JP5811138B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技機に関し、いわゆるセブン機、羽根物、権利物またはアレンジボール等の弾球式の遊技機に関する。
弾球式の遊技機(パチンコ機)は、始動口と入球情報記憶手段(判定用乱数値記憶手段)とを備え、始動口に遊技球が入球することに基づいて取得される入球情報(判定用乱数値)を、入球情報記憶手段に所定の上限数まで記憶可能である。そして、所定の処理条件(例えば、変動開始条件、当否判定開始条件)が成立した入球情報を入球情報記憶手段から読み出し、特定遊技を実行するか否かを当否判定する。かかる当否判定が実行されると識別情報を用いた変動表示が開始され、この変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、識別情報を用いて当否判定の結果が表示される。ここで、入球情報の処理条件とは、入球情報に基づいて当否判定や変動表示等の処理を開始する条件を指し、入球情報記憶手段に記憶され、処理条件が未成立の入球情報の数が「保留数」と称される。
この種の遊技機では、保留数の多少に応じて変動表示の実行時間(変動時間)を設定するのが一般的であった。つまり、保留数が多くなるほど、変動表示の実行時間(変動時間)を短く設定するのが一般的であった(特許文献1を参照、以下、「従来例」という。)。
特開2011−177230号
この従来例に係る遊技機においては以下のような問題を有している。つまり、始動口への入球(以下、「始動入賞」という。)を生じ難い状況下では、漸く保留数が上限数に近づくほど変動表示の実行時間(変動時間)が短く設定されるので、始動口への入球が無駄になることを極力防止できる反面、保留数が上限数に到達しにくいといった事情がある。このため、保留数が上限数に到達した際に実行される複数の変動表示を用いた専用演出を備えた場合、当該専用演出がなかなか実行されないといった問題がある。また、複数の変動表示を構成する変動表示のうち、保留数が少ないときに選択される変動表示の変動時間が長時間であるため、当該専用演出の実行時間が全体として冗長になるといった問題がある。
これに対して、保留数に関わらず変動表示時間を一律に短くした場合においては、保留数が上限数に達した場合に実行される専用演出は趣向性の高いものとなるが、通常の変動表示が淡泊で趣向性を欠くものとなる。また、釘調整等により始動入賞が生じにくい状況下では、保留数が上限数になり難く、且つ保留数が上限数になり、専用演出が実行されたとしても、その後、保留数が一気に「ゼロ」となるため、保留数が「ゼロ」付近で滞り、保留数がなかなか増加しない状態や変動表示が長時間実行されない状態を生じさせることがある。この場合、遊技興趣の低下を招き易い。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは遊技興趣の低下を招き難い遊技機を提供することである。
本発明の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて取得される入球情報が記憶される入球情報記憶手段と、
前記入球情報記憶手段に記憶された入球情報に基づいて、識別情報の変動表示を所定の変動時間が経過するまで行う変動表示手段と、
前記識別情報の変動時間を設定する変動時間設定手段と、
前記変動表示の結果が特定結果である場合に遊技者にとって有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と
備える遊技機であって、
前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の範囲を、第1範囲と、該第1範囲よりも前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が多い範囲である第2範囲とで構成し、前記第1範囲に含まれる数の最小値が前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の下限数を構成し、前記第2範囲に含まれる数の最大値が前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の上限数を構成するものであり、
前記変動時間設定手段は、
前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が前記第1範囲にある場合には前記変動時間を第1の変動時間に設定し、
前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が前記第2範囲にある場合において、前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が、当該変動表示の前に実行された識別情報の変動表示の変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されていた入球情報の数に比べて減少しているときは、前記変動時間を前記第1の変動時間よりも短い第2の変動時間に設定し、当該変動表示の前に実行された識別情報の変動表示の変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されていた入球情報の数に比べて減少していないときは、前記変動時間を第1の変動時間に設定す
とを特徴とする。
本発明によると、入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数(以下、「保留数」という。)が第1範囲にある場合には、減少傾向か又は非減少傾向かに拘わらず、変動時間を第1の変動時間(通常の変動時間)に設定するため、入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数(保留数)が『0』となり、変動表示が行われない状況が発生することを防止することができる。また、保留数の範囲が第2範囲にある場合には、保留数が減少傾向であるときは変動時間を第1の変動時間よりも短い第2の変動時間に設定し、入球情報(判定用乱数値)の処理の促進を図るため、保留数が上限数で滞る事態を生じ難くすることができる。一方、保留数が減少傾向であっても保留数の範囲が第1範囲に移行すれば、変動時間が第2の変動時間よりも長い第1の変動時間に設定されるため、保留数が減少傾向のときに、一気に保留数が「ゼロ」になることを防止できる。
つまり、本発明においては保留数が非減少傾向にある場合は、変動時間を通常変動時間に設定して保留数を増加し易くする。その一方で、保留数が減少傾向になったときに保留数が減少し易い第2範囲と、保留数の減少傾向又は非減少傾向を問わずに変動時間を設定することで保留数が減少しにくい第1範囲とを設けたので、保留数が「上限数」や「ゼロ」で滞り難くできる。従って、本発明によると、変動表示が実行されない状況や無駄球が発生しやすい状況の発生を防止し、遊技興趣の低下を招き難くできる。
また、本発明では、
前記入球情報記憶手段を、第1入球情報記憶手段と第2入球情報記憶手段とで構成し、
前記始動口に入球した遊技球が通過するルートを、第1ルート若しくは第2ルートに交互に振り分ける振分部材を備え、
前記第1ルートに進入した遊技球を検知することに基づいて取得される入球情報を、前記第1入球情報記憶手段に4個を限度に記憶可能とし、前記第2ルートに進入した遊技球を検知することに基づいて取得される入球情報を、前記第2入球情報記憶手段に4個を限度に記憶可能とし、
前記第1範囲は、前記第1入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数と前記第2入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数とを合計した数が1から4とされる範囲であり、前記第2範囲は、該合計した数が5から8とされる範囲である
こととしてもよい。
また、本発明では、
前記第1範囲は前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数が1から2とされる範囲であり、前記第2範囲は前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数が3から4とされる範囲である。
こととしてもよい。
また、本出願において参考的に開示する発明(以下、参考発明という。)の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて取得される入球情報が記憶される入球情報記憶手段と、
前記入球情報記憶手段に記憶された入球情報に基づいて、識別情報の変動表示を所定の変動時間が経過するまで行う変動表示手段と、
前記識別情報の変動時間を設定する変動時間設定手段と、
前記変動表示の結果が特定結果である場合に遊技者にとって有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が、当該変動表示の前に実行された他の変動表示の変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されていた入球情報の数に比べて減少している減少傾向にあるか、減少していない非減少傾向にあるかを判定する傾向判定手段と、
を備え、前記変動時間を設定する際に前記傾向判定手段が前記減少傾向にあると判定する場合と前記非減少傾向にあると判定する場合とで前記変動時間設定手段が異なる変動時間を設定可能な遊技機であって、
前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の範囲において、第1範囲と、前記第1範囲と異なる第2範囲とを設定し、
前記変動時間設定手段は、
前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が前記第1範囲にある場合には、前記減少傾向か前記非減少傾向かに拘わらず、前記変動時間を第1の変動時間に設定し、
前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が前記第2範囲にある場合において、前記傾向判定手段が前記非減少傾向と判定したときは、前記変動時間を第1の変動時間に設定し、前記傾向判定手段が前記減少傾向と判定したときは、前記変動時間を前記第1の変動時間よりも短い第2の変動時間に設定する
ことを特徴とする。
また、参考発明では、
前記第1の変動時間を設定することを示す第1情報、又は前記第2の変動時間を設定可能であることを示す第2情報を設定する情報設定手段を備え、
前記情報設定手段は、前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の範囲が前記第2範囲になると、設定する情報を前記第1情報から前記第2情報に変更し、前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の範囲が前記第2範囲から外れると、設定する情報を前記第2情報から前記第1情報に変更する
こととしてもよい。
この場合、第2情報の設定の有無に基づき、第2の変動時間の設定の可否が特定されるため、変動時間設定制御を円滑に行うことができる。ここで、「第2情報」としては「第2の変動時間の設定が可能であることを示すフラグ」がセット(ONに設定)されていることを例示でき、「第1情報」としては「第2の変動時間の設定が可能であることを示すフラグ」が解除(OFFに設定)されていることを例示できる。
ここで、「情報設定手段が第2情報を設定すると、識別情報の変動時間を第2の変動時間に設定可能」とするのは、第2情報が設定されていても、保留数が非減少傾向でなければ、変動時間は第1の変動時間に設定されるからである。つまり、第2情報が設定され、しかも保留数が減少傾向であると、変動時間は第2の変動時間に設定され、第2情報が設定されても保留数が非減少傾向であると、変動時間は第1の変動時間に設定される。
更に、参考発明では、
前記第1範囲は前記第2範囲に比べて前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が少ない範囲である
こととしてもよい。
この場合、保留数が多い区間(以下、「上位区間」という。)を第2範囲とし、保留数が少ない区間(以下、「下位区間」という。)を第1範囲とする。このため、保留数が非減少傾向である場合に、当該保留数を上限数に近づけることを容易なものとしつつも、当該保留数が上限数に滞り難くすることが更に容易である。また、第1範囲を保留数が少ない区間(下位区間)として設定するため、保留数が第1設定区間に相当する数に減少すると、変動時間を第1の変動時間に設定することが行われる。よって、保留数が減少傾向となったときに、当該保留数が一気に「ゼロ」になることを防止することが、更に容易である。
更に、本発明では、
前記変動表示の実行に伴って遊技上の演出が実行され、
前記第2の変動時間に基づく変動表示が複数回実行されることに伴って前記演出が実行され、当該複数回の変動表示に跨って実行される演出によって一連の関連演出が実行される
こととしてもよい。
この場合、「第2の変動時間に基づいて実行される複数回の変動表示に伴う演出」が一連の演出として実行される。つまり、複数の入球情報を短時間で連続的に処理する際において効果的な演出を実行することになるため、遊技興趣を高めることができる。すなわち、関連演出を構成する連続演出を発生し易くすると共に、連続演出の変動時間は、連続演出を効果的に見せるように第2の変動時間に設定できるので、特定の連続演出を効果的に実行することができる。また、遊技上の演出を行う演出表示部を備えるものとすることができる。
また、参考発明では、
前記変動表示の実行に伴って遊技上の演出が実行され、
前記第2の変動時間に基づく変動表示が複数回実行されることに伴って前記演出が実行され、当該複数回の変動表示に跨って実行される演出によって一連の関連演出が実行される
こととしてもよい。
この場合、「第2の変動時間に基づいて実行される複数回の変動表示に伴う演出」が一連の演出として実行される。つまり、複数の入球情報を短時間で連続的に処理する際において効果的な演出を実行することになるため、遊技興趣を高めることができる。すなわち、関連演出を構成する連続演出を発生し易くすると共に、連続演出の変動時間は、連続演出を効果的に見せるように第2の変動時間に設定できるので、特定の連続演出を効果的に実行することができる。また、遊技上の演出を行う演出表示部を備えるものとすることができる。
また、参考発明では、
前記入球情報記憶手段に記憶された入球情報について、前記変動表示の結果が特定結果となる入球情報であるか否かを、当該入球情報についての前記変動表示の開始前に事前判定する事前判定手段を備え、
前記一連の関連演出において前記事前判定の結果を示唆する
こととしてもよい。
この場合、事前判定の結果を一連の演出において示唆するため、遊技興趣を更に高めることができる。なお、「事前判定の結果の示唆」とは、当該記憶情報にかかる当否判定結果において、特定結果となることや、特定結果となる可能性を所定の態様で報知することをいう。例えば、複数の表示態様のなかから所定の表示態様示す、具体的には色で示唆したり、キャラクタの種類で示唆したり、会話(言葉)の内容で示唆することが例示される。
なお、本明細書において、「前」および「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」および「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
また、本明細書において、遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを、「入賞」若しくは「入球」と表記することがある。このうち、「入賞」とは、賞球の払い出しの前提となる入賞口に遊技球が入球することを示すもので、入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを示す点では、「入球」と実質的に同義である。更に、後述する大入賞装置や第2始動入賞装置のように、入賞不能(若しくは、入賞困難)な状態と入賞可能(若しくは、入賞容易)な状態とに変化可能な入賞装置において、入賞不能(若しくは、入賞困難)な状態を第1状態と称し、入賞可能(若しくは、入賞容易)な状態を第2状態と称することがある。
ここで「変動時間設定手段」は、保留数が第1の範囲にあるときは、変動時間を決定する際の入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数(保留数)に基づいて、識別情報の変動時間を第1の変動時間に決定する。しかしながら、入球情報の数が第2の範囲にあるときは、保留数が非減少傾向か減少傾向かによって異なる変動時間を設定する。すなわち、非減少傾向にあるときは第1の範囲と同様に、入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数(保留数)に基づいて、識別情報の変動時間を第1の変動時間に決定する。対して減少傾向にあるときは、入球情報の数に拘わらず、変動時間を第1の変動時間よりも短い第2の変動時間に決定する。
また、『第1の変動時間』は、第1の変動時間決定テーブル(複数のテーブルから構成され保留数に応じて所定のテーブルが使用される)に基づいて決定される時間であり、変動時間の種類は複数であることが好適であるが、単数であってもよい。また、第2の変動時間は、第2の変動時間決定テーブル(複数のテーブルから構成されてもよいし、1のテーブルでもよい)に基づいて決定される時間であり、変動時間は単数であっても複数であってもよい。特定の演出を実行するため単数とするか、若しくは、複数であっても第1の変動時間よりも少数にするのが好適である。「変動時間を設定する」とは、予め定められた複数の変動時間の中から遊技状態や保留数等に応じて、特定の変動時間を選択し設定することをいう。
更に、「保留数が非減少傾向にある」とは、変動表示を開始する際の保留数が、当該変動表示の前に実行された他の変動表示を開始する際に保留数と同一数である場合(維持傾向にある場合)と、変動表示を開始する際の保留数が、当該変動表示の前に実行された他の変動表示を開始する際に保留数よりも増加している場合(増加傾向にある場合)とを指す。また、「所定の処理条件」として、入球情報に基づく識別情報(図柄)の変動開始条件や、入球情報の当否判定開始条件を例示することができる。
更に、本発明の構成に加え、入球情報の当否判定結果に基づいて識別情報(特別図柄、演出図柄等)を変動表示する識別情報表示手段(特別図柄表示手段、演出図柄表示手段、特別図柄表示部、演出表示装置)と、識別情報を所定の演出パターンに従って変動表示する識別情報表示制御手段(演出表示制御部)と、遊技球が入球不能な入球不能状態と遊技球が入球可能な入球可能状態とに変化可能な可変入球口と、当否判定結果が当りの場合に可変入球口を入球可能状態とする特定遊技(特別遊技、大当り遊技、小当り遊技、当り遊技ともいう)を実行する特定遊技実行手段と、を備えるものとすることができる。
以上記述したように本発明の遊技機によると、遊技興趣の低下を招き難くできる。
本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。 本発明の各実施例(実施例5を除く)に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。 各実施例に係る遊技機の演出表示装置の表示画面を概略的に示す正面図である。 前板部を取り外した状態の第1始動入賞装置を示す概略的な正面図である。 第1始動入賞装置等の一部縦断面図である。 図4の一部拡大図である。 (a)および(b)は第1始動入賞装置における遊技球の振分態様を説明するための説明図である。 (a)および(b)は第1始動入賞装置における遊技球の振分態様を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は第2始動入賞装置を示す概略的に示す正面図である。 (a)及び(b)は保留表示領域における表示態様を説明するための説明図である。 (a)は各実施例に係る遊技機の下部表示装置を概略的に示す正面図であり、(b)は各実施例に係る遊技機の下部表示装置で実行される特別図柄の変動表示態様を示す説明図であり、(c)は演出図柄(停止図柄)の内容を説明するための説明図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 (a)は本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図であり、(b)は各実施例に係る遊技機において主制御部からコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。 始動入賞時コマンド、判定用乱数値メモリ等を説明するための説明図である。 判定用乱数値メモリ等を説明するための説明図である。 各実施例に係る特図1大当り図柄決定用データテーブルおよび特図2大当り図柄決定用データテーブルを説明するための説明図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 各実施例に係る遊技機の遊技制御処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の普通電動役物遊技処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 図柄変動開始処理を示すフロー図である。 変動パターンテーブル振分処理を示すフロー図である。 (a)および(b)は変動パターンテーブルを説明するための説明図である。 変動パターンテーブルを説明するための説明図である。 実施例1の特徴を説明するための説明図である。 実施例1の特徴を説明するための説明図である。 実施例1の特徴を説明するための説明図である。 実施例1の特徴を説明するための説明図である。 各実施例に係る遊技機の演出制御処理を説明するためのフロー図である。 保留発生時処理を説明するためのフロー図である。 図柄変動演出処理を示すフロー図である。 保留消化時処理を示すフロー図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 実施例2に係る遊技機の特別図柄遊技処理を示すフロー図である。る。 実施例2に係る遊技機の図変動開始処理を示すフロー図である。 実施例2に係る変動パターンテーブルを説明するための説明図である。 実施例2の特徴を説明するための説明図である。 実施例2の特徴を説明するための説明図である。 実施例2の特徴を説明するための説明図である。 実施例3に係る変動パターンテーブル振分処理を示すフロー図である。 実施例4に係る変動パターンテーブル振分処理を示すフロー図である。 実施例5に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。 (a)は実施例3に係る変動パターンテーブル振分処理を示すフロー図であり、(b)は実施例5に係る変動パターンテーブルを説明するための説明図である。 変形例を説明するための説明図である。 変形例を説明するための説明図である。 変形例を説明するための説明図である。 変形例を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は変形例を説明するための説明図である。
以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hとを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体2Aと、外枠本体2Aの前面下部を覆う前板部2Bとを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうち外枠2を除く部分であって、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5および下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102等を主要部としている。
本体枠3は、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。この本体枠3は、全体がプラスチック製であり、遊技盤10を保持可能な枠状体によって構成されている。この本体枠3が遊技盤10(図2を参照)を保持したとき、「遊技盤10の盤面(表面)に構成される遊技領域11」が、本体枠3の前方から視認可能とされる。
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、前後に貫通する状態に設けられた視認窓41aを具備する枠本体41と、視認窓41aに填め込まれたガラス板43とを備えている。そして、遊技盤10に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)が前面枠4を閉じたときにその背後に位置する状態とされるため、この遊技領域11は視認窓41a(ガラス板43)を介して前面枠4の前方から視認可能とされる。
また、本遊技機1では、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5および下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2が装着され、前板部2Bの左右両端にも、スピーカSP3、SP4が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位置を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図12を参照)および演出ボタン基板228(図12を参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている。
上皿部材5の下方の部位には下皿部材6が設けられ、この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図2を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。なお、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12および内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ遊技領域11を構成している。この領域形成部10B(遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17Aと、第2始動入賞装置17Bと、大入賞装置31と、下部表示装置60(図柄表示装置)と、2個の一般入賞装置45、46と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。なお、図2に示す一点鎖線は本体枠3を示している。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域11の略中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、正面視で略矩形状の開口部が前後に貫通する状態に設けられ、この開口部によって表示画面27a(後述する。)を遊技盤10の前方から視認可能とするための表示窓21eを構成している。なお、以下の説明において、遊技領域11うち、メイン役物装置20の上方に位置する部位(遊技領域11の上側領域)を上領域11U、下方に位置する部位(遊技領域11の下側領域)を下領域11D、左側に位置する部位(遊技領域11の左側領域)を左領域11L、右側に位置する部位(遊技領域11の右側領域)を右領域11Rと、それぞれ称することがある。
取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lの内部の内部には、遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。そして、左側装飾部21Lの左側面部において、左側のワープ通路21wの進入口(図示を省略)が左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11(左領域11L)を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面21M(図の破線を参照)を構成する。この転動面21Mは、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面21Mの中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、ワープ通路21wを通じて転動面21Mの左端部に到達した遊技球は、転動面21M上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、これらの遊技球の勢いが衰えたところで、メイン役物装置20外に排出されるが、転動面21Mの中央部から排出される遊技球の多くは、第1始動入賞装置17Aに入賞する。
つまり、図5に示すように、ステージ部21p(転動面21M)の中央部は後方に向かって下る傾斜面21Tとされるとともに、ステージ部21p(転動面21M)の中央部後方(傾斜面21Tの後方)には、排出経路21Vの導入口21Yが開口している。この排出経路21Vは略半周回する経路を描いて、その排出口21Xを第1始動入賞装置17Aの入球口73a(後述する。)の略鉛直上方に位置させている。このため、ステージ部21p(転動面21M)の中央部で球速を緩めた遊技球は、導入口21Yを通じて排出経路21Vに進入した後、排出経路21Vを通過する。そして、排出口21Xから遊技盤10前方に排出された後、下方に落下し、入球口73aを通じて第1始動入賞装置17Aに入球する確率が高くされている。尚、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17Aに入球する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17Aに入球するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17Aに入球するものがある。
演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。本実施例では、下部表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技(変動表示)を行い、演出表示装置27が、演出図柄を用いて図柄変動演出を行う。ここで、図柄変動演出は、図柄変動遊技の結果を遊技者に示すために、図柄変動遊技の進行(特別図柄の変動表示,停止表示)に合わせて行う表示演出等である。なお、第1特別図柄表示部62aに第1特別図柄(本図柄)が表示され、第2特別図柄表示部62bにおいて第2特別図柄(本図柄)が表示される。第1特別図柄および第2特別図柄の詳細に関して後述する。
演出表示装置27の表示画面27aは、図3に示すように、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を遊技者が視認可能となるように表示可能である。つまり、表示画面27aの略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)や背景色(青、赤等の画面の地色)等を表示した状態とされる。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の演出図柄(疑似図柄)を表示する演出図柄表示領域27bが、表示画面27a上に設けられる。この演出図柄表示領域27bでは、演出図柄が横方向に3つ並んで表示され、それら「演出図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。そして、これら「演出図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「表示演出」が実現される。なお、演出図柄表示領域27bにおいて「演出図柄」を変動表示しているときには、演出図柄表示領域27bを透かした状態で、背景図柄や背景色が視認可能となる。
図3に示すように、表示画面27aのうち、下縁部寄りの部位には保留表示領域27c(D1〜D8)が設けられる。この保留表示領域27cに第1始動入賞装置17Aへの入球に基づいて生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限数として表示するとともに、第1始動入賞装置17A若しくは第2始動入賞装置17Bへの入球に基づいて生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限数として表示する。つまり、本実施例では、第1保留数の上限数と第2保留数の上限数との合計である「8個」が、第1保留数と第2保留数との合計保留数の上限となる。
この保留表示領域27cにおいては、左側から右側に向かって最大8個の保留図柄を表示可能となっており、第1始動入賞装置17A若しくは第2始動入賞装置17Bに入球したが未だ消化されていない遊技球の数(即ち、保留数)を保留図柄の表示数によって示すとともに、未消化の遊技球が消化される毎に保留図柄の表示数を減少させることによって、「未消化の遊技球」の数(保留数)を順次、デクリメントして表示する。なお、保留表示領域27cにおける保留(保留図柄)の表示態様等については後述する。また、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、第1始動入賞装置17A若しくは第2始動入賞装置17Bに入球したが、対応する特別図柄表示部62a、62bにおいて当該入球に伴う図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)がなされていない遊技球を指す。
図2に示すように、第1始動入賞装置17Aは、遊技領域11(遊技盤10)の下領域11Dに配設されている。この第1始動入賞装置17Aは、図4および図5に示すように、通路部材71と、前板部材72と、振分部材75と、普通電動役物17dとを備える。なお、図4においては、説明の便宜のため、前板部材72の図示を省略している。
図4および図5に示すように、通路部材71は、背板部71aと、背板部71aから前方に突出する側壁部71bとを有し、遊技球が通過可能で前方に開口する樋形状を備える。また、前板部材72は、透明板(ガラス板若しくは樹脂板)を用いて構成され、通路部材71と略同一の正面形状を備える。そして、この前板部材72が通路部材71の前面部(開口)を封止することで、通路部材71および前板部材72が協働して略管状の流下通路73を構成している。
図5に示すように、通路部材71の背板部71aが、遊技盤10の前面部10aに設けられた凹部10vに嵌め込まれてネジ止めされることで、第1始動入賞装置17Aは遊技盤10に装着されている。また、背板部71aの前面部71fと、遊技盤10の前面部10aとは略面一な状態とされている。
図4及び図5に示すように、流下通路73は、排出口21Xから遊技盤10前方に排出されて下方に落下する遊技球が入球可能となる入球口73aを上端に開口させている。また、流下通路73は入球口73aから垂下する導入通路73bと、導入通路73bの下端部から左方向に分岐する第1分岐通路73cと、導入通路73bの下端部から右方向に分岐する第2分岐通路73dとを備える。なお、本実施例では、導入通路73bの上端側において、その通路幅を上方(入球口73a)に向かって徐々に拡大させているが、導入通路73bの上端側においてその通路幅を一定としてもよい。また、導入通路73bに遊技球を1球ずつ送り出す球送り装置を第1始動入賞装置17Aに設け、後述する振分部材75に向かって、確実に1球ずつの遊技球が到達するようにしてもよい。
流下通路73は正面視で略逆Y字形状(「アルファベットのYの文字」の上下を逆さにしたような形状)を構成している。また、導入通路73bによって「導入ルートL」が構成され、第1分岐通路73cによって「第1ルートL1」の前半側部分(遊技盤10の前面部10a側に位置する部分)が構成され、第2分岐通路73dによって「第2ルートL2」の前半側部分(遊技盤10の前面部10a側に位置する部分)が構成される。
図4に示すように、第1ルートL1は、遊技盤10に設けられた貫通孔10xを介して遊技盤10の裏側に到達している。そして、第1ルートL1の経路途中には第1ルートL1に進入した遊技球を検知するための第1始動口入球検知スイッチ17s(図12を参照)が配設されている。また、第2ルートL2も、遊技盤10に設けられた貫通孔10yを介して遊技盤10の裏側に到達している。そして、第2ルートL2の経路途中には第2ルートL2に進入した遊技球を検知するための第2始動口入球検知スイッチ17t(図12を参照)が配設されている。
図4に示すように、通路部材71のうち、第1ルートL1と第2ルートL2とが合流する部分(以下、「合流部G」という。)の直下において、側壁部71bが切り欠かれ、通路部材71の内部を下方に開放する切り欠き部71gとされている。そして、背板部71aにおいて切り欠き部71gの後方に位置する部位の左端寄りおよび右端寄りからは規制突起J1、J2が突出している。なお、以下の説明において、切り欠き部71gの左端寄りに配置される規制突起J1を「第1規制突起J1」と称し、切り欠き部71gの右端寄りに配置される規制突起J2を「第2規制突起J2」と称することとする。
図4に示すように、通路部材71および前板部材72の一体品において合流部Gを構成する部位には、振分部材75が揺動可能な状態に配置されている。ここで、振分部材75は、部材本体75aと、部材本体75aの軸心位置に装着されて部材本体75aと一体化された軸体部75bと、を備えている。そして、図5に示すように、軸体部75bにおいて部材本体75aの前方に突出する前端部が、前板部材72に装着された軸受部材75cによって回動可能な状態に支持されるとともに、軸体部75bにおいて部材本体75aの後方に突出する後端部が、背板部71aに装着された軸受部材75dによって回動可能な状態に支持されることで、振分部材75は揺動(回動)可能な状態とされている。
図6に示すように、部材本体75aは、正面視で略逆T字形状に構成され、軸心位置(軸体部75bが装着される位置)から上方に突出する振分板部75gと、振分板部75gの下端部から左下り傾斜方向(振分板部75gの軸心を上下に向けた場合を基準)に突出する第1底板部75mと、振分板部75gの下端部から右下り傾斜方向(振分板部75gの軸心を上下に向けた場合を基準)に突出する第2底板部75nと、を備える。また、振分板部75g、第1底板部75mおよび第2底板部75nの突端側には、錘体M、M1、M2が装着(埋設)されている。なお、各錘体M、M1、M2の重量は等しくされるとともに、1球の遊技球の重量よりも軽くなっている。また、部材本体75aは、その軸心位置と錘体Mの中心位置とを通過する仮想面(図4において紙面に垂直な面)を基準に線対称な形状を備える。
次に、振分部材75の動作態様(揺動態様)等について説明するが、以下の説明において振分部材75の姿勢を次のように定義する。つまり、図7(a)に示すように、振分板部75gを右上がり傾斜とし、第2底板部75nの下面突端側を第2規制突起J2に当接させる姿勢を「第1姿勢」と定義し、図8(a)に示すように、振分板部75gを左上がり傾斜とし、第1底板部75mの下面突端側を第1規制突起J1に当接させる姿勢を「第2姿勢」と定義する。ここで、入球口73aを通じて第1始動入賞装置17A内に遊技球が入球していないとき、振分部材75の姿勢は錘体M、M1、M2の作用で、「第1姿勢」若しくは「第2姿勢」となる。
また、図7(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」となると、合流部G内において、振分板部75gの左側に遊技球を受け入れ可能な空間(以下、「第1空間」という。)K1が設けられる。更に、図8(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第2姿勢」となると、合流部G内において、振分板部75gの右側に遊技球を受け入れ可能な空間(以下、「第2空間」という。)K2が設けられる。
図7(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」であるとき、入球口73aを通じて第1始動入賞装置17A内に遊技球Y1が入球し、導入ルートLを通過すると、この遊技球Y1は第1空間K1に進入し、第1底板部75mの上面部に落下する。このとき、第1底板部75mに遊技球Y1の重量が加わるため、図7(b)に示すように、振分部材75は反時計方向(正面視)に回転し、その姿勢が第2姿勢となる。このとき、第1底板部75mは左下り傾斜となるため、第1底板部75m上の遊技球Y1は第1分岐通路73c(第1ルートL1)に進入する。そして、この第1分岐通路73c(第1ルートL1)に進入した遊技球Y1は、第1始動口入球検知スイッチ17s(図12を参照)によって検知される。
図8(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第2姿勢」であるとき、入球口73aを通じて第1始動入賞装置17A内に遊技球Y2が入球し、導入ルートLを通過すると、この遊技球Y2は第2空間K2に進入し、第2底板部75nの上面部に落下する。このとき、第2底板部75nに遊技球Y2の重量が加わるため、図8(b)に示すように、振分部材75は時計方向(正面視)に回転し、その姿勢が第1姿勢となる。このとき、第2底板部75mは右下り傾斜となるため、第2底板部75n上の遊技球Y2は第2分岐通路73d(第2ルートL2)に進入する。このように、第2ルートL2に進入した遊技球は、第2始動口入球検知スイッチ17t(図12を参照)で検知される。
このように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」であるとき、第1始動入賞装置17A内に遊技球Y1が入球すると、振分部材75はその姿勢を「第1姿勢」から「第2姿勢」に変更しながら、遊技球Y1を第1分岐通路73c(第1ルートL1)に誘導する。また、遊技球Y1に続く遊技球Y2が第1始動入賞装置17Aに入球すると、振分部材75はその姿勢を「第2姿勢」から「第1姿勢」に変更しながら、遊技球Y2を第2分岐通路73d(第2ルートL2)に誘導する。そして、遊技球Y2に後続する各遊技球は、第1分岐通路73c(第1ルートL1)、第2分岐通路73d(第2ルートL2)の順で誘導される。
このため、ステージ部21p上から第1始動入賞装置17Aに順次入球する各遊技球は、第1始動口入球検知スイッチ17s、第2入賞口入球検知スイッチ17tの順で交互に検知される。そして、ステージ部21p上の遊技球が第1始動入賞装置17Aに順次入球すると、第1始動口入球検知スイッチ17s(図12を参照)が入球を検知することに基づいて発生する判定用乱数値と、第2始動口入球検知スイッチ17t(図12を参照)が入球を検知することに基づいて発生する判定用乱数値とを交互に1個ずつ取得することとなる。
第2始動入賞装置17Bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、図2に示すように、右領域11Rに配設されている。この第2始動入賞装置17Bは、図9(a)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17vと、取付板17vの前面部に装着されて第2始動入賞装置17Bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17vの前面部に装着された障害部材17Kと、を備えている。なお、前述の第1始動入賞装置17Aが、この障害部材17Kとして機能してもよい。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図12参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態(第1状態)にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態(第2状態)とされる。また、障害部材17Kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。更に、第2始動入賞装置17Bの内部には遊技球の通過を検知する第3始動口入球検知スイッチ17u(図12参照)が配設されている。
図9(a)に示すように、第2始動入賞装置17Bが閉鎖状態(第1状態)になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K1が形成されるが、この空間部K1の鉛直上方に障害部材17Kが配設されている。このため、閉鎖状態(第1状態)にある第2始動入賞装置17Bに遊技球が入球することは不可能されている。一方、図9(b)に示すように、第2始動入賞装置17Bが開放状態(第2状態)になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K1(つまり、第2始動口の左右全幅)が、障害部材17Kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2始動入賞装置17Bへ入球することが可能となる。
本遊技機1においては、第2始動入賞装置17Bが開放状態(第2状態)となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2始動入賞装置17Bに入賞可能となる。そして、遊技機1の遊技状態が「第2始動入賞装置17Bが開放状態とされる時間(開放時間)が通常よりも長い時間に設定される状態(開放延長状態)」になると、遊技球が第2始動入賞装置17Bに入賞する確率は第1始動入賞装置17Aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長状態における第2始動入賞装置17Bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長状態(通常開放状態)における第2始動入賞装置17Bの開放時間を「0.2秒」としている。一方、前述のように、第2始動入賞装置17Bが閉鎖状態(第1状態)になると、遊技球が第2始動入賞装置17Bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技状態が開放延長状態でない場合、遊技球が第2始動入賞装置17Bに入賞する確率は第1始動入賞装置17Aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。
ここで、第1始動入賞装置17Aに入球した遊技球を第1始動口入球検知スイッチ17s(図12参照)が検知することに基づいて取得される判定用乱数値は、4個を限度に第1判定用乱数値メモリ202a(後述する)に記憶される。また、第1始動入賞装置17Aに入球した遊技球を第2始動口入球検知スイッチ17t(図12参照)が検知することに基づいて取得される判定用乱数値と、第2始動入賞装置17Bに入球した遊技球を第3始動口入球検知スイッチ17u(図12参照)が検知することに基づいて取得される判定用乱数値は、合計4個を限度に第2判定用乱数値メモリ202b(後述する)に記憶される。また、判定用乱数値メモリ202aに記憶されている判定用乱数値が保留(処理を待機している判定用乱数値)であり、以下「第1保留」と称する。更に、判定用乱数値メモリ202aに記憶されている判定用乱数値も保留(処理を待機している判定用乱数値)であり、以下「第2保留」と称する。なお、判定用乱数値(第1始動入賞に基づく判定用乱数値、第2始動入賞に基づく判定用乱数値)は「入球情報」の具体例を構成し、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bは「入球情報記憶手段」の具体例を構成する。また、本実施例と異なり、第1始動入賞に基づく判定用乱数値および第2始動入賞に基づく判定用乱数値を共通の判定用乱数値メモリに記憶することとしてもよい。
次に、図10を用いて、保留表示領域27cにおける保留(保留図柄)の表示態様等について説明する。図3を用いて前述のように、保留表示領域27cは、左側から右側に向かって8個の領域D1〜D8を並べた構成を備えている。以下、左端に位置する領域D1を「第1領域D1」と称し、右端に位置する領域D8を「第8領域D8」と称するとともに、これらの間に位置する領域D2〜D7からを、左から順に「第2領域D2」、「第3領域D3」、「第4領域D4」、「第5領域D5」、「第6領域D6」、「第7領域D7」と称することとする。保留表示領域27cでは、保留数の増加に伴って、保留図柄が第1領域D1から第8領域D8に向かって順に増えていくように表示される。また、保留数の減少(保留消化)に伴って、第1領域D1に表示されていた保留図柄が消去され、保留図柄が第1領域D1に向かって順に減っていくように表示される。つまり、領域D1〜D8のうち左側に表示されている保留図柄に対応する保留(第1保留、第2保留)ほど消化順が早くなるように、保留図柄の表示が行われる。
図10では、「第1保留」の存在を示す保留図柄(以下、「第1保留図柄」という。)を「ハッチングを付した丸印」で示し、「第2保留」の存在を示す保留図柄(以下、「第2保留図柄」という。)を「白抜きの丸印」で示している。更に、保留図柄が表示されていない領域D1〜D8を「破線を用いた丸印」で示している。また、保留表示領域27cにおいて表示可能な「第1保留図柄」の上限数および表示可能な「第2保留図柄」の上限数は、ともに「4個」である。
図10(a)は、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態でない場合を示している。この状態において、遊技者は第1始動入賞装置17Aへの入球を狙って遊技球を発射するため、第1保留および第2保留が交互に発生する可能性が高くなる。このため、保留表示領域27cに第1保留の発生を示す「第1保留図柄」と、第2保留の発生を示す「第2保留図柄」とが交互に表示される(A1〜A4)。また、図10(b)は、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態である場合を示している。この状態において、遊技者は第2始動入賞装置17Bへの入球を狙って右領域11Rに遊技球を発射するため、第2保留が連続的に、しかも高頻度に発生する可能性が高くなる。このため、保留表示領域27cに第2保留の発生を示す「第2保留図柄」のみが表示される可能性が高くなる(B1、B2)。
なお、詳細は後述するが、本遊技機1では保留数が上限に到達し易いが、上限に行った場合は消化され易い。このため、保留表示領域27cの全ての領域D1〜D8に保留図柄が表示された状態で滞る事態や、保留表示領域27cの全ての領域D1〜D8に保留図柄が表示されない状態で滞る事態を生じ難くなっている。また、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態である場合には、保留表示領域27cのうち第1領域D1〜第4領域D4において、第2保留図柄が連続的に、しかも高頻度に表示される可能性が高くなるため、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている。一方、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態でない場合においても、保留数が上限に到達し易いため、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている。つまり、開放延長機能が作動しない場合、本来、保留数を上限数(MAX)に到達させることは困難であるが、本実施例では、保留数が上限に到達するまで変動時間を長く制御する(通常変動時間設定制御を行う)。しかも、第1始動入賞装置17Aに遊技球を高率的に入球させることで、第1始動入賞(後述する。)と第2始動入賞(後述する。)とが交互に発生するため(例えば、第1始動入賞と第2始動入賞のうちの一方に偏って発生しないため)、保留数を上限数(MAX)に到達させることが容易である。つまり、本遊技機1によると、開放延長機能が作動しないときの問題点(保留数が上限数に到達し難いという問題点)を解決することができる。
図2に示すように、大入賞装置31は右領域11Rであって、メイン役物装置20の右側方で、しかも第2始動入賞装置17Bの下方に位置に配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aで開口する大入賞口31aと、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図12を参照)と、大入賞装置31に入賞した遊技球を検知するための大入賞口入球検知スイッチ31s(図12を参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるとともに、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
図2に示すように、下部表示装置60は大入賞装置31の左側方に配置されている。この下部表示装置60は、図11(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、普通図柄保留表示部65等が設けられている。
第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入球検知スイッチ17sによって遊技球が検知されることに基づいて実行される当否判定(以下、「第1当否判定」という。)の結果を示す「第1特別図柄」が変動表示を経て停止表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入球検知スイッチ17t若しくは第3始動口入球検知スイッチ17uによって遊技球が検知されることに基づいて実行される当否判定(以下、「第2当否判定」という。)の結果を示す「第2特別図柄」が変動表示を経て停止表示する。第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。
普通図柄表示部63は普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄が停止表示されて、その停止表示が一定時間実行される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。この閉鎖状態(第1状態)にある普通電動役物17dを開放状態(第2状態)とするか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。なお、本遊技機1は、開放延長機能(後述する。)の作動時に専ら「右打ち」を行う遊技機1であるため、普通図柄作動ゲート16を右領域11Rにも配設している。
普通図柄保留表示部65は、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、(b)1個のLEDを点灯させつつ1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを示し、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを示し、(d)1個のLEDを点滅させつつ1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを示し、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを示す。
図2に戻り、2個の一般入賞装置45、46は、メイン役物装置20の左側に配置されている。そして、各一般入賞装置45、46の内部には、遊技球の入賞を検知するための一般入賞口入球検知スイッチ45s、46s(図12を参照)が配設されている。また、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。
(2)制御回路の構成
次に、図12を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。また、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されるとともに、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されるとともに、演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されるとともに貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されるとともに遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図12中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、主制御基板200においては、搭載されたCPU201、RAM202、ROM203を図示し、サブ制御基板220においても、搭載されたCPU220a、RAM220b、ROM220cを図示し、その他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200Aは、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16s、始動口入球検知スイッチ17s、17t、17u、一般入賞口入球検知スイッチ45s、46s、大入賞口入球検知スイッチ31s等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部220Aや、払出制御部240A、発射制御部260A等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検知するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200Aは、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。なお、主制御部200Aは、入球情報記憶手段、事前判定手段、特定遊技実行手段(後述する大当り遊技実行手段)、変動表示手段、変動時間設定手段、情報設定手段、傾向判定手段の具体例を構成する。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
図13(a)に示すように、演出表示制御基板222には、CPU222aと、制御ROM222pと、制御RAM222cと、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)222dと、ワークRAM222eと、表示用ROM(キャラクタROM)222gと、ビデオRAM222hとが搭載されている。また、VDP222dには演出表示装置27が電気的に接続されている。
CPU222aは、サブ制御基板220から送信された各種表示制御用の信号(コマンド)を受信すると共に制御ROM222pに記憶されたプログラムに従って受信した信号(コマンド)を解析する。そして、CPU222aはその解析結果をVDP222dに送信する。尚、制御ROM222pには遊技機1の遊技状態等に応じた各種の画像表示制御用のプログラムが記憶され、制御RAM222cには各種のデータを一時的に記憶する記憶領域や作業領域等が設けられている。また、表示用ROM222gには、演出表示装置27の表示画面27aに表示される各種演出図柄の表示に関するデータ(変動表示される演出図柄のデータ等)が記憶されている。
VDP222dは、CPU222aによる上記「解析結果」に基づいて、表示用ROM222gに記憶されたデータを読み出し、この読み出したデータに基づいてワークRAM222eで画像データを生成し、ビデオRAM222hに一時的に記憶させる。この後、送信部222kから、ビデオRAM222hに記憶された画像データを信号(RGB画像信号)に載せて演出表示装置27に送信する。
図12に示すように、アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4(図1を参照)が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板や装飾用(演出用)のアクチュエータが接続されている。また、この装飾駆動基板226は、サブ制御基板220からの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行う。
払出制御部240Aには、図12に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM222gに格納されているデータを使用する。
演出図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。
次に、図14を用いて「入球情報記憶手段(保留記憶手段)」等について説明する。つまり、主制御基板200に搭載されたRAM202には、第1判定用乱数値メモリ202aと、第2判定用乱数値メモリ202bと、第1保留数メモリ202cと、第2保留数メモリ202dと、第1事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第2事前判定結果メモリ(図示を省略)と、合計保留数カウンタ202eと、前回合計保留数メモリ202fとが設けられている。また、サブ制御基板220に搭載されたRAM220bには、第1事前判定結果情報メモリ221bと、第2事前判定結果情報メモリ222bと、第1保留数情報メモリ223bと、第2保留数情報メモリ224bとが設けられている。以下、「有効な始動入賞」とは、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限数でない状態で生じた始動入賞を指す。また、「オーバー入賞」とは、前述のように、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限数である状態で生じた始動入賞を指す。
ここで、以下の説明において、第1始動入賞装置17Aに遊技球が入球することで生じた「始動入賞」のうち、当該「入球した遊技球を第1始動口入球検知スイッチ17sが検知したもの」を「第1始動入賞」と称する。また、第1始動入賞装置17Aに遊技球が入球することで生じた「始動入賞」のうち、当該「入球した遊技球を第2始動口入球検知スイッチ17tが検知したもの」と、第2始動入賞装置17Bに遊技球が入球することで生じた「始動入賞」を「第2始動入賞」と称する。また、合計保留数カウンタ202eの値は第1保留数および第2保留数の合計数を示すカウンタである。更に、前回合計保留数メモリ202fは、前回の変動表示を開始する際の合計保留数を記憶するためのメモリである。
有効な第1始動入賞を生ずると、これに対応する判定用乱数値が取得され、主制御基板200において、この判定用乱数値が第1判定用乱数値メモリ202aにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数を示す値が第1保留数メモリ202cに累積的に記憶(加算記憶)される。また、有効な第1始動入賞に基づいて取得する判定用乱数値には「大当りか否かを当否判定するための当否判定用乱数値(大当り抽選乱数値)」、「大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」等が含まれる。
また、有効な第1始動入賞に基づいて取得された判定用乱数値が第1判定用乱数値メモリ202aに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が、当否判定に関する事前判定および大当り図柄(特別図柄)に関する事前判定(大当りを発生する旨の事前判定の結果を得た場合)を行うとともに、これらの事前判定(以下、「第1事前判定」という。)の結果を第1事前判定結果(図示を省略)にシフトメモリ形式で記憶する。これに伴い、第1始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。
ここで、第1始動入賞時コマンドは、「第1事前判定の結果を特定可能な情報(以下、「第1事前判定結果情報」という。)」、「当該始動入賞後の第1保留数を特定可能な情報(以下、「第1保留数情報」という。)」、「合計保留数カウンタ202eの値を特定可能な情報(以下、「合計保留数情報」という。)」等を示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、第1始動入賞時コマンドを受信すると、「第1事前判定結果情報」を第1事前判定結果情報メモリ221bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、第1事前判定結果情報メモリ221bに記憶された第1事前判定結果情報に基づいて、第1判定用乱数値メモリ202a(保留記憶手段)に当り保留(第1当否判定の結果が、大当りとなる当否判定用乱数値)が記憶されているか否かを判定することができる。
有効な第2始動入賞を生ずると、これに対応する判定用乱数値が取得され、主制御基板200において、この判定用乱数値が第2判定用乱数値メモリ202bにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数を示す値が第2保留数メモリ202dに累積的に記憶(加算記憶)される。また、有効な第2始動入賞に基づいて取得する判定用乱数値にも、「大当りか否かを当否判定するための当否判定乱数値(大当り抽選乱数値)」、「大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」等が含まれる。
また、有効な第2始動入賞に基づいて取得する判定用乱数値が第2判定用乱数値メモリ202bに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が、当否判定に関する事前判定および大当り図柄(特別図柄)に関する事前判定(大当りを発生する旨の事前判定の結果を得た場合)を行うとともに、これらの事前判定(以下、「第2事前判定」という。)の結果を第2事前判定結果メモリ(図示を省略)にシフトメモリ形式で記憶する。これに伴い、第2始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。
ここで、第2始動入賞時コマンドは、「第2事前判定の結果を特定可能な情報(以下、「第2事前判定結果情報」という。)」、「当該始動入賞後の第2保留数を特定可能な情報(以下、「第2保留数情報」という。)」、「合計保留数カウンタ202eの値を特定可能な情報(以下、「合計保留数情報」という。)」等を示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、第2始動入賞時コマンドを受信すると、第2事前判定の結果を示す情報(第2事前判定結果情報)を第2事前判定結果情報メモリ222bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、第2事前判定結果情報メモリ222bに記憶された第2事前判定結果情報に基づいて、第2判定用乱数値メモリ202b(保留記憶手段)に当り保留(第2当否判定の結果が、大当りとなる当否判定用乱数値)が記憶されているか否かを判定することができる。
なお、第1判定用乱数値メモリ202aと、第2判定用乱数値メモリ202bと、第1事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第2事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第1事前判定結果情報メモリ221bと、第2事前判定結果情報メモリ222bは、何れも、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で対応するデータを記憶可能となっており、有効な始動入賞を生ずる毎に、対応するデータがシフトメモリ形式で記憶される。例えば、メモリにおいて、領域0を含む複数の領域にデータが記憶されている場合には、対象となる判定用乱数値が消化される毎に、領域0以外の領域(例えば、領域1〜3)に記憶されたデータは「領域0」に向けて1領域ずつシフトされる。ここで、本明細書では、入球情報記憶手段(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値(入球情報)を最先に記憶されたものから順に読み出し、その読み出した判定用乱数を基に当否判定(後述する。)やこの当否判定に基づく図柄変動遊技を行うことを「判定用乱数値(入球情報)を消化する」と称する。
但し、本実施例では、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bの双方に判定用乱数値が記憶されている場合には、判定用乱数値がその記憶順に処理される。例えば、図15に示すように、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域0」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域0」、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域1」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域1」の順に判定用乱数値が記憶された場合には、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域0の判定用乱数値」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域0の判定用乱数値」、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域1の判定用乱数値」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域1の判定用乱数値」の順に処理される。但し、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bの双方に判定用乱数値が記憶されている場合において、何れか一方の判定用乱数値メモリに記憶された判定用乱数値を、他方の判定用乱数値メモリに記憶された判定用乱数値に優先して処理することとしてもよい。
また、以下の説明において、当否判定の結果が大当り(特定結果)となると事前判定されることとなる入球情報(判定用乱数値)を「当り保留」と称し、当否判定の結果が外れとなると(特定結果とならないと)事前判定されることとなる入球情報(判定用乱数値)を「外れ保留」と称する。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる当否判定の結果を示す図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示(特別図柄の変動表示)とを、下部表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄(判定図柄)と、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄(判定図柄)は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る主制御部200Aにおいて本図柄の「停止表示させる図柄(停止図柄)」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「演出図柄(疑似図柄)」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部220A」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「演出図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「演出図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ等)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では、有効な第1始動入賞に基づいて第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、有効な第2始動入賞に基づいて第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って、演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出」の概要について説明する。
a.図柄変動遊技
「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄の変動表示および停止表示によって構成され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄の変動表示および停止表示によって構成される。これらの変動表示は、図11(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。そして、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって、「第1始動入賞」に基づいて実行される当否判定(第1当否判定)の結果が表示され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって「第2始動入賞」に基づいて実行される当否判定(第2当否判定)の結果が表示される。
図16に示すように、遊技機1の確率状態が低確率状態(通常確率状態)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/300」とされ、遊技機1の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果(特定表示結果)が導出される確率は約「1/30」とされる。そして、特別図柄表示部62aに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段が駆動して大当り遊技が実行される。また、本実施例では、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。
具体的には、第2当否判定の結果が大当りの場合、当該「乱数抽選(振分抽選)」によって、大当り図柄が「16R確変大当りの発生を示す大当り図柄」、「16R通常大当りの発生を示す大当り図柄」および「8R確変大当りの発生を示す大当り図柄」のうち何れかに決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、当該「乱数抽選(振分抽選)」によって、大当り図柄が、「16R通常大当りの発生を示す大当り図柄」、「8R確変大当りの発生を示す大当り図柄」および「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄」のうち何れかに決定される。ここで、「大当り」は「特定結果」の具体例を構成し、「大当り図柄」および「外れ図柄」は当否判定の結果を示す表示の具体例を構成する。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(第2状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
「16R確変大当り」若しくは「16R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技Aが実行され、「8R確変大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。
「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段(後述する。)が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となる。また、「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、大当り遊技の終了後には開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動入賞装置17Bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この高確率状態および開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。
「16R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には、確率変動手段が作動を開始しないため、遊技機1の確率状態が低確率状態(通常確率状態)とされる。また、当該大当り遊技の終了後に開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動入賞装置17Bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。以上、図16を用いて説明したように、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。
b.図柄変動演出
図柄変動演出も、第1始動入賞若しくは第2始動入賞に基づいて開始される。そして、図柄変動演出の実行時間(変動時間)も、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって特定される。また、関連演出とは無関係に行われるもの(以下、「一般タイプの図柄変動演出」という。)と、関連演出として行われるもの(以下、「関連演出タイプの図柄変動演出」という。)とがあるが、以下、「一般タイプの図柄変動演出」について説明した後、「関連演出タイプの図柄変動演出」について説明する。
b−1.一般タイプの図柄変動演出
この図柄変動演出では、図17(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの所定の部位において演出図柄表示領域27bが出現し、演出図柄の変動表示(演出図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。そして、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される。この演出図柄の停止表示は、前述の下部表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b))による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
図17(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでは、演出図柄表示領域27bに3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。この演出図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。
また、図11(c)に示すように、演出図柄の停止図柄には「大当りを示す図柄(大当り図柄)」と「外れを示す図柄(外れ図柄)」とがある。そのうち、「16R確変大当り」の発生を示す図柄(16R確変大当り図柄)は3つの演出図柄がすべて同一の奇数数字とされる組み合わせによって構成され、「16R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」の発生を示す図柄(16R通常大当り図柄、8R通常大当り図柄))は3つの演出図柄がすべて同一の偶数数字とされる組み合わせによって構成される。また、「外れ図柄」は、3つの演出図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる数字とされる組み合わせによって構成される。
更に、図17(c)に示すように、演出表示装置27において「大当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行うが、「外れ図柄」を表示する場合、図17(b)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う場合と、図17(a)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合がある。また、本遊技機1では、リーチ表示後に行われる表示演出(以下、「リーチ演出」という。)として、演出内容が単純なリーチ演出(以下、演出内容が演出途中で発展しない「非発展演出」等の「ノーマルリーチ演出」)と、演出内容が演出途中で発展する「発展演出」とのうちの何れかを実行する。
b−2.関連演出タイプの図柄変動演出
以上が図柄変動演出の概要であるが、この図柄変動演出の中には複数回の変動表示(特別図柄の変動表示)に伴って関連演出として実行されるものがある。また、本遊技機1では、後述するように、入球情報記憶手段(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶された入球情報(判定用乱数値)について、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当り(特定結果)となる入球情報であるか否かを、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の実行に先立って事前判定する。そして、取得された入球情報の存在を示す保留図柄の態様を、事前判定の結果考慮しつつ選択する。
つまり、前述の「第1事前判定結果情報」や「第2事前判定結果情報」に基づき、発生した入球情報(保留)が当り保留であるか、外れ保留であるかを判断し、保留図柄の選択を行う。具体的には、「第1事前判定結果情報」若しくは「第2事前判定結果情報」に基づき、当り保留が発生したと判断される場合には、保留表示領域27cに対して、当り保留の存在を示す保留図柄を表示する。
ここで、図18および図19に示す具体例1は、入球情報記憶手段(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に上限数の入球情報(判定用乱数値)が記憶され、保留表示領域27cを構成する8個の領域D1〜D8に保留図柄が表示された状態を出発点とする関連演出を示している(a1)。また、この具体例1では「第4領域D4」に当り保留の存在を示す保留図柄(以下、「当り保留図柄」という。)が表示され、その他の領域(D1〜D3、D5〜D8)に外れ保留の存在を示す保留図柄(以下、「外れ保留図柄」という。)が表示されている(a1)。なお、図18および図19において、「外れ保留図柄」を「一重丸」で示し、「当り保留図柄」を「二重丸」で示している。また、保留図柄が表示されていない領域(D1〜D8)を「破線の丸印」で示している。
関連演出タイプの図柄変動演出は、演出表示装置27の表示画面27aにおいて演出図柄表示領域27bが出現し、演出図柄の変動表示(演出図柄を用いた図柄変動演出)を開始する(a2)。このとき、第1領域D1に表示された保留図柄が消去され、第2領域D2〜第8領域D8に表示された保留図柄が1個上位の領域(第1領域D1〜第7領域D7)にシフトする。なお、以下の説明において、「所定の領域よりも下位の領域」とは、所定の領域よりも後に処理される判定用乱数値に対応する保留図柄が表示されている領域を示し、「所定の領域よりも上位の領域」とは、所定の領域よりも先に処理される判定用乱数値に対応する保留図柄が表示されている領域を示す。例えば、第1領域D1の一つ下位の領域が第2領域D2であり、第2領域D2の一つ上位の領域が第1領域D1である。
このように、演出図柄の変動表示(演出図柄を用いた図柄変動演出)を開始した後、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると(a2〜a8)、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される(a9)。この演出図柄の停止表示は、前述の下部表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b))による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。但し、関連演出タイプの図柄変動演出においては、演出図柄表示領域27bが表示画面27aの下端側においてサイズを小さくした状態で表示される。
また、この小型の演出図柄表示領域27bにおいても、3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。そして、この演出図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。そして、演出図柄の停止図柄の内容は一般タイプの図柄変動演出と同様である。
次に、関連演出タイプの図柄変動演出の特徴を説明する。この具体例1の関連演出は、4回の図柄変動演出を連続的に行うことによって構成されている。これらの図柄変動演出においては実行時間が「2秒」に統一されている。また、何れの図柄変動演出においてもリーチ演出を行うことがない。更に、具体例1においては、何れの図柄変動演出を開始する際にも、保留数が減少傾向であるものとする。
この具体例1の関連演出は、「第1領域D1」の保留図柄(外れ保留図柄)に対応する判定用乱数値を消化して開始される(a1,a2)。この判定用乱数値を消化して開始される図柄変動演出(以下、「第1図柄変動演出」という。)においては、表示画面27aにカウント値が「4」であることを示すマークが表示される(a2〜a8)。そして、このカウント値を示すマークを表示しつつ「第1図柄変動演出」を進行させ、小型の演出図柄表示領域27bに外れ図柄を表示して第1図柄変動演出を終了する(a9)。また、「第1図柄変動演出」の開始前に「第1領域D1」に表示されていた保留図柄(以下、「第1保留図柄」という。)が消去され、「第1図柄変動演出」の開始前に「第1領域D1」よりも下位の領域(第2領域D2〜第8領域D8)に表示されていた保留図柄は、それぞれ1個上位の領域(第1領域D1〜第7領域D7)に移行する(シフトする)。
続いて、第1図柄変動演出を終了したときに、「第1領域D1」に表示されている保留図柄(外れ保留図柄)を消化して図柄変動演出(以下、「第2図柄変動演出」という。)が開始される。この「第2図柄変動演出」においては、表示画面27aにカウント値が「3」であることを示すマークが表示される(a10)。そして、小型の演出図柄表示領域27bに外れ図柄を表示して第2図柄変動演出を終了する(a11)。また、「第2図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」に表示されていた保留図柄(以下、「第2保留図柄」という。)が消去され、「第2図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」よりも下位の領域(第2領域D2〜第7領域D7)に表示されていた保留図柄は、それぞれ1個上位の領域(第1領域D1〜第6領域D6)に移行する(シフトする)。
更に、第2図柄変動演出を終了したときに、「第1領域D1」に表示されている保留図柄(外れ保留図柄)を消化して図柄変動演出(以下、「第3図柄変動演出」という。)が開始される(a12)。この「第3図柄変動演出」においては、表示画面27aにカウント値が「2」であることを示すマークが表示される(a12)。そして、小型の演出図柄表示領域27bに外れ図柄を表示して第3図柄変動演出を終了する(a13)。また、「第3図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」に表示されていた保留図柄(以下、「第3保留図柄」という。)が消去され、「第3図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」よりも下位の領域(第2領域D2〜第6領域D6)に表示されていた保留図柄は、それぞれ1個上位の領域(第1領域D1〜第5領域D5)に移行する(シフトする)。
そして、第3図柄変動演出を終了したときに、「第1領域D1」に表示されている保留図柄(当り保留図柄)を消化して図柄変動演出(以下、「第4図柄変動演出」という。)が開始される(a14)。この「第4図柄変動演出」においては、表示画面27aにカウント値が「1」であることを示すマークが表示される(a14)。そして、小型の演出図柄表示領域27bに当り図柄を表示して第4図柄変動演出を終了し(a15)、これにより、関連演出を終了する。なお、「第4図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」に表示されていた保留図柄(以下、「第4保留図柄」という。)が消去され、「第4図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」よりも下位の領域(第2領域D2〜第5領域D5)に表示されていた保留図柄は、それぞれ1個上位の領域(第1領域D1〜第4領域D4)に移行する(シフトする)。
また、以上の関連演出構成する図柄変動演出において、その開始時の保留数が維持傾向若しくは増加傾向となると、関連演出を終了して一般タイプの図柄変動演出が開始される。例えば、図20の具体例2に示すように、第3図柄変動演出の実行中に保留を発生すると(a12,b13)、第3図柄変動演出の終了した後(b14)、後続の図柄変動演出が一般タイプの図柄変動演出として実行される(b15〜b18)。この一般タイプの図柄変動演出においては、当該図柄変動演出の実行時間が長くなるため、リーチ演出等を行うこともある。
(4)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図13(b)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。
また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部200Aからサブ制御部220Aに出力されるコマンドとしては、例えば、(A)変動パターン指定コマンド、(B)特別図柄停止情報指定コマンド等を例示できる。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドである。
(5)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図21は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図21のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図21のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
ここで、賞球払出処理(S80)は入賞装置(17、31、45、46)に遊技球が入賞したときの賞球払出に関する処理であるが、本実施例ではその詳細な説明を省略する。
A.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄表示部63にて普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図21の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)、或いは、作動させない図柄(普通図柄の外れ図柄)の何れであるかを判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.2秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
B.普通電動役物遊技処理(S200)
図22は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図21の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動入賞装置17Bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動入賞装置17Bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動入賞装置17Bを開放状態(第2状態)に維持する所定時間であって、開放延長状態では5秒、通常開放状態では0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態(第2状態)にある第2始動入賞装置17Bを閉鎖状態(第1状態)とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2始動入賞装置17B)の開放中に(S202;NO)、第2始動入賞装置17Bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。なお、本遊技機1では普通電動役物17dの作動に際して普通電動役物ソレノイド17cが駆動されると、普通電動役物17dを構成する第2始動入賞装置17Bの一対の翼片部が外側に回動して、第2始動入賞装置17Bが開放状態(第2状態)となる。
C.特別図柄遊技処理(S300)
特別図柄遊技処理(S300)が起動すると、図23に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図24に示すS328以降の処理に移行する。
CPU201によって第1始動入賞が発生したと判断されると(S301a;YES)、第1始動入賞に対応する第1特別図柄の保留数(第1保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において所定数未満と判断されると(S302a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303a)。この第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図14に示す第1判定用乱数値メモリ202a)にシフトメモリ形式で記憶されるとともに、「第1始動入賞に対応する特別図柄の保留数(第1保留数)」が、図14に示す第1保留数メモリ202cに累積的に記憶(加算記憶)される(S303a)。
ここで、S303aの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第1始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される大当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出図柄の変動表示(図柄変動演出)においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値などがある。そして、これらの判定用乱数値は、第1始動口に基づいて取得される入球情報の具体例を構成する。なお、本実施例と異なり、第1始動入賞に基づいて小当り判定を行う場合、S303aの処理で取得される判定用乱数値には小当り判定で用いる判定用乱数値(小当り判定乱数値)が含まれる。また、S303aの処理で変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数値が含めることもできる。
CPU201は、S303aの処理に続いて、S303aの処理で取得した当否判定乱数値を用いて、第1当否判定(特図1大当り抽選)に関する事前判定(第1事前判定)を行い、その結果を示す情報を第1事前判定結果メモリ(図14において図示を省略)に記憶する(S304a)。そして、合計保留数カウンタ202e(図14を参照)の値を「+1」した後(S310a)、S315aの処理へ移行する。ここで、合計保留数カウンタ202eは第1保留数および第2保留数の合計数を示すカウンタであり、CPU201は合計保留数カウンタ202eの値を参酌することで、その時点における合計保留数(第1保留数および第2保留数の合計数)を特定することができる。
S315aの処理では、S310aの処理によって合計保留数が上限数(第1保留数および第2保留数の合計数の上限数)となったか否かを判断し(S315a)、肯定的に判断されると(S315a;YES)、上限フラグをセット(ONに設定)した後(S320a)、S325aに移行し、否定的に判断されると(S315a;NO)、そのままS325aに移行する。そして、S325aでは、第1始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信する処理を行い、このS325aを行うと、図24のS328の処理に移行する。ここで、第1始動入賞時コマンドは前述のように、第1事前判定の結果を特定可能な情報と、第1始動入賞後の第1保留数、第1始動入賞後の合計保留数等を示すコマンドである。但し、本実施例と異なり、第1始動入賞後の第1保留数を特定するコマンド等と、その他の情報を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。また、上限フラグがセット(ONに設定)されていること示すデータは「第2情報」の具体例を示し、上限フラグが解除(OFFに設定)されていることを示すデータは「第1情報」の具体例を示す。そして、本遊技機では、この上限フラグの状態に応じて、変動時間を第1の変動時間(通常変動時間)よりも短い第2の変動時間(特定変動時間)に設定すること(特定変動時間設定制御の実行)の可否を判断することができる(図27のS514の処理を参照)。
なお、第1事前判定において第1当否判定(特図1大当り抽選)の結果が大当り(当選)となる場合には、この第1事前判定において、「特図1図柄決定乱数値」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行してもよい。この場合、この大当り図柄に関する事前判定の結果を特定可能な情報も第1始動入賞時コマンドに含まれる。この場合、S304aの処理は、事前判定の対象となる保留(第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)毎に、当該保留(第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)が実際に処理されるとき(実際に図柄変動遊技が開始されるとき)の遊技状態を考慮して行われる。すなわち、事前判定の対象となる保留(第1判定用乱数値)を処理して開始する図柄変動遊技が、低確率状態で行われるものであれば、当該保留(第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)に関する事前判定は、前述の「低確率用のデータテーブル」を参照して実行される。また、事前判定の対象となる保留(第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)を処理して開始する図柄変動遊技が、高確率状態で行われるものであれば、当該保留(第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)に関する事前判定は、前述の「高確率用のデータテーブル」を参照して実行される。
また、図23〜図27においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
また、第2始動入賞が発生したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞に対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において所定数未満と判断されると(S302b;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303b)。この第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図14に示す第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されるとともに、「第2始動入賞に対応する特別図柄の保留数(第2保留数)」が第2保留数メモリ202dに累積的に記憶(加算記憶)される(S303b)。
ここで、S303bの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第2始動入賞に基づいて実行される第2当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出図柄の変動表示(図柄変動演出)においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値などがある。なお、本実施例と異なり、第2始動入賞に基づいて小当り判定を行う場合、S303bの処理で取得される判定用乱数値には小当り判定で用いる判定用乱数値(小当り判定乱数値)が含まれる。また、S303bの処理で変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数値が含まれてもよい。
CPU201は、S303bの処理に続いて、S303bの処理で取得した当否判定乱数値を用いて、第2当否判定(特図2大当り抽選)に関する事前判定(第2事前判定)を行い、その結果を示す情報を第2事前判定結果メモリ(図14において図示を省略)に記憶する(S304b)。そして、合計保留数カウンタ202e(図14を参照)の値を「+1」した後(S310b)、S315bの処理へ移行する。そして、S315bの処理では、S310bの処理によって合計保留数が上限数(第1保留数および第2保留数の合計数の上限数)となったか否かを判断し(S315b)、肯定的に判断されると(S315b;YES)、上限フラグをセット(ONに設定)した後(S320b)、S325bに移行し、否定的に判断されると(S315b;NO)、そのままS325bに移行する。
S325bでは、第2始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信する処理を行い、このS325bを行うと、図24のS328の処理に移行する。ここで、第2始動入賞時コマンドは前述のように、第2事前判定の結果を特定可能な情報と、第2始動入賞後の第2保留数、第2始動入賞後の合計保留数等を示すコマンドである。但し、本実施例と異なり、第2始動入賞後の第2保留数を特定するコマンド等と、その他の情報を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
なお、第2事前判定においても、第2当否判定(特図2大当り抽選)の結果が大当り(当選)となる場合には、この第2事前判定において、「特図2図柄決定乱数値」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行する。この大当り図柄に関する事前判定の結果を特定可能な情報も第2始動入賞時コマンドに含まれる。この場合、S304bの処理も、事前判定の対象となる保留(第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)毎に、当該保留(第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)が実際に処理されるとき(実際に図柄変動遊技が開始されるとき)の遊技状態を考慮して行われる。すなわち、事前判定の対象となる保留(第2判定用乱数値)を処理して開始する図柄変動遊技が、低確率状態で行われるものであれば、当該保留(第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)に関する事前判定は、前述の「低確率用のデータテーブル」を参照して実行される。また、事前判定の対象となる保留(第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)を処理して開始する図柄変動遊技が、高確率状態で行われるものであれば、当該保留(第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値)に関する事前判定は、前述の「高確率用のデータテーブル」を参照して実行される。
S328の処理では、図24に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S328)。具体的には、大当り遊技フラグ(図25のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S328の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S328;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。一方、S328の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S328;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S330)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S330;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S332)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S330;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S332;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S335)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないときには(S335;NO)、判定用乱数値メモリ(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値のうち、最も古い判定用乱数値を読み出し(S336)、特別図柄(第1特別図柄若しくは第2特別図柄)に関する当否判定処理を行う(S338)。つまり、S336の処理において、第1判定用乱数値メモリ202aから判定用乱数値を読み出した場合には、S338の処理において「第1当否判定」を行い、第2判定用乱数値メモリ202bから判定用乱数値を読み出した場合には、S338の処理において「第2当否判定」を行う。なお、S336で読み出す判定用乱数値はS303aの処理若しくはS303bも処理で取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。
この当否判定処理(S338)では、第1当否判定若しくは第2当否判定に関する処理が行われる。具体的には、高確率状態のときには、「高確率用のデータテーブル」と「S336の処理で読み出した当否判定乱数値」とを用いて当否判定が行われ、低確率状態(通常確率状態)のときには、「低確率用のデータテーブル」と「S336bの処理で読み出した当否判定乱数値」とを用いて当否判定が行われる(S338)。
CPU201は当否判定処理(S338)に続いて図柄変動開始処理(S500b)を実行する。この図柄変動開始処理(S500)においては、図26に示すように、先ず、当否判定処理(S338)の結果に基づいて変動パターンテーブルを振り分ける処理(510D、510E)等を行う。すなわち、当否判定処理(S338)の結果が「大当り」である場合(S501;YES)、S303a若しくはS303bの処理において取得した図柄決定乱数値を対応する判定用乱数値メモリ(第1判定用乱数値メモリ202a若しくは第2判定用乱数値メモリ202b)から読み出して(S502)、対応する特別図柄表示部(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)に停止表示される大当り図柄を設定(決定)した後(S503)、大当り時の変動パターンテーブルを振り分ける処理(以下、大当り時変動パターンテーブル振分処理という。)を行い(S510D)、S560の処理に移行する。
また、当否判定処理(S338)の結果が「外れ」である場合(S501;NO)、外れ時の変動パターンテーブルを振り分ける処理(以下、外れ時変動パターンテーブル振分処理という。)を行う(S510E)。そして、図柄決定乱数値を取得し(S554)、対応する特別図柄表示部(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)に停止表示される外れ図柄を設定(決定)した後(S556)、S560の処理に移行する。なお、外れ図柄を設定(決定)する際に使用する図柄決定乱数値を始動入賞時に取得するとともに、S554の処理の際に、この取得した図柄決定乱数値を読み出すこととしてもよい。
ここで、大当り時変動パターンテーブル振分処理(S510D)と、外れ時変動パターンテーブル振分処理(S510E)の内容は共通であり、図27に従って行われる。この振分処理(S510D、S510E)が開始されると、先ず、上限フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S514)。ここで、「上限フラグ」は前述のように、合計保留数が上限数(第1保留数および第2保留数の合計数の上限数)となったときにセットされるフラグであり(320a、320b)、この「上限フラグ」がセットされている間は、特定変動パターンテーブルを用いて変動時間が決定される(後述する)。なお、特定変動パターンテーブルを用いて設定される変動時間が「特定変動時間(第2の変動時間)」の具体例を構成する。
S514の処理において、上限フラグが解除(OFFに設定)されていると判断されると(S514;NO)、S532以降の処理に移行して、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。また、S514の処理において、上限フラグがセット(ONに設定)されている場合であっても、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか(S520;NO)、S524の処理で否定的な判断がなされる場合には(S524;NO)、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。なお、本実施例では、所謂「潜伏確変大当り」を発生しないため、確変フラグがセット(ONに設定)されると、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されることになる(図16を参照)。
S524の処理において、CPU201は今回の変動表示の開始時における合計保留数(以下、「今回合計保留数」という。)と、前回の変動表示の開始時における合計保留数(以下、「前回合計保留数」という。)とを比較する。つまり、つまり、CPU201は合計保留数カウンタ202e(図14を参照)の値を参酌することで、今回の変動表示の開始時における合計保留数(第1保留数および第2保留数の合計数)を取得することができる。また、主制御基板200に搭載されたRAM202に設けられた「前回合計保留数メモリ202f(図14を参照)」を参酌することで、今回の変動表示の開始時における合計保留数(第1保留数および第2保留数の合計数)を取得することができる。そして、CPU201は、「今回合計保留数」が「前回合計保留数」よりも少ない場合には(S524;YES)、S528の処理に移行し、「今回合計保留数」が「前回合計保留数」よりも少なくない場合には(S524;NO)には、上限フラグを解除(OFFに設定)する処理を行った後(S526)、S532以降の処理に移行して、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。
ここで、S524の処理で「今回合計保留数」が「前回合計保留数」よりも少ないと判断される場合は(S524;YES)、前回の変動表示を開始してから今回の変動表示を開始するまでの間に、始動入賞を生じていない場合(入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が減少傾向にある場合)である。つまり、前回の変動表示を開始する時の合計保留数よりも、今回の変動表示を開始する時の合計保留数が減少している場合である。また、S524の処理で「今回合計保留数」が「前回合計保留数」よりも少なくないと判断される場合とは(S524;NO)、「今回合計保留数」と「前回合計保留数」とが等しいか、「今回合計保留数」が「前回合計保留数」よりも多い場合であり、前回の変動表示を開始してから今回の変動表示を開始するまでの間に、始動入賞を生じている場合(入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が維持傾向若しくは増加傾向にある場合)である。つまり、前回の変動表示を開始する時の合計保留数と今回の変動表示を開始する時の合計保留数が等しいか、後者の方が多い場合である。また、S524の処理はCPU201が行う「傾向判定手段」としての処理の具体例を構成する。なお、本明細書で例示する「傾向判定手段」は、今回の変動表示を開始する際に入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数(保留数)が、当該変動表示の直前に実行された他の変動表示(前回の変動表示)を開始する際に入球情報記憶手段に記憶されていた入球情報の数(保留数)に比べて減少している減少傾向にあるか、減少していない非減少傾向にあるかを判定する。
以下においては、先ず、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理(S532以降の処理)について説明した後、特定変動パターンテーブルをセットする処理(S528の処理)について説明する。また、S532以降の処理に従って変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う場合であって、当否判定の結果が外れである場合には、S536、S544およびS548の処理において、S336の処理で読み出した判定用乱数値に含まれるリーチ乱数に基づき、リーチ演出の実行有無を判断した上で、変動パターンテーブルがセットされる。
S532の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S532)。そして、確変フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合には(S532;YES)、遊技機1の遊技状態は「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動状態)」であるため、高確率短縮変動状態で用いる変動パターンテーブル(以下、高確率短縮変動パターンテーブルという。)をセットした後(S536)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。このS536の処理においては、当否判定の結果が大当りである場合には、図28(a)の「高確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる(S536)。また、当否判定の結果が外れであってリーチ演出を行わない場合には、図29の「高確率・短縮」と表記するとともに「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合、図29の「高確率・短縮」と表記するとともに「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる(S536)。
S532の処理において、確変フラグが解除(OFFに設定)されていると判断すると(S532;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S540)。そして、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S540;YES)、遊技機1の遊技状態は「低確率で短縮変動を行う状態(低確率短縮変動状態)」であるため、低確率短縮変動状態で用いる変動パターンテーブル(以下、低確率短縮変動パターンテーブルという。)をセットした後(S544)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。このS544の処理においては、当否判定の結果が大当りである場合には、図28(a)の「低確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる(S544)。また、当否判定の結果が外れであってリーチ演出を行わない場合には、図29の「低確率・短縮」と表記するとともに「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合、図29の「低確率・短縮」と表記するとともに「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる(S544)。
確変フラグおよび変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されていると判断すると(S532;NO、S540;NO)、遊技機1の遊技状態は「低確率で通常変動を行う状態(低確率通常変動状態)」であるため、低確率通常変動状態で用いる変動パターンテーブル(以下、低確率通常変動パターンテーブルという。)をセットした後(S548)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。このS548の処理においては、当否判定の結果が大当りである場合には、図28(a)の「低確率・通常」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる(S548)。また、当否判定の結果が外れであってリーチ演出を行わない場合には、図29の「低確率・通常」と表記するとともに「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合、図29の「低確率・通常」と表記するとともに「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる(S548)。
なお、本実施例が、所謂「潜伏確変大当り」を生じ得る遊技機である場合は、確変フラグがセット(ONに設定)されている状態で、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合も生じ得る。この場合、遊技機1の遊技状態は「高確率で通常変動を行う状態(高確率通常変動状態)」であるため、高確率通常変動状態で用いる変動パターンテーブル(高確率通常変動パターンテーブル」をセットすることになる。
図28〜図29に示す変動パターンテーブルには「乱数の値」に対応付けて変動パターンが設定され、後述するS560の処理で取得する「変動パターン決定乱数値」に基き、後述するS562の処理で「変動表示に用いる変動パターン」が決定される。また、図28(a)及び図29には、説明の便宜のため、少数の変動パターンを記憶した変動パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの変動パターンテーブルは多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)を記憶している。なお、本実施例で述べる各変動パターンテーブルは、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されており、このROM203が「変動パターンテーブル記憶手段」の具体例を構成する。なお、S562の処理は「CPU201が変動時間設定手段として行う処理」の具体例を構成する。
ここで、短縮変動状態のときに選択される変動パターンテーブルを用いる場合には、通常変動状態(低確率通常変動状態)のときに選択される変動パターンテーブルを用いる場合に比べて、特定される変動時間が短くなる可能性が高くなっている。また、リーチ演出を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ演出を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。
図27に示すように、上限フラグがセット(ONに設定)され、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)され、しかも「今回合計保留数」が「前回合計保留数」よりも少ない場合には(S514;YES、S520;YES、S524;YES)、「特定変動パターンテーブル」をセットした後(S528)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。ここで、S528の処理においては、当否判定の結果が大当りであるか、外れであるかを問わずに、図28(b)に示す「特定変動パターンテーブル」がセットされる。そして、この「特定変動パターンテーブル」には1個の変動パターンのみが記憶されているため、この「特定変動パターンテーブル」を用いると、一定の変動時間(2秒の変動時間)が特定されることになる。
ここで、図28(b)に示すように、「特定変動パターンテーブル」には、それぞれ1個の変動パターンが記憶されているため、「複数回連続して実行される変動表示」の実行時間の総計を予め算出できるため、より効果的な演出(例えば、複数回の特定変動に跨って実行される連続的な演出、つまり、関連演出)を行うことができる。なお、本実施例と異なり、当り用と外れ用とで独立した特定変動パターンテーブルを設けてもよい。また、「特定変動パターンテーブル」を用いる場合には、短縮変動状態のときに選択される変動パターンテーブルを用いる場合に比べて、特定される変動時間が更に短くなっている。なお、「特定変動パターンテーブル」を用いて特定される変動時間は「特定変動時間(第2の変動時間)」の具体例を構成し、「低確率通常変動パターンテーブル」を用いて特定される変動時間は「通常変動時間(第1の変動時間)」の具体例を構成する。なお、後述する実施例3においては、「低確率通常変動パターンテーブル」を用いて特定される変動時間と、短縮変動状態のときに選択される変動パターンテーブルを用いて特定される変動時間が「通常変動時間(第1の変動時間)」の具体例を構成する。
次に、図30〜図33を用いて、実施例1の遊技機1において実行される変動パターンの決定方法の特徴を説明する。なお、実施例1においては、以下「低確率通常変動パターンテーブル」を単に「通常変動パターンテーブル」と称する。
図30および図31は、変動表示を開始する時の合計保留数(以下、「開始時合計保留数」という。)と、使用する変動パターンとの関係を示している。ここで、図30は「変動短縮フラグ」が解除(OFFに設定)されているときにおいて、「開始時合計保留数」と、使用する変動パターンとの関係を示しており、図31は「変動短縮フラグ」がセット(ON設定)されているときにおいて、「開始時合計保留数」と、使用する変動パターンとの関係を示している。
図30において「実線の矢印」と「通常変動PT」は通常変動パターンテーブルを使用することを示し、「破線の矢印」と「特定変動PT」は特定変動パターンテーブルを使用することを示している。また、図31において「二点鎖線の矢印」と「短縮変動PT」は短縮変動パターンテーブルを使用することを示している。また、図中において右方向に終点を向けた矢印は保留数が増加傾向若しくは維持傾向にあるときに選択される変動パターンテーブルを示し、左方向に終点を向けた矢印は保留数が減少傾向にあるときに選択される変動パターンテーブルを示している。また、図32及び図33の合計保留数の欄において矢印を挟んで示す数値は、当該変動表示を開始する際の合計保留数の推移を示している。例えば、右側に終点を向けた矢印の左側に「8」を表示し、右側に「7」を表示した部分は、合計保留数が「8」の時点で変動表示を開始することで、合計保留数が「7」に減少することを示している。
図30および図32に示すケース1は、「開始時合計保留数」が減少傾向を示さない場合(維持傾向若しくは増加傾向を示す場合であって、以下「非減少傾向」と称する場合がある。)にある場合には、変動表示を開始する際に通常変動パターンテーブルを選択し、「開始時合計保留数」が上限数になると、「開始時合計保留数」が減少傾向である限りは、変動表示を開始する際に特定変動パターンテーブルを選択する。また、図30及び図33に示すケース2のように、「開始時合計保留数」が上限数になる前に減少傾向になると、変動表示を開始する際に通常変動パターンテーブルを選択する。
更に、図30に示すケース3に示すように、「開始時合計保留数」が上限数になった後に「開始時合計保留数」が減少傾向となり、特定変動パターンテーブルの選択を開始した場合においても、一旦「開始時合計保留数」が非減少傾向となると(維持傾向若しくは増加傾向になると)、変動表示を開始する際に通常変動パターンテーブルを選択する。但し、この後、「開始時合計保留数」が上限数になると、「開始時合計保留数」が減少傾向である限りは、変動表示を開始する際に特定変動パターンテーブルを選択する。
なお、図31に示すように、「変動短縮フラグ」がセット(ON設定)されている場合には「開始時合計保留数」が非減少傾向および減少傾向のうち何れであっても変動短縮パターンテーブル(高確率通常変動パターンテーブル、低確率通常変動パターンテーブル)が選択される。
図26に戻って説明すると、S560の処理では変動パターン決定乱数値(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数値)を取得する(S560)。そして、変動パターンテーブル振分処理(S510D、510E)でセットした変動パターンテーブルと、S560の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを決定する(S562)。そして、CPU201は対応する特別図柄表示部(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)にて特別図柄の変動を開始する(S570)とともに、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S572)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。
更に、CPU201は、対応する特別図柄に係る保留数(第1保留数若しくは第2保留数)を「1」減算する処理と、合計保留数(第1保留数および第2保留数の合計数)を「1」減算する処理と、減算された後の保留数(第1保留数若しくは第2保留数)および合計保留数(第1保留数および第2保留数の合計数)を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行う(S575)。そして、前回合計保留数メモリ202f(図14を参照)に記憶されている前回合計保留数を更新する処理を行った後(S578)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。なお、S578では、S575の処理を経た「合計保留数(「1」減算する処理を経た合計保留数)」を、前回合計保留数メモリ202f(図14を参照)に記憶される前回合計保留数とする処理を行う。つまり、次回の変動表示を開始するときに、S524において参酌すべき前回合計保留数を、前回合計保留数メモリ202f(図14を参照)に記憶することを行う。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図13(a)に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が何れであるかを知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して演出図柄の表示制御信号を出力し、演出図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図24に戻り、S310の処理で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S330;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図21の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図21の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図25のS352)。
図25のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態を示すデータがセットされる。なお、「確変フラグ」は特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率に設定される状態(高確率状態)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態(短縮変動状態)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は第2始動入賞装置17B(普通電動役物17d)が開放状態となる時間(開放時間)が長時間に設定される状態(開放延長状態)にあることを示すフラグである。なお、本実施例では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。つまり、短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。
ここで、本明細書では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」が「ON」に設定されている状態を「開放延長状態」または「短縮変動状態」といい、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」が「OFF」に設定されている状態を「通常開放状態」または「通常変動状態」という。また、「確変フラグ」が「ON」に設定されている状態を「高確率状態」といい、「確変フラグ」が「OFF」に設定されている状態を「低確率状態」または「通常確率状態」という。また、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」および「確変フラグ」のすべてが「ON」に設定されている状態を「高確率開放延長状態」または「高確率短縮変動状態」といい、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」が「ON」に設定されている状態で「確変フラグ」が「OFF」に設定されている状態を「低確率開放延長状態」または「低確率短縮変動状態」という。
S354の処理に続いて、発生した大当りの種類に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。つまり、「16R確変大当り」若しくは「16R通常大当り」が発生した場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「16ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「8R確変大当り」若しくは「8R通常大当り」が発生した場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「8ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。
S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技開始指定コマンド(図中、開始Cと表記)を送信する。
S378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S382)を行った後、S384の処理に移行する。
S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図21の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図21のS600)が開始され、大当り遊技が実行される。
なお、大当り遊技を終了するときに、前述の「大当り遊技終了時参照用バッファ(図25のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)の種類(通常大当り図柄、確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態等を設定する処理を行う。つまり、「今回の大当り図柄」が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。これにより、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、特別図柄の変動回数が「100回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動を停止する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は、確変フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。つまり、「確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。また、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるまで、高確率短縮変動状態が継続される。
なお、本実施例では、大当り遊技終了時処理にて各種フラグやカウンタを設定した際に、その設定に基づく大当り遊技終了後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態(例えば、高確率短縮変動状態、低確率短縮変動状態、低確率通常変動状態など)に応じた遊技演出を行うことができる。
次に、図25のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;YES)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図15の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技状態が「低確率短縮変動状態」若しくは「高確率短縮変動状態」である場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図21の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技状態が低確率短縮変動状態から低確率通常変動状態に切り換わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図21の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動で短縮変動状態が終了して、次回の変動から通常変動状態に切り換わり、次回以降の特別図柄の変動は通常変動で行われる。
なお、変動短縮フラグや開放延長フラグがともにOFFに切り換わった場合(S410,416)には、高確率状態や開放延長状態(短縮変動状態)が終了して状態の切り換わりが生ずることとなる。本実施例では、そのような状態の切り換わりが発生した場合には、その切り換わり後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態(例えば、低確率短縮変動状態、低確率通常変動状態など)に応じた遊技演出を行うことができる。
(6)演出制御処理(S900)
次に、図34を用いて、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222Aと協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図34には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。この演出制御処理(S900)では、保留発生時処理(S1000)、図柄変動演出処理(S1500)、保留消化時処理(S1600)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。また、図34の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図25のフロー図に示す処理のうち、大当り遊技演出処理についての説明は省略する。
a.保留発生時処理(S1000)
保留発生時処理(S1000)においては、図35に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、この始動入賞時コマンドによって特定される保留数に関する情報と、事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報を記憶する(S1010)。
つまり、第1始動入賞装置17Aへの始動入賞に基づく始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第1事前判定の結果に関する情報」を第1事前判定結果情報メモリ226bに記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する(図14を参照)。また、第2始動入賞装置17Bへの始動入賞に基づく始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第2事前判定の結果に関する情報」を第2事前判定結果情報メモリ227bに記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する(図14を参照)。
CPU220aは、S1010の処理に続いて、演出表示装置27の表示画面27aの保留表示領域27cに保留図柄を追加表示する処理を行う(S1015)。この後、関連演出フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S1020)、セット(ONに設定)されている場合には(S1020;YES)、関連演出フラグを解除(OFFに設定)し(S1025)、保留発生時処理(S1000)を終了する。つまり、本実施例では既に関連演出を実行している場合であっても、新たな保留を発生して保留数が非減少傾向となると関連演出を終了し、以後、一般タイプの図柄変動演出を開始することとしている。
また、関連演出フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S1020;NO)、S1015の処理によって、保留表示領域27cに表示されている保留図柄の数が上限数に到達したか否かを判断し(S1030)、上限数に到達していない場合には(S1030;NO)、そのまま保留発生時処理(S1000)を終了する。また、上限数に到達していた場合には(S1030;NO)、保留表示領域27cに当り保留図柄を表示中であるか否かを判断し(S1035)、当り保留図柄を表示中でない場合には(S1035;NO)、そのまま保留発生時処理(S1000)を終了する。これに対して、S1035の処理で、当り保留図柄を表示中であると判断する場合には(S1035;YES)、関連演出フラグをセット(ONに設定)した後(S1040)、保留発生時処理(S1000)を終了する。このように、S1040の処理を行うと、保留数が減少傾向である限りは、関連演出が実行される。
b.図柄変動演出処理(S1500)
図柄変動演出処理(S1500)においては、図36に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1505;YES)、S1510以降の処理が実行される。ここで、S1505の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)および特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1510;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、大当り時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1515)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S1510;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、外れ時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1520)。
サブ制御基板220のCPU220aは、S1515若しくはS1520の処理を終了すると、S1540の処理を行う。このS1540の処理では、S1515若しくはS1520の処理でセットされた演出パターンテーブル(大当り時用若しくは外れ時用)を用いて乱数抽選を行い、図柄変動演出の演出パターンを決定する(S1540)。ここで、S1515の処理を経たS1540の処理では、S1515の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様やリーチ表示の具体的な態様等、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される(S1540)。具体的には、リーチ演出(「ノーマルリーチ演出」、「疑似連演出」)の具体的な内容(背景図柄の種類、登場させるキャラクタ等)や、リーチ表示を構成する選出図柄の種類、仮停止表示する演出図柄の種類等が決定される(S1540)。また、S1515の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)に関する演出態様等が選択・セットされる(S1540)。
また、S1520の処理を経て実行されるS1540の処理では、演出表示装置27の表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンを決定する処理を行う。具体的には、S1520の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、リーチ表示を行わない場合の「単純外れ演出」の具体的な内容や、リーチ表示を行う場合のリーチ演出(「ノーマルリーチ演出」、「疑似連演出」)の具体的な内容、リーチ表示を構成する演出図柄の種類、仮停止表示する演出図柄の種類等が決定される(S1540)。また、S1520の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等も選択・セットされる(S1540)。
但し、関連演出フラグがセット(ONに設定)されている場合には、S1540の処理において「関連演出」を実行するための演出パターンが決定される。
CPU220aはS1540の処理を行うと、演出図柄の停止図柄(確定表示する図柄)をセットする処理を行った後(S1545)、S1550の処理に移行する。ここで、S1515の処理およびS1540の処理を経て実行されるS1545の処理では、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。また、S1520の処理およびS1540の処理を経て実行されるS1545の処理では、「外れ停止図柄」として「外れを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。
S1550の処理では、S1540の処理で決定した「演出パターン」およびS1545の処理で決定した「演出図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、演出図柄や背景図柄等の変動表示を開始させる(S1550)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出を開始させる。
この後、S1560の処理において、サブ制御部220Aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止コマンド(CZE)を受信したと判断すると(S1560;YES)、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における演出図柄と背景図柄の演出表示を停止させ(S1565)、図柄変動演出を終了させる。これにより、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)を用いた図柄変動演出も終了する。
c.保留消化時処理(S1600)
保留消化時処理(S1600)においては、図37に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時コマンドを受信すると(S1605;YES)、保留表示領域27cに表示されている保留図柄を消去する処理(S1610)を行い、保留消化時処理(S1600)を終了する。つまり、保留表示領域27cの領域(第1領域D1〜第8領域D8)のうち、最も上位の「第1領域D1」に表示されていた保留図柄を消去することを行う。この場合、「第1領域D1」よりも下位の領域(第2領域D2〜第8領域D8)に保留図柄表示されている場合には、それぞれ1個上位の領域(第1領域D1〜第7領域D7)に移行する(シフトする)。
(7)実施例の効果
本遊技機1では、変動時間が第1の変動時間(通常変動時間)に設定されている状態では、保留数(開始時合計保留数)が減少傾向か又は非減少傾向かに拘わらず、変動時間を第1の変動時間(通常変動時間)に設定する。また、保留数が一旦上限(所定数)に達すると、入球情報記憶手段に新たな入球情報が記憶されるまで、変動時間を第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(特定変動時間)に設定するため、入球情報記憶手段に記憶された入球情報を短時間で一気に処理すること(特定変動時間設定制御)が開始される。更に、入球情報記憶手段に記憶された入球情報を一気に処理している途中でも、入球情報記憶手段に新たな入球情報が記憶されると(保留数が維持傾向若しくは増加傾向となると)、その後は変動時間を第2の変動時間よりも長い第1の変動時間に設定するため、再び、保留数が上限数となり易くなる。
これにより、第1の変動時間を長めに設定した場合にあっても、無駄球(保留数の上限を超えて入球すること)を発生しにくいものとすることができる。更に、保留数が上限に達する機会を増やすと共に、上限に達した場合の変動時間を短時間にして一気に消化する構成としたので、複数の変動表示を用いて演出を行う等の趣向性の高い演出を実行することができる。
つまり、本遊技機1では、保留数が上限に到達するまでの変動時間を第1の変動時間(通常変動時間)に設定して保留数を上限数に到達させ易くするが、保留数が一旦上限数に到達すると、変動時間を第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(特定変動時間)に設定して入球情報を一気に処理しようとする。
このため、本発明によると、(a)保留数が「ゼロ」で滞り、保留数がなかなか増加しない状態や変動表示が長時間実行されない状態を生じさせることや、(b)保留数が「上限数」で滞り、「オーバー入賞」を頻発すること、等が生じ難くなるため、遊技興趣の低下を招き難くできる。
また、本遊技機1では、保留数が上限に到達して変動時間を第2の変動時間に設定することを開始した場合においても、入球情報記憶手段に新たな入球情報が記憶されると、変動時間が第1の変動時間に戻されるため、保留数が減少傾向となっても保留数が一気に「ゼロ」になって滞り、保留数がなかなか増加しない状態や変動表示が長時間実行されない状態を生じることを防止することができる。また、本遊技機1では、保留数が上限数に到達した場合は、変動時間を短縮するので、変動効率を維持できる。
また、本遊技機1では第2始動入賞装置17Bが開放延長状態である場合には、保留表示領域27cのうち第1領域D1〜D4において、第2保留が連続的に、しかも高頻度に発生する可能性が高くなるため、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている。しかも、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態でない場合には、保留数が上限に到達し易いため、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている。つまり、開放延長機能が作動しない場合、本来、保留数を上限数(MAX)に到達させることは困難であるが、実施例1では、保留数が上限に到達するまで変動時間を長く制御する(通常変動時間設定制御を行う)。加えて、第1始動入賞装置17Aに遊技球を高率的に入球させることで、第1始動入賞と第2始動入賞とが交互に発生するため(例えば、第1始動入賞と第2始動入賞のうちの一方に偏って発生しないため)、保留数を上限数(MAX)に到達させることが容易である。つまり、本遊技機1によると、開放延長機能が作動しないときの問題点(保留数が上限数に到達し難いという問題点)を解決することができるため、これらの点からも遊技興趣の低下を的確に防止できる。
更に、本遊技機1では上限フラグの状態(第2情報の設定の有無)に基づき、特定変動時間設定制御の実行(第2の変動時間の設定)の可否が特定されるため、特定変動時間設定制御を円滑に行うことができる。また、特定変動時間設定制御に従い実行される複数回の変動表示に伴う演出を一連の演出として実行するため、複数の入球情報を短時間で連続的処理する際に効果的な演出を実行することで、遊技興趣を高めることができる。つまり、関連演出を構成する連続演出(カウントダウンによる図柄変動演出)を発生し易くすると共に、連続演出の変動時間は、連続演出を効果的に見せるように特定時間(本実施例では2秒)に設定できるので、特定の連続演出を効果的に実行することができる。そして、この場合、事前判定の結果を一連の演出において示唆するため、遊技興趣を更に高めることができる。また、保留数上限数に到達した場合は、変動時間を短縮するので、変動効率を維持できる。
ここで、「変動表示開始時の保留数が同じ場合であっても、始動入賞の発生(保留増加若しくは保留数の維持)により当該保留数になったのか、保留減少により当該保留数になったのかによって、変動時間を異ならせるだけの遊技機」であれば、以下のような問題を有する。つまり、保留減少により当該保留数になった場合には常に短時間変動となり、一旦保留が減少傾向となってしまうと、保留が上限数に到達する前であっても、保留が瞬く間に「ゼロになり易い」といった問題を生ずる。これに対して、実施例1では、保留個数が上限まで貯まりやすくなる一方、一旦上限に達した場合には短時間で消化する。ところが、上限数到達前に保留数が減少傾向になると、長い変動時間が設定されるため、一気に保留がなくなるという問題を解決できる。
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2の遊技機では、図38および図39が付加されている点と、図23の代わりに図40を用いる点と、図26の代わりに図41を用いる点と、図27の代わりに図42を用いる点と、図30〜図33に代わりに図43〜図45を用いる点が実施例1と異なる。以下、実施例2の遊技機について、実施例1の遊技機との相違点を中心に説明する。
実施例2では、「開始時合計保留数1〜4である場合」が「保留数が第1範囲にある場合」の具体例を示し、「開始時合計保留数5〜8である場合」が「保留数が第2範囲にある場合」の具体例を示している。つまり、実施例2では、開始時合計保留数が多い区間(上位区間)を第2範囲とし、保留数が少ない区間(下位区間)を第1範囲とする具体例を例示する。
この実施例2の遊技機では、(a)開始時合計保留数が減少傾向にある場合は第2の変動時間(特定変動時間)を設定するが、開始時合計保留数が非減少傾向(維持若しくは増加傾向)にある場合は第1の変動時間(通常変動時間)を設定する上位区間(開始時合計保留数が減少傾向であるか否かによって使用する変動パターンテーブルが異なる上位区間)と、(b)開始時合計保留数が減少傾向であるか、非減少傾向であるかにかかわらず、第1の変動時間(通常変動時間)を設定する下位区間(開始時合計保留数の減少傾向にあるか否かによって使用する変動パターンテーブルが異ならない下位区間)とを設ける。なお、「上位区間」とは保留数が上限側にある区間を指し、「下位区間」とは保留数が下限側にある区間を指す。
次に、図38および図39を用いて実施例2の「関連演出タイプの図柄変動演出」について説明する。つまり、実施例2の図柄変動演出の中には複数回の変動表示(特別図柄の変動表示)に伴って関連演出として実行されるものがある。また、実施例2の遊技機においても、入球情報記憶手段(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶された入球情報(判定用乱数値)について、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当り(特定結果)となる入球情報であるか否かを、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の実行に先立って事前判定する。そして、取得された入球情報の存在を示す保留図柄の態様を事前判定の結果考慮しつつ選択する。
つまり、前述の「第1事前判定結果情報」や「第2事前判定結果情報」に基づき、発生した入球情報(保留)が当り保留であるか、外れ保留であるかを判断し、保留図柄の選択を行う。具体的には、「第1事前判定結果情報」若しくは「第2事前判定結果情報」に基づき、当り保留が発生したと判断される場合には、保留表示領域27cに対して当り保留の存在を示す保留図柄を表示する。
ここで、図38および図39に示す具体例3も、入球情報記憶手段(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に上限数の入球情報(判定用乱数値)が記憶され、保留表示領域27cを構成する8個の領域D1〜D8に保留図柄が表示された状態(c1)を基準に関連演出が実行される場合を示している。また、この具体例3では「第5領域D5」に当り保留の存在を示す保留図柄(当り保留図柄)が表示され、その他の領域(D1〜D4、D6〜D8)に外れ保留の存在を示す保留図柄(外れ保留図柄)が表示されているとする(1)。なお、図38および図39においても「外れ保留図柄」を「一重丸」で示し、「当り保留図柄」を「二重丸」で示している。また、保留図柄が表示されていない領域を「破線の丸印」で示している。
実施例2の関連演出タイプの図柄変動演出においても、演出表示装置27の表示画面27aにおいて演出図柄表示領域27bが出現し、演出図柄の変動表示(演出図柄を用いた図柄変動演出)を開始する(c2)。このとき、第1領域D1に表示された保留図柄が消去され、第2領域D2〜第8領域D8に表示された保留図柄が1個上位の領域(第1領域D1〜第7領域D7)にシフトする。このように、演出図柄の変動表示(演出図柄を用いた図柄変動演出)を開始した後、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される(c3)。この演出図柄の停止表示は、前述の下部表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b)による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。但し、関連演出タイプの図柄変動演出においては、表示画面27aの下端側においてサイズを小さくした状態で表示される。
また、この小型の演出図柄表示領域27bにおいても、3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。そして、この演出図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。そして、演出図柄の停止図柄の内容は一般タイプの図柄変動演出と同様である。
次に、関連演出タイプの図柄変動演出の特徴を説明する。この具体例3の関連演出は、5回の図柄変動演出を連続的に行うことによって構成されている。これらの図柄変動演出においては先に行われる4回の実行時間が「2秒」に統一されている。そして、最後に行われる図柄変動演出の変動時間が通常の変動時間されている。また、先に行われる4回の図柄変動演出においてはリーチ演出を行うことがないが、最後に行われる5回目の図柄変動演出においてはリーチ演出を行うことがある。更に、具体例においては、何れの図柄変動演出を開始する際にも、保留数が減少傾向であるものとする。
この具体例3の関連演出においても、「第1領域D1」の保留図柄(外れ保留図柄)に対応する判定用乱数値を消化して開始される(c1,c2)。この判定用乱数値を消化して開始される図柄変動演出(第1図柄変動演出)においては、表示画面27aにカウント値が「5」であることを示すマークが表示される。そして、このカウント値を示すマークを表示しつつ「第1図柄変動演出」を進行させ、小型の演出図柄表示領域27bに外れ図柄を表示して第1図柄変動演出を終了する(c2〜c3)。また、「第1図柄変動演出」の開始前に「第1領域D1」に表示されていた保留図柄(第1保留図柄)が消去され、「第1図柄変動演出」の開始前に「第1領域D1」よりも下位の領域(第2領域D2〜第8領域D8)に表示されていた保留図柄は、それぞれ1個上位の領域(第1領域D1〜第7領域D7)に移行する(シフトする)。
続いて、第1図柄変動演出を終了したときに、「第1領域D1」に表示されている保留図柄(外れ保留図柄)を消化して図柄変動演出(第2図柄変動演出)が開始される(c4)。この「第2図柄変動演出」においては、表示画面27aにカウント値が「4」であることを示すマークが表示される。そして、小型の演出図柄表示領域27bに外れ図柄を表示して第2図柄変動演出を終了する(c5)。また、「第2図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」に表示されていた保留図柄(第2保留図柄)が消去され、「第2図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」よりも下位の領域(第2領域D2〜第7領域D7)に表示されていた保留図柄は、それぞれ1個上位の領域(第1領域D1〜第6領域D6)に移行する(シフトする)。
更に、第2図柄変動演出を終了したときに、「第1領域D1」に表示されている保留図柄(外れ保留図柄)を消化して図柄変動演出(以下、「第3図柄変動演出」という。)が開始される(c6)。この「第3図柄変動演出」においては、表示画面27aにカウント値が「3」であることを示すマークが表示される。そして、小型の演出図柄表示領域27bに外れ図柄を表示して第3図柄変動演出を終了する(c7)。また、「第3図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」に表示されていた保留図柄(第3保留図柄)が消去され、「第3図柄変動演出」の開始直前に「第1領域D1」よりも下位の領域(第2領域D2〜第6領域D6)に表示されていた保留図柄は、それぞれ1個上位の領域(第1領域D1〜第5領域D5)に移行する(シフトする)。
そして、第3図柄変動演出を終了したときに、「第1領域D1」に表示されている保留図柄(外れ保留図柄)を消化して図柄変動演出(以下、「第4図柄変動演出」という。)が開始される(c8)。この「第4図柄変動演出」においては、表示画面27aにカウント値が「2」であることを示すマークが表示される。そして、小型の演出図柄表示領域27bに外れ図柄を表示して第4図柄変動演出を終了する(c9)。
続いて、第4図柄変動演出を終了したときに、「第1領域D1」に表示されている保留図柄(当り保留図柄)を消化して図柄変動演出(以下、「第5図柄変動演出」という。)が開始される(c10)。この「第5図柄変動演出」においては、表示画面27aにカウント値が「1」であることを示すマークが表示される。
この後、演出表示装置27の表示画面27aに遊技者の味方を示すキャラクタ(以下、「味方キャラクタ」という。)と、遊技者の敵を示すキャラクタ(以下、「敵キャラクタ」という。)とが出現する(c11)。更に、図柄変動演出は開始から所定時間が経過すると、演出図柄表示領域27bにおいてリーチ表示がなされ(c12)、「味方キャラクタ」と「敵キャラクタ」とがバトルを行う(c12)。そして、バトルの決着を表示(味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す表示)した後(c13)、小型の演出図柄表示領域27bに当り図柄を表示して第4図柄変動演出を終了する。これにより、関連演出を終了する(a14)。
また、実施例2においても、以上の関連演出を構成する図柄変動演出を開始する際に「開始時合計保留数」が非減少傾向(維持傾向若しくは増加傾向)となると、関連演出を終了して、一般タイプの図柄変動演出が開始される。更に、実施例2においても、「開始時合計保留数」が上限数に到達した後、「開始時合計保留数」が減少傾向を維持したまま4回以内の図柄変動演出で当り図柄が表示される場合(特定変動の状態で当り図柄が表示される場合)には、前述の具体例1と同様な関連演出が実行される。
次に、実施例2の特別図柄遊技処理(S300)について、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と相違する点について説明する。この実施例2の特別図柄遊技処理(S300)においては、図40に示すようにS310aの処理を行うと、合計保留数が基準数(実施例2では「5」を例示)となったか否かを判断し(S317a)、肯定的に判断されると(S317a;YES)、上位区間フラグをセット(ONに設定)した後(S322a)、S325aに移行し、否定的に判断されると(S317a;NO)、そのままS325aに移行する。また、S310bの処理を行うと、合計保留数が基準数(実施例2では「5」を例示)となったか否かを判断し(S317b)、肯定的に判断されると(S317b;YES)、上位区間フラグをセット(ONに設定)した後(S322b)、S325bに移行し、否定的に判断されると(S317b;NO)、そのままS325aに移行する。なお、実施例2と異なり、S317aやS317bで合計保留数が基準数未満に減少したか否か(保留数の減少に伴って保留数が「4」になったか否か)を判断し、肯定的に判断されると、下位区間フラグをセット(ONに設定)する変形例を例示することもできる。
この他に、実施例2の特別図柄遊技処理(S300)においては、図柄変動開始処理(S500)を図41に従って行う点と、変動パターンテーブル振分処理(大当り時変動パターンテーブル振分処理および外れ時変動パターンテーブル振分処理)を図42に従って行う点も、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と異なるが、その他の点に関しては、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と同様である。次に、実施例2の図柄変動開始処理(S500)と、実施例2の大当り時変動パターンテーブル振分処理(S510D)と、実施例2の外れ時変動パターンテーブル振分処理(S510E)について、実施例1との相違点を中心に説明する。
実施例2の図柄変動開始処理(S500)が起動すると、図41に示すように、当否判定処理(S338)の結果に基づいて変動パターンテーブルを振り分ける処理(510D、510E)等を行う。すなわち、当否判定処理(S338)の結果が「大当り」である場合(S501;YES)、S502の処理およびS503の処理を経て、大当り時変動パターンテーブル振分処理を行い(S510D)、S560の処理に移行する。また、当否判定処理(S338)の結果が「外れ」である場合(S501;NO)、外れ時変動パターンテーブル振分処理を行った後(S510E)、S551の処理と、S556の処理を行い、S560の処理に移行する。なお、実施例2においても、大当り時変動パターンテーブル振分処理(S510D)と、外れ時変動パターンテーブル振分処理(S510E)の内容は共通であり、図42に従って行われる。
この振分処理(S510D、S510E)が開始されると、図42に示すように、上位区間フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S515)。ここで、「上位区間フラグ」は前述のように、合計保留数が基準数(実施例2では「5」)となったときにセット(ONに設定)されるフラグであり(322a、322b)、合計保留数が基準数を下回ると解除(OFFに設定)される。また、「上位区間フラグ」がセット(ONに設定)され、しかも保留数が減少傾向にあるときには、特定変動パターンテーブルを用いて変動時間が決定される。また、「上位区間フラグ」がセット(ONに設定)されていること示すデータは「第2情報」の具体例を示し、「上位区間フラグ」が解除(OFFに設定)されていることを示すデータは「第1情報」の具体例を示す。そして、実施例の遊技機では、この「上位区間フラグ」の状態に応じて「特定変動時間」の設定の可否を判断することができる(図42のS515の処理を参照)。
つまり、実施例2の遊技機では、「上位区間フラグ」がセット(ONに設定)され(実施例2の第2情報を設定され)、しかも合計保留数が減少傾向であると、特別図柄の変動時間は第2の変動時間に設定される。但し、「上位区間フラグ」がセット(ONに設定)され(実施例2の第2情報を設定され)ていても、合計保留数が非減少傾向であると、特別図柄の変動時間は第1の変動時間に設定される。
S515の処理において、上位区間フラグが解除(OFFに設定)されていると判断されると(S515;NO)、S532以降の処理に移行して、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。また、S515の処理において、上位区間フラグがセット(ONに設定)されている場合であっても、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか(S520;NO)、S524の処理で否定的な判断がなされる場合には(S524;NO)、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。なお、実施例2においても、所謂「潜伏確変大当り」を発生しないため、確変フラグがセット(ONに設定)されると、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されることになる(図16を参照)。
実施例2のS524の処理においても、「今回合計保留数」が「前回合計保留数」よりも少くなくないと判断される場合は(S524;NO)、S532以降の処理に移行して、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。また、実施例2のS524の処理においても、「今回合計保留数」が「前回合計保留数」よりも少くないと判断される場合は(S524;YES)、S528の処理に移行して「特定変動パターンテーブル」をセットする。なお、S532以降の処理やS528の処理の内容は実施例1と同様である。
実施例2の図柄変動開始処理(S500)においては、S510D若しくはS556の処理を終了すると、図41に従ってS560の処理〜S575の処理を行った後、S581の処理に移行する。ここで、図41のS560の処理〜S575の処理の内容は実施例1のS560の処理〜S575の処理と同様である。また、S581の処理では上位区間フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S581)、解除(OFFに設定)されている場合には(S581;NO)、そのまま図柄変動開始処理(S500)を終了する。これに対して、上位区間フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S581;YES)、S575の処理を経た後の合計保留数が「4」以下になったか否かを判断し(S585)、「5」以上である場合には(S585;NO)、そのまま図柄変動開始処理(S500)を終了し、「4」以下の場合には(S585;YES)、上位区間フラグを解除(OFFに設定)した後(S588)、図柄変動開始処理(S500)を終了する。なお、上位区間フラグを解除(OFFに設定)すると、開始時合計保留数が「下位区間」に相当する数となる。
次に、図43〜図45を用いて、実施例2の遊技機において実行される変動パターンの決定方法の特徴を説明する。ここで、図43は、変動表示を開始する時の合計保留数(開始時合計保留数)と、使用する変動パターンとの関係を示している。また、図43において「実線の矢印」と「通常変動PT」は通常変動パターンテーブルを使用することを示し、「破線の矢印」と「特定変動PT」は特定変動パターンテーブルを使用することを示している。また、図44及び図45の合計保留数の欄において矢印を挟んで示す数値は、当該変動表示を開始する際の合計保留数の推移を示している。例えば、右側に終点を向けた矢印の左側に「2」を表示し、右側に「1」を表示した部分は、合計保留数が「2」の時点で変動表示を開始することで、合計保留数が「1」に減少することを示している。
図43は「変動短縮フラグ」が解除(OFFに設定)されているときにおいて、「開始時合計保留数」と、使用する変動パターンとの関係を示してる。また、以下の説明において「開始時合計保留数」が「1〜4」のうちの何れかにある場合を「開始時合計保留数が下位区間にある」と称し、「開始時合計保留数」が「5〜8」のうちの何れかにある場合を「開始時合計保留数が上位区間にある」と称する。
図43および図44に示すケース6は、開始時合計保留数が下位区間にある場合は、保留数が減少傾向および非減少傾向の何れであっても変動表示を開始する際に通常変動パターンテーブル(実施例2においても実施例1と同様な低確率通常変動パターンテーブル)を一律に選択することを示している。また、図43および図45に示すケース7は、開始時合計保留数が上位区間にある場合は、開始時合計保留数が非減少傾向である場合、変動表示を開始する際に通常変動パターンテーブルを選択し、開始時合計保留数が減少傾向である場合、変動表示を開始する際に特定変動パターンテーブルを選択することを示している。
なお、実施例2においても、図31に示すように「変動短縮フラグ」がセット(ON設定)されている場合には「開始時合計保留数」が非減少傾向および減少傾向のうち何れであっても変動短縮パターンテーブル(高確率通常変動パターンテーブル、低確率通常変動パターンテーブル)が選択される。
実施例2の遊技機において、入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数(保留数)が第1範囲(開始時合計保留数が1〜4の範囲)にある場合には、減少傾向か又は非減少傾向かに拘わらず、変動時間を第1の変動時間(通常の変動時間)に設定するため、入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数(保留数)が『0』となり、変動表示が行われない状況が発生することを防止することができる。また、保留数の範囲が第2範囲(開始時合計保留数が5〜8の範囲)にある場合には、保留数が減少傾向であるときは変動時間を第1の変動時間よりも短い第2の変動時間に設定し、入球情報(判定用乱数値)の処理の促進を図るため、保留数が上限数で滞る事態を生じ難くすることができる。一方、保留数が減少傾向であっても保留数の範囲が第1範囲に移行すれば、変動時間が第2の変動時間よりも長い第1の変動時間に設定されるため、保留数が減少傾向のときに、一気に保留数が「ゼロ」になることを防止できる。
つまり、実施例2の遊技機においては開始時合計保留数が非減少傾向にある場合(維持傾向若しくは増加傾向にある場合)は、変動時間を通常変動時間に設定して保留数を増加し易くする。その一方で、保留数が減少傾向になったときに保留数が減少し易い第2範囲と、保留数の減少傾向又は非減少傾向を問わずに変動時間を設定することで保留数が減少しにくい第1範囲とを設けたので、保留数が「上限数」や「ゼロ」で滞り難くできる。従って、実施例2の遊技機によると、変動表示が実行されない状況や無駄球が発生しやすい状況の発生を防止し、遊技興趣の低下を招き難くできる。
しかも、実施例2では、開始時合計保留数が多い区間(上位区間)を第2範囲とし、開始時合計保留数が少ない区間(下位区間)を第1範囲とするため、保留数が非減少傾向である場合に、当該保留数を上限数に近づけることを特に容易なものとしつつも、当該保留数が上限数に滞り難くすることが特に容易である。
また、実施例2の遊技機においても第2始動入賞装置17Bが開放延長状態である場合には、保留表示領域27cのうち第1領域D1〜D4において、第2保留が連続的に、しかも高頻度に発生する可能性が高くなるため、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている。また、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態でない場合には、保留数が上限に到達し易いため、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている。つまり、開放延長機能が作動しない場合、本来、保留数を上限数(MAX)に到達させることは困難であるが、実施例2においても、保留数が上限に到達するまで変動時間を長く制御する(通常変動時間設定制御を行う)。加えて、第1始動入賞装置17Aに遊技球を高率的に入球させることで、第1始動入賞と第2始動入賞とが交互に発生するため(例えば、第1始動入賞と第2始動入賞のうちの一方に偏って発生しないため)、保留数を上限数(MAX)に到達させることが容易である。つまり、実施例2の遊技機によっても、開放延長機能が作動しないときの問題点(保留数が上限数に到達し難いという問題点)を解決することができるため、これらの点からも遊技興趣の低下を的確に防止できる。
更に、本遊技機1では上位区間フラグの状態(第2情報の設定の有無)に基づき、特定変動時間設定制御の実行(第2の変動時間の設定)の可否が特定されるため、特定変動時間設定制御を円滑に行うことができる。また、特定変動時間設定制御に従い実行される複数回の変動表示に伴う演出を一連の演出として実行するため、複数の入球情報を短時間で連続的処理する際に効果的な演出を実行することで、遊技興趣を高めることができる。つまり、関連演出を構成する連続演出(カウントダウンによる図柄変動演出)を発生しやすくすると共に、連続演出の変動時間は、連続演出を効果的に見せるように特定時間(本実施例では2秒)に設定できるので、特定の連続演出を効果的に実行することができる。そして、この場合、事前判定の結果を一連の演出において示唆するため、遊技興趣を更に高めることができる。また、保留数上限数に到達した場合は、変動時間を短縮するので、変動効率を維持できる。
ここで、「変動表示開始時の保留数が同じ場合であっても、始動入賞の発生(保留増加若しくは保留数の維持)により当該保留数になったのか、保留減少により当該保留数になったのかによって、変動時間を異ならせるだけの遊技機」であれば、以下のような問題を有する。つまり、保留減少により当該保留数になった場合には常に短時間変動となり、一旦保留が減少傾向となってしまうと、保留が上限数に到達する前であっても、保留が瞬く間に「ゼロになり易い」といった問題を生ずる。これに対して、実施例2では、保留個数が上限まで貯まりやすくなる一方、保留数が減少になっても、下位区間に移行したとろで(開始時合計保留数が「4」になったところで)、長い変動時間が設定され、保留数の減少速度が鈍化するため、一気に保留がなくなるという問題を解決できる。
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3は実施例1の変形例を構成するものであり、図27の代わりに図46を用いる点が実施例1と異なる。この実施例3の変動パターンテーブル振分処理(S510)はS520の処理が省略されている点が、実施例1の変動パターンテーブル振分処理(S510)と異なる。
つまり、実施例3の遊技機では、変動パターンテーブル振分処理(大当り時変動パターンテーブル振分処理、外れ時変動パターンテーブル振分処理)においては、上限フラグがセット(ONに設定)されている場合であって(S514;YES)、S524の処理で肯定的な判断がされる場合には、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かにかかわらず、「特定変動パターンテーブル」を用いて変動パターン(変動時間)を決定する点が実施例1と異なる。
実施例3によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、前述のように特定変動パターンテーブルを用いて設定される変動時間は、変動短縮パターンテーブルを用いて設定される変動時間よりも短くされる。このため、上限フラグがセット(ONに設定)されている場合には、入球情報記憶手段に記憶された入球情報(判定用乱数値)がより迅速に処理されることになる。なお、実施例3を実施例2の変形例とすることもできる。つまり、図42からS520の処理を排除した変形例を例示することもできる。
次に、実施例4の遊技機について説明する。この実施例4は実施例1の変形例を構成するものであり、図29の代わりに図47を用いる点が実施例1と異なる。なお、実施例4を実施例2の変形例とすることもできる。
実施例4では、図47に示すように、進行中の特図変動開始処理(S500b若しくはS500a)が対象としている特別図柄の保留数(開始時合計保留数)が更に考慮され、通常変動パターンテーブル(通常変動時間設定制御において使用される変動パターンテーブル)において、開始時合計保留数が少ない場合(例えば、開始時合計保留数が「1〜4」の場合)には長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、合計保留数が多い場合(例えば、変動開始時の合計保留数が「5〜7」の場合)には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向となる。但し、この通常変動パターンテーブルにおいて開始時合計保留数が多い場合に設定される変動時間は、変動短縮フラグがセットされているときに設定される変動時間や、特定変動時間に比べて長くなっている。
実施例4によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、開始時合計保留数が少ない場合に長めの変動時間が設定されるため、開始時合計保留数が少ない状態で減少傾向にある場合に開始時合計保留数が一気に「ゼロ」となることをより確実に防止できる。
次に、実施例5の遊技機について説明する。この実施例5は実施例1の変形例を構成するものであり、図2の代わりに図48を用いる点と、図27の代わりに図49(a)を用いる点と、図29の代わりに図49(b)を用いる点とが実施例1と異なる。なお、実施例5を実施例1の変形例ではなく、実施例2の変形例とすることもできる。
実施例5の遊技盤10は第2始動入賞装置17Bを備えない点と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を備えない点と、右装飾部21Rの内部にも遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21zが形成されている点が実施例1と異なる。この実施例5の遊技盤10においても左側装飾部21Lの左側面部において、左側のワープ通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11(左領域11L)を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。加えて、右装飾部21Rの右側面部において、右側のワープ通路21zの進入口(図示を省略)が、右斜め上方に向かって開口し、遊技領域11(右領域11R)を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、左側のワープ通路21wを通じて転動面21Mの左端部に到達した遊技球は、転動面21M上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。また、遊技領域11を流下し、右側のワープ通路21zを通じて転動面21Mの左端部に到達した遊技球は、転動面21M上を左方向に転動し、更に、右方向に転動する。そして、これらの遊技球の勢いが衰えたところで、メイン役物装置20外に排出されるが、転動面21Mの中央部から排出される遊技球の多くは、第1始動入賞装置17Aに入賞する。
実施例5の遊技機では、変動パターンテーブル振分処理(大当り時変動パターンテーブル振分処理、外れ時変動パターンテーブル振分処理)においては、図49(a)に示すように、上限フラグが解除(OFFに設定)されていると判断されると(S514;NO)、通常変動パターンテーブルをセットして(S538)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。また、上限フラグがセット(ON設定)されていると判断されると(S514;YES)、S524の処理に移行する。
そして、CPU201はS524の処理で否定的な判断を行うと、通常変動パターンテーブルをセットして(S538)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。一方、S524の処理で肯定的な判断を行うと、「特定変動パターンテーブル」をセットした後(S528)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。
ここで、実施例5では、図49(b)に示すように、低確率状態および高確率状態の双方において共通して用いられる「通常変動パターンテーブル」を備えるが、「通常変動パターンテーブル」を用いる場合は、「特定変動パターンテーブル」を用いる場合に比べて長目の変動時間が決定される。また、実施例5では開閉式の始動入賞装置を備えないため、変動短縮用の変動パターンテーブルを備えていない。なお、実施例5においては、低確率状態で用いられる「通常変動パターンテーブル」と、高確率状態で用いられる「通常変動パターンテーブル」とを別個に備えてもよい。
実施例5によっても実施例1と同様な効果を得ることができる。特に、実施例5によると、開放延長状態を生じないにもかかわらず、開始時保留数(合計保留数)が上限数に到達し易く、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている点で大きな意義を有する。なお、実施例5においても実施例1と同様な遊技盤10を用いることともに、第2始動入賞装置17Bが開放延長を行わないこととしてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、特許請求の範囲において本発明を特定するための記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
すなわち、実施例1においては開始時合計保留数が「上限数」になると、その後、開始時合計保留数が減少傾向である限りは合計保留数が「ゼロ」になるまで特定変動時間設定制御を行う態様を例示した。但し、図50に示すケース8のように、合計保留数が上限数になると、その後、合計保留数が減少傾向である限りは、開始時合計保留数が「特定数(例えば、5)」になるまで特定変動時間設定制御を行い、開始時合計保留数が更に減少すると通常変動時間設定制御を行う変形例を例示することもできる。この変形例では合計保留数が「ゼロ」に近づくと、通常変動時間設定制御を行うため、合計保留数を一気に「ゼロ」となることをより確実に防止できる。
また、実施例2では開始時合計保留数が減少傾向であるか否かにかかわらずに、特別図柄の変動時間を第1の変動時間に設定する制御(通常変動時間設定制御)を行う区間(以下、「変化無区間」という。)を保留数(開始時合計保留数)が下限側にある区間(開始時合計保留数1〜4)とし、非減少傾向である場合に特別図柄の変動時間を第1の変動時間に設定する制御を行い、減少傾向である場合に特別図柄の変動時間を第2の変動時間に設定する制御(特定変動時間設定制御)を行う区間(以下、「変化有区間」という。)を保留数(開始時合計保留数)が上限側にある区間(開始時合計保留数5〜8)とする具体例を例示した。但し、図51(a)のケース9のように「変化無区間」を下限側にある区間(例えば、合計保留数1〜4)とし、「変化有区間」を上限側にある区間(例えば、合計保留数5〜8)とする具体例を例示できる。つまり、「開始時合計保留数1〜4である場合」が「保留数が第2範囲にある場合」とされ、「開始時合計保留数5〜8である場合」が「保留数が第1範囲にある場合」とする具体例を例示することもできる。また、図51(b)のケース10のように「変化無区間」および「変化有区間」のうちの一方を複数とし、「変化無区間」及び「変化有区間」の一方を他方で挟み込んでもよい。但し、「変化無区間」を下限側に設けると、開始時保留数が「ゼロ」になり難い印象を、より遊技者に与え易い。
更に、本発明に関連する発明(以下、「関連発明」と称する。)に係る遊技機として
「始動口への遊技球の入球に基づいて取得される入球情報が所定数を限度に記憶される入球情報記憶手段と、
前記入球情報記憶手段に記憶された入球情報に基づいて、識別情報の変動表示を所定の変動時間が経過するまで行う変動表示手段と、
前記識別情報の変動時間を設定する変動時間設定手段と、
前記変動表示の結果が特定結果である場合に遊技者にとって有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
を備え、
前記変動時間設定手段は、
前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報が前記所定数に到達するまで、前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数に基づいて前記変動時間を第1の変動時間に設定し、
前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報が前記所定数よりも少ない特定数になると、前記入球情報記憶手段に新たな入球情報が記憶されるまで前記変動時間を前記第1の変動時間よりも短い第2の変動時間に設定する
ことを特徴とする遊技機」を例示できる。
この関連発明にかかる遊技機では、特別図柄遊技処理(S300)が図52に示すように実行される。つまり、S310aを行うと、S310aの処理によって合計保留数が特定数(例えば、第1保留数および第2保留数の合計数の6)となったか否かを判断し(S316a)、肯定的に判断されると(S316a;YES)、基準フラグをセット(ONに設定)した後(S324a)、S325aに移行し、否定的に判断されると(S316a;NO)、そのままS325aに移行する。また、S310bを行うと、S310bの処理によって合計保留数が特定数(例えば、第1保留数および第2保留数の合計数の6)となったか否かを判断し(S316b)、肯定的に判断されると(S316b;YES)、基準フラグをセット(ONに設定)した後(S324b)、S325bに移行し、否定的に判断されると(S316b;NO)、そのままS325aに移行する。
この図52に示す具体例においても「上限フラグ」を「基準フラグ」に置き換えた状態で図27が適用される。そして、その他の処理に関しては実施例1と同様である。
各実施例では、事前判定手段が当り保留の発生を確認すると、「当該当り保留を消化するまでの間に実行される図柄変動演出の回数」に「+1」を加算した値を初期値として、カウントダウンを行う関連演出を実行した。例えば、当り保留を消化する前に、3個の外れ保留を消化(3回の図柄変動演出を実行)する場合においては、最先の外れ保留を消化して行う図柄変動演出において初期値「4」を表示し、その次の外れ保留を消化して行う図柄変動演出において、初期値から「1」を減じたカウント値「3」を、更にその次の外れ保留を消化して行う図柄変動演出において更に「1」を減じたカウント値「2」をそれぞれ表示し、当り保留を消化して行う図柄変動演出においてカウント値「1」を表示する態様を例示した。
但し、各実施例と異なり、事前判定手段が当り保留の発生を確認すると、「当該当り保留を消化するまでの間に実行される図柄変動演出の回数」を初期値として、カウントダウンする関連演出を実行してもよい。この場合、当り保留の直前の外れ保留を消化して行う図柄変動演出においてカウント値「1」が表示されるため、当該直前の外れ保留が消化されると、遊技者は当り保留の存在を確信することができる。
また、各実施例では事前判定手段が当り保留の発生を確認することを条件に関連演出を実行する態様を例示したが、各実施例と異なり、保留数が上限数や所定数(上限数よりも少ない数で、例えば「6」)となると、一律に関連演出を実行したり、所定条件(例えば、実行するか否かを決定するための抽選に当選すると)関連演出を実行する態様を例示できる。例えば、図53の具体例は保留数が上限数になると、その時点の保留を消化して実行される8回の図柄変動演出において、カウント値「8」〜「1」に変化する関連演出(d1〜d8)を実行する場合を示している。
この場合、関連演出を開始してから8個の保留を消化するまでの間に新たな保留を生じない場合(つまり、入球情報記憶手段に記憶される入球情報が数か減少傾向である限りは)、変動時間が特定変動時間に制御されるため、実行時間が「2秒」の図柄変動演出が実行される。この具体例において関連演出を開始する際に当り保留が存在しない場合(8個の保留の中に当り保留が存在しない場合)には、当該関連演出によって「大当り発生」に関する偽りの予告(ガセ予告)が行われることになる。また、関連演出を開始する際に当り保留が存在する場合(8個の保留の中に当り保留が存在する場合)には、当該関連演出によって「大当り発生」に関する真実の予告(真正予告)を行われることになる。
なお、図53に示す具体例において、関連演出を開始してから8個の保留を消化するまでの間に、新たな保留を生じた場合、当該「新たな保留」を生じた後に開始される変動表示(図柄変動演出)の変動時間が通常変動時間に制御される。そして、この通常変動時間に従い開始される図柄変動演出においては、当該図柄変動演出を開始する際に残存するカウント値を一気にカウントダウンすることとしてもよい(e3〜e6,e7)。また、この図柄変動演出においてはある程度の時間を費やして実行する演出(例えば、バトル演出)を実行することとしてもよい。
また、関連演出の態様はカウントダウン演出に限定されず、例えば、カウントアップ演出であってもよい。また、関連演出を、一連のムービ(物語等)を表示画面27aに映し出して行うことができる。
更に、各実施例では保留数の上限数を「8」とする態様を例示したが、保留数の上限は「8」以外であってもよい。例えば、実施例1及び実施例2の遊技盤10(図2を参照)において第1始動入賞装置17Aを排除する態様や、第1始動入賞装置17Aを排除するとともに第1始動入賞装置17Aの配設位置を、第2始動入賞装置17Bの配設位置とする態様においては保留数の上限数を「4」とすることができる。
この場合においては、図54(a)のケース11に示すように保留数が非減少傾向である場合には特別図柄の変動時間を第1の変動時間に設定する制御(通常変動時間設定制御)を実行し、保留数が上限数(4)に到達すると保留数が減少傾向にある限りは特別図柄の変動時間を第2の変動時間に設定する制御(特別変動時間設定制御)を実行する態様(実施例1の変形例)を例示できる。また、図54(b)のケース12に示すように下位区間(開始時保留数が1若しくは2)の場合には保留数の減少傾向であるか否かに係わらずに特別図柄の変動時間を第1の変動時間に設定する制御(通常変動時間設定制御)を実行し、上位区間(開始時保留数が3若しくは4)の場合には保留数の非少傾向である場合には特別図柄の変動時間を第1の変動時間に設定する制御(通常変動時間設定制御)を実行し、保留数の減少傾向である場合である場合には特別図柄の変動時間を第2の変動時間に設定する制御(特別変動時間設定制御)を実行する態様(実施例2の変形例)を例示できる。
なお、第1特別図柄と第2特別図柄とを備える遊技機であって、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bの双方に判定用乱数値が記憶されている場合において、何れか一方の判定用乱数値メモリに記憶された判定用乱数値を、他方の判定用乱数値メモリに記憶された判定用乱数値に優先して処理する遊技機に対しては、例えば、図54のケース11やケース12を適用することができる。つまり、第1判定用乱数値メモリ202aに記憶された判定用乱数値が処理される遊技では、第1保留数(上限数は「4」)が減少傾向であるか、非減少傾向であるかが判断され、第2判定用乱数値メモリ202bに記憶された判定用乱数値が処理される遊技では、第2保留数(上限数は「4」)が減少傾向であるか、非減少傾向であるかが判断される。
更に、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益(遊技価値)を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。そのようなタイプの遊技機として、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機を例示でき、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。この種の遊技機(いわゆる封入式遊技機)においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
1;遊技機(弾球遊技機)、
17A;第1始動入賞装置、
17B;第2始動入賞装置、
27;演出表示装置、
200;主制御部(入球情報記憶手段、事前判定手段、特定遊技実行手段、変動表示手段、変動時間設定手段、情報設定手段、傾向判定手段)、
220;サブ制御部。

Claims (4)

  1. 始動口への遊技球の入球に基づいて取得される入球情報が記憶される入球情報記憶手段と、
    前記入球情報記憶手段に記憶された入球情報に基づいて、識別情報の変動表示を所定の変動時間が経過するまで行う変動表示手段と、
    前記識別情報の変動時間を設定する変動時間設定手段と、
    前記変動表示の結果が特定結果である場合に遊技者にとって有利な特定遊技を実行する特定遊技実行手段と
    備える遊技機であって、
    前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の範囲を、第1範囲と、該第1範囲よりも前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が多い範囲である第2範囲とで構成し、前記第1範囲に含まれる数の最小値が前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の下限数を構成し、前記第2範囲に含まれる数の最大値が前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数の上限数を構成するものであり、
    前記変動時間設定手段は、
    前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が前記第1範囲にある場合には前記変動時間を第1の変動時間に設定し、
    前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が前記第2範囲にある場合において、前記変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の数が、当該変動表示の前に実行された識別情報の変動表示の変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されていた入球情報の数に比べて減少しているときは、前記変動時間を前記第1の変動時間よりも短い第2の変動時間に設定し、当該変動表示の前に実行された識別情報の変動表示の変動時間を設定する際の前記入球情報記憶手段に記憶されていた入球情報の数に比べて減少していないときは、前記変動時間を第1の変動時間に設定す
    とを特徴とする遊技機。
  2. 前記入球情報記憶手段を、第1入球情報記憶手段と第2入球情報記憶手段とで構成し、
    前記始動口に入球した遊技球が通過するルートを、第1ルート若しくは第2ルートに交互に振り分ける振分部材を備え、
    前記第1ルートに進入した遊技球を検知することに基づいて取得される入球情報を、前記第1入球情報記憶手段に4個を限度に記憶可能とし、前記第2ルートに進入した遊技球を検知することに基づいて取得される入球情報を、前記第2入球情報記憶手段に4個を限度に記憶可能とし、
    前記第1範囲は、前記第1入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数と前記第2入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数とを合計した数が1から4とされる範囲であり、前記第2範囲は、該合計した数が5から8とされる範囲であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第1範囲は前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数が1から2とされる範囲であり、前記第2範囲は前記入球情報記憶手段に記憶される入球情報の数が3から4とされる範囲であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記変動表示の実行に伴って遊技上の演出が実行され、
    前記第2の変動時間に基づく変動表示が複数回実行されることに伴って前記演出が実行され、当該複数回の変動表示に跨って実行される演出によって一連の関連演出が実行されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
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