まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、遊技機用枠3を回動可能に支持する外枠200(図3、図4参照)と、から構成されている。遊技盤2の前面には、ガイドレール2bによって囲まれた遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、後述する第1透明板50a及び第2透明板50bを有する開閉扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該開閉扉枠50により遊技領域10を含む遊技機用枠3の前面を開閉できるようになっており、開閉扉枠50により遊技機用枠3の前面を閉鎖したときに第1透明板50a及び第2透明板50bからなる透視部を通して遊技領域10を透視できるようになっている。尚、開閉扉枠50は、遊技場の店員がメンテナンス等を行うときに開放するものであって、開閉扉枠50は、店員が所持する所定の鍵を用いて施錠され、遊技者が開放できないようになっている。
遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて、図1に示すように、正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられている。尚、本実施例では、遊技盤2を非透光性部材に形成した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技盤2を、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材からなる盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)とにより形成しても良い。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、パチンコ遊技機1の前後方向に貫通する開口2cが形成されており、開口2cには、環状のステージ飾り枠51が嵌合されている(図5参照)。また、遊技盤2の後方には、後述する投影装置400から投影される画像を映し出すための3つのスクリーンを備えるスクリーンユニット300や、演出表示装置5が設けられており、スクリーンユニット300と演出表示装置5を、開口2cを通して視認できるようになっている。
演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
演出図柄の変動表示は、スクリーンユニット300と演出表示装置5のいずれにおいても実行される。演出表示装置5において演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出表示装置5の表示領域に設定された、「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにて個々に演出図柄の変動表示が実行され、変動表示が終了するときに、「左」、「中」、「右」の各演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
また、スクリーンユニット300において演出図柄の変動表示が実行される場合にも、演出表示装置5と同様に、「左」、「中」、「右」の3つの表示領域にて演出図柄の変動表示が実行され、変動表示が終了するときに、「左」、「中」、「右」の3つの表示領域に確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、スクリーンユニット300及び演出表示装置5では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、確定演出図柄(最終停止図柄)をスクリーンユニット300または演出表示装置5の一方のみに表示するようにしても良い。また、特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
スクリーンユニット300や演出表示装置5において変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやはずれとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の上部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示にて左側の第1保留記憶表示エリア5Dに表示し、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の青色表示にて右側の第2保留記憶表示エリア5Uに表示する。本実施例では、第1保留記憶表示エリア5Dの保留記憶表示が右方向にシフトされ、第2保留記憶表示エリア5Uの保留記憶表示が左方向にシフトされる。つまり、保留記憶表示が演出表示装置5の中央方向に向かってシフトされる。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、閉鎖位置となる閉鎖状態と開放位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動板が閉鎖位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動板が開放位置となる開放制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの右方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉(図示略)を備え、その大入賞口扉(図示略)によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口(図示略)を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉(図示略)が大入賞口(図示略)を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉(図示略)が大入賞口(図示略)を開放状態として、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口(図示略)を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口(図示略)を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口(図示略)に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口(図示略)が閉鎖状態となれば、大入賞口(図示略)に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの右側には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の前面(遊技盤面)には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘(図示略)が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
開閉扉枠50の上部位置には、前方に突出する上突出部210Aが設けられているとともに、該上突出部210Aの両側に隣接して、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられている。更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。尚、本実施例では、遊技領域10内のスクリーンユニット300の周辺部にも演出用LED9’が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲にも、演出用LED9が配置されていてもよい。開閉扉枠50の右下部位置には、遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)52が設けられている。例えば、打球操作ハンドル52は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル52には、発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における開閉扉枠50の所定位置には、賞球や貸玉として払い出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。
開閉扉枠50の前面下部には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含む。スティックコントローラ31Aの下部には、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられている。
スティックコントローラ31Aの上方には、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における打球供給皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
また、外枠200の下部には、幕板214(図3参照)が設けられており、該幕板214の内部には、低音出力用のスピーカ8Uが内蔵されている。
図3は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図4は、開閉扉枠を開放して遊技盤を遊技機用枠に取付ける状態を示す斜視図である。図5は、パチンコ遊技機の内部構造を示す概略縦断面図である。図6は、(A)は第2スクリーンが第2退避位置、第3スクリーンが第3退避位置、(B)は第2スクリーンが第2投影位置、第3スクリーンが第3退避位置にある状態を示すスクリーンユニットの斜視図である。図7は、(A)は投影装置とスクリーンユニットとの位置関係を示す概略縦断面図、(B)は投影装置とスクリーンユニットとの位置関係を示す概略横断面図である。図8は、(A)は第2スクリーンが第2投影位置、(B)は第3スクリーンが第3投影位置、(C)は第2スクリーンが第2退避位置、第3スクリーンが第3退避位置にあるときの投影光及び投影画像を示す説明図である。
図3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側、つまり、遊技機用枠3の背面上部には、遊技場に設置される遊技島(図示略)から供給される遊技球を受ける球タンク150が設けられている。球タンク150に供給された遊技球は、補給通路151を流下して左側の払出装置152に供給される。払出装置152から払い出された遊技球は、賞球通路153を流下してパチンコ遊技機1の前面に設けられた打球供給皿に誘導される。また、遊技機用枠3の背面における補給通路151の上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板154が設置されている。ターミナル基板154には、例えば、情報出力信号(セキュリティ信号、遊技機エラー状態信号等)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに開閉扉枠50が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
外枠200は、四角枠状に形成されており、該外枠200の下部には、幕板214が設けられている。外枠200には、遊技機用枠3が左側辺を中心として外枠200を閉鎖する閉鎖位置と外枠200を開放する開放位置との間で回動可能に支持されており(図4参照)、遊技機用枠3が閉鎖位置にあるときに、遊技機用枠3と幕板214とにより開口が閉鎖されるようになっている。
図4に示すように、遊技機用枠3には、遊技機用枠3とほぼ同形に形成された枠体50cと、第1透明板50a及び第2透明板50bとを有する開閉扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、遊技領域10を含む遊技機用枠3の前面を開閉できるようになっている。開閉扉枠50を閉鎖したときには、第1透明板50a及び第2透明板50bを透して遊技領域10を透視できるようになっている。また、開閉扉枠50は、遊技機用枠3の前面全域を被覆可能な大きさに形成されており、第1透明板50aの下方には打球操作ハンドル52が設けられている。
また、遊技機用枠3には、正面視四角形状の開口部160が形成されており、開口部160を閉鎖するように遊技盤2が前方から着脱可能に取付けられる。遊技盤2は、該遊技盤2の前後面に設けられる各種部材や電子部品等を含む構造体である。また、遊技盤2の背面には、演出表示装置5、スクリーンユニット300及び演出用可動物等が組付けられたカバー体220が取付けられ一体化されている。カバー体220は、外部からの光の入射を遮ることができるように黒色で不透明な合成樹脂材により前面が開口する略箱状に形成され、遊技盤2の背面略全域を覆うように該遊技盤2の背面に取付けられる。このように、カバー体220が一体に取付けられた遊技盤2が遊技機用枠3に取付けられると、カバー体220が開口部160を介して遊技機用枠3の背面側に突出するようになっている(図5参照)。
パチンコ遊技機1の後方に向けて膨出するカバー体220の外周面下部に形成された傾斜面220aには主基板11が収納された遊技制御基板ケース11Aが設けられている。また、遊技機用枠3の背面におけるカバー体220の下方には、遊技球の払い出しに関わる制御を行う払出制御基板91が収納された払出制御基板ケース91Aと、パチンコ遊技機1に電力を供給するための電源基板92が収納された電源基板ケース92Aと、が前後に重畳するように設けられている。このようにすることで、カバー体220の背面には、基板が配置されないので、カバー体220の奥行き方向の突出寸法を大きくとることにより、スクリーンユニット300と投影装置400との離間距離を大きくできるようにしている。
図4〜図6に示すように、開閉扉枠50の前面には、第2透明板50bの上方の上突出部210Aと、第2透明板50bの左右の側方突出部210Bと、第2透明板50bの下方の下突出部210Cと、からなるカバー部材が、それぞれ第2透明板50bに対し前方に突出するように設けられている。
上突出部210Aは、開閉扉枠50の上辺に沿って庇状に形成され、左右方向の中央位置には投影装置400を収容可能な収容部211が設けられている。また、収容部211の左右にはスピーカ8L,8Rが収容されている。尚、上突出部210Aにおける収容部211に対応する部分は、その左右側よりもやや前方に突出している。側方突出部210Bは、開閉扉枠50の左側辺及び右側辺それぞれに沿って上下方向に延設され、正面視細長帯状に形成されている。下突出部210Cは、開閉扉枠50の下辺に沿って形成され、打球供給皿、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等が設けられている。尚、上突出部210Aにおける収容部211に対応する部分は、側方突出部210Bよりも前方に大きく突出している。
上記したように、側方突出部210Bにスピーカ8L,8Rを配置することで、遊技者とスピーカ8L,8Rの距離を短縮することができるため、他のパチンコ遊技機1から出力される音の影響を受けにくくなり、効果音の効果を高めることができる。
尚、スピーカ8L,8Rは、弾性部材である防振ゴム(図示略)を介して収容部211に固定されており、スピーカ8L,8Rの振動が投影装置400に伝搬して、投影画像が不鮮明となってしまうことを防ぐことができるようにしている。
図1に示すように、上突出部210Aは、細長帯状の側方突出部210Bを介して下突出部210Cと一体に形成されている。よって、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等が操作されることにより下突出部210Cに振動が生じた場合、側方突出部210Bを介して上突出部210Aに振動が伝達されるが、側方突出部210Bは、上突出部210Aや下突出部210Cに比べて表面積が小さく、かつ、突出長さも小さいことで、振動が上突出部210Aに伝達されにくくなる。よって、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等の操作により生じる振動で投影装置400から投影された画像が揺れることが抑制される。
第1透明板50a及び第2透明板50bは、枠体50cの開口を閉鎖するように設けられている。本実施例では、第1透明板50aは透明なガラス板にて構成され、第2透明板50bは、前方側からの光の入射を防ぐために、半透明のアクリル樹脂板(いわゆるスモークアクリル板)にて構成されており、第1透明板50a及び第2透明板50bは、前方、つまり、遊技者側から見て第2透明板50b、第1透明板50aの順に配置されている。
また、第1透明板50aは第2透明板50bよりも薄い板厚寸法を有する平板(ガラス板)にて形成されている。
このように、本実施例では、第2透明板50bが存在することにより、第1透明板50aは、遊技者によって殴打されること等が無いとともに、投影装置400から投影される画像の光(投影光)は、第1透明板50aを透過しなければならないため、できるだけ第1透明板50aによる屈折や光の吸収等を抑えることが好ましいので、第1透明板50aの板厚を、遊技球の衝突等によって破損しない強度を有する最小限の厚みとなるようにしている。
また、第2透明板50bとしてアクリル樹脂板を用いることにより、第2透明板50bが破損しても破片が飛散してしまうことを防ぐことができるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2透明板50bとして第1透明板50aと同じくスモークフィルムを貼着したガラス板等を用いても良い。また、逆に、第1透明板50aと第2透明板50bの双方をアクリル樹脂板としても良い。
尚、本実施例の第1透明板50a(ガラス板)の表面には、光の反射を抑えるために、蒸着によって銀の薄膜が形成されている。
このように、第1透明板50aにのみ銀の薄膜を表面に形成しているのは、本実施例では、投影装置400から投影される画像の光(投影光)は、第2透明板50bは透過しないが、第1透明板50aを透過しなければならないとともに、第1透明板50aに対して斜め上方から投影光が入射されるので、投影光が第1透明板50aにて反射され易いことから、これら投影光が第1透明板50aにて反射されることを、銀の薄膜を表面に形成することによって防ぐようにしている。
尚、本実施例では、反射防止膜として銀薄膜を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら銀薄膜以外の反射防止膜を使用しても良い。
また、本実施例では、第1透明板50aと第2透明板50bとに平板を用いた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、湾曲する湾曲板や、屈曲板等にて構成されていてもよい。
また、本実施例では、上記したように、第1透明板50aを透明なガラス板にて構成し、第2透明板50bを半透明のアクリル樹脂板にて構成した形態を例示したが、第1透明板50aと第2透明板50bの少なくとも一方を、ガラス板またはアクリル樹脂板以外の透明素材、例えば、ポリカーボネート樹脂等にて構成されていてもよい。このように、第1透明板50aと第2透明板50bとは、異なる素材にて構成されていてもよいし、同一の素材にて構成されていてもよい。
第1透明板50aは、略鉛直方向に沿って立設されており、開閉扉枠50が閉鎖位置にあるときに、遊技盤2に対し前方に離れた位置において略平行をなし、該遊技盤2との間に遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されるようになっている。
第2透明板50bは、第1透明板50aに対し前方に離れた位置において傾斜するように設けられる。詳しくは、第1透明板50aと第2透明板50bとの上端部間の前後寸法D1が、第1透明板50aと第2透明板50bとの下端部間の前後寸法D2よりも長寸となるように設けられている(D1>D2)。つまり、第2透明板50bは、下方から上方にかけて漸次、第1透明板50aとの距離が増大するように傾斜して設けられている。
また、第1透明板50aと第2透明板50bとの間に形成される空間の側周面は閉鎖枠212により覆われており、第1透明板50aと第2透明板50bとの間に手指を挿入できないようになっている。また、閉鎖枠212における収容部211に対応する部分(上部)には投影口213が形成されており、該投影口213に投影部401(レンズ)が臨むように投影装置400が設けられている。
尚、本実施例における投影装置400は、後述するように、スクリーンユニット300における略箱状の第1スクリーン301、平面状の第2スクリーン302、湾曲板状の第3スクリーン303の各形状に合わせた画像を投影できるようになっている。尚、箱状の第1スクリーン301は、後述するように、左側板301Aと右側板301Bと下板301Cと背板301Dとを有している。
投影装置400は、投影部401を後斜め下向きにした状態で収容部211内に収容される。また、投影部401には、該投影部401からの投影光の拡散を防止する(投影範囲を決定する)ための拡散防止筒402が投影部401を囲むように設けられている。
このように投影装置400は、第1透明板50aと第2透明板50bと閉鎖枠212とにより囲まれた空間と収容部211とを連通する投影口213に投影部401及び拡散防止筒402が臨むように収容部211に設けられることで、収容部211の後方に配設されるスクリーンユニット300に第1透明板50aを通して画像を投影可能となっている。詳しくは、投影部401から投影された投影光は、第1透明板50aの前方から該第1透明板50aを斜めに透過し、遊技盤2の開口2cを通過してスクリーンユニット300に到達するようになっている。つまり、投影装置400は、投影部401から投影される光が第2透明板50bを通過せずに第1透明板50aを通過する位置に設けられている。
また、投影部401及び拡散防止筒402は、第1透明板50aと第2透明板50bと閉鎖枠212とにより囲まれた空間内に投影口213を介して臨むように設けられていることで、投影部401及び拡散防止筒402の前方が第2透明板50bにより被覆されるため、第1透明板50aと第2透明板50bと閉鎖枠212とにより囲まれた空間内に手指や異物を進入させることができないので、投影部401から投影された投影光が手指で遮られたり、投影部401(レンズなど)や第1透明板50aに触られて指紋がついたりすること等を回避できる。
図3〜図5に示すように、開閉扉枠50の背面下部には、演出制御基板12が収納された演出制御基板ケース12Aが取付けられている。演出制御基板12には、配線230の一端が接続されている。この配線230は、遊技機用枠3の下部に形成された挿通口215を介して遊技機用枠3の背面側に延設され、該配線230の他端は、主基板11やスクリーン用モータ304A,304B等を含む各種基板及び演出用電子部品にそれぞれ接続されている。尚、本実施例では、演出制御基板12を開閉扉枠50の背面下部に設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー体220の背面以外であれば、その他の部分に演出制御基板12を配置するようにしても良い。
図6及び図7に示すように、スクリーンユニット300は、前方及び上方に向けて開口する略箱状に形成された第1スクリーン301と、第2スクリーン302及び第3スクリーン303と、第2スクリーン302及び第3スクリーン303をそれぞれ個別に移動させるためのスクリーン用モータ304A,304Bと、スクリーン用モータ304A,304Bの駆動力を第2スクリーン302、第3スクリーン303に伝達するための機構ユニット305とを有し、カバー体220に固設されている。
第1スクリーン301は、左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dにより前方及び上方に向けて開口する略箱状、つまり、立体状に形成されている。左側板301Aと右側板301Bとは、前方に向けて漸次離間寸法が大きくなるように平面視略ハの字状に配設されていることで、前方から視認できるようになっている。下板301Cは、前方に向けて下方に傾斜するように配設されていることで、前方から視認できるようになっている。背板301Dは、略鉛直方向に向けて遊技盤2と略平行をなすように配設されている。
第2スクリーン302は、軟質の合成樹脂材からなるベース板302Aと、ベース板302Aの前面側に嵌合される化粧板302Bと、から構成されている。化粧板302Bは、正面視略長方形状をなす平板とされている。また、ベース板302Aの左右側には、機構ユニット305の内部に設けられた回動軸(図示略)に軸支されたアームが取付けられている。よって、第2スクリーン302は、スクリーン用モータ304Aの駆動により、第1スクリーン301の前方を覆うように配置される第2投影位置(図6(B)において実線で示す位置)と、第1スクリーン301の上方に退避する第2退避位置(図6(B)において2点鎖線で示す位置)と、の間で左右方向を向く回動軸心を中心として回動可能とされている。尚、第2投影位置においては、上方に向けて背面側に傾倒するように配置される。
第3スクリーン303は、正面視略長方形状をなし、上下方向の略中央位置が前側に湾曲する湾曲板とされている。また、第3スクリーン303の左右側には、機構ユニット305の内部に設けられた回動軸(図示略)に軸支されたアームが取付けられている。よって、第3スクリーン303は、スクリーン用モータ304Bの駆動により、第1スクリーン301の前方を覆うように配置される第3投影位置(図8(B)において実線で示す位置)と、第1スクリーン301の背面側に退避する第3退避位置(図8(A)(C)において実線で示す位置)と、の間で左右方向を向く回動軸心を中心として回動可能とされている。
このように、第1スクリーン301はカバー体220に固設されており、第2スクリーン302及び第3スクリーン303は第1スクリーン301に対し回動可能に設けられている。尚、本実施例では、第2スクリーン302と第3スクリーン303とは、第2投影位置及び第3投影位置それぞれに一緒に配置されることはなく、交互に配置されるようになっているが、双方が一緒に第2投影位置及び第3投影位置に配置される構成にしてもよい。
つまり、投影装置400によって画像が投影される被投影部としてのスクリーンユニット300は、第2スクリーン302と第3スクリーン303とが第2投影位置と第3投影位置とに選択的に配置可能に設けられていることで、形状を変化可能である。具体的には、第2スクリーン302が第2投影位置に配置されて被投影部となる第1形状と、第3スクリーン303が第3投影位置に配置されて被投影部となる第2形状と、第2スクリーン302と第3スクリーン303とが第2投影位置と第3投影位置に退避し、第1スクリーン301が被投影部となる第3形状と、に変化可能である。
図7において1点鎖線で示すように、投影装置400は、投影部401から投影された投影光が投影装置400の後斜め下方に配設された第1スクリーン301に到達するように設けられている。具体的には、投影部401から投影された投影光の投影範囲は、上限が背板301Dの上端よりやや上方、下限が下板301Cの前端よりやや下方、左限が左側板301Aの前端、右限が右側板301Bの前端となる範囲とされている。
また、投影装置400は、投影部401から投影された投影光が、遊技盤2の前面である遊技盤面や、開口2cに嵌合され、遊技盤面側から遊技領域10に向けて突設されたステージ飾り枠51や、演出表示装置5などにより遮られることがないように設けられている。
尚、遊技球は遊技領域10を通過するようになっているので、スクリーンユニット300が配置される開口2cの周りの遊技領域10を遊技球が通過する。つまり遊技球が通過する通過経路は、投影装置400からスクリーンユニット300までの投影光が投影される範囲である投影経路以外に設けられている。そのため、遊技領域10を通過する遊技球の影がスクリーンユニット300に投影されてしまうことが無いようにしている。
このように構成された投影装置400とスクリーンユニット300にあっては、図8(A)に示すように、第2スクリーン302が第2投影位置にあるときは、第2スクリーン302の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出図柄の変動表示など)が表示される。
また、図8(B)に示すように、第3スクリーン303が第3投影位置にあるときは、第3スクリーン303の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出画像など)が表示される。尚、画像は、第3スクリーン303の湾曲面に応じた画像が投影される場合がある。
また、図8(C)に示すように、第2スクリーン302が第2退避位置、第3スクリーン303が第3退避位置にあるときは、第1スクリーン301の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出画像など)が表示される。尚、画像は、それぞれ異なる方向を向く左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dに応じた画像が投影される場合がある。
投影装置400の投影部401から被投影部としての第1スクリーン301、第2スクリーン302及び第3スクリーン303までの距離はそれぞれ異なっている。詳しくは、図8(A)に示すように、投影部401から第2投影位置に配置された第2スクリーン302の前後左右方向の略中央位置までの距離L1と、図8(B)に示すように、投影部401から第3投影位置に配置された第3スクリーン303の前後左右方向の略中央位置までの距離L2と、図8(C)に示すように、投影部401から第1スクリーン301において最も後方に配置された背板301Dの前後左右方向の略中央位置までの距離L3と、はそれぞれ異なっている。
また、各距離L1,L2,L3の関係は、L3>L1>L2とされている。つまり、投影部401から第3投影位置にある第3スクリーン303までの距離L2が最も短く、投影部401から第1スクリーン301の背板301Dまでの距離L3が最も長くなっており、投影部401から第2投影位置にある第2スクリーン302までの距離L1は、距離L2と距離L3との間の長さとなっている(L3>L1>L2)。すなわち、投影装置400によって画像が表示される被投影部は、投影部401との距離が最も長い遠領域としての背板301Dと、投影部401との距離が最も短い近領域としての第3投影位置にある第3スクリーン303と、背板301Dと第3スクリーン303との間の中間領域としての第2投影位置にある第2スクリーン302と、を含む。
このように、第1スクリーン301の背板301Dに画像を投影する場合と、第2スクリーン302に画像を投影する場合と、第3スクリーン303に画像を投影する場合と、で投影部401からの距離が異なるため、例えば、投影部401の焦点を該投影部401に最も近い第3スクリーン303に合わせると、最も後方にある背板301Dに投影する際における焦点のずれが大きくなる。また、投影部401の焦点を該投影部401から最も遠い背板301Dに合わせると、最も前方にある第3スクリーン303に投影する際の焦点のずれが大きくなり、画像が見づらくなってしまう。
よって、本実施例では、背板301Dと第3スクリーン303との間の第2投影位置に配置される第2スクリーン302に予め焦点Fを合わせて調整していることで、第1スクリーン301の背板301Dに画像を投影する場合、第2スクリーン302に画像を投影する場合及び第3スクリーン303に画像を投影する場合における焦点のずれを小さく抑えることができるので、各スクリーンに投影される画像が見づらくなることを防ぐことができる。
尚、本実施例では、第2投影位置は、後方の背板301Dと前方の第3スクリーン303との中間位置よりやや前方位置であるが、前述したように第2スクリーン302が第2投影位置に配置される状態がスクリーンユニット300の駆動初期状態とされ、演出図柄の変動表示画像等を投影する時間が長いため、図8(A)に示すように、焦点Fを第2投影位置に配置される第2スクリーン302に合わせているが、背板301Dと第3スクリーン303との間の中間領域に合わせれば良く、背板301Dと第3スクリーン303との中間位置あるいは該中間位置よりやや後方位置等に合わせてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板、前述したターミナル基板154などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、投影装置400、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9,9’、スクリーンユニット300といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、投影装置400における表示投影動作や、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9,9’などにおける点灯/消灯動作の全部または一部、スクリーンユニット300の動作制御全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8R,8Uから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9,9’などにおける点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、遊技機用枠(台枠)3が開放されたことを検知する扉開放スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、扉開放スイッチ24は、遊技機用枠3(開閉扉枠50)の開放を検知できるものであれば、任意の構成のセンサを使用することができる。尚、扉開放スイッチ24は1のスイッチではなく、複数のスイッチやセンサを含むのもであっても良い。
また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、投影装置400における投影動作や演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、演出用LED9,9’の点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図9(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図9(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図9(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して、変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態;通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態;時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態;時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態;時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンド9F00(H)は、デモンストレーション画面(デモ画面)の表示が可能であることを通知する演出制御コマンド(デモ表示可能コマンド)である。尚、本実施例におけるデモ表示可能コマンドは、デモ画面の表示を許可するコマンドであって、当該デモ表示可能コマンドを受信した演出制御基板12は、受信直後にデモ画面を表示(デモ演出を開始)するのではなく、後述するように、所定時間に亘って変動表示が無かった場合に、デモ画面を表示するようにしている。尚、主基板11からデモ表示可能コマンドを送信しない態様であっても良く、演出制御基板12において、所定期間変動表示が無く、遊技者による操作も無かった場合に、デモ画面を表示する旨の判定を行うようにしても良い。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。これら第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドが出力されることにより、演出制御基板12において、RAM122の所定の記憶領域に設定された第1特図保留記憶領域並びに第2特図保留記憶領域において、第1特図保留記憶番号または第2特図保留記憶番号に対応する各格納領域(エントリ)のうち、始動入賞フラグがセットされていない最上位の格納領域(エントリ)に始動入賞フラグがセットされる。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
コマンドC701(H)は、遊技機用枠(台枠)3が開放されたこと(開状態となったこと)を指定(通知)する演出制御コマンド(扉開放指定コマンド)である。該演出制御コマンド(扉開放指定コマンド)は、遊技機用枠(台枠)3が新たに開放されたことにより扉開放スイッチ24からの信号の入力が開始されたときに送信設定される。
コマンドC702(H)は、遊技機用枠(台枠)3が開放されたこと(閉状態となったこと)を指定(通知)する演出制御コマンド(扉閉鎖指定コマンド)である。該演出制御コマンド(扉閉鎖指定コマンド)は、遊技機用枠(台枠)3が閉じた状態となったことにより扉開放スイッチ24からの信号の入力が終了されたときに送信設定される。
尚、本実施例では、扉開放指定コマンドを演出制御基板12が受信することにより扉開放エラー報知が開始され、扉閉鎖指定コマンドを演出制御基板12が受信することにより扉開放エラー報知が終了する。
コマンドC8XX(H)は、各種エラー(扉開放エラー以外のエラー)が発生したときにエラー報知を行うことを指定(通知)する演出制御コマンド(エラー報知コマンド)である。該演出制御コマンド(エラー報知コマンド)のEXTデータ(XX)には、発生したエラーの種別に対応する値が設定される。
尚、本実施例では、第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bにより遊技球が検出されたにもかかわらず、これらスイッチの下流にある確認スイッチ(図示略)にて遊技球が検出されていないとき等の不正な入賞が検出されたことにより入賞エラーと判定されたときにエラー報知コマンドが送信設定される。その他にも、例えば、電波検出器(図示略)により不正な電波が所定時間に亘り検出されたことにより電波エラーと判定されたときや、磁石検出器(図示略)により磁石の近接により規定以上の磁力が所定時間に亘り検出されたことにより磁石エラーと判定されたとき等にもエラー報知コマンドが送信設定される。
本実施例では、EXTデータ(XX)にエラー報知の種別及び開始を示す値が設定されたエラー報知コマンドを演出制御基板12が受信することにより、対応する種別のエラー報知が開始される。本実施例では、投影装置400(または演出表示装置5)を用いてエラー報知に係る画像を投影(表示)するようにしている。このエラー報知は、EXTデータ(XX)にエラー報知の種別及び終了を示す値が設定されたエラー報知コマンドを演出制御基板12が受信することにより、対応する種別のエラー報知が終了する。例えば、エラー報知コマンドのEXTデータの値が、「01」であるときには入賞エラー報知の開始指定に対応し、「02」であるときには入賞エラー報知の終了指定に対応している場合には、コマンドC801を演出制御基板12が受信することにより、入賞エラー報知が開始され、コマンドC802を演出制御基板12が受信することにより、入賞エラー報知が終了する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図10は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図10に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば、RAM102の遊技制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図11は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図11に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。また、スーパーリーチβ、スーパーリーチαのリーチ演出中においては、いずれも、スクリーンユニット300が変化する演出が実行される場合があるが、これらスクリーンユニット300が変化する演出が実行される割合(確率)は、スーパーリーチαよりもスーパーリーチβの方が高くなるように設定されている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図11に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図12は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図13は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図13(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図13(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図13(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、前述したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、本実施例では、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変大当り」とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の大当りの種別を設定するようにしても良い。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図11に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、更に、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば遊技制御用データ保持エリアが設けられている。この遊技制御用データ保持エリアは、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部は、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部は、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
本実施例の演出制御基板12には、図2に示すように、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理や投影装置400における投影動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
本実施例の表示制御部123は、主基板11からの前述した表示制御コマンドの受信に基づいて演出制御用CPU120から出力される指示に応じて、ROM121に記憶されているキャラクタ画像データ等の各種画像データを読み出して、投影装置400により投影される画像や演出表示装置5に表示される画像データを生成して投影装置400や演出表示装置5に出力する。
尚、本実施例のスクリーンユニット300には、前述したように、箱状の第1スクリーン301、平面状の第2スクリーン302、湾曲板状の第3スクリーン303が設けられているため、これら箱状の第1スクリーン301、平面状の第2スクリーン302、湾曲板状の第3スクリーン303のそれぞれの形状に合わせて予め作成された画像データがROM121に記憶されており、これら各スクリーン形状に合わせた画像を用いた画像が表示制御部123において生成され(読み出され)て投影装置400に出力されることにより、各スクリーン形状に合わせた画像が投影装置400により投影される。
尚、本実施例では、ROM121に記憶された画像として、各スクリーン形状において、投影対象となる各部位に対応付けられた画像、つまりプロジェクションマッピング技術により作成された画像を用いている。
これら各スクリーン形状に合わせた画像としては、具体的は、略箱状をなす第1スクリーン301に投影する画像であれば、第1スクリーン301を構成する左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dのそれぞれに投影する画像として、本実施例では、例えば、図8(C)に示すように、略箱状をなす第1スクリーン301を部屋に見立てた画像が例示される。この部屋に見立てた図8(C)に示す画像は、下板301Cに投影される領域の画像を奥側が狭幅となると下板301Cに形成される面の形状に合致させた床面の画像とし、左側板301Aに投影される領域の画像を左側板301Aが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像とし、右側板301Bに投影される領域の画像を右側板301Bが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像とし、背板301Dに投影される領域の画像を背板301Dが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像として予め作成されたもの、すなわち、略箱型の第1スクリーン301を構成する各面の領域毎に合致させた画像を各面に投影するためにマッピングされた画像(いわゆるプロジェクションマッピング画像)とされている。
また、湾曲状をなす第3スクリーン303に投影する画像であれば、第3スクリーン303が有する湾曲面に投影する画像として、本実施例では、例えば、図8(B)に示すように、作業車のタイヤに見立てた画像が例示される。この作業車のタイヤに見立てた図8(B)に示す画像は、第3スクリーン303の上下の端部領域部分に投影される画像としてタイヤの上下端部であり、奥方にタイヤがあるように見える画像を割り当て(マッピング)、第3スクリーン303の上下方向の中央領域部分に投影される画像としてタイヤの中央部であり、手前側にタイヤがあるように見える画像を割り当て(マッピング)した画像とされている。
また、平面状をなす第2スクリーン302に投影する画像であれば、第2スクリーン302の傾斜と第2スクリーン302の面に合わせた画像、例えば、図8(A)に示すように、第2スクリーン302の傾斜によらず、上下に移動(変動)する演出図柄の画像が例示される。この第2スクリーン302の傾斜によらない図8(A)に示す画像は、第2スクリーン302の下端部領域部分に投影される画像として、上端部領域部分に投影される画像よりも幅寸法が狭くなる画像を割り当てた(マッピング)画像とされている。
尚、本実施例では、各スクリーン301,302,303のそれぞれの形状に合わせて予めマッピングして画像を作成しておき、その画像データをROM121に記憶しておき、表示制御部123がROM121に記憶された画像データを読み出して、投影装置400に出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各スクリーン301,302,303のそれぞれの形状に対応したマッピング済みの画像を予め作成しておくものでなくても良い。例えば、各スクリーン301,302,303の形状に対応していない画像データと、各スクリーン301,302,303の形状に合致させて画像をマッピングするための領域(座標)が記述されたマッピング用データをROM121に記憶しておき、表示制御部123がROM121に記憶された画像データとスクリーンに応じたマッピング用データとを読み出すとともに、その読み出した画像データを各スクリーン301,302,303の形状に対応するようにリアルタイムにてマッピングして、該マッピングした画像をスクリーン301,302,303に投影装置400を用いて投影するようにしても良い。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、投影装置400や演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、スクリーンユニット300に設けられたスクリーン用モータ304A,304Bに駆動信号を出力するための配線などが接続されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とする一方、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。即ち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
投影装置400により投影されるスクリーンユニット300や演出表示装置5では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上の領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、例えば、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄変動エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄変動エリア(例えば「中」の演出図柄変動エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。尚、これらリーチ状態は、スクリーンユニット300における変動表示においても発生する。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、スクリーンユニット300や演出表示装置5に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたり、スクリーンユニット300の形状を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、スクリーンユニット300や演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8R,8Uによる音声出力動作や、演出用LED9,9’などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図11に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図11参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、LED点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上の「左」、「中」、「右」の変動エリアの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の変動エリアにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留記憶表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば、スクリーンユニット300上や演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、上記した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、スクリーンユニット300や演出表示装置5に通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各変動エリアにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、スクリーンユニット300や演出表示装置5にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に配置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図15は、特別図柄プロセス処理として、図14に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞処理を実行する(S21)。該始動入賞処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、図16に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、更には変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図14に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図14に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図17(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図16のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図15のS22、図18)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図15のS23)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
図17(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図12に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図16のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、変動表示結果が「はずれ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S124)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S125)。時短フラグがセットされていない場合は(S125;N)、はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし、時短フラグがセットされている場合は(S125;Y)、はずれ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S127)。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。
尚、本実施例では、これらのはずれ用変動パターン判定テーブルAやはずれ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、これらはずれ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、はずれ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aまでの値が割り当てられており、はずれ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aを超える値が割り当てられている。一方、はずれ用変動パターン判定テーブルA〜Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうちB〜997までの値が割り当てられている。
このため、S126においてはずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、はずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
図17(A)に示すように、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S130)。
S126,S127,S130の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127,S130の処理にて設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(S131)。本実施例では、図17(B)に示すように、少なくとも変動表示結果が「はずれ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
その後、S131の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理、図柄確定コマンドを送信設定する処理、時短回数カウンタを減算更新するととともに減算更新後の時短回数カウンタが0である場合に時短フラグをクリアする処理、大当りフラグがセットされている場合(当該変動表示で大当り図柄を導出表示した場合)に大当り開始指定コマンドを送信設定する処理、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、スクリーンユニット300の投影画像や演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する処理等が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、投影装置400とスクリーンユニット300、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9,9’などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図18は、特別図柄通常処理として、図15のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に格納された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に格納された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図12に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図13(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば、図28に示すように、演出表示装置5及び投影装置400を用いて所定の演出画像を表示(投影)することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(デモ表示可能コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、デモ表示可能コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示可能コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図19は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S50)。そして、演出制御用CPU120は、演出表示装置5や投影装置400やスクリーンユニット300等の各演出装置の起動タイミングを設定するための演出装置起動設定処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して投影装置400や演出表示装置5の制御や、スピーカ8L,8R,8Uからの効果音の出力制御や、演出用LED9,9’の点灯制御や、スクリーンユニット300の制御等を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。
次いで、演出制御用CPU120は、各種エラー(扉開放エラー以外のエラー)が発生した場合にエラー報知を行うエラー報知処理を実行する(S57)。このエラー報知は、前述したエラー報知コマンドを演出制御基板12が受信したときに実行される。
次いで、演出制御用CPU120は、遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放された場合に実行される扉開放中処理を実行する(S58)。この扉開放中処理では、後述するように、投影装置400が画像の投影を停止するとともに、扉開放エラーの報知を行う(図31参照)。
次いで、演出制御用CPU120は、所定期間に亘って変動表示が行われていない場合にデモ演出を実行するデモ表示処理を実行する(S59)。このデモ表示処理では、投影装置400を用いてデモ演出(デモンストレーション演出)に係るデモ画像の投影を行う通常モードデモ演出と、投影装置400を用いずに演出表示装置5のみでデモ演出に係るデモ画像の表示を行う省エネモードデモ演出とを実行する(図28参照)。
次いで、演出制御用CPU120は、投影装置400及び演出表示装置5の光量調整を行うためのメニュー画面を表示するとともに、該光量調整の操作を受け付けるメニュー表示操作処理を実行し(S60)、その後、S52に移行する。
ここで、本実施例の演出装置起動設定処理(S51)について、図26を用いて以下に説明する。尚、投影装置400は、電力供給が開始直後の状態であって所定の作動温度に達する前に画像を投影すると、色むら等が生じた不適切な投影が行われてしまう虞があるため、電力供給が開始されてから正常に画像投影を行える所定の作動温度に達するまで暖機運転を行う必要がある。これに対して演出表示装置5は、電力供給が開始直後の状態であっても正常な態様で画像を表示できる。つまり、電力供給が開始されてから作動可能となるまでの起動時間が投影装置400の方が演出表示装置5よりも長くなっている。
図26に示すように、パチンコ遊技機1に電力供給が開始されると、先ず、演出表示装置5の起動が完了し、該演出表示装置5を用いて画像の表示が開始される。この演出表示装置5には、パチンコ遊技機1が起動中である旨を報知する起動時画像が表示される。
また、投影装置400は、電力供給の開始直後に暖機運転を開始し、その暖機運転中には、画像を投影しないようにしている。そして、投影装置400の暖機運転が完了した後に、投影装置400を用いて画像の投影が開始される。本実施例では、暖機運転が完了してからスクリーンユニット300に画像が投影されるので、不適切な投影が行われてしまうことを防ぐことができる。また、本実施例では、演出表示装置5を用いて電力供給の開始後に早期に画像を表示することができる。そのため、遊技者はパチンコ遊技機1の電力供給の開始直後であっても、演出表示装置5により表示される起動時画像などにより、遊技者は起動中である旨を認識することができる。
尚、本実施例では、投影装置400の暖機運転が完了する前に、演出表示装置5を用いて画像を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図27の変形例に示すように、投影装置400の暖機運転が完了した後に、演出表示装置5を用いて画像を表示するようにしても良い。
図27に示すように、電力供給が開始されると、先ず、演出表示装置5の起動が完了するが、画像を表示しないようにしている。また、投影装置400は、電力供給の開始直後に暖機運転を開始し、その暖機運転中には、画像を投影しないようにしている。そして、投影装置400の暖機運転が完了した後に、演出表示装置5及び投影装置400を用いて画像の表示(投影)が同時に開始される。本実施例では、パチンコ遊技機1への電力供給の開始に際して、投影装置400と演出表示装置5とが同時に表示(投影)状態になるので、演出表示装置5のみに画像が先に表示されてしまって投影装置400が故障しているのではないかと遊技者に誤解を与えてしまうことを防止できる。
尚、本発明における暖機運転には、投影装置400の温度を投影可能温度とする状態だけではなく、投影装置400を投影可能な状態とするための処理等を行う状態、たとえば、電源立ち上げ時(電源復旧時を含む)の初期設定や動作確認等を行っている状態を含むものであり、例えば、投影装置400が投影可能温度とする必要がない場合には、これら投影可能温度とする運転状態を伴わず、初期設定や動作確認等を行っている投影装置400を投影可能な状態とするための状態も、本発明の暖機運転に含まれる。
図20は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出制御用CPU120は、まず、RAM122の所定領域を参照し、遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放されているときにセットされる扉開放中フラグがセットされているか否かを判定する(S69)。つまり、遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放中であるか否かを判定する。尚、扉開放中フラグは、後述する扉開放中処理(図31参照)においてセットされるフラグであって、前述したコマンド解析処理(図19参照)において、扉開放指定コマンドを受信したときにセットされ、扉閉鎖指定コマンドを受信したときにクリアされる。ここで、扉開放中フラグがセットされていない場合は、S71に進む。一方、扉開放中フラグがセットされている場合は、S70を経由してからS71に進む。
S70において演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理の対象表示装置を演出表示装置5に限定する。後述するように、遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放されているときには、投影装置400を用いた演出画像の投影が行われず、演出表示装置5のみを用いて演出画像の表示が行われる(図32参照)。
次に、演出制御用CPU120は、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5において大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図21は、図20に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)における第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)における第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、図22に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S277)。尚、本実施例では、予告演出決定処理において、後述するようにキャラクタが登場するキャラクタ予告演出のみを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、キャラクタ予告演出以外のその他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしても良く、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
本実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)、スーパーリーチ、ノーマルリーチであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)であるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
そして、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図23に示す予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する(S292)。
尚、本実施例では、予告演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出決定用乱数を生成するための予告演出決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該予告演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
本実施例では、予告演出として、キャラクタAが登場してプッシュボタン31Bの押下操作を促す操作予告演出Aと、キャラクタBが登場してプッシュボタン31Bの押下操作を促す操作予告演出Bと、キャラクタA及びBが登場してプッシュボタン31Bの押下操作を促す操作予告演出Cと、が実行可能とされている。
予告演出種別決定用テーブルにおいては、図23に示すように、「予告演出なし」、「操作予告演出A」、「操作予告演出B」、「操作予告演出C」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図23に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出なし」に対して10個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出A」に対して5個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出B」に対して25個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出C」に対して60個の判定値が割り当てられている。
また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「予告演出なし」に対して55個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出A」に対して25個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出B」に対して15個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出C」に対して5個の判定値が割り当てられている。
また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」に対して80個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出A」に対して15個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出B」に対して5個の判定値が割り当てられ、「操作予告演出C」に対して0個の判定値が割り当てられている。
このように判定値が割り当てられていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも操作予告演出が実行され易くなるとともに、「操作予告演出C」が実行され易くなっている。また、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」が決定されやすくなっている。
図23に示すように予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合に比較して、「操作予告演出C」が決定され易くなるように設定されている。また、スーパーリーチはずれである場合については、その他のノーマルリーチはずれである場合よりも、「操作予告演出A」が決定され易くなるように設定されている。一方、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合よりも「予告演出なし」が決定され易くなるように設定されている。
このように設定されていることにより、操作予告演出が実行されないときよりも、操作予告演出が実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。更に、操作予告演出においては、操作予告演出Aや操作予告演出Bが実行されるときよりも、操作予告演出Cが実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。
尚、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて「大当り」となる確率を、各予告演出が実行されて「大当り」となる確率と各予告演出が実行されて「はずれ」となる確率の和で除算した数値である。
図22に戻り、S293においては、S292において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否か、つまり「操作予告演出A」、「操作予告演出B」、「操作予告演出C」のいずれかを決定したか否かを判定する。ここで、「操作予告演出A」、「操作予告演出B」、「操作予告演出C」のいずれの予告演出も決定していない場合、つまり、「予告演出なし」を決定した場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、「操作予告演出A」、「操作予告演出B」、「操作予告演出C」のいずれかを決定した場合には、S294に進んで、決定した予告演出の種別をRAM122の所定領域に記憶する。そして、S295に進んで、予告演出実行決定フラグをセットした後、当該予告演出決定処理を終了する。
図21に戻り、S277の予告演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277の予告演出決定処理において「操作予告演出A」、「操作予告演出B」、「操作予告演出C」のいずれかの予告演出が決定されたか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として本実施例の予告演出であるキャラクタ予告演出に対応する期間を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281に進む。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279経由することなくS281に進む。
これら予告演出開始までの期間としては、本実施例では、キャラクタが登場する予告演出が開始されるタイミングの前に、キャラクタが登場することの前兆を示す演出(図示略)が実施され、該前兆を開始するタイミングが予告演出の開始タイミングとされているので、予告演出を開始するまでの期間よりも短い期間が設定され、これら予告演出の開始タイミングは、予告演出の開始から実行される予告演出のプロセステーブルに基づいて特定されて予告演出が開始されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら前兆の演出を予告演出において実施しない場合にあっては、予告演出の開始タイミングが予告演出の開始タイミングとなるので、予告演出の開始タイミングまでの期間を予告演出開始待ちタイマに設定すれば良い。
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8R,8Uから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての投影装置400、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R,8U、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるため、及び投影装置400において変動パターンに応じた画像を投影させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。また、本実施例では、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を投影装置400に出力し、投影装置400が信号に応じた画像を投影することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図24は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S304;Y)、予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S306に進む。尚、特に図示しないが、予告演出実行中フラグは、予告演出開始待ちタイマがタイマアップして予告演出が開始されるときにセットされるフラグである。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置5及び投影装置400において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5及び投影装置400に出力する。そのようにして、演出表示装置5及び投影装置400において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示(投影)される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S310;N)、S312の実行後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データ(投影制御実行データを含む)やLED制御実行データや音出力制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
次に操作予告演出の演出内容について、図25を用いて説明する。図25(A)に示すように、操作予告演出Aでは、投影装置400及び演出表示装置5を用いてスクリーンユニット300に演出図柄の変動表示の画像が投影される。そして、ボタン操作の実行タイミングになったときに、演出表示装置5にキャラクタAの画像が表示されるとともに、プッシュボタン31Bの押下操作を促すための「ボタンを押してね!」等のボタン操作促進画像が表示される。
また、操作予告演出Aが実行される場合には、スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が通常態様の輝度で点灯される。尚、演出用LED9’における通常態様の輝度とは、少なくとも後述する操作予告演出C(連携演出)を実行するときの輝度よりも高い輝度であれば良い。また、演出表示装置5には、通常態様の輝度で画像が表示される。本実施例では、演出表示装置5により通常態様の輝度で画像が表示されるときには、スクリーンユニット300に投影された画像の輝度よりも高い輝度で表示される。尚、演出表示装置5における通常態様の輝度とは、少なくとも後述する操作予告演出C(連携演出)を実行するときの輝度よりも高い輝度であれば良い。
図25(B)に示すように、操作予告演出Bでは、投影装置400及び演出表示装置5を用いてスクリーンユニット300に演出図柄の変動表示の画像が投影される。そして、ボタン操作の実行タイミングになったときに、投影装置400にキャラクタBの画像が表示されるとともに、プッシュボタン31Bの押下操作を促すための「ボタンを押してね!」等のボタン操作促進画像が表示される。尚、操作予告演出Bが実行される場合には、スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が通常態様の輝度で点灯される。また、演出表示装置5は、通常態様の輝度で画像を表示する。
図25(C)に示すように、操作予告演出Cでは、投影装置400及び演出表示装置5を用いてスクリーンユニット300に演出図柄の変動表示の画像が投影される。そして、ボタン操作の実行タイミングになったときに、投影装置400にキャラクタA及びBの画像が表示されるとともに、プッシュボタン31Bの押下操作を促すための「ボタンを押してね!」等のボタン操作促進画像が表示される。更に、演出表示装置5にプッシュボタン31Bの画像が表示されるとともに、該プッシュボタン31Bの画像から放射状に延びるエフェクト画像が演出表示装置5から投影装置400まで表示(投影)される。このように操作予告演出Cは、演出表示装置5と投影装置400とが互いに連携する連携演出となっている。前述したように、当該変動表示において大当りとなる場合には、操作予告演出Cが実行され易くなっているので、演出表示装置5と投影装置400とが互いに連携する連携演出が実行されると、遊技者は、変動表示において大当りとなるのではないかという期待感を得るようになり、遊技興趣が向上する。
尚、操作予告演出Cが実行される場合には、スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が通常態様よりも低い輝度で点灯される。つまり演出用LED9’の輝度が低減される。スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’の輝度が低減されることで、スクリーンユニット300に投影される画像を見やすくすることができる。
また、演出表示装置5は、通常態様よりも低い輝度で画像を表示する。つまり演出表示装置5の画面全体の輝度が低減される。本実施例では、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度とほぼ同じ輝度となるように演出表示装置5が画像を表示する。そのため、演出表示装置5と投影装置400と同時に視認したときに違和感の無い画面とすることができる。
尚、本実施例では、演出表示装置5と投影装置400とが互いに連携する連携演出である操作予告演出Cが実行される場合には、スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が通常態様よりも低い輝度で点灯されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が消灯する態様であっても良い。スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が消灯することで、スクリーンユニット300に投影される画像を見やすくすることができる。
尚、操作予告演出A〜Cにおいて、ボタン操作促進画像が表示された後に遊技者がプッシュボタン31Bの押下操作を行うことで、所定の演出が実行されるようになっている。
尚、本実施例では、投影装置400が常にスクリーンユニット300に画像を投影して演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、予告演出等の特定の演出を実行するときのみに投影装置400がスクリーンユニット300に画像を投影する態様であっても良い。その場合には、投影装置400がスクリーンユニット300に画像を投影していないときには、スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が通常態様の高い輝度で点灯し、投影装置400がスクリーンユニット300に画像を投影開始するときに、スクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が通常態様よりも低い輝度で点灯(または消灯)される態様であっても良い。
次に通常モードデモ演出から省エネモードデモ演出に移行する態様について、図28及び図29を用いて説明する。図28(A)に示すように、投影装置400がスクリーンユニット300に変動表示に係る画像を投影するとともに、演出表示装置5が変動表示に係る画像を表示する。このように、変動表示は、投影装置400及び演出表示装置5の両方を用いて行われ、その変動が終了する。前述したように、デモ表示処理(図19参照)では、主基板11から送信されるデモ画面の表示を許可するデモ表示可能コマンドを受信し、かつ所定期間に亘って変動表示が行われていない場合に、通常モードデモ演出の実行を開始する。
図28(B)に示すように、通常モードデモ演出では、投影装置400を用いてデモ演出に係る画像をスクリーンユニット300に投影するとともに、演出表示装置5を用いてデモ演出に係る画像を表示する。本実施例では、スクリーンユニット300に所定のキャラクタ画像が投影されるとともに、演出表示装置5に星画像が表示されている。
図28(C)に示すように、通常モードデモ演出が所定期間実行された後、投影装置400による画像の投影を停止するとともに、演出表示装置5のみでデモ演出に係るデモ画像の表示を行う省エネモードデモ演出の実行を開始する。この省エネモードデモ演出では、投影装置400により投影されていたキャラクタ画像を演出表示装置5に切り替えて表示する。つまり省エネモードデモ演出では、投影装置400を用いずに演出表示装置5のみを用いて画像を表示する。そのため、省エネモードデモ演出の実行中には、パチンコ遊技機1の電力消費を低減することができる。
図29に示すように、変動表示の実行、及びその変動が終了した後に実行される通常モードデモ演出は、投影装置400及び演出表示装置5の両方が動作している。そして、省エネモードデモ演出が開始されると、投影装置400が動作を停止し、該投影装置400による画像の投影が行われなくなる。尚、演出表示装置5は動作を継続して画像の表示が維持される。このように投影装置400の動作が停止されることで、デモ演出中のパチンコ遊技機1の電力消費を抑制できる。また、演出表示装置5はデモ演出を継続して実行しているので、遊技者にパチンコ遊技機1が稼働中であることを認識させることができる。
尚、本実施例では、省エネモードデモ演出が開始されても、投影装置400の電源をON状態のままとし、該投影装置400をスタンバイモード(暖機運転状態)等に切り換えるようにしている。つまり、投影装置400の画像の投影などの動作が停止されても、投影装置400の一部の機能は停止されないものとなっている。また、本発明はこれに限定されるものではなく、省エネモードデモ演出が開始されると、投影装置400を電源OFF状態にする(完全に停止する)ものであっても良い。
また、本実施例では、新たに遊技球が発射されたとき、または、新たに変動表示が開始されたときに、デモ演出が終了する。尚、省エネモードデモ演出が終了したときには、投影装置400の動作が開始されて、再びスクリーンユニット300に画像が投影される。
尚、本実施例の通常モードデモ演出では、スクリーンユニット300を変化させて、第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303の3つのスクリーンを使用したデモ演出を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常モードデモ演出として、スクリーンユニット300の変化を伴わないデモ演出を行うようにしても良い。具体的には、例えば、低確率状態においてはスクリーンユニット300形態を平面状の第2スクリーン302に変化させ、高確率状態においては、スクリーンユニット300形態を箱状の第1スクリーン301に変化させるように、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態を変化させるような場合にあっては、通常モードデモ演出を実行する時点のスクリーンユニット300形態に応じたデモ演出、つまり、スクリーンユニット300形態が第2スクリーン302に変化した状態であれば、第2スクリーン302に対応したデモ演出パターン(投影画像)を記憶しておき、該第2スクリーン302に対応したデモ演出パターン(投影画像)によるデモ演出を実行し、スクリーンユニット300形態が第1スクリーン301に変化した状態であれば、第1スクリーン301に対応したデモ演出パターン(投影画像)を記憶しておき、該第1スクリーン301に対応したデモ演出パターン(投影画像)によるデモ演出を行うようにしても良い。
また、上記したように、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態を変化させるような場合に、予め設定された一斉演出時間となったときに、並列された他のパチンコ遊技機1と連携した一斉演出を行う場合には、一斉演出の開始時におけるスクリーンユニット300形態が第2スクリーン302に変化した状態であれば、予め記憶されている第2スクリーン302に対応した一斉演出パターン(投影画像)による一斉演出を実行し、一斉演出の開始時におけるスクリーンユニット300形態が第1スクリーン301に変化した状態であれば、予め記憶されている第1スクリーン301に対応した一斉演出パターン(投影画像)による一斉演出を行うようにすれば良い。
尚、上記では、遊技状態に対応するスクリーンを第1スクリーン301と第2スクリーン302とする形態を例示しているが、例えば、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態が第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に変化する場合には、第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に対応した3つのデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を予め記憶しておき、デモ演出や一斉演出の開始時における投影対象のスクリーンに対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を選択して、デモ演出や一斉演出を実行するようにすれば良い。尚、デモ演出や一斉演出の実行中に遊技状態が変化することで、投影対象のスクリーンが変化した場合には、変化後の投影対象のスクリーン対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を選択して実行すれば良い。
尚、上記した第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)としては、同一の投影画像を各スクリーンの形状に合わせただけのものであっても良いし、特定の遊技状態(例えば、高確率状態)の場合のみ、例えば特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なるデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を実行するようにしても良く、特に、特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なる一斉演出パターン(投影画像)を用いるようにすることで、一斉演出の開始時の遊技状態で異なる一斉演出が実行されるようになるので、一斉演出による遊技興趣を向上できるようになる。
尚、上記したように、特定の遊技状態において、特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なる一斉演出パターン(投影画像)を用いる場合にあっては、例えば、「特別キャラクタ出現させろ」等のミッションを遊技者に提示するミッション演出を実行したり、該パチンコ遊技機1における遊技履歴を遊技者が管理可能なサーバ(サイト)において、「特別キャラクタ出現させる」等のミッションを設定する等により、特定の遊技状態において一斉演出を実行させることの動機付けを遊技者に与えることができるようにしても良い。
次に投影装置400及び演出表示装置5の光量調整(輝度調整)について図30を用いて説明する。図30に示すように、本実施例では、変動表示が行われていないときにプッシュボタン31Bの押下操作をするとメニュー画面に切り替わる。このメニュー画面は、演出表示装置5に表示される。また、演出表示装置5に表示されるメニュー画面と同一の画面を投影装置400によりスクリーンユニット300に投影するようにしても良い。この光量調整は、遊技者または遊技場の店員等が任意に行うことができる。
メニュー画面には、投影装置400の光量調整を行うための「投影装置−光量調整−」の選択項目と、演出表示装置5の光量調整を行うための「演出表示装置−光量調整−」の選択項目とからなる。遊技者等は所望の選択項目を、スティックコントローラ31A等を用いて選択することができる。このメニュー画面では、遊技者等が設定し得る範囲として複数の光量段階(四角で囲まれた「45%」、「60%」、「75%」、「100%」の4段階)が表示されている。各光量段階のうち、強調表示されている光量段階(図30では「75%」)が、現在の光量段階になる。この光量段階は、スティックコントローラ31A等を用いた操作によって変更可能となっている。
尚、遊技者が「戻る」の選択項目を選択したとき、または、操作がない状態で所定時間が経過したときに、メニュー画面が終了する。
このように本実施例では、メニュー画面を用いて投影装置400及び演出表示装置5の光量調整を行うことができるため、遊技者が適宜光量調整を行うことで、投影装置400及び演出表示装置5を用いて表示(投影)される画像が見やすくなり、遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例では、メニュー画面を用いて投影装置400及び演出表示装置5の光量調整が可能になっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、メニュー画面を用いて投影装置400または演出表示装置5を用いて実行される予告演出等の実行頻度の設定が行われるものであっても良い。例えば、投影装置400を用いた予告演出が実行される頻度が演出表示装置5を用いた予告演出が実行される頻度よりも高くしたり、投影装置400を用いた予告演出が実行される頻度が演出表示装置5を用いた予告演出が実行される頻度よりも低くしたりする設定を、遊技者または遊技場の店員等がメニュー画面を用いて行えるようにしても良い。
また、本実施例では、遊技者がメニュー画面を用いて光量調整が可能になっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者はメニュー画面を用いて光量調整を行うことができず、遊技場の店員等の管理者のみがメニュー画面を用いて光量調整を行えるようにしても良い。
次に、遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放された場合に実行される扉開放中処理について、図31を用いて説明する。図31は、演出制御メイン処理における扉開放中処理(S58)の一例を示すフローチャートである。
この扉開放中処理では、演出制御用CPU120は、先ず、扉開放中フラグがセットされているか否かを判定する(S401)。つまり遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放中であるか否かを判定する。ここで、扉開放中フラグがセットされている場合は、後述するS410に進む。一方、扉開放中フラグがセットされていない場合は、S402に進む。
S402において演出制御用CPU120は、前述したコマンド解析処理(図19参照)において、扉開放指定コマンドを受信したときにセットされる扉開放指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、扉開放指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、当該扉開放中処理を終了する。一方、扉開放指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、S403に進む。
S403において演出制御用CPU120は、扉開放指定コマンド受信フラグをクリアし、S404に進む。S404において演出制御用CPU120は、扉開放中フラグをセットし、S406に進む。S406において演出制御用CPU120は、投影装置400を用いた画像の投影を停止してS407に進む。
S407において演出制御用CPU120は、投影装置400を用いて扉開放エラー以外のエラーを報知中か否かを判定する。つまり主基板11からエラー報知コマンドを受信したことに基づくエラー報知(入賞エラー等)を実行中であって、投影装置400を用いて該エラー報知に係る画像を投影中か否かを判定する。ここで、投影装置400を用いて扉開放エラー以外のエラーを報知中でない場合は、後述するS409に進む。一方、投影装置400を用いて扉開放エラー以外のエラーを報知中である場合は、S408に進む。
S408において演出制御用CPU120は、演出表示装置5を用いたエラー報知に切り替えてS409に進む。つまり投影装置400を用いて投影していたエラー報知の画像を、演出表示装置5を用いて表示する(図32参照)。
S409において演出制御用CPU120は、遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放中であることを示す扉開放エラーの報知を開始する。つまり演出表示装置5を用いた扉開放エラーの画像の表示を開始する。そして、当該扉開放中処理を終了する。
前述のS401にて扉開放中フラグがセットされている場合に進むS410において、演出制御用CPU120は、前述したコマンド解析処理(図19参照)において、扉閉鎖指定コマンドを受信したときにセットされる扉閉鎖指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、扉閉鎖指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、当該扉開放中処理を終了する。一方、扉閉鎖指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、S411に進む。
S411において演出制御用CPU120は、扉閉鎖指定コマンド受信フラグをクリアし、S412に進む。S412において演出制御用CPU120は、扉開放中フラグをクリアし、S414に進む。S414において演出制御用CPU120は、投影装置400を用いた画像の投影を再開してS415に進む。
S415において演出制御用CPU120は、演出表示装置5を用いて扉開放エラー以外のエラーを報知中か否かを判定する。つまり主基板11からエラー報知コマンドを受信したことに基づくエラー報知(入賞エラー等)を実行中であって、演出表示装置5を用いて該エラー報知に係る画像を表示中か否かを判定する。ここで、演出表示装置5を用いて扉開放エラー以外のエラーを報知中でない場合は、後述するS417に進む。一方、演出表示装置5を用いて扉開放エラー以外のエラーを報知中である場合は、S416に進む。
S416において演出制御用CPU120は、投影装置400を用いたエラー報知に切り替えてS417に進む。つまり演出表示装置5を用いて表示していたエラー報知の画像を、投影装置400を用いて投影する。
S417において演出制御用CPU120は、扉開放エラーの報知を終了する。つまり演出表示装置5を用いた扉開放エラーの画像の表示を終了する。そして、当該扉開放中処理を終了する。
このように扉開放中処理が実行されることによる投影装置400の投影態様について、図32を用いて説明する。図32(A)に示すように、投影装置400を用いて演出用画像(変動表示の画像等)をスクリーンユニット300に投影中に、エラー報知(扉開放エラー以外のエラー報知)がなされる場合には、投影装置400を用いてエラー報知の画像がスクリーンユニット300に投影される。本実施例では、入賞エラーの報知画像がスクリーンユニット300に投影されている。
また、本実施例は、保留記憶表示及び演出図柄が演出表示装置5に表示されている。尚、特に図示はしないが、特別図柄の変動表示に同期して変動表示が行われる第4図柄や、演出表示装置5にて予告演出等の演出に関連する画像によって演出図柄が隠れてしまうような場合に演出図柄を小さく表示する小図柄や、遊技者に遊技打法の案内をするための打法案内表示などが、演出表示装置5を用いて表示可能となっている。
図32(B)に示すように、遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放されると、投影装置400を用いた画像の投影が停止される。また、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影されていたエラー報知の画像は、演出表示装置5に表示される。尚、保留記憶表示及び演出図柄は、演出表示装置5に継続して表示される。更に、第4図柄や小図柄や打法案内表示などが表示されている場合には、これらの表示も演出表示装置5に継続して表示される。また、扉開放エラーの画像が演出表示装置5に表示される。
尚、開閉扉枠50が開放されと、開閉扉枠50の上辺の収容部211(図5参照)に収容された投影装置400が、開閉扉枠50の開放動作とともに移動される。また、投影装置400は、スクリーンユニット300に画像を投影可能な位置から離れるようになるので、投影装置400は、スクリーンユニット300に画像を投影できなくなる。
また、開閉扉枠50は、エラー報知(扉開放エラー以外のエラー報知)に対応したメンテナンス等を行うために店員が開放する。そのため、開閉扉枠50の開放中に遊技者が近傍に居る状態となっており、この遊技者に対して投影装置400の投影部401が向いてしまう場合がある。
本実施例では、開閉扉枠50が開放中に、投影装置400が画像を投影しなくなるので、投影装置400から投影光が遊技者に向けて投影されてしまって、遊技者に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、開閉扉枠50が開放中であっても、演出表示装置5を用いて保留記憶表示及び演出図柄の表示を継続できるので、遊技者は、保留記憶表示及び演出図柄を認識できる。
また、開閉扉枠50が開放中であっても、エラー報知(扉開放エラー以外のエラー報知)の画像や、扉開放エラーの画像などが演出表示装置5を用いて表示されるので、遊技者または店員等がエラーの発生態様を認識できる。
また、本実施例では、保留記憶表示及び演出図柄が演出表示装置5に表示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機用枠3の閉鎖時(通常時)には、保留記憶表示及び演出図柄を投影装置400を用いてスクリーンユニット300のみに投影する形態であっても良く、その場合には、遊技機用枠3が開放されたときに、スクリーンユニット300に投影されていた保留記憶表示及び演出図柄の画像を演出表示装置5に切り替えて表示するものであっても良い。
尚、本実施例では、遊技機用枠3(開閉扉枠50)が開放されると、投影装置400を用いた画像の投影が停止されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉扉枠50が開放されると、画面の全ての領域が黒色(暗色)となっている画像などの投影装置400の投影光の明るさ(輝度)を抑えられる画像に切り替える制御を行うようにしても良い。また、開閉扉枠50が開放されると、投影装置400が投影光の明るさ(輝度)を低減させるように制御しても良い。また、変形例に示すように投影光を遮るシャッタ装置412を設けるようにし、開閉扉枠50が開放されると、シャッタ装置412が閉鎖され、画像を投影しなくなるものであっても良い。
次に変形例としてのパチンコ遊技機1について、図33及び図34を用いて説明する。図33に示すように、変形例における投影装置400は、画像を投影する投影部401(レンズ)を有するプロジェクタ部411と、このプロジェクタ部411から投影される投影光を遮るシャッタ部材(図示略)を有するシャッタ装置412と、これらプロジェクタ部411及びシャッタ装置412を制御する投影制御回路410とを備えている。尚、投影制御回路410は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)に接続されており、演出制御基板12から入力される制御信号に応じてプロジェクタ部411及びシャッタ装置412の制御を行う。
図34は、変形例における扉開放中処理(S58)の一例を示すフローチャートである。変形例における扉開放中処理は、前述した変形例における扉開放中処理のS406,S414の処理が異なるのみで、他のステップは、前述した扉開放中処理と同一となっているので、他のステップの説明は省略する。
変形例では、S404において扉開放中フラグをセットした後に進むS406+において、演出制御用CPU120は、投影装置400のシャッタ装置412を閉鎖状態にしてプロジェクタ部411から投影される投影光を遮る制御を行って、S407に進む。
また、S412において扉開放中フラグをクリアした後に進むS414+において演出制御用CPU120は、投影装置400のシャッタ装置412を開放し、投影装置400を用いた画像の投影を再開し、S415に進む。
このように、変形例では、開閉扉枠50が開放中に、投影装置400のシャッタ装置412を閉鎖状態にしてプロジェクタ部411から投影される投影光を遮るので、投影装置400から投影光が遊技者に向けて投影されてしまって、遊技者に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、シャッタ装置412を投影装置400に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉扉枠50の開放中において投影装置400からの投影光が遊技者に投影されてしまうことを防ぐことができる位置であれば、投影装置400に限らず、パチンコ遊技機1のいずれの位置に配置しても良い。
次に演出表示装置5と投影装置400とが互いに連携する連携演出を実行する態様の変形例について、図35及び図36を参照して説明する。この変形例では、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留記憶表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される保留表示予告演出と、該保留表示予告演出に対応する保留記憶表示に基づいて変動表示が開始されるときに実行される予告演出とが連携した演出を実行する。このようにすることで、予告演出とが連携されることで、保留表示予告演出の実行が開始されたときから、遊技者は、当該保留表示予告演出に対応する保留記憶表示に基づく変動表示において大当りとなるのではないかという期待感を得るようになり、遊技興趣が向上する。
図35(A)及び図36に示すように、始動入賞があり、保留表示予告演出が開始されると、演出表示装置5に表示が開始された保留記憶表示が丸型の白色表示から連携演出用の画像である宝箱の画像に変化する。このときスクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が通常態様よりも低い輝度で点灯される。つまり演出用LED9’の輝度が低減される。また、演出表示装置5は、通常態様よりも低い輝度で画像を表示する。つまり演出表示装置5の画面全体の輝度が低減される。本実施例では、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度とほぼ同じ輝度となるように演出表示装置5が画像を表示する。
図35(B)及び図36に示すように、変動表示が開始される度に、保留記憶表示がシフトされる。この変形例では、左方向に保留記憶表示がシフトされている。そして、宝箱の画像に変化した保留記憶表示に対応する変動表示が開始されるときに、該宝箱の画像が演出表示装置5からスクリーンユニット300に移動する。つまり、宝箱の画像が演出表示装置5の表示される状態が終了し、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に新たに投影される状態となる。このときに投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度と、演出表示装置5により表示されている画像の輝度とがほぼ同じ輝度となっているので、宝箱の画像が演出表示装置5からスクリーンユニット300に移動しても、遊技者が違和感を生じずに宝箱の画像を視認することができる。
図35(C)及び図36に示すように、当該変動表示が開始されて、リーチ演出が開始される前に、予告演出が実行される。この変形例では、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影された宝箱の画像から所定の演出画像である星の画像が出現し、該星の画像がスクリーンユニット300全体に投影されるとともに、同一の星の画像が演出表示装置5に表示される。このときに投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度と、演出表示装置5により表示されている画像の輝度とがほぼ同じ輝度となっているので、遊技者が違和感を生じずに星の画像を視認することができる。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPU120が図31に示す扉開放中処理のS408にて演出表示装置5を用いたエラー報知に切り替えることで、開閉扉枠50が開放されている期間においては、演出表示装置5にエラー報知画像が表示されて異常の発生が報知されるので、開閉扉枠50が開放中であっても異常を報知できる。
また、本実施例によれば、図32(B)に示すように開閉扉枠50が開放されても保留記憶表示及び演出図柄が演出表示装置5に継続して表示されることで、開閉扉枠50が開放されている期間においては、演出表示装置5に遊技に関する特定画像としての保留記憶表示及び演出図柄等が表示されるので、開閉扉枠50が開放中であっても保留記憶表示及び演出図柄等を視認することができる。
また、本実施例によれば、図28に示すように、通常モードデモ演出では、投影装置400を用いてデモ演出に係る画像をスクリーンユニット300に投影するとともに演出表示装置5を用いてデモ演出に係る画像を表示し、省エネモードデモ演出では、投影装置400を用いずに演出表示装置5のみを用いて画像を表示することで、省エネモードデモ演出中に電力消費を抑制できる。
また、本実施例によれば、図27の変形例に示すように、電力供給が開始直後に演出表示装置5の起動が完了しても画像を表示せずに、投影装置400の暖機運転が完了した後に、演出表示装置5及び投影装置400を用いた画像の表示(投影)が同時に開始されることで、電力供給の開始に際して、投影装置400と演出表示装置5とが同時に表示状態になるので、演出表示装置5のみに画像が先に表示されてしまって投影装置400が故障しているのではないかと遊技者に誤解を与えてしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、図26に示すように、電力供給が開始直後に演出表示装置5を用いた画像の表示を開始し、投影装置400の暖機運転が完了した後に、投影装置400を用いた画像の投影が開始されることで、電力供給の開始後に早期に画像を表示することができる。
また、本実施例によれば、図25(A)に示すように演出表示装置5にキャラクタAの画像が表示され、図25(B)に示すように投影装置400にキャラクタBの画像が表示されることで、投影装置400と演出表示装置5とで異なる画像でプッシュボタン31Bの操作が促されるので、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、図23に示す予告演出種別決定用テーブルにおいて演出表示装置5を用いる操作予告演出Aと投影装置400を用いる操作予告演出Bとでそれぞれに異なる判定値が割り当てられていることで、プッシュボタン31Bの操作を促す態様の割合が異なるので、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が図31に示す扉開放中処理のS406にて投影装置400を用いた画像の投影を停止する制御を行うことで、開閉扉枠50が開放されている期間に、遊技者に投影装置400から投影されてしまい、遊技者に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、変形例としての演出制御用CPU120が図34に示す扉開放中処理のS406+にて投影装置400のシャッタ装置412を閉鎖状態にしてプロジェクタ部411から投影される投影光を遮る制御を行うことで、開閉扉枠50が開放されている期間に、遊技者に投影装置400から投影されてしまい、遊技者に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、演出表示装置5を備えることで、投影装置400と演出表示装置5の双方を用いて遊技に関する画像を表示できるので、多様な表示が可能になり、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、スクリーンユニット300が配置される開口2cの周りの遊技領域10を遊技球が通過するように通過経路が設けられていることで、投影装置400から投影される投影光が遊技球により遮られることを防止できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度とほぼ同じ輝度となるように演出表示装置5を制御することで、投影装置400及び演出表示装置5を用いて実行される連携演出に関する画像が視認し難くなることを抑制できる。尚、本発明における連携演出とは、投影装置400と演出表示装置5とが互いに関連した演出を実行することであって、投影装置400により投影される画像と演出表示装置5により表示される画像とが対応している演出を含む。例えば、投影装置400により投影されるキャラクタAと演出表示装置5により表示されるキャラクタBとが対戦する演出や、投影装置400による投影領域と演出表示装置5による表示領域とに跨って画像が表示される演出等を含む。
また、本実施例によれば、図25(C)に示す操作予告演出Cの実行時に、演出制御用CPU120がスクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’を通常態様よりも低い輝度で点灯する制御、または演出制御用CPU120がスクリーンユニット300の周辺部に設けられた演出用LED9’が消灯する制御のいずれかの制御を行うことで、スクリーンユニット300に投影された画像の視認性が向上されるので、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、図35の変形例に示す予告演出において、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影された宝箱の画像から所定の演出画像である星の画像が出現し、該星の画像がスクリーンユニット300全体に投影されるとともに、同一の星の画像が演出表示装置5に表示されることで、演出表示装置5に表示されている画像と連携した演出が実行されるので、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が光量調整の操作を受け付けるメニュー表示操作処理を実行して図30に示すメニュー画面を表示して投影装置400の光量を変更可能であることで、遊技者または店員などが投影装置400に関する設定を変更できる。尚、本発明における投影装置400に関する設定とは、投影装置400や演出表示装置5の明るさの設定や投影装置400における演出の実行頻度の設定等が含まれる。
また、本実施例によれば、開閉扉枠50が開放されたときに、演出制御用CPU120が図31に示す扉開放中処理のS408にて演出表示装置5を用いたエラー報知に切り替えることで、投影装置400がスクリーンユニット300に画像の投影が不可能な状態であっても画像の表示を行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技盤2を前方から覆う第1透明板50aを有するパチンコ遊技機1であって、遊技に関する画像を投影可能な投影装置400(投影手段)と、投影装置400(投影手段)によって画像が投影されるスクリーンユニット300(被投影部)と、第1透明板50aを前方から覆う第2透明板50bと、を備え、投影装置400(投影手段)が投影光を出力する投影部401(投光部)が、第1透明板50aと第2透明板50bの間に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影部401(投光部)が第1透明板50aと第2透明板50bの間に設けられていないものであっても良い。
前記実施例では、遊技に関する制御を行う主基板11や演出制御基板12等の各種の制御基板が、スクリーンユニット300(被投影部)の前方領域を除く位置であって、スクリーンユニット300(被投影部)の後方端よりも前方となる位置、つまり、スクリーンユニット300(被投影部)の背面位置を除いた位置となる、後方に向けて膨出するカバー体220の外周面下部に形成された傾斜面220aや開閉扉枠50の背面下部に配置されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の制御基板の配置位置は、スクリーンユニット300(被投影部)の背面位置を除いた位置であれば、パチンコ遊技機1の任意の位置として良い。
前記実施例では、パチンコ遊技機1の前面上部位置に、前方側に突出するように庇状に形成された上突出部210A(庇部)に投影装置400(投影手段)が設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影装置400(投影手段)を上突出部210A(庇部)とは異なる部分、例えば、カバー体220の上方位置等に設けて、上突出部210A(庇部)には反射鏡だけを設けるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、スクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置する障害釘や風車等の部材を、スクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置しない部材よりも、光を反射し難い色、材質、表面状態の少なくともいずれかとすることで、これらスクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置する部材により、投影装置400(投影手段)からの投影光やスクリーンユニット300(被投影部)からの光が反射されて、スクリーンユニット300(被投影部)に投影された画像の視認性が低下してしまうことを防ぐようにしても良い。
前記実施例では、遊技球(遊技媒体)が通過する通過経路は、該通過経路を通過する遊技球がスクリーンユニット300(被投影部)に投影される投影光を遮らない位置に設けられていることで、通過経路を通過する遊技球によって投影光が遮られて画像が分かりづらくなってしまうことを防止できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通過経路を通過する遊技球が、投影光の一部を遮るように通過経路を形成するようにしても良い。
前記実施例では、投影装置400の焦点を、投影装置400に近い近領域である第3スクリーン303と、投影装置400から遠い遠領域である背板301Dとの間の中間領域となる第2スクリーン302(第2投影位置)に合わせた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、投影装置400として、自動的に投影されるスクリーンに焦点を自動的に修正可能なものを用いるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、スクリーンユニット300の形状が変化する(投影対象のスクリーンが切り替わる)ときにおいて、投影を中止することにより、スクリーンユニット300に投影可能な特定画像である保留記憶表示や演出図柄の変動表示については投影せずに、演出表示装置5に表示したり、形状が変化しない非変化部に投影表示することで、スクリーンユニット300の形状が変化することによって、特定画像が誤認されることを防ぐようにしても良い。また、これらスクリーンユニット300の形状が変化するときにおいても特定画像である保留記憶表示や演出図柄の変動表示を、スクリーンユニット300の形状の変化に合わせて、表示するようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、屈曲部を有する第1スクリーン301(被投影部)に保留記憶表示等の特定画像を投影表示する場合にあっては、屈曲部を跨がらないように投影表示する形態にしても良い。また、これら特定画像を、屈曲部を跨がるように、極力大きく表示するようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、複数の被投影部である第1スクリーン301と第2スクリーン302とを備えるスクリーンユニット300において、画像が投影されるスクリーンが第2スクリーン302から第1スクリーン301に切り替わる前に、切り替わることを予告する演出を実行可能な演出実行手段を備えるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、第1形状(第2スクリーン302が投影対象となる形状)と該第1形状とは異なる第2形状(第1スクリーン301が投影対象となる形状)とに変化可能なスクリーンユニット300(被投影部)の形状は、投影装置400の暖機運転が完了した後に変化するようにしても良い。また、これらスクリーンユニット300(被投影部)の形状を、暖機運転が完了する前に変化させるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、演出にて使用される演出装置である役物装置を設け、電力供給の開始に際して、役物装置と投影装置400とを異なるタイミングにて起動させる起動制御を行う起動制御手段として演出制御用CPU120を機能させるようにしても良い。
前記実施例では、投影装置400の暖機運転を起動時において実行し、その後は、投影装置400を継続して稼働状態とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影装置400を、例えば、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度が第1演出よりも高い第2演出を実行する場合において稼働状態として、スクリーンユニット300に第2演出に関する画像を投影装置400が投影するようにしても良く、この場合にあっては、第2演出が実行される前に該第2演出が実行されるか否かを判定する判定手段を備えるようにして、該判定手段によって第2演出が少なくとも実行されることが判定された場合に、第2演出に係わる作動条件が成立、つまり、第2演出に関する画像を投影するタイミングとなる前に、事前に暖機運転を開始するようにすれば良い。
前記実施例では、投影装置400を上突出部210Aに不動に固定して設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400を、例えば、第1スクリーン(第1被投影部)に画像を投影可能な第1状態と、第2スクリーン(第2被投影部)に画像を投影可能な第2状態に可動させる可動手段にて可動可能に上突出部210Aに設けるようにしても良く、この場合にあって投影装置400は、少なくとも可動手段によって可動される期間においては、投影光の明るさを低減させて遊技に関する画像を投影する、または、遊技に関する画像を投影しないようにすれば良い。
前記実施例では、投影装置400(投影手段)を、本体を開閉可能に覆う開閉扉枠50(開閉扉)に前方側に突出するように庇状に形成された上突出部210Aに設け、開閉扉枠50(開閉扉)の開閉に応じて投影装置400(投影手段)の投影方向が変化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影装置400(投影手段)を、例えば、投影装置400(投影手段)を投影可能な上突出部210Aを、開閉扉枠50(開閉扉)等から分離固定して、開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能に設けるようにしても良いし、開閉扉枠50(開閉扉)ではなく、開閉扉枠50(開閉扉)の開閉に伴って移動しない遊技盤2に投影装置400を設けることにより、開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能に設けるようにしても良い。つまり、投影装置400を開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能な位置に設けるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、第1スクリーン301(第1被投影部)と該第1スクリーン301に当接可能な第2スクリーン302(第2被投影部)とを含むスクリーンユニット300(被投影部)において、第1スクリーン301(第1被投影部)と第2スクリーン302(第2被投影部)とが当接する第2スクリーンの外周部に緩衝部となる緩衝部材を設けるようにしても良い。尚、緩衝部は、弾性材から成る緩衝部材ではなく、外周部の形状を切欠状またはカーブ状として形成するようにしても良い。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を確変大当りAよりも著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置やリールに変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。尚、本発明をスロットマシンに適用する場合の遊技領域としては、スロットマシンの前面を閉鎖する遊技機用枠に設けられた透明板の後方に配置されるスクリーンユニットを含む。
また、前記実施例では、スーパーリーチ演出や予告演出等の遊技中の演出としてスクリーンユニット300に対して画像を投影する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1の演出や特徴等を紹介するデモ演出等、パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態(非遊技中)で実行される演出としてスクリーンユニット300に対して画像を投影するようにしても良い。
また、前記実施例では、投影装置400から投影される画像を表示するためのスクリーンユニット300と演出画像を表示するための演出表示装置5をパチンコ遊技機1に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1には演出表示装置5を設けないようにしても良い。尚、パチンコ遊技機1に演出表示装置5を設けない場合は、演出図柄の変動表示や各種演出画像を投影装置400からの投影によってスクリーンユニット300に表示すれば良い。
また、前記実施例では、スクリーンユニット300と演出表示装置5との両方で演出図柄の変動表示を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示はスクリーンユニット300と演出表示装置5のいずれか一方のみで実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度とほぼ同じ輝度となるように演出表示装置5を制御することの例示として、演出表示装置5が通常態様よりも低い輝度で画像を表示することで、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度とほぼ同じ輝度となるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度が演出表示装置5に表示される画像の輝度より高い場合には、演出表示装置5が通常態様よりも高い輝度で画像を表示することで、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度とほぼ同じ輝度となるようにしても良い。また、演出表示装置5に表示される画像の輝度を変化させずに、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度を高くしたり低くしたりする制御を行うことで、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度と演出表示装置5により表示される画像の輝度とをほぼ同じ輝度となるように制御しても良い。
また、前記実施例では、演出を実行するにあたって、演出表示装置5の画像の表示と、投影装置400を用いたスクリーンユニット300に対する画像の投影とが、常に、同時に行われるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出を実行するにあたって、演出表示装置5または投影装置400のいずれか一方を用いて演出を実行する態様と、演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いて演出を実行する態様との2つの態様があるようにしても良い。そして、演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いて演出を実行するときには、常に、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に投影される画像の輝度と演出表示装置5により表示される画像の輝度とをほぼ同じ輝度となるように制御しても良い。
また、前記実施例では、演出表示装置5が通常態様で画像を表示するときには、高い輝度で画像を表示するようにし、演出表示装置5と投影装置400とが互いに連携する連携演出を実行するときのみ、演出表示装置5が通常態様よりも低い輝度で画像を表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5が通常態様で画像を表示するときには、低い輝度で画像を表示するようにし、保留記憶表示等の特定画像の部分のみを高い輝度で表示するようにしても良い。尚、この高い輝度で表示される保留記憶表示等は、なるべくスクリーンユニット300から遠い位置に表示することが好ましい。例えば、演出表示装置5の上方位置にスクリーンユニット300がある場合には、高い輝度で表示される保留記憶表示等は、演出表示装置5の表示領域において下方位置に表示し、明るく表示される保留記憶表示等がスクリーンユニット300の画像を視認するときの邪魔にならないようにすると良い。
また、前記実施例では、扉開放スイッチ24からの検出信号に基づいて遊技機用枠3が開放されたことを検出しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉扉枠50を施錠しているシリンダー錠に鍵が挿入されて、該シリンダー錠が回されたことを検出することで、遊技機用枠3が開放されたか否かを検出するようにしても良い。
また、前記実施例では、通常モードデモ演出が所定期間実行された後、省エネモードデモ演出の実行を開始するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、省エネモードデモ演出を実行するか否かを遊技場の店員等の管理者が設定できるものであっても良い。更に、管理者が省エネモードデモ演出を実行する設定にしたときには、所定期間に亘って変動表示が行われていない場合に、通常モードデモ演出を実行しないで、始めから省エネモードデモ演出を開始するようにしても良い。
尚、遊技場に設置されたパチンコ遊技機1と、インターネットに接続された管理サーバと、遊技者が携行する携帯端末(携帯電話機)と、から遊技システム構成し、パチンコ遊技機1と管理サーバとは、パスワードの入力機能、2次元コード読み取り機能、パスワード音声の出力機能及び履歴記録音声の入力機能、並びにインターネットへの接続機能を備える携帯端末を介してデータのやり取りを行うことが可能とし、遊技者がパチンコ遊技機1にて遊技を行った際の遊技履歴データを携帯端末にて取得し、当該携帯端末を介して管理サーバに送信して管理できるようにしても良い。この場合に、リーチ変動パターンのリーチ前演出が実行される毎に、遊技履歴データにおけるレベルや経験値に所定値を付与するようにしても良い。そして、遊技者がリーチ前演出を短縮した場合には、遊技履歴データにおけるレベルや経験値に対する前記所定値の付与をしないよう構成しても良い。また、遊技者がリーチ前演出を短縮した場合であっても、遊技履歴データにおけるレベルや経験値に対する前記所定値の付与をするものであっても良い。また、前記実施例では、演出表示装置5に表示される遊技に関する特定画像として、保留記憶表示及び演出図柄を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定画像がパスワードや2次元コードや特典画像等であっても良い。尚、開閉扉枠50が開放されてもパスワードや2次元コードや特典画像等が演出表示装置5に継続して表示されることで、開閉扉枠50が開放中であっても、遊技者がパスワードや2次元コードや特典画像等を視認(取得)することができる。