JP5742818B2 - 遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、遊技機に関し、いわゆるセブン機、羽根物、権利物またはアレンジボール等の弾球式の遊技機に関する。

弾球式の遊技機（パチンコ機）は、通常、始動入賞装置と大入賞装置とを遊技領域内に配設している。かかる始動入賞装置は、遊技球が入球したことを検知するための始動部（始動検知部）を備え、この始動部が遊技球の入球を検知することに起因して判定用乱数値が取得される。そして、取得した判定用乱数値を用いて当否判定が実行されると、特別図柄表示手段において、特別図柄を用いた変動表示を行った後、当否判定の結果を示す図柄が停止表示される。このとき、当り態様の図柄が停止表示されると、遊技機は大入賞装置を開放状態に変化させる当り遊技を実行する。

また、この種の遊技機では、変動表示若しくは当り遊技の実行中に、新たな判定用乱数値が取得されても、新たな変動表示を直ちに開始できる状態でないため、この新たな判定用乱数値は、その処理タイミングが到来するまで保留（保留情報）として保留記憶手段に記憶される。ここで、判定用乱数値の処理タイミングとは、当該判定用乱数値に基づいて当否判定や変動表示を開始するタイミングを指す。また、保留記憶手段に記憶されている保留（保留情報）の個数（変動表示の権利が保留されている個数）は「保留数」と称される。

この種の遊技機として、入球口から入球した遊技球を第１ルートまたは第２ルートに交互に振り分ける振り分け手段を備えるとともに、第１ルートに振り分けられた遊技球を検知可能な第１始動部（第１始動検知部）と、第２ルートに振り分けられた遊技球を検知可能な第２始動部（第２始動検知部）とを具備した始動入賞装置を有するものが開示されている（特許文献１参照、以下「従来例」という。）。そして、この従来例では、通常、２個の特別図柄表示手段（第１特別表示手段、第２特別表示手段）を備え、第１始動部（第１始動検知部）によって遊技球が検知されることを契機として第１特別表示手段で第１特別図柄の変動表示が実行され、第２始動部（第２始動検知部）によって遊技球が検知されることを契機として第２特別表示手段で第２特別図柄の変動表示が実行される。

この従来例においては、第１特別図柄の変動表示や当り遊技の実行中に第１始動部（第１始動検知部）によって遊技球が検知され、新たな判定用乱数値が取得されると、この新たな判定用乱数値は、その処理タイミングが到来するまで保留（以下、「第１保留」という。）として保留記憶手段（以下、「第１保留記憶手段」という。）に記憶される。同様に、第２特別図柄の変動表示や当り遊技の実行中に第２始動部（第２始動検知部）によって遊技球が検知され、新たな判定用乱数値が取得されると、この新たな判定用乱数値も、その処理タイミングが到来するまで保留（以下、「第２保留」という。）として保留記憶手段（以下、「第２保留記憶手段」という。）に記憶される。

この従来例に係る遊技機では、当該遊技機の遊技状態（例えば、始動入賞装置への遊技球の入球頻度が高くなる有利状態と、始動入賞装置への遊技球の入球頻度が低くなる通常状態）を問わず、常時、入球口から始動入賞装置に入球する遊技球は、第１ルート（第１始動部）または第２ルート（第２始動部）に交互に振り分けられる。このため、この従来例の遊技機では、常時（当該遊技機の遊技状態を問わず）、「第１保留」および「第２保留」をそれぞれ上限個数の４個（全保留個数を８個）とする遊技性を遊技者に体感させることを狙っている。

特開２０１０−１０４５６５号

しかしながら、従来例の遊技機では、このように、当該遊技機の遊技状態にかかわらずに常時、「第１保留」および「第２保留」をそれぞれ上限個数の４個（全保留個数を８個）とする遊技性を遊技者に体感させようとしているため、当該遊技機の遊技状態に応じた遊技性の差別化を十分に図ることができない。従って、従来例の遊技機によると、減り張りの利いた遊技を行うことができないため、遊技興趣の向上を図ることが困難である。

本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、入球した遊技球を第１ルートまたは第２ルートに交互に振り分ける始動入賞装置を備える遊技機において、減り張りの利いた新たな遊技を行うことを可能とし、それにより遊技興趣を高めることである。

本発明の遊技機は、
第１特別図柄の変動表示を行う第１特別図柄表示装置と、
第２特別図柄の変動表示を行う第２特別図柄表示装置と、
前記第１特別図柄の変動表示および前記第２特別図柄の変動表示を並行して実行可能とする制御を行う表示制御手段と、
前記第１特別図柄または前記第２特別図柄が変動表示を経て所定の当り態様で停止表示されると、閉鎖状態にある大入賞口を開放状態に変化させる特別遊技を行う特別遊技実行手段と、
入球した遊技球を第１ルートまたは第２ルートに交互に振り分ける振り分け部と、前記第１ルートに振り分けられた遊技球を検知可能で前記第１特別図柄の変動表示の開始契機となる第１始動部と、前記第２ルートに振り分けられた遊技球を検知可能で第２特別図柄の変動表示の開始契機となる第２始動部と、を含んで構成される始動入球装置と、
前記第２始動部による遊技球の検知状態を、前記第２ルートに振り分けられた遊技球を検知不能な第１状態と、前記第２ルートに振り分けられた遊技球を検知可能な第２状態と、の何れかに切り換える検知状態切換手段と、
を備えることを特徴とする。

本発明の遊技機は、入球した遊技球を第１ルートまたは第２ルートに交互に振り分ける始動入賞装置を備える。そして、検知状態切換手段が、第２始動部による遊技球の検知状態を「第２状態（検知可能状態）」とする場合には、始動入球装置に入球した遊技球が第１始動部と第２始動部とによって交互に検知され、「第１状態（検知不能状態）」とする場合には、始動入球装置に入球した遊技球が第１始動部のみによって検知される。

このため、第２始動部による遊技球の検知状態が第１状態となり易い遊技状態では、主として第１特別図柄が変動する遊技（第１保留の個数を上限個数とすることを目指す遊技）が実現され、第２始動部による遊技球の検知状態が第２状態となり易い遊技状態では、第１特別図柄および第２特別図柄が変動する遊技（第１保留の個数および第２保留の個数を上限個数とすることを目指す遊技）が実現される。

つまり、本発明によると、入球した遊技球を第１ルートと第２ルートとに交互に振り分ける始動入賞装置を設け、第１特別図柄と第２特別図柄とが交互に変動し得るように構成しつつ、第２始動部による遊技球の検知状態が第１状態となり易い（換言すると、第２状態となり難い）遊技状態では主として第１特別図柄が変動し、同検知状態が第２状態となり易い遊技状態では第１特別図柄および第２特別図柄が変動するといった新たな遊技性を実現できる。

しかも、本発明の遊技機は、第１特別図柄と第２特別図柄とのうちの何れか一方が変動表示を実行中であっても、他方の変動表示を並行して実行可能としている（以下、「同時変動機」という。）。このため、第２始動部による遊技球の検知状態が第２状態（検知可能状態）となり易い遊技状態とされ、第１保留および第２保留が交互に記憶される場合において、第１保留および第２保留を高速（超高速）で消化して、遊技消化速度を従来に比べて早めることが可能となる。

この結果、「入球した遊技球を第１ルートまたは第２ルートに交互に振り分ける始動入賞装置」による遊技効果を、第２始動部による遊技球の検知状態が第２状態となり易い遊技状態となっている場合に特化して発揮させる新たな遊技性を実現することもできる。また、第１保留の個数を上限個数とすることを目指す遊技を行う状態（第２始動部による遊技球の検知状態が第２状態となり難い遊技状態）と、第１保留の個数および第２保留の個数を上限個数とすることを目指す遊技を行う状態（第２始動部による遊技球の検知状態が第２状態となり易い遊技状態）とで、遊技性の違いを一層明確にすることができる。

このように、本発明によると、遊技機の遊技状態に応じて実現される遊技性の差別化を図り、減り張りの利いた遊技を行うことができるため、入球した遊技球を第１ルートと第２ルートとに交互に振り分け可能な始動入賞装置を備えた遊技機の遊技興趣を効果的に高めることができる。

また、本発明では、
普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示装置を備え、
前記検知状態切換手段は、
前記第２ルートのルート途中に設けられ、前記第２ルートのルート途中を閉鎖して前記第２ルートに振り分けられた遊技球を前記第２ルート外に誘導する閉状態から、前記第２ルートのルート途中を開放して前記第２ルートに振り分けられた遊技球を前記第２始動部に到達することを許容する開状態に変化可能な開閉部を備え、
前記普通図柄が前記変動表示を経て所定の当り態様で停止表示されると、前記開閉部が閉状態から開状態に変化する
こととしてもよい。

この場合、開閉部を主体とする簡易な態様の検知状態切換手段を用いるため、本発明の効果をより簡易に得ることができる。

更に、本発明の遊技機は、
前記第２始動部による遊技球の検知状態が前記第２状態となる時間が通常に比べ長くなる第２状態延長手段を備える
こととしてもよい。

この場合、第２状態延長手段が作動すると、第２始動部による遊技球の検知状態が第２状態（検知可能状態）となる時間が長くなるため、第２保留の個数を増加させることが容易となり、第２状態延長手段の作動時には、第１特別図柄および第２特別図柄が変動する遊技の実行可能性が高くなる。このことを活用することで、第１保留の個数および第２保留の個数をそれぞれ上限個数とすることを目指す遊技を第２状態延長手段の作動時に特化して実行し、第１保留の個数のみを上限個数とすることを目指す遊技を第２状態延長手段の非作動時に特化して実行する遊技性を効果的に創出することができる。これにより、「第２状態延長手段の作動時の遊技性」と「第２状態延長手段の非作動時の遊技性」との差別化を十分に図ることができ、減り張りの利いた遊技を効果的に実現することができる。

また、本発明では、
前記第２始動部による遊技球の検知状態が前記第２状態となっているときに、前記遊技盤表面を流下する遊技球が前記第２始動部に向けて流入可能となる流入部を、前記第２ルート上に設ける
こととしてもよい。

この場合、第２始動部による遊技球の検知状態が第２状態（検知可能状態）となっているときに、遊技盤表面を流下する遊技球を第２ルートに流入させる流入部を第２ルートに設けるため、同検知状態が第２状態となっているときには、第２保留の個数が増える可能性が一層高まる。このため、第２始動部による遊技球の検知状態が第２状態となった際には、第１特別図柄および第２特別図柄が変動する遊技が実行されることについての確実性を増すことができる。つまり、第１保留の個数および第２保留の個数をそれぞれ上限個数とする機会が増える。これにより、第１保留の個数を上限個数とすることを目指す遊技（主として第１特別図柄が変動する遊技）を行う状態と、第１保留の個数および第２保留の個数を上限個数とすることを目指す遊技（第１特別図柄および第２特別図柄が変動する遊技）を行う状態とを明確に分けて出現させることができ、その結果、減り張りの利いた遊技を行うことが可能となる。

ここで、本明細書において、「前」および「表」は、「遊技機を基準とする前方（つまり、遊技者に近接する方向）」を示し、「後」および「裏」は、遊技機を基準とする後方（つまり、遊技者から離間する方向）」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材（以下、「扉型部材」という。）」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
以下の説明において、遊技者が遊技盤表面の左側領域に向かって遊技球を発射することを「左打ち」と称し、遊技者が遊技盤表面の右側領域に向かって遊技球を発射することを「右打ち」と称する。また、「右打ち」が施された遊技球よりも「左打ち」が施された遊技球の方が到達容易となる部位（領域）を「左打ち対応領域」と称し、「左打ち」が施された遊技球よりも「右打ち」が施された遊技球の方が到達容易となる部位（領域）を「右打ち対応領域」と称する。

以上記述したように本発明によると、入球した遊技球を第１ルートまたは第２ルートに交互に振り分ける始動入賞装置を備える遊技機において、減り張りの利いた新たな遊技を行うことを可能とし、それにより遊技興趣を高めることができる。

本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。 本発明の各実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。 各実施例に係る遊技機の演出表示装置の表示画面を概略的に示す正面図である。 第１始動部（第１始動口入賞検知スイッチ）および第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ）の配設態様を説明するための説明図である。 前板部を取り外した状態の第２始動入賞装置を示す概略的な正面図である。 第２始動入賞装置の一部縦断面図である。 図５の一部拡大図である。 （ａ）および（ｂ）は第２始動入賞装置における遊技球の振分態様を説明するための説明図である。 （ａ）および（ｂ）は第２始動入賞装置における遊技球の振分態様を説明するための説明図である。 （ａ）および（ｂ）は第２始動入賞装置が備える普通電動役物の作動態様を説明するための説明図である。 （ａ）は各実施例に係る遊技機の下部表示装置を概略的に示す正面図であり、（ｂ）は各実施例に係る遊技機の下部表示装置で実行される特別図柄の変動表示態様を示す説明図であり、（ｃ）は疑似図柄（停止図柄）の内容を説明するための説明図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 各実施例に係る遊技機の特図１大当り抽選（第１当否判定）で使用するデータテーブルおよび特図２大当り抽選（第２当否判定）で使用するデータテーブルを説明するための説明図である。 第１特別図柄および第２特別図柄の変動表示を示すタイム図である。 第１特別図柄および第２特別図柄の変動表示を示すタイム図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 演出表示装置で実行される図柄変動演出等を示す説明図である。 （ａ）は各実施例に係る遊技機において主制御部からコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図であり、（ｂ）は本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部の内蔵ＲＡＭに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。 各実施例に係る遊技機の遊技制御処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の普通電動役物遊技処理を示すフロー図である。 （ａ）は各実施例に係る遊技機の特別図柄１遊技処理を示すフロー図であり、（ｂ）は各実施例に係る遊技機の特別図柄２遊技処理を示すフロー図である。 実施例１に係る遊技機の特別図柄１遊技処理を示すフロー図である。る。 各実施例に係る遊技機の特別図柄１遊技処理を示すフロー図である。る。 実施例１に係る遊技機の特別図柄２遊技処理を示すフロー図である。る。 各実施例に係る遊技機の特別図柄２遊技処理を示すフロー図である。る。 各実施例に係る遊技機の特図変動表示処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の当り遊技終了時処理を示すフロー図である。 比較例を説明するための説明図である。 変形例１に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。 図２９の一部拡大図である。 変形例２において、前板部を取り外した状態の第２始動入賞装置を示す概略的な正面図である。 実施例２において、前板部を取り外した状態の第２始動入賞装置を示す概略的な正面図である。 （ａ）は変形例３において、前板部を取り外した状態の第２始動入賞装置を示す概略的な正面図であり、（ｂ）は図３４（ａ）の要部拡大図である。 変形例４において、前板部を取り外した状態の第２始動入賞装置を示す概略的な正面図である。 変形例４の第２始動入賞装置を説明するためのタイム図である。

以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機（パチンコ機）１に適用した各具体例について説明する。

（１）機械的な構造
ａ．遊技機の全体構造
先ず、この遊技機１の全体構造について、図１を参照して説明する。この遊技機１は、外枠２と、この外枠２に装着された遊技機本体Ｈとを備えている。この外枠２は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体２１と、外枠本体２１の前面下部を覆う前板部２２とを備えている。

遊技機本体Ｈは、外枠２の左端側上下のヒンジＨ１、Ｈ２を用いて、外枠２の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Ｈは、遊技機１のうち外枠２を除く部分であって、本体枠３と、前面枠４と、前面枠４に一体化された皿部材（上皿部材５および下皿部材６）５Ａと、遊技盤１０（図２を参照）と、裏機構盤１０２等を主要部としている。

本体枠３は、外枠２に嵌めこまれ、外枠２に対して開閉可能に軸支されている。この本体枠３は、全体がプラスチック製であり、遊技盤１０を保持可能な枠状体によって構成されている。この本体枠３が遊技盤１０（図２を参照）を保持したとき、「遊技盤１０の盤面（表面）に構成される遊技領域１１」が、本体枠３の前方から視認可能とされる。

前面枠４は、本体枠３の前面側に配置され、本体枠３の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠４は、前後に貫通する状態に設けられた視認窓４１ａを具備する枠本体４１と、視認窓４１ａに填め込まれたガラス板４３とを備えている。そして、遊技盤１０に形成された遊技領域１１（正面視で略円形の遊技領域１１）が前面枠４を閉じたときにその背後に位置する状態とされるため、この遊技領域１１は視認窓４１ａ（ガラス板４３）を介して前面枠４の前方から視認可能とされる。

また、本遊技機１では、「上皿部材５および下皿部材６を一体化した皿部材５Ａ」が前面枠４に一体化され、本体枠３に対して前面枠４と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材５Ａを、本体枠３における前面枠４の装着部位よりも下方に装着し、前面枠４とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材５および下皿部材６を別体に設け、本体枠３における前面枠４の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材５を前面枠４とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材６を開閉不可能としてもよい。

前面枠４の前面部の上方側の左右には、スピーカＳＰ１、ＳＰ２が装着され、前板部２２の左右両端にも、スピーカＳＰ３、ＳＰ４が内蔵されている。そして、本遊技機１においては、これらのスピーカＳＰ１〜ＳＰ４を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音（音声）を発生させる。また、前面枠４の前面部において、上皿部材５の配置位置を構成する箇所には、遊技機１から排出される遊技球を受け入れるための受入口５ｂを備えている。更に、上皿部材５の裏側には、球貸表示基板４１０（図１２参照）および演出ボタン基板２２８（図１２参照）が設けられ、上皿部材５の上面部には「演出ボタンＳＷ」が配置されている。

上皿部材５の下方の部位には下皿部材６が設けられ、この下皿部材６の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材５から排出される遊技球を受け入れるための受入口６ａを備えている。また、下皿部材６の右端側には発射ハンドル９が設けられている。そして、本体枠３の前面部裏側（本体枠３の内部）であって、遊技盤１０よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット９０（図２を参照）が配設されており、この発射装置ユニット９０に発射ハンドル９が接続されている。ここで、発射装置ユニット９０は球送り装置（図示を省略）から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域１１に到達させるためのものである。なお、発射ハンドル９には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ（タッチセンサ）９ａが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ９ｂが装着されている。

ｂ．遊技盤１０の構成
次に、遊技盤１０の構成について図２を用いて説明する。この遊技盤１０は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体１０Ａと、この遊技盤本体１０Ａに装着される各種の盤部品（外側レール１２、内側レール１３、メイン役物装置２０等）が装着されている。尚、この遊技盤本体１０Ａの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。

遊技盤本体１０Ａは、正面視で略円形とされる領域形成部１０Ｂと、領域形成部１０Ｂの周囲に位置する領域外部１０Ｃとを備える。また、遊技盤本体１０Ａの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール１２と、内側レール１３とが配設されている。そして、領域形成部１０Ｂの前面部は、この外側レール１２および内側レール１３が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ遊技領域１１を構成している。この領域形成部１０Ｂ（遊技領域１１内に位置する部位）には、メイン役物装置２０と、普通図柄作動ゲート（普通図柄作動口）１６と、第１始動入賞装置１７ａと、第２始動入賞装置１７ｂと、大入賞装置３１と、下部表示装置６０（図柄表示装置）と、２個の一般入賞装置４０、４１と、多数の障害釘（図示を省略）と、風車１９等が配設されている。なお、図２に示す一点鎖線は本体枠３を示している。

メイン役物装置２０は、取付部材（化粧板）２１と、演出表示装置２７とを備えている。このうち、取付部材２１は、領域形成部１０Ｂの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域１１の略中央部を構成している。この取付部材（化粧板）２１には、正面視で略矩形状の開口部が前後に貫通する状態に設けられ、この開口部によって表示画面２７ａ（後述する。）を遊技盤１０の前方から視認可能とするための表示窓２１ｅを構成している。なお、以下の説明において、遊技領域１１うち、メイン役物装置２０の上方に位置する部位（遊技領域１１の上側領域）を上領域１１Ｕ、下方に位置する部位（遊技領域１１の下側領域）を下領域１１Ｄ、左側に位置する部位（遊技領域１１の左側領域）を左領域１１Ｌ、右側に位置する部位（遊技領域１１の右側領域）を右領域１１Ｒと、それぞれ称することがある。

取付部材２１の下縁部には、ステージ部２１ｐが前方に突出する状態に装着され、取付部材２１の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材２１Ａが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材２１Ａは、取付部材２１の上縁部から突出する庇部２１Ｈと、取付部材２１の左縁部から突出する左側装飾部２１Ｌと、取付部材２１の右縁部から突出する右装飾部２１Ｒとを備えている。

左側装飾部２１Ｌの内部に遊技球の通路（所謂「ワープ通路」）２１ｗが形成されている。つまり、左側装飾部２１Ｌの左側面部において、この通路２１ｗの進入口（図示を省略）が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域１１を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部２１ｐ上（メイン役物装置２０の内部）に進入させる。また、ステージ部２１ｐは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。

本遊技機１においては、遊技領域１１を流下し、ワープ通路２１ｗを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置２０外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、第１始動入賞装置１７ａに入賞する。尚、遊技領域１１を流下して第１始動入賞装置１７ａに入賞する遊技球の中には、メイン役物装置２０に進入せずに第１始動入賞装置１７ａに入賞するものと、メイン役物装置２０に進入し、ステージ部２１ｐ上を転動した後に第１始動入賞装置１７ａに入賞するものがある。

演出表示装置２７は液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置６０における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。本実施例では、下部表示装置６０（第１特別図柄表示部６２ａ、第２特別図柄表示部６２ｂ）が、特別図柄（本図柄）を用いて変動表示（図柄変動遊技）を行い、演出表示装置２７が、疑似図柄を用いて図柄変動演出を行う。ここで、図柄変動演出は、図柄変動遊技の結果を遊技者に示すために、図柄変動遊技の進行（特別図柄の変動表示，停止表示）に合わせて行う表示演出である。なお、以下の説明において、第１特別図柄表示部６２ａに表示される特別図柄（本図柄）を「第１特別図柄」と称し、第２特別図柄表示部６２ｂに表示される特別図柄（本図柄）を「第２特別図柄」と称する。第１特別図柄および第２特別図柄の詳細に関して後述する。

図３に示すように、演出表示装置２７の表示画面２７ａは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を遊技者が視認可能となるように表示可能である。つまり、図柄変動演出を行う場合には、この表示画面２７ａの略全体に背景を示す図柄（以下、背景図柄という。）や背景色（青、赤等の画面の地色）等を表示した状態とされ、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で「３桁の疑似図柄」を表示する疑似図柄表示領域２７ｂが設けられる。この疑似図柄表示領域２７ｂでは、「疑似図柄」が横方向に３つ並んで表示され、それら「疑似図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景図柄としてキャラクタを示す図柄（以下、キャラクタ図柄という。）を表示したり、実写映像（図示を省略）を表示したりすることがある。なお、疑似図柄表示領域２７ｂにおいて「疑似図柄」が変動表示しているときには、疑似図柄表示領域２７ｂを透かした状態で、背景図柄や背景色が視認可能となる。

但し、本遊技機１では、「第１特別図柄」および「第２特別図柄」の同時変動を行う場合には、表示画面２７ａがその左右方向中間部に設けられる中心線（仮想線）Ｓを基準として、第１特別図柄に対応する疑似図柄の変動表示を行う左表示領域ＳＬと、第２特別図柄に対応する疑似図柄の変動表示を行う右表示領域部ＳＲとに別れ、左表示領域ＳＬおよび右表示領域ＳＲの各々に、疑似図柄表示領域２７ｂ、２７ｂが出現する。そして、左表示領域ＳＬの疑似図柄表示領域２７ｂにおいて疑似図柄（以下、「第１疑似図柄」ということがある。）を表示しつつ、その背景において第１疑似図柄とは別の種々の演出要素を表示することによって、第１特別図柄の変動表示および停止表示に合わせた図柄変動演出を行う。同様に、右表示領域ＳＲにおいて疑似図柄（以下、「第２疑似図柄」ということがある。）を表示しつつ、その背景において第２疑似図柄とは別の種々の演出要素を表示することによって、第２特別図柄の変動表示および停止表示に合わせた図柄変動演出を行う。

図３に示すように、表示画面２７ａのうち、左縁部寄りの上方側の位置には第１保留表示領域（Ｄ１、Ｄ２、Ｄ３、Ｄ４）が設けられ、右縁部寄りの上方側の位置には第２保留表示領域（Ｅ１、Ｅ２、Ｅ３、Ｅ４）が設けられる。そして、第１保留表示領域（Ｄ１〜Ｄ４）に、第１始動入賞装置１７ａへの入賞に起因して生ずる「第１特別図柄」に関する保留数（以下、「第１保留数」という。）を「４個」を上限個数として表示し、第２保留表示領域（Ｅ１〜Ｅ４）に、第２始動入賞装置１７ｂへの入賞に起因して生ずる「第２特別図柄」に関する保留数（以下、「第２保留数」という。）を「４個」を上限個数として表示する。なお、以下の説明において、第１始動入賞装置１７ａに遊技球が入賞することと、第２始動入賞装置１７ｂに遊技球が入賞することを「始動入賞」と称することがある。

何れの保留表示領域（Ｄ１〜Ｄ４、Ｅ１〜Ｅ４）も、下方から上方に向かって４個の表示部（Ｄ１〜Ｄ４、Ｅ１〜Ｅ４）を並べた構成を備え、始動入賞装置１７ａ、１７ｂに入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数（即ち、保留数）を、使用中（点灯表示中）の表示部Ｄ１〜Ｄ４、Ｅ１〜Ｅ４の数によって表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に使用中の表示部Ｄ１〜Ｄ４、Ｅ１〜Ｅ４の数を減少させることによって、「未消化の遊技球」の数（保留数）を順次、デクリメントして表示する。なお、各特別図柄に関する「未消化の遊技球（保留球）」とは、始動入賞装置１７ａ、１７ｂに入賞したが、対応する特別図柄表示部６２ａ、６２ｂにおいて当該入賞に伴う図柄変動遊技がなされていない遊技球を指す。

図２に示すように、第１始動入賞装置１７ａは非可変式の始動入賞装置であり、大きさが不変の開口部（遊技球受入口）を上方に開口させたポケット形状を備えている。そして、この開口部（遊技球受入口）は、ステージ部２１ｐ（転動面）の中央部の略鉛直下方に位置するため、左領域１１Ｌを流下するように発射された遊技球（左打ちされた遊技球）が、ワープ通路２１ｗに進入した後、ステージ部２１ｐ（転動面）を転動し、ステージ部２１ｐの中央部の略鉛直下方に落下すると、その遊技球は第１始動入賞装置１７ａに入賞する確率（可能性）が高くなる。ここで、第１始動入賞装置１７ａに対して、ワープ通路２１ｗに進入しない遊技球が入賞する確率は、ワープ通路２１ｗに進入した遊技球が入賞する確率に比べて低くなっている。また、右領域１１Ｒを流下した遊技球が第１始動入賞装置１７ａに入賞することは、左領域１１Ｌを流下した遊技球が第１始動入賞装置１７ａに入賞することよりも、遙かに困難となっているため、第１始動入賞装置１７ａは「左打ち対応領域」に配置されていることになる。

第１始動入賞装置１７ａの開口部（遊技球受入口）の大きさは、１球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。また、図４に示すように、遊技盤１０の裏側には、第１始動入賞装置１７ａに入賞した遊技球を検知するための第１始動口入賞検知スイッチ１７ｓ（図１２参照）が配設されている。

図２に示すように、第２始動入賞装置１７ｂは普通電動役物７６を備える始動入賞装置であり、右領域１１Ｒに配設されている。この第２始動入賞装置１７ｂは、図５および図６に示すように、通路部材７１と、前板部材７２と、振分部材７５と、普通電動役物７６とを備える。なお、図５の他に、後述する図７〜１０、２９、３１〜３４、３７、３８においては、説明の便宜のため、前板部材７２の図示を省略している。

図５および図６に示すように、通路部材７１は、背板部７１ａと、背板部７１ａから前方に突出する側壁部７１ｂとを有し、遊技球が通過可能で前方に開口する樋形状を備える。また、前板部材７２は、透明板（ガラス板若しくは樹脂板）を用いて構成され、通路部材７１と略同一の正面形状を備える。そして、この前板部材７２が通路部材７１の前面部（開口）を封止することで、通路部材７１および前板部材７２が協働して略管状の流下通路７３を構成している。

図６に示すように、通路部材７１の背板部７１ａが、遊技盤１０の前面部１０ａに設けられた凹部１０ｃに嵌め込まれてネジ止めされることで、第２始動入賞装置１７ｂは遊技盤１０に装着されている。また、背板部７１ａの前面部７１ｆと、遊技盤１０の前面部１０ａとは略面一な状態とされている。

図５に示すように、流下通路７３は、遊技領域１１（右領域１１Ｒ）を流下する遊技球が入球可能な入球口７３ａを上端に開口させている。また、流下通路７３は入球口７３ａから垂下する導入通路７３ｂと、導入通路７３ｂの下端部から左方向に分岐する第１分岐通路７３ｃと、導入通路７３ｂの下端部から右方向に分岐する第２分岐通路７３ｄと、第２分岐通路７３ｄおよび第１分岐通路７３ｃを連絡する連絡通路７３ｅとを備える。なお、本実施例では、導入通路７３ｂの上端側において、その通路幅を上方（入球口７３ａ）に向かって徐々に拡大させているが、導入通路７３ｂの上端側においてその通路幅を一定としてもよい。また、入球口７３ａの上方に遊技球が左右に転動する転動部（ステージ部）を設け、転動部（ステージ部）に設けられた排出口の直下に入球口７３ａを位置させることによって、転動部（ステージ部）に到達した遊技球が、第２始動入賞装置１７ｂに入賞する確率を高めてもよい。更に、導入通路７３ｂに遊技球を１球ずつ送り出す球送り装置を設け、後述する振分部材７５に向かって、確実に１球ずつの遊技球が到達するようにしてもよい。

流下通路７３のうち、連絡通路７３ｅを除く部分によって、正面視で略逆Ｙ字形状（「アルファベットのＹの文字」の上下を逆さにしたような形状）を構成している。また、普通電動役物７６を構成する開閉部材７６ａの近傍部位である第２分岐通路７３ｄの下方左側と、第１分岐通路７３ｃの下方右側には連絡口７３ｆ、７３ｇが設けられ、連絡通路７３ｅは左下り傾斜となりつつ両連絡口７３ｆ、７３ｇを連絡している。

ここで、導入通路７３ｂによって「導入ルートＬ」が構成され、第１分岐通路７３ｃによって「第１ルートＬ１」の前半側部分（遊技盤１０の前面部１０ａ側に位置する部分）が構成され、第２分岐通路７３ｄによって「第２ルートＬ２」の前半側部分（遊技盤１０の前面部１０ａ側に位置する部分）が構成される。また、連絡通路７３ｅによって、第２ルートＬ２に進入した遊技球を、第１ルートＬ１に到達させるための「第３ルートＬ３」が構成される。

図５に示すように、第１ルートＬ１は、遊技盤１０に設けられた貫通孔１０ｂを介して遊技盤１０の裏側に到達している（図４を参照）。そして、第１ルートＬ１の終端側には、第１ルートＬ１に進入した遊技球を検知するための第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔ（図１２参照）が配設されている。また、第２ルートＬ２も、遊技盤１０に設けられた貫通孔１０ｃを介して遊技盤１０の裏側に到達している（図４を参照）。そして、第２ルートＬ２の終端側には、第２ルートＬ２に進入した遊技球を検知するための第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ（図１２参照）が配設されている。

図５に示すように、通路部材７１のうち、第１ルートＬ１と第２ルートＬ２とが合流する部分（以下、「合流部Ｇ」という。）の直下において、側壁部７１ｂが切り欠かれ、通路部材７１の内部を下方に開放する切り欠き部７１ｇとされている。そして、背板部７１ａにおいて切り欠き部７１ｇの後方に位置する部位の左端寄りおよび右端寄りからは規制突起Ｈ１、Ｈ２が突出している。なお、以下の説明において、切り欠き部７１ｇの左端寄りに配置される規制突起Ｈ１を「第１規制突起Ｈ１」と称し、切り欠き部７１ｇの右端寄りに配置される規制突起Ｈ２を「第２規制突起Ｈ２」と称することとする。

図５に示すように、通路部材７１および前板部材７２の一体品において合流部Ｇを構成する部位には、振分部材７５が揺動可能な状態に配置されている。ここで、振分部材７５は、部材本体７５ａと、部材本体７５ａの軸心位置に装着されて部材本体７５ａと一体化された軸体部７５ｂと、を備えている。そして、図６に示すように、軸体部７５ｂにおいて部材本体７５ａの前方に突出する前端部が、前板部材７２に装着された軸受部材７５ｃによって回動可能な状態に支持されるとともに、軸体部７５ｂにおいて部材本体７５ａの後方に突出する後端部が、背板部７１ａに装着された軸受部材７５ｄによって回動可能な状態に支持されることで、振分部材７５は揺動（回動）可能な状態とされている。

図７に示すように、部材本体７５ａは、正面視で略逆Ｔ字形状に構成され、軸心位置（軸体部７５ｂが装着される位置）から上方に突出する振分板部７５ｇと、振分板部７５ｇの下端部から左下り傾斜方向（振分板部７５ｇの軸心を上下に向けた場合を基準）に突出する第１底板部７５ｍと、振分板部７５ｇの下端部から右下り傾斜方向（振分板部７５ｇの軸心を上下に向けた場合を基準）に突出する第２底板部７５ｎと、を備える。また、振分板部７５ｇ、第１底板部７５ｍおよび第２底板部７５ｎの突端側には、錘体Ｍ、Ｍ１、Ｍ２が装着（埋設）されている。なお、各錘体Ｍ、Ｍ１、Ｍ２の重量は等しくされるとともに、１球の遊技球の重量よりも軽くなっている。また、部材本体７５ａは、その軸心位置と錘体Ｍの中心位置とを通過する仮想面（図５において紙面に垂直な面）を基準に線対称な形状を備える。

普通電動役物７６は、「検知状態切換手段」の具体例を構成するものであり、図１０に示すように、第２ルートＬ２の経路途中の開閉を行うための開閉部材７６ａと、この開閉部材７６ａを作動させるための普通電動役物ソレノイド１７ｃ（図１２参照）と、を備えている。このうち、開閉部材７６ａは「開閉部」の具体例を構成する部材であり、下端部が背板部７１ａに軸支され、揺動可能とされている。そして、普通電動役物ソレノイド１７ｃに通電を行わないとき、図１０（ａ）に示すように、開閉部材７６ａが第２ルートＬ２の経路途中を閉鎖する姿勢（閉状態の具体例を構成する。）を維持するため、第２ルートＬ２に振り分けられた遊技球は第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）に到達することができなくなる。

ここで、本遊技機１が備える入賞検知スイッチ（１７ｓ、１７ｔ、１７ｕ、３１ｓ、４０ｓ、４１ｓ）は、その検知領域を遊技球が通過することで、その遊技球を検知可能な状態（常時、検知可能な状態）とされている。そして、開閉部材７６ａが第２ルートＬ２の経路途中を閉鎖すると、第２ルートＬ２に振り分けられた遊技球を第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）によって検知することが不可能な状態（第１状態）となる。なお、以下の説明においては、開閉部材７６ａが第２ルートＬ２の経路途中を閉鎖する状態にあるとき、「第２ルートＬ２が閉鎖状態にある」と称するとともに、「普通電動役物７６が閉鎖状態（第１状態）にある」と称する。

また、普通電動役物７６が閉鎖状態（第１状態）となると、開閉部材７６ａは第２分岐通路７３ｄに設けられた連絡口７３ｆを開放する状態（開状態の具体例を構成する。）となるため、第２ルートＬ２に振り分けられた遊技球Ｙ３は、連絡通路７３ｅ（第３ルートＬ３）を通じて、第１ルートＬ１内に進入可能となる。

一方、普通電動役物ソレノイド１７ｃに通電を行うと、図１０（ｂ）に示すように、開閉部材７６ａは反時計回りの方向（正面視）に回転し、第２ルートＬ２の経路途中を開放する姿勢となるため、第２ルートＬ２に振り分けられた遊技球は第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）に到達することが可能となる。つまり、開閉部材７６ａが第２ルートＬ２の経路途中の閉鎖を解除すると（開状態になると）、第２ルートＬ２に振り分けられた遊技球が第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）によって検知可能な状態（第２状態）となる。なお、以下の説明においては、開閉部材７６ａが第２ルートＬ２の経路途中を解除する状態にあるとき、「第２ルートＬ２が開放状態（開状態）にある」と称するとともに、「普通電動役物７６が開放状態にある」と称する。

また、普通電動役物７６が開放状態（第２状態）となると、開閉部材７６ａは第２分岐通路７３ｄに設けられた連絡口７３ｆを閉鎖し、第２ルートＬ２に振り分けられた遊技球Ｙ３が連絡通路７３ｅ（第３ルートＬ３）に進入することが防止されるため、当該遊技球Ｙ３は、確実に第２ルートＬ２における第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）の配設部位に到達することができる。なお、普通電動役物７６を、本実施例と異なり、いわゆるチューリップ式の普通電動役物７６等とすることもできる。つまり、左右に配設された一対の可動翼片と、一対の可動翼片を作動させるための普通電動役物ソレノイドとを備えるものや、遊技盤１０の前後に出没動する開閉部材と、この開閉部材を駆動する駆動手段（ソレノイド、ステッピングモータ等のアクチュエータ）とを備えるものとしてもよい。

次に、振分部材７５の動作態様（揺動態様）等について説明するが、以下の説明において振分部材７５の姿勢を次のように定義する。つまり、図８（ａ）に示すように、振分板部７５ｇを右上がり傾斜とし、第２底板部７５ｎの下面突端側を第２規制突起Ｈ２に当接させる姿勢を「第１姿勢」と定義し、図９（ａ）に示すように、振分板部７５ｇを左上がり傾斜とし、第１底板部７５ｍの下面突端側を第１規制突起Ｈ１に当接させる姿勢を「第２姿勢」と定義する。ここで、入球口７３ａを通じて第２始動入賞装置１７ｂ内に遊技球が入球していないとき、振分部材７５の姿勢は錘体Ｍ、Ｍ１、Ｍ２の作用で、「第１姿勢」若しくは「第２姿勢」となる。また、図８（ａ）に示すように、振分部材７５の姿勢が「第１姿勢」となると、合流部Ｇ内において、振分板部７５ｇの左側に遊技球を受け入れ可能な空間（以下、「第１空間」という。）Ｋ１が設けられる。更に、図９（ａ）に示すように、振分部材７５の姿勢が「第２姿勢」となると、合流部Ｇ内において、振分板部７５ｇの右側に遊技球を受け入れ可能な空間（以下、「第２空間」という。）Ｋ２が設けられる。

図８（ａ）に示すように、振分部材７５の姿勢が「第１姿勢」であるとき、入球口７３ａを通じて第２始動入賞装置１７ｂ内に遊技球Ｙ１が入球し、導入ルートＬを通過すると、この遊技球Ｙ１は第１空間Ｋ１に進入し、第１底板部７５ｍの上面部に落下する。このとき、第１底板部７５ｍに遊技球Ｙ１の重量が加わるため、図８（ｂ）に示すように、振分部材７５は反時計回転方向（正面視）に回転し、その姿勢が第２姿勢となる。このとき、第１底板部７５ｍは左下り傾斜となるため、第１底板部７５ｍ上の遊技球Ｙ１は第１分岐通路７３ｃ（第１ルートＬ１）に進入する。そして、この第１分岐通路７３ｃ（第１ルートＬ１）に進入した遊技球Ｙ１は、第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔ（図１２参照）によって検知される。

図９（ａ）に示すように、振分部材７５の姿勢が「第２姿勢」であるとき、入球口７３ａを通じて第２始動入賞装置１７ｂ内に遊技球Ｙ２が入球し、導入ルートＬを通過すると、この遊技球Ｙ２は第２空間Ｋ２に進入し、第２底板部７５ｎの上面部に落下する。このとき、第２底板部７５ｎに遊技球Ｙ２の重量が加わるため、図９（ｂ）に示すように、振分部材７５は時計回転方向（正面視）に回転し、その姿勢が第１姿勢となる。このとき、第２底板部７５ｍは右下り傾斜となるため、第２底板部７５ｎ上の遊技球Ｙ２は第２分岐通路７３ｄ（第２ルートＬ２）に進入する。

このように、第２ルートＬ２に進入した遊技球は、普通電動役物７６が閉鎖状態（第１状態）であるときには、図１０（ａ）に示すように、連絡通路７３ｅ（第３ルートＬ３）を通じて、第１分岐通路７３ｃ（第１ルートＬ１）内に進入し、第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔ（図１２参照）によって検知される。一方、普通電動役物７６が開放状態（第２状態）であるときには、図１０（ｂ）に示すように、第２ルートＬ２を通過して第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ（図１２参照）によって検知される。

ここで、本遊技機１では、その遊技モードが開放延長モード（後述する。）である場合には、普通電動役物７６を開放状態（第２状態）とする時間、つまり、第２ルートＬ２の経路途中を開放状態とする時間が長くなる（例えば、「５秒」）。一方、非開放延長モード（通常開放モード）である場合には、普通電動役物７６を開放状態（第２状態）とする時間、つまり、第２ルートＬ２の経路途中を開放状態とする時間が短くなる（例えば、「０．２秒」）。そして、第２始動入賞装置１７ｂに入球して第２ルートＬ２に進入する遊技球は、本遊技機１の遊技モードが開放延長モードとなると、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ（図１２参照）で検知される確率（頻度）が高くなり、この遊技モードが非開放延長モードとなると、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ（図１２参照）で検知される確率（頻度）が低くなる。

従って、非開放延長モード（通常開放モード）においては、遊技者が「右打ち」および「左打ち」のうち何れの遊技形態を採っても、第１特別図柄が変動する遊技、換言すると第１保留の個数を上限個数の４とすることを目指す遊技が実現される。一方、開放延長モードにおいては、遊技者が「右打ち」の遊技形態を採ることで、第１特別図柄および第２特別図柄が変動する遊技、換言すると第１保留の個数および第２保留の個数をともに上限個数の４個とすることを目指す遊技、つまり、保留の総数を上限の８個に近づける遊技が実現される。ここで、開放延長モードを実現するために作動する「開放延長手段（後述する。）」は「第２状態延長手段」の具体例を構成する。

大入賞装置３１は可変入賞装置の具体例を構成するものであり、図２に示すように、右領域１１Ｒであって、第２始動入賞装置１７ｂの左斜め下方に位置する部位に配設されている。この大入賞装置３１は、遊技盤１０の前面部１０ａで開口する大入賞口３１ａと、この大入賞口３１ａを開放・閉鎖するための開閉板３１ｂと、この開閉板３１ｂを駆動するための大入賞口ソレノイド３１ｃ（図１２参照）と、大入賞装置３１に入賞した遊技球を検知するための大入賞口入賞検知スイッチ３１ｓ（図１２参照）とを備えている。この大入賞装置３１は、開閉板３１ｂが起立姿勢となると、この開閉板３１ｂが大入賞口３１ａを閉鎖するため、大入賞装置３１への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板３１ｂが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口３１ａが開放されるとともに、開閉板３１ｂの後面部（背面部）が遊技領域１１を流下し、大入賞装置３１へ到達した遊技球を大入賞口３１ａに誘導する誘導部を構成する。

図２に示すように、下部表示装置６０は大入賞装置３１の左側方に配置されている。この下部表示装置６０は、図１１（ａ）に示すように、遊技盤本体１０Ａの前面部に取り付けられる取付板６１を備えている。そして、この取付板６１には、第１特別図柄表示部６２ａと、第２特別図柄表示部６２ｂと、普通図柄表示部６３と、普通図柄保留表示部６５等が設けられている。なお、第１特別図柄表示部６２ａが「第１特別図柄表示装置」の具体例を構成し、第２特別図柄表示部６２ｂが「第２特別図柄表示装置」の具体例を構成し、普通図柄表示部６３が「普通図柄表示装置」の具体例を構成する。

第１特別図柄表示部６２ａ、第２特別図柄表示部６２ｂおよび普通図柄表示部６３は、何れも「７セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第１特別図柄表示部６２ａでは、第１始動口入賞検知スイッチ１７ｓもしくは第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔによって遊技球が検知されることに起因して実行される当否判定（第１大当り抽選）の結果を示す「第１特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。また、第２特別図柄表示部６２ｂでは、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕによって遊技球が検知されることに起因して実行される当否判定（第２大当り抽選）の結果を示す「第２特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。なお、第１特別図柄表示部６２ａおよび第２特別図柄表示部６２ｂの表示結果の内容については後述する。また、第１特別図柄表示部６２ａおよび第２特別図柄表示部６２ｂにおいて表示される図柄変動遊技の結果（当否判定の結果）と、演出表示装置２７において表示される図柄変動演出の表示結果（当否判定の結果）は一致するものとされる。なお、第１特別図柄表示部６２ａは第１特別図柄表示手段の具体例を構成し、第２特別図柄表示部６２ｂは第２特別図柄表示手段の具体例を構成する。

普通図柄表示部６３は、図１１（ａ）に示すように「７セグメント表示体」によって構成され、普通図柄作動ゲート１６を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部６３において「０」〜「９」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「０」〜「９」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄が停止表示されて、その停止表示が一定時間実行される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。この閉鎖状態（第１状態）にある普通電動役物７６を開放状態（第２状態）とするか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部２００Ａによって構成される。なお、本遊技機１は、開放延長機能（後述する。）の作動時に専ら「右打ち」を遊技機１であるため、普通図柄作動ゲート１６を右領域１１Ｒに配設している。

第１特別図柄保留表示部６４ａおよび第２特別図柄保留表示部６４ｂは、それぞれ２個のＬＥＤを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、それぞれ４個を上限として表示するものである。つまり、第１特別図柄保留表示部６４ａは、第１始動口入賞検知スイッチ１７ｓもしくは第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔによって検知されたものの未だ消化することのできない遊技球の数（即ち、保留数）を、４個上限数として表示するとともに、未消化の遊技球（保留）が消化される毎に、未消化の遊技球の数（即ち、保留数）を順次、デクリメントして表示するものである。また、第２特別図柄保留表示部６４ｂは、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕによって検知されたものの未だ消化することのできない遊技球の数（即ち、保留数）を、４個上限数として表示するとともにに、未消化の遊技球（保留）が消化される毎に、未消化の遊技球の数（即ち、保留数）を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄（第１特別図柄、第２特別図柄）に関する「未消化の遊技球（つまり、保留）」とは、始動入賞装置（１７ａ若しくは１７ｂ）に入賞したが、特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）において、当該入賞に伴う当否判定の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。

普通図柄保留表示部６５も２個のＬＥＤを用いて構成され、普通図柄作動ゲート１６を通過したが、未だ未消化の遊技球の数（保留数）を、４個を上限数として表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に、未消化の遊技球の数（保留数）を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球（保留球）」とは、普通図柄作動ゲート１６を通過したが、普通図柄表示部６３において当該通過に伴う抽選の結果の表示（普通図柄の停止表示）と、これに先行する変動表示（本実施例では、７セグメント表示体を用いた表示）とがなされていない遊技球を指す。

第１特別図柄保留表示部６４ａ、第２特別図柄保留表示部６４ｂおよび普通図柄保留表示部６５では、それぞれ同様な態様で保留数の表示を行う。つまり、（ａ）２個のＬＥＤを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、（ｂ）１個のＬＥＤを点灯させつつ１個のＬＥＤを消灯させて「保留数」が「１」であることを示し、（ｃ）２個のＬＥＤを点灯させて「保留数」が「２」であることを示し、（ｄ）１個のＬＥＤを点滅させつつ１個ＬＥＤを点灯させて「保留数」が「３」であることを示し、（ｅ）２個のＬＥＤを点滅させて「保留数」が「４」であることを示す。

図２に戻り、３個の一般入賞装置４０、４１、４３は、メイン役物装置２０の左右に配置されている。そして、各一般入賞装置４０、４１の内部には、遊技球の入賞を検知するための一般入賞検知スイッチ４０ｓ、４１ｓ（図１２参照）が配設されている。また、多数の障害釘（図示を省略）は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域１１にパチンコ遊技に適するべく配設され、遊技盤１０の下方にはアウト口１８が設けられている。更に、アウト口１８の下部にはバック球防止部材（図示を省略）が設けられている。そして、遊技領域１１に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。

（２）制御回路の構成
次に、図１２を用いて本実施例の遊技機１の制御回路の構成について説明する。本遊技機１の制御回路は、主制御部２００Ａと、複数の副制御部（２２０Ａ、２２２Ａ、２４０Ａ、２６０Ａ）とを含んで構成されている。つまり、主制御基板２００を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部２００Ａと、複数の副制御部（２２０Ａ、２２２Ａ、２４０Ａ、２６０Ａ）とを備えている。また、副制御部としては、（ａ）サブ制御基板２２０を用いて構成されるとともに、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部２２０Ａと、（ｂ）演出表示制御基板２２２を用いて構成されるとともに、演出表示装置２７の制御を司る演出表示制御部２２２Ａと、（ｃ）払出制御基板２４０を用いて構成されるとともに貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部２４０Ａと、（ｄ）発射制御基板２６０を用いて構成されるとともに遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部２６０Ａを備える。

これらの制御部（２００Ａ、２２０Ａ、２２２Ａ、２４０Ａ、２６０Ａ）を構成する制御基板（２００、２２０、２２２、２４０、２６０）は、各種論理演算および算出演算を実行するＣＰＵや、ＣＰＵで実行される各種プログラムやデータが記憶されているＲＯＭ、プログラムの実行に際してＣＰＵが一時的なデータを記憶するＲＡＭ、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース（ＰＩＯ）、ＣＰＵが演算を行うためのクロックを出力する発振器、ＣＰＵの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺ＬＳＩがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図１２中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、主制御基板２００においては、搭載されたＣＰＵ２０１、ＲＡＭ２０２、ＲＯＭ２０３を図示し、サブ制御基板２２０においても、搭載されたＣＰＵ２２０ａ、ＲＡＭ２２０ｂ、ＲＯＭ２２０ｃを図示し、その他の制御基板に搭載されているＣＰＵや、ＲＡＭ、ＲＯＭなどについては図示を省略している。

主制御部２００Ａは、普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ１６ｓ、始動口入賞検知スイッチ１７ｓ、１７ｔ、１７ｕ、一般入賞検知スイッチ４０ｓ、４１ｓ等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部２００Ａや、払出制御部２４０Ａ、発射制御部２６０Ａ等に向かって、後述する各種の信号（コマンド）を出力する。また、主制御部２００Ａ（主制御基板２００）には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ８ｓも接続されている。また、主制御部２００Ａは、普通電動役物ソレノイド１７ｃや、大入賞口ソレノイド３１ｃ、下部表示装置６０に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。また、主制御部２００Ａ（主制御基板２００）を構成するＣＰＵ２０１により決定された所定の信号（コマンド）は、サブ制御基板２２０や払出制御基板２４０に対してそれぞれ送信される。なお、主制御部２００Ａは、下部表示装置６０において実行される特別図柄の変動表示（「第１特別図柄表示部６２ａにおいて実行される第１特別図柄の変動表示」および「第２特別図柄表示部６２ｂにおいて実行される第２特別図柄）の変動表示」）の制御（表示制御）を行う「表示制御手段」の具体例を構成する。そして、主制御部２００Ａは「第１特別図柄の変動表示および第２特別図柄の変動表示を並行して実行可能とする制御」を行う。｛本遊技機１では、後述する図２０に示すように、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）および特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）が並行して進行可能である点を参照｝

サブ制御部２２０Ａは、主制御部２００Ａからの各種信号（コマンド）を受け取ると、信号（コマンド）の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部２２０Ａは、主制御部２００Ａからの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部２２０Ａには、演出表示制御部２２２Ａと、アンプ基板２２４と、装飾駆動基板２２６と、演出ボタンＳＷ（図１を参照）が接続された演出ボタン基板２２８と、にそれぞれ電気的に接続されている。そして、サブ制御基板２２０のＣＰＵ２２０ａは、主制御基板２００からの制御信号を受けて演出表示制御基板２２２、アンプ基板２２４、装飾駆動基板２２６および演出ボタン基板２２８などの各基板を制御する。また、ＲＯＭ２２０ｃには、各基板の制御に必要なデータ（特に遊技の装飾に関する情報）が記憶されている。また、ＣＰＵ２２０ａは、主制御部２００Ａから送出された表示制御コマンド（表示制御信号）を受信するとともに、ＲＯＭ２２０ｃに記憶されたプログラムに従って受信した表示制御コマンドを解析する。そして、ＣＰＵ２２０ａは、主制御部２００Ａから送信された表示制御コマンドに基づき新たに生成したコマンドや、主制御部２００Ａから送信されたままの表示制御コマンドを、図柄制御コマンドとして演出表示制御部２２２Ａに対して送信する。

アンプ基板２２４には、所定の効果音を出力するスピーカＳＰ１〜ＳＰ４が電気的に接続されている（図１を参照）。また、装飾駆動基板２２６には、前面枠４や遊技盤１０等に設けられる装飾用の各種ＬＥＤ（ランプ）を搭載した各種ＬＥＤ基板が接続されている。また、装飾駆動基板２２６は、サブ制御基板２２０Ａからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。

払出制御部２４０Ａには、中継端子板、発射制御部２６０Ａ、下皿満タンスイッチ６ｓ等が接続されている。また、払出制御部２４０Ａには中継端子板を介して、本体枠３の裏側（裏機構盤１０２側）に配置された遊技球払出装置（図示を省略）を構成する払出モータ１０９ｍと、前側払出スイッチ１０９ａと、後側払出スイッチ１０９ｂとが接続されている。また、払出制御部２４０Ａには、主制御部２００Ａが双方向通信可能な状態に接続されている。この払出制御部２４０Ａは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン５ｃや返却ボタン５ｑを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板４１０から中継端子板を介して払出制御基板２４０に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ１０９ｍを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置の払出モータ１０９ｍに伝達される。

また、主制御部２００Ａが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部２４０Ａが受け取って、払出モータ１０９ｍに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、２つの払出スイッチ（前側払出スイッチ１０９ａ、後側払出スイッチ１０９ｂ）によって検出されて、払出制御部２４０Ａに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ１０９ｃによっても検出されて、主制御部２００Ａでも計数されている。

（３）遊技機１による遊技の流れ
前述のように、本遊技機１では、始動入賞に基づいて行われる当否判定の結果を示す停止図柄の停止表示（確定表示）と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを、下部表示装置６０および演出表示装置２７の２種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置６０の第１特別図柄表示部６２ａで表示される第１特別図柄と、下部表示装置６０の第２特別図柄表示部６２ｂで表示される第２特別図柄は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る主制御部２００Ａにおいて「停止図柄」と「変動時間（変動パターン）」が決定される。

一方、演出表示装置２７の表示画面２７ａにおいては「疑似図柄」が表示され、主制御部２００Ａの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部２２０Ａ」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の表示内容（大当り、外れ等）は、第１特別図柄表示部６２ａ若しくは第２特別図柄表示部６２ｂにおける「本図柄」の表示内容（大当り、外れ等）と矛盾を生じないものとされる。

ここで、本遊技機１では、遊技球が第１始動口入賞検知スイッチ１７ｓもしくは第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔによって検知されること（以下、「第１始動入賞」という。）に起因して、第１特別図柄表示部６２ａにおいて「第１特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、遊技球が第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕによって検知されること（以下、「第２始動入賞」という。）に起因して、第２特別図柄表示部６２ｂにおいて「第２特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第１特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第２特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って、演出表示装置２７において図柄変動演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出表示」の概要について説明する。

ａ．図柄変動遊技（本図柄を用いた変動表示）
「第１特別図柄に係る図柄変動遊技」は第１特別図柄の変動表示および停止表示によって構成され、「第２特別図柄に係る図柄変動遊技」は第２特別図柄の変動表示および停止表示によって構成される。これらの変動表示は、図１１（ｂ）に示すように、対応する特別図柄表示部（６２ａ若しくは６２ｂ）を構成する７セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄（以下、不完全図柄という。）の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。そして、「第１特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって、「第１始動入賞」に起因する当否判定（以下、「第１当否判定」という。）の結果が表示され、「第２特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって「第２始動入賞」に起因する当否判定（以下、「第２当否判定」という。）の結果が表示される。

ところで、遊技機１の確率モードが低確率モード（通常確率モード）である場合には、第１当否判定および第２当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「１／４００」とされる。また、遊技機１の確率モードが高確率モードである場合には、第１当否判定および第２当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「１／４０」とされる。そして、第１特別図柄表示部６２ａ若しくは第２特別図柄表示部６２ｂに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技が実行される。ここで、「大当り遊技」は「特別遊技」の具体例を構成する。

この大当り遊技を開始すると、主制御部２００Ａが大入賞口ソレノイド３１ｃの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口３１ａを開閉する開閉動作」が実行される。ここで、「大入賞装置３１の開放」は大入賞口ソレノイド３１ｃを駆動して、起立姿勢にある開閉板３１ｂを前傾姿勢とし、大入賞口３１ａを開放状態（第２状態）に変化させることによって実現され、「大入賞装置３１の閉鎖」は、大入賞口ソレノイド３１ｃの駆動を停止して開閉板３１ｂを起立姿勢に戻し、大入賞口３１ａを閉鎖状態（第１状態）に戻すことによって実現される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置３１に対して、大入賞口３１ａを１回だけ開放状態（第２状態）に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口３１ａに規定入賞数（１０個）の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口３１ａの開放時間が開放限度時間（３０秒）に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技（大当りラウンド）を終了する。そして、大入賞装置３１の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。

本遊技機１では、遊技状態が大当り遊技状態（特別遊技状態）に移行すると、所定回数（８ラウンド若しくは１６ラウンド）に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、本実施例では、図１３に示すように、第１特別図柄表示部６２ａ若しくは第２特別図柄表示部６２ｂに停止表示（確定表示）される大当り図柄の態様に応じて、実行される大当り遊技（ラウンド遊技）の内容や、大当り遊技終了後の遊技機１の遊技状態が異なったものとなる。ここで、以下の説明において、「１６Ｒ確変大当り」及び「１６Ｒ通常大当り」はラウンド遊技を「１６ラウンド」行う大当り遊技（以下、「大当り遊技Ａ」という。）の開始契機となる大当りであり、「８Ｒ確変大当り」及び「８Ｒ通常大当り」はラウンド遊技を「８ラウンド」行う大当り遊技（以下、「大当り遊技Ｂ」という。）の開始契機となる大当りである。

第１当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出されると、主制御部２００Ａは大当りの種類（大当り図柄の種類）を乱数抽選（振分抽選）によって決定する。そして、この乱数抽選（振分抽選）によって、図１３の上覧（特図１大当り図柄決定用テーブル）に示すように、「大当りの種類」が「１６Ｒ通常大当り」、「８Ｒ確変大当り」及び「８Ｒ通常大当り」のうちの何れかに決定される。また、第２当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出された場合も、主制御部２００Ａは大当りの種類（大当り図柄の種類）を乱数抽選（振分抽選）によって決定する。そして、この乱数抽選（振分抽選）によっても、図１３の下覧（特図２大当り図柄決定用テーブル）に示すように、「大当りの種類」が「１６Ｒ確変大当り」、「１６Ｒ通常大当り」及び「８Ｒ通常大当り」のうちの何れかに決定される。これらの「振分抽選」を行うための乱数（以下、「図柄決定用乱数」という。）の中から、抽選の結果の導出（判定）に用いられる一の乱数値（判定値）を取得するタイミングは、当否判定用の乱数（大当り抽選用の乱数など）の中から一の乱数値を取得する場合と同様に、始動入賞を生じたタイミングとされる。なお、第２当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第１当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。

「１６Ｒ確変大当り」若しくは「８Ｒ確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定（第１当否判定及び第２当否判定）の結果が大当りとなる確率が高確率とされるとともに、対応する大当り遊技を実行した後、開放延長手段及び変動時間短縮手段が作動する遊技モード、つまり「開放延長モード」となる。この開放延長モードは、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される図柄変動遊技の累積回数が「１０，０００回」になるまで継続される。但し、遊技機（パチンコ機）において通常定められる大当りの当選確率（大当り確率）を考慮すると、この「１０，０００回」になるまで開放延長モードが継続することは、実質的に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続すること」を意味する。よって、以下、当該ケースに関しては単に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続する」と表現する（図１３を参照）。

一方、「１６Ｒ通常大当り」若しくは「８Ｒ通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定（第１当否判定及び第２当否判定）の結果が大当りとなる確率が低確率（通常確率）とされるとともに、対応する大当り遊技を実行した後、開放延長手段及び変動時間短縮手段が作動する遊技モード、つまり「開放延長モード」となる。そして、この開放延長モードは対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別柄変動遊技の累積回数が「１００回」になるまで継続される。

次に、図１４および図１５を用いて「第１特別図柄の変動表示」と「第２特別図柄の変動表示」の関係を説明する。また、各特別図柄の変動表示の実行時間は変動開始時に決定される変動パターンによって特定され、この実行時間が経過すると、本図柄の停止図柄が確定表示されるとともに、表示画面２７ａにおいて疑似図柄の停止図柄が確定表示される。この本図柄の停止図柄の確定表示は所定時間（本実施例では０．６秒）に亘って行われ、図１４および図１５においては特別図柄が確定表示されている状態を「ハッチング表示」で示している。

本実施例では、図１４に示すように、原則的には、第１特別図柄および第２特別図柄の何れにおいても、他方の特別図柄の変動表示や停止表示に無関係に変動表示と停止表示を行う。つまり、各特別図柄は、他方の特別図柄の変動表示や停止表示に拘束されることなく、自身の変動開始時に設定した変動パターンに従って変動表示を行った後、停止表示を行う。

また、図１５に示すように、第１特別図柄および第２特別図柄が並行して変動表示（以下、同時変動という。）を行っており、一方の特別図柄（例えば、第１特別図柄）に「大当り」を生じた場合には、他方の特別図柄（例えば、第２特別図柄）はそのまま変動表示を継続する。ここで、他方の特別図柄の変動時間は、自身の変動開始時に設定した変動パターンに従って特定され、当該変動開始時からの経過時間が計測されている。但し、この経過時間の計測は、当該「大当り」を契機とする大当り遊技の実行中に中断され、当該大当り遊技を終了した後に再開される。例えば、他方の特別図柄の変動時間の「残り時間」が「１０秒」のところで「大当り」を生じた場合、当該「大当り」を契機とする大当り遊技の終了後、この「１０秒（残り時間）」が経過すると他方の特別図柄の変動時間は終了する。

ｂ．図柄変動演出（疑似図柄を用いた変動表示）
図１６に示すように、第１始動入賞に起因して第１特別図柄の変動表示を実行すると、演出表示装置２７の表示画面２７ａの左表示領域部ＳＬにおいて疑似図柄を用いた変動表示を実行する。そして、この変動表示の実行時間が経過すると、疑似図柄の停止表示（確定表示）が一定時間（約０．６秒間）実行される（ａ１〜ａ４）。このとき、疑似図柄の停止表示（確定表示）によって第１当否判定の結果を表示する。

また、図１６に示すように、第２始動入賞に起因して第２特別図柄の変動表示を実行すると、演出表示装置２７の表示画面２７ａの右表示領域部ＳＲにおいても疑似図柄を用いた変動表示を実行する。そして、この変動表示の実行時間が経過すると疑似図柄の停止表示（確定表示）が一定時間（約０．６秒間）実行される（ａ２〜ａ５）。このとき、疑似図柄の停止表示（確定表示）によって第２当否判定の結果が表示される。

左表示領域部ＳＬおよび右表示領域部ＳＲの何れにおいても、疑似図柄の変動表示を開始する際に、疑似図柄表示領域２７ｂが出現し、「疑似図柄」を用いた変動表示と、停止表示（停止した疑似図柄の表示）等がなされる。この疑似図柄の変動表示（変動遊技）は、「１」〜「９」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「１」〜「９」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示（スクロール変動表示）」によって構成される。また、疑似図柄表示領域２７ｂに停止表示される図柄（停止図柄）には、「外れを示す停止図柄」と「大当りを示す停止図柄」がある。ここで、図１１（ｃ）に示すように、疑似図柄の停止図柄には「大当りを示す停止図柄（大当り図柄）」と「外れ示す停止図柄（外れ図柄）」とがある。そして、「確変大当りを示す大当り図柄」は疑似図柄表示領域２７ｂに「同一の奇数数字」を３個並べて構成され、「通常大当りを示す大当り図柄」は疑似図柄表示領域２７ｂに「同一の偶数数字」を３個並べて構成される。また、「外れ図柄」は、疑似図柄表示領域２７ｂに停止表示される３つの疑似図柄のうちの少なくとも１つを、他と異なる数字図柄として構成される。尚、演出表示装置２７において「大当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。

次に、図１６〜図１８を用いて「左表示領域部ＳＬにおける疑似図柄（第１疑似図柄）の変動表示」と「右表示領域部ＳＲにおける疑似図柄（第２疑似図柄）の変動表示」の関係を説明する。

図１６に示すように、原則的には、第１疑似図柄および第２疑似図柄の何れにおいても、他方の疑似図柄の変動表示や停止表示に無関係に変動表示と停止表示を行う。つまり、各疑似図柄は、他方の疑似図柄の変動表示や停止表示に拘束されることなく、対応する特別図柄（本図柄）の変動開始時に設定した変動パターン（後述する。）に従って変動表示を行った後、停止表示を行う。尚、図１６の「左表示領域部ＳＬのａ４欄」等で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示（所謂「通常外れ」）であり、図１６の「右表示領域部ＳＲのａ１欄」に例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う外れ表示（所謂「外れリーチ」）」である。ここで、リーチ表示（リーチ演出）とは、例えば、この変動表示（演出表示）の途中において、最終的に停止する図柄（以下、「最終停止図柄」という。）以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。

図１７に示すように、第１疑似図柄および第２疑似図柄が同時変動を行っている状況下で（ｃ１〜ｃ４）、一方の疑似図柄（例えば、第２疑似図柄）に対応する特別図柄（例えば、第２特別図柄）に「大当り」を生じた場合には、他方の疑似図柄（例えば、第２疑似図柄）はそのまま変動表示を継続する（ｃ５）。この場合、当該「大当り」を契機とする大当り遊技の実行中においては、他方の疑似図柄（例えば、第２疑似図柄）の変動表示が変形態様（算用数字を変形させつつ行う変動表示）で実行される（ｄ１〜ｄ３）。そして、当該大当り遊技が終了すると、他方の疑似図柄（例えば、第２疑似図柄）の変動表示の態様が通常態様（変形態様となる前の態様）に戻る（ｄ４）。このとき、他方の疑似図柄に対応する特別図柄（例えば、第２特別図柄）に関する変動時間の計測が再開され（ｄ４）、当該特別図柄の変動時間が経過すると、他方の疑似図柄（例えば、第２疑似図柄）の変動表示は終了する。

（５）コマンドの送信
本実施例の遊技機１は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部２００Ａ（主制御基板２００）からサブ制御部２２０Ａ（サブ制御基板２２０）に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図１９（ａ）の模式図を用いて説明する。

主制御部２００Ａとサブ制御部２２０Ａとは、９ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの１ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの８ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部２００Ａからサブ制御部２２０Ａにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた８ビット幅の信号ケーブルに８ビット分のコマンドデータが出力され、続いて１ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部２２０Ａは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部２００Ａから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部２００Ａからサブ制御部２２０Ａに出力されるコマンドとしては、例えば、（Ａ）変動パターン指定コマンド、（Ｂ）特別図柄停止情報指定コマンド等を例示できる。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドである。

（６）主制御部２００Ａによる遊技制御の概要
図２０は、主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理（Ｓ８０）、普通図柄遊技処理（Ｓ１００）、普通電動役物遊技処理（Ｓ２００）、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）、特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）、大当り遊技処理（Ｓ６００）等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、電源投入後、４ｍｓｅｃ周期のタイマ割込みが発生する毎に、図２０のＳ８０〜Ｓ６００の処理を実行するように構成されている。つまり、図２０のＳ８０〜Ｓ６００の処理は、４ｍｓｅｃ毎に繰り返し実行される。以下、図２０のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。但し、図２０に示す遊技制御処理を構成する各処理のうちで、大当り遊技処理（Ｓ６００）についての詳細な説明は省略する。

Ａ．賞球払出処理（Ｓ８０）
主制御基板２００に搭載されたＣＰＵ２０１は、遊技球を賞球として払い出す処理（賞球払出処理）を行う（Ｓ８０）。すなわち、始動口入賞検知スイッチ１７ｓ、１７ｔ、１７ｕや大入賞口入賞検知スイッチ３１ｓおよび一般入賞検知スイッチ４０ｓ、４１ｓの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板２００に搭載されているＲＡＭ２０２の所定領域に記憶する。そして、ＲＡＭ２０２上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板２４０に向かって出力する。また、ＲＡＭ２０２上に、始動口入賞検知スイッチ１７ｓ、１７ｔ、１７ｕ等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。

主制御部２００Ａから払出制御部２４０Ａへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部２４０Ａ（払出制御基板２４０）に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部２４０Ａを構成する払出制御基板２４０に搭載されたＣＰＵは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、遊技球払出装置（図示を省略）に搭載された払出モータ１０９ｍに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、遊技球払出装置には、払い出された遊技球を検出する２つの払出スイッチ（前側払出スイッチ１０９ａ、後側払出スイッチ１０９ｂ）が設けられているので、これらスイッチで遊技球を１球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。

Ｂ．普通図柄遊技処理（Ｓ１００）
普通図柄遊技処理（Ｓ１００）では、普通図柄作動ゲート１６を遊技球が通過したことを契機に普通図柄表示部６３にて普通図柄の変動表示を開始させる。そして、ＣＰＵ２０１は、図２０の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、ＣＰＵ２０１は、図２０の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間（例えば、０．５秒）」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物７６を作動させる図柄（普通図柄の当り図柄）、或いは、作動させない図柄（普通図柄の外れ図柄）の何れであるかを判断する。

そして、停止図柄が普通電動役物７６を作動させる図柄（普通図柄の当り図柄）である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か（つまり、開放延長手段が作動中であるか否か）が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物７６の開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間（例えば、前述の５秒）」に設定した後、普通図柄遊技処理（Ｓ１００）を終了して、図２０の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物７６の開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間（例えば、前述の０．２秒）」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図２０の遊技制御処理に復帰する。

なお、ＣＰＵ２０１は、普通電動役物７６が作動中でなく、普通図柄表示部６３において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「０」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート１６を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数（本実施例では、４個）未満である場合に「＋１」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−１」される。

Ｃ．普通電動役物遊技処理（Ｓ２００）
図２１は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、ＣＰＵ２０１が図２０の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物７６が作動中であるか否か、つまり、開閉部材７６ａが第２ルートの経路途中を開放する開放状態（開状態）となっているか否かかが判断される。そして、作動中であると判断すると（Ｓ２０１；ＹＥＳ）、普通電動役物７６の作動時間（普通電動役物７６を開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは５秒、通常開放モードでは０．２秒）が経過したか否かを判断する（Ｓ２０２）。そして、作動時間が所定時間を経過したと判断すると（Ｓ２０２；ＹＥＳ）、普通電動役物７６の作動を停止させることで、開閉部材７６ａを、第２ルートの経路途中を閉鎖する閉鎖状態（閉状態）に戻し（Ｓ２０６）、普通電動役物遊技処理を終了させる。

但し、ＣＰＵ２０１が、普通電動役物７６が作動中であるとき（第２ルートＬ２の経路途中を開放している状態にあるとき）に（Ｓ２０２；ＮＯ）、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕが規定数（例えば、８個）の遊技球を検知すると（Ｓ２０４；ＹＥＳ）、前述の作動時間が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物７６の作動を停止させ（Ｓ２０６）、普通電動役物遊技処理を終了させる。

Ｄ．特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）および特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）
次に、図２２〜図２７を用いて特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）および特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）の概要を説明する。ここで、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）は、第１始動口入賞検知スイッチ１７ｓもしくは第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔが遊技球を検知すること（第１始動入賞を生ずること）に起因してＣＰＵ２０１が実行する遊技処理であり、特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）は、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕが遊技球を検知すること（第２始動入賞を生ずること）に起因してＣＰＵ２０１が実行する遊技処理である。

つまり、第１始動入賞装置１７ａに遊技球が入賞して第１始動口入賞検知スイッチ１７ｓに検知されるか、第２始動入賞装置１７ｂに入賞した遊技球が第１ルートＬ１を経て第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔに検知されることに起因して、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）が実行される。また、第２始動入賞装置１７ｂに入賞した遊技球が第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕに検知されることに起因して特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）が実行される。

なお、本実施例と異なり、第１始動入賞装置１７ａを備えない場合には、第２始動入賞装置１７ｂに入賞した遊技球が第１ルートＬ１を経て第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔに検知されることのみに起因して、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）が実行される。

ここで、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）および特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）を構成する各処理のうち、同様な処理に関して、図２２〜図２７においては同一のステップ数（算用数字）を付している。但し、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）を構成する各処理については「ステップ数」にアルファベットの「ａ」を付し、特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）を構成する各処理については「ステップ数」にアルファベットの「ｂ」を付して区別している。

以下においては、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）について詳細な説明を行った後、特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）について「特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）との相違点」を中心に説明する。

特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）が起動すると、図２２（ａ）に示すように、先ず、第１始動入賞を生じたか否か（第１始動口入賞検知スイッチ１７ｓもしくは第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔが遊技球を検知したか否か）が判断される（Ｓ３０２ａ）。そして、Ｓ３０２ａの処理の処理において否定的な判断がなされる場合（Ｓ３０２ａ；ＮＯ）、そのまま図２３に示すＳ３０８ａ以降の処理に移行する。

一方、第１始動入賞を生じたと判断される場合（Ｓ３０２ａ；ＹＥＳ）、「第１特別図柄の保留数（以下、第１保留数という。）」が上限個数未満（本実施例は４個未満）であるか否かが判断される（Ｓ３０４ａ）。このＳ３０４ａの処理において上限個数未満と判断されると（Ｓ３０４ａ；ＹＥＳ）、第１始動入賞に関連する判定用乱数値（抽選用乱数値）を取得し、この判定用乱数値が主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０２の所定アドレス｛図１９（ｂ）に示す第１判定用乱数メモリ２０２ａ｝に記憶されるとともに「第１保留数」が「＋１」される（Ｓ３０６ａ）。この後、図２３に示すＳ３０８ａ以降の処理に移行する。

ここで、図１９（ｂ）に示す「第１判定用乱数メモリ２０２ａ」には判定用乱数値が「第１始動入賞の時系列にシフトメモリ形式」で記憶されるとともに、「特図１保留数メモリ２０２ｃ」の値が累積的に記憶される。また、Ｓ３０６ａの処理で取得される判定用乱数値としては、（ａ）第１始動入賞に起因して実行される大当り抽選（以下、「特図１大当り抽選」という。）に際して用いる抽選用乱数値（以下、「特図１大当り抽選乱数値」という。）、（ｂ）第１特別図柄表示部６２ａに停止表示される大当り図柄を決定するための決定用乱数値（以下、「特図１大当り図柄決定乱数値」という。）、（ｃ）演出表示装置２７の表示画面２７ａで実行される疑似図柄の変動表示（図柄変動演出）においてリーチ表示（リーチ演出）を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値（特図１リーチ乱数値）などがある。なお、本実施例と異なり、第１始動入賞に起因して小当り抽選（特図１小当り抽選）を行う場合、Ｓ３０６ａの処理で取得される判定用乱数値には「特図１小当り抽選」で用いる抽選用乱数値（以下、「特図１小当り抽選乱数値」という。）が含まれる。

Ｓ３０８ａの処理では、図２３に示すように「特図１大当り遊技フラグ」がセット（ＯＮに設定）されているか否かが判断される。具体的には、第１始動入賞に起因する大当りの発生により「特図１大当り遊技フラグ（図２４のＳ３７４ａの処理を参照）」がセット（ＯＮに設定）された場合、Ｓ３０８ａにおいて肯定的な判断がなされる。ここで、「特図１大当り遊技フラグ」および後述する「特図２大当り遊技フラグ」は「特別遊技実行手段（制御プログラムであってＲＯＭ２０３に格納されている。）」が作動中であることを示すものである。

ＣＰＵ２０１は、Ｓ３０８ａの処理で肯定的な判断を行うと（Ｓ３０８；ＹＥＳ）、特別図柄１遊技処理を終了して図２０の遊技制御処理に復帰する。一方、Ｓ３０８ａの処理で否定的な判断を行うと（Ｓ３０８ａ；ＮＯ）、第１特別図柄が変動中であるか否かを判断する（Ｓ３１０ａ）。そして、第１特別図柄が変動中でない場合は（Ｓ３１０ａ；ＮＯ）、第１特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄が停止表示されているか、の何れかであると考えられる。そこで、第１特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中（本実施例ではこの停止表示時間を０．６秒とする。）であるか否かを判断する（Ｓ３１２ａ）。そして、第１特別図柄が変動表示されておらず（Ｓ３１０ａ；ＮＯ）、且つ、第１特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は（Ｓ３１２ａ；ＮＯ）、変動表示を開始できるか否かを判断する（Ｓ３１４ａ）。

Ｓ３１４ａの処理では、「第１保留数」が「ゼロ」でなく、かつ「特図２大当り遊技フラグ」が解除（ＯＦＦに設定）されているか否かを判断する。そして、Ｓ３１４ａの処理で肯定的な判断を行うと（Ｓ３１４ａ；ＹＥＳ）、「特図１大当り遊技フラグ」が解除されているとともに（Ｓ３０８ａ；ＮＯ）、「第１保留数」が「ゼロ」で「特図２大当り遊技フラグ」が解除されていることとなり、これにより、「第１特別図柄の変動表示を開始できる条件」が成立していることとなる。この場合には、前述の第１判定用乱数メモリ２０２ａ（図１９（ｂ）を参照）から最も古い判定用乱数値等を読み出し（Ｓ３１６ａ）、第１特別図柄に関する特別図柄変動表示処理（５００ａ）を実行する。具体的には上述のＳ３０６ａの処理で取得した「特図１大当り抽選乱数値」等を読み出し（Ｓ３１６ａ）、第１特別図柄に関する特別図柄変動表示処理（５００ａ）を実行する。なお、第１特別図柄に関する特別図柄変動表示処理（５００ａ）を、以下の説明では「特図１変動表示処理（５００ａ）」と称することがある。

この「特図１変動表示処理（５００ａ）」が起動すると、図２７に示すように、第１特別図柄に関する当否判定処理（第１当否判定）を行った後（Ｓ５０１ａ）、Ｓ５０２の処理に移行する。ここで、第１当否判定（Ｓ５０１ａ）においては、大当り抽選に関する処理（第１大当り抽選に関する処理）を行うが、遊技機１の遊技モードが高確率モードであるときには、「高確率用のデータテーブル」と「Ｓ３１６ａの処理で読み出した特図１大当り抽選乱数値」とを用いて「大当り抽選結果の導出（当否判定）」が行われ、遊技機１の遊技モードが低確率モード（通常確率モード）であるときには、「低確率用のデータテーブル」と「Ｓ３１６ａの処理で読み出した特図１大当り抽選乱数値」とを用いて「大当り抽選結果の導出（当否判定）」が行われる。

尚、本実施例では、高確率モードにおいて、特別図柄（第１特別図柄および第２特別図柄）の変動時間および普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能が作動するとともに、普通電動役物７６を開放状態とする時間を延長する機能（つまり、開放延長機能）が作動するが、変動短縮機能および作動延長機能を作動させない場合を設けることもできる。また、「確変フラグ」は遊技機１の遊技モード（遊技状態）が高確率モード（高確率状態）にあることを示すフラグであり、後述する「変動短縮フラグ」は遊技機１の遊技モード（遊技状態）が変動短縮モード（変動短縮状態）にあることを示すフラグである。更に、後述する「開放延長フラグ」は遊技機１の遊技モード（遊技状態）が開放延長モード（開放延長状態）にあることを示すフラグである。

Ｓ５０２ａの処理では、第１当否判定（Ｓ５０１ａ）の結果が「大当り」であるか否かが判断され、「大当り」であると判断されると（Ｓ５０２ａ；ＹＥＳ）、Ｓ５１０ａに移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理（Ｓ５１０ａ）では、前述のＳ３１６ａの処理で読み出した特図１判定用乱数値に含まれる図柄決定乱数値（特図１図柄決定乱数値）を用いた判定（図柄判定）の結果に基づき第１特別図柄表示部６２ａに停止表示される図柄（大当り図柄）を決定（選択）する処理を行った後、決定された大当り図柄の態様および遊技機１の遊技状態（遊技モード）を基に、第１特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを選択する。そして、その選択された変動パターンテーブルを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定（決定）する処理を行う。

一方、Ｓ５０２ａの処理にて、第１当否判定の結果が「大当り」でないと判断されると（Ｓ５０２ａ；ＮＯ）、Ｓ５４０ａに移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理（Ｓ５４０ａ）では、「遊技機１の遊技状態（遊技モード）と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定（決定）する処理を行う。この後、図柄決定乱数値を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、Ｓ３０６ａの処理（図２２を参照）において取得したリーチ乱数値を読み出し、この読み出したリーチ乱数値に基づいて決定される。

ＣＰＵ２０１は、以上のように「大当り変動設定処理（Ｓ５１０ａ）」若しくは「外れ変動設定処理（Ｓ５１０ｂ）」を行ったら、第１特別図柄表示部６２ａにおいて第１特別図柄の変動を開始させるとともに、この変動表示の開始と同時にタイマをセットすることにより、変動表示開始後の経過時間の計測を開始する（Ｓ５９０）。つまり、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているが、変動表示の開始と同時にセットされるタイマを用いて変動時間が経過したか否かを判断することができる（図２３のＳ３２４ａを参照）。

そして、ＣＰＵ２０１はＳ５９０の処理の後、サブ制御部２００Ａ（サブ制御基板２２０）に向かって特別図柄の変動表示の開始を示す所定のコマンド（図柄変動開始時コマンド）を送信する（Ｓ５９２）。つまり、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、サブ制御基板２２０に向かって「変動パターン指定コマンド（変動パターンを指定するコマンド）」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。そして、Ｓ５９２の処理の後、ＣＰＵ２０１は、「第１保留数」を「１」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板２２０に送信する処理とを行った後（Ｓ５９５）、特別図柄変動表示処理（Ｓ５００ａ）を終了し、更に特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）を終了して図２０の遊技制御処理に復帰する。

ここで、変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドは、図１９に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板２２０に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２０ａの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板２２０側のＣＰＵ２２０ａは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が大当り図柄であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が「通常大当り図柄」、「確変大当り図柄」の何れであるかを知ることができる。

サブ制御基板２２０に搭載されたＣＰＵ２２０ａは、これらの情報に基づいて、演出表示装置２７での演出態様を決定した後、演出表示制御基板２２２に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間（変動パターン指定コマンド）に基づいて、演出表示装置２７でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板２２０は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板２２２や、アンプ基板２２４、装飾駆動基板２２６などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。

図２３に戻り、第１特別図柄が変動中であると判断された場合は（Ｓ３１０ａ；ＹＥＳ）、既に第１特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて第１特別図柄の変動表示が開始されていることとなる。

第１特別図柄が変動中であると判断された場合は（Ｓ３１０ａ；ＹＥＳ）には、「特図２大当り遊技フラグ」がセット（ＯＮに設定）されているか否かが判断される（Ｓ３１８ａ）。そして、「特図２大当り遊技フラグ」がセット（ＯＮに設定）されている場合（Ｓ３１８ａ；ＹＥＳ）には、Ｓ５９０の処理で開始された経過時間の計測を中断する処理と、第１中断フラグをセット（ＯＮに設定）する処理とを行った後（Ｓ３４５ａ）、「特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）」を終了して図２０の遊技制御処理に復帰する。なお、第１中断フラグは、第１特別図柄の変動表示は継続しているものの、その経過時間の計測（変動時間の計測）は中断していることを示すフラグである。

次に、第１特別図柄が変動中であると判断されるとともに「特図２大当り遊技フラグ」が解除（ＯＦＦに設定）されていると判断される場合は（Ｓ３１０ａ；ＹＥＳ、Ｓ３１８ａ；ＮＯ）には、第１中断フラグが解除（ＯＦＦに設定）されているか否かを判断する（Ｓ３２０ａ）。そして、第１中断フラグが解除（ＯＦＦに設定）されている場合（Ｓ３２０ａ；ＹＥＳ）には、そのままＳ３２４ａの処理に移行する。一方、第１中断フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合（Ｓ３２０ａ；ＮＯ）には、第１中断フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理と、第１特別図柄の変動表示に関する時間計測を再開する処理とを行った後（Ｓ３２２ａ）、Ｓ３２４ａの処理に移行する。つまり、第１特別図柄の変動表示に関する時間計測が中断している場合には、「特図２大当り遊技フラグ」が解除（ＯＦＦに設定）されることで、この時間計測が再開される。

Ｓ３２４ａの処理では「第１特別図柄」の変動時間が経過したか否かを判断する。そして、未だ変動時間が経過していない場合は（Ｓ３２４ａ；ＮＯ）、そのまま特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）を終了して図２０に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は（Ｓ３２４ａ；ＹＥＳ）、第１特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後（Ｓ３２６ａ）、変動している第１特別図柄を停止させ、停止図柄を表示するとともに図柄停止コマンドをサブ制御基板２２０に向かって出力する（Ｓ３２８ａ）。

この後、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断し（Ｓ３３０ａ）、第１特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば（Ｓ３３０ａ；ＮＯ）、そのまま特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）を終了して図２０に示す遊技制御処理に復帰する。一方、第１特別図柄の停止表示時間が経過した場合は（Ｓ３３０ａ；ＹＥＳ）、停止表示の態様が当り態様（大当り図柄）か否かを判断する（図２４のＳ３５２ａ）。

Ｓ３５２ａの処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当り遊技の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット（記憶）する（Ｓ３５４ａ）。具体的には、「大当りの種類（確変大当りであるのか否かなど）」、「遊技状態フラグの状態」をセット（記憶）する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機１の遊技状態」を示すフラグ（確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグなど）であり、これらのフラグの設定状況（ＯＮ／ＯＦＦ）がセットされる。また、主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０２の特定領域が、この処理で用いられるバッファとして機能する。

ＣＰＵ２０１は、Ｓ３５４ａの処理の後、「特図１大当り遊技フラグ」をセット（ＯＮに設定）する処理と（Ｓ３７４ａ）と、発生した大当りの態様に応じて大入賞口３１ａの開放パターンをセットする処理（Ｓ３７６ａ）とを行った後、Ｓ３８０ａ以降の処理に移行する。なお、Ｓ３７６ａの処理において、発生した大当りが「１６Ｒ確変大当り」及び「１６Ｒ通常大当り」である場合には、「大当り遊技Ａ」における大入賞口３１ａの開放パターンがセットされ、発生した大当りが「８Ｒ確変大当り」及び「８Ｒ通常大当り」である場合には「大当り遊技Ｂ」における大入賞口３１ａの開放パターンがセットされる。

ところで、Ｓ３７４ａの処理において「特図１大当り遊技フラグ」がセットされると、遊技機１の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する（大当り遊技実行手段が作動を開始する）ことになるが、本実施例の遊技機１では「大当り遊技フラグ」の設定中は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、Ｓ３８０ａ以降の一連の処理を経て特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）を終了する。

つまり、Ｓ３８０ａの処理では「確変フラグ」がセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し、セットされていない場合は（Ｓ３８０ａ；ＮＯ）、そのままＳ３８４ａの処理に移行し、セットされている場合は（Ｓ３８０ａ；ＹＥＳ）、確変フラグを解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ３８２ａ）、Ｓ３８４ａの処理に移行する。そして、Ｓ３８４ａの処理においては「変動短縮フラグ」がセット（ＯＮに設定）されているか否かを判断し、セットされていない場合は（Ｓ３８４ａ；ＮＯ）、そのまま特別図柄１遊技処理（Ｓ３００）を抜けて図２０の遊技制御処理に復帰する。一方、Ｓ３８４ａの処理において「変動短縮フラグ」がセット（ＯＮに設定）されていると判断される場合は（Ｓ３８４ａ；ＹＥＳ）、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ３８６ａ、Ｓ３８８ａ）、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）を抜けて図２０の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図２０の遊技制御処理に復帰すると、大当り遊技が実行される。

次に、図２４のＳ３５２ａの処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第１特別図柄表示部６２ａにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合（Ｓ３５２ａ；ＮＯ）、変動短縮フラグがセット（ＯＮに設定）されているか否かが判断される（Ｓ３９８ａ）。そして、変動短縮フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合（Ｓ３９８ａ；ＹＥＳ）、つまり、外れ発生時の遊技モードが「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合には、変動短縮カウンタの値を「−１」した後（Ｓ４００ａ）、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する（Ｓ４０４ａ）。そして、「ゼロ」になっていない場合（Ｓ４０４ａ；ＮＯ）、 そのまま特別図柄遊技処理（Ｓ３００ａ）を抜けて図２０の遊技制御処理に復帰する。

これに対して、Ｓ４０４ａの処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合（Ｓ４０４ａ；ＹＥＳ）、遊技機１の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理（Ｓ４１０ａ）と、開放延長フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理（Ｓ４１６ａ）と、モード指定コマンドをサブ制御基板２２０に送信する処理（Ｓ４３０ａ）とを行った後、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）を抜けて図２０の遊技制御処理に復帰する。

特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）も、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）と同様な処理である。この特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）が起動すると、図２２（ｂ）に示すように、先ず、第２始動入賞を生じたか否か（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕが遊技球を検知したか否か）が判断される（Ｓ３０２ｂ）。そして、Ｓ３０２ｂの処理の処理において否定的な判断がなされる場合（Ｓ３０２ｂ；ＮＯ）、そのまま図２５に示すＳ３０８ｂ以降の処理に移行する。

一方、第２始動入賞を生じたと判断される場合（Ｓ３０２ｂ；ＹＥＳ）、「第２始動入賞装置１７ｂに対応する特別図柄の保留数（以下、第２保留数という。）」が上限個数未満（本実施例は４個未満）であるか否かが判断される（Ｓ３０４ｂ）。このＳ３０４ｂの処理において上限個数未満と判断されると（Ｓ３０４ｂ；ＹＥＳ）、第２始動入賞に関連する判定用乱数値（抽選用乱数値）を取得し、この判定用乱数値が主制御基板２００に搭載されたＲＡＭ２０２の所定アドレス｛図１９（ｂ）に示す第２判定用乱数メモリ２０２ｂ｝に記憶されるとともに「第２保留数」が「＋１」される（Ｓ３０６ｂ）。この後、図２５に示すＳ３０８ｂ以降の処理に移行する。

ここで、図１９（ｂ）に示す「第２判定用乱数メモリ２０２ｂ」には判定用乱数値が「第２始動入賞の時系列にシフトメモリ形式」で記憶されるとともに、「特図２保留数メモリ２０２ｄ」の値が累積的に記憶される。また、Ｓ３０６ｂの処理で取得される判定用乱数値としては、（ａ）第２始動入賞に起因して実行される大当り抽選（以下、「特図２大当り抽選」という。）に際して用いる抽選用乱数値（以下、「特図２大当り抽選乱数値」という。）、（ｂ）第２特別図柄表示部６２ｂに停止表示される大当り図柄を決定するための決定用乱数値（以下、「特図２大当り図柄決定乱数値」という。）、（ｃ）演出表示装置２７の表示画面２７ａで実行される疑似図柄の変動表示（図柄変動演出）においてリーチ表示（リーチ演出）を行うか否かを決定するためのリーチ乱数値（特図１リーチ乱数値）などがある。なお、本実施例と異なり、第２始動入賞に起因して小当り抽選（特図２小当り抽選）を行う場合、Ｓ３０６ｂの処理で取得される判定用乱数値には「特図２小当り抽選」で用いる抽選用乱数値（以下、「特図２小当り抽選乱数値」という。）が含まれる。

図２５および図２６に示すように、特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）における「Ｓ３０８ｂの以降の処理」は、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）における「Ｓ３０８ａの以降の処理（図２３，図２４）」と同様である。つまり、図２５および図２６においては、図２３および図２４の各ステップにおける「第１特別図柄（特図１）」が「第２特別図柄（特図２）」とされ、「第２特別図柄（特図２）」が「第１特別図柄（特図１）」とされる点が、特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）における「Ｓ３０８ｂの以降の処理」と、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）における「Ｓ３０８ａの以降の処理」との相違点である。以下、特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）における「Ｓ３０８ｂの以降の処理」について簡単に説明する。

特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）のＳ３０８ｂの処理では「特図２大当り遊技フラグ」がセット（ＯＮに設定）されているか否かが判断され、このＳ３０８ｂの処理で否定的な判断がなされる場合（Ｓ３０８ｂ；ＮＯ）には、Ｓ３１０ｂとＳ３１２ｂの否定的な判断を経て「第２特別図柄の変動表示を開始できる条件」を充足しているか否かが判断される（Ｓ３１４ｂ）。つまり、「第２保留数」が「ゼロ」でなく、「特図１大当り遊技フラグ」が解除（ＯＦＦに設定）されている否かが、Ｓ３１４ｂの処理で判断される。そして、Ｓ３１４ｂで肯定的な判断を得る場合（Ｓ３１４ｂ；ＹＥＳ）には、「特図２大当り遊技フラグ」が解除されているとともに（Ｓ３０８ｂ；ＮＯ）、「第２保留数」が「ゼロ」で「特図１大当り遊技フラグ」が解除されていることとなり、これにより、「第２特別図柄の変動表示を開始できる条件」が成立していることとなる。このように「第２特別図柄の変動表示を開始できる条件」が成立している場合には、Ｓ３１６ｂの処理と、Ｓ５００ｂの処理が実行される。

また、第２特別図柄が変動中であると判断された場合は（Ｓ３１０ｂ；ＹＥＳ）、「特図１大当り遊技フラグ」がセット（ＯＮに設定）されているか否かが判断される（Ｓ３１８ｂ）。そして、「特図１大当り遊技フラグ」がセット（ＯＮに設定）されている場合（Ｓ３１８ｂ；ＹＥＳ）には、Ｓ５９０ｂの処理で開始された経過時間の計測を中断する処理と、第２中断フラグをセット（ＯＮに設定）する処理とを行った後（Ｓ３４５ｂ）、「特別図柄２遊技処理（Ｓ３００ｂ）」を終了して図２０の遊技制御処理に復帰する。なお、第２中断フラグは、第２特別図柄の変動表示は継続されているものの、その経過時間の計測（変動時間の計測）を中断していることを示すフラグである。

また、第２特別図柄が変動中であると判断されるとともに「特図１大当り遊技フラグ」が解除（ＯＦＦに設定）されていると判断される場合は（Ｓ３１０ｂ；ＹＥＳ、Ｓ３１８ｂ；ＮＯ）には、第２中断フラグが解除（ＯＦＦに設定）されているか否かを判断し（Ｓ３２０ｂ）、解除（ＯＦＦに設定）されている場合（Ｓ３２０ｂ；ＹＥＳ）には、そのままＳ３２４ｂの処理に移行する。一方、第２中断フラグがセット（ＯＮに設定）されている場合（Ｓ３２０ｂ；ＮＯ）には、第２中断フラグを解除（ＯＦＦに設定）する処理と、第２特別図柄の変動表示に関する時間計測を再開する処理とを行った後（Ｓ３２２ｂ）、Ｓ３２４ｂの処理に移行する。

Ｓ３２４ｂの肯定的な判断と、Ｓ３２６ｂの処理と、Ｓ３２８ｂの処理とを行った後、Ｓ３３０ｂの処理に移行し、Ｓ３３０ｂの処理で肯定的な判断を得ると、図２６のＳ３５２ｂの処理に移行する。そして、図２６に示す各処理の内容は、図２４に示す各処理の内容（第１特別図柄の係る処理内容）と同様である。

そして、前述のＳ３５２ａの処理で肯定的な判断がなされる場合と同様に、Ｓ３５２ｂの処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板２００のＣＰＵ２０１は、大当り遊技の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット（記憶）する。そして、ＣＰＵ２０１は「特図２大当り遊技フラグ」をセット（ＯＮに設定）する処理と（Ｓ３７４ｂ）と、発生した大当りの態様に応じて大入賞口３１ａの開放パターンをセットする処理（Ｓ３７６ｂ）とを行った後、図２６に示すＳ３８０ｂ以降の処理（図２４に示すＳ３８０ａ以降の処理と同様な処理）を実行する。

また、図２６のＳ３５２ｂの処理で否定的な判断がなされる場合、つまり、第２特別図柄表示部６２ｂにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合（Ｓ３５６ａ；ＮＯ）、Ｓ３９８ｂ以降の処理に移行する。なお、図２６に示すＳ３９８ｂ以降の処理は、図２４に示す３９８ａ以降の処理と同様な処理であるため説明を省略する。

また、ごく稀なケースではあるが、第１特別図柄表示部６２ａおよび第２特別図柄表示部６２ｂの双方で略同時に大当り図柄が停止表示される可能性があり、この場合においては以下のように処理することができる。例えば、「第１特別図柄に係る大当り」および「第２特別図柄に係る大当り」のうちで遊技者にとってより有利度合の高い当りを優先し、有利度合の低い当りを無効とし、無効となる当りに対応する遊技処理（Ｓ３００ａ、Ｓ３００ｂ）を直ちに終了させる処理、例えば、図２４の「点線矢印Ｊ」や図２６「点線矢印Ｋ」に示すように「ＥＮＤ」に向かってスキップする処理を行ってもよい。ここで、本実施例においては、「通常大当り」よりも「確変大当り」の方か有利度合が高く、「大当り遊技Ｂの実行契機となる大当り」よりも「大当り遊技Ｂの実行契機となる大当り」の方が有利度合が高い、と言える。

また、第１特別図柄表示部６２ａおよび第２特別図柄表示部６２ｂの双方で略同時に大当り図柄が停止表示された場合には、一律に「第２特別図柄に係る当り」を有効として「第１特別図柄に係る当り」を無効とし、特別図柄１遊技処理（Ｓ３００ａ）を直ちに終了させる処理（図２４の「矢印Ｊ」を参照）を行ってもよい。更に、第１特別図柄表示部６２ａおよび第２特別図柄表示部６２ｂの双方で略同時に大当り図柄が停止表示された場合、乱数抽選等によって有効となる当りを選択してもよいし、先に生じた始動入賞を契機とする当りを有効な当りとすることもできる。

ＣＰＵ２０１は、大当り遊技を終了すると、図２８に示す大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）を実行する。この大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）では、終了した大当り遊技が、第１特別図柄表示部６２ａに大当り図柄が停止表示されたことを契機に実行されたものである場合には、特図１大当り遊技フラグ（図２４のＳ３７４ａを参照）を解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ８０５）、図２４のＳ３５４ａの処理に示す「大当り終了時参照用バッファ」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄（以下、「今回の大当り図柄」という。）の種類に関する情報を取得し（Ｓ８１０）、この情報に基づいて、Ｓ８２０以降の処理を行う。また、終了した大当り遊技が、第２特別図柄表示部６２ｂに大当り図柄が停止表示されたことを契機に実行されたものである場合には、特図２大当り遊技フラグ（図２６のＳ３７４ｂを参照）を解除（ＯＦＦに設定）した後（Ｓ８０５）、図２６のＳ３５４ｂの処理に示す「大当り終了時参照用バッファ」を参照することによって、「今回の大当り図柄」の種類に関する情報を取得し（Ｓ８１０）、この情報に基づいて、Ｓ８２０以降の処理を行う。

Ｓ８２０の処理では、今回の大当り図柄（図２３のＳ３２８ａ若しくは図２５のＳ３２８ｂの処理で停止表示された図柄）が「通常大当り図柄」であった場合には（Ｓ８２０；ＮＯ）、変動短縮カウンタに「１００」をセットする処理（Ｓ８４０）と、変動短縮フラグをセットする処理（Ｓ８５０）と、開放延長フラグをセットする処理（Ｓ８５５）とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機１の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板２２０に送信した後（Ｓ８６０）、大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）を終了する。

また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は（Ｓ８２０；ＹＥＳ）、確変フラグをセット（ＯＮに設定）する処理（Ｓ８２２）と、変動短縮カウンタに「１０，０００」をセットする処理（Ｓ８３５）と、変動短縮フラグをセットする処理（Ｓ８５０）と、開放延長フラグをセットする処理（Ｓ８５５）とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機１の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板２２０に送信した後（Ｓ８６０）、大当り遊技終了時処理（Ｓ８００）を終了する。なお、主制御部２００Ａは、大当り遊技フラグを解除（ＯＦＦに設定）する（Ｓ８０５）タイミングでサブ制御部２２０Ａに向かって、「大当り遊技終了指定コマンド（図中、Ｒ終了Ｃと表記）」を送信する。

（７）実施例の効果
本遊技機１では、開放延長機能の非作動時に第２保留（第２保留数）を増加させることを困難とし、開放延長機能の作動時に第２保留（第２保留数）を増加させることを容易とする第２始動入賞装置１７ｂを備えている。しかも、本遊技機１は、第１特別図柄および第２特別図柄が同時に変動表示可能な同時変動機である。このため、開放延長機能作動中の遊技消化速度を従来に比べて早めることが可能となる。この結果、振分機能が付加された第２始動入賞装置１７ｂによる遊技効果を開放延長機能作動中に特化して発揮させる新たな遊技性を実現できる。また、第１保留数を上限とすることを目指す遊技（主として第１特別図柄が変動表示される遊技）を行う状態（開放延長機能非作動中）と、第１保留数および第２保留数を上限とすることを目指す遊技（第１特別図柄および第２特別図柄が変動表示される遊技）を行う状態（開放延長機能作動中）とで、遊技性の違いを一層明確にすることができる。その結果、遊技興趣を高めることができる。

なお、図２９に示す比較例のように、第２ルートＬ２上に実施例１と異なる態様の普通電動役物１７ｄを配設した始動入賞装置１７Ｄを備える遊技機を例示することもできる。この比較例の普通電動役物１７ｄは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片１７ｅ、１７ｅと、一対の可動翼片１７ｅ、１７ｅを作動させるための普通電動役物ソレノイド（図示を省略）とを備える。これらの可動翼片１７ｅ、１７ｅはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片１７ｅ、１７ｅが立設状態となる閉鎖状態にあるときに、可動翼片１７ｅ、１７ｅの上端部間の間隔が縮小されるとともに、これらの可動翼片１７ｅ、１７ｅが側壁部７１ｂに設けられた進入口１７Ｋ、１７Ｋを閉鎖する。但し、両可動翼片１７ｅ、１７ｅが閉鎖状態となっても、両可動翼片１７ｅ、１７ｅ間には遊技球が通過可能な間隔が設けられる。

また、普通電動役物ソレノイドを駆動して、両可動翼片１７ｅ、１７ｅを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片１７ｅ、１７ｅの上端部間の間隔が拡大され、進入口１７Ｋ、１７Ｋを開放する開放状態となる。この場合、第２ルートＬ２外の遊技球を、進入口１７Ｋ、１７Ｋを通じて、第２ルートＬ２内に進入させることが可能となる。

この比較例では、両可動翼片１７ｅ、１７ｅが閉鎖状態となっても、入球口７３ａを通じて第２ルートＬ２に進入した遊技球は、可動翼片１７ｅ、１７ｅの間を通過し、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）の配設部位に到達し、この第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）によって検知される。一方、両可動翼片１７ｅ、１７ｅが開放状態となると、入球口７３ａを通じて第２ルートＬ２に進入した遊技球を第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）によって検知可能であるばかりか、傾斜状態になる可動翼片１７ｅ、１７ｅを通じて第２ルートＬ２の外部から第２ルートＬ２内に誘導される遊技球も、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）によって検知可能である。

この比較例に係る遊技機は、普通電動役物１７ｄの作動・非作動にかかわらず、第２ルートＬ２に進入した遊技球を第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）によって検知可能となっており、通常状態（開放延長機能の非作動時、つまり、非電サポ状態）のときから保留８個の遊技性を遊技者に体感させることを、意図することができる。しかしながら、保留は記憶されても次々に消化されるため、通常状態（開放延長機能の非作動時）にて保留数が８個になることは稀で、通常状態にて保留８個の遊技性を十分に活すことができるとは言い難い。また、通常状態から保留８個の遊技性を遊技者に体感させようとしているため、通常状態と有利状態（開放延長機能の作動時、つまり、電サポ状態）とで遊技性の差別化を十分に図ることができない。

これに対し、本遊技機１では、保留８個の遊技性を開放延長機能の作動時（電サポ中）に特化することができ、開放延長機能の作動時（電サポ中）の図柄変動遊技（変動表示）の高速消化を実現することもできる。このように、本遊技機１によると、当該遊技機１の遊技状態に応じて実現される遊技性の差別化を図ることができ、減り張りの利いた遊技を行うことができる。その結果、入球した遊技球を第１ルートまたは第２ルートに交互に振り分ける始動入賞装置（第２始動入賞装置１７ｂ）を備えた遊技機の遊技興趣を高めることができる。

次に、図３０および図３１を用いて実施例１の変形例（以下、「変形例１」という。）を説明する。この変形例１では、（ａ）第１始動入賞装置１７ａを備えない点と、（ｂ）第２始動入賞装置１７ｂと同様な始動入賞装置１７Ｂ（但し、始動口入賞検知スイッチ１７ｔ、１７ｕの配設位置が相違）を下部領域１１Ｄに配設した点と、（ｃ）作動ゲート１６を左領域１１Ｌおよび右領域１１Ｒに配設している点と、（ｄ）メイン役物装置２０が左右の側部にワープ通路２１ｗを備える点が実施例１と異なる。なお、変形例１においては、作動ゲート１６を左領域１１Ｌのみに配設してもよい。

変形例１の始動入賞装置１７Ｂでは、第１分岐通路７３ｃ（第１ルートＬ１）において、遊技盤１０の前面部１０ａ側に位置する部位（貫通孔１０ｂよりも遊技球が先に通過する部位）に第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔ（図１２参照）が配設され、第２分岐通路７３ｄ（第２ルートＬ２）において、遊技盤１０の前面部１０ａ側に位置する部位（貫通孔１０ｃよりも遊技球が先に通過する部位）に第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ（図１２参照）が配設されている。なお、その他の構成は第２始動入賞装置１７ｂと同様である。

図３０に示すように、始動入賞装置１７Ｂの入球口７３ａは、ステージ部２１ｐ（転動面）の中央部の略鉛直下方に位置している。このため、左領域１１Ｌを流下するように発射された遊技球（左打ちされた遊技球）が、メイン役物装置２０の左側部のワープ通路２１ｗを経てステージ部２１ｐ（転動面）を転動し、ステージ部２１ｐの中央部の略鉛直下方に落下すると、高い確率で始動入賞装置１７Ｂに入賞する。また、変形例１では、メイン役物装置２０が右側部にもワープ通路２１ｗを備えるため、右領域１１Ｒを流下するように発射された遊技球（右打ちされた遊技球）が、メイン役物装置２０の右側部のワープ通路２１ｗを経てステージ部２１ｐ（転動面）を転動し、ステージ部２１ｐの中央部の略鉛直下方に落下すると、高い確率で始動入賞装置１７Ｂに入賞する。

変形例１によると、実施例１の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、変形例１では、ステージ部２１ｐ（転動面）において遊技球が排出される箇所の下方に、始動入賞装置１７Ｂの入球口７３ａを配設する。このため、ステージ部２１ｐ（転動面）に進入し、そこから入球口７３ａに向かって落下する遊技球を、第１ルートＬ１または第２ルートＬ２に交互に振り分けることができる。この変形例１によっても、実施例１と同様な効果を得ることができる。

次に、図３２を用いて実施例１の他の変形例（以下、「変形例２」という。）を説明する。この変形例２では、第２始動入賞装置１７ｂが、第３ルートＬ３を備えない点が実施例１と異なる。つまり、変形例２の第２始動入賞装置１７ｂにおいては、第１分岐通路７３ｃおよび第２分岐通路７３ｄが連絡口７３ｆ、７３ｇを備えないとともに、連絡通路７３ｅ（第３ルートＬ３）を備えない。また、第２分岐通路７３ｄの中間部には排出口７３ｙが開口するとともに、この排出口７３ｙに連なる排出通路７３ｚが設けられている。

変形例２の普通電動役物７６は、開放状態（第２状態）にあるとき、開閉部材７６ａによって排出口７３ｙを閉鎖し、開放状態（第１状態）にあるとき、開閉部材７６ａによって排出口７３ｙを開放する。つまり、普通電動役物ソレノイド１７ｃへの通電を行わないとき、排出口７３ｙを開放する状態となり、第２分岐通路７３ｄ内の遊技球が排出口７３ｙを通過して排出通路７３ｚに進入し、排出通路７３ｚの出口７３１ｚを通じて遊技領域１１に排出される。

このように排出される遊技球は、遊技領域１１を更に流下した後、アウト口１８を通じて、遊技領域１１外に排出される。但し、変形例２においては、出口７３１ｚを他の入賞装置（例えば、一般入賞装置４０、４１）の上方に配置する等して、出口７３１ｚを通じて遊技領域１１に排出された遊技球が、他の入賞装置に入賞する機会を付与してもよい。そして、この変形例２によっても、実施例１と同様な効果を得ることができる。但し、実施例１に示すように、「普通電動役物７６が閉鎖状態（第１状態）にあるときに、第２ルートに遊技球が振り分けられると、この遊技球を第３ルートＬ３によって第１始動部（第１始動口入賞検知スイッチ１７ｔ）に誘導する構成」を備える場合には、普通電動役物７６が閉鎖状態（第１状態）であるときに第２ルートＬ１に遊技球が振り分けられても、遊技者の期待感（特別遊技実行に関する期待感）を維持することができるという、メリットを生じさせることができる。

次に、実施例２の遊技機について説明する。この実施例２の遊技機は、図３３に示すように、第２ルートＬ２上であって、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ（図１２参照）の配設位置よりも上流側（遊技球が先に通過する側）に位置する特定の部位（以下、「特定部位」という。）に流入部７７を設けた点が、上述した実施例１と異なる。ここで、流入部７７は、遊技盤１０の盤面（表面）の右領域１１Ｒを流下する遊技球を、第２ルートＬ２内に流入可能とするものである。

実施例２の第２始動入賞装置１７ｂでは、通路部材７１（背板部７１ａ、側壁部７１ｂ）のうち、前述の「特定部位」を構成する部分（第２ルートＬ２上の側壁部７１ｂの一部）に、右方向に開口する流入口７７ａを設けるとともに、この流入口７７ａの開閉を行う開閉部材７７ｂを備える。この開閉部材７７ｂは、下端部が背板部７１ａに軸支され、揺動可能とされている。そして、開閉用ソレノイド（図示を省略）を用いて駆動され、流入口７７ａを開放状態（開状態）としたり、閉鎖状態（閉状態）とする。なお、実施例２においては、右領域１１Ｒにおける流入口７７ａの近傍に突出部１１Ｇが設けられている。そして、突出部１１Ｇは遊技領域１１（右領域１１Ｒ）の前方に所定量（例えば、遊技球の直径を超える量）だけ突出するとともに、その上面部が流入口７７ａに向かって下り傾斜となる案内面１１Ｈとされている。

実施例２の遊技機では、普通電動役物ソレノイド１７ｃに通電を行わないとき（第２ルートＬ２に進入した遊技球が、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕによって検知されることを許容しない第１状態のとき）には、開閉用ソレノイドへの通電も行われない。このため、開閉部材７７ｂが流入口７７ａを閉鎖する状態となるため、流入口７７ａの近傍に到達した遊技球は、第２始動入賞装置１７ｂの右側方を通過してアウト口１８（図２参照）から排出される。

これに対して、普通電動役物ソレノイド１７ｃに通電を行うとき（第２ルートＬ２に進入した遊技球が、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕによって検知されることを許容する第２状態のとき）には、開閉用ソレノイドへの通電も行う。このため、開閉部材７７ｂが傾斜姿勢となりつつ流入口７７ａを開放する状態となる。よって、流入口７７ａの近傍に遊技球が到達していると、その遊技球は開閉部材７７ｂ上を転動して流入口７７ａに流入する可能性が高くなる。なお、本実施例では、案内面１１Ｈと、傾斜姿勢の開閉部材７７ｂとが略同一直線上に並ぶため、案内面１１Ｈに到達した遊技球も、開閉部材７７ｂ上を転動して流入口７７ａに流入する可能性が高くなる。

実施例２によっても、実施例１と同様な効果を得ることができる。しかも、開放延長機能の作動時には、流入部７７の作用によって、第２保留の個数が上限個数となる可能性が一層高まる。このため、開放延長機能の作動時には、第１保留の個数および第２保留の個数がそれぞれ上限個数の「４個」となる可能性が高くなり、第１特別図柄および第２特別図柄が変動する遊技が行われることの確実性を増すことができる。これにより、第１保留の個数を上限個数とすることを目指す遊技（主として第１特別図柄が変動表示される遊技）を行う状態（開放延長機能非作動中）と、第１保留の個数および第２保留の個数を上限個数とすることを目指す遊技（第１特別図柄および第２特別図柄が変動表示される遊技）を行う状態（開放延長機能作動中）とで、保留数の増加態様や図柄変動遊技の主体となる特別図柄の種類を明確に異ならせることができるので、その結果、減り張りの利いた遊技を行うことが可能となる。

次に、図３４（ａ）および（ｂ）を用いて実施例２の変形例（以下、「変形例３」という。）を説明する。この変形例３の遊技機は、普通電動役物７６が流入部としても機能する点（流入部を普通電動役物７６とは別に設けない点）が、実施例２の遊技機と異なる。

変形例３の普通電動役物７６は、背板部７１ａの前面部に沿って移動可能な開閉部材７８と、この開閉部材７８の移動を行う普通電動役物ソレノイド（図示を省略）とを備える。このうち、開閉部材７８は、正面視で略三角形の板状体によって構成され、背板部７１ａの前面部に沿って第３ルートＬ３の経路方向（斜め上下方向）に移動可能（例えば、背板部７１ａの前面部に対して摺動可能）とされている。また、普通電動役物ソレノイド（図示を省略）は遊技盤１０の後方に配置されるとともに、主制御部２００Ａ（図１２を参照）によって駆動を制御される。また、普通電動役物ソレノイド（図示を省略）は、ケースと、ケース内の軸受によってスライド可能に支持されたプランジャを備え、このプランジャが所定の伝達機構（リンク機構等）を介して開閉部材７８に接続されている。なお、普通電動役物ソレノイドへの通電を行うと、プランジャのケースからの突出量が少なくなり、通電を行わないとこの突出量が多くなる。

この変形例３では、普通電動役物ソレノイドへの通電を行わないとき、図３４（ａ）に示すように、開閉部材７８が第２ルートＬ２内に進入し、開閉部材７８の一の側端面７８ａ（右斜め上方を指向する側端面７８ａ）側の部分で流入口７７ａを閉鎖する。また、第２ルートＬ２内に進入している開閉部材７８によって「第２ルートＬ２における開閉部材７８よりも上流側の部位」および「第２ルートＬ２における開閉部材７８よりも下流側の部位」の連通が遮断されるが、当該「上流側の部位」と「第３ルートＬ３」とが連通する状態とされる。つまり、連絡口７３ｆ内においては、開閉部材７８の他の側端面７８ｂ（左斜め上方を指向する側端面７８ｂ）の上方に、遊技球の通過を許容する空間が設けられる。このため、導入ルートＬを通じて第２ルートＬ２内に進入した遊技球Ｙ５は、第３ルートＬ３を通じて第１ルートＬ１に進入可能となるとともに、第２始動入賞装置１７ｂ外の遊技球Ｙ６が流入口７７ａを通じて第２ルートＬ２内に進入することが不可能となる。なお、変形例３では、開閉部材７８の側端面７８ｂが右斜め下方に凹む凹面とされているため、連絡口７３ｆ内において、この側端面７８ｂの上方に、「遊技球の通過を許容するサイズの空間」を確保し易くなっている。

一方、普通電動役物ソレノイドへの通電を行うと、プランジャのケースから突出量が少なくなり、それに伴い、図３４（ｂ）に示すように、開閉部材７８は第３ルートＬ３の経路方向に沿って斜め下方（左斜め下方）に移動し、第２ルートＬ２内から外れる。このとき、流入口７７ａが開放され、開閉部材７８（側端面７８ａ側の部分）によって連絡口７３ｆが閉鎖されるとともに、「第２ルートＬ２内における経路途中の遮断」が解除される。このため、「導入ルートＬを通じて第２ルートＬ２内に進入した遊技球Ｙ５」と、「流入口７７ａを通じて第２ルートＬ２内に進入した遊技球Ｙ６」とが、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ（図１２参照）の配設位置に到達可能となる。

変形例３によっても、実施例２と同様な効果を得ることができる。しかも、流入部を普通電動役物７６とは別に設けないため、第２始動入賞装置１７ｂの構造の簡略化を図ることができる。

以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求項１に記載した範囲を逸脱しない限り、請求項１の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよび、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。

すなわち、各実施例では、開閉部（開閉部材）を閉状態から開状態に変化することによって、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）による遊技球の検知状態を、第２ルートＬ２に振り分けられた遊技球を検知不能な第１状態から、検知可能な第２状態に切り換える態様（開閉部等によって検知状態切換手段を構成する態様）を例示した。つまり、各実施例ではハード的な手段を用いて検知状態切換手段を構成する態様を例示したが、図３５および図３６に示す変形例４のように、ソフト的な手段を用いて検知状態切換手段を構成する態様を例示することもできる。

変形例４の第２始動入賞装置１７ｂは、図３５に示すように、普通電動役物７６を備えない点と、流下通路７３において第３ルートＬ３を備えない点（連絡口７３ｆ、７３ｇを備えない点）が実施例１と異なる。この変形例４においても、第２ルートＬ２の経路上に第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）が配設されている。そして、普段は、遊技球が第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）の配設箇所を通過しても、原則として、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）が、遊技球を検知不可能な状態（第１状態）とされている。

一方、図３６に示すように、普通図柄表示部６３に普通図柄の当り図柄が停止表示されると、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）が所定時間に亘って、遊技球を検知可能な状態（第２状態）とされる。つまり、第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕによる遊技球の検知が無効な状態から有効な状態に切り替わる。そして、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）の状態が「第２状態」であるとき、遊技球が第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）の配設箇所を通過すると、当該遊技球は第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）によって検知される。

変形例４においては、確変大当り（例えば、１６Ｒ確変大当り、８Ｒ確変大当り）を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定（第１当否判定及び第２当否判定）の結果が大当りとなる確率が高確率とされるとともに、第２状態延長手段及び変動時間短縮手段が作動する遊技モード、つまり「第２状態延長モード」となる。この「第２状態延長モード」は、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される図柄変動遊技の累積回数が「１０，０００回」になるまで（次回の大当りを生ずるまで）継続される。一方、通常大当り（例えば、１６Ｒ通常大当り、８Ｒ通常大当り）を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定（第１当否判定及び第２当否判定）の結果が大当りとなる確率が低確率（通常確率）とされるとともに、第２状態延長手段及び変動時間短縮手段が作動する遊技モード（第２状態延長モード）となる。この「第２状態延長モード」は大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される図柄変動遊技の累積回数が「１００回」になるまで継続される。

図３６（ａ）に示すように、変形例４の遊技機では、第２状態延長手段が作動していないとき、普通図柄表示部６３に普通図柄の当り図柄が停止表示されると、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）が「０．２秒」に亘って「第２状態（遊技球を検知可能な状態）」となる。また、図３６（ｂ）に示すように、第２状態延長手段が作動しているとき、普通図柄表示部６３に普通図柄の当り図柄が停止表示されると、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）が「５秒」に亘って「第２状態」となる。このため、第２状態延長手段が作動すると、第２ルートに進入した遊技球が、第２始動部（第２始動口入賞検知スイッチ１７ｕ）で検知される頻度が高くなる。

この変形例４によっても、実施例１と同様な効果を得ることができる。つまり、変形例４によると、第２状態延長手段の非作動時に第２保留を増加させることを困難とし、第２状態延長手段の作動時に第２保留を増加させることを容易とする新たな第２始動入賞装置１７ｂを実現できる。しかも、第１特別図柄および第２特別図柄が同時に変動表示可能な同時変動機であるため、第２状態延長手段の作動中の遊技消化速度を従来に比べて早めることが可能となる。この結果、振分機能が付加された第２始動入賞装置１７ｂによる遊技効果を第２状態延長手段作動中に特化して発揮させる新たな遊技性を実現でき、遊技興趣を高められる。

また、各実施例では、第１特別図柄および第２特別図柄が同時に変動表示可能な遊技機を例示したが、その他の変動表示態様を示す遊技機に適用して変形例を例示することもできる。例えば、始動入賞が生じた順に変動表示を行う態様（特入賞順変動）、第１特別図柄および第２特別図柄を交互に変動させる態様（交互変動）にも適用できる。更に、「特図１大当り抽選乱数値」および「特図２大当り抽選乱数値」の双方が記憶されている状況、すなわち第１保留数および第２保留数の双方が１以上存在する状況では、第１特別図柄および第２特別図柄のうち一方を他方に優先させて変動させる態様（優先変動）を例示することもできる。

更に、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口（第１始動口、第２始動口、大入賞口等）への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益（遊技価値）を遊技者に付与する遊技機１に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益（遊技価値）を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。

そのようなタイプの遊技機として、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量（遊技価値の大きさ）を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のＲＡＭに記憶することによって、遊技上の利益（遊技価値）を遊技者に付与する遊技機を例示でき、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益（遊技価値）をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機（いわゆる封入式遊技機）を例示できる。この種の遊技機（いわゆる封入式遊技機）においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。

本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。

１；遊技機（弾球遊技機）、
２；外枠、
１７ａ；第１始動入賞装置、
１７ｂ；第２始動入賞装置、
６２ａ；第１特別図柄表示部（第１特別図柄表示装置）、
６２ｂ；第２特別図柄表示部（第２特別図柄表示装置）、
６３；普通図柄表示部（普通図柄表示装置）、
７６；普通電動役物（検知状態切換手段）、
７６ａ；開閉部材（開閉部）、
７７；流入部、
２００；主制御部（検知状態切換手段、特別遊技実行手段）、
Ｌ１；第１ルート、
Ｌ２；第２ルート、
Ｌ３；第３ルート。

Claims (1)

1. 第１特別図柄の変動表示を行う第１特別図柄表示装置と、
   第２特別図柄の変動表示を行う第２特別図柄表示装置と、
   前記第１特別図柄の変動表示および前記第２特別図柄の変動表示を並行して実行可能とする制御を行う表示制御手段と、
   前記第１特別図柄または前記第２特別図柄が変動表示を経て所定の当り態様で停止表示されると、閉鎖状態にある大入賞口を開放状態に変化させる特別遊技を行う特別遊技実行手段と、
   入球した遊技球を第１ルートまたは第２ルートに交互に振り分ける振り分け部と、前記第１ルートに振り分けられた遊技球を検知可能で前記第１特別図柄の変動表示の開始契機となる第１始動部と、前記第２ルートに振り分けられた遊技球を検知可能で第２特別図柄の変動表示の開始契機となる第２始動部と、を含んで構成される始動入球装置と、
   前記第２始動部による遊技球の検知状態を、前記第２ルートに振り分けられた遊技球を検知不能な第１状態と、前記第２ルートに振り分けられた遊技球を検知可能な第２状態と、の何れかに切り換える検知状態切換手段と、
   を備えることを特徴とする遊技機。

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