ところで、遊技者の趣向は多様であり、前述の「提案例」に係る遊技機においては、「特別型の大当り遊技状態」の実行時に、可変入賞装置の遊技球を入賞させることが実質的に不可能であったり、困難であることに不満を持ったり、ストレスを感じる遊技者も存在する。つまり、遊技者の中には、「特別型の大当り遊技状態」実行中に、可変入賞装置の開閉駆動を十分に認識しつつも、実際には、賞球が得られなかったり、賞球数が少ないことに不満を持ったり、ストレスを感じる者も存在する。そして、これらの遊技者にとっては、「特別型の大当り遊技状態」の存在が、却って、遊技上の興趣を低下させる原因となりかねない。
従って、大当り遊技状態として、「在来型の大当り遊技状態」とは別に「特別型の大当り遊技状態」を設定する遊技機において、その「得意なゲーム性(遊技者に、遊技モードが、突然、有利なモードに移行したような印象を与えることができるというゲーム性)」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることが望ましい。加えて、この「特別型の大当り遊技状態」を設定する遊技機において、更により一層、遊技上の興趣を高めることが望ましい。
本発明は、かかる要求を満足させるものであり、その目的とするところは、前述の「特異なゲーム性(遊技者に、遊技モードが、突然、有利なモードに移行したような印象を与えることができるという、ゲーム性)」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる遊技機を提供することにある。
本発明の他の目的は、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる遊技機を提供することにある。
本発明の他の目的は、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができる遊技機を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる遊技機を提供することにある。
請求項1記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を構成する遊技盤と、
判定実行条件が成立すると、遊技状態を大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
表示実行条件が成立すると、前記判定の結果を示す判定結果図柄を、所定の演出表示を経て確定表示する図柄表示手段と、
第1の入賞部と、該第1の入賞部を閉鎖する第1の閉鎖姿勢及び該第1の入賞部を開放する第1の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第1の開閉部材と、を具備する第1の可変入賞装置と、
第2の入賞部と、該第2の入賞部を閉鎖する第2の閉鎖姿勢及び該第2の入賞部を開放する第2の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第2の開閉部材と、を具備する第2の可変入賞装置と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第1の大当り図柄である場合、前記第1の開閉部材の姿勢を前記第1の閉鎖姿勢から前記第1の開放姿勢に変更し、再び、前記第1の閉鎖姿勢に戻す、第1の単位駆動を第1の回数に渡って実行する第1の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第2の大当り図柄である場合、前記第2の開閉部材の姿勢を前記第2の閉鎖姿勢から前記第2の開放姿勢に変更し、再び、前記第2の閉鎖姿勢に戻す、第2の単位駆動を第2の回数に渡って実行する第2の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される第1の大当り図柄、若しくは、前記図柄表示手段に確定表示される第2の大当り図柄が、遊技モード変更図柄である場合に、遊技モードの変更終了条件が成立するまでの間、該遊技モードを通常モードから、特別モードに変更する遊技モード変更手段と、
を備え、
前記第2の回数が前記第1の回数よりも少なく設定されると共に、前記第2の単位駆動に費やされる時間が前記第1の単位駆動に費やされる時間よりも短く設定される遊技機であって、
前記第2の入賞部の面積が、前記第1の入賞部の面積よりも小さくされることを特徴とする。
ここで、本明細書においては、入賞確率が異なる2態様の大当り遊技状態のうちで、(1)図柄表示手段に、第1の大当り図柄が確定表示されることを条件に実行される大当り遊技状態(入賞確率が高い方の大当り遊技状態)を、「第1の大当り遊技状態」と称し、(2)図柄表示手段に、第2の大当り図柄が確定表示されることを条件に実行される大当り遊技状態(入賞確率が低い方の大当り遊技状態)を、「第1の大当り遊技状態」と称することがある。また、本明細書において、「入賞部(第1の入賞部、第2の入賞部)」とは、可変入賞装置(第1の可変入賞装置及び第2の可変入賞装置)において、遊技球の入口となる部位を指す。
請求項1の発明においても、遊技モード変更図柄を複数態様設定すると共に、図柄表示手段に確定表示される「遊技モード変更図柄」の態様に応じて、「単位駆動の実行回数」と、「個々の単位駆動に費やされる時間」とを変更することで、遊技球の可変入賞装置への入賞確率を変更する。このため、請求項1の遊技機によっても、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、特別遊技モード(例えば、高確率モード等)への移行頻度の選択の自由度を高めることができる。このため、請求項1の発明においても、前述の「特異なゲーム性(遊技者に、遊技モードが、突然、有利なモードに移行したような印象を与えることができるという、特異なゲーム性)」を十分に保持できる。
しかも、請求項1の発明の遊技機では、態様の異なる「2つの可変入賞装置」を備える。つまり、請求項1の発明では、「第1の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第1の可変入賞装置)と、「第2の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第2の可変入賞装置)と、を別個に設ける。
そして、請求項1の発明では、第2の入賞部の面積(開口面積)が、第1の入賞部の面積(開口面積)よりも小さくされる。このため、請求項1の発明では、第2の開閉部材のサイズ(特に、第2の開閉部材において遊技領域の前方から視認可能となる部位のサイズ、以下、この部位を「第2の視認部位」ということがある。)を、第1の開閉部材のサイズ(特に、第1の開閉部材において遊技領域の前方から視認可能となる部位のサイズ、以下、この部位を「第1の視認部位」ということがある。)よりも小さくできる。
よって、請求項1の発明によると、「第2の大当り遊技状態の実行時における第2の開閉部材の開閉駆動」が、「第1の大当り遊技状態の実行時における第1の開閉部材の開閉駆動」に比べて目立ち難くされること(単位駆動の実行回数が少なく設定されると共に、個々の単位駆動に費やされる時間が短く設定されるからである。)に加えて、「第2の大当り遊技状態の実行時に開閉駆動する第2の開閉部材」を、「第1の大当り遊技状態の実行時に開閉駆動する第1の開閉部材」に比べて目立ち難いサイズとすることができる。換言すると、第2の開閉部材を第1の開閉部材に比べて、その駆動態様を目立ち難くするだけではなく、その存在自体も目立ち難くする。
つまり、請求項1の発明によると、第2の入賞部のサイズを選択し、第2の可変入賞装置の開閉駆動(第2の開閉部材の開閉駆動)をより一層判り難くできるため、「第2の大当り遊技状態」の実行時に、遊技者が、不満を持ったり、ストレスを感じることを防止したり、不満やストレスを持つ遊技者の数を軽減すること等ができる。蓋し、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなれば、遊技者にとって、「第2の大当り遊技状態」が実行されること自体がより一層、判り難くなる。例えば、遊技者が第2の可変入賞装置の開閉駆動に気づかない可能性もある。従って、請求項1の発明の遊技機によると、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。
また、請求項1の発明によると、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなるため、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」をより強く与えること(前述の提案例よりも強く与えること)ができる。このため、請求項1の発明によると、遊技の意外性が更に高くなり、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。また、請求項1の発明によると、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
尚、請求項1の発明においては、第2の入賞部の面積(開口面積)を、第1の入賞部の面積(開口面積)の「1/50」〜「40/50」にすることが望ましく、「5/50」〜「30/50」とすることが更に好ましい。また、請求項1の発明においては、前述のように、「第2の視認部位」のサイズを、「第1の視認部位」をよりも小さくできる。この場合において、「第2の視認部位のサイズ」を、例えば、「第2の開閉部材を、遊技盤の前面部、若しくは、この前面部に平行な面に投影した場合の投影面積(以下、「第2の投影面積」ということがある。)」として表すことができる。同様に、「第1の視認部位のサイズ」を、例えば、「第1の開閉部材を、遊技盤の前面部、若しくは、この前面部に平行な面に投影した場合の投影面積(以下、「第1の投影面積」ということがある。)」として表すことができる。このとき、「第2の投影面積」を、「第1の投影面積」の「1/50」〜「40/50」にすることが望ましく、「5/50」〜「30/50」とすることが更に好ましい。
請求項2記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を構成する遊技盤と、
判定実行条件が成立すると、遊技状態を大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
表示実行条件が成立すると、前記判定の結果を示す判定結果図柄を、所定の演出表示を経て確定表示する図柄表示手段と、
第1の入賞部と、該第1の入賞部を閉鎖する第1の閉鎖姿勢及び該第1の入賞部を開放する第1の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第1の開閉部材と、を具備する第1の可変入賞装置と、
第2の入賞部と、該第2の入賞部を閉鎖する第2の閉鎖姿勢及び該第2の入賞部を開放する第2の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第2の開閉部材と、を具備する第2の可変入賞装置と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第1の大当り図柄である場合、前記第1の開閉部材の姿勢を前記第1の閉鎖姿勢から前記第1の開放姿勢に変更し、再び、前記第1の閉鎖姿勢に戻す、第1の単位駆動を第1の回数に渡って実行する第1の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第2の大当り図柄である場合、前記第2の開閉部材の姿勢を前記第2の閉鎖姿勢から前記第2の開放姿勢に変更し、再び、前記第2の閉鎖姿勢に戻す、第2の単位駆動を第2の回数に渡って実行する第2の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される第1の大当り図柄、若しくは、前記図柄表示手段に確定表示される第2の大当り図柄が、遊技モード変更図柄である場合に、遊技モードの変更終了条件が成立するまでの間、該遊技モードを通常モードから、特別モードに変更する遊技モード変更手段と、
を備え、
前記第2の回数が前記第1の回数よりも少なく設定されると共に、前記第2の単位駆動に費やされる時間が前記第1の単位駆動に費やされる時間よりも短く設定される遊技機であって、
前記第2の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離は、前記第1の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離よりも長くされることを特徴とする。
ここで、請求項2の発明の「遊技領域の上下方向中心線」とは、遊技領域の上下方向(遊技機の上下方向)に沿った線(仮想線)であって、この遊技領域を左右に、略2分割(略等しい面積に等分割)する線(仮想線)である。そして、一般に、遊技機の遊技領域においては、この「遊技領域の上下方向中心線」の通過する「中心部位」や、この「中心部位」に近接する「中心近接部位」が、遊技球(遊技領域を流下する遊技球)の集中し易い部位となる。つまり、この「中心部位」や「中心近接部位」は、遊技領域を目視する遊技者にとって、注視され易い部位である。このため、これらの部位には、遊技上の表示や演出等を中心的に行う遊技機部品(中央装置等)が配置される。換言すると、遊技機の遊技領域において「遊技領域の上下方向中心線」から離間する「離間部位」は、遊技領域を目視する遊技者にとって、注視され難い部位である。このため、この離間部位には、遊技上の演出を補助的に行う遊技機部品(サイド飾り装置等)等が配置される。
請求項2の発明においても、遊技モード変更図柄を複数態様設定すると共に、図柄表示手段に確定表示される「遊技モード変更図柄」の態様に応じて、「単位駆動の実行回数」と、「個々の単位駆動に費やされる時間」とを変更することで、遊技球の可変入賞装置への入賞確率を変更する。このため、請求項2の遊技機によっても、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、特別遊技モード(例えば、高確率モード等)への移行頻度の選択の自由度を高めることができる。このため、請求項2の発明においても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持できる。
しかも、請求項2の発明の遊技機においても、態様の異なる「2つの可変入賞装置」を備える。つまり、請求項2の発明においても、「第1の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第1の可変入賞装置)と、「第2の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第2の可変入賞装置)と、を別個に設ける。加えて、第2の入賞部と上下方向中心線との距離は、第1の入賞部と上下方向中心線との距離よりも長くされる。つまり、第2の入賞部の配置位置が、第1の入賞部の配置位置よりも、「遊技球の通過頻度が低く、目立ち難い位置」とされる。
このため、請求項2の発明においても、「第2の大当り遊技状態の実行時における第2の開閉部材の開閉駆動」が、「第1の大当り遊技状態の実行時における第1の開閉部材の開閉駆動」に比べて目立ち難くされること(単位駆動の実行回数が少なく設定されると共に、個々の単位駆動に費やされる時間が短く設定されるからである。)に加えて、第2の可変入賞装置が第1の可変入賞装置に比べて目立ち難い位置に配置される。換言すると、第2の開閉部材を第1の開閉部材に比べて、その駆動態様を目立ち難くするだけではなく、その存在自体も目立ち難くする。
つまり、請求項2の発明によると、第2の入賞部の配置位置を選択し、第2の可変入賞装置の開閉駆動(第2の開閉部材の開閉駆動)をより一層判り難くできるため、「第2の大当り遊技状態」の実行時に、遊技者が、不満を持ったり、ストレスを感じることを防止したり、不満やストレスを持つ遊技者の数を軽減すること等ができる。蓋し、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなれば、遊技者にとって、「第2の大当り遊技状態」が実行されること自体がより一層、判り難くなる。例えば、遊技者が第2の可変入賞装置の開閉駆動に気づかない可能性もある。従って、請求項2の発明の遊技機によっても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。
また、請求項2の発明によっても、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなるため、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」をより強く与えること(前述の提案例よりも強く与えること)ができる。このため、請求項2の発明によっても、遊技の意外性が更に高くなり、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。また、請求項2の発明によっても、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
請求項2の発明においては、第2の入賞部の配置箇所を、「遊技領域の外縁部に近接する外縁部近接箇所(第1の入賞部の配置箇所に比べて近接する箇所)」、若しくは、「遊技領域の外縁部と連続する外縁部連続箇所」とすることが望ましい。特に、外縁部近接箇所や外縁部連続箇所は、「遊技領域における右端側の箇所(遊技領域の前方の遊技者が観察して右端側の箇所)」、「遊技領域における右下方側の箇所(遊技領域の前方の遊技者が観察して右下方側の箇所)」、若しくは、「遊技領域における左下方側の箇所(遊技領域の前方の遊技者が観察して左下方側の箇所)」を選択することが特に望ましい。蓋し、これらの箇所は、「遊技領域を流下する遊技球を目で追う遊技者」の視野から外れ易い箇所であるからである。
請求項3記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を構成する遊技盤と、
判定実行条件が成立すると、遊技状態を大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
表示実行条件が成立すると、前記判定の結果を示す判定結果図柄を、所定の演出表示を経て確定表示する図柄表示手段と、
第1の入賞部と、該第1の入賞部を閉鎖する第1の閉鎖姿勢及び該第1の入賞部を開放する第1の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第1の開閉部材と、を具備する第1の可変入賞装置と、
第2の入賞部と、該第2の入賞部を閉鎖する第2の閉鎖姿勢及び該第2の入賞部を開放する第2の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第2の開閉部材と、を具備する第2の可変入賞装置と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第1の大当り図柄である場合、前記第1の開閉部材の姿勢を前記第1の閉鎖姿勢から前記第1の開放姿勢に変更し、再び、前記第1の閉鎖姿勢に戻す、第1の単位駆動を第1の回数に渡って実行する第1の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第2の大当り図柄である場合、前記第2の開閉部材の姿勢を前記第2の閉鎖姿勢から前記第2の開放姿勢に変更し、再び、前記第2の閉鎖姿勢に戻す、第2の単位駆動を第2の回数に渡って実行する第2の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される第1の大当り図柄、若しくは、前記図柄表示手段に確定表示される第2の大当り図柄が、遊技モード変更図柄である場合に、遊技モードの変更終了条件が成立するまでの間、該遊技モードを通常モードから、特別モードに変更する遊技モード変更手段と、
を備え、
前記第2の回数が前記第1の回数よりも少なく設定されると共に、前記第2の単位駆動に費やされる時間が前記第1の単位駆動に費やされる時間よりも短く設定される遊技機であって、
前記遊技領域と、前記遊技盤の前面部に装着されて前記遊技領域の前方から視認可能な遊技機部品と、のうちの少なくとも一方と、
前記第2の開閉部材と、
の間において、意匠的な共通化が図られていることを特徴とする。
請求項3の発明においても、遊技モード変更図柄を複数態様設定すると共に、図柄表示手段に確定表示される「遊技モード変更図柄」の態様に応じて、「単位駆動の実行回数」と、「個々の単位駆動に費やされる時間」とを変更することで、遊技球の可変入賞装置への入賞確率を変更する。このため、請求項3の遊技機によっても、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、特別遊技モード(例えば、高確率モード等)への移行頻度の選択の自由度を高めることができる。このため、請求項3の発明においても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持できる。
しかも、請求項3の発明の遊技機においても、態様の異なる「2つの可変入賞装置」を備える。つまり、請求項3の発明においても、「第1の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第1の可変入賞装置)と、「第2の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第2の可変入賞装置)と、を別個に設ける。加えて、請求項3の発明の遊技機においては、遊技領域と遊技機部品とのうちの少なくとも一方と、第2の開閉部材との間で意匠的な共通化が図られているため、第2の開閉部材が目立ち難くされる。
このため、請求項3の発明においても、「第2の大当り遊技状態の実行時における第2の開閉部材の開閉駆動」が、「第1の大当り遊技状態の実行時における第1の開閉部材の開閉駆動」に比べて目立ち難くされること(単位駆動の実行回数が少なく設定されると共に、個々の単位駆動に費やされる時間が短く設定されるからである。)に加えて、第2の可変入賞装置が、「遊技領域」等と同化した状態に配置される。換言すると、第2の開閉部材を第1の開閉部材に比べて、その駆動態様を目立ち難くするだけではなく、その存在自体も目立ち難くする。
つまり、請求項3の発明によると、第2の開閉部材に施す意匠を選択し、第2の可変入賞装置の開閉駆動(第2の開閉部材の開閉駆動)をより一層判り難くできるため、「第2の大当り遊技状態」の実行時に、遊技者が、不満を持ったり、ストレスを感じることを防止したり、不満やストレスを持つ遊技者の数を軽減すること等ができる。蓋し、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなれば、遊技者にとって、「第2の大当り遊技状態」が実行されること自体がより一層、判り難くなる。例えば、遊技者が第2の可変入賞装置の開閉駆動に気づかない可能性もある。従って、請求項3の発明の遊技機によっても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。
また、請求項3の発明によっても、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなるため、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」をより強く与えること(前述の提案例よりも強く与えること)ができる。このため、請求項3の発明によっても、遊技の意外性が更に高くなり、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。また、請求項3の発明によっても、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
請求項3の発明においては、(1)「遊技領域の全域若しくは一部」と、「第2の開閉部材(第2の視認部位のみであってもよい。)若しくは第2の開閉部材(第2の視認部位のみであってもよい。)の一部」との間で、意匠的な共通化を図ってもよいし、(2)「遊技機部品の全体若しくは一部」と、「第2の開閉部材(第2の視認部位のみであってもよい。)若しくは第2の開閉部材(第2の視認部位のみであってもよい。)の一部」との間で、意匠的な共通化を図ってもよいし、(1)及び(2)を同時に実行してもよい。尚、この「遊技領域の一部」や、「遊技機部品の一部」は、「第2の開閉部材(第2の視認部位のみであってもよい。)」と隣合う部位(連続状に隣合う部位)であることが望ましい。
請求項3の発明において「意匠的な共通化を図る」とは、例えば、形状、色彩、模様等で構成される意匠的な構成要素の共通化を図ることを指す。つまり、(a)同一色、若しくは、同系色の色を用いて色彩の共通化を図ること、(b)同一の模様を付すこと、(c)同一の図形、文字、立体物(遊技部品も含まれる。)等を配設しての共通化を図ること、(a)〜(c)のうちの2つ、若しくは、3つを行うこと等を指す。
ここで、本明細書において、「同一色」とは、色相、明度及び彩度が等しい色(着色)を指する。また、「同系色」とは、(1)同一色相であるが、明度及び彩度のうちの少なくとも一方が異なる色や、(2)隣接色相若しくは類似色相にある色、換言すると、「中差色相、対照色相、若しくは、補色色相にある色を除いた色」を指す。尚、「隣接色相」、「類似色相」、「中差色相」、「対照色相」、及び、「補色色相」の定義は、PCCS(日本色研配色体系)の基準に従うものである。
このPCCSの基準によると、図47に示すように、「色みの種類(色相)」を24色で示し、この24色を以下のように、円環状に並べて「色相環S」を構成する。つまり、この「色相環S」を構成する際には、先ず、「心理四原色」と言われる基本色(2:R「赤」、8:Y「黄」、12:G「緑」、18:B「青」)を色領域の中心とする。そして、「心理四原色」の「心理補色」にあたる色相(14:BG「青緑」、20:V「青紫」、24:RP「赤紫」、6:yO「黄みのだいだい」)を、「色相環S」において、対応する個々の「心理四原色」と対向する位置に配置する。
そして、これらの8色に、色相間隔が知覚的に等歩度に感じられるように、4色(4:rO「赤みだいだい」、10:YG「黄緑」、16:gB「緑み青」、22:P「紫」)を加えて、「色相環S」を12色相に分割する。更に、この12色相を分割し、その中間色相(1:pR「紫みの赤」、3:yR「黄みの赤」、5:O「だいだい」、6:yO「黄みだいだい」、7:rO「赤みだいだい」、11:yG「黄みの緑」、13:bG「青みの緑」、15:BG「青緑」、17B「青」、19:pB「紫みの青」、21bP「青みの紫」、23rP「赤みの紫」)を加えて24色相にする。尚、色相記号(yY等)の大文字部分(Y等)は、色相名の英文頭文字であり、色相記号(yG等)の小文字部分(y等)は、色みを示す形容詞の英文頭文字である。そして、色相番号「1、2 ・・・24」は、「紫みの赤」を「1」として、順次、規定されている。
本明細書において、「同一色相」とは色相番号を等しい色(つまり、差が「ゼロ」の色)を指す。また、「隣接色相」とは、色相番号の差が「1」の色を指し、「類似色相」とは、色相番号の差が「2」又は「3」の色を指す。更に、「中差色相」とは、色相番号の差が「4」〜「7」の色を指し、「対照色相」とは、色相番号の差が「8」又は「10」の色を指す。更に、「補色色相」とは、色相番号の差が「11」又は「12」の色を指す。
請求項4記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を構成する遊技盤と、
判定実行条件が成立すると、遊技状態を大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
表示実行条件が成立すると、前記判定の結果を示す判定結果図柄を、所定の演出表示を経て確定表示する図柄表示手段と、
第1の入賞部と、該第1の入賞部を閉鎖する第1の閉鎖姿勢及び該第1の入賞部を開放する第1の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第1の開閉部材と、を具備する第1の可変入賞装置と、
第2の入賞部と、該第2の入賞部を閉鎖する第2の閉鎖姿勢及び該第2の入賞部を開放する第2の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第2の開閉部材と、を具備する第2の可変入賞装置と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第1の大当り図柄である場合、前記第1の開閉部材の姿勢を前記第1の閉鎖姿勢から前記第1の開放姿勢に変更し、再び、前記第1の閉鎖姿勢に戻す、第1の単位駆動を第1の回数に渡って実行する第1の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第2の大当り図柄である場合、前記第2の開閉部材の姿勢を前記第2の閉鎖姿勢から前記第2の開放姿勢に変更し、再び、前記第2の閉鎖姿勢に戻す、第2の単位駆動を第2の回数に渡って実行する第2の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される第1の大当り図柄、若しくは、前記図柄表示手段に確定表示される第2の大当り図柄が、遊技モード変更図柄である場合に、遊技モードの変更終了条件が成立するまでの間、該遊技モードを通常モードから、特別モードに変更する遊技モード変更手段と、
を備え、
前記第2の回数が前記第1の回数よりも少なく設定されると共に、前記第2の単位駆動に費やされる時間が前記第1の単位駆動に費やされる時間よりも短く設定される遊技機であって、
前記第2の入賞部の前方に位置する部位に、所定の着色が施されつつ、透明若しくは半透明に構成されたカバー体を、配設することを特徴とする。
ここで、請求項4の発明において、「第2の入賞部の前方に位置する部位」とは、「当該遊技機において、第2の入賞部の配置位置(遊技盤の前面部等)と、遊技者との間に位置する部位である。例えば、遊技盤の前面部と、前面透明板(具体的には、前面枠に対して、ガラス枠を介して装着されるガラス板等)との間に形成される空間部において、第2の入賞部の配置位置と、遊技者との間に位置する部位を例示できる。
請求項4の発明においても、遊技モード変更図柄を複数態様設定すると共に、図柄表示手段に確定表示される「遊技モード変更図柄」の態様に応じて、「単位駆動の実行回数」と、「個々の単位駆動に費やされる時間」とを変更することで、遊技球の可変入賞装置への入賞確率を変更する。このため、請求項4の遊技機によっても、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、特別遊技モード(例えば、高確率モード等)への移行頻度の選択の自由度を高めることができる。このため、請求項3の発明においても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持できる。
しかも、請求項4の発明の遊技機においても、態様の異なる「2つの可変入賞装置」を備える。つまり、請求項4の発明においても、「第1の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第1の可変入賞装置)と、「第2の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第2の可変入賞装置)と、を別個に設ける。加えて、請求項4の発明においては、第2の入賞部の前方に位置する部位に所定の着色が施されたカバー体を配置し、第2の開閉部材の「視認性(遊技領域の前方に位置する遊技者からの視認性)」を、意図的に低下させる。
このため、請求項4の発明においても、「第2の大当り遊技状態の実行時における第2の開閉部材の開閉駆動」が、「第1の大当り遊技状態の実行時における第1の開閉部材の開閉駆動」に比べて目立ち難くされること(単位駆動の実行回数が少なく設定されると共に、個々の単位駆動に費やされる時間が短く設定されるからである。)に加えて、第2の可変入賞装置が第1の可変入賞装置に比べて目立ち難い状態に配置される。換言すると、第2の開閉部材を第1の開閉部材に比べて、その駆動態様を目立ち難くするだけではなく、その存在自体も目立ち難くする。
つまり、請求項4の発明によると、第2の開閉部材の視認性を意図的に低下させ、第2の可変入賞装置の開閉駆動(第2の開閉部材の開閉駆動)をより一層判り難くできるため、「第2の大当り遊技状態」の実行時に、遊技者が、不満を持ったり、ストレスを感じることを防止したり、不満やストレスを持つ遊技者の数を軽減すること等ができる。蓋し、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなれば、遊技者にとって、「第2の大当り遊技状態」が実行されること自体がより一層、判り難くなる。例えば、遊技者が第2の可変入賞装置の開閉駆動に気づかない可能性もある。従って、請求項4の発明の遊技機によっても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。
また、請求項4の発明によっても、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなるため、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」をより強く与えること(前述の提案例よりも強く与えること)ができる。このため、請求項3の発明によっても、遊技の意外性が更に高くなり、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。また、請求項4の発明によっても、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
請求項4の発明においては、カバー体に施される色(着色)を、種々の選択可能であるが、この色を、「第2の開閉部材(第2の視認部位のみでもよい。)」に施された色(着色)と同一色、若しくは、同系色とすることが望ましい。蓋し、同一色、若しくは、同系色とすると、第2の開閉部材の「視認性(遊技領域の前方に位置する遊技者からの視認性)」が更に低下するため、請求項4の発明の目的がより確実に達成されるからである。
請求項4の発明に従って、カバー体に施される色(着色)を、「第2の開閉部材(第2の視認部位のみでもよい。)」と同一色とすると、遊技領域の前方の遊技者からは、第2の開閉部材が視認することが困難となる。また、請求項4の発明に従って、カバー体に施される色(着色)を、「第2の開閉部材(第2の視認部位のみでもよい。)」に施された色(着色)と同系色とする場合は、第2の視認部位と、カバー体との調和が高まるため、遊技領域の前方の遊技者からは、第2の開閉部材が視認し難くなる。
尚、各請求項の発明や後述する各関連発明においては、「第1の可変入賞装置の前方に位置する部位に、特定の着色が施されつつ、透明若しくは半透明に構成されたカバー体や、着色の施されていない無色透明に構成されたカバー体を、配設する構成」を採用してもよい。この場合、「特定の着色」を、「第1の開閉部材(第1の視認部位のみでもよい)」に施された色(着色)と同一色、若しくは、同系色としてもよいし、「中差色相」に相当する色相を備える色、「対照色相」に相当する色相を備える色、「補色色相」に相当する色相を備える色とすることもできる。特に、請求項4の発明では、この「特定の着色」を、「中差色相」に相当する色相を備える色、「対照色相」に相当する色相を備える色、若しくは、「補色色相」に相当する色相を備える色のうちの何れかとすることが効果的である。蓋し、遊技領域の前方の遊技者からは、第1の開閉部材が視認し易くなるからである。つまり、第1の開閉部材をより目立ち易い構成とすることで、遊技者は、第2の開閉部材に対する「注視度」が低下し、この遊技者からは、第2の開閉部材がより一層、視認し難くなるからである。
請求項5記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を構成する遊技盤と、
判定実行条件が成立すると、遊技状態を大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
表示実行条件が成立すると、前記判定の結果を示す判定結果図柄を、所定の演出表示を経て確定表示する図柄表示手段と、
第1の入賞部と、該第1の入賞部を閉鎖する第1の閉鎖姿勢及び該第1の入賞部を開放する第1の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第1の開閉部材と、を具備する第1の可変入賞装置と、
第2の入賞部と、該第2の入賞部を閉鎖する第2の閉鎖姿勢及び該第2の入賞部を開放する第2の開放姿勢の間で姿勢変更が可能な第2の開閉部材と、を具備する第2の可変入賞装置と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第1の大当り図柄である場合、前記第1の開閉部材の姿勢を前記第1の閉鎖姿勢から前記第1の開放姿勢に変更し、再び、前記第1の閉鎖姿勢に戻す、第1の単位駆動を第1の回数に渡って実行する第1の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第2の大当り図柄である場合、前記第2の開閉部材の姿勢を前記第2の閉鎖姿勢から前記第2の開放姿勢に変更し、再び、前記第2の閉鎖姿勢に戻す、第2の単位駆動を第2の回数に渡って実行する第2の駆動手段と、
前記図柄表示手段に確定表示される第1の大当り図柄、若しくは、前記図柄表示手段に確定表示される第2の大当り図柄が、遊技モード変更図柄である場合に、遊技モードの変更終了条件が成立するまでの間、該遊技モードを通常モードから、特別モードに変更する遊技モード変更手段と、
を備え、
前記第2の回数が前記第1の回数よりも少なく設定されると共に、前記第2の単位駆動に費やされる時間が前記第1の単位駆動に費やされる時間よりも短く設定される遊技機であって、
前記遊技盤の前面部に装着されて前記遊技領域の前方に突出する収納体を備え、該収納体には該収納体の周面部に開口部を配設した収納空間部が形成され、
前記第2の入賞部は、前記収納空間部の開口部によって構成され、前記第2の開閉部材は、前記遊技盤の前面部の前方で、前記遊技盤の前面部に沿う方向に回動可能に配置され、
前記第2の開閉部材が、前記遊技盤の前面部に沿う一の方向に回動して前記収納空間内に没すると、前記第2の閉鎖姿勢を構成し、前記遊技盤の前面部に沿う他の方向に回動して、前記収納体外に現れると、前記第2の開放姿勢を構成することを特徴とする。
ここで、請求項5の発明において「遊技領域の前方」とは、「当該遊技機において、遊技領域と遊技者との間に位置する部位である。また、請求項5の発明において「遊技盤の前面部の前方」とは、「当該遊技機において、遊技盤の前面部と遊技者との間に位置する部位である。これらの部位としては、例えば、遊技領域(遊技盤の前面部)と、前面透明板(具体的には、前面枠に対して、ガラス枠を介して装着されるガラス板等)との間に形成される空間部から選択される部位を例示できる。
請求項5の発明においても、遊技モード変更図柄を複数態様設定すると共に、図柄表示手段に確定表示される「遊技モード変更図柄」の態様に応じて、「単位駆動の実行回数」と、「個々の単位駆動に費やされる時間」とを変更することで、遊技球の可変入賞装置への入賞確率を変更する。このため、請求項5の遊技機によっても、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、特別遊技モード(例えば、高確率モード等)への移行頻度の選択の自由度を高めることができる。このため、請求項5の発明においても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持できる。
しかも、請求項5の発明の遊技機においても、態様の異なる「2つの可変入賞装置」を備える。つまり、請求項5の発明においても、「第1の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第1の可変入賞装置)と、「第2の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される可変入賞装置(第2の可変入賞装置)と、を別個に設ける。加えて、請求項5の発明においては、第2の可変入賞装置の構造を、目立ち難い構造とする。つまり、請求項5の発明では、第2の閉鎖姿勢にあるときには、第2の開閉部材を遊技者から視認不可能な状態に収納し、第2の開放姿勢に移行するときに、第2の開閉部材を遊技者から視認可能な状態に出現させる構成を採用する。
このため、請求項5の発明においても、「第2の大当り遊技状態の実行時における第2の開閉部材の開閉駆動」が、「第1の大当り遊技状態の実行時における第1の開閉部材の開閉駆動」に比べて目立ち難くされること(単位駆動の実行回数が少なく設定されると共に、個々の単位駆動に費やされる時間が短く設定されるからである。)に加えて、第2の可変入賞装置が第1の可変入賞装置に比べて目立ち難い構造とされる。換言すると、第2の開閉部材を第1の開閉部材に比べて、その駆動態様を目立ち難くするだけではなく、その存在自体も目立ち難くする。
つまり、請求項5の発明によると、第2の可変入賞装置の構造を目立ち難い構造とすることで、第2の可変入賞装置の開閉駆動(第2の開閉部材の開閉駆動)をより一層判り難くできるため、「第2の大当り遊技状態」の実行時に、遊技者が、不満を持ったり、ストレスを感じることを防止したり、不満やストレスを持つ遊技者の数を軽減すること等ができる。蓋し、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなれば、遊技者にとって、「第2の大当り遊技状態」が実行されること自体がより一層、判り難くなる。例えば、遊技者が第2の可変入賞装置の開閉駆動に気づかない可能性もある。従って、請求項5の発明の遊技機によっても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。
また、請求項5の発明によっても、第2の可変入賞装置の開閉駆動がより一層判り難くなるため、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」をより強く与えること(前述の提案例よりも強く与えること)ができる。このため、請求項3の発明によっても、遊技の意外性が更に高くなり、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。また、請求項5の発明によっても、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
尚、請求項5の発明において、第1の可変入賞装置の具体的な構成は特に問わず、種々選択可能である。例えば、第1の可変入賞装置を、請求項5に示す「第2の可変入賞装置」と同様な構成(つまり、収納体と、この収納体内に没したり、収納体外に出現する第1の開閉部材を備える態様)に構成してもよい。
また、請求項5の発明の「第1の可変入賞装置」を以下のように構成してもよい。つまり、「前記遊技盤の前面部で前方に開口する状態に設けられる前記第1の入賞部と、前記遊技盤に設けられる第1の取付部に対して、下端部の側の部位に回動軸心を設けつつ前後に回動可能に取り付けられ、後方に回動して起立状態となると、第1の閉鎖姿勢を構成し、前方に回動して前傾状態となると、前記第1の開放姿勢を構成する前記第1の開閉部材と、を備える構成」とすることもできる。この場合、遊技領域の前方の遊技者からは、第1の開閉部材が視認し易くなる。そして、第1の開閉部材をより目立つ構成とすることで、遊技者は、第2の開閉部材に対する「注視度」が低下し、この遊技者からは、第2の開閉部材がより一層、視認し難くなり、請求項5の発明の目的がより一層、確実に達成される。
請求項6記載の遊技機は、請求項1〜5の何れかに記載の遊技機において、
前記第1の可変入賞装置への遊技球の入賞を検出するための第1の検出手段と、前記第2の可変入賞装置への遊技球の入賞を検出するための第2の検出手段と、を備えると共に、
前記第2の入賞部から前記第2の可変入賞装置に入賞する遊技球が第2の検出手段に到達するまでの到達時間(以下、「第2の到達時間」ということがある。)は、前記第1の入賞部から前記第1の可変入賞装置に入賞する遊技球が第1の検出手段に到達するまでの到達時間(以下、「第1の到達時間」ということがある。)よりも短くされることを特徴とする。
請求項6の発明の遊技機によると、第2の大当り遊技状態を実行する際に設定することが必要な、所謂「インターバル時間」を積極的に短くすることで、更により一層多様な遊技者の要求を満足させたり、遊技上の興趣を更により一層、高めることを意図している。つまり、単位駆動を複数回に渡って行う態様で、大当り遊技状態を実施する場合、各単位駆動の合間(所謂、ラウンド間)に、待ち時間(インターバル時間)を設けることが必要である。
つまり、所定の単位駆動を終了し、開閉部材を閉鎖姿勢に移行させた後、所定の待ち時間(インターバル時間)の間、開閉部材の閉鎖姿勢を維持する。そして、この待ち時間(インターバル時間)が経過した後、後続する単位駆動が実行されることになる。この待ち時間(インターバル時間)を設けるのは、「所定の単位駆動(所定のラウンド)」で生じた入賞を、確実に、当該「所定の単位駆動(所定のラウンド)」で生じた入賞として処理するため、換言すると、「後続する他の単位駆動(後続する他のラウンド)」で生じた入賞として処理しないためである。
ところが、通常の「可変入賞装置」においては、当該「可変入賞装置」への遊技球の入賞を検出するための検出手段が、当該「可変入賞装置」の奥側に設けられている。つまり、当該「可変入賞装置」の入賞部(遊技球の当該「可変入賞装置」への入口を構成)と、検出手段との間にある程度の距離が設けられており、当該入賞部から入賞した遊技球を検出するためには、ある程度の時間を要することになる。そして、この時間を考慮すると、待ち時間(インターバル時間)を、ある程度の長さとすることが必要となる。この点に関しては、遊技球の入賞確率が低い「第2の大当り遊技状態」を実行する場合においても同様である。
一方、本発明者らは、かかる事情を考慮して、請求項6の発明を完成した。つまり、請求項6の発明によると、「第2の到達時間」を短くできるため、第2の大当り遊技状態が、よりスピーディに実行される。従って、請求項6の発明の遊技機に接する遊技者にとっては、「第2の大当り遊技状態の実行」が更により一層、判り難くなる。このため、請求項6の発明によると、「第2の大当り遊技状態」の実行時に、遊技者が、不満を持ったり、ストレスを感じることを更に一層確実に防止したり、不満やストレスを持つ遊技者の数を更に軽減すること等ができる。また、請求項6の発明の遊技機に接する遊技者にとって、突然に、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」を、更により一層強く与えることができる。
このため、請求項6の発明の遊技機によると、更により一層多様な遊技者の要求を満足させたり、遊技の意外性が更により一層、高くなり、遊技上の興趣を、更により一層、十分に高めることができる。また、請求項6の発明によると、遊技者に更により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、強くかき立てることができる。
ここで、第2の入賞部が、遊技球の直径を超える横幅を有すると共に、第2の入賞部の個々の部位(例えば、左端部、中央部、右端部)において、第2の検出手段までの距離が異なる場合がある。例えば、第2の検出手段が、第2の入賞部の右端部の背後に配置される場合、第2の入賞部の左端部から第2の検出手段までの距離は、第2の入賞部の右端部から第2の検出手段までの距離よりも長くなる。この場合においては、遊技球が、第2の入賞部の何れの部位から第2の可変入賞装置に入賞するかによって、「第2の到達時間」に「ばらつき」を生ずる。この点に関しては、遊技球の直径を超える横幅を有すると共に、第1の入賞部の個々の部位において、第1の検出手段までの距離が異なる場合も同様である。このような場合は、請求項6の発明の「到達時間」を、「平均到達時間」とすることもできる。
つまり、何れの可変入賞装置においても、遊技球が、入賞部の何れの部位から可変入賞装置に入賞するかによって、遊技球が検出手段するまでの時間にばらつきを生ずる場合、入賞部の複数箇所から可変入賞装置に入賞する場合の「到達時間の平均値(平均到達時間)」によって、請求項6の発明の「到達時間」を構成してもよい。例えば、第1の入賞部の左端部から第1可変入賞装置に入賞する場合の「到達時間」と、第1の入賞部の右端部から第1可変入賞装置に入賞する場合の「到達時間」と、の平均値(平均到達時間)を、「第1の到達時間」としてもよい。同様に、第2の入賞部の左端部から第2可変入賞装置に入賞する場合の「到達時間」と、第2の入賞部の右端部から第2可変入賞装置に入賞する場合の「到達時間」と、の平均値(平均到達時間)」を、「第2の達時間」としてもよい。
請求項6の発明のより具体的な態様を説明する。つまり、(1)第1の可変入賞装置においては、第1の入賞部と第1の検出手段との間に通過経路を介在させるが、第2の可変入賞装置においては、第2の入賞部に第2の検出手段を設ける(第2の入賞部と第2の検出手段との間に通過経路を介在させない)こととして、第2の達時間を第1の達時間よりも短くする態様、(2)第1の可変入賞装置においては、第1の入賞部と第1の検出手段との間に第1の通過経路を介在させ、第2の可変入賞装置においては、第2の入賞部と第2の検出手段との間に、第2の通過経路を介在させ、第1の通過経路の長さを、第2の通過経路の長さよりも長くすることとして、第2の到達時間を第1の到達時間よりも短くする態様、等を例示できる。また、(3)第1の可変入賞装置においては、第1の入賞部と第1の検出手段との間に第1の通過経路を介在させ、第2の可変入賞装置においては、第2の入賞部と第2の検出手段との間に、第2の通過経路を介在させ、第2の通過経路の傾斜度を、第1の通過経路の傾斜度よりも、急にして、第2の達時間を第1の達時間よりも短くする態様、等を例示できる。
尚、請求項1〜請求項5の各発明は、何れか他の1つ以上の発明の特徴を兼ね備えてもよい。
請求項1の発明の遊技機において、
前記第2の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離は、前記第1の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離よりも長くされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明12」という。)。
請求項1の発明、又は、関連発明12のうちの何れかの遊技機において、
前記第2の開閉部材において前記遊技領域の前方から視認可能な部位と、
の間において、意匠的な共通化が図られていることを特徴としてもよい(以下、「関連発明13」という。)。
請求項1の発明、関連発明12、及び、関連発明13のうちの何れかの遊技機にいて、
前記第2の入賞部の前方に位置する部位に、所定の着色が施されつつ、透明若しくは半透明に構成されたカバー体を、配設することを特徴としてもよい(以下、「関連発明14」という。)。
請求項1の発明、関連発明12〜関連発明14のうちの何れかの遊技機において、
前記遊技盤の前面部に装着されて前記遊技領域の前方に突出する収納体を備え、該収納体には該収納体の周面部に開口部を配設した収納空間部が形成され、
前記第2の入賞部は、前記収納空間部の開口部によって構成され、前記第2の開閉部材は、前記遊技盤の前面部の前方で、前記遊技盤の前面部に沿う方向に回動可能に配置され、
前記第2の開閉部材が、前記遊技盤の前面部に沿う一の方向に回動して前記収納空間内に没すると、前記第2の閉鎖姿勢を構成し、前記遊技盤の前面部に沿う他の方向に回動して、前記収納体外に現れると、前記第2の開放姿勢を構成することを特徴としてもよい(以下、「関連発明15」という。)。
請求項2の発明の遊技機において、
前記第2の入賞部の面積が、前記第1の入賞部の面積よりも小さくされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明21」という。)。
請求項2の発明、又は、関連発明21の遊技機において、
前記第2の開閉部材において前記遊技領域の前方から視認可能な部位と、
の間において、意匠的な共通化が図られていることを特徴としてもよい(以下、「関連発明23」という。)。
請求項2の発明、関連発明21、及び、関連発明23のうちの何れかの遊技機にいて、
前記第2の入賞部の前方に位置する部位に、所定の着色が施されつつ、透明若しくは半透明に構成されたカバー体を、配設することを特徴としてもよい(以下、「関連発明24」という。)。
請求項2の発明、関連発明21、関連発明23、及び、関連発明24のうちの何れかの遊技機において、
前記遊技盤の前面部に装着されて前記遊技領域の前方に突出する収納体を備え、該収納体には該収納体の周面部に開口部を配設した収納空間部が形成され、
前記第2の入賞部は、前記収納空間部の開口部によって構成され、前記第2の開閉部材は、前記遊技盤の前面部の前方で、前記遊技盤の前面部に沿う方向に回動可能に配置され、
前記第2の開閉部材が、前記遊技盤の前面部に沿う一の方向に回動して前記収納空間内に没すると、前記第2の閉鎖姿勢を構成し、前記遊技盤の前面部に沿う他の方向に回動して、前記収納体外に現れると、前記第2の開放姿勢を構成することを特徴としてもよい(以下、「関連発明25」という。)。
請求項3の発明の遊技機において、
前記第2の入賞部の面積が、前記第1の入賞部の面積よりも小さくされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明31」という。)。
請求項3の発明、又は、関連発明31のうちの何れかの遊技機において、
前記第2の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離は、前記第1の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離よりも長くされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明32」という。)。
請求項3の発明、関連発明31、及び、関連発明32のうちの何れかの遊技機において、
前記第2の入賞部の前方に位置する部位に、所定の着色が施されつつ、透明若しくは半透明に構成されたカバー体を、配設することを特徴としてもよい(以下、「関連発明34」という。)。
請求項3の発明、関連発明31、関連発明32、及び、関連発明34のうちの何れかの遊技機において、
前記遊技盤の前面部に装着されて前記遊技領域の前方に突出する収納体を備え、該収納体には該収納体の周面部に開口部を配設した収納空間部が形成され、
前記第2の入賞部は、前記収納空間部の開口部によって構成され、前記第2の開閉部材は、前記遊技盤の前面部の前方で、前記遊技盤の前面部に沿う方向に回動可能に配置され、
前記第2の開閉部材が、前記遊技盤の前面部に沿う一の方向に回動して前記収納空間内に没すると、前記第2の閉鎖姿勢を構成し、前記遊技盤の前面部に沿う他の方向に回動して、前記収納体外に現れると、前記第2の開放姿勢を構成することを特徴としてもよい(以下、「関連発明35」という。)。
請求項4の発明の遊技機において、
前記第2の入賞部の面積が、前記第1の入賞部の面積よりも小さくされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明41」という。)。
請求項4の発明、又は、関連発明41のうちの何れかの遊技機において、
前記第2の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離は、前記第1の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離よりも長くされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明42」という。)。
請求項4の発明、関連発明41、及び、関連発明42のうちの何れかの遊技機において、
前記第2の開閉部材において前記遊技領域の前方から視認可能な部位と、
の間において、意匠的な共通化が図られていることを特徴としてもよい(以下、「関連発明43」という。)。
請求項4の発明、関連発明41〜関連発明43のうちの何れかの遊技機において、
前記遊技盤の前面部に装着されて前記遊技領域の前方に突出する収納体を備え、該収納体には該収納体の周面部に開口部を配設した収納空間部が形成され、
前記第2の入賞部は、前記収納空間部の開口部によって構成され、前記第2の開閉部材は、前記遊技盤の前面部の前方で、前記遊技盤の前面部に沿う方向に回動可能に配置され、
前記第2の開閉部材が、前記遊技盤の前面部に沿う一の方向に回動して前記収納空間内に没すると、前記第2の閉鎖姿勢を構成し、前記遊技盤の前面部に沿う他の方向に回動して、前記収納体外に現れると、前記第2の開放姿勢を構成することを特徴としてもよい(以下、「関連発明45」という。)。
請求項5の発明の遊技機において、
前記第2の入賞部の面積が、前記第1の入賞部の面積よりも小さくされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明51」という。)。
請求項5の発明、又は、関連発明51の遊技機において、
前記第2の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離は、前記第1の入賞部と前記遊技領域の上下方向中心線との距離よりも長くされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明52」という。)。
請求項5の発明、関連発明51、及び、関連発明52のうちの何れかの遊技機において、
前記第2の開閉部材において前記遊技領域の前方から視認可能な部位と、
の間において、意匠的な共通化が図られていることを特徴としてもよい(以下、「関連発明53」という。)。
請求項5の発明、関連発明51〜関連発明53のうちの何れかの遊技機において、
前記第2の入賞部の前方に位置する部位に、所定の着色が施されつつ、透明若しくは半透明に構成されたカバー体を、配設することを特徴としてもよい(以下、「関連発明54」という。)。
関連発明12〜関連発明15、関連発明21、関連発明23〜関連発明25、関連発明31、関連発明32、関連発明34、関連発明35、関連発明41〜関連発明43、関連発明45、関連発明51〜関連発明54のうちの何れか発明において、
前記第1の可変入賞装置への遊技球の入賞を検出するための第1の検出手段と、前記第2の可変入賞装置への遊技球の入賞を検出するための第2の検出手段と、を備えると共に、
前記第2の入賞部から前記第2の可変入賞装置に入賞する遊技球が第2の検出手段に到達するまでの到達時間は、前記第1の入賞部から前記第1の可変入賞装置に入賞する遊技球が第1の検出手段に到達するまでの到達時間よりも短くされることを特徴としてもよい(以下、「関連発明60」という。)。
次に、各請求項の発明と、各関連発明の各応用発明について説明する。これらの各応用発明は、各請求項の発明や各関連発明と、第2の単位駆動の態様が異なっている。その他の点に関しては、各請求項の発明や各関連発明と同様である。
各応用発明の「第2の単位駆動」も、「前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第2の大当り図柄である場合」に実行される。この各応用発明の「第2の単位駆動」においては、前記第2の開閉部材を振動させる動作によって構成される。つまり、各応用発明に係る遊技機においては、「各請求項の発明や各関連発明の遊技機が具備する第2の駆動手段」の代わりに、「前記図柄表示手段に確定表示される判定結果図柄が、第2の大当り図柄である場合、前記第2の開閉部材を振動させる、第2の単位駆動を、所定の回数に渡って実行する第2の駆動手段」を具備する。
次に、各請求項の発明と、各関連発明と、各応用発明とにおける「発明特定事項」の解釈を行う。尚、以下の説明では、各請求項の発明と、各関連発明と、各応用発明とを総称して、「本各発明」と称することがある。
本各発明の「判定実行条件」は、例えば、遊技領域に配設された「始動入賞手段」への遊技球の入賞(つまり、始動入賞)が、検出されることを前提に成立する。尚、この検出は、通常、「始動入賞手段」に設けられた「始動検出手段(始動検出スイッチ)」によって行われる。
本各発明の「表示実行条件」は、始動入賞を生ずることを前提に、判定結果図柄の表示時期が到来すると、成立する。この「表示実行条件」は、本各発明の遊技機において生じ得る全ての始動入賞に対応して成立させてもよいが、通常、所定の制限の下で成立する。即ち、本各発明の遊技機が、保留数に上限数がある場合には、当該保留数が当該上限数に達した状態にて、始動入賞を生じても、「表示実行条件」を不成立とする(つまり、当該始動入賞を無視する。)。
即ち、(1)「図柄表示手段」が、先行する他の始動入賞に起因する「各種の表示」を実行中でなく、しかも、先行する他の始動入賞に関する始動記憶が存在しない状態で、始動入賞を新たに生じたケースでは、そのまま、当該「新たに生じた始動入賞」に係る「表示実行条件」が成立する。ところが、(2)先行する他の始動入賞に起因する「各種の表示」を実行中か、先行する他の始動入賞に関する始動記憶が存在する状態で、始動入賞を新たに生じたケースでは、当該始動入賞時における保留数が、上限数に達していない場合に限り、当該「新たに生じた始動入賞」に関するデータ(判定結果に関するデータ等)を保留記憶(保留データ)として取り扱う。そして、当該「保留記憶」に先行する他の保留記憶に基づく、「各種の表示」を完了し、当該「保留記憶」に基づく、「各種の表示」の実行時期が到来したときに、当該「保留記憶」に関し、「表示実行条件」が成立する。ここで、始動入賞(始動記憶)に起因する「各種の表示」とは、当該「始動入賞」に伴って行われた判定結果に関連する表示であって、「演出表示(例えば、変動表示)」や当該「他の始動入賞に起因する判定結果図柄の確定表示」等を指す。
本各発明の「図柄表示手段」としては、例えば、液晶表示装置、単一のセグメント表示体や7セグメント表示体等を用いて構成される図柄表示手段の他に、CRT、ドットマトリックス、エレクトロルミネセンス、蛍光表示管等を用いた図柄表示手段等を例示できる。また、本各発明の「判定結果図柄」は、例えば、所定の識別図柄の停止図柄(単数の停止図柄であっても、複数の停止図柄からなる組み合わせ図柄であってもよい。)を用いて構成される。また、本各発明の「演出表示」としては、例えば、所定の識別図柄を用いて行われる変動表示(複数の識別図柄を順次、循環表示することを内容とする変動表示)を例示できる。また、本各発明の「演出表示」には、この変動表示と共に実行されるキャラクター演出表示(キャラクターを表示させつつ行われる演出表示)が含まれることもある。
尚、「識別図柄(識別情報)」は、遊技者に情報を発するため、図柄表示手段に表示される図柄であって、例えば、図形、文字、模様若しくはこれらの組み合わせ等によって構成される。そして、本各発明の遊技機が、この「識別図柄(識別情報)」として、本図柄(後述する。)のみを用いてもよいし、この本図柄と共に演出専用図柄(疑似図柄であって、後述する。)を用いてもよい。
本各発明においては、「第1の可変入賞装置」及び「第2の可変入賞装置」の具体的な態様は種々選択可能であり、例えば、所謂「アタッカー型」や所謂「翼片型」等を選択できる。また、「第1の可変入賞装置」及び「第2の可変入賞装置」の態様は同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、「第1の可変入賞装置」及び「第2の可変入賞装置」の双方が、「アタッカー型の可変入賞装置」若しくは「翼片型の可変入賞装置」であってもよいし、一方が「アタッカー型の可変入賞装置」で、他方が「翼片型の可変入賞装置」であってもよい。
ここで、「アタッカー型の可変入賞装置」とは、入賞部と、略扉状に構成されると共に入賞部の開閉を行うための開閉部材と、を備える可変入賞装置である。この開閉部材は、遊技盤の前面部に設けられる取付部に対して、下端面部の側の部位に回動軸心を設けつつ前後に回動可能に取付られ、後方に回動して起立状態となることで、閉鎖姿勢を構成する。この閉鎖姿勢になると、入賞部への遊技球の入賞が不可能となる。また、閉鎖姿勢にある開閉部材が、前方に回動して前傾状態、若しくは、略水平な状態となることで、開放姿勢を構成する。この開放姿勢になると、入賞部への遊技球の入賞が可能となる。つまり、「アタッカー型の可変入賞装置」では、遊技機の遊技状態が通常遊技状態にあるとき、遊技球の入賞が不可能とされる。一方、遊技機の遊技状態が大当り技状態に移行し、しかも、開閉部材の姿勢が開放姿勢に移行したとき、遊技球の入賞が可能とされる。
「翼片型の可変入賞装置」には、「複翼片型の可変入賞装置(以下、「チューリップ式の可変入賞装置」という。)」と、「単翼片型の可変入賞装置(以下、「片開き式の可変入賞装置」という。)」と、を例示できる。このうち、チューリップ式の可変入賞装置は、例えば、左右対称の可動翼片によって開閉部材を構成する。そして、両可動翼片間の空間によって、入賞部を構成する。また、両可動翼片はそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片が立設状態(特に、「直立状態」)になることで、両可動翼片によって構成される開閉部材が閉鎖姿勢を構成する。この閉鎖姿勢になると、入賞部の幅(遊技球の通過方向に直交する幅)が縮小されるため、入賞部への遊技球の入賞が困難となる。また、立設状態にある両可動翼片が、その下端側を軸心に、上端側を相互に離間するように傾動された状態(特に、左右に開放された状態)なることで、開閉部材が開放姿勢を構成する。この開放姿勢になると、入賞部の幅(遊技球の通過方向に直交する幅)が拡大されるため、入賞部への遊技球の入賞が容易となる。
「片開き式の可変入賞装置」は、単一の可動翼片によって開閉部材を構成する。そして、この可動翼片を、所定の支軸を中心に回動させ、この可動翼片を閉鎖姿勢としたり、開放姿勢とする。この可動翼片を扉状に構成し、この「片開き式の可変入賞装置」によって、「アタッカー型の可変入賞装置」と同様な態様を構成してもよい。つまり、片開き式の可変入賞装置(第1の可変入賞装置であってもよし、第2の可変入賞装置であってもよい。)を、例えば、請求項5の発明の「第2の可変入賞装置」と同様な構成を備えるものとする。しかも、開閉部材を単一の可動翼片で構成すると共に、閉鎖姿勢となると、遊技球の入賞が不可能となるように入賞部を閉鎖し、開放姿勢となると、遊技球の入賞が可能となるように入賞部を開放するものとすることもできる。
つまり、「片開き式の可変入賞装置」を、「前記遊技盤の前面部に装着されて前記遊技領域の前方に突出する収納体を備え、該収納体には該収納体の周面部に開口部を配設した収納空間部が形成される」構成とする。しかも、「前記第2の入賞部は、前記収納空間部の開口部によって構成され、前記第2の開閉部材は、前記遊技盤の前面部の前方で、前記遊技盤の前面部に沿う方向に回動可能に配置される」構成とする。更に、「前記第2の開閉部材が、前記遊技盤の前面部に沿う一の方向に回動して前記収納空間内に没すると、前記第2の閉鎖姿勢を構成し、前記遊技盤の前面部に沿う他の方向に回動して、前記収納体外に現れると、前記第2の開放姿勢を構成すること」を特徴としてもよい。
尚、「片開き式の可変入賞装置」においても、チューリップ式の可変入賞装置と同様に、可動翼片の開閉駆動によって、入賞部への遊技球の入賞の難易を調節する構成とすることもできる。また、以上の如く、本各発明の「第1の開閉部材」や「第2の開閉部材」の「閉鎖姿勢」は、入賞部への遊技球の入賞を不可能とする姿勢に限定されない。つまり、「第1の開閉部材」や「第2の開閉部材」の「閉鎖姿勢」には、入賞部への遊技球の入賞を制限する(困難とする)姿勢も含まれる。
各本各発明において、「大当り遊技状態(つまり、特別遊技状態)」とは、図柄表示手段に、「判定結果図柄としての大当り図柄(第1の大当り図柄、若しくは、第2の大当り図柄)」が表示されることを前提としつつ、可変入賞装置の駆動させて実行される遊技状態である。但し、各本各発明においては、この「大当り遊技状態」及び「可変入賞装置」の態様を複数種類設定する。つまり、(1)第1の可変入賞装置を入賞確率が高い状態に変化させて行う大当り遊技状態(第1の大当り遊技状態)と、(2)第2の可変入賞装置を入賞確率が低い状態に変化させて行う大当り遊技状態(第2の大当り遊技状態)と、を設定する。
各本各発明において、「前記第2の単位駆動を第2の回数に渡って実行する際に前記第2の入賞部に遊技球が入賞する確率(以下、「第2の確率」ということがある。)」が、「前記第1の単位駆動を第1の回数に渡って実行する際に前記第1の入賞部に遊技球が入賞する確率(以下、「第1の確率」ということがある。)」に比べて低くされることには、「第2の確率」が「ゼロ」とされたり、実質的に「ゼロ」とされること(余程、タイミングが良くなければ、入賞できないこと)等も含まれる。尚、前述の応用発明においては、「第2の確率」は「ゼロ」となる。
各請求項の発明、及び、各関連発明において、「第1の回数」としては、例えば、「7回〜16回から選択される所定の回数(特に、14回〜16回から選択される所定の回数)」のうちの何れの回数を例示でき、「第2の回数」としては、「1回〜3回から選択される所定の回数(特に、2回)」を例示できる。特に、「第2の回数」を、「第1の回数」の1/3以下の回数(特に、1/6以下の回数)に設定すると、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」を更により強く与えることができ、望ましい。
各請求項の発明、及び、各関連発明においては、個々の「第2の単位駆動」に費やされる時間が、個々の「第1の単位駆動」に費やされる時間よりも短く設定される。換言すると、「第2の単位駆動の実行中において第2の開放姿勢が維持される時間」が、「第1の単位駆動の実行中において第1の開放姿勢が維持される時間」に比べて短くされる。具体的には、(1)第2の単位駆動の実行時における「第2の開閉部材の開放方向への駆動量(換言すると、第2の入賞部の開放量)」と、第1の単位駆動の実行時における「第1の開閉部材の開放方向への駆動量(換言すると、第1の入賞部の開放量)」とを等しくしつつ、第2の単位駆動の速度を第1の単位駆動の速度よりも速くして、第2の単位駆動に費やされる時間を第1の単位駆動に費やされる時間よりも短くする態様や、(2)第2の単位駆動の実行時における「第2の開閉部材の開放方向への駆動量」を、第1の単位駆動の実行時における「第1の開閉部材の開放方向への駆動量」よりも少なくして第2の単位駆動に費やされる時間を第1の単位駆動に費やされる時間よりも短くする態様、等を例示できる。
本各発明において「特別モード」とは、遊技者が「当該遊技者にとって有利な特典」を獲得し得る遊技モードである。但し、本各発明において、この特別モードによって獲得可能な特典は、「大当り遊技状態を実行する特典」とは「別の特典」である。
本各発明の「特別モード」としては、例えば、(a)図柄表示手段に大当り図柄が表示される確率を高くすること(前述の「確率変動モード」若しくは「確変モード」)を内容とする遊技モード、(b)時短を実行することを内容とする遊技モード、(c)時短回数を多くすることを内容とする遊技モード、(d)確率変動を行う確変回数を多くすることを内容とする遊技モード、(e)遊技を現在の持ち球で継続可能であることを内容とする遊技モード、(f)確率変動モードを実行する確率を高くすることを内容とする遊技モード、等の他に、(a)から(f)の遊技モードの特典を2つ以上組み合わせて構成される特典を付与可能な遊技モード等を例示できる。例えば、確率変動モードを実行した後に、時短モードを実行することを内容とする特典を例示できる。
尚、(b)時短を実行することを内容とする遊技モード(所謂、「時短モード」)は、(1)演出表示(識別図柄を用いて、判定結果図柄の確定表示の前提として実行される変動表示であって、例えば、特別図柄の変動表示を指す。)の時間を短くすること、(2)普通図柄(後述する。)の図柄変動時間を短くすること、(3)当選を示す普通図柄が停止表示される確率を高すること、(4)始動入賞手段の開成を行う特別電動役物の開成時間を延長すること、等のうちの少なくとも1つを実行すること内容とする特典を付与可能とする遊技モードである。この時短モードに係る特典は、それ自体、単独で付与されても、他の特典に付加された状態で付与されてもよい。例えば、前述の如く、大当り遊技状態の終了後、確率変動モードを実行した後に、時短モードを実行してもよいし、大当り遊技状態の終了後、確率変動モードを経ずに時短モードを実行してもよい。但し、確率変動モードを実行した後に、時短モードを実行する態様においては、確率変動モードの実行中においても、遊技機が「時短モード」と同様な遊技モードを実行してもよい。つまり、確率変動モードの実行中においても、演出表示時間や普通図柄の図柄変動時間を短くすること等を実行してもよい。
本各発明の「第1の大当り図柄」として、遊技モード変更図柄を構成する「第1の大当り図柄(以下、「第1の変更図柄」ということがある。)」と、遊技モード変更図柄を構成しない「第1の大当り図柄(以下、「第1の通常図柄」ということがある。)」と、を設定することができる。つまり、図柄表示手段に確定表示されることが、遊技機の遊技モードを特別遊技モードに変更することの原因となる「第1の大当り図柄(第1の変更図柄)」と、図柄表示手段に確定表示されることが、遊技機の遊技モードを特別遊技モードに変更することの原因とならない「第1の大当り図柄(第1の通常図柄)」と、を設定することができる。但し、本各発明の「第1の大当り図柄」を、遊技モード変更図柄を構成する「第1の大当り図柄(第1の変更図柄)」のみで構成してもよい。つまり、図柄表示手段に確定表示されることが、遊技機の遊技モードを特別遊技モードに変更することの原因となる「第1の大当り図柄(第1の変更図柄)」のみを設定してもよい。
同様に、本各発明の「第2の大当り図柄」として、遊技モード変更図柄を構成する「第2の大当り図柄(以下、「第2の変更図柄」ということがある。)」と、遊技モード変更図柄を構成しない「第2の大当り図柄(以下、「第2の通常図柄」ということがある。)」と、が設定してもよい。つまり、図柄表示手段に確定表示されることが、遊技機の遊技モードを特別遊技モードに変更することの原因となる「第2の大当り図柄(第2の変更図柄)」と、図柄表示手段に確定表示されることが、遊技機の遊技モードを特別遊技モードに変更することの原因とならない「第2の大当り図柄(第2の通常図柄)」と、を設定してもよい。但し、本各発明の「第2の大当り図柄」を、遊技モード変更図柄を構成する「第2の大当り図柄(第2の変更図柄)」のみで構成してもよい。つまり、図柄表示手段に確定表示されることが、遊技機の遊技モードを特別遊技モードに変更することの原因となる「第2の大当り図柄(第2の変更図柄)」のみを設定してもよい。
遊技モードの変更開始条件は種々設定可能であるが、例えば、「図柄表示手段に遊技モード変更図柄(第1の変更図柄、若しくは、第2の変更図柄)が確定表示されることに起因して実行される大当り遊技状態(第1の大当り遊技状態、若しくは、第2の大当り遊技状態)が終了すること」を、この「変更開始条件」とすることができる。
遊技モードの変更終了条件は種々設定可能である。例えば、「大当り図柄(第1の大当り図柄若しくは第2の大当り図柄)」が表示されることなく、図柄表示手段によって、所定の回数、判定結果図柄が確定表示されたこと」、及び、「図柄表示手段によって、大当り図柄(第1の大当り図柄若しくは第2の大当り図柄)」が表示されること」のうちの一方を充足するとを、「変更終了条件」とすることができる。尚、「図柄表示手段によって、大当り図柄(第1の大当り図柄若しくは第2の大当り図柄)」が表示されること」によって、「変更終了条件」を充足する場合において、当該大当り図柄が、遊技モード変更図柄(第1の変更図柄若しくは第2の変更図柄)であると、「変更開始条件」が、新たに成立することになる。一方、「変更終了条件」を充足された大当り図柄が、遊技モード変更図柄を構成しない場合(第1の通常図柄や第2の通常図柄の場合)、「変更開始条件」が、新たに成立しない。
以上記述したように請求項1〜6の各発明の遊技機によれば、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
A.実施例1
先ず、実施例1の遊技機1について詳細に説明する。この実施例1の遊技機1は、請求項1、請求項2、請求項3、及び、請求項5の各発明の特徴を具備している。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1〜図16を参照して説明する。この遊技機1は、図1に示すように、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠は、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。また、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。更に、遊技機本体は、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102(図11を参照)等とを主要部としている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。更に、中枠3の下方側の前面部には、遊技球を
遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図15参照)等が配設されている。
前面枠4は、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図2参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図2参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板(図示を省略)が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示を省略)が装着されている。
前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図1に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図15参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について、図2を中心にして説明する。この遊技盤10は、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図14参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面(前面部10a)に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、下部装置18と、第2の可変入賞装置80と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
図2に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されていると共に、液晶表示装置27を備えている。この液晶表示装置27は、図柄表示手段の具体例を構成するものであり、後述する当否判定{遊技機1の遊技状態を通常遊技状態から、大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させるか否かの判定(つまり、当否判定)}の結果を表示するための表示装置として利用される。即ち、液晶表示装置27は、当否判定の結果を示すための「判定結果図柄」を、所定の演出表示(本実施例では、図柄の変動表示)を経て確定表示するための「図柄表示手段」の一具体例を構成する。尚、本明細書において、「左」、「右」、「上」、「下」等の方向は、遊技領域11を目視する遊技者を基準に定める。
液晶表示装置27の表示画面271は、図3(a)に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域271Aと、表示画面271の大部分を占める演出用表示領域271Bとを備えている。このうち、主表示領域271Aは、右端寄りの部分に、2つの本図柄表示部272、273を形成し、略中央に特別図柄保留表示部16aを形成している。そして、各本図柄表示部272、273では、各々、「本図柄」を用いた変動表示(順次、変更される本図柄の表示)と、停止表示(停止した本図柄の表示)と、がなされる。
また、以下の説明においては、遊技者から見て右側の本図柄表示部272を、「第1本図柄表示部272」と称すると共に、この本図柄表示部272に表示される本図柄を「第1本図柄」と称することがある。また、遊技者から見て左側の本図柄表示部273を、「第2本図柄表示部273」と称し、この本図柄表示部273に表示される本図柄を「第2本図柄」と称することがある。
また、演出用表示領域271Bは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この演出用表示領域271Bには、図3(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部275〜277と、その他の部分で構成される背景画面表示部278とが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部275〜277は、演出用表示領域271Bにおいて横方向に3つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部275を「左疑似図柄表示部275」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部276を「中疑似図柄表示部276」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部277を「右疑似図柄表示部277」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部275〜277では、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。また、演出用表示領域271Bに疑似図柄表示部275〜277が表示されるときには、この演出用表示領域271Bのその他の部位によって背景画面表示部278が表示される。そして、この背景画面表示部278には、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができる。
本実施例では、液晶表示装置27に表示される識別図柄(識別情報)として、2種類の識別情報を予定している。このうちの一方の識別情報は、2つの本図柄(第1本図柄及び第2本図柄)を構成図柄とするものであり、変動表示の態様(変動時間)および確定表示の態様(第1本図柄の停止図柄と、第2本図柄の停止図柄)は、主制御部140(後述する。)において決定される。また、他方の識別図柄(識別情報)は、3つの疑似図柄(左疑似図柄表示部275に表示される左疑似図柄と、中疑似図柄表示部276に表示される中疑似図と、右疑似図柄表示部277に表示される右疑似図)を構成図柄とするものであり、変動表示の態様および確定表示の態様(左疑似図柄の停止図柄と、中疑似図の停止図柄と、右疑似図の停止図柄)等は、主制御部140にて決定された本図柄の変動表示の態様(変動時間)および確定表示態様を基にして、副制御部(音声・ランプ制御部170であり、後述する。)において決定される。更に、本明細書においては、この本図柄と、後述する「疑似図柄」とを、特別図柄と称することがある。
また、この「疑似図柄」と、背景画面表示部278に表示される「背景図柄」は、「本図柄」を用いた表示上の演出を盛り上げるためのものであり、以下の説明において、「疑似図柄」及び「背景図柄」を演出用図柄と称することもある。
液晶表示装置27においては、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、本図柄の変動表示(演出表示の一の態様)と、疑似図柄の変動表示(演出表示の他の態様)とを開始する。そして、これらの変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)と、疑似図柄の停止表示(確定表示)とが実行される。このとき、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とが、各々、当否判定の結果の表示する。つまり、本実施例では、液晶表示装置27において、「判定結果図柄」を2種類表示する。即ち、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とが、各々、「判定結果図柄」を構成し、両「判定結果図柄」は、同一のメッセージ(「大当りである。」、「外れである。」等の当否判定の結果)を発信する。但し、本実施例と異なり、「判定結果図柄」を、本図柄の停止図柄(確定図柄)のみで構成してもよい。
また、本実施例では、本図柄を表示するための領域(主表示領域271A)と、演出用図柄(疑似図柄や背景図柄)を表示するための領域(演出用表示領域271B)とが、表示画面271(表示部)において区画されているが、この表示画面271(表示部)の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、「図柄表示手段」を、本図柄の表示を行うための「本図柄表示用の表示装置」と、演出用図柄(疑似図柄や背景図柄)の表示を行うための「演出図柄表示用の表示装置」とで、構成してもよい。
尚、本実施例においては、2つの本図柄表示部272、273は、疑似図柄表示部275〜277よりも小型(例えば、1/10〜1/100)で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域271B(疑似図柄表示部275〜277、背景画面表示部278)に注目して、遊技を進行することになる。
この液晶表示装置27においては、始動入賞を生ずると(始動口17に遊技球が入賞すると)、「判定実行条件」が成立し、当否判定が実行される。そして、当否判定の結果を示す図柄(判定結果図柄)の表示実行条件(つまり、特別図柄の変動表示を開始し、その後、停止図柄の確定表示するための条件)が成立すると、その表示画面271の表示領域(主表示領域271Aと、演出用表示領域271B)に表示される各図柄(本図柄及び疑似図柄)が、それぞれ変動する。そして、始動入賞を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の停止図柄が確定表示される。
つまり、本図柄表示部272、273によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の停止図柄(判定結果図柄)の確定表示がなされる。また、演出用表示領域271Bにおいても、3つの疑似図柄の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ、行った後、3つの疑似図柄の停止図柄(判定結果図柄)が確定表示される。尚、本実施例では、遊技機1が「特別図柄変動時間」を短縮化する制御を受けているか否か、つまり、所謂「遊技機の遊技モードが、確率変動モードや時短モード」にある否かによって、この変動時間は異なったものとされる。ここで、「時短制御」とは、(1)特別図柄の図柄変動時間を短くすることを内容とする制御、(2)普通図柄の図柄変動時間を短くすることを内容とする制御、(3)当選を示す普通図柄が停止表示される確率を高くすることを内容とする制御、(4)始動入賞手段の開成を行う特別電動役物の開成時間を延長することを内容とする制御、等のうちの少なくとも1つを実行すること内容とする制御である。
本図柄表示部272、273に、第1の大当り図柄が確定表示されると、下部装置18に配設された後述する第1の可変入賞装置31の第1の大入賞口311が開放され、遊技者に「遊技機1の遊技状態を第1の大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させことを内容とする特典」が付与される。また、図柄表示部272、273に、第2の大当り図柄が確定表示されると、後述する第2の可変入賞装置80が開閉駆動し、遊技者に「遊技機1の遊技状態を第2の大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させことを内容とする特典」が付与される。つまり、2つの本図柄は、その確定表示(停止表示)の態様によって、「当否判定」の結果を表示する。
本実施例では、始動入賞を生ずると、当否判定を実行するための前提条件が成立する。そして、当該当否判定の結果についての表示実行条件が成立すると、本図柄の変動表示を開始する。即ち、図3(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273では、「1」〜「9」の数字をこの順に表示した後、アルファベットの「A」の文字を表示して、その後、「1」に戻り、更に、「1」〜「9」の数字をこの順に表示し、「A」の文字を表示することを繰り返す。尚、図3(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」に表示される「1」〜「9」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
両本図柄表示部272、273に、「当否判定」の結果を示す停止図柄(判定結果図柄)が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、図4(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、当否判定の結果が、「標準型の大当り(以下、「スタンダード大当り」という。)」であることを示す。この両本図柄表示部272、273に、同一の数字を並べて構成される判定結果図柄は、「第1の大当り(即ち、スタンダード大当り図柄)」の一具体例を示している。この場合、遊技機1は「標準型の大当り遊技状態(第1の大当り遊技状態の一具体例を示す。以下、この標準型の大当り遊技状態を、「スタンダード大当り遊技状態」ともいう。)となる。尚、この「スタンダード特別遊技状態」になると、後述するように、賞球を伴う利益と、可変入賞装置18の状態変化に伴う快感(視覚的、聴覚的な快感)を与えることを内容とする利益とが、遊技者に付与される。
また、このように、「スタンダード大当り」の表示がなされるとき、図4(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、当否判定の結果が「第1の大当り(第1の大当り遊技状態を生じさせる大当りの意味で用いる。)」であると共に、「確率変動を行うか否かの抽選(以下、「確変抽選」ということもある。)の結果」も、「当り(当選)」であることを示す。
一方、「スタンダード大当り」の表示がなされるとき、図4(c)に示すように、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、当否判定(当否の抽選)の結果が「第1の大当り」であるが、「確変抽選」の結果は「外れ」であることを示す。以下、本明細書においては、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)で、しかも、確変抽選の結果も当選である場合を「スタンダード確変当り(若しくは、スタンダード確率変動当り)」と称し、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)」であるが、確変抽選の結果が落選である場合を「スタンダード通常当り」と称することがある。
図4(d)に示すように、両本図柄表示部272、273に、「A」の文字が並んで表示されると、「当否判定」の結果が、「非標準型の大当り(以下、「チャンス大当り」という。)」であることを示す。この両本図柄表示部272、273に、「A」の文字を並べて構成される判定結果図柄は、「第2の大当り(即ち、チャンス大当り図柄)」の一具体例を示している。この場合、遊技機1は「非標準型の大当り遊技状態(第2の大当り遊技状態の一具体例を示す。以下、この標準型の大当り遊技状態を、「チャンス大当り遊技状態」ともいう。)となる。尚、この「チャンス大当り遊技状態」になると、後述するように、遊技者は、賞球を伴う利益を得に難くなるが、第2の可変入賞装置80の状態変化に伴う快感(視覚的、聴覚的な快感)を得たり、遊技モードの変更による利益を得ることができる。
図4(a)に示すように、「両本図柄表示部272、273」に、異なる数字が確定表示されると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す。つまり、当否判定の結果が、「スタンダード大当り(第1の大当り)」にも、「チャンス大当り(第2の大当り)」にも該当しないことを示す。この場合、「確変抽選」の結果も落選となる。
尚、「確変当り(スタンダード確変当り、若しくは、チャンス確変当り)」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る大当り遊技遊技状態の終了後(つまり、スタンダード大当り遊技状態、若しくは、チャンス大当り遊技状態)に、液晶表示装置27の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、確率変動状態に制御される旨(例えば、確変突入)」の表示(以下、「確変表示」という。)がされ、当該遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確率変動モードに変更される。ここで、「確率変動モード」は、「特別モード」の具体例を構成する。
そして、遊技機1の遊技モードが、この「確率変動モード」に変更されると、この「確率変動モード」の解除条件(つまり、遊技モードの変更終了条件)が成立するまでの間、判定手段によって「大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り」の判定結果が下される確率が高確率に変動する。また、本実施では、この「確率変動モードの解除条件」は、大当りの判定結果(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を得ないまま、特別図柄が所定回数、変動するか(つまり、外れ判定が所定回数、繰り返されるか)、あるいは、次回の大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を生ずることで成立する。
本実施例では、大当り図柄の構成態様として、(1)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」と、「第1の通常図柄」とで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」のみで構成する態様を例示したが、本各発明において、各大当り図柄の態様を種々変更可能である。つまり、(2)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」と、「第1の通常図柄」とで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成する態様、(3)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」のみで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成する態様、(4)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」のみで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」のみで構成する態様、等であってもよい。
3つの疑似図柄表示部275〜277では、前述の本図柄表示部272、273と、同時に図柄変動(変動表示)を開始する。そして、図5に示すように、各疑似図柄表示部275〜277には、疑似図柄が、順次、変動表示(変更表示)される。そして、この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(停止図柄)も、判定結果図柄であり、前述の当否判定の結果を表示する。
この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(判定結果図柄)には、図5(a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図5(a)の「外れを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図5(b)の「スタンダード通常当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図5(c)の「スタンダード確率変動当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図5(d)の「チャンス当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、がある。
このうち、また、「スタンダード通常当り」は、「1」、「2」、「4」、「6」若しくは「8」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。更に、「スタンダード確率変動当りを示す停止図柄」は、「3」、「5」、「7」若しくは「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。また、「チャンス当りを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277に、左から右に昇順となる数字を並べて(例えば、「1」、「2」、「3」)構成される。「外れを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277のうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「チャンス当りを示す停止図柄」を除いたものである。
ここで、この疑似図柄表示部275〜277においても、始動入賞を前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、図柄の変動(疑似図柄の変動)を開始すると共に、背景画面表示部278には動画が連続的に表示される。この際、変動途中の疑似図柄の表示態様は、それ自体単独で、若しくは、背景の動画が示すメッセージに呼応して、回転、拡大、縮小等を行ってもよい。
本実施例では、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される疑似図柄(以下、「疑似図柄による判定結果図柄」という。)の表示内容と、両本図柄表示部272、273に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「本図柄による判定結果図柄」という。)とが一致している。例えば、本図柄の確定図柄によって「スタンダード確率変動当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「スタンダード確率変動当り」が表示され、本図柄の確定図柄によって「スタンダード通常当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「スタンダード通常当り」が表示される。つまり、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される表示内容が、本図柄表示部272、273に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部275〜277においては、その変動の開始から停止に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部275〜277では、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。但し、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277のみにおいて、「リーチ演出」を実行する。
尚、この「リーチ演出」とは、「図柄表示手段に、当否判定の結果等が表示される前において、大当り遊技状態の可能性が継続している状態のときに、この図柄表示手段において表示される演出表示」のことを指す。即ち、「図柄表示手段」の所定の表示部に表示される最終停止図柄(本図柄の確定図柄や疑似図柄の確定図柄)となる表示図柄以外の図柄(本図柄や疑似図柄)が、大当りとなる特定の停止図柄態様(大当りとなる複数の本図柄の確定図柄態様や、大当りとなる複数の疑似図柄の確定図柄態様)と一致している状態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄(変動中の本図柄や、変動中疑似図柄)の位置が入れ替わっている状態等を指す。
例えば、図柄表示手段(液晶表示装置27)の表示部が、本図柄を表示するための表示領域(つまり、本図柄表示部)や疑似図柄を表示するための表示領域(つまり、疑似図柄表示部)を横方向、縦方向、若しくは傾斜方向にライン状に並べる場合においては、一方の端(例えば、左側、上側、若しくは、斜め上側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「左の図柄」、「上の図柄」、若しくは、「斜め上の図柄」)、他方の端(例えば、右側、下側、若しくは、斜め下側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「右の図柄」、「下の図柄」、若しくは、「斜め下の図柄」)、中間(例えば、真ん中)の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。
このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄(例えば、「左の図柄」及び「右の図柄」、「上の図柄」及び「下の図柄」、「斜め上の図柄」及び「斜め下の図柄」)が同一図柄で停止している状態をリーチ状態という。そして、このリーチ状態となると、「中の図柄」の変動表示パターンを通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクターを登場させたりするなどいろいろな表示態様を採ることで、遊技者の大当り発生に対する期待感を大きくさせ、遊技興趣を盛り上げるように構成してもよい。
本実施例では、本図柄表示部272、273において、前記「当否判定」の結果が「スタンダード当り(スタンダード通常当りであっても、スタンダード確率変動当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記「当否判定」の結果が「スタンダード当り(スタンダード通常当りであっても、スタンダード確率変動当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277では、リーチ表示が行われる。このリーチ表示の態様としては、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が短い場合や通常の長さに簡単に行われると、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が長い場合に行われる発展型のリーチ(スーパーリーチ)とがある。
また、本図柄表示部272、273において、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す「確定図柄」を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す確定図柄が確定表示される。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277で、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ表示」という)と、リーチ表示を行わない場合(以下、「通常外れ表示」という。)とがある。尚、リーチ外れ表示を行う場合も、実施されるリーチ表示の態様としては、「ノーマルリーチ」や「発展型のリーチ」を例示できる。
また、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」を行うことがある。つまり、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、本図柄表示部272、273において、「スタンダード確率変動当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「スタンダード通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「スタンダード確率変動当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、本図柄表示部272、273において、「大当り(スタンダード大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「大当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部140で抽選してもよいし、副制御部(170若しくは160)によって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、本図柄表示部272、273の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、本図柄表示部272、273の少なくとも一方を、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で構成する。そして、この複数の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で、複数の特別図柄(識別情報)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、特別図柄の組み合わせ図柄を、停止表示させてもよい。例えば、液晶表示装置27に、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域とを、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成する。そして、各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていくようにしてもよい。これらの態様では、例えば、表示画面271の本図柄表示部に、同一図柄(例えば、「7、7、7」)で揃って停止表示(確定表示)すると、後述する第1の可変入賞装置31の大入賞口311を開放してもよい。
更に、本実施例では、本図柄表示部272、273を認識困難としていることから、疑似図柄表示部275〜277において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部272、273において「リーチ演出」を行ってもよい(尚、本図柄表示部272、273で、リーチ演出を行う場合には、本図柄表示部272、273の数を3つ、若しくは、9つ等にする必要がある。)。また、本実施例では、同一の液晶表示装置27に、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とを設けたが、両者を別体の表示装置27に設けてもよい。
図3(a)に戻り、特別図柄保留表示部16aは、始動入賞(始動口17への入賞)のうちで、未消化の状態にあるもの数(保留数)を、所定数を上限(例えば、4個、若しくは、4個以上の数)として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、始動入賞を生じたが、液晶表示装置27において、当該特別図柄始動入賞に係る当否判定の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部16aには、「1」〜「4」までの数字を表示するための「数字表示部161a〜164a」を横方向に並べている。そして、保留数(特別図柄保留数)に対応する数字表示部161a〜164aを点灯させたり、全数字表示部161a〜164aを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部161a〜164a」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「0」であると表示される。また、左端の数字表示部161aを点灯すると、その時点の保留数が「1」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に1つずつ増加させていくと、保留数が1つずつ増加する。そして、全数字表示部164aを点灯すると、その時点の保留数が「4」であると表示される。
この特別図柄保留表示部16aでは、始動入賞{始動口(普通電動役物)17への入賞}を生ずるごとに、表示する保留数を1つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動(本図柄表示部272、273における変動)を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部16aによって表示される保留数が1つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部16aを、表示画面271とは別体の装置として構成することもできる。
図2に戻り、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、普通変動表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄(例えば、1〜9の奇数数字)を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選(つまり、普通電動役物171を開放状態に変化させるか否かの抽選)の結果を示す停止図柄(普通図柄の停止図柄であって、例えば、1〜9の奇数数字のうちの何れか)を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)36、37のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、7セグメント表示器32aにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、「普通電動役物171」が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図12参照)が配設されている。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32における7セグメント表示器32aが変動表示する。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bが消灯される。
始動口17は、中央装置26とは別体に構成されると共に、中央装置26の下方に離れて配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
また、普通電動役物171の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図12参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図12参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
図2に示すように、下部装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されている。また、この下部装置18は、第1の可変入賞装置(大入賞装置)31を主要部としつつ、この第1の可変入賞装置31に対して左下入賞口21と右下入賞口22とを一体化した構成を備えている。尚、本実施例とは異なり、下部装置18を第1の可変入賞装置31のみで構成(つまり、左下入賞口21、右下入賞口22等の他の入賞口が一体化されない構成)としてもよい。
第1の可変入賞装置31(下部装置18)は、図6に示すように、ベース部材34と、開閉扉50と、開閉装置70(図7参照)と、入賞球検出スイッチ318(図15参照)と、を主要部として構成されている。尚、開閉装置70は、開閉扉50の開閉駆動を行うための装置であり、大入賞口ソレノイド313と、開閉アーム71とを備えている。
ベース部材34は、図6に示すように、第1の可変入賞装置31の前面部を構成するベース板34aと、ベース板34aの背面に一体化された通過路形成体34b(詳細な図示を省略)を備える。このうち、ベース板34aは、略逆台形の平面形状を備えると共に、開閉扉50の「取付部」を構成している。また、このベース板34aは、その前面部341fを遊技盤10の前面側に露呈させつつ、遊技盤10の前面部に装着されている。
このベース板34aは、横長の略矩形状とされる主ベース板部34cと、この主ベース板部34cの両側に位置し、下辺を略円弧状とする側縁部34d、34eと、を備える。そして、主ベース板部34cには、その表裏(前後)を貫通する状態の開口部が、横長の略矩形状に形成され、この開口部によって第1の大入賞口311を構成している。尚、この第1の大入賞口311は、「第1の入賞部」の具体例を構成している。また、本実施例では、遊技盤10の前面部に装着される別部材(遊技盤10とは別の部であって、ベース部材34である。)に開口部を設け、この開口部によって、「第1の入賞部」を構成したが、遊技盤10に設けられた開口部によって、「第1の入賞部」を構成してもよい。
図6に示すように、左側の側縁部34dには、左下入賞口21が突設状に設けられている。この左下入賞口21の内部には、左下入賞口通過検出スイッチ21s(図15参照)が設けられている。そして、左側の側縁部34dにおいて、左下入賞口21の下方の部位には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図15参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。また、右側の側縁部34eには、右下入賞口22が突設状に設けられている。この右下入賞口22の内部には、右下入賞口通過検出スイッチ22s(図15参照)が設けられている。そして、右側の側縁部34eにおいて、右下入賞口22の下方の部位には複数個の右下入賞口LED224が左下入賞口LED基板21f(図15参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
通過路形成体34bは略箱形状に構成され、ベース板34aの背後に傾斜状(例えば、遊技者を基準に、右下がりとなる傾斜状)の通路341bを形成している。そして、第1の大入賞口311を通じて、第1の可変入賞装置31に入球(入賞)した入賞球は、この通路341bに進入する。更に、この通路341bの下り傾斜状の床面(図示を省略)上を転動した後、通路341bの端末部に配置された入賞球検出スイッチ318(図15参照)によって検出される構成となっている。
開閉扉50は、第1の開閉部材の具体例を構成する。この開閉扉50は、矩形板状に構成されると共に、ベース板34a(取付部)に、前後に回動可能な状態で取り付けられている。具体的には、ベース板34a(取付部)のうちで、第1の大入賞口311の側方内壁部341a(図8を参照)の下方側の部位に対して、前後に回動可能な状態に取り付けられている。
この開閉扉50は、扉本体51と、突起部(図7を参照)56、57と、を備える。このうち、扉本体51は、開閉部材の具体例を構成する。この扉本体51は、略横長矩形の板形状とされている。この扉本体51の縦方向に沿った幅(上端面部51Uから下端面部51Dまでの距離)は、第1の大入賞口311の縦方向に沿った幅よりも短くされている。また、扉本体51の横方向に沿った幅(左端面部から右端面部までの距離)は、第1の大入賞口311の横方向に沿った幅よりも短くされている。また、扉本体51の下端面部51D側の部位(つまり、第1の開閉部材の下部側の部位)には回動軸52が装着されている。尚、この回動軸52の軸心が、扉本体51(第2の開閉部材の回動軸心)と一致すると共に、遊技盤10の前面部10aに沿った方向(水平な左右方向)に向けられている。
この回動軸52は、前述の「側方内壁部341a(図8を参照)の下方側の部位」に回動可能な状態に軸支されている。このため、開閉扉50は、この回動軸52を中心としつつ、前後に回動可能な状態で、ベース板34a(取付部)に取り付けられている。そして、開閉扉50が回動軸52を回動中心(回動軸心)としつつ後方に回動して起立状態となると(略垂設された状態となると)、扉本体51の全体が第1の大入賞口311内に進入する。このとき、扉本体51によって、第1の大入賞口311を塞いだ状態となり、遊技領域11を流下する遊技球(つまり、流下球)が、第1の大入賞口311へ入賞(入球)することが不可能となる。この開閉扉50の起立状態は、「第1の閉鎖姿勢」の具体例を構成する。尚、以下の説明において、この第1の可変入賞装置31の状態を「閉鎖状態」という。また、扉本体51の左右の側端面部において、下端面部51D側に位置する部位(開閉扉50の下部側に位置する部位)には、回動軸52が挿通される挿通孔52kが開口している(図8を参照)。
一方、この「閉鎖状態」にある第1の可変入賞装置31において、開閉扉50をその回動軸52を支点として(回動軸心として)、遊技盤10の前面部10の前方に回動して前傾状態とすると、扉本体51は、その下端面部51D側の部位を除いて、第1の大入賞口311より脱出する。この開閉扉50の前傾状態は、「第1の開放姿勢」の具体例を構成する。このように、開閉扉50が前傾状態(第1の開放姿勢)になると、第1の大入賞口311への遊技球の入球が可能となる。尚、以下の説明においては、この第1の可変入賞装置31の状態を「開放状態」という。
図7に示すように、左側の突起部56は、扉本体51の後面部51Bの左端部から後方に突出する状態に設けられ、右側の突起部57は、扉本体51の後面部51Bの右端部から後方に突出する状態に設けられている。そして、両突起部56、57は、遊技球を第1の大入賞口311、通路341bに案内するための入賞球案内用突起として機能する。つまり、両突起部56、57は、扉本体51の後面部の両端側より、その後方に突出する略「リブ形状」に構成されている。そして、開閉扉50が前傾状態(第1の開放姿勢)となり、第1の可変入賞装置31が「開放状態」となったときに、開閉扉50の後面部51B上に到達した遊技球が、この後面部51Bの左右に落下することを、各突起部56、57が防止している。
両突起部56、57は、開閉扉50の下部側に向って、その高さが徐々に大きく(扉本体51の後面部からの突出量が徐々に多く)されている。また、右側の突起部57は、開閉装置70から与えられる駆動力を、開閉扉50に伝達するための伝達部としても機能する。この右側の突起部57は、その下端側部分(開閉扉50が起立状態となったときに、下端側に位置する部分)には、略U字状の切り欠き部57aが設けられている。換言すると、右側の突起部57の下端側部分は、この切り欠き部57aの前後で、2股に枝分かれしている。尚、以下の説明において、右側の突起部57の下端側部分のうちで、切り欠き部57aを挟んで、「扉本体51に近接する側の部位」を第1の当接部57bと称し、「扉本体51に離間する側の部位」を第2の当接部57cと称する。また、第1の当接部57b及び第2の当接部57cは、突端部を丸めた「略V字形状」に構成されている。
開閉装置70を構成する大入賞口ソレノイド313は、図7〜図9に示すように、軸受(図示を省略)によって上下にスライド可能に支持されたプランジャ313aと、プランジャ313aの外周位置に配置されたソレノイドコイル(図示を省略)と、復帰手段(復帰バネ)313cとを備える。また、プランジャ313aの突端(開閉扉50に近接する端部)には、略円板状の係止部313dがプランジャ313aと同心状に設けられている。
この大入賞口ソレノイド313では、ソレノイドコイルへの通電を行わないとき、プランジャ313a及び係止部313dは復帰手段(復帰バネ)313cの付勢力により、前方(開閉扉50から近接する方向)に駆動する。一方、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ソレノイドコイルからプランジャ313aへ、電流に比例した大きさの牽引力を生ずる。このため、プランジャ313a及び係止部313dは復帰手段(復帰バネ)313cの付勢力に対抗しつつ、後方(開閉扉50から離間する方向)に駆動する。
開閉装置70を構成する開閉アーム71は、図8及び図9に示すように、中間部に設けられた回動支点部71aを中心に回動(揺動可能)とされている。この開閉アーム71は、回動支点部71aよりも、前方を前方部71bとし、回動支点部71aよりも後方を後方部71cとしている。このうち、前方部71bは略クランク形状に構成されると共に、その前端部(開閉扉50から近接する位置の端部)71dが、曲面状に丸められている。そして、前方部71bの前端部71dは、右側の突起部57の切り欠き部57a内に遊びを持った状態で挿入されている。
一方、後方部71cは、略V字状に突出する2つの係止片71g、71hによって構成されている。これらの係止片71g、71hの間には、その基端部側(回動支点部71aに近接する側)で、係止部313dの肉厚に略等しい間隔が設けられている。また、これらの係止片71g、71h間の間隔は、それら突端部側に向かって徐々に広げられている。そして、これらの係止片71g、71h間には、係止部313dの下端部が挿入されている。
本第1の可変入賞装置31においては、「大入賞口ソレノイド313を構成するソレノイドコイル」への通電を行わないとき、プランジャ313a及び係止部313dは前方に駆動される。このため、係止部313dが後方部71cを前方に押圧し、開閉アーム71は、回動支点部71aを中心に閉鎖方向(遊技機1の右側方から観察して、左回転方向)に回転する。つまり、2つの係止片71g、71hは、前方に傾動する。これにより、図8に示すように、前方部71bは、その前端部71dを前傾させつつ、第1の当接部57bに当接する。そして、前方部71bの前端部71dが、第1の当接部57bを下方に押圧するため、開閉扉50はその回動軸52を中心に後方に回動し、起立状態となる。このため、第1の可変入賞装置31は閉鎖状態となる。
一方、この閉鎖状態にある第1の可変入賞装置31において、「大入賞口ソレノイド313を構成するソレノイドコイル」への通電を行うと、プランジャ313a及び係止部313dは後方に駆動される。このため、係止部313dが後方部71cを後方に押圧し、開閉アーム71は、回動支点部71aを中心に開放方向(遊技機1の右側方から観察して、右回転方向)に回転する。つまり、2つの係止片71g、71hは、前方への傾斜を弱める(後方に傾動する)。これにより、図9に示すように、前方部71bは、その前端部71dを上方に傾斜させつつ、第2の当接部57cに当接する。そして、前方部71bの前端部71dが、第2の当接部57cを上方に押圧するため、開閉扉50はその回動軸52を中心に前方に回動し、前傾状態となる。このため、第1の可変入賞装置31は開放状態となる。
図2に戻り、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイド装置38、39がそれぞれ縦円弧状で、相対称状に配設されている。これらのサイド装置38、39は、ランプ装置を備えており、遊技機1に生ずる遊技状態の変化等に応じて、点灯・点滅して電飾を行う。
遊技領域11の右端部のサイド装置39は、第2の可変入賞装置80としても機能している。つまり、この右端部のサイド装置39は、図10及び図11(a)に示すように、外郭体81と、外郭体81の内部に配設されるランプ装置82と、外郭体81の内部に配設される開閉扉85と、を備えている。ここで、外郭体81は「収納体」の具体例を構成する。
外郭体81は、遊技盤10の前面部10aに装着され、遊技領域11の前方に突出する状態とされている。この外郭体81は、略円弧状の平面形状(遊技領域11の前方から目視した場合の平面形状)を備え、その円弧状の軸心に沿って、2種類の収納空間部81a、81bを配設している。そして、一方の収納空間部81aには、ランプ装置82が収納され、他方の収納空間部81bは開閉扉85が収納されている。つまり、他方の収納空間部81bは、請求項5の発明に示す「収納空間部」の具体例を構成する。
図10(a)に示すように、この外郭体81の周面部81dにおいて、遊技領域11の中心部側に位置する部位81eには、開口部81fが設けられている。この開口部81fが、「他方の収納空間部81bの開口部」を構成し、この開口部81fが、当該「他方の収納空間部81b」を外郭体81の外部に開放する。そして、「他方の収納空間部81b」の開口部81fは、第2の大入賞口86を構成する。そして、この第2の大入賞口86は、第2の入賞部の具体例を構成する。
この第2の大入賞口86は、前述の第1の大入賞口311(第1の入賞部)に比べて、遊技領域11の前方の遊技者から、認識し難くなっている。蓋し、図11(a)に示すように、遊技盤10の前面部10aに沿う方向に開口する第2の大入賞口86は、「遊技盤10の前面部10aと直交する方向に開口する第1の大入賞口311(第1の入賞部)」に比べて認識し難い。しかも、第2の大入賞口86の面積(開口面積)は、第1の大入賞口311(第1の入賞部)の面積(開口面積)よりも小さくされるため(例えば、「1/50」〜「40/50」、望ましくは、「5/50」〜「30/50」とされるため)、この点からも、第2の大入賞口86は、第1の大入賞口311(第1の入賞部)に比べて認識し難いからである。
開閉扉85は、遊技盤10の前面部10aの前方で、この前面部10aに沿う方向に回動可能に配置され、この前面部10aに沿う一の方向に回動して収納空間81b内に没すると(図10を参照)、第2の閉鎖姿勢を構成し、この前面部10aに沿う他の方向に回動して、外郭体81外に現れると(図12を参照)、第2の開放姿勢を構成する。次に、この開閉扉85の具体的な構成を説明する。
この開閉扉85は、その外形が翼片状とされる点(開閉扉50では、略矩形板状)と、回動軸心の方向が遊技盤10の前面部10aに直交する方向とされる点(開閉扉50では、遊技盤10の前面部10aに沿った方向)と、突起部を備えない点と、を除いて前述の開閉扉50と同様な構成を備える。
つまり、この開閉扉85は、外郭体81に対して、左右(遊技盤10の前面部10aに沿った方向である。)に回動可能な状態で取り付けられている(図11を参照)。具体的には、「外郭体81において収納空間部81bの内壁部811bであって、遊技盤10の前面部10aと対向する部位812b」に対して、左右に回動可能な状態に取り付けられている(図11を参照)。
この開閉扉85は扉本体151を備える。この扉本体151は、第2の開閉部材の具体例を構成する。この扉本体151は、略翼片状とされている。この扉本体151の縦方向に沿った幅(図11に示す上端部151Uから下端部151Dまでの距離)は、第2の大入賞口86の縦方向に沿った幅(外郭体81の円弧状の軸心に沿った幅)よりも短くされている。また、扉本体151の厚み(表面部151Aから裏面部151B間の距離)は、第2の大入賞口86の横方向に沿った幅(前面部10aに直交する方向に沿った幅)よりも短くされている。また、扉本体151の下端部151D側の部位(つまり、第2の開閉部材の下部側の部位)には回動軸152が装着されている。尚、この回動軸152の軸心が、扉本体151(第2の開閉部材の回動軸心)と一致すると共に、遊技盤10の前面部10aに直交する方向(前後方向)に向けられている。
この回動軸152は、前述の「部位812b」における下方側の位置に回動可能な状態に軸支されている。このため、開閉扉85は、この回動軸152を中心としつつ、左右に回動可能な状態で、外郭体81(取付部)に取り付けられている。そして、開閉扉85が回動軸152を回動中心(回動軸心)としつつ、右回転方向に回転し、起立状態となると、扉本体151の全体が、収納空間部81bに進入し、没する(図10を参照)。このとき、扉本体151によって、第2の大入賞口86を塞いだ状態となり、遊技領域11を流下する遊技球(つまり、流下球)が、第2の大入賞口86へ入賞(入球)することが不可能となる。この開閉扉85の起立状態は、「第2の閉鎖姿勢」の具体例を構成する。尚、以下の説明において、この第2の可変入賞装置80の状態を「閉鎖状態」という。また、扉本体151の表面部151Aと裏面部151Bとにおいて、下端部151D側に位置する部位(開閉扉85の下部側に位置する部位)には、回動軸152が挿通される挿通孔152kが開口している(図10を参照)。
一方、この「閉鎖状態」にある第2の可変入賞装置80において、開閉扉85をその回動軸152を支点として(回動軸心として)、遊技盤10の前面部10に沿った方向に回動して前傾状態とすると、扉本体151は、その下端部151D側の部位を除いて、収納空間部81b外(外郭体81外)に脱出する(図12を参照)。この開閉扉85の前傾状態は、「第2の開放姿勢」の具体例を構成する。このように、開閉扉85が前傾状態(第2の開放姿勢)になると、第2の大入賞口86への遊技球の入球が可能となる。尚、以下の説明においては、この第2の可変入賞装置80の状態を「開放状態」という。
図10に示すように、扉本体151の左端面部151Eのうちで、扉本体151の下端側に位置する部位には、略U字状の切り欠き部157aが設けられている。換言すると、この部位は、切り欠き部157aによって2股に枝分かれしている。尚、以下の説明において、この部位のうちで、切り欠き部157aの下方に位置する部位(開閉扉85が第2の閉鎖姿勢となるときを基準に下方に位置する部位)を第1の当接部157bと称し、切り欠き部57aの上方に位置する部位(開閉扉85が第2の閉鎖姿勢となるときを基準に上方に位置する部位)を第2の当接部157cと称する。また、第1の当接部157b及び第2の当接部157cは、突端部を丸めた「略V字形状」に構成されている。
この開閉扉85を開閉駆動される開閉装置170を構成する開閉用ソレノイド1313(図15を参照)は、図10及び図12に示すように、軸受(図示を省略)によって上下にスライド可能に支持されたプランジャ1313aと、プランジャ1313aの外周位置に配置されたソレノイドコイル(図示を省略)と、復帰手段(復帰バネ)1313cとを備える。また、プランジャ1313aの突端(開閉扉85に近接する端部)には、略円板状の係止部1313dがプランジャ1313aと同心状に設けられている。
この開閉用ソレノイド1313では、ソレノイドコイルへの通電を行わないとき、プランジャ1313a及び係止部1313dは復帰手段(復帰バネ)1313cの付勢力により、前方(開閉扉85から近接する方向)に駆動する。一方、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ソレノイドコイルからプランジャ1313aへ、電流に比例した大きさの牽引力を生ずる。このため、プランジャ1313a及び係止部1313dは復帰手段(復帰バネ)1313cの付勢力に対抗しつつ、後方(開閉扉85から離間する方向)に駆動する。
開閉装置170を構成する開閉アーム171は、図10及び図12に示すように、中間部に設けられた回動支点部171aを中心に回動(揺動可能)とされている。この開閉アーム171は、回動支点部171aよりも、左方を左方部171bとし、回動支点部171aよりも右方を右方部171cとしている。このうち、左方部171bは略クランク形状に構成されると共に、その左端部(開閉扉85から近接する位置の端部)171dが、曲面状に丸められている。そして、左方部171bの左端部171dは、切り欠き部157a内に遊びを持った状態で挿入されている。
一方、右方部171cは、略V字状に突出する2つの係止片171g、171hによって構成されている。これらの係止片171g、171hの間には、その基端部側(回動支点部171aに近接する側)で、係止部1313dの肉厚に略等しい間隔が設けられている。また、これらの係止片171g、171h間の間隔は、それら突端部側に向かって徐々に広げられている。そして、これらの係止片171g、171h間には、係止部1313dの下端部が挿入されている。
第2の可変入賞装置80においては、「開閉用ソレノイド1313を構成するソレノイドコイル」への通電を行わないとき、プランジャ1313a及び係止部1313dは左方に駆動される。このため、係止部1313dが右方部171cを左方に押圧し、開閉アーム171は、回動支点部171aを中心に閉鎖方向(遊技機1の前方から観察して、右回転方向)に回転する。つまり、2つの係止片171g、171hは、右方に傾動する。これにより、図10に示すように、左方部171bは、その左端部171dを前傾させつつ(前面部10aに沿った方向に前傾させつつ)、第1の当接部157bに当接する。そして、左方部171bの左端部171dが、第1の当接部157bを下方に押圧するため、開閉扉85はその回動軸152を中心に右方に回動し、起立状態となる。このため、第2の可変入賞装置80は閉鎖状態となる。
一方、この閉鎖状態にある第2の可変入賞装置80において、「開閉用ソレノイド1313を構成するソレノイドコイル」への通電を行うと、プランジャ1313a及び係止部1313dは右方に駆動される。このため、係止部313dが右方部171cを右方に押圧し、開閉アーム171は、回動支点部171aを中心に開放方向(遊技機1の前方から観察して、左回転方向)に回転する。つまり、2つの係止片171g、171hは、右回転方に傾動する。これにより、図12に示すように、左方部171bは、その左端部171dを上方(前面部10aに沿った上方)に傾斜させつつ、第2の当接部157cに当接する。そして、左方部171bの左端部171dが、第2の当接部157cを上方に押圧するため、開閉扉85はその回動軸152を中心に前方に回動し、前傾状態(前面部10aに沿った前傾状態)となる。このため、第2の可変入賞装置80は開放状態となる。
尚、第2の可変入賞装置80において、第2の大入賞口86よりも下流側の部位(遊技球の通過方向に沿った下流側の部位であって、例えば、外郭体81の内部、若しくは、外部において、収納空間部81bの下流側に位置する部位)に、当該第2の可変入賞装置80への遊技球の入賞を検出するための入賞球検出スイッチ1318が配設されている(図15を参照)。
本実施例においては、前述のように、第2の大入賞口86は、前述の第1の大入賞口311(第1の入賞部)に比べて、小さくされている。このため、開閉扉85において、遊技領域11の前方から視認可能となる部位(扉本体151において、その下端部151D側に位置する部位を除く部位のうちの前面部)のサイズ(面積)が、開閉扉50において、遊技領域11の前方から視認可能となる部位(扉本体51の前面部全体)のサイズ(面積)よりも小さくされている(例えば、「1/50」〜「40/50」、望ましくは、「5/50」〜「30/50」とされている。)。このため、この点からも、開閉扉85の開閉作動が、開閉扉5開閉作動に比べて認識し難くなっている。
図2に戻り、下部装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図15参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図15参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
本実施例においては、第2の大入賞口86の配置箇所が以下のように定められている。即ち、本遊技機1では、図13に示すように、遊技盤10の前面部10aにおいて、外レール14と内レール15とによって囲まれた部位によって、略円形状の遊技領域11が形成されている。そして、この遊技領域11においては、その上下方向中心線MLに沿って、中央装置26と、普通電動役物171と、第1の可変入賞装置31とが配置され、サイド装置38、39は、上下方向中心線MLより離間する部位(遊技領域11の外縁部G1と連続する部位)に配置されている。このため、本実施例においては、第2の大入賞口86(第2の入賞部)の中心部C2と上下方向中心線MLとの距離DL2が、第1の大入賞口311(第1の入賞部)の中心部C1と上下方向中心線MLとの距離(中心部C1は、上下方向中心線ML上に存在し、当該距離は「ゼロ」となっている。)よりも長くされている。
即ち、中央装置26は図柄表示手段(液晶表示装置27)を備えるが、この図柄表示手段(液晶表示装置27)には、「遊技者にとって最大の関心事である当否判定の結果」等が表示される。このため、遊技中の遊技者が、中央装置26を暫し注視することが必要となる。また、遊技球が始動入賞するか否かも、遊技者にとって重要な関心事であるため、普通電動役物171も、遊技中の遊技者が暫し注視することが必要となる。更に、大量の賞球払い出しに直接関連する第1の可変入賞装置31も、遊技中の遊技者が、暫し注視することが必要となる。このため、これらの装置(26、171、31)は、遊技球(遊技領域11を流下する遊技球)の通過頻度の高い部位(つまり、上下方向中心線MLに沿った部位)に配置され、遊技中の遊技者によって視認され易くなっている。一方、サイド装置38、39は、単なる「電飾装置」であり、遊技中の遊技者としては、殆ど注視する必要がない(つまり、希に目視するか、全く目視しなくてもよい。)ため、遊技球の通過頻度の低い部位(つまり、上下方向中心線MLから離間する部位)に配置されている。むしろ、サイド装置38、39は、遊技領域11を流下する遊技球の邪魔にならない部位(つまり、遊技球が殆ど通過しないか、全く通過しない部位)に配置されていると言うこともできる。
従って、本実施例では、第2の大入賞口86の配置箇所が、第1の大入賞口311(第1の入賞部)の配置箇所に比べて、目立ち難く(遊技者に視認され難く)、遊技球の通過頻度の低い箇所となっている。よって、これらの点からも、第2の可変入賞装置80の存在や駆動は、第1の可変入賞装置31の存在や駆動に比べて目立ち難くされている。
ここで、第2の大入賞口86の配置箇所として、特に好適な箇所は以下の箇所である。つまり、「遊技領域11の中心部11Aを通過しつつ、略水平な基準線(仮想的な線)MFを基準に時計方向に測定する角度F」を用いて、「第2の大入賞口86の中心部C2の配置箇所」を示すこととすると、この第2の大入賞口86の中心部C2の配置箇所が、「0度〜70度」のうちの何れかの角度である場合が特に好ましい。この場合は、角度Fが「ゼロ度」であると、第2の大入賞口86の中心部C2の配置箇所が、「遊技領域11の右端側の箇所(遊技領域の前方の遊技者を基準)」となり、角度Fが「70度以下(ゼロ度を含まない。)」であると、第2の大入賞口86の中心部C2の配置箇所が、「遊技領域11の右下方側の箇所(遊技領域の前方の遊技者を基準)」となるからである。換言すると、遊技領域11において、「遊技球の通過頻度」が「特に低い箇所」となるからである。
本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、液晶表示装置27の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。このような変更の具体例としては、(a)所定の有効期間内(操作ボタンB1、B2の操作が有効な期間)に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、第1本図柄表示部272で「変動演出表示」中の本図柄(第1本図柄)を、本来の変動時間(仮に、有効な操作ボタンB1、B2がなされない場合の変動時間)の終了を待たずに強制的に停止させること(以下、「一部変動短縮処理」という。)や、(b)この有効期間から選択される所定の期間内に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、演出用表示領域271Bで表示される専用演出表示の態様を、複数種類の態様の中から選択すること、等を例示できる。これらの場合、遊技者は、操作ボタンB1、B2を操作することで、あたかも、液晶表示装置27の表示画面271行われる演出等に参加しているような気分を味わうことができる。
尚、本遊技機1では、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を備えると共に、遊技者が何れの操作手段(操作ボタンB1、B2)を操作しても、同一の結果を生ずる。例えば、何れの操作ボタンB1、B2に、特定の操作(有効期間内における第1回目の操作)を施しても、「一部変動短縮処理」が実行される。また、特定の操作の後、「所定の期間内」であれば、何れの操作ボタンB1、B2に操作を施しても、「専用演出表示の態様選択」が実行されるものとしてもよい。但し、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を有する遊技機1において、個々の操作手段が別個の機能を発揮してもよい。
「専用演出表示」の選択態様としては、例えば、(a)疑似図柄の表示態様を選択すること(例えば、複数の疑似図柄を横並び表示するか、縦並び表示するか、傾斜状に表示するか、マトリクス状に表示するか等を選択したり、疑似図柄を構成する数字、文字等のサイズ、字体等を選択すること等)、(b)複数種類(例えば、10種類)の背景図柄から所望の背景図柄を選択すること、(c)背景図柄上に表示するキャラクター図柄を選択すること、(d)本図柄若しくは疑似図柄によって、リーチ演出を行う場合には、そのリーチ選出パターンやリーチ演出の種類を選択すること、若しくは、(a)〜(d)のうちの2つ以上の事項を選択すること、等を例示できる。
図2に戻り、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図14を参照して説明する。前面枠4(図1)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤10(図2参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図2参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部140(図15参照)を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図15参照)を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113と、発射制御集合中継基板(図示略)と、が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が配設され、裏機構盤102の右下方部には、払出制御部150(図15参照)を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース118が配設されている。更に、遊技機1の裏面側には、中継基板(図示を省略)が装着されている。
図16にも示すように、この中継基板190は、入賞球検出スイッチ318、1318、19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
(2)遊技機1の電子制御装置130
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図15及び図16を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、図15を用いて、本遊技機1の制御回路全体の構成の概略について説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(払出制御部150、音声・ランプ制御部170等)と、この第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部(発射装置制御部193、図柄制御部160等)。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図15に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
次に、図15及び図16を用いて、電子制御装置130を構成する重要な制御部に関して説明する。
主制御部140は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、図15及び図16に示すように、各種スイッチ(9a、9b、9b、104、192、17s、19s〜22s、36s、37s、318、1318)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイド(17c、313、1313,37)などに駆動信号を出力する。
主制御部140は、図16に示すように、主制御基板340を用いて構成されている。この主制御基板340には、主回路部400と、入出力回路部500とが設けられている。この主回路部400及び入出力回路部500はバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、主回路部400とは、CPU(シングルチップ型)401を含む構成とされている。
CPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482等を含む構成とされている。また、CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判定に関する制御等を行う。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部150及び音声・ランプ制御部170が接続されている(図16参照)。また、入出力回路部500は、払出制御部150や音声・ランプ制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部150あるいは音声・ランプ制御部170に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部160に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部170に向けて出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。
また、入出力回路部500には、始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17sや、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、1313、右普通図柄作動ゲート通過検出器(右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検出器(左普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)36sなどが接続されている。
払出制御部150は、払出制御基板(図示を省略)によって構成されている。この払出制御基板は、主制御基板340と同様に、主回路部と入出力回路部を備えている。そして、この主回路部及び入出力回路部もバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、この払出制御基板の入出力回路部には信号伝送経路500aが接続されている。このため、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して、払出制御部150の入出力回路部に入力される。また、払出制御部150の入出力回路部には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
つまり、本実施例では、入賞球検出スイッチ(318、若しくは、1318)が入賞球の通過を検出すると、この入賞球検出スイッチ(318、若しくは、1318)から主制御部140に、検出信号(入賞信号)が送信される。そして、主制御部140がこの検出信号(入賞信号)を受信すると、主制御部140は、払出制御部150に「払出信号」を送信する。更に、「払出信号」を受信した払出制御部150は、賞球払出装置109を作動させ、賞球の払い出しを行うものとされている。
尚、図示を省略するが、音声・ランプ制御部170は、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板と、制御基板からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板の、主に2つの基板から構成されている。また、図柄制御部160は、特別図柄制御基板によって主に構成されている。
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318、1318、19s〜22s等が接続されており、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、払出制御部150の入出力回路部に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が始動口17に入球すると、その情報が始動口入賞検出スイッチ17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318、1318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
主制御部140は、これらの情報を受け取って、変動パターン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部170、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。また、主制御部140は、図柄制御部160に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部170にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
音声・ランプ制御部170では、変動パターン指定コマンドと、停止図柄指定コマンドを受けとると、疑似図柄の変動態様と、疑似図柄の停止図柄とを乱数等による抽選で決定する。このとき、音声・ランプ制御部170では、可動演出装置本体700を用いた演出の実行の可否や、演出の態様等を決定する。尚、これらの詳細に関しては後述する。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口31(第1の入賞部)に入球すると、第1の可変入賞装置31の内部に設けられた入賞球検出スイッチ318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。また、遊技球が第2の大入賞口86に入球すると、第2の可変入賞装置80に設けられた入賞球検出スイッチ1318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。そして、主制御部140が、これらのうちの何れかの信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口(普通電動役物)17に入球した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検出スイッチ17sがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。この信号を受けて主制御部140は、後述する処理を行った後、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。
左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検出して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。主制御部140は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検出した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部150は、こうして主制御部140から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置109を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部140は、上述した各種検出スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、始動口(普通電動役物)入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ318、1318等の検出結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。
また、主制御部140は、始動入賞を検出すると乱数値に基づいて当否判定を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部170に出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝送経路500bを介して図柄制御部160に送信される。
(3)特別図柄表示ゲームの概要
本遊技機においては、始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図17〜図20に示すように、液晶表示装置27の本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とにおいて、特別図柄の変動表示(つまり、演出表示)を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。
このとき、図17(a)及び(b)に示すように、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「外れである」旨の表示がなされると(当否判定の結果が外れである旨の判定結果図柄が表示されると)、この時点で、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。尚、図17(a)では、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)を示し、図17(b)では、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」を示している。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード通常当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード通常当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図18に示すように、「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(スタンダード通常当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態に移行すると、第1の閉鎖姿勢(起立状態)にある開閉扉50の姿勢を、第1の開放姿勢(前傾状態)となるように開放駆動し、この第1の開放姿勢(前傾状態)を第1の時間(例えば、20秒〜35秒から選択される時間)維持した後、この開閉扉50の姿勢が、第1の閉鎖姿勢に戻るように閉鎖駆動する、「第1の単位駆動(開閉扉50の開閉動作)」が実行される。
この「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回(第1の回数の具体例を示す。)実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード通常当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードとされる。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード確率変動当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード確率変動当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)にも、図19に示すように、「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(スタンダード確率変動当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態においても、「第1の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15(第1の回数の具体例を示す。)回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。
これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード確率変動当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「チャンス当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、チャンス当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図20に示すように、「リーチ表示」を行うことなく、「大当り表示(チャンス当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行する。そして、この第2の大当り状態に移行すると、第2の閉鎖姿勢(起立状態)にある開閉扉85の姿勢を、第2の開放姿勢(前傾状態)となるように開放駆動し、この第2の開放姿勢(前傾状態)を第2の時間(例えば、0.1秒〜0.3秒から選択される時間)維持した後、この開閉扉85の姿勢が、第2の閉鎖姿勢に戻るように閉鎖駆動する、「第2の単位駆動(開閉扉85の開閉動作)」が実行される。
この「第2の単位駆動」が、所定のインターバル時間(以下、「第2のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計2回(第2の回数の具体例を示す。)実行されると、遊技機1の遊技状態は、第2の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「チャンス当りに起因する第2の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。
本実施例では、個々の第2の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)は、個々の第1の単位駆動のために費やされる時間(第1の時間)よりも短く設定されている。しかも、「第2の大当り遊技状態の間に実行される第2の単位駆動の回数」は、「第1の大当り遊技状態の間に実行される第1の単位駆動の回数」よりも少なく設定されている。このため、「第2の大当り遊技状態」の実行中において第2の可変入賞装置80へ遊技球が入賞する確率(前述の「第2の確率」)は、「第1の大当り遊技状態」の実行中において第1の可変入賞装置31へ遊技球が入賞する確率(前述の「第1の確率」)に比べて低くされている。そして、本実施例では、第2の時間が「ごく短時間(0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」に設定されると共に、「第2の単位駆動」の「繰り返し実行回数」が最小回数(2回)に設定されている。このため、「第2の確率」は特に低くされ、「第2の可変入賞装置80への遊技球の入賞」は、ごく希にしか生じない。
このように、本実施例では、第2の大当り遊技状態を実行する場合には、第1の大当り遊技状態を実行する場合に比べて、遊技球の入賞確率が低くされると共に、大当り遊技状態の実行時間も短くされる。しかも、本実施例では、第2の可変入賞装置80が、第1の可変入賞装置31に比べて、サイズ、配置箇所、構造の点で目立ち難くされている。このため、遊技者は、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り遊技状態に移行したことを認識し難くなっている。
(4)主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置130によって実行される遊技機1の制御の内容について説明する。
a.主制御部メインジョブ
図21は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部140に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部400に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。
尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する(S10)。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後、音声・ランプ制御部170に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う。尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部401に内蔵されているCPU480の動作チェックやRAMの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部170や、払出制御部150、図柄制御部160などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機1の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置32や液晶表示装置27(図2参照)などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部160に対して指定するコマンドである。
図22は、主制御部140から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部140に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部140が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に転送され、図柄制御部160の制御の下で普通図柄表示装置32あるいは液晶表示装置27のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機1では、主制御部140が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160、払出制御部150など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部140と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機1の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部140内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。
主制御部140は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図21に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する(S30)。ここでデモ表示とは、遊技機1がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過したか否かを判断する(S80)。そして、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数が所定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される(S83)。この普通図柄保留数(未始動回数)が所定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、S100へスキップする。また、所定個数内の保留数(未始動回数)であれば、S85において、普通図柄保留数メモリ(図示を省略するが、RAM481に設けられている。)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S90において、普通図柄に関する当否抽選に用いる当否抽選乱数(「当否抽選」に用いる乱数)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ(図示を省略するが、RAM481に設けられている。)に記憶した後、S100の処理に移行する。また、普通図柄変動ゲート36,37を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合(S95:YES)も、S100の処理に移行する。
S100の処理においては、普通図柄表示装置32における演出を制御するためのジョブ(普通図柄制御ジョブ)を行い、更に、S200の処理においては、普通電動役物171の駆動を制御するためのジョブ(普通電動役物駆動制御ジョブ)を行う。
次いで、主制御部140は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検出するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板340に伝達される。そして、主制御部140は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部140は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する(S310)。この賞球コマンドは、主制御部140から払出制御部150に向かって出力され、払出制御部150ではコマンドに従って賞球払出装置109を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部140から音声・ランプ制御部170にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部140は、遊技球の入球した入賞口が始動口17か否か、つまり、始動入賞を生じたか否かを判断する(S315)。そして、始動口17でない場合(S315;NO)は、S350へスキップする。一方、入球した入賞口が始動口17である場合は(S315:YES)、S320において、特別図柄保留数が特定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数(未始動回数)が特定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S500へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数(未始動回数)であれば、S325において、特別図柄保留数メモリ481b(図23参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S330において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S330において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図23参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶した後、S500の処理に移行する。このメモリ481aは、読み込んだ判定乱数値を特別図柄始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
この特別図柄当否判定乱数メモリ481aは、図23(b)に示すように、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ481aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
このS500の処理では、液晶表示装置27における演出を制御するためのジョブ(特別図柄制御ジョブ)が行われる。そして、S500の処理に後続する処理を、遊技状態制御ジョブ(S900)で実施した後、所定の「1つの始動入賞に伴う一連の図柄表示ゲーム」を終了する。尚、特別図柄制御ジョブS500の内容については後述する。また、S350において、特別図柄保留数(未始動回数)が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900)は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFとされたか否かを判断し(S980)、電源がONであると判断された場合は(S980:NO)、再びS30のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機1の電源がOFFになったと判断された場合は(S980:YES)、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機1の遊技状態が終了する。
b.主要なジョブの説明
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)と、遊技状態制御ジョブ(S900)とについて説明する。図24(a)は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S500)は、以下のように行われる。即ち、図25に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図23参照)から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、図16に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か、つまり、遊技機1の遊技モードが確率変動モードであるか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図26に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための第1本図柄と、第2本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ481e(図23参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS668の処理に移行する。
一方、両者が一致していれば(S660;YES)、当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S664の処理に移行する。このS664の処理は、S660の処理で肯定判断された当選(確変当り)が、「チャンス当り」であるのか否かを判断する処理である。そして、「チャンス当り」でない場合(スタンド確率変動当りである場合)は(S664;NO)、そのままS668の処理に移行する。これに対して、「チャンス当り」である場合は(S664;YES)、チャンス当りフラグをセットした後(S666)、S668の処理に移行する。尚、「チャンス当りフラグ」は、チャンス当りを生じたことを示すフラグである。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、特別図柄判定結果メモリ481i(図23参照)にセットする。尚、本実施例では、S660処理、つまり、「確変(確率変動)」に関する抽選(確変抽選)を「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。同様に、大当りの態様(第1の大当りであるか、第2の大当りであるか)を決定するための抽選も、「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この抽選を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この抽選に関する専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図25に示すように、S680で外れ第1本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第1本図柄番号メモリ481f(図23参照)に記憶する(S682)。同様に、S684で外れ第2本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第2本図柄番号メモリ481g(図23参照)に記憶する(S686)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、特別図柄判定結果メモリ481i(図23参照)」にセットする。
特別図柄制御ジョブ(S500)では、図24(a)に示すように、この「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S700)では、「本図柄指定コマンド(本図柄表示部272、273において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「本図柄変動パターン指定コマンド(本図柄表示部272、273において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドであり、図16に示した主回路部400の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている{図23(b)}。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第1本図柄表示部272に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第1本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド1」と表記することもある。)」と、第2本図柄表示部273に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第2本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド2」と表記することもある。)」とが存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、当否判定の結果が「大当り(第1の大当りでも、第2の大当りでもよい。)」の場合(S840;YES)に出力される「大当り関連表示コマンド(S841)」も含まれている。この「大当り関連表示コマンド(S841)」は、大当り図柄の確定表示(大当り表示)の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄(本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。)の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記当否判定(S620、S625)の結果が大当りである場合、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「大当り本図柄番号メモリ481eに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」及び「本図柄指定コマンド2」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記大当り判定(S620、S625)の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第1本図柄番号メモリ481fに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」に設定し、前述の「外れ第2本図柄番号メモリ481gに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド2」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
次に、遊技状態制御ジョブ(S900)に関し、図27〜図29を用いて説明する。この遊技状態制御ジョブ(S900)は、前述の「特別図柄表示ゲーム」において、判定結果図柄の確定表示後に実行される。この遊技状態制御ジョブ(S900)では、特別図柄判定結果メモリ481iに「大当りフラグ」がセットされているか否か(つまり、当否判定の結果が大当りであるか否か)が判断される(S902)。そして、S902で「大当りフラグ」がセットされていると判断される場合(S902;YES)、この「大当りフラグ」を解除し、S921以降の処理に移行する。
S902の処理で「大当りフラグ」がセットされいないと判断される場合(S902;NO)、図29に示すように、「外れフラグ(S690)を解除する(S906)。次いで、確変移行フラグが設定されているか否かを判断し(S904)、設定されていなければ(S904;NO)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。これにより、1回の「始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。
S904の処理において、確変移行フラグが設定されていると判断されると(S904;YES)、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S905)。尚、この「確変移行フラグ」は、後述するように(S997)、遊技機1の遊技モードが確率変動モード(確変モード)にあることを示すフラグであって、「確変当りに係る大当り状態(スタンダード確率変動当りに係る第1の大当り状態、若しくは、チャンス当りに係る第2の大当り状態)」の終了後においてセットされる。また、「確変カウンタ」は、遊技機1の遊技モードが確率変動モード(確変モード)に移行した後に、「大当り(第1の大当り、第2の大当り)」の判定結果図柄を表示することなく行った図柄表示の回数(つまり、当否判定で、外れ判定が行われた累積回数)を示す。つまり、遊技機1の遊技モードが確率変動モード(確変モード)に移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置27による図柄の変動表示」の累積実行回数を示す。尚、液晶表示装置27による図柄の変動表示(つまり、演出表示)は、変動表示を開始し、確定図柄(判定結果を示す図柄)を確定表示するまでを「1回」とする。
S905において、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したか否かを判断する(S906)。そして、「50」に到達していなければ(S906;NO)、時短移行フラグが、設定されているか否かが判断される(S911)。但し、時短移行フラグは、後述するように、S906処理で一端、肯定判断されることを前提に設定される。このため、「確変カウンタ」の値が1〜49の場合(S906;NO)、S911において否定的な判断がなされ、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは確率変動モードに維持される。
ここで、「時短移行フラグ」は、後述するように(S910)、遊技機1の遊技モードが時短モードにあることを示すフラグである。この「時短移行フラグ」は、確率変動モード(確変モード)の下で、所定の上限回数(本実施例では、50回)の当否判定を実行し、確率変動モード(確変モード)が解除された後にセットされる。
S906の処理で、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したと判断されると(S906;YES)、「確変カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)し(S907)、確変移行フラグを解除した後(S908)、時短移行フラグを設定する(S910)。そして、このS910処理に続いてS911の処理を実行する。この場合、S911の処理は肯定判断され(S911の処理の直前に、S910の処理を経ているから)、S920の処理に移行する。
S920の処理においては、「時短カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S920)。この「時短カウンタ」は、遊技機1の遊技モードが時短モードに移行した後に、「大当り(第1の大当り、第2の大当り)」の判定結果図柄を表示することなく行った図柄表示の回数(つまり、当否判定で、外れ判定が行われた累積回数)を示す。つまり、遊技機1の遊技モードが時短モードに移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置27による図柄の変動表示」の累積実行回数を示す。また、904の処理において、確変移行フラグが設定されていないと判断され(S904;NO)、S911の処理で肯定判断がされる場合も、S920の処理に移行する。
S920の処理においては、「時短カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「時短カウンタ」の値が「100」に到達したか否かを判断する(S913)。そして、「100」に到達していなければ(S913;NO)、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは時短モードに維持される。
S913の処理で、「時短カウンタ」の値が「100」に到達したと判断されると(S913;YES)、「時短カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)し(S915)、時短移行フラグを解除した後(S917)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは、通常モードに戻される。
また、904の処理において、確変移行フラグが設定されていないと判断され(S904;NO)、しかも、S911の処理で、確変移行フラグが設定されていないと判断される場合(S911)、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは、通常モードに維持される。
図27に戻り、S902で肯定判断がされ、S920の処理を実行した後には、「確変移行フラグ」、若しくは、「時短移行フラグ」がセットされているか否かが判断され(S921)、セットされていなれば(S921;NO)、そのままS923の処理に移行する。一方、「確変移行フラグ」がセットされていれば(S921;YES)、確変カウンタのクリアと、「確変移行フラグ」の解除を行った後(S922)、S923の処理に移行する。また、「時短移行フラグ」がセットされていれば(S921;YES)、時短カウンタのクリアと、「時短移行フラグ」の解除を行った後(S922)、S923の処理に移行する。
S923の処理では、チャンス当りフラグ(S666)がセットされているか否かが判断される。そして、チャンス当りフラグ(S666)がセットされていない場合(S923;NO)、つまり、スタンダード当りの場合、第1の大当り遊技状態を開始する(S924)。一方、チャンス当りフラグ(S666)がセットされている場合(S923;YES)、チャンス当りフラグ(S666)を解除した後(S1924)、第2の大当り遊技状態を開始する(S1925)。
第1の大当り遊技状態を開始すると(S924)、先ず、第1の連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する(S925)。この「第1の連続カウンタ」の値は、「第1の大当り遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS925の処理の後、開閉扉50を開放方向に作動し、大入賞口(第1の入賞部)311を開放し(S927)、第1の大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にして、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第1の単位駆動)を開始する。
第1の大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば、29秒)Tを経過したとき(S930;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S935;YES)に、「停止条件」が成立し、開閉扉50を閉鎖方向に作動し、第1の大入賞口311が閉鎖状態とされ(S940)、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第1の単位駆動)を終了する。
尚、所定時間Tが経過しておらず(S930;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、第1の大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ318(図15参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S930によって第1の大入賞口311(開閉扉50)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、第1の連続カウンタの値を「+1」し(S950)、第1の大当り遊技状態の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、第1の連続カウンタの値が、所定の回数N(つまり、第1の回数であって、例えば、15回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定の回数Nに達すると(S955;YES)、第1の大当り遊技状態の終了条件が成立する。この場合、第1の大当り遊技状態を終了し(S960)、遊技機1の遊技状態は「通常遊技状態」となる。
一方、第1の大当り遊技状態の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数Nに到達しない場合(S955;NO)と、再び第1の大入賞口311(開閉扉50)が開放状態となり、第1の可変入賞装置31が遊技球受入状態とされ、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(第1の単位駆動)を開始する。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本実施例では15ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦、第1の大当り遊技を開始すると、当該「第1の大当り遊技状態」の最終ラウンドまでの実行が保証される。
尚、S924〜S960に至る処理が、第1の駆動手段(換言すると、第1の大当り遊技状態の実行手段)の具体例を構成する。また、S950の処理と、S955の処理の間において、「継続条件」の成否の判断を行うこととしてもよい。
S960で、第1の大当り遊技状態を終了した後に、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S995)。つまり、終了した「第1の大当り遊技状態」が、確変当り(スタンダード確率変動当り)に基づくものであるか否かが判断される(S995)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S995;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S996)と、確変移行フラグを設定する処理(S997)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。尚、S997の処理は、遊技モード変更手段の具体例を構成する。一方、S995において、「NO」と判断される場合には、S996の処理と、S997の処理を実行することなく、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
尚、S997において、確変移行フラグが設定され、遊技機1が、「確率変動状態」に移行すると、上記特別遊技状態終了後、特別図柄の変動が50回行われるまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜10倍に向上する。
第2の大当り遊技状態を開始すると(S1925)、先ず、第2の連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する(S1926)。この「第2の連続カウンタ」の値は、「第2の大当り遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS1926の処理の後、開閉扉85を開放方向に作動し、第2の大入賞口86を開放し(S1927)、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第2の単位駆動)を開始する。
第2の大入賞口86の開放状態が所定時間(例えば、0.2秒)tを経過したとき(S1930;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S1935;YES)に、「停止条件」が成立し、開閉扉85を閉鎖方向に作動し、第2の大入賞口86が閉鎖状態とされ(S940)、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第2の単位駆動)を終了する。
尚、所定時間tが経過しておらず(S1930;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S1935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、第2の大入賞口86(第2の入賞部)の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ1318(図15参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S1930によって第1の大入賞口311(開閉扉50)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、第2の連続カウンタの値を「+1」し(S1950)、第2の大当り遊技状態の終了条件を満たすか否かが判断される(S1955)。例えば、第2の連続カウンタの値が、所定の回数M(つまり、第2の回数であって、例えば、2回)に到達したか否かが判断され(S1955)、所定の回数Mに達すると(S1955;YES)、第2の大当り遊技状態の終了条件が成立する。この場合、第2の大当り遊技状態を終了し(S1960)、遊技機1の遊技状態は「通常遊技状態」となる。
一方、第2の大当り遊技状態の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数Nに到達しない場合(S1955;NO)と、再び第2の大入賞口86(開閉扉85)が開放状態となり、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(第2の単位駆動)を開始する。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「単位駆動」は、最終ラウンド(本実施例では2ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S1935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦第2の大当り遊技を開始すると、当該「第2の大当り遊技状態」の最終ラウンドまでの実行が保証される。但し、「第2の大当り遊技状態」においては、個々の「第2の単位駆動」が短時間で行われ(0.2秒)、しかも、実行するラウンド数が少ない(2ラウンド)ため、この第2の大当り遊技状態の実行中において、第2の可変入賞装置80への入賞は、困難とされている。
尚、S1925〜S1960に至る処理が、第2の駆動手段(換言すると、第2の大当り遊技状態の実行手段)の具体例を構成する。また、S1950の処理と、S1955の処理の間において、「継続条件」の成否の判断を行うこととしてもよい。この場合、「第2の大当り遊技状態」は、「第2の単位駆動」をただ一回実行したところで、終了する確率が高くなる。
S1960で、第2の大当り遊技状態を終了した後においても、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S995)。但し、終了した「第2の大当り遊技状態」は、必ず、確変当り(チャンス当り)であるため、S995の処理においては、必ず、肯定的な判断がなされる。このため、確変当りフラグを解除する処理(S996)と、確変移行フラグを設定する処理(S997)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
尚、本実施例では、「第2の大当り図柄」を「第2の変更図柄」のみで構成する態様を例示したが、この「第2の大当り図柄」を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成してもよい。この場合、第2の大当り遊技状態の発生原因を構成する「第2の大当り図柄」が「第2の通常図柄」であると、S995の処理において、否定的な判断がなされる。
(5)コマンドの送受信
主制御部140及び副制御部(170、160)間のコマンドの送受信に関し、図30及び図31を用いて説明する。この図30及び31は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ{図24(a)}において、ステップS810の処理が初めて実行される時には、図30に示すように、「変動パターン指定コマンド」が出力される。この「変動パターン指定コマンド」は、本図柄(第1〜第2本図柄)の変動を開始させるコマンドであるばかりか、これらの本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図30及び図31において、実線の矢印は、主制御部140に操作信号が供給されていることを模式的に示したものである。また、「白抜きの矢印」は、(1)「演出操作信号」が、主制御部140から、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、(2)主制御部140の発するコマンドが音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、がある。更に、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部170が発したコマンドが図柄制御部160に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部170から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板370は、図30に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。これにより、本図柄(第1〜第2本図柄)と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが1周目の処理を終了して、2周目にS820の処理が実行されるときには、第1本図柄を指定するコマンド(第1本図柄指定コマンドCts1 )を出力する。尚。主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約4msec掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略4msecに、第1本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約4msec後に3周目の処理が実行される時には、第2本図柄を指定するコマンド(第2本図柄指定コマンドCts2 )が出力される。
尚、本実施例では、2つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。こうして特別図柄(本図柄)についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド(本図柄停止コマンドCtstp)を出力する。
そして、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を送信する(S830、図19参照)。また、音声・ランプ制御基板370は、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。そして、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「大当り関連表示コマンド(例えば、大当り表示開始コマンド)」を送信する。
(6)サブ基板メインルーチン
a.概略
音声・ランプ制御部170は、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、この図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部160に転送し、図柄制御部160は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。以下では、この特別図柄の表示制御を示す処理、即ち、サブ基板メインルーチン(S1000)の内容について説明する。尚、普通図柄の表示制御については、特別図柄の表示制御と処理の流れが基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
図32は、サブ基板メインルーチンの流れを示したフローチャートである。かかる処理は、遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図25に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部170および図柄制御部160が初期化されると、自動的に開始される処理である。
サブ基板メインルーチンを開始すると、先ず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1005)。そして、変動パターン指定コマンドを受信した場合は(S1005:YES)、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を開始する(S1010)。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、全ての本図柄指定コマンドを全て受信したか否かを判断し(S1020)、受信した場合には(S1020;YES)、図柄表示制御処理を行う(S1100)。そして、本図柄停止コマンドの受信すると(S1030;YES)、全特別図柄(つまり、全本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を停止させる(S1500)。更に、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し(S1800)、受信した場合には(S1800;YES)、大当り関連表示(S1830)に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFになっていないことを確認し(S1850)、電源がOFFでなければステップS1005に戻って続く一連の処理を行う。ステップS1850において電源がOFFであると判断されたら、サブ基板メインルーチン(S1000)を終了する。
(7)実施例の効果
本実施例の遊技機1によると、確率変動図柄(遊技モードを確率変動モードに変更する契機となる図柄)を、2態様(スタンダード確率変動当り図柄と、チャンス当り図柄)設定する。そして、液晶表示装置27に確定表示される「確率変動図柄」の態様に応じて、遊技球の可変入賞装置(第1の可変入賞装置31、第2の可変入賞装置80)への入賞確率を変更する。このため、本実施例の遊技機1によっても、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、高確率モードへの移行頻度の選択の自由度を高めることができる。このため、本実施例の遊技機1においても、前述の「特異なゲーム性(遊技者に、遊技モードが、突然、有利なモードに移行したような印象を与えることができるという、特異なゲーム性)」を十分に保持できる。
しかも、本実施例の遊技機1では、態様の異なる「2つの可変入賞装置(第1の可変入賞装置31、及び、第2の可変入賞装置80)」を備える。つまり、「第1の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される「第1の可変入賞装置31」と、「第2の大当り遊技状態」を実行する際に開閉駆動される「第2の可変入賞装置80」と、を別個に設ける。そして、第2の開閉部材(開閉扉85)において遊技領域11の前方から視認可能となる部位(第2の視認部位)の面積が、第1の開閉部材(開閉扉50)において遊技領域11の前方から視認可能となる部位(第1の視認部位)の面積よりも小さくされ、第2の開閉部材(開閉扉85)が目立ち難くされている。
また、第2の大入賞口(第2の入賞部)86の配置位置が、第1の大入賞口(第1の入賞部)311の配置位置よりも、目立ち易い位置とされる。つまり、第2の大入賞口(第2の入賞部)86の配置位置は、遊技領域11の外縁部Gであって、しかも、遊技球の通過頻度の低い箇所(遊技領域11の右端部)とされている。
更に、第2の開閉部材(開閉扉85)が、遊技領域11に配置される遊技機部品(サイド装置39)に組み込まれており、この点からも、第2の開閉部材(開閉扉85)が目立ち難くされている。加えて、本実施例では、第2の閉鎖姿勢にある「第2の開閉部材(開閉扉85)」を、遊技者から視認不可能な状態に収納する構造を採用するため、この点からも、第2の開閉部材(開閉扉85)が目立ち難くされている。
よって、本実施例の遊技機1によると、「第2の大当り遊技状態の実行時における第2の開閉部材(開閉扉85)の開閉駆動」が、「第1の大当り遊技状態の実行時における第1の開閉部材(開閉扉50)の開閉駆動」に比べて目立ち難くされること(単位駆動の回数が少なくされると共に、単位駆動毎の開放時間が短くされるからである。)に加えて、第2の開閉部材(開閉扉85)の存在自体も目立ち難くする。
このため、本実施例の遊技機1によると、「第2の大当り遊技状態」の実行時に、遊技者が、不満を持ったり、ストレスを感じることを防止したり、不満やストレスを持つ遊技者の数を軽減すること等ができる。よって、本実施例の遊技機1によると、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。
また、本実施例の遊技機1によると、第2の可変入賞装置80の開閉駆動がより一層判り難くなるため、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」をより強く与えることができる。このため、本実施例の遊技機1によると、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
B.実施例2
次に、図33及び図34(a)を用いて、実施例2の遊技機について詳細に説明する。この実施例2の遊技機は、請求項3の発明の特徴を具備している。この実施例では、(1)第1の可変入賞装置31Bと、第2の可変入賞装置80Bの双方を、「アタッカー型の可変入賞装置」とした点と、(2)第2の大入賞口86Bの面積と、第1の大入賞口133Bの面積とが差異が少なくされている点と、(3)第2の大入賞口86Bの配置箇所が、中央装置26の側方の箇所(遊技球の通過頻度が比較的に高く、目立ち易い箇所)とされている点と、(4)遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)に、図形Eが複数配設されている点と、(5)第2の開閉部材(開閉扉85B)の前面部851Bに、同様な図形Eが配設されている点と、が実施例1と異なっている。その他の点に関しては、実施例1と同様である。
この実施例2においては、第1の可変入賞装置31Bの開閉扉50Bと、第2の可変入賞装置80Bの開閉扉85Bは、何れも、その下端部側に回動軸を配設しつつ、前後に回動可能とな状態で、取付部(遊技盤10に構成される取付部、若しくは、遊技盤10に装着される取付部材によって構成される取付部)に取り付けられている。
つまり、第1の可変入賞装置31Bにおいては、開閉扉50Bが、その回動軸を支点として(回動軸心として)、後方に回動して起立状態となると(略垂設された状態となると)、扉本体51Bの全体が第1の大入賞口311B内に進入する。このため、扉本体51Bによって、第1の大入賞口311Bを塞いだ状態となり、この開閉扉50Bは、「第1の閉鎖姿勢」の具体例を構成する。一方、開閉扉50Bをその回動軸を支点として(回動軸心として)、遊技盤10の前面部10aの前方に回動して前傾状態とすると、扉本体51Bは、その下端面部側の部位を除いて、第1の大入賞口311Bより脱出する。この開閉扉50Bの前傾状態は、「第1の開放姿勢」の具体例を構成する。
このため、開閉扉50Bにおいて、遊技領域11の前方より視認可能な部位(換言すると、頻度の高い姿勢、つまり、第1の閉鎖姿勢にあるときに、遊技領域11の前方より視認可能な部位)は、開閉扉50Bの前面部51Bによって構成される。そして、この開閉扉50Bの前面部51Bは、単一の色彩に彩られており、遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)と明らかに異なった外観を呈している。
また、第2の可変入賞装置80Bにおいては、開閉扉85Bが、その回動軸を支点として(回動軸心として)、後方に回動して起立状態となると(略垂設された状態となると)、扉本体151Bの全体が第2の大入賞口86B内に進入する。このため、扉本体151Bによって、第2の大入賞口86Bを塞いだ状態となり、この開閉扉85Bは、「第2の閉鎖姿勢」の具体例を構成する。一方、開閉扉85Bをその回動軸を支点として(回動軸心として)、遊技盤10の前面部10aの前方に回動して前傾状態とすると、扉本体151Bは、その下端面部側の部位を除いて、第2の大入賞口86Bより脱出する。この開閉扉85Bの前傾状態は、「第2の開放姿勢」の具体例を構成する。
このため、開閉扉85Bにおいて、遊技領域11の前方より視認可能な部位(換言すると、頻度の高い姿勢、つまり、第2の閉鎖姿勢にあるときに、遊技領域11の前方より視認可能な部位)は、開閉扉85Bの前面部851Bによって構成される。そして、この開閉扉85Bの前面部851Bは、遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)と同様な図形Eが配設されている。このため、開閉扉85Bの前面部851Bは、遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)と意匠的な共通化が図られている。
実施例2の遊技機においても、実施例1の遊技機と同様に、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、特別遊技モード(例えば、高確率モード等)への移行頻度の選択の自由度を高めることができる。また、実施例2の遊技機においても、実施例1の遊技機1と同様に、態様の異なる「2つの可変入賞装置(第1の可変入賞装置31B、及び、第2の可変入賞装置80B)」を備える。つまり、実施例2においては、開閉扉85Bの前面部851Bと、遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)とに、同一の図形Eを配設し、開閉扉85Bを遊技盤10(遊技領域11)に同化させている。換言すると、開閉扉85Bの前面部851Bと、遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)との間に、意匠的な共通化が図られている。
このため、実施例2においては、第2の開閉部材(開閉扉85B)、ひいては、第2の可変入賞装置80Bの存在を、遊技者が認識し難くなっている。従って、本実施例によっても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。また、本実施例によっても、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」をより強く与えることができる。このため、本実施例によっても、遊技の意外性が更に高くなり、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。また、本実施例によっても、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
次に、図34(b)及び図35を用いて、実施例2の変形例を説明する。つまり、実施例2の第1の変形例(以下、「変形例1」という。)としては、図34(b)に示すように、第2の開閉部材(開閉扉85B)の前面部851Bに、遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)と「同一の色」、若しくは、「同系色」の着色を配した遊技機を例示できる。尚、図34(b)中の「破線によるハチング表示」は、「同一の色」、若しくは、「同系色」の着色が施されている旨を表示している。また、実施例2の第2の変形例(以下、「変形例2」という。)としては、図35に示すように、第2の開閉部材(開閉扉85B)の前面部851Bに、遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)に配設される遊技機部品(例えば、障害釘23)と同様な遊技機部品(例えば、障害釘23)を配した遊技機を例示できる。
変形例1及び変形例2の何れの遊技機によっても、実施例2と同様な効果を得ることができる。尚、実施例2、変形例1及び変形例2のうちの2つ以上の特徴を備える遊技機を、他の変形例として例示することもできる。例えば、第2の開閉部材(開閉扉85B)の前面部851Bに、遊技盤10の前面部10a(遊技領域11)と、同一色(同系色でもよい。)を施しつつ、同一の図形や模様等を施した変形例を例示することもできる。
C.実施例3
次に、図36及び図37を用いて、実施例3の遊技機について詳細に説明する。この実施例3の遊技機は、請求項4の発明の特徴を具備している。この実施例では、(1)第1の可変入賞装置31Cと、第2の可変入賞装置80Cの双方を、「アタッカー型の可変入賞装置」とした点と、(2)第2の可変入賞装置80Cの前方に、カバー体90Cを配設した点が、実施例1と異なっている。その他の点に関しては、尚、「下部装置18を第1の可変入賞装置31Cのみで構成(つまり、左下入賞口21、右下入賞口22等の他の入賞口が一体化されない構成)とした点を除いて、実施例1と同様である。
実施例3においても、第2の大入賞口86Cは、第1の大入賞口311Cに比べて、遊技領域11の前方の遊技者から、認識し難くなっている。蓋し、第2の大入賞口86Cの面積(開口面積)は、第1の大入賞口311Cの面積(開口面積)A1よりも小さくされている(例えば、1/30〜2/3倍、好ましくは、1/10〜1/3倍)からである。
この実施例3においては、第1の可変入賞装置31Cの開閉扉50Cと、第2の可変入賞装置80Cの開閉扉85Cは、何れも、その下端部側に回動軸を配設しつつ、前後に回動可能とな状態で、取付部(遊技盤10に構成される取付部、若しくは、遊技盤10に装着される取付部材によって構成される取付部)に取り付けられている。
つまり、第1の可変入賞装置31Cにおいては、開閉扉50Cが、その回動軸を支点として(回動軸心として)、後方に回動して起立状態となると(略垂設された状態となると)、扉本体51Cの全体が第1の大入賞口311C内に進入する。このため、扉本体51Cによって、第1の大入賞口311Cを塞いだ状態となり、この開閉扉50Cは、「第1の閉鎖姿勢」の具体例を構成する。一方、開閉扉50Cをその回動軸を支点として(回動軸心として)、遊技盤10の前面部10aの前方に回動して前傾状態とすると、扉本体51Cは、その下端面部側の部位を除いて、第1の大入賞口311Cより脱出する。この開閉扉50Cの前傾状態は、「第1の開放姿勢」の具体例を構成する。このため、開閉扉50Cにおいて、遊技領域11の前方より視認可能な部位(換言すると、頻度の高い姿勢、つまり、第1の閉鎖姿勢にあるときに、遊技領域11の前方より視認可能な部位)は、開閉扉50Cの前面部51Cによって構成される。
また、第2の可変入賞装置80Cにおいては、開閉扉85Cが、その回動軸を支点として(回動軸心として)、後方に回動して起立状態となると(略垂設された状態となると)、扉本体151Cの全体が第2の大入賞口86C内に進入する。このため、扉本体151Cによって、第2の大入賞口86Cを塞いだ状態となり、この開閉扉85Cは、「第2の閉鎖姿勢」の具体例を構成する。一方、開閉扉85Cをその回動軸を支点として(回動軸心として)、遊技盤10の前面部10aの前方に回動して前傾状態とすると、扉本体151Cは、その下端面部側の部位を除いて、第2の大入賞口86Cより脱出する。この開閉扉85Cの前傾状態は、「第2の開放姿勢」の具体例を構成する。このため、開閉扉85Cにおいて、遊技領域11の前方より視認可能な部位(換言すると、頻度の高い姿勢、つまり、第2の閉鎖姿勢にあるときに、遊技領域11の前方より視認可能な部位)は、開閉扉85Cの前面部851Cによって構成される。
実施例3では、遊技盤10の前面部10aにおいて、第2の可変入賞装置80Cの前方に位置する部位に、カバー体90Cが配設されている。このカバー体90Cは、透明若しくは半透明な素材を用いて構成され、略コの字状の横断面(遊技盤10の前面部10aに直交する断面に沿った横断面)を有している。つまり、このカバー体90Cは、略トンネル形状(断面が略コの字状の略トンネル形状)を備え、上端部91Cと、下端部92Cと、背面部93Cとに開口部911C、921C、931Cを有している。
このカバー体90Cは、背面部93Cの端面932C、932Cを、遊技盤10の前面部10aに当接させ、第2の大入賞口86Cを遊技盤10の前方から包囲する状態で、遊技盤10の前面部10aに装着されている。そして、上端部91Cの開口部911Cが上方に配置され、下端部92Cの開口部911Cが下方に配置されている。また、カバー体90Cの前板95Cと、遊技盤10の前面部10aとの間には、所定の空間部90Kが確保され、開閉扉85Cが第2の開放姿勢となったときに、開閉扉85Cが前板95Cに衝突することが防止されている。そして、遊技領域11を流下し、カバー体90Cの上方に到達した遊技球は、「上端部91Cの開口部911C」を通じて、前板95Cと遊技盤10の前面部10aとの間の空間90部Kに進入可能とされている。尚、遊技盤10の前方に配設される「前面ガラス10G」と、カバー体90Cとの間には、所定の空間が確保されている。
実施例3の遊技機においては、カバー体90Cと、開閉扉85Cの前面部851C(つまり、開閉扉85Cの第2の視認部位)とが、同一色とされている。このため、カバー体90Cと、開閉扉85Cとが調和し、開閉扉85C、ひいては、第2の可変入賞装置80Cの存在や、その駆動が、遊技領域11の前方からは判り難くなっている。
実施例3の遊技機においても、実施例1の遊技機と同様に、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、特別遊技モード(例えば、高確率モード等)への移行頻度の選択の自由度を高めることができる。また、実施例3の遊技機においても、実施例1の遊技機1と同様に、態様の異なる「2つの可変入賞装置(第1の可変入賞装置31C、及び、第2の可変入賞装置80C)」を備える。つまり、実施例3の遊技機においては、カバー体90Cが付加されていると共に、このカバー体90Cと、開閉扉85Cとが調和し、開閉扉85C、ひいては、第2の可変入賞装置80Cの存在や、その駆動が、遊技領域11の前方からは判り難くなっている。
このため、実施例3においても、第2の開閉部材(開閉扉85C)、ひいては、第2の可変入賞装置80Cの存在や可能を、遊技者が認識し難くなっている。従って、本実施例によっても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。また、本実施例によっても、遊技者には、突然、「遊技モードが、有利なモード(特別モード)に移行したような印象(即ち、得したような感覚)」をより強く与えることができる。このため、本実施例によっても、遊技の意外性が更に高くなり、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。また、本実施例によっても、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
尚、実施例3の変形例として、カバー体90Cと、開閉扉85Cの前面部851C(つまり、開閉扉85Cの第2の視認部位)とが、同系色とされるものを例示できる。また、実施例3やこの変形例においては、開閉扉85Cの前面部851Cの着色のみでなく、その全体の着色を、カバー体90Cと、同一色、若しくは、同系色としてもよい。
D.実施例4
次に、図38〜図40を用いて、実施例4の遊技機について詳細に説明する。この実施例4の遊技機は、請求項1及び請求項6の発明の特徴を具備している。この実施例では、(1)第1の可変入賞装置31Dと、第2の可変入賞装置80Dの双方を、「アタッカー型の可変入賞装置」とした点と、(2)第1の可変入賞装置31Dの内部通路の傾斜と、第2の可変入賞装置80Cの内部通路の傾斜との間に差異を設けた点が、実施例1と異なっている。その他の点に関しては、尚、「下部装置18を第1の可変入賞装置31Dのみで構成(つまり、左下入賞口21、右下入賞口22等の他の入賞口が一体化されない構成)とした点と、開閉用ソレノイド313、1313の態様や配置箇所が異なっている。その他の点に関しては、実施例1と同様である。
実施例4においても、第2の大入賞口86Dは、第1の大入賞口311Dに比べて、遊技領域11の前方の遊技者から、認識し難くなっている。蓋し、第2の大入賞口86Dの面積(開口面積)は、第1の大入賞口311Dの面積(開口面積)よりも小さくされている(例えば、1/30〜2/3倍、好ましくは、1/10〜1/3倍)からである。尚、本実施例においては、開閉用ソレノイド313、1313の詳細な説明を省略する。また、本実施例においても、開閉用ソレノイド313、1313の態様や配置箇所を実施例1と同様なものとすることもできる。
この実施例4においては、第1の可変入賞装置31Dの開閉扉50Dと、第2の可変入賞装置80Dの開閉扉85Dは、何れも、その下端部側に回動軸を配設しつつ、前後に回動可能とな状態で、取付部(遊技盤10に構成される取付部、若しくは、遊技盤10に装着される取付部材によって構成される取付部)に取り付けられている。
つまり、第1の可変入賞装置31Dにおいては、開閉扉50Dが、その回動軸を支点として(回動軸心として)、後方に回動して起立状態となると(略垂設された状態となると)、扉本体51Dの全体が第1の大入賞口311D内に進入する。このため、扉本体51Dによって、第1の大入賞口311Dを塞いだ状態となり、この開閉扉50Dは、「第1の閉鎖姿勢」の具体例を構成する。一方、開閉扉50Dをその回動軸を支点として(回動軸心として)、遊技盤10の前面部10aの前方に回動して前傾状態とすると、扉本体51Dは、その下端面部側の部位を除いて、第1の大入賞口311Dより脱出する。この開閉扉50Dの前傾状態は、「第1の開放姿勢」の具体例を構成する。このため、開閉扉50Dにおいて、遊技領域11の前方より視認可能な部位(換言すると、頻度の高い姿勢、つまり、第1の閉鎖姿勢にあるときに、遊技領域11の前方より視認可能な部位)は、開閉扉50Dの前面部51Dによって構成される。
また、第2の可変入賞装置80Dにおいては、開閉扉85Dが、その回動軸を支点として(回動軸心として)、後方に回動して起立状態となると(略垂設された状態となると)、扉本体151Dの全体が第2の大入賞口86D内に進入する。このため、扉本体151Dによって、第2の大入賞口86Dを塞いだ状態となり、この開閉扉85Dは、「第2の閉鎖姿勢」の具体例を構成する。一方、開閉扉85Dをその回動軸を支点として(回動軸心として)、遊技盤10の前面部10aの前方に回動して前傾状態とすると、扉本体151Dは、その下端面部側の部位を除いて、第2の大入賞口86Dより脱出する。この開閉扉85Dの前傾状態は、「第2の開放姿勢」の具体例を構成する。このため、開閉扉85Dにおいて、遊技領域11の前方より視認可能な部位(換言すると、頻度の高い姿勢、つまり、第2の閉鎖姿勢にあるときに、遊技領域11の前方より視認可能な部位)は、開閉扉85Dの前面部851Dによって構成される。
第1の可変入賞装置31D、及び、第2の可変入賞装置80Dは、図39に示すように、同様な内部構造を備えている。つまり、これらの可変入賞装置31D、80Dは、大入賞口(第1の大入賞口311D、第2の大入賞口86D)の背後に、略箱形状の通過路形成部材34Dを配設している。そして、この通過路形成部材34Dの内部において、略クランク状の入賞球通過路Rを形成すると共に、この入賞球通過路Rに、入賞球検出スイッチ(第1の入賞球検出スイッチ318、第2の入賞球検出スイッチ1318)。尚、第1の入賞球検出スイッチ318は、「第1の検出手段」の具体例を構成し、第2の入賞球検出スイッチ1318は、「第2の検出手段」の具体例を構成する。
但し、第2の可変入賞装置80Dにおいては、第1の可変入賞装置31Dに比べて、通過路形成部材34Dのサイズが小さくされている。このため、入賞球通過路Rの道のりも、第2の可変入賞装置80Dにおいては、第1の可変入賞装置31Dよりも短くされている。
通過路形成部材34Dの内部には、左右に並ぶ、2つの床板34g、34hが配置されている。一方の床板34gは、大入賞口(第1の大入賞口311D、第2の大入賞口86D)の背後であって、しかも、大入賞口(第1の大入賞口311D、第2の大入賞口86D)の下縁部よりも下方の部位に配置される。そして、その上面上に、「大入賞口(第1の大入賞口311D、第2の大入賞口86D)の左端後方から右端後方に向かう、下り傾斜状の通路部r1」を構成している。この通路部r1は、1球の遊技球(入賞球)を通過可能な通路幅(遊技盤10の前面部10aに垂直な方向に沿った幅)を備えると共に、大入賞口(第1の大入賞口311D、第2の大入賞口86D)の横幅と略等しいか、大入賞口(第1の大入賞口311D、第2の大入賞口86D)の横幅よりも長くされた長尺状の「道のり」を有している。
他方の床板34hは、一方の床板34gの下端部の右側方に配置されている。そして、その上面上に、「通路部r1の下端部(終点部)に連絡される通路部r2」を形成している。但し、この床板34hの上面は、床板34gの下端部の上面よりも段差状に低くされている。このため、通路部r1の下端部(終点部)から通路部r2の始端部に向かって、「下り段差部」を構成している。また、この通路部r2は、前方側(遊技者に近接する側)から後方(遊技者から離間する側)に向かって、下り傾斜とされている。尚、この通路部r2も、1球の遊技球(入賞球)を通過可能な通路幅(遊技盤10の前面部10aに沿った幅)を備えるが、その「道のり」は短くされている。
他方の床板34hの後端部(遊技者から見て奥側の端部)は、床板34hの下方に連通する通過孔34kに連絡されている。この通過孔34kは、1球の遊技球(入賞球)を通過可能な通路幅(遊技盤10の前面部10aに垂直な方向に沿った幅)を備えている。そして、通過孔34kの直下の部位に、入賞球検出スイッチ(第1の入賞球検出スイッチ318、第1の入賞球検出スイッチ1318)が配置されている。
実施例4の遊技機においては、図40(a)及び(b)に示すように、第2の可変入賞装置80Dを構成する各床板34g、34hの全長(遊技球の通過方向に沿った長さ)が、第1の可変入賞装置31Dを構成する各床板34g、34hの全長(遊技球の通過方向に沿った長さ)よりも短くされている。換言すると、第2の可変入賞装置80Dに設けられる入賞球通過路Rの全長が、第1の可変入賞装置31Dに設けられる入賞球通過路Rの全長よりも短くされている。尚、図40(b)に示す破線H1は、「第1の可変入賞装置31Dを構成する床板34g」の傾斜を示している。
しかも、第2の可変入賞装置80Dを構成する各床板34g、34hの傾斜度(遊技球の通過方向に沿った傾斜度)が、第1の可変入賞装置31Dを構成する各床板34g、34hの傾斜度(遊技球の通過方向に沿った傾斜度)よりも大きくされている。換言すると、第2の可変入賞装置80Dに設けられる各通路部r1、r2の傾斜は、第1の可変入賞装置31Dに設けられる各通路部r1、r2の傾斜よりも、「急な傾斜」とされている。
よって、実施例4によると、「第2の大入賞口86Dから第2の可変入賞装置80Dに入賞した遊技球が、第2の入賞球検出スイッチ1318に到達するまでの到達時間(第2の到達時間)が、「第1の大入賞口311Dから第1の可変入賞装置31Dに入賞した遊技球が、第1の入賞球検出スイッチ318に到達するまでの到達時間(第1の到達時間)よりも短くなる。
実施例4の遊技機においても、実施例1の遊技機と同様に、射幸心を必要以上に高めることを抑制しつつも、特別遊技モード(例えば、高確率モード等)への移行頻度の選択の自由度を高めることができる。また、実施例4の遊技機においても、実施例1の遊技機1と同様に、態様の異なる「2つの可変入賞装置(第1の可変入賞装置31D、及び、第2の可変入賞装置80D)」を備える。
つまり、実施例4では、第2の大入賞口86Dを第1の大入賞口311Dよりも小型化すると共に、第2の大入賞口86Dを第1の大入賞口311Dよりも目立ち難い位置に配置し、第2の可変入賞装置80Dを第1の可変入賞装置31Dよりも目立ち難くする。
しかも、第2の可変入賞装置80Dにおける「第2の到達時間」を、第1の可変入賞装置31Dにおける「第1の到達時間」よりも短く設定し、第2の大当り遊技状態を実行する際の「インターバル時間」を、第1の大当り遊技状態を実行する際の「インターバル時間」よりも、短く設定することを可能とする。このため、第2の大当り遊技状態を、よりスピーディに(あたかも、遊技者が第2の大当り遊技状態の実行を認識できない程、スピーディ)に実行することが可能となる。
このため、本実施例によっても、前述の「特異なゲーム性」を十分に保持しつつも、より多様な遊技者の要求を満足させることができる。また、本実施例によっても、遊技の意外性が更に高くなり、遊技上の興趣を更により十分に高めることができる。また、本実施例によっても、遊技者により一層、大きなインパクトを与えることができるばかりか、遊技者の想像を更により一層、かき立てることができる。
尚、実施例4の変形例として、図41及び図42に示す変形例(以下、「変形例3」という。)を例示することもできる。この変形例では、第2の可変入賞装置80Dを以下の態様とする。つまり、第2の大入賞口86Dの背後であって、しかも、第2の大入賞口86Dの下縁部よりも下方の部位に、床板34jを配置し、この床板34jを用いて入賞球通過路Rを形成する。尚、「変形例3」においては、第1の可変入賞装置の具体的な構成は特に問わず、例えば、実施例4の第1の可変入賞装置31Dと同様な構成とすることができる。
この変形例3においては、床板34jは、左右の幅方向(遊技者を基準)に沿った中間部341jに向かって、下り傾斜となる経路(略V字状の経路)を描いている。つまり、床板34jは、中間部341jの右側に配設されると共に中間部341jに向かって左下り傾斜(左側に向かうに従って、低くなる傾斜の意味で用いる。)とされた「右側床板部343j」と、中間部341jの左側に配設されると共に中間部341jに向かって右下り傾斜(右側に向かうに従って、低くなる傾斜の意味で用いる。)とされた「左側床板部344j」と、を備えている。そして、右側床板部343jの上には、中間部341jに向かって左下り傾斜とされた通路部r5が形成され、左側床板部344jの上には、中間部341jに向かって右下り傾斜とされた通路部r6が形成される。
中間部341jには、遊技球が通過可能な通過孔34kが、この中間部341jを上下に貫通する状態に設けられ、通過孔34kの直下の部位に、第2の入賞球検出スイッチ1318が配置されている。尚、この第2の入賞球検出スイッチ1318も、「第2の検出手段」の具体例を示す。
変形例3によると、実施例4の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。つまり、入賞球通過路Rが、第2の大入賞口86Dの背後において、その幅方向に設けると共に、この入賞球通過路Rを、その幅方向に沿った中間部(中間部341j)に向かって下り傾斜する。つまり、入賞球通過路Rを、第2の大入賞口86Dの背後において、その幅方向に設けると共に、入賞球通過路Rを、その幅方向に沿った中間部(中間部341j)に向かって下る略V字状とする。しかも、第2の入賞球検出スイッチ1318を、中間部(中間部341j)に設ける。
ところで、実施例4の第2の可変入賞装置80Dにおいては、第2の大入賞口86Dの遊技球が入賞する場合、その入賞位置によって、「第2の到達時間」に、大きな「ばらつき」を生ずる。例えば、第2の大入賞口86Dの右端部から第2の可変入賞装置80Dに入賞する場合は、第2の大入賞口86Dの左端部から第2の可変入賞装置80Dに入賞する場合に比べて、「第2の到達時間」が長くなる。蓋し、第2の大入賞口86Dの右端部から第2の入賞球検出スイッチ1318までの距離と、第2の大入賞口86Dの右端部から第2の入賞球検出スイッチ1318までの距離との間に大きな「ばらつき」が存在するからである。このため、実施例4の第2の可変入賞装置80Dにおいては、この「ばらつき」を十分に考慮しつつ、「インターバル時間」を設定することが必要となる。
一方、変形例3では、この「第2の到達時間」の「ばらつき」を小さくすることができる。蓋し、第2の大入賞口86Dの右端部から第2の入賞球検出スイッチ1318までの距離と、第2の大入賞口86Dの右端部から第2の入賞球検出スイッチ1318までの距離とを等しくできると共に、第2の大入賞口86Dの各端部(右端部、若しくは、左端部)から第2の入賞球検出スイッチ1318までの距離と、第2の大入賞口86Dの幅方向中間部から第2の入賞球検出スイッチ1318までの距離と、の間にも、大きな「ばらつき」を生じないからである。
しかも、変形例3では、入賞球通過路Rを、第2の大入賞口86Dの背後で、略Vに屈曲される構成を採用するため、入賞球通過路Rの下り傾斜をより、大きくできる。このため、変形例3では、「第2の到達時間」の「ばらつき」をそれ程、考慮せずに、「インターバル時間」を設定することが必要となる。つまり、変形例3では、第2の大当り遊技状態を、より一層、スピーディに実行することが可能となる。
尚、図示を省略するが、実施例4や変形例3においては、第2の可変入賞装置80Dの入賞球通過路Rに沿って、複数の第2の入賞球検出スイッチ1318を配置してもよい。この場合、変形例3と同様に、「第2の到達時間」の「ばらつき」を小さくすることができる。
更に、実施例4の他の変形例として、図43に示す変形例(以下、「変形例4」という。)を例示することもできる。この変形例では、第2の可変入賞装置80Eにおいて、第2の大入賞口86Eに、第2の入賞球検出スイッチ1318Eを配置している。この変形例4によると、遊技球が第2の大入賞口86Eを通過したところで、遊技球の入賞を検出できる。このため、変形例4によると、「インターバル時間」を更に短く設定できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
即ち、前述の各実施例及び各変形例では、遊技モードを「確率変動モード」、「時短モード」の順に変更可能な遊技機について説明したが、本各発明において、遊技モードの変更態様はこれに限定されない。つまり、前述の各実施例及び各変形例と異なり、「確率変動モード」が解除されたら、遊技機の遊技モードを「時短モード」を経ることなく、「通常モード」に戻してもよい。
また、図44及び図45の変形例5に示すように、「モード変更図柄」を確定表示したことに起因して実行された「第1の大当り遊技状態」や、「モード変更図柄」を確定表示したことに起因して実行された「第2の大当り遊技状態」の実行後に、遊技モードを、「確率変動モード」を経ることなく、「時短モード」に変更してもよい。
上記した各実施例や各変形例の形態では、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170の制御下で用いる態様を説明した。即ち、図柄制御部160を、主制御部140の2次側(下流)にある音声・ランプ制御部170を介して、主制御部140の2次側(下流)に接続する設ける態様を例示したが、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170よりも1次側(上流側)に配置することもできる。
つまり、図46の変形例6のように、主制御部140の2次側(下流)に所定の伝送経路500aを用いて図柄制御部160を接続し、図柄制御部160の2次側に所定の伝送経路500bを用いて音声・ランプ制御部170を接続する。そして、音声・ランプ制御部170の2次側(下流)に所定の伝送経路を用いて、液晶柄表示装置27を接続してもよい。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、液晶表示装置27での図柄(本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置32での普通図柄の表示制御を図柄表示部160で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置27における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置32における普通図柄の表示制御とを主制御部140で行い、液晶表示装置27における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部160で行うようにしても良い。
また、前述の各実施例及び各変形例では、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例について説明したが、「権利物」と呼ばれるパチンコ機等においても、好適に適用できる。つまり、始動入賞装置を兼任する可変入賞装置を備える権利物に、各請求項に係る発明を適用することもできる。この権利物では、一般に、入賞検出手段が遊技球の通過を検出すると、可変表示手段によって図柄の変動を開始する。そして、可変表示手段に「当り図柄」が表示されると、「権利」が発生し、遊技盤面に設置された特定入賞口(チューリップ式電動役物等)が所定時間開放する。この開放した特定入賞口内の特定領域を遊技球が通過することにより、遊技者に特別遊技に係る特典(大当たりに係る特典)が付与される。かかる権利物を構成する可変入賞装置において、入賞口を開閉する開閉部材に対して、何れかの請求項に記載の発明を適用してもよい。