以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下の縁上)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤2における遊技領域の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図示しないソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しない第1始動口スイッチや第2始動口スイッチによって検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用の図示しないソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図示しないカウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
さらに、遊技盤2における遊技領域の中央には、可変表示装置5を囲むように内側フレーム40が取り付けられている。内側フレーム40は、円形枠状に構成されており、遊技盤2の盤面の一部を構成している。内側フレーム40は、この実施の形態では、遊技領域における遊技球が打ち込まれる遊技面から前面側(遊技者側)に突出して形成されており、図示しない打球発射装置から発射された遊技球は、内側フレーム40より外側を流下する。また、内側フレーム40には右上部にワープ入口41が形成されており、遊技領域に打ち込まれた遊技球の一部は、このワープ入口41から内側フレーム40の内部に進入して、内側フレーム40の下部に形成されているワープ出口47から遊技領域の下側に流下する。
内側フレーム40の内側には、遊技の際に動作する複数の演出可動機構が設けられている。この実施の形態では、内側フレーム40における上部に第1演出可動機構100Aが設けられており、内側フレーム40における左部に第2演出可動機構200Aが設けられている。また、第1演出可動機構100Aの裏側には、第3演出可動機構300A(図1では図示せず)が設けられており、内側フレーム40における右部に第4演出可動機構400Aが設けられている。なお、パチンコ遊技機1は、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aの全てが設けられるものに限定されず、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aの幾つかだけが設けられてもよい。また、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aは、図1に示す位置関係で設けられるものに限定されず、それぞれが任意の場所に設けられればよい。なお、以下の説明においては、必要に応じて、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態を基準として上下左右前後方向を説明する。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「16」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば16回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、詳しくは後述するが、この実施の形態では、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった種類のスーパーリーチ演出が予め用意されている。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
この実施の形態では、詳しくは後述するが、予告演出として、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるまでの期間に第1〜第4演出可動機構100A〜400Aを動作させる演出が実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような電源基板10、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板15、発射制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板18なども搭載されている。なお、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個の独立した基板によって構成されてもよいし、演出制御基板12にまとめられて1つの基板として構成されてもよい。その他、パチンコ遊技機1の背面には、例えば情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。
電源基板10は、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板15等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板10では、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板10には、バックアップ電源回路500と、クリアスイッチ501とが搭載されていればよい。バックアップ電源回路500は、例えばVDD(直流+5V)の電源ラインから充電されるコンデンサを含んでいればよい。
電源基板10には、電源監視回路が搭載されてもよい。電源監視回路は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、電源断信号を出力可能な回路である。例えば、電源監視回路は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧(一例としてVSL)が所定値(一例として+22V)を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、所定電源電圧が所定値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。あるいは、電源監視回路は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になると、直ちにオン状態の電源断信号を出力するようにしてもよい。電源断信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となりハイレベルとなることでオフ状態となる負論理の電気信号であればよい。電源監視回路から出力された電源断信号は、例えば電源基板10に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11や払出制御基板15へと伝送される。なお、電源断信号は、払出制御基板15を介して主基板11へと伝送されるようにしてもよい。
電源断信号を出力するための監視対象となる所定電源電圧は、例えば電源電圧VSLといった、スイッチ作動用の電源電圧VDDにおける規定値(一例として+12V)よりも高い電圧であることが好ましい。これにより、スイッチ作動用の電源電圧VDDが低下して各種スイッチ(例えばゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24、入賞確認スイッチ25など)の動作状態が不安定となる以前に、電源断信号を出力する(オン状態にする)ことで、各種スイッチによる誤検出に基づく遊技制御の進行を防止できる。すなわち、スイッチ作動用の電源電圧VDDが低下すると負論理(ローレベルでオン状態となる)のスイッチ出力がオン状態となるものの、電源電圧VDDよりも早く低下する電源電圧VSLを監視して電力供給の停止を認識することで、スイッチ出力がオン状態となる以前に、電源復旧待ちの状態となってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
なお、ソレノイド駆動用の電源電圧VSLに代えて、例えば発光体点灯用の電源電圧VLPといった、スイッチ作動用の電源電圧VDDにおける規定値よりも高い任意の電源電圧を監視対象として、電源断信号を出力するようにしてもよい。また、外部からパチンコ遊技機1に供給される電力の供給停止を検出するための条件としては、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になったことに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できる任意の条件であればよい。例えば、AC24V等の交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを条件としてもよいし、交流波をデジタル化した信号を監視して、デジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことの条件としてもよい。
電源基板10に搭載されたクリアスイッチ501は、例えば押しボタン構造を有し、押下操作などの所定操作に応じてオン状態となるクリア信号を出力する。クリア信号は、例えば押下操作などの所定操作に応じてローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。あるいは、クリア信号は、例えば押下操作などの所定操作に応じてハイレベルとなることでオン状態となる電気信号であってもよい。クリアスイッチ501から出力されたクリア信号は、例えば所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11へと伝送され、主基板11から払出制御基板15へと伝送される。また、クリアスイッチ501の操作がなされていないときには、クリア信号の出力を停止(ハイレベルあるいはローレベルに設定)する。なお、クリアスイッチ501は、押しボタン構造以外の他の構成(例えばスライドスイッチ構造やトグルスイッチ構造、ダイヤルスイッチ構造など)であってもよい。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。例えば、主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100や、スイッチ回路114、ソレノイド回路115が搭載されている。スイッチ回路114には、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24、入賞確認スイッチ25などの各種スイッチからの検出信号が入力される。スイッチ回路114は、これらの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路101と、リセット/割込みコントローラ102と、乱数回路103と、CPU(Central Processing Unit)104と、ROM(Read Only Memory)105と、RAM(Random Access Memory)106と、タイマ回路(PIT)107と、シリアル通信回路(SCI)108と、外部バスインタフェース109とを備えて構成されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるクロック回路101は、例えば制御用外部クロック端子に入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックを生成する回路である。クロック回路101により生成された内部システムクロックは、例えばCPU104といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックは、乱数回路103にも供給され、例えば乱数用クロックの周波数を監視するために用いられる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるリセット/割込みコントローラ102は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部や外部にて発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラ102が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路103は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。CPU104は、乱数回路103から抽出した数値データに基づき、例えばRAM106の所定領域に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路103とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工あるいは更新することで、乱数値MR1〜MR4の全部又は一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、CPU104は、乱数回路103を用いることなく、例えばRAM106の所定領域に設けられたランダムカウンタのみを用いて、ソフトウェアによって乱数値MR1〜MR4を示す数値データの一部をカウント(更新)するようにしてもよい。一例として、ハードウェアとなる乱数回路103からCPU104により抽出された数値データを、ソフトウェアにより加工することで、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR4を示す数値データは、CPU104がランダムカウンタなどを用いてソフトウェアにより更新すればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを開放状態(第1状態)に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU104は、ROM105から読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU104がROM105から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU104がRAM106に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU104がRAM106に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU104が外部バスインタフェース109やシリアル通信回路108などを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU104が外部バスインタフェース109やシリアル通信回路108などを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU104がROM105に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU104)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU104がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM105には、セキュリティチェックプログラムが記憶されていてもよい。CPU104は、パチンコ遊技機1の電源投入やシステムリセットの発生に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100がセキュリティモードに移行したときに、ROM105に記憶されたセキュリティチェックプログラムを読み出し、ROM105の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。なお、セキュリティチェックプログラムは、ROM105とは異なる内蔵メモリに記憶されてもよい。また、セキュリティチェックプログラムは、例えば外部バスインタフェース109を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであってもよい。また、ROM105には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムとなる制御コードの他に、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データや決定用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM105には、CPU104が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM105には、CPU104が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM106は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM106の少なくとも一部は、電源基板10のバックアップ電源回路500において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM106の少なくとも一部の内容が保存される。RAM106には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。遊技制御用データ保持エリア590は、第1特図保留記憶部591Aと、第2特図保留記憶部591Bと、遊技制御フラグ設定部592と、遊技制御タイマ設定部593と、遊技制御カウンタ設定部594と、遊技制御バッファ設定部595とを備えている。
第1特図保留記憶部591Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞の発生に対応して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部591Aは、第1始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第1始動条件の成立に基づいてCPU104により取得(抽出)された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データとが、保留データとして第1特図保留記憶部591Aに記憶される。
第2特図保留記憶部591Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞の発生に対応して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部591Bは、第2始動入賞口への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による第2始動条件の成立に基づいてCPU104により取得(抽出)された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データとが、保留データとして第2特図保留記憶部591Bに記憶される。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU104がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU104によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU104がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路103における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路103から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路107は、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。タイマ回路107は、内部システムクロックに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108は、払出制御基板15(払出制御用マイクロコンピュータ150)とのシリアル通信により信号を入出力(送受信)するための回路である。シリアル通信回路108は、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150との間における双方向のシリアル通信に使用されればよい。また、シリアル通信回路108は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120との間における単一方向(送信のみ)のシリアル通信に使用されてもよい。これにより、演出制御基板12の側から主基板11に対する信号入力を禁止して、不正行為を防止することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える外部バスインタフェース109は、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース109は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであればよい。
図2に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板18を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9、及び第1演出可動機構100A〜第4演出可動機構400Aといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aなどの動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。第1〜第4演出可動機構100A〜400Aなどの動作については、演出制御基板12から第1〜第4演出可動機構100A〜400Aにそれぞれ含まれるモータ901(後述する第1演出可動機構100A用モータ、第2演出可動機構200A用のモータ、第3演出可動機構300A用モータ、第1役物用モータである駆動モータ414、第2役物用モータであるモータ491)に、駆動指令などを伝送させることにより動作させる。また、演出制御基板12は、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aにそれぞれ含まれる初期位置センサ902(後述する第1位置検出センサ、第2位置検出センサ、第3位置検出センサ、左右位置検出センサ417、回転位置検出センサ497)などからの検出信号が伝送される。
演出制御基板12には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1における演出動作を制御する演出制御用マイクロコンピュータ120や、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)121、演出データメモリ122が搭載されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ120は、内蔵または外付けの演出制御用ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作するCPU120Aを備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)とのシリアル通信により信号を入力(受信)するシリアル通信回路を内蔵してもよい。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、主基板11から伝送された制御信号としての演出制御コマンドに基づいて、VDP121に画像表示装置5の表示制御を行わせる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、CPU120Aのワークエリアを提供する、内蔵または外付けのRAM(図示せず)を備えている。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、受信した演出制御コマンドに従って演出データメモリ122から必要なデータを読み出すための指令をVDP121に出力する。演出データメモリ122は、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくための記憶領域を有する。VDP121は、CPU120Aの指令に応じて、演出データメモリ122の所定領域から画像データを読み出す。そして、VDP121は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、演出データメモリ122の所定領域に予め記憶された演出制御パターンを構成するパターンデータを読み出し、音声制御基板13やランプ制御基板14に対して各種の制御指令を出力してもよい。
払出制御基板15は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、主基板11から送信された制御コマンドや通知信号を受信して、払出モータ51による遊技球の払出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、払出制御基板15は、払出モータ51による賞球の払出動作を制御する機能を備えている。また、払出制御基板15は、例えばインタフェース基板を介したカードユニットとの通信結果に応じて払出モータ51の駆動制御を行って、球貸し動作を制御する機能を備えていてもよい。
払出制御基板15には、プログラムに従って遊技球の払出動作を制御する払出制御用マイクロコンピュータ150や、スイッチ回路151が搭載されている。スイッチ回路151には、満タンスイッチ26や球切れスイッチ27からの検出信号を受信するための配線や、払出モータ位置センサ71や払出カウントスイッチ72、エラー解除スイッチ73からの検出信号を受信するための配線が接続されている。また、払出制御基板15には、払出モータ51における遊技球の払出制御を行うための指令信号を送信するための配線や、エラー表示用LED74における表示制御を行うための指令信号を送信するための配線、インタフェース基板を介してカードユニットとの間で通信を行うための配線などが接続されている。
ここで、満タンスイッチ26は、例えば遊技盤2の背面下方にて打球供給皿と余剰球受皿の間を連通する余剰球通路の側壁に設置され、余剰球受皿の満タンを検出するためのものである。賞球又は球貸し要求に基づく遊技球が多数払い出されて打球供給皿が満杯になり、遊技球が連絡口に到達した後、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球通路を経て余剰球受皿へと導かれる。さらに遊技球が払い出されると、例えば所定の感知レバーが満タンスイッチ26を押圧してオンする。
また、球切れスイッチ27は、例えば遊技盤2の背面にて遊技球を払出モータ51が設置された払出装置へと誘導する誘導レールの下流に設置され、誘導レールの下流にてカーブ樋を介して連通された2列の球通路内における遊技球の有無を検出するためのものである。一例として、球切れスイッチ27は、球通路に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって係止され、球貸しの一単位の最大払出個数(例えば100円分に相当する25個)以上が確保されていることを確認可能にする。なお、誘導レールは、遊技盤2の背面上方にて補給球としての遊技球を貯留する貯留タンクからの遊技球を払出装置へと誘導するものであり、球通路の下部には、払出モータ51が設置された払出装置が固定されている。
エラー解除スイッチ73は、払出制御用マイクロコンピュータ150が所定のエラー状態に制御されているときに、ソフトウェアリセットによって、そのエラー状態を解除するためのスイッチである。エラー表示用LED74は、例えば7セグメントLEDにより構成され、払出制御用マイクロコンピュータ150にてセットされたエラーフラグなどに基づいて、各種のエラーに対応するエラーコードを表示するためのものである。
払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様の1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路211と、リセット/割込みコントローラ212と、乱数回路213と、CPU214と、ROM215と、RAM216と、タイマ回路(PIT)217と、シリアル通信回路(SCI)218と、外部バスインタフェース219とを備えて構成されている。なお、乱数回路213は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路103と同様の構成を有するものであればよく、シリアル通信回路218は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108と同様の構成を有するものであればよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ150には、乱数回路213が設けられていなくてもよい。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるROM215には、払出制御用のプログラムが記憶されている。払出制御用マイクロコンピュータ150では、例えばCPU214がROM215に記憶されている払出制御用のプログラムを読出し、主基板11から送信された払出制御コマンドやカードユニットとの通信結果などに基づいて各種の処理を実行することにより、遊技球の払出動作を制御する。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるRAM216には、遊技球の払出動作などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。RAM216の少なくとも一部は、電源基板10のバックアップ電源回路500において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定時間は、RAM216の少なくとも一部の内容は保存される。この実施の形態では、RAM216の全体がバックアップされているバックアップRAMであるものとする。
図2に示す発射制御基板17は、操作ノブ31の操作量に応じて、所定の発射装置による遊技球の発射動作を制御するためのものである。発射制御基板17には、例えば電源基板10あるいは主基板11からの駆動信号を伝送する配線や、カードユニットからの接続信号を伝送する配線、及び操作ノブ31からの配線が接続されるとともに、発射モータ61への配線が接続されている。なお、カードユニットからの接続信号は、払出制御基板15にて分岐されて発射制御基板17に伝送されてもよいし、カードユニットから払出制御基板15を経由せずに発射制御基板17に伝送されてもよい。発射制御基板17は、操作ノブ31の操作量に対応して発射モータ61の駆動力を調整する。発射モータ61は、例えば発射制御基板17により調整された駆動力により発射バネを弾性変形させ、発射バネの付勢力を打撃ハンマに伝達して遊技球を打撃することにより、遊技球を操作ノブ31の操作量に対応した速度で遊技領域に向けて発射させる。
中継基板18を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(第7ビット[ビット7])は必ず“1”とされ、EXTデータの先頭ビットは“0”とされる。なお、演出制御コマンドを構成するバイト数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
この実施の形態におけるコマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける第1特図の変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける第2特図の変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
また、コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち「非確変」、「確変」、「突確」のいずれとなるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」、「大当り」及び「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別など)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。なお、飾り図柄停止コマンドは、主基板11から演出制御基板12に対して伝送されないようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する可変表示時間を、演出制御基板12の側で特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を完全停止表示して可変表示結果を確定させるようにしてもよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り種別や「時短外突確」または「時短中突確」などに応じて異なるEXTデータが設定されればよい。あるいは、大当り開始指定コマンドでは、大当り種別などに応じて設定されるEXTデータを、可変表示結果通知コマンドとは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば16ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)や、2ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、16ラウンド大当り状態であるか、2ラウンド大当り状態であるかに応じて、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを別個に用意してもよい。これに対して、16ラウンド大当り状態と2ラウンド大当り状態とで共通の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを用いることにより、演出制御コマンドの種類数を削減することができる。また、2ラウンド大当り状態である場合には、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されないようにしてもよい。大当り遊技状態では、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間であるか、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに関わりなく、大当り遊技状態の開始時点から終了時点まで継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り種別や「時短外突確」または「時短中突確」などに応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、大当り終了指定コマンドでは、大当り種別などに応じて設定されるEXTデータを、可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドとは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA600Hは、小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する小当り開始指定コマンドである。コマンドA700Hは、小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する小当り終了指定コマンドである。なお、小当り遊技状態である場合には、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されるようにしてもよい。あるいは、小当り遊技状態である場合には、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されないようにしてもよい。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示部5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば第1特図保留記憶部591Aにおける保留データと第2特図保留記憶部591Bにおける保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部591Aと第2特図保留記憶部591Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
この実施の形態では、第1及び第2始動口入賞指定コマンドと保留記憶数指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1始動条件及び第2始動条件のいずれが成立したかの通知内容と、合計保留記憶数の通知内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、成立した始動条件(第1始動条件あるいは第2始動条件)と合計保留記憶数との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、成立した始動条件と合計保留記憶数とを特定できるようにしてもよい。ここで、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定可能とする場合には、例えば合計保留記憶数の上限値が「8」である場合に、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した場合に対応して8種類ずつの合計16種類の演出制御コマンドを用意しなければならない。これに対して、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定可能な演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドとを別個に用意すれば、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれを特定可能な2種類の演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な8種類の演出制御コマンドとからなる、合計10種類の演出制御コマンドを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
主基板11から払出制御基板15に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される払出制御コマンドである。なお、払出制御コマンドは、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU104によって払出制御コマンドを送信するための設定が行われ、その設定に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108により払出制御基板15に対して送信されるものである。以下の説明では、主基板11から払出制御基板15に対する払出制御コマンドの送信動作に、こうした遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられたCPU104やシリアル通信回路108による一連の動作が含まれているものとする。
払出制御基板15から主基板11に対しては、例えば電気信号としての払出通知コマンドなどが送信される。払出通知コマンドは、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるCPU214によって払出通知コマンドを送信するための設定が行われ、その設定に基づいて払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるシリアル通信回路218により主基板11に対して送信されるものである。以下の説明では、払出制御基板15から主基板11に対する払出通知コマンドの送信動作に、こうした払出制御用マイクロコンピュータ150に設けられたCPU214やシリアル通信回路218による一連の動作が含まれているものとする。加えて、以下の説明では、主基板11及び払出制御基板15のいずれか一方から他方に対する所定動作の指令だけでなく、一方での動作状態を他方に通知する通知信号も、払出制御コマンドや払出通知コマンドに含まれるものとする。なお、主基板11と払出制御基板15との間では、シリアル通信による払出制御コマンドや払出通知コマンドの送受信の他に、払出制御信号の送受信も行われる。
次に、この実施の形態における第1演出可動100A〜第4演出可動機構400Aについて説明する。
第1演出可動機構100Aは、図1に示す画像表示装置5の上端側において第3演出可動機構300の前方に位置し、遊技の際に装飾体を進退させたり発光させたりすることによって演出動作を行うものである。第1演出可動機構100は、遊技盤2本体に支持されるベース体と、駆動源としてのモータと位置を検出する第1位置検出センサとを含む駆動ユニットと、駆動ユニットにより駆動されてベース体に対して上下方向に移動する装飾体とを備える。第1位置検出センサは、例えばフォトセンサであり、後述する初期位置検出処理などにおいて、第1演出可動機構100Aの初期位置を検出する。なお、第1位置検出センサは、例えばフォトセンサ以外の種々の非接触式センサ、接触式センサを用いてもよい。
第1演出可動機構100Aは、演出制御基板12からの指令や制御データに基づいて動作する。具体的に、装飾体が退避位置に位置する状態でモータから動力が出力されてモータギアが回転すると(演出制御基板12からの指令や制御データが第1演出可動機構100A用のモータに伝送され回転すると)、背面部材と装飾体とが前ベース部のガイドレールにガイドされて下方に進出移動する。このときには、装飾体が図1に示す画像表示装置5の前方に位置する。また、装飾体が進出位置に位置する状態で、モータから動力が出力されてモータギアが回転すると、背面部材と装飾体とが前ベース部のガイドレールにガイドされて上方に退避移動する。このときには、装飾体が画像表示装置5の前方に重ならずに上方に位置する。このように、この実施の形態の第1演出可動機構100Aでは、装飾体の進退に応じて、画像表示装置5の視認性が変化するので、遊技者に画像表示装置5と第1演出可動機構100Aとに注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第2演出可動機構200Aは、図1に示す画像表示装置5の左端側に位置し、演出制御基板12からの指令や制御データが第2演出可動機構200A用のモータ(パンタグラフ用モータ)に伝送されることで、遊技の際に装飾部材を進退させたり発光させたりすることによって演出動作を行うものである。具体的に、第2演出可動機構200Aは、演出制御基板12からの指令や制御データに基づいて、装飾部材を後退させてこの装飾部材の少なくとも一部が、当該装飾部材が収納されるケース内に隠れる状態と、装飾部材を画像表示装置5の前方位置に進出させて視認できる状態とに変位させたり、装飾部材を発光させたりするなどの動作を行うことができる。
第2演出可動機構200Aは、遊技盤2に支持される本体ケースと、この本体ケース内に支持される駆動源としてのパンタグラフ用モータ(第2演出可動機構200A用のモータ)を含む第1駆動ユニットと、このパンタグラフ用モータからの動力を受けて伸縮動作するパンタグラフ機構と、このパンタグラフ機構に装着され、パンタグラフ機構の伸縮動作に連動して進出状態と退避状態とに変化可能な装飾部材と、パンタグラフ機構を伸展させる方向にこのパンタグラフ機構に付勢力を作用させる付勢部材としての付勢ばね(例えば、引張コイルばね)と、パンタグラフ機構が縮んだ状態であるか否かを検出する第2位置検出センサ(例えばフォトセンサ)を備える。第2位置検出センサは、述する初期位置検出処理などにおいて、第1演出可動機構200Aの初期位置を検出する。なお、第2位置検出センサは、例えばフォトセンサ以外の種々の非接触式センサ、接触式センサを用いてもよい。
第3演出可動機構300Aは、図1に示す画像表示装置5の上側に後退した状態において第1演出可動機構100の裏側(後方)に位置し、演出制御基板12からの指令や制御データが第3演出可動機構300A用のモータ(駆動用モータ)に伝送されることで、遊技の際に装飾体を進出させたり発光させたりすることによって演出動作を行うものである。
第3演出可動機構300Aは、内側フレームの上部に取り付けられる後ベース部及び前ベース部と、当該後ベース部に対して動作可能に支持される可動部と、当該可動部を駆動する駆動ユニットとを備える。可動部は、駆動用ユニットが動作することにより動作する。駆動ユニットは、ベース体と、駆動源としての駆動用モータ(第3演出可動機構300A用モータ)と、駆動用モータの回転軸に取り付けられたモータギアと、モータギアと噛合する駆動ギアと、第3位置検出センサとを備える。第3位置検出センサは、例えばフォトセンサであり、後述する初期位置検出処理などにおいて、第3演出可動機構300Aの初期位置を検出する。なお、第3位置検出センサは、例えばフォトセンサ以外の種々の非接触式センサ、接触式センサを用いてもよい。
次に、第4演出可動機構400Aについて図3〜図9を用いて説明する。図3(a)は第4演出可動機構400Aの正面図、図3(b)は第4演出可動機構400Aの背面図である。第4演出可動機構400は、演出制御基板12からの指令や制御データが第4演出可動機構400A用のモータ(後述する第1役物用モータである駆動モータ414、第2役物用モータであるモータ491)に伝送されることで、遊技の際に第1役物である上部機構部470を左右方向に移動させたり第2役物である回転体430を回転させたり発光させたりすることによって演出動作を行うものである。
第4演出可動機構400は、図3に示すように、内側フレーム40の上部に装着される上部支持部材410と、内側フレーム40の下部に装着される下部支持部材420と、上部支持部材410と下部支持部材420との間に支持される上部機構部470(第1役物)と回転体430(第2役物)と台座480とを備える。上部機構部470(第1役物)は、図1に示す画像表示装置5の前方位置で左右方向に移動可能なものである。また、回転体430(第2役物)は、図1に示す画像表示装置5の前方位置で回転可能である。なお、この実施の形態では、上部機構部470を第1役物としているが、第1役物は、台座480や下部支持部材420、後述する縦軸部471を含んでいてもよい。また、当該第1役物および第2役物は、それぞれ動作を行う前後において(より具体的には、初期位置、動作中の位置、のいずれにおいても)、常に遊技者から視認可能な位置に備えられている。
回転体430は、図3に示すように、中央に縦楕円形状の開口部441が形成された横回転可能な縦楕円形状の環状装飾体440と、この環状装飾体440の開口部441内に位置する縦回転可能な縦楕円形状の内部装飾体460とを備える。また、回転体430は、環状装飾体440の上部に配設された上部機構部470(第1役物)と、環状装飾体440の下部の配設された台座480とで回転可能に支持される。すなわち、この実施の形態では、第2役物としての回転体が第1役物としての上部機構部470に配設されている。したがって、第2役物としての回転体430は、図1に示す画像表示装置5の前方位置で第1役物である上部機構部470とともに左右方向に移動可能となっている。
具体的に、第4演出可動機構400Aは、上部機構部470(第1役物)を、上部支持部材410の右端の下方位置にある状態(図3(a)に示す状態)と、その位置から左側に移動した左側位置にある状態(図3(b)に示す状態)とに変位可能な構成である。図4を用いて、上部支持部材410と下部支持部材420の構成について説明する。図4は上部支持部材410と下部支持部材420を構成要素ごとに分解して後方視した第4演出可動機構400の分解斜視図である。
上部支持部材410は、図4に示すように、内側フレーム40の上部に装着される横長板状の上部本体枠411と、この上部本体枠411の背面に装着される横長板状の補強用板金412と、上部本体枠411の背面に装着され、上部機構部470(第1役物)を左右方向に移動させる第2駆動ユニット413とを備える。
上部本体枠411は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。上部本体枠411は、正面視で略矩形状の横長板状であり、その背面の左上箇所と右下箇所に、内側フレーム40の上部にネジ止めするための締結部が形成されている。補強用板金412は、例えば金属製であり、剛性が高いものである。
第2駆動ユニット413は、図4に示すように、演出制御基板12からの駆動信号に基づいて動作する駆動モータ414(第1役物用モータ)と、この駆動モータ414が回動することで回動するピニオン群415と、このピニオン群415の第3歯車415cと噛合するラック部416とを備える。ラック部416の上面には、その長手方向に沿って複数の歯が並設されている。
駆動モータ414は、図4に示すように、上部本体枠411の背面側に突出形成されたボス部411bにネジ止めされる。駆動モータ414は、例えばステッピングモータであり、第1役物である上部機構部470を左右方向に移動させる第1役物用モータである。なお、駆動モータ414は、サーボモータ、ブラシレスモータなどの各種のモータを用いてもよい。
ピニオン群415は、駆動モータ414の回動軸にスプライン結合される第1歯車415aと、この第1歯車415aと噛合する小歯車部415dとこの小歯車部415dよりも径の大きい大歯車部415eとが同軸で重なって一体形成された第2歯車415bと、この第2歯車415bの大歯車部415eと噛合する第3歯車415cとを備える。第2歯車415bと第3歯車415cは、図6に示すように、上部本体枠411の背面側に突出形成された軸支部411cに回動可能に軸支される。第1歯車415a、第2歯車415b及び第3歯車415cは、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
図4に示すように、上部本体枠411の下部側箇所にはこの上部本体枠411の左右長さ(横幅)に近い長さとする横長状の摺動用孔411aが形成される。ラック部416は、図4に示すように、上部本体枠411の前側から摺動用孔411aに挿入される横長状の摺動部材416aにネジ止めすることで、上部本体枠411に装着される。具体的には、この摺動部材416aの背面側には例えば3個の摺動ピン部416bが形成され、各摺動ピン部416bにはリング体416cが挿入され、摺動ピン部416bの先端面にはネジ穴が形成され、ラック部416の貫通孔に挿入されたネジが摺動ピン部416bのネジ穴に螺入されることで、ラック部416が左右方向に移動可能に上部本体枠411に装着される。ラック部416は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
また、図4に示すように、上部本体枠411の右端部の背面箇所には、ラック部416の位置を検出する左右位置検出センサ417(例えばフォトセンサ)を備え、ラック部416の右端上部箇所には検出片416dが装着される。図3(a)に示すように、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに右端に位置する、つまり、図4に示すラック部416が最右端箇所に移動すると、このラック部416の検出片416dが左右位置検出センサ417に位置する。また、上部機構部470が回転体430とともに最右端箇所から離れた位置にあるとき、つまり、ラック部416が最右端から離れた位置に移動すると、ラック部416の検出片416dが左右位置検出センサ417から外れた位置に位置し、左右位置検出センサ417により、上部機構部470が最右端箇所に位置するか否かを検出することができる。
また、回転体430(第2役物)は、図4に示すように上部支持部材410に垂下支持される。具体的には、回転体430の上部機構部470には、上方に突出する縦軸部471が配設され、ラック部416の下部右端寄り箇所には縦軸部471を軸支する軸受け部418が形成されており、ラック部416の軸受け部418によって、回転体430が回動可能に上部支持部材410に垂下支持される。
また、第4演出可動機構400は、図5(a)、図5(c)に示すように、上部機構部470が回転体430とともに最右端位置P1に位置するとき(すなわち、第1役物である上部機構部470が初期位置に位置するとき)には、回転体430を左向きに変更し、上部機構部470が回転体430とともに最右端位置P1以外の位置にするときには回転体430を前向きとする向き変更機構472を備えている。
この向き変更機構472は、図4、図5(b)、図5(d)に示すように、上部機構部470の縦軸部471の先端側に固定されて前側に突出した平面視靴状の板カム部473と、上部機構部470(第1役物)が回転体430とともに最右端に到達する際に板カム部473の靴先状部473aが当接する、上部本体枠411に形成された当接部411dと、その向きが変更された板カム部473の靴先状部473aが挿入される、上部本体枠411に形成された窪み部411eとを備える。板カム部473は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
図6に示すように、板カム部473の前端部は平面視で直線状の端面である。図5(d)に示すように、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに左側位置から最右端の手前の位置までの範囲にあるときは、板カム部473の前端部が上部本体枠411の背面に当接し、板カム部473は正面を向いたまま維持されるため、上部機構部470も前向きのままである。一方、図5(c)に示すように、上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに最右端位置P1に位置に到達すると、板カム部473の靴先状部473aが上部本体枠411の当接部411dに当接してその向きが左向きに変わり、その左向き変更による回動角(例えば45°程度)分だけ縦軸部471が左回動する。板カム部473の靴先状部473aは上部本体枠411の窪み部411eに挿入された状態となり、縦軸部471の45°程度の左回動に伴って上部機構部470が左向きとなる。
すなわち、図5(a)、図5(c)に示すように、例えば上部機構部470(第1役物)が回転体430(第2役物)とともに右方向に移動して最右端位置P1に位置すると(すなわち、第1役物である上部機構部470が初期位置に位置すると)、回転体430(第2役物)が正面よりも左側に例えば45°程度向いた左向きとなる(すなわち、第2役物である回転体430が初期位置に位置することとなる)。そして、例えば環状装飾体440が前向きで回転停止した状態の場合には、回転体430(第2役物)が左向きになることに伴って環状装飾体440も左向きとなる。また、図5(b)、図5(d)に示すように、例えば、第1役物である上部機構部470が、回転停止した回転体430とともに最右端位置P1の手前位置P2から左端位置P3までにあるときには、回転体430(第2役物)が正面を向いた前向き姿勢となる。そして、例えば環状装飾体440が前向きで回転停止した状態の場合には、回転体430(第2役物)が前向きになることに伴って環状装飾体440も前向きとなる。
下部支持部材420は、図4に示すように、内側フレーム40の下部に装着される横長棒状の金属製のスライダー部材421と、このスライダー部材421による左右方向へのスライドに従動する下部本体枠422とを備える。
スライダー部材421は、長手方向に沿って形成された縦断面視コノ字状の受け溝部423aを有する横長棒状のレール体423と、このレール体423の受け溝部423aに装着されレール体423に対して長手方向(左右方向)に摺動可能なスライド体424とを備える。レール体423とスライド体424は例えば金属製であり、剛性が高いものである。
下部本体枠422は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成され、縦辺部422aと下辺部422bとを備えた背面視で略L字板状としており、その下辺部422bの背面にスライド体424がネジ止めされ、その縦辺部422aの先端側に下部機構部480が装着される。
上部機構部470は、図6に示すように、環状装飾体440を横回転するとともにこの環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460を縦回転させる第3駆動ユニット490と、この第3駆動ユニット490を内部に収納し、前面及び側面に装飾処理が施された上部収納ケース474と備える。この上部収納ケース474の上部側には縦軸部471が突出した状態で固定され、この縦軸部471の先端側に板カム部473が固定されている。上部収納ケース474は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
第3駆動ユニット490は、図6に示すように、演出制御基板12からの駆動信号に基づいて回転するモータ491(第2役物用モータ)と、このモータ491が固定されて上部収納ケース474の背面側から装着される固定板492と、モータ491の回動軸にスプライン結合される二重歯車493とを備える。第3駆動ユニット490は、回転体430における回転動作を行う駆動手段である。
モータ491は、例えばステッピングモータであり、第2役物である回転体430を回転させる第2役物用モータである。なお、モータ491は、サーボモータ、ブラシレスモータなどの各種のモータを用いてもよい。この二重歯車493は、下側に位置する小歯車部493aと、上側に位置する、小歯車部493aよりも径の大きい大歯車部493bとが同軸で重なって一体形成された歯車である。固定板492と二重歯車493は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
さらに、第3駆動ユニット490は、二重歯車493の大歯車部493bと噛合する歯車部494aが固定された平歯車付軸494と、二重歯車493の小歯車部493aと噛合する歯車部495aが上側に一体形成された円盤体495と、この円盤体495を回転可能に支持する円盤支持板496とを備える。平歯車付軸494と円盤支持板496は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成される。
円盤体495の中央箇所には、その回転中心に円形形成された円形開口部495bが形成され、この円形開口部495bに平歯車付軸494が回転可能に挿入される。また、環状装飾体440の上部箇所には、上方に突出する円筒部442が形成され、この円筒部442の例えば前面先端箇所にキー溝部442aが形成されている。円盤体495の下側には、円形開口部495bを中心に三重の円筒突起部が形成され、そのうちの最小の第1円筒突起部495cが環状装飾体440の円筒部442に挿入され、次に大きい第2円筒突起部495dの内周に環状装飾体440の円筒部442の外周が当接して挿入され、最大の第3円筒突起部495eの外周が円盤支持板496の半円状切欠部496aに当接する。第1円筒突起部の外周所定箇所とこの箇所と対向する第2円筒突起部495dの該当箇所とを連結するようにキー突起部495fが形成され、このキー突起部495fがキー溝部442aに挿入される。
平歯車付軸494は、円盤体495の中央箇所の円形開口部495bに挿入されると、その先端側が円盤体495の下方に突出し、環状装飾体440の外周上部箇所の円筒部442から開口部441に向けて垂下方向に挿入配置される。
また、上部収納ケース474には、図6に示すように、円盤体495の回転位置を検出する回転位置検出センサ497(例えばフォトセンサ)を備える。円盤体495の外周縁部495gには切欠部495hが形成されている。具体的には、この回転位置検出センサ497は、図6に示すように、円盤体495の外周縁部495gを検出するように上部収納ケース474に配設され、第1役物である上部機構部470が第2役物である回転体430とともに右方向に移動して最右端位置P1に位置して環状装飾体440も左向きとなったときに(回転体430が初期位置となったときに)円盤体495の外周縁部495gの切欠部495hが回転位置検出センサ497に位置し、回転体430が初期位置でないときには円盤体495の外周縁部495gの切欠部495h以外の箇所が回転位置検出センサ497に位置する。このようにして、回転位置検出センサ497により、回転体430(第2役物)の初期位置を検出することができる。
円盤支持板496は、円盤体495を回転可能に支持する状態で上部収納ケース474の背面側からその下部箇所に装着される。
ここで、図7を用いて、環状装飾体440と内部装飾体460について説明する。図7は、環状装飾体440と内部装飾体460を構成要素ごとに分解して前方視した分解斜視図である。
環状装飾体440は、図7に示すように、その中央に開口部441が形成された縦長ドーナツ状体の中空形状であり、その前側半分の外形を形成する前側環状体443と、その後側半分の外形を形成する後側環状体444とを備える。前側環状体443と後側環状体444とを合わせることで形成される内部空間に後述する導光体445、LED実装基板446、環状支持体447及びリングギア448が収納される。前側環状体443と後側環状体444は、その上部左側箇所にネジを挿入して両者が締結され、さらにその下部の突出筒部449に環状の止め具450が装着されることで一体化される。
つまり、環状装飾体440は、図7に示すように、その前側に位置し中央に開口部441を有する前側環状体443と、この前側環状体443の内部に装着される楕円環状で薄板状の導光体445と、この導光体445の背面側に位置するとともにその環状方向に沿って配設される円弧状の3個のLED実装基板446と、これらのLED実装基板446が前面側に装着される環状支持体447と、この環状支持体447が装着され且つ後側に位置し中央に開口部441を有する後側環状体444と、この後側環状体444の内部に装着され且つ開口部441よりも大きい円形環状のリングギア448とを備える。
リングギア448は、その前面に複数の歯がリング状に並設される。リングギア448の直径は、環状装飾体440の開口部441の開口の長径よりも長く、環状装飾体440の外周の短径よりも短い。後側環状体444の内部には、開口部441よりも大きい円形状のガイド溝444aが形成され、このガイド溝444aにリングギア448が装着される。リングギア448をガイド溝444aに装着することでリングギア448の脱落が防止される。
また、第4演出可動機構400全体の重量により圧迫されることでリングギア448がガイド溝444a内を回動し辛くならないように、このガイド溝444aはリングギア448が配設された状態でリングギア448との間に隙間を持たせた大きさとしている。つまり、ガイド溝444aには隙間(ガタ)を大きめにとっている。
3個のLED実装基板446の前面側には、複数のLED446aが実装されており、これらのLED446aからの光が導光体445に入射され、この導光体445の前面が面状に発光し、この導光体445からの光が前側環状体443の背面に照射されることで、前側環状体443が発光する。
内部装飾体460は、図7に示すように、その外形が縦長楕円柱体の中空形状であって環状装飾体440の開口部441よりも小さい形状であり、その前側半分の外形を形成する前側楕円体461と、その後側半分の外形を形成する後側楕円体462とを備え、前側楕円体461と後側楕円体462とを合わせた状態で左右箇所からネジ止めることで両者が一体化される。
後側楕円体462の上下方向中央でその右側部箇所に右横軸部463が形成され、この右横軸部463に横ピンギア464がネジ止めにより固定され、環状装飾体440の開口部441の右箇所の軸受け部441aに横ピンギア464の軸部が軸支される。また、内部装飾体460の上下方向中央で左側部箇所に左横軸部465が形成され、この左横軸部465にリング体466が挿入されて、環状装飾体440の開口部441の左箇所の軸受け部441bに左横軸部465が軸支される。
図7に示すように平歯車付軸494は上ピンギア453にスプライン結合される。なお、平歯車付軸494は図8に示すように円盤体495の円形開口部495bに回転可能に挿入されるものであるが、図7では平歯車付軸494と上ピンギア453とのスプライン結合を示すために、円盤体495の図示を省略している。図7に示すように、上ピンギア453は、環状支持体447の前側上部箇所に位置し、そのギア部分が切欠部447aから環状支持体447の後側に突出しており、上ピンギア453とリングギア448とが噛合する。
また、内部装飾体460の横ピンギア464は、図7に示すように、環状支持体447の前側左部箇所に位置し、そのギア部分が切欠部447bから環状支持体447の後側に突出しており、横ピンギア464とリングギア448とが噛合する。横ピンギア464は、リングギア448と噛合し且つ縦向きの平歯車付軸494とは異なる向き(例えば横向き)の回動軸を軸心として回動する従動歯車である。
環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所には磁石451が配設される。また、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置には、磁石451が配置される。
下部機構部480は、図6に示すように、環状装飾体440のLED実装基板446に電力供給するスリップリング481を有する電力供給部482と、この電力供給部482を内部に収納する下部収納ケース483とを備える。下部収納ケース483は、例えば樹脂などを金型に射出することによって形成され、その前面、側面及び上面に装飾処理が施されている。
図7に示すように、環状装飾体440の下部には軸体452が下方に突出状態で配設される。例えば、軸体452の上端が環状装飾体440の突出筒部449の内側にネジ止めされ、図6に示すように、この軸体452の下端がスリップリング481の挿入孔481aにスプライン結合される。電力供給部482には、回転するスリップリング481の外周面に接触する固定側のブラシ(図示省略)を備え、このブラシに供給された電力が、回転するスリップリング481に通電され、スリップリング481に接続された配線(図示省略)により環状装飾体440内のLED実装基板446に供給される。なお、スリップリング481を介して、制御信号(例えば複数のLED446aのうち発光させる領域や色、点滅パターンなどを示す制御信号)などの各種信号を環状装飾体440に出力するようにしてもよい。
ここで、回転体430における環状装飾体440の横回転と内部装飾体460の縦回転とが同時行われる動作について、図8、図9を用いて説明する。図8(a)〜(h)は、前側環状体443を外した状態の回転体430であって後側環状体444を固定的に見た図である。図9(a)〜(j)は、環状装飾体440が右回りに半周するときに内部装飾体460が縦回りに一周半することを示す図である。
第3駆動ユニット490のモータ491の回転軸が回転することで二重歯車493が回転する。この二重歯車493の回転により、平歯車付軸494と円盤体495とがそれぞれ同方向に回転する。二重歯車493の上側の大歯車部493bの回転により平歯車付軸494が回転し、この平歯車付軸494の下端側の上ピンギア453が回転する。この上ピンギア453の回転によりリングギア448がリング方向に回転する。リングギア448の回転により横ピンギア464が回転し、内部装飾体460が縦回転する。また、二重歯車493の下側の小歯車部493aの回転により円盤体495が回転し、この円盤体495の回転により環状装飾体440が横回転する。
図8(a)には内部装飾体460の前側楕円体461が正面を向いた状態を0度とし、内部装飾体460がそれぞれ45度ずつ回転した状態を図8(b)〜(h)に図示している。なお、内部装飾体460が45度回転すると、環状装飾体440が15度回転するため、内部装飾体460は環状装飾体440の3倍速く回転する。内部装飾体460は、図8(a)〜(h)の回転状態を経て、再び図8(a)の状態となることで360度回転する。
図9(a)〜(j)では、環状装飾体440が右横回転して半周(180度回転)したことを示しており、環状装飾体440が20度回転すると内部装飾体460が60度回転するため、内部装飾体460は環状装飾体440の3倍速く回転する。
上記の第4演出可動機構400Aでは、リングギア448を内部に有し、このリングギア448の内側に開口部441が設けられた環状装飾体440と、この環状装飾体440の開口部441に設けられて、リングギア448の回動に従動する横ピンギア464を有し、この横ピンギア464の従動に連動して動作する内部装飾体460と、リングギア448を円周方向に回動させることにより、横ピンギア464を従動させて内部装飾体460を動作させる第3駆動ユニット490を備えるので、環状装飾体440の内部において円周方向に回動するリングギア448に横ピンギア464が従動し、この横ピンギア464の従動動作に連動して内部装飾体460が動作するので、環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460の動作に意外性を持たせることができ、装飾体による演出の興趣を向上できる遊技機を提供することができる。
また、環状装飾体440及び開口部441は楕円形状であり、リングギア448の直径は、開口部441の開口の長径よりも長く、環状装飾体440の外周の短径よりも短いので、リングギア448を環状装飾体440の内部に適切に収納でき、楕円形状の開口部441内を内部装飾体460が回転するとの意外性のある動作を、簡易な構造で実現することができる。つまり、環状装飾体440を真円形状ではなく楕円形状とすることにより、その内側に真円状のリングギア448が配置されているのを想起し難くすることができ、リングギア448に連動した内部装飾体460の動作に意外性をもたせることができる。
また、環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所には磁石451が配設され、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置には、磁石451(維持手段)が配置されるので、静止状態において内部装飾体460が所定の静止位置に誘導されることで、静止状態での装飾性を向上させることができる。また、リングギア448等のガタ(歯車間の遊び、隙間)を大きくとってある場合には特に有効である。また、初期位置に位置する場合に、当該位置にて維持されるため、初期位置からずれることをより精度良く防止することができる。なお、磁石451に代えてモータやソレノイド、ストッパやギア、バネ等を備えていてもよい。また、回転位置によって動作がロックされる構造を有するラックギアであってもよい。
また、第3駆動ユニット490は、環状装飾体440にも駆動力を付与することにより、環状装飾体440を所定動作させるとともに、内部装飾体460を環状装飾体440に対して相対動作させるので、単一の第3駆動ユニット490により環状装飾体440、内部装飾体460をそれぞれ動作させることができ、製造コストを抑えることができる。
また、環状装飾体440は、第3駆動ユニット490からの駆動力で回動する平歯車付軸494が、外周所定箇所から開口部441に向けて挿入配置され、リングギア448は、その表面に複数の歯がリング状に並設され、平歯車付軸494に形成された上ピンギア453と噛合するものであり、横ピンギア464は、リングギア448と噛合し且つ平歯車付軸494とは異なる向きの回動軸を軸心として回動する従動歯車であるので、環状装飾体440の開口部441内においてこの環状装飾体440の平歯車付軸494周りの回動とは異なる回動で内部装飾体460を回動させることができ、環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460の動作に意外性を持たせることができ、装飾体による演出の興趣を向上できる遊技機を提供することができる。
また、環状装飾体440内のLED実装基板446には、スリップリング481によって電力供給されるので、パチンコ遊技機1の電源投入時の立ち上げ動作において環状装飾体440が安全に回転する。
なお上記した第4演出可動機構400Aでは、環状装飾体440の内部のLED実装基板446により、環状装飾体440が発光する構成としているが、これに限定されるものではない。環状装飾体440の開口部441から出射された光により内部装飾体460が発光するようにしてもよい。例えば、環状装飾体440の開口部441を透光性部材で形成する。具体的には、前側環状体443と後側環状体444は透明性樹脂などを金型に射出することによって形成し、開口部441を透光性部材とする。そして、環状装飾体440の内部のLED実装基板446のLED446aを開口部441に向けて発光するよう配置するなどして、LED実装基板446からの光が開口部441に照射されるようにする。こうすることで、環状装飾体440の内部のLED実装基板446からの光が開口部441を透過して内部装飾体460が照射され、内部装飾体460が発光する。このような構成によれば、環状装飾体440の内部のLED実装基板446からの光は、透光性部材である開口部441を透過して、この開口部441内で動作する内部装飾体460に照射されるので、LED実装基板446を設けることが難しい内部装飾体460を発光させることができ、演出効果をさらに高めることができる。また、内部装飾体460の表面にメッキ処理を施している場合には、環状装飾体440からの光を反射させることができる。
また、第4演出可動機構400では、環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所に磁石451を配設し、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置に強磁性体を配置してもよい。環状装飾体440における開口部441の第1位置である下部箇所に強磁性体を配設し、内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置に磁石451を配置してもよい。
また、第4演出可動機構400では、リングギア448はその背面に複数の歯が並設されたものとしてもよく、このリングギア448の背面の歯に上ピンギア453及び横ピンギア464に噛合するようにすればよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、環状装飾体440とその開口部441並びに内部装飾体460を楕円形状としているが、環状装飾体440は、内部にリングギア448を有してリングギア448の内側に開口部が設けられればよく、円形形状や多角形形状など任意の形状としてもよい。また、内側装飾体460は、環状装飾体440の開口部に設けられて、リングギア448の回動に従動する従動部材を有し、従動部材の従動に伴って動作すればよく、円形形状や多角形形状など任意の形状としてもよく、環状装飾体440の開口部と異なる形状であってもよい。なお、環状装飾体440の外形や開口部441の開口が円形ではない場合には、リングギア448は、開口の中心から最大となる部位の開口直径よりも大きい直径で、開口の中心から最小となる部位の外形径よりも小さい直径のものが用いられればよい。
また、円形環状の環状装飾体440の開口部441内を、円形状の内部装飾体460がリングギア448の回動方向に回動するようにしてもよい。例えば、内部装飾体460の右横軸部463に固定された横ピンギア464に替えて、内部装飾体460の右横軸部463をリングギア448の内周面箇所に固定し、前側環状体443の開口部441と後側環状体444の開口部441との対向間隔を右横軸部463の直径よりも大きくした構成とすればよい。この場合には環状装飾体440が横回転するとともに環状装飾体440の開口部441内の内部装飾体460が開口部441の内周方向に回転させることができる。
また、上記した第4演出可動機構400では、リングギア448の回動に伴って横ピンギア464が回転し、内部装飾体460が縦回転するものとしたが、内部装飾体460は縦回転に代えて又は加えて、環状装飾体440に対する移動や、内部装飾体460に対して可動部材が可動するなど、他の動作を行うものとしてもよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、リングギア448の前方にLED実装基板446が設けられるものとしたが、これに代えて又は加えて、リングギア448の後方にLED実装基板が設けられてもよい。LED実装基板をリングギア448の前方と後方とに双方に設ける場合には、環状支持体447などによって、2つのLED基板の間にリングギア448が回転可能に支持されるよう構成されればよい。
また、上記した第4演出可動機構400では、第3駆動ユニット490が環状装飾体440にも駆動力を付与して、環状装飾体440を所定動作させるとともに、内部装飾体460を環状装飾体440に対して相対動作させるものとしたが、第3駆動ユニット490から環状装飾体440には駆動力が付与されないものとしてもよい。
以上が、この実施の形態における第1演出可動100A〜第4演出可動機構400Aの構成である。次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、電源基板10からの電力供給が開始されて遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動すると、CPU104が所定のセキュリティチェック処理を実行した後などに、図10のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理を実行する。
図10に示す遊技制御メイン処理を開始すると、CPU104は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU104は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU104は、払出制御用マイクロコンピュータ150に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。なお、CPU104は、ステップS4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能とならないかぎり、払出制御用マイクロコンピュータ150に対して接続信号を継続して出力する。
続いて、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるリセット/割り込みコントローラ102やタイマ回路107などの設定(初期化)がなされる。その後、CPU104は、RAM106をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、ステップS6にてRAM106をアクセス可能状態に設定したときには、所定の信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化するようにしてもよい。一例として、遊技制御タイマ設定部593といったRAM106の所定領域に設けられた条件成立信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化する。条件成立信号出力タイマは、賞球個数の累積値が所定数(例えば「10」)以上となったことにより所定の払出条件が成立したことを示す払出条件成立信号の出力時間を計測するために用いられる。パチンコ遊技機1における電源投入時に条件成立信号出力タイマをクリアすることにより、電源遮断の直前に出力中であった払出条件成立信号が、電源再投入後は継続して外部出力されないようにして、払出条件が1回成立したことに基づく払出条件成立信号が、電源遮断の前後に分かれて2回分外部出力されてしまうことを防止できる。
遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板15)に対して、遊技制御基板(主基板11)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
クリア信号のチェック処理において、CPU104は、クリアスイッチ501からオン状態のクリア信号(操作検出信号)が伝送されたか否か、すなわち、クリアスイッチ501がオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU104は、入力ポート2を介して1回だけクリア信号の状態(オン/オフ)を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチ501がオンでない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合に、CPU104は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU104は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU104は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU104は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10,S11の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU104は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態へと戻すために、電断復旧時の設定を行う(ステップS9a)。具体的には、ROM105に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM106内の領域)に設定する。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。これによって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。また、ステップS9aの処理では、電力供給が再開されたことを示す電力供給再開コマンドを演出制御基板12の側に送信する処理を含んでいる。
また、CPU104は、ROM105に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定することにより、電断復旧時に対応したコマンドの送信設定を行う。なお、この送信設定がなされた後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
こうしてステップS9aにて電断復旧時の設定が行われた後には、パチンコ遊技機1の電力供給停止時(電断時)における遊技状態が確変状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定を行う(ステップS9b)。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501がオフであり初期化処理が実行されないことに対応して、電断復旧時の設定が行われるときには、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態としての確変状態(高確状態)であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する。
一例として、RAM106のバックアップ領域にて確変フラグの状態(オン/オフ)を示す記憶データをチェックする。このとき、確変フラグがオンであるか否かに対応して、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定すればよい。なお、この実施の形態では、RAM106の全部が電源バックアップされていることから、確変フラグがRAM106のどのような領域に記憶されていても、その内容は電力供給が停止された後に所定期間は保存されることになる。
なお、確変フラグがオンであるか否かに対応して、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定するものにかぎられない。例えば、確変フラグとは別個に所定の記憶領域などから記憶データを読み出すようにしてもよい。より具体的には、電源断処理(図11のステップS90参照)が実行されたときに、電源断信号が出力されていることに基づいて、確変フラグの状態を示すデータがRAM106の所定領域(バックアップ領域)に記憶され、電力供給が停止されても所定期間は、このデータが保存されるようにする。この場合、ステップS9aの処理により、RAM106の所定領域における記憶データに対応した確変フラグの設定が行われて、電力供給停止時(電断時)における遊技状態へと復旧されるようにしてもよい。また、特別遊技状態として、確変状態だけでなく時短状態であることも示すデータが記憶されているか否かを判定してもよい。例えば、RAM106のバックアップ領域に記憶された時短フラグの状態をチェックして、時短フラグがオンであるか否かに応じて、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定してもよい。
こうして電断時の確変記憶(あるいは時短状態を含めた特別遊技状態の記憶)があるときには、投入時状態信号の出力指定を行う(ステップS9c)。例えば、CPU104は、RAM106の所定領域に記憶された確変フラグの状態をそのまま保持することにより、投入時状態信号の出力を指定すればよい。この投入時状態信号の出力指定がなされた後、投入時状態信号がパチンコ遊技機1から外部装置へと外部出力されることになる。なお、ステップS9cで投入時状態信号の出力指定を行った後に、タイマ割込の発生に基づく情報出力処理(図11のステップS93参照)により投入時状態信号の外部出力が開始されるものにかぎられない。例えば、ステップS9cの処理として、情報バッファの投入時状態信号出力ビット位置をセットした後、情報バッファを出力値にセットするとともに、その出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時状態信号の外部出力を開始させるようにしてもよい。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時に確変フラグの状態をそのまま保持することにより、投入時状態信号の出力指定がなされる。すなわち、確変フラグの状態(オン/オフ)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるか否かを示すとともに、電源投入時に投入時状態信号を外部出力するか否かの出力指定を示すことになる。こうして、遊技状態が確変状態であるか否かに対応した確変フラグの状態を示すデータを、投入時状態信号を外部出力するか否かの出力指定を行うためのデータと共通化することにより、投入時状態信号を外部出力するために専用のデータを用意する必要がなくなり、RAM106に記憶されるデータ容量の増大などを防止することができる。
なお、確変フラグとは別個に設けられた投入時状態信号出力指定フラグをオン状態にセットすることなどにより、投入時状態信号の出力指定がなされるようにしてもよい。投入時状態信号出力指定フラグは、パチンコ遊技機1の電源投入時に初期化処理が実行されないことに加えて確変状態等の特別遊技状態であることに基づいてオン状態にセットされることにより、投入時状態信号の出力指定を示すものであればよい。
初期化処理では、CPU104は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM106の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。続いて、作業領域の初期設定を行う(ステップS11)。例えば、CPU104は、ROM105に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する。
ステップS11の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU104は、初期化コマンドの送信設定を行う(ステップS12)。例えば、ROM105に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、画像表示装置5に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板15への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU104は、初期化処理時に対応して予め定められたセキュリティ信号出力時間(本例では、30秒)を設定する(ステップS13)。例えば、セキュリティ信号出力時間に対応したタイマ初期値を、RAM106の所定領域に設けられたセキュリティ信号情報タイマにセットする。セキュリティ信号情報タイマは、外部出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS13でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(図11のS93参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
CPU104は、パチンコ遊技機1における電力供給の開始(電源投入)に対応して、遊技機固有情報を外部出力するための設定を行う(ステップS14)。遊技機固有情報を外部出力するための設定としては、例えば、遊技機固有情報の外部出力を要求する固有情報出力要求フラグをセットし、遊技機固有情報の読出開始アドレスを固有情報読出ポインタにセットする。
また、CPU104は、乱数回路103を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU104は、所定の乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路103に乱数値を更新させるための設定を行う。
続いて、CPU104は、シリアル通信回路108を初期設定する(ステップS15a)。この場合、CPU104は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM105の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路108に設定することによって、シリアル通信回路108に払出制御用マイクロコンピュータ150とシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路108を初期設定すると、CPU104は、シリアル通信回路108の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU104は、所定の割込優先順位設定プログラムに従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU104は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態において、CPU104は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路108において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU104は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路108からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU104は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM105の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU104は、ROM105の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
なお、ステップS15〜S15bだけでなく、乱数回路103やシリアル通信回路108の設定処理の一部は、ステップS5の処理においても実行される。例えば、ステップS5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路108のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
そして、CPU104は、所定時間(例えば4ミリ秒)ごとに定期的にタイマ割込がかかるようにタイマ割込設定を行う(ステップS16)。タイマ割込の設定が完了すると、CPU104は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU104は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路108からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、本実施の形態では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
パチンコ遊技機1の電源投入時には、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105のプログラムデータエリアに記憶されたユーザプログラムに基づいてCPU104により実行される遊技制御メイン処理において、初期化処理が実行されないことに加えて遊技状態が特別遊技状態であることを示すデータが記憶されていることに基づき、ステップS93にて投入時状態信号の出力指定が行われる。すなわち、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われる。なお、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われるものにかぎらない。例えば、電源投入時における投入時状態信号の外部出力は、ハードウェアにより行われるようにしてもよい。あるいは、電源投入時にROM105から読み出したユーザプログラムを実行する前にセキュリティチェックプログラムが実行される場合であれば、このセキュリティチェックプログラムに基づいてCPU104により実行される処理において、投入時状態信号の出力設定や情報バッファの設定などが行われてもよい。すなわち、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムとは異なるシステムプログラムなどに基づいて行われるようにしてもよい。この場合、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定は、クリアスイッチ501がオンであるか否かの判定よりも先に実行されてもよい。そのように構成しても、投入時状態信号が外部出力されたパチンコ遊技機1については、電源投入時に特別遊技状態であることを示すデータが記憶されていると認識することができ、例えば遊技場の管理者がクリアスイッチ501を操作することなどにより、初期化処理を実行させてパチンコ遊技機1の記憶内容を確実に初期化(クリア)させることができる。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501の所定操作(例えば押下操作など)が行われた場合には(ステップS7;Yes)、ステップS10,S11の初期化処理が実行される。この場合には、ステップS13でセキュリティ信号出力時間が設定されることにより、所定時間(例えば30秒)にわたりオン状態のセキュリティ信号が外部出力される。これに対して、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501の所定操作が行われていないことなどに基づいて(ステップS7;No)、ステップS10,S11の初期化処理が実行されていない場合には、電断復旧時の設定が行われるとともに(ステップS9a)、確変状態等の特別遊技状態を示すデータが記憶されているか否かが判定される(ステップS9b)。そして、このようなデータが記憶されているときには(ステップS9b;Yes)、ステップS9cでの出力指定などに基づいて、オン状態の投入時状態信号が外部出力される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ100における遊技制御用タイマ割込処理(タイマ割込処理)について説明する。図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100において所定時間(例えば4ミリ秒)ごとに発生するタイマ割込に基づいて実行される遊技制御用タイマ割込処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理の実行中に、具体的には、図10のステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104は、タイマ割込の発生に応じて起動される遊技制御用タイマ割込処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理において、CPU104は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS90)。
そして、CPU104は、スイッチ回路114を介して、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24および入賞確認スイッチ25などのスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS91)。一例として、スイッチ処理では、各スイッチ21、22A、22B、23などからの検出信号においてオン状態が所定時間(例えば4ミリ秒)継続したか否かを判定し、継続したと判定した場合には、RAM106の所定領域(遊技制御バッファ設定部595など)に設けられたスイッチオンバッファにおいて、オン状態を検出したスイッチと対応付けられたビット値が“1”に設定されればよい。
ステップS91におけるスイッチ処理に続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS92)。例えば、メイン側エラー処理では、賞球過多や賞球不足、その他の動作エラーが発生した場合に対応して、異常動作の発生を報知するための設定などが行われてもよい。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS93)。
情報出力処理に続いて、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS94)。この後、CPU505は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS95)。特別図柄プロセス処理では、RAM507の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS96)。CPU505は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU505は、例えばステップS91におけるスイッチ処理の実行結果などに基づき、入賞検出信号の入力に応じて賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS97)。賞球処理に続いて、メイン側通信制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12や払出制御基板15などのサブ側の制御基板に向けて制御コマンドを送信したり、払出制御基板15から伝送された制御コマンドを受信したりするための通信制御を行う(ステップS98)。
一例として、メイン側通信制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファに含まれる払出用送信コマンドバッファの記憶データによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、シリアル通信回路511が備える第1チャネル送受信回路に送信動作の指示を送ることなどにより、払出制御コマンドの伝送を可能にする。また、遊技制御バッファ設定部などに設けられた払出用受信コマンドバッファの記憶内容を確認して受信コマンドが格納されているか否かを判定し、格納されているときには、その受信コマンドを読み出す。なお、払出用受信コマンドバッファに対する受信コマンドの格納は、シリアル通信回路511にて第1チャネル送受信回路により払出通知コマンドとなる通信データを受信したことに応じて発生する第1チャネル受信割込みに基づいて実行される割込み処理により、行われるようにすればよい。他の一例として、メイン側通信制御処理では、送信コマンドバッファに含まれる演出用送信コマンドバッファの記憶データによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、シリアル通信回路511が備える第2チャネル送信回路に送信動作の指示を送ることなどにより、演出制御コマンドの伝送を可能にする。こうしたメイン側通信制御処理を実行した後には、割込み許可状態としてから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS95にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU104は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU104は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU104は、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU104は、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU104は、乱数回路103や遊技制御カウンタ設定部594のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部591Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部591Bにセットされる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM105における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM105における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。また、例えばROM105における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図13に示すステップS98のメイン側通信制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS212の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS213)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS213;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS213;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、所定時間内(例えば4ミリ秒内)で実行される処理(タイマ割込処理)によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS214の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図12に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU104は、遊技制御フラグ設定部592に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部593に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部592に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図14は、特別図柄通常処理として、図13のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄通常処理において、CPU104は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部594に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部591Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部591Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部594にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部594にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部591Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部591Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部594にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。CPU104は、変動特図指定バッファ値に応じて、図15(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと図15(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bのいずれかを使用テーブルに選択すればよい。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、図15(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aを選択する一方で、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、図15(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bを選択すればよい。また、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルにおけるテーブルデータを選択すればよい。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図14に示すステップS239の処理に続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」、「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、いずれの特図表示結果に割り当てられた決定値と合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応したテーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態または時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブルにおいて遊技状態が通常状態または時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。他方、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブルにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定した場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部592に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図16に示す大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。
大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図14に示すステップS243にてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定した場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、RAM102に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定した場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定した場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定した場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定した場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図17は、変動パターン設定処理として、図12のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。また、図18は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。スーパーリーチ変動パターンには、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに関わらず、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCといった態様のリーチ演出がある。図示するように、リーチの種類に応じて変動時間が異なっており、確変図柄によりリーチ状態となるか非確変図柄によりリーチ状態となるかに関わらず、共通の変動時間に設定されている。
図17に示す変動パターン設定処理において、CPU104は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図19(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えばRAM102に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
大当り変動パターン決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、変動パターンPB4−3、及び変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターンPC1−1〜変動パターンPC1−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターンPA4−1、変動パターンPB4−1、変動パターンPB4−2、及び変動パターンPB4−3に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターンに決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定した場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターンに対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定した場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、この実施の形態では、大当り種別が「非確変」の場合の方が、「確変」の場合よりも、多くの決定値がノーマルリーチの変動パターンを示す変動パターンPA4−1に割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当り種別が「非確変」となるよりも「確変」となる可能性が高くなるため、遊技者に期待を抱かせることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、図19(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル132Aでは、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB4−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB4−2の方が、変動パターンPB4−2よりも、スーパーリーチCのリーチ演出を行う変動パターンPB4−3の方が多くの決定値が割り当てられている。
図17に示すステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図19(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図19(C)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Cを選択してセットする(ステップS267)。例えばRAM106に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを特定する(ステップS268)。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、各変動パターンに決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターンに割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン決定テーブル132Cとでは、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターンに決定することができる。なお、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図19(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチのリーチ演出を行う変動パターンに割り当てられている決定値よりも、多くの決定値が非リーチの変動パターンに割り当てられている。したがって、スーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、大当りとなる期待度が高くなっている。また、ハズレ変動パターン決定テーブル132Cでは、図19(A)の大当り変動パターン決定テーブル132Aとは対象的に、スーパーリーチAのリーチ演出を行う変動パターンPB2−1よりも、スーパーリーチBのリーチ演出を行う変動パターンPB2−2の方が、変動パターンPB2ー2よりも、スーパーリーチCのリーチ演出を行う変動パターンPB2−3の方が、少なくなるように、決定値が割り当てられている。したがって、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、スーパーリーチBよりもスーパーリーチCの方が、リーチ演出が実行された場合に大当りとなる期待度が高くなっている。したがって、実行されるリーチ演出の種類にも遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
図17に示すステップS263、S265、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターンのうちから、いずれかの変動パターンに決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン決定テーブル132Bを参照し、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターンを決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターンに決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS270)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS270の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS271)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS271の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS272)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、RAM102に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
ここで、第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定するコマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定するコマンドである。遊技状態指定コマンドは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定するコマンドである。
ステップS272でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してからメイン側通信制御処理を実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
ステップS272の処理を実行した後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS273)、変動パターン設定処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120(具体的にCPU120A)が、図20に示す演出制御メイン処理を実行する。図20は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。
演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用マイクロコンピュータ120は、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、入力ポートのうちで、中継基板18を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAMに設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用マイクロコンピュータ120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら(ステップS702;Yes)、演出制御用マイクロコンピュータ120は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われればよい。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、第1演出可動100A〜第4演出可動機構400Aの動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAMのランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する(ステップS706)。そして、排出異常や異常入賞を検出したこと、初期化処理が実行されたことなどを画像表示装置5等の演出装置を用いて報知する報知制御処理を実行する(ステップS707)。そして、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aそれぞれの初期位置を検出する役物初期位置検出動作処理を実行する(ステップS708)。ステップS708における役物初期位置検出動作処理では、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aそれぞれを順に動作させ(各モータに順に駆動信号を出力して)、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aそれぞれに含まれる位置検出センサ(第1位置検出センサ、第2位置検出センサ、第3位置検出センサ、左右位置検出センサ417、回転位置検出センサ497)により、予め定められた初期位置に位置するよう動作させ、初期位置を検出する。なお、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aの動作が互いに影響がなければ、順番に動作させず、同時に動作させてもよい。ステップS708の処理は、検出条件が成立した場合に実行されればよく、例えば、電源投入時(ステップS701の処理の直後に実行してもよい)、または、主基板11から初期化コマンドや電力供給再開コマンドを受信したとき、などを検出条件の成立として実行されればよい。また、これらに限られず、例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信したこと、客待ちデモ指定コマンドを受信してから予め定められた期間(例えば1分)経過したこと、客待ちデモ指定コマンドを予め定められた回数(例えば10回)受信したこと、予め定められた期間経過したこと(予めタイマ値を設定し、ステップS708の処理毎にタイマ値を再設定しておく)、可変表示を100回行ったこと(ステップS708の処理を実行する度にカウント値をクリアするようにして可変表示回数をカウントしておく)、大当り遊技状態が終了したこと、などを検出条件の成立としてもよい。なお、検出条件が成立した場合であっても、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aからのセンサ検知信号を確認し、初期位置である場合にはステップS708の処理を実行しなくてもよい(初期位置となっていない場合に、初期位置となっていない演出可動機構についてステップS708の処理を実行するようにしてもよい)。電源投入時については、電源基板10から演出制御基板12に電源が投入されたこと、または、主基板11から電源が投入されたことを示すコマンドを受信したことにより、判定すればよい。ステップS708の処理を実行した後は、ステップS702の処理に移行する。なお、ステップS708における役物初期位置検出動作処理にて第1〜第4演出可動機構100A〜400Aのすべての初期位置が検出されるまでは、ステップS708の処理が繰り返し行われ、すべての初期位置が検出された後、ステップS702に移行するようにしてもよい。このように、ステップS707の報知制御処理が行われた後にステップS708の役物初期位置検出動作処理が実行されることにより、使用電力が増加してしまうことを防止することができる。
図21は、演出制御プロセス処理として、図22のステップS705にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、例えばRAMの所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS180〜S187の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS180の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS181の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。また、可変表示開始設定処理では、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aの動作させる特定演出の実行設定する処理などを含んでいる。この実施の形態では、特に、特定演出として第4演出可動機構400Aを、予め定められた複数パターンのいずれのパターンで動作させるかを決定する処理を含んでいる。
ステップS182の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、演出用模型制御データといった演出制御実行データを読み出す。このとき読み出された演出制御実行データに従って、例えばVDP121へと伝送する表示制御信号の決定や、音声制御基板13やランプ制御基板14へと伝送する各種指令の決定などが行われる。これらの決定結果に基づく各種信号の出力により、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった各種の演出装置を用いて、特図ゲームの実行中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから終了コードが読み出されると、所定の表示制御信号をVDP121に対して送信することなどにより、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を表示させたり、特図ゲームの終了に対応した演出画像を表示させたりする。また、可変表示中演出処理では、ステップS181の可変表示開始設定処理にて設定されたパターンにしたがって、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aの動作させる特定演出を実行する処理を含んでいる。
ステップS183の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、CPU120Aは、主基板11から送信された大当り開始指定コマンドや小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。大当り開始指定コマンドを受信したきには、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、小当り開始指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り開始指定コマンドや小当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS184の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種指令の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて小当り遊技状態における各種の演出制御が行われる。また、小当り中演出処理では、主基板11からの小当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS185の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御が行われる。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS186の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS187のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御が行われる。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図22は、可変表示開始設定処理として、図21のステップS181にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示開始設定処理において、CPU120Aは、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定した場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS523の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定した場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であるか、または、特図表示結果が「小当り」であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、RAMに設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、演出データメモリ122などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。一例として、ステップS526の処理では、まず、RAMのランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いて演出データメモリ122などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われる。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。なお、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定してもよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定した場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定した場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われればよい。なお、ステップ526の処理では、例えば、予め可変表示結果が「大当り」となる場合、「確変の大当り」となる場合と「非確変の大当り」となる場合とで異なる変動パターンを用意しておき、変動パターン指定コマンドを確認することにより、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄とするのか、確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄とするのかを決定するようにしてもよい。
このように、ステップS524やS526の処理にて確変図柄でリーチ状態となるか非確変図柄でリーチ状態となるかが決定される。したがって、同じ変動時間に決定されている場合であっても(同じ変動パターンに決定されている)確変図柄でリーチ状態となる場合と非確変図柄でリーチ状態となる場合とがあり、すなわち、リーチを構成する図柄に関わらず共通の変動時間に決定されることとなり、変動パターンを少なくすることができる。
ステップS526の処理を実行した後またはステップS524の処理を実行した後は、特定演出の実行設定を行う特定演出設定処理を実行する(ステップS527)。以下に示す例では、特定演出が第4演出可動機構400Aを動作させる演出であるとして説明するが、特定演出は、第4演出可動機構400Aを動作させることに加え、第1〜第3演出可動機構100A〜300Aを動作させる演出であってもよい。この場合、第4演出可動機構400Aの動作を妨げないように(例えば接触しないように)第1〜第3演出可動機構100A〜300Aそれぞれを動作させる設定(例えば、動作させる順番が異なるように設定するなど)がなされればよい。図23は、図22のステップS527にて実行される特定演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す特定演出設定処理において、CPU120Aは、まず、特定演出の実行有無を決定する(ステップS621)。ステップS621の処理では、例えば、図24(A)に示す特定演出実行決定テーブルをセットして、可変表示結果に応じて当該テーブルに割り当てられている決定割合にしたがい特定演出の実行有無を決定すればよい。なお、可変表示結果は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより特定すればよい。
図24(A)に示す特定演出実行決定テーブルは、可変表示結果に応じて、特定演出の実行有無を決定するために参照されるテーブルであり、演出制御用ROMに予め格納されている。特定演出実行決定テーブルでは、可変表示結果が「大当り」となるか否かにより特定演出を実行すると決定される割合が異なっている(例えば「大当り」となる場合の方が「はずれ」よりも特定演出を実行すると決定する割合が高く設定されている)。また、可変表示結果が「確変大当り」である場合の方が、「非確変大当り」である場合よりも特定演出を実行すると決定する割合が高く設定されている。そのため、特定演出が実行された場合には、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高く、また、「確変大当り」の可能性も高くなるため、遊技者の特定演出に対する注目度を高めることができる。なお、可変表示結果が「大当り」となるか否かにより、セットする(選択する)特定演出実行決定テーブルが異なるようにしてもよい。
ステップS621の処理を実行した後は、ステップS621にて特定演出を実行すると決定したか否かを判定する(ステップS622)。特定演出を実行すると決定した場合(ステップS622;Yes)、演出条件が成立したとして、図24(B)に示す特定演出パターン決定テーブルをセットして、スーパーリーチの種類に応じて、図示する決定割合にしたがって特定演出の実行パターンを決定する(ステップS623)。なお、ステップS623の処理では、第4演出可動機構400Aを動作させることに加え、第1〜第3演出可動機構100A〜300Aの一部または全てを動作させることを決定するとともに、その動作パターン(特定演出実行パターン)を決定してもよい。以下に示す例では、理解が容易となるように、上述したように、第4演出可動機構400Aのみ動作させる特定演出を実行させる場合を例に説明する。なお、可変表示結果が「大当り」となることを演出条件の成立としてもよく、この場合、ステップS621の処理では、可変表示結果が「はずれ」となる場合には、特定演出を実行しないと決定すればよい。
図24(B)に示す特定演出パターン決定テーブルは、スーパーリーチの種類に応じて、特定演出の実行パターンを決定するために参照されるテーブルであり、演出制御用ROMに予め格納されている。図示する例では、パターン1からパターン3の特定演出パターンが予め用意されている。パターン1の特定演出パターンは、第4演出可動機構400Aの第1役物である上部機構部470を、初期位置(図3(a)の位置)から最大移動位置(図3(b)の位置)まで移動させてから初期位置まで戻す左右方向の動作とともに、第2役物である回転体430を回転させる動作を行うパターンである。具体的に、パターン1の特定演出パターンでは、第1役物である上部機構部470を第2役物である回転体430とともに初期位置(図3(a)の位置)から最大位置(図3(b)の位置)に移動する期間中に、回転体430の回転動作を行う。そして、上部機構部470が最大位置に位置するタイミング(進出位置に達したタイミング)で、回転体430の表示面を、初期位置において遊技者側に表示されている面とは逆の面(裏面)として回転動作を停止する。その後回転体430の回転動作を行わず、裏面を表示したまま上部機構部470を回転体430とともに初期位置に戻す。パターン2の特定演出パターンは、第4演出可動機構400Aの第1役物である上部機構部470を、初期位置(図3(a)の位置)から当該初期位置と最大移動位置の中間である中間位置(図3(a)の位置と図3(b)の位置の中間位置)まで移動させてから、初期位置まで戻す左右方向の動作とともに、第2役物である回転体430を回転させる動作を行うパターンである。具体的に、パターン2の特定演出パターンでは、上部機構部470を回転体430とともに初期位置(図3(a)の位置)から中間位置(図3(a)の位置と図3(b)の位置の中間位置)に移動する期間中に、回転体430の回転動作を行う。そして、上部機構部470が中間位置に位置するタイミング(進出位置に達したタイミング)で、回転体430の表示面を、初期位置において遊技者側に表示されている面とは逆の面(裏面)として回転動作を停止する。その後回転体430の回転動作を行わず、裏面を表示したまま上部機構部470を回転体430とともに初期位置に戻す。パターン3の特定演出パターンは、第4演出可動機構400Aの第1役物である上部機構部470を動作させずに、第2役物である回転体430の回転動作を行うパターンであり、最終的に回転体430の表示面を、初期位置において遊技者側に表示されている面(表面)とは逆の面(裏面)として回転動作を停止するパターンである。なお、パターン1〜パターン3の特定演出パターンの他にも、例えば、第1役物である上部機構部470を、初期位置(図3(a)の位置)から最大移動位置(図3(b)の位置)まで移動させてから初期位置まで戻す左右方向の動作を行うとともに、当該左右方向の動作期間中第2役物である回転体430を回転させる(すなわち、パターン1と異なり、第1役物と第2役物とが常に同時に動作する)第4パターンや、第1役物である上部機構部470を、初期位置(図3(a)の位置)から中間移動位置まで移動させてから初期位置まで戻す左右方向の動作を行うとともに、当該左右方向の動作期間中第2役物である回転体430を回転させる(すなわち、パターン2と異なり、第1役物と第2役物とが常に同時に動作する)第5パターンがあってもよい。なお、パターン4およびパターン5の特定演出パターンでは、例えば、上部機構部470が回転体430とともに進出位置まで移動したタイミングで一旦回転体430の表示面を裏面として停止させた後、上部機構部470を回転体430とともに初期位置まで戻すタイミングで回転体430の回転動作を再開させ、当該初期位置に戻ったタイミングで回転体430の表示面を表面とすればよい。また、パターン4およびパターン5の特定演出パターンにおいても、初期位置まで戻ったタイミングにおいて裏面を表示面としてもよい。その他、例えば、上部機構部470の左右方向の動作が開始されてから所定期間後に回転体430の回転動作を行うパターンや(またその逆のパターン)、上部機構部470が進出位置まで移動してから初期位置に戻る動作の期間中に回転体430の回転動作を行うパターンなど、複数の特定演出パターンがあってもよい。また、パターン1の特定演出パターンとパターン2の特定演出パターンとで、第1役物である上部機構部470の左右動作の移動距離が異なることにより特定演出のパターンが異なる例を示したが、例えば、上部機構部470の左右動作と回転体430の回転動作の両方または片方、の速度が異なることにより特定演出のパターンを異ならせてもよい。また、回転体430の回転量を異ならせてもよい。なお、回転体430の表示面は、例えば、スーパーリーチAのときには表面、スーパーリーチBのときには裏面、がそれぞれ表示されるようにしてもよい。
図24(B)に示すように、この実施の形態における特定演出パターン決定テーブルでは、期待度が高いスーパーリーチ(スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、スーパーリーチBよりもスーパーリーチCの方が、期待度が高い)ほど、パターン1の特定演出パターンに決定される割合が高くなっている、といったように、パターン3よりもパターン2の方が、パターン2よりもパターン1の方が、期待度の高いスーパーリーチのリーチ演出が行われるように各パターンの決定割合が割り当てられている。したがって、実行される特定演出のパターンに対する遊技者の注目を集めることができる。なお、図24(B)に示す例では、ノーマルリーチの場合に割り当てがない例を示しているが、ノーマルリーチの場合には特定演出を実行しないようにすればよい。この場合には、図28のステップS621の処理において、ノーマルリーチであるか否かを、変動パターンコマンドを確認することにより判定し、ノーマルリーチである場合には、特定演出を実行しないと決定すればよい。また、ノーマルリーチの場合においても、特定演出を実行するようにしてもよい。この場合には、ノーマルリーチとなり、可変表示結果が「大当たり」となる場合にのみ特定演出を実行すればよく、その場合における特定演出パターンは、パターン3の特定演出パターンであればよい。これによれば、ノーマルリーチといった期待度の低いリーチであっても特定演出が実行されることがあるため、特定演出が実行されることに対する期待感を向上させることができる。
また、図24(B)に示す特定演出パターン決定テーブルでは、スーパーリーチの種類に応じてパターン1〜パターン3の特定演出パターン毎に決定割合が割り当てられている例を示したが、スーパーリーチの種類ではなく、可変表示結果に応じてパターン1〜パターン3の特定演出パターン毎に決定割合が割り当てられているようにしてもよい。また、可変表示結果とスーパーリーチ演出の種類の両方に応じて割り当てられていてもよい。また、パターン1〜パターン3の特定演出パターン毎の決定割合が異なる複数の特定演出パターン決定テーブルを用意しておき、可変表示結果に応じてセットするテーブルが異なるようにしてもよい(すなわち、確変大当り用の特定演出パターン決定テーブル、非確変大当り用の特定演出パターン決定テーブル、はずれ用の特定演出パターン決定テーブルを用意しておき、可変表示結果に応じてテーブルを選択するようにしてもよい)。これによれば、可変表示結果およびスーパーリーチの種類に応じて特定演出パターンを決定できるため、遊技の状況に応じた細かい設定を行うことができる。
図23におけるステップS623の処理ではまた、特定演出を実行する期間である特定演出期間(例えば図25に示すようなリーチ状態発生からスーパーリーチ演出開始までの期間)が設定される。特定演出期間は、特定演出パターン毎に異なる期間であってもよいし、特定演出パターンに関わらず同じ期間であってもよい。特定演出パターンに関わらず同じ期間を特定演出期間として設定する場合には、パターン1の特定演出パターンとパターン2の特定演出パターンとでは、第1役物である上部機構部470の左右方向の動作距離が異なることから、例えば、パターン1の特定演出パターンによる左右方向の動作速度がパターン2の特定演出パターンによる左右方向の動作速度よりも早くなるよう設定されればよい(すなわち、第1役物である上部機構部470が初期位置に戻るタイミングが同じタイミングとなるよう設定されればよい)。
ステップS623の処理を実行した後、またはステップS622にて特定演出実行なしと判定した場合(ステップS622;No)、特定演出設定処理を終了する。
図22に戻り、ステップS523、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。ステップS530にてCPU120Aは、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、ステップS527で決定した内容(特定演出)などに対応して、演出データメモリ122に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。この実施の形態では、特定演出が実行される場合(ステップS527にて特定演出の実行設定が行われた場合)には、特定演出が行われる演出制御パターンが選択されることとなる。当該特定演出が行われる演出制御パターンには、第1役物である上部機構部470における左右動作を行う指令(制御信号)や第2役物である回転体430における回転動作を行う指令(制御信号)を第1役物用モータである駆動モータ414および第2役物用モータであるモータ491に出力するタイミング等が予め設定されている。なお、当該ステップS530の処理にて演出制御パターンが選択されることにより、特定演出期間が設定されてもよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をVDP121等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、可変表示開始設定処理を終了する。
図25は、可変表示中演出処理として、図21のステップS182にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す可変表示中演出処理において、CPU120Aは、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、特定演出を実行するための特定演出期間であるか否かを判定する(ステップS552)。特定演出期間は、上述したように、図23のステップS623の処理にて設定されていればよい。図25のステップS552にて特定演出期間であると判定されたときには(ステップS552;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、第4演出可動機構400Aの第1役物用モータと第2役物用モータの一部または両方に駆動信号を伝送するなどといった、特定演出を実行するための特定演出制御を行う(ステップS554)。これにより、特定演出が実行され、第1役物である上部機構部470と第2役物である回転体430のいずれか、または両方が動作する。なお、ステップS554の処理では、第4演出可動機構400Aを動作させることに加え、第1〜第3演出可動機構100A〜300Aを動作させる特定演出を実行する設定がなされている場合には、当該第4演出可動機構400における上部機構部470と回転体430に加え、第1〜第3演出可動機構100A〜300Aのいずれか、または全てを動作させる制御(第1〜第3演出可動機構用モータに駆動信号を伝送して動作させる制御)を行えばよい。そして、特定演出実行フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS555)、特定演出面フラグをオン状態にセットする(ステップS556)。特定演出実行フラグおよび特定演出面フラグは、RAMの所定領域に設けられていればよい。
ステップS552にて特定演出期間でないと判定されたときには(ステップS552;No)、特定演出実行フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS557)。特定演出実行フラグがオンである場合には(ステップS557;Yes)、特定演出の終了タイミングであると判定し、特定演出実行フラグをオフ状態にクリアする(ステップS558)。
ステップS556、ステップS558、ステップS557にて特定演出実行フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS557;No)、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS559)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS559にてリーチ演出実行期間であると判定した場合には(ステップS559;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御(リーチ演出制御)を行う(ステップS560)。
ステップS560の処理を実行した後、または、ステップS559にてリーチ演出実行期間でないと判定した場合(ステップS559;No)には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS561)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS567)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS567;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS567にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS567;Yes)、例えばVDP121等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS568)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS569)。
ステップS569の処理を実行した後は、特定演出面フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS570)。特定演出面フラグがオン状態にセットされている場合には(ステップS570;Yes)、特定演出が実行され、裏面が表示面として表示されていると判定し、第2役物用モータに駆動信号を伝送して、表示面を表面に変更する制御(回転制御)を行う(ステップS571)。そして、特定演出面フラグをオフ状態にクリアする(ステップS572)。ステップS572の処理を実行した後、または、ステップS570にて特定演出面フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS570;No)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS573)、可変表示中演出処理を終了する。なお、上記の例では、図柄確定コマンドの受信があり、確定飾り図柄が導出表示されたタイミングで表面に変更する制御を行う例を示したが、例えば、予め設定された時間が経過した場合に表面に変更する制御が行われてもよい。また、大当りの場合には、大当り遊技状態が終了するまでは裏面を表示していてもよい。
上記の演出制御プロセス処理が繰り返し行われることによって、特定演出などが実行される。
図26は、特定演出とスーパーリーチ演出が実行される場合におけるタイミングを示すタイミングチャートである。上述したように、図23のステップS623の処理にて特定演出期間は、リーチ状態発生からスーパーリーチ演出開始までの期間として設定される。図26に示すように、リーチ状態となった後、図25のステップS554の処理にて、図23のステップS623の処理にて決定された特定演出パターンにしたがって特定演出が実行され(第1役物である上部機構部470の左右方向の動作や第2役物である回転体430の回転動作が実行され)、各役物の動作終了とともに図25のステップS560の処理にてスーパーリーチのリーチ演出が実行される。そして、図25のステップS568の処理により最終停止図柄が導出表示されると、ステップS571の処理にて表示面が変更される。その後、図21のステップS183の処理を経由して、次の可変表示または大当り遊技が開始される。
続いて、特定演出が実行された場合の主な演出動作例を、図27および図28を参照して説明する。
図27は、パターン1の特定演出パターンの特定演出が実行された場合の例を示している。まず図27(a)に示すように、リーチ状態となると、演出制御基板12からの指令や制御データが第1役物用モータである駆動モータ414、第2役物用モータであるモータ491に伝送され、図23のステップS623の処理にて決定されたパターン1の特定演出が開始される。そして、図27(b)、(c)に示すように、第1役物である上部機構部470を第2役物である回転体430とともに初期位置から最大位置に移動する期間中に、回転体430の回転動作を行う(このときには、図示するように、表示中の飾り図柄の表示が小さくなるよう予め設定されているため、第1役物の動作により飾り図柄を視認できなくなるという問題が生じない)。その後、図27(d)に示すように、上部機構部470が最大位置に到達すると、回転体430の表示面が裏面となり回転停止し、図27(e)に示すように、回転体430の回転動作を行わず、裏面を表示したまま上部機構部470を回転体430とともに初期位置に戻す動作が行われる。そして、図27(f)に示すように、上部機構部470が回転体430とともに初期位置に戻ると、スーパーリーチのリーチ演出が実行される。なお、図示は省略しているが、パターン2の特定演出パターンの特定演出が実行された場合は、図27(a)と図27(d)の中間の位置に第1役物である上部機構部470が第2役物である回転体430とともに移動する他は、図27(a)に示す動作例と同様の動作が行われる。
図28は、パターン3の特定演出パターンの特定演出が実行された場合の例を示している。まず、図28(a)に示すように、リーチ状態となると、演出制御基板12からの指令や制御データが第2役物用モータであるモータ491に伝送され、図23のステップS623の処理にて決定されたパターン3の特定演出が開始される。そして、図28(b)〜(e)に示すように、第2役物である回転体430が回転動作する。なお、上述したように、内部装飾体460が45度回転すると、環状装飾体440が15度回転するため、内部装飾体460は環状装飾体440の3倍速く回転する。そして、図28(f)に示すように、回転体430の表示面が裏面となり回転停止し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される。
図29は、特定演出およびスーパーリーチ演出が実行された後の、図25のステップS571の処理が行われた場合の演出動作例を示している(より具体的には、可変表示結果が「はずれ」の場合の例を示している)。まず、図29(a)に示すように、図25のステップS568の処理にて最終停止図柄が導出表示される(第2役物である回転体430の表示面は裏面)。そして、図29(b)〜図29(e)に示すように、第2役物である回転体430の回転動作を行い、図29(f)に示すように、表示面を表面とする。その後、次の可変表示が実行される。
図30は、図20のステップS708にて行われる役物初期位置検出動作処理の中で行われる処理の一例を示すフローチャートであり、具体的には、第4演出可動機構400Aにおける第1役物と第2役物の初期位置検出を行う処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、ステップS708における役物初期位置検出動作処理では、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aそれぞれを順に動作させ(各モータに順に駆動信号を出力して)、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aそれぞれに含まれる位置検出センサ(第1位置検出センサ、第2位置検出センサ、第3位置検出センサ、左右位置検出センサ417、回転位置検出センサ497)により、予め定められた初期位置に位置するよう動作させ、初期位置を検出する処理が実行される。また、ステップS708の処理は、上述したように、電源投入時や主基板11から初期化コマンドや電力供給再開コマンドを受信したときに実行される(その他、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、予め定められた期間経過後、可変表示が予め定められた回数(例えば100回)行われた後、大当り遊技状態の終了後、などに、第1〜第4演出可動機構100A〜400Aからのセンサ検知信号を確認し、初期位置となっていない場合に実行される)。図30に示す例は、第4演出可動機構400Aの処理位置を検出する処理(第1役物第2役物初期位置検出動作処理)の一例を示している。
図30に示す第1役物第2役物初期位置検出動作処理において、CPU120Aは、まず、RAMの所定領域に設けられた第2役物初期位置検出動作済フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS801)。第2役物初期位置検出動作済フラグは、第2役物である回転体430が初期位置に位置すると検出されたことを示すフラグであり、後述するステップS815の処理にてオン状態にセットされる。ステップS801にて第2役物初期位置検出動作済フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS801;No)、RAMの所定領域に設けられた第1役物初期位置検出動作済フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS802)。第1役物初期位置検出動作済フラグは、第1役物である上部機構部470が初期位置に位置すると検出されたことを示すフラグであり、後述するステップS815の処理にてオン状態にセットされる。
ステップS802にて第1役物初期位置検出動作済フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS802;No)、RAMの所定領域に設けられた第1役物初期位置検出動作中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS804)。第1役物初期位置検出動作中フラグは、第1役物である上部機構部470の初期位置を検出するための動作を行っていることを示すフラグであり、後述するステップS806の処理にてオン状態にセットされる。ステップS804にて第1役物初期位置検出動作中フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS804;No)、第1役物用モータである駆動モータ414に駆動信号を伝送することにより、第1役物用モータを駆動し(ステップS805)、第1役物である上部機構部470の左右方向の動作を開始する。そして、第1役物初期位置検出動作中フラグをオン状態にセットして(ステップS806)、当該第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。
一方、ステップS804にて第1役物初期位置検出動作中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS804;Yes)、第1役物である上部機構部470が初期位置に位置するか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807の処理では、上述したように、左右位置検出センサ417からの検出信号を確認することにより、初期位置に位置するか否かを判定する。なお、この実施の形態では、第1役物である上部機構部470が第2役物である回転体430とともに初期位置に位置するときには、回転体430が左向きに変更されるため、左右位置検出センサ417および回転位置検出センサ497の両センサからの検出信号を確認し、第1役物が初期位置でかつ第2役物が左向きに変更されていることを判定したことをもって初期位置に位置すると判定すればよい。ステップS807にて初期位置に位置することを検出した場合には(ステップS807;Yes)、第1役物用モータである駆動モータ414に駆動停止信号を伝送することにより、ステップS805にて駆動した第1役物用モータ(駆動モータ414)の駆動を停止させる(ステップS808)。そして、第1役物初期位置検出動作中フラグをオフ状態にクリアするとともに(ステップS809)、第1役物である上部機構部470の初期位置検出が終了したと判定して、第1役物初期位置検出動作済フラグをオン状態にセットする(ステップS810)。
ステップS810の処理を実行した後、または、ステップS807の処理にて第1役物が初期位置に位置しないと判定した場合(ステップS807;No)は、第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。また、ステップS801にて第2役物初期位置検出動作済フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(ステップS801;Yes)には、第1役物および第2役物の初期位置検出が終了したと判定して、第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。この場合、第1役物初期位置検出動作済フラグおよび第2役物初期位置検出動作済フラグをオフ状態にクリアしてから処理を終了すればよい。
一方、ステップS802にて第1役物初期位置検出動作済フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS802;Yes)、第1役物である上部機構部470の初期位置検出は終了しているが第2役物である回転体430の初期位置検出が終了していないと判定し、RAMの所定領域に設けられた第2役物初期位置検出動作中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS811)。このように、第4演出可動機構400Aの初期位置検出を行う場合には、第1役物の初期位置検出制御が行われた後に、第2役物の初期位置検出制御が行われる。すなわち、図25のステップ554にて行われる特定演出における動作(第1役物と第2役物とが同時に動作する)とは異なり、一方の役物を動作させてから、他方の動作を行う。なお、この実施の形態では、第4演出可動機構400Aが第1役物と第2役物との2つの役物を供えている例を示しているが、例えば、第3の役物、第4の役物、を備えていてもよい。この場合においても、一の役物を動作させて初期位置を検出してから、他の役物を動作させて初期位置を検出すればよい(特定演出実行時においては複数の役物(全部でなくてもよい)を同時に動作させるのに対して、ステップS708内の処理では、一つずつ順に動作させればよい)。これにより、役物の原点位置がずれることを防止することができる。なお、第2役物初期位置検出動作中フラグは、第2役物である回転体430の初期位置を検出するための動作を行っていることを示すフラグであり、後述するステップS817の処理にてオン状態にセットされる。
ステップS811にて第2役物初期位置検出動作中フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS811;No)、第2役物用モータであるモータ491に駆動信号を伝送することにより、第2役物用モータを駆動し(ステップS816)、第2役物である回転体430の回転動作を開始する。そして、第2役物初期位置検出動作中フラグをオン状態にセットして(ステップS817)、当該第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。
一方、ステップS811にて第2役物初期位置検出動作中フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS811;Yes)、第2役物である回転体430が初期位置に位置するか否かを判定する(ステップS812)。ステップS812の処理では、上述したように、回転位置検出センサ497からの検出信号を確認することにより、初期位置に位置するか否かを判定する。なお、ステップS812の処理では、回転位置検出センサ497と左右位置検出センサ417の両センサからの検出信号を確認するようにしてもよい。これによれば、より精度よく初期位置検出を行うことができる。ステップS812にて初期位置に位置することを検出した場合には(ステップS812;Yes)、第2役物用モータであるモータ491に駆動停止信号を伝送することにより、ステップS816にて駆動した第2役物用モータ(モータ491)の駆動を停止させる(ステップS813)。そして、第2役物初期位置検出動作中フラグをオフ状態にクリアするとともに(ステップS814)、第2役物である回転体430の初期位置検出が終了したと判定して、第2役物初期位置検出動作済フラグをオン状態にセットする(ステップS815)。
ステップS815の処理を実行した後、または、ステップS812の処理にて第2役物が初期位置に位置しないと判定した場合(ステップS812;No)は、第1役物第2役物初期位置検出動作処理を終了する。
続いて、図30に示す第1役物第2役物初期位置検出動作処理が実行された場合の主な演出動作例を、図31および図32を参照して説明する。
図31は、第1役物である上部機構部470の初期位置検出動作(第1役物初期位置検出動作)の一例を示す(図30のステップS805にて第1役物用モータが駆動されてステップS808にて停止するまでの動作の一例を示す)図である。まず、図31(a)の状態において、図30のステップS805の処理にて第1役物用モータが駆動されると、向き変更機構472により左向きの第2役物の向きが変更され、図31(b)に示すように第1役物である上部機構部470の左右方向の動作が開始される。そして、図31(c)に示すように、最大位置まで第1役物が移動し、その後、図31(d)に示すように第1役物が初期位置に戻る。そして、図31(e)に示すように、向き変更気候472により第2役者の向きが左向きに変更される。そして、図30のステップS807の処理にて第1役物が初期位置に位置すると検出され、ステップS808の処理により第1役物用モータが停止する。
図32は、第2役物である回転体430の初期位置検出動作(第2役物初期位置検出動作)の一例を示す(図30のステップS816にて第2役物用モータが駆動されてステップS813にて停止するまでの動作の一例を示す)図である。また、図32では、図31に示す第1役物初期位置検出動作が終了し、図30のステップS810にて第1役物初期位置検出動作済フラグがオン状態にセットされ、ステップS802にて「No」と判定された場合の例を示している。図30のステップS816の処理にて第2役物用モータが駆動されると、図32(a)に示すように、第2役物である回転体430の回転動作が開始される。そして、図32(b)〜(f)に示すように(より具体的には図9(a)〜(j)参照)、内部装飾体460が環状装飾体440の3倍速く回転する。そして、図32(g)に示す角度にて、図30のステップS812の処理により第2役物が初期位置に位置すると検出され、ステップS813の処理により第2役物用モータが停止する。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
CPU120Aは、図25のステップS554における特定演出の実行時においては、第4演出可動機構400Aにおける第1役物である上部機構部470と第2役物である回転体430とを同時に動作させる一方で、図20のステップS708における役物初期位置検出動作処理では、第1役物の初期位置を検出してから第2役物の初期位置を検出する。これによれば、他の役物の動作による影響を受けにくく、例えば、他の役物の動作による振動により初期位置がずれるといったことを防止することができる。また、第1役物を動作させるための駆動源と第2役物を駆動させるための駆動源とが、それぞれ別々の駆動源であることから(第1役物用モータと第2役物用モータとが別々のモータであることから)、それぞれのモータを順に駆動させることで、初期位置検出の動作を容易に制御させることができる。また、第1役物と第2役物とがそれぞれ別々の動作を行うことから(第1役物は左右方向の動作、第2役物は回転動作)、演出効果をより向上させることができる。
また、第2役物である回転体430は、図24(B)に示すように、パターン1やパターン2の特定演出パターンでは、第1役物である上部機構部470と動作する一方で、パターン3の特定演出パターンでは、当該第2役物のみ動作する。このように、第2役物である回転体430は、第1役物である上部機構部470が動作を行っているか否かに関わらず動作可能であるため、自由度を高め演出効果を高めることができる。
また、第1役物である上部機構部470および第2役物である回転体430は、動作前後において常に遊技者から視認可能な位置に備えられているため、演出効果を向上させることができる。
また、第2役物である回転体430の内部装飾体460における第1位置と対向する第2位置には、磁石451が配置されるので、静止状態において内部装飾体460が所定の静止位置に誘導されることで、静止状態での装飾性を向上させることができるとともに、初期位置に位置する場合に、当該位置にて維持されるため、初期位置からずれることをより精度良く防止することができる。
また、第2役物の回転動作において、環状装飾体440の内部において円周方向に回動するリングギア448に横ピンギア464が従動し、この横ピンギア464の従動動作に連動して内部装飾体460が動作するので、環状装飾体440の開口部内の内部装飾体460の動作に意外性を持たせることができ、装飾体による演出の興趣を向上させることができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
上記実施の形態では、第1役物である上部機構部470を駆動するための第1役物用モータ(駆動モータ414)と第2役物である回転体430を駆動するための第2役物用モータ(モータ491)とをそれぞれ設ける例を示したが、これは一例である。例えば、第1役物および第2役物それぞれを駆動させる一つのモータが設けられていてもよい。また、第1役物および第2役物が常に遊技者から視認可能である例を示したが、これは一例である。例えば、初期位置において第2役物は第1役物の裏側に位置し、遊技者から視認不可能なものであってもよい。そして、動作することで初めて遊技者に視認可能であるものであってもよい。また、第1役物と第2役物とがそれぞれ異なる動作を行う例を示したが、必ずしもこれに限られず、例えば、第1役物と第2役物とが共に左右方向の動作を行う物であってもよい。この場合、第2役物が第1役物の裏側に配置されており、第1役物が最も左側に位置(最大位置)に移動した後に、第2役物がさらに左方向に進出するといったような動作を行う(このとき初めて第2役物が遊技者に視認可能となる)ものであってもよい。すなわち、一の役物が、他の役物から相対移動するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、図23のステップS623の処理にて特定演出パターンとしてパターン1〜パターン3のいずれかのパターンを決定する例を示したが、これは一例である。ステップS623の処理を実行した後に、さらに、第2役物である回転体430の回転動作速度を、予め複数段階用意されているうちから決定するようにしてもよい。この場合、回転速度が速いほど遊技者にとって有利なものとなるようにして回転速度が決定されてもよい。これによれば、第2役物の動作速度に対する遊技者の注目も集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、内部装飾体460が前側楕円体461と後側楕円体462とから構成されており、表面と裏面とで異なる装飾がなされている例を示したが、これは一例である。例えば、内部装飾体は小型のLCD等の液晶表示装置であってもよく、特定演出において、裏面が表示される際に、例えば、スーパーリーチAとなる場合には、「A」の文字(またはそれに対応するキャラクターなど)を、スーパーリーチBとなる場合には「B」の文字(またはそれに対応するキャラクターなど)を、スーパーリーチCとなる場合には「C」の文字(またはそれに対応するキャラクターなど)を表示するようにしてもよい。これによれば、第2役物の面が裏面となった場合に表示される文字(表示物)についても遊技者の注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、このように液晶表示装置においてスーパーリーチの種類を遊技者に視認可能とする場合、特定演出においてスーパーリーチの種類の表示中は、第2役物である回転体430を常に回転させておいてもよい。そして、遊技者にスーパーリーチの種類の視認が容易な速度から困難な速度までといったように、回転速度を異ならせるようにしてもよい。これによれば、内部装飾体460の表示物に対する遊技者の注目をさらに集めることができる。また、この場合、大当りとなる場合には、例えば星型などの特殊情報を表示するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、第2役物である回転体430の初期位置を維持する手段として磁石451が配置される例を示しているが、これは一例である。維持手段は、例えば、第2役物の初期位置を維持するものに限られず、役物初期位置検出動作処理にて先に動作する方の役物の初期位置を維持するようにしてもよい。これによれば、後に動作する役物により受ける影響をより少なくすることができる。具体的には、左右方向の動作を行う第1役物(初期位置検出の動作において第2役物よりも先に動作する役物)に、初期位置ではロックされる構造となるラックギアなどを設けてもよい。
また、上記実施の形態では、スーパーリーチ演出が実行される前の演出として特定演出が実行される例を示したが、これに限られず、例えば、スーパーリーチのリーチ演出中に実行される演出や、大当り中の演出として(すなわち、大当り中昇格演出として)、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて実行される演出であってもよい。これらの場合、特定演出が実行されると決定されたことの他、例えばリーチ演出が実行されたこと、大当たり遊技状態が開始されたこと、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が開始されたこと、ラウンド遊技が終了したこと、などを演出条件の成立として特定演出を実行すればよい。また、この他にも、確変状態や時短状態となったことや、先読み演出が実行されたこと、時短でも確変でもない通常遊技状態時に普通可変入賞球装置6Bが開放状態となり第2特図保留記憶部591Bに保留が4個記憶されたこと(第2始動入賞口に入賞したこと)、上限保留記憶数よりも多くの入賞を示すオーバー入賞があったこと、などを演出条件の成立として特定演出を実行してもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記実施の形態では、役物初期位置検出動作処理において検出した初期位置(具体的に図3(a)の位置)を待機位置(第1役物および第2役物を動作させる前の停止状態での位置)としている例を示したが、これは一例である。例えば、初期位置を最大位置(具体的に図3(b)の位置)とし、待機位置を図3(a)の位置とするなど、初期位置と待機位置とが別の位置であるようにしてもよい。これに加え、または、これとは別に、第2役物である回転体430の表示面を、初期位置では裏面とし待機位置では表面とするなどして初期位置での表示面と待機位置での表示面とが別の面となるようにしてもよい。
上記実施の形態では、第2役物としての回転体430が、第1役物である上部機構部470とともに左右方向に移動可能、すなわち、第1役物と一体的に動作する例を示しているが、これは一例である。第1役物と第2役物は、モータからの動力を受けて伸縮動作するパンタグラフタイプの役物と遊技の際に装飾体を進退させたり発光させたりするロゴタイプの役物、といったように、それぞれ独立して動作するものであってもよい。この場合、特定演出においてはそれぞれの役物が同時に動作し、役物初期位置検出動作処理においては、パンタグラフタイプの役物を先に動作させ、その後ロゴタイプの役物を動作させればよい。なお、役物初期位置検出動作処理においては、重量が大きく、動作した場合の運動エネルギーが大きく(または動作が大きいなど)なる方を、先に動作させる方が望ましい。後に動作させる方の動作が大きいと、先に動作させ初期位置を検出したにも関わらず(待機位置に位置しているにも関わらず)、振動等による影響により位置がずれてしまうおそれがあるためである。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機、さらには遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、可変表示装置で導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用することができる。スロットマシンにおいては、例えば、上記パチンコ機1と同様に、電源投入時などを検出条件の成立とする他、設定変更がなされたことを検出条件の成立としてもよい。そして、パチンコ機1と同様に、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRTに当選したことや、スイカ、チェリー、ベル、リプレイなどの特定役が当選したこと、また当選役の種類に応じて実行される連続演出が実行されると決定されたことを演出条件の成立とする他、特定の遊技状態(例えばBB状態、RB状態、AT状態、RT状態や、AT、RTが当選する可能性が高いチャンスゾーンといった遊技状態)となったことを演出条件の成立としてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。