JP4310543B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は遊技機に関し、特に、いわゆるセブン機、権利物等の弾球遊技機に関するものである。
例えば、セブン機では、始動入賞手段（始動口）と、特別図柄（識別情報を構成する構成図柄の具体例）の変動表示及び確定表示を行う変動表示手段と、大入賞装置（可変入賞装置の一具体例を構成）と、を遊技盤の前面側に備えている。この大入賞装置は、大入賞口（入賞口の具体例を構成する。）と、この大入賞口の開閉や開放度合いの調節を行うための開閉部材（アタッカー）と、大入賞口を通じて入賞した遊技球（以下、「入賞球」という。）を検出するための入賞球検出手段と、を具備している。
このセブン機では、「始動入賞手段への遊技球の入賞（以下、「始動入賞」という。）」を検出することを前提として判定実行条件が成立する。この判定実行条件が成立すると、判定手段によって、当該遊技機の遊技状態を「通常遊技状態（大入賞口の閉鎖状態を継続する遊技状態）」から「特別遊技状態（大入賞口の開放状態を実現させる遊技状態）」に移行させるか否かの判定が行われる。
更に、この判定の結果に関する表示実行条件が成立した場合には、変動表示手段において、特別図柄の変動表示を開始する。この変動表示手段においては、特別図柄の変動表示を所定の変動時間行った後に、判定の結果を示す停止図柄を確定表示する。そして、この停止図柄が、大当り図柄である場合（例えば、「７，７」若しくは「７，７，７」等、構成図柄をゾロ目状態に表示してなる「ゾロ目図柄」である場合等）には、遊技機の遊技状態が「通常遊技状態」から「特別遊技状態」に移行する。
遊技機の遊技状態が「特別遊技状態」に移行すると、図３９に示すような「大入賞装置制御処理（Ｓ２９３０）」が開始する。つまり、この「大入賞装置制御処理（Ｓ２９３０）」は、先ず、開閉部材の開放動作（閉鎖姿勢から開放姿勢に姿勢変更させる動作）を行って、閉鎖状態にある大入賞装置を開放状態に変化させ、「第１のラウンド」に係る「ラウンド賞球遊技」を開始する（Ｓ２９３２、Ｓ２９３４、Ｓ２９３６、Ｓ２９３８）。これにより、大入賞口への遊技球の入賞が可能となる。
そして、各ラウンド賞球遊技毎にラウンドの終了時間が経過するか（Ｓ２９４７；ＹＥＳ）、入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が、予め設定されたラウンド終了個数に到達すると（Ｓ２９５０；ＹＥＳ）、一旦、開閉部材（アタッカー）の閉鎖動作（開放姿勢から閉鎖姿勢に姿勢変更させる動作）を行って大入賞装置を閉鎖状態とし、１ラウンドのラウンド賞球遊技を終了する（Ｓ２９５２、Ｓ２９５６）。この後、再び、開閉部材（アタッカー）の開放動作（Ｓ２９３６、Ｓ２９３８）を行って、大入賞装置を開放状態とし、後続するラウンド（第２のラウンド以降）に係る「ラウンド賞球遊技」を実行する。この「ラウンド賞球遊技」が、「最終のラウンド」に至るまで、複数のラウンド回数（例えば、１４〜１６回）にわたって繰り返されると（Ｓ２９７０；ＹＥＳ）、この遊技機の遊技状態は「特別遊技状態」から「通常遊技状態」に戻される。
ところが、この種の遊技機においては、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」において、所謂「遅れ入賞球」を発生させ、特別遊技の実行によって当該遊技機が実際に払い出す「賞球の合計数（以下、「実数値」という。）」が、遊技機メーカによって予め設定されている「賞球の合計数（以下、「設定値」という。）」を大幅に超過する等の不具合を生ずることがある。
つまり、各ラウンド賞球遊技毎に、ラウンド終了個数に該当する遊技球を、入賞球検出手段が検出してから、実際に、開閉部材（アタッカー）が閉鎖動作を完了（Ｓ２９５２の処理を完了）するまでの間に、予定外の入賞球（ラウンド終了個数を超過する入賞球）、即ち、「遅れ入賞球」が、大入賞口に入賞する可能性がある。しかも、この「遅れ入賞球」の発生の可能性は、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」毎に生ずるため、特別遊技全体を通じると、この「遅れ入賞球」に起因した「予定外の賞球数」が多大となり、遊技者の射幸心を著しく刺激する可能性がある。
このため、このような「遅れ入賞球」の処理を行うための賞球制御手段を、含む遊技機が提案されている（以下、「従来例」といい、特許文献１を参照）。つまり、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」において、「ラウンド終了個数以下の入賞球」については、規定個数の賞球を行い、「ラウンド終了個数を超える入賞球（つまり、遅れ入賞球）」については、１個の賞球を行う賞球制御手段を含む遊技機が提案されている。
特開２００２−１７７５５８号公報
ところが、この従来例では、以下のような問題を有している。即ち、この従来例では、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」において、「遅れ入賞球」を生ずる毎に、この「遅れ入賞球」を処理するため、特別遊技の迅速な進行を行うことが困難である。つまり、この従来例では、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」毎に、予定数（ラウンド終了個数）の入賞球の検出処理を行うことに加えて、必要に応じて、「遅れ入賞球」の検出処理を行うこと（本来は、無駄な検出処理を行うこと）が必要なため、特別遊技の迅速な進行を行うことは困難である。
尚、この種の遊技機が、図３９に示すように、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」を終了する毎に、継続条件を判定し（Ｓ２９６０）、この継続条件の成立（Ｓ２９６０；ＹＥＳ）を条件に、次のラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」に移行するタイプである場合には、特別遊技の迅速な進行を行うことがより一層、困難なものとなる。蓋し、このタイプの遊技機では、大入賞装置を閉鎖状態とし、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」を終了した後に、「遅れ入賞球」に関しても、継続条件の成否を判断することが必要となる、つまり、「遅れ入賞球」に関して継続条件の成否を判断するための期間（以下、「継続判定期間」という。）を「ラウンド賞球遊技」が終了する毎に確保することが必要なため（Ｓ２９５８）、その分、特別遊技の迅速な進行が困難となるからである。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、特別遊技の実行によって払い出す「実数値」と、「設定値」との差異を少なくできる遊技機を提供することである。
本発明の他の目的は、特別遊技の迅速な進行を容易とする遊技機を提供することである。
請求項１記載の遊技機は、
入賞口と、該入賞口から入賞した入賞球を検出するための入賞球検出手段と、該入賞口から入賞した入賞球を該入賞球検出手段に向かって通過させるための入賞球通過路と、該入賞口を閉鎖する閉鎖姿勢及び該入賞口を開放する開放姿勢の間で姿勢変更可能な開閉部材と、を具備する可変入賞装置を備え、
通常遊技の実行時には、前記開閉部材を前記閉鎖姿勢に維持する一方、
特別遊技の実行時には、前記開閉部材の姿勢を所定のラウンド終了条件が成立するまでの間、前記開放姿勢に移行させるラウンド賞球遊技を、第１のラウンドから最終のラウンドに至るまで実行可能な遊技機であって、
前記ラウンド賞球遊技は、前記開閉部材に開放駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記開放姿勢に移行させることで開始し、前記開閉部材に閉鎖駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記閉鎖姿勢に戻すことで終了し、
前記ラウンド終了条件は、各ラウンド賞球遊技毎に前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が所定のラウンド終了個数に到達するか、若しくは、所定のラウンド終了時間が経過することによって成立すると共に、
前記入賞球通過路には、前記入賞口から入賞した入賞球を停留させるための停留手段を設け、
前記最終のラウンドを除く各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が前記ラウンド終了個数に到達すると、前記停留手段の停留動作を開始させ、前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始されると、前記停留手段の停留動作を解除することを特徴とする。
請求項２記載の遊技機は、
入賞口と、該入賞口から入賞した入賞球を検出するための入賞球検出手段と、該入賞口から入賞した入賞球を該入賞球検出手段に向かって通過させるための入賞球通過路と、該入賞口を閉鎖する閉鎖姿勢及び該入賞口を開放する開放姿勢の間で姿勢変更可能な開閉部材と、を具備する可変入賞装置を備え、
通常遊技の実行時には、前記開閉部材を前記閉鎖姿勢に維持する一方、
特別遊技の実行時には、前記開閉部材の姿勢を所定のラウンド終了条件が成立するまでの間、前記開放姿勢に移行させるラウンド賞球遊技を、第１のラウンドから最終のラウンドに至るまで実行可能な遊技機であって、
前記ラウンド賞球遊技は、前記開閉部材に開放駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記開放姿勢に移行させることで開始し、前記開閉部材に閉鎖駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記閉鎖姿勢に戻すことで終了し、
前記ラウンド終了条件は、各ラウンド賞球遊技毎に前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が所定のラウンド終了個数に到達するか、若しくは、所定のラウンド終了時間が経過することによって成立すると共に、
前記入賞球通過路には、前記入賞口から入賞した入賞球を停留させるための停留手段を設け、
更に、前記入賞球通過路において該停留手段と前記入賞口との間の部位、若しくは、前記入賞口に対して、前記入賞球の通過を検出するための通過検出手段を設け、
前記最終のラウンドを除く各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が前記ラウンド終了個数に到達した後に前記通過検出手段が入賞球の通過を検出すると、前記停留手段の停留動作を開始させ、前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始されると、前記停留手段の停留動作を解除することを特徴とする。
ここで、本明細書においては、説明の便宜上、「ラウンド賞球遊技」の各ラウンドのうちで、「最終のラウンド」を除いたものを「通常のラウンド」と称することがある。また、各請求項に係る遊技機は、（１）特別遊技を開始すると、予定のラウンド数の「ラウンド賞球遊技」を一律に実行した後に、特別遊技を終了するタイプの遊技機（以下、「継続保証型の遊技機」という。）であっても、（２）特別遊技を開始すると、予定のラウンド数の「ラウンド賞球遊技」を実行した後に特別遊技を終了することを前提としつつも、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」を実行する毎に継続条件を判定するタイプの遊技機（以下、「継続判定型の遊技機」という。）であってもよい。
後者の「継続判定型の遊技機」においては、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」の実行時に継続条件が成立すると判定されると、次のラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」を実行するが、継続条件が不成立の場合には、予定のラウンド数の消化を待たずに特別遊技を終了する。この場合、継続条件が不成立となったラウンドが、「最終のラウンド」となる。また、各請求項に係る遊技機において、「入賞球検出手段」は、可変入賞装置に入賞した入賞球を検出（通過を検出）し、賞球の契機となる信号（可変入賞装置への入賞を生じたことを示すための信号、つまり、入賞信号）を発生させるための検出手段である。更に、請求項２及び請求項４の発明の「通過検出手段」は、「入賞球検出手段」とは別に設けられる検出手段（入賞球の通過を検出する手段）であって、「遅れ入賞球」の発生を検出することを目的に設けられる。
本明細書において、「停留手段の停留動作」とは、「停留手段を、遅れ入賞球の停留を実行可能な状態に作動させること」である。即ち、この「停留動作」を行ったとき、実際に、「遅れ入賞球」の停留を行うか否かを問わない。つまり、この「停留動作」には、（ａ）「遅れ入賞球」を生じた状態で実行（停留動作が実行）され、実際に「遅れ入賞球」の停留を行う場合と、（ｂ）「遅れ入賞球」を生じた状態で実行（停留動作が実行）されたが、「遅れ入賞球」の停留に失敗した場合と、（ｃ）「遅れ入賞球」を生じていない状態で実行（停留動作が実行）され、実際には「遅れ入賞球」の停留を行っていない場合、等が含まれる。また、本明細書において、「停留手段」の「停留動作を解除」するとは、「遅れ入賞球の停留を実行可能な状態に作動した停留手段」を、「遅れ入賞球の停留の実行が不可能な状態」に戻すことを指す。
請求項１及び請求項２の発明の遊技機では、可変入賞装置において、入賞口の配設部位と、入賞球検出手段の配設部位との中間の部位（つまり、入賞球検出手段よりも、入賞球の通過方向に沿った上流側に位置する部位）に停留手段を設ける。そして、各ラウンド（但し、通常のラウンドである。）に係るラウンド賞球遊技毎に、入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数（以下、「入賞カウント数」ということがある。）がラウンド終了個数に到達することを条件に停留手段の停留動作を開始させる。このため、各ラウンド（通常のラウンド）に係るラウンド賞球遊技においては、「入賞カウント数がラウンド終了個数に到達した後であって、開閉部材が閉鎖姿勢に戻る前の期間（以下、「遅れ期間」ということがある。）」に、新たな入賞球（つまり、「遅れ入賞球」）を生じても、この入賞球を停留手段を用いて入賞球通過路に停留させることができる。
このように、停留手段によって遅れ入賞球を入賞球通過路に停留させた場合、この「遅れ入賞球」が発生したラウンド（以下、「発生ラウンド」という。）に係るラウンド賞球遊技が終了し、次のラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始すると、この遅れ入賞球の停留を解除する。そして、この「遅れ入賞球」は、入賞球検出手段で検出され、この次のラウンド（以下、「処理ラウンド」という。）に係るラウンド賞球遊技において、「入賞カウント数」に加えられる。つまり、この「遅れ入賞球」は、本来、「発生ラウンドに係るラウンド賞球遊技」の入賞球であるが、「入賞球検出手段」においては、「その次のラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技」の入賞球として処理（以下、「入賞検出処理」という。）する。換言すると、この「次のラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技」においては、入賞球検出手段が、この「遅れ入賞球」の数を差し引いた数の入賞球を検出すると、「入賞カウント数」がラウンド終了個数に到達する。尚、この「次のラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技」においても、「遅れ入賞球」を生じすると（このラウンドが発生ラウンドとなると）、「当該ラウンドに後続するラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技」において、入賞検出処理が実行される。
このように、請求項１及び請求項２の発明の遊技機では、各ラウンド（通常のラウンド）に係るラウンド賞球遊技の実行中に、たとえ、遅れ入賞球を生じても、特別遊技を終了するまでの間に、入賞球検出手段が検出する入賞球の総数（つまり、入賞信号の発信回数）が著しく多くなることを防止できる。このため、請求項１及び請求項２の発明の遊技機によると、特別遊技の実行によって払い出す「実数値」と、「設定値」との差異を少なくできる。
また、請求項１及び請求項２の発明の遊技機では、このように、各ラウンド（通常のラウンド）に係るラウンド賞球遊技の実行中において、遅れ入賞球を生じても、この遅れ入賞球の数が、「特別遊技実行時の入賞検出処理の予定総数」に変動をきたすことはない。このため、特別遊技実行時に、予定外の数の入賞球を入賞検出処理することを防止したり、このような入賞検出処理の機会を少なくできるため（後述するように、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、予定外の数の入賞球を入賞検出処理する機会が生じ得る。）、特別遊技の迅速な進行が容易となる。
更に、請求項１及び請求項２の発明の遊技機では、「遅れ入賞球」を処理するための手段を、入賞球通過路に設けた「停留手段」を用いて構成する。このため、この「遅れ入賞球」の処理が原因となり、遊技機の遊技制御に無用の負担を生じさせたり、遊技制御を行うための情報（プログラム）を記憶した記憶手段に無用の負担を生じさせることを回避できる。つまり、停留手段を、「入賞球を、入賞球通過路に現実に（物理的に）停留させる手段」を用いて構成するため、遊技制御や記憶手段に無用の負担を生じさせることを回避できる。また、請求項１及び請求項２の発明の遊技機では、このように、「遅れ入賞球」の処理を入賞球通過路に設けた「停留手段」を用いて行うため、実際に「遅れ入賞球」を停留でき、停留させた「遅れ入賞球」を所定のタイミングで入賞を検知されるといった臨場感のある演出を実行できる。
尚、請求項１及び請求項２の発明の遊技機は、「継続保証型の遊技機」であってもよいし、「継続判定型の遊技機」であってもよい。そして、「継続判定型の遊技機」の場合には、前述の「継続判定期間」を無くすることで、特別遊技のより一層、迅速な進行を確保することもできる。つまり、請求項１及び請求項２の発明の遊技機では、「遅れ入賞球」に関し、発生ラウンドに係るラウンド賞球遊技ではなく、処理ラウンドに係るラウンド賞球遊技において、継続条件の判定処理を実行できる。このため、前述の従来例において、確保すべきであった「継続判定期間」を無くすること等によって、特別遊技のより一層、迅速な進行を確保することもできるからである。
また、請求項１の発明の遊技機と、請求項２の発明の遊技機との相違は以下の通りである。つまり、請求項１の発明の遊技機では、通常のラウンドに係るラウンド賞球遊技において「入賞カウント数」がラウンド終了個数に到達すると、一律に（「遅れ入賞球」の発生の有無にかかわらずに）、停留手段の停留動作を開始させる。そして、当該ラウンド（発生ラウンド）に後続するラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技が開始すると、一律に（実際に、停留手段が「遅れ入賞球」の停留を行っているか否かにかかわらずに）、停留手段の停留動作（前のラウンドに係るラウンド賞球遊技で開始した停留動作）を解除させる。
一方、請求項２の発明の遊技機では、通常のラウンドに係るラウンド賞球遊技において「入賞カウント数」がラウンド終了個数に到達すると共に、通過検出手段が「遅れ入賞球」を検出すると、停留手段の作動を開始させる。そして、当該ラウンド（発生ラウンド）に後続するラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技が開始すると、停留手段の停留動作（前のラウンドに係るラウンド賞球遊技で開始した停留動作）を解除させる。
更に、請求項１及び請求項２の発明の遊技機においては、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、停留手段の取り扱いを種々選択できる。例えば、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、一律に、停留手段の停留動作を禁止してもよい。また、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技においても、通常のラウンドと同一の条件（停留動作を開始させるための条件）にて、停留手段の停留動作を開始させ、所定の解除条件が成立すると、停留手段の停留動作を解除してもよい。この解除条件としては、例えば、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技が終了すること等を例示できる。
この場合、停留手段の停留動作を解除したときに、通常の入賞球（遅れ入賞球以外の入賞球等）に与えられる球数と同数の賞球が払い出されてもよいが、この球数よりも少ない球数の賞球を払い出したり、賞球を「ゼロ」としてもよい。例えば、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技において生じた「遅れ入賞球」については、１球の賞球が払い出すこと（つまり、「ファール球」の如く、取り扱うこと）としてもよい。そして、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技において生じた「遅れ入賞球」に関する賞球を、このように取り扱うことで、特別遊技の実行によって払い出す「実数値」と、「設定値」との差異をより確実に少なくすることができる。
請求項３記載の遊技機は、
入賞口と、該入賞口から入賞した入賞球を検出するための入賞球検出手段と、該入賞口から入賞した入賞球を該入賞球検出手段に向かって通過させるための入賞球通過路と、該入賞口を閉鎖する閉鎖姿勢及び該入賞口を開放する開放姿勢の間で姿勢変更可能な開閉部材と、を具備する可変入賞装置を備え、
通常遊技の実行時には、前記開閉部材を前記閉鎖姿勢に維持する一方、
特別遊技の実行時には、前記開閉部材の姿勢を所定のラウンド終了条件が成立するまでの間、前記開放姿勢に移行させるラウンド賞球遊技を、第１のラウンドから最終のラウンドに至るまで実行可能な遊技機であって、
前記ラウンド賞球遊技は、前記開閉部材に開放駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記開放姿勢に移行させることで開始し、前記開閉部材に閉鎖駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記閉鎖姿勢に戻すことで終了し、
前記ラウンド終了条件は、各ラウンド賞球遊技毎に前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が所定のラウンド終了個数に到達するか、若しくは、所定のラウンド終了時間が経過することによって成立すると共に、
前記入賞球通過路には、前記入賞口から入賞した入賞球を停留させるための停留手段を設け、
前記最終のラウンドを除く各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、前記ラウンド終了条件が成立すると、前記停留手段の停留動作を開始させ、前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始されると、前記停留手段の停留動作を解除することを特徴とする。
請求項４記載の遊技機は、
入賞口と、該入賞口から入賞した入賞球を検出するための入賞球検出手段と、該入賞口から入賞した入賞球を該入賞球検出手段に向かって通過させるための入賞球通過路と、該入賞口を閉鎖する閉鎖姿勢及び該入賞口を開放する開放姿勢の間で姿勢変更可能な開閉部材と、を具備する可変入賞装置を備え、
通常遊技の実行時には、前記開閉部材を前記閉鎖姿勢に維持する一方、
特別遊技の実行時には、前記開閉部材の姿勢を所定のラウンド終了条件が成立するまでの間、前記開放姿勢に移行させるラウンド賞球遊技を、第１のラウンドから最終のラウンドに至るまで実行可能な遊技機であって、
前記ラウンド賞球遊技は、前記開閉部材に開放駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記開放姿勢に移行させることで開始し、前記開閉部材に閉鎖駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記閉鎖姿勢に戻すことで終了し、
前記ラウンド終了条件は、各ラウンド賞球遊技毎に前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が所定のラウンド終了個数に到達するか、若しくは、所定のラウンド終了時間が経過することによって成立すると共に、
前記入賞球通過路には、前記入賞口から入賞した入賞球を停留させるための停留手段を設け、
更に、前記入賞球通過路において該停留手段と前記入賞口との間の部位、若しくは、前記入賞口に対して、前記入賞球の通過を検出するための通過検出手段を設け、
前記最終のラウンドを除く各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、前記ラウンド終了条件が成立した後に前記通過検出手段が入賞球の通過を検出すると、前記停留手段の停留動作を開始させ、前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始されると、前記停留手段の停留動作を解除することを特徴とする。
請求項３の発明の遊技機は、「各ラウンド賞球遊技毎に、ラウンド終了時間が経過することをも、停留手段の停留動作の開始条件」とする点が、請求項１の発明の遊技機と異なっている。また、請求項４の発明の遊技機も、「各ラウンド賞球遊技毎に、ラウンド終了時間が経過することをも、停留手段の停留動作の開始の前提条件」とする点が、請求項２の発明の遊技機と異なっている。そして、請求項３及び請求項４の遊技機においても、請求項１及び請求項２の遊技機と同様な効果が得られる。
つまり、請求項３及び請求項４の発明の遊技機では、可変入賞装置において、入賞口の配設部位と、入賞球検出手段の配設部位との中間の部位に停留手段を設ける。そして、各ラウンド（通常のラウンド）に係るラウンド賞球遊技毎に、ラウンド終了条件が成立することを条件に停留手段の作動を開始させる。このため、各ラウンド（但し、通常のラウンドである。）に係るラウンド賞球遊技においては、「遅延期間」に「遅れ入賞球」を生じても、この入賞球を停留手段を用いて入賞球通過路に停留させることができる。
そして、請求項３及び請求項４の発明の遊技機においても、停留手段によって遅れ入賞球を入賞球通過路に停留させた場合、発生ラウンドに係るラウンド賞球遊技が終了し、処理ラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始すると、この遅れ入賞球の停留を解除する。そして、この「遅れ入賞球」は、入賞球検出手段で検出され、この処理ラウンドに係るラウンド賞球遊技において、「入賞カウント数」に加えられる。
このように、請求項３及び請求項４の発明の遊技機においても、請求項１及び請求項２の発明の遊技機と同様に、特別遊技の実行によって払い出す「実数値」と、「設定値」との差異を少なくできると共に、特別遊技の迅速な進行が容易となる。特に、請求項３及び請求項４の発明の遊技機では、「入賞カウント数」がラウンド終了個数に到達する前であっても、ラウンド終了時間が経過すると、停留手段が停留動作を開始し、この遅れ入賞球が、次のラウンドに係るラウンド賞球遊技における「入賞検出処理」に移行するため、特別遊技のより一層、迅速な進行が容易となる点で意義を有する。つまり、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技において時間切れを生じた場合（ラウンド終了時間が経過した場合）、以後、生じた「遅れ入賞球」に関しては、たとえ、「入賞カウント数」がラウンド終了個数に到達していなくても、その入賞検出処理を、次のラウンドに係るラウンド賞球遊技に委ねるため、特別遊技のより一層、迅速な進行が容易となる。
また、請求項３及び請求項４の発明の遊技機においても、「遅れ入賞球」の処理を、入賞球通過路に設けた「停留手段」を用いて行うため、この「遅れ入賞球」の処理が原因となり、遊技機の遊技制御に無用の負担を生じさせたり、遊技制御を行うための情報（プログラム）を記憶した記憶手段に無用の負担を生じさせることを回避できる。更に、請求項３及び請求項４の発明の遊技機では、このように、「遅れ入賞球」の処理を入賞球通過路に設けた「停留手段」を用いて行うため、実際に「遅れ入賞球」を停留でき、停留させた「遅れ入賞球」を所定のタイミングで入賞を検知されるといった臨場感のある演出を実行できる。尚、請求項３及び請求項４の発明の遊技機も、「継続保証型の遊技機」及び「継続判定型の遊技機」のうちの何れであってもよい。そして、請求項３及び請求項４の発明の遊技機が、「継続判定型の遊技機」である場合には、請求項１及び請求項２の発明の遊技機と同様に、前述の「継続判定期間」を無くすること等で、特別遊技のより一層、迅速な進行を確保することもできる。
また、請求項３の発明の遊技機と、請求項４の発明の遊技機との相違は以下の通りである。つまり、請求項３の発明の遊技機では、通常のラウンドに係るラウンド賞球遊技において、「ラウンド終了条件」が成立すると、一律に（「遅れ入賞球」の発生の有無にかかわらずに）、停留手段の停留動作を開始させる。そして、当該ラウンド（発生ラウンド）に後続するラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技が開始すると、一律に（実際に、停留手段が「遅れ入賞球」の停留を行っているか否かにかかわらずに）、停留手段の停留動作（前のラウンドに係るラウンド賞球遊技で開始した停留動作）を解除させる。
一方、請求項４の発明の遊技機では、通常のラウンドに係るラウンド賞球遊技において、「ラウンド終了条件」が成立すると共に、通過検出手段が「遅れ入賞球」を検出すると、停留手段の停留動作を開始させる。そして、当該ラウンド（発生ラウンド）に後続するラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技が開始すると、停留手段の停留動作（前のラウンドに係るラウンド賞球遊技で開始した停留動作）を解除させる。
更に、請求項３及び請求項４の発明の遊技機においても、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、停留手段の取り扱いを種々選択できる。例えば、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、一律に、停留手段の停留動作を禁止してもよい。また、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技においても、通常のラウンドと同一の条件（停留動作を開始させるための条件）にて、停留手段の停留動作を開始させ、所定の解除条件が成立すると、停留手段の停留動作を解除してもよい。この解除条件としては、例えば、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技が終了すること等を例示できる。
この場合も、停留手段の停留動作を解除したときに、通常の入賞球（遅れ入賞球以外の入賞球等）に与えられる球数の同数の賞球が払い出されてもよいが、この球数よりも少ない球数の賞球を払い出したり、賞球を「ゼロ」としてもよい。例えば、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技において生じた「遅れ入賞球」については、１球の賞球が払い出すこと（つまり、「ファール球」の如く、取り扱うこと）としてもよい。
請求項１〜請求項４の各発明においては、停留手段を停留動作させたときの「遅れ入賞球の停留（捕獲）」の成功率は、必ずしも、１００％である必要はない。つまり、停留手段が停留動作を開始したとき、「遅れ入賞球」が既に、停留手段の下流側に通過していてもよい。同様に、請求項２及び請求項４の発明において、通過検出手段が、「遅れ入賞球」を検出する率も、必ずしも、１００％である必要はない。つまり、請求項２の発明においては、「入賞カウント数」がラウンド終了個数に到達したとき、「遅れ入賞球」が既に、通過検出手段の下流側に通過していてもよい。また、請求項４の発明においては、「ラウンド終了条件」が成立したとき、「遅れ入賞球」が既に、通過検出手段の下流側に通過していてもよい。
前述のように、請求項１〜請求項４の各発明では、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技においも、停留手段を停留動作を実行してもよい。この場合、停留手段の停留動作の解除を行う際に、開閉部材を開放姿勢に変更する等して、「遅れ入賞球の停留を解除する処理」を、遊技者に対して表示することが望ましい。例えば、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技で生じた「遅れ入賞球」を処理するための「開閉部材の付加的な開閉動作」を設定し、この付加的な開閉動作の実行中に、「遅れ入賞球」の停留手を解除する処理を実行してもよい。
尚、各請求項の発明の遊技機は、（１）開閉部材が閉鎖姿勢となると、入賞口への遊技球（入賞球）の入賞が一切、不可能され、開閉部材が開放姿勢となると、入賞口への遊技球（入賞球）の入賞が可能とされる遊技機であってもよいし、（２）開閉部材が閉鎖姿勢となっても、入賞口への遊技球（入賞球）の入賞が可能であるが、開閉部材が開放姿勢となる場合に比べると、入賞口への遊技球（入賞球）の入賞が困難とされる遊技機であってもよい。つまり、各請求項の発明の「閉鎖姿勢」には、入賞口を開閉部材で完全に封止する姿勢の他に、入賞口の開放度合いを、開放姿勢にあるときに比べて少なくする姿勢も含まれる。また、（１）の「入賞口への遊技球（入賞球）の入賞が一切、不可能とされる場合」には、（ａ）入賞口が略完全に封止され、遊技球（入賞球）の入賞が一切、不可能とされる場合の他に、（ｂ）入賞口は開放されているが、その開放度合いが少なくされる（開放姿勢にあるときに比べて）結果、遊技盤上の障害物（障害釘等）に邪魔をされ、当該入賞口への遊技球（入賞球）の入賞が一切、不可能される場合、等を例示できる。
請求項５の遊技機は、請求項１〜４の何れか一項に記載の遊技機において、
前記入賞球通過路を、前記入賞球の通過が不可能となるように遮断する遮断手段によって、前記停留手段を構成することを特徴とする。
請求項５の発明は停留手段の具体例を示すものである。そして、請求項５の発明によると、簡単な構成の停留手段（遮断手段）によって、「遅れ入賞球」の的確な停留が可能である。尚、請求項１〜請求項４の発明では、停留手段を遮断手段以外の態様で構成することもできる。例えば、「遅れ入賞球を吸引力で吸引する吸引手段を用いて構成される停留手段」や、「遅れ入賞球を吸着力（磁力）で吸着する吸着手段を用いて構成される停留手段」等を例示することもできる。また、「処理ラウンドに係るラウンド賞球遊技が始まるまでの間、遅れ入賞球を迂回させる迂回通路（ワープ通路）によって構成される停留手段」を例示することもできる。
請求項６の発明の遊技機は、請求項１〜４の何れか一項に記載の遊技機において、
前記入賞球通過路に、前記入賞球の通過方向に沿って駆動して前記入賞球通過路を遮断し、若しくは、前記入賞球通過路の通路面積を縮小し、前記入賞球の通過を禁止する閉鎖部材を配設すると共に、
該閉鎖部材によって前記停留手段を構成したことを特徴とする。
請求項６の発明は停留手段の更に具体的な例を示すものであると共に、請求項５の発明で述べた「遮断手段」の具体例を示している。この請求項６の発明によると、閉鎖部材が入賞球の通過方向に沿って出現等するため、停留手段によって「遅れ入賞球」の停留を成功する確率が高くなる。
請求項６の発明の停留手段の具体的態様としては、以下の態様を例示できる。つまり、「前記可変入賞装置に、床部材を配置し、該床部材に設けられた通過孔、若しくは、床部材の下流側の端部に連絡される通過孔を設ける。そして、前記可変入賞装置に設けられると共に通過孔よりも前記入賞口側に位置する入賞口側空間部分と、前記可変入賞装置に設けられると共に通過孔よりも前記入賞球検出手段側に位置する検出側空間部分と、通過孔でを連通させ、前記入賞球通過路を通過した入賞球を、該検出側空間部分に進入可能とする。そして、前記可変入賞装置に、該入賞球が前記通過孔を通過する際の通過方向に沿って移動して前記通過孔を閉鎖若しくは前記通過孔の開口量を減少させ、該入賞球が前記通過孔を通過することを禁止する閉鎖部材を配設し、該閉鎖部材によって前記停留手段を構成したことを特徴とする具体的態様」を例示することもできる。
請求項７の発明の遊技機は、請求項１〜４の何れか一項に記載の遊技機において、
前記入賞球が転動可能な転動部を具備するガイド部材を、前記可変入賞装置に複数個配置し、前記転動部を前記入賞球の通過方向に沿って複数個並べることで、前記入賞球の通過方向に沿って下り傾斜状の通路部、前記入賞球の通過方向に沿って下り段差状の通路部、若しくは、前記入賞球の通過方向に沿って略水平な通路部を形成し、該通路部を用いて前記入賞球通過路若しくは前記入賞球通過路の一部を構成し、
少なくとも何れかのガイド部材が、前記停留手段を構成する可動型のガイド部材とされると共に、
前記可動型のガイド部材を駆動し、該可動型のガイド部材の転動部と、隣接する他のガイド部材の転動部とによって、前記入賞球の通過方向に沿って、上がり段差状となる上がり段差部、若しくは、上がり傾斜状となる上がり傾斜部を形成し、前記入賞球の通過を禁止することを特徴とする。
請求項７の発明も、停留手段の更に具体的な例を示すものである。この請求項７の発明によると、「遅れ入賞球」を上がり段差部等に当接させて、より確実に停留させることができる。
請求項７の発明においては、「ガイド部材」の数は２つ以上であれば特に問わない。また、「ガイド部材」の全てが可動型のガイド部材であってもよいが、全ての「ガイド部材」のうちの少なくとも１つが、可動型のガイド部材であれば、請求項７の発明の目的を達成できる。更に、可動型のガイド部材の可動態様は回動に限定されない。例えば、昇降移動等の他の可動態様であってもよい。
請求項８記載の遊技機は、請求項１〜７の何れか一項に記載の遊技機において、
前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、
前記開閉部材の姿勢が前記開放姿勢に姿勢変更された後に、前記停留手段の停留動作が解除されると共に、
前記停留手段は、前記開閉部材の姿勢が前記開放姿勢に姿勢変更されたときに、前記可変入賞装置の前方から視認可能な位置に設けられることを特徴とする。
請求項８の発明は、「遅れ入賞球」の処理を遊技者に確実に視認させることで、「遊技者に無用のストレス」を与えることを防止している。つまり、前述の従来（特開２００２−１７７５５８号公報参照）によると、以下の理由で、遊技者に無用のストレスを与える可能性がある。つまり、遊技者のうちで遊技レベルの高い者（以下、「上級遊技者」という。）は、各ラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」毎に、可変入賞装置に入賞した入賞球の数を自らの目でカウントことがある。ところが、従来例によって「遅れ入賞球」の処理を行うと、上級遊技者は、「自らの目でカウントした遊技球の数に、規定個数を乗じた賞球数が払い出されないラウンド賞球遊技」が、全ラウンドにわたって実行されることを発見する可能性がある。このため、前述の従来例によると、この上級遊技者に対して、無用のストレスを与え、遊技上の興趣を阻害する可能性がある。
一方、請求項８の発明の遊技機では、「遅れ入賞球を入賞球通過路に現実に（物理的に）停留させる手段」を用いて停留手段を構成する。そして、停留手段の作動開始時と、作動終了時（作動解除時）において、開閉部材の姿勢が開放姿勢に姿勢とされ、遊技者が停留手段を視認可能とする。従って、遊技者は、遅れ入賞球を停留の開始と、解除とを確実に認識できるため、無用のストレスを受けることを防止できる。また、請求項８の発明の遊技機によると、「遅れ入賞球」の処理に関する透明性を確保できるため、遊技者にとって信頼性の高い遊技機となる。
請求項９記載の遊技機は、請求項１〜８の何れか一項に記載の遊技機において、
前記可変入賞手段に対して、該可変入賞手段の内部を視認可能とするための視認部を設け、
該視認部を通じて、遊技者から前記停留手段が視認可能とされることを特徴とする。
請求項９の発明によると、請求項８の発明と同様に、「遅れ入賞球」の処理を遊技者に確実に視認させることで、「遊技者に無用のストレス」を与えることを防止できる。蓋し、遊技者は、「遅れ入賞球」が停留状態とされていることを、視認部を通じて確実に視認できるからである。尚、「視認部」としては、窓部（中空のもの等）、透明部等を例示できる。また、「視認部」をハーフミラー部（つまり、マッジクミラー部）で構成すると共に、可変入賞装置の内部（特に、入賞球通過路）に照明手段を配置してもよい。この場合、照明手段を駆動し、ハーフミラー部を通じて、遊技者から停留手段を視認可能とすることができる。
請求項１０記載の遊技機は、請求項１〜９の何れか一項に記載の遊技機において、
前記開閉部材若しくは前記開閉部材の一部を透明部とすると共に、
前記開閉部材が前記閉鎖姿勢とされたときに、該透明部を通じて遊技者から前記停留手段を視認可能とすることを特徴とする。
請求項１０の発明によると、請求項８の発明と同様に、「遅れ入賞球」の処理を遊技者に確実に視認させることで、「遊技者に無用のストレス」を与えることを防止できる。蓋し、遊技者は、「遅れ入賞球」が停留状態とされていることを、透明部を通じて確実に視認できるからである。
請求項１〜９の何れか一項に記載の遊技機においては、「前記停留手段の停留動作の状態に関する情報、若しくは、前記入賞球通過路における入賞球の停留状態に関する情報を報知するための報知手段を備えること」としてもよい。この報知手段としては、視覚によって報知する報知手段（液晶表示手段等）、聴覚によって報知する報知手段（スピーカ等）、振動によって報知する報知手段（バイブレータ等）や、これらの報知手段を複数組み合わせた報知手段等を例示できる。尚、視覚によって報知する場合としては、「遊技の結果を図柄によって表示するための図柄表示手段（変動表示手段）」を報知手段として用いる態様を例示できる。
以上記述したように本各発明によれば、特別遊技の実行によって払い出す「実数値」と、「設定値」との差異を少なくできる遊技機が得られる。
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機（パチンコ機）１に適用した各具体例について説明する。
Ａ．実施例１
本実施例では、請求項１の発明の遊技機の具体例を説明する。
（１）機械的な構造
ａ．遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機１の前面側の全体構造（機械的な構造）について、図１〜図１５を参照して説明する。この遊技機１は、図１に示すように、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠は、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠（本体枠）２と、中枠３と、前面枠４とを備えている。また、この遊技機枠には、上皿部５と、下皿部６と、施錠装置７とが設けられている。更に、遊技機本体は、遊技機枠（２、３、４等）に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤１０（図２を参照）と、裏機構盤１０２（図１３を参照）等とを主要部としている。
外枠２は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠３は、全体がプラスチック製であり、外枠２の内側に嵌めこまれ、外枠２に対して開閉可能に軸支されている。また、中枠３の右端中央には施錠装置７（図１参照）が設けられている。更に、中枠３の下方側の前面部には、遊技球を遊技盤１０に発射する発射ユニット（図示を省略）と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置（図示を省略）と、遊技状態に応じた効果音その他の音（音声）を発生させるスピーカー４００ａ（図１４参照）等が配設されている。
前面枠４は、図１に示すように、中枠３の前面側に配置され、中枠３の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠４は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤１０（図２参照）の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部４ａを有している。つまり、この開口部４ａは、遊技盤１０に形成された遊技領域１１（図２参照）の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠４の裏面には、開口部４ａに応じて二枚のガラス板（図示を省略）が嵌められた略長方形状のガラス枠（図示を省略）が装着されている。
前面枠４には、各種のＬＥＤ表示部４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅ、４ｆが設けられ、これらのＬＥＤ表示部４ｂ〜４ｆは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。また、前面枠４の前面上方側の中央で左右に並ぶ２個の中上ＬＥＤ表示部４ｆ、４ｆの間には、２個の賞球ＬＥＤ表示部４ｇが設けられている。更に、賞球ＬＥＤ表示部４ｇの上方には、エラーＬＥＤ表示部４ｈが略扇形に設けられている。
図１に示すように、上皿部５は、前面枠３の下方に設けられると共に、皿外縁部５ａと、遊技機１の内部の遊技球を下皿部６に排出するための排出口５ｂ等を備えている。尚、上皿部５の裏側には、音量スイッチ基板１２（図１４参照）が設けられ、皿外縁部５ａには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部６は上皿部５の下方に設けられると共に、この下皿部６の略中央には、遊技機１の内部から遊技球を排出するための排出口６ａが設けられている。また、下皿部６の左端には灰皿６ｂが設けられ、下皿部６の右端には発射ハンドル９が設けられている。更に、下皿部６の上部には、灰皿６ｂの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部６の底面には球抜き孔（図示を省略）が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部６に貯留された遊技球を遊技機１から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル９は、発射装置ユニット（図示を省略）に接続されている。この発射ハンドル９には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ９ａが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ９ｂが装着されている。また、施錠装置７は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠４を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機１の左端側には、プリペイドカードユニット１３が設けられている。尚、上皿部５の略中央部には第１音声出力部５ｃが設けられている。この第１音声出力部５ｃには、スピーカー４００ａを構成する中高音用ユニット（ツィータ）が、ダクト（図示を省略）を介して接続されている。また、下皿部６における排出ノブ６ｃの右側及び左側には第２音声出力部６ｄが設けられている。この第２音声出力部６ｄには、スピーカー４００ａを構成するユニット（ウーハ）が、ダクト（図示を省略）を介して接続されている。また、本遊技機１では、上皿部５の前面における左端側の部位に、２つの操作ボタンＢ１、Ｂ２を配置している。
ｂ．遊技盤１０の構成
次に、遊技盤１０の構成について、図２を中心にして説明する。この遊技盤１０は、中枠３（図１を参照）に保持されるとともに、後述する裏機構盤１０２（図８参照）によりその背面側が覆われている。また、遊技盤１０には、遊技盤１０の表面に設けられた外レール１４と内レール１５とにより略円形状の遊技領域１１が形成され、遊技領域１１内には、中央装置２６と、始動口（普通電動役物１７１）１７と、変動入賞装置１８と、左入賞口１９、右入賞口２０、左下入賞口２１、右下入賞口２２と、多数の障害釘２３と、一対のランプ風車２４、２５等が配設されている。
図２に示すように、中央装置２６は遊技領域１１の略中央部に配置されると共に、液晶表示装置２７を備えている。この液晶表示装置２７は、後述する当否判定（遊技機１の遊技状態を通常遊技状態から、特別遊技状態に移行させるか否かの判定）の結果を表示するための表示装置として利用するが、「停留手段の停留動作状態に関する情報等を表示するための表示手段」としても利用できる。尚、本明細書において、「左」、「右」等の方向は、遊技領域１１の正面に位置する遊技者を基準に定める。
液晶表示装置２７の表示画面２７１は、図３（ａ）に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域２７１Ａと、表示画面２７１の大部分を占める演出用表示領域２７１Ｂとを備えている。このうち、主表示領域２７１Ａは、右端寄りの部分に、２つの本図柄表示部２７２、２７３を形成し、略中央に特別図柄保留表示部１６ａを形成している。そして、各本図柄表示部２７２、２７３では、各々、「本図柄」を用いた変動表示（順次、変更される本図柄の表示）と、停止表示（停止した本図柄の表示）と、がなされる。
また、以下の説明においては、遊技者から見て右側の本図柄表示部２７２を、「第１本図柄表示部２７２」と称すると共に、この本図柄表示部２７２に表示される本図柄を「第１本図柄」と称することがある。また、遊技者から見て左側の本図柄表示部２７３を、「第２本図柄表示部２７３」と称し、この本図柄表示部２７３に表示される本図柄を「第２本図柄」と称することがある。
また、演出用表示領域２７１Ｂは可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この演出用表示領域２７１Ｂには、図３（ａ）に示すように、３つの疑似図柄表示部２７５〜２７７と、その他の部分で構成される背景画面表示部２７８とが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部２７５〜２７７は、演出用表示領域２７１Ｂにおいて横方向に３つ並んで配置される。尚、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部２７５を「左疑似図柄表示部２７５」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部２７６を「中疑似図柄表示部２７６」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部２７７を「右疑似図柄表示部２７７」と称する。
このように出現する各疑似図柄表示部２７５〜２７７では、「疑似図柄」を用いた変動表示（順次、変更される疑似図柄の表示）と、停止表示（停止した疑似図柄の表示）等がなされる。また、演出用表示領域２７１Ｂに疑似図柄表示部２７５〜２７７が表示されるときには、この演出用表示領域２７１Ｂのその他の部位によって背景画面表示部２７８が表示される。そして、この背景画面表示部２７８には、背景を示す図柄（以下、背景図柄という。）を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄（以下、キャラクタ図柄という。）を表示することができる。
尚、実施例では、液晶表示装置２７に表示される識別情報として、２種類の識別情報を予定している。このうちの一方の識別情報は、２つの本図柄（第１本図柄及び第２本図柄）を構成図柄とするものであり、変動表示の態様（変動時間）および確定表示の態様（第１本図柄の停止図柄と、第２本図柄の停止図柄）は、主制御部１４０（後述する。）において決定される。また、他方の識別情報は、３つの疑似図柄（左疑似図柄表示部２７５に表示される左疑似図柄と、中疑似図柄表示部２７６に表示される中疑似図と、右疑似図柄表示部２７７に表示される右疑似図）を構成図柄とするものであり、変動表示の態様および確定表示の態様（左疑似図柄の停止図柄と、中疑似図の停止図柄と、右疑似図の停止図柄）等は、主制御部１４０にて決定された本図柄の変動表示の態様（変動時間）および確定表示態様を基にして、副制御部（音声・ランプ制御部１７０であり、後述する。）において決定される。更に、本明細書においては、この本図柄と、後述する「疑似図柄」とを、特別図柄と称することがある。また、この「疑似図柄」と、背景画面表示部２７８に表示される「背景図柄」は、「本図柄」を用いた表示上の演出を盛り上げるためのものであり、以下の説明において、「疑似図柄」及び「背景図柄」を演出用図柄と称することもある。
また、本実施例では、本図柄を表示するための領域（主表示領域２７１Ａ）と、演出用図柄（疑似図柄や背景図柄）を表示するための領域（演出用表示領域２７１Ｂ）とが、表示画面２７１（表示部）において区画されているが、この表示画面２７１（表示部）の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、「変動表示手段」を、本図柄の表示を行うための「本図柄表示用の表示装置」と、演出用図柄（疑似図柄や背景図柄）の表示を行うための「演出図柄表示用の表示装置」とで、構成してもよい。尚、本実施例においては、２つの本図柄表示部２７２、２７３は、疑似図柄表示部２７５〜２７７よりも小型（例えば、１／１０〜１／１００）で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域２７１Ｂ（疑似図柄表示部２７５〜２７７、背景画面表示部２７８）に注目して、遊技を進行することになる。
この液晶表示装置２７においては、始動入賞を生ずること（始動口１７に遊技球が入賞すること）を前提に、特別図柄（本図柄及び疑似図柄）の表示実行条件（つまり、特別図柄の変動表示を開始し、その後、停止図柄の確定表示するための条件）が成立すると、その表示画面２７１の表示領域（主表示領域２７１Ａと、演出用表示領域２７１Ｂ）に表示される各図柄（本図柄及び疑似図柄）が、それぞれ変動する。そして、始動入賞を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、特別図柄（本図柄及び疑似図柄）の停止図柄が確定表示される。
つまり、本図柄表示部２７２、２７３によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の停止図柄の確定表示がなされる。また、演出用表示領域２７１Ｂにおいても、３つの疑似図柄の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ、行った後、３つの疑似図柄の停止図柄が確定表示される。尚、本実施例では、遊技機１が「特別図柄変動時間」を短縮化する制御を受けているか否かによって、この変動時間は異なったものとされる。
本図柄表示部２７２、２７３に、大当り図柄（当否判定の結果が、大当りであることを示すための組み合わせ図柄であって、詳細は後述する。）が確定表示されると、後述する大入賞装置３１の大入賞口３１１が開放され、遊技者に「特別遊技（特別遊技状態）に係る特典」が付与される。つまり、２つの本図柄は、その確定表示（停止表示）の態様によって、「特別遊技（特別遊技状態）に係る特典を遊技者に付与するか否かに関する判定の結果（つまり、「当否判定」の結果）」を表示する。
本実施例では、始動入賞を生ずると、当否判定を実行するための前提条件が成立する。そして、当該当否判定の結果についての表示実行条件が成立すると、本図柄の変動表示を開始する。即ち、図３（ｂ）及び（ｃ）に示すように、両本図柄表示部２７２、２７３では、「１」〜「９」の数字をこの順に表示した後、「１」の戻り、更に、「１」〜「９」の数字をこの順に表示することを繰り返す。尚、図３（ｂ）に示すように、「第１本図柄表示部２７２」に表示される「１」〜「９」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
両本図柄表示部２７２、２７３に、「当否判定」の結果を示す停止図柄（識別情報）が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、両本図柄表示部２７２、２７３に同一の数字が確定表示されると、当否判定の結果が大当りであることを示す。このとき、「第１本図柄表示部２７２」の表示される数字が赤色の表示であれば、当否判定の結果が「大当り」であると共に、「確率変動を行うか否かの判定（以下、「確変判定」ということもある。）の結果」も「当り」であること（以下、「確変当り」と称する）を示す。また、「第１本図柄表示部２７２」の表示される数字が青色の表示であれば、「当否判定」の結果が「大当り」であるが、「確変判定」の結果は「外れ」であること（以下、「通常当り」と称する）を示す。
図３に示す「両本図柄表示部２７２、２７３」に、異なる数字が確定表示されると、「当否判定」の結果が「外れ」であることを示す。この場合、「確変判定」の結果も落選となる。尚、「確変当り」を生じた場合には、当該「確変当り」に係る特別遊技の実行後に、液晶表示装置２７の表示画面２７１に、「以後、当該遊技機１の遊技状態が、確率変動状態に制御される旨（例えば、確変突入）」の表示がされ、当該遊技機１の遊技状態が確率変動モードに制御される。
３つの疑似図柄表示部２７５〜２７７では、前述の本図柄表示部２７２、２７３と、同時に図柄変動（変動表示）を開始する。そして、図４に示すように、各疑似図柄表示部２７５〜２７７には、疑似図柄が、順次、変動表示（変更表示）される。そして、この疑似図柄表示部２７５〜２７７に、確定表示される確定図柄（停止図柄）には、図４（ａ）〜（ｃ）に示す態様がある。即ち、図４（ａ）の「外れを示す停止図柄」と、図４（ｂ）の「通常当りを示す停止図柄」と、図４（ｃ）の「確変当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「外れを示す停止図柄」は、３つの疑似図柄表示部２７５〜２７７のうちの少なくとも２つに異なる数字を表示して構成される。また、「通常当りを示す停止図柄」は、「１」、「２」、「４」、「６」若しくは「８」のうちの何れかの数字を３つ並べて構成される。更に、「確変当りを示す停止図柄」は、「３」、「５」、「７」若しくは「９」のうちの何れかの数字を３つ並べて構成される。
ここで、この疑似図柄表示部２７５〜２７７においても、特別図柄始動入賞を前提に、特別図柄の変動開始条件が成立すると、図柄の変動（疑似図柄の変動）を開始すると共に、背景画面表示部２７８には動画が連続的に表示される。この際、変動途中の疑似図柄の表示態様は、それ自体単独で、若しくは、背景の動画が示すメッセージに呼応して、回転、拡大、縮小等を行ってもよい。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部２７５〜２７７に確定表示される疑似図柄（以下、「確定疑似図柄」という。）の表示内容と、両本図柄表示部２７２、２７３に確定表示される本図柄の表示内容（以下、「真実の判定の結果の内容」という。）とが一致している。つまり、本図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示され、本図柄の確定図柄によって「通常当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「通常当り」が表示される。また、本図柄の確定図柄によって「外れ」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「外れ」が表示される。
このように、疑似図柄表示部２７５〜２７７では、本図柄表示部２７２、２７３と同時に図柄変動を開始し、同時に図柄変動を停止する。そして、疑似図柄表示部２７５〜２７７には、本図柄表示部２７２、２７３と同一内容（例えば、両者とも確変当り、両者とも通常当り、両者とも外れ）の確定表示がなされる。つまり、疑似図柄表示部２７５〜２７７に確定表示される表示内容が、本図柄表示部２７２、２７３に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部２７５〜２７７においては、その変動の開始から停止に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部２７５〜２７７では、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、この「リーチ演出」とは、「特別図柄表示手段に、特別遊技に関する判定の最終結果（当否判定の結果）等が表示される前において、特別遊技の実行（大当りの発生）の可能性が継続している状態のときに、この特別図柄表示手段において表示される演出表示」のことを指す。即ち、「特別図柄表示手段」の所定の表示部に表示される最終停止図柄（本図柄の確定図柄や疑似図柄の確定図柄）となる表示図柄以外の図柄（本図柄や疑似図柄）が、大当りとなる特定の停止図柄態様（大当りとなる複数の本図柄の確定図柄態様や、大当りとなる複数の疑似図柄の確定図柄態様）と一致している状態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄（変動中の本図柄や、変動中疑似図柄）の位置が入れ替わっている状態等を指す。
例えば、特別図柄表示手段（液晶表示装置２７）の表示部が、本図柄を表示するための表示領域（つまり、本図柄表示部）や疑似図柄を表示するための表示領域（つまり、疑似図柄表示部）を横方向、縦方向、若しくは傾斜方向にライン状に並べる場合においては、一方の端（例えば、左側、上側、若しくは、斜め上側）の表示領域で変動表示されている端図柄（例えば、「左の図柄」、「上の図柄」、若しくは、「斜め上の図柄」）、他方の端（例えば、右側、下側、若しくは、斜め下側）の表示領域で変動表示されている端図柄（例えば、「右の図柄」、「下の図柄」、若しくは、「斜め下の図柄」）、中間（例えば、真ん中）の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。
このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄（例えば、「左の図柄」及び「右の図柄」、「上の図柄」及び「下の図柄」、「斜め上の図柄」及び「斜め下の図柄」）が同一図柄で停止している状態をリーチ状態という。そして、このリーチ状態となると、「中の図柄」の変動表示パターンを通常状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクターを登場させたりするなどいろいろな表示態様を採ることで、遊技者の大当り発生に対する期待感を大きくさせ、遊技興趣を盛り上げるように構成してもよい。
本実施例では、本図柄表示部２７２、２７３において、前記「大当り判定」の結果が「大当り（確変当り、通常当りの何れでもよい。）」であることを示す確定図柄を確定表示する場合には、疑似図柄表示部２７５〜２７７にも、前記「大当り判定」の結果が「大当り（確変当り、通常当りの何れでもよい。）」であることを示す確定図柄を確定表示する。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部２７５〜２７７では、リーチ表示が行われる。このリーチ表示の態様としては、疑似図柄の変動時間（つまり、本図柄の変動時間）が短い場合や通常の長さに簡単に行われると、疑似図柄の変動時間（つまり、本図柄の変動時間）が長い場合に行われる発展型のリーチ（スーパーリーチ）とがある。
また、本図柄表示部２７２、２７３において、前記第１の判定（大当り判定）の結果が「外れ」であることを示す「確定図柄」を確定表示する場合には、疑似図柄表示部２７５〜２７７にも、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す確定図柄が確定表示される。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部２７５〜２７７で、リーチ表示を行う場合（以下、「リーチ外れ表示」という）と、リーチ表示を行わない場合（以下、「通常外れ表示」という。）とがある。尚、リーチ外れ表示を行う場合も、実施されるリーチ表示の態様としては、「ノーマルリーチ」や「発展型のリーチ」を例示できる。
また、本実施例では、疑似図柄表示部２７５〜２７７において、「再抽選演出」を行うことがある。つまり、疑似図柄表示部２７５〜２７７において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる（以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。）。そして、疑似図柄表示部２７５〜２７７において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄（確定疑似図柄）を確定表示してもよい。具体的には、本図柄表示部２７２、２７３において、「確変当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部２７５〜２７７において、一旦、「通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動（再抽選表示ともいう。）させ、最終的に、「確変当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部２７５〜２７７において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、本図柄表示部２７２、２７３において、「当り（通常、確変の何れでもよい。）を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部２７５〜２７７において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部１４０で抽選してもよいし、副制御部（１７０若しくは１６０）によって抽選してもよい。
尚、各請求項に係る発明において、本図柄表示部２７２、２７３の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、本図柄表示部２７２、２７３の少なくとも一方を、２つ又は３つ以上の特別図柄表示領域（識別情報表示領域）で構成する。そして、この複数の特別図柄表示領域（識別情報表示領域）で、複数の特別図柄（識別情報）を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、特別図柄の組み合わせ図柄を、停止表示させてもよい。例えば、液晶表示装置２７に、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域とを、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成する。そして、各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄（特別図柄）が順次表示されていくようにしてもよい。これらの態様では、例えば、表示画面２７１の本図柄表示部に、同一図柄（例えば、「７、７、７」）で揃って停止表示（確定表示）すると、後述する大入賞装置３１の大入賞口３１１を開放してもよい。
更に、本実施例では、本図柄表示部２７２、２７３を認識困難としていることから、疑似図柄表示部２７５〜２７７において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部２７２、２７３において「リーチ演出」を行ってもよい（尚、本図柄表示部２７２、２７３で、リーチ演出を行う場合には、本図柄表示部２７２、２７３の数を３つ、若しくは、９つ等にする必要がある。）。また、本実施例では、同一の液晶表示装置２７に、本図柄表示部２７２、２７３と、疑似図柄表示部２７５〜２７７とを設けたが、両者を別体の表示装置２７に設けてもよい。
図３（ａ）に戻り、特別図柄保留表示部１６ａは、始動入賞（始動口１７への入賞）のうちで、未消化の状態にあるもの数（保留数）を、所定数を上限（例えば、４個、若しくは、４個以上の数）として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、始動入賞を生じたが、液晶表示装置２７において、当該特別図柄始動入賞に係る当否判定の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部１６ａには、「１」〜「４」までの数字を表示するための「数字表示部１６１ａ〜１６４ａ」を横方向に並べている。そして、保留数（特別図柄保留数）に対応する数字表示部１６１ａ〜１６４ａを点灯させたり、全数字表示部１６１ａ〜１６４ａを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部１６１ａ〜１６４ａ」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「０」であると表示される。また、左端の数字表示部１６１ａを点灯すると、その時点の保留数が「１」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に１つずつ増加させていくと、保留数が１つずつ増加する。そして、全数字表示部１６４ａを点灯すると、その時点の保留数が「４」であると表示される。
この特別図柄保留表示部１６ａでは、始動入賞｛始動口（普通電動役物）１７への入賞｝を生ずるごとに、表示する保留数を１つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動（本図柄表示部２７２、２７３における変動）を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部１６ａによって表示される保留数が１つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部１６ａを、表示画面２７１とは別体の装置として構成することもできる。
図２に戻り、中央装置２６の上部中央には、普通図柄表示装置３２が配置されている。この普通図柄表示装置３２は、７セグメント表示器３２ａと、普通図柄保留表示ＬＥＤ３２ｂとを有している。７セグメント表示器３２ａは、普通変動表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄（例えば、１〜９の奇数数字）を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選（つまり、普通電動役物１７１を開放状態に変化させるか否かの抽選）の結果を示す停止図柄（普通図柄の停止図柄であって、例えば、１〜９の奇数数字のうちの何れか）を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート（普通図柄作動口）３６、３７のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件（つまり、普通図柄変動開始条件）」が成立すると、７セグメント表示器３２ａにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、１種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「７」で停止表示すると、「普通電動役物１７１」が、所定時間（例えば、０．５秒）開放駆動される。
中央装置２６の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート３６、３７がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート３６、３７内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ３６ｓ、３７ｓ（図１４参照）が配設されている。この左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ３６ｓ、３７ｓは、「第１の検出手段」の具体例を構成している。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ３６ｓ、３７ｓのいずれかの通過により、普通図柄表示装置３２における７セグメント表示器３２ａが変動表示する。
普通図柄保留表示ＬＥＤ３２ｂは、４個の丸形の赤色ＬＥＤで構成され、７セグメント表示器３２ａの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート３６、３７を通過した遊技球の数を４個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の７セグメント表示器３２ａの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、１個の普通図柄保留表示ＬＥＤ３２ｂが消灯される。
始動口１７は、中央装置２６とは別体に構成されると共に、中央装置２６の下方に離れて配設されている。そして、この始動口１７の入口側部分に、普通電動役物１７１が配置されている。つまり、この普通電動役物１７１は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
また、普通電動役物１７１の内部には、遊技球の通過を検出する始動口（普通電動役物１７１）入賞検出スイッチ１７ｓ（図９参照）と、翼片部を作動させるための始動口（普通電動役物）ソレノイド１７ｃ（図９参照）とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
図２に示すように、変動入賞装置１８は、上記始動口（普通電動役物１７１）１７の下方に配設されている。また、この変動入賞装置１８は、図５に示すように、大入賞装置３１を主要部としつつ、この大入賞装置３１に対して左下入賞口２１と右下入賞口２２とを一体化した構成を備えている。そして、この大入賞装置３１は、「可変入賞装置」の具体例を示している。尚、本実施例とは異なり、変動入賞装置１８を大入賞装置３１のみで構成（つまり、左下入賞口２１、右下入賞口２２等の他の入賞口が一体化されない構成）としてもよい。
大入賞装置３１は、図６に示すように、基体３４と、開閉板３１２と、大入賞口ソレノイド３１３と、連動杆３１２ａと、入賞球検出スイッチ３１８（図８参照）と、遮断板３６（図７参照）と、遮断板ソレノイド３７と、大入賞口中継基板（図示略）と、を主要部として構成されている。
基体３４は、図６に示すように、大入賞装置３１の外郭を構成するものであり、基板３４ａと、基板３４ａの背面に一体化された通過路形成部材３４ｂと、を備える。このうち、基板３４ａは、略逆台形の平面形状を備えると共に、その前面部を遊技盤１０の前面側に露呈させている。この基板３４ａは、図５に示すように、横長の略矩形状とされる主基板部３４ｃと、この主基板部３４ｃの両側に位置し、下辺を略円弧状とする側縁部３４ｄ、３４ｅと、を備える。そして、主基板部３４ｃには、その表裏（前後）を貫通する状態の開口部が、横長の略矩形状に形成され、この開口部によって大入賞口３１１を構成している。尚、この大入賞口３１１は、可変入賞装置の「入賞口」の具体例を構成している。
図５に示すように、左側の側縁部３４ｄには、左下入賞口２１が突設状に設けられている。この左下入賞口２１の内部には、左下入賞口通過検出スイッチ２１ｓ（図１４参照）が設けられている。そして、左側の側縁部３４ｄにおいて、左下入賞口２１の下方の部位には複数個の左下入賞口ＬＥＤ２２３が左下入賞口ＬＥＤ基板２１ｆ（図１４参照）に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。また、右側の側縁部３４ｅには、右下入賞口２２が突設状に設けられている。この右下入賞口２２の内部には、右下入賞口通過検出スイッチ２２ｓ（図１４参照）が設けられている。そして、右側の側縁部３４ｅにおいて、右下入賞口２２の下方の部位には複数個の右下入賞口ＬＥＤ２２４が左下入賞口ＬＥＤ基板２１ｆ（図１４参照）に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
更に、図５及び図６に示すように、主基板部３４ｃにおいて、大入賞口３１１の右側に位置する部位には、窓部３４１ａが設けられている。そして、この窓部３４１ａには、透明な板が嵌めこまれている。このため、遊技者は、この窓部３４１ａを通じて、常時、大入賞装置３１の内部（停留手段を構成する遮断板３６の配設部位、及び、通路部ｒ２）を視認可能となっている。尚、この窓部３４１ａは、「視認部」の具体例を構成している。
図６に示すように、通過路形成部材３４ｂは略箱形状に構成され、基板３４ａの背後に、略クランク状の入賞球通過路Ｒを形成すると共に、大入賞口ソレノイド３１３及び遮断板ソレノイド３７の取付部位を構成している。この通過路形成部材３４ｂの内部には、図６及び図７に示すように、左右に並ぶ、２つの床板３４ｇ、３４ｈが配置されている。
一方の床板３４ｇは、大入賞口３１１の背後であって、しかも、大入賞口３１１の下縁部よりも下方の部位に配置される。そして、その上面上に、「大入賞口３１１の左端後方から右端後方に向かう、下り傾斜状の通路部ｒ１」を構成している（図７を参照）。この通路部ｒ１は、１球の遊技球（入賞球）を通過可能な通路幅（基板３４ａに垂直な方向に沿った幅）を備えると共に、大入賞口３１１の横幅と略等しいか、大入賞口３１１の横幅よりも長くされた長尺状の「道のり」を有している。
他方の床板３４ｈは、図６に示すように、基板３４ａの背後において、床板３４ｃの右側方に配置されている。そして、その上面上に、「通路部ｒ１の下端部（終点部）に連絡される通路部ｒ２」を形成している。但し、図７に示すように、この床板３４ｈの上面は、床板３４ｇの下端部の上面よりも段差状に低くされている。このため、通路部ｒ１の下端部（終点部）から通路部ｒ２の始端部に向かって、「下り段差部」を構成している。また、この通路部ｒ２は、前方（基板３４ａの側）から後方（基板３４ａから離間する側）に向かって、下り傾斜とされている（図８を参照）。尚、この通路部ｒ２も、１球の遊技球（入賞球）を通過可能な通路幅（基板３４ａと平行な方向に沿った幅）を備えるが、その「道のり」は短くされている。
他方の床板３４ｈの後端部（遊技者から見て奥側の端部）は、床板３４ｈの下方に連通する通過孔３４ｋに連絡されている。この通過孔３４ｋは、１球の遊技球（入賞球）を通過可能な通路幅（基板３４ａに垂直な方向に沿った幅）を備えている。そして、基体３４において、通過孔３４ｋの直下の部位が、入賞球検出スイッチ３１８が配置される「入賞球検出スイッチ配置部位３１８Ａ」とされている。尚、この入賞球検出スイッチ３１８は、入賞球検出手段の一具体例を構成するものであり、略リング状若しくは枠状に構成される当該入賞球検出スイッチ３１８内を入賞球が通過したことを検出することで、大入賞装置３１に遊技球が入賞したことを検出（検知）する。
以上のように、本実施例では、左から右に下る「下り傾斜状の通路部ｒ１」と、手前から奥へ下る「下り傾斜状の通路部ｒ２」と、通過孔３４ｋと、によって、大入賞口３１１から入賞した入賞球を、入賞球検出スイッチ３１８（入賞球検出スイッチ配置部位３１８Ａ）まで通過させる「入賞球通過路Ｒ」を構成している。
図１０及び図１１に示すように、通過路形成部材３４ｂのうちで床板３４ｈの下方と、通過孔３４ｋの内壁部分には、遮断板３６を移動可能な状態で支持するための支持部３４ｍ、３４ｎが設けられている。つまり、一方の支持部３４ｍは、通過路形成部材３４ｂにおいて、「床板３４ｈの下方で、しかも、床板３４ｈの左右の側縁部と所定の距離（遮断板３６の厚みよりも大きな距離）を隔てた部位に設けられた突条」によって構成されている。また、他方の支持部３４ｎは、「通過孔３４ｋの内壁のうちで、左右に位置する部分に設けられた突条」によって構成されている。更に、両支持部３４ｍ、３４ｎの各上端面を略水平に向けつつ、同一の高さ位置に配置している。そして、後述する遮断板３６は、左右の側縁部の下面を支持されつつ、一方の支持部（３４ｍ若しくは３４ｎ）の側から、他方の支持部（３４ｎ若しくは３４ｍ）の側へ移動（摺動）可能とされている。
開閉板３１２は、開閉部材の具体例を構成するものであり、図６に示すように、基体３４の前面側に配置されている。この開閉板３１２は横長の略矩形板状に構成され、垂設状の閉鎖姿勢とされつつ、大入賞口３１１を封止状に閉鎖したり、前傾状の開放姿勢とされつつ大入賞口３１１を開放する。また、この開閉板３１２の裏面（開閉板３１２が閉鎖姿勢とされたときに、大入賞装置３１の内部を指向する面）３１２ｂにおいて左右の縁部側の部位には、入賞球案内用突起３１２ｃ、３１２ｄが形成されている。
左側の入賞球案内用突起３１２ｃの左側面であって開閉板３１２の下縁寄りに位置する部位からは、軸部３１２ｅとピン３１２ｆとが左側方に突出している。また、右側の入賞球案内用突起３１２ｄの右側面であって開閉板３１２の下縁寄りに位置する部位からは、１個の軸部３１２ｇが右側方に突出している。尚、左側の入賞球案内用突起３１２ｃの２個の軸部３１２ｅ、３１２ｆは、所定の間隔を開けて配置されている。
左側の入賞球案内用突起３１２ｃの軸部３１２ｅと、右側の入賞球案内用突起３１２ｄの軸部３１２ｇとは、基体３４に設けられた軸受け部（孔状のものであって図示を省略）に軸受状に支持されている。このため、開閉板３１２は、下端側の両側面の支点（軸部３１２ｅ、３１２ｇ）を用いつつ、垂設状の閉鎖姿勢と、前傾状（傾斜は緩やかである。）の開放姿勢との間で、姿勢変更が可能となっている。また、左側の入賞球案内用突起３１２ｃのピン３１２ｆは、後述する連動杆３１２ａと係合している。
図６に示すように、大入賞口ソレノイド３１３は、基板３４ａの背後であって、大入賞口３１１の開成部位を避けた箇所に配置されている。この大入賞口ソレノイド３１３は、軸受（図示を省略）によって上下にスライド可能に支持されたロッド３１３ａと、ロッド３１３ａの外周位置に配置されたソレノイドコイル（図示を省略）と、復帰手段（復帰バネであって、図示を省略）と、を備える。この大入賞口ソレノイド３１３では、ソレノイドコイルへの通電を行わないとき、ロッド３１３ａは復帰手段（復帰バネ）の付勢力により、上方へ駆動する。一方、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ロッド３１３ａは下方へ駆動する。
連動杆３１２ａはクランク状に形成されると共に、一端側がロッド３１３ａの先端（下端）に固着され、他端側が、前述のピン３１２ｆと係合している。従って、開閉板３１２が閉鎖姿勢にあるときに、ソレノイドコイルへの通電を行ってロッド３１３ａを下方へ駆動させると、ロッド３１３ａの駆動力が連動杆３１２ａを介して開閉板３１２に伝達される。これにより、開閉板３１２には開放駆動が施され、左右に突出する軸部３１２ｅ、３１２ｇを枢軸として前方へ傾動し、開放姿勢に移行する。一方、開閉板３１２が開放姿勢にあるときに、ソレノイドコイルへの通電を止め、ロッド３１３ａを上方へ駆動させると、ロッド３１３ａの駆動力が連動杆３１２ａを介して開閉板３１２に伝達される。これにより、開閉板３１２には閉鎖駆動が施され、左右に突出する軸部３１２ｅ、３１２ｇを枢軸として立設状に起き上がり、閉鎖姿勢に移行する。
遮断板３６は、停留手段（閉鎖部材）の具体例を構成するものであり、前記通過孔３４ｋを閉鎖可能なサイズを備える（つまり、通過孔３４ｋよりも、大きな面積を備える）。そして、この遮断板３６は、通過孔３４ｋを開放する位置へと移動したり、通過孔３４ｋを閉鎖する位置へと移動することが可能となっている。
遮断板ソレノイド３７は、遮断板３６（停留手段）を作動させる作動手段として機能するものであり、図６に示すように、基体３４において、遮断板３６の右側方に位置する部位に配置されている。この遮断板ソレノイド３７も、軸受（図示を省略）によって上下にスライド可能に支持されたロッド３７ａと、ロッド３７ａの外周位置に配置されたソレノイドコイル（図示を省略）と、復帰手段（復帰バネであって、図示を省略）と、を備える。尚、この遮断板ソレノイド３７においては、図１０及び図１１に示すように、ロッド３７ａの先端側が略クランク状に屈曲されると共に、先端部が遮断板３６の下面に接続されている。また、後述する主制御部１４０は、この作動手段の作動を制御する作動制御手段を構成する。
この遮断板ソレノイド３７では、図８に示すように、ソレノイドコイルへの通電を行わないとき、ロッド３７ａは復帰手段（復帰バネ）の付勢力により、前方（遊技者の方向）へ駆動する。これにより、ロッド３７ａの先端部と一体化されている遮断板３６も、前方（遊技者の方向）へ移動する。このとき、入賞球通過路Ｒにおいて、通過孔３４ｋよりも上流側（入賞球の通過方向に沿った上流側、つまり、大入賞口３１１の側）の領域（以下、「上流側領域」という。）と、「入賞球検出スイッチ配置部位３１８Ａ」とが、通過孔３４ｋによって連通する。このため、通路部ｒ２に到達した入賞球が、通過孔３４ｋを通じて「入賞球検出スイッチ配置部位３１８Ａ」へ進入可能となる。
一方、図９に示すように、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ロッド３７ａは後方（遊技者から遠ざかる方向）へ駆動され、ロッド３７ａの先端部と一体化されている遮断板３６も、後方（遊技者から遠ざかる方向）へ移動する。これにより、通過孔３４ｋが遮断板３６によって封止状に閉鎖され、「上流側領域」と、「入賞球検出スイッチ配置部位３１８Ａ」とが遮断される。このため、通路部ｒ２に到達した入賞球が、入賞球検出スイッチ配置部位３１８Ａ（入賞球検出スイッチ３１８）の側へ進入することが不可能となる。
以上のように構成される停留手段（遮断板３６）の特徴を、図１２を用いて説明する。即ち、この停留手段では、図１２（ｂ）に示すように、入賞球検出スイッチ３１８の検出領域３１８ａに入賞球Ｎが進入し、この入賞球検出スイッチ３１８が、この入賞球Ｎを検出すると、主制御部１４０の制御の下、遮断板ソレノイド３７への通電が開始される。これにより、ロッド３７ａの後方（遊技者から遠ざかる方向）への駆動が開始され、これに伴って遮断板３６が後方（遊技者から遠ざかる方向）へのスライドを開始する。
即ち、入賞球検出スイッチ３１８が、この入賞球Ｎを検出すると、遮断板３６は通過孔３４ｋの下方において、入賞球Ｎの通過方向に沿って出現し、通過孔３４ｋを開口量を減少させる方向にスライドし、通過孔３４ｋを閉鎖する。換言すると、遮断板３６は、通過孔３４ｋの開閉を行うための「シャッター」として機能する。そして、この遮断板３６（シャッター）は、通過孔３４ｋにおいて入賞球Ｎが最初に通過する端縁３４１ｋの側から出現し、通過孔３４ｋを開口量を減少させる方向にスライドし、通過孔３４ｋを閉鎖する。このため、本停留手段によると、「遅れ入賞球Ｎ１」の停留に成功する確率が高くなる。
換言すると、「遅れ入賞球Ｎ１」の停留を確実に行うことが困難な状況の下でも、この停留を高い確率で成功させることができる。即ち、図１２（ａ）に示すように、所定の入賞球Ｎ（ラウンド終了個数に相当する入賞球である。）と、遅れ入賞球Ｎ１とが近接した状態で、通過孔３４ｋに近づいている場合においては、入賞球Ｎのみを「入賞球検出スイッチ配置部位３１８Ａ」に通過させ、遅れ入賞球Ｎ１のみを「上流側領域」に停留させることが困難な場合もある。
これに対して、本実施例では、通過孔３４ｋの下方において、当該通過孔３４ｋと近接する部位に入賞球検出スイッチ３１８を配置する。しかも、略シャッター状の遮断板３６を入賞球Ｎの通過方向に沿って出現させ、通過孔３４ｋを開口量を減少させる方向にスライドさせる構造を採用する。このため、入賞球Ｎと、遅れ入賞球Ｎ１とが、たとえ、近接していても、入賞球Ｎのみを「入賞球検出スイッチ配置部位３１８Ａ」に到達させ、遅れ入賞球Ｎ１のみを「上流側領域」に停留させることが容易である。
蓋し、図１２（ｂ）に示すように、入賞球検出スイッチ３１８が、入賞球Ｎを検出したところで、通過孔３４ｋの下方において、遮断板３６が入賞球Ｎの通過方向に沿ったスライドを開始する。よって、遅れ入賞球Ｎ１が入賞球Ｎに接近していたことが原因で、「遅れ入賞球Ｎ１が通過孔３４ｋの直前に到達したときに、未だ、遮断板３６の閉鎖駆動が完了していない」としても、遮断板３６は、通過孔３４ｋにおいて入賞球Ｎが最初に通過する端縁３４１ｋの側を既に閉鎖している。このため、図１２（ｃ）に示すように、「遅れ入賞球Ｎ１」を「上流側領域」に停留させること可能性が高くなる。
尚、通過孔３４ｋと入賞球検出スイッチ３１８との距離は適宜、選択可能である。例えば、遊技球の直径を１個分〜５個分（特に、１．５個分〜３つ分）の距離とすると、好適である。通過孔３４ｋと入賞球検出スイッチ３１８との距離が、遊技球の直径１個分に満たないと、図１２の設例において、入賞球Ｎ自身が、停留してしまう可能性を生ずる。一方、通過孔３４ｋと入賞球検出スイッチ３１８との距離が、遊技球の直径５個分を超えると、図１２の設例において、停留手段によって「遅れ入賞球Ｎ１の停留」が確率が低くなるからである。
図２に戻り、変動入賞装置１８の左右斜め上方には、左入賞口１９及び右入賞口２０がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ１９ｓ（図８参照）、右入賞口通過検出スイッチ２０ｓ（図８参照）が設けられている。また、中央装置２６の左右斜め上方には、一対のランプ風車２４、２５がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域１１の左右両端部には、一対のサイドランプ３８、３９がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘２３は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域１１にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
本遊技機１では、図１に示すように、上皿部５の前面における左端側の部位に操作ボタンＢ１、Ｂ２を配設している。この操作ボタンＢ１、Ｂ２は、液晶表示装置２７の表示画面２７１で行われる表示に変更を加えるためのものである。このような変更の具体例としては、（ａ）所定の有効期間内（操作ボタンＢ１、Ｂ２の操作が有効な期間）に、何れかの操作ボタン（Ｂ１若しくはＢ２）を操作すると、第１本図柄表示部２７２で「変動演出表示」中の本図柄（第１本図柄）を、本来の変動時間（仮に、有効な操作ボタンＢ１、Ｂ２がなされない場合の変動時間）の終了を待たずに強制的に停止させること（以下、「一部変動短縮処理」という。）や、（ｂ）この有効期間から選択される所定の期間内に、何れかの操作ボタン（Ｂ１若しくはＢ２）を操作すると、演出用表示領域２７１Ｂで表示される専用演出表示の態様を、複数種類の態様の中から選択すること、等を例示できる。このれらの場合、遊技者は、操作ボタンＢ１、Ｂ２を操作することで、あたかも、液晶表示装置２７の表示画面２７１行われる演出等に参加しているような気分を味わうことができる。
尚、本遊技機１では、複数の操作手段（操作ボタンＢ１、Ｂ２）を備えると共に、遊技者が何れの操作手段（操作ボタンＢ１、Ｂ２）を操作しても、同一の結果を生ずる。例えば、何れの操作ボタンＢ１、Ｂ２に、特定の操作（有効期間内における第１回目の操作）を施しても、「一部変動短縮処理」が実行される。また、特定の操作の後、「所定の期間内」であれば、何れの操作ボタンＢ１、Ｂ２に操作を施しても、「専用演出表示の態様選択」が実行されるものとしてもよい。但し、複数の操作手段（操作ボタンＢ１、Ｂ２）を有する遊技機１において、個々の操作手段が別個の機能を発揮してもよい。
「専用演出表示」の選択態様としては、例えば、（ａ）疑似図柄の表示態様を選択すること（例えば、複数の疑似図柄を横並び表示するか、縦並び表示するか、傾斜状に表示するか、マトリクス状に表示するか等を選択したり、疑似図柄を構成する数字、文字等のサイズ、字体等を選択すること等）、（ｂ）複数種類（例えば、１０種類）の背景図柄から所望の背景図柄を選択すること、（ｃ）背景図柄上に表示するキャラクター図柄を選択すること、（ｄ）本図柄若しくは疑似図柄によって、リーチ演出を行う場合には、そのリーチ選出パターンやリーチ演出の種類を選択すること、若しくは、（ａ）〜（ｄ）のうちの２つ以上の事項を選択すること、等を例示できる。
図２に戻り、遊技盤１０の下方にはアウト口４８が設けられ、そのアウト口４８の下部にはバック球防止部材５８が設けられており、遊技領域１１に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材５９は、内レール１５の先端部に取り付けられ、返しゴム６０は、ファール球防止部材５９の位置とは略正反対側の、遊技盤１０の右半分側の位置であって、外レール１４に沿って嵌合状に取り付けられている。
ｃ．遊技機１の裏面構造
次に、本実施例の遊技機１の裏面構造について図１３を参照して説明する。前面枠４（図１）は中枠３にあって、前面枠４の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ１０１により、開閉可能に支持されている。また、裏機構盤１０２は中枠３にあって裏機構盤１０２の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ１０３により、開閉可能に支持されている。更に、遊技盤１０（図２参照）は中枠３の表面側に着脱可能に取り付けられている。また、上端側にあるヒンジ１０１の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ１０４をタンク底部に備えた賞球タンク１０５と、この賞球タンク１０５に接続されるタンクレール１０６とが取り付けられている。更に、タンクレール１０６の右側には、球抜きレバー１０７が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ（図示を省略）が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置１０９が配設されている。
また、遊技球の振り分け部（図示略）が賞球払出装置１０９の下流側に設けられている。タンクレール１０６の下側には、液晶表示装置２７（図２参照）を格納した蓋付きの裏ケース（図示ぜす）が設けられ、この裏ケースの下側には、後述する主制御部１４０（図９参照）を構成する主制御基板を格納した主制御基板ケース１１２が配設されている。
この主制御基板ケース１１２の背面下側には、発射装置制御部１９３（図１４参照）を構成する発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース１１３と、発射制御集合中継基板（図示略）と、が設けられている。また、裏機構盤１０２の左下方部には、上述した発射装置ユニット（図示略）が配設され、裏機構盤１０２の右下方部には、払出制御部１５０（図１４参照）を構成する払出制御基板を格納した払出制御基板ケース１１８が配設されている。更に、遊技機１の裏面側には、中継基板（図示を省略）が装着されている。
図１３にも示すように、この中継基板１９０は、入賞球検出スイッチ３１８，１９ｓ〜２２ｓ等と主制御部１４０とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース１１２、中継基板１９０及び払出制御基板ケース１１８は、金属板（図示を省略）に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤１０２に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤１０２の左下端部には、ヒューズボックス１１９、電源スイッチ１２０、電源ターミナル基板１２１及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板（図示略）が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル１２３も端子基板（図示略）の上側に配設されている。また、払出制御基板ケース１１８からは接続ケーブル１２４が上方へ延出し、電源ケーブル１２５を備えたプリペイドカードユニット１３に接続されている。更に、裏機構盤１０２の略中央下端部には、下皿部用球通路部材（図示略）が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板１２１に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ１２１ａを接続しているが、このラムクリアスイッチ１２１ａの接続を省略したり、ラムクリアスイッチ１２１ａの接続個所を変更してもよい。
（２）遊技機１の電子制御装置１３０
次に、本実施例の遊技機１の電子制御装置１３０について、図１４及び図１５を参照して説明する。
ａ．遊技機１の制御回路の構成：
先ず、図１４を用いて、本遊技機１の制御回路全体の構成の概略について説明する。この電子制御装置１３０は、主制御部１４０と、複数の副制御部とを含んで構成されている。また、副制御部は、主制御部１４０に直に接続された第１次副制御部（払出制御部１５０、音声・ランプ制御部１７０等）と、この第１次副制御部を介して主制御部１４０に接続された第２次副制御部（発射装置制御部１９３、図柄制御部１６０等）。尚、主制御部１４０と第１次副制御部とは信号伝送経路５００ａによって接続され、第１次副制御部及び第２次副制御部は信号伝送経路５００ｂによって接続されている。
次に、各制御部間における「データ等」の伝送方式について述べる。即ち、主制御部１４０から、払出制御部１５０および音声・ランプ制御部１７０へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータ等が伝送される。また、音声・ランプ制御部１７０から図柄制御部１６０へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部１７０と図柄制御部１６０との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図１４に示した破線の矢印は、各制御部１４０ないし１８０への電源供給経路を表している。また、図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板４１０に供給され、電源ユニット４２０で所定電圧に変換された後、分電基板４３０から各制御部１４０ないし１８０に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
次に、図１４及び図１５を用いて、電子制御装置１３０を構成する重要な制御部に関して説明する。
主制御部１４０は、遊技の基本進行を司る制御部であり、当否判定の等、本遊技機１において重要な処理を実行する。また、主制御部１４０は、図１４及び図１５に示すように、各種スイッチ（９ａ、９ｂ、９ｂ、１０４、１９２、１７ｓ、１９ｓ〜２２ｓ、３６ｓ、３７ｓ、３１８）等からの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部１５０や音声・ランプ制御部１７０に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイド（１７ｃ、３１３、３７）などに駆動信号を出力する。
主制御部１４０は、図１５に示すように、主制御基板３４０を用いて構成されている。この主制御基板３４０には、主回路部４００と、入出力回路部５００とが設けられている。この主回路部４００及び入出力回路部５００はバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、主回路部４００とは、ＣＰＵ（シングルチップ型）４０１を含む構成とされている。
ＣＰＵ４０１は、ＣＰＵコア４８０と、内蔵ＲＡＭ４８１と、内蔵ＲＯＭ４８２等を含む構成とされている。また、ＣＰＵ４０１は、ワークエリアとしてＲＡＭ４８１を使用しながら、ＲＯＭ４８２に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機１全体の作動制御（すなわち、遊技の基本進行制御）を司るとともに、ＲＯＭ４８２に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判定に関する制御等を行う。
入出力回路部５００には、信号伝送経路５００ａを介して払出制御部１５０及び音声・ランプ制御部１７０が接続されている（図１４参照）。また、入出力回路部５００は、払出制御部１５０や音声・ランプ制御部１７０での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路５００ａを介して払出制御部１５０あるいは音声・ランプ制御部１７０に出力する。また、入出力回路部５００からは、図柄制御部１６０での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部１６０に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部１７０に向けて出力された後、音声・ランプ制御部１７０から信号伝達経路５００ｂを経由して図柄制御部１６０に供給される。
また、入出力回路部５００には、始動口（普通電動役物１７１）入賞検出スイッチ１７ｓや、普通図柄表示装置基板３２ｆ、各種ソレノイド１７ｃ，３１３、右普通図柄作動ゲート通過検出器（右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ）３７ｓ、左普通図柄作動ゲート通過検出器（左普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ）３６ｓなどが接続されている。
払出制御部１５０は、払出制御基板（図示を省略）によって構成されている。この払出制御基板は、主制御基板３４０と同様に、主回路部と入出力回路部を備えている。そして、この主回路部及び入出力回路部もバスを用いて接続され、相互にデータをやりとりが可能とされている。また、この払出制御基板の入出力回路部には信号伝送経路５００ａが接続されている。このため、主制御基板３４０から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路５００ａを介して、払出制御部１５０の入出力回路部に入力される。また、払出制御部１５０の入出力回路部には、賞球払出装置１０９や発射装置制御部１９３なども接続されている。
つまり、本実施例では、入賞球検出スイッチ３１８が入賞球の通過を検出すると、この入賞球検出スイッチ３１８から主制御部１４０に、検出信号（入賞信号）が送信される。そして、主制御部１４０がこの検出信号（入賞信号）を受信すると、主制御部１４０は、払出制御部１５０に「払出信号」を送信する。更に、「払出信号」を受信した払出制御部１５０は、賞球払出装置１０９を作動させ、賞球の払い出しを行うものとされている。また、本実施例では、「通常のラウンド」に係るラウンド賞球遊技において、ラウンド終了個数に相当する入賞球が入賞球検出スイッチ３１８によって検出され、この検出に関する情報が主制御部１４０に送信されると、主制御部１４０は、前述の遮断板ソレノイド３７の作動（通電）を開始させる。そして、次の「通常のラウンド」に係るラウンド賞球遊技が開始されると、遮断板ソレノイド３７の作動（通電）を停止する。
尚、図示を省略するが、音声・ランプ制御部１７０は、スピーカー４００ａやランプ等の制御を主に行うための制御基板と、制御基板からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板の、主に２つの基板から構成されている。また、図柄制御部１６０は、特別図柄制御基板によって主に構成されている。
中継基板１９０には、入賞球検出スイッチ３１８，１９ｓ〜２２ｓ等が接続されており、中継基板１９０の出力端子は、主制御部１４０の入出力回路部５００と接続されている。
払出用端子基板１９１には、タッチスイッチ９ａ、発射停止スイッチ９ｂ、ヴォリュームスイッチ１９２、タンク球切れ検出スイッチ１０４及び補給球切れ検出スイッチ１０８等が接続され、払出用端子基板１９１の出力端子は、払出制御部１５０の入出力回路部に接続されている。
以上の電子制御装置１３０においては、遊技球が始動口１７に入球すると、その情報が始動口入賞検出スイッチ１７ｓによって検出されて、主制御部１４０に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート３６あるいは普通図柄作動右ゲート３７を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器３６ｓ，３７ｓにより検出されて、主制御部１４０に入力される。更に、入賞球検出スイッチ１９ｓ〜２２ｓ，３１８で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板１９０を介して主制御部１４０に入力される。
主制御部１４０は、これらの情報を受け取って、変動パターン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路５００ａ、音声・ランプ制御部１７０、信号伝送経路５００ｂを経由して図柄制御部１６０に供給される。また、主制御部１４０は、図柄制御部１６０に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部１７０にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
音声・ランプ制御部１７０では、変動パターン指定コマンドと、停止図柄指定コマンドを受けとると、疑似図柄の変動態様と、疑似図柄の停止図柄とを乱数等による抽選で決定する。このとき、音声・ランプ制御部１７０では、可動演出装置本体７００を用いた演出の実行の可否や、演出の態様等を決定する。尚、これらの詳細に関しては後述する。
ｂ．賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機１の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口３１に入球すると、大入賞口３１の内部に設けられた入賞球検出スイッチ３１８がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部１４０に出力する。信号を受け取ると、主制御部１４０は後述する処理を行って、払出制御部１５０に向かって１５個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口（普通電動役物）１７に入球した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検出スイッチ１７ｓがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部１４０に出力する。この信号を受けて主制御部１４０は、後述する処理を行った後、４個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部１５０に向かって出力する。
左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検出して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部１４０に出力する。主制御部１４０は、後述する処理を行って１０個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部１５０に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部１５０を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検出した順番に従って信号伝送経路５００ａを介して送信される。払出制御部１５０は、こうして主制御部１４０から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置１０９を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部１４０は、上述した各種検出スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部１４０は、始動口（普通電動役物）入賞検出スイッチ１７ｓ、入賞球検出スイッチ３１８等の検出結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが特別図柄始動入賞がない状態（変動準備状態）」、「特別図柄始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。また主制御部１４０は、始動入賞を検出すると乱数値に基づいて当否判定を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動（リーチ表示態様を含む）や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路５００ａを介して一旦、音声・ランプ制御部１７０に出力された後、音声・ランプ制御部１７０から信号伝送経路５００ｂを介して図柄制御部１６０に送信される。
（３）特別図柄表示ゲームの概要
本遊技機においては、始動入賞を生じ、当否判定の結果に関する「表示実行条件」が成立すると、液晶表示装置２７の本図柄表示部２７２、２７３と、疑似図柄表示部２７５〜２７７とにおいて、特別図柄の変動を開始する。そして、所定の変動時間を経過した後、本図柄表示部２７２、２７３と、疑似図柄表示部２７５〜２７７との双方において、特別図柄の停止図柄が確定表示される。
このとき、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「外れである」旨の表示がなされると、この時点で、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。一方、特別図柄の停止図柄によって、当否判定の結果が「大当りである」旨の表示がなされると、「大当りに移行するための演出表示」等を実行した後に、特別遊技を実行する。そして、この特別遊技を終了すると、「一回の始動入賞に起因して開始された一回の特別図柄表示ゲーム」を終了する。
（５）主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置１３０によって実行される遊技機１の制御の内容について説明する。
ａ．主制御部メインジョブ
図１７は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部１４０に搭載された主制御基板３４０によって実行されるジョブであり、遊技機１における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機１の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部４００に内蔵されたＣＰＵ４８０が内蔵ＲＯＭ４８２のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。尚、本遊技機１では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する（Ｓ１０）。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後、音声・ランプ制御部１７０に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う。尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部４０１に内蔵されているＣＰＵ４８０の動作チェックやＲＡＭの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部１７０や、払出制御部１５０、図柄制御部１６０などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機１の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置３２や液晶表示装置２７（図２参照）などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部１６０に対して指定するコマンドである。
図１８は、主制御部１４０から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部１４０に設けられた主制御基板３４０は、１ｂｉｔのストローブ信号と８ｂｉｔのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板３７０に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板３７０では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部１４０が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部１７０から図柄制御部１６０に転送され、図柄制御部１６０の制御の下で普通図柄表示装置３２あるいは液晶表示装置２７のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機１では、主制御部１４０が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部１７０や図柄制御部１６０、払出制御部１５０など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部１４０と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機１の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部１４０内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部１７０や図柄制御部１６０などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。
主制御部１４０は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図１７に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する（Ｓ３０）。ここでデモ表示とは、遊技機１がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、普通図柄作動ゲート３６，３７を遊技球が通過したか否かを判断する（Ｓ８０）。そして、普通図柄作動ゲート３６，３７を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数が所定個数（上限個数であって、本実施例では「４」）を超えているか否かが判断される（Ｓ８３）。この普通図柄保留数（未始動回数）が所定個数（本実施例では「４」）を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、Ｓ１００へスキップする。また、所定個数内の保留数（未始動回数）であれば、Ｓ８５において、普通図柄保留数メモリ４８１ｍ（図１４参照）に記憶されている普通図柄保留数（未始動回数）を１インクリメントする。
このように、普通図柄保留数（未始動回数）を１インクリメントすると、Ｓ９０において、普通図柄に関する当否抽選に用いる当否抽選乱数（「当否抽選」に用いる乱数）を発生させ（プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい）、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ４８１ｍ（図２９参照）に記憶した後、Ｓ１００の処理に移行する。また、普通図柄変動ゲート３６，３７を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合（Ｓ９５：ＹＥＳ）も、Ｓ１００の処理に移行する。
Ｓ１００の処理においては、普通図柄表示装置３２における演出を制御するためのジョブ（普通図柄制御ジョブ）を行い、更に、Ｓ２００の処理においては、普通電動役物１７１の駆動を制御するためのジョブ（普通電動役物駆動制御ジョブ）を行う。
次いで、主制御部１４０は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ３００）。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検出するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板３４０に伝達される。そして、主制御部１４０は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部１４０は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する（Ｓ３１０）。この賞球コマンドは、主制御部１４０から払出制御部１５０に向かって出力され、払出制御部１５０ではコマンドに従って賞球払出装置１０９を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部１４０から音声・ランプ制御部１７０にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部１４０は、遊技球の入球した入賞口が始動口１７か否か、つまり、始動入賞を生じたか否かを判断する（Ｓ３１５）。そして、始動口１７でない場合（Ｓ３１５；ＮＯ）は、Ｓ３５０へスキップする。一方、入球した入賞口が始動口１７である場合は（Ｓ３１５：ＹＥＳ）、Ｓ３２０において、特別図柄保留数が特定個数（上限個数であって、本実施例では「４」）を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数（未始動回数）が特定個数（本実施例では「４」）を超えていれば、その始動入賞は無効となり、Ｓ５００へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数（未始動回数）であれば、Ｓ３２５において、特別図柄保留数メモリ４８１ｂ（図１６参照）に記憶されている特別図柄保留数（未始動回数）を１インクリメントする。
このように、特別図柄保留数（未始動回数）を１インクリメントすると、Ｓ３３０において、特別図柄当否判定乱数（以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう）を発生させ（プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい）、読み込んだ判定乱数値を、Ｓ３３０において、特別図柄当否判定乱数メモリ４８１ａ（図１６参照：以下、判定乱数メモリともいう）に記憶した後、Ｓ５００の処理に移行する。このメモリ４８１ａは、読み込んだ判定乱数値を特別図柄始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
この特別図柄当否判定乱数メモリ４８１ａは、図１６（ｂ）に示すように、「領域０」、「領域１」、「領域２」及び「領域３」の４つの記憶領域を備えている。そして、判定乱数値を、「領域０」、「領域１」、「領域２」、「領域３」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定乱数値が、「領域０」に記憶される。また、特別図柄当否判定乱数メモリ４８１ａに、同時に記憶できる判定乱数値の数（つまり、特定個数）は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。そして、各判定乱数値に対応する「特別図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域０」の記憶データ（判定乱数値であって、最古のもの）がクリアーされると共に、「領域１」、「領域２」、「領域３」のそれぞれの記憶データ（存在する場合のみであって、領域１〜領域３の全てに存在する場合と、領域１及び領域２に存在する場合と、領域１のみに存在する場合と、領域１〜領域３の全てに存在しない場合とがある。）が、「領域０」に向けて「１領域ずつ」シフトされる。
このＳ５００の処理では、液晶表示装置２７における演出を制御するためのジョブ（特別図柄制御ジョブ）が行われる。そして、Ｓ５００の処理に後続する処理を、特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）で実施した後、所定の「１つの始動入賞に伴う一連の図柄表示遊技」を終了する。尚、特別図柄制御ジョブＳ５００及び特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）の内容については後述する。また、Ｓ３５０において、特別図柄保留数（未始動回数）が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブＳ５００及び遊技状態制御ジョブ（Ｓ９００）は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、遊技機１の電源がＯＦＦとされたか否かを判断し（Ｓ９８０）、電源がＯＮであると判断された場合は（Ｓ９８０：ＮＯ）、再びＳ３０のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機１の電源がＯＦＦになったと判断された場合は（Ｓ９８０：ＹＥＳ）、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機１の遊技状態が終了する。
ｂ．主要なジョブの説明
次に、特別図柄制御ジョブ（Ｓ５００）と、特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）とについて説明する。図１９（ａ）は、特別図柄制御ジョブ（Ｓ５００）の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ（Ｓ５００）においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ（Ｓ６００）と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ（Ｓ７００）」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ（Ｓ６００）においては、「当否判定」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄（確定図柄）」を決定する処理が行われる。この特別図柄の当否判定ジョブ（Ｓ５００）は、以下のように行われる。即ち、図２０に示すように、Ｓ６０５において、特別図柄当否判定乱数メモリ４８１ａ（図１６参照）から記憶している最も古い先頭の特別図柄判定乱数値を読み出し、Ｓ６１０に進む。次いで、Ｓ６１０においては、図１５に示すＲＯＭ４８２内の大当り番号メモリ４８２ａから大当り番号（当り用判定値）を読み出し、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い（Ｓ６２０又はＳ６２５）、両者が一致していれば大当り判定となり、大当り処理（Ｓ６５０）が行われる。一方、一致していなければ外れ判定となり、外れ処理（Ｓ６８０以降の処理）が行われる。
但し、当否判定に先立ち、遊技機１が高確率状態にあるか否か（確変移行フラグが設定されているか否か）が判断され（Ｓ６１５）、高確率状態にないとき（確変移行フラグが設定されていないとき）には（Ｓ６１５；ＮＯ）、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる（Ｓ６２０）。一方、遊技機１が高確率状態にあるとき（確変移行フラグが設定されているとき）には（Ｓ６１５；ＹＥＳ）、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この当否判定が行われる（Ｓ６２５）。
大当り処理（Ｓ６５０）においては、図２１に示すように、先ず、Ｓ６５２に進み、当り本図柄（当りを示すための第１本図柄と、第２本図柄であって、両者は同一の図柄である。）を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を当り本図柄番号メモリ４８１ｅ（図１６参照）に記憶する（Ｓ６５４）。次いで、Ｓ６０５で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号（以下、「確変当り番号」という。）とが一致するか否かを判定する（Ｓ６６０）。そして、両者が一致しない場合には（Ｓ６６０；ＮＯ）落選（通常当り）となり、そのままＳ６６８０の処理に移行する。一方、両者が一致していれば（Ｓ６６０；ＹＥＳ）当選（確変当り）となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後（Ｓ６６５）、Ｓ６６８の処理に移行する。
Ｓ６６８においては、「大当りフラグ（大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ）」を、特別図柄判定結果メモリ４８１ｉ（図１６参照）にセットする。尚、「確変（確率変動）」に関する判定を「大当りを示す図柄を決定するための乱数（当り本図柄決定乱数）」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図２０に示すように、Ｓ６８０で外れ第１本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第１本図柄番号メモリ４８１ｆ（図１６参照）に記憶する（Ｓ６８２）。同様に、Ｓ６８４で外れ第２本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第２本図柄番号メモリ４８１ｇ（図１６参照）に記憶する（Ｓ６８６）。そして、Ｓ６９０において、「外れフラグ（大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ）を、特別図柄判定結果メモリ４８１ｉ（図１６参照）」にセットする。
特別図柄制御ジョブ（Ｓ５００）では、図１９（ａ）に示すように、この「特別図柄の当否判定ジョブ（Ｓ６００）」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ（Ｓ７００）」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ（Ｓ７００）では、「本図柄指定コマンド（本図柄表示部２７２、２７３において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド）」を設定する処理と、「本図柄変動パターン指定コマンド（本図柄表示部２７２、２７３において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド）」を選択・設定する処理と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板３４０から出力される各種のコマンドであり、図１５に示した主回路部４００の内蔵ＲＯＭ４８２に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている｛図１９（ｂ）｝。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第１本図柄表示部２７２に確定表示（停止表示）される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド（以下、「第１本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド１」と表記することもある。）」と、第２本図柄表示部２７３に確定表示（停止表示）される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド（以下、「第２本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド２」と表記することもある。）」とが存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、当否判定の結果が「大当り」の場合（Ｓ８４０；ＹＥＳ）に出力される「大当り関連表示コマンド（Ｓ８４１）」も含まれている。この「大当り関連表示コマンド（Ｓ８４１）」は、大当り図柄の確定表示（大当り表示）の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド）」が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄（本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。）の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ（Ｓ７００）においては、前記当否判定（Ｓ６２０、Ｓ６２５）の結果が大当りである場合、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「大当り本図柄番号メモリ４８１ｅに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド１」及び「本図柄指定コマンド２」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド（変動パターン）」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ（Ｓ７００）においては、前記大当り判定（Ｓ６２０、Ｓ６２５）の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第１本図柄番号メモリ４８１ｆに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド１」に設定し、前述の「外れ第２本図柄番号メモリ４８１ｇに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド２」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
次に、特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）に関し、図２２及び図２３を用いて説明する。この特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）は、１回の「始動入賞」を契機に開始される「一連の遊技（以下、「図柄表示遊技」という。）」の最終段階で実行される。つまり、この「図柄表示遊技」は、１回の始動入賞を契機に開始されると共に、図柄の表示等によって種々の演出表示を行いつつ、判定の結果の表示を行うと共に、この判定の結果に基づいて、「特別遊技上の利益」の付与等を行うことを内容とする遊技である。そして、この遊技状態制御ジョブ（Ｓ９００）をもって、１回の「始動入賞」を契機に開始された「１回の図柄表示遊技」が終了する。
この特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）では、特別図柄判定結果メモリ４８１ｉに「大当りフラグ」がセットされているか否か（つまり、当否判定の結果が大当りであるか否か）が判断される（Ｓ９０２）。そして、Ｓ９０２で「大当りフラグ」がセットされていると判断される場合（Ｓ９０２；ＹＥＳ）、この「大当りフラグ」を解除し、条件装置の作動を開始させ（つまり、特別遊技状態の開始条件が成立し）、「特別遊技状態」を開始する（Ｓ９２０）。尚、「特別遊技状態」を開始する前において、液晶表示装置２７には、大当り図柄が確定表示され、続いて、液晶表示装置２７で、大当り関連表示（大当り表示に始まり、特別遊技を開始するまで行われる過渡的演出表示）がなされる。
Ｓ９０２で「大当りフラグ」がセットされいないと判断される場合（Ｓ９０２；ＮＯ）、「外れフラグ（Ｓ６９０）」を解除する（Ｓ９０６）。次いで、確変移行フラグが設定されているか否かを判断し（Ｓ９０８）、設定されていなければ（Ｓ９０８；ＮＯ）、特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）を終了する。これにより、１回の「始動入賞」を契機に開始された「１回の図柄表示遊技」が終了する。
一方、Ｓ９０８において、確変移行フラグが設定されていると判断されると（Ｓ９０８；ＹＥＳ）、「確変カウンタ」の値を「＋１」する処理を行う（Ｓ９１０）。尚、この「確変移行フラグ」は、後述するように（Ｓ９９７）、遊技機１が確率変動モード（確変状態）にあることを示すフラグであって、「確変当りに係る特別遊技状態」の終了後においてセットされる。また、「確変カウンタ」は、遊技機１が確変状態（確率変動状態）に移行した後に、「当否判定」においても、「大当り」の判定結果を得ることなく行った図柄表示の回数を示す。つまり、遊技機１が確変状態（確率変動状態）に移行した後、「当否判定」において、「大当り」の判定結果を得ることなく行った「液晶表示装置２７による図柄の変動表示」の回数を示す。尚、液晶表示装置２７による図柄の変動表示は、変動表示を開始し、確定図柄（判定結果を示す図柄）を確定表示するまでを「１回」とする。
Ｓ９１０において、「確変カウンタ」の値を「＋１」する処理を行った後、「確変カウンタ」の値が「５０」に到達したか否かを判断する（Ｓ９１４）。そして、「５０」に到達していなければ（Ｓ９１４；ＮＯ）、特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）を終了する。この場合、「次回の図柄表示遊技」においても、確変状態を継続する。これに対して、「確変カウンタ」の値が「５０」に到達していると（つまり、「５０」になっていると）、「確変カウンタ」をクリア（「ゼロ」にする。）した後（Ｓ９１６）、確変移行フラグを解除して（Ｓ９１８）、特別遊技関連ジョブ（Ｓ９００）を終了する。この場合、「次回の図柄表示遊技」においては、遊技機１の遊技状態が通常モードとなる。
特別遊技を開始する場合（Ｓ９２０）は、「確変移行フラグ」が設定されているか否かが判断され（Ｓ９２２）、設定されていなれば（Ｓ９２２；ＮＯ）、そのまま、「大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）」に移行する。一方、「確変移行フラグ」が設定されていれば（Ｓ９３０；ＹＥＳ）、「確変カウンタ」をクリアし、当該「確変移行フラグ」を解除した後、「大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）」に移行する。
大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）では、図２３に示すように、ラウンドカウンタ（ＲＣ）を初期化する処理（「１」に設定する処理）と、入賞カウンタ（ＮＣ）を初期化する処理（「ゼロ」に設定する処理）とを行う（Ｓ９３２）。ここで、ラウンドカウンタ（ＲＣ）は、ラウンド賞球遊技における「ラウンド数」を示すものであり、入賞カウンタ（ＮＣ）は、各ラウンド賞球遊技における「入賞球の合計個数」を示すものである。
このＳ９３２の処理に続いて、役物作動装置の作動を開始させる（Ｓ９３４）そして、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して、開閉板３１２の姿勢を開放姿勢に移行させるための信号（以下、「開放信号」という。）が出力され（Ｓ９３６）。そして、閉鎖姿勢にある開閉板３１２の姿勢が、開放姿勢に変更される。このため、大入賞口３１１を開放状態となり（Ｓ９３８）、大入賞口３１１に遊技球が入賞し易い状態となる。そして、このように、開閉板３１２の姿勢を開放姿勢に変更することで、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」が開始される。
このように、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」を開始すると、「停留手段（遮断板３６）」が停留動作を実行しているか否かを判断し（Ｓ９４０）、実行中でなければ（Ｓ９４０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。但し、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」は、当該特別遊技の開始後、最初に実行される「ラウンド賞球遊技」であり、「停留手段（遮断板３６）」が停留動作を実行中でないため、一律に、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。尚、後続するラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」において、「停留手段（遮断板３６）」が停留動作を実行中である場合（Ｓ９４０；ＹＥＳ）、この（遮断板３６）」による停留動作を解除した後、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行するが、この点に関しては後述する。
Ｓ９４７の処理においては、大入賞口３１１の開放状態が所定時間（例えば３０秒）ｔ１を経過したか否かが判断される（Ｓ９４７）。換言すると、当該「ラウンド賞球遊技」のラウンド終了時間が経過したか否かが判断される（Ｓ９４７）。そして、経過していれば（Ｓ９４７；ＹＥＳ）、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して、開閉板３１２の姿勢を閉鎖姿勢に移行させるための信号（以下、「閉鎖信号」という。）が出力される（Ｓ９４８）。そして、大入賞口ソレノイド３１３への通電が停止され、開放姿勢にある開閉板３１２の姿勢が閉鎖姿勢に戻され、大入賞口３１１の閉鎖を完了する（Ｓ９７０）。この結果、大入賞口３１１への遊技球の入賞が不可能な状態となり、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を終了する。
一方、Ｓ９４７で、大入賞口３１１の開放状態が所定時間ｔ１を経過していないと判断される場合（Ｓ９４７；ＮＯ）、入賞カウンタ（ＮＣ）の値が所定数ｎ１（例えば１０個）に到達したか否かが判断される（Ｓ９５０）。換言すると、Ｓ９３８において大入賞口３１１を開放状態として開始された「ラウンド賞球遊技」において、入賞球検出スイッチ３１８が検出した入賞球の合計個数が、ラウンド終了個数ｎ１に到達したか否かを判断する（Ｓ９５０）。更に、入賞カウンタ（ＮＣ）の値が所定数ｎ１（例えば１０個）に到達すると（Ｓ９５０；ＹＥＳ）、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「閉鎖信号」を出力する（Ｓ９５２）と共に、「停留手段（遮断板３６）」による停留を開始させる（Ｓ９５５）。そして、開放姿勢にある開閉板３１２の姿勢が閉鎖姿勢に戻され、大入賞口３１１の閉鎖を完了する（Ｓ９７０）。この結果、大入賞口３１１への遊技球の入賞が不可能な状態となり、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を終了する。
ここで、Ｓ９５５の処理において、主制御部１４０は、「入賞球検出スイッチ３１８が検出した入賞球の合計個数がラウンド終了個数ｎ１に到達した」と判断すると（Ｓ９５０；ＹＥＳ）、遮断板ソレノイド３７への通電を開始し、遮断板３６を閉鎖方向へスライドさせ、通過孔３４ｋの閉鎖する。また、このＳ９５５の処理は、本大入賞装置３１において、実際に「遅れ入賞球」が生じているか否かにかかわらずに実行される。尚、Ｓ９４７の処理とＳ９５０の処理は、（１）Ｓ９４７の処理において肯定的な判断がなされ、Ｓ９４８の処理がなされるか、（２）Ｓ９５０の処理において肯定的な判断がなされると共にＳ９５２の処理とＳ９５５の処理がなされるまで、実行される。
大入賞口の閉鎖が完了すると、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が「＋１」され（Ｓ９７６）、更に、Ｓ９７８の処理において特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される。例えば、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が所定数（例えば、第１４のラウンドを終了したことを示す「１５」の値）に到達したか否かが判断される（Ｓ９７８）。
但し、「第１のラウンドに係るラウンド賞球遊技」においては、Ｓ９７８の処理において、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が所定数に到達していないと判断されるため（Ｓ９７６；ＮＯ）、入賞カウンタ（ＮＣ）を初期化する処理（「ゼロ」に設定する処理）を行い（Ｓ９８３）、直ちに、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「開放信号」が出力される（Ｓ９３６）。そして、開閉板３１２の姿勢を開放姿勢に変更することで、「第２のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を開始される。つまり、本実施例においては、「所定のラウンドに係るラウンド賞球遊技」を終了し、後続する「他のラウンドに係るラウンド賞球遊技」を開始するまでの間に、前述の「継続判定期間」を設ける必要がなく、この点からも、特別遊技を円滑に進行することができる。
「第２のラウンド以降の各ラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技」においても、Ｓ９３８によって、大入賞口３１１を開放した後、「停留手段」が停留動作を実行中であるか否かを判断される（Ｓ９４０）。そして、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」と同様に、実行中でなければ（Ｓ９４０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行し、実行中であれば（Ｓ９４０；ＹＥＳ）、この「停留手段」の停留動作を解除した後、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。そして、以後の処理に関しては、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」と同様である。
但し、「第２のラウンド以降の各ラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技（以下、「進行中のラウンド賞球遊技」という。）」では、「前回のラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技（以下、「前回のラウンド賞球遊技」という。）」で「遅れ入賞球」を生じている場合に、Ｓ９５０の処理を以下のように行う。つまり、「進行中のラウンド賞球遊技」において現実に生じた入賞球の個数と、「前回のラウンド賞球遊技」において生じた「遅れ入賞球」の個数との合計が、ラウンド終了個数に到達すると、Ｓ９５０において、肯定的な判断がなされる。蓋し、Ｓ９４５の処理によって、停留動作を解除されると、「前回のラウンド賞球遊技」における「遅れ入賞球」は、その時点で始めて入賞球検出スイッチ３１８で検出され、あたかも、「進行中のラウンド賞球遊技」において生じた「入賞球」のように取り扱われるからである。
本実施例では、以上のように、停留手段の停留動作の実行を開始する時点（Ｓ９５５）と、停留手段の停留動作の実行を解除する時点（Ｓ９４５）において｛但し、最終のラウンドにかかるラウンド賞球遊技において、停留手段の停留動作の実行を解除する時点（Ｓ９８４）を除く｝、開閉板３１２の姿勢は開放姿勢に維持され、大入賞口３１１が開放状態とされる。このため、遊技者は、「遅れ入賞球」が停留される事実と、「遅れ入賞球」が処理される事実（停留を解除し、入賞球検出スイッチ３１８で検出可能とするための処理が行われること）を目視によって確認できる。若しくは、停留手段や、これに停留された「遅れ入賞球」を、窓部３４１ａを通じて確実に確認できる。よって、本遊技機１は、遊技者に対して、透明性や公平性に優れたものとなる。つまり、遊技者の関知しないところで、「遅れ入賞球」が処理されることを防止し、遊技者に対して安心感を与えることができる。
「第２のラウンド以降の各ラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技」においては、Ｓ９７６の処理で、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値を「＋１」した後、Ｓ９９７８の処理において、特別遊技の終了条件を満たすと判断される場合（Ｓ９７８；ＹＥＳ）、つまり、実行中の「ラウンド賞球遊技」が、「最終のラウンド」に係るものである場合には、「停留手段」が停留を実行中であるか否かを判断する（Ｓ９８０）。そして、実行中でなければ（Ｓ９８０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９８６の処理に移行し、実行中であれば（Ｓ９８０；ＹＥＳ）、停留手段による停留を解除した後（Ｓ９８４）、Ｓ９８６の処理に移行する。
Ｓ９８６の処理では、役物作動装置の作動を停止させ（Ｓ９８６）、これによって、大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）を終了する。このように、大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）を終了すると、条件装置の作動を停止させ（つまり、特別遊技状態の終了条件が成立し）、「特別遊技状態」を終了する（Ｓ９９１）。これにより、遊技機１の遊技状態は「非特別遊技状態（通常遊技状態）」となる。
Ｓ９９１の処理で特別遊技を終了した後に、確変当りフラグ（Ｓ６６５）が設定されているか否かが判断される（Ｓ９９５）。つまり、終了した特別遊技状態が、確変当りに基づくものであるか否かが判断される（Ｓ９９５）。そして、確変当りフラグ（Ｓ６６５）が設定されている場合には（Ｓ９９５；ＹＥＳ）、確変当りフラグを解除する処理（Ｓ９９６）と、確変移行フラグを設定する処理（Ｓ９９７）とを実行した後、遊技状態制御ジョブ（Ｓ９００）を終了する。一方、Ｓ９９５において、「ＮＯ」と判断される場合には、Ｓ９９６の処理と、Ｓ９９７の処理を実行することなく、遊技状態制御ジョブ（Ｓ９００）を終了する。尚、Ｓ９９７において、確変移行フラグが設定され、遊技機１が、「確率変動状態」に移行すると、上記特別遊技状態終了後、特別図柄の変動が５０回行われるまで当否判定の確率（大当り確率）が通常の約４〜１０倍に向上する。
（５）コマンドの送受信
主制御部１４０及び副制御部（１７０、１６０）間のコマンドの送受信に関し、図２４及び図２５を用いて説明する。この図２４及び２５は、ステップＳ８１０、Ｓ８２０、Ｓ８３０等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部１４０（主制御基板３４０）から音声・ランプ制御部１７０（音声・ランプ制御基板３７０）に向かって出力される様子と、主制御部１４０（主制御基板３４０）に操作信号が出力される様子と、主制御部１４０（主制御基板３４０）から音声・ランプ制御部１７０（音声・ランプ制御基板３７０）に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ｛図１９（ａ）｝において、ステップＳ８１０の処理が初めて実行される時には、図２７に示すように、「変動パターン指定コマンド」が出力される。この「変動パターン指定コマンド」は、本図柄（第１〜第２本図柄）の変動を開始させるコマンドであるばかりか、これらの本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図２４及び図２５において、実線の矢印は、主制御部１４０に操作信号が供給されていることを模式的に示したものである。また、「白抜きの矢印」は、（１）「演出操作信号」が、主制御部１４０から、音声・ランプ制御部１７０及び図柄制御部１６０に供給されていることを模式的に示す場合と、（２）主制御部１４０の発するコマンドが音声・ランプ制御部１７０及び図柄制御部１６０に供給されていることを模式的に示す場合と、がある。更に、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部１７０が発したコマンドが図柄制御部１６０に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部１７０から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板３７０は、図２４に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板３６０に転送する。これにより、本図柄（第１〜第２本図柄）と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板３７０を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部１７０及び図柄制御部１６０では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが１周目の処理を終了して、２周目にＳ８２０の処理が実行されるときには、第１本図柄を指定するコマンド（第１本図柄指定コマンドＣtｓ１ ）を出力する。尚。主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約４ｍｓｅｃ掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略４ｍｓｅｃに、第１本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約４ｍｓｅｃ後に３周目の処理が実行される時には、第２本図柄を指定するコマンド（第２本図柄指定コマンドＣtｓ２ ）が出力される。
尚、本実施例では、２つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。こうして特別図柄（本図柄）についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド（本図柄停止コマンドＣtstp）を出力する。
そして、所定の時間経過後に、主制御部１４０は、音声・ランプ制御基板３７０に、「本図柄停止コマンド（特別図柄停止コマンド）」を送信する（Ｓ８３０、図２９参照）。また、音声・ランプ制御基板３７０は、「本図柄停止コマンド（特別図柄停止コマンド）」を受け取ると、直ちに図柄制御基板３６０に転送する。そして、音声・ランプ制御部１７０及び図柄制御部１６０では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板３７０を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部１４０は、音声・ランプ制御基板３７０に、「大当り関連表示コマンド（例えば、大当り表示開始コマンド）」を送信する。
（５）サブ基板メインルーチン
ａ．概略
音声・ランプ制御部１７０は、主制御部１４０から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、この図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部１６０に転送し、図柄制御部１６０は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。以下では、この特別図柄の表示制御を示す処理、即ち、サブ基板メインルーチン（Ｓ１０００）の内容について説明する。尚、普通図柄の表示制御については、特別図柄の表示制御と処理の流れが基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
図２６は、サブ基板メインルーチンの流れを示したフローチャートである。かかる処理は、遊技機１の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図２５に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部１７０および図柄制御部１６０が初期化されると、自動的に開始される処理である。
サブ基板メインルーチンを開始すると、先ず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する（Ｓ１００５）。そして、変動パターン指定コマンドを受信した場合は（Ｓ１００５：ＹＥＳ）、全特別図柄（つまり、両本図柄及び疑似図柄）と、背景図柄の変動を開始する（Ｓ１０１０）。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、全ての本図柄指定コマンドを全て受信したか否かを判断し（Ｓ１０２０）、受信した場合には（Ｓ１０２０；ＹＥＳ）、図柄表示制御処理を行う（Ｓ１１００）。そして、本図柄停止コマンドの受信すると（Ｓ１０３０；ＹＥＳ）、全特別図柄（つまり、全本図柄及び疑似図柄）と、背景図柄の変動を停止させる（Ｓ１５００）。更に、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し（Ｓ１８００）、受信した場合には（Ｓ１８００；ＹＥＳ）、大当り関連表示（Ｓ１８３０）に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機１の電源がＯＦＦになっていないことを確認し（Ｓ１８５０）、電源がＯＦＦでなければステップＳ１００５に戻って続く一連の処理を行う。ステップＳ１８５０において電源がＯＦＦであると判断されたら、サブ基板メインルーチン（Ｓ１０００）を終了する。
（８）実施例１の効果
実施例１の遊技機１では、大入賞装置３１において、大入賞口３１１の配設部位と、入賞球検出スイッチ３１８の配設部位との中間の部位（つまり、入賞球通過路Ｔ）に、停留手段（遮断板３６）を配設する。そして、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技毎に、入賞球検出スイッチ３１８が検出した入賞球の合計個数（入賞カウント数）がラウンド終了個数に到達することを条件に停留手段の停留動作を開始させる。このため、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、「遅れ期間」に「遅れ入賞球」を生じても、この「遅れ入賞球」を、停留手段を用いて入賞球通過路Ｔに停留させることができる。
そして、この「遅れ入賞球」の停留は、次のラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始すると、解除される。そして、この「遅れ入賞球」は、入賞球検出手段で検出され、この次のラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技において、「入賞カウント数」に加えられる。つまり、この「遅れ入賞球」は、本来、「発生ラウンドに係るラウンド賞球遊技」の入賞球であるが、「入賞球検出手段」においては、「その次のラウンド（処理ラウンド）に係るラウンド賞球遊技」の入賞球として処理（入賞検出処理）する。
このように、本実施例の遊技機１では、各ラウドに係るラウンド賞球遊技の実行中に、たとえ、遅れ入賞球を生じても、特別遊技を終了するまでの間に、入賞球検出スイッチ３１８が検出する入賞球の総数（つまり、入賞信号の発信回数）が著しく多くなることを防止できる。このため、特別遊技の実行によって払い出す「実数値」と、「設定値」との差異を少なくできる。また、本実施例の遊技機１では、このように、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技の実行中に遅れ入賞球を生じても、この遅れ入賞球の数が、「特別遊技実行時の入賞検出処理の予定総数」に変動をきたすことはない。このため、特別遊技実行時に、予定外の数の入賞球を入賞検出処理することを防止したり、このような入賞検出処理の機会を少なくできるため、特別遊技の迅速な進行が容易となる。
更に、本実施例の遊技機１では、停留手段を、「入賞球を、入賞球通過路Ｔに現実に（物理的に）停留させる手段（遮断板３６）」を用いて構成するため、遊技制御や記憶手段に無用の負担を生じさせることを回避できる。更に、本実施例の遊技機１では、このように、「遅れ入賞球」の処理を入賞球通過路Ｔに設けた「停留手段」を用いて行うため、この「遅れ入賞球」の処理によって臨場感のある演出を実行できる。
次に、図２７（ａ）を用いて、実施例１の変動入賞装置１８（大入賞装置３１）の第１の変形例を説明する。この第１の変形例では、（ａ）「入賞球通過路Ｒ」から「通路部ｒ２」を排除した点と、（ｂ）床板３４ｇ（通路部ｒ１）の下端側に通過孔３４５ｋを設けた点と、（ｃ）床板３４ｇ（通路部ｒ１）の下端側に遮蔽部材３６を配設した点と、が実施例１と相違する。そして、通過孔３４５ｋの直下に入賞球検出スイッチ３１８を配設する点と、遮蔽部材３６（停留手段）が、「入賞球の通過方向」に沿って出現して、通過孔３４５ｋを閉鎖する点は、実施例１と同様である。
この第１の変形例においては、大入賞口３１１の背後に、遮蔽部材３６（停留手段）を配置する。このため、遊技者は、開閉板３１２が開放姿勢とされたときに、遮蔽部材３６（停留手段）や、停留状態にある「遅れ入賞球」を前方から目視することが容易である。尚、この第１の変形例においては、このように、遮蔽部材３６（停留手段）や「遅れ入賞球」の確認が容易なため、実施例１で採用した「窓部３４１ａ」を、基体３４から排除してもよい。
更に、図２７（ｂ）を用いて、実施例１の変動入賞装置１８（大入賞装置３１）の第２の変形例を説明する。この第１の変形例では、（ａ）「入賞球通過路Ｒ」から「通路部ｒ２」を排除した点と、（ｃ）通過路形成部材３４ｂの壁部３４６ｋ｛図２７（ａ）も参照｝において、床板３４ｇ（通路部ｒ１）の下端側の背後に位置する部位に、前後に貫通する通過孔３４７ｋ｛図２７（ａ）の破線も参照｝を設けた点と、（ｄ）床板３４ｇ（通路部ｒ１）の下端側を、後方に向かう下り傾斜（通過孔３４７ｋに向かう下り傾斜）とした点と、（ｅ）遮蔽部材３６（停留手段）を、通過孔３４７ｋの背後で下方から上方に移動しつつ、通過孔３４７ｋの閉鎖を行う態様とした点と、（ｆ）通過孔３４７ｋの後方斜め下に、入賞球検出スイッチ３１８を配設した点と、が実施例１と相違する。
この第２の変形例においても、大入賞口３１１の背後に、遮蔽部材３６（停留手段）を配置する。このため、遊技者は、開閉板３１２が開放姿勢とされたときに、遮蔽部材３６（停留手段）や、停留状態にある「遅れ入賞球」を前方から目視することが容易である。尚、この第２の変形例においても、このように、遮蔽部材３６（停留手段）や「遅れ入賞球」の確認が容易なため、実施例１で採用した「窓部３４１ａ」を、基体３４から排除してもよい。
この第２の変形例においては、縦方向に設けられた通過孔３４７ｋのうちで、入賞球が当接する下縁部の側から、遮蔽部材３６（停留手段）が出現する。このため、実施例１や第２の変形例と同様に、遅れ入賞球を高い確率で停留させることができる。
尚、第１の変形例と、第２の変形例を、実施例１の変形例として説明したが、これらの変形例を、後述する実施例２〜実施例６の変形例とすることもできる。
Ｂ．実施例２
次に、実施例２の遊技機について説明する。この実施例２の遊技機は、請求項３の発明の遊技機の具体例を示すものであり、以下の点が異なる他は、実施例１の遊技機１と同様である。つまり、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技において、「ラウンド終了条件」が成立すると、一律に停留手段による停留を実行する点が、実施例１の遊技機１と異なる。具体的には、各ラウンド賞球遊技毎に、入賞球検出スイッチ３１８が検出した入賞球の合計個数（入賞カウント数）がラウンド終了個数に到達した場合のみならず、ラウンド終了時間が経過した場合にも、停留手段による停留動作を実行する点が、実施例１の遊技機１と異なる。
実施例２の「大入賞装置制御処理」は、図２８に従って実行される。尚、実施例１のその他の図面（図１〜図２２、図２４〜図２６）と、これらの説明は、実施例２においても有効である。
実施例２の大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）においても、Ｓ９３２、Ｓ９３４）の処理の後、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「開放信号」が出力される（Ｓ９３６）。そして、大入賞口３１１が開放状態となり（Ｓ９３８）、「第１のラウンド」に係る「ラウンド賞球遊技」が開始される。この後、実施例２においても、「停留手段」が停留動作を実行中であるか否かを判断し（Ｓ９４０）、実行中でなければ（Ｓ９４０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。尚、実施例２においても、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」では、「停留手段」が停留動作を実行中でないため、一律に、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。
「Ｓ９４０の処理を実行した後」、若しくは、「Ｓ９４０の処理及びＳ９４５の処理を実行した後」には、「ラウンド賞球遊技」のラウンド終了時間が経過したか（Ｓ９４７）、若しくは、入賞球検出スイッチ３１８が検出した入賞球の合計個数がラウンド終了個数ｎ１に到達したか（Ｓ９５０）が判断される。そして、Ｓ９４７の処理及びＳ９５０の処理のうちの何れかについて、肯定的な判断がなされると、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「閉鎖信号」を出力する（Ｓ９５３）と共に、「停留手段（遮断板３６）」による停留停留を開始させる（Ｓ９５７）。そして、大入賞口ソレノイド３１３への通電が停止され、大入賞口３１１の閉鎖を完了する（Ｓ９７０）。この結果、大入賞口３１１への遊技球の入賞が不可能な状態となり、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を終了する。尚、実施例２においても、このＳ９５７の処理は、本大入賞装置３１において、実際に「遅れ入賞球」が生じているか否かにかかわらずに実行される。
この後、Ｓ９７６の処理において、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値を「＋１」し、更に、Ｓ９７８の処理において、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される。例えば、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が所定数に到達したか否かが判断される。そして、「第１のラウンドに係るラウンド賞球遊技」においては、Ｓ９７８の処理において、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が所定数に到達していないと判断されるため（Ｓ９７６；ＮＯ）、入賞カウンタ（ＮＣ）を初期化する処理（「ゼロ」に設定する処理）を行い（Ｓ９８８）、直ちに、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「開放信号」が出力され（Ｓ９３６）、開閉板３１２の姿勢を開放姿勢に変更することで、「第２のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」が開始される。
そして、「第２のラウンド以降の各ラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技」においても、Ｓ９３８によって、大入賞口３１１を開放した後、「停留手段」が停留動作を実行中であるか否かを判断され（Ｓ９４０）、実行中でなければ（Ｓ９４０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行し、実行中であれば（Ｓ９４０；ＹＥＳ）、この「停留手段」による停留動作を解除した後、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。そして、以後の処理に関しては、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」と同様である。
また、実施例２においても、「第２のラウンド以降の各ラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技」においては、Ｓ９７６の処理で、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値を「＋１」した後、Ｓ９６５の処理で、特別遊技の終了条件を満たすと判断されると（Ｓ９７８；ＹＥＳ）、「停留手段」が停留動作を実行中であるか否かを判断する（Ｓ９８０）。そして、実行中でなければ（Ｓ９８０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９８６の処理に移行し、実行中であれば（Ｓ９８０；ＹＥＳ）、停留手段による停留動作を解除した後（Ｓ９８４）、Ｓ９８６の処理に移行する。更に、Ｓ９８６以降の処理については、実施例１と同様である。
実施例２によると、実施例１の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。即ち、「ラウンド終了条件」が成立すると、一律に停留手段を作動作動させるため（入賞カウント数がラウンド終了個数に到達せずに、ラウンド終了時間が経過した場合にも、停留手段を作動させるため）、特別遊技の迅速な進行がより一層、容易となる。
Ｃ．実施例３
次に、実施例３の遊技機について説明する。この実施例３の遊技機は、請求項２の発明の遊技機の具体例を示すものであり、以下の点が異なる他は、実施例１の遊技機１と同様である。そして、実施例３は、図６の代わりに図２９を用いる点と、図２３の一部に、図３０に示すような修正を加える点と、を除いて実施例１と同様である。
つまり、実施例３の変動入賞装置１８（大入賞装置３１）においては、大入賞口３１１と、停留手段（遮断板３６）との間に、入賞球の通過を検出するための通過検出スイッチ３１９を配置している。この通過検出スイッチ３１９は、通過検出手段の具体例を示している。そして、この実施例３の遊技機においては、入賞球検出スイッチ３１８が検出した入賞球の合計個数がラウンド終了個数ｎ１に到達した後（Ｓ９５０；ＹＥＳ）、通過検出スイッチ３１９によって「現実に、遅れ入賞球を生じたこと」を検出した場合に、停留手段（遮断板３６）に停留動作を実行させることを意図している。
実施例３の遊技機においても、大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）を開始すると、Ｓ９３２の処理（図２３参照）と、Ｓ９３４の処理と、Ｓ９３８の処理とを行うことで、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」が開始される。この後、実施例３においても、「停留手段」が停留動作を実行中であるか否かを判断し（Ｓ９４０）、実行中でなければ（Ｓ９４０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。尚、実施例２においても、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」では、「停留手段」が停留を実行する状態にないため、一律に、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。
Ｓ９４７の処理においては、大入賞口３１１の開放状態が所定時間（例えば３０秒）ｔ１を経過したか否かが判断される（Ｓ９４７）。そして、Ｓ９４７で肯定的な判断がなされると（Ｓ９４７；ＹＥＳ）、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して、「閉鎖信号」が出力される（Ｓ９４８）。これにより、大入賞口ソレノイド３１３への通電が停止され、開放姿勢にある開閉板３１２の姿勢が閉鎖姿勢に戻され、大入賞口３１１の閉鎖を完了する（Ｓ９４９）。この結果、大入賞口３１１への遊技球の入賞が不可能な状態となり、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を終了する。
一方、Ｓ９４７で、大入賞口３１１の開放状態が所定時間ｔ１を経過していないと判断される場合（Ｓ９４７；ＮＯ）、入賞カウンタ（ＮＣ）の値が所定数ｎ１（例えば１０個）に到達したか否かが判断される（Ｓ９５０）。そして、Ｓ９５０の処理において肯定的な判断がなされると（Ｓ９５０；ＹＥＳ）、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「閉鎖信号」を出力する（Ｓ９５２）。更に、Ｓ９５２の処理の後、通過検出スイッチ３１９が入賞球を検出したか否か（つまり、遅れ入賞球を現実に検出したか否か）が判断される（Ｓ９６０）。このＳ９６０の処理において肯定的な判断がなされ（Ｓ９６０；ＹＥＳ）、しかも、「停留手段（遮断板３６）」が停留動作を実行中でない場合には（Ｓ９６２；ＮＯ）、「停留手段（遮断板３６）」による停留動作を開始させる（Ｓ９６４）。
このＳ９５０の処理において肯定的な判断がなされた場合の処理（Ｓ９６０の処理、Ｓ９６２の処理、Ｓ９６４の処理）は、大入賞口３１１の閉鎖を完了するまで（Ｓ９６６の処理で肯定的な判断がなされるまで）、繰り返される。そして、大入賞口３１１の閉鎖を完了すると（Ｓ９６６；ＹＥＳ）、大入賞口３１１への遊技球の入賞が不可能な状態となり、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を終了する。
大入賞口の閉鎖が完了すると、Ｓ９７６の処理と、Ｓ９７８の処理とが実行される。そして、Ｓ９７６の処理においては、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が所定数に到達していない（Ｓ９７６；ＮＯ）と判断されるため、Ｓ９８３の処理、Ｓ９３８の処理を行って、「第２のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を開始する。尚、「第２のラウンド以降の各ラウンドにかかるラウンド賞球遊技」においても、Ｓ９４０〜Ｓ９７６に至る処理が、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」と同様に行われる。また、Ｓ９７８の処理において、特別遊技の終了条件を満たすと判断される場合（Ｓ９７８；ＹＥＳ）、つまり、実行中の「ラウンド賞球遊技」が、「最終のラウンド」に係るものである場合には、実施例１の遊技機１と同様に、Ｓ９８０以降の処理が実行され、大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）を終了する。
以上の実施例３によると、実施例１に効果に加えて以下の効果が得られる。つまり、現実に「遅れ入賞球」を生じた場合に、停留手段（遮断板３６）に停留動作を実行させることを意図しているため、特別遊技の更により一層、円滑な進行を図ることができる。蓋し、停留手段（遮断板３６）の停留動作が必要な場合にのみ、その停留動作を実行する。換言すると、停留手段（遮断板３６）に無駄な停留動作を排除することで、特別遊技の更により一層、円滑な進行を図ることができるからである。
Ｄ．実施例４
次に、実施例４の遊技機について説明する。この実施例４の遊技機は、請求項４の発明の遊技機の具体例を示すものであり、以下の点が異なる他は、実施例２の遊技機と同様である。そして、実施例４においては、図６の代わりに図２９を用いる点と、図２８の一部に、図３１に示すような修正を加える点と、を除いて実施例２と同様である。
つまり、実施例４の変動入賞装置１８（大入賞装置３１）は、実施例３の変動入賞装置１８（大入賞装置３１）と同様なものであり、大入賞口３１１と、停留手段（遮断板３６）との間に、入賞球の通過を検出するための通過検出スイッチ３１９を配置している。この通過検出スイッチ３１９は、通過検出手段の具体例を示している。そして、この実施例４の遊技機においては、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技において、「ラウンド終了条件」が成立した後（Ｓ９４７；ＹＥＳ、若しくは、Ｓ９５０；ＹＥＳ）、通過検出スイッチ３１９によって「現実に、遅れ入賞球を生じたこと」を検出した場合に、停留動作を実行させることを意図している。
実施例４の遊技機においても、大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）を開始すると、Ｓ９３２の処理（図２８参照）と、Ｓ９３４の処理と、Ｓ９３８の処理とを行うことで、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」が開始される。この後、実施例４においても、「停留手段」が停留動作を実行中であるか否かを判断し（Ｓ９４０）、実行中でなければ（Ｓ９４０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。尚、実施例２においても、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」では、「停留手段」が停留動作を実行する状態にないため、一律に、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。
「Ｓ９４０の処理を実行した後」、若しくは、「Ｓ９４０の処理及びＳ９４５の処理を実行した後」には、「ラウンド賞球遊技」のラウンド終了時間が経過したか（Ｓ９４７）、若しくは、入賞球検出スイッチ３１８が検出した入賞球の合計個数がラウンド終了個数ｎ１に到達したか（Ｓ９５０）が判断される。そして、Ｓ９４７の処理及びＳ９５０の処理のうちの何れかについて、肯定的な判断がなされると、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「閉鎖信号」を出力する（Ｓ９５３）。更に、Ｓ９５３の処理の後、通過検出スイッチ３１９が入賞球を検出したか否か（つまり、遅れ入賞球を現実に検出したか否か）が判断される（Ｓ９６７）。このＳ９６７の処理において肯定的な判断がなされ（Ｓ９６７；ＹＥＳ）、しかも、「停留手段（遮断板３６）」が停留動作を実行中でない場合には（Ｓ９６８；ＮＯ）、「停留手段（遮断板３６）」による停留動作を開始させる（Ｓ９６９）。
このＳ９６７以降の処理（Ｓ９６７の処理、Ｓ９６９の処理、Ｓ９６９の処理）は、大入賞口３１１の閉鎖を完了するまで（Ｓ９７４の処理で肯定的な判断がなされるまで）、繰り返される。そして、大入賞口３１１の閉鎖を完了すると（Ｓ９７４；ＹＥＳ）、大入賞口３１１への遊技球の入賞が不可能な状態となり、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を終了する。
大入賞口の閉鎖が完了すると、Ｓ９７６の処理と、Ｓ９７８の処理とが実行される。そして、Ｓ９７８の処理においては、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が所定数に到達していない（Ｓ９７８；ＮＯ）と判断されるため、Ｓ９８８の処理、、Ｓ９３６の処理、Ｓ９３８の処理を行って、「第２のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を開始する。尚、「第２のラウンド以降の各ラウンドにかかるラウンド賞球遊技」においても、Ｓ９４０〜Ｓ９７８に至る処理が、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」と同様に行われる。また、Ｓ９７８の処理において、特別遊技の終了条件を満たすと判断される場合（Ｓ９７８；ＹＥＳ）、つまり、実行中の「ラウンド賞球遊技」が、「最終のラウンド」に係るものである場合には、実施例１の遊技機１と同様に、Ｓ９８０以降の処理が実行され、大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）を終了する。
以上の実施例４によっても、実施例１に効果に加えて以下の効果が得られる。つまり、現実に「遅れ入賞球」を生じた場合に、停留手段（遮断板３６）に停留動作を実行させることを意図しているため、特別遊技の更により一層、円滑な進行を図ることができる。蓋し、停留手段（遮断板３６）の停留動作が必要な場合にのみ、その停留動作を実行する。換言すると、停留手段（遮断板３６）に無駄な停留動作を排除することで、特別遊技の更により一層、円滑な進行を図ることができるからである。
Ｅ．実施例５
次に、実施例５の遊技機について説明する。この実施例５の遊技機は、実施例１の変形例を示すものである。つまり、実施例５の遊技機では、「大入賞装置制御処理」を図３２に従って実行する点が異なる他は、実施例１の遊技機と同様である。ここで、図３２に従う「大入賞装置制御処理」は、「Ｓ９８４の処理」の代わりに、「Ｓ９８５の処理」を行う点が、図２３に従う「大入賞装置制御処理」と異なる。
つまり、実施例３の遊技機においては、Ｓ９７８の処理において、特別遊技の終了条件を満たすと判断され（Ｓ９７８；ＹＥＳ）、更に、Ｓ９８０の処理で、「停留手段」が停留動作を実行中であると判断されると（Ｓ９８０；ＹＥＳ）、「オーバフロー処理」を実行する（Ｓ９８５）。この「オーバフロー処理」では、停留手段の停留動作を解除する処理が実行されると共に、必要に応じて、各「１球」の賞球を行うための処理が実行される。つまり、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技において、「遅れ入賞球」が停留手段によって停留されている場合（Ｓ９５５）に、Ｓ９８５の「オーバフロー処理」によって、この「遅れ入賞球」が、あたかも、「ファール球」のような取り扱いを受ける。つまり、Ｓ９８５の「オーバフロー処理」では、個々の「遅れ入賞球」毎に「１球」の賞球が行われる。
実施例５によると、実施例１の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。即ち、前述の各実施例においては、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技に「遅れ入賞球」を生じた場合、Ｓ９８４の処理の後に、「遅れ入賞球」の個数に対して、通常の入賞球の賞球個数（例えば、１５個）を乗じた数の賞球がなされる。つまり、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技では、後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が存在しない。このため、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技で「遅れ入賞球」を生じずると、その分、特別遊技全体を通じた賞球数が、「設定値」よりも多くなることを避けることはできない。これに対して、実施例５によると、最終のラウンドに係るラウンド賞球遊技で「遅れ入賞球」を、「ファール球」と同様に取り扱うため、特別遊技の実行によって払い出す「実数値」と、「設定値」との差異を更により一層、少なくできる。尚、実施例５を、実施例１の変形例として説明したが、実施例５を、実施例２〜実施例４、若しくは実施例６の変形例とすることもできる。
Ｆ．実施例６
次に、実施例６の遊技機について説明する。この実施例６の遊技機は、実施例１の変形例を示すものである。つまり、実施例６の遊技機では、「大入賞装置制御処理（図２３）」に、図３３に示すような修正を加える点が、実施例１の遊技機１と異なる。つまり、この実施例６の遊技機では、「停留手段」が、「停留を行うべき、遅れ入賞球を停留させられなかった場合」の処理が、付加されている点が、実施例１の遊技機１と異なっている。
実施例６の遊技機では、大入賞装置制御処理（Ｓ９３０）を開始すると、ラウンドカウンタ（ＲＣ）を初期化する処理（「１」に設定する処理）と、入賞カウンタ（ＮＣ）を初期化する処理（「ゼロ」に設定する処理）と、はみ出しカウンタ（ＨＣ）を初期化する処理（「ゼロ」に設定する処理）と、を行う（Ｓ９３１）。ここで、本実施例では、遅れ入賞球のうちで、停留手段が、停留に失敗したものを、「はみ出し入賞球」と称する。また、「はみ出しカウンタ（ＨＣ）」は、この「はみ出し入賞球」の数を示すものである。
このＳ９３１の処理に続いて、実施例１と同様に、Ｓ９３４の処理と、Ｓ９３８の処理を実行し、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」が開始される。このように、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」を開始すると、「停留手段（遮断板３６）」が停留動作を実行しているか否かを判断し（Ｓ９４０）、実行中でなければ（Ｓ９４０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。但し、「第１ラウンドに係るラウンド賞球遊技」は、一律に、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。また、後続するラウンドに係る「ラウンド賞球遊技」において、「停留手段（遮断板３６）」が停留を実行中である場合（Ｓ９４０；ＹＥＳ）、この停留動作を解除した後、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。
Ｓ９４７の処理においては、大入賞口３１１の開放状態が所定時間（例えば３０秒）ｔ１を経過したか否かが判断される（Ｓ９４７）。そして、経過していれば（Ｓ９４７；ＹＥＳ）、Ｓ９４８の処理を経て、大入賞口３１１の閉鎖を行い（Ｓ９４９）、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を終了する。
一方、Ｓ９４７で、大入賞口３１１の開放状態が所定時間ｔ１を経過していないと判断される場合（Ｓ９４７；ＮＯ）、入賞カウンタ（ＮＣ）の値が所定数ｎ１（例えば１０個）に到達したか否かが判断される（Ｓ９５０）。そして、入賞カウンタ（ＮＣ）の値が所定数ｎ１（例えば１０個）に到達すると（Ｓ９５０；ＹＥＳ）、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「閉鎖信号」を出力する（Ｓ９５２）と共に、「停留手段（遮断板３６）」による停留動作を開始させる（Ｓ９５５）。
そして、大入賞口３１１の閉鎖を完了するまでの間、「はみ出し入賞球」の存否と、数を監視する（Ｓ９５８、９５９、９６６）。つまり、「停留手段（遮断板３６）」が停留動作を開始した後、入賞球検出スイッチ３１８が、入賞球（はみ出し入賞球）を検出した否かが判断され（Ｓ９５８）、検出した場合（Ｓ９５８；ＹＥＳ）には、１回の検出毎に、「はみ出しカウンタ（ＨＣ）」の値を、「＋１」する（Ｓ９５９）。
Ｓ９６６の処理で肯定的な判断がなされると、Ｓ９４９の処理を完了した場合と同様に、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を終了する。そして、Ｓ９６６の処理で肯定的な判断がなされるか、Ｓ９４９の処理を完了すると、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が「＋１」され（Ｓ９７６）、更に、Ｓ９７８の処理において特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される。例えば、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が所定数（例えば、第１４のラウンドを終了したことを示す「１５」の値）に到達したか否かが判断される（Ｓ９７６）。
「第１のラウンドに係るラウンド賞球遊技」においては、Ｓ９７６の処理で、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値が所定数に到達していないと判断されるため（Ｓ９７６；ＮＯ）、入賞カウンタ（ＮＣ）の値に、「はみ出しカウンタ（ＨＣ）」の値をセットすると共に、「はみ出しカウンタ（ＨＣ）」を初期化する処理（「ゼロ」に設定する処理）を行う（Ｓ９８９）。そして、直ちに、主制御部１４０から大入賞装置３１に対して「開放信号」が出力され（Ｓ９３６）、開閉板３１２の姿勢を開放姿勢に変更することで、「第２のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を開始される。
「第２のラウンド以降の各ラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技」においても、Ｓ９３８によって、大入賞口３１１を開放した後、「停留手段」が停留動作を実行中であるか否かを判断される（Ｓ９４０）。そして、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」と同様に、実行中でなければ（Ｓ９４０；ＮＯ）、そのまま、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行し、実行中であれば（Ｓ９４０；ＹＥＳ）、この「停留手段」の停留動作を解除した後、Ｓ９４７、Ｓ９５０の処理に移行する。そして、以後の処理に関しては、「第１のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」と同様である。
本実施例においては、「第２のラウンド以降の各ラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技（以下、「進行中のラウンド賞球遊技」という。）」では、「前回のラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技（以下、「前回のラウンド賞球遊技」という。）」で「遅れ入賞球」を生じ、これを停留手段で停留させている場合に、Ｓ９５０の処理を以下のように行う。つまり、「進行中のラウンド賞球遊技」において現実に生じた入賞球の個数と、「前回のラウンド賞球遊技」において生じた「遅れ入賞球」の個数との合計が、ラウンド終了個数に到達すると、Ｓ９５０において、肯定的な判断がなされる。
しかも、本実施例においては、「前回のラウンド賞球遊技」において、「はみ出し入賞球」を生じている場合、入賞カウンタ（ＮＣ）を初期値が、この「はみ出し入賞球」の数だけ、多くなる。従って、「前回のラウンド賞球遊技」において、「はみ出し入賞球」を生じている場合には、その個数分を除いた数の入賞球が、入賞球検出スイッチ３１８によって検出されると、Ｓ９５０において、肯定的な判断がなされる。
「第２のラウンド以降の各ラウンド」にかかる「ラウンド賞球遊技」においては、Ｓ９７６の処理で、ラウンドカウンタ（ＲＣ）の値を「＋１」した後、Ｓ９９７８の処理において、特別遊技の終了条件を満たすと判断される場合（Ｓ９７８；ＹＥＳ）、図２３の「Ｓ９８０以降の処理（「Ｓ９８０の処理及びＳ９８６の処理」、若しくは、「Ｓ９８０の処理、Ｓ９８４の処理、及びＳ９８６の処理」）を実行し、「大入賞装置制御処理」を終了する。
以上の実施例６によると、実施例１の効果に加えて以下の効果が得られる。つまり、この実施例６の遊技機では、「はみ出し入賞球」を検出する手段（入賞球検出スイッチ３１８）と、「はみ出し入賞球」を計数する計数手段（はみ出しカウンタ）と、この数を記憶する手段（はみ出しカウンタ）と、を備える。そして、「はみ出し入賞球」を生じたラウンドに後続するラウンドにかかる「ラウンド賞球遊技」を実行する際に、入賞カウンタ（ＮＣ）を初期値を、「はみ出し入賞球」の数に設定する。
このため、「前回のラウンド賞球遊技」において「はみ出し入賞球」を生じた場合、「進行中のラウンド賞球遊技」においては、「本来のラウンド終了個数」より「はみ出し入賞球の個数分」を差し引いた個数の入賞球を、入賞球検出スイッチ３１８が検出すると、ラウンド終了条件が成立する。このため、実施例６によると、特別遊技の実行によって払い出す「実数値」と、「設定値」との差異を更により一層、少なくできる。尚、実施例６を、実施例１の変形例として説明したが、実施例２〜実施例５に対しても、実施例６の主要部を適用できる。つまり、実施例２〜実施例５においても、「前回のラウンド賞球遊技」において「はみ出し入賞球」を生じた場合には、「進行中のラウンド賞球遊技」において「本来のラウンド終了個数」より、「はみ出し入賞球の個数分」を差し引いた個数の入賞球を、入賞球検出スイッチ３１８が検出すると、ラウンド終了条件が成立するものとしてもよい。
Ｇ．実施例７
次に、実施例７の遊技機について説明する。この実施例７の遊技機は、前述の実施例１の遊技機１の変形例を示すものである。つまり、実施例７の遊技機は、大入賞装置３１Ａ（可変入賞装置）に設けられる「停留手段」の構成が異なる他は、実施例１の遊技機１と同様ある。尚、この実施例７の遊技機の大入賞装置３１（可変入賞装置）は、実施例２〜実施例６の遊技機においても適用できる。
この実施例６の変動入賞装置１８Ａ（大入賞装置３１Ａ）は、図３４及び図３５に示すように、以下の点が実施例１の変動入賞装置１８（大入賞装置３１）と異なる。但し、その他の点に関しては、実施例１の変動入賞装置１８（大入賞装置３１）と同様である。
つまり、実施例７の変動入賞装置１８Ａ（大入賞装置３１Ａ）では、（ａ）通過路形成部材３４ｂ内に配置に配置される一方の床板３４ｇを、可動型の床板部材８００と、固定型の床板部材８０１とで構成する点と、（ｂ）可動型の床板部材８００の駆動を行うための床板部材ソレノイド８０２を備える点と、（ｃ）遮断板３６及び遮断板ソレノイド３７を備えず、通過孔３４ｋが常時、開放状態にある点と、が実施例１の変動入賞装置１８（大入賞装置３１）と異なる。
即ち、大入賞口３１１の背後であって、しかも、大入賞口３１１の下縁部よりも下方の部位に配置される床板３４ｇは、実施例１と同様に、その上面上に、「大入賞口３１１の左端後方から右端後方に向かう、下り傾斜状の通路部ｒ１」を構成している。但し、実施例６においては、この床板３４ｇを、その右端側の部位において、２つの床板部材８００、８０１と、を分割すると共に、一方の床板部材８００を可動型とし、他方の床板部材８０１を固定型としている。尚、両床板部材８００、８０１の境目は、平面視すると斜線状（手前から奥に向かって右上がり）に形成されている。
固定型の床板部材８０１は、固定型のガイド部材の具体例を示すもので、その上面を入賞球が転動可能な転動部８０１ａとしている。そして、この床板部材８０１は、その上面（転動部８０１ａ）を右端側に下る傾斜面としている。
可動型の床板部材８００は、可動型のガイド部材の具体例を示すもので、その上面を入賞球が転動可能な転動部８００ａとしている。また、可動型の床板部材８００の左端には、この床板部材８００を上下方向に回動（傾動）させるための支点部８００ｂが設けられている。更に、可動型の床板部材８００の下面略中央寄りには、作用点部８００ｃが設けられている。
床板部材ソレノイド８０２は、通過路形成部材３４ｂにおける後方側の部位に配設されている。この床板部材ソレノイド８０２は、軸受（図示を省略）によって上下にスライド可能に支持されたロッド８０２ａと、ロッド８０２ａの外周位置に配置されたソレノイドコイル（図示を省略）と、復帰手段（復帰バネであって、図示を省略）と、を備える。この床板部材ソレノイド８０２では、ソレノイドコイルへの通電を行わないとき、ロッド８０２ａは復帰手段（復帰バネ）の付勢力により、上方へ駆動する。一方、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ロッド８０２ａは下方へ駆動される構成となっている。そして、ロッド８０２ａの下端（先端）には、可動型の床板部材８００の作用点部８００ｃが、連動杆８０３を介して接続されている。
この変動入賞装置１８Ａ（大入賞装置３１Ａ）においては、床板部材ソレノイド８０２への通電を行わない場合、左右に略面一の状態で並ぶ、可動型の床板部材８００の上面（転動部８００ａ）と、固定型の床板部材８０１の上面（転動部８０１ａ）と、が、大入賞口３１１の背後であって、しかも、大入賞口３１１の下縁部よりも下方の部位に、「下り傾斜状の通路部ｒ１（下り傾斜状の経路部の具体例を示す。）」を構成している。つまり、可動型の床板部材８００の上面（転動部８００ａ）と、固定型の床板部材８０１の上面（転動部８０１ａ）とが、「大入賞口３１１の左端後方から右端後方に向かう、下り傾斜状の通路部ｒ１」を構成している。
床板部材ソレノイド８０２への通電を開始させ、ロッド８０２ａを下方へ駆動させると、連動杆８０３を介して、作用点部８００ｃが下方向に駆動し、床板部材８００が右端側への下り傾斜を強めるように回動（傾動）する。これにより、通路部ｒ１（下り傾斜状の経路部）は、その右端側（つまり、両床板部材８００、８０１の境目）において分断（遮断）される。そして、この床板３４ｇの分断（遮断）された部分に、入賞球の通過方向に沿って、上がり段差状となる上がり段差部（例えば、遊技球の直径の０．１〜０．９倍の高さの段差部）８０５が形成される。
この上がり段差部８０５が形成された状態から、床板部材ソレノイド８０２への通電を停止させ、ロッド８０２ａを上方へ駆動させると（元の状態に戻すと）、連動杆８０３を介して、作用点部８００ｃが上方向に駆動する。そして、床板部材８００が、傾斜度が元の状態（床板部材ソレノイド８０２への通電前の状態）に戻り、通路部ｒ１（下り傾斜状の経路部）の分断（遮断）が解除される。これにより、大入賞口３１１から通路部ｒ１（下り傾斜状の経路部）へ進入した入賞球は、通路部ｒ１（下り傾斜状の経路部）の右端部（下端部）まで到達可能となる。
このように、実施例７の遊技機において、停留手段の停留動作が必要な場合には、床板部材ソレノイド８０２への通電を開始させる。一方、停留手段の停留動作を解除する場合には、床板部材ソレノイド８０２への通電を停止させる。そして、この実施例７によると、以下のような効果が得られる。
つまり、変動入賞装置１８Ａ（大入賞装置３１Ａ）においては、大入賞口３１１を通じて、遊技者が目視することが容易な位置で、「遅れ入賞球」の停留を実行可能である。しかも、目視容易な「可動型の床板部材８００」の可動を用いて停留を実行するため、この停留に際して、臨場感等を与えたり、この停留自体を新たな演出とすることができる。
次に、実施例７の変形例について、図３６を用いて説明する。即ち、この変形例に係る変動入賞装置１８Ｂ（大入賞装置３１Ｂ）では、（ｃ）可動型の床板部材８００の支点部８００ｂを、この床板部材８００の左右方向に沿った中間部に設けた点と、（ｄ）可動型の床板部材８００の左端部側の部分を略円弧形状（曲率中心を床板部材８００の上方に配置）とし、入賞球の保持部８００ｄを構成している点が、実施例７と異なる。尚、この変動入賞装置１８Ｂ（大入賞装置３１Ｂ）においても、可動型の床板部材８００の駆動を行うための床板部材ソレノイドを備えると共に、床板部材８００の作用点部と床板部材ソレノイドのロッドとが、連動杆を介して接続されている。但し、図３６においては、床板部材ソレノイド、作用点部、及び連動杆の図示を省略している。
この変動入賞装置１８Ａ（大入賞装置３１Ａ）においては、床板部材ソレノイドへの通電を行わない場合、左右に略面一の状態で並ぶ、可動型の床板部材８００の上面（転動部８００ａ）と、固定型の床板部材８０１の上面（転動部８０１ａ）と、が、大入賞口３１１の背後であって、しかも、大入賞口３１１の下縁部よりも下方の部位に、下り傾斜状の通路部ｒ１を構成する。
床板部材ソレノイドへの通電を開始させ、ロッドを下方へ駆動させると、連動杆を介して、作用点部が下方向に駆動する。これにより、床板部材８００は、支点部８００ｂを中心に半時計回りの方向に回動（傾動）する。このため、床板部材８００の右端部側を上がり傾斜となり、通路部ｒ１（下り傾斜状の経路部）は、その右端側（つまり、両床板部材８００、８０１の境目）において分断（遮断）される。
このように、通路部ｒ１が分断（遮断）されるときに、床板部材８００に「遅れ入賞球」が存在していたとすると、この「遅れ入賞球」は、床板部材８００の右端部側の傾斜に従って、床板部材８００の左端側へ転動する。但し、床板部材８００の左端部側の部分が保持部８００ｄを構成しているため、この「遅れ入賞球」は保持部８００ｄに保持される。
この通路部ｒ１が分断（遮断）された状態から、床板部材ソレノイドへの通電を停止させ、ロッドを上方へ駆動させると（元の状態に戻すと）、連動杆を介して、作用点部が上方向に駆動する。そして、床板部材８００が、傾斜度が元の状態（床板部材ソレノイド８０２への通電前の状態）に戻り、通路部ｒ１の分断（遮断）が解除される。これにより、大入賞口３１１から通路部ｒ１（下り傾斜状の経路部）へ進入した入賞球は、通路部ｒ１（下り傾斜状の経路部）の右端部（下端部）まで到達可能となる。
以上の変形例のように、可動型の床板部材８００（可動型のガイド部材）を、「シーソ」のように可動させて停留手段を構成することができる。
Ｈ．実施例８
次に、実施例８の遊技機について説明する。この実施例８は、実施例１の変形例を示すものであり、以下の点が異なる他は実施例１と同様である。即ち、実施例８においては、（ａ）変動入賞装置１８（大入賞装置３１）に、所謂「Ｖゾーン」を設けた点（図示を省略）と、（ｂ）「大入賞装置制御処理」を図３７に従って実行する点とが、実施例１と異なる。具体的には、実施例８の遊技機においては、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技を終了する毎に、継続条件（次のラウンドに移行するための条件）の成否を判断する点が、実施例１と異なる。
この実施例８では、大入賞口の閉鎖が完了し（Ｓ９７０）、１つのラウンドに係るラウンド賞球遊技を終了すると、この終了したラウンド賞球遊技中に、「継続条件」が成立したか否かが判断される（Ｓ９７１）。この「継続条件」は、例えば、「大入賞口３１１から変動入賞装置１８（大入賞装置３１）に入賞した遊技球（入賞球）が、当該変動入賞装置１８（大入賞装置３１）内に設けられた特定の領域（図示を省略）」、つまり、所謂「Ｖゾーン」を通過している場合に成立とされ、通過していない場合に不成立とされる。
Ｓ９７１の処理で、「継続条件」が成立している判断されると（Ｓ９７１；ＹＥＳ）、Ｓ９７６の処理を経て、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される（Ｓ９７８）。そして、特別遊技の終了条件を満たさない場合（Ｓ９７８；ＮＯ）には、Ｓ９８８の処理及びＳ９３６の処理を経て、開閉板３１２の姿勢を開放姿勢に変更し（Ｓ９３６）、「次のラウンドにかかるラウンド賞球遊技」を開始する。
Ｓ９７１の処理で、「継続条件」が不成立と判断されると（Ｓ９７１；ＮＯ）、Ｓ９８０以降の処理に移行する。また、Ｓ９７１の処理で、「継続条件」が成立している判断され（Ｓ９７１；ＹＥＳ）、Ｓ９７６の処理を経て、Ｓ９７８の処理で特別遊技の終了条件を満たすと判断される場合（Ｓ９７８；ＹＥＳ）も、Ｓ９８０以降の処理に移行する。
この実施例８に示すように、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技を終了する毎に、継続条件の成否を判断する場合にも、実施例１と同様な効果が得られると共に、以下のような特有の効果が得られる。つまり、実施例８においては、遅れ入賞球を停留することができるため、各ラウンドに係るラウンド賞球遊技を終了する毎に、「継続判定期間」を設ける必要がないか、「継続判定期間」を短くできる。よって、継続条件の成否を判断する遊技機でありながら、特別遊技を円滑に進行することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
上記した各実施例や各変形例の形態では、図柄制御部１６０を音声・ランプ制御部１７０の制御下で用いる態様を説明した。即ち、図柄制御部１６０を、主制御部１４０の２次側（下流）にある音声・ランプ制御部１７０を介して、主制御部１４０の２次側（下流）に接続する設ける態様を例示したが、図柄制御部１６０を音声・ランプ制御部１７０よりも１次側（上流側）に配置することもできる。
つまり、図３８に示す変形例のように、主制御部１４０の２次側（下流）に所定の伝送経路５００ａを用いて図柄制御部１６０を接続し、図柄制御部１６０の２次側に所定の伝送経路５００ｂを用いて音声・ランプ制御部１７０を接続する。そして、音声・ランプ制御部１７０の２次側（下流）に所定の伝送経路を用いて、液晶柄表示装置２７を接続してもよい。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、液晶表示装置２７での図柄（本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等）や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置３２での普通図柄の表示制御を図柄表示部１６０で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置２７における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置３２における普通図柄の表示制御とを主制御部１４０で行い、液晶表示装置２７における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部１６０で行うようにしても良い。
また、前述の各実施例及び各変形例では、「セブン機」と称する遊技機（パチンコ機）に本発明を適用した例について説明したが、「権利物」と呼ばれるパチンコ機等においても、好適に適用できる。つまり、始動入賞装置を兼任する可変入賞装置を備える権利物に、各請求項に係る発明を適用することもできる。この権利物では、一般に、入賞検出手段が遊技球の通過を検出すると、可変表示手段によって図柄の変動を開始する（所謂、図柄表示ゲームを開始する。）。そして、可変表示手段に「当り図柄」が表示されると、「権利」が発生し、遊技盤面に設置された特定入賞口（チューリップ式電動役物等）が所定時間開放する。この開放した特定入賞口内の特定領域を遊技球が通過することにより、遊技者に特別遊技に係る特典（大当たりに係る特典）が付与される。かかる権利物を構成する可変入賞装置において、入賞口と、入賞球検出手段と、を連絡する入賞球通過路に、何れかの請求項に記載の「停留手段」を設けてもよい。
各請求項の発明では、以上の如く、「特別遊技の迅速な進行が可能であること」を利用して、以下のような構成を付加してもよい。つまり、請求項１〜請求項１０のうちの何れか発明の遊技機において、「特別遊技の実行に要する所要時間を計測するための計測手段を有すると共に、所定の特別遊技の終了後に、この計測手段によって計測された所要時間が所定時間以下である場合に、終了した特別遊技とは別の遊技上の特典を、遊技者に付与すること」としてもよい。尚、この別の遊技上の特典としては、（１）おまけのラウンドにかかる「ラウンド賞球遊技」を特別遊技に付加することを内容とする特典、（２）遊技機の遊技機状態を、所定の終了条件が成立するまでの間、通常モードから確率変動モードに移行させることを内容とする特典、（３）遊技機の遊技機状態を、特定の終了条件が成立するまでの間、通常モードから時短モードに移行させることを内容とする特典、等を指す。
尚、「確率変動（若しくは「確変」と称することがある。）モード」とは、一般には、可変表示手段に、所謂「確率変動図柄（大当り図柄の一態様）」が表示されることに起因して生ずる遊技状態（遊技モード）である。そして、遊技機が確率変動モードに移行すると、可変表示手段に、その後、判定手段によって「大当り」の判定結果が下される確率が高確率に変動する。即ち、遊技機が高確率モードにある場合には、所定の条件が成立するまで（例えば、特別図柄が所定回数変動するまで、あるいは、次回の大当りを生ずるまで）、大当りが発生する確率が高確率に設定される。
また、「時短モード」とは、（１）特別図柄の図柄変動時間を短くすること、（２）普通図柄の図柄変動時間を短くすること、（３）当選を示す普通図柄が停止表示される確率を高くすること、（４）始動入賞手段の開成を行う特別電動役物の開成時間を延長すること、等のうちの少なくとも１つを実行すること内容とする特典である。この時短モードは、それ自体、単独で付与されても、他の特典に付加された状態で付与されてもよい。例えば、前述の如く、特別遊技の終了後、確率変動モードを実行した後に、時短モードを実行してもよいし、特別遊技の終了後、確率変動を経ずに時短モードを実行してもよい。但し、確率変動モードを実行した後に、時短モードを実行する態様においては、確率変動モードの実行中においても、遊技機が「時短モード」と同様な遊技状態を実行してもよい。つまり、確率変動モードの実行中においても、特別図柄の図柄変動時間や普通図柄の図柄変動時間を短くすること等を実行してもよい。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す正面図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技盤を示す正面図である。 （ａ）は、本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、液晶表示装置の表示画面を示す概略的な正面図であり、（ｂ）は第１本図柄の表示態様を示す説明図であり、（ｃ）は第２本図柄の表示態様を示す説明図である。 （ａ）〜（ｃ）は、本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、疑似図柄の停止図柄の態様を示す概略的な説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、変動入賞装置（大入賞装置）を示す正面図である。 図４の１−１断面図｛実施例１（第１の変形例及び第２の変形例を除く）〜実施例６、及び各変形例に係る遊技機）である。 図６の２−２断面図である。 図６の３−３断面図である。 図６の３−３断面図である。 （ａ）は図６の要部拡大図であり、（ｂ）は図１０（ａ）の７−７断面図である。 （ａ）は図６の要部拡大図であり、（ｂ）は図１０（ａ）の８−８断面図である。 （ａ）〜（ｃ）は遮蔽部材（停留手段）の機能を示す説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す裏面図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図である。 （ａ）は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部の内蔵ＲＡＭに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図であり、（ｂ）は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄判定用乱数メモリを説明するための説明図である。 本発明の各実施例び各変形例に係る遊技機の主制御部が行う主制御部メインジョブを説明するためのフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。 （ａ）は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄制御ジョブを示すフロー図であり、（ｂ）は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄関連コマンドを示す説明図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄の当否判定ジョブを説明するためのフロー図である。 図２０の特別図柄の当否判定ジョブにおける大当り処理を説明するためのフロー図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別遊技関連ジョブを説明するためのフロー図である。 実施例１に係る遊技機等において、入賞装置制御処理を説明するためのフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄変動開始、変動中のタイム図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄変動中及び停止表示時のタイム図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、サブ基板メインルーチンを説明するためのフロー図である。 （ａ）は実施例１の第１の変形例を示す概略的な縦断面図であり、（ｂ）は実施例１の第２の変形例を示す概略的な縦断面図である。 実施例２に係る遊技機において、入賞装置制御処理を説明するためのフロー図である。 実施例３及び実施例３に係る遊技機が備える変動入賞装置（大入賞装置）の横断面図である。 実施例３に係る遊技機において、入賞装置制御処理を説明するためのフロー図である。 実施例４に係る遊技機において、入賞装置制御処理を説明するためのフロー図である。 実施例５に係る遊技機において、入賞装置制御処理を説明するためのフロー図である。 実施例６に係る遊技機において、入賞装置制御処理を説明するためのフロー図である。 実施例７に係る遊技機が備える変動入賞装置（大入賞装置）の横断面図である。 （ａ）及び（ｂ）は図３４の１０−１０断面図である。 実施例７の変形例に係る遊技機が備える変動入賞装置（大入賞装置）の縦断面図である。 実施例８に係る遊技機において、入賞装置制御処理を説明するためのフロー図である。 他の変形例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 従来例に係る遊技機において、入賞装置制御処理を説明するためのフロー図である。
符号の説明
１；遊技機１（弾球遊技機）。
１８；大入賞装置（可変入賞装置）、
３６；遮断板（停留手段）、
３１１；大入賞口（入賞口）、
３１２；開閉板（開閉部材）、
３４１ａ；窓部（視認部）、
８００；可動型の床板部材（停留手段）、
８０１；固定型の床板部材８０１、
Ｒ；入賞球通過路。

Claims (10)

  1. 入賞口と、該入賞口から入賞した入賞球を検出するための入賞球検出手段と、該入賞口から入賞した入賞球を該入賞球検出手段に向かって通過させるための入賞球通過路と、該入賞口を閉鎖する閉鎖姿勢及び該入賞口を開放する開放姿勢の間で姿勢変更可能な開閉部材と、を具備する可変入賞装置を備え、
    通常遊技の実行時には、前記開閉部材を前記閉鎖姿勢に維持する一方、
    特別遊技の実行時には、前記開閉部材の姿勢を所定のラウンド終了条件が成立するまでの間、前記開放姿勢に移行させるラウンド賞球遊技を、第１のラウンドから最終のラウンドに至るまで実行可能な遊技機であって、
    前記ラウンド賞球遊技は、前記開閉部材に開放駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記開放姿勢に移行させることで開始し、前記開閉部材に閉鎖駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記閉鎖姿勢に戻すことで終了し、
    前記ラウンド終了条件は、各ラウンド賞球遊技毎に前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が所定のラウンド終了個数に到達するか、若しくは、所定のラウンド終了時間が経過することによって成立すると共に、
    前記入賞球通過路には、前記入賞口から入賞した入賞球を停留させるための停留手段を設け、
    前記最終のラウンドを除く各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が前記ラウンド終了個数に到達すると、前記停留手段の停留動作を開始させ、前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始されると、前記停留手段の停留動作を解除することを特徴とする遊技機。
  2. 入賞口と、該入賞口から入賞した入賞球を検出するための入賞球検出手段と、該入賞口から入賞した入賞球を該入賞球検出手段に向かって通過させるための入賞球通過路と、該入賞口を閉鎖する閉鎖姿勢及び該入賞口を開放する開放姿勢の間で姿勢変更可能な開閉部材と、を具備する可変入賞装置を備え、
    通常遊技の実行時には、前記開閉部材を前記閉鎖姿勢に維持する一方、
    特別遊技の実行時には、前記開閉部材の姿勢を所定のラウンド終了条件が成立するまでの間、前記開放姿勢に移行させるラウンド賞球遊技を、第１のラウンドから最終のラウンドに至るまで実行可能な遊技機であって、
    前記ラウンド賞球遊技は、前記開閉部材に開放駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記開放姿勢に移行させることで開始し、前記開閉部材に閉鎖駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記閉鎖姿勢に戻すことで終了し、
    前記ラウンド終了条件は、各ラウンド賞球遊技毎に前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が所定のラウンド終了個数に到達するか、若しくは、所定のラウンド終了時間が経過することによって成立すると共に、
    前記入賞球通過路には、前記入賞口から入賞した入賞球を停留させるための停留手段を設け、
    更に、前記入賞球通過路において該停留手段と前記入賞口との間の部位、若しくは、前記入賞口に対して、前記入賞球の通過を検出するための通過検出手段を設け、
    前記最終のラウンドを除く各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が前記ラウンド終了個数に到達した後に前記通過検出手段が入賞球の通過を検出すると、前記停留手段の停留動作を開始させ、前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始されると、前記停留手段の停留動作を解除することを特徴とする遊技機。
  3. 入賞口と、該入賞口から入賞した入賞球を検出するための入賞球検出手段と、該入賞口から入賞した入賞球を該入賞球検出手段に向かって通過させるための入賞球通過路と、該入賞口を閉鎖する閉鎖姿勢及び該入賞口を開放する開放姿勢の間で姿勢変更可能な開閉部材と、を具備する可変入賞装置を備え、
    通常遊技の実行時には、前記開閉部材を前記閉鎖姿勢に維持する一方、
    特別遊技の実行時には、前記開閉部材の姿勢を所定のラウンド終了条件が成立するまでの間、前記開放姿勢に移行させるラウンド賞球遊技を、第１のラウンドから最終のラウンドに至るまで実行可能な遊技機であって、
    前記ラウンド賞球遊技は、前記開閉部材に開放駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記開放姿勢に移行させることで開始し、前記開閉部材に閉鎖駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記閉鎖姿勢に戻すことで終了し、
    前記ラウンド終了条件は、各ラウンド賞球遊技毎に前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が所定のラウンド終了個数に到達するか、若しくは、所定のラウンド終了時間が経過することによって成立すると共に、
    前記入賞球通過路には、前記入賞口から入賞した入賞球を停留させるための停留手段を設け、
    前記最終のラウンドを除く各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、前記ラウンド終了条件が成立すると、前記停留手段の停留動作を開始させ、前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始されると、前記停留手段の停留動作を解除することを特徴とする遊技機。
  4. 入賞口と、該入賞口から入賞した入賞球を検出するための入賞球検出手段と、該入賞口から入賞した入賞球を該入賞球検出手段に向かって通過させるための入賞球通過路と、該入賞口を閉鎖する閉鎖姿勢及び該入賞口を開放する開放姿勢の間で姿勢変更可能な開閉部材と、を具備する可変入賞装置を備え、
    通常遊技の実行時には、前記開閉部材を前記閉鎖姿勢に維持する一方、
    特別遊技の実行時には、前記開閉部材の姿勢を所定のラウンド終了条件が成立するまでの間、前記開放姿勢に移行させるラウンド賞球遊技を、第１のラウンドから最終のラウンドに至るまで実行可能な遊技機であって、
    前記ラウンド賞球遊技は、前記開閉部材に開放駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記開放姿勢に移行させることで開始し、前記開閉部材に閉鎖駆動を施して前記開閉部材の姿勢を前記閉鎖姿勢に戻すことで終了し、
    前記ラウンド終了条件は、各ラウンド賞球遊技毎に前記入賞球検出手段が検出した入賞球の合計個数が所定のラウンド終了個数に到達するか、若しくは、所定のラウンド終了時間が経過することによって成立すると共に、
    前記入賞球通過路には、前記入賞口から入賞した入賞球を停留させるための停留手段を設け、
    更に、前記入賞球通過路において該停留手段と前記入賞口との間の部位、若しくは、前記入賞口に対して、前記入賞球の通過を検出するための通過検出手段を設け、
    前記最終のラウンドを除く各ラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、前記ラウンド終了条件が成立した後に前記通過検出手段が入賞球の通過を検出すると、前記停留手段の停留動作を開始させ、前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技が開始されると、前記停留手段の停留動作を解除することを特徴とする遊技機。
  5. 前記入賞球通過路を、前記入賞球の通過が不可能となるように遮断する遮断手段によって、前記停留手段を構成することを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載の遊技機。
  6. 前記入賞球通過路に、前記入賞球の通過方向に沿って駆動して前記入賞球通過路を遮断し、若しくは、前記入賞球通過路の通路面積を縮小し、前記入賞球の通過を禁止する閉鎖部材を配設すると共に、
    該閉鎖部材によって前記停留手段を構成したことを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載の遊技機。
  7. 前記入賞球が転動可能な転動部を具備するガイド部材を、前記可変入賞装置に複数個配置し、前記転動部を前記入賞球の通過方向に沿って複数個並べることで、前記入賞球の通過方向に沿って下り傾斜状の通路部、前記入賞球の通過方向に沿って下り段差状の通路部、若しくは、前記入賞球の通過方向に沿って略水平な通路部を形成し、該通路部を用いて前記入賞球通過路若しくは前記入賞球通過路の一部を構成し、
    少なくとも何れかのガイド部材が、前記停留手段を構成する可動型のガイド部材とされると共に、
    前記可動型のガイド部材を駆動し、該可動型のガイド部材の転動部と、隣接する他のガイド部材の転動部とによって、前記入賞球の通過方向に沿って、上がり段差状となる上がり段差部、若しくは、上がり傾斜状となる上がり傾斜部を形成し、前記入賞球の通過を禁止することを特徴とする請求項１〜４の何れか一項に記載の遊技機。
  8. 前記停留手段の停留動作を開始したラウンドに後続するラウンドに係るラウンド賞球遊技においては、
    前記開閉部材の姿勢が前記開放姿勢に姿勢変更された後に、前記停留手段の停留動作が解除されると共に、
    前記停留手段は、前記開閉部材の姿勢が前記開放姿勢に姿勢変更されたときに、前記可変入賞装置の前方から視認可能な位置に設けられることを特徴とする請求項１〜７の何れか一項に記載の遊技機。
  9. 前記可変入賞手段に対して、該可変入賞手段の内部を視認可能とするための視認部を設け、
    該視認部を通じて、遊技者から前記停留手段が視認可能とされることを特徴とする請求項１〜８の何れか一項に記載の遊技機。
  10. 前記開閉部材若しくは前記開閉部材の一部を透明部とすると共に、
    前記開閉部材が前記閉鎖姿勢とされたときに、該透明部を通じて遊技者から前記停留手段を視認可能とすることを特徴とする請求項１〜９の何れか一項に記載の遊技機。
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