以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3等を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体H(機体)とを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1及び図2を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図2に示すように、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5及び下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図3を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、図1に示すように、本体枠3の右端側には施錠装置7が装着されている。また、図2においては、外枠2、本体枠3と、前面枠4と、皿部材5Aを図示し、遊技盤10と、裏機構盤102の図示を省略している。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には裏機構盤102(図3参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、裏パック102は中枠3に開閉可能に軸支されているとともに、この裏パック102には、「遊技球が蓄えられる遊技球タンク」、「遊技球を上皿部材5には、払い出すための遊技球払出装置」、「各種制御基板(後述する主制御基板200)を収納したケース」等が搭載されている。
前面枠4は、図2に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)を前方から視認可能な形状に開設(略吊り鐘形状に開設)され、前面枠4を閉じたときにその背後に位置する遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43(図3を参照)と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)と、を備えている。また、本遊技機1では、図2に示すように、「上皿部材5及び下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5及び下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
図1及び図2に示すように、前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2(図9参照)が装着され、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図9参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、図2に示すように、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図8参照)及び演出ボタン基板228(図9参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている(図2を参照)。
図2に示すように、皿部材5Aにおいて上皿部材5の下方の部位が、下皿部材6を構成している。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図4を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部(遊技盤面)は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤本体10Aは左上部に配設されるとともに、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。そして、外側レール12において、内側レール13の外側に配置される部分は、外側レール12の左端部から左斜め上方に上がる経路を描き、内側レール13の右端部の側方に到達したところで、その経路を内側レール13と略平行な円弧状の経路に改めつつ上昇し、球進入口11Sの側方を越えて、遊技盤本体10Aの右上部まで到達している。
内側レール13の外側面部には、補助レール13Bの上端部が一体化されている。そして、「補助レール13Bと、これに略平行な外側レール12の部分の間に形成される通路」と、その上方の「外側レール12と内側レール13とに挟まれつつ球進入口11Sに至る通路」とが連続して誘導経路Yを構成している。この誘導経路Yは、その下端部が「発射装置ユニット90の球出口96j」と連通するとともに、下端部から左上がり傾斜状に「内側レール13の外側(左側方)」を上昇した後、内側レール13の外側を時計回転方向に通過して、球進入口11Sに到達している。
領域形成部10B(遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17aと、第2始動入賞装置17bと、大入賞装置31と、下部表示装置60と、3個の一般入賞装置40、41、43と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、図4に示すように、遊技領域11の上半部中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
図4に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lの内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。つまり、左側装飾部21Lの左側面部において、この通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で第1始動入賞装置17aに入賞する(後述する。)。尚、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17aに入賞する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17aに入賞するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17aに入賞するものがある。
演出表示装置27は「演出手段」の具体例を構成するものであり、液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置60における特別図柄の変動表示及び停止表示に連動する図柄変動演出を実行する。尚、本実施例では、下部表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技を行い、演出表示装置27が、疑似図柄(演出要素の一具体例を示す。)を用いて図柄変動演出を行う。ここで、以下の説明において、第1特別図柄表示部62aに表示される特別図柄(本図柄)を「第1特別図柄」と称し、第2特別図柄表示部62bに表示される特別図柄(本図柄)を「第2特別図柄」と称する。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の詳細に関して後述する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aでは、図5に示すように、3つ(3桁)の疑似図柄が表示される疑似図柄表示領域27bと、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)が表示される背景表示領域27cとが出現することがある。疑似図柄表示領域27bでは、疑似図柄が横方向に3つ並んで表示され、それら「疑似図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景表示領域27cには、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。これら「疑似図柄」等は演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出要素」の具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出」や「大当り演出」が実現される。
また、図5に示すように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、後述する第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、後述する第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。これらの補助図柄表示領域A、Bでは、モザイク模様を用いた補助図柄が、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)と連動して変動表示を行った後、対応する特別図柄表示部62a、62bと同時に変動表示を停止する。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。但し、その停止図柄の種類が多く、しかも、各停止図柄が紛らわしい態様であるため、その停止図柄の意味する内容(大当りか、外れか、確率変動大当りか等)を遊技者が理解することが困難である。また、補助図柄表示領域A、Bに確定表示される停止図柄によって特定される内容は、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止表示によって特定される内容と同一内容とされる。
また、図5に示すように、表示画面27aのうち、左縁部寄りの上方側の位置には第1保留表示領域(D1、D2、D3、D4)が出現し、右縁部寄りの上方側の位置には第2保留表示領域(E1、E2、E3、E4)が出現することがある。そして、第1保留表示領域(D1〜D4)に、第1始動入賞装置17aへの入賞に起因して生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示し、第2保留表示領域(E1〜E4)に、第2始動入賞装置17bへの入賞に起因して生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示する。なお、第1保留数を表示するための表示部と、第2保留数を表示するための表示部を表示画面27a外に設けることもできる。また、以下の説明において、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することと、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することを「始動入賞」と称することがある。
第1保留表示領域(D1〜D4)は、下方から上方に向かって第1表示部D1と、第2表示部D2と、第3表示部D3と、第4表示部D4とを並べた構成を備える。また、第2保留表示領域(E1〜E4)も、下方から上方に向かって、第1表示部E1と、第2表示部E2と、第3表示部E3と、第4表示部E4とを並べた構成を備える。そして、各表示部(D1〜D4、E1〜E4)には、球(真円)をあしらった図形を表示することができる。
何れの保留表示領域(D1〜D4、E1〜E4)も、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を、「使用中の表示部D1〜D4、E1〜E4」の数によって表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に「未消化の遊技球」の数(保留数)を、順次、デクリメントして表示するものである。具体的には、保留数が「1」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)のみを使用し、保留数が「2」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)と、添え字2を付した表示部(D2、E2)を使用する。更に、保留数が「3」の場合、添え字4を付した表示部以外の表示部(D1〜D3、E1〜E3)を使用し、保留数が「4」の場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)を使用する。また、保留数が「4」から「3」に減った場合、添え字4を付した表示部(D4、E4)の使用を止め、保留数が「3」から「2」に減った場合、添え字3を付した表示部(D3、E3)の使用を止める。また、保留数が「2」から「1」に減った場合、添え字2を付した表示部(D2、E2)の使用を止め、保留数が「1」から「ゼロ」に減った場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)の使用を止めることとされている。なお、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、対応する特別図柄表示部62a、62bにおいて当該入賞に伴う図柄変動遊技がなされていない遊技球を指す。
第1始動入賞装置17aは非可変式(固定式)の始動入賞装置であり、上方に開口部(第1始動口)を開口させたポケット形状を備えている。そして、この第1始動口は、ステージ部21p(転動面)の中央部の略鉛直下方に位置するため、その中央部から落下する遊技球は、この第1始動口を通じて、第1始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。また、第1始動入賞装置17の内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図8参照)が配設されている。なお、第1始動入賞装置17aの開口部の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。このため、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞可能性は一定とされている。
第2始動入賞装置17bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、第1始動入賞装置17aの直下に配設されている。この第2始動入賞装置17bは、図6(a)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17cと、取付板17cの前面部に装着されて第2始動入賞装置17bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17cの前面部に装着された障害部材17kと、を備えている。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図8参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態とされる。
障害部材17kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。また、第2始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17t(図8参照)が配設されている。
図6(a)に示すように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K1が形成されるが、この空間部K1の鉛直上方に障害部材17Kが配設されている。このため、閉鎖状態にある第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することは不可能されている。一方、図6(b)に示すように、第2始動入賞装置17bが開放状態になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K1が、障害部材17Kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2始動入賞装置17bへ入賞することが可能となる。
本遊技機1においては、第2始動入賞装置17bが開放状態となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞可能となる。そして、遊技機1の遊技モードが開放延長モード(後述する。)となり、第2始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長モードにおける第2始動入賞装置17bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長モード(通常開放モード)における第2始動入賞装置17bの開放時間を「0.2秒」としている。
一方、前述のように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。すなわち、遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなると、遊技球が第1始動入賞装置17aに入賞するケースはレアケースとなり、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞するケースはレアケースである。
図4に示すように、第2始動入賞装置17bの下方には大入賞装置31が配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は「大入賞口入賞通路(図示を省略)」に連絡されている。なお、「大入賞口入賞通路」は大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、大入賞口31aに入賞した遊技球は大入賞口入賞通路を通過した後、本遊技機1の機外に排出される。
大入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図8参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞検出スイッチ31s(図8参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるとともに、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
図4に示すように、下部表示装置60は大入賞装置31の左側方に配置されている。この下部表示装置60は、図7(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。なお、第1特別図柄表示部62a及び第2特別図柄表示部62bは「特別図柄表示手段」の具体例を構成する。
図7(a)に示すように、第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b及び普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定の結果を示す「第1特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入賞検出スイッチ17tsによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定の結果を示す「第2特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。なお、第1特別図柄表示部62a及び第2特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。また、第1特別図柄表示部62a及び第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
普通図柄表示部63は、図7(a)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、何れかの普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、これらの変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の停止図柄が一定時間実行される。このとき、停止図柄が「奇数数字」である場合、当り図柄であり、停止図柄が「偶数数字」である場合、外れ図柄である。この普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。
第1特別図柄保留表示部64a及び第2特別図柄保留表示部64bは、それぞれ2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、それぞれ4個を上限として表示するものである。つまり、第1特別図柄保留表示部64aは、第1の始動入賞装置17aに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。また、第2特別図柄保留表示部64bは、第2の始動入賞装置17bに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(つまり、保留)」とは、始動入賞装置(17a若しくは17b)に入賞したが、特別図柄表示部(62a若しくは62b)において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部65も2個のLEDを用いて構成され、普通図柄作動ゲート16を通過したが、未だ未消化の遊技球の数(保留数)を、4個を上限数として表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に、未消化の遊技球の数(保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、普通図柄表示部63において当該通過に伴う抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、7セグメント表示体を用いた表示)とがなされていない遊技球を指す。
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64b及び普通図柄保留表示部65では、それぞれ同様な態様で保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、(b)1個のLEDを点灯させつつ1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを示し、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを示し、(d)1個のLEDを点滅させつつ1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを示し、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを示す。なお、前述の第1保留表示領域(D1〜D4)の表示内容は第1特別図柄保留表示部64aの表示内容に対応し、前述の第2保留表示領域(E1〜E4)の表示内容は第2特別図柄保留表示部64bの表示内容に対応する。
図4に戻り、3個の一般入賞装置40、41、43は、メイン役物装置20の左右に配置されている。そして、各一般入賞装置40、41、43の内部には、遊技球の入賞を検出するための一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s(図8参照)が配設されている。また、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。
(2)制御回路の構成
次に、図8〜図10を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算及び算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図8〜図10中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図8においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、大入賞口入賞検出スイッチ31s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。ここで、主制御部200A(主制御基板200)は、図柄変動遊技実行手段、変動時間設定手段(変動パターン決定手段)、大当り遊技態様選択手段、大当り遊技実行手段、保留記憶手段、保留判定手段、経過後保留判定手段、確率変動手段、開放延長手段の具体例を構成する。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図10に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。なお、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、保留記憶手段、演出パターン選択手段、図柄変動演出実行手段、保留判定手段、演出差し替え実行手段、大当り連続演出実行手段、経過後保留判定手段、演出要素付加手段の具体例を構成する。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
図10に示すように、演出表示制御基板222には、CPU222aと、制御ROM222bと、制御RAM222cと、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)222dと、ワークRAM222eと、表示用ROM(キャラクタROM)222gと、ビデオRAM222hとが搭載されている。また、VDP222dには演出表示装置27が電気的に接続されている。
CPU222aは、サブ制御基板220から送信された各種表示制御用の信号(コマンド)を受信すると共に制御ROM222bに記憶されたプログラムに従って受信した信号(コマンド)を解析する。そして、CPU222aはその解析結果をVDP222dに送信する。尚、制御ROM222bには遊技機1の遊技状態等に応じた各種の画像表示制御用のプログラムが記憶され、制御RAM222cには各種のデータを一時的に記憶する記憶領域や作業領域等が設けられている。また、表示用ROM222gには、演出表示装置27の表示画面27aに表示される各種演出図柄の表示に関するデータ(変動表示される疑似図柄のデータ等)が記憶されている。
VDP222dは、CPU222aによる上記「解析結果」に基づいて、演出表示ROM222gに記憶されたデータを読み出し、この読み出したデータに基づいてワークRAM222eで画像データを生成し、ビデオRAM222hに一時的に記憶させる。この後、送信部222kから、ビデオRAM222hに記憶された画像データを信号(RGB画像信号)に載せて演出表示装置27に送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
払出制御部240Aには、図8に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示及び停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示及び停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
次に、図11を用いて「保留記憶手段」等について説明する。つまり、主制御基板200に搭載されたRAM202には、第1判定用乱数メモリ202aと、第2判定用乱数メモリ202bと、第1保留数メモリ202cと、第2保留数メモリ202dと、第1事前判定結果メモリ202eと、第2事前判定結果メモリ202fとが設けられている。また、サブ制御基板220に搭載されたRAM220bには、第1保留数情報メモリ223bと、第2保留数情報メモリ224bと、第1事前判定結果情報メモリ206bと、第2事前判定結果情報メモリ207bとが設けられている。なお、以下の説明において「有効な始動入賞」とは、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限個数でない状態で生じた始動入賞を指す。
第1始動入賞装置17aに対する有効な始動入賞を生ずると、判定用乱数(以下、「第1判定用乱数」ということがある。)が取得され、主制御基板200において、この取得された判定用乱数が第1判定用乱数メモリ202aにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数メモリ202cの値が累積的に記憶される。また、判定用乱数が第1判定用乱数メモリ202aに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が事前判定を行うとともに、この事前判定(以下、「第1事前判定」という。)の結果が第1事前判定メモリ202eにシフトメモリ形式で記憶される。このとき、始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。ここで、始動入賞時コマンドは第1事前判定の結果を示す情報と、当該始動入賞後の第1保留数を等示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、始動入賞時コマンドを受信すると、事前判定の結果を示す情報(第1事前判定結果情報)を第1事前判定結果情報メモリ226bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する。但し、本実施例と異なり、第1事前判定の結果を示す情報(コマンド)と、第1始動入賞装置17aへの始動入賞後の第1保留数を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
第2始動入賞装置17bに対する有効な始動入賞を生ずると、判定用乱数(以下、「第2判定用乱数」ということがある。)が取得され、主制御基板200において、この取得された判定用乱数が第2判定用乱数メモリ202bにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数メモリ202dの値が累積的に記憶される。また、判定用乱数が第2判定用乱数メモリ202aに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が事前判定を行うとともに、この事前判定(以下、「第2事前判定」という。)の結果が第2事前判定メモリ202fにシフトメモリ形式で記憶される。このとき、始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。ここで、始動入賞時コマンドは第2事前判定の結果を示す情報と、当該始動入賞後の第1保留数を等示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、始動入賞時コマンドを受信すると、事前判定の結果を示す情報(第2事前判定結果情報)を第2事前判定結果情報メモリ227bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する。但し、本実施例と異なり、第2事前判定の結果を示す情報(コマンド)と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞後の第2保留数を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
ここで、第1判定用乱数メモリ202aと、第2判定用乱数メモリ202bと、第1事前判定結果メモリ202eと、第2事前判定結果メモリ202fと、第1事前判定結果情報メモリ226bと、第2事前判定結果情報メモリ227bは、何れも、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で対応するデータを記憶可能となっており、有効な始動入賞(第1始動入賞装置17aに対する有効な始動入賞、第2始動入賞装置17bに対する有効な始動入賞)を生ずる毎に、対応するデータがシフトメモリ形式で記憶される。また、各判定用乱数(第1判定用乱数、第2判定用乱数)の対象となるメモリにおいて、領域0のみにデータが記憶されている場合には、対象となる判定用乱数(第1判定用乱数、第2判定用乱数)が消化されると、「領域0」が空き領域となる。また、各判定用乱数(第1判定用乱数、第2判定用乱数)の対象となるメモリにおいて、領域0を含む複数の領域にデータが記憶されている場合には、対象となる判定用乱数(第1判定用乱数、第2判定用乱数)が消化される毎と、領域0以外の領域(例えば、領域1〜3)に記憶されたデータは「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。ここで、本明細書では、対応する判定用乱数メモリ(第1判定用乱数メモリ202aと、第2判定用乱数メモリ202b)から最先に記憶された1個の判定用乱数を読み出し、当否判定(後述する。)やこの当否判定に基づく図柄変動遊技を行うことを「判定用乱数を消化する」と称する。更に、「判定用乱数を消化する時期」は、当否判定が実行されるとともに図柄変動遊技が開始される時期を例示できるが、図柄変動遊技が終了する時期等の他の時期であってもよい。
例えば、第2判定用乱数メモリ202bと、第2事前判定結果メモリ202fと、第2判定結果情報メモリ227bとにおいて、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域にデータを記憶した状態で、第2判定用乱数が消化されると、第2判定用乱数メモリ202bと、第2事前判定結果情報メモリ202fと、第2判定結果情報メモリ227bとにおいて、領域1〜3に記憶されたデータは「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。同様に、第1判定用乱数メモリ202aと、第1事前判定結果情報メモリ202eと、第1事前判定結果情報メモリ226bとにおいて、「領域0」、「領域1」及び「領域2」の3つの記憶領域にデータを記憶した状態で、第1判定用乱数が消化されると、第1判定用乱数メモリ202aと、第1事前判定結果情報メモリ202eと、第1判定結果情報メモリ226bとにおいて、領域1〜2に記憶されたデータは「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。ここで、第1判定用乱数メモリ202a、第2判定用乱数メモリ202b、第1保留数メモリ202c、第2保留数メモリ202d、第1事前判定結果メモリ202e、第2事前判定結果メモリ202f、第1保留数情報メモリ223b、第2保留数情報メモリ224b、第1事前判定結果情報メモリ206b及び第2事前判定結果情報メモリ207bに記憶されるデータは、保留(第1保留若しくは第2保留)の具体例を構成し、本実施例では、それらの上限個数を「4個」としている。そして、当否判定(後述する。)やこの当否判定に基づく図柄変動遊技を開始する際に、最先に記憶された保留が、1個ずつ消化(処理)される。
なお、後述するように、第1判定用乱数メモリ202aや第2判定用乱数メモリ202bに記憶される判定用乱数(第1判定用乱数、第2判定用乱数)には、大当り抽選(特図1大当り抽選、特図2大当り抽選)に際して用いる抽選用乱数(特図1大当り抽選乱数、特図2大当り抽選乱数)のみならず、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)に停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数(特図1図柄決定用乱数、特図2図柄決定用乱数)等も含まれる。また、第1事前判定結果メモリ202eや第2事前判定結果メモリ202fに記憶される事前判定結果情報(第1事前判定の結果を示すデータ、第2事前判定の結果を示すデータ)には、大当り抽選に関する事前判定の結果を示す情報(データ)のみならず、大当り図柄に関する事前決定(事前判定)に関する情報(データ)も含まれる。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる当否判定の結果を示す停止図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを、下部表示装置60及び演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄と、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る「主制御部200Aにおいて「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。ここで、変動パターンは図柄変動遊技の実行時間(特別図柄の変動時間)を特定するためのものであり、変動時間設定手段(変動パターン決定手段)としての主制御部200Aは、図柄変動遊技を開始する際に変動パターンを決定することを通じて、特別図柄の変動時間(図柄変動遊技の実行時間)を設定する(後述する)。
なお、本実施例では、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されること(以下、「第1始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第1当否判定」という。)と、第2始動口入賞検出スイッチ17tによって遊技球が検出されること(以下、「第2始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第2当否判定」という。)は、何れも「大当り抽選」のみによって構成されるが、第1当否判定及び第2当否判定のうちの少なくとも一方が「大当り抽選」と、大当り抽選の結果が外れの場合に実行される「小当り抽選」とによって構成されてもよい。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「疑似図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部220A」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ等)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄(演出図柄)を用いたリーチ表示(リーチ演出)などの図柄変動演出を行う場合、その図柄変動演出は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容について簡単に説明する。
a.本図柄
第1始動入賞に起因した第1特別図柄の変動表示及び停止表示、つまり「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄表示部62aにおいて行われる。また、第2始動入賞に起因した第2特別図柄の変動表示及び停止表示、つまり「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄表示部62bにおいて行われる。これらの変動表示は、図7(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。
図12及び図13に示すように、遊技機1の確率モードが低確率モード(通常確率モード)である場合には、第1当否判定及び第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/400」とされる。また、遊技機1の確率モードが高確率モードである場合には、第1当否判定及び第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/40」とされる。そして、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに大当りを示す判定結果が導出されると、「大当り」を発生し、大当り遊技実行手段が作動を開始して大当り遊技が実行される。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。なお、遊技状態が大当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。これに対し、「大当り遊技状態移行前」や「大当り遊技状態終了後」の大当り遊技が行われていない状態は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われる状態、すなわち、図柄変動遊技が実行可能な状態(図柄変動遊技状態)となる。
ここで、「大入賞装置31の開放」は大入賞口ソレノイド31cを駆動して、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、大入賞口31aを開放状態に変化させることによって実現され、「大入賞装置31の閉鎖」は、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止して開閉板31bを起立姿勢に戻し、大入賞口31aを閉鎖状態に戻すことによって実現される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
本遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、所定回数(4ラウンド、8ラウンド若しくは16ラウンド)に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、大当り終了に係る演出(エンディング演出)を行った後、遊技状態が図柄変動遊技状態に戻される。なお、本実施例では、各ラウンド遊技の開始及び終了毎に、主制御基板200からサブ制御基板220に「ラウンド開始指定コマンド」及び「ラウンド終了指定コマンドが送信される。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、主制御基板200からの「ラウンド開始指定コマンド」及び「ラウンド終了コマンド」に基づき、現在実行中の大当り遊技(ラウンド遊技)の進行状況を判断し、その進行状況に応じた種々の大当り演出を演出表示装置27等により実行する。また、「ラウンド開始指定コマンド」はラウンド遊技の開始や、その開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すコマンドであり、「ラウンド数指定コマンド」とも言う。また、「ラウンド終了指定コマンド」は大当りラウンドが終了したことを示すコマンドである。
本実施例では、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄の態様に応じて、実行される大当り遊技(ラウンド遊技)の内容や、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態が異なったものとなる。以下、この点について詳細に説明する。ここで、以下の説明において、「16R確変大当り」及び「16R通常大当り」はラウンド遊技を「16ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技A」という。)の開始契機となる大当りであり、「8R確変大当り」及び「8R通常大当り」はラウンド遊技を「8ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技B」という。)の開始契機となる大当りである。そして、「4R確変大当り」及び「4R通常大当り」はラウンド遊技を「4ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技C」という。)の開始契機となる大当りである。更に、何れの大当り遊技においても、各ラウンド遊技で大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球すると「150個」の遊技球が払い出される。このため、「大当り遊技A」の払出予定賞球数は「2,400個」、「大当り遊技B」の払出予定賞球数は「1,200個」、「大当り遊技C」の払出予定賞球数は「600個」とされている(図12,図13を参照)。
第1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(つまり、振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、図12に示すように、「大当りの種類」が「16R確変大当り」、「16R通常大当り」、「8R確変大当り」、「8R通常大当り」、「4R確変大当り」及び「4R通常大当り」のうちの何れかに決定される。「振分抽選」を行うための乱数(以下、「図柄決定用乱数」という。)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第1当否判定の結果が大当りでない場合も、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。
第2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出された場合も、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選によっても、図13に示すように、「大当りの種類」が「16R確変大当り」、「16R通常大当り」、「8R確変大当り」、「8R通常大当り」、「4R確変大当り」及び「4R通常大当り」のうちの何れかに決定される。この「振分抽選」を行うための「図柄決定用乱数」も、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第2当否判定の結果が大当りでない場合も、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。
第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。つまり、本実施例では、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている(図12、図13を参照)。このため、遊技者にとっては、第2当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第2当否判定を主体とする遊技」という。)を行う場合の方が、第1当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第1当否判定を主体とする遊技」という。)を行う場合よりも有利度が高いと言える。
「16R確変大当り」、「8R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。つまり、第1当否判定の結果が大当りとなる確率及び第2当否判定の結果が大当りとなる確率が、それぞれ高確率とされる。このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる遊技状態が「高確率モード(高確率状態)」である。また、「16R確変大当り」、「8R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、開放延長手段及び変動時間短縮手段が作動する遊技モード、つまり「開放延長モード」となる。
この開放延長モードは、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「10,000回」になるまで継続される。但し、遊技機(パチンコ機)において通常定められる大当りの当選確率(大当り確率)を考慮すると、変動表示の累積回数が「10,000回」になるまで開放延長モードが継続することは、実質的に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続すること」を意味する。よって、以下、当該ケースに関しては単に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続する」と表現する(図12、図13を参照)。
一方、「16R通常大当り」、「8R通常大当り」若しくは「4R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。つまり、第1当否判定の結果が大当りとなる確率及び第2当否判定の結果が大当りとなる確率が、それぞれ低確率(通常確率)とされる。また、対応する大当り遊技の終了後に遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなり、第2始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなる。そして、この開放延長モードは対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になるまで継続される。
c−2.疑似図柄
演出表示装置27の表示画面27aにおいても、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bへの入賞(始動入賞)に起因して図柄変動開始条件が成立すると、疑似図柄の変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。そして、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が一定時間(約0.6秒間)実行される。この疑似図柄の停止表示は、前述の右下表示装置60(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
演出表示装置27の表示画面27aでは、3つ(3桁)の疑似図柄の変動表示と停止表示がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。また、疑似図柄表示領域27bに確定表示される確定図柄には、「外れを示す停止図柄」と「大当りを示す停止図柄」がある。
ここで、前述のように、本遊技機1においては、「大当り」として、図12及び図13に示すように、複数種類の大当りの各々に対応して本図柄の停止図柄(大当り図柄)を設定している。一方、図14(a)に示すように、疑似図柄の停止図柄(大当り図柄)を以下のように定めている。つまり、「16R確変大当り」、「8R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」の発生を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の奇数数字」を3個並べて構成される。また、「16R通常大当り」、「8R通常大当り」若しくは「4R通常大当り」の発生を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の偶数数字」を3個並べて構成される。更に、「外れ図柄」は、図14(b)に示すように、3つの疑似図柄表示部のうちの少なくとも1つに他と異なる数字図柄を表示して構成される。
演出表示装置27において、図14(a)に示す大当り図柄を表示する場合、図15(c)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、図15(a)及び(b)に示すように、演出表示装置27において「外れを示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄を同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とする演出表示である。
なお、図5を用いて前述したように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。そして、図柄変動遊技を実行中の特別図柄表示部(62a若しくは62b)と対応する補助図柄が連動して変動表示を行う。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。
また、図15では図示を省略するが、表示画面27aの背景画面表示領域27cでは、疑似図柄の変動を盛り上げるための演出が「背景図柄」、「キャラクタ図柄」、「実写映像」等を表示しつつ繰り広げられる(図5を参照)。この演出は、原則として図柄変動演出の開始時に決定した演出パターンに従って行われる。
更に、前述のように、図柄変動演出の実行時間(変動時間)は、図柄変動遊技の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって決定される。そして、この変動パターンが特定変動パターンである場合に、特定態様の図柄変動演出が実行される。以下、この特定態様の図柄変動演出について図16〜図26に示す具体例を用いて説明する。ここで、特定変動パターンは一定時間以上の変動時間を特定する変動パターンである。また、図16〜図26では、第2当否判定を主体とする遊技を行っている場合に関する具体例を示しているが、第1当否判定を主体とする遊技を行っている場合に対しても、以下に示す各具体例を適用できる。
図16に示す具体例1と、図17に示す具体例2は、何れも同一の「特定変動パターン」に従って図柄変動遊技及び図柄変動演出を行うことを内容とする具体例である。また、具体例1及び具体例2は、何れも第2保留数が「2」である場合において、最先に記憶された保留(以下、「最先保留」という。)を消化することにより、図柄変動遊技と図柄変動演出を開始させる場合を示している。また、具体例1及び具体例2の何れの場合においても、この最先保留が「当り保留」であるとともに、当該「当り保留」に基づき行われる大当り遊技での払出予定賞球数を「1200個」としている。つまり、この最先に記憶された保留(判定用乱数)は、「8R確変大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生させる保留である。
具体例1においては、図16に示すように、最先保留に係る変動の開始タイミングが到来すると、第2特別図柄表示部62bで第2特別図柄を用いた当り変動を開始するとともに、演出表示装置27で図柄変動演出を開始する。そして、当り変動開始後、第1所定時間(約10秒)が経過するまでの間、つまり「所定時点t1」になるまでの間に2個の外れ保留が発生したとする。更に、所定時点t1を過ぎた後(当り変動開始から10秒が経過した後)であって、当り変動開始から第2所定時間(約14秒)が経過するまでの間、つまり「特定時点t2」になるまでの間に1個の外れ保留が発生したとする。ここで、「所定時点t1」は図柄変動演出の内容を差し替えるか否かを決する分岐点となるタイミングであり、「特定時点t2」は図柄変動演出の内容が差し替えられるタイミングである。このように、本実施例では「所定時点t1」と「特定時点t2」とを異なるタイミングとし、リーチ発展演出の所定タイミングにおいて図柄変動演出の内容を差し替える態様(後述する。)を例示するが、「所定時点t1」と「特定時点t2」とを同じタイミングとする具体例を例示することもできる。
具体例2においても、図17に示すように、最先保留に係る変動の開始タイミングが到来すると、第2特別図柄表示部62bで第2特別図柄を用いた当り変動を開始するとともに、演出表示装置27で図柄変動演出を開始する。そして、当り変動開始後、「所定時点t1」になるまでの間に1個の外れ保留と、1個の当り保留とがこの順で発生したとする。更に、所定時点t1を過ぎた後であって、特定時点t2に到達するまでの間に1個の外れ保留が発生したとする。但し、所定時点t1に到達する前に生じた当り保留に基づき行われる大当り遊技での払出予定賞球数を「2400個」としている。つまり、この当り保留は、「16R確変大当り」若しくは「16R通常大当り」を発生させる保留である。
ここで、図16及び図17には、主制御基板200からサブ制御基板220へのコマンド送信を示す矢印が併記されている。このうち、「開始時C」は「変動開始時コマンド」の送信を示したものであり、特別図柄表示部(62a若しくは62b)において図柄変動遊技が開始されるタイミングで主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。
また、「入賞時C」は「始動入賞時コマンド」の送信を示したものであり、有効な始動入賞を生じたタイミングで主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。なお、図16、図17、図21、図24及び図25では、「入賞時C」の末尾に始動入賞の発生順に昇順となる数字を添えることで、「入賞時C」の送信順を特定している。
また、前述のように、サブ制御基板220が「始動入賞時コマンド」を受信すると、事前判定結果情報が事前判定結果情報メモリ(226b若しくは227b)に対して、始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶される。なお、具体例1及び具体例2は、第2当否判定を主体とする遊技を行っている場合に関する具体例であるため、第2始動入賞装置17bへの有効な始動入賞を生ずる度に、第2事前判定結果情報メモリ227bに第2事前判定の結果を示す情報(第2事前判定情報)が記憶される。
具体例1及び具体例2においては、図18に示すように、最先保留を消化するタイミングが到来すると、演出表示装置27において、遊技者にとって味方となるキャラクタ(味方キャラクタ)と遊技者にとって敵となるキャラクタ(敵キャラクタ)とを出現させつつ図柄変動演出を開始する(a1)。なお、図18において付記する符号(A0〜A4)は、図16及び図17に示す「保留状況」を特定する符号(A0〜A4)に対応している。
この図柄変動演出では、当該図柄変動演出の開始後、所定時点t1を過ぎてから特定時点t2となる前のタイミング(以下、「基準時点」という。)でリーチ表示がなされ(a5)、その後、所謂「リーチ発展演出」を行う。ここで、具体例1、具体例2及び後述する具体例3において、「基準時点」は当り変動開始後、第3所定時間(約12秒)が経過した時点である。また、「リーチ発展演出」はリーチ表示を契機として実行されるリーチ演出の具体例を示している。
具体例1及び具体例2においては、図18に示すように、最先保留を消化するタイミングが到来すると、「基準時点」になるまでの間、味方キャラクタと敵キャラクタとが横に並んだ状態で表示される(a1〜a4)。そして、基準時点になると、リーチ表示を行うと同時に、味方キャラクタと敵キャラクタの姿勢を徒競走のスタート姿勢とする(a5)。この後、具体例1及び具体例2の何れにおいても、特定時点t2に到達するまで、味方キャラクタと敵キャラクタが徒競走を繰り広げる(図18のa6、a7、図19のa8)。なお、図柄変動演出における「特定時点を過ぎた後の展開」は具体例1と具体例2との間で異なっている。
具体例1及び具体例2の何れにおいても、最先保留を消化して図柄変動演出を開始する際に所定の演出パターンを選択する。そして、図16及び図17に示すように、この選択された演出パターンに従って特定される演出用ムービー(以下「通常演出用ムービー」という。)を再生することで、図柄変動演出が開始される。
ここで、図16に示すように、具体例1においては、最先保留に係る当り変動の開始から「所定時点t1」に到達するまでの間には、第2判定用乱数情報メモリ224bに記憶されている「第2判定用乱数情報」の中に「当り保留」が含まれていない。換言すると、第2事前判定結果メモリ202f(第2判定結果情報メモリ227b)に記憶されている第2事前判定結果を示す情報の中に、第2事前判定の結果が大当りであることを示す情報が含まれていない。このため、具体例1では、特定時点t2を過ぎた後においても、図柄変動演出開始時に選択された演出パターンに従う演出が継続される。具体的には、特定時点t2を過ぎた後においても、通常演出用ムービーをそのまま再生することで、図19に示すように、味方キャラクタと敵キャラクタとによる徒競走が継続される(a9、a10)。そして、味方キャラクタが徒競走に勝利した旨の表示を行った後(a11)、大当り表示を行って図柄変動演出を終了する(a12)。
一方、図17に示すように、具体例2においては、最先保留に係る当り変動を開始してから「所定時点t1」が経過するまでの間に、第2判定用乱数メモリ224bに記憶されている「第2判定用乱数情報」の中に「当り保留」が含まれるとともに、実行中の当り変動を経て行われる大当り遊技(先の大当り遊技)での払出予定賞球数(1200個)と、当該記憶されている当り保留に基づき行われる大当り遊技(後の大当り遊技)での払出予定賞球数(2400個)との合計が所定数(3600個)以上となる。換言すると、第2事前判定結果メモリ202f(第2判定結果情報メモリ227b)に記憶されている第2事前判定結果を示す情報の中に、第2事前判定の結果が大当りであることを示す情報が含まれているとともに、実行中の当り変動を経て行われる大当り遊技(先の大当り遊技)での払出予定賞球数(1200個)と、当該記憶されている当り保留に基づき行われる大当り遊技(後の大当り遊技)での払出予定賞球数(2400個)との合計が所定数(3600個)以上となる。
このため、具体例2では、特定時点t2を過ぎた後には、図柄変動演出の開始時に選択された演出パターンに従う演出を、別の特別演出に差し替えて図柄変動演出を継続する。つまり、図17に示すように、特定時点t2に到達するまで再生していた「通常演出用ムービー」を特定時点t2で「特別演出用ムービー」に差し替え、「特別演出用ムービー」を用いた図柄変動演出が特定時点t2から実行される。具体的には、図19に示すように、特定時点t2を過ぎると、短期間のうちでの大量賞球を示唆する画像を表示(カットイン)する(b9)。例えば、賞金として積まれた金貨と、金貨がぎっしりと詰め込まれた袋(ドル袋)とを示す画像が表示される(b9)。続いて、味方キャラクタと敵キャラクタとが賞金(金貨)の獲得合戦「賞金バトル」を展開する(b10)。そして、味方キャラクタが「賞金バトル」に勝利した旨の表示を行った後(b11)、大当り表示を行って図柄変動演出を終了する(b12)。
次に、具体例1及び具体例2において、現在実行している図柄変動演出(当り変動)を終了した後の演出等について、図20〜図23を用いて説明する。なお、図21は、先の大当り遊技を終了するとき(先の大当り遊技の最終ラウンドに係るラウンド遊技を終了し、エンディング演出を実行しているとき)に、第2保留数が4であるとともに、当該「先の大当り遊技」を終了した後において記憶されている保留情報(第2判定用乱数情報)が、その消化順に「外れ保留」、「外れ保留」、「当り保留」、「外れ保留」である場合を示している。また、図21に示す保留のうちで「二重丸」で示すものは、払出予定賞球数が「2400個」の大当り遊技(後の大当り遊技)の実行契機となる「当り保留」を示している。
具体例1及び具体例2の何れにおいても、図柄変動演出を終了すると(図19のa12、b12)、図20および図22に示すように、ファンファーレ演出を行う(a13、b13)。そして、このファンファーレ演出を終了すると、第1ラウンドに係るラウンド遊技を実行するが、その際、表示画面27aにおいて第1ラウンドに係るラウンド演出が実行される(a14、b14)。そして、第1ラウンドの終了条件が成立すると、第1ラウンドに係るラウンド遊技を終了して、表示画面27aにおいてインターバル演出を行う(図示を省略)。この後、所定のインターバル時間(待機時間の約2秒)を経て、第2ラウンドに係るラウンド遊技と、第2ラウンドに係るラウンド演出が実行される。以降、同様にして「ラウンド遊技」及び「ラウンド演出が最終ラウンド(8ラウンド)まで「インターバル時間」及び「インターバル演出」を挟みつつ繰り返される。
ここで、図20に示すように、「ファンファーレ演出」はファンファーレ演出用ムービー(図中「Fムービー」と表記)を再生することで実行され、「ラウンド演出」は各ラウンドに対応するラウンド演出用ムービー(図中「Rムービー」と表記)を再生することで実行される。また、「インターバル演出」はインターバル演出用ムービー(図中「Iムービー」と表記)を再生することで実行される。
図22に示すように、具体例1では、最終のラウンド(第8ラウンド)が終了し、大当り遊技(先の大当り遊技)を終了すると、表示画面27aにおいて通常パターンに従うエンディング演出を行った後(a15)、図柄変動遊技(図柄変動演出)を開始する(a16)。このとき、第2判定用乱数メモリ202bに記憶されている最も古い判定用乱数を消化しつつ、表示画面27aにおいて図柄変動演出が開始されるが、その際、表示画面27aには疑似図柄表示領域27bが表示され、疑似図柄を用いた変動表示が実行される。また、表示画面27aに第1補助図柄表示領域Aと、第2補助図柄表示領域Bが出現し、対応する特別図柄表示部62a、62b(具体例1では、第2特別図柄表示部62b)と同時に変動表示を実行する。なお、図示を省略するが、通常パターンに従うエンディング演出は、通常エンディング演出用ムービーを再生することで実行される。このエンディング演出によっては、大当り遊技が連続することが示唆されることはない。つまり、この場合、先の大当り遊技を終了した直後に開始される図柄変動遊技が当り変動であっても、大当り遊技が連続することが示唆されることはない。
一方、図22に示すように、具体例2では、最終のラウンド(第8ラウンド)が終了し、大当り遊技(先の大当り遊技)を終了すると、特別パターンに従うエンディング演出を行った後(b15)、第2判定用乱数メモリ202bに記憶されている最も古い判定用乱数を消化しつつ、図柄変動遊技(図柄変動演出)を開始する。この特別パターンに従うエンディング演出とは、大当り遊技が連続することを示唆する演出であり、金貨がぎっしりと詰め込まれた袋(ドル袋)を複数個表示する演出である(b15)。そして、この特別パターンに従うエンディング演出は、図21に示すように、継続演出用ムービーを再生することで実行される。更に、エンディング演出を終了すると、特殊変動モードが開始されるとともに、エンディング演出の終了後に記憶されている保留情報(第2判定用乱数情報)のうち、「当り保留」よりも先に消化される2個の「外れ保留」を消化して実行される外れ変動において、大当り遊技が連続することを示唆する演出(大当り連続演出)が実行される。
つまり、特別パターンに従うエンディング演出を行った直後に開始される図柄変動演出は、外れ変動に伴う図柄変動演出であり、前述の継続演出用ムービー(図21中の「Eムービー」)の再生を継続することによって実行される。この図柄変動演出を行う際には、本遊技機1の遊技モードが特殊変動モード(後述する)とされ、図柄変動遊技が、通常時よりも、短い時間(本実施例では、「0.2秒」)で実行される。具体的には、図柄変動遊技及び図柄変動演出は、後述する変動短縮手段の作動時(時短状態にあるとき)よりも、短い時間(本実施例では、「0.2秒」)で実行され、一瞬のうちに終了する。
この図柄変動演出では、表示画面27aにおいて、大当り遊技が連続することを示唆する演出(大当り連続演出)が実行される。具体的には、表示画面27aの略全域において、金貨がぎっしりと詰め込まれた袋(ドル袋)を複数個表示する演出が実行される(図22のb16)。また、このとき、表示画面27aに第1補助図柄表示領域Aと第2補助図柄表示領域Bが出現し、対応する特別図柄表示部62a、62b(具体例2では、第2特別図柄表示部62b)と同時に変動表示を実行する。
この外れ変動に伴う図柄変動演出の実行時間(0.2秒)が経過すると、図22に示すように、図柄変動演出を終了する(b17)。そして、停止図柄の停止表示時間(約0.6秒)が経過すると、次の外れ変動に伴う図柄変動演出を開始し(b18)、この外れ変動に伴う図柄変動演出の実行時間(0.2秒)が経過すると、図柄変動演出を終了する(b19)。この次の外れ変動に伴う図柄変動演出を実行する際の遊技モードも、図21及び図22に示すように、特殊変動モードとされるため、この図柄変動演出も一瞬のうちに終了する。
更に、停止図柄の停止表示時間(約0.6秒)が経過すると、当り変動に伴う図柄変動演出を開始し(b20)、この当り変動に伴う図柄変動演出の実行時間が経過すると、図柄変動演出を終了する(b21〜b23)。但し、前述の次の外れ変動に伴う図柄変動演出を終了すると(当該当り変動を開始する前に)、特殊変動モードが解除されるため、この当り変動に伴う図柄変動演出には、所定時間(例えば、10秒以上の時間)をかけて実行され、その演出途中においてリーチ演出が開始される(b22)。そして、この当り変動に伴う図柄変動演出が終了すると、大当りが発生し(b22)、ファンファーレ演出を実行した後(b23)、後の大当り遊技を開始する。
具体例2においては、前述の「特別パターンに従うエンディング演出」を行った後であって、後の大当り遊技の開始契機となる図柄変動遊技が開始されるまでの間の演出が、前述の継続演出用ムービーの再生を継続することによって実行される。つまり、先の大当り遊技終了後において、2回の外れ変動に伴う図柄変動演出が、大当り遊技が連続することを示唆する演出(大当り連続演出)として実行される。このため、「先の大当り遊技」が終了してから「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」に辿りつくまでの図柄変動遊技(図柄変動演出)が、スピーディに実行される。
図24に示す具体例3は、具体例1や具体例2の場合と同一の変動時間を特定する「特定変動パターン」に従って、図柄変動遊技及び図柄変動演出を行う具体例である。また、具体例3は第2保留数が「3」である場合において、「最先保留」を消化することにより、図柄変動遊技と図柄変動演出を開始させる場合を示している。更に、具体例3においては、この最先保留が「当り保留」であるとともに、当該「当り保留」に基づき行われる大当り遊技での払出予定賞球数を「1200個」としている。
具体例3においては、「最先保留」を消化する前の段階で、この最先保留に続いて処理される保留(以下、「次保留」という。)と、この「次保留」に続いて処理される保留(以下、「次々保留」という。)とが記憶されている。そして、「次保留」は「外れ保留」であるが、「次々保留」は当り保留である。そして、この「次々保留」に基づき行われる大当り遊技での払出予定賞球数を「2400個」としている。
図示を省略するが、具体例3においても、具体例1と同様に、最先保留を消化するタイミングが到来すると、演出表示装置27において、遊技者にとって味方となるキャラクタ(味方キャラクタ)と遊技者にとって敵となるキャラクタ(敵キャラクタ)とを出現させつつ図柄変動演出を開始する。更に、特定時点t2となる前の基準時点でリーチ表示がなされ、その後、具体例1と同様の所謂「リーチ発展演出」を行う。
この具体例3においては、最先保留に係る当り変動の開始から「所定時点t1」に到達するまでの間に2個の外れ保留を生ずるだけあるが、最先保留の消化を開始する前の段階で、最先保留以外の当り保留が第2判定用乱数メモリ224bに記憶されている。しかも、この記憶されている当り保留に基づき行われる「後の大当り遊技」での払出予定賞球数が「2400個」であり、当該払出予定賞球数(2400個)と、実行中の当り変動を経て行われる「先の大当り遊技」での払出予定賞球数(1200個)との合計が所定数(3600個)以上となる。
換言すると、第2事前判定結果メモリ202f(第2判定結果情報メモリ227b)に記憶されている第2事前判定結果を示す情報の中に、第2事前判定の結果が大当りであることを示す情報が含まれているとともに、実行中の当り変動を経て行われる大当り遊技(先の大当り遊技)での払出予定賞球数(1200個)と、当該記憶されている当り保留に基づき行われる大当り遊技(後の大当り遊技)での払出予定賞球数(2400個)との合計が所定数(3600個)以上となる。このため、具体例3においても、図柄変動演出開始時に選択された演出パターンに従う演出を特定時点t2で別の特別演出に差し替えて、特定時点t2を過ぎた後は、図柄変動演出を特別演出の内容で継続する。
図25に示す具体例4は、具体例1や具体例2の場合と同一の変動時間を特定する「特定変動パターン」に従って、図柄変動遊技及び図柄変動演出を行う具体例である。また、具体例4も第2保留数が「2」である場合において、「最先保留」を消化することにより、図柄変動遊技と図柄変動演出を開始させる場合を示している。但し、具体例4においては、この最先保留と、この最先保留に続いて処理される保留が「外れ保留」である。
具体例4においては、最先保留に係る変動の開始タイミングが到来すると、第2特別図柄表示部62bで第2特別図柄を用いた外れ変動を開始するとともに、演出表示装置27で疑似図柄を用いた外れ変動を開始する。そして、外れ変動開始後、「所定時点t1」になるまでの間に1個の外れ保留と、1個の当り保留とがこの順で発生したとする。更に、所定時点t1を過ぎた後であって、外れ変動を開始してから第2所定時間(約14秒)が経過するまで(特定時点t2になるまで)の間に1個の外れ保留が発生したとする。なお、所定時点t1に到達する前に生じた当り保留に基づき行われる大当り遊技での払出予定賞球数を「2400個」としている。
具体例4においても、図18に示すように、最先保留を消化するタイミングが到来すると、演出表示装置27において、遊技者にとって味方となるキャラクタ(味方キャラクタ)と遊技者にとって敵となるキャラクタ(敵キャラクタ)とを出現させつつ図柄変動演出を開始する(a1)。そして、この図柄変動演出においても「基準時点」でリーチ表示がなされ(a5)、その後、所謂「リーチ発展演出」を行う。この後、特定時点t2に到達するまで、味方キャラクタと敵キャラクタが徒競走を繰り広げるが(図18のa6、a7、図26のa8)、特定時点t2を過ぎた後の展開が具体例1と異なっている。
つまり、具体例4においても、最先保留を消化して図柄変動演出を開始する際に所定の演出パターンを選択する。そして、図26に示すように、この選択された演出パターンに対応する演出用ムービー(通常演出用ムービー)を再生することで、図柄変動演出が実行される。
この具体例4においては、図25に示すように、最先保留に係る外れ変動の開始から「所定時点t1」に到達するまでの間に、第2判定用乱数メモリ224bに記憶されている「第2判定用乱数情報」の中に「当り保留」が含まれる。このため、特定時点t2を過ぎた後においては、図柄変動演出開始時に選択された演出パターンに従う演出を、別の特別演出に差し替えて図柄変動演出が行われる。つまり、図25に示すように、特定時点t2に到達するまで再生していた「通常演出用ムービー」を特定時点t2で「特別演出用ムービー」に差し替え、「特別演出用ムービー」を用いた図柄変動演出(特別演出)が特定時点t2から実行される。具体的には、図26に示すように、特定時点t2を過ぎると、賞球を示唆する画像、例えば、賞金として積まれた札束を示す画像を表示(カットイン)する(d9)。続いて、味方キャラクタと敵キャラクタとが賞金(ケースに入れられた札束)の獲得合戦(賞金バトル)を展開する(d10)。そして、敵キャラクタが「賞金バトル」に勝利した旨の表示を行った後(d11)、外れ表示を行って図柄変動演出を終了する(d12)。
なお、図26には具体例4に対する比較例が併記されている。この比較例は、外れ変動開始後、「所定時点t1」になるまでの間に当り保留を発生しなかった点が具体例4と異なる。この比較例では、特定時点t2を過ぎた後も、図柄変動演出開始時に選択された演出パターンに従う演出が継続される。具体的には、特定時点t2を過ぎた後も、通常演出用ムービーをそのまま再生することで、味方キャラクタと敵キャラクタとによる徒競走が継続される(a9、a10)。そして、敵キャラクタが徒競走に勝利した旨の表示を行った後(c11)、外れ表示を行って図柄変動演出を終了する(c12)。
具体例2及び具体例3では、先の大当り遊技での払出予定賞球数(1200個)と、後の大当り遊技での払出予定賞球数(2400個)との合計が所定数(3600個)以上となるため、特定時点t2の前後で演出態様が大きく変更される。よって、この図柄変動演出に対面する遊技者の期待感を高め、遊技興趣の向上を図ることができる。また、具体例4では、特別演出の発生により、「今回の図柄変動遊技」および「保留」の何れか一方又は両方に基づく大当り遊技の開始に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。このため、たとえ特別演出を経て外れ報知が行われたとしても、当り保留の存在に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
しかも、具体例2では、「当り変動」に係る「先の大当り遊技」と、「当り保留」に係る「後の大当り遊技」とで得られる賞球数が所定数以上であるため、「先の大当り遊技」と「後の大当り遊技」とを結び付ける大当り連続演出を実行する。そして、この大当り連続演出が実行される場合には、この大当り連続演出をスムーズに実行するために、「先の大当り遊技」が終了してから「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」に辿りつくまでの図柄変動遊技における特別図柄の変動時間として、通常時の変動時間よりも短い特殊な変動時間が設定される。このため、「先の大当り遊技」が終了してから「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」に辿りつくまでに間延びさせることなく、「先の大当り遊技」と「後の大当り遊技」との一体感を醸成することができる。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図27(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図27(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドであり、始動入賞時に使用している変動パターンテーブルに応じて、通常変動用の変動パターン(後述する。)および短縮変動用の変動パターン(後述する。)のうちの何れかが特定される。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させるとともに、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、モード指定コマンドは、「遊技モード設定手段としての主制御部200A(主制御基板200)」が設定している遊技モードを指定するコマンドである。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図28は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、保留情報監視処理(S700)、大当り遊技処理(S800)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図28のS80〜S800の処理を実行するように構成されている。つまり、図28のS80〜S800の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図28のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入賞検出スイッチ17s、17tや大入賞口入賞検出スイッチ31sや一般入賞検出スイッチ40s、41s、43sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入賞検出スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したことを契機に普通図柄表示部63にて普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図28の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図28の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)、或いは、作動させない図柄(普通図柄の外れ図柄)の何れであるかを判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.2秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図29は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図29の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは5秒、通常開放モードでは0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2始動入賞装置17b)の開放中に(S202;NO)、第2始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。なお、本遊技機1では普通電動役物17dの作動に際して普通電動役物ソレノイド17cが駆動されると、普通電動役物17dを構成する第2始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2始動入賞装置17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理(S300)
次に、図30〜図36を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図30に示すように、先ず、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図31に示すS308以降の処理に移行する。
一方、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞したと判断されると(S301a;YES)、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄の保留数(以下、「第1保留数」ということがある。)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において、所定個数未満と判断されると(S302a;YES)、第1始動入賞装置17aへの入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得して、前述の第1判定用乱数メモリ202aに記憶するとともに、「第1保留数」を「+1」した値を第1保留数メモリ202cに記憶する(S303a)。以下、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することを「第1始動入賞」と称することがある。
ここで、S303aの処理において取得して記憶される判定用乱数としては、(a)第1当否判定、つまり第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図1大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1大当り抽選乱数」という。)、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数(特図1図柄決定用乱数)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(特図1小当り抽選)を行う場合、S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図1小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
CPU201は、S303aの処理に続いて、S303aの処理で取得した判定用乱数(特図1大当り抽選乱数)を用いて、「特図1大当り抽選」に関する事前判定(第1事前判定)を行い、その結果を示す情報を第1事前判定結果メモリ202eに記憶する(S304a)。そして、始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S307a)、図31のS308の処理に移行する。ここで、始動入賞時コマンドは前述のように、第1事前判定の結果を示す情報と、第1始動入賞装置17aへの始動入賞後の第1保留数等を示すコマンドである。但し、本実施例と異なり、第1事前判定の結果を示す情報と、第1始動入賞装置17aへの始動入賞後の第1保留数を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
また、第1事前判定において特図1大当り抽選の結果が当選(大当り)となる場合には、この第1事前判定において、「特図1大当り抽選乱数」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行される。そして、S304aの処理は、事前判定の対象となる保留(判定用乱数情報)毎に、当該保留が実際に処理されるとき(実際に図柄変動遊技が開始されるとき)の遊技状態を考慮して行われる。すなわち、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、低確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「低確率用のデータテーブル」を参照して実行される。また、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、高確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「高確率用のデータテーブル」を参照して実行される。
ここで、本遊技機1は始動入賞装置として、第1始動入賞装置17aと第2始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)と、第2始動入賞装置17bに対応する第2特別図柄(以下「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく判定用乱数と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく判定用乱数とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。
また、図30〜図34においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
また、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞装置17dに対応する第2特別図柄の保留数(以下、「第2保留数」ということがある。)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において、所定個数未満と判断されると(S302b;YES)、第2始動入賞装置17bに関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、前述の第2判定用乱数メモリ202bに記憶するとともに、「第2保留数」を「+1」した値を第2保留数メモリ202dに記憶する(S303b)。以下、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することを「第2始動入賞」と称することがある。
ここで、S303bの処理において取得して記憶される判定用乱数としては、(a)第2当否判定、つまり第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図2大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2大当り抽選乱数」という。)、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数(特図2図柄決定用乱数)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図2小当り抽選」という。)を行う場合、S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図2小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
CPU201は、S303bの処理に続いて、S303bの処理で取得した判定用乱数(特図2大当り抽選乱数)を用いて、「特図2大当り抽選」に関する事前判定(第2事前判定)を行い、その結果を示す情報を第2事前判定結果メモリ202fに記憶する(S304b)。そして、始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S307b)、図31のS308の処理に移行する。ここで、始動入賞時コマンドは前述のように、第2事前判定の結果を示す情報と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞後の第2保留数等を示すコマンドである。但し、本実施例と異なり、第2事前判定の結果を示す情報と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞後の第2保留数を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
また、第2事前判定においても、特図2大当り抽選の結果が当選(大当り)となる場合には、この第2事前判定において、「特図2大当り抽選乱数」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行される。そして、S304bの処理も、事前判定の対象となる保留(判定用乱数情報)毎に、当該保留が実際に処理されるとき(実際に図柄変動遊技が開始されるとき)の遊技状態を考慮して行われる。すなわち、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、低確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「低確率用のデータテーブル」を参照して実行される。また、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、高確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「高確率用のデータテーブル」を参照して実行される。
S308の処理では、図31に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図32のS372の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と、「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、第2判定用乱数メモリ202bから最も古い判定用乱数を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数は、S304bで取得したものであって、特図2大当り抽選乱数や特図2図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
この第2当否判定処理(S320b)では、図33に示すように、先ず、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2始動入賞装置17b(普通電動役物)の開放延長機能を作動させる(後述する。)。但し、高確率モードにおいては変動短縮機能及び開放延長機能を作動させない場合を別途設定することもできる。
S324又はS326の処理で行われる当否判定の結果が大当りである場合には(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、第2特別図柄に関する変動開始処理(以下、「特図2図柄変動開始処理」という。)に移行する(図31のS500b)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S330;NO)、「外れフラグ」、つまり「大当りを生じなかったことを示すフラグ」をセット(ONに設定)した後(S339)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1特別図柄に関する当否判定処理(S320a;第1当否判定処理)は、第1判定用乱数メモリ202aから最も古い判定用乱数(S306aで取得した特図1大当り抽選乱数)を読み出して(S316a)、図33に従って同様に行われる。なお、S316aで読み出す判定用乱数は、S304aで取得したものであって、特図1大当り抽選乱数や特図1図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図34に示すように、先ず、第2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S501の処理にて、第2当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S501;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。
この大当り変動設定処理(S510)では、図35に示すように、前述のS316bの処理で読み出した判定用乱数に含まれる図柄決定乱数(特図2図柄決定乱数)を読み出して(S512)、その乱数を用いた乱数抽選の結果に基づき第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後(S514)、「大当り用の変動パターンテーブルを振り分ける処理」を行う(S516以降の処理)。なお、特図1図柄変動開始処理(S500a)においては、前述のS316aの処理で読み出した判定用乱数に含まれる図柄決定乱数(特図1図柄決定乱数)を読み出して(S512)、その乱数を用いた乱数抽選の結果に基づき第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後(S514)、「大当り用の変動パターンテーブルを振り分ける処理」を行う(S516以降の処理)。また、特図2図柄決定乱数を用いた乱数抽選によって第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)する処理と、特図1図柄決定乱数を用いた乱数抽選によって第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)する処理は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「大当り態様実行手段」として行う処理の具体例を構成する。
この「変動パターンテーブルを振り分ける処理」においては、先ず、「特殊変動カウンタの値がゼロより大きいか否か」が判断される(S516)。この特殊変動カウンタは、現在、特殊変動パターンテーブルを使用すべき期間内であるか否か(つまり、特殊変動モードであるか否か)を示すカウンタであり、この期間内(特殊変動モード中)である場合、「正数」とされる。そして、この特殊変動パターンテーブルを使用すべき期間内でない(特殊変動モード中でない)と判断されると(S516;NO)、遊技機1の遊技状態(遊技モード)に応じて変動パターンテーブルの振り分けを行う。
つまり、本遊技機1では、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合、一律に変動短縮フラグはセット(ONに設定)に設定された状態となる(図12、図13、図42を参照)。このため、本遊技機1では、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合(S520;YES)、遊技機1の遊技状態は「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である。このため、図37(a)の「高確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルをセットした後(S524)、S536の処理に移行する。なお、本実施例と異なり、所謂「潜伏確変大当り」を生じ得る場合には、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合においても、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)された状態となる。この場合、大当り確率が高確率であって通常変動を行う遊技状態(高確率通常変動モード)となる場合が、この場合においては、図37(a)及び後述する図37に「高確率通常変動モード」用の変動パターンテーブルが付加される。
また、確変フラグが解除(OFFに設定)されている状態で、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S520;NO、S528;YES)、遊技機1の遊技状態は「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である。この場合、図37(a)の「低確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルをセットした後(S530)、S536の処理に移行する。更に、確変フラグ及び変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S520;NO、S528;NO)、遊技機1の遊技状態は「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である。この場合、図37(a)の「低確率・通常」と表記する欄の変動パターンテーブルをセットした後(S532)、S536の処理に移行する。
また、図37及び後述する図38に示す各変動パターンテーブルに記憶された変動パターンのうち「丸印」を付加したものが「特定変動パターン」である。そして、本実施例では、27秒以上の変動時間を特定する変動パターンの中から「特定変動パターン」を選択している。なお、図37(a)及び後述する図38には説明の便宜のため、少数の変動パターンを記憶した変動パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの変動パターンテーブルには「変動パターン決定乱数の値」に対応付けられた多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、図37(a)及び図38に図示しない変動パターンの中にも「特定変動パターン」が存在するが、それらの「特定変動パターン」も27秒以上の変動時間を特定する。
また、S516の処理において肯定的な判断がなされると、「現在、特殊変動パターンテーブルを使用すべき期間(所定期間)」内、すなわち「特殊変動モード」中であるため、図37(b)に示す「特殊変動パターンテーブル」をセットした後(S518)、S536以降の処理に移行する。この「特殊変動パターンテーブル」は、実際の遊技モードに拘わらずに使用される変動パターンテーブルである。但し、本実施例では、当り変動用の変動パターンとして、「特殊変動パターン」が選択されることはない(後述する)。なお、後述する変形例2及び実施例2においては、当り変動用の変動パターンとして、「特殊変動パターン」が選択されることがある。
ここで、本実施例において、図37(a)の「低確率・通常」と表記する欄の変動パターンテーブルは、「通常変動を特定するための通常変動パターンテーブル」であり、図37(a)の「高確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブル及び図37(a)の「低確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルは、「通常変動よりも短い変動時間が特定される可能性」が高い「短縮変動用の変動パターンテーブル」である。なお、本遊技機1が高確率通常変動モードを実行する場合に選択される変動パターンテーブル、つまり、「高確率通常変動モード用の変動パターンテーブル」も、「通常変動を特定するための通常変動パターンテーブル」に含まれる。
そして、「特殊変動パターンテーブルに従って特定される変動時間」は、「通常変動用の変動パターンテーブルに従って特定される変動時間」及び「短縮変動用の変動パターンに従って特定される変動時間」よりも短くされる。具体的には、図37(b)に示すように、特殊変動パターンテーブルには1個の変動パターン(特殊変動パターン)のみが記憶され、この変動パターン(特殊変動パターン)に特定される変動時間は「0.2秒」とされている。つまり、「特殊変動パターンテーブル」を用いると、遊技機1の遊技状態(高確率状態など)を考慮することなく、「一定の変動時間」が特定される。ここで、「通常変動用の変動パターンテーブルに従って特定される変動時間」及び「短縮変動用の変動パターンに従って特定される変動時間」は、「通常の変動時間」の具体例を構成する。
なお、本遊技機1では、当り変動の実行中において演出差し替え実行手段によって図柄変動演出が前記特別演出に差し替えられない場合に、先の大当り遊技を終了した後の図柄変動遊技においては、次回の大当りを生ずるまで(確変大当りの場合)若しくは所定の期間(図柄変動遊技を100回行う間)、「短縮変動用の変動パターンテーブル」が使用される(図12、図13を参照)。但し、本遊技機1が「高確率通常変動モード」をも実行する場合には、「短縮変動用の変動パターンテーブル」若しくは「通常変動パターンテーブル」が使用されることになる。
また、本遊技機1では、大当り遊技として遊技球の入賞が容易な態様で大入賞口31aを開放させる第1大当り遊技(大当り遊技A、B、C)のみを実行するが、この第1大当り遊技の他に、遊技球の入賞が困難な態様で大入賞口31aを開放させる第2大当り遊技を実行してもよい。例えば、大入賞口31aを0.1秒〜1秒のうちから選択される何れかの秒数(例えば、0.2秒)開放させるラウンド遊技を2回(2ラウンド)行うことを内容とした第2大当り遊技を実行してもよい。この場合、第1大当り遊技の実行契機となる大当り(以下、「第1大当り」という。)を発生させる場合と、第2大当り遊技の実行契機となる大当り(以下、「第2大当り」という。)を発生させる場合とでは、図35のS514の処理で設定される大当り図柄が異なったものとなる。そして、S550、S570若しくはS580の処理においては、「第1大当り」を発生させる場合と、「第2大当り」を発生させる場合とでは、別の変動パターンテーブルがセットされる。
以上のようにして何れかの変動パターンテーブルがセットされた後に行われるS536の処理では、変動パターン決定乱数(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数)を取得する(S536)。そして、S518、S524、S530若しくはS532の処理でセットした変動パターンテーブルと、S560の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを設定(決定)した後(S538)、図34のS590の処理に移行する。ここで、このS538の処理は、後述するS584の処理とともに、「CPU201が行う変動時間設定手段としての処理」の具体例を構成する。また、S538の処理の処理と、後述する図36のS584の処理は、「CPU201が行う変動時間決定抽選としての処理」の具体例を構成する。
また、図34のS501の処理で否定的な判断がなされる場合、つまり、当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」でない場合(S501;NO)に外れ用の変動設定処理(S540)を行う。この変動設定処理(S540)においは、先ず、「特殊変動カウンタの値がゼロより大きいか否か」が判断され(S541)、否定的な判断がされると、遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して変動パターンテーブルの振り分けを行う。
つまり、遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であって(S545;YES)、リーチ演出を行わない場合には、図38の「高確率・短縮」と表記された欄のうち「リーチ演出なし」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルをセットした後(S550)、S582の処理に移行する。また、遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であって(S545;YES)、リーチ演出を行う場合には、図38の同欄のうち「リーチ演出あり」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルをセットした後(S550)、S582の処理に移行する。
また、遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であって(S545;NO、S548;YES)、リーチ演出を行わない場合には、図38の「低確率・短縮」と表記された欄のうち「リーチ演出なし」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルをセットした後(S570)、S582の処理に移行する。また、遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であって(S545;NO、S548;YES)、リーチ演出を行う場合には、図38の同欄のうち「リーチ演出あり」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルをセットした後(S570)、S582の処理に移行する。
更に、遊技機1の遊技モードが「低確率通常変動モード」であって(S545;NO、S548;NO)、リーチ演出を行わない場合には、図38の「低確率・通常」と表記された欄のうち「リーチ演出なし」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルをセットした後(S580)、S582の処理に移行する。また、遊技機1の遊技モードが「低確率通常変動モード」であって(S545;NO、S548;NO)、リーチ演出を行う場合には、図38の同欄のうち「リーチ演出あり」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルをセットした後(S580)、S582の処理に移行する。
また、S541の処理において肯定的な判断がなされると、「現在、特殊変動パターンテーブルを使用すべき期間(所定期間)」内、すなわち「特殊変動モード」中であるため、図37(b)に示す「特殊変動パターンテーブル」をセットした後(S543)、S582以降の処理に移行する。この「特殊変動パターンテーブル」は、実際の遊技モードに拘わらずに使用される変動パターンテーブルである。そして、本実施例では、外れ変動用のの変動パターンとして、この「特殊変動パターン」が選択されることがある(後述する)。
以上のようにして何れかの変動パターンテーブルがセットされた後に行われるS582の処理では、変動パターン決定乱数(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数)を取得する(S582)。そして、S543、S550、S570若しくはS580の処理でセットした変動パターンテーブルと、S582の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを設定(決定)する(S584)。このS584の処理の後、CPU201は、図柄決定乱数を取得し(S586)、停止図柄を設定する処理を行った後(S588)、図34のS590の処理に移行する。ここで、特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、S586及びS588の処理で、第2の特別図柄表示部62bに停止表示される「外れ図柄」が設定され、特図1図柄変動開始処理(S500a)においては、S586及びS588の処理で、第1の特別図柄表示部62aに停止表示される「外れ図柄」が設定される。なお、図柄決定乱数はS586の処理を実行する時点で発生させてもよいし、S303b若しくはS303aの処理(図30参照)で発生させてもよい。
ここで、図38に示す変動パターンのうち、変動短縮機能が作用しているときに選択される変動パターンによって特定される変動時間は、変動短縮機能が作用していないときに選択される変動パターンによって特定される変動時間に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄に関する保留数と、リーチ演出の有無を考慮して変動時間の長短が決定される。つまり、リーチ演出を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ演出を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる。そして、図38に示すように、変動短縮機能が作用しつつリーチ演出を行う場合には、変動短縮機能が作用せずにリーチ演出を行わない場合に比べて、変動時間が長くされることがある。
また、特別図柄の保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が少ない場合(例えば、「ゼロ」若しくは「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、「2」〜「4」の場合)には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向が強い。但し、図38に示すように、リーチ演出を行う場合には、保留数に多少に係わらず、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択される。
本実施例では、前述のように、本遊技機1の遊技モードが特殊変動モードである場合には、一律に図37(b)に示す特殊変動パターンが選択される。つまり、特殊変動がセット(ONに設定)されている場合には、当該遊技機1の遊技モードが変動モード(短縮変動モード、通常変動モード)や確率モード(高確率モード、低確率モード)が何れであっても、保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が何れであっても、一律に特殊変動パターンが選択される。そして、この特殊変動パターンによって特定される変動時間(0.2秒)は、図37(a)及び(b)に示す何れの変動パターンによって特定される変動時間よりも短くされる。ここで、本実施例では、外れ用の変動パターンによって特定される変動時間のうち、特殊変動パターンによって特定される変動時間以外のものであって、最短の変動時間をとして「2秒」を予定している(図38では図示を省略)。このため、特殊変動パターンによって特定される変動時間(0.2秒)は、当該最短の変動時間の「1/10」となっている。
また、図37(b)に示す「0.2秒」と、図38の「リーチ演出なし」と記載された変動パターンテーブルを用いて設定される変動時間は「短変動時間」の具体例を構成し、サブ制御基板220のCPU220aが、これらの「短変動時間」に対応して選択する演出パターン(図45、図46を参照)が「短演出パターン」の具体例を構成する。更に、図37(a)に示す変動パターンテーブルを用いて設定される変動時間と、図38の「リーチ演出あり」と記載された変動パターンテーブルを用いて設定される変動時間は「長変動時間」の具体例を構成し、サブ制御基板220のCPU220aが、これらの「長変動時間」に対応して選択する演出パターン(図45、図46を参照)が「長演出パターン」の具体例を構成する。
なお、本実施例で述べる各変動パターンテーブルは、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すものである。そして、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード(高確率短縮変動モード)」及び「通常確率開放延長モード(通常確率短縮変動モード)」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。
図34に戻って更に説明すると、S510若しくはS540の処理の後、CPU201は第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動表示を開始するとともに(S590)、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって特図2の変動表示の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、CPU201は、サブ制御基板220に向かって第2特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「第2保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するための保留数指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、S596の処理に移行する。
なお、サブ制御基板220が保留数指定コマンドを受信すると、第2保留数情報メモリ224bの値が「−1」される(図11を参照)。以上の図30〜図36に示す特別図柄遊技処理(S300)に従う「特別図柄の変動表示の開始から終了(停止表示)に至るまでの処理」は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「図柄変動遊技実行手段」として行う処理の具体例を構成する。また、特図1図柄変動開始処理(S500a)においては、S510若しくはS540の処理の後、CPU201は第1特別図柄表示部62aにて第1特別図柄(特図1)の変動表示を開始するとともに(S590)、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって特図1の変動表示の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。更に、CPU201は、「第1保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するための保留数指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、S596の処理に移行する。この場合、サブ制御基板220が保留数指定コマンドを受信すると、第1保留数情報メモリ223bの値が「−1」される(図11を参照)。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図27に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が何れであるかを知ることができる。つまり、特図2図柄変動開始処理(S500b)においては図13に示す大当りの種類を知ることができ、後述する特図1図柄変動開始処理(S500a)においては図12に示す大当りの種類を知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
S596の処理では、S510若しくはS540の処理で設定(決定)された変動パターンが「特定変動パターン」であるか否かを判断する。そして、「特定変動パターン」でない場合(S596;NO)には、そのまま特図2図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、「特定変動パターン」である場合(S596;YES)には、保留情報監視タイマをセットする処理(保留情報監視タイマによる時間計測を開始させる処理)を行った後(S598)、特図2図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。なお、特図1図柄変動開始処理(S500a)においても、特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に、S596の処理等を行う。
ここで、保留情報監視タイマは、図柄変動遊技(図柄変動演出)の進行が前述の「所定時点t1」(図16,17,24,25参照)に到達したか否かを示すタイマであり、このタイマがタイムアップされたときに、事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果に基づき、大当り連続演出の実行の可否が決定される(後述する。)。換言すると、特殊演出予定フラグ(後述する)をセット(ONに設定)するか否かが判断される。
図31に戻り、「第2特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1判定用乱数メモリ202aから最も古い判定用乱数を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理も、S320bと同様に図33に従って行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図34に従って行われる。つまり、S320aの第1当否判定処理では、図33に示すフロー図に従って第1当否判定が実行され、S500aの特図1図柄変動開始処理では、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき、変動パターンを設定する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を設定する処理等を行った後(S510、S540)、S590、S592、S595、S596(S596及びS598)の処理が実行される。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図31参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図28の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図32のS352)。
図32のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類」、「特殊変動カウンタの値」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。ここで、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。また、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」、「特殊変動フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態(遊技モード)を示すデータがセットされる。また、「確変フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が高確率モード(確率変動手段が作動するモード)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が変動短縮モード(図柄変動表示の実行時間が短くなる可能性が高くなるモード)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(本実施例の第2始動入賞装置17bのような「可変式の始動入賞装置」の開放時間を長くするモード)にあることを示すフラグである。
S354の処理に続いて、発生した大当りの態様に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。つまり、「4R通常大当り」若しくは「4R確変大当り」が発生した場合には、前述のラウンド遊技を「4ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「8R通常大当り」若しくは「8R確変大当り」が発生した場合には、前述のラウンド遊技を「8ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。更に、「16R通常大当り」若しくは「16R確変大当り」が発生した場合には、前述のラウンド遊技を「16ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。
S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S372)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技開始指定コマンド」を送信する。
S372の処理に続いて、特殊変動フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S374)、解除(OFFに設定)されていれば(S374;NO)、そのままS380の処理に移行する。一方、特殊変動フラグがセット(ONに設定)されている場合(S374;YES)には、特殊変動カウンタを初期化する処理(S376)と、特殊変動フラグを解除(OFFに設定)する処理(S378)とを行った後、S380の処理に移行する。つまり、CPU201は、大当りの発生時において、特殊変動モードである場合には、この特殊変動モードを終了させることとする。なお、大当り発生時の特殊変動カウンタの値や、特殊変動フラグの状態を、前述の「バッファ」を参照して判断することができる。
次に、S380以降の処理について説明する。ここで、S372の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、S384の処理に移行する。そして、S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図28の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図28の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図41)が開始され、大当り遊技が実行される。
次に、図32のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、特殊変動フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S390)。すなわち、「特殊変動モード」中に生じた「外れ」であるか否かが判断され(S390)、否定的な判断がなされる場合(S390;NO)、そのままS398以降の処理に移行する。
一方、「特殊変動モード」中に生じた「外れ」であると判断されると(S390;YES)、特殊変動カウンタの値を「−1」した後(S392)、特殊変動カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断し(S394)、「ゼロ」にならない場合(つまり、正数である場合)には(S394;NO)、そのままS398以降の処理に移行し、「ゼロ」になった場合(S394;YES)には、特殊変動フラグを解除(OFFに設定)する処理(S396)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S397)とを行った後、S398以降の処理に移行する。ここで、「モード指定コマンド」とは、特殊変動カウンタ及び遊技状態フラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグ)に基づいて、現在の遊技モードが「低確率通常変動モード」、「低確率短縮変動モード」、「高確率短縮変動モード」、「特殊変動モード」等の何れであるかを指定するコマンドである。但し、本遊技機において発生する大当りに「潜伏確変大当り」が含まれる場合には、この遊技モードに更に「高確率通常変動モード」が含まれることになる。
後述するように、本実施例では、「当り変動の実行中において、図柄変動演出が特別演出に差し替えられること」を前提として、当該当り変動に係る大当り遊技(先の大当り遊技)の終了時に、特殊変動カウンタがセットされる。つまり、本来、遊技モードを「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」とすべき状態にあるときに、特殊変動フラグをセット(ONに設定)し、特殊変動カウンタに所定数(後述する)をセットする。従って、S390の処理の肯定判断とS392の処理を経て特殊変動カウンタの値が「ゼロ」ということは、遊技モードが「特殊変動モード」から「短縮変動モード」に切り替わることを示している。つまり、S397の処理においては、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」を指定する「モード指定コマンド」が送信される。そして、本実施例では、後の大当り遊技の開始契機となる図柄変動遊技が、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」で実行される。
S398の処理では変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される。そして、変動短縮フラグがセットされていない場合(S398;NO)、つまり、外れ発生時の遊技モードが「低確率通常変動モード」である場合、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図28の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わるか、或いは、高確率短縮変動モードから高確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図28の遊技制御処理に復帰する。ここで、S430の処理では、低確率通常変動モード或いは高確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信されるはずであるが、確変大当り(16R確変大当り、8R確変大当り、4R確変大当り)」を生ずると、変動短縮カウンタの初期値が「10,000」にセットされる。そして、確変大当りを生ずると、S404の肯定判断を生ずることはあり得ないため(パチンコホールの始業時に変動短縮カウンタをリセットする点と、一日当りの特別図柄の変動回数が10,000に到達することがない点とを考慮して、あり得ない。)、そのような状況下からS430の処理において、「高確率通常変動モード」を指定するモード指定コマンドが送信されることはない。
E.保留情報監視処理(S700)
この保留情報監視処理(S700)は、大当り連続演出(特殊演出)の実行の可否を決定するための処理である。この保留情報監視処理(S700)においては、図39に示すように、CPU201は、保留情報監視タイマがセットされている(保留情報監視タイマが時間計測を行っている)か否かを判断する(S705)。ここで、「保留情報監視タイマ」は、図柄変動遊技の進行が前述の「所定時点t1」(図16,17,24,25参照)に到達したか否かを示すタイマであり、このタイマがタイムアップされているときに、大当り連続演出(特殊演出)の実行の可否が決定される(後述する。)
保留情報監視タイマがセットされていない(クリアされている)場合(S705;NO)、CPU201は、そのまま保留情報監視処理(S700)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、保留情報監視タイマがセットされている場合(S705;YES)、CPU201は、保留情報監視タイマがタイムアップしているか否かを判断する(S710)。つまり、保留情報監視タイマがセットされている場合(S705;YES)には、今回の図柄変動遊技を開始してから「所定時点t1」に到達したか否かが判断される(S710)。そして、保留情報監視タイマがタイムアップしていない場合には(S710;NO)、一旦、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、保留情報監視タイマがタイムアップしている場合には(S710;YES)、その時点(所定時点t1)で記憶している保留(事前判定結果を示すデータ)の中に大当りとなる保留、つまり「当り保留」があるか否かを判定する(S715)。具体的には、開放延長手段が作動して、第2当否判定を主体とする遊技が行われている場合、CPU201は、第2事前判定結果メモリ202fに記憶されている判定結果情報に基づいて、「当り保留」があるか否かを判定する(S715)。また、開放延長手段が作動を停止して、第1当否判定を主体とする遊技が行われている場合、CPU201は、第1事前判定結果メモリ202eに記憶されている判定結果情報に基づいて、「当り保留」があるか否かを判定する(S1330)。
なお、本実施例では、始動入賞時に事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)を行い、図39のS715の処理で、当該事前判定の結果を参照する態様を例示するが、S715の処理において事前判定を行うこととしてもよい。つまり、開放延長手段が作動して、第2当否判定を主体とする遊技が行われている場合、CPU201は第2判定用乱数メモリ202bに記憶されている保留(判定用乱数を示すデータ)について事前判定を行い、「当り保留」があるか否かを判定する(S715)。また、開放延長手段が作動を停止して、第1当否判定を主体とする遊技が行われている場合、CPU201は第1判定用乱数メモリ202aに記憶されている保留(判定用乱数を示すデータ)について事前判定を行い、「当り保留」があるか否かを判定するこことしてもよい(S715)。なお、S715の処理において事前判定を行う場合、当該事前判定の対象となる保留(判定用乱数情報)毎に、当該保留が実際に処理されるとき(実際に図柄変動遊技が開始されるとき)の遊技状態を考慮して行われる。すなわち、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、低確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「低確率用のデータテーブル」を参照して実行される。また、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、高確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「高確率用のデータテーブル」を参照して実行される。
S715の処理で、「当り保留」がないと判定される場合には(S715;NO)、保留情報監視タイマをクリア(初期化)する処理(S745)を行った後、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、S715の処理で「当り保留」があると判定される場合には(S715;YES)、現在実行中の図柄変動遊技が当り変動であるか否かを判断し(S720)、当り変動である場合には(S720;YES)、S725の処理に移行する。このS725の処理では、現在実行中の図柄変動遊技を経て行われる「先の大当り遊技」での払出予定賞球数と、記憶されている当り保留に基づき行われる「後の大当り遊技」での払出予定賞球数との合計(以下、単に「合計数」という。)が所定数(本実施例では3,600)以上であるか否かを判定する(S725)。
ここで、図40を用いてS725の処理の判定例を説明する。但し、何れの判定例においても、現在実行中の図柄変動遊技を経て行われる「先の大当り遊技」での払出予定賞球数を「1200個」とする。そして、図40(a)に示す判定例1は、第2事前判定結果メモリ202fに記憶されている判定結果情報に基づき、当り保留が1個存在するとともに、当該当り保留に基づき行われる「後の大当り遊技」での払出予定賞球数が「1200個」であると判定される場合を示している。また、図44(b)に示す判定例2は、第2事前判定結果メモリ202fに記憶されている判定結果情報に基づき、当り保留が1個存在するとともに、当該当り保留に基づき行われる「後の大当り遊技」での払出予定賞球数が「2400個」であると判定される場合を示している。この場合、判定例2では「合計数」が「3,600個」となるため、S725の処理において肯定的な判定がなされる。
図39に戻って更に説明すると、「合計数」が所定数未満の場合には(S725;NO)、保留情報監視タイマをクリア(初期化)する処理(S745)を行った後、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28に示す遊技制御処理に復帰する。一方、「合計数」が所定数以上の場合には(S725;YES)、「次の当り保留に先だって消化される外れ保留」が存在するか否か判断する(S730)。ここで、前述の設例2においては、「次の当り保留に先だって消化される外れ保留」が「2個」存在するため、S730の処理において肯定的な判断がなされる。
そして、S730の処理で否定的な判断がなされる場合には(S730;NO)、保留情報監視タイマをクリア(初期化)する処理(S745)を行った後、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。つまり、先の大当り遊技を終了すると、外れ変動を挟むことなく、直ちに「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」が開始される場合、本実施例では、大当り連続演出(特殊演出)を実行することはない。これに対して、そして、S730の処理で肯定的な判断がなされる場合には(S730;YES)、特殊演出予定フラグが解除(OFFに設定)されているか否かを判断し(S732)、セットされていれば(S732;NO)、保留情報監視タイマをクリア(初期化)する処理(S745)を行った後、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、特殊演出予定フラグが解除(OFFに設定)されていれば(S732;YES)、特殊演出予定フラグをセット(ONに設定)する処理を行い(S735)、更に、保留情報監視タイマをクリア(初期化)する処理(S745)を行った後、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28の遊技制御処理に復帰する。この場合、大当り連続演出(特殊演出)を実行することになる(後述する。)
F.大当り遊技処理(S800)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図28の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図41に示す大当り遊技処理(S800)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S802;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。この処理により、本遊技機1では「大当り遊技A」、「大当り遊技B」若しくは「大当り遊技C」が実現される。なお、大当り遊技処理(S800)は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「大当り遊技実行手段」として行う処理の具体例を構成する。
図41は、大当り遊技処理(S800)の流れを示すフローチャートである。各大当りラウンドが開始されると、前述のように、各大当りラウンドにおいて予定されている大入賞口31aの開放動作を完了するか、大入賞口31aへの遊技球の入球数が規定入賞数(10個)になると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この後、所定の待機時間(例えば2秒)を経て、「大当り遊技の終了条件」が成立していなければ、次の「大当りラウンド」が開始される。そして、この「大当りラウンド」を所定回数(4回、8回若しくは16回)繰り返すと大当り遊技を終了する。以下、図41〜図42を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技を開始すると(S802;YES)、先ず、「大当りラウンド」を実行中か否かを判断する(S804)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態(図柄変動遊技状態)」では閉鎖状態を維持しており、大当り遊技の開始直後は、未だ「大当りラウンド」を実行していない。このため、大当り遊技の開始直後は「大当りラウンド」を実行中ではないと判断され(S804;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S812)。つまり、「大当りラウンドの実行回数」が対応する大当り遊技の設定回数に達したか否かを判断する(S812)。
但し、大当り遊技が開始された直後は大当り遊技の終了条件が成立しないため、S812の処理では必然的に否定的な判断がなされる(S812;NO)。このため、S814の処理に移行して待機時間が経過したか否かを判断する(S814)。ここで、「待機時間」は大入賞口31aが閉鎖状態を維持するとともに、演出表示装置27の表示画面27aにおいて「インターバル演出」が実行される時間、つまり、「インターバル時間」であって、本実施例では2秒に設定している。ところが、大当り遊技が開始された直後は、大当りラウンドを実行していない状態となっているから、必然的に、待機時間が経過していると判断され(S814;YES)、大当りラウンドを開始させた後(S816)、図41に示した大当り遊技処理を一旦終了して図28の遊技制御処理に復帰する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド(ラウンド遊技)」を開始させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「ラウンド開始指定コマンド(図中、R開始Cと表記)」を送信する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図28に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S800)を開始する。この際、前述のように、図28に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図41に示す大当り遊技処理(S800)も、約4msec毎に繰り返して実行される。
そして、S804の処理で肯定的な判断がなされると「当該大当りラウンドにおける開放動作」を完了したか否かが判断される(S806)。つまり、大入賞口31aの開放時間が30秒になったか否かが判断される。そして、S806の処理で肯定的な判断がされると、当該大当りラウンドを終了した後(S810)、図41に示した大当り遊技処理(S800)を抜けて、図28の遊技制御処理に復帰する。一方、S806の処理で否定的な判断がなされる場合は(S806;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定入賞数に達しているか否かを判断する(S808)。
そして、遊技球の入賞数が規定入賞数に達した場合も(S808;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S810)、図41に示した大当り遊技処理(S800)を抜けて図28の遊技制御処理に復帰する。つまり、遊技球の入賞数が規定入賞数に達すると、大当りラウンドにおいて予定されている開放動作の完了を待たずに当該ラウンド遊技において開閉対象となっている大入賞口31aを閉鎖する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド」、つまり「ラウンド遊技」を終了させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了指定コマンド(図中、R終了Cと表記)」を送信する。
一方、当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作が完了せず(S806;NO)、しかも、入賞数が規定入賞数に達していない場合は(S808;NO)、大当りラウンドを継続させたまま、図41の大当り遊技処理を抜けて、図28の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(S802;YES)、図28の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、S806の処理で肯定的な判断がなされるか、若しくは、S808の処理で肯定的な判断がなされる。こうして、1回の大当りラウンドを終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S800)が実行され、S804において「大当りラウンド」を実行中でないと判断されると(S804;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S812)。つまり、その大当り遊技中に実行した「大当りラウンド数」が、前述の「図32のS370の処理」によって最終ラウンドとして設定されているラウンド数(4、8若しくは16)に達したか否かが判断される。そして、実行した「大当りラウンド」の回数(ラウンド数)が最終ラウンドのラウンド数に到達していなければ(S812;NO)、待機時間(2秒)が経過したことを確認した後(S814;YES)、新たな大当りラウンドを実行する(S816)。
一方、S812の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合は(S812;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S800)」を行った後、大当り遊技処理(S800)を終了し、図28の遊技制御処理に復帰する。この大当り遊技終了時処理(S900)が起動すると、CPU201は、図42に示すように、大当り遊技フラグ(図32のS372を参照)を解除(OFFに設定)した後(S905)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図32のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)の種類に関する情報を取得し(S910)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モードを設定する処理等を行う。
つまり、今回の大当り図柄(図31のS344の処理で停止した図柄)が「通常大当り図柄」であった場合には(S920;NO)、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S940)と、変動短縮フラグをセットする処理(S950)と、開放延長フラグをセットする処理(S955)とを行った後、特殊演出予定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S960)。そして、S960の処理で否定的な判断がなされる場合には(S960;NO)、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であることを指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S970)、大当り遊技終了時処理(S900)を終了する。
これに対して、S960の処理で肯定的な判断がなされる場合には(S960;YES)、特殊変動フラグをセット(ONに設定)する処理(S962)と、特殊演出予定フラグを解除(OFFに設定)する処理(S964)と、「次の当り保留に先立ち処理される外れ保留の個数」を特殊変動カウンタにセットする処理(S966)とを行った後、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「特殊変動モード」であることを指定するモード指定コマンドを、サブ制御基板220に送信した後(S970)、大当り遊技終了時処理(S900)を終了する。この場合、次の当り保留を消化することによって実行される当り変動を実行する際の遊技モードは、「低確率短縮変動モード」とされる。つまり、図32において、S394の処理で肯定的な判断がなされた直後に図柄変動遊技を開始する際の遊技モードは「低確率短縮変動モード」とされる。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は(S920;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S922)と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理(S935)と、変動短縮フラグをセットする処理(S950)と、開放延長フラグをセットする処理(S955)とを行った後、特殊演出予定フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S960)。そして、S960の処理で否定的な判断がなされる場合には(S960;NO)、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であることを指定するモード指定コマンドを、サブ制御基板220に送信した後(S970)、大当り遊技終了時処理(S900)を終了する。
これに対して、S960の処理で肯定的な判断がなされる場合には(S960;YES)、特殊変動フラグをセット(ONに設定)する処理(S962)と、特殊演出予定フラグを解除(OFFに設定)する処理(S964)と、「次の当り保留に先立ち処理される外れ保留の個数」を特殊変動カウンタにセットする処理(S966)とを行った後、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「特殊変動モード」であることを指定するモード指定コマンドを、サブ制御基板220に送信した後(S970)、大当り遊技終了時処理(S900)を終了する。この場合、次の当り保留を消化することによって実行される当り変動を実行する際の遊技モードは、「高確率短縮変動モード」とされる。つまり、図32において、S394の処理で肯定的な判断がなされた直後の図柄変動遊技を開始する際の遊技モードは「高確率短縮変動モード」とされる。
なお、主制御部200Aは、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)する(S905)タイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技終了指定コマンド(図中、R終了Cと表記)」を送信する。
(7)演出制御処理(S900)
次に、図43を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図43には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。
この演出制御処理(S900)では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間、保留発生時処理(S1000)、図柄変動演出処理(S1100)、図柄変動演出差替処理(S1300)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図43の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図43のフロー図に従ってサブ制御処理について説明する。
a.保留発生時処理(S1000)
保留発生時処理(S1000)においては、図44に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、この始動入賞時コマンドによって特定される保留数に関する情報と、事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報を記憶する(S1010)。
具体的には、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第1事前判定の結果に関する情報」を第1事前判定結果情報メモリ226bに記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する(図11を参照)。また、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第2事前判定の結果に関する情報」を第2事前判定結果情報メモリ227bに記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する(図11を参照)。
CPU220aは、S1010の処理に続いて、演出表示装置27の表示画面27aに保留数に関する画像を追加表示する処理を行う(S1020)。具体的には、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、第1保留表示領域(D1、D2、D3、D4)において、使用中(点灯表示中)の表示部(D1〜D4)の数を1個増加させ、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、第1保留表示領域(E1、E2、E3、E4)において、使用中(点灯表示中)の表示部(D1〜D4)の数を1個増加させる(図5を参照)。そして、CPU220aはS1020処理を行うと、保留発生時処理(S1000)を終了し、図43に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
b.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)においては、図45に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、今回の図柄変動遊技の変動パターンとして特定変動パターンが指定されているか否かを判断する(S1110)。
ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。このため、サブ制御部220Aは、受信した「変動パターン指定コマンド」に基づき、S1110の処理を実行可能であるとともに、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。
S1110の処理で特定変動パターンが指定されていないと判断される場合には(S1110;NO)、図46に示すように、今回の図柄変動遊技の変動パターンとして特殊変動パターンが指定されているか否かを判断する(S1140)。つまり、サブ制御基板220のCPU220aは、受信した変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンド、特別図柄停止情報指定コマンド)に基づいて、現在の遊技モードが特殊変動モードであるか否かを判断する。なお、サブ制御基板220のCPU220aは、前述のS960の処理(図42)によって、主制御基板200から送信されるモード指定コマンドによっても、現在の遊技モードが特殊変動モードであるか否かを判断することができる。
そして、今回の図柄変動遊技の変動パターンとして、特定変動パターンが指定されていないとともに特殊変動パターンも指定されていないと判断される場合には(S1110;NO、S1140;NO)、図柄変動演出の演出パターン(通常演出用)と、停止図柄を選択(決定)してセットする処理を行った後(S1150)、図柄変動演出を開始して(S1155)、図45のS1165以降の処理に移行する。
また、今回の図柄変動遊技の変動パターンとして、特殊変動パターンが指定されていると判断される場合には(S1110;NO、S1140;YES)、図柄変動演出の演出パターン(継続演出用)と、停止図柄を選択(決定)してセットする処理を行った後(S1145)、図柄変動演出を開始して(S1155)、図45のS1165以降の処理に移行する。ここで、S1145の処理でセットされる「継続演出用の演出パターン」は、大当り遊技が連続することを示唆する大当り連続演出(継続演出)を実行するための演出パターンである。また、S1150の処理若しくは後述するS1120の処理でセットされる「通常演出用の演出パターン」は、大当り連続演出(継続演出)以外の図柄変動演出(通常の図柄変動演出)を実行するための演出パターンである。
図45のS1110の処理において、特定変動パターンが指定されていると判断される場合には(S1110;YES)、「差し替え可能フラグ」をセット(ONに設定)する処理を行った後(S1115)、図柄変動演出の演出パターン(通常演出用)と、停止図柄を選択(決定)してセットする処理を行う(S1120)。そして、図柄変動演出を開始する処理(S1125)と、差し替え監視タイマの作動を開始する処理(S1130)とを行った後、S1165以降の処理に移行する。
ここで、S1120の処理と、S1145の処理、S1150の処理は、当否判定の結果に基づいて実行される。つまり、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき当否判定(S320a,S320b)の結果が大当りと判断する場合に、受信した「変動パターン指定コマンド」と「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき「大当り演出用の演出パターン」及び「大当り図柄」を決定する処理を行う。この「大当り演出用の演出パターン」によって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示(リーチ演出)の態様等が決定される。また、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様が決定される。
一方、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき当否判定(S320a,S320b)の結果が外れであると判断する場合には、受信した「変動パターン指定コマンド」と「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、「外れ演出用の演出パターン」及び「外れ図柄」を決定する処理を行う。この「外れ演出用の演出パターン」によって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示(リーチ演出)の実行有無、リーチ表示(リーチ演出)を実行する場合のリーチ表示の態様(リーチ演出の態様)等が決定される。また、「外れ図柄」として、「外れを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様が決定される。
また、S1120の処理と、S1145の処理、S1150の処理では、疑似図柄に関する演出表示の実行態様や停止図柄の態様の他に、その他の演出要素に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等が選択・セットされる。つまり、疑似図柄以外の表示演出要素(背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像)に関する演出態様、音声演出要素に関する演出態様、発光演出要素に関する演出態様が選択・セットされる。また、補助図柄の変動表示態様や停止態様が選択・セットされる。
但し、S1145の処理及びS1155の処理に経て開始する図柄変動演出においては、リーチ演出を行わないばかりか、疑似図柄の変動表示自体も行わないため、「外れを確定表示する疑似図柄」を決定する処理等を行う必要がない。よって、S1145の処理においては、停止図柄としては補助図柄の停止図柄のみが選択(決定)される。なお、S1145の処理及びS1155の処理は、サブ制御基板220のCPU220aが「大当り連続演出実行手段」として行う処理の具体例を構成する。なお、本実施例では、S1145の処理を当否判定の結果が外れである場合に限り実行するが、当否判定の結果が大当りである場合にも実行することとしてもよい(後述する変形例2や実施例2を参照)。この場合においても、S1145の処理に従って開始する図柄変動演出においては、リーチ演出を行わないこととしたり、疑似図柄の変動表示自体も行わないこととしてもよい。この場合、「大当りを確定表示する疑似図柄」を決定する処理や、リーチ表示の態様(リーチ演出の態様)等を決定する処理等を行う必要がなく、S1145の処理においては、停止図柄としては補助図柄の停止図柄のみが選択(決定)される。
S1165の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドに基づいて、S1120、S1145若しくはS1150で決定した演出パターン及び「疑似図柄の停止図柄(S1145を経た場合を除く)」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示(図柄変動演出)を開始させる(S1165)。そして、サブ制御部220Aが、主制御部200Aから送信される図柄停止指定コマンドを受信すると(S1165;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1170)。
ここで、「差し替え可能フラグ」は「図柄変動演出」の差し替えが可能であることを示すフラグであり、このフラグがセット(ONに設定)されていると、S1120の処理で選択・セットされた演出パターンであっても、その演出パターンに基づき行われる図柄変動演出の内容が後に他の演出内容に差し替えられることがある。また、「差し替え監視タイマ」は、図柄変動演出の進行が前述の「所定時点t1」(図16,17,24,25参照)に到達したか否かを示すタイマであり、このタイマがタイムアップされたときに、前述の第1事前判定結果情報メモリ226b若しくは第2事前判定結果情報メモリ227bに記憶されている情報(事前判定の結果に関する情報)に基づき、「図柄変動演出」の差し替えの可否が決定される(後述する。)
なお、図柄変動演出処理(S1100)は、サブ制御基板220のCPU220aが「図柄変動演出実行手段」として行う処理の具体例を構成する。また、S1120の処理、S1145若しくはS1150は、サブ制御基板220のCPU220aが「演出パターン選択手段」として行う処理の具体例を構成する。
c.図柄変動演出差し替え処理(S1300)
図柄変動演出差し替え処理(S1300)においては、図47に示すように、サブ制御基板220のCPU220aによって差し替え可能フラグ(図45のS1115を参照)がセット(ONに設定)されていると判断されると(S1320;YES)、S1325以降の処理に移行する。
S1325の処理では差し替え監視タイマ(図45のS1130を参照)がタイムアップしているか否かが判断される。つまり、今回の図柄変動演出を開始してから「所定時点t1」に到達したか否かが判断される(S1325)。そして、差し替え監視タイマがタイムアップしていない場合には(S1325;NO)、一旦、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を終了して、図44に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
一方、差し替え監視タイマがタイムアップしている場合には(S1325;YES)、その時点(所定時点t1)で記憶している保留(判定結果情報)の中に大当りとなる保留、つまり「当り保留」があるか否かを判断する(S1329)。具体的には、開放延長手段が作動して、第2当否判定を主体とする遊技が行われている場合、CPU220aは第2事前判定結果情報メモリ227bに記憶されている事前判定結果情報に基づいて、「当り保留」が存在しているか否かを判定する(S1329)。また、開放延長手段が作動を停止して、第1当否判定を主体とする遊技が行われている場合、CPU220aは第1事前判定結果情報メモリ226bに記憶されている事前判定結果情報に基づいて、「当り保留」が存在しているか否かを判定する(S1329)。
なお、主制御基板200に搭載されたCPU201が、始動入賞に基づいて判定用乱数(第1判定用乱数若しくは第2判定用乱数)を、サブ制御基板220に向かって送信すること(例えば、前述の始動入賞時コマンドを用いて送信すること)とする場合には、サブ制御基板220のCPU220aが、S1329の処理において、「当り保留」が存在しているかを事前判定することとしてもよい。この場合、当該事前判定は、対象となる保留(判定用乱数情報)毎に、当該保留が実際に処理されるとき(実際に当該保留に係る図柄変動遊技が開始されるとき)の遊技状態を考慮して行われる。すなわち、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、低確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「低確率用のデータテーブル」を参照して実行される。また、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、高確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「高確率用のデータテーブル」を参照して実行される。
そして、「当り保留」がないと判断される場合には(S1329;NO)、差し替え可能フラグを解除(OFFに設定)する処理(S1380)と、差し替え監視タイマをクリア(初期化)する処理(S1385)とを行った後、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を終了して、図43に示す演出制御処理(S900)に復帰する。この場合、図柄変動演出の開始時に選択・セットされた演出パターンに従って、当該図柄変動演出を完結することになる。
一方、S1329の処理で「当り保留」があると判断される場合には(S1329;YES)、現在実行中の図柄変動遊技が当り変動であるか否かを判断し(S1332)、当り変動である場合には(S1332;YES)、S1335の処理に移行する。このS1335の処理では、現在実行中の図柄変動遊技を経て行われる「先の大当り遊技」での払出予定賞球数と、記憶されている当り保留に基づき行われる「後の大当り遊技」での払出予定賞球数との合計(以下、単に「合計数」という。)が所定数(本実施例では3,600)以上であるか否かを判定する(S1335)。
なお、第1事前判定結果情報メモリ226bや第2事前判定結果情報メモリ227bに記憶されている判定結果情報には、大当り抽選に関する事前判定の結果のみでなく、第1特別図柄表示部62aや第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄に関する事前判定の結果も含まれる。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、この大当り図柄に関する事前判定の結果に基づいて、当該当り保留が「確変大当り」となる保留であるのか、「通常大当り」となる保留であるのを特定することができるばかりでなく、当該当り保留に基づき行われる「後の大当り遊技」での払出予定賞球数を特定することができる。
S1335の処理で「合計数」が所定数未満と判断される場合には(S1335;NO)、差し替え可能フラグを解除(OFFに設定)する処理(S1380)と、差し替え監視タイマをクリア(初期化)する処理(S1385)とを行った後、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を終了して、図43に示す演出制御処理(S900)に復帰する。この場合、図柄変動演出の開始時に選択・セットされた演出パターンに従って、当該図柄変動演出を完結することになる。
一方、S1335の処理で「合計数」が所定数以上と判断される場合には(S1335;YES)、継続演出フラグをセット(ONに設定)する処理を行い(S1338)、更に、現在実行中の図柄変動演出の進行が前述の「特定時点t2」(図16,17,24,25参照)に到達することによって差し替えタイミングが到来すると(具体例2〜4の場合)、実行中の図柄変動演出を特別演出に差し替える処理を行う(S1340)。そして、差し替え可能フラグを解除(OFFに設定)する処理(S1380)と、差し替え監視タイマをクリア(初期化)する処理(S1385)とを行った後、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を終了して、図43に示す演出制御処理(S900)に復帰する。この場合、図柄変動演出の開始時に選択・セットされた演出パターンとは別の演出パターンに従って、図柄変動演出を完結することになる。
なお、前述の具体例2〜具体例4として、図柄変動演出の進行が、その開始後、所定時点t1に到達したときに直ちに「特別演出」への差し替えを行うのではなく、特定時点t2となってから「特別演出」への差し替えを行う態様を例示した。換言すると、S1325の処理で肯定判断がなされた後、特定時間の経過を待ってS1340の処理を実行する態様を例示した。より具体的には、リーチ演出の開始前に所定時点t1を設定し、リーチ演出が発展演出となった後の所定のタイミング(特定時点t2)で「特別演出」への差し替えを行う態様を例示した。但し、「特別演出」への差し替えタイミングは、前述の具体例2〜具体例4に示すものに限定されず、図柄変動演出の進行が、その開始から所定時点t1に到達したときに「特別演出」への差し替えを行う態様を例示することもできる。
また、S1329の処理で「当り保留」があると判断されるとともに(S1130;YES)、現在実行中の図柄変動演出が外れ変動であると判断される場合には(S1332;NO)、実行中の図柄変動演出を特別演出に差し替える処理を行った後(S1340)、差し替え可能フラグを解除(OFFに設定)する処理(S1380)と、差し替え監視タイマをクリア(初期化)する処理(S1385)とを行う。そして、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を終了して、図43に示す演出制御処理(S900)に復帰する。この場合も、図柄変動演出の開始時に選択・セットされた演出パターンとは別の演出パターンに従って、図柄変動演出を完結することになる。但し、この場合は、実行中の図柄変動演出を完結する際に疑似図柄を用いた外れ表示がなされる。
ここで、今回の図柄変動遊技として当り変動を行っているときに実行するS1329の処理は、サブ制御基板220のCPU220aが「保留判定手段」として行う処理の具体例を構成する。また、S1332の処理の肯定判断と、S1335の処理の肯定的な判定を経て行うS1380の処理は、サブ制御基板220のCPU220aが「演出差し替え実行手段」として行う処理の具体例を構成する。なお、前述の図39のS725の処理は、主制御基板200のCPU201が「保留判定手段」として行う処理の具体例を構成する。このように、本実施例では、「保留判定手段」としての処理を主制御基板200のCPU201と、サブ制御基板220のCPU220aとが行うが、「保留判定手段」としての処理を何れかの一方のCPU201、220aのみが行ってもよい(変形例3を参照。)
d.大当り遊技演出処理(S1800)
大当り遊技演出処理(S1800)は、本遊技機1が大当り遊技を行うときになされるものである。この大当り遊技演出処理(S1800)では「大当り遊技開始指定コマンド」を受信すると(S1805;YES)、ファンファーレ演出を実行する(S1810)。ここで、本遊技機1においては、大当りを生ずると、主制御部200Aからサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドが送信される。つまり、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)するとともに大入賞口31aの開放パターンをセットするタイミングで(図32のS370)、サブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドを送信する。
また、サブ制御部220Aは、ラウンド開始指定コマンドを受信する度に、演出表示装置27の表示画面27a等においてラウンド演出を実行する。つまり、大当りが発生した場合、主制御部200Aは大当り遊技開始指定コマンドを送信した後、大当りラウンドの開始タイミングで「ラウンド開始指定コマンド」をサブ制御部220Aに送信する(図41の「R開始C」を参照)。これにより、サブ制御部220Aは「第1ラウンドの開始を指定するラウンド開始指定コマンド」を受信することになるため(S1815)、表示画面27aにおいて「1ラウンドであることを示す演出」を行う(S1820)。
また、前述のように、主制御部200Aは、大当りラウンドを終了させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了指定コマンド」を送信する(図41の「R終了C」を参照)。そして、サブ制御部220Aは、この「ラウンド終了コマンド」を受信すると(S1870;YES)、実行中のラウンド演出を終了するとともに、演出表示装置27等において「インターバル演出」を開始する(S1835)。
更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド開始指定コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を終了して「ラウンド演出」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル演出)」を挟みつつ、最終ラウンドに係る「ラウンド演出」を行うまで繰り返される。
このように、大当り遊技演出を実行するなか、最終ラウンドが終了するタイミングで主制御部200Aからサブ制御部220Aに向かって「大当り遊技終了指定コマンド」が送信されると(図42の「終了C」を参照)、サブ制御部220Aは、その「大当り遊技終了指定コマンド」を受信する(S1840;YES)。そして、「大当り遊技終了指定コマンド」を受信したサブ制御部220Aは、継続演出フラグが解除(OFFに設定)されているか否かを判断し(S1845)、解除(OFFに設定)されている場合には(S1845;YES)、通常パターンに従うエンディング演出を実行した後(S1850)、大当り遊技演出(S1800)を終了する。
一方、継続演出フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S1845;NO)、特別パターンに従うエンディング演出を実行した後(S1855)、継続演出フラグを解除(OFFに設定)する処理を行い(S1856)、大当り遊技演出(S1800)を終了する。この場合、後の大当り遊技の実行契機となる当り変動が開始されるまでの間、サブ制御基板220のCPU220aは、図柄変動演出を開始する際に、特殊変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを受信することになる(図45のS1105の処理を参照)。このため、後の大当り遊技の実行契機となる当り変動が開始されるまでの間、大当り遊技が連続することを示唆する演出(大当り連続演出)が実行される。
(8)実施例の効果
本遊技機1では、「当り変動」を実行しているときに、所定タイミング(t1)で当り保留の存在が確認され、「当り変動」に係る大当り遊技と、「当り保留」に係る大当り遊技とで得られる賞球数が所定数以上の場合に、当該当り変動に伴って実行中の図柄変動演出を、変動開始時に決定した演出パターンに基づく演出とは別の特別演出に差し替える。すなわち、短期間における大当りの連続発生(所謂、連チャン)の可能性を単に示唆するのではなく、保留の発生状況と獲得可能な払出予定賞球数の合計数とを判定して、変動開始時に決まっていたはずの演出内容を特別演出に差し替える。これにより、遊技者に対して、一回の大当り遊技では獲得できない多量の賞球、つまり「プラスアルファの賞球」を今回の図柄変動遊技(図柄変動演出)をきっかけとして獲得できる旨を、現在進行中の図柄変動遊技(図柄変動演出)を通じて示唆することができる。
このように、本遊技機1によって実現される遊技性は、「大当りの連続発生を示唆する」といった単純な遊技性に止まらない。つまり、今回の図柄変動演出の内容を所定のタイミング(t2)で差し替えることによって、一回の大当り遊技では獲得できない多量の賞球を短期間のうちに獲得できることを遊技者に示唆するといった斬新な遊技性を実現できる。従って、保留先読み機能を生かしつつ図柄変動演出に対面する遊技者の注目度や期待感を高めることができるため、遊技興趣の向上を図ることができる。
また、本遊技機1によると、特別演出の発生により、「今回の図柄変動遊技」および「保留」の何れか一方又は両方に基づく大当り遊技の開始に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。具体的には、実行中の図柄変動演出が特別演出に差し替えられると、(a)「大当り」を発生させつつ多量の賞球を獲得できるケースと、(b)今回は「外れ」であるが保留のなかに「当り」があるケースとを生じさせることができる。このため、たとえ特別演出を経て外れ報知が行われたとしても、当り保留の存在に対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
しかも、本遊技機1では、「当り変動」に係る「先の大当り遊技」と、「当り保留」に係る「後の大当り遊技」とで得られる賞球数が所定数以上の場合に、「先の大当り遊技」と「後の大当り遊技」とを結び付ける大当り連続演出を実行するとともに、該大当り連続演出が実行される場合には、当該大当り連続演出をスムーズに実行するために、「先の大当り遊技」が終了してから「後の大当り遊技」若しくは「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」に辿りつくまでの図柄変動遊技における特別図柄の変動時間として、通常時の変動時間よりも短い特殊な変動時間が設定される。
このため、本遊技機1によると、「先の大当り遊技」が終了してから、「後の大当り遊技」若しくは「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」に辿りつくまでに間延びさせることなく、「先の大当り遊技」と「後の大当り遊技」との一体感を醸成することができ、多量の賞球を獲得できることに対する遊技者の優越感を煽ることができる。また、本遊技機1では、大当り連続演出に遭遇した遊技者が、先に実行された「特別演出への差し替え」が、多量の賞球に繋がるものであったと再認することになるため、当該遊技者の多量の賞球獲得に関する達成感を高めることができる。
この結果、本遊技機1によると、保留先読み機能を生かしつつ図柄変動演出に対面する遊技者の注目度や期待感を高めたり、遊技者の優越感を煽ることができるため、遊技興趣の向上を図ることができる。
次に、実施例1の変形例について説明する。ここで、以下に示す変形例1〜3を実施例1の変形例として説明するが、これらの変形例を、後述する実施例2〜実施例4の変形例とすることもできる。
a.変形例1
実施例1では、図柄変動演出を差し替えると、演出内容の全体が切り換えられる態様を例示した。つまり、変動開始時に決定済みのバトル演出が別のバトル演出に切り換えられる態様、具体的には、走る速さを競うバトル(徒競走)が、賞金の獲得を競うバトル(賞金バトル)に切り換えられる態様を例示した。但し、各請求項の発明においては、演出内容の一部のみが切り換えられる態様を例示することもできる。例えば、図49に示す変形例1のように、前述の図47のS1335の処理で肯定的な判定がなされた場合に、キャラクタのみを変更してもよい。
つまり、この変形例1では、図柄変動演出の進行が、その開始後、特定時点t2に到達すると、バトルの内容を切り換えずに、徒競走を行っているキャラクタのみを男性から女性に差し替える(e9)。そして、この差し替えたキャラクタを用いて徒競走を継続しつつ図柄変動演出を完結することとしている。
b.変形例2
実施例1では、後の大当り遊技の開始契機となる図柄変動遊技の開始前に特殊変動モードを解除する態様を例示したが、図50及び図51に示す変形例2のように、後の大当り遊技の開始契機となる図柄変動遊技の終了後に特殊変動モードを解除する態様を例示することもできる。次に、変形例2について説明する。
変形例2においては、保留情報監視処理(S700)を図50に従って行う点と、大当り遊技終了時処理(S900)を図51に従って行う点とが異なるが、その他の点については、実施例1と同様である。以下、変形例2について、実施例1と異なる点を中心に説明する。
変形例2の保留情報監視処理(S700)では、図50に示すように、S725の処理で肯定的な判断がなされ(S725;YES)、更に、S732の肯定的な判断がなされると(S732;YES)、特殊演出予定フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S735)。そして、保留情報監視タイマをクリア(初期化)する処理(S745)を行った後、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28に示す遊技制御処理に復帰する。つまり、変形例2においては、図30における「S730の処理」を行うことなく、特殊演出予定フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S735)。このため、変形例2では、先の大当り遊技の終了後において、外れ変動を挟むことなく「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」が開始される場合も、大当り連続演出(特殊演出)を実行することになる。
また、変形例2の大当り遊技終了時処理(S900)では、図51に示すように、特殊演出予定フラグがセット(ONに設定)されていると判断されると(S960;YES)、S962の処理と、S964の処理とを行った後、「次の当り保留を消化するまでの保留の個数」を特殊変動カウンタにセットする処理(S968)を行った後、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「特殊変動モード」であることを指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S970)、大当り遊技終了時処理(S900)を終了する。なお、S968の処理においては、次の当り保留も、特殊変動カウンタにカウンタ値としてセットする個数に含まれる。例えば、先の大当り遊技の終了後において、外れ変動を挟むことなく「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」が開始される場合は、特殊変動カウンタに「1」がセットされ、「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」が開始される前に、2回の外れ変動を実行する場合には、特殊変動カウンタに「3」がセットされる。
なお、前述のように、変形例2の図柄変動演出処理(S1100、図45を参照)においては、当否判定の結果が外れであるか、大当りであるかを問わずにS1145の処理が実行される。この場合においても、S1145の処理に従って開始する図柄変動演出においては、リーチ演出を行わないばかりか、疑似図柄の変動表示自体も行わないため、「大当り若しくは外れを確定表示する疑似図柄」を決定する処理や、リーチ表示の態様(リーチ演出の態様)等を決定する処理等を行う必要がない。このため、S1145の処理においては、停止図柄としては補助図柄の停止図柄のみが選択(決定)される。つまり、当否判定の結果が、たとえ、大当りであっても、リーチ演出を経ることなく、補助図柄の停止図柄が表示される。
変形例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、変形例2では、「後の大当り遊技」を開始する直前の変動(当り変動)に対しても、通常時の変動時間よりも短い特殊な変動時間が設定される。このため、変形例2によると、「先の大当り遊技」が終了してから「後の大当り遊技」を開始するまでの遊技を、よりスピーディに進行させることができる。
また、変形例2では、図52に示すように、先の大当り遊技の終了後において、外れ変動を挟むことなく「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」が開始される場合にも、先の大当り遊技の最終ラウンドに係るラウンド遊技を終了すると(B1)、特別パターンに従うエンディング演出を実行する(B2)。そして、「後の大当り遊技の開始契機となる当り変動」に対応する図柄変動演出を、継続演出用の演出パターンに従って実行した後(B3、B4)、ファンファーレ演出(B5)を経て、後の大当り遊技が実行される(B6〜B8)。この場合、「後の大当り遊技」の開始契機となる当り変動が、特殊変動パターンに従ってスピーディに進行することを利用して、遊技者に対して、先の大当り遊技と後の大当り遊技の一体感をより強く感じさせる演出を実行することもできる。
例えば、図52に示すように、後の大当り遊技に係るラウンド遊技と、先の大当り遊技に係るラウンド遊技との連続性を高める演出を実行することとしてもよい。より具体的には、先の大当り遊技に係るラウンド遊技が「Nランド(Nは自然数)」で終了した場合(B1)において、後の大当り遊技において最初に実行されるラウンド遊技に係るラウンド表示を「N+1」とする(B6)。そして、ラウンド遊技が進行する毎にラウンド表示を「N+2」、「N+3」…の順に増加させ、最終のラウンド遊技に係るラウンド表示を「N+M」とする場合(B8)を例示できる。なお、この設例において、後の大当り遊技に係るラウンド遊技が「Mランド(Mは自然数)」で終了するものとする。なお、「ラウンド表示」とは、現在進行中のラウンド遊技に関するラウンド数の表示であり、表示画面27aにおいてなされる。また、図52に示す具体例では、後の大当り遊技に係るラウンド表示として、偽りの表示(真実と異なる表示)がなされる。
この設例においては、「先の大当り遊技」が終了してから「後の大当り遊技」を開始するまでの遊技をスピーディに進行されるとともに、「先の大当り遊技」に係るラウンド遊技と、「先の大当り遊技」に係るラウンド遊技とがあたかも連続しているが如き演出を行う。このため、遊技者は、大当り遊技(先の大当り遊技)において実行するラウンド遊技の回数が、何の前触れもなく増加したような印象を得るため、遊技興趣の向上を図ることが容易である。特に、「後の大当り遊技」を開始する際のファンファーレ演出を、「継続演出用の演出パターンに従う演出」と同一内容で行うことで(B5)、後の大当り遊技の実行契機となる当り変動に係る図柄変動演出と、当該ファンファーレ演出との一体感を持たせることが更に容易となる。
この場合、当該図柄変動演出と当該ファンファーレ演出とが連続することで構成される演出(以下、「連続演出」という。)が、あたかも、インターバル演出である如き印象を与えることができるため、「先の大当り遊技」と「後の大当り遊技」との一体感を、更に一層高めることができる。つまり、「先の大当り遊技」の終了を遊技者に気づかせることなく、「後の大当り遊技」を開始することもできるため、「先の大当り遊技」と「後の大当り遊技」との一体感を更に一層高めることができる。更に、「後の大当り遊技」においてラウンド遊技間に実行されるインターバル演出を「継続演出用の演出パターンに従う演出」と同一内容で行うこととすれば、前述の「連続演出」が、あたかも、インターバル演出である如き印象を与えることが、更により一層容易となる。
c.変形例3
実施例1では、サブ制御基板220のCPU220aが「保留判定手段」として機能する態様を例示したが、図53及び図54に示す変形例3のように、サブ制御基板220のCPU220aが「保留判定手段」としての機能を排除することもできる。つまり、変形例3では、主制御基板200のCPU201のみが、「保留判定手段」としての処理を行う態様を示している。
変形例3においては、保留情報監視処理(S700)を図53に従って行う点と、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を図54に従って行う点とが異なるが、その他の点については、実施例1と同様である。以下、変形例3について、実施例1と異なる点を中心に説明する。
図53に示すように、変形例3の保留情報監視処理(S700)において、主制御基板200のCPU201は、S715、S720、S725、S732及びS730の処理で肯定的な判断を行うと(S715;YES、S720;YES、S725;YES、S730;YES)、特殊演出予定フラグをセット(ONに設定)する処理を行った後(S735)、サブ制御基板220に向かって「差し替え実行コマンド」を送信する(S737)。そして、保留情報監視タイマをクリア(初期化)する処理(S745)を行った後、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28に示す遊技制御処理に復帰する。
また、変形例3の保留情報監視処理(S700)において、主制御基板200のCPU201は、S715の処理で肯定的な判断を行うとともに、S720の処理で否定的な判断を行う場合(S715;YES、S720;NO)も、サブ制御基板220に向かって「差し替え実行コマンド」を送信する(S737)。そして、保留情報監視タイマをクリア(初期化)する処理(S745)を行った後、保留情報監視処理(S700)を終了して、図28に示す遊技制御処理に復帰する。つまり、外れ変動中であって図柄変動遊技の開始から所定時間が経過したときに記憶されている保留のなかに、図柄変動遊技の結果が当りとなる当り保留が含まれている場合にも、主制御基板200のCPU201はサブ制御基板220に向かって「差し替え実行コマンド」を送信することになる(S737)。
図54に示すように、変形例3の図柄変動演出差し替え処理(S1300)において、サブ制御基板220のCPU220aは、今回の図柄変動演出を開始してから「所定時点t1」に到達したと判断すると(S1325;YES)、差し替え実行コマンドを受信したか否かを判断する(S1330)。そして、受信していないと判断すると(S1330;NO)、差し替え可能フラグを解除(OFFに設定)する処理(S1380)と、差し替え監視タイマをクリア(初期化)する処理(S1385)とを行った後、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を終了して、図43に示す演出制御処理(S900)に復帰する。この場合、図柄変動演出の開始時に選択・セットされた演出パターンに従って、当該図柄変動演出を完結することになる。
一方、S1330の処理で差し替え実行コマンドを受信したと判断すると(S1330;YES)、現在実行中の図柄変動遊技が当り変動であるか否かを判断し(S1332)、当り変動である場合には(S1332;YES)、継続演出フラグをセット(ONに設定)する処理を行い(S1338)、更に、現在実行中の図柄変動演出の進行が前述の「特定時点t2」(図16,17,24,25参照)に到達することによって差し替えタイミングが到来すると(具体例2〜4の場合)、実行中の図柄変動演出を特別演出に差し替える処理を行う(S1340)。そして、差し替え可能フラグを解除(OFFに設定)する処理(S1380)と、差し替え監視タイマをクリア(初期化)する処理(S1385)とを行った後、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を終了して、図43に示す演出制御処理(S900)に復帰する。この場合、図柄変動演出の開始時に選択・セットされた演出パターンとは別の演出パターンに従って、図柄変動演出を完結することになる。
また、S1330の処理で差し替え実行コマンドを受信したと判断するとともに(S1330;YES)、現在実行中の図柄変動演出が外れ変動であると判断される場合には(S1332;NO)、実行中の図柄変動演出を特別演出に差し替える処理を行った後(S1340)、差し替え可能フラグを解除(OFFに設定)する処理(S1380)と、差し替え監視タイマをクリア(初期化)する処理(S1385)とを行う。そして、図柄変動演出差し替え処理(S1300)を終了して、図43に示す演出制御処理(S900)に復帰する。この場合も、図柄変動演出の開始時に選択・セットされた演出パターンとは別の演出パターンに従って、図柄変動演出を完結することになる。但し、この場合は、実行中の図柄変動演出を完結する際に疑似図柄を用いた外れ表示がなされる。
変形例3によっても、実施例1と同様な効果を得ることができる。加えて、サブ制御部220Aが行う処理の簡略化を図ることができる。