<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた鉤受け部材49に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
以下、図6及び図7に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技盤80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6(a)は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。なお、図6においては後述する左ルートを2点鎖線、右ルートを1点鎖線によって例示している。
遊技盤ユニット80は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技盤80aと、遊技盤80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなり(図7参照)、背面ブロック80bの前面部分が遊技盤80aを通じて視認可能となっている。
図6(a)に示すように、遊技盤80aの前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80a(詳しくは板体)は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
遊技盤80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動入球ユニット83(作動口83a,83b)、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動入球ユニット83に遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動入球ユニット83への遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら遊技釘93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤80aの中央には中央開口85が形成されている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。
中央開口85の周辺に作動入球ユニット83やスルーゲート84等の各種入球部が配設されている。作動入球ユニット83には、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの下方に配設された下作動口83bとを有してなり、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、当該駆動部が後述する主制御装置に接続されている。主制御装置からの駆動信号に基づいて駆動部が動作することにより、下作動口83bへの入球が許容される開放状態(補助状態)と、同入球が不可となる閉鎖状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
なお、電動役物91については、第1状態と当該第1状態よりも入賞が発生しやすい第2状態とに切替可能であれば足り、必ずしも開放状態/閉鎖状態に切替可能である必要はない。
可変表示ユニット252の側方(詳しくは右ルート)には上記スルーゲート84が配置されている。遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとしたサポート抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
本パチンコ機10では、電動役物91によるサポートの態様が異なる複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも作動入球ユニット83(下作動口83b)への入賞が発生する確率が高くなる。そして、作動口への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行される。これにより、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球の消費(投資)を抑えながら、より詳しくは持ち球を増やしながら遊技を行うことが可能となる。
ここで、図6(b)を参照して作動入球ユニット83について補足説明する。図4(b)は作動入球ユニット83の内部構造を示す概略図である。
作動入球ユニット83には、下作動口83bに流入した遊技球を遊技盤80aの背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路83cが形成されている。案内通路83cは、その途中位置にて第1分岐通路83d及び第2分岐通路83eに分岐している。なお、案内通路83cについては遊技機前方から透視可能となっており、当該案内通路83cを通過する遊技球の分岐先を目視で確認することが可能となっている。
案内通路83cにおける分岐位置には当該分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路83d及び第2分岐通路83eへ振り分ける振分手段83gが設けられている。振分手段83gは、分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路83dへ案内する第1案内状態と第2分岐通路83eへ案内する第2案内状態とに切替可能なっている。この振分手段83gは、遊技球を案内したことに基づいて一方の案内状態から他方の案内状態に切り替る構成となっている。故に、下作動口83bに流入した遊技球は、順次(交互に)第1分岐通路83d/第2分岐通路83eに振り分けられることとなる。
上作動口83aは連絡通路83fを介して第1分岐通路83dに繋がっており、当該上作動口83aに流入した遊技球は、第1分岐通路83dへ直接流入する。つまり、下作動口83bに流入した遊技球については両分岐通路83d,83eに流入する一方、上作動口83aに流入した遊技球は第1分岐通路83dにのみ流入する構成となっている。
第1分岐通路83d(以下、第1入球部83dともいう)には遊技球を検知する検知センサ391cが配設され、第2分岐通路83e(以下、第2入球部83eともいう)において連絡通路83fの連通部分よりも下流側となる位置には遊技球を検知する検知センサ391dが配設されている。これら検知センサ391c,391dは主制御装置に接続されており、主制御装置では検知センサ391c,391dからの検知情報(検知信号)に基づいて入球部83d,83eへの入球の有無を把握する。第1入球部83dへの入球が発生した場合には3個の遊技球(賞球)の払い出しが実行され、第2入球部83eへの入球が発生した場合には6個の遊技球(賞球)の払い出しが実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、第1入球部83dに対する第2入球部83eの有利性を高める上では、第1入球部83dに係る払出個数よりも第2入球部83eに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技球が通過可能な大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉体が設けられている。開閉体は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(許容状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(阻止状態)とに切替可能となっている。また、同開閉体は、遊技盤80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド等)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば2ラウンド又は3ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
可変入賞装置82は上記右ルートへ向けて遊技球が発射された場合にそれら遊技球が到達可能であり、且つ左ルートへ向けて遊技球が発射された場合にはそれら遊技球が到達不可となる位置に配置されている。
次に、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動入球ユニット83への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技盤80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技盤80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
なお、上述した可変入賞装置82及びスルーゲート84については、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球はそれら可変入賞装置82及びスルーゲート84に入賞することが回避される。一方、右ルートを流下する遊技球は上作動口83aに入賞することが回避される。このため、下作動口83bの電動役物91が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、第1入球部83dに対応しており遊技球が第1入球部83dを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、第2入球部83eに対応しており、遊技球が第2入球部83eを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
遊技盤80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87が配置されているだけでなく、上記センターフレーム95とともに右ルートを流下する遊技球用の球通路を形成する機能が付与されている。
右ルートにおいて当該球通路よりも上流側に位置する部分(右ルートの入口部分)には、誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材86が配設されている。ストッパ部材86は緩衝部材であり、当該ストッパ部材86に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、上記入口部分を通じて右ルートへ流入することとなる。つまり、ストッパ部材86には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されており、勢いが弱められた状態で可変入賞装置82に向けて落下する。本実施の形態に示す可変入賞装置82には開閉体としてのシャッタ部材が設けられている。シャッタ部材については閉状態となることで、当該可変入賞装置82に到達した遊技球を下作動口83bへ案内する横長状の連絡通路(詳しくは通路底面)を形成する構成となっている。このため、右ルートを流下する遊技球はシャッタ部材が開いている状態では可変入賞装置82へと入賞し、シャッタ部材が閉じている状態では可変入賞装置82を横切って下作動口83bに向けて流下することとなる。
次に、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部Dは、第1入球部83dへの入賞に基づいた抽選結果を表示する第1入球部用表示部(以下、第1作動入球部用表示部ともいう)と、第2入球部83eへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2入球部用表示部(以下、第2作動入球部用表示部ともいう)とを有している。第1入球部用表示部では、第1入球部83dへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1入球部83dへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1入球部83dへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
第2入球部用表示部では、第2入球部83eへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2入球部83eへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2入球部83eへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第2入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの入球部83d,83eへの入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止され→停止表示された結果が所定の確定時間に亘って継続される(確定表示が終了する)までが遊技回の1回に相当する。つまり、本実施の形態における1遊技回の実行時間は、主表示部Dにおける絵柄の変動表示時間と確定表示時間との和となるように設定されている。
但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの入球部83d,83eへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記確定表示が終了するまでを遊技回の1回とすることも可能である。
本実施の形態にて作動入球部用表示部に停止表示される絵柄については多様となっており、その絵柄を目視で確認することで、後述するどの種類の大当たりに当選したかを判別することが困難となっている。但し、このような工夫については必須の構成ではなく、大当たりの種別を容易に判別できるように停止表示される絵柄の種類を減らすことも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選(サポート抽選)の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部Dについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80a側、詳しくは遊技盤80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技盤80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技盤80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。図7に示すように、背面ブロック80bは、遊技盤80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤80aの背面に固定されることで、遊技盤80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置143が搭載されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置143の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動入球ユニット83に入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図9参照)。
ベース部211には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図10に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
以上詳述した本実施の形態においては、遊技盤ユニット80に設けられた上記作動入球ユニット83において当該作動入球ユニット83に内蔵された遊技球の振り分けに係る構成が特徴的なものとなっている。そこで以下、図11を参照して当該特徴的な構成について説明する。図11は作動入球ユニット83における遊技球の振り分けの態様を示す概略図である。
既に説明したように、作動入球ユニット83における案内通路83cの途中位置、詳しくは第1入球部83d/第2入球部83eの分岐位置には、下作動口83bを通じて作動入球ユニット83に入球した遊技球をそれら第1入球部83d/第2入球部83eに振り分ける振分手段83gが配設されている。
振分手段83gは、遊技盤80aの前面と平行に回動可能となるようにして軸支された回転体であり、回転中心と交差する方向(放射方向)に突出する複数のアームを有してなる。振分手段83gは、その背後に設けられた振分駆動部83h(詳しくはモータ)に連結されている。振分駆動部83hは主制御装置162に電気的に接続されており、振分駆動部83hが主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作することにより振分手段83gの姿勢が第1案内状態/第2案内状態に強制的に変更される構成となっている。
また、作動入球ユニット83には、振分手段83gの回転位置を検知する位置検知センサが設けられている。位置検知センサは主制御装置162に接続されており、主制御装置162ではこの位置検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて振分手段83gがどのような姿勢(第1案内状態/第2案内状態)となっているかを把握可能となっている。
これら振分手段83g、振分駆動部83h、位置検知センサによって遊技球を振り分ける振分装置92が構成されている。
振分手段83gは振分駆動部83hの出力軸に固定されているため、振分駆動部83hに駆動信号が入力されていない場合であっても、振分手段83gの姿勢の変化に抗する抵抗が発生する。但し、この抵抗については、振分手段83gのアームが遊技球によって押された場合には、その重みによる回動を妨げない程度に抑えられている。
つまり、振分駆動部83hに駆動信号が出力されていない状況下では、既に説明したように遊技球の通過(振り分け)に伴って振分手段83gが第1案内状態及び第2案内状態のうち一方の案内状態から他方の案内状態に切り替る。つまり、駆動信号が入力されていない状況下においては、下作動口83bに流入した遊技球が順次第1分岐通路83d/第2分岐通路83eに振り分けられることとなる(例えば図11(a)→図11(b)→図11(a)→・・・)。
一方、振分駆動部83hに振分手段83gを第1案内状態とする第1駆動信号が入力されると、振分手段83gが第2案内状態となっている場合には強制的に第1案内状態に切り替わり(図11(b)→図11(a)参照)、振分手段83gが既に第1案内状態となっている場合には当該第1案内状態に維持されることとなる(図11(a)参照)。作動入球ユニット83には、第1案内状態となった場合に振分手段83gのそれ以上の反時計回り方向への回動を妨げるストッパ部が設けられている。第1駆動信号が入力されている状況下においてはこのストッパに対して振分手段83gが押し付けられた状態(第1案内状態)となり、遊技球の重さに抗する抗力が発生する。つまり、振分手段83gに到達した遊技球の重さによって当該振分手段83gが第1案内状態から第2案内状態に切り替わることが阻止される構成となっている。
振分駆動部83hに振分手段83gを第2案内状態とする第2駆動信号が入力されると、振分手段83gが第1案内状態となっている場合には強制的に第2案内状態に切り替わり(図11(a)→図11(b)参照)、振分手段83gが既に第2案内状態となっている場合には当該第2案内状態に維持されることとなる(図11(b)参照)。作動入球ユニット83には、第2案内状態となった場合に振分手段83gのそれ以上の反時計回り方向への回動を妨げるストッパ部が設けられている。第2駆動信号が入力されている状況下においてはこのストッパに対して振分手段83gが押し付けられた状態(第2案内状態)となり、遊技球の重さに抗する抗力が発生する。つまり、振分手段83gに到達した遊技球の重さによって当該振分手段83gが第2案内状態から第1案内状態に切り替わることが阻止される構成となっている。
このように、作動入球ユニット83の振分装置92については、遊技球の振り分け先が交互に切り替わる状態(以下、フリー状態という)と、遊技球の振り分け先を両入球部83d,83eのうち一方に固定する状態(以下、固定状態という)とに切替可能となっており、遊技状況に応じてこれらフリー状態及び固定状態の切り替えがなされる。つまり、上作動口83aへ流入した遊技球の到達先は遊技状況に関係なく第1入球部83dとなるように決まっているのに対して、下作動口83bへ流入した遊技球の到達先は遊技状況に応じて変化し得る構成となっている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、図12のブロックを参照してパチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402は、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU402が有する機能の一部、例えば、ROM403の機能やRAM404の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。
各種検知センサの一部として、一般入賞口81への入賞を検知する検知センサ391a、可変入賞装置82への入賞を検知する検知センサ391b、第1入球部83dへの入賞を検知する検知センサ391c、第2入球部83eへの入賞を検知する検知センサ391d、スルーゲート84への入球を検知する検知センサ391fが接続されており、主制御装置162のMPU402において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU402では、第1入球部83d及び第2入球部83eへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート抽選(サポート発生抽選)を実行する。
また、主制御装置162のMPU402には、上記作動入球ユニット83の位置検知センサ83iが接続されており、MPU402においてはこの位置検知センサ83iからの検知情報に基づいて振分手段83gの姿勢(第1案内状態/第2案内状態)を把握可能となっている。
MPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び報知・演出制御装置143が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した入球部83d,83e等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第1入球部83dへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、第2入球部83eへの入賞を特定した場合には6個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置143には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置82の開閉体(例えばシャッタ部材82a)を開閉動作させる可変入賞駆動部82b、下作動口83bの電動役物91(例えば可動片91a)を開閉動作させる電動役物駆動部91b、主表示ユニット87及び作動入球ユニット83(振分装置92)の振分駆動部83hが接続されている。主制御基板401には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU402は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82が開閉されるように、MPU402において可変入賞駆動部82bの駆動制御が実行され、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には電動役物91が開閉されるように、MPU402において電動役物駆動部91bの駆動制御が実行され、MPU402によって主表示ユニット87の主表示部Dの表示制御が実行され、MPU402によって振分駆動部83hの駆動制御が実行される。
さらには、MPU402の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板405は主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板405には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部26〜28やスピーカ部29等を駆動制御するとともに、表示制御装置410を制御するものである。
表示制御装置410では、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)を決定する。
ここで、図13及び図14を参照して図柄表示装置253の表示内容について説明する。図13は図柄表示装置253の表示画面253aにおいて表示される図柄を説明するための説明図、図14は図柄表示装置253の表示画面253aにおける表示内容を説明するための説明図である。
表示制御装置410のキャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータ(図13(a)〜(i)参照)と、数字が付されていない副図柄のデータ(図13(j)参照)とが記憶されている。
図14(a)に示すように、図柄表示装置253の表示画面253aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面253aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図14(b)に示すように、表示画面253aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面253aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することも可能である。
因みに、図柄表示装置253における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87(主表示部D)の表示の設定、図柄表示装置253の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図15に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置253が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の入球部用表示部における絵柄の変動表示時間及び図柄表示装置253における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCS1と、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かのサポート抽選に使用する開放乱数カウンタC4と、電動役物91の開放態様の種別を判定する際に使用する開放種別カウンタC5と、主表示ユニット87のスルーゲート用表示部における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCS2とを用いることとしている。
各カウンタC1〜C5,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ431に適宜格納される。
RAM404には、第1入球部用保留エリアRaと、第2入球部用保留エリアRbと、実行エリアAE1と、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア432が設けられている。そして、この保留球格納エリア432に、第1入球部83d又は第2入球部83eへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
また、RAM404には、電役用保留エリアRc及び実行エリアAE2よりなる電役保留エリア433が設けられている。そして、この電役保留エリア433(電役用保留エリアRc)に、スルーゲート84への遊技球の入賞履歴に合わせて、開放乱数カウンタC4及び開放種別カウンタC5の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1入球部83d又は第2入球部83eに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、第1入球部83dに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の第1入球部用保留エリアRaに格納され、第2入球部83eに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の第2入球部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア421に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図16を用いて説明する。図16の概略図に示すように、当否テーブルとしては、図16(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図16(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図16(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」、「307」及び「507」の3個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」、「307」及び「507」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図16(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「67」・・・「572」、「598」の20個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。因みに、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、下作動口83bの電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、開放乱数カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率が前者よりも後者の方が高くなっている。また、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となった場合の1回の開放時間については高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも長く設定されており、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間については高頻度サポートモードの方が低頻度サポートモードよりも短く設定されている。さらに、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される間についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞発生確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞発生確率が高くなる。そして、作動口83a,83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら、より具体的には後述するように持ち球を増やしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を共通としてもよい。この場合、回数、開放時間、所要時間のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、第1入球部83d又は第2入球部83eに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、第1入球部83dに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の第1入球部用保留エリアRaに格納され、第2入球部83eに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の第2入球部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア422に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図17を用いて説明する。図17の概略図に示すように、当否テーブルとしては、図17(a)の第1入球部用の振分テーブル(第1入球部用振分情報群)と、図17(b)の第2入球部用の振分テーブル(第2入球部用振分情報群)とが設定されている。
上記振分に際して第1入球部83dへの入球に基づいて第1入球部用振分テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図17(a)に示すように、振分先として、2R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、2R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)と、3R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
2R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
2R確変大当たり結果及び3R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
第1入球用振分テーブルが参照される場合には、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち「0」〜「2」が2R通常大当たり結果に対応しており、「3」〜「22」が2R確変大当たり結果に対応しており、「23」〜「29」が3R確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。
上記振分抽選に際して第2入球部83eへの入球に基づいて第2入球部用振分テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図17(b)に示すように、振分先として、上記2R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、上記3R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
第2入球用振分テーブルにおいては、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち「0」〜「2」が2R通常大当たり結果に対応しており、「3」〜「29」が3R確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。
再び図15を参照して説明すれば、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1入球部83d又は第2入球部83eに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、第1入球部83dに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の第1入球部用保留エリアRaに格納され、第2入球部83eに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の第2入球部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM403のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU402では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
また、入球先に応じてリーチ発生確率を相違させてもよい。例えば、第1入球部83dへの入球に基づいてリーチ表示が発生する確率を第2入球部83eへの入球に基づいてリーチ表示が発生する確率よりも高く設定することも可能である。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置253を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置253における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置253の表示画面253a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面253aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1は、主表示ユニット87(主表示部D)の第1入球部用表示部及び第2入球部用表示部における絵柄の変動表示時間と、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間とをMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCS1は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1入球部用表示部及び第2入球部用表示部における変動表示の開始時(図柄表示装置253による図柄の変動開始時)における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1のバッファ値が取得される。
開放乱数カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。開放乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された開放乱数カウンタC4の値によって下作動口83bの電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
サポート当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア421に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。当否テーブルとしては、低頻度サポートモード用の当否テーブル(低頻度サポートモード用当否情報群)と、高頻度サポートモード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。
上記サポート抽選に際して低頻度サポートモード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では開放乱数カウンタC4=「0」〜「24」であればサポート当選結果となり、開放乱数カウンタC4=「25」〜「249」であればサポート非当選結果となる。つまり、サポート当選結果となる確率は10/100のとなっている。
一方、上記抽選に際して低頻度サポートモード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では開放乱数カウンタC4=「0」〜「224」であればサポート当選結果となり、開放乱数カウンタC4=「225」〜「249」であればサポート非当選結果となる。つまり、サポート当選結果となる確率は90/100となっている。
開放種別カウンタC5は、例えば、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。開放種別カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。開放種別カウンタC5によるサポート当選結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア422に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図18を用いて説明する。図18の概略図に示すように、当否テーブルとしては、図18(a)の低頻度サポートモード用の振分テーブル(低頻度サポートモード用振分情報群)と、図18(b)の高頻度サポートモード用の振分テーブル(高頻度サポートモード用振分情報群)とが設定されている。
低頻度サポートモードとなっている状況下では、図18(a)に示すように、振分先として、サポート当選結果A(低頻度対応サポート結果A)と、サポート当選結果B(低頻度対応サポート結果B)とが設定されている。一方、高頻度サポートモードとなっている状況下では、図18(b)に示すように、振分先として、サポート当選結果C(高頻度対応サポート結果C)と、サポート当選結果D(高頻度対応サポート結果D)とが設定されている。
ここで、図19の概略図を参照して、各サポート当選結果A〜Dにおける、電動役物91の動作態様について補足説明する。
サポート当選結果Aとなった場合には電動役物91が3度に亘って開放状態となり、サポート当選結果Bとなった場合には電動役物91が2度に亘って開放状態となる。このようにして電動役物91が開閉される場合には、開放状態とする時間(開放時間)が0.6sec、開放状態間のインターバル時間(閉鎖時間)が1.0secとなるように設定されている。
サポート当選結果Cとなった場合には電動役物91が2度に亘って開放状態となり、サポート当選結果Dとなった場合には電動役物91が3度に亘って開放状態となる。このようにして電動役物91が開閉される場合には、開放状態とする時間(開放時間)が1.2sec、開放状態間のインターバル時間(閉鎖時間)が0.6secとなるように設定されている。
再び、図15を参照して、変動種別カウンタCS2は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、主表示ユニット87(主表示部D)のスルーゲート用表示部における変動表示時間をMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、スルーゲート用表示部における変動表示の開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS2のバッファ値が取得される。
ここで、図19に示すように、低頻度サポートモードとなっている場合と高頻度サポートモードとなっている場合とを比較した場合には、前者よりも後者の方が変動表示時間が短くなるように構成されている。具体的には、低頻度サポートモードとなっている場合には変動表示時間として30sec〜60secが選択される構成となっており、高頻度サポートモードとなっている場合には変動表示時間として0.6sec〜1.2secが選択される構成となっている。
既に説明したように、MPU402では、少なくとも変動種別カウンタCS2のバッファ値を用いて、スルーゲート用表示部における絵柄の変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されているスルーゲート表示部に係る変動表示時間テーブルが用いられる。また、MPU402では、実行エリアAE2に格納されている開放乱数カウンタC4の値及び開放種別カウンタC5の値を用いて、スルーゲート用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM403の停止結果テーブル記憶エリア424に記憶されたスルーゲート用表示部に係る停止結果決定テーブルが参照される。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU402にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU402では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ83i,391a〜391f等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ83i,391a〜391f等の状態を読み込むとともに、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4、開放種別カウンタC5の各値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、開放乱数カウンタC4、開放種別カウンタC5をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にてスルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行し、ステップS105にて作動入球ユニット83(作動口83a,83b)への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
(スルー用の入賞処理)
ここで、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理では、先ず遊技球がスルーゲート84に入賞(通過)したか否かをスルーゲート用の検知センサ391fの検知状態により判定する。
遊技球がスルーゲート84に入賞していないと判定した場合にはそのまま本スルー用の入賞処理を終了する。遊技球がスルーゲート84に入賞したと判定した場合には、電役用保留エリアRcの第1エリア〜第4エリアに空きがあるか否かを判定する。空きがあると判定した場合には、抽選用カウンタバッファに記憶されている開放乱数カウンタC4及び開放種別カウンタC5の値を読み出して第1エリア〜第4エリアのうち所定のエリアに各カウンタC4,C5の値を格納する。これに伴い、主表示部Dにおけるスルーゲート84用の保留数用表示部の表示態様を変更する。
具体的には、保留数用表示部において並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの2つのLEDに追加して3つ目のLEDが点灯されることとなる。
(作動口用の入賞処理)
次に、作動入球ユニット83(作動口83a,83b用)の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が第1入球部83dに入賞(始動入賞)したか否かを第1入球部83d用の検知センサ391cの検知状態により判定する。遊技球が第1入球部83dに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。遊技球が第1作動入球部83dに入賞したと判定した場合には、第1入球部用保留エリアRaの第1エリア〜第4エリアに空きがあるか否かを判定する。空きがあると判定した場合には、抽選用カウンタバッファに記憶されている大当たり乱数カウンタC1,大当たり種別カウンタC2,リーチ乱数カウンタC3の各値を読み出して第1エリア〜第4エリアのうち所定のエリアに各カウンタC1〜C3の値を格納する。これに伴い、主表示部Dにおける第1入球部83d用の保留数用表示部の表示態様を変更する。
その後、第1入球部83dに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、第1入球部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該第1入球部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、第1入球部用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第1保留ランプ部98aの点灯処理を実行する。具体的には、第1保留ランプ部98aにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して下側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が第1入球部83dに入賞していないと判定した場合には、遊技球が第2入球部83eに入賞(始動入賞)したか否かを第2入球部83e用の検知センサ391dの検知状態により判定する。遊技球が第2入球部83eに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を6個払い出させるための賞球コマンドをセットする。遊技球が第2作動入球部83eに入賞したと判定した場合には、第2入球部用保留エリアRbの第1エリア〜第4エリアに空きがあるか否かを判定する。空きがあると判定した場合には、抽選用カウンタバッファに記憶されている大当たり乱数カウンタC1,大当たり種別カウンタC2,リーチ乱数カウンタC3の各値を読み出して第1エリア〜第4エリアのうち所定のエリアに各カウンタC1〜C3の値を格納する。これに伴い、主表示部Dにおける第2入球部83e用の保留数用表示部の表示態様を変更する。
その後、第2入球部83eに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、第2入球部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該第2入球部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、第2入球部用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第2保留ランプ部98bの点灯処理を実行する。具体的には、第2保留ランプ部98bにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して下側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、両入球部83d,83eのいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S201にて払出制御装置242に対して送信される。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図21のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、RAM404の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部出力端子板213に対する出力設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCS(変動種別カウンタCS1及び変動種別カウンタCS2)の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1及び変動種別カウンタCS2を1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1及び変動種別カウンタCS2の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域(抽選カウンタ用バッファ431)に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置253による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87における入球部用表示部などの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口83bに設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、この電役サポート用処理では、RAM404の電役保留エリア433に格納されている開放乱数カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、サポート当選結果(電役開放状態当選)となった場合には開放種別カウンタC5から取得した数値情報を用いて開放態様を決定する。そして、決定された開放態様に応じて電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット87におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM404に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板405において停電の発生が確認され当該停電監視基板405からMPU402のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS(変動種別カウンタCS1及び変動種別カウンタCS2)の更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCS(変動種別カウンタCS1及び変動種別カウンタCS2)の更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS(変動種別カウンタCS1及び変動種別カウンタCS2)についてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211ではタイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出及び保存し、ステップS213にてRAM404のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図22〜図24のフローチャートを参照して説明する。
図22に示すように、遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動入球ユニット83への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット87の第1入球部用表示部及び第2入球部用表示部のうちいずれか一方が変動表示〜確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM404の各種フラグ格納エリア435における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1入球部用表示部及び第2入球部用表示部のいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
遊技回中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア432の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である共通保留記憶数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留記憶数CRNが「0」である場合とは、第1入球部83d及び第2入球部83eのいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて第1入球部用保留エリアRa又は第2入球部用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず第2入球部用保留エリアRbに保留記憶されている第2入球部用保留記憶数が「0」か否かを判定する。第2入球部用保留記憶数が「0」である場合には第1入球部用のデータ設定処理を実行し、第2入球部用保留記憶数が「0」でない場合には第2入球部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2入球部用保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2入球部用表示部について変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1入球部用保留記憶数が1以上であるか否かに関係なく、第2入球部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するように構成されている。これにより、第1入球部用保留エリアRa及び第2入球部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2入球部83eに対応した第2入球部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1入球部83dのデータ設定処理では、先ず第1入球部用保留エリアRaの第1入球部用保留記憶数を1ディクリメントし、続いて共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、第1入球部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAE1に移動し、第1入球部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の第1保留ランプ部98aのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第1保留ランプ部98aのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
RAM404の各種フラグ格納エリア435に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1入球部用表示部又は第2入球部用表示部のいずれであるかを特定するための情報である。その後、本データ設定処理を終了する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ず第2入球部用保留エリアRbの第2入球部用保留記憶数を1ディクリメントし、共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、第2入球部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAE1に移動する。
その後、第2入球部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、点灯中の第2保留ランプ部98bのLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、上記点灯処理とは逆に、第2保留ランプ部98bのLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
消灯処理を行った後は、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS305にて主表示ユニット87(主表示部D)における絵柄の変動表示及び図柄表示装置253における図柄の変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、図23のフローチャートを参照し、ステップS305の変動開始処理について説明する。
(変動開始処理)
変動開始処理においては先ず、ステップS401にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAE1に格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア421に記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAE1に格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて振分判定処理を実行する。
振分判定処理では、実行エリアAE1に格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア422に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、2R通常大当たり結果、2R確変大当たり結果、3R確変大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS404では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部D(詳しくは第1入球部用表示部、第2入球部用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、主表示部Dに停止表示される絵柄の態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS404では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の態様の情報をRAM404に記憶する。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、既に説明したように各遊技結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各遊技結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
因みに、ステップS404の処理では、ステップS403にて特定した大当たり結果の種類に応じたフラグをRAM404にセットする処理を実行する。具体的には、2R通常大当たり結果であることを特定した場合には2R通常大当たり結果対応フラグ(2R通常フラグ)をセットし、2R確変大当たり結果であることを特定した場合には2R確変大当たり結果対応フラグ(2R確変フラグ)をセットし、3R確変大当たり結果であることを特定した場合には3R確変大当たり結果対応フラグ(3R確変フラグ)をセットする。なお、以下の説明において、各種大当たり結果であるか否かの判定は、RAM404に対応するフラグがセットされているか否かを判定することにより行われる。
ステップS402にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS405に進む。ステップS405では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部D(詳しくは第1入球部用表示部、第2入球部用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS404及びステップS405のいずれかの処理を実行した後は、ステップS406にて変動表示時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。ここで、図24のフローチャートを参照して変動表示時間の設定処理について説明する。なお、変動表示時間の設定処理が行わる場合には、RAM404の抽選カウンタ用バッファ431における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を取得し、MPU402のレジスタに記憶する。
(変動表示時間の設定処理)
変動表示時間の設定処理においては先ず、ステップS501にて図柄表示装置253にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の遊技結果が大当たり結果である場合にはリーチ表示の発生としてステップS501にて肯定判定をする。また、大当たり結果でない場合であっても、実行エリアAE1に格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ表示発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS501にて肯定判定をする。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM403のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS501にて肯定判定をした場合にはステップS502に進み、大当たりの発生に対応しているか否かを判定する。ステップS502にて肯定判定をした場合には、ステップS503に進む。ステップS503においては、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている第1リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に対応した変動表示時間情報を取得する。そして、続くステップS504にて、その変動表示時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットし、変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS502にて否定判定をした場合、すなわち本遊技回が大当たり結果でない場合(外れリーチ結果である場合)には、ステップS505に進む。ステップS505においては、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている第2リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に対応した変動表示時間情報を取得する。そして、続くステップS506にて、その変動表示時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットし、変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS501の説明に戻り、当該ステップS501にて否定判定をした場合には、ステップS507に進む。ステップS507では低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。ステップS507にて肯定判定をした場合にはステップS508に進む。ステップS508ではROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている低頻度サポートモード対応のリーチ非発生用第1種変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に対応した変動表示時間情報を取得する。そして、続くステップS509にて、その変動表示時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットし、変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS507にて否定判定をした場合、すなわち高頻度サポートモード中であると判定した場合にはステップS510に進む。ステップS510では第1入球部83dへの入球に基づいているか否かを判定する。ステップS510にて肯定判定をした場合にはステップS511に進む。ステップS511では、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている高頻度サポートモード対応のリーチ非発生用第2種変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に対応した変動表示時間情報を取得する。そして、続くステップS512にて、その変動表示時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットし、変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS510にて否定判定をした場合、すなわち第2入球部83eへの入球に基づくいていると判定した場合には、ステップS513に進む。ステップS513では、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている高頻度サポートモード対応のリーチ非発生用第3種変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCS1の値に対応した変動表示時間情報を取得する。そして、続くステップS512にて、その変動表示時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットし、変動表示時間の設定処理を終了する。
再び図23の変動開始処理の説明に戻り、ステップS406の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS407にて確定表示時間の設定処理を行う。本実施の形態においては、遊技状況(例えば高頻度サポートモード中であるか否か)や遊技回の開始契機となった入球先に応じて確定表示時間が変化する構成となっている。また、上述した変動表示時間についても、高頻度サポートモード中にリーチ非発生に係る遊技回が実行される場合には、その遊技回が第1入球部83d及び第2入球部83eの何れに対応しているかを参照して変動表示時間を設定される構成となっており、設定される変動表示時間については入球先に応じて変化する構成となっている点が特徴の1つとなっている。これら、特徴に係る構成についての詳細は後述する。
ステップS407にて確定表示時間の設定処理を実行した後はステップS408に進み変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動開始コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置143では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することが可能である。この点、変動開始コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動開始コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、2R通常大当たり結果の情報、2R確変大当たり結果の情報、3R確変大当たり結果の情報、外れ結果の情報の何れかが含まれる。
ステップS408にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図21)における外部出力処理(ステップS201)にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置253を表示制御する。
ステップS408の処理を実行した後はステップS409に進み、主表示部Dの第1入球部用表示部及び第2入球部用表示部のうち今回の遊技回に対応する一方にて絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図22)の説明に戻り、遊技回中(主表示部Dにおける第1入球部用表示部及び第2入球部用表示部の何れかが変動表示中又は確定表示中)である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた表示継続期間カウンタ(変動表示時間情報)の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図20)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部Dの第1入球部用表示部又は第2入球部用表示部における表示態様を変更する。具体的には、変動表示用処理では、今回の遊技回に係る入球部用表示部が有するLEDが所定の周期で点灯及び消灯されていくように、また発光色が変化するように当該入球部用表示部を表示制御(各表示用LEDの発光制御)する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、現状実行されている遊技回を開始させる場合に実行された変動開始処理(図15)のステップS504,S506,S509,S512,S514のいずれかの処理においてRAM404に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が主表示部Dの入球部用表示部にて表示されるように主表示ユニット87を表示制御する。
続くステップS309にて変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS309にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図21)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、変動終了コマンドを受信することに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、当該変動終了コマンドは、報知・演出制御装置143を経由して表示制御装置410に送信され、表示制御装置410では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置253の表示画面253aに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置143や表示制御装置410にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図25及び図26のフローチャートを参照して説明する。
(遊技状態移行処理)
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS601にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS602に進み、遊技回(1の遊技回の第1入球部用表示部又は第2入球部用表示部における絵柄の変動表示(詳しくは確定表示))が終了したタイミングか否かを判定する。遊技回が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
遊技回が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(確定表示期間)が経過している場合には、ステップS603に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM404に、2R通常大当たり結果対応フラグ、2R確変大当たり結果対応フラグ、3R確変大当たり結果対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS604にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、先ず開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置82の大入賞口82cの開放を開始することなく当該可変入賞装置82を待機させるためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。
続くステップS605では、今回の開閉実行モードが3R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS605にて肯定判定をした場合には、ステップS606にてRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた開放数カウンタOCに「3」をセットする。ステップS605にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが2R確変大当たり結果又は2R通常大当たり結果に対応している場合には、ステップS607に進み、開放数カウンタOCに「2」をセットする。開放数カウンタOCは、可変入賞装置82(大入賞口82c)が開放された回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS606又はステップS607の処理を実行した後は、ステップS608に進む。ステップS608では高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS608にて肯定判定をした場合には、ステップS609にて高頻度サポートモードフラグを消去する。これにより、開閉実行モードの契機となった該当遊技回の終了に基づいて高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ移行することとなる。
ステップS609の処理を実行した後、又はステップS608にて否定判定をした場合には、ステップS610に進むオープニングコマンドの設定処理を行う。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図21)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143及び表示制御装置410に送信される。報知・演出制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置143から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置253の表示制御を実行する。
ステップS610のオープニングコマンド設定処理を実行した後はステップS611にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS611の外部信号設定処理では、RAM404に、上記各種大当たり対応フラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に大当たりが発生した旨を示す信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードへ移行したことを把握することができる。
ステップS601の説明に戻り、開閉実行モード中でない場合には当該ステップS601にて肯定判定をし、ステップS612に進む。ステップS612では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS613にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS701にて可変入賞装置82(大入賞口82c)が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置82の可変入球装置用駆動部82bの駆動状態に基づいて係る判定を行う。大入賞口82cが開放中でない場合には、ステップS702にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS702にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS702にて否定判定をした場合にはステップS703に進む。ステップS703では開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口82cの開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図20参照)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS703にて否定判定をした場合には、本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS704に進み、可変入賞装置82(大入賞口82c)の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口82cを開放すべく可変入球装置用駆動部82bを駆動状態とする。
その後、可変入賞装置82(大入賞口82c)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS705及びステップS706の処理を実行する。具体的には、ステップS705にて開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、続くステップS706にて入賞カウンタPCに「10」をセットする。
ステップS706の処理を実行した後は、ステップS707にて可変入賞装置82(大入賞口82c)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図21参照)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、上記受信した開放コマンドに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて可変入賞装置82(大入賞口82c)が開放中であると判定した場合にはステップS708に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS709に進み、大入賞口82cに遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に配設された検知センサからの検知信号に基づいて判定する。
入賞が発生している場合には、ステップS710にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置143に出力され、当該入賞コマンドにより例えば図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS710にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS711に進む。ステップS711では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS712にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS712にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS708にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS713にて可変入賞装置82(大入賞口82c)を閉鎖すべく可変入球装置用駆動部82bを非駆動状態とする。
続くステップS714では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS715では更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS715にて否定判定をした場合にはステップS716に進み、開放タイマカウンタTCに「1000」(2.0secに相当)をセットする。
ステップS716の処理を実行した後は、ステップS717にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図21)におけるステップS301にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS715の説明に戻り、当該ステップS715にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS718に進む。ステップS718では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS719にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図21)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図25)の説明に戻り、ステップS613にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS614にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS815にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS616にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
(開閉実行モード終了時の移行処理)
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、RAM404の各種フラグ格納エリア435に2R確変大当たり結果対応フラグ又は3R確変大当たり結果対応フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、高確率モードフラグを格納するとともに高頻度サポートフラグを格納し、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。
2R確変大当たり結果対応フラグ及び3R確変大当たり結果対応フラグのいずれも格納されていないと判定した場合、すなわち2R通常大当たり結果対応フラグが格納されている場合には、フラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。その後、高頻度サポートモードフラグを格納し、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた遊技回数カウンタGCに「100」がセットした後、本移行処理を終了する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。遊技回数カウンタGCは遊技回が行われるごとに1ずつ減算され、この遊技回数カウンタGCが「0」になることで高頻度サポートモードが終了することとなる。
(電役サポート用処理)
次に、通常処理(図21)におけるステップS205の電役サポート用処理を図27及び図28のフローチャートを参照して説明する。
図27に示すように、電役サポート用処理においては先ずステップS801にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口83bの電動役物91を開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS802に進み、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物91を開放状態とするか否かの抽選(サポート抽選)において開放状態当選(サポート当選)となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS803に進み、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた役物タイマカウンタYTの値が「0」か否かを判定する。役物タイマカウンタYTの値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
役物タイマカウンタYTの値が「0」である場合には、ステップS804にて、スルーゲート用表示部における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS805にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部における絵柄の変動表示が終了される。
役物タイマカウンタYTの値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS806にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS807にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
高頻度サポートモード中である場合には、ステップS808にて開放抽選(サポート抽選)を行う。具体的には、電役保留エリア433(詳しくは電役用保留エリアRc)に記憶されている値をシフトし、実行エリアAE2にシフトされた開放乱数カウンタC4の値を参照して開放抽選を行う。この際、ROM403の当否テーブル記憶エリア421に記憶されている高頻度サポートモード用のテーブルを参照して上記抽選が実行される。また、開放抽選に併せて変動表示時間の設定処理を行う。具体的には、変動種別カウンタCS2の値と高頻度サポートモード対応の変動表示時間テーブルとを参照して上記スルーゲート用表示部における絵柄の変動表示時間を決定し、その決定された変動表示時間に対応する値を役物タイマカウンタYTにセットする。なお、役物タイマカウンタYTはタイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS808の処理を実行した後はステップS809に進む。ステップS809では、ステップS808の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS810の処理を実行することなくステップS811に進み、サポート当選である場合には、ステップS810にてサポート当選フラグを格納する。そして、開放種別カウンタC5及び高頻度サポートモード対応の振分テーブルを参照して、サポート当選結果C/サポート当選結果Dの振り分けを行う。RAM404の各種カウンタエリア434に設けられたラウンドカウンタRC2にサポート当選結果の種別に応じた値(「2」又は「3」)をセットした後に、ステップS811に進む。ステップS811では振分装置駆動制御処理を実行する。この振分装置駆動制御処理についての詳細は後述する。
ステップS811の処理を実行した後、又はステップS809にて否定判定をした場合には、ステップS812に進む。ステップS812では、遊技状態が低確率モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS812にて否定判定をした場合にはそのまま本サポート用処理を終了する。一方、ステップS812にて肯定判定をした場合にはステップS813に進む。ステップS813では遊技回数カウンタGCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS813にて否定判定をした場合にはそのまま本サポート用処理を終了する。ステップS813にて肯定判定をした場合、すなわち低確率モードとなっている状況下(既に高確率モードからの転落が発生している状況下)にて遊技回数カウンタGCの値が「0」になっている場合にはステップS814に進み高頻度サポートモードフラグの消去処理を実行した後、本サポート用処理を終了する。これにより、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ切り替わることとなる。
ステップS807の説明に戻り、当該ステップS807にて否定判定をした場合、すなわち低頻度サポートモードに対応する遊技状態である場合には、ステップS815に進み、開放抽選(サポート抽選)を行う。具体的には、電役保留エリア433に記憶されている値をシフトし、実行エリアAE2にシフトされた開放乱数カウンタC4の値を参照して開放抽選を行う。この際、ROM403の当否テーブル記憶エリア421に記憶されている低頻度サポートモード用のテーブルを参照して上記抽選が実行される。また、開放抽選に併せて変動表示時間の設定処理を行う。具体的には、変動種別カウンタCS2の値と低頻度サポートモード対応の変動表示時間テーブルとを参照して上記スルーゲート用表示部における絵柄の変動表示時間を決定し、その決定された変動表示時間に対応する値を役物タイマカウンタYTにセットする。なお、役物タイマカウンタYTはタイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS815の処理を実行した後はステップS816に進む。ステップS816では、ステップS815の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本サポート用処理を終了する。一方、ステップS815の開放抽選の結果がサポート当選である場合には、ステップS817にてサポート当選フラグを格納する。そして、開放種別カウンタC5及び低頻度サポートモード対応の振分テーブルを参照して、サポート当選結果A/サポート当選結果Bの振り分けを行う。RAM404の各種カウンタエリア434に設けられたラウンドカウンタRC2にサポート当選結果の種別に応じた値(「2」又は「3」)をセットした後に、本サポート用処理を終了する。
ステップS802の説明に戻り、RAM404の各種フラグ格納エリア435にサポート当選フラグが格納されている場合には、当該ステップS802にて肯定判定をし、ステップS818に進む。ステップS818においては、役物タイマカウンタYTの値が「0」であるか否かを判定する。役物タイマカウンタYTの値が「0」でない場合には、スルーゲート用表示部における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物タイマカウンタYTの値が「0」である場合には、ステップS819にて、当たり表示を設定する。これにより、当たりに対応する絵柄を停止表示した状態でスルーゲート用表示部における絵柄の変動表示が終了されることとなる。続くステップS820では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS821に進む。ステップS821にて電動役物91を開閉制御するための電役開閉処理を実行し、本電役サポート用処理を終了する。以下、図28のフローチャートを参照して電役開閉制御処理について説明する。
(電役開閉制御処理)
電役開閉制御処理においては先ず、ステップS901にて電動役物91が開放中であるか否かを判定する。電動役物91が開放中であるか否かは、電動役物用の駆動部91bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物91が開放中でない場合には、ステップS901にて否定判定をし、ステップS902に進む。ステップS902では、役物タイマカウンタYTが「0」であるか否かを判定する。役物タイマカウンタYTが「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。
役物タイマカウンタYTが「0」である場合には、ステップS903に進む。ステップS903では低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。ステップS903にて肯定判定をした場合にはステップS904にて電動役物91を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、役物タイマカウンタYTに「500」(1.0secに相当)をセットする。ステップS903にて否定判定をした場合には、ステップS905にて電動役物91を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、役物タイマカウンタYTに「300」(0.6secに相当)をセットする。
その後、ステップS906にてラウンドカウンタRC2の値を更新(1減算)した後に、ステップS907にてラウンドカウンタRC2の値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、ラウンドカウンタRC2の値が「0」である場合には、ステップS908にてサポート中フラグを消去する。ステップS908の消去処理を実行した後は、ステップS909にて状態復帰処理を実行し、本電役開閉処理を終了する。ステップS909の状態復帰処理については後述する。
ステップS901の説明に戻り、電動役物91が開放中でない場合には、当該ステップS901にて否定判定をし、ステップS910に進む。ステップS910では、役物タイマカウンタYTが「0」であるか否かを判定する。役物タイマカウンタYTが「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。役物タイマカウンタYTが「0」である場合には、ステップS911にて、電動役物91を開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS912にて低頻度サポートモードであるか否かを判定する。低頻度サポートモードである場合には、ステップS913にて役物タイマカウンタYTに「300」(0.6secに相当)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、高頻度サポートモードである場合には、ステップS914にて役物タイマカウンタYTに「600」(1.2secに相当)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
上述したように、本実施の形態に示す振分装置92については、高頻度サポートモード且つ高確率モード対応の高確遊技状態中にサポート当選結果となった場合、そのサポート当選結果の種別(サポート当選結果C又はサポート当選結果D)に応じて作動入球ユニット83内での遊技球の振分態様が変化し得る。このような機能の実現に上記振分装置駆動制御処理が寄与している。ここで、図29のフローチャート及び図19の概略図を参照して振分装置駆動制御処理について説明する。
(振分装置駆動制御処理)
図29に示すように、振分装置駆動制御処理においては先ずステップS1001にて高確率モード中であるか否かを判定する。ステップS1001にて否定判定をした場合には、そのまま本振分装置駆動制御処理を終了する。つまり、本実施の形態においては、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の高確遊技状態となっていることが、ステップS1002〜ステップS1008の各種処理を実行するための要件となっている。つまり、低頻度サポートモード対応の遊技状態や高頻度サポートモードであっても高確率モードに対応していない遊技状態では、振分装置92の姿勢が主制御装置162によって制御されることはなく、下作動口83bへ流入した遊技球については第1入球部83d及び第2入球部83eへ交互に入賞する状態に維持される(図19参照)。
ステップS1001にて肯定判定をした場合にはステップS1002に進む。ステップS1002では振分装置92の状態把握処理を実行する。具体的には、位置検知センサ83iからの検知情報に基づいて振分装置92の振分手段83gが第1案内状態及び第2案内状態の何れになっているかを把握する。ステップS1002の把握処理を実行した後は、続くステップS1003にて状態復帰用の設定処理を行う。本実施の形態においては、サポート当選結果の種別に応じて、遊技球の振分先が第1入球部83d又は第2入球部83eの一方に固定される場合がある。このように振分先を強制的に固定する場合には、電動役物91によるサポート終了後に当該サポート開始前の状態に復帰させる。具体的には、ステップS1003の設定処理の内容に応じて、上記ステップS909(図28参照)の状態復帰処理にて、振分装置92(振分手段83g)を元の状態に復帰させる構成となっている。
ステップS1003の設定処理を実行した後はステップS1004に進む。ステップS1004では今回の当選結果がサポート当選結果Dであるか否かを判定する。ステップS1004にて肯定判定をした場合にはステップS1005に進み、第2案内状態への切替用の駆動信号の出力を開始する処理を行う。これにより、駆動部83hが動作して振分手段83gが第2案内状態に固定される。この結果、下作動口83bへ流入した遊技球は、第2入球部83eへ案内されることとなる。
ステップS1005の開始処理を実行した後は、ステップS1006にて第2案内状態への切替用の駆動信号の出力期間の設定処理を行い、本振分装置駆動制御処理を終了する。出力期間の設定処理においては、サポート当選結果Dに対応する一連のサポートが終了するまで駆動信号の出力が継続されるように駆動信号の出力期間を設定する。
ステップS1004にて否定判定をした場合、すなわち今回の当選結果がサポート当選結果Cである場合には、ステップS1007に進む。ステップS1007では、第1案内状態への切替用の駆動信号の出力を開始する処理を行う。これにより、駆動部83hが動作して振分手段83gが第1案内状態に固定される。この結果、下作動口83bへ流入した遊技球は、第1入球部83dへ案内されることとなる。
ステップS1007の開始処理を実行した後は、ステップS1008にて第1案内状態への切替用の駆動信号の出力期間の設定処理を行い、本振分装置駆動制御処理を終了する。出力期間の設定処理においては、サポート当選結果Cに対応する一連のサポートが終了するまで駆動信号の出力が継続されるように駆動信号の出力期間を設定する。
既に説明したように、本実施の形態における高頻度サポートモード中は、右ルートに向けて遊技球を発射することにより、投資(遊技領域PEへ発射された遊技球の数)よりも、賞球(入賞に基づいて払い出される遊技球の数)の方が多くなるように設定されており、高頻度サポートモード中は持ち球を増加させながら遊技を行うことが可能となっている。
高頻度サポートモードについても、持ち球の増加が期待できる点では開閉実行モードと同様であるが、その増加スピード(増加率)に差が設定されており、更に遊技の増加に遊技回の進行を伴うか否かで相違している。但し、高頻度サポートモード中に遊技球が増加する主たる要因は、作動入球ユニット83への入球に基づく遊技球の払い出し(賞球)である一方、作動入球ユニット83への入球については高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへの降格の契機ともなり得る。このような事情に鑑みた場合、作動入球ユニット83への入球は持ち球の増加というメリットと、低頻度サポートモードへの降格というデメリットとを併有しているともいえる。
本実施の形態においては、上述したメリット及びデメリットに偏りを生じさせることにより、高頻度サポートモード中の遊技進行の単調化を抑えていることを特徴の1つとしている。以下、図30を参照して当該工夫に係る構成について説明する。図30(a)は各種状況下における遊技回の変動表示時間の平均値を示す概略図、図30(b)は各種状況下における遊技回の確定表示時間を示す概略図である。なお、既に説明したように変動表示時間については、ある程度の幅が付与されているため、図30(a)においては、平均値を例示している。各種条件下での上記変動表示時間の大小関係については、平均値ではなく中央値で比較した場合であっても同様の関係になる。
変動表示時間の設定処理にて説明したように、変動表示時間を決定する際には、大当たり結果、外れリーチ結果、完全外れ結果等の結果に応じて個別に設けられた変動表示時間テーブルが参照される構成となっており、設定される変動表示時間については各結果に応じて相違する構成となっている。ここで、大当たり結果の場合と外れリーチ結果の場合とは、遊技状態に関係なく共通のテーブルが参照される構成となっている。また、完全外れ結果であっても、低頻度サポートモード中は、入球先(第1入球部83d及び第2入球部83e)に関係なく、同じ変動表示時間テーブル(リーチ非発生時用第1種変動表示時間テーブル:第1種変動表示時間テーブル)が参照されて変動表示時間が決定される構成となっており、入球先に応じた変動表示時間の差は発生しない。これに対して、高頻度サポートモード中は、入球先が第1入球部83dとなっている場合と、入球先が第2入球部83eとなっている場合とで参照する変動表示時間テーブルが相違し、設定される変動表示時間にも差が生じる構成となっている。具体的には、第1入球部83dに係る入球の場合にはリーチ非発生時用第2種変動表示時間テーブル(第2種変動表示時間テーブル)が参照されて変動表示時間が決定され、第2入球部83eに係る入球の場合にはリーチ非発生時用第3種変動表示時間テーブル(第3種変動表示時間テーブル)が参照されて変動表示時間が決定される。
第1種変動表示時間テーブル〜第3種変動表示時間テーブルの何れのテーブルについても、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている点(所謂時短機能が付与されている点)では共通している。但し、低頻度サポートモードに対応している第1種変動表示時間テーブルについては、高頻度サポートモードに対応している第2種/第3種変動表示時間テーブルと比較して、変動表示時間が何れの保留数を対象としても長くなるように設定されており、保留数の変化に伴う短縮の度合いが小さくなるように構成されている。
ここで、第2種変動表示時間テーブルと第3種変動表示時間テーブルとについて比較する。これら各変動表示時間テーブルは、同じ保留数で比較した場合に、第1入球部83dに係る入球に基づく変動表示時間よりも第2入球部83eに係る入球に基づく変動表示時間の方が長くなるように設定されている。また、同一保留数で比較した場合の変動表示時間の差は、保留数が多くなることで小さくなるように構成されている。例えば、保留が存在しない状況(保留数=「0」)で比較した場合にはおよそ2secの差が発生するのに対して、保留数が上限に達している状況(保留数=「8」)で比較した場合にはおよそ1secの差が発生する。つまり、保留数が多くなれば入球先に応じた変動表示時間の差が小さくなることとなる。
既に説明したように、高頻度サポートモード中は、サポート抽選に当選した場合には、サポート当選結果C及びサポート当選結果Dの何れかに振り分けられることとなる。この振分についてはサポート当選結果Dよりもサポート当選結果Cの方が多くなるように構成されている。サポート当選結果Cである場合には高確率モード中であることを条件として、振分装置92が第1案内状態に固定され、下作動口83bに流入した遊技球は第1入球部83dへ案内されることとなる。つまり、サポート当選結果Cに係るサポートが発生する場合には、当該サポート中の入球に基づいて相対的に短い変表示時間が設定される構成となっている。サポート当選結果Dである場合には高確率モード中であることを条件として、振分装置92が第2案内状態に固定され、下作動口83bに流入した遊技球は第2入球部83eへ案内されることとなる。つまり、サポート当選結果Dに係るサポートが発生する場合には、当該サポート中の入球に基づいて相対的に長い変表示時間が設定される構成となっている。
このように、入球先を振り分ける構成としつつ、その入球先に応じて変動表示時間を長短相違させる構成とすることにより、高頻度サポートモード→開閉実行モードへ移行するまでの入球率等に変化を生じさせることが可能となっている。
また、図30(b)に示すように、確定表示時間についても高頻度サポートモード中は、入球先に応じて変化する構成となっている。具体的には、第1入球部83dへの入球に係る遊技回では第1確定表示時間(0.6sec)となり、第2入球部83eへの入球に係る遊技回では当該第1確定表示時間よりも短い第2確定表示時間(0.3sec)となるように設定される。
総じて、高頻度サポートモード中は、第1入球部83dへの入球に基づく遊技回の実行時間(変動表示時間+確定表示時間)が相対的に短くなり、第2入球部83eへの入球に基づく遊技回の実行時間が相対的に長くなる。
入球部83d,83eへの入球によって、遊技球の払い出しや開閉実行モードへの移行抽選等の特典が享受できる反面、高確率モードから低確率モードへの降格のリスクを伴う。このような事情に配慮した場合、遊技を少しでも有利に進めようとすれば、遊技球の払い出しという特典のみを享受しつつ、高確のリスクを回避することが好ましい。ここで、本実施の形態においては、記憶可能な保留情報の数(保留数)に上限が設定され、保留数が上限に達している状況下にて更なる入球が発生したとしてもそれ以上の保留情報の取得は回避される構成となっている。つまり、敢えて保留数の上限を超える入球を発生させることにより、上述したような遊技を有利に進めることができる。
このような遊技を行う場合には、遊技回の実行期間をできるだけ稼ぎつつ、その間にできるだけ多くの遊技球を入球させることが重要となる。本実施の形態においては、高頻度サポートモード中にサポート抽選に当選した場合には、サポート当選結果に応じて遊技球の振分先が変化する。そして、振分先に応じて設定される変動表示時間に差が設定されている。このような構成とすることにより、高頻度サポートモードにおける遊技の単調化を抑制している。
ここで、図31及び図32のタイミングチャートを参照して、高頻度サポートモード(高確遊技状態)における遊技の流れについて説明する。図31では第2入球部83eへの入球に基づいて遊技が行われている場合の遊技の流れを例示しており、図32では第1入球部83dへの入球に基づいて遊技が行われている場合の遊技の流れを例示している。
(サポート当選結果D)
図31に示すように、ta1のタイミングにてサポート当選結果Dに当選した場合には、振分装置92が第2状態となり、電動役物91が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。ここで、第1入球部に係る保留数は「0」となっており、第2入球部に係る保留数は「4」となっている。そこで、ta2のタイミングにて主表示ユニット87(主表示部D)の第2入球部用表示部の変動表示が開始される。
ta3のタイミングにて下作動口83bを通じた第2入球部83eへの入球が発生すると、6個の遊技球が払い出されるとともに第2入球部83eに係る保留数は上限である「4」に更新される。続くta4のタイミングにて再び下作動口83bを通じて第2入球部83eへの入球が発生すると、保留数は既に上限に達しているため保留数は増加することなく6個の遊技球が払い出されることとなる。ta1のタイミングから所定の開放時間(1.2sec)が経過したta5のタイミングにて電動役物91が閉鎖状態に復帰する。この閉鎖状態は、所定の閉鎖時間(0.6sec)に亘って継続される。電動役物91が閉鎖状態となっている場合には、下作動口83bへの遊技球の流入が回避される。
ta5のタイミングから上記所定の閉鎖時間が経過したta6のタイミングでは再び電動役物91が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。これにより、下作動口83bへの遊技球の流入が許容される。その後、ta7のタイミング及びta8のタイミングにて下作動口83bを通じた第2入球部83eへの入球が発生すると6個の遊技球が払い出される。この時点では、依然として第2入球部用表示部における絵柄の変動表示が続いており且つ保留数は上限に達しているため保留数が増加することはない。
ta7のタイミングから所定の開放時間(1.2sec)が経過したta9のタイミングにて電動役物91が閉鎖状態に復帰する。この閉鎖状態は、所定の閉鎖時間(0.6sec)に亘って継続される。電動役物91が閉鎖状態となっている場合には、下作動口83bへの遊技球の流入が回避される。
ここで、ta2のタイミングから予め設定された変動表示時間(3.0sec)が経過したta10のタイミングでは、第2入球部用表示部における絵柄の変動表示が終了して所定の絵柄が停止表示される。そして、確定表示時間が経過したta12のタイミングでは第2入球部83eへの入球に係る保留情報に基づいて、次の遊技回が開始される。つまり、第2入球部用表示部の表示態様が確定表示から変動表示に切り替わる。
電動役物91についてはta8のタイミングにて閉鎖状態となった後、所定の閉鎖時間(0.6sec)が経過したta11のタイミングにて開放状態となり、所定の開放時間(1.2sec)が経過したta14のタイミングにて閉鎖状態となり、サポート当選結果Dに基づく一連のサポートが終了する。
第2入球部83eへの入球に基づく遊技回の実行時間(変動表示時間+確定表示時間)は、電動役物91のサポート実行時間よりも短くなってはいるものの、実質的に1のサポート実行時間内に1回の遊技回が実行される程度となっている。これに対して、第1入球部83dへの入球に基づく遊技回の実行時間(変動表示時間+確定表示時間)は、電動役物91のサポート実行時間よりも短く、且つ実質的に1のサポート実行時間内に複数回の遊技回が実行される。
(サポート当選結果C)
図32に示すように、tb1のタイミングにてサポート当選結果Cに当選した場合には、振分装置92が第1状態となり、電動役物91が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。ここで、第1入球部に係る保留数は「4」となっており、第2入球部に係る保留数は「0」となっている。そこで、tb2のタイミングにて主表示ユニット87(主表示部D)の第1入球部用表示部の変動表示が開始される。
tb3のタイミングにて下作動口83bを通じた第1入球部83dへの入球が発生すると、3個の遊技球が払い出されるとともに第1入球部83dに係る保留数は上限である「4」に更新される。続くtb4のタイミングにて再び下作動口83bを通じて第1入球部83dへの入球が発生すると、保留数は既に上限に達しているため保留数は増加することなく3個の遊技球が払い出されることとなる。tb1のタイミングから所定の開放時間(1.2sec)が経過したtb5のタイミングにて電動役物91が閉鎖状態に復帰する。この閉鎖状態は、所定の閉鎖時間(0.6sec)に亘って継続される。電動役物91が閉鎖状態となっている場合には、下作動口83bへの遊技球の流入が回避される。
tb5のタイミングから上記所定の閉鎖時間が経過したtb6のタイミングでは再び電動役物91が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。これにより、下作動口83bへの遊技球の流入が許容される。その後、tb7のタイミングにて下作動口83bを通じた第1入球部83dへの入球が発生すると3個の遊技球が払い出される。この時点では、依然として第1入球部用表示部における絵柄の変動表示が続いており且つ保留数は上限に達している。このため、第1入球部83dに係る保留数が増加することはない。
tb2のタイミングから予め設定された変動表示時間(2.0sec)が経過したtb8のタイミングでは、第1入球部用表示部における絵柄の変動表示が終了して所定の絵柄が停止表示される。そして、確定表示時間が経過したtb9のタイミングでは第1入球部83dへの入球に係る保留情報に基づいて、次の遊技回が開始される。つまり、第1入球部用表示部の表示態様が確定表示から変動表示に切り替わる。この際、記憶されている保留情報の数は「4」から「3」に減って、新たな保留情報の記憶が許容された状態となる。
その後、tb10のタイミングにて下作動口83bを通じた第1入球部83dへの入球が発生すると3個の遊技球が払い出される。これに伴い第1入球部83dに係る保留情報が新たに取得され、当該第1入球部83dに係る保留情報の数が上限の「4」に復帰する。
電動役物91が閉鎖状態から開放状態に切り替わったtb6のタイミングから所定の開放時間(1.2sec)が経過したtb11のタイミングにて、当該電動役物91は閉鎖状態に復帰する。この閉鎖状態は、所定の閉鎖時間(0.6sec)に亘って継続される。電動役物91が閉鎖状態となっている場合には、下作動口83bへの遊技球の流入が回避される。
tb11のタイミングから上記所定の閉鎖時間が経過したtb12のタイミングでは再び電動役物91が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。これにより、下作動口83bへの遊技球の流入が許容される。その後、tb13のタイミングにて下作動口83bを通じた第1入球部83dへの入球が発生すると3個の遊技球が払い出される。この時点では、依然として第1入球部用表示部における絵柄の変動表示が続いており且つ第1入球部83dに係る保留数は上限(4つ)に達している。このため第1入球部83dに係る保留数が増加することはない。
tb9のタイミングから予め設定された変動表示時間(2.0sec)が経過したtb14のタイミングでは、第1入球部用表示部における絵柄の変動表示が終了して今回の遊技結果に対応する所定の絵柄(図32においては外れ結果)が停止表示される。そして、確定表示時間が経過したtb15のタイミングでは、第1入球部83dへの入球に係る保留情報に基づいて次の遊技回が開始される。つまり、第1入球部用表示部の表示態様が確定表示から変動表示に切り替わる。また、tb15のタイミングでは、電動役物91の開放時間が経過して、開放状態から閉鎖状態へと復帰し、サポート当選結果Cに基づく一連のサポートが終了する。
このように、第1入球部83dへの入球に基づいて遊技が進行している場合には、第1入球部83dへの入球に基づく遊技回の実行時間(変動表示時間+確定表示時間)は、電動役物91のサポート実行時間よりも短く、実質的に1のサポート実行時間内に2回の遊技回が実行される。
高頻度サポートモードとなっている状況下にて第1入球部83dへの入球に基づいて遊技が進行している場合には、第2入球部83eへの入球に基づいて遊技が進行している場合と比較して、遊技進行のテンポが速くなる。このため、必然的に大当たり結果(例えば通常大当たり結果)となるのに要する時間が短くなる。これに対して、第2入球部83eへの入球に基づいて遊技が進行している場合には、第1入球部83dへの入球に基づいて遊技が進行している場合と比較して、遊技進行のテンポが遅くなる。このため、必然的に大当たり結果(例えば通常大当たり結果)となるのに要する時間が長くなる。つまり、入球先に応じて遊技進行のテンポが変わり、それに伴って払い出される遊技球の期待数についても変化することとなる。特に、第1入球部83d及び第2入球部83eについては、設定されている賞球の数にも差が設定されており、どちらの入球部83d,83eを主体に遊技が進行しているかによって出球率も変化することとなる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
相対的に入球率の高い高頻度サポートモードとなっている状況下にて「可変入球部」としての下作動口83bに流入した遊技球は、当該下作動口83bへの流入後に「第1入球口」としての第1入球部83d及び「第2入球口」としての第2入球部83eに振り分けられることとなる。ここで、第1入球部83dへの入球が発生した場合には遊技回の所要時間(実行時間:例えば変動表示時間+確定表示時間)として相対的に短い所要時間が設定され、第2入球部83eへの入球が発生した場合には遊技回の所要時間として相対的に長い所要時間が設定される。このように、下作動口83bへ流入した遊技球の入球先(振分先)に応じて所要時間を変化させることにより、遊技進行のリズムに変化を生じさせることができる。
本実施の形態においては特に、高頻度サポートモード中は低頻度サポートモード中と比較して変動表示時間が短縮される(所謂時短機能)が発揮される構成となっており、遊技の進行速度(消化速度)が上がることになる。遊技の進行速度を早くしようとすれば、必然的に遊技回間での所要時間の差が小さくなる。故に、間延びした遊技進行を抑制することができる反面、遊技が単調になるという弊害が生じやすくなると想定される。特に、完全外れ対応の遊技回は機械的に消化されることとなり、遊技が単調になりやすい。
そこで、上述したように入球が多発し得る高頻度サポートモード中に上記リズムの変化を発生させる構成とすれば、遊技進行が単調になることを好適に抑制することができる。つまり、入球確率の上昇に伴って時短機能を発揮させることが、遊技を単調にする要因となることを好適に抑制することができる。
高頻度サポートモード中は右ルートへ向けて遊技球を発射することにより、当該発射された遊技球の数よりも下作動口83bへの入球等に基づいて払出手段により払い出される遊技球の数の方が多くなるように設定されている。このため、高頻度サポートモードが長く続けば続くほど獲得できる遊技球の数(持ち球)が増えることとなる。このため、遊技者は大当たり結果となる前にできるだけ長く高頻度サポートモードでの遊技が行われることを期待して遊技を行うと想定される。ここで、遊技の進行速度については遊技回毎の実行時間に依存することとなる。本実施の形態では、下作動口83bに流入した遊技球の振分先(第1入球部83d/第2入球部83e)に応じて上述した実行時間が変化することとなる。詳しくは、第2入球部83eへの入球が発生した場合には当該入球に基づく実行時間が第1入球部83dへの入球に基づく実行時間よりも長く設定されている。このように、遊技球の振分先に応じて実行時間が変化する構成とすれば、下作動口83bへ流入した遊技球の振分先に応じて遊技進行のリズムを変化させることができる。故に、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
第1入球部83d及び第2入球部83eへの入球(取得された保留情報)に基づいて、大当たりの当否抽選及び低頻度サポートモードへの降格抽選と、遊技球の払い出しとが行われる。大当たりや遊技球の払い出し等の特典を得ようとすれば、必然的に低頻度サポートモードへの降格のリスクを負うこととなる。このため、1の付与判定が行われるまでに少しでも多くの入球を発生させることが遊技を有利に進める上で重要となる。このような遊技態様にて上述した実行時間の差違を設けることには、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度を好適に向上させるという技術的意義がある。
第1入球部83dへの入球に基づいて取得される保留情報の記憶数には予め定められた上限が設けられており、第2入球部83eへの入球に基づいて取得される保留情報の記憶数にも予め定められた上限が設けられている。複数の保留情報が記憶されている場合には、それら保留情報に対して大当たり等の抽選が順次行われることとなる。ここで、記憶されている保留情報の数が上限に達している状況下にて新たな入球が発生した場合には、当該入球に基づいた保留情報の取得が規制される一方、当該入球に基づいた遊技球の払い出しは許容される構成となっている。つまり、記憶できる保留情報の数に上限が設定されている場合には、上限を超えた入球の発生に基づく保留情報の取得が回避される。故に、上限を超えている状況下での入球については、遊技球の払い出しというメリットを享受できる一方、低頻度サポートモードへの降格のリスクを負うというデメリットは発生しない(高頻度サポートモードの終了契機となることを回避できる)。
上述したように、高頻度サポートモードにおいてはできるだけ時間を稼ぐことが遊技を有利に進めることに直結すれば、遊技球の発射を抑えて入球が1つずつ発生するような遅延行為がなされる可能性を否定できない。仮にこのような遅延行為が行われた場合には、上述した単調化抑制機能を上手く発揮できなくなるばかりか遊技機の稼働率が低下する等の不都合が生じ得る。また、遊技進行を加速させるという高頻度サポートモード本来の機能まで無駄になり得る。
この点、実施の形態によれば、上限を超えた入球を狙って遊技を行うように促すことができ、遊技球の発射操作が継続されやすくなる(所謂変則打ちが行われにくくなる)。これにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
特に、第1入球部83dに係る保留情報の記憶数が上限に達している場合には、第1入球部83dへの入球によって上記恩恵のみを享受でき、第2入球部83eに係る保留情報の記憶数が上限に達している場合には第2入球部83eへの入球によって上記恩恵のみを享受できる。つまり、状況に応じて好ましい振分先が変化することとなる。これにより、遊技の単調化を一層好適に抑制できる。
記憶されている保留情報の数に応じて、第1入球部83dに係る変動表示時間と第2入球部83eに係る変動表示時間との差が変化するように構成されている。下作動口83bへ流入した遊技球に基づいて保留情報が取得される構成においては、記憶されている保留情報の数が遊技進行に応じて増減することとなる。このような不規則さを利用して設定される変動表示時間の差を変化させることにより、遊技の更なる多様化に貢献できる。
特に、第1入球部83dに係る変動表示時間と第2入球部83eに係る変動表示時間との差については、記憶されている保留情報の数が上限に近づくことにより小さくなるように構成されている。上述したように上限を超えた入球についてはデメリットを回避することができる構成では、上限を超える入球を狙って遊技が行われると想定される。ここで、仮に想定的に不利な(所要期間が短い)第1入球部83dへの振り分けが行われる状態となった場合には、敢えて遊技球の発射を行うことなく、当該状態をやり過ごして有利な状態への切り替わりをまつという選択肢が発生し得る。仮に、このような有利な状態を狙い打ちするという行為がなされた場合には、高頻度サポートモードにおける稼働率が低下してしまう。そこで、本実施の形態に示すように記憶上限付近での第1入球部83dに係る変動表示時間と第2入球部83eに係る変動表示時間との差を小さくすることにより、多少の実行時間の減縮が発生するとしてもそれを承知で上限を超えた入球を狙うことによるメリットが生じ得ることとなり、遊技の継続を促すことができる。故に、実行時間の差が遊技を多様化するという機能を発揮させる上で妨げとなることを抑制できる。
記憶されている保留情報の数が多くなることで実行時間が短縮される機能(所謂時短機能)が搭載されている場合には、できるだけ所要期間を稼ごうとした場合に、敢えて記憶されている保留情報の数を減らした状態とした後、一気に上限越えを狙って遊技球が発射される可能性がある。これでは、高頻度サポートモードにおける稼働率が低下すると想定される。このような事情に配慮して、記憶されている保留情報の数が上限に近づくことで短縮度合いを小さくすることにより、上述した手法で遊技を行うことによるメリットを抑え、遊技の迅速な進行を促すことができる。
また、高頻度サポートモードにおいても持ち球の増加が期待できる場合には、増加率が開閉実行モードとなっている場合と同じになっては、遊技進行上の当該高頻度サポートモードと開閉実行モードとの差違が小さくなって、遊技進行(出球)が単調になり得る。そこで、本実施の形態に示すように高頻度サポートモードにおける遊技球の増加率を開閉実行モードにおける遊技球の増加率よりも低くすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。
作動入球ユニット83に配設された振分手段83gは、下作動口83bへ流入した遊技球を第1入球部83dへ振り分ける第1案内状態と、下作動口83bへ流入した遊技球を第2入球部83eへ振り分ける第2案内状態とに切り替え可能なっている。このように、振分手段83gを第1案内状態/第2案内状態に切替可能とすることにより、振分先の偏りを変化させることができる。例えば、第1入球部83dへの入球を頻発させることで遊技進行を加速させたり、第2入球部83eへの入球を頻発させることで遊技進行を減速(遅延)させたりすることができる。これにより、遊技進行のリズムに大きな流れを発生させて、遊技の単調化の抑制に貢献できる。
「切替手段」としての電動役物91の開放状態への切り替えを契機として上記振分手段83gの案内状態が切り替わる構成とすることにより、電動役物91の動きと振分手段83gの状態変化とに関連性を付与することができる。そもそも遊技球が下作動口83bに流入しなければ遊技球が第1入球部83d/第2入球部83eに入球することがないが、流入後の振分先は振分手段83gに依存するため、遊技者が注目すべき箇所が増えることとなる。これは、上述した各種効果を発揮する上では好ましい反面、遊技者の目等に係る負担を増加させる要因になる。そこで、そもそも遊技者の注目が向きやすい電動役物91の動きに合わせて振分手段83gの状態を変化させる構成とすることにより、遊技者が振分手段83gに注目すべきタイミングが明らかとなるため、上記不都合が生じることを好適に抑制できる。
低頻度サポートモードとなっている場合には下作動口83bに流入した遊技球が第1入球部83d及び第2入球部83eに交互に振り分けられるように振分手段83gの切り替えを許容し、高頻度サポートモードとなっている場合には下作動口83bに流入した遊技球が第1入球部83d及び第2入球部83eの一方に連続して振り分けられるように振分手段83gの状態切替を規制する構成とした。このように、サポートモードに応じて遊技球の振分態様を変化させることにより、低頻度サポートモードにおける遊技と高頻度サポートモードにおける遊技との更なる差別化を実現できる。特に、低頻度サポートモードよりも入球頻度(入球確率)が高い高頻度サポートモード中に入球先の偏りを生じさせることにより、上述した実行時間の差にも基づく遊技進行のリズム変化を好適に発揮させることができる。
電動役物91は遊技領域PEに設けられたスルーゲート84を遊技球が通過したことに基づいて開放状態に切り替える構成となっており、下作動口83b及びスルーゲート84は右ルートに配置されている。左ルートへ発射された遊技球はこれら下作動口83bやスルーゲート84への入賞が困難又は不可となっており、右ルートへ発射された遊技球はそれら下作動口83bやスルーゲート84への入賞が許容されている。ここで、遊技球の発射操作の工夫等によって遊技を有利に進めることができるような技術の介入が許容される場合には遊技者の技術等によって取得できる利益が変わり、公平性が損なわれやすくなる。そこで、電動役物91を開放状態に切り替えるべくスルーゲート84を狙って遊技球を発射すれば必然的に当該遊技球が下作動口83bへ到達する構成とすれば、下作動口83bへの入球を回避しつつ、電動役物91を開放状態に切り替えることが困難になる。これにより、第1入球部83dへの入球を抑えつつ第2入球部83eへの入球を発生させることが困難となり、両入球部83d,83eに係る変動表示時間を相違させる構成としたことによる技術的意義を好適に担保できる。
遊技回の実行時間は、主表示部Dの入球部用表示部における絵柄の変動表示時間と、遊技結果を明示する確定表示時間とを含んでなり、第1入球部83dへの入球に基づいて設定される変動表示時間と第2入球部83eへの入球に基づいて設定される変動表示時間とを比較した場合には、前者よりも後者の方が長くなるように構成している。このように、実行時間が絵柄の変動表示を行う変動表示時間を含んでなる構成においては、変動表示時間を遊技の状況に応じて変化させることにより、遊技の単調化を抑制している。このような構成を利用して、各入球部83d,83eに係る変動表示時間の差別化を図ることにより、実用上好ましい構成を実現できる。
また、近年では上述したように記憶されている保留情報の数が多くなることで、図柄の変動表示時間を短縮する所謂時短機能が搭載された遊技機が提案されている。この種の遊技機においては、高頻度サポートモードとなって入球確率が上がることにより、上記時短機能が発揮されやすい状況になる。つまり、上述した時短機能が強く発揮されている場合には、実行時間において確定表示時間の占める割合が大きくなる。そこで、この確定表示時間の差によって実行時間に差を生じさせる構成とすれば、時短機能及び遊技結果の報知機能を担保しつつ、上述した各種効果を担保することができる。そして、このような差の存在が埋没して実行時間の違いが分かりづらくなることを好適に抑制できる。
本実施の形態においては、作動入球ユニット83の上作動口83aに流入した遊技球は案内通路83cを通じて第1入球部83dへ入球し、下作動口83bに流入した遊技球は第1入球部83d及び第2入球部83eの何れかに入球することとなる。ここで、サポートモードが低頻度サポートモードとなっている場合には下作動口83bへの流入が困難となるため、遊技球は主として上作動口83aへ流入する。故に、ほとんどの遊技球の入球先は第1入球部83dとなる。一方、サポートモードが高頻度サポートモードとなっている場合には下作動口83bへの流入が容易となるため、遊技球は主として下作動口83bへ流入する。但し、下作動口83bへ流入した遊技球は、その後に第1入球部83d及び第2入球部83eの何れかに振り分けられることとなるため、第2入球部83eへの入球の可能性が高まる。ここで、第1入球部83dへの入球に基づく特典と第2入球部83eへの入球に基づく特典とが相違している。具体的には、第2入球部83eに係る特典が優遇されているため、遊技者は第2入球部83eへの入球を期待して遊技を行うと想定される。つまり、高頻度サポートモードにおいては、入球後の遊技球の振分先に応じて遊技を有利に進行させることができるか否かが変わることとなる。これにより、高頻度サポートモード中の遊技の単調化を好適に抑制できる。
下作動口83bに流入した遊技球が第1入球部83d又は第2入球部83eへと流入する場合に、当該遊技球を振り分ける手段を設けることにより、当該振分手段83gが遊技者の注目の的になる。これにより、遊技球の挙動への注目度を好適に向上させることができる。また、振分手段83gを有する構成では、例えば振分手段83gの姿勢等を変化させることで振分態様を変化させることが可能となり、遊技球の挙動の単調化を好適に抑制できる。
低頻度サポートモードとなっている状況下であっても高頻度サポートモードよりは流入の確率が下がるものの、下作動口83bへの流入が否定されているわけではない。本実施の形態によれば、低頻度サポートモード/高頻度サポートモードに応じて振分手段83gによる振分態様が変更される。つまり、単に高頻度サポートモードでは下作動口83bへの入球の可能性が高くなるだけでなく、振分態様そのものを変更される。これにより、サポートモードと振分態様とに関連性を付与することが可能となり、遊技の単調化の抑制に好適に寄与できる。
高頻度サポートモードとなることで主制御装置162からの駆動信号によって振分手段83gの状態が第1案内状態/第2案内状態に強制的に切り替わる。低頻度サポートモードでは遊技球の通過に伴って振分手段83gの姿勢が変更されることにより遊技球が第1入球部83d及び第2入球部83eへ交互に振り分けられる。これにより、下作動口83bに係る入球先の偏りが回避される。これに対して、高頻度サポートモードでは振分手段83gが駆動制御されて振分手段83gの姿勢の変更が規制されることにより、遊技球の入球先に偏りが発生する。
既に説明したように、高頻度サポートモードにおいては下作動口83bへの遊技球の流入確率が高くなることにより遊技進行の迅速化が実現される。このようなスピードアップを図ることで、遊技進行が単調になる可能性が高くなる。そこで、高頻度サポートモード中は、遊技球の振分先を各種条件に応じて規定して上述した偏りを発生させることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、サポート当選結果となったタイミングで振分装置92を第1案内状態/第2案内状態に切り替える構成としたが、このようなタイミングにて振分装置92が動作する場合には、振分装置92の状態を目視で確認して遊技者に有利な第2案内状態だけを狙って遊技球の発射操作が行われる可能性が高くなる。これでは、パチンコ機10の稼働率が低下するだけでなく、高頻度サポートモードにおける時短機能等が上手く発揮されなくなる。故に、高頻度サポートモードを設けたそもそもの技術的意義が低下し得ると懸念される。
本実施の形態では、このような事情に配慮して、振分装置92の駆動制御に係る構成を工夫することにより切替タイミングを変更していることを特徴の1つとしている。以下、図33及び図34のフローチャートを参照して、第1の実施の形態との相違点(振分装置92の駆動制御に係る各種処理)について説明する。なお、本実施の形態に示す遊技機の主要な構成については上記第1の実施の形態に示した遊技機の構成と共通になっているため、これら共通の構成については説明を援用する。
(振分装置駆動準備処理)
主制御装置162のMPU402では上記通常処理(詳しくは電役サポート用処理)の一環として振分装置駆動準備処理が実行される。図33に示すように、振分装置駆動準備処理では、先ずステップS1101にて振分装置92の状態把握処理を実行する。具体的には、位置検知センサ83iからの検知情報に基づいて、振分手段83gが第1案内状態及び第2案内状態の何れの状態となっているかを把握する。ステップS1101にて把握処理を実行した後は、ステップS1102に進み、解除用の設定処理を行う。本実施の形態においても、高確遊技状態となっている状況下にてサポート当選結果C又はサポート当選結果Dとなった場合には、振分装置92が自由に回動可能なフリー状態から、第1案内状態又は第2案内状態に固定された状態(ロック状態)に切り替わる。ステップS1102では、このように遊技球の振分先が固定された状態を解除するための準備を行う。これにより、電動役物91による一連のサポートが実行された後に上記強制振分が解除されることとなる。
ステップS1102の処理を実行した後はステップS1103に進む。ステップS1103では今回の当選結果がサポート当選結果Dであるか否かを判定する。ステップS113にて肯定判定をした場合には、ステップS1104に進む。
上述したようにサポート当選結果Dは振分装置92の第2案内状態への切り替えに対応しており、ステップS1101における把握結果に基づいてステップS1104では既に第2案内状態となっているか否かを判定する。ステップS1104にて肯定判定をした場合にはステップS1105に進み、振分駆動部83hに対して第2案内状態への切替用の駆動信号の出力開始処理を実行する。これにより第2案内状態となっている振分装置92は当該第2案内状態に固定され、第1案内状態への切り替えが規制されることとなる。
ステップS1104にて否定判定をした場合、すなわち振分装置92が第1案内状態となっている場合には、ステップS1106に進む。ステップS1106では、第2案内状態への切替用の駆動信号の出力待機処理を行う。これにより、後述する出力開始条件が成立するまで、駆動信号の出力が回避されることとなる。
ステップS1103の説明に戻り、当該ステップS1103にて否定判定をした場合、すなわち今回の当選結果がサポート当選結果Cであると判定した場合には、ステップS1107に進む。上述したようにサポート当選結果Cは振分装置92の第1案内状態への切り替えに対応しており、ステップS1101における把握結果に基づいてステップS1107では既に第1案内状態となっているか否かを判定する。ステップS1107にて肯定判定をした場合にはステップS1108に進み、振分駆動部83hに対して第1案内状態への切替用の駆動信号の出力開始処理を実行する。これにより第1案内状態となっている振分装置92は当該第1案内状態に固定され、第2案内状態への切り替えが規制されることとなる。
ステップS1107にて否定判定をした場合、すなわち振分装置92が第2案内状態となっている場合には、ステップS1109に進む。ステップS1109では、第1案内状態への切替用の駆動信号の出力待機処理を行う。これにより、後述する出力開始条件が成立するまで、駆動信号の出力が回避されることとなる。
次に、図34のフローチャートを参照して振分装置駆動用処理について説明する。
(振分装置駆動用処理)
主制御装置162のMPU402では上記通常処理(詳しくは電役サポート用処理)の一環として振分装置駆動用処理が実行される。図34に示すように、振分装置駆動用処理では、先ずステップS1201にてRAM404の各種フラグ格納エリア435にサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1201にて否定を判定した場合には、ステップS1202に進み、サポートを終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1202にて否定判定をした場合にはそのまま本振分装置駆動用処理を終了する。
ステップS1202にて肯定判定をした場合には、ステップS1203にて待機状態解除処理を実行した後、本振分装置駆動用処理を終了する。待機状態解除処理においては、先の振分装置駆動準備処理にて駆動信号の出力待機状態としたにも関わらず、後述する出力開始条件が成立することなくサポートが終了する場合に、当該出力待機状態を解除する。
ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1204に進む。ステップS1204では第2案内状態への切り替えに係る待機状態となっているか否かを判定する。ステップS1204にて肯定判定をした場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、振分装置92が第2案内状態に切り替わったか否かを判定する。具体的には、位置検知センサ83iからの検知情報に基づいて振分装置92の振分手段83gが第2案内状態に切り替わったか否かを判定する。ステップS1205にて否定判定をした場合にはそのまま本振分装置駆動用処理を終了する。ステップS1205にて肯定判定をした場合には、振分装置92を第2案内状態に維持すべく、第2案内状態維持用の駆動信号の出力開始処理を実行する。つまり、振分装置92が下作動口83bに流入した遊技球の重さ等によって第2案内状態に切り替わることが第2案内状態維持用の駆動信号の出力を開始する出力開始条件成立となっている。
ステップS1204の説明に戻り、当該ステップS1204にて否定判定をした場合にはステップS1207に進む。ステップS1207では、第1案内状態への切り替えに係る待機状態となっているか否かを判定する。ステップS1207にて肯定判定をした場合には、ステップS1208に進む。ステップS1208では、振分装置92が第1案内状態に切り替わったか否かを判定する。具体的には、位置検知センサ83iからの検知情報に基づいて振分装置92の振分手段83gが第1案内状態に切り替わったか否かを判定する。ステップS1208にて否定判定をした場合にはそのまま本振分装置駆動用処理を終了する。ステップS1208にて肯定判定をした場合には、振分装置92を第1案内状態に維持すべく、第1案内状態維持用の駆動信号の出力開始処理を実行する。つまり、振分装置92が下作動口83bに流入した遊技球の重さ等によって第1案内状態に切り替わることが第2案内状態維持用の駆動信号の出力を開始する出力開始条件成立となっている。
以上の構成によれば、振分装置92の状態を見てサポート当選結果の種別を把握することが困難となる。つまり、実際に下作動口83bに遊技球を流入させることで第1案内状態/第2案内状態の何れかであることを把握できる。このため、遊技者は振分装置92の状態に応じて遊技球の発射の可否を決めることにより遊技を有利に進めることが事実上困難となり、継続的な遊技球の発射を促すことができる。これにより、振分装置92の状態を強制的に切り替えることにより出球の偏りを発生させる機能や遊技進行の単調化を抑制する機能が上手く活用されなくなることを抑制できる。
<第3の実施の形態>
上述の如く有利度に差が設定された複数の入球部83d,83eを有し、振分装置92によってそれら入球部83d,83eへの遊技球の振り分けがなされる場合、当該振分装置92による振分結果が遊技進行に与える影響が大きくなる。このような振分機能が付与されているタイプの遊技機では、振り分けに係る構成に対して遊技者の注目が向きやすくなると想定される。
上記第1の実施の形態では、高確遊技状態にてサポート当選結果Cとなった場合に遊技球が通過する経路とサポート当選結果Dとなった場合に遊技球が通過する経路とが画一的となっていた。具体的には、高確遊技状態にてサポート当選結果Cとなった場合には入球対象が第1入球部83dに限定され、サポート当選結果Dとなった場合には入球対象が第2入球部83eに限定される構成となっていた。係る構成は、遊技球の入球先の偏りを大きくして遊技進行のリズムを変化させる上では非常に効果的であるが、振分先が画一的となることが遊技球の動きに対する遊技者の注目を低下させる要因にもなり得る。
ここで、振分時の遊技球の挙動を多様化し、何れの当選結果であっても遊技球の挙動に応じて第1入球部及び第2入球部への入球の可能性を残す構成とすれば、上記不都合の発生を抑制することができる。本実施の形態においては、このような事情に配慮して振分装置に係る構成が工夫されている。以下、図35を参照して振分装置及びそれに関連する構成について説明する。図35(a)は第3の実施の形態における遊技盤ユニット80Xを示す正面図、図35(b)は作動入球ユニット83Xの内部構造を示す概略図である。
図35(a)に示すように、本実施の形態における遊技盤ユニット80X(遊技盤80aX)においては、可変入賞装置82が図柄表示装置253の上方(右ルートの上流領域)に移設されており、図柄表示装置253の右側となる領域にスルーゲート84と電動役物91が付属する右作動口83bX(第1の実施の形態における下作動口83bに相当)とが設けられている。スルーゲート84及び右作動口83bXは、右ルートにおいてスルーゲート84が上流側、右作動口83bXが下流側となるようにして上下に並設されている。右作動口83bXはスルーゲート84の直下に位置しており、スルーゲート84を通過した遊技球がそのまま右作動口83bXへ向けて落下するように構成されている。
右作動口83bXに付属の電動役物91が開放状態となっている場合にはスルーゲート84を通過した遊技球は右作動口83bXに流入し、電動役物91が閉鎖状態となっている場合にはスルーゲート84を通過した遊技球は電動役物91にはじかれて右作動口83bXを素通りすることとなる。
ここで、遊技領域PEには、図柄表示装置253の右方に位置する右作動口83bXと図柄表示装置253の下方に位置する作動入球ユニット83Xとを繋ぐ連絡路として機能する球通路ユニット600Xが配設されている。球通路ユニット600Xは、左斜め下方に傾斜するようにして傾けた状態で配置されており、斜めに延びる第1球通路601Xと当該第1球通路601Xの下側に並設された第2球通路602Xとを有している。これら第1球通路601X及び第2球通路602Xの出口部分は作動入球ユニット83Xに繋がっており、電動役物91が開放されている状況下にて右作動口83bXに流入した遊技球は第1球通路601X又は第2球通路602Xを通じて作動入球ユニット83Xへ案内されることとなる。
本実施の形態に示す作動入球ユニット83Xについては、一部の構成が上記第1の実施の形態に示した作動入球ユニット83と相違している。以下、図35(b)を参照して作動入球ユニット83Xについて説明する。
(作動入球ユニット83X)
作動入球ユニット83Xには、上作動口83aXに流入した遊技球を遊技盤80aXの背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路83cXが形成されている。案内通路83cXは、その途中位置にて第1分岐通路83dX及び第2分岐通路83eXに分岐している。なお、案内通路83cXについては遊技機前方から透視可能となっており、当該案内通路83cXを通過する遊技球の分岐先を目視で確認することが可能となっている。
案内通路83cXにおける分岐位置には当該分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路83dX及び第2分岐通路83eXへ交互に振り分ける振分手段83gXが設けられている。振分手段83gXは、分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路83dXへ案内する第1案内状態と第2分岐通路83eXへ案内する第2案内状態とに切替可能なっている。この振分手段83gXは、遊技球を案内したことに基づいて一方の案内状態から他方の案内状態に切り替る構成となっている。故に、上作動口83aXに流入した遊技球は、順次第1分岐通路83dX/第2分岐通路83eXに振り分けられることとなる。
上述した第1球通路601Xは連絡通路83nXを介して第2分岐通路83eXに繋がっており、当該第1球通路601Xを通じて作動入球ユニット83Xに流入した遊技球は第2分岐通路83eXへ直接流入する。また、上述した第2球通路602Xは連絡通路83mXを介して第1分岐通路83dXに繋がっており、当該第2球通路602Xを通じて作動入球ユニット83Xに流入した遊技球は第1分岐通路83dXに直接流入する。つまり、上作動口83aXに流入した遊技球については両分岐通路83dX,83eXに流入する一方、右作動口83bXに流入した遊技球は第1球通路601X及び第2球通路602Xの何れを経由したかに応じて流入先が一義的に決まる構成となっている。
本実施の形態においては、第1の実施の形態に示した振分駆動部や位置検知センサに相当する構成が省略されており、右作動口83bXへ流入した遊技球の振分機能が球通路ユニット600Xに付与されている。
以下、図25(a)を参照して球通路ユニット600X及びそれに関連する構成について説明する。
(球通路ユニット600X)
球通路ユニット600Xは、第1球通路601Xを形成する第1通路形成体610Xと当該第1通路形成体610Xを保持するホルダ620X(図36参照)を有する振分機構605Xとを有してなり、このホルダ620Xが遊技盤80aXに固定されることで当該遊技盤80aXと振分機構とが一体化されている。振分機構の下側には第2球通路602Xを形成する第2通路形成体650Xが設けられている。第2通路形成体650Xは樋状をなしており、その開放部分が上側(振分機構側)を向くようにして遊技盤80aXに固定されている。詳細については後述するが振分機構605Xは第1球通路601Xの途中位置にて当該第1球通路601Xから遊技球が流出し得る構成となっており、当該第1球通路601Xから流出した遊技球が第2通路形成体650Xに流入することとなる。
第1通路形成体610Xは略円筒状をなしており、左下がりとなるように斜めに傾けた状態で配置されている。第1通路形成体610Xの内周面によって上記第1球通路601Xが区画形成されている。このように、第1通路形成体610Xを円筒状とすることにより、通路内にて遊技球の前後動(揺動)が許容されている。
第1通路形成体610Xの上側の端部は、当該第1通路形成体610Xにより区画形成された第1球通路601Xの入口部分となっており、当該入口部分は右作動口83bXに連通している。第1通路形成体610Xの下側の端部は第1球通路601Xの出口部分となっており、この出口部分は作動入球ユニット83Xに形成された流入通路を通じて上記第2分岐通路83eXと連通している。
ここで、図36及び図37を参照して振分機構605Xについて補足説明する。図36は振分機構605Xの分解斜視図、図37(a)は振分機構605Xの横断面図、図37(b)は振分機構605Xの縦断面図である。
(振分機構605X)
図36に示すように、第1通路形成体610Xの途中位置には、第1球通路601Xを挟んで相対向するようにして第1開放部615Xと第2開放部616Xとが形成されている。詳しくは、第1通路形成体610Xは入口部分611Xが形成されている上流側環状部613Xと、出口部分612Xが形成されている下流側環状部614Xとが確保されてなり、これら環状部613X,614Xが形成されている部分を除いた中間部分に上記開放部615X,616Xが形成されている。なお、図36においては、第1開放部615Xが上側、第2開放部616Xが下側を向くようにして第1通路形成体610Xが配置されている状態を示している。
ホルダ620Xは、上流側環状部613Xに係合する上流側リング部621Xと、下流側環状部614Xに係合する下流側リング部622Xと、これらリング部621X,622Xを繋ぐ前後1組の連結部623Xとにより構成されている。連結部623Xは球通路の通路方向(第1通路形成体610Xの中心軸線CL3)と同じ方向に延びる長尺状をなしている。ホルダ620Xを第1通路形成体610Xを覆うケース状とすることなく、上下に開放させることにより、第1通路形成体610Xの中間部分を上下に露出させることが可能となっている。開放部615X,616Xは遊技球の通過を許容する大きさとなっており、ホルダ620Xの開放部分→第1通路形成体610Xの開放部615X,416を通じた遊技球の流出経路が確保されている。
なお、本実施の形態においては球通路ユニット600Xの上方に遊技釘93が配設され、右作動口83bXを経由することなく球通路ユニット600Xへ遊技球が流入することが規制されているが、この障壁としての機能をホルダ620Xに付与することも可能である。例えば、ホルダ620Xに第1通路形成体610Xを上側から覆うカバー部を設けてもよい。
第1通路形成体610Xを外側から囲むようにして保持することにより、第1通路形成体610Xについてはその中心軸線CL3を中心とする回転が許容されている。球通路ユニット600Xは、中心軸線CL3を中心として所定方向(右側(上流側)から見て時計周りとなる方向)に第1通路形成体610Xを回転させる駆動ユニット630Xを有している。以下、図37を参照して、第1通路形成体610Xの取り付け及び動作に係る構成について説明する。
遊技盤80aXには、後方に凹む凹部264Xが形成されている。この凹部264Xの深さは、ホルダ620Xの肉厚と同程度となるように形成されており、遊技盤80aXの前面からの第1通路形成体610Xのオフセット量が大きくなることを抑制している。これは、遊技盤80aXの前面に沿って流下(移動)する遊技球が第1通路形成体610Xに流入する際の引っ掛かりを抑えるための工夫である。
凹部264Xの底部には、後側の連結部623Xに形成されたフランジ部624Xが挿入される挿入部265Xと、上記駆動ユニット630Xを収容する収容部266Xとが並設されている。フランジ部624Xと挿入部265Xとが係合することにより、振分機構605Xの位置決めがなされている。
ホルダ620Xの上流側リング部621Xにおいて上記収容部266Xと対向する部分には、スリット625Xが形成されている。このスリット625Xを通じて上流側環状部613Xの一部が収容部266X(後方)に露出している。駆動ユニット630Xは、モータ631Xと、当該モータ631Xの出力軸に固定され上流側環状部613Xの外周面に配列された歯部(ギア)に係合するギア632Xとを有してなる。
モータ631Xは主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。遊技機の電源がONとなっている状況下では、第1通路形成体610Xが所定の速度で回転(定常回転、定速回転)するように構成されている。
次に、図36及び図38を参照して第1通路形成体610Xの開放部615X,616Xについて補足説明する。図38は第1通路形成体610Xを回転させた状態を示す正面図である。
図36に示すように、第2開放部616Xは丸孔状をなしており、その直径寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなるように形成されている。回転方向において第2開放部616Xを挟んだ両側には肉部が確保されており、これら肉部が第2開放部616Xを迂回する迂回通路を形成している。
図38(a)に示すように、第2開放部616Xが下側を向いている状態では、第1球通路601Xを流下する遊技球の当該第2開放部616Xを通じた排出が促進される。一方、図38(b)に示すように、第2開放部616Xが上側を向いている状態では、当該第2開放部616Xを通じた遊技球の排出が抑制されることとなる。既に説明したように、第1通路形成体610Xが円筒状をなし、内部での遊技球の前後動が許容されているため、遊技球の挙動によっては第2開放部616Xが真下を向いている状態であっても、当該第2開放部616Xからの遊技球の排出が回避される場合もある。
ここで、図36を参照して第1開放部615Xについて説明する。第1開放部615Xは、第2開放部616Xよりも上流側に延びる上流側スリット617Xと、第2開放部616Xよりも下流側に延びる下流側スリット618Xとそれら両スリット617X,618Xを繋ぐ中央開口619Xとにより構成されている。
第1開放部615Xが上側を向いている状態では当該第1開放部615Xを通じた第1球通路601Xからの遊技球の流出が回避され、第1開放部615Xが下側を向いている状態では当該第1開放部615Xを通じた第1球通路601Xからの遊技球の流出が許容されることとなる。つまり、第1開放部615Xについても第2開放部616Xと同様に、第2球通路602Xへの流入口及び第1球通路601Xからの流出口としての機能が付与されており、第1通路形成体610Xの回転位置に応じてそれら機能が有効/無効で切り替る構成となっている。
ここで、上流側スリット617X及び下流側スリット618Xは、中央開口619Xを基端とする延出方向が相違しており、それにより開放部分の向きに上記所定の回転方向における位相差が生じている。具体的には、図38(a)に示すように下流側スリット618Xが遊技機正面側を向いた状態では上流側スリット617Xが斜め後方を向くように、言い換えれば図38(b)に示すように上流側スリット617Xが遊技機正面側を向いた状態では下流側スリット618Xが斜め後方を向くように構成されている。
このように、上流側スリット617X及び下流側スリット618Xに位相差を設けることにより、第1開放部615Xを通じた第1球通路601Xから第2球通路602Xへの遊技球の流出が許容されるタイミングと、流出が回避されるタイミングとを、第1球通路601Xにおける遊技球の到達位置に応じて相違させることが可能となっており、遊技球の流下態様の多様化を実現している。
ここで、図39の概略図を参照して、振分機構605Xの動作と遊技球の流下態様との関係について例示する。
図39(a)→図39(b)に示すように、第2開放部616Xが後方に位置する(後方を向いている)状態にて入口部分611Xから遊技球が流入すると、第1開放部615Xの上流側スリット617Xが斜め上方を向いているため、当該遊技球は第1球通路601Xから排出されることなく、当該第1球通路601Xに沿って流下する。仮に、上流側スリット617Xが下側を向いている状況下にて遊技球が当該スリット617Xに到達した場合には、当該遊技球はスリット617Xを通じて第1球通路601Xから第2球通路602Xへ排出されることとなる。
図39(b)に示すように、第1通路形成体610Xの回転に伴って第2開放部616Xが下側を向く状態となっている場合に、当該第2開放部616Xに遊技球が到達した場合には、当該遊技球が第2開放部616Xを横切るようにしてそのまま流下を続けるか、それとも当該第2開放部616Xを通じて第1球通路601Xから第2球通路602Xへ排出されるかの振り分けが行なわれる。
図39(b)→図39(c)に示すように、遊技球が第1通路形成体610Xの中間位置に到達するまでに第1通路形成体610Xの回転位置が変わって第2開放部616Xが正面側又は背面側を向いている状態となった場合には、第2開放部616Xの両側に確保された上記肉部を伝って遊技球が第2開放部616Xよりも下流側となる領域へ移動する。これにより、上流領域及び中流領域での排出が回避される。
図39(c)→図39(d)に示すように、下流側スリット618Xが真下を向く前に遊技球が下流領域に到達した場合には、そのまま連絡通路83mXを通じて下作動口83bへ入球する。一方、下流側スリット618Xが真下を向いている状態にて下流側領域に遊技球が到達した場合には、当該遊技球が下流側スリット618Xを前側又は後側から迂回して下流側スリット618Xを回避することによりそのまま流下を続けるか、それとも当該下流側スリット618Xを通じて第1球通路601Xから排出されるかの振り分けが行なされる。
ここで、第1通路形成体610Xの内周面は回転中心軸線CL3と直交する断面が円弧状をなすように形成されている。この内周面の直径寸法は遊技球の直径寸法よりも大きく設定されていることにより、第1球通路601Xを通過際の遊技球の前後方向への揺動が許容されている。第1球通路601Xの入口部分611Xについては特に、敢えて前後方向の位置を規定しない構成となっている。つまり、入口部分611Xに流入する際の遊技球の流入位置や流入角度のばらつきを敢えて許容している。
このような構成とすることにより、遊技球が第1球通路601Xに沿って流下する際に、前後方向での位置変化が生じ、遊技球の動きを多様化している。このような動きをすることにより、例えば上述した下流側スリット618Xの迂回が許容されている。
本実施の形態に示す球通路ユニット600X(第1通路形成体610X)については、遊技状態に応じてその動作態様が変化する構成となっている。具体的にはサポートモードが低頻度サポートモードとなっている場合又は高頻度サポートモード且つ低確率モードとなっている場合には、所定の速度で回転を続ける構成となっている。このような、定常回転を通常動作と称する。これに対して、サポートモードが高頻度サポートモードであり且つ抽選モードが高確率モードである高確遊技状態である場合には、第1通路形成体610Xの動作態様が通常態様から特殊態様に変更されることとなる。特殊態様での動作については、第1通路形成体610Xが回転→停止を繰り返すこととなる。
パチンコ機10の電源がONとなった場合には、遊技状態が高確遊技状態であるか否かを判定し、高確遊技状態ではないと判定した場合には、球通路ユニット600Xのモータ631Xへの駆動信号の出力を開始する。これにより、第1通路形成体610Xは所定の速度で定常回転することとなる。
遊技状態が高確遊技状態へ移行した場合には、当該高確遊技状態が終了するまで上述したように球通路ユニット600Xの動作態様が特殊態様となるように変更されることとなる。ここで、図40のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU402にて定期処理(通常処理における電役サポート用処理)の一環として実行される球通路ユニット600X用の振分装置用の特殊駆動制御処理について説明する。
(特殊駆動制御処理)
特殊駆動制御処理においては先ずステップS1301にて開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1301にて肯定判定をした場合にはステップS1302に進み、開閉実行モード後に移行する遊技状態が高確遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1302にて否定判定をした場合にはそのまま本駆動制御処理を終了する。これにより、球通路ユニット600Xの動作態様が通常態様のままとなり、定常回転が継続されることとなる。
ステップS1302にて肯定判定をした場合にはステップS1303にて待機状態移行処理を実行した後に本駆動制御処理を終了する。ステップS1303の待機状態移行処理では、定常(定速)回転中の通路形成体610Xを所定の回転位置(待機位置)に配置させる処理を行う。これにより、通路形成体610Xは所定の回転位置に停止(待機)した状態となる。ここで、所定の回転位置は第2開放部616Xが真下よりも僅か(詳しくは20度)後方にずれた位置であり、第2開放部616Xが斜め後方を向いた状態が通路形成体610Xの待機状態である。
ステップS1301にて否定判定をした場合にはステップS1304に進む。ステップS1304では現在の遊技状態が高確遊技状態であるか否かを判定する。高確遊技状態ではないと判定した場合には本駆動制御処理を終了する。高確遊技状態であると判定した場合にはステップS1305に進み、サポート抽選結果がサポート当選結果Cであるか否かを判定する。
ステップS1305にてサポート当選結果Cであると判定した場合にはステップS1306に進む。ステップS1306では電動役物91を開放状態に切り替えるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1306にて開放タイミングではないと判定した場合には、そのまま本駆動制御処理を終了する。ステップS1306にて肯定判定をした場合にはステップS1307に進み、サポート当選結果Cに対応する第1種回転態様での回転処理を実行する。これにより、待機状態に維持されていた球通路ユニット600Xの第1通路形成体610Xが第1回転速度にて上記所定方向への回転を開始する。
なお、本実施の形態においてはサポート当選結果Cにおける電動役物91の動作態様と、サポート当選結果Dにおける電動役物91の動作態様とが共通となっている。具体的には、開放時間:1.2sec、開放回数:2回、インターバル:1.2secとなっている。つまり、電動役物91の動作態様からサポート当選結果C及びサポート当選結果Dの何れであるかを遊技者が識別することを困難としている。
ステップS1305にて否定判定をした場合、すなわちサポート抽選結果がサポート当選結果Dであると判定した場合には、ステップS1308に進む。ステップS1308では電動役物91を開放状態に切り替えるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1308にて開放タイミングではないと判定した場合には、そのまま本駆動制御処理を終了する。ステップS1308にて肯定判定をした場合にはステップS1309に進み、サポート当選結果Dに対応する第2種回転態様での回転処理を実行する。これにより、待機状態に維持されていた球通路ユニット600Xの第1通路形成体610Xが第2回転速度にて上記所定方向への回転を開始する。
ステップS1307及びステップS1309の処理を実行した後は、ステップS1310に進む。ステップS1310では待機状態への復帰タイミングであるか否かを判定する。具体的には、今回のサポート当選結果に基づく特殊態様での動作を終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1310にて否定判定をした場合にはそのまま本駆動制御処理を終了する。ステップS1310にて肯定判定をした場合には、ステップS1311にて待機状態への復帰処理を実行した後、本駆動制御処理を終了する。
なお、高確遊技状態が終了した後は、待機状態が解除されて、通路形成体610Xが定常回転を再開することとなる。また、パチンコ機10の電源がONになった際に、高確遊技状態となっている場合には、ステップS1303と同様の待機状態への移行処理が実行されることとなる。
本実施の形態においても、サポート当選結果Cと比べてサポート当選結果Dの方が第2入球部83eXへの入球確率(振分確率)が高くなるように設定される。ここで、図41を参照して第1種回転態様及び第2種回転態様における遊技球の振り分けの様子について説明する。図41(a)は第2種回転態様における電動役物91及び第1通路形成体610Xの動作態様を示すタイミングチャート、図41(b)は第1種回転態様における電動役物91及び第1通路形成体610Xの動作態様示すタイミングチャートである。
(第2種回転態様)
サポート当選結果Dとなった場合には、図41(a)に示すように、電動役物91が最初に閉鎖状態から開放状態に切り替わるタイミングにて通路形成体610Xが所定方向への回転を開始する。そして、電動役物91が最後に閉鎖状態に切り替わった後の所定のタイミングで停止し、上記所定方向とは反対方向へ回転して初期状態へと復帰することとなる。
所定方向へ回転する際の回転速度(第2回転速度)については、サポート実行期間中に通路形成体610Xが35度回転するように構成されている。
待機状態を基準として回転角度が0度〜5度となる範囲では、第1開放部615Xが最下部に位置し、第1球通路601Xの中間位置に到達した遊技球については、そのほとんどが当該第1開放部615Xを通じて第1球通路601Xから排出されることとなる。つまり、0度〜5度の範囲では遊技球の振分先が主として第1入球部83dXとなるように構成されている。
待機状態を基準として回転角度が5度〜15度となる範囲では、第1開放部615Xと第2開放部616Xとの間に設けられた肉部が最下部に位置し、第1球通路601Xの中間位置に到達した遊技球については、当該肉部を通じて第1球通路601Xを流下することとなる。つまり、5度〜15度の範囲では遊技球の振分先が主として第2入球部83eXとなるように構成されている。
待機状態を基準として回転角度が15度〜25度となる範囲では、第2開放部616Xが最下部に位置し、第1球通路601Xの中間位置に到達した遊技球については、当該第2開放部616Xを通じて第1球通路601Xから排出されることとなる。つまり、15度〜25度の範囲では遊技球の振分先が主として第1入球部83dXとなるように構成されている。
待機状態を基準として回転角度が25度〜35度となる範囲では、第1開放部615Xと第2開放部616Xとの間に設けられた肉部が最下部に位置し、第1球通路601Xの中間位置に到達した遊技球については、当該肉部を通じて第1球通路601Xを流下することとなる。つまり、25度〜35度の範囲では遊技球の振分先が主として第2入球部83eXとなるように構成されている。
上述した第2回転速度にて回転した場合には、第1通路形成体610Xの回転角度が35度になった時点で電動役物91によるサポート(今回のサポート当選結果Dに係るサポート)が終了する。その後、第1通路形成体610Xは所定方向とは反対側に回転(逆方向に回転)して次にサポート当選結果となるまでの間に初期状態に復帰する。
ここで、右作動口83bXに流入した遊技球が上記中間位置に到達するのにはおよそ0.6sec必要であり、流入から中間位置への到達にはタイムラグが発生する。サポート当選結果Dとなって電動役物91の開放とともに初期状態から回転を開始した第1通路形成体610Xについては0.6sec後に初期状態からの回転角度が5度に達するように第2回転速度が規定されている。このため、電動役物91が開放状態になった直後に右作動口83bXに流入した遊技球が中間位置に到達するタイミングでは、第1通路形成体610Xが遊技球の第1球通路601Xの通過を許容する状態となっており、当該遊技球は第1球通路601Xを通じて第2入球部83eXへ入球することとなる。
電動役物91が開放状態となってから1.2secが経過したタイミングでは当該電動役物91が閉鎖状態に切り替わることとなる。これに0.6sec遅れたタイミング(開始から1.8secが経過したタイミング)にて通路形成体610Xの回転角度が15度となる。このため、電動役物91が閉鎖状態になる直前に右作動口83bXに流入した遊技球が中間位置に到達するタイミングでは、第1通路形成体610Xが遊技球の第1球通路601Xの通過を許容する状態となっており、当該遊技球は第1球通路601Xを通じて第2入球部83eXへ入球することとなる。
電動役物91が閉鎖状態となった後は1.2secに亘って当該閉鎖状態が維持され、その後2度目の開放状態となる。上述したように、開放状態となった際に右作動口83bXに流入した遊技球が中間位置に到達するには0.6secのタイムラグが発生する。このタイムラグを加味した期間中も第1通路形成体610Xは回転を継続し、回転角度が15度→25度となる。
開放状態となった際に右作動口83bXに流入した遊技球が中間位置に到達するタイミングでは、第1通路形成体610Xが遊技球の第1球通路601Xの通過を許容する状態となっており、当該遊技球は第1球通路601Xを通じて第2入球部83eXへ入球することとなる。
そして、再び電動役物91が閉鎖状態となった場合には、それから0.6sec遅れて第1通路形成体610Xの回転角度が35度に達する。このため、電動役物91が閉鎖状態になる直前に右作動口83bXに流入した遊技球が中間位置に到達するタイミングでは、第1通路形成体610Xが遊技球の第1球通路601Xの通過を許容する状態となっており、当該遊技球は第1球通路601Xを通じて第2入球部83eXへ入球することとなる。
このように、サポート当選結果Dとなった場合には、遊技球が右作動口83bXから中間位置へ移動するのに必要な期間の位相差が生じ且つ電動役物91の開閉周期と第1通路形成体610Xの振分先の切替周期とが一致(同期)する構成となっている。第1球通路601X内での遊技球の前後動きが許容されている。このため、電動役物91が開放状態となっている間に右作動口83bXに流入した遊技球の全てが第1球通路601Xの入口部分611X〜出口部分612Xを通って第2入球部83eXに案内されるわけではないが、その多くは上記経路を経て第2入球部83eXに到達することとなる。
なお、第2回転速度について補足説明すると、開放時間(1.2sec)+閉鎖時間(1.2sec)+開放時間(1.2sec)+タイムラグ(0.6sec)からなる総回転許容時間にて初期状態からの回転角度が35度となるように規定されている。
(第1種回転態様)
サポート当選結果Cとなった場合には、図41(b)に示すように、電動役物91が最初に閉鎖状態から開放状態に切り替わるタイミングにて通路形成体610Xが所定方向への回転を開始する。そして、電動役物91が最後に閉鎖状態に切り替わった後の所定のタイミングで停止し、上記所定方向とは反対方向へ回転して初期状態へと復帰することとなる。
所定方向へ回転する際の回転速度(第2回転速度)については、サポート実行期間中(開放時間1.2sec+閉鎖時間1.2sec+開放時間1.2sec+タイムラグ0.6sec)に通路形成体610Xが45度回転するように構成されている。つまり、上記サポート当選結果Dの場合と比較して回転速度が速くなっている。このように、回転速度が速くなることで、第1球通路601Xの通過を実質的に許容する状態(回転角度=5度〜15度、25度〜35度)になる期間が圧縮され、結果として電動役物91の動作と通路形成体610Xの動作との同期が回避されている(非同期となっている)。
これにより、電動役物91が開放状態となっている場合に流入した遊技球が第1球通路601Xの中間位置に到達した時点で、第1通路形成体610Xの開放部615X,616Xに捕まって、第2球通路602Xへ排出される可能性が高くなっている。
なお、サポート当選結果D(第2種回転態様)となった場合には右作動口83bXに流入した遊技球のうちおよそ80%の遊技球が第2入球部83eXに到達するのに対して、サポート当選結果C(第1種回転態様)となった場合には右作動口83bXに流入した遊技球のうちおよそ40%の遊技球が第2入球部83eXに到達するように構成されている。
以上詳述した第3の実施の形態によれば以下の優れた効果が期待できる。
高確遊技状態となっている状況下にてサポート当選結果Cとなった場合であっても遊技球の振分先が必ずしも第1入球部83dXに限定されず、第2入球部83eXへの入球の可能性が残る。また、サポート当選結果Dとなった場合であっても遊技球が必ずしも第2入球部83eXに限定されず、第1入球部83dXへの入球の可能性が残る。このように、何れのサポート当選結果であっても各入球部83dX,83eXへの入球の余地を残す構成とすることにより、サポート当選結果Cとなった場合に遊技が行われなくなることを抑制できる。
本実施の形態においては特に、第1通路形成体610Xを円筒状の回転体として、その内部に第1球通路601Xを形成している。つまり、第1球通路601Xを通過する際に遊技球が前後に揺動し得る構成とすることにより、遊技球の振分態様の多様化を実現している。
また、サポート当選結果Cとなった場合の第1通路形成体610Xの動作態様とサポート当選結果Dとなった場合の第1通路形成体610Xの動作態様については、当該第1通路形成体610Xを遊技盤80aXの前面に沿って回動可能とすることにより、見た目上の差違が目立ちにくくなっている。このため、第1通路形成体610Xの動作態様を把握してサポート当選結果C及びサポート当選結果Dの何れであるかを見極めた上で、遊技球の発射を行うか否かを判断すること(所謂変則打ちを行うこと)が困難となっている。
特に、電動役物91によるサポートが行われる場合には、サポート後半よりもサポート前半の方が第1球通路601Xを通じた第2入球部83eXへの入球が優遇されている。このため、第1通路形成体610Xの動き(様子)を見て遊技球の発射を開始した場合には、遊技球が第1通路形成体610Xに到達するまでのタイムラグの存在から上記恩恵を享受することが困難になる。これにより、継続的な遊技球の発射を促すことができる。
<第4の実施の形態>
上記第3の実施の形態においては、電動役物91の動作に合わせて振分装置92Xを動作させることにより所定の入球部(第1入球部83dX及び第2入球部83eX)への入球確率(振分確率)を変化させて振分態様の多様化を実現した。これに対して、本実施の形態では、球通路ユニット600X(第1通路形成体610X)の動作に合わせて電動役物91を動作させる構成とすることにより電動役物91及び球通路ユニット600Xの動作態様に関連性を付与していることを特徴の1つとしている。具体的には、球通路ユニット600Xについては遊技状態に関係なく所定の速度で定常回転する構成とした上で、球通路ユニット600Xの動きに合わせて電動役物91が動作する構成となっていることを特徴の1つとしている。ここで、図42及び図43のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU402にて定期処理(通常処理)の一環として実行される電役サポート用処理について説明する。なお、電役サポート用処理(電役開閉処理)の主たる流れについては上記第1の実施の形態と同様であるため説明を簡略化し、当該電役サポート用処理(電役開閉処理)との相違点を中心に説明する。また、サポート当選結果C及びサポート当選結果Dになった場合の電動役物91の開閉態様(開放時間=1.2sec、開放回数=2回、閉鎖時間=1.2sec)については上記第3の実施の形態と同様であるため説明を援用する。
(電役サポート用処理)
図42に示すように、電役サポート用処理においては先ずステップS1401にて、サポート中であるか否かを判定する。サポート中ではないと判定した場合にはステップS1402に進み、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1403に進み、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた役物タイマカウンタYTの値が「0」か否かを判定する。役物タイマカウンタYTの値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
役物タイマカウンタYTの値が「0」である場合には、ステップS1404にて、スルーゲート用表示部における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1405にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部における絵柄の変動表示が終了される。
役物タイマカウンタYTの値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1406にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1407にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
高頻度サポートモードである場合には、ステップS1408にて開放抽選(サポート抽選)を行う。具体的には、電役保留エリア433(詳しくは電役用保留エリアRc)に記憶されている値をシフトし、実行エリアAE2にシフトされた開放乱数カウンタC4の値を参照して開放抽選を行う。この際、ROM403の当否テーブル記憶エリア421に記憶されている高頻度サポートモード用のテーブルを参照して上記抽選が実行される。また、開放抽選に併せて変動表示時間の設定処理を行う。具体的には、変動種別カウンタCS2の値と高頻度サポートモード対応の変動表示時間テーブルとを参照して変動表示時間を決定し、その決定された変動表示時間に対応する値を役物タイマカウンタYTにセットする。なお、役物タイマカウンタYTはタイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS1408の処理を実行した後はステップS1409に進む。ステップS1409では、ステップS1408の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1410の処理を実行することなくステップS1411に進み、サポート当選である場合には、ステップS1410にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられたラウンドカウンタRC2に「2」をセットした後に、ステップS1411に進む。
ステップS1411では球通路ユニット600Xの回転位置把握処理を実行する。具体的には、球通路ユニット600Xに設けられた第1通路形成体610X用の回転位置検知センサから入力される検知情報に基づいて球通路ユニット600Xの回転位置を把握する。
ステップS1411の処理を実行した後、又はステップS1409にて否定判定をした場合には、ステップS1412に進む。ステップS1412では、遊技状態が低確率モードに対応しているか否かを判定する。ステップS1412にて否定判定をした場合にはそのまま本サポート用処理を終了する。
一方、ステップS1412にて肯定判定をした場合にはステップS1413に進む。ステップS1413では遊技回数カウンタGCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1413にて否定判定をした場合にはそのまま本サポート用処理を終了する。ステップS1413にて肯定判定をした場合、すなわち低確率モードとなっている状況下(既に高確率モードから降格している状況下)にて遊技回数カウンタGCの値が「0」になっている場合にはステップS1414に進み高頻度サポートモードフラグの消去処理を実行した後、本サポート用処理を終了する。これにより、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ切り替わることとなる。
ステップS1407の説明に戻り、当該ステップS1407にて否定判定をした場合、すなわち低頻度サポートモードに対応する遊技状態である場合には、ステップS1415に進み、開放抽選(サポート抽選)を行う。具体的には、電役保留エリア433に記憶されている値をシフトし、実行エリアAE2にシフトされた開放乱数カウンタC4の値を参照して開放抽選を行う。この際、ROM403の当否テーブル記憶エリア421に記憶されている低頻度サポートモード用のテーブルを参照して上記抽選が実行される。また、開放抽選に併せて変動表示時間の設定処理を行う。具体的には、変動種別カウンタCS2の値と低頻度サポートモード対応の変動表示時間テーブルとを参照して変動表示時間を決定し、その決定された変動表示時間に対応する値を役物タイマカウンタYTにセットする。なお、役物タイマカウンタYTはタイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS1415の処理を実行した後はステップS1416に進む。ステップS1416では、ステップS1415の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本サポート用処理を終了する。一方、ステップS1415の開放抽選の結果がサポート当選である場合には、ステップS1417にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられたラウンドカウンタRC2に「2」をセットした後に、本サポート用処理を終了する。
ステップS1402の説明に戻り、RAM404の各種フラグ格納エリア435にサポート当選フラグが格納されている場合には、当該ステップS1402にて肯定判定をし、ステップS1418に進む。ステップS1418においては、役物タイマカウンタYTの値が「0」であるか否かを判定する。役物タイマカウンタYTの値が「0」でない場合には、スルーゲート用表示部における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物タイマカウンタYTの値が「0」である場合には、ステップS1419にて、当たり表示を設定する。これにより、当たりに対応する絵柄を停止表示した状態でスルーゲート用表示部における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1420では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1401にて肯定判定をし、ステップS1421に進む。ステップS1421にて電動役物91を開閉制御するための電役開閉処理を実行し、本電役サポート用処理を終了する。以下、図43を参照して電役開閉制御処理について説明する。
(電役開閉制御処理)
電役開閉制御処理においては先ず、ステップS1501にて電動役物91が開放中であるか否かを判定する。電動役物91が開放中であるか否かは、電動役物用の駆動部91bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物91が開放中でない場合には、ステップS1501にて否定判定をし、ステップS1502に進む。ステップS1502では、役物タイマカウンタYTが「0」であるか否かを判定する。役物タイマカウンタYTが「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。
役物タイマカウンタYTが「0」である場合には、ステップS1503に進む。ステップS1503では低頻度サポートモード中であるか否かを判定する。ステップS1503にて肯定判定をした場合にはステップS1504にて電動役物91を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、役物タイマカウンタYTに「1000」(すなわち2.0sec)をセットする。ステップS1503にて否定判定をした場合には、ステップS1505にて電動役物91を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、役物タイマカウンタYTに「600」(すなわち1.2sec)をセットする。
その後、ステップS1506にてラウンドカウンタRC2の値を更新(1減算)した後に、ステップS1507にてラウンドカウンタRC2の値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、ラウンドカウンタRC2の値が「0」である場合には、ステップS1508にてサポート中フラグを消去する。ステップS1508の消去処理を実行した後は、本電役開閉処理を終了する。
ステップS1501の説明に戻り、電動役物91が開放中でない場合には、当該ステップS1501にて否定判定をし、ステップS1510に進む。ステップS1510では、役物タイマカウンタYTが「0」であるか否かを判定する。役物タイマカウンタYTが「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。役物タイマカウンタYTが「0」である場合には、ステップS1511にて高確遊技状態(高頻度サポートモード且つ高確率モード対応の遊技状態)であるか否かを判定する。ステップS1511にて否定判定をした場合には、ステップS1514に進み電動役物91を開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1516にて低頻度サポートモードであるか否かを判定する。低頻度サポートモードである場合には、ステップS1517にて役物タイマカウンタYTに「300」(すなわち0.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、高頻度サポートモードである場合には、ステップS1518にて役物タイマカウンタYTに「600」(すなわち1.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
ステップS1511の説明に戻り、当該ステップS1511にて肯定判定をした場合、すなわち高確遊技状態であると判定した場合には、ステップS1512に進む。ステップS1512では今回の抽選結果がサポート当選結果Cであるか否かを判定する。ステップS1512にて肯定判定をした場合にはステップS1513に進み、第1通路形成体610Xの回転位置が予め定められた第1回転位置であるか否かを判定する。第1回転位置ではない場合には、ステップS1514の開放処理を実行することなく、本電役開閉処理を終了する。一方、第1通路形成体610Xの回転位置が第1回転位置である場合には、ステップS1514に進み電動役物91の開放処理を実行する。つまり、サポート当選結果Cである場合には、第1通路形成体610Xが第1回転位置に達するまで電動役物91の開放が遅延されることとなる。
ステップS1512にて否定判定をした場合、すなわち今回の抽選結果がサポート当選結果Dである場合には、ステップS1515に進み、第1通路形成体610Xの回転位置が予め定められた第2回転位置であるか否かを判定する。第2回転位置ではない場合には、ステップS1514の開放処理を実行することなく、本電役開閉処理を終了する。一方、第1通路形成体610Xの回転位置が第2回転位置である場合には、ステップS1514に進み電動役物91の開放処理を実行する。つまり、サポート当選結果Dである場合には、第1通路形成体610Xが第2回転位置に達するまで電動役物91の開放が遅延されることとなる。
ここで、本実施の形態における第1通路形成体610Xの回転速度は上記第3の実施の形態における第2回転速度と一致している。つまり、電動役物91の開閉周期と同じ周期となるように構成されている。
第2回転位置については、上記第3の実施の形態に示した初期状態となる位置と同じいちである。第1通路形成体610Xが第2回転位置に到達した場合に電動役物91の開閉を開始することにより、右作動口83bXに流入した遊技球のほとんどが第2入球部83eXに案内されることとなる。
これに対して、第1回転位置については、第2回転位置よりも上記所定方向に5度ずれた位置となっている。動作周期は第1通路形成体610Xと一致しているものの、位相差が大きくなることで右作動口83bXに流入した遊技球が第1球通路601Xの中間位置に到達したタイミングにて開放部615X,616Xが最下部に位置する可能性が生じている。上記第2回転位置にて第1通路形成体610Xの回転を開始させた場合には、右作動口83bXに流入した遊技球のうちおよそ80%の遊技球が第2入球部83eXに案内されるのに対して、第1回転位置にて第1通路形成体610Xの回転を開始させた場合には、右作動口83bXに流入した遊技球のうちおよそ40%の遊技球が第2入球部83eXに案内されることとなる。
本実施の形態に示すように、第1通路形成体610を一定の速度で回転させつつ、電動役物91の開閉タイミングを工夫することで、遊技球の振り分け先が変化する構成とすれば、第1通路形成体610の動きから最適な遊技球の発射タイミングを見抜くことが困難となる。このようにして、技術介入の余地を減縮することにより、遊技の公平性を好適に担保することができる。
また、複数の可動体の動作関係によって遊技球の振り分け先が変化し得る構成においては、各可動体の動きが複雑になるこは遊技者を困惑させる要因となり得る。そこで、一方の可動体(第1通路形成体610X)の動きを簡素化し、元来複数の状態に切り替わることが前提となっている可動体(電動役物91)の動きで上記調整を行うことにより、上述した不都合の発生を好適に抑制できる。
<第5の実施の形態>
上記第3の実施の形態では、1の球通路ユニット600Xの駆動制御を行うことにより、遊技球の振分態様を変化さる構成としたが、本実施の形態においては、この振分に係る構成が特徴的なものとなっている。具体的には、複数の振分装置を併用し、これら振分装置の一方を電動役物91の動きに連動させる一方で、他方を電動役物の動きに非連動としていることを特徴の1つとしている。以下、図44及び図45を参照して本実施の形態における振分装置について説明する。図44は第5の実施の形態における遊技盤ユニット80Yを示す正面図、図45(a)は作動入球ユニット83Yに内蔵された振分装置を示す平面図、図45(b)は図45(a)のA−A線部分断面図である。なお、本実施の形態に示す遊技盤ユニット80Yの基本構成は第3の実施の形態に示した遊技盤ユニット80Xの基本構成と共通になっている。そこで、これら共通となっている構成については説明を援用し、当該第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図44に示すように、本実施の形態に示す作動入球ユニット83Yについても、球通路ユニット600Yの第1球通路601Y及び第2球通路602Yを通じて右作動口83bYから遊技球が流入する構成となっている。
(作動入球ユニット83Y)
図44の部分拡大図に示すように、作動入球ユニット83Yは、当該作動入球ユニット83Yの外郭を構成するとともに遊技球の流入領域DEを区画形成するハウジング501Yを有している。ハウジング501Yは、遊技機前方に開放された箱状をなしており、その前側の端部が遊技盤80aYの前面よりも突出している。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が右作動口83bY→球通路ユニット600Yを経由することなく流入領域DEへ直接入ることが規制されている。また、流入領域DEに入った遊技球が上記開放部分を通じて流出することも規制されている。なお、この開放部分については透明な前面カバーによって覆われているが、図44においては実際の外観に近くなるように、作動入球ユニット83Yを前面カバーを省略した状態で示している。
図45に示すように、ハウジング501Yの底部には第1入球部83dY及び第2入球部83eYが左右に並設されており、底部に設けられた仕切り部502Yよって遊技球を第1入球部83dYへ案内する第1案内領域DE1と、第2入球部83eYへ案内する第2案内領域DE2とに2分されている。
仕切り部502Yの上方には円盤状の回転体530Yが配設されている。回転体530Yは、報知・演出制御装置143に接続されたモータ540Yの動力によって回転する。回転体530Yの回転方向は上方から見て反時計回りとなるように設定されており、当該回転はパチンコ機10に電源がONになった場合に開始され、電源がOFFとなった場合に停止する。
回転体530Yには、上方に開放された溝部531Yが形成されている。溝部531Yは、回転体530Yの中心から外周縁に亘って延びており、その底面が当該外周縁に向けて下り傾斜している。回転体530Yの側部には、当該回転体530Yの回転中心から外周縁側に向けて下り傾斜する傾斜面532Yが形成されている。回転体530Yに到達した遊技球のうち上記溝部531Yに入らなかった遊技球については、傾斜面532Yに沿ってハウジング501Yの内壁(縦壁)側へ誘導されることとなる。回転体530Yとハウジング501Yの内壁(縦壁)との間には遊技球が通過可能な隙間が形成されている。
回転体530Y(溝部531Y及び傾斜面532Y)によってハウジング501Yの内壁(縦壁)側へと誘導された遊技球は、自重によって上記案内領域DE1,DE2へ移動し、最終的に当該案内領域DE1,DE2を通じて入球部83dY,83eYへ入球することとなる。
本実施の形態については、第1球通路601Yを通じて作動入球ユニット83Yに到達した遊技球は、第1連絡通路541Yを通じて溝部531Yへ案内され、第2球通路602Yを通じて作動入球ユニット83Yに到達した遊技球は、第2連絡通路542Yを通じて第1案内領域DE1の上方に案内されるように構成されている。第2連絡通路542Yを通じて作動入球ユニット83Yに到達した遊技球のほとんどは第1案内領域DE1を通じて第1入球部83dYへ入球する。これに対して第1連絡通路541Yを通じて溝部531に到達した遊技球については、図46の概略図に示すように、その振分先が回転体530Yの回転位置に依存することとなる。つまり、図46(a)に示すように溝部531Yが第1案内領域DE1側を向いている状況下においては第1連絡通路541Yを経由して溝部531Yに到達した遊技球は第1案内領域DE1に案内され、図46(b)に示すように溝部531Yが第2案内領域DE2側を向いている状況下においては第1連絡通路541Yを経由して溝部531Yに到達した遊技球は第2案内領域DE2に案内されることとなる。
本実施の形態では高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の高確遊技状態となっていない場合には、回転体530Yが一定速度で定常回転するように構成されている。この場合、第1連絡通路541Yを通じて作動入球ユニット83Yに到達した遊技球が第2入球部83eYに振り分けられる確率はおよそ50%となる。
一方、高確遊技状態となった場合には、回転体530Yの回転が定常回転から一時的な減速又は加速を含む特殊回転に移行する。このような動作態様によって回転体530Yの位置を調整することで、第2入球部83eYへの振り分け確率が高確遊技状態以外の状態よりも高くなるように変更されることとなる。
サポート当選結果Dとなった場合には、第1連絡通路541Yを通じて作動入球ユニット83Yに到達した遊技球のほとんどが第2案内領域DE2→第2入球部83eYに入球し、サポート当選結果Cとなった場合には、第1連絡通路541Yを通じて作動入球ユニット83Yに到達した遊技球のおよそ80%が第2案内領域DE2→第2入球部83eYに入球するようにして回転体530Yの回転位置が調整される。以下の説明では、球通路ユニット600Yを「第1振分装置600Y」、作動入球ユニット83Yにおいて回転体530Yやモータ540Y等の振り分けに係る構成を「第2振分装置500Y」と称する。
ここで、図47のフローチャートを参照して主制御装置162のMPU402にて定期処理(電役サポート用処理)の一環として実行される第2振分装置500Yの特殊駆動制御処理について説明する。
(第2振分装置特殊駆動制御処理)
第2振分装置特殊駆動制御処理においては、先ずステップS1601にて高確遊技状態であるか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊駆動制御処理を終了する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602に進み、今回のサポート抽選の結果がサポート当選結果Dであるか否かを判定する。
なお、本実施の形態においては、サポート当選結果Cとなる確率とサポート当選結果Dとなる確率とが逆転しており、ほとんどの場合にはサポート当選結果Dに当選する構成となっている。
ステップS1602にて肯定判定をした場合にはステップS1603に進む。ステップS1603では電動役物91が開放状態に切り替わるタイミングであるか否かを判定する、より詳しくは、本実施の形態においてはサポート当選結果Dとなった場合には、電動役物91が2回に亘って開放されるが、このうち最初の開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップS1603にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊駆動制御処理を終了する。
ステップS1603にて肯定判定をした場合にはステップS1604に進み、回転位置第1調整処理を実行する。本実施の形態においては、回転体530Yの回転周期が電動役物91の開放時間(1.2sec)+閉鎖時間(1.2sec)と同じ2.4secとなるように設定されている。つまり、電動役物91の動作周期と回転体530Yの回転周期とが一致する構成となっている。また、右作動口83bYに流入した遊技球が第1振分装置600Yを通じて作動入球ユニット83Yに到達するまでに所定のタイムラグ(1.2sec)が生じる。
回転位置第1調整処理においては先ず回転体530Yの回転位置を把握して、遊技球が作動入球ユニット83Yに到達し得る1.2sec後のタイミングにて、上記溝部531Yが第1案内領域DE1から第2案内領域DE2に移るように、回転体530Yの位相ずれを補正する。具体的には、回転体530Yを一時的に加速又は減速させることにより、位置調整を行う。この位置調整の結果、電動役物91の開放に伴って右作動口83bYに流入した遊技球のほとんどが第2案内領域DE2に案内されることとなる。そして、電動役物91が閉鎖に伴って遊技球の作動入球ユニット83Yへの到達が発生しにくい状況下にて溝部531Yが第1案内領域DE1を通過することとなり、閉鎖時間(インタバール)を利用して、一定速度での回転を維持しつつ2回目の開放に対応した準備を進めることが可能となっている。
ステップS1602にて否定判定をした場合、すなわち今回のサポート抽選の結果がサポート当選結果Cであると判定した場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605では、電動役物91が開放状態に切り替わるタイミングであるか否かを判定する、より詳しくは、本実施の形態においてはサポート当選結果Cとなった場合には、電動役物91が2回に亘って開放されるが、このうち最初の開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップS1605にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊駆動制御処理を終了する。
ステップS1605にて肯定判定をした場合にはステップS1606に進み、回転位置第2調整処理を実行する。既に説明したように、回転体530Yの回転周期については電動役物91の開放時間(1.2sec)+閉鎖時間(1.2sec)と同じ2.4secとなるように設定されている。つまり、電動役物91の動作周期と回転体530Yの回転周期とが一致する構成となっている。また、右作動口83bYに流入した遊技球が第1振分装置600Yを通じて作動入球ユニット83Yに到達するまでに所定のタイムラグ(1.2sec)が生じる。
回転位置第1調整処理においては先ず回転体530Yの回転位置を把握して、遊技球が作動入球ユニット83Yに到達し得る1.2sec後のタイミングにて、上記溝部531Yが第1案内領域DE1から第2案内領域DE2に移る前の位置となるように、回転体530Yの位相ずれを補正する。具体的には、回転体530Yを一時的に加速又は減速させることにより位置調整を行う。上記回転位置第1調整処理と比較すると、およそ36度程遅れた位置となることで、電動役物91の開放に伴って右作動口83bYに流入した遊技球のおよそ80%が第2案内領域DE2に案内されることとなる。
右ルートに並設された2つの振分装置500Y,600Yのうち一方のみを電動役物91の動きと連動させることにより、遊技球の振分態様が過度に複雑になることを抑制しつつ、サポート当選結果の種別に応じて振分の偏りを変化させることが可能となっている。
特に、下流側の振分装置500Yを対象とすることにより、遊技球発射機構110から発射された遊技球が当該振分装置500Yに到達するまでの期間を稼ぐことができ、振分装置500Yの動きを見て発射の調整を行うことを難しくしている。
また、「可変入球部」としての右作動口83bYから離れた一方を駆動制御の対象とすることにより、電動役物91の動きと振分装置500Yの動きとの両方を見て発射操作の調整を行うことが難しくなっている。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、「可変入球部」としての作動口83bを有し、作動口83bへ流入した遊技球を振分手段83gによって第1入球部83d(「第1入球口」に相当)及び第2入球部83e(「第2入球口」に相当)に振り分ける構成としたが、これに限定されるものではない。遊技回の実行時間の差が設定されている複数の入球部が存在し、高頻度サポートモードにおいては何れの入球部への入球についても許容されていれば足り、可変式の入球部を設けたり当該可変式の入球部に入った遊技球を振り分ける振分装置については省略することも可能である。
但し、状況に応じて狙い(入球部)を変えることにより遊技を有利に進めることができる構成においては、過度の技術介入が許容されて遊技者間での公平性を担保することが困難になったり、そもそも遊技の単調化を抑制するという本願の効果が上手く発揮されなくなると想定される。故に、複数の入球部を併有する構成においては、それら入球部を1の経路上に配設することが好ましい。
(2)上記各実施の形態では、相対的に賞球の少ない第1入球部83dへの入球に基づいて設定される変動表示時間を、相対的に賞球の多い第2入球部83eへの入球に基づいて設定される変動表示時間よりも短くしたが、図48(a)の概略図に示すように、相対的に賞球の少ない第1入球部83dへの入球に基づいて設定される変動表示時間を、相対的に賞球の多い第2入球部83eへの入球に基づいて設定される変動表示時間よりも長く設定してもよい。
また、上記実施の形態では、第1入球部83dへの入球に基づいて設定される変動表示時間が保留数の増加に応じて短縮される割合を、第2入球部83eへの入球に基づいて設定される変動表示時間が保留数の増加に応じて短縮される割合よりも大きくしたが、同図48(a)に示すように、第1入球部83dへの入球に基づいて設定される変動表示時間が保留数の増加に応じて短縮される割合を、第2入球部83eへの入球に基づいて設定される変動表示時間が保留数の増加に応じて短縮される割合よりも小さくすることも可能である。
なお、上記各実施の形態では、比較的入球が発生しにくい第2入球部83eへの入球が発生した場合の賞球数を、比較的入球が発生しやすい第1入球部83dへの入球が発生した場合の賞球数よりも多くすることにより第2入球部83eに優位性を高める構成としたが、上述したように設定される変動表示時間に差が設けられていることで第2入球部83eの優位性は担保される。このような事情に鑑みれば、2つの入球部83d,83eにて賞球数に差を設ける必要はなく、同賞球数を共通とすることも可能である。
(3)上記各実施の形態では、第1入球部83dへの入球に基づいて設定される変動表示時間と第2入球部83eへの入球に基づいて設定される変動表示時間との差違が保留数の増加に伴って小さくなるように構成したが、これを変更し、例えば図48(b)の概略図に示すように保留数の増加に伴って大きくなる構成とすることも可能である。
また、必ずしも全ての保留数にて第1入球部83dへの入球に基づいて設定される変動表示時間と第2入球部83eへの入球に基づいて設定される変動表示時間とに差違を設定する必要はない。少なくとも一部(好ましくは保留数が上限に達している状況での変動表示時間)に差が設定されていれば足り、他の変動表示時間の設定差を無くす構成とすることも可能である。
(4)上記各実施の形態では、高頻度サポートモードとなっている状況下にて保留数が多くなることにより各入球部83d,83eへの入球に基づいて設定される変動表示時間を短縮する構成としたが、保留数の増加→変動表示時間の短縮の関係を必須とする必要はない。例えば、保留数の増加に伴って変動表示時間が長くなるように構成することも可能である。
(5)上記各実施の形態では、主表示部D(「絵柄表示手段」に相当)の入球部用表示部における絵柄の変動表示時間及び確定表示時間の両方について入球先に応じた差を設定することにより、遊技実行時間に差を生じさせる構成とした。各入球部への入球に基づいて設定される遊技実行時間に差を設けることができるのであれば、変動表示時間及び確定表示時間の両方に差を設ける必要はなく、少なくとも一方に差を設ける構成とすれば足りる。
(6)上記各実施の形態では、第1入球部83dへの入球に基づく保留情報よりも第2入球部83eへの入球に基づく保留情報を優先して消化する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第2入球部83eへの入球に基づく保留情報よりも第1入球部83dへの入球に基づく保留情報を優先して消化する構成としてもよいし、時系列順(記憶された順)で消化する構成としてもよい。
(7)上記各実施の形態では、高頻度サポートモードとなっている場合であっても、高確率モード/低確率モードの何れとなっているかによって振分手段83gによる遊技球の振分先を規定するか否かを分ける構成とすることにより、高頻度サポートモード下での遊技の多様化を実現したが、これに限定されるものではない、低確率モードにおいても振分手段83gによって遊技球の振分先を規定する構成とすることも可能である。このような変更を行う場合であっても、振分先の規定態様に確率モードに応じた差を設定することで、遊技の単調化を抑制する効果を発揮させることができる。
(8)上記第1及び第2の実施の形態では、サポート当選結果に応じて振分手段83gを第1案内状態/第2案内状態の何れかに切り替えることにより、入球先を制限する構成とした。これに限定されるものではなく、第3の実施の形態に示した技術的思想を適用することで、何れのサポート当選結果となった場合であっても入球先の偏りは発生するものの、振り分けが一の入球部に限定されない構成とすることも可能である。
(9)上記第1及び第2の実施の形態では、サポート当選結果の種別(サポート当選結果A〜サポート当選結果D)に応じて遊技球の振分態様を変化させる構成としたが、設定される変動表示時間に差が設けられた複数の入球部への振分態様を変化させることができるのであれば、必ずしもその契機をサポート当選結果の種別の決定に依存させる必要はない。例えば、振分態様を決定する抽選手段等を別途設けてもよいし、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3等の既存のカウンタの値を参照して振分態様を決定する構成としてもよい。
(10)上記第3〜第5の実施の形態では、第1球通路601Xの途中位置から流出した遊技球が第2球通路602Xを通じて作動入球ユニット83Xに案内される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第2球通路602Xを排除して、第1球通路601Xから排出された遊技球の作動入球ユニット83Xへの案内を行わない構成としてもよい。また、第2球通路602Xの途中位置に排出口等を形成し、当該第2球通路602Xに流入した遊技球の一部については、作動入球ユニット83Xに案内されることなく、球通路ユニット600Xから排出される構成としてもよい。
(11)上記第3〜第5の実施の形態では、「可変入球部」としての右作動口83bXと「入球口」としての入球部83d,83eとの間に横長状の球通路ユニット600X(「振分手段」に相当)を介在させることにより、遊技球の挙動への注目を促す構成としたが、このような構成では右作動口83bXへ遊技球が流入してから賞球の払い出しが実行されるまでにタイムラグが発生する。そこで、例えば右作動口83bXに入球検知センサを設け、当該入球検知センサによって入球を検知したことに基づいて所定数の遊技球の払い出しを行う構成とし、賞球の可否を決定するための検知手段と「特別情報」としての保留情報を取得する手段(検知センサ391c,391d)とを個別に設けてもよい。
なお、上記変形例(10)に示す構成を採用する場合に、本特徴に示す技術的思想を適用することにより実用上好ましい構成を実現できる。
(12)第3〜第5の実施の形態では、高確遊技状態となっている状許下にてサポート当選結果となることに先んじて振分手段(第1通路形成体610Xや回転体530Y)を所定の準備位置へと移動させる構成としたが、このような準備のための時間については遊技進行の迅速化を実現する上で障害になり得る。そもそもスルーゲートの通過によって事前に取得された開放乱数カウンタC4や開放種別カウンタC5の値が記憶されている点に着目すれば、サポート抽選等を該当する電役保留情報に係る抽選等を事前(例えばスルーゲート84への入賞時)に行う構成とし、その結果に応じて、電動役物91の動作に先んじて振分手段の動作を開始させる構成とすることも可能である。係る構成とすれば、無駄な待ち時間の発生を回避して、可動式の振分手段の存在が遊技進行の迅速化の妨げになることを好適に抑制することができる。
(13)上記第4の実施の形態では、電動役物91の開放タイミングを第1通路形成体610Xの回転位置に応じて遅らせる構成としたが、仮にこの遅延機能が過度に強くなると、電動役物91本来のサポート機能が低下すると想定される。このような事情に鑑みれば第4の実施の形態に示した構成を以下のように変更してもよい。
すなわち、第1通路形成体610Xについては、第1球通路601Xを遊技球が通過するのに要する期間をおよそ2.4secとし、第1通路形成体610Xの回転周期もこれと同等(2.4sec)とする。係る構成とすれば、サポート開始時(1度目の開放時)の最大遅延時間は、2.4secとなるが、サポート中(2度目の開放時)の最大遅延時間は(開放時間1.2sec+閉鎖時間1.2sec)分短縮されて0secとすることができる。これにより、高確遊技状態中にて電動役物91の開放時間よりも閉鎖時間の方が過度に長くなることを抑制して、サポート効率の向上に貢献できる。
(14)上記第5の実施の形態では、上流/下流に2つの振分装置を配置して、これら振分装置のうち下流側の一方による遊技球の振分態様をサポート当選結果の種別に応じて制御する構成としたが、制御対象については上流側に配置された振分装置としてもよいし、全ての振分装置としてもよい。
(15)上記第3〜第5の実施の形態では、振分手段の動作周期と電動役物91の動作周期とを揃える構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも振分手段を動作させながら第1入球部83d及び第2入球部83eへの遊技球の振分確率を変更できるのであれば足り、動作周期を揃える必要はない。例えば回転中に振分手段の速度を一定に保つ必要はなく、当該振分手段の動作速度を変化させる構成とすることも可能である。
(16)上記実施の形態では、開閉実行モードへ移行した場合には、サポートモードが強制的に低頻度サポートモードに切り替えられる構成としたが、開閉実行モードへの移行前が高頻度サポートモードである場合には、これを引き継いで高頻度サポートモードに維持される構成とすることも可能である。
但し、開閉実行モード中は大量の遊技球を獲得するチャンスであり、可変入賞装置82への入球数が所定時間内に所定数に達しなかった場合には本来得られるはずの特典を取りこぼしたかのような印象を遊技者に与える要因になり得る。そこで、本変形例に示す技術的思想を適用する場合には、第3の実施の形態等に示したように、「可変入球部」としての右作動口83bXへ向けた流下経路上に可変入賞装置82を配設するとよい。
(17)「振分手段」を構成する各種遊技部品の動きを図柄表示装置253の表示画面253a等にて示唆又は教示する構成とすることも可能である。特に、変形例(12)との組み合わせ(先読み機能が搭載されている構成)においては、事前に振分手段の動きを遊技者に示すことにより、振分手段への注目度向上効果を一層好適に発揮させることができる。
(18)共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が長くなる又は各保留記憶数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
(19)「可変入球部」としての作動口83bへの入球確率を変化させるモードとして高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードが設定されている場合には、これら各サポートモードにて入球確率が変化されるのであれば、その具体的構成については任意に変更してよい。例えば、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードの何れであっても、サポート当選結果となる確率を同一とし、高頻度サポートモード下での変動表示時間を低頻度サポートモード下での変動表示時間よりも短くすることも可能である。この結果、実質的にサポートが実行される回数が変化して、高頻度サポートモードの優位性を担保できる。
(20)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技の単調化を抑制して遊技者の遊技意欲の減退を抑える上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者の操作に基づいて、遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は入球が不可となる第2状態に切替可能な可変入球部(例えば作動入球ユニット83の下作動口83b)と、
前記可変入球部への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技者に遊技球の払い出しを行う払出手段(払出制御装置242による払出機能)と、
前記可変入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM404)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU402による抽選機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(例えば主表示部Dや表示画面253a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(例えば主表示ユニット87や図柄表示装置253)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU402にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記可変入球部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU402にて電役サポート用処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による前記切替制御には、前記可変入球部が前記第1状態となっている期間が相対的に短い第1切替モード(低頻度サポートモード)と、前記第1状態となっている期間が相対的に長い第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設定されており、
前記可変入球部は、
第1入球口(第1入球部83d)及び第2入球口(第2入球部83e)と、
当該可変入球部に入球した遊技球を前記第1入球口及び前記第2入球口に振り分ける振分手段(振分装置92)と
を有し、
前記遊技回制御手段は、
前記第2切替モードとなっている状況下にて前記第1入球口への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として第1所要期間を設定する第1設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S512)を実行する機能)と、
前記第2切替モードとなっている状況下にて前記第2入球口への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として前記第1所要期間よりも長い第2所要期間を設定する第2設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S514)を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、相対的に入球率の高い第2切替モードとなっている状況下にて可変入球部に流入した遊技球は、可変入球部への流入後に第1入球口及び第2入球口に振り分けられることとなる。ここで、第1入球口への入球が発生した場合には遊技回の所要期間(実行期間:例えば変動(可変)表示期間+確定表示期間)として相対的に短い第1所要期間が設定され、第2入球口への入球が発生した場合には遊技回の所要期間として相対的に長い第2所要期間が設定される。このように、可変入球部へ流入した遊技球の入球先(振分先)に応じて所要期間を変化させることにより、遊技進行のリズムに変化を生じさせることができる。故に、第2切替モードとなって可変入球部への入球頻度が増えることが遊技を単調にする要因となることを好適に抑制することができる。
特徴A2.前記遊技回制御手段は、前記第1切替モードとなっている状況下にて、前記第1入球口及び前記第2入球口への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として第3所要期間を設定する第3設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S509)を実行する機能)を有し、
前記第1所要期間及び前記第2所要期間は、前記第3所要期間よりも短くなるように設定されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第2切替モードとなっている状況下では第1切替モードと比較して遊技球の入球率が上昇し遊技の進行速度も速くなる。遊技の進行速度を早くしようとすれば、必然的に遊技回間での所要期間の差が小さくなる。故に、間延びした遊技進行を抑制することができる反面、遊技が単調になるという弊害が生じやすくなると想定される。このようにアップテンポとなっている状況下にて、入球先に応じて所要期間を変化させることにより、アップテンポの中にも遊技のリズムに変化を与えることができる。これにより、遊技進行が単調になることを好適に抑制できる。
特徴A3.前記第2切替モードとなっている場合には、前記可変入球部へ向けて遊技球を発射することにより、当該可変入球部へ向けて発射された遊技球の数よりも前記払出手段によって払い出される遊技球の数の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2切替モードが長く続けば続くほど獲得できる遊技球の数(持ち球)が増えることとなる。このため、遊技者は特別遊技状態に移行する前にできるだけ長く第2切替モードでの遊技が行われることを期待して遊技を行うと想定される。この種の遊技機に対して上記特徴A1等に示したように入球口に応じて所要期間が変化する構成とすれば、可変入球部へ入球した遊技球の振り分け先に応じて遊技進行のリズムが変化することとなる。故に、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特徴A4.前記特別情報に基づいて前記第2切替モードから前記第1切替モードへ移行させるか否かを決定する決定手段を有していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、可変入球部への入球(取得された特別情報)に基づいて、特別遊技状態への移行判定(当否抽選)及び第1切替モードへの移行判定(転落抽選)と、遊技球の払い出しとが行われる。特別遊技状態への移行や遊技球の払い出し等の特典を得ようとすれば、必然的に第1切替モードへの移行(降格)のリスクを負うこととなる。このため、1の付与判定が行われるまでに少しでも多くの入球を発生させることが遊技を有利に進める上で重要となる。このような遊技態様にて上述した所要期間の差違を設けることには、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度を好適に向上させるという技術的意義がある。
特徴A5.前記取得情報記憶手段は、前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶するように構成されており、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行うように構成されており、
前記記憶手段によって記憶されている特別情報の数が規定数に達している状況下にて、前記可変入球部への入球が発生した場合には、当該入球に基づいた前記情報取得手段による特別情報の取得が規制される一方、当該入球に基づいた前記払出手段による遊技球の払い出しは許容される構成となっていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
記憶できる特別情報の数に上限(規定数)が設定されている場合には、上限を超えた入球の発生に基づく特別情報の取得が回避される。つまり、規定数を超えている状況下での入球については、遊技球の払い出しというメリットを享受できる一方、第1切替モードへの降格のリスクを負うというデメリットは発生しない(第2切替モードの終了契機となることを回避できる)。
特徴A3等に示したように、第2切替モードにおいてはできるだけ時間を稼ぐことが遊技を有利に進めることに直結すれば、遊技球の発射を抑えて入球が1つずつ発生するような遅延行為がなされる可能性を否定できない。仮にこのような遅延行為が行われた場合には、上述した単調化抑制機能を上手く発揮できなくなるばかりか遊技機の稼働率が低下する等の不都合が生じ得る。また、遊技進行を加速させるという第2切替モード本来の機能まで無駄になり得る。
この点、本特徴に示す構成との組み合わせによれば、上限を超えた入球を狙って遊技を行うように促すことができ、遊技球の発射操作が継続されやすくなる(所謂変則打ちが行われにくくなる)。これにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴A6.前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数に応じて、前記第1所要期間と前記第2所要期間との差違が変化するように構成されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
可変入球部への入球に基づいて特別情報が取得される構成においては、記憶されている特別情報の数が遊技進行に応じて増減することとなる。このような不規則さを利用して第1所要期間/第2所要期間の差違を変化させることにより、遊技の更なる多様化に貢献できる。
特徴A7.前記第1所要期間と前記第2所要期間との差は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記規定数に近づくことにより小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A5に示したように上限を超えた入球についてはデメリットを回避することができる構成では、上限を超える入球を狙って遊技が行われると想定される。ここで、仮に想定的に不利な(所要期間が短い)入球口への振り分けが行われる状態となった場合には、敢えて遊技球の発射を行うことなく、当該状態をやり過ごして有利な状態への切り替わりをまつという選択肢が発生し得る。仮に、このような有利な状態を狙い打ちするという行為がなされた場合には、第2切替モードにおける稼働率が低下してしまう。そこで、本特徴に示すように規定数付近での第1所定期間と第2所定期間との差を小さくすることにより、多少の所要期間の減縮が発生するとしてもそれを承知で上限を超えた入球を狙うことによるメリットが生じ得ることとなり、遊技の継続を促すことができる。故に、所要期間の差が遊技を多様化するという機能を発揮させる上で妨げとなることを抑制できる。
特徴A8.前記第1所要期間及び前記第2所要期間は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記規定数に近づくことで短くなるように構成されており、
前記第1所要期間及び前記第2所要期間の短縮度合いは、前記規定数に近づくことで小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。
特別情報の数が多くなることで所要期間が短縮される機能(所謂時短機能)が搭載されている場合には、できるだけ所要期間を稼ごうとした場合に、敢えて記憶されている特別情報の数を減らした状態とした後、一気に規定数越えを狙って遊技球が発射される可能性がある。これでは、第2切替モードにおける稼働率が低下すると想定される。このような事情に配慮して、記憶されている特別情報の数が規定数に近づくことで短縮度合いを小さくすることにより、上述した手法で遊技を行うことによるメリットを抑え、遊技の迅速な進行を促すことができる。
特徴A9.前記第1所要期間及び前記第2所要期間は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記規定数に近づくことで短くなるように構成されており、
前記第1所要期間の短縮度合いは、前記第2所要期間の短縮度合いよりも小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴A6乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
記憶されている保留情報が少ない場合に第1入球口への振り分けが発生することは、記憶されている保留情報が多い場合に第2入球口への振り分けが発生することにより遊技者にとって不利となる。このため、遊技者にできるだけ多くの特別情報が記憶された状態が維持されるように遊技球の発射を促すことができ、上述した各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A10.前記第2切替モードとなっている場合には、前記可変入球部へ向けて遊技球を発射することにより、当該可変入球部へ向けて発射された遊技球の数よりも前記払出手段によって払い出される遊技球の数の方が多くなるように設定されており、
前記特別遊技状態となった場合には特別入球部(可変入賞装置82)への入球に基づいて遊技者に遊技球が払い出される構成となっており、
前記第2切替モードにおける遊技球の増加率は、前記特別遊技状態における遊技球の増加率よりも低くなるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2切替モードが長く続けば続くほど獲得できる遊技球の数(持ち球)が増えることとなる。このため、遊技者は特別遊技状態に移行する前にできるだけ長く第2切替モードでの遊技が行われることを期待して遊技を行うと想定される。この種の遊技機に対して上記特徴A1等に示したように入球口に応じて所要期間が変化する構成とすれば、可変入球部へ入球した遊技球の振り分け先に応じて遊技進行のリズムが変化することとなる。故に、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
また、第2切替モードにおいても持ち球の増加が期待できる場合には、増加率が特別遊技状態となっている場合と同じになっては、遊技進行上の当該第2切替モードと特別遊技状態との差違が小さくなって、遊技進行(出球)が単調になり得る。そこで、本特徴に示すように第2切替モードにおける遊技球の増加率を特別遊技状態における遊技球の増加率よりも低くすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴A11.前記振分手段は、前記第2入球口よりも前記第1入球口へ遊技球が振り分けられやすい第1振分状態(第1案内状態)と、前記第1入球口よりも前記第2入球口へ遊技球が振り分けられやすい第2振分状態(第2案内状態)とに切り替え可能となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、振分手段を第1振分状態/第2振分状態に切替可能とすることにより、振分先の偏りを変化させることができる。例えば、第1入球口への入球を頻発させることで遊技進行を加速させたり、第2入球口への入球を頻発させることで遊技進行を減速(遅延)させたりすることができる。これにより、遊技進行のリズムに大きな流れを発生させて、遊技の単調化の抑制に貢献できる。
特徴A12.前記切替制御手段によって前記可変入球部が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられる場合に前記振分手段を前記第1振分状態及び前記第2振分状態の何れかに切り替える手段を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、可変入球部の開放を契機として振分状態が切り替わる構成とすることにより、可変入球部の動きと振分手段の状態変化とに関連性を付与することができる。そもそも遊技球が可変入球部に流入しなければ遊技球が第1入球口/第2入球口に入球することがないが、流入後の振分先は振分手段に依存するため、遊技者が注目すべき箇所が増えることとなる。これは、上述した各種効果を発揮する上では好ましい反面、遊技者の目等に係る負担を増加させる要因になる。そこで、そもそも遊技者の注目が向きやすい可変入球部の動きに合わせて振分手段の状態を変化させる構成とすることにより、遊技者が振分手段に注目すべきタイミングが明らかとなるため、上記不都合が生じることを好適に抑制できる。
特徴A13.前記第1切替モードとなっている場合には前記可変入球部に入球した遊技球が前記第1入球口及び前記第2入球口に交互に振り分けられるように前記振分手段の切り替えを許容し、前記第2切替モードとなっている場合には前記可変入球部に入球した遊技球が前記第1入球口及び前記第2入球口の一方に連続して振り分けられるように前記振分手段の状態切替を規制する手段を備えていることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13に示すように、切替モードに応じて遊技球の振分態様を変化させることにより、第1切替モードにおける遊技と第2切替モードにおける遊技との更なる差別化を実現できる。特に、第1切替モードよりも入球頻度(入球確率)が高い第2切替モード中に入球先の偏りを生じさせることにより、上述した所要期間の差にも基づく遊技進行のリズム変化を好適に発揮させることができる。
特徴A14.前記第2切替モードとなっている場合には、前記可変入球部へ向けて遊技球を発射することにより、当該可変入球部へ向けて発射された遊技球の数よりも前記払い出し手段によって払い出される遊技球の数の方が多くなるように設定されており、
前記切替手段は前記遊技領域における所定箇所(スルーゲート84)を遊技球が通過したことに基づいて前記可変入球部を前記第1状態に切り替える構成となっており、
前記遊技領域は、前記所定箇所を通過した遊技球が前記可変入球部へ流下するように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2切替モードが長く続けば続くほど獲得できる遊技球の数(持ち球)が増えることとなる。このため、遊技者は特別遊技状態に移行する前にできるだけ長く第2切替モードでの遊技が行われることを期待して遊技を行うと想定される。この種の遊技機に対して上記特徴A1等に示したように入球口に応じて所要期間が変化する構成とすれば、可変入球部へ入球した遊技球の振り分け先に応じて遊技進行のリズムが変化することとなる。故に、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
ここで、遊技球の発射操作の工夫等によって遊技を有利に進めることができるような技術の介入が許容される場合には遊技者の技術等によって取得できる利益が変わり、公平性が損なわれやすくなる。そこで、可変入球部を第1状態に切り替えるべく所定箇所を狙って遊技球を発射すれば必然的に当該遊技球が可変入球部へ到達する構成とすれば、可変入球部への入球を回避しつつ、当該可変入球部を第1状態に切り替えることが困難になる。これにより、第1入球口への入球を抑えつつ第2入球口への入球を発生させることが困難となり、第1所要期間及び第2所要期間を併用することによる技術的意義を好適に担保できる。
特徴A15.前記遊技回の所要期間は、前記絵柄表示手段にて絵柄の可変表示を行う可変表示期間を含んでなり、
前記第1所要期間は、前記可変表示期間として第1可変表示期間を有し、
前記第2所要期間は、前記可変表示期間として第2可変表示期間を有し、
前記第1設定手段及び前記第2設定手段は、前記第2可変表示期間を前記第1可変表示期間よりも長くすることにより、前記第2所要期間が前記第1所要期間よりも長くするように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15に示すように所要期間が絵柄の可変表示を行う可変表示期間を含んでなる構成においては、可変表示期間を遊技の状況に応じて変化させることにより、遊技の単調化を抑制している。このような構成を利用して、第1所要期間及び第2所要期間の差別化を図ることにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A16.前記遊技回の所要期間は、前記絵柄表示手段にて絵柄の可変表示を行った後に絵柄を停止表示する停止表示期間を含んでなり、
前記第1所要期間は、前記停止表示期間として第1停止表示期間を有し、
前記第2所要期間は、前記停止表示期間として第2停止表示期間を有し、
前記第1設定手段及び前記第2設定手段は、前記第2停止表示期間を前記第1停止表示期間よりも長くすることにより、前記第2所要期間が前記第1所要期間よりも長くするように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A15のいずれか1つに記載の遊技機。
近年では、記憶されている特別情報の数が多くなることで、絵柄の可変表示期間を短縮する所謂時短機能が搭載された遊技機が提案されている。この種の遊技機においては、第2切替モードとなって入球確率が上がることにより、上記時短機能が発揮されやすい状況になる。つまり、上述した時短機能が強く発揮されている場合には、所要期間において停止表示期間の占める割合が大きくなる。そこで、この停止表示期間の差によって所要期間に差を生じさせる構成とすれば、時短機能及び遊技結果の報知機能を担保しつつ、特徴A1等に示した効果を担保することができる。そして、このような差の存在が埋没して所要期間の違いが分かりづらくなることを好適に抑制できる。
特徴A17.遊技者の操作に基づいて、遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、第1状態及び当該第1状態よりも入球が困難又は入球が不可となる第2状態に切替可能な可変入球部(例えば作動入球ユニット83の下作動口83b)と、
前記可変入球部への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技者に遊技球の払い出しを行う払出手段(払出制御装置242による払出機能)と、
前記可変入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM404)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU402による抽選機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(例えば主表示部Dや表示画面253a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(例えば主表示ユニット87や図柄表示装置253)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU402にて遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記可変入球部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU402にて電役サポート用処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による前記切替制御には、前記可変入球部が前記第1状態となっている期間が相対的に短い第1切替モード(低頻度サポートモード)と、前記第1状態となっている期間が相対的に長い第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設定されており、
前記可変入球部は、第1入球口(第1入球部83d)及び第2入球口(第2入球部83e)を有し、当該可変入球部に流入した遊技球が前記第1入球口及び前記第2入球口の何れかに入球するように構成されており、
前記遊技回制御手段は、
前記第2切替モードとなっている状況下にて前記第1入球口への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として第1所要期間を設定する第1設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S512)を実行する機能)と、
前記第2切替モードとなっている状況下にて前記第2入球口への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として前記第1所要期間よりも長い第2所要期間を設定する第2設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S514)を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A17によれば、相対的に入球率の高い第2切替モードとなっている状況下にて可変入球部に流入した遊技球は、可変入球部への流入後に第1入球口及び第2入球口に振り分けられることとなる。ここで、第1入球口への入球が発生した場合には遊技回の所要期間(実行期間:例えば変動(可変)表示期間+確定表示期間)として相対的に短い第1所要期間が設定され、第2入球口への入球が発生した場合には遊技回の所要期間として相対的に長い第2所要期間が設定される。このように、可変入球部へ流入した遊技球の入球先に応じて所要期間を変化させることにより、遊技進行のリズムに変化を生じさせることができる。故に、第2切替モードとなって可変入球部への入球頻度が増えることが遊技を単調にする要因となることを好適に抑制することができる。
なお、特徴A2乃至特徴A16に示した技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
特徴A18.遊技者の操作に基づいて、遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する入球部(例えば作動入球ユニット83の下作動口83b)と、
前記入球部への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技者に遊技球の払い出しを行う払出手段(払出制御装置242による払出機能)と、
前記入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM404)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU402による抽選機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(例えば主表示部Dや表示画面253a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(例えば主表示ユニット87や図柄表示装置253)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU402にて遊技回制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記入球部は、
第1入球口(第1入球部83d)及び第2入球口(第2入球部83e)と、
当該入球部に入球した遊技球を前記第1入球口及び前記第2入球口に振り分ける振分手段(振分装置92)と
を有し、
前記遊技回制御手段は、
前記第1入球口への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として第1所要期間を設定する第1設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S512)を実行する機能)と、
前記第2入球口への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として前記第1所要期間よりも長い第2所要期間を設定する第2設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S514)を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A18によれば、入球部に流入した遊技球は、入球部への流入後に第1入球口及び第2入球口に振り分けられることとなる。ここで、第1入球口への入球が発生した場合には遊技回の所要期間(実行期間:例えば変動(可変)表示期間+確定表示期間)として相対的に短い第1所要期間が設定され、第2入球口への入球が発生した場合には遊技回の所要期間として相対的に長い第2所要期間が設定される。このように、可変入球部へ流入した遊技球の入球先(振分先)に応じて所要期間を変化させることにより、遊技進行のリズムに変化を生じさせることができる。故に、遊技の単調の抑制に貢献できる。
なお、特徴A2乃至特徴A16に示した技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者の操作に基づいて、遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技球が入球する第1入球部(第1入球部83d)及び第2入球部(第2入球部83e)と、
前記第1入球部又は前記第2入球部への入球が発生した場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば主制御装置162のMPU402による抽選機能等)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が流入する第1流入口(上作動口83a)及び第2流入口(下作動口83b)と、
前記第2流入口への遊技球の流入を許容する許容状態、及び当該第2流入口への遊技球の流入を規制する規制状態に切り替え可能な切替手段と、
前記切替手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU402にて電役サポート用処理を実行する機能)と
を備え、
前記特典付与手段は、前記第1入球部への入球に基づいて遊技者に付与する特典と、前記第2入球部への入球に基づいて遊技者に付与する特典とが相違するように構成されており、
前記切替制御手段による前記切替制御には、前記切替手段が前記許容状態となっている期間が相対的に短い第1切替モード(低頻度サポートモード)と、前記許容状態となっている期間が相対的に長い第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設定されており、
前記第1流入口に流入した遊技球を前記第1入球部へ案内する第1案内通路(連絡通路83f)と、
前記第2流入口に流入した遊技球を前記第1入球部及び前記第2入球部の何れかへ案内する第2案内通路(案内通路83c)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、第1流入口に流入した遊技球は第1案内通路を通じて第1入球部へ入球し、第2流入口に流入した遊技球は第2案内通路を通じて第1入球部及び第2入球部の何れかに入球することとなる。ここで、切替モードが第1切替モードとなっている場合には第2流入口への流入が困難となるため、遊技球は主として第1流入口へ流入する。故に、ほとんどの遊技球の入球先は第1入球部となる。一方、切替モードが第2切替モードとなっている場合には第2流入口への流入が容易となるため、遊技球は主として第2流入口へ流入する。但し、第2流入口へ流入した遊技球は、その後に第1入球部及び第2入球部の何れかに振り分けられることとなるため、第2入球部への入球の可能性が高まる。ここで、第1入球部への入球に基づく特典と第2入球部への入球に基づく特典とが相違している。例えば、第2入球部に係る特典が優遇されている場合には、遊技者は第2入球部への入球を期待して遊技を行うと想定され、第2入球部に係る特典が冷遇されている場合には、遊技者は第1入球部への入球を期待して遊技を行うこととなる。つまり、第2切替モードにおいては、入球後の遊技球の振分先に応じて遊技を有利に進行させることができるか否かが変わることとなる。これにより、第2切替モード中の遊技の単調化を好適に抑制できる。
特徴B2.前記第2案内通路の途中位置には、前記第2流入口に流入した遊技球を前記第1入球部及び前記第2入球部に振り分ける振分手段(振分装置92)が設けられていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
第2流入口に流入した遊技球が第1入球部又は第2入球部へと流入する場合に、当該遊技球を振り分ける手段を設けることにより、当該振分手段が遊技者の注目の的になる。これにより、遊技球の挙動への注目度を好適に向上させることができる。また、振分手段を有する構成では、例えば振分手段の姿勢等を変化させることで振分態様を変化させることが可能となり、遊技球の挙動の単調化を好適に抑制できる。
特徴B3.前記第1切替モードになっている場合に前記振分手段による遊技球の振分態様を第1振分態様とし、前記第2切替モードとなっている場合に前記振分手段による遊技球の振分対象を第2振分態様とする振分態様変更手段(主制御装置162のMPU402等)を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
そもそも、第1切替モードとなっている状況下であっても第2切替モードよりは流入の確率が下がるものの、第2流入口への流入が否定されているわけではない。本特徴によれば、第1切替モード/第2切替モードに応じて振分手段による振分態様が変更される。つまり、単に第2切替モードでは第2入球部への入球の可能性が高くなるだけでなく、振分態様そのものを変更される。これにより、切替モードと振分態様とに関連性を付与することが可能となり、遊技の単調化の抑制に好適に寄与できる。
特徴B4.前記第1振分態様では、前記第2流入口に流入した遊技球が前記振分手段を通過する度に当該振分手段の姿勢が変更されることで前記第1入球部及び前記第2入球部へ遊技球が交互に振り分けられるように構成され、
前記第2振分態様では、前記振分手段を駆動制御することにより前記第2流入口に流入した遊技球が前記振分手段を通過した場合であっても当該振分手段の姿勢の変更を規制するように構成されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、第2切替モードとなることで振分態様が第1振分態様から第2振分態様に切り替わる。第1切替モードでは遊技球の通過に伴って振分手段の姿勢が変更されることにより遊技球が第1入球部及び第2入球部へ交互に振り分けられる。これにより、第2入球口に係る入球先の偏りが回避される。これに対して、第2切替モードでは振分手段が駆動制御されて振分手段の姿勢の変更が規制されることにより、遊技球の入球先に偏りが発生する。
既に説明したように、第2切替モードにおいては第2流入口への遊技球の流入確率が高くなることにより遊技進行の迅速化が実現される。このようなスピードアップを図ることで、遊技進行が単調になる可能性が高くなる。そこで、第2切替モード中は、遊技球の振分先を各種条件に応じて規定して上述した偏りを発生させることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を具現化する上では、振分手段の姿勢を変更する駆動部を設けるとよい。
特徴B5.前記特典付与手段は、前記第1入球部への入球に基づいて付与される特典よりも前記第2入球部への入球に基づいて付与される特典の方が遊技者にとって有利となるように構成されており、
前記遊技領域には、前記第1流入口に向けて遊技球が流下する第1流下経路(例えば左ルート)と、前記第2流入口に向けて遊技球が流下する第2流下経路(例えば右ルート)とが設けられており、
前記第2流下経路を流下する遊技球の前記第1流入口への流入が回避される構成となっていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
第2切替モードとなった場合には、第2流下経路に向けて遊技球を発射することにより、遊技を有利に進めることができる。ここで、第2流下経路を利用した遊技を行う場合に遊技が単調になっては遊技への注目度が低下してしまう。このような構成に特徴B1等に示した技術的思想を適用することにより、第2流下経路へ遊技球を発射している場合には、第1入球部及び第2入球部への入球が発生することとなり、入球部への入球によって得られる特典が画一的になることを抑制できる。これにより、第2切替モードにおける遊技の単調化の抑制に貢献できる。
特徴B6.前記特典付与手段は、前記第2入球部への入球に基づいて付与される特典よりも前記第1入球部への入球に基づいて付与される特典の方が遊技者にとって有利となるように構成されており、
前記遊技領域には、前記第1流入口に向けて遊技球が流下する第1流下経路(例えば左ルート)と、前記第2流入口に向けて遊技球が流下する第2流下経路(例えば右ルート)とが設けられており、
前記第2流下経路を流下する遊技球の前記第1流入口への流入が回避される構成となっていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
第2切替モードとなった場合には、第2流下経路に向けて遊技球を発射することにより、より多くの入球を発生させることができる。しかしながらその反面、入球に基づいて付与される特典への期待は低下する。一方、第1流下経路に向けて遊技球を発射した場合には、得られる特典は大きくなる一方で入球の発生確率に係る恩恵は小さくなる。このような構成とすることにより、第2切替モードとなった場合であっても、第1流下経路/第2流下経路の何れに向けて遊技球を発射するかを選択させることができる。このようにして自由度を高めることにより、遊技の単調化の抑制に貢献できる。
特徴B7.前記特典付与手段は、
前記第1入球部への入球に基づいて第1所定数(例えば3つ)の遊技球を払い出す第1払出手段(主制御装置162のMPUにて作動口用の入賞処理を実行して3つの遊技球を払い出す機能)と、
前記第2入球部への入球に基づいて前記第1所定数よりも多い第2所定数(例えば6つ)の遊技球を払い出す第2払出手段(主制御装置162のMPUにて作動口用の入賞処理を実行して6つの遊技球を払い出す機能)と
を有し、
前記第2切替モードとなっている場合には、前記第2流下経路へ向けて遊技球を発射することにより、当該第2流下経路へ向けて発射された遊技球の数よりも前記第1払出手段及び前記第2払出手段によって払い出される遊技球の数の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
特徴B7によれば、第2切替モードが長く続けば続くほど獲得できる遊技球の数(持ち球)が増えることとなる。このため、遊技者はできるだけ長く第2切替モードでの遊技が行われることを期待して遊技を行うと想定される。第2入球口へ流入した遊技球の振分先によって払い出される遊技球の数が変化することにより、単位時間当たりの持ち球の増加率を変化させることができる。つまり、第2流入口へ流入した遊技球の振り分け先に応じて遊技のリズムが変化することとなる。故に、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特徴B8.前記特典付与手段は、
前記第1入球部への入球に基づいて第1所定数(例えば3つ)の遊技球を払い出す第1払出手段(主制御装置162のMPUにて作動口用の入賞処理を実行して3つの遊技球を払い出す機能)と、
前記第2入球部への入球に基づいて第2所定数(例えば6つ)の遊技球を払い出す第2払出手段(主制御装置162のMPUにて作動口用の入賞処理を実行して6つの遊技球を払い出す機能)と
を有し、
前記第2切替モードとなっている場合には、前記第2流下経路へ向けて遊技球を発射することにより、当該第2流下経路へ向けて発射された遊技球の数よりも前記第1払出手段及び前記第2払出手段によって払い出される遊技球の数の方が多くなるように設定されており、
前記第1入球部又は前記第2入球部への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM404)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162のMPU402による抽選機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技状態を特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
表示部(例えば主表示部Dや表示画面253a)を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(例えば主表示ユニット87や図柄表示装置253)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU402にて遊技回制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記遊技回制御手段は、
前記第2切替モードとなっている状況下にて前記第1入球部への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として第1所要期間を設定する第1設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S512)を実行する機能)と、
前記第2切替モードとなっている状況下にて前記第2入球部への入球が発生した場合に、当該入球に基づいて遊技回の所要期間として前記第1所要期間よりも長い第2所要期間を設定する第2設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間の設定処理(S514)を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴B5乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、相対的に入球率の高い第2切替モードとなっている状況下にて第2琉球口に流入した遊技球は、流入後に第1入球部及び第2入球部に振り分けられることとなる。ここで、第1入球部への入球が発生した場合には遊技回の所要期間(実行期間:例えば変動(可変)表示期間+確定表示期間)として相対的に短い第1所要期間が設定され、第2入球部への入球が発生した場合には遊技回の所要期間として相対的に長い第2所要期間が設定される。このように、第2流入口へ流入した遊技球の入球先(振分先)に応じて所要期間を変化させることにより、遊技進行のリズムに変化を生じさせることができる。故に、第2切替モードとなって可変入球部への入球頻度が増えることが遊技を単調にする要因となることを好適に抑制することができる。
第2切替モードが長く続けば続くほど獲得できる遊技球の数(持ち球)が増えることとなる。このため、遊技者は特別遊技状態に移行する前にできるだけ長く第2切替モードでの遊技が行われることを期待して遊技を行うと想定される。この種の遊技機に対して上述したように入球先に応じて所要期間が変化する構成とすれば、第2流入口へ流入した遊技球の振分先に応じて遊技進行のリズムが変化することとなる。故に、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
特徴B9.前記特別情報に基づいて前記第2切替モードから前記第1切替モードへ移行させるか否かを決定する決定手段を有していることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、可変入球部への入球(取得された特別情報)に基づいて第1切替モードへの移行判定(転落抽選)と、遊技球の払い出しとが行われる。遊技球の払い出し等の特典を得ようとすれば、必然的に第1切替モードへの移行(降格)のリスクを負うこととなる。このため、1の付与判定が行われるまでに少しでも多くの入球を発生させることが遊技を有利に進める上で重要となる。このような遊技態様にて上述した所要期間の差違を設けることには、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度を好適に向上させるという技術的意義がある。
特徴B10.前記取得情報記憶手段は、
前記情報取得手段の取得した前記第1入球部に係る特別情報を複数の数として予め定められた第1規定数(例えば4つ)を上限として記憶する手段(第1入球部用保留エリアRa)と、
前記情報取得手段の取得した前記第2入球部に係る特別情報を複数の数として予め定められた第2規定数(例えば4つ)を上限として記憶する手段(第2入球部用保留エリアRb)と
を有してなり、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行うように構成されており、
前記記憶手段によって記憶されている特別情報の数が第1規定数に達している状況下にて、前記第1入球部への入球が発生した場合には、当該入球に基づいた前記情報取得手段による特別情報の取得が規制される一方、当該入球に基づいた前記第1払出手段による遊技球の払い出しは許容される構成となっており、
前記記憶手段によって記憶されている特別情報の数が第2規定数に達している状況下にて、前記第2入球部への入球が発生した場合には、当該入球に基づいた前記情報取得手段による特別情報の取得が規制される一方、当該入球に基づいた前記第2払出手段による遊技球の払い出しは許容される構成となっていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
記憶できる特別情報の数に上限(規定数)が設定されている場合には、上限を超えた入球の発生に基づく特別情報の取得が回避される。つまり、規定数を超えている状況下での入球については、遊技球の払い出しというメリットを享受できる一方、第1切替モードへの降格のリスクを負うというデメリットは発生しない(第2切替モードの終了契機となることを回避できる)。
上述したように、第2切替モードにおいてはできるだけ時間を稼ぐことが遊技を有利に進めることに直結すれば、遊技球の発射を抑えて入球が1つずつ発生するような遅延行為がなされる可能性を否定できない。仮にこのような遅延行為が行われた場合には、上述した単調化抑制機能を上手く発揮できなくなるばかりか遊技機の稼働率が低下する等の不都合が生じ得る。また、遊技進行を加速させるという第2切替モード本来の機能まで無駄になり得る。
この点、本特徴に示す構成との組み合わせによれば、上限を超えた入球を狙って遊技を行うように促すことができ、遊技球の発射操作が継続されやすくなる(所謂変則打ちが行われにくくなる)。これにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
また、第1規定数に達している場合には、第1入球部への振り分けを期待して遊技が行われ、第2規定数に達している場合には第2入球部への振り分けを期待して遊技が行われる可能性が生じ、状況に応じて遊技者が期待する入球先が変化し得る。これにより、遊技の単調化を一層好適に抑制できる。
特徴B11.遊技者の操作に基づいて、遊技領域(遊技領域PE)へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
遊技球が入球する第1入球部(第1入球部83d)及び第2入球部(第2入球部83e)と、
前記第1入球部への入球に基づいて第1所定数の遊技球を払い出す第1払出手段と、
前記第2入球部への入球に基づいて前記第1所定数とは異なる第2所定数の遊技球を払い出す第2払出手段と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が流入する第1流入口(上作動口83a)及び第2流入口(下作動口83b)と、
前記第2流入口への遊技球の流入を許容する許容状態、及び当該第2流入口への遊技球の流入を規制する規制手段に切り替え可能な切替手段と、
前記切替手段を前記許容状態及び前記規制状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162のMPU402にて電役サポート用処理を実行する機能)と
を備え、
前記切替制御手段による前記切替制御には、前記切替手段が前記許容状態となっている期間が相対的に短い第1切替モード(低頻度サポートモード)と、前記許容状態となっている期間が相対的に長い第2切替モード(高頻度サポートモード)とが設定されており、
前記第2切替モードとなっている場合には、前記第2流下経路へ向けて遊技球を発射することにより、当該第2流下経路へ向けて発射された遊技球の数よりも前記第1払出手段及び前記第2払出手段によって払い出される遊技球の数の方が多くなるように設定されており、
前記第1流入口に流入した遊技球を前記第1入球部へ案内する第1案内通路(連絡通路83f)と、
前記第2流入口に流入した遊技球を前記第1入球部及び前記第2入球部の何れかへ案内する第2案内通路(案内通路83c)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B11によれば、第1流入口に流入した遊技球は第1案内通路を通じて第1入球部へ入球し、第2流入口に流入した遊技球は第2案内通路を通じて第1入球部及び第2入球部の何れかに入球することとなる。ここで、切替モードが第1切替モードとなっている場合には第2流入口への流入が困難となるため、遊技球は主として第1流入口へ流入する。故に、ほとんどの遊技球の入球先は第1入球部となる。一方、切替モードが第2切替モードとなっている場合には第2流入口への流入が容易となるため、遊技球は主として第2流入口へ流入する。但し、第2流入口へ流入した遊技球は、その後に第1入球部及び第2入球部の何れかに振り分けられることとなるため、第2入球部への入球の可能性が高まる。ここで、第1入球部への入球に基づく特典(賞球)と第2入球部への入球に基づく特典(賞球)とが相違している。
第2切替モードが長く続けば続くほど獲得できる遊技球の数(持ち球)が増えることとなる。このため、遊技者はできるだけ長く第2切替モードでの遊技が行われることを期待して遊技を行うと想定される。第2入球口へ流入した遊技球の振分先によって払い出される遊技球の数が変化することにより、単位時間当たりの持ち球の増加率を変化させることができる。つまり、第2流入口へ流入した遊技球の振り分け先に応じて遊技のリズムが変化することとなる。故に、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
上述した各特徴に示す技術的思想のいずれか1つを他の特徴に適用してもよいし、複数の特徴に示した技術的思想を組み合わせて他の特徴に適用してもよい。また、各特徴に示す構成の一部を抽出して他の特徴に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100の誘導通路103等)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。