以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図111を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠11には、内枠4を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入賞口64,第2入賞口640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート66を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された第1電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の第1電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート66の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64,第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
さらに、第1入賞口64の正面視左側には、球が入賞し得る第3入賞口82が配設されている。第3入賞口82は、球が入賞すると送球ユニット600を介して後述する振分けユニット500の第1開口511へ入賞した球を送球することができる。即ち、第3入賞口82は後述する第1開口511と連通した状態で配置されている。
第3入賞口82には第3電動役物82aが付随されている。この第3電動役物82aは、遊技盤13に対して回転変位して開閉可能に構成されており、通常は第3電動役物82aが閉鎖状態(縮小状態)となって球が第3入賞口82へ入賞し難い状態となっている。一方、第1入賞口64又は第2入賞口640の入賞を契機とする大当たりの判定があった場合、その大当たり前、後、又は大当たり中に、第3電動役物82aが所定時間開放(拡大状態)となり、球が第3入賞口82へ入賞しやすい状態となる。また、第3入賞口82の下流側には、通過した球を検出するセンサ装置SE1が搭載される。
なお、第3電動役物82aの開放のタイミングは、第1入賞口64及び第2入賞口5640の入賞を契機にして行われるものでなくても良く、第1スルーゲート66寝の球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、開放されるものであっても良い。
第2入賞口640には第1電動役物640aが付随されている。この第1電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような第1電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第1スルーゲート66に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第1スルーゲート66を通過させて第1電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64,第2入賞口640のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータKM1,KM2,KM3が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図10を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、パチンコ機10の分解斜視正面図であり、図6は、動作ユニット200及び遊技盤13の分解斜視正面図である。また、図7から図10は、動作ユニット200の正面図である。
なお、図7では、上変位部材940が上方に退避されると共に、下変位部材440が下方に退避された状態が、図8では、図7に示す状態から、上変位部材940が下方に回転変位された状態が、図9では、図7に示す状態から、下変位部材440が後述する第1張出位置に張り出された状態が、図10では、下変位部材440が、最大の張り出し位置である第2張出位置に変位された状態が、それぞれ図示される。
図5及び図6に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース300を備え、その背面ケース300の内部空間に、上変位ユニット900、下変位ユニット400、回転ユニット700及び遊技盤13の背面に取着される振分けユニット5あ00と送球ユニット600とが収容される。
背面ケース300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
上変位ユニット900は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの上側部分に配設される正面視矩形横長のベース部材910と、そのベース部材910に摺動可能に配設される上変位部材940とを備え、背面ケース300の開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側で、上変位部材940を摺動させつつ回転変位させる演出を実行可能に形成される。なお、上変位ユニット900の詳しい説明は後述する。
下変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの下側部分に配設される正面視矩形横長のベース部材410と、そのベース部材410に摺動可能に配設される下変位部材440とを備え、背面ケースの開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側で、下変位部材440を摺動させつつ回転変位させる演出を実行可能に形成される。なお、下変位ユニット400の詳しい説明は後述する。
回転ユニット700は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの下側部分の正面視右側(矢印)に配設される正面視略矩形の背面ベース720と、その背面ベース720の前方に配設される回転体800とを備え、遊技盤13の正面視右側下方に形成される透明の板部を介して回転体800を回転変位させる演出を遊技者に視認可能とされる。なお、回転ユニット700の詳細な説明については後述する。
送球ユニット600は、遊技盤13の背面側に取着され、遊技盤13の第3入賞口82から遊技盤13の背面側に送球される遊技球を後述する振分けユニット500の第1開口511に送球する経路が形成される。
振分けユニット500は、遊技盤13の背面側に取着される経路形成部材510と、経路形成部材510との対向に所定の隙間を形成した状態で配設されるベース板520と、そのベース板520に取着され経路形成部材510とベース板520との対向間を流下する遊技球を各送球経路(第2送球経路KR2又は第3送球経路KR3)に振り分ける振分け部材540とを備える。この振分け部材540に振り分けられた遊技球が下変位ユニット400に送球される。なお、振分けユニット500の詳しい説明は後述する。
<第1の装飾体と第2の装飾体が前後方向に隣り合う位置に配置される>
次いで、図11から図16を参照して、遊技盤13に配設される一般入賞口ユニット150について説明する。
初めに、図11及び図12を参照して、一般入賞口ユニット150について説明する。図11は、遊技盤13の分解斜視正面図であり、図12(a)は、一般入賞口ユニット150の正面図であり、図12(b)は、図12(a)のXIIb−XIIb線における一般入賞口ユニット150の断面図である。
図11及び図12に示すように、遊技盤13は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86及び一般入賞口ユニット150と、を備える。
ベース板60は、正面視において中央部分に開口される第1開口部60aと、レール部材76,77により形成される遊技領域の重力方向下側に開口される第2開口部60bと、を備える。第1開口部60aには、センターフレーム86が配設され、第2開口部60bには、一般入賞口ユニット150が配設される。また、ベース板60には、正面側(矢印F方向側)に装飾(模様や図柄等)が形成されたシールが貼付されて、遊技者にその装飾を視認させることができる。なお、ベース板60の正面側の装飾は、シールに限られるものではなく、ベース板60の正面に装飾が印刷(塗装)されるものであっても良い。
一般入賞口ユニット150は、遊技盤13の遊技領域(ベース板60の正面)に配設され、遊技領域を流下する遊技球の経路を変更可能とされる。また、一般入賞口ユニット150は、内レール76及び外レール77により囲われて形成される遊技領域に対して、正面視(矢印B方向視)における重力方向下側(矢印D方向側)の端部に沿う位置に配置される。なお、図13〜図16では、ベース板60に配設されるシールが装飾部材60cの符号を付して図示される。また、本実施形態では、装飾部材60cにキャラクター(人)が描かれる。
一般入賞口ユニット150は、正面視において三日月状に形成される本体部151と、その本体部151の端部から正面側(矢印F方向側)に立設される第1立設部152と、その第1立設部152の重力方向上側(矢印U方向側)の端部から遊技領域の中央側に向かって延設される第2立設部153と、本体部151の背面側に配設される装飾部材154と、本体部151の正面側に形成される複数(本実施形態では3個)の一般入賞口63と、を主に備える。
本体部151は、ベース板60の板厚方向に開口される第2開口部60bの開口形状よりも若干大きい外形に設定され、第2開口部60bの開口に覆設された状態でベース板60の正面側に配設される。また、第2開口部60bにより、本体部151に配設される一般入賞口63に流入する遊技球を遊技盤13(ベース板60)の背面側に送球できる。さらに、本体部151は、正面視において内側部分から外側の端部に向かうほどベース板60側に傾斜する傾斜面151aと、ベース板60側(矢印B方向側)の背面に凹設される凹部151bと、その凹部151bを除いた本体部151の背面を形成する背面部151dと、を主に備えて形成される。
傾斜面151aは、ベース板60の正面に対して略30度ほど傾斜して形成される。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を、傾斜面151aに当接させて傾斜面151aの傾斜に沿って流下させて、本体部151の正面側に移動させることができる。
ここで、本体部151の端部に傾斜面151aが形成されず、本体部151の側面が、ベース板60の正面に対して垂直に形成される場合には、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球が、本体部151の側面に対して直交する方向から当接(衝突)して、その当接した遊技球が流下方向と反対方向に跳ね返る恐れがある。
これに対し、本実施形態では、傾斜面151aにより、本体部151の側面に当接する遊技球を本体部の正面側に移動させることができるので、遊技領域を流下する遊技球の流下が一時的に停滞することを抑制できる。その結果、ベース板60の正面側から一般入賞口ユニット150の本体部151の正面に遊技球をスムーズに流下させることができる。
背面部151dは、上述したように本体部151の背面であり、背面視における凹部151bの周囲に一定の幅で形成される。また、背面部151dは、一般入賞口ユニット150がベース板60に配設された状態において、ベース板60(装飾部材60c)の正面に当接して配設される。
凹部151bは、正面側(矢印F方向側)に向かって凹設される。また、凹部151bは、凹設方向の底面となる凹設底面151b2と、その凹設底面151b2の外縁から背面側(矢印B方向側)に向かって立設される内側面151b3と、を有する。
凹設底面151b2は、後述する装飾部材154の接着面であり、本体部151の正面と平行な平面として形成される。これにより、本体部151を介して装飾部材154の装飾を視認した場合に、装飾部材154の装飾を一様に視認させることができる。
内側面151b3は、正面視における前後方向(矢印F−B方向)に延設される。また、内側面151b3の正面視における形状は、後述する装飾部材154の外形と略同一に形成される。これにより、凹部151bに装飾部材154を配設した場合に、装飾部材154が凹部151bの外側に突出することを抑制できる。従って、一般入賞口ユニット150が、ベース板60に配設された際に、背面部151dとベース板60との間に装飾部材154が挟まることで本体部151の背面部151dとベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、本体部151がベース板60に対して、通常の配設位置よりも正面側に張り出すことを抑制できる。その結果、ベース板60の正面側から一般入賞口ユニット150の本体部151の正面に遊技球をスムーズに流下させることができる。
凹部151bは、その凹設空間に後述する装飾部材154を収容する凹みであり、凹設深さ(正面側(矢印F方向側)への凹設距離)が、装飾部材154の厚み寸法よりも大きく設定される。また、凹部151bは、正面視における本体部151の端部から本体部151の内側に一定の距離を隔てた位置で本体部151の端部の形状に沿って凹設される。
よって、凹部151bの内側に装飾部材154を配設した場合に、装飾部材154の背面が、本体部151よりも背面側に張り出すことを抑制できる。従って、一般入賞口ユニット150がベース板60に配設された際に、凹設底面151b2とベース板60との間に装飾部材154が挟まることで本体部151の背面部151dとベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、本体部151がベース板60に対して通常の配設位置よりも正面側に張り出すことを抑制できる。その結果、本体部151の重力方向上方(矢印U方向)から一般入賞口ユニット150の本体部151の正面に遊技球をスムーズに流下させることができる。
第1立設部152は、遊技領域の端部側(内レール76側)における本体部151の端部から正面側(矢印F方向側)に立設される。第1立設部152は、その立設寸法がベース板60(装飾部材60c)の正面に植立される内レール76の植立方向の幅寸法と略同一に設定される。また、第1立設部152は、遊技盤13の正面側を覆う前扉5のガラスユニット16との対向間の間隔が遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、本体部151の正面側を流下する遊技球を、遊技領域の重力方向下側の端部で第1立設部152に衝突させることができる。その結果、本体部151の正面側を流下する遊技球が内レール76に衝突することを抑制でき、内レール76が遊技球と衝突して曲げられることを抑制できる。
ここで、内レール76と外レール77との対向間は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された遊技球を遊技盤13の上部へ案内するための空間であり、内レール76と外レール77との対向間に補強等を配設するスペースが限られる。そのため、内レール76が曲がることを防止する目的で補強を配設することが困難であり、遊技領域を流下する遊技球が内レール76に衝突して、内レール76が曲がる恐れがあった。
これに対して、本実施形態では、遊技領域内に配設される一般入賞口ユニット150(第1立設部152)により遊技領域を流下する遊技球が内レール76に衝突しにくくすることができる。従って、内レール76が曲ることで、内レール76及び外レール77の対向間の距離が変更されることを抑制できる。その結果、遊技球を安定して遊技領域に打ち出すことができる。
第2立設部153は、正面視において第1立設部152の重力方向上側(矢印U方向側)の端部から遊技領域の中央(第1入賞口64)に向かって下降傾斜して延設される(図2参照)。これにより、内レール76とセンターフレーム83との対向間(図2参照)を流下する遊技球が、第2立設部153の下降傾斜する延設部分の上面(矢印U方向側の面)に送球されると、その遊技球を第2立設部153の下降傾斜に沿って転動させて、遊技領域の中央に向けて送球することができる。これにより、内レール76と外レール77との対向間側(矢印L方向側)の遊技領域を流下する遊技球を、遊技領域の中央に配設される第1入賞口64に入賞(流入)させやすくできる。
装飾部材154は、板状に形成されると共に、本体部151の背面側に接着される。また、装飾部材154は、本体部151側の正面にベース板60の装飾部材60cに形成される装飾と正面視において連なる装飾が形成される。これにより、ベース板60に形成される装飾を装飾部材154の装飾と合わせて1の装飾に視認させることができる。なお、本実施形態では、装飾部材154にキャラクター(人)の一部が描かれており、装飾部材60cのキャラクターと装飾部材154のキャラクターとを合わせて1人のキャラクターとして視認させることができる。
また、装飾部材154は、光透過性材料から形成される。これにより、ベース板60の背面側(矢印B方向側)から第2開口部60bを通した光を装飾部材154の背面から入射させて、装飾部材154の正面側(矢印F方向側)から出射させることができる。よって、装飾部材154の正面に形成される装飾を明るくして、遊技者に視認させることができ、遊技者に装飾部材154の装飾を視認させやすくできる。
次いで、図13を参照して、ベース板60と一般入賞口ユニット150とについて説明する。図13は、図2のXIII−XIII線における遊技盤13の断面図である。
図13に示すように、装飾部材154は、ベース板60の第2開口部60bの正面視における開口形状よりも外形が大きく形成される。これにより、一般入賞口ユニット150がベース板60に配設されると、装飾部材154の端部は、本体部151の凹部151bの凹設底面151b2とベース板60(装飾部材60c)との間に配置される。よって、本体部151と装飾部材154との接着が経年劣化等により剥がれた場合に、装飾部材154が遊技盤13から脱落することを抑制できる。
また、装飾部材154は、ベース板60と前後方向(矢印F−B方向)において重なる幅寸法が、後述する本体部151の背面から突設される突起155が挿入されるベース板60の円形状の開口60g(図11参照)の直径よりも大きく設定される。これにより、装飾部材154の本体部151に対する配置の位置ずれ、又は、装飾部材60cを形成した位置のずれにより、正面視における装飾部材154及び装飾部材60cの装飾の間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾とを1の装飾として遊技者に認識させやすくできる。
また、本体部151に配設される3個の一般入賞口63は、遊技盤13の背面側に配設される振り分けユニット500(図71参照)の開口514〜516に接続されており、一般入賞口63に入賞した遊技球は、振り分けユニット500の第4送球経路KR4に送球される。なお、振り分けユニット500についての詳しい説明は後述する。
さらに、振り分けユニット500には、正面側に光を照射可能な光源を備える基板(図示しない)がベース板520(図71参照)に配設されており、その基板から照射される光がベース板60の第2開口部60bを挿通して一般入賞口ユニット150の背面に照射される。
よって、第2開口部60bは、一般入賞口ユニット150の一般入賞口63から入賞する遊技球の経路および一般入賞口ユニット150の背面に光を照射する空間として利用される。これにより、遊技球を送球するための開口と、光を通過させるための開口と、2箇所の開口を分けて形成する必要がなくなるので、一般入賞口ユニット150の背面の全域に光を照射しやすくすることができると共に、一般入賞口ユニット150の本体部151の全域に一般入賞口63を配置することができる。その結果、一般入賞口ユニット150の設計の自由度を向上することができると共に、一般入賞口ユニット150の全域から光を出射して一般入賞口ユニット150の装飾(装飾部材154)を遊技者に視認させやすくできる。
また、本実施形態によれば、図13に示すように、遊技盤13のベース板60の装飾部材60cと連なる装飾の装飾部材154は、ベース板60の正面に沿って配設される本体部151の背面に配置されるので、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾とを前後方向(矢印F−B方向)に隣合う(近づいた)位置に配置することができる。これにより、装飾部材60c及び装飾部材154の正面視に対して傾斜した角度(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から装飾部材60c及び装飾部材154を視認した際に、一般入賞口ユニットの装飾が一般入賞口ユニットの正面に配設される場合に比べて、装飾部材60c及び装飾部材154の装飾がずれて視認されることを抑制できる。その結果、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾との連結部分を遊技者の視点に関わらず同様の位置関係で遊技者に視認させることができ、遊技盤13の意匠性を向上できる。
次いで、図14を参照して、装飾部材154及びベース板60の装飾部材60cの連結について詳しく説明する。図14は、図13の範囲XIVにおける遊技盤13の部分拡大断面図である。なお、図14では、遊技者に視認される光の経路が2点鎖線で図示される。
上述したように、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾とは、合わせて1の装飾として遊技者に視認される。従って、ベース板60の装飾部材60cと装飾部材154の装飾とを1の装飾(模様)として遊技者に視認させるために、両者の装飾の位置ずれを抑える必要がある。しかしながら、ベース板60に装飾を形成する際、又は、本体部151に装飾部材154を配設する際に、その装飾を正確な位置(毎回同じ位置)に配置することが困難である。従って、ベース板60に一般入賞口ユニット150を配設した場合に、ベース板60の装飾部材60cに対する装飾部材154の装飾の位置がずれて配設されることで、装飾部材60cと装飾部材154との装飾を合わせて1の装飾として遊技者に視認させにくくなるという問題点があった。
これに対して、本実施形態によれば、装飾部材154は、その端部が傾斜面151aの背面側に配置される。これにより、装飾部材154の装飾とベース板60の装飾部材60cの装飾との連結部分が、遊技者から正確に認識されにくくする(連結部分をぼやかして遊技者に視認させる)ことができる。よって、装飾部材60cと装飾部材154とを1の装飾として遊技者に認識させることができる。
詳しく説明すると、図14に示すように、装飾部材154の装飾と装飾部材60cの装飾との連結部(以下、「境界P1」(図14参照)と称す)は、本体部151の傾斜面151aの背面側に位置される。よって、境界P1から遊技者の視点に向かって出射される光と、本体部151の正面と傾斜面151aとの連結部(以下、「境界P2」(図14参照)と称す)から遊技者の視点に向かって出射される光とを、装飾部材60c又は装飾部材154の異なる位置で反射した光にすることができる(即ち、境界P1から遊技者の視点に向かって出射される光の経路上に、境界P2が形成されることを抑制できる)。
従って、境界P1では、装飾部材154に対する装飾部材60cの配置のずれが装飾の位置ずれとして遊技者に認識されやすく、又、境界P2では、光の屈折方向の違いによる装飾の位置ずれが遊技者に認識されやすいところ、境界P1及び境界P2のそれぞれの位置から遊技者が視認する装飾を異なる位置の装飾にすることができるので、境界P1及び境界P2における装飾の位置ずれが、同一の位置で遊技者に視認されることを抑制できる。従って、境界P1における装飾の位置ずれと、境界P2における装飾の位置ずれとが合わさり、装飾の位置ずれ量が大きくなって遊技者に認識されることを抑制できる。その結果、装飾部材60cと装飾部材154との装飾を遊技者に1の装飾として認識させやすくでき、遊技盤13の意匠性を向上できる。
さらに、境界P1を傾斜面151aの背面側に配置することで、遊技者の視点において、装飾部材60c及び本体部151の連結部(以下、「境界P3」(図14参照)と称す)と、境界P2との間に境界P1を配置することができる。よって、本体部151から光が出射する際に光が屈折することによる装飾の位置ずれ位置(境界P2,P3)の間に、境界P1を配置することができる。従って、装飾の位置がずれて認識される領域が間延びすることを抑制できる。即ち、装飾の位置がずれて視認される領域を遊技盤13の正面に対して限定的にすることができる。その結果、装飾の位置ずれ領域を遊技盤13の遊技領域に対して、少なくすることができるので、装飾部材60c及び装飾部材154の装飾を遊技者に1の装飾として認識させやすくできる。
なお、本実施例では、ベース板60の装飾部材60cにキャラクターの顔が装飾され、一般入賞口ユニット150の装飾部材154に装飾部材60cに装飾されたキャラクターの体が装飾される。即ち、装飾部材60cと装飾部材154との装飾の連結部分には、その装飾の輪郭が位置される。よって、装飾部材60cと装飾部材154との連結部分の位置ずれを装飾の輪郭線であると遊技者に認識させることができる。その結果、装飾部材60c及び装飾部材154の装飾を遊技者に1の装飾として認識させやすくできる。
さらに、本実施例では、ベース板60の装飾部材60cにキャラクターの顔の首元までが装飾され、一般入賞口ユニット150の装飾部材154に装飾部材154に装飾部材60cに装飾されたキャラクターの体が着用する服が装飾され、キャラクターの顔(首)と服との色合いが異なるもの(本実施例では、顔が肌色で服が黒色)で装飾される。これにより、装飾部材60cと装飾部材154との連結部分の位置ずれを色合いの異なる部分とすることで、装飾部材60cと装飾部材154とが分割されていることを遊技者に認識させにくくすることができる。その結果、装飾部材60c及び装飾部材154の装飾を遊技者に1の装飾として認識させやすくできる。
本体部151には、上述したように背面側に凹部151bが凹設され、その内側に装飾部材154が配設される。また、凹部151bの内側の側面(内側面151b3)の形状は、正面視における装飾部材154の外形と略同一に設定される。これにより、装飾部材154を本体部151に配設する際には、凹部151bの内側面151b3をガイド(位置決め)として利用することができる。その結果、装飾部材154を本体部151に貼付する際に、装飾部材154の配置が本体部151に対して位置ずれすることを抑制できる。
さらに、本体部151の背面側には円柱状に突出する突起155(図15参照)が複数個所(本実施形態では、3箇所(図15参照))に形成される。突起155は、一般入賞口ユニット150をベース板60に配設する場合にベース板60との位置決めをする位置決め突起であり、ベース板60に凹設される凹部60dに挿入される。また、突起155は、少なくとも1箇所(本実施形態では1箇所)が、凹部151bの凹設底面151b2から突設され、装飾部材154に形成される開口に挿入される。従って、突起155を本体部151に装飾部材154を配設する場合の位置決めとして利用することができる。
よって、突起155により、一般入賞口ユニット150をベース板60に配設する際の位置決めをすることができると共に、装飾部材154を本体部151に配設する際の位置決めをすることができる。従って、装飾部材60cの正面側に装飾部材154を配置する際の位置決めとなる部分を同一の部分とすることができるので、装飾部材60cの装飾と装飾部材154の装飾とが位置ずれすることを抑制できる。その結果、装飾部材60cの装飾と装飾部材154の装飾とを合わせて1の装飾として遊技者に認識させやすくできる。
さらに、凹設底面151b2から突設される突起155は、後述する範囲E1(図15参照)の領域(接着テープ154aの貼付領域)に形成される。これにより、本体部151に装飾部材154を配設する際に、装飾部材154の開口に突起155を挿入した状態で、装飾部材154の縁部の一箇所を凹部151bの内側面151b3に位置を合わせて配設することで、本体部151に対して装飾部材154の2箇所を位置決めすることができる。従って、装飾部材154の縁部を凹部151bの内側面151b3の2箇所で位置をあわせて、装飾部材154を本体部151に配設する必要がなくなる。その結果、装飾部材154の本体部151への配設作業を簡易にできる。
次いで、図15及び図16を参照して、本体部151と装飾部材154との接着について説明する。図15は、一般入賞口ユニット150の背面図であり、図16は、図13の範囲XIVにおける遊技盤13の部分拡大断面図である。なお、図15では、装飾部材154に貼付される接着テープ154aの範囲が、E1の符号を付して2点鎖線で図示される。また、図14では、遊技者に視認される光の経路が2点鎖線で図示される。なお、本実施形態では、接着テープ154aが、光透過性の両面のテープから形成されて、範囲E1に貼付される。
図15及び図16に示すように、装飾部材154と本体部151とを接着する接着テープ154aは、装飾部材154の端部に沿って一定の幅で貼付される。これにより、接着テープ154aが貼付されていない領域(範囲E1以外の部分)では、接着テープ154aの厚みの分、本体部151(凹設底面151b2)と装飾部材154(装飾部材の正面)との間に所定の幅の隙間(空間)が形成される。
また、接着テープ154aは、装飾部材154の端部から境界P3を通過して傾斜面151aと直交する仮想線PK1(図14参照)を超える領域に接着される。これにより、本体部151を通過して傾斜面151aから出射される光が、装飾部材154の装飾の影響を受ける部分(波長が変化される部分)を接着テープ154aを貼付した範囲E1(装飾部材154の端部)とすることができる。その結果、遊技者が所定以上の角度から一般入賞口ユニット150を視認した場合にも、装飾部材60cと装飾部材154の装飾とを1の装飾として遊技者に視認させやすくすることができる。
ここで、遊技者が、通常よりも高い位置(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から遊技盤13を視認する場合には、図16に示すように、傾斜面151aから遊技者の目線に向かって抜け出る光Lが、本体部151の正面および背面を繰り返し反射して、本体部151の内部を通過する。この場合、装飾部材154の正面の全域が接着テープ154aを介して本体部151と当接するものであると、装飾部材154側で反射される度に装飾部材154の装飾により光の波長が変更される。従って、本体部151の内部を通過して傾斜面151aから出射される光は、装飾部材154の端部の装飾による波長の変化のみで反射することができない。よって、傾斜面151aから遊技者に認識される装飾が本体部151の正面から遊技者に視認される装飾の波長と異なるために、本体部151と傾斜面151aとで、装飾が連ならなくなるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、装飾部材154の本体部151への接着部分を範囲E1のみとすることで、本体部151の内部を反射して通過する光Lが、装飾部材154の装飾の影響を受けないよう(光の波長が変更されないよう)にすることができる。その結果、図16に示すように、本体部151を通過して傾斜面151aから出射される光が、装飾部材154の装飾の影響を受ける部分(波長が変化される部分)を接着テープ154aを貼付した範囲E1(装飾部材154の端部)とすることができ、遊技者に視認される傾斜面151aの装飾と隣合う装飾と連なるものとして遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技盤13の意匠性を向上できる。
次いで、図17から図36を参照して、特別入賞装置550について説明する。初めに、図17を参照して、特別入賞装置550の配設方法について説明する。図17は、センターフレーム86の分解斜視正面図である。
図17に示すように、センターフレーム86は、ベース板60の中央の開口を取り囲む略円形の枠状に形成されるベース枠86aと、そのベース枠86aの径方向外側に突出される突設部86bと、を備えて構成される。
ベース枠86aは、ベース板60の中央の開口に沿う形状とされ、その中央の開口の内側にベース枠86aの一部が挿入されると共に、ベース枠86aの一部を除く部分がベース板60の正面側に張り出した状態でベース板60に配設される。
突設部86bは、遊技盤13の遊技領域に対して、正面視右側(矢印R方向側)に突設される。これにより、突設部86bに配設される特別入賞装置550を遊技領域に対して正面視右側(矢印R方向側)に配設することができ、特別遊技状態となった際の右打ち時の遊技球の送球経路の一部を特別入賞装置550により構成することができる。
また、突設部86bは、前後方向(矢印F−B方向)に開口する開口部86b1と、その開口部86b1の上方(矢印U方向)に位置し背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される凹部86b2と、を主に備える。
開口部86b1は、後述する特別入賞装置550の第1ユニット551の一部が挿入される。これにより、第1ユニット551を、突設部86bの背面側に配設される特別入賞装置550の第2ユニット552と開口部86b1を介して連結することができる。
凹部86b2は、後述する特別入賞装置550の第1ユニット551の一部を内側に収容可能とされる。また、凹部86b2には、遊技球の通過を検知可能な検出装置86b3が配設される。これにより、第1ユニット551の凹部86b2の内側に収容される部分を通過する遊技球を検出することができる。
特別入賞装置550は、センターフレーム86の突設部86bの正面側(矢印F方向側)に配設される第1ユニット551と、突設部86bの背面側(矢印B方向側)に配設される第2ユニット552と、を主に備えて構成される。
第1ユニット551は、その内部を遊技球が流下可能な空間(経路)を備え、一部が遊技盤13の遊技領域に配設される。また、第1ユニット551は、第2ユニット552を挿通されたネジによりセンターフレーム86に配設される。なお、第1ユニット551及び第2ユニット552の配設方法についての詳しい説明は後述する。
次いで、図18から図20を参照して、特別入賞装置550の第1ユニット551の構成について説明する。図18(a)は、第1ユニット551の正面図であり、図18(b)は、第1ユニット551の側面図であり、図18(c)は、第1ユニット551の背面図である。図19は、第1ユニット551の分解斜視正面図であり、図20は、第1ユニット551の分解斜視背面図である。
図18から図20に示すように、第1ユニット551は、正面側に配設される第1経路部材560と、その第1経路部材560の背面側に配設される第2経路部材570と、その第2経路部材570の背面に配設される第3経路部材580と、を主に備えて形成される。
第1経路部材560は、遊技盤13の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板564と、上方側(矢印U方向側)が開放する断面略U字状に形成され、正面板564の上方側端部から背面側に突設される第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563と、その第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563の下側(矢印D方向側)に連なって形成されると共に、正面板564の一部の端部に沿って延設される第1壁部565と、その第1壁部565の下方に形成され、所定の間隔を隔てた2箇所から突設される2組の第2壁部566及び第3壁部567と、を主に備える。
正面板564は、後述する第2経路部材570又は第3経路部材580との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、光透過部材から形成される。これにより、遊技者は、第1ユニット551の内部を流下する遊技球を正面板564を介して(通して)視認することができる。
また、正面板564は、第2経路部材570側(背面側(矢印B方向側)に突設される案内部564aを備える。
案内部564aは、第1ユニット551の内側を流下する遊技球により、正面板564の壁面の全域が汚れることを抑制する壁部であり、後述する第2経路部材570又は第3経路部材580との対向間を流下する遊技球の流下経路に沿って延設される。また、案内部564aは、第1ユニット551を流下する遊技球の転動面から遊技球の半径分離れた位置に突設される。言い換えると、案内部564aは、第1経路部材560を流下する遊技球の中心位置と、略同一の位置に突設される。これにより、正面板564と遊技球とが当接する部分を案内部564aの突設先端部に限定することができる。従って、正面板564の全域に遊技球と当接することにより傷が生じることや遊技球に付着した汚れが移着することを抑制できる。その結果、正面板564を介して第1経路部材560の内部を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。
第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563は、第1ユニット551の上方(矢印U方向)の遊技領域から流下する遊技球を第1ユニット551の内部に受け入れる部分であり、上方側の開口が遊技球の直径よりも大きい寸法に設定される。また、第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563は、正面板564の上方側(矢印U方向側)の端部に左右方向(矢印L−R方向)に並設される。
第1受入部561は、第2受入部562及び第3受入部563よりも遊技球の受け入れ幅(左右方向(矢印L−R方向)の幅寸法)が大きく設定される。これにより、特別入賞装置550に流入する遊技球は、第2受入部562又は第3受入部563よりも第1受入部561に流入しやすくされる。
また、第1受入部561は、第1ユニット551の内側に形成される流下経路に連通される。これにより、第1受入部561に受け入れられた遊技球は、第1ユニット551の内側を流下される。なお、第1ユニット551の遊技球の流下経路については後述する。
第2受入部562及び第3受入部563は、後述する第2ユニット552の内側に形成される流下経路に連通される。これにより、第2受入部562及び第3受入部563に受け入れられた遊技球が第2ユニット552の内側を流下される。なお、第2ユニット552の流下経路については後述する。
第1壁部565は、後述する第2経路部材570に形成される第4壁部573との対向間に遊技球を送球する空間を形成する内壁である。第1壁部565は、一端が上述した第1受入部561の下方側に連結され、他端側が第2受入部562及び第3受入部563の下側に亘って左右方向(矢印L−R方向)に延設される上方側壁部565aと、背面視略C字状に湾曲して形成され上方側壁部565aに連結する湾曲壁部565bと、から主に構成される。
上方側壁部565aは、後述する第4壁部573の上面(矢印U方向側の面)を遊技球が転動する際に、その転動面の上方を覆う内壁であり、第4壁部573の上面と直交する方向に遊技球の直径よりも上方側(矢印U方向側)に離間する位置に形成される。
湾曲壁部565bは、後述する第4壁部573の上面を転動する遊技球の転動方向を変更する内壁であり、第4壁部573の転動側端部と対向する位置に形成される。また、湾曲壁部565bは、第4壁部573の転動側端部を中心とする半円弧状に形成される。これにより、第4壁部573の上面を転動する遊技球を、湾曲壁部565bの内壁に沿って流下させることで、第4壁部573の下面側に案内することができると共に、その転動方向を第4壁部573の上面の転動方向と反対にすることができる。
第2壁部566は、第1ユニット551の内部を流下する遊技球の主の流下経路から分岐する経路の空間を形成する内壁であり、正面板564の背面から突設される一対の壁部の対向間が、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に設定される。これにより、第1ユニット551を流下する経路を増やすことができる。
第3壁部567は、第1ユニット551の内部を流下する遊技球の主の送球経路(主経路SK3)から分岐する経路の内面を形成する壁部であり、正面板564の背面から突設される一対の壁部の対向間が、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に設定される。これにより、第1ユニット551を流下する遊技球の経路を増やすことができる。
また、第2壁部566と第3壁部567とは、それぞれ下流側の端部が第1ユニット551の左右方向(矢印L−R方向)の反対側に配置される。これにより、後述する分岐通路から第1ユニット551の左右方向の両側に遊技球を送球することができる。
第2経路部材570は、第1経路部材560の正面板564と対向する板状のベース板571と、そのベース板571の正面から第1経路部材560側に突設される第4壁部573と、その第4壁部573から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第5壁部574と、その第5壁部574から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第6壁部575と、を主に備えて形成される。
ベース板571は、第1経路部材560の正面板564と遊技球の直径よりも若干大きい距離を隔てる位置に配設される。これにより、正面板564とベース板571との間に遊技球を流下させることができる。また、ベース板571は、第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563のそれぞれに対応する位置に開口する第1開口部571a、第2開口部571b及び第3開口部571cと、第1開口部571aの下方に開口する第4開口部571dと、第5壁部574及び第6壁部575のそれぞれの上方に開口する第5開口部571e及び第6開口部571fと、第5壁部574および第6壁部575の間に位置し背面側に凹設される凹設部571gと、を備える。
第1開口部571a、第2開口部571b及び第3開口部571cは、上述した第1経路部材560の第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563に流入する遊技球をベース板571の背面側に通過させる開口である。
また、ベース板571は、第1開口部571a、第2開口部571b及び第3開口部571cの下側端部から背面側に突出する第1転動部576、第2転動部577及び第3転動部578を備える。これにより、第1開口部571aを通過する遊技球は、後述する第3経路部材580に、第2開口部571b又は第3開口部571cを通過する遊技球は、後述する第2ユニット552に、それぞれ送球される。
第1開口部571a及び第4開口部571dは、背面側に後述する第3経路部材580の一部が覆設される。これにより、第1開口部571aを通過する遊技球は、第4開口部571dからベース板571の正面側(矢印F方向側)に送球される。
第4壁部573は、第4開口部571dの下側端部に沿ってベース板571から突設されると共に、左右方向(矢印L−R方向)に延設される。また、第4壁部573は、ベース板571の正面視左側に開口される第4開口部571d側から正面視右側(矢印R方向側)に向かう程、上面が下方に傾斜して形成される。これにより、第4開口部571dを通過してベース板571の正面側に送球される遊技球を、第4壁部573の上面に乗せると共に、第4壁部573の上面の傾斜によりベース板571の右側(矢印R方向側)に送球できる。
第5壁部574は、上述した第1壁部565の湾曲壁部565bから送球される遊技球の転動面となる部分であり、第4壁部573の下面と直交する方向に遊技球の直径よりも下方側に離間する位置に突設されると共に、ベース板571の左右方向(矢印L−R方向)に延設される。また、第5壁部は、湾曲壁部565b側(矢印R方向側)から後述する凹設部574g側(矢印L方向側)に向かう程、上面(矢印U方向側の面)が下方に傾斜して形成される。これにより、湾曲壁部565bから第5壁部574の上面に送球される遊技球を、凹設部574g側に転動させることができる。さらに、第5壁部574は、遊技球の転動面に下方側に向かって凹む第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bを備える。
第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bは、第5壁部574の延設方向に並設される。また、第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bは、凹設幅および凹設深さが、遊技球の直径よりも大きい寸法に設定される。さらに、第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bの内側には、ベース板571に開口する第5開口部571eが形成される。これにより、第1受入凹部574a又は第2受入凹部574bに流入する遊技球は、第5開口部571eを通過してベース板571の背面側に送球される。
凹設部574gは、第5壁部574の下流側端部(矢印L方向側の端部)の上方に形成されており、第5壁部574の上面を転動する遊技球を凹設部574gの内側に流入させると共に凹設部574gの下方(矢印D方向)に形成される第6壁部575の上部に送球することができる。
第6壁部575は、第5壁部574を転動して凹設部574gに送球される遊技球の転動面となる部分であり、第5壁部574の下面から下方側に遊技球の直径よりも離間する位置でベース板571から突設され、ベース板571の左右方向(矢印L−R)方向に延設される。また、第6壁部575は、凹設部574g側(矢印L方向側)から上述した第3壁部567側に向かって上面が下方に傾斜して形成される。これにより、凹設部574gから第6壁部575の上面に送球される遊技球を、第3壁部567により形成される送球経路側に転動させることができる。また、第6壁部575は、遊技球の転動面に下方側に向かって凹む第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bを備える。
第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bは、第6壁部575の延設方向に並設される。また、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bは、凹設幅および凹設深さが、遊技球の直径よりも大きい寸法に設定される。さらに、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bの内側には、ベース板571に開口する第6開口部571fが形成される。これにより、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bに流入した遊技球は、第6開口部571fを通過してベース板571の背面側に送球される。
第3経路部材580は、第2経路部材570の重力方向上方側(矢印U方向側)の背面に配設される第1覆設部材581と、第2経路部材570の重力方向下方側(矢印D方向側)の背面に配設される第2覆設部材582と、第1覆設部材581及び第2覆設部材582の間に配設される第1駆動ユニット583と、第2覆設部材582の背面に配設される第2駆動ユニット584とを主に備えて構成される。
第1覆設部材581は、上述した第1開口部571a及び第4開口部571dの背面側に配設される湾曲部581aと、その湾曲部581aの下方側に連なる板状の取付部581bと、を主に備える。
湾曲部581aは、第1開口部571a及び第4開口部571d(第2経路部材570)側が開放される断面U字状に湾曲して形成され、その内側に第1転動部576が配設される(図24(a)参照)。また、湾曲部581aの湾曲内側の壁面と第1転動部576の突設先端部との離間距離は、遊技球の直径よりも大きく設定される。これにより、第1転動部576を転動する遊技球を湾曲部581aの内壁に沿って流下させて、第1転動部581aの下方側に送球することができる。よって、背面側に湾曲する湾曲部581aに遊技球を送球することで、遊技球の転動時間を長くすることができる。その結果、遊技盤13の遊技領域と平行な平面上に遊技球の転動面を確保できない場合でも、遊技球の転動速度を遅くすることができる。
さらに、湾曲部581aは、下方側の端部が、第4開口部571dの下側内縁よりも若干高い位置に配置される。これにより、第1転動部576から湾曲部581aの内壁に沿って流下されて第4開口部571dに送球された遊技球が逆流して、湾曲部581aの内側に流入することを抑制できる。
取付部581bは、第1覆設部材581を第2経路部材570の背面に締結するためのネジを挿通する貫通孔581b1が2箇所に貫通形成される。また、取付部581bは、背面側に向かって円柱状に突設される柱状体551aを備える。柱状体551aは、後述する第2ユニット552を第1ユニット551に締結するためのネジ穴が先端に穿設される。これにより、第2ユニット552の背面側から挿通されるネジを柱状体551aに螺合させて第1ユニット551と第2ユニット552とを締結することができる。
第2覆設部材582は、第6開口部571fの背面側に配設される第2湾曲部582aと、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bの背面側に配設される背面側壁部582bと、を主に備える。
第2湾曲部582aは、第6開口部571f(第2経路部材570)側が開放される断面U字状に湾曲して形成される(図24(c)参照)。また、第2湾曲部582aは、正面側から背面側に向かって立設される立設壁582a1をU字の内側に備える。立設壁582a1により、第2湾曲部582aの内部空間が、正面視左側(矢印L方向側)の第1空間582a2と、立設壁582a1を間に挟んで第1空間582a2の隣に形成される第2空間582a3とに分けられる。
第1空間582a2及び第2空間582a3は、遊技球の直径よりも大きい空間であり、正面側から背面側に向かって形成される。また、第1空間582a2及び第2空間582a3は、背面側で連結される。また、第1空間582a2の内面は、背面側に向かう程、下方に傾斜して形成され、第2空間582a3の内面は正面側に向かう程、下方に傾斜して形成される。これにより、凹設部571gから第2湾曲部582aに送球される遊技球は、第1空間582a2の傾斜により、背面側に転動されると共に背面側の端部で第2湾曲部582aの湾曲により第2空間582a3に送球され、第2空間582a3の傾斜により正面側に転動され、第6開口部571fの開口を通過して、ベース板571の正面側に送球される。
背面側壁部582bは、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bに送球されて、第5開口部571e及び第6開口部571fを通過する遊技球を特別入賞装置550の下方に案内する送球経路の背面側の壁部である。これにより、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bに送球される遊技球を回収することができる。従って、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bに送球されて、後述する検出装置SE3〜SE6を通過して遊技価値を遊技者に付与した遊技球が再度遊技領域を流下して、遊技価値が再度遊技者に付与されることを防止できる。
第1駆動ユニット583は、電力により前後方向に変位する軸を備える第1ソレノイド583aと、その第1ソレノイド583aの軸に連結される第1可変板583bと、第1ソレノイド583a及び第1可変板583bの周囲を囲む第1保護部材583cと、を主に備える。
第1可変板583bは、左右方向(矢印L−R方向)に長い矩形状の板部材であり、第1ソレノイド583aの軸の変位に合わせて前後方向(矢印F−B方向)に変位される。また、第1可変板583bが正面側に張り出された状態では、その第1可変板583bの先端が上述した第5開口部571eに挿入されると共に、第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bの上側に配置される。これにより、第1可変板583bが正面側に張り出された状態では、その第1可変板583bにより第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bへの遊技球の流入を防止することができる。
第1保護部材583cは、第2経路部材570側が開放する箱状に形成され、その内部に第1ソレノイド583aの軸と第1可変板583bとを連結する機構が配設される。また、第1保護部材583cは、前後方向に貫通する貫通孔583c1を複数備える。
貫通孔583c1は、第1駆動ユニット583を第2経路部材570に締結するためのネジを挿通する部分である。貫通孔583c1を挿通されたネジは、第1覆設部材581の貫通孔581b1、又は、第2覆設部材582の貫通孔582b1を挿通されて、第2経路部材570に穿設される孔に螺合される。よって、第1駆動ユニット583を第2経路部材570に配設することで、第1覆設部材581及び第2覆設部材582を第2経路部材570に配設することができる。これにより、第1覆設部材581及び第2覆設部材582のネジの締結部分を少なくすることができ、製造コストを削減できる。
また、第1覆設部材581又は第2覆設部材582を第2経路部材570と第1駆動ユニット583との間に挟んだ状態とすることができるので、第1駆動ユニット583が、特別入賞装置550から無理に外された場合に、第1覆設部材581又は第2覆設部材582と第2経路部材570との締結を不完全として、遊技球が第1覆設部材581又は第2覆設部材582を通過できない状態としやすい。その結果、不正がされた状態で、遊技が継続されることを抑制できる。
第2駆動ユニット584は、第1駆動ユニット583と同様に、電力により前後方向に変位する軸を備える第2ソレノイド584aと、その第2ソレノイド584aの軸に連結される第2可変板584bと、第2ソレノイド584a及び第2可変板584bの周囲を覆う第2保護部材584cと、を主に備える。
第2可変板584bは、左右方向(矢印L−R方向)に長い板状体から形成されると共に、正面視においてクランク状に屈曲して形成される。また、第2可変板584bが正面側に張り出された状態では、その第2可変板584bの先端が、上述した第6開口部571fに挿入されると共に、第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bの上側に配置される。これにより、第2可変板584bが正面側に張り出された状態では、その第2可変板584bにより第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bへの遊技球の流入を防止することができる。
第2保護部材584cは、第2経路部材570側が開放する箱状に形成され、その内部に第2ソレノイド584aの軸と第2可変板584bとを連結する機構が配設される。また、第2保護部材584cは、第1経路部材560の第2壁部566により形成される送球経路の背面側を覆う背面側壁部584c1を備える。これにより、背面側壁部584c1と第2壁部566とで送球経路を形成できるだけでなく、背面側壁部584c1と第2壁部566とで、第2経路部材570を覆うことができる。その結果、第1ユニット551の側面から不正部材が挿入されて、第2経路部材570に配設される検出装置SE3〜SE6に不正が行われることを抑制しやすくできる。
次いで、図21から図24を参照して第1受入部561から第1ユニット551の内部に流入する遊技球の送球経路について説明する。図21は、図18(b)のXXI−XXI線における第1ユニット551の断面図である。図22は、図21に示す第1ユニット551の模式断面図である。図23は、図18(b)のXXIII−XXIII線における第1ユニット551の断面図である。図24(a)は、図21のXXIVa−XXIVa線における第1ユニット551の断面図であり、図24(b)は、図21のXXIVb−XXIVb線における第1ユニット551の断面図であり、図24(c)は、図21のXXIVc−XXIVc線における第1ユニット551の断面図である。
なお、第1ユニット内部に流入する遊技球は、遊技球の主経路SK1〜SK6を主経路SK1、主経路SK2、主経路SK3、主経路SK4、主経路SK5、主経路SK6の順に流下する。又は、主経路SK1〜SK6を流下する途中の主経路SK3から主経路SK3に連通する副経路HK1に流入されて副経路HK1を流下する。もしくは、主経路SK1〜主経路SK6を流下する途中の主経路SK5から主経路SK5に連通する副経路HK2又は副経路HK3のどちらかに流入されて副経路HK2又は副経路HK3のどちらかを流下する。
また、副経路HK1〜HK3には、遊技球の通過を検知する検出装置SE3〜SE6が配設されており、その検出装置SE3〜SE6の遊技球の検出により、遊技者に所定の遊技価値が付与される。本実施形態では、所定の球数の賞球により、遊技者に遊技価値が付与される。
図21から図24に示すように、主経路SK1は、第1覆設部材581の湾曲部581a及び第2経路部材570の第1転動部576(図24(a)参照)により形成される空間であり、第1開口部571aと第4開口部571dとを連通する。上述したように、湾曲部581aは、第1開口部571a及び第4開口部571d(第2経路部材570)側が開放される断面U字状に湾曲して形成され、主経路SK1を通過する遊技球を背面側に迂回させることができる。これにより、正面視における領域が限られる空間(第1開口部571a又は第4開口部571dの内側を遊技球が通過する際に、遊技球の左右方向における移動量を少なくすることができるので、主経路SK1を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。これにより、第1ユニット551を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくして、遊技者の興趣を高めることができる。
また、後述するように、主経路SK1に流入する遊技球は、遊技者に所定の遊技価値が付与されるので、遊技者に遊技価値が付与される可能性がある遊技球の転動を遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技者に興趣を与えやすくすることができる。なお、主経路SK1は、後述する主経路SK2と連通されており、主経路SK1を通過する遊技球を主経路SK2に流入させることができる。
また、主経路SK1の湾曲部581aは、上述したセンターフレーム86の凹部86b2(図17参照)に収容されて配設される。これにより、主経路SK1に遊技球が詰まった(流れが遅い)場合に、その不具合を検出装置86b3(図17参照)により検出して、エラーを報知することができる。
さらに、主経路SK1の通路幅は、遊技球の直径よりも若干大きく設定されると共に、検出装置SE3〜SE7(図23参照)の遊技球が通過する開口よりも小さく設定される。これにより、基準の遊技球の直径(11ミリメートル)よりも直径の大きい遊技球(不正な遊技球)が製造されて、その球で不正(遊技)が行われた場合に、その球を主経路SK1の内側に留めることができる。よって、不正な遊技球が、主経路SK1の下流側に配設される検出装置SE3〜SE7に流下して不正が行われることを抑制できる。また、不正な遊技球を主経路SK1に留めることで、検出装置86b3(図17参照)により検出して、エラー(不正)を報知することができる。なお、この場合の不正とは、検出装置SE3〜SE7のいずれかの開口に不正な遊技球を嵌めて、検出装置SE3〜SE7に検出を継続させて、不正な遊技球の払い出し(遊技価値)を得ることである。
主経路SK2は、第1経路部材560の第1壁部565と、第2経路部材570の第4壁部573との間に形成される空間である。主経路SK2に流入される遊技球は、第4壁部573の上面を転動して流下される。上述したように、第4壁部573は、左右方向(矢印L−R方向)に延設され第4開口部571dから離間するにつれて下降傾斜して形成される。
従って、上述した湾曲部581a(背面側への湾曲経路)は、遊技球の送球方向の切り替え部分(主経路SK1と主経路SK2との連結部分)に形成されるので、遊技者が、主経路SK1を流下する遊技球を見失うことを抑制できる。即ち、左右方向に延びる直線状の送球経路(例えば、主経路SK2)の途中に背面側に湾曲する経路が形成される場合には、その湾曲する経路で一定の加速度で転動する遊技球の加速度が変化される(小さくなる)ので、遊技球を追っていた目線が遊技球よりも先行してしまうことで、遊技者が遊技球を見失う恐れがある。
これに対し、遊技球の転動方向が切り替えられて本来遊技球の転動速度が遅くされる部分に背面側への湾曲経路を形成するので、遊技者の目線が遊技球よりも先行することを抑制して、遊技者が遊技球を見失うことを抑制できる。
また、主経路SK1の内壁である湾曲部581aは、遊技盤13の左右方向中央部に対して若干右方(矢印R方向)に配設される第1ユニット551の正面視左側(矢印L方向側の端部)に形成される。よって、遊技盤13の正面に位置する遊技者から第1ユニット551を視認しやすい側に、背面側への湾曲経路(主経路SK1)が形成されるので、遊技者が主経路SK1から主経路SK2を通過する遊技球を見失うことを抑制しやすくできる。
また、主経路SK2は、湾曲経路WK1に連通されており、湾曲経路WK1を介して、後述する主経路SK3と連通される。これにより、主経路SK2を通過する遊技球は、湾曲経路WK1を介して、主経路SK3に流入される。なお、湾曲経路WK1についての詳しい説明は後述する。
主経路SK3は、第2経路部材570の第4壁部573と、第5壁部574との間に形成される空間である。主経路SK3に流入される遊技球は、第5壁部574の上面を転動して流下される。また、主経路SK3には、上述した第1駆動ユニット583の第1可変板583bが張出時に主経路SK3上に突出される。この主経路SK3上に第1可変板583bが突出した状態では、第5壁部574の上部を転動する遊技球が、第1可変板583bの上面を転動して主経路SK4に送球される。
一方、主経路SK3上から第1可変板583bが退避した状態では、第5壁部574に形成される第1受入凹部574a及び第2受入凹部574bの内部に形成される空間の副経路HK1に遊技球が流入される。副経路HK1は、第5開口部571eを介して背面側壁部582bにより形成される回収経路に送球される。
この様に、第1ユニット551は、遊技球の送球経路上に張り出し、又は、送球経路上から退避する第1可変板583bを備え、第1可変板583bの変位により、第1ユニット551の主経路SK3を流下する遊技球が副経路HK1に案内される場合と、主経路SK4に案内される場合と、に変更することができるので、第1ユニット551を流下する遊技球の流下方向に変化を与えることができる。
この場合、副経路HK1に流入する遊技球は、遊技者に所定の遊技価値が付与されるので、遊技者に、遊技球が副経路HK1に流入したかどうかを注視させることができる。また、第1可変板583bは、第1ユニット551に形成される送球経路の途中に配置され、遊技者の視認方向(矢印F−B方向)に変位されるので、遊技者から第1可変板583bの変位を視認させにくくすることができる。その結果、第1ユニット551の流下する遊技球に注視させることができ、遊技者に遊技球の流下による興趣を与えやすくできる。
また、副経路HK1は、正面視において遊技球を右側(矢印R方向側)から左側(矢印L方向側)に送球する主経路SK3と、その主経路SK3の下方に位置し遊技球を左側から右側に送球する主経路SK6との間を形成する第5壁部574に形成される。従って、副経路HK1は、遊技球を左右に送球させる間の空間を利用して形成されるので、第1ユニット551の外形が上下方向に大きくなることを抑制できる。その結果、第1ユニット551の外形を小さくすることで、遊技者が遊技球を目で追う範囲を狭めることができ、遊技者に第1ユニット551を流下する遊技球を視認させやすくすることができる。
主経路SK4は、凹設部571gと第1経路部材560の突起568とにより形成される空間である。主経路SK4に流入する遊技球は、突起568に当接して凹設部571gの内側(背面側)に送球された後に、凹設部の内面に沿って突起568の周囲を転動して凹設部の外側(正面側)に送球される。即ち、遊技球は、突起568を迂回するように転動される。また、主経路SK4は、主経路SK5に連通されており、主経路SK4を通過する遊技球を主経路SK5に流入させることができる。
主経路SK5は、上述した第3経路部材580の第2覆設部材582の第1空間582a2及び第2空間582a3により形成される空間である。主経路SK5に流入される遊技球は、上述したように第1空間582a2の内部を背面側に転動した後に、第2空間582a3の内部を正面側に転動される。また、主経路SK5には、上述した第2駆動ユニット584の第2可変板584bが張出時に主経路SK5上に突出する。この主経路SK5上に第2可変板584bが突出した状態では、第2湾曲部582aの内部を転動する遊技球が、主経路SK6に送球される。
一方、主経路SK5上から第2可変板584bが退避した状態では、第6壁部575に形成される第3受入凹部575a及び第4受入凹部575bの内部に形成される空間の副経路HK2に遊技球が流下される。副経路HK2は、第6開口部571fを介して背面側壁部582bにより形成される回収経路に送球される。
また、主経路SK5を構成する第2湾曲部582aは、上述したように背面側に湾曲して形成されており、主経路SK5を通過する遊技球を背面側に迂回させることができる。これにより、正面視における領域が所定の限られた空間に設定される場合でも、遊技球が転動可能な距離を長くすることができる。
さらに、第2可変板584bは、主経路SK5の上流側の一部と、主経路SK5の下流側の一部とで張出し、又は、退避の変位がされるように構成され、それら主経路SK5の上流側と主経路SK5の下流側との間に背面側への湾曲経路が形成されるので、主経路SK5を通過する遊技球により遊技者に遊技価値が付与される可能性がある時間を長くできる。その結果、遊技者に興趣を与える時間を長くすることができる。
主経路SK4と主経路SK5との連通部分には、副経路HK3が連通される。副経路HK3は、第1経路部材560の第2壁部566と、第3経路部材580の背面側壁部584c1との対向間に形成される空間である。
副経路HK3は、主経路SK4から主経路SK5に遊技球が流入した際の遊技球の流下方向(正面視右方向(矢印R方向)と異なる方向(正面視左方向(矢印L方向))に開口される。また、副経路HK3は、その流入口の下側内縁が第2可変板584bよりも下方(矢印D方向)に設定される。
ここで、遊技球が主経路SK4から主経路SK5に正常に(重力以外の外力が作用しない状態で)流下する場合には、主経路SK4から主経路SK5又は副経路HK2に遊技球が流入される。一方、遊技球が主経路SK4から副経路HK2に流入するタイミングで第2可変板584bが張出されて第2可変板584bの先端面と遊技球が当接して、遊技球に重力以外の外力が作用した場合には、第2可変板584bにより副経路HK3の流入口に遊技球が押し出されて副経路HK3に流入される。
よって、第1ユニット551は、遊技球の送球経路上に張り出し、又は、送球経路上から退避する第2可変板584bを備え、第2可変板584bの変位により、第1ユニット551の主経路SK4又は主経路SK5を流下する遊技球が主経路SK5、副経路HK2又は副経路HK3のいずれかに案内されるので、第1ユニット551を流下する遊技球の流下方向に変化を与えることができる。
この場合、副経路HK2又は副経路HK3に流入する遊技球により遊技者に所定の遊技価値が付与されるので、遊技者に、遊技球が副経路HK2又は副経路HK3に流入したかどうかを注視させることができる。また、第2可変板584bは、第1ユニット551に形成される送球経路の途中に配置されるので、遊技者から板部材584b2の変位を視認させにくくすることができる。その結果、第1ユニット551を流下する遊技球に注視させることができ、遊技者に遊技球の流下による興趣を与えやすくできる。
また、上述したように、主経路SK4を挟んで上流側では、第1可変板583bにより、遊技球の流下する経路が切り替えられる。よって、上流側の副経路HK1に流入せず遊技者に遊技価値が付与されていない遊技球をさらに下流に流下させて副経路HK2又はHK3に流入させることができる。従って、遊技者に遊技価値が一度付与される可能性があった遊技球を流下経路の切り替え部分を通過させることで、遊技球が副経路HK2及びHK3に流入する願望を遊技者に再度持たせることができる。
さらに、遊技球の流下する経路が切り替えられる主経路SK3と主経路SK5との間には、背面側に湾曲する主経路SK4が配設される。従って、正面視における所定の範囲内で遊技球を転動させることができ、遊技者に遊技球の位置を認識させやすくできる。即ち、主経路SK3を流下した後に、主経路SK4を通して遊技球の位置を遊技者に認識させることで、主経路SK4の下流に連結される主経路SK5を転動する遊技球を遊技者に注視させやすくできる。その結果、遊技球が副経路HK2及びHK3に流入する遊技球を遊技者に視認させやすくでき、遊技者の興趣を向上できる。
また、第2可変いた584bの正面側の左右の両端部には、左右方向の端部に向かう程、背面側に傾斜する傾斜面584b1(図24(c)参照)が形成される。これにより、遊技球が主経路SK4から副経路HK2に流入するタイミングで第2可変板584bが張出されて第2可変板584bの先端面と遊技球とが当接した際に、傾斜面584b1により遊技球を副経路HK3の流入口側に押し出すことができる。従って、傾斜面584b1及び副経路HK2により第2可変板584bと第1経路部材560との間に遊技球が挟まることを防止することができると共に、遊技球が流下されるタイミングの違いにより流下方向が切り替えられる経路を複数(本実施形態では3経路)形成することができる。
主経路SK6は、第1経路部材560の第3壁部567で囲われる空間である。主経路SK6を流下する遊技球は、遊技盤13の遊技領域に送球される。従って、第1受入部561に流入した遊技球が、第1受入凹部574a〜第4受入凹部575bに流入されない場合には、遊技者に遊技価値が付与されず、主経路SK6から遊技盤13の遊技領域に送球されて、遊技盤13に形成されるアウト口71から回収される。
<遊技球を前後方向に変位させる案内手段>
次いで、図25から図28を参照して、主経路SK2から主経路SK3への遊技球の流下について説明する。図25(a)及び図26(a)は、図21の範囲XXVaにおける第1ユニット551の部分拡大図であり、図25(b)及び図26(b)は、図25(a)のXXVb−XXVb線における第1ユニット551の断面図である。図27(a)は、図25(a)のXXVIIa−XXVIIa線における第1ユニット551の模式断面図であり、図27(b)は、図25(a)のXXVIIb−XXVIIb線における第1ユニット551の模式断面図であり、図27(c)は、図25(a)のXXVIIc−XXVIIc線における第1ユニット551の模式断面図である。図28(a)は、図25(a)のXXVb−XXVb線における第1ユニット551の模式断面図であり、図28(b)は、図25(a)のXXVIIIb−XXVIIIb線における第1ユニット551の模式断面図である。なお、図26では、湾曲経路WK1を流下する遊技球が図示される。
図25から図28に示すように、主経路SK2、主経路SK3及び湾曲経路WK1は、第2経路部材570のベース板571に、背面側に向かって断面円弧状に凹設される第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jと、主経路SK2上の内壁から正面側に階段状に突出する第1段部571kと、主経路SK3上の内壁から階段状に突出する第2段部571mと、を備える。
第1経路部材560の正面板564は、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jと対向する位置に、それぞれ第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dが突設される。
第2凹部571iと第2凸部564cとの対向間寸法L11(図28(a)参照)は、遊技球の直径よりも大きい値に設定されると共に、正面板564及びベース板571の対向間の距離寸法L12(図28(a)参照)よりも小さい値に設定される。これにより、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jと、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dとの対向間に送球される遊技球を第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jと、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dに当接させて、遊技球の転動(流下)速度を遅くすることができる。
また、第1凹部571h及び第1凸部564bの対向間寸法と、第3凹部571j及び第3凸部564dの対向間寸法とは、第2凹部571iと第2凸部564cとの対向間寸法L11と略同一の距離に設定される。
さらに、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dの突設先端面と、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jを除くベース板571の正面との対向間の距離寸法L13(図28(a)参照)は、遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jと、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dとの対向間に送球される遊技球を第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dに衝突させることができる。その結果、遊技球の転動(流下)速度を遅くすることができる。
また、この場合、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dに当接した遊技球は、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jの内側を流下される。従って、流下する遊技球を第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jの凹設方向に案内することができる。
段部571kは、主経路SK2の背面側の内壁から正面側に突出される。また、段部571kは、主経路SK2の経路内における下流側に形成される。段部571kは、主経路SK2の上流側の端部が、ベース板571の正面から正面側に突出した位置に設定されると共に、下流側の端部が彎曲経路WK1の背面と同一の位置に設定される。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を、段部571kに当接させて、正面側に移動させることができる。
また、段部571kは、上流側の端部が上流側から下流側に向かって正面側に突出する傾斜面として形成される。これにより、主経路SK2を流下して段部571kの上流側の端部に当接する遊技球を正面側に案内しつつ下流側に流下させることができる。
さらに、段部571kは、上流側の端部が、正面板564に形成される第1凸部564bよりも主経路SK2の上流側に形成される。これにより、段部571kに当接して正面側に案内される遊技球を第1凸部564bに当接させやすくすることができる。
第1凹部571hは、主経路SK2を構成するベース板571に凹設されており、正面視において、水平方向(矢印L−R方向)に長い楕円形状に形成される。また、第1凹部571hは、段部571kにより正面側に突出された位置におけるベース板571に形成される。第1凹部571hの上下方向の中心における背面側への凹設深さは、段部571kの正面側への高さ寸法L22(図27(b)参照)と、略同一に設定される。これにより、暴れずに主経路SK2を送球される遊技球を、第1凹部571hの凹設方向(背面側(矢印B方向側)に変位させなくても、第1凹部571hの内側に流入させることができる。
一方、暴れた状態で主経路SK2を送球される遊技球は、段部571kの上流側の端部に当接させて、主経路SK2の正面側に案内して、正面板564の第1凸部564bに当接させる。これにより、遊技球の暴れを抑制しつつ、遊技球を第1凹部571hの内側に送球することができる。
さらに、第1凹部571hは、主経路SK2の上流側における遊技球の転動面(第4壁部573の矢印U方向側の面)から直交する方向の凹設底面までの高さ寸法Y8(図25(a)参照)が遊技球の半径分に設定され、主経路SK2の下流側における遊技球の転動面(第4壁部573の矢印U方向側の面)から直交する方向の凹設底面までの高さ寸法Y9(図25(a)参照)が遊技球の半径分よりも高く設定される。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を第1凹部571hに沿って送球する際に、重力方向上側(矢印U方向側)に持ち上がる方向の抵抗を遊技球に作用させて、遊技球の転動速度を小さくすることができる。その結果、湾曲経路WK1に流入する遊技球の転動速度を十分に小さくすることができ、遊技球をスムーズに流下させやすくすることができる。
第1凹部571hの断面における半径X11(図27(b)参照)は、遊技球の半径よりも大きい値に設定されており、第1凹部571hの内側に遊技球が送球された際に、その内壁に遊技球を当接可能とされる。これにより、第1凹部571hと当接する遊技球の当接部分が2箇所になることを抑制して、当接部分が増えることによる遊技球の転動に対する抵抗が大きくなることを抑制できる。その結果、遊技球が主経路SK2で停止することを抑制できる。
第1凹部571hと対向する位置に形成される第1凸部564bは、第1凹部571hの上流側の端部から主経路SK2の遊技球の送球方向(図27(b)の矢印R方向)に離間する位置に形成され、その離間する値が遊技球の半径よりも小さい寸法に設定される。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を第1凸部564bに当接させて第1凹部571hの内側に送球しやすくできる。
第2凹部571iは、湾曲経路WK1のベース板571に凹設されており、正面視における外形が重力方向(矢印U−D方向)に長い楕円形状に形成される。また、第2凹部571iは、正面視における上下方向(矢印U−D方向)中央位置が、湾曲経路WK1の経路の中間位置に設定される。さらに、第2凹部571iは、正面視における左右方向(矢印L−R方向)中央位置が湾曲経路WK1の送球方向に対して直交する方向の中央位置に形成される。
なお、主経路SK1、湾曲経路WK1及び主経路SK2は、正面視において遊技球の送球方向に対して直交する幅寸法L18(図25(a)参照)がすべて同一の寸法に設定されており、その幅寸法L18が、遊技球の直径の略1.1倍に設定される。
また、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jは、正面視における短手方向の最大の幅寸法が、上述した幅寸法L18の略1/2に設定される。これにより、各経路(主経路SK1、湾曲経路WK1及び主経路SK2)を通過する遊技球の中心を第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jの正面側を通過させることができるので、遊技球を第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jの内側に送球しやすくできる。
段部571mは、主経路SK3の背面側の内壁から正面側に突出される。また、段部571mは、主経路SK3の経路内における上流側に形成される。段部571mは、主経路SK3の下流側の端部が、ベース板571の正面側に突出した位置に設定されると共に、上流側の端部が彎曲経路WK1の背面と同一の位置に設定される。これにより、主経路SK3を流下する遊技球が、段部571mよりも下流側に送球された後に、段部571mを超えて上流側に逆流(跳ね返る)することを抑制できる。
第3凹部571jは、主経路SK3の内壁を構成するベース板571に形成されており、正面視において、水平方向(矢印L−R方向)に長い楕円形状に形成される。また、第3凹部571jは、段部571mにより正面側に突出された位置におけるベース板571に形成される。第3凹部571jの上下方向の中心における背面側への凹設深さは、段部571mの正面側への高さ寸法L23(図27(c)参照)と、略同一に設定される。これにより、主経路KR3を送球される遊技球を、第3凹部571jの内側から外側に流出させやすくできる。
さらに、主経路SK3の下流側における第3凹部571jの端部は、後述する副経路HK1に流下する経路を切り替える第1可変板583bの主経路SK3の上流側における端部(矢印R方向側の端部)の重力方向上方(矢印U方向)に配置される。これにより、第1可変板583bの停止位置がその変位により重力方向上方にずれた場合(可変板583bが、湾曲壁部565bの下流側端部よりも上方に配置された場合)に、主経路SK3を通過する遊技球を第3凹部571jの内面に沿って送球することで、第1可変板583bに引っ掛かることなく送球できる。その結果、第1壁部565と第1可変板583bとが隣合う部分において、第1可変板583bを下方に配置する必要がなくなり、第1ユニット551の上下方向寸法が大きくなることを抑制できる。
また、この場合、第3凹部571jは、正面視における長手方向が、水平方向(矢印L−R方向)に形成されており、主経路SK3を流下する遊技球に対して上方に離間されるので、第1壁部565から第1可変板583bに送球される遊技球に対して、上方側に持ち上がる方向の抵抗を作用させることができる。その結果、第1壁部565から第1可変板583bに送球される遊技球が、第1可変板583bに引っ掛かることを抑制できる。
さらに、第1ユニット551は、正面視における遊技盤13に対して水平方向の一側(矢印R方向側)に遊技球を送球する主経路SK2と、その主経路SK2から送球された遊技球を主経路SK2の案内方向と反対方向の水平方向の他側に送球する主経路SK3と、主経路SK2および主経路SK3の一側同士を連結する湾曲経路WK1と、を備え、湾曲経路WK1は、遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方に遊技球を送球する案内手段(第2凸部564c及び第2凹部571i)を遊技盤に対して正面側および背面側の内壁に備えるので、湾曲経路WK1を通過する遊技球を正面側または背面側(正面視における遊技盤13の前後方向)に移動させることができる。
従って、湾曲経路WK1を通過する遊技球の送球経路が正面視における前後方向に同一の平面に形成される場合よりも、主経路SK2(第1経路)を転動して加速した遊技球の流下速度を遅くすることができる。よって、遊技球の流下速度を遅くできる分、湾曲経路WK1の内壁に衝突した遊技球が主経路SK2に戻る、又は、湾曲経路WK1の内側で主経路SK2の送球方向(正面視における水平方向(矢印L−R方向))に揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できる。これにより、湾曲経路WK1を通過する遊技球を遊技者の視線が一定方向に追うことができる。その結果、湾曲経路WK1に送球された遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
また、正面視における遊技盤13に対して遊技球が水平方向(正面視左右方向)に揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できるので、その分、主経路SK2および主経路SK3を連結する湾曲経路WK1の経路を長くして遊技球が揺れ動くことを抑制する必要がなくなり、湾曲経路WK1の経路を短くすることができる。その結果、第1ユニット551を遊技盤13に対して所定の領域内に収めることができ、遊技盤13に対する第1ユニット551の配設スペースを確保できる。
さらに、第1凹部571hは、主経路SK2の上流側に向かって、その主経路SK2の流下方向と直交する方向(矢印U−D方向)に凹設幅が大きくされる。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を第1凹部571hに受け入れやすくできる。また、第1凹部571hは、主経路SK2の下流側に向かって、凹設幅が小さく設定されるので、第1凹部571hに受け入れられた遊技球を同じ位置から抜け出させやすい。即ち、第1凹部571hは、主経路SK2の上流側で遊技球を受け入れやすく、主経路SK2の下流側で同じ位置から遊技球を抜け出させやすくできる。その結果、主経路SK2の下流に連通される湾曲経路WK1の第2凹部571iに遊技球を送球しやすくできる。
この場合、第1凹部571hの主経路SK2の流下方向(矢印R方向)における凹設端部は、主経路SK2を送球される遊技球の転動方向において主経路SK2の転動面(第4壁部573の上面)を超える位置に形成される。従って、第1凹部571hを抜け出る遊技球に、主経路SK2の転動面の影響を受けにくくすることができる。その結果、第1凹部571hから抜け出た遊技球を湾曲経路WK1の第2凹部571iに送球しやすくできる。
また、主経路SK2は、第4開口部571d側から湾曲壁部565b側(即ち、正面視左側(矢印L方向側)から正面視右側(矢印R方向側))に向かって、その経路の内部空間が正面板564側(正面側(矢印F方向側))に傾斜して形成される。また、主経路SK2は、その転動面(第4壁部573の重力方向上側の面)が正面側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、主経路SK2を流下する遊技球を正面板564側を転動させやすくすることができ、その遊技球を正面板564に形成される第1凸部564bに当接させやすくできる。その結果、第1凸部564bで遊技球の転動速度を遅くさせやすくでき、主経路SK2を流下する遊技球が湾曲壁部565bと衝突した反力で主経路SK2を逆流することを抑制できる。その結果、遊技球の送球方向の変更箇所で遊技球を安定して流下させることができる。
第2凹部571iは、その上方端部(矢印U方向側端部)が、主経路SK2(第4壁部573)を転動する遊技球の中心の転動軌跡に沿って直線状に描かれる仮想線IL3(図25(a)参照)と接する位置に形成される。これにより、主経路SK2を比較的速い速度で送球されて湾曲経路WK1に流入する遊技球を第2凹部571iに受け入れやすくすることができる。
遊技球の送球方向の変更箇所(湾曲経路WK1)には、第2凹部571i及び第2凸部564cが形成される。上述したように、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dの突設先端面と、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jを除くベース板571の正面との対向間の距離寸法L13(図28(a)参照)は、遊技球の直径よりも小さく設定されるので、第2凹部571i及び第2凸部564cの間を流下する遊技球を第2凸部564cに当接させて第2凹部571iの内側に押し入れることができる。よって、主経路SK3に流入する(第2凹部571i及び第2凸部564cの間から抜け出る)遊技球を、第2凹部571iの内面の円弧に沿って流下させることができる。
ここで、主経路SK2から湾曲経路WK1に送球された遊技球は、主経路SK2の遊技球の転動方向に寄った位置を流下しやすくなる。従って、第2凹部571iの内側を流下する遊技球は、第2凹部571iの正面視右側(矢印R方向側)の領域の内面に当接して流下される。よって、主経路SK3に流入する遊技球の送球方向を主経路SK3の流下方向(湾曲壁部565b側から凹設部571g(図21参照)側)に向けやすくできる。その結果、遊技球の送球方向の変更箇所で、遊技球が湾曲壁部565bと衝突して流下が一時的に停止することを抑制できる(図28参照)。
さらに、湾曲経路WK1から主経路SK3に送球される遊技球の送球方向を主経路SK3の流下方向に向かう方向に向けることができるので、遊技球が湾曲壁部565bに衝突する力を小さくすることができる。その結果、湾曲壁部565bに遊技球が繰り返し衝突することによる湾曲壁部565bの破損を抑制できる。
また、第1凸部564bは、正面側に配設される第1経路部材560に形成され、第1凹部571hは、背面側に配設される第2経路部材570に形成される。
ここで、第1経路部材560に正面側に向かって凹設される凹部(第2経路部材570の第1凹部571hに対応する凹部)を形成すると、凹部を凹設する分第1経路部材560の板厚を厚くする必要がある。よって、第1経路部材560の板厚が増す分、第1経路部材560の透過性が悪くなり、第1ユニット551を通過する遊技球を遊技者が視認しにくくなる。
また、第1経路部材560の正面に部分的に膨出する膨出部分の背面に凹設部分を形成すると、第1経路部材560の正面側に膨出部分が膨出する分、遊技盤13の正面側に配設されるガラスユニット16(図1参照)との間の隙間を大きくする必要がある。よって、第1経路部材560がガラスユニット16から離れる分、第1経路部材560の内部を通過する遊技球を遊技者が視認しにくくなる。
これに対し、第1凸部564bは、正面側に配設される第1経路部材560に形成され、第1凹部571hは、背面側に配設される第2経路部材570に形成されるので、正面側に配設される第1経路部材560の厚みを薄くすることができる。また、第1経路部材560の正面側に部分的に突出する部分が形成されないので、第1経路部材560をガラスユニット16に近づけて配設することができる。その結果、第1経路部材560の内部を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。
第2凸部564cは、主経路SK2(第4壁部573の上面)よりも重力方向下方(矢印D方向)に位置すると共に、正面視における主経路SK2の転動方向と略同一方向に下降傾斜して形成される。これにより、第2凸部564cと第2凹部571iとの対向間を流下する遊技球を、第2凸部564cの傾斜により第2凹部571iの正面視右側(矢印R方向側)の領域に案内することができる。上述したように、第2凹部571iは、凹設面が湾曲して形成されるので、第2凹部571iの正面視右側(矢印R方向側)の領域の内側に当接して流下する遊技球を主経路SK3の流下方向(湾曲壁部565b側から凹設部571g(図21参照)側)に向けて送球することができる。その結果、湾曲経路WK1から主経路SK3への遊技球の流入をスムーズにさせることができる。
また、第2凹部571iは、正面視における下方側(矢印D方向側)の端部が主経路SK3を転動する遊技球の中心の転動軌跡に沿って直線状に描かれる仮想線IL4(図25(a)参照)に接する位置に形成される。これにより、第2凹部571iの下流側端部から排出される遊技球の中心の高さを仮想線IL4上に設定することができる。上述したように、本実施形態では、第2凹部571iから排出される遊技球を主経路SK3の流下方向(湾曲壁部565b側から凹設部571g(図21参照)側)に向けて送球することができるので、第2凹部571iから排出される遊技球が、主経路SK3又は湾曲経路WK1の内面と当接して主経路SK3に送球される遊技球が、湾曲経路WK1の内壁と衝突してそれらの経路の内側で停滞することを抑制できる。
主経路SK3に流入する遊技球の流下方向を、主経路SK3の転動面に近い位置で、主経路SK3の送球方向に向けることができる。これにより、湾曲経路WK1から主経路SK3に流入する遊技球が、湾曲経路WK1の遊技球の送球方向に対して直交する方向に送球されることを抑制できる。その結果、主経路SK3に送球される遊技球が、湾曲経路WK1の内壁と衝突して停滞することを抑制できる。
<高い遊技価値が付与される第1部材を正面側に配設する>
次いで、図29から図31を参照して第2ユニット552の構成について説明する。図29(a)は、第2ユニット552の正面図であり、図29(b)は、第2ユニット552の背面図である。図30は、第2ユニット552の分解斜視正面図であり、図31は、第2ユニット552の分解斜視背面図である。
図29から図31に示すように、第2ユニット552は、第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に配設される第4経路部材610と、その第4経路部材610の背面側(矢印B方向側)に配設される第5経路部材620と、その第5経路部材620の背面側に配設され第5経路部材620との対向間に遊技球の送球経路を形成する第6経路部材630と、第2ユニット552の側面に配設される装飾部材650と、を主に備える。
第4経路部材610は、上述したセンターフレーム86を介して、第1ユニット551の背面側(矢印B方向側)に取付される。また、第4経路部材610は、正面視縦長矩形の板状に形成される取付板611と、その取付板611の端部から第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に立設される側壁部612と、第1ユニット551の第2転動部577及び第3転動部578に内部空間が連通される第1連通路615及び第2連通路616と、を備える。
取付板611は、第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に円形状に凹設されると共にその凹設底面に貫通孔が形成される挿通部617と、第5経路部材620側(背面側(矢印B方向側))に円形状に突設されると共に突設先端面にネジが螺合する孔が穿設される経路側締結部618及び装飾側締結部619と、取付板611の中央に開口される開口部613と、その開口部613の外側に開口される第2挿通部614と、を備える。
挿通部617は、第1ユニット551と第2ユニット552とを締結するためのネジの先端を挿通する部分であり、取付板611の複数個所(本実施形態では、3箇所)に形成される。
経路側締結部618は、後述する第6経路部材630の挿通孔632に挿通されるネジが螺合される部分であり、挿通孔632と対向する位置に形成される。これにより、第6経路部材630を第4経路部材610に締結できる。
装飾側締結部619は、後述する装飾部材650に形成される締結孔652に挿通されるネジが螺合される部分であり、締結孔652と対向する位置に形成される。これにより、装飾部材650を第4経路部材610に締結できる。
開口部613は、第1ユニット551に配設される第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aと対向する位置に形成される。これにより、第1ユニット551の背面に第4経路部材610を配設した際に、開口部613の内側に第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aを配設した状態とできる。従って、第1ユニット551の背面に第4経路部材610を配設した際に、第4経路部材610が前後方向に大きくなることを抑制できると共に、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの周囲を第4経路部材610で囲むことができる。
第1連通路615及び第2連通路616は、正面視において上方側(矢印U方向側)が開放するU字状に形成されると共に、前後方向(矢印F−B方向)に延設される。また、第1連通路615及び第2連通路616は、正面側の端部が第1ユニット551の第2転動部577及び第3転動部578の背面側に当接されると共に、背面側の端部が後述する第5経路部材620の第1流入口625及び第2流入口626の端部の正面側に当接される。さらに、第1連通路615及び第2連通路616は、第1ユニット551側から第5経路部材620に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1ユニット551の第2転動部577及び第3転動部578から第1連通路615及び第2連通路616に送球される遊技球を、その第1連通路615及び第2連通路616を転動させて、第5経路部材620の第1流入口625及び第2流入口626に流入させることができる。
第2挿通部614は、第4経路部材610をセンターフレーム86の突設部86bに締結する際に、突設部86bのネジ孔86b4に螺合するネジを挿通する穴であり、突設部86bに形成されるネジ孔86b4(図35参照)と対応する位置に形成される。これにより、センターフレーム86の突設部86bの背面に第4経路部材610を配設できる。
側壁部612は、第1ユニット551及び第2ユニット552とが締結された際に、第1ユニット551の背面側(矢印B方向側)に配置される第1ソレノイド583aの側面及び第2ソレノイド584aの側面を覆う板部材であり、取付板611の端部全域から第1ユニット551側(正面側(矢印F方向側))に立設される。なお、側壁部612の正面側(第1ユニット551側)への立設寸法は、センターフレーム86の突設部86bと当接する長さに設定される。これにより、第1ユニット551及び第2ユニット552との間に側壁部612が配置されるので、第1ユニット551及び第2ユニット552との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、第1ユニット551及び第2ユニット552との間に不正物が挿入されることを抑制できる。
第5経路部材620は、正面視略矩形の板から形成される板部材621と、その板部材621に開口される第1流入口625及び第2流入口626と、第2流入口626の周囲から第2流入口626の下方に亘って第6経路部材630側(背面側(矢印B方向側))に立設される第2立設壁623と、第1流入口625の周囲から第1流入口625の下方に亘って第6経路部材630側に立設される第1立設壁624と、板部材621から第6経路部材630側に突設される被締結部627と、を主に備える。
板部材621は、第4経路部材610の正面視における外形よりも小さい外形に形成されると共に、第4経路部材610の背面側(矢印B方向側)に配設される。また、板部材621は、正面視における中央部に開口される中央開口部622を備える。この中央開口部622は、背面視における第2ソレノイド584aの外形よりも大きく形成されると共に、第2ソレノイド584aと対応する位置に形成される。これにより、板部材621(第5経路部材620)を第4経路部材610の背面側に配設した際に、第4経路部材610の開口部613の内側を挿通される第2ソレノイド584aを中央開口部622の内側に配置できる。
第1流入口625及び第2流入口626は、上述したように第4経路部材610の第1連通路615及び第2連通路616を連動する遊技球を第5経路部材620及び第6経路部材630の対向間に受け入れる部分(流入させる開口)である。
被締結部627は、後述する第6経路部材630に形成される締結孔633を挿通されたネジの先端を螺合させる部分であり、締結孔633と対応する位置に形成される。これにより、第5経路部材620と第6経路部材630とが締結される。また、被締結部627の第6経路部材630側への突出寸法は、遊技球の直径よりも大きく設定される。これにより、第5経路部材620と第6経路部材630との間に遊技球を流下可能な隙間が形成される。
第1立設壁624は、第1流入口625から第5経路部材620及び第6経路部材630の対向間に流入される遊技球を案内する壁であり、下方側に延設されると共に第2立設壁623と連結される。第2立設壁623は、第2流入口から第5経路部材620に流入された遊技球を案内する壁であり、板部材621の上下方向に亘って延設される。なお、第1立設壁624及び第2立設壁623により形成される送球経路についての説明は後述する。
第6経路部材630は、正面視略矩形の板から形成されるベース板631と、第5経路部材620の中央開口部622と対向する位置のベース板631に開口される第2中央開口部634と、ベース板631の第2中央開口部634の周囲に貫通形成される挿通孔632及び締結孔633と、を備える。
第2中央開口部634は、正面視において第5経路部材620の中央開口部622と略同一の大きさに形成され、第5経路部材620と第6経路部材630とが組み合わされた際に、第5経路部材620の中央開口部622と連通される。これにより、第2ユニット552が第1ユニット551の背面側に配設された際に、第1ユニット551の第1ソレノイド583aを第2中央開口部634の内側に配置できる。
次いで、図32を参照して、第5経路部材620により形成される送球経路について説明する。図32は、図29のXXXII−XXXII線における第2ユニット552の断面図である。
図32に示すように、第2ユニット552は、第5経路部材620の第1立設壁624に囲われて形成される副経路HK4と、第2立設壁623に囲われて形成される副経路HK5とを備える。
副経路HK4は、第1流入口625から下方に延設された後、後述する副経路HK5側に屈曲されて、副経路HK5に連通される。また、副経路HK4には、下方への延設部分に遊技球の通過を検出する検出装置SE7が配設される。これにより、副経路HK4を遊技球が通過したことを検出できる。また、検出装置SE7が遊技球の通過を検出すると、遊技者に所定の遊技価値が付与される(本実施形態では、遊技球の賞球)。
なお、本実施形態では、検出装置SE7を遊技球が通過することに伴って遊技者に賞球される遊技球の数(例えば3個)が、第1ユニット551に配設される検出装置SE3〜SE6を遊技球が通過することに伴って遊技者に賞球される遊技球の数(例えば15個)よりも少なくされる。即ち、検出装置SE7を通過することに伴って遊技者に付与される遊技価値は、第1ユニット551に配設される検出装置SE3〜SE6を遊技球が通過することに伴って遊技者に付与される遊技価値よりも高く設定される。これにより、第1ユニット551を通過する遊技球に注目させやすくできる。その結果、遊技者に興趣を与えやすくすることができる。
副経路HK5は、第2流入口626から下方に延設されると共に、第2ユニット552の下方でパチンコ機10の回収経路に連通される。従って、副経路HK5を流下する遊技球は、遊技者に遊技価値が付与されることなく回収される。また、副経路HK4を流下して検出装置SE7に検出された遊技球は、副経路HK5に送球されて、パチンコ機10に回収される。
また、特別入賞装置550は、光を透過可能な材料から形成されて遊技領域の正面側に配設される第1ユニット551と、その第1ユニット551の背面側に配設される第2ユニット552と、を備え、第1ユニット551は、遊技球を入球可能な第1受入部561を備え、第2ユニット552は、遊技球を入球可能な第2受入部562及び第3受入部563を備え、第1受入部561に入球する遊技球の方が、第2受入部562及び第3受入部563に入球する遊技球よりも遊技者に高い遊技価値(遊技球の払い出し)が付与される。
従って、第1ユニット551及び第2ユニット552の遊技球の送球経路の取り回しが複雑に形成される(例えば、第1ユニット551の送球経路と第2ユニット552の送球経路とが正面視における前後方向に交差する)場合に比べて、第1ユニット551および第2ユニット552に同じタイミングで遊技球が流下された場合に第1ユニット551を流下する遊技球を遊技者に注視させやすくできる。よって、遊技価値の高い第1受入部561を備える第1ユニット551を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。その結果、遊技者に高い遊技価値が付与される経路を通過する遊技球を遊技者に視認させることができるので、遊技者の興趣を向上させやすくできる。
また、第1ユニット551へ遊技球を送球する送球経路の流入口(第1受入部561)と、第2ユニット552へ遊技球を送球する送球経路の流入口(第2受入部562及び第3受入部563)は、隣り合う位置に形成されるので、高い遊技価値が付与される第1ユニット551に流入するか、低い遊技価値が付与される第2ユニット552に流入するか、遊技球が流入するまで遊技者に判断させにくくすることできる。その結果、遊技球が特別入賞装置550に流入する直前まで遊技者に興趣を与えやすくできる。
次いで、図33から図37を参照して、センターフレーム86への特別入賞装置550の配設状態について説明する。図33(a)は、センターフレーム86の正面図であり、図33(b)は、センターフレーム86の側面図である。図34(a)は、センターフレーム86の斜視正面図であり、図34(b)は、センターフレーム86の斜視背面図である。図35は、センターフレーム86の分解斜視背面図である。図36は、図33のXXXVI−XXXVI線におけるセンターフレーム86の断面図である。図37(a)は、遊技盤13の模式断面図であり、図37(b)は、遊技盤13の模式分解断面図である。なお、図37(a)及び図37(b)は、図36の断面に対応する。
<第1部材をベース部材側に付勢する固定手段>
図33から図37に示すように、特別入賞装置550は、センターフレーム86を間に挟んで、そのセンターフレーム86の正面側に取り外し可能な第1ユニット551と、センターフレーム86の背面側に取り外し可能な第2ユニットと、から構成される。
第1ユニット551は、その第1ユニット551の背面側に配設される第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aがセンターフレーム86の開口部86b1に挿入された状態で、突設部86bの正面側に配設される。また、第1ユニット551は、第2ユニット552側に円柱状に突出する柱状体551aを備える。
柱状体551aは、第2ユニット552の第4経路部材610に形成される挿通部617と対向する位置に形成されると共に、挿通部617を挿通したネジが螺合する孔を先端に備える。
第1ユニット551のセンターフレーム86への固定は、第2ユニット552の第4経路部材610に形成される挿通部617及び第2挿通部614に挿通されるネジにより固定される。詳しく説明すると、第1ユニット551は、背面側(矢印B方向側)に配設される第4経路部材610との間にセンターフレーム86の突設部86bを介した状態で配設される。また、第1ユニット551は、第4経路部材610の挿通部617から挿通されるネジが柱状体551aに螺合されることで、第2ユニット552と締結される。
さらに、第1ユニット551と第2ユニット552とを締結した状態で、第2ユニット552に形成される第2挿通部614に挿通されたネジを突設部86bに凹設されるネジ孔86b4(図35参照)に螺合させることで、突設部86bと第4経路部材610とを締結できる。上述したように、第4経路部材610と第1ユニット551とは、締結固定されるので、第4経路部材610が突設部86bに締結されることで第1ユニット551が突設部86bに対して締結される。
また、図37に示すように、ベース板60の第1開口部60aの上下方向における開口寸法Y1(図37(b)参照)は、第1ユニット551(第2経路部材570)の上下方向寸法Y2(図37(b)参照)よりも若干小さく設定される。また、第1ユニット551のベース板60の正面との当接面から、第2ユニット552のベース板60への当接面までの距離寸法Y4(図37(b)参照)は、第1ユニット551と第2ユニット552とが締結された際に、ベース板60の厚み寸法Y3(図37(b)参照)よりも若干小さく設定される。
これにより、第1ユニット551と第2ユニットと552とを締結した場合に、第1ユニット551をベース板60側(背面側)に付勢することができる。よって、ベース板60の正面と第1ユニット551との間に隙間が形成されることを抑制できる。従って、第1ユニット551をベース板60の正面側からネジで締結する必要がなくなり、その分、ネジの締結代を第1ユニット551の正面に必要としてないので、その分、第1ユニット551の正面側の領域を遊技球の送球空間として利用することができる。その結果、第1ユニット551に形成される遊技球の送球空間を確保することができる。
また、第1ユニット551と第2ユニット552との締結部分(柱状体551a)は、第1ユニット551の背面側に突出形成されるので、締結部分がベース板60の正面側に形成される場合に比べて、第1ユニット551に形成される遊技球の送球空間を確保することができる。
また、第2ユニット552をベース板60(正面側)に付勢することができるので、第2ユニット552とベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。従って、第2ユニット552とベース板60との対向間から針金やピアノ線等の不正物が挿入されて、第1ユニット551の第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aに不正がされることを抑制できる。
さらに、第1ユニット551は、ベース板60の背面側から挿通されるネジによりベース板60に配設されるので、第1ユニット551の正面側にベース板60との締結代(ネジが挿通される開口が形成される延設部分)を形成する必要がなくなる。その結果、正面視における第1ユニット551の外形に対して、全域を送球経路として利用でき、第1ユニット551の送球経路を大きくすることができる。
また、ベース板60と第1ユニット551との締結部分がベース板60の背面側であるので、遊技盤13の正面側からされる不正によりベース板60と第1ユニット551との締結部分が外されることを抑制できる。その結果、第1ユニット551への不正を抑制できる。さらに、ベース板60と第1ユニット551との締結部分がベース板60の背面側であるので、遊技者からネジの頭部を認識させにくくすることができる。その結果、第1ユニット551をベース板60に固定するための構成が遊技者に認識されることにより、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
また、第1ユニット551は、ベース板60の背面側から締結される固定手段(ネジ)により、ベース板60に対し背面側に付勢された状態でベース板60に配設されるので、第1ユニット551に作用する背面側への付勢力により、第1ユニット551とベース板60とを密着した状態で配設することができる。
さらに、第1ユニット551と第2ユニット552とは、それぞれに遊技球を送球可能な送球経路が形成された状態でセンターフレーム86に配設されるので、第1ユニット551の送球経路および第2ユニット552の送球経路が、第1ユニット551と第2ユニット552との組立時にずれることを抑制できる。その結果、第1ユニット551及び第2ユニット552の内部を流下する遊技球が、第1ユニット551及び第2ユニット552の送球経路で停止することを抑制できる。
また、第1ユニット551は、第1ユニット551に送球された遊技球を第2ユニット552に流入させるための転動面(第2転動部577及び第3転動部578)を備える。従って、第1ユニット551及び第2ユニット552のそれぞれが、センターフレーム86の突設部86bに締結されるものであると、センターフレーム86に対する第1ユニット551の組付け誤差が生じて、第1ユニット551から第2ユニット552への遊技球の送球がスムーズに行われなくなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、上述したように第1ユニット551は、第2ユニット552に締結されるので、第1ユニット551及び第2ユニット552の締結時の誤差を最小(締結した際に誤差ができる箇所を最小)とすることができる。その結果、第1ユニット551から第2ユニット552への遊技球の送球をスムーズに行うことができる。
第4経路部材610に締結される第5及び第6経路部材620,630は、背面視において第4経路部材610の挿通部617及び第2挿通部614の少なくとも一部と重なる位置に配置される。これにより、第1ユニット551は、第4経路部材610に締結される第5及び第6経路部材620,630を取り外した後でのみセンターフレーム86から取り外し可能とされる。これにより、主経路SK1〜SK6を形成する第1ユニット551がセンターフレーム86から取り外されて主経路SK1〜SK6に不正が行われることを抑制できる。
さらに、突設部86bは、端部に第2ユニット552側に立設する(折り返される)立設部86b5を備える(図33(b)参照)。これにより、第1ユニット551と第2ユニット552とが、センターフレーム86の突設部86bを間に介してセンターフレーム86に配設された状態では、立設部86b5が、第1ユニット551の背面側に配設される第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aを取り囲んだ状態とされる。
よって、第1ユニット551及び第2ユニット552がセンターフレーム86に配設された状態で、第1ユニット551及び第2ユニット552の対向間から針金やピアノ線などの不正物が挿入されることを抑制できる。その結果、第1ユニット551及び第2ユニット552がセンターフレーム86に配設された状態で第1ユニット551の第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aに不正が行われることを抑制できる。
また、第1ユニット551と第2ユニット552との間には、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの正面側の一部が配設されると共に、立設部86b5が介設される。よって、立設部86b5が配設される空間を利用して、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの正面側の一部を配設することができる。従って、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの正面側の一部が、第1ユニット551と第2ユニット552との間に収容される分、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aが背面側に突出することを抑制できる。その結果、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの背面側の周囲を第2ユニット552により取り囲みやすくすることができ、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aに背面側から不正がされることを第2ユニット552により抑制することができる。
さらに、第1ユニット551と第2ユニット552との間には、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの正面側の一部が配設されるので、第2ユニット552を流下する遊技球を第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aで隠して遊技者側から視認しにくくすることができる。これにより、第1ユニット551を流下する遊技球の動線と第2ユニット552を流下する遊技球の動線とが正面視において重なる場合であっても、第1ユニット551を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。その結果、第2ユニット552を流下する遊技球により遊技者に付与される遊技価値よりも高い遊技価値が遊技者に付与される第1ユニット551を流下する遊技球を遊技者に視認させることができるので、遊技者に興趣を与えやすくできる。
また、第1ユニット551及び第2ユニット552がセンターフレーム86に配設された状態では、装飾部材650が、センターフレーム86のベース枠86aの内側の側面を覆う状態で配設される。これにより、センターフレーム86のベース枠86aの開口を介して(挿通して)特別入賞装置550に針金やピアノ線などの不正物が挿入されることを抑制できる。
図36及び図37に示すように、第1ユニット551に配設される第1ソレノイド583aは、背面側が第2ユニット552の第4経路部材610及び第5経路部材620に形成される中央開口部622及び第2中央開口部634の内側に挿入される。これにより、第2ユニット552が背面側(矢印B方向側)に膨出することを抑制できると共に、第1ソレノイド583aに針金やピアノ線等の不正物がアクセスされることを抑制できる。
また、第1ソレノイド583aの荷重を第2ユニット552により支持することができるので、第1ソレノイド583aが配設される第1ユニット551の第2経路部材570が撓むことを抑制できる。その結果、第1ユニット551の遊技球の通過を安定させることができる。
さらに、上述したように、センターフレーム86に形成される突設部86bの開口部86b1に第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aが囲われて配設されるので、比較的荷重の大きい(重い)第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aを開口部86b1(突設部86b)により支持することができる。その結果、突設部86bが、特別入賞装置550の荷重により撓むことを抑制できる。
よって、ベース板60に配設されるセンターフレーム86が曲る(撓む)ことを抑制できるので、センターフレーム86に配設される第1ユニット551の配置がベース板60に対して位置ずれすることを抑制できる。その結果、遊技盤13の遊技領域から第1ユニット551(特別入賞装置550)に遊技球をスムーズに流入させることができる。
また、第1ユニット551から第2ユニット552へ遊技球を送球する第2転動部577及び第3転動部578は、突設部86bの開口部86b1の外側に形成される。これにより、開口部86b1の内側に配置される第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの駆動により発生する電磁力により、第1ユニット551から第2ユニット552に送球される遊技球の転動が阻害されることを抑制できる。言い換えると、第1ソレノイド583a及び第2ソレノイド584aの駆動により発生する電磁力が突設部86bの外側に作用することを突設部86bにより抑制できる。その結果、第1ユニット551から第2ユニット552への遊技球の送球を安定させることができる。
上述したように、第1ソレノイド583aは、背面側が第2ユニット552の中央開口部622及び第2中央開口部634に挿入されて配設される。これにより、第1ユニット551の検出装置SE3〜6及び第1ソレノイド583aの配線を中央開口部622及び第2中央開口部634を挿通させて配設することができる。また、それらの配線を第1ソレノイド583aに沿って配設することができるので、配線が絡まることを抑制できる。
さらに、第1ソレノイド583aの荷重を、第2ユニット552の中央開口部622及び第2中央開口部634により支えることができるので、第1ユニット551が配設される突設部86bが撓むことを抑制できる。よって、ベース板60に配設されるセンターフレーム86が曲る(撓む)ことを抑制できるので、センターフレーム86に配設される第1ユニット551の配置がベース板60に対してずれることを抑制できる。その結果、遊技盤13の遊技領域から第1ユニット551(特別入賞装置550)に遊技球をスムーズに流入させることができる。
<基板ユニットの固定部材を背面部材に配設する変位部材>
次いで、図38から図42を参照して、背面ケース300及び基板ユニット110の連結構造についての詳しい説明する。まず、図38及び図39を参照して、背面ケース300の構造について説明する。
図38(a)は、背面ケース300の正面図であり、図38(b)は、背面ケース300の背面図である。図39(a)は、背面ケース300の分解斜視正面図であり、図39(b)は、背面ケース300の分解斜視背面図である。
図38及び図39に示すように、背面ケース300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材310と、背面ケース300の背面側(矢印B方向側)に配設され、上述した基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320と、を主に備える。
また、背面ケース300は、底壁部301に正面側の2箇所から突設される突設部301bと、固定部材320と対向する位置に開口する第1開口部301cと、係合部材310と対向する位置に開口する第2開口部301dと、を備える。
突設部301bは、係合部材310をスライド可能な状態で保持するための軸であり、後述する係合部材310に開口する摺動溝314の内側に挿通される。また、突設部301bは、円環状に突設されており、その円環状の内側にネジを螺合できる。よって、突設部301bを摺動溝314の内側に挿通した後に、摺動溝314の溝幅よりも直径の大きい頭部を有するネジを突設部301bに螺合することで、係合部材310を背面ケース300に配設できる。
第1開口部301cは、後述する固定部材320の一部(係合部材310との係合部分)を挿通するための開口であり、固定部材320の係合部分(後述する被係合部332)を挿通可能な形状に形成される。これにより、背面ケース300(底壁部301)の背面側に配設される固定部材320を、背面ケース300(底壁部301)の正面側に配設される係合部材310で係合させることができる。
また、第1開口部301cは、固定部材320と係合部材310との係合側(矢印L方向側)の反対側(矢印R方向側)となる端部に背面側に突出する突壁301c1を備える。突壁301c1は、背面側の突設先端が略90度屈曲する鉤状に形成され、その屈曲方向が、第1開口部301cから離間する方向(矢印R方向)に設定される。
突壁301c1は、先端が後述する固定部材320の係止部331に挿入される。これにより、固定部材320と係合部材310との係合部分の反対側(矢印R方向側)を係止させることができる。その結果、背面ケース300に配設される固定部材320を左右(矢印L−R方向)の両端で支持する(係合させる)ことができ、固定部材320と係合部材310との係合部分に力が集中することを抑制して固定部材320及び係合部材310が破損することを抑制できる。なお、第1開口部301cへの固定部材320の配設についての詳しい説明は後述する。
第2開口部301dは、後述する係合部材310の一部(操作子315)を背面ケース300の背面側に挿通するための開口であり、これにより、係合部材310を背面ケースの背面側から操作することができる。よって、上述したように、固定部材320を背面ケース300の背面に配置した後に、背面ケース300の背面側から係合部材310を操作して、固定部材320と係合部材とを背面ケース300(底壁部301)の正面側で係合させることができる。
係合部材310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片311及び第2片312と、その第1片311及び第2片312の端部同士を第1片311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。
上述した2の摺動溝314は、第1片311及び第2片第312にそれぞれ1箇所づつ形成され、第1片311及び第2片312の延設方向(矢印L−R方向)に長い長穴状に開口される。これにより、係合部材310は、第1片311及び第2片312の延設方向(矢印L−R方向)に摺動可能とされる。
第1片311は、第3片313が連結される他側(矢印L方向側)と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、後述する固定部材320との係合部分として形成されており、第1片311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部317と、背面ケース300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出する操作子315と、を備える。
係合部316は、正面視における外形が略三角形状に形成され、一側(矢印R方向側)の外面が、一側の端部から他側(矢印L方向側)に向かう程、第1片311の外側に突出する傾斜面として形成される一方、他側の外面が、第1片311の延設方向(矢印L−R方向)に対して略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)延設される。
凹部317は、第1片311の厚み方向に切り欠いて形成されると共に、第1片311の一側(矢印R方向側)端部から他側(矢印L方向側)に向かって凹設される。よって、第1片311の一側が二股に分割される。これにより、第1片311の一側の剛性を他側に比べて低くすることができる。その結果、第1片311の一側を弾性変形させやすくして、係合部材310を固定部材320と係合させやすくできる。なお、係合部材310と固定部材320との係合についての詳しい説明は後述する。
操作子315は、係合部材310を操作する操作部分であり、第1片311の他側の端部に形成され、その突出寸法が、背面ケース300の底壁部301の板厚よりも大きい値に設定され、少なくとも作業者が指で掴める程度の寸法分、背面ケース300の背面側に突出される。これにより、操作子315を底壁部301の第2開口部301dから突出させることができると共に、その突出部分(操作子315の先端)を掴ませて操作させることができる。
第2片312は、正面側に円形に凹設される締結孔318を備える。締結孔318は、後述する回転ユニット700の背面ベース720に貫通される孔(図89参照)に挿通されるネジを螺合させる部分である。これにより、背面ケース300の内側(底壁部301の正面側)に回転ユニット700を配設した後、回転ユニット700の背面側に配設される係合部材310を操作して、係合部材310を規定位置(後述する固定部材320との係合位置)に操作することができると共に、締結孔318にネジを螺合して係合部材310と回転ユニット700(背面ベース720)とを締結することができる。従って、規定位置に配置される係合部材310を背面ケース300の背面側から突出する操作子315の操作のみでは、操作不能にすることができる。その結果、パチンコ機10が組み上げられた状態で、操作子315が不正に操作されて、固定部材320と基板ボックス100(主制御装置110)とが、不正な基板ボックスに簡易に交換されることを抑制できる。
なお、この場合、回転ユニット700の背面ベース720の孔を挿通して締結孔318に締結されるネジは、遊技盤13に配設される第1入賞口64を取り外した孔から操作可能としてもよい。この場合、遊技盤13と背面ケース300との締結を解除する必要がなくなるので、正常な基板ボックス100への交換作業が複雑化することを抑制できる。その結果、正常な基板ボックス100の交換作業を簡易にすることができる。
固定部材320は、背面ケース300と別部材から構成される。これにより、背面ケース300に比べて外形の小さい固定部材320に基板ボックス100をカシメ固定させることができるので、固定部材320が背面ケース300と一体に形成される場合に比べて、基板ボックス100を配設しやすくできる。その結果、基板ボックス100が固定部材320から取り外されにくい状態で基板ボックス100を背面ケース300に配設しやすくできる。
また、背面ケース300は、それぞれのパチンコ機の型式で同一形状の部品として流用することができるところ、基板ボックス100は、それぞれのパチンコ機10の型式で形状や大きさが異なるので、基板ボックス100が配設される固定部材320を別のパチンコ機との流用品とすることができない。従って、固定部材320が背面ケース300と一体に形成される場合に比べて、背面ケース300の成形時の金型を別のパチンコ機と同一の金型とすることができる。その結果、背面ケース300に比べて外形の小さい固定部材320の金型を形成するだけですむので、製造コストを削減できる。
固定部材320は、上述した係合部材310と係合する介設部材330と、その介設部材330に締結される軸支部材340とから構成される。これにより、軸支部材340を別の遊技機の固定部材と同一の形状の流用品として使用することができる。
介設部材330は、正面側(矢印F方向側)が開放する箱状に形成され、他側(矢印L方向側)の側面に突設される係止部331と、他側(矢印L方向側)の側面から背面ケース300側(正面側)に突出して枠状に形成される被係合部332と、箱状の底面に円形状に開口する挿通孔333と、背面から軸支部材340側に突出する突部334と、を主に備える。
係止部331は、固定部材320の他側(矢印L方向側)を底壁部301に係合させるための開口を備え、その開口に上述した第1開口部301cの周囲から断面L字状に突設される突壁301c1が挿通されることで底壁部301に係合される。これにより、介設部材330(固定部材320)を背面ケース300に配設する際に、介設部材330の係止部331に突壁301c1を挿通させて介設部材330の一側(矢印R方向側)を背面ケース300に対して係止することができる。
被係合部332は、係合部材310と係合する部分であり、背面ケース300側(矢印F方向側)への突出寸法が、背面ケース300に配設される係合部材310を超える寸法に設定され、囲われる空間の正面側(矢印F方向側)の内面から底壁部301の正面までの距離寸法が、係合部材310の正面から底壁部301の正面までの距離よりも大きく設定される。これにより、被係合部332により囲われる空間と係合部材310とが、前後方向(矢印F−B方向)において重なる位置に配置される。
挿通孔333は、介設部材330を後述する軸支部材340と締結するネジを挿通する貫通孔であり、軸支部材340の締結孔343と同軸上に設定される。
突部334は、断面略L字状に形成され、その屈曲側の先端部と介設部材330の底面との間の距離が後述する軸支部材340の挿入部344の板厚よりも大きく設定される。これにより、突部334の屈曲側の先端部と介設部材330の底面との対向間に挿入部344を挿入して配設できる。
軸支部材340は、背面ケース300側(矢印F方向側)が開放する箱状に形成される本体部341と、その本体部341の背面側(矢印B方向側)から断面略U字状に膨出する支持部342と、を主に備えて形成される。
本体部341は、上方側(矢印U方向側)の側面から上方に向かって突出する挿入部344と、箱状に形成される本体部341の底面側(矢印D方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される締結孔343とを主に備える。
挿入部344は、上述したように突部334の屈曲側の先端部と介設部材330の底面との対向間に挿入される板部材である。これにより、軸支部材340の上方側が背面ケース300の背面側に傾倒することを抑制できる。
締結孔343は、挿入部344と反対側の端部に偏る下方側(矢印D方向側)に配置される。また、上述したように、締結孔343は、介設部材330の挿通孔333(図39(b)参照)を挿通するネジを締結する孔である。従って、軸支部材340は、上方側(矢印U方向側)の挿入部344が介設部材330の突部334に挿入されると共に、下方側が介設部材330と締結固定される。よって、軸支部材340は、下方側のネジの締結のみで介設部材330に固定されるので、締結部分を少なくすることができ、製造工程の簡易化をすることができる。
支持部342は、上述した基板ボックス100(主制御装置110)の軸受部117とかしめ締結される部分であり、内部にかしめ金具を配設可能な中空状に形成される。なお、基板ボックス100は、かしめ金具による締結により、軸支部材340に対して回転可能な状態で保持される。
次いで、図40(a)から図41(b)を参照して、係合部材310と固定部材320との係合について説明する。図40(a)は、係合部材310及び固定部材320の係合前の状態における背面ケース300の正面図であり、図40(b)は、係合部材310及び固定部材320の係合前の状態における背面ケース300の背面図である。図41(a)は、係合部材310及び固定部材320の係合後の状態における背面ケース300の正面図であり、図41(b)は、係合部材310及び固定部材320の係合後の状態における背面ケース300の背面図である。なお、図40(b)及び図41(b)では、背面ケース300と重なる係合部材310の外形の一部が鎖線で図示される。
図40(a)及び図40(b)に示すように、係合部材310及び固定部材320の係合前に、介設部材330及び軸支部材340が介設部材330側(正面側(矢印F方向側))から挿入されるネジにより締結されて組み合わされる。これにより、介設部材330及び軸支部材340が背面ケース300の背面側から不正に分解される(締結されたネジが取り外される)ことを抑制できる。その結果、軸支部材340にかしめ固定される基板ボックス100が不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
締結された状態の介設部材330及び軸支部材340(固定部材320)は、上述したように介設部材330の係止部331の内側に第1開口部301cに形成される突壁301c1が挿入される。この場合、締結された状態の介設部材330及び軸支部材340(固定部材320)は、突壁301c1の屈曲側(矢印R方向側)から第1開口部301cに配設される。
背面ケース300に固定部材320が配置されると、被係合部332により囲われる空間が、係合部材310の一側(係合部316側)端部と対向する位置に配置される。これにより、係合部材310をスライド変位させることで、係合部材310の一側(矢印R方向側)端部を被係合部332に囲われる空間に挿入できる。
ここで、係合部材310の2箇所の係合部316の上下方向(矢印U−D方向)における外側寸法は、上述した固定部材320の被係合部332により囲われる空間の上下方向における開口寸法よりも大きく設定される。そのために、被係合部332により囲われる空間に係合部材310を配設できないという問題点がある。
これに対して、係合部材310は、上述したように第1片311の一側(矢印R方向側)に凹設される凹部317により、第1片311を弾性変形しやすくできると共に、係合部316の三角形状により、係合部材310がスライド変位されて被係合部332の内縁と当接した際の力を係合部材310の凹部317側に作用させることができる。その結果、二股に形成される第1片311を弾性変形させて被係合部332に囲われる空間に挿入できる。
図41(a)及び図41(b)に示すように、係合部材310及び固定部材320は、係合部材310がスライド変位されて、係合部材310の第1片311が、介設部材330の被係合部332により囲われる空間に挿通されると、弾性変形された第1片311が変形前の形状に戻される。上述したように、係合部316は、他側の側面が第1片311の延設方向と略直交する方向に延設される。従って、係合部材310を反対方向にスライド変位させる力のみでは、第1片311を凹部317側に弾性変形させる力が作用されない。即ち、係合部316の傾斜面および凹部317により第1片311を被係合部332により囲われる空間に挿入しやすくできると共に、係合部316の他側(矢印L方向側)の側面により被係合部332により囲われる空間に挿入された第1片311を抜けにくくすることができる。その結果、遊技者の不正行為により、背面ケース300の背面側から固定部材320が取り外されることを抑制でき、固定部材320にかしめ締結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
また、背面ケース300は、ベース板60及び背面ケース300の間に配設され、ベース板60の背面側(矢印B方向側)であって、ベース板60および背面ケース300(底壁部301)の対向間の外側から操作可能な係合部材310を備え、固定部材320は、背面ケース300の正面側(矢印F方向側)に突出する被係合部332を備え、その被係合部332と係合部材310とが係合して、背面ケース300に配設されるので、ベース板60及び背面ケース300の間に役物装置(本実例では、回転ユニット700)を配設した状態で、ベース板60及び背面ケース300の間の外側から係合部材310を操作して、係合部材310と固定部材320とを係合させることができる。
従って、係合部材310をベース板60及び背面ケース300の対向間に配設される役物装置に邪魔されることなく、固定部材320を背面ケース300に配設することができる。その結果、固定部材320を背面ケース300に簡易に配設することができる。
また、背面ケース300の正面側(矢印F方向側)に配設される被係合部332に係合部材310を係合させるので、背面ケース300と固定部材320との係合部分をベース板60及び背面ケース300の対向間に配置することができる。これにより、ベース板60の背面側(矢印B方向側)から係合部材310と固定部材320との係合部分へのアクセスが困難とされる。その結果、ベース板60の背面側から係合部材310と固定部材320との係合が解除されて、固定部材320に不正がされる(例えば、不正な固定部材に交換される)ことを抑制できる。
また、背面ケース300は、固定部材320が配設される部分に開口される第1開口部301cと、係合部材310が配設される部分に開口される第2開口部301dとを備え、係合部材310は、背面ケース300の正面側(矢印F方向側)に配設されると共に第2開口部301dを介して(挿通して)背面ケース300の背面側(矢印B方向側)から操作可能とされ、固定部材320は、第1開口部301cを通過した被係合部332が背面ケース300の正面側に配置されるので、係合部材310と固定部材320の被係合部332との係合部分に背面ケース300の背面側からアクセスし難くできる。その結果、背面ケース300に配設される役物装置の大きさに関係なく、固定部材320を背面ケース300に固定することができると共に、遊技盤13の背面側から操作されて不正な基板ボックスに交換されることを防止することができる。
さらに、係合部材310は、第2開口部301dを挿通して背面ケース300の背面側(矢印B方向側)に突出する操作子315を備えるので、背面ケース300の正面側(矢印F方向側)に係合部材310を配設した状態で係合部材310を操作しやすくできる。その結果、係合部材310と固定部材320の被係合部332との係合操作をさせやすくできる。
また、係合部材310は、背面ケース300(底壁部301)の正面側と平行な平面上をスライド変位可能とされるので、係合部材310が、背面ケース300に対して前後方向(矢印F−B方向)に変位されない分、係合部材310の正面側(矢印F方向側)を背面ケース300に配設される役物装置の配設スペースとして利用しやすくできる。その結果、背面ケース300(底壁部301)の正面側の領域を役物装置の配設スペースとして利用しやすくできる。
次いで、図41に示す状態から、背面ケース300から固定部材320を取り外す場合の操作について説明する。
図41に示すように、第1開口部301cは、正面視略L字状に開口されており、固定部材320の被係合部332と係合状態における係合部材310の凹部317が、第1開口部301cを介して背面ケース300の背面側(矢印B方向側)から操作可能とされる。
よって、係合部材310の凹部317の外側部分を、専用の工具等で凹部317の凹設側に弾性変形させることで、係合部材310の係合部316と被係合部332との係合が解除される。この係合を解除した状態で、係合部材310を被係合部332により係合される内部空間から引き出す方向(矢印L方向)に変位させた後、係合部材310の変形を戻すことで、係合部材310と被係合部332との係合を解除することができる。
なお、係合部材310の凹部317の外側部分と第1開口部301cとの隙間は、なるべく小さく形成されることが好ましい。これによれば、背面ケース300から固定部材320を取り外す人の指を挿入不可能にできると共に、専用の工具の挿入は可能とされる。その結果、専用の工具を有する作業者のみに基板ボックス100(主制御装置110)を交換可能とさせることができ、不正な基板ボックス100に交換されることを抑制できる。
次いで、図42(a)及び図42(b)を参照して、軸支部材340にかしめ締結される基板ボックス100(主制御装置110)について説明する。図42(a)は、背面ケース300及び基板ボックス100(主制御装置110)の斜視背面図であり、図42(b)は、背面ケース300及び基板ボックス100(主制御装置110)の背面図である。なお、図42(b)では、基板ボックス100と重なる係合部材310の外形が鎖線で図示される。
図42(a)及び図42(b)に示すように、基板ボックス100は、一端側(矢印R方向側)の端部から突出する軸受部117を備える。軸受部117は、上下方向(矢印U−D方向)に所定の間隔を隔てて一対配設される。一対の軸受部117は、上述したように軸支部材340の支持部342とかしめ締結される部分であり、支持部342の上下方向(矢印U−D方向)の寸法と対向間の間隔が略同一に設定される。これにより、基板ボックス100は、一対の軸受部117の対向間に支持部342を配設すると共に、軸受部117の上方からかしめピンを挿入してかしめ固定することで、軸支部材340に締結される。
以上のように構成される基板ボックス100によれば、基板ボックス100は、軸支部材340に対して回転可能に保持されると共に、係合部材310の背面側に配設されるので、上述したように、操作子315を操作して係合部材310を固定部材320に係合させる場合には、基板ボックス100を回転させることで、操作子315を操作させやすくできる。また、係合部材310を固定部材320に係合させた後には、基板ボックス100を係合部材310の背面側に配置することで、操作子315を背面ケース300の背面側から操作しにくくできる。その結果、パチンコ機10が組み立てられた後に、操作子315が操作されて、不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
なお、基板ボックス100の他端側(矢印L方向側)は、背面ケース300の底壁部301に向かって、基板ボックス100の背面側(矢印B方向側)から挿入されて背面ケース300に締結されるネジにより固定される。これにより、基板ボックス100は、背面ケース300の背面側に回転(動作)不能な状態で配設される。
次いで、図43から図69を参照して、下変位ユニット400の詳細な構成を説明する。まず、図43から図46を参照して、下変位部材440を変位させる構造について説明する。
図43は、下変位ユニット400の正面図であり、図44は、下変位ユニット400の背面図である。図45は、下変位ユニット400の分解斜視正面図であり、図46は、下変位ユニット400の分解斜視背面図である。なお、図43から図14では、下変位部材440が退避位置(ベース部材410に対して一番下方に配置された位置)に配置された状態が図示される。
図43から図46に示すように、下変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に配設されるベース部材410と、そのベース部材410に配設される伝達部材420と、ベース部材410に連結されると共に伝達部材420の変位に伴って変位されるリンク部材430と、一端がベース部材410に摺動可能に連結されると共に他端がリンク部材430に連結されてリンク部材430から駆動力を伝達されることで変位する下変位部材440とを主に備えて形成される。
ベース部材410は、正面視矩形横長の板部材を前後方向に2枚組み合わせて形成され、正面側に配置される正面ベース411と、背面側に配置される背面ベース412とを備える。正面ベース411と背面ベース412との対向間には、伝達部材420及びリンク部材430とが配置される。
正面ベース411は、前後方向(図43紙面奥行方向)に貫通した2つの摺動溝411a,411bと、背面側に突出する円柱状の2本の軸支ピン411c,411dと、軸支ピン411dを軸とした円弧状に突出する湾曲壁部411eとを主に備えて形成される。
摺動溝411a,411bは、下変位部材440の背面側から突出する2本の突起472,473がそれぞれ挿通される孔である。摺動溝411a,411bは、それぞれ左右方向に長く伸びて形成される。よって、摺動溝411a,411bに挿通された突起472,473を摺動溝411a,411bに沿って変位させることで、下変位部材440を左右方向に摺動させることができる。
また、摺動溝411a,411bは、それぞれ円弧状に湾曲して形成されており、正面ベース411の左側(図43左側)端部から右側(図43右側)端部にかけて上方(図43上方向)に開口される。さらに、摺動溝411a,411bは、それぞれの円弧の軸が異なる位置に配置され、上下方向(図43上下方向)における対向間の隙間が左端部から右端部にかけて狭くされる。
後述する下変位部材440のベース部材470の突起472,473は、その間の距離が変わらないので、下変位部材440を摺動溝に沿って摺動させた場合には、下変位部材440を回転させつつ変位させることができる。即ち、2つの摺動溝411a,411bの間の距離を変更することで、下変位部材440に回転の駆動力を与えることなく下変位部材440を摺動に伴って回転させることができる。なお、下変位部材440の詳しい変位の態様は後述する。
軸支ピン411cは、後述する伝達部材420のカム部材422の軸部422aに挿入される突起であり、軸部422aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411cは、金属製の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、カム部材422にその外周面から軸方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411cが折れる(破損する)ことを抑制できる。
軸支ピン411dは、後述する第1リンク部材431の一端に形成される貫通孔431aに挿入される突起であり、貫通孔431aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411dは、金属性の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、第1リンク部材431に貫通孔431aの方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411dが折れる(破損する)ことを抑制できる。
湾曲壁部411eは、正面ベース411の背面側から突出すると共に、軸支ピン411dの軸を中心に湾曲して形成される。湾曲壁部411eの突出距離は、後述する第1リンク部材431の板状突起431bの突出先端面に当接する距離に設定される。よって、第1リンク部材431が前方側に位置ずれすることが抑制される。また、湾曲壁部411eは、軸支ピン411dの軸を中心に湾曲して形成されるので、第1リンク部材431が軸支ピン411dの軸周りに回転された場合でも、第1リンク部材431の板状突起431bを湾曲壁部411eの突出先端面と当接させることができる。
回収口411fは、後述する下変位部材440の球受部467の移動により、出射開口471から出された球を、回収口411fに流入させて回収するための開口である。回収口411fの下流側は、球の回収経路に連結される。回収口411fは、正面ベース411の右側端部に突出して形成される孔であり、その開口面が、退避状態における下変位部材440と対向した面および第1張出状態における下変位部材440の出射開口471の重力方向下側に位置する面とされる。
また、退避状態における下変位部材440の出射開口471は、回収口411fの上方に配置される。よって、出射開口471から出射された球を回収口411fに受け入れて速やかに回収することができる。
背面ベース412は、正面側(図44紙面手前側)から背面側に向かって凹設される溝部412a,412bと、溝部412bの近傍に正面側に向かって突出形成される係止部412cとを主に備えて形成される。
溝部412aは、上述した正面ベース411の軸支ピン411cの先端側を挿入する孔であり、軸支ピン411cの外径よりも大きい内径の円形に形成されると共に、軸支ピン411cと対向する位置に凹設される。よって、カム部材422は、軸部422aに軸支ピン411cを挿通した後に、正面ベース411と背面ベース412とが組み合されることで、ベース部材410から脱落不能に保持される。また、背面ベース412が、軸支ピン411cの先端部を保持することができるので、カム部材422にその外周面から軸方向に力が作用した際に、軸支ピン411cが正面ベース411との連結部から曲がって折れることを抑制できる。
溝部412bは、上述した正面ベース411の軸支ピン411dの先端側を挿入する孔であり、軸支ピン411dの外径よりも大きい内径の円形に形成されると共に、軸支ピン411dと対向する位置に凹設される。よって、第1リンク部材431は、貫通孔431aに軸支ピン411dを挿通した後に、正面ベース411と背面ベース412とが組み合わされることで、ベース部材410から脱落不能に保持される。また、背面ベース412が、軸支ピン411dの先端部を保持することができるので、第1リンク部材431に貫通孔431aの方向に力が作用した際に、軸支ピン411dが正面ベース411との連結部から曲がって折れることを抑制できる。
係止部412cは、後述する付勢ばねSP1の一端側を係止する板であり、付勢ばねSP1の外側に形成される。これにより、付勢ばねSP1の一端側を係止することができる。なお、付勢ばねSP1の詳しい説明は後述する。
伝達部材420は、正面ベース411の正面側に取着される駆動モータKM1の軸に連結される伝達ギヤ421と、その伝達ギヤ421と歯合され伝達ギヤ421の駆動に伴って回転されるカム部材422とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ421は、外周面全域に歯合面を有するギヤであり、駆動モータKM1の軸部に外嵌される。よって、駆動モータKM1に電力が付与されて軸部が回転されると、伝達ギヤ421も同様に回転される。
カム部材422は、正面視における外形が大きさの異なる2つの半円の一端同士を組み合わせた形状に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状体から形成される。カム部材422の外形の小さい半円部には、外周面に伝達ギヤ421と歯合する歯面422bが刻設されると共に、半円の中心に軸部422aが貫通形成される。カム部材422の外形の大きい半円部には、後述するリンク部材430と対向する背面側に凹設される摺動溝422cが形成される。
軸部422aは、上述したように軸支ピン411cを挿通する孔であり、軸支ピン411cに軸部422aが回転可能に軸支されることで、カム部材422が軸支ピン411cの軸を中心に回転可能に保持される。
カム部材422は、歯面422bが伝達ギヤ421と歯合した状態でベース部材410に配設されるので、伝達ギヤ421が回転されると、カム部材422が軸部422aの軸を中心に回転できる。
摺動溝422cは、カム部材422の半径の大きい半円部の外周部に沿って凹設される。従って、一端側から他端側に向かうにつれて軸部422aとの距離が大きくされる。また、摺動溝422cは、下変位部材440が後述する退避状態に位置する際に第1リンク部材431の摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c1と、下変位部材440が後述する第2張出状態に位置する際に摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c3と、下変位部材440が退避状態と第2張出状態との中間状態の第1張出状態に位置する際に摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c2とを備える。
リンク部材430は、第1リンク部材431と第2リンク部材432との2つのリンク部材から形成される。また、リンク部材430は、第1リンク部材431と第2リンク部材432とのそれぞれの端部が回転可能に連結して形成される。
第1リンク部材431は、正面視略くの字形状に屈曲して形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状に形成される。第1リンク部材431は、カム部材422の変位に伴って変位するリンクであり、一端側に前後方向に貫通する貫通孔431aと、他端側に背面側に突出する円柱状の連結突起431cと、上述した湾曲壁部411eと対向する位置に突出する板状突起431bと、屈曲部分の正面側に突出する円柱状の摺動突起431dとを主に備えて形成される。
貫通孔431aは、上述したように軸支ピン411dが挿入される貫通孔である。第1リンク部材431は、貫通孔431aに軸支ピン411dが挿入された状態で正面ベース411と背面ベース412とが組み合わされることで、ベース部材410に対して回転可能に保持される。
板状突起431bは、第1リンク部材431が前後方向に位置ずれすることを抑制して、第1リンク部材431が前方に配置されるカム部材422と衝突することを抑制する突起であり、貫通孔431aを軸とした湾曲状に突出する板状体に形成されると共に、その突出長さが、カム部材422の前後方向の厚みよりも大きく設定される。これによりカム部材422の背面と第1リンク部材431の正面とが衝突することを抑制できる。
また、板状突起9431bの突設寸法は、カム部材422の厚み(矢印F−B方向寸法)寸法よりも大きく設定される。さらに、板状突起431bの突設先端面と対向するベース部材410(湾曲壁部411e)とは、若干の隙間(距離X14(図55(a)参照))を隔てて配置される。
カム部材422は、板状突起431bを除く第1リンク部材9431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間における領域を変位可能な状態で配置される。また、カム部材422及び第1リンク部材431との対向間の隙間と、カム部材422及びベース部材410の対向間の隙間と、を合わせた2箇所の隙間の寸法は、上述した距離X14よりも大きく設定される。
これにより、上述した距離X14が小さくなる方向(矢印F方向)に第1リンク部材9431が、撓んだ際に板状突起431bの突設先端面を対向するベース部材410(湾曲壁部411e)に当接させることができる。よって、板状突起9431bを除く第1リンク部材9431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間にカム部材422が挟まれて変位が規制されることを抑制できる。
連結突起431cは、後述する第2リンク部材432と連結される軸部であり、第2リンク部材432の貫通孔432aに挿入されると共に、背面側から頭部の外径が貫通孔432aよりも大きいネジ等が締結される。これにより、第1リンク部材431と第2リンク部材432とが回転可能に連結される。
貫通孔431aの縁部には、背面側に突出する壁部431fが形成される。壁部431fは、後述する付勢ばねSP1をその外周面にはめ込んで保持するための壁面である。
リンク側係合部431eは、壁部431fにはめ込んだ付勢ばねSP1の他端側を係止する突起であり、第1リンク部材431の一端側の背面側に鉤状に突出して形成される。よって、付勢ばねSP1は、一端側が背面ベース412の係止部412cに係合された状態とされ、他端側が第1リンク部材431のリンク側係合部431eに係合された状態とされる。従って、付勢ばねSP1の付勢力を、第1リンク部材431の他端側をベース部材410に対して上方に回転させる方向に作用させることができる。その結果、下変位部材440を回転変位させる際に、付勢ばねSP1の付勢力が作用するので、駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
摺動突起431dは、貫通孔431aからカム部材422の軸部422aとの離間距離と略同一距離貫通孔431aから離間した位置に形成される。また、摺動突起431dは、その先端部分が摺動溝422cの内側に挿入される。即ち、摺動突起431dは、その外径の大きさが、摺動溝422cの対向間における幅寸法よりも小さく形成される。
摺動突起431dは、摺動溝422cの内側に配置されることで、カム部材422の回転変位に伴って、摺動溝422cの内側を摺動して変位される。即ち、カム部材422が変位されることで、第1リンク部材431が、貫通孔431aの軸を中心に回転変位される。なお、第1リンク部材431の変位についての詳しい説明は後述する。
また、摺動突起431dと板状突起431bとは、近接する位置に形成されるので、板状突起431bにより第1リンク部材431の前方への変位が抑制される。よって、摺動突起431dがカム部材422を前方に押し出すことを抑制できる。その結果、カム部材422に凹設される摺動溝422cの凹設深さを深くする必要がなくなり、カム部材422の前後方向の厚さを厚くすることなくその剛性を確保できる。
第2リンク部材432は、一方が長い正面視矩形に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを備えた板状に形成される。第2リンク部材432は、一端側に前後方向に貫通形成される貫通孔432aと、他端側に前後方向に貫通形成される貫通孔432bとを主に備えて形成される。
貫通孔432aは、上述したように第1リンク部材431と連結されるための孔であり、内部に連結突起431cが挿入される。これにより、第2リンク部材432は、第1リンク部材431に対して回転可能に連結される。
貫通孔432bは、後述する下変位部材440と連結されリンク部材430の変位を下変位部材440に伝達できる。貫通孔432bは、後述する背面ケース482の突起482aが挿入される孔であり、その内径が突起482aの外径よりも大きく形成される。よって、貫通孔432bに突起482aを挿入すると共に、突起482aの先端部に貫通孔432bの内径よりも大きい頭部を有するネジ等を締結することで、下変位部材440が、第2リンク部材432に対して回転可能に保持される。よって、下変位部材440の駆動は、カム部材422が回転変位された際に、その変位がリンク部材430を介して伝達される。
次いで、図47から図52を参照して、下変位部材440の変位動作について説明する。図47は、退避状態における下変位ユニット400の正面図であり、図48は、第1張出状態における下変位ユニット400の正面図であり、図49は、第2張出状態における下変位ユニット400の正面図である。図50は、退避状態における下変位ユニット400の背面図であり、図51は、第1張出状態における下変位ユニット400の背面図であり、図52は、第2張出状態における下変位ユニット400の背面図である。なお、図50から図52では、背面ベース412が透明視された状態が図示される。また、図50から図52では、第1リンク部材431の板状突起431b及び湾曲壁部411eの一部が鎖線で図示される。
また、退避状態とは、摺動溝422cの内側に配置される摺動突起431dが、段部442c1の対向間に配置され、下変位部材440が下側に配置された状態である。第2張出状態とは、摺動突起431dが段部442c3の対向間に配置され、下変位部材440の先端側が一番上方に配置された状態である。第1張出状態とは、摺動突起431dが段部442c2の対向間に配置され、下変位部材440が、退避状態と第2張出状態との中間状態に配置された状態である。
図47及び図50に示すように、退避状態における下変位ユニット400は、第1位置のカム部材422が、伝達ギヤ421に回転されて摺動溝422cの他端側(段部422c3側)を軸部422aの背面視右側(図50右側)へ位置させた状態とされる。この場合、第1リンク部材431の摺動突起431dは、摺動溝422cの内壁に沿って案内されて、段部422c1に位置した状態とされる。よって、第1リンク部材431は、他端側(連結突起431c側)が、一端側の貫通孔431aの背面視右側(図50右側)に位置した状態(貫通孔431aを軸に回転して他端側を回転可能な範囲の下端に位置させた状態(第1従動位置))とされる。
第2リンク部材432は、第1リンク部材431に連結されるので、第1リンク部材431に連結される一端側(貫通孔432a側)が、背面視右側(図50右側)へ位置される。これにより、第2リンク部材432に連結される下変位部材440は、正面ベース411と連結される突起472,473が、摺動溝411a,411bの背面視右側(図50右側)に位置された状態とされる。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側の方が左側よりも大きくされるので、下変位部材440は、長手方向を左右方向と略平行にした状態で配置される。即ち、正面ベース411の前方に配置された状態とされる。
図47及び図50に示す退避状態から図46及び図51に示す第1張出状態への変位は、カム部材422が変位されることで行われる。
第1張出状態では、駆動モータKM1の駆動力により伝達ギヤ421が回転され、カム部材422が、退避状態の位置から略90度回転されて第3位置に変位される。これにより、カム部材422の他端側(段部422c3側)を軸部422aの上方に位置した状態とされる。この回転変位により、摺動溝422cの内壁に案内される第1リンク部材431の摺動突起431dが摺動溝422cの変位に伴って変位されて、第3従動位置に配置される。なお、第1張出状態では、摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に案内される。
よって、第1リンク部材431は、摺動突起431dの変位により貫通孔431aを中心に略30度回転され、他端側(連結突起431c側)が退避状態の位置から、背面視左上(図51左上)に変位される。
第1リンク部材431の回転変位により、第1リンク部材431に連結される第2リンク部材432が変位され、第2リンク部材432に連結される下変位部材440が変位される。この場合、下変位部材440は、突起472,473が、正面ベース411の摺動溝411a,411bに摺動可能に連結されるので、摺動溝411a,411bの形状に沿って変位される。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側から左側に行くに従って狭くされるので、下変位部材440は、正面視右側(図48右側)にスライド変位されつつ、先端側が上方に回転変位される。
また、第1張出状態では、先端側の重力方向下側に回収口411fが位置された状態とされる。即ち、下変位部材440を退避状態から第1張出状態への遷移の際に、スライド変位させつつ回転変位させることで、下変位部材440の先端側をベース部材410の正面視右側に張り出させることなく変位させることができる。その結果、他の変位役物の可変領域と異なる変位領域を形成しやすくできる。他の変位役物と衝突することを抑制できる。
また、回収口411fが下変位部材440の一端側(正面ベース411に連結される突起472、473側と反対側)の下方に位置されるので、後述する下変位部材440の球受部467が発射動作して、球が出射開口471からそのまま下方に落下した場合に、球を回収口411fに送球させることができる。
図48及び図51に示す第1張出状態から図49及び図52に示す第2張出状態への変位は、第1張出状態から更にカム部材422が変位されることで行われる。
第2張出状態では、第1張出状態から、駆動モータKM1の駆動力により伝達ギヤ421が回転され、カム部材422が、第1張出状態の位置(第3位置)から略90度回転された第2位置に配置される。よって、カム部材422の他端側(段部422c3側が軸部422aの上方に位置した状態とされる。また、この回転変位により摺動溝422cの内壁に案内される第1リンク部材431の摺動突起431dが摺動溝422cの変位に伴って変位されて、第2従動位置に配置される。なお、第2張出状態では、摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c1の内壁の対向間に案内される。
よって、第1リンク部材431は、摺動突起431dの変位により貫通孔431aを中心に略30度回転され、他端側(連結突起431c側)が第1張出状態の位置から、背面視略左上(図52左上)に変位される。
第1リンク部材431の回転変位により、第1リンク部材431に連結される第2リンク部材432が変位され、第2リンク部材432に連結される下変位部材440が変位される。この場合、下変位部材440は、突起472,473が、正面ベース411の摺動溝411a,411bに摺動可能に連結されるので、摺動溝411a,411bの形状に沿って変位される。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側から左側に行くに従って狭くされるので、下変位部材440は、正面視右側(図49右側)にスライド変位されつつ、先端側が上方に回転変位される。
また、第1張出状態と同様に、第2張出状態では、先端側の重力方向下側に回収口411fが位置された状態とされる。即ち、下変位部材440を退避状態から第2張出状態への遷移の際に、スライド変位させつつ回転変位させることで、下変位部材440の先端側をベース部材410の正面視右側に張り出させることなく変位させることができる。その結果、他の変位役物の可変領域と異なる変位領域を形成しやすくでき、他の変位役物と衝突することを抑制できる。
次いで、図53を参照して、各状態における第1リンク部材431とカム部材422との位置関係を説明する。図53(a)は退避状態における、図53(b)は第1張出状態における、図53(c)は第2張出状態における、第1リンク部材431とカム部材422との背面図である。なお、図53(a)から図53(c)では、カム部材422の第1リンク部材431と重なる部分が鎖線で図示される。
図53(a)に示すように、退避状態では、第1リンク部材431の摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c1の内壁の対向間に配置される。また、上述したように、摺動突起431dは、貫通孔431aからカム部材422の軸部422aとの離間距離と略同一距離、貫通孔431aから離間した位置に形成される。よって、退避状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431aの軸を中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることできる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、退避状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されること抑制できる。
図53(b)に示すように、第1張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431d、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置される。よって、退避状態と同様に、第1張出状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431aを中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることができる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、第1張出状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されることを抑制できる。
ここで、第1張出位置では、下変位部材440の変位の中間位置となるために停止した状態を維持させるためには、駆動モータKM1を停止状態で維持させる必要がある。そのため、第1張出位置(変位の中間位置)で下変位部材440を停止させていると消費エネルギーが嵩むという問題があった。
これに対し、本実施形態では、第1張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置されるので、上述したように、下変位部材440が変位されることを抑制できる。よって、下変位部材440を変位の途中の位置で停止させた際に、駆動モータKM1の電力を停止させたとしても、下変位部材440が変位することを抑制できる。その結果、下変位部材440を変位途中で停止した際に駆動モータKM1の消費エネルギーが嵩むことを抑制できる。
図53(c)に示すように、第2張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431d、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置される。よって、退避状態および第1張出状態と同様に、第2張出状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431aの軸を中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることができる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、第2張出状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されることを抑制できる。
また、各段部422c1,422c2,422c3は、摺動突起431dと貫通孔431aとを結ぶ方向に延設されるので、第1リンク部材431の摺動突起431dが変位する方向の摺動溝422cの幅寸法を小さくできる。よって、退避位置、第1張出位置および第2張出位置での、第1リンク部材431が貫通孔431aの軸を中心に回転変位できる摺動溝422cと摺動突起431dとの隙間を小さくできる。従って、各状態における第1リンク部材431が、貫通孔431aの軸を中心に回転変位可能な隙間を小さくできる。その結果、各状態における下変位部材440が振動や変位停止時の慣性力で揺れ動く幅を小さくでき、遊技者に停止した状態を視認させやすくできる。
よって、下変位部材440を駆動する伝達部材420及びリンク部材430(駆動機構)は、球受部467から遊技球が出射される際の反作用の方向に下変位部材440が変位されることを規制することができるので、反作用に伴って下変位部材440がベース部材410に対して変位されることを抑制できる。その結果、下変位部材440のがたつきを抑制できる。
次いで、図54を参照して、リンク部材430及びカム部材422との前後方向の関係を説明する。図54(a)は、図50のLIVa−LIVa線における下変位ユニット400の断面模式図であり、図54(b)は、図51のLIVb−LIVb線における下変位ユニット400の断面模式図である。なお、図51及び図52では、背面ベース412を透明視して図示したが、図54(a)及び(b)では、透明視していない状態の下変位ユニット400の断面図が図示される。
図54(a)に示すように、退避状態における下変位ユニット400のリンク部材430は、背面ベース412とカム部材422との間に配置される。よって、下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。即ち、第1リンク部材431の他端側は、第2リンク部材432を介して複数の備品を組み合わせて構成される下変位部材440に連結されるので、下変位部材440の荷重により前後方向に撓む恐れがあるところ、カム部材422が前方に配置されるので、第1リンク部材431が前方に撓むことを抑制できる。その結果、第1リンク部材431が前方に動くことを抑制できるので、下変位部材440が前後方向へ揺れ動くことを抑制できる。
図54(b)に示すように、第1張出状態における下変位ユニット400のリンク部材430は、退避状態の場合と同様に、背面ベース412とカム部材422との間に配置される。よって、下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。
また、退避状態および第1張出状態では、カム部材422がリンク部材430の第1リンク部材431と第2リンク部材432との連結部分の前方側に配置される。よって、リンク部材430は、2の部材から形成されるとその連結部分を回転可能にする必要があるためその隙間の分、他の部分より剛性が弱くなり屈曲しやすくなるところ、前方側にカム部材422が配置されるので、リンク部材430の連結部分が屈曲することを抑制できる。その結果、下変位部材440が前後方向にゆれ動くことを抑制できる。
<従動部材の変位を規制する規制手段により変位部材の変位を規制する>
次いで、図55及び図56を参照して、カム部材422と湾曲壁部411eとの関係について説明する。図55(a)は、図50のLVa−LVa線における下変位ユニット400の断面図であり、図55(b)は、図51のLVb−LVb線における下変位ユニット400の断面図であり、図55(c)は、図52のLVc−LVc線における下変位ユニット400の断面図である。
図55(a)に示すように、下変位ユニット400が退避状態(第1位置)とされる場合には、カム部材422と湾曲壁部411eとが、前後方向(矢印F−B方向)において異なる位置に配置される。従って、下変位ユニット400を退避状態(第1位置)から第1張出状態(第3位置)へ変位させる際に、カム部材422に作用する抵抗が大きくなることを抑制できる。その結果、下変位部材440の変位開始を安定させることができる。
図55(b)及び図55(c)に示すように、下変位ユニット400が第1張出状態(第3位置)とされる場合には、カム部材422の一部が、湾曲壁部411eの正面側(矢印F方向側)に所定の隙間を隔てる位置に配置される。これにより、カム部材422が正面方向に変位する場合に、カム部材422の軸方向の側面を湾曲壁部411eに当接させて、カム部材422が正面側に変位することを抑制できる。
なお、カム部材422の正面ベース411側(矢印F方向側)の面は、正面ベース411のの背面と平行な平坦面に形成される(図45参照)。これにより、カム部材422が湾曲壁部411e側に変位した場合に、カム部材422の平坦面を湾曲壁部411eに当接させることができる。よって、カム部材422が湾曲壁部411eに部分的に当接することを抑制して、一部に力が集中することを抑制できる。その結果、カム部材422が破損することを抑制できる。
ここで、上述したように、下変位部材440は、退避状態(第1位置)から第1張出状態(第3位置)に変位される場合に先端側(正面ベース411に連結される突起473と長手方向反対側)が上方(矢印U方向)に回転変位される。よって、下変位部材440の長手方向の方向成分が重力方向に近づく分、下変位部材440が前後方向に傾倒する力成分が大きくされる。従って、第1張出状態(第3位置)とされる場合には、退避状態(第1位置)とされる場合よりも、下変位部材440を支えるリンク部材430に作用する前後方向の力が大きくされる。その結果、リンク部材430に連結されるカム部材422が、前後方向に変位されやすくなる。
これに対し、本実施形態では、下変位ユニット400が退避状態(第1位置)から第1張出状態(第3位置)を超えて変位される場合に、カム部材422の一部が湾曲壁部411eの正面側に配設されるので、正面側へのカム部材422の変位を規制することができる。その結果、第1張出状態(第3位置)から第2張出状態(第2位置)の間で下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制でき、下変位部材440の変位を遊技者に視認させやすくできる。
なお、リンク部材430の背面側への変位は、上述したようにリンク部材430を背面ベース412及びカム部材422との間に配設することで規制できる。即ち、リンク部材430が背面側に揺れ動く場合には、リンク部材430を背面ベース412に当接させて、リンク部材430の変位を規制することができる。その結果、下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。
また、正面ベース411は、リンク部材430の従動方向以外の方向の揺動を規制する規制手段(湾曲壁部411e)を備え、カム部材422は、第1位置と第2位置との間で変位され、第1位置から第1位置および第2位置の中間位置の第3位置を変位する第1変位領域と、第3位置から第2位置を変位する第2変位領域とを変位可能とされ、リンク部材430は、カム部材422が第1位置から第2位置に変位されることで、第1従動位置から第2従動位置に従動され、第1従動位置から第1従動位置および第2従動位置との中間位置の第3従動位置を変位する第1従動領域と、第3従動位置から第2従動位置を変位する第2従動領域とを変位可能とされ、第2変位領域と第1従動領域との一部が同一の領域に設定され、カム部材422が第2変位領域を変位される際に、規制手段(湾曲壁部411e)によりカム部材422の変位方向以外の方向の揺動が規制されるので、規制手段(湾曲壁部411e)の同一の部分を利用してリンク部材430およびカム部材422の揺動を規制することができる。
従って、規制手段(湾曲壁部411e)を1箇所に形成すれば良いので、カム部材422とリンク部材430とのそれぞれに変位を規制する規制手段が形成される場合に比べて、規制手段の形状を簡易にでき、製造コストを抑えることができる。
また、リンク部材430およびカム部材422の揺動を規制手段(湾曲壁部411e)の同一の部分を利用して規制することができるので、1の規制手段(湾曲壁部411e)にリンク部材430とカム部材422と規制部分をそれぞれ形成する必要がないので、その分、規制手段(湾曲壁部411e)を小さくすることができる。
また、下変位ユニット400が、退避状態から第2張出状態に変位される場合には、正面ベース411に形成される摺動溝411a,411bに挿入される下変位部材440の突起472,473(突起472,473に配設されるカラーC(図14参照))がカム部材422の変位に伴って、カム部材422の他端側(段部422c3側)の正面側(矢印F方向側)に移動される(図50から図52参照)。これにより、カム部材422の他端側(段部422c3側)が、突起472,473(突起472,473に配設されるカラーC)により背面側に押し出されると、カム部材422が、軸部422aを中心に前後方向に回転変位されてリンク部材430と当接する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、上述したように、正面側へのカム部材422の変位を湾曲壁部411eに当接させて規制することができるので、カム部材422が軸部422aを中心に前後方向に回転変位することを抑制できる。その結果、リンク部材430とカム部材422とが当接することを抑制できる。
また、本実施形態では、カム部材422が、第1張出状態(第3位置)を超えて変位される場合に湾曲壁部411eにより変位が規制されるので、カム部材422が初期動作時に湾曲壁部411eと当接して摩擦抵抗が大きくなることを抑制できる。その結果、カム部材422の初期動作を安定させることができる。
次いで、図56を参照して、下変位ユニット400が第2変位状態とされる場合の、カム部材422と第1リンク部材431とについて説明する。図56(a)は、図52のLVIa−LVIa線における下変位ユニット400の断面図であり、図56(b)は、第2張出状態(第2位置)における下変位ユニット400の第1リンク部材431及びカム部材422の正面図である。なお、図56(b)では、ベース部材410の外形が鎖線で図示される。
図56に示すように、下変位ユニット400が、第2変位状態とされる場合には、カム部材422の端部が、第1リンク部材431の板状突起431bと当接する。これにより、下変位ユニット400を退避状態(第1位置)から第2変位状態に変位する方向へのカム部材422の回転変位を規制することができる。その結果、カム部材422の回転変位を停止する動作を、伝達ギヤ421及び歯面422bの歯合部分と、カム部材422及び第1リンク部材431の当接部分とに分散することができ、伝達ギヤ421及び歯面422bの歯面が破損することを抑制できる。
また、下変位ユニット400が第2変位状態とされる場合には、第1リンク部材431の板状突起431bとカム部材422との当接面が、カム部材422の軸部422aとその当接部分とを通る仮想線KS1と直交する方向に設定される。これにより、第1リンク部材431の軸周りに、第2変位状態から退避状態(第1位置)の方向に変位する力が作用する際に、その力が、カム部材422の軸部422aの軸周りに回転する方向に作用することを抑制できる。その結果、第1リンク部材431に作用する力でカム部材422が回転することを抑制できる。
ここで、上述したように、下変位部材440が先端側(正面ベース411に連結される突起473と長手方向反対側)が上方(矢印U方向)に回転変位される。従って、下変位部材440の長手方向の方向成分が重力方向に近づく分、下変位部材440を支える第1リンク部材431の貫通孔431aの軸周りに作用する回転方向の力が最大となるところ、第1リンク部材431からカム部材422への力の伝達が抑制されるので、下変位部材440を第2変位状態の位置で維持しやすくできる。
さらに、カム部材422が第2変位状態の位置に配置される際には、下変位部材440の荷重により第1リンク部材431の貫通孔431aの軸周りに回転する力が作用される。この場合、カム部材422の端部が板状突起431bに押し出されてカム部材422が軸部422aの軸周りに回転する方向の力PW1(図56(b)参照)と、カム部材422の摺動溝422cの内壁が摺動突起431dより押し出されてカム部材422が軸部422aの軸周りに回転する方向の力PW2(図56(b)参照)と、が打ち消し合う方向に作用する。その結果、カム部材422が第1リンク部材431から作用される力で回転することを抑制できる。
次いで、図57から図60を参照して、下変位部材440の構成について詳細な説明をする。図57(a)は、下変位部材440の正面図であり、図57(b)は、下変位部材440の背面図である。図58は、下変位部材440の分解斜視正面図であり、図59は、下変位部材440の分解斜視背面図である。図60(a)及び(b)は、下変位部材440の正面図である。
なお、図60(a)では、下変位部材440の装飾部材450が透明視された状態が図示され、図60(b)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図57から図60に示すように、下変位部材440は、正面ベース411に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材470との間に変位可能に配設される伝達機構460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面側に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、左右方向(図57左右方向)中央部の上端から正面側に上下反対のU字状に突出する突設壁477と、ベース部材470の上端に突設壁477の端部から一端側に刻設されるラックギヤ476と、正面側に突出する軸部474,475と、ベース部材470の一端側の背面に取着される長方形状の配線係止部478と、ベース部材470の上下方向中央部に一端側から他端側に延びて凹設される開口479とを主に備えて形成される。
突起472,473は、上述したように正面ベース411の摺動溝411a,411bに挿入されて、下変位部材440と正面ベース411とを連結する連結部分である。よって、摺動溝411a,411bの内壁の対向間の寸法よりも小さい外径の円柱状に形成される。
立設壁471aは、後述する正面ケース481が、ベース部材470に取着された際に、正面ケース481とベース部材470との対向間に隙間を形成するための壁部であり、球の直径よりも大きい立設寸法に設定される。
軸部474,475は、後述する伝達機構460の伝達ギヤ462,463の軸に挿入され伝達ギヤ462,463を回転可能に保持する突起であり、伝達ギヤ462,463の軸孔の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。
ラックギヤ476は、後述する伝達ギヤ465と歯合する歯面が刻設される。これにより、後述する可動ラック464が、ベース部材470に対してスライド変位することで、伝達ギヤ465を回転させることができる。
突設壁477は、後述する送球ユニット600から送球される球を、装飾部材450の開口451aを介してベース部材470の前方に受け入れた際に、球が下変位部材440の外側に落下することを抑制するための壁面であり、略U字に形成された対向する壁部の間は、球の直径よりも大きく形成される。
配線係止部478は、ベース部材470の背面側に配設される制御基板へのフレキシブル配線(図示せず)を係止するための部材であり、ベース部材470との間にフレキシブル配線の一端を介した状態でベース部材470の背面側に取着される。これにより、下変位部材440がベース部材410に対して変位可能に配設されるものであっても、フレキシブル配線が絡むことを抑制できる。
また、配線係止部478は、背面側に、円柱状に突出する突起478aを備える。突起478aの突出距離は、背面側に連結されるリンク部材430よりも背面側に突出する距離に設定されると共に、背面ベース412の正面と当接可能な距離に設定される。これにより、下変位部材440が後方側に揺れ動くことを抑制できると共に、リンク部材430が背面ベース412と衝突することを抑制できる。
開口469は、正面側に配設される可動ラック464のスライド変位方向を規定する開口であり、後述する可動ラック464の案内板464dが内部に挿入される。
伝達機構460は、ベース部材470の前方に配置される部材であり、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の前方にスライド変位可能に配設される可動ラック464と、その可動ラック464に回転可能に配置されると共に、ラックギヤ476に歯合した状態とされる伝達ギヤ465と、その伝達ギヤ465に歯合される歯面を有し可動ラック464の前方をスライド変位可能に配設されるラック466と、そのラック466の一端側に回転可能に配設される球受部467とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ461は、駆動モータKM2の軸部分が軸孔に内嵌されるギヤであり、駆動モータKM2に連結された状態で駆動モータKM2がベース部材470に取着されることで、ベース部材470に配設される。
伝達ギヤ462,463は、上述したように、軸孔にベース部材470の軸部474,475が挿入されてベース部材に回転可能に保持される。また、伝達ギヤ461から463はそれぞれ歯合されたギヤ列であり、伝達ギヤ461が駆動モータKM2により回転されることで、終端の伝達ギヤ463が回転される。
可動ラック464は、正面視矩形横長の板状に形成され、下端面に刻設されるラックギヤ464aと、正面側から円柱状に突出する軸部464bと、上端面の一端側から上方に突出する当接板464cと、上下方向略中央位置に一端から他端にかけて突出される案内板464dと、その案内板464dと反対の正面側に突出するラック案内部464eと、下方の他端に突出する衝突部464fとを主に備えて形成される。
ラックギヤ464aは、伝達ギヤ463と歯合する歯面である。よって、ベース部材470にラックギヤ464aと伝達ギヤ463を歯合した状態で配置することで、可動ラック464を駆動モータKM2の駆動で変位可能とできる。
軸部464bは、伝達ギヤ465が回転可能に保持される軸部分であり、伝達ギヤ465の軸孔よりも小さい外径の円柱状に形成される。
当接板464cは、後述する振分けユニット500の振分け部材540に当接して振分け部材540を変位させる当接部である。即ち、可動ラック464の変位によって、振分け部材540を変位可能とされる。なお、当接板464cと振分け部材540との当接態様については後述する。
案内板464dは、上述したように、ベース部材470の開口479の内部に挿入される板状体であり、駆動モータKM2の駆動により変位される可動ラック464の変位方向を規定することができる。即ち、駆動モータKM2の駆動により変位される可動ラック464を開口479の延設方向に沿って変位させることができる。なお、本実施形態では、開口479は、左右方向に延設されるので、可動ラック464をベース部材470に対して左右方向にスライド変位させることができる。
ラック案内部464eは、後述するラック466の変位方向を規制するための突壁であり、左右方向に一端から他端に亘って突設される。
衝突部464fは、後述する変位部材492の突起492bと当接して変位部材492を変位させる壁部であり、可動ラック464の下端に突出して形成される。また、衝突部464fは、他端側が傾斜した状態に形成される。これにより、変位部材492の突起492bをその傾斜面に沿って摺動させて変位させることができる。
ラック466は、正面視矩形横長の棒状体から形成され、上端面に刻設されるラックギヤ466aと、他端側の端部から背面側に円柱状に突出する軸部466bと、正面側に突出する2つの摺動板466cと、背面側に一端から他端に亘って凹設される凹設部466dとを主に備えて形成される。
ラックギヤ466aは、可動ラック464に取着される伝達ギヤ465に歯合される。これにより、ラック466が可動ラック464の前方に配置された状態では、可動ラック464がスライド変位することで、そのスライド変位に伴って伝達ギヤ465が回転され、ラック466に駆動力が伝達される。従って、ラック466は、可動ラック464に対して変位できる。
軸部466bは、後述する球受部467の軸孔467bに挿入される突起であり、軸孔467bの内径よりも大きい外径の円柱状に形成される。これにより、球受部467を回転可能に保持できる。
摺動板466cは、後述する正面ケース481の開口481aに挿入される突起であり、所定の厚みを有する板状体から形成される。これにより、ラック466に伝達ギヤ465から駆動力が伝達され、ラック466が可動ラック464に対して変位された場合に、ラック466の変位方向を開口481aの延設される方向に規定することができる。
凹設部466dは、ラック466が可動ラック464の前方に配設された際に、内側にラック案内部464eを配置した状態とされる。これにより、ラック466に伝達ギヤ465から駆動力が伝達され、ラック466が可動ラック464に対して変位された場合に、ラック466の変位方向をラック案内部464eの延設方向に規定することができる。
ここで、ラック466の変位方向を規制するためには、凹設部466d及びラック案内部464eを形成すれば、ラック466の変位方向をラック案内部464eの延設方向に規定することができる。しかしながら、下変位部材440は、左右方向にスライド変位しつつ回転変位するものであるので、下変位部材440の変位状態によっては、自重により伝達ギヤ465及びラック466の歯合の状態が変わり、伝達ギヤ465からラック466へ駆動力がうまく伝達されなくなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、ラック466の変位方向を規定する箇所が、摺動板466c及び開口481aと凹設部466d及びラック案内部464eとの2箇所形成されるので、下変位部材440の変位状態が変化された際に、伝達ギヤ465及びラック466の歯合状態が変化することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ465からラック466への駆動の伝達が阻害されることを抑制できる。
また、摺動板466cは、ラック466の左右方向(図57(a)左右方向)の2箇所から突出形成されており、他端側(軸部466bの反対側)の摺動板466cが、ラックの変位終端位置(ラック466が可動ラック464に対して一番張り出された位置)において、伝達ギヤ465の下方(図57下側)に配置される。
ここで、変位終端位置では、後述するようにラック466の軸部466bに配設される球受部467が発射動作(回転変位)をするので、ラック466の一端側に配設される球受部467の変位による慣性力で、ラックの他端側が変位しやすい。そのため、伝達ギヤ465及びラック466の歯合面に負荷がかかり易く、伝達ギヤ465及びラック466が破損する恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、他端側(軸部466bの反対側)の摺動板466cが、ラックの変位終端位置(ラック466が可動ラック464に対して一番張り出された位置)において、伝達ギヤ465の下方(図57下側)に配置されるので、球受部467が発射動作(回転動作)をした際に、伝達ギヤ465及びラック466との歯合する位置のラック466が変位することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ465及びラック466が破損することを抑制できる。
球受部467は、遊技球を保持する部分であり、正面視略U字に形成され、U字の内側部分に球を受け入れることが可能に形成される。即ち、球受部467のU字の内側は、球の外形よりもやや大きく形成される。これにより、球受部467の内側部分に1球可能とされる。また、球受部467は、U字の下端位置に前後方向に貫通する軸孔467bと、下方の外周面から、下側に突出する脚部467aとを主に備えて形成される。
軸孔467bは、上述したように、ラック466に球受部467を回転可能な状態で保持するための軸孔であり、ラック466の軸部466bの外径よりも大きい内径に形成される。よって、球受部467は、ラック466の軸部466bを軸孔467bに挿入することで回転可能に保持できる。また、軸部466bを軸孔467bに挿入した後に、付勢ばねSP2が軸部466bの軸周囲に配設され、軸部466bに軸孔467bの内径よりも頭部の大きいネジ等が締結される。これにより、球受部467は、正面視右周りに付勢された状態でラック466に配設される。なお、球受部467の態様について詳しい説明は後述する。
脚部467aは、球受部467が付勢ばねSP2により回転されることを付勢する突起であり、球受部467のU字の開放部分を上方に向けた状態で、先端が後述する正面ケース481の底壁部481bに当接する位置に設定される。これにより、球受部467が回転されることを規制できる。
ケース部材480は、ベース部材470の前後を覆設する部材であり、ベース部材470の正面側に配設される正面ケース481と、背面側に配設される背面ケース482とを主に備える。
正面ケース481は、正面視矩形横長の板状に形成され、重力方向略中間位置に左右方向に広がる開口481aと、背面側の下端面に突出形成される底壁部481bと、下方縁部に前後方向に貫通する軸孔481cとを主に備えて形成される。
開口481aは、前後方向に貫通形成されており、上述したように、ベース部材470に正面ケース481が配設されると内部にラックの摺動板466cが挿入された状態とされる。
底壁部481bは、正面ケース481の下端部から背面側に突出形成されると共に、左右方向に延設される。また、底壁部481bは、正面ケース481がベース部材470に配設された状態では、その上面に球受部467の脚部467aが当接した状態とされる。
背面ケース482は、ベース部材470の背面側に制御基板491を配設するための板部材であり、正面視における外形が、ベース部材470の外形よりも小さい矩形横長に形成される。また、背面ケース482は、背面側に突出する突起482aを備える。
突起482aは、上述したように、第2リンク部材432の貫通孔432bと連結される連結部であり、貫通孔432bの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。よって、突起482aを貫通孔432bに挿入した後に、突起482aの先端に貫通孔432bの内径よりも頭部の大きいネジ等を締結することで、背面ケース482と第2リンク部材432とを回転可能な状態で連結できる。
装飾部材450は、模様やキャラクターを模した外形形状に形成され、表面にその模様やキャラクターの絵が描かれる。装飾部材450は、正面ケース481の正面側に配設される正面側装飾部451と、背面ケース482の背面側に配設される背面側装飾部452とを主に備えて形成される。なお、本実施形態では、装飾部材450にサメの模様(キャラクター)が描かれる。
正面側装飾部451は、正面視において正面ケース481の外形よりも大きい外径に形成され、正面ケース481に取着される。これにより、正面側装飾部の背面側に配設される部材(ケース部材480、ベース部材470等)を遊技者から視認不可能とすることができる。
背面側装飾部452は、正面側装飾部451の上端後方に配設される。これにより、背面側装飾部452の上方から正面側装飾部451の背面側に配置される部材を遊技者から視認不能とすることができる。
また、正面側装飾部451と前後方向同一平面上に変位部材492が配設される。変位部材492は、背面側に突出する軸部492aと、突起492bとを主に備えて形成される。
軸部492aは、正面ケース481の軸孔481cの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。よって、軸部492aを軸孔481cに挿入することで、変位部材492を回転可能な状態で正面ケースに連結できる。また、軸孔481cを挿入された軸部492aの先端側には、付勢ばねSP3が配設される。これにより、変位部材492を付勢した状態で配設することができる。なお、変位部材492の変位の詳しい説明は後述する。
軸部492aは、上述した可動ラック464の衝突部464fに衝突されることで、変位部材492に軸部492aの軸を中心に回転する駆動力を伝達できる。即ち、可動ラック464は、その変位に伴って変位部材492を回転変位させることができる。
よって、下変位部材440は、下変位部材440(基部材)に変位可能に配設される変位部材492(配設部材)を備え、球受部467(変位部材)は、遊技球を保持可能かつ射出可能に形成され、変位部材492は、球受部467から遊技球が出射される際に変位可能とされるので、下変位部材440のがたつきの発生を抑制することができる。
即ち、球受部467から遊技球が発射されると、遊技球の重さの分、下変位部材440の重心位置が変化されるところ、例えば、遊技球の発射に伴う重心位置の変化を相殺する方向へ変位部材492を変位させる構成を採用した場合には、重心位置の変化に伴う下変位部材440のがたつきの発生を抑制できる。また、球受部467から遊技球が発射されると、その遊技球の発射に伴い下変位部材440が反作用を受けるところ、例えば、遊技球の発射に伴う反作用を相殺する方向へ変位部材492を変位させる構成を採用した場合には、反作用に伴う下変位部材440のがたつきの発生を抑制できる。
また、上述したように、カム部材422が第2変位状態の位置に配置される際には、カム部材422が軸部422aの軸周りに回転する方向の力PW1(図56(b)参照)と、カム部材422が軸部422aの軸周りに回転する方向の力PW2(図56(b)参照)とが打ち消し合う方向に作用して、カム部材422が第1リンク部材431から作用される力で回転することを抑制できる。従って、第2変位状態では、カム部材422とリンク部材430とを安定した状態で配置することができる。よって、第2変位状態の位置で、下変位部材440の球受部467から遊技球が発射された際に、その遊技球の発射による慣性力で第1リンク部材431またはカム部材422が揺れ動くことを抑制できる。
さらに、変位部材492の変位は、球受部467の変位により衝突部464fが、軸部492aに衝突されることで行われるので、変位部材492を変位させるための駆動手段を別途設ける必要がない。即ち、球受部467を変位させるための駆動モータKM2を、変位部材492を変位させるための駆動手段として、兼用することができる。よって、その分、下変位部材440を軽量化して、そのがたつきを抑制しやすくできる。
また、球受部467の変位に機械的に同期させて変位部材492を変位させることができるので、例えば、球受部467の位置をセンサ装置で検出し、その検出結果に応じて変位部材492を駆動手段で駆動する制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、球受部467に対する変位部材492の変位動作の信頼性を確保できる。
次いで、図61から図64を参照して、伝達機構460の遷移について説明する。図61は、第1位置における下変位部材440の正面図であり、図62は、第2位置における下変位部材440の正面図であり、図63は、第3位置における下変位部材440の正面図である。図64(a)から(c)は、下変位部材440の部分拡大図である。
なお、第1位置は、球受部467がベース部材470に対して左右方向(図61左右方向)略中央位置に配置された位置である。第2位置は、球受部467が、突設壁477の重力方向下側(図62下側)に配置された位置である。第3位置は、球受部467が、ベース部材470の左右方向右端に配置された位置である。
また、図61から図64では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。さらに、図64(a)及び(b)では、第3位置に変位する直前の遷移状態が順に図示され、図64(c)では、第3位置における下変位部材440が図示される。
図61に示すように、第1位置における下変位部材440は、可動ラック464が、ベース部材470に対して左右方向左端に位置した状態とされる。また、第1位置では、ラック466が可動ラック464の前方に配置され、ラック466と可動ラック464とが前後方向に重なった状態とされる。即ち、ラック466も可動ラック464と同様に、ベース部材470に対して左右方向左端に位置される。よって、ラック466に連結される球受部467はベース部材470に対して左右方向略中央位置に配置される。
第1位置では、上述したように、可動ラック464、ラック466がベース部材470の左右方向左端に集められた状態とされる。ここで、下変位部材440は、スライド変位しつつ回転変位する(退避状態から第1及び第2張出状態に変位する)ので、下変位部材440の重心位置が、回転する軸の近傍に配置された状態とすることが望ましい。
本実施形態によれば、球受部467を変位させる伝達機構460が可動ラック464及びラック466を前後に重畳した状態(2段ラック)とされるので、その重心位置を正面ベース411の摺動溝411a,411b側(下変位部材440の回転軸側)に近づけることができる。
従って、上述したように下変位部材440を退避状態の位置から第1及び第2張出状態の位置に変位させる際には、下変位部材440を第1位置とすることで、下変位部材440を回転変位させる際の駆動力を小さくできる。よって、下変位部材440を変位させる駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
図61に示す第1位置から図62に示す第2位置への変位は、駆動モータKM2を駆動させることで行われる。
第1位置から駆動モータKM2が駆動されると、駆動モータKM2の軸に連結される伝達ギヤ461が回転される。これにより、伝達ギヤ462及び伝達ギヤ463が回転される。伝達ギヤ463が回転されると、伝達ギヤ463と歯合するラックギヤ464aから、可動ラック464に駆動力が伝達されて可動ラック464がベース部材470に対して右方向にスライド変位される。
可動ラック464がスライド変位されると、そのスライド変位に伴って可動ラック464に配設される伝達ギヤ465がベース部材470のラックギヤ476により回転される。これにより、伝達ギヤ465に歯合されるラックギヤ466aによりラック466へ駆動力が伝達される。その結果、ラック466が可動ラック464に対して左右方向右側へスライド変位されて、球受部467が第2位置へ変位される。
図62に示す第2位置から図63に示す第3位置への変位は、第1位置から第2位置までの変位と同様に、駆動モータKM2の駆動により行われる。なお、駆動モータKM2からラック466までの駆動の伝達については第1位置から第2位置までの変位と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図63及び図64に示すように、第3位置に球受部467が変位されると、球受部467は、脚部467aと正面ケース481の底壁部481bとの当接状態が解除され、軸部466bに配置した付勢ばねSP2の付勢力により軸孔467bの軸を中心に回転変位される。
詳しく説明すると、第1及び第2位置(第3位置における球受部467よりも正面視左側に球受部467が配置されている状態)では、球受部467の脚部467aの先端が正面ケース481の底壁部481bの上面に当接した状態とされ、付勢ばねSP2の付勢力による軸孔467bを中心に正面視時計回りへの回転が規制される。
一方、球受部467の脚部467aの先端部は、第3位置へ変位されると、底壁部481bの端部よりも正面視右側に配置され、底壁部481bとベース部材470の立設壁471aとの対向間に形成される凹部481b1の内側に配置される。よって、球受部467は付勢ばねSP2の付勢力により軸孔467bの軸を中心に回転される。第3位置で球受部467が回転されると、脚部467aの先端が底壁部481bの端面と当接して、球受部467の軸孔467bを中心とする回転が規制される。これにより、球受部467は、軸孔467bを中心に略40度回転された位置で停止される。なお、以下では、第3位置における球受部467の回転変位を発射動作と称して説明する。
また、球受部467が第1位置から第3位置方向(第1方向)へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部481b1を備え、球受部467は、第1方向へ変位する際に、凹部481b1に係合される脚部467aを備えると共に、脚部467aが凹部481b1に係合されることで姿勢が変化可能に形成されるので、球受部467の姿勢を変化させるための構造を簡素化できる。
さらに、球受部467が第2位置から第3位置へ変位されると、衝突部464fが可動ラック464の変位により正面視右側にスライド変位され、変位部材492の突起492bと衝突する。これにより、変位部材492が軸部492aの軸を中心に回転変位される。
即ち、球受部467が、第3位置に変位されると、球受部467が回転変位されると共に、変位部材492が回転変位される。よって、球受部467が、発射動作をして球受部467の内側から球が排出されて、下変位部材440が軽くなることで下変位部材440が揺れ動く力と、変位部材492が回転変位する慣性力とを反対方向に作用させることができる。その結果、下変位部材440の内部から球が排出された際に下変位部材440が揺れ動くことを抑制できる。
次いで、図65を参照して、球受部467への球の受入動作について説明する。図65(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。なお、図65(a)から(c)では、球受部467へ球を受け入れる受入動作する遷移状態が順に図示される。
また、図65(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。
更に、図65(a)から(c)では、下変位部材440が退避状態における水平方向が仮想線H1の符号を付して2点鎖線で図示されると共に、下変位部材440が第1張出状態における水平方向が仮想線H2の符号を付して図示される。また、下変位部材440が退避状態の位置から第1張出状態の位置まで回転された角度を角度θの符号を付して図示される。なお、仮想線H1,仮想線H2及び角度θは図65以降の図にも図示される。
図65(a)に示すように、退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と平行にした状態)の下変位ユニット400において、下変位部材440の球受部467を第1位置に変位させることで、後述する振分けユニット500から遊技球T1が下変位部材440の正面側装飾部451に形成される開口451aに送球される。開口451aに送球される遊技球T1は突設壁477の内側に送球されて、下変位部材440の内部に送球される。
図65(b)に示すように、開口451aに遊技球T1が送球されると下変位部材440が第2位置へ変位される。よって、上述したように第2位置では、球受部467が突設壁477の下方に配置されるので、突設壁477の内側に送球された遊技球T1を、球受部467の内側に送球できる。球受部467に遊技球T1が受け入れられることで、球受部467の動作に伴って遊技球T1を変位させることができる。
図65(c)に示すように、球受部に遊技球T1が送球されると、下変位部材440は、第1位置へ変位される。これにより、球受部467に遊技球T1を配置した状態で第1位置に球受部467を配置した状態とできる。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機が知られている。この遊技機によれば、基部材を遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能にされる張出位置と、遊技領域から後退される退避位置との間で変位される演出に加え、基部材を張出位置に配置した状態において変位部材を変位させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、ベース部材に基部材の一側が変位可能に配設されるため、変位部材が変位されると、一側を死点として、ベース部材に対する基部材のがたつきが発生しやすいという問題点があった。特に、変位部材を停止状態から変位させる際には、加速度の変化が最大となるため、慣性力の影響により、基部材のがたつきが発生しやすい。
これに対し、本実施形態では、球受部467は、第2位置から変位を開始する態様と、第1位置よりも下変位部材440(基部材)の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも下変位部材440がベース部材410に対して所定位置に配置された状態(例えば、下変位部材440が遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる第1張出状態)では、第1位置から変位を開始するので、基部材の下変位部材440のがたつきを抑制することができる。即ち、第1位置は、第2位置よりも、下変位部材の一側に近い位置とされるので、かかる第1位置を球受部467の変位開始位置とすることで、球受部467の重さを、下変位部材440がベース部材410に対してがたつく際の死点に近づけておくことができ、その分、球受部467を停止状態から変位される際の慣性力の影響を下変位部材440に作用させ難くできる。その結果、下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
また、下変位部材440は、上述したように、スライド変位しつつ回転変位(退避状態から第1及び第2張出状態に変位)される。そのため、遊技球T1を回転軸の遠方に配置した状態で下変位部材440が回転変位されると、遊技球T1に遠心力が発生しやすくなり、遊技球T1が動いて球受部467の内壁と遊技球T1との衝突による衝突音が発生、又は球受部467が破損するという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、遊技球T1を球受部467に受け入れた後に、下変位部材440を第1位置に変位させることができるので、遊技球T1を下変位部材440の回転軸の近傍に配置する(近づける)ことができる。従って、下変位部材440に遊技球T1を受け入れた状態で下変位部材440を、回転変位(退避状態から第1及び第2張出状態に変位)させた際に、遊技球T1に遠心力が発生することを抑制できる。その結果、遊技球T1と球受部467とが衝突した際に衝突音が発生する、又は球受部467が破損することを抑制できる。
さらに、本実施形態では、下変位部材440は、球受部467を動作させる伝達機構460が可動ラック464、伝達ギヤ465(ピニオンギヤ)及びラック466(ラック部材)で形成され、ラック466に球受部467が配設されるので、球受部467の変位を第1位置から開始する際には、ラック466の重さだけでなく可動ラック464、ラック466の重さも下変位部材440の一側(下変位部材440がベース部材410に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができる。その結果、球受部467を停止状態から変位される際の下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
また、球受部467に遊技球T1を受け入れた状態では、遊技球T1の荷重分、下変位部材440の荷重が重くされる。そのため、上述したように、下変位部材440を第1位置にした状態とすることで、下変位部材440の重心位置を正面ベース411の摺動溝411a,411b側(下変位部材440の回転軸側)に移動させ易くできる。従って、下変位部材440を退避状態の位置から第1及び第2張出状態の位置に変位させる際には、下変位部材440を第1位置とすることで、下変位部材440を回転変位させる際の駆動力を小さくできる。よって、下変位部材440を変位させる駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
次いで、図66を参照して、球の払出動作について説明する。図66(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。なお、図66(a)から(c)では、球の払出動作における下変位部材440の遷移状態が順に図示される。また、図66(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。さらに、球の払出動作とは、下変位部材440の球受部467に受け入れた遊技球T1を出射開口471から下変位部材440の外方に払い出す動作である。
図66(a)から(c)に示すように、下変位部材440の球受部467に受け入れた球を払い出す払出動作は、下変位部材440を第1位置から順に第3位置まで変位させることで行われる。
即ち、受入動作で球受部467の内側に遊技球T1を受け入れて、第1位置に配置された下変位部材440を、第3位置に変位させることで、遊技球T1が球受部467の変位に伴って、出射開口471側に運搬される。出射開口471側に移動された遊技球T1は、球受部467のスライド変位と第3位置における球受部467の発射動作とにより、出射開口471側への慣性力が付与されて、球受部467の内側から飛び出される。これにより下変位部材440の内部から球を払い出すことができる。
ここで、球受部467(変位部材)が第1位置から変位を開始する際の変位方向は、下変位部材440の位置側から離間する方向であるので、球受部467が第1位置に配置された状態では、ラック466(ラック部材)をより下変位部材440の一側からベース部材410へ近づけることができる。即ち、下変位部材440の一側から、離間する方向へ球受部467(ラック466)が変位するためには、ラック466は、球受部467の変位が開始された後に、伝達ギヤ465(ピニオンギヤ)が歯合されるラックギヤ466a側の部分を下変位部材440の一側に向けることとなる。よって、ラック466の重さをより下変位部材440の一側(下変位部材440が、ベース部材410に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができ、その結果、球受部467を停止状態から変位される際の下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
球受部467は、第3位置方向(第1方向)へ変位され、第3位置に達すると姿勢が変化可能に形成されるので、第3位置までは、1球の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しやすくして、球受部467からの遊技球T1の脱落を抑制できる一方、第2位置に達した際には、球受部467の姿勢の変化を利用して、遊技球T1を球受部467の内側から払出しやすくできる。
なお、下変位部材440を退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と水平に配置した状態)の位置で図66(a)から図66(c)に示す球受部467の払出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回収口411fの内部に送球される。
一方、下変位部材440が第1張出状態(下変位部材440の長手方向が仮想線H1から角度θ回転された状態)の位置で球受部467の払出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回転ユニット700の球受台710の上部に送球される。
次いで、図67及び図68参照して、下変位部材440の内部に2球以上の球が送球された際の排出動作について説明する。図67(a)から(c)及び図68(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。
なお、図43(a)から(c)及び図44(a)から(c)では、排出動作の遷移状態が順に図示される。また、図43(a)から(c)及び図44(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が2点鎖線で図示される。
図67(a)から(c)に示すように、後述する振分けユニット500から2球以上の球が連続して送球された場合には、下変位部材440を受入動作させることで、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に落下させることができる。
即ち、球受部467を第1位置から第2位置へ変位させて1球目の遊技球T1を球受部467の内側に送球することができ、2球目の遊技球T2を1球目の遊技球T1に当接させて、突設壁477の内側に留めて置くことができる(図67(b)参照)。第2位置で1球目の遊技球T1を受け入れた後に球受部467を第1位置に変位させることで、球受部467に1球目の遊技球T1を受け入れた状態で、球受部467を第1位置に変位させて、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に落下させることができる。
ここで、第2位置で球受部467に受け入れる球を球受部467の変位により、第3位置へ変位させる遊技機では、後述する振分けユニット500の振分け部材540の変位に動作不良が生じると規定数以上の遊技球が球受部467の軌道領域に送球される恐れがあり、この場合、規定数を超えた分の遊技球により不具合を生じる恐れがあるという問題点があった。例えば、規定数を超えた分の遊技球が、球受部467を駆動させる伝達機構460に入り込み、可動部分に噛み込まれることで、破損を招く恐れがあった。或いは、規定数を超えた分の遊技球が遊技領域外(例えば、遊技盤13の背面側または背面ケース300の内側)へ流出する恐れがあった。
これに対し、本実施形態によれば、球受部467が、第2位置から球の送球方向と反対方向となる第1位置に変位可能に形成されるので、その分、球受部467の軌道領域を拡大できる。よって、例えば、振分け部材540に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、球受部467の軌道領域が拡大されている分、規定数を超えた分の遊技球を軌道領域に受け入れることができる。その結果、規定数を超えた分の遊技球を、球受部467の第3位置への変位に伴って移動させることができる。よって、規定数を超えた分の遊技球が、球受部467を駆動させる伝達機構460に入り込むことや、遊技領域外へ流出することを抑制でき、その結果、規定数を超えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
また、球受部467は、第2位置において後述する振分けユニット500から送球された1球の遊技球T1を受け取って保持可能とされると共に、第2位置から第1位置の方向(第2方向)へ少なくとも、遊技球の直径を超える距離だけ変位可能に形成されるので、第2位置において1球の遊技球を受け取った後、球受部467を第2位置から第3方向(第1方向)へ変位させることで、規定数を超える分の遊技球を球受部467の軌道領域(球受部の467よりも第1方向の領域)に送球させることができる。よって、2球目以降の遊技球T2を、球受部467の第3位置方向(第1方向)への変位に伴って移動させることができる。
この場合、1球目の遊技球T1を球受部467が保持し、2球目以降の遊技球T2を球受部467の軌道領域に送球できるので、1球目の遊技球T1と、2球目以降の遊技球T2とを分離することができる。よって、例えば、球受部467を第3位置方向(第1方向)へ変位させることで、1球目の遊技球T1を球受部材が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを軌道領域から排出する動作が可能となる。
また、球受部467を第2位置に変位させて1球目の球を受け入れた後に、第3位置に変位させて球受部467の内側から遊技球T1を排出するものでは、2球目の遊技球T2がラック466の上部に落下して、2球目の遊技球T2が球受部467と伝達ギヤ465との間に送球されて、2球目の遊技球T2を下変位部材440の外方に排出不能となる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、球受部467に球を受け入れる受入動作を、第2位置で球受部467の内側に遊技球T1を受け入れた後、出射開口471とは反対の第1位置へ変位させることができるので、2球目の遊技球T2が下変位部材440の外方に排出不能となることを抑制できる。
言い変えると、役物内に送球された遊技球を排出する排出動作をする役物を備える遊技機では、球を排出する部材(本実施形態では球受部467)の動作を球を受け入れる位置(第2位置)と球を排出する位置(第3位置)に変位させるのみであると、2球以上の遊技球が役物内に送球された場合に、球を排出する部材に対して排出口(出射開口471)と反対側に2球目の遊技球T2を排出する恐れがあるところ、本実施形態では、1球目の遊技球T1を受け入れた後に、球受部467を出射開口471と反対側の第1位置に変位させることで、2球目の遊技球T2を球受部467と出射開口471との間に送球することができる。
図68(a)から(c)に示すように、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に送球した後に、球受部467を発射動作する前の第3位置まで変位させることで、2球目の遊技球T2を球受部467に当接させた状態で出射開口471側に転動させることができる。その結果、2球目の遊技球T2を出射開口471から排出することができる。
この場合、球受部467は、そのU字部分の下端面が球受部467の変位経路上に送球される2球目の遊技球T2の中心位置よりも上方(図68(a)上方)に配置される。また、脚部467aが底壁部481bの上面と当接した状態において、底壁部481bとの当接面に対して略45度傾倒した状態で配置される。さらに、球受部467のU字の右側(図68(a)右側)の側面が脚部467aの右側の端部と上下方向に同一となる位置に配置されるので、2球目の遊技球T2の外面を脚部467aに当接させることができる。
また、脚部467aは、底壁部481bの上面に対して略45度傾倒した状態とされるので、2球目の遊技球T2の下半球(底壁部481b側の下半球)の外面と当接される。これにより、2球目の遊技球T2を出射開口471側に転動させる際に、脚部467aの傾斜面で2球目の遊技球T2を上方に持ち上げる力を発生させることができる。よって、2球目の遊技球T2が底壁部481bの上面を転動する際の2球目の遊技球T2と底壁部481bとの摩擦力を小さくできる。その結果、2球目の遊技球T2を出射開口471側に転動する際に、球受部467が停止されることを抑制できる。
言い変えると、脚部467aは、球受部467から第1位置から第3位置に向かう方向(第1方向)へ向けて突設されると共に、その突設先端が、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)の下半面に当接可能に形成されるので、球受部467が第1位置から第3位置方向(第1方向)へ変位される際には、遊技球をその下半面を脚部467aで押しつつ移動させることができる。その結果、2球目以降の遊技球T2を球受部467の軌道領域から排出しやすくできる。
また、球受部467に保持される1球目の遊技球T1と、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(2球目以降の遊技球T2)との間に脚部467aが介在することで、かかる脚部467aの突設長さの分、1球目の遊技球T1と2球目以降の遊技球T2との間隔を確保できる。よって、1球目の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを軌道領域から排出しやすくできる。
さらに、凹部481b1との係合により、球受部467の姿勢を変化させる役割と、遊技球をその下半面を押しつつ移動させる役割とを脚部467aに兼用させるので、その分、部品点数を削減して製品コストの削減を図ることができる。
また、凹部481b1は、第1位置から第3位置方向(第1方向)における大きさが遊技球の直径よりも小さくされるので、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)が、球受部467の第1方向への変位に伴って移動される際に、凹部481b1を通過しやすくできる。その結果、2球目以降の遊技球T2を軌道領域から排出しやすくできる。
上述したように、下変位ユニット400が退避状態に配置されると、下変位部材440の出射開口471の下方に回収口411fが配置された状態とされる。よって、退避状態において排出動作された遊技球T2は、回収口411fに送球される。
一方、下変位ユニット400が第1張出状態に配置されると、回収口411fは、出射開口471の下方に位置した状態とされる。また、回収口411fの開口は、上方側が開口される。よって、排出動作された遊技球T2は、回収口411fに送球される。
即ち、回収口411fは、ベース部材470における第1方向側(立設壁471a側)の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上に開口を有するので、球受部467の第3位置方向(第1方向)への移動に伴って移動され、球受部467の軌道領域から排出される遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)を回収口411fの開口から受け入れて回収することができる。
また、回収口411fの開口は、少なくとも退避状態、第1張出状態および第2張出状態のそれぞれの位置において、ベース部材470における第1方向側(立設壁471a側)の端部の鉛直方向下方に配設される。これにより、下変位ユニット400が、退避位置、第1張出状態および第2張出状態のいずれに変位された場合でも球受部467の軌道領域から排出される遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
なお、下変位部材440を退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と水平に配置した状態)の位置で図67(a)から(c)及び図68(a)から(c)に示す球受部467の排出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回収口411fの内部に送球される。また、下変位部材440が第1張出状態(下変位部材440の長手方向が仮想線H1から角度θ回転された状態)の位置で球受部467の排出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、上述したように回収口411fに送球される。
次に図69を参照して、2球目の遊技球T2が出射開口471から排出される際の構成について説明する。図69(a)は、図68(b)の範囲LXIXaにおける下変位部材440の部分拡大図であり、図69(b)は、図68(a)の範囲LXIXbにおける下変位部材440の部分拡大図である。
図69に示すように、球受部467が発射動作の直前の第3位置まで変位されると、遊技球T2を立設壁471a側の球受部467の側面に当接させて、出射開口471から下変位部材440の外方に押し出すことができる。
この場合、球受部467の脚部467aが底壁部481bと立設壁471aとの間に挿入されて球受部467が回転動作する際に遊技球T2と球受部467とを当接させることで、球受部467の回転の力を遊技球T2に伝達させることができる。その結果、遊技球T2を出射開口471から排出させやすくできる。また、球受部467が遊技球T2に当接された際の反発力を利用して球受部467を回転動作する前の状態に戻すことができる。よって、球受部467の軌道領域に送球された遊技球T2を排出する際に、球受部467に保持した1球目の遊技球T1が脱落することを抑制できる。
さらに、下変位部材440は、球受部467が第2位置から第3位置方向(第1方向)へ変位する際の軌道領域に遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に凹部481b1よりも第1方向側に位置する立設壁471aを備え、球受部467の軌道領域へ送球された2球目以降の遊技球が球受部467の第1方向への変位に伴って移動されると、その遊技球T2が立設壁471aと球受部467とに当接されて、球受部467の姿勢変化が規制可能に形成されるので、1球目の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目の以降の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
即ち、立設壁471aは、底壁部481bの上面から立設先端までの高さが遊技球の半径よりも低い高さで立設されるので、球受部467の第1方向への変位に伴って脚部に押されて遊技球T2が移動されると、遊技球T2の下半面を立設壁471aに当接させて、かかる立設壁471aを遊技球が乗り越え易くできる。この場合、球受部467に遊技球T2が当接され(即ち、球受部467と立設壁471aとの間に遊技球T2が介在され)、遊技球T2から球受部467へ反力を作用させることができるので、球受部の姿勢変化を規制でき、球受部467が保持している1球目の遊技球が脱落することを抑制できる。その結果、1球目の遊技球を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを遊技領域から排出しやすくできる。
一方、球受部467の軌道領域に2球目以降の遊技球T2が送球されていない場合には、立設壁471aと球受部467との間に遊技球が介在されていないので、脚部467aが凹部に481b1に係合されることで、球受部467の姿勢を変化させることができる。その結果、球受部467の姿勢の変化を利用して1球目の遊技球T1(即ち、球受部467に保持されている遊技球)を球受部467から排出しやすくできる。
次いで、図70から図72を参照して、振分けユニット500について詳細な説明をする。図70(a)は、振分けユニット500の上面図であり、図70(b)は、振分けユニット500の背面図である。図71は、振分けユニット500の分解正面斜視図であり、図72は、振分けユニット500の分解背面斜視図である。
図70から図72に示すように、振分けユニット500は、正面視略矩形の板状体に形成されるベース板520と、そのベース板520の正面側に取着されベース板520との対向間に球が流下可能な複数の流下経路を形成する経路形成部材510と、ベース板520の背面側に回転可能に取着される振分け部材540と、ベース板520の端面に取着されベース板520と経路形成部材510との対向間に形成される球の流下経路を延長する延長経路部材530とを主に備えて形成される。
ベース板520は、背面側に突出する円柱状の軸部523と、その軸部523の軸を中心とする円弧形状に貫通形成される第1開口521と、その第1開口521よりも半径の大きい円弧形状に貫通形成される第2開口522と、上端の側面に上端側が開放する断面U字状形成されると共に左右方向に延設される転動部525と、背面側に鉤状に突出する係止部524とを主に備えて形成される。
軸部523は、後述する振分け部材540の軸孔545に挿入されて、振分け部材540を回転可能な状態でベース部材に取着する軸であり、軸孔545の内径よりも小さい外径に形成される。
第1開口521及び第2開口522は、後述する振分け部材540の規制板541及び貯留板542が挿通される開口であり、規制板541及び貯留板542の板の厚みよりも大きい幅の開口に形成される。また、振分け部材540は、回転可能な状態でベース板520に取着されるので、第1開口521及び第2開口522は、規制板541及び貯留板542の正面視における周方向の寸法よりも円弧の長さが大きく形成される。
係止部524は、振分け部材540に形成される係止部544とで付勢ばねSP4を係止する係合部であり、付勢ばねSP4の一端が係止される。
転動部525は、球が転動する底面であり、背面視左側(図70(b)左側)の一端に向かって下側に傾斜して形成されると共にU字に形成される湾曲形状が球の外形よりも大きく形成される。よって、転動部525を転動する球が転動部で停止することを抑制して、一端側に球を転動させることができる。
また転動部525は、前後の側面からU字の内側に向かって突出する複数の突起525bと、一端側の端部に背面側に開口する開口525aとを備える。
突起525bは、前後の側面に一定の間隔を隔てて形成されると共に、前方側に形成される突起525bと背面側に形成される突起525bとが正面視において互い違いとなる位置に形成される。よって、転動部525を転動する球を、突起525bに衝突させることができるので、転動部525を転動する球の転動速度を遅くすることができる。
ここで、上述したように、下変位ユニット400の球受部467への球の送球は、球受部467を第1位置へ配置した状態で行われる(図65(a)及び図65(b)参照)。そのため、第3送球経路KR3の転動部525を転動する遊技球の送球速度が速くされると、球受部467を第2位置へ移動する前に遊技球が下変位部材440の内部に送球される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、第3送球経路KR3の転動部525の内面に突設される複数の突起525bが形成され、第3送球経路KR3の転動部525を通過する遊技球に抵抗を付与することができるので、第3送球経路KR3を通過する遊技球の速度を遅くすることができる。よって、その分、切り替え位置(第1位置)から受け取り位置(第2位置)まで球受部467が変位する際に、必要とされる時間を長くできるので、球受部467に遊技球を確実に受け取らせることができる。また、球受部467に必要とされる変位速度を遅くできる分、駆動モータKM2の変位速度の出力を小さくして、製品コストの削減を図ることができる。
開口525aは、転動部525の一端の背面側に開放して形成されており、その背面視における外形は球の大きさよりも大きく形成される。よって、転動部525を一端側に転動する球は、開口525aから排出される。
経路形成部材510は、ベース板520よりも左右方向の横幅が小さい矩形縦長の板状に形成されると共に、背面側に遊技球の外径よりも大きい複数の壁が形成され、その複数の壁の対向間を球の外径よりも大きく形成することで、その内部に複数の球の流下経路が形成される。
経路形成部材510は、上端面に開口する第1開口511と、第1開口511の側壁の対向間に形成される第1送球経路KR1と、第1送球経路KR1に連結される第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3と、第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3の端部において経路形成部材510の側面に開口する第2開口512及び第3開口513と、前後方向に貫通形成される複数の開口514,515,516と、開口514,515,516の背面側の壁で形成される第4送球経路KR4と、その第4送球経路KR4の端部において経路形成部材510の側面に開口する第4開口517とを主に備えて形成される。
第1開口511は、後述する送球ユニット600から送球される球を振分けユニットの内部に流入させるための開口であり、経路形成部材510の上端の側面に形成されると共に、その外形が球よりも大きく形成される。また、第1開口511は、送球ユニット600と連結されており送球ユニット600から送球される球を流入可能とされる。
第1送球経路KR1は、第1開口511から流入した球をベース板520及び経路形成部材510との対向間を流下させる経路であり、下方向に延設して形成される。また、第4送球経路KR4は、経路形成部材510の上下方向略3分の1程度に延設して形成されており下流の端部が、第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3に連結される。即ち、第1送球経路KR1を流下する球が、第2送球経路KR2又は第3送球経路KR3に流下可能に形成される。
第2送球経路KR2は、上述したように、第1送球経路KR1に連結されて形成される経路であり、下流側の端部が第2開口512に連結される。即ち、第1開口511から流下して第1送球経路KR1を流下する球が第2送球経路KR2へ流下すると、第2開口512から振分けユニット500の外方へ排出される。
第2開口512は、球を回収する回収経路(図示せず)に連結される。よって、第2開口から排出される球は、回収経路により回収される。また、第2開口512の内側(第2送球経路KR2の下流端)には、遊技球の通過を検出するセンサ装置SE2が配置される。よって、第3入賞口82を通過する遊技球の球数をセンサ装置SE1で検出すると共に、第2送球経路KR2を通過する遊技球の球数をセンサ装置SE2で検出することで、第3送球経路KR3を通過する遊技球の個数を検知することができる。
即ち、後述する規制板541の上流に所定の球数(1球)の遊技球が貯留されたか否かをセンサ装置SE1及びセンサ装置SE1の差で検知することができる。例えば、第3電動役物82aの一回の開放時に、第3入賞口82(センサ装置SE1)を通過する球数が8個であり、第2送球経路KR2(センサ装置SE2)を通過する球数が7個の場合は、第3送球経路KR3に1球分の遊技球を流下(貯留)した状態であることを検出できる。
第3送球経路KR3は、上述したように、第1送球経路KR1に連結されて形成される経路であり、下流側の端部が第3開口513に連結される。即ち、第1開口511から流下して第1送球経路KR1を流下する球が第3送球経路KR3へ流下すると、第3開口513から排出される。
第3開口513は、ベース板520の転動部525の他端側(開口525aの反対の端部側)の上方に形成される。よって、第3開口513から排出される球は、転動部525の内側に送球される。即ち、第3送球経路KR3に送球される球は、第3開口513を介して転動部525に送球される。
開口514から516は、それぞれ遊技盤13に形成される第3入賞口82の背面側に形成されており、第3入賞口82に入賞した球が送球される。即ち、遊技盤13の正面側の遊技領域を流下する球が第3入賞口82に入賞すると、球は開口514から516に振分けユニット500の内部に送球される。
第4送球経路KR4は、開口514から516に連結して形成されており、下流側で1つの経路に連結されて、経路形成部材510の下端面に形成される第4開口に連結される。第4開口は、球を回収する回収経路(図示せず)に連結される。よって、遊技盤13の第3入賞口82に入賞した球は、振分けユニット500の第4送球経路KR4に送球された後に、第4開口517から排出されて回収される。
延長経路部材530は、下側が開放する断面U字に形成されると共に、左右方向に延設される。また、延長経路部材530は、そのU字の内径が球の外径よりも大きく形成される。よって、ベース板520の転動部525の上部に配設されることで、転動部525の上部に送球される球を、転動部525及び延長経路部材530の内側を送球可能にできると共に、転動部を転動する球が、転動部525から落下することを抑制できる。
さらに、延長経路部材530は、転動部525に形成される突起525bと左右方向同じ位置に一定の間隔で形成される突起531が形成される。これにより、突起525bと同様に転動部525を転動する球の転動速度を遅くすることができる。
振分け部材540は、一方が長く形成される正面視矩形に形成され、前後方向に所定の厚みを備えて形成される。振分け部材540は、正面側に板状体で突出する規制板541及び貯留板542と、上方の一端側に貫通形成される軸孔545と、背面側に鉤状に形成される係止部544とを主に備えて形成される。
軸孔545は、上述したように、ベース板520の軸部523が挿入される貫通孔であり、前後方向に貫通して形成される。振分け部材540は、ベース板520の軸部523を軸孔545に挿通すると共に、背面側から軸孔よりも頭部の大きいネジ等を軸部523に締結することにより、ベース板520に回転可能な状態で取着される。
規制板541は、第1開口521を介して第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に配置されて第1送球経路KR1を流下する球が第2送球経路KR2へ流入することを規制する板部材であり、軸孔545の正面側の端面よりも正面側に突出して形成されると共に、ベース板520から正面側への突出距離が球の半径よりも大きく設定される。
また、規制板541は、軸孔545の軸を中心とする円弧状に湾曲して形成される。これにより、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転変位された際に、規制板541の変位領域を最小にすることができる。
貯留板542は、第2開口522を介して第2送球経路KR2上に配置され、第2送球経路KR2を流下する球を貯留板542の上流側に貯留する板部材であり、軸孔545の正面側の端面よりも正面側に突出して形成されると共に、ベース板520から正面側への突出距離が、球の半径よりも大きく設定される。
また、貯留板542は、軸孔545の軸を中心とする円弧状に湾曲して形成されると共に、その円弧の半径が規制板541の湾曲部分の半径よりも大きく形成される。よって、貯留板542は、軸孔545から規制板541よりも離間した位置に形成される。これにより、規制板541を第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に突出させることができると共に、貯留板542を第2送球経路KR2上に配置することができる。さらに、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転変位された際の変位領域を最小にすることができる。
突起部543は、上述した下変位部材440の当接板464cに衝突されることで、振分け部材540に回転の駆動力を作用させる駆動伝達部材であり、振分け部材540の他端側に突出して形成される。即ち、振分け部材540の回転軸となる軸孔545が形成される一端側と反対側に、駆動力が伝達される突起部543が形成される。これにより、下変位部材440の当接板464cの衝突する力を小さくすることができる。
従って、当接板464cを変位させる駆動モータKM3の駆動力を小さくすることができるので、駆動モータKM3の消費エネルギーを小さくすることができる。また、駆動の際に、当接板464cが突起部543と衝突する際のエネルギーを小さくできるので、当接板464cと突起部543とが衝突した際に衝突音を小さくすることができる。なお、当接板464cと突起部543との衝突の際の詳しい態様については後述する。
さらに、突起部543の突出先端の当接板464cとの当接箇所は、円形状に膨出する膨出部543aが形成される。膨出部543aに当接板464cを当接させることで、当接板と振分け部材540との接地面積を小さくすることができる。従って、振分け部材540を回転変位させる際に、突起部543(膨出部543a)と当接板464cと摩擦抵抗を小さくすることができる。その結果、駆動モータKM3の消費エネルギーが大きくなることを抑制できる。
係止部544は、上述したようにベース板520の係止部524との間で付勢ばねSP4を係止する部分である。よって、振分け部材540の他端側が常に係止部524側に回転する力を付与することができるので、振分け部材540がパチンコ機10の振動等でゆれ動くことを抑制できる。
次いで、図73を参照して、振分けユニット500の球の流下経路について詳しく説明する。図73は、図70(a)のLXXIII−LXXIII線における振分けユニット500の断面図である。なお、図73では、振分け部材540が、鎖線で図示される。また、図73では、振分け部材540が貯留位置に配置された状態が図示される。
ここで、振分け部材540が貯留位置に配置された状態とは、振分け部材540が付勢ばねSP4の付勢力により回転され、第2送球経路KR2上に貯留板542を配置した状態のことである。
図73に示すように、第1送球経路KR1は、その流下経路の下端側が、ベース板520の左右方向(図73左右方向)の中央部分に向かって傾倒されると共に、その傾倒部分が緩やかなS字状に湾曲して形成される。また、S字状に湾曲した先端部分が第3送球経路KR3に連結され、第2送球経路KR2が、第1送球経路KR1の端部に第1送球経路KR1の傾倒する方向と反対方向に傾倒した状態で連結される。
これにより、第1送球経路KR1を流下する球を傾倒部分の下面に衝突させることで、球の流下方向を重力方向から第1送球経路KR1の傾倒する方向に向けることができる。よって、球を第3送球経路KR3の入り口(第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分)に向かって流下させることができる。従って、振分け部材540が配置されていない状態では、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に送球することができる。
ここで、遊技球が流下する流下経路と、その流下経路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける遊技機が知られている。
しかしながら、従来の遊技機では、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路と第2分岐通路とへ1球ずつ交互に振り分ける構造であるため、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路と第2分岐通路とに均等に(即ち、半数ずつ)振分けられる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できないという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、変位可能に形成されると共に第3送球経路KR3から遊技球を受け取る球受部467を備え、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540に当接して変位されることで、振分け部材540が変位されるので、球受部467の変位に応じて、第3送球経路KR3または第2送球経路へ振り分ける遊技球の数を変更できる。即ち、第3送球経路KR3へ振り分ける遊技球の数を変更できる。
なお、振分け部材540の変位は、球受部467の変位を利用して、振分け部材540を変位させることができるので、かかる振分け部材540を変位させるための駆動手段や伝達機構を別途設けることを不要とできる。よって、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
また、例えば、センサ装置による位置検出や駆動手段による駆動を利用して振分け部材540の変位を制御する構造では、検出不良や制御不良による誤作動によって、振分け部材の振分け動作の信頼性の低下を招くところ、本実施形態によれば、振分け部材540による振分け先を、球受部467の変位に機械的に同期させて切り換えることができるので、振分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
特に、球受部467は、第3送球経路KR3の転動部525から遊技球を受けとる部材であるので、かかる球受部467の変位に同期させて振分け部材540の振分け先を第3送球経路に切り替えることで、第3送球経路KR3に振分けられた遊技球を変位部材に確実に受け取らせることができる。
さらに、従来の遊技機では、流下経路を流下する遊技球が、第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分けられるのみであるため、遊技者に興趣を与えることが不十分であった。
これに対し、本実施形態によれば、規制板541(振分手段)による振り分け先が第3送球経路KR3(第1分岐通路)とされた状態では、第3における遊技球の流下を規制し、振分け部材540による振り分け先が、第2送球経路KR2(第2分岐通路)とされた状態では第3送球経路KR3における遊技球の流下を許容する貯留板542(流下状態変更手段)を備えるので、遊技者に興趣を与えることができる。
即ち、規制板541による振り分け先が第3送球経路とされると、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制して第3送球経路KR3に遊技球を貯留すると共に、規制板541による振り分け先が第2送球経路KR2とされると、第3送球経路KR3における遊技球の流下を許容し、第3送球経路KR3に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。これにより、第1送球経路KR1(流下経路)を流下する遊技球を第3送球経路KR3又は、第2送球経路KR2の一方へ振り分ける動作に加え、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球を流下させる(開放する)動作を形成できる。更に、これら貯留および開放の動作を、振分け動作に連動して、交互に形成できる。その結果、遊技者に興趣を与えることができる。
また、規制板541(振分手段)と貯留板542(流下状態変更手段)とが一体に形成される振分け部材540(一体部材)を備えるので、それら規制板541と貯留板542とを動作させる構造の簡素化と動作の信頼性の向上とを図ることができる、即ち、規制板541と貯留板542とが別体に形成される場合には、2部品となるため、それら2部品を動作させる構造が複雑化すると共に動作の信頼性の低下を招く。
これに対し、本実施形態によれば、規制板541と貯留板542とを一部品として形成できるので、その分、構造を簡素化でき、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
さらに、振分け部材540は、貯留位置(第1状態位置)と規制位置(第2状態位置)とに変位可能に形成され、振分け部材540が貯留位置に変位された状態では、規制板541が第3送球経路KR3(第1分岐通路)を振分け先とする位置に配置され且つ貯留板542が第3送球経路KR3における遊技球の流下を規制する位置に配置され、振分け部材540が規制位置に変位された状態では、規制板541が第2送球経路KR2を振分け先とする位置に配置され且つ貯留板542が第3送球径路における遊技球の流下を許容する位置に配置されるので、振分け部材540を2位置(貯留位置および規制位置)で変位させることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第3送球経路KR3又は第2送球経路の一方へ振り分ける動作に加え、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できると共に、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。即ち、構造を簡素化して、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
振分け部材540(一体部材)は、回転可能に形成され、貯留板542(流下状態変更手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成され、第3送球経路KR3へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、振分け部材540の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されるので、規制板541の出没の為に第3送球経路KR3の内壁に開口される孔(凹部519)の面積を小さくすることができる。
貯留板542(流下状態変更手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されるので、第3送球経路KR3への貯留板542が突出し始めた初期の状態(即ち、通路内へ流下状態変更手段の先端側のみが突出されている状態)において、貯留板542の先端側の形状を遊技球の流下を規制しやすい向きで配置でき、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を規制しやすくできる。
また、貯留板542が、第3送球経路へ最大に突出され遊技球の流下を規制する状態では、貯留板542の凹により遊技球を安定して保持できるので、遊技球の暴れを抑制できる。
振分けユニット500は、振分け部材540(一体部材)に付勢力を付与して、規制板541が第3送球経路(第1分岐通路)へ突出する方向へ付勢する付勢ばねSP4(付勢手段)を備え、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離が、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離よりも大きくされるので、付勢ばねSP4の付勢力を利用して、振分け部材540を貯留板542が第3応急経路へ突出する姿勢(即ち、貯留位置)に維持しやすくできる。
この場合、貯留板542から振分け部材540の回転軸までの距離が、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離よりも大きくされるので、流下する遊技球が衝突されると、回転軸からの距離が大きい分、同じ衝撃力が作用した場合でも、貯留板542が没入しやすいところ、付勢ばねSP4の付勢方向が、貯留板542が第3送球経路KR3へ突出する方向とされることで、その付勢力の分、貯留板542が凹部519へ没入されることを抑制できる。
また、振分け部材540(一体部材)は、その自重により貯留板542(流下状態変更手段)が第3送球経路(第1分岐通路)へ突出する方向へ回転されるので、かかる自重を利用して振分け部材540を、貯留板542が第3送球経路KR3へ突出する姿勢(即ち、貯留位置)に維持しやすくできる。よって、遊技球が衝突した場合には、その自重の分、貯留板542が凹部519へ没入されることを抑制できる。
また、付勢ばねSP4(付勢手段)が脱落した場合でも、振分け部材540を、その自重により、規制板541が第3送球経路KR3へ突出した姿勢に維持して、第3送球経路へ遊技球が流下することを抑制できる。
さらに、振分け部材540に付勢力を付与して、振分け部材540による振分け先を第3送球経路KR3又は第2送球経路KR2の一方に維持させる付勢ばねSP4を備え、球受部467が振分け部材540を付勢ばねSP4の方向に抗する方向へ変位させることで、振分け部材540による振分け先が第3送球経路KR3または第2送球経路KR2の他方に切替えられると共に、付勢ばねの付勢力によって、振分け部材540による振分け先が第3送球経路KR3または第2送球経路KR2の一方に復帰される。
従って、振分け部材540による振り分け先が不用意に切り換えられることを抑制できる。この場合、球受部467の変位に伴って振分け部材540が変位され、その振り分け先が切り替えられた後、切り替え前の振り分け先への復帰は、付勢ばねSP4の付勢力により行うことができるので、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540と当接されていることを不要とできる。即ち、球受部467に連動する当接板464cを振分け部材540から離間させることができる。よって、球受部467の可動範囲の設計の自由度を高めることができる。
次いで、図74を参照して、振分け部材540の変位について説明する。図74(a)及び(b)は、図73の範囲LXXIVにおける振分けユニット500の部分拡大図である。なお、図74(a)は、振分け部材540が貯留位置に位置する状態が、図74(b)は、振分け部材540が規制位置に位置する状態がそれぞれ図示される。また、振分け部材540が規制位置に配置された状態とは、振分け部材540の突起部543に下変位部材440の当接板464cが衝突して、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転されて、第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に規制板541を配置した状態のことである。
図74(a)に示すように、振分け部材540が貯留位置に配置された状態では、貯留板542が第3送球経路KR3上に配置されると共に、規制板541が経路形成部材510の背面側の壁に形成される凹部518の内側に配置される。
この場合、貯留板542の第3送球経路KR3の内側に突出した先端の端部とその先端と対向する第3送球経路KR3の内壁との距離寸法L1は、球の直径よりも小さくされる。よって、第3送球経路KR3の上流(第1送球経路KR1)から送球される球は、貯留板542の上流側に停止される。
また、貯留板542の湾曲した部分の内側から第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分までの距離寸法L2は、球の半径よりも大きく設定されると共に、球の直径よりも小さく設定される。これにより、貯留板542の上流側に停止される球の数を1球とすることができる。なお、以下では、貯留板542の上流側に球を1球停止させた振分けユニット500の状態を貯留状態と称す。
一方、図74(b)に示すように、振分け部材540が、規制位置に配置された状態では、規制板541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置されると共に、貯留板542が、経路形成部材510の背面側の壁部に形成される凹部519の内側に配置される。
この場合、規制板541の第1送球経路KR1内側に突出した先端の端部と第3送球経路KR3の入り口の内壁までの距離寸法L3は、球の直径よりも小さくされる。よって、第1送球経路KR1を流下する球は、規制板541に衝突して、第2送球経路KR2に送球される。
即ち、振分け部材540を規制位置と貯留位置とで切り換えることで、第1送球経路KR1を送球される球を第3送球経路KR3に送球して、第3送球経路KR3上に停止させる状態と、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に流入不能として、第2送球経路KR2に送球される状態とを形成することができる。
よって、1つの振分け部材540を変位させることで、1の流下する経路から2の流下する経路に分かれる場合に、球の流下経路をどちらかに確実に切り替えることができる。
また、付勢ばねSP4は、振分け部材540に付勢力を付与して、振分け部材540による振り分け先を第2送球経路KR2に維持させるので、球受部467が遊技球を受け取り不能な状態において、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路に切り替えられることを抑制できる。
さらに、規制板541(振分手段)は、第1送球経路KR1(流下通路)または第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、第1送球経路KR1の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされるので、第1送球経路KR1の下端側から流下する遊技球に近い位置で、規制板541を突出させることができる。よって、規制板541を流下通路または第3送球経路KR3(第1分岐通路)へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板541による振り分け先の切り替えを確実に行うことができる。
また、規制板541(振分手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に突出されることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路(第2分岐通路)へ振り分けるものであり、規制板541の突出方向が、第2送球経路KR2の上流端を指向する方向に設定されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が突出動作の途中の規制板に当接した場合には、かかる遊技球を規制板の突出動作に伴って、第2送球経路KRへ押し込むことができる。その結果、第2送球経路KR2への振り分けをより確実に行うことができる。
なお、本実施形態では、振分け部材540の規制板541が、貯留板542よりも軸孔545と近接した位置に配置されるが、規制板541が規制板541よりも軸孔545と離間した位置に配置されてもよい。即ち、振分け部材540の軸孔545を図74(a)及び図74(b)に示す第3送球経路KR3の下流側の背面のポイントPの位置に振分け部材540の軸を配置してもよい。この場合、振分け部材540に形成される規制板541及び貯留板542の配置位置は、本実施形態と同一の位置に形成される。
軸孔545をポイントPに配置した状態では、振分け部材540を回転変位させた際の規制板541の変位速度を貯留板542よりも早くできる。そのため、後述するように振分け部材540を貯留位置から規制位置に変位させた際には、規制板541を早く流下経路上に突出させることができる。その結果、規制位置から貯留位置に振分け部材540を切り替えたタイミングで、第1送球経路KR1を流下する遊技球が第3送球経路KR3に流入することを抑制することができる。
また、この場合、規制板541及び貯留板542の正面視における形状は、ポイントPを中心とする円弧状に形成される。これにより、振分け部材540が規制位置から貯留位置(又は反対)に変位される際に規制板541及び貯留板542の変位領域を最小とすることができる。さらに、規制板541及び貯留板542を第3送球経路KR3の外側に受け入れる凹部518,519は、規制板541及び規制板541の変位軌跡に沿った凹設形状とされる。
次いで、図75及び図76を参照して、振分け部材540が貯留位置に配置される際に、送球経路から2球以上の球が送球された場合の説明をする。図75(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。図76(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図78(a)及び(b)は、図74(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図75(a)から図76(b)までは、球が流入された際の球の遷移状態が順に図示される。さらに、図75(a)から図76(b)は、振分け部材540が貯留位置に配置された状態とされる。
図75(a)及び(b)に示すように、振分け部材540が貯留位置に配置された状態で、1球目の遊技球T1が第1送球経路KR1に送球されると、上述したように、遊技球T1は、第3送球経路KR3に送球されて、貯留板542の上方に停止される。
この場合、貯留板542は、第3送球経路KR3の上端から球の半径から直径の間の距離下流側に配置された位置とされるので、貯留板542の上部に停止された球の一部が、第1送球経路KR1側に突出された状態とされる(図75参照)。
よって、第3送球経路KR3(第1分岐通路)は、上述したように、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共に、その重力方向側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、貯留板542(流下状態変更手段)は、重力方向下側の内壁から第3送球経路KR3内へ出没可能に形成されるので、貯留板542を第3送球経路KR3内へ突出させ始めてから遊技球の流下を規制できる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板541の振り分け先が第2送球経路KR2(第2分岐通路)から第3送球経路KR3に切り替えられ、第3送球経路KR3に遊技球が振分けられた際に、その遊技球の流下の規制に貯留板542の突出を間に合わせ易くできる。
また、規制板541は、第3送球経路KR3に対して出没可能に形成され、第3送球経路KR3に最大に突出した状態では、突出する方向の力成分が遊技球から貯留板542へ作用されるので、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制する際に、その遊技球が衝突した際の衝撃で貯留板542が凹部519に没入することを抑制できる。よって、遊技球の流下を規制しやすくできる。
次に、図76(a)及び(b)に示すように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に2球目の遊技球T2が送球されると、遊技球T2は、第1送球経路KR1から第3送球経路KR3の上端に方向に送球される。第3送球経路KR3の上端部には遊技球T1が停止された状態とされるので、遊技球T2は、遊技球T1に衝突して第2送球経路KR2に送球される。
この場合、上述したように、遊技球T1は、第1送球経路KR1側に突出した状態とされるので、遊技球T2を第3送球経路KR3の内側に送球することなく第2送球経路KR2に案内することができるので、遊技球T2を第3送球経路KR3の内部に留まることなく第2送球経路KR2に送球することができる。よって、第1送球経路KR1及び第2送球経路KR2の送球を安定させることができる。
即ち、第1送球経路KR1(流下通路)における第2送球経路KR2(第2分岐通路)を望む側の内壁は、第1送球経路KR1を流下する遊技球を、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に貯留された規定数(1球)の遊技球のうちの末尾の遊技球を第3送球経路KR3の側面へ案内可能に形成されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球を、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突させた後、第2送球経路KR2へ流下させやすくできる。
なお、規定数の遊技球のうち、末尾の遊技球とは、上流側(規制板541と反対側)に位置する遊技球を意味する。また、本実施形態では、規定数は1球に設定される。この場合、末尾の遊技球は、第3送球経路KR3に貯留されている遊技球そのものを意味する。
また、上述したように、第1送球経路KR1(流下通路)は、その流下経路の下端側が、ベース板520の左右方向(図73左右方向)の中央部分に向かって傾倒されると共に、その傾倒部分が緩やかなS字状に湾曲して形成される。即ち、第1送球経路KR1(流下通路)の下流端の流下方向は、第3送球経路KR3の上流端の流下方向に形成されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が、第3送球経路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突した際に、末尾の遊技球に作用される反発力の方向を第3送球経路KR3の上流端の流下方向と異ならせることができる。その結果、衝突の際の反発力で、末尾の遊技球が第3送球経路KR3の上流端から飛び出して、第2送球経路KR2へ流入されることを抑制できる。
さらに、第3送球経路KR3の上端部は、第1送球経路KR1の下端部の傾斜方向に傾斜して形成されるので、遊技球T2が遊技球T1と衝突する位置を遊技球T1の上半球にすると共に、第2送球経路KR2側とすることができる。よって、遊技球T1に衝突した遊技球T2の跳ね返り方向を第2送球経路KR2の入り口(上端)側とすることができる。従って、遊技球T1に衝突する遊技球T2を第2送球経路KR2に送球しやすくできる。その結果、第1送球経路KR1及び第2送球経路KR2に球が停滞することを抑制できる。
また、規制板541による振り分け先が、第3送球経路KR3(第1分岐通路)とされると共に第3送球経路KR3における遊技球の流下が貯留板542(流下状態変更手段)により規制され、第3送球経路KR3に規定数(1球)の遊技球が貯留された状態では、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球が第2送球経路KR2(第2分岐通路)へ流下可能に形成されるので、規定数以上の遊技球が流下通路を流下する場合に、規定数を超える分の遊技球(2球目以降の遊技球T2)が第1送球経路KR1に滞ることを抑制できる。よって、規制板541の変位(振り分け先を第2送球経路KR2とする動作)が、第1送球経路KR1に滞った遊技球によって阻害されることを抑制できる。
次いで、図77を参照して、振分け部材540が規制位置に配置される際に、送球経路に球が送球された場合の説明をする。図77(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図77(a)及び(b)は、図74(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図77(a)及び(b)は、球が流入された際の球の遷移状態がそれぞれ図示される。さらに、図77(a)及び(b)は、振分け部材540が規制位置に配置された状態とされる。
図77(a)及び(b)に示すように、振分け部材540が規制位置に配置された状態で第1送球経路KR1に球が送球されると、送球された遊技球T1は、第1送球経路KR1の下端で規制板541に衝突する。これにより、遊技球T1は、第2送球経路KR2に案内されて、第2送球経路KR2を流下する。
次いで、図78を参照して、第3送球経路KR3の下流側に球を流下させる際の動作について説明する。図78(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図78(a)及び(b)は、図74(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図78(a)及び(b)は、球が流入された際の球の遷移状態がそれぞれ図示される。さらに、図78(a)は振分け部材540が貯留位置に配置された状態が、図78(b)は振分け部材540が規制位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図78(a)及び(b)に示すように、振分けユニット500が貯留状態(図78(a)に示す状態)とされた際に、振分け部材540が変位されて規制位置に配置されると、貯留板542の上方に停滞された遊技球T1が第3送球経路KR3の下流側に流下される。
即ち、第3送球経路KR3への球の流下は、貯留板542の上方に停滞された球のみとされる。また、上述したように貯留板542の上方に停滞する球は、1とされるので第3送球経路KR3への球の流下を1球ずつ行うことができる。よって、第3送球経路KR3の下流側に流下される球の数を安定させることができるので、第3送球経路KR3に意図しない球数の球が流下されることを抑制できる。
よって、振分け部材540(振分手段)は、その振分け部材540の変位に伴って第3送球経路(第1分岐通路)に対して出没可能に形成される規制板541(第1出没部)及び貯留板(第2出没部)を備え、規制板541は、第3送球経路へ突出することで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路KR2(第2分岐通路)へ振り分け可能に形成され、貯留板542は、規制板541よりも第3送球経路KR3の下流側に位置すると共に、第3送球経路KR3に突出することで、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら規制板541及び貯留板542は、一方が第3送球経路KR3の通路内へ突出した状態では他方が第3送球経路KR3の通路外(凹部518,519の内側)に退避されるので、球受部467(変位部材)の変位に伴って振分け部材540を変位させることで、規定数(1球)の遊技球のみを第3送球経路KR3へ振り分けて球受部467に受け取らせることができる。
即ち、規制板541が突出することで、第1送球経路KR1を流下する遊技球を第2送球経路へ振り分ける第1の状態と、規制板541は退避することで、第1送球経路KR1を流下する遊技球を第3送球経路へ振り分ける第2の状態と、第2出没部が突出することで、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制(遊技球を貯留)する第3の状態と、第2出没部が退避することで、第3送球経路に貯留されていた遊技球を流下させて球受部へ受け取らせる第4の状態とを形成することができ、これら各状態を組み合わせることで、規定数(1球)の遊技球のみを第3送球経路KR3へ振り分けて球受部467に受け取らせることができる。
また、振分け部材540が、規制板541及び542を備える、即ち、1の部品として形成されるので、振分け部材540の構造(規制板541及び貯留板542を動作させ、それらの機能を発揮させるための構造)を簡略かできる。更に、規制板541及び貯留板542は、一方が第3送球経路KR3の通路内へ突出した状態では、他方が第3送球経路KR3の通路外へ退避されるので、球受部467の2つの位置(第1位置および第2位置)に応じて、振分け部材540も2つの位置に変位可能に形成されれば足りる。即ち、振分け部材540を2つの位置で変位させることで、上述した第1から第4の状態を形成できる。よって、振分け部材540の構造および球受部467の変位に伴い振分け部材540を変位させる構造を簡素化でき、その分、遊技球の振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
次いで、図79から図80を参照して、振分けユニット500及び下変位ユニット400について説明する。図79は、振分けユニット500及び下変位ユニット400の正面図である。図80は、振分けユニット500及び下変位ユニット400の上面図である。なお、下変位ユニット400は、退避位置に配置された状態が図示される。
図79及び図80に示すように、振分けユニット500は、下変位ユニット400の正面側(図80下側)に配置される。この場合、振分けユニット500の転動部525に形成される開口525aと、下変位部材440の装飾部材450に形成される開口451aとが前後方向に重なる位置に配置される。よって、転動部525を転動される球は、開口525a及び開口451aを介して下変位部材440の内部に送球される。
言い変えると、下変位部材440への球の送球は、遊技盤13の前方の遊技領域を流下する球を遊技盤13に形成される第3入賞口82から送球ユニット600及び振分けユニット500を介して行われる。
よって、振分けユニット500は、球受部467の軌道領域に連通される転動部525を備え、振分け部材540は、転動部525における遊技球の通過を規制するので、例えば、振分け部材540に動作不良が生じ、2球目以降の遊技球T2が送球された場合でも、2球目以降の遊技球T2を、転動部525を介して、振分け部材540の軌道領域へ確実に送球させることができる。その結果、2球目以降の遊技球T2による不具合を生じ難くできる。
次いで、図81から図86を参照して、振分け部材540と下変位部材440との関係について説明する。図81、図83及び図85は、下変位ユニット400の正面図であり、図82、図84及び図86は、振分けユニット500の断面図である。なお、図81、図83及び図85では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面側に配設される振分けユニット500の振分け部材540のみが図示される。また、図82、図84及び図86では、振分け部材540が鎖線で図示されると共に、背面側に配設される下変位部材440の当接板464cが鎖線で図示される。
さらに、図81及び図82では、下変位部材440の球受部467が第1位置に、振分け部材540が規制位置にそれぞれ配置された状態が図示されると共に、下変位部材440が退避状態に位置する状態が図示される。図83及び図84では、下変位部材440の球受部467が第2位置に、振分け部材540が貯留位置にそれぞれ配置された様態が図示されると共に、下変位部材440が退避状態に位置する状態が図示される。図85及び図86では、下変位部材440の球受部467が第1位置に、振分け部材540が貯留位置にそれぞれ配置された状態が図示されると共に、下変位部材440が第1張出状態に位置する状態が図示される。
図81及び図82に示すように、下変位部材440が退避状態に配置された状態および下変位部材440の球受部467が第1位置に配置された状態では、上述したように球受部467を駆動するラック466が下変位部材440の他端側(下変位部材440の正面視左側)に配置されると共に、背面側に可動ラック464が前後方向に重なった状態に配置される。
即ち、可動ラック464は、ラック466と同様に、下変位部材440の他端側(下変位部材440の正面視左側)に配置された状態とされる。よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材440の他端側に位置される。この場合、当接板464cの他端側の側面(正面視左側の面)が、振分け部材540の突起部543に当接した状態とされる。これにより、振分け部材540は、軸孔545の軸を中心に回転の駆動力が作用されて、規制板541を第1送球経路KR1に突出させた位置(規制位置)に変位される。
従って、下変位部材440が退避状態にされると共に、球受部467が第1位置に配置された状態では、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球は、第3送球経路KR3に流下されず、第2送球経路KR2に送球される。また、上述したように、貯留板542の上方に球を貯留した貯留状態から振分け部材540を規制位置へ変位させることで、第3送球経路KR3の下流側(貯留板542の下流側)に遊技球を送球できる。この際に、球受部467を球受動作させることで球受部467の内側に遊技球を送球することができる。
なお、遊技球を振分けユニット500に貯留した状態とするための第3電動役物82aの開放動作は、球受部467が第1位置に変位する前に行われ、球受部467が第1位置に変位される際には、第3電動役物82aが閉鎖した状態とされる。これにより、振分け部材540を貯留位置から規制位置に変位させた際に、第1送球経路KR1を通過する遊技球が規制板541及び貯留板542により流下が規制されず、意図しない遊技球が第3送球経路KR3の下流側に送球されることを抑制できる。
また、振分け部材540は、球受部467の変位に連動して動作可能に形成されるので、球受部467の変位に応じて、球受部467の軌道領域への遊技球の送球を規制または、許容できる。即ち、遊技球の送球の規制または許容を、球受部467の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、例えば、振分け部材540の位置を検出するセンサの検出結果に応じて振分け部材540を駆動する、駆動手段、或いは、それら各手段の制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。
さらに、振分け部材540は、球受部467が第2位置から第1位置方向(第2方向)へ変位されることに連動して、球受部467の軌道領域へ遊技球T2を送球することを許容するので、球受部467の軌道領域であって、球受部467よりも第1方向側の領域に遊技球を確実に送球させることができる。
また、球受部467は、振分け部材540を切り替える切り替え位置とその切り替え位置(第1位置)とは異なる位置に設定される受け取り位置(第2位置)とに、変位可能に形成され、球受部467が切り替え位置に変位された状態では、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路KR3に切り替えられ、球受部467が受け取り位置に変位された状態では、第3送球経路から球受部467が遊技球を受け取り可能とされると共に、振分け部材540による振り分け先が第2送球経路KR2に切り替えられるので、球受部467が球を受け取り可能な規定数(本実施形態では1球)を超えた遊技球が第3送球経路KR3に振り分けられることを抑制できる。
即ち、切り替え位置と受け取り位置とを同一の位置に設定した場合には、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路へ切り替えられた状態のままで、球受部467が遊技球を受け取るため、球受部467が受け取り可能な規定数を超えて遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられる恐れがある。第3送球経路KR3への遊技球の流入を規制する手段を別途設けた場合には、構造が複雑化して信頼性が低下すると共に、製品コストの増加を招く。
これに対し、実施形態では、球受部467が切り替え位置へ変位され、規定数(本実施形態では1球)の遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられた後に、振分け部材540が受け取り位置へ変位されると、振り分け先が第2送球経路KR2へ切り替えられた状態とされるので、第3送球経路へ1球を超えた遊技球が流下しないようにできる。よって、球受部467が、受け取り可能な規定数(1球)を超えた遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられることを抑制できる。また、上述した手段(第3送球経路KR3への遊技球の流入を規制する手段)を別途設ける必要がないので、信頼性の向上と製品コストの低減とを図ることができる。
また、パチンコ機10は、電源を入れた(オンした)際に、各動作ユニットが電源を切った(オフした)位置から始動する。さらに、パチンコ機10の電源を切った場合にその制御のみがリセットされる可能性がある。その場合、振分け部材540が駆動手段を備えるものであると、電源入れた際に、貯留状態の振分けユニット500が初期動作の際に動作して第3送球経路KR3に遊技球を流下させて、第3位置に配置された球受部467の退避側(第1位置側)に遊技球が送球される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、振分け部材540の変位と球受部467の変位とが同期されるので、パチンコ機10が所定の基準位置に位置しない状態で電源が切られたとしても、パチンコ機10の電源を投入した際に意図しない遊技球が球受部467の軌道領域に送球されることを抑制できる。その結果、下変位部材440の内部に遊技球が詰まることを抑制できる。
さらに、下変位部材440の軌道領域に遊技球を残した状態で、電源がオフされた場合には、球受部467に上述した排出動作させることで、球受部467の軌道領域に残された遊技球を下変位部材440の外方に排出して、回収口411fから回収することができる。
次いで、図83及び図84を参照して説明する。図83及び図84に示すように、下変位部材440が退避状態に配置された状態および下変位部材440の球受部467が第2位置または第3位置(第1位置以外の位置)に配置された状態では、上述したように、球受部467を駆動するラック466が下変位部材440の左右方向(図83左右方向)略中央位置に配置されると共に、可動ラック464が下変位部材440の他端側(図83左右方向左側)の端部から、一端側に可動した位置に配置される。
よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材4440の他端側の端部から一端側に離間した位置に配置される。この場合、当接板464cの他端側の面(正面視左側の面)が、振分け部材540の突起部543と離間した状態とされる。これにより、振分け部材540は、振分け部材540とベース板520との間に介設される付勢ばねSP4の付勢力により軸孔545の軸を中心に回転されて、貯留板542を第3送球経路KR3に突出させた位置(貯留位置)に変位される。
従って、下変位部材440が、退避状態にされると共に、球受部467が第2位置または第3位置(第1位置以外の位置)に配置された状態では、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球が、貯留板542の上方に停止した状態とされる。また、上述したように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に送球される球は、貯留板542の上方に停止した球と衝突して第2送球経路KR2に送球される。
次いで、図85及び図86を参照して説明する。図85及び図86に示すように、下変位部材440が第1張出状態または第2張出状態に配置された状態では、上述したように下変位部材440が、正面ベース411に対してスライド変位されると共に回転変位される。よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材440の変位に伴って変位され、振分け部材540の突起部543と離間した状態とされる。これにより、振分け部材540は、振分け部材540とベース板520との間に介設される付勢ばねSP4の付勢力により軸孔545の軸を中心に回転されて、貯留板542を第3送球経路KR3に突出させた位置(貯留位置)に変位される。
従って、下変位部材440が、第1張出状態または第2張出状態とされると、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球が、貯留板542の上方に停止した状態とされる。また、上述したように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に送球される球は、貯留板542の上方に停止した球と衝突して第2送球経路KR2に送球される。
即ち、下変位部材440が、第1張出状態および第2張出状態(退避状態以外の状態)とされる場合には、下変位部材440の変位に伴って、装飾部材450の開口451aの位置が変位するために、開口451aと振分けユニット500の開口525aとの球の連通状態が解除される。そのため、第3送球経路KR3に球を流下すると、開口451aから球が背面ケース300の内部に排出される恐れがあるところ、本実施形態では、振分け部材540を貯留位置とすることで第3送球経路KR3の下流側に球が流下することを抑制することができる。その結果、背面ケース300の球が内部に球が排出されることを抑制できる。
言い変えると、下変位ユニット400の下変位部材440は、退避状態、第1張出状態および第2張出状態とで変位可能に形成され、退避状態に下変位部材440が位置する際に、下変位部材440に球受部467が配設されるので、下変位部材440を退避状態に配置した状態で球受部467を変位させる態様と、第1又は第2張出状態に配置した状態で球受部467を変位させる態様とを形成することができる。よって、その分、演出効果を高めることができる。
この場合、下変位部材440が第1又は第2張出状態に配置された状態では、球受部467が第3送球経路KR3の転動部525から遊技球を受け取り不能(第3送球経路KR3の転動部525と下変位部材440の開口451aとが非連通の状態)とされるところかかる状態では、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540に当接不能とされるので、球受部467は遊技球を受け取り不能な状態(下変位部材440が第1張出状態または第2張出状態に配置された状態)において、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路KR3に切り替えられることを抑制できる。
また、振分け部材540は、下変位部材440のベース部材470と別部材として形成される振分けユニット500のベース板520に配設されるので、その分、下変位部材440のベース部材470の大型化を抑制することができる。
ここで、下変位部材440の第1張出状態から退避状態への変位は左右方向への回転変位だけでなく回転変位もされるため、傾倒状態の当接板464cその回転変位をした際に、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できない恐れがある。
これに対し、本実施形態では、下変位ユニット400が、図85に示す第1張出位置に変位した状態から、退避状態に変位する場合には、球受部467を第1位置以外の箇所(第2位置または第3位置)に変位させた状態とされる。これにより、退避状態に変位した下変位部材440の当接板464cが、突起部543と衝突することを抑制できる。その結果、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できなくなることを抑制できる。
また、振分け部材540は、上述したように膨出部543aが形成されるので、制御不良等により、下変位ユニット400を第1張出状態から退避状態に変位させる際に、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接した場合にも、振分け部材540を回転変位させることができる。
即ち、膨出部543aにより当接板464cとの接地面積を小さくできるので、当接板464cが当接した際に膨出部543aをその面に沿って摺動させやすくできる。よって、振分け部材540を回転変位させやすくできる。その結果、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できなくなることを抑制できる。
次いで、図87から図90を参照して、回転ユニット700の駆動伝達部分の構成について説明する。図87は、回転ユニット700の正面図であり、図88は、回転ユニット700の背面図であり、図89は、回転ユニット700の分解斜視正面図であり、図90は、回転ユニット700の分解背面斜視図である。
図87から図90に示すように、回転ユニット700は、複数の変位部材で構成される装飾ユニット750と、その装飾ユニット750の重力方向上側に配置される球受台710と、その球受台710及び装飾ユニット750の背面側に配置される背面ベース720と、装飾ユニット750の正面視左側に配設される左側伝達部材730と、装飾ユニット750の正面視右側に配設される右側伝達部材740と、を主に備えて形成される。
球受台710は、上述した下変位ユニット400の下変位部材440の一側の出射開口471から出射される遊技球を落下させる部材である。これにより、下変位部材440の内側に送球された球を回転ユニット700に送球させることができる。なお、球受台710の詳細な構成については、後述する。
装飾ユニット750は、側面視において上方に湾曲部分を配置した略D字状のブロック体であり、正面側にキャラクターや模様の装飾が施される。また、装飾ユニット750は、複数の部材から構成されており、後述する駆動の伝達により変位可能に構成される。なお、装飾ユニット750の構成についての説明は後述する。
背面ベース720は、球受台710の背面側および装飾ユニット750の背面側を連結する板部材であり、正面視略矩形に形成される。上述したように装飾ユニット750は、複数の可動部材で構成されるために、その締結部分が限定されるところ、遊技者から視認不能とされる位置の背面側で装飾ユニット750と球受台710とを連結することで、装飾ユニット750の可動域を確保しつつ、装飾ユニット750と球受台710とを1つのユニットとして組み付けることができる。
左側伝達部材730は、装飾ユニット750の左側側面(図87左側)に配設される駆動モータKM4と、その駆動モータKM4の駆動力を伝達する伝達部材730と、駆動モータKM4が取着されるモータベース732と、伝達部材730を覆設するギヤカバー733と、そのギヤカバー733に取着されると共にギヤカバー733との対向間に所定の隙間を形成する送球経路カバー734とを主に備えて形成される。
駆動モータKM4は、後述する装飾ユニット750の各部材を可動させるための駆動源である。駆動モータKM4の駆動は、後述する伝達部材730により伝達される。
伝達部材730は、駆動モータKM4の軸に取着される伝達ギヤ731aと、その伝達ギヤ731aに歯合する伝達ギヤ731bと、その伝達ギヤ731bに歯合する伝達ギヤ731cと、その伝達ギヤ731cと隣り合って配置されると共に軸735により同軸に配設される伝達ギヤ731dと、伝達ギヤ731dと歯合される負荷ギヤ731eとを主に備えて形成される。
伝達ギヤ731aは、上述したように駆動モータKM4に取着されており、駆動モータKM4が回転駆動されることで回転する。
伝達ギヤ731bは、内部にワンウェイクラッチOW1が配設されると共に、そのワンウェイクラッチOW1の内輪が回転の駆動力を装飾ユニット750を右側の右側伝達部材740に伝達する軸部JB1に連結される。
なお、ワンウェイクラッチOW1は、内側に配置されると共に外周面にカム面が形成される内輪と、その内輪の外側に配設される外輪と、内輪および外輪との間に複数のスプリング及びローラーと、を備え、内輪に対して外輪が一方向に回転しようとするとカム面とローラーとの接触面圧が高くなり、抵抗となって内輪への動力を伝達し、内輪に対して外輪が他方向に回転すると、カム面とローラーとの接触面圧が低くなり、滑って動力伝達を切断するカム式のクラッチである。
よって、伝達ギヤ731bは、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸部JB1に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されると、内輪に対して外輪が滑って軸部JB1への駆動力の伝達が遮断される。
伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731bと同様に内部にワンウェイクラッチOW1が配設される。また、伝達ギヤ731cのワンウェイクラッチOW1の内側には、軸735が配設されている。
よって、伝達ギヤ731cは、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸735に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されると、内輪に対して外輪が滑って軸735への駆動力の伝達が遮断される。また、伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731bと歯合されており、互いの回転方向は反対方向とされる。そのため、伝達ギヤ731bが一方向の回転とされる際には、伝達ギヤ731cが他方向の回転とされる。一方、伝達ギヤ731bが他方向の回転とされる際には、伝達ギヤ731bが一方向の回転とされる。即ち、駆動モータKM4の回転方向が切り換えられることにより、軸部JB1が回転する態様または軸735が回転する態様に切り換えられる。
伝達ギヤ731dは、軸735に取着される。上述したように軸735は、伝達ギヤ731cが一方向に回転された場合にのみ回転される。よって、伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731cが一方向に回転された場合のみ一方向に回転し、他方向への回転は非回転とされる。
負荷ギヤ731eは、軸孔が箱部材760に取着される抵抗部材791の軸部791aに連結される。抵抗部材791は、箱部材760に締結されるベース部分に対して回転可能な軸部791aを備えて形成される。抵抗部材791は、軸部791aがベース部分に対して回転する際に所定量の抵抗が作用するように形成される。即ち、軸部791aを回転させるには、所定量の力が必要とされるので、軸部791aに連結される負荷ギヤ731eを回転させる力も同様に所定量以上の力が必要とされる。
これにより、伝達ギヤ731dに歯合される回転体800が伝達ギヤ731dの回転により、回転されて停止した際にその、慣性力によって回転することを抑制できる。即ち、軸部791aがベース部分に対して回転する際の抵抗は、回転体800の回転が停止した際に回転体800の軸周りに作用する慣性力よりも大きく設定される。
また、負荷ギヤ731eは、伝達ギヤ731cと同軸に配設される伝達ギヤ731dに連結される。よって、駆動モータKM4にかかる負荷ギヤ731eの抵抗を、伝達ギヤ731dを回転させる一方向の回転のみとすることができる。即ち、伝達ギヤ731cが、他方向に回転される際には、伝達ギヤ731cと伝達ギヤ731dとの駆動の伝達が遮断されるので、負荷ギヤ731eの抵抗が作用することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ731bを一方向に回転かせる際には、負荷ギヤ731eの抵抗が作用することを抑制できる。
モータベース732は、装飾ユニット750側が開放する箱状体に形成され、箱の底部分の外側(図87左側)に駆動モータKM4が軸を箱の内側に挿通した状態で配設される。これにより、駆動モータKM4の軸に連結される伝達ギヤ731aをモータベース732の内側に配設できる。即ち、モータベース732の箱の深さ寸法は、伝達ギヤ731aの幅寸法よりも大きく設定される。その結果、モータベース732に駆動モータKM4及び伝達ギヤ731aを取着した状態で装飾ユニット750に配置することができると共に、伝達ギヤ731aが装飾ユニット750に衝突することを抑制できる。
ギヤカバー733は、背面視縦長矩形に形成されると共に、間に左側伝達部材730を配置した状態で装飾ユニット750に締結される。また、装飾ユニット750には、後述する回転体800の軸孔と対向する位置に貫通孔733aが貫通形成される。これにより、回転体800の内部を転動する球を貫通孔733aを介して外方に排出することができる。なお、回転体800に送球される球についての説明は後述する。
送球経路カバー734は、ギヤカバー733の外側(図87左側)に配置される部材であり、板状体から形成されると共に、その縁部からギヤカバー733側に突出する壁部が立設される。これにより、ギヤカバー733と送球経路カバー734との対向間に隙間を形成することができ、ギヤカバー733の貫通孔733aを挿通された球をその隙間を挿通させて回転ユニット700の外側に排出することができる。ギヤカバー733と送球経路カバーとの対向間の隙間から排出された球は図示しない回収経路に送球されて回収される。
右側伝達部材740は、上述した軸部JB1の他端側に連結される回転部材741と、その回転部材741に一端が連結されるアーム部材742と、回転部材741及びアーム部材742とを覆設した状態で装飾ユニット750に配設されるクランクカバー743とを主に備えて形成される。
回転部材741は、円盤状の板状に形成される本体部741bと、その本体部741bの軸にはめ込まれるワンウェイクラッチOW1と、装飾ユニット750の反対側(図87右側)に突出する円柱状の突起741aとを主に備えて形成される。
回転部材741に取着されるワンウェイクラッチOW1は、内輪の軸孔が軸部JBの他端側に挿入される。また、ワンウェイクラッチOW1は、軸部JB1の回転方向と反対の回転が内輪に入力されると内輪と外輪とが非伝達とされるように配置される。
これにより、回転部材741に軸部JB1から伝達される回転速度よりも速い回転速度の駆動力をワンウェイクラッチOW1の外輪に入力した場合に、外輪のみを回転させて回転部材741を駆動モータKM4の駆動以外の駆動力で回転させることができる。その結果、回転部材741に速度の異なる2つ以上の回転をさせることができる。
アーム部材742は、側面視C字とI字とを組み合わせた形状であり、C字の一端にI字の他端が連結されて形成される。また、アーム部材742は、C字部分とI字部分との連結部分に貫通形成される軸孔742aと、I字部分の一端に貫通形成される楕円状の第1摺動溝742bと、C字部分の他端に貫通形成される楕円状の第2摺動溝742cとを主に備えて形成される。
軸孔742aは、後述する箱部材760の右側側面板764に形成される軸部764aが挿入される孔であり、軸部764aの外径よりも大きい内径に形成される。よって、アーム部材742は、軸孔742aに軸部764aが挿入されて、装飾ユニット750に配設されるので、装飾ユニット750に対して回転可能とされる。
第1摺動溝742bは、回転部材741の突起741aが挿入される孔であり、楕円に形成された短手方向の幅寸法が、突起741aの外径よりも大きく設定される。よって、第1摺動溝742bの内側に突起741aを挿入できると共に、回転部材741の回転により、アーム部材742を回転変位させることができる。
また、回転部材741は、外径がアーム部材742のI字部分の長手方向寸法よりも小さく形成されると共に、軸がアーム部材742の軸孔742aからI字部分の長手方向寸法の半分の距離よりも離間した位置に配置される。これにより、回転部材741を回転させることでアーム部材742に軸孔742aの軸を中心とした回転の往復運動をさせることができる。
第2摺動溝742cは、後述する右側蓋部773の突起773aが挿入される孔であり、楕円に形成された短手方向の幅寸法が、突起773aの外径よりも大きく設定される。よって、第2摺動溝742cの内側に突起773aを挿入できる。また、右側蓋部773は、箱部材760に対して回転変位可能に形成されている。よって、上述したように回転部材741が回転されて、アーム部材742が回転の往復運動をすることで、アーム部材742の他端に連結される右側蓋部773を箱部材760に対して回転させることができる。
クランクカバー743は、背面視楕円に形成される楕円部分743aと、その楕円部分743aの背面側に連なって形成される球送球部743bとを主に備えて形成される。
楕円部分743aは、アーム部材742を覆設するカバーであり、側面視における外形がアーム部材742及びアーム部材742の変位領域よりも大きく形成されると共に、縁部から装飾ユニット750側にアーム部材742の厚みよりも大きく突出する壁部が形成される。これにより、クランクカバー743を装飾ユニット750に配設した際に、クランクカバー743と装飾ユニット750との対向間にアーム部材742を配設できる。
球送球部743bは、遊技盤13の前方の流下領域を流下する球が所定の回収口より回収された際に、その球を回収経路に送球するための経路部材であり、内部に所定の大きさの空間を備える棒状に形成される。また、球送球部743bは、上端側が、開口され遊技盤13の回収口に連結されると共に、下端側が、装飾ユニット750に形成される開口に連結される。これにより、遊技盤13に回収された球を、球送球部743bを介して装飾ユニット750の内部に通して図示しない回収経路に案内することができる。
次いで、図91から図95を参照して装飾ユニット750について説明する。図91は、装飾ユニット750の正面図である。図92(a)は、図91の矢印XCIIa方向視における装飾ユニット750の側面図であり、図92(b)は、図91の矢印XCIIb方向視における装飾ユニット750の側面図である。図93は、装飾ユニット750の分解斜視正面図であり、図94は、装飾ユニット750の分解斜視背面図である。なお、図91(b)及び図91(c)では、箱部材760の右側側面板764及び左側側面板765と透明視された状態が図示される。
図91から図94に示すように、装飾ユニット750は、装飾ユニット750の外側の装飾部分となる箱部材760及び箱部材760の重力方向上側(図91(a)上側)に配設される蓋部材770と、箱部材760及び蓋部材770の内部に配設される回転体800とを主に備えて形成される。
箱部材760は、回転体800の下方に配設されるベース部材762と、そのベース部材762の前方に配設される前面板761と、ベース部材762の底面に配置される下面板763と、ベース部材762の正面視右側に配設される右側側面板764と、ベース部材762の正面視左側に配設される左側側面板765とを主に備えて形成される。
ベース部材762は、上面視において回転体800よりも大きい矩形横長に形成されると共に、重力方向に球の外径よりも大きい厚みを備えて形成される。ベース部材762は、上面が回転体800の軸と同軸の曲面に形成される。これにより、ベース部材762を回転体800の近傍に配置した際にベース部材762と回転体800の衝突を抑制できる。
ベース部材762は、上面に左右方向に亘って下側に凹設される凹部762aと、底面に略L字に凹設される球送球部762bとを主に備えて形成される。
凹部762aは、内側に上述した軸部JB1が配設される溝であり、装飾ユニット750の側面に配設される伝達ギヤ731bの軸上に凹設される。これにより、軸部JB1を介して駆動モータKM4の駆動力を伝達することができる。
球送球部762bは、底面にL字に屈曲して凹設されており、一端側が、右側側面板764の開口764bに連結されると共に、他端側が、前面板761の入賞口761aの背面側に連結される。また、球送球部762bの凹設幅は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、下側に下面板763が配設されることで箱部材760の内部に球を送球可能とできる。
前面板761は、正面視矩形横長に形成されると共に、背面側に所定の厚みを備えて形成される。また、前面板761は、正面側に球が挿入可能な大きさの入賞口761aが形成される。入賞口761aは、上述したように背面側に配設されるベース部材762の球送球部762bに連結される。よって、入賞口761aの内部に送球された球は、ベース部材762の球送球部762bに送球される。
右側側面板764は、側面視における外形が上方が湾曲するD字状に形成される。また、右側側面板764は、装飾ユニット750の外側に突出する軸部764aと、その軸部764aの下方に貫通形成される軸受部764cと、回転体800の回転軸と同一の軸の湾曲状に開口形成される湾曲開口764dと、クランクカバー743の球送球部762bの下端と対向する位置に開口する開口764bと、回転体800の回転軸の軸上に側面視半円形に貫通形成される係合部764eとを主に備えて形成される。
開口764bは、クランクカバー743の球送球部から送球される球をベース部材762へ送球可能にするための孔であり、球の外径よりも大きく形成される。これにより、クランクカバー743に送球された球を、ベース部材762に送球できる。
軸受部764cは、上述した軸部JB1が挿入される孔であり、軸部JB1の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、上述した右側伝達部材740に駆動力を伝達することができる。
湾曲開口764dは、右側蓋部773突出する突起773aが内部に挿通される開口である。また、湾曲開口764dは、蓋部材770が回転変位されるために、蓋部材770の回転軸と同軸の円弧形状に形成される。これにより、蓋部材770が回転変位された際に、突起773aと湾曲開口764dとが衝突することを抑制できる。
係合部764eは、回転体800の内部に配設されるベース板810の正面視右側の端部と係合してベース板810を回転不能に保持する部材である。即ち、ベース板810の右端部811の先端部811aが係合部764eに挿入されて配置される。これにより、ベース板810が回転不能とされる。
左側側面板765は、側面視における外形が右側側面板764と略同一に形成される。また、左側側面板765は、回転体800の軸上に貫通形成される貫通孔765aと、回転体800側に向かって突出する軸部765bと、抵抗部材791の軸部791aが挿入される貫通孔765cとを主に備えて形成される。
貫通孔765aは、回転体800の正面視左側における開口から排出される球を、上述したモータベース732の貫通孔733aに挿通するための開口である。即ち、貫通孔765aは、回転体800の軸上に形成されると共に、その内径の大きさが回転体800の正面視左における開口の内径と同一の大きさに設定される。
軸部765bは、後述する回転規制部材780に形成される軸孔781に挿入されて、回転規制部材780を回転可能な状態で保持できる。なお、回転規制部材780の変位については後述する。
貫通孔765cは、上述したように抵抗部材791の軸部791aを挿通する孔であり、上述した負荷ギヤ731eの側面と対向する位置に形成される。
下面板763は、ベース部材762の下面に配設されることで、ベース部材762の球送球部762bと下面板763とで、球が通過可能な送球経路を形成する板部材である。また、下面板763には、上下方向に貫通する開口763aが形成される。開口763aは、球送球部762bの内側を送球された球を、図示しない回収経路に送球するための開口である。よって、前面板761の入賞口761aに入賞した球および遊技領域から右側伝達部材740の球送球部743bに送球され球を装飾ユニット750の内部から排出できる。
蓋部材770は、回転体800の軸と同軸の湾曲状に形成される湾曲蓋部771と、その湾曲蓋部771の正面視右側の側面に締結される右側蓋部773と、湾曲蓋部771の正面視左側の側面に締結される左側蓋部772とを主に備えて形成される。
湾曲蓋部771は、上述したように側面視における外形が、回転体800の軸と同軸の湾曲形状に形成されると共に、回転体800のよりも大きい半径で形成される。湾曲蓋部771は、正面側の一部に透明板から形成される透明部771aを備える。
透明部771aは、遊技者から回転体800の外周面に描かれた模様やキャラクターなどを遊技者に視認可能にさせる板である。即ち、遊技者は、回転体800が蓋部材770に上端側が覆設された態様であっても、透明部771aを介して回転体800の表示を視認可能とされる。
右側蓋部773は、側面視円環状に形成され、円環外側の半径が湾曲蓋部771の半径と略同一に設定される。また、右側蓋部773の内径は、回転体800の右端部811の側面視における外形の大きさよりも大きく形成される。これにより、右側蓋部773は、円環状の内側部分に回転体800の右端部811を挿通した状態で配設される。
さらに、右側蓋部773は、装飾ユニット750の外側(正面視右側)に突出する突起773aと、外周縁部に径方向内側に向かって凹設される凹部773bとを主に備えて形成される。突起773aは、上述したように、アーム部材742の第2摺動溝742cに挿入される突起である。
凹部773bは、後述する開閉部材870の突起871が挿入されることで、開閉部材870を回転させることができる。よって、凹部773bは、凹設幅が、突起871の外形よりも大きく設定される。また、凹部773bは、湾曲蓋部771が配設される右側蓋部773の縁部と略反対の位置に形成される。
左側蓋部772は、側面視円環状に形成され、円環外側の半径が湾曲蓋部771の半径と略同一に設定される。また、左側蓋部772の内径は、後述する左回転部880の歯面881aの外径よりも大きく形成される。これにより、左側蓋部772は、円環状の内側部分に回転体800の左回転部880を挿通した状態で配設される。
また、左側蓋部772は、装飾ユニット750の外側(正面視左側)に突出する板状体のセンサ板772aが形成される。センサ板772aは、図示しない二股状のセンサの対向間に配置されることで、左側蓋部772の位置を検出できる。
ここで、回転体800に対する蓋部材770について説明する。回転体800を組み上げた状態での蓋部材770の配設は、組み上げ前(別部材)の右側蓋部773及び左側蓋部772の内側に回転体800の左右の端部をそれぞれ挿入した状態とする。それから、右側蓋部773及び左側蓋部772と湾曲蓋部771を組み上げることで回転体800と蓋部材770とが連結される。よって、蓋部材770は、回転体800の軸を中心に、回転体に対して回転可能とされる。
回転規制部材780は、側面視略L字状に屈曲して形成される。回転規制部材780は、屈曲部分に貫通した軸孔781と、一端側に屈曲方向に突出する突起782と、他端側の先端に平坦に形成される当接面783とを主に備えて形成される。
軸孔781には、上述したように左側側面板765の軸部765bが挿入される。これにより、回転規制部材780は、左側側面板765に対して回転可能に保持される。また、軸部には、付勢ばねSP5が挿入される。その結果、回転規制部材780には、1方向の回転力が作用される。
突起782は、後述する左回転部880の係合突起882と係合することで、回転体800の回転変位を規制できる。当接面783は、上述した蓋部材770の背面側の端部が当接する面であり、蓋部材770が当接されることで、回転規制部材780を回転させることができる。なお、回転規制部材780と回転体800との規制態様については後述する。
次いで、図95から図96を参照して、駆動モータKM4が回転された場合の駆動力の伝達経路を説明する。図95(a)及び図96(a)は、図89の矢印XCVa方向視における回転ユニット700であり、図95(b)及び図96(b)は、図89の矢印XCVbにおける回転ユニット700である。
なお、図95では、駆動モータKM4の軸が正方向(時計回り)に回転された際の各部材の変位方向が2点鎖線で図示される。図96では、駆動モータKM4の軸が負方向(反時計回り)に回転された際に各部材の変位方向が2点鎖線で図示される。
図95(a)及び図95(b)に示すように、駆動モータKM4が正方向に駆動されると、伝達ギヤ731aが正方向に回転される。伝達ギヤ731aが正方向に回転されると、伝達ギヤ731bが負方向に回転されると共に、伝達ギヤ731cが正方向に回転される。
この場合、伝達ギヤ731bに配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に非伝達とされ、軸部JB1が非回転とされる。よって、軸部JB1に連結される回転部材741に駆動力が非伝達とされ、アーム部材742は停止状態とされる。
一方、伝達ギヤ731に配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に伝達する状態とされ、軸735が回転される。よって、軸735に連結される伝達ギヤ731dが回転される。これにより、伝達ギヤ731dに歯合される負荷ギヤ731eおよび回転体800の歯面881aが回転される。即ち、駆動モータKM4が正回転をすると、蓋部材770への駆動力は非伝達とされると共に、回転体800への駆動力は伝達状態とされる。
図96(a)及び図96(b)に示すように、駆動モータKM4が負方向に駆動されると、伝達ギヤ731aが負方向に回転される。伝達ギヤ731aが負方向に回転されると、伝達ギヤ731bが正方向に回転されると共に、伝達ギヤ731cが負方向に回転される。
この場合、伝達ギヤ731bに配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に伝達する状態とされ、軸部JB1が回転される。よって、軸部JB1に連結される回転部材741に駆動力が伝達され、回転部材741が回転される。これにより、アーム部材742が軸孔742aの軸を中心とする回転往復運動をして、蓋部材770が変位される。
一方、伝達ギヤ731に配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に非伝達とされ、軸735が非回転とされる。よって、軸735に連結される伝達ギヤ731dに駆動力が非伝達とされ、回転体800及び負荷ギヤ731eは非回転状態とされる。即ち、駆動モータKM4が負回転をすると、蓋部材770への駆動力は伝達状態とされると共に、回転体800への駆動力は非伝達とされる。
よって、駆動モータKM4からの駆動力を、回転体800へ伝達する伝達ギヤ731c(回転側駆動手段)と蓋部材770を介して後述する開閉部材870へ伝達する伝達ギヤ731b(変位側伝達手段)とに、ワンウェイクラッチOW1を配設することで、駆動モータKM4の回転方向に応じて、その回転力を伝達ギヤ731cまたは伝達ギヤ731bの一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断することができる。その結果、駆動モータKM4の回転方向を切り替えるのみで、その回転駆動力により駆動する駆動対象を切り替えることができる、即ち、駆動モータKM4の回転方向に応じて、回転体800の回転およびその回転の停止と、開閉部材870の変位およびその停止とを切り替えることができ、複数の態様を形成可能としつつ、構造を簡素化できる。
ここで、ワンウェイクラッチOW1を利用して駆動手段の回転方向に応じて、その駆動対象(回転体800または開閉部材870(蓋部材770)を切り替える構造では、駆動モータKM4からの駆動力の伝達が遮断されると、駆動力により駆動されていた方向への回転または変位が自在な状態となる。そのため、例えば、駆動手段の駆動対象が回転体800から開閉部材870(蓋部材770)に切り替えられ、駆動力の伝達が遮断されると、回転体800は、回転自在な状態となり慣性力により回転が継続(自転)される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、伝達ギヤ731cにより駆動される伝達ギヤ731dに歯合される負荷ギヤ731e(負荷用歯車)を備えるので、駆動モータKM4からの回転の駆動力の伝達が遮断されても、負荷ギヤ731eを回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、回転体800の回転が継続されることを抑制できる。
次いで、図97及び図98を参照して、蓋部材770の変位について説明する。図97(a)及び図98(c)は閉鎖状態の、図97(b)及び図98(b)は中間状態の、図97(c)及び図98(a)は開放状態の、それぞれにおける装飾ユニット750及び右側伝達部材740の側面図である。
なお、図97(a)から図97(c)及び図98(a)から図98(c)では、右側伝達部材740のクランクカバー743が取り外された状態が図示される。また、装飾ユニット750の閉鎖状態とは、蓋部材770が回転体800の上方(図97(a)上方)半面を覆う状態に配置された状態であり、開放状態とは、蓋部材770が回転変位され、回転体800の背面側(図97(c)右側)に配置された状態である。中間状態とは、蓋部材770が、閉鎖状態と開放状態との間の位置に配置された状態である。
さらに、図97(a)から図97(c)では、閉鎖状態から開放状態へ変位される状態が順に図示され、図98(a)から図98(c)では、開放状態から閉鎖状態へ変位される状態が順に図示される。
まず、図97を参照して、閉鎖状態から開放状態へ変位される際の蓋部材770の変位について説明する。アーム部材742への駆動力の伝達は、上述したように駆動モータKM4を負方向に回転させることで行われる。
閉鎖状態では、回転部材741の突起741aは、アーム部材742の軸孔742aよりも背面側(図97(a)右側)に配置された状態とされる。よって、アーム部材742は、突起741aが挿入される第1摺動溝742bが軸孔742aよりも背面側に配置される。
アーム部材742の軸孔742aと第1摺動溝742bと第2摺動溝742cとは略同一直線上に形成される。従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが軸孔742aよりも正面側(図97(a)左側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の右側面に突出する突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の上方に配置した状態とされる。
次に、図97(b)に示すように、回転部材741を略90度回転させて、突起741aを回転部材741の軸の下方に位置させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが、突起741aの変位に伴って軸孔742aの重力方向下側(図97(b)下側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aの重力方向上側(図97(b)上側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に回転変位させた位置に配置した状態とされる。
この場合、蓋部材770の重心位置が、蓋部材770の回転軸(円柱状に形成される回転体800の中心位置)よりも背面側に配置される。よって、蓋部材770の荷重により、蓋部材770を閉鎖状態から開放状態へ変位させる方向に回転力が作用される。上述したように、回転部材741は、ワンウェイクラッチOW1が配設されており、外輪が内輪に対して先行して回転可能に構成されるので、蓋部材770の荷重により駆動モータKM4の駆動を停止して蓋部材770を継続して回転させることができる。
図97(c)に示すように、蓋部材770は、回転体の背面側まで変位されると、回転部材741の突起741aが中間状態の位置から略90度回転された位置に停止される。即ち、突起741aの変位領域の一番左側(図97左側)端部とされる。よって、アーム部材742の回転が規制され、蓋部材770の回転が停止される。
即ち、閉鎖状態から開放状態への蓋部材770の変位は、駆動モータKM4を駆動して中間状態に変位させる動作と、蓋部材770の荷重り落下する動作とで行われる。
その結果、蓋部材770を閉鎖状態から開放状態へ変位させる際には、駆動モータKM4を駆動させる区間を全区間の半分とすることができるので、駆動モータKM4の消費エネルギーを小さくできる。
さらに、閉鎖状態から中間状態への変位速度は、駆動モータKM4の回転速度に従う態様に、中間状態から開放状態までの変位速度は、蓋部材770の荷重に従う態様に、それぞれすることができるので、閉鎖状態から開放状態までの変位速度を2段階に変化させることができる。従って、駆動モータKM4の変位速度を変更することなく蓋部材770の変位速度を変更させることができるので、制御を複雑化する必要がない。その結果、制御を簡易にでき、制御不良が発生することを抑制できる。
なお、蓋部材770が駆動モータKM4の回転速度に従う変位区間を第1区間と称し、蓋部材770が蓋部材770の荷重に従う変位区間を第2区間と称し、第1区間には、DK1の符号を、第2区間には、DK2の符号を付して説明する。
次に、図98を参照して、開放状態から閉鎖状態へ変位される際の蓋部材770の変位について説明する。
上述したように、開放状態では、回転部材741の突起741aは、アーム部材742の軸孔742aよりも正面側(図98(a)左側)配置された状態とされて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に配置した状態とされる。
次に、図98(b)に示すように、回転部材741を略90度回転させて、突起741aを回転部材741の軸の上方に位置させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが突起741aの変位に伴って軸孔742aの重力方向下側(図98(b)下側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aの重力方向上側(図98(b)上側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に位置させた状態から略45度上方に回転変位させた位置に配置した状態とされる。
また、閉鎖状態の位置(図97(a)の位置)に変位させた蓋部材770は、遊技領域(遊技盤13の正面側)に配置されており、開放状態の位置(図97(c)の位置)に変位させた蓋部材770は、遊技領域の領域外(遊技盤13の背面側)に配置される。よって、遊技領域を流下する遊技球が回転体800に衝突して、かかる回転体800が回転されることを抑制できる。特に、本実施形態では後述するように回転体800には、遊技領側へ向かって変位する開閉部材870が配設されるので、遊技領域を流下する遊技機が開閉部材870に衝突して、かかる開閉部材870が開放される(張り出される)ことを抑制できる。
また、蓋部材770は、開放状態の位置では、遊技領域の領域外に配置されるので、蓋部材770の開放状態の位置への変位により、開閉部材870が遊技領域へ張り出すためのスペースを確保することができる。よって、その分、回転体800の外面を遊技領域側へ近づけることができ、遊技者に開閉部材870を視認させやすくできる。
さらに、蓋部材770は、回転体800の回転軸と略平行な軸まわりに回転可能に形成されると共に、回転体800の外面に沿って、湾曲する板状に形成されるので、閉鎖状態の位置(覆設位置)及び開放状態の位置(退避位置)の間で変位する際に必要なスペースを抑制できる、よって、その分、他の部材を配設するためのスペースを確保できる。また、このように蓋部材770が湾曲して形成されることで、遊技領域を流下する遊技球が、閉鎖状態の位置に配置された蓋部材770上に停留されることを抑制して、スムーズに流下させることができる。
次に、図98(c)に示すように、回転部材741を更に略90度回転させて、突起71aを回転部材741の軸の右側に変位させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが突起741aの変位に伴って軸孔742aよりも背面側(図98(c)右側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aよりも正面側(図98(c)左側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の上方に配置した状態とされる。
この場合、蓋部材770の変位に伴って、蓋部材770の重心位置が、蓋部材770の回転軸よりも正面側に変位される。よって、中間状態から閉鎖状態の途中で、蓋部材770の荷重により、蓋部材770を開放状態から閉鎖状態へ変位させる方向に回転力が作用される。よって、駆動モータKM4の駆動を停止した状態でも、蓋部材770の荷重により蓋部材770を継続して回転させることができる。
よって、蓋部材770の荷重により蓋部材770を閉鎖状態とすることができるので、蓋部材770を確実に閉鎖状態とできる。
ここで、蓋部材770の回転変位が駆動モータKM4のみにより変位するものであると、駆動モータKM4の駆動停止動作がずれた場合に、蓋部材770を正常な位置で停止できなくなる恐れがある。また、本実施形態のように、回転部材741の回転方向が1つの場合、駆動モータKM4の停止動作が遅れた場合に、正常な位置へ戻すには1回転分の回転が必要となる。
これに対し、本実施形態では、蓋部材770を停止させる位置を蓋部材770の荷重を利用して機械的に停止させることができるので、蓋部材770の停止位置がずれることを抑制することができる。
ここで、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材への駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機が知られている。しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から変位部材への伝達手段による駆動力の伝達状態が常に一定であるため、駆動手段が一定の駆動速度で駆動されると、変位部材も一定の速度で変位され、かかる変位部材の変位態様に変化を付与することができない。そのため、変位部材の変位に伴う演出の演出効果が不十分であるという問題点があった。
なお、駆動手段の駆動速度を増減させれば、変位部材の変位速度を変化させることはできるが、変位部材の変位区間のうちの所定の区間における変位速度を他の区間における変位速度と異なる変位速度とするためには、変位部材の位置を検出するセンサ装置を配置し、そのセンサ装置の検出結果に応じて、駆動手段の出力を増減させる制御が必要となり、製品コストや制御コストの増加を招く。また、構造および制御が複雑となり、その信頼性の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、伝達手段(回転部材741及びアーム部材742)は、ワンウェイクラッチOW1を備え、ワンウェイクラッチOW1の内輪(第1部材)がワンウェイクラッチOW1の外輪(第2部材)に対して、一方向に変位される場合には、内輪および外輪にローラーが係合して、駆動力が伝達されると共に、内輪が外輪に対して他方向へ変位される場合には、内輪および外輪へのローラーの係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断され、蓋部材770(変位部材)の変位区間のうちの第2区間DK2(所定の区間)では、外輪が内輪に対して一方向へ向けて変位されるので、回転部材741の駆動状態にかかわらず、第2区間DK2における蓋部材770の変位速度を、他の区間における蓋部材770の変位速度よりも速くすることができる。よって、蓋部材770に変化を付与して、その蓋部材770の変位に伴う演出効果を高めることができる。
また、駆動モータKM4の駆動状態に関わらず、外輪を内輪に対して一方向に先行させることができるので、例えば、蓋部材770の変位区間における全区間において、駆動モータKM4を一定の駆動速度で駆動でき、蓋部材770の変位区間の途中で(即ち第1区間DK1か第2区間DK2かに応じて)、駆動モータKM4の駆動速度を増減させる必要がない。その結果、制御を簡略化して、制御コストを削減できると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。或いは、第2区間DK2では、駆動手段の動作を停止させることができ、この場合には、消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、内輪を外輪に対して他方向へ変位させる方向の駆動状態では、ローラーの係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断されるので、変位部材を停止状態(被駆動状態)とすることができ、かかる駆動状態における駆動手段(駆動モータKM4)の駆動力を回転体800を駆動するための駆動力として利用することができる。即ち、駆動手段(駆動モータKM4)の駆動方向を切り替えることで蓋部材770と回転体800との2部材をそれぞれ変位させることができる。
また、蓋部材770は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心された位置に配置され、第2区間DK2では、蓋部材770の重さが外輪を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる蓋部材770の重さを利用して、外輪を内輪に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、第2区間DK2における蓋部材770の変位速度を、第1区間DK1の区間における蓋部材770の変位速度よりも速くすることができる。その結果、蓋部材770の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出効果を高めることができる。
さらに、駆動力の伝達は、ワンウェイクラッチOW1の外輪が取着される本体部741b及びその本体部741bから突出すると共に、その本体部741cの回転中心から変位して位置する突起741a(ピン部)を有する回転部材741(クランク部材)と、アーム部材742とで行われるので、外輪によって回転部材741を回転させ、突起741aを第1摺動溝742bに沿って摺動させることで、回転部材741の他端側(第2摺動溝742c側)を往復運動させることができる。この場合、アーム部材742の他端側が蓋部材770の往復運動に伴って、蓋部材770を開放状態の位置と閉鎖状態の位置との間で往復動作させることができる。即ち、駆動モータKM4の駆動方向を切り替えることなく、蓋部材770の変位方向を切り替えることができる。
またこの場合、第2区間DKの区間を往復動作の両方に形成することができるので、蓋部材770が往復動作される際には、いずれの方向へ変位させる際にも、その変位の途中から蓋部材770の変位速度を早くすることができる、その結果、蓋部材770の変位態様に変化を付与して、その蓋部材の変位に伴う演出効果を高めることができる。
次いで、図99を参照して、回転規制部材780の変位について説明する。図99(a)は閉鎖状態における装飾ユニット750の側面図であり、図99(b)は開放状態における装飾ユニット750の側面図である。なお、図99(a)及び図99(b)では、箱部材760の左側側面板765が透明視された状態が図示される。
図99(a)に示すように、蓋部材770が閉鎖状態とされる場合には、回転規制部材780は、付勢ばねSP5の付勢力により、突起782側が下方に押し下げられた状態(図99(a)において軸孔781の軸を中心に時計回りに回転された状態)とされる。
よって、回転体800の回転軸から係合突起882の外側までの距離寸法L4は、回転体800の回転軸から回転規制部材780の突起782の先端までの距離寸法L5よりも小さくされる(L4<L5)。
従って、回転体800と回転規制部材780とは係合されず、回転体800は回転可能とされる。
一方、図99(b)に示すように、蓋部材770が開放状態とされる場合には、回転規制部材780は、当接面783が回転体800の背面側に変位される蓋部材770と当接して、当接面783が下方に押し下げられた状態(図99(b)において軸孔781の軸を中心に反時計回りに回転された状態)とされる。
よって、回転体800の回転軸から係合突起882の外側までの距離寸法L4は、回転体800の回転軸から回転規制部材780の突起782の先端までの距離寸法L6よりも大きくされる(L6<L4)。
その結果、左回転部880の係合突起882を重力方向一番下方に配置した状態の回転体800において、係合突起882の内側に回転規制部材780の突起782を挿入することができる。即ち、回転体800と回転規制部材780とが係合されるので、回転体800が回転不能とされる。なお、本実施形態では、回転体800の回転を不能とする位置(係合突起882の内側に突起782が挿入される位置)が後述する回転体800の開閉部材870が開放状態とされる位置に設定される。
即ち、回転体800の回転を規制する回転規制部材780(回転規制手段)は、開閉部材870(変位部材)が、開放位置(第2位置)へ変位され、変位部材の他側が遊技領域に張り出された場合に回転体800の回転を規制するので、開閉部材870が張り出された状態で回転体800が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に開閉部材870が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回転体800が回転されることを抑制できる。
ここで、変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、第1部材が、第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機が知られている。この遊技機によれば、第1部材を覆設位置に配置し、第2部材を遊技者から視認不能とした状態から、第1部材を退避位置に変位させることで、第2部材を露出させて遊技者に視認させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2部材が変位可能に形成されているため、第2部材が露出された際に、かかる第2部材が変位される恐れがある。そのため、遊技者に第2部材を適正な状態で視認させることができず、演出効果が低下するという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、蓋部材770(第1部材)は、開放状態の位置(退避位置)に変位された状態において、回転体800(第2部材)の変位を規制可能に形成されるので、かかる回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。即ち、蓋部材770を開放状態の位置へ変位させ、回転体800を露出させるという演出を行う際に、その演出のために行わざる得ない蓋部材770の開放状態の位置への変位を、回転体800の変位を規制する手段として利用する。よって、回転体800の変位を規制するための機構を別途設けることや制御を行う必要がなく、その分、構造を簡素化できる。
また、回転体800は、後述するように外周面の形状が回転中心から非対称に形成される(図101参照)。よって、回転体800は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されるので、かかる回転体800の設計の自由度を高めることができる。即ち、回転体800をその重心位置が、回転中心に位置する形状とする必要がなく、回転軸に対して非対称の形状を採用できるので、かかる回転体800による演出効果を高めることができる。一方で、このように、回転体800の重心位置が偏心されていると、回転体800がその重力で、回転中心まわりに回転(自転される恐れがある)よって、閉鎖状態の位置に変位された蓋部材770が、回転体800の変位を規制可能に形成される構成が特に有効となり、これにより、回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
なお、回転体800は、軸を中心に対称に形成されていてもよい。この場合、回転体800を比重の異なる2つ以上の部材から形成することでその重心位置を回転軸と異なる位置に配置することができる。例えば、半面を金属材料から形成して、残りの半面を可撓性材料から形成することで、一般的に可撓性材料よりも比重の大きい金属材料側に重心を位置させることができる。
次いで、図100から図102を参照して回転体800の構成について説明する。図100(a)は、回転体800の正面図であり、図100(b)は、図100(a)の矢印Cb方向視における回転体800の側面図であり、図100(c)は、図100(a)の矢印Cc方向視における回転体800の側面図である。図101は、回転体800の分解斜視正面図であり、図102は、回転体800の分解斜視背面図である。
図100から図102に示すように、回転体800は、複数の部材を組み合わせることで円柱状に形成される。回転体800は、軸部分に配置されるベース板810と、そのベース板810を取り囲んで配置され円環状に組み合わせられる第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860と、軸方向の一端に配設される右回転部89と、軸方向の他端に配設される左回転部880と、第1表示部830の内側に配設される開閉部材870とを主に備えて形成される。
ベース板810は、軸方向視における断面が断面略L字に形成されると共に、軸方向に延設した形状に形成される。ベース板810は、左右の両端部から外側に突出する右端部811及び左端部812を備えて形成される。
右端部811は、ベース板810の正面視右側(図100(a)右側)から円環状に突出して形成される。右端部811は、その右端部811の突出先端に部分的に突出する先端部811aと、円環状の内側部分の連通孔811bとを主に備えて形成される。
先端部811aは、右端部811の先端部分から、軸方向にさらに突出されると共に、右側側面視(図100(c)の方向視)における突出領域が右側側面板764の係合部764eの内側の領域よりも小さく設定される。先端部811aは、上述したように右側側面板764の係合部764eの内側に挿入される。これにより、ベース板810と右側側面板764(蓋部材770)とが係合された状態とされる。その結果、ベース板810を後述する各表示面(第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860)の回転変位に対して停止した状態にできる。
連通孔811bは、後述するLED基盤820に連結される配線(図示せず)を挿通する開口であり、ベース板810の正面視右側の側面に貫通形成される。これにより、配線を挿通することができる。
左端部812は、ベース板810の正面視左側(図100(a)左側)から円環状に突出して形成される。左端部812は、その左端部812の下側半円から突出する先端部812aと、円環状の内側部分の連通孔812bとを主に備えて形成される。
先端部812aは、左端部812の先端部分から、軸方向にさらに突出されると共に、左側側面視(図100(b)の方向視)における突出形状が円環状の下半円とされる。
連通孔812bは、後述する開閉部材870により回転体800の内部に送球された球を回転体800の外側に排出するための経路である。連通孔812bは、その内径が、球よりも大きく設定されると共に、ギヤカバー733に形成された貫通孔733aと略同一に設定される。
また、連通孔812bは、ギヤカバー733の貫通孔733aに連結される開口であり、左端部812の突出距離が貫通孔733aと当接する距離に設定される。さらに、貫通孔733aの端面の上半球には、突起733bが形成される。突起733bの突出距離は、先端部812aの突出距離と略同一に設定される。これにより、ベース板810とギヤカバー733(左側伝達部材730)とが係合された状態とされる。その結果、ベース板810を後述する各表示面(第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860)の回転変位に対して停止した状態にできる。
ベース板810の底面には、逆回転防止部材813が回転可能状態で配設される。逆回転防止部材813は、上面視略円形に形成されると共に、一端側に傾斜した突起813aが形成される。また、逆回転防止部材813は、ベース板810との間に付勢ばねSP6が配設されており、これにより、突起813aを常に正面視左側(図100(a)左側)に付勢した状態とされる。
右回転部890は、所定の厚みの板状に形成されると共に、側面視円環状に形成される。右回転部890は、円環の内側の内径がベース板810の右端部811の大きさよりも大きく形成される。これにより、右回転部890の内側にベース板810の右端部811を挿入できる。また、右回転部890は、左右方向に貫通する軸孔891と、その軸孔891を中心に湾曲して開口される摺動溝892とを主に備えて形成される。
軸孔891は、後述する開閉部材870の軸部872が挿入される孔であり、軸部872の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、開閉部材870の軸部872が第1表示部830に対して変位することを抑制できる。
摺動溝892は、軸孔891を中心とした湾曲形状に形成され、その半径は、開閉部材870の突起871及び軸部872までの離間距離と同一に設定される。これにより、摺動溝892の内部に開閉部材870の突起871が挿入されることで、開閉部材870の変位の際に突起871を摺動溝892の内部を摺動させることができる。
左回転部880は、所定の厚みの板状に形成されると共に、側面視円環状に形成される。左回転部880は、円環の内側の内径がベース板810の左端部812の大きさよりも大きく形成される。これにより、左回転部880の内側に、ベース板810の左端部812を挿入できる。また、左回転部880は、内縁部分から円環状に突出する壁部881と、側壁から突出する係合突起882と、内縁部に傾斜面を連続して並べた係止部883とを主に備えて形成される。
壁部881は、回転体800の正面視左側に突出して形成される。壁部881は、突出先端の外周面にギヤの歯面881aが刻設されると共に、内側に開口する連通孔881bを備える。歯面881aは、上述したように伝達ギヤ881dに歯合される。これにより、駆動モータKM4の駆動力を回転体800に伝達させることができる。
連通孔881bは、回転体800の内部空間と外部空間とを連通する開口であり、後述する開閉部材870の開放により回転体800の内部に送球された球を排出できる。
係合突起882は、上述したように、回転規制部材780が係合される突起である。係合突起882は、左回転部880の正面視左側の側面から突出して形成される。また、係合突起882は、所定の距離離間した位置に2つ形成されており、その間に回転規制部材780の突起782が挿入可能に形成される。
係止部883は、その断面が鋸歯状に形成される。左回転部880は、ベース板810に配設されると、係止部883に上述した逆回転防止部材813の突起813aの先端が当接された状態とされる。これにより、左回転部880を一方向へ回転させる回転力が作用する際には、係止部883の傾斜面に沿って突起813aを摺動させて左回転部880を回転させることができるが、左回転部880を他方向へ回転させる回転力が作用する際には、係止部883の面が突起813aに引っ掛り回転が抑制される。
これにより、回転体800が駆動モータKM4の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ回転されることを規制することができるので、例えば、回転体800の重心位置の偏りや遊技球の衝突などに起因して回転体が逆回転されることを抑制できる。
第1表示部830から第4表示部860は、それぞれが同一の湾曲形状に形成されており、互いの端面が連結されることで、一つの円環状にできる。また、1つの円環にされた第1表示部830から第4表示部860の内径は、左右の回転部880,890の外径と略同一に設定される。これにより、各表示部830〜860を左右の回転部880,890に配設することで第1表示部830から第4表示部860を1つの円柱状に形成することができる。
また、第1表示部830から第4表示部860は、それぞれにキャラクターや模様が描かれており、上述したように左回転部880から駆動力が伝達されることで回転して、それぞれのキャラクターや模様を遊技者に視認させることができる。
第1表示部830は、その湾曲面に開口した開口831と、軸側に開放すると共にU字状に突出形成される軸受部832とを主に備えて形成される。
開口831は、内部に後述する開閉部材870を配置する開口であり、開閉部材870の外形と略同一の内径の開口に形成される。軸受部832は、開放したU字部分に開閉部材870の軸部872を挿入可能な大きさに形成される。よって、開閉部材870を開口831に挿入すると共に、開閉部材870の軸部872を軸受部832に挿入することで、開閉部材870を第1表示部830に対して回転変位させることができる。なお、開閉部材870の変位態様についての説明は後述する。
LED基盤820は、電力が供給されることで、LED基盤820に搭載されたLEDライトを発光させることができる。またLED基盤820は、ベース板810の背面側に取着される。
次いで、図103を参照して、開閉部材870の開閉について説明する。図103(a)は、開閉部材870が閉鎖状態における回転体800の側面図である。図103(b)は、開閉部材870が開放状態における回転体800の側面図である。なお、図103では、開閉部材870が他の部材と重なる際に、その外径が鎖線で図示される。
また、開閉部材870の閉鎖状態とは、開閉部材870の外周面が、第1表示部830の外周面と略平行に配置された状態である。一方、開閉部材870の開放状態とは、開閉部材870の外周面が第1表示部830の外周面と交差する状態に配置された状態である。
図103(a)に示すように、開閉部材870が閉鎖状態における回転体800は、開閉部材870の突起871が、右回転部890の摺動溝892の一端側(図103(a)では軸部872の下方側)に位置される。
一方、図103(b)に示すように、開閉部材870が開放状態における回転体800は、開閉部材870の突起871が、右回転部890の摺動溝892の他端側に位置される。即ち、開閉部材870の変位は、突起871が右回転部890の摺動溝892の内部を摺動することで行われる。
次いで、図104を参照して、突起871の変位について説明する。図104(a)及び(b)は、装飾ユニット750の側面図である。なお、図104(a)及び図104(b)では、箱部材760の右側側面板764が透明視された状態で図示される。
また、図104(a)では、装飾ユニット750が閉鎖状態とされ、開閉部材870が閉鎖状態とされた状態が図示される。図104(b)では、装飾ユニット750が開放状態とされ、開閉部材870が開放状態とされた状態が図示される。
図104(a)に示すように、装飾ユニット750が閉鎖状態とされると、右側蓋部773の外縁部が突起871と当接した状態とされる。装飾ユニット750が閉鎖状態において、右側蓋部773の下半面における回転軸からの外径L7は、右回転部890の軸から摺動溝892の一端側までの距離L8よりも小さくされる(L7<L8)。
また、L7とL8との寸法の差は、突起871の外径と略同一に設定される。よって、右側蓋部773の外縁部が突起871と当接した状態では、突起871が摺動溝892の一端側に変位される。その結果、開閉部材870が閉鎖状態とされる。即ち、装飾ユニット750が閉鎖状態とされる際に、開閉部材870が開放状態に変位することを抑制できる。
図104(b)に示すように、装飾ユニット750が開放状態とされると、右側蓋部773の変位に伴って外縁部に形成される凹部773bが変位する。この場合、凹部773bの内側に突起871が挿入される。これにより、突起871は、摺動溝892を他側に変位可能とされる。その結果、軸部872と第1表示部830との間に配設される付勢ばねSP7の付勢力により、開閉部材870が開放状態とされる。
上述したように、開閉部材870の開放状態への変位は、蓋部材770の変位に従って行うことができる。よって、開閉部材870を駆動させる駆動源を回転体800に配設する必要がないため、回転体800を小さく形成できる。
また、開閉部材870を変位させるための駆動モータKM4を蓋部材770を変位させるための駆動手段として兼用できる。この場合、開閉部材870と蓋部材770とを別々の駆動手段の駆動力により変位させる場合には、制御不良が生じると開閉部材870と蓋部材770とが干渉するおそれがあるところ、開閉部材870と蓋部材770とを機械的に連結してそれらの変位を同期させることができるので、開閉部材870と蓋部材770とが干渉することを抑制できる。
図104(b)に示すように、開閉部材870を開放すると、回転の先端側は、箱部材760の入賞口761aの上方に配置される。これにより、後述する球受台710の送球部711cから送球される球を開閉部材870の上面に落下させることができる。
この場合、開閉部材870は、回転先端側が、軸部872よりも上方に配置される。よって、上面に落下する球を回転体800の内部側へ転動させることができる。回転体800の内部へ転動される遊技球は、回転体800の内部に配設されるベース板810の上面に転動される。更に、ベース板810は、左端部812側に向かって下方に傾斜した状態とされるので、ベース板810の上面に転動される球を左端部812側に転動させて、その内側から回転体800の外方に排出することができる。即ち、回転体800の内部を球の送球経路として利用することができる。
また、回転体800には、上述したように、回転体800の回転を規制する回転規制部材780が配設されるので、蓋部材770を開放状態の位置に変位させ、回転体800を露出させる演出を行う際には、更に、開閉部材870を変位させることで、その演出効果を高めることができる。一方で、回転体800が回転(自転)される恐れがある。よって開放状態の位置に変位された蓋部材770が、回転体800の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
ここで、回転可能に形成され、その回転軸まわりの外面が、遊技者に視認可能に配設される回転部材を備えた遊技機が知られている。この遊技機によれば、回転部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を回転部材を回転させつつ、又は、回転部材を停止させて遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に視認させるための表示をその外面に保持するための部材のとして利用されるのみで、回転部材の活用が不十分であるという問題点があった。即ち、回転部材は、遊技者が視認可能な程度の表示を保持する必要があるため、比較的大型に形成される。そのため、その占有空間が嵩む一方、その外面以外の部分は活用されていない。
これに対し、本実施形態によれば、回転体800(回転部材)は、その内部に形成される内部空間を外部に連通させると共に、遊技球が通過可能に形成される開口831及び連通孔881b(連通口)を備えるので、遊技領域を流下する遊技球を、開口831及び連通孔881bを介して内部空間へ流入または内部空間から流出させることができる。よって、デッドスペースとされる回転体800の内部空間を遊技球の貯留空間または送球通路として機能させることができ、その分、回転体800を活用できる。
また、上述した従来の遊技機では、回転部材を停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様を形成できるのみであるため、演出態様の変化が乏しく、演出効果が不十分であるいう問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、回転体800(回転部材)の外面に変位可能に配設される開閉部材870(変位部材)を備えるので、回転体800の回転または停止に伴って外面の表示を遊技者に視認させる演出態様に加え、開閉部材870を変位させる演出態様を形成できるので、その分、演出態様に変化を付与して、演出効果を高めることができる。
蓋部材770(変位部材)は、閉鎖位置(第1位置)に変位されると、回転体800(回転部材)の外面の一部が開閉部材870により形成されるので、回転体800の外形を小さくでき、その分、回転体800が回転するのに要するスペースを小さくできる。一方、開閉部材870が、開放位置(第2位置)へ変位されると、回転体800の径方向外方へ開閉部材870が突出されるので、開閉部材870の変位を遊技者に視認させやすくでき、演出効果を高めることができる。また、開閉部材870を閉鎖位置に配置した状態で回転体800を回転させると共に、その回転を停止した際に開閉部材870を開放位置に配置する(変位させる)ことで、回転体800の外面として視認していた部分(開閉部材870)が、回転体800の径方向外方へ突出される態様を形成でき、興趣を高めることができる。
また、回転体800の内部空間にベース板810に光を発光するLED基盤820が配設される。よって、開閉部材870が開放位置にされることで、回転体800の外面が開放され内部空間が外部に連通され、LED基盤820からの発光を外部に出射させることができる。一方、開閉部材870が閉鎖位置にされることで、回転体800の外面が閉鎖され、LED基盤820からの発光が外部へ出射されること遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
ここで、回転体800を回転可能にすると共に、その回転体800に開閉部材870を変位可能に配設するためには、回転体800及び開閉部材870のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、開閉部材870を変位させるための駆動手段を回転体800に搭載すると、回転体800の重量が増加するため、回転体800の回転の開始または、停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、本実施形態によれば、開閉部材870は、蓋部材770の変位に伴って変位され、蓋部材770及び回転体800は同一の駆動モータKM4により変位されるので、1の駆動モータKM4を兼用して、回転体800の回転と、開閉部材870の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、開閉部材を変位させるための駆動手段を回転体800に搭載する必要がないので、回転体800の重量を軽量化でき、回転体800の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
また、開口831(第1連通口)及び連通孔881b(第二連通口)は、異なる位置に形成されるので、開口831を外部から内部空間に遊技球を流入させる流入口とし、連通孔881bを内部空間から外部へ遊技球を流出させる流出口とすることができる。即ち、回転体800(回転部材)を回転させなくても(停止状態に維持したままで)、回転体800を遊技球の送球通路として活用できる。
さらに、開口831は、回転体800の外周面に形成され、連通孔881bは、回転体800の軸方向の端面に形成されるので、回転体800(回転部材)の内部空間への遊技球の流入を遊技者に視認しやすくできると共に、回転体800を停止状態に維持したままで、遊技球を排出することができる。
即ち、回転体800は、外面が遊技者から視認可能に配設されるところ、その外面に、開口831(流入口)が形成されるので、遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできる。一方、回転体800の外面に連通孔881bが形成されると、かかる連通孔881bが上方となる回転位置に回転体800が配置されると、内部空間から遊技球を流出させることができないところ、連通孔881b(流出口)は、回転体800の回転軸方向の端面に形成されるので、回転体800の回転位置に関わらず、内部空間から遊技球を流出可能な状態を形成できる。
また、開口831(第1連通口)の内側には、変位可能な開閉部材870(変位部材)が配設され、開閉部材870が閉鎖位置(第1位置)へ変位されると、開口831が開閉部材870によって遮蔽され、開閉部材870が開放位置(第2位置)へ変位されると、開口831が開放されるので、開口831を介した遊技球の流入を遮蔽状態と許容状態とに切り替えることができる。
さらに、開閉部材870(変位部材)は、一側が回転体800(回転部材)に回転可能に軸支され、開閉部材870が開放位置(第2位置)に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870の上面に受け止めさせることができる。よって、開口831が、流入口として形成されると、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870を利用して、回転体800の内部空間へ流入させやすくできる。
また、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870の上面に止め易くさせることができる。よって、例えば、回転体800に遊技球の流入口が形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、開閉部材870を利用して、流入口に流入させやすくすることができる。この場合、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870に受け止めさせると、その際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回転体800が回転される恐れがある。よって、開放状態の位置に変位された蓋部材770が、回転規制部材780を変位させて回転体800の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、開閉部材870を遊技領域の所定の位置に張り出せた状態を維持しやすくできる。
開閉部材870の軸部872は、回転体800の回転方向側に配置される。言い変えると、開閉部材870(変位部材)は、その一側が他側よりも回転体800(回転部材)の回転方向前方側に位置される。よって、回転体800が回転される際に、その回転部材の周りに配設される部材に開閉部材870が干渉したとしても、かかる干渉により発生する力を開閉部材870を閉じる(閉鎖位置へ変位させる)方向へ作用させることができる。即ち、回転体800の回転時に開閉部材870が他の部材に干渉して張り出される(第2位置)へ変位されることを抑制できる。また、開閉部材870が他の部材に係合して回転体800の回転が阻害されることを抑制できる。
また、回転体800の内部空間に配設されるベース板810(固定部材)は、回転体800が回転可能に配設される箱部材760(ベース部材)に対して非回転とされるので、開口831から回転体800の内部空間に流入された遊技球をベース板810の上面を連通孔881bへ向けて転動させることで、回転体800の回転に伴って、遊技球が内部空間で暴れる又は、遊技球の転動が阻害され内部空間に留まることを抑制できる。
上述したように、開閉部材870の開閉動作は、蓋部材770の変位によって規制されるので、開放状態(第2位置)へ変位された開閉部材870が回転体800の周囲の部材に干渉することを抑制できる。
上述したように、回転体800には、ベース板810の背面側に取着されるLED基盤820への配線を挿通させる連通孔811bが、連通孔881bが形成された回転体800の端面と反対の端面に形成される。よって、連通孔881bおよび連通孔811bのそれぞれに使用できるスペースを確保しやすくできる。
即ち、回転体800の内部に配設するLED基盤に電気的な配線をする場合、回転体800の外周面から配線を挿通すると回転体800の回転により配線が絡まるため、回転体の軸方向端面から配線することが好ましいところ、回転体800の軸方向両端面に遊技球が流入する開口および遊技球が流出する開口を形成するものであると、配線を挿通させるスペースが確保し難くなる。
これに対し、本実施形態では、回転体800の遊技球の流入口をその外周面とできるので、回転体800の軸方向端面の一方を遊技球の流出口とすると共に、他方を配線の挿入口とすることができるので、配線を挿通させるスペースを確保しやすくできる。
その結果、連通孔881bを介して遊技球の排出をスムーズに行わせることができると共に、電気的接続線(LED基盤820への配線)の開口への配線作業を行いやすくできる。また、連通孔881bと連通孔811bとを最大限離間させることができるので、回転体800の内部空間を連通孔881bへ転動する遊技球と電気的接続線との干渉を抑制しやすくできる。
次いで、図105及び図106を参照して、下変位ユニット400及び回転ユニット700について説明する。図105は、下変位ユニット400及び回転ユニット700の正面図であり、図106は、図105の矢印CVI方向視における下変位ユニット400の上面図である。なお、図105及び図106では、退避状態における下変位ユニット400が図示される。
図105及び図106に示すように、下変位ユニット400及び回転ユニット700は、左右方向に隣合う位置に配置される。また、前後方向(図106上下方向)における下変位ユニット400及び回転ユニット700は、球受台710の前後方向略中央位置に下変位部材440の出射開口471が配置される。
次いで、図107を参照して、下変位ユニット400から回転ユニット700への球の送球を態様を説明する。図107は、下変位ユニット400及び回転ユニット700の正面図である。なお、図107では、下変位ユニット400が第1張出状態に配置された状態が図示される。
図107に示すように、下変位ユニット400が、第1張出状態とされ、下変位部材440の内部に配設された球受部467が内側に球を受け入れた状態(球受動作をした状態)で発射動作をすると、上述したように、下変位部材440の出射開口471から球受部467の内部に配置された球が下変位部材440の外方に排出される。
下変位部材440の出射開口471から排出された球は、自由落下をして、正面視右側に配設される回転ユニット700の球受台710に落下する。その結果、下変位ユニット400から回転体800へ球を送球することができる。
次いで、図108及び図109を参照して、球受台710の構成について説明する。図108(a)は、球受台710の上面図であり、図108(b)は、球受台710の正面図であり、図108(c)は、図108(a)のCVIIIc−CVIIIc線における球受台710の断面図である。図109は、球受台710の分解斜視図である。
図108及び図109に示すように、球受台710は、箱状に形成される皿受部711と、その皿受部711の内側に配設されるソレノイド712と、そのソレノイド712に連結される変位部材713と、ソレノイド712を覆設するカバー部材714とを主に備えて形成される。
皿受部711は、底面を形成する底板711aと、その底板711aの縁部に立設される立設部711bと、底板711aの外縁の一部から突出する送球部711cと、その送球部711cの縁部に立設される立設部711bに貫通形成される軸孔711dとを主に備えて形成される。
底板711aは、後述する送球部711c側に向かって下方に撓んだ形状に形成される。これにより、底板711aの上部に送球された球をその撓み(傾斜)で送球部711c側に転動させることができる。
また、底板711aは、可撓性材料で形成されると共に、底板711aの下面(図108(c)下面)には、シボ加工が施され、表面に細かい凹凸が形成される。これにより、底板711aを成形した際に、熱収縮する比率を上面と底面とで異ならせて、底面側に撓み易くできる。即ち、シボ加工が施される底面は、凹凸により熱収縮した際に底板側を凸に湾曲させる方向へ力が作用し難くなる。一方、上面側は、平坦面に形成されるので熱収縮した際に水平方向に引張る力が作用して端部が上方に変化し易くなる(上面側が凹の湾曲を形成しやすい)。従って、熱収縮した際に球が転動しやすくなる方向に撓み易くできる。その結果、底板711aを成形した際に不良品となることを抑制できる。
立設部711bは、送球部711cの外縁部から重力方向上側(図108(c)上側)に立設される壁部である。立設部711bの立設距離は、球の外径よりも大きく設定される。これにより、底板711aの上部に送球される球がその縁部から下方に落下することを抑制できる。なお、本実施形態では、立設部711bの立設寸法が球の直径の略1.5倍に設定される。
また、立設部711bは、底板711aの領域を2つに分断する中央立設部711b1が立設部711bに連結して形成される。中央立設部711b1により、一方を球が送球される領域に、他方を後述するソレノイド712が配設される領域に、底板711aの上部の領域が分けられる。
送球部711cは、底板711aの正面側に形成される。また、左右方向(図108(a)左右方向)の位置が底板711aの略中央位置よりも右側(図108右側)に配置される。さらに、送球部711cは、底板から突出される従って下方に湾曲される。これにより、底板711aから送球される球を送球部711cを介して下方に落下させることができる。なお、送球部711cの下側には、蓋部材770の入賞口761aが配設されており(図106参照)、送球部711cから落下する球を入賞口761aの内部に送球できる。
軸孔711dは、後述する変位部材713の軸部713aが挿入される。これにより、変位部材713を軸孔711dの軸を中心に回転変位させることができる。
ソレノイド712は、電力が付与されることで、ソレノイド712の内部に挿入した軸をピストン変位させることができる。ソレノイド712の軸には、伝達部材712aが取着される。伝達部材712aは、ソレノイド712の駆動力を後述する変位部材713に伝達する部材であり、先端に連通孔712a1が貫通形成される。
変位部材713は、断面C字状に形成され、その一端にC字の外側に突出する突起713bと、両端にC字の内側に突出する軸部713aとを主に備えて形成される。
突起713bは、ソレノイド712の連通孔712a1に挿入される突起であり、連通孔712a1の内径よりも大きい外径の円柱状に形成される。これにより、ソレノイド712の変位が伝達部材712aを介して変位部材713に伝達される。
軸部713aは、軸孔711dに挿入される軸である。軸部713aが軸孔711dに挿入されることで、変位部材713は、軸部713aの軸を中心に回転できる。即ち、ソレノイド712の変位により、変位部材713が駆動される。
カバー部材714は、ソレノイド712の外形よりも大きい外形に形成されており、底板711aの上部に配置されたソレノイド712の上方に配置されると共に、皿受部711に締結固定される。これにより、ソレノイド712を固定することができる。
次いで、図110を参照して球受台710に落下する球について説明する。図110(a)及び図110(b)は、球受台710の断面図である。なお、図110(a)及び図110(b)は、図108(c)の球受台710の断面と対応する。
図110に示すように、下変位ユニット400の下変位部材440から送球される球は、重力方向に自由落下すると共に、球受部467の発射動作により回転ユニット700側(図110(a)右側)へ変位する。即ち、球受台710の底板711aに対して正面視右下方向に落下される。
この場合、上述したように、底板711aは、送球部711c側に向かって下方に撓んで形成され、送球部711cは底板711aに対して右側に形成されるので、球が落下する底板711aの上面を右側に向かって下方に傾斜する傾斜面にできる。よって、球の変位方向と球が落下する底板711aの傾斜方向とを平行に近づけることができる。
これにより、図110(b)に示すように、底板711aに落下した球が上方向(図110(b)上方向)にバウンドすることを抑制できる。従って、下変位ユニット400の下変位部材440から回転ユニット700の球受台710に送球される球が、球受台710から落下することを抑制できる。
さらに、底板711aに落下した球を、その落下の勢いで送球部711c側に転動させることができる。よって、送球部711cまでの球の転動時間を短くすることができる。その結果、下変位部材440から球受台710へ送球される球をスムーズに送球することができる。
次いで、図111を参照して、球受台710の発光について説明する。図111(a)及び(b)は、図87のCXI−CXI線における回転ユニット700の断面模式図である。なお、図111(a)は、装飾ユニット750が閉鎖状態に、図111(b)では、装飾ユニット750が開放状態に、それぞれ配置された状態が図示される。
図111(a)に示すように、装飾ユニット750が閉鎖状態に配置された状態での球受台710への光の発光は、背面ベース720の背面側に配置されるLED基盤721により行われる。
詳しく説明すると、LED基盤721のLED721aから発光する光を、蓋部材770の背面側に反射させることで、球受台710の底板711aへ入射させる。また、上述したように、底板711aの底面には、シボ加工が施されるので、シボ加工の凹凸により入射された光を乱反射させることができる。これにより、球受台710の底面全体を発光させることができる。
一方、図111(b)に示すように、装飾ユニット750が開放状態に配置された状態では、上述したように、蓋部材770に透明部771aが形成されるので、LED基盤721のLED721aは、蓋部材770に反射されず透過される。蓋部材770の内側には回転体800が形成されるので、回転体800の外周面で反射させて球受台710へ入射させることができる。
またこの場合、回転体800の第3表示部850を球受台710側(図111(b)上側)に回転させることで、ベース板810の背面側に配置されるLED基盤820のLED821から発光する光を、回転体800の内壁に反射させて第3表示部850から出射させることができる。
上述したように、第3表示部850の内壁には、シボ加工が施されており、表面に複数の凹凸が形成される。よって、他の表示部よりも第3表示部850は、回転体800の外側に光を出射させやすくできる。そのため、第3表示部850を球受台710側に配置することが好ましい。
次いで、図112から図118を参照して、上変位ユニット900の詳細な構成を説明する。まず、図112から図114を参照して、上変位部材940を変位させる構造について説明する。
図112は、上変位ユニット900の正面図である。図113は、上変位ユニット900の分解斜視正面図である。図114は、上変位ユニット900の分解背面斜視である。なお、図112から図114では、上変位部材940が退避位置(ベース部材910に対して一番上方に配置された位置)に配置された状態が図示される。
図112から図114に示すように、上変位ユニット900は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に配設されるベース部材910と、そのベース部材910の内部に配設される伝達部材920と、ベース部材910に回転可能に連結されると共に伝達部材920の変位に伴って変位される回転部材930と、一端がベース部材410に摺動変位可能に連結されると共に回転部材930に連結されて回転部材930から駆動力を伝達されることで変位する上変位部材940とを主に備えて形成される。
ベース部材910は、正面視矩形横長の板部材を前後方向に2枚組み合わされて形成され、正面側に配設される正面ベース911と、背面側に配設される背面ベース912とを備える。正面ベース911及び背面ベース912との対向間には、伝達部材920及び回転部材930とが配設される。
正面ベース911は、前後方向(図112紙面奥行方向)に貫通した3つの摺動溝911c,911d,911eと、周方向中央位置の背面側に突出する軸支ピン911bと、正面ベースの一端側(正面視左側)の正面に突出する軸部911fと、一端側の前後方向に貫通する開口911aとを主に備えて形成される。
開口911aは、正面ベース911に配設される駆動モータKM5の軸を背面側に挿通させるための開口である。これにより、正面ベース911の正面側に配設される駆動モータKM5の軸を正面ベース911の背面側に挿通することができる。
軸支ピン911g,911bは、後述する伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923の軸孔に挿通され、伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923を回転可能に保持できる。即ち、軸支ピン911g,911bは、伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923の軸孔の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。
摺動溝911cは、軸支ピン911bの軸を中心とする円弧状に貫通形成される。摺動溝911cは、後述する伝達ギヤ923の軸支ピン923aが挿通される開口であり、その円弧の半径が、後述する伝達ギヤ923の軸孔から軸支ピン923aまでの距離と略同一に設定される。これにより、軸支ピン923aを摺動溝911cの内部に挿通した状態で伝達ギヤ923を回転させた際に、軸支ピンと、摺動溝911cの内壁とが衝突することを抑制できる。
摺動溝911d,911eは、後述する上変位部材940の軸支ピン951,952が挿入される溝であり、その短手方向の幅寸法が軸支ピン951,952の外径よりも大きく設定される。
摺動溝911eは、正面ベース911の長手方向(正面視左右方向)に直線状に形成される。一方、摺動溝911dは、正面ベース911の下方を中心とした円弧状に形成される。即ち、摺動溝911eおよび摺動溝911dは、非平行に形成される。よって、左右方向に異なる位置では、2つの摺動溝911e,911dの上下方向の対向間の距離寸法が異なる状態に形成される。これにより、摺動溝911e,911dの内部を軸支ピン951,952を摺動させた場合に、その上下方向の対向間の距離寸法の差によって、上変位部材940が回転しつつ摺動される。
軸部911fは、正面側に円柱状に突出して形成される。軸部911fは、後述する回転部材930の一端に形成される貫通孔931に挿通して、回転部材930を回転可能な状態で保持することができる。即ち、軸部911fは、回転部材930の貫通孔931の内径よりも小さい外径に形成される。
背面ベース912は、正面ベース911の背面側に所定の間隔を隔てて取着される板部材である。背面ベース912は、金属材料から形成される。これにより、ベース部材910の全体の剛性を向上することができる。その結果、横長矩形に形成されるベース部材910に比較的重量の重い上変位部材940が配設された際に、ベース部材910がねじれることを抑制できる。
伝達部材920は、正面ベース911と背面ベース912との対向間に配設される。伝達部材920は、駆動モータKM5の軸に連結される伝達ギヤ921と、その伝達ギヤ921に歯合される伝達ギヤ922と、その伝達ギヤ922に歯合される伝達ギヤ923とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ921は、上述したように軸孔に正面ベース911の正面側に配設された駆動モータKM5の軸が挿入されて駆動モータKM5と連結される。これにより、伝達ギヤ921は、駆動モータKM5の駆動力により回転変位することができる。
伝達ギヤ922は、上述したように伝達ギヤ921及び伝達ギヤ923と歯合される。これにより、伝達ギヤ921の回転の駆動力を伝達ギヤ923に伝達することができる。
伝達ギヤ923は、その外周縁部に正面側に突出する軸支ピン923aを備えて形成される。よって、伝達ギヤ923が回転されると、軸支ピン923aは、伝達ギヤ923の軸周りに回転変位される。
回転部材930は、一方側が長い棒状に形成され、一端側の端部に前後方向に貫通形成される貫通孔931と、長手方向略中央位置に長手方向に延設された開口932とを主に備えて形成される。
貫通孔931は、上述したように、正面ベース911の軸部911fが挿入される開口であり、軸部911fが挿入されることで、回転部材930を正面ベース911に対して回転可能な状態で保持することができる。また、軸部911fの先端には、付勢ばねSP8が配設される。これにより、回転部材930は、正面ベース911に対して他端側を上方に持ち上げる方向に付勢される。
開口932は、伝達ギヤ923の軸支ピン923aが挿入される溝であり、内部を軸支ピン923aが摺動可能に形成される。上述したように、伝達ギヤ923が回転変位されて軸支ピン923aの配置が変位する際に、開口932の内側を軸支ピン923aが変位する。よって、回転部材930は、一端が回転可能に軸支された状態で配置されるので、軸支ピン923aの変位により一端を軸に回転される。
また、回転部材930の他端側には、正面視円環状に形成されると共に、背面側に所定の厚みを備えた板状に形成される円環部材933が配設される。
円環部材933の正面側には、その外周縁に沿って対称の位置に凹設される2つの摺動溝933aを備えて形成される。円環部材933は、後述する上変位部材940との連結される部分であり、内側に上変位部材940の軸部953が挿入される。また、円環部材933と上変位部材940とは回転可能に連結されており、回転部材930が回転変位するに共に伴って上変位部材940が変位可能とされる。
摺動溝933aには、内側に上変位部材940の突起961が挿入されており、上変位部材940が回転部材に対して回転変位することで、突起961が摺動溝933aの内部を摺動できる。
また、摺動溝933aの円弧軸は、回転部材930に対する上変位部材940の回転軸とは、異なる位置に配置される。これにより、上変位部材940が回転部材930に対して回転変位した際に、第1開放部960を変位できる。なお、第1開放部960の詳しい説明は後述する。
なお、回転部材930の一端側(回転軸側)には、前方に板状体から形成される軸部カバー913及び変形規制カバー914が配設される。軸部カバー913は、回転部材930の回転軸部分の前方に配設されており、回転部材930が前後方向にがたつくことが抑制される。変形規制カバー914は、回転軸から所定距離離間した位置に配設されており、回転部材930が他端側に配設される上変位部材940の重みで前後方向に変形することを抑制できる。
上変位部材940は、正面ベース911及び回転部材930に連結されるベース体950と、そのベース体950の背面側に回転可能に配設される2つの第1開放部960と、ベース体950の正面側に回転可能に配設される2つの第2開放部970と、一端側に配設される可変部980とを主に備えて形成される。
ベース体950は、一端側の背面に突出形成される2つの軸支ピン951,952と、他端側の背面に突出形成される軸部953とを主に備えて形成される。
軸支ピン951,952は、上述したように正面ベース911の摺動溝911e,911dに挿入される突起である。よって、上変位部材940が、回転部材930により駆動された際に、軸支ピン951,952が摺動溝911e,911dに沿って摺動することで、上変位部材940を左右方向にスライド変位させると共に、他端側を下方に回転変位させることができる。
軸部953は、上述したように、円環部材933に挿入されて回転部材930と連結される突起であり、円環部材933の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。これにより、上変位部材940を回転部材930に回転可能に連結できる。よって、回転部材930が駆動モータKM5の駆動力により、一端を軸に回転変位されると、円環部材933の変位により、上変位部材940に駆動力が伝達される。その結果、上変位部材940が、摺動溝911e,911dに沿って変位することができる。
第1開放部960は、前後方向に所定の厚みを備えた板部材であり、ベース体950の背面側に2枚配設される。第1開放部960は、ベース体950の他端側に回転可能に軸支されて配設される。また、第1開放部960は、背面側に突出すると共に、円環部材933の摺動溝933aの内側に配設される突起961を備える。これにより、上変位部材940が回転部材930の変位により回転部材930に対して回転変位した際に、突起961を摺動溝933aの内側を摺動させることができる。
この場合、上述したように摺動溝933aの湾曲軸は、回転部材930に対する上変位部材940の回転軸と異なる位置に配置されるので、突起961が摺動溝933aの内側を摺動するに伴って、ベース体950に軸支された第1開放部960を回転変位することができる。
第2開放部970は、前後方向に所定の厚みを備えた板部材であり、ベース体950の正面側に2枚配置される。第2開放部970は、ベース体950の他端側に回転可能に軸支されて配設される。また。第2開放部970は、第1開放部960が所定の変位をされた際に係合する係合突起(図示せず)を備えて形成される。これにより、上述したように第1開放部960が、上変位部材940が所定の回転変位をされた際に、軸支部分を軸に回転変位されると、第2開放部970と係合して第2開放部970を回転変位させることができる。
次いで、図115から図117を参照して、上変位部材940の変位について説明する。図115は、上変位部材940が退避位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。図116は、上変位部材940が中間位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。図117は、上変位部材940が張出位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。
なお、上変位部材940の退避位置とは、軸支ピン951,952が、正面ベース911の摺動溝911d,911eの他端側(正面ベース911の正面視右側)に配置された状態の位置である。また、張出位置とは、軸支ピン951,952が、正面ベース911の摺動溝911d,911eの一端側(正面ベース911の正面視左側)に配置され状態の位置である。更に、中間位置とは、上変位部材940が退避位置と張出位置との中間の位置に変位された状態の位置である。
図115から図117に示すように、上変位部材940が正面ベース911に対して変位されると、上変位部材940は、その長手方向を略水平方向(図115左右方向)から略鉛直方向(図117上下方向)に回転変位される。
また、その回転変位に伴って、上変位部材940の一端側の位置が、正面ベース911の正面視右側端部の位置から正面視略中央位置に変位される。即ち、上変位部材940は、上述したように駆動モータKM5の駆動力により回転部材930が回転されると、スライド変位しつつ回転変位される。
また、図116に示す中間位置から、図117に示す張出位置までの変位時に、上変位部材940に配設される第1開放部960がベース体950に対して回転変位される、よって、第1開放部960の回転変位に係合して変位する第2開放部970も同様にベース体950に対して回転変位される。よって、張出位置では、上変位部材940の長手方向を鉛直方向に向けると共に、第1開放部960及び第2開放部970が変位した状態とされる。
なお、本実施形態では、上変位部材940は、人間の腕(手も含む)形を模した形状に形成されている。よって、第1位置から第3位置に変位して、第1開放部960及び第2開放部970が変位されることで、人間の腕が太くなるような変位を遊技者に視認させることができる。
次いで、図118を参照して、可変部980の詳細な説明をする。図118(a)は、可変部980の正面図であり、図118(b)は、可変部980の背面図である。
図118(a)及び図118(b)に示すように、可変部980は、人間の手を模した形状に形成されており、手の後部分を形成する本体部981と、本体部981に連結されて手の指部分を形成する指部982〜986とを主に備えて形成される。
本体部981の内部には、駆動モータ(図示しない)が配設されており、内部に配設される可変板(図示しない)を前後方向(図118(a)上下方向)にピストン変位可能とされる。
指部982は、親指に相当する部分であり、基部側が本体部981の可変板に連結される。これにより、可変板がピストン運動をされることで指部982を変位させることができる。
指部983〜986は、その内側に基部側に配設される第1リンクRB1と、先端側に配設される第2リンクRB2とを主に備えて形成される。
第1リンクRB1は、先端側が第2リンクRB2に回転可能な状態で連結されると共に基部側が本体部981の可変板に連結される。従って、本体部981の可変板がピストン運動をされることで、第1リンクRB1および第1リンクRB1を介して第2リンクRB2を変位させることができる。これにより、指部983〜986を変位させることができる。なお、本実施形態では、指部982〜986を変位させることで、手の指を開閉する動作を遊技者に視認させることができる。
正面ベース411は、前後方向(図43紙面奥行方向)に貫通した2つの摺動溝411a,411bと、背面側に突出する円柱状の2本の軸支ピン411c,411dと、軸支ピン411dを軸とした円弧状に突出する湾曲壁部411eとを主に備えて形成される。
摺動溝411a,411bは、下変位部材440の背面側から突出する2本の突起472,473がそれぞれ挿通される孔である。摺動溝411a,411bは、それぞれ左右方向に長く伸びて形成される。よって、摺動溝411a,411bに挿通された突起472,473を摺動溝411a,411bに沿って変位させることで、下変位部材440を左右方向に摺動させることができる。
また、摺動溝411a,411bは、それぞれ円弧状に湾曲して形成されており、正面ベース411の左側(図43左側)端部から右側(図43右側)端部にかけて上方(図43上方向)に開口される。さらに、摺動溝411a,411bは、それぞれの円弧の軸が異なる位置に配置され、上下方向(図43上下方向)における対向間の隙間が左端部から右端部にかけて狭くされる。
下変位部材440のベース部材470の突起472,473は、その間の距離が変わらないので、下変位部材440を摺動溝に沿って摺動させた場合には、下変位部材440を回転させつつ変位させることができる。即ち、2つの摺動溝411a,411bの間の距離を変更することで、下変位部材440に回転の駆動力を与えることなく下変位部材440を摺動に伴って回転させることができる。
軸支ピン411cは、後述する伝達部材420のカム部材422の軸部422aに挿入される突起であり、軸部422aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411cは、金属製の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、カム部材422にその外周面から軸方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411cが折れる(破損する)ことを抑制できる。
次いで、図119から図121を参照して、第2実施形態における下変位部材2440について説明する。第1実施形態では、可動ラック464及びラック466が、駆動モータKM2の駆動力により同方向に変位する場合を説明したが、第2実施形態における下変位部材2440は、可動ラック2464及びラック466が駆動モータKM2の駆動力により反対方向に変位される。なお、上記第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は、省略する。
まず、第2実施形態における下変位部材2440の全体構成について、図119及び図120を参照して説明する。図119は、第2実施形態における下変位部材2440の分解斜視正面図である。図120は、下変位部材2440の正面図である。なお、図120では、下変位部材2440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図119及び図120に示すように、第2実施形態における下変位部材2440は、正面ベース411に連結されるベース部材2470と、そのベース部材2470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材2470との間に変位可能に配設される伝達機構2460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材2470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、左右方向(図120左右方向)中央部の上端から正面側に上下方向反対のU字状に突出する突設壁477と、正面側に突設する軸部474,475と、その軸部474,475よりも上方に突設する軸部2470a,2470bとを主に備えて形成される。
軸部2470aは、後述する伝達ギヤ2468aが回転可能に軸支される軸部材であり、伝達ギヤ2468aの軸孔よりも小さく形成される。
軸部2470bは、後述する伝達ギヤ2468bが回転可能に軸支される軸部材であり、伝達ギヤ2468bの軸孔よりも小さく形成される。後述するように、伝達ギヤ2468a及び軸部2470aとは、その外周面に刻設されるギヤ歯面が歯合された状態で配設される。即ち、軸部2470a及び軸部2470bの正面視における間隔は、伝達ギヤ2468a及び伝達ギヤ2468bの半径分の距離に設定される。
伝達機構2460は、ベース部材470の前方に配置されており、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の前方にスライド変位可能に配設される可動ラック2464と、その可動ラック2464に歯合する伝達ギヤ2468aと、その伝達ギヤ2468aに歯合する伝達ギヤ2468bと、その伝達ギヤ2468bに歯合するラック46と、そのラック466の一端側に回転可能に配設される球受部467とを主に備えて形成される。
可動ラック2464は、正面視矩形横長の板状体に形成され、下端面に刻設されるラックギヤ464aと、上端面に刻設されるラックギヤ2464gと、下方の端部に突出する衝突部464fとを主に備えて形成される。
ラックギヤ2464gは、後述する伝達ギヤ2468aに歯合される。これにより、駆動モータKM4から駆動が伝達されてラック466が変位されると、その変位に伴って伝達ギヤ2468aを回転させることができる。
伝達ギヤ2468a,2468bは、上述したように互いに歯合した状態でベース部材2470の軸部2470a,2470bにそれぞれ軸支される。これにより、伝達ギヤ2468aが回転されると、伝達ギヤ2468bが回転される。また、伝達ギヤ2468bは、ラック466のラックギヤ466aに歯合されており伝達ギヤ2468bが回転されると、ラック466に駆動力が伝達されてラック466が変位される。
即ち、駆動モータKM4の駆動力によりラック466を駆動させることができる。なお、伝達ギヤ2468a,2468bは、一部前後方向にずれた位置に配置されており、伝達ギヤ2468aはラック466に、伝達ギヤ2468bは可動ラック2464にそれぞれ衝突することが抑制される。
次いで、図121を参照して、下変位部材2440の変位について説明する。図121は、下変位部材2440の正面図である。なお、図121では、図120と同様に、下変位部材2440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態で図示される。
図121に示すように、駆動モータKM2に電力が付与されて、上述した伝達機構2460により、球受部467が発射位置に変位されると、可動ラック464及びラック466が互いに異なる方向に変位される。
詳しく説明すると、駆動モータKM4が回転されることで、可動ラック464は、下変位部材440の他端側(図121左側)に変位される。この変位に伴って、伝達ギヤ2468a,2468bが回転されて、ラック466が一端側(図3右側)に変位される。これにより、球受部467を第3位置に変位させることができる。
よって、球受部467が、第1位置から変位されると、その球受部467の変位方向と逆方向となる変位成分を形成することができるので、球受部467の変位に伴い、下変位部材2440の重心位置が変化されることを可動ラック464の変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する下変位部材2440のがたつきを抑制できる。
次いで、図122から図127を参照して、第3実施形態における下変位部材3440について説明する。第1実施形態では、ラックピニオン機構により球受部467をスライド変位させる場合を説明したが、第3実施形態における下変位部材3440は、リンク機構により球受部467がスライド変位される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第3実施形態における下変位部材3440の全体構成について、図122から図125を参照して説明する。図122(a)は、第3実施形態における下変位部材3440の正面図であり、図122(b)は、下変位部材3440の背面図である。図123は、下変位部材3440の分解斜視正面図であり、図124は、下変位部材3440の分解斜視背面図である。図125(a)及び91(b)は、下変位部材3440の正面図である。
なお、図125(a)では、下変位部材3440の装飾部材450が透明視された状態が図示され、図125(b)では、下変位部材3440の装飾部材450及び正面ケース3481が透明視された状態が図示される。
図122から図125に示すように、第3実施形態における下変位部材3440は、正面ベース411に連結されるベース部材3470とそのベース部材3470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材3470との間に変位可能に配設される伝達機構3460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材3470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、その立設壁471aの基端側から連なって形成されると共にベース部材3470の下方の縁部に立設される摺動壁3470cと、左右方向(図122(a)左右方向)中央部の上端から正面側に上下方向反対のU字状に突出する突設壁477と、ベース部材470の上下方向中央部に一端側から他端側に延びつつ凹設される開口479とを主に備えて形成される。
摺動壁3470cは、球受部467の脚部467aと当接して、その球受部467の位置(態様)を規制するための壁部である。即ち、球受部467の下方の位置まで突出形成される。これにより、球受部467をそのU字部分の開口を上方に向けた状態で保持することができる。
また、摺動壁3470cは、立設壁471a側の端部の下方に凹設される凹部3470c1が形成される。凹部3470c1は、球受部467の脚部467aの先端をその内部に受け入れる溝である。これにより、球受部467が後述する伝達機構3460により立設部側に摺動された際に、球受部467を凹部に受け入れて球受部467を回転させることができる。その結果、球受部467に発射動作(U字の内部に保持された球を下変位部材3440の外方に排出する動作)をさせることができる。
伝達機構3460は、後述する正面ケース3480に取着される駆動モータKM2と、駆動モータKM2の軸に連結されて回転可能に配設される第1リンク部材3468と、その第1リンク部材3468に回転可能な状態で連結される第2リンク部材3469と、その第2リンク部材3469の一端側に連結される球受部467とを主に備えて形成される。
第1リンク部材3468は、矩形横長の板状体から形成され、一端側に貫通形成される軸孔3468bと、駆動モータKM2の軸に連結される連結孔3468aと、他端側に膨出して形成される荷重部3468cとを主に備えて形成される。
軸孔3468bは、後述する第2リンク部材3469の回転軸3469aが挿通される貫通孔であり、回転軸3469aの外径よりも大きい内径で前後方向に貫通形成される。
連結孔3468aは、上述したように駆動モータKM2の軸に締結される孔であり、駆動モータKM2の軸の外径と略同一の内径に形成される。連結孔3468aに駆動モータKM2の軸が内嵌されて締結されることで、第1リンク部材3468が、駆動モータKM2の駆動力で回転可能とされる。
荷重部3468cは、連結孔3468aよりも他端側に膨出して形成される。荷重部346cは、第1リンク部材3468の重心を連結孔3468aよりも他端側に位置させるための荷重を与えるための部材であり、一端側よりも外側に膨出して形成される。
第2リンク部材3469は、矩形横長の状態に形成されると共に、第1リンク部材3468の背面側に配設される。第2リンク部材3469は、他端側から正面に向かって円柱状に突出する回転軸3469aと、一端側に前後方向に貫通形成される貫通孔3469bとを主に備えて形成される。
回転軸3469aは、上述したように、第1リンク部材3468の軸孔3468bに挿入される。これにより、第1リンク部材3468と第2リンク部材3469とを回転可能な状態で連結することができる。
貫通孔3469bは、球受部467を第2リンク部材3469に連結するための開口である。また、貫通孔3469bは球受部467の軸孔467bの内径より小さく形成される。よって、球受部467の軸孔467bと貫通孔3469bとを同軸上に配置すると共に、開口469の短手方向の幅よりも頭の大きいネジをベース部材3470背面側から開口479及び軸孔467bを挿通させて貫通孔3469bに締結させることで、球受部467が回転可能な状態で第2リンク部材に連結される。
ケース部材480は、ベース部材470の前後を覆設する部材であり、ベース部材470の正面側に配設される正面ケース3481と、背面側に配設される背面ケース482とを主に備える。
正面ケース3481は、正面視矩形横長の板状に形成され、駆動モータKM2と対向する位置に貫通される開口3481dと、背面側の下端面に突出形成される底壁部481bと、下方縁部に前後方向に貫通する軸孔481cとを主に備えて形成される。
開口3481dは、正面ケース3481の正面側に配設される駆動モータKM2の軸を背面側に挿通させるための孔であり、駆動モータKM2の軸よりも大きい外径に形成される。これにより、正面ケース3481の正面側に配設される駆動モータKM2の駆動力を背面側に配置される第1リンク部材3468に伝達できる。
次いで、図126及び図127を参照して、下変位部材3440の変位について説明する。図126(a)は、第1位置における下変位部材440の正面図であり、図126(b)は、第2位置における下変位部材440の正面図である。図127(a)は、第3位置における下変位部材440の正面図であり、図127(b)は、第2位置における下変位部材440の正面図である。
なお、図126(a)から図127(b)までは、下変位部材440の遷移状態が順に図示される。また、図126(a)及び図126(b)または図127(a)及び図127(b)は、下変位部材3440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図126及び図127に示すように、第1位置における下変位部材440は、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469がその長手方向(図126(a)左右方向)をベース部材3470の長手方向(図126(a)左右方向)と略平行な状態とされると共に、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469が前後方向に重なる態様で配置される。
即ち、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469との連結部分をベース部材3470の一端側(図126(a)左側)に配置した状態とされる。これにより、第2リンク部材3469が一端側に配置される。その結果、球受部467が第1位置に配置される。
次いで、図126(b)に示すように、第1位置の状態から、駆動モータKM2が回転されて、第1リンク部材3468が回転変位されると、第1リンク部材3468の一端側がベース部材3470に対して変位される。これにより、第1リンク部材3468の一端側に連結される第2リンク部材3469が変位される。この場合、第2リンク部材3469の一端側は、球受部467に連結されると共にベース部材3470の開口479に沿って摺動可能とされるので、第2リンク部材3469の一端側がベース部材3470の他端側に押し出される。その結果、第2リンク部材3469の他端側に連結される球受部467を第2位置に変位させることができる。
次に、図127(a)に示すように、第2位置の状態から、駆動モータKM2がさらに回転変位されて、第1リンク部材3468が、第1位置の状態から略180度回転されると、第1リンク部材3468と第2リンク部材3469との連結部分がその回転軸に対してベース部材3470の他端側に配置された状態とされる。よって、第2リンク部材3469の一端側が更にベース部材3470の他端側に押し出されて、球受部467が第3位置に配置される。
この場合、球受部467の脚部467aの先端が、凹部3470c1の内側に配置されることで、球受部467が付勢ばねSP2により回転されて発射動作される。
さらに、第1リンク部材3468の荷重部3468cが、ベース部材3470の一端側に変位される。これにより、球受部467がベース部材に対して変位した際に下変位部材3440の重心位置が変化されることを抑制できる。その結果、下変位部材3440のがたつきを抑制できる。
即ち、球受部467が、第1位置から変位されると、その球受部467の変位方向と逆方向となる変位成分を形成することができるので、球受部467の変位に伴い、下変位部材3440の重心位置が変化されることを荷重部3468cの変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する下変位部材440のがたつきを抑制できる。
また、第3実施形態では、図127(b)に示すように、第1リンク部材3468の回転を継続させることで、球受部467を第2位置および第1位置に退避させることができる。よって、駆動モータKM2の制御を切り替える必要がなく、第2位置または第1位置への変位を早く行うことができる。
従って、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、下変位部材440の重心位置が変化するので、下変位部材3440ががたつき易くなるところ、球受部467を素早く退避させて、その重心位置を下変位部材440の回転軸に素早く近づけることで下変位部材3440のがたつきを抑制することができる。
更に、球受部467の変位を直ちに行うことで、球受部467の内側から遊技球を排出した際の排出動作の反作用による下変位部材3440のぐらつきを抑えることができる。
即ち、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、排出された遊技球の分、下変位部材440の荷重が軽くなり、反作用で下変位部材3440が上方に変位しやすいところ、球受部467を直ちに変位させることで、球受部467の回転変位による反作用でベース部材470を下方に変位させる力を作用させて、下変位部材3440から球が排出された際の反作用を打ち消すことができる。
次いで、図128から図130を参照して、第4実施形態における下変位ユニット4400について説明する。第1実施形態では、退避状態に配置された下変位部材440が発射動作可能に形成される場合を説明したが、第4実施形態における下変位ユニット4400は、退避状態に配置された下変位部材440の発射動作が規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号と付してその説明は省略する。
まず、第4実施形態における下変位ユニット4400の全体構成について図128を参照して説明する。図128は、第4実施形態における下変位ユニット4400の正面図である。なお、図128では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示されると共に、正面ケース481の底壁部481bが、鎖線で図示される。また、図128では、下変位部材440が退避状態であって、球受部467が第1位置に配置された状態が図示される。
図128に示すように、第4実施形態における下変位ユニット4400は、下変位部材440のベース部材470に、立設壁471aと正面ケース481の底壁部481bとの対向間に開口される開口4471bが形成される。
開口4471bは、内部に後述する係合壁4411gの先端部分4411g1が挿入される。即ち、開口4471bは、先端部分4411g1よりも大きく開口される。
正面ベース411には、回収口411fの底面に連続する略L字状に形成された係合壁4411gが形成される。
係合壁4411gは、略L字に屈曲した先端部分4411g1が開口4471bに挿入されることで、球受部467が第3位置で回転されること(発射動作すること)を規制することができる。即ち、先端部分4411g1の先端位置が、退避状態に位置する下変位部材440の底壁部481bの上面の高さと略同一に設定される。
次いで、図129及び図130を参照して、下変位ユニット4400の各部材が変位された状態について説明する。図129及び図130は、下変位ユニット4400の正面図である。なお、図129及び図130では、図128と同様に下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示されると共に、正面ケース481の底壁部481bが、鎖線で図示される。
また、図129では、下変位部材440が退避状態であって、球受部467が第3位置に配置された状態が図示される。また、図130では、下変位部材440が第1張出状態であって、球受部467が第1位置に配置された状態が図示される。
図129に示すように、球受部467が第3位置に変位されると、球受部467の脚部467aの先端が係合壁4411gの先端部分4411g1の上面に当接して凹部481b1又は開口4471bへの侵入が規制される。これにより、球受部467が回転されることが規制される。
よって、球受部467の軌道領域上に送球された球を、下変位部材440の外方に排出するために球受部467に払出動作をさせた際に、第3位置で球受部467が回転して、球受部467の内側に保持した遊技球が排出されることを抑制できる。
即ち、球受部467の第3位置への変位に伴って、規定数(1球)を超える遊技球を球受部467の軌道領域から排出する際に、球受部467の姿勢が変化されることを規制できる。よって、規定数を超える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
一方、図130に示すように、下変位部材440が第1張出状態の位置(退避状態の位置ではない位置)に変位されると、ベース部材470に対して、下変位部材440が変位されるので、下変位部材440の開口4471bと係合壁4411gとが離間される。よって、第1張出状態では、球受部467を第3位置に変位させて発射動作をすることができる。
即ち、球受部467の第3位置への変位に伴って、規定数(1球)を超える分の遊技球を球受部467の軌道領域から排出する際に、球受部467の姿勢が変化されることを抑制して、規定数の遊技球を球受部467が保持した状態を維持しやすくできる一方、下変位部材440が第1及び第2張出位置に変位されると係合壁4411gが開口4471bの内部空間から離間されるので、球受部467の第3位置への変位に伴って脚部467aが開口4471bに係合されることで、球受部467の姿勢を変化させ、規定数の遊技球を球受部467から排出しやすくできる。
次いで、図131から図135を参照して、第5実施形態における振分けユニット5500について説明する。第1実施形態では、振分け部材540が回転して貯留状態と規制状態とを形成する場合を説明したが、第5実施形態における振分け部材540は、スライド変位して貯留状態と規制状態とを形成する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第5実施形態における振分けユニット5500の全体構成について図131から図134を参照して説明する。図131(a)は、第5実施形態における振分けユニット5500の上面図であり、図131(b)は、振分けユニット5500の背面図である。図132は、振分けユニット5500の分解斜視正面図であり、図133は、振分けユニット5500の分解斜視背面図である。図134は、図131(a)のCXXXIV−CXXXIV線における振分けユニット5500の断面図である。なお、図134では、振分け部材540の外形が鎖線で図示される。
図131から図133に示すように、第5実施形態における振分けユニット5500は、正面視略矩形に形成されるベース板5520と、そのベース板5520の正面側に取着されベース板5520との対向間に球が流下可能な複数の流下経路を形成する経路形成部材510と、ベース板5520の背面側にスライド可能に取着される振分け部材5540と、ベース板5520の端面に取着されベース板5520と経路形成部材510との対向間に形成される球の流下経路を延長する延長経路部材530とを主に備えて形成される。
ベース板5520は、背面側に突出する円柱状の2本の軸部5526と、長方形状に貫通形成される第1開口5521及び第2開口5522と、上端の側面に上端側が開放する断面U字状形成されると共に左右方向に延設される転動部525と、背面側に鉤状に突出する係止部524とを主に備えて形成される。
軸部5526は、背面側に2本突出して形成されており、それぞれ後述する2つの摺動溝5546の内部に挿入される。
第1開口5521及び第2開口5522は、後述する振分け部材5540の規制板541及び貯留板5542が挿通される開口であり、規制板5541及び貯留板5542の板の厚みよりも大きい幅の開口に形成される。また、振分け部材5540は、スライド可能な状態でベース板5520に取着されるので、第1開口5521及び第2開口5522は、規制板5541及び貯留板5542よりも振分け部材5540のスライド方向に大きい開口に形成される。
振分け部材5540は、一方が長く形成される正面視矩形に形成され、前後方向に所定の厚みを備えて形成される。振分け部材5540は、正面側に板状に突出する規制板5541及び貯留板5542と、その規制板5541及び貯留板5542の延設方向と略同一方向に長い長穴に形成される摺動溝5546と、背面側に鉤状に形成される係止部544とを主に備えて形成される。
規制板5541は、第1開口5521を介して、第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に配設されて、第1送球経路KR1を流下する遊技球が第2送球経路KR2へ流入することを規制する板部材であり、第1開口5521から突出される距離が遊技球の半径よりも大きい距離に設定される。
また、規制板5541は、正面視直線状に形成され、その延設される方向が、振分け部材540のスライド方向と略同一に設定される。これにより、振分け部材5540がスライド変位された際に、規制板5541の変位領域を最小にすることができる。その結果、第1開口5521の開口領域を最小にすることができ、ベース板5520の剛性を確保することができる。
貯留板5542は、第2開口5522を介して、第2送球経路KR2上に配置され、第2送球経路KR2を流下する遊技球を貯留板5542の上流側に流下する板部材であり、第2開口5522から突出される距離が遊技球の半径よりも大きい距離に設定される。
また、貯留板5542は、正面視直線状に形成され、その延設される方向が、振分け部材540のスライド方向と略同一に設定される。これにより、振分け部材5540がスライド変位された際に、貯留板5542の変位領域を最小にすることができる。その結果、第2開口5522の開口領域を最小にすることができ、ベース板5520の剛性を確保することができる。
摺動溝5546は、前後方向に貫通形成される長穴である。摺動溝5546は、その内部にベース板5520の軸部5526が挿入される。よって、軸部5526を摺動溝5546に挿入する共に、背面側からネジ等を軸部5526の先端に締結することで、振分け部材5540をベース板5520に対してスライド変位可能な状態で保持することができる。
摺動溝5546は、2箇所に形成されそれぞれの長手方向が平行に形成される。これにより、振分け部材5540が回転変位することを抑制しつつ、振分け部材5540をスライド変位させることができる。
次いで、図135を参照して、振分け部材5540の変位について説明する。図135(a)及び図135(b)は、図134の範囲CXXXVにおける振分けユニット5500の部分拡大図である。なお、図135(a)では、振分け部材5540が貯留位置に配置された状態が、図135(b)では、振分け部材5540が規制位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図135(a)に示すように、振分け部材5540が規制位置配置された状態では、貯留板5542が第3送球経路KR3状に配置される共に、規制板5541が経路形成部材510の背面側の壁に形成される凹部518の内側に配置される。
この場合、貯留板5542の第3送球経路KR3の内側に突出した先端とその先端と対向する第3送球経路の内壁との距離寸法L9は、遊技球の直径よりも小さくされる。よって、第3送球経路KR3の上流(第1送球経路KR1)から送球される球は、貯留板5542の上流側に停止される。
一方、図135(b)に示すように、振分け部材5540が、規制位置に配置された状態では、規制板5541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置されると共に、規制板5541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置され、貯留板5542が、経路形成部材510の背面側の壁部に形成される凹部519の内側に配置される。
この場合、規制板5541の第1送球経路KR1の内側に突出した先端の端部と第3送球経路KR3の入り口の内壁までの距離寸法L10は、遊技球の直径よりも小さくされる。よって、第1送球経路KR1を流下する球は、規制板5541に衝突して第2送球経路KR2に送球される。
即ち、振分け部材5540を規制位置と貯留位置とで切り換えることで、第1送球経路KR1を送球される球を第3送球経路KR3に送球して、第3送球経路KR3上に停止させる状態と、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に流入不能として、第2送球経路KR2に送球される状態とを形成することができる。
よって、1つの振分け部材5540をスライド変位させることで、1の流下する経路から2の流下する経路に分かれる場合に、球の流下経路をどちらかに確実に切り替えることができる。
また、規制板5541(振分手段)は、第1送球経路KR1(流下通路)または第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、第1送球経路KR1の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされる。よって、第1送球経路KR1の下端側から流下する遊技球に近い位置で、規制板5541を突出させることができる。よって、規制板5541を流下通路または第3送球経路KR3(第1分岐通路)へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板5541による振り分け先の切り替えを確実に行うことができる。
また、規制板5541(振分手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に突出されることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路(第2分岐通路)へ振り分けるものであり、規制板5541の突出方向が、第2送球経路KR2の上流端を指向する方向に設定されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が突出動作の途中の規制板に当接した場合には、かかる遊技球を規制板の突出動作に伴って、第2送球経路KRへ押し込むことができる。その結果、第2送球経路KR2への振り分けをより確実に行うことができる。
次いで、図136から図140を参照して、第6実施形態における回転ユニット6700について説明する。第1実施形態では、回転体800の駆動に負荷ギヤ731eが連結され、回転体800が慣性力で動作することが規制される場合を説明したが、第6実施形態における回転体800は、負荷ギヤ731eが取り外される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第6実施形態における回転ユニット6700の全体構成について図136から図138を参照して説明する。図136は、第6実施形態における回転ユニット6700の正面図であり、図137は、回転ユニット6700の分解斜視正面図である。図138は、振分けユニット6500の分解斜視背面図である。
図136から図138に示すように、回転ユニット6700は、回転変位する回転体800を備える装飾ユニット6750と、その装飾ユニット6750の重力方向上側に配置される球受台710と、その球受台710及び装飾ユニット6750の背面側に配置される背面ベース720と、装飾ユニット6750の正面視左側に配設される左側伝達部材730と、装飾ユニット6750の正面視右側に配設されるクランクカバー743と、を主に備えて形成される。
装飾ユニット6750は、重力方向上側が開放される箱形状に形成される箱部材760と、その箱部材の内側に回転可能に配設される回転体800とを主に備えて形成される。即ち、第1実施形態では、装飾ユニット750は、箱部材760と蓋部材770との内側に回転体800が配置されたが、第6実施形態では、蓋部材770が取り外された状態で形成される。
左側伝達部材730は、装飾ユニット750の左側側面(図136左側)に配設される駆動モータKM4と、その駆動モータKM4の駆動力を伝達する伝達部材6731と、駆動モータKM4が取着されるモータベース732と、伝達部材6731を覆設するギヤカバー733と、そのギヤカバー733に取着されると共にギヤカバー733との対向間に所定の隙間を有して形成される送球経路カバー734とを主に備えて形成される。
伝達部材6731は、駆動モータKM4の軸に取着される伝達ギヤ731aと、その伝達ギヤ731aに歯合する伝達ギヤ6731bと、その伝達ギヤ6731bに歯合する伝達ギヤ731cと、その伝達ギヤ731cと隣り合って配置されると共に軸735により同軸に配設される伝達ギヤ731dとを主に備えて形成される。
伝達ギヤ6731bは、伝達ギヤ731cに駆動力を伝達するギヤである。なお、第1実施形態では、伝達ギヤ731bの内部にワンウェイクラッチOW1が取着されたが、第6実施形態の伝達ギヤ6731bには、ワンウェイクラッチOW1が取り外される。また、伝達ギヤ731c及び伝達ギヤ731dについては、第1実施形態と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
よって、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸735に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されるとワンウェイクラッチOW1の内輪に対して外輪が滑って(空転して)軸735への駆動力の伝達が遮断される。
次いで、図139及び図140を参照して、回転体800の回転について説明する。図139(a)から図139(c)は、図138の矢印CXXXIX方向視における装飾ユニット6750の側面図であり、図140(a)から図140(c)は、図138の矢印CXXXIX方向視における装飾ユニット6750の側面図である。
なお、図139及び図140では、箱部材760の左側側面板765が透明視された状態が図示される。また、図139(a)から図139(c)では、回転体800の重心Gが第2区間DK2を変位する態様が順に図示され、図140(a)から図140(c)では、回転体800の重心Gが第1区間DK1を変位する態様が順に図示される。
図139に示すように、回転体800は、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると左方向視(図139方向視)右回り(時計回り)に回転変位される。
回転体800は、上述したように回転軸を中心を非対称に形成され、回転軸と異なる位置に重心Gが配置される。そのため、回転体800が図140(a)に示す重心Gを回転軸の上側に配置した状態から回転されて、図140(b)に示めす重心Gを回転軸と略水平の位置に変位し始めると、その荷重により回転方向に回転する力が作用される。
そのため、伝達ギヤ731cに配置されたワンウェイクラッチOW1の外輪と内輪との間に介設されるローラーの係合が解除され、外輪(回転体800側)が内輪(駆動モータ側)に対して先行して駆動する状態とされる。即ち、第2区間では、回転体800の回転速度を駆動モータKM4の回転速度よりも速くして回転させることができる。
なお、第2区間DK2をその荷重で回転する回転体800は、その荷重により、図139(c)に示す重心Gを回転軸の下側に位置する位置まで回転される。
一方、図140に示すように、第1区間DK1を回転体800の重心Gが変位する場合には、回転体800の荷重がその回転する方向と反対方向に作用する。そのため、回転体800は、駆動モータKM4の回転速度に従って回転される。
よって、第6実施形態では、第2区間DK2における回転体800の変位速度を第1区間DK1における回転体800の変位速度よりも早くすることができる。その結果、回転体800の変位態様に変化を付与して、その回転体800の変位に従う演出効果を高めることができる。
次いで、図141から図144を参照して、第7実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、蓋部材770がその自重により、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して先行させる(即ち、蓋部材770の変位速度を速くする)場合を説明したが、第7実施形態における変位部材7710は、遊技球の重さを利用して、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して先行させる(即ち、変位部材7710の変位速度を速くする)。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図141及び図142は、第7実施形態における変位ユニット7700の側面模式図である。なお、図141では、変位部材7710が上昇位置に配置された状態が、図142では、変位部材7710が下降位置に配置された状態が、それぞれ模式的に図示される。
図141及び図142に示すように、変位ユニット7700は、スライド変位可能に形成される変位部材7710と、その変位部材7710へ駆動手段(図示せず、例えば、電動モータ)の回転駆動力を伝達する伝達部材7720と、変位部材7710のスライド変位に伴って回転される負荷ギヤ7730とを主に備える。
変位部材7710は、図示しない支持機構によって仮想線L1に沿って直線変位可能に支持される部材であり、その変位部材7710の側面から突設される被駆動ピン7711と、変位部材7710の下面に仮想線L1に沿って刻設されるラックギヤ7712と、変位部材7710の先端に回転可能に軸支される球受け部材7713とを主に備える。
なお、仮想線L1は、図141に示す上昇位置から図142に示す下降位置へ向かうに従って下降傾斜する直線として設定される。即ち、上昇位置では、下降位置よりも、変位部材7710が重力方向上方に位置される。
被駆動ピン7711は、伝達部材7720のアーム部材7723における駆動溝7723bに摺動可能に挿通される部材であり、駆動溝7723bの溝幅よりも若干小さな外形の円柱状体として形成される。ラックギヤ7712には、負荷ギヤ7730が歯合されており、かかる負荷ギヤ7730が変位部材7710のスライド変位に伴って回転される。
球受け部材7713は、変位部材7710の上面に遊技球を保持するための部材であり、回転軸7713aを中心に回転されることで、図141に示す起立状態と図142に示す傾倒状態とを形成可能とされる。起立状態では、一端側が変位部材7710の上面よりも突出されることで、遊技球を保持可能とされる(図143参照)。一方、傾倒状態では、一端側が変位部材7710の上面よりも下方に位置されることで、変位部材7710の上面から遊技球を排出可能とされる(図144参照)。
なお、球受け部材7713は、図示しない付勢ばね(例えば、ねじりばね)から作用する付勢力により起立状態に維持される。変位部材7710(球受け部材7713)の軌道上には、係合ピン7740が固定されており、変位部材7710が下降位置へスライド変位されると、球受け部材7713の他端側に係合ピン7740が係合されることで、球受け部材7713が回転されて、傾倒状態とされる。一方、変位部材7710が上昇位置へスライド変位されると、球受け部材7713が付勢ばねの弾性回復力により回転されて、傾倒状態に復帰される。
伝達部材7720は、上述した図示しない駆動手段により回転駆動される円板状の回転部材7721と、その回転部材7721の軸方向端面から突設されると共に回転部材7721の回転中心から偏心して位置する円柱状の駆動ピン7722と、その駆動ピン7722が一端側に摺動可能に挿通される被駆動溝7723aが開口形成されるアーム部材7723とを主に備える。
回転部材7721と駆動手段との間には、ワンウェイクラッチOW1が介設される。詳細には、ワンウェイクラッチOW1は、内輪が駆動手段に連結されると共に、外輪が回転部材7721に連結され、内輪が駆動手段により矢印A方向(図141の時計周り)に回転駆動されると、その回転駆動力を外輪に伝達する(即ち、回転部材7721を矢印A方向へ回転させる)一方、内輪が駆動手段により矢印A方向と反対方向(図141の反時計周り)に回転駆動されると、外輪(回転部材7721)への動力伝達を切断する。
アーム部材7723は、被駆動溝7723aが開口形成される一端側とは反対側となる他端側に、変位部材の7710の被駆動ピン7711が摺動可能に挿通される駆動溝7723bが開口形成されると共に、それら被駆動溝7723a及び駆動溝7723bの間(中間部分)が回転軸7723cにより回転可能に軸支される。
なお、駆動ピン7722は、被駆動溝7723aの溝幅よりも若干小さな外形の円柱状体として形成される。また、被駆動溝7723a及び駆動溝7723bは、アーム部材7723の長手方向に沿った直線状の溝として形成される。
以上のように形成された変位ユニット7700によれば、変位部材7710が図141に示す上昇位置に配置された状態から、回転部材7721が矢印A方向(図141の時計回り)に回転されると、駆動ピン7722が被駆動溝7723aの内壁面に作用して、アーム部材7723が回転軸7723cを中心として図141時計回りに回転される。このアーム部材7723の時計回りの回転に伴って、駆動溝7723bの内壁面が被駆動ピン7711を押し下げる方向へ作用することで、変位部材7710が、仮想線L1に沿ってスライド変位され、図142に示す下降位置に配置される。
一方、変位部材7710が図142に示す下降位置に配置された状態から、回転部材7721が矢印A方向(図141の時計回り)に更に回転されると、駆動ピン7722が被駆動溝7723aの内壁面に作用して、アーム部材7723が回転軸7723cを中心として図141反時計回りに回転される。このアーム部材7723の反時計周りの回転に伴って、駆動溝7723bの内壁面が被駆動ピン7711を押し上げる方向に作用することで、変位部材7710が、仮想線L1に沿ってスライド変位され、図141に示す上昇位置に配置される。
ここで、負荷ギヤ7730は、第1実施形態における負荷ギヤ731eと同様に、回転する際に所定量の抵抗が発生するように形成される。これにより、変位部材7710の重さ(自重)がアーム部材7723に作用して、回転部材7721を矢印A方向(図141の時計周り)に回転させることで、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行することを抑制できる。即ち、遊技球を保持していない状態では、上昇位置から下降位置へ向かう際の変位部材7710の変位速度が速くされることを抑制できる。
即ち、駆動手段の回転駆動力により回転部材7721が矢印A方向(図141及び図142の時計回り)に回転されている間、その回転駆動手段の回転駆動の速度に応じたスライド速度で、変位部材7710が上昇位置と下降位置との間を往復変位(スライド変位)される。
図143及び図144は、変位部材7710に遊技球が保持された場合における変位ユニット7700の側面模式図である。なお、図143では、変位部材7710が上昇位置に配置された状態が、図144では、変位部材7710が下降位置に配置された状態が、それぞれ模式的に図示される。
図143及び図144に示すように、変位部材7710は、その上面に遊技球を保持可能に形成される。即ち、本実施形態では、変位ユニット7700が遊技領域において遊技球が流下される領域に配置され、その流下する遊技球を変位部材7710がその上面で受け止め可能に形成される。なお、図143では、符号Tで示す4球の遊技球が変位部材7710の上面に保持された状態が例示される。
この場合、変位部材7710が遊技球を保持した状態では、その遊技球の重さの分、変位部材7710全体としての重さを大きく(重く)して、負荷ギヤ7730の回転に伴う抵抗を越えさせることができる。即ち、変位部材7710全体の重さ(遊技球を含む重さ)をアーム部材7723に作用させ、回転部材7721を矢印A方向(図143の時計周り)に回転させることで、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行させることができる。その結果、上昇位置から下降位置へ向かう際の変位部材7710の変位速度を、遊技球を保持していない場合(図141参照)の変位速度よりも、速くすることができる。
また、保持されている遊技球の数に応じて、変位部材7710全体としての重さを異ならせることができる。これにより、変位部材7710に遊技球が保持されているか否かだけでなく、保持している遊技球の数に応じても、変位部材7710の変位速度を異ならせる(変化させる)ことができる。その結果、変位部材7710の変位速度のバリエーションを増やすことができ、その分、変位部材7710の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
上述したように、変位部材7710には、その先端(下方傾斜側の端部)に球受け部材7713が配設される。よって、遊技領域を流下される遊技球を変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた際には、その遊技球から変位部材7710に作用される力を、下降位置へ向けてスライド変位させる力として作用させることができる。即ち、かかる力を、アーム部材7723及び回転部材7721を介して、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行させる方向へ作用させることができる。
これにより、流下する遊技球を、変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた際に、その遊技球の運動エネルギーを利用して、変位部材7710の下降位置へ向かう方向へのスライド変位の変位速度をより速くすることができる。
この場合、流下する遊技球は、その流下方向や流下速度がそれぞれ異なる。そのため、受け止める遊技球の流下状態(流下方向や流下速度)の差に応じて、変位部材7710に作用される力(運動エネルギーの大きさ)を異ならせることができる。これにより、変位部材7710に遊技球が保持されているか否かや保持されている遊技球の数だけでなく、遊技球の流下状態に応じても、変位部材7710の変位速度を異ならせる(変化させる)ことができる。その結果、変位部材7710の変位速度のバリエーションを増やすことができ、その分、変位部材7710の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
また、第7実施形態では、回転部材7721の回転方向が一方向とされるので、駆動手段の駆動方向を切り替える必要がない。言い変えると、回転手段を一方向に連続して回転させることで、変位部材7710を往復変位させることができる。よって、駆動手段の駆動方向を切り替える時間をなくすことができる。その結果、駆動手段の切り替えを必要としない分、変位部材7710を直ちに変位させることができる。
この場合、変位部材7710の変位を直ちに行うことで、球受け部材7713が回転変位して変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた遊技球を落下させる動作をした際の反作用による変位部材7710のがたつきを抑制することができる。
即ち、変位部材7710(球受け部材7713)から遊技球を落下させた際には、落下された遊技球の分、変位部材7710の荷重が軽くなり、反作用で変位部材7710が上方に変位しやすいところ、変位部材7710を直ちに変位させることで、球受け部材7713の変位による反作用で、変位部材7710を下方に変位させる力を作用させて、変位部材7710から球が落下された際の反作用を打ち消すことができる。
なお、遊技領域を流下する遊技球とは、遊技盤13の前面(正面)を重力方向に沿って移動する遊技球に限定されず、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球も含まれる。重力方向と異なる方向へ移動する遊技球としては、例えば、釘やチューリップ、役物などに衝突して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球や、ステージを転動した後、そのステージから飛び出して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球が例示される。
ここで、本実施形態では、負荷ギヤ7730を設けることで、変位部材7710が遊技球を保持していない状態では(図141参照)、変位部材7710が下降位置へ向けてスライド変位される際に、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行しない(即ち、変位部材7710の変位速度が速くならない)ように構成した。
これに対し、負荷ギヤ7730を省略する又はその負荷ギヤ7730の抵抗を小さい値に設定して、変位部材7710が下降位置へ向けてスライド変位される際に、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行する(即ち、変位部材7710の変位速度が速くなる)ように構成しても良い。即ち、変位部材7710の重さ(自重)のみを、アーム部材7723に作用させ、回転部材7721を矢印A方向(図141の時計周り)に回転させた場合でも、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して先行するようにしても良い。
次いで、図145から図148を参照して、第8実施形態における上皿8017について説明する。第8実施形態における上皿8017には、正面視した左右方向略中央位置に回転操作ユニット8650が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、第8実施形態における回転操作ユニット8650の全体構成について、図145から図147を参照して説明する。図145は、第8実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。図146は、回転操作ユニット8650の分解斜視正面図である。図147は、図145のCXLVII−CXLVII線におけるパチンコ機10の断面模式図である。
図145から図147に示すように、回転操作ユニット8650は、パチンコ機10の上皿8017の内部空間に配置されると共に、後述する回転操作部8654の外周面が上皿8017の外方に突出した状態で配設される。
回転操作ユニット8650は、駆動モータKM6と、その駆動モータKM6の軸部に連結される伝達ギヤ8651と、その伝達ギヤ8651の外周面に歯合される伝達ギヤ8652と、その伝達ギヤ8652の軸孔に内嵌される軸部8653と、その軸部8653に内輪が外嵌するワンウェイクラッチOW1と、そのワンウェイクラッチOW1の外輪が内嵌される回転操作部8654とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ8651は、駆動モータKM6の軸に連結される。よって、駆動モータKM6に回転の駆動力が付与されることで、伝達ギヤ8651を回転できる。上述したように、伝達ギヤ8651には、伝達ギヤ8652が歯合された状態で配置される。従って、駆動モータKM6に回転の駆動力が付与されると、伝達ギヤ8651を介して伝達ギヤ8652を回転できる。
軸部8653は、円柱状に形成された棒部材であり、その軸方向長さは回転操作部8654の左右方向の幅寸法よりも長く形成される。軸部8653は、上述したように、一方が伝達ギヤ8652の軸孔に内嵌されると共に、他方がワンウェイクラッチOW1の内輪に挿入される。これにより、伝達ギヤ8652が回転された際の駆動力をワンウェイクラッチOW1に伝達することができる。
ワンウェイクラッチOW1は、上述したように内輪と外輪とその間に係合されるローラーとから形成されており、内輪が一方向に回転されると内輪の回転を外輪に伝達できると共に内輪が他方向に回転されると内輪の回転を外輪に非伝達にできる。
回転操作部8654は、円環状に形成されており、その外周面の一部が上皿8017から突出した状態で配設される。また、回転操作部8654の内円部には、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内嵌される。即ち、回転操作部8654の内傾は、ワンウェイクラッチOW1の外径と略同一に形成される。よって、回転操作部8654は、ワンウェイクラッチOW1の外輪が回転されることで、回転が伝達される。
その結果、駆動モータKM6が駆動されて、一方向に回転されると、その回転が伝達ギヤ8651,8652及びワンウェイクラッチOW1の内輪を介してワンウェイクラッチOW1の外輪に伝達されて、回転操作部8654が回転される。一方、駆動モータKM6が駆動されて、他方向に回転されると、ワンウェイクラッチOW1の内輪と外輪とが非伝達とされ回転操作部8654への回転駆動の伝達が遮断される。
次に、図148を参照して、遊技者が回転操作部8654を操作する場合の説明をする。図148は、パチンコ機10の断面模式図である。なお、図148の断面は、図147と対応する。
上述したように、回転操作部8654は、駆動モータKM6が回転されることで、回転操作部8654が回転する態様と、駆動モータKM6の回転を非回転とすることで、回転操作部8654の回転変位が停止された態様を形成することができる。
さらに、図148に示すように、駆動モータKM6が一方向へ回転され、回転操作部8654がA方向に回転される際に、遊技者が回転操作部8654の外周面を操作して回転操作部8654に回転A方向と同一方向に回転力を発生させると、ワンウェイクラッチOW1の外周面および回転操作部8654が先行して回転される。即ち、回転操作部8654は、遊技者の操作により駆動モータKM6の回転速度よりも速い速度の回転で操作することができる。
また、回転操作部8654が非回転(駆動モータKM6が非回転)とされる際に、遊技者が回転A方向に回転操作部8654に駆動力を付与することで回転操作部8654を回転変位させることができる。
よって、第8実施形態では、回転操作部8654が、駆動モータKM6の駆動により非回転または回転状態の態様を形成するだけでなく、回転操作部8654が遊技者の操作により停止状態から回転する態様および回転操作部8654が遊技者の操作により回転状態から更に早い速度で回転される態様を形成することができる。
その結果、回転操作部8654の変位態様を遊技者に視認させる態様を複数形成することができるので、遊技者に興趣を与えることができる。また、回転操作部8654の回転態様を複数形成することで、パチンコ機10の演出態様を複数形成することができるので、その演出を増加できる分、遊技者に興趣を与えることができる。
なお、回転操作部8654の側面には、その回転回数を計測するセンサ装置等が配置されており、回転操作部8654の回転数や回転速度に基づいて変化される演出を行うことができる。
次いで、図149を参照して、第9実施形態における第1リンク部材9431について説明する。第9実施形態における第1リンク部材9431の板状突起9431bは、カム部材422との当接面が傾斜して形成される傾斜面9431b1を備える。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図149(a)は、第9実施形態における第1リンク部材9431の斜視正面図であり、図149(b)は、下変位ユニット400の断面模式図である。なお、図149(b)は、図56(a)の断面模式図と対応する。
なお、第9実施形態における下変位ユニット400は、第1実施形態における下変位ユニット400と同様に、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に配設されるベース部材410と、そのベース部材410に配設される伝達部材420と、その伝達部材420から駆動力が伝達されることで変位する下変位部材440(図45参照)と、を備える。また、第9実施形態における下変位ユニット400は、ベース部材410及び下変位部材440に連結されると共に伝達部材420の駆動に伴って変位されるリンク部材9430を備え、そのリンク部材9430の変位により下変位部材440が変位される。
図149に示すように、第9実施形態における第1リンク部材9431は、正面視略くの字形状に屈曲して形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状に形成される。第1リンク部材9431は、一端側(図149(a)矢印D方向側)の前後方向に貫通する貫通孔431aと、他端側(図149(a)矢印U方向側)の背面側に突出する円柱状の連結突起431c(図46参照)と、ベース部材410の湾曲壁部411eと対向する位置に突出する板状突起9431bと、屈曲部分の正面側に突出する円柱状の摺動突起431dと、備える。
板状突起9431bは、貫通孔431aの軸を中心に湾曲状に延設されると共に、正面側(正面ベース411側(矢印F方向側))に向かって突設される。また、板状突起9431bの突設寸法は、カム部材422の厚み(矢印F−B方向寸法)寸法よりも大きく設定される。さらに、板状突起9431bの突設先端面と対向するベース部材410(湾曲壁部411e)とは、若干の隙間(距離X14(図149(b)参照))を隔てて配置される。
カム部材422は、板状突起9431bを除く第1リンク部材9431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間における領域を変位可能な状態で配置される。また、カム部材422及び第1リンク部材9431との対向間の隙間と、カム部材422及びベース部材410の対向間の隙間と、を合わせた2箇所の隙間の寸法は、上述した距離X14よりも大きく設定される。
これにより、上述した距離X14が小さくなる方向(矢印F方向)に第1リンク部材9431が、撓んだ際に板状突起9431bの突設先端面を対向するベース部材410(湾曲壁部411e)に当接させることができる。よって、板状突起9431bを除く第1リンク部材9431の正面と湾曲壁部411eの突出面(背面)との対向間にカム部材422が挟まれて変位が規制されることを抑制できる。
また、板状突起9431bは、カム部材422側(図149(b)矢印L方向側)の周方向の側面に、カム部材422に向かうに従って正面側に突出する傾斜面9431b1を備える。傾斜面9431b1は、図149(b)に示すように、突出側(矢印F方向側)に向かって略45度傾斜して形成される。
これにより、下変位ユニット400が第2変位状態とされてカム部材422の端部が板状突起9431bに当接した際に、カム部材422を第1リンク部材9431の背面(矢印F方向側の面)に押し付ける(変位させる)ことができると共に、第1リンク部材9431の板状突起9431bの突設先端面(矢印F方向側の面)を湾曲壁部411eに押し付けることができる。その結果、カム部材422及び第1リンク部材9431が前後方向(矢印F−B方向)に揺れ動くことを抑制でき、下変位部材440を第2変位状態の位置で維持しやすくできる。
なお、この場合、カム部材422の端部には、傾斜面9431b1との当接部分に傾斜面9431b1と平行な平面が形成されることが好ましい。これにより、カム部材422と傾斜面9431b1とが当接した際に、カム部材422を背面側(矢印B方向側)に変位させやすくできる。
次いで、図150を参照して、第10実施形態における一般入賞口ユニット10150について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150は、接着テープ154aが、装飾部材154の端部に貼付される場合について説明したが、第10実施形態では、接着テープ10154aが装飾部材10154の端部から所定の幅を隔てる内側に貼付される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図150は、第10実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図150は、図16の断面図に対応する。また、第10実施形態における一般入賞口ユニット10150は、第1実施形態における一般入賞口ユニット150と同様に、遊技盤13の遊技領域(ベース板60の正面)に配設され、遊技領域を流下する遊技球の経路を変更可能とされる。また、一般入賞口ユニット10150は、内レール76及び外レール77により囲われて形成される遊技領域に対して、正面視(矢印B方向視)における重力方向下側(矢印D方向側)の端部に沿う位置に配置される。
さらに、一般入賞口ユニット10150は、正面視において三日月状に形成される本体部151と、その本体部151の端部から正面側(矢印F方向側)に立設される第1立設部152(図12参照)と、その第1立設部152の重力方向上側(矢印U方向側)の端部から遊技領域の中央側に向かって延設される第2立設部153(図12(a)参照)と、本体部151の正面側に形成される複数(本実施形態では3個)の一般入賞口63(図12(a)参照)と、備える。
図150に示すように、第10実施形態における一般入賞口ユニット10150は、本体部10151の背面に配設される装飾部材10154を備える。装飾部材10154は、本体部151と接着される接着テープ10154aが、装飾部材10154の端部から所定の幅を隔てる内側に貼付される。これにより、接着テープ10154aの厚みの分、本体部151と装飾部材10154との間に所定の隙間(空間)が装飾部材10154の端部に形成される。その結果、遊技者が所定以上の角度(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から一般入賞口ユニット10150を視認した場合に、装飾部材60cと装飾部材10154の装飾との境界を遊技者に視認させにくくすることができる。
詳しく説明すると、装飾部材10154の端部に本体部151との間の空気層を形成することで、本体部151の内部を反射して本体部151の端部(傾斜面151a)から遊技者側に出射する光Lが、装飾部材10154の端部での装飾の影響を受けないようにする(光Lの波長が変更されにくくする)ことができる。また、接着テープ10154aの内部を通過して、装飾部材10154の装飾の影響の受ける光は、本体部151の内部を繰り返し反射されることで本体部151の外側に出射されるので、遊技者の視点に向かって反射される際に、装飾部材10154の装飾の影響を少なくすることができる。
よって、遊技者に出射される光Lの波長の変化を少なくすることができ、遊技者が所定以上の角度から一般入賞口ユニット10150を視認した場合に、装飾部材60cと装飾部材10154の装飾との境界を認識させにくくすることができる。その結果、通常の角度(例えば、遊技盤13の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から装飾部材60cと装飾部材10154の装飾を遊技者が視認する場合には、ベース板の装飾部材60cと装飾部材10154の装飾とを1の装飾として遊技者に視認させやすくできると共に、所定の角度(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から視認する場合には、境界部分の装飾を見にくくして、装飾が分割されていることを遊技者に分かりにくくすることができる。
次いで、図151から図153を参照して、第11実施形態における下変位部材11440について説明する。上記第1実施形態では、下変位部材440の背面側に配設される制御基板491により装飾部材450に光を照射する場合について説明したが、第11実施形態の下変位部材11440は、制御基板491から照射される光により内部の遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図151及び図152を参照して、第11実施形態における下変位部材11440の全体構成について説明する。図151は、第11実施形態における下変位部材11440の分解斜視正面図である。図152(a)及び図152(b)は、下変位部材11440の正面図である。なお、図152(a)では、制御基板491に配設される発光体11491aの外形が鎖線で図示され、図152(b)では、装飾部材11450が取り外された状態が図示される。
図152(a)及び図152(b)に示すように、第11実施形態における下変位部材11440は、正面ベース411(図45参照)に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480及びベース部材470の間に変位可能に配設される伝達機構11460と、ケース部材480の前後(矢印F−B方向)を覆う態様で形成される装飾部材11450と、を主に備えて形成される。
装飾部材11450は、模様やキャラクターを模した外形に形成され、表面にその模様やキャラクターの絵が描かれる。装飾部材11450は、正面ケース481の正面側(矢印F方向側)に配設される正面側装飾部11451と、背面ケース482の背面側(矢印B方向側)に配設される背面側装飾部452とを主に備えて形成される。なお、本実施形態では、装飾部材11450にサメの模様(キャラクター)が描かれる。
正面側装飾部11451は、正面視において正面ケース481の外形よりも大きい外形に形成され、正面ケース481に取着される。これにより、正面側装飾部11451の背面側に配設される部材(ケース部材480、ベース部材470等)を遊技者から視認不可能とすることができる。また、正面側装飾部11451は、正面視における内側に光透過性材料から形成される透過部11451bを備える。
透過部11451bは、後述する制御基板491に配設される複数の発光体11491aと対向する位置の全域に形成されており、複数の発光体11491aから照射される光を遊技者側に導光可能とされる。また、透過部11451bは、正面側(矢印F方向側)が、上下方向(矢印U−D方向)の外側端部に向かって背面側(矢印B方向側)に湾曲して形成される。これにより、透過部11451bの背面側から入射される光が透過部11451bの内部を通過して正面側から出射される際に、拡散しやすくされる。
伝達機構11460は、ベース部材470の正面側(矢印F方向側)に配置される部材であり、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の正面側をスライド変位可能に配設される可動ラック464と、その可動ラック464に回転可能に配置される伝達ギヤ465と、ベース部材470に形成され、伝達ギヤ465が歯合される歯面のラックギヤ476と、伝達ギヤ465に歯合される歯面を有し可動ラック464の正面側をスライド変位可能に配設されるラック11466と、そのラック11466の一端側に回転可能に配設される球受部467と、を主に備える。
ラック11466は、正面視矩形横長の棒状体から形成され、上端面に刻設されるラックギヤ466aと、長手方向の他端側(矢印L方向側)の端部から背面側(矢印B方向側)に円柱状に突出する軸部466bと、正面側(矢印F方向側)に突出する2つの摺動板466cと、長手方向の一端(矢印R方向側)から他端に亘って背面に凹設される凹設部466d(図59参照)と、ラックギヤ466aの正面側から上方(矢印U方向)に突設される遮蔽板11466eと、を備える。
遮蔽板11466eは、非光透過性の材料から形成されており、発光体11491aから出射される光を遮断可能とされる。また、遮蔽板11466eは、上方への突設高さ(矢印U方向高さ)が、背面側に配設される発光体11491aよりも高い位置(矢印U方向側の位置)とされる。これにより、ラック11466の変位に伴って、遮蔽板11466eを前後方向(矢印F−B方向)に変位させて、発光体11491aから照射される光を遮断できる。
制御基板491は、ベース部材470の背面側(矢印B方向側)に配設されており、正面側に光を照射できる発光体11491aを複数個備える。複数の発光体11491aは、下変位部材11440の長手方向(矢印L−R方向)に並設されると共に、ベース部材470を介して正面側(矢印F方向側)に配設される球受部467よりも上方(矢印U方向)に配設される。これにより、球受部467により、発光部11491aから出射された光が遮られることを抑制できる。
次いで、図153を参照して、遊技球が球受部467の内側に送球された状態について説明する。図153(a)は、下変位部材11440の正面図であり、図153(b)は、図153(a)のCLIIIb−CLIIIb線における下変位部材11440の断面模式図であり、図153(c)は、図153(a)のCLIIIc−CLIIIc線における下変位部材11440の断面模式図である。
図153に示すように、球受部467に遊技球が受け入れられると、受け入れられた遊技球が、発光体11491aの正面側(矢印F方向側)に重なる位置に配置される。これにより、球受部467により受け入れられた遊技球で、発光体11491aから遊技者側に照射される光を遮断することができる。その結果、下変位部材11440の内側に送球された遊技球の位置を光が遮断されてできる影により遊技者に認識させることができる。
また、第11実施形態では、装飾部材11450の背面側に配設され、球受部467の変位領域に向けて光を出射可能な制御基板491を備え、制御基板491は、球受部467の背面側に配設され、球受部467または球受部467に受け入れられた遊技球により、制御基板491から出射される光を遮断して、装飾部材11450から出射される光の光量を部分的に異ならせるので、球受部467または球受部467に受け入れられた遊技球の正面側に位置する装飾部材11450から出射される光の光量と、その他の位置の装飾部材11450から出射される光の光量と、を異ならせる(暗くして影を形成する)ことで、その光量の異なる部分の背面側に球受部467または球受部467に受け入れられた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
詳しく説明すると、球受部467の背面側に制御基板491が配設される場合には、制御基板491から出射される光を球受部467または球受部467に受け入れた遊技球により遮断することで、球受部467または球受部467に受け入れた遊技球の正面側の装飾部材11450から出射される光の光量を装飾部材11450の他の部分よりも暗くすることができる。その結果、装飾部材11450から出射される光量の少ない(暗い)部分の背面側に球受部467または球受部467に受け入れた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
また、球受部467は、遊技球の下半球を受け入れる形状に形成され、発光体11491aは、球受部467に受け入れられる遊技球の中心よりも高い位置に配置されるので、発光体11491aから照射される光が球受部467に照射されにくくすることができる。従って、発光体11491aから照射される光により、遊技球を受け入れる球受部467及び球受部467をスライド変位させるラック11466の外形が影となって、透過部11451bに影が形成されることを抑制できる。その結果、球受部467に受け入れられた遊技球でのみ、透過部11451bに影を形成することができるので、遊技球が球受部467に受け入れられていない状態で球受部467が変位する場合に、遊技者の視線が球受部467に注目されることを抑制できる。
次いで、図154及び図155を参照して、第12実施形態における球受部12467について説明する。上記第11実施形態では、球受部467に受け入れた遊技球により発光体11491aから照射される光を遮断する場合について説明したが、第12実施形態では、球受部12467に配設される第3片12467eにより発光体11491aから照射される光を遮蔽する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図154を参照して、第12実施形態における球受部12467の構成について説明する。図154(a)は、第12実施形態における球受部12467の分解斜視正面図であり、図154(b)は、球受部12467の正面図である。なお、図154(a)では、球受部12467の一部が鎖線で図示される。
なお、第12実施形態における下変位部材12440は、上記第11実施形態における下変位部材11440と同様に、正面ベース411(図45参照)に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480の前後(矢印F−B方向)を覆う態様で形成される装飾部材11450と、を主に備えて形成される。また、第12実施形態における下変位部材12440は、ケース部材480及びベース部材470の間に変位可能に配設され、遊技球を受け入れることで変形可能な球受部12467cを有する伝達機構12460を備える。
図154に示すように、第12実施形態における球受部12467は、正面視略L字に屈曲して形成される第1片12467cと、その第1片12467cに連結される第2片12467dと、その第2片12467dに連結されると共に第1片12467c及び第2片12467dの背面側に配設される第3片12467eと、を備える。
第1片12467c及び第2片12467dは、開口451a(図57参照)から下変位部材12440の内側に送球された遊技球を保持する部分であり、第1片12467c及び第2片12467dの対向間に遊技球が送球されると、第1片12467cに対して第2片12467dが離間する方向に変位され、第1片12467cの一部と第2片12467dとが正面視においてU字状に配置され、そのU字の内側部分に遊技球を保持することができる。
第1片12467cは、正面視においてL字に形成される一方の延設側を形成する受入片12467c4と、他方の延設側を形成する脚部467aと、受入片12467c4及び脚部467aとの連結部分(屈曲部分)に前後方向(矢印F−B方向)に貫通する軸孔467bが形成される円環状の屈曲部12467c5と、屈曲部12467c5を間に挟んで反対側に突出する連結部12467c1と、を備える。
受入片12467c4は、1片12467c及び第2片12467dにより正面視U字状に形成される他方側(矢印R方向側)の側面を形成する部分であり、正面において三日月状に形成されると共に、第2片12467dから離間する方向に凹となる湾曲形状に形成される。
連結部12467c1は、屈曲部12467c5の軸方向(矢印F−B方向)に所定の間隔を隔てて2箇所から突設される。また、連結部12467c1は、後述する第2片12467d及び第3片12467eを連結する部分であり、軸孔467bの軸方向に沿って延設されると共に断面円形状に開口される連結孔12467c2を備える。
連結孔12467c2は、後述する第3片12467eに突設される軸部12467e3が挿入される開口である。連結孔12467c2は、後述する第2片12467dに形成される挿通孔12467d3に挿通した軸部12467e3が背面側(矢印B方向側)から挿入される。また、軸部12467e3は、連結孔12467c2の挿入側と反対側(正面側(矢印F方向側))から挿入されるネジにより締結される。これにより、第1片12467cに第2片12467d及び第3片12467eを締結することができる。
また、第1片12467cは、連結部12467c1の突設基端側に重力方向下側(矢印D方向側)に凹む凹部12467c3を備える。凹部12467c3の凹設底面は、第1片12467c及び第2片12467dにより遊技球が保持される底面の中で一番低い位置(最下部)に形成される。これにより、第1片12467c及び第2片12467dに保持される遊技球は、凹部12467c3の内側に転動される。
第2片12467dは、第1片12467cの受入片12467c4及び第2片12467dにより正面視U字状に形成される他方側(矢印L方向側)の側面を形成する部分であり、正面視において三日月状に形成されると共に、受入片12467c4から離間する方向に凹となる湾曲形状に形成される。また、第1片12467c、第2片12467dの連結部分に前後方向(矢印F−B方向)に円形状に開口する挿通孔12467d3と、背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)に向かって断面円形状に凹設される凹設部12467d2と、を主に備える。
第2片12467dは、挿通孔12467d3に、第3片12467eの軸部12467e3が挿入され、凹設部12467d2に、第3片12467eの連結軸12467e4が挿入される。従って、第2片12567dが変位されると、第3片12467eも同様に変位される。よって、第2片12567dが第1片12467cに対して回転変位されると、第3片12567eも同様に第1片12467cに対して回転変位される。
さらに、第2片12467dは、第1片12467cの2箇所に突設される連結部12467c1の対向間に配設されて、第1片12467cに連結される。これにより、第2片12467dが挿通孔12467d3の軸方向にねじれた場合に、連結部12467c1の対向側の側面に第2片12467dを当接させて軸部12467e3が折れることを抑制できる。
凹設部12467d2は、後述する第3片12467eの連結軸12467e4を挿入する孔であり、連結軸12467e4と略同一の形状に凹設される。
第3片12467eは、正面視略半円形の板状に形成される遮蔽板12467e1と、その遮蔽板12467e1から正面側(矢印F方向側)に向かって突設される軸部12467e3及び連結軸12467e4と、を備える。
遮蔽板12467e1は、非光透過性の材料から形成されており、発光体11491aの正面側に配置される場合に、発光体11491aから照射される光を遮蔽することができる。なお、遮蔽板12467e1による発光体11491aの光の遮蔽については後述する。
軸部12467e3は、上述したように第1片12467cの連結孔12467c2及び第2片12467dの挿通孔12467d3に挿入される円柱体である。また、軸部12467e3の突設先端面には、軸部12467e3の挿入側と反対側から連結孔12467c2に挿入されるネジを螺合可能な孔が形成される。よって、軸部12467e3を連結孔12467c2及び挿通孔12467d3に挿入した状態で、軸部12467e3の挿入先端面にネジを締結することで、第1片12467c、第2片12467d及び第3片12467eを連結することができると共に、第3片12467eを第1片12467cに対して回転可能な状態にできる。
連結軸12467e4は、上述したように、第2片12467dの凹設部12467d2に挿入される。これにより、第2片12467dが第1片12467cに対して軸部12467e3を中心に回転変位した際に、連結軸12467e4を第2片12467dの変位に伴って変位させることができる。従って、第3片12467eを第2片12467dの変位に伴って変位させることができる。
次いで、図155を参照して、第12実施形態における球受部12467の変位について詳しく説明する。図155(a)及び図155(b)は、下変位部材12440の正面図であり、図155(c)は、図155(b)のCLVc−CLVc線における下変位部材12440の断面模式図である。なお、図155(a)及び図155(b)では、下変位部材12440の一部および発光体11491aが鎖線で図示される。また、図155(a)では、遊技球が球受部12467に受け入れられる前(保持される前)の状態が図示され、図155(b)では、遊技球が球受部12467に受け入られた(保持された)状態が図示される。
図155に示すように、球受部12467は、遊技球が第1片12467c及び第2片12467dの対向間に受け入れられる前の状態では、第3片12467eの荷重により第2片12467dが第1片12467c側に近づいた状態とされ、第3片12467eが、球受部12467の背面側に配設される発光体11491aよりも下方に位置される。従って、球受部12467に遊技球が受け入れられる前では、発光体11491aから照射される光を遊技者側に出射することができる。
一方、第1片12467c及び第2片12467dの対向間に遊技球が受け入れられると、受け入れられた遊技球は、第1片12467c及び第2片12467dの受入面(正面視U字に形成される内側の側面)を転動して、その受入面の最下端に位置する凹部12467c3に案内される。これにより、遊技球の外面で第2片12467dを軸部12467e3を中心に第1片12467cから離間する方向に回転させることができる。その結果、第2片12467dの変位に伴って移動する第3片12467eを球受部12467の背面側に配設される発光体11491aの正面側(矢印F方向側)に配置することができる。
従って、発光体11491aから出射される光を第3片12467eの遮蔽板12467e1により遮蔽することができる。その結果、球受部12467に遊技球が受け入れられた場合にのみ、発光体11491aから出射される光を遮蔽しやすくできるので、下変位部材12440に受け入れられた遊技球の位置を発光体11491aの光を遮蔽する影の位置で遊技者に認識させることができる。
また、第2片12467dは、凹設部12467d2に連結軸12467e4が挿入されて、第3片12467eの荷重が常に作用される。第3片12467eの重心G(図154(b)参照)は、第2片12567d及び第3片12567eとの連結部分から、軸部12467e3を挟んで反対側に設定される。これにより、第2片12467dおよび第3片12467deに重力以外の力が作用していない状態では、第3片12467eの荷重により、第2片12467dを第1片12467c4側に、回転させることができる。
従って、球受部12467から遊技球が排出される(取り出される)と、第3片12467eの荷重により第2片12467dを第1片12467cの球受片12467c4側に変位させることができる。
さらに、球受部12467は、第1実施形態における球受部467と同様に、下変位部材12440の内部をスライド変位させる動作により、軸穴12467bを中心に回転されて、下変位部材12440の出射開口471(図66参照)から受け入れた遊技球が外側に排出される。
ここで、球受部12467に受け入れられた遊技球を排出する構造として、球受部12467のスライド移動に伴って、軸孔467bを中心に球受部12467の回転させる構造では、球受部12467のスライド速度により、軸孔467bを中心とする球受部12467の回転速度が変更される。従って、球受部12467のスライド速度のみに回転速度が依存するので、球受部12467からの遊技球の排出速度が安定しないという問題点があった。
これに対し、第12実施形態では、第3片12467eの荷重により第2片12467dが回転する方向と、遊技球を出射する際の軸孔467bを軸とする球受部12467の回転方向とが略同一の方向に設定されるので、出射開口471から出射される遊技球に第2片12467dが変位する際の駆動力を付与することができる。従って、球受部12467を変位させて出射開口471から遊技球を排出する際の球受部12467から遊技球に作用させる力を小さくしても、出射される遊技球の速度を維持することができる。その結果、球受部12467から出射される遊技球の排出速度を安定させることができる。
次いで、図156から図158を参照して、第13実施形態における特別入賞装置13550について説明する。上記第1実施形態では、特別入賞装置550の第1ユニット551の内部に流入した遊技球の送球経路を第3経路部材580の第1及び第2駆動ユニット583,584により切り替える場合を説明したが、第13実施形態では、特別入賞装置13550の送球経路の対向間隔を変更することで、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球の流下経路を調整する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図156及び図157を参照して、第13実施形態における特別入賞装置13550の全体構成について説明する。図156(a)は、第13実施形態における特別入賞装置13550の正面図であり、図156(b)は、特別入賞装置13550の斜視正面図であり、図156(c)は、図156(a)のCLVIc−CLVIc線における特別入賞装置13550の断面図である。図157は、特別入賞装置13550の分解斜視正面図である。
図156及び図157に示すように、第13実施形態における特別入賞装置13550は、正面側に配設される第1経路部材13560と、その第1経路部材13560の背面側に配設される第2経路部材13570と、を備える。
第1経路部材13560は、遊技盤13の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板13564と、その正面板13564の左右の端部から背面側(ベース板60側)に突設される第1壁部13565と、を主に備える。
正面板13564は、後述する第2経路部材13570との対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、光透過部材から形成される。これにより、遊技者は、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球を正面板13564を介して視認することができる。また、正面板13564は、第2経路部材13570側に突出する第1凸部13564b、第2凸部13564cと、その第1凸部13564b、第2凸部13564cの下方に位置し第2経路部材13570側に突設される第3凸部13564dと、を備える。
第1凸部13564b及び第2凸部13564cは、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球を案内するための突起であり、正面板13564の左右方向外側(矢印L−R方向外側)から正面板13564の左右方向中央側に向かって下降傾斜して形成される。
第3凸部13564dは、正面板13564の左右方向(矢印L−R方向)中央に位置し重力方向(矢印U−D方向)に延設される。なお、第13実施形態では、遊技盤13の遊技領域において、特別入賞装置13550の左右方向(矢印L−R方向)略中央位置の左右で特別入賞装置13550から流下する遊技球の送球経路が異なり、特別入賞装置13550の正面視左側から流下する遊技球は、第1入賞口64(図2参照)に送球され、送球された遊技球により、遊技者に特定の遊技価値が付与される(所定数の遊技球が払い出される)。一方、特別入賞装置13550の正面視右側から流下する遊技球は、遊技盤13のアウト口71に送球され、パチンコ機10に回収される。
なお、第13実施形態では、特別入賞装置13550の左側(矢印L方向側)の下方(矢印D方向側に第1入賞口64が配置される。これにより、特別入賞装置13550の正面視左側から流下する遊技球を第1入賞口64に流入させることができる。
第1壁部13565は、遊技盤13のベース板60と特別入賞装置13550とを連結する部分であり、突設先端部に左右外側に突出する連結板13565aを左右の第1壁部13565にそれぞれ2箇所ずつ備える。
連結板13565aは、特別入賞装置13550を遊技盤13のベース板60に締結するためのネジを挿入するための貫通孔13565a1が貫通形成される。この貫通穴13565a1に挿通したネジにより、特別入賞装置13550をベース板60に締結することができる。
第2経路部材13570は、第1経路部材13560の正面板13564と対向する板状のベース板13571と、そのベース板13571の左右(矢印L−R方向)の端部から第1経路部材13560の正面板13564側に突設される第4壁部13573と、を備える。
ベース板13571は、第1経路部材13560の正面板13564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面視における外形が正面板13564の外形よりも小さく形成される。これにより、ベース板13571の正面側を正面板13564で覆うことができるので、遊技者側からベース板13571を視認しにくくすることができる。
また、ベース板13571は、第1経路部材13560側に突出する第4凸部13571b、第5凸部13571cと、それら第4凸部13571b及び第5凸部13571cの下方に位置し正面板13564側に突設される第6凸部13571dと、を主に備える。
第4凸部13571b及び第5凸部13571cは、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球を案内するための突起であり、ベース板13571の左右方向外側(矢印(L−R方向外側)からベース板13571の中央側に向かって下降傾斜して形成される。
第6凸部13571dは、上述した第3凸部13564dと対向する位置に形成されており、第3凸部13564dの先端と所定の隙間を有する長さに形成される。なお、第3凸部13564dと、第6凸部13571dとの対向間の隙間は、遊技球の直径よりも小さい寸法に設定される。
第4壁部13573は、第1経路部材13560を挿通したネジを締結するための締結孔13573aが左右の第4壁部13573のそれぞれに2箇所ずつ穿設される。これにより、第1経路部材13560と第2経路部材13570とが締結固定される。
また、第4壁部13573の締結孔13573aの周囲には、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間の隙間を調整するシム部材SIが配設される。
シム部材SIは、薄い板状の透明材料から形成されており、遊技者側から視認されにくくされる。また、本実施形態では、シム部材SIは、正面視左側の端部に配設され、正面視左側の正面板13564とベース板13571の対向間の間隔が大きくされる。
次いで、図158を参照して、第13実施形態における特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球について説明する。図158(a)は、特別入賞装置13550の上面図であり、図158(b)は、図158(a)のCLVIIIb−CLVIIIb線における特別入賞装置13550の断面図である。
図158に示すように、特別入賞装置13550は、正面視左側の端部にシム部材SIが配設され、正面視左側における正面板13564とベース板13571との対向間の間隔L14(図158(a)参照)が、正面視右側における正面板13564とベース板13571との対向間の間隔L15(図158(a)参照)よりも大きく設定される(L14>L15)。
なお、間隔L14は、正面板13564とベース板13571とが対向する位置における左側(矢印L方向側)端部の間隔である。また、間隔L15は、正面板13564とベース板13571とが対向する位置における右側(矢印R方向側)端部の間隔である。さらに、間隔L15は、遊技球の直径よりも大きく設定されており、特別入賞装置13550の上方から流下する遊技球を左右方向のどの位置からでも特別入賞装置13550の内部に流入させることができる(L14>L15>遊技球の直径)。
また、特別入賞装置13550は、第3凸部13564d及び第6凸部13571dにより下流側が左右に区画される。これにより、特別入賞装置13550の上流側の主経路SK1(図158(b)参照)を流下する遊技球は、特別入賞装置13550の正面視左側に形成される主経路SK2と、正面視右側に形成される副経路HK1とのどちらか一方に流入される。なお、上述したように、特別入賞装置13550の下流側の遊技領域は、特別入賞装置13550の左右方向の略中央位置で送球経路が異なって形成されている。従って、主経路SK2から遊技領域に送球される遊技球は、特定の入賞口に送球され、副経路HK1から遊技領域に送球される遊技球は、遊技板13のアウト口71に送球される。
さらに、上述した正面板13564の第1凸部13564b及び第2凸部13564cと、ベース板13571の第4凸部13571b及び第5凸部13571cとの突出寸法は、略同一に設定される。即ち、正面板13564から背面側に向かって突出する第1凸部13565bと第2凸部13564cとは、その突出寸法が同一に設定される。また、ベース板13571から正面側に向かって突出する第4凸部13571bと第5凸部13571cとは、その突出寸法が同一に設定される。さらに、第1凸部13565bと第4凸部13571bとの突出寸法が同一に設定される。
また、第1凸部13564b及び第2凸部13564cと第4凸部13571b及び第5凸部13571cとは、上下方向の高さが異なる位置に配置される。即ち、正面板13564から背面側に向かって突出する第1凸部13565bと第2凸部13564cとは、同一の高さから突出される。また、ベース板13571から正面側に向かって突出する第4凸部13571bと第5凸部13571cとは、同一の高さから突出される。さらに、第1凸部13565bと第4凸部13571bとは、異なる高さに配置され、第4凸部13571bが、第1凸部13565bよりも下方に配置される。また、重力方向2箇所から突設される第4凸部13571bの中間位置に、重力方向の2箇所から突設される第1凸部13565bの下方側が配置される。
これにより、特別入賞装置13550の内部を流下する遊技球を第1凸部13564b及び第4凸部13571b又は第2凸部13564c及び第5凸部13571cに順に衝突させつつ流下させることができる。その結果、遊技球を第1凸部13564b及び第2凸部13564cと第4凸部13571b及び第5凸部13571cの延設方向に沿って流下させることができる。
特別入賞装置13550の正面視左側における正面板13564及び第4凸部13571b又は、ベース板13571及び第1凸部13564bの対向間の距離寸法L16(図158(a)参照)は、シム部材SIにより遊技球の直径よりも大きく設定されると共に、特別入賞装置13550の正面視右側における正面板13564及び第5凸部13571c又は、ベース板13571及び第2凸部13564cの対向間の距離寸法L17は、遊技球の直径よりも小さく設定される。
なお、間隔L16は、第4凸部13571b及び第1凸部13564bの第5凸部13571c及び第2凸部13564c側(矢印R方向側)の端部における正面板13564又はベース板13571との対向間の距離寸法である。また、間隔L17は、第5凸部13571c及び第2凸部13564cの第4凸部13571b及び第1凸部13564b側(矢印L方向側)の端部における正面板13564又はベース板13571との対向間の距離寸法である。
さらに、第13実施形態では、特別入賞装置13550の左側(矢印L方向側)の下方(矢印D方向側に第1入賞口64が配置される。これにより、特別入賞装置13550の正面視左側から流下する遊技球を第1入賞口64に流入させることができる。
よって、特別入賞装置13550の正面視右側(矢印R方向側)から特別入賞装置13550の主経路SK1に流入される遊技球は、第2凸部13564c及び第5凸部13571cに当接しやすくされ、第2凸部13564c及び第5凸部13571cの延設方向に沿って流下させて副経路HK1側に案内されやすくなる。一方、特別入賞装置13550の正面視左側(矢印L方向側)から特別入賞装置13550の主経路SK1に流入される遊技球は、第1凸部13564b及び第4凸部13571bに衝突し難くされ、そのまま副経路HK1に送球されやすくなる。その結果、特別入賞装置13550の内部に流入した遊技球の流下方向を変更することができる。
なお、本実施形態では、第1凸部13564b、第2凸部13564c、第4凸部13571b及び第5凸部13571cが、第6凸部13571d及び第3凸部13564d(主経路HK1と副経路SK6との遊技球の流入口)よりも上方(矢印U方向)に形成される。よって、主経路SK1を流下する遊技球の大半を副経路HK1に流下させることができると共に、副経路HK1よりも相対的に少ない個数の遊技球を主経路SK6に流下させることができる。
また、第13実施形態では、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間をシム部材SIにより調整すると共に非平行として、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間を流下する遊技球の位置(遊技球の流下する方向)を調整することができる。
従って、ベース板60の正面に打ち付けられた釘のベース板60の正面に対する角度を変更して遊技球が流下されやすい方向を調整する場合に比べて、特別入賞装置13550の内側を流下されやすい方向を遊技者に認識させにくくすることができる。その結果、遊技者が遊技機で遊技をする前に遊技が不利であると認識することを抑制でき、遊技機の稼動率を向上できる。
また、第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向方向の2方向(前後方向(矢印F−B方向))を変更することのみで、特別入賞装置13550の内側を流下する遊技球の流下方向を変更できるので、遊技盤13(ベース板60)の正面に対して全方向に調整可能な釘よりも、その調整を簡易にできる。その結果、調整者の意図する方向に遊技球を流下させやすくできる。
なお、調整者の意図する方向とは、例えば、副経路HK1側(矢印L方向側)の第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向間を主経路SK6側(矢印R方向側)の第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向間よりも大きくして、特別入賞装置13550の内側を流下する遊技球が副経路HK1に流下する、又は、主経路SK6側(矢印R方向側)の第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向間を副経路HK1側(矢印L方向側)の第1経路部材13560及び第2経路部材13570の対向間よりも大きくして、特別入賞装置13550の内側を流下する遊技球が主経路SK6に流下することである。
さらに、正面側に配設される第1経路部材13560に対して、シム部材SIを挟むことにより背面側に配設される第2経路部材13570を前後方向(矢印F−B方向)に移動させることができるので、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間の距離を遊技者に認識させにくくすることができる。即ち、遊技者から遠方側に配設される第2経路部材13570が前後方向に移動されるので、遊技者から近い第1経路部材13560が変位される場合に比べて、第1経路部材13560と第2経路部材13570の対向間の距離を遊技者に把握されにくくすることができる。その結果、遊技機の稼動率を向上することができる。
次いで、図159を参照して、第14実施形態における係合部材14310について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310の操作子315が、背面ケース300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出して形成される場合について説明したが、第14実施形態における操作子14315は、突出先端面が基端側に向かって傾斜して形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図159(a)は、第14実施形態における背面ケース300の背面図であり、図159(b)は、図159(a)のCLIXb−CLIXb線における背面ケース300の模式断面図である。
なお、第14実施形態における背面ケース14300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第14実施形態における背面ケース14300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材14310と、背面ケース14300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320と、を主に備える。
図159に示すように、第14実施形態における係合部材14310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片14311及び第2片312と、その第1片14311及び第2片312の端部同士を第1片14311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。
第1片14311は、第3片313が連結される他側と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、固定部材320の被係合部332(図41(a)参照)との係合部分として形成されており、第1片14311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片14311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部317と、背面ケース300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出する操作子14315と、を備える。
操作子14315は、第1片14311の他側(矢印L方向側)の端部に形成され、その突出寸法が、背面ケース300の底壁部301の板厚よりも大きい値に設定され、少なくとも作業者が指で掴める程度の寸法分、背面ケース14300(底壁部301)の背面側に突出される。これにより、操作子14315を底壁部301の第2開口部301dから突出させることができると共に、その突出部分(操作子14315の先端)を掴ませて操作させることができる。
また、操作子14315の突出先端面は、係合部316側(第1片14311の他側(矢印L方向側)に向かうほど操作子14315の基端側に近づく傾斜面14315aとして形成される。これにより、係合部材14310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に作業者が操作子14315を操作する際に、係合部材14310と固定部材320との係合を解除する方向に作用する力を小さくすることができる。
即ち、傾斜面14315aにより作業者が操作子14315を操作した力を分散することができる。これにより、背面ケース300の背面側から操作子14315を操作して係合部材14310と固定部材320との係合を解除し難くすることができる。その結果、不正に固定部材320に配設される基板ボックス100を交換しようとする作業者が、背面ケース300の背面側から操作子14315を操作して、固定部材320を背面ケース300から取り外すことを抑制できる。
また、傾斜面14315aの係合部316側の端部は、背面ケース300の底壁部301の背面よりも正面側(矢印F方向側)に配置される。これにより、係合部材14310と固定部材320との係合を解除する目的で操作子14315を操作する作業者の手を傾斜面14315aに当接させることができる。その結果、操作子14315を操作し難くして、固定部材320に配設される基板ボックス100を不正に交換しようとする作業者が、背面ケース300の背面側から操作子14315を操作して、固定部材320を背面ケース300から取り外すことを抑制できる。
次いで、図160(a)を参照して、第15実施形態における係合部材15310について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310の操作子315は、背面ケース300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に向かって突出して形成される場合について説明したが、第15実施形態における操作子15315は、係合部材15310の第1片15311に軸支される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図160(a)は、第15実施形態における背面ケース300の模式断面図である。なお、図160(a)の断面は、図159(b)の断面と対応する。
なお、第15実施形態における背面ケース15300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301a(図5参照)が開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第15実施形態における背面ケース15300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材15310と、背面ケース15300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320(図41参照)と、を主に備える。
図160(a)に示すように、第15実施形態における係合部材15310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片15311及び第2片312(図41参照)と、その第1片14311及び第2片312の端部同士を第1片15311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313(図41参照)とから構成される。
第1片15311は、第3片313が連結される他側(矢印L方向側)と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、固定部材320の被係合部332(図41(a)参照)との係合部分として形成されており、第1片15311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316(図41参照)と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片15311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部317(図41参照)と、背面ケース300の第2開口部301dに挿通される操作子15315と、その操作子15315が軸支される軸受部15319と、を主に備える。
軸受部15319は、第1片15311の第3片313が連結される他側(矢印L方向側)に第1片15311から突設される。また、軸受部15319は、後述する操作子15315を重力方向(矢印U−D方向)に挿通した円柱状の軸部材15315cが挿入される凹部が形成される。
操作子15315は、棒状に形成されると共に、第1片15311側の端部に重力方向に貫通する貫通孔15315bと、その貫通孔15315bに挿入される軸部材15315cと、を備える。
よって、操作子15315は、貫通孔15315bに挿入された軸部材15315cが、軸受部15319の凹部に挿入されることで、第1片15311に対して回転変位可能な状態で保持される。また、操作子15315の回転軸(軸部材15315c)は、第1片15311よりも正面側に配置される。これにより、図160(a)に示す状態の操作子15315の上方視における右方向(時計回り)の回転を第1片15311の他側の端部に当接させて規制することができると共に、左方向(反時計回り)の回転を許容することができる。
よって、係合部材15310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に作業者が操作子15315を操作する際(図160(a)に示す状態の操作子15315を反時計周りに回転させる際)に、係合部材15310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向)に作用する力を小さくすることができる。これにより、背面ケース300の背面側から操作子15315を操作して係合部材15310と固定部材320との係合を解除しにくくすることができる。その結果、固定部材320に配設される基板ボックス100を不正に交換しようとする遊技者が、背面ケース300の背面側から操作子15315を操作して、固定部材320を背面ケース300から取り外すことを抑制できる。
次いで、図160(b)を参照して、第16実施形態における係合部材15310について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310のスライド操作を操作子315により行われる場合について説明したが、第16実施形態では、係合部材16310の第1片16311の端部が操作されることで行われる。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図160(b)は、第16実施形態における背面ケース300の模式断面図である。なお、図160(b)の断面は、図160(a)の断面と対応する。また、第16実施形態における背面ケース16300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301a(図5参照)が開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
さらに、第16実施形態における背面ケース16300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材16310と、背面ケース16300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320(図41参照)と、を主に備える。
図160(b)に示すように、第16実施形態における係合部材16310は、正面視における外形がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片16311及び第2片312(図41参照)と、その第1片16311及び第2片312の端部同士を第1片16311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313(図41参照)とから構成される。また、第16実施形態における係合部材16310は、背面ケース300に形成される第2開口部301dに背面側から挿通させた指によりスライド変位可能とされる。
第1片16311は、第3片313が連結される他側(矢印L方向側)と反対側の一側(矢印R方向側)の端部が、固定部材320の被係合部332(図41参照)との係合部分として形成されており、第1片311の延設方向と略直交する方向である上下方向(矢印U−D方向)の両外側に突出する係合部316(図41参照)と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片16311の延設方向(矢印L−R方向)に凹設される凹部317(図41参照)と、を主に備える。
図160(b)に示すように、係合部材16310の係合部316と固定部材320の被係合部332とが係合した状態では、第1片16311の他側(矢印L方向側)の端部が第2開口部301dの開口に対して水平方向外側に配置される。従って、係合部材16310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に作業者が係合部材16310を操作する際には、背面ケース300の第2開口部301dから挿入する指で、係合部材16310と固定部材320との係合を解除する方向に係合部材16310を変位させにくくすることができる。その結果、固定部材320に配設される基板ボックス100を交換しようとしてする作業者が、背面ケース300の背面側から係合部材16310を不正に操作して、固定部材320を背面ケース300から取り外すことを抑制できる。
次いで、図161を参照して、第17実施形態における背面ケース17300について説明する。上記第1実施形態では、背面ケース300の第2開口部301dから、係合部材310の操作子315が突出する場合について説明したが、第17実施形態では、背面ケース17300の第2開口部301dから突出する操作子315が、所定の位置で背面ケースの一部に覆われる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図161(a)は、第17実施形態における背面ケース17300の背面図であり、図161(b)は、図161(a)のCLXIb−CLXIb線における背面ケース17300の断面図である。
図161に示すように、第17実施形態における背面ケース17300は、正面視略矩形の底壁部17301と、その底壁部17301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部17301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部17301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部17301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、背面ケース17300は、底壁部17301に正面側の2箇所から突設される突設部301bと、固定部材320と対向する位置に開口する第1開口部301cと、係合部材310と対向する位置に開口する第2開口部301dと、その第2開口部301dの第1開口部301c側(矢印R方向側)の背面を覆設する覆設部17301eと、を備える。
覆設部17301eは、第2開口部301dの第1開口部301c側(矢印R方向側)の端部から背面側(矢印B方向側)に向かって立設される。また、覆設部17301eは立設先端部が背面視における第2開口部301dの開口の内側に向かって屈曲する屈曲部17301e1を備える。これにより、覆設部17301eは、第1開口部301c側(矢印R方向側)と反対側(矢印L方向側)が開口する箱形状に形成される。
また、覆設部17301eの立設距離(底壁部17301cの背面から屈曲部17301e1の正面との間の距離)は、底壁部17301cから突出する操作子315の突出寸法よりも大きく設定される。さらに、覆設部17301eは、背面視における屈曲部17301e1の左右方向(矢印L−R方向)の寸法が、背面視における操作子315の左右方向の寸法よりも大きく設定される。
これにより、係合部材310の係合部316と固定部材320の被係合部332とが係合した状態では、図161(b)に示すように、操作子315が覆設部材17301eの内側に配置される。従って、係合部材310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に係合部材310を作業者が操作する際に、背面ケース17300の背面側から操作子315を掴みにくくすることができる。これにより、係合部材310と固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向側)に係合部材310が変位されることを抑制できる。その結果、固定部材320に配設される基板ボックス100を不正に交換しようとしてする作業者(遊技者)が、背面ケース17300の背面側から係合部材310を操作して、固定部材320を背面ケース17300から取り外すことを抑制できる。
次いで、図162から図164を参照して、第18実施形態における背面ケース18300について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310が、直線方向(矢印L−R方向)にスライド変位される場合について説明したが、第18実施形態における係合部材18310は、背面ケース18300に対して回転変位される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図162及び図163を参照して、第18実施形態における背面ケース18300の構成および係合部材18310の操作について説明する。図162(a)及び図163(a)は、第18実施形態における背面ケース18300の正面図であり、図162(b)及び図163(b)は、背面ケース18300の背面図である。なお、図162(a)及び図162(b)では、係合部材18310と固定部材18320とが係合した状態が図示され、図163(a)及び図163(b)では、係合部材18310と固定部材18320との係合が解除された状態が図示される。
図162及び図163に示すように、第18実施形態における背面ケース18300は、正面視略矩形の底壁部18301と、その底壁部18301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部18302とを備え、それら各壁部18301,18302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース18300は、底壁部18301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材18310と、背面ケース18300の背面側に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材18320と、を備える。
底壁部18301は、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部18301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部18301は、固定部材18320と対向する位置に開口する第1開口部18301cと、その第1開口部18301cの下方(矢印D方向)に位置し、正面側に突出する突設部18301bと、を備える。
第1開口部18301cは、後述する固定部材18320の被係合部18332を挿通するための開口であり、正面視において被係合部18332よりも大きい形状に形成される。これにより、背面ケース18300の内側に役物装置(回転ユニット700)を配設した後で、背面ケース18300の背面側から固定部材18320の係合部分を背面ケース18300の正面側に配置することができる。
突設部18301bは、後述する係合部材18310を軸支する部材であり、底壁部18301bの正面から円柱状に突設される。また、突設部18301bの突設先端面には、ネジを螺合する孔が凹設される。これにより、係合部材18310を背面ケース18300に配設した状態で、突設部18301bにネジを螺合することで、係合部材18310が突設部18301bから抜け出ることを規制できる。
外壁部18302は、正面視において右側(矢印R方向側)の側面に左右方向(矢印L−R方向)に開口する開口部18302aを備える。開口部18302aは、後述する係合部材18310の回転軌跡上に形成される。これにより、係合部材18310を背面ケース18300の内側に配設した後に、係合部材18310を回転させることで係合部材18310を背面ケース18300の外側に突出させることができる。
固定部材18320は、後述する係合部材18310と係合する介設部材18330と、その介設部材18330に締結される軸支部材340と、から構成される。
介設部材18330は、正面側が開放する箱状に形成され、他側(矢印L方向側)の側面に突設される係止部18331と、一側(矢印R方向側)の側面から背面ケース300側に突出して枠状に形成される被係合部18332と、箱状の底面(矢印B方向側の側面)に円形状に開口する挿通孔333(図39(b)参照)と、背面から突出する突部334と、を主に備える。
係止部18331は、固定部材320の他側(矢印L方向側)を底壁部18301に係合させるための開口を備え、その開口に上述した第1開口部18301cの周囲から断面L字状に突設される突壁18301c1が挿通されることで底壁部18301に係合される。
これにより、介設部材18330(固定部材18320)を背面ケース18300に配設する際に、介設部材18330の係止部18331に突壁18301c1を挿通させて介設部材18330の他側(矢印L方向側)を背面ケース18300に対して係止することができる。
被係合部18332は、係合部材18310と係合する部分であり、背面ケース18300側(矢印F方向側)への突出寸法が、背面ケース18300に配設される係合部材18310を超える寸法に設定され、囲われる空間の正面側(矢印F方向側)の内面から底壁部18301の正面までの距離寸法が、係合部材18310の正面から底壁部18301の正面までの距離よりも大きく設定される。これにより、被係合部18332により囲われる空間と係合部材18310とが、前後方向(矢印F−B方向)において重なる位置に配置される。
係合部材18310は、正面視略L字状に形成されており、背面ケース18300の突設部18301bに軸支される第2片18312と、その第2片18312の一方の端部から屈曲して形成される第1片18311と、から構成される。
第2片18312は、第1片18311が形成される側と反対側の端部に前後方向(矢印F−B方向)に円形状に開口される軸支孔18312aを備える。軸支孔18312aは、上述した背面ケース18300の突設部18301bが挿入される孔であり、これにより、係合部材18310を背面ケース18300の内側に軸支した状態で配設できる。
第1片18311は、上述した軸支孔18312aの軸を中心として円弧状に延設される。これにより、係合部材18310を軸支孔18312aの軸を中心として回転させた際に第1片18311の変位領域を最小とすることができる。また、第1片18311は、第2片18312との連結側と反対側の端部に、軸支孔18312aから径方向の両側に突出する係合部18316と、その2箇所の係合部316の略中間位置から第1片18311の延設方向に凹設される凹部18317と、を備える。
2箇所の係合部18316は、正面視における外形が略三角形状に形成される。また、2箇所の係合部18316の一方の係合部18316は、第2片18312との連結部と反対側の端部から第2片18312との連結部側に向かう程、第1片18311の径方向外側に突出する外形に形成される。2箇所の係合部18316の他方の係合部18316は、第2片18312との連結部と反対側の端部から第2片18312との連結部側に向かう程、第1片18311の径方向内側に突出する外形に形成される。
凹部18317は、第1片18311の厚み方向に切り欠いて形成されると共に、第1片18311の第2片18312との連結側と反対側の端部から、第1片18311の延設方向に沿って第2片18312との連結側に向かって凹設される。よって、第1片18311の端部が二股に分割される。これにより、第1片18311の第2片18312との連結側と反対側の端部を、第2片18312との連結側よりも弾性変形させやすくして、係合部材18310を固定部材18320と係合させやすくできる。
次いで、係合部材18310と固定部材18320との係合について説明する。図163に示すように、介設部材18330及び軸支部材340は、係合部材18310との係合前に介設部材18330側から挿入されるネジにより締結されて組み合わされる。
また、係合部材18310は、上述したように背面ケース18300の突設部18301bに軸支された状態で配設され、第1片18311と第2片18312との連結部が、背面ケース18300の開口部18302aから突出された状態で配設される。
なお、背面ケース18300に軸支された係合部材18310は、重心が背面ケース18300の突設部18301bよりも開口部18302a側に位置しており、外部の力が作用していない状態では、重力により第1片18311と第2片18312との連結部が背面ケース18300の開口部18302aから突出する方向に回転される力が、係合部材18310に作用される。これにより、係合部材18310と固定部材18320との係合が不完全であった場合に、係合部材18310を背面ケース18300の外側に突出させて、係合部材18310と固定部材18320との係合の忘れを防止することができる。
締結された状態の介設部材18330及び軸支部材340(固定部材18320)は、介設部材18330の係止部18331に第1開口部18301cの周囲から突設される突壁18301c1が挿入されて、固定部材18320の正面視左側(矢印L方向側)が背面ケース18300に係止される。この場合、固定部材18320の被係合部18332が、第1開口部18301cの内側に挿入され、その被係合部18332に囲われた空間が係合部材18310の第1片18311の先端と対向する位置に配設される。
次に、係合部材18310を固定部材18320に係合させる作業者は、背面ケース18300の開口部18302aから突出した係合部材18310(第1片18311と第2片18312との連結部)を背面ケース18300の内側(矢印R1方向側)に押し込む(図163参照)ことで、係合部材18310を突設部18301bを中心に回転させる。
これにより、図162に示すように、係合部材18310の先端を、被係合部18332の内部空間に挿入できる。この場合、2箇所の係合部18316の外側端部同士の離間寸法は、被係合部18332の内部空間の上下方向の開口寸法よりも大きく設定されるが、係合部材18310の凹部18317により、第1片18311が弾性変形させやすくされるので、第1片18311の端部を凹部18317の内側に弾性変形させて、2箇所の係合部18316の外側端部同士の離間寸法を、被係合部18332の内部空間の上下方向の開口寸法よりも小さくして第1片18311の端部を被係合部18332の内側に挿入できる。
また、係合部材18310の第1片18311と第2片18312との連結部分は、背面ケース18300の開口部18302aの内側に挿入されるので、係合部材18310が、係合された状態で係合部材18310が背面ケース18300の外側から操作されることを抑制できる。その結果、係合部材18310が不正に操作されて、固定部材18320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次に、第18実施形態における係合部材18310と固定部材18320との係合の解除は、について説明する。図163(a)に示すように、第1開口部18301cは、正面視略L字状に開口されており、固定部材18320の被係合部18332と係合状態における係合部材18310の凹部18317が、第1開口部18301cを介して背面ケース1300の背面側(矢印B方向側)から操作可能とされる。
よって、係合部材18310の凹部18317の外側部分を、専用の工具等で凹部18317の凹設側に弾性変形させることで、係合部材18310の係合部18316と被係合部18332との係合が解除される。この係合を解除した状態で、係合部材18310を被係合部18332により係合される内部空間から引き出す方向(矢印L方向)に変位させた後、係合部材310の変形を戻すことで、係合部材18310と被係合部18332との係合を解除することができる。
なお、係合部材18310の凹部18317の外側部分と第1開口部18301cとの隙間は、なるべく小さく形成されることが好ましい。これによれば、背面ケース300から固定部材18320を取り外す人の指を挿入不可能にできると共に、専用の工具の挿入は可能とされる。その結果、専用の工具を有する作業者のみに基板ボックス100(主制御装置110)を交換可能とさせることができ、不正な基板ボックス100に交換されることを抑制できる。
次いで、図164を参照して、係合部材18310を固定部材18320に係合し忘れた場合についての説明をする。図164(a)は、遊技盤13の模式上面図であり、図164(b)は、パチンコ機10の模式上面図である。なお、図164(a)及び図164(b)では、係合部材18310を被係合部18332に係合し忘れた状態が図示される。また、図164(a)及び図164(b)では、正面視において枠状に形成される外枠11の上方側の一片を取り外した状態が図示される。
上述したように、係合部材18310と被係合部18332との係合が不完全であった場合に、重力により係合部材18310を背面ケース18300の外側に突出させることができる。この場合、遊技盤13の左右方向(矢印L−R方向)における係合部材18310の端部から背面ケース18300の右側(矢印R方向側)の端部までの距離寸法LR1(図164(a)参照)が、遊技盤13が配設される外枠11の左右方向における内側の左右方向寸法LR2(図164(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、係合部材18310と固定部材18320とが非係合の場合に、遊技盤13を外枠11の内側に挿入しようとすると、係合部材18310の背面側を外枠11の正面に当接させることができる。その結果、係合部材18310と固定部材18320とが非係合の場合に、遊技盤13が外枠11に配設されることを抑制して、係合部材18310と固定部材18320との係合の忘れを抑制することができる。
次いで、図165及び図166を参照して、第19実施形態における係合部材19310について説明する。上記第18実施形態では、外枠11の内側に係合部材18310を配置して係合部材18310が不正に操作されることを抑制したが、第19実施形態では、係合部材19310の解除方向への回転を規制して、係合部材18310が不正に操作されることを抑制する。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図165は、第19実施形態における係合部材19310の分解斜視正面図である。図166(a)は、背面ケース18300の正面図であり、図166(b)は、図165のCLXVIb−CLXVIb線におけるワンウェイ19350の断面図である。
図165に示すように、第19実施形態における係合部材19310は、正面視略L字状に形成されており、背面ケース19300に対して回転軸を有する第2片19312と、その第2片19312の一方の端部から屈曲して形成される第1片18311と、から構成される。
第2片19312は、第1片18311が形成される側と反対側の端部に前後方向(矢印F−B方向)に円形状に開口する嵌合孔19312bを備える。嵌合孔19312bは、後述するワンウェイ19350が嵌合される孔であり、ワンウェイ19350の外輪19351と略同一の内径に形成される。
ワンウェイ19350は、外周面にカム面が形成される内輪19352と、その内輪19352との外側を囲む円環状に形成される外輪19351と、それら外輪19351及び内輪19352の間に配設される複数のスプリング19353及びローラ19354と、を備え(図166(b)参照)、外輪19351に対して内輪19352が一方向に回転しようとするとカム面とローラ19354との接触面圧が高くなり、抵抗となって外輪への動力を伝達し、外輪19351に対して内輪が他方向に回転すると、カム面とローラ10354との接触面圧が低くなり滑って動力伝達を切断するカム式のクラッチである。なお、ワンウェイ19350の詳しい説明は後述する。
また、ワンウェイ19350の内輪19352には、中心に操作子19360が挿入される。操作子19360は、背面ケース19300の背面側(矢印B方向側)に配置される操作部19361と、その操作部19361の正面側(矢印F方向側)に突設される挿入部19362と、を主に備える。
操作部19361は、背面ケース19300の背面側から操作子19360を作業者が操作する部分であり、円形状に形成され、その外形が後述する挿入部19362が挿通される開口よりも大きく形成される。これにより、操作子19360を背面ケース19300の背面側から配設した場合に、操作部19361が背面ケース19300の正面側(矢印F方向側)に抜け出ることを抑制できる。
挿入部19362は、操作部19361の軸と同軸上の円柱状に形成され、正面側(矢印F方向側)に突設される。また、挿入部19362は、その外周面に径方向に突設される突壁19362aを備える。
突壁19362aは、挿入部19362に対してワンウェイ19350の内輪19352が空転することを防止する係合部分であり、内輪19352に形成される凹部19352aに挿入される。これにより、操作子19360に作用する回転力が内輪19352に非伝達とされることを防止できる。
さらに、挿入部19362の突設先端面には、正面視円形状に凹設される凹部が形成されており、その凹部に正面側から背面側に向かってネジを螺合させることで、ワンウェイ19350に対して操作子19360を連結できる。
次いで、図166を参照して背面ケース19300と係合部材19310との配設状態について説明する。背面ケース19300は、正面視略矩形状の底壁部19301と、その底壁部19301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部19301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース19300は、底壁部19301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材19310と、背面ケース19300の背面側に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材18320と、を備える。
底壁部19301は、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部19301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部19301には、固定部材18320と対向する位置に開口する第1開口部18301cと、その第1開口部18301cの下方(矢印D方向)に位置し、前後方向に開口して内側に上述した操作子19360の挿入部19362が挿入される開口(図示しない)と、を備える。
上述した係合部材19310は、嵌合孔19312bの内側にワンウェイ19350を内観した状態の係合部材19310を底壁部10301の正面側に配設した後に、背面ケース19300の背面側から操作子19360の挿入部19362を背面ケース19300の開口を介してワンウェイ19350の内輪19352の内側に挿入することで底壁部19301に配設される。
次いで、ワンウェイ19350の動作について説明する。上述したようにワンウェイ19350は、内輪19352の一方向と他方向との回転方向で外輪19351への動力の伝達が許容される場合と遮断される場合とに切り替えられる。
初めに、内輪19352の動力が外輪に伝達される場合について説明する。図166(b)に示すように、内輪19352が一方向(矢印LK方向(図166(b)参照))に回転されると、内輪19352のカム面と外輪19351の内周面との間にローラ19354が挟まり、ローラ19354の接触が抵抗となって、内輪19352の動力が外輪19351に伝達される。この場合、一方向の回転方向が、係合部材19310を固定部材18320に係合させる方向に設定される。
次いで、内輪19352の動力が遮断される場合について説明する。内輪19352が他方向(矢印RK方向(図166(b)参照))に回転されると、ローラ19354が外輪19351の内周面と接触する抵抗により、内輪19352の径方向内側に変位される。これにより、外輪19351の内周面とローラ19354との接触面圧が低くなり、ローラ19354が外輪19351に対して滑って動力伝達を遮断する。この場合、他方向の回転方向が、係合部材19310を固定部材18320との係合を解除する方向に設定される。
これにより、係合部材19310を背面ケース19300に配設した状態で、操作子19360を回転させて係合部材19310を固定部材18320に係合させることができる。さらに、係合部材19310と固定部材18320とが係合した状態から操作子19360を回転させて係合部材19310と固定部材18320との係合を解除することが規制される。その結果、係合部材19310(操作子19360)が不正に操作されて、固定部材18320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次いで、図167から図169を参照して、第20実施形態における係合部材20310について説明する。上記第1実施形態では、係合部材310の移動が回転ユニット700の背面ベース720に挿通されるネジにより規制される場合について説明したが、第20実施形態では、係合部材20310が固定部材320に係合された際に、係合部材20310の移動が回転ユニット20700の背面ベース20720に形成される係合部20724aに係合されることで規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図167及び図168を参照して、第20実施形態における係合部材20310及び回転ユニット20700について説明する。図167は、第20実施形態における背面ケース20300及び回転ユニット20700の分解斜視図である。図168(a)は、係合部材20310の正面図であり、図168(b)は、回転ユニット20700及び係合部材20310の背面図である。
なお、第20実施形態における背面ケース20300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301a(図5参照)が開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第20実施形態における背面ケース20300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材20310と、背面ケース20300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320と、を主に備える。さらに、第20実施形態における背面ケース20300には、底壁部301の正面に回転ユニット20700が配設される。
図167及び図168に示すように、第20実施形態における背面ケース20300の底壁部301の正面側(矢印F方向側)に配設される係合部材20310は、正面視における形状がクランク状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片311及び第2片20312と、その第1片311及び第2片20312の端部同士を第1片311及び第2片20312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。
第1片311及び第2片20312には、その延設方向に長い長穴の摺動溝314がそれぞれ形成されており、これにより、係合部材20310は、第1片311及び第2片20312の延設方向(矢印L−R方向)に摺動可能とされる。
また、第2片20312は、係合部材20310の摺動方向と平行な側面に凹設される凹部20312cを備える。凹部20312cは、後述する回転ユニット20700の背面ベース20720の係合部20724aの先端が挿入される凹みであり、係合部20724aの外形と略同一の形状に形成される。
詳しく説明すると、凹部20312cは、第2片20312の第3片313との連結側と反対側(矢印L方向側)の端部までの寸法SH1(図168(a)参照)が、係合部材20310の摺動溝314の内部を突設部301bが摺動可能な寸法SH2(図168(b)参照)と略同一に設定される。また、凹部20312cは、正面視における角度が直角の三角形に凹設されると共に、その直角の部分が第2片20312の第3片313との連結側(矢印R方向側)に設定される。
回転ユニット20700は、背面ケース20300の底壁部301のうちの開口301aの下側部分の右側(矢印R方向側に配設される正面視矩形状の背面ベース20720と、その背面ベース20720の正面側(矢印F方向側)に配設される回転体800(図93参照)とを備え、遊技盤13に配設される光透過性のセンターフレーム86を介して回転体800を回転変位させる演出を遊技者に視認させることができる。
背面ベース20720は、球受台710の背面および装飾ユニット750の背面側(矢印B方向側)を連結する板部材であり、球受台710及び装飾ユニット750の背面側に配設される。また、背面ベース20720は、背面から立設される立設壁20724を備える。
立設壁20724は、背面ケース20300に配設される係合部材20310の外縁を取り囲む形状に延設される。また、立設壁20724は、係合部材20310の凹部20312cと対向する位置に形成され、凹部20312cの内側に先端が挿入される係合部20724aを備える。
係合部20724aは、係合部材20310を固定部材320に係合させる方向(矢印R方向)に立設壁20724から突設され、係合部材20310の摺動方向と直交する方向において、立設壁20724と所定の隙間を隔てて形成される。これにより、係合部20724aの剛性を低くして、係合部20724aを弾性変形させやすくできる。また、立設壁20724と係合部20724aとの隙間の分、係合部20724aが弾性変形可能な領域を確保することができる。
また、係合部20724aは、突設先端部に係合部材20310側に屈曲する屈曲部20724a1を備え、その屈曲部20724a1の正面視形状が、上述した凹部20312cと略同一形状の三角形状に形成される。これにより、係合部材20310は、固定部材320との係合前において、係合部材20310の凹部20312cの内側に屈曲部20724a1が配置される。よって、係合部材20310を、その変位方向(矢印L−R方向)に摺動させにくくすることができる(図168(b)参照)。
従って、係合部材20310が背面ケース20300に対して振動や揺れ等の力により振動して、固定部材320との係合方向(矢印R方向)に移動することを抑制できる。よって、背面ケース20300に固定部材320が配設される前に、係合部材20310の位置が変位して、固定部材320を背面ケース20300に配設した際に、固定部材320の被係合部332が係合部材20310と当接することを抑制できる。言い換えると、背面ケース20300に固定部材320を配設する際に、固定部材320の被係合部332(図167参照)を配設する際の変位領域内に、係合部材20310が位置することを抑制できる。その結果、係合部材20310を固定部材320との係合を解除する方向に操作する必要がなくなるので、係合部材20310と固定部材320とを係合させる際の作業性を向上することができる。
次いで、図169を参照して、係合部材20310と固定部材320とが係合された状態における係合部材20310及び回転ユニット20700について説明する。図169(a)は、回転ユニット20700及び係合部材20310の背面図であり、図169(b)は、背面ケース20300の背面図である。なお、図169(a)及び図169(b)では、係合部材20310と固定部材20320とが係合した状態が図示される。また、図169(b)では、係合部材20310の一部および立設壁20724の外形が鎖線で図示される。
図169に示すように、背面ケース20300の背面側(矢印B方向側)から操作子315が操作されて係合部材20310が、背面ケース20300の底壁部301に対して正面視左側(矢印L方向側)に配置された状態から、背面ケース20300の底壁部301に対して正面視右側(矢印R方向側)に変位されると、係合部材20310の凹部20312cの内側に配設された屈曲部20724a1が、その凹部20312cの傾斜面により凹部20312cに押し出される。
ここで、上述したように、凹部20312cは、第2片20312の第3片313との連結側と反対側(矢印L方向側)の端部までの距離寸法SH1(図168(a)参照)が、係合部材20310の摺動溝314の内部を突設部301bが摺動可能な寸法SH2(図168(b)参照)と略同一に設定されるので、係合部材20310が固定部材320と係合する位置まで変位されると、係合部材20310の第2片20312の第3片313との連結側と反対側(矢印L方向側)の端部が、屈曲部20724a1と係合部材20310の変位方向(矢印L−R方向)に隣合う位置に配置される。これにより、係合部材20310が、固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向)に不正に変位されることを抑制できる。
なお、上記第1実施形態と同様に、係合部材20310は、係合部316が固定部材320の被係合部332に引っ掛かる(係合する)ことで、係合部材20310の固定部材320との係合を解除する方向への変位が規制される。しかしながら、固定部材320の被係合部332を背面ケース300の第1開口部301cを挿通させるので、被係合部332と係合部316との係合は、第1開口部301cを介して不正に解除される恐れがあった。
これに対して、第20実施形態では、係合部材20310の固定部材320との係合を解除する方向への変位を、固定部材320と係合する係合部材20310の係合部316と反対側の端部を屈曲部20724a1に当接させて規制することができるので、第1開口部301cから不正物が挿入されて、係合部材20310の端部と屈曲部20724a1との係合が解除されることを抑制できる。その結果、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
なお、固定部材320と係合部材20310とは、背面ケース20300の内側(底壁部301)に配設される回転ユニット20700を背面ケース20300から取り外して、係合部材20310の端部と屈曲部20724a1との係合を解除した後に、係合部材20310の第1片311の端部を弾性変形させて、係合部材20310の端部を被係合部332の内部空間から引き出すことで両者の係合を解除できる。
従って、背面ケース20300から、固定部材320を取り外す場合には、背面ケース20300の正面側から回転ユニット20700を取り外す必要があるので、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
さらに、係合部材20310は、上述したように正面視における形状がクランク状に屈曲して形成されるので、第1片311側から挿入される針金やワイヤー等の不正物が直線状に第2片20312の端部まで送られることを規制できる。従って、第1片311側から挿入される不正物が正確に第2片20312と屈曲部20724a1との係合部分に送れることを抑制できる。その結果、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次いで、図170から図173を参照して、第21実施形態における回転ユニット21700について説明する。上記第1実施形態では、回転ユニット700の背面ベース720に挿通されるネジにより係合部材310の移動が規制される場合について説明したが、第21実施形態では、回転ユニット21700の背面ベース21720に形成される挿入部21724bに第1片311が挿入されることで、係合部材310の移動が規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図170及び図171を参照して、第21実施形態における係合部材310及び回転ユニット21700の全体構成について説明する。図170は、第21実施形態における背面ケース300及び回転ユニット21700の分解斜視図である。図171(a)は、回転ユニット21700及び係合部材310の背面図であり、図171(b)は、図171(a)のCLXXIb−CLXXIb線における回転ユニット21700の模式断面図である。
なお、第21実施形態における背面ケース21300は、第1実施形態における背面ケース300と同様に、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第21実施形態における背面ケース21300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材310と、背面ケース21300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材320と、を主に備える。さらに、第21実施形態における背面ケース21300には、底壁部301の正面に回転ユニット21700が配設される。
図170及び図171に示すように、第21実施形態における回転ユニット21700は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの下側(矢印D方向側)部分の右側(矢印R方向側)に配設される正面視矩形状の背面ベース21720と、その背面ベース21720の正面側に配設される回転体800(図93参照)と、を備え、遊技盤13に配設される光透過性のセンターフレーム86を介して回転体800を回転変位させる演出を遊技者に視認させることができる。
背面ベース21720は、球受台710の背面および装飾ユニット750の背面側を連結する板部材であり、球受台710及び装飾ユニット750の背面側に配設される。また、背面ベース21720は、その背面に立設される立設壁21724を備える。
立設壁21724は、背面ケース300に配設された状態の係合部材310の外縁を取り囲む形状に延設される。また、立設壁21724は、係合部材310が背面ケース300に対して左側(矢印L方向側)端部に位置する状態(係合部材310と固定部材320との係合が解除された状態)において、係合部材310の凹部317に向かって(矢印L方向に向かって)突設される挿入部21724bを備える。
挿入部21724bは、立設壁21724から係合部材310の変位方向(矢印L−R方向)と平行な方向に延設されると共に、固定部材320と係合された状態における係合部材310と重力方向(矢印U−B方向)に重なる寸法に設定される。また、挿入部21724bの先端部には、背面側(係合部材310側)に屈曲する屈曲部21724b1が形成され、その屈曲部21742b1の屈曲先端部が、パチンコ機10の前後方向(矢印F−B方向)において、係合部材310と重なる長さに設定される。
さらに、挿入部21742bの上下方向(矢印U−D方向)における幅寸法は、係合部材310の凹部317の上下方向における幅寸法よりも小さい寸法に設定される。従って、挿入部21724bは、係合部材310が固定部材320と係合された状態において、屈曲部21724b1が凹部317の内側に挿入された状態とされる。これにより、係合部材310及び固定部材320が係合された状態から係合部材310の第1片311が凹部317の凹設内側に弾性変形されることを抑制できる。その結果、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次いで、図171から図173を参照して、係合部材310を固定部材320に係合させる場合の挿入部21724bの動作について説明する。図172(a)及び図173(a)は、回転ユニット21700及び係合部材310の背面図である。図172(b)及び図173(b)は、背面ケース300及び回転ユニット21700の模式断面図である。なお、図172(a)及び図172(b)では、係合部材310と固定部材320との係合が解除された状態が図示され、図173(a)及び図173(b)では、係合部材310が、固定部材320へ係合される途中の状態が図示される。
図172及び図173に示すように、係合部材310は、固定部材320との係合が解除された状態から、係合部材310の第1片311の端部が固定部材320の被係合部332の内部空間に挿入される際に、第1片311の端部が凹部317の内側に向かって弾性変形される。これにより、凹部317は、その上下方向(矢印U−D方向)における幅寸法が、挿入部21724bの上下方向の幅寸法よりも小さくされる。
また、係合部316が、被係合部332の内部空間に位置する場合(図173(a)に示す位置の場合)、第1片311の端部が挿入部21724bの突設先端部を超える位置に配置される。言い換えると、係合部316の左右方向における長さ寸法が、挿入部21724bの突設先端部から固定部材320の被係合部332の端部までの対向間寸法よりも大きく設定される。
よって、係合部316が、被係合部332の内部空間から押し出される際に、係合部材310の第1片311側の端部を挿入部21724bの屈曲部21724b1に当接させることができる。この場合、挿入部21724bは、屈曲部21724b1の傾斜面に沿って先端が正面側(矢印F方向側)に押し出される。これにより、係合部材310を固定部材320と係合する位置まで変位させることができる。
なお、図171に示すように、係合部316が、被係合部332の内部空間から抜け出された場合には、上述したように、第1片311の上下方向における凹部317の幅寸法よりも、挿入部21724bの上下方向における幅寸法が大きくされるため、凹部317の内側に屈曲部21724b1が挿入される。
従って、上述したように、係合部材310の第1片311が凹部317の凹設内側に弾性変形されることを抑制できる。その結果、係合部材20310と固定部材320との係合が不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
なお、係合部材310と固定部材320とは、背面ケース300の内側(底壁部301)に配設される回転ユニット21700を背面ケース21300から取り外して、係合部材310の端部と背面ケース20300との係合を解除した後に、係合部材310の第1片311の端部を弾性変形させて、係合部材310の端部を被係合部332の内部空間から引き出すことで両者の係合を解除することができる。
従って、背面ケース21300から、固定部材320を取り外す場合には、背面ケース21300の正面側から回転ユニット21700を取り外す必要があるので、係合部材310と固定部材320との係合が背面ケース21300の背面側から不正に解除されて、固定部材320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換されることを抑制できる。
次いで、図174から図176を参照して、第22実施形態における係合部材22310及び固定部材22320について説明する。上記第1実施形態では、固定部材320の被係合部332に係合部材310の係合部316が係合される場合について説明したが、第22実施形態では、係合部材22310に凹設される凹部22311aに固定部材22320に形成される屈曲部22332a1が係合される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図174から図176(a)を参照して、第22実施形態における係合部材22310及び固定部材22320の構成について説明する。図174は、係合部材22310及び固定部材22320の斜視正面図である。図175(a)及び図175(b)は、背面ケース22300の正面図である。図176(a)は、図175(b)のCLXXVIa−CLXXVIa線における背面ケース22300の模式断面図である。なお、図175(a)では、係合部材22310と固定部材22320とが係合前の状態が図示され、図175(b)では、係合部材22310と固定部材22320とが係合された状態が図示される。
図174から図176(a)に示すように、第22実施形態における背面ケース22300は、正面視略矩形状の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により、一面側が開放される箱状に形成される。また、背面ケース22300は、底壁部301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材22310と、底壁部301の背面側に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材22320とを備える。
係合部材22310は、正面視における外形がクランク形状に形成されており、互いに平行となる方向に延設される第1片22311及び第2片312と、その第1片22311及び第2片312の端部同士を第1片22311及び第2片312の延設方向と直交する方向に連結する第3片313とから構成される。
また、第1片22311及び第2片312には、その延設方向に長い長穴の摺動溝314がそれぞれ形成されており、これにより、係合部材22310は、第1片22311及び第2片312の延設方向(矢印L−R方向)に摺動可能とされる。
第1片22311は、第3片313が連結される側と反対側の端部の正面側(矢印F方向側)に背面側(矢印B方向側)に向かって凹設される凹部22311aを備える。
凹部22311aは、後述する固定部材22320に形成される屈曲部22332a1が挿入されて、係合部材22310と固定部材22320とを係合させる部分であり、後述するように、係合部材22310の第1片22311の一側(矢印R方向側)の端部を固定部材22320の被係合部22332の内部空間に収容した場合に、固定部材22320の22332aと対向する位置に形成される。
また、凹部22311aの内部形状は、断面が略直角三角形状に形成されており、直角部分が、第1片22311の端部側(矢印R方向側)に設定されると共に、凹設底面が第1片22311の端部側に向かって背面側(矢印B方向)に深くなる傾斜面として形成される。
固定部材22320は、上述した係合部材22310に係合する介設部材22330と、その介設部材22330の背面側に締結される軸支部材340とから構成される。
介設部材22330は、正面側(矢印F方向側)が開放する箱状に形成され、一側(矢印R方向側)の側面に突出する係止部331と、他側(矢印L方向側)の側面から背面ケース22300の底壁部301側(背面側(矢印B方向側))に突出して枠状に形成される被係合部22332と、箱状の底面(矢印B方向側の側面)に円形状に開口する挿通孔333(図39(b)参照)と、背面から突出する突部334と、を主に備える。
被係合部22332は、その囲われた内部空間に係合部材22310の第1片22311の一側(矢印R方向側)の端部が挿入される部分であり、その内縁形状が、第1片22311の外形よりも若干大きく設定される。また、被係合部22332は、枠状に形成されるうちの正面側(矢印F方向側)の1辺から係合部材22310の被係合部22332への挿入方向(矢印R方向側)に突出する突部22332aを備える。
突部22332aは、先端の端部に正面側(矢印F方向側)に屈曲する屈曲部22332a1を備え、その屈曲部22332a1が、上述した係合部材22310の凹部22311aに挿入されることで、係合部材22310と固定部材22320とを係合させることができる。即ち、屈曲部22332a1は、係合部材22310が被係合部22332へ挿入された状態における凹部22311aと対向する位置に形成される。
この場合、図176(a)に示すように、係合部材22310と固定部材22320との係合部分が、背面ケース22300の底壁部301に対して係合部材22310を挟んで正面側に形成される。従って、底壁部301に形成される第1開口部301cから係合部材22310と固定部材22320との係合部分を離間させることができるので、第1開口部301cから針金やワイヤなどの不正部材が挿入されて、係合部材22310と固定部材22320との係合が不正に解除されることを抑制できる。
さらに、底壁部301と係合部材22310及び固定部材22320の係合部分との間に、係合部材22310の第1片22311を配置することができるので、底壁部301に形成される第1開口部301c等の開口部から不正に挿入された針金やワイヤ等が、直線的に係合部材22310及び固定部材22320の係合部分に到達することを抑制できる。その結果、底壁部301の開口から不正部材(針金やワイヤ等)が挿入されて、係合部材22310と固定部材22320との係合が不正に解除されることを抑制できる。
また、本実施形態では、突部22332aが、被係合部22332の内部空間への係合部材22310の挿入方向に突設される。従って、係合部材22310と固定部材22320との係合部分が、固定部材22320の正面側に設定される。これにより、底壁部301の第1開口部301cから針金やワイヤ等の不正部材が挿入された場合に、係合部材22310と固定部材22320との係合部分に到達する不正部材の挿入方向を底壁部301の正面に対して斜めに傾かせることができる。これにより、不正部材の先端から係合部材22310と固定部材22320との係合部分の係合を解除する方向の力が伝達されにくくすることができる。その結果、底壁部301の第1開口部301cから不正部材が挿入されて、係合部材22310と固定部材22320との係合が不正に解除されることを抑制できる。
次いで、図176(b)を参照して、第23実施形態における係合部材23310及び固定部材23320について説明する。上記第22実施形態では、係合部材22310の被係合部22332への挿入方向に係合部材22310を係合させる突部22332aが突設される場合を説明したが、第23実施形態では、係合部材23310の被係合部23332の挿入方向と反対方向に突部23332aが突設される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図176(b)は、第23実施形態における背面ケース23300の断面図である。なお、図176(b)の断面図は、図176(a)の断面図と対応する。また、第23実施形態は、上述したように、第22実施形態における係合部材22310と固定部材22320と、係合位置が異なるのみであるので、係合部材23310と固定部材23320との係合部分以外は、第22実施形態と同一であるのでその説明は省略する。
なお、第23実施形態における背面ケース22300は、正面視略矩形の底壁部23301と、その底壁部23301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部23301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301a(図5参照)が開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
また、第23実施形態における背面ケース23300は、底壁部23301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材23310と、背面ケース23300の背面側(矢印B方向側)に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材23320と、を主に備える。
図176(b)に示すように、第23実施形態では、上述したように被係合部23332から突出される突部23332aの突出方向が、第22実施形態の突部22332a(図176(a)参照)と反対方向(矢印L方向)に設定され、その突部23332aの突出先端に背面側(矢印B方向側)に向かって屈曲する屈曲部23332a1が形成される。
係合部材23310は、屈曲部23332a1と対向する位置に屈曲部23332a1の外形よりも大きい矩形状の開口23310bが形成される。これにより、係合部材23310が、固定部材23320の被係合部23332の内部空間に挿入されると、開口23310bの内側に屈曲部23332a1が挿入されて、係合部材23310と固定部材23320とが係合される。
また、第23実施形態における背面ケース23300の底壁部23301には、固定部材23320と対向する位置に、第3開口部23301eが形成される。この第3開口部23301eにより、作業者は底壁部23301の背面側から係合部材23310と固定部材23320との係合部分を解除することができる。その結果、背面ケース23300から固定部材23320の取り外しの作業を簡易にすることができる。
次いで、図177及び図178を参照して、第24実施形態における背面ケース24300について説明する。上記第18実施形態では、固定部材18320を底壁部18301から取り外す場合に、固定部材18320と係合部材18310との係合を解除する場合について説明したが、第24実施形態では、固定部材24320を底壁部24301から取り外す場合に、係合部材24310の固定部材24320への挿入部分を切断する。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図177(a)は、第24実施形態における背面ケース24300の正面図であり、図177(b)は、図177(a)のCLXXVIIb−CLXXVIIb線における背面ケース24300の断面図である。図178は、図177(b)のCLXXVIII−CLXXVIII線における背面ケース24300の断面図である。
図177及び図178に示すうように、第24実施形態における背面ケース24300は、正面視略矩形状の底壁部24301と、その底壁部24301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部24301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。また、背面ケース24300は、底壁部24301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材24310と、底壁部24301の背面側に配設され、基板ボックス100(主制御装置110)を固定する固定部材24320と、を備える。
底壁部24301は、その中央に正面視矩形状の開口301aが開口形成され、その開口301aを通して、底壁部24301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部24301には、固定部材24320と対向する位置に開口する第1開口部24301cと、その第1開口部24301cの左側(矢印L方向側)に位置し、前後方向(矢印F−B方向)に開口して内側に後述する操作子24360の挿入部24362が挿入される開口(図示しない)と、を備える。
係合部材24310は、正面視T字状に形成される第2片24312と、その第2片24312の端部から屈曲して円弧状に延設される第1片24311と、を主に備える。第2片24312は、直交する2本の延設部分の連結部分に前後方向に貫通する貫通孔24312dを備え、その貫通孔24312dから第2片24312の延設部分の外側までの距離距離が、それぞれ略同一に設定される。
貫通孔24312dは、後述する操作子24360の挿入部24362が挿入される部分であり、挿入部24362の外形と略同一の円形状に形成される。これにより、操作子24360が回転操作されることで、貫通孔24312dを中心に係合部材24310が回転変位される。
第1片24311は、貫通孔24312dを中心とする円弧形状に形成され、第2片24312のそれぞれの端部から一方向の回転(正面視左回転)方向に突設される。また、各第1片24311は、突設先端部に貫通孔24312dの軸を中心とする径方向の両側に突出する係合部24316と、突設先端面から第2片24312との連結側に向かって凹設される凹部24317と、を備える。
係合部24316は、後述する固定部材24320と係合させる部分であり、凹部24317により第1片24311の突設先端部(係合部24316が形成される部分)を弾性変形して固定部材24320に形成される被係合部24332に係合させることができる。なお、係合部24316と凹部24317との形状についての詳しい説明は後述する。
操作子24360は、底壁部24301の背面側(矢印B方向側)からの操作を底壁部24301の正面側(矢印F方向側)に配設される係合部材24310に伝達する操作部材であり、円柱状に形成される操作部24361と、その操作部24361と同軸上に突出される挿入部24362と、を備える。操作部24361は、底壁部24301に形成され、挿入部24362を挿通する開口よりも大きい寸法に外径が設定される。これにより、操作子24360の全体が底壁部24301の正面側に変位されることを抑制できる。
挿入部24362は、上述したように係合部材24310の貫通孔24312dに挿入される部分であり、これにより、操作部24361から入力された回転力を係合部材24310に伝達できる。
固定部材24320は、上述した係合部材24310と係合する介設部材24330と、その介設部材24330の背面側に配設される軸支部材340と、から構成される。
介設部材24330は、正面側(矢印F方向側)が開放する箱状に形成される。また、介設部材24330は、正面から突設されると共に、下方側(矢印D方向側)が開放された箱状に形成される収容部24335を備える。収容部24335は、内部に係合部材24310の係合部分(第1片24311の先端部分)を挿入する部分であり、下方側の開放部分が上述した係合部材24310の第1片24311の変位軌跡上に配置される。これにより、係合部材24310を回転させて、係合部材24310の第1片24311の端部を収容部24335の内部空間に収容することができる。
また、収容部24335は、その内部空間が1箇所の係合部材24310の係合部分よりも大きく形成される。これにより、後述するように係合部材24310が切断された場合に、収容部24335の内部空間に係合部材24310の切断部分を収容することができる。なお、本実施形態では、収容部24335の内部空間の大きさが、係合部材24310の係合部分(第1片24311の先端部分)の略3倍に設定されており、収容部24335の内部空間に少なくとも3個以上の係合部材24310が収容可能とされる。
収容部24335は、図178に示すように、下方側が開口されると共に、開口部分に段部24335aが階段状に突出され、その段部24335aに収容部24335の内側に収容される係合部材24310の係合部24316が係合される。これにより、係合部材24310を回転した場合に、第1片24311の先端部を収容部24335の内側に挿入すると共に、係合部材24310と固定部材24320と係合させることができる。
また、この場合、凹部24317の凹設深さSH3(図178参照)は、収容部24335に収容され係合された状態の第1片24311の端部から収容部24335の下方側端までの距離寸法SH4よりも小さく設定される。従って、係合された第1片24311に形成される凹部24317が、収容部24335の内側に収容された状態とされる。これにより、第1片24311の端部が弾性変形されて係合部材24310と固定部材24320との係合が解除されることを抑制できる。
従って、第24実施形態では、収容部24335の内側に挿入される第1片24311の収容部24335から突出する第1片24311を切断することで、底壁部24301から固定部材24320を取り外すことができる。
この場合、収容部24335の上部内縁から第1片24311の先端部までの距離寸法SH5(図178参照)が、上述した距離寸法SH4よりも大きく設定される。これにより、第1片24311の切断した部分を収容部24335の上方に移動させることができ、収容部24335の開放側(矢印F方向側)から他の第1片24311を挿入して段部24335aに係合させることができる。
よって、固定部材24320が底壁部24301から取り外された回数を係合部材24310の残りの第1片24311の個数または収容部24335に収容される切断された第1片24311の個数により、判断させることができる。その結果、固定部材24320が底壁部24301から不正に取り外されて、その固定部材24320に連結される基板ボックス100(主制御装置110)が不正な基板に交換された場合に、係合部材24310の残りの第1片24311の個数または収容部24335に収容される切断された第1片24311の個数によ、不正に固定部材24320が取り外されたことを作業者に認識させることができる。
また、係合部材24310は上述したように第2片24312が、正面視T字状に形成され、第1片24311が形成されていない側(T字の上方側)の領域を利用して、係合部材24310を回転させて第1片24311を固定部材24320に挿入することができる。また、第1片24311が切断されるとその第1片24311の切断された領域を利用して、係合部材24310を回転可能とされ、次(他)の第1片24311を固定部材24320に挿入することができる。これにより、第1片24311の収容部24335に収容される順番を決定することができる。よって、作業者は、切断されていない第1片24311がどの位置にあるのかを視認して、固定部材24320が不正に解除されていないのかを判断することができるので、第1片24311の個数を作業者が数える場合よりも、不正がされた痕跡を作業者が見落とすことを抑制できる。
次いで、図179を参照して、第25実施形態における遊技盤25013について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の装飾部材154が、本体部151に接着される場合について説明したが、第25実施形態では、装飾部材154が、ベース板60の正面側に接着される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図179(a)及び図179(b)は、第25実施形態における遊技盤25013の断面図である。なお、図179(a)及び図179(b)は、図14の断面図と対応する。また、図179(b)では、ベース板60から一般入賞口ユニット25150が分解された状態が図示される。
なお、第25実施形態における遊技盤25013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤25013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86を備える。また、遊技盤25013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第25実施形態では、ベース60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット25150が配設される。
図179に示すように、第25実施形態における遊技盤25013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット25150は、ベース板60の正面に沿って配設される本体部151と、その本体部151の端部に立設される第1立設部152と、本体部141の正面から立設されると共に、一端が第1立設部152に連結される第2立設部153と、本体部151の背面側に配設される装飾部材25154と、本体部151に形成される複数(本実施形態では3個)の一般入賞口63と、を主に備える。
装飾部材25154は、光透過性材料から板状に形成されると共に、ベース板60の正面側に配設される装飾部材60cと連なる模様や文字(絵柄)の装飾が施される。また、装飾部材25154は、その外縁の形状が、本体部151に形成される凹部151bの内縁の形状よりも若干小さく形成される。
また、装飾部材25154は、ベース板60(装飾部材60c)の正面に接着させる接着テープ25154aを装飾部材25154の背面の端部に備える。これにより、装飾部材25154をベース板60に接着して配設することができる。従って、作業者は、装飾部材25154をベース板60へ配置する際に、ベース板60の装飾部材60cの装飾を視認しつつ装飾部材25154をベース板60の正面に貼付することができる。よって、装飾部材25154とベース板60の装飾部材60cとの装飾の位置を合わせやすくすることができる。その結果、装飾部材25154とベース板60の装飾部材60cとの装飾の位置がずれることを抑制して、遊技者に装飾部材25154とベース板60の装飾部材60cとを1の装飾として遊技者に視認させやすくできる。
さらに、装飾部材25154がベース板60(装飾部材60c)の正面に直接貼付されるので、本体部151の正面側に装飾が施される場合よりも、装飾部材25154と装飾部材60cとの前後方向(矢印F−B方向)における配置を近づけることができる。その結果、遊技者が装飾部材25154を斜めから視認した場合の各装飾部材25154,60cの装飾の位置ずれが大きくなることを抑制できる。その結果、遊技者に装飾部材25154とベース板60の装飾部材60cとを1の装飾として遊技者に視認させやすくできる。
また、第25実施形態では、本体部151の凹部151bの凹設寸法X1が、装飾部材25154及び接着テープ25154aとを合わせた前後方向(矢印F―B方向)における幅寸法X2よりも、小さく設定される。これにより、装飾部材25154の正面側(矢印F方向側)から、本体部151を配設した場合に、装飾部材25154を凹部151bの凹設底面151b2に装飾部材25154の正面が当接することを抑制できる。
従って、凹部151bを除いた本体部151の背面を形成する背面部151dをベース板60の正面に当接させることができ、背面部151dとベース板60との間に隙間が形成されることを抑制できる。その結果、背面部151dとベース板60との間にゴミ等が入ってベース板60の装飾部材60cの装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
次いで、図180を参照して第26実施形態における遊技盤26013について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の本体部151の端部に直線状の傾斜面151aが形成される場合について説明したが、第26実施形態では、本体部26151の端部に形成される傾斜面26151aが外側に膨出する断面円弧状に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図180(a)及び図180(b)は、第26実施形態における遊技盤26013の断面図である。なお、図180(a)及び図180(b)は、図14の断面図に対応する。また、図180(a)では、遊技者が遊技盤26013を通常よりも高い位置(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示され、図180(b)では、遊技者が遊技盤26013を通常の位置(例えば、遊技盤26013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
なお、第26実施形態における遊技盤26013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤26013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤26013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第26実施形態では、ベース60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット26150が配設される。
図180に示すように、第26実施形態における遊技盤26013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット26150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部26151と、その本体部26151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部26151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部26151は、正面視における端部が背面側に向かって傾斜すると共に、断面円弧状に膨出する傾斜面26151aと、本体部26151の背面から正面側に向かって凹設される凹部151bと、を主に備えて形成される。
傾斜面26151aは、本体部26151の正面側の平面との連結点と、背面側の端部と、を連結する仮想線IL1のベース板60の正面に対する傾斜角度θ1が、45度よりも小さく設定される。これにより、傾斜角度θ1が、45度よりも大きく設定される場合よりも、本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が大きくされる。よって、本体部26151の外側に光が出射させた際に、その光の進行方向を上方側に屈曲させやすくできる。従って、遊技者が、遊技盤26013に対して通常の位置よりも高い位置から一般入賞口ユニット26150を視認した場合に、装飾部材154,60cの連結部分を正面側から視認させやすくできる。その結果、装飾部材154,60cの連結部分の前後方向の位置の違いを遊技者に認識されにくくすることができるので、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。なお、本実施形態では、角度θ1が40度に設定される。
また、上述したように傾斜面26151aは、外側に膨出する断面円弧状に形成されるので、本体部26151の中央側(図180(a)下側)に向かうほど、本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が大きくされる。従って、本体部26151の中央側(図180(a)下側)に向かうほど、本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が大きくされる。
よって、遊技者が傾斜面26151aを介して、本体部26151の正面側の平面との連結点と背面側の端部との中間位置を通過する水平線HR1(図180(a)参照)よりも下方側の装飾を視認した場合に、本体部26151内を通過する遊技者の視線の角度をベース板60の正面に対して直交する方向(水平方向)に近づけやすくできる。
さらに、凹部151bの内側に配設される装飾部材154は、その端部の位置が、本体部26151の正面側の平面との連結点と背面側の端部との中間位置を通過する水平線HR1(図180(a)参照)よりも下方に設定されると共に、傾斜面26151aの背面側に設定される。上述したように、水平線HR1(図180(a)参照)よりも下方側の装飾を、遊技者が傾斜面26151aを介して視認した場合に、本体部26151内を通過する遊技者の視線の角度をベース板60の正面に対して直交する方向(水平方向)に近づけやすくできる。
従って、図180(a)に示すように、遊技者が遊技盤26013を通常よりも高い位置から一般入賞口ユニット26150及びベース板60を視認した場合にも、傾斜面26151aを介してベース板60の装飾部材60cの装飾と、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154の装飾とを合わせて遊技者に視認させやすくできる。その結果、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。
一方、図180(b)に示すように、遊技者が遊技盤26013を通常の高さから一般入賞口ユニット26150及びベース板60を視認した場合には、傾斜面26151aの膨出形状により、本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が直角に近似するので、本体部26151の外側に出射される光を屈折しにくくできる。よって、傾斜面26151aを介した際に遊技者の視線の方向が屈曲することを抑制して、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cと、の前後方向位置ずれを遊技者に認識させにくくすることができる。その結果、一般入賞口ユニット26150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。
次いで、図181を参照して、第27実施形態における遊技盤27013について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の本体部151の端部に直線状の傾斜面151aが形成される場合について説明したが、第27実施形態では、本体部26151の端部形成される傾斜面27151aが、本体部27151の内側に凹む断面円弧状に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図181(a)及び図181(b)は、第27実施形態における遊技盤27013の断面図である。なお、図181(a)及び図181(b)は、図14の断面図に対応する。また、図181(a)では、遊技者が遊技盤27013を通常よりも高い位置(例えば、パチンコ機10(図1参照)の重力方向上側端部と同じ高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示され、図181(b)では、遊技者が遊技盤27013を通常の位置(例えば、遊技盤27013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
なお、第27実施形態における遊技盤27013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤27013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤27013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第27実施形態では、ベース60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット27150が配設される。
図181に示すように、第27実施形態における遊技盤27013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット27150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部27151と、その本体部27151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部27151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部27151は、正面視における端部が背面側に向かって傾斜し、本体部27151の内側に向かって凹設される断面円弧状の傾斜面27151aと、本体部27151の背面から正面側に向かって凹設される凹部151bと、を主に備えて形成される。
傾斜面27151aは、本体部27151の正面側の平面との連結点と、背面側の端部と、を連結する仮想線IL2のベース板60の正面に対する傾斜角度θ2が、45度よりも大きく設定される。これにより、傾斜面2751aの外側への突出距離を小さくすることができ、本体部27151の外形が大きくなることを抑制できる。
また、上述したように、傾斜面27151aは、本体部27151の内側に凹設される断面円弧状に形成されるので、遊技者が傾斜面27151aを介して、各装飾部材60c,154を視認する場合に、その凹設形状により傾斜面27151aを介して各装飾部材60c,154の装飾を視認可能な領域を広げることができる。即ち、本体部27151の内側に向かって凹設される断面円弧状により、各装飾部材60c,154から傾斜面27151aに入射される光を屈折させて、遊技者の視点に向かって集光することができる。その結果、傾斜面27151a介して視認される模様や文字(絵柄)を小さくして、各装飾部材60c,154の連結を遊技者に分かりにくくすることができる。その結果、各装飾部材60c,154の位置ずれを遊技者に分かりにくくさせることができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
さらに、凹部151bの内側に配設される装飾部材154は、その端部の位置が、本体部27151の正面側の平面との連結点と背面側の端部との中間位置を通過する水平線HR2よりも上方に設定されると共に、傾斜面27151aの背面側に設定される。
これにより、図181(a)に示すように、遊技者が遊技盤26013を通常よりも高い位置から一般入賞口ユニット27150及びベース板60を視認した場合には、装飾部材60cと装飾部材154との連結部分の正面側の本体部26151を水平方向に進む光が傾斜面26151aから本体部26151の外側に入射する際の入射角が大きくされる。従って、装飾部材154との連結部分の正面側の本体部27151を水平方向に進む光は、遊技者の視点側に屈折されやすくなるので、遊技者が、遊技盤27013に対して通常の位置よりも高い位置から一般入賞口ユニット27150を視認した場合に、装飾部材154,60cの連結部分を正面側から視認させやすくできる。その結果、装飾部材154,60cの連結部分の前後方向の位置の違いを遊技者に認識されにくくすることができるので、一般入賞口ユニット27150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。
一方、図181(b)に示すように、遊技者が遊技盤27013を通常の高さから一般入賞口ユニット27150及びベース板60を視認した場合には、傾斜面27151aの凹設形状により、装飾部材154との連結部分の正面側の本体部27151を水平方向に進む光が傾斜面27151aから本体部27151の外側に入射する際の入射角が直角に近似するので、本体部27151の外側に出射される光を屈折しにくくできる。よって、傾斜面27151aを介した際に遊技者の視線の方向が屈曲することを抑制して、一般入賞口ユニット27150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cと、の前後方向位置ずれを遊技者に認識させにくくすることができる。その結果、一般入賞口ユニット27150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを合わせて1の装飾として視認させやすくできる。
次いで、図182(a)を参照して、第28実施形態における遊技盤28013について説明する。上記第1実施形態では、一般入賞口ユニット150の本体部151に凹設される凹部151bの端部の内面は、本体部151の板厚方向と平行とされる場合について説明したが、第28実施形態における凹部28151bの端部の内面は、凹設底面151b2側に向かって内側に傾斜される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図182(a)は、第28実施形態における遊技盤28013の断面図である。なお、図182(a)は、図14の断面図に対応する。また、図182(a)では、遊技者が遊技盤28013を通常の位置(例えば、遊技盤28013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
なお、第28実施形態における遊技盤28013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤28013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤28013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第28実施形態では、ベース60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット28150が配設される。
図182(a)に示すように、第28実施形態における遊技盤28013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット28150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部28151と、その本体部28151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部28151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部28151は、端部が背面側に向かって傾斜される傾斜面151aと、本体部28151の背面から正面側に向かって凹設される凹部28151bとを主に備える。
凹部28151bの内側面28151b3は、上述したように、凹設底面151b2側から凹設開口側に向かって(矢印F方向側から矢印B方向側に向かって)外側に本体部28151の端部側に向かって傾斜して形成される。この場合、その凹部28151bの断面における内側面28151b3のベース板60の正面に対する傾斜角度θ3(図182(a)参照)が、本体部151の傾斜面151aのベース板60に対する傾斜角度θ4(図182(a)参照)よりも小さく設定される。
これにより、図182(a)示すように、遊技者が本体部28151の傾斜面28151aを介して装飾部材60cを視認する場合に、本体部28151を通過することで屈曲して遊技者に視認される虚像の装飾位置と、本体部28151を介さずに装飾部材60cを視認した際の実像の装飾位置とを近づけることができる。即ち、本体部28151の傾斜面28151a及び凹部の内側面28151b3で屈折されて視認される装飾部材60cの位置を遊技者の視線の延長線上に位置させることができる。その結果、遊技者に本体部28151を介して装飾部材60cを視認させた際に、光の屈折により生じる装飾の位置ずれを抑制して、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
次いで、図182(b)を参照して、第29実施形態における遊技盤29013について説明する。上記第28実施形態では、凹部29151bの断面における内側面29151b3のベース板60の正面に対する傾斜角度θ3が、傾斜面151aのベース板60に対する傾斜角度θ4よりも小さく設定される場合について説明したが、第29実施形態では、凹部29151bの断面における内側面29151b3のベース板60の正面に対する傾斜角度θ5が、傾斜面151aのベース板60に対する傾斜角度θ6よりも大きく設定される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図182(b)は、第29実施形態における遊技盤29013の断面図である。なお、図182(b)は、図14の断面図に対応する。また、図182(b)では、遊技者が遊技盤29013を通常の位置(例えば、遊技盤29013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
なお、第29実施形態における遊技盤29013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤29013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤29013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第29実施形態では、ベース60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット29150が配設される。
図182(b)に示すように、第29実施形態における遊技盤29013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット29150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部29151と、その本体部29151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部29151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部29151は、端部が背面側に向かって傾斜される傾斜面151aと、本体部29151の背面から正面側に向かって凹設される凹部29151bとを主に備える。
凹部29151bの内側面29151b3は、上述したように、凹設底面151b2側から凹設開口側に向かって(矢印F方向側から矢印B方向側に向かって)外側に本体部29151の端部側に向かって傾斜して形成される。この場合、その凹部29151bの断面における内側面29151b3のベース板60の正面に対する傾斜角度θ5(図182(b)参照)が、本体部151の傾斜面151aのベース板60に対する傾斜角度θ6(図182(b)参照)よりも大きく設定される。
これにより、図182(b)示すように、遊技者が本体部29151の傾斜面151aを介して装飾部材60cを視認する場合に、装飾部材60c及び装飾部材154から傾斜面151aを介して遊技者の視点に照射される光を、凹部29151bの内側面29151b3の傾斜に対して、略直交する方向に照射される光とすることができる。従って、装飾部材60c及び装飾部材154から凹部29151bの内側面29151b3に光が入射する際に、光が屈折すること抑制できる。その結果、凹部29151bの内側面29151b3に光が入射する際に、光が屈折することで、装飾部材60c及び装飾部材154の連結部分が重力方向上側から視認されることを抑制でき、装飾部材60c及び装飾部材154を1の装飾として遊技者に視認させやすくできる。
また、凹部29151bの内側面29151b3と装飾部材154の端部との間に所定の隙間を備えるので、その隙間により装飾部材154が形成される際に生じる寸法誤差を吸収することができる。
次いで、図183(a)を参照して、第30実施形態における一般入賞口ユニット30150について説明する。上記第28実施形態では、凹部28151bの内側面28151b3が傾斜して形成される場合について説明したが、第30実施形態では、凹部30151bの内側面30151b3が凹部28151bの内側に膨出すると共に断面円弧状に湾曲して形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
なお、第30実施形態における遊技盤30013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤30013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤30013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第30実施形態では、ベース60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット30150が配設される。
図183(a)は、第30実施形態における一般入賞口ユニット30150の断面図である。なお、図183(a)は、図14の断面図に対応する。また、図183(a)では、遊技者が、遊技盤30013を通常の位置(例えば、遊技盤30013の重力方向略中間位置と同一の高さの視点)から視認した場合の視線が2点鎖線で図示される。
図183(a)に示すように、第30実施形態における遊技盤30013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット30150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部30151と、その本体部30151の背面側に配設される装飾部材154と、を備える。
本体部30151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部30151は、端部が背面側に向かって傾斜される傾斜面151aと、本体部30151の背面から正面側に向かって凹設される凹部30151bとを主に備える。
凹部30151bの内側面30151b3は、凹設底面151b2側から凹設開口側に向かって(矢印F方向側から矢印B方向側に向かって)外側に本体部30151の端部側に傾斜して形成される共に、凹部30151bの内側に向かって断面円弧状に膨出する。これにより、凹部30151bを介して装飾部材60cを視認する遊技者の視線を装飾部材60cの装飾面と直交する方向(水平方向)に向けやすくできる。その結果、凹部30151bを介して遊技盤30013の装飾を視認した場合に、装飾部材154の端部が視認されることを抑制して、装飾部材60c及び装飾部材154を1の装飾として遊技者に視認させやすくできる。
次いで、図183(b)を参照して第31実施形態における一般入賞口ユニット31150について説明する。上記第1実施形態では、傾斜面151aは、断面が直線状の面として形成される場合について説明したが、第31実施形態における傾斜面31151aは、複数の凹設部31151a1を備える。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図183(b)は、第31実施形態における一般入賞口ユニット31150の断面図である。なお、図183(b)は、図14の断面図に対応する。また、第31実施形態における遊技盤31013は、第1実施形態における遊技盤13と同様に、遊技盤31013は、正面視略矩形状の板部材から形成されるベース板60と、そのベース板60に形成される開口部分に配設されるセンターフレーム86(図2参照)を備える。また、遊技盤31013は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等(図2参照)を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。さらに、第31実施形態では、ベース60の第2開口部60b(図11参照)の開口部分に一般入賞口ユニット31150が配設される。
図183(b)に示すように、第31実施形態における遊技盤31013のベース板60の正面側に配設される一般入賞口ユニット31150は、ベース板60の正面に沿う板状の本体部31151と、その本体部31151の背面側に配設される装飾部材154とを備える。
本体部31151は、透明の樹脂材料から形成され、背面側に配設される装飾部材154の模様や文字等(絵柄)の装飾を遊技者側から視認可能とされる。また、本体部31151は、端部が背面側に向かって傾斜される傾斜面31151aと、本体部31151の背面から正面側に向かって凹設される凹部151bとを主に備える。
傾斜面31151aは、その傾斜方向と直行する方向に凹設される複数の凹設部31151a1を備える。複数の凹設部31151a1は、傾斜面31151aの傾斜方向に複数個並設されると共に、正面視における本体部31151の端部に沿って延設される。これにより、本体部31151の内部に入射されて本体部31151の端部(傾斜面31151a)から出射される光を乱反射させることができる。従って、傾斜面31151aを介して視認される装飾をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。
ここで、本体部31151に配設される装飾部材154の端部は、第1実施形態と同様に傾斜面31151aの背面側に配設されるので、装飾部材154の装飾と装飾部材60cの装飾の連結部分をぼやかした状態で遊技者に視認させることができる。その結果、遊技者に各装飾部材の連結を認識させにくくすることができ、装飾部材60cの装飾と装飾部材154の装飾とを1の装飾として遊技者に認識させやすくできる。
<対向間の間隔を調整して流下方向を変更する調整手段>
次いで、図184から図186を参照して、第32実施形態における特別入賞装置32550について説明する。上記第13実施形態では、第1経路部材13560と第2経路部材13570との間にシム部材SIを挟むことで、第1経路部材13560と第2経路部材13570との対向間隔を調整する場合について説明したが、第32実施形態では、第1経路部材32560と第2経路部材32570との対向間隔をネジの締結位置により調整する場合について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
初めに、図184及び図185を参照して、第32実施形態における特別入賞装置32550の構成について説明する。図184は、第32実施形態における特別入賞装置32550の分解斜視正面図である。図185(a)は、特別入賞装置32550の正面図であり、図185(b)は、特別入賞装置32550の上面図であり、図185(c)は、図185(a)のCLXXXVc−CLXXXVc線における特別入賞装置32550の断面図である。
図184及び図185に示すように、第32実施形態における特別入賞装置32550は、正面側に配設される第1経路部材32560と、その第1経路部材32560の背面側に配設される第2経路部材32570と、を備える。
第1経路部材32560は、非光透過の材料から形成される。また、第1経路部材32560は、板状に形成され遊技領域の正面側に配設される正面板32564と、その正面板32564の左右の端部から背面側(ベース板60側)に突設される第1壁部32565と、を備える。
正面板32564は、後述する第2経路部材32570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、非光透過の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置33550の内部を流下する遊技球を視認不能にできる。その結果、遊技者が特別入賞装置33550の内部の遊技球の流下方向を把握することを抑制して、遊技者が遊技をやめることを抑制できる。
第1壁部32565は、第2経路部材32570と連結(締結)される部分であり、左右方向(板厚方向)に円形状に貫通する貫通孔32565cと、2の第1壁部32565の対向面に複数個並設されると共に断面三角形状に突設される一側突部32565dと、第1壁部32565の上下の両端から2の第2壁部32566の対向面側に立設される立設部32565eとを主に備える。
貫通孔32565cは、第1経路部材32560を第2経路部材32570に締結させるためのネジを挿通する貫通穴であり、各第1壁部32565に1箇所ずつ形成される。
一側突部32565dは、後述する第2経路部材32570の他側凹部32573cに挿入されて、第1経路部材32560を第2経路部材32570に対して位置決めをする部分であり、前後方向(矢印F−B方向)に並設されると共に、上下方向(矢印U−D)方向に延設される。
立設部32565eは、一側突部32565dを覆設して、遊技者から一側突部32565dを不可視にする部分であり、一側突部32565dの突設距離より大きく設定される。これにより、一側突部32565dが他側凹部32573cに挿入された位置を視認されることを抑制して、第2経路部材32570に対する第1経路部材32560の位置が遊技者に認識されることを抑制できる。その結果、遊技者が不利と判断してパチンコ機10を遊技しなくなることを抑制できる。
第2経路部材32570は、第1経路部材32560の正面板32564と対向する板状のベース板32571と、そのベース板32571の左右(矢印L−R方向)の端部から第1経路部材32560の正面板32564側に突設される第4壁部32573と、を備える。
ベース板32571は、第1経路部材32560の正面板32564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面視におけるベース板32571の上下方向(矢印U−D方向)の大きさが正面板32564よりも小さくされる。これにより、遊技者側からベース板32571が視認されることを抑制できる。その結果、遊技者が、ベース板32571と正面板32564との対向間隔を視認して遊技が有利または不利であると判断することを防止できる。
また、ベース板32571は、第1経路部材32560側に突出する第4凸部32571b及び第5凸部32571cと、それら第4凸部32571b及び第5凸部32571cの下方に位置し、正面板32564側に突設される第6凸部32571dと、を備える。
第4凸部32571b及び第5凸部32571cは、特別入賞装置32550の内部を流下する遊技球を案内するための突起であり、ベース板32571の左右方向外側(矢印L−R方向外側)からベース板32571の中央側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、ベース板32571と正面板32564との対向間を流下して、第4凸部32571b又は第5凸部32571cに衝突する遊技球を、それら第4凸部32571b又は第5凸部32571cの傾斜方向に流下させやすくすることができる。
第6凸部32571dは、上述した第4凸部32571b及び第5凸部32571cの下方側に形成されると共に、ベース板32571の左右方向略中央位置に形成される。また第6凸部32571dは、重力方向に延設される。これにより、ベース板32571と正面板32564との対向間を流下して、第4凸部32571b又は第5凸部32571cに案内される遊技球を第6凸部32571dの左右のどちらかに振り分けられる。
対向する2箇所の第4壁部32573は、対向方向外側の側面に対向方向の内側に向かって凹設される複数の他側凹部32573cと、対向方向に貫通される調整孔32573bと、2箇所の第4壁部32573の対向方向内側に形成されると共に調整孔32573bを取り囲む収容部32573dと、を主に備える。
他側凹部32573cは、第4壁部32573の前後方向(矢印F−B方向)に複数個並設されると共に、重力方向に延設される。また、他側凹部32573cは、断面略三角形状に凹設して形成され、その断面形状が、一側突部32565dと略同一に設定される。これにより、一側突部32565dを他側凹部32573cに挿入して第1経路部材32560を位置決めすることができる。
調整孔32573bは、上述した第1経路部材32560の貫通孔32565cを挿通したネジの先端を収容部32573d側に挿通させる部分である。また、調整孔32573bは、前後方向(矢印F−B方向)に長い長穴に形成されており、これにより、第2経路部材32570に対する第1経路部材32560の移動が許容される。
収容部32573dは、正面視において断面コ字状に形成されると共に、その両端部が第4壁部32573に連結される。また、収容部32573dは、ベース板32571の正面から第4壁部32573の正面側の端部に亘って延設される。これにより、収容部32573dにより囲われた空間内に、貫通孔32565c及び調整孔32573bを挿通したネジを螺合する螺合板32590を収容できる。
螺合板32590は、収容部32573dにより形成される空間に挿入可能な寸法に設定されると共に、前後方向(矢印F−B方向)における幅寸法が収容部32573dにより形成される空間の前後方向寸法(第4壁部32573の正面側への突設寸法)よりも小さく設定される。これにより、螺合板32590を収容部32573dの内側に挿入できると共に、前後方向に移動可能とされる。
また、螺合板32590は、貫通孔32565c及び調整孔32573bを挿通したネジを螺合する螺合孔32591と、その螺合孔32591の前後方向(矢印F−B方向)の両端から2箇所の第4壁部32573の対向面に向かって突設される案内突部32592とを備える。
螺合孔32591は、2箇所形成されており、上下方向に並んで形成される。また、2箇所の螺合孔32591は、上端から一方の螺合孔32591の距離寸法と下端から他方の螺合孔32591の距離寸法とが同一となる位置に形成される。これにより、どちらか一方の螺合孔32591のネジ溝が潰れた場合に、螺合板32590を上下反転させることで他方の螺合孔32591を利用してネジを締結することができる。
案内突部32592は、前後の両端部分から左右方向の両外側に所定量突設されると共に、螺合孔32591側に向かって傾斜する傾斜面を備える。これにより、貫通孔32565c及び調整孔32573bを挿通したネジの先端を螺合孔32591に案内することができる。特に本実施形態では、螺合孔32591が破損した場合に、上下を反転させることで新しい螺合孔32591を使用できる。この場合、ネジの先端に対する螺合孔32591の位置が合わなくなりやすいので、本実施形態のように、ネジの先端を螺合孔32591に案内する構成が特に有効となる。
以上のように構成される特別入賞装置32550の第2経路部材32570に対する第1経路部材32560の調整方法は、初めに、第1経路部材32560の貫通孔32565cに挿通されると共に螺合板32590に螺合されるネジを緩める。これにより、第2経路部材32570に対し第1経路部材32560の移動が許容された状態とされる。
次に、第1壁部32565を正面板32564に対して左右方向外側に弾性変形させることで、第2経路部材32570の他側凹部32573cに挿入された第1経路部材32560の一側突部32565dを他側凹部32573cから引き出した後に、前後方向の位置を調整して調整後の位置で、第1壁部32655の弾性変形を戻して再度一側突部32565dを他側凹部32573cに挿入させる。これにより、第2経路部材32570に対して第1経路部材32560を仮止め(位置決め)することができる。
最後に、第1経路部材32560の貫通孔32565cに挿通されると共に螺合板32590に螺合されるネジを再度締めなおすことで、第2経路部材32570に対する第1経路部材32560の調整が完了される。
これによれば、上述したように、一側突部32565dと他側凹部32573cとが対応する形状に形成されるので、仮止めした後にネジを締結することで、一側突部32565dを他側凹部32573cに押し込むことができる。よって、一側突部32565dを他側凹部32573cに挿入可能なそれぞれの位置で、常に同じ位置となるように調整させることができる。その結果、調整を行う作業者によって、遊技球の流れにばらつきが発生することを抑制でき、調整を簡易にすることができる。
次いで、図186を参照して、第1経路部材32560の第2経路部材32570の位置調整について説明する。図186(a)は、特別入賞装置32550の断面図であり、図186(b)は、図186(a)のCLXXXVIb−CLXXXVIb線における特別入賞装置32550の断面図である。
図186に示すように、左側(矢印L方向側)の第1経路部材32560が第2経路部材32570に対して正面側(矢印F方向側)に引き出された場合には、図185に示すように、左側の正面板32564及びベース板32571との対向間の距離が右側に比べて広くされる。この場合、正面板32564及びベース板32571の対向間を流下する遊技球は、左側の第4凸部32571bに衝突し難くなるので、その分、遊技球を、左側の対向間を流下しやすくできる。これにより、正面板32564及びベース板32571の対向間を流下する遊技球を左側の下方から排出させやすくできる。
次いで、図187を参照して第33実施形態における特別入賞装置33550について説明する。上記第32実施形態では、第1経路部材32560の第1壁部32565を弾性変形させた状態で第2経路部材32570に対する第2経路部材32570の位置を調整する場合について説明したが、第33実施形態では、第1壁部33565を正面板32564に対して可変可能に連結される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図187(a)は、第33実施形態における第1経路部材33560の分解斜視正面図であり、図187(b)は、特別入賞装置33550の断面図である。なお、図187(b)は、図186(c)の断面図と対応する。
図187に示すように、第33実施形態における特別入賞装置33550は、正面側に配設される第1経路部材33560と、その第1経路部材33560の背面側に配設される第2経路部材32570と、を備える。
第1経路部材33560は、板状に形成され遊技領域の正面側に配設される正面板33564と、その正面板33564の左右の端部に軸支される第1壁部33565と、を備える。
正面板32564は、後述する第2経路部材32570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、非光透過の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置33550の内部を流下する遊技球を視認不能にできる。その結果、特別入賞装置33550の内部の遊技球の流下方向を遊技者が把握することを抑制して、遊技者が遊技をやめることを抑制できる。
保持部33564eは、後述する第1壁部33565を軸支するロッドRDを保持する部材であり、円環状に形成された内側部分にロッドRDを挿入可能な大きさに設定される。また、保持部33564eは、上下方向に所定の距離を隔てる2箇所に形成されており、それら保持部33564eの円環部分の軸が上下方向に同軸とされる。また、2箇所の保持部33564eのうち下方側に形成される保持部33564eは、正面板33564の下側端部に形成されると共に、下端側が塞がれる。これにより、ロッドRDを保持部33564eの上方側から保持部33564eの内側に挿入した場合に、ロッドRDが保持部33564eの下端から脱落する(抜け出る)ことを抑制できる。
第1壁部33565は、第2経路部材32570と連結(締結)される部分であり、左右方向(板厚方向)に円形状に貫通する貫通孔32565cと、2箇所の第1壁部32565の対向面に複数個並設されると共に断面三角形状に突設される一側突部32565dと、第1壁部32565の上下(矢印U−D方向)の両端から2の第2壁部32566の対向面側に立設される立設部32565eと、正面板33564側に断面円環形状に突出する被軸支部33565fと、を主に備える。
被軸支部33565fは、上述した正面板33564の保持部33564eに挿入されるロッドRDが挿入される部分であり、円環状に形成された内側部分がロッドRDを挿入可能な大きさに設定される。また、被軸支部33565fは、上下方向に所定の距離を隔てる2箇所に形成されており、それら被軸支部33565fの円環部分の軸が上下方向に同軸とされる。また、2箇所の被軸支部33565fは、その間に上述した保持部33564eのうち上方に形成される保持部33564eが配設される。
これにより、正面板33564及び第1壁部33565との連結は、保持部33564eと被軸支部33565fとを同軸上に配置すると共に、それら保持部33564eと被軸支部33565fとの内側に上方側からロッドRDを挿入することで、正面板33564に第1壁部33565が回転可能な状態で配設される。
これにより、図187(b)に示すように、第2経路部材32570のベース板32571に対して、第1経路部材33560の正面板33564が非平行に配設される場合に、正面板33564に対して第1壁部33565の角度を変更して配設できる。
即ち、上記第32実施形態では、第2経路部材32570のベース板32571に対して第1経路部材32560の正面板32564を非平行に配設した場合に、正面板32564に対して第1壁部33565を弾性変形させた状態で保持する必要がある。また、第2経路部材32570に対して第1経路部材32560の位置を調整する際に、第1壁部32565を正面板32564に対して左右方向外側に弾性変形させて、第2経路部材32570の他側凹部32573cに挿入された第1経路部材32560の一側突部32565dを他側凹部32573cから引き出す必要がある。そのために、正面板32564と第1壁部32565との連結部分が破損する可能性があった。
これに対し、第33実施形態では、正面板33564に対して、第1壁部33565を回転させることができるので、第1経路部材33560を弾性変形させる必要がなくなり、正面板33564と第1壁部33565との連結部分が破損することを抑制できる。
以上のように構成される特別入賞装置33550の第2経路部材32570に対する第1経路部材33560の調整方法は、初めに、第1経路部材33560の貫通孔32565cに挿通されると共に螺合板32590に螺合されるネジを緩める。これにより、第2経路部材32570に対し第1経路部材33560の移動が許容された状態とされる。
次に、第1壁部33565を正面板33564に対して左右方向外側に回転させることで、第2経路部材32570の他側凹部32573cに挿入された第1経路部材33560の一側突部32565dを他側凹部32573cから引き出した後に、前後方向の位置を調整して調整後の位置で、第1壁部33565の回転を戻して再度一側突部32565dを他側凹部32573cに挿入させる。これにより、第2経路部材32570に対して第1経路部材32560を仮止めすることができる。
最後に、第1経路部材33560の貫通孔32565cに挿通されると共に螺合板32590に螺合されるネジを再度締めなおすことで、第2経路部材32570に対する第1経路部材33560の調整が完了される。
次いで、図188から図190を参照して第34実施形態における特別入賞装置34550について説明する。上記第13実施形態では、特別入賞装置13550の前後の板の対向間隔を調整することで、遊技球の流下する方向を調整する場合について説明したが、第34実施形態では、流下経路の内側に向かって突設される突起の位置を変更することで、遊技球の流下する方向を調整できる。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図188及び図189を参照して、特別入賞装置34550の全体構成について説明する。図188(a)は、第34実施形態における遊技盤34013の正面図であり、図188(b)は、図188(a)のCLXXXVIIIb−CLXXXVIIIb線における遊技盤34013の断面図である。図189は、遊技盤34013の分解斜視正面図である。
図188及び図189に示すように、第34実施形態における特別入賞装置34550は、遊技盤34013に配設される第1入賞口64の上方に配設される。また、特別入賞装置34550は、正面側に配設される第1経路部材34560の左右方向における中心線が第1入賞口64の左右方向における中心線と正面視において同一直線状に配設される。
さらに、特別入賞装置34550と第1入賞口64とは、重力方向(矢印U−D方向)に遊技球の直径分離れた位置に配設される。これにより、特別入賞装置34550から排出される遊技球を遊技者に視認させることができる。
特別入賞装置34550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材34560と、その第1経路部材34560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材34570と、その第2経路部材34570の背面側に螺合される固定具34553と、を備える。
第1経路部材34560は、後述する第2経路部材34570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、非光透過の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置34550の内部を流下する遊技球を視認不能にできる。その結果、特別入賞装置34550の内部の遊技球の流下方向を遊技者が把握することを抑制して、遊技者が遊技をやめることを抑制できる。
また、第1経路部材34560は、板状に形成され、遊技領域の正面側(矢印F方向側)に配設される正面板34564と、その正面板34564の左右の端部から背面側(矢印B方向側)に立設される第1壁部34565と、を備える。
正面板34564は、後述する第2経路部材32570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、後述する第2経路部材34570のベース板34571よりも正面視における外形が大きく形成される。これにより、第1経路部材34560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材34570を正面板34564で視認しにくくすることができる。従って、遊技者側から第2経路部材34570が視認されることを抑制できる。よって、第2経路部材34570の位置を変更した場合に、その変更が遊技者に認識されることを抑制できる。
第1壁部34565は、遊技盤13のベース板34060に締結される部分であり、断面略L字形状に形成される。第1壁部34565の背面側への立設寸法は、正面板34564と後述するベース板34571の第4凸部34571bとの対向間寸法X3(図188(b)参照)が、遊技球の直径よりも若干大きい値に設定される。
また、第1壁部34565は、立設先端部からベース板34060の正面と平行な方向に屈曲される屈曲部34565gを有し、その屈曲部34565gに前後方向に貫通する貫通孔34565g1が形成される。貫通孔34565g1は、ネジが挿通される孔であり、貫通孔34565g1に挿通したネジをベース板34060に螺合することで、第1経路部材34560をベース板34060に締結できる。
第2経路部材34570は、第1経路部材34560の正面板34564と対向する板状のベース板34571と、そのベース板34571の背面側から円柱状に突設される支持部34579と、を備える。
ベース板34571は、第1経路部材34560の正面板34564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面板34564と所定量離間する位置に形成される。また、ベース板34571は、正面板34564側に突出する第4凸部34571bを備える。これにより、ベース板34571及び正面板34564の対向間を流下する遊技球を第4凸部34571bに衝突させて流下する方向を変更することができる。
支持部34579は、第2経路部材34570を軸支する部分であり、円柱状の軸が、ベース板34571の軸と同軸上となる位置(ベース板34571の中心)に形成される。また、遊技盤34013のベース板34060には、支持部34579と対応する位置に円形状の貫通穴34060dが開口され、その貫通穴34060dの内側に支持部34579が挿入される。これにより、第2経路部材34570が、ベース板34060に軸支される。
支持部34579は、その突設先端に締結孔34579aが凹設される。締結孔34579aは、支持部34579の軸と同軸上に凹設されると共に、内周面に雌ネジ加工がされる。これにより、ベース板34060の背面側から貫通孔34060dに挿通される固定具34553のネジ部34553bを締結孔34579aに螺合させることができる。
固定具34553は、上述した第2経路部材34570を遊技盤34013のベース板34060に締結するための締結部材であり、円柱状に形成される操作部34553aと、その操作部34553aの正面側に突設されるネジ部34553bと、を備える。
操作部34553aは、第2経路部材34570をベース板34060に配設する作業者が把持する部分であり、ベース板34060に形成される貫通孔34060dよりも大きい外形に形成される。また、操作部34553aは、ベース板34060の貫通穴34060dの内径よりも大きい外径に設定される。
これにより、固定具34553のネジ部34553bを締結孔34579aに螺合させて、第2経路部材34570をベース板34060に配設した場合に、固定具34553が貫通穴34060dを介してベース板34060の正面側に抜け出ることを抑制できる。
ネジ部34553bは、操作部34553aの軸と同軸の円柱状に形成されると共に、その外周面に雄ネジ加工がされる。ネジ部34553bは、上述したように、第2経路部材34570の締結孔34579aに螺合される部分であり、ベース板34060の貫通孔34060dよりも小さい外径に設定され、貫通孔34060dを挿通して第2経路部材34570の締結孔34579aに螺合される。
以上のように構成される特別入賞装置34550によれば、特別入賞装置34550から排出される遊技球の排出位置を変更する場合に、作業者は、遊技盤13のベース板34060に形成される第1開口部60a(センターフレーム86)を介して遊技盤13の正面側(矢印F方向側)から手(腕)をベース板34060の背面側(矢印B方向側)に挿通させて、固定具34553の操作部34553aにアクセスさせる。
次に、操作部34553aを回転させて、第2経路部材34570の締結孔34579aに螺合されるネジ部34553bを緩める。これにより、第2経路部材34570を支持部34579を中心に回転変位可能な状態にして、第2経路部材34570を回転させて、第2経路部材34570の第4凸部34571bの位置を変更する。第4凸部34571bの位置が変更されると、特別入賞装置34550の内部を流下する遊技球が第4凸部34571bと衝突する位置が変更されるので、特別入賞装置34550から排出される遊技球の排出位置を変更することができる。
この場合、上述したように、第2経路部材34570のベース板34571は、正面視円形状に形成され、その軸と同軸上に支持部34579が形成されるので、第2経路部材34570を回転させた場合に、正面視におけるベース板34060に対する第2経路部材34570の配置が変化することを抑制できる。よって、第2経路部材34570の回転されたことを遊技者が認識することを抑制できる。その結果、遊技者が不利と判断して遊技をしなくなることを抑制できる。
次に、図190を参照して、第4凸部34571b(第2経路部材34570)の位置を変化させた場合の遊技球の排出位置の変化について説明する。図190(a)から図190(d)は、図188のCXC−CXC線におけるパチンコ機34010の断面図である。
図190に示すように、第4凸部34571bは、正面視における突出形状が、略V字状に形成される。従って、図190(a)に示すように、V字の屈曲側を下方側に配置した場合には、特別入賞装置34550の上方から流入する遊技球をV字の傾斜に沿って中央部分に送球しやすくできる。その結果、特別入賞装置34550の下方に配設される入賞口64に遊技球を流入させやすくすることができる。
一方、図190(b)に示すように、V字の屈曲側を上方側に配置した場合には、特別入賞装置34550の上方から流入する遊技球をV字の傾斜に沿って左右の両端に送球しやすくできる。その結果、特別入賞装置34550の下方に配設される入賞口64に遊技球を流入させにくくすることができる。
また、図190(c)及び図190(b)に示すように、V字の屈曲側を左右のどちらかの端部に配置した場合には、特別入賞装置34550の上方から流入する遊技球をV字の上方側の傾斜に沿って送球しやすくできると共に、V字の上方側に衝突されずV字の下方側に送球される遊技球をV字の下方側の傾斜に沿って送球することができる。従って、V字の上方側とV字の下方側とで遊技球を衝突させる領域の違いで、遊技球が送球される方向を変更することができる。
なお、詳しい説明は省略するが、図190(a)から図190(d)に示す位置以外の位置に、第4凸部34571bの屈曲部分を配置することも可能である。例えば、図190(a)に示す位置から第2経路部材34570を正面視右方向に10度回転させた場合には、特別入賞装置34550の上方から流入する遊技球を、V字の傾斜に沿って流下させて、特別入賞装置34550の下方に配設される入賞口64の上方側から若干左側(矢印L方向側)にずれた位置から遊技球を排出しやすくできる。
次いで、図191から図193を参照して第35実施形態における特別入賞装置35550について説明する。上記第34実施形態では、第2経路部材34570を回転させて第4凸部34571bの位置を変更する場合について説明したが、第35実施形態では、第2経路部材35570をスライドさせて第4凸部35571bの位置を変更する。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
初めに、図191及び図192を参照して、第35実施形態における特別入賞装置35550について説明する。図191(a)は、第35実施形態における遊技盤35013の正面図であり、図191(b)は、図191(a)のCXCIb−CXCIb線における遊技盤35013の断面図である。図192は、特別入賞装置35550の分解斜視図である。
図191及び図192に示すように、第35実施形態における特別入賞装置35550は、遊技盤35013に配設される第1入賞口64の上方側(矢印U方向側)に配設される。また、特別入賞装置35550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材35560の左右方向における中心線が第1入賞口64の左右方向における中心線と正面視において同一直線状に配設される。
さらに、特別入賞装置35550と第1入賞口64とは、重力方向(矢印U−D方向)に遊技球の直径分離れた位置に配設される。これにより、特別入賞装置35550から排出される遊技球を遊技者に視認させることができる。
特別入賞装置34550は、正面側(矢印F方向側)に配設される第1経路部材35560と、その第1経路部材35560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材35570と、その第2経路部材35570の背面側に螺合される固定具34553と、を備える。
第1経路部材35560は、後述する第2経路部材35570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側の壁部となる板部材であり、非光透過の材料から形成される。これにより、遊技者に特別入賞装置35550の内部の遊技球の流下方向を視認不能にできる。その結果、遊技者が、特別入賞装置35550の内部の遊技球の流下方向を把握することを抑制して、遊技者が遊技をやめることを抑制できる。
また、第1経路部材35560は、板状に形成され、遊技領域の正面側に配設される正面板34564と、その正面板34564の左右の端部から背面側(矢印B方向側)に立設される第1壁部35565と、を備える。
正面板35564は、後述する第2経路部材35570との対向間で形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、後述する第2経路部材35570のベース板35571よりも正面視における外形が大きく形成される。これにより、第1経路部材35560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材35570を正面板35564で視認しにくくすることができる。従って、遊技者側から第2経路部材35570が視認されることを抑制できる。よって、第2経路部材35570の位置を変更した場合に、その変更が遊技者に認識されることを抑制できる。
第1壁部35565は、遊技盤35013のベース板60に締結される部分であり、断面略L字形状に形成される第1壁部34565の背面側への立設寸法は、正面板35564と後述するベース板35571の第4凸部35571bとの対向間寸法X4(図191(b)参照)が、遊技球の直径よりも若干大きい値に設定される。
また、第1壁部35565は、立設先端部からベース板60の正面と平行な方向に屈曲される屈曲部35565gを有し、その屈曲部35565gに前後方向(矢印F−B方向)に貫通する貫通孔35565g1と、屈曲部35565gの背面から正面側(矢印F方向側)に向かって凹設される凹設部35565g2とが形成される。
貫通孔35565g1は、ネジが挿通される孔であり、貫通孔35565g1に挿通したネジをベース板60に螺合することで、第1経路部材35560をベース板60に締結できる。
凹設部35565g2は、後述する第2経路部材35570のベース板35571の左右(矢印L−R方向側)の両端を内側に収容する部分であり、屈曲部35565gの基端から凹設されると共に、屈曲部35565gの上下方向中央部に凹設される。これにより、ベース板35571の左右の両端を凹設部35565g2の内側に収容した際に、ベース板35571の左右の両端を屈曲部35365gにより隠すことができる。よって、遊技者にベース板35571の位置が認識されることを抑制できる。その結果、遊技者が不利と判断して遊技をしなくなることを抑制できる。
また、凹設部35565g2の凹設寸法は、ベース板35571の板厚よりも大きい深さ寸法に設定されると共に、屈曲部35565gの左右の両端の離間距離X5(図191(b)参照)が、ベース板35571の左右方向の幅寸法X6(図191(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、ベース板35571(第2経路部材35570)を左右方向に変位させることができる。なお、ベース板35571(第2経路部材35570)の変位方法については後述する。
第2経路部材35570は、第1経路部材35560の正面板35564と対向する板状のベース板35571と、そのベース板35571の背面側(矢印B方向側)から背面視矩形状に突設される支持部35579と、を備える。
ベース板35571は、第1経路部材35560の正面板35564との対向間の隙間で遊技球の送球経路を形成する部材であり、正面板35564と所定量離間する位置に形成される。また、ベース板35571は、正面板35564側(矢印F方向側)に突出する第4凸部35571bを備える。これにより、ベース板35571及び正面板35564の対向間を流下する遊技球を第4凸部35571bに衝突させて流下する方向を変更することができる。
支持部35579は、第2経路部材35570を軸支する部分であり、ベース板34571の軸と同軸上となる位置(ベース板34571の中心)に円柱状の軸が形成される。また、遊技盤34013のベース板60には、支持部35579と対応する位置に左右方向に長い長穴形状の摺動孔35060eが開口され、その摺動孔35060eの内側に支持部35579が挿入される。これにより、第2経路部材35570がベース板60に支持される。
摺動孔35060eは、支持部35579の上下方向(矢印U−D方向)寸法と略同一の寸法に短手方向(矢印U−D方向)の幅寸法が設定されると共に、支持部35579の左右方向(矢印L−R方向)寸法よりも長手方向(矢印L−R方向)の幅寸法が大きく設定される。これにより、摺動孔35060eの内側に挿入される支持部35579を摺動孔35060eの長手方向に摺動可能にできる。
また、支持部35579は、その突設先端に締結孔35579aが凹設される。締結孔35579aは、内周面に雌ネジ可能がされ、固定具34553のネジ部34553bを締結孔35579aに螺合させることができる。なお、支持部34579の突設寸法は、ベース板60の厚み寸法よりも小さく設定されており、締結孔35579aに固定具34553のネジ部34553bを螺合させることで、第2経路部材35570をベース板60に固定することができる。
以上のように構成される特別入賞装置35550によれば、特別入賞装置35550から排出される遊技球の排出位置を変更する場合に、作業者は、遊技盤35013のベース板60に形成される第1開口部60a(センターフレーム86)を介して遊技盤35013の正面側(矢印F方向側)から手(腕)をベース板60の背面側(矢印B方向側)に挿通させて、固定具34553の操作部34553aにアクセスさせる。
次に、操作部34553aを回転させて、第2経路部材35570の締結孔35579aに螺合されるネジ部34553bを緩める。これにより、第2経路部材35570を左右方向にスライド変位可能な状態にして、第2経路部材35570をスライド変位させて、第2経路部材35570の第4凸部35571bの位置を変更する。第4凸部35571bの位置が変更されると、特別入賞装置35550の内部を流下する遊技球が第4凸部35571bと衝突する位置が変更されるので、特別入賞装置35550から排出される遊技球の排出位置を変更することができる。
次に、図193を参照して、第4凸部35571b(第2経路部材35570)の位置を変化させた場合の遊技球の排出位置の変化について説明する。図193(a)から図193(c)は、図191(b)のCXCIII−CXCIII線における遊技盤35013の断面図である。なお、図193(a)から図193(c)では、図193(b)における第2経路部材35570の位置を基準位置として、図193(a)では、第2経路部材35570が基準位置から正面視左側に変位された状態が図示され、図193(c)では、第2経路部材35570が基準位置から正面視右側(矢印R方向側)に変位された状態が図示される。
図193に示すように、第4凸部35571bは、正面視における突出形状が、略V字状に形成され、特別入賞装置35550の上方から流入する遊技球が、V字の傾斜に沿って中央部分(V字の屈曲部分)に案内される。
よって、図193(b)に示すように、第4凸部35571bのV字の屈曲部分が、第1入賞口64の上方に配設される場合には、特別入賞装置35550の下方から排出される遊技球を第1入賞口64に流入させやすくできる。
一方、図193(a)及び図193(c)に示すように、第2経路部材35570を基準位置(図193(b)に示す位置)から移動した場合には、第4凸部35571bのV字の屈曲部分が第1入賞口64の上部から左右のどちらかにずれた位置に配置されるので、第2経路部材35570が基準位置に配置される場合に比べて、特別入賞装置35550の下方から排出される遊技球が、第1入賞口64に流入しにくくされる。
次いで、図194を参照して、第36実施形態における特別入賞装置36550について説明する。上記第1実施形態では、ベース板60の正面側に配設される第1ユニット551が、ベース板60の背面側に配設される第2ユニット552に締結されて、ベース板60の背面側に向かって付勢された状態で保持される場合について説明したが、第36実施形態では、第1ユニット36551に形成される締結部36551bの弾性回復力により第1ユニット36551がベース板60の背面側に向かって付勢される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図194(a)は、第36実施形態における遊技盤36013を模式的に示した分解斜視正面図であり、図194(b)は、遊技盤36013の断面模式図である。なお、図194は、図36の断面図と対応する。
図194に示すように、第36実施形態における特別入賞装置36550は、センターフレーム86が配設される第1開口部60aの内側からスライド変位されて、ベース板60に配設される第1ユニット36551から形成される。
第1ユニット36551は、その内部に遊技球を送球可能な空間を備え、その空間がベース板60の正面側(矢印F方向側)に配設される。これにより、ベース板60の正面を流下する遊技球を第1ユニット36551の内部に流入させることができる。また、第1ユニット36551は、ベース板60正面と隣合う側面(背面)から背面側(矢印B方向側)に向かって突設される締結部36551bを備える。
締結部36551bは、第1ユニット36551をベース板60に締結するネジが挿通される部分であり、背面側(矢印B方向側)に向かって突設されると共に、ベース板60の背面と平行な方向に突設先端が屈曲される。
また、締結部36551bは、その屈曲側の側面に正面側(矢印F方向側)に膨出する膨出部36551b2と、その膨出部36551b2よりも屈曲先端側に板厚方向(矢印F−B方向)に貫通する貫通孔36551b1と、を備える。
また、締結部36551bは、第1ユニット36551がベース板60に装着されていない状態における基端(第1ユニット36551の背面)から屈曲部分の正面までの距離寸法X7(図194(b)参照)が、ベース板60の厚み寸法よりも大きく設定される。また、締結部36551bは、第1ユニット36551がベース板60に装着されていない状態における基端(第1ユニット36551の背面)から膨出部36551b2の膨出先端位置までの距離寸法X8(図194(b)参照)が、ベース板60の厚み寸法と同一または、若干小さく設定される。
膨出部36551b2は、貫通孔36551b1にネジが締結された場合に、ネジが締結される力を第1ユニット36551をベース板60の背面側(矢印F方向側)に押し付ける(付勢する)力に変換する部分であり、締結部36551bの屈曲部分の基端と貫通孔36551b1との間に形成される。
これにより、締結部36551bを挿通したネジをベース板60の背面に締結させた場合に、膨出部36551b2がベース板60の背面と当接することで、屈曲部分とベース板60との隙間の分、ネジにより屈曲先端側をベース板60側に押し込む力を屈曲部分の基端側を背面側(矢印B方向側)に引き抜く力に変換することができる。これにより、第1ユニット36551の背面と、ベース板60の正面との間に隙間が形成されることを抑制できる。
その結果、正面側から第1ユニット36551を挿通させたネジをベース板60に締結する必要がなくなり、その締結代の分、第1ユニット36551を大きく形成しやすくできる。また、第36実施形態では、第1ユニット36551は、センターフレーム86が締結される第1開口部60aを利用してベース板60に取付られるので、第1ユニット36551をスライド変位させてベース板60の第1開口部60aに装着しやすくできる。
次いで、図195を参照して、第37実施形態における特別入賞装置37550について説明する。上記第1実施形態では、ベース板60の正面側に配設される第1ユニット551が、ベース板60の背面側に配設される第2ユニット552に締結されて、ベース板60の背面側に向かって付勢された状態で保持される場合について説明したが、第37実施形態では、第1ユニット37551がベース板60の背面側から挿通されるネジにより締結されて、ベース板60の背面側に向かって付勢された状態で保持される。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図195(a)は、第37実施形態における遊技盤37013を模式的に示した分解斜視正面図であり、図195(b)は、遊技盤37013の断面模式図である。なお、図195は、(b)は、図36の断面図と対応する。
図195に示すように、第37実施形態における特別入賞装置37550は、ベース板60の正面に配設される第1ユニット37551から形成される。
第1ユニット37551は、その内部に遊技球を送球可能な空間を備え、その空間がベース板60の正面側(矢印F方向側)に配設される。これにより、ベース板60の正面を流下する遊技球を第1ユニット37551の内部に流入させることができる。また、第1ユニット37551は、背面側(矢印B方向側)に円環状に突設される複数の円環凸部37551bを備える。
円環凸部37551bは、ベース板60の背面側から挿通されるネジを螺合する部分であり、内周面に雌ネジ加工がされる。なお、本実施形態では、円環凸部37551bが第1ユニット37551の背面に4箇所形成される。
また、円環凸部37551bと対向する位置のベース板60には、円形状に凹設される凹部37060dが形成される。凹部37060dは、円環凸部37551bを内側に挿入する部分であり、円環凸部37551bの外径と略同一の内径に形成される。また、凹部37060dの凹設深さは、円環凸部37551bの突設寸法よりも大きく設定される。
また、凹部37060dの凹設底面には、凹部37060の同軸上の円形状に貫通形成される貫通孔37060d1が形成される。貫通孔37060d1は、円環凸部37551bに螺合されるネジの先端が挿通される孔であり、凹部37060dの内径よりも小さい内径の開口に形成される。これにより、ベース板60の背面側(矢印B方向側)からベース板60の正面側(矢印F方向側)に配設される第1ユニット37551にネジを締結できる。
この場合、上述したように、凹部37060dの凹設深さは、円環凸部37551bの突設寸法よりも大きく設定されるので、ネジを円環凸部37551bに螺合させることで、円環凸部37551b(第1ユニット37551)を背面側(矢印B方向側)に付勢した状態で、第1ユニット37551をベース板60に配設できる。これにより、第1ユニット37551の背面と、ベース板60の正面との間に隙間が形成されることを抑制できる。
その結果、正面側から第1ユニット37551を挿通させたネジをベース板60に締結する必要がなくなり、その締結代の分、第1ユニット37551を大きく形成しやすくできる。また、第37実施形態では、第1ユニット37551の締結部分をベース板60の凹部37060dの内側に収容することができるので、その分、第1ユニット37551に形成される遊技球を送球する空間を大きくすることができる。
<正面側に出射される光の光量を遊技球により変更する>
次いで、図196及び図197を参照して、第38実施形態における下変位部材38440について説明する。上記第11実施形態では、制御基板491から照射される光により下変位部材11440に収容された遊技球の位置に影を形成して、その影の位置で遊技球の位置を認識させる場合について説明したが、第38実施形態における下変位部材11440は、制御基板491から照射される光を遊技球の外面で反射させて、その光量が多くされる位置で遊技球の位置を認識させる。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図196は、第38実施形態における下変位部材38440の分解斜視正面図である。図197(a)は、下変位部材38440の正面図であり、図197(b)は、図197(a)のCXCVIIb−CXCVIIb線における下変位部材38440の断面図であり、図197(c)は、図197(a)のCXCVIIc−CXCVIIc線における下変位部材38440の断面図である。なお、図197(a)では、正面側装飾部材38451及び正面ケース38481が取り外された状態が図示されると共に、正面ケース38481に配設されるLED38483bが2点鎖線で図示される。また、図197(b)及び図197(c)では、正面側装飾部451が取付られた状態が図示される。
図196及び図197に示すように、第38実施形態における下変位部材38440は、正面ベース411(図46参照)に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後方向(矢印F−B方向)両側を覆うケース部材38480と、そのケース部材38480とベース部材470との間に変位可能に配設される伝達機構460と、ケース部材38480の前後を覆う態様で形成される装飾部材11450とを主に備えて形成される。
ケース部材38480は、ベース部材470の前後方向(矢印F−B方向)両側を覆設する部材であり、ベース部材470の正面側(矢印F方向側)に配設される正面ケース38481と、背面側(矢印B方向側)に配設される背面ケース482とを主に備える。
正面ケース38481は、正面視矩形横長の板状に形成される。また、正面ケース38481は、上下方向(矢印U−D方向)略中間位置に左右方向(矢印L−R方向)に広がる開口481aと、背面側(矢印B方向側)の下端面に突出形成される底壁部481bと、下方の端部に前後方向に貫通する軸孔481cと、背面側に配設されるLED基板38483と、を主に備える。
LED基板38483は、下変位部材38440(正面ケース38481)の内部を発光させる部材であり、板状に形成される本体部38483aと、その本体部38483aに配設されると共に光を照射する複数のLED38483bと、を備える。
本体部38483aは、複数のLED38483bに電気を通す配線が敷設される基盤であり、球受部467の変位方向(矢印L−R方向)に延設される。複数のLED38483bは、本体部38483aの延設方向(矢印L−R方向)に所定の間隔で配設される。
また、各LED38483bは、各LED38483bの背面側(矢印B方向側)を遊技球が通過する際の遊技球の中心に向かう方向に設定される。これにより、各LED38483bの背面側に遊技球が位置する場合に、LEDの光を遊技球の外面に反射させて正面側装飾部11451に照射させることができる。従って、上述したように、正面側装飾部11451は、光を透過可能な透過部11451bを備えるので、遊技球の外面に反射されて正面側装飾部11451に照射された光を、透過部11451bを介して遊技者側(矢印F方向側)に出射させることができる。よって、透過部11451bを介して遊技者側から視認される光を、遊技球により反射された部分を他の部分よりも光量を多くすることができる。その結果、光の光量を多く(変更)することで、下変位部材38440の内部に送球された遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。
なお、本実施形態では、複数のLED38483bが配設される間隔が遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、球受部467に受け入れられた遊技球が変位された場合でも、遊技球の少なくとも一部にLED38483bから出射される光を照射することができる。よって、LED38483bから出射される光を、球受部467に受け入れられた遊技球に常時照射させることができる。
また、第38実施形態によれば、LED38483bよりも背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材470、伝達機構460及び背面ケース482は、光の吸収率が高い部材が好ましい。例えば、各部材の外面が黒い配色を構成する。これによれば、LED38483bから出射された光が、ケース部材38480(下変位部材38440)の内部を反射して正面側装飾部11451の透過部11451bから出射されることを抑制できる。その結果、遊技球が配置される正面と、それ以外の正面とで光の出射量の違いを大きくすることができ、遊技者に下変位部材39440の内側に受け入れられた遊技球の位置を認識させやすくすることができる。
次いで、図198及び図199を参照して第39実施形態における下変位部材39440について説明する。上記第38実施形態では、遊技球で光を反射させて遊技球が配設される位置を遊技者に認識させる場合について説明したが、第39実施形態では、球受部39467に配設される反射部材により光を反射させて遊技球の位置を認識させる。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図198は、第39実施形態における下変位部材39440の分解斜視背面図である。図199(a)は、下変位部材39440の正面図であり、図199(b)及び図199(c)は、下変位部材39440の断面図である。なお、図199(b)及び図199(c)は、図198(c)の断面と対応する。
図198及び図199に示すように、第39実施形態における下変位部材39440は、正面ベース411(図46参照)に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材38480と、ケース部材38480とベース部材470との間に変位可能に配設される伝達機構39460と、ケース部材38480の前後を覆う態様で配設される装飾部材11450と、を備える。
伝達機構39460は、ベース部材470の正面側に配置される部材であり、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の正面側をスライド変位可能に配設される可動ラック464と、その可動ラック464に回転可能に配置されると共に、ラックギヤ476に歯合した状態とされる伝達ギヤ465と、その伝達ギヤ465に歯合される歯面を有し可動ラック464の正面側をスライド変位可能に配設されるラック39466と、そのラック39466の一端側に回転可能に配設される球受部39467とを主に備えて形成される。
ラック39466は、正面視矩形横長の棒状体から形成され、上端面に刻設されるラックギヤ466aと、他端側の端部から正面側に円柱状に突出する軸部39466bと、正面側に突出する2つの摺動板466cと、背面側に一端から他端に亘って凹設される凹設部466dとを主に備えて形成される。
軸部39466bは、後述する球受部39467の軸孔467bに挿入される突起であり、軸孔467bの内径よりも大きい外径の円柱状に形成される。これにより、球受部467を回転可能に保持できる。
球受部39467は、正面視略L字に屈曲して形成される第1片39467cと、その第1片39467cに連結される第2片39467dと、その第2片39467dに連結されると共に第1片39467c及び第2片39467dの正面側(矢印F方向側)に配設される第3片39467eと、を備える。
第1片39467c及び第2片39467dは、開口451a(図57参照)から下変位部材39440の内側に送球された遊技球を保持する部分であり、第1片39467c及び第2片39467dの対向間に遊技球が送球されると、第1片39467cに対して第2片39467dが離間する方向に変位され、第1片39467cの一部と第2片39467dとが正面視においてU字状に配置され、そのU字の内側部分に遊技球を保持することができる。
第1片39467cは、正面視においてL字に形成される一方の延設側を形成する受入片39467c4と、他方の延設側を形成する脚部467aと、受入片39467c4及び脚部467aとの連結部分(屈曲部分)に前後方向(矢印F−B方向)に貫通する軸孔467bが形成される円環状の屈曲部39467c5と、屈曲部39467c5を間に挟んで反対側に突出する連結部39467c1と、を備える。
受入片39467c4は、1片39467c及び第2片39467dにより正面視U字状に形成される他方側(矢印R方向側)の側面を形成する部分であり、正面において三日月状に形成されると共に、第2片39467dから離間する方向に凹となる湾曲形状に形成される。
連結部39467c1は、屈曲部39467c5の軸方向(矢印F−B方向)に所定の間隔を隔てて2箇所から突設される。また、連結部39467c1は、後述する第2片39467d及び第3片39467eを連結する部分であり、軸孔467bの軸方向に沿って延設されると共に断面円形状に開口される連結孔39467c2を備える。
連結孔39467c2は、後述する第3片39467eに突設される軸部39467e3が挿入される開口である。連結孔39467c2は、後述する第2片39467dに形成される挿通孔39467d3に挿通した軸部39467e3が正面側(矢印F方向側)から挿入される。また、軸部39467e3は、連結孔39467c2の挿入側と反対側(矢印B方向側)から挿入されるネジにより締結される。これにより、第1片39467cに第2片39467d及び第3片39467eを締結することができる。
また、第1片39467cは、連結部39467c1の突設基端側に重力方向下側(矢印D方向側)に凹む凹部39467c3を備える。凹部39467c3の凹設底面は、第1片39467c及び第2片39467dにより遊技球が保持される側面のうち一番低い位置(最下部)に形成される。これにより、第1片39467c及び第2片39467dに保持される遊技球は、凹部39467c3の内側に転動される。その結果、遊技球の荷重により第2片39467dを第1片39467cに対して変位させやすくできる。
第2片39467dは、第1片39467cの受入部39467c4及び第2片39467dにより正面視U字状に形成される他方側(矢印L方向側)の側面を形成する部分であり、正面視において三日月状に形成されると共に、第1片39467cから離間する方向に凹となる湾曲形状に形成される。また、第2片39467dは、第1片39467cの連結部分に前後方向に円形状に開口する挿通孔39467d3と、正面側(矢印F方向側)から背面側(矢印B方向側)に向かって円形状に凹設される凹設部39467d2とを主に備える。
第2片39467dは、挿通孔39467d3に、第3片39467eの軸部39467e3が挿入され、凹設部39467d2に、第3片39467eの連結軸39467e4が挿入される。従って、第2片39567dが変位されると、第3片39467eも同様に変位される。よって、第2片39567dが第1片39467cに対して回転変位されると、第3片39567eも同様に第1片39467cに対して回転変位される。
さらに、第2片39467dは、第1片39467cの2箇所に突設される連結部39467c1の対向間に配設されて、第1片39467cに連結される。これにより、第2片39467dが挿通孔39467d3の軸方向にねじれた場合に、連結部39467c1の対向側の側面に第2片39467dを当接させて軸部39467e3が折れることを抑制できる。
凹設部39467d2は、後述する第3片39467eの連結軸39467e4を挿入する孔であり、連結軸39467e4と略同一の形状に凹設される。
第3片39467eは、正面視略半円形の板状に形成される反射板39467e1と、その反射板39467e1から背面側(矢印B方向側)に向かって突設される軸部39467e3及び連結軸39467e4と、を備える。
反射板39467e1は、樹脂材料から形成されると共に外面にメッキの塗装が施される。これにより、反射板39467e1にLED38483bから出射される光が照射された場合に、その外面で光を反射させることができる。また、反射板39467e1は、全体が正面側(矢印F方向側)に向かって円弧状に湾曲して形成される。これにより、正面側から照射される光を反射した場合に、その光を所定の部分に集光させることができる。なお、反射板39467e1による発光体11491aの光の遮蔽については後述する。
軸部39467e3は、上述したように第1片39467cの連結孔39467c2及び第2片39467dの挿通孔39467d3に挿入される円柱体である。また、軸部39467e3の突設先端面には、軸部39467e3の挿入側と反対側から連結孔39467c2に挿入されるネジを螺合可能な孔が形成される。よって、軸部39467e3を連結孔39467c2及び挿通孔39467d3に挿入した状態で、軸部39467e3の挿入先端面にネジを締結することで、第1片39467c、第2片39467d及び第3片39467eを連結することができると共に、第3片39467eを第1片39467cに対して回転可能な状態にできる。
連結軸39467e4は、上述したように、第2片39467dの凹設部39467d2に挿入される。これにより、第2片39467dが第1片39467cに対して軸部39467e3を中心に回転変位した際に、連結軸39467e4を第2片39467dの変位に伴って変位させることができる。従って、第3片39467eを第2片39467dの変位に伴って変位させることができる。
よって、図199に示すように、球受部39467は、第1片39467c及び第2片39467dの対向間に遊技球が受け入れられると、受け入れられた遊技球が、第1片39467c及び第2片39467dの受入面(正面視U字に形成される内側の側面)を転動して、その受入面の最下端に位置する凹部39467c3に案内される。これにより、遊技球の外面で第2片39467dを軸部39467e3を中心に第1片39467cから離間する方向に回転させることができる。その結果、第2片39467dの変位に伴って移動する第3片39467eを上方に変位させてLED38483bの光の照射上に配置できる。
従って、LED38483bから出射される光を、第3片39467eの反射板39467e1により下変位部材39440の正面側(矢印F方向側)に反射させて、透過部11451bから出射させることができる。これにより、透過部11451bから出射される光量を部分的に多くして、遊技者に下変位部材39440の内部に送球された遊技球の位置を認識させることができる。
また、第2片39467dは、凹設部39467d2に連結軸39467e4が挿入されて、第3片39467eの荷重が常に作用される。第3片39467eの重心Gは、第2片39567d及び第3片39567eとの連結部分から、軸部394673eを挟んで反対側に設定される。これにより、第2片39467dおよび第3片39467deに重力以外の力が作用していない状態では、第3片39467eの荷重により、第2片39467eを第1片39467c4側に、回転させることができる。
従って、球受部39467から遊技球が排出される(取り出される)と、第3片39467eの荷重により第2片39467dを第1片39467cの球受片39467c4側に変位させることができる。よって、球受部39467に遊技球が受け入れられた場合にのみ、反射板39467e1により反射されて透過部11451bから出射される光量を部分的に大きくすることができる。その結果、球受部39467の位置出し動作等により、反射板39467e1で光が反射されることを抑制できる。
さらに、球受部39467は、第1実施形態における球受部467と同様に、下変位部材39440の内部をスライド変位させる動作により、軸穴39467bを中心に回転されて、下変位部材39440の出射開口471(図66参照)から受け入れた遊技球が外側に排出される。
ここで、球受部39467に受け入れられた遊技球を排出する構造として、球受部39467のスライド移動に伴って、軸孔467bを中心に球受部39467の回転させる構造では、球受部39467のスライド速度により、軸孔467bを中心とする球受部39467の回転速度が変更される。従って、球受部39467のスライド速度のみに回転速度が依存するので、球受部39467からの遊技球の排出速度が安定しないという問題点があった。
これに対し、第39実施形態では、第3片39467eの荷重により第2片39467dが回転する方向と、遊技球を出射する際の軸孔467bを軸とする球受部39467の回転方向とが略同一の方向に設定されるので、出射開口471から出射される遊技球に第2片39467dが変位する際の駆動力を付与することができる。従って、球受部39467を変位させて出射開口471から遊技球を排出する際の球受部39467から遊技球に作用させる力を小さくしても、出射される遊技球の速度を維持することができる。その結果、球受部39467から出射される遊技球の排出速度を安定させることができる。
次いで、図200を参照して、第40実施形態における第1ユニット40551について説明する。上記第1実施形態では、主経路SK1の湾曲部581aに遊技球が詰まった場合にその不具合を報知する場合について説明したが、第40実施形態では、規定の大きさ以外の遊技球が主経路SK1を通過する場合に不正を報知できる。なお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図200(a)は、第40実施形態における第1ユニット40551の模式断面図であり、図200(b)は、図200(a)のCCb−CCb線における第1ユニット40551の模式断面図である。なお、図200(a)の断面図は、図25の断面図と対応する。
図200に示すように、第40実施形態における第1ユニット40551は、正面側(矢印F向側)に配設される第1経路部材560と、その第1経路部材560の背面側(矢印B方向側)に配設される第2経路部材570と、その第2経路部材570の背面に配設される第3経路部材40580と、を主に備えて形成される。
第3経路部材40580は、第2経路部材570の上方側(矢印U方向側)の背面に配設される第1覆設部材40581と、第2経路部材570の下方側(矢印D方向側)の背面に配設される第2覆設部材582(図19参照)と、第1覆設部材40581及び第2覆設部材582の間に配設される第1駆動ユニット583(図19参照)と、第2覆設部材582の背面に配設される第2駆動ユニット584(図19参照)と、を主に備えて構成される。
第1覆設部材40581は、背面側(矢印B方向側)に略U字状に湾曲する遊技球の送球経路を形成する部材であり、第1開口部571a及び第4開口部571dの背面側を連結する湾曲部40581aと、その湾曲部40581aの下方側に連なる板状の取付部40581bと、を主に備える。
湾曲部40581aは、第1開口部571a及び第4開口部571d(第2経路部材570)側が開放される断面U字状に湾曲して形成され、その内側に第1転動部576が配設される。また、湾曲部40581aは、左右方向(矢印L−R方向)における幅寸法が、背面側(矢印B方向側)に向かって小さく形成されており、断面U字の湾曲部分における左右方向の幅寸法X10(図200(a)参照)が遊技球の直径に対して1.1倍以下の大きさに形成される。これにより、規定の遊技球よりも直径が1.1倍以上の遊技球が送球された場合に、その遊技球を湾曲部40581a(主経路SK1)の内部で停止させることができる。
また、湾曲部40581aは、第1実施形態における湾曲部581aと同様に、センターフレーム86の凹部86b2(図17参照)の内側に配設される。よって、湾曲部40581aの内部に停止した遊技球を検出装置86b3(図17参照)により検出してパチンコ機10にエラー(不正)を報知させることができる。
さらに、湾曲部40581aは、断面U字の湾曲部分に開口する開口40581a1と、その開口40481a1の背面側の端部から上方が開放する箱状に突設される収容部40581a2とを備える。
開口40581a1は、規定の遊技球の直径よりも小さい直径の球を主経路SK1から排出する開口であり、左右方向(矢印L−R方向)における開口寸法X15(図200(a)参照)が、遊技球の直径の0.9倍よりも大きい寸法に形成される。なお、開口40581a1は、第1転動部576を転動する遊技球の転動方向となる湾曲部40581の背面側に形成されており、主経路SK1を通過する遊技球を開口40581a1に送球することができる。これにより、規定の遊技球よりも直径が0.9割以上小さい遊技球が送球された場合に、その遊技球を開口40581a1から主経路SK1の外側に排出することができる。
収容部40581a2は、開口40581a1から排出される遊技球を収容する箱であり、内側の空間が遊技球の直径よりも大きい大きさに形成される。これにより、開口40581a1から排出された遊技球を収容部40581a2に収容することができ、その収容された遊技球を検出装置86b3により検出してパチンコ機10にエラー(不正)を報知させることができる。
なお、第40実施形態では、幅寸法X10及び開口寸法X11が、規定の直径(11ミリメートル)の遊技球に対して0.1倍の異なる大きさで形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遊技球に対する大きさの倍率を変更しても良い。
次いで、図201及び図202を参照して第41実施形態における第1ユニット41551について説明する。上記第1実施形態では、主経路SK2、湾曲経路WK1及び主経路SK3に形成される第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jが、湾曲経路WK1の湾曲部分を中心に上下(矢印U−D方向)で略対象に形成される場合について説明したが、第41実施形態における第1凹部41571h、第2凹部41571i及び第3凹部41571jは、それぞれ異形に形成されるなお、上記各実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図201(a)は、第41実施形態における第1ユニット41551の模式断面図であり、図201(b)は、図201(a)のCCIb−CCIb線における第1ユニット41551の模式断面図である。図202(a)は、図201(a)のCCIIa−CCIIa線における第1ユニット41551の模式断面図であり、図202(b)は、図201(a)のCCIIb−CCIIb線における第1ユニット41551の模式断面図である。
図201及び図202に示すように、第41実施形態における第1ユニット41551は、正面側に配設される第1経路部材41560と、その第1経路部材41560の背面側に配設される第2経路部材41570と、その第2経路部材41570の背面に配設される第3経路部材580(図19参照)と、を主に備えて形成される。
第1経路部材41560は、遊技盤13(図2参照)の遊技領域の正面に沿った板状に形成される正面板41564と、上方側(矢印U方向側)が開放する断面略U字状に形成され、正面板41564の上方側(矢印U方向側)端部から背面側(矢印B方向側)に突設される第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563と(図21参照)、その第1受入部561、第2受入部562及び第3受入部563の下側(矢印D方向側)に連なって突設されると共に、正面板41564の一部の端部に沿って延設される第1壁部41565と、その第1壁部565の下方に形成され、所定の間隔を隔てた2箇所から突設される2組の第2壁部566及び第3壁部567(図21参照)と、を主に備える。
正面板41564は、後述する第2経路部材41570及び第3経路部材580の対向間に形成される遊技球の流下経路の正面側(矢印F方向側)の壁部となる板部材であり、光透過部材から形成される。これにより、遊技者は、第1ユニット551の内部を流下する遊技球を正面板41564を介して(通して)視認することができる。
また、正面板564は、後述する第1凹部41571h、第2凹部41571i及び第3凹部41571jと対向する位置に、それぞれ第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dが突設される。
第2経路部材41570は、第1経路部材41560の正面板41564と対向する板状のベース板41571と、そのベース板41571の正面(矢印F方向側)から第1経路部材41560側に突設される第4壁部573(図21参照)と、その第4壁部573から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第5壁部574(図21参照)と、その第5壁部574から下方側に所定の距離離間する位置に突設される第6壁部575(図21参照)と、を主に備えて形成される。
ベース板41571は、正面板41564との対向間で形成される遊技球の送球経路(主経路SK2、湾曲経路WK1及び主経路SK3)に凹設される第1凹部41571h、第2凹部41571i及び第3凹部41571jを備える。
第1凹部41571h、第2凹部41571i及び第3凹部41571jは、背面側に向かって湾曲形状に凹設されて形成される。また、第1凹部41571h及び第1凸部41564bの対向間寸法と、第2凹部41571i及び第2凸部41564cの対向間寸法と、第3凹部41571j及び第3凸部41564dの対向間寸法は、それぞれ同一の対向間寸法L19(図201(b)参照)に設定される。
また、対向間寸法L19は、遊技球の直径よりも大きい値に設定されると共に、正面板41564の背面およびベース板571の正面の対向間寸法L20(図201(b)参照)よりも小さい値に設定される。これにより、第1凹部41571h、第2凹部41571i及び第3凹部41571jと、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dとの対向間に送球される遊技球を第1凹部41571h、第2凹部41571i及び第3凹部41571jと、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dに当接させて、遊技球の転動(流下)速度を遅くすることができる。
さらに、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dのベース板41571側への突出寸法は同一に設定される。また、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dの突設先端面と、第1凹部41571h、第2凹部41571i及び第3凹部41571jを除くベース板41571の正面との対向間の距離寸法L21(図201(b)参照)は、遊技球の直径よりも小さく設定される。これにより、第1凹部41571h、第2凹部41571i及び第3凹部41571jと、第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dとの対向間に送球される遊技球を第1凸部41564b、第2凸部41564c及び第3凸部41564dに衝突させることができる。その結果、遊技球の転動(流下)速度を遅くすることができる。
第1凹部41571hは、主経路SK2のベース板41571に形成されており、主経路SK2の遊技球の送球方向に沿って長く凹設される。これにより、第1凹部41571hの内側に送球された遊技球が第1凹部41571hの内部を送球された際に、第1凹部41571hとの摩擦抵抗が増加することを抑制できる。その結果、主経路SK2を流下する遊技球が第1凹部41571hとの当接により停止することを抑制できる。
第1凹部41571hとの対向面に突設される第1凸部41564bは、第1凹部41571hの延設方向と直交する方向に延設される。これにより、主経路SK2を送球される遊技球を第1凸部41564bに当接させた際に、その遊技球を第1凹部41571hの内側に送球しやすくできる。
第2凹部41571iは、湾曲経路WK1のベース板41571に形成されており、重力方向(矢印U−D方向)に沿って長く凹設される。また、第2凹部41571iは、正面視における形状が上下方向に長い楕円に形成され、その楕円の左右方向における中間位置が、上下方向に延びる湾曲経路WK1の左右方向中間位置に設定される。また、第2凹部41571iの楕円の上方側(主経路SK2側)の湾曲中心が、主経路SK2を送球される遊技球の中心の送球軌跡上に配置される。従って、第2凹部41571iは、主経路SK2から送球される遊技球の送球軌跡よりも上方側に凹設されるので、主経路SK2を遊技球が比較的速い速度で送球された場合でも、その遊技球の中心を第2凹部41571iの正面側を通過させることができる。その結果、主経路SK2を通過する遊技球を第2凹部41571iの内側に送球して遊技球の速度を遅くしやすくでき、湾曲経路WK1で遊技球が暴れることを抑制できる。
第2凹部41571iとの対向面に突設される第2凸部41564cは、正面視において略L字状に屈曲して形成される。また、第2凸部41564cは、屈曲部分が正面視における第2凹部41571iの楕円の上方側の湾曲中心の正面側に設定される。また、第2凸部41564cの一方側の屈曲部分が、湾曲経路WK1の遊技球の送球方向と直交する方向に延設されると共に、他方側の屈曲部分が、主経路SK2の遊技球の送球方向と直交する方向に延設される。これにより、主経路SK2から湾曲経路WK1に送球される遊技球を他方側の第2凸部41564cに当接させて第2凹部41571iの内側に送球すると共に、一方側の第2凸部41564cに当接させて湾曲経路WK11を送球される遊技球の送球速度を低下しやすくできる。その結果、湾曲経路WK1に送球された遊技球が暴れることを抑制して、遊技球をスムーズに送球することができる。
第3凹部41571jは、主経路SK3のベース板41571に形成されており、主経路SK3の遊技球の送球方向に長い楕円形状に凹設される。これにより、第3凹部41571jの内側に送球された遊技球が第3凹部41571jの内側を送球された際に、第3凹部41571jとの摩擦抵抗が増加することを抑制できる。その結果、主経路SK3を流下する遊技球が第3凹部41571jとの当接により停止することを抑制できる。
また、第3凹部41571jは、遊技球の送球経路の上流側の端部の湾曲中心が第2凹部41571iの左右方向中央位置の下方側に設定される。これにより、湾曲経路WK1の第2凹部41571iの内側を流下した遊技球を第2凹部41571iに受け入れやすくすることができ、湾曲経路WK1から主経路SK3へ遊技球を送球しやすくできる。
第3凹部415671jとの対向面に突設される第3凸部41564dは、正面視において略L字状に屈曲して形成される。また、第3凸部41564dは、屈曲部分が正面視における第3凹部41571jの上流側端部の湾曲中心の正面側に設定される。第3凸部41564dの一方側の屈曲部分が、主経路SK3の遊技球の送球方向と直交する方向に延設され、他方側の屈曲部分が、湾曲経路WK1の遊技球の送球方向と直交する方向に延設される。これにより、湾曲経路WK1から主経路SK3に送球される遊技球を他方側の第3凸部41564dに当接させて第3凹部41571jの内側に送球すると共に、一方側の第3凸部41564dに当接させて主経路SK3を送球する遊技球の送球速度を低下させることができる。その結果、湾曲経路WK1から主経路SK1に送球された遊技球が暴れることを抑制して、遊技球をスムーズに送球することができる。
次いで、図203から図206を参照して、第42実施形態における遊技盤42013について説明する。上記第1実施形態では、背面ケース300に配設される基板ボックス100(主制御装置110)の他端側が、基板ボックス100の背面側から挿通されるネジにより背面ケース300に固定される場合について説明したが、第42実施形態では、背面ケース42300に配設される第2係合部材42370が基板ボックス42100に係合される場合について説明する。
初めに、図203及び図204を参照して、第42実施形態における背面ケース42300の全体構成について説明する。図203は、第42実施形態における背面ケース42300の分解斜視正面図である。図204(a)は、背面ケース42300の正面図であり、図204(b)は、図204(a)のCCIVb−CCIVb線における背面ケース42300の模式断面図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図203及び図204に示すように、第42実施形態における背面ケース42300は、正面視略矩形の底壁部42301と、その底壁部42301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部42302とを備え、それら各壁部42301,42302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。
また、背面ケース42300は、底壁部42301の正面側(箱状に形成された開放側(矢印F方向側))に配設される係合部材310と、背面ケース42300の背面側に配設され、基板ボックス42100の一端側を固定する固定部材320と、底壁部42301の正面側に配設され、基板ボックス42100の他端側を固定する第2係合部材42370と、を備える。
底壁部42301は、その中央に正面視矩形の開口301aが、開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部42301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。また、底壁部42301には、正面側に円柱状に突設され、係合部材310の摺動溝314に挿入される突設部301bと、固定部材320と対向する位置に開口する第1開口部301cと、係合部材310と対向する位置に開口する第2開口部301dと、底壁部42301の正面側(矢印F方向側)に円柱状に突設され、後述する第2係合部材42370の摺動溝42372に挿入される第2突設部42301fと、その第2突設部42301fの上方(矢印U方向)に板厚方向(矢印F−B方向)に貫通形成される第3開口部42301gと、を備える。
第2突設部42301fは、第2係合部材42370の変位方向を規定する突起であり、重力方向の2箇所に並んで形成される。また、第2突設部42301fの外径は、後述する第2係合部材42370の摺動溝42372の短手方向の溝幅よりも若干小さい寸法に設定される。さらに、2箇所の第2突設部42301fは、互いの中心の離間距離が摺動溝42372の長手方向の溝幅よりも小さい寸法に設定される。これにより、摺動溝42372の内側に2箇所の第2突設部42301fを挿入して配設できる。
第3開口部42301gは、内側に後述する基板ボックス42100の突設部42118が挿入される開口であり、正面視における突設部42118の外形よりも大きい寸法で開口される。また、第3開口部42301gは、係合部材310と固定部材320とが係合された状態(図204(a)に示す状態)において、係合部材310を固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向)に隣合う位置に形成される。これにより、第3開口部42301gに突設部42118が挿入された状態において、係合部材310を固定部材320との係合を解除することを不能とできる。なお、突設部42118と係合部材310との位置関係についての詳しい説明は後述する。
外壁部42302は、正面視において下方側(矢印D方向側)の側面に上下方向(矢印U−D方向)に開口する第2開口部42302bを備える。第2開口部42302bは、後述する第2係合部材42370の下方側(矢印D方向側)の端部を挿通させる開口であり、第2係合部材42370の変位領域に開口形成される。これにより、第2係合部材42370を変位させることができる。
基板ボックス42100は、正面視における外形が、横長矩形の長方形に形成されると共に、内側に主制御装置110が配設される。また、基板ボックス42100は、一端側(矢印R方向側)の端部から突出する軸受部117(図206(a)参照)と、基板ボック42100の正面側の一面から突設される突設部42118と、を備える。
突設部42118は、上述したように、背面ケース42300の第3開口部42301gに挿入される部分であり、基板ボックス42100の正面と背面ケース42300の背面とが平行となる状態において、背面ケース42300の底壁部42301の正面側に後述する開口部42118aが配置される長さに設定される。また、突設部42118は、重力方向に開口する開口部42118aを備えており、その開口部42118aの内側に後述する第2係合部材42370が挿通した状態で配設される。これにより、基板ボックス42100が固定部材320を中心に回転することを抑制して、基板ボックス42100を背面ケース42300の背面側(矢印B方向側)に変位不能な状態で配設できる。
また、突設部42118が挿入される第3開口部42301gは、上述したように係合部材310と固定部材320とが係合された状態(図204(a)に示す状態)において、係合部材310を固定部材320との係合を解除する方向(矢印L方向)に隣合う位置に形成されるので、突設部42118が係合部材310と隣り合う位置に配設される。また、突設部42118の第3開口部42301gへの挿入寸法Y6(図204(b)参照)は、係合部材310の正面と底壁部42301の正面との離間距離Y7(図204(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、図204(b)に示すように、係合部材310と突設部42118とが前後方向(矢印F−B方向)位置において重なる位置に配設される。
従って、突設部42118の開口部42118aに第2係合部材42370が挿入された状態において、係合部材310が固定部材320との係合を解除する方向(突設部42118が配設された方向)への変位が規制される。その結果、開口部42118aに第2係合部材42370が挿入された状態で、係合部材310が固定部材320との係合が不正に解除されることを抑制でき、基板ボックス42100(主制御装置110)が不正な基盤に交換されることを抑制できる。
また、突設部42118の開口部42118aは、重力方向に開口されており、その開口部42118aに挿入される第2係合部材42370が重力方向に変位されて挿入される。従って、第2係合部材42370の変位方向(重力方向)と、係合部材310の変位方向(水平方向)と、直行する方向に設定されるので、係合部材310が遊技者の不正により無理に操作された場合の力を、開口部42118aに挿入される第2係合部材42370で受け止めやすくすることができる。その結果、係合部材310が遊技者の不正により無理に操作された場合に、固定部材320との係合が解除されることを抑制できる。
第2係合部材42370は、正面視縦長矩矩形の板状に形成される板部材42371と、その板部材42371の上方側(矢印U方向側)の端部から下方(矢印D方向)に向かって凹設される凹設部42374と、板部材42371の上方側(矢印U方向側)端部の水平方向外側(矢印L−R方向)に突設される第2係合部42373と、凹設部42374の下方に位置に前後方向(矢印F−B方向)に開口される摺動溝42372と、を主に備える。
摺動溝42372は、上述したように、第2係合部材42370を変位可能に配設するための開口であり、重力方向(矢印U−D方向)に長く開口される。また、摺動溝42372は、短手方向(矢印L−R方向)の幅寸法が、摺動溝42372の内側に配設される第2突設部42301fの直径と略同一に設定される。よって、上述したように摺動溝42372に第2突設部42301fが挿入されると、第2係合部材42370の摺動方向が摺動溝42372の開口の長手方向に規定される。
凹設部42374は、板部材42371の上方側の端部を弾性変形やすくするための開口であり、下方に向かって凹設されると共に、前後方向に切り欠かれる。これにより、板部材42371の上方側の端部の剛性を低くして、弾性変形やすくできる。
第2係合部42373は、上述した突設部42118の開口部42118aの端部と係合する部分であり、凹設部42374の切り欠き方向と直行する方向の両側面から突設され、その両側の突設先の端部の離間距離X12(図204(a)参照)が、開口部42118aの左右方向の開口寸法X13(図204(b)参照)よりも大きく設定される。これにより、第2係合部材42370が開口部42118aに挿入された場合に、第2係合部42373が開口部42118aの端部と係合することで、第2係合部42373が開口部42118aから抜け出ることを抑制できる。
なお、第2係合部42373は、板部材42371の上方側から下方側に向かって水平方向外側に突設する形状に形成される。これにより、第2係合部材42370が開口部42118aに挿入される際に、第2係合部42373を開口部42118aの内側に当接させて、板部材42371の上方側を弾性変形させやすくすることができる。
また、第2係合部材42370は、開口部42118aに挿入された状態(係合部42373が突設部42118と係合した状態)において、下方側の端部が、外壁部42302の第2開口部42302bの内側に配置される。これにより、第2係合部42370が背面ケース42300の外側から操作されることを抑制できる。その結果、第2係合部42373と突設部42118との係合が不正に解除されて、基板ボックス42100(主制御装置110)が不正な基盤に交換されることを抑制できる。
次いで、図204及び図205を参照して、背面ケース42300への基板ボックス42100の配設方法について説明する。図205(a)は、背面ケース42300の正面図であり、図205(b)は、図205(a)のCCVb−CCVb線における背面ケース42300の模式断面図である。なお、図204(a)及び図204(b)では、背面ケース42300に基板ボックス42100が配設された後の状態が図示され、図205(a)及び図205(b)では、背面ケース42300に基板ボックス42100が配設される前の状態が図示される。
第42実施形態における基板ボックス42100は、上述した第1実施形態と同様に、初めに、固定部材320が係合部材310と係合されて、一側が背面ケース42300の背面側に配設される。
なお、図205(a)及び図205(b)に示すように、係合部材310が固定部材320に係合前(変位前)の状態では、係合部材310の第2片312の先端が、第3開口部42301gの正面側に配設される。これにより、係合部材310と固定部材320とが係合される前に、基板ボックス42100の突設部42118が第3開口部42301gの内側に挿通されることを抑制できる。その結果、基板ボックス42100が、突設部42118及び第2係合部42370の係合のみで、背面ケース42300に配設されることを抑制できる。
次に、基板ボックス42100は、他側が一側の固定部材と320との連結部分を軸に回転され、突設部42118が背面ケース42300の第3開口部42301gの内側に挿通される。これにより、突設部42118が第2係合部材42370と係合可能な位置配置される。
なお、第2係合部材42370は、第3開口部42301gの内側に挿通前の状態において、下方側が第2開口部42302bに挿通されて背面ケース42300の外側に配置される(図205(a)参照)。これにより、基板ボックス42100を背面ケース42300に配設する作業者は、背面ケース42300の外側から第2係合部材42370を操作して、第2係合部材42370は、第3開口部42301gの内側に挿通させることができる。
また、第2係合部材42370は、その変位方向が重力方向に設定されるので、第3開口部42301gの内側に挿通前の状態において、重力の作用により下方側の端部に配設される。これにより、突設部42118が背面ケース42300の第3開口部42301gの内側に挿通される際に、第2係合部材42370と衝突することを抑制できる。その結果、作業者の作業効率を向上できる。
また、第2係合部材42370を突設部42118に係合し忘れた場合に、第2係合部材42370を背面ケース42300の外側に配置することができるので、作業者に正常な状態でないことを認識やすくすることができる。その結果、第2係合部材42370と突設部42118との係合し忘れを防止できる。
次に、図206を参照して、背面ケース42300とベース板42060とについて説明する。図206(a)は、遊技盤13の背面図であり、図206(b)は、図206(a)のCCVIb−CCVIb線における遊技盤13の断面図である。
図206に示すように、第42実施形態におけるベース板42060の背面には、立設部材42060fが配設される。立設部材42060fは、ベース板42060の背面側(矢印B方向側)に向かって立設されており、その立設先端位置が、背面ケース42300の底壁部42301の同一平面状に設定される。また、立設部材42060fは、第2係合部材42370の下方側に配置されると共に、背面ケース42300の外側に配設される。これにより、第2係合部材42370と突設部42118とを係合し忘れた状態で、背面ケース42300を遊技盤42013に配設した場合に、立設部42060fを第2係合部材42370の下方側に衝突させることができる。その結果、第2係合部材42370と突設部42118とを係合し忘れた状態、又は、背面ケース42300に基板ボックス42100を配設し忘れた状態で、背面ケース42300がベース板42060に配設されることを抑制できる。
なお、本実施形態では、立設部42060fに、背面ケース42300の内側を照射する発光基板が配設される。これにより、立設部42060fを光を照射する部分と、異常な状態で背面ケース42300とベース板42060とが係合されることを抑制する部分と、兼用させることができる。その結果、ベース板42060の外形が大きくなることを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記第1実施形態では、球受部467を第3位置から第2位置または第1位置に退避させるには、駆動モータKM2の駆動に従う形態とされたが、第3位置から第2位置または第1位置に退避させる駆動を付勢ばねにより駆動させても良い。例えば、ラック466又は可動ラック464とベース部材470との間に付勢ばねを配設して、ラック466又は可動ラック464の変位に伴って弾性力が付与される形態とする。
この場合、球受部467が、第3位置まで変位され払出動作をした際に、駆動モータKM3の駆動をオフすることで、付勢ばねの付勢力により球受部467を第2位置または第1位置側へ変位させることができる。
よって、駆動モータKM2の駆動力を第3位置で切り換えるまでの間の時間を利用し、球受部467を変位させることができるので、球受部467の内側から遊技球を排出した際の排出動作の反作用による下変位部材440のぐらつきを抑えることができる。
即ち、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、排出された遊技球の分、下変位部材440の荷重が軽くなり、反作用で下変位部材440が上方に変位しやすいところ、球受部467を直ちに変位させることで、球受部467の回転変位による反作用でベース部材470を下方に変位させる力を作用させて、下変位部材440から球が排出された際の反作用を打ち消すことができる。
上記第1実施形態では、回転体800の回転を規制する係合突起882が回転体800の側面に所定の間隔を隔てて2つ形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転体800の側壁に所定の間隔を隔てて複数個連設してもよい。この場合、回転体800の回転の規制をどの位置においても可能とすることができ、蓋部材770が開放状態とされた際に回転体800が外力で回転することを規制することができる。
上記第1実施形態では、開口831が、回転体800の外周面に形成されて、遊技球が開口831から送球される場合を説明したが、開口831が回転体800の連通孔881bと反対側の側面に形成されてもよい。即ち、回転体800の軸方向の両側の側面に開口が形成され、一方を球の流入口とし、他方を球の排出口としてもよい。この場合、回転体800の内部に球の送球経路を形成できるので、特に遊技盤13の背面側に配置スペースがない場合に、役物(回転体800)を送球経路として利用することができるので、遊技盤13を大型化することなく送球経路を確保することができる。
上記第1実施形態では、回転体800は、外形が円柱状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、多角形状、楕円形状またはそれらを組み合わせて形状としてもよい。この場合、回転体800の形状を複雑化することができるので、回転体800の回転変位により演出が切り替わったことを遊技者に視認させやすくできる。
上記第8実施形態では、回転操作部8654の外周面が遊技者により操作可能に形成される場合を説明したが、回転操作部8654の外周面に押込み式のボタンを配設してもよい。この場合、遊技者は、回転操作部8654に回転力を付与する操作だけでなく、押しボタンを押す操作、又は、回転操作部8654の回転操作と押す操作とを組み合わせた操作をすることができる。その結果、回転操作部8654の操作形態を複数形成することができるので、遊技者に興趣を与えることができる。
上記第8実施形態では、伝達ギヤ8651と伝達ギヤ8652とが歯合した状態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達ギヤ8651と、伝達ギヤ8652との間に、過負荷がかかると駆動力の伝達を遮るトルクリミッタ等を介設してもよい。
この場合、遊技者が回転状態の回転操作部8654の回転を停止させた際に、駆動モータKM6からの回転の駆動力の伝達を遮り、回転操作部8654の回転が継続されることを抑制できる。その結果、回転操作部8654にA方向の回転と反対方向の回転が遊技者から入力された際に、回転操作ユニット8650が壊れることを抑制できる。
さらに、遊技者が回転操作部8654を操作した際に、遊技者の指や衣服が回転操作部8654の回転方向側の上皿8017との間に挟み込んだ際に、その回転を停止させて、遊技者の指や衣服が更に挟み込まれることを抑制できる。よって、遊技者が回転操作部8654と上皿8017との間に挟まれて怪我をすることを抑制できる。
上記第8実施形態では、回転操作部8654の回転方向をA方向としたが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転操作部8654の回転方向をパチンコ機10に対して左右方向としてもよい。この場合、その遊技機の演出に伴った動作を遊技者にさせることができ、演出効果を向上させることができる。例えば、左手で回転操作部8654を右方向に回転するように叩いて操作させることで、第3図柄表示装置81上に表示したキャラクター等を叩く(ビンタする)ような演出をすることができる。
上記第1実施形態では、固定部材320に基板ボックス100が配設されて、固定部材320を係合部材310と係合させることで、基板ボックス100が不正な基板に交換されることを抑制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、固定部材320に配設されることで、不正に取り外されることを抑制できる効果を奏するものであれば他の部材(例えば、第3図柄表示装置81や不正な電波または振動等の不正な入力を検出できる検出装置)であっても良い。
上記第1実施形態では、第1ユニット551に形成される第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jと、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dは、互いに対向する位置に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dを、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jに対して上流側に配置して、流下する遊技球を第1凸部564b、第2凸部564c及び第3凸部564dに当接させた後に第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jに受け入れられるように形成してもよい。
上記第1実施形態では、装飾部材154は、その厚み寸法が本体部151の凹部151bの凹設深さよりも小さくされる場合について説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、装飾部材154を弾性変形可能な材料から形成すると共に、本体部151の凹部151bの凹設深さよりも厚く形成してもよい。この場合、一般入賞口ユニット150をベース板60に配設する際に圧縮して弾性変形させることで、本体部151をベース板60に当接した状態で配設することができる。
上記第1実施形態では、カム部材422が第2変位状態の位置に配置される際には、第1リンク部材431からカム部材422に作用される力PW1及びPW2が互いに打ち消し合う方向に作用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、カム部材422の端部と板状突起431bとが当接する点からカム部材422に入力される力の方向が、その当接点から軸部422aの軸心に向かう方向に設定しても良い。これによれば、軸部422aを軸に回転する方向の力がカム部材422に作用することを抑制できる。
上記第1実施形態では、基板ボックス100の他端側が、ネジにより背面ケース300の背面側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基板ボックス100の他端側が背面ケース300に係合されると取り外し不能とされる封印具により固定されていても良い。詳しく説明すると、背面ケース300の背面側の複数箇所に凹設される挿入部に、背面ケース300の他端側の複数箇所に形成される開口を挿通した円柱状の封印具を挿入して、挿入部と封印具とを係合させることで、基板ボックス100を背面ケース300の背面側に回転(動作)不能な状態で配設する。
なお、基板ボックス100を取り外す場合には、挿入部と封印具との係合部分を切断することで、背面ケース300から基板ボックス100の他端側を取り外すことができる。また、再度、基板ボックス100の他端側を背面ケース300に配設する場合には、新しい封印具を、基板ボックス100の未使用の開口に挿通させて、背面ケース300の未使用の挿入部に係合させることで基板ボックス100の他端側を背面ケース300に配設することができる。
上記第1実施形態では、正面視における装飾部材154の外形が、第2開口部60bの開口形状よりも大きく形成され、装飾部材154の端部がベース板60の装飾部材60cと前後方向に重なる状態で配設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視における装飾部材154の外形が、第2開口部60bの開口形状と略同一に設定されてもよい。
この場合、一般入賞口ユニット150の装飾部材154と、ベース板60の装飾部材60cとを同一の材料から形成することで、装飾部材154と装飾部材60cとを一枚からなるシートで形成し、そのシートから装飾部材154を切断することで、装飾部材154と装飾部材60cとを形成することができる。従って、装飾部材154を別工程で形成する必要がなくなるので、装飾部材154を形成する際の歩留まりを向上できる。
なお、正面視における装飾部材154の外形を第2開口部60bの開口形状と略同一に形成する場合には、装飾部材154を第2開口部60bの内側に配設して、装飾部材154と装飾部材60cとの正面を同一の平面上に配置することが好ましい。この場合、装飾部材154と装飾部材60cとの装飾面が正面視における前後方向に一致するので、装飾部材154と装飾部材60cとの装飾を1の装飾として遊技者に認識させることができる。
上記第1実施形態では、第1ユニット551の遊技球の送球経路の正面側(矢印F方向側)の内面に背面側(矢印B側方向側)に向かって突設される第1凸部571h、第2凸部571i、第3凸部571kが形成され、第1ユニット511の遊技球の送球経路の背面側の内面に背面側に向かって凹設される第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jを備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第1凹部571h、第2凹部571i及び第3凹部571jと第1凸部571h、第2凸部571i及び第3凸部571kとを正面視における前後方向で反対側の内面に形成にしても良い。
また、第2凹部571iと対向する位置の正面側の内面に正面画に向かって凹設される凹部が形成されても良い。この場合、湾曲経路WK1の送球空間に凹部が凹設される分、送球空間を大きくすることができる。従って、湾曲経路WK1で遊技球の流下が遅くなりすぎることを抑制できる。その結果、湾曲経路WK1で遊技球が留まることを抑制できる。
上記第9実施形態では、傾斜面9431b1が、カム部材422に向かうに従って正面側に突出する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜面9431b1が、カム部材422に向かうに従って正面側への突出量が小さくされる傾斜として形成されていても良い。
この場合、下変位ユニット400が第2変位状態とされてカム部材422の端部が板状突起9531aに当接した際に、カム部材422を正面ベース411の湾曲壁部411eに押し付けることができる。その結果、カム部材422が前後方向に揺れ動くことを抑制でき、下変位部材440を第2変位状態の位置で維持しやすくできる。
上記第11実施形態では、発光体11491aが、球受部467に受け入れられる遊技球の中心よりも高い(矢印U方向)位置に形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、球受部467に受け入れられる遊技球の中心と略同一の高さに発光体11491aが配設されていても良い。この場合、透過部11451bの高さ位置が、球受部467に受け入れられる遊技球の中心から中心よりも上方側に亘って形成されることが好ましい。
これによれば、発光体11491aから出射された光の一部を遊技球により遮断した場合に、透過部11451bに形成される遊技球の影を、遊技球の上方側半球により半円形状に形成できる。これより、透過部11451bに形成される影に遊技球の丸みを形成できるので、遊技者に球受部467に受入られた遊技球の位置を認識させやすくすることができる。
上記第12,第39実施形態では、第3片12467e,39467eの変位を遊技球の荷重により行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球受部12467,39467に遊技球を送球する送球経路に遊技球が通過したことを検知するセンサを取り付けて、そのセンサにより遊技球が検出されたことに起因して第3片12467e,39467eを単独で変位させても良い。これによれば、第2片12467d,39467dを遊技球の荷重により変位させる必要がなくなるので球受部12467,39467の変位の信頼性を向上できる。なお、この場合、第3片12467e,39467eを単独で変位させる駆動装置が球受部12467,39467に配設される。
上記第12,第39実施形態では、第3片12467e,39467eが回転変位する際の回転軸を第1片12467c,39467cに形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3片12467e,39467eの軸部12467e3,39467e3をラック466に形成される開口に挿入して、第3片12467e,39467eをラック466に対して回転変位させても良い。この場合、回転軸と第2片12467d,39467dとの連結部分との距離を大きくしやすくできるので、第2片12467d,39467dの変位量に対する第3片12467e,39467eの変位量を大きくしやすくできる。その結果、第3片12467eの遮蔽板12467e1を発光体11491aの正面側に配置しやすくできる。なお、この場合、ラック466に形成される開口は、軸部12467e3,39467e3が摺動可能な長穴に形成される。
上記第13実施形態では、第2経路部材13570を第1経路部材13560に対して前後方向に移動させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、第1経路部材13560を第2経路部材13570に対して、前後方向に移動させても良い。この場合、第2経路部材13570とベース板60(遊技盤13)の正面との相対的な位置関係により第1部材と第2部材との対向間の間隔が遊技者に把握されることを抑制できる。その結果、遊技機の稼動率を向上させることができる。
上記第1、第10、第25実施形態では、装飾部材154,10154,25154が、接着テープ154a,10154a,25154aにより貼付される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、液状体からなる接着剤を用いても良い。
上記第13、第32、第33、第34、第35実施形態では、正面側に配設される第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560が非光透過性材料から形成されて第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間が遊技者から認識されにくくされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560に遊技球の直径よりも小さい幅のスリット状に開口される開口部を形成して第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間を流下する遊技球を開口部を介して遊技者に視認させてもよい。なお、この場合、スリット状に形成される複数の開口部は、隣の開口部までの距離が遊技球の直径よりも小さく設定される。
これにより、第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間を流下する遊技球を開口部を介して遊技者に認識させることができる。
また、第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560に遊技球の直径よりも小さい円形に開口される開口部を形成して第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間を流下する遊技球を開口部を介して遊技者に視認させてもよい。この場合、複数の開口部同士の隣り合う幅寸法が遊技球の直径よりも小さく形成される。従って、開口部がスリット状に形成される場合に比べて開口部の開口を小さくすることができるので、開口部を介して第1経路部材13560,32560,33560,34560,35560と第2経路部材13570,32570,34570との対向間の間隔が遊技者に認識されることを抑制できる。
上記第18実施形態では、変位部材18310が係合される部分(被係合部18332)を固定部材18320に形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位部材18310が係合される被係合部18332を、固定部材18320にカシメ固定される基板ボックス100に形成してもよい。
この場合、基板ボックス100が背面ケース18300に配設されていない状態では、変位部材18310を背面ケース18300の内側に配置することができず、変位部材18310を自重により背面ケース18300の外側に突出した状態とすることができる。
その結果、基板ボックス100が背面ケース18300に取り付け忘れた場合には、遊技盤18013が外枠11に配設される際に、変位部材18310を外枠11に引っ掛ける(図164(b)参照)ことで、作業者に基板ボックス100の取り付け忘れを気付かせることができる。
上記第21実施形態では、背面ケース300の底壁部302の正面側(矢印F方向側)に配設される回転ユニット21700の挿入部21724bが変位部材310の凹部317の内側に挿入されて変位部材310と固定部材320との係合が不正に解除されることを防止する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位部材310の凹部317の内側に挿入される挿入部21724bを固定部材320に配設される基板ボックス100に形成してもよい。
なお、この場合、挿入部21724bは、固定部材320に穿設される開口を介して底壁部302の正面側に配設される。さらに、挿入部21724bは、固定部材320にカシメ固定する軸が挿入される部分に形成される。これにより、基板ボックス100の軸受部117が切断されて背面ケース21300から不正に取り外された場合に、挿入部21724bを変位部材310の凹部317の内側に取り残すことができる。その結果、背面ケース21300から固定部材320を取り外すことを困難とすることができる。
従って、固定部材320を交換する場合には、基板ボックス100と固定部材320とのカシメ部分を正しく(カシメ部分を切断する)必要がある。これにより、固定部材320を背面部材21300から不正に取り外すことを困難とすることができるので、固定部材320が取り外されて不正な基板ボックスに交換されることを抑制できる。
上記第42実施形態では、立設部42060fに、光を照射する発光基板を配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、ベース板42060に配設される駆動部材を制御する制御基板や、遊技球を送球する通路として形成しても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
基準位置から第1方向へ変位可能に形成され前記第1方向への変位に伴って遊技球を移動可能に形成される変位部材と、その変位部材の軌道領域外から変位部材の軌道領域へ遊技球が送球されることを規制する規制手段とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記第1方向と反対方向となる第2方向へ前記基準位置から変位可能に形成されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、基準位置から第1方向へ変位可能に形成され第1方向への変位に伴って遊技球を移動可能に形成される変位部材と、その変位部材の軌道領域外から変位部材の軌道領域へ遊技球が送球されることを規制する規制手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2010−166997号)。この遊技機によれば、規制手段の規制により、規定数以上の遊技球が変位部材の軌道領域へ送球されることを抑制できる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、固着や摩耗などに起因して、規制手段に動作不良が生じると、規定数以上の遊技球が変位部材の軌道領域へ向けて送球される恐れがあり、この場合、規定数を越えた分の遊技球により不具合を生じる恐れがあるという問題点があった。即ち、例えば、規定数を越えた分の遊技球が、変位部材の駆動機構に入り込み、可動部分に噛み込まれることで、破損を招く恐れがあった。或いは、規定数を越えた分の遊技球が遊技領域外(例えば、遊技盤の背面側)へ流出する恐れがあった。
これに対し、遊技機A1によれば、変位部材が、第1方向と反対方向となる第2方向へ基準位置から変位可能に形成されるので、その分、変位部材の軌道領域を拡大できる。よって、例えば、規制手段に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、変位部材の軌道領域が拡大されている分、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域に受け入れることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を、変位部材の第1方向への変位に伴って移動させることができる。よって、規定数を越えた分の遊技球が、変位部材の駆動機構部分に入り込むことや、遊技領域外へ流出することを抑制でき、その結果、規定数を越えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
遊技機A1において、遊技球が通過可能な通路として形成され下流が前記変位部材の軌道領域に連通される通路部材を備え、前記規制手段は、前記通路部材における遊技球の通過を規制することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通路として形成され下流が変位部材の軌道領域に連通される通路部材を備え、規制手段は、通路部材における遊技球の通過を規制するので、例えば、規制手段に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、規定数を超える分の遊技球を、通路部材を介して、変位部材の軌道領域へ確実に送球させることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
遊技機A2において、前記変位部材は、前記基準位置において前記通路部材から送球された規定数の遊技球を受け取って保持可能に形成されると共に、前記基準位置から第2方向へ少なくとも遊技球の直径を越える距離だけ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、変位部材は、基準位置において通路部材から送球された規定数の遊技球を受け取って保持可能に形成されると共に、基準位置から第2方向へ少なくとも遊技球の直径を越える距離だけ変位可能に形成されるので、基準位置において規定数の遊技球を受け取った後、変位部材を基準位置から第2方向へ変位させることで、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域(変位部材よりも第1方向側の領域)に送球させることができる。よって、規定数を越えた分の遊技球を、変位部材の第1方向への変位に伴って移動させることができる。
この場合、規定数の遊技球を変位部材が保持し、規定数を越える分の遊技球を軌道領域に送球できるので、これら規定数の遊技球と、規定数を越える分の遊技球とを分離することができる。よって、例えば、変位部材を第1方向へ変位させることで、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出する動作が可能となる。
遊技機A3において、前記変位部材は、前記第1方向へ変位され所定位置に達すると姿勢が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、変位部材は、第1方向へ変位され所定位置に達すると姿勢が変化可能に形成されるので、所定位置までは、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しやすくして、変位部材からの遊技球の脱落を抑制できる一方、所定位置に達した際には、変位部材の姿勢の変化を利用して、遊技球を変位部材から排出しやすくできる。
遊技機A4において、前記変位部材が前記基準位置から前記第1方向へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部を備え、前記変位部材は、前記第1方向へ変位する際に前記凹部に係合される突部を備えると共に前記突部が前記凹部に係合されることで姿勢が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、変位部材が基準位置から第1方向へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部を備え、変位部材は、第1方向へ変位する際に凹部に係合される突部を備えると共に突部が凹部に係合されることで姿勢が変化可能に形成されるので、変位部材の姿勢を変化させるための構造を簡素化できる。
遊技機A5において、前記突部は、前記変位部材から前記第1方向へ向けて突設されると共に、その突設先端が、前記変位部材の軌道領域へ送球された遊技球の下半面に当接されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、突部は、変位部材から第1方向へ向けて突設され、その突設先端が、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)の下半面に当接可能に形成されるので、変位部材が第1方向へ変位される際には、遊技球を、その下半面を突部で押しつつ移動させることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域から排出しやすくできる。
また、変位部材に保持される規定数の遊技球と、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(規定数を越える分の遊技球)との間に突部が介在することで、かかる突部の突設長さの分、規定数の遊技球と規定数を越える分の遊技球との間隔を確保できる。よって、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
更に、凹部との係合により変位部材の姿勢を変化させる役割と、遊技球をその下半面を押しつつ移動させる役割とを突部に兼用させるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機A5又はA6において、前記凹部は、前記第1方向における大きさが遊技球の直径よりも小さくされることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、凹部は、第1方向における大きさが遊技球の直径よりも小さくされるので、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)が変位部材の第1方向への変位に伴って移動される際に凹部を通過しやすくできる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域から排出しやすくできる。
遊技機A5からA7のいずれかにおいて、前記変位部材が前記基準位置から前記第1方向へ変位する際の軌道領域に前記遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に前記凹部よりも前記第1方向側に位置する壁部を備え、前記変位部材の軌道領域へ送球された遊技球が前記変位部材の第1方向への変位に伴って移動されると、前記遊技球が前記壁部と前記変位部材とに当接されて、前記変位部材の姿勢変化が規制されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A5からA7のいずれかにおいて、変位部材が基準位置から第1方向へ変位する際の軌道領域に遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に凹部よりも第1方向側に位置する壁部を備え、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球が変位部材の第1方向への変位に伴って移動されると、その遊技球が壁部と変位部材とに当接されて、変位部材の姿勢変化が規制可能に形成されるので、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
即ち、壁部は、遊技球の半径よりも低い高さで立設されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って突部に押されて遊技球が移動されると、遊技球の下半面を壁部に当接させて、かかる壁部を遊技球が乗り越えさせやすくできる。この場合、変位部材に遊技球が当接され(即ち、変位部材と壁部との間に遊技球が介在され)、遊技球から変位部材へ反力を作用させることができるので、変位部材の姿勢変化を規制でき、変位部材が保持している規定数の遊技球が脱落することを抑制できる。その結果、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
一方、変位部材の軌道領域に遊技球(即ち、規定数を越える遊技球)が送球されていない場合には、壁部と変位部材との間に遊技球が介在されないので、突部が凹部に係合されることで、変位部材の姿勢を変化させることができる。その結果、変位部材の姿勢の変化を利用して、規定数の遊技球(即ち、変位部材に保持されている遊技球)を変位部材から排出しやすくできる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記規制手段は、前記変位部材の変位に連動して動作可能に形成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、規制手段は、変位部材の変位に連動して動作可能に形成されるので、変位部材の変位に応じて、変位部材の軌道領域への遊技球の送球を規制または許容できる。即ち、遊技球の送球の規制または許容を、変位部材の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、例えば、規制手段の位置を検出するセンサ装置やそのセンサ装置の検出結果に応じて規制手段を駆動する駆動手段、或いは、それら各手段の制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。
遊技機A9において、前記規制手段は、前記変位部材が前記基準位置から前記第2方向へ変位されることに連動して、前記変位部材の軌道領域へ遊技球を送球することを許容することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、規制手段は、前記変位部材の前記基準位置から前記第2方向への変位に連動して、前記変位部材の軌道領域への遊技球の送球を許容するので、変位部材の軌道領域であって、変位部材よりも第1方向側の領域に遊技球を確実に送球させることができる。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記変位部材が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材における前記第1方向側の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上方に開口を有する回収部材とを備えることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、変位部材が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材における第1方向側の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上方に開口を有する回収部材とを備えるので、変位部材の第1方向への移動に伴って移動され、変位部材の軌道領域から排出される遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
遊技機A11において、前記ベース部材は、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成され、前記回収部材の開口は、少なくとも前記退避位置または変位位置に変位された前記ベース部材における前記第1方向側の端部の鉛直方向下方に位置する大きさで形成されることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A11の奏する効果に加え、ベース部材は、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成され、回収部材の開口は、少なくとも退避位置または変位位置に変位されたベース部材における第1方向側の端部の鉛直方向下方に位置する大きさで形成されるので、ベース部材が退避位置または変位位置のいずれに変位された場合でも、変位部材の軌道領域から排出される遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
遊技機A5からA8のいずれかにおいて、前記凹部の凹設空間内に挿入されることで、前記凹部に前記突部が係合することを規制する挿入部材を備えることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A5からA8のいずれかにおいて、凹部の凹設空間内に挿入されることで、凹部に突部が係合することを規制する挿入部材を備えるので、変位部材の第1方向への変位に伴って、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域から排出する際に、変位部材の姿勢が変化されることを抑制できる。よって、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
遊技機A13において、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成されると共に前記変位部材が変位可能に配設されるベース部材を備え、前記挿入部材は、前記ベース部材が退避位置に変位されると前記凹部の凹設空間内に挿入されると共に、前記ベース部材が変位位置に変位されると前記凹部の凹設空間内から離間されることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、ベース部材が退避位置に変位されると挿入部材が凹部の凹設空間内に挿入されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域から排出する際に、変位部材の姿勢が変化されることを抑制して、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しやすくできる一方、ベース部材が変位位置に変位されると挿入部材が凹部の凹設空間内から離間されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って突部が凹部に係合されることで、変位部材の姿勢を変化させ、規定数の遊技球を変位部材から排出しやすくできる。
<振分けユニット500を一例とする発明の概念について>
遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、前記流下通路を流下する遊技球を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機において、変位可能に形成されると共に前記第1分岐通路から遊技球を受け取る変位部材を備え、前記変位部材が前記振分手段に当接して変位されることで、前記振分手段が変位され、振り分け先が切り替えられることを特徴とする遊技機B1。
ここで、遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2014−223176号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、流下通路を流下した遊技球を、第1分岐通路と第2分岐通路とへ1球ずつ交互に振り分ける構造であるため、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路と第2分岐通路とに均等に(即ち、半数ずつ)振り分けられる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できないという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、変位可能に形成されると共に第1分岐通路から遊技球を受け取る変位部材を備え、変位部材が振分手段に当接して変位されることで、振分手段が変位され、振り分け先が切り替えられるので、変位部材の変位に応じて、第1分岐通路または第2分岐通路へ振り分けられる遊技球の数を変更できる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できる。
なお、遊技機B1によれば、変位部材の変位を利用して、振分手段を変位させることができるので、かかる振分手段を変位させるための駆動手段や伝達機構を別途設けることを不要とできる。よって、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
また、例えば、センサ装置による位置検出や駆動手段による駆動を利用して振分手段の変位を制御する構造では、検出不良や制御不良による誤作動によって、振分手段の振り分け動作の信頼性の低下を招くところ、遊技機B1によれば、振分手段による振り分け先を、変位部材の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
特に、変位部材は、第1分岐通路から遊技球を受け取る部材であるので、かかる変位部材の変位に同期させて振分手段の振り分け先を第1分岐通路に切り替えることができることで、第1分岐通路に振り分けられた遊技球を変位部材に確実に受け取らせることができる。
遊技機B1において、前記振分手段に付勢力を付与して、前記振分手段による振り分け先を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に維持させる付勢手段を備え、前記変位部材が前記振分手段を前記付勢力の方向に抗する方向へ変位させることで、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の他方に切り替えられると共に、前記付勢手段の付勢力によって、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に復帰されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、振分手段に付勢力を付与して、振分手段による振り分け先を第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に維持させる付勢手段を備えるので、振分手段による振り分け先が不用意に切り替えられることを抑制できる。この場合、変位部材の変位に伴って振分手段が変位され、その振り分け先が切り替えられた後、切り替え前の振り分け先への復帰は、付勢手段の付勢力により行うことができるので、変位部材が振分手段と当接されていることを不要とできる。即ち、変位部材を振分手段から離間させることができる。よって、変位部材の可動範囲の設計の自由度を高めることができる。
遊技機B2において、前記付勢手段は、前記振分手段に付勢力を付与して、前記振分手段による振り分け先を前記第2分岐通路に維持させることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、付勢手段は、振分手段に付勢力を付与して、振分手段による振り分け先を第2分岐通路に維持させるので、変位部材が遊技球を受け取り不能な状態において、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられることを抑制できる。
遊技機B3において、第1位置と第2位置との間で変位可能に形成されると共に前記変位部材が配設されるベース部材を備え、前記ベース部材が前記第1位置に配置された状態では、前記変位部材が、前記第1分岐通路から遊技球を受け取り可能とされると共に、前記振分手段に当接可能とされ、前記ベース部材が前記第2位置に配置された状態では、前記変位部材が、前記第1分岐通路から遊技球を受け取り不能とされると共に、前記振分手段に当接不能とされることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、第1位置と第2位置との間で変位可能に形成されるベース部材を備え、そのベース部材に変位部材が配設されるので、ベース部材を第1位置に配置した状態で変位部材を変位させる態様と、ベース部材を第2位置に配置した状態で変位部材を変位させる態様とを形成することができる。よって、その分、演出効果を高めることができる。
この場合、ベース部材が第2位置に配置された状態では、変位部材が第1分岐通路から遊技球を受け取り不能とされるところ、かかる状態では変位部材が振分手段に当接不能とされるので、変位部材が遊技球を受け取り不能な状態(ベース部材が第2位置に配置された状態)において、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられることを抑制できる。
遊技機B4において、前記ベース部材とは別部材として形成される第2ベース部材を備え、その第2ベース部材に前記振分手段が配設されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、ベース部材とは別部材として形成される第2ベース部材を備え、その第2ベース部材に振分手段が配設されるので、その分、ベース部材の大型化を抑制することができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記変位部材は、切り替え位置とその切り替え位置とは異なる位置に設定される受け取り位置とに少なくとも変位可能に形成され、前記変位部材が前記切り替え位置に変位された状態では、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路に切り替えられ、前記変位部材が前記受け取り位置に変位された状態では、前記第1分岐通路から前記変位部材が遊技球を受け取り可能とされる共に、前記振分手段による振り分け先が前記第2分岐通路に切り替えられることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、切り替え位置とその切り替え位置とは異なる位置に設定される受け取り位置とに少なくとも変位可能に形成され、変位部材が切り替え位置に変位された状態では、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられ、変位部材が受け取り位置に変位された状態では、第1分岐通路から変位部材が遊技球を受け取り可能とされる共に、振分手段による振り分け先が第2分岐通路に切り替えられるので、変位部材が受け取り可能な規定数を越えた遊技球が第1分岐通路へ振り分けられることを抑制できる。
即ち、切り替え位置と受け取り位置とを同一の位置に設定した場合には、振分手段による振り分け先が第1分岐通路へ切り替えられた状態のままで、変位部材が遊技球を受け取るため、変位部材が受け取り可能な規定数を越えて遊技球が第1分岐通路へ振り分けられる恐れがある。第1分岐通路への遊技球の流入を規制する手段を別途設けた場合には、構造が複雑化して信頼性が低下すると共に、製品コストの増加を招く。
これに対し、遊技機B6によれば、変位部材が切り替え位置へ変位され、規定数(又は、規定数以下)の遊技球が第1分岐通路へ振り分けられた後に、変位部材が受け取り位置へ変位されると、振り分け先が第2分岐通路へ切り替えられた状態とされるので、第1分岐通路へ規定数を越えた遊技球が流下しないようにできる。よって、変位部材が受け取り可能な規定数を越えた遊技球が第1分岐通路へ振り分けられることを抑制できる。また、上述した手段を別途設ける必要がないので、信頼性の向上と製品コストの低減とを図ることができる。
遊技機B6において、前記第1分岐通路は、その内壁面に突設または凹設される一又は複数の突起または凹部として形成され、前記第1分岐通路を通過する遊技球に抵抗を付与する抵抗手段を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、第1分岐通路は、その内壁面に突設または凹設される一又は複数の突起または凹部として形成され、第1分岐通路を通過する遊技球に抵抗を付与する抵抗手段を備えるので、第1分岐通路を通過する遊技球の速度を遅くすることができる。よって、その分、切り替え位置から受け取り位置まで変位部材が変位する際に必要とされる時間を長くできるので、変位部材に遊技球を確実に受け取らせることができる。また、変位部材に必要とされる変位速度を遅くできる分、駆動手段の出力を小さくして、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機B6又はB7において、前記振分手段は、その振分手段の変位に伴って前記第1分岐通路に対して出没可能に形成される第1出没部および第2出没部を備え、前記第1出没部は、前記第1分岐通路へ突出することで、前記流下通路を流下する遊技球を前記第2分岐通路へ振り分け可能に形成され、前記第2出没部は、前記第1出没部よりも前記第1分岐通路の下流側に位置すると共に、前記第1分岐通路へ突出することで、前記第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら第1出没部および第2出没部は、一方が前記第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が前記第1分岐通路の通路外へ退避されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B6又はB7の奏する効果に加え、振分手段は、その振分手段の変位に伴って第1分岐通路に対して出没可能に形成される第1出没部および第2出没部を備え、第1出没部は、第1分岐通路へ突出することで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分け可能に形成され、第2出没部は、第1出没部よりも第1分岐通路の下流側に位置すると共に、第1分岐通路へ突出することで、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら第1出没部および第2出没部は、一方が第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が第1分岐通路の通路外へ退避されるので、変位部材の変位に伴って振分手段を変位させることで、規定数の遊技球のみを第1分岐通路へ振り分けて変位部材に受け取らせることができる。
即ち、第1出没部が突出することで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分ける第1の状態と、第1出没部が退避することで、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路へ振り分ける第2の状態と、第2出没部が突出することで、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制(遊技球を貯留)する第3の状態と、第2出没部が退避することで、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させて変位部材へ受け取らせる第4の状態とを形成することができ、これら各状態を組み合わせることで、規定数の遊技球のみを第1分岐通路へ振り分けて変位部材に受け取らせることができる。
また、遊技機B8によれば、振分手段が第1出没部および第2出没部を備える、即ち、一部品として形成されるので、振分手段の構造(第1出没部および第2出没部を動作させそれらの機能を発揮させるための構造)を簡素化できる。更に、第1出没部および第2出没部は、一方が第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が第1分岐通路の通路外へ退避されるので、変位部材の2位置(切り替え位置および受け取り位置)に応じて、振分手段も2位置に変位可能に形成されれば足りる。即ち、振分手段を2位置で変位させることで、上述した第1から第4の状態を形成できる。よって、振分手段の構造および変位部材の変位に伴い振分手段を変位させる構造を簡素化でき、その分、遊技球の振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
<振分けユニット500を一例とする発明の概念について>
遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、前記流下通路を流下する遊技球を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機において、前記振分手段よりも下流側に位置し、前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制または許容する流下状態変更手段を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2014−223176号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分けられるのみであるため、遊技者に興趣を与えることが不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、前記振分手段よりも下流側に位置し、前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制または許容する流下状態変更手段を備えるので、遊技者に興趣を与えることができる。
即ち、流下状態変更手段の動作により、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制して第1分岐通路に遊技球を貯留すると共に、第1分岐通路における遊技球の流下を許容し、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。これにより、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できる。その結果、遊技者に興趣を与えることができる。
遊技機C1において、前記振分手段と前記流下状態変更手段とが一体に形成される一体部材を備え、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路とされた状態では前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により規制され、前記振分手段による振り分け先が前記第2分岐通路とされた状態では前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により許容されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、振分手段と流下状態変更手段とが一体に形成される一体部材を備えるので、それら振分手段と流下状態変更手段とを動作させる構造の簡素化と動作の信頼性の向上とを図ることができる。即ち、振分手段と流下状態変更手段とが別体に形成される場合には、2部品となるため、それら2部品を動作させる構造が複雑化すると共に動作の信頼性の低下を招く。これに対し、遊技機C2によれば、振分手段と流下状態変更手段とを一部品として形成できるので、その分、構造を簡素化でき、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
また、この場合、一体部材の動作により、振分手段による振り分け先が第1分岐通路とされると、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を流下状態変更手段により規制して第1分岐通路に遊技球を貯留すると共に、振分手段による振り分け先が第2分岐通路とされると、第1分岐通路における遊技球の流下を流下状態変更手段により許容し、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。即ち、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できるだけでなく、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。
遊技機C2において、前記一体部材は、第1状態位置と第2状態位置とに変位可能に形成され、前記一体部材が前記第1状態位置に変位された状態では、前記振分手段が前記第1分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制する位置に配置され、前記一体部材が前記第2状態位置に変位された状態では、前記振分手段が前記第2分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路における遊技球の流下を許容する位置に配置されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、一体部材は、第1状態位置と第2状態位置とに変位可能に形成され、一体部材が第1状態位置に変位された状態では、振分手段が第1分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ流下状態変更手段が第1分岐通路における遊技球の流下を規制する位置に配置され、一体部材が第2状態位置に変位された状態では、振分手段が前記第2分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ流下状態変更手段が第1分岐通路における遊技球の流下を許容する位置に配置されるので、一体部材を2位置(第1状態位置および第2状態位置)で変位させることで、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できると共に、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。即ち、構造を簡素化して、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機C3において、前記一体部材は、回転可能に形成され、少なくとも前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路に対して出没可能に形成され、前記第1分岐通路へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、前記一体部材の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、一体部材は、回転可能に形成され、少なくとも流下状態変更手段は、第1分岐通路に対して出没可能に形成され、第1分岐通路へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、一体部材の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されるので、流下状態変更手段の出没のために第1分岐通路の内壁に開口される孔の面積を小さくすることができる。
遊技機C4において、前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、流下状態変更手段は、第1分岐通路の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されるので、第1分岐通路へ流下状態変更手段が突出し始めた初期の状態(即ち、通路内へ流下状態変更手段の先端側のみが突出されている状態)において、流下状態変更手段の先端側の形状を、遊技球の流下を規制しやすい向きに配置でき、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制しやすくできる。
また、流下状態変更手段が第1分岐通路へ最大に突出され遊技球の流下を規制する状態では、流下状態変更手段の凹により遊技球を安定して保持できるので、遊技球の暴れを抑制できる。
遊技機C4又はC5において、前記一体部材に付勢力を付与して、前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出する方向へ付勢する付勢手段を備え、前記流下状態変更手段から前記一体部材の回転軸までの距離が、前記振分手段から前記一体部材の回転軸までの距離よりも大きくされることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4又はC5の奏する効果に加え、一体部材に付勢力を付与して、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向へ付勢する付勢手段を備えるので、かかる付勢力を利用して、一体部材を、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する姿勢(即ち、第1状態位置)に維持しやすくできる。
この場合、遊技機C6では、流下状態変更手段から一体部材の回転軸までの距離が、振分手段から一体部材の回転軸までの距離よりも大きくされるので、流下する遊技球が衝突されると、回転軸からの距離が大きい分、同じ衝撃力が作用した場合でも、流下状態変更手段が没入しやすいところ、付勢手段の付勢方向が、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向とされることで、その付勢力の分、流下状態変更手段が没入されることを抑制できる。
遊技機C6において、前記一体部材は、その自重により前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出する方向へ回転されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、一体部材は、その自重により流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向へ回転されるので、かかる自重を利用して、一体部材を、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する姿勢(即ち、第1状態位置)に維持しやすくできる。よって、遊技球が衝突した場合には、その自重の分、流下状態変更手段が没入されることを更に抑制できる。
また、付勢手段が脱落した場合でも、一体部品を、その自重により、流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出した姿勢に維持して、第1分岐通路へ遊技球が流下することを抑制できる。
遊技機C2からC7のいずれかにおいて、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路とされると共に前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により規制され、前記第1分岐通路に規定数の遊技球が貯留された状態では、前記流下通路を流下する遊技球が前記第2分岐通路へ流下可能に形成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C2からC7のいずれかの奏する効果に加え、振分手段による振り分け先が第1分岐通路とされると共に第1分岐通路における遊技球の流下が流下状態変更手段により規制され、第1分岐通路に規定数の遊技球が貯留された状態では、流下通路を流下する遊技球が第2分岐通路へ流下可能に形成されるので、規定数以上の遊技球が流下通路を流下する場合に、規定数を越える分の遊技球が流下通路に滞ることを抑制できる。よって、振分手段の変位(振り分け先を第2分岐通路とする動作)が、流下通路に滞った遊技球によって阻害されることを抑制できる。
遊技機C8において、前記流下通路における前記第2分岐通路を臨む側の内壁は、前記流下通路を流下する遊技球を、前記第1分岐通路に貯留された前記規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球における前記第2分岐通路側の側面へ案内可能に形成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、流下通路における第2分岐通路を臨む側の内壁は、流下通路を流下する遊技球を、第1分岐通路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球における第2分岐通路側の側面へ案内可能に形成されるので、流下通路を流下する遊技球を、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突させた後、第2分岐通路へ流下させやすくできる。
なお、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球とは、上流側(流下状態変更手段と反対側)に位置する遊技球を意味する。また、規定数が1の場合には、末尾の遊技球は、第1分岐通路に貯留されている遊技球そのものを意味する。
遊技機C8又はC9において、前記流下通路の下流端の流下方向は、前記第1分岐通路の上流端の流下方向と異なる方向に形成されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、流下通路の下流端の流下方向は、第1分岐通路の上流端の流下方向と異なる方向に形成されるので、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突した際に、末尾の遊技球に作用される反発力の方向を第1分岐通路の上流端の流下方向と異ならせることができる。その結果、衝突の際の反発力で末尾の遊技球が第1分岐通路の上流端から飛び出して、第2分岐通路へ流入されることを抑制できる。
遊技機C2からC10のいずれかにおいて、前記振分手段は、前記流下通路または前記第1分岐通路に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、前記流下通路の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C2からC10のいずれかの奏する効果に加え、振分手段は、流下通路または第1分岐通路に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、流下通路の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされるので、流下通路の下流端から流下する遊技球に近い位置で振分手段を突出させることができる。よって、振分手段を流下通路または第1分岐通路へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、振分手段による振り分け先の切り替えをより確実に行うことができる。
遊技機C11において、前記振分手段は、前記流下通路または前記第1分岐通路に突出されることで、前記流下通路を流下する遊技球を前記第2分岐通路へ振り分けるものであり、その振分手段の突出方向が前記第2分岐通路の上流端を指向方向に設定されること特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、振分手段は、流下通路または第1分岐通路に突出されることで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分けるものであり、その振分手段の突出方向が第2分岐通路の上流端を指向する方向に設定されるので、流下通路を流下する遊技球が突出動作の途中の振分手段に当接した場合には、かかる遊技球を振分手段の突出動作に伴って第2分岐通路へ押し込むことができる。その結果、第2分岐通路への振り分けをより確実に行うことができる。
遊技機C1からC12のいずれかにおいて、前記第1分岐通路は、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共にその重力方向下方側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、前記流下状態変更手段は、前記重力方向下方側の内壁から前記第1分岐通路内へ出没可能に形成されることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C1からC12のいずれかの奏する効果に加え、第1分岐通路は、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共にその重力方向下方側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、流下状態変更手段は、重力方向下方側の内壁から第1分岐通路内へ出没可能に形成されるので、流下状態変更手段を第1分岐通路内へ突出させ始めてから遊技球の流下を規制できる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、振分手段の振り分け先が第2分岐通路から第1分岐通路に切り替えられ、第1分岐通路に遊技球が振り分けられた際に、その遊技球の流下の規制に流下状態変更手段の突出を間に合わせやすくできる。
遊技機C1からC13のいずれかにおいて、前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路に対して出没可能に形成され、少なくとも前記第1分岐通路へ最大に突出した状態では、突出する方向への力成分が遊技球から前記流下状態変更手段へ作用されることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、遊技機C1からC13のいずれかにおいて、流下状態変更手段は、第1分岐通路に対して出没可能に形成され、少なくとも第1分岐通路へ最大に突出した状態では、突出する方向への力成分が遊技球から前記流下状態変更手段へ作用されるので、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制する際に、その遊技球が衝突した際の衝撃で流下状態変更手段が没入することを抑制できる。よって、遊技球の流下を規制しやすくできる。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材の変位に伴う基部材の反作用を抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849)。この遊技機によれば、基部材を、遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる張出位置と、遊技領域から後退される退避位置との間で変位させる演出に加え、基部材を張出位置に配置した状態において、変位部材を変位させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、ベース部材に基部材の一側が変位可能に配設されるため、変位部材が変位されると、一側を支点として、ベース部材に対する基部材のがたつきが発生しやすいという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、変位部材の変位に伴う基部材の反作用を抑制する抑制手段を備えるので、変位部材が変位される際のベース部材に対する基部材のがたつきの発生を抑制することができる。
なお、変位部材の変位に伴う反力としては、例えば、変位部材の変位に伴う重心の変化により発生するもの、変位部材の変位速度の増減(加速度の変化)に伴う慣性力の作用により発生するもの、変位部材が変位して遊技球を出射する際の反力に伴い発生するものなどが例示される。
遊技機D1において、前記抑制手段は、前記基部材に変位可能に配設される配設部材を備え、前記変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、前記配設部材は、前記変位部材から遊技球が出射される際に変位可能に形成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、抑制手段は、基部材に変位可能に配設される配設部材を備え、変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、配設部材は、変位部材から遊技球が出射される際に変位可能に形成されるので、ベース部材に対する基部材のがたつきの発生を抑制することができる。即ち、変位部材から遊技球が発射されると、遊技球の重さの分、基部材の重心位置が変化されるところ、例えば、遊技球の発射に伴う重心位置の変化を相殺する方向へ配設部材を変位させる構成を採用した場合には、重心位置の変化に伴う基部材のがたつきの発生を抑制できる。また、変位部材から遊技球が発射されると、その遊技球の発射に伴い基部材が反作用を受けるところ、例えば、遊技球の発射に伴う反作用を相殺する方向へ配設部材を変位させる構成を採用した場合には、反作用に伴う基部材のがたつきの発生を抑制できる。
遊技機D1又はD2において、前記変位部材が変位されると、その変位部材の変位方向と逆方向となる変位成分を少なくとも有して変位される逆部材を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、変位部材が変位されると、その変位部材の変位方向と逆方向となる変位成分を少なくとも有して変位される逆部材を備えるので、変位部材の変位に伴い基部材の重心位置が変化することを、逆部材の変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する基部材のがたつきを抑制できる。
なお、変位部材の変位が開始される際に、逆部材の変位が開始される構成であれば、両者の慣性力の少なくとも一部を打ち消し合わせることができる。その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D2又はD3において、前記変位部材の変位を前記配設部材または(及び)前記逆部材へ伝達して前記配設部材または(及び)前記逆部材を変位させる伝達機構を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2又はD3の奏する効果に加え、変位部材の変位を配設部材または(及び)逆部材に伝達して配設部材または(及び)逆部材を変位させる伝達機構を備えるので、配設部材または(及び)逆部材を変位させるための駆動手段を別途設ける必要がない。即ち、変位部材を変位させるための駆動手段を、配設部材または(及び)逆部材を変位させるための駆動手段として兼用することができる。よって、その分、基部材を軽量化して、そのがたつきを抑制しやすくできる。
また、変位部材の変位に機械的に同期させて配設または(及び)逆部材を変位させることができるので、例えば、変位部材の位置をセンサ装置で検出し、その検出結果に応じて配設部材または(及び)逆部材を駆動手段で駆動する制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、変位部材に対する変位部材または(及び)逆部材の変位動作の信頼性を確保できる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記変位部材は、第2位置から変位を開始する態様と、前記第2位置よりも前記基部材の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも前記基部材がベース部材に対して所定位置に配置された状態では、前記第1位置から変位を開始することを特徴とする遊技機D5。
ここで、変位部材を停止状態から変位させる際には、加速度の変化が最大となるため、慣性力の影響により、基部材のがたつきが発生しやすい。
これに対し、遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2位置から変位を開始する態様と、第2位置よりも基部材の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも基部材がベース部材に対して所定位置に配置された状態(例えば、基部材が、遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる張出位置)では、第1位置から変位を開始するので、基部材のがたつきを抑制することができる。即ち、第1位置は、第2位置よりも基部材の一側に近い位置とされるので、かかる第1位置を変位部材の変位の開始位置とすることで、変位部材の重さを、基部材がベース部材に対してがたつく際の支点に近づけておくことができ、その分、変位部材を停止状態から変位される際の慣性力の影響を基部材に作用させ難くできる。その結果、基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D5において、前記基部材に配設されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤに歯合されるラックギヤを有するラック部材とを備え、前記ラック部材に前記変位部材が配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、基部材に配設されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤに歯合されるラックギヤが形成されるラック部材とを備え、そのラック部材に変位部材が配設されるので、変位部材の変位を第1位置から開始する際には、ラック部材の重さだけでなく、ラック部材の重さも基部材の一側(基部材がベース部材に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができる。その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D6において、前記変位部材が前記第1位置から変位を開始する際の変位方向は、前記基部材の一側から離間する方向であることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、変位部材が第1位置から変位を開始する際の変位方向は、基部材の一側から離間する方向なので、変位部材が第1位置に配置された状態では、ラック部材をより基部材の一側へ近づけることができる。即ち、基部材の一側から離間する方向へ変位部材(ラック部材)が変位するためには、ラック部材は、変位部材の変位が開始された後にピニオンギヤが歯合されるラックギヤ側の部分を基部材の一側へ向けることとなる。よって、ラック部材の重さをより基部材の一側(基部材がベース部材に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができ、その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記ベース部材に前記基部材の一側を変位可能に支持する支持構造と、その支持構造に支持される前記基部材を駆動する駆動機構とを備え、前記変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、前記駆動機構は、前記変位部材から遊技球が出射される際の反作用の方向に前記基部材が変位されることを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に基部材の一側を変位可能に支持する支持構造と、その支持構造に支持される基部材を駆動する駆動機構とを備え、変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、駆動機構は、変位部材から遊技球が出射される際の反作用の方向に基部材が変位されることを規制する規制手段を備えるので、反作用に伴って基部材がベース部材に対して変位されることを抑制できる。その結果、基部材のがたつきの発生を抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機において、前記回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2009−119140号)。この遊技機では、回胴部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を、回胴部材を回転させつつ、又は、回胴部材を停止させて、遊技者に視認させる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、回胴部材の回転または停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様を形成できるのみであるため、演出態様の変化が乏しく、演出効果が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備えるので、回胴部材の回転または停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様に加え、変位部材を変位させる演出態様を形成できるので、その分、演出態様に変化を付与して、演出効果を高めることができる。
なお、回胴部材は、その回転軸に垂直な平面で切断した断面形状が円形である必要はなく、多角形状、楕円形状、それらを組み合わせた形状であっても良い。よって、回胴部材の外周面は、周面でなくても良く、平坦面や湾曲面、これらの組み合せであっても良い。
遊技機E1において、前記変位部材は、少なくとも第1位置および第2位置の間で変位可能に形成され、前記第1位置では、前記回胴部材の外周面の一部が前記変位部材により形成され、前記第2位置では、前記回胴部材の径方向外方へ前記変位部材の少なくとも一部が突出されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、変位部材が第1位置に変位されると、回胴部材の外周面の一部が変位部材により形成されるので、回胴部材の外形を小さくでき、その分、回胴部材が回転するのに要するスペースを小さくできる。一方、変位部材が第2位置へ変位されると、回胴部材の径方向外方へ変位部材の少なくとも一部が突出されるので、変位部材の変位を遊技者に視認させやすくでき、演出効果を高めることができる。また、例えば、変位部材を第一位置に配置した状態で回胴部材を回転させると共に、その回胴部材の回転を停止した際に変位部材を第2位置に配置する(変位させる)ことで、回胴部材の外周面と視認していた部分(変位部材)が、回胴部材の径方向外方へ突出される態様を形成でき、興趣を高めることができる。
遊技機E2において、光を発光する発光手段を備え、前記回胴部材は、内部空間を有して形成されると共に、その内部空間に前記発光手段が配設され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記回胴部材の外周面が開放され、前記内部空間が外部に連通されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、光を発光する発光手段を備え、回胴部材は、内部空間を有して形成されると共に、その内部空間に発光手段が配設され、変位部材が第2位置に変位されると、回胴部材の外周面が開放され、内部空間が外部に連通されるので、発光手段による発光を外部に出射させることができると共に、変位部材が第1位置に変位されることで、その外部への出射を遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記回胴部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする遊技機E4。
ここで、回胴部材を回転可能に形成すると共に、その回胴部材に変位部材を変位可能に配設するためには、回胴部材および変位部材のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、変位部材を変位させるための駆動手段を回胴部材に搭載すると、回胴部材の重量が増加するため、回胴部材の回転の開始または停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記回胴部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えるので、1の駆動手段を兼用して、回胴部材の回転と変位部材の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、変位部材を変位させるための駆動手段を回胴部材に搭載する必要がないので、回胴部材の重量を軽量化でき、回胴部材の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
遊技機E4において、前記駆動手段は、回転駆動力を発生可能に形成され、前記伝達手段は、前記駆動手段の回転駆動力を前記回胴部材へ伝達する回転側伝達手段と、前記駆動手段の回転駆動力を前記変位部材へ伝達する変位側伝達手段と、前記駆動手段の回転駆動力の回転方向に応じて前記回転駆動力を前記回転側伝達手段または変位側伝達手段の一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構とを備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、駆動手段は、回転駆動力を発生可能に形成され、伝達手段は、駆動手段の回転駆動力を回胴部材へ伝達する回転側伝達手段と、駆動手段の回転駆動力を変位部材へ伝達する変位側伝達手段と、駆動手段の回転駆動力の回転方向に応じて回転駆動力を回転側伝達手段または変位側伝達手段の一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構とを備えるので、駆動手段の回転方向を切り替えるのみで、その回転駆動力により駆動する駆動対象(回胴部材または変位部材)を切り替えることができる。即ち、駆動手段の回転方向に応じて、回胴部材の回転およびその回転の停止と、変位部材の変位およびその変位の停止とを切り替えることができ、複数の態様を形成可能としつつ、構造を簡素化できる。
遊技機E5において、前記回転側伝達手段は、前記駆動手段の回転駆動力を前記回胴部材へ伝達する伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えることを特徴とする遊技機E6。
ここで、ワンウェイクラッチ機構を利用して、駆動手段の回転方向に応じて、その駆動対象(回胴部材または変位部材)を切り替える構造では、駆動手段からの駆動力の伝達が遮断されると、駆動力により駆動されていた方向への回転または変位が自在な状態となる。そのため、例えば、駆動手段の駆動対象が回胴部材から変位部材に切り替えられ、駆動力の伝達が遮断されると、回胴部材は、回転自在な状態となり、慣性力により回転が継続(自転)されるおそれがある。
これに対し、遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、回転側伝達手段は、駆動手段の回転駆動力を回胴部材へ伝達する伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えるので、駆動手段からの回転駆動力の伝達が遮断されても、負荷用歯車を回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、回胴部材の回転が継続されることを抑制できる。
遊技機E5又はE6において、前記駆動手段の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ前記回胴部材が回転されることを規制する逆回転規制手段を備えることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、駆動手段の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ回胴部材が回転されることを規制する逆回転規制手段を備えるので、例えば、回胴部材の重心位置の偏りや遊技球の衝突などに起因して、回胴部材が逆回転されることを抑制できる。
遊技機E2又はE3において、前記回胴部材は、内部空間を有して形成され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記回胴部材の外周面が開放され、前記内部空間が遊技領域に連通されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E2又はE3の奏する効果に加え、回胴部材は、内部空間を有して形成され、変位部材が第2位置に変位されると、回胴部材の外周面が開放され、内部空間が遊技領域に連通されるので、遊技領域を流下する遊技球を回胴部材の内部空間へ流入させる、或いは、回胴部材の内部空間にある遊技球を遊技領域へ流出させることができる。また、変位部材が第1位置に変位されると、回胴部材の外周面が閉鎖されることで、内部空間と遊技領域との間の遊技球の流出入を遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機E8において、前記変位部材は、一側が前記回胴部材に回転可能に軸支され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記一側と反対側となる他側が前記遊技領域へ張り出されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、変位部材は、一側が回胴部材に回転可能に軸支され、変位部材が第2位置に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機E9において、前記変位部材は、第2位置に変位された状態では、その上面が前記他側から前記一側へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、変位部材は、第2位置に変位された状態では、その上面が他側から一側へ向けて下降傾斜されるので、遊技領域を流下された遊技球を変位部材の上面で受け止めた後、その受け止めた遊技球を変位部材の上面の下降傾斜に沿って回胴部材の内部空間へ案内する(転動させる)ことができる。よって、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機E9又はE10において、前記回胴部材の回転位置に応じて前記変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E9又はE10の奏する効果に加え、回胴部材の回転位置に応じて変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えるので、張り出された変位部材が回胴部材の周囲の他の部材に干渉することを抑制できる。
遊技機E9からE11のいずれかにおいて、前記回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、前記変位部材が前記第2位置へ変位され、前記変位部材の他側が前記遊技領域へ張り出された場合に、前記回胴部材の回転を規制することを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E9からE11のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、変位部材が第2位置へ変位され、変位部材の他側が遊技領域へ張り出された場合に、回胴部材の回転を規制するので、変位部材が張り出された状態で回胴部材が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に変位部材が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回胴部材が回転されることを抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機において、前記回胴部材は、その内部に形成される内部空間と、その内部空間を外部に連通させると共に遊技球が通過可能に形成される連通口とを備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2009−119140号)。この遊技機によれば、回胴部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を、回胴部材を回転させつつ、又は、回胴部材を停止させて、遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に視認させるための表示をその外周面に保持するための部材として利用されるのみで、回胴部材の活用が不十分であるという問題点があった。即ち、回胴部材は遊技者が視認可能な程度の表示を保持する必要があるため、比較的大型に形成される。そのため、回胴部材による占有空間が嵩む一方、その外周面以外の部分は活用されていない。
これに対し、遊技機F1によれば、回胴部材は、その内部に形成される内部空間と、その内部空間を外部に連通させると共に遊技球が通過可能に形成される連通口とを備えるので、遊技領域を流下する遊技球を、連通口を介して内部空間へ流入または内部空間から流出させることができる。よって、デッドスペースとされる回胴部材の内部空間を遊技球の貯留空間または送球通路として機能させることができ、その分、回胴部材を活用できる。
なお、連通口は、回胴部材の1カ所のみに形成されるものであっても良く、2カ所以上に形成されるものであっても良い。1カ所のみに連通口が形成される場合は、回胴部材の外周面に連通口が形成される。これにより、回胴部材の回転位置に応じて連通口の位置を上下させることができるので、かかる連通口を介して遊技球を内部空間へ流入または内部空間から流出させる(連通口が上方を向く際に遊技球を内部空間へ流入させると共に、連通口が下方を向く際に内部空間の遊技球を流出させる)ことができる。
また、回胴部材は、その回転軸に垂直な平面で切断した断面形状が円形である必要はなく、多角形状、楕円形状、それらを組み合わせた形状であっても良い。よって、回胴部材の外周面は、周面でなくても良く、平坦面や湾曲面、これらの組み合せであっても良い。
遊技機F1において、前記連通口は、第1連通口と、その第1連通口とは異なる位置に形成される第2連通口とを備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、連通口は、第1連通口と、その第1連通口とは異なる位置に形成される第2連通口とを備えるので、第1連通口または第2連通口の一方を、外部から内部空間へ遊技球を流入させる流入口とし、第1連通口または第2連通口の他方を、内部空間から外部へ遊技球を流出させる流出口とすることができる。即ち、回胴部材を回転させなくても(停止状態に維持したままで)、回胴部材を遊技球の送球通路として活用できる。なお、回胴部材を回転させている状態において、かかる回胴部材を送球通路として活用しても良い。
遊技機F2において、前記第1連通口は、前記回胴部材の前記外周面に形成され、遊技領域を流下する遊技球を前記内部空間へ流入させる流入口として形成され、前記第2連通口は、前記回胴部材の回転軸方向の端面に形成され、前記内部空間から遊技領域へ遊技球を流出させる流出口として形成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、第1連通口は、回胴部材の外周面に形成され、遊技領域を流下する遊技球を内部空間へ流入させる流入口として形成され、第2連通口は、回胴部材の回転軸方向の端面に形成され、内部空間から遊技領域へ遊技球を流出させる流出口として形成されるので、回胴部材の内部空間への遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできると共に、回胴部材を停止状態に維持したままで、遊技球を排出することができる。
即ち、回胴部材は、外周面が遊技者から視認可能に配設されるところ、その外周面に、第1連通口(流入口)が形成されるので、遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできる。一方、回胴部材の外周面に第2連通口が形成されると、かかる連通口が上方となる回転位置に回胴部材が変位されると、内部空間から遊技球を流出させることができないところ、第2連通口(流出口)は、回胴部材の回転軸方向の端面に形成されるので、回胴部材の回転位置に関わらず、内部空間から遊技球を流出可能な状態を形成できる。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記回胴部材の前記外周面に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材が第1位置へ変位されると、前記連通口が前記変位部材によって遮蔽され、前記変位部材が第2位置へ変位されると、前記連通口が開放されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材が第1位置へ変位されると、連通口が変位部材によって遮蔽され、変位部材が第2位置へ変位されると、連通口が開放されるので、連通口を介した遊技球の流出入を遮断状態と許容状態とに切り替えることができる。
遊技機F4において、前記連通口は、前記回胴部材の前記外周面に形成され、前記変位部材は、一側が前記回胴部材に回転可能に軸支され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、変位部材は、一側が回胴部材に回転可能に軸支され、変位部材が第2位置に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、例えば、連通口が流入口として形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機F5において、前記変位部材は、その一側が他側よりも前記回胴部材の回転方向前方側に位置されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、変位部材は、その一側が他側よりも回胴部材の回転方向前方側に位置されるので、回胴部材が回転される際にその回胴部材の周りに配設される部材に変位部材が干渉したとしても、かかる干渉により発生する力を変位部材を閉じる(第1位置へ変位させる)方向へ作用させることができる。即ち、回胴部材の回転時に変位部材が他の部材に干渉して張り出される(第2位置へ変位される)ことを抑制できる。また、変位部材が他の部材に係合して、回胴部材の回転が阻害されることを抑制できる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記回胴部材が回転可能に配設されるベース部材と、そのベース部材に支持されると共に前記回胴部材の内部空間に配設され前記回胴部材に対して非回転とされる固定部材とを備えることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材が回転可能に配設されるベース部材と、そのベース部材に支持されると共に回胴部材の内部空間に配設され回胴部材に対して非回転とされる固定部材とを備えるので、内部空間に流入された遊技球を固定部材に保持または固定部材上を流出口へ向けて転動させることで、回胴部材の回転に伴って、遊技球が内部空間内で暴れる又は遊技球の転動が阻害され内部空間に留まることを抑制できる。
遊技機F4からF6のいずれかにおいて、前記回胴部材の回転位置に応じて前記変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F4からF6のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の回転位置に応じて変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えるので、第2位置へ変位された変位部材が回胴部材の周囲の他の部材に干渉することを抑制できる。
遊技機F5又はF6において、前記回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、前記変位部材が前記第2位置へ変位され、前記変位部材の他側が前記遊技領域へ張り出された場合に、前記回胴部材の回転を規制することを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F5又はF6の奏する効果に加え、回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、変位部材が第2位置へ変位され、変位部材の他側が遊技領域へ張り出された場合に、回胴部材の回転を規制するので、変位部材が張り出された状態で回胴部材が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に変位部材が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回胴部材が回転されることを抑制できる。
遊技機F3において、光を発光可能に形成されると共に前記回胴部材の内部空間に配設される発光手段と、前記回胴部材の回転軸方向の端面であって前記第2連通口が形成される端面と反対側の端面に開口形成される開口とを備え、その開口を介して前記発光手段の電気的接続線が配線されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、回胴部材の回転軸方向の端面であって第2連通口が形成される端面と反対側の端面に開口が開口形成され、その開口を介して発光手段の電気的接続線が配線されるので、第2連通口および開口それぞれに使用できるスペースを確保しやすくできる。その結果、第2連通口を介して遊技球の流出をスムーズに行わせることができると共に、電気的接続線の開口への配線作業を行いやすくできる。また、第2連通口と開口とを最大限離間させることができるので、内部空間を第2連通口へ転動する遊技球と電気的接続線との干渉を抑制しやすくできる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、前記第1部材が、前記第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも前記第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機において、前記第1部材は、前記退避位置に変位された状態において、前記第2部材の変位を規制可能に形成されることを特徴とする遊技機G1。
ここで、変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、第1部材が、第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849号)。この遊技機によれば、第1部材を覆設位置に配置し、第2部材を遊技者から視認不能とした状態から、第1部材を退避位置に変位させることで、第2部材を露出させて遊技者に視認させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2部材が変位可能に形成されているため、第1部材が退避位置に変位され、第2部材が露出された際に、かかる第2部材が変位されるおそれがある。そのため、遊技者に第2部材を適正な状態で視認させることができず、演出効果が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、第1部材は、退避位置に変位された状態において、第2部材の変位を規制可能に形成されるので、かかる第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。即ち、第1部材を退避位置へ変位させ、第2部材を露出させるという演出を行う際に、その演出のために行わざるを得ない第1部材の退避位置への変位を、第2部材の変位を規制する手段として利用する。よって、第2部材の変位を規制するための機構を別途設けることや制御を行う必要がなく、その分、構造を簡素化できる。
遊技機G1において、前記第2部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第2部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されるので、かかる第2部材の設計の自由度を高めることができる。即ち、第2部材を、その重心位置が回転中心に位置する形状とする必要がなく、例えば、回転軸に対して非対称の形状を採用できるので、かかる第2部材による演出効果を高めることができる。一方で、このように、第2部材の重心位置が偏心されていると、第2部材がその自重で回転中心まわりに回転(自転)されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
遊技機G1又はG2において、前記第2部材に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材は、少なくとも前記第1部材が前記退避位置へ変位された状態で変位可能に形成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、第2部材に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材は、少なくとも第1部材が退避位置へ変位された状態で変位可能に形成されるので、第1部材を退避位置へ変位させ、第2部材を露出させるという演出を行う際には、更に、変位部材を変位させることで、その演出効果を高めることができる。一方で、第2部材が露出された際に変位部材を変位させると、その変位に伴って重心位置が移動して、第2部材が回転(自転)されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
遊技機G3において、前記第2部材は、その外周面が遊技者に視認可能に配設され、前記変位部材は、一側が前記第2部材の外周面に回転可能に軸支され、前記一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出し可能に形成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、第2部材は、その外周面が遊技者に視認可能に配設され、変位部材は、一側が第2部材の外周面に回転可能に軸支され、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出し可能に形成されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、例えば、第2部材に遊技球の流入口が形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、遊技球を流入口へ流入させやすくすることができる。この場合、遊技領域を流下する遊技球を変位部材に受け止めさせると、その際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより第2部材が回転されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、変位部材を遊技領域の所定の位置に張り出させた状態を維持しやすくできる。
遊技機G4において、前記第1部材は、前記覆設位置では、前記第2部材の前記外周面に対面しつつ前記遊技領域に配置されると共に、前記退避位置では、前記遊技領域の領域外に配置されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、第1部材は、覆設位置では、第2部材の外周面に対面しつつ遊技領域に配置されるので、遊技領域を流下する遊技球が第2部材に衝突して、かかる第2部材が回転されることを抑制できる。特に、第2部材の回転位置が、変位部材を遊技領域側へ向ける回転位置である場合には、遊技領域を流下する遊技球が変位部材に衝突して、かかる変位部材が開放される(張り出される)ことを抑制できる。
また、第1部材は、退避位置では、遊技領域の領域外に配置されるので、第1部材の退避位置への変位により、変位部材が遊技領域へ張り出すためのスペースを確保することができる。よって、その分、第2部材の外周面を遊技領域側(遊技者側)へ近づけることができ、遊技者に変位部材を視認させやすくできる。
遊技機G5において、前記第1部材は、前記第2部材の回転軸と略平行な回転軸まわりに回転可能に形成されると共に、前記第2部材の外周面に沿って湾曲する板状に形成されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、第1部材は、第2部材の回転軸と略平行な回転軸まわりに回転可能に形成されると共に、前記第2部材の外周面に沿って湾曲する板状に形成されるので、覆設位置および退避位置の間で変位する際に必要なスペースを抑制できる。よって、その分、他の部材を配設するためのスペースを確保できる。また、このように第1部材が湾曲して形成されることで、遊技領域を流下する遊技球が、覆設位置に配置された第1部材上に停留されることを抑制して、スムーズに流下させることができる。
遊技機G3からG6のいずれかにおいて、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第2部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする遊技機G7。
ここで、第2部材を回転可能に形成すると共に、その第2部材に変位部材を変位可能に配設するためには、第2部材および変位部材のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、変位部材を変位させるための駆動手段を第2部材に搭載すると、第2部材の重量が増加するため、第2部材の回転の開始または停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、遊技機G7によれば、遊技機G3からG6のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第2部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えるので、1の駆動手段を兼用して、第2部材の回転と変位部材の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、変位部材を変位させるための駆動手段を第2部材に搭載する必要がないので、第2部材の重量を軽量化でき、第2部材の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
遊技機G7において、前記第1部材と前記変位部材とを連結し、前記変位部材の変位に前記第1部材の変位を連動させる連結手段を備えることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、第1部材と変位部材とを連結し、変位部材の変位に第1部材の変位を連動させる連結手段を備えるので、変位部材を変位させるための駆動手段を、第1変位部材を変位させるための駆動手段として兼用できる。この場合、変位部材と第1部材とを別々の駆動手段の駆動力により変位させる場合には、制御不良が生じると、変位部材と第1部材とが干渉するおそれがあるところ、変位部材と第1部材とを機械的に連結してそれらの変位を同期させることができるので、変位部材と第1部材とが干渉することを確実に抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材へ前記駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機において、前記伝達手段は、第1部材と、その第1部材よりも前記駆動力の伝達経路において前記変位部材側に位置する第2部材と、それら第1部材および第2部材の間に配設される係合部材とを備え、前記第1部材が前記第2部材に対して一方向へ変位される場合には、前記第1部材および第2部材に前記係合部材が係合して、前記駆動力が伝達されると共に、前記変位部材の変位区間のうちの所定の区間では、前記第2部材が前記第1部材に対して前記一方向へ先行して変位されることを特徴とする遊技機H1。
ここで、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材へ駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から変位部材への伝達手段による駆動力の伝達状態が常に一定であるため、駆動手段が一定の駆動速度で駆動されると、変位部材も一定の変位速度で変位され、かかる変位部材の変位態様に変化を付与することができない。そのため、変位部材の変位に伴う演出の演出効果が不十分であるという問題点があった。
なお、駆動手段の駆動速度を増減させれば、変位部材の変位速度を変化させることはできるが、変位部材の変位区間のうちの所定の区間における変位速度を他の区間における変位速度と異なる変位速度とするためには、変位部材の位置を検出するセンサ装置を配置し、そのセンサ装置の検出結果に応じて駆動手段の出力を増減させる制御が必要となり、製品コストや制御コストの増加を招く。また、構造および制御が複雑となり、その信頼性の低下を招く。
これに対し、遊技機H1によれば、伝達手段は、第1部材と、その第1部材よりも駆動力の伝達経路において変位部材側に位置する第2部材と、それら第1部材および第2部材の間に配設される係合部材とを備え、第1部材が第2部材に対して一方向へ変位される場合には、第1部材および第2部材に係合部材が係合して、駆動力が伝達されると共に、駆動力の伝達が遮断され、変位部材の変位区間のうちの所定の区間では、第2部材が第1部材に対して一方向へ向けて先行して変位されるので、駆動手段の駆動状態に関わらず、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。よって、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
また、遊技機H1によれば、駆動手段の駆動状態に関わらず、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行させることができるので、例えば、変位部材の変位区間における全区間において、駆動手段を一定の駆動速度で駆動でき、変位部材の変位区間の途中で(即ち、所定の区間か他の区間かに応じて)、駆動手段の駆動速度を増減させる必要がない。その結果、制御を簡素化して、制御コストを削減できると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。或いは、所定の区間では、駆動手段の駆動を停止させることができ、この場合には、消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、遊技機H1によれば、第1部材を2部材に対して他方向へ変位させる方向の駆動状態では、係合部材の係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断されるので、変位部材を停止状態(非駆動状態)とすることができ、かかる駆動状態における駆動手段の駆動力を、他の部材を駆動するための駆動力として利用することができる。即ち、駆動手段の駆動方向を切り替えることで、変位部材と他の部材との2部材をそれぞれ変位させることができる。
なお、伝達手段は、前記第1部材が前記2部材に対して他方向へ変位される場合に、前記係合部材の係合が解除されて、前記駆動力の伝達が遮断されるように形成されるものであっても良い。
遊技機H1において、前記変位部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心され、前記所定の区間では、前記変位部材の重さが前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心され、所定の区間では、変位部材の重さが第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる変位部材の重さを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
例えば、変位部材がその回転軸を回転中心とする360度の回転を繰り返し可能に形成される場合には、所定の区間における変位部材の変位速度(回転速度)が、他の区間における変位部材の変位速度(回転速度)よりも速くされた態様、即ち、1回転の間にその回転速度が増減される回転態様を、繰り返し行うことができる。
遊技機H2において、前記伝達手段は、前記第2部材により回転駆動される本体部およびその本体部から突設されると共に前記本体部の回転中心から偏心して位置するピン部を有するクランク部材と、そのクランク部材のピン部が摺動可能に挿通される摺動溝が一端側に形成されると共に中間部分が回転可能に軸支されるアーム部材とを備え、前記アーム部材の他端側が前記変位部材に連結されることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、伝達手段は、第2部材により回転駆動される本体部およびその本体部から突設されると共に本体部の回転中心から偏心して位置するピン部を有するクランク部材と、そのクランク部材のピン部が摺動可能に挿通される摺動溝が一端側に形成されると共に中間部分が回転可能に軸支されるアーム部材とを備えるので、第2部材によってクランク部材を回転駆動させ、ピン部材を摺動溝に沿って摺動させることで、アーム部材の他端側を往復動作させることができる。この場合、アーム部材の他端側が変位部材に連結されるので、かかるアーム部材の他端側の往復動作に伴って、変位部材を第1位置および第2位置の間で往復動作させることができる。即ち、駆動手段の駆動方向を切り替えることなく、変位部材の変位方向を切り替えることができる。
遊技機H3において、前記変位部材は、前記アーム部材の他端側の往復動作に伴って、第1位置および第2位置の間で往復動作され、前記第1位置から前記第2位置まで変位される間、及び、前記第2位置から前記第1位置まで変位される間のそれぞれの途中において、前記変位部材の重さが前記第2部材に作用される方向が、前記第2部材を前記他方向へ変位させる方向から前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ転換されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、変位部材は、アーム部材の他端側の往復動作に伴って、第1位置および第2位置の間で往復動作され、第1位置から第2位置まで変位される間、及び、第2位置から第1位置まで変位される間のそれぞれの途中において、変位部材の重さが第2部材に作用される方向が、第2部材を他方向へ変位させる方向から第2部材を一方向へ変位させる方向へ転換されるので、変位部材が往復動作される際には、いずれの方向へ変位される際にも、その変位の途中から変位部材の変位速度を速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
例えば、変位部材を、遊技者から視認可能に張り出した位置である張出位置(第1位置)と、その張出位置かれ退避された位置である退避位置(第2位置)との間で往復動作させる場合、退避位置から張出位置へ変位部材を張り出させる際には、途中までは一定の変位速度で変位させつつ、途中から変位部材の変位速度を速くして、変位部材を勢い良く張出位置に張り出させることができると共に、張出位置から張出位置へ変位部材を退避させる際には、途中までは一定の変位速度で変位させつつ、途中から変位部材の変位速度を速くして、変位部材を即座に退避位置に退避させることができる。
遊技機H1において、前記変位部材は、スライド変位可能に形成され、前記所定の区間では、前記スライド変位の方向へ向けて下降傾斜されることで、前記変位部材の重さが前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、変位部材は、スライド変位可能に形成され、所定の区間では、スライド変位の方向へ向けて下降傾斜されることで、変位部材の重さが第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる変位部材の重さを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
遊技機H2からH5のいずれかにおいて、前記変位部材は、少なくとも前記所定の区間において、遊技球を保持可能に形成されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H2からH5のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、少なくとも所定の区間において、遊技球を保持可能に形成されるので、変位部材が遊技球を保持した状態では、その遊技球の重さの分、変位部材全体としての重さを大きくして、所定の区間における変位部材の変位速度をより速くすることができる。また、変位部材に遊技球が保持されている場合と、遊技球が保持されていない場合とで、或いは、保持されている遊技球の数に応じて、変位部材全体としての重さを異ならせることができる。これにより、それぞれの場合において、変位部材の変位速度を変化させることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
遊技機H2からH6のいずれかにおいて、前記変位部材は、遊技領域を流下する遊技球を受け止める受け止め部を備え、少なくとも前記所定の区間では、前記受け止め部が遊技球を受け止めた際にその遊技球から前記変位部材に作用される力が、前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H2からH6のいずれかにおいて、変位部材は、遊技領域を流下する遊技球を受け止める受け止め部を備え、少なくとも所定の区間では、受け止め部が遊技球を受け止めた際にその遊技球から変位部材に作用される力が、第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、受け止め部が遊技球を受け止めた際に、その遊技球の運動エネルギーを利用して、所定の区間における変位部材の変位速度をより速くすることができる。また、受け止め部が遊技球を受け止めている場合と、受け止めていない場合、或いは、受け止める際の遊技球の流下速度(運動エネルギーの大きさ)に応じて、変位部材に作用される力を異ならせることができる。これにより、それぞれの場合において、変位部材の変位速度を変化させることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
なお、遊技領域を流下する遊技球とは、遊技盤の前面を重力方向に沿って移動する遊技球に限定されず、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球も含まれる。重力方向と異なる方向へ移動する遊技球としては、例えば、釘やチューリップ、役物などに衝突して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球や、ステージを転動した後、そのステージから飛び出して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球が例示される。
遊技機H6又はH7において、前記伝達手段は、前記駆動力の伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H6又はH7の奏する効果に加え、伝達手段は、駆動力の伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えるので、所定の区間において、変位部材に遊技球が保持されている又は受け止め部により遊技球が受け止めれた際には、遊技球の重さ又は運動エネルギーを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させる(即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くする)一方、変位部材に遊技球が保持されてない又は受け止め部に遊技球が受け止められていなければ、負荷用歯車を回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、第2部材が第1部材に対して一方向へ先行して変位される(即ち、所定の区間における変位部材の変位速度が速くされる)ことを抑制できる。
即ち、遊技球が変位部材に保持されていない又は受け止め部が遊技球を受け止めていない場合には、所定の区間における変位部材の変位速度が、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くなることを抑制し、遊技球が変位部材に保持されている又は受け止め部が遊技球を受け止めた場合にのみ、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くするという態様を形成しやすくできる。
<背面ケース300を一例とする発明の概念について>
遊技盤と、その遊技盤の背面側に配設される背面部材と、前記背面部材に配設される固定部材と、を備える遊技機において、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間に配設され、前記遊技盤の背面側であって、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間の外側から操作可能な変位部材を備え、前記固定部材は、前記変位部材と係合する突出部を備え、その突出部と前記変位部材とが係合して、前記固定部材が前記背面部材に配設されることを特徴とする遊技機I1。
従来より、遊技盤と、その遊技盤の背面側に配設される背面部材と、その背面部材の背面側に配設される固定部材と、を備える遊技機が知られている(特開2004−33603号公報)。この遊技機によれば、背面部材の正面側から挿通されるネジにより固定部材が背面部材に締結される。これにより、遊技盤の背面側から固定部材が取り外されることが抑制される。
しかしながら、従来の遊技機では、固定部材を背面部材に配設する工程が固定部材を背面部材に配置する工程と、固定部材を背面部材に締結する工程とが、背面部材の背面側からの作業と、背面部材の正面側からの作業とで反対方向からの作業となる。そのために、固定部材を背面部材に配設する作業工程が多くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機I1によれば、遊技盤から背面部材の対向間に配設され、遊技盤の背面側であって、遊技盤から背面部材までの対向間の外側から操作可能な変位部材(変位部材310)を備え、固定部材は、変位部材と係合する突出部(被係合部322)を備え、その突出部と変位部材とが係合して、固定部材が背面部材に配設されるので、背面側からの一方向の作業で固定部材を背面ケースに配設することができる。従って、背面側から作業した後に正面側に回り込む又は背面部材を反転させる工程をなくすことができる。その結果、固定部材を背面部材に配設する作業工程を少なくできる。
遊技機I1において、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間に配設される第1部材を備え、その第1部材の背面側に前記変位部材が配設されることを特徴とする遊技機I2。
ここで、近年の遊技機では、遊技盤から背面部材までの対向間に配設される第1部材(役物装置等)が大型化される傾向がある。そのために、上述した従来の遊技機では、大型化された第1部材が固定部材の正面、又は、固定部材と近接する位置に配設されると、固定部材を背面部材の正面側から締結する際に第1部材が邪魔になる。よって、固定部材を背面部材の正面側から挿通するネジで締結して、背面部材に固定部材を配設することが困難となっていた。
これに対し、遊技機I1によれば、遊技盤から背面部材までの対向間に配設される第1部材を備え、その第1部材の背面側に変位部材が配設されるので、遊技盤から背面部材までの対向間に第1部材を配設した状態で、遊技盤から背面部材までの対向間の外側から変位部材を操作して、変位部材と固定部材とを係合させることができる。従って、変位部材を遊技盤から背面部材までの対向間に配設される第1部材に邪魔されることなく、固定部材を背面部材に配設することができる。
また、変位部材が背面部材から第1部材までの対向間に配置されるので、変位部材と固定部材との係合部分を背面部材から第1部材までの対向間に配置することができる。よって、変位部材と固定部材との係合部分にアクセスされることを抑制できる。その結果、変位部材と固定部材との係合が不正に解除されて、固定部材に不正がされる(例えば、不正な固定部材に交換される)ことを抑制できる。
遊技機I1又はI2において、前記変位部材は、前記背面部材と前記遊技盤との対向面と平行な平面上をスライド変位されることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2の奏する効果に加え、変位部材は、背面部材と遊技盤との対向面と平行な平面上をスライド変位されるので、変位部材が変位した際に、背面部材と遊技盤との対向方向への変位量を0とすることができる。これにより、変位部材と遊技盤との対向間に第1部材を配設する空間を確保することができる。その結果、背面部材と遊技盤との対向方向における第1部材の外形を大きくすることができ、第1部材の設計の自由度を向上できる。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、前記背面部材は、前記遊技盤と対向する底壁部と、その底壁部の縁部から前記遊技盤側に立設される側壁部と、を備える箱状に形成され、前記底壁部または側壁部のどちらか一方には開口部が開口形成され、前記変位部材は、前記開口部に挿通され前記背面部材の内部から外部に突出される操作子を備えることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I1からI3のいずれかの奏する効果に加え、背面部材は、遊技盤と対向する底壁部と、その底壁部の縁部から遊技盤側に立設される側壁部と、を備える箱状に形成され、底壁部または側壁部のどちらか一方に開口形成される開口部を備え、変位部材は、開口部を挿通して背面部材の内部から外部に突出する操作子を備えるので、背面部材の外部(遊技盤から背面部材までの対向間の外側)から操作子を操作して、変位部材を変位させることができる。よって、背面部材の内側(遊技盤から背面部材までの対向間)に、第1部材が配設された状態であっても、第1部材に邪魔されることなく変位部材を変位させることができる。
遊技機I4において、前記変位部材と前記固定部材との係合が解除された状態において、前記変位部材を前記固定部材との係合を解除する方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、変位部材と固定部材との係合が解除された状態において、変位部材を固定部材との係合を解除する方向に付勢する付勢手段を備えるので、変位部材と固定部材とを係合し忘れた場合、又は、変位部材と固定部材との係合が不完全であった場合に、変位部材を固定部材との係合を解除する方向に変位させることができる。よって、作業者は、変位部材と固定部材との係合が正しくされているかを、背面部材の外側に突出する操作子が配置される位置で判断することができる。その結果、変位部材と固定部材との係合が忘れられることを抑制できる。
なお、付勢手段は、変位部材と背面部材との間に、スプリングやゴムなどを配設して変位部材を固定部材との係合を解除する方向に付勢する形態や、変位部材の自重を変位部材を固定部材との係合を解除する方向に作用させる形態等が例示される。
遊技機I4又はI5において、前記遊技盤および背面部材を収容可能な枠状に形成される外枠を備え、前記外枠の内形は、前記遊技盤および背面部材の正面視における外側の外形と略同一に形成され、前記変位部材と前記固定部材とが非係合の状態では、前記遊技盤から前記背面部材までの対向間の外側に前記操作子が配置されることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I4又はI5の奏する効果に加え、遊技盤および背面部材を収容可能な枠状に形成される外枠を備え、外枠の内形は、遊技盤および背面部材の正面視における外側の外形と略同一に形成され、変位部材と固定部材とが非係合の状態では、遊技盤から背面部材までの対向間の外側に操作子が配置されるので、変位部材と固定部材とが非係合とされる場合に、遊技盤および背面部材を外枠に収容すると、外枠に操作子を当接させることができる。これにより、遊技盤および背面部材が外枠に収容されることを抑制できる。よって、背面部材に固定部材を配設し忘れた場合、又は、変位部材と固定部材との係合を忘れた場合に、その忘れ(異常)を作業者に気が付かせることができる。その結果、背面部材に固定部材を配設し忘れた、又は、変位部材と固定部材との係合を忘れた状態で、遊技盤が外枠に収容されることを抑制できる。
遊技機I4からI6のいずれかにおいて、前記変位部材と前記固定部材との係合を解除する方向に、前記操作子が操作されることを抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I4からI6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材と固定部材との係合を解除する方向に、操作子が操作されることを抑制する抑制手段を備えるので、操作子が操作されて、変位部材が固定部材との係合を解除する方向へ変位されることを抑制できる。その結果、操作子を利用して、変位部材と固定部材との係合が解除されることを抑制できる。
なお、変位部材と固定部材との係合を解除する方向に、操作子が操作されることを抑制する抑制手段としては、操作子が係合を解除する方向に空転可能に軸支される形態、変位部材と固定部材との係合を解除する方向に向かって操作子の突出先端が突出する傾斜面に形成される形態、変位部材と固定部材との間に操作子が配設される形態等が例示される。
遊技機I1からI7のいずれかにおいて、前記変位部材は、弾性変形可能な弾性片と、その弾性片に突設される第1突部と、を備え、前記固定部材は、前記変位部材の変位領域に開口して、前記変位部材の変位方向に凹設される収容部を備え、前記収容部は、前記第1突部の変位領域に突設される第2突部を備え、前記第2突部は、前記変位部材が一方向に変位されることで、前記第1突部と当接して前記弾性片を変位可能とされ、前記変位部材が他方向に変位されることで、前記第1部材と当接して前記変位部材と前記固定部材とを係合可能とさせることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I1からI7の奏する効果に加え、変位部材は、弾性変形可能な弾性片と、その弾性片に突設される第1突部と、を備え、固定部材は、変位部材の変位領域に開口して、変位部材の変位方向に凹設される収容部を備え、収容部は、第1突部の変位領域に突設される第2突部を備え、第2突部は、変位部材が一方向に変位されることで、第1突部と当接して弾性片を変位可能とされ、変位部材が他方向に変位されることで、第1部材と当接して変位部材と固定部材とを係合可能とさせるので、第2突部により、変位部材の一方向の変位を許容することができると共に、変位部材の他方向の変位を規制できる。これにより、固定部材との係合方向および脱落方向の両方向への変位部材の変位を規制することができる。
遊技機I8において、前記収容部は、前記弾性片を収容可能な大きさに設定され、前記第1突部と前記第2突部とが係合される際に、前記収容部に前記弾性片が収容されることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、収容部は、弾性片を収容可能な大きさに設定され、第1突部と第2突部とが係合される際に、収容部に弾性片が収容されるので、変位部材と固定部材が係合された状態では、収容部の外側から弾性片を操作しにくくすることができる。従って、弾性片が収容部の外側から操作されて、弾性変形されることを抑制できる。その結果、変位部材と固定部材との係合が不正に解除されることを抑制できる。なお、この場合、収容部の外側に位置する変位部材(被収容部の基端部分)を切断することで固定部材を背面部材から取り外すことが可能とされる。
遊技機I9において、前記変位部材は、前記収容部に収容可能な前記弾性片を複数備え、前記収容部は、前記弾性片を複数個収容可能な大きさに設定されることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I9の奏する効果に加え、変位部材は、収容部に収容可能な弾性片を複数備え、収容部は、弾性片を複数個収容可能な大きさの空間に設定されるので、収容部の外側に位置する変位部材(弾性片の基端部分)を切断して固定部材を背面部材から取り外した場合に、その切断した変位部材(弾性片)を収容部の内側に残した状態とすることができると共に、その状態で切断されていない変位部材(弾性片)を収容部の内側に収容することができる。従って、収容部の内側に切断した変位部材(弾性片)を収容して残すことができるので、収容部に収容された変位部材の数と、変位部材の弾性片の切断数と、を比べることで、固定部材が不正に取り外されて、不正な固定部材に変更された場合に、その数が異なることで、遊技機に不正がされたことを作業者に察知させることができる。
遊技機I1からI10のいずれかにおいて、前記第1部材は、前記変位部材が前記固定部材と係合した際に、前記固定部材との係合を解除する方向への前記変位部材の変位を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機I11。
遊技機I11によれば、遊技機I1からI10の奏する効果に加え、変位部材が固定部材と係合した際に、固定部材との係合を解除する方向への変位部材の変位を規制する規制手段を備えるので、不正により変位部材と固定部材との係合を解除する方向に力が作用する場合に、変位部材が変位することを規制できる。よって、不正により変位部材が固定部材との係合を解除する方向に力が作用する場合に、変位部材と固定部材との係合部分に力が集中することを抑制することができるので、不正により入力される力により、変位部材または固定部材が破損することを抑制できる。
また、第1部材が規制手段を備えるので、固定部材を背面部材から取り外す場合には、第1部材を背面部材から取り外すことで、規制手段による変位部材の変位の規制を解除することができる。この場合、第1部材を取り外すことで、変位部材と固定部材との係合部分にアクセス可能とされるので、固定部材を背面部材から取り外す際の作業効率を向上できる。
なお、変位部材の変位を規制する規制手段は、係合凹部の内側に突起を配置して変位部材の弾性変形を規制する形態や、突起を変位部材と係合させる形態等が例示される。
<一般入賞口ユニット150を一例とする発明の概念について>
正面側に遊技領域を有するベース部材と、そのベース部材の正面に装飾を形成する第1装飾手段と、正面視における前記第1装飾手段の装飾と連続する装飾を形成する第2装飾手段と、を備える遊技機において、前記第1装飾手段および第2装飾手段が、正面視における前後方向に隣合う位置に配設されることを特徴とする遊技機J1。
従来より、正面側に遊技領域を有するベース部材と、そのベース部材の正面に配設され、正面に装飾が形成される第1装飾手段と、その第1装飾手段の正面に配設される第1部材と、その第1部材の正面に配設され、正面視において第1装飾手段の装飾と連続する装飾が形成される第2装飾手段と、を備える遊技機が知られている(例えば、特開2007−000195号公報)。この遊技機によれば、第1装飾手段および第2装飾手段の装飾を合わせて1の装飾として遊技者に視認させることで、ベース部材の意匠性を確保できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2装飾手段が、第1装飾手段が第1部材の正面に配設されるので、第1部材の厚み分、第2装飾手段が第1装飾手段から離れた位置に配置される。そのために、遊技者が、ベース部材を視認する位置(目線の方向)により、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とが、第1部材の厚みの分、ずれて視認され、ベース部材の意匠性が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機J1によれば、前記第1装飾手段および第2装飾手段が、正面視における前後方向に隣合う位置に配設されるので、第1装飾手段と第2装飾手段との前後の離間距離を小さくできる。これにより、第1装飾手段または第2装飾手段の正面視に対して傾斜した角度から第1装飾手段および第2装飾手段を視認した際に、第1装飾手段の装飾および第2装飾手段の装飾がずれて視認されることを抑制できる。従って、遊技者に第1装飾手段の装飾および第2装飾手段の装飾を合わせて1の装飾として視認させやすくすることができ、ベース部材の意匠性を向上できる。
また、第1装飾手段は、装飾が形成されるものであればよく、例えば、板状の部材に装飾を印刷したシール部材をベース部材の正面に貼り付けるもの、又は、ベース部材の正面に装飾を印刷するものである。
なお、第2装飾手段が第1装飾手段の正面に貼付(接着)される場合には、作業者が第1装飾手段の装飾を視認しつつ、第2装飾手段を貼付(接着)することができる。よって、作業者は、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とを連続する位置で第2装飾手段を第1装飾手段に貼付させやすい。従って、第2装飾手段を第1装飾手段に貼付する作業者の作業性を向上させることができる。
遊技機J1において、光透過性材料から形成され、前記第2装飾手段の正面視における外形よりも大きい外形に形成され、前記第2装飾手段の正面に配設される正面部材を備え、前記正面部材は、前記第2装飾手段との対向面に前記第2装飾手段の外形よりも大きい形状に凹設される凹部を備え、前記凹部の凹設寸法が、前記第2装飾手段の厚み寸法よりも大きい値に設定されることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、光透過性材料から形成され、第2装飾手段の正面視における外形よりも大きい外形に形成され、第2装飾手段の正面に配設される正面部材を備え、正面部材は、第2装飾手段との対向面に第2装飾手段の外形よりも大きい形状に凹設される凹部を備え、凹部の凹設寸法が、第2装飾手段の厚み寸法よりも大きい値に設定されるので、第2装飾手段を凹部に収容した状態で正面部材をベース部材に配設することができる。これにより、第2装飾手段が、ベース部材と正面部材との間から脱落することを抑制できる。
また、凹部の凹設寸法が、第2装飾手段の厚み寸法よりも大きい値に設定されるので、正面部材と第1装飾手段との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、正面部材と第1装飾手段との間に埃やゴミが挟まって第1装飾手段の装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
遊技機J2において、前記凹部は、内側面が前記第2装飾手段の外形に沿って形成され、前記第2装飾手段は、前記凹部の凹設底面に接着して配設されることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、凹部は、内側面が第2装飾手段の外形に沿って形成され、第2装飾手段は、凹部の凹設底面に接着して配設されるので、正面部材の凹部に沿って第2装飾手段を配設することで、第2装飾手段を正面部材に対して位置決めして配設できる。これにより、正面部材を第1装飾手段の正面に配設した際に、正面部材の縁部と第1装飾手段の対向間に第2装飾手段が挟まることを抑制できる。その結果、第1装飾手段と正面部材との間に隙間が形成されることを抑制でき、正面部材と第1装飾手段との間に埃やゴミが挟まって第1装飾手段の装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
遊技機J3において、前記正面部材は、前記ベース部材との対向面から前記ベース部材側に突出する突起を備え、前記ベース部材は、前記突起と対応する位置に開口する開口部を備え、前記突起が前記開口部に挿入されることで、前記正面部材が前記ベース部材に対して位置決めされることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、正面部材は、ベース部材との対向面からベース部材側に突出する突起を備え、ベース部材は、突起と対応する位置に開口する開口部を備え、突起が開口部に挿入されることで、正面部材がベース部材に対して位置決めされるので、第1装飾手段に対する正面部材の位置がずれることを抑制できる。また、第2装飾手段は、正面部材の凹部により正面部材に対して位置決めされる。よって、第1装飾手段に対する正面部材の位置決めをすることで、第1装飾手段と第2装飾手段との配置がずれることを抑制できる。その結果、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とを遊技者に1の装飾として視認させやすくすることができる。
遊技機J4において、前記突起は、前記凹部の凹設底面に形成され、前記第2装飾手段には、前記突起と対応する位置に貫通する貫通孔が形成され、前記貫通孔に前記突起が挿入されることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、突起は、凹部の凹設底面に形成され、第2装飾手段には、突起と対応する位置に貫通する貫通孔が形成され、貫通孔に突起が挿入されるので、正面部材に対する第2装飾手段の配置を簡易にすることができる。即ち、正面部材の凹部の内側に第2装飾手段を配設するだけでは、第2装飾手段の縁部を凹部に沿わせて配設する必要があるのに対し、第2装飾手段に突起が挿通される貫通孔を形成することで、突起を貫通孔に挿通させるのみで、正面部材に対する第2装飾手段の配置を決めることができる。その結果、正面部材に対する第2装飾手段の配置を簡易にすることができる。
また、第1装飾手段に対して、正面部材の位置決めをする突起が第2装飾手段の貫通孔に挿通されるので、第2装飾手段と第1装飾手段とを同一の部分(突起)で位置決めすることができるので、装飾部材と第1装飾手段との位置決めの精度を向上させることができる。その結果、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とを遊技者に1の装飾として視認させやすくすることができる。
遊技機J2からJ5のいずれかにおいて、前記正面部材は、正面視における外縁に向かうに従って前記第1装飾手段側に傾斜する傾斜部を備え、前記傾斜部の背面側に前記第2装飾手段の縁部が配設されることを特徴とする遊技機J6。
ここで、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾との両者の装飾を遊技者に1の装飾として視認させやすくするためには、両者の装飾の位置ずれを抑える必要がある。しかしながら、第1装飾手段と第2装飾手段とを前後方向に重ね合わせると、第2装飾手段の厚みの分、両者の装飾の位置が前後方向に位置ずれするために、第1装飾手段または第2装飾手段の正面視に対して傾斜した角度から第1装飾手段と第2装飾手段とを視認した際に、前後の位置ずれが認識される恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機J6によれば、遊技機J2からJ5のいずれかの奏する効果に加え、正面部材は、正面視における外縁に向かうに従って第1装飾手段側に傾斜する傾斜部を備え、傾斜部の背面側に第2装飾手段の縁部が配設されるので、第2装飾手段と第1装飾手段との前後方向の配置が異なることによる装飾の位置ずれを、正面部材の傾斜部による光の屈折で遊技者に認識させにくくすることができる。
詳しく説明すると、第1装飾手段または第2装飾手段の装飾に反射されて、正面部材の内部を通過して傾斜部から出射される光は、ベース部材の正面に対して光の通過方向の傾斜角度が、ベース部材の正面に対して傾斜部の傾斜面と直交する方向の傾斜角度よりも小さくされる際に、ベース部材の正面に対して傾斜部からの光の出射方向の傾斜角度がベース部材の正面に対して光の通過方向の傾斜角度よりも小さくされる。従って、ベース部材の正面に対して傾斜部の傾斜面と直交する方向の傾斜角度よりも、ベース部材の正面に対して小さい交差角度の方向から第1装飾手段と第2装飾手段との連結部分を視認する遊技者が視認する光の通過方向を、第1装飾手段と第2装飾手段との重なり方向に近づけることができる。その結果、遊技者が第1装飾手段と第2装飾手段とを視認した際に、前後の位置ずれを遊技者に認識されにくくすることができる。
遊技機J6において、前記第2装飾手段は、前記正面部材に接着される接着面と、前記正面部材に非接着の非接着面と、を備え、前記傾斜部と前記第2装飾手段とが少なくとも対向する位置に前記非接着面を備えることを特徴とする遊技機J7。
ここで、遊技者が傾斜部の傾斜と直交する方向から、第1装飾手段と第2装飾手段との装飾の連結部分を視認した場合には、第1装飾手段と第2装飾手段との前後方向の装飾の位置ずれが遊技者に認識される恐れがある。
これに対し、遊技機J7によれば、遊技機J6の奏する効果に加え、第2装飾手段は、正面部材に接着される接着面と、正面部材に非接着の非接着面と、を備え、傾斜部と第2装飾手段とが少なくとも対向する位置に非接着面を備えるので、非接着面における第2装飾手段と正面部材(傾斜部)との対向間に隙間を形成して、正面部材の非接着面を通過する光を全反射させることができる。これにより、傾斜部の傾斜と直交する方向から傾斜部を介して遊技者が第2装飾手段を視認した際に、遊技者に第2装飾手段の端部の装飾を視認させなくすることができる。その結果、傾斜部の傾斜と直交する方向から傾斜部を介して遊技者が第1装飾手段と第2装飾手段とを視認した場合には、第2装飾手段の装飾を視認し難くすることで、第1装飾手段と第2装飾手段の前後方向の装飾の位置ずれが遊技者に認識されることを抑制できる。
遊技機J6又はJ7において、前記傾斜部は、正面視における前記正面部材の外縁の延設方向と直交する方向の断面の外縁が前記正面部材の外縁に向かって凸状に湾曲する円弧形状に形成され、その傾斜部の端部同士を連結する直線の略中間位置よりも、正面視における前記正面部材の中央側に前記第2装飾手段の端部が配設されることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J6またはJ7の奏する効果に加え、傾斜部は、正面視における正面部材の外縁の延設方向と直交する方向の断面の外縁が正面部材の外縁に向かって凸状に湾曲する円弧形状に形成され、その傾斜部の端部同士を連結する直線の略中間位置よりも、正面視における正面部材の中央側に第2装飾手段の端部が配設されるので、第1装飾手段または第2装飾手段の正面視に対して傾斜した角度から第1装飾手段と第2装飾手段とを視認した際に、傾斜部の湾曲による光の屈折で、正面部材の中央側を通過する光の方向を、第1装飾手段と第2装飾手段とが重なる方向に近づけることができる。また、傾斜部の端部同士を連結する直線の略中間位置よりも前記正面部材の中央側に前記第2装飾手段の端部が配設されるので、第1装飾手段と第2装飾手段との前後方向における位置ずれが、遊技者に認識されることを抑制できる。その結果、第1装飾手段の装飾と第2装飾手段の装飾とを遊技者に1の装飾として視認させやすくすることができる。
遊技機J2からJ8のいずれかにおいて、前記凹部の内側面は、前記第1装飾手段側に向かって正面視における外側に傾斜する第2傾斜部が形成され、その第2傾斜部は、前記ベース部材の正面に対する傾斜角度が、前記ベース部材の正面に対する前記傾斜部の傾斜角度より小さく設定されることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J2からJ8の奏する効果に加え、凹部の内側面は、第1装飾手段側に向かって正面視における外側に傾斜する第2傾斜部が形成され、その第2傾斜部は、ベース部材の正面に対する傾斜角度が、ベース部材の正面に対する傾斜部の傾斜角度より小さく設定されるので、傾斜部および第2傾斜部を介して視認される第1装飾手段の装飾(虚像)の位置を、傾斜部および第2傾斜部を介さずに視認される第1装飾手段の装飾(実像)の位置に近づけることができる。その結果、正面部材を介して第1装飾手段を視認した際に、正面部材を介すことによる光の屈折で、第1装飾手段の装飾が視認されにくくなることを抑制できる。
<特別入賞装置550を一例とする発明の概念について>
正面側に遊技領域を有する遊技盤と、その遊技盤に配設され、前記遊技領域を流下する遊技球の送球を案内する経路を有する経路ユニットと、を備える遊技機において、前記経路ユニットは、正面視における前記遊技盤に対して水平方向の一側に遊技球を送球する第1経路と、その第1経路から送球された遊技球を前記第1経路の案内方向と反対方向の水平方向の他側に送球する第2経路と、前記第1経路および第2経路の一側同士を連結する第3経路と、を備え、前記第3経路は、前記遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方に遊技球を送球する案内手段を前記遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方の内壁に備えることを特徴とする遊技機K1。
従来より、正面側に遊技領域を有する遊技盤と、その遊技盤に配設され、遊技領域を流下する遊技球の送球を案内する経路を有する経路ユニットと、を備える遊技機が知られている(例えば、特開2015−131046号公報)。この遊技機によれば、経路ユニットに形成される案内経路に流入した遊技球を、その案内経路の経路に沿って案内する(転動させる)ことで、遊技球の転動(流下)に興趣を持たせることができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、経路ユニットの内部に所定の距離の遊技球の送球距離を確保するために、遊技盤に対して遊技球を一側に送球する第1経路と、その第1経路から送球された遊技球を遊技盤に対して他側に送球する第2経路と、第1経路および第2経路の一側同士を連結する第3経路と、を形成すると、第1経路を転動する遊技球の速度が第3経路との連通部分(第1経路の下流側端部)で最大とされるために、送球の方向が変化される第3経路の内壁に遊技球が衝突して、跳ね返りやすくなる。よって、第3経路の内壁に衝突した遊技球が第1経路に戻る、又は、第3経路の内部で第1経路の送球方向(正面視における水平方向)に揺れ動く(ぶれる)恐れがあった。従って、第1経路から第3経路に送球された遊技球が第3経路で揺れ動くために、第3経路に送球された遊技球を遊技者の視線が一定方向に追うことができなくなり、第3経路に送球された遊技球を遊技者が視認しにくいという問題点があった。
なお、この場合、第3経路の経路を長くすることで、第1経路から送球される遊技球の送球方向を第2経路の転動方向にスムーズに切り替えて、第3経路を通過する遊技球が揺れ動くことを防止できるが、第3経路が長く形成されるので、その分、経路ユニット全体の大きさが大きくなり、遊技盤に経路ユニットを配設するスペースが確保できなくなる。
これに対し、遊技機K1によれば、経路ユニットは、正面視における遊技盤に対して水平方向の一側に遊技球を送球する第1経路と、その第1経路から送球された遊技球を第1経路の案内方向と反対方向の水平方向の他側に送球する第2経路と、第1経路および第2経路の一側同士を連結する第3経路と、を備え、第3経路は、遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方に遊技球を送球する案内手段を遊技盤に対して正面側または背面側の少なくとも一方の内壁に備えるので、第3経路を通過する遊技球を正面側または背面側(正面視における遊技盤の前後方向)に移動させることができる。この正面側または背面側の遊技球の移動により第1経路を転動して加速した遊技球を第3経路で遅くすることができ、その分、第3経路の内壁に衝突した遊技球が第1経路に戻る、又は、第3経路で第1経路の送球方向(正面視における水平方向)に揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できる。これにより、第3経路から送球される遊技球を遊技者の視線が一定方向に追うことができる。その結果、第3経路に送球された遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
また、正面視における遊技盤に対して遊技球が水平方向(正面視左右方向)に揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できるので、その分、第1経路および第2経路を連結する第3経路分の経路を長くして遊技球が揺れ動くを抑制する必要がなくなり、第3経路の経路を短くすることができる。その結果、経路ユニットを遊技盤に対して所定の領域内に収めることができ、遊技盤に対する経路ユニットの配設スペースを確保できる。
なお、遊技球を案内する案内手段としては、凹凸による遊技球の転動方向の切り替えや、経路の切り替え部分に変位部材を配設してその変位部材の変位により遊技球を第2経路に案内する方法が例示される。
遊技機K1において、前記案内手段は、正面側または背面側のどちらか一方の内壁に凹設される凹部と、正面側または背面側のどちらか他方の内壁に突設される凸部とから構成され、前記凹部と前記凸部とが互いに対向する位置に形成されることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、案内手段は、正面側または背面側のどちらか一方の内壁に凹設される凹部と、正面側または背面側のどちらか他方の内壁に突設される凸部とから構成され、前記凹部と前記凸部とが互いに対向する位置に形成されるので、第3経路の経路の途中で部分的に遊技球を変位させて、遊技球の送球速度を遅くすることができる。よって、第3経路の経路を短くすることができる。その結果、経路ユニットを遊技盤に対して所定の領域内に収めやすくすることができ、遊技盤に対する経路ユニットの配設スペースを確保できる。
遊技機K2において、前記凸部の突設先端から前記第3経路の一方の内壁までの水平方向の離間寸法が、遊技球の直径よりも小さく設定されることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、凸部の突設先端から第3経路の一方の内壁までの水平方向の離間寸法が、遊技球の直径よりも小さく設定されるので、第3経路を流下して案内手段に送球される遊技球を、案内手段の凸部に当接させやすくすることができる。これにより、第1経路を流下して第3経路に送球される遊技球を、凸部に当接させて、その転動速度を遅くしやすくできる。よって、第3経路の内壁に衝突した遊技球が第1経路に戻る、又は、第3経路で第3経路の送球方向と異なる方向に揺れ動くことを抑制できる。その結果、第3経路を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
遊技機K2又はK3において、前記凸部が、前記遊技盤に対して正面側の内壁に形成され、前記凹部が、前記遊技盤に対して背面側の内壁に形成されることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K2又はK3の奏する効果に加え、凸部が、遊技盤に対して正面側の内壁に形成され、凹部が、遊技盤に対して背面側の内壁に形成されるので、経路ユニットの正面側の板厚を薄くすることができる。よって、経路ユニットの正面を介して経路ユニットの内部を遊技者に視認させやすくすることができ、経路ユニットの内部を送球される遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。また、経路ユニットの正面側の内壁に凹部が形成されることをにより、経路ユニットの正面に案内手段が突出することを抑制できるので、その分、経路ユニットを遊技者側に配設して、経路ユニットを通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
詳しく説明すると、凹部が正面側の内面に形成される場合には、経路ユニットの正面側の板厚を凹部の凹設深さよりも大きい板厚にする必要がある。従って、経路ユニットの正面側の板厚が大きくなる分、その背面側を送球される遊技球が遊技者に視認されにくくなる。また、凹部が正面側の内面に形成される場合に凹部の形状に沿って経路ユニットの正面側の板を湾曲させることも考えられるが、この場合には、正面側に湾曲される分、遊技領域の前面を形成するガラス板との間隔が必要となり、遊技盤全体を背面側に配置する必要がある。従って、遊技者から背面側に離れる分、経路ユニットを送球される遊技球が遊技者から視認しにくくなる。
さらに、凹部が正面側の内面に形成される場合に凹部が形成される部分を開口することも考えられるが、この場合には、開口が形成される分、経路ユニットの剛性が低くなり、経路ユニットが破損しやすくなる。また、経路ユニットの正面に開口が形成されると、その開口を通過させて不正がされる恐れがある。
これに対し、遊技機K4では、凹部を経路ユニットの背面側に形成し、凸部を経路ユニットの正面側に形成するので、経路ユニットの正面側全体の板厚が厚くなることを抑制して経路ユニットの内部を通過する遊技球を視認しやすくできると共に、経路ユニットの正面側に部分的に突出することを抑制して経路ユニットを遊技機の正面側に配設することで経路ユニットの内部を通過する遊技球を視認しやすくできる。
遊技機K3又はK4において、前記凸部および凹部は、正面視において重力方向の断面が円弧状に形成され、その円弧の軸が同軸上に設定されることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K3又はK4において、凸部および凹部は、重力方向における断面が円弧状に形成され、その円弧の軸が同軸上に設定されるので、凸部と凹部との離間距離を一定にすることができる。これにより、凸部と凹部との離間距離が部分的に遊技球の直径よりも小さくなることを抑制でき、経路ユニット内部を通過する遊技球が、凸部と内壁との間に挟まることを抑制できる。
遊技機K5において、前記凹部の上端は、正面視において前記第1経路を転動する遊技球の中心の転動軌跡の延長線に沿う位置に形成されることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、凹部の上端は、正面視において第1経路を転動する遊技球の中心の転動軌跡の延長線に沿う位置に形成されるので、第1経路を転動する遊技球の転動速度が速い場合であっても、第1経路から第3経路に送球された遊技球の中心が凹部の上端よりも上方に送球されることを抑制できる。その結果、第1経路から第3経路に送球される遊技球を凹部の内側に送球することができる。
遊技機K2からK6のいずれかにおいて、前記凹部は、正面視における前記第3経路の水平方向の両側面から遊技球の半径寸法よりも離間する位置に形成されることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K2からK6のいずれかの奏する効果に加え、凹部は、第3経路の正面視における水平方向の両側面から遊技球の半径寸法よりも離間する位置に形成されるので、凹部の内壁に沿って流下する遊技球が、経路ユニットの正面視における水平方向の両側面に衝突して凹部の内側で揺れることを抑制できる。その結果、凹部の内側に沿って送球される遊技球をスムーズに第2経路に送球することができる。
遊技機K3からK7のいずれかにおいて、前記凹部は、正面視における前記第1経路の送球方向における断面が、前記第3経路の水平方向における中央部を中心とする断面円弧状に凹設され、前記凸部は、正面視における前記第1経路の送球方向における断面が、矩形状に突設されることを特徴とする遊技K8。
遊技機K8によれば、遊技機K3からK7のいずれかの奏する効果に加え、凹部は、正面視における第1経路の送球方向における断面が、断面円弧状に凹設され、凸部は、正面視における第1経路の送球方向における断面が、矩形状に突設されるので、案内手段は、第1経路の送球方向の両端ほど、凹部と凸部との対向間の距離が狭くされる。従って、凹部の内側に送球された遊技球が、第1経路の送球方向に揺れ動きにくくすることができる。その結果、第3経路に送球された遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
遊技機K8において、前記凸部は、正面視において前記第2経路の遊技球の送球方向と反対方向の一方側に下降傾斜して延設されることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K8の奏する効果に加え、凸部は、正面視において第2経路の遊技球の送球方向と反対方向の一方側に下降傾斜して延設されるので、第3経路を流下する際に凸部に当接する遊技球を、凸部の傾斜方向に案内できる。これにより、凸部に当接した遊技球を第2経路から離間する側の凹部の内壁に沿って案内することができる。その結果、第3経路から第2経路に流入する遊技球を第2経路の遊技球の送球方向に転動させることができ、第3経路から第2経路に遊技球をスムーズに流入させることができる。
遊技機K1からK9のいずれかにおいて、前記第1経路は、前記第3経路との連結部分に第2案内手段を備え、その第2案内手段より、前記第1経路から送球される遊技球を前記案内手段に案内可能とされることを特徴とする遊技機K10。
遊技機K10によれば、遊技機K1からK9のいずれかの奏する効果に加え、第1経路は、第3経路との連結部分に第2案内手段を備え、その第2案内手段より、第1経路から送球される遊技球を案内手段に案内可能とされるので、第1経路から第3経路に送球される遊技球を第3経路の案内手段に送球しやすくできる。これにより、第1経路から第3経路への遊技球の送球をスムーズにすることができる。よって、第1経路から送球される遊技球を案内手段に送球しやすくできる分、第3経路から第2経路への遊技球の流入をスムーズにすることができる。その結果、経路ユニット全体の遊技球の送球を安定させることができる。
遊技機K10において、前記第2案内手段は、前記第1経路の正面側または背面側の一方に突設される第2凸部と、その第2凸部と対向する位置に凹設される第2凹部とから構成され、前記第2凹部は、正面視において前記第1経路の上流側に向かって遊技球の流下方向と直交する方向の幅寸法が大きく設定されることを特徴とする遊技機K11。
遊技機K11によれば、遊技機K10の奏する効果に加え、第2案内手段は、第1経路の正面側または背面側の一方に突設される第2凸部と、その第2凸部と対向する位置に凹設される第2凹部とから構成され、第2凹部は、正面視において第1経路の上流側に向かって遊技球の流下方向と直交する方向の幅寸法が大きく設定されるので、第1経路を送球される遊技球を第2凹部に受け入れやすくすることができる。これにより、第1経路から第3経路への遊技球の送球をスムーズにすることができる。よって、第1経路から送球される遊技球を案内手段に送球しやすくできる分、第3経路から第2経路への遊技球の流入をスムーズにすることができる。その結果、経路ユニット全体の遊技球の送球を安定させることができる。
遊技機K10又はK11において、前記第2凹部は、前記第1経路の下流方向の端部が、前記第1経路の遊技球の転動面よりも下流に位置することを特徴とする遊技機K12。
遊技機K12によれば、遊技機K10またはK11の奏する効果に加え、第2凹部は、第1経路の下流方向の端部が、第1経路の遊技球の転動面よりも下流に位置するので、第2凹部の内壁に沿って第1経路から第3経路に流入する遊技球を、第1経路から遠方側で第3経路に流入させることができる。その結果、第1経路から第3経路に流入する遊技球を凹部の内側に送球しやすくでき、第3経路から第2経路への遊技球の流入をスムーズにしやすくできる。
<特別入賞装置550を一例とする発明の概念について>
正面側に遊技領域を有する遊技盤と、その遊技盤の正面に配設され遊技領域を流下する遊技球の流下方向を変更する流下方向変更手段と、を備える遊技機において、前記流下方向変更手段は、前記遊技盤の正面に配設される第1部材と、その第1部材の正面側に所定の間隔を隔てて配設される第2部材と、前記第1部材または第2部材の少なくとも一方を変位させる調整手段と、を備え、前記調整手段により、前記第1部材および第2部材の対向間の間隔を変更して、前記第1部材および第2部材の対向間を流下する遊技球の流下方向を調整可能であることを特徴とする遊技機L1。
従来より、正面側に遊技領域を有する遊技盤と、その遊技盤の正面に打ち付けられる釘と、を備える遊技機が知られている(例えば、特開平11−197311号公報)。この遊技機によれば、遊技盤に打ち付けられる釘の角度を調整して(釘を曲げて)遊技領域を流下する遊技球の流下方向を調整することができる。しかしながら、釘の角度を変更して、遊技球の流下方向を変更するものでは、遊技者から釘の角度が視認されてしまい、遊技者が不利(有利になる流路に遊技球が流下されにくい釘の角度)であると認識した場合に、遊技者がその不利と判断した遊技機で遊技しなくなり、遊技機の稼動率が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機L1によれば、流下方向変更手段は、遊技盤の正面に配設される第1部材と、その第1部材の正面側に所定の間隔を隔てて配設される第2部材と、第1部材または第2部材の少なくとも一方を変位させる調整手段と、を備え、調整手段により、第1部材および第2部材の対向間の間隔を変更して、第1部材および第2部材の対向間を流下する遊技球の流下方向を調整可能であるので、遊技盤の正面視に対して前後の方向の距離で遊技球の流下方向を変更(調整)できる。したがって、遊技盤の正面視に対して、水平方向の離間距離で遊技球の流下方向を変更する釘よりも、遊技者が流下方向変更手段を視認して、不利または有利と判断することを抑制できる。その結果、遊技機の稼働率を向上できる。
遊技機L1において、前記第2部材は、前記遊技盤に固定され、前記調整手段により、前記第1部材の位置が変位されることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、第2部材は、遊技盤に固定され、調整手段により、第1部材の位置が変位されるので、正面側に配設される第2部材により背面側に配設される第1部材の少なくとも一部を隠して、第1部材の位置を遊技者から視認しにくくすることができる。従って、第1部材の位置が変位された場合に、遊技者にその位置の変位を認識されにくくすることができる。よって、第1部材および第2部材の対向間の間隔が遊技者に把握されることを抑制できる。その結果、遊技者が、第1部材および第2部材の対向間の間隔から不利と判断して、その遊技機で遊技を行わなくなることを抑制できるので、遊技機の稼働率を向上できる。
遊技機L2において、前記遊技盤は、前記第1部材に対応する位置に開口する第1開口部を備え、前記遊技盤の背面側から前記第1開口部を挿通する締結部材を前記第1部材に締結することで、前記第1部材が前記遊技盤に配設されることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、遊技盤は、第1部材に対応する位置に開口する第1開口部を備え、遊技盤の背面側から第1開口部を挿通する締結部材を第1部材に締結することで、第1部材が遊技盤に配設されるので、第1部材を締結する締結部分を遊技盤の正面側に形成する必要がなくなり、その分、正面視における第1部材の外形を小さくすることができる。よって、遊技盤の正面に他の部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
また、締結部材は、遊技盤の背面側から締結されるので、流下方向変更手段および遊技盤が組み上げられた状態において、遊技盤の正面側から締結部材へのアクセスを困難にすることができる。その結果、締結部材が不正に操作されて、第1部材の位置が不正に変更されることを抑制できる。
遊技機L3において、前記第1部材は、前記遊技盤側に突出して、前記第1開口部に挿入される突出部を備え、前記突出部の先端に前記締結部材が締結されることで、前記第1部材が前記遊技盤に配設されることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、第1部材は、遊技盤側に突出して、第1開口部に挿入される突出部を備え、突出部の先端に締結部材が締結されることで、第1部材が遊技盤に配設されるので、締結部材の締結部分を第1開口部の内側に収容することができる。よって、第1部材の正面側に締結部材との締結部分が張り出すことを抑制できるので、第1部材と第2部材との対向間の空間を確保することができる。
遊技機L4において、前記第1部材は、前記調整手段により、前記遊技盤の正面と平行な平面上をスライド変位可能とされ、前記第1開口部は、前記突出部の変位領域と同一の大きさに開口されることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L4の奏する効果に加え、第1開口部は、突出部の変位領域と同一に大きさに開口されるので、第1部材の位置を変位させる際に、突出部を第1開口部に沿って変位させることができる。よって、第1部材の位置を変位させる際に、第1部材が、変位方向(調整手段により変位される方向)以外の方向に変位されることを抑制できる。その結果、作業者が第1部材の位置を調整する際の作業を簡易にできる。
遊技機L3からL5のいずれかにおいて、前記遊技盤は、前記第1開口部と異なる位置に開口する第2開口部を備えることを特徴外する遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L3からL5のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤は、第1開口部と異なる位置に開口する第2開口部を備えるので、第2開口を介して遊技盤の背面側に締結された締結部材を操作することができる。その結果、作業者が調整手段を操作する際の作業工程を簡易にすることができる。
即ち、遊技盤の背面側には、役物装置やその役物装置を収容するケース部材が配設されるため、締結部材を遊技盤の背面側から操作する場合には、役物装置やその役物装置を収容するケース部材を遊技盤から取り外す必要があるところ、かかる第2開口部により、遊技盤の正面側から締結部材を操作することができるので、作業者が遊技盤の背面側に配設される役物装置やその役物装置を収容するケース部材を取り外す必要がなくなるので、作業者の作業工程を簡易にすることができる。
遊技機L1において、前記調整手段により、前記第1部材に対して前記第2部材の位置が、正面視における前後方向に変更されることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、第1部材に対して第2部材の位置が、正面視における前後方向に変更されるので、第1部材に対して第2部材の位置が正面視おける左右または上下方向に変更される場合に比べて、正面視における第2部材の位置が変更されることを抑制できる。よって、正面視おける第2部材の位置の変更により遊技者が有利または不利と判断することを抑制できる。その結果、遊技機の稼働率を向上できる。
遊技機L2からL7のいずれかにおいて、前記第2部材は、非光透過の材料から形成され、正面視における外形が前記第1部材よりも大きく形成され、前記第1部材は、正面視において前記第2部材に覆設されることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L2からL7のいずれかの奏する効果に加え、第2部材は、非光透過の材料から形成され、正面視における外形が第1部材よりも大きく形成され、第1部材は、正面視において第2部材に覆設されるので、正面視において第1部材を第2部材で隠すことができ、遊技者から第1部材を認識しにくくすることができる。その結果、第1部材および第2部材の対向間の間隔が遊技者に把握されることを抑制でき、遊技機の稼働率を向上できる。
遊技機L1からL8のいずれかにおいて、前記第2部材は、非光透過の材料から形成され、前記第1部材または第2部材の少なくとも一方は、前記第1部材または第2部材の他方に突出する突設部を備えることを特徴とする遊技機L9。
遊技機L9によれば、遊技機L1からL8のいずれかの奏する効果に加え、第2部材は、非光透過の材料から形成され、第1部材または第2部材の少なくとも一方は、第1部材または第2部材の他方に突出する突設部を備えるので、第1部材および第2部材の対向間に送球された遊技球を突設部に当接させて、その送球方向を変更することができる。よって、第1部材および第2部材の対向間の間隔を認識することで、遊技者が有利または不利と判断することを抑制できる。その結果、遊技機の稼働率を向上できる。
遊技機L1からL9のいずれかにおいて、前記調整手段は、前記第1部材または第2部材の一方に対して、前記第1部材または第2部材の他方の位置を段階的に調整可能な段階調整手段を備えることを特徴とする遊技機L10。
遊技機L10によれば、遊技機L1からL9のいずれかの奏する効果に加え、調整手段は、第1部材または第2部材の一方に対して、第1部材または第2部材の他方の位置を段階的に調整可能な段階調整手段を備えるので、第1部材または第2部材の位置を変更する作業者は、その位置の変更を段階的に調整することができる。その結果、第1部材または第2部材の調整位置に誤差が生じることを抑制できる。よって、第1部材または第2部材の位置調整を簡易にすることができる。
なお、第1部材および第2部材の位置を段階的に調整する手段としては、第1部材または第2部材の一方に凹設される複数の溝に対して、第1部材または第2部材に突設される凸部の挿入位置を変更することで、第1部材または第2部材の位置を変更する形態や、第1部材または遊技盤の一方に凹設される複数の溝に、第1部材または遊技盤の他方に突設される凸部の挿入位置を変更することで、第1部材の位置を変更する形態が例示される。
<特別入賞装置550を一例とする発明の概念について>
遊技球が流下される遊技領域と、その遊技領域を流下する遊技球の送球を案内する案内経路を複数有し、前記遊技領域に配設される経路ユニットと、を備える遊技機において、前記経路ユニットは、光を透過可能な材料から形成されて前記遊技領域の正面側に配設される第1の案内経路と、その第1の案内経路の背面側に配設される第2の案内経路と、を備え、前記第1の案内経路は、遊技球を入球可能な第1の入賞口を備え、前記第2の案内経路は、遊技球を入球可能な第2の入賞口を備え、前記第1の入賞口に入球する遊技球に、前記第2の入賞口に入球する遊技球よりも高い遊技価値が付与されることを特徴とする遊技機M1。
従来より、遊技球を流下させる複数の案内経路を備える経路ユニットを遊技領域に配設して、そのユニット内部を流下する遊技球を遊技者に視認させて遊技者の興趣を向上させる遊技機がある(例えば、特開2015−131046号公報)。
しかしながら、従来の遊技機では、案内経路を流下する遊技球を遊技者に視認させて遊技者の興趣を向上するため、それぞれの案内経路の取り回しが複雑に形成される傾向があった。その為、それぞれの案内経路のうちのどの経路を遊技球が流下しているのか遊技者に判断させにくくなる。よって、案内経路を流下する遊技球の遊技価値が異なる場合に、有利(高い遊技価値が付与される)または不利(低い遊技価値が付与される)な経路を通過しているか、を遊技者が判断しにくくなり、経路ユニットを流下する遊技球により遊技者の興趣を十分に向上することができないという問題点があった。
これに対し、遊技機M1によれば、経路ユニットは、光を透過可能な材料から形成されて遊技領域の正面側に配設される第1の案内経路と、その第1の案内経路の背面側に配設される第2の案内経路と、を備え、第1の案内経路は、遊技球を入球可能な第1の入賞口を備え、第2の案内経路は、遊技球を入球可能な第2の入賞口を備え、第1の入賞口に入球する遊技球に、第2の入賞口に入球する遊技球よりも高い遊技価値が付与されるので、第1の案内経路を流下する遊技球を遊技者に注視させやすくすることができる。また、第1および第2の案内経路に同じタイミングで遊技球が流下された場合には、遊技価値の低い第2の入賞口を備える第2の案内経路が第1の案内経路の背面側に形成されるので、遊技価値の高い第1の入賞口を備える第1の案内経路を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。その結果、高い遊技価値が付与される遊技球を遊技者に視認させることができるので、遊技者の興趣を向上させやすくできる。
なお、所定の遊技価値とは、例えば、遊技球が第1又は第2の入賞口に入球されることで、その特典として遊技者に払い出される遊技球を意味する。
遊技機M1において、前記第1の案内経路は、正面視において水平方向の一側に遊技球を送球する第1経路と、その第1経路から送球された遊技球を前記第1経路の遊技球の案内方向と反対側の水平方向の他側に遊技球を送球する第2経路と、前記第1経路および第2経路の一側同士を重力方向に連結する連結経路と、を備え、前記連結経路は、前記遊技領域の背面側に向かって半円弧形状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、前記第1の案内経路は、正面視において水平方向の一側に遊技球を送球する第1経路と、その第1経路から送球された遊技球を前記第1経路の遊技球の案内方向と反対側の水平方向の他側に遊技球を送球する第2経路と、前記第1経路および第2経路の一側同士を重力方向に連結する連結経路と、を備え、前記連結経路は、前記遊技領域の背面側に向かって半円弧形状に湾曲して形成されるので、第1経路と第2経路とが最短距離で直接連結される場合よりも、送球経路の曲がり部分を多くすることができる。これにより、遊技球の流下速度を曲がり部分で段階的に遅くすることができ、連結経路の内壁に遊技球が衝突して連結経路内で揺れ動く(ぶれる)ことを抑制できる。その結果、遊技球を第1経路から第2経路にスムーズに流入させることができるので、第1経路から第2経路への遊技球の送球を遊技者に視認させやすくできる。
また、遊技球が連結経路の内壁と衝突して揺れ動く(ぶれる)ことを防止するために、連結経路の内部空間を第1経路の送球方向に大きくして、連結経路の内壁に遊技球が繰り返し衝突することを抑制することも考えられるが、この場合には、連結経路の内部空間が第1経路の送球方向に大きくされる分、連結経路が正面視における水平方向に突出される。従って、正面視における経路ユニットが水平方向に大きくされるので、経路ユニットを正面視において所定の範囲内に収めることが困難とされる。
これに対して、遊技機M2では、連結経路が背面側に向かって半円弧状に湾曲されるので、正面視における経路ユニットの外形を所定の範囲内に収めることができる。よって、第1の案内経路を流下する遊技球を遊技者が視認する場合に、遊技者が視認する範囲を所定の範囲内(経路ユニットの外形)に収めることができる。その結果、経路ユニットを流下する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
遊技機M2において、前記経路ユニットは、正面視において前記遊技領域の水平方向の他側に配設され、前記連結経路は、正面視において前記経路ユニットの水平方向の一側に形成されることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、経路ユニットは、正面視において遊技領域の水平方向の他側に配設され、連結経路は、正面視において経路ユニットの水平方向の一側に形成されるので、連結経路を遊技盤の正面に位置する遊技者に近い位置に形成できる。よって、連結経路を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。その結果、遊技球が連結経路により背面側に送球されたとしても、連結経路を通過する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
遊技機M2又はM3において、前記第1の入賞口は、正面視において前記第1経路および第2経路の間に配設されることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M2又はM3の奏する効果に加え、前記第1の入賞口は、正面視において第1経路および第2経路の間に配設されるので、第1経路と第2経路とを形成したデッドスペースを利用して、第1の入賞口を第1の案内経路に形成できる。これにより、正面視における経路ユニットの外形が大きくなることを抑制できる。その結果、遊技者が経路ユニットを視認する範囲を小さくすることができる。その結果、遊技者に経路ユニットを流下する遊技球を視認させやすくすることができる。
遊技機M2から遊技機M4のいずれかにおいて、前記連結経路は、前記第1経路および第2経路との連結部分の2箇所に遊技球を入球可能な第3の入賞口と、それら第3の入賞口を閉鎖または開放する位置に変位可能な変位部材と、を備え、前記第3の入賞口に入球される遊技球に、前記第1の入賞口に入球する遊技球と同一の遊技価値が付与されることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M2からM4の奏する効果に加え、連結経路は、第1経路および第2経路との連結部分の2箇所に遊技球を入球可能な第3の入賞口と、それら第3の入賞口を閉鎖または開放する位置に変位可能な変位部材と、を備え、第3の入賞口に入球される遊技球に、第1の入賞口に入球する遊技球と同一の遊技価値が付与されるので、第1経路から連結経路に送球される遊技球を2箇所の第3の入賞口のうちのどちらかに入球させやすくすることができ、連結経路を流下する遊技球により遊技者に興趣を与えやすくできる。
即ち、連結経路および第1経路の連結部分に形成される上流側の第3の入賞口と、連結経路および第2経路の連結部分に形成される下流側の第3の入賞口と、の間に連結経路を配設することができるので、変位部材が第3の入賞口を閉鎖または解放する位置に所定のタイミングで繰り返し動作される場合に、第3の入賞口が変位部材により閉鎖された際に第1経路から連結経路に送球された遊技球を、背面側に湾曲する連結経路を流下させることで第3の入賞口が解放されるまでの時間を確保して、下流側の第3の入賞口に流入させることができる。その結果、連結経路に送球される遊技球を第3の入賞口に流入させやすくできるので、連結経路を流下する遊技球により遊技者に興趣を与えやすくできる。
また、2箇所の第3の入賞口は、それぞれ連結経路の上流側と下流側の端部(第1経路と第2経路との連結部分)に形成されるので、第3の入賞口に入球可能な時間を長くすることができる。よって、遊技者に興趣を与える時間を長くすることができ、遊技者の興趣を高めやすくできる。
遊技機M2からM5のいずれかにおいて、前記連結経路の外側に、遊技球の通過を検出する検出手段が配設されることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M2から遊技機M5のいずれかの奏する効果に加え、連結経路に、遊技球の通過を検出する検出手段が配設されるので、遊技球が連結経路で詰まった場合に、検出手段の検出が継続されることで、遊技機にエラーを検知させることができる。また、検出手段は、連結経路の外側に配設されるので、連結経路内に、検出手段が配設される場合に比べて、検出手段に遊技球が引っかかることを抑制でき、その分、遊技球が連結経路で詰まることを抑制できる。
さらに、遊技球の転動が遅くされる連結経路の外側に検出手段が配設されるので、連結経路を通過する遊技球の数を正確に検出しやすくできる。従って、検出手段により検出される球数が第1の入賞口または第3の入賞口に入賞する球数よりも多い場合に、不正が行われていることを遊技機に認識させることができる。その結果、不正が行われていることを警告音や異常点灯等により報知することで、不正が継続されることを抑制できる。
遊技機M6において、前記連結経路は、正面視における内壁の対向間寸法が、遊技球の直径よりも大きく設定され、遊技球の送球方向に対して直交する方向の前記第1経路の内壁の対向間寸法よりも小さく設定されることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M6の奏する効果に加え、連結経路は、正面視における内壁の対向間寸法が、遊技球の直径よりも大きく設定され、遊技球の送球方向に対して直交する方向の第1経路の内壁の対向間寸法よりも小さく設定されるので、所定の寸法以上の直径(規定よりも大きい直径)の遊技球が送球される場合に、その遊技球を連結経路に留まらせる(詰まらせる)ことができる。その結果、規定よりも大きい直径の遊技球が経路ユニットを流下することを抑制できる。
また、連結経路に、遊技球の通過を検出する検出手段が配設されるので、規定よりも大きい直径の遊技球が、連結経路に留まった(詰まった)場合に、検出手段により、遊技機にエラーを検知させることができる。
遊技機M6又はM7において、前記連結経路は、背面側に向かって半円弧状に湾曲する経路の径方向外側の側壁に、遊技球の直径よりも小さい所定の値で開口する開口部が形成されることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M8によれば、遊技機M6又はM7の奏する効果に加え、連結経路は、背面側に向かって半円弧状に湾曲する経路の径方向外側の側壁に、遊技球の直径よりも小さい所定の値で開口する開口部が形成されるので、所定の寸法以下の直径(規定よりも小さい直径)の遊技球が送球される場合に、その遊技球を開口部の開口から連結経路の外側に排出することができる。その結果、規定よりも小さい直径の遊技球が経路ユニットを流下することを抑制できる。
なお、開口部は、連結経路を流下する遊技球の転動面となる連結経路の径方向外側の側壁に形成されるので、連結経路を流下する遊技球が規定よりも小さい直径の場合にその遊技球を排出しやすくできる。
遊技機M8において、前記連結経路の径方向外側から突設されて前記開口部と連通する箱状に形成される収容部を備え、前記収容部は、遊技球を収容可能な大きさに設定され、前記検出手段の検出範囲に形成されることを特徴とする遊技機M9。
遊技機M9によれば、遊技機M8の奏する効果に加え、連結経路の径方向外側から突設されて開口部と連通する箱状に形成される収容部を備え、収容部は、内側に遊技球を収容可能な大きさに形成され、検出手段の検出範囲に形成されるので、開口部の開口から連結経路の外側に排出された所定の寸法以下の直径(規定よりも小さい直径)の遊技球を、収容部の内側に貯留することができる。また、収容部は、検出手段の検出範囲に形成されるので、収容部の内側に貯留された遊技球を検出手段により検出することができる。その結果、収容部の内側に遊技球が貯留された場合に、検出手段により、遊技機にエラーを検知させることができる。
遊技機M1から遊技機M9のいずれかにおいて、前記第1の案内経路の遊技球の流入口と、前記第2の案内経路の遊技球の流入口とが、正面視における水平方向に隣り合う位置に形成されることを特徴とする遊技機M10。
遊技機M10によれば、遊技機M1から遊技機M9のいずれかの奏する効果に加え、第1の案内経路の遊技球の流入口と、第2の案内経路の遊技球の流入口とが、正面視における水平方向に隣り合う位置に形成されるので、遊技盤の遊技領域を流下する遊技球が第1の案内経路または第2の案内経路のどちらに流入するのかを流入する直前まで遊技者に把握されにくくすることができる。その結果、遊技領域を流下して経路ユニットに送球される遊技球を遊技者に注視させやすくできる。その結果、遊技者に興趣を与えやすくできる。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
正面側に遊技領域を有するベース部材と、そのベース部材の正面側に配設され、前記遊技領域を流下する遊技球を送球可能な空間として形成される送球経路を有する第1部材と、を備える遊技機において、前記第1部材は、前記ベース部材の背面側から締結される固定手段により、前記ベース部材に対し背面側に付勢された状態で前記ベース部材に配設されることを特徴とする遊技機N1。
従来より、正面側に遊技領域を有するベース部材と、そのベース部材の正面側に配設され、遊技領域を流下する遊技球を送球可能な空間として形成される送球経路を有する第1部材と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015−131046号公報)。この遊技機によれば、第1部材は、ベース部材の正面と平行な平面上に延設される延設部をベース部材側の側面(ベース部材と当接部分)に備え、その延設部に穿設される開口に挿通されたネジをベース部材に螺合することで、ベース部材の正面に密着した状態で配設される。
しかしながら、従来の遊技機では、ベース部材の正面に密着した状態で第1部材を配設するために、第1部材の正面側から挿通したネジをベース部材に締結させることが必須であり、ネジを挿通するための開口を第1部材に形成する必要がある。ここで、開口を遊技球の送球の邪魔にならない位置に形成するには、遊技球の送球空間の外側に開口を形成する必要があり、開口が形成される延設部を送球空間の外側に形成する必要がある。そのため、第1部材の外縁に延設部が形成される分、第1部材の外形に対して、送球経路として利用できる領域が小さくなり、第1部材の送球経路を十分に大きくすることができないという問題点があった。
これに対し、遊技機N1によれば、第1部材は、ベース部材の背面側から締結される固定手段により、ベース部材に対し背面側に付勢された状態でベース部材に配設されるので、第1部材に作用する背面側への付勢力により、第1部材とベース部材とを密着した状態で配設することができる。また、第1部材は、ベース部材の背面側から挿通される固定手段によりベース部材に配設されるので、第1部材の正面側にベース部材との締結代(固定手段が挿通される開口が形成される延設部)を形成する必要がなくなる。よって、正面視における第1部材の外形に対して、全域を送球経路として利用できる。その結果、第1部材の送球経路を大きくすることができる。
また、ベース部材と第1部材との締結部分が、正面側に露出されないので、不正によりベース部材と第1部材との締結部分が外されることを抑制できると共に、締結部分が遊技者に視認されることで遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
遊技機N1において、前記ベース部材を介して前記第1部材の背面側に配設される第2部材を備え、前記第2部材は、その第2部材の背面側から前記第1部材側に挿通されて前記第1部材に固定される前記固定手段により前記第1部材に固定され、前記第1部材と所定の隙間を有した状態で前記ベース部材に配設されることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、ベース部材を介して第1部材の背面側に配設される第2部材を備え、第2部材は、その第2部材の背面側から第1部材側に挿通されて第1部材に固定される固定手段により第1部材に固定され、第1部材と所定の隙間を有した状態でベース部材に配設されるので、第1部材と第2部材とを締結する際に、その所定の隙間の分、第1部材に背面側に付勢される力を作用させることができる。また、第2部材には、正面側に付勢される力を作用させることができるので、ベース部材を第1部材と第2部材とで挟持することができる。従って、第1部材と第2部材との挟持する力により、第1部材と第2部材とがベース部材から位置ずれしにくくなるので、第1部材または第2部材をベース部材に締結する必要がなくなり、その分、第2部材の締結を簡易にできる。
なお、第1部材と第2部材との所定の隙間は、0よりも大きい値であって、正面視におけるベース部材の前後方向の幅寸法よりも小さい値に設定される。これにより、第1部材と第2部材とを締結した場合に、その隙間により第1部材と第2部材との両者に互いに引き合う力を作用させることができる。
遊技機N1またはN2において、前記ベース部材は、前記第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、前記第1部材は、前記第1開口部の内側に突出する突出部を備え、その突出部の先端に前記固定手段が締結されることで、前記第1部材が前記ベース部材に配設されることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1またはN2の奏する効果に加え、ベース部材は、第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、第1部材は、第1開口部の内側に突出する突出部を備え、その突出部の先端に固定手段が締結されることで、第1部材がベース部材に配設されるので、固定手段の締結部分を第1開口部の内側に配置できる。これにより、固定手段の締結部分が、ベース部材の正面側に配置されることを抑制でき、固定手段の締結部分が第1部材の送球空間に形成されることを抑制できる。その結果、第1部材の送球空間の大きさを確保することができる。
また、突出部により固定手段の締結代(挿入深さ)を確保することができるので、固定手段の締結が第1部材から外れることを抑制できる。その結果、第1部材に作用する背面側への付勢力を大きくしやすくできる。
遊技機N1において、前記ベース部材を介して前記第1部材の背面側に配設される第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との対向間に配設される第3部材と、を備え、前記ベース部材は、前記第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、前記第3部材は、正面視における前後方向の寸法が前記ベース部材の正面視における前後方向の寸法よりも小さく設定され、前記第1開口部の内側に配設され、前記第1部材は、前記第3部材の正面側に密着した状態で配設され、前記第2部材は、前記ベース部材の背面側から挿通される前記固定手段により前記第3部材と所定の隙間を有した状態で前記第3部材の背面側に締結されることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、ベース部材を介して第1部材の背面側に配設される第2部材と、第1部材と第2部材との対向間に配設される第3部材と、を備え、ベース部材は、第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、第3部材は、正面視における前後方向の寸法がベース部材の正面視における前後方向の寸法よりも小さく設定され、第1開口部の内側に配設され、第1部材は、第3部材の正面側に密着した状態で配設され、第2部材は、ベース部材の背面側から挿通される固定手段により第3部材と所定の隙間を有した状態で第3部材の背面側に締結されるので、第1部材に第3部材を介して背面側への付勢力を作用させることができる。よって、第2部材と第3部材とを固定手段で締結する際に作用する背面側への付勢力を、第3部材にも作用させることができる。その結果、第1部材のベース部材との当接部分に作用する付勢力を小さくすることができ、第1部材が破損することを抑制できる。
また、第1部材の背面側に第3部材が密着することで、第1部材全体の剛性を高めることができる。よって、第1部材に作用する背面側への付勢力により、第1部材の全体が弾性変形して、第1部材に形成される遊技球の送球経路が変形することを抑制できる。その結果、第1部材の遊技球を送球を安定できる。
遊技機N4において、前記第3部材は、前記ベース部材に開口形成される前記第2開口部に沿って前記ベース部材の正面側に配設される枠状部材の一部であることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N4の奏する効果に加え、第3部材は、ベース部材に開口される第2開口部に沿ってベース部材の正面側に配設される枠状部材の一部であるので、第3部材に作用する付勢力を枠状部材を背面側に付勢する力として利用できる。従って、枠状部材をベース部材に密着した状態で配設しやすくできる。
また、第2部材と第3部材とを固定手段で締結する際に作用する背面側への付勢力を、枠状部材とベース部材との当接面に作用させることができるので、第1部材のベース部材との当接部分に作用する力を小さくすることができ、第1部材が破損することを抑制できる。
遊技機N4またはN5において、前記第1部材は、その第1部材の遊技球の送球空間を変位可能な変位部材と、前記第1部材の背面側に配設され、前記変位部材を駆動する駆動手段と、を備え、前記第3部材は、前記駆動手段を挿入可能な大きさに開口される第3開口部を備え、その第3開口部の内側に前記駆動手段を挿入した状態で前記第1部材の背面側に配設されることを特徴とする遊技機。
遊技機N6によれば、遊技機N4またはN5の奏する効果に加え、第1部材は、その第1部材の遊技球の送球空間を変位可能な変位部材と、第1部材の背面側に配設され、変位部材を駆動する駆動手段と、を備え、第3部材は、駆動手段を挿入可能な大きさに開口される第3開口部を備え、その第3開口部の内側に駆動手段を挿入した状態で第1部材の背面側に配設されるので、駆動手段を第3部材で覆うことができる。これにより、遊技機の外側から挿入される針金やピアノ線等の不正物が駆動手段にアクセスされることを抑制できる。その結果、駆動手段に不正がされることを抑制できる。
遊技機N6において、前記第2部材は、前記第1部材側に突出され、前記第1部材の送球空間と連通して前記第1部材の送球空間に送球された遊技球を前記第2部材に送球可能な連通部を備え、前記連通部は、前記第3開口部の外側に配設されることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N6の奏する効果に加え、第2部材は、第1部材側に突出され、第1部材の送球空間と連通して第1部材の送球空間に送球された遊技球を第2部材に送球可能な連通部を備え、連通部は、第3開口部の外側に配設されることので、連通部と駆動手段との間に第3部材を配設することができる。よって、駆動手段の駆動により発生する磁力が連通部に作用しにくくすることができる。その結果、連通部に送球された遊技球が、駆動手段の磁力の影響を受けて連通部を通過する速度が遅くなる、又は、連通部で停止することを抑制でき、第1部材から第2部材への遊技球の送球を安定させることができる。
遊技機N1において、前記ベース部材は、前記第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、前記第1部材は、その第1部材の背面側の少なくとも2箇所から突出する突出部を備え、前記突出部は、前記第1部材の背面から突出して前記第1開口部を挿通する第1片と、その第1片の端部で屈曲して前記第1開口部の外側に向かって延設される第2片と、正面視において前記ベース部材と重なる前記第2片の正面側に隆起する隆起部と、を備え、前記第1片は、前記ベース部材の正面視における前後方向の幅寸法よりも大きい値の突出寸法に設定され、前記隆起部は、前記第1部材の背面との対向間における寸法が、前記ベース部材の正面視における前後方向の幅寸法と同一または小さく設定され、前記第2片の屈曲先端が、前記固定手段により前記ベース部材に締結されることで、前記第1部材が前記ベース部材に対して背面側に付勢された状態で配設されることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、ベース部材は、第1部材と対向する位置に開口形成される第1開口部を備え、第1部材は、その第1部材の背面側の少なくとも2箇所から突出する突出部を備え、突出部は、第1部材の背面から突出して第1開口部を挿通する第1片と、その第1片の端部で屈曲して第1開口部の外側に向かって延設される第2片と、正面視においてベース部材と重なる第2片の正面側に隆起する隆起部と、を備え、第1片は、ベース部材の正面視における前後方向の幅寸法よりも大きい値の突出寸法に設定され、隆起部は、第1部材の背面との対向間における寸法が、ベース部材の正面視における前後方向の幅寸法と同一または小さく設定され、第2片の屈曲先端が、固定手段によりベース部材に締結されることで、第1部材がベース部材に対して背面側に付勢された状態で配設されるので、第1部材の背面側に固定手段(例えばネジ)を締結する部分を備える必要がなくなり、第1部材に形成される遊技球の送球空間を確保することができる。その結果、送球空間を大きくすることができるので、第1部材に送球される遊技球の送球方向に変化をつけて、その送球に興趣をもたせやすくできる。
また、固定手段の螺合部分をベース部材にできるので、その固定手段の螺合部分に付勢力が作用することで、第1部材の送球空間が弾性変形することを抑制できる。その結果、第1部材が弾性変形して、第1部材の送球経路から送球される遊技球の速度が遅くなることを抑制できる。
遊技機N8において、前記ベース部材は、正面視において前後方向に開口形成される第2開口部と、その第2開口部に沿って前記ベース部材の正面側に配設される枠状部材とを備え、前記第1開口部と前記第2開口部とが連通することを特徴とする遊技機N9。
遊技機N9によれば、遊技機N8の奏する効果に加え、ベース部材は、正面視において前後方向に開口形成される第2開口部と、その第2開口部に沿ってベース部材の正面側に配設される枠状部材とを備え、第1開口部と第2開口部とが連通するので、前記突設部を前記第2開口部の開口を利用して第1開口部の内側に配設することができる。よって、第1ユニットのベース部材への配設作業を簡易にすることができるので、製造コストを削減できる。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に連結され、前記変位部材の変位に従動する従動部材と、を備える遊技機において、前記従動部材の従動方向以外の方向の揺動を規制する規制手段を備え、前記変位部材は、第1位置と第2位置との間で変位され、前記第1位置から前記第1位置および前記第2位置の中間位置の第3位置を変位する第1変位領域と、前記第3位置から前記第2位置を変位する第2変位領域と、を有し、前記従動部材は、前記変位部材が前記第1位置から前記第2位置に変位されることで、第1従動位置から第2従動位置に従動され、第1従動位置から前記第1従動位置および前記第2従動位置との中間位置の第3従動位置を変位する第1従動領域と、前記第3従動位置から前記第2従動位置を変位する第2従動領域と、を有し、前記第2変位領域と前記第1従動領域との少なくとも一部が同一の領域に設定され、前記変位部材が第2変位領域を変位される際に、前記規制手段により前記変位部材の変位方向以外の方向の揺動が規制されることを特徴とする遊技機O1。
従来より、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に連結され、前記変位部材の変位に従動する従動部材と、を備え、変位部材の変位により従動部材を変位させる遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849号公報)。しかしながら、従来の遊技機では、変位部材および従動部材の変位および従動方向以外の揺動を規制するために、変位部材および従動部材の両者の揺動を規制する規制手段を形成すると、規制手段を2箇所に形成する必要があり、その分、形状が複雑となり、製造コストが増加するという問題点があった。
これに対し、遊技機O1では、変位部材は、従動部材の従動方向以外の方向の揺動を規制する規制手段を備え、変位部材は、第1位置と第2位置との間で変位され、第1位置から第1位置および第2位置の中間位置の第3位置を変位する第1変位領域と、第3位置から第2位置を変位する第2変位領域と、を有し、従動部材は、変位部材が第1位置から第2位置に変位されることで、第1従動位置から第2従動位置に従動され、第1従動位置から第1従動位置および第2従動位置との中間位置の第3従動位置を変位する第1従動領域と、第3従動位置から第2従動位置を変位する第2従動領域と、を有し、第2変位領域と第1従動領域との少なくとも一部が同一の領域に設定され、変位部材が第2変位領域を変位される際に、規制手段により変位部材の変位方向以外の方向の揺動が規制されるので、規制手段の同一の部分を利用して従動部材および変位部材の揺動を規制することができる。従って、規制手段を1箇所に形成すれば良いので、その分、形状を簡易にでき、製造コストを抑えることができる。
また、従動部材および変位部材の揺動を規制手段の同一の部分を利用して規制することができるので、1の規制手段に従動部材と変位部材と規制部分をそれぞれ形成する必要がないので、その分、規制手段を小さくすることができる。
遊技機O1において、前記規制手段は、前記ベース部材から前記従動部材側に突設される壁部として構成され、前記従動部材は、正面視において前記ベース部材の少なくとも一部と重なる位置で前記ベース部材と平行な平面上をスライド変位可能とされ、前記第1従動位置から前記第2従動位置への従動に伴って、正面視において前記ベース部材と重なる領域が次第に小さくされることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、前記規制手段は、ベース部材から従動部材側に突設される壁部として構成され、従動部材は、正面視においてベース部材の少なくとも一部と重なる位置でベース部材と平行な平面上をスライド変位可能とされ、第1従動位置から第2従動位置への従動に伴って、正面視においてベース部材と重なる領域が次第に小さくされるので、第2従動位置では、正面視において従動部材がベース部材の外側に張り出す領域が第1従動位置に比べて大きくされる。よって、従動部材は、ベース部材の外側に張り出す分、ベース部材に配設される規制手段で揺動を規制することが困難とされる。従って、従動部材は、第1従動位置から第2従動位置に従動されるほどベース部材側に揺動しやすくなるところ、従動部材に連結する変位部材の揺動を規制することで、規制手段による規制箇所を増加して、従動部材が揺動しにくくすることができる。その結果、従動部材が第2従動領域に配置される場合に揺動することを抑制できる。
遊技機O2において、前記従動部材は、正面視において一辺が長い矩形状に形成され、長手方向の一側に回転可能な回転軸を有し、前記ベース部材に回転可能に配設され、前記第1従動位置では、前記従動部材の長手方向が水平方向と略平行とされ、前記第1従動位置から前記第2従動位置に従動されると、前記従動部材が前記回転軸を中心に回転して、前記従動部材の他側が前記回転軸よりも重力方向上側に配置されることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、従動部材は、正面視において一辺が長い矩形状に形成され、長手方向の一側に回転可能な回転軸を有し、ベース部材に回転可能に配設され、第1従動位置では、従動部材の長手方向が水平方向と略平行とされ、第1従動位置から第2従動位置に従動されると、従動部材が回転軸を中心に回転して、従動部材の他側が回転軸よりも重力方向上側に配置されるので、従動部材は、第1従動位置から第2従動位置に従動すると回転して長手側が起立する。従って、従動部材が起立する分、従動部材の荷重が回転軸に向かって作用しやすくなり、従動部材が荷重が従動部材の揺動方向に作用して、従動部材が揺動しやすくなる。
これに対して、本実施形態では、従動部材に連結する変位部材の揺動を規制することで、規制手段による規制箇所を増加して、従動部材が揺動しにくくすることができる。その結果、従動部材が第2従動領域に配置される場合に揺動することを抑制できる。
また、従動部材の他端側を持ち上げる力が必要になる第1従動領域を従動部材が従動する場合には、変位部材の規制が解除される第1位置から第3位置(第1変位領域)を変位させる必要があるところ、かかる変位部材は、第1変位領域では規制手段により規制が解除されるので、変位部材の動作が規制手段により遅くされることを抑制できる。従って、従動部材の変位力が必要な場合でに、従動部材の変位力を確保することができる。
遊技機O2又はO3において、前記従動部材は、前記壁部に対向する位置に突設される突設部を備え、その突設部の先端が前記壁部に当接されて前記従動部材の変位が規制され、前記変位部材は、前記第2変位領域において前記従動部材と前記壁部との対向間の空間を変位可能に設定され、前記従動部材と前記壁部との対向方向において前記変位部材の少なくとも一部が前記従動部材と重なることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、従動部材は、壁部に対向する位置に突設される突設部を備え、その突設部の先端が壁部に当接されて従動部材の変位が規制され、変位部材は、終端の変位領域において従動部材と壁部との対向間の空間を変位可能に設定され、従動部材と壁部との対向方向において変位部材の少なくとも一部が従動部材と重なるので、変位部材が、壁部と反対側に傾倒することを抑制できる。その結果、従動部材および壁部とで、変位部材の軸両方向の変位を規制することができ、変位部材が変位する場合に、揺動することを抑制できる。
遊技機O4において、前記第2従動位置において前記変位部材の側面が、前記従動部材の前記突設部と当接されることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、第2従動位置において変位部材の側面が従動部材の突設部に当接されるので、変位部材を第1従動位置から第2従動位置に変位させた際に、外縁を変位部材の突設部に当接させて停止させることができる。よって、突設部に壁部に当接して従動部材の変位を規制する役割と、変位部材の停止動作を補助する役割とを兼用させることができる。従って、変位部材および従動部材の変位可能なスペースを確保することができる。
遊技機O5において、前記従動部材は、前記ベース部材に一端が軸支され、前記変位部材が前記第2従動位置に配置される場合に、前記従動部材の前記変位部材との連結部分の変位方向が、前記変位部材の軸心に向かう方向に設定されることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O5の奏する効果に加え、従動部材はベース部材に一端が軸支され、変位部材が第2従動位置に配置される場合に、従動部材の変位部材との連結部分の変位方向が、変位部材の軸心に向かう方向に設定されるので、従動部材の荷重が変位部材に作用した場合に、変位部材が従動部材の荷重により変位することを抑制できる。即ち、変位部材が第2従動位置に配置される場合には、従動部材と変位部材との関係を死点の関係にすることができるので、変位部材が変位することを抑制できる。その結果、第2従動位置において変位部材が駆動手段以外の外力で変位することを抑制できる。
遊技機O5において、前記従動部材は、前記ベース部に一端が軸支され、前記変位部材が第2従動位置に配置される場合に、前記従動部材の前記変位部材との連結部分の変位方向と、前記突設部および変位部材の当接による反力の作用する方向と、を合成した方向が、前記変位部材の軸心に向かう方向に設定されることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O5の奏する効果に加え、従動部材は、ベース部材に一端が軸支され、変位部材が第2従動位置に配置される場合に、従動部材の変位部材との連結部分の変位方向と、突設部および変位部材の当接による反力の作用する方向と、を合成した方向が、変位部材の軸心に向かう方向に設定されるので、従動部材の荷重が変位部材に作用した場合に、変位部材が従動部材の荷重により変位することを抑制できる。即ち、変位部材が第2従動位置に配置される場合に、従動部材から変位部材に作用する力の方向を変位部材の軸心に向けることで、変位部材に軸支部分を中心に回転する方向の力が発生することを抑制できる。その結果、第2従動位置において変位部材が駆動手段以外の外力で変位することを抑制できる。
遊技機O1からO7において、前記突設部は、前記壁部と所定の隙間を備えて配設され、前記変位部材が当接することで、前記壁部に当接されることを特徴とする遊技機O8。
ここで、従動部材の突設部と壁部とが常時当接すると、駆動手段により変位部材を変位させる際に抵抗となり、変位部材を安定して変位させることが困難となる恐れがあった。
遊技機O8によれば、突設部は、壁部と所定の隙間を備えて配設され、変位部材が当接することで、壁部に当接されるので、変位部材が第2従動位置に変位された場合に、変位部材が揺れ動くことを防止することができると共に、変位途中で突起と膨出部とが抵抗となることを抑制できる。
<下変位部材440を一例とする発明の概念について>
正面視において少なくとも一部が背面側の光を透過可能な光透過性材料から形成される装飾部材と、その装飾部材の背面側に正面と平行な平面上を変位可能な状態で配設され、遊技球を受け入れて保持可能な受入部と、を備える遊技機において、前記装飾部材の背面側に配設され、前記受入部の変位領域に向けて光を出射可能な発光手段を備え、前記発光手段は、前記受入部の背面側、又は、前記装飾部材と前記受入部との間に配設され、前記受入部または受入部に受け入れられた遊技球により、前記発光手段から出射される光を遮断または反射して、前記装飾部材から出射される光の光量を部分的に異ならせることを特徴とする遊技機P1。
従来より、正面視において少なくとも一部が背面側の光を透過可能な光透過性材料から形成される装飾部材と、その装飾部材の背面側に正面と平行な平面上を変位可能な状態で配設され、遊技球を受け入れて保持可能な受入部と、を備える遊技機が知られている(例えば、特開2010−166997号公報)。この遊技機によれば、受入部に遊技球を受け入れて保持した後に、受入部を移動させることで、受入部の移動に伴って遊技球を移動させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、受入部が、装飾部材の背面側に配設されるので、その分、受入部および受入部に受け入れた遊技球の位置を遊技者が認識し難くなる。そのため、受入部に遊技球が受け入れられた(保持された)後、受入部が移動すると、受入部および受入部に受け入れられた(保持された)遊技球がどの方向に移動したのかを遊技者が把握しにくくなり、受入部に受け入れられた遊技球の位置を遊技者が把握しにくいという問題点があった。
これに対し、遊技機P1では、装飾部材の背面側に配設され、受入部の変位領域に向けて光を出射可能な発光手段を備え、発光手段は、受入部の背面側、又は、装飾部材と受入部との間に配設され、受入部または受入部に受け入れられた遊技球により、発光手段から出射される光を遮断または反射して、装飾部材から出射される光の光量を部分的に異ならせるので、受入部または受入部に受け入れられた遊技球の正面側に位置する装飾部材から出射される光の光量と、その他の位置の装飾部材から出射される光の光量と、を異ならせることで、その光量の異なる部分の背面側に受入部または受入部に受け入れられた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
詳しく説明すると、受入部の背面側に発光手段が配設される場合には、発光手段から出射される光を受入部または受入部に受け入れた遊技球により遮断することで、受入部または受入部に受け入れた遊技球の正面側の装飾部材から出射される光の光量を装飾部材の他の部分よりも暗くすることができる。その結果、装飾部材から出射される光量の少ない(暗い)部分の背面側に受入部または受入部に受け入れた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
一方、装飾部材と受入部との間に発光手段が配設される場合には、発光手段から出射される光を受入部または受入部に受け入れられた遊技球により反射することで、受入部または受入部に受け入れた遊技球の正面側の装飾部材から出射される光の光量を装飾部材の他の部分よりも明るくすることができる。その結果、装飾部材から出射される光量の多い(明るい)部分の背面側に受入部または受入部に受け入れた遊技球が位置することを遊技者に認識させることができる。
遊技機P1において、前記受入部は、その受入部に保持される遊技球の中心よりも重力方向下側に形成され、前記発光手段は、前記受入部に保持される遊技球の中心と略同一の高さに光の出射部分が配置され、前記装飾部材の光透過部分が、前記発光手段の光の出射部分よりも高い位置に形成されることを特徴とする遊技機P2。
ここで、発光手段から照射された光を装飾部材を透過させて、受入部または受入部に受け入れられる遊技球により光を反射または光を遮断する構造では、発光手段から出射される光が遊技球だけでなく、受入部にも照射されることで、受入部により光が反射または遮断されやすくなる。従って、装飾部材から出射される光の光量の違いにより形成される光の明暗が受入部の影響を受けることで、その明暗の形状が遊技球の外形と異なる形状となり、遊技者に光の光量の異なる部分の背面側に遊技球が配置されていることを認識させにくくなる恐れがあった。
これに対し、遊技機P2では、遊技機P1の奏する効果に加え、受入部は、その受入部に保持される遊技球の中心よりも重力方向下側に形成され、発光手段は、受入部に保持される遊技球の中心と略同一の高さに光の出射部分が配置され、装飾部材の光透過部分が、発光手段の光の出射部分よりも高い位置に形成されるので、発光手段から出射されて受入部に遮断または反射されることで形成される光の明暗が、装飾部材の光透過部分を透過して装飾部材の正面側に形成されることを抑制できる。これにより、装飾部材の光透過部分を透過して形成される光の明暗の形状を遊技球の外形(円形状)に近づけることができる。その結果、遊技者に光の光量の異なる部分に遊技球が配置されていることを認識させやすくできる。
遊技機P1又はP2において、前記受入部は、光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1又はP2の奏する効果に加え、受入部は、光透過性材料から形成されるので、発光手段から照射される光が受入部により反射または遮断されることを抑制できる。これにより、受入部に遊技球が受け入れられていない場合に、装飾部材の光透過部分に光の光量の異なる部分が形成されることを抑制できる。従って、遊技球が受入部に受け入れられていない場合に、受入部の位置出し動作や復帰動作を遊技者に気づかれずに行うことができる。その結果、遊技者が受入部の位置出し動作や復帰動作で装飾部材を注視することを抑制して、注視させたい場合の受入部の変位動作にのみ遊技者を注視させることができる。
遊技機P2またはP3において、非光透過性の材料から形成されて前記受入部の変位方向の一方側に連結される連結部材を備え、前記発光手段は、前記受入部の変位領域の背面側に配設され、前記連結部材は、前記受入部の変位距離よりも前記受入部の変位方向における寸法が大きく設定され、前記装飾部材の光透過部分の背面側に配置され、前記受入部の変位に伴って、前記発光手段と前記装飾部材との対向間に張り出し、又は、退避されることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P2又はP3の奏する効果に加え、非光透過性の材料から形成されて受入部の変位方向の一方側に連結される連結部材を備え、発光手段は、受入部の変位領域の背面側に配設され、連結部材は、受入部の変位距離よりも受入部の変位方向における寸法が大きく設定され、装飾部材の光透過部分の背面側に配置され、受入部の変位に伴って、発光手段と装飾部材との対向間に張り出し、又は、退避されるので、受入部の変位に伴なって、装飾部材からの光の出射面積を変更することができる。即ち、連結部材により発光手段から装飾部材に照射される光を遮断することができると共に、その光を遮る面積を受入部の変位に伴って変更することができる。その結果、受入部、連結部材が、発光手段と装飾部材との対向間に張り出し変位されることで、装飾部材から出射される光の出射面積を小さくすることができる。その結果、装飾部材の光の出射面が小さくされるので、受入部または受入部に受け入れられる遊技球により装飾部材から出射される光量の少ない部分を遊技者に認識させやすくできる。
遊技機P4において、前記連結部材は、前記受入部を駆動する駆動手段の一部であることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、連結部材は、受入部を駆動する駆動手段の一部であるので、駆動手段の駆動力を受入部に伝達する役割と、発光手段から出射される光を遮断する役割と、を連結部材に兼用させることができる。その結果、受入部を駆動する駆動手段の配設スペースを確保できる。
遊技機P1からP5において、前記発光手段は、前記受入部の変位領域の背面側に配設され、前記受入部は、その受入部に受け入れられる遊技球より変位可能な変位部材を備え、前記変位部材は、非光透過性材料から形成されると共に、前記発光手段と前記装飾部材との対向間に突出または退避する位置で変位可能とされ、前記受入部に遊技球が受け入れられることで、前記発光手段と前記装飾部材との対向間に突出することを特徴とする遊技機P6。
遊技機P6によれば、遊技機P1からP5のいずれかの奏する効果に加え、発光手段は、受入部の変位領域の背面側に配設され、受入部は、その受入部に受け入れられる遊技球より変位可能な変位部材を備え、変位部材は、非光透過性材料から形成されると共に、発光手段と装飾部材との対向間に突出または退避する位置で変位可能とされ、受入部に遊技球が受け入れられることで、発光手段と装飾部材との対向間に突出するので、受入部に遊技球が保持された場合にのみ、変位部材および遊技球により、発光手段から出射される光を遮断して、装飾部材に形成される影(暗い部分)で遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。よって、遊技球が受入部に受け入れられていない場合に、受入部の位置出し動作や復帰動作を遊技者に気づかれずに行うことができる。その結果、遊技者が間違ったタイミングで装飾部材を注視することを抑制して、遊技者が集中して遊技を行うことができる。
遊技機P1からP5において、前記発光手段は、前記受入部の変位領域の正面側に配設され、前記受入部は、その受入部に受け入れられる遊技球より変位可能な変位部材を備え、前記変位部材は、非光透過性材料から形成されると共に、前記発光手段と前記装飾部材との対向間に突出または退避する位置で変位可能とされ、前記受入部に遊技球が受け入れられることで、前記発光手段と遊技球との対向間に突出することを特徴とする遊技機P7。
遊技機P7によれば、遊技機P1からP5のいずれかの奏する効果に加え、発光手段は、受入部の変位領域の正面側に配設され、受入部は、その受入部に受け入れられる遊技球より変位可能な変位部材を備え、変位部材は、非光透過性材料から形成されると共に、発光手段と装飾部材との対向間に突出または退避する位置で変位可能とされ、受入部に遊技球が受け入れられることで、発光手段と遊技球との対向間に突出するので、受入部に遊技球が保持された場合にのみ、変位部材および遊技球により、発光手段から出射される光を反射して、装飾部材に形成される明るい部分(他よりも光量が大き部分)で遊技球の位置を遊技者に認識させることができる。よって、遊技球が受入部に受け入れられていない場合に、受入部の位置出し動作や復帰動作を遊技者に気づかれずに行うことができる。その結果、遊技者が間違ったタイミングで装飾部材を注視することを抑制して、遊技者が集中して遊技を行うことができる。
なお、この場合、変位部材は、一般的に光の反射率が樹脂材料よりも高い金属材料で形成される、又は、外面に金属の塗装がされることが好ましい。これにより、変位部材に照射される光を反射しやすくでき、装飾部材から出射される光の光量を違いを明確にして、遊技者に遊技球の位置を認識させやすくできる。
遊技機P7において、前記変位部材は、背面側に凹む凹状の湾曲形状に形成されることを特徴とする遊技機P8。
遊技機P8によれば、遊技機P7の奏する効果に加え、変位部材は、背面側に凹む凹状の湾曲形状に形成されるので、発光手段から変位部材に照射された光を装飾部材側に反射した際に、その反射した光が拡散しにくく(光を集光しやすく)することができる。従って、変位部材に反射されて装飾部材から出射される光を集めることで、光の光量を違いを明確にして、遊技者に遊技球の位置を認識させやすくできる。
遊技機P1からP8において、前記装飾部材は、前記発光手段の照射方向に凸状に膨出して形成されることを特徴とする遊技機P9。
遊技機P9によれば、遊技機P1からP8の奏する効果に加え、装飾部材は、発光手段の照射方向に凸状に膨出して形成されるので、装飾部材から透過される発光手段の光を拡散しやすくできる。その結果、受入部に受け入れられる遊技球により形成される光の光量が異なる部分を拡大して遊技者に認識させることができるので、受入部に受け入れられた遊技球の位置を遊技者に認識させやすくできる。
遊技機01からP9において、前記発光手段は、少なくとも2色以上の色を発光可能とされることを特徴とする遊技機P10。
遊技機P10によれば、遊技機P1からP9の奏する効果に加え、発光手段は、少なくとも2色以上の色を発光可能とされるので、発光色により、受入部が配置される位置で期待度を変化させることができる。
例えば、第1の発光色の第1の領域と、第2の発光色の第2の領域とで発光を分けると共に、第1の領域に受入部が配置された方が、大当たりの期待度を高くする。その結果、受入部に保持される遊技球の位置を遊技者に注視させやすくできる。
なお、この場合、第1の領域の範囲と第2の領域の範囲は、発光色を変更するのみで変化させることができるので、発光する範囲を変更することで、演出の形態を複数形成することができ、遊技者に興趣を与えやすくできる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14、D1からD8、E1からE12、F1からF10、G1からG8、H1からH8、I1からI10、J1からJ9、K1からK12、L1からL10、M1からM10、N1からN9、O1からO8及びP1からP10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Q1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14、D1からD8、E1からE12、F1からF10、G1からG8、H1からH8、I1からI10、J1からJ9、K1からK12、L1からL10、M1からM10、N1からN9、O1からO8及びP1からP10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Q2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14、D1からD8、E1からE12、F1からF10、G1からG8、H1からH8、I1からI10、J1からJ9、K1からK12、L1からL10、M1からM10、N1からN9、O1からO8及びP1からP10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Q3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、ベース部材と、そのベース部材に一端が軸支され駆動手段により変位される変位部材と、その変位部材に連結されると共にベース部材に変位可能な状態で配設される従動部材と、を備え、変位部材の変位により従動部材を変位させる遊技機が知られている(特許文献1:特開2015−029849号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、変位部材を安定して変位させることができないという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、変位部材を安定して変位させることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に連結され、前記変位部材の変位に従動する従動部材と、を備えるものであり、前記従動部材の従動方向以外の方向の揺動を規制する規制手段を備え、前記変位部材は、第1位置と第2位置との間で変位され、前記第1位置から前記第1位置および前記第2位置の中間位置の第3位置を変位する第1変位領域と、前記第3位置から前記第2位置を変位する第2変位領域と、を有し、前記従動部材は、前記変位部材が前記第1位置から前記第2位置に変位されることで、第1従動位置から第2従動位置に従動され、第1従動位置から前記第1従動位置および前記第2従動位置との中間位置の第3従動位置を変位する第1従動領域と、前記第3従動位置から前記第2従動位置を変位する第2従動領域と、を有し、前記第2変位領域と前記第1従動領域との少なくとも一部が同一の領域に設定され、前記変位部材が第2変位領域を変位される際に、前記規制手段により前記変位部材の変位方向以外の方向の揺動が規制される。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記規制手段は、前記ベース部材から前記従動部材側に突設される壁部として構成され、前記従動部材は、正面視において前記ベース部材の少なくとも一部と重なる位置で前記ベース部材と平行な平面上をスライド変位可能とされ、前記第1従動位置から前記第2従動位置への従動に伴って、正面視において前記ベース部材と重なる領域が次第に小さくされる。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記従動部材は、正面視において一辺が長い矩形状に形成され、長手方向の一側に回転可能な回転軸を有し、前記ベース部材に回転可能に配設され、前記第1従動位置では、前記従動部材の長手方向が水平方向と略平行とされ、前記第1従動位置から前記第2従動位置に従動されると、前記従動部材が前記回転軸を中心に回転して、前記従動部材の他側が前記回転軸よりも重力方向上側に配置される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、変位部材を安定して変位させることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、従動部材が揺動することを抑制できる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、従動部材が揺動することを抑制しやすくできる。