以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は外枠2と、外枠2にヒンジH1、H2を用いて回動自在に装着された遊技機本体Hと、を備える。また、遊技機本体Hは、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材5Aと、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102等を主要部としている。
本体枠3は遊技盤10を保持可能な枠状体によって構成され、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。そして、この本体枠3が遊技盤10(図2を参照)を保持したとき、遊技盤10の表面に設けられる遊技領域11が本体枠3の前方から視認可能とされる。
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はガラス板43が填め込まれた視認窓41aを備え、前面枠4を閉じたときにその背後に位置する遊技領域11が視認窓41aを介して前面枠4の前方から視認可能とされる。また、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」は前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。
本遊技機1では、前面部の上方側および下方側の左右にスピーカSP1〜SP4を内蔵し、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位置を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備える。更に、上皿部材5の裏側には演出ボタン基板228(図11を参照)が設けられ、上皿部材5の上面には「演出ボタンSW」が操作可能な状態に配置されている。
上皿部材5の下方に下皿部材6が設けられ、下皿部材6の略中央には上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射ハンドル9が接続された発射装置ユニット90(図2を参照)が配設されている。なお、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は、正面視で略矩形状の遊技盤本体10Aを備え、遊技盤本体10Aの前面部には外側レール12及び内側レール13が配設されている。また、遊技盤本体10Aの前面部のうち、外側レール12および内側レール13が形成する略円形若しくは略楕円形の周壁で略包囲された部位によって遊技領域11が構成されている。
遊技盤本体10Aの前面部であって遊技領域11内の部位には、中央装置20と、第1始動入賞装置17Aと、第2始動入賞装置17Bと、大入賞装置31と、一般入賞口45、46と、普通図柄作動ゲート16と、風車19等が設けられ、遊技領域11外の部位には遊技内容表示装置60が設けられている。ここで、大入賞口31aは大入賞装置31の入口部分によって構成されている。また、多数の障害釘(図示を省略)は各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設されている。なお、図2に示す一点鎖線は本体枠3を示している。
中央装置20は、枠部材21と演出表示装置27とを備えている。このうち、枠部材21は、演出表示装置27の外縁を囲む盤面装飾用の部材を構成している。また、枠部材21には正面視で略矩形状の開口部が前後に貫通する状態に設けられ、この開口部によって「演出表示装置27の表示画面27a」を遊技盤10の前方から視認可能とするための表示窓21eを構成している。なお、以下の説明において、遊技領域11のうち、メイン役物装置20の上方に位置する部位(遊技領域11の上側領域)を上領域11U、下方に位置する部位(遊技領域11の下側領域)を下領域11D、左側に位置する部位(遊技領域11の左側領域)を左領域11L、右側に位置する部位(遊技領域11の右側領域)を右領域11Rと、それぞれ称することがある。
枠部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、枠部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aにおいて左側方側に位置する部位21Lの内部には、ワープ通路21wが形成されている。このワープ通路21wへの遊技球の進入を可能とする進入口21rは左斜め上方に向かって開口している。そして、遊技領域11(左領域11L)を流下する遊技球が、当該進入口21rで受け入れると、ステージ部21p上に進入する。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面21M(図の破線を参照)を構成する。この転動面21Mは、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面21Mの中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、ワープ通路21wを通じて転動面21Mの左端部に到達した遊技球は、転動面21M上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、これらの遊技球の勢いが衰えたところで、メイン役物装置20外に排出されるが、転動面21Mの中央部から排出される遊技球の多くは第1始動入賞装置17Aに入球可能とされている。
ここで、図5に示すように、ステージ部21p(転動面21M)の中央部は後方に向かって下る傾斜面21Tとされるとともに、ステージ部21p(転動面21M)の中央部後方(傾斜面21Tの後方)には、排出経路21Vの導入口21Yが開口している。この排出経路21Vは略半周回する経路を描いて、その排出口21Xを第1始動入賞装置17Aの入球口73a(後述する。)の略鉛直上方に位置させている。このため、ステージ部21p(転動面21M)の中央部で球速を緩めた遊技球は、導入口21Yを通じて排出経路21Vに進入した後、排出経路21Vを通過する。そして、排出口21Xから遊技盤10前方に排出された後、下方に落下し、入球口73aを通じて第1始動入賞装置17Aに入球する確率が高くされている。尚、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17Aに入球する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17Aに入球するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17Aに入球するものがある。
演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、遊技内容表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。また、演出表示装置27の表示画面27aは、図3(a)に示すように、その略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(背景図柄)や背景色(白、青、赤等の画面の地色)等を表示可能である。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の演出図柄を表示する演出図柄表示領域27bが、表示画面27a上に設けられる。ここで、「演出図柄」は、後述する特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)とともに識別情報の具体例を構成する。そして、「演出図柄を識別情報とする変動表示」は、「サブ制御基板220のCPU220aが識別情報表示手段として行う変動表示」の具体例を構成する。
また、表示画面27aのうち、下縁部寄りの部位には保留表示領域27c(D1〜D8)が設けられる。この保留表示領域27cに第1始動入賞装置17Aへの入球に基づいて生ずる「第1特別図柄」に関する取得情報(第1保留情報)の数(以下、「第1保留数」という。)が、「4個」を上限個数として表示されるとともに、第1始動入賞装置17A若しくは第2始動入賞装置17Bへの入球に基づいて生ずる「第2特別図柄」に関する取得情報(第2保留情報)の数(以下、「第2保留数」という。)が「4個」を上限個数として表示される。また、本実施例では、第1保留数の上限数と第2保留数の上限数との合計である「8個」が、第1保留数と第2保留数との合算保留数(合計保留数)の上限となる。そして、この保留表示領域27cにおいては、右側から左側に向かって最大8個の保留図柄を表示可能となっている。なお、本実施例では、保留表示領域27cにおいて、「ハッチングが付された丸印」若しくは「白抜きの実線で示す丸印」は保留図柄が表示されていることを示し、「白抜きの破線で表示された丸印」は保留図柄が表示されていないことを示している。なお、保留表示領域27c(D1〜D8)は「記憶表示手段」の具体例を構成し、保留表示領域27c(D1〜D8)に表示される保留図柄は「記憶表示」の具体例を構成する。
ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する未消化の取得情報(乱数、変動に関する情報)とは、第1始動入賞装置17A若しくは第2始動入賞装置17Bに入球したが、当該入球に伴う当否判定(後述する第1当否判定若しくは第2当否判定)と、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示とがなされていない情報であり、始動入賞時(第1始動入賞時若しくは第2始動入賞時であるが、後述する)に取得した取得情報であって、未だ消化(当否判定、変動表示)が保留されている(変動表示が未実行の)ものを指す。そして、未消化の取得情報(乱数、変動に関する情報)の数が「保留図柄の表示数」によって示され、未消化の取得情報が消化される毎に「保留図柄の表示数」が順次、デクリメントして表示される。
また、演出表示装置27の表示モードが特別表示モードになると、図17(a)に示すように、表示画面27aのうち、保留表示領域27c(D1〜D8)の下方に特定演出信頼度表示領域27dが設けられる。このとき、表示画面27aのうち、上方側の部位には演出態様表示領域27fが設けられる。この特定演出信頼度表示領域27dと、演出態様表示領域27fの詳細については後述する。
図2に示すように、第1始動入賞装置17Aは、遊技領域11(遊技盤10)の下領域11Dに配設されている。この第1始動入賞装置17Aは、図4および図5に示すように、通路部材71と、前板部材72と、振分部材75と、を備える。なお、図4においては、説明の便宜のため、前板部材72の図示を省略している。
図4および図5に示すように、通路部材71は、背板部71aと、背板部71aから前方に突出する側壁部71bとを有し、遊技球が通過可能で前方に開口する樋形状を備える。また、前板部材72は、透明板(ガラス板若しくは樹脂板)を用いて構成され、通路部材71と略同一の正面形状を備える。そして、この前板部材72が通路部材71の前面部(開口)を封止することで、通路部材71および前板部材72が協働して略管状の流下通路73を構成している。
図5に示すように、通路部材71の背板部71aが、遊技盤10の前面部10aに設けられた凹部10vに嵌め込まれてネジ止めされることで、第1始動入賞装置17Aは遊技盤10に装着されている。また、背板部71aの前面部71fと、遊技盤10の前面部10aとは略面一な状態とされている。
図4及び図5に示すように、流下通路73は、排出口21Xから遊技盤10前方に排出されて下方に落下する遊技球が入球可能となる入球口73aを上端に開口させている。また、流下通路73は入球口73aから垂下する導入通路73bと、導入通路73bの下端部から左方向に分岐する第1分岐通路73cと、導入通路73bの下端部から右方向に分岐する第2分岐通路73dとを備える。なお、本実施例では、導入通路73bの上端側において、その通路幅を上方(入球口73a)に向かって徐々に拡大させているが、導入通路73bの上端側においてその通路幅を一定としてもよい。また、導入通路73bに遊技球を1球ずつ送り出す球送り装置を第1始動入賞装置17Aに設け、後述する振分部材75に向かって、確実に1球ずつの遊技球が到達するようにしてもよい。
流下通路73は正面視で略逆Y字形状(「アルファベットのYの文字」の上下を逆さにしたような形状)を構成している。また、導入通路73bによって「導入ルートL」が構成され、第1分岐通路73cによって「第1ルートL1」の前半側部分(遊技盤10の前面部10a側に位置する部分)が構成され、第2分岐通路73dによって「第2ルートL2」の前半側部分(遊技盤10の前面部10a側に位置する部分)が構成される。
図4に示すように、第1ルートL1は、遊技盤10に設けられた貫通孔10xを介して遊技盤10の裏側に到達している。そして、第1ルートL1の経路途中には第1ルートL1に進入した遊技球を検知するための第1始動口入球検知スイッチ17s(図11を参照)が配設されている。また、第2ルートL2も、遊技盤10に設けられた貫通孔10yを介して遊技盤10の裏側に到達している。そして、第2ルートL2の経路途中には第2ルートL2に進入した遊技球を検知するための第2始動口入球検知スイッチ17t(図11を参照)が配設されている。
図4に示すように、通路部材71のうち、第1ルートL1と第2ルートL2とが合流する部分(以下、「合流部G」という。)の直下において、側壁部71bが切り欠かれ、通路部材71の内部を下方に開放する切り欠き部71gとされている。そして、背板部71aにおいて切り欠き部71gの後方に位置する部位の左端寄りおよび右端寄りからは規制突起J1、J2が突出している。なお、以下の説明において、切り欠き部71gの左端寄りに配置される規制突起J1を「第1規制突起J1」と称し、切り欠き部71gの右端寄りに配置される規制突起J2を「第2規制突起J2」と称することとする。
図4に示すように、通路部材71および前板部材72の一体品において合流部Gを構成する部位には、振分部材75が揺動可能な状態に配置されている。ここで、振分部材75は、部材本体75aと、部材本体75aの軸心位置に装着されて部材本体75aと一体化された軸体部75bと、を備えている。そして、図5に示すように、軸体部75bにおいて部材本体75aの前方に突出する前端部が、前板部材72に装着された軸受部材75cによって回動可能な状態に支持されるとともに、軸体部75bにおいて部材本体75aの後方に突出する後端部が、背板部71aに装着された軸受部材75dによって回動可能な状態に支持されることで、振分部材75は揺動(回動)可能な状態とされている。
図6に示すように、部材本体75aは、正面視で略逆T字形状に構成され、軸心位置(軸体部75bが装着される位置)から上方に突出する振分板部75gと、振分板部75gの下端部から左下り傾斜方向(振分板部75gの軸心を上下に向けた場合を基準)に突出する第1底板部75mと、振分板部75gの下端部から右下り傾斜方向(振分板部75gの軸心を上下に向けた場合を基準)に突出する第2底板部75nと、を備える。また、振分板部75g、第1底板部75mおよび第2底板部75nの突端側には、錘体M、M1、M2が装着(埋設)されている。なお、各錘体M、M1、M2の重量は等しくされるとともに、1球の遊技球の重量よりも軽くなっている。また、部材本体75aは、その軸心位置と錘体Mの中心位置とを通過する仮想面(図4において紙面に垂直な面)を基準に線対称な形状を備える。
次に、振分部材75の動作態様(揺動態様)等について説明するが、以下の説明において振分部材75の姿勢を次のように定義する。つまり、図7(a)に示すように、振分板部75gを右上がり傾斜とし、第2底板部75nの下面突端側を第2規制突起J2に当接させる姿勢を「第1姿勢」と定義し、図8(a)に示すように、振分板部75gを左上がり傾斜とし、第1底板部75mの下面突端側を第1規制突起J1に当接させる姿勢を「第2姿勢」と定義する。ここで、入球口73aを通じて第1始動装置17A内に遊技球が入球していないとき、振分部材75の姿勢は錘体M、M1、M2の作用で、「第1姿勢」若しくは「第2姿勢」となる。
また、図7(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」となると、合流部G内において、振分板部75gの左側に遊技球を受け入れ可能な空間(以下、「第1空間」という。)K1が設けられる。更に、図8(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第2姿勢」となると、合流部G内において、振分板部75gの右側に遊技球を受け入れ可能な空間(以下、「第2空間」という。)K2が設けられる。
図7(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」であるとき、入球口73aを通じて第1始動入賞装置17A内に遊技球Y1が入球し、導入ルートLを通過すると、この遊技球Y1は第1空間K1に進入し、第1底板部75mの上面部に落下する。このとき、第1底板部75mに遊技球Y1の重量が加わるため、図7(b)に示すように、振分部材75は反時計方向(正面視)に回転し、その姿勢が第2姿勢となる。このとき、第1底板部75mは左下り傾斜となるため、第1底板部75m上の遊技球Y1は第1分岐通路73c(第1ルートL1)に進入する。そして、この第1分岐通路73c(第1ルートL1)に進入した遊技球Y1は、第1始動口入球検知スイッチ17s(図11を参照)によって検知される。
図8(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第2姿勢」であるとき、入球口73aを通じて第1始動入賞装置17A内に遊技球Y2が入球し、導入ルートLを通過すると、この遊技球Y2は第2空間K2に進入し、第2底板部75nの上面部に落下する。このとき、第2底板部75nに遊技球Y2の重量が加わるため、図8(b)に示すように、振分部材75は時計方向(正面視)に回転し、その姿勢が第1姿勢となる。このとき、第2底板部75mは右下り傾斜となるため、第2底板部75n上の遊技球Y2は第2分岐通路73d(第2ルートL2)に進入する。このように、第2ルートL2に進入した遊技球は、第2始動口入球検知スイッチ17t(図11を参照)で検知される。
このように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」であるとき、第1始動入賞装置17A内に遊技球Y1が入球すると、振分部材75はその姿勢を「第1姿勢」から「第2姿勢」に変更しながら、遊技球Y1を第1分岐通路73c(第1ルートL1)に誘導する。また、遊技球Y1に続く遊技球Y2が第1始動入賞装置17Aに入球すると、振分部材75はその姿勢を「第2姿勢」から「第1姿勢」に変更しながら、遊技球Y2を第2分岐通路73d(第2ルートL2)に誘導する。そして、遊技球Y2に後続する各遊技球は、第1分岐通路73c(第1ルートL1)、第2分岐通路73d(第2ルートL2)の順で誘導される。
このため、ステージ部21p上から第1始動入賞装置17Aに順次入球する各遊技球は、第1始動口入球検知スイッチ17s、第2入賞口入球検知スイッチ17tの順で交互に検知される。そして、ステージ部21p上の遊技球が第1始動入賞装置17Aに順次入球すると、第1始動口入球検知スイッチ17s(図11を参照)が入球を検知することに基づいて発生する判定用乱数値と、第2始動口入球検知スイッチ17t(図11を参照)が入球を検知することに基づいて発生する判定用乱数値とを交互に1個ずつ取得することとなる。
第2始動入賞装置17Bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、図2に示すように、右領域11Rに配設されている。この第2始動入賞装置17Bは、図9(a)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17vと、取付板17vの前面部に装着されて第2始動入賞装置17Bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17vの前面部に装着された障害部材17Kと、を備えている。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図11参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態(第1状態)にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態(第2状態)とされる。また、障害部材17Kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。更に、第2始動入賞装置17Bの内部には遊技球の通過を検知する第3始動口入球検知スイッチ17u(図11参照)が配設されている。
図9(a)に示すように、第2始動入賞装置17Bが閉鎖状態(第1状態)になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K3が形成されるが、この空間部K3の鉛直上方に障害部材17Kが配設されている。このため、閉鎖状態(第1状態)にある第2始動入賞装置17Bに遊技球が入球することは不可能されている。一方、図9(b)に示すように、第2始動入賞装置17Bが開放状態(第2状態)になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K3(つまり、第2始動口の左右全幅)が、障害部材17Kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2始動入賞装置17Bへ入球することが可能となる。
ここで、本遊技機1は開放延長機能を備え、遊技状態が、開放延長機能が作動する開放延長状態(高頻度状態)である場合、第2始動入賞装置17B(第2始動口)が開放状態(第2状態)となる時間が長くなる(例えば、「5秒」)。一方、開放延長機能が作動しない非開放延長状態である場合には、第2始動口17bが開放状態(第2状態)となる時間が短くなる(例えば、「0.2秒」)。また、開放延長機能が作動し、開放延長状態となると、第2始動入賞装置17B(第2始動口)への遊技球の入球頻度が非開放延長状態よりも高くなる。なお、前述のように、第2始動入賞装置17Bが閉鎖状態(第1状態)になると、遊技球が第2始動入賞装置17Bに遊技球が入球することが不可能であるため、遊技機1の遊技状態が開放延長状態でない場合、遊技球が第2始動入賞装置17Bに入賞する確率は第1始動入賞装置17Aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。但し、第2始動入賞装置17Bの上方から障害部材17Kを排除することで、第2始動入賞装置17Bが閉鎖状態(第1状態)の場合にも、遊技球を入球可能とすることもできる。
また、第1始動入賞装置17Aに入球した遊技球を第1始動口入球検知スイッチ17s(図11参照)が検知することに基づいて取得される判定用乱数値は、4個を限度に第1判定用乱数値メモリ202a(後述する)に記憶される。また、第1始動入賞装置17Aに入球した遊技球を第2始動口入球検知スイッチ17t(図11参照)が検知することに基づいて取得される判定用乱数値と、第2始動入賞装置17Bに入球した遊技球を第3始動口入球検知スイッチ17u(図11参照)が検知することに基づいて取得される判定用乱数値は、合計4個を限度に第2判定用乱数値メモリ202b(後述する)に記憶される。また、第1判定用乱数値メモリ202aに記憶されている判定用乱数値が保留(処理を待機している判定用乱数値)であり、以下「第1保留」と称する。更に、第2判定用乱数値メモリ202bに記憶されている判定用乱数値も保留(処理を待機している判定用乱数値)であり、以下「第2保留」と称する。なお、判定用乱数値(第1始動入賞に基づく判定用乱数値、第2始動入賞に基づく判定用乱数値)は「取得情報」の具体例を構成し、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bは「取得情報記憶手段」の具体例を構成する。また、本実施例と異なり、第1始動入賞に基づく判定用乱数値および第2始動入賞に基づく判定用乱数値を共通の判定用乱数値メモリに記憶することとしてもよい。
次に、図10を用いて、保留表示領域27cにおける保留(保留図柄)の表示態様等について説明する。図3を用いて前述のように、保留表示領域27cは、右側から左側に向かって8個の領域D1〜D8を並べた構成を備えている。以下、右端に位置する領域D1を「第1領域D1」と称し、左端に位置する領域D8を「第8領域D8」と称するとともに、これらの間に位置する領域D2〜D7からを、右から順に「第2領域D2」、「第3領域D3」、「第4領域D4」、「第5領域D5」、「第6領域D6」、「第7領域D7」と称することとする。保留表示領域27cでは、保留数の増加に伴って、保留図柄が第1領域D1から第8領域D8に向かって順に増えていくように表示される。また、保留数の減少(保留消化)に伴って、第1領域D1に表示されていた保留図柄が消去され、保留図柄が第1領域D1に向かって順に減っていくように表示される。つまり、領域D1〜D8のうち左側に表示されている保留図柄に対応する保留(第1保留、第2保留)ほど消化順が早くなるように、保留図柄の表示が行われる。
図10では、「第1保留」の存在を示す保留図柄(以下、「第1保留図柄」という。)を「ハッチングを付した丸印」で示し、「第2保留」の存在を示す保留図柄(以下、「第2保留図柄」という。)を「白抜きの丸印」で示している。更に、保留図柄が表示されていない領域D1〜D8を「破線を用いた丸印」で示している。また、保留表示領域27cにおいて表示可能な「第1保留図柄」の上限数および表示可能な「第2保留図柄」の上限数は、ともに「4個」である。
図10(a)は、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態でない場合を示している。この状態において、遊技者は第1始動入賞装置17Aへの入球を狙って遊技球を発射するため、第1保留および第2保留が交互に発生する可能性が高くなる。このため、保留表示領域27cに第1保留の発生を示す「第1保留図柄」と、第2保留の発生を示す「第2保留図柄」とが交互に表示される(A1〜A4)。このため、入球口73aに遊技球を順次(次々に)入球させることで保留表示領域27cに上限個数(8個)の保留図柄を表示すること(4個の第1保留図柄と、4個の第2保留図柄とを表示すること)が容易である。また、図10(b)は、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態である場合を示している。この状態において、遊技者は第2始動入賞装置17Bへの入球を狙って右領域11Rに遊技球を発射するため、第2保留が連続的に、しかも高頻度に発生する可能性が高くなる。このため、保留表示領域27cに第2保留の発生を示す「第2保留図柄」のみが表示される可能性が高くなる(B1、B2)。
なお、詳細は後述するが、本遊技機1では保留数が上限に到達し易いが、上限に行った場合は消化され易い。このため、保留表示領域27cの全ての領域D1〜D8に保留図柄が表示された状態で滞る事態や、保留表示領域27cの全ての領域D1〜D8に保留図柄が表示されない状態で滞る事態を生じ難くなっている。また、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態である場合には、保留表示領域27cのうち第1領域D1〜第4領域D4において、第2保留図柄が連続的に、しかも高頻度に表示される可能性が高くなるため、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている。一方、第2始動入賞装置17Bが開放延長状態でない場合においても、保留数が上限に到達し易いため、変動表示が実行されない状態を生じ難くなっている。つまり、第1始動入賞装置17Aに遊技球を高率的に入球させることで、第1始動入賞(後述する。)と第2始動入賞(後述する。)とが交互に発生するため(例えば、第1始動入賞と第2始動入賞のうちの一方に偏って発生しないため)、保留数を上限数(MAX)に到達させることが容易である。
図2に示すように、大入賞装置31は右領域11Rであって、中央装置20の右側方で、しかも第2始動入賞装置17Bの下方に位置に配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aで開口する大入賞口31aと、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図11を参照)と、大入賞装置31に入賞した遊技球を検知するための大入賞口入球検知スイッチ31s(図11を参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるとともに、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
遊技領域11において中央装置21の左側方には、一般入賞口45、46が設けられている。そして、何れの一般入賞口45、46に入球した遊技球も、遊技盤本体10Aの背面に装着された裏樋部(図示を省略)に流入し、当該裏樋部に設けられた一般入球検知スイッチ45s(図11参照)で検知される。また、中央装置20の右側方には普通図柄作動ゲート16が設けられている。この普通図柄作動ゲート16は、遊技盤本体10Aの前面部から突出する状態に配置され、通過検知スイッチ16s(図11参照)を備え、普通図柄作動ゲート16を上方から下方に通過する遊技球を検知可能である。更に、遊技領域11の下部には、当該に到達した遊技球を外部に排出するためのアウト口18が設けられている。
遊技内容表示装置60は、遊技盤10の表面部であって、遊技領域11の外側(遊技盤10の表面外縁)に該当する外縁部10Bのうち左下部位(左下外縁部)に配置されている。この外縁部10Bの左下部位は視認窓41aの左下方側を介して前方から視認可能な部位であるため、遊技内容表示装置60は前面枠4の前方からガラス板43を通じて視認可能とされている(図1を参照)。この遊技内容表示装置60は、図3(c)に示すように基板60Aを備え、この基板60Aに対して、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。
第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入球検知スイッチ17sによって遊技球が検知されることに基づいて実行される当否判定(以下、「第1当否判定」という。)の結果を示す「第1特別図柄」が変動表示を経て停止表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入球検知スイッチ17t若しくは第3始動口入球検知スイッチ17uによって遊技球が検知されることに基づいて実行される当否判定(以下、「第2当否判定」という。)の結果を示す「第2特別図柄」が変動表示を経て停止表示する。第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。そして、特別図柄に関する当否判定の結果が「外れ」である場合には、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に外れ図柄が表示され、特別図柄に関する当否判定の結果が「大当り」である場合には、大当り図柄が表示される。
普通図柄表示部63も、図3(c)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の変動表示の結果(普通図柄に関する当否判定の結果)が一定時間(例えば、0.5秒)表示される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。なお、本遊技機1は、開放延長機能(後述する。)の作動時に専ら「右打ち」を行う遊技機1であるため、普通図柄作動ゲート16を右領域11Rに配設している。
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64bおよび普通図柄保留表示部65は何れも2個のLEDを備え、対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)に関する保留数をLEDの点灯数、駆動態様によって表示する。例えば、消灯状態のLEDは「ゼロ」を表示し、点灯状態のLEDは「1」を表示し、点滅状態のLEDは「2」を表示することとすれば、2個のLEDを用いて「ゼロ」〜「4」の整数を表示できる。
(2)制御回路の構成
次に、図11を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)を備える。また、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成され、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成され、演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成され、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成され、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図11中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。
主制御部200Aは、通過検知スイッチ16s、第1始動口入球検知スイッチ17s、第2始動口入球検知スイッチ17t、第3始動口入球検知スイッチ17u、一般入賞口入球検知スイッチ45s、大入賞口入球検知スイッチ31s等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部220Aや、払出制御部240A、発射制御部260A等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。なお、主制御部200Aは「当否判定手段」、「特定遊技実行手段」の具体例を構成する。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続され、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)には演出表示装置27が電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27の具体的な表示内容、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄の変動表示及び停止表示や背景図柄、キャラクタ図柄の表示等を行う。このとき、表示される演出用の各種図柄(演出図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
演出図柄の変動表示及び停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプの駆動信号を出力することによって、各LEDランプの点灯・点滅動作等を制御する。また、演出ボタンSWを遊技者が操作すると(指示入力を行うと)、この操作信号(指示入力信号)がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。なお、供給された操作信号に基づいて、発光装置(LED4b〜4h)の駆動態様を変化させることとしてもよい。
次に、図12を用いて「取得情報記憶手段」等について説明する。主制御基板200に搭載されたRAM202には、第1判定用乱数値メモリ202aと、第2判定用乱数値メモリ202bと、第1保留数メモリ202cと、第2保留数メモリ202dと、第1事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第2事前判定結果メモリ(図示を省略)とが設けられている。また、サブ制御基板220に搭載されたRAM220bには、第1判定用乱数値情報メモリ221Bと、第2判定用乱数値情報メモリ222Bと、第1事前判定結果情報メモリ221bと、第2事前判定結果情報メモリ222bと、第1保留数情報メモリ223bと、第2保留数情報メモリ224bと、が設けられている。以下、「有効な始動入賞」とは、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限個数でない状態で生じた始動入賞を指す。また、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限数である状態で第1始動入賞装置A若しくは第2始動入賞装置Bに遊技球が入球することを「オーバー入賞」と称し、この「オーバー入賞」を生じても、第1判定用乱数値メモリ202a若しくは第2判定用乱数値メモリ202bに判定用乱数値(取得情報)が記憶されることはない。そして、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bは「取得情報記憶手段」の具体例を構成する。
ここで、以下の説明において、第1始動入賞装置17Aに遊技球が入球することで生じた「始動入賞」のうち、当該「入球した遊技球を第1始動口入球検知スイッチ17sが検知したもの」を「第1始動入賞」と称する。また、第1始動入賞装置17Aに遊技球が入球することで生じた「始動入賞」のうち、当該「入球した遊技球を第2始動口入球検知スイッチ17tが検知したもの」と、第2始動入賞装置17Bに遊技球が入球すること(遊技球を第3始動口入球検知スイッチ17uが検知すること)で生じた「始動入賞」を「第2始動入賞」と称する。
有効な第1始動入賞を生ずると、これに対応する判定用乱数値が取得され、第1判定用乱数値メモリ202aにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数を示す値が第1保留数メモリ202cに累積的に記憶(加算記憶)される。ここで、有効な第1始動入賞に基づいて取得される「判定用乱数値」には「大当りか否かを当否判定するための当否判定乱数値(大当り抽選乱数値)」、「大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」、「変動パターンを決定するための変動パターン乱数」等が含まれ、取得情報(保留情報)の具体例を構成する。ここで、本実施例と異なり、変動パターンによってリーチ演出の実行を特定しなくてもよく、この場合、「判定用乱数値」には「リーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ乱数」等が含まれていてもよい。
また、第1始動入賞に基づいて取得される「判定用乱数値」が第1判定用乱数値メモリ202aに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が、当否判定に関する事前判定および大当り図柄(特別図柄)に関する事前判定(大当りを発生する旨の事前判定の結果を得た場合)を行うとともに、これらの事前判定(以下、「第1事前判定」という。)の結果を第1事前判定結果(図示を省略)にシフトメモリ形式で記憶する。これに伴い、第1始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。
ここで、第1始動入賞時コマンドは、「第1事前判定の結果を特定可能な情報(以下、「第1事前判定結果情報」という。)」、「当該始動入賞後の第1保留数を特定可能な情報(以下、「第1保留数情報」という。)」、「変動パターン乱数を特定可能な情報」等を示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、第1始動入賞時コマンドを受信すると、「第1事前判定結果情報」を第1事前判定結果情報メモリ221bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、「大当りか否かを当否判定するための当否判定用乱数値および大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」以外の当否判定用乱数値(変動パターン乱数等)を特定する各情報を第1当否判定用乱数値情報メモリ221Bに記憶し、さらに第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する。
そして、サブ制御基板220のCPU220aは、第1事前判定結果情報メモリ221bに記憶された第1事前判定結果情報に基づいて、第1判定用乱数値メモリ202aに「第1当否判定の結果が、大当りとなる当否判定用乱数値」が記憶されているか否かを判断する。また、サブ制御基板220のCPU220aは、第1当否判定用乱数値情報メモリ221Bに記憶されている情報(変動パターンを特定可能な情報)に基づいて、当該取得した「判定用乱数値」に基づく変動パターンを事前判定することができる。以下、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当りとなると事前判定(第1事前判定、第2事前判定)される当否判定用乱数値を「当り保留」と称し、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が外れとなると事前判定(第1事前判定、第2事前判定)される当否判定用乱数値を「外れ保留」と称する。
但し、本実施例と異なり、第1始動入賞後の第1保留数を示すコマンドを別コマンドとしてもよい。また、CPU201が第1事前判定として、当否判定や大当り図柄に関する事前判定だけでなく、変動パターンに関する事前判定を行い、それら各事前判定の結果を示すコマンドをサブ制御基板220へ送信し、各事前判定の結果に係る情報をサブ制御基板220側で記憶するように構成してもよい。
有効な第2始動入賞を生ずると、これに対応する判定用乱数値が取得され、第2判定用乱数値メモリ202bにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数を示す値が第2保留数メモリ202dに累積的に記憶(加算記憶)される。ここで、第2始動口17bへの始動入賞(以下、「第2始動入賞」という。)に基づいて取得される「判定用乱数値」には、第1始動入賞に基づいて取得される「判定用乱数値」と同様に「大当りか否かを当否判定するための当否判定乱数値(大当り抽選乱数値)」、「大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」、「変動パターンを決定するための変動パターン乱数」等が含まれ、取得情報(保留情報)の具体例を構成する。
また、有効な第2始動入賞に基づいて取得される「判定用乱数値」が第2判定用乱数値メモリ202bに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が、当否判定に関する事前判定および大当り図柄(特別図柄)に関する事前判定(大当りを発生する旨の事前判定の結果を得た場合)を行うとともに、これらの事前判定(以下、「第2事前判定」という。)の結果を第2事前判定結果メモリ(図示を省略)にシフトメモリ形式で記憶する。これに伴い、第2始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。
ここで、第2始動入賞時コマンドは、「第2事前判定の結果を特定可能な情報(以下、「第2事前判定結果情報」という。)」、「当該始動入賞後の第2保留数を特定可能な情報(以下、「第2保留数情報」という。)」、「変動パターン乱数を特定可能な情報」等を示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、第2始動入賞時コマンドを受信すると、「第2事前判定結果情報」を第2事前判定結果情報メモリ222bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、「大当りか否かを当否判定するための当否判定用乱数値および大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」以外の当否判定用乱数値(変動パターン乱数等)を特定する各情報を第2当否判定用乱数値情報メモリ222Bに記憶し、さらに第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する。
そして、サブ制御基板220のCPU220aは、第2事前判定結果情報メモリ222bに記憶された第2事前判定結果情報に基づいて、第2判定用乱数値メモリ202bに「第2当否判定の結果が、大当りとなる当否判定用乱数値」が記憶されているか否かを判断する。また、サブ制御基板220のCPU220aは、第2当否判定用乱数値情報メモリ222Bに記憶されている情報(変動パターンを特定可能な情報)に基づいて、当該取得した「判定用乱数値」に基づく変動パターンを事前判定することができる。なお、本実施例と異なり、第2始動入賞後の第2保留数を示すコマンドを別コマンドとしてもよい。また、CPU201が第2事前判定として、当否判定や大当り図柄に関する事前判定だけでなく、変動パターンに関する事前判定を行い、それら各事前判定の結果を示すコマンドをサブ制御基板220へ送信し、各事前判定の結果に係る情報をサブ制御基板220側で記憶するように構成してもよい。
なお、第1判定用乱数値メモリ202aと、第2判定用乱数値メモリ202bと、第1事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第2事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第1判定用乱数値情報メモリ221Bと、第2判定用乱数値情報メモリ222Bと、第1事前判定結果情報メモリ221bと、第2事前判定結果情報メモリ222bは、何れも、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で対応するデータを記憶可能となっており、有効な始動入賞を生ずる毎に、対応するデータがシフトメモリ形式で記憶される。例えば、メモリにおいて、領域0を含む複数の領域にデータが記憶されている場合には、対象となる判定用乱数値が消化される毎に、領域0以外の領域(例えば、領域1〜3)に記憶されたデータは「領域0」に向けて1領域ずつシフトされる。ここで、本明細書では、取得情報記憶手段(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値(入球情報)を最先に記憶されたものから順に読み出し、その読み出した判定用乱数を基に当否判定(後述する。)やこの当否判定に基づく図柄変動遊技を行うことを「判定用乱数値(入球情報)を消化する」と称する。
但し、本実施例では、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bの双方に判定用乱数値が記憶されている場合には、判定用乱数値がその記憶順に処理される。例えば、図13に示すように、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域0」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域0」、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域1」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域1」の順に判定用乱数値が記憶された場合には、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域0の判定用乱数値」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域0の判定用乱数値」、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域1の判定用乱数値」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域1の判定用乱数値」の順に処理される。但し、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bの双方に判定用乱数値が記憶されている場合において、何れか一方の判定用乱数値メモリに記憶された判定用乱数値を、他方の判定用乱数値メモリに記憶された判定用乱数値に優先して処理することとしてもよい。また、本実施例と異なり、変動パターン乱数を図柄変動遊技の開始時に取得することとしてもよい。但し、以下の説明において、特にことわら無い限り、始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)とは、有効な始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)を指す。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)に基づいて行われる当否判定の結果を示す図柄の停止表示と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを遊技内容表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、遊技内容表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄と、遊技内容表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄は「本図柄」であり、主制御部200Aによって「停止表示させる図柄(停止図柄)」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。但し、本実施例では、始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)に基づく、判定用乱数値(取得情報)を取得した時点で当否判定の結果等が事前判定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「演出図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御するサブ制御部220Aによって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「演出図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「演出図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では第1始動入賞に基づいて第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、第2始動入賞に基づいて第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出」の概要について説明する。なお、本図柄および演出図柄は何れも「識別情報」の具体例を構成するが、本遊技機1において使用する「識別情報」を本図柄および演出図柄のうち何れか一方に一本化してもよい。
a.図柄変動遊技
「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄の変動表示および停止表示によって構成され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄の変動表示および停止表示によって構成される。これらの変動表示は、図11(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。そして、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって、「第1始動入賞」に基づいて実行される当否判定(第1当否判定)の結果が表示され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって「第2始動入賞」に基づいて実行される当否判定(第2当否判定)の結果が表示される。
図14に示すように、遊技機1の確率状態が低確率状態(通常確率状態)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/300」とされ、遊技機1の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果(特定表示結果)が導出される確率は約「1/30」とされる。そして、特別図柄表示部62aに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段が駆動して大当り遊技が実行される。また、本実施例では、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。
具体的には、第2当否判定の結果が大当りの場合、当該「乱数抽選(振分抽選)」によって、大当り図柄が「16R確変大当りの発生を示す大当り図柄」、「16R通常大当りの発生を示す大当り図柄」および「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄」のうち何れかに決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、当該「乱数抽選(振分抽選)」によって、大当り図柄が、「16R通常大当りの発生を示す大当り図柄」、「8R確変大当りの発生を示す大当り図柄」および「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄」のうち何れかに決定される。ここで、「大当り」は「特定結果」の具体例を構成し、「大当り図柄」および「外れ図柄」は当否判定の結果を示す表示の具体例を構成する。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(第2状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
「16R確変大当り」若しくは「16R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技Aが実行され、「8R確変大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Bが実行される。
「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段(後述する。)が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となる。また、「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、大当り遊技の終了後には開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動入賞装置17Bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この高確率状態および開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。
「16R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には、確率変動手段が作動を開始しないため、遊技機1の確率状態が低確率状態(通常確率状態)とされる。また、当該大当り遊技の終了後に開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動入賞装置17Bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。以上、図14を用いて説明したように、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。
b.図柄変動演出
図柄変動演出も、第1始動入賞若しくは第2始動入賞に基づいて開始される。そして、図柄変動演出の実行時間(変動時間)も、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって特定される。この図柄変動演出では、図15(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの所定の部位において演出図柄表示領域27bが出現し、演出図柄の変動表示(演出図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。そして、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.5秒間)実行される。この演出図柄の停止表示は、前述の下部表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b))による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
図15(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでは、演出図柄表示領域27bに3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。この演出図柄の変動表示は、算用数字の「1」を示す演出図柄と、算用数字の「2」を示す演出図柄と、算用数字の「3」を示す演出図柄と、算用数字の「4」を示す演出図柄と、算用数字の「5」を示す演出図柄と、算用数字の「6」を示す演出図柄と、算用数字の「7」を示す演出図柄と、算用数字の「8」を示す演出図柄と、算用数字の「9」を示す演出図柄とを、この順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。その際、当該変動表示を盛り上げるために、演出表示装置27の表示画面27aに「背景図柄」や「キャラクタ図柄」が表示されたり、スピーカSP1〜SP4から効果音が発声されたり、電飾が行われることで、図柄変動演出が実現される。
また、図14に示すように、演出図柄の停止図柄には「大当りを示す図柄(大当り図柄)」と「外れを示す図柄(外れ図柄)」とがある。そのうち、「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」の発生を示す図柄は3つの演出図柄がすべて同一の奇数数字を表示する組み合わせ(同一の奇数数字を特定する演出図柄の組み合わせ)によって構成され、「16R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」の発生を示す図柄は3つの演出図柄がすべて同一の偶数数字を表示する組み合わせ(同一の偶数数字を特定する演出図柄の組み合わせ)によって構成される。
図15(c)に示すように、演出表示装置27において「大当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う(以下、当り変動という。)。また、演出表示装置27において「外れ図柄」を表示する場合、図15(b)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ変動」という。)と、図15(a)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、単純外れ変動という。)がある。ここで、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される演出図柄のうち2つの演出図柄を同一図柄で停止させ、他の1つの演出図柄を変動中とする演出表示である。
また、「リーチ外れ変動」と「当り変動」では、リーチ表示後において行われる表示演出(以下、「リーチ演出」という。)を行うが、この「リーチ演出」は、(a)演出内容が単純で演出途中で発展することなく、変動開始から短時間(15秒未満)で変動表示を終了するリーチ演出(以下、「ノーマルリーチ演出」という。)と、(b)演出内容が演出途中で発展して、変動開始から長時間(15秒以上)で変動表示を終了する「スーパーリーチ演出」とに分類できる。
本遊技機1では、「単純外れ変動」、「リーチ外れ変動」および「当り変動」の何れにおいても、変動表示の途中にキャラクタが出現したり、カットイン演出が行われたりすることがある。また、「スーパーリーチ演出」は「リーチ外れ変動」若しくは「当り変動」において実行されることがあり、この「スーパーリーチ演出」において、例えば、ステップアップ演出、決闘バトル演出、チェイスバトル演出、若しくは、疑似連演出等が実行される。また、「決闘バトル演出」、「チェイスバトル演出」、若しくは、「疑似連演出」等の途中でキャラクタが出現したり、カットイン演出が行われたりすることがある。
ここで、「決闘バトル演出」としては、図16(a)に示すように、表示画面27aに「遊技者の味方を示す味方キャラクタK5」と、「遊技者の敵を示す敵キャラクタK6」が出現し、決闘を行う演出を例示できる(B1〜B4)。この場合、図柄変動演出の結果が遊技者にとって有利な結果となる場合には味方キャラクタK5が勝利し、図柄変動演出の結果が遊技者にとって不利な結果となる場合には敵キャラクタK6が勝利する。そして、「決闘バトル演出」の結果が表示された後に、図柄変動演出の結果が表示される。
また、「チェイスバトル演出」としては、図16(b)に示すように、表示画面27aに「遊技者の味方を示す味方キャラクタK7」と、「遊技者の敵を示す敵キャラクタK8」が出現し、競争を行う演出を例示できる(D1〜D4)。この場合、図柄変動演出の結果が遊技者にとって有利な結果となる場合には味方キャラクタK7が勝利し、図柄変動演出の結果が遊技者にとって不利な結果となる場合には敵キャラクタK8が勝利する。そして、「チェイスバトル演出」の結果が表示された後に、図柄変動演出の結果が表示される。
更に、ステップアップ演出として、例えば、図柄変動演出の途中に特定のキャラクタが多段階に変化していく演出(「白色」→「ピンク」→「赤色」→「シルバー」→「ゴールド」)を例示できる。また、疑似連演出としては、1回の図柄変動演出において演出図柄を変動表示した後、一旦停止表示し、再度変動表示させることを複数回行う複数回変動演出を例示できる。
c.保留図柄表示演出
保留図柄表示演出は、有効な始動入賞に基づいて実行される。以下、保留図柄表示演出について説明する。ここで、本実施例では、保留図柄表示演出を実行する演出モードとして、図3(a)に示す「通常表示モード」と、図17(a)に示す「特別表示モード」とを備える。そして、「特別表示モード」では、表示画面27aにおいて、保留表示領域27cの下方に特定演出信頼度表示領域27dが出現する点と、表示画面27aにおいて上縁部側に演出態様表示領域27fが出現する点が異なっている。
特定演出信頼度表示領域27dは「特定演出信頼度表示部」の具体例を構成するものであり、「特定演出が発生したとしたら、当該特定演出が発生した図柄変動演出の結果が大当り(特定結果)となる可能性(大当り信頼度)」、つまり、「特定演出発生時の特定結果導出可能性」を示唆する部分である。また、特定演出態様表示領域27fは、所定の演出(特定演出)の態様を表示するための領域である。例えば、図17(a)に示すように、所定の演出(特定演出)として、スーパーリーチAが表示されている場合には、「スーパーリーチAが出現したとしたら、当該特定演出が発生した図柄変動演出においてその結果(当該図柄変動演出の結果)が大当り(特定結果)となる可能性(大当り信頼度)」が、特定演出信頼度表示領域27dの表示によって示唆されることになる。
また、保留図柄表示演出のモードが「通常表示モード」であるか、「特別表示モード」であるかを問わずに、有効な始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)を生ずると、保留表示領域(D1〜D8)には判定用乱数値(取得情報)が記憶されていることを示す保留図柄が表示される。つまり、サブ制御基板220のCPU220aは、判定用乱数値(取得情報)が取得され、第1判定用乱数値メモリ202a若しくは第2判定用乱数値メモリ202b(第1判定用乱数値情報メモリ221B若しくは第2判定用乱数値情報メモリ222B)に対応する情報(判定用乱数値)が記憶されると、当該情報の存在を示す保留図柄を保留表示領域(D1〜D8)に表示する。
なお、サブ制御基板220のCPU220aは、判定用乱数値(取得情報)が、第1判定用乱数値メモリ202a若しくは第2判定用乱数値メモリ202b(第1判定用乱数値情報メモリ221B若しくは第2判定用乱数値情報メモリ222B)に記憶されたとき(取得されたとき)、判定用乱数値が、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当り(特定結果)となるものであるか否かと、特定変動演出(スーパーリーチ演出)を特定するもの(特定変動態様情報)であるか否かを、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の実行に先立って事前判定する。そして、保留図柄を保留表示領域(D1〜D8)27cに表示する際に、事前判定の結果を考慮し、保留図柄の表示態様によって事前判定の結果が示唆(予告)してもよい。また、事前判定の対象となる判定用乱数値(取得情報)が、当り保留とされる場合と、外れ保留であるが特定変動演出(スーパーリーチ演出)を行う場合には特定態様の保留図柄を表示し、事前判定の対象となった判定用乱数値(取得情報)が外れ保留で、特定変動演出(スーパーリーチ演出)を行うものでもない場合には、通常態様の保留図柄を表示することとしてもよい。
また、前述のように、特定演出信頼度表示領域27dは、保留図柄表示演出のモードが「特別表示モード」である場合に、表示画面27aにおいて保留表示領域27cの下方の部位に出現する。ここで、保留表示領域27cには最大8個の保留図柄を表示可能であるが、保留図柄の表示個数が4個以上となると、特定演出信頼度表示領域27dにおいて所定の保留図柄の鉛直下方の部位に信頼度マークEを表示する{図17(b)を参照}。この点について、図18を用いて具体的に説明すると、保留図柄の表示個数が3個から4個となると、「第1領域D1」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示される(C1、C2)。また、保留図柄の表示個数が4個から5個となると、「第1領域D1」の鉛直下方の信頼度マークEの数が2個になり、「第2領域D2」の鉛直下方の信頼度マークEの数が1個になる(C3)。更に保留図柄の表示個数が5個から6個となると、「第1領域D1」の鉛直下方の信頼度マークEの数が3個になり、「第2領域D2」の鉛直下方の信頼度マークEの数が2個になり、「第3領域D3」の鉛直下方の信頼度マークEが表示される(C4)。
また、保留図柄の表示個数が6個から7個となると、「第1領域D1」の鉛直下方の信頼度マークEの数が4個になり、「第2領域D2」の鉛直下方の信頼度マークEの数が3個になり、「第3領域D3」の鉛直下方の信頼度マークEの数が2個になり、「第4領域D4」の鉛直下方の信頼度マークEが表示される(C5)。そして、保留図柄の表示個数が7個から8個となると、「第1領域D1」の鉛直下方の信頼度マークEの数が5個になり、「第2領域D2」の鉛直下方の信頼度マークEの数が4個になり、「第3領域D3」の鉛直下方の信頼度マークEの数が3個になり、「第4領域D4」の鉛直下方の信頼度マークEの数が2個となり、「第5領域D5」の鉛直下方の信頼度マークEが表示される(C6)。
なお、遊技者が第1始動入賞装置17Aへの入球を狙って遊技球を発射し、入球口73aに遊技球を順次(次々に)入球させることで、第1保留および第2保留を交互に、しかも高頻度に発生させることもでき、保留表示領域27cに上限個数(8個)の保留図柄を表示すること(4個の第1保留図柄と、4個の第2保留図柄とを表示すること)が容易である。そして、「第1領域D1」の鉛直下方に多数の信頼度マークE(本実施例では5個)を表示したい(多数の信頼度マークに遭遇したい)等と考える遊技者は、たとえ、その時点の取得情報(判定用乱数値)の取得個数(取得情報への記憶個数)が多くても(例えば、合算保留数が7個であっても)、オーバー入賞をおそれることなく、遊技球を積極的に発射すると考えられる。
また、保留図柄の表示個数が8個から7個となると、「第1領域D1」の鉛直下方に表示されていた5個の信頼度マークEが消え、「第2領域D2」の鉛直下方に表示されていた4個の信頼度マークEが「第1領域D1」の鉛直下方に移行し、「第3領域D3」の鉛直下方に表示されていた3個の信頼度マークEが「第2領域D2」の鉛直下方に移行し、「第4領域D4」の鉛直下方に表示されていた2個の信頼度マークEが「第3領域D3」の鉛直下方に移行し、「第5領域D5」の鉛直下方に表示されていた2個の信頼度マークEが「第4領域D4」の鉛直下方に移行する。
つまり、本実施例では、保留図柄の表示個数が8個の状態で、1個の判定用乱数値(取得情報)が消化され、保留図柄が1個減少すると、「第8領域D8」に表示されていた保留図柄は「第7領域D7」に移行し、「第7領域D7」に表示されていた保留図柄は「第6領域D6」に移行する。同様に、「第6領域D6」〜「第2領域D2」に表示されていた保留図柄も、1個上位の領域(例えば、第6領域D6の1個上位は第5領域D5、つまり、1個先に消化される判定用乱数値を表示する領域)に移行する。このように、保留図柄が判定用乱数値(取得情報)の消化に伴って1個上位の領域に移行するが、その際、移行する保留図柄の直下に表示されていた信頼度マークEも、当該保留図柄に追従して移行する。
また、図17(b)に示すように、信頼度マークEは円弧状のマークで構成され、個々の保留図柄の直下に表示される信頼度マークEの数によって、大当り発生に対する信頼の高低を表示する。つまり、所定の保留図柄の直下に5個の信頼度マークEが表示されている場合には、「当該所定の保留図柄に対応する判定用乱数値(取得情報)を消化して開始される図柄変動演出において特定演出が出現したとしたならば、当該図柄変動演出の結果が大当りとなる(大当り図柄が停止される)可能性(つまり、特定演出発生時の特定結果導出可能性)が最も高くなる。そして、保留図柄の直下に表示される信頼度マークEの数が少なくなるほど、この可能性が低くなり、保留図柄の直下に表示される信頼度マークEの数が1個になると、この可能性が最も低くなる。
以上のように(図18を用いて説明したように)、「特定演出発生時の特定結果導出可能性」は取得情報記憶手段に記憶された取得情報の個数の増加に基づいて、高い可能性を示す表示態様に変化し(信頼度マークEの数が多くなり)、取得情報記憶手段に記憶された取得情報の個数が減少しても、低い可能性を示す表示態様に変化しない(信頼度マークEの数が少なくならない)。また、当該記憶表示に係る変動表示が開始する際に取得情報記憶手段に記憶されている取得情報の個数が多い程、高い「特定演出発生時の特定結果導出可能性」を表示する(多くの信頼度マークEを表示する)。更に、先に変動表示を開始する保留図柄に対応して設けられた信頼度マークEの方が、「特定演出発生時の特定結果導出可能性」を高く表示する(信頼度マークEの数が多くする)。
(4)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図19は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図19のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図19のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
以下では、図19に示す遊技制御処理を構成する各処理のうち、特別図柄遊技処理(S300)について詳しく説明する。なお、賞球払出処理(S80)は入賞装置(17A、17B、31、45、46)に遊技球が入球したときの賞球払出に関する処理であり、普通図柄遊技処理(S100)は、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示と、普通図柄の停止表示(当り図柄若しくは外れ図柄の停止表示)とを行うための処理である。また、普通電動役物遊技処理(S200)は第2始動入賞装置17B(第2始動口17b)の開閉に関する処理である。
特別図柄遊技処理(S300)が起動すると、図20に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図21に示すS328以降の処理に移行する。
CPU201によって第1始動入賞が発生したと判断されると(S301a;YES)、第1保留数が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において所定数未満と判断されると(S302a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303a)。この第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図12に示す第1判定用乱数値メモリ202a)にシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数が図12に示す第1保留数メモリ202cに累積的に記憶(加算記憶)される(S303a)。ここで、S303aの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第1始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)「変動パターンを決定するための変動パターン乱数」等が含まれる。なお、変動パターンの種類によってリーチを演出するか否かを決定するのではなく、リーチを演出するか否かを、リーチ乱数値を用いた乱数抽選で決定する場合には、判定用乱数値には当該リーチ乱数値等が含まれる。
CPU201は、S303aの処理に続いて、S303aの処理で取得した当否判定用乱数値(特図1大当り抽選乱数値)を用いて、第1当否判定(特図1大当り抽選)に関する事前判定(第1事前判定)を行い、その結果を示す情報を第1事前判定結果メモリ(図12で図示を省略)に記憶する(S304a)。そして、第1始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S305a)、図21のS328の処理に移行する。ここで、第1始動入賞時コマンドは前述のように、第1事前判定の結果を特定可能な情報と、第1始動入賞後の第1保留数、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を特定する情報を示すコマンド等である。但し、本実施例と異なり、第1始動入賞後の第1保留数を特定するコマンドと、その他の情報を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。また、第1事前判定において第1当否判定の結果が大当りとなる場合には、この第1事前判定において、「特図1図柄決定乱数値」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行する。この大当り図柄に関する事前判定の結果を特定可能な情報も第1始動入賞時コマンドに含まれる。
ここで、第1始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値と、第2始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。また、図20〜図23においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
また、CPU201によって第2始動入賞が発生したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞に対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において所定数未満と判断されると(S302b;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303b)。この第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図12示す第2判定用乱数値メモリ202b)にシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数が、図12に示す第2保留数メモリ202dに累積的に記憶(加算記憶)される(S303b)。ここで、S303bの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第2始動入賞に基づいて実行される第2当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)「変動パターンを決定するための変動パターン乱数」等が含まれる。なお、変動パターンの種類によってリーチを演出するか否かを決定するのではなく、リーチを演出するか否かを、リーチ乱数値を用いた乱数抽選で決定する場合には、判定用乱数値には当該リーチ乱数値等が含まれる。
CPU201は、S303bの処理に続いて、S303bの処理で取得した当否判定用乱数値(特図2大当り抽選乱数値)を用いて、第2当否判定(特図2大当り抽選)に関する事前判定(第2事前判定)を行い、その結果を示す情報を第2事前判定結果メモリ(図12で図示を省略)に記憶する(S304b)。そして、第2始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S305b)、図21のS328の処理に移行する。ここで、第2始動入賞時コマンドは前述のように、第2事前判定の結果を特定可能な情報と、第2始動口17bへの始動入賞後の第2保留数等を示すコマンドと、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を特定する情報を示すコマンド等である。但し、本実施例と異なり、第2始動口17bへの始動入賞後の第2保留数を特定するコマンドと、その他の情報を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。また、第2事前判定において第2当否判定(特図2大当り抽選)の結果が大当り(当選)となる場合には、この第2事前判定において、「特図2図柄決定乱数値」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行する。
S328の処理では、図21に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S328)。具体的には、大当り遊技フラグ(図22のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S328の処理において肯定的な判断がなされる。そして、CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S328;YES)、特別図柄遊技処理を終了して図19の遊技制御処理に復帰する。
一方、S328の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S328;NO)、特別図柄が変動中か否か(第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否か)を判断する(S330)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S330;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S332)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S330;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S332;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S335)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないときには(S335;NO)、判定用乱数値メモリ(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値のうち、最も古い判定用乱数値を読み出し(S336)、特別図柄(第1特別図柄若しくは第2特別図柄)に関する当否判定処理を行う(S338)。つまり、S336の処理において、第1判定用乱数値メモリ202aから判定用乱数値を読み出した場合には、S338の処理において「第1当否判定」を行い、第2判定用乱数値メモリ202bから判定用乱数値を読み出した場合には、S338の処理において「第2当否判定」を行う。なお、S336で読み出す判定用乱数値はS303aの処理若しくはS303bも処理で取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値等が含まれる。
この当否判定処理(S338)では、第1当否判定若しくは第2当否判定に関する処理が行われる。具体的には、高確率状態のときには、「高確率用のデータテーブル」と「S336の処理で読み出した当否判定乱数値」とを用いて当否判定が行われ、低確率状態(通常確率状態)のときには、「低確率用のデータテーブル」と「S336の処理で読み出した当否判定乱数値」とを用いて当否判定が行われる(S338)。
CPU201は当否判定処理(S338)に続いて図柄変動開始処理(S500)を実行する。この図柄変動開始処理(S500)においては、図23に示すように、当否判定(S338)の結果が「大当り」であるか否かが判断され、「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、前述のS336の処理で読み出した判定用乱数値に含まれる図柄決定乱数値を用いた乱数抽選の結果に基づき特別図柄表示部(62a若しくは62b)に停止表示される図柄(大当り図柄)を決定(選択)する処理を行った後、遊技機1の遊技状態等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを選択する。そして、その選択された変動パターンテーブルと、S303a(第1特別図柄の場合)若しくはS303b(第2特別図柄の場合)の処理で取得した変動パターン決定用の乱数値とを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。なお、本実施例と異なり、S303a(第1特別図柄の場合)若しくはS303b(第2特別図柄の場合)の処理で変動パターン決定用の乱数値を取得しない態様としてもよく、この場合、S510や後述するS540の処理(変動パターンを決定する処理)で変動パターン決定用の乱数値を取得してもよい。
ここで、大当り用の変動パターンの決定(選択)に際し、大当り確率が低確率であって通常変動を行う遊技状態では、図24(a)に示す「通常変動状態」用の変動パターンテーブルが用いられる。また、大当り確率が高確率若しくは低確率であって短縮変動を行う遊技状態では、図24(b)に示す「短縮変動状態」用の変動パターンテーブルが用いられる。そして、これらの変動パターンテーブル(通常変動用若しくは短縮変動用の大当り用の変動パターン)には変動パターンが乱数値に対応づけて記憶されている。
一方、S502の処理にて、当否判定の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態等を考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。つまり、その選択された変動パターンテーブルと、S303a(第1特別図柄の場合)若しくはS303b(第2特別図柄の場合)の処理で取得した変動パターン決定用の乱数値とを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数値を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、本実施例と異なり、S303a(第1特別図柄の場合)若しくはS303b(第2特別図柄の場合)の処理で変動パターン決定用の乱数値を取得しない態様としてもよく、この場合、S510やS540の処理(変動パターンを決定する処理)で変動パターン決定用の乱数値を取得してもよい。
ここで、外れ用の変動パターンの決定(選択)に際し、大当り確率が低確率であって通常変動を行う遊技状態では、「通常変動状態」用の変動パターンテーブルのうち、変動開始直前(図23のS595の処理を行う前)の保留数に対応するものが用いられる。具体的には、第1保留数および第2保留数を合算した保留数(以下、合算保留数という。)が「1」の場合には、図25(a)の合算保留数「1」に対応する変動パターンテーブルが、合算保留数が「2」の場合には、図25(b)の合算保留数「2」に対応する変動パターンテーブルが、合算保留数が「3」の場合には、図25(c)の合算保留数「3」に対応する変動パターンテーブルが、合算保留数が「4」の場合には、図25(d)の合算保留数「4」に対応する変動パターンテーブルが用いられる。同様に、合算保留数が「5」の場合には、図26(a)の合算保留数「5」に対応する変動パターンテーブルが、合算保留数が「6」の場合には、図26(b)の合算保留数「6」に対応する変動パターンテーブルが、合算保留数が「7」の場合には、図26(c)の合算保留数「7」に対応する変動パターンテーブルが、合算保留数が「8」の場合には、図26(d)の合算保留数「8」に対応する変動パターンテーブルが用いられる。
また、大当り確率が高確率若しくは低確率であって短縮変動を行う遊技状態では、図示しない「短縮変動状態」用の変動パターンテーブルのうち、変動開始直前(図23のS595の処理を行う前)の合算保留数に対応するものが用いられる。つまり、本遊技機1では、外れ用であって「短縮変動状態」用の変動パターンテーブルとしても、前述の外れ用であって「通常変動状態」用の変動パターンテーブルと同様に、変動開始直前の合算保留数に対応するものを8個備えるが、本実施例では具体的な図示を省略する。そして、これらの変動パターンテーブル(通常変動用若しくは短縮変動用の外れ用の変動パターン)には変動パターンが乱数値に対応づけて記憶されている。また、外れ用であって「短縮変動状態」用の変動パターンテーブルを用いた場合も、外れ用であって「通常変動状態」用の変動パターンテーブルを用いた場合と同様な乱数値に、スーパーリーチ演出Aが対応づけられている。そして、主制御基板200に搭載されたCPU201が何れかの変動パターンテーブルを用いた乱数抽選によって使用する変動パターンを決定する。
サブ制御基板220のCPU220aは、決定された変動パターンに対応する演出パターンテーブル(例えば、図24の変動パターンA1に対応する演出パターンテーブルは、演出パターンa11、演出パターンa12を記憶した演出パターンテーブルである。)を用いた乱数抽選によって、図柄変動演出の実行態様を決定する(例えば、決闘バトル演出Aが出現する演出パターンa11、チェイスバトルを伴う演出パターンa12)。ここで、変動パターンA1は、スーパーリーチ演出Aに対応する変動パターンである。
また、本実施例では、変動パターン決定用の乱数値として乱数発生回路によるハードウェア乱数を用いている。そして、水晶発振器が出力するクロック信号を受信する毎に0〜65535の範囲で数値を変動するハードウェア乱数カウンタを用いて、変動パターン決定用の乱数を発生させている。但し、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェアの計算により変動パターン決定用の乱数を発生されるソフトウェア乱数を用いてもよい。例えば、0〜255の範囲で数値を変動するソフトウェア乱数カウンタを用いて、変動パターン決定用の乱数を発生させてもよい。
更に、図24および図27に示すように、当否判定の結果が大当りの場合には、遊技状態が通常変動状態であるか、短縮変動状態であるかに係わらず、しかも、変動開始直前の合算保留数に係わらず、約4%の割合でスーパーリーチ演出Aが発生することとされている。つまり、遊技状態が通常変動状態であるか、短縮変動状態であるかに係わらず、しかも、変動開始直前の合算保留数に係わらず、「変動パターン決定用の乱数値」として共通の「乱数値」が割り当てられている。また、当否判定の結果が外れの場合も、遊技状態が通常変動状態であるか、短縮変動状態であるかに係わらず、スーパーリーチ演出Aが発生する可能性は同一であり、共通の「乱数値」が割り当てられている。但し、図25、図26および図28に示すように、遊技状態が通常変動状態であるか、短縮変動状態であるかに係わらず、変動開始直前の合算保留数が多くなるほど、スーパーリーチ演出Aが発生する可能性が低くされている。
つまり、外れ変動においてスーパーリーチ演出Aが発生する可能性は、合算保留数が「1」の場合「約2.00%」、「2」の場合「約1.50%」、「3」の場合「約0.70%」、「4」の場合「約0.50%」、「5」の場合「約0.30%」、「6」の場合「約0.16%」、「7」の場合「約0.10%」、「8」の場合「約0.05%」とされている。つまり、外れ変動において、スーパーリーチ演出Aとして割り当てられた「変動パターン決定用の乱数値の範囲」は、合算保留数が多くなる程、狭くなっている。この場合、合算保留数が少ない場合に割り当てられた乱数値は、それよりも合算保留数が多い場合に割り当てられた乱数値を包含するものとされている。ここで、スーパーリーチ演出Aは「特定演出」の具体例を構成する。そして、低確率状態(通常確率状態)である場合の大当り確率(例えば、1/300)を考慮すると、合算保留数が多い場合(例えば、8の場合)にスーパーリーチ演出Aが出現すると、遊技者の期待感は大きく膨らむことになる。
なお、本実施例では、大当り用および外れ用の双方において、大当り確率が高確率であって短縮変動を行う場合と、大当り確率が低確率であって短縮変動を行う場合に共通の変動パターンテーブルを用いるが、それぞれ別個の変動パターンテーブルとすることもできる。また、本遊技機1が「大当り確率が高確率であって通常変動を行う遊技状態」を備え、当該遊技状態で変動パターンの決定(選択)を行う場合には、大当り確率が低確率であって通常変動を行う遊技状態で用いる変動パターンテーブルを用いてもよいし、別個の変動パターンテーブル(「高確率通常変動状態」用の変動パターンテーブル)を用いてもよい。また、本実施例では、変動パターン(変動パターン乱数値)に基づいてリーチ演出の実行の有無や、リーチ演出の種類(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)が決定される構成を採用するため、S540の処理において参照する変動パターンテーブルが、リーチ演出の実行の有無によって区別されない。但し、変動パターン乱数値に基づいてリーチ演出の実行の有無を決定せずに、リーチ乱数値を用いてリーチ演出の実行の有無が決定される構成を採用してもよい。この場合、S303a(第1特別図柄の場合)若しくはS303b(第2特別図柄の場合)の処理で取得される判定用乱数値にはリーチ乱数値が含まれ、S540の処理ではこのリーチ乱数値を読み出し、この読み出したリーチ乱数値に基づいてリーチ演出の実行の有無や、リーチ演出の種類が決定される。
ここで、S510若しくはS540の処理で決定される変動パターンのうち、変動短縮機能が作用しているときに選択される変動パターンによって特定される変動時間は、変動短縮機能が作用していないときに選択される変動パターンによって特定される変動時間に比べて短くされる可能性が高い。また、リーチ演出を行わない場合の変動パターンで特定される変動時間は、リーチ演出を行う場合の変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる。更に、変動開始時の保留数が少ないほど、変動パターンによって特定される変動時間に長くされる可能性が高く、変動開始時の保留数が多いほど、変動パターンによって特定される変動時間に長くされる可能性が高い。つまり、取得した変動パターン乱数値が同じであっても、遊技状態や変動開始時の保留数に応じて、変動パターンテーブルの使い分けを行う。なお、本遊技機1において、主制御基板200に搭載されたROM203には、図24〜図25に例示した変動パターンテーブル等が記憶されている。
また、本実施例と異なり、遊技機1の遊技状態にかかわらず、共通の変動パターンテーブルを用いることとしてもよい。また、本実施例では前述のように、外れ変動では、特別図柄の保留数が少ない場合には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される。このとき、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数とを足した合算保留数が少ない場合には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、合算保留数が多い場合には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される。なお、本実施例と異なり、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、現在変動表示の対象となっている特別図柄に関する保留数の多少を問題としてもよく、この場合、対象となっている特別図柄に関する保留数が少ない場合には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択されることとしてもよい。
図23に戻って更に説明すると、S510若しくはS540の処理の後、CPU201は対応する特別図柄表示部(第1特別図柄の変動表示を開始する場合には第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄の変動表示を開始する場合には第2特別図柄表示部62b)にて特別図柄の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。更に、CPU201は、対応する特別図柄に係る保留数(第1保留数若しくは第2保留数)を「1」減算する処理を行うと、図柄変動開始処理(S500)が終了して図19の遊技制御処理に復帰する。
ここで、特別図柄(第1特別図柄の変動表示を開始する場合は「第1特別図柄」、第2特別図柄の変動表示を開始する場合は「第2特別図柄」)の変動表示の開始を示すコマンド(図柄変動開始時コマンド)は、「変動パターン指定コマンド」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などである。そして、変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドは、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、停止表示される特別図柄(停止図柄)が大当り図柄であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で確定停止するのか外れ図柄で確定停止するのか、更には大当り図柄で確定停止する場合、その大当り図柄(図14を参照)が何れであるかを知ることができる。つまり、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、確定停止する大当り図柄が「通常大当り図柄」、「確変大当り図柄」の何れであるかを知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して演出図柄の表示制御信号を出力し、演出図柄の変動表示・確定停止等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図21に戻り更に説明すると、S330およびS332の処理の否定的な判断を経て、S335の処理で「第1保留数」と「第2保留数」が「ゼロ」と判断される場合(特別図柄の変動表示を開始できる条件が成立しない場合)には、特別図柄遊技を終了して図19の遊技制御処理に復帰する。また、S330の処理で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S330;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。その際、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図19の遊技制御処理に復帰する。これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に大当り図柄が停止表示されたか否かを判断する(図22のS352)。
図22のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(確変大当り)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域がS354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、具体的には「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ(現在の遊技状態を示すデータ)がセットされる。
なお、「確変フラグ」は特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率に設定される状態(高確率状態)にあること、すなわち確率変動機能(確変機能)が作動していることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態(短縮変動状態)にあること、すなわち変動時間短縮機能(時短機能)が作動していることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は第2始動装置17B(普通電動役物17d)が開放状態となる時間(開放時間)が長時間に設定される状態(開放延長状態)にあること、すなわち開放時間延長機能(開放延長機能)が作動していることを示すフラグである。なお、本実施例では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。つまり、短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。
主制御基板200のCPU201はS354の処理に続いて、発生させる大当りの種類に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。具体的には「16R確変大当り」若しくは「16R通常大当り」を発生させる場合、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「16ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「8R確変大当り」若しくは「8R通常大当り」を発生させる場合、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「8ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。そして、S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。
S378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。つまり、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S382)を行った後、S384の処理に移行する。
S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図19の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理が開始され、大当り遊技が実行される。
なお、大当り遊技を終了するときに、前述の「大当り遊技終了時参照用バッファ(図22のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄の種類(通常大当り図柄、確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態等を設定する処理を行う。つまり、当該大当り図柄が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。これにより、「通常大当り」に係る大当り遊技を終了した後、特別図柄の変動回数が「100回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動を停止する。
また、当該大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は、確変フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。つまり、「確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。また、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動を停止する。
次に、図22のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;YES)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技状態が「低確率の短縮変動状態」若しくは「高確率の短縮変動状態」である場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技状態が低確率の短縮変動状態から低確率の通常変動状態に切り換わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図19の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動で短縮変動状態が終了して、次回の変動から通常変動状態に切り換わり、次回以降の特別図柄の変動は通常変動で行われる。なお、変動短縮フラグや開放延長フラグがともにOFFに切り換わった場合(S410,416)には、高確率状態や開放延長状態(短縮変動状態)が終了して状態の切り換わりが生ずることとなる。本実施例では、そのような状態の切り換わりが発生した場合には、その切り換わり後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。
(5)演出制御処理(S900)
次に、図29(a)を用いて、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222Aと協働して行う「演出制御処理(S980)」の概要について説明する。この演出制御処理(S900)では、演出モード設定処理(S950)、保留発生時処理(S1000)、図柄変動演出処理(S1100)、保留消化時処理(S1600)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。また、図29(a)の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。なお、図29には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。また、以下、図29(a)のフロー図に示す処理のうち、大当り遊技演出処理についての説明は省略する。
a.演出モード設定処理(S950)
図29(b)に示すように、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、演出モード設定処理(S950)において、先ず、主制御基板200からの表示モード指定コマンドを受信したか否かを監視する(S955)。そして、CPU220aは、表示モード指定コマンドを受信すると(S955;YES)、この受信した表示モード指定コマンドの内容を解析する。そして、表示モード指定コマンドが特別表示モード指定コマンドであると判断すると(S960;YES)、演出モードを「特別表示モード」に設定し(S965)、演出モード設定処理(S950)を終了する
一方、表示モード指定コマンドが通常表示モード指定コマンドであると判断すると(S960;NO)、演出モードを「通常表示モード」に設定し(S975)、演出モード設定処理(S950)を終了する。ここで、保留図柄表示演出が「通常表示モード」となると、演出表示装置27の表示画面27aが図3(a)に示す通常表示モード態様となり、「特別表示モード」となると、演出表示装置27の表示画面27aが図17(a)に示す特別表示モード態様となる。つまり、「特別表示モード」では、表示画面27aにおいて、保留表示領域27cの下方に特定演出信頼度表示領域27dが出現する点と、表示画面27aにおいて上縁部側に特定演出態様表示領域27fが出現する点が「通常表示モード」と異なっている。
ここで、特別表示モード指定コマンドは、表示モードが通常表示モードであるとき、これを特別表示モードに切り換える際に、主制御部200Aからサブ制御部220Aに送信されるコマンドである。また、通常表示モード指定コマンドは、表示モードが特別表示モードであるとき、これを通常表示モードに切り換える際に、主制御部200Aからサブ制御部220Aに送信されるコマンドである。また、特別表示モード指定コマンドや通常表示モード指定コマンドの送信時期は種々選択される。例えば、通常変動状態であるとき、図柄変動演出を、大当りを生ずることなく所定回数行うと(例えば、100回行うと)、主制御部200Aからサブ制御部220Aに、特別表示モード指定コマンドが送信されてもよい。更に、特定の通常大当りを発生した場合に、当該大当りに基づく大当り遊技の終了後に特別表示モードを送信し、その後、実行される図柄変動演出の回数が所定回数(例えば、100回)になるか、大当りを発生すると、通常表示モード指定コマンドを送信することとしてもよい。なお、演出モード(表示モード)切り換えを、主制御部200Aからサブ制御部220Aに送信されるコマンドに依存することなく、サブ制御部220Aが独自に行ってもよい。
b.保留発生時処理(S1000)
保留発生時処理(S1000)においては、図30に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、この始動入賞時コマンドによって特定される保留数や変動パターンを決定(始動入賞時に事前に決定)するための乱数を特定する情報と、事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報等を記憶する(S1010)。
つまり、S1005の処理において、第1始動入賞に基づく始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第1事前判定の結果に関する情報」を第1事前判定結果情報メモリ221bにシフトメモリ形式で記憶し、「当否判定用乱数値」および「図柄決定乱数値」以外の判定用乱数値を特定する各情報(変動パターンを決定するための乱数を特定する情報等)を、第1判定用乱数値情報メモリ221Bに記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する(S1010)。また、第2始動入賞に基づく始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第2事前判定の結果に関する情報」を第2事前判定結果情報メモリ222bに記憶し、「当否判定用乱数値」および「図柄決定乱数値」以外の判定用乱数値を特定する各情報(変動パターンを決定するための乱数を特定する情報等)を、第2判定用乱数値情報メモリ222bに記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する(S1010)。
次いで、サブ制御基板220のCPU220aは、保留表示領域27aに保留図柄を追加表示する処理を行う(S1015)。例えば、第1領域D1〜第3領域D3に既に保留図柄が表示され、第4領域D4に保留図柄が表示されていない場合には、第4領域D4に保留図柄を表示する処理を行う(S1015)。続いて、CPU220aは、表示モードが特別表示モードであるか否かを判断する(S1017)。そして、表示モードが通常表示モードである場合には(S1017;NO)、そのまま保留発生時処理(S1000)を終了する。また、特別表示モードである場合には(S1017;YES)、前保留の数が特定個数以上であるか否かを判断する処理(S1050)を行う。そして、前保留の数が特定個数未満であると(S1050;NO)、そのまま保留発生時処理(S1000)を終了し、特定個数以上であると(S1050;YES)、保留数(合算保留数)に対応する「当り信頼度の表示」を行う。つまり、「特定演出発生時の特定結果導出可能性」を行う(信頼度マークEの表示を行う)。
ここで、「前保留」とは保留の取得時(S1005の処理で肯定的に判断されたとき)に第1判定用乱数値メモリ202a若しくは第2判定用乱数値メモリ202bに記憶されている判定用乱数値(取得情報)である。つまり、S1050の処理において、保留の発生時に第1判定用乱数値メモリ202a若しくは第2判定用乱数値メモリ202bに記憶されている判定用乱数値(取得情報)の総個数が1以上であると「前保留あり」と判断される。そして、その前保留の個数が「特定個数(実施例1では3)」以上であると、S1050の処理において肯定的に判断される。例えば、第1保留数が「2」で、第2保留数が「1」の場合、合算保留数が「3」となり、S1050の処理において肯定的に判断される。
また、「当り信頼度の表示」は、図31に示すように、保留発生時の合算保留数の数によって異なっている。つまり、保留表示領域27aに3個の保留図柄が表示されているときに(第1領域D1〜第3領域D3に保留図柄が表示されているときに)、保留図柄が追加表示されると(第4領域D4に保留図柄が追加表示されると)、図31の最上欄に示すように、「第1領域D1」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示される(以下、この図31の最上欄に示す状態を第1状態という。)。なお、図31の各欄において、括弧を付して表示した数値は、表示される「信頼度マークE」の個数である。
保留表示領域27aに4個の保留図柄が表示され(第1領域D1〜第4領域D4に保留図柄が表示され)、「第1領域D1」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示された状態(第1状態)で、保留図柄が追加表示されると(第5領域D5に保留図柄が追加表示されると)、図31の上から2番目の欄に示すように、「第1領域D1」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が2個に増やされるとともに、「第2領域D2」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示される(以下、この図31の2番目の欄に示す状態を第2状態という。)。
保留表示領域27aに5個の保留図柄が表示され(第1領域D1〜第5領域D5に保留図柄が表示され)、「第1領域D1」の鉛直下方に2個の信頼度マークEが表示され、「第2領域D2」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示された状態(第2状態)で、保留図柄が追加表示されると(第6領域D6に保留図柄が追加表示されると)、図31の上から3番目の欄に示すように、「第1領域D1」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が3個に増やされるとともに、「第2領域D2」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が2個に増やされ、「第3領域D3」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示される(以下、この図31の3番目の欄に示す状態を第3状態という。)。
また、第3状態のとき、保留図柄が追加表示されると(第7領域D7に保留図柄が追加表示されると)、図31の上から4番目の欄に示すように、「第1領域D1」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が4個に増やされ、「第2領域D2」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が3個に増やされ、「第3領域D3」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が2個に増やされるとともに、「第4領域D4」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示される(以下、この図31の上から4番目の欄に示す状態を第4状態という。)。
更に、第4状態のとき、保留図柄が追加表示されると(第8領域D8に保留図柄が追加表示されると)、図31の1番下の欄に示すように、「第1領域D1」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が5個に増やされ、「第2領域D2」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が4個に増やされ、「第3領域D3」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が3個に増やされ、「第4領域D4」の鉛直下方に表示される信頼度マークEの個数が2個に増やされるとともに、「第5領域D5」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示される(以下、この図31の上から5番目の欄に示す状態を第5状態という。)。
前述のように、図柄変動演出(図柄変動遊技)の開始時の合算保留数が多ければ多い程、図柄変動演出においてスーパーリーチ演出Aの出現率が低くなるが、それにも係わらず、スーパーリーチ演出Aが発生したということは、図柄変動演出(図柄変動遊技)の結果が大当りとなる可能性が高くなる。つまり、信頼度マークEの数が多ければ多い程、スーパーリーチ演出Aが出現すれば、図柄変動演出(図柄変動遊技)の結果が大当りとなる可能性が高くなり、信頼度マークEの数が少なければ少ない程、スーパーリーチ演出Aが出現すれば、図柄変動演出(図柄変動遊技)の結果が大当りとなる可能性が低くなる。そして、保留表示領域27aに、既に多数の保留図柄(例えば、7個の保留図柄)が表示されても、「第1領域D1」の鉛直下方に5個の信頼度マークEを表示したい遊技者が、オーバー入賞を生ずることをおそれずに、積極的に遊技球を発射することが期待される。このため、遊技機の稼働効率を向上させることができる。
このように、本実施例では、判定用乱数値(取得情報)の取得個数が多い程、特定演出信頼度表示領域27dに「スーパーリーチ演出Aが出現した場合における大当り信頼度」を高く表示することになる(より多くの信頼度マークEを表示することになる。また、本実施例では、保留図柄に対応して(例えば、保留図柄の直下に)、特定演出信頼度表示領域27dが設けられ、先に処理されることにになる判定用乱数値(取得情報)を示す保留図柄(より右方向に表示される保留図柄)に対応して設けられた特定演出信頼度表示領域27d程、「スーパーリーチ演出Aが出現した場合における大当り信頼度」を高く表示する(信頼度マークEの数が多くなる)。
c.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)においては、図32に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドである。
CPU220aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、大当り時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1115)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S1110;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、外れ時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1120)。
サブ制御基板220のCPU220aは、S1115若しくはS1120の処理を終了すると、S1140の処理を行う。このS1140の処理では、S1115若しくはS1120の処理でセットされた演出パターンテーブルを用いて図柄変動演出の演出パターンを決定する(S1140)。この場合、個々の変動パターンに対応する演出パターンテーブルが設けられている。そして、演出パターンテーブルには、決定用乱数値に対応づけた状態で複数の演出パターンが記憶されているため、S1140において乱数抽選によって演出パターンを決定する。このように演出パターンを決定すると、今回の図柄変動演出の態様が決定される。例えば、所定の変動パターンに対応する演出パターンテーブルに「キャラクタAを出現させる演出パターン」と、「カットインを行う演出パターン」とが乱数値に対応付けて記憶されている場合(例えば、図24(a)の変動パターンA2に対応する演出パターンテーブルである場合)、当該演出パターンテーブルを用いた乱数抽選によって、これらのうちのいずれかの演出パターンに決定される。
S1115の処理を経たS1140の処理では、S1140の処理で決定された演出パターンによって、表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様やリーチ表示の具体的な態様等、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される(S1140)。また、S1120の処理を経て実行されるS1140の処理では、S1140の処理で決定された演出パターンによって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される。
CPU220aはS1140の処理を行うと、演出図柄の停止図柄(確定表示する図柄)をセットする処理を行った後(S1145)、S1150の処理に移行する。ここで、S1115の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされ、S1120の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「外れ停止図柄」として「外れを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。
S1150の処理では、S1140の処理で決定した「演出パターン」およびS1145の処理で決定した「演出図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、演出図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を開始させる(S1150)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出を開始させる。
次いで、S1160の処理において、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止コマンドを受信したと判断すると(S1160;YES)、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させ(S1165)、図柄変動演出を終了させる。
d.保留消化時処理(S1600)
保留消化時処理(S1600)においては、図33に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時コマンドを受信すると(S1605;YES)、当該消化される保留情報に対応する保留図柄を消去する処理を行う(S1630)。つまり、保留表示領域27cに表示する保留図柄の数を1個減少させる。
また、サブ制御基板220のCPU220aは、S1630の処理を行うと、消去する保留図柄に対応する「当り信頼度表示」が存在するか否かを判断し(S1635)、存在しない場合には(S1635;NO)、そのままS1650の処理に移行する。また、存在する場合には(S1635;YES)、消去する保留図柄に対応する「当り信頼度表示」を消去する処理を行った後(S1640)、S1650の処理に移行する。
ここで、図31の第5状態のとき、1個の保留図柄を消去させると第4状態となる。つまり、「第1領域D1」の鉛直下方に5個の信頼度マークE、「第2領域D2」の鉛直下方に4個の信頼度マークE、「第3領域D3」の鉛直下方に3個の信頼度マークE、「第4領域D4」の鉛直下方に2個の信頼度マークE、「第5領域D5」の鉛直下方に1個の信頼度マークEが表示された状態(第5状態)で、保留表示領域27aから1個の保留図柄が消去されると、「第1領域D1」の鉛直下方の5個の信頼度マークEも消去される。そして、「第2領域D2」〜「第5領域D5」の直下の信頼度マークEは、それぞれ、1個上位の領域(「第1領域D1」〜「第4領域D4」)の鉛直下方に移行する。このため、図31の5状態が第4状態となる。同様に図31の第4状態のとき、1個の保留図柄を消去させると第3状態となる。また、図31の第3状態のとき、1個の保留図柄を消去させると第2状態となる。更に、図31の第2状態のとき、1個の保留図柄を消去させると第1状態となる。
このように特定演出信頼度表示領域27dの表示態様は、保留表示領域27cに表示されている保留図柄の個数の増加に基づいて、「スーパーリーチ演出Aが出現した場合における大当り信頼度」をより高くする表示態様(より多くの信頼度マークEを表示する表示態様)に変化する。一方、保留表示領域27cに表示されている保留図柄の個数が減少しても、既に表示されている信頼度マークEが、対応する保留図柄に追従して移行するだけであるため、「スーパーリーチ演出Aが出現した場合における大当り信頼度」を低くする表示態様(信頼度マークEの数を減らす表示態様)に変化することはない。
S1650の処理では、当該消化される保留に対応する事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報を対応する事前判定結果情報メモリ(221b、222b)から消去するとともに、変動パターンを決定するための乱数を特定する情報等を、判定用乱数値情報メモリ(221B、221B)から消去する。そして、当該事前判定結果情報メモリの下位の記憶領域に記憶されている事前判定の結果に関する情報を1個上位の記憶領域にシフトさせる処理(例えば、領域1から領域ゼロにシフトさせる処理)と、判定用乱数値情報メモリ(221B、222B)に記憶されている変動パターンを決定するための乱数を特定する情報等を1個上位の記憶領域にシフトさせる処理と、対応する保留数情報メモリ(223b、224b)に記憶されている保留数の値を「−1」する処理とを行う(S1650)。このようにS1650の処理を行うと、保留消化時処理(S1600)を終了する。
(6)実施例の効果
本遊技機1によると、特定演出信頼度表示領域27dの表示態様によって、特定演出(スペシャルリーチ演出A)が発生した場合の大当り信頼度(特定演出発生時の特定結果導出可能性)が判るという、斬新な演出を行うことができる。しかも、保留数(合算保留数)、つまり、取得情報記憶手段(第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値(取得情報)の個数に応じて、特定演出信頼度表示領域27dが示す大当り信頼度が変化する。よって、同じ特定演出(スペシャルリーチ演出A)の発生時でも、保留数(合算保留数)によって遊技者の期待感が変化することとなり、多様な予告演出を行わなくても趣向性を高めることができる。そして、保留数(合算保留数)によって、特定演出(スペシャルリーチ演出)を発生させた変動表示が、大当り図柄で停止する可能性が明確に報知されるため、当該可能性を遊技者が理解容易である。
また、本遊技機1によると、特定の取得情報(判定用乱数値)についての「特定演出発生時の特定結果導出可能性(大当り信頼度)」を示す表示態様(特定演出信頼度表示領域27dに表示される信頼度マークEの数)は、保留数の増加(取得情報の記憶個数の増加)により更に「高い可能性」を示す表示態様に変化すること(信頼度マークEの数が更に多くなること)はあっても、一旦表示された変化後の表示態様(信頼度マークEの数)は、その後、当該特定の取得情報に係る変動表示が開始するまでに取得情報(判定用乱数値)の記憶個数が減少しても、「低い可能性」を示す表示態様に変化すること(信頼度マークEの数が少なくなること)はない。つまり、一旦、特定の取得情報(判定用乱数値)について「特定演出発生時の特定結果導出可能性として所定の可能性」が表示されると、当該取得情報(判定用乱数値)が消化されるまでに、取得情報(判定用乱数値)の記憶個数の増加により高くなることはあるが、取得情報(判定用乱数値)の記憶個数が減少しても低下することはなく、その可能性は保障される。このため、一時的にでも取得情報(判定用乱数値)の記憶個数を多くすると、有利になるとの印象を遊技者に与えることができるため、遊技球の発射を促し、止め打ち等を更に確実に防止し、遊技機1の稼働効率を向上させることができる。