以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hとを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体2Aと、外枠本体2Aの前面下部を覆う前板部2Bとを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうち外枠2を除く部分であって、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5および下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102等を主要部としている。
本体枠3は、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。この本体枠3は、全体がプラスチック製であり、遊技盤10を保持可能な枠状体によって構成されている。この本体枠3が遊技盤10(図2を参照)を保持したとき、「遊技盤10の盤面(表面)に構成される遊技領域11」が、本体枠3の前方から視認可能とされる。
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、前後に貫通する状態に設けられた視認窓41aを具備する枠本体41と、視認窓41aに填め込まれたガラス板43とを備えている。そして、遊技盤10に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)が前面枠4を閉じたときにその背後に位置する状態とされるため、この遊技領域11は視認窓41a(ガラス板43)を介して前面枠4の前方から視認可能とされる。
また、本遊技機1では、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5および下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2が装着され、前板部2Bの左右両端にも、スピーカSP3、SP4が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位置を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図13を参照)および演出ボタン基板228(図13を参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている。
上皿部材5の下方の部位には下皿部材6が設けられ、この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図2を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。なお、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12および内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ遊技領域11を構成している。この領域形成部10B(遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、大入賞装置31と、下部表示装置60(図柄表示装置)と、2個の一般入賞装置45、46と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。なお、図2に示す一点鎖線は本体枠3を示している。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域11の略中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、正面視で略矩形状の開口部が前後に貫通する状態に設けられ、この開口部によって表示画面27a(後述する。)を遊技盤10の前方から視認可能とするための表示窓21eを構成している。なお、以下の説明において、遊技領域11うち、メイン役物装置20の上方に位置する部位(遊技領域11の上側領域)を上領域11U、下方に位置する部位(遊技領域11の下側領域)を下領域11D、左側に位置する部位(遊技領域11の左側領域)を左領域11L、右側に位置する部位(遊技領域11の右側領域)を右領域11Rと、それぞれ称することがある。
取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lの内部と右装飾部21Rの内部には、遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21w、21zが形成されている。そして、左側装飾部21Lの左側面部において、左側のワープ通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11(左領域11L)を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、右装飾部21Rの右側面部において、右側のワープ通路21zの進入口(図示を省略)が、右斜め上方に向かって開口し、遊技領域11(右領域11R)を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面21M(図の破線を参照)を構成する。この転動面21Mは、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面21Mの中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、左側のワープ通路21wを通じて転動面21Mの左端部に到達した遊技球は、転動面21M上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。また、遊技領域11を流下し、右側のワープ通路21zを通じて転動面21Mの左端部に到達した遊技球は、転動面21M上を左方向に転動し、更に、右方向に転動する。そして、これらの遊技球の勢いが衰えたところで、メイン役物装置20外に排出されるが、転動面21Mの中央部から排出される遊技球の多くは、始動入賞装置17に入賞する。
つまり、図5に示すように、ステージ部21p(転動面21M)の中央部は後方に向かって下る傾斜面21Tとされるとともに、ステージ部21p(転動面21M)の中央部後方(傾斜面21Tの後方)には、排出経路21Vの導入口21Yが開口している。この排出経路21Vは略半周回する経路を描いて、その排出口21Xを始動入賞装置17の入球口73a(後述する。)の略鉛直上方に位置させている。このため、ステージ部21p(転動面21M)の中央部で球速を緩めた遊技球は、導入口21Yを通じて排出経路21Vに進入した後、排出経路21Vを通過する。そして、排出口21Xから遊技盤10前方に排出された後、下方に落下し、入球口73aを通じて始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。尚、遊技領域11を流下して始動入賞装置17に入賞する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに始動入賞装置17に入賞するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に始動入賞装置17に入賞するものがある。
演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。本実施例では、下部表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技(変動表示)を行い、演出表示装置27が、疑似図柄を用いて図柄変動演出を行う。ここで、図柄変動演出は、図柄変動遊技の結果を遊技者に示すために、図柄変動遊技の進行(特別図柄の変動表示,停止表示)に合わせて行う表示演出等である。なお、第1特別図柄表示部62aに表示される第1特別図柄(本図柄)が「第1図柄」の具体例を構成し、第2特別図柄表示部62bに表示される第2特別図柄(本図柄)が「第2図柄」の具体例を構成する。第1特別図柄および第2特別図柄の詳細に関して後述する。
演出表示装置27の表示画面27aは、図3に示すように、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を遊技者が視認可能となるように表示可能である。つまり、表示画面27aの略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)や背景色(青、赤等の画面の地色)等を表示した状態とされる。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の疑似図柄を表示する疑似図柄表示領域27bが、表示画面27a上に設けられる。この疑似図柄表示領域27bでは、疑似図柄が横方向に3つ並んで表示され、それら「疑似図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。そして、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「表示演出」が実現される。なお、疑似図柄表示領域27bにおいて「疑似図柄」を変動表示しているときには、疑似図柄表示領域27bを透かした状態で、背景図柄や背景色が視認可能となる。
図3に示すように、表示画面27aのうち、下縁部寄りの部位には保留表示領域27c(D1〜D8)が設けられる。この保留表示領域27cに始動入賞装置17への入賞に基づいて生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示するとともに、始動入賞装置17への入賞に基づいて生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示する。つまり、本実施例では、第1保留数の上限個数と第2保留数の上限個数との合計である「8個」が、第1保留数と第2保留数との合計保留数の上限となる。ここで、保留表示領域27c(D1〜D8)は「保留表示手段」の具体例を構成する。
この保留表示領域27cにおいては、左側から右側に向かって最大8個の保留図柄を表示可能となっており、始動入賞装置17に入賞したが未だ消化されていない遊技球の数(即ち、保留数)を保留図柄の表示数によって示すとともに、未消化の遊技球が消化される毎に保留図柄の表示数を減少させることによって、「未消化の遊技球」の数(保留数)を順次、デクリメントして表示する。なお、保留表示領域27cにおける保留(保留図柄)の表示態様等については後述する。また、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、対応する特別図柄表示部62a、62bにおいて当該入賞に伴う図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)がなされていない遊技球を指す。
図2に示すように、始動入賞装置17は普通電動役物17dを備えるもので、遊技領域11(遊技盤10)の下領域11Dに配設されている。この始動入賞装置17は、図4および図5に示すように、通路部材71と、前板部材72と、振分部材75と、普通電動役物17dとを備える。なお、図4の他に後述する図44においては、説明の便宜のため、前板部材72の図示を省略している。
図4および図5に示すように、通路部材71は、背板部71aと、背板部71aから前方に突出する側壁部71bとを有し、遊技球が通過可能で前方に開口する樋形状を備える。また、前板部材72は、透明板(ガラス板若しくは樹脂板)を用いて構成され、通路部材71と略同一の正面形状を備える。そして、この前板部材72が通路部材71の前面部(開口)を封止することで、通路部材71および前板部材72が協働して略管状の流下通路73を構成している。
図5に示すように、通路部材71の背板部71aが、遊技盤10の前面部10aに設けられた凹部10vに嵌め込まれてネジ止めされることで、始動入賞装置17は遊技盤10に装着されている。また、背板部71aの前面部71fと、遊技盤10の前面部10aとは略面一な状態とされている。
図4及び図5に示すように、流下通路73は、排出口21Xから遊技盤10前方に排出されて下方に落下する遊技球が入球可能となる入球口73aを上端に開口させている。また、流下通路73は入球口73aから垂下する導入通路73bと、導入通路73bの下端部から左方向に分岐する第1分岐通路73cと、導入通路73bの下端部から右方向に分岐する第2分岐通路73dとを備える。なお、本実施例では、導入通路73bの上端側において、その通路幅を上方(入球口73a)に向かって徐々に拡大させているが、導入通路73bの上端側においてその通路幅を一定としてもよい。また、導入通路73bに遊技球を1球ずつ送り出す球送り装置を始動入賞装置17に設け、後述する振分部材75に向かって、確実に1球ずつの遊技球が到達するようにしてもよい。
流下通路73は正面視で略逆Y字形状(「アルファベットのYの文字」の上下を逆さにしたような形状)を構成している。また、導入通路73bによって「導入ルートL」が構成され、第1分岐通路73cによって「第1ルートL1」の前半側部分(遊技盤10の前面部10a側に位置する部分)が構成され、第2分岐通路73dによって「第2ルートL2」の前半側部分(遊技盤10の前面部10a側に位置する部分)が構成される。
図4に示すように、第1ルートL1は、遊技盤10に設けられた貫通孔10xを介して遊技盤10の裏側に到達している(図6(a)を参照)。そして、第1ルートL1の終端側には、第1ルートL1に進入した遊技球を検知するための第1始動口入賞検知スイッチ17s(図13を参照)が配設されている。また、第2ルートL2も、遊技盤10に設けられた貫通孔10yを介して遊技盤10の裏側に到達している(図6(a)を参照)。そして、第2ルートL2の終端側には、第2ルートL2に進入した遊技球を検知するための第2始動口入賞検知スイッチ17t(図13を参照)が配設されている。
ここで、第1ルートL1は「第1通路」の具体例を構成し、第2ルートL2は「第2通路」の具体例を構成する。また、第1始動口入賞検知スイッチ17s(図13を参照)は「第1検知部」の具体例を構成し、第2始動口入賞検知スイッチ17t(図13を参照)は「第2検知部」の具体例を構成する。更に、第1始動口入賞検知スイッチ17s(図13を参照)が入球を検知することに基づいて発生する保留(処理を待機している判定用乱数値)を「第1保留」と称し、第2始動口入賞検知スイッチ17t(図13を参照)が入球を検知することに基づいて発生する保留(処理を待機している判定用乱数値)を「第2保留」と称することとする。
図4に示すように、通路部材71のうち、第1ルートL1と第2ルートL2とが合流する部分(以下、「合流部G」という。)の直下において、側壁部71bが切り欠かれ、通路部材71の内部を下方に開放する切り欠き部71gとされている。そして、背板部71aにおいて切り欠き部71gの後方に位置する部位の左端寄りおよび右端寄りからは規制突起J1、J2が突出している。なお、以下の説明において、切り欠き部71gの左端寄りに配置される規制突起J1を「第1規制突起J1」と称し、切り欠き部71gの右端寄りに配置される規制突起J2を「第2規制突起J2」と称することとする。
図4に示すように、通路部材71および前板部材72の一体品において合流部Gを構成する部位には、振分部材75が揺動可能な状態に配置されている。ここで、振分部材75は、部材本体75aと、部材本体75aの軸心位置に装着されて部材本体75aと一体化された軸体部75bと、を備えている。そして、図5に示すように、軸体部75bにおいて部材本体75aの前方に突出する前端部が、前板部材72に装着された軸受部材75cによって回動可能な状態に支持されるとともに、軸体部75bにおいて部材本体75aの後方に突出する後端部が、背板部71aに装着された軸受部材75dによって回動可能な状態に支持されることで、振分部材75は揺動(回動)可能な状態とされている。
図7に示すように、部材本体75aは、正面視で略逆T字形状に構成され、軸心位置(軸体部75bが装着される位置)から上方に突出する振分板部75gと、振分板部75gの下端部から左下り傾斜方向(振分板部75gの軸心を上下に向けた場合を基準)に突出する第1底板部75mと、振分板部75gの下端部から右下り傾斜方向(振分板部75gの軸心を上下に向けた場合を基準)に突出する第2底板部75nと、を備える。また、振分板部75g、第1底板部75mおよび第2底板部75nの突端側には、錘体M、M1、M2が装着(埋設)されている。なお、各錘体M、M1、M2の重量は等しくされるとともに、1球の遊技球の重量よりも軽くなっている。また、部材本体75aは、その軸心位置と錘体Mの中心位置とを通過する仮想面(図4において紙面に垂直な面)を基準に線対称な形状を備える。
また、本実施例では、図4および図6(b)に示すように、第2ルートL2上であって第2始動口入賞検知スイッチ17t(図13を参照)の配設位置よりも上流側(遊技球が先に通過する側)に位置する特定の部位(以下、「特定部位」という。)に流入口77aを設けている。この流入口77aは、遊技盤10の盤面(表面)の右領域11Rを流下する遊技球を第2ルートL2内に流入可能とするものである。普通電動役物17dは、この流入口77aの開閉を行うための開閉部材77bと、開閉部材77bを駆動するための普通電動役物ソレノイド17c(図13参照)とを備えている。
つまり、通路部材71(背板部71a、側壁部71b)のうち、前述の「特定部位」を構成する部分(第2ルートL2上の側壁部71bの一部)に、右方向に開口する流入口77aを設けるとともに、この流入口77aの開閉を行う開閉部材77bを備える。この開閉部材77bは、下端部が背板部71aに軸支され、揺動可能とされている。そして、普通電動役物ソレノイド17c(図13を参照)を用いて駆動され、流入口77aを開放状態(第2状態)としたり、閉鎖状態(第1状態)とする。なお、図6(b)に示すように、右領域11Rにおける流入口77aの近傍に多数の案内釘19aが右斜め上がり傾斜状に配設されている。そして、これらの案内釘19aは遊技領域11(右領域11R)の前方に所定量(例えば、遊技球の直径を超える量)だけ突出するとともに、案内釘19aに到達した遊技球を流入口77aに向かって案内する。
普通電動役物ソレノイド17c(図13を参照)への通電を行わない場合には、図4に示すように、開閉部材77bの姿勢は流入口77aを閉鎖する姿勢(略立設する姿勢)となり、流入口77aは閉鎖状態(普通電動役物17dは閉鎖状態)となる。このため、遊技領域11を流下した遊技球が流入口77aを通じて第2ルートL2内に流入することが不可能となる。一方、普通電動役物ソレノイド17c(図13を参照)への通電を行うと、図6(b)に示すように、開閉部材77bの姿勢は流入口77aを開放する姿勢(右上がり傾斜状に傾斜する姿勢)となり、流入口77aは開放状態(普通電動役物17dは開放状態)となる。このため、遊技領域11を流下した遊技球が流入口77aを通じて第2ルートL2内に流入することが可能となる。
本遊技機1においては、普通電動役物17dが開放状態とされる時間(開放時間)が通常よりも長い時間に設定される状態(開放延長状態)になると、遊技球が第2ルートL2内に流入する可能性が高くなる。なお、本実施例では、開放延長状態における普通電動役物17d(流入口77a)の開放時間を「5秒」としており、非開放延長状態(通常開放状態)における普通電動役物17d(流入口77a)の開放時間を「0.2秒」としている。
次に、振分部材75の動作態様(揺動態様)等について説明するが、以下の説明において振分部材75の姿勢を次のように定義する。つまり、図8(a)に示すように、振分板部75gを右上がり傾斜とし、第2底板部75nの下面突端側を第2規制突起J2に当接させる姿勢を「第1姿勢」と定義し、図9(a)に示すように、振分板部75gを左上がり傾斜とし、第1底板部75mの下面突端側を第1規制突起J1に当接させる姿勢を「第2姿勢」と定義する。ここで、入球口73aを通じて第2始動入賞装置17b内に遊技球が入球していないとき、振分部材75の姿勢は錘体M、M1、M2の作用で、「第1姿勢」若しくは「第2姿勢」となる。また、図8(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」となると、合流部G内において、振分板部75gの左側に遊技球を受け入れ可能な空間(以下、「第1空間」という。)K1が設けられる。更に、図9(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第2姿勢」となると、合流部G内において、振分板部75gの右側に遊技球を受け入れ可能な空間(以下、「第2空間」という。)K2が設けられる。
図8(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」であるとき、入球口73aを通じて始動入賞装置17内に遊技球Y1が入球し、導入ルートLを通過すると、この遊技球Y1は第1空間K1に進入し、第1底板部75mの上面部に落下する。このとき、第1底板部75mに遊技球Y1の重量が加わるため、図8(b)に示すように、振分部材75は反時計方向(正面視)に回転し、その姿勢が第2姿勢となる。このとき、第1底板部75mは左下り傾斜となるため、第1底板部75m上の遊技球Y1は第1分岐通路73c(第1ルートL1)に進入する。そして、この第1分岐通路73c(第1ルートL1)に進入した遊技球Y1は、第1始動口入賞検知スイッチ17s(図13を参照)によって検知される。
図9(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第2姿勢」であるとき、入球口73aを通じて始動入賞装置17内に遊技球Y2が入球し、導入ルートLを通過すると、この遊技球Y2は第2空間K2に進入し、第2底板部75nの上面部に落下する。このとき、第2底板部75nに遊技球Y2の重量が加わるため、図9(b)に示すように、振分部材75は時計方向(正面視)に回転し、その姿勢が第1姿勢となる。このとき、第2底板部75mは右下り傾斜となるため、第2底板部75n上の遊技球Y2は第2分岐通路73d(第2ルートL2)に進入する。このように、第2ルートL2に進入した遊技球は、第2始動口入賞検知スイッチ17t(図13を参照)で検知される。
このように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」であるとき、始動入賞装置17内に遊技球Y1が入球すると、振分部材75はその姿勢を「第1姿勢」から「第2姿勢」に変更しながら、遊技球Y1を第1分岐通路73c(第1ルートL1)に誘導する。また、遊技球Y1に続く遊技球Y2が始動入賞装置17に入球すると、振分部材75はその姿勢を「第2姿勢」から「第1姿勢」に変更しながら、遊技球Y2を第2分岐通路73d(第2ルートL2)に誘導する。そして、遊技球Y2に後続する各遊技球は、第1分岐通路73c(第1ルートL1)、第2分岐通路73d(第2ルートL2)の順で誘導される。
このため、ステージ部21p上から始動入賞装置17に順次入賞する各遊技球は、第1入賞検知スイッチ17s、第2入賞検知スイッチ17tの順で交互に検知される。よって、ステージ部21p上の遊技球が始動入賞装置17に順次入賞すると、第1保留と第2保留が交互に1個ずつ発生することとなる。但し、遊技領域11の遊技球が、流入口77aを通じて第2ルートL2に流入するケースを生ずると、第2保留が連続して(第1保留を挟むことなく)発生することがある。特に、開放延長状態において、遊技者が右領域11Rに向かって遊技球を発射すること(所謂「右打ち」)を行うと、流入口77aを通じて第2ルートL2に遊技球が流入する頻度が高くなるため、第2保留が連続して発生する可能性が高くなる。
次に、図10および図11を用いて、保留表示領域27cにおける保留(保留図柄)の表示態様等について説明する。図3を用いて前述のように、保留表示領域27cは、左側から右側に向かって8個の領域D1〜D8を並べた構成を備えている。以下、左端に位置する領域D1を「第1領域D1」と称し、右端に位置する領域D8を「第8領域D8」と称するとともに、これらの間に位置する領域D2〜D7からを、左から順に「第2領域D2」、「第3領域D3」、「第4領域D4」、「第5領域D5」、「第6領域D6」、「第7領域D7」と称することとする。保留表示領域27cでは、保留数の増加に伴って、保留図柄が第1領域D1から第8領域D8に向かって順に増えていくように表示される。また、保留数の減少(保留消化)に伴って、第1領域D1に表示されていた保留図柄が消去され、保留図柄が第1領域D1に向かって順に減っていくように表示される。つまり、領域D1〜D8のうち左側に表示されている保留図柄に対応する保留(第1保留、第2保留)ほど消化順が早くなるように、保留図柄の表示が行われる。
図10および図11では、「第1保留」の存在を示す保留図柄(以下、「第1保留図柄」という。)を「ハッチングを付した丸印」で示し、「第2保留」の存在を示す保留図柄(以下、「第2保留図柄」という。)を「白抜きの丸印」で示している。更に、保留図柄が表示されていない領域D1〜D8を「破線を用いた丸印」で示している。また、保留表示領域27cにおいて表示可能な「第1保留図柄」の上限個数および表示可能な「第2保留図柄」の上限個数は、ともに「4個」である。
図10の「A1」は、保留表示領域27cに保留図柄が表示されていないときに1個の第1保留が発生し、それに応じて「第1領域D1」に「第1保留図柄」を表示した状態を示している。この状態で第2保留が発生すると、「第1領域D1」に表示されていた「第1保留図柄」を「第2領域D2」に移行するとともに、新たに発生した第2保留に対応する「第2保留図柄」を「第1領域D1」に表示する(A2)。つまり、「第1保留図柄」の前(左側)に「第2保留図柄」を割り込ませて表示することを行う。
この後、第1保留が発生すると「第3領域D3」に「第1保留図柄」が表示されるが(A3)、この状態で更に第2保留が発生すると、「第2領域D2」に表示されていた「第1保留図柄」を「第3領域D3」に移行し(移行表示)、「第3領域D3」に表示されていた「第1保留図柄」を「第4領域D4」に移行するとともに、新たに発生した第2保留に対応する「第2保留図柄」を「第2領域D2」に表示する(A4)。
この状態で第2保留が消化されると、「第1領域D1」の「第2保留図柄」を消去し、「第2領域D2」の「第2保留図柄」を「第1領域D1」に移行するとともに、「第3領域D3」および「第4領域D4」の「第1保留図柄」を各々1個上位の領域(D3の1個上位はD2、D4の1個上位はD3)に移行する(A5)。そして、この状態で第1保留が発生すると、これに対応する「第1保留図柄」を「第4領域D4」に表示する(A6)。
図11に示すように、この後、第2保留が発生すると、3個の第1保留図柄を各々1個下位の領域(D2の1個下位はD3、D3の1個下位はD4、D4の1個下位はD5)に移行するとともに、新たに発生した第2保留に対応する「第2保留図柄」を「第2領域D2」に表示する(A7)。この状態で第1保留が発生すると、これに対応する「第1保留図柄」を「第6領域D6」に表示する(A8)。更に、この状態で第2保留が発生すると、4個の第1保留図柄を各々1個下位の領域に移行するとともに、新たに発生した第2保留に対応する「第2保留図柄」を「第3領域D2」に表示する(A9)。そして、この状態で第1保留が発生したとしても、4個の第1保留図柄が既に記憶されているため、それ以上「第1保留図柄」を表示することはできない(A10)。
本実施例では、保留表示領域27c(領域D1〜D8)において保留図柄(第1保留図柄、第2保留図柄)を保留の消化順(待機中の変動表示が行われる順序)で表示する。しかも、第1保留図柄と第2保留図柄とを別々ではなく、まとめて集約表示することとしている。これにより、保留が最大8個存在することを遊技者にアピールできるとともに、遊技者にとって有利・不利の差がある特別図柄の変動表示の実行順序(消化順序)を明確に示すことができる(後述する)。よって、有利な特別図柄の変動表示の実行に対する期待感を高めたり、不利な特別図柄の変動表示の実行に対する緊張感を高めたりすることを効果的に実現できる。
図2に示すように、大入賞装置31は右領域11Rであって、メイン役物装置20の右側方に位置に配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aで開口する大入賞口31aと、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図13を参照)と、大入賞装置31に入賞した遊技球を検知するための大入賞口入賞検知スイッチ31s(図13を参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるとともに、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
図2に示すように、下部表示装置60は大入賞装置31の左側方に配置されている。この下部表示装置60は、図12(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、普通図柄保留表示部65等が設けられている。なお、第1特別図柄表示部62aが「第1図柄表示手段」の具体例を構成し、第2特別図柄表示部62bが「第2図柄表示手段」の具体例を構成する。
第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入賞検知スイッチ17sによって遊技球が検知されることに基づいて実行される当否判定(第1大当り抽選)の結果を示す「第1特別図柄」が変動表示を経て停止表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入賞検知スイッチ17tによって遊技球が検知されることに基づいて実行される当否判定(第2大当り抽選)の結果を示す「第2特別図柄」が変動表示を経て停止表示する。第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。
普通図柄表示部63は普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄が停止表示されて、その停止表示が一定時間実行される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。この閉鎖状態(第1状態)にある普通電動役物17dを開放状態(第2状態)とするか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。なお、本遊技機1は、開放延長機能(後述する。)の作動時に専ら「右打ち」を行う遊技機1であるため、普通図柄作動ゲート16を右領域11Rにも配設している。
普通図柄保留表示部65は、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、(b)1個のLEDを点灯させつつ1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを示し、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを示し、(d)1個のLEDを点滅させつつ1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを示し、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを示す。
図2に戻り、2個の一般入賞装置45、46は、メイン役物装置20の左側に配置されている。そして、各一般入賞装置45、46の内部には、遊技球の入賞を検知するための一般入賞検知スイッチ45s、46s(図13を参照)が配設されている。また、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。
(2)制御回路の構成
次に、図13を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。また、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されるとともに、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されるとともに、演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されるとともに貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されるとともに遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図13中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、主制御基板200においては、搭載されたCPU201、RAM202、ROM203を図示し、サブ制御基板220においても、搭載されたCPU220a、RAM220b、ROM220cを図示し、その他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200Aは、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16s、始動口入賞検知スイッチ17s、17t、一般入賞検知スイッチ45s、46s等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部220Aや、払出制御部240A、発射制御部260A等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。また、主制御部200Aは、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。ここで、主制御部200AのCPU201は、ROM203に記憶されたプログラムに従って、第1図柄保留手段、第2図柄保留手段、優先変動手段および利益付与手段としての処理を行う(後述する)。つまり、主制御部200Aは第1図柄保留手段、第2図柄保留手段、優先変動手段および利益付与手段として機能する。
サブ制御部220Aは、主制御部200Aからの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220Aは、主制御部200Aからの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220Aには、演出表示制御部222Aと、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタンSW(図1を参照)が接続された演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226および演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220cには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200Aから送出された表示制御コマンド(表示制御信号)を受信するとともに、ROM220cに記憶されたプログラムに従って受信した表示制御コマンドを解析する。そして、CPU220aは、主制御部200Aから送信された表示制御コマンドに基づき新たに生成したコマンドや、主制御部200Aから送信されたままの表示制御コマンドを、図柄制御コマンドとして演出表示制御部222Aに対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている(図1を参照)。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
払出制御部240Aには、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、本体枠3の裏側(裏機構盤102側)に配置された遊技球払出装置(図示を省略)を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置の払出モータ109mに伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる当否判定の結果を示す図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示(特別図柄の変動表示)とを、下部表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄(判定図柄)と、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄(判定図柄)は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る主制御部200Aにおいて本図柄の「停止表示させる図柄(停止図柄)」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「疑似図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部220A」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ等)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では、遊技球が第1始動口入賞検知スイッチ17sによって検知されること(以下、「第1始動入賞」という。)に起因して、第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、遊技球が第2始動口入賞検知スイッチ17tによって検知されること(以下、「第2始動入賞」という。)に起因して、第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って、演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出表示」の概要について説明する。
a.図柄変動遊技
「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄の変動表示および停止表示によって構成され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄の変動表示および停止表示によって構成される。これらの変動表示は、図12(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。そして、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって、「第1始動入賞」に起因する当否判定(以下、「第1当否判定」という。)の結果が表示され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって「第2始動入賞」に起因する当否判定(以下、「第2当否判定」という。)の結果が表示される。
図14に示すように、遊技機1の確率状態が低確率状態(通常確率状態)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/160」とされ、遊技機1の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果(特定表示結果)が導出される確率は約「1/16」とされる。そして、特別図柄表示部62aに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段が駆動して大当り遊技が実行される。また、本実施例では、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。ここで、大当り遊技実行手段は後述する確率変動手段、開放延長手段等とともに「利益付与手段」の具体例を構成する。
具体的には、第2当否判定の結果が大当りの場合、当該「乱数抽選(振分抽選)」によって、大当り図柄が「10R確変大当りの発生を示す大当り図柄」および「5R確変大当りの発生を示す大当り図柄」のうち何れかに決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、当該「乱数抽選(振分抽選)」によって、大当り図柄が、「3R確変大当りの発生を示す大当り図柄」および「2R確変大当りの発生を示す大当り図柄」のうち何れかに決定される。これらの大当り図柄は「特定表示結果」の具体例を構成する。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(第2状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒若しくは0.2秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
「10R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「10回」の大当り遊技Aが実行され、「5R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「5回」の大当り遊技Bが実行される。また、「3R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「3回」の大当り遊技Cが実行され、「2R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「2回」の大当り遊技Dが実行される。そして、何れの大当り遊技においても、各ラウンド遊技で大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球すると「150個」の遊技球が払い出される。
大当り遊技A、大当り遊技Bおよび大当り遊技Cにおいては、各ラウンド遊技での大入賞口31aの開放限度時間が「30秒」とされているため、ラウンド遊技において大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球させることが容易である。このため、「ラウンド遊技」の実行回数が「10回」の大当り遊技Aにおいては、払出予定賞球数は「1500個」とされ、「ラウンド遊技」の実行回数が「5回」の大当り遊技Bにおいては、払出予定賞球数は「750個」とされ、「ラウンド遊技」の実行回数が「3回」の大当り遊技Cにおいては、払出予定賞球数は「450個」とされている。ところが、大当り遊技Dにおいては、各ラウンド遊技での大入賞口31aの開放限度時間が「0.2秒」とされているため、ラウンド遊技において大入賞口31aに遊技球が入球させることが困難なため、「大当り遊技D」の払出予定賞球数は「0個」とされている。
また、何れの大当りを生じても、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段(後述する。)が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となる。高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「15回」になるまで継続される。また、「10R確変大当り」、「5R確変大当り」若しくは「3R確変大当り」を生じた場合、大当り遊技の終了後には開放延長手段(後述する。)が作動し、始動入賞装置17(流入口77a)の開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「30回」になるまで継続される。更に「2R確変大当り」を生じた場合は、大当り遊技Dの終了後に開放延長状態とならず、所謂「潜伏確変状態」となる。
更に、大当り遊技Dが終了した後においては、大当り遊技Dの終了から所定期間に亘って、特別図柄の変動時間が短縮されない状態(非短縮変動状態)となる。この非短縮変動状態は、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「15回」になるまで継続される。非短縮変動状態については後述する。
なお、本実施例と異なり、発生する大当りの種類に「通常大当り」を含めることとしてもよい。この場合、「通常大当り」に対応する大当り遊技の終了後には、遊技機1の確率状態が低確率状態(通常確率状態)とされる。また、当該大当り遊技の終了後の所定期間に亘って開放延長状態としてもよいし非短縮変動状態としてもよい。なお、ここでいう「所定期間」は、上述と同様に、例えば、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数に基づいて設定することができる。また、「通常大当り」の発生により実行される大当り遊技としては、前述の大当り遊技A、大当り遊技B、大当り遊技C等を例示できる。
図14を用いて説明したように、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。つまり、本実施例では、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当り(利益量が多い大当り)が選択される確率が高くなっているばかりか、第1当否判定の結果が「大当り」である場合には、賞球が期待でない大当り遊技Dが実行される可能性もある。しかも、第1当否判定の結果が「大当り」となる場合、大当り遊技Dの実行契機となる第2R確変大当りが発生する確率が高くなっている(80%)のに対して、第2当否判定の結果が「大当り」となる場合、大当り遊技Aの実行契機となる第10R確変大当りが発生する確率が高くなっている(60%)。加えて、大当り遊技Dの終了後には、高確率状態であるものの開放延長状態とはならないため、他の大当り遊技(大当り遊技A、大当り遊技B、大当り遊技C)の終了後と比べると、第2始動入賞の発生頻度が低くなる。
このため、遊技者にとっては、第2当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第2当否判定を主体とする遊技」という。)の方が、第1当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第1当否判定を主体とする遊技」という。)よりも有利度が高い。よって、遊技者にとっては、「第2当否判定を主体とする遊技」が可能な限り連続的に実行され、「第1当否判定を主体とする遊技」が可能な限り実行されないことを切望することになる。
b.図柄変動演出
図柄変動演出も、第1始動入賞若しくは第2始動入賞に基づいて開始される。そして、図柄変動演出の実行時間(変動時間)も、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって特定される。この図柄変動演出では、図15(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの所定の部位において疑似図柄表示領域27bが出現し、疑似図柄の変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。そして、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される。この疑似図柄の停止表示は、前述の下部表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b))による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
図15(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでは、疑似図柄表示領域27bに3つ(3桁)の疑似図柄を表示しつつ疑似図柄の変動表示と停止表示がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。
また、図12(c)に示すように、疑似図柄の停止図柄には「大当りを示す図柄(大当り図柄)」と「外れを示す図柄(外れ図柄)」とがある。そのうち、「10R確変大当り」「5R確変大当り」または「3R確変大当り」の発生を示す図柄(10R確変大当り図柄、5R確変大当り図柄、3R確変大当り図柄)は3つの疑似図柄がすべて同一数字とされる組み合わせによって構成され、「2R確変大当り」の発生を示す図柄(2R確変大当り図柄)および外れ図柄は、3つの疑似図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる数字とされる組み合わせによって構成される。なお、2R確変大当り図柄と外れ図柄とは、互いに共通(同じ)であっても異なるものであってもよい。以下、「10R確変大当り」、「5R確変大当り」および「3R確変大当り」の総称として「出球有り大当り」を用いることがあり、「2R確変大当り」を「出球無し大当り」と称することがある。
更に、図15(c)に示すように、演出表示装置27において「大当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行うが、「外れ図柄」を表示する場合、図15(b)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う場合と、図15(a)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合がある。また、本遊技機1では、リーチ表示後に行われる表示演出(以下、「リーチ演出」という。)として、演出内容が単純なリーチ演出(以下、演出内容が演出途中で発展しない「非発展演出」等の「ノーマルリーチ演出」)と、演出内容が演出途中で発展する「発展演出」とのうちの何れかを実行する。
また、本実施例では、図16および図17に示すように、第1保留を消化して行う図柄変動遊技に伴い実行される図柄変動演出(以下、「第1図柄変動演出」という。)と、第2保留を消化して行う図柄変動遊技に伴い実行される図柄変動演出(以下、「第2図柄変動演出」という。)とで、「背景図柄」や「キャラクタ図柄」が異なったものとされる。例えば、図16に示すように、「第1図柄変動演出」においては、背景色が白色とされるとともに、敵を示すキャラクタ(以下、「敵キャラクタ」という。)が味方を示すキャラクタ(以下、「味方キャラクタ」という。)に勝利する表示がなされる(a2〜a4)。これは、第1特別図柄の変動表示を行うと、遊技者にとって有利度が低い大当り(付与される利益量が少ない大当り)を発生する可能性があることを遊技者に示唆するものである。これにより、遊技者は、有利度が低い図柄変動遊技が実行されていることを強く認識することとなるため、「第1図柄変動演出」に緊張感を持って対面することになる。
また、図17に示すように、「第2図柄変動演出」においては、背景色が青色とされる(図中のハッチング表示は、背景色が青色あることを示している。)とともに、「味方キャラクタ」が「敵キャラクタ」に勝利する表示がなされる(b1〜b5)。これは、第2特別図柄の変動表示を行うと、遊技者にとって有利度が高い大当り(付与される利益量が多い大当り)を発生する可能性があることを遊技者に示唆するものである。これにより、遊技者は、有利度が高い図柄変動遊技が実行されていることを強く認識することとなるため、「第2図柄変動演出」に期待感を持って対面することになる。
(4)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図18(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部200Aからサブ制御部220Aに出力されるコマンドとしては、例えば、(A)変動パターン指定コマンド、(B)特別図柄停止情報指定コマンド等を例示できる。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドである。
(5)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図19は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図20のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図20のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
ここで、賞球払出処理(S80)は入賞装置(17、31、45、46)に遊技球が入賞したときの賞球払出に関する処理であるが、本実施例ではその詳細な説明を省略する。なお、CPU201は、第1始動入賞および第2始動入賞の何れを生じた場合においても、「3個の払出個数を指定する払出信号」が払出制御基板240に向かって出力されるため、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、この払出信号で指定された個数の賞球を払い出すための処理を行う。
但し、本実施例では、第1始動入賞を生じた場合と第2始動入賞を生じた場合とで「賞球の払出個数」に差異を設けてもよい。特に、本実施例では、第1保留と第2保留とが交互に発生するにもかかわらず、第2保留のみが連続的に処理されるケースを生じ得るため、第1始動入賞を生じても無駄となる(第1判定用乱数値の取得・記憶がなされない)可能性が高くなる(図21を参照)。これに対して、第1始動入賞を生じた場合の払出個数を、第2始動入賞を生じた場合の払出個数よりも多くすることによっても、遊技者が意図的に遊技球の発射を止める事態(以下、「止め打ち」という。)を生じる可能性を低くできる。
A.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したことを契機に普通図柄表示部63にて普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図19の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図19の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)、或いは、作動させない図柄(普通図柄の外れ図柄)の何れであるかを判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.2秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図19の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図20は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図19の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否かが判断される。つまり、流入口77aを通じて第2ルートL2を遊技領域11(始動入賞装置17外)に開放する開放状態(第2状態)となっているか否かかが判断される。そして、作動中であると判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(普通電動役物17dを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長状態では5秒、通常開放状態では0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで、開閉部材77bで流入口77aを閉鎖し(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17dが作動中であるときに(S202;NO)、第2始動口入賞検知スイッチ17tが規定数(例えば、8個)の遊技球を検知すると(S204;YES)、前述の作動時間が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
C.特別図柄遊技処理(S300)
特別図柄遊技処理(S300)が起動すると、図21に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図22に示すS308以降の処理に移行する。ここで、CPU201は、始動入賞装置17に入賞した遊技球が第1始動口入賞検知スイッチ17sによって検知されると、第1始動入賞が発生したと判断し、始動入賞装置17に入賞した遊技球が第2始動口入賞検知スイッチ17tによって検知されると、第2始動入賞が発生したと判断する。
CPU201によって第1始動入賞が発生したと判断されると(S301a;YES)、第1始動入賞に対応する第1特別図柄の保留数(第1保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において所定個数未満と判断されると(S302a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303a)。この第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス{図18(b)に示す第1判定用乱数値メモリ202a}にシフトメモリ形式で記憶されるとともに、「第1始動入賞に対応する特別図柄の保留数(第1保留数)」が、図18(b)に示す第1保留数メモリ202cに累積的に記憶(加算記憶)される(S303a)。そして、第1始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S304a)、図22のS308以降の処理に移行する。この第1始動入賞時コマンドによって「当該第1始動入賞後の第1保留数」をサブ制御基板220側で特定可能となる。また、S303aの処理で判定用乱数値を記憶してから、当該判定用乱数値を図22のS316aの処理で読み出し、S320a、S500a等の処理を行うまでが、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する「第1図柄保留手段」としての処理の具体例を構成する。
ここで、S303aの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第1始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される大当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示(図柄変動演出)においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値などがある。なお、本実施例と異なり、第1始動入賞に基づいて小当り判定を行う場合、S303aの処理で取得される判定用乱数値には小当り判定で用いる判定用乱数値(小当り判定乱数値)が含まれる。
本実施例では、始動入賞装置17が、当該始動入賞装置17に遊技球が入賞(入球)したことを検知するため検知部として、第1始動口入賞検知スイッチ17sおよび第2始動口入賞検知スイッチ17tを備える。また、特別図柄として、遊技球が第1始動口入賞検知スイッチ17s(つまり、第1検知部)により検知されることに基づいて変動表示を行う第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)と、遊技球が第2始動口入賞検知スイッチ17t(つまり、第2検知部)により検知されることに基づいて変動表示を行う第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)とを備える。そして、第1始動入賞の発生に基づき取得される判定用乱数値と、第2始動入賞の発生に基づき取得される判定用乱数値とが記憶された状況の下では、後者が優先的に処理される(後述する。)。更に、前述のように、第2始動入賞に基づく判定用乱数値(第2保留)を処理して発生する大当りの方が、第1始動入賞に基づく判定用乱数値(第1保留)を処理して発生する大当りよりも遊技者にとって有利な大当りとされている。
また、図21〜図25においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
また、第2始動入賞が発生したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞に対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において所定個数未満と判断されると(S302b;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303b)。この第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス{図18(b)に示す第2判定用乱数値メモリ202b}に記憶されるとともに、「第2始動入賞に対応する特別図柄の保留数(第2保留数)」が第2保留数メモリ202dに累積的に記憶(加算記憶)される(S303b)。そして、第2始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S304b)、図22のS308以降の処理に移行する。この第2始動入賞時コマンドによって「当該第2始動入賞後の第2保留数」をサブ制御基板220側で特定可能となる。また、S303bの処理で判定用乱数値を記憶してから、当該判定用乱数値を図22のS316bの処理で読み出し、S320b、S500b等の処理を行うまでが、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する「第2特別図柄保留手段」としての処理の具体例を構成する。
ここで、S303bの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第2始動入賞に基づいて実行される第2当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示(図柄変動演出)においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値などがある。なお、本実施例と異なり、第2始動入賞に基づいて小当り判定を行う場合、S303bの処理で取得される判定用乱数値には小当り判定で用いる判定用乱数値(小当り判定乱数値)が含まれる。
S308の処理では、図22に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図23のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と、「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、第2判定用乱数値メモリ202b{図18(b)を参照}から、最も古い判定用乱数値を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数値はS303bで取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。また、S314bの否定的な判断を経てS500bに至る処理は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する「優先変動手段」としての処理の具体例を構成する。
この第2当否判定処理(S320b)では、第2当否判定に関する処理が行われる。具体的には、高確率状態のときには、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した当否判定乱数値」とを用いて当否判定が行われ、低確率状態(通常確率状態)のときには、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した当否判定乱数値」とを用いて当否判定が行われる。
CPU201は第2当否判定処理(S320b)に続いて特図2図柄変動開始処理(S500b)を実行する。この特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図24に示すように、先ず、当否判定処理(S320b)の結果に基づいて変動パターンテーブルを振り分ける処理(510D、510E)等を行う。すなわち、当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」である場合(S501;YES)、図21のS303bの処理において取得した図柄決定乱数値を第2判定用乱数値メモリ202bから読み出して(S502)、第2の特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄を設定(決定)した後(S503)、大当り時の変動パターンテーブルを振り分ける処理(以下、大当り時変動パターンテーブル振分処理という。)を行い(S510D)、S560の処理に移行する。
また、当否判定処理(S320b)の結果が「外れ」である場合(S501;NO)、外れ時の変動パターンテーブルを振り分ける処理(以下、外れ時変動パターンテーブル振分処理という。)を行う(S510E)。そして、図柄決定乱数値を取得し(S511)、第2の特別図柄表示部62bに停止表示される外れ図柄を設定(決定)した後(S512)、S560の処理に移行する。なお、外れ図柄を設定(決定)する際に使用する図柄決定乱数値を始動入賞時に取得するとともに、S511の処理の際に、この取得した図柄決定乱数値を読み出すこととしてもよい。
ここで、大当り時変動パターンテーブル振分処理(S510D)と、外れ時変動パターンテーブル振分処理(S510E)の内容は共通であり、図25に従って行われる。この振分処理(S510D、S510E)が開始されると、先ず、非短縮変動カウンタの値(カウント値)がゼロより大きい(1以上である)か否かが判断される(S514)。ここで、「非短縮変動カウンタ」は「非短縮変動パターンテーブル」を使用する期間を規定するためのもので、その期間中における特別図柄の変動表示の実行回数を計数するものである。この非短縮変動カウンタには、後述する大当り遊技終了時処理(S800)において、「非短縮変動パターンテーブル」の使用期間に相当する特別図柄の変動回数を示す値が設定される。そして、非短縮変動カウンタの値がゼロの場合(S514;NO)、つまり、非短縮変動パターンテーブルの使用期間でない(非短縮変動状態でない)と判断されると(S514;NO)、S520以降の処理に移行して、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。また、非短縮変動カウンタの値がゼロでない場合(1以上)であっても、変動表示を開始する特別図柄が第1特別図柄である場合には(S514;YES、S516;NO)、S520以降の処理に移行して、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。
以下においては、先ず、遊技機1の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理(S520以降の処理)について説明した後、非短縮変動パターンテーブルをセットする処理(S518の処理)について説明する。また、S520以降の処理に従って変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う場合であって、当否判定の結果が外れである場合には、S522、S524およびS536の処理において、S316bの処理(S316aの処理)で読み出した判定用乱数値に含まれるリーチ乱数に基づき、リーチ演出の実行有無を判断した上で、変動パターンテーブルがセットされる。
S520の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合には(S520;YES)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S521)。そして、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S521;YES)、遊技機1の遊技状態は「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動状態)」であるため、高確率短縮変動状態で用いる変動パターンテーブル(以下、高確率短縮変動パターンテーブルという。)をセットした後(S522)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。
このS522の処理においては、当否判定の結果が大当りであってS503の処理によって「出球有り大当り」を発生させることが決定された場合には、26(a)の「高確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる(S522)。また、当否判定の結果が外れであってリーチ演出を行わない場合には、図27の「高確率・短縮」と表記するとともに「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の第1保留数と第2保留数との合計保留数に対応する変動パターンテーブルがセットされる。更に、当否判定の結果が外れであって、リーチ演出を行う場合には、図27の「高確率・短縮」と表記するとともに「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる(S522)。
また、確変フラグがセット(ONに設定)されており、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S520;YES、S521;NO)、遊技機1の遊技状態は「高確率で通常変動を行う状態(高確率通常変動状態)」であるため、高確率通常変動状態で用いる変動パターンテーブル(以下、高確率通常変動パターンテーブルという。)をセットした後(S524)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。
このS522の処理においては、当否判定の結果が大当りであってS503の処理によって「出球有り大当り」を発生させることが決定された場合には、図26(a)の「高確率・通常」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる(S524)。また、当否判定の結果が外れであって、リーチ演出を行わない場合には、図27の「高確率・通常」と表記するとともに「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の第1保留数と第2保留数との合計保留数に対応する変動パターンテーブルがセットされる。更に、当否判定の結果が外れであって、リーチ演出を行う場合には、図27の「高確率・通常」と表記するとともに「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。
また、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S520;NO)、遊技機1の遊技状態は「低確率で通常変動を行う状態(低確率通常変動状態)」であるため、低確率通常変動状態で用いる変動パターンテーブル(以下、低確率通常変動パターンテーブルという。)をセットした後(S536)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、510E)を終了する。
このS536の処理においては、当否判定の結果が大当りであってS503の処理によって「出球有り大当り」を発生させることが決定された場合には、図26(a)の「低確率・通常」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる(S536)。また、当否判定の結果が外れであって、リーチ演出を行わない場合には、図27の「低確率・通常」と表記するとともに「リーチ演出なし」と表記された欄の各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の第1保留数と第2保留数との合計保留数に対応する変動パターンテーブルがセットされる。更に、当否判定の結果が外れであって、リーチ演出を行う場合には、図27の「低確率・通常」と表記するとともに「リーチ演出あり」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる。
なお、本実施例が、「全図柄確変の遊技機(確変大当り以外発生しない遊技機)」ではなく「通常大当りを発生し得る遊技機」を対象とする場合には、確変フラグが解除(OFFに設定)されている状態で、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合も生じ得る。この場合、遊技機1の遊技状態は「低確率で短縮変動を行う状態(低確率短縮変動状態)」であるため、低確率短縮変動状態で用いる変動パターンテーブル(低確率短縮変動パターンテーブル」をセットすることになる。
更に、当否判定の結果が大当りであって、S503の処理によって「出球無し大当り」を発生させることが決定された場合には、遊技状態にかかわらずに、図27(b)の変動パターンテーブルがセットされる(S522、S524、S536)。
図27〜図29に示す変動パターンテーブルには「乱数の値」に対応付けて変動パターンが設定され、後述するS560の処理で取得する「変動パターン決定乱数値」に基き、後述するS562の処理で「変動表示に用いる変動パターン」が決定される。また、図27〜図28には、説明の便宜のため、少数の変動パターンを記憶した変動パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの変動パターンテーブルは多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)を記憶している。なお、本実施例で述べる各変動パターンテーブルは、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されており、このROM203が「変動パターンテーブル記憶手段」の具体例を構成する。
ここで、短縮変動状態(本実施例では高確率短縮変動状態のみであるが、通常大当りを発生させる遊技機の場合には、高確率短縮変動状態および低確率短縮変動状態)のときに選択される変動パターンテーブルを用いる場合には、通常変動状態(低確率通常変動状態)のときに選択される変動パターンテーブルを用いる場合に比べて、特定される変動時間が短くなる可能性が高くなっている。また、リーチ演出を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ演出を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。
また、進行中の特図変動開始処理(S500b若しくはS500a)が対象としている特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動開始時の合計保留数が「1〜3」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動開始時の合計保留数が「4〜8」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。そして、本遊技機1では、短縮変動状態である場合と、通常変動状態であって保留数が多い場合(例えば、変動開始時の合計保留数が「4」以上の場合)には、短めの変動時間が特定される可能性が高い状況、つまり、変動時間短縮化状況となる。なお、変動時間短縮化状況となる保留数(変動開始時の保留数)を「3」以上としてもよいし、第1保留数および第2保留数の間で、変動時間短縮化状況となる保留数(変動開始時の保留数)が異なっていてもよい(例えば、第1保留数が「3」以上、第2保留数が「2」以上で、変動時間短縮化状況となる等)。
図25に示すように、非短縮変動カウンタの値がゼロより大きく、変動表示を開始する特別図柄が第2特別図柄であると判断される場合には(S514;YES、S516;YES)、「非短縮変動パターンテーブル」をセットした後(S518)、変動パターンテーブル振分処理(S510D、S510E)を終了する。ここで、S518の処理においては、当否判定の結果が大当りの場合には図28(a)に示す「大当り用の非短縮変動パターンテーブル」がセットされ、当否判定の結果が外れである場合には図28(b)に示す「外れ用の非短縮変動パターンテーブル」がセットされる。これらの非短縮変動パターンテーブルの使用時(非短縮変動状態)には、遊技機1が変動時間短縮化状況であるか否かにかかわらず、しかも、「リーチ演出の有無」や「特別図柄の保留数」を考慮せずに変動パターンが決定される。この場合、遊技機1が変動時間短縮化状況であっても「15秒」以上の長目の変動時間が特定されることになる。
ここで、図28(a)および(b)に示すように、「大当り用の非短縮変動パターンテーブル」および「外れ用の非短縮変動パターンテーブル」には、それぞれ1個の変動パターンが記憶されているため、「大当り用の非短縮変動パターンテーブル」または「外れ用の非短縮変動パターンテーブル」がセットされると、一定の変動時間が特定される。この変動時間は、遊技者が「止め打ち」を行わなければ、保留(第1保留および第2保留)が迅速(急激)に消化されることを抑制でき、保留(特に、第2保留)の蓄積を行う上で十分な時間である。また、本実施例のように、各非短縮変動パターンテーブルに格納される変動パターンを1種類とすると、「複数回連続して実行される非短縮変動」の実行時間の総計を予め算出できるため、より効果的な演出(例えば、複数回の特殊変動に跨って実行される連続的な演出)を行うことができる。
なお、本実施例と異なり、当り用と外れ用とが独立した非短縮変動パターンテーブルでなく、1個の変動パターンテーブルとしてもよい。更に、非短縮変動パターンテーブルに記憶される非短縮変動パターンの数を複数個としてもよいが、この場合、何れの非短縮変動パターンも、保留(特に、第2保留)の蓄積を行う上で十分な時間とする必要がある。ここで、本明細書において、「保留(特に、第2保留)の蓄積を行う上で十分な時間」としては、例えば「10秒以上の時間」、好ましくは「15秒以上の時間」を例示できる。但し、当該時間が30秒を超えると、遊技機1の稼働効率が低下するおそれがあるため、当該時間を「30秒以下」、好ましくは「20秒以下」とする場合を例示できる。
図24に戻って説明すると、S560の処理では変動パターン決定乱数値(特別図柄の変動パターンを決定するための乱数値)を取得する(S560)。そして、変動パターンテーブル振分処理(S510D、510E)でセットした変動パターンテーブルと、S560の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを決定する(S562)。そして、CPU201は第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動を開始する(S570)とともに、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S572)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって第2特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、第2特別図柄に係る保留数(第2保留数)を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S575)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図19の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図18(a)に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が何れであるかを知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図22に戻り、「第2保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1判定用乱数値メモリ202aから最も古い判定用乱数値を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図19の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理も、S320bと同様に行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図24に従って行われる。つまり、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき第1特別図柄の変動パターンを選択(決定)する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を選択(決定)する処理等(S502、S503、510D、510E、S511およびS512の各処理)を行った後、S560、S562、S570、S572およびS575の処理が実行される。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図22参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図19の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図23のS352)。
図23のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態を示すデータがセットされる。なお、「確変フラグ」は特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率に設定される状態(高確率状態)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態(短縮変動状態)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は始動入賞装置17(普通電動役物17d)が開放状態となる時間(開放時間)が長時間に設定される状態(開放延長状態)にあることを示すフラグである。なお、本実施例では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。つまり、短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。
ここで、本明細書では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」が「ON」に設定されている状態を「開放延長状態」または「短縮変動状態」といい、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」が「OFF」に設定されている状態を「通常開放状態」または「通常変動状態」という。また、「確変フラグ」が「ON」に設定されている状態を「高確率状態」といい、「確変フラグ」が「OFF」に設定されている状態を「低確率状態」または「通常確率状態」という。また、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」および「確変フラグ」のすべてが「ON」に設定されている状態を「高確率開放延長状態」または「高確率短縮変動状態」といい、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」が「ON」に設定されている状態で「確変フラグ」が「OFF」に設定されている状態を「低確率開放延長状態」または「低確率短縮変動状態」という。
S354の処理に続いて、発生した大当りの種類に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。つまり、「3R確変大当り」が発生した場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「3ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「5R確変大当り」が発生した場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「5ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。また、「10R確変大当り」が発生した場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「10ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。更に、「2R確変大当り」が発生した場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「0.2秒」とするラウンド遊技を「2ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。
S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技開始指定コマンド(図中、開始Cと表記)を送信する。
S378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S382)を行った後、S384の処理に移行する。
S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図19の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図19のS600)が開始され、大当り遊技が実行される。
次に、図23のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62aまたは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、非短縮変動カウンタの値が「ゼロ」より大きいか否かが判断され(S388)、「ゼロ」より大きくない場合、すなわち「ゼロ」の場合には(S388;NO)、S391の処理に移行する。一方、非短縮変動カウンタの値が「ゼロ」より大きい場合には(S388;YES)、非短縮変動カウンタの値を「−1」した後(S389)、S391の処理に移行する。ここで、S389の処理によって、非短縮変動カウンタの値が「ゼロ」になった場合には、今回の特別図柄の変動によって非短縮変動状態が終了し、「ゼロ」になっていない場合には、次回以降の特別図柄の変動においても非短縮変動状態が継続されることになる(図25のS514を参照)。
S391の処理では、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断され(S391)、セットされていない場合(S391;NO)、そのままS410の処理に移行する。一方、S391の処理において確変フラグがセットされていると判断されると(S391;YES)、確変カウンタの値を「−1」した後(S393)、確変カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S395)。つまり、今回の図柄変動によって高確率状態が終了したか否かを判断する。そして、確変カウンタが「ゼロ」になっていない場合は(S395;NO)、そのままS410の処理に移行し、「ゼロ」になった場合は(S395;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S398)を行った後、S410の処理に移行する。
ここで、「確変カウンタ」は高確率状態で実行可能な当否判定(図柄変動遊技)の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、次回以降の当否判定(図柄変動遊技)は低確率状態で実行される。また、本実施例では、「2R確変大当り」の発生に基づいて遊技機の遊技状態が高確率状態にあるとき(大当り遊技Dが終了した後の高確率状態)、非短縮変動カウンタの値は「ゼロ」より大きい状態(高確率非短縮変動状態)となる(図14、図30を参照)。
次に、S410の処理では、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S410)。そして、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S410;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S410;YES)、つまり、短縮変動状態にて外れとなった場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S412)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S414)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S414;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S414の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S414;YES)、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S415)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図19の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動で短縮変動状態が終了して、次回の変動から通常変動状態に切り換わり、次回以降の特別図柄の変動は通常変動で行われる。
なお、確変フラグがOFFに切り換わった場合(S398)や変動短縮フラグおよび開放延長フラグがともにOFFに切り換わった場合(S415,416)、さらには非短縮変動カウンタの値が「ゼロ」になった場合(S390;YES)には、高確率状態や開放延長状態(短縮変動状態)や非短縮変動状態が終了して状態の切り換わりが生ずることとなる。本実施例では、そのような状態の切り換わりが発生した場合には、その切り換わり後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態(例えば、低確率短縮変動状態、低確率通常変動状態など)に応じた遊技演出を行うことができる。
D.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図19の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図29に示す大当り遊技処理(S600)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。この処理により、本遊技機1では「大当り遊技A」、「大当り遊技B」、「大当り遊技C」または「大当り遊技D」が実現される。なお、大当り遊技処理(S600)は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「大当り遊技実行手段」として行う処理の具体例を構成する。
図29は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。各大当りラウンドが開始されると、前述のように、各大当りラウンドにおいて予定されている大入賞口31aの開放動作を完了するか、大入賞口31aへの遊技球の入球数が規定入賞数(10個)になると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この後、所定の待機時間(例えば2秒)を経て、「大当り遊技の終了条件」が成立していなければ、次の「大当りラウンド」が開始される。そして、この「大当りラウンド」を所定回数(2回、3回、5回若しくは10回)繰り返すと大当り遊技を終了する。以下、図29〜図30を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技を開始すると(S602;YES)、先ず、「大当りラウンド」を実行中か否かを判断する(S604)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態(図柄変動遊技状態)」では閉鎖状態を維持しており、大当り遊技の開始直後は、未だ「大当りラウンド」を実行していない。このため、大当り遊技の開始直後は「大当りラウンド」を実行中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当りラウンドの実行回数」が対応する大当り遊技の設定回数に達したか否かを判断する(S612)。
但し、大当り遊技が開始された直後は大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。このため、S614の処理に移行して待機時間が経過したか否かを判断する(S614)。ここで、「待機時間」は大入賞口31aが閉鎖状態を維持するとともに、演出表示装置27の表示画面27aにおいて「インターバル演出表示」が実行される時間、つまり、「インターバル時間」であって、本実施例では2秒に設定している。ところが、大当り遊技が開始された直後は、大当りラウンドを実行していない状態となっているから、必然的に、待機時間が経過していると判断され(S614;YES)、大当りラウンドを開始させた後(S616)、図29に示した大当り遊技処理を一旦終了して図19の遊技制御処理に復帰する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド(ラウンド遊技)」を開始させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「ラウンド開始指定コマンド(図中、R開始Cと表記)」を送信する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図19に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図19に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図29に示す大当り遊技処理(S600)も、約4msec毎に繰り返して実行される。そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると「当該大当りラウンドにおける開放動作」を完了したか否かが判断される(S606)。つまり、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒若しくは0.2秒)になったか否かが判断される。そして、S606の処理で肯定的な判断がされると、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図29に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、S606の処理で否定的な判断がなされる場合は(S606;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定入賞数に達しているか否かを判断する(S608)。
そして、遊技球の入賞数が規定入賞数に達した場合も(S608;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図29に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて図19の遊技制御処理に復帰する。つまり、遊技球の入賞数が規定入賞数に達すると、大当りラウンドにおいて予定されている開放動作の完了を待たずに大入賞口31aを閉鎖する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド」、つまり「ラウンド遊技」を終了させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了指定コマンド(図中、R終了Cと表記)」を送信する。一方、当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作が完了せず(S606;NO)、しかも、入賞数が規定入賞数に達していない場合は(S608;NO)、大当りラウンドを継続させたまま、図29の大当り遊技処理を抜けて、図19の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(S602;YES)、図19の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、S606の処理で肯定的な判断がなされるか、若しくは、S608の処理で肯定的な判断がなされる。こうして、1回の大当りラウンドを終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において「大当りラウンド」を実行中でないと判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、その大当り遊技中に実行した「大当りラウンド数」が、前述のS370の処理によって最終ラウンドとして設定されているラウンド数(2R,3R,5R,10Rの何れか)に達したか否かが判断される。そして、実行した「大当りラウンド」の回数(ラウンド数)が最終ラウンドのラウンド数に到達していなければ(S612;NO)、待機時間(2秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、新たな大当りラウンドを実行する(S616)。
一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合は(S612;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S800)」を行った後、大当り遊技処理(S600)を終了し、図19の遊技制御処理に復帰する。この大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、図30に示すように、大当り遊技フラグ(図23のS378を参照)を解除(OFFに設定)した後(S805)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図23のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)の種類に関する情報を取得する(S810)。そして、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S815)と、確変カウンタに「15」をセットする処理(S820)とを行った後、S835以降の処理に移行する。
S835以降の処理では、S810の処理で取得した情報に基づいて以下の処理を行う。つまり、今回の大当り図柄(図22のS344の処理で停止した図柄)が「2R確変大当り図柄」であった場合には(S835;YES)、非短縮変動カウンタに「15」をセットする処理(S838)を行った後、大当り遊技終了時処理(S800)を終了し、大当り遊技処理(S600)を抜けて図19の遊技制御処理に復帰する。これにより、2R確変大当りに係る大当り遊技(大当り遊技D)の終了直後は、確変フラグがONで非短縮変動カウンタの値が「15」となるので、「高確率非短縮変動状態」となる。
一方、今回の大当り図柄が「2R確変大当り図柄」でない場合、すなわち「3R確変大当り図柄」、「5R確変大当り図柄」および「10R確変大当り図柄」の何れかである場合には(S835;NO)、変動短縮フラグをセット(ONに設定)する処理(S845)と、開放延長フラグをセット(ONに設定)する処理(S850)と、変動短縮カウンタに「30」をセットする処理(S855)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S800)を終了し、大当り遊技処理(S600)を抜けて図19の遊技制御処理に復帰する。これにより、3R確変大当り、5R確変大当りまたは10R確変大当りに係る大当り遊技(大当り遊技A〜Cの何れか)の終了直後は、変動短縮フラグ、開放延長フラグおよび確変フラグがすべてONになるので、「高確率開放延長状態」となる。つまり、高確率状態と開放延長状態との2つの状態がともに発生する。なお、本実施例では、大当り遊技終了後、次の大当りが発生することなく特別図柄の変動表示が15回行われると、変動短縮カウンタの値は「15」となる。よって、この場合には、「高確率開放延長状態」から「低確率短縮変動状態」に切り換わることとなる。そして、「低確率短縮変動状態」にて大当りが発生することなく特別図柄の変動表示が15回行われると、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」となって、「低確率短縮変動状態」から「低確率通常変動状態(初期状態)」に切り換わることとなる(図23のS352;NO以降の処理を参照)。
また本実施例では、大当り遊技終了時処理にて各種フラグやカウンタを設定した際に、その設定に基づく大当り遊技終了後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。これにより、サブ制御部220Aでは、受信した状態指定コマンドに基づき特定される状態(例えば、高確率非短縮変動状態、高確率非短縮変動状態かつ高確率開放延長状態など)に応じた遊技演出を行うことができる。
(6)演出制御処理(S900)
次に、図31を用いて、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222Aと協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図31には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。この演出制御処理(S900)では、保留発生時処理(S1000)、図柄変動演出処理(S1100)、保留消化時処理(S1200)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。また、図31の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図31のフロー図に示す処理のうち、大当り遊技演出処理についての説明は省略する。
a.保留発生時処理(S1000)
保留発生時処理(S1000)においては、図32(a)に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、この始動入賞時コマンドが第2始動入賞時コマンド(第2始動入賞に基づく始動入賞時コマンド)であるか否かを判断する(S1010)。そして、第1始動入賞時コマンド(第1始動入賞に基づく始動入賞時コマンド)である場合には(S1010;NO)、「第1領域D1」〜「第8領域D8」のうち、空き領域(保留図柄が表示されていない領域)において最上位のもの(その時点で、最先に処理される保留に対応する保留図柄が表示される領域)に「第1保留図柄」を表示し(S1030)、保留発生時処理(S1000)を終了する。
また、受信した始動入賞時コマンドが第2始動入賞時コマンド(第2始動入賞に基づくもの始動入賞時コマンド)である場合には(S1010;YES)、保留表示領域27cにおいて先行する領域(先に処理される保留に対応する保留図柄が表示される領域)に、第1保留図柄が表示されているか否かを判断する(S1015)。そして、先行する領域に第1保留図柄が表示されていない場合には(S1015;NO)、空き領域において最上位のものに「第2保留図柄」を表示し(S1030)、保留発生時処理(S1000)を終了する。
これに対して、先行する領域に第1保留図柄が表示されている場合には(S1015;YES)、第1保留図柄を、保留表示領域27cにおける下位の領域(後に処理される保留に対応する保留図柄が表示される領域)に移行し、第1保留図柄が表示されていた領域に「第2保留図柄」を表示する(S1020)。つまり、第1保留図柄の表示の前に「第2保留図柄」の表示を割り込ませることが行われる。なお、先行する複数の領域に第1保留図柄が表示されている場合には、これらの第1保留図柄の前に「第2保留図柄」の表示を割り込ませることが行われる。この後、保留発生時処理(S1000)を終了する。
b.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)においては、図33に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)および特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、大当り時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1115)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S1110;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、外れ時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1120)。なお、S1115の処理およびS1120の処理については後述する。
サブ制御基板220のCPU220aは、S1115若しくはS1120の処理を終了すると、S1140の処理を行う。このS1140の処理では、S1115若しくはS1120の処理でセットされた演出パターンテーブル(大当り時用若しくは外れ時用)を用いて乱数抽選を行い、図柄変動演出の演出パターンを決定する(S1140)。ここで、S1115の処理を経たS1140の処理では、S1115の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様やリーチ表示の具体的な態様等、疑似図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される(S1140)。具体的には、リーチ演出(「ノーマルリーチ演出」、「疑似連演出」)の具体的な内容(背景図柄の種類、登場させるキャラクタ等)や、リーチ表示を構成する疑似図柄の種類、仮停止表示する疑似図柄の種類等が決定される(S1140)。また、S1115の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等が選択・セットされる(S1140)。
また、S1120の処理を経て実行されるS1140の処理では、演出表示装置27の表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等、疑似図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンを決定する処理を行う。具体的には、S1120の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、リーチ表示を行わない場合の「単純外れ演出」の具体的な内容や、リーチ表示を行う場合のリーチ演出(「ノーマルリーチ演出」、「疑似連演出」)の具体的な内容、リーチ表示を構成する疑似図柄の種類、仮停止表示する疑似図柄の種類等が決定される(S1140)。また、S1120の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等も選択・セットされる(S1140)。なお、S1105の処理で受信した変動パターン指定コマンドが特図1図柄変動開始処理(S500a)で送信されたものである場合には(図24のS572を参照)、S1140の処理において「第1図柄変動演出(図16を参照)」を実行するための演出パターンが決定される。また、S1105の処理で受信した変動パターン指定コマンドが特図2図柄変動開始処理(S500b)で送信されたものである場合には(図24のS572を参照)、S1140の処理において「第2図柄変動演出(図17を参照)」を実行するための演出パターンが決定される。
CPU220aはS1140の処理を行うと、疑似図柄の停止図柄(確定表示する図柄)をセットする処理を行った後(S1145)、S1150の処理に移行する。ここで、S1115の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。また、S1120の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「外れ停止図柄」として「外れを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。
S1150の処理では、S1140の処理で決定した「演出パターン」およびS1145の処理で決定した「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を開始させる(S1150)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出を開始させる。
この後、S1160の処理において、サブ制御部220Aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止コマンド(CZE)を受信したと判断すると(S1160;YES)、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させ(S1165)、図柄変動演出を終了させる。これにより、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)を用いた図柄変動演出も終了する。
c.保留消化時処理(S1200)
保留消化時処理(S1200)においては、図32(b)に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時コマンドを受信すると(S1205;YES)、「第1領域D1」の表示されている保留図柄を消去し(S1210)、保留消化時処理(S1200)を終了する。なお、図柄変動開始時コマンドの受信時に、複数の領域(第1領域D1〜第8領域D8のうち、複数の領域)に保留図柄が表示されている場合には、第2領域D2以降の領域の保留図柄が1つ上位の領域(例えば、第2領域D2の1つ上位は第1領域D1)に移行する(シフトする)。
(7)遊技機1による遊技性の特徴
次に、図34〜図40を用いて、本実施例の遊技機1による遊技性の特徴について説明する。なお、以下の説明において、第1当否判定によって発生する大当りを「特図1大当り」と称し、第2当否判定によって発生する大当りを「特図2大当り」と称することがある。なお、図34〜図40において、「特図1」とは「第1特別図柄」を示し、「特図2」とは「第2特別図柄」を示す。また、「第1特別図柄」や「第2特別図柄」の変動表示を示す部分(タイム図の立ち上がり部分)において、ハッチング表示は図柄変動遊技の結果を示す図柄が一定時間(0.6秒間)停止表示されることを示している。
図34に示す「ケース1」と、図35に示す「ケース2」は、低確率通常変動状態において遊技を行う場合を示している。ここで、低確率通常変動状態では開放延長手段が作動しないため、遊技球が流入口77aを通じて第2ルートL2に流入して第2始動入賞を生ずる可能性は低い。このため、専ら、遊技球が入球口73aを通じて始動入賞装置17に入賞することによって、第1始動入賞と、第2始動入賞とが略半々の割合で交互に生ずることになる。
また、「ケース1」および「ケース2」は、低確率状態で遊技を行う場合を示しているが、本遊技機1は、低確率状態での大当り確率が「1/160」とされる所謂「ライトミドルスペック」であるため、「ケース1」および「ケース2」の何れにおいても大当りが比較的発生しやすい。よって、「ケース1」および「ケース2」の何れにおいても、遊技者は、より払出予定賞球数の多い大当り遊技(特に、大当り遊技Aや大当り遊技B)の実行契機となる大当り(特図2大当り)の発生と、高確率状態に移行することに期待を寄せつつ、遊技を行うことになる。
図34のケース1では、第1始動入賞および第2始動入賞の発生間隔が長くなり、保留(第1保留、第2保留)が貯まらない状況を示している。このケース1では、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とが交互に時間をおいて実行される。この場合、第1特別図柄の変動表示開始時の第1保留数と、第2特別図柄の変動表示開始時の第2保留数とがともに「1」となる可能性が高いため、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の変動時間は長目に設定される(短縮化状況にならない)可能性が高くなる。
このケース1において、第2特別図柄の変動表示が開始されると、遊技者の「特図2大当りの発生に対する期待感」は高くなる。また、第1特別図柄の変動表示が開始されると、遊技者は「特図2大当りの発生に対する期待感」程は高くないが、「特図1大当りの発生」に対して期待をよせる。ところが、遊技開始からの発射球数が多くなり、特別図柄の累積的変動回数が大当り確率の逆数(160)に近づいたりその逆数を超えたりして、大当りが発生してもおかしくない状況になると、遊技者は第1特別図柄の変動表示中に「緊張感」が高まり、第2特別図柄の変動表示中に「期待感」が高まる。つまり、大当りが発生してもおかしくない状況において第1特別図柄の変動表示が開始されても、遊技者は「特図1大当りが発生して欲しくない」と考えるため、遊技者の緊張感が高められる。また、このケース1においては、第1特別図柄の変動表示の変動時間は長目に設定される可能性が高いため、遊技者が「緊張感」を味わう時間が長くなる。
図35に示すケース2では、第1始動入賞および第2始動入賞の発生間隔が短くなり、保留(第1保留、第2保留)が貯まる状況を示している。このケース2においては、第1始動入賞および第2始動入賞が頻繁に発生し、第1保留と第2保留が次々に記憶され、第2特別図柄の変動表示が連続的に実行される事態を生ずる。この場合、期待感を長時間(第2特別図柄の変動表示が連続する時間)味わうことになる。
このように、本実施例によると、開放延長手段が作動しない状況の下でも、第1始動入賞および第2始動入賞の発生間隔が短くなることで、従来においては開放延長手段が作動しなければ体験できなかった遊技(優先変動に係る遊技)を体験することができる。このため、第2特別図柄の優先変動を体験したいと考える遊技者は、「止め打ち」を行うことなく、遊技球を次々に発射して保留(第1保留、第2保留)を貯めようと考えるため、本実施例によると、遊技機1の稼働効率を高めることができる。特に、従来の遊技機では、リーチ演出が開始されると、遊技者は遊技球の発射を停止する可能性があるが、本遊技機1では、優先変動を更に続けたいと考える遊技者が遊技球を次々に発射して保留(第1保留、第2保留)を貯めようとするため(第2保留が「ゼロ」になることを避けようとするため)、その分、遊技機1の稼働効率を高めることができる。
図36および図37を用いて示す「ケース3」は、10R確変大当り、5R確変大当り、3R確変大当りの何れかの発生に基づく大当り遊技の終了後において、高確率短縮変動状態で遊技を行う場合を例示している。ここで、高確率短縮変動状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「15回」になるまで継続される。このケース3では遊技状態が高確率状態であるため、遊技者はより有利な大当り(特図2大当り)を得ることのみならず、この有利な大当りを連続的に発生させることに期待を寄せて、遊技を行うことになる。
また、高確率短縮変動状態においては、開放延長手段が作動するため、遊技球が流入口77aを通じて第2ルートL2に流入して第2始動入賞を生ずる可能性が高くなる。このため、遊技球が入球口73aを通じて始動入賞装置17によって、第1始動入賞と、第2始動入賞とが略半々の割合で交互に生ずるとともに、流入口77aを通じて第2ルートL2に流入して第2始動入賞を生ずる。なお、遊技者が右領域11Rに向かって遊技球を発射すること(所謂「右打ち」をすること)で、流入口77aへの入球が生じ易くなるとともに、始動入賞装置17の入球口73aに入球する遊技球は、右側のワープ通路21zに進入した遊技球となる可能性が高くなる。
このケース3では、流入口77aの開放頻度が高められ、第2始動入賞の発生頻度が高められるため、遊技者が遊技球を連続発射することで、図36に示すように、第2保留を次々に発生させる(例えば、第2保留数を上限個数に維持する)状態を生じ易いため、第2特別図柄の変動表示が優先的に実行される期間を継続させることが容易である。このため、遊技者の期待感が、一定時間に亘って高められ、遊技者の遊技興趣を効果的に高めることができる。
また、高確率短縮変動状態(ケース3)においても、図37に示すように、暫く、始動入賞(第2始動入賞および第1始動入賞)の発生頻度が低下する事態を生ずることがある。この結果、第2保留数が「ゼロ」となり、第1特別図柄の変動表示が実行される場合があるが、その変動表示の実行時間(変動時間)は短縮変動状態に従う時間となる(第2特別図柄の変動表示を優先的に行っているときに、第1保留が貯まっている可能性が高いからである。)。このとき、遊技者は、「折角、高確率状態に移行したのであるから、より有利な大当り(特図2大当り)を連続的に発生させなければ割が合わない」と考えつつ遊技を行っているため、第1特別図柄の変動表示中には「当たらないで欲しい(特図1大当りを発生しないで欲しい)」と考える。よって、第1特別図柄の変動表示中に「遊技者の緊張感」が高まることになるが、第1特別図柄の変動時間が短縮変動状態に従う時間となるため、遊技者は直ぐに「緊張感」から抜け出すことができる。
図38を用いて示す「ケース4」は、2R確変大当りの発生に基づく大当り遊技の終了後において、高確率通常変動状態で遊技を行う場合を例示している。ここで、高確率通常変動状態も、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「15回」になるまで継続される。このケース4においても遊技状態が高確率状態であるため、遊技者はより有利な大当り(特図2大当り)を得ることのみならず、この有利な大当りを連続的に発生させることに期待を寄せて、遊技を行うことになる。
但し、高確率通常変動状態においては、開放延長手段が作動しないため、遊技球が流入口77aを通じて第2ルートL2に流入して第2始動入賞を生ずる可能性が低くなる。このため、始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)は主に、遊技球が入球口73aを通じて始動入賞装置17に入賞することによって生ずる。
この高確率通常変動状態においては、開放延長手段が作動しないものの、遊技者が連続発射した遊技球が入球口73aを通じて始動入賞装置17に効率的に入賞すると、第2保留が次々に発生する状態(例えば、第2保留数を上限個数に維持する状態)生ずることがある。この場合、第2特別図柄の変動表示が優先的に実行される期間を作り出すことができるが、その際、遊技機1の遊技状態が非短縮変動状態となり、第2特別図柄の変動表示が一定時間(短縮されない時間)を費やして行われる。
つまり、開放延長手段が作動しない状態で第2保留が次々に発生すれば、第1保留も次々に発生することになるため、第1保留数と第2保留数との合計保留数が多くなり、本来、第2特別図柄の変動表示の実行時間(変動時間)は短くされるはずである。ところが、この高確率通常変動状態においては、遊技機1の遊技状態が非短縮変動状態となるため、第2特別図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が一定時間(短縮されない時間)とされ、保留(第1保留、第2保留)を蓄積することが容易とされる。
このように、開放延長手段が作動しない状況の下でも、第1始動入賞および第2始動入賞の発生間隔が短くなるように遊技がなされることで、優先変動に係る遊技を体験することができる。そして、このケース4においても遊技状態が高確率状態であり、遊技者はより有利な大当り(特図2大当り)を得ることを意図して遊技を行うことになるため、「可能な限り、第1特別図柄の変動表示を行いたくない」と考える。よって、遊技球を次々に発射して保留(第1保留、第2保留)を貯めようとするため、結果として、遊技機1の稼働効率を高めることができる。そして、優先変動を確実に行いたいと考える遊技者は、たとえ、リーチ演出が開始されても、遊技球を次々に発射して保留(第1保留、第2保留)を貯めようとするため、その分、遊技機1の稼働効率を高めることができる。
(8)実施例の効果
本遊技機1では、第1検知部(第1始動口入賞検知スイッチ17s)によって遊技球が検知される状態と、第2検知部(第2始動口入賞検知スイッチ17t)によって遊技球が検知される状態とが交互に発生するにもかかわらず、第2特別図柄が優先的に変動される。しかも、第2特別図柄の変動表示の結果が大当りの場合に遊技者に付与する利益量が、第1特別図柄の変動表示の結果が大当りの場合に遊技者に付与する利益量のよりも有利とされるので、第2特別図柄の優先変動が継続されると、利益量が多い有利な大当りの発生(第2特別図柄に基づく大当り)を期待する状況が続くといった遊技性を、普段から(開放延長手段が作動するか否かにかかわらずに)遊技者に体感させることができる。
つまり、何れか一方の検知部(第1検知部若しくは第2検知部)によって遊技球が検知される状態を高頻度に発生させる遊技状態とするまでもなく、大当り発生を期待する状況が続いたりするといった「減り張りの利いた遊技性」を遊技者に体感させることができる。そして、本遊技機1によると、このように普段から「減り張りの利いた遊技性」を遊技者に体感させることができるため、遊技興趣の向上を図ることが容易である。
また、本遊技機1では、出球無し大当り(2R確変大当り)を発生させ、大当り遊技Dを実行することに基づいて、遊技機1の遊技状態を非短縮変動状態に移行させることで、第2特別図柄変動時間(第2特別図柄の変動時間)が「保留を蓄える上で十分な時間」とされる。これにより、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行頻度を高めることができるため、普段から(開放延長手段が作動するか否かにかかわらずに)、利益量が多い有利な大当り(第2特別図柄に基づく大当り)の発生を期待する状況が続くといった遊技性を遊技者に体感させることが更に容易である。
また、本実施例では、図39に示すように、8個の領域(第1領域D1、第2領域D2、第3領域D3、第4領域D4、第5領域D5、第6領域D6、第7領域D7、第8領域D8)を「横並びの一列」に備える保留表示領域27cに対して、第1特別図柄に関する保留表示(保留図柄)と、第2特別図柄に関する保留表示(保留図柄)とを消化順に集約表示する。これにより、保留が最大8個存在することを遊技者にアピールできるとともに、遊技者にとって有利・不利の差がある特別図柄の変動表示の実行順序(消化順序)を明確に示すことができる。よって、有利な特別図柄の変動表示の実行に対する期待感を高めたり、不利な特別図柄の変動表示の実行に対する緊張感を高めたりすることを効果的に実現できる。
例えば、図39の「B1」のケースでは、第2保留の個数が上限個数に達していることが即座に理解できるため、遊技者は余裕を持って遊技を行うことができる。一方、図39の「B2」のケースでは、第2保留の個数が最小個数に達しているとともに、第1保留の消化タイミングが近づいていることが即座に理解できるため、遊技者は「あせり」を感じつつ緊張感を持って遊技を行うことになる。この状態で、遊技者が遊技球を連続発射して始動入賞装置17への入球を次々に発生させると、第1特別図柄に関する保留表示が次々に下位の領域に移行する(図39の「B3」、「B4」)。よって、遊技者は、遊技球を積極的に連続発射したことによる効果を認識することになり、以後、当該遊技者による遊技球の積極的な連続発射を期待できるため、遊技機1の稼働効率の低下を防止することができる。