機構300Aを動作させる演出であってもよい。この場合、第4演出可動機構400Aの動作を妨げないように(たとえば接触しないように)第1演出可動機構100A〜第3演出可動機構300Aそれぞれを動作させる設定(たとえば、動作させる順番が異なるように設定するなど)がなされればよい。
S523、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(S530)。S530にてCPU120Aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、S527で決定した内容などに対応して、演出データメモリ122に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。この実施の形態では、操作演出が実行される場合(S527にて操作演出の実行設定が行なわれた場合)には、操作演出が行なわれる演出制御パターンが選択されることとなる。当該操作演出が行なわれる演出制御パターンには、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作が検出された際に、第1役物である上部機構部470における左右動作を行なう指令(制御信号)や第2役物である回転体430における回転動作を行なう指令(制御信号)を第1役物用モータである駆動モータ414および第2役物用モータであるモータ491に出力するタイミング等が予め設定されている。続いて、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出データメモリ(RAM)122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行なう(S532)。このときには、たとえばS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をVDP121等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を変動表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S533)、変動表示開始設定処理を終了する。
図25は、S527に示す、操作演出設置処理において用いられる操作演出実行決定テーブル、および、操作演出パターン決定テーブルを示す図である。このような各テーブルは、演出制御用ROMに記憶されている。図25(A)は、変動パターンコマンドにより指定される各変動パターンに基づいて、操作演出を実行するか否かを決定するために用いられる、操作演出実行決定テーブルである。操作演出実行決定テーブルにおいては、操作演出を実行する場合と、操作演出を実行しない場合とに、操作演出実行決定用の乱数値SR2が割り振られている。S706で更新される乱数値SR2は、「1」〜「90」の90個の数値データから構成され、乱数値SR2の数値データの割り振りについては、説明を容易にするために、割り振られた個数が示されている。
図25(A)に示す操作演出実行決定テーブルにおいて、変動パターンがスーパーリーチA(大当り)の場合には、実行する>実行しないという大小関係の選択割合が設定されている。また、変動パターンがスーパーリーチA(ハズレ)の場合には、実行する<実行しないという大小関係の選択割合が設定されている。また、変動パターンがスーパーリーチA以外のその他のパターンの場合には、100%の割合で操作演出を実行しないが選択されるように選択割合が設定されている。このように、変動パターンのうち、スーパーリーチAのみ操作演出が実行される場合があり、大当り表示結果となる場合の方がハズレ表示結果となる場合よりも、操作演出が実行される割合が高い。よって、操作演出が実行されるということは、大当り表示結果となる期待度が高いことを示す。なお、スーパーリーチAの変動パターンにおいて、操作演出が実行しないことが選択された場合には、通常のスーパーリーチAの演出が実行される。言い換えれば、操作演出が実行される場合には、スーパーリーチAの演出に代えて操作演出が実行されることとなる。また、大当りかハズレかによらず、確変大当りの変動パターンであるか、通常大当り(非確変大当り)の変動パターンであるかにより、操作演出を実行するか否かの選択割合が異なるようにしてもよい。
図25(B)は、表示結果が大当り表示結果となり、操作演出が実行される場合に、操作演出のパターンを決定するために用いられる、大当り用操作演出パターン決定テーブルである。大当り用操作演出パターン決定テーブルにおいては、操作演出パターンとしてパターンA、パターンB、パターンC、パターンDに、大当り用操作演出パターン決定用の乱数値SR3が割り振られている。S706で更新される乱数値SR3は、「1」〜「110」の110個の数値データから構成され、乱数値SR3の数値データの割り振りについては、説明を容易にするために、割り振られた個数が示されている。
図25(B)に示す大当り用操作演出パターン決定テーブルにおいて、操作演出パターンとしてパターンA>パターンB>パターンC>パターンDという大小関係の選択割合が設定されている。大当り表示結果となる場合には、第1演出態様から第2演出態様までの操作回数と第2演出態様から特定演出態様までの操作回数とが異なるパターンが設けられている。パターンAは、プッシュボタン31Bの操作回数が、第2演出態様までに3回、特定演出態様までに3回に決定される操作演出パターンである。パターンBは、プッシュボタン31Bの操作回数が、第2演出態様までに3回、特定演出態様までに10回に決定される操作演出パターンである。パターンCは、プッシュボタン31Bの操作回数が、第2演出態様までに10回、特定演出態様までに3回に決定される操作演出パターンである。パターンDは、プッシュボタン31Bの操作回数が、第2演出態様までに10回、特定演出態様までに10回に決定される操作演出パターンである。
図25(C)は、表示結果がハズレ表示結果となり、操作演出が実行される場合に、操作演出のパターンを決定するために用いられるハズレ用操作演出パターン決定テーブルである。ハズレ用操作演出パターン決定テーブルにおいては、操作演出パターンとしてパターンE、パターンFに、ハズレ用操作演出パターン決定用の乱数値SR3が割り振られている。乱数値SR3は、「1」〜「110」の110個の数値データから構成され、乱数値SR3の数値データの割り振りについては、説明を容易にするために、割り振られた個数が示されている。
図25(C)に示すハズレ用操作演出パターン決定テーブルにおいて、操作演出パターンとしてパターンE<パターンFという大小関係の選択割合が設定されている。ハズレ用操作演出パターン決定テーブルは、大当り用操作演出決定テーブルとは異なり、特定演出態様となることはないので、特定演出態様までの操作回数は割り振られていない。つまり、ハズレ表示結果となる場合には、第1演出態様から第2演出態様まで変化するパターンしか存在しない。パターンEは、第2演出態様までにおけるプッシュボタン31Bの操作回数が3回に決定される操作演出パターンである。パターンFは、第2演出態様までにおけるプッシュボタン31Bの操作回数が10回に決定される操作演出パターンである。なお、ハズレ用操作演出パターン決定テーブルにおいて、特定演出態様までの操作回数を、たとえば、250回等に設定し、実質的に操作不可能な回数に設定することで特定演出態様にならないようにしてもよい。
図25(B),(C)より、第2演出態様までの操作回数が少ないほど大当り表示結果となる期待度が高い。また、第2演出態様までの操作回数が同じ場合は、特定演出態様までの操作回数が少ないほど大当り表示結果となる期待度が高い。このように、操作回数が少ないほど大当り表示結果となる期待度が高くなるように乱数値が割り振られており、操作回数が多いほどハズレ表示結果となる期待度が高くなるように乱数値が割り振られている。
図26は、操作演出設定処理として、図24のS527にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す操作演出設定処理において、CPU120Aは、SR2を抽出し、図25(A)に示す操作演出実行決定テーブルにより、主基板11から伝送された変動パターンに基づいて、操作演出を実行するか否かを決定する(S621)。次いで、CPU120Aは、S621において、操作演出の実行ありと決定されたか否かを判定する(S622)。操作演出の実行ありと判定されなかった場合には、処理を終了する。操作演出の実行ありと判定された場合には、S623において、CPU120Aは、特図表示結果が大当り表示結果となるか否かを判定する。CPU120Aは、主基板11から伝送された今回の変動の変動表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「大当り」となるか否かを判定する。
特図表示結果が大当り表示結果となる場合には、S624において、SR3を抽出し、図25(B)に示す大当り用操作演出パターン決定テーブルにより、操作演出パターンを決定する。そして、処理を終了する。S623において、特図表示結果がハズレ表示結果となる場合には、S625において、SR3を抽出し、図25(C)に示すハズレ用操作演出パターン決定テーブルにより、操作演出パターンを決定する。そして、処理を終了する。
なお、主基板11から伝送された変動パターンがスーパーリーチAの変動表示パターンである場合に、必ず操作演出を実行するようにしてもよい。また、S623の処理に代え、変動パターンが操作演出を伴うPB4−1(または、PB2−1)の変動パターンであるか否かを判定することにより、操作演出パターン決定テーブルが選択されるようにしてもよい。また、遊技状態が確変状態中であるか否かや時短状態中であるか否かにより、操作演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。また、電波時計を用いて計時値を定期的に日本標準時刻に自動調整する機能を有するRTC(Real Time Clock)回路を備えた遊技機において、RTCが所定の日時となったときに操作演出を実行するようにしてもよい。
図27は、変動表示中演出処理として、図21のS182にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す変動表示中演出処理において、CPU120Aは、まず、変動表示の開始時から計数を開始する変動時間タイマの経時値に基づいて、変動パターンに対応した変動表示時間が経過したか否かを判定する(S547)。一例として、S547の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(たとえば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、変動表示時間が経過したと判定すればよい。
S547にて変動表示時間が経過していない場合には(S547;N)、操作演出を実行するための操作演出実行期間であるか否かを判定する(S548)。操作演出実行期間は、図26のS624,S625で決定される操作演出パターンに基づいた操作回数により予め決定されている。操作演出期間でないと判定されたときには(S548;N)、S571の処理へ移行する。操作演出期間であると判定されたときには(S548;Y)、第1演出態様実行済フラグがセットされているか否かを判定する(S549)。第1演出態様実行済フラグがセットされていなければ、S552の処理へ移行する。第1演出態様実行済フラグがセットされていれば、役物としての第4演出可動機構400を前述した第1演出態様へ変化させる(S550)。次いで、第1演出態様変化済フラグをセットし(S551)、S552の処理へ移行する。
S552の処理では、ボタン画像5Bおよび操作有効期間ゲージ5Aを表示する処理もしくは、当該表示を更新する処理を行なう。次いで、プッシュボタン31Bが操作されることにより、プッシュセンサ124による検出が行なわれたか否かを判定する(S553)。操作を検出したと判定した場合には、プッシュボタン31Bに内蔵されている遊技効果ランプ9としてのLEDを消灯する(S554)。なお、LEDは、所定期間が経過すると再び点灯するように制御される。次いで、操作回数をカウントする操作回数カウンタを+1する(S555)。次いで、S556の処理へ移行する。S553において操作が検出されない場合には、操作回数カウンタを+1せずにS556の処理へ移行する。
S556では、特定演出態様実行済フラグがセットされているか否かを判定する。特定演出実行済フラグがセットされていれば(S556;Y)、S561の処理へ移行する。特定演出実行済フラグがセットされていなければ(S556;N)、次いで、第2演出態様実行済フラグがセットされているか否かを判定する(S557)。第2演出態様実行済フラグがセットされていなければ(S557;N)、予め決定された操作演出の各パターンに基づいた第2演出態様までの操作回数操作カウンタ値となったか否かを判定する(S558)。各パターンに基づいた第2演出態様までの操作回数カウンタ値となっていないと判定された場合には、S561の処理へ移行する。S558において、第2演出態様までの操作回数カウンタ値となっていると判定された場合には、(S558;Y)、役物としての第4演出可動機構400を第2演出態様へと変化させる(S559)。次いで、第2演出態様実行済フラグをセットし(S560)、S561の処理へ移行する。
S557において、第2演出態様実行済フラグがセットされていれば(S557;Y)、予め決定された操作演出パターンA〜Dのいずれかであるか否かを判定する(S562)。操作演出パターンA〜Dのいずれかでなければ(S562;N)、S561の処理へ移行する。操作演出パターンA〜Dのいずれかであれば(S562;Y)、各パターンに基づいた特定演出態様までの操作回数カウンタ値となったか否かを判定する(S563)。S563において、特定演出態様までの操作回数カウンタ値となっていないと判定された場合には、S561の処理へ移行する。S563において、特定演出態様までの操作回数カウンタ値となっていると判定された場合には、役物としての第4演出可動機構400を特定演出態様へと変化させる(S564)。次いで、特定演出態様実行済フラグをセットし(S565)、S561の処理へ移行する。S561の処理では、変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の変動表示動作を含めた演出動作制御を行なう。そして、変動表示中演出処理を終了する。
S548において、操作演出実行期間でないと判定されたとき(S548;N)は、操作演出実行期間が終了したときに、変動表示結果が大当り表示結果となるにも関わらず、役物が特定演出態様へ変化していなければ、役物を特定演出態様へ変化させる処理が実行される(S571)。変動表示結果が大当り表示結果となるか否かは、主基板11から伝送された今回の変動の変動表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることによって判定すればよい。また、役物が特定演出態様変化しているか否かは、特定演出態様実行済フラグがセットされているか否かによって判定すればよい。S571の処理により、たとえば、遊技者が操作有効期間中であるにも関わらず、プッシュボタン31Bの押下げを一切実行しなかった場合や操作回数の上限値まで操作しなかった場合などでも、役物を特定演出態様へ変化させることができる。また、プッシュボタン31B(または、プッシュセンサ124)が故障していた場合においても、役物を特定演出態様へ変化させることができる。S571の処理の後は、S561の処理へ移行する。
一方、S551にて変動表示時間が経過した場合には(S551;Y)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S566)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(S566;N)、変動表示中演出処理を終了して待機する。なお、変動表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
S547にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(S566;Y)、VDP121等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の変動表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行なう(S567)。次いで、操作回数カウンタの値をリセットする。そして、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を演出制御プロセスタイマなどに設定する(S569)。
S569の処理を実行した後は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(S570)、変動表示中演出処理を終了する。上記の演出制御プロセス処理が繰り返し行なわれることによって、操作演出などが実行される。なお、第1演出態様変更済フラグ、第2演出態様変更済フラグ、特定演出態様変更済フラグ等の各種フラグは、特図当り待ち処理において、リセットされるようにすればよい。また、操作回数カウンタの値を特図当り待ち処理においてリセットしてもよい。
図28は、図20のS708にて行なわれる役物初期位置検出動作処理の中で行なわれる処理の一例を示すフローチャートであり、具体的には、第4演出可動機構400Aにおける第1役物と第2役物の初期位置検出を行なう処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、S708における役物初期位置検出動作処理では、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aそれぞれを順に動作させ(各モータに順に駆動信号を出力して)、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aそれぞれに含まれる位置検出センサ(第1位置検出センサ、第2位置検出センサ、第3位置検出センサ、左右位置検出センサ417、回転位置検出センサ497)により、予め定められた初期位置に位置するよう動作させ、初期位置を検出する処理が実行される。また、S708の処理は、上述したように、電源投入時や主基板11から初期化コマンドや電力供給再開コマンドを受信したときに実行される(その他、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、予め定められた期間経過後、変動表示が予め定められた回数(たとえば100回)行なわれた後、大当り遊技状態の終了後、などに、第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aからのセンサ検知信号を確認し、初期位置となっていない場合に実行される)。図30に示す例は、第4演出可動機構400Aの処理位置を検出する処理(第1役物第2役物初期位置検出動作処理)の一例を示している。
図28に示す第1役物第2役物初期位置検出動作処理において、CPU120Aは、まず、RAMの所定領域に設けられた第2役物初期位置検出動作済フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(S801)。第2役物初期位置検出動作済フラグは、第2役物である回転体430が初期位置に位置すると検出されたことを示すフラグであり、後述するS815の処理にてオン状態にセットされる。S801にて第2役物初期位置検出動作済フラグがオフ状態であると判定した場合(S801;N)、RAMの所定領域に設けられた第1役物初期位置検出動作済フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(S802)。第1役物初期位置検出動作済フラグは、第1役物である上部機構部470が初期位置に位置すると検出されたことを示すフラグであり、後述するS815の処理にてオン状態にセットされる。
S802にて第1役物初期位置検出動作済フラグがオフ状態であると判定した場合(S802;N)、RAMの所定領域に設けられた第1役物初期位置検出動作中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(S804)。第1役物初期位置検出動作中フラグは、第1役物である上部機構部470の初期位置を検出するための動作を行っていることを示すフラグであり、後述するS806の処理にてオン状態にセットされる。S804にて第1役物初期位置検出動作中フラグがオフ状態であると判定した場合(S804;N)、第1役物用モータである駆動モータ414に駆動信号を伝送することにより、第1役物用モータを駆動し(S805)、第1役物である上部機構部470の左右方向の動作を開始する。そして、第1役物初期位置検出動作中フラグをオン状態にセットして(S806)、当該第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。
一方、S804にて第1役物初期位置検出動作中フラグがオン状態であると判定した場合(S804;Y)、第1役物である上部機構部470が初期位置に位置するか否かを判定する(S807)。S807の処理では、上述したように、左右位置検出センサ417からの検出信号を確認することにより、初期位置に位置するか否かを判定する。なお、この実施の形態では、第1役物である上部機構部470が第2役物である回転体430とともに初期位置に位置するときには、回転体430が左向きに変更されるため、左右位置検出センサ417および回転位置検出センサ497の両センサからの検出信号を確認し、第1役物が初期位置でかつ第2役物が左向きに変更されていることを判定したことをもって初期位置に位置すると判定すればよい。S807にて初期位置に位置することを検出した場合には(S807;Y)、第1役物用モータである駆動モータ414に駆動停止信号を伝送することにより、S805にて駆動した第1役物用モータ(駆動モータ414)の駆動を停止させる(S808)。そして、第1役物初期位置検出動作中フラグをオフ状態にクリアするとともに(S809)、第1役物である上部機構部470の初期位置検出が終了したと判定して、第1役物初期位置検出動作済フラグをオン状態にセットする(S810)。
S810の処理を実行した後、または、S807の処理にて第1役物が初期位置に位置しないと判定した場合(S807;N)は、第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。また、S801にて第2役物初期位置検出動作済フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(S801;Y)には、第1役物および第2役物の初期位置検出が終了したと判定して、第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。この場合、第1役物初期位置検出動作済フラグおよび第2役物初期位置検出動作済フラグをオフ状態にクリアしてから処理を終了すればよい。
一方、S802にて第1役物初期位置検出動作済フラグがオン状態であると判定した場合(S802;Y)、第1役物である上部機構部470の初期位置検出は終了しているが第2役物である回転体430の初期位置検出が終了していないと判定し、RAMの所定領域に設けられた第2役物初期位置検出動作中フラグがオン状態であるか否かを判定する(S811)。このように、第4演出可動機構400Aの初期位置検出を行なう場合には、第1役物の初期位置検出制御が行なわれた後に、第2役物の初期位置検出制御が行なわれる。すなわち、図27において行なわれる操作演出における動作(第1役物と第2役物とが同時に動作する)とは異なり、一方の役物を動作させてから、他方の動作を行なう。なお、この実施の形態では、第4演出可動機構400Aが第1役物と第2役物との2つの役物を供えている例を示しているが、第3の役物、第4の役物、を備えていてもよい。この場合においても、一の役物を動作させて初期位置を検出してから、他の役物を動作させて初期位置を検出すればよい(操作演出実行時においては複数の役物(全部でなくてもよい)を同時に動作させるのに対して、S708内の処理では、一つずつ順に動作させればよい)。これにより、役物の原点位置がずれることを防止することができる。なお、第2役物初期位置検出動作中フラグは、第2役物である回転体430の初期位置を検出するための動作を行っていることを示すフラグであり、後述するS817の処理にてオン状態にセットされる。
S811にて第2役物初期位置検出動作中フラグがオフ状態であると判定した場合(S811;N)、第2役物用モータであるモータ491に駆動信号を伝送することにより、第2役物用モータを駆動し(S816)、第2役物である回転体430の回転動作を開始する。そして、第2役物初期位置検出動作中フラグをオン状態にセットして(S817)、当該第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。
一方、S811にて第2役物初期位置検出動作中フラグがオン状態であると判定した場合(S811;Y)、第2役物である回転体430が初期位置に位置するか否かを判定する(S812)。S812の処理では、上述したように、回転位置検出センサ497からの検出信号を確認することにより、初期位置に位置するか否かを判定する。なお、S812の処理では、回転位置検出センサ497と左右位置検出センサ417の両センサからの検出信号を確認するようにしてもよい。これによれば、より精度よく初期位置検出を行なうことができる。S812にて初期位置に位置することを検出した場合には(S812;Y)、第2役物用モータであるモータ491に駆動停止信号を伝送することにより、S816にて駆動した第2役物用モータ(モータ491)の駆動を停止させる(S813)。そして、第2役物初期位置検出動作中フラグをオフ状態にクリアするとともに(S814)、第2役物である回転体430の初期位置検出が終了したと判定して、第2役物初期位置検出動作済フラグをオン状態にセットする(S815)。
S815の処理を実行した後、または、S812の処理にて第2役物が初期位置に位置しないと判定した場合(S812;N)は、第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。
続いて、図28に示す第1役物第2役物初期位置検出動作処理が実行された場合の主な演出動作例を、図29および図30を参照して説明する。
図29は、第1役物である上部機構部470の初期位置検出動作(第1役物初期位置検出動作)の一例を示す(図28のS805にて第1役物用モータが駆動されてS808にて停止するまでの動作の一例を示す)図である。まず、図29(a)の状態において、図28のS805の処理にて第1役物用モータが駆動されると、向き変更機構472により左向きの第2役物の向きが変更され、図29(b)に示すように第1役物である上部機構部470の左右方向の動作が開始される。そして、図29(c)に示すように、最大位置まで第1役物が移動し、その後、図29(d)に示すように第1役物が初期位置に戻る。そして、図29(e)に示すように、向き変更機構472により第2役者の向きが左向きに変更される。そして、図28のS807の処理にて第1役物が初期位置に位置すると検出され、S808の処理により第1役物用モータが停止する。
図30は、第2役物である回転体430の初期位置検出動作(第2役物初期位置検出動作)の一例を示す(図28のS816にて第2役物用モータが駆動されてS813にて停止するまでの動作の一例を示す)図である。また、図30では、図29に示す第1役物初期位置検出動作が終了し、図28のS810にて第1役物初期位置検出動作済フラグがオン状態にセットされ、S802にて「N」と判定された場合の例を示している。図28のS816の処理にて第2役物用モータが駆動されると、図30(a)に示すように、第2役物である回転体430の回転動作が開始される。そして、図30(b)〜(f)に示すように(より具体的には図9(a)〜(j)参照)、内部装飾体460が環状装飾体440の3倍速く回転する。そして、図30(g)に示す角度にて、図28のS812の処理により第2役物が初期位置に位置すると検出され、S813の処理により第2役物用モータが停止する。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施の形態では、第4演出可動機構400は、第1の演出態様から、第2の演出態様へと変化し、さらに、第2の演出態様から大当り表示結果となることを示す特定演出態様へと変化することがある。第1の演出態様から第2の演出態様へと演出態様が変化する際に、プッシュボタン31Bによる検出が有効な期間であることを示す操作有効画像としての操作有効期間ゲージ5Aの表示の少なくとも一部が視認困難な状態となる。よって、第2演出態様においても、操作有効期間ゲージ5Aの表示は視認可能である。このように、操作有効期間ゲージ5Aの表示と演出態様の変化とが同時に実行される場合に、操作有効期間ゲージ5Aの表示位置の変更や削除などの処理が不要であり、演出を制限しないようにすることができる。また、第2演出態様まで演出態様が変化した際、遊技者は大当り表示結果となることを意味する特定演出態様まで演出が変化することを期待して、以降のプッシュボタン31Bにおける操作を実行する。よって、操作有効期間ゲージ5Aの表示が一部視認困難となっていても、操作を行なうことはそれまでの段階で分かっているので、操作有効期間ゲージ5Aの表示と演出態様の変化とが同時に実行される場合に、演出を制限しないようにすることができる。
(2) 第1役物および第2役物を含む第4演出可動機構400を動作させて原点位置を検出する原点検出処理を実行可能である原点検出制御手段を備えている。よって、可動部材である第1役物および第2役物の原点位置を検出可能である。
(3) 第2の演出態様から特定演出態様へと変化させるための操作演出パターンが複数種類定められているので、第2演出態様以降の演出にも注目させることができる。
(4) プッシュボタン31Bへの操作が有効に検出されたことに基づいて、プッシュボタン31Bの光を消灯する。このようにすれば、操作が受け付けられことを特定可能に報知することができる。そして、遊技者に操作が有効であることを認識させることができるため、操作に集中させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 第1役物と第2役物とを動作させる可動演出により、演出態様を変化させる際、第2演出態様において、操作有効期間ゲージ5Aの一部が遊技機の前面から視認困難な状態となる。しかしながら、役物と操作有効期間ゲージ5Aが表示される画像表示装置との間には空間が生じているので、前面以外の方向から覗き込むと操作有効期間ゲージ5Aを視認することが可能となる。このように、操作有効期間ゲージ5Aの状態が気になる遊技者は、特定方向である前面以外の方向から操作有効期間ゲージ5Aを確認でき、操作有効期間ゲージ5Aが見えなくなることによる興趣の低下を抑制できる。
(6) CPU120Aは、操作演出の実行時においては、第4演出可動機構400Aにおける第1役物である上部機構部470と第2役物である回転体430とを同時に動作させる一方で、図20のS708における役物初期位置検出動作処理では、第1役物の初期位置を検出してから第2役物の初期位置を検出する。これによれば、他の役物の動作による影響を受けにくく、他の役物の動作による振動により初期位置がずれるといったことを防止することができる。また、第1役物を動作させるための駆動源と第2役物を駆動させるための駆動源とが、それぞれ別々の駆動源であることから(第1役物用モータと第2役物用モータとが別々のモータであることから)、それぞれのモータを順に駆動させることで、初期位置検出の動作を容易に制御させることができる。また、第1役物と第2役物とがそれぞれ別々の動作を行なうことから(第1役物は左右方向の動作、第2役物は回転動作)、演出効果をより向上させることができる。
(7) 第1役物である上部機構部470および第2役物である回転体430は、動作前後において常に遊技者から視認可能な位置に備えられているため、演出効果を向上させることができる。
(8) 第2役物である回転体430の内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置には、磁石451が配置されるので、静止状態において内部装飾体460が所定の静止位置に誘導されることで、静止状態での装飾性を向上させることができるとともに、初期位置に位置する場合に、当該位置にて維持されるため、初期位置からずれることをより精度良く防止することができる。
(9) 第2役物の回転動作において、環状装飾体440の内部において円周方向に回動するリングギア448に横ピンギア464が従動し、この横ピンギア464の従動動作に連動して内部装飾体460が動作するので、環状装飾体440の開口部内の内部装飾体460の動作に意外性を持たせることができ、装飾体による演出の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、第4演出可動機構400を用いて実行される操作演出の演出態様が第2演出態様から特定演出態様へと変化することにより、遊技者にとって有利な大当り遊技状態(大当り表示結果)となることが示唆されていた。遊技者にとって有利な状態としては、前述した大当り遊技状態の他に、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。そして、特定演出態様へと変化することで、確変状態へと昇格することを示唆してもよい。また、大当り遊技状態が連続的に発生すること(連チャン)を示唆してもよい。このような場合には、通常遊技状態のみならず、大当り遊技状態中においても特定演出態様へと演出態様が変化するようにすればよい。
(2) 前述した実施の形態では、操作が有効であることを示す操作有効画像として操作有効期間ゲージ5Aを表示する場合を示した。しかしながら、操作有効画像としては、操作の残り時間を秒数で示すようにしてもよいし、時間の経過で時計型のタイマの値が減少していくものでもよい。また、操作の残りの有効操作回数を示すようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、画像表示装置5をメイン液晶とし、メイン液晶とは異なる副画像表示装置としてサブ液晶を設けるようにしてもよい。そして、このようなサブ液晶を可動物として動作するようにしてもよい。サブ液晶が可動物として動作する際に、第2演出態様において、操作有効期間ゲージ5Aの少なくとも一部を視認困難にしてもよい。また、画像表示装置5の液晶上の表示態様を変化させることで、操作有効期間ゲージ5Aの少なくとも一部を視認困難にしてもよい。このような場合には、ボタン連打により、画面を徐々にエフェクト等で覆って行く演出を実行し、画面全部がエフェクトで覆われれば大当り表示結果となることを示す演出を実行すればよい。そして、第2演出態様となる段階で、「連打しろ」のような操作説明画像や操作促進画像としてのボタン画像は視認可能だが、操作有効期間ゲージ5Aの表示は、視認困難となるようにすればよい。
(4) 前述した実施の形態では、第1の演出態様として役物が動作を開始する演出を示したが、第1の演出態様を無くし、役物の動作が無い状態から第2の演出態様が実行されるようにしてもよい。また、第1の演出態様から第2の演出態様までの状態や第2の演出態様から特定演出態様までの状態において、ボタン操作ごとに徐々に役物が動作してもよい。
(5) 前述した実施の形態では、予め定められた回数のボタン操作が有効に検出されることで演出態様が変化したが、プッシュボタン31Bを長押しすることにより演出態様が変化するようにしてもよい。また、大当り表示結果となるか否かにより決定される長押しの時間を複数種類設けるようにしてもよい。また、プッシュボタン31Bをタイミングよく押す動作が複数回検出されたときに演出態様が変化するようにしてもよい。また、これらの組み合わせにより、演出態様が変化するようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かにより、決定される第2演出態様までの操作回数の割合が異なっていた。しかしながら、大当り表示結果となるか否かに関わらず、第2演出態様までの操作回数を同じにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、プッシュボタン31Bに設けられたLEDの点灯態様の変化(点灯から消灯への変化)により、操作が有効に検出されたことを報知していた。しかしながら、プッシュボタン31B以外である遊技盤や遊技枠に設けられたLEDの点灯態様を変化させることで、操作が有効に検出されたことを報知してもよい。また、画像表示装置5の液晶の表示(エフェクト画像)の態様を変化させることで、操作が有効に検出されたことを報知してもよい。また、プッシュボタン31Bから風が吹く、プッシュボタン31Bが熱くなる、プッシュボタン31Bが振動する、プッシュボタン31Bの操作感触が変化する(通常よりも抵抗が大きくなるまたは小さくなる)、画像表示装置上で表示されたボタン画像を変化させることなどにより、操作が有効に検出されたことを報知するようにしてもよい。なお、プッシュボタン31Bなどの操作手段が操作されたときに、操作手段の近くで風が吹くなどの演出により、操作手段を操作した遊技者のみに操作が有効に検出されたことを報知してもよい。
(8) 前述した実施の形態では、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作を検出したときに遊技者の動作を検出していた。このようなプッシュボタン31Bは、押下操作が可能なものに限定されず、回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよい。また、プッシュボタン31Bに代えて、傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aを用いてもよい。また、赤外線センサ、CCDセンサCMOSセンサのように、遊技者による所定の動作を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、プッシュボタン31Bは、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、磁気的に、検出できるものであればよい。さらに、遊技者の動作の検出は、十字キーやスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31B等の複数の操作手段の組合せにより検出されるようにしてもよい。このような場合、たとえば、十字キーを左、右、下に操作し、スティックコントローラ31Aを倒し、さらに、プッシュボタン31Bを押下げる動作が検出されたときに遊技者の動作が検出されたと判定してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、変動パターンのうち、スーパーリーチAが実行される変動パターンにのみ、操作演出が実行される可能性があった。しかしながら、すべての変動パターンについて操作演出が実行されるか否かを決定するようにしてもよい。また、各変動パターンのうち、変動時間が長いスーパーリーチの変動パターンについてのみ、操作演出が実行されるか否かを決定するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、大当り表示結果となるかハズレ表示結果となるかに関わらず、演出態様を変化させるための操作回数を同じにしてもよい。
(11) 本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、変動表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRTに当選したことや、スイカ、チェリー、ベル、リプレイなどの特定役が当選したこと、また当選役の種類に応じて実行される連続演出が実行されると決定されたことを操作演出の演出条件の成立としてもよい。また、特定の遊技状態(たとえばBB状態、RB状態、AT状態、RT状態や、AT、RTが当選する可能性が高いチャンスゾーンといった遊技状態)となったことを操作演出の演出条件の成立としてもよい。
(12) スロットマシンに適用した場合、スロットマシンにおける可動部材(役物)は、液晶の前面に進出する可動部材としてもよい。また、透過液晶をリールの前面に備えたスロットマシンに適用した場合、可動部材をリールとしてもよい。具体的には、フリーズ中(非可変表示中)のリールの回転を連打で動作させる演出であって、左リールを停止させる動作で「7」を停止し(第1態様に相当)、中リールを停止させる動作で「7」を停止し(第2態様に相当)、右リールを停止させる動作で「7」を停止(特定態様に相当)するスロットマシンがあるとする。このようなスロットマシンにおいて、中リールや右リールに対応する位置の前面の透過液晶において有効期間の表示を行ない、最初はリールのバックライトを消灯(暗く)することで、透過液晶の表示を視認しやすくするが、途中の段階でリールを目立たせるためにリールのバックライトを明るくすることで有効期間の表示を視認困難となるようにしてもよい。なお、透過液晶をパチンコ遊技機1に適用した際には、透過液晶の後ろに設けられたLED等が内蔵された役物や液晶(画像表示装置5)の光量を調整することで透過液晶の視認のしやすさを変化させるようにしてもよい。たとえば、途中の段階までは役物や液晶の光量を小さくすることで暗くし、透過液晶を視認しやすくし、それ以降は光量を大きくすることで明るくし、透過液晶の表示が視認困難となるようにしてもよい。
(13) スロットマシンに適用した場合、入賞役として、有効ライン(たとえば、下段の1ラインが有効ライン)に役として定められた所定の図柄の組合せが揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインのいずれかに指標となる図柄の組合せ(「スイカ−スイカ−スイカ」)が揃うことにより、無効ラインのいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せるようにした指標図柄役を含むものがある。このような場合に、透過液晶を備えたスロットマシンであり、かつ、指標図柄役が設定されているスロットマシンにおいては、下段の有効ラインは、視認しやすい状態にし、中段、上段の無効ラインに対応する位置の前面の透過液晶で有効期間の表示を行なうようにしてもよい。
(14) スロットマシンに適用した場合、操作手段は、遊技の進行に用いるBETボタン、スタートレバー、停止ボタンでもよいし、パチンコ遊技機1と同様の演出用の操作ボタンや清算ボタンでもよい。
(15) 前述した実施の形態では、第1役物である上部機構部470を駆動するための第1役物用モータ(駆動モータ414)と第2役物である回転体430を駆動するための第2役物用モータ(モータ491)とをそれぞれ設ける例を示したが、これは一例である。たとえば、第1役物および第2役物それぞれを駆動させる一つのモータが設けられていてもよい。また、第1役物および第2役物が常に遊技者から視認可能である例を示したが、これは一例である。たとえば、初期位置において第2役物は第1役物の裏側に位置し、遊技者から視認不可能なものであってもよい。そして、動作することで初めて遊技者に視認可能であるものであってもよい。また、第1役物と第2役物とがそれぞれ異なる動作を行なう例を示したが、必ずしもこれに限られず、第1役物と第2役物とが共に左右方向の動作を行なう物であってもよい。この場合、第2役物が第1役物の裏側に配置されており、第1役物が最も左側に位置(最大位置)に移動した後に、第2役物がさらに左方向に進出するといったような動作を行なう(このとき初めて第2役物が遊技者に視認可能となる)ものであってもよい。すなわち、一の役物が、他の役物から相対移動するものであってもよい。
(16) 前述した実施の形態では、第2役物である回転体430の初期位置を維持する手段として磁石451が配置される例を示しているが、これは一例である。維持手段は、第2役物の初期位置を維持するものに限られず、役物初期位置検出動作処理にて先に動作する方の役物の初期位置を維持するようにしてもよい。これによれば、後に動作する役物により受ける影響をより少なくすることができる。具体的には、左右方向の動作を行なう第1役物(初期位置検出の動作において第2役物よりも先に動作する役物)に、初期位置ではロックされる構造となるラックギアなどを設けてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(18) 前述した実施の形態では、役物初期位置検出動作処理において検出した初期位置(具体的に図3(a)の位置)を待機位置(第1役物および第2役物を動作させる前の停止状態での位置)としている例を示したが、これは一例である。たとえば、初期位置を最大位置(具体的に図3(b)の位置)とし、待機位置を図3(a)の位置とするなど、初期位置と待機位置とが別の位置であるようにしてもよい。これに加え、または、これとは別に、第2役物である回転体430の表示面を、初期位置では裏面とし待機位置では表面とするなどして初期位置での表示面と待機位置での表示面とが別の面となるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、第2役物としての回転体430が、第1役物である上部機構部470とともに左右方向に移動可能、すなわち、第1役物と一体的に動作する例を示しているが、これは一例である。第1役物と第2役物は、モータからの動力を受けて伸縮動作するパンタグラフタイプの役物と遊技の際に装飾体を進退させたり発光させたりするロゴタイプの役物、といったように、それぞれ独立して動作するものであってもよい。この場合、操作演出においてはそれぞれの役物が同時に動作し、役物初期位置検出動作処理においては、パンタグラフタイプの役物を先に動作させ、その後ロゴタイプの役物を動作させればよい。なお、役物初期位置検出動作処理においては、重量が大きく、動作した場合の運動エネルギーが大きく(または動作が大きいなど)なる方を、先に動作させる方が望ましい。後に動作させる方の動作が大きいと、先に動作させ初期位置を検出したにも関わらず(待機位置に位置しているにも関わらず)、振動等による影響により位置がずれてしまうおそれがあるためである。
(20) 前述した実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
(21) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
(22) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用できる。前述した実施の形態を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(23) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されてもよい。
(24) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。