以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、ぱちんこ機100等の弾球遊技機(封入式のものも含む)やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
<実施形態1>
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るぱちんこ機100の全体構成について説明する。なお、同図はぱちんこ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
ぱちんこ機100は、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにぱちんこ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能である。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。以下、遊技盤200の表側というときは、この遊技領域124をさすことがある。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、ぱちんこ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すぱちんこ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射する。
遊技盤200は、前面(表側)に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
図2は、図1のぱちんこ機100を背面側から見た外観図である。
ぱちんこ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してぱちんこ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、ぱちんこ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。図3に示す遊技盤200はいわゆる右打ち機の遊技盤である。遊技盤200は、遊技盤200の本体(あるいは遊技盤200の構成部品の支持体)となる遊技板201を備える。遊技板201は、板状の部材であり、その遊技者側の正面を表面と呼ぶ場合があり、反対側の背面(奥側の面)を裏面と呼ぶ場合がある。遊技板201は全体が透明な部材であってもよく、一部が透明な部材であってもよく、全体が非透明な部材であってもよい。遊技板201には以下の各構成が設けられている。
遊技板201には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。一般的に知られる右打ち機の遊技盤においては、遊技者の操作によって、遊技球を打ち出す強さを変化させることで、普図変動に係るゲートおよび第2特図始動口と、第1特図始動口とに分けることができる。具体的には、一般的に知られる右打ち機では、遊技領域124に対し、遊技釘238等の配設により、第一特図始動口へ入球するルートである第1の領域(遊技領域における左側領域)を転動する遊技球は第2特図始動口への入球が困難又は不可能に構成され、その逆に第2特図始動口が備えられた第2の領域(遊技領域における右側領域)を転動する遊技球は第1特図始動口への入球が困難又は不可能に構成されている。
図3に示す遊技盤200では、第1特図始動口230と、一対の羽根部材2321が設けられた、いわゆる電動チューリップ(電チュー)式の第2特図可変始動口232と、一対の羽根部材2321が設けられていない第2特図固定始動口233が用意されており、第1の領域(遊技領域における左側領域)を転動する遊技球は、主として、第1特図始動口230への入賞が期待でき、第2の領域(遊技領域における右側領域)を転動する遊技球は、主として、ゲート228の通過と第2特図可変始動口232、および、第2特図固定始動口233への入賞が期待できる。なお、本発明は、図3に示す遊技盤200の右打ち機に限って適用されるものではなく、上述の一般的に知られる右打ち機や、さらには、広く一般の遊技盤を備えたぱちんこ機にも適用することができる。
遊技領域124の、右斜め上から中央部分、さらに中央部分の下方にかけて演出装置206を配設している。この演出装置206には、右斜め上から中央部分にかけて装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普図表示装置210と、第1特図表示装置212と、第2特図表示装置214と、普図保留ランプ216と、第1特図保留ランプ218と、第2特図保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための画像表示装置であり、本実施形態のぱちんこ機100では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態のぱちんこ機100では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態のぱちんこ機100では7セグメントLEDによって構成する。これらの普図表示装置210、第1特図表示装置212は第一の図柄変動表示手段の一例に相当し、第2特図表示装置214は第二の図柄変動表示手段の一例に相当する。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄である。
普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214(報知手段)の表示領域(ここでは7ゼグメントの大きさが相当)と装飾図柄表示装置208(図柄表示手段)の表示領域(ここでは表示画面の大きさが相当)とでは、装飾図柄表示装置208の表示領域の方が大きい。また、本実施形態のぱちんこ機100では、普図表示装置210、第1特図表示装置212、および第2特図表示装置214は、動画の表示が不可能であるのに対して、装飾図柄表示装置208は動画の表示が可能である。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態のぱちんこ機100では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態のぱちんこ機100では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。ここにいう保留とは、後述する始動情報に基づく各種判定処理(当否判定処理等)の開始を保留することを意味する。
高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。
また、演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、ゲート228と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態のぱちんこ機100では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態のぱちんこ機100では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
ゲート228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態のぱちんこ機100では遊技盤200の右側に1つ配設している。ゲート228は、右打ちすることによって進入が期待される始動口である。ゲート228を通過した球は一般入賞口226に入球した球とは違って、遊技島側に排出することはない。球がゲート228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、ぱちんこ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
可変入賞口234は、本実施形態のぱちんこ機100では遊技盤200の右側に一つだけ設けられており、右打ちすることによって入球が期待される入賞口である。この可変入賞口234は、入賞開口と、ソレノイドによってその入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。すなわち、可変入賞口234は、所定の第1の開閉状態(ここでは閉状態)およびその第1の開閉状態よりも遊技球の入賞が容易な第2の開閉状態(ここでは開状態)のうちの一方から他方に開閉状態を変化可能な可変入賞手段であり、特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。なお、可変入賞口234における閉状態は必ずしも完全に閉塞した状態である必要はなく、少し開いていても、遊技球の入球が不可能あるいは困難な状態であればよい。また、本実施形態では可変入賞口234は、扉型のアタッカであるが、シャッター型のアタッカであってもよい。
可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。可変入賞口234に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図可変始動口232は、本実施形態のぱちんこ機100では右側に1つだけ配設している。第2特図可変始動口232は、右打ちすることによって入球が期待される始動口である。この第2特図可変始動口232は、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321を備えており、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図可変始動口232の開口への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材2321が閉じたままでは第2特図可変始動口232の開口への入球は不可能であり、一対の羽根部材2321が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。
一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図可変始動口232の開口への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材2321が開いた開状態は入賞容易な状態である。すなわち、第2特図可変始動口232は、入り口(遊技球の進入口)の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する、遊技球の進入のしやすさが可変の可変始動領域であって、第二の始動領域の一例に相当する。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。
一対の羽根部材2321が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図可変始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさ以下である。第2特図可変始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図可変始動口232に入球した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
なお、以下の説明では、第2特図可変始動口232および第2特図固定始動口233を総称して第2特図始動口と称することがある。
本実施形態のぱちんこ機100では、装飾図柄表示装置208の下方に、通路構造1を設けている。通路構造1は、遊技球の通路を形成する通路形成構造である。通路構造1の詳細は後述するが、概略を述べると、本実施形態の場合、通路部10と、振分部11と、通路部12および13とを備えた通路ユニットを構成している。通路部10、12および13は、いずれも遊技球1つが通過可能な断面形状ないし断面サイズを有していてもよい。通路部10の上端部には、入口部10aが設けられており、遊技領域124を流下する遊技球が進入可能である。入口部10aに進入した遊技球は、通路部10を通過し振分部11において通路部12または通路部13に振り分けられる。
第1特図始動口230は、通路部12の内部にあり、通路部12の下側の端部(本実施形態の場合、遊技板201の裏側に位置する)には始動入賞領域R1が設定されており、この始動入賞領域R1を遊技球が通過することで第1特図始動口230に入賞する。より具体的には、始動入賞領域R1に遊技球の検出位置が設定された球検出センサが配置されており、球検出センサにより遊技球が検出されると第1特図始動口230に入賞したことが検出される。
第1特図始動口230に入賞すると、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。第1特図始動口230に入賞した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
なお、本実施形態では、始動入賞領域R1を通路部12の途中に設定して通路部12を通過する遊技球を検出して、第1特図始動口230に入賞することを検出する構成としたが、始動入賞領域R1を通路部12の外部に設定し、通路部12を通過して排出された遊技球を検出して、第1特図始動口230に入賞したことを検出してもよい。
なお、本実施形態の場合、第1特図始動口230に隣接して通路部12の側部に、図15等を参照して後述する開口部OP1が形成されている。したがって、第1特図始動口230に入賞する場合としては、開口部OP1を通って第1特図始動口230に入球し、始動入賞領域R1を通過する場合の他、入口部10aから通路構造1に進入し、通路部12に振り分けられて第1特図始動口230に入球し、始動入賞領域R1を通過する場合もある。入賞態様(入賞ルート)が複数種類となるので、遊技の興趣を向上できる場合がある。
なお、入口部10aから通路構造1に進入し、通路部12に振り分けられたが、開口部OP1から通路構造1の外部へ放出される場合もあり、この場合は、第1特図始動口230に入賞しない。
第2特図固定始動口233は、通路部13の内部にあり、通路部13の下側の端部(本実施形態の場合、遊技板201の裏側に位置する)には始動入賞領域R2が設定されており、この始動入賞領域R2を遊技球が通過すると第2特図固定始動口233に入賞する。より具体的には、始動入賞領域R2に遊技球の検出位置が設定された球検出センサが配置されており、球検出センサにより遊技球が検出されると第2特図固定始動口233に入賞したことが検出される。
第2特図固定始動口233に入賞すると、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。第2特図固定始動口233に入賞した球は、遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
なお、本実施形態では、始動入賞領域R2を通路部13の途中に設定して通路部13を通過する遊技球を検出して、第2特図固定始動口233に入賞したことを検出する構成としたが、始動入賞領域R2を通路部13の外部に設定し、通路部13を通過して排出された遊技球を検出して、第2特図固定始動口233に入賞したことを検出してもよい。
なお、本実施形態の場合、第2特図固定始動口233に隣接して通路部13の側部に、図15等を参照して後述する開口部OP2が形成されている。したがって、第2特図固定始動口233に入賞する場合としては、開口部OP2を通って始動入賞領域R2を通過する場合の他、入口部10aから通路構造1に進入し、通路部13に振り分けられて始動入賞領域R2を通過する場合もある。入賞態様(入賞ルート)が複数種類となるので、遊技の興趣を向上できる場合がある。
なお、入口部10aから通路構造1に進入し、通路部13に振り分けられたが、開口部OP2から通路構造1の外部へ放出される場合もあり、この場合は、第2特図固定始動口233に入賞しない。
本実施形態では、左右方向に開口している開口部OP1や開口部OP2よりも、上方向に開口している入口部10aの方が遊技領域を流下する遊技球が進入しやすく構成されている。
すなわち開口部OP1、開口部OP2、入口部10aのいずれかに遊技球が入賞した場合には、ほぼ(確実に、または高確率で)始動入賞領域R1またはR2を通過するが、相対的な数としては、入口部10aからの遊技球の入賞数が多くなる構成となっている。
通路構造1は、その全体または一部が透過性を有していてもよい。透過性を有することで、遊技者が通路構造1の内部を視認可能な場合があり、遊技球の振分を視認あるいは推測することができる場合がある。
なお、可変入賞口234は、遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設する態様であってもよい。この態様によれば、大当り遊技中は左打ち、大当り遊技終了後に電サポ状態へ移行した場合は右打ちすることが遊技者に薦められる。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球を遊技盤200の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このぱちんこ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら遊技領域124を流下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、またはゲート228を通過するのみでアウト口240に到達する。
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は装飾図柄表示手段の一例に相当する。
<制御部>
次に、図4を用いて、ぱちんこ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。ぱちんこ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、ぱちんこ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300、400、500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段(例えば、主制御手段、第一副制御手段、第二副制御手段)ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300、400、500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段(副制御手段)ととらえることもできる。
<主制御部>
まず、ぱちんこ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図可変始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
なお、第1特図始動口230に入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、ゲート228を球が通過したことを示す信号を受信した場合も同様に、ゲート228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、ゲート228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、ゲート228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にぱちんこ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。また、主制御部300と払出制御部600との情報通信は双方向の通信であり、主制御部300は払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成し、払出制御部600からも主制御部300にコマンド等の信号を送信できるように構成している。
<副制御部>
次に、ぱちんこ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、を接続している。基本回路402には、チャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428を接続している。
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
第1副制御部400と第2副制御部500を併せた副制御手段は、遊技制御手段である主制御部300からの指令信号を受信し、受信した指令信号に基づいて、装飾図柄表示装置208等の演出手段を制御する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、ぱちんこ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、ぱちんこ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、ぱちんこ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給してもよいし、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
遊技機設置営業店に設けられた島設備では、100Vの交流電源を24Vの電圧に降圧し、ぱちんこ機100には24Vの交流電流が供給される。24Vの交流電流は、主制御部300の電源管理部660によって、12Vの直流電圧に変換される。主制御部300には、図4では図示省略したが電圧変換回路も設けられており、12Vの直流電流は、その電圧変換回路で所定電圧(ここでは5V)にさらに降圧され、所定電圧(5V)の直流電流が主制御部300の基本回路302に設けられたCPU304に供給される。また、電源管理部660によって12Vの電圧に変換された直流電流は、主制御部300の電圧監視回路338や起動信号出力回路340にも供給される。電圧監視回路338は、12Vの供給電流の電圧値が所定の値(この例では9v)未満に低下すると、低電圧信号を基本回路302のI/Oポート310に出力する。したがって、電圧監視回路338は、電源管理部660と電圧監視回路338を結ぶ、12Vの直流電流が流れる電源ラインの電圧値を監視していることになり、この電源ラインが所定の電源ラインの一例に相当する。なお、低電圧信号をCPU304に直接入力するようにしてもよい。また、電源管理部660は、入力された24Vの交流電流をそのまま出力したり、あるいは36Vの直流電流に変換して出力したりもする。さらに、主制御部300のCPU304には、電圧変換回路とは異なる回路を経由して動作電圧(ここでは5V)の電流が供給されてもよい。
また、起動信号出力回路340は、電源投入によって電源管理部660から供給された直流電流の電圧値が、CPU304が動作可能な電圧値にまで達すると、起動信号を出力する。さらに、WDT314がタイムアウトになった場合、CPU304にはWDT314からリセット信号が出力される。WDT3141がタイムアウトになった場合としては、プログラムミスによる暴走した状態や、落雷や不正行為等に起因する電圧降下によりCPU304が本来設計した動作を行うことができなくなった場合等がある。なお、本実施形態では、WDT3141に、初期値として32.8msに相当する数値が設定されている。起動信号出力回路340からの起動信号と、WDT3141からのリセット信号は、共通の信号線によってCPU304に入力されるが、それぞれ専用線によって入力されるようにしてもよい。ここで説明した、起動信号出力回路340から出力される起動信号や、WDT314から出力されるリセット信号が、所定の起動信号の一例に相当する。
電源が遮断され即座に復帰した瞬停の場合、すなわち電源スイッチ178をオンすることなく自動復帰した場合には、停電圧信号が出力されるとともにWDT3141がタイムアウトになり、主制御部300ではリセット処理が実行される。このリセット処理では、まず、実行されるリセット動作が、システムリセット動作か否か判定される。基本回路302で実行されるリセット動作には、システムリセット動作とユーザリセット動作の2つがある。ここで、システムリセット動作を実行する場合には、CPU304のコアや内蔵レジスタの値を初期化する。続いて、セキュリティチェック処理が実行される。セキュリティチェック処理では、ユーザプログラムを基に計算された認証コードが正しいか否か再計算を行う。認証コードが正しい場合には、延長処理が実行される。延長処理における延長時間は固定時間であってもよいし、固定時間にランダムに選択されたランダム時間を加えた時間であってもよい。延長処理が終了すると、後述する主制御部300のメイン処理が実行され、遊技制御が開始される。一方、ユーザリセット動作を実行する場合にも、CPU304のコアや内蔵レジスタの値を初期化する。ただし、乱数生成回路318を制御するレジスタの値はリセット前の状態が維持される。その後、後述する主制御部300のメイン処理が実行され、遊技制御が開始される。
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、ぱちんこ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図5(a)は特図の停止図柄態様(第1の図柄態様)の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第一球検出センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始される、一方、第2特図固定始動口233に球が入球したことを球検出センサである第二球検出センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始され、第2特図可変始動口232に球が入球したことを球検出センサである第三球検出センサが検出したことを条件としても特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図1の図柄変動表示)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図2の図柄変動表示)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を特図の変動表示と称することがある。この特図の変動表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」の10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
本実施形態では、特図の停止図柄態様として、6種類の大当り図柄(「特図A」から「特図F」)が用意されている。「特図A」は15ラウンド(R)特別大当り図柄であり、「特図C」は2R特別大当り図柄であって、突然確変と称される。これらの図柄(特図A、C)が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図高確率状態になる。「特図B」は15R大当り図柄であり、「特図D」は2R大当り図柄であって、突然時短と称される。特図Bまたは特図Dが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図高確率状態になる。「特図E」は、隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄である。特図Eが停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図低確率状態になる。特図Fが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図低確率状態になる。
ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が15回続くことを意味する。すなわち、1回の作動が、開閉状態が第1の開閉状態(ここでは閉状態)から第2の開閉状態(ここでは開状態)に変化する特定変化の一例に相当し、可変入賞口234は、大当り遊技中に、この特定変化を複数の定数回(15ラウンドの場合であれば15回)行うものである。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。本実施形態のぱちんこ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと、特別大当りあるいは時短大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当りあるいは時短大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。
本実施形態では、大当り遊技中には特図低確率状態へ移行し、特図A、特図C、および特図Eに当選した場合には、大当り遊技終了後、次に大当りするまで特図高確率状態が維持される。一方、特図B、特図D、および特図Fに当選した場合には、大当り遊技終了後も特図低確率状態のままである。特図低確率状態は第1の確率制御状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率制御状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがある。なお、本明細書では制御状態という遊技台(ぱちんこ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率制御状態の移行は主制御部300が行い、主制御部300は、確率制御状態移行手段の一例に相当する。
また、特図A〜Dに当選すると、いずれも大当り遊技終了後、電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。
この電サポ状態は、このぱちんこ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグも用意されており、時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/101であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/101に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では1.2秒に短縮される。
また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図可変始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.3秒の電チュー開放期間が電サポ状態では1.7秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、ゲート228への1回の球の通過につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では3回開く(例えば、1.7秒開放することを3回繰り返し、開放と開放の間の閉鎖時間は1.6秒)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図可変始動口232に入球する確率が高まる。
なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図可変始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、第2特図可変始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図可変始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図可変始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図可変始動口232は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって大サイズである。本実施形態では、特図Aおよび特図Cが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持され、特図Bおよび特図Dが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、101回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(特図E、特図F)に当選した場合には、大当り遊技終了後に電サポ状態に移行しない。非電サポ状態では、第2特図可変始動口232は、入り口が小サイズに維持される。一方、上述のごとく、電サポ状態では、第2特図可変始動口232は、入り口が大サイズになり、遊技球の進入率が高められる。すなわち、非電サポ状態では、遊技球が可変始動領域である第2特図可変始動口232に第1の進入率で進入するのに対して、電サポ状態では、遊技球が第2特図可変始動口232に上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で進入する。したがって、非電サポ状態が第一の進入率制御状態の一例に相当し、電サポ状態が第二の進入率制御状態の一例に相当する。
本実施形態のぱちんこ機100によれば、仮に非電サポ中に、右打ちを行って第2特図可変始動口232への遊技球の入賞を狙ったとしても、普図変動遊技の変動時間(10秒)、普図低確率状態(1/101)、第2特図可変始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間(0.3秒)の構成により入賞しにくい状態である。
さらに、本実施形態では、大当り図柄の他に小当り図柄として2種類の停止図柄が用意されている。図5(a)に示す、特図Gは第1小当り図柄であり、特図Hは第2小当り図柄である。小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が所定回(例えば15回)作動し、その扉部材2341は、1回の作動につき開状態を最大で1.5秒間しか維持しない。小当りにおける扉部材2341の開放では、例えば、1回目の開放で、遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、2回目以降の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない役であり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
大当り遊技および小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が1または複数回の開閉動作を行い、遊技者の有利度が相対的に高い状態になる。
また、本実施形態では、ハズレ図柄も2種類用意されている。図5(a)に示す、特図Iは第1ハズレ図柄であり、特図Jは第2ハズレ図柄である。ハズレ図柄が停止表示されると、可変入賞口234の扉部材2341は開閉動作を行わず、遊技者の有利度が相対的に低い状態になる。なお、「特図I」と「特図J」以外のハズレ図柄(例えば、第3のハズレ図柄等)をさらに用意しておいてもよく、本実施形態ではハズレ図柄は複数種類の図柄を含むものである。
以上説明したように、本実施形態のぱちんこ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の当り制御状態(大当り制御状態および小当り制御状態)と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度のハズレ制御状態とが用意され、ぱちんこ機100は当り制御状態(第二の制御状態)とハズレ制御状態(第一の制御状態)のうちのいずれか一方の制御状態をとる。これらの制御状態の移行も主制御部300のCPU304が行い、主制御部300のCPU304は、制御状態移行手段の一例にも相当する。すなわち、主制御部300のCPU304は、第1特図表示装置212または第2特図表示装置214が大当りの図柄態様を停止表示した後に、遊技者に有利な大当り遊技状態を付与する特別遊技状態付与手段の一例にも相当する。なお、小当り制御状態は、可変入賞口234の扉部材2341が開閉動作を行うものの、可変入賞口234への入球はほとんど期待することができないため、小当り制御状態を上記第1の有利度の制御状態(第一の制御状態)ととらえることもできる。
なお、本実施形態のぱちんこ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否判定結果(抽選結果)を報知する報知手段であって、図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様(特図A〜と特図J)を停止表示する図柄変動表示を行う図柄表示手段の一例に相当する。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第一球検出センサが検出したこと、第2特図固定始動口233に球が入球したことを第二球検出センサが検出したこと、あるいは第2特図可変始動口232に球が入球したことを第三球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。
15R大当りである「特図B」または15R特別大当りである「特図A」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ装飾図柄が3つ並んだ装飾図柄の組合せ1(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。
15R特別大当りである「特図A」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ装飾図柄の組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
隠れ確変である「特図E」や、突然通常である「特図F」や、小当りである「特図G」、「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾2−装飾3」といった装飾図柄の組合せを停止表示し、突然確変である「特図C」や、突然時短である「特図D」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾3−装飾5」といった装飾図柄の組合せを停止表示する。
ハズレである「特図I」、「特図J」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、大当りあるいは小当りとなる装飾図柄の組合せ以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a〜cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
図5(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、ハズレ図柄である「普図B」の2種類がある。ゲート228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とハズレ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を普図の変動停止表示と称することがある。普図表示装置210は補助図柄報知手段の一例に相当する。
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300のRAM308には、大当り用特図1乱数カウンタ、小当り用特図1乱数カウンタ、ハズレ用特図1乱数カウンタ、およびこれらのカウンタの特図2用のカウンタが設けられている。また、RAM308には、特図変動時間第1判定乱数値、および特図変動時間第2判定乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタも設けられている。さらに、そのRAM308には、特図1の保留数、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1当否判定結果、特図1決定結果、特図1変動時間、およびこれらの、保留数や乱数値や結果の特図2用のものがそれぞれが記憶される。またRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、後述するように、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値の5つの乱数値を1セットにしてこれら5つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップSA01では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップSA03では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップSA05では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップSA03に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップSA07に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップSA03に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップSA05は繰り返し実行される。
ステップSA07では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップSA09では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップSA13)に進む。
具体的には、最初に、図2に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップSA13に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップSA13に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップSA11に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、ぱちんこ機100を初期状態にすべくステップSA13に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップSA13に進む。
ステップSA11では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、ぱちんこ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップSA15内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップSA11では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップSB33において、第1副制御部400へ送信される。
ステップSA13では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップSA13)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップSB33において、第1副制御部400へ送信される。
ステップSA15では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、大当り用特図乱数値カウンタ、小当り用特図乱数値カウンタ、およびハズレ用特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための4つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図1変動時間決定用乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値をそれぞれ生成するための3つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、このステップSA15の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップSB01では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップSB03では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップSB05では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップSB05では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップSB05では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップSB05では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233への入球、またはゲート228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口234やこれらの始動口230、232、233への入賞、ゲート228の通過があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップSB07およびステップSB09では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップSA15で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、普図タイマ乱数、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1変動時間決定用乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶し
ておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1に関する乱数値を取得するためのカウンタと特図2に関する乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップSB11では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップSB13では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップSB15では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234や始動口230、232に入賞、ゲート228の通過があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口またはゲートごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップSB17では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満である場合には、所定の始動情報を取得する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値を取得する。ここで取得した特図1当選乱数値は、ハードウェア乱数を加工した値(ハードウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。一方、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値は、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報を生成して導出するものであり、始動情報導出手段(第1の始動情報導出手段、第2の始動情報導出手段)の一例に相当する。ここで取得された各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(第1の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第1上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図1の保留数の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。また、特図2についても、特図1と同様に始動情報である各乱数値を取得し、取得した乱数値をRAM308に設けた特図2の保留記憶部に、1セットの始動情報として同様に記憶され、さらに、RAM308に記憶されている特図2の保留数の値に1を加算する。特図2の保留記憶部は、第2特図始動口(第2の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第2上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶さ
れた値を特図2の保留記憶部に記憶してもよく、この場合一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよいし、特図2の保留記憶部および一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよい。
本実施形態のぱちんこ機100は、入賞順変動機である。すなわち、第1特図始動口230および第2特図始動口(第2特図可変始動口232あるいは第2特図固定始動口233)の始動口に入賞した順に特図変動遊技(特図の図柄変動表示)が行われる。入賞受付処理では、特図1と特図2の間で、入賞の順番がわかるように始動情報が記憶される。
また、ゲート228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を始動情報である普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより、第1特図始動口230、第2特図可変始動口232、第2特図固定始動口233、ゲート228、または可変入賞口234の入賞(入球)または通過を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、第2特図始動口、ゲート228、および可変入賞口234の入賞(入球)または通過の有無を示す入賞受付情報を設定する。
なお、特図の始動情報にしても普図の始動情報にしても、保留数がそれぞれの所定数以上であれば始動情報を取得せずに、ステップSB19に進む。
ステップSB19では、払出要求数送信処理を行う。図4に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップSB21では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図可変始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。このようにして一対の羽根部材2321の開放制御を行う主制御部300のCPU304が、可変始動領域制御を行う可変始動領域制御手段の一例に相当する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定するとともに、第2特図可変始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)には、何ら信号を出力しない。こうすることで、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持するための信号を必ず出力するようにしてもよい。
また、電サポ状態であった場合には、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する処理では、所定の閉鎖期間(例えば0.1秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、電サポ状態であった場合には、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理において、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップSB23に移行するようにしている。
続いて、ステップSB23では普図関連抽選処理を実行する。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図可変始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
続いて、特図先読み処理(ステップSB24)が実行される。特図先読み処理は、特図保留数記憶領域に記憶された特図保留数が増加すると、当該増加した保留に係る始動情報を先読みして、特図変動遊技の停止図柄等を特図関連抽選処理での当否判定より前に事前判定する。
主制御部300のRAM308内には、特図先読み処理を実行した結果の特図先読み結果(事前判定結果ともいう)を記憶する特図先読み結果記憶部が設けられている。特図1用先読み結果記憶部は、本例では4個まで特図1の先読み結果を格納できるようになっている。また、RAM308内には、特図1用先読み結果記憶部に記憶されている特図1の先読み結果の数を特図1先読み数として記憶する特図1先読み数記憶領域が設けられている。主制御部300は、特図1先読み数が1つ増えるごとに、順位が最下位(最後)の特図1先読み結果の情報の次の順位に新たな特図1先読み結果の情報を書き込む。
主制御部300は、特図1始動情報記憶領域の最先の特図1始動情報を消去する際には同時に特図1用先読み結果記憶部の最先の特図1先読み結果の情報を消去するとともに、特図1先読み数記憶領域に記憶された特図1先読み数を1減算する。また、最先の特図1先読み結果の情報を消去したら、残余の特図1先読み結果の情報の順位が1ずつ繰り上がるように処理する。
特図2用先読み結果記憶部は、本例では4個まで特図2の先読み結果を格納できるようになっている。また、RAM308内には、特図2用先読み結果記憶部に記憶されている特図2の先読み結果の数を特図2先読み数として記憶する特図2先読み数記憶領域が設けられている。主制御部300は、特図2先読み数が1つ増えるごとに、順位が最下位(最後)の特図2先読み結果の情報の次の順位に新たな特図2先読み結果の情報を書き込む。
主制御部300は、特図2始動情報記憶領域の最先の特図2始動情報を消去する際には同時に特図2用先読み結果記憶部の最先の特図2先読み結果の情報を消去するとともに、特図2先読み数記憶領域に記憶された特図2先読み数を1減算する。また、最先の特図2先読み結果の情報を消去したら、残余の特図2先読み結果の情報の順位が1ずつ繰り上がるように処理する。
なお本実施形態では保留の増加分だけ先読み処理をするようにしているが、毎回全保留に対して特図先読み処理を実施するようにしてもよい。また、後述するコマンド設定送信処理(ステップSB33)では、先読み結果の情報を含むコマンドを送信するが、先読み結果の情報は増加分のみ送信してもよいし、全保留に対する先読み結果の情報を送信するようにしてもよい。
次に、特図状態更新処理を行う(ステップSB25)。上述のごとく、本実施形態のぱちんこ機100は、入賞順変動機である。以下、特図1と特図2を区別せずに単に特図、第1特別図柄表示装置212と第2特別図柄表示装置214を区別せずに単に特図表示装置、第1特図始動口230と第2特図始動口を区別せずに単に特図始動口とそれぞれ称して説明することがある。
特図状態更新処理では、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動表示の途中(特図表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図表示装置による特図の変動表示(特図の図柄変動表示)が行われる。
また、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ、確変フラグ、および時短フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、後述する特図関連抽選処理(ステップSB29)における特図決定結果(特図の停止図柄態様)に基づいて、特図表示装置を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図表示装置は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、2R特別大当り図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第2ハズレ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図が所定期間停止表示され、特図変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に値がセットされている場合には、その値が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中や小当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中および小当り遊技状態中(第二の制御状態中)である場合に、非電サポ状態(第一の進入率制御状態)に移行させる。
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であるのか特図1であるのかを表す特図識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図変動遊技の結果が大当りであれば、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、特図表示装置が当りの当否判定結果に対応する図柄態様を停止表示した後で、遊技者に有利な当り制御状態を開始するものであり遊技制御手段の一例に相当する。また、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御を行う可変入賞制御手段の一例にも相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
また、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が表す停止図柄態様に基づいて、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変フラグや時短フラグをオンに設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、後述する特図抽選処理で特図決定結果が「特図A」や「特図C」である場合には確変フラグと時短フラグの双方をオンに設定する。また、特図決定結果が「特図E」である場合には確変フラグと時短フラグのうち確変フラグのみをオンに設定する。さらに、特図決定結果が「特図B」や「特図D」である場合には確変フラグと時短フラグのうち時短フラグのみをオンに設定するとともにRAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットする。確変フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)である。一方、確変フラグがオンに設定されていない(オフに設定されている)と、特図低確率状態である。したがって、確変フラグの設定状態は、当否判定(特図の抽選)の結果に影響を与える。また、時短フラグがオンに設定されていると電サポ状態であり、電チューが開きやすい(例えば当りやすい)、一回の当りに基づく開放時間が長い、一回の当りに基づく開放回数が多いなど可変始動領域制御が遊技者に有利になるように行われる。反対に、時短フラグがオフに設定されていると非電サポ状態であり、可変始動領域制御が遊技者に不利になるように行われる。したがって、時短フラグの設定状態は、可変始動領域制御にも影響を与える。よって、確変フラグおよび/または時短フラグの設定状態を表す情報は、遊技制御情報の一例に相当し、主制御部300のCPU304は遊技制御情報決定手段の一例に相当する。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。さらに、特図変動遊技の結果がハズレであれば、ハズレフラグがオンされる。このハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。特図非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
ステップSB25における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図関連抽選処理(ステップSB29)を行う。この特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。上述のごとく、本実施形態のぱちんこ機100は入賞順変動機であるため、特図関連抽選処理も、特図始動口への入賞順に実施されることになる。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップSB33)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
特図関連抽選処理では、特図についての、当否判定(抽選)の実行、停止表示する特図の決定、ならびに変動時間の決定を行う。特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。特図関連抽選処理では、最初に、所定条件を充足したか否かを判定する。ここでの判定では、まず、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。すなわち、特図表示装置が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には主制御部タイマ割込処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば主制御部タイマ割込処理に戻り、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。当否判定条件についての判定は、RAM308に設けた特図の保留記憶部を参照し、特図変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が0であれば、主制御部タイマ割込処理に戻る。反対に、保留数が1以上であれば、所定の当否判定条件が成立していることになり、RAM308に設けられた特図保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報である1セット分の乱数値(特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、特図1と特図2を合わせて最も過去に格納した始動情報を特図保留記憶部から取り出し、さらに特図保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を特図保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の特図保留記憶部から1セット分の乱数値(特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を取り出す処理を行う主制御部300のCPU304が、始動情報取得手段の一例に相当する。
図9(a)は当否判定用高確率テーブルを示す図であり、同図(b)は当否判定用低確率テーブルを示す図である。これらのテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から始動情報を取り出すと、確変フラグを参照し、確変フラグがオンであれば特図高確率状態であるため、特図当選乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が同図(a)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図当否判定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。一方、確変フラグがオフであれば特図低確率状態であるため、特図当選乱数値が同図(b)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図2当否判定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出することが当否判定に相当する。
次いで、特図当否判定結果に基づいて特図1あるいは特図2の図柄を決定する。
図9(c)は、特図1決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図1決定用テーブルは、当否判定結果ごとに特図1の停止図柄態様(図5(a)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。
主制御部300のCPU304は、特図1当否判定結果が大当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの大当り用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図1決定用テーブル中の、当否判定結果が大当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図1決定結果として「特図A」〜「特図F」を決定する。また、特図1当否判定結果が小当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの小当り用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図1決定用テーブル中の、当否判定結果が小当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図1決定結果として「特図G」または「特図H」を決定する。さらに、特図1当否判定結果がハズレの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちのハズレ用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図1決定用テーブル中の、当否判定結果がハズレのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図1決定結果として「特図I」または「特図J」を決定する。ここで決定した特図1決定結果は、第1特図表示装置212によって停止表示されることになる特図1の図柄態様を表す情報である。
図10は、特図2決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図2決定用テーブルは、当否判定結果ごとに特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。本実施形態では、特図2については、小当りは用意されておらず、2R大当りも用意されていない。すなわち、図5(a)に示す特図の停止図柄態様のうち、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第2ハズレ図柄(特図J)のみが用意されている。したがって、特図1で大当りするよりも、特図2で大当りした方が、出球獲得のチャンスが多く(ラウンド数が多く)、遊技者にとっては有利である。このように、本実施形態のぱちんこ機100では、大当りしたときに特図1と特図2で付加価値に差を設けている。なお、大当りしたときに特図1と特図2で、出球獲得数はほぼ同じものの、大当り遊技中の演出やゲーム性(例えば、特図2で大当りしないと出現しないプレミアム演出を設ける)等に差を設けてもよい。
ただし、本実施形態では、図9(c)に示す特図1決定用テーブルで確変付き大当りに決定される確率は、66%(特図A:50%+特図C:8%+特図E:8%)であり、図10に示す特図2決定用テーブルで確変付き大当りに決定される確率も66%(特図A:66%)であることから確変率は特図1と特図2で同一である。なお、本実施形態は入賞順変動であり、非電サポ時は左打ち操作により特図1変動遊技と特図2変動遊技が交互に(イレギュラー的な入賞を除いて)行われるが、電サポ状態においては右打ち操作により、特図2変動遊技が主に実行されるゲーム性である。そのため、電サポ中は有利な大当りを獲得しやすいといったゲーム性は一般的な特図2優先変動機となんら変わりはない。
主制御部300のCPU304は、特図2当否判定結果が大当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの大当り用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、図10に示す特図2決定用テーブル中の、当否判定結果が大当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図A」または「特図B」を決定する。また、特図2当否判定結果がハズレの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちのハズレ用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、図10に示す特図2決定用テーブル中の、当否判定結果がハズレのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図I」または「特図J」を決定する。ここで決定した特図2決定結果は、第2特図表示装置214によって停止表示されることになる特図2」の図柄態様を表す情報である。
続いて、特図決定結果に基づいて特図1あるいは特図2の図柄変動表示における図柄変動時間(特図変動時間)を決定する。ここでの変動時間の決定には、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの特図変動時間決定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が用いられる。
図11(a)は、特図1変動時間決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図1変動時間決定用テーブルは、テーブル1〜4で構成されており、テーブル1は特図1決定結果が15Rの大当り図柄(特図A、B)であったときに用いられるテーブルであり、テーブル2は特図1決定結果が2R大当り図柄(特図C〜特図F)や小当り図柄(特図G、H)であった場合に用いられるテーブルであり、テーブル3又は4は特図1決定結果がハズレ図柄(特図I、J)であったときに用いられるテーブルである。
テーブル1〜4の各テーブルは、変動時間と、特図1変動時間決定用乱数値の乱数選択範囲との対応関係が規定されている。また、この図11(a)に示す各テーブルには、各変動時間に対応した装飾図柄表示装置208における演出態様を表す変動パターンの名称も参考までに示されている。本実施形態では、特図の変動時間と装飾図柄表示装置208の演出態様は、1対1に対応付けられている。主制御部300が、特図の変動時間に対応した装飾図柄表示装置208の演出態様まで決定してもよいが、本実施形態では、ここで決定された変動時間を表す情報を、第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が、変動時間に対応した装飾図柄表示装置208における演出態様を決定する。本実施形態では、10種類の変動パターンが用意されている。これらの変動パターンには、リーチ演出を伴う変動パターンと、リーチ演出を伴わない変動パターンとがある。本実施形態では、リーチ演出として、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、およびスーパーリーチBが用意されている。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態(リーチ状態)のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。
スーパーリーチAやスーパーリーチBは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたリーチの一種であり、特定キャラクタを登場させてもよい。
なお、スーパーリーチとしては、ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等が知られており、さらには、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等のスペシャルリーチも知られている。本明細書で単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチとスペシャルリーチを含んだ装飾図柄の変動態様を意味する。このリーチは、特図の当否判定(抽選)の結果が当りの判定結果になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に予告する演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。リーチなしは、特図の変動時間が相対的に短く、スーパーリーチは特図の変動時間が相対的に長く、ノーマルリーチは特図の変動時間がリーチなしとスーパーリーチの間の時間になる。
特図1決定結果が特図Aあるいは特図Bであった場合(テーブル1参照)には、ともに電サポ付きの15Rの大当り図柄であり、テーブル1に示すように、65秒の最長変動時間が最も選ばれやすく、15秒の変動時間が最も選ばれにくい。なお、この場合には、装飾図柄表示装置208ではリーチ演出が行われる。
特図1決定結果が2R大当り図柄(特図C〜特図F)や、小当り図柄(特図G、H)であった場合(テーブル2参照)には、一律に12秒の変動時間が選ばれる。なお、この場合には、装飾図柄表示装置208ではリーチなしの変動後に停止表示された装飾図柄の組合せ(装飾図柄の組合せ3、装飾図柄の組合せ4)を一旦消灯させる、いわゆるチャンス目全消灯が行われる。
特図1決定結果がハズレ図柄(特図I、J)であった場合には、電サポ状態であるか否かと、特図1の保留数とに応じて使用されるテーブルが異なる。主制御部300のCPU304は、時短フラグと、RAM308に記憶されている特図1の保留数を参照して、使用するテーブルを決定する。
特図1決定結果がハズレ図柄(特図I、J)であって、非電サポ状態かつ特図1の保留数が3である場合には、テーブル3を使用する。この場合には、特図1の消化を早めるため、3秒の短い変動時間が選択される確率が高く、3秒の変動時間が選択されると、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われず、短縮変動が行われることになる。
特図1決定結果がハズレ図柄(特図I、J)であって、非電サポ状態かつ特図1の保留数が0〜2である場合あるいは電サポ状態である場合(保留数は無関係)には、テーブル4を使用する。テーブル4に示すように、8秒の変動時間(リーチなしのハズレ)が高確率で選択され、低確率ではあるが、10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択されることがある。10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択された場合には、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われる。
以上説明した特図1変動時間決定用テーブルを用いて、特図1変動時間は決定される。
図11(b)は、特図2変動時間決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図2変動時間決定用テーブルは、テーブル5〜8で構成されており、テーブル5は、特図2決定結果が15Rの大当り図柄(特図A、B)であったときに用いられるテーブルであり、図11(a)に示すテーブル1の内容と同じ内容である。テーブル6は、特図2決定結果がハズレ図柄(特図I、J)であって、電サポ状態かつ特図2の保留数が1〜3である場合に用いられるテーブルである。テーブル6では、電サポ状態であり、特図2の消化を早めるため、1.5秒の最短変動時間が一律に選ばれ、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われず、超短縮変動が行われることになる。テーブル7は、特図2決定結果がハズレ図柄(特図I、J)であって、電サポ状態かつ特図2の保留数が0である場合に用いられるテーブルである。テーブル7では、特図2の保留を貯めるため、ある程度長めの8秒の変動時間が一律に選ばれ、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われない。テーブル8は、特図2決定結果がハズレ図柄(特図I、J)であって、非電サポ状態である場合に、特図2の保留数に関わらず用いられるテーブルである。非電サポ状態で第2特図始動口232への入賞があった場合は、普図低確率状態のもと普図変動遊技に当選したという稀なケースになる。テーブル8では、特図2の変動時間を短縮したり超短縮することなく、8秒の変動時間(リーチなしのハズレ)が高確率で選択され、低確率ではあるが、10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択されることがある。10秒、40秒、あるいは60秒の変動時間が選択された場合には、装飾図柄表示装置208では、リーチ演出が行われる。
以上説明した特図2変動時間決定用テーブルを用いて、特図2変動時間は決定される。
図7に戻り、ステップSB29の特図関連抽選処理に続いて行われるステップSB33では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンド、先読み予告コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、特図変動時間を表す情報などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、現在の保留数を表す情報などを含み、入賞演出開始コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、特図変動時間を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド入賞演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。入演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その入演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に入賞演出制御コマンドを送信する。入賞演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、装飾図柄表示装置208に、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する画像を所定のオープニング演出期間(例えば3秒間)表示させ、大当り遊技が開始する。
上述の一般コマンド終了演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。終了演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その終了演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に終了演出制御コマンドを送信する。終了演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、装飾図柄表示装置208に大当りを終了することを遊技者に報知する画像を所定の終了演出期間(例えば3秒間)表示させ、大当り遊技が終了する。
上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップSB33では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報、事前判定した特図1あるいは特図2の情報を設定する。
さらに、このステップSB33では一般コマンド普図保留増加処理も行われる。この一般コマンド普図保留増加処理では、普図保留増加コマンドのコマンドデータに、制御状態を表す情報等を設定する。また、主制御部300から第1副制御部400には、普図絡みのコマンドとして、普図の変動表示が開始した(する)ことを表す普図変動開始コマンドも送信される。なお、主制御部300から第1副制御部400には、普図の変動表示が停止した(する)ことを表す普図変動停止コマンドや、一対の羽根部材2321が開放を開始した(する)ことを表す電チュー開放開始コマンドや、一対の羽根部材2321が閉鎖した(する)ことを表す電チュー閉鎖コマンドを送信するようにしてもよい。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
次に、図7に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップSB35)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してぱちんこ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップSB37では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップ205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップSB19)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して第1副制御部400に出力する。
ステップSB39では、電源の遮断(電断)を検出したか否かを判定するために、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップSB41に進み、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップSB43に進む。
ステップSB41では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップSB01で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップSB43では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断時処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップSC01では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップSC01の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップSC03では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップSC05の処理に移行する。
ステップSC05では、タイマ変数に0を代入する。
ステップSC07では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。このコマンド処理では、復電時サブ側フラグ設定処理等が行われる。
ステップSC09では、演出制御処理を行う。例えば、SC07で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。また、この演出制御処理では、始動入賞時サブ側先読み予告実行処理、および変動開示時サブ側予告処理も行われる。
ステップSC11では、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップSC09で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップSC15では、SC09で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップSC17では、SC09で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップSC21では、SC09で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、SC03へ戻る。
次に、図8(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図8(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップSD01では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
次に、図8(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図8(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップSE01では、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップSC03において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップSC03において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップSE03では、ステップSC21で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
<第2副制御部500の処理>
第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行する。第2副制御部500には、装飾図柄表示装置208に画像を表示する画像制御部が接続されている。この画像制御部は、VRAM(ビデオRAM)およびGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を有する。GPUは、第2副制御部500のROMに記憶された絵柄情報等を第2副制御部500のCPUからの信号に基づいて読み出してVRAMの表示領域(ワークエリア)を使用して表示画像を生成し装飾図柄表示装置208に画像を表示する。
より具体的に説明すると、第2副制御部500のCPUは、最初に、画像データの転送指示を行う。ここでは、まず、VRAMの表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPUは、GPUのアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROMの転送元アドレス)、VRAM座標(VRAMの転送先アドレス)などを設定した後、ROMからVRAMへの画像データの転送開始を指示する命令を設定する。GPUは、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROMからVRAMに転送する。その後、GPUは、転送終了割込信号をCPUに対して出力する。
次いで、GPUからの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPUは、VRAMに転送した画像データに基づいてVRAMの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAMの座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をGPUに指示する。GPUはアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。一方、GPUからの転送終了割込信号が未入力の場合は、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
続いて、描画指示を行う。この描画指示では、CPUは、GPUに画像の描画開始を指示する。GPUは、CPUの指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
描画指示が行われると、画像の描画終了に基づくGPUからの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が未入力の場合には、生成終了割込み信号が入力されるのを待ち、生成終了割込み信号が入力された場合には、RAMの所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタを、インクリメント(+1)して処理を終了する。
<遊技の流れの例>
次に、本実施形態のぱちんこ機100における特図入賞について説明する。なお、特に断らない限り、特図入賞はないものとする。
図12は、非電サポ状態(通常状態)で左打ちによって、第1特図始動口230と特図2特図固定始動口233に交互入賞したときの装飾図柄表示装置208の表示画面を段階的に示す図である。
図12(a)に示す装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dの左側には、特図1の保留が2つ貯まっていることを表す2つの特図1保留表示201hが示され、その右側には、特図2の保留が2つ貯まっていることを表す2つの特図2保留表示202hが示されている。この図12(a)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾4−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。
図12(b)では、特図1の図柄変動表示が開始され、特図1保留表示201hが1つ消え、同図(c)では、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾8−装飾0−装飾6」)が停止表示されている。
図12(d)では、今度は特図2の図柄変動表示が開始され、特図2保留表示202hが1つ消える。この特図2の図柄変動表示中に、通路構造1に入口部10aから遊技球が1球進入し、振分部11によって通路部12に振り分けられ、その遊技球が第1特図始動口230に入賞したことが第一球検出センサに検出される。その結果、同図(e)に示す装飾図柄表示装置208では、特図1保留表示201hが一つ増え、特図1保留表示201hの数は合計で2つになっている。やがてリーチ演出(ここではリーチA)に発展する(同図(f)参照)。このタイミングでも、通路構造1に入口部10aから遊技球が1球進入し、振分部11によって今度は通路部13に振り分けられ、その遊技球が第2特図固定始動口233に入賞したことが第二球検出センサ82に検出されて、同図(f)に示す装飾図柄表示装置208では、特図2保留表示202hが一つ増えている。
この段階における特図2保留表示202hの数は合計で2つである。同図(g)に示す装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208aと右図柄表示領域208cそれぞれには「装飾7」の装飾図柄が停止表示し、中図柄表示領域208bには、リーチAで登場するキャラクタが出現する。そして、同図(d)で開始した特図2の図柄変動表示の終了直前に、通路構造1に入口部10aから遊技球がまた1球進入し、振分部11によって通路部12に振り分けられ、その遊技球が第1特図始動口230に入賞したことが第一球検出センサに検出される。同図(h)に示す装飾図柄表示装置208には、15R特別大当りに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾3−装飾3−装飾3」)が停止表示されている。また、その装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dの、左側には特図1保留表示201hが3つ示され、右側には特図2保留表示202hが2つ示されている。
以上説明したように、本実施形態のぱちんこ機100は入賞順変動であるため、非電サポ状態では特図1と特図2がほぼ交互に入賞し、入賞順で消化されるので、相対的に有利な特図2での大当りとなるか不利な特図1での大当りとなるか変動ごとにドキドキしながら遊技を行うことができる場合がある。
図13は、図12に示す例の続きを示す図である。
図13(a)に示す装飾図柄表示装置208には、図12(h)の段階で大当りした大当り遊技の終了演出画面が示されている。
図13(b)では、大当り遊技が終了し、制御状態が特図高確率普図高確率状態に移行する。すなわち、確変状態かつ電サポ状態に移行する。遊技者は、大当り遊技の間、右側に配置された可変入賞口234を狙うため、左打ちから右打ちに変えている。また、大当り遊技が終了し、電サポ状態に移行したことから、遊技者は、右側に配置された第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)を狙って、右打ちを継続する。図13(b)では、特図1の図柄変動表示が開始され、特図1保留表示201hが1つ消え、同図(c)では、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。
図13(d)では、今度は特図2の図柄変動表示が開始され、特図2保留表示202hが1つ消える。同図(e)では、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾4−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。
図13(f)では、特図1の図柄変動表示が再び開始され、特図1保留表示201hが1つ消える。この特図1の図柄変動表示中に、第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)に遊技球が1球入賞する。同図(g)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。また、その装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dでは、特図2保留表示202hが1つ増え、特図2保留表示202hの数は合計で2つになっている。
図13(h)では、特図2の図柄変動表示が開始され、特図2保留表示202hが1つ消える。
図14は、図13に示す例の続きを示す図である。
図13(h)で開始された特図2の図柄変動表示中に、第2特図可変始動口232に遊技球が2球続けて入賞する。図14(a)に示す装飾図柄表示装置208では、特図2保留表示202hが2つ増えて、特図2保留表示202hの数は合計で3つになっている。同図(b)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾4−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。
図14(c)では、特図1の図柄変動表示が開始され、特図1保留表示201hが1つ消え、特図1の保留数は0になる。この特図1の図柄変動表示中に、第2特図可変始動口232に遊技球が連続して入賞するが、第2特図可変始動口232に遊技球が1球入賞した段階で特図2の保留数は満タンになり、後続の入賞は保留されない。同図(d)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7−装飾4−装飾3」)が停止表示されている。また、その装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dでは、特図2保留表示202hが1つ増え、特図2保留表示202hの数は合計で4つ(満タン)になっている。
図14(e)では、特図2の図柄変動表示が開始され、特図2保留表示202hが1つ消える。やがてリーチ演出(ここではノーマルリーチ)に発展し(同図(f)参照)、同図(g)に示す装飾図柄表示装置208には、15R大当りに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾6−装飾6−装飾6」)が停止表示されている。ここでの大当りによる大当り遊技が終了すると、制御状態が特図低確率普図高確率状態に移行する。すなわち、非確変状態かつ電サポ状態に移行する。このため、遊技者は、右側に配置された第2特図可変始動口232(いわゆる電チュー)を狙って、依然として右打ちを継続し、電サポ状態が終了するまで、第2特図可変始動口232への入賞に基づく特図2の図柄変動表示が繰り返される。
なお、以上の説明では、先読み予告の実行可否抽選にハズレ、保留変化表示による先読み予告は一度も実行されなかったが、保留表示を用いた先読み予告の実行可否抽選に当選すれば、保留表示の表示態様が先読み予告の表示態様(例えば、三角の図形や四角の図形)に変化する。
<通路構造>
通路構造1の詳細について説明する。図15(a)および(b)は通路構造1の構造および振分動作の説明図であり、遊技板201の面方向と平行な垂直面に沿う断面図である。図15(c)〜図15(e)は、それぞれ、図15(a)のI−I線断面図、II−II線断面図、III−III線断面図である。
本実施形態の通路構造1は中空の通路ユニットを構成しており遊技板201に設けられている。通路構造1は、耳状に形成された複数の取付部1aを有し、取付部1aに形成された穴にネジ等を挿入して遊技板201に固定される。通路構造1は透明または半透明の樹脂製であってもよく、その場合、遊技球の動きを視認できる場合がある。
通路部10、12および13はいずれも、内部空間を板状の四つの壁体で囲むことにより形成される、断面が角型(ここでは方形)の筒体を構成している。本実施形態の場合、通路部10、12および13はいずれも、内部空間を板状の四つの壁体で囲む構成としたが、正面壁部と左右の側壁部の三つの壁部で構成して、背面壁部は遊技板201を利用する構成であってもよい。なお、通路部10、12および13は円筒形状や楕円筒形状でもよい。
通路部10は上下方向に延設されており、その上端部に入口部10aが設けられている。通路部10と、通路部12および通路部13との間には、通路部10に進入した遊技球を通路部12または通路部13に振り分ける振分部11が設けられている。本実施形態の場合、振分部11は可動体20を備える。可動体20は遊技球の振り分け動作を行う振分部材である。
可動体20は板状の回転板21と、回転板21の左右方向の端部に設けられた案内板22および23とを備える。回転板21は左右方向に延びる軸24を回転中心として回転自在に振分部11の周囲を囲む壁部に支持されている。回転板21は振分部11の内部空間を上下に仕切る大きさを有しており、通路部10から落下してくる遊技球が必ず干渉する。回転板21は、その片面側と反対面側とがそれぞれ遊技球の載置部を構成している。
案内板22および23は、互いに反対方向となるように回転板21から突出した半円形状の部材である。案内板22は回転板21の左右方向の一方端部から回転板21の法線方向の一方向に突出しており、案内板23は回転板21の左右方向の他方端部から回転板21の法線方向の他方向に突出している。図15(a)の状態の場合、案内板22が通路部12の入口を塞ぐ状態にあり、図15(b)の状態の場合、案内板23が通路部13の入口を塞ぐ状態にある。
図15(a)から図15(b)に示すように、遊技球が回転板21に落下して回転板21が回転すると、遊技球が回転板21の下方へ落下すると共に回転板21が反転する。図15(b)の状態では遊技球は通路部12へ案内されることになる。仮に、図15(b)の状態で遊技球が通路部10に進入し、遊技球が回転板21に落下して回転板21が回転すると、遊技球が回転板21の下方へ落下すると共に回転板21が反転して図15(a)の状態に戻り、遊技球は通路部13へ案内されることになる。こうして、遊技球は、基本的に、通路部12と通路部13とに交互に振り分けられることになる。
通路部12および通路部13は、通路部10が通過した遊技球が振分部11を介して通過可能に構成されている。本実施形態では振分先の通路部を二つの通路部12、13としているが、振分先の通路部は三以上であってもよい。三以上の通路部に遊技球を振り分ける場合、例えば、可動体20の回転板21を三つの載置部を備える水車状に構成し、そのうちの第一の載置部が下へ、第二の載置部が左へ、第三の載置部が右へ、それぞれ遊技球を振り分けるように構成されていてもよい。この場合、第一の載置部は、左右への遊技球の移動を規制する一対の壁部を有し、第二の載置部は右と下への遊技球の移動を規制するL字型の二壁部を有し、第三の載置部は左と下への遊技球の移動を規制するL字型の二壁部を有していてもよい。また、三以上の通路部に遊技球を振り分ける別例として、二つの可動体20を設け、一つの可動体20により左と、別の可動体20への遊技球の振り分けを行い、別の可動体20で真ん中と右への遊技球の振り分けを行ってもよい。
次に、通路部12は、遊技板201の表面よりも手前側(遊技者側)に位置する通路部分12aおよび12bと、遊技板201を貫通して奥側へ延設された通路部分12cとを含む。同様に通路部13は、遊技板201の表面よりも手前側(遊技者側)に位置する通路部分13aおよび13bと、遊技板201を貫通して奥側へ延設された通路部分13cとを含む。
本実施形態の場合、通路部分12aは上下方向に延びる鉛直部を構成している。通路部分12aのことを鉛直部12aと呼ぶ場合がある。本実施形態の鉛直部12aは上下方向に直線的に延びている。通路部分12bは鉛直部12aと振分部11とを接続する部分であり、本実施形態では斜めに延びている。通路部分12cは鉛直部12aの下端部から遊技板201の奥側へ延びており、遊技板201の表面よりも奥側の部分を含んでいる。なお、通路部分12cは鉛直部であってもよい。
通路部分12cの途中部位には図15(c)で実線で示すように環状の第一球検出センサSR1が配置されており、第一球検出センサSR1の内側の領域が始動入賞領域R1とされている。第一球検出センサSR1は図15(c)で破線で示すように、通路部分12cから離れた位置に配置されていてもよく、この場合、始動入賞領域R1は通路部分12cから離れた位置に設定されることになる。図15(c)で実線で示すように第一球検出センサSR1を配置した場合、通路部12を通過する遊技球が検出可能となり、図15(c)で破線で示すように第一球検出センサSR1を配置した場合、通路部12を通過した遊技球が検出可能となる。
本実施形態の場合、通路部分13aは上下方向に延びる鉛直部を構成している。通路部分13aのことを鉛直部13aと呼ぶ場合がある。本実施形態の鉛直部13aは上下方向に直線的に延びている。通路部分13bは鉛直部13aと振分部11とを接続する部分であり、本実施形態では逆C字型に湾曲させている。通路部分13cは鉛直部13aの下端部から遊技板201の奥側へ延びており、遊技板201の表面よりも奥側の部分を含んでいる。なお、通路部分13cは鉛直部であってもよい。
通路部分13cの途中部位には図15(d)で実線で示すように環状の第二球検出センサSR2が配置されており、第二球検出センサSR2の内側の領域が始動入賞領域R2とされている。第二球検出センサSR2は図15(d)で破線で示すように、通路部分13cから離れた位置に配置されていてもよく、この場合、始動入賞領域R2は通路部分13cから離れた位置に設定されることになる。図15(d)で実線で示すように第二球検出センサSR2を配置した場合、通路部13を通過する遊技球が検出可能となり、図15(d)で破線で示すように第二球検出センサSR2を配置した場合、通路部13を通過した遊技球が検出可能となる。
遊技球が入口部10から第一球検出センサSR1または第二球検出センサSR2に到達する時間は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。換言すると、入口部10から第一球検出センサSR1または第二球検出センサSR2までの通路長(例えば通路の横断面の中心を通る線長)は同じであっても異なっていてもよい。
鉛直部12aおよび13aは、それぞれ、断面方形の四角筒型であり、左右、手前および奥側の合計四つの側部を有している。四つの側部のうちの左右の側部として、鉛直部12aは側部S21およびS22を有し、鉛直部13aは側部S31およびS32を有している。本実施形態の場合、側部S21、S22、S31およびS32は平坦な鉛直面であり、鉛直部12a、13aの各側面を形成している。側部S21、S31は外側の側面であり、側部S22、S32は内側の側面である。本実施形態では、側部S21およびS22に、各側部を貫通する開口部OP1が形成されており、開口部OP1の直ぐ下における鉛直部12aの内部空間が第1特図始動口230とされている。同様に、側部S31およびS32に、各側部を貫通する開口部OP2が形成されており、開口部OP2の直ぐ下における鉛直部13aの内部空間が第2特図固定始動口233とされている。
遊技球が入口部10から第1特図始動口230または第2特図固定始動口233までの距離は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。換言すると、入口部10から第1特図始動口230または第2特図固定始動口233までの通路長(例えば通路の横断面の中心を通る線長)は同じであっても異なっていてもよい。
次に、鉛直部12aおよび13aの配置について説明する。本実施形態の場合、断面形状および断面サイズが同じ二つの鉛直部12aおよび13aが、左右方向に離間して平行に並設され、その一方が他方に寄せた配置とされている。以下、具体的に説明する。
図15(a)および(e)には、位置の基準として、仮想鉛直線CLを図示している。仮想鉛直線CLは、遊技板201に対して平行(面方向と平行。遊技板201が起伏を有する場合は、最も面積が広い平坦面部分を基準とする。)で、振分部11の中心を通る仮想の鉛直線である。振分部11の中心とは、振分部11の幅方向(左右方向)の中心であればよいが、図示の例では、振分部11の左右方向および奥行き方向(遊技板201の法線方向。遊技板201が起伏を有する場合は、最も面積が広い平坦面部分を基準とする。)の中心としている。
本実施形態の場合、鉛直部12aの四つの側部のうち、仮想鉛直線CLから最も遠い側部は側部S21である。また、鉛直部13aの四つの側部のうち、仮想鉛直線CLから最も遠い側部は側部S31である。仮想鉛直線CLに対する側部S21と側部S31の位置を比較すると、側部S31の方が側部S21よりも仮想鉛直線CLに近い位置にあり、したがって、鉛直部12aよりも鉛直部13aの方が仮想鉛直線CLに偏らせた位置となっている。
図15(b)および(e)には、位置の基準として、領域R11およびR12を図示している。領域R11は通路構造1における領域であり、振分部11が位置する領域である。本実施形態の場合、可動体20を包含する空間である。領域R11は、可動体20を囲包する壁部の内壁面によって囲まれる領域であってもよい。
領域R12は、領域R13を含む領域である。領域R13は領域R11の下方に位置する領域である。領域R13は、領域R11を左右の幅および奥行き方向の幅を同じとして、下方へ延長した延長部分の領域であってもよい。
領域R12は、領域R13を遊技板201の奥行き方向(上記のとおり、遊技板201の法線方向。遊技板201が起伏を有する場合は、最も面積が広い平坦面部分を基準とする。)に拡張した領域である。図面上は領域R12と領域R13の存在を明瞭にするために、これらの上下左右の境界線をずらして図示しているが、領域R12と領域R13とは、上下左右の境界が一致してもよい。また、領域R12は領域R13を上下方向にも拡張した領域であってもよく、この場合、領域R12は領域R11を含む領域である。領域R12の下限は、通路構造1の下端であってもよく、上限は通路構造1の上端であってもよい。
鉛直部13aは領域R12と重なっている。鉛直部13aは全部が領域R12と重なってもよいが、本実施形態ではその一部が重なっている。鉛直部12aも領域R12と重なってもよいが、本実施形態の場合、重ならない位置に位置している。したがって、鉛直部12aよりも鉛直部13aの方が仮想鉛直線CLに偏らせた位置となっている。
本実施形態では、鉛直部12a、13aのうちの鉛直部13aを鉛直部12a側に寄せることで、通路構造1が左右方向にコンパクトになる場合があり、他の構成の配置の自由度を向上できる場合があり、また、交換やメンテナンスが容易になる場合がある。図20は配置の自由度が向上した例を示している。同図の遊技盤200Aは二つの可変入賞口(アタッカ)234および234Aが設けられており、可変入賞口234Aは遊技領域124の下部であって、かつ、左右方向で中央よりも配置されている。鉛直部13aが左側に偏らせてその右側にスペースを形成したことから、可変入賞口234Aを、左右方向でより中央側の位置に配置されている。なお、ここでは鉛直部13aに隣接して可変入賞口(アタッカ)234Aを配置したが、Vアタッカや死に球演出装置等の各種装置を配置することも可能である。
図15に戻り、本実施形態では、通路部13は領域R12と重ならない部分を含んでいる。具体的には、通路部分13bは領域R12と略全体が重なっておらず、通路部13を流下する遊技球が一度は領域R12と重ならない位置に移動する。これにより、通路部13が部分的に湾曲または曲折されている通路となっており、糸付き球ゴト等の不正行為を困難にすることができる場合がある。
<通路構造の他の構成例>
通路構造1の他の構成例について図16を参照して説明する。
図16(a)の例は、通路部12の通路部分12bをC字型に湾曲させ、図15の例よりも鉛直部12aを鉛直部13a側に寄せた構成を例示している。同図の例では鉛直部12aの一部が領域R12と重なっている。このように、鉛直部12aおよび13aの双方を互いに寄せた構成としてもよく、これにより、通路構造1の左側と右側の双方に、他の構成の配置スペースを生じさせることができる場合がある。通路部分12bと、通路部分13bとの湾曲の大きさ(例えば曲率)は異なっていても同じであってもよく、図16(a)の例では異なっており、通路部分13bの方が曲率が大きくなっている。
図16(b)の例は、通路部13が複数の鉛直部を有する構成を例示している。同図の例では、鉛直部13aに加えて、通路部分13bの途中部位13dが上下方向に延びる鉛直部を構成している。通路部分13bは、弧状ではなく、直線部分を曲折するようにして形成されており、その一部が鉛直部13dを構成している。弧状ではなく、直線部分を曲折する外形とすることで、隣接する他の構成を配置し易い場合がある。図16(b)の例のように、一つの通路部が複数の鉛直部を有する場合、いずれか一つの鉛直部の側部(図16(b)では、鉛直部13a、13dのいずれかの側部)について、仮想鉛直線CLから最も遠い側部が、鉛直部12aの側部S21よりも仮想鉛直線CLに近ければよい。また、鉛直部12a、13aおよび13dの長さは、異なっていても同じでもよく、図16(b)の例では異なっており、各鉛直部の長さの大小関係は、鉛直部12a>鉛直部13d>鉛直部13aである。
図16(c)の例は、鉛直部12aと鉛直部13aの上下方向の長さを異ならせた構成を例示している。上下方向の長さが異なるとは、二つの鉛直部のうちの一方の鉛直部の各側部の上端と下端までの各長さと、他方の鉛直部の各側部の上端と下端までの各長さと、の間で、長さが同じものがなく、全部の長さが異なっている場合を意味してもよい。
図16(c)の例は、また、通路部13における通路部分13bの範囲が鉛直部13aの範囲よりも広い(例えば通路長が長い)構成を例示している。通路部分13bが大きいことで、通路構造1を目立たせることができる場合がある。
図16(d)の例は、鉛直部13aを仮想鉛直線CLよりも鉛直部12a側に配置した構成を例示している。鉛直部13aの鉛直部12a側への偏りを大きくすることで、鉛直部13aに隣接する他の構成の配置スペースを大きくとることができる場合がある。また、通路構造1が全体としてユニークな外形となる場合があり、通路構造1を目立たせることができる場合がある。
なお、図15および図16の例では、開口部OP1と開口部OP2とが上下方向で見ると、同じ高さに位置しているが、上下方向にずらして配置してもよい。また、二つの開口部OP1を互いに上下方向にずらして配置してもよく、同様に、二つの開口部OP2を互いに上下方向にずらして配置してもよい。
通路構造1の他の構成例について図17〜図19を参照して説明する。図15および図16の例では、始動入賞領域R1、R2に遊技球を誘導する構成例を例示したが、他の領域に誘導する構成であってもよい。また、通路構造1はその全体が遊技板201の表側に配置されていてもよい。
図17(a)の例は、通路部12は一般入賞領域2aに遊技球を案内し、通路部13は鉛直部13aの下端部が下方に開口しており、遊技球を遊技板201の裏側でなく、遊技領域124にそのまま流下させる構成を例示している。通路部12の鉛直部12aには、第1特図始動口230に代えて一般入賞口2が形成されているが、構造は同じである。通路構造1はその全体が遊技板201の表側に配置されている。なお、開口部OP1を設けない構成も採用可能である。
図17(b)の例は、通路部12は一般入賞領域2aに遊技球を案内し、通路部13は鉛直部13aの下端部が下方に開口しており、遊技球を遊技板201の裏側でなく、遊技領域124にそのまま流下させる構成を例示している。通路構造1はその全体が遊技板201の表側に配置されている。鉛直部13aの下方の遊技領域には可変入賞口(ここでは扉型電チュー)3が配設されており、また、鉛直部13aの途中部位には、環状の球検出センサ(ここではゲートセンサ)SR3が配置されている。鉛直部13aに遊技球が進入したことが球検出センサSR3で検出されると、可変入賞口3を所定時間だけ開放することで、鉛直部13aに遊技球が進入した遊技球が可変入賞口3に入賞する場合がある。なお、可変入賞口3は、扉型電チュー以外に、ベロ電チュー、チューリップ、方羽根電チュー、シャッター型電チュー等であってもよい。なお、開口部OP1を設けない構成も採用可能である。
図17(c)の例は、通路部12および通路部13の各鉛直部12aおよび13aの下端部が下方に開口しており、遊技球を遊技板201の裏側でなく、遊技領域124にそのまま流下させる構成を例示している。通路構造1はその全体が遊技板201の表側に配置されている。鉛直部12aの途中部位には、環状の球検出センサ(ここではゲートセンサ)SR4が、また、鉛直部13aの途中部位には、環状の球検出センサ(ここではゲートセンサ)SR3が配置されている。球検出センサSR3またはSR4により遊技球が検出された場合に、普図変動遊技の当たりの判定を行ってもよい。
このように通路構造1が遊技球を誘導する先はどのような部位であってもよい。案内先によっては、例えば、図21に例示する位置に通路構造1を配置することも可能である。同図の遊技盤200Bは遊技領域124の右端部に通路構造1が配置されたものであり、鉛直部13aが左側に偏らせてその右側にスペースを形成したことから、右側のレールを避けつつ通路構造1が配置されている。同図の構成例では、ゲート228の下方に入口部10aが位置するように通路構造1が配置されており、進入した遊技球は、遊技板201の表面側に排出する。振り分け先はアタッカや電チュー、一般入賞口等、様々なパターンを選択可能である。また、球検出センサSR1〜SR4も、設置される部位に応じて、始動入賞、一般入賞等、どのような入賞に活用されてもよい。
次に、通路構造1は、上記の例のように筒状の通路ユニットのみで構成するほか、通路ユニットと遊技釘との組み合わせで構成してもよい。図18および図19の例は、通路部を部分的に複数の遊技釘238で形成した例を示している。
図18(a)の例は、通路部13が複数の遊技釘238で形成される通路部分13eを含む。通路部13の鉛直部13aの下端部は下方に開口しており、これに続くようにして通路部分13eが形成されている。通路部分13eは遊技球を一般入賞口2に誘導するように構成されている。隣接する遊技釘238の間隔は遊技球の直径よりも狭くてもよいが、同図の例では隣接する遊技釘238の間隔が遊技球の直径よりも広い箇所もあり、遊技球が通路部分13eの途中で通路外へ流下する場合がある。通路部12の鉛直部12aの下端部は下方に開口しており、その下方に可変入賞口(アタッカ)4が配置されている。
図18(b)の例も、通路部13が複数の遊技釘238で形成される通路部分13eを含む。通路部13の鉛直部13aの下端部は下方に開口しており、これに続くようにして通路部分13eが形成されている。通路部分13eは遊技球を可変入賞口(ここでは扉型電チュー)3に誘導するように構成されている。隣接する遊技釘238の間隔は遊技球の直径よりも狭くてもよいが、同図の例では隣接する遊技釘238の間隔が遊技球の直径よりも広い箇所もあり、遊技球が通路部分13eの途中で通路外へ流下する場合がある。鉛直部13aの途中部位には、環状の球検出センサ(ここではゲートセンサ)SR3が配置されている。鉛直部13aに遊技球が進入したことが球検出センサSR3で検出されると、可変入賞口3を所定時間だけ開放することで、鉛直部13aに遊技球が進入した遊技球が可変入賞口3に入賞する場合がある。
また、同図の例では通路部12も複数の遊技釘238で形成される通路部分12dを含む。通路部12の鉛直部12aの下端部は下方に開口しており、これに続くようにして通路部分12dが形成されている。通路部分12dは遊技球を一般入賞口2に誘導するように構成されている。隣接する遊技釘238の間隔は遊技球の直径よりも狭くてもよいが、隣接する遊技釘238の間隔が遊技球の直径よりも広い箇所があってもよい。また、鉛直部12aの下端と、隣接する遊技釘238との間隔は遊技球の直径よりも狭くてもよいが、同図の例では隣接する遊技釘238の間隔が遊技球の直径よりも広い箇所があり、遊技球が鉛直部12aから通路部分12dへ進入する際に通路外へ流下する場合がある。
図18(c)の例は、通路部12が複数の遊技釘238で形成される通路部分12dを含む。通路部12の鉛直部12aの下端部は下方に開口しており、これに続くようにして通路部分12dが形成されている。通路部分12dは、特定の入賞口に遊技球を誘導する構成ではなく、通路部分12dを通過した遊技球は、遊技領域124を更に流下することになる。通路部13の鉛直部13aの下端部は下方に開口しており、その下方に可変入賞口(ここでは扉型電チュー)3が配置されている。鉛直部13aの途中部位には、環状の球検出センサ(ここではゲートセンサ)SR3が配置されている。鉛直部13aに遊技球が進入したことが球検出センサSR3で検出されると、可変入賞口3を所定時間だけ開放することで、鉛直部13aに遊技球が進入した遊技球が可変入賞口3に入賞する場合がある。
図19(a)および(b)は通路部13を全体的に複数の遊技釘238で構成した例を示している。図19(a)および(b)の例は、いずれも通路部13が一般入賞口2に遊技球を誘導するように構成されているが、図19(a)の例の方が図19(b)の例よりも鉛直部13aの上下方向の長さが長く、また、その下端が一般入賞口2に近くなっている。したがって、通路部13に進入した遊技球は、図19(a)の例の方が一般入賞口2に入賞し易い場合がある。なお、図19(a)および(b)において鉛直部12aに開口部を設けない構成も採用可能である。
<遊技板を複数回通過させる構成例1>
図22〜図25を用いて遊技球が遊技板201を複数回通過する通路構造1の構成例について説明する。なお、上記の通路構造1と同様の構成部分については同じ符号を付している。
図22は本例における通路構造1の斜視図である。本例の通路構造1は、板状の取付部14を介して遊技板201に取り付けられる。図23は図22の通路構造1を遊技板201に取り付けた状態を示す斜視図である。図24(a)は通路構造1の斜視図であり、図24(b)は取付部14の正面図である。
遊技板201には、通路構造1の各通路部等が挿入される開口部(不図示)が形成されており、通路構造1の一部の構成が遊技板201の背部に突出する一方、取付部14は遊技板201の表面にネジ等で固定される。
通路部10および入口部10aは取付部14に対して正面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも手前側に位置している。取付部14には、通路部10を手前側に位置させる開口部14aが形成されている。
振分部11は取付部14に対して背面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも奥側に位置しており、遊技領域124を流下して入口部10aに進入した遊技球は、一旦、遊技板201の奥側に案内される。振分部11が遊技板201よりも奥側に位置していることにより、遊技者から遊技球の振り分けが視認困難になり、振り分け方向に対する期待感を向上できる場合があり、また、振り分けに関する不正行為を行いにくくさせることができる場合がある。
振分部11には、固定の振分部材30が配置されている。振分部材30は本例の場合、三角柱形状の部材であり、その頂部が通路部10に対向し、この頂部から左右に斜面が形成されている。通路部10を通過した遊技球は振分部材30の頂部付近に衝突し、左右に振り分けられる。振分部11は、上記のように可動体20を備えたものであってもよいし、本例のように固定の部材であってもよい。
通路部12のうち、鉛直部12aは取付部14に対して正面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも手前側に位置している。取付部14には、通路部10を手前側に位置させる開口部14bが形成されている。通路部12のうち、通路部分12bおよび12cは主に取付部14に対して背面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも奥側に位置している。通路部分12cの下端部には第一球検出センサSR1が配置されており、第一球検出センサSR1の内側の領域が始動入賞領域R1とされている。
通路部13のうち、鉛直部13aは取付部14に対して正面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも手前側に位置している。取付部14には、通路部10を手前側に位置させる開口部14cが形成されている。通路部12のうち、通路部分13bおよび13cは主に取付部14に対して背面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも奥側に位置している。通路部分13cの下端部には第二球検出センサSR2が配置されており、第二球検出センサSR2の内側の領域が始動入賞領域R2とされている。
図25を参照して通路部の構成や遊技球の通過態様について説明する。図25(a)は通路構造1の正面図であり、図25(b)は図25(a)のIV−IV線断面図である。図25(c)および図25(d)はそれぞれ通路構造1の左側面図、右側面図である。
通路部10、12および13は本例の場合、断面が角型(ここでは方形)の筒体を構成しているが、円形や楕円形であってもよい。
通路部12には通路部分12bと通路部分12cとを上下に区画する仕切り壁12gが設けられると共に、遊技球の通過を案内するリブ12hが形成されている。鉛直部12aの側部S21、S22にはそれぞれ開口部OP1が形成され、その直ぐ下の内部空間が第1始動入賞口230とされている。
通路部13にも同様に通路部分13bと通路部分13cとを上下に区画する仕切り壁13gが設けられると共に、遊技球の通過を案内するリブ13hが形成されている。また、鉛直部13a内にも遊技球の通過を案内するリブ13fが形成されている。図示しないが、鉛直部12a内にもリブ13fと同様のリブが形成されている。鉛直部13aの側部S31、S32にはそれぞれ開口部OP2が形成され、その直ぐ下の内部空間が第2固定始動入賞口233とされている。
図25(a)および(b)には、仮想鉛直線CL、領域R11およびR12を図示している。鉛直部12aの側部のうち、仮想鉛直線CLから最も遠い側部は側部S21であり、鉛直部13aの側部のうち、仮想鉛直線CLから最も遠い側部は側部S31である。仮想鉛直線CLに対する側部S21と側部S31の位置を比較すると、側部S31の方が側部S21よりも仮想鉛直線CLに近い位置にあり、したがって、鉛直部12aよりも鉛直部13aの方が仮想鉛直線CLに偏らせた位置となっている。領域R11は振分部材30を包含する空間であり、領域R12は、既に述べたとおり領域R11を下方に延長し、更に、遊技板201の奥行き方向に拡張した空間である。
鉛直部13aは領域R12と重なっている。鉛直部13aは全部が領域R12と重なってもよいが、本例ではその一部が重なっている。鉛直部12aも領域R12と重なってもよいが、本例の場合、重ならない位置に位置している。したがって、鉛直部12aよりも鉛直部13aの方が仮想鉛直線CLに偏らせた位置となっている。鉛直部12a、13aのうちの鉛直部13aを鉛直部12a側に寄せることで、通路構造1が左右方向にコンパクトになる場合があり、他の構成の配置の自由度を向上できる場合があり、また、交換やメンテナンスが容易になる場合がある。
図25(b)および図25(d)を参照して通路部13における遊技球の通過態様について説明する。入口部10aから通路部10に進入した遊技球は、取付部14の奥側(つまり遊技板201の奥側)に誘導され、振分部11において左または右に振り分けられる。右に振り分けられた場合、通路部13の通路部分13bに進入する。通路部分13bに進入した遊技球は、取付部14の手前側(つまり遊技板201の手前側)へ向かって鉛直部13aに誘導される。通路部分13bは領域R12と重なっていない部分を含み、遊技球は領域R12と重ならない位置まで移動しながら通過する。
鉛直部13aに進入した遊技球は、再び取付部14の奥側(つまり遊技板201の奥側)へ向かって通路部分13cに誘導される。通路部分13cに進入した遊技球は下方へ落下するようにして通路外へ排出され、その途中で第二球検出センサSR2により通過が検出される。
図25(c)を参照して通路部12における遊技球の通過態様について説明する。通路部12における遊技球の通過態様は通路部13における通過態様と基本的に同じである。
入口部10aから通路部10に進入した遊技球は、取付部14の奥側(つまり遊技板201の奥側)に誘導され、振分部11において左または右に振り分けられる。左に振り分けられた場合、通路部12の通路部分12bに進入する。通路部分12bに進入した遊技球は、取付部14の手前側(つまり遊技板201の手前側)へ向かって鉛直部12aに誘導される。
鉛直部12aに進入した遊技球は、再び取付部14の奥側(つまり遊技板201の奥側)へ向かって通路部分12cに誘導される。通路部分12cに進入した遊技球は下方へ落下するようにして通路外へ排出され、その途中で、第一球検出センサSR1により通過が検出される。
このように本例では、遊技球が奥行き方向に蛇行しながら通路部13を通過するため、遊技者から遊技球の通過態様が視認困難になり、通過方向に対する期待感を向上できる場合があり、また、遊技球が遊技板201の奥側を通過することから不正行為を行いにくくさせることができる場合がある。
なお、本例では、通路部12および通路部13の双方において、遊技球が奥行き方向に蛇行しながら通路部を通過する構成としたが、そのうちの一方は奥行き方向に蛇行しない通路部(例えば、図15〜図19の例)であってもよい。
本例の変形例として、図15〜図19に例示した各例の構成も適用可能である。
例えば、第一球検出センサSR1、第二球検出センサSR2は通路構造1を通過途中の遊技球ではなく、通過後の遊技球を検出してもよい。図26(a)〜(c)はその一例を示す。同図は第二球検出センサSR2の配置例を示すが、第一球検出センサSR1にも適用可能である。図15(a)の例は、通路部分13cの外部に第二球検出センサSR2を配置しており、通路部分13cから排出された遊技球が検出される。遊技球は、検出後、死に球として扱われる。図15(b)の例は、通路部分13cを省略し、鉛直部13aの出口に第二球検出センサSR2を配置しており、しかも、遊技球が奥行き方向に第二球検出センサSR2を通過するように、その向きを設定している。遊技球は、検出後、死に球として扱われる。図15(c)の例も通路部分13cを省略し、鉛直部13aの出口に第二球検出センサSR2を配置しているが、鉛直部13aの出口を取付部14の手前側(つまり遊技板201の手前側)に構成し、第二球検出センサSR2を鉛直部13aの出口の下に配置したものである。遊技球は、検出後も遊技領域124を流下する有効な球として扱うことが可能である。この構成例の場合、第二球検出センサSR2の下方に、一般入賞口、可変入賞口あるいは電チューを設ける例にも適用可能である。
また、例えば、図16(d)に示した鉛直部13aを鉛直部12a側へ大きく偏らせてもよい。図27はその一例を示す図であり、図27(a)は正面図、図27(b)は斜視図である。同図の例では、通路部分13bが斜めに長く延びる部分を有しており、これにより鉛直部13aを鉛直部12a側へ大きく偏らせている。図16(d)のように、鉛直部13aが仮想鉛直線CLよりも鉛直部12a側に位置しているわけではないが、側部S31側が領域R12と重なり、側部S32側が領域R12と重ならない位置にある。また、同図の例では、図22〜図25の例と異なり、鉛直部12aと鉛直部13aとが上下方向に同じ高さで左右に並設されている。
また、例えば、固定の振分部材30に代えて可動の振分部材を採用することも可能である。図28はその一例を示す図である。図28(a)の例は、可動の振分部材である可動体31を例示している。この可動体31は水平断面形状がT字型であり、上下方向の回動中心軸31a周りに回動自在である。手前側に突出した板状の部分31bの向きによって、遊技球が左右に振り分けられることになる。図28(b)の例は、可動の振分部材である可動体32を例示している。この可動体32は垂直断面形状がT字型の部分の背部に半円板状の部分を設けて構成されており、奥行方向の回動中心軸32a周りに回動自在である。上側に突出した板状の部分32bの向きによって、遊技球が左右に振り分けられることになる。
このような可動体は、モータ等の駆動源によって回動する能動的なであってもよいし、振り分ける遊技球の付勢を利用して回動する受動的なものであってもよい。モータ等の駆動源によって回動する場合、ぱちんこ機100の電源投入時から一定の周期で常時回動するものであってもよい。
遊技球の付勢を利用して回動する受動的なものである場合、可動体が振り分け不能位置に静止することを阻止する阻止機構を設けてもよい。図29はその一例を示す説明図であり、振分部11周辺を上から見た図である。
図29(a)に示す可動体33は、図28(a)の例に似た構造を有しに、上下方向の回動中心軸33a周りに回動する振分部材であり、その正面側には左右に凹部33bが並設されている。この凹部33bに遊技球が当接することで可動体33に回動付勢力が与えられる。図29(a)は通路部10から振分部11に進入する遊技球が左側の凹部33bに当接した状態を示す。この遊技球の当接に付勢されて可動体33が図29(c)に示すように左側へ回動し、遊技球が通路部12へ誘導される。この次に通路部10から振分部11に進入する遊技球は、右側の凹部33bに当接するため、可動体33が右側へ回動して遊技球が通路部13へ誘導され、図29(a)の状態に戻る。こうして、遊技球が順番に左右に振り分けられる。
可動体33の奥側には磁石33cが配置されている。この磁石33cの下方には、磁石33cと反発する極性を有する磁石34が配置されている。この磁石33cと磁石34との組み合わせによって、可動体33が図29(b)や図29(d)の位置に静止することを阻止している。すなわち、磁石33cと磁石34とが上下方向に重なり、互いに反発しあうため、可動体33は図29(b)や図29(d)の位置に静止せずに、左右に回動した位置(図29(a)または図29(c)の位置)に変位することになる。
図29(b)や図29(d)の位置は、左右の凹部33bの境界が通路部10に対向し、通路部10が通過した遊技球がいずれの凹部33bにも十分に当接しない位置である。可動体33が図29(b)や図29(d)の位置にある場合、遊技球が周囲の壁部と可動体33との間に挟まれるようにして左右に移動することが困難となり、振り分けが円滑に行われない場合がある。特に、ぱちんこ機100を店舗に設置する際などにおいて、偶発的に、図29(b)や図29(d)の位置に可動体33が位置してしまうと、その後、可動体33による遊技球の振り分けが困難となるが、本実施形態の場合、磁石33c、34によって図29(b)や図29(d)の位置に可動体33が位置してしまうことを阻止できる場合がある。
なお、振り分けの際に、可動体と遊技球とがより確実に引っかかるようにするため、可動体に遊技球との摩擦を向上する摩擦向上部を設けてもよい。図30はその一例を示す。同図の可動体33は図29の可動体の変形例であり、凹部33bの外側端部に摩擦向上部33dを設けている。同図の例では、摩擦向上部33dは内側に突出した突起部であり、遊技球が凹部33bに当接したときに、遊技球と摩擦向上部33dとのひっかかりにより遊技球の付勢力が可動体33により確実に伝達され、可動体33の回動が促進される場合がある。
磁石33c、34によって図29(b)や図29(d)の位置に可動体33が位置してしまうことを阻止することと、摩擦向上部とを設けたことにより、遊技球が連続的に進入してきた場合であっても、各通路部への振り分けをより確実に一個ずつ順番に振り分けられる場合がある。
<遊技板を複数回通過させる構成例2>
図31〜図38を用いて遊技球が遊技板201を複数回通過する通路構造1の構成例について説明する。なお、上記の通路構造1と同様の構成部分については同じ符号を付している。
図31は、本例における通路構造1の正面図、左右の側面図、平面図および底面図である。図32(a)は本例における通路構造1の背面図、図32(b)はその背面側の斜視図である。
本例の通路構造1は、大別すると、三部材の構成となっており、手前側のカバー部材5と、奥側の通路構成部7と、これらの間の通路構成部6とを有している。カバー部材5、通路構成部7および通路構成部6はいずれも透光性を有する材料で構成することができる。図33(a)はカバー部材5の背面図、図33(b)は通路構成部6の正面図、図33(c)は通路構成部7の正面図である。図34(a)〜(d)は、順に、図31のV−V線断面図、VI−VI線断面図、VII−VII線断面図、VIII−VIII線断面図である。
カバー部材5は、通路構成部6の正面を覆う部材であり、例えば、装飾部材として利用することができる。カバー部材5を介して背後の通路部を通過する遊技球が視認可能であってもよい。
カバー部材5の背部には、ネジ穴を有する複数の取付部5aを有している。取付部5aはネジ穴を形成する筒状の部分にリブが連設されている。このリブは斜めに傾斜した外形状を有しており、遊技球が取付部5aの周囲に引っかかって止まってしまうことを防止できる場合がある。
通路構成部6は板状の取付部14と通路部を構成する部分とを一体に有するユニットであり、取付部14は取付部5aに対応する位置に軸14eを有している。取付部5aと軸14eとの嵌合によって、カバー部材5が通路構成部6に固定される。取付部14は遊技板201の表面にネジ等で固定される。通路構成部7は通路部や振分部を構成する部分を一体に有するユニットであり遊技板201の裏面にネジ等で固定される。遊技板201には、通路構成部6と通路構成部7との間で通路を連通させる部位において開口部が形成される。
本例の場合、通路構成部6は通路部10、鉛直部12aおよび鉛直部13aを有している。通路構成部7は振分部11、通路部分12bおよび12cならびに通路部分13bおよび13cを有している。
通路部10および入口部10aは取付部14に対して正面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも手前側に位置している。
振分部11は通路構成部7に設けられており、取付部14に対して背面側、つまり遊技板201の表面よりも奥側に位置している。遊技領域124を流下して入口部10aに進入した遊技球は、一旦、遊技板201の奥側の振分部11に案内される。振分部11が遊技板201よりも奥側に位置していることにより、遊技者から遊技球の振り分けが視認困難になり、振り分け方向に対する期待感を向上できる場合があり、また、振り分けに関する不正行為を行いにくくさせることができる場合がある。
振分部11には、可動の振分部材である可動体40が配置されている。通路部10を通過した遊技球は可動体40に当接し、左右に振り分けられる。図35(a)および図35(b)は可動体40の説明図である。可動体40は図29を参照して説明した可動体33と類似の構造のものであり、遊技球の付勢を利用して回動する受動的なものである。無論、可動体33に代えて能動的な可動体や、固定の振分部材を採用してもよい。
可動体40は上下方向の回動中心軸40a周りに回動する振分部材であり、その正面側には左右に凹部40bが並設されている。この凹部40bに遊技球が当接することで可動体33に回動付勢力が与えられる。可動体40が図35(a)の位置にある場合、遊技球は右側に振り分けられ、図35(b)の位置にある場合、遊技球は左側に振り分けられる。遊技球は順番に左右に振り分けられる。可動体40にも、振り分け不能位置に静止することを阻止する阻止機構が設けられており、その奥側に磁石40cが配設され、また、図32等に示すように、磁石40cと反発する磁石41がその下方に配置されている。
図31〜図34に戻り、通路部12のうち、鉛直部12aは通路構成部6において取付部14に対して正面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも手前側に位置している。通路部12のうち、通路部分12bおよび12cは主に通路構成部7に設けられており、したがって遊技板201の表面よりも奥側に位置している。通路部分12cの下端部には第一球検出センサSR1が配置されており、第一球検出センサSR1の内側の領域が始動入賞領域R1とされている。
通路部13のうち、鉛直部13aは通路構成部6において取付部14に対して正面側に位置しており、したがって遊技板201の表面よりも手前側に位置している。通路部13のうち、通路部分13bおよび13cは主に通路構成部7に設けられており、したがって遊技板201の表面よりも奥側に位置している。通路部分13cの下端部には第二球検出センサSR2が配置されており、第二球検出センサSR2の内側の領域が始動入賞領域R2とされている。
通路部10、12および13は本例の場合、断面が角型(ここでは方形)の筒体を構成している。通路部10内には遊技球を振分部11へ誘導するするリブ10fが形成されている。
通路部12には通路部分12bと通路部分12cとを上下に区画する仕切り壁12gが設けられると共に、遊技球の通過を案内するリブ12hが形成されている。リブ12fが遊技球を通路の中心を通過するように案内する場合がある。また、鉛直部12a内にも遊技球の通過を案内するリブ12fが形成されている。鉛直部12aの側部S21、S22にはそれぞれ開口部OP1が形成されており、その直ぐ下の内部空間が第1始動入賞口230とされている。開口部OP1の周囲において取付部14にも開口部OP1と連続するように開口部が形成されている。
通路部13にも同様な通路部分13bと通路部分13cとを上下に区画する仕切り壁13gが設けられると共に、遊技球の通過を案内するリブ13hが形成されている。リブ13fが遊技球を通路の中心を通過するように案内する場合がある。また、鉛直部13a内にも遊技球の通過を案内するリブ13fが形成されている。鉛直部13aの側部S31、S32にはそれぞれ開口部OP2が形成されており、その直ぐ下の内部空間が第2固定始動入賞口233とされている。開口部OP2の周囲において取付部14にも開口部OP2と連続するように開口部が形成されている。
図36(a)および(b)を参照する。図36(a)は通路構成部6の正面図であり、仮想鉛直線CL、領域R11およびR12を図示している。図36(b)は通路構成部7のうち、振分部11ならびに通路部12および13の部分を示したものである。
鉛直部12aの側部のうち、仮想鉛直線CLから最も遠い側部は側部S21であり、鉛直部13aの側部のうち、仮想鉛直線CLから最も遠い側部は側部S31である。仮想鉛直線CLに対する側部S21と側部S31の位置を比較すると、側部S31の方が側部S21よりも仮想鉛直線CLに近い位置にあり、したがって、鉛直部12aよりも鉛直部13aの方が仮想鉛直線CLに偏らせた位置となっている。領域R11は可動体40を包含する空間であり、領域R12は、既に述べたとおり領域R11を下方に延長し、更に、遊技板201の奥行き方向に拡張した空間である。
鉛直部13aは領域R12と重なっている。鉛直部13aは全部が領域R12と重なってもよいが、本例ではその一部が重なっている。鉛直部12aも領域R12と重なってもよいが、本例の場合、重ならない位置に位置している。したがって、鉛直部12aよりも鉛直部13aの方が仮想鉛直線CLに偏らせた位置となっている。鉛直部12a、13aのうちの鉛直部13aを鉛直部12a側に寄せることで、通路構造1が左右方向にコンパクトになる場合があり、他の構成の配置の自由度を向上できる場合があり、また、交換やメンテナンスが容易になる場合がある。
通路部分12bは、下側に膨出した膨出部12b’を含む。膨出部12b’を設けて通路幅を広げたことで遊技球が詰まり難い場合がある。通路部分12cは出口部分12c’において内側に偏らせた湾曲形状を有しており、周辺の部品の配置自由度を向上できる場合がある。
通路部12および通路部13における遊技球の通過態様について説明するが、これは、図25(c)、(d)に図示した例と同様の通過態様となる。
すなわち、入口部10aから通路部10に進入した遊技球は、取付部14の奥側(つまり遊技板201の奥側)に誘導され、振分部11において左または右に振り分けられる。
左に振り分けられた場合、通路部12の通路部分12bに進入する。通路部分12bに進入した遊技球は、取付部14の手前側(つまり遊技板201の手前側)へ向かって鉛直部12aに誘導される。鉛直部12aに進入した遊技球は、再び取付部14の奥側(つまり遊技板201の奥側)へ向かって通路部分12cに誘導される。通路部分12cに進入した遊技球は下方へ落下するようにして通路外へ排出され、その途中で、第一球検出センサSR1により通過が検出される。
通路部分12bは、その一部が領域R12と重なっており、通路部分12bに進入した遊技球は領域R12と重なる位置を通過する場合があるが、鉛直部12aは領域R12と重ならない位置にあり、遊技球も領域R12と重ならない。このように本例では、遊技球が通路部12の途中で領域R12と重なる位置を通過する場合があっても、一度は領域R12と重ならない位置に移動するようにしている。これにより、通路が曲がって糸付き玉ゴトが難しくなる場合がある。
右に振り分けられた場合、通路部13の通路部分13bに進入する。通路部分13bに進入した遊技球は、取付部14の手前側(つまり遊技板201の手前側)へ向かって鉛直部13aに誘導される。通路部分13bは領域R12と重なっていない部分を含み、遊技球は領域R12と重ならない位置まで移動しながら通過する。鉛直部13aに進入した遊技球は、再び取付部14の奥側(つまり遊技板201の奥側)へ向かって通路部分13cに誘導される。通路部分13cに進入した遊技球は下方へ落下するようにして通路外へ排出され、その途中で第二球検出センサSR2により通過が検出される。
本例の場合、通路部13に進入した遊技球は、領域R12と重なる位置を通過するが、図図15、図16や図25の例のように、一度は領域R12と重ならない位置に移動するようにしてもよい。これにより、通路が曲がって糸付き玉ゴトが難しくなる場合がある。
このように本例では、遊技球が奥行き方向に蛇行しながら通路部13を通過するため、遊技者から遊技球の通過態様が視認困難になり、通過方向に対する期待感を向上できる場合があり、また、遊技球が遊技板201の奥側を通過することから不正行為を行いにくくさせることができる場合がある。
なお、本例では、通路部12および通路部13の双方において、遊技球が奥行き方向に蛇行しながら通路部を通過する構成としたが、そのうちの一方は奥行き方向に蛇行しない通路部(例えば、図15〜図19の例)であってもよい。また、図15〜図30において示した各例を本例に適用することも可能である。
次に、図33(b)、図37および図38を参照してリブ14fおよび開口部OP2について説明する。図37(a)は図33(b)のIX−IX線断面図、図37(b)は開口部OP2に対する遊技球の進入態様の説明図、図37(c)は図33(b)のX−X線断面図である。
本例の場合、第2固定始動入賞口233に入賞する遊技球のルートとしては、(1)遊技球が入口部10aに進入して通路部13に振り分けられる場合、(2)側部S32側の開口部OP2へ遊技球が進入する場合、
(3)側部S31側の開口部OP2へ遊技球が進入する場合、
の三パターンがある。(2)の場合、開口部OP1と開口部OP2とに高さの差があるため、通路部12内の遊技球が開口部OP1から飛び出し、開口部OP2へ進入する場合もあり得る。また、(1)の場合、開口部OP2から遊技球が飛び出して第2固定始動入賞口233に入賞しない場合もある。
(2)および(3)の入賞パターンをイレギュラーな入賞と位置づける遊技性とする場合、第2固定始動入賞口233へ遊技球が進入する確率を構造的に低下させることが可能である。
本例の場合、側部S32側の開口部OP2に遊技球が到達することは、鉛直部12aの存在等によって困難な構成となっている。一方、右打ちをした場合、側部S31側の開口部OP2に遊技球が到達する場合がある。そのため、側部S31側の開口部OP2の斜め上方にリブ14fを設けている。図37(b)に示すように、リブ14fを設けたことで、側部S31側の開口部OP2へ遊技球が進入することは困難とされている。また、リブ14fの下端部と、開口部OP2の下端部との距離Lを遊技球の直径よりも短くすることで、開口部OP2の真横(右側)から遊技球が開口部OP2へ進入することも困難となる。側部S32側にはリブ14fを設けていないので、側部S31側の開口部OP2よりも遊技球が進入容易であるが、既に述べたとおり、側部S32側の開口部OP2に遊技球が到達することが困難であるため、側部S32側の第開口部OP2に遊技球が進入する確率も低い。
次に、図37(c)を参照する。既に説明したとおり、鉛直部13a内にはリブ13fが設けられている。図37(c)においては、遊技球の直径をp、開口部OP2のうち、取付部14の表面から側部S31またはS32の手前側の開口端までの距離をc、取付部14の表面からリブ13fまでの距離をb、取付部14に設けた開口部OP2の開口部の左右方向の端部から側部S31またはS32までの距離をa、取付部14に設けた開口部の左右方向の端部からリブ13fまでの距離をd、側部S31またはS32に形成した開口部OP2の奥側の端部からリブ13fまでの距離をeとしている。そして、寸法関係は、c≒d>p>e>bとなっている。
したがって、開口部OP2に対して、遊技球が左右方向に水平に進入することは、リブ13fとの干渉によって困難であり、距離dの隙間を通過するように遊技球が遊技板201に対して斜めに進入する(跳ね上がる)ことで進入可能となっている。つまり、リブ13fが遊技球の進入阻止部として機能している。リブ13fとリブ14fとの組み合わせにより、側部S31側の開口部OP2へ遊技球が進入する確率は極めて低いものとなっている。
<遊技球の案内構造>
通路構造1の少なくとも一部の通路部には、遊技球の案内または誘導を行うガイドを設けてもよい。図38(a)はその一例を示す通路部PSGを模式的に示す斜視図である。図38(b)は図38(a)のY−Y線断面図であり、図38(c)は図38(b)のZ−Z線断面図である。
通路部PSGは、断面が角型(ここでは方形)の筒体を構成しており、その出口側である下端部には、球検出センサSRが配置されている。通路部PSGの内壁のうち、対向する内壁には、リブRBが形成されている。本例のリブRBは、対向する相手側の内壁に向かって突出すると共に、横方向に延設されている。さらに、リブRBは上下方向の位置をずらして配設されている。リブRBを形成する内壁は、ぱちんこ機100の奥行方向に対向する内壁であってもよいし、左右方向に対向する内壁であってもよい。
図38(d)は、通路部PSG内における遊技球の流下態様を例示している。遊技球は、流下の過程でリブRBと干渉するので、リブRBの配置にしたがって前後または左右に誘導されながら通路部PSG内を流下する。
<実施形態のまとめ>
A1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
遊技球が流下可能な遊技領域(例えば124)と、
前記遊技領域が設けられた遊技板(例えば201)と、
前記遊技板に設けられた通路手段(例えば1)と、
を備えた遊技台であって、
前記通路手段は、前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な第一の通路部(例えば10)が設けられた手段であり、
前記通路手段は、前記第一の通路部に進入した遊技球を、複数の通路部(例えば12,13)のいずれか一つに振り分け可能な振分部(例えば11)が設けられた手段であり、
前記複数の通路部は、前記第一の通路部を通過した遊技球が通過可能な通路部であり、
前記複数の通路部のうちの一つは第二の通路部(例えば12)であり、
前記複数の通路部のうちの一つは第三の通路部(例えば13)であり、
前記第二の通路部は、第二の鉛直部(例えば12a)を少なくとも含む通路部であり、
前記第三の通路部は、第三の鉛直部(例えば13a)を少なくとも含む通路部であり、
前記振分部は、前記通路手段における第一の領域(例えばR11)に位置する振分部であり、
前記第二の鉛直部は、一の側部(以下、「第二の側部」という。)(例えばS21)を含む複数の側部(例えばS21,S22)を有する鉛直部であり、
前記第三の鉛直部は、一の側部(以下、「第三の側部」という。)(例えばS31)を含む複数の側部(例えばS31,S32)を有する鉛直部であり、
前記第二の側部は、前記第二の鉛直部の前記複数の側部の中で、仮想鉛直線(例えばCL)から最も遠い側部であり、
前記第三の側部は、前記第三の鉛直部の前記複数の側部の中で、前記仮想鉛直線から最も遠い側部であり、
前記仮想鉛直線とは、前記振分部の幅方向の中心を通る仮想の鉛直線のことであり、
前記第三の側部は、前記第二の側部よりも前記仮想鉛直線に近い側部であり、
前記第三の鉛直部は、第二の領域(例えばR12)と少なくとも一部が重なる鉛直部であり、
前記第二の領域とは、前記第一の領域の下方に位置する領域(以下、「第三の領域」という。例えばR13)を含む領域であり、
前記第二の領域は、前記第三の領域を奥行き方向に拡張した領域である、
ことを特徴とする。
この構成によれば、通路手段に特徴のある遊技台を提供することができる。また、通路部の1つが片方に偏る場合があり、周囲の部品の配置の自由度を向上できる場合があり、通路手段がコンパクトになる場合があり、交換やメンテナンスが容易になる場合がある。
A2.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第二の通路部は、前記遊技板の表面よりも奥側の部分(例えば図25,図34等の12b,12c)と、前記遊技板の表面よりも手前側の部分(例えば図25,図34等の12a)とを含む通路部である、
ことを特徴とする。
この構成によれば、ゴト行為が難しくなる場合がある。
A3.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第三の通路部は、前記遊技板の表面よりも奥側の部分(例えば図25,図34等の13b,13c)と、前記遊技板の表面よりも手前側の部分(例えば図25,図34等の13b,13c)とを含む通路部である、
ことを特徴とする。
この構成によれば、ゴト行為が難しくなる場合がある。
A4.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第二の通路部の前記複数の側部の中の少なくとも一つの側部(例えばS21,S22)は、遊技球が通過可能な開口部(例えばOP1)を備える側部である、
ことを特徴とする。
この構成によれば、イレギュラーな入賞を起こさせることで、遊技の興趣を向上させる場合がある。開口部は遊技球の入口部として機能してもよく、出口部として機能してもよい。
A5.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第三の通路部の前記複数の側部の中の少なくとも一つの側部(例えばS31,S32)は、遊技球が通過可能な開口部(例えばOP2)を備える側部である、
ことを特徴とする。
この構成によれば、イレギュラーな入賞を起こさせることで、遊技の興趣を向上させる場合がある。開口部は遊技球の入口部として機能してもよく、出口部として機能してもよい。
A6.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第二の通路部は、該第二の通路部を流下する遊技球が一度は前記第二の領域と重ならない位置に移動する通路部である(例えば図36)、
ことを特徴とする。
この構成によれば、遊技球の通路が曲がる場合があり、糸付き球ゴトが難しくなる場合がある。
A7.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第三の通路部は、該第三の通路部を流下する遊技球が一度は前記第二の領域と重ならない位置に移動する通路部である(例えば図15,図16,図25)、
ことを特徴とする。
この構成によれば、遊技球の通路が曲がり、糸付き球ゴトが難しくなる場合がある。
A8.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第二の通路部を通過する、又は通過した遊技球を検出可能な第二の検出手段(例えばSR1)を備え、
前記第二の検出手段に遊技球が検出された場合に第二の図柄変動表示(例えば特図1の変動表示)を実行可能な第二の図柄変動手段を備える、
ことを特徴とする。
この構成によれば、検出手段を設け、検出結果に図柄変動表示を関連させることで、遊技者に遊技球の動きに興趣を持たせることができる場合がある。
A9.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第三の通路部を通過する、又は通過した遊技球を検出可能な第三の検出手段(例えばSR2)を備え、
前記第三の検出手段に遊技球が検出された場合に第三の図柄変動表示(例えば特図2の変動表示)を実行可能な第三の図柄変動手段を備える、
ことを特徴とする。
この構成によれば、検出手段を設け、検出結果に図柄変動表示を関連させることで、遊技者に遊技球の動きに興趣を持たせることができる場合がある。
A10.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記振分部は、前記遊技板の表面よりも奥側に位置する振分部(例えば図25,図34等の11)である、
ことを特徴とする。
この構成によれば、振分部が見えにくくなる場合があり、振分部に対するゴト行為が難しくなる場合がある。
A11.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
ぱちんこ機である、
ことを特徴とする。
この構成によれば、通路手段に特徴のあるぱちんこ機を提供できる。
上記A2と上記A3とを組み合わせた場合、遊技領域における通路部の省スペース化とゴト行為の困難化を両立できる場合がある。
上記A2〜A5を組み合わせた場合、通路部が複雑な形状となる場合があり、ゴト行為が難しい場合がある。通路部が複雑な形状となっても、開口部があることによって球詰まりが生じ難い場合がある。
A12.
遊技球が流下可能な遊技領域(例えば124)と、
前記遊技領域が設けられた遊技板(例えば201)と、
前記遊技板に設けられた通路手段(例えば1)と、
を備えた遊技台であって、
前記通路手段は、前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な第一の通路部(例えば10)が設けられた手段であり、
前記通路手段は、前記第一の通路部に進入した遊技球を、複数の通路部(例えば12,13)のいずれか一つに振り分け可能な振分部(例えば11)が設けられた手段であり、
前記複数の通路部は、前記第一の通路部を通過した遊技球が通過可能な通路部であり、
前記複数の通路部のうちの一つは第二の通路部(例えば12)であり、
前記複数の通路部のうちの一つは第三の通路部(例えば13)であり、
前記第二の通路部は、第二の出口部(例えば12cの端部)を少なくとも含む通路部であり、
前記第三の通路部は、第三の出口部(例えば13cの端部)を少なくとも含む通路部であり、
前記振分部は、前記通路手段における第一の領域(例えばR11)に位置する振分部であり、
前記第三の出口部は、前記第二の出口部よりも、仮想鉛直線(例えばCL)に近い出口部であり、
前記仮想鉛直線とは、前記振分部の幅方向の中心を通る仮想の鉛直線のことであり、
前記第三の出口部は、第二の領域(例えばR12)と少なくとも一部が重なる出口部であり、
前記第二の領域とは、前記第一の領域を下方に延長し、更に、前記遊技板の法線方向に拡張した領域である、
ことを特徴とする。
また、以下の構成も採用可能である。
前記第二の通路部は、その全体が前記遊技板の表面よりも手前側に配置されていてもよい。前記第三の通路部は、その全体が前記遊技板の表面よりも手前側に配置されていてもよい。前記通路手段は、その全体が前記遊技板の表面よりも手前側に配置された手段であってもよい。
前記第一の領域は、前記第一の通路部から前記第二、第三の通路部の間にあり、前記振分部を含む空間であってもよい。前記遊技球が振分部材に触れている間に遊技球が通る領域は前記第一の領域であってもよい。振分部材が作動する範囲は前記第一の領域であってもよい。
前記振分部は、振分部材を備えていてもよい。前記振分部材は、遊技球の付勢(例えば速度や重さ)によって遊技球を振り分けるものでもよい。前記振分部材は、遊技板に対して垂直に作動するものであってもよい。前記振分部材は、磁石によって特定の位置に静止することが阻止されるものであってもよい。前記振分部材は、固定された部材であっても、可動の部材であってもよい。前記振分部材は、形状によって遊技球を振り分けるものでもよい。前記振分部材は、電源投入から常時一定の動きをするものでもよく、電動式のものであってもよい。前記振分部材は、通路に対応した穴が形成された回転体(例えばクルーン)であってもよい。
前記通路部は、遊技球が通過することができる空間と、それを構成する壁体であってもよい。前記第二、第三の側部は前記鉛直部を構成する壁部であってもよい。
前記第二の鉛直部よりも、前記第三の鉛直部の方が全長(例えば上下方向の長さ)が短くてもよい。前記第三の鉛直部よりも前記第二の鉛直部の方が全長が短くてもよい。前記第二の通路部は複数の鉛直部を有していてもよく、前記第三の通路部は複数の鉛直部を有していてもよい。
前記第二の通路部と前記第三の通路部が、それぞれ、前記第二の領域と重なる部分を有していてもよい。前記第二の通路部と前記第三の通路部は左右対称の形状でもよい。
前記第二の通路部と前記第三の通路部の裏(後ろ側)に、照明基板がついていてもよい。前記通路手段の裏側(後ろ側)は、レンズカットが施してあってもよく、演出発光素子により、レンズカットを照明して光を拡散させてもよい。
前記通路部は曲線部分を有していてもよい。前記通路手段は、カバー部材を有していてもよい。カバー部材は通路部を通過する遊技球を視認可能な透光性を有していてもよい。カバー部材は、遊技球の通過が一部の領域において視認可能な透光性を有していてもよい。
前記遊技板の表側と裏側とにそれぞれ通路部がある場合、表側の通路だけでなく、裏側も通路が偏っていてもよい。
前記第二の通路部と前記第三の通路部は、通路長が異なっていてもよいし同じであってもよい。前記第二、第三の通路部は、遊技球が通過できない幅で連なる遊技釘で構成される部分を有していてもよい。
前記通路部に遊技球の案内または誘導を行うガイド(例えばリブ)を設けてもよい(例えば図38)。
前記第二の通路部の前記開口部は、前記第三の通路部の前記開口部よりも遊技球が進入する確率が高いものであってもよい。前記開口部に隣接してリブが設けられてもよい。リブは通路部の外側にあっても内側にあってもよい。
前記第二の通路部の前記開口部は、前記第三の通路部の前記開口部と上下方向の位置が異なっていてもよい。前記第二の通路部の前記開口部は、左右に離間した各側部にそれぞれ設けられていてもよい。前記第三の通路部の前記開口部は、左右に離間した各側部にそれぞれ設けられていてもよい。前記第二の開口部から外にでた遊技球が前記第三の開口部に進入してもよい。
前記第二、第三の検出手段の少なくとも一つは前記遊技板の裏側にあってもよい。前記第二、第三の検出手段の少なくとも一つは前記遊技板の表側にあってもよい。
前記振分部は、前記第二の通路部と前記第三の通路部とに交互に遊技球を振り分けるものであってもよい。前記通路手段は、遊技球が交互に前記第二、第三の検出手段で検出されるものであってもよい。
前記振分部は、連続して同じ通路部へ遊技球を振り分ける場合があるものであってもよい。
第二の特別図柄による大当りは、第一の特別図柄による大当りよりも遊技者への特典が多くてもよい。第一の特別図柄による大当りは、第二の特別図柄による大当りよりも遊技者への特典が多くてもよい。前記第二の検出手段に検出により、普通図柄を変動させてもよい。前記第三の検出手段の検出により、普通図柄を変動させてもよい。
前記振分部は、二つの通路部に遊技球を振り分けるものであってもよい。前記振分部は三つの通路部に遊技球を振り分けるものであってもよい。
A21.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
遊技球が流下可能な遊技領域(例えば124)と、
前記遊技領域が設けられた遊技板(例えば201)と、
前記遊技板に設けられた通路部(例えば12または13)と、
を備えた遊技台であって、
前記通路部は、前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な通路部であり、
前記通路部は、遊技球が通過可能な一の入出部(以下、「第一の入出部」という。)(例えばOP1またはOP2)を有する通路部であり、
前記通路部は、内部を通過する遊技球を誘導する誘導部(例えば12fまたは13f)を有する通路部であり、
前記誘導部は、前記通路部の内部を通過する遊技球の進行方向を変化させるものであり(例えば図25,図26)、
前記第一の入出部を介して、前記誘導部の少なくとも一部を直接視認可能に構成されている(例えば図37)、
ことを特徴とする。
A22.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記誘導部は、前記第一の入出部と同じ高さに位置する部分を含む誘導部である(例えば図37)、
ことを特徴とする。
A23.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記通路部の内部を通過する遊技球が、前記第一の入出部を介して該通路部の外に出る場合があるように構成されている、
ことを特徴とする。
A24.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記遊技領域を流下する遊技球が前記第一の入出部を介して前記通路部に進入する場合があるように構成されている、
ことを特徴とする。
A25.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第一の入出部を介して前記通路部に進入しようとする遊技球が、前記誘導部に接触して跳ね返る場合があるように構成されている、
ことを特徴とする。
A26.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記通路部は、遊技球が通過可能な他の一の入出部(以下、「第二の入出部」という。)(例えばもう一つのOP1またはOP2)を有する通路部であり、
前記第二の入出部は、前記第一の入出部と向かい合って設けられており、
前記第二の入出部の入出面は、前記第一の入出部を該第一の入出部の入出面に対して垂直な方向に延長した領域に位置している、
ことを特徴とする。
A27.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記誘導部は、複数の面を含む誘導部であり、
前記複数の面のうちの一の面は、第一の面であり、
前記複数の面のうちの一の面は、第二の面であり、
前記複数の面のうちの一の面は、第三の面であり、
前記第三の面は、前記通路部を流下する遊技球が転動可能な面であり、
前記第一の面と前記第二の面が平行になるように構成されており、
前記第一の面と前記第三の面が前記第一の入出部から視認可能に構成されている(例えば図37)、
ことを特徴とする。
A28.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第二の面が前記第二の入出部から視認可能に構成されている(例えば図37)、
ことを特徴とする。
A29.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記誘導部は、前記第一の入出部の入出面に対して垂直な方向に延長した領域に一部が含まれる部分(以下、「第一の部分」という。)を含み、該第一の部分は、前記第一の面に含まれる部分である、
ことを特徴とする。
A30.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記第一の入出部は、前記遊技台の正面視で、前記通路部の右側又は左側に位置している(例えば図36)、
ことを特徴とする。
A31.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記誘導部は、前記遊技板の表面よりも手前側に設けられている(例えば図37)、
ことを特徴とする。
A32.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記誘導部は、前記遊技板の表面よりも奥側に遊技球を誘導する誘導部である(例えば図25,図26)、
ことを特徴とする。
A33.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記通路部は、鉛直方向に伸びている通路部である(例えば図37)、
ことを特徴とする。
A34.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、
前記遊技板の表面と平行な仮想面であって、前記誘導部の端を通る仮想面と、前記第一の入出部の端との距離は、遊技球の直径よりも小さい(例えば図37)、
ことを特徴とする。