JP2015100441A - 遊技機 - Google Patents

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知弘 深谷
智幸 横井
Tomoyuki Yokoi
智幸 横井
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Megumi Kato
恵 加藤
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Abstract

【課題】遊技盤本体に装飾物を設けた遊技機において、従来よりも装飾効果を高める。【解決手段】表側を遊技球が流下可能な透明板(遊技盤本体10A)を備える。透明板の表側に設けられ、球入口(第1始動口17a)から入球した遊技球を透明板の表側の所定位置まで誘導する球通路部(球通路82f)と、透明板の裏側であって、球通路部の後方に設けられる装飾物を備える。球通路部の後方に設けられる装飾物のうち少なくとも所定の部位を視認可能とするように、所定の部位を避ける形状で球通路部が形成される。透明板には、演出表示装置27の表示画面27aを視認可能とする開口27eが設けられた中央装置20が設けられ、装飾物は球通路部の後方に視認可能とされる位置から中央装置20の開口21e内に移動可能とされてもよい。【選択図】図2

Description

本発明は、遊技機に関し、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球式の遊技機等に対して適用することができる。
弾球式の遊技機(パチンコ機)は、遊技者にとって有利な特定遊技(大当り遊技など)を行うか否かを決定するための当否判定を行う当否判定手段を備え、その当否判定の結果を遊技者に報知する。かかる遊技機は、通常、遊技者を視覚的に刺激して、遊技興趣を高めることを意図した装飾物を備えている。例えば、遊技球が流下する遊技盤本体の表面側(遊技盤の表面側)に装飾物を設けた遊技機が提案されている(特許文献1を参照、以下「従来例」という。)。
特開2002−831号
しかしながら、装飾物を遊技盤本体の表側に設ける構成は、斬新さに欠け、遊技者を視覚的に刺激することが困難である。また、遊技盤本体を透過性を有する部材とし、装飾物を遊技盤本体の裏側に設ける構成とすることも考えられるが、こうした構成では、遊技盤本体の表側を流下する遊技球等によって、その視認性が妨げられ、設計の自由度が低かった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、遊技盤本体に装飾物を設けた遊技機において、従来よりも装飾効果を高めることである。
本発明の遊技機は、
表側を遊技球が流下可能な透明板を備えた遊技機であって、
前記透明板の表側に設けられ、所定の球入口から入球した遊技球を前記透明板の表側の所定位置まで誘導する球通路部と、
前記透明板の裏側であって、前記球通路部の後方に設けられる装飾物と、を備え、
前記球通路部の後方に設けられる前記装飾物のうち少なくとも所定の部位を視認可能とするように、該所定の部位を避ける形状で前記球通路部が形成されることを特徴とする。
本発明の遊技機では、透明板の裏側に配置される装飾物を避けるように球通路部を設けることで、透明板の表側を流下する遊技球によって装飾物の視認性が妨げられることを防止できる。また、球入口から入球した遊技球を透明板の表側の所定位置まで誘導するように構成することで、その後方に位置する装飾物を透明板の裏面に可能な限り近接させることができ、外観の装飾性を高められる。これらの結果、装飾物の配置および構成の自由度を増すことができるとともに、従来よりも装飾効果を高めることができる。
また、本発明の遊技機では、
前記透明板には、表示装置の表示部を視認可能とする開口が設けられた中央装置が設けられ、
前記装飾物は、前記球通路部の後方に視認可能とされる位置から前記中央装置の開口内に移動可能に設けられる
こととしてもよい。
この場合、普段から視認可能とされていた装飾物が駆動し、中央装置の開口内に移動するため、遊技者に意外性を与え、遊技興趣を向上させることができる。
特に、「球通路部の後方に視認可能とされていた装飾物を中央装置の開口内に移動可能に設けること」とすれば、普段から視認可能であった装飾物が、突如として移動し、中央装置の開口内に移動することになる。つまり、普段から視認可能とされ、静止している装飾物であるとの印象づけがなされた装飾物が、突如、中央装置の開口内に移動するため、遊技者に対して、驚きや意外性を与え、遊技興趣を向上させることができる。
更に、本発明では、
前記装飾物の移動によって前記球通路部の後方に視認可能とされる第2の装飾物を設ける
こととしてもよい。
この場合、装飾物が移動すると、通路部材の後方に新たな装飾物(第2の装飾物)が出現するため、遊技者に対して、驚きや意外性を与えることが更に容易である。
また、本発明では、
前記透明板の表側を流下する遊技球が、前記球通路部の後方に視認可能とされる装飾物の前方を流下することを規制する規制部を有する
こととしてもよい。
この場合、装飾物の前方を遊技球が通過しないように規制し、装飾物をより視認容易な状態とするため、遊技者に対して、驚きや意外性を与えることが更に一層容易である。
なお、本明細書において、「前」および「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」および「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
また、本明細書において、遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを、「入賞」若しくは「入球」と表記することがある。このうち、「入賞」とは、賞球の払い出しの前提となる入賞口に遊技球が入球することを示すもので、入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを示す点では、「入球」と実質的に同義である。更に、後述する大入賞装置や始動入賞装置のように、入賞不能(若しくは、入賞困難)な状態と入賞可能(若しくは、入賞容易)な状態とに変化可能な入賞装置において、入賞不能(若しくは、入賞困難)な状態を第1状態と称し、入賞可能(若しくは、入賞容易)な状態を第2状態と称することがある。
以上記述したように本発明によると、遊技盤本体に装飾物を設けた遊技機において、従来よりも装飾効果を高めることができる。
本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。 本発明の各実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。 図3の一部拡大図(但し、前部材を取り外している)である。 図1の1−1断面図である。 (a)は演出表示装置の表示画面を概略的に示す正面図であり、(b)は特別図柄表示部で実行される変動表示の態様を示す説明図である。 球通路部材の正面図である。 (a)は基板部材の正面図であり、(b)は球通路部材等を示す縦断面図である。 (a)は前部材の正面図であり、(b)は前部材の縦断面図である。 前部材を示す斜視図(後方から視た斜視図)である。 (a)は大入賞装置等を示す縦断面図であり、(b)および(c)は開閉式始動入賞装置の正面図である。 (a)は第3複合部品の正面図であり、(b)は実施例1の普通図柄作動ゲートの特徴を示す横断面図であり、(c)は従来の普通図柄作動ゲートの横断面図である。 情報表示装置を構成するLEDの配置態様等を示す説明図である。 移動前の装飾物を説明するための説明図である。 移動後の装飾物を説明するための説明図である。 (a)〜(c)は装飾物を説明するための説明図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 主制御部から出力されるコマンドの種類を説明するための説明図である。 (a)および(b)は特別図柄の停止図柄等を説明するための説明図である。 (a)〜(b)は通常演出を説明するための説明図である。 (a)および(b)は変動パターンテーブルと、演出パターンテーブルを示す説明図である。 特別演出を説明するための説明図である。 遊技制御処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 (a)は演出制御処理を説明するためのフロー図であり、(a)は装飾物駆動制御処理を説明するためのフロー図である。 図柄変動演出処理を示すフロー図である。 実施例2に係る遊技機の遊技盤の一部を示す正面図である。 実施例2の球通路部材の縦断面図である。 実施例2の球通路部材を説明するための正面図(前部材を取り外した状態)である。 図30の一部拡大図である。 (a)及び(b)は振分部材を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は振分部材を説明するための説明図である。 実施例2の判定用乱数値メモリを説明するための説明図である。 (a)は実施例2の演出表示装置の表示画面を概略的に示す正面図であり、(b)は実施例2の保留表示領域を説明するための説明図である。 実施例2の特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 実施例2の特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 (a)は変形例1を説明するための説明図であり、(b)は変形例2を説明するための説明図であり、(c)は変形例3を説明するための説明図である。
以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hとを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体2Aと、外枠本体2Aの前面下部を覆う前板部2Bとを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうち外枠2を除く部分であって、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5および下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102等を主要部としている。
本体枠3は遊技盤10を保持可能な枠状体によって構成され、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。そして、この本体枠3が遊技盤10(図2を参照)を保持したとき、「遊技盤10の盤面(表面)に構成される遊技領域11」が、本体枠3の前方から視認可能とされる。
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、前後に貫通する視認窓41aを具備する枠本体41と、視認窓41aに填め込まれたガラス板43とを備えている。そして、遊技盤10に形成された遊技領域11(正面視で略楕、略円形若しくは略釣り鐘形状の遊技領域11)が前面枠4を閉じたときにその背後に位置する状態とされるため、この遊技領域11は視認窓41a(ガラス板43)を介して前面枠4の前方から視認可能とされる。
また、本遊技機1では、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5および下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2が装着され、前板部2Bの左右両端にも、スピーカSP3、SP4が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位置を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図16を参照)および演出ボタン基板228(図16を参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている。
上皿部材5の下方の部位には下皿部材6が設けられ、この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図2を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。なお、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は、正面視で略矩形状の樹脂製(アクリル製)の透明板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(中央装置20と、第1複合部品10C等)を備える。この遊技盤本体10Aの前面部には、樹脂製の帯状体若しくは金属性の帯状体で構成される外側レール12及び内側レール13が配設されている。また、遊技盤本体10Aの前面部のうち、外側レール12および内側レール13が形成する略円形若しくは略楕円形の周壁で略包囲された部位よって遊技領域11が構成されている。つまり、本実施例では、遊技盤本体10Aは本発明の「透明板」を構成している。
図2および図3に示すように、遊技領域11には、中央装置(メイン役物装置)20と、第1複合部品10Cと、第2複合部品10Lと、第3複合部品10Rと、開閉式始動入賞装置17Bと、情報表示装置60と、風車19等が配設されている。また、第1複合部品10Cは、球通路部材17Aと、大入賞装置31とが一体化された部材であり、球通路部材17Aの入口部分(球入口)が第1始動口17aを構成する。また、第2複合部品10Lには3個の一般入賞口45、46、47が設けられている。また、第3複合部品10Rには普通図柄作動ゲート16と、一個の一般入賞口48が設けられ、開閉式始動入賞装置17Bの入口部分(球入口)によって第2始動口17bが構成される。
図2に示すように、内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤10の左上部に配設されるとともに、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。また、内側レール13の外側面部には、補助レール13Bの上端部が一体化されている。そして、「補助レール13Bと、これに略平行な外側レール12の部分の間に形成される通路」と、その上方の「外側レール12と内側レール13とに挟まれつつ球進入口11Sに至る通路」とが連続して誘導経路Yを構成している。この誘導経路Yは、その下端部が「発射装置ユニット90の球出口96j」と連通するとともに、下端部から左上がり傾斜状に「内側レール13の外側(左側方)」を上昇した後、内側レール13の外側を時計回転方向に通過して球進入口11Sに到達している。
図4に示すように、中央装置20は枠部材21と演出表示装置27とを備え、枠部材21は遊技盤本体10Aを貫通孔10Kは嵌め込まれており、演出表示装置27の外縁を囲む盤面装飾用の部材を構成している。この枠部材21には、正面視で略矩形状の開口21eが前後に貫通する状態に設けられ、この開口21eによって演出表示装置27の表示画面27aを遊技盤10の前方から視認可能とするための表示窓を構成している。
また、図4に示すように遊技盤本体10A(遊技盤10)の後面部には裏部材91が装着されている。この裏部材91はステーおよびスペーサとして機能する部材であり、略箱形状に構成され、略矩形状の開口部91kを前方に向けた状態で配置されている。また、裏部材91は正面視で略矩形板に構成されつつ立設配置される背板部91aと、背板部91aの外周縁から前方に突出する周壁部91bと、開口部91kの周縁から突出するフランジ91cとを備える。そして、背板部91aには正面視で略矩形状とされつつ背板部91aの肉厚方向を貫通する装着部91dが設けられている。この装着部91dには演出表示装置27を構成する液晶パネル27Pが装着されている。なお、この裏部材91は、遊技盤本体10Aの四隅に介在させたスペーサ21sを介在させた状態で、遊技盤本体A10の裏面部に固定されている。
図2および図3に示すように、枠部材21の下縁部には、ステージ部21pがその前面部を遊技盤10の表面部と略面一する状態に設けられ、枠部材21の周縁部のその他の部位のうち左側縁部の下方側を除く部位には、装飾部21aが前方に突出する状態に設けられている。また、枠部材21は樹脂を用いて成形したもので全体を透明(若しくは半透明)としており、所謂「センター役物」を構成するものである。この枠部材21の左側縁において装飾部21aの下方に位置する部位には、終端部をステージ部21pの左端部に接続した通路(所謂「ワープ通路」)21wが設けられている。この通路21wの進入口21Qが、装飾部21aの左端下方側で左斜め上方に向かって開口するため、遊技領域11を流下する遊技球をこの進入口21Qで受け入れ、ステージ部21p上(中央装置20の内部)に進入させることができる。また、図3に示すようにステージ部21pはその上面部によって遊技球の転動面21qを構成する。この転動面21qは、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部21rとされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面21qの左端部に到達した遊技球U(図3を参照)は、転動面21q上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は中央装置20外(遊技領域11)に排出されるが、排出される遊技球のうちの幾つかは隆起部21rの前方であって、第1始動口17a(後述する)の鉛直上方で開口する出口21tから遊技領域11に排出され、第1始動口17aの真上に排出される。なお、出口21tから遊技領域11に排出されない遊技球は、隆起部21rの左側方の出口21u、右側方の出口21v、若しくは、出口21uよりも左側の出口21yから遊技領域11に排出される。但し、出口21u若しくは出口21vから排出される遊技球が第1始動口17aに入球する確率は、出口21tから排出される遊技球が第1始動口17aに入球する確率よりも低くなっており、出口21yから排出される遊技球が第1始動口17aに入球する確率は更に低くなっている。また、遊技領域11を流下する遊技球の中には中央装置20に進入せずに第1始動口17aに入球するものも存在する。
図4に示すように、裏部材91の内部であって、ステージ部21pの下方に位置する部位は装飾物85a、85b、85c等が配置されている。これらの装飾物85a、85b、85c等は遊技盤本体10Aの後方に隙間なく配置され、セル画の如き役割を果たしている。なお、装飾物85a、85b、85c等に関しては後述する。
演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、情報表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。本実施例では、情報表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技を行い、演出表示装置27が、演出図柄(疑似図柄)を用いて図柄変動演出を行う。なお、演出図柄(疑似図柄)を用いた図柄変動演出は「演出表示」の一具体例を構成する。
演出表示装置27の表示画面27aは、図5(a)に示すように、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を遊技者が視認可能となるように表示可能である。つまり、表示画面27aの略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)や背景色(青、赤等の画面の地色)等を表示した状態とされる。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の演出図柄を表示する演出図柄表示領域27bが、表示画面27a上に設けられる。この演出図柄表示領域27bでは演出図柄が横方向若しくは縦方向等に複数(本実施例では3つ)並んで表示され、それら「演出図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。そして、これら「演出図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「演出表示」が実現される。
図5(a)に示すように、表示画面27aの縁部側には第1保留表示領域27Dと、第2保留表示領域27Eが設けられる。このうち、第1保留表示領域27Dでは、第1始動口17a(後述する。)への入球に基づいて生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)が、「4個」を上限個数として表示され、第2保留表示領域27Eでは、第2始動口17b(後述する。)への入球に基づいて生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)が「4個」を上限個数として表示される。そして、何れの保留表示領域27D、27Eも、始動口17a、17bへの入球に基づき取得されたが、未消化(処理条件が未成立)の入球情報(判定用乱数値)の数が「保留図柄の表示数」によって示され、未消化の入球情報が消化される毎に「保留図柄の表示数」が順次、デクリメントして表示される。なお、以下の説明において、第1始動口17aに遊技球が入球することを「第1始動入賞」と称し、第2始動口17bに遊技球が入球することを「第2始動入賞」と称することがある。
第1複合部品10Cは、図2に示すように、球通路部材17Aと大入賞装置31が一体化した構成を備え、中央装置(メイン役物装置)20の鉛直下方に球通路部材17Aを配置し、中央装置(メイン役物装置)20の右斜め下方に大入賞装置31を配置するものである。この第1複合部品10Cは、図6に示すように、横方向に長尺な基板81と、基板81の前方に配置される前部材82とを備える。
基板81は透明な薄板で構成され、縁部をビス止めすることで遊技盤本体10Aの前面に装着される。そして、図3および図7(b)に示すように、基板81を遊技盤本体10Aに装着することにより、遊技盤本体10Aに設けられた貫通孔10Gが封止される。ここで、貫通孔10Gの周縁形状は基板81の周縁形状よりも小さくされている。以下、図7(a)に示すように、便宜上、この基板81を左側(仮想線a−aの左側)に位置する左領域部81aと、右側(仮想線a−aの右側)に位置する右領域部81bとに分けて説明する。
図7(a)および(b)に示すように、左領域部81の左右方向中央部であって下縁部寄りからは、略筒状の球排出部81cが後方に向かって突出している。この球排出部81cは上流側の端部81dは、左領域部81の左右方向中央部であって下縁部寄りで開口している。また、球排出部81cは遊技盤本体10Aの貫通孔10Gを後方に進んだ後、遊技盤本体10Aの裏側で下方に屈曲する屈曲形状とされている。そして、球排出部81cは下流側の端部81eは下方に向かって開口している。また、図7(a)に示すように、右領域部81bでは左右に長尺な略矩形状の開口部が設けられ、大入賞口31a(後述する。)を構成している。
図7に示すように、説明の便宜上、前部材82も、左側(仮想線b−bの左側)に位置する左領域部82aと、右側(仮想線b−bの右側)に位置する右領域部82bとを分けて説明する。また、図6に示すように、前部材82の左領域部82aと、基板81は左側に位置する左領域部81aとが協働して球通路部材17Aを構成し、図10(a)に示すように、前部材82の右領域部82bが、大入賞口31aの前方に不正防止壁82cを構成する。
図8および図9に示すように、左領域部82aは、左領域部82aの裏面から突出するとともに、所定の間隔をおいて並ぶ一対の側壁部82d、82eを有し、これらの側壁部82d、82eと、左領域部82aとが協働して樋状の球通路82f(球通路部)を構成する(図6を参照)。また、側壁部82d、82eの突端部(左領域部82aから遠ざかる位置の端部)は、基板81の左領域部81aに当接しているため、球通路82fは、側壁部82d、82eと、前後の左領域部82a、81aによって略筒形状に構成されている。ここで、球通路82fは「通路部」の具体例を構成する。
図6に示すように、球通路82fは、上方に配置されるとともに上下に向いた略直線状の経路を描く導入路82gと、導入路82gの下端に連続しつつ曲率中心を左方向に配置した略円弧状(若しくは、略コの字状)の経路を描く本体路82hとを備え、導入路82gの下端に略直下に本体路82hの端末部が配置されている。また、導入路82gの上端の開口が、遊技球が入球可能な球入口82kとされ、前述の出口21tから遊技領域11に排出される遊技球が、高確率で入球する。ここで、球入口82kによって第1始動口17aが構成される。
図8に示すように、基板81の左領域部81aあって、導入路82gの下端を構成する部位には、磁気センサ82p(図16参照)が装着され、本体路82hにおいてその中間に位置する部位には、第1始動口入球検知スイッチ17s(図16参照)が配設されている。そして、第1始動口17a(球入口82k)に入球した遊技球は、この第1始動口入球検知スイッチ17sによって検知されるため、主制御基板200に搭載されたCPU201は、第1始動口17a(球入口82k)に遊技球が入球したことを検知することになる。
本体路82hの下端部の後方に、球排出部81cは上流側の端部81dが連通している。そして、図7(b)に示すように、球排出部81cは、その上端から下端に向かって下り傾斜を有しているため、第1始動口17a(球入口82k)に入球した遊技球は、球通路82f、球排出部81cの順に通過して遊技盤本体10Aの裏側に誘導される。
図8および図9に示すように、左領域部82aの裏面部には、曲率中心を右方向に配置した略円弧状(若しくは、略コの字状)の経路を描く規制壁82mが突出している。この規制壁82mの上端部は、左側の側壁部82dにおいて導入路82gの下端を構成する部分と一体化され、規制壁82mの下端部は、左側の側壁部82dにおいて本体路82hを構成する部分と一体化されている。
第1複合部品10Cにおいて、規制壁82mと球通路82fが一体化されることで、規制壁82mと球通路82fの間に視認部82nが形成されている。そして、前部材82において視認部82nが形成された以外の部位は装飾(着色、模様などの負荷)が施され、前方から後方を透かして見ることができないが、視認部82nは無色透明なままとされているため、視認部82nの前方から後方を透かして見ることができる。
このように、第1始動口17aは出口21tの鉛直下方に配置されているとともに、非可変式の始動入賞口であり、大きさが不変の開口(遊技球受入口)を上方に向けたものとなっている。また、第1始動口17aの開口(遊技球受入口)の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。そして、この第1始動口17aは上方に開口しているため、その上方から流下する遊技球を受入可能である。
図10(a)に示すように、大入賞装置31は、右領域部81bを貫通する大入賞口(可変入球口)31aと、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図16参照)と、大入賞装置31に入球した遊技球を検知するための大入賞口入球検知スイッチ31s(図16参照)とを備えている。また、右領域部81bにおいて、大入賞口(可変入球口)31aの周縁に位置する部位には通路形成ボックス35の前端面が一体化されている。この通路形成ボックス35は略箱形状を備え、大入賞口(可変入球口)31aに入賞した遊技球は通路形成ボックス35の大入賞口入賞通路35Eに導かれる。そして、この大入賞口入賞通路35Eに設けられた前述の大入賞口入球検知スイッチ31s(図16参照)が、大入賞装置31に入球した遊技球を検知する。
この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞口31aへの遊技球の入球が不可能(入球不能状態)となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるため、大入賞口31aへの遊技球の入球が可能(入球能状態)となる。このとき、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。また、大入賞口(可変入球口)31aの前方には所定の間隔をおいて(開閉板31bの開閉を妨げないような間隔をおいて)、前部材82の右領域部82bが配置されている。この右領域部82bは、開閉板31bに針金やピアノ線を引っ掛けて、開閉板31bを無理やり前傾姿勢とする行為(大当り遊技が開始されておらず、大入賞口ソレノイド31cが駆動していないにもかかわらずに、開閉板31bを無理やり前傾姿勢とする行為)を防止するためのものである。
このように、本実施例では球通路部材17Aを構成する部品(基板81、前部材82)を他の遊技機用部品(例えば、大入賞装置31)と共用する態様を例示したが、球通路部材17Aを、専用の部品(他の遊技機用部品には用いない部品)で構成することもできる。例えば、球通路部材17Aが、球通路部材用の基板と、球通路部材用の前部材とを備えてもよい。また、本実施例では、側壁部82d、82eを前部材82から突出させる態様を例示したが、基板81から突出させてもよいし、基板81および前部材82の双方から突出する側壁部を用いて、略筒状の球通路を構成してもよい。なお、本実施例では大入賞装置31が遊技領域11の右側に位置する部位に配置されるため、大当り遊技が開始されると、中央装置20の右側を通過するように遊技球が発射される。
図2および図3に示すように、開閉式始動入賞装置17Bは開閉式の始動入賞装置であり、ステージ部21pと大入賞装置31との間(上下方向に沿った中間部)に配置されている。そして、開閉式始動入賞装置17Bの入口部分(球入口)によって第2始動口17bが構成される。この開閉式始動入賞装置17Bは、図10(b)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される基板17vを備える。また、開閉式始動入賞装置17Bの右側方には、入口部分(球入口)が設けられ、この入口部分(球入口)に普通電動役物17dを備えている。この普通電動役物17dは、1個の可動翼片17eが開閉するべく形成されている。つまり、開閉式始動入賞装置17Bは、この可動翼片17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図16参照)を備え、開閉式始動入賞装置17Bの内部には第2始動口入球検知スイッチ17t(図16参照)が配置され、開閉式始動入賞装置17B(第2始動口17b)に入球した遊技球を検知する。また、開閉式始動入賞装置17Bにおいても、基板17vが透明な薄板(樹脂板)で構成されるとともに、基板17vが遊技盤本体10を貫通する貫通孔10Hを封止するような状態で遊技盤本体10にビス止めされている(図3を参照)。
開閉式始動入賞装置17Bでは、単一の可動翼片17eが下端部を軸支され、傾動可能とされている。そして、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行わないと、図10(b)に示すように、可動翼片17eが立設状態とされる。このとき、開閉式始動入賞装置17Bの側部の第2始動口17bが閉鎖されるため、遊技球の入球不能な(入球確率ゼロ)閉鎖状態(第1の態様)となる。一方、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行うと、可動翼片17eが、下端部側を支点として右方向に傾動し、第2始動口17bを開放し、第2始動口17bに遊技球が入球可能となる。ここで、本遊技機1では第2始動口17bに遊技球が入球する頻度が高くされる高頻度状態を発生させる高頻度状態発生手段を備えており、第2始動口17bの開放時間(第2の態様が継続する時間)を延長すること(遊技状態を開放延長状態とすること)で高頻度状態を実現している。そして、遊技状態が高頻度状態(開放延長状態)である場合には、第2始動口17bが開放状態(第2の態様)となる時間が長くなる(例えば、「5秒」)。一方、遊技状態が通常頻度状態(非開放延長状態)である場合には、第2始動入賞口17bが開放状態(第2の態様)となる時間が短くなる(例えば、「0.2秒」)。
なお、第2始動口17bが遊技領域11の右側に位置する部位に配置されるため、第2始動口17bの開放時間が長くなる開放延長状態(高頻度状態)となると、中央装置20の右側を通過するように遊技球が発射される。また、本実施例と異なり、開閉式始動入賞装置17B(普通電動役物17d)を、いわゆるチューリップ式で左右に一対の可動翼片が開閉するべく形成してもよい。つまり、開閉式始動入賞装置17Bは、この一対の可動翼片を作動させるための普通電動役物ソレノイド17cと、第2始動口入球検知スイッチ17tとを備えてもよい。この一対の可動翼片間の空間によって第2始動口17bを構成し、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行わないと、一対の可動翼片が立設状態とされる。これにより、一対の可動翼片間に1球の遊技球の通過を許容する大きさの遊技球受入口(第2始動口17b)が設けられ、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行うと、一対の可動翼片が、下端部側を支点として互いの上端部間の間隔を拡大する(第2始動口17bの開口幅を拡大する)ように傾動し、遊技球の入球頻度が高くなる開放状態(第2の態様)となる。
図3に示すように、第2複合部品10Lは、基板10Mと、基板10Mにおいて左右および上下に所定の間隔をおいて配置される一般入賞口45、46、47と、を備える。また、基板10Mはが透明な薄板(樹脂板)で構成され、遊技盤本体10Aにビス止め固定されている。そして、何れの一般入賞口45、46、47に入球した遊技球も、遊技盤本体10Aに後面部に装着された左裏樋部材(図示を省略)に流入する。この左裏樋部材には、それぞれの一般入賞口45、46、47に対応する通路(樋状通路)が設けられ、各通路には一般入球検知スイッチ45s、46s、47s(図16参照)が配設されている。このため、一般入賞口45に入球した遊技球は一般入球検知スイッチ45sにより検知され、一般入賞口46に入球した遊技球は一般入球検知スイッチ46sにより検知され、一般入賞口47に入球した遊技球は一般入球検知スイッチ47sにより検知される。なお、裏樋部材に設けられる通路(樋状通路)を所定位置で合流させ、この合流した部位に共通の一般入球検知スイッチを配置し、何れの一般入賞口45、46、47に入球した遊技球も、この共通の一般入球検知スイッチによって検知されることとしてもよい。また、一般入賞口45、46、47と一般入球検知スイッチ45s、46s、47sとを備える一般入賞装置を用いることもできる。
図3に示すように、第3複合部品10Rは、開閉式始動入賞装置17Bの右側方に配置されるものである。また、図11(a)および(b)に示すように、基板10Nと、普通図柄作動ゲート16と、一個の一般入賞口48と、突出部10Pとが設けられている。また、基板10Nは透明な薄板(樹脂板)で構成され、遊技盤本体10Aにビス止め固定されている。
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、基板10Nから突出する状態に配置され、過検知スイッチ16s(図16を参照)と、過検知スイッチ16sを被覆する外装体16tとを備える。この過検知スイッチ16sは平面形状が略矩形で長尺な板状体で構成され、長手方向を左右に向け、肉厚方向を上下に向けた状態で、遊技盤本体10Aの表面側に配置されている。この過検知スイッチ16sは、一端側に検知孔16uを備えるが、遊技盤本体10Aを流下する遊技球が通過可能なように、検知孔16uの軸心を上下に向けている。また、外装体16tは過検知スイッチ16sにおいて検知孔16uを除く部位を被覆しているため、遊技盤本体10Aを流下する遊技球が検知孔16uを通過することが可能である。
突出部10Pは、基板10Nにおいて普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16の配置箇所よりも下方から突出しており、検知孔16uの下部に左下り傾斜となる転動面16Yを形成している。このため、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16の検知孔16uを通過した遊技球は、転動面16Yに落下し、アウト口18の方向に導かれる。
基板10Nにおいて、突出部10Pよりも下方からは一般入賞口48が突出し、一般入賞口48に入球した遊技球は遊技盤10の裏面部に装着された右側裏樋部材(図示を省略)に流入する。この右裏樋部材には、一般入賞口48に対応する通路(樋状通路)が設けられ、この通路には、一般入賞口48に入球した遊技球を検知するための一般入球検知スイッチ48s(図16参照)が配設されている。なお、右裏樋部材には、前述の第2始動口17bに入球した遊技球を通過させるための通路と、大入賞口31aに入球した遊技球を通過させるための通路が設けられている。
ところで、従来の遊技機においては、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16が、その長手方向を遊技盤本体10Aの前後方向に向けて配置される。具体的には、図11(c)に示すように、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16の一端側(検知孔16uを備える側)を遊技盤本体10Aの表面よりも前方に突出させ、その他の部位を遊技盤本体10Aの貫通孔10Tに挿入するため、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16の一部が、遊技盤本体10Aの裏面よりも後方に大きく突出する。よって、遊技盤本体10Aの裏面近くに、装飾物85Aを配置することが困難なため、装飾物85Aを「従来のセル画」の代わりに用いることが困難であった。一方、本実施例では、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16が、その長手方向を遊技盤本体10Aの左右方向に向けて配置され、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16の一部が、遊技盤本体10Aの裏面よりも後方に突出しなかったり、突出量を少なくできる。よって、遊技盤本体10Aの裏面近くに、装飾物85Aを配置することが容易であるため、装飾物85Aを「従来のセル画」の代わりに用いることが容易である。
図2および図3に示すように、情報表示装置60は、遊技盤10の表面部であって、遊技領域11の外側(遊技盤10の表面外縁)に該当する外縁部10Bのうち左下部位(左下外縁部)に配置されている。この外縁部10Bの左下部位は視認窓41aの左下方側を介して前方から視認可能な部位であるため、情報表示装置60は前面枠4の前方から視認可能とされている(図1を参照)。この情報表示装置60は、図12に示すように基板60Aを備え、この基板60Aに対して、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。
具体的には、図5(b)および図12に示すように、5個のLED(P1〜P5、P6〜P10)を上下2列に並べることで、第1特別図柄表示部62aが構成されている。また、第1特別図柄表示部62aの下方において、5個のLED(Q1〜Q5、Q6〜Q10)を上下2列に並べることで、第2特別図柄表示部62aが構成されている。また、第1特別図柄表示部62aの上方左側に並ぶ2個のLED(S)によって第1特別図柄保留表示部64aが構成され、第1特別図柄保留表示部64aの右側で並ぶ2個のLED(S)によって第2特別図柄保留表示部64bが構成される。更に、第2特別図柄表示部62aの右側に左右に並ぶ2個のLED(R1、R2)によって普通図柄表示部63が構成され、普通図柄表示部63の右側で上下に並ぶ2個のLED(S)によって普通図柄保留表示部65が構成されている。なお、本実施例と異なり、情報表示装置60を遊技領域11内に配置することもできる。
図5(b)に示すように、第1特別図柄表示部62aは10個のLED(P1〜P10)を点滅させることで「第1特別図柄」の変動表示を実現する。具体的には、これらのLEDのうち点灯させるものを「P1」、「P2」、「P3」…「P10」の順に1つずつ点灯させ、先に点灯したLEDを後のLEDが点灯する際に消灯させることで、LED(P1〜P10)による循環表示が行われる。そして、この循環表示を所定時間繰り返すことで「第1特別図柄」の変動表示が実現される。また、第2特別図柄表示部62bも10個のLED(Q1〜Q10)を第1特別図柄表示部62aのLED(Q1〜Q10)と同様に点滅させることで「第2特別図柄」の変動表示を実現する。この「第2特別図柄」の変動表示の実行態様は「第1特別図柄」と同様である。
第1特別図柄表示部62aでは「第1始動入賞」に基づいて第1特別図柄の変動表示(10個のLEDを用いた循環表示)を行い、変動表示の実行時間が経過すると当否判定の結果を表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは「第2始動入賞」に基づいて第2特別図柄の変動表示(10個のLEDを用いた循環表示)を行い、変動表示の実行時間が経過すると当否判定の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。そして、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合には、図18(a)に示すように、変動表示の終了によって10個のLED(P1〜P10若しくはQ1〜Q10)のうち何れか1個を点灯(停止表示)することによって、外れ表示が行われる。一方、当否判定の結果が「大当り」である場合には、図18(b)に示すように、変動表示の終了によって10個のLED(P1〜P10若しくはQ1〜Q10)のうち2個若しくは3個を点灯(停止表示)することによって、当り表示が行われる。
前述のように、普通図柄表示部63は2個のLED(R1、R2)を備えた構成とされ、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、上述した特別図柄とLEDの数は異なるものの、特別図柄の変動表示と同様に、普通図柄表示部63を構成する2個のLED(R1、R2)を交互に点灯(点滅)させることで実現される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると2個のLED(R1、R2)の交互の点灯(普通図柄の変動表示)が終了し、普通図柄の変動表示の結果(普通図柄の当否判定の結果)が一定時間(例えば、0.5秒)表示される。このとき、2個のLED(R1、R2)のうち一方(R1)が点灯すると普通図柄の変動表示の結果が当りであり、他方(R2)が点灯すると普通図柄の変動表示の結果が外れである。
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64bおよび普通図柄保留表示部65は何れも2個のLEDを備え、対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)に関する保留数をLEDの点灯数、駆動態様によって表示する。例えば、消灯状態のLEDは「ゼロ」を表示し、点灯状態のLEDは「1」を表示し、点滅状態のLEDは「2」を表示することとすれば、2個のLEDを用いて「ゼロ」〜「4」の整数を表示できる。
また、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。
図4、図13に示すように、裏部材91の内部であって、ステージ部21pの下方に位置する部位は装飾物85a、85b、85c、85d等が配置されている。これらの装飾物85a、85b、85c、85d等は遊技盤本体10Aの後方に隙間なく配置されている。これらの装飾物85a、85b、85c、85d等は、遊技盤本体10Aの裏面に近い位置に配置されているため、従来のセル画の如き役割を果たしている。また、裏部材91の内部であって、枠部材21の上縁部後方にも装飾物89が配置されている。なお、図13および図14においては、図示の便宜のため、遊技盤本体10Aや中央装置20を仮想線で示している。
視認部82nの後方に配置される装飾物85aと、この装飾物85aの左側に配置される装飾物85bと、装飾物85aの右側に配置される装飾物85cは、上下に向かって移動可能とされている。これらの装飾物85a〜85cは板状体の表面部に漫画絵を描いたものであり、図13に示す位置が、これらの装飾物85a、85b、85cの待機位置である(中央装置20の開口21e内に移動する前の位置、つまり、装飾物85aが視認部82nの後方に存在する位置)。また、図15(a)に示すように、これらの装飾物85a〜85cに裏面にはラック86a、86b、86cが装着され、これらのラック86a、86b、86cには、駆動モータ87a、87b、87cに装着されたピニオン88a、88b、88cが噛合している。これらの駆動モータ87a、87b、87cはステッピングモータであり、駆動基板226を介してサブ制御基板220(図16参照)に接続され、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220から出力される制御信号を用いて制御される。なお、本実施例と異なり、これらの装飾物85a〜85cの駆動機構としてモータ(ラック、ピニオン)以外もの(ソレノイド)等を用いてもよい。
枠部材21の上縁部後方に配置される装飾物(以下、上部装飾物という。)89はフィギアを用いて構成され、図15(b)に示すように、その裏面にはラック89aが装着され、これらのラック89aには、駆動モータ89cに装着されたピニオン89dが噛合している。この駆動モータ89cもステッピングモータであり、駆動基板226を介してサブ制御基板220(図16参照)に接続され、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220から出力される制御信号を用いて制御される。なお、本実施例と異なり、この装飾物89の駆動機構としてモータ(ラック、ピニオン)以外もの(ソレノイド)等を用いてもよい。なお、図15(c)に示すように、装飾物85a〜85c、89の裏面からは複数のスライド突起88Aが突出し、裏部材91の内部にはスライド突起88Aがスライド可能な状態に嵌合するスライド支持部88Bが設けられている。このスライド突起88Aおよびスライド支持部88Bは軸心を上下に向けて配置され、装飾物85a〜85c、89の上下動可能な状態(上下にスライド可能な状態)に支持する。
本遊技機1では、所定条件が成立していないときには、図13に示すように、装飾物85a〜装飾物85cは他の固定式の装飾物85dとともに、裏部材91の内部であって、ステージ部21pの下方に位置する部位に配置される。このとき、装飾物85aの中心部分が視認部82nを透かして視認され、第2装飾物85bおよび第3装飾物85cが、遊技盤本体10Aを透かして視認される。この状態で、装飾物85a〜装飾物85cは他の固定式の装飾物85dとともに、遊技盤本体10Aの裏側に配置されたセル画の役割を果たす。また、所定条件が成立していないときには、上部装飾物89の略全体が、枠部材21の上縁部後方に隠れた状態となる。但し、上部装飾物89の僅かな部分が視認可能なため、遊技者の関心を引きつけることになる。
所定条件が成立すると、図14に示すように、装飾物85a〜85cは裏部材91の内部であって、ステージ部21pの上方に位置する部位に上昇し、枠部材21の開口部21e内(中央装置20の開口21e内)に移動する。このとき、視認部82nの後方には他の装飾物85mが出現し、視認部82n前方から視認可能となる。また、上部装飾物89が下降し、枠部材21の開口21e内に移動し、視認可能となる。ここで、他の装飾物85mは「第2の装飾物」の具体例を構成する。
(2)制御回路の構成
次に、図16を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aの他に、複数の副制御部を備える。そして、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成され、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成され、演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成され、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成され、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図16中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。
主制御部200Aは、普通図柄作動ゲート通過検知出スイッチ16s、第1始動口入球検知スイッチ17s、第2始動口入球検知スイッチ17t、一般入賞口入球検知スイッチ45s〜48s、大入賞口入球検知スイッチ31s等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部220Aや、払出制御部240A、発射制御部260A等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。また、主制御部200Aには磁気センサ82pが電気的に接続されている。
サブ制御部220Aは、主制御部200Aからの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220Aは、主制御部200Aからの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220Aには、演出表示制御部222Aと、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、演出ボタン基板228には演出ボタンSWが電気的に接続されている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226および演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220cには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200Aから送出された表示制御コマンド(表示制御信号)を受信し、ROM220cに記憶されたプログラムに従って受信した表示制御コマンドを解析する。そして、CPU220aは、主制御部200Aから送信された表示制御コマンドに基づき新たに生成したコマンドや、主制御部200Aから送信されたままの表示制御コマンドを、図柄制御コマンドとして演出表示制御部222Aに対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている(図1を参照)。また、装飾駆動基板226には、装飾駆動基板226にはモータ87a、87b、87c、89c、各種LED基板4b〜4r(前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LEDを搭載した各種LED基板4b〜4r)等が電気的に接続されている。また、払出制御部240Aには主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続され、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。
次に、図17の模式図を用いて主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される様子を説明する。つまり、主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部200Aからサブ制御部220Aに出力されるコマンドに関して後述する。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)に基づいて行われる当否判定の結果を示す図柄の停止表示と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを情報表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、情報表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄と、情報表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄は「本図柄」であり、主制御部200Aによって「停止表示させる図柄(停止図柄)」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「演出図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御するサブ制御部220Aによって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「演出図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「演出図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では第1始動入賞に基づいて第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、第2始動入賞に基づいて第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出」の概要について説明する。なお、本図柄および演出図柄は何れも「識別情報」の具体例を構成するが、本遊技機1において使用する「識別情報」を本図柄および演出図柄のうち何れか一方に一本化してもよい。
a.図柄変動遊技
第1特別図柄に係る図柄変動遊技(変動表示)と、第2特別図柄に係る図柄変動遊技(変動表示)は、図5(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成するLED(P1〜P10、Q1〜Q10)の「循環表示」と、停止表示によって構成される。そして、第1特別図柄に係る図柄変動遊技における停止表示によって「第1始動入賞」に基づいて実行される当否判定(以下、「第1当否判定」という。)の結果が表示され、第2特別図柄に係る図柄変動遊技における停止表示によって「第2始動入賞」に基づいて実行される当否判定(以下、「第2当否判定」という。)の結果が表示される。
図18に示すように、遊技機1の確率状態が通常確率状態(低確率状態)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/315」とされ、遊技機1の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/31.5」とされる。そして、何れかの特別図柄表示部62a、62bに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段(つまり、特定遊技実行手段)が駆動して大当り遊技が実行される。
本実施例では、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。具体的には、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「16R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Aという。)」若しくは「16R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Aという。)」に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によって、大当り図柄が「通常図柄A」、「4R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Bという。)」および「4R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Bという。)」のうち何れかに決定される。なお、図12(b)に示すように、特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成するLED(P1〜P10、Q1〜Q10)のうち、循環方向に隣り合う2個LEDを点灯させることによって「通常図柄A」が構成され、循環方向に隣り合わない2個LEDを点灯させることによって「通常図柄B」が構成される。更に、循環方向に隣り合う3個LEDを点灯させることによって「確変図柄A」が構成され、循環方向に隣り合わない3個LEDを点灯させることによって「確変図柄B」が構成される。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(入球可能状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
「16R確変大当り」若しくは「16R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技Aが実行され、「4R確変大当り」若しくは「4R通常大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「4回」の大当り遊技Bが実行される。また、「16R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段(後述する。)が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となる。また、「16R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」を生ずると大当り遊技の終了後には開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この高確率状態および開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。
「16R通常大当り」若しくは「4R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には、確率変動手段が作動を開始しないため、遊技機1の確率状態が通常確率状態(低確率状態)とされる。また、当該大当り遊技の終了後に開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。以上、図13を用いて説明したように、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。
b.図柄変動演出
本遊技機1は、図柄変動演出を行う演出手段として、演出表示装置27、スピーカSP1〜SP4、装飾物85a、85b、85c、89等を備え、図柄変動演出は、これらの演出手段を用いて始動入賞に基づいて開始される。以下の説明において、可装飾物85a、85b、85c、89の駆動を伴わない図柄変動演出が「通常演出」と称し、駆動を伴う図柄変動演出が特別演出と称する。
b−1.通常演出
通常演出は、特別図柄変動遊技の開始時に決定される変動パターンが特定変動パターンでない場合に実行される。この通常演出では、図19(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aに演出図柄表示領域27bが出現し、演出図柄の変動表示を開始する。そして、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される。この演出図柄の停止表示は、前述の特別図柄表示部62(62a若しくは62b)による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。なお、図20に示すように、特定変動パターンは、可装飾物85a、85b、85c、89の駆動を行う上で十分な変動時間(例えば、30秒以上)を確保可能となるものから選択される
図19(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでは、演出図柄表示領域27bに3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。この演出図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。
また、図柄変動演出では、演出図柄の停止図柄には「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と「外れ示す停止図柄(外れ図柄)」とがある。そのうち「確変大当りを示す大当り図柄」は演出図柄表示領域27bに「同一の奇数数字」を3個並べて構成され、「通常大当りを示す大当り図柄」は演出図柄表示領域27bに「同一の偶数数字」を3個並べて構成される。また、「外れ図柄」は、演出図柄表示領域27bに停止表示される3つの演出図柄のうちの少なくとも1つを、他と異なる数字図柄として構成される。尚、図19(c)に示すように、演出表示装置27において「大当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行うが、「外れ図柄」を表示する場合、図19(b)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う場合と、図19(a)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合がある。
b−2.特別演出
特別演出は、特別図柄変動遊技の開始時に決定される変動パターンが特定変動パターンである場合に実行される。この特別演出においても、演出表示装置27の表示画面27aの演出図柄表示領域27bに3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示が開始される。そして、図21に示すように、リーチ表示の実行タイミングとなると、演出図柄表示領域27bでリーチ表示がなされる(a1)。この後、所定時間が経過すると、駆動モータ87a、87b、87cのモータ軸を第1の回転方向に回転させ、装飾物85a、85b、85cを枠部材21の開口21e内に移動する。同時に、駆動モータ89cを第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に回転させ、枠部材21の開口21e内に移動する。
そして、所定時間が経過すると、駆動モータ87a、87b、87cのモータ軸を第2の回転方向に回転させ、装飾物85a、85b、85cを枠部材21の開口21e内から元の位置に戻す。同時に、駆動モータ89cを第1の回転方に回転させ、枠部材21の開口21e内から元の位置に戻す。この後、演出図柄の変動時間が経過すると、演出図柄表示領域27bで演出図柄が停止し、演出表示装置27によって当否判定(第1当否判定若しくは第2当否判定)の結果が報知される(a4)。
(4)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図22は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図22のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図22のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
以下では、図22に示す遊技制御処理を構成する各処理のうち、特別図柄遊技処理(S300)と、大当り遊技処理(S600)について詳しく説明する。なお、賞球払出処理(S80)は入賞装置(17a、17b、31、45〜48)に遊技球が入球したときの賞球払出に関する処理であり、普通図柄遊技処理(S100)は、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示と、普通図柄の停止表示(当り図柄若しくは外れ図柄の停止表示)とを行うための処理である。また、普通電動役物遊技処理(S200)は開閉式始動入賞装置17Bの開閉に関する処理である。
特別図柄遊技処理(S300)が起動すると、図23に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図17に示すS308以降の処理に移行する。
CPU201によって第1始動入賞が発生したと判断されると(S301a;YES)、第1始動入賞に対応する第1特別図柄の保留数(第1保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において所定数未満と判断されると(S302a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303a)。この第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(以下、「第1判定用乱数値メモリ」という。)に記憶されるとともに、「第1始動入賞に対応する特別図柄の保留数(第1保留数)」が累積的に記憶(加算記憶)される(S303a)。ここで、S303aの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第1始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出図柄の変動表示(図柄変動演出)においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値などがある。
ここで、本遊技機1は始動入賞装置として、第1始動入賞装置17aと第2始動入賞装置17bとを備える。また、第1始動入賞に基づいて変動表示を行う第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)と、第2始動入賞を生ずることに基づいて変動表示を行う第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)とを備える。そして、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく判定用乱数値と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく判定用乱数値とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。また、図23〜図25においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
また、第2始動入賞が発生したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞に対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において所定数未満と判断されると(S302b;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303b)。この第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(以下、「第2判定用乱数値メモリ」という。)に記憶されるとともに、「第2始動入賞に対応する特別図柄の保留数(第2保留数)」が累積的に記憶(加算記憶)される(S303b)。ここで、S303bの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第2始動入賞に基づいて実行される第2当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される大当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示(図柄変動演出)においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値などがある。
S308の処理では、図24に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図25のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、前述の第2判定用乱数値メモリから、最も古い判定用乱数値を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数値はS303bで取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。
この第2当否判定処理(S320b)では、第2当否判定に関する処理が行われる。この第2当否判定処理(S320b)では遊技機1の確率状態が高確率状態であるか否か(確変フラグがセットされているか否か)が判断され、高確率状態であるときには、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した判定用乱数値(大当り用判定乱数値)」とを用いて「大当り判定」が行われ、通常確率状態(低確率状態)であるときには、「通常確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した判定用乱数値(大当り用判定乱数値)」とを用いて「大当り判定」が行われる。
CPU201は第2当否判定処理(S320b)に続いて特図2図柄変動開始処理(S500b)を実行する。この特図2図柄変動開始処理(S500b)においてCPU201は、第2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて第2特別図柄の停止図柄(大当りの場合は大当り図柄、外れの場合は外れ図柄)を決定する処理と、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行う。そして、第2特別図柄の変動表示を開始させた後、サブ制御基板220に向かって所定のコマンドを送信することで、特図2図柄変動開始処理(S500b)が終了するため、CPU201は一旦特別図柄遊技処理(S300)を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。ここで、第2特別図柄の停止図柄(大当り図柄、外れ図柄)は第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄であり、前述のS316の処理で読み出した判定用乱数値に含まれる図柄決定乱数値を用いて決定される。また、第2特別図柄の変動表示を開始させた後にサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドは「変動パターン指定コマンド」や「特別図柄停止情報指定コマンド」である。なお、特図2図柄変動開始処理(S500b)で決定する変動パターンによって第2特別図柄の変動時間が特定され、後述する特図1図柄変動開始処理(S500a)で決定する変動パターンによって第1特別図柄の変動時間が特定される。また、変動パターンは変動開始時の遊技状態や保留数を考慮して選択されるが、前述のように特定変動パターンが選択されると、サブ制御基板220側のCPU220aが特別演出を実行する。
変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドは、図17に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が大当り図柄であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が「通常大当り図柄」、「確変大当り図柄」の何れであるかを知ることができる。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して演出図柄の表示制御信号を出力し、演出図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に基づいて、演出表示制御基板222やアンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図24に戻り、「第2保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1判定用乱数値メモリから最も古い判定用乱数値を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図22の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理もS320bと同様に行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)もS500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に行われる。つまり、この特図1図柄変動開始処理(S500a)においてCPU201は、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づいて第1特別図柄の停止図柄(大当りの大当り図柄、外れの場合は外れ図柄)を決定する処理と、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行う。そして、第1特別図柄の変動表示を開始させた後、サブ制御基板220に向かって所定のコマンドを送信することで、特図1図柄変動開始処理(S500a)が終了するため、CPU201は一旦特別図柄遊技処理(S300)を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図24参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図22の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図18のS352)。つまり、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に大当り図柄が停止表示されたか否かを判断する(図25のS352)。
図25のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(確変大当り、通常大当り)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域がS354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態を示すデータがセットされる。なお、「確変フラグ」は特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率に設定される状態(高確率状態)にあること、すなわち確率変動機能(確変機能)が作動していることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態(短縮変動状態)にあること、すなわち変動時間短縮機能(時短機能)が作動していることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は開閉式始動入賞装置17B(普通電動役物17d)が開放状態となる時間(開放時間)が長時間に設定される状態(開放延長状態)にあること、すなわち開放時間延長機能(開放延長機能)が作動していることを示すフラグである。なお、本実施例では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。つまり、短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。
主制御基板200のCPU201はS354の処理に続いて、発生させる大当りの種類に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。つまり、「16R確変大当り」若しくは「16R通常大当り」を発生させる場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「16ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「4R確変大当り」若しくは「4R通常大当り」を発生させる場合には、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「4ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。そして、S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。
S378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。つまり、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S382)を行った後、S384の処理に移行する。
S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図22の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図22の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図22の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図22のS600)が開始され、大当り遊技が実行される。
なお、大当り遊技を終了するときに、前述の「大当り遊技終了時参照用バッファ(図20のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)の種類(通常大当り図柄、確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モード等を設定する処理を行う。つまり、「今回の大当り図柄」が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。これにより、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、特別図柄の変動回数が「100回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動を停止する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は、確変フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。つまり、「確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。また、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長機能及び変動時間短縮機能は作動を停止する。
次に、図25のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;YES)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図22の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技状態が「低確率の短縮変動状態」若しくは「高確率の短縮変動状態」である場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図22の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技状態が低確率の短縮変動状態から低確率の通常変動状態に切り換わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図22の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動で短縮変動状態が終了して、次回の変動から通常変動状態に切り換わり、次回以降の特別図柄の変動は通常変動で行われる。なお、変動短縮フラグや開放延長フラグがともにOFFに切り換わった場合(S410,416)には、高確率状態や開放延長状態(短縮変動状態)が終了して状態の切り換わりが生ずることとなる。本実施例では、そのような状態の切り換わりが発生した場合には、その切り換わり後の状態を示す制御コマンド(状態指定コマンド)を主制御部200Aからサブ制御部220Aに向けて送信するように構成している。
(5)演出制御処理(S980)
次に、図26(a)を用いて、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222Aと協働して行う「演出制御処理(S980)」の概要について説明する。なお、図26(a)には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。この演出制御処理(S980)では、図柄変動演出処理(S1100)、装飾物駆動処理(S1600)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。また、図26(a)の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図26(a)のフロー図に示す処理のうち、大当り遊技演出処理(S1800)の説明を省略する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)は、図27に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドである。
CPU220aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、大当り時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1115)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S1110;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、外れ時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1120)。
サブ制御基板220のCPU220aは、S1115若しくはS1120の処理を終了すると、S1140の処理を行う。このS1140の処理では、S1115若しくはS1120の処理でセットされた演出パターンテーブルを用いて図柄変動演出の演出パターンを決定する(S1140)。この場合、各演出パターンテーブルに単一の演出パターンが記憶されている場合には(図38を参照)、S1140において、当該単一の演出パターンが使用する演出パターンとして決定され、各演出パターンテーブルに決定用乱数値に対応づけた状態で複数の演出パターンが記憶されている場合には、S1140において乱数抽選を行って演出パターンを決定する。
ここで、S1115の処理を経たS1140の処理では、S1140の処理で決定された演出パターンによって、表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様やリーチ表示の具体的な態様等、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される(S1140)。また、S1120の処理を経て実行されるS1140の処理では、S1140の処理で決定された演出パターンによって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される。
CPU220aはS1140の処理を行うと、演出図柄の停止図柄(確定表示する図柄)をセットする処理を行った後(S1145)、S1150の処理に移行する。ここで、S1115の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされ、S1120の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「外れ停止図柄」として「外れを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。
S1150の処理では、S1140の処理で決定した「演出パターン」およびS1145の処理で決定した「演出図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、演出図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を開始させる(S1150)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出を開始させる。なお、特定変動パターンに基づく図柄変動演出(特別演出)を実行する場合、後述する装飾物駆動処理(S1600)に基づいて装飾物85a〜85c、86が表示画面27aの前方に出現する。
この後、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止コマンドを受信したと判断すると(S1160;YES)、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させ(S1165)、図柄変動演出を終了させる。
b.装飾物駆動処理(S1600)
図26(b)に示すように、装飾物駆動処理(S1600)が起動すると、図柄変動開始時のコマンドを受信したか否かを判断し(S1605)、受信していれば(S1605;YES)、S1610以降の処理が実行される。そして、S1610の処理において、CPU220aは、受信した「変動パターン指定コマンド」に基づき、特定変動パターンが指定されているか否かを判断する(S1610)。
特定変動パターンが指定されている場合には(S1610;YES)、駆動開始タイミングとなると(S1615;YES)、装飾物の駆動を行った後、装飾物駆動処理(S1600)を完了する。一方、特定変動パターンが指定されていない場合には(S1610;NO)、そのまま装飾物駆動処理(S1600)を終了する。
(6)実施例の効果
本遊技機1では、遊技盤本体10A(透明板)の裏側に配置される装飾物85aを避けるように球通路82f(球通路部)を設けることで、遊技盤本体10A(透明板)の表側を流下する遊技球によって装飾物(85a等)の視認性が妨げられることを防止できる。また、第1始動口17a(球入口82k)から入球した遊技球を遊技盤本体10A(透明板)の表側の所定位置まで誘導するように構成することで、その後方に位置する装飾物(85a等)を遊技盤本体10A(透明板)の裏面に可能な限り近接させることができ、外観の装飾性を高められる。これらの結果、装飾物(85a等)の配置および構成の自由度を増すことができるとともに、従来よりも装飾効果を高めることができる。
また、遊技盤本体10A(透明板)には、演出表示装置27(表示装置)の表示画面27a(表示部)を視認可能とする開口21eが設けられた中央装置20が設けられ、装飾物(85a等)は、球通路82f(球通路部)の後方に視認可能とされる位置から中央装置20の開口21e内に移動可能に設けられる。このため、普段から視認可能とされていた装飾物(85a等)が駆動し、中央装置20の開口21e内に移動するため、遊技者に意外性を与え、遊技興趣を向上させることができる。特に、「球通路82f(球通路部)の後方に視認可能とされていた装飾物85aを中央装置21の開口21e内に移動可能に設けること」としているため、普段から視認可能であった装飾物(85a等)が、突如として移動し、中央装置20の開口21e内に移動する。つまり、普段から視認可能とされ、静止している装飾物(85a等)であるとの印象づけがなされた装飾物(85a等)が、突如、中央装置20の開口内21eに移動するため、遊技者に対して、驚きや意外性を与え、遊技興趣を向上させることができる。
更に、本実施例では、装飾物(85a等)の移動によって球通路82f(球通路部)の後方に視認可能とされる第2の装飾物85mを設ける。このため、装飾物85aが移動すると、球通路82f(球通路部)の後方に新たな装飾物(第2の装飾物85m)が出現するため、遊技者に対して、驚きや意外性を与えることが更に容易である。また、本実施例では、遊技盤本体10A(透明板)の表側を流下する遊技球が、球通路82f(球通路部)の後方に視認可能とされる装飾物(85a等)の前方を流下することを規制する規制壁82m(規制部)を有する。このため、装飾物(85a等)の前方を遊技球が通過しないように規制し、装飾物(85a等)をより視認容易な状態とするため、遊技者に対して、驚きや意外性を与えることが更に一層容易である。
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2の遊技機では、図28に示すように、(a)球通路部材17Aの球通路73fが、第1分岐通路73cと第2分岐通路73dとに枝分かれしている点、(b)球入り口73(始動口17a)から入球した遊技球を第1分岐通路73c若しくは第2分岐通路73dに振り分ける振分部材75を備える点と、(c)球通路部材17Aおよび大入賞装置31が別体とされている点が、実施例1の遊技機1と異なる。
図28〜図30に示すように、実施例2の球通路部材17Aは、後部材71と、前部材72と、振分部材75とを備える。なお、図30においては、説明の便宜のため、前部材72を取り外した状態を示している。
図29および図30に示すように、後部材71は透明な樹脂を用いて構成されるとともに、基板部71aと、基板部71aから前方に突出する側壁部71bとを有し、遊技球が通過可能で前方に開口する樋形状を備える。また、図29に示すように、前板材72は、透明板(ガラス板若しくは樹脂板)を用いて構成されている。そして、この前部材72が後部材71の前面部(開口)を封止することで、後部材71および前部材72が協働して略管状の流下通路73を構成している。なお、本実施例では、実施例1と異なり、後部材71(基板81)に側壁部71bを設けたが、実施例1と同様に前部材72に側壁部71bを設けてもよい。
図28に示すように、基板部71aの縁部をビス止めすることで遊技盤本体10Aの前面に装着されている。また、球通路部材17Aは、枠部材21の出口21tの直下に、当該出口21tから遊技盤10前方に排出されて下方に落下する遊技球が入球する可能性が高い球入口73aを上端に開口させている。また、図30に示すように、流下通路73は球入口73a(第1始動口17a)から垂下する導入路73bと、導入路73bの下端部から左方向に分岐する第1分岐通路73cと、導入路73bの下端部から右方向に分岐する第2分岐通路73dとを備える。なお、本実施例では、導入路73bの上端側において、その通路幅を上方(球入口73a)に向かって徐々に拡大させているが、導入路73bの上端側においてその通路幅を一定としてもよい。また、導入路73bに遊技球を1球ずつ送り出す球送り装置を球通路部材17Aに設け、後述する振分部材75に向かって、確実に1球ずつの遊技球が到達するようにしてもよい。
図30に示すように、流下通路73は正面視で略逆Y字形状(「アルファベットのYの文字」の上下を逆さにしたような形状)を構成している。また、導入路73bによって「導入ルートL」が構成され、第1分岐通路73cによって「第1ルートL1」の前半側部分(遊技盤10の前面部10a側に位置する部分)が構成され、第2分岐通路73dによって「第2ルートL2」の前半側部分(遊技盤10の前面部10a側に位置する部分)が構成される。
図30に示すように、第1ルートL1は、基板部71aに設けられた貫通孔10xを介して遊技盤10の裏側に到達している。そして、第1ルートL1の経路途中には第1ルートL1に進入した遊技球を検知するための左側始動口入球検知スイッチ17Lが配設されている。また、第2ルートL2も、基板部71aに設けられた貫通孔10yを介して遊技盤10の裏側に到達している。そして、第2ルートL2の経路途中には第2ルートL2に進入した遊技球を検知するための右側始動口入球検知スイッチ17Rが配設されている。
図30に示すように、後部材71のうち、第1ルートL1と第2ルートL2とが合流する部分(以下、「合流部G」という。)の直下において、側壁部71bが切り欠かれ、後部材71の内部を下方に開放する切り欠き部71gとされている。そして、基板部71aにおいて切り欠き部71gの後方に位置する部位の左端寄りおよび右端寄りからは規制突起J1、J2が突出している。なお、以下の説明において、切り欠き部71gの左端寄りに配置される規制突起J1を「第1規制突起J1」と称し、切り欠き部71gの右端寄りに配置される規制突起J2を「第2規制突起J2」と称することとする。
図30に示すように、後部材71および前部材72の一体品において合流部Gを構成する部位には、振分部材75が揺動可能な状態に配置されている。ここで、振分部材75は、部材本体75aと、部材本体75aの軸心位置に装着されて部材本体75aと一体化された軸体部75bと、を備えている。そして、図29に示すように、軸体部75bにおいて部材本体75aの前方に突出する前端部が、前部材72に装着された軸受部材75cによって回動可能な状態に支持されるとともに、軸体部75bにおいて部材本体75aの後方に突出する後端部が、基板部71aに装着された軸受部材75dによって回動可能な状態に支持されることで、振分部材75は揺動(回動)可能な状態とされている。
図31に示すように、部材本体75aは、正面視で略逆T字形状に構成され、軸心位置(軸体部75bが装着される位置)から上方に突出する振分板部75gと、振分板部75gの下端部から左下り傾斜方向(振分板部75gの軸心を上下に向けた場合を基準)に突出する第1底板部75mと、振分板部75gの下端部から右下り傾斜方向(振分板部75gの軸心を上下に向けた場合を基準)に突出する第2底板部75nと、を備える。また、振分板部75g、第1底板部75mおよび第2底板部75nの突端側には、錘体M、M1、M2が装着(埋設)されている。なお、各錘体M、M1、M2の重量は等しくされるとともに、1球の遊技球の重量よりも軽くなっている。また、部材本体75aは、その軸心位置と錘体Mの中心位置とを通過する仮想面(図31において紙面に垂直な面)を基準に線対称な形状を備える。
次に、振分部材75の動作態様(揺動態様)等について説明するが、以下の説明において振分部材75の姿勢を次のように定義する。つまり、図32(a)に示すように、振分板部75gを右上がり傾斜とし、第2底板部75nの下面突端側を第2規制突起J2に当接させる姿勢を「第1姿勢」と定義し、図33(a)に示すように、振分板部75gを左上がり傾斜とし、第1底板部75mの下面突端側を第1規制突起J1に当接させる姿勢を「第2姿勢」と定義する。ここで、球入口73aを通じて球通路部材17A内に遊技球が入球していないとき、振分部材75の姿勢は錘体M、M1、M2の作用で、「第1姿勢」若しくは「第2姿勢」となる。
また、図32(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」となると、合流部G内において、振分板部75gの左側に遊技球を受け入れ可能な空間(以下、「第1空間」という。)K1が設けられる。更に、図33(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第2姿勢」となると、合流部G内において、振分板部75gの右側に遊技球を受け入れ可能な空間(以下、「第2空間」という。)K2が設けられる。
図32(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」であるとき、球入口73aを通じて第1始動入賞装置17A内に遊技球Y1が入球し、導入ルートLを通過すると、この遊技球Y1は第1空間K1に進入し、第1底板部75mの上面部に落下する。このとき、第1底板部75mに遊技球Y1の重量が加わるため、図32(b)に示すように、振分部材75は反時計方向(正面視)に回転し、その姿勢が第2姿勢となる。このとき、第1底板部75mは左下り傾斜となるため、第1底板部75m上の遊技球Y1は第1分岐通路73c(第1ルートL1)に進入する。そして、この第1分岐通路73c(第1ルートL1)に進入した遊技球Y1は、左側始動口入球検知スイッチ17Lによって検知される。
図33(a)に示すように、振分部材75の姿勢が「第2姿勢」であるとき、球入口73aを通じて第1始動入賞装置17A内に遊技球Y2が入球し、導入ルートLを通過すると、この遊技球Y2は第2空間K2に進入し、第2底板部75nの上面部に落下する。このとき、第2底板部75nに遊技球Y2の重量が加わるため、図33(b)に示すように、振分部材75は時計方向(正面視)に回転し、その姿勢が第1姿勢となる。このとき、第2底板部75mは右下り傾斜となるため、第2底板部75n上の遊技球Y2は第2分岐通路73d(第2ルートL2)に進入する。このように、第2ルートL2に進入した遊技球は、右側始動口入球検知スイッチ17Rで検知される。
このように、振分部材75の姿勢が「第1姿勢」であるとき、第1始動入賞装置17A内に遊技球Y1が入球すると、振分部材75はその姿勢を「第1姿勢」から「第2姿勢」に変更しながら、遊技球Y1を第1分岐通路73c(第1ルートL1)に誘導する。また、遊技球Y1に続く遊技球Y2が球通路部材17Aに入球すると、振分部材75はその姿勢を「第2姿勢」から「第1姿勢」に変更しながら、遊技球Y2を第2分岐通路73d(第2ルートL2)に誘導する。そして、遊技球Y2に後続する各遊技球は、第1分岐通路73c(第1ルートL1)、第2分岐通路73d(第2ルートL2)の順で誘導される。
このため、枠部材21の出口21t等から球入口73aに順次入球する各遊技球は、左側始動口入球検知スイッチ17L、右側入賞口入球検知スイッチ17Rの順で交互に検知される。そして、ステージ部21p上の遊技球が球通路部材17Aに順次入球すると、左側始動口入球検知スイッチ17Lが入球を検知することに基づいて発生する判定用乱数値と、右側口入球検知スイッチ17Rが入球を検知することに基づいて発生する判定用乱数値とを交互に1個ずつ取得することとなる。
図30に示すように、流下通路73は正面視で略逆Y字形状(「アルファベットのYの文字」の上下を逆さにしたような形状)を構成しているが、基板部71aの表面部からは規制壁78が突出している。そして、流下通路73と、規制壁711Kで取り囲まれた部位が、後方を視認可能な視認部73Sとされているため、この視認部73Sを通じて、遊技盤本体10Aの後方の装飾物を視認可能となっている。なお、本実施例では、第1分岐通路73cの下端と、第2分岐通路73cの下端が下方に配置され、両下端間に設けられる開口が下方に開口するため、規制壁78を設けなくても、第1分岐通路73cおよび第2分岐通路73c間に遊技球が侵入する可能性は低い。
実施例2においても、開閉式始動入賞装置17Bは、実施例1と同様な構成を備え、開閉式始動入賞装置17Bが遊技機1の遊技状態が開放延長状態でない場合、遊技球が開閉式始動入賞装置17Bに入球する頻度は球通路部材17Aに入球する頻度に比べて遙かに低くなる。また、開閉式始動入賞装置17Bに入球した遊技球は第2始動口入球検知スイッチ17tによって検知される。
ここで、球通路部材17Aに入球した遊技球を左側始動口入球検知スイッチ17Lが検知することに基づいて取得される判定用乱数値は、4個を限度に第1判定用乱数値メモリ202a(図34参照)に記憶される。また、球通路部材17Aに入球した遊技球を右側始動口入球検知スイッチ17Rが検知することに基づいて取得される判定用乱数値と、開閉式始動入賞装置17Bに入球した遊技球を第2始動口入球検知スイッチ17tが検知することに基づいて取得される判定用乱数値は、合計4個を限度に第2判定用乱数値メモリ202b(図34参照)に記憶される。また、判定用乱数値メモリ202aに記憶されている判定用乱数値が保留(処理を待機している判定用乱数値)であり、以下「第1保留」と称する。更に、判定用乱数値メモリ202aに記憶されている判定用乱数値も保留(処理を待機している判定用乱数値)であり、以下「第2保留」と称する。また、本実施例と異なり、左側始動口入球検知スイッチ17Lが遊技球を検知することに基づいて取得される判定用乱数値および右側始動口入球検知スイッチ17Rが遊技球を検知することに基づいて取得される判定用乱数値を共通の判定用乱数値メモリに記憶することとしてもよい。この場合、共通の判定用乱数値メモリに記憶可能な判定用乱数値の上限数は「8個」としてもよい。
ここで、左側始動口入球検知スイッチ17Lが遊技球を検知することを始動入賞Aと称し、始動入賞Aに対応する保留数が上限数でないときに生じた始動入賞Aを「有効な始動入賞A」と称することとする。また、右側始動口入球検知スイッチ17R若しくは第2始動口入球検知スイッチ17tが遊技球を検知することを始動入賞Bと称し、始動入賞Bに対応する保留数が上限数でないときに生じた始動入賞Bを「有効な始動入賞B」と称することとする。
「有効な始動入賞A」を生ずると、これに対応する判定用乱数値が取得され、主制御基板200において、この判定用乱数値が図34に示す第1判定用乱数値メモリ202aにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数を示す値が第2保留数メモリ(図示を省略)に累積的に記憶(加算記憶)される。また、「有効な始動入賞B」を生ずると、これに対応する判定用乱数値が取得され、主制御基板200において、この判定用乱数値が図34に示す第2判定用乱数値メモリ202bにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数を示す値が第2保留数メモリ(図示を省略)に累積的に記憶(加算記憶)される。また、何れの判定用乱数値にも、「大当りか否かを当否判定するための当否判定乱数値(大当り抽選乱数値)」、「大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」等が含まれる。
なお、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bは、各々、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で対応するデータを記憶可能となっており、有効な始動入賞を生ずる毎に、対応するデータがシフトメモリ形式で記憶される。例えば、メモリにおいて、領域0を含む複数の領域にデータが記憶されている場合には、対象となる判定用乱数値が消化される毎に、領域0以外の領域(例えば、領域1〜3)に記憶されたデータは「領域0」に向けて1領域ずつシフトされる。
但し、本実施例では、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bの双方に判定用乱数値が記憶されている場合には、判定用乱数値がその記憶順に処理される。例えば、図34に示すように、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域0」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域0」、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域1」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域1」の順に判定用乱数値が記憶された場合には、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域0の判定用乱数値」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域0の判定用乱数値」、第1判定用乱数値メモリ202aの「領域1の判定用乱数値」、第2判定用乱数値メモリ202bの「領域1の判定用乱数値」の順に処理される。但し、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bの双方に判定用乱数値が記憶されている場合において、何れか一方の判定用乱数値メモリに記憶された判定用乱数値を、他方の判定用乱数値メモリに記憶された判定用乱数値に優先して処理することとしてもよい。
次に、図35(a)を用いて、演出表示装置27の表示画面27aの保留表示領域27Fにおける保留(保留図柄)の表示態様等について説明する。この保留表示領域27Fは、左側から右側に向かって8個の領域F1〜F8を並べた構成を備えている。以下、左端に位置する領域F1を「第1領域F1」と称し、右端に位置する領域F8を「第8領域F8」と称するとともに、これらの間に位置する領域F2〜F7からを、左から順に「第2領域F2」、「第3領域F3」、「第4領域F4」、「第5領域F5」、「第6領域F6」、「第7領域F7」と称することとする。この保留表示領域27Fでは、保留数の増加に伴って、保留図柄が第1領域F1から第8領域F8に向かって順に増えていくように表示される。また、保留数の減少(保留消化)に伴って、第1領域F1に表示されていた保留図柄が消去され、保留図柄が第1領域F1に向かって順に減っていくように表示される。つまり、領域F1〜F8のうち左側に表示されている保留図柄に対応する保留(第1保留、第2保留)ほど消化順が早くなるように、保留図柄の表示が行われる。
実施例2において、開閉式始動入賞装置17Bが開放延長状態でない場合には、図35(b)に示すように、遊技者は球通路部材17Aへの入球を狙って遊技球を発射するため、第1保留および第2保留が交互に発生する可能性が高くなる。このため、保留表示領域27Fに第1保留の発生を示す「第1保留図柄」と、第2保留の発生を示す「第2保留図柄」とが交互に表示される。また、図示を省略するが、開閉式始動入賞装置17Bが開放延長状態である場合には、遊技者は開閉式始動入賞装置17Bへの入球を狙って、中央装置20の右側を遊技球が通過するように遊技球を発射するため、第2保留が連続的に、しかも高頻度に発生する可能性が高くなる。このため、保留表示領域27Fに第2保留の発生を示す「第2保留図柄」のみが表示される可能性が高くなる。
実施例2においても、遊技制御処理は前述の図22に基づいて実行される。但し、実施例2の特別図柄遊技処理(S300)は、以下の点で実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と異なる。
つまり、実施例2の特別図柄遊技処理(S300)が起動すると、図36に示すように、先ず、始動入賞A若しくは始動入賞Bが発生したか否かが判断される(S301A、S301B)。ここで、左側始動口入球検知スイッチ17Lが遊技球を検知すると始動入賞Aを生じ、右側始動口入球検知スイッチ17R若しくは第2始動口入球検知スイッチ17tが遊技球を検知すると始動入賞Bを生ずる。そして、S301Aの処理及びS301Bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301A;NO、S301B;NO)、そのまま図37に示すS308以降の処理に移行する。
始動入賞Aが発生したと判断されると(S301A;YES)、始動入賞Aに対応する第1特別図柄の保留数(第1保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において所定数未満と判断されると(S302a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303a)。この始動入賞Aに基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図34に示す第1判定用乱数値メモリ202a)にシフトメモリ形式で記憶されるとともに、「第1始動入賞に対応する特別図柄の保留数(第1保留数)」が第1保留数メモリに累積的に記憶(加算記憶)される(S303a)。
また、始動入賞Bが発生したと判断されると(S301B;YES)、始動入賞Bに対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において所定数未満と判断されると(S302b;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303b)。この始動入賞Bに基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図34に示す第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されるとともに、「始動入賞Bに対応する特別図柄の保留数(第2保留数)」が第2保留数メモリに累積的に記憶(加算記憶)される(S303b)。
S308の処理では、図37に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S328)。具体的には、大当り遊技フラグ(図25のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S328の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図22の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S315)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないときには(S315;NO)、判定用乱数値メモリ(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値のうち、最も古い判定用乱数値を読み出し(S317)、特別図柄(第1特別図柄若しくは第2特別図柄)に関する当否判定処理(当否判定処理)を行う(S318)。つまり、S317の処理において、第1判定用乱数値メモリ202aから判定用乱数値を読み出した場合には、S318の処理において「第1当否判定」を行い、第2判定用乱数値メモリ202bから判定用乱数値を読み出した場合には、S318の処理において「第2当否判定」を行う。なお、S336で読み出す判定用乱数値はS303aの処理若しくはS303bも処理で取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値、リーチ乱数値等が含まれる。
また、この当否判定処理(S318)では遊技機1の確率状態が高確率状態であるか否か(確変フラグがセットされているか否か)が判断され、高確率状態であるときには、「高確率用のデータテーブル」と「S317の処理で読み出した判定用乱数値(大当り用判定乱数値)」とを用いて「大当り判定」が行われ、通常確率状態(低確率状態)であるときには、「通常確率用のデータテーブル」と「S317の処理で読み出した判定用乱数値(大当り用判定乱数値)」とを用いて「大当り判定」が行われる。
CPU201は当否判定処理(S318)に続いて図柄変動開始処理(S500)を実行する。この図柄変動開始処理(S500)においてCPU201は、当否判定処理(S318)の結果に基づいて特別図柄の停止図柄(大当りの場合は大当り図柄、外れの場合は外れ図柄)を決定する処理と、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行う。そして、特別図柄の変動表示を開始させた後、サブ制御基板220に向かって所定のコマンドを送信することで、図柄変動開始処理(S500)が終了するため、CPU201は一旦特別図柄遊技処理(S300)を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。
図37に戻り、S310の処理で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図22の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図25のS352)。なお、S352移行の処理に関しては実施例1と同様である。
実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。すなわち、通路部(流下通路73)を左右に分岐するように配置(第1分岐通路73cと第2分岐通路73dに枝分に分岐するように配置)し、第1始動口17aに入球した遊技球の行き先を交互に振り分けるという特徴的な遊技性に加え、両分岐通路73c、73dの間に視認部73Sを設け、装飾物85aを視認可能とする。しかも、この装飾物85aが枠部材21eの開口部27e内に移動する。このため、遊技者は、斬新で刺激的である(遊技者が、ハットする)と感ずるため、実施例2遊技機によると、遊技興趣を向上させることが容易である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、特許請求の範囲において本発明を特定するための記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
また、各実施例では、遊技盤本体10Aを透明板で構成したが、合板(木製板)等の他の素材で構成した変形例も例示できる。また、各実施例では、遊技盤本体10Aにおいて、球通路部材17Aの後方を貫通孔10Gとし、貫通孔10Gおよび透明な視認部82n、73Sを通じて装飾物85aを視認可能とした。但し、遊技盤本体10Aを透明板で構成するため、図38(a)の変形例1に示すように、球通路部材17Aの後方に貫通孔10Gを設けないこととし、透明板(遊技盤本体10A)および透明な視認部82n(73S)を通じて装飾物85aを視認可能としてもよい。
また、各実施例では、球通路部材17Aに装着される検知スイッチ(第1始動口入球検知スイッチ17s等)が、遊技盤本体10Aの表面に配置されるため、球通路部材17Aの前面であって、視認部を避けた箇所に塗装等の装飾を施し、検知スイッチ(第1始動口入球検知スイッチ17s等)を前方から視認できないようにした。但し、変形例1に示すように、球通路部材17Aに入球した遊技球を検知するための遊技盤本体10Aの裏側に配置し、球通路部材17A全体を透明なものとしてもよい。この場合、遊技盤本体10Aの後方の装飾物の視認性が向上したり、球通路部材17Aを通過する遊技球を遊技者に積極的に見せることができる。特に、実施例2のように、第1始動口17aに入球した遊技球の行き先を両分岐通路73c、73d間に振り分ける態様では、何れの分岐通路73c、73dを遊技球が通過しているかを装飾物85aの周囲で示すことで、より大きな演出効果を得ることができる。この場合、何れの分岐通路73c、73dに遊技球が振り分けられたかによって、当否判定の結果に対する有利度が異なる場合には、更に一層大きな演出効果を得ることができる。
各実施例では、球通路部材17Aの規制部を壁体によって規制部を構成する態様を例示したが、図38(b)の変形例2のように、遊技盤本体10A等に障害釘V1を植設することで、視認部82n(73S)に遊技球が侵入することを防止してもよい。この場合、遊技盤本体10Aの表面部に規制部を構成する壁体が配置されないため、視認部82n、93Sの後方の装飾物85aを、より鮮明に視認することができる。また、この場合、図38(c)の変形例2のように、球通路部材17Aにおいて、視認部82n、93Sを構成する部位より基板82aを排除し(但し、後方に遊技盤本体10Aに貫通孔を設けないことが必要となる。)、遊技盤本体10Aの前方から後方の装飾物85aを視認可能としてもよい。
各実施例では、球通路部材17Aの両脇の装飾物85b、85cと、上方の装飾物89が同時に移動する態様を例示したが、各装飾物85a、85b、85c、89が別々に移動してもよい。この場合い、移動する装飾物85a、85b、85c、89や移動量によって信頼度(当否判定の結果が大当りとなる信頼度)を報知することとしてもよい。
更に、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益(遊技価値)を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。
そのようなタイプの遊技機として、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機を例示でき、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。この種の遊技機(いわゆる封入式遊技機)においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
1;遊技機(弾球遊技機)、
10;遊技盤、
10;遊技盤本体10A、
20;中央装置、
21e;開口、
85a、85b、85c、85d、89;装飾物。

Claims (4)

  1. 表側を遊技球が流下可能な透明板を備えた遊技機であって、
    前記透明板の表側に設けられ、所定の球入口から入球した遊技球を前記透明板の表側の所定位置まで誘導する球通路部と、
    前記透明板の裏側であって、前記球通路部の後方に設けられる装飾物と、を備え、
    前記球通路部の後方に設けられる前記装飾物のうち少なくとも所定の部位を視認可能とするように、該所定の部位を避ける形状で前記球通路部が形成されることを特徴とする遊技機。
  2. 前記透明板には、表示装置の表示部を視認可能とする開口が設けられた中央装置が設けられ、
    前記装飾物は、前記球通路部の後方に視認可能とされる位置から前記中央装置の開口内に移動可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記装飾物の移動によって前記球通路部の後方に視認可能とされる視認可能となる第2の装飾物を設けることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記透明板の表側を流下する遊技球が、前記球通路部の後方に視認可能とされる装飾物の前方を流下することを規制する規制部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機。
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