JP2007117557A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導部材の構造の簡略化を図りつつ、この誘導部材の駆動態様に、面白みがある遊技機を提供する。
【解決手段】入球口と、一般領域と、特定領域と、遊技球を一般領域若しくは特定領域に向けて転動させる転動部を有する誘導部材28と、を具備する入球装置を備える。誘導部材28は、転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支され、何れかの転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止可能に配置される。両転動部は、回転軸心に沿った溝状に設けられ、遊技球の転動方向が特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部28f、28jと、遊技球を転動方向が一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部28g、28kとに区画される。一方の特定領域誘導部28fは、他方の特定領域誘導部28jに比べて溝幅等が大きくされた。
【選択図】図6
【解決手段】入球口と、一般領域と、特定領域と、遊技球を一般領域若しくは特定領域に向けて転動させる転動部を有する誘導部材28と、を具備する入球装置を備える。誘導部材28は、転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支され、何れかの転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止可能に配置される。両転動部は、回転軸心に沿った溝状に設けられ、遊技球の転動方向が特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部28f、28jと、遊技球を転動方向が一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部28g、28kとに区画される。一方の特定領域誘導部28fは、他方の特定領域誘導部28jに比べて溝幅等が大きくされた。
【選択図】図6
Description
本発明は遊技機に関し、特に、いわゆる羽根物、セブン機、アレンジボール機、権利物等の弾球遊技機に関するものである。
遊技機の中には、遊技球を入球させて種々の遊技上の処理(遊技球の入球を検出する処理、検出された遊技球を島設備に変換する処理等)を行う入球装置を備えるものがある。かかる入球装置の中には、入球口の下流側(以下、「下流側」とは遊技球の通過方向に沿った下流側を指す。同様に、「上流側」とは遊技球の通過方向に沿った上流側を指す。)に振り分け装置と、一般領域と、特定領域とを配設したものがある。この種の入球装置では、振り分け装置を用いて遊技球の通過領域が一般領域と特定領域とのうちの何れかに振り分けられる。
かかる入球装置を備える遊技機では、遊技球が特定領域を通過することを前提に、(1)所定の実行条件が成立すると、当該遊技機の遊技状態を遊技者にとって有利な状態に変化させることや、(2)特定の実行条件が成立すると、当該遊技機の遊技状態を遊技者にとって有利な状態に変化させるか否かの判定を行うことがある。例えば、(a)遊技球が特定領域を通過することを前提に、特別遊技の実行条件が成立すると、遊技機の遊技状態を特別遊技状態に変化させること、(2)遊技球が特定領域を通過することを前提として、「遊技機の遊技状態を特別遊技状態に移行させるか否かの判定(以下、「当否判定」という。)」の実行条件(以下、「判定実行条件」という。)が成立すると、この「当否判定」を実行すること等が行われている。そして、これらの遊技機においては、振り分け装置に改良を加えて遊技上の興趣を高めることが行われている。
例えば、遊技盤面(遊技領域)における判定始動入賞装置(以下、入賞が当否判定の実行の契機となる入賞装置の意味で用いる。)の上方近傍に、(A)遊技盤面に対して奥側に凹んだ状態で遊技球が載り上がり可能に設けられ、かつ、載り上がった遊技球が判定始動入賞装置の真上から落下する確率が高くなるステージと、(B)ステージにおける判定始動入賞装置の直上位置近傍の遊技球の支持面として機能しつつ、ステージ上の遊技球を判定始動入賞装置に案内する案内手段と、を備える遊技機が提案されている(特許文献1を参照、以下、「従来例」という。)。
この従来例において具体的に開示された態様(以下、「具体的態様」とう。)においては、ステージの最下部に切り欠き部が設けられると共に、案内手段を、「遊技球の直径と略同一の周方向開口幅寸法を持つ第1の凹陥部と、遊技球の直径に対して大幅に大きい周方向開口幅寸法を持つ第2の凹陥部と、が形成された回転体(回転ダイス)」を用いて構成している。この案内手段は、遊技盤面に対して略垂直な回転軸を備えると共に、この回転軸と連結されたモータ(駆動手段)の駆動力で回転し、第1の凹陥部及び第2の凹陥部を含む周面の一部が切り欠き部を通じて、ステージの上方に露呈し、ステージの一部として機能する。この具体的態様においては、案内手段の回転に伴って、案内手段において切り欠き部に露呈する部位を、(a)第1の凹陥部、(b)凹陥部が形成されていない周面状の部分、(c)第2の凹陥部、(d)凹陥部が形成されていない周面状の部分の順に変化させることで、判定始動入賞装置への遊技球の入球(入賞)確率を変化させることができる。
特開2003−19274号公報
しかし、この「具体的態様」には以下のような問題がある。即ち、案内手段を駆動するモータ(駆動手段)と、このモータ(駆動手段)の作動を制御する作動制御手段と、を備える分だけ、案内手段の構造が複雑化する。また、案内手段の駆動源が、モータ(駆動手段)であるため、案内手段の駆動態様が機械的で、面白みが無いものとなり易い。
更に、この具体的態様は、あくまでも、モータ(駆動手段)の駆動態様に応じて、「判定始動入賞装置への遊技球の入球(入賞)確率」を変化させるものである。つまり、遊技者の技術介入によって「判定始動入賞装置への遊技球の入球(入賞)確率」を変化させることができないため、この具体的態様を備える遊技機によっては、「遊技者の自己参加性が高い遊技」を実行することが困難である。更に、振り分け装置を備える遊技機において、遊技の幅を広げたり、新たな遊技性を付与することが切望されている。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、誘導部材(振り分け装置)の構造の簡略化を図りつつ、この誘導部材(振り分け装置)の駆動態様に面白みがある遊技機を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、誘導部材(振り分け装置)の状態を遊技者の技術介入によって変化させることができ、「遊技者にとって自己参加性の高い遊技」を実行可能とする遊技機を提供することである。
本発明の更に他の目的は、誘導部材(振り分け装置)を備える遊技機において、遊技の幅を広げたり、新たな遊技性を付与することである。
請求項1記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
両転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
一方の転動部に設けられた特定領域誘導部は、他方の転動部に設けられた特定領域誘導部に比べて、溝幅及び溝深さのうちの少なくとも溝幅が大きくされたことを特徴とする。
前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
両転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
一方の転動部に設けられた特定領域誘導部は、他方の転動部に設けられた特定領域誘導部に比べて、溝幅及び溝深さのうちの少なくとも溝幅が大きくされたことを特徴とする。
各請求項の発明の「誘導部材」は、入球装置に入球した遊技球が通過する領域が、一般領域及び特定領域のうちの一方に振り分けられるように誘導する部材である。
ここで、請求項1〜請求項3の各発明の遊技機では、「誘導部材が両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態(「力のモーメントの総和が「ゼロ」となり、回転を停止させて静止した状態)」で静止可能とされる。そして、遊技球が、特定領域誘導部を転動して特定領域に到達する場合(換言すると、遊技球が回転軸心に沿って転動部を通過する場合)、誘導部材の釣り合い状態が維持される。一方、転動部のうちで特定領域誘導部を外れた部位を遊技球が転動する場合(換言すると、遊技球が、転動部のうちで回転軸心から外れた部位を通過する場合)、この転動部の自重によって誘導部材の釣り合い状態が崩れ、誘導部材に回転力が加わる。そして、誘導部材が駆動(反転、回転等)を行った後、誘導部材は再び、釣り合い状態となる。つまり、何れかの転動部を上方に向けて静止する。
また、請求項1〜請求項3の各発明において、誘導部材の駆動態様としては、(1)表裏を反転させ、反転前とは別の転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止する駆動態様、(2)回転軸心回りに1回転、若しくは、複数回転して、回転前と同じ転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止する駆動態様、(3)回転軸心回りに、(N+0.5)回転して(Nは自然数である。)、反転前とは別の転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止する駆動態様、(4)回転軸心回りに、左右の回転方向に振動し、回転前と同じ転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止する駆動態様、等が例示できる。但し、誘導部材の重量分布を選択することで、駆動態様を(1)〜(4)のうちの1つ、2つ、若しくは、3つに限定することもできる。具体的には、1つの遊技球から誘導部材に加わる回転力によっては、誘導部材が(1)の駆動態様のみに従って駆動するものとしてもよい。尚、請求項1〜3の発明においては、遊技球が何れの転動部を転動する場合においても、「遊技球の勢いにまかせて(転動速度が速い場合等)、当該遊技球が特定領域に到達するケース」を排除するものではない。
請求項1の発明においては、誘導部材の駆動源として、入球装置に入球した遊技球の自重を用いる。つまり、誘導部材が、(a)「モータ等の機械的」な駆動手段を駆動源と、(b)駆動手段の作動を制御するための作動制御手段(プログラム等)と、を必要としないため、誘導部材の簡略化を図ることができる。また、請求項1の発明によると、誘導部材の駆動態様が「アナログ的」で、面白みのあるものとなる。蓋し、個々の遊技球が誘導部材に到達する到達態様(到達するタイミング、到達する際の速度等)は一般に異なり、個々の遊技球から誘導部材に作用する外力(遊技球の自重を原因とするもの)の作用態様も、個々の遊技球毎に異なるからである。
更に、請求項1の発明の誘導部材は、転動部を表裏(表裏面)に備えると共に、各転動部が、遊技球の保持能力の異なる特定領域誘導部を備える。つまり、一方の転動部の特定領域誘導部を転動する遊技球は、他方の転動部の特定領域誘導部を転動する遊技球に比べて、特定領域誘導部外(一般領域誘導部)に脱落し易くされる。よって、請求項1の発明によると、以下のような遊技性を備える遊技機を得ることができる。ここで、本明細書においては、この「遊技球の保持能力を、「遊技球を、特定領域誘導部に保持しつつ、特定領域に向かって誘導させる能力」の意味で用いる。
請求項1の発明によると、遊技球が直接、一般領域誘導部に到達したり、特定領域誘導部から脱落して一般領域誘導部に到達すると、誘導部材が回転して、「遊技球が特定領域に到達する確率」が変化する可能性を生ずる。例えば、「遊技者にとって不利な態様の特定領域誘導部(溝幅等が小さな特定領域誘導部)を備える転動部」を上方に向けた釣り合い状態で、誘導部材が静止している場合、遊技球が一般領域誘導部に到達する可能が高くなる。このため、誘導部材が回転し、「遊技者にとって有利な態様の特定領域誘導部(溝幅等が大きな特定領域誘導部)を備える転動部」を上方に向けた釣り合い状態で、静止する可能性を生じさせることができる。つまり、請求項1の発明においては、入球装置に入球したが特定領域に到達しない遊技球(以下、「外れ遊技球」という。)を用いて、入球装置に対して当該「外れ遊技球」に後続して入球する遊技球(以下、「後続遊技球」という。)が、特定領域に到達する(以下、特定領域に到達する遊技球を、「当り遊技球」という。)可能性を高めることができる。
つまり、請求項1の発明によると、「外れ遊技球」を全く無意味なものとせず、「後続遊技球を当り遊技球とするための手段」として用いることができる。換言すると、請求項1の発明の遊技機では、入球装置に順次、入球する複数個の遊技球を利用して、幅が広く、しかも、斬新な遊技を実行できる。より具体的には、請求項1の発明によると、遊技球が特定領域へ到達する確率を、「特定領域を通過しない遊技球(一般領域を通過する遊技球)」を用いてコントロールできる。このようにすることにより、誘導部材の状態が遊技者にとって不利な状態であっても、「特定領域への到達」を失敗することにより、誘導部材の状態を、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変更することができるため、「次回に特定領域への到達を成功させること」等に期待を持たせることができる。
更に、請求項1の発明によると、遊技者自身が発射装置を用いて遊技領域に発射した遊技球を原因として、誘導部材の状態を、遊技者にとって有利な状態(遊技者にとって有利な態様の特定領域誘導部を備える転動部を上方に向けた釣り合い状態で、誘導部材が静止している状態)と、誘導部材の状態が遊技者にとって不利な状態(遊技者にとって不利な態様の特定領域誘導部を備える転動部を上方に向けた釣り合い状態で、誘導部材が静止している状態)と、の間で変更できる。従って、請求項1の発明の遊技機によると、「遊技者にとって自己参加性が高い遊技」を実行可能である。
請求項2記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
両転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
両転動部に設けられた特定領域誘導部の間において、前記遊技球を保持する保持能力に差異が設けられたことを特徴とする。
前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
両転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
両転動部に設けられた特定領域誘導部の間において、前記遊技球を保持する保持能力に差異が設けられたことを特徴とする。
請求項2の発明の遊技機は、請求項1の発明の遊技機を上位概念化したものでる。そして、請求項2の発明においても、請求項1の発明と同様な効果を得ることができる。
ここで、請求項2の発明において、「両転動部に設けられた特定領域誘導部の間において、遊技球を保持する保持能力に差異が設けるための具体的な態様」としては、以下の態様を例示できる。つまり、(1)両転動部に設けられた特定領域誘導部の間において溝幅に差異を設ける態様、(2)両転動部に設けられた特定領域誘導部の間において溝深さに差異を設ける態様、(3)両転動部に設けられた特定領域誘導部の間において、特定領域に向かう下り傾斜度に差異を設ける態様、(4)両転動部に設けられた特定領域誘導部の間において、特定領域に向かう道のり(距離)に差異を設ける態様、等を例示できる。
請求項3記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
一方の転動部は、前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
他方の転動部は、前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部のみで構成されることを特徴とする。
前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
一方の転動部は、前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
他方の転動部は、前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部のみで構成されることを特徴とする。
請求項3の発明では、両転動部の一方のみに特定領域誘導部を設けることで、「各転動部を転動する遊技球が特定領域に到達する確率」に差異を設ける点が、請求項1の発明と異なる。そして、請求項3の発明においても、請求項1の発明と同様な効果を得ることができる。
尚、請求項3の発明においては、他方の転動部(一般領域誘導部のみで構成される転動部)を転動する遊技球は、通常、一般領域に到達する。但し、前述のように、請求項3の発明においても、「遊技球が、その勢いにまかせて、他方の転動部を誘導部材の回転軸心に沿って転動し、特定領域に到達するケース」を排除するものではない。
請求項4記載の遊技機は、
前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を三面以上に備えると共に、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、何れかの転動部を上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
各転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
少なくとも1つの転動部に設けられた特定領域誘導部は、他の転動部に設けられた特定領域誘導部に比べて、溝幅及び溝深さのうちの少なくとも溝幅が大きくされたことを特徴とする。
前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を三面以上に備えると共に、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、何れかの転動部を上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
各転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
少なくとも1つの転動部に設けられた特定領域誘導部は、他の転動部に設けられた特定領域誘導部に比べて、溝幅及び溝深さのうちの少なくとも溝幅が大きくされたことを特徴とする。
ここで、請求項4の発明の遊技機においても、「誘導部材が何れか転動部を上方に向けた釣り合い状態」で静止可能とされる。そして、遊技球が、特定領域誘導部を転動して特定領域に到達する場合、この誘導部材の釣り合い状態が維持される。一方、転動部のうちで特定領域誘導部を外れた部位を遊技球が転動する場合、この転動部の自重によって誘導部材の釣り合い状態が崩れ、誘導部材に回転力が加わる。そして、誘導部材が駆動(反転、回転等)を行った後、誘導部材は再び、釣り合い状態となる。
例えば、誘導部材の駆動態様としては、(A)回転軸心回りに所定量(1回転未満の回転を行う回転量であって、1回転を超える回転を行う回転量であってもよい。)だけ回転させ、反転前とは別の転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止する駆動態様、(B)回転軸心回りに1回転、若しくは、複数回転して、回転前と同じ転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止する駆動態様、(C)回転軸心回りに、左右の回転方向に振動し、回転前と同じ転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止する駆動態様、等が例示できる。但し、誘導部材の重量分布を選択することで、駆動態様を(A)〜(C)のうちの1つ、若しくは、2つに限定することもできる。具体的には、1つの遊技球から誘導部材に加わる回転力によっては、誘導部材が(A)の駆動態様のみに従って駆動するものとしてもよい。尚、請求項4の発明においては、遊技球が何れの転動部を転動する場合においても、「遊技球の勢いにまかせて(転動速度が速い場合等)、当該遊技球が特定領域に到達するケース」を排除するものではない。
請求項4の発明においても、誘導部材の駆動源として、入球装置に入球した遊技球の自重を用いる。よって、請求項4の発明によっても、誘導部材の簡略化を図ることができる。また、請求項4の発明においても、誘導部材の駆動源が、入球装置に入球した遊技球の自重であるため、誘導部材の駆動態様が「アナログ的」で、面白みのあるものとなる。
更に、請求項4の発明の誘導部材も、釣り合い状態となるときに、上方に指向する転動部を変更して、遊技球の保持能力を変更することができるため、以下のような遊技性を備える遊技機を得ることができる。即ち、遊技球が直接、一般領域誘導部に到達したり、特定領域誘導部から脱落して一般領域誘導部に到達すると、誘導部材が回転して、「遊技球が特定領域に到達する確率」が変化する可能性を生ずる。つまり、請求項4の発明においても、「外れ遊技球」を用いて、「後続遊技球が当り遊技球となる可能性」を高めることができる。つまり、請求項4の発明によっても、「外れ遊技球」を全く無意味なものとせず、「後続遊技球を当り遊技球とするための手段」として用いることができる。このため、請求項4の発明の遊技機においても、入球装置に順次、入球する複数個の遊技球を利用して、幅が広く、しかも、斬新な遊技を実行できる。更に、請求項4の発明の遊技機によっても、請求項1の発明の遊技機と同様に、「遊技者にとって自己参加性が高い遊技」を実行可能である。
請求項5記載の遊技機は、請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機において、
前記誘導部材は、前記回転軸心の基準とする両端部側に重量が、他の部位に比べて重量が重くされた重り部を備えることを特徴とする。
前記誘導部材は、前記回転軸心の基準とする両端部側に重量が、他の部位に比べて重量が重くされた重り部を備えることを特徴とする。
請求項5の発明では、誘導部材の両端部側に重り部を備えるため、誘導部材をは、「何れかの転動部を上方に向けた釣り合い状態で静止させること」が容易となる。つまり、本発明によると、誘導部材は回転軸心を基準とする両端に重り部を有する。そして、誘導部材が回転後停止したときに、回転軸心を基準とする左右両端の微妙な「重り部」のバランスを用いて、何れかの転動部を上方を向けた状態で誘導部材を静止させることが容易である。
ここで、「重り部」の具体的な構成態様は種々選択可能である。例えば、(a)誘導部材の両端部側に、錘体を配置(装着、充填等)し、誘導部材の両端部側に重り部を構成する態様、(b)誘導部材の両端部側の断面積を、他の部位の断面積に比べて大きくして(体積を大きくして)、誘導部材の両端部側に重り部を構成する態様、(c)、誘導部材の両端部側の構成素材の比重を大きくして、誘導部材の両端部側に重り部を構成する態様の他に、(a)〜(c)のうちの2つ、若しくは、3つを組み合わせて誘導部材の両端部側に重り部を構成する態様、等を例示できる。
請求項5の発明においては、「重り部」の重心位置の選択態様として、(1)この重心位置を、重り部の肉厚方向(誘導部材の肉厚方向)に沿った中心部とする態様と、(2)この重心位置を、重り部の肉厚方向(誘導部材の肉厚方向)に沿った中心部から偏心させる態様と、を例示できる。後者(2)態様(重心位置を、中心部から偏心させる態様)によると、誘導部材が釣り合い状態で静止する際に、上方を向き易い転動部を、特定の転動部に偏らせることができる。例えば、「遊技球の保持能力が高い特定領域誘導部を備える転動部」が上方に向き易くすることや、「遊技球の保持能力が低い特定領域誘導部を備える転動部」が、上方に向き易くすること、等を行うことができる。
請求項6記載の遊技機は、請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機において、
前記入球口と前記誘導部材との間に形成され、前記入球口から前記入球装置に入球した遊技球を、前記誘導部材に案内する案内経路を備え、
前記案内経路の出口部が、前記回転軸心の上方、若しくは、斜め上方に配置されることを特徴とする。
前記入球口と前記誘導部材との間に形成され、前記入球口から前記入球装置に入球した遊技球を、前記誘導部材に案内する案内経路を備え、
前記案内経路の出口部が、前記回転軸心の上方、若しくは、斜め上方に配置されることを特徴とする。
請求項6の発明によると、入球装置に入球した遊技球が、特定領域誘導部の上方に到達する可能性が高められる。このため、入球装置に入球した遊技球が、特定領域に到達する可能性が高められる。
請求項7記載の遊技機は、請求項1〜6の何れか一項に記載の遊技機において、
前記誘導部材は、入球装置の外郭を構成する外郭体の内部において回転可能な状態に軸支され、
該外郭体において前記誘導部材の下部の空間のうちで、前記誘導部材の前方下部であって前記回転軸心に沿った位置の空間部を前記特定領域誘導部とし、他の空間部を前記一般領域誘導部とすると共に、
前記特定領域誘導部は、前記回転軸心に沿って下り傾斜状とされることを特徴とする。
前記誘導部材は、入球装置の外郭を構成する外郭体の内部において回転可能な状態に軸支され、
該外郭体において前記誘導部材の下部の空間のうちで、前記誘導部材の前方下部であって前記回転軸心に沿った位置の空間部を前記特定領域誘導部とし、他の空間部を前記一般領域誘導部とすると共に、
前記特定領域誘導部は、前記回転軸心に沿って下り傾斜状とされることを特徴とする。
請求項7の発明は、入球装置の具体的な構成を示すものある。そして、請求項7の発明によると、外郭体と、誘導部材とを備える簡単な構成の入球装置を得ることができる。
請求項8記載の遊技機は、請求項1〜7の何れか一項に記載の遊技機において、
前記入球装置は、前記入球口の開閉を行う開閉部材を備えることを特徴とする。
前記入球装置は、前記入球口の開閉を行う開閉部材を備えることを特徴とする。
請求項8の発明の遊技機では、開閉部材による入球口の開閉を行うため、遊技上の興趣を更に向上させることができる。ここで、開閉部材の駆動態様としては、(a)入球口への遊技球の入球が不可能となるように、入球口を閉鎖する閉鎖状態と、開閉部材が入球口への遊技球の入球が可能となるように、入球口を開放する開放状態との間で、開閉部材の状態を変化させる駆動態様(以下、「アタッカー型の入球装置」とうことがある。)や、(b)入球口への遊技球の入球が困難となるように、入球口を開放量を縮小させる閉鎖状態と、開閉部材が入球口への遊技球の入球が容易となるように、入球口の開放量を拡大させる開放状態との間で、開閉部材の状態を変化させる駆動態様(以下、「チューリップ型の入球装置」とうことがある。)等を例示できる。
ここで、開閉部材の開閉駆動の実行条件は種々選択できる。例えば、別の入球装置(各請求項に示す入球装置とは異なる入球装置である。)を遊技領域に配置し、この別の入球装置に遊技球が、入球して所定の条件が成立すると、開閉部材の開閉駆動を実行してもよい。尚、以下の説明において、この「別の入球装置」の一態様(賞球を伴う態様)を、「開閉始動入球装置」と称することがある。
各請求項の発明の入球装置は、入賞装置であっても、単なる入球装置であってもよい。つまり、入球装置に遊技球が入球することに伴って遊技機に賞球動作を実行させる入賞装置(賞球を伴う入球装置)であっても、入球装置に遊技球が入球しても、遊技機に賞球動作を実行させない入球装置(賞球を伴わない入球装置)であってもよい。また、各請求項の発明の入球装置は、複数(特に、2つ)の入球口を備えてもよいし、1つの入球口のみを備えてもよい。
各請求項の発明の遊技機においては、(1)「当り遊技球」を生ずる(つまり、特定領域検出手段によって、遊技球が特定領域を通過したことが検出されると)か、若しくは、(2)「当り遊技球」を生ずると共に所定の実行条件が成立すると、「遊技機を構成する状態変化手段(例えば、後述する主制御部によって構成される。)」が、(a)遊技機の状態を遊技者にとって有利な状態に変化させるか(以下、「前者の状態変化」という。)、(b)遊技機の状態を遊技者にとって有利な状態となる可能性を生じた状態に変化させる(以下、「後者の状態変化」という。)。
ここで、(a)「前者の状態変化」を行う「状態変化手段」としては、(A)遊技球が特定領域を通過することを前提に所定の実行条件が成立すると、所定の終了条件が成立するまでの間、遊技機の遊技状態を、通常状態から特別遊技状態に変化させる特別遊技実行手段を例示できる。そして、(A)の特別遊技実行手段を備える遊技機としては、所謂「羽根物」と称される弾球遊技機、所謂「アレンジボール機」と称される弾球遊技機、所謂「権利物」と称される弾球遊技機、等を例示できる。
また、(b)「後者の状態変化」を行う「状態変化手段」としては、遊技球が特定領域を通過することを前提として、「当否判定」の実行条件(判定実行条件)が成立すると、遊技機の遊技状態を、「当否判定」を実行する状態に変化させる当否判定実行手段、等を例示できる。そして、(B)の当否判定実行手段を備える遊技機としては、所謂「セブン機」と称される弾球遊技機を例示できる。尚、この場合、「セブン機」の遊技盤面には、通常、当否判定の実行の契機となる「判定始動入賞装置」が配置されるが、各請求項の発明の「入球装置」自体を「判定始動入賞装置」として利用してもよいし、各請求項の発明の「入球装置」を「判定始動入賞装置」への入球確率を選択するために、当該「始動始動入球装置」の上流側(真上等)に配置される「入球確率選択装置」として用いることもできる。
各請求項の発明を「羽根物」に適用すると、例えば、以下のような構成を備えることになる。つまり、(1)請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の遊技機において、入球口の開閉を行う開閉部材(開閉羽根であって、請求項8の発明の一態様である。)と、前記入球装置とは別の入球装置(つまり、前述の「開閉始動入賞装置」である。)とを付加する。そして、開閉部材が開閉動作を行っていないときに(つまり、入球口の閉鎖した状態にあるときに)、「開閉始動入賞装置」に遊技球が入球すると、開閉部材が通常開閉動作(0.3秒間等の短時間に行われる開閉動作の意味で用いる。)を実行し、この通常開閉動作の実行中に、遊技球が特定領域を通過すると、その特典として遊技機の遊技状態が特別遊技状態となる。換言すると、「状態変化手段」は、特別遊技(状態)の終了条件が成立するまでの間、遊技機の遊技状態を通常遊技状態から特別遊技状態に移行させる。
この特別遊技(状態)においては、開閉部材が一定間隔で特別開閉動作(特別遊技中の開放動作を意味し、例えば、開閉部材が0.8秒間等の長時間、開放状態に移行し、その後、開閉部材が0.8秒間、閉鎖状態を維持する動作を1回の特別開閉動作とする。)を繰り返し、設定の繰り返し回数(例えば、18回)まで、開閉部材が特別開閉動作を実行するか、設定個数(例えば、10個)以上の入球(入球装置への入球)があるか、若しくは、遊技球が特定領域を通過すると、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技が終了する。このラウンド賞球遊技の間に、少なくとも1球の遊技球が特定領域を通過すれば、特別遊技の継続条件が成立し、同様なラウンド賞球遊技が再度、実行される。そして、特別遊技の終了条件が成立するまでの間、ラウンド賞球遊技が繰り返し実行される。ここで、特別遊技の終了条件は、終了したラウンド賞球遊技の回数(ラウンド数)が上限回数(例えば、15ラウンド)となるか、終了したラウンド賞球遊技の実行中に継続条件が成立しなかった場合に成立する。
各請求項の発明を「アレンジボール機(つまり、組合せ式遊技機)」に適用すると、例えば、以下のような構成を備えることになる。つまり、(1)請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の遊技機において、遊技盤に、遊技球が入球可能な複数の入球領域を備える入球領域群と、個々の入球領域への遊技球の入球に応じた入賞情報を表示する入賞情報表示手段と、が設けられる。そして、規定数(例えば、15個又は16個)の遊技球を発射して一単位遊技を行い、この一単位遊技で該入賞情報表示手段に表示された入賞情報の組合せから賞態様を決定して、該賞態様に応じて定められた賞遊技価値を付与される。
つまり、このアレンジボール機では、発射された遊技球が、入球領域群を構成する個々の入球領域へ入球すると、個々の入球領域と対応する入賞図柄が、入賞情報表示手段に点灯表示するように構成される。そして、規定数の遊技球を発射すると、入球した入球領域の組合せに応じた「入賞図柄の組合せ」が表示される。そして、「表示された入賞図柄の組合せ」が、予め定められた図柄の組合せである場合には得点が付与され、この得点に応じた賞球が遊技者に払い出される。
このようなアレンジボール機の中には、複数の識別図柄を変動停止表示する可変表示装置を備え、その可変表示装置に停止表示された識別図柄が予め定められた特定の図柄となった場合に、得点を容易に得ることが可能なように構成されたものもある。そして、各請求項の発明は、このようなアレンジボール機に対して、以下のように適用される。
即ち、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の遊技機において、入球口の開閉を行う開閉部材(開閉羽根であって、請求項8の発明の一態様である。)と、識別図柄が変動表示と停止表示とを実行可能な可変表示装置と、を付加する。この可変表示装置で停止表示された識別図柄が特定の図柄である場合、開閉部材の状態を、入球口を閉鎖する閉鎖状態から、入球口を開放する開放状態に変化させ、入球装置に遊技球が入球した場合、若しくは、入球せずに所定回数の単位遊技を終了した場合、開閉部材の状態が閉鎖状態に戻される。そして、入球装置に入球した遊技球が、特定領域を通過すると(特定領域検出手段が、遊技球の通過を検出すると)、特別遊技実行手段は、遊技機の遊技状態を特別遊技状態とする(特別遊技状態に制御する。)。
ところで、アレンジボール機においては、入球領域群を構成する各入球領域が、遊技球の入球の難易に応じて、「普通入球領域」と「難入球領域」とに区別される。つまり、入球領域群の上方には、多数の障害釘が配置され、これらにより、遊技球の直接の入球が相対的に容易とされる「普通入球領域」と、遊技球の直接の入球が相対的に困難とされる「難入球領域」とに区別される。そして、遊技機の遊技状態が特別遊技状態となると、例えば、所定条件下で、役物作動口を開放させ、開口した役物作動口に遊技球を入球させると、「難入球領域」に対応する入賞図柄を含んだ複数の入賞図柄が連続点灯表示され、得点の成立が容易にさせるよう設定している。
各請求項の発明を「権利物」に適用すると、例えば、以下のような構成を備えることになる。つまり、(1)請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の遊技機において、入球口の開閉を行う開閉部材(開閉羽根であって、請求項8の発明の一態様である。)と、前記入球装置とは入球装置(以下、「大入賞装置」という。)と、を付加すると共に、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の入球装置を、権利獲得用の入賞装置として用いる。この「権利物」においては、特定条件を充足すると、権利獲得用の入賞装置の開閉部材の状態が、入球口を閉鎖する閉鎖状態から、入球口を開放する開放状態に変化する。そして、開閉部材態が開放状態にある間に、権利獲得用の入賞装置内の特定領域に所定数(例えば、1球)の遊技球を通過させることによって、「遊技価値権利」が獲得される。この権利により、「大入賞装置」が、開閉を繰り返す特別遊技状態が発生する。
各請求項の発明を「セブン機」に適用すると、例えば、以下のような構成を備えることになる。つまり、判定始動入賞装置と、遊技機の遊技状態を通常遊技状態から大当り遊技状態(つまり、特別遊技状態)に移行させるか否かの判定(当否判定)を行う判定手段と、この判定の結果を示す判定結果図柄の確定表示等を行う図柄表示手段(例えば、液晶表示装置等によって構成)と、大入賞装置と、を遊技盤の前面部側に設ける。尚、この場合、請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の入球装置によって、判定始動入賞装置を構成してもよいし、入球確率選択装置を構成してもよい。
この大入賞装置は、通常、入賞口(所謂、大入賞口)と、入賞口の開閉を行うための開閉部材と、当該入賞口を通じて入賞した遊技球を検出するための入賞球検出手段(入賞球検出スイッチ)と、を具備している。また、開閉部材は、「入賞口を閉鎖する起立姿勢」及「入賞口を開放する前傾姿勢」の間で適宜、姿勢変更を行うこと等が可能とされている(但し、このような「アタッカー型の大入賞装置」ではなく、「チューリップ型の大入賞装置」であってもよい。)。そして、この開閉部材の状態は、入賞口の開放許容条件の不成立時に起立姿勢(閉鎖状態)とされ、入賞口の開放許容条件の成立時に前傾姿勢(開放状態)とされる。尚、セブン機において、「通常遊技状態」とは、入賞口の開放許容条件を継続的に不成立とし、「入賞口の閉鎖状態を継続する遊技状態」を指す。また、セブン機において、「大当り遊技状態」とは、入賞口の開放許容条件を、所定回数に渡って間欠的に成立させ、「入賞口の開放状態を、間欠的に実現させる遊技状態」を指す。また、以下の説明において、開閉部材の姿勢を、起立姿勢から前傾姿勢に変更し、再び、起立姿勢に戻す動作、つまり、入賞口を開閉する動作を、「単位動作」と称することがある。
このセブン機では、「判定始動入賞装置への遊技球の入賞(以下、「判定始動入賞」という。)」を検出することを前提として、前述の「判定」の実行条件(つまり、判定実行条件)が成立する。尚、請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の入球装置によって判定始動入賞装置を構成する場合、例えば、当該入球装置に入球した遊技球が特定領域を通過することで、「判定始動入賞」が成立することとできる。また、請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の入球装置によって入球確率選択装置を構成する場合、当該入球装置に入球した遊技球が特定領域に進入すると、当該遊技球が判定始動入賞する確率が高くなるように設定することもできる。
このセブン機では、前述の「判定」の実行条件(つまり、判定実行条件)が成立し、更に、この「判定の結果を示す図柄(判定結果図柄)」の表示実行条件が成立すると、図柄表示手段において、先ず、演出表示が実行される。この演出表示は、通常、「複数の識別図柄(つまり、特別図柄)を順次、循環表示することを内容とする表示(つまり、変動表示)である。そして、この演出表示を所定の変動時間行った後に、図柄表示手段において、判定結果図柄が確定表示(停止表示)される。
この判定結果図柄が、大当り図柄(判定結果が大当りであったことを示す図柄)である場合(例えば、「7,7」若しくは「7,7,7」等、構成図柄をゾロ目状態に表示してなる「ゾロ目図柄」である場合等)には、遊技機の遊技状態が「通常遊技状態」から「大当り遊技状態(特別遊技状態)」に移行する。そして、遊技機の遊技状態が「大当り遊技状態(特別遊技状態)」に移行すると、開閉部材に、所定の回数(所謂、「ラウンド数」であって、例えば、14〜16回)に渡って「単位動作」が施される。
つまり、遊技機の遊技状態が「大当り遊技状態(特別遊技状態)」に移行すると、開閉部材の開放動作を行って、閉鎖状態にある可変入賞装置を開放状態に変化させる。これにより、入賞口への遊技球の入賞が可能となる。この後、この入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過することにより、一旦、開閉部材の閉鎖動作を行い(開閉部材の姿勢を起立姿勢に戻し)、可変入賞装置(大入賞装置)を閉鎖状態とし、開閉部材に施される「1回の単位動作」を完了する。つまり、開閉部材の姿勢を閉鎖姿勢から開放姿勢に変更し、再び、閉鎖姿勢に戻す、単位動作を完了する。そして、この「開閉部材の単位動作」が、所定の回数(所謂、「ラウンド数」)だけ繰り返されると、この遊技機の遊技状態は「大当り遊技状態」から「通常遊技状態」に戻される。
尚、セブン機の「判定実行条件」は、例えば、遊技領域に配設された「始動入賞装置」への遊技球の入賞(つまり、判定始動入賞)が、検出されることを前提に成立する。尚、この検出は、通常、「判定始動入賞装置」に設けられた「判定始動検出手段(判定始動検出スイッチ)」によって行われる。また、「表示実行条件」は、判定始動入賞を生ずることを前提に、判定結果図柄の表示時期が到来すると、成立する。この「表示実行条件」は、本各発明の遊技機において生じ得る全ての判定始動入賞に対応して成立させてもよいが、通常、所定の制限の下で成立する。即ち、保留数に上限数がある場合には、当該保留数が当該上限数に達した状態にて、判定始動入賞を生じても、「表示実行条件」を不成立とする(つまり、当該始動入賞を無視する。)。
即ち、(1)「図柄表示手段」が、先行する他の判定始動入賞に起因する「各種の表示」を実行中でなく、しかも、先行する他の判定始動入賞に関する始動記憶が存在しない状態で、判定始動入賞を新たに生じたケースでは、そのまま、当該「新たに生じた始動入賞」に係る「表示実行条件」が成立する。ところが、(2)先行する他の始動入賞に起因する「各種の表示」を実行中か、先行する他の判定始動入賞に関する始動記憶が存在する状態で、判定始動入賞を新たに生じたケースでは、当該判定始動入賞時における保留数が、上限数に達していない場合に限り、当該「新たに生じた判定始動入賞」に関するデータ(判定結果に関するデータ等)を保留記憶(保留データ)として取り扱う。そして、当該「保留記憶」に先行する他の保留記憶に基づく、「各種の表示」を完了し、当該「保留記憶」に基づく、「各種の表示」の実行時期が到来したときに、当該「保留記憶」に関し、「表示実行条件」が成立する。ここで、判定始動入賞(始動記憶)に起因する「各種の表示」とは、当該「始動入賞」に伴って行われた判定結果に関連する表示であって、「演出表示(例えば、変動表示)」や当該「他の判定始動入賞に起因する判定結果図柄の確定表示」等を指す。
「図柄表示手段」としては、例えば、液晶表示装置、単一のセグメント表示体や7セグメント表示体等を用いて構成される図柄表示手段の他に、CRT、ドットマトリックス、エレクトロルミネセンス、蛍光表示管等を用いた図柄表示手段等を例示できる。また、本各発明の「判定結果図柄」は、例えば、所定の識別図柄の停止図柄(単数の停止図柄であっても、複数の停止図柄からなる組み合わせ図柄であってもよい。)を用いて構成される。また、「演出表示」としては、例えば、所定の識別図柄を用いて行われる変動表示(複数の識別図柄を順次、循環表示することを内容とする変動表示)を例示できる。また、本各発明の「演出表示」には、この変動表示と共に実行されるキャラクター演出表示(キャラクターを表示させつつ行われる演出表示)が含まれることもある。
尚、「識別図柄(識別情報)」は、遊技者に情報を発するため、図柄表示手段に表示される図柄であって、例えば、図形、文字、模様若しくはこれらの組み合わせ等によって構成される。そして、本各発明の遊技機が、この「識別図柄(識別情報)」として、本図柄(後述する。)のみを用いてもよいし、この本図柄と共に演出専用図柄(疑似図柄であって、後述する。)を用いてもよい。
ここで、「本図柄」とは、遊技機において遊技の基本進行を司る「主制御部(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される特別図柄である。一方、「疑似図柄」とは、「主制御部の制御の下で、遊技上の演出を制御する副制御部(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される「演出用の図柄」である。通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。このように、「図柄表示手段」が「本図柄」及び「疑似図柄」を表示する場合、(1)「図柄表示手段」を、「本図柄」及び「疑似図柄」を表示する単一の表示装置によって構成してもよいし、(2)「図柄表示手段」を、「本図柄」を表示するための表示装置と、「疑似図柄」を表示するための表示装置と、によって別々に構成してもよい。また、「図柄表示手段」が表示する特別図柄が、「本図柄」のみであるか、「本図柄」及び「疑似図柄」であるかを問わず、「図柄表示手段」には、特別図柄以外の演出専用図柄(背景図柄、キャラクター図柄等)が表示されてもよい。
セブン機等においては、「遊技機の遊技状態を大当り遊技状態に移行させることによる特典」以外の特典(以下、「他の特典」という。)を、遊技者に付与可能なものであってもよい。この「他の特典」としては、(1)当該遊技機の遊技機状態を、所定の終了条件が成立するまでの間、通常モードから確率変動モードに移行させることを内容とする特典(以下、「確率変動による特典」という。)、(2)当該遊技機の遊技機状態を、特定の終了条件が成立するまでの間、通常モードから時短モードに移行させることを内容とする特典(以下、「時短による特典」という。)、等の中から1つ、若しくは、2つ以上を選択することができる。
ここで、「確率変動(若しくは「確変」と称することがある。)モード」とは、可変表示手段に、所謂「確率変動図柄(つまり、大当り図柄の一態様)」が表示されることに起因して生ずる遊技状態(遊技モード)である。そして、遊技機が確率変動モードに移行すると、変動表示手段に、その後、当否判定手段によって「大当り」の当否判定結果が下される確率が高確率に変動する。即ち、遊技機が高確率モードにある場合には、所定の条件が成立するまで(例えば、特別図柄が所定回数変動するまで、あるいは、次回の大当りを生ずるまで)、大当りが発生する確率が高確率に設定される。
また、「時短モード」とは、(1)特別図柄の図柄変動時間を短くすること、(2)普通図柄の図柄変動時間を短くすること、(3)当選を示す普通図柄が停止表示される確率を高くすること、(4)判定始動入賞装置の開成を行う普通電動役物の開成時間を延長すること、等のうちの少なくとも1つを実行すること内容とする特典である。この時短モードは、それ自体、単独で付与されても、他の特典に付加された状態で付与されてもよい。例えば、前述の如く、特別遊技の終了後、確率変動モードを実行した後に、時短モードを実行してもよいし、特別遊技の終了後、確率変動を経ずに時短モードを実行してもよい。但し、確率変動モードを実行した後に、時短モードを実行する態様においては、確率変動モードの実行中においても、遊技機が「時短モード」と同様な遊技状態を実行してもよい。つまり、確率変動モードの実行中においても、特別図柄の図柄変動時間や普通図柄の図柄変動時間を短くすること等を実行してもよい。
以上記述したように各請求項の発明によれば、誘導部材の構造が簡単を図りつつ、この誘導部材の駆動態様に、面白みがある遊技機が得られる。
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「羽根物」と称する遊技機1に適用した具体例(以下、「実施例1」という。)と、「セブン機」と称する遊技機に適用した具体例(以下、「実施例2」という。)について説明する。
A.実施例1
先ず、実施例1の遊技機1について詳細に説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1〜図9を参照して説明する。この遊技機1は、図1に示すように、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠は、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。また、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。更に、遊技機本体は、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤(図示を省略)等とを主要部としている。
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1〜図9を参照して説明する。この遊技機1は、図1に示すように、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠は、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。また、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。更に、遊技機本体は、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤(図示を省略)等とを主要部としている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。更に、中枠3の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー101a(図8参照)等が配設されている。
前面枠4は、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図2参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図2参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板(図示を省略)が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示を省略)が装着されている。
前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図1に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図8参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー101aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー101aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について、図2を中心にして説明する。この遊技盤10は、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤(図示を省略)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央入賞装置20と、第1の開閉始動入賞装置31と、第2の開閉始動入賞装置32と、第3の開閉始動入賞装置33と、左袖の一般入賞装置35と、右袖の一般入賞口装置36と、多数の障害釘(図示を省略)と、複数のランプ風車37等が配設されている。
次に、遊技盤10の構成について、図2を中心にして説明する。この遊技盤10は、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤(図示を省略)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央入賞装置20と、第1の開閉始動入賞装置31と、第2の開閉始動入賞装置32と、第3の開閉始動入賞装置33と、左袖の一般入賞装置35と、右袖の一般入賞口装置36と、多数の障害釘(図示を省略)と、複数のランプ風車37等が配設されている。
中央入賞装置20は、各請求項に係る「入球装置」の具体例を構成するものである。この中央入賞装置20は、図3及び図4に示すように、その外郭を構成する外郭体21と、球受け板22と、左右一対の開閉部材23、24と、仕切板25と、第1の領域形成体26aと、第2の領域形成体26bと、球排出樋27と、誘導部材28と、表示装置29とを備えている。
このうち、外郭体21は、図3に示すように、前面部で開口する略箱形状に構成され、後半部を遊技盤10に埋設する状態で、この遊技盤10に装着されている。この外郭体21の左右の側壁21a、21bの上端側であって、しかも、外郭体21の前面部寄りの部位は切り欠き部21cとされている。この切り欠き部21cは、外郭体21が遊技盤10に装着されると、遊技盤10の前面部の前方に配置され、入賞口21dを構成する。つまり、外郭体21が遊技盤10に装着されると、切り欠き部21cの後端部が、遊技盤10の前面部よりも、僅かに後退(遊技機1の後方に後退)した状態となる。そして、各切り欠き部21cは、遊技盤10の前面部の前方において、外郭体21の側方に開口する入賞口21dを構成する。ここで、入賞口21dは「入球口」の具体例を構成している。
球受け板22は、図4に示すように、外郭体21の内部の上方側において左右の側壁21a、21b間に掛け渡されると共に、外郭体21の内部に前方から後方に向けて下り傾斜となる傾斜面22aを形成する(図3を参照)。つまり、この球受け板22は、入賞口21dよりも下方に配置されると共に、前端部22bを外郭体21の前方の開口部に到達させつつ上面部に、球受け板22の前端部22bから後端部22cに向かって、下り傾斜となる傾斜面22aを形成している。但し、球受け板22の後端部22cと、外郭体21の後壁21fとの間には、遊技球の通過を許容する空間部22dが形成されている。
左側の開閉部材23は、左側の側壁21aの外面部であって、入賞口21dの下方に位置する部位にヒンジ部を用いて軸支され、開閉駆動ソレノイド23b(図8及び9を参照)の駆動力によって開閉駆動を行う。また、右側の開閉部材24は、右側の側壁21bの外面部であって、入賞口21dの下方に位置する部位にヒンジ部を用いて軸支され、開閉駆動ソレノイド24b(図8及び9を参照)の駆動力によって開閉駆動を行う。尚、両開閉部材23、24は、遊技盤10の前面部の前方に配置される。
両開閉部材23、24は、(a)起立姿勢となりながら対応する入賞口21dを閉鎖する閉鎖状態と、(b)対応する入賞口21dから離間する方向に傾動して対応する入賞口21dを開放する開放状態と、の間で状態変化を行うことができる。つまり、本実施例では、通常、両開閉部材23、24の状態は閉鎖状態とされるが、後述する「開閉始動入賞」を生じたり、遊技機1の遊技状態が特別遊技状態に移行すると、両開閉部材23、24は、その状態を、「閉鎖状態から開放状態に移行させ後に、再び、閉鎖状態に戻す、開閉駆動」を実行する。
尚、両開閉部材23、24の状態が開放状態となると、各開閉部材23、24は、その上方を指向する面23c、24cによって、対応する入賞口21dに向かって下り傾斜となる誘導面を構成する。このため、両開閉部材23、24の状態が開放状態のときに、この面23c、24c上に到達した遊技球は、この面23c、24cに誘導されて、中央入賞装置20に入賞する可能性が高くなる。
図4に示すように、外郭体21の後壁21fにおいて上下方向に沿った中間の部位からは、案内球受け壁21gが、片持ち梁状に設けられている。この案内球受け壁21gは、後壁21fから、外郭体21の内部空間に向かって前方に突出すると共に、その上面部を前方に向けて下り傾斜となる案内面21hとしている。この案内面21hは空間部22dの直下に位置すると共に、この案内面21hの表面積は空間部22dの横断面積より大きくされている。このため、球受け板22の上面部(傾斜面22a)を前方から後方に転動し、空間部22dから下方に落下する遊技球は、案内面21hに到達するものとされている。
案内面21hは、図5(b)に示すように、左右方向に沿った中間部21kで高さが低くなるように、「くの字状」に屈曲している。このため、空間部22dから落下し、案内面21hに到達する遊技球は、案内面21hの左右方向に沿った中間部に移行しつつ、案内面21hの前方に向かって転動するものとされている。
仕切板25は、図4に示すように、案内面21hのうちで、案内球受け壁21gの突端側に位置する部位において上方に突出する状態に設けられている。この仕切板25は、その左右方向に沿った中間部に貫通孔25aを備えている。この貫通孔25aは、遊技球の2個の通過を許容するが、遊技球の3個の通過を許容しないサイズの略円形孔として構成されると共に、その下端部が、案内面21hの中間部21kと位置合わせされている{図5(b)を参照}。このため、案内面21hの中間部21kに到達した遊技球は、この貫通孔25aを通じて仕切板25の前方に通過可能とされている。
第1の領域形成体26aは、図3に示すように、外郭体21内において案内球受け壁21gの前端部と対向する位置に配設されている。この第1の領域形成体26aの内部は、2つの隔壁26c、26dによって、3つの空間部分26e、26f、26gに区画されている。これらの空間部分26e、26f、26gは、外郭体21内の前方側の部位において横方向に並ぶと共に、何れも上方に向かって開口している。また、これらの空間部分26e、26f、26gは、何れも、遊技球が通過可能なサイズに形成されている。また、中央に位置する空間部分26eが、特定領域Rの具体例を構成する。そして、この特定領域Rの下流側の端部(遊技球の通過経路に沿った下流側の端部)R1は、図4に示すように、球排出樋27の上流側の端部(遊技球の通過経路に沿った上流側の端部)27aに一体化されている。
第1の領域形成体26aにおいて、左右の空間部分26f、26gの後方側内壁部26のうちで下方側の部位には、遊技球が進入可能な連絡口26j、26kが開口している{図5(a)を参照}。
第2の領域形成体26bは、図4に示すように、外郭体21内において案内球受け壁21gと第1の領域形成体26aとの間に形成される空間部分のうちで、案内球受け壁21gよりも下方の部位に配置されている。この第2の領域形成体26bは、上方に開口する略容器形状とされている。この第2の領域形成体26bの底部には、貫通孔26mが設けられると共に、この貫通孔26mは連絡樋26nを用いて、球排出樋27の上流側の端部に接続されている。
更に、第2の領域形成体26bの内壁部26pにおいて、左右両側に位置する部位には、連絡口26q(但し、図4では、一方の連絡口26qのみを図示)が開口している。そして、内壁部26pにおいて左側に位置する部位の連絡口26pと、第1の領域形成体26aの左側の連絡口26jとが連絡樋(図示を省略)を用いて連絡され、内壁部26pにおいて右側に位置する部位の連絡口26qと、第1の領域形成体26aの右側の連絡口26kとが連絡樋(図示を省略)を用いて連絡されている。
このため、第1の領域形成体26aの左右の空間部分26f、26gは、第2の領域形成体26bの空間部分26rに合流している。そして、第1の領域形成体26aの左右の空間部分26f、26gと、第2の領域形成体26bの空間部分26rは、何れも、一般領域Sの具体例を構成する。
本実施例では、外郭体21内において、前方側の中央部(左右方向に沿った中央部)に特定領域Rを形成し、この特定領域Rの左右と特定領域Rの後方とに一般領域Sを形成している。そして、特定領域Rの下流側の端部と、一般領域Sの下流側の端部とが、球排出樋27に連絡されている。
球排出樋27には、図4に示すように、入賞球検出スイッチ20a(図8参照)が配設されている。この入賞球検出スイッチ20aは、中央入賞装置20に遊技球が入賞したことを検出するためのものである。また、特定領域Rには、特定通過検出スイッチ20b(図8参照)が配設されている。この特定通過検出スイッチ20bは、特定領域検出手段の具体例を構成するものであり、遊技球が特定領域Rを通過することを検出するためのものである。
誘導部材28は、図6及び図7に示すように、略板状に構成される本体部28aと、本体部28aに装着された錘体28bと備えている。この誘導部材28は、図4に示すように、案内球受け壁21gの前端部と、第1の領域形成体26aの後壁部との間であって、第2の領域形成体26bの上方に位置する空間に配置されている。そして、この誘導部材28は、その重心Gを通過する回転軸心Jを基準に回転可能に軸支されている。
本体部28aは略舌片形状されると共に、回転軸心J(誘導部材28の回転軸心J)を基準に略鏡面対称な形状を備える。この本体部28aには、回転軸心Jに沿って回転軸28cが装着されている。また、本体部28aの表面部28dと、裏面部28eは、何れも、転動部の具体例を構成している。
本体部28aの表面部28dにおいては、誘導部材28の回転軸心Jに沿って特定領域誘導部(以下、「第1の特定領域誘導部」という。)28fが形成されると共に、この「第1の特定領域誘導部28f」の両側に一般領域誘導部(以下、「第1の一般領域誘導部」という。)28gが形成されている。このうち、第1の特定領域誘導部28fは、遊技球の下半部を保持可能な溝を用いて構成されている。この第1の特定領域誘導部28fは、本体部28aの後端部側から前端部側に向かって、緩やかの下り傾斜に構成されている。また、第1の一般領域誘導部28gは、本体部28aの裏面部28e側に緩やかに凹む、凹面部を用いて構成されている。
本体部28aの裏面部28eにおいても、誘導部材28の回転軸心Jに沿って特定領域誘導部(以下、「第2の特定領域誘導部」という。)28jが形成されると共に、この「第2の特定領域誘導部28j」の両側に一般領域誘導部(以下、「第2の一般領域誘導部」という。)28kが形成されている。このうち、第2の特定領域誘導部28jは、「遊技球下方側の約1/5」を保持可能な溝を用いて構成されている。この第2の特定領域誘導部28jも、本体部28aの後端部側から前端部側に向かって、緩やかな下り傾斜に構成されている。また、第2の一般領域誘導部28kは、本体部28aの表面部28d側に緩やかに凹む、凹面部を用いて構成されている。
本中央入賞装置20dでは、本体部28aの表裏に転動部(表面部28d、裏面部28e)を設けると共に、各転動部(表面部28d、裏面部28e)において、誘導部材28の回転軸心Jに沿って特定領域誘導部28f、28jを設けている。但し、両転動部のうちの一方(表面部28d)に設けられる「第1の特定領域誘導部28f」の方が、他方(裏面部28e)に設けられる「第2の特定領域誘導部28j」よりも、溝幅及び溝深さが大きくされ、遊技球の保持能力が高くされている。
本体部28aは、図7(a)に示すように、誘導部材28の回転軸心Jを基準とする両端部(つまり、左右の両端部)を、肉厚の厚くされた厚肉部28mとしている。また、この錘体28bは、この厚肉部28mの厚み方向に沿ってに対して略均一に埋設されている。このように、誘導部材28は、回転軸心Jを基準とする両端部(左右の両端部)に厚肉部28mを備えると共に、この厚肉部28mに、略棒状の錘体28bを埋設することで、この誘導部材28の両端部(左右の両端部)の重量を、誘導部材28の他の部位に比べて重くしている。つまり、この誘導部材28の両端部(左右の両端部)は、重り部の具体例を構成している。
この誘導部材28は、図4に示すように、回転軸心Jを前後に向けた状態で、案内球受け壁21gの前端部と、第1の領域形成体26aの後壁部との間に回転自在な状態に支持(軸支)されている。この誘導部材28は、回転軸心Jが重心Gを通過すると共に、回転軸心Jが対称軸である。このため、誘導部材28は、両転動部(表面部28d、裏面部28e)のうちの何れか一方を上方に向けた釣り合い状態で、静止可能とされている。
本中央入賞装置20では、誘導部材28が釣り合い状態で静止すると、一方の転動部(表面部28d若しくは裏面部28e)に形成された特定領域誘導部(28f若しくは28j)と、仕切板25の貫通孔25aとが前後に位置合わせされる。このとき、仕切板25の貫通孔25aは、特定領域誘導部(28f若しくは28j)の後端部の後方斜め上部に位置することになる。
本中央入賞装置20においては、球受け板22の傾斜面22aと、「傾斜面22aの後端部から案内球受け壁21gの案内面21hに至る空間部」と、案内面21hと、貫通孔25aとを用いて、案内経路Aが形成される(図4を参照)。この案内経路Aは、入賞口21dと誘導部材28との間に形成され、入賞口21dから中央入賞装置20に入賞した遊技球を、誘導部材28に案内する経路であり、その出口部(貫通孔25aによって構成)は、誘導部材28の回転軸心Jの斜め上方に配置されている。
本実施例では、入賞口21dから中央入賞装置20に入賞した遊技球は、案内経路Aを経て、概ね、特定領域誘導部(28f若しくは28j)の後端部に落下する。但し、この遊技球が、「遊技球を保持する能力の高い第1の特定領域誘導部28f」の後壁部に落下すると、この第1の特定領域誘導部28f内を、誘導部材28の回転軸心Jに沿って前方に転動する可能性が高い。このように、遊技球が転動する際、当該遊技球の荷重は、誘導部材28の回転軸心J上に作用し、誘導部材28に回転力を与えないため、誘導部材28のつり合い状態は維持される。このため、遊技球は、第1の領域形成体26a内に保持されつつ、前方に転動し、高い確率の下、特定領域Rに到達する。
一方、遊技球が、「遊技球を保持する能力の低い第2の特定領域誘導部28j」の後壁部に落下すると、この第2の特定領域誘導部28j内から、第2の一般領域誘導部28kに脱落する可能性が高い。このように、遊技球が転動する際、当該遊技球の荷重は、誘導部材28の回転軸心J上から偏心した位置に作用するため、誘導部材28に回転力が与えられる。よって、誘導部材28のつり合い状態が崩れる。このため、遊技球は、第2の一般領域誘導部28kを転動し、誘導部材28を回転させつつ、高い確率の下、一般領域Sに到達する。この際、誘導部材28は、遊技球から与えられる回転力によって反転する可能性が高くされている。つまり、本実施例では、誘導部材28が「第2の特定領域誘導部28j」を上方に向けた状態で、つり合い状態にある場合に、誘導部材28に遊技球が到達すると、誘導部材28が反転し、誘導部材28が「第1の特定領域誘導部28f」を上方に向けた状態で、つり合い状態となる可能性が高くなっている。
表示装置29は、図3に示すように、外郭体21内において、球受け板22よりも上方に配置されている。この表示装置29を「液晶表示装置」を用いて構成され、特別遊技中の「ラウンド数(ラウンド賞球遊技のラウンド数)」等の表示を行う。
図2に示すように、第1の開閉始動入賞装置31は中央入賞装置20の左斜め下方に配置され、第2の開閉始動入賞装置32は中央入賞装置20の右斜め下方に配置されている。更に、第3の開閉始動入賞装置33は、中央入賞装置20の直下に配置されている。これらの開閉始動入賞装置31〜33は、所謂「チューリップ式の入賞装置」であって、左右に一対の翼片部が開閉することで、開閉始動入賞装置31〜33の入口側部分(つまり、始動口)の開閉が可能とされている。つまり、入口側部分(つまり、始動口)の幅を縮小し、遊技球の入賞を困難とする閉鎖状態と、入口側部分(つまり、始動口)の幅を拡大し、遊技球の入賞を容易とする開放状態と、の間で状態変化が可能とされている。
開閉始動入賞装置31、32、33の内部には、遊技球の通過を検出する入賞検出スイッチ31a、32a、33a(図8参照)と、翼片部を作動させるための開閉始動入賞装置用ソレノイド31b、32b、33b(図8参照)と、が備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
本実施例では、何れかの開閉始動入賞装置31〜33に遊技球が入賞すると、遊技機1の遊技状態は所謂、「小当り状態」となり、開閉部材23、24が通常開閉動作(0.3秒間等の短時間に行われる開閉動作)を実行する。但し、第1の開閉始動入賞装置31、若しくは、第2の開閉始動入賞装置32に遊技球が入賞して生ずる「小当り状態」においては、通常開閉動作の実行回数が1回とされ、第3の開閉始動入賞装置33に遊技球が入賞して生ずる「小当り状態」においては、通常開閉動作の実行回数が2回とされる。そして、この通常開閉動作の実行中に、遊技球が特定領域Rを通過すると、その特典として遊技機1の遊技状態が特別遊技状態となる。
図2に示すように、遊技領域11の上方部右端には左袖の一般入賞装置35が設置され、遊技領域11の上方部左端には右袖の一般入賞口装置36が設置されている。そして、その内部にはそれぞれ、通過検出スイッチ35a、36a(図8参照)が設けられている。また、中央入賞装置20の4隅は、ランプ風車37によって包囲されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。これらのサイド装置38、39は、ランプ装置を備えており、遊技機1に生ずる遊技状態の変化等に応じて、点灯・点滅して電飾を行う。なお、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
図2に戻り、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
(2)遊技機1の電子制御装置130
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図8及び図9を参照して説明する。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図8及び図9を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、図8を用いて、本遊技機1の制御回路全体の構成の概略について説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次の副制御部(払出制御部150、第1副制御部170等)と、この第1次の副制御部を介して主制御部140に接続された第2次の副制御部(発射装置制御部193、第2副制御部160等)。尚、主制御部140と第1次の副制御部とは信号伝送経路100aによって接続され、第1次の副制御部及び第2次の副制御部は信号伝送経路100bによって接続されている。
先ず、図8を用いて、本遊技機1の制御回路全体の構成の概略について説明する。この電子制御装置130は、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次の副制御部(払出制御部150、第1副制御部170等)と、この第1次の副制御部を介して主制御部140に接続された第2次の副制御部(発射装置制御部193、第2副制御部160等)。尚、主制御部140と第1次の副制御部とは信号伝送経路100aによって接続され、第1次の副制御部及び第2次の副制御部は信号伝送経路100bによって接続されている。
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部140から、払出制御部150および第1副制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、第1副制御部170から第2副制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、第1副制御部170と第2副制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図8に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
次に、図8及び図9を用いて、電子制御装置130を構成する重要な制御部に関して説明する。
主制御部140は、遊技の基本進行を司る制御部であり、本遊技機1において重要な処理を実行する。また、主制御部140は、図8及び図9に示すように、各種スイッチ(31a、32a、33a、20a、35a、36a、20b、104、192)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や第1副制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。
主制御部140は、図9に示すように、主制御基板140Aを用いて構成されている。この主制御基板140Aには、主回路部141と、入出力回路部143とが設けられている。この主回路部141及び入出力回路部142はバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、主回路部141は、CPU(シングルチップ型)141aを含む構成とされている。
CPU141aは、CPUコア141bと、内蔵RAM141cと、内蔵ROM141d等を含む構成とされている。また、CPU141aは、ワークエリアとしてRAM141cを使用しながら、ROM141dに格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM141dに記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判定に関する制御等を行う。尚、このCPU141aは、開閉部材23、24を駆動する駆動手段(開閉駆動ソレノイド23b、24b)の作動を制御するための作動制御手段としても機能する。
入出力回路部143には、信号伝送経路100aを介して払出制御部150及び第1副制御部170が接続されている(図8参照)。また、入出力回路部143は、払出制御部150や第1副制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路100aを介して払出制御部150あるいは第1副制御部170に出力する。また、入出力回路部143からは、第2副制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。第2副制御部160に対するコマンドデータは、一旦、第1副制御部170に向けて出力された後、第2副制御部170から信号伝達経路100bを経由して第2副制御部160に供給される。また、入出力回路部143には、開閉始動入賞装置用ソレノイド31b、32b、33bや、開閉駆動ソレノイド23b、24bなどが接続されている。
払出制御部150は、払出制御基板(図示を省略)によって構成されている。この払出制御基板は、主制御基板140Aと同様に、主回路部と入出力回路部を備えている。そして、この主回路部及び入出力回路部もバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、この払出制御基板の入出力回路部には信号伝送経路100aが接続されている。このため、主制御基板140Aから出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路100aを介して、払出制御部150の入出力回路部に入力される。また、払出制御部150の入出力回路部には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
つまり、本実施例では、各種の入賞球検出スイッチ(31a、32a、33a、20a、35a、36a)が入賞球の通過を検出すると、この入賞球検出スイッチ(31a、32a、33a、20a、35a、36a)から主制御部140に、検出信号(入賞信号)が送信される。そして、主制御部140がこの検出信号(入賞信号)を受信すると、主制御部140は、払出制御部150に「払出信号」を送信する。更に、「払出信号」を受信した払出制御部150は、賞球払出装置109を作動させ、賞球の払い出しを行うものとされている。尚、図示を省略するが、第1副制御部170は、スピーカー101aやランプ等の制御を主に行うための制御基板と、制御基板からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板の、主に2つの基板から構成されている。また、第2副制御部160は、図柄制御基板によって主に構成されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、払出制御部150の入出力回路部に接続されている。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。中央入賞装置20の入賞球検出スイッチ20aが遊技球を検出すると、入賞球検出スイッチ20aが、中央入賞装置20への入賞を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、何れかの開閉始動入賞装置31、32、33の入賞検出スイッチ31a、32a、33aが遊技球を検出すると、検出を行った入賞検出スイッチ31a、32a、33aが、遊技球の入賞を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって5個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。中央入賞装置20の入賞球検出スイッチ20aが遊技球を検出すると、入賞球検出スイッチ20aが、中央入賞装置20への入賞を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、何れかの開閉始動入賞装置31、32、33の入賞検出スイッチ31a、32a、33aが遊技球を検出すると、検出を行った入賞検出スイッチ31a、32a、33aが、遊技球の入賞を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって5個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。
更に、左袖の一般入賞装置35若しくは右袖の一般入賞口装置36の入賞検出スイッチ(35a若しくは36a)が遊技球を検出すると、検出を行った入賞検出スイッチ(35a若しくは36a)が、遊技球の入賞を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって8個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。
(3)遊技の概要
遊技領域11に打ち出された遊技球が、何れかの開閉始動入賞装置31、32、33に入賞すると、遊技機1の遊技状態は「小当り状態」となり、開閉部材23、24が通常開閉動作(0.3秒間等の短時間に行われる開閉動作)を実行する。但し、第1の開閉始動入賞装置31、若しくは、第2の開閉始動入賞装置32に遊技球が入賞して生ずる「小当り状態」においては、通常開閉動作の実行回数が1回とされ、第3の開閉始動入賞装置33に遊技球が入賞して生ずる「小当り状態」においては、通常開閉動作の実行回数が2回とされる。
この通常開閉動作の実行中に、遊技球が特定領域Rを通過すると、その特典として遊技機1の遊技状態が特別遊技状態となる。このように、遊技機1の遊技状態が特別遊技状態に移行すると、開閉部材23、24が一定間隔で特別開閉動作を繰り返し、設定の繰り返し回数(例えば、18回)まで、開閉部材23、24が特別開閉動作を実行するか、中央入賞装置20に設定個数(例えば。10個)以上の入球があるか、若しくは、遊技球が特定領域Rを通過すると1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、単位遊技)が終了する。ここで、特別開閉動作とは特別遊技中における開閉部材23、24の開放動作であって、「開閉部材23、24が0.8秒間等の長時間、開放状態に移行し、その後、開閉部材23、24が0.8秒間、閉鎖状態を維持する動作を1回の特別開閉動作とする。
このラウンド賞球遊技の間に、少なくとも1球の遊技球が特定領域Rを通過すれば、特別遊技の継続条件が成立し、同様なラウンド遊技が再度、実行される。そして、特別遊技の終了条件が成立するまでの間、ラウンド遊技が繰り返し実行される。ここで、特別遊技の終了条件は、終了したラウンド遊技の回数(ラウンド数)が上限回数(例えば、15ラウンド)となるか、終了したラウンド遊技の実行中に継続条件が成立しなかった場合に成立する。
次に、この遊技の概要を、「主制御部140が中心となって実行される主要な処理を示すフロー図」を用いて詳細に説明する。本遊技機1は、その遊技状態を問わずに、図10に示す「入賞監視理」が実行する。この「入賞監視処理」では、入賞装置(各開閉始動入賞装置31〜33、中央入賞装置20、各一般入賞装置35、36)への遊技球の入賞を監視する(S10)。また、本遊技機1は、図11に示す「始動入賞処理」を実行する。更に、この「始動入賞処理」において小当りを生ずると、図12に示す「遊技状態制御処理」が実行され、更に、この「小当り遊技処理」において、大当りを生ずると、図13に示す「大当り遊技処理」が実行される。
「入賞監視処理」において、入賞装置(各開閉始動入賞装置31〜33、中央入賞装置20、各一般入賞装置35、36)への遊技球の入賞を監視する(S10)。そして、入賞装置を入賞を生じた場合(S10)において、この入賞が、一般入賞装置35、36に対するものである場合には(S12;YES)、主制御部140は払出制御部150に向かって8個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する(S14)。
S10の処理で肯定判断された入賞が、何れかの開閉始動入賞装置31〜33に対するものである場合には(S16;YES)、主制御部140は払出制御部150に向かって5個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する(S18)。一方、S10の処理で肯定判断された入賞が、中央入賞装置20である場合(S16;NO)、主制御部140は払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する(S19)。
尚、S19の処理は、専ら、小当り遊技中と、大当り遊技中(遊技機1の遊技状態が特別遊技状態にあるとき)に行われる。換言すると、遊技機の遊技状態が通常遊技状態にあり、しかも、小当りを生じていない場合、開閉部材23、24の状態は閉鎖状態にあるため、原則として中央入賞装置20に入賞を生ずることはないが、例外的に、「通常遊技処理」においても、S19の処理が行われることがある。例えば、(1)中央入賞装置20内に誤って停留していた遊技球が、入賞検出スイッチ20aに到達したり、(2)「開閉部材23、24と入賞口21d、21d」との間に挟まれて停留している遊技球を、パチンコホールの店員が作為的に中央入賞装置20に入賞させる場合等である。
始動入賞処理(S20)は、図11に従って実行され、先ず、「小当りフラグ(S30)」、若しくは、「大当りフラグ(S76)」が設定されているか否かが判断される(S22)。「小当りフラグ(S30)」は、遊技機1が「小当り遊技」を実行する状態にあることを示すフラグであり、「大当りフラグ(S76)」は、遊技機1が「大当り遊技」を実行する状態にあることを示すフラグである。尚、以下の説明において、「小当りフラグ(S30)」及び「大当りフラグ(S76)」を総称して、「当りフラグ」と称する場合がある。
S22の処理において肯定判断される場合、つまり、「小当りフラグ(S30)」、若しくは、「大当りフラグ(S76)」が設定され、遊技機1が「小当り遊技」若しくは「大当り遊技」を実行中であるか、これから実行する状態にある場合には、始動入賞処理(S20)を終了する。このため、本遊技機1においては、「小当りフラグ(S30)」、若しくは、「大当りフラグ(S76)」が設定されている場合に、何れかの開閉始動入賞装置31〜33に入賞を生じても、単に、遊技球の払い出しが行われるだけであり(S18)、開閉部材23、24は閉鎖状態を維持する。
S22の処理において否定判断がされる場合、つまり、「小当りフラグ(S30)」、及び、「大当りフラグ(S76)」が設定されていない場合(S22;NO)には、入賞を生じた開閉始動入賞装置31〜33の種類が判断される(S24)。そして、入賞を生じた開閉始動入賞装置31〜33が、第1の開閉始動入賞装置31、若しくは、第2の開閉始動入賞装置32である場合(S24;NO)、「小当りカウンタ」の値を「1」にセットした後(S26)、S30の処理に移行する。また、入賞を生じた開閉始動入賞装置31〜33が、第3の開閉始動入賞装置33である場合(S24;YES)、「小当りカウンタ」の値を「2」にセットした後(S28)、S30の処理に移行する。尚、この「小当りカウンタ」は、「小当り遊技の実行回数(残存回数)を示すカウンタ」であり、「小当り遊技」を1回実行する毎に、「1」ずつデクリメント(減算)される。
S30の処理では「小当りフラグ」がセットされる。そして、このS30の処理の後、主制御部140等によって遊技状態制御処理が開始され(S50)、遊技機1の遊技状態は小当り遊技状態に移行する。尚、本遊技機1において、小当り遊技状態とは、遊技機の遊技状態を特別遊技状態(大当り遊技状態)に移行させる可能性を生じさせた遊技状態である。
遊技状態制御処理(S50)が開始されると、開閉部材23、24の通常開閉動作(0.3秒間等の短時間に行われる開閉動作)を実行する(S52、S54、S56)。つまり、閉鎖状態にある開閉部材23、24に開放動作を施し(S52)、開閉部材23、24の状態を開放状態に変化させ、所定の開放時間が経過すると(S54;YES)、開閉部材23、24に閉鎖動作を施し(S54)、開閉部材23、24の状態を閉鎖状態に戻す処理が実行される。これにより、「1回の小当り遊技)を終了するため、この「小当りカウンタ」の値を、「1」だけデクリメント(減算)する(S58)。
この後、前述の開閉部材23、24が通常開閉動作(S52、S54、S56)中に、中央入賞装置20への入賞を生じていたか否かを判断し(S60)、生じていなかった場合は(S60;NO)、そのまま、S65の処理を実行する。また、中央入賞装置20への入賞を生じていたと判断がされる場合(S60;YES)、V入賞(特定領域Rの通過)を生じていたか否かが判断され(S63)、生じていない場合(S63;NO)は、S65の処理に移行し、生じている場合(S63;YES)は、S68の処理に移行する。ここで、「V入賞」とは、中央入賞装置20への入賞が特定領域Rを通過したことを意味する。つまり、特定通過検出スイッチ20bが遊技球を検出した場合、この「V入賞」を生ずる。
S65の処理においては、「小当りカウンタ」の値が「ゼロ」であるか否かが判断され、「小当りカウンタ」の値が「ゼロ」でなければ(本実施例では、「1」であると)、再び、開閉部材23、24の通常開閉動作(0.3秒間等の短時間に行われる開閉動作)を実行する(S52、S54、S56)。そして、S58処理、S60の処理、S63等の処理を実行する。
S65の処理においては、「小当りカウンタ」の値が「ゼロ」であるか否かが判断され、「小当りカウンタ」の値が「ゼロ」である場合(S65;YES)、小当りフラグを解除した後(S67)、遊技状態制御処理(S50)を終了する。
S63の処理で、V入賞を生じていたと判断される場合(S63;YES)、「小当りカウンタ」の値を初期化する処理(ゼロにする処理)を実行し(S68)、小当りフラグを解除した後(S70)、大当りフラグを設定する(S76)。これにより、本遊技機1の特別遊技状態への移行が確定する。このS76の処理の後、ランド抽選処理を実行し(S77)、更に、「大当り遊技処理」を実行した後(S80)、遊技状態制御処理(S50)を終了する。
ここで、ランド抽選処理(S77)とは、特別遊技(大当り遊技)において実行可能な「ラウンド賞球遊技処理(S100)」に関し、そのラウンドの上限回数(J)を決定するためのものである。そして、本実施例では、乱数抽選を用いて、「6回」、及び、「15回」のうちの何れかに設定される。
「大当り遊技処理(S80)」は、図13に従って行われ、この「大当り遊技処理(S80)」の実行中に、本遊技機1の遊技状態は特別遊技状態に移行する。この「大当り遊技処理(S80)」が開始されると、先ず、ラウンドカウンタ(R)と、「開閉回数カウンタS」と、「入賞数カウンタT」とを初期化する処理を実行する(S82)。ここで、ラウンドカウンタ(R)は、実行中の「ラウンド賞球遊技処理(S100)」のラウンド数を示すものであり、初期値は「1」とされる。また、「開閉回数カウンタS」は、各「ラウンド賞球遊技処理(S100)」において実行された「開閉部材23、24」の開閉駆動の回数を示すものであり、初期値は「0」とされる。更に、「入賞数カウンタT」は、各「ラウンド賞球遊技処理(S100)」において、「中央入賞装置20に遊技球が入賞した個数(入賞数)」を示すものであり、初期値は「0」とされる。
「大当り遊技処理(S80)」においては、S82の処理の後に、ラウンドの上限回数(J)をセットする処理を行う(S84)。このラウンドの上限回数(J)は、当該大当り遊技処理(S80)において実行可能とされる「ラウンド賞球遊技処理」の実行回数の上限値を示すものであり、前述の「ランド抽選処理(S77)」によって前もって決定されたものである。
このS84の処理に続いて、ラウンド賞球遊技処理(S100)を実行する。このラウンド賞球遊技処理(S100)においては、先ず、開閉部材23、24の特別開閉動作(開閉部材23、24が0.8秒間等の長時間、開放状態に移行し、その後、開閉部材23、24が0.8秒間、閉鎖状態を維持する動作)を実行する(S102、S104、S106)。つまり、閉鎖状態にある開閉部材23、24に開放動作を施し(S102)、開閉部材23、24の状態を開放状態に変化させ、所定の開放時間(0.8秒間等の長時間)が経過すると(S104;YES)、開閉部材23、24に閉鎖動作を施し(S104)、開閉部材23、24の状態を閉鎖状態に戻す処理が実行される。
この後、開閉部材23、24の特別開閉動作(S102、S104、S106)中に中央入賞装置20への入賞を生じていたか否かを判断し(S108)、生じていなければ、S120の処理に移行する。一方、S108の処理で肯定的な判断がなされると、入賞数カウンタTの値を更新する(S112)。つまり、当該特別開閉動作(S102、S104、S106)の開始前の入賞数カウンタTに、当該特別開閉動作(S102、S104、S106)で生じた入賞数を加算する(S112)。
更に、このS112の処理の後、特別開閉動作(S102、S104、S106)中に、V入賞を生じていたか否かが判断され(S114)、生じていなければ(S114:NO)、S120の処理に移行する。
一方、この「V入賞」も、「中央入賞装置20へ入賞した遊技球が、特定領域Rを通過すること」を指すが、この「V入賞」を生ずると、特別遊技の継続条件が成立する。つまり、「継続フラグ(Vフラグ)」をセットした後(S118)、ラウンド賞球遊技処理(S100)を終了し、S150の処理に移行する。
S120の処理においては、後続する「S122の処理」と共に、ラウンド賞球遊技処理(S100)の終了条件(但し、V入賞を生じていない場合)を判断する。つまり、S120の処理においては、「入賞数カウンタT」の値が所定数(10個)に到達したか否か、つまり、「個々のラウンド賞球遊技処理(S100)における入賞個数の上限数(10個)に到達したか否か」が判断され、到達していれば(S120;NO)、ラウンド賞球遊技処理(S100)を終了し、S150の処理に移行する。
また、S120の処理において肯定的な判断がなされる場合(S120;YES)、つまり、「入賞数カウンタT」が所定数(10個)に到達したと判断される場合(S120;YES)、「開閉回数カウンタS」の値が、所定回数(18個)に到達したか否か、つまり、「個々のラウンド賞球遊技処理(S100)における「特別開閉動作の上限回数(18個)に到達したか否か」が判断され、到達していれば(S122;NO)、ラウンド賞球遊技処理(S100)を終了し、S150の処理に移行する。一方、「開閉回数カウンタS」の値が、所定回数(18個)に到達していない場合(S122;YES)、未だ、ラウンド賞球遊技処理(S100)の終了条件が成立していないため、再び、特別開閉動作(S102、S104、S106)を実行し、更に、S108以降の処理を実行する。
ラウンド賞球遊技処理(S100)を終了すると、図13に戻り、S150の処理を実行する。このS150の処理では、「開閉回数カウンタS」の値と、「入賞数カウンタT」の値を初期化する処理が実行される。この後、ラウンドカウンタ(R)の値を、「1」だけインクリメン(加算)する(S160)。そして、、ラウンドカウンタ(R)の値が、ラウンドの上限回数(J)の値に到達したか否かを判断し(S164)、到達していれば(S164;NO)、大当りフラグを解除し(S168)、大当り遊技処理(S80)を終了する。
ラウンドカウンタ(R)の値が、ラウンドの上限回数(J)の値に到達していない場合(S164;YES)、「継続フラグ(Vフラグ)」がセットされているか否かを判断する(S165)。そして、セットされていれば(S165;YES)、特別遊技の継続条件が成立しているため、「継続フラグ(Vフラグ)」を解除した後(S166)、再び、ラウンド賞球遊技処理(S100)を実行する。更に、この後、S150以降の処理が実行される。
S165の処理で、「継続フラグ(Vフラグ)」がセットされていないと判断されると(S165;NO)、大当りフラグを解除し(S168)、大当り遊技処理(S80)を終了する。この場合、ラウンド賞球遊技処理(S100)の実行回数が上限回数(J)に到達せずに、大当り遊技処理(S80)を終了することになる。つまり、所謂「パンク」と称する事態を生ずることになる。
(4)実施例1の効果
本実施例においては、誘導部材28の駆動源として、中央入賞装置20に入賞した遊技球の自重を用いる。つまり、誘導部材28が、(1)「モータ等の機械的」な駆動手段を駆動源と、(2)駆動手段の作動を制御するための作動制御手段(プログラム等)と、を必要としない。よって、本実施例によると、誘導部材28の簡略化を図ることができる。また、本実施例においては、このように、誘導部材28の駆動源が、中央入賞装置20に入賞した遊技球の自重であると共に、遊技球の誘導部材28への到達態様(到達するタイミング、到達する際の速度等)は、一般に個々の遊技球毎に異なるため、誘導部材28の駆動態様が「アナログ的」で、面白みのあるものとなる。
更に、本実施例の誘導部材28は、転動部を表面部28dと裏面部28eに備えると共に、各転動部が、遊技球の保持能力が異なる特定領域誘導部28f、28jを備える。つまり、一方の転動部(表面部28d)の第1の特定領域誘導部28fを転動する遊技球は、他方の転動部(裏面部28e)の第2の特定領域誘導部28jを転動する遊技球に比べて、特定領域誘導部外(一般領域誘導部28j、28k)に脱落し難くされる。よって、本実施例によると、以下のような遊技性を備える遊技機を得ることができる。
即ち、本実施例によると、遊技球が直接、一般領域誘導部28j、28kに到達したり、特定領域誘導部28f、28jから脱落して一般領域誘導部28j、28kに到達すると、誘導部材28が回転して、「遊技球が特定領域Rに到達する確率」が変化する可能性を生ずる。例えば、遊技者にとって不利な態様の「第2の特定領域誘導部28jを備える転動部(裏面部28e)を上方に向けた釣り合い状態で、誘導部材28が静止している場合、遊技球が、「第2の一般領域誘導部28k」に到達する可能が高くなる。
このため、誘導部材28が回転し、「遊技者にとって有利な態様の第1の特定領域誘導部28f」を備える転動部(表面部28d)を上方に向けた釣り合い状態で、静止する可能性を生じさせることができる。つまり、本実施例においては、中央入賞装置20に入賞したが、特定領域Rに到達しない遊技球(外れ遊技球)を用いて、中央入賞装置20に対して「後続遊技球が特定領域Rに到達する可能性」を高めることができる。即ち、本実施例によると、「外れ遊技球」を全く無意味なものとせず、「後続遊技球を当り遊技球とするための手段」として用いることができる。換言すると、本実施例は、中央入賞装置20に順次、入球する複数個の遊技球を利用して、幅が広く、しかも、斬新な遊技を実行できる。
特に、本実施例では、誘導部材28が回転軸心Jを基準とする両端に錘28bを有し、この錘28bにより、誘導部材28が回転後停止したとき、誘導部材28の表裏面を略確実に水平に保つことができる。そして、誘導部材28を遊技球が転動する場合、この遊技球が特定領域Rまで到達すれば、誘導部材28は回転しないが、一般領域Sに到達する場合、遊技球の自重で誘導部材28が回転する。そして、回転軸心Jを基準とする左右両端の28bの微妙な錘のバランスで、表裏どちらかの面が表を上方を向く。つまり、特定領域Rへ到達する入賞確率が、「特定領域Rを通過しない遊技球(一般領域Sを通過する遊技球)を用いてコントロールできる。
このようにすることにより、誘導部材28の状態が遊技者にとって不利な状態であっても、「特定領域Rへの到達(所謂、「V入賞」)」を外すことにより、誘導部材28の状態が遊技者にとって不利な状態を有利な状態にすることができるため、次の「V入賞」に期待を持たせることができる。即ち、通常の羽根物の場合、役物内部(入賞装置内部)に入球し、「V入賞(特定領域Rの通過)」を外すと、遊技者は、ただ残念なだけだが、本実施例の場合は、例えば、以下のように、「遊技性により幅を持たせること」ができる。
つまり、「誘導部材28が遊技者に不利な状態」で「V入賞」を外すと、遊技者にとっては、「V入賞」を外して残念ではあるが、外したことにより、「誘導部材28が遊技者に有利な状態」になるので、遊技者は、次の「V入賞」への期待が弾ことになる。このため、「誘導部材28が遊技者に有利な状態」の場合、遊技者は、遊技を止めることなく、遊技を継続する可能性が高い。
また、「誘導部材28が遊技者に有利な状態」で「V入賞」を外すと、遊技者は、「誘導部材28が遊技者に有利な状態でV入賞を外して残念なところ、更に「誘導部材28が遊技者に不利な状態」となるという不利益を受ける。このため、遊技者にとっては、所謂「ダブルショック(二重の落胆)」である。このため、本実施例によると、遊技者は一喜一憂しつつ、遊技を行うことができる。
しかも、誘導部材28は、V入賞に直接、関わる振り分け部材であるので、誘導部材28が遊技者に有利な状態にある場合、「多量の遊技球を獲得できるかも?」とか、遊技者に「連チャンするかも?」という期待感を遊技者に与えることができる。このため、誘導部材28が遊技者に有利な状態にある場合、中央入賞装置20に遊技球を入球させるだけで、多量の遊技球を獲得できる可能性が非常に高くなる。従って、遊技者の遊技継続の意欲を高めたり、遊技上の興趣を高めることができる。
更に、本実施例によると、遊技者自身が発射装置を用いて遊技領域11に発射した遊技球を原因として、誘導部材28の状態を、遊技者にとって有利な状態と、不利な状態と、の間で変更できる。従って、本実施例の遊技機1によると、「遊技者にとって自己参加性が高い遊技」を実行可能である。
次に、実施例1の変形例(以下、「変形例1」という)について説明する。この変形例1では、以下の点が実施例1と異なっている。つまり、図15に示すように、中央入賞装置20において入賞口21dから誘導部材28に至る経路(案内経路)途中に、貯留検出スイッチ41と、遊技球の貯留を行うための貯留部材(開閉部材43)とを、この順に(つまり、貯留検出スイッチ41が上流側で、貯留部材が下流側となるような順)、配置している。
具体的には、球受け板22の後端部22cと、外郭体21の後壁21fとの空間部22dに、貯留検出スイッチ41(図16及び17を参照)を配設している。また、仕切板25の背後(仕切板25の前方でもよい。)には、貫通孔25aの開閉を行うための開閉部材43を配置している。この貯留検出スイッチ41(図16及び17を参照)は、貯留を行う遊技球の数をカウントするために用いられ、開閉部材43は貯留を行うためのに用いられる。尚、開閉部材43は、ソレノイド43a(図16及び17を参照)を駆動源として上下動し、貫通孔25aの開閉を行う。
また、変形例1においては、「大当り遊技処理(S80)」が、図18に従って行われる。この「大当り遊技処理(S80)」が開始されると、先ず、ラウンドカウンタ(R)と、「開閉回数カウンタS」と、「入賞数カウンタT」とを初期化する処理とに加えて、「貯留カウンタW」を初期化する処理を実行する(S82)。ここで、「貯留カウンタW」とは、中央入賞装置20において貯留されている遊技球の数を示すものであり、初期値は「0」とされる。
このS82の処理の後に、実施例1と同様な「ラウンドの上限回数(J)をセットする処理を行う(S84)。この後、変形例1のラウンド賞球遊技処理(S100)が実行される。このラウンド賞球遊技処理(S100)においては、図19に示すように、先ず、開閉部材43が、貯留を実行可能となるように駆動しているか否かを判断する(S129)。
つまり、ソレノイド43aを駆動させ、開閉部材43を下方にスライドさせ、開閉部材43によって貫通孔25aを閉鎖させているか否かを判断する(S129)。そして、S129の処理で肯定的な判断がなされる場合(S129;YES)、そのまま、開閉部材23、24の特別開閉動作を実行し、S129の処理で否定的な判断がなされる場合(S129;NO)、開閉部材43を貯留を実行可能となるように駆動させた後(S130)、開閉部材23、24の特別開閉動作を実行する。
この「開閉部材23、24の特別開閉動作」は、実施例1と同様に、開閉部材23、24を0.8秒間等の長時間、開放状態に移行させ、その後、開閉部材23、24を0.8秒間、閉鎖状態に維持する動作である(S132、S138、S140)。但し、変形例1においては、この特別開閉動作の途中に、必要に応じて「貯留カウンタW」を更新する処理を行う(S134,S136)。
つまり、閉鎖状態にある開閉部材23、24に開放動作を施し(S132)、開閉部材23、24の状態を開放状態に変化させ、所定の開放時間(0.8秒間等の長時間)が経過すると(S138;YES)、開閉部材23、24に閉鎖動作を施し(S140)、開閉部材23、24の状態を閉鎖状態に戻す処理が実行される。但し、本変形例では、開閉部材23、24の開放時間が経過するまでの間に、貯留検出スイッチ41が遊技球を検出する毎に(S134;YES)、「貯留カウンタW」を更新する処理を行う(S136)。換言すると、遊技球が1球ずつ貯留される毎に、「貯留カウンタW」の値が「1」ずつインクリメントされる。ここで、「貯留カウンタW」は、中央入賞装置20内において貯留されている遊技球の数を示すカウンタである。
開閉部材23、24に閉鎖動作を施した後(S140)、「貯留カウンタW」の値が貯留上限個数(5)に到達したか否かを判断する(S141)。そして、「貯留カウンタW」の値が貯留上限個数(5)に到達していなければ(S141;YES)、そのまま、S156の処理に移行する。一方、「貯留カウンタW」の値が貯留上限個数(5)に到達していれば(S141;NO)、「貯留カウンタW」を初期化した後(S143)、貯留を解除する(S145)。この貯留解除する処理(S145)は、開閉部材43を上方にスライドさせ、貫通孔25aを開放させる処理である。
このS145の処理により、開閉部材23、24の背後に貯留されていた遊技球は、貫通孔25aを通過して誘導部材28上に到達する。これにより、5個(所謂、遅れ入賞球が存在する場合は、6個以上の場合もある。)の遊技球が、誘導部材28上を転動し、一般領域S若しくは特定領域Rに進入する。そして、これらの遊技球が、入賞球検出スイッチ20aが通過することによって、「入賞数カウンタT」の値が更新される(S152)。この場合、通常、「入賞数カウンタT」が、「5」加算される。
S152の処理の後、S145の処理により貯留を解除された遊技球によって、V入賞を生じていたか否かが判断され(S154)、生じていないと判断されれば(S154:NO)、S156の処理に移行する。一方、「V入賞」を生じていたと判断されれば(S154:YES)、「継続フラグ(Vフラグ)」をセットした後(S158)、ラウンド賞球遊技処理(S100)を終了し、S160の処理に移行する。
S156の処理においては、後続する「S157の処理」と共に、ラウンド賞球遊技処理(S100)の終了条件(但し、V入賞を生じていない場合)を判断する。つまり、S156の処理においては、「入賞数カウンタT」の値が所定数(10個)に到達したか否かが判断され、到達していれば(S156;NO)、ラウンド賞球遊技処理(S100)を終了し、S160の処理に移行する。
また、S156の処理において肯定的な判断がなされる場合(S156;YES)、「開閉回数カウンタS」の値が、所定回数(18個)に到達したか否か、が判断され、到達していれば(S157;NO)、ラウンド賞球遊技処理(S100)を終了し、S160の処理に移行する。一方、「開閉回数カウンタS」の値が、所定回数(18個)に到達していない場合(S157;YES)、未だ、ラウンド賞球遊技処理(S100)の終了条件が成立していないため、再び、開閉部材43が、貯留を実行可能となるように駆動しているか否かを判断し(S129)、必要に応じて、S130の処理を実行する。そして、特別開閉動作(S132〜S140)を実行し、更に、S141以降の処理を実行する。
ラウンド賞球遊技処理(S100)を終了すると、図18に戻り、S160の処理を実行する。このS160の処理では、「開閉回数カウンタS」の値と、「入賞数カウンタT」の値と、「貯留カウンタW」の値とを初期化する処理が実行される。この後、実施例1と同様にして、S160の処理、S164の処理、S165の処理、S166の処理、S168の処理を実行する。
変形例1によると、実施例1の効果に加えて以下の効果が得られる。つまり、実施例1の遊技機(羽根物)1においては、「V入賞」を生ずると、直ちに、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技処理(S100)を終了する。つまり、「V入賞」を生じさせた遊技球が、たとえ、各ラウンド賞球遊技処理(S100)の開始後、第1球目の入賞球であっても、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技処理(S100)を終了する。このため、実施例1においては、各ラウンド賞球遊技処理(S100)の開始時に、本体部28aの表面部28dが上方を向き、第1の特定領域誘導部28fが上方を向いていると、各ラウンド賞球遊技処理(S100)の開始後、第1球目の入賞球によって「V入賞」を生じさせる可能性が高い。この場合、遊技者は、ラウンド賞球遊技処理(S100)において、大量の賞球を獲得するチャンスを失うことになる。
これに対し、変形例1では、各ラウンド賞球遊技処理(S100)において、「5球」の貯留を行う。このため、各ラウンド賞球遊技処理(S100)において、十分な数の賞球を得ることができる。
B.実施例2
先ず、実施例2の遊技機1について詳細に説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1、図20〜図26を参照して説明する。この遊技機においても、図1に示すように、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠は、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。また、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。更に、遊技機本体は、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤210(図20を参照)と、裏機構盤102(図24を参照)等とを主要部としている。
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の前面側の全体構造(機械的な構造)について、図1、図20〜図26を参照して説明する。この遊技機においても、図1に示すように、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠は、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。また、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。更に、遊技機本体は、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤210(図20を参照)と、裏機構盤102(図24を参照)等とを主要部としている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。更に、中枠3の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤210に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図25参照)等が配設されている。
前面枠4は、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤210(図25参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤210に形成された遊技領域211(図25参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板(図示を省略)が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示を省略)が装着されている。
前面枠4には、各種のLED表示部4b、4c、4d、4e、4fが設けられ、これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠4の前面上方側の中央で左右に並ぶ2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図1に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板212(図25参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。
b.遊技盤210の構成
次に、遊技盤210の構成について、図20を中心にして説明する。この遊技盤210は、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図S6参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤210には、遊技盤210の表面に設けられた外レール214と内レール215とにより略円形状の遊技領域211が形成され、遊技領域211内には、中央装置226と、判定始動入賞装置217と、下部装置218と、左入賞口219、右入賞口220、左下入賞口221、右下入賞口222と、多数の障害釘223と、一対のランプ風車224、225等が配設されている。
次に、遊技盤210の構成について、図20を中心にして説明する。この遊技盤210は、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図S6参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤210には、遊技盤210の表面に設けられた外レール214と内レール215とにより略円形状の遊技領域211が形成され、遊技領域211内には、中央装置226と、判定始動入賞装置217と、下部装置218と、左入賞口219、右入賞口220、左下入賞口221、右下入賞口222と、多数の障害釘223と、一対のランプ風車224、225等が配設されている。
図20に示すように、中央装置226は遊技領域211の略中央部に配置されている。そして、この中央装置226には、液晶表示装置227が配置されている。この液晶表示装置227は、図柄表示手段の具体例を構成するものであり、後述する当否判定{遊技機1の遊技状態を通常遊技状態から、大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させるか否かの判定(つまり、当否判定)}の結果を表示するための表示装置として利用される。即ち、液晶表示装置227は、当否判定の結果を示すための「判定結果図柄」を、所定の演出表示(本実施例では、図柄の変動表示)を経て確定表示するための「図柄表示手段」の一具体例を構成する。尚、本明細書において、「左」、「右」、「上」、「下」等の方向は、遊技領域211を目視する遊技者を基準に定める。
液晶表示装置227の表示画面271は、図21(a)に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域271Aと、表示画面271の大部分を占める演出用表示領域271Bとを備えている。このうち、主表示領域271Aは、右端寄りの部分に、2つの本図柄表示部272、273を形成し、略中央に特別図柄保留表示部16aを形成している。そして、各本図柄表示部272、273では、各々、「本図柄」を用いた変動表示(順次、変更される本図柄の表示)と、停止表示(停止した本図柄の表示)と、がなされる。
また、以下の説明においては、遊技者から見て右側の本図柄表示部272を、「第1本図柄表示部272」と称すると共に、この本図柄表示部272に表示される本図柄を「第1本図柄」と称することがある。また、遊技者から見て左側の本図柄表示部273を、「第2本図柄表示部273」と称し、この本図柄表示部273に表示される本図柄を「第2本図柄」と称することがある。
また、演出用表示領域271Bは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この演出用表示領域271Bには、図21(a)に示すように、3つの疑似図柄表示部275〜277と、その他の部分で構成される背景画面表示部278とが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部275〜277は、演出用表示領域271Bにおいて横方向に3つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部275を「左疑似図柄表示部275」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部276を「中疑似図柄表示部276」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部277を「右疑似図柄表示部277」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部275〜277では、「疑似図柄」を用いた変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。また、演出用表示領域271Bに疑似図柄表示部275〜277が表示されるときには、この演出用表示領域271Bのその他の部位によって背景画面表示部278が表示される。そして、この背景画面表示部278には、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクター図柄という。)を表示することができる。
本実施例では、液晶表示装置227に表示される識別図柄(識別情報)として、2種類の識別情報を予定している。このうちの一方の識別情報は、2つの本図柄(第1本図柄及び第2本図柄)を構成図柄とするものであり、変動表示の態様(変動時間)および確定表示の態様(第1本図柄の停止図柄と、第2本図柄の停止図柄)は、主制御部240(後述する。)において決定される。また、他方の識別図柄(識別情報)は、3つの疑似図柄(左疑似図柄表示部275に表示される左疑似図柄と、中疑似図柄表示部276に表示される中疑似図と、右疑似図柄表示部277に表示される右疑似図)を構成図柄とするものであり、変動表示の態様および確定表示の態様(左疑似図柄の停止図柄と、中疑似図の停止図柄と、右疑似図の停止図柄)等は、主制御部240にて決定された本図柄の変動表示の態様(変動時間)および確定表示態様を基にして、副制御部(音声・ランプ制御部270であり、後述する。)において決定される。更に、本明細書においては、この本図柄と、後述する「疑似図柄」とを、特別図柄と称することがある。
また、この「疑似図柄」と、背景画面表示部278に表示される「背景図柄」は、「本図柄」を用いた表示上の演出を盛り上げるためのものであり、以下の説明において、「疑似図柄」及び「背景図柄」を演出用図柄と称することもある。
液晶表示装置227においては、当否判定の結果(判定結果図柄)の表示実行条件が成立する毎に、本図柄の変動表示(演出表示の一の態様)と、疑似図柄の変動表示(演出表示の他の態様)とを開始する。そして、これらの変動表示の期間が経過すると、本図柄の停止表示(確定表示)と、疑似図柄の停止表示(確定表示)とが実行される。このとき、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とが、各々、当否判定の結果の表示する。つまり、本実施例では、液晶表示装置227において、「判定結果図柄」を2種類表示する。即ち、本図柄の停止図柄(確定図柄)と、疑似図柄の停止図柄(確定図柄)とが、各々、「判定結果図柄」を構成し、両「判定結果図柄」は、同一のメッセージ(「大当りである。」、「外れである。」等の当否判定の結果)を発信する。但し、本実施例と異なり、「判定結果図柄」を、本図柄の停止図柄(確定図柄)のみで構成してもよい。
また、本実施例では、本図柄を表示するための領域(主表示領域271A)と、演出用図柄(疑似図柄や背景図柄)を表示するための領域(演出用表示領域271B)とが、表示画面271(表示部)において区画されているが、この表示画面271(表示部)の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、「図柄表示手段」を、本図柄の表示を行うための「本図柄表示用の表示装置」と、演出用図柄(疑似図柄や背景図柄)の表示を行うための「演出図柄表示用の表示装置」とで、構成してもよい。
尚、本実施例においては、2つの本図柄表示部272、273は、疑似図柄表示部275〜277よりも小型(例えば、1/10〜1/100)で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域271B(疑似図柄表示部275〜277、背景画面表示部278)に注目して、遊技を進行することになる。
この液晶表示装置227においては、判定始動入賞(判定始動入賞217に遊技球が入賞し、しかも、この遊技球が特定領域Rを通過することを指す。)を生ずると、当否判定の「判定実行条件」が成立し、当否判定が実行される。そして、当否判定の結果を示す図柄(判定結果図柄)の表示実行条件(つまり、特別図柄の変動表示を開始し、その後、停止図柄の確定表示するための条件)が成立すると、その表示画面271の表示領域(主表示領域271Aと、演出用表示領域271B)に表示される各図柄(本図柄及び疑似図柄)が、それぞれ変動する。そして、始動入賞を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、特別図柄(本図柄及び疑似図柄)の停止図柄が確定表示される。
つまり、本図柄表示部272、273によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の停止図柄(判定結果図柄)の確定表示がなされる。また、演出用表示領域271Bにおいても、3つの疑似図柄の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ、行った後、3つの疑似図柄の停止図柄(判定結果図柄)が確定表示される。尚、本実施例では、遊技機1が「特別図柄変動時間」を短縮化する制御を受けているか否か、つまり、所謂「遊技機の遊技モードが、確率変動モードや時短モード」にある否かによって、この変動時間は異なったものとされる。ここで、「時短制御」とは、(1)特別図柄の図柄変動時間を短くすることを内容とする制御、(2)普通図柄の図柄変動時間を短くすることを内容とする制御、(3)当選を示す普通図柄が停止表示される確率を高くすることを内容とする制御、(4)始動入賞装置の開成を行う特別電動役物の開成時間を延長することを内容とする制御、等のうちの少なくとも1つを実行すること内容とする制御である。
本実施例では、本図柄表示部272、273に表示される大当り図柄として、「異なる態様の大当り遊技状態」の移行契機となる「2つの態様の大当り図柄」を予定している。つまり、「遊技機が、大量の賞球を期待できる、第1の大当り遊技状態」に移行することを確定表示するための「第1の大当り図柄」と、「遊技機が、賞球を期待できない、第2の大当り遊技状態」に移行することを確定表示するための「第2の大当り図柄」と、を予定している。
つまり、本実施例では、本図柄表示部272、273に、第1の大当り図柄が確定表示されると、下部装置218に配設された後述する大入賞装置231の大入賞口2311が入賞容易な状態に開放され、遊技者に「遊技機1の遊技状態を第1の大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させことを内容とする特典」が付与される。また、図柄表示部272、273に、第2の大当り図柄が確定表示されると、大入賞装置231の大入賞口2311が入賞困難な状態(第1の大当り遊技状態への移行時に比べて入賞困難な状態)に開放され、遊技者に「遊技機1の遊技状態を第2の大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行させことを内容とする特典」が付与される。このように、2つの本図柄は、その確定表示(停止表示)の態様によって、「当否判定」の結果を表示する。
本実施例では、「判定始動入賞」を生ずると、当否判定を実行するための前提条件が成立する。そして、当該当否判定の結果についての表示実行条件が成立すると、本図柄の変動表示を開始する。即ち、図21(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273では、「1」〜「9」の数字をこの順に表示した後、アルファベットの「A」の文字を表示して、その後、「1」に戻り、更に、「1」〜「9」の数字をこの順に表示し、「A」の文字を表示することを繰り返す。尚、図21(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」に表示される「1」〜「9」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
両本図柄表示部272、273に、「当否判定」の結果を示す停止図柄(判定結果図柄)が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、図22(b)及び(c)に示すように、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、当否判定の結果が、「標準型の大当り(以下、「スタンダード大当り」という。)」であることを示す。この両本図柄表示部272、273に、同一の数字を並べて構成される判定結果図柄は、「第1の大当り(即ち、スタンダード大当り図柄)」の一具体例を示している。この場合、遊技機1は「標準型の大当り遊技状態(第1の大当り遊技状態の一具体例を示す。以下、この標準型の大当り遊技状態を、「スタンダード大当り遊技状態」ともいう。)となる。尚、この「スタンダード特別遊技状態」になると、後述するように、多量の賞球を伴う利益が遊技者に付与される。
また、このように、「スタンダード大当り」の表示がなされるとき、図22(c)に示すように、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、当否判定の結果が「第1の大当り(第1の大当り遊技状態を生じさせる大当りの意味で用いる。)」であると共に、「確率変動を行うか否かの抽選(以下、「確変抽選」ということもある。)の結果」も、「当り(当選)」であることを示す。
一方、「スタンダード大当り」の表示がなされるとき、図22(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、当否判定(当否の抽選)の結果が「第1の大当り」であるが、「確変抽選」の結果は「外れ」であることを示す。以下、本明細書においては、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)で、しかも、確変抽選の結果も当選である場合を「スタンダード確変当り(若しくは、スタンダード確率変動当り)」と称し、当否判定の結果が、「第1の大当り(つまり、スタンダード大当り)」であるが、確変抽選の結果が落選である場合を「スタンダード通常当り」と称することがある。
図22(d)に示すように、両本図柄表示部272、273に、「A」の文字が並んで表示されると、「当否判定」の結果が、「非標準型の大当り(以下、「チャンス大当り」という。)」であることを示す。この両本図柄表示部272、273に、「A」の文字を並べて構成される判定結果図柄は、「第2の大当り(即ち、チャンス大当り図柄)」の一具体例を示している。この場合、遊技機1は「非標準型の大当り遊技状態(第2の大当り遊技状態の一具体例を示す。以下、この標準型の大当り遊技状態を、「チャンス大当り遊技状態」ともいう。)となる。尚、この「チャンス大当り遊技状態」になると、後述するように、遊技者は、賞球を伴う利益を得る可能は低いが、遊技モードの変更(確変モードへの変更)による利益を得ることができる。
図22(a)に示すように、「両本図柄表示部272、273」に、異なる数字が確定表示されると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す。つまり、当否判定の結果が、「スタンダード大当り(第1の大当り)」にも、「チャンス大当り(第2の大当り)」にも該当しないことを示す。この場合、「確変抽選」の結果も落選となる。
尚、「確変当り(スタンダード確変当り、若しくは、チャンス確変当り)」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る大当り遊技遊技状態の終了後(つまり、スタンダード大当り遊技状態、若しくは、チャンス大当り遊技状態)に、液晶表示装置227の表示画面271に、「以後、当該遊技機1の遊技状態が、確率変動状態に制御される旨(例えば、確変突入)」の表示(以下、「確変表示」という。)がされ、当該遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードから確率変動モードに変更される。
そして、遊技機1の遊技モードが、この「確率変動モード」に変更されると、この「確率変動モード」の解除条件が成立するまでの間、判定手段によって「大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り」の判定結果が下される確率が高確率に変動する。また、本実施では、この「確率変動モードの解除条件」は、大当りの判定結果(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を得ないまま、特別図柄が所定回数、変動するか(つまり、外れ判定が所定回数、繰り返されるか)、あるいは、次回の大当り(スタンダード大当り、若しくは、チャンス大当り)を生ずることで成立する。
本実施例では、大当り図柄の構成態様として、(1)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」と、「第1の通常図柄」とで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」のみで構成する態様を例示したが、本各発明において、各大当り図柄の態様を種々変更可能である。つまり、(2)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」と、「第1の通常図柄」とで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成する態様、(3)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」のみで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成する態様、(4)第1の大当り図柄(スタンダード大当り図柄)を、「第1の変更図柄」のみで構成し、第2の大当り図柄(チャンス大当り図柄)を、「第2の変更図柄」のみで構成する態様、等であってもよい。
3つの疑似図柄表示部275〜277では、前述の本図柄表示部272、273と、同時に図柄変動(変動表示)を開始する。そして、図5に示すように、各疑似図柄表示部275〜277には、疑似図柄が、順次、変動表示(変更表示)される。そして、この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(停止図柄)も、判定結果図柄であり、前述の当否判定の結果を表示する。
この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(判定結果図柄)には、図23 (a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図23(a)の「外れを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図23(b)の「スタンダード通常当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図23(c)の「スタンダード確率変動当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、図23(d)の「チャンス当りを示す停止図柄(判定結果図柄)」と、がある。
このうち、また、「スタンダード通常当り」は、「1」、「2」、「4」、「6」若しくは「8」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。更に、「スタンダード確率変動当りを示す停止図柄」は、「3」、「5」、「7」若しくは「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。また、「チャンス当りを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277に、左から右に昇順となる数字を並べて(例えば、「1」、「2」、「3」)構成される。「外れを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277のうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「チャンス当りを示す停止図柄」を除いたものである。
ここで、この疑似図柄表示部275〜277においても、始動入賞を前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、図柄の変動(疑似図柄の変動)を開始すると共に、背景画面表示部278には動画が連続的に表示される。この際、変動途中の疑似図柄の表示態様は、それ自体単独で、若しくは、背景の動画が示すメッセージに呼応して、回転、拡大、縮小等を行ってもよい。
本実施例では、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される疑似図柄(以下、「疑似図柄による判定結果図柄」という。)の表示内容と、両本図柄表示部272、273に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「本図柄による判定結果図柄」という。)とが一致している。例えば、本図柄の確定図柄によって「スタンダード確率変動当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「スタンダード確率変動当り」が表示され、本図柄の確定図柄によって「スタンダード通常当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「スタンダード通常当り」が表示される。つまり、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される表示内容が、本図柄表示部272、273に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部275〜277においては、その変動の開始から停止に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部275〜277では、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。但し、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277のみにおいて、「リーチ演出」を実行する。
尚、この「リーチ演出」とは、「図柄表示手段に、当否判定の結果等が表示される前において、大当り遊技状態の可能性が継続している状態のときに、この図柄表示手段において表示される演出表示」のことを指す。即ち、「図柄表示手段」の所定の表示部に表示される最終停止図柄(本図柄の確定図柄や疑似図柄の確定図柄)となる表示図柄以外の図柄(本図柄や疑似図柄)が、大当りとなる特定の停止図柄態様(大当りとなる複数の本図柄の確定図柄態様や、大当りとなる複数の疑似図柄の確定図柄態様)と一致している状態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄(変動中の本図柄や、変動中疑似図柄)の位置が入れ替わっている状態等を指す。
例えば、図柄表示手段(液晶表示装置227)の表示部が、本図柄を表示するための表示領域(つまり、本図柄表示部)や疑似図柄を表示するための表示領域(つまり、疑似図柄表示部)を横方向、縦方向、若しくは傾斜方向にライン状に並べる場合においては、一方の端(例えば、左側、上側、若しくは、斜め上側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「左の図柄」、「上の図柄」、若しくは、「斜め上の図柄」)、他方の端(例えば、右側、下側、若しくは、斜め下側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「右の図柄」、「下の図柄」、若しくは、「斜め下の図柄」)、中間(例えば、真ん中)の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。
このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄(例えば、「左の図柄」及び「右の図柄」、「上の図柄」及び「下の図柄」、「斜め上の図柄」及び「斜め下の図柄」)が同一図柄で停止している状態をリーチ状態という。そして、このリーチ状態となると、「中の図柄」の変動表示パターンを通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクターを登場させたりするなどいろいろな表示態様を採ることで、遊技者の大当り発生に対する期待感を大きくさせ、遊技興趣を盛り上げるように構成してもよい。
本実施例では、本図柄表示部272、273において、前記「当否判定」の結果が「スタンダード当り(スタンダード通常当りであっても、スタンダード確率変動当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記「当否判定」の結果が「スタンダード当り(スタンダード通常当りであっても、スタンダード確率変動当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277では、リーチ表示が行われる。このリーチ表示の態様としては、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が短い場合や通常の長さに簡単に行われると、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が長い場合に行われる発展型のリーチ(スーパーリーチ)とがある。
また、本図柄表示部272、273において、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す「確定図柄」を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す確定図柄が確定表示される。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277で、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ表示」という)と、リーチ表示を行わない場合(以下、「通常外れ表示」という。)とがある。尚、リーチ外れ表示を行う場合も、実施されるリーチ表示の態様としては、「ノーマルリーチ」や「発展型のリーチ」を例示できる。
また、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」を行うことがある。つまり、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、本図柄表示部272、273において、「スタンダード確率変動当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「スタンダード通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「スタンダード確率変動当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、本図柄表示部272、273において、「大当り(スタンダード大当り、チャンス大当りの何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「大当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部240で抽選してもよいし、副制御部(270若しくは260)によって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、本図柄表示部272、273の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、本図柄表示部272、273の少なくとも一方を、2つ又は3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で構成する。そして、この複数の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で、複数の特別図柄(識別情報)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、特別図柄の組み合わせ図柄を、停止表示させてもよい。例えば、液晶表示装置227に、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域とを、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成する。そして、各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていくようにしてもよい。これらの態様では、例えば、表示画面271の本図柄表示部に、同一図柄(例えば、「7、7、7」)で揃って停止表示(確定表示)すると、後述する大入賞装置231の大入賞口2311を開放してもよい。
更に、本実施例では、本図柄表示部272、273を認識困難としていることから、疑似図柄表示部275〜277において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部272、273において「リーチ演出」を行ってもよい(尚、本図柄表示部272、273で、リーチ演出を行う場合には、本図柄表示部272、273の数を3つ、若しくは、9つ等にする必要がある。)。また、本実施例では、同一の液晶表示装置227に、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とを設けたが、両者を別体の表示装置227に設けてもよい。
図21(a)に戻り、特別図柄保留表示部161は、始動入賞(始動口17への入賞)のうちで、未消化の状態にあるもの数(保留数)を、所定数を上限(例えば、4個、若しくは、4個以上の数)として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、始動入賞を生じたが、液晶表示装置227において、当該特別図柄始動入賞に係る当否判定の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部161には、「1」〜「4」までの数字を表示するための「数字表示部161a〜164a」を横方向に並べている。そして、保留数(特別図柄保留数)に対応する数字表示部161a〜164aを点灯させたり、全数字表示部161a〜164aを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部161a〜164a」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「0」であると表示される。また、左端の数字表示部161aを点灯すると、その時点の保留数が「1」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に1つずつ増加させていくと、保留数が1つずつ増加する。そして、全数字表示部164aを点灯すると、その時点の保留数が「4」であると表示される。
この特別図柄保留表示部161では、「判定始動入賞」を生ずるごとに、表示する保留数を1つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動(本図柄表示部272、273における変動)を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部161によって表示される保留数が1つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部161を、表示画面271とは別体の装置として構成することもできる。
図20に戻り、中央装置226の上部中央には、普通図柄表示装置232が配置されている。この普通図柄表示装置232は、7セグメント表示器232aと、普通図柄保留表示LED232bとを有している。7セグメント表示器232aは、普通変動表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄(例えば、1〜9の奇数数字)を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選(つまり、普通電動役物2171を開放状態に変化させるか否かの抽選)の結果を示す停止図柄(普通図柄の停止図柄であって、例えば、1〜9の奇数数字のうちの何れか)を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)236,237のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、7セグメント表示器232aにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、後述する「判定始動入賞装置217の開閉部材23、24」が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
中央装置226の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート236,237がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート236,237内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ236s、237s(図25参照)が配設されている。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ236s、237sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置232における7セグメント表示器232aが変動表示する。
普通図柄保留表示LED232bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器232aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート236,237を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器232aの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED232bが消灯される。
判定始動入賞装置217は、中央装置226とは別体に構成されると共に、中央装置226の下方に離れて配設されている。そして、この判定始動入賞装置217は、実施例1の中央入賞20と、同一の構成を備えている。また、判定始動入賞装置217の構成部材も、中央入賞20の構成部材と同一である。以下の説明においては、判定始動入賞装置217の構成部材の説明に関して、実施例1で用いた図面と、符号を使用する。
つまり、判定始動入賞装置217は、各請求項に係る「入球装置」の具体例を構成するものである。この判定始動入賞装置217も、実施例1の中央入賞装置20と同様に、その外郭を構成する外郭体21と、球受け板22と、左右一対の開閉部材23、24と、仕切板25と、第1の領域形成体26aと、第2の領域形成体26bと、球排出樋27と、誘導部材28と、表示装置29とを備えている。
この判定始動入賞装置217においては、通常時、開閉部材23、24の状態は閉鎖状態とされ、入賞口21dを閉鎖している。そして、前述のように、左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)236,237のいずれかを遊技球が通過することを前提に、7セグメント表示器232aに所定の「当り図柄(例えば、「7」の数字」が停止表示されると、開閉部材23、24の状態が所定時間(例えば、0.5秒)開放状態とされ、判定始動入賞装置217に遊技球が入賞する機会を生ずる。そして、判定始動入賞装置217に入賞した遊技球が、特定領域Rを通過すると(特定通過検出スイッチ20bが当該遊技球の通過を検出すると)、「当否判定」を実行する契機を生ずることになる。
図20に示すように、下部装置218は、判定始動入賞装置217の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板234に、大入賞装置231と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置231は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口2311と、この大入賞口2311を開放・閉鎖する開閉部材2312と、この開閉部材2312を開閉するための大入賞口ソレノイド2313(図 参照)と、大入賞口2311に入賞した後に遊技球が通過する入賞領域と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ2318(図 参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、図20に示すように、左下入賞口221は、判定始動入賞装置217の左側方に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ221s(図 参照)が設けられている。そして、この左下入賞口221の下方には複数個の左下入賞口LED223kが左下入賞口LED基板221f(図25参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口222は、判定始動入賞装置217の右側方に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図25参照)が設けられている。そして、この右下入賞口222の下方には複数個の右下入賞口LED224kが右下入賞口LED基板222f(図25参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
判定始動入賞装置217の左右斜め上方には、左入賞口219及び右入賞口220がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ219s(図25参照)、右入賞口通過検知スイッチ220s(図25参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車224、225がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ238、239がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘223は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
次に、遊技盤200の下方にはアウト口248が設けられ、そのアウト口248の下部にはバック球防止部材258が設けられており、遊技領域211に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材259は、内レール215の先端部に取り付けられ、返しゴム260は、ファール球防止部材259の位置とは略正反対側の、遊技盤200の右半分側の位置であって、外レール214に沿って嵌合状に取り付けられている。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図24を参照して説明する。前面枠4(図1)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤200(図20参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図24を参照して説明する。前面枠4(図1)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤200(図20参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。更に、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置227(図20参照)を格納した蓋付きの裏ケース(図示ぜす)が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部240(図25参照)を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図25参照)を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113と、発射制御集合中継基板(図示略)と、が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が配設され、裏機構盤102の右下方部には、払出制御部250(図25参照)を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース118が配設されている。更に、遊技機1の裏面側には、中継基板(図示を省略)が装着されている。
図25にも示すように、この中継基板290は、入賞球検出スイッチ2318、、20a、219s〜222s等と主制御部240とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板290及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の左下端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板(図示略)が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板(図示略)の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材(図示略)が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ121aを接続しているが、このラムクリアスイッチ121aの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ121aの接続個所を変更してもよい。
(2)遊技機1の電子制御装置230
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置230について、図25及び図26を参照して説明する。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置230について、図25及び図26を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、図25を用いて、本遊技機1の制御回路全体の構成の概略について説明する。この電子制御装置130は、主制御部240と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部240に直に接続された第1次副制御部(払出制御部250、音声・ランプ制御部270等)と、この第1次副制御部を介して主制御部240に接続された第2次副制御部(発射装置制御部293、図柄制御部260等)。尚、主制御部240と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
先ず、図25を用いて、本遊技機1の制御回路全体の構成の概略について説明する。この電子制御装置130は、主制御部240と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部240に直に接続された第1次副制御部(払出制御部250、音声・ランプ制御部270等)と、この第1次副制御部を介して主制御部240に接続された第2次副制御部(発射装置制御部293、図柄制御部260等)。尚、主制御部240と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部240から、払出制御部250および音声・ランプ制御部270へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部270から図柄制御部260へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部270と図柄制御部260との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図25に示した破線の矢印は、各制御部240ないし280への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部240ないし280に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
次に、図25及び図26を用いて、電子制御装置230を構成する重要な制御部に関して説明する。
主制御部240は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機において重要な処理を実行する。また、主制御部240は、図14及び図15に示すように、各種スイッチ(9a、9b、9b、104、192、20a、20b、219s〜222s、236s、237s、2318)等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部250や音声・ランプ制御部270に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。
主制御部240は、図26に示すように、主制御基板340を用いて構成されている。この主制御基板2340には、主回路部400と、入出力回路部500とが設けられている。この主回路部400及び入出力回路部500はバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、主回路部400とは、CPU(シングルチップ型)401を含む構成とされている。
CPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482等を含む構成とされている。また、CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判定に関する制御等を行う。尚、このCPU401は、前述のように、開閉制御手段及び規制制御手段の具体例を構成する。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部250及び音声・ランプ制御部270が接続されている(図25参照)。また、入出力回路部500は、払出制御部250や音声・ランプ制御部270での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部250あるいは音声・ランプ制御部270に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部260での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部260に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部270に向けて出力された後、音声・ランプ制御部270から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部260に供給される。
また、入出力回路部500には、判定始動入賞装置217の入賞検出スイッチ20a、判定始動入賞装置217の特定通過検出スイッチ20b、や、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド(判定始動入賞装置217の開閉駆動ソレノイド23b、大入賞口ソレノイド2313等の各種ソレノイド)右普通図柄作動ゲート通過検出器(右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)237s、左普通図柄作動ゲート通過検出器(左普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)236sなどが接続されている。
払出制御部250は、払出制御基板(図示を省略)によって構成されている。この払出制御基板は、主制御基板340と同様に、主回路部と入出力回路部を備えている。そして、この主回路部及び入出力回路部もバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、この払出制御基板の入出力回路部には信号伝送経路500aが接続されている。このため、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して、払出制御部250の入出力回路部に入力される。また、払出制御部250の入出力回路部には、賞球払出装置209や発射装置制御部293なども接続されている。
つまり、本実施例では、入賞球検出スイッチ2318が入賞球の通過を検出すると、この入賞球検出スイッチ2318から主制御部240に、検出信号(入賞信号)が送信される。そして、主制御部240がこの検出信号(入賞信号)を受信すると、主制御部240は、払出制御部250に「払出信号」を送信する。更に、「払出信号」を受信した払出制御部250は、賞球払出装置209を作動させ、賞球の払い出しを行うものとされている。
尚、図示を省略するが、音声・ランプ制御部270は、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板と、制御基板からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板の、主に2つの基板から構成されている。また、図柄制御部260は、図柄制御基板によって主に構成されている。
中継基板290には、入賞球検出スイッチ2318,19s〜22s等が接続されており、中継基板290の出力端子は、主制御部240の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板291には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ291、タンク球切れ検出スイッチ204及び補給球切れ検出スイッチ208等が接続され、払出用端子基板291の出力端子は、払出制御部250の入出力回路部に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、遊技球が判定始動入賞装置217に入球すると、その情報が入賞検出スイッチ20aによって検出されて、主制御部240に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート236あるいは普通図柄作動右ゲート237を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器236s,237sにより検出されて、主制御部240に入力される。更に、入賞球検出スイッチ219s〜222s,2318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板290を介して主制御部240に入力される。
主制御部240は、これらの情報を受け取って、変動パターン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部270、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部260に供給される。また、主制御部240は、図柄制御部260に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部270にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。また、音声・ランプ制御部270では、変動パターン指定コマンドと、停止図柄指定コマンドを受けとると、疑似図柄の変動態様と、疑似図柄の停止図柄とを乱数等による抽選で決定する。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口231に入球すると、大入賞口231の内部に設けられた入賞球検出スイッチ2318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部240に出力する。信号を受け取ると、主制御部240は後述する処理を行って、払出制御部250に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が判定始動入賞装置217に入球した場合は、判定始動入賞装置217内の入賞検出スイッチ20aがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部240に出力する。この信号を受けて主制御部240は、後述する処理を行った後、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部250に向かって出力する。
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口231に入球すると、大入賞口231の内部に設けられた入賞球検出スイッチ2318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部240に出力する。信号を受け取ると、主制御部240は後述する処理を行って、払出制御部250に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が判定始動入賞装置217に入球した場合は、判定始動入賞装置217内の入賞検出スイッチ20aがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部240に出力する。この信号を受けて主制御部240は、後述する処理を行った後、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部250に向かって出力する。
左右下入賞口219、222など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチ219s、222sが入球を検出して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部240に出力する。主制御部240は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部250に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部250を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検出した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部250は、こうして主制御部240から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置209を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部240は、上述した各種検出スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部240は、判定始動入賞装置217内の特定通過検出スイッチ20b、入賞球検出スイッチ2318等の検出結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが特別図柄始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「特別図柄始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。また主制御部240は、始動入賞を検出すると乱数値に基づいて当否判定を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部270に出力された後、音声・ランプ制御部270から信号伝送経路500bを介して図柄制御部260に送信される。
(3)特別図柄表示ゲームの概要
本遊技機においては、判定始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図27〜図30に示すように、液晶表示装置227の本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とにおいて、特別図柄の変動表示(つまり、演出表示)を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。
本遊技機においては、判定始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件(判定結果図柄の表示実行条件)」が成立すると、図27〜図30に示すように、液晶表示装置227の本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とにおいて、特別図柄の変動表示(つまり、演出表示)を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277との双方において、特別図柄の停止図柄(つまり、判定結果図柄)が確定表示される。
このとき、図 (a)及び(b)に示すように、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「外れである」旨の表示がなされると(当否判定の結果が外れである旨の判定結果図柄が表示されると)、この時点で、「一回の判定始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。ここで、図27(a)では、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)を示し、図27(b)では、「リーチ演出を伴う表示(所謂「外れリーチ」)」を示している。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード通常当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード通常当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図28に示すように、「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(スタンダード通常当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、開閉部材2312に、「第1の単位動作」が施される。
この「第1の単位動作」は、開閉部材2312の姿勢を、大入賞口2311を閉鎖する姿勢(起立姿勢)から、大入賞口2311を開放する姿勢(前傾姿勢」という。)に移行させ、この前傾姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜35秒から選択される時間)維持した後、この開閉部材2312の姿勢を、起立姿勢に戻すこと、で構成される「開閉部材2312の開閉動作)」によって構成される。
この「第1の単位動作」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15回(第1の回数の具体例を示す。)実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の判定始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード通常当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、通常遊技モードとされる。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「スタンダード確率変動当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、スタンダード確率変動当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)にも、図29に示すように、「リーチ表示」を行った後に、「大当り表示(スタンダード確率変動当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、「第1の大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が、第1の大当り状態に移行する。そして、この第1の大当り状態においても、開閉部材2312に、「第1の単位動作」が、所定のインターバル時間(以下、「第1のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計15(第1の回数の具体例を示す。)回実行されると、遊技機1の遊技状態は、第1の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。
これにより、「一回の判定始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「スタンダード確率変動当りに起因する第1の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機の遊技モードが、確率変動モードとされる。
特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「チャンス当り」である旨を確定表示する場合(当否判定の結果が、チャンス当りである旨の判定結果図柄が表示され場合)には、図30に示すように、「リーチ表示」を行った後、「大当り表示(チャンス当り図柄を用いた大当り表示)」が行われる。この「大当り表示」がなされると、遊技機1の遊技状態が、第2の大当り状態に移行する。そして、この第2の大当り状態においては、開閉部材2312に、「第2の単位動作」が施される。
この「第2の単位動作」は、開閉部材2312の姿勢を、「起立姿勢」から、「前傾姿勢」に移行させ、この前傾姿勢を、「第1の時間よりも短い第2の時間(例えば、0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」維持した後、この開閉部材2312の姿勢を、起立姿勢に戻すこと、で構成される「開閉部材2312の開閉動作)」によって構成される。
この「第2の単位動作」が、所定のインターバル時間(以下、「第2のインターバル時間」という。)を挟みつつ、計2回(第2の回数の具体例を示す。)実行されると、遊技機の遊技状態は、第2の大当り遊技状態から通常遊技状態に戻される。これにより、「一回の判定始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。そして、この「チャンス当りに起因する第2の大当り遊技状態」の終了後においては、遊技機1の遊技モードが、確率変動モードとされる。
本実施例では、個々の第2の単位動作のために費やされる時間(第1の時間)は、個々の第1の単位動作のために費やされる時間(第1の時間)よりも短く設定されている。しかも、「第2の大当り遊技状態の間に実行される第2の単位動作の回数」は、「第1の大当り遊技状態の間に実行される第1の単位動作の回数」よりも少なく設定されている。このため、「第2の大当り遊技状態」の実行中において大入賞装置231へ遊技球が入賞する確率(前述の「第2の確率」)は、「第1の大当り遊技状態」の実行中において大入賞装置231へ遊技球が入賞する確率(前述の「第1の確率」)に比べて低くされている。そして、本実施例では、第2の時間が「ごく短時間(0.1秒〜0.3秒から選択される時間)」に設定されると共に、「第2の単位動作」の「繰り返し実行回数」が最小回数(2回)に設定されている。このため、「第2の確率」は特に低くされ、遊技球の入賞は、ごく希にしか生じない。
(4)主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置230によって実行される遊技機の制御の内容について説明する。
次に、前述の電子制御装置230によって実行される遊技機の制御の内容について説明する。
a.主制御部メインジョブ
図31は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部240に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部400に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
図31は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部240に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部400に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する(S200)。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後、音声・ランプ制御部270に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う。尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部401に内蔵されているCPU480の動作チェックやRAMの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部270や、払出制御部250、図柄制御部260などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機1の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置232や液晶表示装置227(図2参照)などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部260に対して指定するコマンドである。
図32は、主制御部240から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部240に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部240が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部270から図柄制御部260に転送され、図柄制御部260の制御の下で普通図柄表示装置232あるいは液晶表示装置227のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機1では、主制御部240が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部270や図柄制御部260、払出制御部250など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部240と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機1の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部240内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部270や図柄制御部260などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。
主制御部240は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図31に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する(S205)。ここでデモ表示とは、遊技機1がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、普通図柄作動ゲート236,237を遊技球が通過したか否かを判断する(S215)。そして、普通図柄作動ゲート236,237を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数が所定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される(S215)。この普通図柄保留数(未始動回数)が所定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、S232へスキップする。また、所定個数内の保留数(未始動回数)であれば、S218において、普通図柄保留数メモリ(図示を省略するが、RAM481に設けられている。)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S90において、普通図柄に関する当否抽選に用いる当否抽選乱数(「当否抽選」に用いる乱数)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ(図示を省略するが、RAM481に設けられている。)に記憶した後、S100の処理に移行する。また、普通図柄変動ゲート236,237を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合(S230:YES)も、S232の処理に移行する。
S232の処理においては、普通図柄表示装置232における演出を制御するためのジョブ(普通図柄制御ジョブ)を行い、更に、S235の処理においては、判定始動入賞装置217の駆動を制御するためのジョブ(判定始動入賞装置駆動制御ジョブ)を行う。
次いで、主制御部240は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検出するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板340に伝達される。そして、主制御部240は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部240は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する(S310)。この賞球コマンドは、主制御部240から払出制御部250に向かって出力され、払出制御部250ではコマンドに従って賞球払出装置209を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部240から音声・ランプ制御部270にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部240は、判定始動入賞を生じたか否かを判断する(S315)。そして、判定始動入賞を生じていない場合(S315;NO)は、S350へスキップする。一方、判定始動入賞を生じた場合は(S315:YES)、S320において、特別図柄保留数が特定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数(未始動回数)が特定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その判定始動入賞は無効となり、S500へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数(未始動回数)であれば、S325において、特別図柄保留数メモリ481b(図33参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S330において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値を、S330において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図33参照:以下、判定乱数メモリともいう)に記憶した後、S500の処理に移行する。このメモリ481aは、読み込んだ判定乱数値を特別図柄判定始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
この特別図柄当否判定乱数メモリ481aは、図33(b)に示すように、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域0」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ481aに、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
このS500の処理では、液晶表示装置227における演出を制御するためのジョブ(特別図柄制御ジョブ)が行われる。そして、S500の処理に後続する処理を、遊技状態制御ジョブ(S900)で実施した後、所定の「1つの判定始動入賞に伴う一連の図柄表示ゲーム」を終了する。尚、特別図柄制御ジョブS500の内容については後述する。また、S350において、特別図柄保留数(未始動回数)が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900)は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFとされたか否かを判断し(S980)、電源がONであると判断された場合は(S980:NO)、再びS30のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機1の電源がOFFになったと判断された場合は(S980:YES)、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機1の遊技状態が終了する。
b.主要なジョブの説明
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)と、遊技状態制御ジョブ(S900)とについて説明する。図34(a)は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)と、遊技状態制御ジョブ(S900)とについて説明する。図34(a)は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ(S500)は、以下のように行われる。即ち、図35に示すように、S605において、特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図33参照)から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、図26に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(当り用判定値)を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か、つまり、遊技機1の遊技モードが確率変動モードであるか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる(S625)。
大当り処理(S650)においては、図36に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための第1本図柄と、第2本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ481e(図33参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS668の処理に移行する。
一方、両者が一致していれば(S660;YES)、当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S664の処理に移行する。このS664の処理は、S660の処理で肯定判断された当選(確変当り)が、「チャンス当り」であるのか否かを判断する処理である。そして、「チャンス当り」でない場合(スタンド確率変動当りである場合)は(S664;NO)、そのままS668の処理に移行する。これに対して、「チャンス当り」である場合は(S664;YES)、チャンス当りフラグをセットした後(S666)、S668の処理に移行する。尚、「チャンス当りフラグ」は、チャンス当りを生じたことを示すフラグである。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、特別図柄判定結果メモリ481i(図33参照)にセットする。尚、本実施例では、S660処理、つまり、「確変(確率変動)」に関する抽選(確変抽選)を「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。同様に、大当りの態様(第1の大当りであるか、第2の大当りであるか)を決定するための抽選も、「大当り図柄(第1の大当り図柄、第2の大当り図柄)」を決定するための乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この抽選を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この抽選に関する専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図35に示すように、S680で外れ第1本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第1本図柄番号メモリ481f(図33参照)に記憶する(S682)。同様に、S684で外れ第2本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第2本図柄番号メモリ481g(図33参照)に記憶する(S686)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、特別図柄判定結果メモリ481i(図22参照)」にセットする。
特別図柄制御ジョブ(S500)では、図34(a)に示すように、この「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S700)では、「本図柄指定コマンド(本図柄表示部272、273において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「本図柄変動パターン指定コマンド(本図柄表示部272、273において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドであり、図26に示した主回路部400の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている{図34(b)}。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第1本図柄表示部272に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第1本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド1」と表記することもある。)」と、第2本図柄表示部273に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第2本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド2」と表記することもある。)」とが存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、当否判定の結果が「大当り(第1の大当りでも、第2の大当りでもよい。)」の場合(S840;YES)に出力される「大当り関連表示コマンド(S841)」も含まれている。この「大当り関連表示コマンド(S841)」は、大当り図柄の確定表示(大当り表示)の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄(本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。)の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記当否判定(S620、S625)の結果が大当りである場合、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「大当り本図柄番号メモリ481eに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」及び「本図柄指定コマンド2」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)においては、前記大当り判定(S620、S625)の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第1本図柄番号メモリ481fに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」に設定し、前述の「外れ第2本図柄番号メモリ481gに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド2」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
次に、遊技状態制御ジョブ(S900)に関し、図37〜図39を用いて説明する。この遊技状態制御ジョブ(S900)は、前述の「特別図柄表示ゲーム」において、判定結果図柄の確定表示後に実行される。この遊技状態制御ジョブ(S900)では、特別図柄判定結果メモリ481iに「大当りフラグ」がセットされているか否か(つまり、当否判定の結果が大当りであるか否か)が判断される(S902)。そして、S902で「大当りフラグ」がセットされていると判断される場合(S902;YES)、この「大当りフラグ」を解除し、S921以降の処理に移行する。
S902の処理で「大当りフラグ」がセットされていないと判断される場合(S902;NO)、図39に示すように、「外れフラグ(S690)を解除する(S2903)。次いで、確変移行フラグが設定されているか否かを判断し(S2910)、設定されていなければ(S2910;NO)、時短移行フラグが、設定されているか否かが判断される(S2921)。そして、S2921の処理においても、否定的な判断がなされると(S2921;NO)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。これにより、1回の「判定始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。
ここで、「確変移行フラグ」は、後述するように(S997)、遊技機1の遊技モードが確率変動モード(確変モード)にあることを示すフラグであって、「確変当りに係る大当り状態(スタンダード確率変動当りに係る第1の大当り状態、若しくは、チャンス当りに係る第2の大当り状態)」の終了後においてセットされる。また、「時短移行フラグ」は、後述するように(S2919)、遊技機1の遊技モードが時短モードにあることを示すフラグである。そして、この「時短移行フラグ」は、確率変動モード(確変モード)の下で、所定の上限回数(本実施例では、50回)の当否判定を実行し、確率変動モード(確変モード)が解除された後にセットされる(S2919)。
S2910の処理において、確変移行フラグが設定されていると判断されると(S2910;YES)、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S2915)。この「確変カウンタ」は、遊技機1の遊技モードが確率変動モード(確変モード)に移行した後に、「大当り(第1の大当り、第2の大当り)」の判定結果図柄を表示することなく行った図柄表示の回数(つまり、当否判定で、外れ判定が行われた累積回数)を示す。つまり、遊技機1の遊技モードが確率変動モード(確変モード)に移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置227による図柄の変動表示」の累積実行回数を示す。尚、液晶表示装置227による図柄の変動表示(つまり、演出表示)は、変動表示を開始し、確定図柄(判定結果を示す図柄)を確定表示するまでを「1回」とする。
S2915において、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したか否かを判断する(S2916)。そして、「50」に到達していなければ(S2916;NO)、時短移行フラグが、設定されているか否かが判断される(S2921)。但し、時短移行フラグは、後述するように、S2916処理で一端、肯定判断されることを前提に設定される。このため、「確変カウンタ」の値が1〜49の場合(S2916;NO)、S2921において否定的な判断がなされ、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは確率変動モードに維持される。
S2916の処理で、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したと判断されると(S2916;YES)、「確変カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)し(S2917)、確変移行フラグを解除した後(S2918)、時短移行フラグを設定する(S2919)。そして、このS2919処理に続いてS2921の処理を実行する。この場合、S2921の処理は肯定判断され(S2921の処理の直前に、S2919の処理を経ているから)、S2922の処理に移行する。
S2922の処理においては、「時短カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S2922)。この「時短カウンタ」は、遊技機1の遊技モードが時短モードに移行した後に、「大当り(第1の大当り、第2の大当り)」の判定結果図柄を表示することなく行った図柄表示の回数(つまり、当否判定で、外れ判定が行われた累積回数)を示す。つまり、遊技機1の遊技モードが時短モードに移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置227による図柄の変動表示」の累積実行回数を示す。また、S2910の処理において、確変移行フラグが設定されていないと判断され(S2910;NO)、S2921の処理で肯定判断がされる場合も、S2922の処理に移行する。
S2922の処理においては、「時短カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「時短カウンタ」の値が「100」に到達したか否かを判断する(S2923)。そして、「100」に到達していなければ(S2923;NO)、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは時短モードに維持される。
S2923の処理で、「時短カウンタ」の値が「100」に到達したと判断されると(S2923;YES)、「時短カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)し(S2925)、時短移行フラグを解除した後(S2927)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは、通常モードに戻される。
前述のように、2910の処理において、確変移行フラグが設定されていないと判断され(S2910;NO)、しかも、S2921の処理で、確変移行フラグが設定されていないと判断される場合(S2921;NO)、そのまま、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、遊技機1の遊技モードは、通常モードに維持される。
図37に戻り、S902で肯定判断がされ、S918の処理を実行した後には、「確変移行フラグ」、若しくは、「時短移行フラグ」がセットされているか否かが判断され(S919)、セットされていなれば(S919;NO)、そのままS923の処理に移行する。一方、「確変移行フラグ」がセットされていれば(S919;YES)、確変カウンタのクリアと、「確変移行フラグ」の解除を行った後(S922)、S923の処理に移行する。また、「時短移行フラグ」がセットされていれば(S919;YES)、時短カウンタのクリアと、「時短移行フラグ」の解除を行った後(S922)、S923の処理に移行する。
S923の処理では、チャンス当りフラグ(S666)がセットされているか否かが判断される。そして、チャンス当りフラグ(S666)がセットされていない場合(S923;NO)、つまり、スタンダード当りの場合、第1の大当り遊技状態を開始する(S924)。一方、チャンス当りフラグ(S666)がセットされている場合(S923;YES)、チャンス当りフラグ(S666)を解除した後(S1924)、第2の大当り遊技状態を開始する(S1925)。
第1の大当り遊技状態を開始すると(S924)、先ず、第1の連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する(S925)。この「第1の連続カウンタ」の値は、「第1の大当り遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。この後、開閉部材2312の開放許容条件(換言すると、大入賞口ソレノイド2313への通電を許容する条件)が成立し、開閉部材2312を開放方向に作動され(起立姿勢から前傾姿勢に姿勢変更され)、大入賞口2311が開放される(S927)。これにより、大入賞口2311に遊技球が入賞し易い状態にして、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第1の単位動作)を開始する。
大入賞口2311の開放状態が所定時間(例えば、29秒)T1を経過したとき(S930;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S935;YES)に、「停止条件」が成立する。換言すると、開放許容条件が不成立となる(大入賞口ソレノイド2313への通電を許容する条件が不成立となる。)。そして、開閉部材2312が閉鎖方向に作動され(前傾姿勢からに起立姿勢に姿勢変更され)、大入賞口2311が閉鎖状態とされ(S940)、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第1の単位動作)を終了する。
尚、所定時間T1が経過しておらず(S930;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合(開放許容条件の成立が継続される場合)には、大入賞口2311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ2318(図25参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S930によって大入賞口2311(開閉部材2312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、第1の連続カウンタの値を「+1」し(S950)、第1の大当り遊技状態の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、第1の連続カウンタの値が、所定の回数N1(つまり、第1の回数であって、例えば、15回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定の回数N1に達すると(S955;YES)、第1の大当り遊技状態の終了条件が成立し、遊技機の遊技状態は「通常遊技状態」となる。
一方、第1の大当り遊技状態の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数N1に到達しない場合(S955;NO)、再び、開放許容条件の成立する。このため、開閉部材2312が再び、開放方向に作動され(起立姿勢から前傾姿勢に姿勢変更され)大入賞口2311(開閉部材2312)が開放状態となる。そして、大入賞装置231が遊技球受入状態とされ、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(第1の単位動作)を開始する。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本実施例では15ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦、第1の大当り遊技を開始すると、当該「第1の大当り遊技状態」の最終ラウンドまでの実行が保証される。
S960で、第1の大当り遊技状態を終了した後に、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S962)。つまり、終了した「第1の大当り遊技状態」が、確変当り(スタンダード確率変動当り)に基づくものであるか否かが判断される(S962)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S962;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S965)と、確変移行フラグを設定する処理(S967)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。尚、S997の処理は、遊技モード変更手段の具体例を構成する。一方、S962において、「NO」と判断される場合には、S965の処理と、S967の処理を実行することなく、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
尚、S997において、確変移行フラグが設定され、遊技機1が、「確率変動状態」に移行すると、上記特別遊技状態終了後、特別図柄の変動が50回行われるまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜10倍に向上する。
第2の大当り遊技状態を開始すると(S1925)、図38に示すように、先ず、第2の連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する(S1926)。この「第2の連続カウンタ」の値は、「第2の大当り遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS1926の処理の後、開閉部材2312の開放許容条件(換言すると、大入賞口ソレノイド2313への通電を許容する条件)が成立し、開閉部材2312を開放方向に作動され(起立姿勢から前傾姿勢に姿勢変更され)、大入賞口2311が開放される(S1929)。そして、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第2の単位動作)を開始する。
大入賞口2311の開放状態が所定時間(例えば、0.2秒)t1を経過したとき(S1930;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S1935;YES)に、「停止条件」が成立する。換言すると、開放許容条件が不成立となる(大入賞口ソレノイド2313への通電を許容する条件が不成立となる。)。そして、開閉部材2312が閉鎖方向に作動され(前傾姿勢からに起立姿勢に姿勢変更され)、大入賞口2311が閉鎖状態とされ(S1940)、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(つまり、第2の単位動作)を終了する。
尚、所定時間tが経過しておらず(S1930;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S1935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合(開放許容条件の成立が継続される場合)には、大入賞口2311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ2318(図25参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S1930によって大入賞口2311(開閉部材2312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)が経過した後に、第2の連続カウンタの値を「+1」し(S1950)、第2の大当り遊技状態の終了条件を満たすか否かが判断される(S1955)。例えば、第2の連続カウンタの値が、所定の回数M(つまり、第2の回数であって、例えば、2回)に到達したか否かが判断され(S1955)、所定の回数M1に達すると(S1955;YES)、第2の大当り遊技状態の終了条件が成立する。そして、第2の大当り遊技状態を終了し(S1960)、遊技機1の遊技状態は「通常遊技状態」となる。
一方、第2の大当り遊技状態の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数Nに到達しない場合(S1955;NO)、再び、開放許容条件の成立する。このため、開閉部材2312が再び、開放方向に作動され(起立姿勢から前傾姿勢に姿勢変更され)大入賞口2311(開閉部材2312)が開放状態となる。そして、1つのラウンドに係るラウンド賞球遊技(第2の単位動作)を開始する。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「単位動作」は、最終ラウンド(本実施例では2ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S1935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦第2の大当り遊技を開始すると、当該「第2の大当り遊技状態」の最終ラウンドまでの実行が保証される。但し、「第2の大当り遊技状態」においては、個々の「第2の単位動作」が短時間で行われ(0.2秒)、しかも、実行するラウンド数が少ない(2ラウンド)ため、この第2の大当り遊技状態の実行中において、第2の可変入賞装置80への入賞は、困難とされている。また、本実施例においては、S1950の処理と、S1955の処理の間において、「継続条件」の成否の判断を行うこととしてもよい。この場合、「第2の大当り遊技状態」は、「第2の単位動作」をただ一回実行したところで、終了する確率が高くなる。
S1960で、第2の大当り遊技状態を終了した後においても、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S962)。但し、終了した「第2の大当り遊技状態」は、必ず、確変当り(チャンス当り)であるため、S962の処理においては、必ず、肯定的な判断がなされる。このため、確変当りフラグを解除する処理(S965)と、確変移行フラグを設定する処理(S967)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
尚、本実施例では、「第2の大当り図柄」を「第2の変更図柄」のみで構成する態様を例示したが、この「第2の大当り図柄」を、「第2の変更図柄」と、「第2の通常図柄」とで構成してもよい。この場合、第2の大当り遊技状態の発生原因を構成する「第2の大当り図柄」が「第2の通常図柄」であると、S995の処理において、否定的な判断がなされる。
(5)コマンドの送受信
主制御部240及び副制御部(270、260)間のコマンドの送受信に関し、図40及び図41を用いて説明する。この図29及び30は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部240(主制御基板340)から音声・ランプ制御部270(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部240(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部240(主制御基板340)から音声・ランプ制御部270(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
主制御部240及び副制御部(270、260)間のコマンドの送受信に関し、図40及び図41を用いて説明する。この図29及び30は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部240(主制御基板340)から音声・ランプ制御部270(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部240(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部240(主制御基板340)から音声・ランプ制御部270(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ{図34(a)}において、ステップS810の処理が初めて実行される時には、図40に示すように、「変動パターン指定コマンド」が出力される。この「変動パターン指定コマンド」は、本図柄(第1〜第2本図柄)の変動を開始させるコマンドであるばかりか、これらの本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図40及び図41において、実線の矢印は、主制御部240に操作信号が供給されていることを模式的に示したものである。また、「白抜きの矢印」は、(1)「演出操作信号」が、主制御部240から、音声・ランプ制御部270及び図柄制御部260に供給されていることを模式的に示す場合と、(2)主制御部240の発するコマンドが音声・ランプ制御部270及び図柄制御部260に供給されていることを模式的に示す場合と、がある。更に、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部270が発したコマンドが図柄制御部260に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部270から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板370は、図40に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。これにより、本図柄(第1〜第2本図柄)と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部270及び図柄制御部260では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが1周目の処理を終了して、2周目にS820の処理が実行されるときには、第1本図柄を指定するコマンド(第1本図柄指定コマンドCts1 )を出力する。尚。主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約4msec掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略4msecに、第1本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約4msec後に3周目の処理が実行される時には、第2本図柄を指定するコマンド(第2本図柄指定コマンドCts2 )が出力される。
尚、本実施例では、2つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。こうして特別図柄(本図柄)についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド(本図柄停止コマンドCtstp)を出力する。
そして、図41に示すように、所定の時間経過後に、主制御部240は、音声・ランプ制御基板370に、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を送信する(S830、図34参照)。また、音声・ランプ制御基板370は、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。そして、音声・ランプ制御部270及び図柄制御部260では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。
尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部240は、音声・ランプ制御基板370に、「大当り関連表示コマンド(例えば、大当り表示開始コマンド)」を送信する。
(5)サブ基板メインルーチン
a.概略
音声・ランプ制御部270は、主制御部240から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、この図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部260に転送し、図柄制御部260は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。以下では、この特別図柄の表示制御を示す処理、即ち、サブ基板メインルーチン(S1000)の内容について説明する。尚、普通図柄の表示制御については、特別図柄の表示制御と処理の流れが基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
a.概略
音声・ランプ制御部270は、主制御部240から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、この図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部260に転送し、図柄制御部260は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。以下では、この特別図柄の表示制御を示す処理、即ち、サブ基板メインルーチン(S1000)の内容について説明する。尚、普通図柄の表示制御については、特別図柄の表示制御と処理の流れが基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
図42は、サブ基板メインルーチンの流れを示したフローチャートである。かかる処理は、遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図25に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部270および図柄制御部260が初期化されると、自動的に開始される処理である。
サブ基板メインルーチンを開始すると、先ず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1005)。そして、変動パターン指定コマンドを受信した場合は(S1005:YES)、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を開始する(S1010)。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、全ての本図柄指定コマンドを全て受信したか否かを判断し(S1020)、受信した場合には(S1020;YES)、図柄表示制御処理を行う(S1100)。そして、本図柄停止コマンドの受信すると(S1030;YES)、全特別図柄(つまり、全本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を停止させる(S1500)。更に、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し(S1800)、受信した場合には(S1800;YES)、大当り関連表示(S1830)に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFになっていないことを確認し(S1850)、電源がOFFでなければステップS1005に戻って続く一連の処理を行う。ステップS1850において電源がOFFであると判断されたら、サブ基板メインルーチン(S1000)を終了する。
(4)実施例2の効果
実施例2においても、実施例1と同様な効果が得られる。また、実施例2の遊技機では、従来のセブン機では得られなかった遊技性が得られる。つまり、従来のセブン機に設けられる判定始動入賞装置(所謂、「チュリップ式の判定始動入賞装置」)では、当該判定始動入賞装置に遊技球が入球した時点で、判定始動入賞が一律に成立する。しかも、遊技者は、遊技球が判定始動入賞装置に入球した時点で、当該遊技球を目視することができない。つまり、従来のセブン機においては、判定始動入賞装置に関連する遊技・演出は、遊技球が入球した時点で一応終了する。
実施例2においても、実施例1と同様な効果が得られる。また、実施例2の遊技機では、従来のセブン機では得られなかった遊技性が得られる。つまり、従来のセブン機に設けられる判定始動入賞装置(所謂、「チュリップ式の判定始動入賞装置」)では、当該判定始動入賞装置に遊技球が入球した時点で、判定始動入賞が一律に成立する。しかも、遊技者は、遊技球が判定始動入賞装置に入球した時点で、当該遊技球を目視することができない。つまり、従来のセブン機においては、判定始動入賞装置に関連する遊技・演出は、遊技球が入球した時点で一応終了する。
これに対して、実施例2においては、遊技者は、遊技球が判定始動入賞装置217に入球した後も、暫くの間、当該遊技球を前方から目視することができる。しかも、判定始動入賞の成否を決する誘導部材28の駆動源として、判定始動入賞装置217に入賞した遊技球の自重を用いる。そして、遊技球の誘導部材28への到達態様(到達するタイミング、到達する際の速度等)は、一般に個々の遊技球毎に異なるため、遊技球の通過(転動)態様や、誘導部材28の駆動態様が「アナログ的」で、面白みのあるものとなる。よって、本実施例では、判定始動入賞装置217に遊技球が入球した後においても、遊技者にとって面白みのある遊技・演出を実行できる。従って、実施例2によると、セブン機の遊技性を高めることができる。
次に、実施例2の変形例(以下、「変形例2」という)について説明する。つまり、変形例2では、各請求項の発明の「入球装置」を、「判定始動入賞装置217A」と、この「判定始動入賞装置217A」に対して、遊技球が入球する確率を選択するため「入球確率選択装置」とを用いて構成している。つまり、変形例2には、(a)左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)236,237の代わりに、入球確率選択装置517、517を配置した点と、(b)判定始動入賞装置217Aとして普通電動役物を用いる点と、(c)遊技盤210に入球確率選択装置517、517の特定領域部R3と、判定始動入賞装置217Aの特定領域部R4とを連絡する「ワープ通路518」を設けた点と、(d)入球確率選択装置517、517内の特定領域部R1と、球排出樋27の内部空間と、ワープ通路518の内部空間と、判定始動入賞装置217Aの内部空間(特定領域部R2)とによって特定領域を構成した点と、(e)一般領域Sが球排出樋27に合流せず、一般領域S内の遊技球は他の球排出樋27Aを用いて排出される点、(f)入球確率選択装置517、517内には、「入賞球検出スイッチ20a」と「特定通過検出スイッチ20b」が配置されていない点と、(g)左右一対の開閉部材23、24と、開閉駆動ソレノイド23b、24bとを備えない点、とが異なっている。
判定始動入賞装置217Aは、所謂、チューリップ式の入賞装置であり、一対の翼片部を主体に構成され、この一対の翼片部が下部を支点に左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設すると、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。この判定始動入賞装置217Aの内部には、入賞検出スイッチ217sが配設されている。そして、この判定始動入賞装置217Aの内部空間が、特定領域の一部(特定領域R4)を構成している。
この入賞検出スイッチ217sは、実施例2の「入賞球検出スイッチ20a」と、「特定通過検出スイッチ20b」との双方の機能を兼用する。つまり、入賞検出スイッチ217sが遊技球を検出すると、入賞検出スイッチ217sが検出信号を信号ケーブルを介して主制御部240に出力する。この信号を受けて主制御部240は、4個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部250に向かって出力す。同時に、当否判定の実行条件が成立する。
入球確率選択装置517、517は、判定始動入賞装置217Aの左右斜め上方に配置されている。この入球確率選択装置517、517は、実施例2の判定始動入賞装置217Aと以下の点が異なる他は、同様な構成を備える。つまり、この入球確率選択装置517、517は、左右一対の開閉部材23、24と、開閉駆動ソレノイド23b、24bとを備えず、入賞口21dが常時開放されている。
変形例2では、入賞口21dから遊技球が入球すると、誘導部材28によって、この遊技球の通過方向が特定領域部R1と、一般領域Sとに振り分けられる。そして、特定領域部R3に振り分けられた遊技球は、球排出樋27と、ワープ通路518とを通過した後、判定始動入賞装置217Aに入球する構成とされている。一方、一般領域Sに振り分けられた遊技球は、球排出樋27Aを用いて、入球確率選択装置517、517の外部に排出される(判定始動入賞装置217Aの内部を除く、入球確率選択装置517、517の外部である。)。
この変形例2によると、実施例2の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、主制御部240によって行われる抽選によることなく、誘導部材28を用いたアナログ的な駆動によって判定始動入賞の可否を決定する。このため、変形例2では、より一層、アナログ的な遊技を実行できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
即ち、各請求項の発明を、図45に示すような「アレンジボール機(以下、「変形例3」という。」に適用することもできる。この変形例3の遊技機を構成する遊技盤520にも、外レール522と内レール523を用いて略円形状の遊技領域511が形成されている。この遊技領域511には、16連入球口(入球領域)524と、入賞図柄表示装置525と、左入球口(入球領域)526と、右入球口(入球領域)527と、得点表示装置528と、誘導図柄作動ゲート529、誘導図柄表示装置(図柄表示装置)530と、中央入賞装置531と、第2役物誘導装置作動ゲート536と、第2役物作動口537等が設けられている。更に、遊技領域511には、多数の障害釘(図示略)が設けられている。
中央入賞装置531は、実施例1の中央入賞装置20と同様な構成を備えている。また、中央入賞装置531の構成部材も、中央入賞20の構成部材と同一である。以下の説明においては、中央入賞装置531の構成部材の説明に関して、実施例1で用いた図面と、符号を使用する。
つまり、中央入賞装置531は、各請求項に係る「入球装置」の具体例を構成するものである。この判定始動入賞装置217も、実施例1の中央入賞装置20と同様に、その外郭を構成する外郭体21と、球受け板22と、左右一対の開閉部材23、24と、仕切板25と、第1の領域形成体26aと、第2の領域形成体26bと、球排出樋27と、誘導部材28と、表示装置29とを備えている。また、16連入球口524の内部と、左右の入球口526、527の内部と、誘導図柄作動ゲート529の内部と、第2役物誘導装置作動ゲート536の内部と、第2役物作動口537の内部には、遊技球の入球又は通過を検知する入球検知スイッチ(図示略)が設けられている。
16連入球口524は、遊技領域511の下方部側に設けられ、16個の入球口が横方向に一列に並んで配置されている。また、入賞図柄表示装置525は、16連入球口524の前面側に設けられ、16連入球口24の各入球口に対応した1〜16の入賞図柄(数字ランプ)を備えている。更に、16連入球口524のいずれかの入球口に入球した場合には、その入球口に対応する入賞図柄表示装置525の入賞図柄が点灯表示する。尚、遊技球16個がすべて入球した後、遊技者が入賞図柄を確認する入賞図柄確認時間(本例では0.5秒)が設定されている。また、少なくとも3番、5番、11番、13番、15番の入賞図柄に対応する各入球口は、障害釘により直接の入球が困難な難入球口とされている。
左入球口526は、16連入球口524の上方左側に設けられ、右入球口527は、16連入球口524の上方右側に設けられている。そして、左入球口526に入球すると、16連入球口524のうちで5番の入球口に入球したのと同様の効果が得られ、入賞図柄表示装置525の5番の入賞図柄が表示される。また、右入球口527に入球すると、16連入球口24における12番の入球口に入球したのと同様の効果が得られ、入賞図柄表示装置525の12番の入賞図柄が表示される。
変形例3の遊技機は、「16個」の遊技球の発射を単位遊技(1ゲーム)として、1ゲーム中に点灯表示した入賞図柄の組合せにより、賞態様が決定(得点が成立)する。例えば、入賞図柄が4個連続して点灯表示された場合には1点が付与される。そして、1点につき規定数(16個)の賞球が払い出される。また、所定の入賞図柄の連続した組合せ(本例では「1、2、3、4」、「12、13,14、15」、「13,14、15、16」に対して3点が付与される。但し1ゲームにおいて獲得できる遊技球数は、規定数の10倍(160個)が上限となっている。
得点表示装置528は、16連入球口26の下方に設けられ、1ゲーム中で成立した得点が払出スコアとして表示される。
第1誘導図柄作動ゲート529は、遊技領域511の左上方に設けられている。また、誘導図柄表示装置530は、第1誘導図柄作動ゲート529の左下方に設けられ、複数(本例では3つ)の図柄表示領域を備えている。更に、誘導図柄表示装置530は、複数パターンの図柄を表示可能に構成されている。具体的には、誘導図柄表示装置530の3つの図柄表示領域はそれぞれ1〜7の数字を表示可能である。尚、誘導図柄表示装置530は、7セグメントLED、ドットマトリクス、液晶(LCD)等を用いて構成することができる。
誘導図柄表示装置530の誘導図柄は、遊技球が誘導図柄作動ゲート529を通過することにより変動開始し、所定時間変動表示した後で停止表示を行う。この誘導図柄が変動する誘導図柄変動時間は、通常1.5秒程度とされている。また、誘導図柄変動時間の経過後、遊技者が誘導図柄を確認するために誘導図柄停止表示時間(通常0.5秒)が設定されている。
誘導図柄表示装置530で停止表示された誘導図柄が、予め定められた当たり図柄の組合せである場合には、一定時間経過後に、開閉部材23、24の状態が閉鎖状態から開放状態に変化し、中央入賞装置531に遊技球が入球し易くなる。尚、変形例3では、「3、3、3」の組合せと、「7、7、7」の組合せと、を当たり図柄の組合せとし、それ以外の組合せを外れ図柄の組合せとしている。尚、開放状態にある開閉部材23、24は、中央入賞装置531に遊技球の入球があった場合、2ゲームが終了した場合、若しくは、3ゲームが終了した場合に閉鎖状態に戻される。
中央入賞装置531は、遊技領域511の略中央に設けられ、入賞図柄表示装置525における4つの入賞図柄を同時に表示させる第1役物(変形例3の遊技機を構成する主制御部を主体に構成される。)を作動させるものである。つまり、中央入賞装置531に遊技球が入球した場合には、第1役物が作動して、「12、13,15、16」の入賞図柄が点灯表示する。また、第1役物は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。
中央入賞装置531に入球した遊技球が、特定領域Rを通過すると、誘導増加装置(特別遊技発生装置)が作動する。この誘導増加装置とは、変形例3の遊技機を構成する主制御部を主体に構成され、遊技状態を変化させて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)を発生させるものである。
具体的には、誘導増加装置の作動により第2役物誘導装置作動ゲート536が有効になる。そして、誘導増加装置の作動は、作動開始から所定回数の14ゲームが終了した場合、又は、作動中に新たに遊技球が特定領域Rを通過した場合に終了する。
第2役物誘導装置作動ゲート536は遊技領域511の右上方に設けられ、遊技球が通過することで第2役物誘導装置の作動を開始させるものである。また、誘導増加装置の作動中に、遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート536を通過した場合、第2役物誘導装置が作動開始し、遊技領域511に設けられた第2役物作動口537が遊技球が入球しやすい開放状態となる。尚、第2役物誘導装置とは、変形例3の遊技機を構成する主制御部を主体に構成され、第2役物作動口537の状態を変化させるものである。
第2役物作動口537は遊技領域511内の右方に設けられている。そして、第2役物作動口537は一対の可動片を備え、これらの可動片が左右に作動することにより第2役物作動口37が開放して入球しやすくなる。第2役物作動口37は、入賞図柄表示装置25における4つの入賞図柄を同時に表示させる第2役物を作動させるものである。この第2役物作動口37に入球した場合には、第2役物が作動して、「11、13、14、15」の入賞図柄が点灯表示する。尚、第2役物作動口537は得点増加装置作動口としての機能も有しており、第2役物作動口537に入球した場合には得点増加装置が作動する。この賞態様増加装置としての得点増加装置は、変形例3の遊技機を構成する主制御部を主体に構成され、当該ゲームにおいて1得点当たりに払い出される賞球数を増加(本変形では2倍)させるものである。そして、得点増加装置は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。
また、図示を省略するが、各請求項の発明を、「権利物(以下、「変形例4」という。」に適用することもできる。例えば、遊技領域に始動入賞装置と、実施例1の中央入賞装置28と同様な構成を備える権利発生用の入球装置と、を配置する。そして、始動入賞装置に遊技球が入球することに応答して、大当たり抽選が行われる。この大当たり抽選の抽選結果が大当たりであれば、権利発生用の入球装置の開閉部材の状態を、所定のタイミングで閉鎖状態から開放状態に変化させる。そして、権利発生用の入球装置に入球させた遊技球が、特定領域(V入賞領域)を通過すると、権利発生となり、「大入賞装置」が、開閉を繰り返す特別遊技状態が発生するような遊技機を例示できる。
各実施例及び各変形例では、誘導部材28の回転軸心Jを基準とする両端部(つまり、左右の両端部)において、その肉厚方向に沿った重量分布を均一としたが、両端部(つまり、左右の両端部)の重量分布を、誘導部材28の表裏一方の面の側に重くなるように、重量分布を定めることもできる。例えば、図46(a)に示す変形例4に示すように、両端部(つまり、左右の両端部)において、誘導部材28の表裏一方面の側に充填される錘体28bの数を、表裏他方面の側に充填される錘体28bの数よりも多くすることができる。逆に、両端部(つまり、左右の両端部)において、誘導部材28の表裏一方面の側に充填される各錘体28bの重量を、表裏他方面の側に充填される錘体28bの重量よりも重くすることができる。この場合、誘導部材28において、上方に向き易い面を作為的に偏らせることができる。つまり、錘体28bの分布状況によって、裏になるか、表になるかを偏らせることが出来る。
また、図46(b)に示す変形例5に示すように、錘体28bを用いることなく、誘導部材28の回転軸心Jを基準とする両端部(つまり、左右の両端部)に、重り部を設けることができる。つまり、この両端部(つまり、左右の両端部)において断面積を拡大し、この両端部に他の部位に比べて体積が大きな部位28nを形成し、重り部を設けることもできる。
各実施例及び各変形例では、2つの転動部を備える誘導部材28を例示したが、3つの以上の転動部を備える誘導部材を例示することもできる。例えば、誘導部材を三角柱形状に形成すると共に、その3つの側面を各々転動部とすることもできる。
各請求項の発明の入球装置においては、誘導部材の回転を禁止するための「回転禁止手段」を設けてもよい。例えば、通常時は、「回転禁止手段」を解除して誘導部材の回転を許容するが、必要に応じて、「回転禁止手段」を駆動して誘導部材の回転を禁止してもよい。具体的には、実施例2の遊技機が「確変モード」若しくは「時短モード」にあるときに、「回転禁止手段」を駆動して、誘導部材28を、表面部28dが上方いた状態に固定する。これにより、判定始動入賞の促進を図り、「確変モード」若しくは「時短モード」の目的を達成することができる。
各本実施例及び変形例では、誘導部材20の回転軸心Jを遊技機の前後方向に向け、特定領域誘導部(28f、28j)を遊技機の前後方向に形成したが、各請求項の発明では、誘導部材20の回転軸心Jの方向や特定領域誘導部(28f、28j)の形成方向は特に問わない。例えば、誘導部材20の回転軸心Jの方向や特定領域誘導部(28f、28j)の形成方向を、遊技機の左右方向とすることもできる。
また、上記した実施例2や変形例2の形態では、液晶表示装置227での図柄(本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置232での普通図柄の表示制御を図柄表示部260で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置227における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置232における普通図柄の表示制御とを主制御部240で行い、液晶表示装置227における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部260で行うようにしても良い。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
1;遊技機1(弾球遊技機)。
10、200、520;遊技盤、
11、211、511;遊技領域、
20、531;中央入賞装置(入球装置)、
217;判定始動入賞装置(入球装置)、
217A及び517;(入球装置)、
28;誘導部材、
28d;表面部(転動部)、
28e;裏面部(転動部)、
28f、28j;特定領域誘導部、
28g、28k;一般領域誘導部、
20b;特定領域通過検出スイッチ(特定領域検出手段)。
R;特定領域、
S;一般領域。
10、200、520;遊技盤、
11、211、511;遊技領域、
20、531;中央入賞装置(入球装置)、
217;判定始動入賞装置(入球装置)、
217A及び517;(入球装置)、
28;誘導部材、
28d;表面部(転動部)、
28e;裏面部(転動部)、
28f、28j;特定領域誘導部、
28g、28k;一般領域誘導部、
20b;特定領域通過検出スイッチ(特定領域検出手段)。
R;特定領域、
S;一般領域。
Claims (8)
- 前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
両転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
一方の転動部に設けられた特定領域誘導部は、他方の転動部に設けられた特定領域誘導部に比べて、溝幅及び溝深さのうちの少なくとも溝幅が大きくされたことを特徴とする遊技機。 - 前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
両転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
両転動部に設けられた特定領域誘導部の間において、前記遊技球を保持する保持能力に差異が設けられたことを特徴とする遊技機。 - 前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を表裏に備え、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、両転動部のうちの何れかを上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
一方の転動部は、前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
他方の転動部は、前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部のみで構成されることを特徴とする遊技機。 - 前面部に遊技領域を形成した遊技盤と、
該遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球口と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された一般領域と、該入球口から入球した遊技球が通過可能となるように設定された特定領域と、前記入球口から入球した遊技球を前記一般領域及び前記特定領域のうちの何れか一方に向けて転動させる転動部を有する誘導部材と、を具備する入球装置と、
前記特定領域を通過する遊技球を検出するための特定領域検出手段と、
を備える遊技機であって、
前記誘導部材は、
前記転動部を三面以上に備えると共に、重心を通過する回転軸心を基準に回転可能に軸支されつつ、何れかの転動部を上方に向けた釣り合い状態で、静止可能に配置され、
各転動部は、
前記回転軸心に沿った溝状に設けられると共に前記遊技球の転動方向が前記特定領域の方向となるように誘導する特定領域誘導部と、前記特定領域誘導部の両側に設けられると共に前記遊技球を転動方向が前記一般領域の方向となるように誘導する一般領域誘導部と、に区画され、
少なくとも1つの転動部に設けられた特定領域誘導部は、他の転動部に設けられた特定領域誘導部に比べて、溝幅及び溝深さのうちの少なくとも溝幅が大きくされたことを特徴とする遊技機。 - 前記誘導部材は、前記回転軸心の基準とする両端部側に重量が、他の部位に比べて重量が重くされた重り部を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機。
- 前記入球口と前記誘導部材との間に形成され、前記入球口から前記入球装置に入球した遊技球を、前記誘導部材に案内する案内経路を備え、
前記案内経路の出口部が、前記回転軸心の上方、若しくは、斜め上方に配置されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機。 - 前記誘導部材は、入球装置の外郭を構成する外郭体の内部において回転可能な状態に軸支され、
該外郭体において前記誘導部材の下部の空間のうちで、前記誘導部材の前方下部であって前記回転軸心に沿った位置の空間部を前記特定領域誘導部とし、他の空間部を前記一般領域誘導部とすると共に、
前記特定領域誘導部は、前記回転軸心に沿って下り傾斜状とされることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の遊技機。 - 前記入球装置は、前記入球口の開閉を行う開閉部材を備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005316157A JP2007117557A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005316157A JP2007117557A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007117557A true JP2007117557A (ja) | 2007-05-17 |
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ID=38142031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005316157A Withdrawn JP2007117557A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 遊技機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009268748A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
JP2013056241A (ja) * | 2012-12-26 | 2013-03-28 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
JP2014000174A (ja) * | 2012-06-15 | 2014-01-09 | Taiyo Elec Co Ltd | 遊技機 |
JP2014012162A (ja) * | 2013-07-31 | 2014-01-23 | Sanyo Product Co Ltd | 遊技機 |
JP2015057183A (ja) * | 2014-12-22 | 2015-03-26 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2019050957A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 株式会社三共 | 遊技機 |
JP2019050958A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 株式会社三共 | 遊技機 |
JP2020130398A (ja) * | 2019-02-15 | 2020-08-31 | 豊丸産業株式会社 | 遊技機 |
-
2005
- 2005-10-31 JP JP2005316157A patent/JP2007117557A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015057183A (ja) * | 2014-12-22 | 2015-03-26 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2019050957A (ja) * | 2017-09-14 | 2019-04-04 | 株式会社三共 | 遊技機 |
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JP7150421B2 (ja) | 2017-09-14 | 2022-10-11 | 株式会社三共 | 遊技機 |
JP7150420B2 (ja) | 2017-09-14 | 2022-10-11 | 株式会社三共 | 遊技機 |
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