以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えば、LCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば、上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば、特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば、1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HRと、第2保留表示部5HLとが配置されている。第1保留表示部5HRは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。第2保留表示部5HLは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームに対応する可変表示の保留数である。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域および第2保留表示領域のうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を、例えば、1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数および合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLとともに、あるいは、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1保留表示部5HRや第2保留表示部5HLとともに、第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば、「4」)に対応した個数(例えば、4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは、閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば、4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば、10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに、遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えば、セグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8Rおよび遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送信される演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。演出制御コマンドはいずれも、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば、乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断があっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理(演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される)、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を画像表示装置5に実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば、数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば、大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば、「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば、「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば、「50」)よりも多い第1回数(例えば、「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば、1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば、「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば、「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば、回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば、前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば、29秒間)あるいは所定個数(例えば、9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に、「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば、14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば、「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」または「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば、29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態および確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率および特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えば、システムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態および確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば、「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば、「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これらの演出を、飾り図柄の可変表示とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、およびスーパーリーチBが用意されている(図13参照)。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。当該可変表示演出も可変表示中演出に含まれる。この実施の形態では、当該可変表示演出は、可変表示態様をリーチ態様とする演出とは異なるものとする。この実施の形態では、「擬似連」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、例えば、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されている。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目が仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜2回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば、4回や5回としてもよい。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するようにしてもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を行って最変動演出を実行してもよい。
なお、可変表示演出として「滑り」が行われてもよい。「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば、「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示(仮停止表示であってもよい)させることで、停止表示(仮停止表示であってもよい)する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
また、この実施の形態では、可変表示中演出の演出モードとして、背景、登場キャラクタ(例えば、同じリーチ演出に登場するキャラクタ)、飾り図柄などのうちのいずれか少なくとも1つが異なる複数の演出モードが用意されている。ここでは、演出モードとして、通常モードと、確変モードとが用意されている。確変モードは、遊技状態が確変状態になっているときの演出モードである。通常モードは、遊技状態が確変状態でないときの演出モードである。通常モードと、確変モードとでは、例えば、背景が異なったり、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBのうちの少なくともいずれかにおける登場キャラクタが異なったり(例えば、ノーマルリーチに登場するキャラクタを、通常モードではキャラクタAとし、確変モードではキャラクタBとするなど)、飾り図柄が異なったり(例えば、一方ではアラビア数字の飾り図柄を使用し、他方では漢数字の飾り図柄を使用するなど)、すればよい。なお、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を異ならせることによって、複数の演出モードとしてもよい。
また、この実施の形態では、可変表示中演出において、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を予告する予告演出が実行される。この実施の形態では、予告する大当り期待度が異なる複数の予告演出が用意されている。予告演出も可変表中演出に含まれる。予告演出では、所定の画像が表示されることで、その画像に応じた大当り期待度を予告する。予告演出は、例えば、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作によって実行してもよい。
なお、第1特図ゲームに対応した可変表示(保留中の可変表示)に対応する保留表示は、画像表示装置5の表示画面の左下の領域である第1保留表示領域5HLに表示される。第2特図ゲームに対応した可変表示(保留中の可変表示)に対応する保留表示は、画像表示装置5の表示画面の右下の領域である第2保留表示領域5HRに表示される。
保留表示図柄の表示態様を所定の表示態様にして維持することも演出の一種である。例えば、第1保留表示領域5HL、第2保留表示領域5HRに表示された保留表示の表示態様を予告態様にして維持することも演出の一種である。第1保留表示領域5HL、第2保留表示領域5HRに表示された保留表示図柄の表示態様を予告態様にして維持する演出を先読み予告ということがある。
また、この実施の形態では、保留表示の表示態様を変化させるときに、表示態様が変化することを示唆する作用演出が実行されることがある。作用演出が実行されると、作用演出の結果として、保留表示の表示態様が変化する。なお、作用演出は、例えば、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を含んでもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されてもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであってもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えば、RAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えば、スイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入または通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図6参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「900」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えば、セグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な演出制御コマンドについて図3を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターンのそれぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が割り振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述するステップS111において送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が割り振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述するステップS111において送信設定される。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述する変動パターン判定結果指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンドまたは第2変動開始指定コマンドは、変動パターン判定結果指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述するステップS111において送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述するステップS112における特図ゲーム終了時において送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述するステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述するステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述するステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。また、これらコマンドは、後述する始動入賞判定処理(ステップS101)において送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が変化し得る後述するステップS101やステップS111において送信設定される。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果を指定する演出制御コマンド(図柄判定結果指定コマンド)である。コマンドC5XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン判定結果指定コマンド)である。第1始動入賞または第2始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜3が抽出される(後述するステップS101)。この実施の形態では、抽出された乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、可変表示の開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1およびMR3に基づいて、可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か、および、可変表示の変動パターン(図12参照)が判定される。始動入賞時の判定は、これらの判定のことをいい、ステップS213の入賞時乱数値判定処理において実行される。なお、所定の場合には、この判定が行われないことがある。表示結果についての判定結果(判定なしの場合も含む)には、一意の番号が割り振られ、その番号が図柄指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定なし」であれば「00」、「ハズレ」であれば「01」、「大当り」であれば「02」など)。変動パターンについての判定結果(判定なしの場合も含む)には、一意の番号が割り振られ、その番号が変動パターン指定コマンド中の「XX」に設定される(例えば、「判定なし」であれば「00」、「PA1」であれば「11」、「PA2」であれば「12」、「PA3」であれば「13」など)。これらコマンドは、後述する始動入賞判定処理(ステップS101)において送信設定される。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101において実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理において第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定した場合(ステップS201;Yes)、CPU103は、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202において第1特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS202;No)、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201において第1始動口スイッチ22Aがオフであると判定した場合(ステップS201;No)や、ステップS202において第1特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合(ステップS202;Yes)には、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理において第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定した場合(ステップS204;Yes)、CPU103は、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205において第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS205;No)、CPU103は、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンではないと判定した場合(ステップS204;No)や、第2特図保留記憶数が上限値であると判定した場合(ステップS205;Yes)には、CPU103は、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203またはS206の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図6参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。こうして、第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される)とは、基本的に対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示領域5HLの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示領域5HLの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。こうして、第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される)とは、基本的に対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示領域5HRの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示領域5HRの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理を実行した後、CPU103は、予め用意された始動口入賞指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS211)。その後、CPU103は、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS212)。
続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS213)。入賞時乱数値判定処理は、上述のように、始動入賞時の判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1およびMR3に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否かおよび当該可変表示の変動パターン(図12参照)を判定する処理である。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS214;「2」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であると判定した場合(ステップS214;「1」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204に処理を進める。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図8は、入賞時乱数値判定処理として、図5に示すステップS213において実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図4のステップS110)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図4に示すステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。入賞時乱数値判定処理では、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、当該タイミングで抽出された乱数値(ステップS209の処理において抽出された乱数値)の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否かの判定)や、飾り図柄の可変表示の変動パターンがどれになるかの判定などを行う(いわゆる「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前(特図ゲームの開始条件成立前)に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の大まかな可変表示態様(変動パターン)を予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示図柄の表示態様などを決定することができる。
図8に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。また、ステップS401の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定する。例えば、特図プロセスフラグの値が、「4」〜「7」である場合には、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であると特定すればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。大当り中でないと判定した場合(ステップS402;No)、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS403)。
ステップS403の処理において始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS403;Yes)、CPU103は、大当り決定範囲を設定する(ステップS404)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述する特図表示結果決定テーブル(図10参照)のうち、ステップS401で特定した現在の遊技状態に対応して、特図表示結果の「大当り」に割り当てられた決定値の範囲を、大当り決定範囲として設定する。例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがオン状態であれば)、「8000」〜「9899」が大当り決定範囲として設定され、現在の遊技状態が非確変状態(確変状態でない状態)であれば(確変フラグがオフ状態であれば)、「8000」〜「8189」が大当り決定範囲として設定される(図10参照)。
その後、CPU103は、ステップS209で抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS404の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS405)。CPU103は、この比較結果に基づいて乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS406)。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
なお、ステップS405では、例えば、ステップS210で特図保留記憶部に格納した乱数値MR1を読み出し、読み出した乱数値MR1を使用して前記判定を行えばよい。また、ステップS210とは別に乱数値MR1をRAM102の所定領域(特図保留記憶部以外の領域)やCPU103の記憶領域などに保持しておき、CPU103は保持した乱数値に基づいて前記判定を行ってもよい。これは、後述する乱数値MR3についても同様である。このように、入賞時乱数値判定処理で使用される乱数値は、特図保留記憶部に格納された乱数値でなくてもよい。
ステップS406の処理において大当り決定範囲内であると判定した場合(ステップS406;Yes)、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述する大当り用変動パターン決定テーブル(図13参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS408)。詳しくは後述するが、大当り用変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「大当り」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
図13では、決定値の範囲の代わりに決定割合が記載されている。実際のテーブルでは、図13の決定割合に応じた範囲の決定値が各変動パターンに対して割り当てられていればよい。決定割合は、乱数値MR3が取り得る値の全範囲(1〜900)を100とした割合である。例えば、図13に示すように、変動パターンPB3−1の決定割合は5で、変動パターンPB3−2の決定割合は35で、変動パターンPB3−3の決定割合は60なので、変動パターンPB3−1には乱数値MR3と比較される決定値1〜45(5%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB3−2には乱数値MR3と比較される決定値46〜450(35%の範囲)が割り当てられ、変動パターンPB5には乱数値MR3と比較される決定値451〜900(60%の範囲)が割り当てられる。このようなことは、決定割合を記載した他のテーブルについても同様である。
ステップS406の処理において大当り決定範囲内でないと判定した場合(ステップS406;No)、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ用変動パターン決定テーブル(図14参照)を選択して使用テーブルに設定する(ステップS407)。具体的には、ステップS401で特定した現在の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)である場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図14(A)のハズレ用変動パターン決定テーブルを使用テーブルに設定し、ステップS401で特定した現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(時短フラグがオン状態のとき)には、図14(B)のハズレ用変動パターン決定テーブルを使用テーブルに設定する。ハズレ用変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「ハズレ」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
その後、ステップS407またはS408を実行した後、CPU103は、ステップS209で抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定されている大当り用変動パターン決定テーブルまたはハズレ用変動パターン決定テーブルを参照し、乱数値MR3と合致する決定値に割り当てられている変動パターンを判定する(ステップS409)。一例として、CPU103は、各変動パターンに割り当てられた個々の決定値と、乱数値MR3とを、逐一比較することにより、乱数値MR3と合致する決定値の有無を判定することで変動パターンを判定してもよいし、あるいは、各変動パターンに割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR3と当該最小値や最大値とを比較することにより変動パターンを判定してもよい(他のテーブルを参照するときも同じ)。
ステップS409を実行した後、または、ステップS403において始動口バッファ値が「2」でないと判定した場合(ステップS404;No)には、CPU103は、ステップS406やステップS409の判定結果に応じた内容の始動入賞時コマンドの送信設定を行い(ステップS410)、入賞時乱数値判定処理を終了する。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理において送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。送信設定する図柄指定コマンドは、ステップS406の判定結果が大当り決定範囲内(ステップS406;Yes)であるときには、可変表示結果の判定結果が「大当り」であることを指定するコマンド(「大当り」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS406の判定結果が大当り決定範囲外(ステップS406;No)であるときには、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを指定するコマンド(「ハズレ」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS403の判定結果が始動口バッファ値=1(ステップS403;No)であるときには、始動入賞時の判定を行っていない「判定なし」であることを指定するコマンド(「判定なし」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。送信設定する変動パターン判定結果指定コマンドは、ステップS409で変動パターンを判定した場合には判定結果となる変動パターンを指定するコマンド(判定結果である変動パターンに対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS403の判定結果が始動口バッファ値=1(ステップS403;No)であるときには始動入賞時の判定を行っていない「判定なし」であることを指定するコマンド(「判定なし」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。
入賞時乱数値判定処理では、上記のようにして、今回ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示(特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」になるか否か、および、当該可変表示の変動パターン(図13参照)が判定される。つまり、いわゆる先読みが行われる。なお、この処理では現在の遊技状態に基づいて判定を行い、可変表示が実際に実行されるときの遊技状態に基づいて判定を行っていないため、当該判定は必ずしも正確なものでないが、ある程度の精度で可変表示結果や変動パターンを予測することができる。また、入賞時乱数値判定処理では、ステップS402の処理において大当り中であると判定した場合や、ステップS403の処理において時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS403の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS404などの処理を実行せずにステップS410の処理に進み、始動入賞時の判定を行わない。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読みが実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図4に示すステップS101において始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が「1」に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、ステップS110において実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であると判定した場合(ステップS231;No)、CPU103は、例えば、第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、CPU103は、例えば、第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231において第2特図保留記憶数が「0」であると判定した場合(ステップS231;Yes)、CPU103は、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235において第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば、第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば、保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば、変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、CPU103は、例えば、第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図10に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグがオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図10(A)に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば、図4に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図10(B)に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図10(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232またはS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が「1」に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば、画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図4に示すステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「2」に更新される。
図12は、変動パターン設定処理として、ステップS111において実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。ステップS261において大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図12は、本実施形態における変動パターンの具体例を示している。
変動パターンPA1−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定し、かつ、特図変動時間が通常よりも短い時短用の非リーチ変動パターンである。可変表示態様である。
変動パターンPA2−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、非リーチ(可変表示態様がリーチ態様にならないこと)を指定し、かつ、特図変動時間が通常の長さの非リーチ変動パターンである。
変動パターンPA3−1は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−2は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、スーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPA3−3は、可変表示結果が「ハズレ」のときに選択されるものであり、スーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。
変動パターンPB3−1は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、ノーマルリーチの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−2は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、スーパーリーチAの実行を指定するリーチ変動パターンである。変動パターンPB3−3は、可変表示結果が「大当り」のときに選択されるものであり、スーパーリーチBの実行を指定するリーチ変動パターンである。
図11に示すステップS262の処理では、例えば、ROM101の所定領域に予め記憶されている、図13に示す大当り用変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り用変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り用変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。なお、図13では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。
図11に示すステップS263の処理では、例えば、ROM101の所定領域に予め記憶されている、図14に示すハズレ用変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。遊技状態が非時短状態(時短フラグがオフ)であるときには、CPU103は、図14(A)に示すハズレ用変動パターン決定テーブルを参照する。遊技状態が時短状態(時短フラグがオン)であるときには、CPU103は、図14(B)に示すハズレ用変動パターン決定テーブルを参照する。一例として、各ハズレ用変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ用変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられた変動パターンを今回の変動パターンとして決定(選択)すればよい。なお、図14では、決定値の代わりに決定割合が記載されている。
図14に示すハズレ用変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときには、特図変動時間の短い変動パターンPA1−1が選択されやすくなっており、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
図13および図14に示すように、大当り時には、スーパーリーチBを実行する変動パターンPB3−3の決定割合が最も高くなっており、スーパーリーチAの変動パターンPB3−2、ノーマルリーチの変動パターンPB3−1の順に決定割合が徐々に低くなっている。ハズレ時には、非リーチの変動パターンPA2−1の決定割合が最も高くなっており、ノーマルリーチの変動パターンPA3−1、スーパーリーチAの変動パターンPA3−2、スーパーリーチBの変動パターンPA3−3の順に決定割合が徐々に低くなっている。このようなことから、スーパーリーチBが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(いわゆる、大当り期待度)が下がっていく。
ステップS262またはS263の処理を実行した後、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう)を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、あらかじめ用意された複数の変動パターンに対応して、あらかじめ定められている。CPU103は、ステップS262またはS263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS266の処理を実行した後、CPU103は、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262またはS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS244で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262またはS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS244で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後、CPU103は、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267において特図プロセスフラグの値が「2」に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4に示すステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が「3」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンドおよび現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンド(ここでは高確低ベース状態を指定するコマンド)を送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、または、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「5」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)および大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる)などによってカウントされればよい)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(または、一部開放状態であってもよい)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、または、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば、9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が「6」に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「7」に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が「5」に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグおよび確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を「0」に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えば、CTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば、2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば、RAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。
図15は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)の受信があったか否かを判定する(ステップS601)。
始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップS601;Yes)、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS602)。始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドや第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第1始動入賞時コマンドバッファに格納する。始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第2始動入賞時コマンドバッファに格納する。
図16(A)は、第1始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞時に受信した始動入賞時受信コマンドを構成する各種コマンドデータが記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1特図保留記憶数の最大値(例えば、4)に対応する個数分の各種データを格納可能な格納領域(保留表示番号1〜4のそれぞれに対応する領域)が設けられている。
第1始動入賞口への始動入賞があったときは、第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)が、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファには、これらの第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドに加え、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを特定するデータを、受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域の先頭から格納する。第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」となっている。したがって、始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファにおいて、始動入賞時コマンドの格納領域がすべて「0000(H)」である最小の保留表示番号に対応する格納領域に、第1始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドの順に各演出制御コマンドデータを格納する。
また、第1始動入賞時コマンドバッファには、保留表示番号のそれぞれに対応するその他の情報を格納する格納領域をして、第1特図通常保留表示情報を格納するための格納領域が設けられている。第1特図通常保留表示情報とは、画像表示装置5の表示画面の第1保留表示領域5HLに、丸型の通常保留表示が表示されているか否かを示す情報である。第1特図通常保留表示情報は、始動入賞時コマンドの受信に応じて、第1保留表示領域5HLにおける通常保留表示の表示処理が実行されている場合には「1」にセットされ、未だ通常保留表示の表示処理が実行されていない場合には初期値「0」である。図17(A)は、保留表示番号「1」および「2」に対応する格納領域に、受信した各始動入賞時コマンドが格納され、各保留記憶情報に対応する第1特図通常保留表示が第1保留表示領域5HLに表示されている例を示している。
また、図16(B)は、第2始動入賞時コマンドバッファの構成例である。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞時に受信した始動入賞時受信コマンドを構成する各種コマンドデータが記憶される。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2特図保留記憶数の最大値(例えば、4)に対応する個数分の各種データを格納可能な格納領域(保留表示番号1〜4のそれぞれに対応する領域)が設けられている。
第2始動入賞口への始動入賞があったときは、第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)が、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時コマンドバッファには、これらの第2始動口入賞指定コマンド、第2特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドに加え、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを特定するデータを、受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域の先頭から格納する。第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」となっている。したがって、始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファにおいて、始動入賞時コマンドの格納領域がすべて「0000(H)」である最小の保留表示番号に対応する格納領域に、第2始動口入賞指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドの順に各演出制御コマンドデータを格納する。
また、第2始動入賞時コマンドバッファには、保留表示番号のそれぞれに対応するその他の情報を格納する格納領域をして、第2特図通常保留表示情報、および、キャラクタ保留表示に関連する情報として、ターゲットフラグ情報、ターゲット後続フラグ情報、通常表示態様情報、特殊表示態様情報、第1特別表示態様情報、作用表示態様情報、第2特別表示態様情報、ターゲットフラグ情報、ターゲット後続フラグ情報を格納するための格納領域が設けられている。
第2特図通常保留表示情報とは、画像表示装置5の表示画面の第2保留表示領域5HRに、丸型の通常保留表示が表示されているか否かを示す情報である。第2特図通常保留表示情報は、始動入賞時コマンドの受信に応じて、第2保留表示領域5HRにおける通常保留表示の表示処理が実行されている場合には「1」(オン状態)にセットされ、未だ通常保留表示の表示処理が実行されていない場合には初期値「0」(オフ状態)である。
また、キャラクタ保留表示とは、丸型の通常保留表示とともに画像表示装置5の表示画面に表示され、人物等を模したキャラクタ画像で表示される、第2保留記憶に対応する保留表示である。キャラクタ保留表示は、後述するダンス演出の実行時には、3次元仮想空間で再生中の楽曲に合わせて所定の振り付けで腕や脚などを動かしてダンス(動作)する。
ターゲットフラグは、保留表示変化演出の対象であるか否かを示すフラグである。第2特図保留記憶は、始動入賞時判定結果に応じたターゲット保留表示態様決定テーブル(図21参照)に基づいて、保留表示変化演出の対象とするか否かが決定され、保留表示変化演出の対象とすると決定された場合、すなわち、キャラクタ保留表示を特殊表示態様で表示することが決定された場合には、「1」(オン状態)にセットされる。一方、保留表示変化演出の対象としないと決定された場合、すなわち、キャラクタ保留表示を通常表示態様で表示することが決定された場合には、初期値「0」(オフ状態)である。
ターゲット後続フラグは、作用演出の対象であるか否かを示すフラグである。保留表示変化演出の対象であることを示すターゲットフラグがオン状態の第2特図保留記憶が直前に存在する場合、「1」(オン状態)にセットされる。一方、直前の第2特図保留記憶のターゲットフラグがオフ状態である場合、初期値「0」(オフ状態)である。
ここで、キャラクタ保留表示の表示態様は、通常表示態様と、特殊表示態様と、第1特別表示態様と、作用演出表示態様と、第2特別表示態様とを含む。キャラクタ保留表示は、これらの異なる表示態様により、いずれも人物等を模した演出画像であるキャラクタ画像で表示される。
通常表示態様とは、アクセサリや帽子などの装飾品を身につけていない人物を模したキャラクタ画像を表示する態様である。通常表示態様情報は、初期値が「0」であり、第2特図保留記憶に対応するキャラクタ保留表示の表示態様が通常表示態様に決定された場合には「1」にセットされる。
特殊表示態様とは、「?」マークが付された人物を模したキャラクタ画像を表示する態様であって、特殊表示態様とは異なる第1特別表示態様に変化する可能性を示唆する態様である。特殊表示態様で表示されるキャラクタ保留表示は、保留表示変化演出の対象であり、ターゲット保留表示ともいう。
第1特別表示態様とは、アクセサリ(装飾品)を身につけた人物を模したキャラクタ画像を表示する態様であって、作用演出の実行によりターゲット保留表示の表示態様が特殊表示態様から変化した後の表示態様である。
作用演出表示態様とは、黒の帽子をかぶった人物を模したキャラクタ画像を表示する態様である。作用演出表示態様によるキャラクタ保留表示は、特殊表示態様で表示されたキャラクタ保留表示に対する作用演出が実行された後、その表示態様が作用演出表示態様から第2特別表示態様に変化する可能性を示唆する。作用演出表示態様で表示されるキャラクタ保留表示は、ターゲット保留表示よりも後に発生した第2特図保留記憶に対応する保留表示であり、ターゲット後続保留表示ともいう。
第2特別表示態様とは、作用演出表示態様とは異なる色の帽子をかぶった人物を模したキャラクタ画像を表示する態様である。ターゲット保留表示の表示態様が特殊表示態様から第1特別表示態様に変化した後、ターゲット後続保留表示の表示態様が作用演出表示態様から第2特別表示態様に変化する。このターゲット後続保留表示の表示態様の変化とは、かぶっている帽子の色が黒(作用演出表示態様)から白、緑、赤のいずれか(第2特別表示態様)に変色することである。
図15に示すコマンド解析処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS602を実行した後、または、始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS601;No)、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS603)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS603;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグおよび高ベースフラグのオン/オフ状態を切り替える(ステップS604)。
高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態/オフ状態の切り替えに対応して、オン状態/オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態/オフ状態の切り替えに対応して、オン状態/オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグおよび時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグおよび高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態/オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグおよび時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグおよび高ベースフラグをともにオフ状態にする。
ステップS604を実行した後、または、始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS603;No)、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を実行し(ステップS605)、コマンド解析処理を終了する。
ここで、図17を参照して、コマンド解析処理において各演出制御コマンドの受信に応じて実行される処理について説明する。図17に示す「処理内容」の項目に示された内容は、例えば、ステップS605において実行される処理である。また、「処理内容」の項目に示されたステップ番号は、図15に示すフローチャート中のステップ番号を示し、該当するステップ処理が実行されることを意味する。また、「処理内容」の項目に示された各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることを意味する。
例えば、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドの場合には、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドの場合には、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、保留表示設定処理を実行する(ステップS161)。
図19は、保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す保留表示設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、第1始動入賞未処理カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS501)。ここで、第1始動入賞未処理カウンタとは、第1特図保留記憶数のうちの未だ表示されていない、すなわち、保留表示をするための処理が実行されていない保留記憶数を計数するカウンタである。第1始動入賞未処理カウンタは、第1始動入賞に対応した図柄判定結果指定コマンド(入賞時判定結果を指定するコマンド)を受信するごとに、コマンド解析処理において1加算され、後述するステップS503において1減算される。
第1始動入賞未処理カウンタの値が「1」以上であると判定した場合(ステップS501;Yes)、演出制御用CPU120は、図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファにおいて、受信した始動入賞時コマンドの情報が格納されているにも関わらず、第1特図通常保留表示情報に「1」がセットされていない保留記憶のうち最も保留表示番号が小さい保留記憶(以下、「第1処理対象保留記憶」という)について、第1始動入賞時コマンドバッファ内の第1処理対象保留記憶に対応する第1特図通常保留表示情報に「1」をセットするとともに、画像表示装置5の表示画面の第1保留表示領域5HLに、丸型の通常保留表示を追加表示する(ステップS502)。その後、第1始動入賞未処理カウンタ値を1減算し(ステップS503)、処理をステップS501に戻す。
一方、第1始動入賞未処理カウンタの値が「1」以上ではない、すなわち、第1始動入賞未処理カウンタの値が「0」であると判定した場合(ステップS501;No)、演出制御用CPU120は、第2始動入賞未処理カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS504)。ここで、第2始動入賞未処理カウンタとは、第2特図保留記憶数のうちの未だ表示されていない、すなわち、保留表示をするための処理が実行されていない保留記憶数を計数するカウンタである。第2始動入賞未処理カウンタは、第2始動入賞に対応した図柄判定結果指定コマンド(入賞時判定結果を指定するコマンド)を受信するごとに、コマンド解析処理において1加算され、後述するステップS522において1減算される。
第2始動入賞未処理カウンタの値が「1」以上であると判定した場合(ステップS504;Yes)、演出制御用CPU120は、図16(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファにおいて、受信した始動入賞時コマンドの情報が格納されているにも関わらず、第2特図通常保留表示情報に「1」がセットされていない保留記憶のうち最も保留表示番号が小さい保留記憶(以下、「第2処理対象保留記憶」という)について、第2始動入賞時コマンドバッファ内の第2処理対象保留記憶に対応する第2特図通常保留表示情報に「1」をセットするとともに、画像表示装置5の表示画面の第2保留表示領域5HRに、丸型の通常保留表示を追加表示する(ステップS505)。
次に、演出制御用CPU120は、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS506)。演出制御用CPU120は、例えば、RAM122の所定領域に設けられた時短フラグのオン/オフ状態を参照して、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する。遊技状態が高ベース状態であると判定した場合(ステップS506;Yes)、演出制御用CPU120は、第2処理対象保留記憶について、始動入賞時コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンドおよび変動パターン判定結果指定コマンドにより指定された始動入賞時の判定結果を特定する(ステップS507)。その後、演出制御用CPU120は、第2処理対象保留記憶に対応する保留表示番号が「1」であるか否かを判定する(ステップS508)。
第2処理対象保留記憶に対応する保留表示番号が「1」であると判定した場合(ステップS508;Yes)、演出制御用CPU120は、図16(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ内の第2処理対象保留記憶に対応する通常表示態様情報の格納領域に「1」をセットし(ステップS520)、通常表示態様のキャラクタ保留表示を追加表示する(ステップS521)。第2処理対象保留記憶に対応する保留表示番号が「1」である場合には、保留表示変化演出の対象としてキャラクタ保留表示の表示態様を特殊表示態様で表示したとしても、保留表示変化演出が実行される前に第2処理対象保留記憶に対応する可変表示が開始される可能性があるため、通常表示態様でキャラクタ保留表示を表示することとする。
一方、第2処理対象保留記憶に対応する保留表示番号が「1」ではないと判定した場合(ステップS508;No)、演出制御用CPU120は、変動パターン判定結果がスーパーリーチ演出を含む変動パターンであるか否かを判定する(ステップS509)。変動パターン判定結果がスーパーリーチ演出を含む変動パターンではないと判定した場合(ステップS509;No)、演出制御用CPU120は、ステップS520に処理を進める。
一方、変動パターン判定結果がスーパーリーチ演出を含む変動パターンであると判定した場合(ステップS509;Yes)、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内にターゲットフラグがオン状態の保留記憶があるか否かを判定する(ステップS510)。ターゲットフラグは、保留表示変化演出が実行された場合には、キャラクタ保留表示の表示態様が特殊表示態様から第1特別表示態様に変化する予定の保留記憶を示すものである。したがって、オン状態のターゲットフラグがあれば、既に特殊表示態様でキャラクタ保留表示が表示されていると判定することができる。
ターゲットフラグがオン状態の保留記憶がないと判定した場合(ステップS510;No)、演出制御用CPU120は、図柄判定結果に基づいて、対応する保留表示態様決定テーブルを参照してターゲット保留表示の表示態様を決定する(ステップS511)。
ここで、図21を参照して、ターゲット保留表示の表示態様を決定するための各種データテーブルの構成例について説明する。図21に示す各種データテーブルは、いずれもROM121に予め記憶されて用意される。
図21(A)は、保留表示態様決定用乱数値テーブルの構成例を示しており、演出制御基板12側でカウントされる保留表示態様決定用乱数値SR1(1〜300)、第1特別表示態様決定用乱数値SR2(1〜300)、第2特別表示態様決定用乱数値SR3(1〜400)を例示するテーブルである。図21(A)に示す保留表示態様決定用乱数値テーブルは、乱数の種別、計数範囲、用途で構成されている。
図21(A)に示すように、演出制御基板12側において、保留表示態様決定用乱数値SR1、第1特別表示態様決定用乱数値SR2、第2特別表示態様決定用乱数値SR3を示す数値データがカウント可能に制御される。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるこれらの乱数値SR1、SR2、SR3を示す数値データを抽出する。
次に、図柄判定結果に基づくターゲット保留表示の表示態様の決定について説明する。演出制御用CPU120は、図21(B)および(C)の保留表示態様決定テーブルのいずれかを参照し、保留表示態様決定用乱数値SR1に合致する決定値に割り当てられているターゲット保留表示の表示態様を決定(選択)する。なお、各テーブルでは、各表示態様の種類に割り当てられる決定値の代わりに各表示態様の種類の決定割合が記載されている。
図21(B)は、大当り用ターゲット保留表示態様決定テーブルの構成例を示している。また、図21(C)は、ハズレ用ターゲット保留表示態様決定テーブルの構成例を示している。図21(B)に示すように、図柄判定結果が大当りである場合のターゲット保留表示の表示態様は、特殊表示態様の方が通常表示態様と比較して高い割合で決定されるようになっている。一方、図21(C)に示すように、図柄判定結果がハズレである場合のターゲット保留表示の表示態様は、通常表示態様の方がと特殊表示態様比較して高い割合で決定されるようになっている。これにより、特殊表示態様の方が通常表示態様よりも大当りとなる期待度が高い表示態様であることを示唆することができる。なお、大当り用ターゲット保留表示態様決定テーブルおよびハズレ用ターゲット保留表示態様決定テーブルは、変動パターンに応じて、特殊表示態様と通常表示態様との決定割合を異ならせてよい。例えば、図柄判定結果がハズレである場合、変動パターンが非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチのいずれであるかに応じて、各々、特殊表示態様と通常表示態様とに異なる決定割合を割り当てたハズレ用ターゲット保留表示態様決定テーブルを用意してもよい。
図19に示す保留表示設定処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS511の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、決定された表示態様が特殊表示態様であるか否かを判定する(ステップS512)。表示態様が特殊表示態様ではないと判定した場合(ステップS512;No)、演出制御用CPU120は、処理をステップS520に進める。
一方、表示態様が特殊表示態様であると判定した場合(ステップS512;Yes)、演出制御用CPU120は、図柄判定結果および変動パターン判定結果に基づいて、対応するターゲット保留表示変化パターン決定テーブルを参照して、保留表示変化パターンを決定する(ステップS513)。
ここで、図22を参照して、ターゲット保留表示の表示態様の変化パターンを決定するための各種データテーブルの構成例について説明する。図22に示す各種データテーブルは、いずれもROM121に予め記憶されて用意される。
演出制御用CPU120は、図22(A)および(B)のターゲット保留表示変化パターン決定テーブルのいずれかを参照し、第1特別表示態様決定用乱数値SR2に合致する決定値に割り当てられているターゲット保留表示の変化パターンを決定(選択)する。なお、各テーブルでは、各表示態様の種類に割り当てられる決定値の代わりに各表示態様の種類の決定割合が記載されている。
図22(A)は、大当り用ターゲット保留表示変化パターン決定テーブルの構成例を示している。また、図22(B)は、変動パターンにスーパーリーチ演出を含むハズレ用ターゲット保留表示変化パターン決定テーブルの構成例を示している。図22(A)および(B)に示すように、ターゲット保留表示の表示態様の変化パターンとして、「?」マークが付された特殊表示態様から装飾品(アクセサリ)を身につけた第1特別表示態様に変化する。第1特別表示態様の種類は、身につけた装飾品(アクセサリ)が、「ブレスレット」である態様(保留表示変化パターン:T1−1、T2−1)と、「リボン」である態様(T1−2、T2−2)と、「ネックレス」である態様(T1−3、T2−3)とを含む。
図22(A)に示すように、図柄判定結果が大当りである場合に参照される大当り用ターゲット保留表示変化パターン決定テーブルでは、「ネックレス」(T1−3)が最も決定割合が高く、「ネックレス」(T1−3)、「リボン」(T1−2)、「ブレスレット」(T1−1)の順に決定割合が高く設定されている。一方、図22(B)に示すように、図柄判定結果および変動パターン判定結果が、スーパーリーチ演出を含むハズレである場合に参照されるハズレ用ターゲット保留表示変化パターン決定テーブルでは、「ブレスレット」(T2−1)が最も決定割合が高く、「ブレスレット」(T2−1)、「リボン」(T2−2)、「ネックレス」(T2−3)の順に決定割合が高く設定されている。これにより、第1特別表示態様として、「ブレスレット」が最も大当りとなる期待度が高く、「ブレスレット」が最も大当りとなる期待度が低いことを示唆することができる。
図19に示す保留表示設定処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS513の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、第2処理対象保留記憶に対応するターゲットフラグオン状態にセットし、特殊表示態様情報の格納領域に「1」をセットするとともに、決定された保留表示変化パターンを第1特別表示態様情報の格納領域に格納する(ステップS514)。
ステップS514の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示画面にキャラクタ保留表示を特殊表示態様で追加表示する(ステップS515)。
ステップS510の処理において、ターゲットフラグがオン状態の保留記憶があると判定した場合(ステップS510;Yes)、演出制御用CPU120は、直前の保留記憶のターゲットフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS516)。直前の保留記憶のターゲットフラグがオン状態ではないと判定した場合(ステップS516;No)、演出制御用CPU120は、ステップS520に処理を進める。
一方、直前の保留記憶のターゲットフラグがオン状態であると判定した場合(ステップS516;Yes)、演出制御用CPU120は、図柄判定結果および変動パターン判定結果に基づいて、対応するターゲット後続保留表示変化パターン決定テーブルを参照して、保留表示変化パターンを決定する(ステップS517)。
ここで、図23を参照して、ターゲット後続保留表示の表示態様の変化パターンを決定するための各種データテーブルの構成例について説明する。図23に示す各種データテーブルは、いずれもROM121に予め記憶されて用意される。
演出制御用CPU120は、図23(A)および(B)のターゲット後続保留表示変化パターン決定テーブルのいずれかを参照し、第2特別表示態様決定用乱数値SR3に合致する決定値に割り当てられているターゲット後続保留表示の変化パターンを決定(選択)する。なお、各テーブルでは、各表示態様の種類に割り当てられる決定値の代わりに各表示態様の種類の決定割合が記載されている。
図23(A)は、大当り用ターゲット後続保留表示変化パターン決定テーブルの構成例を示している。また、図23(B)は、変動パターンにスーパーリーチ演出を含まないハズレ用ターゲット後続保留表示変化パターン決定テーブルの構成例を示している。図23(A)および(B)に示すように、ターゲット後続保留表示の表示態様の変化パターンとして、黒の帽子をかぶった作用演出表示態様から第2特別表示態様に変化する。第2特別表示態様の種類は、帽子の色が、「黒(変化なし)」で表示される態様(保留表示変化パターン:N1−0、N2−0)と、「白」で表示される態様(N1−1、N2−1)と、「緑」で表示される態様(N1−2、N2−2)と、「赤」で表示される態様(N1−3、N2−3)とを含む。
図23(A)に示すように、図柄判定結果が大当りである場合に参照される大当り用ターゲット後続保留表示変化パターン決定テーブルでは、「赤」(N1−3)が最も決定割合が高く、「赤」(N1−3)、「緑」(N1−2)、「白」(N1−1)、「黒(変化なし)」の順に決定割合が高く設定されている。一方、図23(B)に示すように、図柄判定結果および変動パターン判定結果が、スーパーリーチ演出を含まないハズレである場合に参照されるハズレ用ターゲット後続保留表示変化パターン決定テーブルでは、「黒(変化なし)」(N2−0)が最も決定割合が高く、「黒(変化なし)」(N2−0)、「白」(N2−1)、「緑」(N2−2)、「赤」(N2−3)の順に決定割合が高く設定されている。これにより、第2特別表示態様として、「赤」が最も大当りとなる期待度が高く、「黒(変化なし)」が最も大当りとなる期待度が低いことを示唆することができる。
図19に示す保留表示設定処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS517の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、第2処理対象保留記憶に対応するターゲット後続フラグオン状態にセットし、作用演出表示態様情報の格納領域に「1」をセットするとともに、決定された保留表示変化パターンを第2特別表示態様情報の格納領域に格納する(ステップS518)。
ステップS518の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示画面にキャラクタ保留表示を作用演出表示態様で追加表示する(ステップS519)。
ステップS508においてYesと判定した場合、または、ステップS509、SS512、S516のいずれかにおいてNoと判定した場合、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の通常表示態様情報の格納領域に「1」をセットし(ステップS520)、画像表示装置5の表示画面にキャラクタ保留表示を通常表示態様で追加表示する(ステップS521)。
ステップS515、S519、S521のいずれかの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、第2始動入賞未処理カウンタの値を1減算し(ステップS522)、処理をステップS501に戻す。
ステップS504の処理において第2始動入賞未処理カウンタの値が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS504;No)、または、ステップS506の処理において遊技状態が高ベース状態ではないと判定した場合(ステップS506;No)、演出制御用CPU120は、図20に示すステップS523に処理を進める。演出制御用CPU120は、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS523)。演出制御用CPU120は、例えば、第1変動開始指定コマンド受信フラグまたは第2変動開始指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否かを参照することにより、変動開始指定コマンドを受信したか否かを判定すればよい。変動開始指定コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS523;No)、演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を終了する。
一方、変動開始指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS523;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した変動開始指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS524)。受信した変動開始指定コマンドが第2変動開始指定コマンドではない、すなわち、受信した変動開始指定コマンドが第1変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップS524;No)、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」の記憶内容を消去し、他の保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせる(ステップS525)。また、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の第1保留表示領域5HLにおいて保留表示番号「1」に対応する通常保留表示を消去(消化)させ、他の保留表示番号「2」〜「4」に対応する通常保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させ(ステップS526)、保留表示設定処理を終了する。
一方、受信した変動開始指定コマンドが第2変動開始指定コマンドであると判定した場合(ステップS524;Yes)、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内の保留表示番号「1」の記憶内容を消去し、他の保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶内容を1つずつシフトさせる(ステップS527)。また、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の第2保留表示領域5HRにおいて保留表示番号「1」に対応する通常保留表示を消去(消化)させ、他の保留表示番号「2」〜「4」に対応する通常保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる(ステップS528)とともに、画像表示装置5の表示画面において表示されている保留表示番号「1」に対応するキャラクタ保留表示を消去(消化)させ、他の保留表示番号「2」〜「4」に対応するキャラクタ保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる(ステップS529)。
続いて、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内にターゲット後続フラグがオン状態の保留記憶があるか否かを判定する(ステップS530)。ターゲット後続フラグがオン状態の保留記憶がないと判定した場合(ステップS530;No)、演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を終了する。
一方、ターゲット後続フラグがオン状態の保留記憶があると判定した場合(ステップS530;Yes)、演出制御用CPU120は、ターゲット後続保留表示がターゲット保留表示に作用する作用演出を実行する(ステップS531)。演出制御用CPU120は、作用演出表示態様で表示されたキャラクタ保留表示が特殊表示態様で表示されたキャラクタ保留表示に作用して、特殊表示態様で表示されたキャラクタ保留表示の表示態様が第1特別表示態様に変化することを示唆する作用演出を実行する。
ステップS531において作用演出を実行した後、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内のターゲット保留表示に対応する第1特別表示態様情報の格納領域に格納された変化パターンに基づいて、ターゲット保留表示の表示態様を第1特別表示態様に変化させる(ステップS532)。これにより、ターゲット保留表示に対する保留表示変化演出が実行される。
続いて、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファ内のターゲット後続保留表示に対応する第2特別表示態様情報の格納領域に格納された変化パターンに基づいて、ターゲット後続保留表示の表示態様を第2特別表示態様に変化させる(ステップS533)。これにより、ターゲット後続保留表示に対する保留表示変化演出が実行される。
ステップS533の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ターゲットフラグおよびターゲット後続フラグをリセットする(ステップS534)。また、ステップS534の処理では、第2始動入賞時コマンドバッファ内のターゲット保留表示に対応する第1特別表示態様情報の格納領域に格納された変化パターンのデータやターゲット後続保留表示に対応する第2特別表示態様情報の格納領域に格納された変化パターンのデータを消去するようにしてもよい。ステップS534の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を終了する。
なお、図19および図20に示す保留表示設定処理のフローチャートでは、第1始動入賞未処理カウンタおよび第2始動入賞未処理カウンタの値が0となるまで、保留記憶に応じた保留表示をするための一連の処理(ステップS501〜S521)を実行した後に、ステップS523以降のキャラクタ保留表示の作用演出および保留表示変化演出の処理を実行するように設定されている。しかし、例えば、保留記憶に応じた保留表示をするための一連の処理を1回実行して第1始動入賞未処理カウンタまたは第2始動入賞未処理カウンタの値が1減算されるごとに、ステップS523以降のキャラクタ保留表示の作用演出および保留表示変化演出の処理に移行するように設定してもよい。
図18に示す演出制御プロセス処理のフローチャートの説明に戻り、ステップS161の保留表示設定処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ダンス演出設定処理を実行する(ステップS162)。
図24は、ダンス演出設定処理として、図18のステップS162において実行される処理の一例を示すフローチャートである。ダンス演出は、第2特図保留記憶に対応する保留表示として、3次元仮想空間に配置されたキャラクタ保留表示が再生中の楽曲に合わせて所定の振り付けで腕や脚などを動かして動作(ダンス)する様子を、視点を移動させながら表示する演出である。ダンス演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS801)。演出制御用CPU120は、例えば、RAM122の所定領域に設けられた時短フラグのオン/オフ状態を参照して、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する。遊技状態が高ベース状態ではないと判定した場合(ステップS801;No)、演出制御用CPU120は、ダンス演出設定処理を終了する。つまり、遊技状態が高ベース状態である場合にのみ、ダンス演出は実行される。
一方、遊技状態が高ベース状態であると判定した場合(ステップS801;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技者の操作により楽曲が設定(選択)されているか否かを判定する(ステップS802)。ここで、遊技者は、遊技開始時などにスティックコントローラ31Aおよびプッシュボタン31Bを操作することにより、遊技中に再生する楽曲を設定(選択)することが可能である。
楽曲が設定されていないと判定した場合(ステップS802;Yes)、演出制御用CPU120は、あらかじめ設定されたデフォルト楽曲の再生を開始する(ステップS803)。続いて、演出制御用CPU120は、再生を開始したデフォルト楽曲に応じたダンス制御を開始する(ステップS804)。
ステップS802においてNoと判定した場合(ステップS802;No)または、ステップS804の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、楽曲ブランク期間タイマの値が0より大きいか否かを判定する(ステップS805)。楽曲ブランク期間タイマは、楽曲の再生停止後、次の楽曲が再生されるまでの残り時間をカウントダウンするタイマである。楽曲ブランク期間タイマの値が0より大きいと判定した場合(ステップS805;Yes)、演出制御用CPU120は、楽曲ブランク期間タイマの値を1減算し(ステップS806)、楽曲ブランク期間タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップS807)。楽曲ブランク期間タイマの値が0ではないと判定した場合(ステップS807;No)、楽曲ブランク期間がまだ経過していないことになるので、演出制御用CPU120は、処理をステップS809に進める。楽曲ブランク期間タイマの値が0であると判定した場合(ステップS808;Yes)、楽曲ブランク期間が経過しているため、演出制御用CPU120は、設定(選択)された次の楽曲の再生を開始する(ステップS808)。
ステップS807の処理において楽曲ブランク期間タイマの値が0ではないと判定した場合(ステップS807;No)、または、ステップS808の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ポージング期間タイマの値が0より大きいか否かを判定する(ステップS809)。ポージング期間タイマは、キャラクタ保留表示が、楽曲の再生停止に応じて動作(ダンス)を停止してから次の楽曲の再生開始に応じて動作(ダンス)が再開されるまでの残り時間をカウントダウンするためのタイマである。したがって、ポージング期間タイマの値が0になるまでの期間は、動作(ダンス)を停止して所定の姿勢で静止したポージング状態のキャラクタ保留表示が表示される。ポージング期間タイマの値が0より大きいと判定した場合(ステップS809;Yes)、演出制御用CPU120は、ポージング期間タイマの値を1減算し(ステップS810)、ポージング期間タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップS811)。ポージング期間タイマの値が0ではないと判定した場合(ステップS811;No)、ポージング期間がまだ経過していないことになるので、演出制御用CPU120は、処理をステップS813に進める。ポージング期間タイマの値が0であると判定した場合(ステップS811;Yes)、ポージング期間が経過しているため、演出制御用CPU120は、再生楽曲に応じてキャラクタ保留表示がダンス(動作)を開始する制御を行う(ステップS812)。
続いて、演出制御用CPU120は、視点位置が変更されたか否かを判定する(ステップS813)。演出制御用CPU120は、例えば、図25に示すダンス演出実行時のキャラクタ保留表示の動作パターンテーブル(以下、「動作パターンテーブル」ともいう)を参照して、視点座標に変更があった場合には視点位置が変更されたと判定すればよい。視点位置が変更されていないと判定した場合(ステップS813;No)、演出制御用CPU120は、処理をステップS817に進める。
ここで、図25に示す動作パターンテーブルについて説明する。この動作パターンテーブルは、あらかじめ用意され、ROM121などに格納されているものとする。
動作パターンテーブルには、楽曲A〜Cごとに、「再生時間」、「フレーム番号」、「視点座標」、「キャラクタ保留表示位置座標」、「変更後の視点座標」、「変更後のキャラクタ保留表示位置座標」が対応付けて設定されている。本実施の形態では、ダンス演出には、毎秒30フレームの静止画を切り替えて処理する動画が用いられ、1フレームごとに視点座標およびキャラクタ保留表示位置座標が設定されている。
「視点座標」は、3次元仮想空間に配置されたキャラクタ保留表示の状態をとらえる視点の位置を示し、図29(F)に示す基準点Kを原点とし、水平方向をX軸、前後方向をY軸、垂直方向をZ軸とする3次元直交座標系における位置座標である。ここで、視点とは、例えば、3次元仮想空間に配置された仮想カメラの位置である。視点は、3次元仮想空間内で移動可能であり、その位置座標は、動作パターンテーブルに示すように、1フレームごとにあらかじめ設定されている。また、視線方向は、視点から基準点Kに向かう直線方向であるものとする。
「キャラクタ保留表示位置座標」は、3次元仮想空間に配置されたキャラクタ保留表示の重心を示し、視点座標と同様に、3次元仮想空間内に定義された直交座標系における位置座標である。キャラクタ保留表示は、3次元仮想空間内で移動可能であり、その位置座標は、動作パターンテーブルに示すように、1フレームごとにあらかじめ設定されている。また、キャラクタ保留表示は、各位置座標において、腕や脚を動かすダンス(動作)を行っている。なお、キャラクタ保留表示位置座標には、保留番号「1」〜「4」の保留記憶にそれぞれ対応するキャラクタ保留表示の位置座標が順次格納されている。また、キャラクタ保留表示位置座標には、キャラクタ保留表示の配置位置を特定することができればよく、例えば、キャラクタ保留表示の特徴点や代表点(例えば、頭頂点、指先点、足先点など)などの位置座標を用いてもよい。
また、「キャラクタ保留表示位置座標」には、4つのキャラクタ保留表示の位置座標が格納されており、保留記憶数に関わらず、図25に示す動作テーブルを参照し、保留記憶数に対応する数のキャラクタ保留表示を表示させるようにする。例えば、第2特図保留記憶数が2である場合、「キャラクタ保留表示位置座標」に格納された1番目と2番目の位置座標にもとづいて、2つのキャラクタ保留表示を配置して表示される。また、新たに第2特図保留記憶が発生した場合には、「キャラクタ保留表示位置座標」に格納された3番目の位置座標にもとづいて、3つ目のキャラクタ保留表示を追加表示される。さらに、1つ目のキャラクタ保留表示に対応する可変表示が開始された場合には、1つ目のキャラクタ保留表示を消去して、2つ目と3つ目のキャラクタ保留表示を、それぞれ、「キャラクタ保留表示位置座標」に格納された1番目と2番目の位置座標にもとづいて、移動(シフト)して表示される。
「変更後の視点座標」は、複数のキャラクタ保留表示が表示された場合に、そのフレームにおいて設定された視点位置からではキャラクタ保留表示同士が重なって前方のキャラクタ保留表示に隠れて視認できない後方のキャラクタ保留表示が存在する場合に、その視認できないキャラクタ保留表示を視認可能とするために設定された視点座標を示す。
「変更後のキャラクタ保留表示位置座標」は、複数のキャラクタ保留表示が表示された場合に、そのフレームにおいて設定された視点位置からではキャラクタ保留表示同士が重なって前方のキャラクタ保留表示に隠れて視認できない後方のキャラクタ保留表示が存在する場合に、その視認できないキャラクタ保留表示を視認可能とするために設定されたキャラクタ保留表示位置座標を示す。
なお、「変更後の視点座標」および「変更後のキャラクタ保留表示位置座標」は、保留記憶数の増減にともなってキャラクタ保留表示の数が変化しても、すべてのキャラクタ保留表示が視認できるように設定されているものとする。
図24に示すダンス演出設定処理の説明に戻り、ステップS813において、視点位置が変更されたと判定した場合(ステップS813;Yes)、演出制御用CPU120は、視点からキャラクタ保留表示を見たときの画像である視点画像における各キャラクタ保留表示の重心(2次元座標)を算出する(ステップS814)。ここで、視点画像は、ダンス演出実行時に実際に画像表示装置5に表示されるフレームごとの静止画像である。演出制御用CPU120は、図25に示す動作パターンテーブルを参照して、視点座標、キャラクタ保留表示位置座標に基づいて、水平方向をX’軸、垂直方向をY’軸とする2次元直交座標系における各キャラクタ保留表示の重心を算出すればよい。
ステップS814の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、各キャラクタ保留表示の重心間の距離が所定の閾値より小さい場合があるか否かを判定する(ステップS815)。演出制御用CPU120は、例えば、各キャラクタ保留表示の重心間の距離と所定の閾値とを比較して判定すればよい。閾値は、キャラクタ保留表示の重心間の距離がこれ以上小さくなるとキャラクタ保留表示同士が重なって後方のキャラクタ保留表示が視認できなくなる距離に設定すればよい。各キャラクタ保留表示の重心間の距離がすべて所定の閾値より大きいと判定した場合(ステップS815;No)、演出制御用CPU120は、処理をステップS817に進める。
一方、キャラクタ保留表示の重心間の距離が所定の閾値より小さい場合があると判定した場合(ステップS815;Yes)、すなわち、キャラクタ保留表示同士が重なって視認できなくなるキャラクタ保留表示が存在する場合、演出制御用CPU120は、図25に示す動作パターンテーブルを参照して、すべてのキャラクタ保留表示の少なくとも一部が視認可能となるように制御する。すべてのキャラクタ保留表示の少なくとも一部が視認可能とは、キャラクタ保留表示同士が重なって前方のキャラクタ保留表示に隠れて視認できない後方のキャラクタ保留表示のからだの部位(頭、腕、胴、脚など)のいずれかが前方のキャラクタ保留表示に隠れることなく表示される状態を意味する。
図25に示す動作パターンテーブル内の「変更後の視点座標」および「変更後のキャラクタ保留表示位置座標」は、それぞれ単独で、すべてのキャラクタ保留表示の少なくとも一部が視認可能となるように設定されている。そのため、演出制御用CPU120は、「変更後の視点座標」または「変更後のキャラクタ保留表示位置座標」のいずれかを選択して、キャラクタ保留表示の表示を制御すればよい。また、視点座標およびキャラクタ保留表示位置座標の両方を変更することにより、すべてのキャラクタ保留表示の少なくとも一部が視認可能となるように、動作パターンテーブル内の「変更後の視点座標」および「変更後のキャラクタ保留表示位置座標」の両方を用いてキャラクタ保留表示の表示を制御してもよい。また、視点座標とキャラクタ保留表示位置座標のうち少なくとも一方を変更した後に、別のキャラクタ保留表示と重なることがないように、視点やキャラクタ保留表示を移動する方向などを考慮して「変更後の視点座標」や「変更後のキャラクタ保留表示位置座標」を設定することとする。
ステップS816の処理を実行した後、または、ステップS813またはS815の処理においてNoと判定した場合、演出制御用CPU120は、再生楽曲の変更操作があったか否かを判定する(ステップS817)。ここで、遊技者は、飾り図柄の可変表示中などにスティックコントローラ31Aおよびプッシュボタン31Bを操作することにより、再生中の楽曲を別の楽曲に変更することが可能である。
再生楽曲の変更操作があったと判定した場合(ステップS817;Yes)、演出制御用CPU120は、再生中の楽曲を停止させ、遊技者により変更(選択)された楽曲を次に再生する楽曲として設定する(ステップS818)。また、演出制御用CPU120は、楽曲ブランク期間タイマに初期値(例えば、3秒)を設定し(ステップS819)、ポージング期間タイマに初期値(例えば、5秒)を設定する(ステップS820)。その後、演出制御用CPU120は、キャラクタ保留表示のダンス(動作)を停止させ、あらかじめ設定されたポーズで所定のタイミングまで待機させるためのポージング設定を行う(ステップS821)。ここで、所定のタイミングとは、例えば、遊技者により変更(選択)された楽曲の再生開始後2秒程度とする。さらに、演出制御用CPU120は、視点位置を次の再生楽曲に合わせてキャラクタ保留表示がダンス(動作)を開始する所定位置に移動する(ステップS822)。演出制御用CPU120は、図25を参照して、キャラクタ保留表示がダンス(動作)を再開する所定タイミング(例えば、次の楽曲再生開始から2秒後)に対応する再生時間に対応付けられた視点位置座標に視点位置を移動させる制御を行う。同様に、演出制御用CPU120は、キャラクタ保留表示をポージング状態のまま、変更前の楽曲の停止時のキャラクタ保留表示の位置座標からダンス(動作)再開時の位置座標に移動させる制御を行ってもよい。
図26は、上述したように、再生楽曲が変更された場合のキャラクタの動作態様を示すタイミングチャートである。図26に示すように、楽曲Cの再生中、キャラクタ保留表示は、楽曲Cに応じた所定の振り付けのダンス(動作)を行う。このとき、遊技者のスティックコントローラ31Aおよびプッシュボタン31Bの操作により、再生楽曲として楽曲Bが選択されると、楽曲Cから楽曲Bに再生楽曲を切り替えるまでのブランク期間が生じる。このブランク期間中、キャラクタ保留表示は、ダンス(動作)を停止して所定の姿勢で静止したポージング状態で待機する。また、視点位置を楽曲Cの再生停止時の位置から所定タイミングで楽曲Bに合わせてキャラクタ保留表示がダンス(動作)を開始する所定位置に移動する。ブランク期間が終了し、楽曲Bの再生が開始された後、キャラクタ保留表示は、所定のタイミングで楽曲Bに応じた所定の振り付けのダンス(動作)を開始する。また、キャラクタ保留表示のダンス(動作)の再開と同期して視点の移動を開始する。
図24に示すダンス演出設定処理の説明に戻り、ステップS822の処理を実行した後、または、ステップS817において楽曲変更操作がないと判定した場合(ステップS817;No)、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態に制御されたか否かを判定する(ステップS823)。演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグを参照して、大当り遊技状態に制御されたか否かを判定すればよい。大当り遊技状態に制御されたと判定した場合(ステップS823;Yes)、演出制御用CPU120は、ダンス演出を終了するための制御を行い(ステップS824)、ダンス演出設定処理を終了する。一方、大当り遊技状態に制御されていないと判定した場合(ステップS823;No)、演出制御用CPU120は、ステップS824の処理を実行せずに、ダンス演出設定処理を終了する。
図18に示す演出制御プロセス処理のフローチャートの説明に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS162の処理を実行した後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、「0」である)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
図27は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171において実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS901)。特図表示結果が「ハズレ」となると判定した場合(ステップS901;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA2−1)であるか否かを判定する(ステップS902)。
ステップS902の処理において非リーチ変動パターンであると判定した場合(ステップS902;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS903)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS902の処理において非リーチ変動パターンではないと判定された場合(ステップS902;No)、演出制御用CPU120は、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS904)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS901の処理において特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定した場合(ステップS901;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS905)。演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS903、S904、S905のいずれかを実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS906)。演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS161の保留表示設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(保留表示変化パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS906の処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば、変動パターン判定結果指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS907)。そして、画像表示装置5の表示画面上において飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS908)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば、ステップS323の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS908の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である「2」に更新してから(ステップS909)、可変表示開始設定処理を終了する。
図28は、可変表示中演出処理として、図18のステップS172において実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す可変表示中演出処理では、演出制御用CPU120は、まず、演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS921)。ステップS921の処理では、例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS921の処理において可変表示時間が経過していないと判定した場合(ステップS921;No)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS922)。リーチ演出期間は、例えば、変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS922の処理においてリーチ演出期間であると判定した場合(ステップS922;Yes)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するための制御を行う(ステップS923)。
ステップS922の処理においてリーチ演出期間ではないと判定した場合(ステップS922;No)や、ステップS923の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば、変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御を行う(ステップS924)。
ステップS921の処理において可変表示時間が経過したと判定した場合(ステップS921;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS925)。このとき、図柄確定コマンドの受信がないと判定した場合(ステップS925;No)、演出制御用CPU120は、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
一方、ステップS925の処理において図柄確定コマンドの受信があったと判定した場合(ステップS925;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS926)。このとき、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS927)。また、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である「3」に更新してから(ステップS928)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、図29を参照して、ダンス演出の演出動作について説明する。図29(A)〜(D)に示すように、第1特図保留記憶数が「0」、第2特図保留記憶数が「4」の場合を例に説明する。なお、理解を容易にするため、ダンス(動作)によるキャラクタ保留表示の配置の変更はないものとし、視点位置のみを移動する場合を例に説明する。
図29(A)〜(D)に示すように、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、先に成立した開始条件に基づく可変表示が実行中である。また、第2保留表示領域5HRには、第2特図保留記憶数「4」に対応する4つの丸型の通常保留表示が表示されている。一方、第1保留表示領域5HLには、第1特図保留記憶数「0」であるため、通常保留表示が表示されていない。
また、図29(A)〜(D)に示すように、画像表示装置5の表示画面の右上には、再生可能な楽曲一覧(楽曲A〜楽曲C)と再生中の楽曲を示すポインタが表示されている。遊技者は、この表示を確認しながら、スティックコントローラ31Aおよびプッシュボタン31Bを操作して再生楽曲を選択することができる。
図29(A)に示すように、画像表示装置5の表示画面には、第2保留表示領域5HRの通常保留表示の表示数「4」に対応して、図29(F)に示す「(A)の視点位置」(正面視点)から4つのキャラクタ保留表示をとらえた状態が表示されている。これらの4つのキャラクタ保留表示には、保留表示番号に応じて「1」〜「4」の数字が付され、画像表示装置5の表示画面の左側から、キャラクタ保留表示「1」、キャラクタ保留表示「2」、キャラクタ保留表示「3」、キャラクタ保留表示「4」の順に配置されている。また、図29(F)に示すように、キャラクタ保留表示「1」とキャラクタ保留表示「4」は、キャラクタ保留表示「2」とキャラクタ保留表示「3」よりも正面視点に対して前方に配置されている。
図29(B)に示すように、画像表示装置5の表示画面には、視点位置が正面位置から図29(F)に基準点Kを中心に矢印a方向に回転移動し、「(B)の視点位置」から4つのキャラクタ保留表示をとらえた状態が表示されている。この状態では、4つのキャラクタ保留表示の表示を確認することができるものの、前方のキャラクタ保留表示「4」と後方のキャラクタ保留表示「2」およびキャラクタ保留表示「3」とが重なって若干視認しづらくなっている。
図29(D)に示すように、画像表示装置5の表示画面には、視点位置が「(B)の視点位置」から基準点を中心に更に矢印a方向に回転移動し、「(C)の視点位置」から4つのキャラクタ保留表示をとらえた状態が表示されている。この状態では、キャラクタ保留表示「4」とキャラクタ保留表示「1」とが重なり、「(C)の視点位置」からは後方のキャラクタ保留表示「1」がまったく視認できない。また、キャラクタ保留表示「3」とキャラクタ保留表示「2」とが重なり、「(C)の視点位置」からは後方のキャラクタ保留表示「2」がまったく視認できない。このように、視点位置を移動した場合、その視点位置によっては、キャラクタ保留表示同士が重なって視認できないキャラクタ保留表示が存在する。
図29(C)に示すように、画像表示装置5の表示画面には、図29(D)と同様、視点位置が「(B)の視点位置」から基準点を中心に更に矢印a方向に回転移動し、「(C)の視点位置」から4つのキャラクタ保留表示をとらえた状態が表示されている。しかし、図29(C)に示すキャラクタ保留表示の表示態様では、キャラクタ保留表示「1」およびキャラクタ保留表示「2」が視認できないという問題を解消するための対策が講じられている。図29(G)に示すように、キャラクタ保留表示「4」と重なって「(C)の視点位置」から視認できなくなるキャラクタ保留表示「1」の位置を正面位置の方向にずらす。同様に、キャラクタ保留表示「3」と重なって「(C)の視点位置」から視認できなくなるキャラクタ保留表示「2」の位置を正面位置の方向にずらす。このようなキャラクタ保留表示の配置移動については、上述したように、図25に示す動作パターンテーブルを参照してキャラクタ保留表示を配置すればよい。
なお、キャラクタ保留表示の少なくとも一部が表示されていれば、遊技者は保留記憶数を確認することができる。そのため、例えば、視点位置からみて、後方に位置するキャラクタ保留表示のからだの部位(頭、腕、胴、脚など)のいずれかが前方に位置する他のキャラクタ保留表示に隠れることなく表示することができればよい。
キャラクタ保留表示の配置を変更した場合には、図29(C)に示すように、4つのキャラクタ保留表示のすべてが視認可能に表示されている。これにより、視点位置の移動に伴ってキャラクタ保留表示が視認できなくなることを防止することができ、すべてのキャラクタ保留表示を視認可能に表示することができる。
次に、図30を参照して、保留表示変化演出の演出動作について説明する。図30(A)〜(G)は、保留表示変化演出が実行する場合に画像表示装置5に表示される演出画像の具体例を示す説明図である。
まず、図30(A)〜(B)に示すように、画像表示装置5の表示領域における飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、先に成立した開始条件に基づく飾り図柄の可変表示が実行中であるものとする。また、第1特図保留記憶数が「0」、第2特図保留記憶数が「1」の状況であり、画像表示装置5には、次に可変表示が開始されることになる通常保留表示およびキャラクタ保留表示CHaが1つずつ表示されている。図30(A)に示すように、第2特図保留記憶に対応するキャラクタ保留表示CHaは、通常表示態様で表示されている。
図30(B)に示すように、先に成立した開始条件に基づく飾り図柄の可変表示中に第2始動入賞が発生したことに伴って、2つ目の第2特図保留記憶が発生し、通常保留表示およびキャラクタ保留表示CHbが新たに追加表示されている。また、2つ目の保留記憶に対応するキャラクタ保留表示CHbは、「?」マークが付された特殊表示態様で表示されており、表示態様が第1特別態様に変化する可能性を示唆している。
続いて、図30(C)に示すように、飾り図柄の可変表示中に新たな第2始動入賞の発生に伴って、3つ目の第2特図保留記憶が発生し、通常保留表示およびキャラクタ保留表示CHcが更に追加表示されている。3つ目の第2特図保留記憶に対応するキャラクタ保留表示CHcは、帽子をかぶった作用演出態様で表示されており、2つ目の特殊表示態様のキャラクタ保留表示CHbと作用演出を実行した後、自らの表示態様が第2特別態様に変化する可能性を示唆している。また、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、図30(A)〜(B)において実行中であった飾り図柄の可変表示が終了し、「ハズレ」の表示結果が導出表示されている。
図30(C)において、飾り図柄の可変表示が終了し、「ハズレ」の表示結果が導出表示されたことに伴い、図30(D)に示すように、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、次の可変表示が開始されている。そのため、保留記憶が1つ消化され、図30(A)〜(C)において表示されていた1つ目の通常保留表示およびキャラクタ保留表示CHaは消去され、各保留表示が左側にシフトされている。また、2つ目の作用演出表示態様のキャラクタ保留表示は右腕をあげて、1つ目の特殊表示態様のキャラクタ保留表示CHbに対して作用する作用演出が開始されている。
図30(E)に示すように、1つ目の特殊表示態様のキャラクタ保留表示CHbは、2つ目の作用演出表示態様のキャラクタ保留表示CHcが右腕をあげたことを受けて、自らも左腕をあげて互いの手のひらを合わせる動作(ハイタッチ)を行う。すると、ハイタッチをした両者の手のひらから煙が発生し、キャラクタ保留表示CHbの表示態様に変化が生じることを示唆すると同時に、作用演出が終了する。
作用演出が実行された後、1つ目のキャラクタ保留表示CHbに対する保留表示変化演出が実行され、1つ目のキャラクタ保留表示CHbの表示態様は、「?」マークが付された特殊表示態様から装飾品(アクセサリ)を身につけた第1特別態様に変化する。これにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を予告する。図30(F)に示すように、1つ目のキャラクタ保留表示CHbは、「?」マークが消去され、「ネックレス」が首からかかっている。また、「?」マークが付されていた顔面が笑顔に変化するとともに、両腕をあげている。このように、保留表示変化演出の対象であるキャラクタ保留表示CHbの表示態様は、特殊表示態様から第1特別態様に変化する。
さらに、保留表示変化演出のもうひとつの対象である2つ目のキャラクタ保留表示CHcの表示態様は、作用演出表示態様から第2特別表示態様に変化する。図30(G)に示すように、2つ目のキャラクタ保留表示は、かぶっている帽子の色が「黒」から「緑」に変化している。また、顔面が笑顔に変化するとともに、両腕をあげている。このように、保留表示変化演出の対象であるキャラクタ保留表示CHcの表示態様は、特殊表示態様から第2特別態様に変化する。
なお、図30(B)に示す「?」マークが付された特殊表示態様のキャラクタ保留表示CHbが表示されたとしても、キャラクタ保留表示CHbに対応する可変表示が実行されるまでに、次の第2特図保留記憶が発生しない場合、すなわち、図30(C)に示す帽子をかぶった作用演出態様のキャラクタ保留表示CHcが表示されない場合には、作用演出および保留表示変化演出が実行されことなく、キャラクタ保留表示CHbは、特殊表示態様のまま消去(消化)されることとなる。
以上説明したように、上記の実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、第2始動入賞に基づいて発生した保留記憶に対応してキャラクタ保留表示が表示される。また、飾り図柄の可変表示中に実行されるダンス演出中に、視点位置が移動することに伴って、キャラクタ保留表示同士が重なって視認できないキャラクタ保留表示が存在しないように、事前に視認できなくなるキャラクタ保留表示の配置を変更して、少なくともすべてのキャラクタ保留表示が視認できるように制御する。このような構成によれば、視点位置が切り替わってもキャラクタ保留表示の各々を遊技者が視認することができる。
また、上記の実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、第2始動入賞時の判定結果に基づいて、キャラクタ保留表示の表示態様を変化させる保留表示変化演出を実行する。このような構成によれば、演出効果を向上することができる。
また、上記の実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、再生中の楽曲に合わせてキャラクタ保留表示がダンス(動作)するダンス演出を実行する。また、再生中の楽曲が変更された場合には、次の楽曲の再生開始後の所定タイミング(例えば、2秒経過時)までキャラクタ保留表示のダンス(動作)を一旦停止させ、所定の姿勢で静止したポージング状態のキャラクタ保留表示が表示される。所定タイミング経過後は、再び、再生楽曲に応じたダンス(動作)を開始する。このような構成によれば、キャラクタ保留表示のダンス(動作)と再生楽曲を好適に同期させることができる。
また、上記の実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、キャラクタ保留表示を、第2始動入賞時の判定結果に基づいて、異なる表示態様で表示する。具体的には、図柄判定結果が「大当り」の場合には、キャラクタ保留表示を、高い確率で「?」マークを付した特殊表示態様で表示し、図柄判定結果が「ハズレ」の場合には、高い確率で通常表示態様で表示する。また、特殊表示態様で表示されたキャラクタ保留表示に対応する保留記憶の次の保留記憶に対応するキャラクタ保留表示は、帽子をかぶった作用演出態様で表示され、特殊表示態様で表示されたキャラクタ保留表示に作用して表示態様を変化させる作用演出が実行される。さらに、作用演出後、作用演出態様で表示されたキャラクタ保留表示の表示態様も変化する。このような構成によれば、先読み演出の対象となるキャラクタ保留表示が認識しやすい。また、後続のキャラクタ保留表示に対しても遊技者に期待感を持たせることができる。
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
上記の実施の形態では、例えば、第2特図保留記憶に対応する可変表示中にキャラクタ保留表示を表示してダンス演出を実行した。しかし、ダンス演出の実行時期はこれに限らず、例えば、大当り時にダンス演出を実行してもよい。また、第1特図保留記憶に対応する保留表示としてキャラクタ保留表示を表示させてダンス演出を実行してもよいし、第1特図保留記憶および第2特図保留記憶の両方に対応してキャラクタ保留表示を表示させてダンス演出を実行してもよい。
上記の実施の形態では、例えば、ダンス演出の実行中にキャラクタ保留表示同士が重なって視認できないキャラクタ保留表示が存在する場合、すべてのキャラクタ保留表示が視認可能となるようにキャラクタ保留表示の配置または視点位置の変更を行った。しかし、すべてのキャラクタ保留表示を視認可能とするための方法はこれに限られず、例えば、前方のキャラクタ保留表示を半透明に表示するなどして後方に隠れたキャラクタ保留表示を透過して視認できるようにしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、キャラクタ保留表示が重なる配置となるフレームにおいては、図25に示す「変更後の視点座標」と「変更後のキャラクタ保留表示位置座標」のうち少なくとも一方を用いて、すべてのキャラクタ保留表示が表示されるように制御しながらフレーム番号順に表示した。しかし、キャラクタ保留表示が重なる配置となるフレームがある場合、そのフレームを表示しないように制御してもよい。例えば、図25に示す動作パターンテーブル内の楽曲Aにおいて、キャラクタ保留表示が重なる配置となるフレーム2401を表示せずに、フレーム2400→フレーム2400→フレーム2402、または、フレーム2400→フレーム2402→フレーム2402のように、キャラクタ保留表示が重ならない配置となる前後のフレームを代わりに複数回表示するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、保留記憶数に関わらず、図25に示す動作パターンテーブルを参照して、あらかじめ4つのキャラクタ保留表示の配置が設定された位置座標にもとづいて、保留表示番号に対応するキャラクタ保留表示を表示してダンス演出などを実行した。これにより、例えば、画像表示装置5の表示画面の左から順に保留表示番号「1」〜「4」に対応する保留記憶数分の各キャラクタ保留表示を配置するようにすれば、第2保留表示領域5HRに表示される第2特図通常保留表示の表示イメージと一致させることができる。しかし、保留記憶数に対応した動作パターンテーブルをあらかじめ用意し、保留記憶数に応じて各動作パターンテーブルを参照するようにしてもよい。この場合、保留記憶数に応じて画像表示装置5の表示画面の中央に保留記憶数分の各キャラクタ保留表示を均等に配置させることができる。
上記の実施の形態では、例えば、図24に示すステップS813〜S815に示すように、ダンス演出実行中に視点位置が変更された場合、2次元直交座標系における各キャラクタ保留表示の重心を算出し、重心間の距離に応じて、キャラクタ保留表示が重なって視認できなくなるか否かを判定した。しかし、キャラクタ保留表示が重なって視認できなくなるか否かの判定方法は、これに限られない。例えば、キャラクタ保留表示の形状やサイズをあらかじめROM121などに記憶させ、図25に示す動作パターンテーブル内の視点座標およびキャラクタ保留表示位置座標に基づいて、各キャラクタ保留表示の複数の代表点(例えば、頭頂点、指先点、足先点など)を算出し、これらの代表点をすべて内包する代表点を有する他のキャラクタ保留表示が存在するか否かにより、キャラクタ保留表示同士が重なるか否かを判定してもよい。
上記の実施の形態では、例えば、可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出として、キャラクタ保留表示の表示態様を変化させる保留表示変化演出を実行した。しかし、通常保留表示を保留表示変化演出の対象としてもよい。また、保留表示変化演出を実行せずに、異なる予告演出を実行してもよい。
上記の実施の形態では、例えば、保留表示変化演出の対象となるターゲット保留表示の表示態様として、「?」マークを付した特殊表示態様を例に説明したが、特殊表示態様はこれに限らない。ターゲット保留表示の特殊表示態様は、異なる表示態様に変化する可能性を示唆することができればよく、例えば、ターゲット保留表示を点滅させたり、ターゲット保留表示の形状を異ならせるなどの表示態様などでもよい。同様に、第1特別表示態様および第2特別表示態様についても、上記の実施の形態とは異なる表示態様を用いてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、作用演出実行後にターゲット保留表示の表示態様を変化させ、その後、ターゲット後続保留表示の表示態様を変化させた。しかし、ターゲット後続保留表示の表示態様が変化するタイミングは、これに限らず、例えば、ターゲット保留表示の表示態様が変化するタイミングと同時、または、ターゲット保留表示の表示態様が変化するタイミングより先であってもよい。
上記の実施の形態では、例えば、ターゲット保留表示およびターゲット後続保留表示の表示態様を1回変化させる保留表示変化演出を実行した。しかし、それぞれの表示態様を複数回変化させるようにしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、ターゲット保留表示とターゲット後続保留表示とがハイタッチすることにより煙が発生するといった作用演出について説明した。しかし、作用演出の演出内容はこれに限らず、ターゲット後続保留表示がターゲット保留表示に対して作用するような演出内容であればよく、例えば、ターゲット後続保留表示が所持するオブジェクト(物品)をターゲット保留表示に渡すなどの演出内容であってもよい。
上記の実施の形態では、例えば、直前の保留表示がターゲット保留表示である場合に、ターゲット後続保留表示を表示して作用演出を実行した。しかし、2つ以上前のターゲット保留表示に対して作用演出を実行するようにターゲット後続保留表示を表示させてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する例を示した。しかし、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される可変表示結果や可変表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、特別図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも特別図柄の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)が点滅して見える)。また、可変表示中に表示される特別図柄と、可変表示結果として表示される特別図柄とは、異なるものであってもよい。特別図柄の可変表示として、例えば「−」を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の特別図柄(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を表示することも特別図柄の可変表示に含まれる。また、一種類の飾り図柄を点滅表示またはスクロール表示することなども飾り図柄の可変表示に含まれる。普通図柄の可変表示中の点灯パターンには、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよく、全て消灯したパターンと少なくとも一部のLEDを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すことなども普通図柄の可変表示に含まれる。また、可変表示中に表示される飾り図柄や普通図柄と、可変表示結果として表示される飾り図柄や普通図柄とは、異なるものであってもよい。
なお、上記の実施の形態では、割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。例えば、一方の割合と他方の割合とを異ならせるとは、一方の割合を例えば3割として、他方の割合を7割とする他、一方の割合を例えば0割として、他方の割合を10割とすることも含む。また、一方の割合と他方の割合との合算が10割とならなくてもよい(一方と他方とのいずれにも含まれないものが存在して、所定割合を有してもよい)。また、一方の割合よりも他方の割合の方が高い割合とする場合には、一方の割合を0割とし、他方の割合を10割とすることを含む。例えば、上記において、特定遊技状態のあとの特定期間における可変表示パターンの決定割合と、特定期間以外における可変表示パターンの決定割合とを異ならせるとは、一方で選ばれる可変表示パターンが他方では選ばれないようなことや一方で選ばれる可変表示パターンと他方で選ばれる可変表示パターンとが一部重複するか完全に重複しない場合も含む。これらは、割合を規定するテーブルの内容などによって規定されればよい。
また、上記の実施の形態では、パチンコ遊技機1は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うが、例えば、遊技領域に設けられたアタッカー内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。
上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。