図1に示されるように、本実施形態に係る遊技機10は、図2に示される遊技盤11を前面枠10Zで覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面側に形成された遊技領域R1の全体が視認可能となっている。遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出した略円形のガイドレール12に囲まれている(図2参照)。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が発射装置(図示せず)によって1球ずつ遊技領域R1に向けて弾き出される。
図2に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されていて、その表示開口11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、遊技に関する演出を行う表示画面13Gを前面に有する。
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれると共に、遊技盤11の前面より前側に突出している。これにより、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23を乗り越えて表示装飾枠23の内側に進入することが規制されている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側部分には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技領域R1を流下する遊技球が潜って通過可能な門形状に形成されている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下側部分における横方向の中央部には、第1始動入賞口14Aが設けられている。第1始動入賞口14Aは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなして、常時開放している。
第1始動入賞口14Aの下方には、第2始動入賞口14Bが設けられている。第2始動入賞口14Bは、前側に開放し、回動扉14Tによって開閉される。具体的には、回動扉14Tは、通常は、鉛直に起立した閉位置に配置され、上述の普通図柄当否判定で当りになると、下端部を中心に回動し、前倒しとなった開位置に配置される。開位置に配置された回動扉14Tは、上方から流下する遊技球を受け止めて第2の始動入賞口14Bへと案内する。
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の結果は、表示画面13Gに表示される。特別図柄当否判定で当りになると、遊技状態が大当り遊技状態になって、大当り遊技が実行される。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右下部分には、大入賞口15が設けられている。大入賞口15は、横長矩形に形成されて、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。遊技状態が大当り遊技状態になって大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入球可能となる。大入賞口15に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出される。大当り遊技では、予め設定された回数だけ大入賞口15が開放されるラウンド遊技が、大当り遊技の種類に応じた回数だけ実行される。1回のラウンド遊技は、予め定められた上限数の遊技球が大入賞口15に入球するか又は予め設定されたラウンド遊技時間が経過すると、終了する。
遊技領域R1には、第1始動入賞口14A、第2始動入賞口14B及び大入賞口15のほか複数の一般入賞口20が設けられている。一般入賞口20は、第1始動入賞口14Aと同様のポケット構造をなして、常時開放している。一般入賞口20に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出される。また、遊技領域R1には、何れの入賞口14A,14B,15,20にも入球しなかった遊技球を外部に排出するためのアウト口16が備えられている。
遊技盤11の後側には、図3に示される機構枠17が備えられている。機構枠17は、遊技盤11と略平行に配置される矩形枠状の主盤17Aと、主盤17Aの外縁部から前方に突出する包囲壁17Hと、からなる。なお、上述した表示装置13は機構枠17の後側に配置され、表示画面13Gは、主盤17Aの中央開口17Kと遊技盤11の表示開口11Hとを通して遊技者に視認可能となっている。
機構枠17には、第1可動役物装置100Sと第2可動役物装置200Sを含む種々の装置が組み付けられている。第1可動役物装置100Sは、機構枠17の下辺部に組み付けられ、第2可動役物装置200Sは、機構枠17の左辺部と右辺部に組み付けられている。
[1]第1可動役物装置100S
図3及び図4に示されるように、第1可動役物装置100Sは、第1固定ベース101と、第1固定ベース101に対して移動可能な第1可動役物100と、を備えている。第1固定ベース101は、横長矩形状をなして、主盤17Aの下辺部に前側から重ねて固定されている。第1可動役物100は、第1固定ベース101より前側に配置され、第1固定ベース101に組み付けられた昇降機構150によって、上下方向に駆動される。具体的には、第1可動役物100は、第1固定ベース101に取り付けられたガイドレール180(図4,5参照)に沿って、第1固定ベース101の横方向の中央部に前側から重ねられる第1退避位置(図6参照)と、主盤17Aの中央開口17Kの中央部に前側から重ねられる第1演出位置(図7参照)との間を移動する。本実施形態の遊技機10では、ガイドレール180は、上下方向に延在していて、第1可動役物100は、上下方向に移動可能となっている。なお、本実施形態では、ガイドレール180は、伸縮式のスライドレールで構成されている。
1-1.昇降機構150
図3及び図4に示されるように、昇降機構150は、第1退避位置に配置された第1可動役物100を横方向に挟むように、第1固定ベース101の左側部分と右側部分とに対をなして固定されている。左側の昇降機構150と右側の昇降機構150は、左右対称な構造になっている。
図4に示されるように、昇降機構150は、駆動モータ151(図3参照)によって駆動される第1回動リンク155及び第2回動リンク156を備えている。具体的には、駆動モータ151の駆動力は、駆動ギア152、中継ギア153、係合ギア154を介して第1回動リンク155に伝達され、第1回動リンク155の動力が第2回動リンク156に伝達される。そして、第2回動リンク156の動力が第1可動役物100に伝達される。
図6に示されるように、第1回動リンク155は、第1可動役物100が第1退避位置に配置された状態において、第1固定ベース101の側辺部(左側の昇降機構150においては左辺部、右側の昇降機構150においては右辺部)に重ねられる第1辺部155Fと、第1辺部155の下端から第1固定ベース101の左右方向中央側へ向かう第2辺部155Sと、を有するL字形状に形成されている。そして、第1回動リンク155は、第2辺部155Sのうち第1辺部155Fから遠い側の端部に、第1固定ベース101に対して略垂直な回動軸心を有する回動軸部155Jを有している。
第1回動リンク155の第2辺部155Sには、第2辺部155Sの延在方向に延びる係合長孔155Nが形成されている。この係合長孔155Nには、係合ギア154に突設された係合ピン154Pが係合している。そして、駆動モータ151(図3参照)からの動力を受けて係合ギア154が回転すると、図6から図7への変化に示されるように、第2辺部155Sは、横倒しになった状態から上側へ起き上るように回動する。すると、第1回動リンク155の第1辺部155Fは、第2辺部155Sから遠い側の端部が上側へ向かいつつ第1固定ベース101の左右方向中央側へ向かうように回動する。
第2回動リンク156は、第1可動役物100が第1退避位置に配置された状態において、第1固定ベース101の側辺部(左側の昇降機構150においては左辺部、右側の昇降機構150においては右辺部)に重ねられる第1辺部156Fと、第1辺部156Fの下端から第1固定ベース101の左右方向中央側へ向かう第2辺部156Sと、を有するL字形状に形成されている。そして、第2回動リンク156は、第1辺部156Fのうち第2辺部156Sから遠い側の端部に、第1固定ベース101に対して略垂直な回動軸心を有する回動軸部156Jを有している。
第2回動リンク156の第1辺部156Fには、第1辺部156Fの延在方向に延びる係合長孔156Nが形成されている。この係合長孔156Nには、第1回動リンク155の第1辺部155F(詳細には、第1辺部155Fのうち第2辺部155Sから遠い側の端部)に突設された係合ピン155Pが係合している。そして、駆動モータ151(図3参照)からの動力を受けて第1回動リンク155が回動すると、図6から図7への変化に示されるように、第1辺部156Fは、回動軸部156Jから遠い側の端部が第1固定ベース101の左右方向中央側へ向かうように回動する。すると、第2回動リンク156の第2辺部156Sは、その第1辺部156Fから遠い側の端部が、上側へ向かうように回動する。
ここで、図5に示されるように、第2回動リンク156の第2辺部156Sにおける第1辺部156Fから遠い側の端部には、係合ピン156Pが突設されている。この係合ピン156Pは、第1可動役物100に形成された係合長孔110Nと係合している。この係合長孔110Nは、第1可動役物100の左側と右側とに対をなして配置され、各係合長孔110Nは、左右方向に長くなっている。そして、第2回動リンク156が回動すると、退避位置に配置された第1可動役物100は、上方に押されて、第1演出位置(図6参照)へと移動する。
1-2.位置決め機構160
本実施形態の遊技機10では、第1可動役物100が、第1退避位置(図6参照)と第1演出位置(図7参照)との間の途中位置(図11(B)参照)に位置決される。この位置決めは、図8に示される位置決め機構160によって行われる。位置決め機構160は、ストッパアーム161と、ストッパアーム161を駆動するアーム駆動機構170と、を有している。
図9(A)に示されるように、ストッパアーム161は、回動軸部161Jと、回動軸部161Jから径方向の一方側に張り出したアームボディ162と、アームボディ163の張り出し方向の先端部に連設されて前側に膨出するアームヘッド163と、を有している。なお、回動軸部161Jは、前後方向に延びる回動軸心を有する。
アームボディ162は、前後方向に扁平であって、張り出し方向の中間部が回動軸部161を中心とする周方向の一方側に膨出した形状に形成されている。アームボディ162のうち該周方向の他方側に臨む部分には、受容凹部162Aが形成されている。
アームヘッド163は、アームボディ162に対して前側に膨出している。また、アームヘッド163は、回動軸部161を中心とする周方向に長くなった形状に形成され、アームボディ162に対して該周方向の他方側に突出する末端突部164を有している。
図9(B)に示されるように、アーム駆動機構170は、ソレノイド171と、可動鉄芯172と、動力伝達部材173と、を含んでなる。ソレノイド171は、プル型になっていて、ソレノイド171が通電される(ONにされる)と、可動鉄芯172がソレノイド171に吸引される。ここで、図8に示されるように、ソレノイド171は、ガイドレール180の側方に配置され、可動鉄芯172は、横方向に配置されている。ソレノイド171が通電されると、可動鉄芯172は、ガイドレール180から遠ざかる方向に移動する。
可動鉄芯172の一端部(詳細には、ガイドレール180に近い側の端部)には、フランジ172Fが形成され、このフランジ172Fとソレノイド171の間には、コイルバネ174が介装されている。そして、可動鉄芯172は、コイルバネ174によって、フランジ172Fがソレノイド171から遠ざかる方向に付勢されている。動力伝達部材173は、可動鉄芯172のフランジ172Fに取り付けられ、可動鉄芯172と一体になって移動する。
図9(A)に示されるように、動力伝達部材173には、前側に突出する係合ピン173Pが設けられている。この係合ピン173Pは、ストッパアーム161のアームボディ162に設けられた係合孔162Kと係合している。そして、ソレノイド171が通電されて動力伝達部材173が移動すると、その動力がストッパアーム161に伝達され、ストッパアーム161は回動軸部161Jを中心にして、移動規制位置(図10(A)参照)と移動許容位置(図11(A)参照)との間を回動する。
、図10(A)に示されるように、ソレノイド171が非通電状態のとき、ストッパアーム161は、第1固定ベース101(図3参照)に備えられた位置決め支柱102によって移動規制位置に位置決めされる。移動規制位置に配置されたストッパアーム161において、アームボディ162は、回動軸部161Jから上方へ延びるように配置され、末端突部164は、ガイドレール180へ向かって突出する。なお、このとき、位置決め支柱102は、アームボディ162の受容凹部162Aに受容され、位置決め支柱102と受容凹部162Aの奥面(受容凹部162の開放端に臨む面)との当接により、ストッパアーム161が移動規制位置に位置決めされる。
ここで、図8及び図10(A)に示されるように、第1可動役物100には、ガイドレール180の側方に配置されて、移動規制位置に配置されたストッパアーム161の末端突部164に上下方向(即ち、ガイドレール180の延在方向)で対向する移動当接部113が備えられている。移動当接部113は、移動ベース110の下端部から後側に突出している。移動当接部113の上側を向く面(第1演出位置側を向く面)は、ガイドレール180から離れるにつれて上側へ向かうように傾斜している。
ソレノイド171が通電状態になると、可動鉄芯172(図9(B)参照)がソレノイド171に吸引され、ストッパアーム161は、アームボディ162がガイドレール180から離れるように回動する。そして、ストッパアーム161が図11(A)に示される移動許容位置に配置されると、末端突部164が移動ベース110の移動当接部113と上下方向(ガイドレール180の延在方向)で対向しなくなり、移動当接部113の移動経路から外れる。
本実施形態の遊技機10では、第1可動役物100が第1退避位置から第1演出位置へ移動するときには、ソレノイド171に通電がなされなくても、ストッパアーム161は、移動ベース110に押されて移動規制位置(図10(A)参照)から移動許容位置(図11(A)参照)へと移動する。図10及び図11には、このときの移動ベース110とストッパアーム161の動きが示されている。図10(A)から図10(B)への変化に示されるように、第1可動役物100が第1退避位置から第1演出位置へと移動すると、移動ベース110の移動当接部113がストッパアーム161の末端突部164に下方から当接する。第1可動役物100がさらに第1演出位置へ向かうように駆動されると、末端突部164は、移動当接部113によって上方に押される。ここで、末端突部164は、ストッパアーム161の回動軸部161Jよりも横方向でガイドレール180に近い側に配置されている。従って、移動当接部113に押されたストッパアーム161は、末端突部164がガイドレール180から離れるように回動する(即ち、正面視時計方向に回動する)。そして、末端突部164が移動当接部113よりも横方向でガイドレール180から遠ざかる(即ち、移動当接部113の移動経路から外れる)と、ストッパアーム161が移動許容位置に配置されて、第1可動役物100の第1演出位置への移動が許容される(図11(A)参照)。
第1可動役物100が第1演出位置から第1退避位置へ移動するときに、ソレノイド171に通電がなされていないと、移動ベース110の移動当接部113は、ストッパアーム161の末端突部164に上側から(第1演出位置側から)当接する。ここで、上述の如く、末端突部164は、ストッパアーム161の回動軸部161Jよりも横方向でガイドレール180に近い側に配置されているので、ストッパアーム161は、移動当接部113から、末端突部164をガイドレール180に近づける方向(正面視反時計方向)に回動させる力を受ける。即ち、移動当接部113は、ストッパアーム161を移動許容位置から遠ざかる方向に回そうとする。その結果、ストッパアーム161は、移動当接113と当接しても移動規制位置に保持され、第1可動役物100は、図11(B)に示される途中位置に位置決めされる。なお、ソレノイド171が通電状態になってストッパアーム161が移動許容位置に配置されると、第1可動役物100は、途中位置から第1退避位置へ移動することが可能となる。
なお、図2に示されるように、第1可動役物100は、第1退避位置に配置された状態では、遊技盤11の後側に隠れて遊技者に視認困難となる。第1可動役物100は、途中位置(図11(B)参照)に配置されたときに、その全体が遊技盤11の表示開口11Hの内側に配置されて遊技者に視認可能となる。そして、第1可動役物100は、第1演出位置(図7参照)に配置されたときに表示開口11Hの中央部に前側から重ねられる。このように、本実施形態の遊技機10では、第1退避位置に配置された状態で遊技盤11に前側を覆われていた第1可動役物100が、途中位置に配置されたときに露出するので、途中位置に配置された第1可動役物100よる演出にインパクトを付与可能となる。
本実施形態の遊技機10では、第1可動役物100が単に第1退避位置(図6参照)と第1演出位置(図7参照)の間を移動するだけでなく、第1退避位置と第1演出位置の間の途中位置(図11(B)参照)に位置決めすることが可能となるので、第1可動役物100を用いた演出の趣向性向上が図られる。
また、ストッパアーム161は、通常は、移動規制位置側に付勢されて移動規制位置(図10(A))に位置決めされ、アーム駆動機構170により駆動されたときに移動許容位置(図11(A))に配置されるように構成されているので、アーム駆動機構170による駆動がない場合に、第1可動役物100を途中位置(図11(B)参照)に配置し、アーム駆動機構170による駆動がある場合に、第1可動役物100を第1退避位置に配置することが可能となる。しかも、ストッパアーム161は、第1可動役物100が第1退避位置から第1演出位置へと向かうときには、アーム駆動機構170により駆動されなくても第1可動役物100に押されて移動許容位置に配置されるので、第1可動役物100が第1退避位置から第1演出位置へ移動するときに、アーム駆動機構170を作動させる必要がなくなる。
さらに、移動当接部113の上面(即ち、第1演出位置側を向く面)は、ガイドレール180から遠ざかるにつれて上側へ向かうように傾斜しているので、ストッパアーム161がガイドレール180から離れるように回動する(即ち、移動許容位置へと回動する)際にも、移動当接部113を末端突部164に当接させ易くなる。
また、本実施形態では、第1可動役物100の移動当接部113とストッパアーム161が共にガイドレール180の横に配置されるので、省スペース化が図られる。
1-3.第1可動役物100
図4及び図5に示されるように、第1可動役物100は、ガイドレール180に支持されて該ガイドレール180に沿って移動する移動ベース110と、移動ベース110に回転可能に支持された回転演出体115と、を有している。なお、昇降機構150の第2回動リンク156と係合する係合長孔110Nは、移動ベース110に形成されている。また第1可動役物100における第1退避位置から途中位置までの移動距離は、回転演出体115の回転半径よりも大きくなっていて、第1可動役物100が途中位置に配置されているときに回転演出体115は回転可能となっている。
図12に示されるように、移動ベース110は、前側に開口した機構ケース111と、機構ケース111の開口を閉塞する蓋部112と、を有する。機構ケース111には、回転演出体115を駆動するための回転駆動機構120が収容されている。蓋部112には、回転演出体115の中心部に連結する回転シャフト115Sが挿通されている。なお、蓋部112には、図示しない電飾基板が備えられていて、蓋部112の前面が発光するようになっている。
図13及び図14に示されるように、回転駆動機構120は、駆動ギア122と、中継ギア123と、シャフト駆動ギア124と、を有している。駆動ギア122は、モータ121の回転出力軸に取り付けられている。駆動ギア122が回転すると、中継ギア123を介してシャフト駆動ギア124が回転する。シャフト駆動ギア124は、回転シャフト115Sに固定されていて、シャフト駆動ギア124が回転すると、そのシャフト駆動ギア124と一体に回転演出体115が回転する。
図12~図14に示されるように、回転シャフト115Sには、第1回転盤125が一体回転可能に取り付けられている。第1回転盤125には、周方向の1箇所から径方向外側に張り出した張出片125Hが設けられている。張り出し片125Hは、回転演出体115が初期位置に配置されたとき、フォトセンサ126に検出される。なお、図12~図14には、初期位置に配置された回転演出体115が示されている。
図3~5には、初期位置に配置された回転演出体115が示されている。これらの図面に示されるように、移動ベース110は、横長に形成されている。また、初期位置に配置された回転演出体115は、横長になって、移動ベース110の全体を前側から覆う。具体的には、移動ベース110と初期位置に配置された回転演出体115は共に、正面視略楕円形状になっていて、回転演出体115の楕円は移動ベース110の楕円より若干大きくなっている(図13参照)。
図3に示されるように、第1固定ベース101には、第1可動役物100が第1退避位置に配置されているときに、初期位置に配置された回転演出体115の回転を規制する回転ストッパ105が設けられている。回転ストッパ105は、第1固定ベース101に突設されて、第1退避位置に配置された移動ベース110を横方向に挟む1対の支柱105A,105Aと、各支柱105Aに回転自在に取り付けられたストッパローラ105Bと、を含んでなる。1対の支柱105A,105Aの突出高さは、移動ベース110と回転演出体115の両方を挟む突出高さに形成されてもよいし、移動ベース110のみを挟む突出高さに形成されてもよい。
1-4.回転規制機構130
図13に示されるように、本実施形態の遊技機10は、回転演出体115を初期位置に保持して、初期位置に配置された回転演出体115の回転方向のふらつきやブレを規制するための回転規制機構130を有している。
回転規制機構130は、移動ベース110の内部に配置されて、回転シャフト115と一体に回転する第2回転盤127の回転を規制する。回転規制機構130は、第2回転盤127の径方向外側に配置された押圧部材131と、押圧部材131を第2回転盤127に向けて付勢する弾性部材134と、を有している。なお、第2回転盤127は、第1回転盤125とは別に回転シャフト115Sに固定されている。
押圧部材131は、直動ベース132と、押圧ローラ135と、からなる。直動ベース132は、移動ベース110(詳細には、蓋部112)に形成された直動ガイド133に支持されて、第2回転盤127の径方向に直動する。押圧ローラ135は、直動ベース132のうち第2回転盤127に臨む端部に回転自在に取り付けられて、第2回転盤127に押し付けられている。
詳細には、図15及び図16に示されるように、直動ベース132は、ブロック部132Aと、ブロック部132Aから第2回転盤127の中心に向かって張り出した突片部132Bと、を有し、ブロック部132Aに形成された長孔に直動ガイド133としての突部が係合している。押圧ローラ135は、突片部132Bから回転シャフト115Sと平行に延びる支軸132Cに支持されて、支軸132Cを中心に回転する。
図15及び図16に示されるように、弾性部材134は、コイルバネによって構成されている。弾性部材134の一端部は、移動ベース110(詳細には、蓋部112)に固定され、弾性部材134の他端部は、直動ベース132のブロック部132Aに設けられた係止フック132Kに係止している。これにより、直動ベース132が第2回転盤127の中心に向かって付勢される。
回転演出体115(図13参照)が初期位置に配置された状態で、押圧ローラ135は、第2回転盤127の外周面に形成された凹部127Aに係合する。この凹部127Aは、第2回転盤127の周方向の1箇所のみに形成されていて、押圧ローラ135と凹部127Aの係合によって回転演出体115は初期位置からの回転を規制される。本実施形態では、凹部127Aは、第2回転盤127の中心軸と平行に延びる丸溝によって形成されている。
本実施形態の遊技機10では、回転演出体115が初期位置に配置された状態で、回転演出体115を駆動するためのモータ121(図12~14参照)がオフになっても(即ち、モータ121がトルクフリーになっても)、押圧部材131が第2回転盤127に押し付けられることによって、回転演出体115の回転方向のふらつきやブレが抑制される。しかも、押圧部材131は、第2回転盤127の周方向の1箇所に形成された凹部127Aと係合するので、回転演出体115を初期位置に保持し易くなる。
また、凹部127Aは、第2回転盤127の中心軸と平行な丸溝で形成されていて、この凹部127Aには、押圧部材131の押圧ローラ135が係合するので、押圧部材131と第2回転盤127を容易に係合させることが可能となる。しかも、押圧ローラ135は、直動ベース132に回転自在に取り付けられていることで、第2回転盤127が回転するときに、第2回転盤127の外周面と当接する押圧ローラ135を回転させることが可能となる。これにより、回転演出体115を回転駆動するときに、押圧部材131が回転演出体115の回転抵抗となることが抑制される。
[2]第2可動役物装置200S
図3に示されるように、第2可動役物装置200Sは、機構枠17の左辺部と右辺部のそれぞれに固定されている。左右2つの第2可動役物装置200Sは、互いに左右対称な構造になっている。
図17(A)及び図17(B)に示されるように、第2可動役物装置200Sは、第2固定ベース201と、第2固定ベース201に対して移動可能な第2可動役物200と、を備えている。第2固定ベース201は、縦長矩形状をなして、機構枠17の主盤17A(図3参照)の左辺部又は右辺部に前側から重ねて固定されている。第2可動役物200は、第2固定ベース101に組み付けられた役物駆動機構210によって駆動されて、第2固定ベース201(即ち、機構枠17の左辺部又は右辺部)に前側から重なる第2退避位置(図20(A)参照)と、表示開口11H(図2参照)に重ねられる第2演出位置(図20(B)参照)と、に配置される。
2-1.役物駆動機構210
図18(A)及び図18(B)に示されるように、役物駆動機構210は、駆動源としてのモータ211と、モータ211により駆動される第1アーム230及び第2アーム240と、を備えている。第1アーム230と第2アーム240は、第2固定ベース101の前側から重ねられるカバープレート202に回動可能に支持されている。詳細には、第1アーム230は、カバープレート202の後側に配置され、第2アーム240は、カバープレート202の前側に配置されている。
図18(B)に示されるように、第1アーム230は、前後方向から見て、直線状に延びる帯状に形成されている。第1アーム230の一端部には、前後方向に延びる回動軸を有してカバープレート202の下端部に支持された回動軸部230Jが形成されている。また、第1アーム230の一端部には、回動軸部230Jを中心とする扇形状の張出部230Hが備えられ、その張出部230Hの外周面に扇形ギア231が形成されている。
第1アーム230の他端部は、第2可動役物200に回転自在に連結されている。具体的には、図18(A)に示されるように、第2可動役物200は、装飾体200Aから後側に後方軸部200Jが突出した構造になっていて、その後方軸部200Jが、第1アーム230の他端部に形成された支持軸部232Jに回転自在に取り付けられている。なお、後方軸部200Jと支持軸部232Jは同軸に配置されている。
第2可動役物200が第2退避位置に配置された状態では、図17(A)及び図18(B)に示されるように、第1アーム230は、回動軸部230Jから上下方向に沿って上側に延びるように配置され、その大部分が第2可動役物200とカバープレート202の後側に隠れる。
なお、図18(A)に示されるように、第1アーム230には、回動軸部230Jから離れた端部を前側に配置する屈曲部230Kが設けられている。第2可動役物200が第2退避位置に配置された状態では、第1アーム230のうち屈曲部230Kよりも回動軸部230Jから離れる部分は、カバープレート202に形成されて側方に開放した切欠部202Kに受容される。
図17(A)及び図18(A)に示されるように、第2アーム240は、直線状に延びる帯板の両端を互いに反対方向に折り曲げてなるS字形状に形成されている。第2アーム240のS字の一端部には、前後方向に延びる回動軸を有してカバープレート202の下端部に支持された回動軸部240Jが形成されている。なお、第1アーム230の回動軸部230Jと第2アームの回動軸部240Jは、横並びに配置されている。
第2アーム240の他端部は、第2可動役物200に回転自在に連結されている。具体的には、図18(A)に示されるように、第2可動役物200は、後方軸部200Jのから側方に張り出した突片200Tを有し、その突片200Tに第2アーム240の他端部が回転自在に取り付けられている。このように、本実施形態では、第1アーム230の回動軸部230Jから離れた端部と第2アーム240の回動軸部240Jから離れた端部とが、第2可動役物200の異なる部位に回転自在に連結されている。
役物駆動機構210は、モータ211から第1アーム230及び第2アーム240への動力伝達手段として、図18(A)及び図18(B)に示される、駆動ギア212、中継ギア213、スライド駆動ギア214、スライド215、及びピニオン217を有している。
駆動ギア212は、モータ211の出力回転軸に取り付けられている。駆動ギア212が回転すると、中継ギア213を介してスライド駆動ギア214が回転する。
スライド駆動ギア214には、径方向外側に張り出す突片214Tが備えられている。突片214Tには、図示しない係合ピンが突設されている。
スライド215は、固定ベース201に支持されて、上下方向に直動可能となっている。そして、スライド駆動ギア214が回転すると、スライド215が上下方向に駆動される。具体的には、図18(B)に示されるように、スライド215は、縦長の帯状に形成されたスライドバー215Bと、スライドバー215Bの上端部に連設された横長形状のヘッド部215Hと、からなる。スライドバー215Bは、スライドバー215Bに備えられた係合ピン215Pが固定ベース201に形成された縦長のガイド孔201N(図17(B)参照)と係合することにより、固定ベース201に直動可能に支持されている。また、ヘッド部215Hは、スライド駆動ギア214の突片214Tに重ねられ、突片214Tに設けられた係合ピン(図示せず)と係合する長孔215Nを有している。そして、この係合ピンと長孔215Nの係合により、スライド駆動ギア214の回転がスライド215の直動に変換される。
スライドバー215Bの側面には、ラック216が形成されていて、このラック216にピニオン217が噛合している。ピニオン217は、第1アーム230の扇形ギア231にも噛合している。そして、スライド215が上下方向に駆動されると、その動力がピニオン217を介して第1アーム230に伝達され、第1アーム230が回動軸部230Jを中心に回動する。
第2アーム240は、第1アーム230に連動して、回動軸部240Jを中心に回動する。図19(A)及び図19(B)には、第1アーム230と第2アーム240が回動する様子が示されている。第1アーム230が回動軸部230Jを中心に回動すると、第2可動役物200も回動軸部230Jを中心に回動する。このとき、第2可動役物200の後方軸部200Jと第2アーム240の回動軸部240Jの間の距離が変化する。すると、第2アーム240が第2可動役物200の突片200Tを第1アーム230の支持軸部232(図18(A)参照)を中心に回転させることとなり、第2可動役物200が支持軸部232を中心にして回転する。その結果、第1アーム230に対する第2可動役物200の姿勢が変化する(図19(A)では、第2可動役物200は第1アーム230の長手方向に沿って配置されているが、図19(B)では、第2可動役物200は第1アーム230の長手方向と交差するように配置されている。)。
2-2.第1可動役物100と第2可動役物200の合体
第2可動役物200は、第1可動役物100と合体可能に構成されている。図20(A)及び図20(B)には、合体する前後の第1可動役物100と第2可動役物200が示されている。
第2可動役物200は、図20(A)に示される第2退避位置から第1アーム230の回動軸部230Jを中心に回動して、図20(B)に示される第2演出位置に配置される。図20(B)に示されるように、第2演出位置に配置された第2可動役物200は、途中位置に配置された第1可動役物100と合体可能に形成されている。具体的には、第1可動役物100が途中位置に配置された状態で第2可動役物200が第2演出位置に配置されると、第2可動役物200の一部が第1可動役物100の上端部に前側から重ねられる。なお、第2可動役物200は、第2演出位置へ配置される際、第1可動役物100に上側(第1演出位置側)から接近する。
本実施形態の遊技機10では、途中位置に配置された第1可動役物100に第2可動役物200が合体することで、第1可動役物100を用いた演出の趣向性向上が図られる。なお、本実施形態の例では、第1可動役物100は、横長に変形したボールを象っていて、第2可動役物200は、人の指を象っているので、第1可動役物100に第2可動役物200が合体すると、ボールに指がグリップする様子を遊技者に見せることが可能となる。
しかも、第2可動役物200は、途中位置に配置された第1可動役物100に第1演出位置側(即ち、上側)から近づいて合体するように構成されているので、第1演出位置から途中位置へ移動する第1可動役物100に第2可動役物200を合体させたり、第1可動役物100を途中位置から第1演出位置へ移動させるときに第2可動役物200との合体を解除したりすることが可能となる。また、第2可動役物200と合体した状態の第1可動役物100を合体状態のまま途中位置から第1演出位置へ移動させることも可能となる。
[上記実施形態から抽出される技術的な特徴群について]
以下、上述した実施形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、遊技機に関し、「従来の遊技機として、特定の演出条件が成立したときに、待機位置に配置されていた移動部材が演出位置に移動するものが知られている(例えば、特許文献A(特開2009-45271号公報(段落[0012]~[0013]、図1,2)参照)。」という背景技術について、「従来の遊技機において、移動部材を用いた演出の趣向性向上が求められていた。」という課題をもってなされたものである。
[特徴A1]
第1位置(第1退避位置)と第2位置(第1演出位置)との間を移動する移動部材(第1可動役物100、詳細には、移動ベース110)を有する遊技機(遊技機10)において、
前記移動部材の移動範囲(移動当接部113の移動経路)に進入して前記移動部材の移動を規制する移動規制位置と、前記移動部材の移動範囲から外れて前記移動部材の移動を許容する移動許容位置と、に配置される移動規制部材(ストッパアーム161)を有し、
前記移動規制部材は、前記移動部材が前記第1位置から前記第2位置へ向かうときには、前記移動許容位置に配置される一方、前記移動部材が前記第2位置から前記第1位置へ向かうときに、前記移動規制位置に配置されて、前記移動部材が前記第1位置と前記第2位置の間にある途中位置から前記第1位置へ移動することを規制する、遊技機。
本特徴に示す構成では、移動部材が単に第1位置と第2位置の間を移動するだけでなく、第1位置と第2位置の間の途中位置に位置決めすることが可能となるので、移動部材を用いた演出の趣向性向上が図られる。
[特徴A2]
前記移動規制部材は、前記移動規制位置側に付勢され、
前記移動規制部材を前記移動規制位置に位置決めする位置決め手段(位置決め支柱102)と、
前記移動規制位置に配置されている前記移動規制部材を駆動して前記移動許容位置に配置する駆動手段(アーム駆動機構170)と、を有する、特徴A1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、駆動手段の駆動がない場合に移動部材を途中位置に配置し、駆動手段の駆動がある場合に移動部材を第1位置に配置することが可能となる。
[特徴A3]
前記移動規制部材は、前記移動部材が前記第1位置から前記第2位置へと向かうときには、前記駆動手段により駆動されなくても前記移動部材に押されて前記移動許容位置に配置される一方、前記移動部材が前記第2位置から前記第1位置へ向かうときには、前記駆動手段により駆動されなければ前記移動許容位置に配置されない、特徴A2に記載の遊技機。
[特徴A4]
前記移動部材には、前記移動規制部材と当接可能な移動当接部(移動当接部113)が設けられ、
前記移動規制部材は、前記移動当接部の移動経路と交差する方向に移動するように構成され、前記移動許容位置から前記移動規制位置へ移動するときに、前記移動当接部の移動経路を幅方向に挟む2つ領域のうち一方の領域から前記移動当接部の移動経路に突入するように構成され、
前記移動当接部は、前記第1位置から前記第2位置へ移動するときに前記移動規制部材と当接した場合には、該移動規制部材を前記一方の領域に向かって押す一方、前記第2位置から前記第1位置へ移動するときに前記移動規制部材と当接した場合には、該移動規制部材を前記移動当接部の移動経路を幅方向に挟む2つの領域のうち他方の領域に向かって押すように構成されている、特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3,A4に示す構成では、移動部材が第1位置から第2位置へ移動するときに移動規制部材を自動的に移動許容位置へ配置可能となる。また、移動部材が第2位置から第1位置へ移動するときには、移動規制部材が駆動手段により駆動されることで、移動部材を途中位置に位置決め可能となる。
[特徴A5]
前記移動部材を前記第1位置と前記第2位置との間で移動可能に支持するガイドレール(ガイドレール180)を有し、
前記移動当接部及び前記移動規制部材は、前記ガイドレールの幅方向で前記ガイドレールと並んで配置され、
前記移動規制部材には、前記移動規制部材が前記移動規制位置に配置されたときに前記ガイドレールの延在方向で前記移動当接部と対向し、前記移動規制部材が前記移動許容位置へ向かうときに前記移動当接部に押されて前記ガイドレールから離れるように移動する被当接部(末端突部164)が設けられている、特徴A4に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、移動部材の移動当接部及び移動規制部材がガイドレールの幅方向でガイドレールに並んで配置されるので、省スペース化が図られる。なお、ガイドレールは、直線状に形成されてもよいし、曲線状に形成されてもよい。前者の場合、ガイドレールは、伸縮レールによって構成されてもよい。
[特徴A6]
前記移動規制部材は、前記ガイドレールと交差する方向に沿って延びる回動軸を有する回動アーム(アームボディ162とアームヘッド163)と、前記回動アームの末端部に突設された末端突部(末端突部164)と、によって構成され、
前記回動アームは、前記移動規制部材が前記移動規制位置に配置されたときに前記ガイドレールに沿って配置され、
前記末端突部は、前記回動アームから前記ガイドレールへ近づくように突出して前記被当接部を構成し、
前記移動当接部の前記2位置側を向く面(移動当接部113の上面)は、前記ガイドレールから遠ざかるにつれて前記第2位置へ向かうように傾斜している、特徴A5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、回動アームがガイドレールから離れるように回動する際に移動当接部を被当接部に当接させ易くなり、移動部材が第1位置から第2位置へ移動する際に移動規制部材を移動許容位置へ配置し易くなる。
[特徴A7]
前記第1位置に配置された前記移動部材を覆って隠すカバー部材(遊技盤11)を有し、
前記移動部材は、前記途中位置よりも前記第2位置側に配置された状態で前記カバー部材の外側に露出する、特徴A1乃至A6のうち何れか1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、第1位置に配置された状態でカバー部材に覆われていた移動部材が、途中位置に配置されると、カバー部材の外側に露出するので、途中位置に配置された移動部材による演出にインパクトを付与可能となる。
[特徴A8]
待機位置(第2退避位置)と演出位置(第2演出位置)との間を移動可能であって、前記演出位置に配置されたときに、前記途中位置に配置された前記移動部材と合体可能な演出部材(第2可動役物200)を有する、特徴A1乃至A7のうち何れか1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、途中位置に配置された移動部材に演出部材が合体することで、移動部材を用いた演出の趣向性向上が図られる。
[特徴A9]
前記演出部材は、前記待機位置から前記演出位置へ移動するときに前記途中位置に配置された前記移動部材に前記第2位置側から近づいて合体するように構成された、特徴A8に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2位置から途中位置へ移動する移動部材に演出部材を合体させたり、移動部材を途中位置から第2位置へ移動させるときに演出部材との合体を解除したりすることが可能となる。また、演出部材と合体した状態の移動部材を合体状態のまま途中位置から第2位置へ移動させることも可能となる。
特徴A群には、以下の実施形態が含まれてもよい。
(a1)図21(A)及び図21(B)に示されるように、位置決め機構160は、ガイドレール180と直交する方向に沿って直動するストッパスライド167を備えてもよい。この場合、移動当接部113の上面は、ガイドレール180へ近づくにつれて上側へ近づくように傾斜することが好ましい。
(a2)上記実施形態では、ストッパアーム161が移動規制位置側に付勢される構成であったが、付勢されない構成であってもよい。具体的には、ストッパアーム161を正逆両方向に回転可能なモータにより駆動される構成とすることが挙げられる。この場合であっても、第1可動役物100が第1退避位置から第1演出位置へ移動するときにモータがオフにされてトルクフリーな状態であれば、ストッパアーム161は、移動当接部113に押されて移動規制位置から移動許容位置へ移動することができる。
(a3)ストッパアーム161は、移動当接部113からの力を受けても移動規制位置から移動許容位置へ移動しない構成にされてもよい。この場合、ストッパアーム161は、モータ121からの動力を受けた場合にのみ、移動規制位置から移動許容位置へ移動する。
(a4)移動当接部113の上面(即ち、移動当接部113において第1演出位置側を向く面)は、水平であってもよいし、ガイドレール180へ近づくにつれて上側へ近づくように傾斜してもよい。
(a5)上記実施形態では、ガイドレール180は、伸縮式のスライドレールで構成されていたが、伸縮不能なスライドレールで構成されてもよい。また、ガイドレール180は、直線状に形成されてもよいし、円弧状に形成されてもよいし、
(a6)第1可動役物100は、第1退避位置から第1演出位置までの全区間において遊技者に視認可能に構成されてもよい。このような構成としては、全区間で第1可動役物100が遊技盤11に覆われない構成や、遊技盤11のうち第1可動役物100の前側に配置される部分が透明又は半透明である構成が挙げられる。
(a7)第2可動役物装置200Sを備えない構成としてもよい。また、第2可動役物装置200Sを備えても、第2可動役物200が途中位置の第1可動役物100と合体しない構成としてもよい。即ち、第2演出位置に配置された第2可動役物200は、途中位置に配置された第1可動役物100から遠く離れて配置されてもよい。
なお、特徴A群に示す構成に、次述される特徴B群の構成が組み合わされてもよい。この場合、特徴B群の支持ベースを特徴A群の移動部材とし、該支持ベースに特徴B群の回転演出体、モータ及び回転規制部材が搭載されればよい。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、遊技機に関し、「従来の遊技機として、支持ベースに回転可能に支持された回転演出体を有するものが知られている(例えば、特許文献B(特開2017-169746号(段落[0024]~[0029])図3,7,8)参照)。」という背景技術について、「従来の遊技機において、回転演出体の回転が停止しているときのふらつき防止が求められている。」という課題をもってなされたものである。
[特徴B1]
支持ベース(移動ベース110)と、
前記支持ベースに回転可能に支持された回転演出体(回転演出体115)と、
前記回転演出体を駆動するモータ(モータ121)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記回転演出体が所定の回転位置(図13に示される初期位置)に配置され、且つ前記モータがオフであるときに、前記回転演出体の回転を規制する回転規制部材(押圧部材131)を有する、遊技機。
本特徴に示す構成では、所定の回転位置に配置された回転演出体の回転方向のふらつきが抑制される。なお、「モータがオフであるとき」とは、モータトルクがフリーになっているときを意味し、このとき、回転演出体は、外力によって自由回転可能な状態となっている。
[特徴B2]
前記回転規制部材は、前記回転演出体が前記所定の回転位置に配置されたときに、前記回転演出体と一体に回転する回転体(第2回転盤127)の周方向の1箇所に設けられた被係合部(凹部127A)と係合する、特徴B1に記載の遊技機。
[特徴B3]
前記回転規制部材は、前記回転体の径方向外側に配置されて前記回転体の中心に向かって付勢され、前記回転体の外周面に形成された前記被係合部としての凹部(凹部127A)と凹凸係合する、特徴B2に記載の遊技機。
特徴B2,B3に示す構成では、回転規制部材と回転体の係合によって回転演出体を所定の回転位置に保持し易くなる。
特徴B3において、回転規制部材は、弾性部材(例えば、バネやゴム)や磁石などの付勢手段によって付勢されてもよいし、重力によって付勢されてもよい。また、回転規制部材は、凹部と凹凸係合しさえすれば、凹部の奥面に押し付けられても押し付けられなくても何れでもよい。
なお、回転体は、回転演出体と同じ回転速度(単位時間当たりの回転数)で回転するものであればよいが、回転演出体に連動して回転するものであってもよい。
[特徴B4]
前記凹部は、前記回転体の軸方向に延在する丸溝で構成され、
前記回転規制部材は、前記回転体の中心側へ向かって膨出して、前記丸溝と凹凸係合する円形突部(押圧ローラ135)を有している、特徴B3に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、回転規制部材と回転体を容易に係合させることが可能となる。また、回転規制部材と回転体の係合状態が解除され易くなる。なお、丸溝は、回転体の軸方向全体に形成されてもよいし、軸方向の一部に形成されてもよい。
[特徴B5]
前記回転規制部材は、
前記回転体の径方向に直動する直動ベース(直動ベース132)と、
前記直動ベースに回転自在に取り付けられ、前記直動ベースに対して前記回転体の中心側にはみ出るように配置されて前記凹部と凹凸係合する回転部(押圧ローラ115)と、を有する、特徴B4に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、回転体が回転するときに、回転体の外周面と当接する回転部が回転するので、回転規制部材が回転体の回転抵抗となることが抑制される。
[特徴B6]
前記支持ベースは、第1位置と第2位置との間を移動可能に構成され、
前記支持ベースが前記第1位置に配置され、且つ前記回転演出体が前記所定の回転位置に配置された状態で、前記回転演出体と当接して該回転演出体の正逆両方向の回転を規制する1対の回転ストッパ(回転ストッパ105)と、を有する、特徴B1乃至B5のうち何れか1に記載の遊技機。
[特徴B7]
前記回転演出体は、楕円状に形成され、
前記1対の回転ストッパは、
前記支持ベースの移動方向で前記回転演出体に対して前記第2位置と反対側に配置され、前記所定の回転位置に配置された前記回転演出体の長軸方向に沿って並べられた1対の支持部(支柱105A)と、
前記1対の支持部に回転自在に支持されて、前記移動ベースが前記第1位置に配置された状態で前記所定の回転位置に配置された前記回転演出体をその長軸方向に沿って挟む1対のローラ(ストッパローラ105B)と、を有する、特徴B6に記載の遊技機。
特徴B6,B7に示す構成では、移動ベースが第1位置に配置されたときに、1対の回転ストッパによって所定の回転位置に配置された回転演出体の回転を規制することができる。
[特徴B8]
第1位置(第1退避位置)と第2位置(第1演出位置)との間を移動可能な移動ベース(移動ベース110)と、
前記移動ベースに回転可能に支持された回転演出体(回転演出体115)と、
前記回転演出体を駆動するモータ(モータ121)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記移動ベースが前記第1位置に配置され、且つ前記回転演出体が所定の回転位置(図13に示される初期位置)に配置された状態で、前記回転演出体と当接して該回転演出体の正逆両方向の回転を規制する1対の回転ストッパ(回転ストッパ105)と、を有する遊技機。
本特徴に示す構成では、移動ベースが第1位置に配置されたときに、所定の回転位置に配置された回転演出体の回転を規制することができる。なお、「モータがオフであるとき」とは、モータトルクがフリーになっているときを意味し、このとき、回転演出体は、外力によって自由回転可能な状態となっている。
特徴B群には、以下の実施形態が含まれてもよい。
(b1)上記実施形態では、回転演出体115を支持する支持ベースが、機構枠17に対して移動可能な構成であったが、機構枠17に対して固定される構成であってもよい。
(b2)上記実施形態において、凹部127Aが、U溝、V溝又は四角溝に形成されてもよい。
(b3)上記実施形態では、回転規制機構130は、回転演出体115が周方向の一位置(図12~14に示される初期位置)からの回転を規制するように形成されていたが、周方向の複数箇所(例えば、初期位置と、初期位置から90度、180度、270度離れた3位置との合計4箇所)からの回転を規制するように形成されてもよい。このような構成は、第2回転盤127に凹部127Aを複数形成することで達成できる。
(b4)押圧部材131は、直動ベース132のみで構成されてもよい。この場合、直動ベース132の先端部(第2回転盤127に臨む端部)は、例えば、図22(A)及び図22(B)に示されるように、第2回転盤127へ近づくにつれて幅狭となるテーパ状(例えば、台形状、三角形状)であってもよいし、図22(C)に示されるように、第2回転盤127に向かって膨出する半円状に形成されてもよい。なお、図22(A)~図22(C)において、第2回転盤127の凹部127Aは、直動ベース132の先端部と同じ形状に形成されることが好ましい。
(b5)特徴B8に含まれる構成として、回転規制機構130を備えずに、1対の回転ストッパ105,105のみを備える構成としてもよい。
なお、特徴B8に示す構成に、特徴B1~B7に示す構成が組み合わされてもよい。この場合、特徴B1~B7の支持ベースを特徴B8の移動ベースとすればよい。また、特徴B群に示す構成に、上述の特徴A群の構成が組み合わされてもよい。この場合、特徴A群の移動部材を特徴B1~B7の支持ベース又は特徴B8の移動ベースとして、該移動部材に回転演出体が支持される構成とすればよい。