以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図28を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材(図示せず)とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、パチンコ機10の状態では、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材がベース板60に当接し固定される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、第1入球口64の正面視下方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物が開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の右方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64又は第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とをいずれも備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、複数(例えば2つ)配置しても良く、また配置位置も第1入球口64の右方に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における中央部及び右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a,640,にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5は、パチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、アーム動作ユニット300の第1アーム500及び第2アーム600が第1位置に配置された状態が図示される。
図5に示すように、アーム動作ユニット300は、遊技盤13の背面側(図5紙面奥側)に配設され、第1アーム500及び第2アーム600を第1位置と第2位置との間で変位可能に形成される。
第1アーム500及び第2アーム600は、第1位置では、図5に示すように、遊技盤13の中央へ向けて張り出され、第1回転装飾体540及び第2回転装飾体550が第3図柄表示装置81の前面中央に配置される一方、第2位置では、第1アーム500及び第2アーム600が第3図柄表示装置81の側方へ退避され、遊技盤13の背面側に退避される。これに伴い、第1回転装飾体540及び第2回転装飾体550が遊技者から視認不能とされる(図2参照)。
次いで、図6から図28を参照して、アーム動作ユニット300の詳細構成について説明する。
図6及び図7は、第1アーム500及び第2アーム600が第1位置に配置された状態におけるアーム動作ユニット300の斜視図であり、図8及び図9は、第1アーム500及び第2アーム600が第2位置に配置された状態におけるアーム動作ユニット300の斜視図である。なお、図7及び図9では、第1カバー体420及び第2カバー体440が取り外された状態が図示される。
図6から図9に示すように、アーム動作ユニット300は、一面側が開放された箱状の第1ベース体410と、その第1ベース体410の一面側に締結固定され第1ベース体410の開放部分を閉封する第1カバー体420と、第1ベース体410に着脱可能に連結されると共に一面側が開放された部分箱状の第2ベース体430と、その第2ベース体430の一面側に締結固定され第2ベース体430の開放部分(箱状部分)を閉封する第2カバー体440とを備え、これら各部材410,420,430,440によりケース部材400が形成される。なお、各部材410,420,430,440は、光透過性材料からそれぞれ形成される。
ケース部材400には、第1アーム500及び第2アーム600と、第1アーム500に連結されるギヤ部材700と、そのギヤ部材700に減速ギヤ800を介して回転駆動力を付与する駆動モータ900とが配設される。
第1アーム500は、アーム軸520を介して、第1ベース体410及び第1カバー体420に軸支され、そのアーム軸520を中心として、第1位置(図6及び図7参照)と第2位置(図8及び図9)との間で変位可能とされる。ここで、図10から図16を参照して、第1アーム500について説明する。
図10(a)は、第1アーム500の正面斜視図であり、図10(b)は、第1アーム500の背面斜視図である。また、図11(a)は、第1アーム500の先端側を分解状態として部分的に拡大した正面斜視図であり、図11(b)は、第1アーム500の先端側を分解状態として部分的に拡大した背面斜視図である。
図10に示すように、第1アーム500は、樹脂材料から形成される本体部材510と、その本体部材510を第1ベース体410に回転可能に軸支するアーム軸520と、本体部510の先端側に配設される回転機構530と、その回転機構530により回転駆動される第1回転装飾体540と、その第1回転装飾体540の背面側に配設される第2回転装飾体550とを備える。
本体部材510は、連結側本体511と、その連結側本体511の端部に連設される揺動側本体512と、その揺動側本体512の連結側本体511とは反対側の端部に連設される収容体513とを備え、これら連結側本体511、揺動側本体512及び収容体513が樹脂材料から一体に形成される。
連結側本体511は、長尺の平板状に形成される部位であり、その板面に開口される案内溝511aが連結側本体511の長手方向に沿って直線状に延設される。案内溝511aには、ギヤ部材700の突設ピン730が挿通され(図19参照)、これら案内溝511a及び突設ピン730を介して、連結側本体511とギヤ部材700とが連結される。
連結側本体511には、その平板状部分の外縁および案内溝511aの内縁に沿って連続すると共に断面矩形リブ状に形成される壁部511bが立設される。これにより、連結側本体511の剛性が向上されるので、案内溝511aの内壁面が突設ピン730に押圧される際に連結側本体511がねじれ変形することを抑制できる。よって、ギヤ部材700の突設ピン730を案内溝511aに沿ってスムーズに移動させることができる。また、このように、平板形状の外縁および案内溝511aの内縁に沿って壁部511bを設けることで、連結側本体511の剛性確保と軽量化との両立を図りつつ、案内溝511aの内壁面の面積を増加させ、突設ピン730に押圧される受圧面積を確保でき、その結果、連結側本体511及びギヤ部材700(突設ピン730)の耐久性の向上を図ることができる。
揺動側本体512は、連結側本体511に接続される側が円弧状に湾曲されると共に連結側本体511と反対側がくの字状に屈曲された形状に形成される。なお、アーム軸520は、揺動側本体512と連結側本体511との接続部分において一体に形成され、これら連結側本体511及び揺動側本体512の平板状部分から垂直に背面側へ向けて立設される。
ここで、揺動側本体512は、連結側本体511の平板状部分と平行な平板状に形成される平板状部分およびその平板状部分の外縁に沿って連続すると共に平板状部分から立設される断面矩形リブ状の壁部を有する基体と、その基体における壁部の立設先端側に締結固定される平板状の板体とから、内部空間を有する断面矩形の中空箱状に形成される。
これにより、揺動側本体512の断面係数を確保して撓み変形し難くしつつ、揺動側本体512の軽量化を図り、第1アーム500及び第2アーム600を変位させる際の駆動モータ900の負荷を低減できる。よって、揺動側本体512の長さ寸法をより長くすることができるので、第1アーム500の変位に伴う前面装飾体540等の移動量を大きくして、演出効果を高めることができる。
さらに、揺動側本体512が中空箱状とされることで、その内部空間を利用して、回動機構530の電気的配線(電力供給線や信号線など。図示せず)を取り回す(配線する)ことができる。これにより、電気的配線の破損を抑制することができる。特に、本実施形態では、回動機構530の電気的配線を、揺動側本体512の内部空間を通過させた後、その揺動側本体512の端部(即ち、連結側本体511との接続部分であって、アーム軸520が形成される部位)から取り出すことができる。アーム軸520は、第1アーム500の回転の中心であり、第1アーム500の変位が最小となる部分であるので、かかるアーム軸520の近傍から電気的配線を取り出すことができることで、電気的配線の取り出し部分における耐久性の向上を図ることができる。
収容体513は、揺動側本体512の先端側(即ち、連結側本体511と接続される端部と反対側の端部)に配設され、正面視円形の筒状に形成され、その筒状の内部空間には、第1回転装飾体540に回転駆動力を付与する回転機構530が配設される。なお、回転機構530の詳細構成については、図12から図16を参照して後述する。
収容体513は、揺動側本体512が外周面に接続される大径部513aと、その大径部513aよりも小径の外周面を有する小径部513bと、それら大径部513a及び小径部513bの間に軸直角の平端面として形成される段差部513cとを備え、小径部513bに第2回転装飾体550の第2本体551が回転可能に外嵌される。
第1回転装飾体540は、第1アーム500の先端側(収容体513)に配設され、回転による演出を行う部材であり、円板状の第1本体541と、その第1本体541の中心に位置し背面側から突出される軸状の軸体542と、第1本体541の前面側を装飾する第1装飾部543とを備える。軸体542に回転機構530から回転駆動力が付与されることで、第1回転装飾体540(第1装飾部543)が収容体513(第1アーム500)に対して相対回転される。
なお、本実施形態では、第1装飾部543は、第1本体541の前面側において、中心から径方向外方へ向けて複数の先細鋭角形状体が放射直線状に広がる形態として形成される。また、第1装飾部543は、前面側が部分的に光透過性材料から形成され、内部に配設されるLED(図示せず)の発光が視認可能とされる。
第2回転装飾体550は、第1回転装飾体540の背面側において軸体542と同軸に配設され、回転による演出を行う部材であり、正面視円環状の第2本体551と、その第2本体551の外周側から径方向外方へ向けて延設される平板状の延設部552と、第2本体551の外周側を装飾する第2装飾部553とを備える。延設部552の延設先端には、後述する第2アーム600の端部が回転可能に連結される(図17参照)。
第2回転装飾体550は、上述したように、その第2本体551が、収容体513の小径部513bに外嵌されることで、収容体513に回転可能に支持される。この場合、第1回転装飾体540の軸体542が回転機構530に連結された状態では、第2回転装飾体550(第2本体551)は、第1回転装飾体540の第1本体541の背面と収容体513の段差部513cとの間で軸方向への移動が規制される。即ち、第2回転装飾体550は、第1回転装飾体540と収容体513との間で回転可能に保持される。
なお、第2回転装飾体550は、第1回転装飾体540の背面側(即ち、遊技盤13側)に配設されるので、第1アーム500及び第2アーム600の変位に伴って、第2アーム600又は延設部552の軌跡が第1回転装飾体540に重なり、第1回転装飾体540の第1装飾部543の一部が第2アーム600又は延設部552に隠れることを回避できる。即ち、第1アーム500及び第2アーム600が変位される間、第1回転装飾対540(第1装飾部543)の全体を露出させておくことができる。
次いで、図12から図16を参照して、回転機構530及びその回転機構530と第1回転装飾体540の軸体542との間の連結構造について説明する。図12は、第1アーム500の収容体513における部分拡大背面図であり、図13は、回転機構530のホイールギヤ533と第1回転装飾体540の軸体542との連結部分における部分拡大斜視図である。なお、図13では、第1回転装飾体540の第1本体541及び第1装飾部543の図示が省略される。
図12及び図13に示すように、回転機構530は、回転駆動力を発生する駆動モータ531と、その駆動モータ531の回転軸に軸着されるウォームギヤ532と、そのウォームギヤ532に歯合されると共に第1回転装飾体540の軸体542が内挿されるホイールギヤ533と、そのホイールギヤ533に内挿された第1回転装飾体540の軸体542の抜け止めとして機能する止め輪534とを備える。ウォームギヤ532は、ウォーム(ねじ歯車)として形成され、ホイールギヤ533は、ウォームホイール(はす歯歯車)として形成される。
ホイールギヤ533は、収容体513の中心部分に配設され、そのホイールギヤ533の挿通孔533b(図14参照)には、収容体513の正面側から第1回転装飾体540の軸体542が内挿(挿通)される(図11参照)。ホイールギヤ533に内挿された軸体542は、その軸体542の円周溝542cに止め輪534が嵌め込まれることで、ホイールギヤ533の挿通孔533bから軸方向に抜け出ることが規制される。
図14を参照して、第1回転装飾体540の軸体542及びホイールギヤ533の詳細構成について説明する。図14(a)は、軸体542の上面図であり、図14(b)は、図14(a)の矢印XIVb方向視における軸体542の正面図であり、図14(c)は、図14(a)の矢印XIVc方向視における軸体542の側面図である。図14(d)は、ホイールギヤ533の上面図であり、図14(e)は、図14(d)のXIVe−XIVe線におけるホイールギヤ533の断面図であり、図14(f)は、図14(d)の矢印XIVf方向視におけるホイールギヤ533の正面図である。また、図14(g)は、止め輪534の上面図である。
図14(a)から図14(c)に示すように、軸体542は、円柱軸状体(即ち、断面円形の軸状体)の外面の一部が軸方向(図14(b)及び図14(c)上下方向)に平行な平面である平坦面542aとされることで断面D字状に形成されるD字断面部542bと、そのD字断面部bの外面に周方向に沿って連続して凹設される断面コ字状の円周溝542cとを備え、真鍮材料から形成される。
平坦面542aは、軸体542の軸方向端面(上面)から軸方向(図14(b)上下方向)に沿って所定範囲に形成される。即ち、平坦面542aは、円周溝542cよりも軸体542の先端側(上面側)にも形成される。なお、軸体542(D字断面部542b)の軸方向先端は、角が面取り加工(C面加工)されることで、先細形状とされる。これにより、挿通孔533bへの挿通作業をスムーズに行うことができる。
図14(d)から図14(f)に示すように、ホイールギヤ533は、中心に挿通孔533bを有する円筒状の基体部533cと、その基体部533cの外周面に刻設される歯車としてのギヤ部533dと、基体部533cの軸方向端面から軸方向(図14(e)及び図14(f)上下方向)に沿って突設される突起部533eとを備え、樹脂材料から形成される。
挿通孔533bは、軸体542のD字断面部542bが挿通可能となるように、断面円形の円孔の内面の一部が軸方向に平行な平面である平坦面533aとされることで、断面D字状に形成される。これにより、軸体542のD字断面部542bが挿通孔533bに挿通されると、軸体542の平坦面542aと挿通孔532bの平坦面533aとが係合することで、軸体542とホールギヤ533との間で駆動トルクが伝達可能とされる。
突起部533eは、挿通孔533bへ軸体542が限界位置まで挿通された状態(即ち、軸体542の平坦面542aの終端(図14(b)下端)における段差が、ホイールギヤ533の下面(軸方向端面、図14(e)下側面)に当接された状態)で、軸体542の上面よりも軸方向に突出される突設高さに設定される(図13参照)。
また、突起部533eには、挿通孔533b側(即ち、軸体542に対面する側)に軸方向に平行な平面である平坦面533e1が形成され、その突起部533eに形成される平坦面533e1は、挿通孔533bに形成される平坦面533aに連なって(即ち、同一平面上に)形成される。これにより、突起部533eに形成される平坦面533e1と挿通孔533bに形成される平坦面533aとが、軸体542のD字断面部542bに形成される平坦面542aに同時に係合可能とされる。
一方、突起部533eは、その平坦面533e1と反対側の背面(外周面、図14(d)右側面)が、基体部533cの外周面に連なって形成される。なお、突起部533eは、後述するように、止め輪534を装着する際や軸体542とホイールギヤ533との間で回転トルクを伝達する際に、荷重を受ける部位であり、耐久性を確保する必要がある。そのため、突起部533eは、ホイールギヤ533の挿通孔533bにおける平坦面533aと同位相となる位置に形成される。
即ち、ホイールギヤ533は、その挿通孔533bに平坦面533aが形成される部分において、基体部533cが最も肉厚(径方向(図14(d)及び図14(e)左右方向)の厚みが最大)となり強度が確保される。よって、この挿通孔533bにおける平坦面533aと同位相となる部位に突起部533eが形成されることで、突起部533eから作用する荷重を強度が確保されている肉厚の部位で受けることができ、その分、ホイール部材533の耐久性の向上を図ることができる。また、かかる挿通孔533bにおける平坦面533aと同位相となる位置であれば、突起部533eの断面積をより大きくすることができるので、その分、強度を確保して、突起部533e自体の耐久性の向上を図ることができる。
図14(g)に示すように、止め輪534は、円環形状の一部を切り欠いて開口端534aが形成される円環部534bと、その円環部534bの内周側の周方向3ヶ所から径方向内方へ向けて張り出し形成される張出部534cとを備えるE型止め輪として形成される。なお、止め輪534は、ステンレス材料製の板材から図14(g)に示すE型形状を打ち抜き、焼入れ・焼戻し等の熱処理を施すことにより製造される。但し、止め輪534を鉄鋼材料やアルミニウム合金材料から形成しても良い。
3カ所の張出部534cは、その張り出し先端がそれぞれ同心の円弧形状に形成され、それら各張り出し先端を連ねて形成される仮想円は、軸体542の円周溝542cにおける直径より若干小さくされる。よって、止め輪534が軸体542の円周溝542cに嵌め込まれると、止め輪534における張出部534cの円弧状の張出先端により、軸体542における円周溝542cの底面が押圧される。即ち、その押圧力を越えるまでは、張出部534cの張出先端が円周溝542cの底面に密着されることで、止め輪534を軸体542と共に回転させることができる(軸体542から止め輪534を介して突起部533eへ回転トルクを伝達させることができる)。
図15を参照して、回転機構530に第1回転装飾体540の軸体542を連結する工程について説明する。図15(a)から図15(c)は、ホイールギヤ533の部分拡大上面図である。
なお、図15(a)では止め輪534が軸体542に装着される前の状態が、図15(b)では止め輪534が軸体542に装着された後の状態が、それぞれ図示される。また、図15(c)は、回転機構530の参考図であり、突起部533eが省略された形態が図示される。図15(a)から図15(c)では、ホイールギヤ533の平坦面533a,533e1と軸体542の平坦面542aとの間の間隔を拡大した状態が模式的に図示される。
回転機構530に第1回転装飾体540の軸体542を連結する工程では、まず、収容体513の前面側に、第2回転装飾体550を介在させつつ、第1回転装飾体540を取り付ける(図11参照)。これにより、ホイールギヤ533の挿通孔533bに挿通された第1回転装飾体540の軸体542のD字断面部542bが、ホイールギヤ533の軸方向端面(上面、図15(a)紙面手前側)から突出されるので、そのD字状端面部542bに形成される円周溝542cに止め輪534を嵌め込む。
具体的には、図15(a)に示すように、開口端534a側を軸体542へ向けた姿勢で、止め輪534を、突起部533eと反対側(突起部533eに対して位相を180度異ならせた側)に配置し、ラジオペンチを利用して、図15(b)に示すように、軸体542の円周溝542cに止め輪534を嵌め込む(図13参照)。
この場合には、本実施形態によれば、ラジオペンチの一方の腕を突起部533eの背面(平坦面533e1と反対側の面)に係止させると共に、ラジオペンチの他方の腕を止め輪534の背面側(開口端534aと反対側)を係止させ、これら一方および他方の腕を近接させることで、止め輪534を円周溝542cに嵌め込むことができる。
即ち、軸体542がラジオペンチの腕により直接係止されないので、軸体542の表面が傷つけられることや、軸体542が曲げられる(軸心が屈曲される)ことを抑制できる。特に、軸体542は、真鍮材料から形成され、塑性変形しやすいため、表面の傷や曲げ変形が生じやすいため、有効となる。また、突起部533eは、ホイールギヤ533と一体に形成される、即ち、樹脂材料から形成されるので、係止されたラジオペンチの腕を滑らせにくくできる。よって、止め輪534を嵌め込む際の作業性の向上を図ることができる。
図15(b)に示すように、止め輪534が軸体542に装着された状態では、突起部533eが、止め輪534の開口端534aの対向間に位置するので、止め輪534が軸体542の円周溝542cから脱落することを抑制できる。
ここで、軸体542(D字段面部542b)には、平坦面542aが形成される分、円周溝542cの凹設深さが浅くされる領域が存在する。即ち、D字断面部542bと止め輪534との間には、両者の係合が解除されやすい相対回転位置が存在し、その相対回転位置では、張出部534cと円周溝542cの内壁面との係合代が減少する。具体的には、図15(c)に参考例として図示するように、突起部533eを備えず、軸体542に対して止め輪534が相対回転可能な状態では、止め輪534の1の張出部534cが軸体542の平坦面542aに位置する相対回転位置が形成可能であり、この相対回転位置では、全体として、張出部534cと円周溝542cの内壁面との係合代が減少する。そのため、軸体542への荷重が、ホイールギヤ533の挿通孔533bから抜け出る方向に作用されると、止め輪534が軸体542の円周溝542cから軸方向へ脱落する恐れがある。また、かかる相対回転位置では、軸体542に抜け出る方向への荷重が作用しなくても、止め輪534へ別の部材などが接触することをきっかけとして、止め輪534が脱落する恐れがある。
これに対し、本実施形態のように、軸体542の円周溝542cに嵌め込まれた止め輪534の開口端534aの対向間に突起部533eが位置することで、止め輪534の開口端534aを突起部533eに当接させ、軸体542に対する止め輪534の相対回転を抑制できる。その結果、軸体542と止め輪534との相対回転位置を適切な位置に維持できるので、止め輪534が軸体542の円周溝542cから脱落することを抑制できる。
次いで、図16を参照して、回転機構530(ホイールギヤ533)と第1回転装飾体540の軸体542との間の連結構造について説明する。図16(a)及び図16(b)は、回転機構530の部分拡大上面図であり、図16(a)ではホイールギヤ533に対して軸体542が回転される前の状態が、図16(b)ではホイールギヤ533に対して軸体542が回転された後の状態が、それぞれ図示される。
なお、図16(a)及び図16(b)では、ホイールギヤ533及び軸体542の相対回転状態の理解を容易とするために、平坦面533a,533e1と平坦面542aとの間の隙間を模式的に拡大して図示される。
図16(a)及び図16(b)に示すように、ホイールギヤ533は、挿通孔533bに平坦面533aが形成されるだけでなく、その平坦面533aに連なる平坦面533e1が突起部533eに形成され、それら両方の平坦面533a,533e1が、軸体542のD字断面部542bにおける平坦面542aに係合可能とされる(図14参照)。即ち、突起部533eに平坦面533e1が形成される分、軸体542の平坦面542aに対する係合面積を拡大することができ、その分、回転トルクを分散することができる。その結果、軸体542及びホイールギヤ533の耐久性の向上を図ることができる。
また、上述したように、止め輪534の開口端534aに当接して、軸体542に対する止め輪534の相対回転を抑制するための役割を担う突起部533eに、軸体542のD字断面部542bにおける平坦面542aに係合して、回転トルクを受け持つための役割も兼用させる。これにより、軸体542及びホイールギヤ533の耐久性の向上を図りつつ、ホイールギヤ533の基体部533cを軸方向に延長して、平坦面542aとの係合面積を確保する場合と比較して、小型化および軽量化を図ることができる。
ここで、止め輪534は、上述したように、3カ所の張出部534cにおける張り出し先端が、軸体542の円周溝542c底面を押圧可能に形成される。よって、止め輪534が軸体542の円周溝542cに嵌め込まれると、軸体542と共に止め輪534を回転させることができる(即ち、軸体542から止め輪534を介して突起部533eへ回転トルクを伝達させることができる)。
これにより、ホイールギヤ533と軸体542との間での伝達される回転トルクを、ホイールギヤ533の平坦面533a,533e1と軸体542の平坦面542aとの間だけで受け持つのではなく、ホイールギヤ533の突起部533eと止め輪534の開口端534aとの間でも受け持つことができる。その結果、回転トルクを分散でき、その分、軸体542及びホイールギヤ533の耐久性の向上を図ることができる。
また、平坦面533a,542aでの係合面積を拡大して、耐久性の向上を図るためには、上述したように、ホイールギヤ533(基体部533c)の大型化および重量増加を招くところ、本実施形態のように、軸体542の抜け止めとしての役割を担う止め輪534に、回転トルクを受け持つ役割も兼用させることで、その分、ホイールギヤ533(基体部533c)の小型化および軽量化を図ることができる。
ここで、第1回転装飾体540(第1装飾部543)を回転させるための機構は、第1装飾部543が装飾体としての機能を得るべく比較的大型に形成され重量が嵩むため、大きな回転トルクを受け止める耐久性が要求される。一方、該機構は、第1アーム500がアーム軸520を中心として変位される際の先端位置に配設されるため、第1アーム500の変位時の慣性力を抑えるために、軽量であることが要求される。
これに対し、本実施形態における回転機構530によれば、上述したように、突起部533eの平坦面533e1および止め輪534を利用して、回転トルクを受け止めることができるので、耐久性を確保しつつ、軽量化により慣性力を低減して、第1アーム500の変位をスムーズに行わせることができる。
図6から図9に戻って説明する。第2アーム600は、一端が第2回転装飾体550の延設部552(図11参照)に軸支されると共に、他端が第2ベース体430及び第2カバー体440に変位可能に連結される。即ち、第1アーム500のアーム軸520を中心とする変位に伴って、一端側の軸支部分が相対回転されつつ、他端側が第2ベース体430のガイド溝431に沿って変位可能とされる。ここで、図17を参照して、第2アーム600について説明する。
図17(a)は、第2アーム600の正面斜視図であり、図17(b)は、第2アーム600の背面斜視図である。図17に示すように、第2アーム600は、樹脂材料から長尺形状に形成される本体部材610と、その本体部材610の一端に固着される固定装飾体620と、本体部610の他端において背面へ向けて突設される断面円形の円柱状体であるガイド体630とを備える。
本体部材610は、平板状に形成され本体部材610の正面側に配置される平板状部分およびその平板状部分の外縁に沿って連続すると共に平板状部分から立設される断面矩形リブ状の壁部とを有する基体と、その基体における壁部の立設先端側に締結固定される平板状の板体とから、内部空間を有する断面矩形の中空箱状に形成される。
これにより、本体部材610の断面係数を確保して撓み変形し難くしつつ、本体部材610の軽量化を図り、第1アーム500及び第2アーム600を変位させる際の駆動モータ900の負荷を低減できる。また、本体部材610が中空箱状とされることで、その内部空間を利用して、固定装飾体620の電気的接続線を取り回す(配線する)ことができる。これにより、電気的配線の破損を抑制することができる。
固定装飾体620は、第2アーム600(本体部材610)の先端側(一端側)に配設される部材であり、その背面から突設される断面円形の円柱状体である連結ピン621を備える。連結ピン621が、第2回転装飾体550の延設部552の延設先端に開口される軸支孔552aにカラーC1を介して軸支されることで、第2アーム600の一端が第1アーム500(第2回転装飾体550)に相対回転可能に連結される。
なお、本実施形態では、固定装飾体620は、星型が同心状に重ね合わされた形態として形成される。また、固定装飾体620は、前面側が部分的に光透過性材料から形成され、内部に配設されるLED(図示せず)の発光が視認可能とされる。
ガイド体630は、所定間隔を隔てて一対が配設される。このガイド体630が、第2ベース体430のガイド溝431にカラーC2を介して変位可能に挿通されることで、第2アーム600の他端が、ガイド溝431に沿ってスライド移動可能な状態で、第2ベース体430に連結される(図6から図9参照)。
なお、第1アーム500及び第2アーム600が第3図柄表示装置81の前面に張り出される第1位置では(図5から図7参照)、一対のカラーC2の内の固定装飾体620側に位置するカラーC2が、第2ベース体430のガイド溝431の上端(図7上側)に当接され、それ以上の移動が規制される一方、第1アーム500及び第2アーム600が第3図柄表示装置81の側方(遊技盤13の背面)に退避される第2位置では(図2、図8及び図9参照)、一対のカラーC2の内の固定装飾体620と反対側に位置するカラーC2が、第2ベース体430のガイド溝431の下端(図9下側)に当接され、それ以上の移動が規制される。
図6から図9に戻って説明する。ギヤ部材700、減速ギヤ800及び駆動モータ900は、第1ベース体410にそれぞれ軸支され、ギヤ部材700が突設ピン730を介して第1アーム500に連結される。ここで、図18及び図19を参照して、ギヤ部材700、減速ギヤ800及び駆動モータ900について説明する。
図18は、第1ベース体410に取着された状態におけるギヤ部材700、減速ギヤ800及び駆動モータ900の正面斜視図であり、図19は、第1アーム500が連結された状態におけるギヤ部材700の正面図である。
図18及び図19に示すように、駆動モータ900の駆動軸910には、ピニオンギヤ920が固着され、そのピニオンギヤ920には、互いに歯合される2個の減速ギヤ800の内の一方の減速ギヤ800が歯合される。2個の減速ギヤ800の内の他方の減速ギヤ800には、ギヤ部材700が歯合される。
よって、駆動モータ900の駆動軸910が回転駆動されると、その駆動軸910の回転駆動力が、ピニオンギヤ920、減速ギヤ800を介して、ギヤ部材700に伝達され、ギヤ部材700が回転される。
なお、第1ベース体410には、ギヤ部材700の側方に回転位置検出センサSが配設される。回転位置検出センサSは、発光部Sa及び受光部Sbを備えた光センサであり、それら発光部Sa及び受光部Sbの対向空間を、ギヤ部材700の被検出部720(平板部723)の移動軌跡上に配置することで、被検出部720(平板部723)の有無に基づいて、ギヤ部材700の回転位置を検出する。
ギヤ部材700には、図19に示すように、案内溝511aに挿通される突設ピン730を介して、第1アーム500(連結側本体511)が連結される。よって、ギヤ部材700が回転されると、第1アーム500は、突設ピン730を案内溝511aに沿って移動させつつ、連結側本体511を突設ピン730の移動軌跡に追従させ、その結果、アーム軸520を中心として変位される(図6から図9参照)。
ここで、図20を参照して、ギヤ部材700の詳細構成について説明する。図20(a)は、ギヤ部材700の正面図であり、図20(b)は、図20(a)の矢印XXb方向視におけるギヤ部材700の側面図であり、図20(c)は、図20(a)のXXc−XXc線におけるギヤ部材700の断面図である。
図20に示すように、ギヤ部材700は、ギヤ軸790(図18参照)を中心に回転可能に第1ベース体410に配設されると共に外周面に減速ギヤ800と歯合可能な歯が刻設されるギヤ本体710と、そのギヤ本体710の外周面から径方向外方へ張り出す被検出部720と、被検出部720からギヤ軸790と平行に上方へ向けて突設される突設ピン730とを備え、これらギヤ本体710、被検出部720及び突設ピン730が樹脂材料から一体に形成される。
ギヤ本体710は、円板状に形成され、中心に貫通形成される軸孔にギヤ軸790が固着される。外周面に刻設される歯は、軸孔を中心として中心角330度の範囲に形成される。ギヤ本体710の上面には、軸孔を中心として放射直線状に延設される4本のリブが立設され、全体の剛性が高められている。
被検出部720は、回転位置検出センサSにより検出される部位であり、ギヤ本体710の外周面であって歯が刻設されていない領域から径方向外方へ張り出す張出基部721と、その張出基部721の張出先端に接続されるピン受部722と、そのピン受部722の底面側における外周面から径方向外方へ張り出す平板部723とを備える。
張出基部721は、上面視矩形の平板形状に形成され、その厚み寸法(図20(b)及び図20(c)上下方向寸法)は、ギヤ本体710の歯の厚み寸法と同一とされる。ピン受部722は、円筒状に形成され、その円筒の軸心がギヤ軸790と平行となる姿勢で配設される。ピン受部722の底面側は、張出基部721が接続される側が部分的に切り欠かれる。平板部723は、径方向外方へ向かうに従い幅広となる上面視扇形の平板形状に形成され、その厚み寸法は、ギヤ本体710の歯の厚み寸法よりも小さくされる。また、平板部723の底面は、ピン受部722の底面と面一とされる。
なお、ピン受部722及び平板部723の底面(第1ベース体410に対面する側の面、図20(b)及び図20(c)の下面)とピン受部722の外周面および平板部723の側面(図20(b)紙面手前側および奥側)とが交差する稜線部分(即ち、ピン受部722及び平板部723の底面の縁部)は、断面円弧状に湾曲して形成される。よって、後述するように、ギヤ部材700の傾き(被検出部720の倒れ)に起因して、平板部723の底面が規制リブ413(図21参照)に当接される際には、平板部723の底面の縁部が規制リブ413に引っ掛かることを抑制することができる。よって、ギヤ部材700をスムーズに回転させることができる。
突設ピン730は、円筒状に形成され、ギヤ軸790から偏心した位置に配置される。本実施形態では、突設ピン730が、被検出部720のピン受部722の上面から突設される。突設ピン730は、その円筒の軸心が、ピン受部722と同心となる位置に形成される。よって、突設ピン730は、ギヤ軸790と平行となる姿勢で配設される。
図21を参照して、ギヤ本体700の第1ベース体410への取付構造について説明する。図21(a)は、第1ベース体410の正面図であり、図21(b)は、図21(a)のXXIb−XXIb線における第1ベース体410の断面図である。なお、図21では、ギヤ部材700及び回転位置検出センサSのみが取着された状態が図示される。
図21に示すように、第1ベース体410には、軸受Dが配設され、その軸受Dにギヤ軸790が回転可能に軸支されることで、ギヤ部材700が第1ベース体410の上面側に配設される。なお、ギヤ軸790には、その先端(図21(b)下端)に凹設された円周溝に止め輪(図示せず)が装着され、これにより、軸受D、ギヤ部材700及びギヤ軸790が第1ベース体410に保持される。
第1ベース体410の上面には、支持リブ411が立設され、その支持リブ411の立設先端がギヤ部材700のギヤ本体710における底面を支持する。支持リブ411は、ギヤ軸790を中心とする仮想円に沿って延設されると共に、断面半球状の突条として形成されるため、ギヤ部材700を小さな回転抵抗で支持できる。
第1ベース体410には、ギヤ部材700のピン受部720及び平板部730の移動軌跡に沿って延設される凹設部412が凹設される。凹設部412の上面には、規制リブ413が立設され、被検出部720の所定量以上の変位(被検出部720が第1ベース体410へ近接する方向への変位、図21(b)下方への変位)を規制する。
規制リブ413は、ギヤ軸790を中心とする仮想円に沿って延設されると共に(図21(a)参照)、断面半球状の突条として形成される(図21(b)参照)。具体的には、規制リブ413は、ギヤ軸790の軸心と突設ピン730(ピン受部722)の軸心とを結ぶ仮想直線上に位置すると共に平板部723に接続される側となるピン受部722の底面(以下「被規制部分P1」と称す)の移動軌跡に沿って延設される。
なお、第1ベース体410は、支持リブ411が、ギヤ部材700のギヤ本体710の底面に当接して、ギヤ部材700を軸方向(図21(b)上下方向)に支持する一方で、規制リブ413は、ギヤ部材700の被検出部720の底面との間に隙間を有するように形成される。
ここで、ギヤ部材700が回転駆動され、突設ピン730が第1アーム500の案内溝511aに沿って移動される際には(図19参照)、案内溝511aの内壁面を押圧する突設ピン730への反力の作用によりギヤ部材700には傾きが発生する。特に、径方向外方へ張り出して形成される被検出部720には、倒れ(第1ベース体410の上面へ近接する方向への撓み変形)が発生する。
この場合、本実施形態によれば、第1ベース体410には、被検出部720の移動軌跡に沿って規制リブ413が立設されているので、ギヤ部材700が傾く(被検出部420が倒れる)際には、被検出部720を規制リブ413により受け止めることができる。これにより、ギヤ部材700の回転抵抗の増加を抑制しつつ、ギヤ部材700の過大な傾きを回避して、被検出部720だけでなく、ギヤ軸790や歯面の破損を抑制できる。また、ギヤ部材700の歯面と減速ギヤ800の歯面とがずれた状態(芯ずれ状態)のままで回転されることを抑制できるので、ギヤ部材700の回転抵抗が過大となることや歯面が磨耗することを抑制できる。
また、ギヤ部材700が傾く際に変位が最大となる被検出部720を、規制リブ413が受け止める構成とすることで、ギヤ部材700の過大な傾きを効果的に抑制することができる。更に、このように、回転位置検出センサSによる被検出部としての機能を発揮するための部位を、ギヤ部材700の傾きを抑制するストッパ機能を発揮するための部位も兼用する構成とすることで、これら両機能を発揮するための部位を2ヶ所に分けてそれぞれ設ける場合と比較して、構造を簡素化して、部品コストの削減を図ることができる。
上述したように、規制リブ413の立設先端とギヤ部材700の被検出部720の底面との間には隙間が形成されている。よって、ギヤ部材700が回転駆動され、突設ピン730が第1アーム500の案内溝511aに沿って移動される際において、案内溝511aの内壁面を押圧する突設ピン730への反力の作用が小さい場合には、被検出部720の底面と規制リブ413の立設先端との間の隙間を維持して、接触抵抗が発生することを回避できる。これにより、ギヤ部材700の回転に必要な駆動モータ900の駆動力を低減できる。
ここで、突設ピン730は、ギヤ部材700において、ギヤ本体710から立設されていても良いところ、本実施形態では、突設ピン730が被検出部720から立設されるので、ギヤ部材700が回転され、突設ピン730が案内溝511aに沿って移動されることで、その案内溝511aの内壁面から突設ピン730が反力を受ける際には、被検出部720のみを部分的に傾かせて、ギヤ本体710(ギヤ軸790)の傾きを抑制しやすくできる。即ち、被検出部720に変形を集中させ、ギヤ本体710の変形を抑制できる。これにより、ギヤ本体710の歯面と減速ギヤ800の歯面とがずれた状態のままで回転して、回転抵抗が過大となることや歯面が磨耗することを抑制できる。
一方で、突設ピン730は、規制リブ413よりも径方向内側(図21(b)左側)に位置する。即ち、規制リブ413(被規制部分P1)は、ギヤ部材700のギヤ軸790における軸方向視において、突設ピン730の基部よりも径方向外方(図21(b)右側)に位置する。
よって、案内溝511aの内壁面から突設ピン730が反力を受ける際には、被検出部720の被規制部分P1(即ち、第1ケース部410へ最も近接する部分であって、かつ、円筒状に形成され規制リブ413に受け止められる際に剛性が確保される部分)を規制リブ413により受け止めさせることができる。これにより、ギヤ部材700の傾きを効果的に抑制できる。
なお、規制リブ413は、図21(a)に示すように、回転位置検出センサSを越える領域(即ち、ギヤ部材700の被検出部720(平板部723)が回転位置検出センサSにより検出される回転位置)まで延設されるので、突設ピン730が案内溝511aの内壁面から反力を受けつつギヤ部材700が回転される場合に、被検出部720の平板部723が回転位置検出センサS(受光部Sb)に衝突することを抑制できる。これにより、ギヤ部材700の回転位置検出の信頼性を高めることができる。
図6から図9に戻って説明する。図6及び図7に示す状態(第1位置)から、駆動モータ900の回転駆動力によりギヤ部材700が正回転(図7において反時計まわりに回転)されると、突設ピン730が案内溝511aの内壁面を押圧し、第1アーム500がギヤ軸520を中心として変位(図7においてギヤ軸520を中心として反時計まわりに回転)されると共に、その第1アーム500の変位に伴い、第2アーム600が他端(ガイド体630、図17(b)参照)をガイド溝431に沿って下方(図7下方向)へスライド移動させることで、これら第1アーム500及び第2アーム600が図8及び図9に示す第2位置に配置される。
一方、図8及び図9に示す状態(第2位置)から、駆動モータ900の回転駆動力によりギヤ部材700が逆回転(図9において時計まわりに回転)されると、突設ピン730が案内溝511aの内壁面を押圧し、第1アーム500がギヤ軸520を中心として変位(図7においてギヤ軸520を中心として時計まわりに回転)されると共に、その第1アーム500の変位に伴い、第2アーム600が他端(ガイド体630、図17(b)参照)をガイド溝431に沿って上方(図9上方向)へスライド移動させることで、これら第1アーム500及び第2アーム600が図6及び図7に示す第1位置に配置される。
この場合、本実施形態によれば、第1アーム500に回転可能に配設される第2回転装飾体550には、その第2回転装飾体550の延設部552に第2アーム600の一端が軸支されると共に(図17(b)参照)、第2アーム600の他端は第2ベース体430のガイド溝431に沿ってスライド移動可能に連結される。
よって、第1アーム500がケース部材400に対して変位される際には、第1アーム500と第2アーム600とがなす角度(即ち、第2回転装飾体540に第2アーム600の一端が連結される連結位置(軸支孔552a及び連結ピン621による軸支位置、図11及び図17参照)とアーム軸520とを結ぶ直線と、上記の連結位置(軸支孔552a及び連結ピン621による軸支位置)と第2アーム600の他端(ガイド体630、図17参照)が第2ケース体630(ガイド軸631)に連結される連結位置とを結ぶ直線とがなす角度)の変化に伴い、第2回転装飾体550を第1アーム500に対して相対変位(回転)させることができる。
これにより、第1アーム500に駆動力を付与する駆動モータ900に、第1アーム500がアーム軸520を中心として変位するための駆動源としての役割だけでなく、第2回転装飾体550が第1アーム500に対して相対移動(回転)するための駆動源としての役割も兼用させることができる。これにより、第2回転装飾体550を回転させるためだけの駆動モータを別途設けることを不要とできる。
この場合、第1アーム500には、第2回転装飾体550と同軸上に第1回転装飾体540が配設され、この第1回転装飾体540は、回転機構530により独立して回転可能に形成される。よって、これら第1回転装飾体540及び第2回転装飾対550の第1装飾部543及び第2装飾部553を、それぞれ同軸上で独立して回転させつつ、第1アーム500の変位に伴って遊技領域を直線的あるいは曲線的に移動させることができ、その結果、演出効果を高めることができる。
この場合、本実施形態では、第1回転装飾体540(第1装飾部543)及び第2回転装飾対550(第2装飾部553)は、回転方向が同一方向に設定され、かつ、異なる回転速度に設定される。これにより、第1アーム500及び第2アーム600の変位に伴って、第1回転装飾体540(第1装飾部543)及び第2回転装飾対550(第2装飾部553)が同時に回転される場合には、両者が滑らかに回転する印象を遊技者に与えることができ、その演出効果を高めることができる。
ここで、第2回転装飾体550と第1アーム500との相対変位(回転)は、第2アーム600の他端が、第2ベース体430に回転可能に軸支される構成であっても達成できる。この場合、本実施形態では、第2アーム600の他端を、第2ベース体430にその第2ベース対430のガイド溝431を介してスライド移動可能に連結させる構成を採用する。これにより、第2アーム600の他端が第2ベース体430に回転可能に軸支される構成の場合と比較して、第1アーム500の変位可能量をより大きくすることができる。第1アーム500の変位可能量が大きくなれば、第2回転装飾体550(第2装飾部553)の回転可能量もより大きくすることができる。その結果、第1アーム500が変位すること自体による演出効果だけでなく、その変位に伴い第2装飾部553が回転することによる演出効果も更に高めることができる。
なお、第1アーム500及び第2アーム600は、図6及び図7に示す第1位置では、上述したように、一対のカラーC2の内の固定装飾体620側に位置するカラーC2が、第2ベース体430のガイド溝431の上端(図7上側)に当接され、それ以上の移動が規制される。この場合、第1アーム500及び第2アーム600は、更に、第1アーム500の揺動側本体512の円弧状に湾曲した部分の外面の一部(以下「第1位置アーム被規制部分P2」と称す)が、第1ベース体410の外壁の切り欠き端面(以下「第1位置ベース被規制部分P3」と称す)に当接されることによっても、それ以上の移動が規制される。
また、第1アーム500及び第2アーム600は、図8及び図9に示す第2位置では、上述したように、一対のカラーC2の内の固定装飾体620と反対側に位置するカラーC2が、第2ベース体430のガイド溝431の下端(図9下側)に当接され、それ以上の移動が規制される。この場合、第1アーム500及び第2アーム600は、更に、第1アーム500の収容体513の外周面の一部(以下「第2位置アーム被規制部分P4」と称す、図10(b)又は図11(b)参照)が、第2ベース体430の外壁の内面角部(以下「第2位置ベース被規制部分P5」と称す。図6及び図7参照)に当接される共に、第2アーム600の本体部材610の一部(以下「第2位置アーム被規制部分P6」と称す)が、第2ベース体430の外壁の内面(以下「第2位置ベース被規制部分P7」と称す)に当接されることによっても、それ以上の移動が規制される。
ここで、図22から図25を参照して、第1位置および第2位置に配置された第1アーム500及び第2アーム600の保持構造について説明する。
図22(a)は、第1位置に配置された第1アーム500及び第2アーム600とギヤ部材700の正面図であり、図22(b)は、図22(a)のXXIIb部における第1アーム500及びギヤ部材700の部分拡大正面図である。図23(a)は、図22(a)に示す状態からギヤ部材700が逆回転された状態における第1アーム500及び第2アーム600とギヤ部材700の正面図であり、図23(b)は、図23(a)のXXIIIb部における第1アーム500及びギヤ部材700の部分拡大正面図である。
図22に示すように、本実施形態では、第1アーム500及び第2アーム600が所定位置から第1位置へ近づく(即ち、ギヤ部材700が逆回転(図22(b)時計まわり)して図22に示す状態に近づく)に従って、突設ピン730の軸心およびアーム軸520の軸心を結ぶ直線L1と、突設ピン730の軸心およびギヤ軸790の軸心を結ぶ直線L2とのなす角度θが大きくなる。
よって、第1アーム500に外力が作用し、その外力が、案内溝511aの内壁面から突設ピン730(ギヤ部材700)に伝達される場合には、第1アーム500が第1位置に近い状態ほど、ギヤ部材700に発生する力の内のギヤ部材700を回転させる方向の力成分(即ち、突設ピン730の軸心およびギヤ軸790の軸心を結ぶ直線L2に直交する方向の力成分)を小さくできる。その結果、第1アーム500を第1位置に保持する際には、第1アーム500に作用する外力(例えば、重力)に対抗するために駆動モータ900に必要とされる駆動力を小さくできるので、その分、駆動モータ900の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
ここで、停止された状態の第1アーム500の変位を開始する際には、慣性力や静摩擦力の影響により、駆動モータ900の負荷が大きくなる。
これに対し、本実施形態では、第1アーム500が停止された状態(即ち、図22に示す第1位置)では、突設ピン730の軸心およびアーム軸520の軸心を結ぶ直線L1と、突設ピン730の軸心およびギヤ軸790の軸心を結ぶ直線L2とのなす角度θが大きな状態(即ち、減速比が大きな状態)なので、かかる第1位置から第1アーム500の変位を開始する(即ち、ギヤ部材700を図22に示す状態から正回転(図22(b)反時計まわり)させる)際には、駆動モータ900の負荷を小さくできる。よって、駆動モータ900の容量の小型化を図ることができる。
一方で、上述のように減速比を大きな状態とできることで、第1位置に第1アーム500が到達する際には、ギヤ部材700の回転速度を一定としても、第1アーム500の変位速度を減速させることができる。よって、第1位置への到達時の衝撃(特に、第1位置アーム被規制部分P2と第1位置ベース被規制部分P3との衝突、及び、カラーC2のガイド溝431の上端への衝突により発生する衝撃)を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
なお、上述した「第1アーム500及び第2アーム600が所定位置から第1位置へ近づく」際の「所定位置」とは、突設ピン730の軸心およびギヤ軸790の軸心を結ぶ直線L2上にギヤ軸790の軸心が位置する状態(即ち、直線L1と直線L2とが重なる状態)を意味する。
図22に示すように、本実施形態では、第1アーム500及び第2アーム600が第1位置に配置された状態において、案内溝511aには、ギヤ部材700が逆回転(図22(b)時計まわりに回転、第1方向へ回転)して、突設ピン730が更に移動するための領域が形成されている。
よって、図22に示す状態(第1アーム500及び第2アーム600が第1位置に配置された状態)から、図23に示すように、ギヤ部材700が逆回転(第1方向へ回転)され、突設ピン730が案内溝511aに沿って移動されることで、第1位置アーム被規制部分P2を第1位置ベース被規制部分P3へ、カラーC2をガイド溝431の上端へ、それぞれ更に強固に押し付けることができると共に、アーム軸520とその軸受との間の隙間、突設ピン730と案内溝511aとの間の隙間などを吸収することができる。即ち、第1アーム500及び第2アーム600を第2位置から第1位置へ向かう方向(図23(a)左方向)へ押圧することができる。これにより、第1アーム500及び第2アーム600を、ガタツキを抑制して、第1位置に強固に保持することができる。
図23に示すように、本実施形態では、第1アーム500及び第2アーム600が図22に示す第1位置に配置された後、ギヤ部材700は、突設ピン730の軸心およびアーム軸520の軸心を結ぶ直線L1と、突設ピン730の軸心およびギヤ軸790の軸心を結ぶ直線L2とが直交(即ち、角度θ=90度)される位置まで回転される。
よって、第1アーム500に外力が作用しても、ギヤ部材700を回転させる方向の力成分(即ち、突設ピン730の軸心およびギヤ軸790の軸心を結ぶ直線L2に直交する方向の力成分)が発生せず、ギヤ部材700の回転を規制することができる。その結果、第1アーム500を第1位置に機械的に維持することができるので、駆動モータ900の駆動力を小さくする(或いは、解除しておく)ことができる。その結果、駆動モータ900の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
図24(a)は、第2位置に配置された第1アーム500及び第2アーム600とギヤ部材700の正面図であり、図24(b)は、図24(a)のXXIVb部における第1アーム500及びギヤ部材700の部分拡大正面図である。図25(a)は、図24(a)に示す状態からギヤ部材700が正回転された状態における第1アーム500及び第2アーム600とギヤ部材700の正面図であり、図25(b)は、図25(a)のXXVb部における第1アーム500及びギヤ部材700の部分拡大正面図である。
本実施形態によれば、図24及び図25に示す第2位置においても、図22及び図23に示す第1位置における場合と同様の作用効果を奏する。
即ち、図24に示すように、第1アーム500及び第2アーム600が所定位置から第2位置へ近づく(即ち、ギヤ部材700が正回転(図24(b)反時計まわり)して図24に示す状態に近づく)に従って、直線L1と直線L2とのなす角度θが大きくなる。
よって、第1アーム500に外力が作用しても、第1アーム500が第2位置に近い状態ほど、ギヤ部材700を回転させる方向の力成分(直線2に直交する方向の力成分)を小さくできる。その結果、第1アーム500を第2位置に保持する際に必要とされる駆動力を小さくできるので、その分、駆動モータ900の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、図24に示す第2位置では、第1位置の場合と同様に、直線L1と直線L2とのなす角度θが大きな状態(即ち、減速比が大きな状態)なので、第2位置から第1アーム500の変位を開始する(即ち、ギヤ部材700を図24に示す状態から逆回転(図22(b)時計まわり)させる)際に必要とされる負荷を小さくして、その分、駆動モータ900の容量の小型化を図ることができる。また、減速比が大きくされることで、第2位置への到達時の衝撃(特に、第2位置アーム被規制部分P4,P6と第2位置ベース被規制部分P5,P7との衝突、及び、カラーC2のガイド溝431の下端への衝突により発生する衝撃)を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
なお、上述した「第1アーム500及び第2アーム600が所定位置から第2位置へ近づく」際の「所定位置」とは、上述した場合と同様に、突設ピン730の軸心およびギヤ軸790の軸心を結ぶ直線L2上にギヤ軸790の軸心が位置する状態(即ち、直線L1と直線L2とが重なる状態)を意味する。
図24に示すように、本実施形態では、第1アーム500及び第2アーム600が第2位置に配置された状態において、案内溝511aには、ギヤ部材700が正回転(図24(b)反時計まわりに回転、第2方向へ回転)して、突設ピン730が更に移動するための領域が形成されている。
よって、図24に示す状態(第1アーム500及び第2アーム600が第2位置に配置された状態)から、図25に示すように、ギヤ部材700が正回転(第2方向へ回転)され、突設ピン730が案内溝511aに沿って移動されることで、第2位置アーム被規制部分P4,P6をそれぞれ第2位置ベース被規制部分P5,P7へ、カラーC2をガイド溝431の下端へ、それぞれ更に強固に押し付けることができると共に、アーム軸520とその軸受との間の隙間、突設ピン730と案内溝511aとの間の隙間などを吸収することができる。即ち、第1アーム500及び第2アーム600を第1位置から第2位置へ向かう方向(図25(a)右方向)へ押圧することができる。これにより、第1アーム500及び第2アーム600を、ガタツキを抑制して、第2位置に強固に保持することができる。
図25に示すように、本実施形態では、第1アーム500及び第2アーム600が図24に示す第2位置に配置された後、ギヤ部材700は、直線L1と直線L2とが直交(即ち、角度θ=90度)される位置まで回転される。よって、第1アーム500に外力が作用しても、ギヤ部材700を回転させる方向の力成分(直線L2に直交する方向の力成分)が発生せず、ギヤ部材700の回転を規制することができる。その結果、第1アーム500を第2位置に機械的に維持することができるので、駆動モータ900の駆動力を小さくする(或いは、解除しておく)ことができる。その結果、駆動モータ900の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
なお、本実施形態では、案内溝511aが直線状に延設されるので、第1アーム500及び第2アーム600が図22に示す第1位置に配置された後、ギヤ部材700が更に逆回転(第1方向へ回転)され、図23の状態とされる際には、突設ピン730を案内溝511aの内壁面に徐々に押し当てることができる。即ち、第1位置アーム被規制部分P2を第1位置ベース被規制部分P3へ、カラーC2をガイド溝431の上端へ、それぞれ押し付ける動作や、アーム軸520とその軸受との間の隙間、突設ピン730と案内溝511aとの間の隙間を吸収する動作を徐々に進行させることができる。これにより、各部の破損を抑制することができる。また、図24に示す第2位置に配置された後、ギヤ部材700が更に正回転(第2方向へ回転)され、図25の状態とされる際も同様であり、第2位置アーム被規制部分P4,P6を第2位置ベース被規制部分P5,P7へ、カラーC2をガイド溝431の下端へ、それぞれ押し付ける動作や、アーム軸520とその軸受との間の隙間、突設ピン730と案内溝511aとの間の隙間を吸収する動作を徐々に進行させ、各部の破損を抑制することができる。
図6から図9に戻って説明する。図7に示すように、第1アーム500及び第2アーム600が第1位置に配置される状態では、これら第1アーム500及び第2アーム600は、その第1回転装飾体540及び第2回転装飾体550や固定装飾体620を第2ベース体430の縁部433よりも外方(図7左側)に位置させており、図8に示すように、第1アーム500及び第2アーム600が第2位置に配置される状態では、これら第1アーム500及び第2アーム600は、その第1回転装飾体540及び第2回転装飾体550や固定装飾体620を第2ベース体430の収納面部432上に位置させる。
よって、第1アーム500及び第2アーム600が第1位置から第2位置へ変位される際には、これら第1アーム500及び第2アーム600が第2ベース体430の縁部433を通過する。この場合、第1アーム500及び第2アーム600は、それぞれ長尺状に形成されると共に、その長尺体の支点(アーム軸520及びガイド体630)から最も離間する位置に重量物(第1回転装飾体540や回転機構530など)が配設される。そのため、第1アーム500及び第2アーム600は、第1位置から第2位置へ変位する際に、前後方向(遊技盤13に垂直な方向)への揺れが発生しやすく、第2ベース体430の縁部433に衝突し、損傷を招くおそれや、第2ベース体430の縁部433に係止され変位できなくなるおそれがある。
第1アーム500及び第2アーム600の変位軌跡上に第2ベース体430の縁部433が位置しないようすることが考えられる。しかし、第2ベース体430を第1アーム500及び第2アーム600の変位領域全体に拡大する(即ち、図7及び図9において縁部433の位置を左方へ延長する)ことは、第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域が第2ベース体430(平板状の収納面部432)により隠されるため行うことができず、第2ベース体430の縁部433を第1アーム500及び第2アーム600の変位軌跡外へ後退させる(即ち、図7及び図9において縁部433の位置を右方へ後退させる)ことは、その第2ベース体430(収納面部432)の背面側に配設される配線や基板が露出され、外観が損なわれるので行うことができない。ここで、図26を参照して、第2ベース体430の詳細構成について説明する。
図26(a)は、第2ベース体430の正面図であり、図26(b)は、図26(a)のXXVIb−XXVIb線における第2ベース体430の断面図である。図26に示すように、第2ベース体430は、第1アーム500及び第2アーム600が第1位置から第2位置へ変位する際において、少なくとも第1回転装飾体540及び第2回転装飾体55と固定装飾体620との変位軌跡を含む範囲に形成されると共に、第3図柄表示装置81(図2参照)の表示領域の外縁に沿って形成される縁部433を備え、その縁部433が断面円弧状に湾曲して形成される。
また、縁部433は、図26(b)に示すように、収容面部432よりも厚み寸法(図26(b)上下方向寸法)が大きくされ、その厚み方向の全域が断面円弧状に湾曲して形成される。
これにより、第3図柄表示装置81の表示領域を露出させる開口を遊技領域(遊技盤13)に確保しつつ、第1アーム500及び第2アーム600が第1位置から第2位置へ変位する際に、前後方向へ揺れた第1アーム500及び第2アーム600が第2ベース体430の縁部433に衝突したとしても、その断面円弧状の湾曲により第1アーム500及び第2アーム600を収納面部432側へ向けて案内して、衝撃を緩衝させることができる。よって、損傷を抑制できると共に、第1アーム500及び第2アーム600が第2ベース体430の縁部433で係止され停止されることを抑制して、スムーズに変位させることができる。
ここで、縁部433は、図26(a)に示すように、正面視において、その外縁(図26(a)左端)が複数の円弧形状が組み合わされた波形形状に形成されると共に、その表面(図26(a)紙面手前側面)も複数の円弧形状が組み合わされた波形形状に形成される。このように、縁部433の外縁および表面に装飾形状が施されることで、縁部433が、本実施形態のように比較的大きな径寸法で断面円弧状に湾曲して形成される場合であっても、その断面円弧状の湾曲と装飾形状とを一体の意匠として、遊技者に違和感無く認識させ、縁部433が不自然に目立つことを抑制できる。
更に、第2ベース体430は、光透過性材料から形成され、第1アーム500及び第2アーム600が前面側を変位する収納面部432は、その前面が平坦面として形成される一方で、その背面には縁部433に類似すると共に連続する装飾形状が形成される(図27参照)。
これにより、収納面部432の前面側(平坦面側)を第1アーム500及び第2アーム600が変位する際には、第1アーム500等の変位が阻害されることを抑制して、スムーズに変位させることができる。一方で、収納面部432が光透過性材料から形成され、その背面に装飾形状が形成されていることで、縁部433と収納面部432の背面の装飾形状とを一体の意匠として遊技者に違和感無く認識させる上述した効果を確保できる。
また、収納面部432の前面が平坦面として形成される場合、その平坦面(前面)には、第1アーム500及び第2アーム600が摺動されることで擦れ傷が形成されやすいところ、背面に装飾形状が形成されることで、前面の擦れ傷と背面の装飾形状とを重ね合わせて、前面の擦れ傷を目立たなくすることができる。
次いで、図27及び図28を参照して、ケース部材400の構造について説明する。図27は、ケース部材400の分解背面斜視図である。
図27に示すように、ケース部材400は、第1アーム500、ギヤ部材700、減速ギヤ800及び駆動モータ900が配設される第1ベース体410と(図7及び図9参照)、その第1ベース体410に着脱可能に接続される第2ベース体430とを備え、第2ベース体430の収容面部432及び縁部433に装飾形状が施される。これにより、他の機種へのケース部材400の流用を効率的に行うことができる。
即ち、第1アーム500の変位形態(例えば、変位角度や変位速度)の変更に伴い、第1アーム500のアーム軸520の配設位置を変更することや、減速ギヤ800又はピニオンギヤ920の歯数(減速比)を増減するためにそれらの配設位置を変更することが必要となった場合に、収容面部432や縁部433の装飾形状は変更する必要がないのであれば、ケース部材400全体を変更することは無駄である。同様に、収容面部432や縁部433の装飾形状を変更することが必要となった場合に、第1アーム500のアーム軸520の配設位置や減速ギヤ800等の配設位置を変更する必要がないのであれば、ケース部材400全体を変更することは無駄である。
これに対し、本実施形態によれば、ケース部材400が、第1アーム500や駆動モータ900などの駆動に関する部材が配設される第1ベース体410と、収容面部432や縁部433などの装飾に関する部位が配設される第2ベース体430との2部材に分割されるので、変更内容に応じて、第1ベース体410又は第2ベース体430の一方のみを変更し、第1ベース体410又は第2ベース体430の他方をそのまま流用することができるので、他の機種へのケース部材400の流用を効率的に行うことができる。
ここで、第2アーム600は、その他端が第2ベース体430に変位可能に配設されるので、かかる第2アーム600の他端が第1ベース体410に変位可能に配設される場合と比較して、第1アーム500のアーム軸520と第2アーム600の他端(ガイド体630)との間の距離を大きくする(離間させる)ことができる。これにより、第1アーム500の変位可能量を大きくして、第1アーム500を変位させることによる演出効果を高めることができる。
なお、第2アーム600とケース部材400(第2ベース体430)との関係は、第2アーム600の他端が変位可能に連結されれば足りるため、第1アーム500又はその第1アーム500を駆動するための手段(駆動モータ900や減速ギヤ800、或いは、ギヤ部材700など)が変更される場合、或いは、これに加えて第2アーム600が変更される場合でも、第2ベース体430はそのまま流用して対応することが比較的容易に可能である。よって、このように、第2アーム600の他端を第1ベース体410ではなく第2ベース体430に連結する構成を採用することで、他の機種へのケース部材400の効率的な流用と、第1アーム500の変位量の拡大との両者を達成することが可能となる。
次いで、第1ベース体410と第2ベース体430との連結構造の詳細について説明する。図27に示すように、第1ベース体410は、第2ベース体430及び背面板部材450が連結される領域となる背面が平坦面として形成され、その平坦面には、座面壁415と、一対の第1突起416と、一対の第2突起417とが突設される。
座面壁415は、背面板部材450の座面を形成するための部位であり、断面矩形の突条として縦方向および横方向に直線状に延設される。座面壁415の縦方向(図27上下方向)に延設される部分の内壁面は、第2ベース体430を位置決めする部位として機能する。即ち、座面壁415の縦方向に延設される部分の内壁面から第1突起416までの距離が、突出板部434の一方の側面(図27左側面)から位置決め孔434aまでの距離と同等とされる。よって、座面壁415の内壁面に突出板部434の側面を当接させることで、両者を横方向に位置決めすることができる。
座面壁415は、その突設先端面の高さ位置が、第1突起416及び第2突起417(座面突起417a及び連結壁417c、図28参照)の突設先端面と同じ高さ位置に設定され(即ち、各部415〜417の突設先端面が面一に配置され)、これら各部415〜417の突設先端面に背面板部材450の正面が着座される。
第1突起416は、第2ベース体430(突出板部434)を第1ベース体410に対して位置決めすると共に、背面板部材450の座面を形成するための部位であり、断面円形の円柱状に形成されると共に、その円柱状体の突設先端面には、締結ねじ(図示せず)が締結可能なめねじが凹設される。一対の第1突起416が突出板部434の位置決め孔434aにそれぞれ挿通されることで、第1ベース体410に対して第2ベース体430が位置決めされる。この場合、突出板部434の厚み寸法が第1突起416の突設高さ寸法と同等の寸法または若干小さな寸法に設定されることで、第1突起416の突設先端面にも背面板部材450の正面が着座される。
第2突起417は、背面板部材450を第1ベース体410に対して位置決めすると共に、背面板部材450の座面を形成するための部位であり、一対が配設される。ここで、図28を参照して、第2突起417について説明する。
図28(a)は、第2突起417の部分拡大背面図であり、図28(b)は、図28(a)の矢印XXVIIIb方向視における第2突起417の側面図であり、図28(c)は、図28(a)のXXVIIIc−XXVIIIc線における第2突起417の断面図である。
図28に示すように、第2突起417は、断面円形の円柱状に形成される座面突起417aと、その座面突起417aよりも小径な断面円形の円柱状に形成される位置決め突起417bと、それら座面突起417a及び位置決め突起417bの外周面どうしを連結する断面矩形状の連結壁417cとを備える。
座面突起417a及び連結壁417cは、互いに同じ突設高さ寸法に設定されると共に、その突設高さ寸法は、座面壁415及び第1突起416の突設高さ寸法と同一に設定される。即ち、第2突起417は、座面突起417a及び連結壁417cの突設先端面に背面板部材450の正面が着座される。なお、座面突起417aの突設先端面には、締結ねじ(図示せず)が締結可能なめねじが凹設される。
位置決め突起417bは、その突設高さ寸法が、座面突起417a及び連結壁417cの突設高さ寸法よりも大きくされ、背面板部材450の位置決め孔452に挿通可能とされる。一対の位置決め突起417b(図27参照)が背面板部材450の位置決め孔452にそれぞれ挿通されることで、第1ベース体410に対して背面板部材450が位置決めされる。
連結壁417cは、座面突起417aと位置決め突起417bとの間を直線状に最短距離で連結する。ここで、座面突起417a及び位置決め突起417bは、比較的小径である一方で、突設高さ寸法が大きいため、製造工程や組立工程での他部材との衝突、或いは、組立後の搬送時や設置後の振動によって、それぞれ欠損しやすい部位であるところ、これら座面突起417a及び位置決め突起417bが連結壁417cにより連結されることで、第2突起417全体としての剛性を高め、その欠損を抑制できる。
また、連結壁417cの突設高さ寸法を座面突起417aの突設高さ寸法と同一に設定することで、連結壁417cに、座面突起417a及び位置決め突起417bを連結して、第2突起417全体としての強度を高める役割だけでなく、背面板部材450の正面を着座させる座面としての役割を兼用させることができる。よって、それぞれの役割の部材を別々に設ける場合と比較して、材料コストの低減を図ることができる。
図27に戻って説明する。第2ベース体430には、その突出板部434の下方に、座面壁425、第1突起426及び第2突起427が背面側へ向けて突設される。なお、座面壁425は、その配設位置および延設長さが異なる点を除き、第1ベース体410の座面壁415と同一に構成され、第1突起426及び第2突起427は、その配設位置が異なる点を除き、第1ベース体410の第1突起416及び第2突起417と同一に構成される。よって、これら座面壁425、第1突起426及び第2突起427の説明は省略する。
また、第2ベース体430には、第1ベース体410に連結される側の側面(図27上側面)から第1ベース体410へ向けて突出板部434が突設される。突出板部434は、第1ベース体410の背面に重ね合わされて連結される部位であり、正面視矩形の板状に形成される。この突出板部434には、正面視円形の孔である一対の位置決め孔434aが板厚方向に沿って貫通形成され、突出板部434の背面から断面円形の円柱状に形成される位置決め突起434bが突設される。
突出板部434の一対の位置決め孔434aに第1ベース体410の第1突起416がそれぞれ挿通されることで、第1ベース体410に対して第2ベース体430が位置決めされる。この場合、突出板部434の厚み寸法は、第1ベース体410の座面壁415や第1突起416等の突設高さ寸法と同等の寸法に設定されるので、突出板部434の背面に背面板部材450の正面が着座される。
なお、突出板部434の背面は、その高さ位置が、座面壁425、第1突起426及び第2突起427(座面突起417a及び連結壁417c、図28参照)の突設先端面と同じ高さ位置(即ち、突出板部434の背面と座面壁425等の突出先端面とが面一となる高さ位置)に設定される。よって、背面板部材450の正面は、突出一部434の背面と各部425〜427の突設先端面とに着座される。
背面板部材450は、第1ベース体410と第2ベース体430とを連結するためにそれら第1ベース体410及び第2ベース体430の背面側に取着(締結固定)される部材であり、金属材料から板状に形成される。なお、背面板部材450は、第1ベース体410に取着される部分が正面視正方形状に、第2ベース体430に取着される部分が、第1ベース体410に取着される部分よりも幅が狭い長尺矩形状に、それぞれ形成される。
背面板部材450は、第1ベース体410及び第2ベース体430を結ぶ方向(図27上下方向)に沿う両辺が背面側へ向けて折り曲げられることで、第1ベース体410と第2ベース体430との連結部分(突出板部434近傍)を中心とする折り曲げ方向に対する曲げ剛性が高められている。これにより、第1ベース体410及び第2ベース体430の連結強度を確保できる。
背面板部材450には、挿通孔451及び位置決め孔452が板厚方向に貫通形成される。挿通孔451は、締結ねじ(図示せず)が挿通可能かつ第1突起416,426の突出先端面の外径よりも小さな内径の断面円形の孔であり、第1突起416,426に対応する位置にそれぞれ形成される。位置決め孔452は、位置決め突起417b及び位置決め突起434bの外径よりも若干大きな内径の断面円形の孔であり、位置決め突起417b及び位置決め突起434bに対応する位置にそれぞれ形成される。
以上のように形成されるケース部材400の組み立ては、まず、第1ベース体410の背面の下方部分(平坦面部分)に、第2ベース体430の突出板部434を重ね合わせる。この場合には、上述したように、第1ベース体410における座面壁415の縦方向(図27上下方向)に延設される部分の内壁面に、第2ベース体430における突出板部434の一方の側面(図27左側面)を当接させることで、両者を横方向に位置決めすることができる。これにより、第1突起416を位置決め孔434aに容易に挿通させることができる。
次いで、第1ベース体410及び第2ベース体430の背面に背面板部材450を重ね合わせ、締結ねじ(図示せず)により締結固定する。即ち、第1ベース体410側の複数(本実施形態では2個)の位置決め突起417bと、第2ベース体430側の複数(本実施形態では2個)の位置決め突起417b,434bとを、位置決め孔452にそれぞれ挿通させることで、第1突起416,426及び第2突起417,427と挿通孔451との位置がそれぞれ一致されるので、各挿通孔451に挿通した締結ねじを第1突起416,426及び第2突起417,427にそれぞれ締結する。これにより、第1ベース体410及び第2ベース体430の背面に背面板部材450が締結固定され、ケース部材400の組み立てが完了する。
このように、ケース部材400は、第1ベース体410及び第2ベース体430がその背面側に取着される金属製の背面板部材450により連結されるので、これら第1ベース体410及び第2ベース体430の連結を強固として、ケース部材400全体としての剛性を確保できる。
この組み立て状態では、ケース部材400は、第2ベース体430に形成される突出板部434が、第1ベース体410の背面と背面板部材450の正面との間に挟持されるので、板状体の重なりを利用して、構造の簡素化と小型化を達成しつつ、ケース部材400全体としての剛性を効果的に高めることができる。
背面板部材450は、第1ベース体410に取着される部分(正面視正方形状の部分)において、その正方形の四隅部にそれぞれ締結ねじが締結されると共に、第2ベース体430に取着される部分(上下に延設される長尺形状の部分)の長手方向両端にそれぞれ締結ねじが締結されるので、背面板部材450の剛性を効率的に利用して、ケース部材400(第1ベース体410及び第2ベース体430)の剛性を高めることができる。
なお、ケース部材400の組み立ては、第2ベース体430の背面に背面板部材450を先に取着(締結固定)した後、それら締結固定された第2ベース体430及び背面板部材450を第1ベース体410に取着(締結固定)しても良い。
次いで、図29(a)及び図29(b)を参照して、第2実施形態を説明する。図29(a)は、第2実施形態における軸体2542及び止め輪2534の正面図であり、図29(b)は、図29(a)のXXIXb−XXIXb線における軸体2542及び止め輪2534の断面図である。
第1実施形態では、止め輪534の張出部534cにおける円弧状の張出先端が、軸体542における円周溝542cの底面を押圧する(密着する)ことで、止め輪534が軸体542と共に回転する場合を説明したが、第2実施形態の軸体2542には、止め輪2534に周方向に係合する被係合部2542dが形成される。なお、上述した第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図29(a)及び図29(b)に示すように、軸体2542には、円周溝542cの底面に被係合部2542dが凹設される。被係合部2542dは、止め輪2534の張出部2534cを受け入れるための凹部であり、平坦面542aと位相を180度異ならせた位置(即ち、ホイールギヤ533の平坦面533a,533e1に軸体542の平坦面542aが係合した状態において(図15(a)参照)、突起部533eと反対側となる位置、図29(b)下側)に凹設される。
止め輪2534は、円環部534bの内周側の周方向3ヶ所から径方向内方へ向けて張り出して形成される張出部534c,2534cを備える。本実施形態では、開口端534aと位相を180度異ならせる側に位置する(即ち、開口端534a側に位置する一対の張出部534cの間に位置する)張出部2534cは、その径方向内方への張り出し寸法が、開口端534a側に位置する張出部534cの径方向内方への張り出し寸法よりも大きな寸法に設定される。
本実施形態によれば、軸体2542の円周溝542cに止め輪2534が適性位置まで嵌め込まれると、図29(b)に示すように、止め輪2534の張出部2534cが、軸体2542の被係合部2542dに受け入れ可能とされる。即ち、軸体2542の円周溝542cの底面に凹部として形成された被係合部2542dに、止め輪2534の1の張出部2534cが係合されることで、軸体2542に対して止め輪2534を周方向に係合させることができる。
これにより、軸体2542に対する止め輪2534の周方向への相対移動を規制することができるので、止め輪2534を軸体2542と共に確実に回転させることができる。即ち、軸体2542に対し止め輪2534が周方向に滑ることを回避できるので、大きな回転トルクに対しても、その回転トルクを、軸体2542から止め輪2534を介して突起部533eへ確実に伝達させることができる。
これにより、ホイールギヤ533と軸体2542との間での伝達される回転トルクを、ホイールギヤ533の平坦面533a,533e1と軸体2542の平坦面542aとの間だけで受け持つのではなく、ホイールギヤ533の突起部533と止め輪2534の開口端534aとの間でも受け持つことができる(図15(b)参照)。その結果、回転トルクを分散でき、その分、軸体2542及びホイールギヤ533の耐久性の向上を図ることができる。
この場合、軸体2542の被係合部2542dは、平坦面542aと位相を180度異ならせた位置に配設されるので、ホイールギヤ533に軸体542が挿通され、ホイールギヤ533の平坦面533a,533e1に軸体542の平坦面542aが係合した状態では(図15(a)参照)、突起部533eと位相を180度異ならせた位置に被係合部2542dが配置される(即ち、被係合部2542dの開口が突起部533eと反対側を望む)。
よって、止め輪2534の開口端534aの間に突起部533eを位置させるための止め輪2534の嵌め込み方向と(図15(a)及び図15(b)参照)、止め輪2534の張出部2534cを軸体2542の被係合部2542dに係合させる(受け入れさせる)ための止め輪2534の嵌め込み方向とを一致させることができる。その結果、突起部533eと止め輪2534とをラジオペンチの各腕によりそれぞれ係止し、止め輪2534を軸体2542の円周溝542cへ嵌め込む動作を行うのみで、止め輪2534の張出部2534cを軸体2542の被係合部2542dに容易かつ確実に係合させることができる。
次いで、図29(c)及び図29(d)を参照して、第3実施形態を説明する。図29(c)は、第3実施形態における軸体3542及び止め輪3534の正面図であり、図29(d)は、図29(c)のXXIXd−XXIXd線における軸体3542及び止め輪3534の断面図である。
第2実施形態では、被係合部2542dが凹部として形成される場合を説明したが、第3実施形態の被係合部3542dは、平坦面として形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図29(c)及び図29(d)に示すように、軸体3542には、円周溝542cの底面に被係合部3542dが形成される。被係合部3542dは、平坦面542aに平行な平坦面として形成されると共に、その平坦面542aと位相を180度異ならせた位置(即ち、ホイールギヤ533の平坦面533a,533e1に軸体542の平坦面542aが係合した状態において(図15(a)参照)、突起部533eと反対側となる位置、図29(d)下側)に形成される。
止め輪3534は、円環部534bの内周側の周方向3ヶ所から径方向内方へ向けて張り出して形成される張出部534c,3534cを備える。本実施形態では、開口端534aと位相を180度異ならせる側に位置する(即ち、開口端534a側に位置する一対の張出部534cの間に位置する)張出部3534cは、その径方向内方への張り出し寸法が、開口端534a側に位置する張出部534cの径方向内方への張り出し寸法よりも大きな寸法に設定されると共に、張り出し先端が軸方向(図29(d)紙面垂直方向)に平行な平坦面として形成される。
本実施形態によれば、第2実施形態の場合と同様に、軸体3542の被係合部3542dと止め輪3534の張出部3534cとの係合により、軸体3542に対して止め輪3534を周方向に係合させることができる。これにより、軸体3542に対し止め輪3534が周方向に滑ることを回避して、大きな回転トルクに対しても、その回転トルクを、軸体3542から止め輪334を介して突起部533e(図15(b)参照)へ確実に伝達させることができる。その結果、回転トルクを、ホイールギヤ533の平坦面533a,533e1と軸体3542の平坦面542aとの間だけでなく、ホイールギヤ533の突起部533と止め輪3534の開口端534aとの間でも受け持つことができるので、回転トルクを分散でき、その分、軸体3542及びホイールギヤ533の耐久性の向上を図ることができる。
また、軸体3542の被係合部3542dは、平坦面542aと位相を180度異ならせた位置に配設されるので、第2実施形態の場合と同様に、突起部533eと止め輪3534とをラジオペンチの各腕によりそれぞれ係止し、止め輪3534を軸体3542の円周溝542cへ嵌め込む動作を行うのみで、止め輪3534の張出部2534cを軸体3542の被係合部3542dに容易かつ確実に係合させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、各実施形態における一部の構成を、省略してパチンコ機10を構成しても良く、或いは、各実施形態における一部の構成を、他の実施形態または変形形態における一部の構成と組み合わせて、或いは、置き換えて、パチンコ機10を構成しても良い。
上記各実施形態では、第1アーム500の本体部材510に案内溝511aを形成すると共にその案内溝511aに挿通される突設ピン730をギヤ部材700から突設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1アーム500の本体部材510から突設ピンを突設すると共にその突設ピンが挿通される案内溝511aをギヤ部材700に形成しても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
アーム軸を中心として変位されるアーム部材と、そのアーム部材を前記アーム軸を中心として変位させるための駆動力を発生する駆動手段とを備えた遊技機において、前記駆動手段から付与される駆動力によりギヤ軸を中心として回転されるギヤ部材を備え、前記ギヤ部材は、前記ギヤ軸に対して偏心する位置に突設される突設ピンを備えると共に、前記アーム部材は、前記ギヤ部材の突設ピンを受け入れる案内溝を備え、前記ギヤ部材が第1方向に回転され、前記突設ピンが前記案内溝に沿って移動されることで、前記アーム部材が第1位置に配置され、前記突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、前記突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が、前記アーム部材が所定位置から第1位置へ近づくにつれて大きくなることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、アーム部材が所定位置から第1位置へ近づくにつれ、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が大きくなる。よって、アーム部材に外力が作用し、その外力がギヤ部材に伝達される場合には、アーム部材が第1位置に近い状態ほど、ギヤ部材に発生する力の内のギヤ部材を回転させる方向の力成分(即ち、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線に直交する方向の力成分)を小さくできる。その結果、アーム部材を第1位置に保持する際には、アーム部材に作用する外力(例えば、重力)に対抗するために駆動手段に必要とされる駆動力を小さくできるので、その分、駆動手段の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、第1位置に保持されたアーム部材の変位を開始する際には、慣性力や摩擦力の影響で駆動手段の負荷が大きくなるところ、遊技機A1によれば、第1位置では、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が大きな状態(即ち、減速比が大きな状態)なので、かかる第1位置からアーム部材の変位を開始する際の駆動手段の負荷を小さくして、駆動手段の容量の小型化を図ることができる。一方で、第1位置にアーム部材が到達する際には、ギヤ部材の回転速度を一定としても、アーム部材の変位速度を減速させることができるので、到達時の衝撃を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
遊技機A1において、前記ギヤ部材が第1方向と反対方向となる第2方向へ回転され、前記突設ピンが前記案内溝に沿って移動されることで、前記アーム部材が第2位置に配置され、前記突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、前記突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が、前記アーム部材が前記所定位置から第2位置へ近づくにつれて大きくなることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、アーム部材が所定位置から第2位置へ近づくにつれ、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が大きくなるので、遊技機A1と同様の効果を奏する。即ち、アーム部材を第2位置に保持する際には、アーム部材に作用する外力(例えば、重力)に対抗するために駆動手段に必要とされる駆動力を小さくでき、その分、駆動手段の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、第2位置からアーム部材の変位を開始する際には、駆動手段の負荷を小さくして、容量の小型化を図ることができる一方で、第2位置にアーム部材が到達する際には、到達時の衝撃を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
なお、遊技機A1及びA2において、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が、アーム部材が所定位置から第1位置へ近づくにつれて大きくなるとする際の「所定位置」とは、アーム軸と突設ピンの軸心とギヤ軸とが一の直線上に配置される位置をいう。
遊技機A1又はA2において、前記アーム部材は、前記ギヤ部材の第1方向への回転により、前記第1位置まで変位可能とされ、前記アーム部材の案内溝には、前記アーム部材が第1位置に配置された状態において、前記ギヤ部材が前記第1方向へ更に回転して前記ギヤ部材の突設ピンが移動するための領域が形成されていることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、アーム部材の案内溝には、アーム部材が第1位置に配置された状態において、ギヤ部材の第1方向への回転に伴い突設ピンが移動するための領域が形成されているので、このアーム部材が第1位置に配置された状態からギヤ部材が第1方向へ更に回転され、前記突設ピンが前記案内溝に沿って移動されることで、アーム軸とその軸受との間の隙間、或いは、突設ピンと案内溝との間の隙間を吸収して、アーム部材を第1位置側へ押圧することができる。これにより、アーム部材の第1位置におけるガタツキを抑制することができ、その結果、アーム部材を第1位置に強固に保持することができる。
遊技機A3において、前記ギヤ部材は、前記アーム部材が第1位置に配置された後、前記突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、前記突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とが直交される位置まで回転されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、ギヤ部材は、アーム部材が第1位置に配置された後、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とが直交される位置まで回転されるので、アーム部材に外力が作用しても、ギヤ部材を回転させる方向の力成分(即ち、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線に直交する方向の力成分)が発生せず、ギヤ部材の回転を規制することができる。その結果、アーム部材を第1位置に機械的に維持することができるので、駆動手段の駆動力を小さくする(或いは、解除しておく)ことができる。その結果、駆動手段の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
遊技機A3又はA4において、前記アーム部材の案内溝は直線状に延設されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、アーム部材の案内溝が直線状に延設されるので、アーム部材が第1位置に配置された後、ギヤ部材が第1方向へ更に回転される際に、ギヤ部材の突設ピンをアーム部材の案内溝の内壁面に徐々に押し当てることができる。即ち、アーム軸とその軸受との間の隙間、或いは、突設ピンと案内溝との間の隙間の吸収と、アーム部材の第1位置側への押圧を徐々に行うことができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記アーム部材およびギヤ軸が配設されるケース部材と、そのケース部材に配設され前記ギヤ部材の回転位置を検出する回転位置検出手段と、を備え、前記ギヤ部材は、前記ギヤ軸を中心に回転可能に前記ケース部材に配設されると共に外周面に歯が刻設されるギヤ本体と、そのギヤ本体の外周面から径方向外方へ張り出すと共に前記回転位置検出手段により検出される被検出部と、を備え、前記ケース部材は、そのケース部材から前記被検出部へ向けて立設されると共に前記被検出部の移動軌跡に沿って延設される規制リブを備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、ギヤ部材の傾きを効果的に抑制できる。即ち、ギヤ部材の突設ピンがアーム部材の案内溝に沿って移動される際には、案内溝の内壁面を押圧する突設ピンへの反力の作用によりギヤ部材には傾きが発生する。この場合、遊技機A6によれば、ケース部材には、規制リブが、ギヤ部材の被検出部へ向けて立設されると共に被検出部の移動軌跡に沿って延設されるので、ギヤ部材が傾く際には、その被検出部を規制リブにより受け止めることができる。これにより、ギヤ部材の回転抵抗の増加を抑制しつつ、ギヤ部材の過大な傾きを回避して、そのギヤ軸や歯面の破損を抑制できる。
特に、被検出部は、ギヤ本体の外周面から径方向外方へ張り出す部位であり、ギヤ部材が傾く際に変位が最大となる部位なので、かかる部位を規制リブが受け止める構成とすることで、ギヤ部材の過大な傾きを効果的に抑制することができる。更に、回転位置検出手段により検出される部位である被検出部を、上述のように、ギヤ軸の傾きを抑制するストッパ機能を発揮するための部位も兼用する構成とすることで、これらを2ヶ所に分けて設ける場合と比較して、構造を簡素化して、部品コストの削減を図ることができる。
遊技機A6において、前記規制リブの立設先端と前記被検出部の前記ケース部材に対面する底面との間には隙間が形成されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、規制リブの立設先端と被検出部のケース部材に対面する底面との間には隙間が形成されているので、案内溝の内壁面を押圧する突設ピンへの反力の作用が小さい場合には、被検出部の底面と規制リブの立設先端との間の隙間を維持して、接触抵抗が発生することを回避できる。これにより、ギヤ部材の回転に必要な駆動力を低減できる。
遊技機A6又はA7において、前記被検出部は、前記ケース部材に対面する底面の縁部が円弧状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、被検出部は、ケース部材に対面する底面の縁部が円弧状に湾曲して形成されるので、ギヤ部材の傾きに起因して、被検出部の底面が規制リブに当接される際には、被検出部の底面の縁部が規制リブに引っ掛かることを抑制することができる。よって、ギヤ部材をスムーズに回転させることができる。
遊技機A6からA8のいずれかにおいて、前記ギヤ部材は、前記突設ピンが前記被検出部から立設されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A6からA8のいずれかにおいて、ギヤ部材は、突設ピンが被検出部から立設されるので、ギヤ部材が回転し、突設ピンがアーム部材の案内溝に沿って移動されることで、案内溝の内壁面から突設ピンが反力を受ける際には、ギヤ本体の外周面から径方向外方へ張り出す被検出部のみを部分的に傾かせて、ギヤ本体(ギヤ軸)の傾きを抑制しやすくできる。これにより、ギヤ本体の歯面とその歯面に噛み合う相手部材の歯面とがずれた状態のままで回転して、回転抵抗が過大となることや歯面が磨耗することを抑制できる。
遊技機A9において、前記ケース部材の規制リブは、前記ギヤ部材のギヤ軸における軸方向視において、前記突設ピンの基部よりも径方向外方に位置することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、ケース部材の規制リブは、ギヤ部材のギヤ軸における軸方向視において、突設ピンの基部よりも径方向外方に位置するので、案内溝の内壁面から突設ピンが反力を受ける際には、被検出部の張り出し先端側(即ち、ケース部材へ最も近接する部分)を規制リブにより受け止めさせることができ、ギヤ部材の傾きを効果的に抑制できる。
遊技機A6からA10のいずれかにおいて、前記ケース部材の規制リブは、前記ギヤ部材の被検出部が前記回転位置検出手段により検出される回転位置まで延設されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A6からA10のいずれかの奏する効果に加え、ケース部材の規制リブは、ギヤ部材の被検出部が回転位置検出手段により検出される回転位置まで延設されるので、突設ピンが案内溝の内壁面から反力を受けつつギヤ部材が回転される場合に、被検出部が回転位置検出手段に衝突することを抑制できる。これにより、ギヤ部材の回転位置検出の信頼性を高めることができる。
円柱軸状体の外面の一部が平坦面とされることで断面D字状に形成されるD字断面部およびそのD字断面部の外面に周方向に沿って凹設される円周溝を有する軸体と、その軸体のD字断面部が挿通可能となるように円孔の内面の一部が平坦面とされることで断面D字状に形成される挿通孔を有し、その挿通孔の平坦面および前記D字断面部の平坦面が係合することで前記軸体と共に回転する回転体と、その回転体の挿通孔から前記軸体が軸方向に抜け出ることを防止するために前記円周溝に嵌め込まれる止め輪と、前記軸体または回転体に回転駆動力を付与する駆動手段と、を備えた遊技機において、前記回転体は、その軸方向端面から前記軸体に沿って突設される突起部を備えることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、回転体の挿通孔に軸体のD字断面部が挿通され、回転体の軸方向端面から突出された軸体のD字状端面部における円周溝に止め輪が嵌め込まれることで、回転体の挿通孔から軸体が軸方向へ抜け出ることが防止される。この場合、回転体の軸方向端面には、軸体に沿って突起部が突設されているので、軸体の円周溝に止め輪を嵌め込む際には、突起部と止め輪とをペンチ等の工具でそれぞれ係止して作業することができる。即ち、軸体を工具により係止する必要がない。よって、軸体に損傷を与えることなく、止め輪を軸体の円周溝に嵌め込むことができる。特に、軸体が真鍮製の場合には、損傷を与えやすいため、有効となる。なお、軸体の損傷とは、例えば、軸体の表面に傷が形成される場合や、軸体の軸心が屈曲される場合などが例示される。
遊技機B1において、前記突起部は、前記軸体の円周溝に嵌め込まれた止め輪の開口端の対向間に位置することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、止め輪が軸体の円周溝から脱落することを抑制できる。
即ち、軸体と止め輪との間には、両者の係合が解除されやすい相対回転位置が存在し、その相対回転位置となった際に、軸体を回転体の挿通孔から抜け出させる方向への荷重が作用されると、止め輪が軸体の円周溝から脱落する恐れがある。
これに対し、遊技機B2によれば、軸体の円周溝に嵌め込まれた止め輪の開口端の対向間に突起部が位置するので、止め輪の開口端を突起部に当接させることで、軸体に対して止め輪が相対回転することを規制できる。よって、突起部の位置を適切な位置に設定することで、軸体と止め輪との相対回転位置を適切な位置に維持して、止め輪が軸体の円周溝から脱落することを抑制できる。
遊技機B2において、前記軸体の円周溝に止め輪を係合させる係合手段を備えることを特長とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、軸体および回転体の耐久性の向上を図ることができる。
即ち、回転体と軸体との間で伝達される回転トルクを、回転体における挿通孔の平坦面および軸体におけるD字断面部の平坦面により受け持つ構造では、これら平坦面の負担が大きく、耐久性の低下を招く。
これに対し、遊技機B3では、軸体の円周溝に対して止め輪を係合させる係合手段を備えるので、かかる係合手段による係合を介して、止め輪を軸体と共に回転させることができる。これにより、回転体と軸体との間での伝達される回転トルクを、回転体における挿通孔の平坦面および軸体におけるD字断面部の平坦面だけでなく、回転体における突起部および止め輪の開口端の間でも受け持つことができる。これにより、回転トルクを分散でき、その分、軸体および回転体の耐久性の向上を図ることができる。
また、平坦面どうしの係合面積を拡大して、耐久性の向上を図るためには、軸体および回転体の大型化および重量増加を招くところ、遊技機B3によれば、軸体の抜け止めとしての役割を担う止め輪に、回転トルクを受け持つ役割も兼用させる構造であるので、小型化および軽量化を図ることができる。
遊技機B3において、前記止め輪は、円環形状の一部を切り欠いて開口端が形成される円環部と、その円環部の内周側の周方向複数ヶ所から径方向内方へ向けて張り出し形成される張出部とを備えるE型止め輪として形成され、前記係合手段は、前記軸体の円周溝の底面に平坦面または凹部として形成された被係合部に前記止め輪の少なくとも1の張出部を係合させるものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、止め輪は、円環部の内周側に複数の張出部が張り出し形成されたE型止め輪として形成され、係合手段は、軸体の円周溝の底面に平坦面または凹部として形成された被係合部に止め輪の少なくとも1の張出部を係合させるものであるので、軸体の円周溝に止め輪を強固に係合させることができる。即ち、張出部と被係合部との係合により回転トルクを確実に受け止めることができるので、軸体および回転体の耐久性の向上を図ることができると共に、伝達可能な回転トルクを大きくできる。また、止め輪として、汎用の部品(E型止め輪)を使用できるので、部品コストの削減を図ることができる。
また、このように、被係合部は、円周溝の底面に平坦面または凹部として形成されるので、軸体の円周溝と止め輪との係合を達成しつつ、小型化および軽量化を図ることができる。
遊技機B4において、前記軸体の円周溝の底面に形成される被係合部は、前記挿通孔の平坦面および前記D字断面部の平坦面が係合した状態において、前記突起部と位相を180度異ならせて位置することを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、軸体の円周溝の底面に形成される被係合部は、挿通孔の平坦面およびD字断面部の平坦面が係合した状態において、突起部と位相を180度異ならせて位置するので、止め輪の張出部と軸体の被係合部とを係合させる作業を容易かつ確実に行うことができる。即ち、回転体の挿通孔に軸体のD字断面部が挿通され、回転体の軸方向端面から軸体のD字状端面部が突出されると、突起部の反対側(位相を180度異ならせた側)に被係合部が位置するので、止め輪の開口端の間に突起部を位置させるための止め輪の嵌め込み方向と、止め輪の張出部を軸体の被係合部に係合させるための止め輪の嵌め込み方向とを一致させることができる。よって、突起部と止め輪とをペンチ等の工具でそれぞれ係止しつつ、止め輪を軸体の円周溝に嵌め込む動作を行うのみで、止め輪の張出部を軸体の被係合部に容易かつ確実に係合させることができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記突起部は、前記回転体の挿通孔における平坦面と同位相となる位置に形成されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、突起部は、回転体の挿通孔における平坦面と同位相となる位置に形成されるので、耐久性の向上を図ることができる。即ち、回転体は、その挿通孔に平坦面が形成される部分が最も肉厚(径方向の厚みが大きい)となり強度が確保される部位となる。よって、この挿通孔における平坦面と同位相となる部位に突起部が形成されることで、突起部から作用する荷重を強度が確保されている部位で受けることができ、その分、回転体の耐久性の向上を図ることができる。また、かかる挿通孔における平坦面と同位相となる位置であれば、突起部の断面積をより大きくすることができるので、その分、強度を確保して、突起部自体の耐久性の向上を図ることができる。
遊技機B6において、前記突起部は、前記軸体に対面する側に位置し前記挿通孔の平坦面に連なって形成される平坦面を備え、前記挿通孔の平坦面および突起部の平坦面が、前記軸体におけるD字断面部の平坦面に係合可能とされることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、突起部は、軸体に対面する側に位置し挿通孔の平坦面に連なって形成される平坦面を備え、挿通孔の平坦面および突起部の平坦面が、軸体のD字断面部における平坦面に係合可能とされるので、突起部に平坦面を形成した分、平坦面同士の係合面積を拡大することができる。その結果、回転トルクを分散して、その分、軸体および回転体の耐久性の向上を図ることができる。
また、このように、止め輪の開口端に当接して、軸体に対する止め輪の相対回転を抑制するための役割を担う突起部に、軸体のD字断面部における平坦面に係合して、回転トルクを受け持つための役割も兼用させることで、軸体および回転体の耐久性の向上を図りつつ、小型化および軽量化を図ることができる。
遊技機B3からB7のいずれかによれば、アーム軸を中心として変位されるアーム部材と、そのアーム部材に回転可能に配設され装飾体として機能する装飾部材と、を備え、前記軸体、回転体、止め輪および駆動手段が前記装飾部材を回転させるために前記アーム部材に配設されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B3からB7のいずれかの奏する効果に加え、アーム部材の変位が阻害されることを抑制しつつ、装飾部材を回転させるための機構の耐久性の向上を図ることができる。即ち、装飾部材は、装飾体としての機能を得るために大型で重量が嵩むため、その装飾部材を回転させる機構には大きな回転トルクを受け止める耐久性が要求される一方、アーム部材は、アーム軸を中心として変位されるため、軽量化により慣性力を抑えることが要求される。この場合、装飾部材を回転させる機構として、上述した軸体、回転体、止め輪および駆動手段を採用することで、大きな回転トルクを受け止める耐久性を確保しつつ、小型軽量化を達成して、アーム部材の変位をスムーズに行わせることができる。
ケース部材と、そのケース部材に変位可能に配設されるアーム部材と、そのアーム部材に駆動力を付与して前記アーム部材をケース部材に対して変位させる駆動手段とを備えた遊技機において、前記アーム部材に回転可能に配設される第2回転部材と、その第2回転部材に一端が軸支されると共に他端が前記ケース部材に変位可能に連結される連結部材と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、駆動手段から駆動力が付与されることで、アーム部材がケース部材に対して変位される。この場合、アーム部材に回転可能に配設される第2回転部材には連結部材の一端が軸支されると共に、連結部材の他端はケース部材に変位可能に連結されるので、アーム部材がケース部材に対して変位される際に、アーム部材と連結部材とがなす角度(第2回転部材に連結部材の一端が連結される連結位置とアーム軸とを結ぶ直線と、第2回転部材に連結部材の一端が連結される連結位置と連結部材の他端がケース部材に連結される連結位置とを結ぶ直線とがなす角度)の変化に伴い、第2回転部材をアーム部材に対して相対変位(回転)させることができる。即ち、アーム部材に駆動力を付与する駆動手段に、第2回転部材を回転させる手段を兼用させることができるので、第2回転部材を回転させるためだけの駆動手段を不要とできる。
遊技機C1において、前記アーム部材に回転可能に配設される第1回転部材と、その第1回転部材に駆動力を付与して前記第1回転部材をアーム部材に対して回転させる駆動手段とを備えることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、アーム部材に回転可能に配設される第1回転部材に駆動力を付与して、その第1回転部材をアーム部材に対して回転させる駆動手段を備えるので、駆動手段から付与される駆動力により、アーム部材を変位させると共に、そのアーム部材の変位に伴い、第2回転部材を回転させ、同時に、駆動手段から付与される駆動力により、第1回転部材を回転させることができる。即ち、アーム部材、第2回転部材および第1回転部材のそれぞれに駆動手段(合計3つ)を設ける必要がなく、アーム部材と第2回転部材と第1回転部材とを2つの駆動手段により駆動することができる。
遊技機C2において、前記第2回転部材および第1回転部材が同軸上に配設されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、第2回転部材および第1回転部材が同軸上に配設されるので、これら第2回転部材および第1回転部材の両者がアーム部材の変位に伴って同時に回転される場合の演出効果を高めることができる。
遊技機C3において、前記第2回転部材が第1回転部材の背面側に配設されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、第2回転部材が第1回転部材の背面側(即ち、遊技盤側)に配設されるので、アーム部材の変位の途中で、連結部材の軌跡が第1回転部材に重なり、第1回転部材の一部が連結部材に隠れることを回避できる。即ち、アーム部材の変位の間、第1回転部材の全体を露出させておくことができる。
遊技機C2からC4のいずれかにおいて、前記第2回転部材および第1回転部材は、回転方向が一致することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C2からC4のいずれかの奏する効果に加え、第2回転部材および第1回転部材は、回転方向が一致するので、アーム部材の変位に伴って、第2回転部材および第1回転部材が同時に回転される場合には、両者が滑らかに回転する印象を遊技者に与えることができ、その演出効果を高めることができる。
遊技機C5において、前記第2回転部材および第1回転部材は、同軸上に配設され、かつ、回転速度が異なることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、第2回転部材および第1回転部材は、同軸上に配設され、かつ、回転速度が異なるので、2つの部材(第2回転部材および第1回転部材)をアーム部材の変位方向に沿った同一の軌跡上で変位させつつ、同一の回転方向に異なる回転速度で回転させることができる。その結果、2つの部材(第2回転部材および第1回転部材)が滑らかに回転する印象を遊技者に与える演出効果を高めることができる。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記ケース部材は、溝状に延設されるガイド溝を備え、そのガイド溝を介して前記連結部材の他端がスライド移動可能に前記ケース部材に連結されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、連結部材は、ケース部材にそのケース部材のガイド溝を介してスライド移動可能に連結されるので、例えば、連結部材の他端がケース部材に軸支される形態と比較して、アーム部材の変位可能量をより大きくすることができる。この場合、アーム部材の変位可能量が大きくなれば、第2回転部材の回転可能量もより大きくすることができる。よって、アーム部材を変位させる際に、アーム部材が変位すること自体による演出効果だけでなく、その変位に伴い第2回転部材が回転することによる演出効果も高めることができる。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、液晶表示装置を備え、前記アーム部材は、前記液晶表示装置の表示領域上となる第1位置と前記液晶表示装置の表示領域外となる第2位置との間を変位可能に形成され、前記ケース部材は、前記液晶表示装置の表示領域の外縁に沿って形成されると共に前記アーム部材の変位軌跡上に位置する縁部を備え、その縁部が断面円弧状に湾曲して形成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかの奏する効果に加え、液晶装置の表示領域を確保しつつ、アーム部材の変位がケース部材の縁部に阻害されることを抑制できる。
即ち、アーム軸を中心としてアーム部材を第1位置および第2位置の間で変位させる構成では、アーム部材の全長が長くなるため、アーム部材の変位時に前後方向(遊技盤に垂直な方向)への揺れが発生しやすい。そのため、第1位置から第2位置へアーム部材が変位する際に、アーム部材がケース部材の縁部に衝突し、損傷を招くおそれや、アーム部材がケース部材の縁部に係止され変位できなくなるおそれがある。これに対し、アーム部材の変位軌跡上にケース部材の縁部が位置しないようにすることが考えられるが、ケース部材をアーム部材の変位領域全体に拡大することは、液晶装置の表示領域がケース部材により隠されるため行うことができず、ケース部材の縁部をアーム部材の変位軌跡外へ後退させることは、その背面側に配設される配線や基板が露出され、外観が損なわれるので行うことができない。
この場合、遊技機C8によれば、液晶表示装置の表示領域の外縁に沿って形成されると共にアーム部材の変位軌跡上に位置する縁部が、断面円弧状に湾曲して形成されるので、ケース部材に液晶装置の表示領域を露出させる開口を確保しつつ、第1位置から第2位置へアーム部材が変位する際に、後方向へ揺れたアーム部材がケース部材の縁部に衝突したとしても、断面円弧状の湾曲によりアーム部材を案内して、衝撃を緩衝させることができる。よって、損傷を抑制できると共に、アーム部材がケース部材の縁部で係止され停止されることを抑制して、スムーズに変位させることができる。
遊技機C8において、前記ケース部材は、前記縁部に隣接して装飾形状が形成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、ケース部材は、そのケース部材の縁部に隣接して装飾形状が形成されるので、縁部が断面円弧状に湾曲して形成される場合であっても、縁部と装飾形状とを一体の意匠として遊技者に違和感無く認識させ、縁部が不自然に目立つことを抑制できる。
なお、装飾形状とは、ケース部材の表面または裏面に形成される形状を意味し、例えば、表面または裏面に凹設される凹部や溝、表面や裏面に突設される突起や条、これらの組み合わせなどが例示される。溝や条は、直線状または曲線状のいずれであっても良く、或いは、これらの組み合わせであっても良い。遊技機C11において同様である。
遊技機C9において、前記アーム部材は、前記ケース部材の前面側を変位するものであり、前記ケース部材は、光透過性材料から形成されると共に、前面が平坦面として形成さ、前記装飾形状が背面に形成されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、アーム部材が変位するケース部材の前面が平坦面として形成されるので、アーム部材の変位を阻害することを抑制して、スムーズに変位させることができる。一方で、ケース部材は、光透過性材料から形成され、装飾形状が背面に形成されるので、上述した縁部と装飾形状とを一体の意匠として遊技者に違和感無く認識させる効果を確保できる。また、ケース部材の前面が平坦面として形成される場合、アーム部材が摺動することで擦れ傷が形成されやすいところ、背面に装飾形状が形成されることで、かかる擦れ傷を目立たなくすることができる。
ケース部材と、そのケース部材に変位可能に配設されるアーム部材と、そのアーム部材に駆動力を付与して前記アーム部材をケース部材に対して変位させる駆動手段とを備えた遊技機において、前記ケース部材は、前記アーム部材が配設される第1ケース部と、その第1ケース部に着脱可能に接続される第2ケース部とを備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、ケース部材は、アーム部材が配設される第1ケース部と、その第1ケース部に着脱可能に接続される第2ケース部とを備えるので、他の機種へのケース部材の流用を効率的に行うことができる。
即ち、例えば、アーム部材の変位形態の変更に伴い、アーム部材の配設位置を変更する場合に、その他の部位を変更する必要がないのに、ケース部材全体を変更することは無駄である。同様に、その他の部位を変更する場合に、アーム部材の配設位置を変更する必要がないのに、ケース部材全体を変更することは無駄である。
これに対し、遊技機D1によれば、アーム部材が配設される第1ケース部と、その第1ケース部に着脱可能に接続される第2ケース部とにケース部材が分割されるので、変更内容に応じて、第1ケース部または第2ケース部の一方のみを変更すれば良く、第1ケース部または第2ケース部の他方を流用することができるので、他の機種へのケース部材の流用を効率的に行うことができる。
遊技機D1において、前記ケース部材は、前記第2ケース部に装飾形状が形成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、ケース部材は、第2ケース部に装飾形状が形成されるので、他の機種へのケース部材の流用を効率的に行うことができる。
即ち、アーム部材の変位形態の変更に伴い、アーム部材の配設位置を変更する場合に、装飾形状を変更する必要がないのに、ケース部材全体を変更することは無駄である。同様に、装飾形状を変更する場合に、アーム部材の配設位置を変更する必要がないのに、ケース部材全体を変更することは無駄である。
これに対し、遊技機D2によれば、アーム部材が配設される第1ケース部と、装飾形状が形成される第2ケース部とにケース部材が分割されるので、変更内容に応じて、第1ケース部または第2ケース部の一方のみを変更すれば良く、第1ケース部または第2ケース部の他方を流用することができるので、他の機種へのケース部材の流用を効率的に行うことができる。
遊技機D1又はD2において、前記ケース部材は、前記第1ケース部および第2ケース部の背面側に取着される金属製の背面板部材を備え、前記第1ケース部また第2ケース部の一方は、外方へ向けて突出されると共に前記第1ケース部または第2ケース部の他方と前記背面板部材との間に挟持される突出板部を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2において、ケース部材は、第1ケース部および第2ケース部がその背面側に取着される金属製の背面板部材により連結されるので、これら第1ケース部および第2ケース部の連結を強固として、ケース部材全体としての剛性を確保できる。更に、第1ケース部また第2ケース部の一方は、外方へ向けて突出される突出板部を備え、その突出板部が、第1ケース部または第2ケース部の他方と背面板部材との間に挟持されるので、板状体の重なりを利用して、構造の簡素化と小型化を達成しつつ、ケース部全体としての剛性を効果的に高めることができる。
遊技機D3において、前記第1ケース部または第2ケース部の他方の背面には、前記突出板部の外形に沿って位置する位置決め壁が形成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、第1ケース部または第2ケース部の他方の背面には、突出板部の外形に沿って位置する位置決め壁が形成されるので、背面板部材を取り付ける前に、第1ケース部また第2ケース部の一方から突出される突出板部を、第1ケース部または第2ケース部の他方の背面に配置する際には、突出板部を位置決め壁により位置決めすることができる。よって、ケース部材を組み立てる際の作業性の向上を図ることができる。
なお、位置決め壁は、突出板部の外形に沿って連続して形成される必要はなく、断続的に形成されていても良い。即ち、突出板部の外形全体に位置決め壁が設けられている必要はなく、位置決め壁は、突出板部の外形に対し部分的に点在していれば足りる。
遊技機D4において、前記位置決め壁の突設高さが、前記突出板部の厚さ寸法と同等とされ、前記位置決め壁の突設先端面が背面板部材を受け止める座面とされることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、位置決め壁の突設先端面が背面板部材を受け止める座面とされるので、その分、背面板部材と第1ケース部または第2ケース部の他方との間の接触面積を増加させ、両者の結合を強固とできる。これにより、ケース部全体としての剛性を高めることができる。
遊技機D1からD5において、前記アーム部材に回転可能に配設される第2回転部材と、その第2回転部材に一端が軸支されると共に他端が前記第2ケース部に変位可能に連結される連結部材と、を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5の奏する効果に加え、アーム部材に回転可能に配設される第2回転部材には連結部材の一端が軸支されると共に、連結部材の他端は第2ケース部材に変位可能に連結されるので、アーム部材がケース部材に対して変位される際に、アーム部材と連結部材とがなす角度(第2回転部材に連結部材の一端が連結される連結位置とアーム軸とを結ぶ直線と、第2回転部材に連結部材の一端が連結される連結位置と連結部材の他端が第2ケース部材に連結される連結位置とを結ぶ直線とがなす角度)の変化に伴い、第2回転部材をアーム部材に対して相対変位(回転)させることができる。即ち、アーム部材に駆動力を付与する駆動手段に、第2回転部材を回転させる手段を兼用させることができるので、第2回転部材を回転させるための駆動手段を設けなくても、アーム部材を変位させるための1の駆動手段のみで、アーム部材の変位と第2回転部材の回転との2動作を達成できる。
この場合、連結部材の他端が第2ケース部に変位可能に配設されるので、アーム部材のアーム軸と連結部材の他端との間の距離を大きくすることができる。これにより、アーム部材の変位量を大きくして、そのアーム部材を変位させることによる演出効果を高めることができる。
なお、連結部材とケース部材との関係は、連結部材の他端がケース部材に変位可能に連結されれば足りるため、アーム部材が変更される場合、或いは、これに加えて連結部材が変更される場合でも、第2ケース部はそのまま流用して対応することが比較的容易に可能である。よって、このように、連結部材の他端を第1ケース部ではなく第2ケース部に連結する構成を採用することで、他の機種へのケース部材の効率的な流用と、アーム部材の変位量の拡大との両者を達成することが可能となる。
遊技機A1からA11、遊技機B1からB8、遊技機C1からC10又は遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機E1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11、遊技機B1からB8、遊技機C1からC10又は遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機E2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11、遊技機B1からB8、遊技機C1からC10又は遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機E3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
<手段>
技術的思想1記載の遊技機は、アーム軸を中心として変位されるアーム部材と、そのアーム部材を前記アーム軸を中心として変位させるための駆動力を発生する駆動手段とを備えるものであり、前記駆動手段から付与される駆動力によりギヤ軸を中心として回転されるギヤ部材を備え、前記ギヤ部材は、前記ギヤ軸に対して偏心する位置に突設される突設ピンを備えると共に、前記アーム部材は、前記ギヤ部材の突設ピンを受け入れる案内溝を備え、前記ギヤ部材が第1方向に回転され、前記突設ピンが前記案内溝に沿って移動されることで、前記アーム部材が第1位置に配置され、前記突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、前記突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が、前記アーム部材が所定位置から第1位置へ近づくにつれて大きくなる。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記ギヤ部材が第1方向と反対方向となる第2方向へ回転され、前記突設ピンが前記案内溝に沿って移動されることで、前記アーム部材が第2位置に配置され、前記突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、前記突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が、前記アーム部材が前記所定位置から第2位置へ近づくにつれて大きくなる。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記アーム部材は、前記ギヤ部材の第1方向への回転により前記第1位置まで変位可能とされ、前記アーム部材の案内溝には、前記アーム部材が第1位置に配置された状態において、前記ギヤ部材が前記第1方向へ更に回転して前記ギヤ部材の突設ピンが移動するための領域が形成されている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、アーム部材が所定位置から第1位置へ近づくにつれ、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が大きくなる。よって、アーム部材に外力が作用し、その外力がギヤ部材に伝達される場合には、アーム部材が第1位置に近い状態ほど、ギヤ部材に発生する力の内のギヤ部材を回転させる方向の力成分(即ち、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線に直交する方向の力成分)を小さくできる。その結果、アーム部材を第1位置に保持する際には、アーム部材に作用する外力(例えば、重力)に対抗するために駆動手段に必要とされる駆動力を小さくできるので、その分、駆動手段の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、第1位置に保持されたアーム部材の変位を開始する際には、慣性力や摩擦力の影響で駆動手段の負荷が大きくなるところ、技術的思想1によれば、第1位置では、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が大きな状態(即ち、減速比が大きな状態)なので、かかる第1位置からアーム部材の変位を開始する際の駆動手段の負荷を小さくして、駆動手段の容量の小型化を図ることができる。一方で、第1位置にアーム部材が到達する際には、ギヤ部材の回転速度を一定としても、アーム部材の変位速度を減速させることができるので、到達時の衝撃を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、アーム部材が所定位置から第2位置へ近づくにつれ、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が大きくなるので、技術的思想1と同様の効果を奏する。即ち、アーム部材を第2位置に保持する際には、アーム部材に作用する外力(例えば、重力)に対抗するために駆動手段に必要とされる駆動力を小さくでき、その分、駆動手段の容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、第2位置からアーム部材の変位を開始する際には、駆動手段の負荷を小さくして、容量の小型化を図ることができる一方で、第2位置にアーム部材が到達する際には、到達時の衝撃を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
なお、技術的思想1及び2において、突設ピンの軸心およびアーム軸を結ぶ直線と、突設ピンの軸心およびギヤ軸を結ぶ直線とのなす角度が、アーム部材が所定位置から第1位置へ近づくにつれて大きくなるとする際の「所定位置」とは、アーム軸と突設ピンの軸心とギヤ軸とが一の直線上に配置される位置をいう。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、アーム部材の案内溝には、アーム部材が第1位置に配置された状態において、ギヤ部材の第1方向への回転に伴い突設ピンが移動するための領域が形成されているので、このアーム部材が第1位置に配置された状態からギヤ部材が第1方向へ更に回転され、前記突設ピンが前記案内溝に沿って移動されることで、アーム軸とその軸受との間の隙間、或いは、突設ピンと案内溝との間の隙間を吸収して、アーム部材を第1位置側へ押圧することができる。これにより、アーム部材の第1位置におけるガタツキを抑制することができ、その結果、アーム部材を第1位置に強固に保持することができる。