まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3と、遊技機用枠3を回動可能に支持する外枠200(図3、図4参照)と、から構成されている。遊技盤2の前面には、ガイドレール2bによって囲まれた遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、後述する透明板50aを有する開閉扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該開閉扉枠50により遊技領域10を含む遊技機用枠3の前面を開閉できるようになっており、開閉扉枠50により遊技機用枠3の前面を閉鎖したときに透明板50aからなる透視部を通して遊技領域10を透視できるようになっている。
遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて、図1に示すように、正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられている。尚、本実施例では、遊技盤2を非透光性部材に形成した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技盤2を、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材からなる盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)とにより形成しても良い。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、パチンコ遊技機1の前後方向に貫通する開口2cが形成されており、開口2cには、環状のステージ飾り枠51が嵌合されている(図5参照)。また、遊技盤2の後方には、後述する投影装置400から投影される画像を映し出すための3つのスクリーンを備えるスクリーンユニット300や、演出表示装置5が設けられており、スクリーンユニット300と演出表示装置5を、開口2cを通して視認できるようになっている。尚、演出表示装置5は、スクリーンユニット300の前方側に重畳して配置される上昇位置と、スクリーンユニット300の視認を妨げないように降下した降下位置との間で昇降可能になっている。後述するように、演出表示装置5は、演出表示装置用モータ500(図2参照)により昇降動作される。後述するように、スクリーンユニット300に画像が投影されないときには、演出表示装置5が上昇し、この演出表示装置5のみで変動表示等の演出が実行される。一方、スクリーンユニット300に画像が投影されるときには、演出表示装置5が降下し、スクリーンユニット300及び演出表示装置5の双方を用いて変動表示や予告演出等の演出が実行される(図34及び図35参照)。尚、演出表示装置5が降下されても、演出表示装置5の上半分の表示領域は、開口2cを介して視認可能になっている。そのため、本実施例では、後述する保留記憶表示などは、演出表示装置5の上半分の表示領域に常時表示され、演出表示装置5が上昇位置または降下位置のいずれの位置にあっても視認可能になっている(図34(A)参照)。
本実施例では、投影装置400かスクリーンユニット300に画像を投影しているときにおいて、透明板50a(スクリーンユニット300)の手前側に遊技者の手等の障害物が配置され、投影装置400から投影される投影光が遮られた場合に、スクリーンユニット300に投影する替りに画像が投影される補助スクリーン390が設けられている。この補助スクリーン390は、スクリーンユニット300の上方位置に設けられている(図1参照)。
演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
演出図柄の変動表示は、スクリーンユニット300と演出表示装置5のいずれにおいても実行される。尚、本実施例では、通常時には演出表示装置5のみを用いて演出図柄の変動表示が実行され、後述するように、投影装置400を用いた予告演出が実行されるときに演出表示装置5及びスクリーンユニット300の双方で演出図柄の変動表示が実行される。
また、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が実行される場合には、演出表示装置5の表示領域に設定された、「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにて個々に演出図柄の変動表示が実行され、変動表示が終了するときに、「左」、「中」、「右」の各演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
尚、スクリーンユニット300において演出図柄の変動表示が実行される場合にも、演出表示装置5と同様に、「左」、「中」、「右」の3つの表示領域にて演出図柄の変動表示の実行が可能となっている。
このように、演出表示装置5では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。また、特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
スクリーンユニット300や演出表示装置5において変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやはずれとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の上部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示にて左側の第1保留記憶表示エリア5Dに表示し、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の青色表示にて右側の第2保留記憶表示エリア5Uに表示する。本実施例では、第1保留記憶表示エリア5Dの保留記憶表示が右方向にシフトされ、第2保留記憶表示エリア5Uの保留記憶表示が左方向にシフトされる。つまり、保留記憶表示が演出表示装置5の中央方向に向かってシフトされる。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、閉鎖位置となる閉鎖状態と開放位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動板が閉鎖位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動板が開放位置となる開放制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの右方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉(図示略)を備え、その大入賞口扉(図示略)によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口(図示略)を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉(図示略)が大入賞口(図示略)を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉(図示略)が大入賞口(図示略)を開放状態として、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口(図示略)を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口(図示略)を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口(図示略)を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口(図示略)に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口(図示略)が閉鎖状態となれば、大入賞口(図示略)に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの右側には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の前面(遊技盤面)には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘(図示略)が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
開閉扉枠50の上部位置には、前方に突出する上突出部210Aが設けられているとともに、該上突出部210Aの両側に隣接して、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられている。更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。尚、本実施例では、遊技領域10内のスクリーンユニット300の周辺部にも演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲にも、演出用LED9が配置されていてもよい。開閉扉枠50の右下部位置には、遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)52が設けられている。例えば、打球操作ハンドル52は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル52には、発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における開閉扉枠50の所定位置には、賞球や貸玉として払い出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。
開閉扉枠50の前面下部には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含む。スティックコントローラ31Aの下部には、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられている。
スティックコントローラ31Aの上方には、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における打球供給皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
また、外枠200の下部には、幕板214(図3参照)が設けられており、該幕板214の内部には、低音出力用のスピーカ8Uが内蔵されている。
図3は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図4は、開閉扉枠を開放して遊技盤を遊技機用枠に取付ける状態を示す斜視図である。図5は、パチンコ遊技機の内部構造を示す概略縦断面図である。図6は、(A)は第2スクリーンが第2退避位置、第3スクリーンが第3退避位置、(B)は第2スクリーンが第2投影位置、第3スクリーンが第3退避位置にある状態を示すスクリーンユニットの斜視図である。図7は、(A)は投影装置とスクリーンユニットとの位置関係を示す概略縦断面図、(B)は投影装置とスクリーンユニットとの位置関係を示す概略横断面図である。図8は、(A)は第2スクリーンが第2投影位置、(B)は第3スクリーンが第3投影位置、(C)は第2スクリーンが第2退避位置、第3スクリーンが第3退避位置にあるときの投影光及び投影画像を示す説明図である。図9は、(A)は、スクリーンに画像を投影中に遊技者の手が近づけられた状態、(B)は、画像の投影を中断してミラーを動作中の状態、(C)は、補助スクリーンに画像を投影している状態を示す説明図である。図10は、投影装置を用いて遊技者の手に画像を投影している状態を示す概略縦断面図である。
図3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側、つまり、遊技機用枠3の背面上部には、遊技場に設置される遊技島(図示略)から供給される遊技球を受ける球タンク150が設けられている。球タンク150に供給された遊技球は、補給通路151を流下して左側の払出装置152に供給される。払出装置152から払い出された遊技球は、賞球通路153を流下してパチンコ遊技機1の前面に設けられた打球供給皿に誘導される。また、遊技機用枠3の背面における補給通路151の上方には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板154が設置されている。
外枠200は、四角枠状に形成されており、該外枠200の下部には、幕板214が設けられている。外枠200には、遊技機用枠3が左側辺を中心として外枠200を閉鎖する閉鎖位置と外枠200を開放する開放位置との間で回動可能に支持されており(図4参照)、遊技機用枠3が閉鎖位置にあるときに、遊技機用枠3と幕板214とにより開口が閉鎖されるようになっている。
図4に示すように、遊技機用枠3には、遊技機用枠3とほぼ同形に形成された枠体50cと、透明板50aとを有する開閉扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、遊技領域10を含む遊技機用枠3の前面を開閉できるようになっている。開閉扉枠50を閉鎖したときには、透明板50aを透して遊技領域10を透視できるようになっている。また、開閉扉枠50は、遊技機用枠3の前面全域を被覆可能な大きさに形成されており、透明板50aの下方には打球操作ハンドル52が設けられている。
また、遊技機用枠3には、正面視四角形状の開口部160が形成されており、開口部160を閉鎖するように遊技盤2が前方から着脱可能に取付けられる。遊技盤2は、該遊技盤2の前後面に設けられる各種部材や電子部品等を含む構造体である。また、遊技盤2の背面には、演出表示装置5、スクリーンユニット300及び演出用可動物等が組付けられたカバー体220が取付けられ一体化されている。カバー体220は、外部からの光の入射を遮ることができるように黒色で不透明な合成樹脂材により前面が開口する略箱状に形成され、遊技盤2の背面略全域を覆うように該遊技盤2の背面に取付けられる。このように、カバー体220が一体に取付けられた遊技盤2が遊技機用枠3に取付けられると、カバー体220が開口部160を介して遊技機用枠3の背面側に突出するようになっている(図5参照)。
パチンコ遊技機1の後方に向けて膨出するカバー体220の外周面下部に形成された傾斜面220aには主基板11が収納された遊技制御基板ケース11Aが設けられている。また、遊技機用枠3の背面におけるカバー体220の下方には、遊技球の払い出しに関わる制御を行う払出制御基板91が収納された払出制御基板ケース91Aと、パチンコ遊技機1に電力を供給するための電源基板92が収納された電源基板ケース92Aと、が前後に重畳するように設けられている。このようにすることで、カバー体220の背面には、基板が配置されないので、カバー体220の奥行き方向の突出寸法を大きくとることにより、スクリーンユニット300と投影装置400との離間距離を大きくできるようにしている。
図4〜図6に示すように、開閉扉枠50の前面には、透明板50aの上方の上突出部210Aと、透明板50aの左右の側方突出部210Bと、透明板50aの下方の下突出部210Cと、からなるカバー部材が、それぞれに透明板50aに対し前方に突出するように設けられている。
上突出部210Aは、開閉扉枠50の上辺に沿って庇状に形成され、左右方向の中央位置には投影装置400を収容可能な収容部211が設けられている。また、収容部211の左右にはスピーカ8L,8Rが収容されている。尚、上突出部210Aにおける収容部211に対応する部分は、その左右側よりもやや前方に突出している。側方突出部210Bは、開閉扉枠50の左側辺及び右側辺それぞれに沿って上下方向に延設され、正面視細長帯状に形成されている。下突出部210Cは、開閉扉枠50の下辺に沿って形成され、打球供給皿、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等が設けられている。尚、上突出部210Aにおける収容部211に対応する部分は、側方突出部210Bよりも前方に大きく突出している。
上記したように、側方突出部210Bにスピーカ8L,8Rを配置することで、遊技者とスピーカ8L,8Rの距離を短縮することができるため、他のパチンコ遊技機1から出力される音の影響を受けにくくなり、効果音の効果を高めることができる。
尚、スピーカ8L,8Rは、弾性部材である防振ゴム(図示略)を介して収容部211に固定されており、スピーカ8L,8Rの振動が投影装置400に伝搬して、投影画像が不鮮明となってしまうことを防ぐことができるようにしている。
図1に示すように、上突出部210Aは、細長帯状の側方突出部210Bを介して下突出部210Cと一体に形成されている。よって、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等が操作されることにより下突出部210Cに振動が生じた場合、側方突出部210Bを介して上突出部210Aに振動が伝達されるが、側方突出部210Bは、上突出部210Aや下突出部210Cに比べて表面積が小さく、かつ、突出長さも小さいことで、振動が上突出部210Aに伝達されにくくなる。よって、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B及び打球操作ハンドル52等の操作により生じる振動で投影装置400から投影された画像が揺れることが抑制される。
本実施例では、透明板50aは透明なガラス板にて構成されている。また、透明板50aを、前方側からの光の入射を防ぐために、半透明のアクリル樹脂板(いわゆるスモークアクリル板)にて構成しても良い。
尚、透明板50aの更に前方側に第2の透明板(保護板)を設けるようにしても良い。この第2の透明板を設けることにより、透明板50aが遊技者によって殴打されること等が無くなる。また、透明板50aを第2の透明板よりも薄い板厚寸法を有する平板(ガラス板)にて形成することもできる。また、投影装置400から投影される画像の光(投影光)は、透明板50aを透過しなければならないため、できるだけ透明板50aによる屈折や光の吸収等を抑えることが好ましいので、透明板50aの板厚を、遊技球の衝突等によって破損しない強度を有する最小限の厚みとなるようにしても良い。
また、第2の透明板(保護板)としてアクリル樹脂板を用いることができる。このようにすることで、第2の透明板が破損しても破片が飛散してしまうことを防ぐことができる。また、第2の透明板としてスモークフィルムを貼着したガラス板等を用いても良い。また、第2の透明板を設けることで、後述する投影装置400のプロジェクタ部411の投影部401(レンズなど)から投影された投影光が手指で遮られたり、投影部401や透明板50aに触られて指紋がついたりすること等を回避できる。
尚、本実施例の透明板50a(ガラス板)の表面には、光の反射を抑えるために、蒸着によって銀の薄膜が形成されている。
このように、透明板50aにのみ銀の薄膜を表面に形成しているのは、本実施例では、投影装置400から投影される画像の光(投影光)は、透明板50aを透過しなければならないとともに、透明板50aに対して斜め上方から投影光が入射されるので、投影光が透明板50aにて反射され易いことから、これら投影光が透明板50aにて反射されることを、銀の薄膜を表面に形成することによって防ぐようにしている。
尚、本実施例では、反射防止膜として銀薄膜を用いた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら銀薄膜以外の反射防止膜を使用しても良い。
また、本実施例では、透明板50aに平板を用いた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、透明板50aを、湾曲する湾曲板や屈曲板等にて構成しても良い。
また、本実施例では、上記したように、透明板50aを透明なガラス板にて構成した形態を例示したが、透明板50aを、ガラス板またはアクリル樹脂板以外の透明素材、例えば、ポリカーボネート樹脂等にて構成されていてもよい。
透明板50aは、略鉛直方向に沿って立設されており、開閉扉枠50が閉鎖位置にあるときに、遊技盤2に対し前方に離れた位置において略平行をなし、該遊技盤2との間に遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されるようになっている。
また、閉鎖枠212における収容部211に対応する部分(上部)には、投影装置400が設けられている。更に、収容部211には、投影装置400から投影される投影光が通過する投影口213が下方側に開口している。また、投影装置400の投影部401(レンズ)は前方に向いているとともに、この投影装置400の前方側には、投影部401に対向するミラー409が配置されている。本実施例では、投影部401から前方に投影された投影光が、ミラー409により反射され、この反射された投影光が投影口213を介して後方斜め下方に向かって投影される。そして、この投影光がスクリーンユニット300に向かって投影される。
尚、本実施例における投影装置400は、後述するように、スクリーンユニット300における略箱状の第1スクリーン301、平面状の第2スクリーン302、湾曲板状の第3スクリーン303の各形状に合わせた画像を投影できるようになっている。尚、箱状の第1スクリーン301は、後述するように、左側板301Aと右側板301Bと下板301Cと背板301Dとを有している。
投影装置400の投影部401には、該投影部401からの投影光の拡散を防止する(投影範囲を決定する)ための拡散防止筒402が投影部401を囲むように設けられている。
このように投影装置400は、収容部211の後方に配設されるスクリーンユニット300に透明板50aを通して画像を投影可能となっている。詳しくは、投影部401からミラー409を介して投影された投影光は、透明板50aの前方から該透明板50aを斜めに透過し、遊技盤2の開口2cを通過してスクリーンユニット300に到達するようになっている。
図3〜図5に示すように、開閉扉枠50の背面下部には、演出制御基板12が収納された演出制御基板ケース12Aが取付けられている。演出制御基板12には、配線230の一端が接続されている。この配線230は、遊技機用枠3の下部に形成された挿通口215を介して遊技機用枠3の背面側に延設され、該配線230の他端は、主基板11やスクリーン用モータ304A,304B等を含む各種基板及び演出用電子部品にそれぞれ接続されている。尚、本実施例では、演出制御基板12を開閉扉枠50の背面下部に設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー体220の背面以外であれば、その他の部分に演出制御基板12を配置するようにしても良い。
図6及び図7に示すように、スクリーンユニット300は、前方及び上方に向けて開口する略箱状に形成された第1スクリーン301と、第2スクリーン302及び第3スクリーン303と、第2スクリーン302及び第3スクリーン303をそれぞれ個別に移動させるためのスクリーン用モータ304A,304Bと、スクリーン用モータ304A,304Bの駆動力を第2スクリーン302、第3スクリーン303に伝達するための機構ユニット305とを有し、カバー体220に固設されている。
第1スクリーン301は、左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dにより前方及び上方に向けて開口する略箱状、つまり、立体状に形成されている。左側板301Aと右側板301Bとは、前方に向けて漸次離間寸法が大きくなるように平面視略ハの字状に配設されていることで、前方から視認できるようになっている。下板301Cは、前方に向けて下方に傾斜するように配設されていることで、前方から視認できるようになっている。背板301Dは、略鉛直方向に向けて遊技盤2と略平行をなすように配設されている。
第2スクリーン302は、軟質の合成樹脂材からなるベース板302Aと、ベース板302Aの前面側に嵌合される化粧板302Bと、から構成されている。化粧板302Bは、正面視略長方形状をなす平板とされている。また、ベース板302Aの左右側には、機構ユニット305の内部に設けられた回動軸(図示略)に軸支されたアームが取付けられている。よって、第2スクリーン302は、スクリーン用モータ304Aの駆動により、第1スクリーン301の前方を覆うように配置される第2投影位置(図6(B)において実線で示す位置)と、第1スクリーン301の上方に退避する第2退避位置(図6(B)において2点鎖線で示す位置)と、の間で左右方向を向く回動軸心を中心として回動可能とされている。尚、第2投影位置においては、上方に向けて背面側に傾倒するように配置される。
第3スクリーン303は、正面視略長方形状をなし、上下方向の略中央位置が前側に湾曲する湾曲板とされている。また、第3スクリーン303の左右側には、機構ユニット305の内部に設けられた回動軸(図示略)に軸支されたアームが取付けられている。よって、第3スクリーン303は、スクリーン用モータ304Bの駆動により、第1スクリーン301の前方を覆うように配置される第3投影位置(図8(B)において実線で示す位置)と、第1スクリーン301の背面側に退避する第3退避位置(図8(A)(C)において実線で示す位置)と、の間で左右方向を向く回動軸心を中心として回動可能とされている。
このように、第1スクリーン301はカバー体220に固設されており、第2スクリーン302及び第3スクリーン303は第1スクリーン301に対し回動可能に設けられている。尚、本実施例では、第2スクリーン302と第3スクリーン303とは、第2投影位置及び第3投影位置それぞれに一緒に配置されることはなく、交互に配置されるようになっているが、双方が一緒に第2投影位置及び第3投影位置に配置される構成にしてもよい。
つまり、投影装置400によって画像が投影される被投影部としてのスクリーンユニット300は、第2スクリーン302と第3スクリーン303とが第2投影位置と第3投影位置とに選択的に配置可能に設けられていることで、形状を変化可能である。具体的には、第2スクリーン302が第2投影位置に配置されて被投影部となる第1形状と、第3スクリーン303が第3投影位置に配置されて被投影部となる第2形状と、第2スクリーン302と第3スクリーン303とが第2投影位置と第3投影位置に退避し、第1スクリーン301が被投影部となる第3形状と、に変化可能である。
図7において1点鎖線で示すように、投影装置400は、投影部401から投影された投影光がミラー409により反射され、該ミラー409から後斜め下方に配設された第1スクリーン301に到達するように設けられている。具体的には、投影部401から投影された投影光の投影範囲は、上限が背板301Dの上端よりやや上方、下限が下板301Cの前端よりやや下方、左限が左側板301Aの前端、右限が右側板301Bの前端となる範囲とされている。
また、投影装置400は、投影部401から投影された投影光が、遊技盤2の前面である遊技盤面や、開口2cに嵌合され、遊技盤面側から遊技領域10に向けて突設されたステージ飾り枠51や、演出表示装置5などにより遮られることがないように設けられている。
尚、遊技球は遊技領域10を通過するようになっているので、スクリーンユニット300が配置される開口2cの周りの遊技領域10を遊技球が通過する。つまり遊技球が通過する通過経路は、投影装置400からスクリーンユニット300までの投影光が投影される範囲である投影経路以外に設けられている。そのため、遊技領域10を通過する遊技球の影がスクリーンユニット300に投影されてしまうことが無いようにしている。
このように構成された投影装置400とスクリーンユニット300にあっては、図8(A)に示すように、第2スクリーン302が第2投影位置にあるときは、第2スクリーン302の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出画像など)が表示される。
また、図8(B)に示すように、第3スクリーン303が第3投影位置にあるときは、第3スクリーン303の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出画像など)が表示される。尚、画像は、第3スクリーン303の湾曲面に応じた画像が投影される場合がある。
また、図8(C)に示すように、第2スクリーン302が第2退避位置、第3スクリーン303が第3退避位置にあるときは、第1スクリーン301の前面に、投影装置400から投影された画像(例えば、演出画像など)が表示される。尚、画像は、それぞれ異なる方向を向く左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dに応じた画像が投影される場合がある。
投影装置400の投影部401から被投影部としての第1スクリーン301、第2スクリーン302及び第3スクリーン303までの距離はそれぞれ異なっている。詳しくは、図8(A)に示すように、投影部401から第2投影位置に配置された第2スクリーン302の前後左右方向の略中央位置までの距離L1と、図8(B)に示すように、投影部401から第3投影位置に配置された第3スクリーン303の前後左右方向の略中央位置までの距離L2と、図8(C)に示すように、投影部401から第1スクリーン301において最も後方に配置された背板301Dの前後左右方向の略中央位置までの距離L3と、はそれぞれ異なっている。
また、各距離L1,L2,L3の関係は、L3>L1>L2とされている。つまり、投影部401から第3投影位置にある第3スクリーン303までの距離L2が最も短く、投影部401から第1スクリーン301の背板301Dまでの距離L3が最も長くなっており、投影部401から第2投影位置にある第2スクリーン302までの距離L1は、距離L2と距離L3との間の長さとなっている(L3>L1>L2)。すなわち、投影装置400によって画像が表示される被投影部は、投影部401との距離が最も長い遠領域としての背板301Dと、投影部401との距離が最も短い近領域としての第3投影位置にある第3スクリーン303と、背板301Dと第3スクリーン303との間の中間領域としての第2投影位置にある第2スクリーン302と、を含む。
このように、第1スクリーン301の背板301Dに画像を投影する場合と、第2スクリーン302に画像を投影する場合と、第3スクリーン303に画像を投影する場合と、で投影部401からの距離が異なるため、例えば、投影部401の焦点を該投影部401に最も近い第3スクリーン303に合わせると、最も後方にある背板301Dに投影する際における焦点のずれが大きくなる。また、投影部401の焦点を該投影部401から最も遠い背板301Dに合わせると、最も前方にある第3スクリーン303に投影する際の焦点のずれが大きくなり、画像が見づらくなってしまう。
よって、本実施例では、背板301Dと第3スクリーン303との間の第2投影位置に配置される第2スクリーン302に予め焦点Fを合わせて調整していることで、第1スクリーン301の背板301Dに画像を投影する場合、第2スクリーン302に画像を投影する場合及び第3スクリーン303に画像を投影する場合における焦点のずれを小さく抑えることができるので、各スクリーンに投影される画像が見づらくなることを防ぐことができる。
尚、本実施例では、第2投影位置は、後方の背板301Dと前方の第3スクリーン303との中間位置よりやや前方位置であるが、前述したように第2スクリーン302が第2投影位置に配置される状態がスクリーンユニット300の駆動初期状態とされ、演出図柄の変動表示画像等を投影する時間が長いため、図8(A)に示すように、焦点Fを第2投影位置に配置される第2スクリーン302に合わせているが、背板301Dと第3スクリーン303との間の中間領域に合わせれば良く、背板301Dと第3スクリーン303との中間位置あるいは該中間位置よりやや後方位置等に合わせてもよい。
図5に示すように、投影装置400は、投影部401を有するプロジェクタ部411と、このプロジェクタ部411から投影される投影光を反射するミラー409の向きを変更するミラー用モータ414を備える。このミラー用モータ414の駆動は、後述するように、演出制御基板12(演出制御用CPU120)により制御されている(図2参照)。本実施例では、投影装置400のプロジェクタ部411がスクリーンユニット300の被投影領域に画像を投影可能な第1投影状態と、投影装置400のプロジェクタ部411が補助スクリーン390の被投影領域に画像を投影可能な第2投影状態との間で、ミラー409がその向きを変更可能となっている。本実施例では、通常は投影装置400のプロジェクタ部411がスクリーンユニット300に画像を投影し、透明板50a(スクリーンユニット300)の手前側に遊技者の手等の障害物が配置されたときのみ、投影装置400のプロジェクタ部411が補助スクリーン390に画像を投影する。
また、閉鎖枠212における収容部211に対応する部分(上部)には、透明板50a(スクリーンユニット300)の手前側に遊技者の手等の障害物が配置され、プロジェクタ部411から投影される投影光が遮られてしまうような場合に、この障害物の近接を検出する近接検出センサ420が設けられている。この近接検出センサ420は、赤外線等を用いて物体の近接を検出するセンサとなっており、後述するように、近接検出センサ420から出力される検出信号は、演出制御基板12に入力される(図2参照)。
尚、本実施例では、近接検出センサ420は、赤外線等を用いて物体を検出する構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、撮像カメラ等で撮影した画像を用いて障害物の近接の有無を判定するセンサを用いても良い。
本実施例では、前述したように、プロジェクタ部411から投影される投影光が遮られたときに、スクリーンユニット300に投影する替りに画像が投影される補助スクリーン390が設けられている(図1参照)。
このように構成された投影装置400とスクリーンユニット300と補助スクリーン390にあっては、図9(A)に示すように、プロジェクタ部411(投影装置400)がスクリーンユニット300に画像を投影中に、遊技者の手等の障害物が透明板50a(スクリーンユニット300)の手前側に配置されると、近接検出センサ420が障害物の近接を検出する。
図9(B)に示すように、近接検出センサ420が障害物の近接を検出すると、プロジェクタ部411(投影装置400)による画像の投影を一旦停止するとともに、ミラー用モータ414が駆動されてミラー409の向きを変更する。このミラー409の向きが変更されることで、プロジェクタ部411がスクリーンユニット300に画像を投影可能な第1投影状態から、プロジェクタ部411が補助スクリーン390に画像を投影可能な第2投影状態に変更される。尚、ミラー409が駆動されているときには、プロジェクタ部411による画像の投影を一旦停止するため、スクリーンユニット300または補助スクリーン390以外の部位に画像が投影されてしまうような不具合がなくなるので、遊技者が投影された画像が見え難くなったり、画像の内容を誤認したりすることを防止できる。
図9(C)に示すように、プロジェクタ部411(投影装置400)が補助スクリーン390に画像を投影可能な第2投影状態にミラー409の向きが変更された後に、プロジェクタ部411による画像の投影を再開する。本実施例では、補助スクリーン390がスクリーンユニット300の上方位置、つまりスクリーンユニット300よりもプロジェクタ部411(投影装置400)に近い位置に補助スクリーン390が設けられている。そのため、透明板50a(スクリーンユニット300)に遊技者の手等の障害物が近接されても、補助スクリーン390には、プロジェクタ部411を用いて画像を投影可能となっている。
尚、透明板50a(スクリーンユニット300)から遊技者の手等の障害物が離間されると、近接検出センサ420が障害物の近接を検出しなくなり、この近接が無くなったことに基づいて、プロジェクタ部411(投影装置400)による画像の投影を一旦停止するとともに、ミラー用モータ414が駆動されてミラー409の向きを変更する。ミラー409の向きが変更されることで、プロジェクタ部411が補助スクリーン390に画像を投影可能な第2投影状態からプロジェクタ部411がスクリーンユニット300に画像を投影可能な第1投影状態に変更される。そして、プロジェクタ部411がスクリーンユニット300に画像を投影可能な第1投影状態にミラー409の向きが変更された後に、プロジェクタ部411による画像の投影を再開する。
尚、このようなミラー409の向きを変更する制御や投影装置400(プロジェクタ部411)による画像の投影を一旦停止する制御は、後述するように、演出制御用CPU120が実行する投影領域切替処理(図23参照)によりなされる。
尚、本実施例では、ミラー409の向きを変更する制御中に、投影装置400(プロジェクタ部411)による画像の投影を一旦停止する制御を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ミラー409の向きを変更する制御中に、投影装置400(プロジェクタ部411)による画像の投影を一旦停止せずに、画像の投影を維持し続けるようにしても良い。また、ミラー409の向きを変更する制御中に、投影装置400(プロジェクタ部411)による画像の投影を一旦停止せずに、通常態様よりも低い明るさ(輝度)で画像を投影するようにしても良い。例えば、変形例に示すように、ミラー409の向きを変更する制御中に、画面の全ての領域が黒色(暗色)となっている画像などの投影装置400の投影光の明るさ(輝度)を抑えられる画像に切り替える制御を行っても良い。
また、本実施例では、投影装置400のプロジェクタ部411がスクリーンユニット300等の被投影物にミラー409を介して画像を投影するようになっているが、プロジェクタ部411が直接被投影物に画像を投影することもできる。例えば、後述するように、プッシュボタン31Bを操作する遊技者の手等に対して画像を投影する予告演出を実行可能となっている(図34(C)参照)。
図10に示すように、投影装置400は、プロジェクタ部411の向きを変更させるプロジェクタ用モータ413を備える。プロジェクタ用モータ413が駆動されることにより、プロジェクタ部411における投影部401をミラー409側(前方側)に向かせる第1投影位置と、プロジェクタ部411における投影部401をプッシュボタン31B側(下方側)に向かせる第2投影位置との間で、プロジェクタ部411の向きが変更可能となっている。後述するように、特定の予告演出が実行されると、プロジェクタ部411の向きが第1投影位置から第2投影位置に切り替わり、遊技者がプッシュボタン31Bを操作したときに、遊技者の手に対して演出用の画像を投影するようになっている(図34(C)参照)。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図11は、投影装置の回路構成例を示すブロック図である。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板、前述したターミナル基板154などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、投影装置400、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9、スクリーンユニット300といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、投影装置400における表示投影動作や、演出表示装置5における表示動作及び昇降動作や、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部、スクリーンユニット300の動作制御全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8R,8Uから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。
また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、投影装置400における投影動作や演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、演出用LED9の点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図12(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図12(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図12(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して、変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図12(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図12(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態;通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態;時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態;時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態;時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図13は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図13に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば、RAM102の遊技制御カウンタ設定部に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図14は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図14に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。また、スーパーリーチβ、スーパーリーチαのリーチ演出中においては、いずれも、スクリーンユニット300が変化する演出が実行される場合があるが、これらスクリーンユニット300が変化する演出が実行される割合(確率)は、スーパーリーチαよりもスーパーリーチβの方が高くなるように設定されている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図14に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図15は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図16は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図16(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図16(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図16(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、前述したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、本実施例では、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変大当り」とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の大当りの種別を設定するようにしても良い。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図14に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、更に、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば遊技制御用データ保持エリアが設けられている。この遊技制御用データ保持エリアは、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部は、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部は、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
本実施例の演出制御基板12には、図2に示すように、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理や投影装置400における投影動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、その時点の日付時刻データを出力可能なRTC126とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
本実施例の表示制御部123は、主基板11からの前述した表示制御コマンドの受信に基づいて演出制御用CPU120から出力される指示に応じて、ROM121に記憶されているキャラクタ画像データ等の各種画像データを読み出して、投影装置400により投影される画像や演出表示装置5に表示される画像データを生成して投影装置400や演出表示装置5に出力する。
尚、本実施例のスクリーンユニット300には、前述したように、箱状の第1スクリーン301、平面状の第2スクリーン302、湾曲板状の第3スクリーン303が設けられているため、これら箱状の第1スクリーン301、平面状の第2スクリーン302、湾曲板状の第3スクリーン303のそれぞれの形状に合わせて予め作成された画像データがROM121に記憶されており、これら各スクリーン形状に合わせた画像を用いた画像が表示制御部123において生成され(読み出され)て投影装置400に出力されることにより、各スクリーン形状に合わせた画像が投影装置400により投影される。
尚、本実施例では、ROM121に記憶された画像として、各スクリーン形状において、投影対象となる各部位に対応付けられた画像、つまりプロジェクションマッピング技術により作成された画像を用いている。
これら各スクリーン形状に合わせた画像としては、具体的は、略箱状をなす第1スクリーン301に投影する画像であれば、第1スクリーン301を構成する左側板301A、右側板301B、下板301C、背板301Dのそれぞれに投影する画像として、本実施例では、例えば、図8(C)に示すように、略箱状をなす第1スクリーン301を部屋に見立てた画像が例示される。この部屋に見立てた図8(C)に示す画像は、下板301Cに投影される領域の画像を奥側が狭幅となると下板301Cに形成される面の形状に合致させた床面の画像とし、左側板301Aに投影される領域の画像を左側板301Aが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像とし、右側板301Bに投影される領域の画像を右側板301Bが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像とし、背板301Dに投影される領域の画像を背板301Dが形成する面に対応する形状に合致させた壁面の画像として予め作成されたもの、すなわち、略箱型の第1スクリーン301を構成する各面の領域毎に合致させた画像を各面に投影するためにマッピングされた画像(いわゆるプロジェクションマッピング画像)とされている。
また、湾曲状をなす第3スクリーン303に投影する画像であれば、第3スクリーン303が有する湾曲面に投影する画像として、本実施例では、例えば、図8(B)に示すように、作業車のタイヤに見立てた画像が例示される。この作業車のタイヤに見立てた図8(B)に示す画像は、第3スクリーン303の上下の端部領域部分に投影される画像としてタイヤの上下端部であり、奥方にタイヤがあるように見える画像を割り当て(マッピング)、第3スクリーン303の上下方向の中央領域部分に投影される画像としてタイヤの中央部であり、手前側にタイヤがあるように見える画像を割り当て(マッピング)した画像とされている。
また、平面状をなす第2スクリーン302に投影する画像であれば、第2スクリーン302の傾斜と第2スクリーン302の面に合わせた画像、例えば、図8(A)に示すように、第2スクリーン302の傾斜によらず、平面的な画像として視認可能な状態で演出画像が投影される。の第2スクリーン302の傾斜によらない図8(A)に示す画像は、第2スクリーン302の下端部領域部分に投影される画像として、上端部領域部分に投影される画像よりも幅寸法が狭くなる画像を割り当てた(マッピング)画像とされている。
尚、本実施例では、各スクリーン301,302,303のそれぞれの形状に合わせて予めマッピングして画像を作成しておき、その画像データをROM121に記憶しておき、表示制御部123がROM121に記憶された画像データを読み出して、投影装置400に出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各スクリーン301,302,303のそれぞれの形状に対応したマッピング済みの画像を予め作成しておくものでなくても良い。例えば、各スクリーン301,302,303の形状に対応していない画像データと、各スクリーン301,302,303の形状に合致させて画像をマッピングするための領域(座標)が記述されたマッピング用データをROM121に記憶しておき、表示制御部123がROM121に記憶された画像データとスクリーンに応じたマッピング用データとを読み出すとともに、その読み出した画像データを各スクリーン301,302,303の形状に対応するようにリアルタイムにてマッピングして、該マッピングした画像をスクリーン301,302,303に投影装置400を用いて投影するようにしても良い。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、投影装置400や演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、スクリーンユニット300に設けられたスクリーン用モータ304A,304Bに駆動信号を出力するための配線、演出表示装置5を昇降するために設けられた演出表示装置用モータ500に駆動信号を出力するための配線などが接続されている。
尚、本実施例では、近接検出センサ420が演出制御基板12に接続されている。パチンコ遊技機1の前面側に遊技者の手等の障害物が近づいた場合には、近接検出センサ420により検出されて、その検出した旨を示す信号が演出制御基板12に入力される。
図11に示すように、投影装置400は、画像を投影する投影部401(レンズ)を有するプロジェクタ部411と、プロジェクタ部411の向きを変更させるプロジェクタ用モータ413と、ミラー409の向きを変更させるミラー用モータ414と、プロジェクタ部411(投影装置400)の作動温度を検出する温度センサ415と、これらの機器類を制御する投影制御回路410とを備えている。尚、投影制御回路410は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)に接続されており、演出制御基板12から入力される制御信号に応じてプロジェクタ部411等の制御を行う。また、温度センサ415により検出されたプロジェクタ部411の作動温度は、投影制御回路410を介して演出制御基板12に入力される。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の決定用テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ(プロセステーブルデータ)などが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば投影装置400、演出表示装置5、演出表示装置用モータ500、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9,9’、プロジェクタ用モータ413、ミラー用モータ414、スクリーンユニット300等)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンデータが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示す時系列データなどから構成されている。演出制御パターンデータには、例えば特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターン、一斉演出を行うための一斉演出制御パターン等の各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。一斉演出制御パターンやデモ演出制御パターンは、一斉演出やデモ演出における各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
尚、特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図17(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図17(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図17(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1−0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2−0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−0」またはバッファ番号「2−0」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、後述する保留表示予告演出決定処理(図26)において保留表示予告演出の実行の有無の決定に伴う表示パターンの決定が未決定であるか否か、つまり、新たな始動入賞の発生によって、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドが新たに格納されたことにより表示パターンの決定が未決定である旨を示す表示未決定フラグと、保留記憶表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる保留表示フラグと、を第1特図保留記憶及び第2特図保留記憶に対応する各バッファ番号に対応付けて格納できるように記憶領域が、各格納領域(エントリ)毎に確保されている。
尚、保留表示フラグには、後述する保留表示予告演出決定処理において、保留表示予告演出の実行が決定されなかった場合には、通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、白抜き○)の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示され、保留表示予告演出の実行が決定された場合には、通常の表示態様とは異なる特別態様(例えば、四角形(◇)や星(☆))の保留記憶表示の表示パターンに対応する「1」(四角形(◇))または「2」(星(☆))がセットされることで、通常の表示態様とは異なる特別態様の保留記憶表示が第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示されて、該保留記憶表示に対応する変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性が高いことが予告されるようになっている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。従って、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、直前に終了した変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−0」または「2−0」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」または「2−1」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。例えば図17(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドがバッファ番号「0」にシフトされるとともに、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」、「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」、「3」に対応した領域にシフトされる。よって、バッファ番号「0」は、その時点において変動表示されている保留記憶に関する各コマンドを格納するための領域(エントリ)となる。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とする一方、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。即ち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
演出表示装置5では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5上の領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、例えば、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄変動エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄変動エリア(例えば「中」の演出図柄変動エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄変動エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたり、スクリーンユニット300の形状を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8R,8Uによる音声出力動作や、演出用LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図14に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図14参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、LED点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、演出表示装置5上の「左」、「中」、「右」の変動エリアの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の変動エリアにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留記憶表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば、演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば、演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば、演出表示装置5上において変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各変動エリアにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、上記した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5に通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各変動エリアにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図18のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図18に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に配置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理として、図18に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞処理を実行する(S21)。該始動入賞処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、図20に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、更には変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図18に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図21(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図20のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図19のS22、図22)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図19のS23)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
図21(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図15に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図20のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、変動表示結果が「はずれ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S124)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S125)。時短フラグがセットされていない場合は(S125;N)、はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし、時短フラグがセットされている場合は(S125;Y)、はずれ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S127)。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。
尚、本実施例では、これらのはずれ用変動パターン判定テーブルAやはずれ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、これらはずれ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、はずれ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aまでの値が割り当てられており、はずれ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aを超える値が割り当てられている。一方、はずれ用変動パターン判定テーブルA〜Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうちB〜997までの値が割り当てられている。
このため、S126においてはずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、はずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
図21(A)に示すように、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S130)。
S126,S127,S130の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127,S130の処理にて設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(S131)。本実施例では、図21(B)に示すように、少なくとも変動表示結果が「はずれ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
その後、S131の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理、図柄確定コマンドを送信設定する処理、時短回数カウンタを減算更新するととともに減算更新後の時短回数カウンタが0である場合に時短フラグをクリアする処理、大当りフラグがセットされている場合(当該変動表示で大当り図柄を導出表示した場合)に大当り開始指定コマンドを送信設定する処理、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する処理等が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5、スピーカ8L,8R,8U、演出用LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図22は、特別図柄通常処理として、図19のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に格納された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に格納された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図15に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図16(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、特別図柄通常処理を終了する。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図23は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S50)。そして、演出制御用CPU120は、演出表示装置5や投影装置400やスクリーンユニット300等の各演出装置の起動タイミングを設定するための演出装置起動設定処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12参照)であるのか解析する。
そして、演出制御用CPU120は、一斉演出処理を行う(S55)。一斉演出処理では、RTC126から取得した日付時刻データから特定される日付時刻が、一斉演出の開始時刻となったときに、隣接する他のパチンコ遊技機1と連動(同期)した一斉演出を実行するための各種制御処理を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S56)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して投影装置400や演出表示装置5の制御や、スピーカ8L,8R,8Uからの効果音の出力制御や、演出用LED9の点灯制御や、スクリーンユニット300の制御等を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S57)。
次いで、演出制御用CPU120は、作動停止中の投影装置400の暖機運転を行う暖機運転処理を実行する(S58)。本実施例の投影装置400は、電力供給が開始直後の状態であって所定の作動温度に達する前に画像を投影すると、色むら等が生じた不適切な投影が行われてしまう虞があるため、電力供給が開始されてから正常に画像投影を行える所定の作動温度に達するまで暖機運転を行う必要がある。そのため、投影装置400を用いた演出(予告演出や一斉演出等)を実行する前に、予め投影装置400の起動をして暖機運転を行うようにしている。
次いで、演出制御用CPU120は、前述したように、ミラー409の向きを変更して、投影装置400がスクリーンユニット300の被投影領域に画像を投影可能な第1投影状態と、投影装置400が補助スクリーン390の被投影領域に画像を投影可能な第2投影状態とを切り替える投影領域切替処理(S59)を実行し、その後、S52に移行する。
ここで、本実施例の演出装置起動設定処理(S51)について、図38を用いて以下に説明する。尚、投影装置400は、電力供給が開始直後の状態であって所定の作動温度に達する前に画像を投影すると、色むら等が生じた不適切な投影が行われてしまう虞があるため、電力供給が開始されてから正常に画像投影を行える所定の作動温度に達するまで暖機運転を行う必要がある。
本実施例の演出装置起動設定処理において演出制御用CPU120は、各演出装置である投影装置400、スクリーンユニット300(スクリーン用モータ304A,304B)、演出表示装置5の演出表示装置用モータ500の起動タイミングがそれぞれ異なるタイミングとなるように設定する。
具体的には、図38に示すように、投影装置400、スクリーンユニット300(スクリーン用モータ304A,304B)を起動(動作開始)させる前に、演出表示装置用モータ500を起動して、動作確認用初期動作をさせるための設定を行うとともに、投影装置400を起動して暖機運転を開始させる起動タイミングとして、演出表示装置用モータ500の動作確認用初期動作が完了し、演出表示装置用モータ500の動作が停止した直後のタイミングを設定する。更に、スクリーンユニット300のスクリーン用モータ304A,304Bを起動して動作確認用初期動作を開始させるタイミングとして、投影装置400が起動して暖機運転が完了した直後のタイミングを設定する。
つまり、演出表示装置用モータ500の動作確認用初期動作の期間と、投影装置400の暖機運転期間と、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作の期間とが重複しないように、各起動タイミングを設定することで、これら演出表示装置用モータ500の動作確認用初期動作の期間と、投影装置400の暖機運転期間と、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作の期間とが重複することによって、消費電力が一時的に極端に大きくなってしまい、電源基板92の電力供給能力を消費電力が超えてしまうことを防ぐとともに、電源基板92が要求される電力供給能力の最大電力量を低く抑えて、電源基板92のコストが増加してしまうことを抑えることができるようにしている。
尚、投影装置400は、暖機運転期間が完了すると動作確認用初期動作を行い、この動作確認用初期動作が完了した後に動作を停止する。更に、スクリーンユニット300も、動作確認用初期動作が完了した後に動作を停止する。
尚、本実施例では、上記したように、スクリーンユニット300のスクリーン用モータ304A,304Bを起動して動作確認用初期動作を開始させるタイミングとして、投影装置400が起動して暖機運転が完了した直後のタイミングを設定することにより、投影装置400の暖機運転が完了した後にスクリーンユニット300の動作確認用初期動作を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図39に示すように、スクリーンユニット300のスクリーン用モータ304A,304Bを起動して動作確認用初期動作を開始させるタイミングとして、演出表示装置用モータ500の動作確認用初期動作が完了し、演出表示装置用モータ500の動作が停止した直後のタイミングを設定するとともに、投影装置400を起動して暖機運転を開始させる起動タイミングとして、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作が完了し、スクリーンユニット300の動作が停止した直後のタイミングを設定するようにしても良い。
また、本実施例では、演出表示装置用モータ500の動作確認用初期動作を最初に行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400の暖機運転またはスクリーンユニット300の動作確認用初期動作を最初に行うようにしても良い。
また、本実施例では、演出装置起動設定処理(S51)において、演出表示装置用モータ500の初期動作の開始タイミングと、投影装置400の暖機運転の開始タイミングとが異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置用モータ500の初期動作の開始と、投影装置400の暖機運転の開始とを同時に行うようにしても良い。
尚、暖機運転の完了は、電力供給が開始されてからの期間で判定するものであっても良いし、投影装置400の実際の温度、または温度に依存する電流や電圧などで判定しても良いし、電力供給が開始されてからの期間内であっても、温度に依存する電流や電圧の状態によって完了を判定するもの(電断からの復旧時等では短くなる)であっても良い。
また、本実施例では、演出表示装置用モータ500の動作確認用初期動作の期間と、投影装置400の暖機運転期間と、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作の期間とが重複しないようにした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出表示装置用モータ500だけではなく、例えば、他の演出装置である、演出用LED9やスピーカ8L,8R,8Uの動作確認用初期動作の期間も、投影装置400の暖機運転期間と、スクリーンユニット300の動作確認用初期動作の期間と重複しないようにして、一時的に電力消費が著しく高くなってしまうことを更に防ぐことができるようにしても良い。
尚、本発明における暖機運転には、投影装置400の温度を投影可能温度とする状態だけではなく、投影装置400を投影可能な状態とするための処理等を行う状態、たとえば、電源立ち上げ時(電源復旧時を含む)の初期設定や動作確認等を行っている状態を含むものであり、例えば、投影装置400が投影可能温度とする必要がない場合には、これら投影可能温度とする運転状態を伴わず、初期設定や動作確認等を行っている投影装置400を投影可能な状態とするための状態も、本発明の暖機運転に含まれる。
図24は、図23に示された演出制御メイン処理における一斉演出処理を示すフローチャートである。一斉演出処理において演出制御用CPU120は、先ず、一斉演出が実行中であることを示す一斉演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S200)。一斉演出実行中フラグがセットされていない場合は(S200;N)、RTC126から日付時刻データを取得する(S200a)。
そして、取得した時刻が、設定されている一斉演出の開始時刻に一致しているか否か、すなわち、一斉演出の開始時刻になったか否かを判定する(S201)。
一斉演出の開始時刻でない場合は(S201;N)、一斉演出処理を終了する。一方、一斉演出の開始時刻である場合は(S201;Y)、S202に進む。
S202においては、演出制御用CPU120は、一斉演出実行中フラグをセットする。そして、一斉演出期間タイマに一斉演出期間に応じた値をセットする(S203)。その後、一斉演出制御パターン(一斉演出プロセステーブル)をセットする(S204)。尚、一斉演出制御パターン(一斉演出プロセステーブル)は、他の演出制御パターンと同様に、一斉演出プロセスタイマのタイマ値に対応付けて、当該タイマ値となったときに実行する各種演出装置を制御するための制御実行データ(表示制御実行データ(投影制御実行データ及びプロジェクタ用モータ制御実行データを含む)、音出力制御実行データ、操作部制御実行データ、スクリーンユニット制御実行データ等)から構成される時系列に記述された制御データである。
尚、本実施例では、一斉演出制御パターン(一斉演出プロセステーブル)を1つのみとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら一斉演出を実行する時刻に応じて複数種類の一斉演出制御パターン(一斉演出プロセステーブル)を設けておき、時刻に応じて異なる種類の一斉演出が実行されるようにしても良いし、導入から一定期間が経過したことにより、実行される一斉演出の種類が異なる(置き換えだけではなく追加も含む)ものとしてもよい。
S204にて一斉演出制御パターンをセットした後は、一斉演出プロセスタイマをスタートし(S205)、最初の一斉演出プロセスデータの内容に従って演出表示装置5における表示、投影装置400からの投影、演出用LED9での光出力、スピーカ8L,8R,8Uでの音出力、スクリーンユニット300の態様等の制御を実行し(S206)、一斉演出処理を終了する。
一方、S200において一斉演出実行中フラグがセットされている場合は(S200;Y)、一斉演出期間タイマ及び一斉演出プロセスタイマをそれぞれ−1し(S207a,S207b)、一斉演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S208)。一斉演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は(S208;N)、S209に進む。一方、一斉演出期間タイマがタイマアウトしている場合は(S208;Y)、S213に進む。
S209においては、一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する。
一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は(S209;N)、一斉演出処理を終了する。一方、一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は(S209;Y)、一斉演出プロセスデータを次のプロセスデータに切り替え(S210)、次の一斉演出プロセスタイマをスタートさせる(S211)。そして、該次の一斉演出プロセスデータの内容に従って演出表示装置5における表示、投影装置400からの投影、演出用LED9での光出力、スピーカ8L,8R,8Uでの音出力、スクリーンユニット300の態様等の制御を実行し(S212)、一斉演出処理を終了する。
また、S213において演出制御用CPU120は、投影装置400からスクリーンユニット300に投影されている一斉演出画像の消去の他、一斉演出に関する演出用LED9での光出力やスピーカ8L,8R,8Uでの一斉演出に関する音出力等の制御を終了し(S213)、一斉演出実行中フラグをクリアする(S214)。そして、演出制御プロセス処理の対象表示装置を演出表示装置5に限定する設定を解除して、演出制御プロセス処理の対象表示装置にスクリーンユニット300を加えることで、演出図柄の変動表示がスクリーンユニット300にも表示可能とした後(S217)、一斉演出処理を終了する。尚、S217において、演出制御プロセス処理の対象表示装置として演出表示装置5に限定する設定を解除するのは、後述する演出制御プロセス処理において一斉演出の実行中は演出制御プロセス処理の対象表示装置として演出表示装置5に限定する設定がなされることで、一斉演出の実行中において演出図柄の変動表示や保留表示等が、演出表示装置5のみにおいて実行されるからである。
尚、本実施例では、タイマ割り込みよって一斉演出処理を実行するときに、一斉演出実行中フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU120がRTC126から日付時刻データを取得し、該日付時刻データが示す日付時刻から一斉演出の開始時刻であるか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、営業当日の起動時から計時された計時タイマ値から、その時点の時刻を特定して、一斉演出開始時刻となっているか否かを判定するようにしても良い。
このように、本実施例の一斉演出では、スクリーンユニット300の変化を伴う演出を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一斉演出として、スクリーンユニット300の変化を伴わない演出を行うようにしても良い。具体的には、例えば、低確率状態においてはスクリーンユニット300形態を平面状の第2スクリーン302に変化させ、高確率状態においては、スクリーンユニット300形態を箱状の第1スクリーン301に変化させるように、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態を変化させるような場合にあっては、一斉演出を実行する時点のスクリーンユニット300形態に応じた一斉演出、つまり、スクリーンユニット300形態が第2スクリーン302に変化した状態であれば、第2スクリーン302に対応した一斉演出パターン(投影画像)を記憶しておき、該第2スクリーン302に対応した一斉演出パターン(投影画像)による一斉演出を実行し、スクリーンユニット300形態が第1スクリーン301に変化した状態であれば、第1スクリーン301に対応したデモ演出パターン(投影画像)を記憶しておき、該第1スクリーン301に対応した一斉演出パターン(投影画像)による一斉演出出を行うようにしても良い。
また、上記したように、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態を変化させるような場合にデモ演出を行う場合には、デモ演出の開始時におけるスクリーンユニット300形態が第2スクリーン302に変化した状態であれば、予め記憶されている第2スクリーン302に対応したデモ演出パターン(投影画像)によるデモ演出を実行し、デモ演出の開始時におけるスクリーンユニット300形態が第1スクリーン301に変化した状態であれば、予め記憶されている第1スクリーン301に対応したデモ演出パターン(投影画像)によるデモ演出を行うようにすれば良い。
尚、上記では、遊技状態に対応するスクリーンを第1スクリーン301と第2スクリーン302とする形態を例示しているが、例えば、遊技状態に応じてスクリーンユニット300の形態が第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に変化する場合には、第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に対応した3つのデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を予め記憶しておき、デモ演出や一斉演出の開始時における投影対象のスクリーンに対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を選択して、デモ演出や一斉演出を実行するようにすれば良い。尚、デモ演出や一斉演出の実行中に遊技状態が変化することで、投影対象のスクリーンが変化した場合には、変化後の投影対象のスクリーン対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を選択して実行すれば良い。
尚、上記した第1スクリーン301、第2スクリーン302、第3スクリーン303に対応するデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)としては、同一の投影画像を各スクリーンの形状に合わせただけのものであっても良いし、特定の遊技状態(例えば、高確率状態)の場合のみ、例えば特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なるデモ演出パターン(投影画像)や一斉演出パターン(投影画像)を実行するようにしても良く、特に、特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なる一斉演出パターン(投影画像)を用いるようにすることで、一斉演出の開始時の遊技状態で異なる一斉演出が実行されるようになるので、一斉演出による遊技興趣を向上できるようになる。
尚、上記したように、特定の遊技状態において、特別キャラクタの画像等を含む等のように他の遊技状態とは一部が異なる一斉演出パターン(投影画像)を用いる場合にあっては、例えば、「特別キャラクタ出現させろ」等のミッションを遊技者に提示するミッション演出を実行したり、該パチンコ遊技機1における遊技履歴を遊技者が管理可能なサーバ(サイト)において、「特別キャラクタ出現させる」等のミッションを設定する等により、特定の遊技状態において一斉演出を実行させることの動機付けを遊技者に与えることができるようにしても良い。
図25は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出制御プロセスフラグの値が、変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値であるか否か、つまり、演出図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S67)。
演出制御プロセスフラグの値が、変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値である場合(S67;Y)、つまり、演出図柄の変動表示中または大当り遊技中ではない場合にはS71に進む。
演出制御プロセスフラグの値が、変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値ではない場合(S67;N)、つまり、演出図柄の変動表示中または大当り遊技中である場合には、更に、一斉演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S68)。
一斉演出実行中フラグがセットされていない場合は(S68;N)、S71に進む。一方、一斉演出実行中フラグがセットされている場合は(S68;Y)、該演出制御プロセス処理の対象表示装置として演出表示装置5のみに限定し(S69)、未だ、一斉演出用の演出制御プロセステーブルを実行していない場合には、実行中の演出制御プロセステーブルに代えて一斉演出用の演出制御プロセステーブルを実行対象として特定する(S70)。つまり、スクリーンユニット300において一斉演出を実行するために、演出図柄の変動表示やリーチ演出等を演出表示装置5にて行うようにする。そして、S71に進む。
次に、演出制御用CPU120は、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5において大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図26は、保留表示予告演出決定処理として、図25のS71にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す保留表示予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし(S241)、始動入賞時のコマンドの新たな格納が有るか否かを、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが存在するか否かにより判定する(S242)。
表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが無い場合は(S242;N)、保留表示予告演出決定処理を終了し、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが有る場合は(S242;Y)、該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドであるか否か、つまり、図柄指定コマンドがはずれを示すコマンドであるか否かを判定する(S243)。該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドでない場合、つまり、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当りのいずれか)を示すコマンドである場合は(S243;N)、当該エントリの図柄指定コマンドから大当り種別を特定する(S244)。
そして、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データとS244において特定した大当り種別に基づいて、図示しない大当り時保留表示予告演出判定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における表示パターンと、を決定する(S245)。
S245においては、例えば、図27(A)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。図27(A)に示す決定割合の設定例では、S244の処理において特定した大当り種別に応じて、保留表示予告演出の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
具体的には、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として、表示パターンα及び表示パターンβの2種類が設けられている。このうち、保留表示予告演出の表示パターンが表示パターンαに決定された場合には、保留記憶表示が四角形(◇)で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示され、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)が表示パターンβに決定された場合には、保留記憶表示が星形(☆)で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示される。
尚、変動表示結果が大当りとなる場合は、保留表示予告演出が非実行に決定される場合が無く、必ず保留表示予告演出の実行が決定されて表示パターン(予告種別)として表示パターンαまたは表示パターンβのどちらかの表示パターン(予告種別)が決定される。
また、図27(A)に示すように、大当り種別が「非確変大当り」である場合には、表示パターン(予告種別)として表示パターンβが決定される割合は、表示パターンαが決定される割合よりも低く設定されている。一方で、大当り種別が「確変大当り」(「確変大当りA」または「確変大当りB」)である場合には、表示パターン(予告種別)として表示パターンβが決定される割合は、表示パターンαが決定される割合よりも高く設定されている。
このような設定により、変動表示結果が「大当り」であり、かつ表示パターン(予告種別)として表示パターンβの表示が実行された場合は、表示パターンαの表示が実行された場合よりも大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである割合が高くなり、遊技者の確変大当りAまたは確変大当りBとなることに対する期待度を高めることができる。
尚、本実施例では、変動表示結果が「大当り」である場合は、必ず保留表示予告演出の実行を決定することで保留記憶表示を四角形(◇)に表示する表示パターンαまたは星形(☆)に表示する表示パターンβのいずれか一方の表示パターンを実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が「大当り」である場合であっても、変動表示結果が「はずれ」である場合と同様に保留表示予告演出の非実行を決定する場合を設けても良い。
また、S243において、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドである場合、つまり、はずれを示すコマンドである場合は(S243;Y)、新たな格納のあったエントリの変動カテゴリ指定コマンドが示す変動カテゴリを特定する(S247)。具体的には、該エントリの変動カテゴリ指定コマンドがC600Hであれば、「非リーチ」の変動パターンのカテゴリであると特定し、C601Hであれば、「スーパーリーチ」の変動パターンのカテゴリであると特定し、C602Hであれば、ノーマルリーチを含む「その他」の変動パターンのカテゴリであると特定すれば良い。
そして、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データと、S247において特定した変動パターンのカテゴリとに基づいて、図示しないはずれ時保留表示予告演出判定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における表示パターン(予告種別)と、を決定する(S248)。
S248においては、例えば、図27(B)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。図27(B)に示す決定割合の設定例では、S247の処理において特定した変動パターンのカテゴリに応じて、保留表示予告演出の実行の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
具体的には、表示パターン(予告種別)として、表示パターンα及び表示パターンβの2種類が設けられている。このうち、表示パターン(予告種別)が表示パターンαに決定された場合には、保留記憶表示が四角形(◇)で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示され、表示パターン(予告種別)が表示パターンβに決定された場合には、保留記憶表示が星形(☆)で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示される。尚、保留表示予告演出が非実行に決定される場合は、保留記憶表示が丸型(○)で第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uに表示される。
図27(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であり、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合には、変動表示結果が「はずれ」であり、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも保留表示予告演出が実行される割合(「予告演出なし」以外に決定される割合)が高く設定されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動表示結果が「はずれ」であり、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも保留表示予告演出が実行される割合(「予告演出なし」以外に決定される割合)が高く設定されている。
変動表示結果が「はずれ」である場合において保留表示予告演出の実行が決定される際には、変動カテゴリが「その他」である場合には、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも表示パターンαが決定される割合が高く設定されている。また、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも表示パターンαが決定される割合が高く設定されている。更に、変動表示結果が「はずれ」である場合において保留表示予告演出の実行が決定される際には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合には、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されており、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されている。
尚、変動表示結果が「はずれ」である場合においては、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」、「その他」、「スーパーリーチ」のいずれにおいても、保留表示予告演出が非実行に決定される割合が最も高く設定されており、保留表示予告演出が実行に決定され、かつ表示パターンβが決定される割合が最も低く設定されている。
更に、図27(A)に示すように、変動表示結果が「大当り」である場合においては、保留表示予告演出が非実行(予告演出なし)に決定されることがないとともに、保留表示予告演出が実行に決定され、かつ表示パターンαまたは表示パターンβが決定される割合は、変動表示結果が「はずれ」である場合のいずれの変動パターンのカテゴリにおける表示パターンαまたは表示パターンβが決定される割合よりも高く設定されている。
更に、変動表示結果が「はずれ(非リーチ)」、「はずれ(スーパーリーチ)」、「はずれ(その他)」である場合において、保留表示予告演出の実行が決定される際には、表示パターンαが決定される割合が、表示パターンβが決定される割合よりも高く設定されている。一方、変動表示結果が「大当り(確変A)」である場合において、保留表示予告演出の実行が決定される際には、表示パターンβが決定される割合が、表示パターンαが決定される割合よりも高く設定されている。
このような設定により、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として表示パターンαまたは表示パターンβが実行(表示)された場合には、表示パターンαまたは表示パターンβが実行(表示)されない場合よりも変動表示結果が「大当り」となる可能性が高く、特に表示パターンβが実行(表示)された場合には、変動表示結果が「大当り」であり、かつ大当り種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」となる割合が高まるため、遊技者の期待度を高めることができる。
S248の実行後、演出制御用CPU120は、S247において保留表示予告演出の実行が決定されたか否か、つまり、表示パターン(予告種別)を表示パターンαと表示パターンβのいずれかに決定したか否かを判定する(S249)。
S245の実行後または保留表示予告演出の実行が決定された場合は(S249;Y)、決定した表示パターン(予告種別)に対応するフラグ値を当該エントリの保留表示フラグにセットする(S246)。具体的には、S245またはS248において決定した表示パターン(予告種別)が保留記憶表示を「◇」で示す表示パターンαであれば当該エントリの保留表示フラグに「1」をセットし、S245またはS248において決定した表示パターン(予告種別)が保留記憶表示を「☆」で示す表示パターンβであれば当該エントリの保留表示フラグに「2」をセットした後、S251に進む。
また、S249において、保留表示予告演出の実行が決定されていない場合は(S249;N)、当該エントリの保留表示フラグに、「○」を示す「0」をセットした後(S250)、S251に進む。
尚、S246またはS250実行後、演出制御用CPU120は、当該エントリの表示未決定フラグの値を「0」に変更して(S251)、保留表示予告演出決定処理を終了する。
尚、本実施例では、S242において始動入賞時のコマンドの新たな格納が有ることを条件に該始動入賞における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行を決定しているが、第1始動入賞口への始動入賞と第2始動入賞口への始動入賞が同時に発生したことによりS242において第1特図と第2特図との双方で始動入賞時のコマンドの新たな格納が有ると判定された場合、つまり、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが第1特図保留記憶にも第2特図保留記憶にも存在する場合には、双方のエントリを保留表示予告演出の実行と非実行の決定対象としている。第1特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶と第2特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶の双方を保留表示予告演出の実行と非実行の決定対象とする場合は、保留表示予告演出の実行を示す「1」または「2」の保留表示フラグのエントリが存在しなければ第1特図の保留記憶の保留表示と第2特図の保留表示の双方において保留表示予告演出が同時に実行される場合がある。
尚、本実施例では、前述のように第1始動入賞口への始動入賞と第2始動入賞口への始動入賞が同時に発生した場合には、第1特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶と第2特図における始動入賞時のコマンドが新たに格納された保留記憶の双方を保留表示予告演出の実行と非実行の決定の対象としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、このような場合は、第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行、第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行を、いずれか一方のみで決定するようにしても良い。
具体的には、遊技状態が、高開放制御が行われない通常状態である場合は、第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行の決定を第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行の決定よりも優先して行う。そして、第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行を決定した場合は、第2特図における保留記憶の保留表示予告演出の実行を一義的に非実行に決定し、第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の非実行を決定した場合は、第2特図における保留記憶の保留表示予告演出の実行と非実行を決定すれば良い。
一方、遊技状態が、高開放制御が行われる時短状態(高確高ベース状態・低確高ベース状態)である場合は、第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行の決定を第1特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行と非実行の決定よりも優先して行う。そして、第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の実行を決定した場合は、第1特図における保留記憶の保留表示予告演出の実行を一義的に非実行に決定し、第2特図における保留記憶での保留表示予告演出の非実行を決定した場合は、第1特図における保留記憶の保留表示予告演出の実行と非実行を決定すれば良い。
図28は、図25に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、図30に示す予告演出決定処理を実施して、当該変動表示において予告演出を実行するか否かを決定する(S277)。尚、本実施例では、予告演出決定処理において、後述するように投影装置400及び演出表示装置5を用いて実行される予告演出、または演出表示装置5のみを用いて実行される予告演出が決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予告演出として、その他の態様の予告演出、例えば、予告画像が段階的に変化するステップアップ予告や、所定のキャラクタの一群が表示領域を横切る群予告等の実行を決定するようにしても良く、これら異なる態様の予告演出を決定する場合には、予告演出を開始するタイミングが予告演出の態様に応じて異なるので、後述する予告演出開始待ちタイマに、予告演出の態様に応じた異なる期間を設定すれば良い。
本実施例の予告演出決定処理において演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(はずれ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。尚、本実施例では、予告演出の対象が、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)、スーパーリーチ、ノーマルリーチであるので、具体的には、変動表示結果が大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)であるのか否かを変動表示結果指定コマンドにより特定し、変動パターンがスーパーリーチであるのか否か、ノーマルリーチであるのか否かを変動パターン指定コマンドにて特定すれば良い。
そして、S292において演出制御用CPU120は、後述する暖機運転処理(図33参照)において暖機運転が完了して投影装置400が画像を投影可能な状態になったことを示す投影可能フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、投影可能フラグがセットされている場合は、S293に進む。一方、投影可能フラグがセットされていない場合は、S295に進む。
S293において演出制御用CPU120は、投影装置400(プロジェクタ部411)の作動温度を検出する温度センサ415から入力される検出信号に基づいて、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここで、投影装置400の作動温度が所定の閾値未満である場合は、S294に進む。一方、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上である場合は、S295に進む。
尚、本実施例では、所定の閾値として、投影装置400(プロジェクタ部411)がオーバーヒートして画像の投影が正常に行えなく虞がある作動温度に対応する値が設定されている。また、投影装置400(プロジェクタ部411)は、長時間連続して画像の投影を行った場合に、投影が正常に行えなく虞がある作動温度に達する虞がある。更に、室温や室内に入り込む日射等により投影装置400(プロジェクタ部411)が過熱されて、投影が正常に行えなく虞がある作動温度に達する虞もある。これらの不具合が生じる虞があることを検出するために温度センサ415が設けられている。
S294において演出制御用CPU120は、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図31(A)に示す第1予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する。
尚、本実施例では、予告演出決定用乱数は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、予告演出決定用乱数の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら予告演出決定用乱数の範囲等は適宜に決定すれば良い。また、これら予告演出決定用乱数を生成するための予告演出決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該予告演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
図31(A)に示す第1予告演出種別決定用テーブルでは、演出表示装置5にキャラクタが登場してプッシュボタン31Bの押下操作を促す予告演出Aと、演出表示装置5にキャラクタが登場してプッシュボタン31Bの押下操作を促すとともに、プッシュボタン31Bを押下操作する遊技者の手に投影装置400によって星画像が投影される予告演出Bとが決定可能となっている(図34参照)。
第1予告演出種別決定用テーブルにおいては、「予告演出なし」、「予告演出A」、「予告演出B」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図31(A)に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出なし」に対して5個の判定値が割り当てられ、「予告演出A」に対して30個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して65個の判定値が割り当てられている。
また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「予告演出なし」に対して50個の判定値が割り当てられ、「予告演出A」に対して40個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して10個の判定値が割り当てられている。
また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」に対して80個の判定値が割り当てられ、「予告演出A」に対して15個の判定値が割り当てられ、「予告演出B」に対して5個の判定値が割り当てられている。
図31(A)に示すように第1予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、「予告演出B」が決定され易くなるように設定されている。また、スーパーリーチはずれである場合については、その他のノーマルリーチはずれである場合よりも、「予告演出A」が決定され易くなるように設定されている。また、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合よりも「予告演出なし」が決定され易くなるように設定されている。
S295において演出制御用CPU120は、予告演出決定用乱数を抽出するとともに、図31(B)に示す第2予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無と、実行する場合の予告演出の種別とを決定する。
図31(B)に示す第2予告演出種別決定用テーブルでは、演出表示装置5においてキャラクタ等の特定の予告演出画像のみが表示される予告演出Cと、演出表示装置5においてキャラクタ等の特定の予告演出画像に加えて星画像のカットインが表示される予告演出Dとが決定可能となっている(図35参照)。
第2予告演出種別決定用テーブルにおいては、「予告演出なし」、「予告演出C」、「予告演出D」のそれぞれに対して、変動表示結果が大当りとなる場合、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合、のそれぞれに異なる判定値が、図31(B)に示す判定値数となるように、割り当てられている。
具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合については、「予告演出なし」に対して5個の判定値が割り当てられ、「予告演出C」に対して30個の判定値が割り当てられ、「予告演出D」に対して65個の判定値が割り当てられている。
また、変動パターンがスーパーリーチはずれである場合については、「予告演出なし」に対して50個の判定値が割り当てられ、「予告演出C」に対して40個の判定値が割り当てられ、「予告演出D」に対して10個の判定値が割り当てられている。
また、変動パターンがノーマルリーチはずれである場合については、「予告演出なし」に対して80個の判定値が割り当てられ、「予告演出C」に対して15個の判定値が割り当てられ、「予告演出D」に対して5個の判定値が割り当てられている。
図31(B)に示すように第2予告演出種別決定用テーブルが設定されていることにより、当該変動表示において大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれやノーマルリーチはずれとなる場合よりも予告演出が実行され易くなるとともに、「予告演出D」が決定され易くなるように設定されている。また、スーパーリーチはずれである場合については、その他のノーマルリーチはずれである場合よりも、「予告演出C」が決定され易くなるように設定されている。また、当該変動表示においてノーマルリーチはずれとなる場合には、当該変動表示において大当りとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合よりも「予告演出なし」が決定され易くなるように設定されている。
このように設定されていることにより、予告演出が実行されないときよりも、予告演出が実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。更に、予告演出においては、予告演出Aや予告演出Cが実行されるときよりも、予告演出Bや予告演出Dが実行されるときの方が、大当り期待度が高くなっている。
尚、各予告演出の大当り期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて「大当り」となる確率を、各予告演出が実行されて「大当り」となる確率と各予告演出が実行されて「はずれ」となる確率の和で除算した数値である。
また、本実施例では、投影装置400の作動温度が所定の閾値未満である場合は、投影装置400を用いて実行可能な予告演出Aまたは予告演出Bを決定し(図31(A)参照)、投影装置400の作動温度が所定の閾値未満である場合は、投影装置400を用いないで実行可能な予告演出Cまたは予告演出Dを決定するようにしている(図31(B)参照)。そのため、投影装置400(プロジェクタ部411)がオーバーヒートして画像の投影が正常に行えなく虞があるときには、投影装置400を用いないで予告演出が決定され、予告演出が実行されないことによる遊技興趣の低下が防止できる。
また、本実施例では、投影装置400の暖機運転が完了したことを示す投影可能フラグがセットされている場合は、投影装置400を用いて実行可能な予告演出Aまたは予告演出Bを決定し、投影可能フラグがセットされていない場合は、投影装置400を用いないで実行可能な予告演出Cまたは予告演出Dを決定するようにしている。そのため、投影装置400の暖機運転が完了していないときには、投影装置400を用いないで予告演出が決定され、予告演出が実行されないことによる遊技興趣の低下が防止できる。
また、本実施例では、投影装置400の暖機運転が完了したことを示す投影可能フラグがセットされていない場合、または、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上である場合などの投影装置400に不具合が生じそうな場合に、第2予告演出種別決定用テーブルを用いるようにし、100%の確率で投影装置400を用いないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400に不具合が生じそうな場合に、投影装置400を用いる演出の実行が決定される確率(決定割合)を低くするものであっても良い。
また、本実施例では、投影装置400に不具合が生じない場合には、第1予告演出種別決定用テーブルを用いるようにし、投影装置400を用いる演出の実行が決定される確率(決定割合)を高くしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400に不具合が生じない場合には、100%の確率で投影装置400を用いる演出が決定されるようにしても良い。
また、本実施例では、図31(A)に示す第1予告演出種別決定用テーブルにおいて、「予告演出なし」と、演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いて実行する「予告演出A」及び「予告演出B」とが決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図31(A)に示す第1予告演出種別決定用テーブルにおいて、演出表示装置5のみを用いた予告演出が決定されるようにしても良い。
図30に戻り、S296においては、前述のS294またはS295において、いずれかの予告演出の実行を決定したか否か、つまり「予告演出A」、「予告演出B」、「予告演出C」、「予告演出D」のいずれかを決定したか否かを判定する。ここで、「予告演出A」、「予告演出B」、「予告演出C」、「予告演出D」のいずれの予告演出も決定していない場合、つまり、S294またはS295において「予告演出なし」を決定した場合には、当該予告演出決定処理を終了する。一方、「予告演出A」、「予告演出B」、「予告演出C」、「予告演出D」のいずれかを決定した場合には、S297に進んで、決定した予告演出の種別をRAM122の所定領域に記憶する。そして、S298に進んで、予告演出実行決定フラグをセットした後、当該予告演出決定処理を終了する。
図28に戻り、S277の予告演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU120は、予告演出実行決定フラグがセットされているか否か、つまり、S277の予告演出決定処理において「予告演出A」、「予告演出B」、「予告演出C」、「予告演出D」のいずれかの予告演出が決定されたか否かを判定する。
予告演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、予告演出開始待ちタイマに、予告演出開始までの期間として本実施例の予告演出であるキャラクタ予告演出に対応する期間を設定し(S279)、予告演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281aに進む。一方、予告演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279、S280を経由することなくS281aに進む。
これら予告演出開始までの期間としては、本実施例では、キャラクタが登場する予告演出が開始されるタイミングの前に、キャラクタが登場することの前兆を示す演出(図示略)が実施され、該前兆を開始するタイミングが予告演出の開始タイミングとされているので、予告演出を開始するまでの期間よりも短い期間が設定され、これら予告演出の開始タイミングは、予告演出の開始から実行される予告演出のプロセステーブルに基づいて特定されて予告演出が開始されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら前兆の演出を予告演出において実施しない場合にあっては、予告演出の開始タイミングが予告演出の開始タイミングとなるので、予告演出の開始タイミングまでの期間を予告演出開始待ちタイマに設定すれば良い。
S281aにおいて演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを参照し、当該変動表示がスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。ここで、当該変動表示がスーパーリーチの変動パターンである場合は、S281bに進む。一方、当該変動表示がスーパーリーチの変動パターンでない場合は、S281eに進む。
S281bにおいて演出制御用CPU120は、投影装置400の暖機運転が完了したことを示す投影可能フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、投影可能フラグがセットされていない場合は、S281eに進む。一方、投影可能フラグがセットされている場合は、S281cに進む。
S281cにおいて演出制御用CPU120は、投影装置400(プロジェクタ部411)の作動温度を検出する温度センサ415から入力される検出信号に基づいて、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。尚、この所定の閾値は、前述した予告演出決定処理で用いた値と同様に、投影装置400(プロジェクタ部411)がオーバーヒートして画像の投影が正常に行えなく虞がある作動温度に対応する値が設定されている。ここで、投影装置400の作動温度が閾値以上である場合は、S281eに進む。一方、投影装置400の作動温度が閾値未満である場合は、S281dに進む。
S281dにおいて演出制御用CPU120は、スーパーリーチの変動パターンであることに応じた投影プロセステーブルを選択し、S282に進む。尚、図29に示すように、投影プロセステーブルとは、演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いた変動表示を実行するためのプロセステーブルである。
また、S281eにおいて演出制御用CPU120は、変動パターンに応じた非投影プロセステーブルを選択し、S282に進む。尚、図29に示すように、非投影プロセステーブルとは、演出表示装置5を用いた変動表示を実行するためのプロセステーブルである。
つまり本実施例では、投影装置400の暖機運転が完了し、投影装置400の作動温度が閾値未満であり、スーパーリーチの変動パターンであるときには、演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いた変動表示が実行される。また、スーパーリーチ以外の変動パターンであるときには、演出表示装置5のみを用いた変動表示が実行される。
尚、本実施例では、変動パターンの選択と予告演出の選択とは別個に行われている。そのため、スーパーリーチ以外の変動パターン、例えばノーマルリーチの変動パターンで演出表示装置5のみを用いて変動表示を実行されるときであっても、予告演出では、演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いる予告演出が実行される場合がある(図31(A)参照)。その場合には、演出表示装置5のみを用いて変動表示を実行中に、予告演出の実行開始タイミングで投影装置400による投影が開始され、演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いた予告演出の実行が開始される。また、予告演出が実行されない場合、例えば第1予告演出種別決定用テーブル(図31(A)参照)において「予告演出なし」が決定された場合であっても、スーパーリーチの変動パターンであるときには、演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いた変動表示が実行される場合がある。
尚、スーパーリーチの変動パターンの変動表示の場合には、変動表示が開始されると同時に演出表示装置5及び投影装置400の両方を用いて変動表示を実行しても良いし、変動表示が開始された時点では、演出表示装置5のみを用いて変動表示を開始し、リーチ演出が開始されてから、演出表示装置5を用いた変動表示を投影装置400を用いた変動表示に切り替えるようにしても良い。また、スーパーリーチの変動パターンの変動表示を実行中のときに、投影装置400が遊技者の手に向けて演出画像を投影する予告演出を実行する場合には、手に向けて投影する予告演出の開始直前にスクリーンユニット300に対する画像の投影を停止し、手に向けて投影する予告演出を実行した後に、再びスクリーンユニット300に対する画像の投影を開始するようにしても良い。
そして、S282において演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる。
尚、非投影プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8R,8Uから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
一方、投影プロセステーブルには、投影装置400及び演出表示装置5の表示(投影)を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8R,8Uから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての投影装置400、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R,8U、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるため、及び投影装置400において変動パターンに応じた画像を投影させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8R,8Uからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。また、本実施例では、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を投影装置400に出力し、投影装置400が信号に応じた画像を投影することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図32は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には(S304;Y)、予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S306に進む。尚、特に図示しないが、予告演出実行中フラグは、予告演出開始待ちタイマがタイマアップして予告演出が開始されるときにセットされるフラグである。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置5及び投影装置400において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5及び投影装置400に出力する。そのようにして、演出表示装置5及び投影装置400において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示(投影)される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S306;N)、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S310;N)、S312の実行後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データ(投影制御実行データを含む)やLED制御実行データや音出力制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
次に、暖機運転処理について、図33を用いて説明する。図33は、演出制御メイン処理における暖機運転処理(S58)の一例を示すフローチャートである。
この暖機運転処理では、演出制御用CPU120は、先ず、暖機運転が完了して投影装置400が画像を投影可能な状態になったことを示す投影可能フラグがセットされているか否かを判定する(S501)。ここで、投影可能フラグがセットされている場合は、後述するS502aに進む。一方、投影可能フラグがセットされていない場合は、S510に進む。
S510において演出制御用CPU120は、暖機時間タイマがカウント中であるか否かを判定する。ここで、暖機時間タイマがカウント中である場合は、S511aに進む。一方、暖機時間タイマがカウント中でない場合は、後述するS514に進む。
S511aにおいて演出制御用CPU120は、暖機時間タイマの値を1減算する。そして、S511bにおいて暖機時間タイマがタイマアップしたか否かを判定する。ここで、暖機時間タイマがタイマアップした場合は、S512に進む。一方、暖機時間タイマがタイマアップしていない場合は、当該暖機運転処理を終了する。
S512において演出制御用CPU120は、暖機運転が完了して投影装置400が画像を投影可能な状態になったことを示す投影可能フラグをセットしてS513に移行する。
S513において演出制御用CPU120は、投影装置400を自動停止させまでの時間をカウントする投影可能時間タイマに投影可能時間に応じた値をセットし、該投影可能時間タイマのカウントを開始し、当該暖機運転処理を終了する。本実施例では、後述するように、投影装置400の暖機運転が完了しても所定期間、投影装置400を用いた演出が実行されない場合には、投影可能時間タイマがタイマアップして、自動的に投影装置400が停止されるようにしている。
前述のS510において暖機時間タイマがカウント中でない場合に進むS514において、演出制御用CPU120は、RTC126を参照し、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間になったか否かを判定する。尚、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間とは、投影装置400を用いた一斉演出を行う前に、投影装置400を起動して一斉演出の実行開始時までに暖機運転を完了するために必要な期間である。ここで、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間になった場合は、後述するS517に進む。一方、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間になっていない場合は、S515に進む。
尚、本実施例では、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間として一斉演出の実行開始時までに投影装置400の暖機運転を完了するために必要な期間としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一斉演出において、投影装置400を用いた演出が実行されるタイミングが、一斉演出の実行開始タイミングより後である場合には、当該投影装置400を用いた演出が実行されるタイミングまでに投影装置400の暖機運転を完了するために必要な期間を暖機運転期間として設定しても良い。
S515において演出制御用CPU120は、図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし、S516に進む。
S516において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに保留表示フラグの値が「1」または「2」のエントリが有るか否かを判定する。ここで、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに保留表示フラグの値が「1」または「2」のエントリが有る場合は、S517に進む。一方、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに保留表示フラグの値が「1」または「2」のエントリが無い場合は、当該暖機運転処理を終了する。
S517において演出制御用CPU120は、投影装置400の暖機運転を開始し、S518に進む。
本実施例では、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間になったとき、つまり投影装置400を用いた演出である一斉演出の開始前に、投影装置400の暖機運転をするようにしている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに保留表示フラグの値が「1」または「2」のエントリが発生したときに、つまり保留表示予告演出が実行されるときであって、スーパーリーチや予告演出等の投影装置400を用いた演出が開始される可能性が高い場合に、投影装置400の暖機運転をするようにしている。
S518において演出制御用CPU120は、暖機時間タイマに暖機時間に応じた値をセットし、該暖機時間タイマのカウントを開始し、当該暖機運転処理を終了する。
前述のS501において投影可能フラグがセットされている場合に進むS502aにおいて、演出制御用CPU120は、投影可能時間タイマの値を1減算し、S502bに進む。
S502bにおいて演出制御用CPU120は、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。尚、この所定の閾値は、前述した予告演出決定処理で用いた値と同様に、投影装置400(プロジェクタ部411)がオーバーヒートして画像の投影が正常に行えなく虞がある作動温度に対応する値が設定されている。ここで、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上である場合は、後述するS519に進む。一方、投影装置400の作動温度が閾値未満である場合は、S503に進む。
S503において演出制御用CPU120は、RTC126を参照し、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間となったか否かを判定する。ここで、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間となった場合は、当該暖機運転処理を終了する。一方、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間になっていない場合は、S504に進む。
S504において演出制御用CPU120は、図17(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし、S505に進む。
S505において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに保留表示フラグの値が「1」または「2」のエントリが有るか否かを判定する。ここで、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに保留表示フラグの値が「1」または「2」のエントリが有る場合は、当該暖機運転処理を終了する。一方、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに保留表示フラグの値が「1」または「2」のエントリが無い場合は、S506に進む。
S506において演出制御用CPU120は、投影可能時間タイマがタイマアップしたか否かを判定する。ここで、投影可能時間タイマがタイマアップした場合は、S507に進む。一方、投影可能時間タイマがタイマアップしていない場合は、当該暖機運転処理を終了する。
本実施例では、一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間であり、直ぐに一斉演出が開始される場合、または、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに保留表示フラグの値が「1」または「2」のエントリがあり、保留表示予告演出が実行されるときであって、スーパーリーチや予告演出等の投影装置400を用いた演出が開始される可能性が高い場合には、投影可能時間タイマがタイマアップしたか否かを判定しないようにして、投影装置400が暖機運転された状態を維持するようにしている。
S507において演出制御用CPU120は、投影装置400を使用するスーパーリーチ演出が実行中であるか否かを判定する。ここで、投影装置400を使用するスーパーリーチ演出が実行中である場合は、当該暖機運転処理を終了する。一方、投影装置400を使用するスーパーリーチ演出が実行中でない場合は、S508に進む。
S508において演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマまたは予告演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、予告演出開始待ちタイマまたは予告演出実行中フラグがセットされている場合は、当該暖機運転処理を終了する。一方、予告演出開始待ちタイマ及び予告演出実行中フラグがセットされていない場合は、S509に進む。
S509において演出制御用CPU120は、一斉演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、一斉演出実行中フラグがセットされている場合は、当該暖機運転処理を終了する。一方、一斉演出実行中フラグがセットされていない場合は、後述するS522に進む。
本実施例では、投影装置400を使用するスーパーリーチ演出が実行中である場合、予告演出開始待ちまたは予告演出実行中である場合、一斉演出実行中である場合には、投影可能時間タイマがタイマアップしても、投影装置400を停止せずに、投影装置400を用いた演出を継続して実行するようにしている。
前述のS502bにおいて投影装置400の作動温度が所定の閾値以上である場合に進むS519において、演出制御用CPU120は、演出表示装置5を用いて投影装置400(プロジェクタ部411)がオーバーヒートしていることを示すエラー報知画像の表示を開始し、S520に進む。
尚、本実施例では、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上である場合に演出表示装置5を用いてエラー報知画像の表示をするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上である場合であっても、演出表示装置5を用いてエラー報知画像の表示を行わないものであっても良い。
S520において演出制御用CPU120は、投影可能時間タイマがカウント中であるか否かを判定する。ここで、投影可能時間タイマがカウント中である場合は、S521に進む。一方、投影可能時間タイマがカウント中でない場合は、S523に進む。
S521において演出制御用CPU120は、投影可能時間タイマのカウントを終了し、S522に進む。
S522において演出制御用CPU120は、投影可能フラグをクリアし、S523に進む。
S523において演出制御用CPU120は、投影装置400の動作を停止し、当該暖機運転処理を終了する。
また、本実施例では、一斉演出の開始前、または、保留表示予告演出が開始されたときに投影装置400の暖機運転を開始するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のタイミングで投影装置400の暖機運転を開始するようにしても良い。例えば、投影装置400を用いるスーパーリーチにおいて、変動表示が開始されてから投影装置400を用いた演出が開始されるまでの期間が暖機運転を行うために充分に長い期間である場合には、当該変動表示の開始後に暖機運転を開始するようにしても良い。また、投影装置400を用いる予告演出において、予告演出が開始されてから投影装置400を用いた演出が開始されるまでの期間が暖機運転を行うために充分に長い期間である場合には、当該予告演出の開始後に暖機運転を開始するようにしても良い。
また、本実施例の「未満」か否かの判定は、「低い(小さい)」か否かの判定、または「以下」か否かの判定であっても良い。また、本実施例の「以上」か否かの判定は、「高い(大きい)」か否かの判定、または「より高い(超過)」か否かの判定であっても良い。
次に投影装置400を用いた予告演出Bの演出内容及び投影装置400の暖機運転の実行タイミングについて、図34及び図37を用いて説明する。図34は、予告演出Bの演出態様を示す画面図である。図37は、暖機運転及び操作予告演出の実行タイミングを示す説明図である。
図37に示すように、投影装置400を用いた演出が行われないときには、投影装置400による画像の投影は停止している。この状態では、演出表示装置5が上昇位置にあり、当該演出表示装置5のみで変動表示が行われている。
ここで、始動入賞があり、この始動入賞に基づいて保留表示予告演出の実行が開始されると、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として、表示パターンα及び表示パターンβのいずれかの表示態様で、当該始動入賞に基づく保留記憶表示が表示される。この保留表示予告演出の開始と同時に投影装置400の暖機運転が開始される。
そして、投影装置400が起動して暖機運転が行われた状態で、当該暖機運転に対応する保留記憶表示に基づく変動表示が開始されると、演出表示装置5が降下位置に移動されるとともに、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に画像の投影が開始される(図34(A)参照)。尚、演出表示装置5が降下されても、演出表示装置5の上半分の表示領域は、開口2cを介して視認可能になっている。そのため、演出表示装置5の上半分の表示領域に常時表示される保留記憶表示などは、演出表示装置5が降下位置にあっても視認可能になっている。
尚、本実施例では、表示パターンα及び表示パターンβのいずれかの表示態様で保留記憶表示が表示されるときには、常に投影装置400の暖機運転が開始される。そのため、遊技者が投影装置400の暖機運転の開始を認識したとしても、当該保留記憶表示に基づく変動表示において、いかなる演出が実行されるかのかが分からなくなっている。つまり、保留表示予告演出が開始されて投影装置400の暖機運転が開始されても、当該保留表示予告演出に対応する保留記憶表示に基づく変動表示において、投影装置400を用いた予告演出AまたはBが実行されなかった場合には、投影装置400の暖機運転は無駄な暖機運転(いわゆるガセ暖機運転)となるが、この無駄な暖機運転があることで、当該暖機運転に対応する保留記憶表示に基づく変動表示が開始されるまで、遊技者の期待感を持続させることができる。また、当該暖機運転に対応する保留記憶表示に基づく変動表示が、スーパーリーチの変動表示であるか否かが分からなくなるので、遊技者の期待感を持続させることができる。尚、本実施例では、ガセ暖機運転を実行可能となっているが、このガセ暖機運転を実行しないものであっても良い。
そして、ボタン操作の実行タイミングになったときに、投影装置400による画像の投影が停止されるとともに、演出表示装置5が上昇位置に移動される。このとき、投影装置400では、プロジェクタ用モータ413が駆動されることにより、プロジェクタ部411における投影部401をプッシュボタン31B側に向かせるように、プロジェクタ部411の向きが変更される(図10参照)。また、演出表示装置5に所定のキャラクタの画像が表示されるとともに、プッシュボタン31Bの押下操作を促すための「ボタンを押してね!」等のボタン操作促進画像が表示される(図34(B)参照)。
そして、遊技者がプッシュボタン31Bの押下操作を行うと、投影装置400(プロジェクタ部411)は、プッシュボタン31B、つまり遊技者の手に向けて演出画像(本実施例では、複数の星画像)を投影する。このように、遊技者自身に画像を投影することで演出に意外性が生じ、遊技興趣を向上できる。尚、遊技者がプッシュボタン31Bの押下操作を行わなかった場合には、投影装置400を用いた演出画像の投影は行われない。また、予告演出Bが終了すると、投影装置400が停止される。
本実施例では、投影装置400を用いた演出画像の投影前に、予め暖機運転をしておくことで、投影装置400を用いた演出画像の投影をするときに、色むら等が生じた不適切な投影が行われてしまう虞がなくなり、適切な画像で投影を行うことができる。
尚、本実施例では、予告演出の実行中に、投影装置400を用いて演出を実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400を用いて行う演出は、予告演出以外のその他の演出中、例えば、リーチ演出中や保留表示予告演出であっても良い。
尚、本実施例では、予告演出の実行中に、投影装置400を用いて遊技者の手に向けて演出画像を投影するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、予告演出以外のその他の演出中、例えば、リーチ演出中や保留表示予告演出中に遊技者に向けて演出画像を投影するようにしても良い。
尚、本実施例では、投影装置400を用いて遊技者の手に向けて演出画像を投影する演出を実行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者の手以外の部位、例えば、遊技者が着ている衣服等に画像を投影する演出を実行するものであっても良い。
次に投影装置400を用いない予告演出Dの演出内容について、図35を用いて説明する。図35は、予告演出Dの演出態様を示す画面図である。図35に示すように、投影装置400を用いずに演出が行われるため、演出表示装置5が上昇位置にあり、当該演出表示装置5のみで変動表示が行われる。そして、予告演出Dが開始されると、キャラクタ等の特定の予告演出画像に加えて星画像のカットインが演出表示装置5に表示されるようになっている。
次に投影装置400を用いた一斉演出の演出内容について、図36を用いて説明する。図36は、一斉演出の演出態様を示す画面図である。投影装置400を用いた演出が行われないときには、投影装置400による画像の投影は停止している。この状態では、演出表示装置5が上昇位置にあり、当該演出表示装置5のみで変動表示が行われている。
そして、図36に示すように、一斉演出が開始されると、演出表示装置5が降下位置に移動されるとともに、投影装置400を用いてスクリーンユニット300に一斉演出用の画像の投影が開始される。このときに、それまで演出表示装置5に表示中であった変動表示及び保留記憶表示が一斉演出時用のミニ画面に切り替わり、演出表示装置5の上半分の表示領域に表示される。
尚、演出表示装置5が降下されても、演出表示装置5の上半分の表示領域は、開口2cを介して視認可能になっているため、遊技者は、変動表示及び保留記憶表示を視認することができる。尚、一斉演出が終了すると、投影装置400による画像の投影が停止されるとともに、演出表示装置5が上昇位置に移動され、変動表示及び保留記憶表示も通常の態様で再び表示される。
尚、本実施例では、投影装置400のプロジェクタ部411から投影される投影光がミラー409により反射されて、スクリーンユニット300に画像が投影されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例に示すように、投影装置400のプロジェクタ部411からスクリーンユニット300’に対して直接画像を投影するようにしても良い。
また、本実施例では、投影装置400により画像が投影されるスクリーン(被投影部)がスクリーンユニット300とその上方位置に設けられた補助スクリーン390との2箇所に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例に示すように、投影装置400により画像が投影されるスクリーンユニット300’が1つのみの構成であっても良い。
変形例としてのパチンコ遊技機1について、図40を参照して説明する。図40は、(A)は、変形例におけるスクリーンに画像を投影中に遊技者の手が近づけられた状態、(B)は、動作したスクリーンに画像を投影している状態を示す説明図である。
変形例としてのパチンコ遊技機1では、投影装置400のプロジェクタ部411から画像が投影される1枚の平板状のスクリーン351を有するスクリーンユニット300’が設けられている。また、スクリーンユニット300’は、スクリーン351が降下された第1位置と、スクリーン351が上昇された第2位置との間で、スクリーン351を昇降させる昇降用モータ352を備えている。また、投影装置400は、プロジェクタ部411の向きを変更させるプロジェクタ用モータ413を備える。更に、スクリーンユニット300’の手前側に遊技者の手等の障害物が配置され、プロジェクタ部411から投影される投影光が遮られてしまうような場合に、この障害物の近接を検出する近接検出センサ420が設けられている。
図40(A)に示すように、プロジェクタ部411(投影装置400)が第1位置に配置されたスクリーン351に画像を投影中に、遊技者の手等の障害物がスクリーン351の手前側に配置されると、近接検出センサ420が障害物の近接を検出する。
図40(B)に示すように、近接検出センサ420が障害物の近接を検出すると、昇降用モータ352が駆動され、スクリーン351が降下された第1位置から上昇され第2位置まで移動する。このスクリーン351が移動とともに、プロジェクタ用モータ413が駆動され、スクリーン351の移動に追従してプロジェクタ部411の向きが変更される。つまりスクリーン351の移動中であってもプロジェクタ部411は、スクリーン351に画像を投影し続けることが可能になっている。
このように、スクリーン351が降下された第1位置と、スクリーン351が上昇された第2位置とのいずれの位置にあっても、プロジェクタ部411(投影装置400)がスクリーン351に画像を投影できるとともに、第1位置と第2位置の間にスクリーン351があっても、プロジェクタ部411は、スクリーン351に画像を投影し続けることが可能になっている。
尚、この変形例では、スクリーン351の移動中であってもプロジェクタ部411は、スクリーン351に画像を投影し続けることが可能になっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スクリーン351の移動中には、プロジェクタ部411による画像の投影を一旦停止し、スクリーン351の移動の完了後にプロジェクタ部411による画像の投影を再開するようにしても良い。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPU120が図33に示す暖機運転処理のS517にて投影装置400の暖機運転を開始することで、演出表示装置5及び投影装置400を用いる演出に関する画像を適切に投影することができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が図33に示す暖機運転処理のS514にて一斉演出の開始時刻に対応する暖機運転期間になったと判定したときにS517にて投影装置400の暖機運転を開始することで、一斉演出に関する画像を適切に投影することができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が図30に示す予告演出決定処理のS293にてプロジェクタ部411の作動温度を検出する温度センサ415から入力される検出信号に基づいて、投影装置400の作動温度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる予告演出種別決定用テーブルを用いて予告演出の実行の有無を決定することで、投影装置400を用いる演出に関する画像を適切に投影することができる。例えば、投影装置400の稼働時間が長く作動温度が高すぎる場合や、投影装置400の稼働時間が短く作動温度が低い場合には、投影装置400を用いた演出を実行しないようにし、投影装置400の作動温度が予め定められた作動温度である場合には、投影装置400を用いた演出を実行することで、投影装置400による画像の投影が適切な状態で行うことができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120がS51の演出装置起動設定処理において、図38に示すように、演出表示装置用モータ500が初期動作を実行した後に、投影装置400が起動して暖機運転を開始するように、起動タイミングを設定することで、投影装置400と演出表示装置用モータ500とが同時に起動されて電力消費が著しく高くなってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、保留表示予告演出が開始されて投影装置400の暖機運転が開始されても、当該保留表示予告演出に対応する保留記憶表示に基づく変動表示において、投影装置400を用いた予告演出AまたはBが実行されなかった場合には、投影装置400の暖機運転は無駄な暖機運転(いわゆるガセ暖機運転)となることで、遊技興趣を向上できる。例えば、投影装置400を用いた演出を実行する予定があるときのみに暖機運転が行われると、演出の開始前において、遊技者が暖機運転の実行を把握することで、演出が実行されることが予想されてしまうが、演出を実行する予定がなくても暖機運転が行われることで、暖機運転に基づいて遊技者に演出の実行が予想されてしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、起動時において実行されるS51の演出装置起動設定処理において起動タイミングが設定されることにより、図38に示すように、投影装置400の暖機運転が完了した後に、スクリーンユニット300が初期動作を行うことで、暖機運転が完了してからスクリーンユニット300の形状が変化するので、暖機運転が完了する前にスクリーンユニット300が変化して投影装置400から画像が投影されてしまい、不適切な投影が行われてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、起動時において実行されるS51の演出装置起動設定処理において起動タイミングが設定されることにより、変形例の図39に示すように、スクリーンユニット300が初期動作を行った後に投影装置400が起動して暖機運転を開始することで、暖機運転が完了してからスクリーンユニット300に画像が投影されるので、暖機運転が完了する前にスクリーンユニット300の形状が変化して投影装置400から画像が投影されてしまい、不適切な投影が行われてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、ミラー409の向きを変更する制御中に、投影装置400による画像の投影を一旦停止することで、スクリーンユニット300または補助スクリーン390以外の部位に画像が投影されてしまうような投影装置400が可動される期間に生じる不具合を防ぐことができる。
また、本実施例によれば、図40の変形例に示すように、スクリーン351が降下された第1位置と、スクリーン351が上昇された第2位置とのいずれの位置にあっても、投影装置400がスクリーン351に画像を投影できることで、スクリーン351が第1位置と第2位置とのいずれの位置にあっても画像が投影可能となり、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、近接検出センサ420により、スクリーンユニット300の手前側に遊技者の手等の障害物が近接したことを検出した場合に、ミラー409の向きが変更されることで、プロジェクタ部411がスクリーンユニット300に画像を投影可能な第1投影状態から、プロジェクタ部411が補助スクリーン390に画像を投影可能な第2投影状態に変更されることで、スクリーンユニット300の手前側の障害物により投影される画像が遮られてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例によれば、ミラー409の向きが変更されることで、プロジェクタ部411がスクリーンユニット300に画像を投影可能な第1投影状態から、プロジェクタ部411が補助スクリーン390に画像を投影可能な第2投影状態に変更されるので、投影装置400の状態の変更を容易に行えるので、多様な演出が実行可能となり、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、図34(C)に示すように、予告演出Bにおいて遊技者がプッシュボタン31Bを操作したときに、遊技者の手に対して演出用の画像を投影することで、遊技者自身に画像を投影することで演出に意外性が生じ、遊技興趣を向上できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、スクリーンユニット300に投影される特定画像としては、前述した保留記憶表示や演出図柄の変動表示だけではなく、遊技にとって重要となる画像、例えば、遊技者の遊技履歴等を他の遊技機等に引き継いだり、或いは、サーバ等において遊技者が管理できるようにするために表示される2次元バーコードやパスワード等であっても良い。
また、前記実施例では、形態が変化するスクリーンユニット300とともに形態が変化しない液晶表示装置からなる演出表示装置5を設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出表示装置5に対応する部分に形態が変化しない第4スクリーンを設けて、演出表示装置5の表示内容と同様に、少なくともスクリーンユニット300が変化する期間において、保留記憶表示や演出図柄の変動表示を、投影装置400が該第4スクリーンに投影するようにしても良い。尚、第4スクリーンは、演出表示装置5の位置ではなく、スクリーンユニット300において変化しない部分として設けられていても良い。つまり、投影装置400(投影手段)は、スクリーンユニット300(被投影部)に投影可能な保留記憶表示や演出図柄の変動表示や2次元バーコード等の特定画像について、少なくともスクリーンユニット300の形状が変化するときには、形態が変化しない非変化部である第4スクリーンに投影すれば良い。尚、これら第4スクリーンを設ける場合には、該第4スクリーンとスクリーンユニット300とが被投影部を構成する。
また、前記実施例では、スクリーンユニット300の形状の変化が、投影対象のスクリーンを切り替えることによるものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スクリーンユニット300が1のスクリーンのみを備え、該1のスクリーンの形状が膨らんだり、或いは凹むように変化するものであっても良い。
また、前記実施例では、マッピングされた画像を投影する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影画像は、マッピングされていない画像であっても良い。
また、1枚の透明板50aで遊技盤2を前方から覆っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、透明板50aを更に前方から覆う第2透明板を設けるようにしても良い。例えば、遊技盤2を前方から覆う透明板50aを有するパチンコ遊技機1であって、遊技に関する画像を投影可能な投影装置400(投影手段)と、投影装置400(投影手段)によって画像が投影されるスクリーンユニット300(被投影部)と、透明板50aを前方から覆う補助透明板と、を備え、投影装置400(投影手段)が投影光を出力する投影部401(投光部)が、透明板50aと補助透明板の間に設けられている形態であっても良い。尚、投影部401(投光部)が透明板50aと補助透明板の間に設けられていないものであっても良い。
前記実施例では、遊技に関する制御を行う主基板11や演出制御基板12等の各種の制御基板が、スクリーンユニット300(被投影部)の前方領域を除く位置であって、スクリーンユニット300(被投影部)の後方端よりも前方となる位置、つまり、スクリーンユニット300(被投影部)の背面位置を除いた位置となる、後方に向けて膨出するカバー体220の外周面下部に形成された傾斜面220aや開閉扉枠50の背面下部に配置されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の制御基板の配置位置は、スクリーンユニット300(被投影部)の背面位置を除いた位置であれば、パチンコ遊技機1の任意の位置として良い。
前記実施例では、パチンコ遊技機1の前面上部位置に、前方側に突出するように庇状に形成された上突出部210A(庇部)に投影装置400(投影手段)及びミラー409が設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影装置400(投影手段)を上突出部210A(庇部)とは異なる部分、例えば、カバー体220の上方位置等に設けて、上突出部210A(庇部)にはミラー409だけを設けるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、スクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置するステージ飾り枠51や障害釘や風車等の部材を、スクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置しない部材よりも、光を反射し難い色、材質、表面状態の少なくともいずれかとすることで、これらスクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置する部材により、投影装置400(投影手段)からの投影光やスクリーンユニット300(被投影部)からの光が反射されて、スクリーンユニット300(被投影部)に投影された画像の視認性が低下してしまうことを防ぐようにしても良い。
尚、ステージ飾り枠51等のスクリーンユニット300(被投影部)の周囲に位置する部材だけではなく、例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31B等のスクリーンユニット300の周囲に位置しない他の部材を含むパチンコ遊技機1全体を、光を反射し難い茶(平均反射率25%)や赤(平均反射率20%)、黒(平均反射率4%)等の色に着色したり、黒色であるカーボン材等の光が反射し難い材質にて構成しても良い。
前記実施例では実施していないが、パチンコ遊技機1にエラー報知制御手段を備えるようにして、該エラー報知制御手段により、パチンコ遊技機1における異常の発生を報知するようにしても良く、この場合にあっては、本体を開閉可能に覆う開閉扉枠50(開閉扉)の開放異常を投影装置400(投影手段)によりスクリーンユニット300(被投影部)に大きく投影して報知しようとしても、前記実施例では開閉扉枠50(開閉扉)に投影装置400(投影手段)が設けられているため、異常を報知する画像をスクリーンユニット300(被投影部)に投影できなくなってしま可能性が高いので、少なくとも開閉扉枠50(開閉扉)が開放されている期間においては、スクリーンユニット300(被投影部)とは個別に設けられ、画像を表示可能な表示手段である演出表示装置5に、エラー報知画像を表示して異常の発生を報知するようにすれば良い。
前記実施例では、遊技球(遊技媒体)が通過する通過経路は、該通過経路を通過する遊技球がスクリーンユニット300(被投影部)に投影される投影光を遮らない位置に設けられていることで、通過経路を通過する遊技球によって投影光が遮られて画像が分かりづらくなってしまうことを防止できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通過経路を通過する遊技球が、投影光の一部を遮るように通過経路を形成するようにしても良い。
前記実施例では、投影装置400(投影手段)の制御を行う投影制御手段である演出制御用CPU120は、本体を開閉可能に覆う開閉扉枠50(開閉扉)の開放に関係なく投影装置400(投影手段)の制御を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影制御手段である演出制御用CPU120は、少なくとも開閉扉枠50(開閉扉)が開放されている期間においては、閉鎖されている期間と比較して投影装置400から投影される投影光の明るさを低減させる制御、または、投影装置400による投影を停止する制御を行うようにしても良い。
前記実施例では、投影装置400の焦点を、投影装置400に近い近領域である第3スクリーン303と、投影装置400から遠い遠領域である背板301Dとの間の中間領域となる第2スクリーン302(第2投影位置)に合わせた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、投影装置400として、自動的に投影されるスクリーンに焦点を自動的に修正可能なものを用いるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、スクリーンユニット300の形状が変化する(投影対象のスクリーンが切り替わる)ときにおいて、投影を中止することにより、スクリーンユニット300に投影可能な特定画像である保留記憶表示や演出図柄の変動表示については投影せずに、演出表示装置5に表示したり、形状が変化しない非変化部に投影表示することで、スクリーンユニット300の形状が変化することによって、特定画像が誤認されることを防ぐようにしても良い。また、これらスクリーンユニット300の形状が変化するときにおいても特定画像である保留記憶表示や演出図柄の変動表示を、スクリーンユニット300の形状の変化に合わせて、表示するようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、屈曲部を有する第1スクリーン301(被投影部)に保留記憶表示等の特定画像を投影表示する場合にあっては、屈曲部を跨がらないように投影表示する形態にしても良い。また、これら特定画像を、屈曲部を跨がるように、極力大きく表示するようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、複数の被投影部である第1スクリーン301と第2スクリーン302とを備えるスクリーンユニット300において、画像が投影されるスクリーンが第2スクリーン302から第1スクリーン301に切り替わる前に、切り替わることを予告する演出を実行可能な演出実行手段を備えるようにしても良い。
前記実施例では、電力供給の開始に際して、演出にて使用される演出装置である演出表示装置用モータ500と投影装置400とを異なるタイミングにて起動させる起動制御を行う起動制御手段として演出制御用CPU120を機能させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの起動制御を行わないようにしても良い。
前記実施例では、スクリーンユニット300(被投影部)に投影される投影画像と、演出表示装置5に表示される表示画像とが、互いに作用し合うような連携演出を行わない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400(投影手段)が投影する投影画像と演出表示装置5(表示手段)が表示する表示画像とにより連携演出を実行する連携演出実行手段を備えるようにしても良く、この場合にあっては、スクリーンユニット300(被投影部)の近傍に配置される演出表示装置5の表示制御と、投影装置400の投影制御を行う制御手段である演出制御用CPU120は、連携演出が実行されるときには、投影装置400(投影手段)により投影される投影画像の明るさと、演出表示装置5(表示手段)により表示される表示画像の明るさとを合わせる制御を行うようにすれば良い。
前記実施例では、投影装置400(投影手段)を、本体を開閉可能に覆う開閉扉枠50(開閉扉)に前方側に突出するように庇状に形成された上突出部210Aに設け、開閉扉枠50(開閉扉)の開閉に応じて投影装置400(投影手段)の投影方向が変化する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら投影装置400(投影手段)を、例えば、投影装置400(投影手段)を投影可能な上突出部210Aを、開閉扉枠50(開閉扉)等から分離固定して、開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能に設けるようにしても良いし、開閉扉枠50(開閉扉)ではなく、開閉扉枠50(開閉扉)の開閉に伴って移動しない遊技盤2に投影装置400を設けることにより、開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能に設けるようにしても良い。つまり、投影装置400を開閉扉枠50(開閉扉)を閉鎖した状態及び開放した状態のいずれの状態であっても、スクリーンユニット300(被投影部)に画像を投影可能な位置に設けるようにしても良い。
前記実施例では実施していないが、第1スクリーン301(第1被投影部)と該第1スクリーン301に当接可能な第2スクリーン302(第2被投影部)とを含むスクリーンユニット300(被投影部)において、第1スクリーン301(第1被投影部)と第2スクリーン302(第2被投影部)とが当接する第2スクリーンの外周部に緩衝部となる緩衝部材を設けるようにしても良い。尚、緩衝部は、弾性材から成る緩衝部材ではなく、外周部の形状を切欠状またはカーブ状として形成するようにしても良い。
また、前記実施例では、投影装置400(プロジェクタ部411)は、長時間連続して画像の投影を行った場合に、投影が正常に行えなく虞がある作動温度に達する虞があるので、この不具合が生じる虞があることを検出するために温度センサ415が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400(プロジェクタ部411)の稼働時間をカウントするタイマを設け、所定時間連続して画像の投影を行った場合には、投影装置400を停止するとともに、予告演出決定処理、演出図柄変動開始処理、暖機運転処理において、投影装置400を用いた演出が決定されないようにしても良い。
また、前記実施例では、予告演出決定処理、演出図柄変動開始処理、暖機運転処理にて用いられる所定の閾値として、投影装置400(プロジェクタ部411)がオーバーヒートして画像の投影が正常に行えなく虞がある作動温度に対応する値が設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、予告演出決定処理、演出図柄変動開始処理、暖機運転処理のそれぞれに対応して所定の閾値に異なる値が設定されていても良い。
また、前記実施例では、予告演出決定処理、演出図柄変動開始処理、暖機運転処理にて用いられる所定の閾値として、投影装置400(プロジェクタ部411)がオーバーヒートして画像の投影が正常に行えなく虞がある作動温度に対応する値が設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、投影装置400がオーバーヒートして画像の投影が正常に行えなく虞がある作動温度よりも低い温度を所定の閾値として設定しても良い。また、オーバーヒートの虞のある第1閾値とこれよりも低い第2閾値とを設けるようにし、投影装置400の作動温度が高くなっても直ぐには投影装置400を停止しなくても良い。例えば、投影装置400の作動温度が第2閾値以上となっても、直ぐには投影装置400を停止しないようにし、この第2閾値以上では、投影装置400を用いた演出が実行される割合を低くするなどの制御を行うのみにし、更に投影装置400が稼働し続け、この投影装置400の作動温度が第1閾値以上となったときに、投影装置400を停止するものであっても良い。
また、前記実施例では、図26に示す保留表示予告演出決定処理のS243にて表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリがはずれを示すコマンドであるか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、該エントリが大当りを示すコマンドであるか否かを判定するものであっても良く、大当りの場合は、S244に進み、大当りでない場合はS247に進むようにしても良い。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を確変大当りAよりも著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置やリールに変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。尚、本発明をスロットマシンに適用する場合の遊技領域としては、スロットマシンの前面を閉鎖する遊技機用枠に設けられた透明板の後方に配置されるスクリーンユニットを含む。
また、前記実施例では、スーパーリーチ演出や予告演出等の遊技中の演出としてスクリーンユニット300に対して画像を投影する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1の演出や特徴等を紹介するデモ演出等、パチンコ遊技機1において遊技が行われていない状態(非遊技中)で実行される演出としてスクリーンユニット300に対して画像を投影するようにしても良い。
また、前記実施例では、投影装置400から投影される画像を表示するためのスクリーンユニット300と演出画像を表示するための演出表示装置5をパチンコ遊技機1に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1には演出表示装置5を設けないようにしても良い。尚、パチンコ遊技機1に演出表示装置5を設けない場合は、演出図柄の変動表示や各種演出画像を投影装置400からの投影によってスクリーンユニット300に表示すれば良い。
前記実施例では、パチンコ遊技機1の前面上部位置に、前方側に突出するように庇状に形成された上突出部210A(庇部)に投影装置400(投影手段)が設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、小型の投影装置400であれば遊技盤2を設けるようにしても良く、スクリーンユニット300と近接して投影装置400を設けるようにしても良い。
また、前記実施例では、スクリーンユニット300と演出表示装置5との両方で演出図柄の変動表示を実行可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示はスクリーンユニット300と演出表示装置5のいずれか一方のみで実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、保留表示予告演出の実行が決定された場合に投影装置400の暖機運転を実行するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶がスーパーリーチ等の期待度の高い変動パターンに対応する場合には、保留表示予告演出の実行の有無に関わらず、必ず投影装置400の暖機運転を実行するようにしても良い。
尚、変動表示中に実行される特定演出、例えば擬似連や群予告等が発生する保留記憶がなされている場合には、保留表示予告演出の実行の有無に関わらず、必ず投影装置400の暖機運転を実行するようにしても良い。また、大当りが保留されている場合には、保留表示予告演出の実行の有無に関わらず、必ず投影装置400の暖機運転を実行するようにしても良い。また、リーチ演出に対応する保留記憶がされている場合には、保留表示予告演出の実行の有無に関わらず、必ず投影装置400の暖機運転を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、ガセ暖機運転を実行可能となっているが、暖機運転の対象となる変動パターンに対応する保留記憶がされていないときに、ガセ暖機運転を実行するか否かを一定の確率(例えば10%の当選確率)で抽選して決定し、該決定された場合にガセ暖機運転を実行するものであっても良い。