以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印、四角印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域(第1保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域(第2保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域及び第2保留表示領域のうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下側には副画像表示装置51が配置される。副画像表示装置51は、例えば画像表示装置5よりも小型のLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。副画像表示装置51の表示領域では、画像表示装置5における可変表示と関連する演出画像などが表示される。この実施の形態では、副画像表示装置51は、演出画像を表示しないときには、遊技盤2の背面に隠れており、画像表示装置5の表示領域を覆わない位置(第2位置)にある。副画像表示装置51は、演出画像を表示するときに、画像表示装置5の表示領域の前面側(遊技者側)の所定位置(第1位置)に進出する。第1位置に進出した副画像表示装置51は、画像表示装置5の表示領域の一部を前面側(遊技者側)から覆うことになる。なお、画像表示装置5をメイン液晶、副画像表示装置51をサブ液晶ともいう。サブ液晶においてメイン液晶における可変表示と関連する各種演出画像を表示するため、また、サブ液晶はメイン液晶の前面側に進出するため、サブ液晶はメイン液晶の近傍に設けられていることが好ましい。
副画像表示装置51は、例えば、保持部材53などによって、下から支えられている。保持部材53の内部又は背面には、画像を表示するための信号(映像信号)を副画像表示装置51に供給する配線などが設けられている。保持部材53は、図2の表示装置駆動部52が駆動することによって、上下方向に移動可能となっている。表示装置駆動部52は、例えば、ステッピングモータと、当該ステッピングモータの回転軸の回転を保持部材53の上下方向の移動に変換する変換機構と、から構成される。保持部材53の上下方向の移動によって、副画像表示装置51は、上下方向に移動し、第1位置に進出したり、第2位置に後退したりする。なお、保持部材53の形状や色は、適宜変更可能であるが、画像表示装置5に表示される画像を邪魔しないようなもの(例えば、細くする、透明にするなど)とすることが望ましい。また、副画像表示装置51の上下方向の移動は、どのような機構によって実現してもよい。副画像表示装置51は、上から吊されるようにしてもよい。つまり、保持部材53は、副画像表示装置51を上から吊すものであってもよい。また、副画像表示装置51は、横方向から支持されるものであってもよい。つまり、保持部材53は、副画像表示装置51を横方向から支えるものであってもよい。
なお、画像表示装置5、及び/または、副画像表示装置51は、LCDに限定されず有機ELを用いたディスプレイなどの他の表示装置で構成されてもよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板19といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1は、各種スイッチ、異常検出用センサ群90〜92、各種ソレノイド、各種表示装置、表示装置駆動部52など、図2に示す各種部材なども備える。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12、払出制御基板19などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。また、入力ドライバ回路110は、異常検出用センサ群90(詳しくは後述する)からの信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。詳しくは後述するが、異常検出用センサ群90は、パチンコ遊技機1で発生した異常を検出するためのものである。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号などを受信して、画像表示装置5や副画像表示装置51、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5や副画像表示装置51における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。なお、この実施の形態では、パチンコ遊技機1において異常が発生した場合に、前記演出動作の1つとして、異常を報知する異常報知が行われる。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(効果音信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、音声とは、音のみからなるものも含む。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。払出制御基板19は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板19は、賞球個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信(主基板11から制御信号として伝送される。)に応じて、球払出装置(図示せず)などから構成される払出機構(賞球を払い出す機構)を駆動して、賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板19は、異常検出用センサ群93からの信号を受信する。払出制御基板19は、受信した信号などに基づいてパチンコ遊技機1についての異常の有無及び異常終了の有無が発生したかを判定し、異常がある場合(異常が発生している場合)や異常終了がある場合には、異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドを制御信号として主基板11に送信する機能も有する。発生している異常又は終了する異常が複数種類の場合には、その種類ごとに異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドが送信される。異常検出用センサ群93などについては、後で詳述する。異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドは、主基板11から演出制御基板12に伝送される異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンド(詳しくは後述する。)と同じコマンドでよい。主基板11は、払出制御基板19からの異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドを演出制御基板12に伝送する。異常の有無及び異常終了の有無が発生したかの判定や異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドの送信設定は、後述のメイン側エラー処理と同様の処理を実行することで実現すればよい。送信設定されたコマンドは、後述のコマンド制御処理と同様にして主基板11に送信されればよい。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサ(例えば、フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい(遊技媒体を検出できるものであればよく、スイッチ以外のものであってもよい。)。また、主基板11には、異常検出用センサ群90からの信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、賞球個数コマンドなどを制御信号として払出制御基板19に伝送する配線及び異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドなどが払出制御基板19から伝送される配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断などがあっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5及び副画像表示装置51における表示動作を制御する処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作、異常の報知動作を行う処理(演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5や副画像表示装置51に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、表示装置駆動部52を駆動する駆動信号を伝送するための配線、異常検出用センサ群91(詳しくは後述する。)からの信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、駆動制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5や副画像表示装置51における表示動作の制御内容を決定して実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5や副画像表示装置51の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定して表示制御部123に指令することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示、異常の報知表示などを画像表示装置5や副画像表示装置51に実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5や副画像表示装置51へと伝送される画像を表示するための映像信号(表示制御部123が出力する信号)や、音声制御基板13へと伝送される効果音信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号、表示装置駆動部52へと伝送される駆動信号などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5や副画像表示装置51の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。この実施の形態では、パチンコ遊技機1において異常が発生した場合に、当該発生した異常を、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声により報知したり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を制御して光によって報知したり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に異常の報知画像(異常報知画像)を表示させたりして報知する。後で詳述するが、異常としては、磁気異常、振動異常、電波異常、前面ドアの開放異常、払出機構の異常、大入賞口の不正入賞異常(大入賞口が開放していないのに大入賞口への入賞が検知される異常)などがあり、異常検出用センサ群90〜92などを用いて検出される。
異常検出用センサ群90〜92は、パチンコ遊技機1において発生する異常を検出するための1以上のセンサなどから構成される。異常検出用センサ群90〜92は、センサに限らず、異常を検出するための回路、センサには該当しない各種の検出スイッチなどを含んでもよい。異常検出用センサ群90〜92は、異常を検出すためのものから構成されていればよい。異常検出用センサ群90〜92それぞれに含まれるセンサなどは、異常の種類それぞれに応じて、1以上用意される。異常検出用センサ群90〜92が具体的にどのようなものを含むかは、パチンコ遊技機1の仕様などによって決定されればよい。パチンコ遊技機1において発生する異常とは、パチンコ遊技機1において行う通常の遊技では起こらない又は極めて起こりにくい現象(例えば、パチンコ遊技機1に対する不正行為があったときに生じる磁気異常、電波異常、振動異常などの現象、又は、パチンコ遊技機1の各種部材の動作不良など)や遊技の進行の妨げになりうる現象などのことをいい、特に、遊技者や遊技ホール(パチンコ店など)の従業員に報知が必要な現象のことをいう。
異常検出用センサ群90〜92のいずれかに含まれるものとしては、例えば、磁気を検出する磁気センサ、振動を検出する振動センサ、パチンコ遊技機1の前面のドアの開放を検出する開放センサ、払出機構の異常(賞球異常など)を検出するセンサなどがある。例えば、これらセンサなどが、異常検出用センサ群90〜92のいずれかに含まれるようにすればよい。異常の検出は、異常検出用センサ群90〜92以外のものを利用しても行われる場合がある(例えば、大入賞口の不正入賞異常)。なお、異常の検出は、公知の方法を適宜利用することができる。異常の詳細については後でまとめて説明する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示中演出は、例えば、遊技の進行に対応して実行され、遊技の進行を遊技者に認識させるような演出であればよい。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCが用意されている(図14参照、詳しくは後述する)。なお、スーパーリーチCでは、演出の実行中に、副画像表示装置51が第1位置に進出し、スーパーリーチCに関連した演出画像が副画像表示装置51でも表示される。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性を、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。当該可変表示演出も可変表示中演出に含まれる。この実施の形態では、当該可変表示演出は、可変表示態様をリーチ態様とする演出とは異なるものとする。この実施の形態では、「擬似連」といった可変表示演出が実行可能であり、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して、各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、例えば、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されている。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目が仮停止表示されることにより、「擬似連」の可変表示演出が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜2回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回としてもよい。
「擬似連」の可変表示演出が実行される際には、初回変動を含む複数回の変動表示(擬似連変動)に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するようにしてもよい。また、例えばスピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9といった他の発光体の点灯動作といった、任意の演出動作を行って最変動演出を実行してもよい。
なお、可変表示演出として「滑り」が行われてもよい。「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示(仮停止表示であってもよい。)させることで、停止表示(仮停止表示であってもよい。)する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されてもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであってもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。RAM102のクリアは、例えば、電源投入時に、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないクリアスイッチなどの初期化用操作手段が操作されたことなどによって行われる。この操作は、例えば、遊技店の営業時間外に行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時(停電などによる電断時)における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい(例えば、クリアスイッチが押されずに電源が投入(オン)された時にRAM101に所定のデータが記憶されるなどしている状態のとき(例えば電断のときなど))。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図3は、遊技制御用タイマ割込処理の一例のフローチャートである。CPU103は、遊技制御用タイマ割込処理において、例えば、スイッチ処理を行い(ステップS11)、メイン側エラー処理を行い(ステップS12)、情報出力処理を行い(ステップS13)、その後、遊技用乱数更新処理(ステップS14)、特別図柄プロセス処理(ステップS15)、普通図柄プロセス処理(ステップS16)、コマンド制御処理(ステップS17)といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。なお、スイッチ処理では、例えば、オン状態と判定したスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)に対応する賞球個数を示す賞球個数コマンドの送信設定も行う(当該コマンドなどについては詳しくは後述する。)。賞球個数コマンドは後述するように払出制御基板19に送信され、払出制御基板19は、このコマンドを受信すると、払出機構を制御して、このコマンドが示す賞球個数分だけ賞球を払い出す処理を実行する。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
図3は、メイン側エラー処理の一例のフローチャートである。CPU103は、メイン側エラー処理において、まず、異常判定処理を行う(ステップS21)。異常判定処理は、パチンコ遊技機1における異常の有無や異常終了の有無を判定する処理である。異常判定処理では、CPU103は、例えば、異常検出用センサ群90からの信号に基づいて異常の有無などを判定する。その他、カウントスイッチ23からの信号などに基づいても異常の有無などを判定してもよい。異常の発生条件や終了条件は、異常の種類毎に予め定められているものとする。または、これらの条件は、所定の操作部への操作によって変更可能としてもよい。
CPU103は、異常検出用センサ群90の各センサからの各信号などに基づいて、1以上の種類の異常の有無(異常が発生しているかどうか)を異常の種類毎に判定する(なお、当該判定についてはあとで詳述するが、異常の判定は適宜の方法を利用することができる)。なお、異常が有る(異常が発生している)ことを判定することで、CPU103は、その異常を検出したことになる。また、CPU103は、異常検出用センサ群90の各センサからの各信号などに基づいて、発生している異常(例えば、後述の異常フラグがオン状態になっている異常)の終了の有無を当該発生している異常の種類毎に判定する。なお、異常が終了したと判定することで、CPU103は、その異常の終了を検出したことになる。
その後、CPU103は、異常判定処理において異常が有ると判定したかを判定する(ステップS22)。異常が有ると判定した場合(ステップS22;Yes)、CPU103は、有ると判定した異常(発生している異常)の種類に対応する異常フラグをオン状態にする(ステップS23)。異常フラグは、ステップS21で有無の判定が可能な異常(検出可能な異常)の種類それぞれに対応するように、RAM102に所定領域に設けられる。異常フラグは、対応する異常が発生している間においてオン状態になり、発生していないときにオフ状態になる。なお、ステップS21で複数の異常が有ると判定した場合には、有ると判定した複数の異常それぞれに対応する異常フラグをオン状態にする。また、ステップS23でオン状態にする異常フラグが、以前の処理にて、すでにオン状態になっている場合には、そのオン状態を維持する。
CPU103は、現在オン状態となっている異常フラグに対応する内容の異常検出指定コマンドの送信設定を行う(ステップS24)。異常検出指定コマンドは、異常の検出及び異常の種類を指定するコマンドであり、異常の種類に応じた内容のコマンドになっている。詳しくは後述するが、送信設定された異常検出指定コマンドは、ステップS17のコマンド制御処理にて送信される。現在オン状態となっている異常フラグが複数ある場合には、複数の異常フラグそれぞれに対応する異常検出指定コマンドの送信設定を行う。なお、この実施の形態では、異常の発生から終了まで、ステップS24において繰り返し、異常検出指定コマンドが送信設定されることになる。
異常判定処理において異常がないと判定した場合(ステップS22;No)、又は、ステップS24のあと、CPU103は、異常判定処理において異常終了が有ると判定したかを判定する(ステップS25)。異常終了が有ると判定した場合(異常終了を検出した場合)(ステップS25;Yes)、終了したと判定した異常(異常終了を検出した異常)の種類に対応する異常フラグをオフ状態にする(ステップS26)。なお、ステップS21で複数の異常終了が有ると判定した場合には、終了が検出された複数の異常それぞれに対応する異常フラグをオフ状態にする。
CPU103は、ステップS26でオフ状態とした異常フラグに対応する内容の異常終了指定コマンドの送信設定を行う(ステップS27)。異常終了指定コマンドは、異常の終了及び終了した異常の種類を指定するコマンドであり、当該異常の種類に応じた内容のコマンドになっている。詳しくは後述するが、送信設定された異常終了指定コマンドは、ステップS17のコマンド制御処理にて送信される。オフ状態とした異常フラグが複数ある場合には、当該複数の異常フラグそれぞれに対応する異常終了指定コマンドの送信設定を行う。なお、後述のように、異常の種類によっては、異常の報知が、当該異常の終了とは関係なく所定時間だけ、又は、パチンコ遊技機1の電源がオフされるまで、継続されるものがある。このようなものについては、異常終了指定コマンドの送信設定を行わなくてもよい。
異常判定処理において異常終了がないと判定した場合(ステップS25;No)、又は、ステップS27のあと、メイン側エラー処理を終了する。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図8参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12、払出制御基板19などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理、スイッチ処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12、払出制御基板19に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。また、コマンド制御処理では、払出制御基板19から主基板11に伝送された異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドを演出制御基板12に送信する処理も実行される。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12、主基板11から払出制御基板19、払出制御基板19から主基板11に送信される主な制御コマンドについて図5を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。なお、図5の制御コマンドのうち、賞球個数コマンドは、払出制御基板19に対して伝送され、異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドは、払出制御基板19から主基板11に対して伝送されたり、主基板11から演出制御基板12に対して伝送されたりし、他の制御コマンドは、主基板11から演出制御基板12に伝送される。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図14参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。また、これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
コマンドD0XX(H)は、異常を検出したこと(異常が発生又は継続していること)を指定する演出制御コマンド(異常検出指定コマンド)である。「XX」が、発生した異常の種類を示す。コマンドD1XX(H)は、異常の終了を検出したこと(異常が終了したこと)を指定する演出制御コマンド(異常終了指定コマンド)である。「XX」が、終了した異常の種類を示す。これらコマンドは、ステップS12において、異常検出時や異常終了検出時に送信設定される。なお、異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドは、払出制御基板19から主基板11に送信され、主基板11から演出制御基板12に送信されることもある。このため、払出制御基板19で検出された異常の種類と、主基板11で検出された異常の種類と、で、「XX」が被らないように、「XX」は、払出制御基板19で検出された異常及び主基板11で検出された異常を含む各異常それぞれの種類に応じて設定される。
コマンドE0XX(H)は、賞球個数を示す制御コマンド(賞球個数コマンド)である。「XX」が、賞球個数を示す。このコマンドは、払出制御基板19に送信され、払出制御基板19は、このコマンドを受信すると、払出機構を制御して、このコマンドが示す賞球個数分だけ賞球を払い出す処理を実行する。賞球個数コマンドは、例えば、スイッチ処理(ステップS12)にて、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23などのいずれかがオン状態であると判定されたことに応じて送信設定される。複数のスイッチがオン状態である場合には、オン状態のスイッチそれぞれについて賞球個数コマンドが送信設定される。賞球個数(各入賞口に遊技球が入賞したことに応じて払い出される遊技球の数)は、各入賞口それぞれ、つまり、各スイッチそれぞれに応じて設定されている。賞球個数コマンドの送信設定では、オン状態と判定されたスイッチに対応して設定されている賞球個数を示す賞球個数コマンドが送信設定される。賞球個数コマンドは、特別図柄プロセス処理において、各スイッチがオンになっていると判定されたことに応じて送信設定されてもよい。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図6は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図7は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図8参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図9(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図9(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図9(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図9(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理にて送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。
ステップS211のあと、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図6に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図11に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図11に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグ(確変状態のとくにオンになるフラグ)がオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図11に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図6に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図11に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図11に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図6のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図13は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図14は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、「非リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA1−1、PA1−2が用意されている。「リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA2−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB2−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB2−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB2−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、大当り種別が「確変」、「非確変」のときの「大当り」の変動パターンとして、PA4−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB4−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB4−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB4−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。
図13に示すステップS262の処理では、例えば図15に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPB4−2を選択する。
図13に示すステップS263の処理では、例えば図16に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一例として、ハズレ変動パターン決定テーブルでは、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて(RAM102の処理領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、時短フラグの状態と、に基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に、時短状態であるか否かに応じて割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「220」である場合、CPU103は、時短フラグがオン状態のときには(時短状態のときには)、変動パターンPA2−1を選択し、時短フラグがオフ状態のときには(非時短状態のときには)、変動パターンPB2−1を選択する。
図16に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときの方が、特図変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
また、図145及び図16を参照すると、リーチ演出のうちスーパーリーチCが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
図13に示すステップS262、S263のいずれかの処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図14に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。変動パターンの決定は、特図変動時間の決定でもある。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図6に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図6のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。図17は、演出制御メイン処理の一例のフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理(ステップS71)を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する(ステップS72;No)。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理(ステップS74)を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(RAM122に設けられる。)に格納されている各種の制御コマンドを読み出した後に、その読み出された制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5、副画像表示装置51の表示領域における演出画像の表示動作、副画像表示装置51の移動、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理(ステップS76)が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。ステップS76のあとには、パチンコ遊技機1において異常が発生した場合などに対応して、異常の報知や報知の終了などを実行するための異常報知制御処理(ステップS77)を実行し、ステップS72の処理に進む。
図18は、各制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
また、第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、現在表示中の保留表示図柄の数を、各コマンドが指定する記憶数に応じた数に変化させるようにしてもよい。なお、保留表示図柄の数を減らすのは、後述のステップS171のときであってもよい。
図19は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図20は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(変動パターンが、PA2−1、PB2−1〜PB2−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに対応した演出制御パターン(ROM121に予め記憶されている。)を使用パターンとして設定する(ステップS530)。演出制御パターンは、変動パターンに対応して複数種類用意されており、ここでは、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに対応した演出制御パターンが選択されて設定される。
ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS536)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図21は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)がリーチ演出実行期間であることを表しているなどして、リーチ演出実行期間であると判定したときには(ステップS558;Yes)、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS559)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、駆動制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS559が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現する。
なお、リーチ演出がスーパーリーチCの場合には、駆動制御データ、表示制御データなどに基づいて、所定のタイミングから副画像表示装置51を第1位置に移動させ(例えば、表示装置駆動部52に駆動信号を供給して副画像表示装置51を移動させる。)、副画像表示装置51の表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU120は、駆動制御データ、表示制御データなどに基づいて、所定のタイミング(スーパーリーチCの終了間際のタイミングなど)から副画像表示装置51を第2位置に戻るように移動させ(例えば、表示装置駆動部52に駆動信号を供給して副画像表示装置51を移動させる。)、副画像表示装置51の表示領域における演出画像の表示を終了させる。これによって、副画像表示装置51は元に戻る。
ステップS559のあと、リーチ演出実行期間でないと判定したときには(ステップS558;No)、その他の演出動作制御を行う(ステップS560)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、他の演出(例えば、飾り図柄の可変表示動作、保留表示予告の移動表示などであってもよい。)の実行が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送することといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
図19は、異常報知制御処理の一例を示すフローチャートである。異常報知制御処理は、異常報知画像の表示や異常報知音の出力などによって、発生した異常を報知するため、及び、報知の終了条件が成立した異常の報知を終了させるための処理である。なお、異常には、その種類ごと優先順位が設定されており、異常の報知では、当該優先順位の高い異常が優先して報知されるようになっている(特に異常報知音について)。優先順位を特定するためのデータなどは、ROM121に予め記憶されているものとする。
図19に示す異常報知制御処理では、演出制御用CPU120は、異常判定処理を行う(ステップS701)。異常判定処理は、パチンコ遊技機1における異常の有無や異常終了の有無を判定する処理である。異常判定処理では、演出制御用CPU120は、例えば、異常検出用センサ群91からの信号などに基づいて異常の有無や異常終了の有無を判定する(詳しくは後述する)。異常の発生条件や終了条件は、異常の種類毎に予め定められているものとする。異常が有る(異常が発生している)と判定した場合には、異常が検出されたことになる。異常の終了が有ると判定した場合には、異常終了が検出されたことになる。なお、発生条件や終了条件は、所定の操作部への操作によって変更可能としてもよい。また、演出制御用CPU120は、主基板11から異常検出指定コマンドが送信されている場合(異常検出指定コマンド格納領域にコマンドが格納されている場合)には、当該コマンドが指定する異常が発生していると判定する。また、演出制御用CPU120は、主基板11から異常終了指定コマンドが送信されている場合(異常終了指定コマンド格納領域にコマンドが格納されている場合)には、当該コマンドが指定する異常が終了している(異常終了有り)と判定する。異常の有無の判定などについては、後で詳述する。なお、パチンコ遊技機1の電源がオフされるまで又は所定期間経過まで異常の報知が継続される異常については、異常終了の有無の判定を行わない。
演出制御用CPU120は、ステップS701のあと、新たな異常の発生があるかを判定する(ステップS702)。例えば、演出制御用CPU120は、ステップS701にて発生していると判定した異常のうちに、後述の演出側異常フラグがオフ状態になっている異常がある場合、当該異常が新たな異常であるので、新たな異常の発生があると判定する(ステップS702;Yes)。このときには、新たな異常に対応する演出側異常フラグをオン状態にする(ステップS703)。演出側異常フラグは、異常の種類それぞれに対応するように、RAM102に所定領域に設けられる。演出側異常フラグは、当該フラグに対応する異常の報知の制御が行われている間においてオン状態になり、報知の制御が行われていないときにオフ状態になる。新たな異常は、複数発生することもある。また、他の異常の報知が終了する前に新たな異常が発生することもある。これらの場合には、複数の演出側異常フラグがオン状態になる。
ステップS703のあと、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、画像表示装置5の表示領域のうちの異常表示領域に、前記新たな異常(ステップS703でオン状態にした演出側異常フラグに対応する異常)に対応する異常報知画像を表示させる制御を表示制御部123に開始させる(ステップS704)。異常報知画像は、前記新たな異常を報知する画像であり、異常の種類に応じた態様の画像である。異常表示領域は、例えば、異常の種類に応じて予め設定されている。異常表示領域は、画像表示装置5の表示領域(画像表示装置5において画像を表示可能な領域)のうちの、第1位置に位置する副画像表示装置51に重ならない(覆われない)領域内に設けられる。異常表示領域は、例えば、飾り図柄の可変表示の邪魔にならない比較的小さな領域であったり(図23など)、飾り図柄の可変表示の代わりとなる比較的大きな領域であったりする(図24など)。つまり、異常報知画像は、異常の種類に応じて、大きく表示されたり、小さく表示されたりする。なお、前記の小さな領域の位置(画像表示装置5の表示領域における位置)は、例えば、異常の種類に応じて異なる。このため、異常報知画像は、異常の種類によって異なる位置に表示される。それぞれの表示位置は、例えば、予め設定されていればよい。異常報知画像を大きく表示する場合(異常表示領域が大きい場合)には、画像表示装置5の表示領域には他の画像(他の異常報知画像も含む。)が表示されない。なお、ここでは、異常表示領域が大きい場合には、異常表示領域は固定であるが、例えば、当該異常表示領域も、異常表示領域が小さい場合と同様に、異常の種類に応じて位置が異なってもよい。
異常報知画像は、画像表示装置5に表示される演出画像(例えば、可変表示中演出の画像やデモ画像)などに重畳して表示される。例えば、異常報知画像のレイヤー(画像表示装置5の表示領域と同じ大きさのレイヤー)が、演出画像のレイヤー(画像表示装置5の表示領域と同じ大きさのレイヤー)の前面(遊技者側)に位置するように、両者は重畳して表示される。このため、演出画像の表示の制御と異常報知画像の表示の制御とが、実際に画像が表示されるかとは別に、並行して実行される。前記の小さな領域に表示される異常報知画像のレイヤーは、異常報知画像以外の部分を透明にする(異常報知画像の表示位置は異常の種類に応じて異なるので、透明部分の形状などは異常の種類に応じて異なる。)。これによって、演出画像の少なくとも一部が視認可能になる。なお、例えば、前記の小さな領域の位置は、異常の種類に応じて異なるので、レイヤーにおける異常表示領域の位置(画像表示装置5の表示領域における異常表示領域の位置)も、異常の種類に応じて異なる。前記の大きな領域に表示される異常報知画像のレイヤーは、異常報知画像以外の部分を不透明(例えば、真っ黒)にする。これによって、演出画像は視認できなくなる。
複数の演出側異常フラグがオン状態になっているときには、当該複数の異常について複数の異常報知画像を表示する制御が行われる。この場合、複数の異常報知画像全てが前記の小さな領域に表示されるものである場合には、複数の異常報知画像全てが実際に表示される(異常報知画像の表示位置が異常の種類に応じて異なり、透明部分の形状なども異常の種類に応じて異なるため)。複数の異常報知画像に前記の大きな領域に表示されるものが含まれる場合には、大きな領域に表示される異常報知画像(複数の場合には、優先順位が再上位のもの)のみが実際に表示される。例えば、異常報知画像それぞれについてレイヤー(画像表示装置5の表示領域と同じ大きさのレイヤー)を作成し、各レイヤーを異常の優先順位が上位のものほど前面に位置するように重ねて表示するようにする。これによって、異常報知画像の表示の制御は、実際に画像が表示されるかとは別に、全ての異常報知画像について並行して行われ、優先度の高い異常の報知が優先して実際に表示されやすい。このため、新たな異常の優先度によっては、ステップS704で表示の制御が開始されても、異常報知画像が実際に表示されない場合がある。この実施の形態では、異常報知画像が前記の大きな領域に表示される異常の優先順位は、異常報知画像が前記の小さな領域に表示される異常の優先順位よりも高くなっている。このため、異常報知画像が前記の小さな領域に表示されるレイヤーの方が、異常報知画像が前記の大きな領域に表示されるレイヤーよりも前面に来ることはない。但し、優先順位は任意であり、異常報知画像が前記の大きな領域に表示される異常の優先順位が、異常報知画像が前記の小さな領域に表示される異常の優先順位よりも低い場合があってもよい。この場合、異常報知画像が前記の小さな領域に表示されるレイヤーの方が、異常報知画像が前記の大きな領域に表示されるレイヤーよりも前面に来るので、大きな領域と小さな領域とに2以上の異常報知画像が表示される場合も生じる。また、後述のように、1つのレイヤーで複数の異常報知画像を順次表示していく構成を採用する場合、当該1つのレイヤーで表示される複数の異常報知画像のうち最上位の優先順位が他のレイヤーの異常の優先順位と比較されればよい。
また、演出側異常フラグがオン状態となっている複数の異常報知画像が前記の小さな領域に表示されるもののみである場合には、異常報知画像が被らずに全て表示される(異常表示領域の位置が異常の種類に応じて異なり、異常報知画像の表示位置が異常の種類によって異なる位置になるため)。なお、異常表示画像が表示されるレイヤーにおける異常表示領域(前記の小さな領域)の位置は可変としてもよい。例えば、前記の小さな領域に表示される複数の異常報知画像についてのレイヤーをまとめて1つとし、1つのレイヤーで当該複数の異常報知画像を順次表示していく構成とする。この場合、異常表示領域も1つのレイヤーに複数用意し、当該複数の異常表示領域にも優先順位を設定しておき、1つのレイヤーで表示する複数の異常報知画像のうち優先順位が最も上位の異常報知画像を優先順位の最上位の異常表示領域に表示し、次順位の異常報知画像を次順位の異常表示領域に表示し、以下、各順位の異常報知画像を、対応する順位の異常表示領域に表示していくようにしてもよい。具体的には、例えば、複数の異常表示領域を縦に並べ(上の方が、優先順位が上位とする。)、異常の優先順位が最上位の異常報知画像を、上から1番目の異常表示領域に表示し、次順位の異常報知画像を上から2番目の異常表示領域に表示し、次次順位の異常報知画像を上から3番目の異常表示領域に表示していく。なお、このような場合には、新たに表示される異常報知画像の異常の優先順位によっては、当該異常報知画像の表示開始によって、すでに表示されている異常報知画像の表示位置を移動させる。また、1つのレイヤーにおける複数の異常報知画像の表示順に従って、複数の異常表示領域(それぞれが表示順に対応しているものとする。例えば、一番上の異常表示領域は表示が最も古い異常報知画像の表示領域で、上から二番目の異常表示領域は表示が2番目に古い異常報知画像の表示領域など)に当該複数の異常報知画像を表示していってもよい(例えば、上から順に表示していく。同時の場合には優先順位に従って又はランダムなどで順序を決定する)。なお、異常報知画像の表示位置を異常の種類に応じて固定とする場合に、例えば、全ての異常報知画像を表示したときの一枚の画像(例えば、レイヤーで、異常報知画像以外の部分を透明とした画像)の画像データを用意し、この画像データを用いて異常報知画像を表示するようにしてもよい。例えば、発生した異常に対応して実際に表示する異常報知画像以外の異常報知画像を前記画像データの画像上で透明とするなどすることによって、表示すべき異常報知画像のみを表示するようにしてもよい。
なお、異常報知画像の表示の制御は、報知の終了タイミングまで継続される。例えば、演出制御用CPU120からの終了指令があるまで、表示制御部123が異常報知画像の表示を継続させる制御を行う。また、演出制御用CPU120が当該異常報知制御処理を実行するごとに表示制御部123への表示制御指令を行うことで、異常報知画像の表示を継続させてもよい。
ステップS704のあと、オン状態の演出側異常フラグに対応する異常のうち、新たな異常の優先順位が最も高いか(新たな異常が複数ある場合には、優先順位が最も高い異常が複数の新たな異常に含まれるか)を判定する(ステップS705)。なお、オン状態の演出側異常フラグが1つで、当該1つのフラグが新たな異常に対応するものである場合には、当該新たな異常の優先順位が最も高いことになる。
新たな異常の優先順位が最も高い場合(ステップS705;Yes)、当該優先順位が最も高い異常に対応する異常報知音を出力させることを開始する動作制御を行う(ステップS706)。ステップS706では、演出制御用CPU120は、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから異常報知音を出力させる制御を音声制御基板13に開始させる。なお、この制御を行うときには、演出制御用CPU120又は音声制御基板13は、演出音(可変表示中演出やデモ画面表示などに応じた出力される音声や効果音など)のボリュームを0にする制御を行う。これによって、演出音の音声出力はなされないが、制御的には、演出音の再生が継続されることになる(つまり、演出音を出力するための制御自体は継続する)。なお、当該動作制御前において、異常報知音が出力されていた場合、当該出力されていた異常報知音についての動作制御を終了させる。なお、異常が複数の場合に各異常についても異常報知音を再生する動作制御を行うが優先順位が最上位でない異常についての異常報知音のボリュームを0にして実際の音声出力をさせないようにしてもよい。なお、異常報知音の出力は、出力終了タイミングまで継続される。例えば、演出制御用CPU120からの終了指令があるまで、音声制御基板13が異常報知音の再生出力を継続させる。また、演出制御用CPU120が当該異常報知制御処理を実行するごとに音声制御基板13への指令を行うことで、異常報知音の出力を継続させてもよい。
なお、異常報知画像の表示や異常報知音の出力などの異常の報知は、異常が終了したか否かに関わらず所定期間だけ行われる場合がある。但し、異常報知音については、優先順位の高い他の異常が途中で発生した場合には、当該異常報知音の出力が終了する場合がある。このような異常は予め設定されていればよい。また、前記の所定期間は、異常の種類に応じて異なってもよい。演出制御用CPU120は、前記の新たな異常が、前記所定期間だけ報知される異常である場合に、当該異常に対応する所定期間に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた所定のタイマ(異常毎に対応して設けられるものとする。)に設定する。このような設定は、例えば、ステップS704で行う。
ステップS706のあと、新たな異常の優先順位が最上位でない場合(ステップS705;No)、新たな異常発生が無い場合(ステップS702;No)、報知を終了する異常が有るかを判定する(ステップS707)。
報知の終了タイミングは、例えば、当該報知が、異常が終了したか否かに関わらず所定期間だけ行われるものである場合には、当該所定期間の経過時である。また、それ以外の異常の場合には、例えば、異常判定処理にて異常終了と判定されたときである。演出制御用CPU120は、ステップS707において、上記所定のタイマのタイマ値(0でないタイマ値)を1減じ、減じたあとのタイマ値が0である場合には、当該所定のタイマに対応する異常の報知が終了タイミングであると判定し、これによって、報知を終了する異常が有ると判定する(ステップS707;Yes)。また、演出制御用CPU120は、対応するタイマがなく、かつ、演出側異常フラグがオン状態になっている異常について、ステップS701の異常判定処理にて異常終了と判定されたときには、当該異常の報知が終了タイミングであると判定し、これによって、報知を終了する異常が有ると判定する(ステップS707;Yes)。これらの場合(ステップS707;Yes)には、報知を終了する異常の種類に対応する演出側異常フラグをオフ状態とする(ステップS708)。その後、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、当該報知を終了する演出に対応する異常報知画像の表示を終了させて、当該異常報知画像が表示されないようにする(ステップS709)。例えば、レイヤーを削除することによって、当該異常報知画像が表示されないようにする。上述のように、1つのレイヤーに異常報知画像を表示していく場合であって、各優先順位の異常報知画像を、対応する優先順位の異常表示領域に表示していく場合や、異常報知画像の表示順に従って、複数の異常表示領域に異常報知画像を表示していく場合、ステップS709で異常報知画像が減るので、ステップS709では、異常報知画像の表示位置(異常表示領域のいずれか)をこれらの規則に従って表示しなおすように制御するとよい。報知を終了する異常が複数ある場合、ステップS708やS709では、複数のフラグがオフされたり、複数の異常報知画像の表示が終了したりする。
ステップS709のあと、報知を終了する異常の異常報知音が現在実際に出力されているかを判定し(ステップS710)、出力されている場合に、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから異常報知音を出力させることを終了させる(ステップS711)。なお、このとき、オン状態の演出側異常フラグがまだ有るかを判定し、オン状態の演出側異常フラグが有る場合には、その演出側異常フラグに対応する異常のうち優先順位が最も高い異常(オン状態になっている演出側異常フラグが1つの場合には当該フラグに対応する異常)に対応する異常報知音を出力させることを開始する動作制御を行う。例えば、演出制御用CPU120は、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから当該異常報知音を出力させることを開始させる。なお、上述のように、優先順位が最上位の異常についての異常報知音以外の異常報知音のボリュームを0にして実際の音声出力をさせない制御を行っている場合には、今回実際の出力を開始させる異常報知音のボリュームを上げる制御を行ってもよい。
ステップS711のあと、報知を終了する異常の異常報知音が現在実際に再生出力されていない場合(ステップS710;No)、報知を終了する異常がない場合(ステップS707;No)、異常報知制御処理は終了する。なお、異常の種類によっては、異常の報知において、異常報知画像の表示と異常報知音の出力とのいずれかが行われなくてもよい。この場合には、ステップS704〜S706、ステップS709〜S711の処理のいずれかが適宜省略されればよい。
上記一連の処理によって、異常が発生したときには、当該異常を報知する異常報知画像が異常表示領域に表示されることになる。また、異常を報知する異常報知音も再生出力されることになる。さらに、複数の異常が発生した場合には、画像については当該複数の異常それぞれについて異常報知画像が表示される場合がある。報知音については、優先順位が最上位の異常報知音のみ実際に再生出力される。また、異常の報知中であっても、可変表示演出などの実行はそのまま継続される(但し、演出音は実施に出力されない。また、画像も実際に表示されない場合がある。)。なお、この実施の形態では、異常の発生から終了まで、異常検出指定コマンド(払出制御基板19から主基板11に伝送され主基板11が演出制御基板12に伝送する異常検出指定コマンドを含む。)が主基板11から送信されることになる。このため、所定期間が経過して異常の報知が終了しても、実際に異常が終了していない場合には、再度、ステップS21以下の処理によって、異常の報知が開始されるようになっている。また、パチンコ遊技機1の電源がオフされるまで異常の報知が継続される異常については、異常終了の有無の判定を行わないので、当該異常の報知は電源がオフされるまで継続する。
次に、この実施の形態における演出画像などの一例を、図面を参照して説明する。なお、図中、画像表示装置5の表示領域内の太線矢印は、飾り図柄が可変表示されている様子を示す。
図23は、異常として、異常1及び異常2が発生したときの演出画像等を示す図である。例えば、飾り図柄の可変表示中に(図23(A)、出力される音は演出音)、異常1が発生すると、異常1が発生したことを報知する異常報知画像(「異常1発生」)を異常表示領域に表示する(図23(B)、出力される音は異常1の異常報知音)。その後、リーチが成立し、スーパーリーチCの演出が実行されると、副画像表示装置51が第1位置に移動し、副画像表示装置51に演出画像(「スーパーリーチC!!」)が表示される(図23(C)、出力される音は異常1の異常報知音)。その後、異常2が発生すると、異常2が発生したことを報知する異常報知画像(「異常2発生」)を異常表示領域に表示する(図23(D))。なお、これ以降、出力される音は異常2の異常報知音に代わる。異常1よりも異常2の方が、優先順位が上位のためである。その後、例えば、所定期間が経過すると、異常2の報知が終了し、異常2が発生したことを報知する異常報知画像が消去される(図23(E)、出力される音は異常1の異常報知音に戻る。)。その後、スーパーリーチCが実行された可変表示が終了して、次の可変表示(次変動)が実行される(図23(F)、出力される音は異常1の異常報知音)。このとき、スーパーリーチCが終了しているので、副画像表示装置51は第2位置に移動している。なお、このあと、異常2の報知が終了し、異常2が発生したことを報知する異常報知画像が消去される。
図24は、異常として、異常5が発生したときの演出画像等を示す図である。異常5では、画像表示装置5の表示領域では演出画像が表示されず、当該表示領域ではブラックアウトが行われ、異常5の異常報知画像が表示される。このように、異常の種類に応じて、異常報知の態様を変えてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示中に(図24(A)、出力される音は演出音)、スーパーリーチCの実行とともに異常5が発生すると、異常5が発生したことを報知する異常報知画像(「異常5発生」)を異常表示領域に表示する(図24(B)、出力される音は異常5の異常報知音)。このとき、異常報知画像は、異常1などの発生時よりも大きく表示され、可変表示中演出の画像などは表示されず、背景などは暗くなる。但し、可変表示中演出などの実行は、画像などが実際に表示されないだけで、制御的には継続されている。その後、例えば、所定期間が経過すると、異常5の報知が終了し、異常5が発生したことを報知する異常報知画像が消去され、画像表示装置5の表示領域に表示される画像は、可変表示中演出の画像などに戻される(図24(C)、出力される音も演出音に戻る。)。
図23や図24のように、異常報知画像を表示する異常表示領域は、重り領域以外の領域に設けられる。この重り領域とは、画像表示装置5の表示領域のうち、副画像表示装置51と重なる領域であり、具体的には、第1位置に位置する副画像表示装置51によって覆われる領域と、第1位置と第2位置との間を移動する副画像表示装置51によって覆われる領域(副画像表示装置51の経路となる経路領域)と、によって構成される。すなわち、異常報知画像は、これら領域以外の領域において表示されることになる。このため、異常報知画像は、第1位置に位置する副画像表示装置51や第1位置と第2位置との間を移動する副画像表示装置51によって隠れないため、遊技者は異常報知画像を視認しやすい。さらに、異常報知画像を表示する異常表示領域を保持部材53によっても覆われない領域とすることで、異常報知画像が保持部材53によっても隠れないため、遊技者は異常報知画像を視認しやすい。また、この実施の形態では、上述の処理で分かるように、ステップS172とステップS77とが別個に行われるため、副画像表示装置51が第1位置と第2位置との間を移動している間に異常が発生して異常報知画像を表示する場合であっても、当該副画像表示装置51の移動は中断されない。これによって、副画像表示装置51の移動の制御を単純化できる。また、異常の報知が行われているとき、可変表示中演出(遊技の進行に対応した演出であり、特に、飾り図柄の可変表示)は中断されないので、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示(異常報知画像の無い表示)などに復帰できる。さらに、異常表示領域を飾り図柄が可変表示される領域以外の領域とすることで(図23)、飾り図柄を視認可能に異常報知画像が表示されるので、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示などに復帰できる。また、異常報知画像を半透明としてもよく、このようにすれば、可変表示中演出の画像全体を視認可能になり、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示などに復帰できる。また、上記構成では、複数の異常が同時期に発生した場合、複数の異常について、互いに識別可能に異常報知画像を表示し、さらに、異常報知画像は、可変表示中演出の飾り図柄とは異なる位置に表示されるので、可変表示中演出の画像の重要な部分を視認可能になり、複数種類(ここでは2種類)の異常が同時期に発生した場合であっても、当該複数種類の異常を個々に認識させやすく、かつ、遊技の進行も把握させやすい。さらに、異常報知画像を半透明とすることによって、可変表示中演出の画像全体を視認可能になり、遊技の進行を把握させやすい。また、複数の異常が発生したときには、優先順位の上位の異常報知音のみが出力されるので、異常報知音を聞き取りやすい。さらに、異常報知音の出力時には、演出音も出力させないので、異常報知音を聞き取りやすい。異常報知画像は、少なくとも副画像表示装置51が第1位置に位置するときに覆われない領域に表示することで、第1位置に位置する副画像表示装置51が存在しても異常報知画像を視認させやすくすることが出来る。
次に図25を参照して、演出音と、異常1報知音と、異常2報知音と、の関係を説明する。異常1報知音は、異常1が発生したときの異常報知音である。異常2報知音は、異常2が発生したときの異常報知音である。また、異常1よりも異常2の方が優先度が高い(報知の優先順位が上位)であるとする。
図25(A):異常1報知音の報知期間よりも異常2報知音の報知期間の方が短い場合であって、異常1と異常2が同時に発生した場合には、まず、優先度の高い異常2報知音が出力される。その後、異常2の報知終了に伴って、異常2報知音の再生制御は終了し、異常1報知音が出力される。異常1報知音の出力期間と異常2報知音の出力期間とでは、演出音の出力が停止されている(例えば、ボリュームが0になっている)。
図25(B):異常1報知音の報知期間よりも異常2報知音の報知期間の方が短い場合であって、異常1の発生後に異常2が発生した場合には、まず、異常1報知音が出力されるが、異常2の発生によって優先度の高い異常2報知音が出力される。その後、異常2の報知終了に伴って、異常2報知音の再生制御は終了し、異常1報知音が出力される。異常1報知音の出力期間と異常2報知音の出力期間とでは、演出音の出力が停止されている(例えば、ボリュームが0になっている)。
図25(C):異常1の発生後に異常2が発生した場合であって、図25(B)のときよりも異常2の発生タイミングが遅い場合には、まず、異常1報知音が出力されるが、異常2の発生によって優先度の高い異常2報知音が出力される。その後、異常2の報知終了タイミングが到来するが、このときには、異常1の報知の終了タイミングも過ぎているので、演出音が出力される。異常1報知音の出力期間と異常2報知音の出力期間とでは、演出音の出力が停止されている(例えば、ボリュームが0になっている)。
図25(D):異常1報知音の報知期間と異常2報知音の報知期間とが同じ場合であって、異常1と異常2が同時に発生した場合には、優先度の高い異常2報知音のみが出力される。その後、異常2の報知終了に伴って、異常1の報知も終了するので、演出音が出力される。異常1報知音の出力期間と異常2報知音の出力期間とでは、演出音の出力が停止されている(例えば、ボリュームが0になっている)。
図25(E):異常1と異常2が同時に発生した場合には、優先度の高い異常2報知音を最初に出力して、そのあとに異常1報知音を出力するようにしてもよい。この場合には、各報知音の出力期間を、本来の出力期間(単独で発生したときの異常の報知期間)よりも短くすることで、両報知音を出力可能とするとよい。異常1報知音の出力期間と異常2報知音の出力期間とでは、演出音の出力が停止されている(例えば、ボリュームが0になっている)。
次に、異常の種類や発生した異常の報知について図26を参照して説明する。図26は、一般的なパチンコ遊技機などで発生し得る異常報知などの一覧である。図26中、「名称」は、発生した異常についての報知の名称である。「発生条件」は、異常の報知の発生条件であり、異常が発生したと判定できる条件などでもある。「終了条件」は、異常の報知を終了させるための条件である。「表示」は、異常報知画像の内容である。「報知音」とは、異常報知音の種類などである。「優先順位」は、上記異常の種類に応じた優先順位(例えば、異常報知音の出力の優先順位)である。なお、上述のように、異常報知画像が表示される異常表示領域は、例えば、飾り図柄の可変表示の邪魔にならない比較的小さな領域であったり(図23など)、飾り図柄の可変表示の代わりとなる比較的大きな領域であったりする(図24など)。以下では、前記小さな領域を第1異常表示領域といい、前記大きな領域を第2異常表示領域という。
振動モータ異常エラーとは、振動モータの異常を検出したとき(振動モータの異常の発生時)に行われる異常の報知である。例えば、パチンコ遊技機1がジョイスティックなどのコントローラを有する場合に、当該コントローラに振動モータが搭載される。これによって、当該コントローラの操作者(遊技者)に、振動モータが発生させる振動を感じさせることができる。振動モータ異常エラーは、このような振動モータに発生した異常の報知である。例えば、異常検出用センサ群91の1つとして、当該振動モータの異常を検出するための検出回路(センサであってもよい。)を設ける。演出制御用CPU120は、ステップS701の異常判定処理において、当該検出回路からの信号に基づいて、当該信号が振動モータの異常を示すものであるかを判定することで、振動モータの異常の有無を判定する。例えば、当該検出回路を振動モータと接続される配線上に設けられた電流検出回路(電流を検出する回路)又は電圧検出回路(電圧を検出する回路)とし、当該検出回路の計測値に基づいて異常が発生したと判定する(振動モータの異常を検出する)。例えば、異常として、振動モータの配線の断線や短絡などがある。なお、タイマ割り込みの発生ごとに実行されるステップS701において、所定期間以上、前記計測値が振動モータの異常を示す計測値となった場合に、当該異常が発生したと判定するようにしてもよい。振動モータの異常が検出された場合、ステップS77にて、当該振動モータの異常を報知する処理が行われ、振動モータ異常エラーの報知が行われる。
振動モータ異常エラーの終了条件(報知の終了条件)は、パチンコ遊技機1の電源を一端切ることである。つまり、この異常報知は、パチンコ遊技機1の電源がオフにならないと終了しない。振動モータ異常エラーでは、異常報知画像として、例えば、「遊技機故障エラー 電源をお切り下さい」の画像が第2異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図24のように、可変表示中演出の演出画像などは表示されず、異常報知画像以外の部分は真っ黒に表示される。また、振動モータ異常エラーでは、異常報知音として、例えば、「エラー音1」(例えば、サイレンのような音など)が再生出力される。振動モータ異常エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにするが(例えば、画像表示装置5の表示領域において、異常報知画像を表示する上層のレイヤーに隠れた下層のレイヤー上で可変表示中演出の画像を表示する。また、演出音のボリュームは0にするなど)、この異常報知は電源がオフにならないと終了しないので、可変表示中演出などは中断してもよい。なお、図26中、エラー音1〜4はそれぞれ異なるエラー音になる。
なお、当該異常の場合、電源のオフが報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。なお、電源がオフされ、再度オンになったときに、振動モータの異常が継続している場合には、ステップS701の異常判定処理にて、再度異常と判定されるので、振動モータ異常エラーが再度実行されることになる。
振動モータの異常は、遊技の進行に大きな影響(例えば、遊技者がコントローラを操作できないなど)を与える場合がある。このため、振動モータ異常エラーの優先順位はここでは最上位になっている。なお、振動モータ異常は、コントローラ以外の他の部材であって、振動モータを有するものにも適用できる。例えば、主基板11によって制御される、振動モータを有する部材を採用する場合、例えば、主基板11で振動モータの異常を検出するなどしてもよい。また、払出制御基板19によって制御される、振動モータを有する部材を採用する場合、例えば、払出制御基板19で振動モータの異常を検出するなどしてもよい。また、主基板11によって制御される、振動モータを有する部材を採用する場合や、払出制御基板19によって制御される、振動モータを有する部材を採用する場合であっても、演出制御基板12で異常を検出するなどしてもよい。
賞球異常エラーとは、例えば、払出異常となる賞球の個数が所定の閾値(ここでは、2000個)以上になったとき(賞球異常の発生時)に行われる賞球異常の報知である。例えば、異常検出用センサ群93の1つのセンサとして、払出機構によって払い出される賞球を検出する払出確認用スイッチを設け、このスイッチを利用して払出異常を検出する。払出確認用スイッチは、払い出される遊技媒体が通過する排出路などに設けられる。払出確認用スイッチは、第1始動口スイッチ22Aなどと同様に排出路を通過する遊技媒体を検出可能な近接スイッチなどから構成されればよい。また、払出制御基板19のRAMなどにカウンタを設ける。払出制御基板19は、払出機構を制御して払い出そうとする賞球の数と、払出確認用スイッチで検出する賞球の数(実際に払い出される賞球の数)と、に差(大きい方から小さい方を減じた差)があるとき(払出異常の発生)、その差の数だけ、前記カウンタのカウント値を増加させる。そして、払出制御基板19は、このカウント値が、2000に到達したときに、賞球異常があるしたと判定する(これによって、不正や払出機構の異常の可能性を検出することができる。)。つまり、この判定によって賞球異常の発生が検出される。このようにして、払出制御基板19は、払出確認用スイッチから受信した信号に基づいて賞球異常の有無を検出する。賞球異常があるしたと判定した場合、払出制御基板19は、賞球異常が発生した旨の異常検出指定コマンドの主基板11への送信設定を行い、当該コマンドを送信する。送信されたコマンドは、主基板11から払出制御基板19に送信される。
なお、賞球異常エラーは、払出異常となる賞球の個数として、過剰に払い出された賞球の個数又は払い出されるはずが実際には払い出されなかった賞球の個数が所定の閾値以上になったときに行われる賞球異常の報知であってもよい。過剰に払い出された賞球の個数を対象とする場合、払出制御基板19は、払出機構を制御して払い出そうとする賞球の数だけ、前記のカウンタのカウント値を減じ(カウント値はマイナスにもなりうる)、払出確認用スイッチで検出した賞球の数だけ、前記のカウンタのカウント値を増やし、前記カウンタのカウント値が所定の閾値を超えたときに、賞球異常が発生したと判定してもよい(この場合には、不正の可能性がある)。また、払い出されるはずが実際には払い出されなかった賞球の個数を対象とする場合、払出制御基板19は、払出機構を制御して払い出そうとする賞球の数だけ、前記のカウンタのカウント値を増やし、払出確認用スイッチで検出した賞球の数だけ、前記のカウンタのカウント値を減じ、前記カウンタのカウント値が所定の閾値を超えたときに、賞球異常が発生したと判定してもよい(この場合には払出機構の異常の可能性がある。)。
当該異常検出指定コマンドが演出制御基板12に伝送されると、ステップS77にて、賞球異常を報知する処理が行われ、賞球異常エラーの報知が行われる。また、払出制御基板19での2000個のカウントは、電源オン時から行われる。2000個のカウントは、大当り遊技状態が終了するごとなど、所定のタイミングごとに一端リセットするようにしてもよい(つまり、カウンタのカウント値をリセットしてもよい)。賞球異常を報知する処理(異常検出指定コマンドの送信)のあとにも、2000個のカウントをリセットするようにするとよい。
賞球異常エラーの終了条件(報知の終了条件)は、パチンコ遊技機1の電源を一端切ることである。つまり、この異常報知は、パチンコ遊技機1の電源がオフにならないと終了しない。賞球異常エラーでは、異常報知画像として、例えば、「賞球異常エラー 電源をお切り下さい」の画像が第2異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図24のように、可変表示中演出の演出画像などは表示されず、異常報知画像以外の部分は真っ黒に表示される。また、賞球異常エラーでは、異常報知音として、例えば、「エラー音2」が再生出力される。賞球異常エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにするが(例えば、画像表示装置5の表示領域において、異常報知画像を表示する上層のレイヤーに隠れた下層のレイヤー上で可変表示中演出の画像を表示する、演出音のボリュームは0にするなど)、この異常報知は電源がオフにならないと終了しないので、可変表示中演出などは中断してもよい。
なお、当該異常の場合、電源のオフが報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
賞球異常エラーは、遊技の進行に大きな影響を与える場合がある。このため、賞球異常エラーの優先順位はここでは第2位になっている。
電波エラーとは、電波異常(所定の電波がパチンコ遊技機1に到達する異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23などに電波をあてることで、これらスイッチのオン/オフを切り替えるなどし、入賞を不正に発生させ賞球を得る不正行為がある。電波エラーによって、このような行為を報知することで、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群90の1つのセンサとして、所定の電波(所定波長帯域の電波など)を検出するための電波検出センサを設ける。CPU103は、ステップS21の異常判定処理において、当該電波検出センサからの信号が前記所定の電波の受信を示しているかを判定することで、電波異常の有無を判定する(所定の電波の受信を示す→電波異常有り)。なお、タイマ割り込みの発生ごとに実行されるステップS21において、所定期間にわたって、当該電波検出センサからの信号が前記所定の電波の受信を示している場合に、異常が発生したと判定するようにしてもよい。電波異常が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、電波異常を報知する処理が行われ、電波エラーの報知が行われる。
電波エラーの終了条件(報知の終了条件)は、パチンコ遊技機1の電源を一端切ることである。つまり、この異常報知は、パチンコ遊技機1の電源がオフにならないと終了しない。電波エラーでは、異常報知画像として、例えば、「電波エラー 電源をお切り下さい」の画像が第2異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図24のように、可変表示中演出の演出画像などは表示されず、異常報知画像以外の部分は真っ黒に表示される。また、電波エラーでは、異常報知音として、例えば、「エラー音1」が再生出力される。電波エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにするが(例えば、画像表示装置5の表示領域において、異常報知画像を表示する上層のレイヤーに隠れた下層のレイヤー上で可変表示中演出の画像を表示する。また、演出音のボリュームは0にするなど)、この異常報知は電源がオフにならないと終了しないので、可変表示中演出や特図ゲームなどは一端中断してもよい。これによって、電源が再度オンになったとき(再起動させたとき)には、RAM102にバックアップされているデータを用いて、当該異常の発生時から特図ゲームなどを再開できる(なお、可変表示中演出などは復旧できない場合がある)。
なお、CPU103は、ステップS21の異常判定処理において、当該センサからの信号が前記所定の電波を示すものでなくなったかを判定することで、電波異常終了の有無(所定の電波を示さない→電波異常終了有り)を判定する。なお、当該異常の場合、電源のオフが報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
電波異常は、遊技の進行に大きな影響を与える場合がある。このため、電波エラーの優先順位はここでは第3位になっている。
磁気センサ感知とは、磁気異常(磁石がパチンコ遊技機1の近傍にあるという異常、この場合、不正行為がある可能性がある。)を検出したときに行われる異常の報知である。磁石によって遊技媒体を移動させ、入賞口に入賞させたり、遊技媒体を入賞口に誘導するため所定領域を遊技媒体で詰まらせたりする不正行為がある。磁気センサ感知によって、このような行為を報知することで、このような行為が行われることを未然に防止する。例えば、異常検出用センサ群90の1つのセンサとして、磁気を検出するための磁気センサを設ける。CPU103は、ステップS21の異常判定処理において、当該磁気センサからの信号が所定の閾値以上の磁力を示すものであるかを判定することで、磁気異常の有無を判定する(磁力を示す→磁気異常有り)。なお、タイマ割り込みの発生ごとに実行されるステップS21において、所定期間にわたって、当該磁気センサからの信号が所定の閾値以上の磁力を示す場合に、異常が発生したと判定するようにしてもよい。磁気異常が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、磁気異常を報知する処理が行われ、磁気センサ感知の報知が行われる。
磁気センサ感知の終了条件(報知の終了条件)は、報知期間5分の経過時である。つまり、磁気異常が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該5分に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(磁気異常に対応するタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。磁気センサ感知では、異常報知画像として、例えば、「磁気エラー」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、磁気センサ感知では、異常報知音として、例えば、「エラー音1」が再生出力される。磁気センサ感知の実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする(演出音についてはボリュームを0にするなど)。
なお、CPU103は、ステップS21の異常判定処理において、当該センサからの信号が、前記所定の閾値以上の磁力を示すものでなくなったかを判定することで、磁気異常終了の有無(磁力を示すものでない→磁気異常終了有り)を判定してもよい。なお、当該異常の場合、所定期間経過が報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
磁気異常は、遊技の進行に大きな影響を与える場合がある。このため、磁気センサ感知の優先順位はここでは第4位になっている。
SW異常エラーとは、入賞検出用スイッチが検出した遊技媒体の数と、入賞確認用スイッチが検出した遊技媒体の数と、の差が大きくなったとき(SW異常の発生時)に行われるSW異常の報知である。入賞検出用スイッチは、上記の実施の形態では、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23など、遊技球の各種入賞口への入賞を検出するセンサである。一方、入賞確認用スイッチは、異常検出用センサ群90のうちの1以上のセンサとして、例えば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、又は、大入賞口などの各種入賞口に入賞した遊技球が排出される排出路に設けられる(図27参照)。入賞確認用スイッチは、入賞検出用スイッチと同様に通過する遊技媒体を検出可能な近接スイッチなどから構成されればよい。なお、排出路は、各入賞口に対応して設けられるが、途中で複数の排出路が合流するようにしてもよい。入賞確認用スイッチは、合流した排出路に設けられてもよいし、各入賞口に対応する各排出路それぞれに複数設けられてもよい。ここでは、各入賞口に対応する排出路は、途中で1つの排出路に合流するものとして説明する。そして、合流した1つの排出路に1つの入賞確認用スイッチが設けられているものとして説明する。
各入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、又は、大入賞口など)に入賞した遊技媒体は、各入賞口から排出路を経て、所定箇所に排出される。このような経路で移動する遊技媒体は、最初、各入賞検出用スイッチにより検出され(この時点で賞球の払出はなされる。)、そのあとに、入賞確認用スイッチによって検出される。このため、通常は、各入賞検出用スイッチによって検出される遊技媒体の数の合計(以下、入賞検出数という。)と、入賞確認用スイッチによって検出される遊技媒体の数(複数の入賞確認用スイッチを用いる場合は各入賞確認用スイッチによって検出される遊技媒体の数の合計)(以下、入賞確認数という。)と、は同じ数になるはずである。SW異常エラーは、入賞検出数と入賞確認数との差が大きくなった場合に、SW異常が発生したとして、実行される。例えば、入賞検出数と入賞確認数との差(入賞検出数−入賞確認数)が、+40以上になったときに、SW異常が発生したと判定する。この場合、遊技球を糸で吊って何回も入賞させる不正が行われた可能性がある。また、入賞検出数と入賞確認数との差(入賞検出数−入賞確認数)が、−10以下になったときに、SW異常が発生したと判定する。この場合、排出路内で弾んだ遊技球が入賞確認用スイッチのみで検出された可能性がある。なお、+40は、例えば、排出路に遊技球がつまったとしても、入賞検出数と入賞確認数との差がその数には到達しない数として設定されている。
当該異常の検出方法について説明すると、例えば、RAM102の所定領域に、入賞検出数と入賞確認数との差をカウントするためのカウンタを設ける。CPU103は、例えば、スイッチ処理にてスイッチ回路110を介して入賞確認用スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、入賞確認用スイッチがオン状態であるか否か(つまり、排出路の所定箇所を遊技球が通過したか否か)を判定する。CPU103は、例えば、スイッチ処理にて入賞検出用スイッチがオン状態であると判定した場合、ステップS21の異常判定処理にて前記カウンタのカウント値を1増加させる。CPU103は、スイッチ処理にて入賞確認用スイッチがオン状態であると判定した場合、ステップS21の異常判定処理にて前記カウンタのカウント値を1減じる。CPU103は、ステップS21の異常判定処理において、前記カウント値が+40又は−10に達した場合に、SW異常が発生したと判定する(これによってSW異常が検出されたことになる)。SW異常が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、SW異常を報知する処理が行われ、SW異常エラーの報知が行われる。入賞検出数と入賞確認数との差のカウントは、電源オン時から行われる。入賞検出数と入賞確認数との差のカウントは、大当り遊技状態が終了するごとなど、所定のタイミングごとに一端リセットするようにしてもよい(つまり、カウンタのカウント値をリセットしてもよい)。また、異常検出指定コマンドの送信のあとにも、入賞検出数と入賞確認数との差のカウントをリセットするようにするとよい。これによって、次のステップS21において当該異常終了が検出され、異常フラグがオフになる。
SW異常エラーの終了条件(報知の終了条件)は、報知期間5分の経過時である。つまり、SW異常が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該5分に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(SW異常に対応するタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。SW異常エラーでは、異常報知画像として、例えば、「エラー1」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、SW異常エラーでは、異常報知音として、例えば、「エラー音1」が再生出力される。SW異常エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする(演出音についてはボリュームを0にするなど)。
なお、当該異常の場合、所定期間経過が報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
SW異常エラーの優先順位はここでは第5位になっている。
大入賞口入出球不一致エラーは、例えば、図29に示すような特別可変入賞球装置が設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。特別可変入賞球装置は、大入賞扉を備え、また、特別可変入賞球装置には、大入賞口、排出領域、確変領域などが設けられている。大入賞扉は、大入賞口を開放状態と閉鎖状態とのいずれかに変化させることが可能となるように移動する(開放や閉鎖は、上記ラウンド遊技と同様の制御によって行えばよい)。大当り遊技状態などにおいて大入賞口が開放状態となったとき(例えば、上記ラウンド遊技において開放状態になる。)には、遊技媒体が大入賞口に進入可能となり、大入賞口が閉鎖状態となったときには、遊技媒体が大入賞口に進入不可能となる。大入賞口に進入した遊技媒体は、特別可変入賞球装置内に入り込み、確変領域又は排出領域のいずれかに進入して、所定の排出路を介して排出される。大入賞口には、大入賞口に進入した遊技媒体を検出するカウントスイッチ(図2のカウントスイッチ23と同様のスイッチ)が設けられる。確変領域及び排出領域それぞれには、これら領域に進入した遊技媒体を検出する第1又は第2検出スイッチ(図2のカウントスイッチ23などと同様のスイッチであればよい)が設けられる。大当り遊技状態などにおいて大入賞口が開放状態になり、大入賞口に遊技媒体が進入すると、当該遊技媒体はカウントスイッチによって検出される。この検出によって、所定個数の賞球の払出が行われる。また、その後に遊技媒体が排出領域に進入すると、進入した遊技媒体が第1検出スイッチによって検出される。この場合には、検出されるのみである。また、大入賞口に進入したあと遊技媒体が確変領域に進入すると、進入した遊技媒体が第2検出スイッチによって検出される。この場合には、大当り遊技状態終了後に遊技状態が確変状態になる。
このような特別可変入賞球装置を用いる場合には、大入賞口から特別可変入賞球装置内に進入した遊技媒体が確変領域や排出領域から排出されるため、カウントスイッチによって検出される遊技媒体の数と、第1検出スイッチ及び第2検出スイッチによって検出される遊技媒体の合計数と、は同じになるはずである。この数が不一致になった場合、ここでは、カウントスイッチによって検出される遊技媒体の数の方が前記の合計数よりも大きい場合、大入賞口入出球の不一致異常が生じたことになる。大入賞口入出球不一致エラーは、当該異常についての報知である。
当該異常の検出について簡単に説明すると、例えば、カウントスイッチ、第1検出スイッチ、及び、第2検出スイッチからの信号は、主基板11に供給される。また、CPU103は、スイッチ処理にて、カウントスイッチ、第1検出スイッチ、第2検出スイッチそれぞれについて、オン状態・オフ状態を判定する。RAM102には、第1カウンタ及び第2カウンタを設ける。これらカウンタのカウント値は、ラウンド遊技終了時又は開始時にリセットされる。CPU103は、例えば、スイッチ処理によりカウントスイッチがオン状態であると判定した場合には、第1カウンタのカウント値を1増やす。CPU103は、例えば、スイッチ処理により第1検出スイッチ又は第2検出スイッチがオン状態であると判定した場合には、第2カウンタのカウント値を1増やす。これら処理は、スイッチ処理又はステップS21の異常判定処理にて行えばよい。CPU103は、ラウンド遊技終了時において大入賞口を閉鎖した直後のステップS21の異常判定処理にて、第1カウンタのカウント値と第2カウンタのカウント値とを比べて第1カウンタのカウント値の方が多い場合に、大入賞口入出球の不一致異常が発生したと判定する。これによって、大入賞口入出球の不一致異常(大入賞口の閉鎖時において特別可変入賞球装置内に遊技媒体が残っている異常)が検出されたことになる。大入賞口入出球の不一致異常が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、大入賞口入出球の不一致異常を報知する処理が行われ、大入賞口入出球不一致エラーの報知が行われる。
大入賞口入出球不一致エラーの終了条件(報知の終了条件)は、次変動の開始、エンディングの開始、大入賞口の開放などである。例えば、CPU103は、ステップS21の異常判定処理において、次変動の開始、エンディングの開始、大入賞口の開放などがあるか判定し(異常終了の判定)、あった場合には異常終了があると判定する。この場合には、異常終了指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS701の異常判定処理にて異常終了が判定され、大入賞口入出球不一致エラーが終了する(このとき、第1カウンタのカウント値と第2カウンタのカウント値はリセットされる)。大入賞口入出球不一致エラーでは、異常報知画像として、例えば、「大入賞口入出球不一致エラー」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、大入賞口入出球不一致エラーでは、異常報知音として、例えば、「エラー音3」が再生出力される。大入賞口入出球不一致エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする(演出音についてはボリュームを0にするなど)。
大入賞口入出球不一致エラーの優先順位はここでは第6位になっている。
振動検出異常1は、例えば、上記特別可変入賞球装置(図29参照)が設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。例えば、異常検出用センサ群90の1つのセンサとして、振動を検出するための振動センサを設ける。CPU103は、大当り遊技状態中に実行されるステップS21の異常判定処理において、当該振動センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示すものであるかを判定することで、振動による異常(振動異常)の有無を判定する(所定の閾値以上の強さの振動を示す→振動異常有り)。なお、大当り遊技状態中においてタイマ割り込みの発生ごとに実行されるステップS21において、所定期間にわたって、当該振動センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示した場合に、異常が発生したと判定するようにしてもよい。振動異常が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、振動異常を報知する処理が行われ、振動検出異常1の報知が行われる。
振動検出異常1の終了条件(報知の終了条件)は、報知期間5分の経過時である。つまり、振動異常が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該5分に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(振動異常に対応するタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。振動検出異常1では、異常報知画像として、例えば、「台を叩かないで下さい」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、振動検出異常1では、異常報知音として、例えば、「エラー音3」が再生出力される。振動検出異常1の実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする(演出音についてはボリュームを0にするなど)。
CPU103は、ステップS21の異常判定処理において、当該センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示すもので無くなったかを判定することで、磁気異常終了の有無(示すもので無くなった→振動異常終了有り)を判定してもよい。なお、当該異常の場合、所定期間経過が報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
振動検出異常1は、大当り時のものである。遊技者は、特別可変入賞球装置内の遊技媒体を確変領域に進入させようとして振動を起こす可能性がある。このため、振動検出異常1は通常時(大当り時以外)の振動検出異常2の優先順位よりも高くなっている(優先順位→第7位)。なお、特別可変入賞球装置は、例えば、小当り時に大入賞口が開放し、開放中に遊技媒体が進入してV領域に進入したときに大当りになるもの(所謂2種タイプのもの)であってもよい(例えば、図29の確変領域をV領域として捉えればよい。)。このような場合であっても、振動検出異常1を行える。また、図29の特別可変入賞球装置を、例えば、図29の大入賞口を遊技媒体の入口として所定タイミング時で開放し、開放中に遊技媒体が進入して複数の特定領域のいずれかに遊技媒体が進入したときに、進入した特定領域がどれであるかに応じて大当り遊技状態におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数)を異ならせるもの(所謂ラウンド抽選タイプのもの)としてもよい(例えば、図29の確変領域、排出領域それぞれを、異なるラウンド数が割り当てられた特定領域として捉えればよい。)。特定領域に遊技媒体が進入すると、その特定領域に割り当てられたラウンド数での大当り遊技状態が開始される。この場合には、大入賞口は、別に設けられる。このような場合であっても、振動検出異常1を行える。これらは、振動検出異常2についても同様である。
大入賞口異常排出エラーは、例えば、図29に示すような特別可変入賞球装置が設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。上述のように、カウントスイッチによって検出される遊技媒体の数と、第1検出スイッチ及び第2検出スイッチによって検出される遊技媒体の合計数と、は同じになるはずである。カウントスイッチによって検出される遊技媒体の数が前記の合計数よりも小さい場合、大入賞口異常排出が生じたことになる。この場合、遊技者が、無理矢理、大入賞口を開けて遊技媒体を入れる不正が行われた可能性がある。CPU103は、ステップS21の異常判定処理にて、第1カウンタのカウント値と第2カウンタのカウント値とを比べて第2カウンタのカウント値の方が多い場合に、大入賞口異常排出が発生したと判定する。これによって、大入賞口異常排出(大入賞口への入賞がないにもかかわらず、排出領域又は確変領域に進入した遊技媒体が有る異常)が検出されたことになる。大入賞口異常排出が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、大入賞口異常排出を報知する処理が行われ、大入賞口異常排出エラーの報知が行われる。
大入賞口異常排出エラーの終了条件(報知の終了条件)は、報知期間5分の経過時である。つまり、大入賞口異常排出が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該5分に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(振動異常に対応するタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。大入賞口異常排出エラーでは、異常報知画像として、例えば、「大入賞口異常排出エラー」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、大入賞口異常排出エラーでは、異常報知音は再生出力されない(このため、他の異常報知音や演出音が実際に出力されることになる)。大入賞口異常排出エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする。
第1カウンタのカウント値と第2カウンタのカウント値とは、例えば、大当り遊技状態の終了時などにリセットされる。これによって、リセット後のステップS21の異常判定処理にて、異常終了指定コマンドが送信設定される。なお、当該異常の場合、所定期間経過が報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
大入賞口異常排出エラーの優先順位はここでは第8位になっている。
不正入賞エラーとは、大入賞口の開放制御を行っていないのに、カウントスイッチ23などが遊技媒体を検出したとき(異常としての不正入賞の発生時)に行われる不正入賞の報知である。この異常が発生すると、遊技者が、無理矢理、大入賞口を開けて遊技媒体を入れる不正が行われた可能性がある。この異常の検出は、上記入賞検出用スイッチとしてのカウントスイッチ23を用いて行われる。遊技媒体が、大入賞口が開放状態になっているときにのみ大入賞口に入賞可能になっている場合、通常、大入賞口が開放状態になっているときにのみ(ラウンド遊技実行時にのみ)、カウントスイッチ23などによって遊技媒体が検出されるはずである。不正入賞エラーは、ラウンド遊技の実行期間以外の期間においてカウントスイッチ23などによって遊技媒体が検出されたときに、不正入賞が発生したとして、実行される。
当該異常の検出方法について説明すると、CPU103は、例えば、スイッチ処理にてカウントスイッチ23などがオン状態であると判定した場合、ステップS21の異常判定処理にて現在が大入賞口を開放させてラウンド遊技を実行している期間であるかを判定し、当該期間である場合に、不正入賞が発生したと判定する(これによって不正入賞が検出されたことになる)。不正入賞が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、不正入賞を報知する処理が行われ、不正入賞エラーの報知が行われる。
不正入賞エラーの終了条件(報知の終了条件)は、報知期間30秒の経過時である。つまり、不正入賞が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該30秒に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(不正入賞に対応するタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。不正入賞エラーでは、異常報知画像として、例えば、「不正入賞エラー」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、不正入賞エラーでは、異常報知音として、例えば、「エラー音3」が再生出力される。不正入賞エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする(演出音についてはボリュームを0にするなど)。
なお、例えば、当該異常検出指定コマンドの送信のあとのステップS21の異常判定処理では当該異常終了があると判定する。なお、当該異常の場合、所定期間経過が報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
不正入賞エラーの優先順位はここでは第9位になっている。
始動口ユニット異常エラーは、例えば、図28に示すような始動口ユニットが設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。始動口ユニットは、遊技媒体を振り分ける振分装置200と、第1始動入賞口13を形成する普通入賞球装置(普通入賞球装置6Aに対応する。)と、第2始動入賞口14を形成する普通可変入賞球装置(普通可変入賞球装置6Bに対応する。)と、を備える。振分装置200の上部には、遊技媒体が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技媒体を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。また、振分装置200の下部には、左側通路203を通過した遊技媒体が振分装置200から流出可能な左側流出口205と、右側通路204を通過した遊技媒体が振分装置200から流出可能な右側流出口206とが設けられている。
図28(a)に示す例では、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技媒体が左側通路203を通過可能な状態が示されている。図28(a)に示す状態において遊技媒体が流入口201から振分装置200内に流入すると、図28(b)に示すように、流入口201から流入した遊技媒体は振分部材200によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して左側流出口205から流出する。そして、左側流出口205の下方には第1始動入賞口13が位置しているので、左側流出口205から流出した遊技媒体は、第1始動入賞口13に入賞する。
また、遊技媒体が左側通路203を通過するときに、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技媒体があたり、遊技媒体の自重によって羽根部202aが押されることによって、図28(a)および図28(b)に示すように、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、図28(b)に示すように、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技媒体が右側通路204を通過可能な状態となる。
次いで、そのような状態において、図28(c)に示すように、遊技媒体が流入口201から振分装置200内に流入すると、図28(d)に示すように、流入口201から流入した遊技媒体は振分部材202によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して右側流出口206から流出する。そして、右側流出口206の下方には第2始動入賞口14が位置しているので、右側流出口206から流出した遊技媒体は、第2始動入賞口14に入賞する。
また、遊技媒体が右側通路204を通過するときに、振分部材204の回転軸部分に設けられている羽根部202aに遊技媒体があたり、遊技媒体の自重によって羽根部202aが押されることによって、図28(c)および図28(d)に示すように、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そのように変化することにより、図28(d)に示すように、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技媒体が左側通路203を通過可能な状態となる。
図28に示すような動作をすることにより、この実施の形態では、振分部材202によって振分装置200に流入した遊技媒体が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに交互に入賞可能となる。このため、第1始動入賞口13に入賞する遊技媒体の数と第2始動入賞口14に入賞する遊技媒体の数とは、略同数となる。
始動口ユニット異常エラーは、第1始動入賞口13に入賞した遊技媒体の数と第2始動入賞口14に入賞した遊技媒体の数との差が大きくなったときに、始動口ユニット異常が発生したとして、実行される。この異常が発生したときには、振分部材202が壊れた可能性や、不正が行われた可能性がある。なお、当該始動口ユニットでは、電動チューリップ型役物15が拡大開放状態になったときに、振分装置200を通らない遊技媒体が横から第2始動入賞口に入賞可能になっている。このため、第1始動入賞口13に入賞した遊技媒体の数と第2始動入賞口14に入賞した遊技媒体の数とが異なる可能性は十分にある。このため、ここでは、第1始動入賞口13に入賞した遊技媒体の数と第2始動入賞口14に入賞した遊技媒体の数との差が所定閾値(ここでは5つ)以上になったときに、始動口ユニット異常が発生したとする。
当該異常の検出について簡単に説明すると、例えば、RAM102には、第1カウンタ及び第2カウンタを設ける。CPU103は、例えば、スイッチ処理により第1始動口スイッチ22Aがオン状態であると判定した場合には、第1カウンタのカウント値を1増やす。例えば、スイッチ処理により第2始動口スイッチ22Bがオン状態であると判定した場合には、第2カウンタのカウント値を1増やす。これら処理は、スイッチ処理又はステップS21の異常判定処理にて行えばよい。CPU103は、ステップS21の異常判定処理にて、第1カウンタのカウント値と第2カウンタのカウント値との差が5以上になった場合に、始動口ユニット異常が発生したと判定する。これによって、始動口ユニット異常が検出されたことになる。始動口ユニット異常が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、始動口ユニット異常を報知する処理が行われ、始動口ユニット異常エラーの報知が行われる。なお、この異常の発生の判定(つまり始動口ユニット異常エラーの実行)は、電動チューリップ型役物15が拡大開放状態になることが殆ど無い通常状態においてのみ行われてもよい。この場合、振分装置200を通らない遊技媒体が横から第2始動入賞口に入賞可能になりにくいため、第1始動入賞口13に入賞した遊技媒体の数と第2始動入賞口14に入賞した遊技媒体の数とは同じになるはずである。このような場合に、始動口ユニット異常エラーを行ってもよい(この場合、例えば、所定閾値は上記よりも低くできる。)。また、電動チューリップ型役物15を第2始動入賞口14の上には設けず、電動チューリップ型役物を有する第2始動入賞口は、例えば、振分部材200下方以外の部分に設けるようにした場合に、異常の発生の判定の有無を常時行ってもよい。この場合、振分装置200を通らない遊技媒体が横から第2始動入賞口に入賞可能になりにくいため、第1始動入賞口13に入賞した遊技媒体の数と第2始動入賞口14に入賞した遊技媒体の数とは同じになるはずである。このような場合に、始動口ユニット異常エラーを常時行ってもよい(この場合、例えば、所定閾値は上記よりも低くできる。)。
振分部材200の構成は当該構成に限らず他の構成であってもよい。振分部材202は、所定の割合(1/2でなくてもよい)で、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれかに入賞可能となるように、構成されればよい。また、第2始動入賞口14へは、振分部材200を通過した遊技媒体のみが入賞できるように構成してもよい。上記所定閾値は、これらを考慮して適宜設定されていればよい。
始動口ユニット異常エラーの終了条件(報知の終了条件)は、報知期間30秒の経過時である。つまり、始動口ユニット異常が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該30秒に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(始動口ユニット異常に対応するタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。始動口ユニット異常エラーでは、異常報知画像として、例えば、「始動口ユニット異常エラー」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、始動口ユニット異常エラーでは、異常報知音として、例えば、「エラー音3」が再生出力される。始動口ユニット異常エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする(演出音についてはボリュームを0にするなど)。
なお、例えば、当該異常検出指定コマンドの送信のあと、第1カウンタと第2カウンタのカウント値はリセットすればよい。これによって、次のステップS21の異常判定処理にて、当該異常の終了が検出される。なお、当該異常の場合、所定期間経過が報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
始動口ユニット異常エラーの優先順位はここでは第10位になっている。
枠可動物エラー1とは、枠可動物の異常を検出したとき(枠可動物の異常の発生時)に行われる異常の報知である。枠可動物としては、上記ジョイスティックなどのコントローラなどがある。枠可動物について、振動モータの異常以外の異常が検出された場合に、枠可動物エラー1の報知が行われる。例えば、異常検出用センサ群91の1つのセンサとして、枠可動物の異常を検出するためのセンサ(各種異常を検出するための任意のセンサであればよい)を設ける。演出制御用CPU120は、ステップS701の異常判定処理において、当該センサからの信号に基づいて、当該信号が枠可動物の異常を示すものであるかを判定することで、枠可動物の異常の有無を判定する。異常があると判定された場合には、枠可動物エラー1の報知を行う。
枠可動物エラー1の終了条件(報知の終了条件)は、報知期間1分の経過時である。つまり、枠可動物の異常が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該1分に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(振動異常に対応するタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。枠可動物エラー1では、異常報知画像として、例えば、枠可動物の画像と、異常部分(不良部分)を示す矢印と、「点検してください」の画像と、が第1異常表示領域に表示される(他の異常よりも多少大きく表示される)。また、枠可動物エラー1では、異常報知音は再生出力されない(このため、他の異常報知音や演出音が実際に出力されることになる)。大入賞口異常排出エラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする。
なお、当該異常の場合、所定期間経過が報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
枠可動物エラー1の優先順位はここでは第11位になっている。
RAMクリアとは、異常の報知ではないが、パチンコ遊技機1の電源がオンされ、電源オン時(投入時)に初期化用操作手段が操作されて、RAM102がクリアされたときに、当該クリアを報知するものである。例えば、CPU103は、電源投入後にRAM102をクリアすると、その旨の演出制御コマンドを演出制御基板12に伝送する。演出制御用CPU120は、当該コマンドを受信すると、当該RAMクリアの報知を行う。このとき、演出制御用CPU120は、所定の報知音を出力する処理を行う。画像は表示されない。RAMクリアの終了条件(報知の終了条件)は、報知期間31秒の経過時である。なお、RAMクリア時には、報知音の出力とともに又は代えて遊技効果ランプ9を点灯又は点滅させるようにしてもよい。
振動検出異常2は、例えば、上記特別可変入賞球装置(図29参照)が設けられたパチンコ遊技機などにおいて実行され得る異常の報知である。例えば、異常検出用センサ群90の1つのセンサとして、振動を検出するための振動センサを設ける。CPU103は、大当り遊技状態中以外の期間に実行されるステップS21の異常判定処理において、当該振動センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示すものであるかを判定することで、振動による異常(振動異常)の有無を判定する(所定の閾値以上の強さの振動を示す→振動異常有り)。なお、大当り遊技状態中以外の期間においてタイマ割り込みの発生ごとに実行されるステップS21において、所定期間にわたって、当該振動センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示した場合に、異常が発生したと判定するようにしてもよい。振動異常が検出された場合、当該異常が発生したことを指定する異常検出指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送され、ステップS77にて、振動異常を報知する処理が行われ、振動検出異常2の報知が行われる。
振動検出異常2の終了条件(報知の終了条件)は、報知期間10秒の経過時である。つまり、振動異常が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該10秒に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(振動異常に対応する第2のタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。振動検出異常2では、異常報知画像として、例えば、「台を叩かないで下さい」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、振動検出異常2では、異常報知音は再生出力されない(このため、他の異常報知音や演出音が実際に出力されることになる)。
CPU103は、ステップS21の異常判定処理において、当該センサからの信号が所定の閾値以上の強さの振動を示すもので無くなったかを判定することで、磁気異常終了の有無(示すもので無くなった→振動異常終了有り)を判定してもよい。なお、当該異常の場合、所定期間経過が報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
振動検出異常2は、大当り時以外のときのものである。このときは、特別可変入賞球装置内に遊技媒体が進入しないので、遊技媒体が確変領域に進入させようとして振動を起こすことは少ない。このため、振動検出異常2は大当り時の振動検出異常1の優先順位よりも低くなっている(優先順位→第12位)。
ドア開放は、例えば、パチンコ遊技機1の前面ドアが開放されたときに実行される異常(ドア開放異常)の報知である。前面ドアが開放されると、遊技領域などに直接触れることができ、不正が行われる可能性がある。そこで、前面ドアが開放されると、異常(ドア開放異常)とみなして、ドア開放の報知が行われる。例えば、異常検出用センサ群91の1つのセンサとして、前面ドアの開放を検出するためのセンサ(例えば、近接スイッチなど)を設ける。演出制御用CPU120は、ステップS701の異常判定処理において、当該センサからの信号が前面ドアの開放を示す信号であるかを判定することで、ドア開放異常の有無を判定する。ドア開放異常が検出された場合、テップS77にて、ドア開放異常を報知する処理が行われ、ドア開放の報知が行われる。
ドア開放の終了条件(報知の終了条件)は、前面ドアの閉鎖である。このため、例えば、ステップS701などにおいて、前記センサからの信号が前面ドアの閉鎖を示す信号であるかを判定することで、ドア開放異常の終了の有無を判定する(閉鎖を示す信号→異常の終了)。ドア開放では、異常報知画像は表示されない。また、ドア開放では、異常報知音として、例えば、「扉が開いています」との音声が再生出力される。ドア開放の実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする(演出音についてはボリュームを0にするなど)。
ドア開放の優先順位は第13位になっている。
下皿満タンエラーは、例えば、下皿が満タンになったとき(満タン異常)に行われる異常の報知である。例えば、異常検出用センサ群91の1つのセンサとして、下皿の所定箇所に下皿が遊技媒体で満タンになったことを検出するセンサ(例えば、下皿が満タンのときに遊技媒体を検出できる近接スイッチなど)を設ける。演出制御用CPU120は、ステップS701の異常判定処理において、当該センサからの信号が、下皿が遊技媒体で満タンであることを示すもの(遊技媒体を検出した信号)であるかを判定することで、満タン異常の有無を判定する。なお、満タン異常が検出された場合、ステップS77にて、満タン異常を報知する処理が行われ、下皿満タンエラーの報知が行われる。
下皿満タンエラーの終了条件(報知の終了条件)は、満タンの解除時である。例えば、ステップS701において、演出制御用CPU120は、前記センサからの信号が、下皿が遊技媒体で満タンでないことを示すもの(遊技媒体を検出していないときの信号)であるかを判定することで、満タン異常の終了の有無を判定する。下皿満タンエラーでは、異常報知画像として、例えば、「玉を抜いてください」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、下皿満タンエラーでは、異常報知音として、例えば、「玉を抜いてください」との音声が再生出力される。下皿満タンエラーの実行中、可変表示中演出の実行は継続されるようにする(演出音についてはボリュームを0にするなど)。なお、下皿満タンエラーを、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ行ってもよい。この場合には、大当り遊技状態の第1期間と、大当り遊技状態になっていない第2期間とで、前記所定期間を異ならせてもよい。大当り遊技状態のときには、下皿が満タンになる可能性が高いので、報知期間を大当り遊技状態になっていない期間よりも短くするとよい。報知期間が長いと、大当り遊技状態のときに、下皿満タンエラーの実行期間などが長くなり、遊技者にとって邪魔になる可能性があるからである。
下皿満タンエラーの優先順位は第14位になっている。
賞球エラー、玉切れエラーは、ともに、払出機構における異常を報知するものである。これら異常は、上記のように払出機構に設けられた払出確認用スイッチなどによって検出される。払出制御基板19は、例えば、払出機構を制御して払い出そうとする賞球の数と、払出確認用スイッチで検出する賞球の数(実際に払い出される賞球の数)と、に差(大きい方から小さい方を減じた差)があるとき(払出異常の発生)、賞球に関する異常が発生していると判定する。また、払出制御基板19は、払出機構を制御して払い出そうとする賞球の数が1以上であるのに、払出確認用スイッチで検出する賞球の数が0のときに、玉切れ異常が発生していると判定する。これらの異常があると判定したとき(これら異常を検出したとき)には、払出制御基板19は、それぞれの異常に対応する異常検出指定コマンドの主基板11への送信設定を行い、当該コマンドを送信する。送信されたコマンドは、主基板11から払出制御基板19に送信される。
当該異常検出指定コマンドが演出制御基板12に伝送されると、ステップS77にて、賞球に関する異常、玉切れ異常を報知する処理が行われ、賞球エラー、玉切れエラーの報知が行われる。
賞球エラーの終了条件(報知の終了条件)は、報知期間10秒の経過時である。つまり、玉切れ異常が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われる。このため、例えば、ステップS704などにおいて、演出制御用CPU120は、当該10秒に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた上記の所定のタイマ(振動異常に対応する第2のタイマ)に設定し、ステップS707でタイマ値を1減じる。玉切れエラーの終了条件(報知の終了条件)は、玉切れの解消時である。払出制御基板19は、払出確認用スイッチで検出する賞球の数が1以上になったときには、玉切れ異常が終了したとして、異常終了指定コマンドを送信する。
賞球エラーでは、異常報知画像として、例えば、「賞球エラー」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、賞球エラーでは、異常報知音は出力されない(このため、他の異常報知音又は演出音が出力される)。なお、賞球エラーでは、異常報知画像を表示せず、又は、表示するのに加えて、遊技効果ランプ9を点灯又は点滅させるようにしてもよい。なお、当該異常の場合、電源のオフが報知の終了条件なので、例えばステップS701の異常判定処理における当該異常の終了の判定は行われない。
玉切れエラーでは、異常報知画像として、例えば、「玉切れエラー」の画像が第1異常表示領域に表示される。このときは、例えば、図23のように、可変表示中演出の演出画像などが表示された状態で、異常報知画像が表示される(例えば、「異常1発生」や「異常2発生」の画像の位置などに表示される。)。また、玉切れエラーでは、異常報知音は出力されない(このため、他の異常報知音又は演出音が出力される)。なお、玉切れエラーでは、異常報知画像を表示せず、又は、表示するのに加えて、遊技効果ランプ9を点灯又は点滅させるようにしてもよい。
賞球エラーの優先順位はここでは第15位になっている。玉切れエラーの優先順位はここでは第16位になっている。
上記のように、パチンコ遊技機1において発生する異常は様々なものがある。異常の報知は、異常の種類によって、異常報知画像の表示、異常報知音の出力のいずれか一方によって行われてもよい。また、これらに加えて又は代えて遊技効果ランプ9を点灯又は点滅させるようにして異常の報知を行うようにしてもよい。また、異常報知画像や異常報知音は、複数種類の異常で共通としてもよい(例えば、エラー音1やエラー音3など)。また、異常報知画像や異常報知音は、直接異常の種類を指定するものでなくてもよい(例えば、「エラー1」、「台を叩かないで下さい」など)。なお、異常を特定できるように、例えば、エラーコード(異常の種類ごとに付与されたコード)を所定の表示部(例えば、パチンコ遊技機1に搭載された各種基板などに設けられたLEDによる表示部)を設けてもよい。異常の種類や異常の優先順位、発生条件や終了条件、異常報知画像や異常報知音などは、パチンコ遊技機の仕様などに応じて変更可能である。
なお、払出制御基板19での異常の検出や異常終了の検出を主基板11で行ってもよい。例えば、払出制御基板19は、異常の検出や異常終了の検出に必要な情報を、主基板11に送信し、主基板11がステップS21の異常判定処理などで、送信されたコマンドを用いて、異常判定処理を行い、異常の発生や終了が有ると判定した場合に、異常検出指定コマンドや異常終了指定コマンドを演出制御基板12に送信するようにしてもよい。異常の検出や異常終了の検出に必要な情報とは、例えば、払出確認用スイッチによる遊技媒体の検出を示す情報や、払出制御基板19が払出機構を制御して払い出そうとする賞球の数を示す情報などがある。また、上記の各種異常の有無の判定などは、どの基板で行ってもよい。例えば、電波検出センサ、磁気センサ、振動センサなどを異常検出用センサ群91に含まれるセンサとして設け、演出制御基板12においてこれらセンサを用いて異常の有無などを判定してもよい。また、例えば、入賞確認用スイッチや入賞検出用スイッチが遊技媒体を検出したときに、当該検出したことを示す制御コマンドを主基板11から演出制御基板12に送信するようにして、演出制御基板12が、送信されたコマンドに基づいて異常の有無などを判定してもよい。
異常が発生したときに、異常を示す信号(所謂セキュリティ信号)をパチンコ遊技機1の外部に送信するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1の主基板11などから異常を示すセキュリティ信号(異常が発生したことのみを示してもよく、異常と異常の種類とを示してもよい。)を出力する信号線をパチンコ遊技機1に設け、当該信号線は主基板11又は演出制御基板12に接続され、優先順位の高い異常(例えば、1位から10位の間の異常)が発生すると、主基板11又は演出制御基板12は当該セキュリティ信号を出力するようにすればよい(例えば、ステップS13の情報出力処理やステップS77の処理で出力すればよい。)。当該信号は、例えば、パチンコ遊技機1が設置される遊技ホール(パチンコ店など)に設置され、パチンコ遊技機1を管理する管理コンピュータに送られる。管理コンピュータでは、例えば、送られた信号に基づいて、異常が発生したことや異常が発生したパチンコ遊技機1の位置などを特定する情報を表示装置などに表示する。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
(変形例1)
異常の報知の終了条件(報知の終了条件)が、パチンコ遊技機1の電源を一端切ること(オフにすること)である場合、上記の実施形態では、演出制御基板12のRAM122はバックアップRAMでないので、電源オフによって、RAM122に異常の報知状況が記録されない。このため、電源が再度オン状態になったときには異常の報知は行われない。但し、異常の状態が解消していなければ、ステップS21やS701の異常判定処理などで、異常が再度検出されるので、異常の報知が再度行われることになる。なお、電源オフのときには、主基板11の異常フラグはオフ状態(オン状態をバックアップRAMに記録しない)としてもよい。これによって、CPU103は、ステップS21にて異常の終了の判定を電源オフ前に行わなくてもよくなる。電源オフのときには、主基板11の異常フラグの状態をバックアップRAMに保持してもよい。この場合、CPU103は、初期化用操作手段への操作無しに電源がオンされたとき(電断復旧時など)に、オン状態の異常フラグの異常が未だ発生しているかを判定し、発生していると判定した場合には、異常検出指定コマンドを送信して、演出制御用CPU120により異常の報知を実行するようにし、発生していないと判定したときには異常フラグをオフとしてもよい。また、RAM122をバックアップRAMとし、演出制御用CPU120は、電源の再度のオン時に異常の報知を続行するようにしてもよい、この場合、例えば、演出制御用CPU120は、タイマで時間を計測して所定期間経過で報知を終了してもよい。また、主基板11から異常終了指定コマンドが送信されたり、ステップS701の異常終了判定で異常終了を検出したりしたときには、演出制御用CPU120は、当該異常の報知を終了してもよい。なお、この場合には、ステップS21にて異常の終了を検出した場合には異常フラグをオフにするようにする。
(変形例2)
異常の報知の終了条件(報知の終了条件)が、所定期間の経過であるとき、つまり、異常が発生すると、異常終了の有無に係わらず所定期間だけ報知が行われるときにおいて、所定期間経過前に再度その種類の異常が発生したことを検出したときに、前記所定期間を検出時から再設定してもよい。この場合には、例えば、ステップS21やS701にて異常終了の判定を行うようにする。
(変形例3)
例えば、遊技機は、
遊技媒体の入賞によって遊技価値を付与可能な入賞領域を有する遊技機であって、
前記入賞領域(例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口、大入賞口などによって構成される。)に入賞した遊技媒体を検出可能な入賞検出部(例えば、始動口スイッチ22A、22Bやカウントスイッチ23などによって構成される。)と、
前記入賞領域に入賞した後に前記入賞検出部を通過した遊技媒体を検出可能な入賞確認部(例えば、上記の入賞確認用スイッチなどによって構成される。)と、
前記入賞検出部で検出された遊技媒体の数と前記入賞確認部で検出された遊技媒体の数との差分が所定数以上となる差分異常(例えば、SW異常などが該当する。)が発生したことにもとづいて、差分異常を示す情報(例えば、上記セキュリティ信号)を外部出力する外部出力手段(例えば、CPU103がステップS13の情報出力処理にてSW異常を示すセキュリティ信号を遊技ホールの管理コンピュータなどに出力するなどして実現される。)と、
前記差分異常が発生したことにもとづいて異常報知を実行する異常報知手段(例えば、SW異常エラーの報知を行う演出制御用CPU120などによって実現される。)と、
遊技機への電力供給が停止しても少なくとも前記差分異常が発生したことを示す情報を所定期間保持可能な記憶手段(例えば、差分異常についての異常フラグの状態や入賞検出数と入賞確認数との差をカウントするためのカウンタのカウント値を電源オフ時でも保持する、主基板11のバックアップRAMとしてのRAM102によって実現される。)と、
遊技機への電力供給が開始されたときに、所定条件の成立(例えば、クリアスイッチなどの初期化用操作手段への操作など)にもとづいて前記記憶手段の記憶内容を初期化する初期化処理を実行する初期化手段(例えば、クリアスイッチなどの操作とともに電源が投入されたときの遊技制御メイン処理でRAM102を初期化するCPU103によって実現される。)と、を備え、
前記外部出力手段は、前記差分異常を示す情報を外部出力しているときに遊技機への電力供給が停止し電力供給が再開された場合(例えば、一端電源がオフされ、再度電源がオンされた場合など)には、前記初期化手段によって前記初期化処理が実行されたか否かに応じて(例えば、電源オン時に初期化用操作手段への操作によって初期化したか、当該操作がなく初期化していないかに応じてなど)、遊技機への電力供給が再開されてから異なる期間にわたって前記差分異常を示す情報を外部出力し(例えば、CPU103は、初期化したか、初期化しなかったかに応じて異なる期間でSW異常を示す信号を出力することで、この構成を実現できる。例えば、初期化した場合には30秒、初期化しなかった場合は初期化されるまでなど)、
前記異常報知手段は、前記異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止し、前記初期化手段によって前記初期化処理が実行されることなく遊技機への電力供給が再開された場合(例えば、初期化用操作手段への操作無しに電源がオンになったとき)には、前記異常報知を実行しない(例えば、CPU103は、RAM102を初期化しなかったことに応じたコマンドを演出制御基板12に供給し、演出制御用CPU120は、当該コマンドを受信した場合には異常報知を行わないことで実現される。)、
ことを特徴とする遊技機としてもよい。
なお、例えば、前記初期化手段によって前記初期化処理が実行された場合には、RAM102に記憶内容が残らないので、そもそも異常報知が再開されないことになる。異常報知が起きた場合には、RAM102に記憶内容を残さないために例えば遊技店員によって初期化が行われることがある。なお、ステップS21で再度異常有りと判定された場合には、異常報知は再度行われる場合がある。
従来、差分異常を検出して異常報知を開始しても、異常報知を終了させるために不正行為を行った遊技者によって遊技機の電源が再投入されてしまうことが考えられる(ここでの遊技機は、電源再投入後には、初期化の有無によらず、異常報知は行われないようになっている。)。そのため、遊技店員などによって正規に遊技機の電源が投入され初期化処理を実行して起動した場合(初期化用操作手段への操作があって電源がオンになった場合)であるのか、差分異常の発生後に不正に遊技機の電源が再投入されて初期化処理を実行せずに起動した場合(初期化用操作手段への操作無しに電源がオンになった場合)であるのかを外部から認識可能とすることが望ましい。
上記遊技の構成により、前記初期化手段によって前記初期化処理が実行されたか否かに応じて、遊技機への電力供給が再開されてから異なる期間にわたって前記差分異常を示す情報を外部出力するので、異常報知を実行しているときに遊技機への電力供給が停止して再度電力供給が開始されたときに、初期化処理を実行して遊技機が起動した場合であるか、差分異常の発生後に遊技機が再起動した場合であるかを外部から認識可能とすることができる。
なお、当該構成は、電源再投入後には、初期化の有無によらず、異常報知は行われないようになっていることを例えば前提として、差分異常以外の他の異常を対象としてもよい。
(変形例4)
副画像表示装置51を他の可動部材に変更してもよい。例えば、図30に示すような可動部材59を採用してもよい。可動部材59は、下側の回転軸を中心に回転することで、画像表示装置5の表示領域の前面に重なる第1位置に移動可能となっている(可動部材の移動は、このような回転も含む。)。このような可動部材59を採用する場合であっても、異常報知画像は、重なり領域以外の位置で表示するとよい。重り領域は、画像表示装置5の表示領域のうち、可動部材59と重なる領域であり、具体的には、第1位置に位置する可動部材59によって覆われる領域と、第1位置と第2位置との間を移動する可動部材59によって覆われる領域(可動部材59の経路となる経路領域)と、によって構成される。これによって、異常報知画像が第1位置にある可動部材によって隠れることがなく異常報知画像を視認しやすい。なお、異常報知音などについては上記実施形態と同様の方法で出力されればよい。なお、図30では、異常報知画像が、飾り図柄の可変表示の表示領域に重なっているが、異常報知画像が半透明なので、異常報知画像は飾り図柄の可変表示の邪魔にならないようになっている。異常報知画像は、少なくとも可動部材59が第1位置に位置するときに覆われない領域に表示することで、第1位置に位置する可動部材59が存在しても異常報知画像を視認させやすくすることが出来る。
(変形例5)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板120方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例6)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(変形例7)
上記実施形態における技術思想は、遊技を行うための遊技機全般に適用できる。例えば、遊技媒体として遊技球を遊技領域に発射して所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となるパチンコ遊技機1に限定されず、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機に適用することもできる。より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたスロットマシンにも適用できる。例えば、パチンコ遊技機1と同様に、例えば、画像表示装置(例えば、スロットマシンなどにおけるメインの画像表示装置)と、画像表示装置の前に進出可能な可動部材(副画像表示装置51や可動部材59に対応するもの)と、を備え、さらに、スロットマシンにおいて発生した異常を画像表示装置に表示したり、当該異常の異常報知音などを出力したりするスロットマシンなどの遊技機にも適用できる。
(変形例8)
なお、異常報知画像を大きく表示して、可変表示中演出の演出画像などは表示せず、異常報知画像以外の部分は真っ黒に表示される態様での異常の報知は、上記実施の形態では、その終了条件が電源オフであったが、終了条件を異常の終了又は所定期間経過後としてもよい。このような場合、実際に表示はされないが、制御的に可変表示中演出の実行を並行して行うことで、終了条件成立後にスムーズに可変表示中演出に移行できる。
(変形例9)
なお、上記の優先順位は、現在が大当り遊技状態中であるか否かや、現在の遊技状態などに応じて(遊技の進行に応じて)、変化させてもよい。
(変形例10)
保持部材53は、画像表示装置5の画像を視認しやすいように、光を透過するもの(例えば、透明なもの)であることが望ましい。この場合には、副画像表示装置51に接続される配線なども透明電極で設けることが望ましい。このようにすることで、異常報知画像を保持部材53に覆われる領域に表示したとしても、異常報知画像が保持部材53によって隠れずに視認可能にすることができる。さらに、これによって、異常報知画像の表示箇所を多様にできる。
(構成)
上記の説明した構成を一例とする遊技機の構成を以下に記載する。なお、下記の構成は、適宜組み合わせることができる。
(構成1)
(1)遊技を行うための遊技機(例えば、パチンコ遊技機1、スロットマシンなど)であって、
第1表示領域を有する第1表示装置(例えば、画像表示装置5など)と、
第2表示領域を有し、第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置との間を移動する第2表示装置(例えば、副画像表示装置51など)と、
当該遊技機において発生した異常を検出する異常検出手段(例えば、ステップS21の処理を行うCPU103、ステップS701の処理を行う演出制御用CPU120など)と、
前記異常検出手段が前記異常を検出したことに応じて、当該異常が発生したことを示す異常情報(例えば、異常報知画像など)を前記第1表示領域のうちの異常表示領域に表示させる異常表示制御を行う異常表示制御手段(例えば、ステップS704の処理を行う演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記第2表示装置は、少なくとも前記第1位置に位置するときに前記第1表示領域の一部を遊技者側から覆い(例えば、図23、図24などを参照)、
前記異常表示領域は、前記第1位置に位置する前記第2表示装置によって覆われない領域である(例えば、図23、図24などを参照)、
ことを特徴とする遊技機。
上記のような構成によれば、第1位置に第2表示装置があっても異常情報を視認させやすい。
第2表示装置は、上記の実施の形態では、第1位置に位置するときにのみ第1表示領域の一部を覆うが、第2位置に位置するときも第1表示領域の一部を覆ってもよい。このような場合でも、第1位置に第2表示装置があっても異常情報を視認させやすいとの効果は少なくとも得られる。なお、異常表示領域は、第1位置に位置する第2表示装置及び第2位置(第2表示装置が第2位置に位置するときも第1表示領域の一部を覆う場合の第2位置)に位置する第2表示装置によって覆われない領域であることが望ましい。これによって、異常情報をより視認させやすい。第2表示装置が、第1表示領域の一部を覆うとは、前記の実施形態のように、第2表示装置全体によって第1表示領域の一部を覆う他、第2表示装置の一部によって第1表示領域の一部を覆うことも含む。
第2表示装置は、適宜のタイミングで第1位置と第2位置との間を移動するようにすればよい。例えば、第2表示装置は、上記の実施形態では、スーパーリーチCのときに移動するが、スーパーリーチBや所謂予告演出などの実行時に移動するようにしてもよい。また、第2表示装置で表示される画像は、予告演出の画像などであってもよく、適宜の画像であればよい。第2表示装置は、第1位置と第2位置のほか、所定の条件成立(例えば、大当り時)を契機として、これら位置とは異なる第3位置などに移動してもよい。第3位置などに位置する第2表示装置が第1表示領域の一部を遊技者側から覆ってもよいが、この場合には、異常表示領域は、さらに、第3位置などに位置する第2表示装置によっても覆われない領域であることが望ましい。これによって、異常情報をより視認させやすい。
第1表示装置と第2表示装置とは、前後方向(遊技者の視線方向など)に離間しても、接していてもよい。接する場合、第2表示装置は、第1表示装置上を摺動する。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記異常表示領域は、前記第1表示領域のうち、前記第1位置に位置する前記第2表示装置によって覆われない領域であり、かつ、前記第1位置と前記第2位置との間を移動する前記第2表示装置によっても覆われない領域である(例えば、図23、図24などを参照)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1位置と第2位置との間の第2表示装置の移動中であっても異常情報を視認させやすい。
第2表示装置が第3位置などに移動する場合、前記異常表示領域は、さらに、第3位置などと、第1位置及び/又は第2位置と、の間を移動する第2表示装置によっても覆われない領域であることが望ましい。これによって、異常情報をより視認させやすい。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、
前記第2表示装置を移動させる移動制御を行う移動制御手段(例えば、ステップS559の処理を行う演出制御用CPU120など)をさらに備え、
前記移動制御手段は、前記移動制御を行っている間に前記異常表示制御により前記第1表示領域に前記異常情報が表示される場合であっても、当該移動制御を継続する(例えば、ステップS172とステップS77とが別個に行われるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、移動制御が複雑化しないようにすることができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
遊技の進行に対応した演出表示(例えば、可変表示中演出の画像など)を前記第1表示領域に表示させるための演出制御を行う演出制御手段(例えば、ステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120など)をさらに備え、
前記演出制御手段は、前記演出制御を行っている間に前記異常表示制御により前記第1表示領域に前記異常情報が表示される場合であっても、当該演出制御を継続する(例えば、ステップS172とステップS77とが別個に行われるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成においては、異常情報の表示が終了したときに、スムーズに異常情報の表示の無い演出表示の表示に復帰することができる。
遊技の進行に対応した演出表示とは、例えば、遊技の進行に応じて変化する画像であればよい。上記の実施の形態では、遊技の進行に対応した演出表示として、可変表示中演出の画像全体を例示しているが、当該演出表示は、例えば、可変表示される飾り図柄、保留表示、画像表示装置の表示領域に表示されて可変表示される第4図柄(第1特図や第2特図に類似した図柄での変動)などを含むもので、遊技の進行に応じて変化するようなものであればよい(例えば、背景画像が一定であれば、背景画像は演出表示には入らない。)。また、当該演出表示は、可変表示される飾り図柄、保留表示、又は、可変表示される第4図柄などの、遊技者に遊技の進行を認識させるものであってもよい。
なお、上記の実施形態のように、異常情報を表示する態様は複数種類あってもよい。例えば、演出表示の少なくとも一部とともに異常情報を表示する場合(例えば図23)と、演出表示を表示せずに異常情報を表示する場合(例えば図24)と、がある。演出表示を表示せずに異常情報を表示する場合であっても、第1表示領域に表示させるための演出制御が継続されることで(実際には演出表示は表示されない。当該演出制御はこのような制御も含む。)、例えば、その異常情報の表示が終了した場合に、スムーズに異常情報の表示の無い演出表示の表示に復帰することができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記異常表示制御手段は、前記演出制御により前記第1表示領域に前記演出表示が表示されている間に前記異常表示制御を行う場合に、当該異常表示制御として、前記演出表示を視認可能に前記異常情報を表示させる制御を行う(例えば、異常報知画像を半透明で表示して可変表示中演出の画像を視認可能にするなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、異常情報の表示が終了したときに、スムーズに異常情報の表示の無い演出表示の表示に復帰することができる。
なお、上記の実施形態のように、異常情報を表示する態様は複数種類あってもよい。例えば、演出表示の少なくとも一部を視認可能に異常情報を表示する場合(例えば図23)と、演出表示を視認不可能なように異常情報を表示する場合(例えば図24)と、がある。演出表示を視認不可能なように異常情報を表示する場合であっても、第1表示領域に表示させるための演出制御が継続されることで(実際には演出表示は表示されない。当該演出制御はこのような制御も含む。)、例えば、その異常情報の表示が終了した場合に、スムーズに異常情報の表示の無い演出表示の表示に復帰することができる。
前記演出表示を視認可能に前記異常情報を表示させる制御では、演出表示が表示されていない部分に異常情報を表示するようにしてもよい。
(構成2)
(1)遊技を行うための遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
表示領域を有する表示装置(例えば、画像表示装置5など)と、
第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置との間を移動する可動部材(例えば、副画像表示装置51、可動部材59など)と、
当該遊技機において発生した異常を検出する異常検出手段(例えば、ステップS21の処理を行うCPU103、ステップS701の処理を行う演出制御用CPU120など)と、
前記異常検出手段が前記異常を検出したことに応じて、当該異常が発生したことを示す異常情報(例えば、異常報知画像など)を前記表示領域のうちの異常表示領域に表示させる異常表示制御を行う異常表示制御手段(例えば、ステップS704の処理を行う演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記可動部材は、少なくとも前記第1位置に位置するときに前記表示領域の一部を遊技者側から覆い(例えば、図23、図24、図30などを参照)、
前記異常表示領域は、前記第1位置に位置する前記可動部材によって覆われない領域である(例えば、図23、図24、図30などを参照)、
ことを特徴とする遊技機。
上記のような構成によれば、第1位置に可動部材があっても異常情報を視認させやすい。
可動部材は、上記の実施の形態では、第1位置に位置するときにのみ第1表示領域の一部を覆うが、第2位置に位置するときも表示領域の一部を覆ってもよい。このような場合でも、第1位置に可動部材があっても異常情報を視認させやすいとの効果は少なくとも得られる。なお、異常表示領域は、第1位置に位置する可動部材及び第2位置(可動部材が第2位置に位置するときも表示領域の一部を覆う場合の第2位置)に位置する可動部材によって覆われない領域であることが望ましい。これによって、異常情報をより視認させやすい。可動部材が、表示領域の一部を覆うとは、可動部材全体によって表示領域の一部を覆う他、可動部材の一部によって表示領域の一部を覆うことも含む(図30参照)。
可動部材は、適宜のタイミングで第1位置と第2位置との間を移動するようにすればよい。例えば、可動部材は、上記の実施形態では、スーパーリーチCのときに移動するが、スーパーリーチBや所謂予告演出などの実行時に移動するようにしてもよい。可動部材の形状や用途は図30のものに限られない。動くものであればよい。可動部材は、第1位置と第2位置のほか、所定の条件成立(例えば、大当り時)を契機として、これら位置とは異なる第3位置などに移動してもよい。第3位置などに位置する可動部材が表示領域の一部を遊技者側から覆ってもよいが、この場合には、異常表示領域は、さらに、第3位置などに位置する可動部材によっても覆われない領域であることが望ましい。これによって、異常情報をより視認させやすい。
表示装置と可動部材とは、前後方向(遊技者の視線方向など)に離間しても、接していてもよい。接する場合、可動部材は、表示装置上を摺動する。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記異常表示領域は、前記表示領域のうち、前記第1位置に位置する前記可動部材によって覆われない領域であり、かつ、前記第1位置と前記第2位置との間を移動する前記可動部材によっても覆われない領域である(例えば、図23、図24、図30などを参照)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1位置と第2位置との間の可動部材の移動中であっても異常情報を視認させやすい。
可動部材が第3位置などに移動する場合、前記異常表示領域は、さらに、第3位置などと、第1位置及び/又は第2位置と、の間を移動する可動部材によっても覆われない領域であることが望ましい。これによって、異常情報をより視認させやすい。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、
前記可動部材を移動させる移動制御を行う移動制御手段(例えば、ステップS559の処理を行う演出制御用CPU120など)をさらに備え、
前記移動制御手段は、前記移動制御を行っている間に前記異常表示制御により前記表示領域に前記異常情報が表示される場合であっても、当該移動制御を継続する(例えば、ステップS172とステップS77とが別個に行われるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、移動制御が複雑化しないようにすることができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
遊技の進行に対応した演出表示を前記表示領域に表示させるための演出制御を行う演出制御手段(例えば、ステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120など)をさらに備え、
前記演出制御手段は、前記演出制御を行っている間に前記異常表示制御により前記表示領域に前記異常情報が表示される場合であっても、当該演出制御を継続する(例えば、ステップS172とステップS77とが別個に行われるなど)、
ようにしてもよい。
このような構成においては、異常情報の表示が終了したときに、スムーズに異常情報の表示の無い演出表示の表示に復帰することができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記異常表示制御手段は、前記演出制御により前記表示領域に前記演出表示が表示されている間に前記異常表示制御を行う場合に、当該異常表示制御として、前記演出表示を視認可能に前記異常情報を表示させる制御を行う(例えば、異常報知画像を半透明で表示して可変表示中演出の画像を視認可能にするなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、異常情報の表示が終了したときに、スムーズに異常情報の表示の無い演出表示の表示に復帰することができる。
なお、当該構成2における(4)及び(5)の説明は、上記構成1における(4)及び(5)の説明と略同様である。
(構成3)
(1)遊技を行うための遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
表示装置(例えば、画像表示装置5など)と、
遊技の進行に対応した演出表示(例えば、可変表示中演出の画像など)を前記表示装置に表示させる演出表示制御を行う演出表示制御手段(例えば、ステップS172の処理を行う演出制御用CPU120など)と、
当該遊技機において発生した異常を検出する異常検出手段(例えば、ステップS21の異常判定処理を行うCPU103やステップS701の異常判定処理を行う演出制御用CPU120など)と、
前記異常検出手段が前記異常を検出したことに応じて、当該異常が発生したことを示す異常情報を前記表示装置に表示させる異常表示制御を行う異常表示制御手段(例えば、ステップS704の処理を行う演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記異常表示制御手段は、前記異常検出手段が前記異常として第1異常と第2異常とを同時期に検出したことに応じて、前記異常表示制御として、前記第1異常が発生したことを示す第1異常情報(例えば、異常報知画像など)と前記第2異常が発生したことを示す第2異常情報(例えば、異常報知画像など)とを互いに識別可能に前記表示装置に表示させる制御を行い(例えば、図23などを参照など)、
前記演出表示制御手段は、前記異常表示制御により前記第1異常情報と前記第2異常情報とが前記表示装置に表示される場合であっても、前記演出表示制御を行い(例えば、ステップS172とステップS77とが別個に行われるなど)、
前記異常表示制御手段は、前記異常表示制御として、前記演出表示制御により前記表示装置に表示されている前記演出表示を視認可能な表示態様で、前記第1異常情報と前記第2異常情報とを表示させる制御を行う(例えば、異常報知画像を半透明で表示して可変表示中演出の画像を視認可能にするなど)、
ことを特徴とする遊技機。
上記のような構成によれば、複数種類(ここでは2種類)の異常が同時期に発生した場合であっても、当該複数種類の異常を個々に認識させやすく、かつ、遊技の進行も把握させやすい。なお、前記異常として第1異常と第2異常とを同時期に検出したとは、例えば、ステップS21やS701の1回の異常判定処理で両異常が検出されたときや、第1異常の報知が終了していない間に第2異常が検出されたときなどであればよい。
遊技の進行に対応した演出表示は、例えば、遊技の進行に応じて変化する画像であればよい。上記の実施の形態では、遊技の進行に対応した演出表示として、可変表示中演出の画像全体を例示しているが、当該演出表示は、例えば、可変表示される飾り図柄、保留表示、画像表示装置の表示領域に表示されて可変表示される第4図柄(第1特図や第2特図に類似した図柄での変動)などを含むもので、遊技の進行に応じて変化するようなものであればよい(例えば、背景画像が一定であれば、背景画像は演出表示には入らない。)。また、当該演出表示は、可変表示される飾り図柄、保留表示、又は、可変表示される第4図柄などの、遊技者に遊技の進行を認識させるものであってもよい。
前記演出表示を視認可能に前記異常情報を表示させる制御では、演出表示が表示されていない部分に異常情報を表示するようにしてもよい。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記異常表示制御手段は、前記異常表示制御として、前記演出表示を透視可能な透過態様で前記異常情報を表示させる制御を行う(例えば、異常報知画像を半透明で表示して可変表示中演出の画像を視認可能にするなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、少ない制約で異常情報の表示と演出表示の表示を両立でき、異常を認識させながら遊技の進行を把握させやすい。
透過態様によれば、異常情報が演出表示上にあっても、演出表示は異常情報に隠れることなく視認可能に表示される。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、
前記演出表示は、遊技の進行を遊技者に認識させる特定演出情報(例えば、飾り図柄など)を含み、
前記異常表示制御手段は、前記異常表示制御として、前記異常情報を前記表示装置における前記特定演出情報が表示される領域以外の特定領域に表示させる制御を行う(例えば、図23のように、飾り図柄の表示領域以外の場所に異常報知画像を表示するなど)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、異常情報によって特定演出情報の表示が邪魔にならないので、異常を認識させながら遊技の進行を把握させやすい。
特定演出情報は、可変表示される飾り図柄、保留表示、又は、可変表示される第4図柄などの、遊技者に遊技の進行を認識させるものであればよい。また、特定領域は、前記表示装置における前記特定演出情報が表示される領域以外の領域であればよいので、演出表示の一部が表示される領域であってもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
音出力装置(例えば、スピーカ8L、8Rなど)と、
前記異常検出手段が前記異常を検出したことに応じて、当該異常が発生したことを示す異常報知音を前記音出力装置から出力させる出力制御を行う異常報知音出力制御手段(例えば、ステップS706の処理を行う演出制御用CPU120など)と、をさらに備え、
前記異常報知音出力制御手段は、前記異常検出手段が前記異常として第3異常と第4異常とを同時期に検出したことに応じて、前記出力制御として、前記第3異常が発生したことを示す第3異常の報知音と前記第4異常が発生したことを示す第4異常の報知音とのうち予め定められた優先順位が高い方の報知音を優先して出力させる制御を行う(例えば、異常の優先順位の高い異常報知音を優先して再生出力させる演出制御用CPU120など)、
ようにしてもよい。
このような構成においては、優先度の高い報知音が優先して出力されるので、優先度の高い報知音を聞き取りやすく、優先度の高い報知音によって示される異常を認識しやすい。
なお、優先して出力するとは、一方の報知音を出力し、他方の報知音を出力しないことによって、前記一方の報知音を優先して出力することの他、一方の報知音のボリュームを、他方の報知音のボリュームよりも高くすることによって、前記一方の報知音を優先して出力すること、一方の報知音を先に出力し、他方の報知音を後に出力することによって、前記一方の報知音を優先して出力することなども含む。演出制御用CPU120は、このような方法によって、所定の報知音を優先して
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
音出力装置(例えば、スピーカ8L、8Rなど)と、
遊技の進行に対応した演出音を前記音出力装置から出力させる演出音出力制御を行う演出音出力制御手段(例えば、ステップS172の処理を行う演出制御用CPU120など)と、
前記異常検出手段が前記異常を検出したことに応じて、当該異常が発生したことを示す異常報知音を前記音出力装置から出力させる異常報知音出力制御を行う異常報知音出力制御手段(例えば、ステップS706の処理を行う演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記異常報知音出力制御手段は、前記演出音よりも前記異常報知音の方が優先して出力されるように前記異常報知音出力制御を行う(例えば、異常報知音を演出音よりも優先して再生出力させる演出制御用CPU120など)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、報知音が聞き取りやすく、異常を認識しやすい。
なお、優先して出力するとは、報知音を出力し、演出音を出力しないことによって、報知音を優先して出力することの他、報知音のボリュームを、演出音のボリュームよりも高くすることによって、報知音を優先して出力することなども含む。