〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
パチンコ機10は、遊技機の一種であるパチンコ遊技機である。このパチンコ機10は、図1に示すように、パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方(正面側)に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを備えている。
遊技機本体12は、左右両側部のうち一方を支持側として回動可能となるように外枠11に支持される内枠(図示略)と、内枠の前方に配置されるとともに、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能となるように内枠に支持される前扉枠13と、内枠の後方に配置されるとともに、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能となるように内枠に支持される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
なお、遊技機本体12は、その回動先端部に設けられた施錠装置(図示略)を備えている。この施錠装置は、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能な施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠13を内枠に対して開放不能な施錠状態とする機能を有している。これらの施錠状態は、パチンコ機10の前面に露出させて設けられたシリンダ錠14に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことによって解除される。
前扉枠13は、内枠の前面側全体を覆うようにして設けられた略楕円形状の窓部21と、窓部21に嵌め込まれた窓パネル22とを有している。なお、本実施形態では、窓パネル22は、ガラスによって無色透明に形成されているが、合成樹脂などによって無色透明に形成されていてもよい。
また、前扉枠13は、窓部21の周囲に設けられた各種ランプ部等にて構成される発光手段の一部として窓部21の上方に設けられた表示ランプ部23と、表示ランプ部23の左右両側に設けられるとともに、遊技状況に応じた効果音などを出力するスピーカ部24と、窓部21の下方に設けられた上側膨出部25および下側膨出部26とを備えている。
上側膨出部25および下側膨出部26は、上下に並設されるとともに、共に前方へ膨出するように設けられている。
上側膨出部25は、上方に開口するようにして内側に設けられた上皿25aを有している。この上皿25aは、裏パックユニットに設けられた払出装置71(図5参照)にて払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構81(図5参照)側へ導くための機能を有している。
下側膨出部26は、同じく上方に開口するようにして内側に設けられた下皿26aを有している。この下皿26aは、上皿25a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
さらに、前扉枠13は、下皿26aの右方に設けられた発射手段としての発射ハンドル27を備えている。この発射ハンドル27は、パチンコ機10の遊技者に操作されることによって、内枠の下方に設けられた遊技球発射機構81から内枠の上方に設けられた遊技領域に向けて遊技球を発射する。発射ハンドル27は、その回転操作量を変更することによって、遊技領域に向けて発射する遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いを変更する。
図2は、遊技盤の正面図である。
遊技盤31は、図2に示すように、その表面に取り付けられた内レール部32および外レール部33を有し、内枠に搭載されている。前述した遊技領域は、内レール部32および外レール部33によって区画されるようにして遊技盤31に形成されている。この遊技領域は、窓部21を介して略全域を前方から視認することができる。
内レール部32および外レール部33は、遊技領域への遊技球の誘導レール34を構成し、この誘導レール34は、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことによって遊技球発射機構81から発射された遊技球を遊技領域の上部に案内する。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域の一方の側部に配置されるとともに、遊技領域の上部中央を向くようにして形成されている。このため、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、遊技者による発射ハンドル27の回転操作量が大きくなるにしたがって、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、本実施形態では、誘導レール34の出口部分は、遊技領域の左側部に設けられている。
遊技盤31は、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように形成された大小複数の開口部を遊技領域に有している。また、遊技盤31は、各開口部に設けられた一般入賞口35、上作動口(第1始動入球部)36、下作動口(第2始動入球部)37、可変入賞装置38、および第1アウト口39aを有している。また、遊技盤31は、中央部左側および中央部右側のそれぞれに設けられたスルーゲート41と、上部右側に設けられた主表示装置42と、中央部に設けられた可変表示ユニット43等とを有している。さらに、遊技盤31は、遊技球の落下方向を適宜分散させるために、または調整等するために植設された多数の釘44や、風車等の各種部材(役物)を遊技領域に有している。
一般入賞口35、上作動口36、下作動口37、および可変入賞装置38の各種入賞口のそれぞれは、遊技球の入球を検知する検知センサ50a〜50d(図5参照)を備え、これらの検知センサ50a〜50dは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、一般入賞口35は、検知センサ50aを備え、上作動口36は、検知センサ50bを備え、下作動口37は、検知センサ50cを備え、可変入賞装置38は、検知センサ50dを備えている。パチンコ機10は、検知センサ50a〜50dの検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。なお、検知センサ50a〜50dは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
具体的には、パチンコ機10は、一般入賞口35への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、上作動口36への入球が発生した場合および下作動口37への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、可変入賞装置38への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しを実行する。なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば、各作動口36,37の賞球個数を相違させてもよい。
第1アウト口39aは、遊技盤31の遊技領域の最下部に設けられている。各種入賞口等に入球しなかった遊技球は、この第1アウト口39aを通って遊技領域から排出される。また、第1アウト口39aは、遊技球の入球を検知する検知センサ50eを備え、この検知センサ50eは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、第1アウト口39aへの入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
各スルーゲート41は、遊技球の入球を検知する検知センサ50fを備え、この検知センサ50fは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、各スルーゲート41への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することをいい、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに遊技領域の流下を継続する態様も含む。ただし、以下の説明では、第1アウト口39aへの遊技球の入球と明確に区別するために、各種入賞口への遊技球の入球を入賞とも表現する。また、スルーゲート41への入球とは、遊技領域に設けられたゲートを通過した後に遊技領域から排出されずに遊技領域の流下を継続することをいう。このスルーゲート41への入球についても各種入賞口への入球と同様に入賞とも表現する。
上作動口36および下作動口37は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤31に設置されている。各作動口36,37は、遊技領域を流下する遊技球を入球可能とすべく共に上向きに開口するとともに、上作動口36を上方に配置し、下作動口37を下方に配置するようにして鉛直方向に並設されている。下作動口37は、左右一対の可動片によって構成されたガイド片(サポート片)としての電動役物37aを有している。
電動役物37aは、遊技盤31の背面側に搭載された電動役物駆動部37bに連結されている。この電動役物37aは、電動役物駆動部37bにて駆動されることによって、閉鎖状態(非サポート状態または非ガイド状態)および開放状態(サポート状態またはガイド状態)のいずれかに設定される。閉鎖状態は、電動役物37aの上端を左右方向に近接させることによって、下作動口37を閉鎖した状態である。開放状態は、電動役物37aの上端を左右方向に離間させることによって、下作動口37を開放した状態である。
ここで、電動役物37aを閉鎖状態に設定した場合には、この電動役物37aの上端と、上作動口36の底面部との間隔は、遊技球1個分よりも狭くなる。また、電動役物37aを開放状態に設定した場合には、この電動役物37aの上端と、上作動口36の底面部との間隔は、遊技球1個分よりも広くなる。したがって、遊技球は、電動役物37aを閉鎖状態に設定した場合には、下作動口37に入賞することができず、開放状態に設定した場合には、下作動口37に入賞することができる。
なお、電動役物37aは、前述した閉鎖状態および開放状態に代えて、下作動口37に遊技球が入賞しにくい状態(閉鎖状態とは異なり遊技球の入球は可能な状態)と、下作動口37に遊技球が入賞しやすい状態とを切り換える構成としてもよい。また、下作動口37は、このような切り換えを電動役物37aの設定によって行うのではなく、下作動口37の変位によって行う構成としてもよく、このように構成した場合には、下作動口37は、電動役物37aを備えていなくてもよい。
図3は、可変入賞装置の近傍を拡大した図である。
遊技盤31は、図3に示すように、遊技領域の下部右側に設けられた前述の可変入賞装置38と、この可変入賞装置38の右側に設けられた第2アウト口39bと、可変入賞装置38および第2アウト口39bの間に設けられた遊技球保持機構40とを備えている。
ここで、遊技盤31は、可変入賞装置38、第2アウト口39b、および遊技球保持機構40の前面側を覆うようにして設けられたカバー381(図2参照)を備えている。このカバー381は、可変入賞装置38および遊技球保持機構40を前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成された透明パネル381aと、この透明パネル381aの周囲に設けられるとともに、第2アウト口39bを前面側から視認不可能とすべく不透明に形成された不透明パネル381bとを備えている。
したがって、遊技者は、透明パネル381aおよび窓部21を介して可変入賞装置38および遊技球保持機構40を前方から視認することができる。また、遊技者は、第2アウト口39bを前方から視認することができない。
なお、図3は、説明のためにカバー381を取り外して可変入賞装置38の近傍を拡大した図である。
可変入賞装置38は、遊技領域を流下する遊技球を入球可能とすべく上向きに開口する大入賞口38aと、大入賞口38aを開閉するための開閉扉38bと、開閉扉38bを駆動する可変入賞駆動部38cとを備えている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を最大とし、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせることによって、可変表示ユニット43等を避けて可変入賞装置38に遊技球を導くことができる。
大入賞口38aは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部に設けられている。この大入賞口38aは、前述したように、遊技球の入球を検知する検知センサ50dを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。
開閉扉38bは、矩形板状に形成されるとともに、大入賞口38aの開口を閉鎖するようにして遊技盤31に設けられている。この開閉扉38bは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31から突出することによって、大入賞口38aの開口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31の内部に向かって後退して遊技盤31に埋没することによって、大入賞口38aの開口を開放する開放状態とを有している。
可変入賞駆動部38cは、開閉扉38bを駆動することによって、開閉扉38bを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
具体的には、開閉扉38bは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態に設定されている。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉38bは、遊技球が入賞できる開放状態に設定される。
なお、開閉実行モード(特定制御状態)とは、開閉扉38bを開放状態に設定し、大入賞口38aに遊技球を入球可能とするモードをいう。また、開閉実行モードにおいて、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回のラウンド遊技という。
第2アウト口39bは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部に設けられるとともに、第1アウト口39aと同様の機能を有している。具体的には、第2アウト口39bは、遊技球の入球を検知する検知センサ50gを備え、この検知センサ50gは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、第2アウト口39bへの入球が発生した場合には、第1アウト口39aへの入球が発生した場合と同様に、賞球の払い出しを実行しない。
したがって、本実施形態では、大入賞口38aは、遊技球を入球させるために遊技領域に設けられた入球手段であるとともに、賞球の払い出しを受けることができるという有利な結果を遊技球の入球に際して遊技者に付与する有利側入球手段として機能する。
また、第2アウト口39bは、遊技球を入球させるために遊技領域に設けられた入球手段であるとともに、賞球の払い出しを受けることができないという不利な結果(大入賞口38aにて付与される有利な結果よりも不利な結果)を遊技球の入球に際して遊技者に付与する不利側入球手段として機能する。
そして、可変入賞装置38の近傍に植設された多数の釘44のうち、大入賞口38aおよび第2アウト口39bの上方に設けられた釘44aは、遊技球を大入賞口38aおよび第2アウト口39bのいずれかに振り分けて入球させる振分手段として機能する。
具体的には、釘44aの左側を通過した遊技球は、大入賞口38aに向かって落下し、釘44aの右側を通過した遊技球は、第2アウト口39bに向かって落下していくことになる。したがって、釘44aに向かって落下してきた遊技球が釘44aの左側を通過しやすくなるように釘44aを設定することによって、釘44aは、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第1の状態)。また、釘44aに向かって落下してきた遊技球が釘44aの右側を通過しやすくなるように釘44aを設定することによって、釘44aは、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第2の状態)。
換言すれば、釘44aは、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されている。
なお、本実施形態では、振分手段は、1本の釘44aによって遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合とを同時に設定可能に構成されていた。これに対して、振分手段は、複数の要素によって遊技球を有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、遊技球を不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを別々に設定可能に構成されていてもよい。具体的には、例えば、振分手段は、釘44aに代えて2本の釘を利用することによって、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合とを別々に設定可能に構成してもよい。これによれば、一方の釘を設定することによって、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合を設定することができ、他方の釘を設定することによって、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合を設定することができる。
遊技球保持機構40は、遊技球を保持する保持部401と、保持部401の下方に設けられるとともに、保持部401にて保持された遊技球を利用して遊技者に情報を付与する情報付与部402とを備えている。
保持部401は、釘44aにて第2アウト口39bに振り分けられた遊技球を入球させるべく上向きに形成された入口と、この入口から入球した遊技球を情報付与部402に向かって落下させて入球させるべく下向きに形成された出口とを有する通路を備え、この通路は、大入賞口38aおよび第2アウト口39bの間に設けられている。この保持部401は、開閉扉38bと隣り合って設けられた第1のプレートとしての上プレート401aと、上プレート401aの下方に設けられた第2のプレートとしての下プレート401bと、上プレート401aおよび下プレート401bを駆動するプレート駆動部401cとを備えている。
上プレート401aは、保持部401の入口を閉鎖するようにして遊技盤31に設けられている。また、上プレート401aは、大入賞口38a側から第2アウト口39b側に向かうにしたがって下降するように傾斜して設けられている。この上プレート401aは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31から突出することによって、保持部401の入口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31の内部に向かって後退して遊技盤31に埋没することによって、保持部401の入口を開放する開放状態とを有している。
下プレート401bは、保持部401の出口を閉鎖するようにして遊技盤31に設けられている。この下プレート401bは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31から突出することによって、保持部401の出口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31の内部に向かって後退して遊技盤31に埋没することによって、保持部401の出口を開放する開放状態とを有している。
プレート駆動部401cは、上プレート401aおよび下プレート401bを駆動することによって、各プレート401a,401bを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
ここで、各プレート401a,401bを共に閉鎖状態に設定すると、遊技盤31および各プレート401a,401bによって区画された保持空間を保持部401の通路内に形成することができる。この保持空間は、1個の遊技球を保持することができる広さを有している。
したがって、保持部401は、上プレート401aを開放状態に設定し、下プレート401bを閉鎖状態に設定することによって、釘44aの右側を通過した遊技球を保持空間に入球させることができる。なお、保持部401は、遊技球の入球を検知する検知センサ50hを備え、この検知センサ50hは、遊技盤31の背面側に配設されている。
また、保持部401は、保持空間に1個の遊技球を入球させた後、すなわち検知センサ50hにて保持空間への遊技球の入球を検知した後、上プレート401aを閉鎖状態に設定することによって、保持部401に向かって流下してくる遊技球を保持空間に入球させないようにすることができる。ここで、釘44aの右側を通過した遊技球は、保持部401に向かって流下した後、上プレート401aの傾斜を利用して上プレート401aの上面を伝って第2アウト口39bに入球する。すなわち、保持部401は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、保持空間に遊技球を入球させることができる。さらに、上プレート401aを閉鎖状態に設定した後、下プレート401bを開放状態に設定すると、保持部401は、保持空間に保持した遊技球を落下させて情報付与部402に入球させることができる。
なお、本実施形態では、保持部401は、上プレート401aと、下プレート401bとを備え、釘44aの右側を通過した遊技球は、保持部401に向かって流下した後、上プレート401aの傾斜を利用して上プレート401aの上面を伝って第2アウト口39bに入球していた。これに対して、保持部401は、上プレート401aを備えていなくてもよい。この場合には、釘44aの右側を通過した遊技球が保持部401に向かって流下した後、保持空間に入球した遊技球の上部を伝って第2アウト口39bに入球するように、保持部401の入口と、下プレート401bとの間隔を調整すればよい。
情報付与部402は、略直方体状の情報付与空間に形成されるとともに、保持部401にて保持された遊技球を入球可能とすべく上向きに開口している。この情報付与部402は、情報付与空間の左側に設けられるとともに、水平方向右側に向かって突出する突出片402aと、突出片402aの上方に設けられた上入球口402bと、突出片402aの下方に設けられた下入球口402cと、突出片402aと隣り合って設けられるとともに、情報付与部402に入球した遊技球を上入球口402bまたは下入球口402cに案内する案内部材402dと、案内部材402dを駆動する案内部材駆動部402eとを備えている。
上入球口402bおよび下入球口402cは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部に設けられている。上入球口402bは、遊技球の入球を検知する検知センサ50iを備え、下入球口402cは、遊技球の入球を検知する検知センサ50jを備えている。これらの検知センサ50i,50jは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、上入球口402bまたは下入球口402cへの入球が発生した場合には、第1アウト口39aおよび第2アウト口39bへの入球が発生した場合と同様に、賞球の払い出しを実行しないが、賞球の払い出しを実行するように構成してもよい。
案内部材402dは、右端を中心として左端を上下方向(図中両矢印方向)に回動可能とするように情報付与空間の略中央位置に設けられている。この案内部材402dは、左端を突出片402aに近接させることによって、遊技球を上入球口402bに案内する上入球状態(図中実線位置)と、左端を情報付与空間の底面に近接させることによって、遊技球を下入球口402cに案内する下入球状態(図中二点鎖線位置)とを有している。この案内部材402dは、上入球状態および下入球状態のいずれに設定された場合であっても各入球口402b,402c側に向かうにしたがって下降するように傾斜して設けられている。したがって、遊技球は、案内部材402dの傾斜を利用して案内部材402dを伝って各入球口402b,402cに入球する。
案内部材駆動部402eは、案内部材402dを駆動することによって、案内部材402dを上入球状態および下入球状態のいずれかに設定する。
主表示装置42は、図2に示すように、メイン表示部45と、役物用表示部46とを有し、複数のセグメント発光部を所定の態様で配列したセグメント表示器や、ドット表示器などの複数の表示装置を配置して構成されている。
なお、主表示装置42は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして遊技盤31に設けられている。すなわち、主表示装置42は、窓パネル22を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。また、主表示装置42と、窓パネル22との間の距離は、遊技球1個分よりも狭くなっている。これによって、パチンコ機10は、主表示装置42と、窓パネル22との間を遊技球が落下していくのを防止している。換言すれば、パチンコ機10は、主表示装置42の前方を遊技球が落下していくのを防止している。
メイン表示部45は、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第1結果表示部45aと、下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第2結果表示部45bとを備えている(図5参照)。なお、メイン表示部45は、開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)に、その開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数を明示するためのラウンド表示部を更に備えていてもよい。
第1結果表示部45aは、上作動口36への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第1結果表示部45aは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部45bは、下作動口37への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第2結果表示部45bは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
役物用表示部46は、各スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。役物用表示部46は、内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した結果であった場合には、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、電役開放状態へ移行する。この電役開放状態では、下作動口37に設けられた電動役物37aは、所定の態様で開放状態となる。
なお、本実施形態では、メイン表示部45および役物用表示部46は、セグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等の他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部45および役物用表示部46に変動表示させる絵柄としては、複数種の文字を変動表示させる構成、複数種の記号を変動表示させる構成、複数種のキャラクタを変動表示させる構成、または複数種の色を切り換えて表示させる構成などを採用できる。
可変表示ユニット43は、絵柄の一種である図柄を変動表示(可変表示または切換表示)する図柄表示装置51を備えている。また、可変表示ユニット43は、図柄表示装置51を囲むようにして配設されたセンターフレーム52を備えている。このセンターフレーム52の上部は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして設けられている。これによって、パチンコ機10は、図柄表示装置51の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのを防止し、遊技球の落下によって表示画面Gの視認性が低下するといった不都合を生じない構成となっている。
図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されている。この図柄表示装置51は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて図柄の変動表示を開始する。すなわち、図柄表示装置51は、メイン表示部45の第1結果表示部45aにて変動表示を実行する場合およびメイン表示部45の第2結果表示部45bにて変動表示を実行する場合には、それに合わせて変動表示を実行する。
なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、またはCRT等の他の表示装置であってもよい。
センターフレーム52は、図柄表示装置51の左下側の領域に設けられた第1保留ランプ部53と、図柄表示装置51の右下側の領域に設けられた第2保留ランプ部54と、図柄表示装置51の上側の領域に設けられた第3保留ランプ部55とを備えている。
第1保留ランプ部53は、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第1保留ランプ部53は、遊技球を最大4個まで保留することができ、第1結果表示部45aおよび図柄表示装置51の変動表示に対応している。
第2保留ランプ部54は、下作動口37に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第2保留ランプ部54は、遊技球を最大4個まで保留することができ、第2結果表示部45bおよび図柄表示装置51の変動表示に対応している。
第3保留ランプ部55は、各スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第3保留ランプ部55は、遊技球を最大4個まで保留することができ、役物用表示部46の変動表示に対応している。
なお、各保留ランプ部53〜55は、後述する図柄表示装置51の一部に画像として表示される等の他の構成であってもよい。
図4は、図柄表示装置の表示画面を示す図である。
図柄表示装置51の表示画面Gは、図4に示すように、3列の表示領域に区画されており、各表示領域には、左から順に左図柄列Z1、中図柄列Z2、および右図柄列Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3は、「1」〜「8」の数字からなる8種類の図柄を下方から上方に向かって昇順となるとともに、「8」の次は「1」となるように配列して構成されている。なお、図4では、各表示領域の中心線を一点鎖線で示している。
図柄表示装置51は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向き(本実施形態では上向き)に周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行する。この遊技回用の演出は、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から停止表示に切り換わり、最終的には、有効ラインL上に所定の図柄を停止表示した状態で終了する。
すなわち、遊技回とは、各作動口36,37への入賞に基づいて、メイン表示部45および図柄表示装置51にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示するまでをいう。
なお、図柄表示装置51における図柄の変動表示の態様は、これに限定されることはなく任意である。例えば、図柄列の列数、各図柄列のスクロールの方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、各図柄列の図柄は、数字のみの態様に代えて、絵と数字とを組み合わせた態様としてもよく、絵のみの態様としてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成>
図5は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図5に示すように、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備え、これらの装置は、内枠の背面側に搭載されている。また、パチンコ機10は、前述した払出装置71に遊技球の払い出しをさせる払出制御を実行する払出制御装置70と、前述した遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する電源・発射制御装置80とを備え、これらの装置は、裏パックユニットに搭載されている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御(主制御)を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65とを備えている。なお、主制御装置60は、主制御基板61などを収容する基板ボックスを備えている。この基板ボックスは、その開放に際して痕跡を残す痕跡手段を備えていてもよく、その開放に際して痕跡を残す痕跡構造を備えていてもよい。具体的には、痕跡手段としては、複数のケース体を結合することによって基板ボックスを構成し、各ケース体の分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)を設ける構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成などを採用することができる。また、痕跡構造としては、これらのケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成などを採用することができる。
主制御基板61は、MPU62を備えている。このMPU62は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、ROM63に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。また、MPU62は、ROM63およびRAM64の他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、および乱数発生器としてのカウンタ回路などを備えている。
なお、本実施形態では、ROM63およびRAM64は、MPU62に対して1チップ化されているが、個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の他の制御装置のMPUについても同様である。
MPU62は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU62の入力ポートは、主制御装置60に設けられた停電監視基板65と、複数の検知センサ50a〜50gとに接続されている。MPU62の出力ポートは、停電監視基板65と、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とに接続されている。また、MPU62の出力ポートは、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置38の開閉扉38bを開閉動作させる可変入賞駆動部38cと、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行して大入賞口38aを開閉させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
停電監視基板65は、主制御基板61と、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置80とを中継し、電源・発射制御装置80から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。したがって、MPU62は、停電監視基板65を介して電力を受給する。
検知センサ50a〜50gは、一般入賞口35、上作動口36、下作動口37、および可変入賞装置38の各種入賞口や、第1アウト口39aおよび第2アウト口39bや、各スルーゲート41に1対1で対応して設けられている。MPU62は、検知センサ50a〜50gの検知結果に基づいて、各種入賞口や、第1アウト口39aおよび第2アウト口39bや、各スルーゲート41への入賞判定(入球判定)を行っている。なお、MPU62は、上作動口36または下作動口37への入賞判定に基づいて、内部抽選を実行する。
払出制御装置70は、主制御装置60から送信されるコマンド(制御命令)に基づいて、払出装置71に賞球や貸し球(遊技に際して遊技者に貸し出す遊技球)の払い出しをさせる払出制御を実行する。
電源・発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、電源・発射制御装置80は、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。なお、電源・発射制御装置80は、バックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部を備えている。この電断時用電源部は、パチンコ機10への電力供給が遮断された電断時においても主制御装置60のRAM64に記憶保持用の電力を供給する。
また、電源・発射制御装置80は、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する。ここで、遊技球発射機構81は、遊技盤31の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿25aに貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドとを備えている。電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、このソレノイドに対して駆動信号(発射許可信号)を供給し、遊技球を発射させる。
音声発光制御装置90は、音声発光制御基板91を備えている。この音声発光制御基板91は、MPU92を備えている。このMPU92は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93と、ROM93に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94とを備えている。また、MPU92は、ROM93およびRAM94の他、割込回路、タイマ回路、およびデータ入出力回路などを備えている。
MPU92は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU92の入力ポートは、複数の検知センサ50h〜50jに接続されている。MPU92の出力ポートは、各種ランプ部23,53〜55と、スピーカ部24と、表示制御装置100とに接続されている。また、MPU92の出力ポートは、上プレート401aおよび下プレート401bを駆動するプレート駆動部401cと、案内部材402dを駆動する案内部材駆動部402eとに接続されている。
MPU92は、主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、各種ランプ部23,53〜55や、スピーカ部24や、上プレート401aおよび下プレート401bや、案内部材402dの駆動制御を実行する。
検知センサ50h〜50jは、保持部401や、上入球口402bおよび下入球口402cに1対1で対応して設けられている。MPU92は、検知センサ50h〜50jの検知結果に基づいて、保持部401や、上入球口402bおよび下入球口402cへの入賞判定(入球判定)を行っている。
また、MPU92は、これらのコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信する。なお、音声発光制御装置90は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置100と電気的に接続されている。
表示制御装置100は、表示制御基板101を備えている。この表示制御基板101は、プログラムROM103およびワークRAM104を複合的にチップ化した素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とを備えている。
MPU102は、音声発光制御装置90から送信されるコマンドを解析するとともに、このコマンドに基づいて所定の演算処理を行ってVDP105の制御を実行する。具体的には、MPU102は、VDP105に対するコマンドを生成することによってVDP105の制御を実行する。
プログラムROM103は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。このプログラムROM103は、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。
ワークRAM104は、制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM104は、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。
VDP105は、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP105は、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。このVDP105は、MPU102や、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から読み出して図柄表示装置51に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとして機能する。このキャラクタROM106は、各種図柄のビットマップ形式画像データや、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等を保持している。
ビデオRAM107は、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、図柄表示装置51の表示内容は、このビデオRAM107の内容を書き替えることによって変更される。
<主制御装置60のMPU62にて内部抽選を実行するための電気的構成>
図6は、内部抽選に用いられる各カウンタの内容を示す図である。
MPU62は、図6に示すように、各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4の値(情報)を用いることによって、内部抽選などを実行する。具体的には、MPU62は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用し、リーチ表示を発生させるか否かの抽選にリーチ乱数カウンタC3を使用する。また、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に乱数初期値カウンタCINIを使用し、メイン表示部45および図柄表示装置51における表示継続時間の決定に変動種別カウンタCSを使用する。さらに、MPU62は、下作動口37の電動役物37aを電役開放状態とするか否かの抽選に電動役物開放カウンタC4を使用する。なお、各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM64の各種カウンタエリア64a(図5参照)に設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後、0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、定期的に更新され、その更新された値は、RAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア64b(図5参照)に格納される。また、抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、電動役物開放カウンタC4の値は、各スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64c(図5参照)に格納される。
保留球格納エリア64bは、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEとを備えている。
第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリアRa1〜第4エリアRa4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRa1〜Ra4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を格納可能な記憶容量に設定されている。MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として上作動口36への遊技球の入賞に合わせて各エリアRa1〜Ra4に時系列的に格納していく。具体的には、MPU62は、上作動口36への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
このように、第1結果表示部用保留エリアRaは、4つの記憶エリアを備えているので、上作動口36への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第1結果表示部用保留エリアRaは、各エリアRa1〜Ra4に格納されている保留個数を書き込むための記憶エリアを備えている。
なお、上作動口36に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbは、第1エリアRb1〜第4エリアRb4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRb1〜Rb4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を格納可能な記憶容量に設定されている。MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として下作動口37への遊技球の入賞に合わせて各エリアRb1〜Rb4に時系列的に格納していく。具体的には、MPU62は、下作動口37への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRb1→第2エリアRb2→第3エリアRb3→第4エリアRb4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
このように、第2結果表示部用保留エリアRbは、4つの記憶エリアを備えているので、下作動口37への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、各エリアRb1〜Rb4に格納されている保留個数を書き込むための記憶エリアを備えている。
なお、下作動口37に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、各結果表示部45a,45bの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa、または第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報を移動させるためのエリアである。
電役保留エリア64cは、第1結果表示部用保留エリアRaおよび第2結果表示部用保留エリアRbと同様に4つの記憶エリアを備えている。したがって、各スルーゲート41への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。
なお、各スルーゲート41に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
<各カウンタの詳細な説明>
以下、各カウンタの詳細について説明する。
まず、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値250に達した後、0に戻ることによって、0〜250の範囲内でループするループカウンタとなっている。
電動役物開放カウンタC4は、定期的に更新され、その更新された値は、各スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の電役保留エリア64cに格納される。
そして、MPU62は、電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、下作動口37の電動役物37aを電役開放状態とするか否かの抽選(電動役物開放抽選)を実行する。
ここで、パチンコ機10は、電動役物37aを開放状態に設定することによって、下作動口37への遊技球の入賞を可能とする頻度が互いに異なる複数のサポートモードを有している。具体的には、パチンコ機10は、電動役物37aを開放状態に設定する頻度が相対的に低い低頻度サポートモード(低頻度ガイド状態)と、電動役物37aを開放状態に設定する頻度が相対的に高い高頻度サポートモード(高頻度ガイド状態)とを有している。
低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選において、電役開放状態に当選する確率は同一(例えば、共に4/5)となっている。しかしながら、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電役開放状態に当選した際に、電動役物37aを開放状態に設定する回数が多く、電動役物37aを開放状態に設定する1回の開放時間も長くなっている。また、高頻度サポートモードでは、1回の電役開放状態における各回の開放の間に、電動役物37aを閉鎖状態に設定する閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短くなっている。さらに、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電動役物開放抽選を終えてから次回の電動役物開放抽選を行うまでに待機する時間として最低限確保される確保時間(役物用表示部46における1回の変動表示の継続時間)が短くなっている。
したがって、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比較して、遊技球は、下作動口37に入賞しやすくなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、遊技球は、下作動口37よりも上作動口36に入賞する確率が高くなる。また、高頻度サポートモードでは、遊技球は、上作動口36よりも下作動口37に入賞する確率が高くなる。
そして、下作動口37への入賞を検知した場合には、所定数の賞球の払い出しが実行されるので、高頻度サポートモードでは、遊技者は、遊技球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードの構成は、これに限定されることはない。例えば、高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選にて電役開放状態に当選する確率を低頻度サポートモードと比較して高くするように構成してもよい。また、例えば、複数種類の確保時間を用意し、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、短い確保時間を選択し易いように構成してもよく、選択される確保時間の平均を短くするように構成してもよい。さらに、電動役物37aを開放状態に設定する回数、開放時間、および確保時間の各条件を組み合わせることによって、高頻度サポートモードは、電動役物37aを開放状態に設定する頻度を低頻度サポートモードと比較して相対的に高くするように構成してもよい。
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値599に達した後、0に戻ることによって、0〜599の範囲内でループするループカウンタとなっている。また、大当たり乱数カウンタC1は、1周ループするごとに、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値を初期値として読み込む。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様に0〜599の範囲内でループするループカウンタである。
大当たり乱数カウンタC1は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、大当たり発生の抽選(当否抽選)を実行する。
図7は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルを示す図である。
大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たり発生に当選する乱数の値は、図7に示すように、当否情報群記憶手段として設けられたROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図5参照)に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。
ここで、パチンコ機10は、大当たり発生に当選しにくい低確率モード(低確率状態)と、大当たり発生に当選しやすい高確率モード(高確率状態)との2つの当否抽選モードを有している。また、当否テーブルは、図7(a)に示す低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図7(b)に示す高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの当否テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行する。
これらの当否テーブルは、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」の複数の大当たり発生の抽選の結果(当否結果)を有している。
具体的には、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、図7(a)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は2個である。
これに対して、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、図7(b)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は21個である。ここで、低確率モード用の当否テーブルに記憶された大当たり当選となる乱数の値は、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値に含まれている。
なお、各当否テーブルに記憶される乱数の値や個数は任意であり、高確率モードは、低確率モードと比較して「大当たり当選」となる確率が高くなっていればよい。また、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値は、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値を含んでいなくてもよく、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値の一部を含んでいてもよい。
また、各当否抽選モードにおいて、「大当たり当選」となる乱数の値以外は、大当たり発生に当選せずに外れ結果となる。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、「特別外れ結果(小当たり結果)」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有している。これらの外れ結果は、いずれも当否抽選モードや、サポートモードの移行契機とはならない点で共通している。しかしながら、「特別外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、「通常外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機とはならない点で異なっている。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値29に達した後、0に戻ることによって、0〜29の範囲内でループするループカウンタとなっている。
大当たり種別カウンタC2は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり種別カウンタC2の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選(振分抽選)を実行する。
図8は、大当たりの種別の振分先に係る乱数の値を記憶した振分テーブルを示す図である。
大当たりの種別の振分先に係る乱数の値は、図8に示すように、振分情報群記憶手段として設けられたROM63の振分テーブル記憶エリア63b(図5参照)に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルは、図8(a)に示す第1振分テーブル(第1振分情報群)と、図8(b)に示す第2振分テーブル(第2振分情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの振分テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値とを比較することによって、大当たりの種別の抽選を実行する。
第1振分テーブルは、第1結果表示部用保留エリアRaから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち上作動口36への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第1振分テーブルは、図8(a)に示すように、「低確結果(低確率対応の特別振分結果)」、「非明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の潜伏高確率結果)」、「明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の高確率結果)」、および「最有利結果(高確率対応の特別振分結果)」の複数の振分結果を振分先としている。具体的には、第1振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0〜29」のうち、「0〜9」を「低確結果」に振り分け、「10〜14」を「非明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「15〜19」を「明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「20〜29」を「最有利結果」に振り分けている。
第2振分テーブルは、第2結果表示部用保留エリアRbから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち下作動口37への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第2振分テーブルは、図8(b)に示すように、「低確結果」および「最有利結果」の2つの振分結果を振分先としている。具体的には、第2振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0〜29」のうち、「0〜9」を「低確結果」に振り分け、「10〜29」を「最有利結果」に振り分けている。
各振分結果は、以下の(1)〜(3)の条件の少なくともいずれかに差異を有している。
(1)開閉実行モード終了後の当否抽選モード
(2)開閉実行モード終了後のサポートモード
(3)開閉実行モードにおける可変入賞装置38の開閉制御の態様
まず、(1)の当否抽選モードの相違について説明する。
「低確結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが低確率モードに設定される振分結果である。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、および「最有利結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが高確率モードに設定される振分結果である。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
次に、(2)のサポートモードの相違について説明する。
「低確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行する。
「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードをそのまま維持する振分結果である。ここで、開閉実行モード終了前のサポートモードが高頻度サポートモードであった場合には、高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
「明示少ラウンド高確結果」および「最有利結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
なお、(3)の開閉実行モードにおける可変入賞装置38の開閉制御の態様の相違については後に詳細に説明する。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値238に達した後、0に戻ることによって、0〜238の範囲内でループするループカウンタとなっている。
リーチ乱数カウンタC3は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、リーチ表示を発生させるか否かの抽選(リーチ発生抽選)を実行する。
リーチ表示は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に発生する期待演出である。
具体的には、MPU62は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に、リーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ表示を発生させるか否かの抽選を実行し、この抽選においてリーチ表示を発生させるとなった場合にリーチ表示を発生させる。なお、リーチ用テーブルは、リーチ表示の発生に係る乱数の値を記憶したテーブルであり、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア(図示略)に記憶されている。
ここで、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」に振り分けられた場合には、図柄表示装置51は、停止結果として、同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」に振り分けられた場合には、図柄表示装置51は、停止結果として、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。さらに、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合には、図柄表示装置51は、停止結果として、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。
リーチ表示は、同一の数字を有する図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」または「低確結果」に振り分けられた場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生する。また、リーチ表示は、特別な図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生しない。
リーチ表示の態様は、図柄表示装置51の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち、一部の図柄列(例えば、図柄列Z1および図柄列Z3)を有効ラインL上に停止表示させることによって、同一の図柄の組み合わせを表示して停止結果を示唆し、その状態で残りの図柄列(例えば、図柄列Z2)を変動表示する。
したがって、パチンコ機10は、リーチ表示を発生させることによって、図柄表示装置51にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」または「最有利結果」に振り分けられたのではないかと遊技者に期待させることができる。
なお、リーチ表示の態様は、これに限定されることはなく、一部の図柄列を停止表示させた上で残りの図柄列を変動表示させるとともに、所定のキャラクタなどを動画として背景に表示してもよく、各図柄列を縮小表示または非表示にした上で所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gの略全体に表示してもよい。
ここで、パチンコ機10は、図柄表示装置51の変動表示の一種として期待演出を有している。期待演出とは、図柄表示装置51にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となったのではないかと遊技者に期待させるような演出をいう。具体的には、パチンコ機10は、前述したリーチ表示と、予告表示との2種類の期待演出を有している。
予告表示は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合に、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合よりも演出を発生しやすくする期待演出である。この予告表示は、演出を発生しやすくする代わりに、出現率の低い演出を選択しやすくするようにしてもよく、これらを組み合わせるようにしてもよい。
なお、リーチ表示を発生させるか否かの抽選は、主制御装置60にて実行されていたのに対し、予告表示を発生させるか否かの抽選は、音声発光制御装置90にて実行される。
予告表示の態様は、図柄表示装置51の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1〜Z3のうち、全ての図柄列Z1〜Z3を変動表示させている、または一部の図柄列(例えば、図柄列Z1)を有効ラインL上に停止表示させた上で複数の図柄列(例えば、図柄列Z2,Z3)を変動表示させている状況において、所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gに表示する。この予告表示は、リーチ表示を発生させる場合およびリーチ表示を発生させない場合のいずれの場合においても発生するが、リーチ表示を発生させない場合よりもリーチ表示を発生させる場合に発生しやすくなるように設定されている。
なお、予告表示は、これに限定されることはなく、例えば、背景を変更して表示してもよく、図柄列Z1〜Z3の形態を変更して表示してもよい。
最後に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値198に達した後、0に戻ることによって、0〜198の範囲内でループするループカウンタとなっている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理の実行ごとに少なくとも1回更新され、その更新の都度、抽選カウンタ用バッファに格納される。
そして、MPU62は、抽選カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値に基づいて、メイン表示部45における絵柄の表示継続時間と、図柄表示装置51における図柄の表示継続時間とを決定する。なお、これらの表示継続時間については後に詳細に説明する。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
主制御装置60のMPU62は、遊技を進行させるタイマ割込み処理および通常処理や、電源投入に伴って起動するメイン処理を実行する。以下、タイマ割込み処理、通常処理、およびメイン処理について順に説明する。
なお、MPU62は、タイマ割込み処理、通常処理、およびメイン処理の他、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力によって起動するNMI割込み処理を実行するが、この処理についての説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
図9は、タイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
タイマ割込み処理では、MPU62は、図9に示すように、ステップS101〜S105を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS101では、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50gの読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50gの状態を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM64に保存する。MPU62は、各種入賞口に対応した検知センサ50a〜50dが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置70に送信する。例えば、MPU62は、可変入賞装置38に対応した検知センサ50dが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。
なお、払出制御装置70は、MPU62から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置71に賞球の払い出しを実行させる払出制御を行う。
ステップS102では、MPU62は、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合には、乱数初期値カウンタCINIの値を0に戻してクリアする。
ステップS103では、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の前回値にそれぞれ1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、各カウンタC1〜C4の前回値にそれぞれ1を加算する際に最大値に達していた場合には、各カウンタC1〜C4の値を0に戻してクリアする。
ステップS104では、MPU62は、スルー用の入賞処理を実行する。このスルー用の入賞処理では、MPU62は、各スルーゲート41に対応した検知センサ50fが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア64cに格納する。また、MPU62は、第3保留ランプ部55を点灯させるためのコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、第3保留ランプ部55を点灯させる。また、スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数は、前述したように、最大4個であり、第3保留ランプ部55は、この保留個数と対応する数だけ点灯する。
ステップS105では、MPU62は、作動口用の入賞処理を実行する。
以下、作動口用の入賞処理について詳細に説明する。
<作動口用の入賞処理>
図10は、作動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。
作動口用の入賞処理では、MPU62は、図10に示すように、ステップS201〜S207を実行する。
ステップS201では、MPU62は、上作動口36に対応した検知センサ50bが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、上作動口36に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。MPU62は、ステップS201にて上作動口36に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS202において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第1始動保留記憶数RaNとして第1結果表示部用保留エリアRaにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、ステップS205以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS201にて上作動口36に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS203において、下作動口37に対応した検知センサ50cが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、下作動口37に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS203にて下作動口37に遊技球が入賞していないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS203にて下作動口37に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS204において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、ステップS205以降の処理を実行する。
ステップS202またはステップS204の処理を実行した後、MPU62は、ステップS205において、ステップS202またはステップS204にてセットした始動保留記憶数N(RaNまたはRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS205にて始動保留記憶数Nが上限値未満でないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS205にて始動保留記憶数Nが上限値未満であると判定した場合には、ステップS206において、その始動保留記憶数Nの値に1を加算して更新する。
ステップS207では、MPU62は、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を結果表示部用保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した始動保留記憶数Nと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。
例えば、MPU62は、ステップS202にて第1始動保留記憶数RaNをセットした場合には、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU62は、ステップS202にて第1始動保留記憶数RaNに「3」をセットした場合には、ステップS206にて更新した第1始動保留記憶数RaNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRa4に保留情報を格納する。
また、例えば、MPU62は、ステップS204にて第2始動保留記憶数RbNをセットした場合には、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU62は、ステップS204にて第2始動保留記憶数RbNに「3」をセットした場合には、ステップS206にて更新した第2始動保留記憶数RbNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRb4に保留情報を格納する。
また、ステップS207では、MPU62は、第1保留ランプ部53または第2保留ランプ部54を点灯させるためのコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、作動口用の入賞処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、第1保留ランプ部53または第2保留ランプ部54を点灯させる。また、上作動口36または下作動口37に入賞した遊技球の保留個数は、前述したように、最大4個であり、第1保留ランプ部53または第2保留ランプ部54は、この保留個数と対応する数だけ点灯する。
<通常処理>
図11は、通常処理のフローチャートを示す図である。
MPU62は、電源投入に伴って起動する後述のメイン処理を実行した後、遊技を進行させるための主要な処理である通常処理を実行する。この通常処理では、MPU62は、図11に示すように、ステップS301〜S313を実行する。具体的には、MPU62は、ステップS301〜S308を4msec周期で定期的に実行し、残余時間が発生した場合にステップS307〜S310を繰り返し実行し、ステップS307の判定結果に応じてステップS311以降を実行する。
ステップS301では、MPU62は、タイマ割込み処理または前回の通常処理で設定したコマンドをサブ側の各制御装置に送信するための外部出力処理を実行する。この外部出力処理では、例えば、MPU62は、賞球コマンドが設定されているか否かを判定し、賞球コマンドが設定されていると判定した場合には、その賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。また、例えば、MPU62は、遊技回用の演出に対応したコマンドや、開閉実行モード用の演出に対応したコマンドなどの演出用のコマンドが設定されているか否かを判定し、演出用のコマンドが設定されていると判定した場合には、その演出用のコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
ステップS302では、MPU62は、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合には、変動種別カウンタCSの値を0に戻してクリアする。
ステップS303では、MPU62は、遊技回を進行させるための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、MPU62は、当否抽選および振分抽選を実行するとともに、図柄表示装置51に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報の決定およびメイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報の決定などを実行する。
ステップS304では、MPU62は、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、MPU62は、開閉実行モード、高確率モード、および高頻度サポートモードなどの各遊技状態への移行処理を実行する。
なお、ステップS303の遊技回制御処理およびステップS304の遊技状態移行処理については後に詳細に説明する。
ステップS305では、MPU62は、下作動口37に設けられた電動役物37aの駆動制御を実行するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、MPU62は、RAM64の電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、電動役物開放抽選を実行するとともに、電動役物開放抽選に当選した場合には、電動役物37aの開閉処理を実行する。また、MPU62は、電動役物開放抽選の結果を表示するように、役物用表示部46の表示制御を実行する。
ステップS306では、MPU62は、遊技球発射制御処理を実行する。この遊技球発射制御処理では、MPU62は、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことに基づいて、電源・発射制御装置80に遊技球を発射させる発射制御を実行させる。具体的には、電源・発射制御装置80は、所定の周期(本実施形態では0.6sec)で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。なお、ソレノイドは、発射ハンドル27の回転操作量に応じた発射強度で遊技球を発射するように励磁される。また、電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、遊技球発射機構81のソレノイドに対して駆動信号を供給し、遊技球を発射させる。
ステップS307では、MPU62は、RAM64の停電フラグ格納エリア(図示略)に停電フラグがセットされているか否かを判定する。この停電フラグは、MPU62のNMI端子に対して停電監視基板65から停電信号が入力されることによってRAM64にセットされる。停電監視基板65は、停電の発生を確認した場合に、この停電信号を出力する。なお、この停電フラグは、次回のメイン処理の実行時にクリアされる。
ここで、パチンコ機10は、RAM64等の所定のエリアに1を代入することによって各種のフラグをセットし、0を代入することによって各種のフラグをクリアする。例えば、パチンコ機10は、RAM64の停電フラグ格納エリアに1を代入することによって停電フラグをセットし、RAM64の停電フラグ格納エリアに0を代入することによって停電フラグをクリアする。
MPU62は、ステップS307にて停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS308以降の処理を実行することなく、ステップS311以降の電断時処理を実行する。具体的には、ステップS311では、MPU62は、タイマ割込み処理の発生を禁止する。ステップS312では、MPU62は、RAM判定値(RAM64のチェックサム)を算出して保存する。ステップS313では、MPU62は、RAM64へのアクセスを禁止する。その後、MPU62は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
これに対して、MPU62は、ステップS307にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS308において、次回の通常処理を実行するタイミングに至ったか否か、すなわち現在の通常処理を開始したときから所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS308にて次回の通常処理を実行するタイミングに至っていないと判定した場合、すなわち残余時間が発生した場合には、ステップS309において、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS310において、変動種別カウンタCSの更新を実行する。なお、MPU62は、ステップS308にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定するまでステップS307〜S310を繰り返し実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS308にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定した場合、すなわち残余時間が発生していない場合には、ステップS301を再び実行することによって、次回の通常処理を開始する。
<メイン処理>
図12は、メイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理では、MPU62は、図12に示すように、ステップS401〜S412を実行する。
ステップS401では、MPU62は、電源投入に伴って立ち上げ処理を実行する。この立ち上げ処理では、MPU62は、サブ側の制御基板(音声発光制御基板91等)が動作可能な状態になるのを待つために、電源投入後、所定の時間(例えば、500msec程度)が経過するまで待機する。
ステップS402では、MPU62は、許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。MPU62は、ステップS402にて1secが経過していないと判定した場合には、ステップS402の処理を繰り返し実行する。また、MPU62は、ステップS402にて1secが経過したと判定した場合には、ステップS403以降の処理を実行する。
ここで、MPU62は、ステップS402の処理の実行回数をカウントすることによって1secが経過したか否かを判定する。例えば、ステップS402の処理を繰り返し実行する間隔が0.1msecである場合には、MPU62は、ステップS402の処理の実行回数をカウントして10000回に達したときに1secが経過したと判定する。なお、許可禁止用期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロックを用いて許可禁止用期間を測定してもよい。
ステップS403では、MPU62は、RAM64へのアクセスを許可する。
ステップS404では、MPU62は、電源・発射制御装置80に設けられたRAM消去スイッチ(図示略)がオンになっているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていないと判定した場合には、ステップS405において、RAM64の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判定する。
そして、MPU62は、ステップS405にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS405にて停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS406において、RAM判定値を算出する。
ステップS407では、MPU62は、ステップS406にて算出したRAM判定値が正常であるか否かを判定することによって、RAM64に記憶されたデータの有効性を確認する。具体的には、MPU62は、ステップS406にて算出したRAM判定値と、通常処理のステップS312(電断時処理)にて保存されたRAM判定値とを比較し、これらが一致した場合には、RAM判定値は正常であると判定し、一致しない場合には、RAM判定値は異常であると判定する。
そして、MPU62は、ステップS407にてRAM判定値が正常でないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS407にてRAM判定値が正常であると判定した場合には、ステップS408において、RAM64の停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。
なお、RAM64に記憶されたデータの有効性は、RAM判定値の整合性を確認する方法とは異なる方法によって判定してもよく、例えば、電断時処理にてRAM64の所定のエリアにキーワードを書き込み、このキーワードが正常に書き込まれているか否かをメイン処理にて判定することによって、RAM64に記憶されたデータの有効性を確認してもよい。
前述したように、MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合、ステップS405にて停電フラグがセットされていないと判定した場合、またはステップS407にてRAM判定値が正常でないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
具体的には、MPU62は、ステップS409において、RAM64の作業領域をクリアし、ステップS410において、RAM64の初期化を実行する。
したがって、例えば、遊技場の管理者は、遊技場の営業開始時にRAM消去スイッチを押下しながらパチンコ機10の電源を投入することによって、RAM64に記憶されたデータを初期化することができる。また、パチンコ機10は、停電監視基板65にて停電の発生を確認していない場合や、RAM判定値が異常であった場合には、RAM64に記憶されたデータを初期化する。
ステップS408またはステップS410の処理を実行した後、MPU62は、ステップS411において、サブ側の制御基板(音声発光制御基板91等)に対して初期コマンドを送信し、ステップS412において、タイマ割込み処理の発生を許可し、前述した通常処理に移行する。
サブ側の制御基板は、ステップS411にて送信された初期コマンドを受信することによって、主制御基板61との通信が正常に行われていることを認識するとともに、所定の処理を実行する。具体的には、例えば、音声発光制御基板91は、プレート駆動部401cにて上プレート401aおよび下プレート401bを駆動し、案内部材駆動部402eにて案内部材402dを駆動することによって、遊技球保持機構40の動作確認を実行する。なお、音声発光制御基板91は、動作確認の実行後、プレート駆動部401cにて上プレート401aおよび下プレート401bを駆動することによって、上プレート401aおよび下プレート401bを閉鎖状態に設定する。また、音声発光制御基板91は、案内部材駆動部402eにて案内部材402dを駆動することによって、案内部材402dを上入球状態に設定する。
<遊技回制御処理>
図13は、遊技回制御処理のフローチャートを示す図である。
遊技回制御処理では、MPU62は、図13に示すように、ステップS501〜S509を実行する。
ステップS501では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS502以降の処理を実行することなく、遊技回制御処理を終了する。したがって、開閉実行モード中であると判定した場合には、MPU62は、各作動口36,37への遊技球の入賞を検知しているか否かに関わらず遊技回の進行を開始しない。
なお、MPU62は、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグを参照することによって、開閉実行モード中であるか否かを判定している。以下の各処理においても同様である。MPU62は、開閉実行モードへの移行時に開閉実行モード中フラグをセットし、開閉実行モードの終了時に開閉実行モード中フラグをクリアする。
これに対して、MPU62は、ステップS501にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS502において、メイン表示部45が変動表示中であるか否か、すなわち遊技回を進行中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS502にてメイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS502にてメイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。
まず、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理について説明する。
ステップS503では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数とを把握し、これらの保留個数の合計数CRNが「0」であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS503にて合計数CRNが「0」であると判定した場合には、遊技回制御処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS503にて合計数CRNが「0」でないと判定した場合には、ステップS504において、第1結果表示部用保留エリアRaまたは第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を遊技回の消化用に設定するためのデータ設定処理を実行する。その後、MPU62は、ステップS505において、メイン表示部45および図柄表示装置51に変動表示を開始させて遊技回を消化するための変動開始処理を実行し、遊技回制御処理を終了する。
以下、ステップS504のデータ設定処理およびステップS505の変動開始処理について詳細に説明する。
図14は、データ設定処理のフローチャートを示す図である。
データ設定処理では、MPU62は、図14に示すように、ステップS601〜S611を実行する。
ステップS601では、MPU62は、作動口用の入賞処理のステップS204にてセットされた第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」であると判定した場合には、ステップS602〜ステップS606の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」でないと判定した場合には、ステップS607〜ステップS611の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
このように、データ設定処理は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第1結果表示部用のデータ設定処理と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第2結果表示部用のデータ設定処理とを有している。
そして、MPU62は、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」でないと判定した場合には、第1結果表示部用のデータ設定処理を実行することなく、第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。換言すれば、MPU62は、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報があると判定した場合には、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報があるか否かに関わらず第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定する。
まず、ステップS602〜ステップS606の第1結果表示部用のデータ設定処理について説明する。
ステップS602では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNの値に1を減算して更新する。
ステップS603では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS604では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRa1〜Ra4に格納されている保留情報を第1エリアRa1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU62は、第2エリアRa2の保留情報を第1エリアRa1にシフトし、第3エリアRa3の保留情報を第2エリアRa2にシフトし、第4エリアRa4の保留情報を第3エリアRa3にシフトする。
ステップS605では、MPU62は、RAM64に記憶された第2結果表示部フラグをクリアする。この第2結果表示部フラグは、遊技回の消化に際して第1結果表示部45aおよび第2結果表示部45bのうち、どちらのメイン表示部45に変動表示を開始させているかを特定するためのフラグである。このステップS605では、MPU62は、第2結果表示部フラグをクリアしているので、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示している。
ステップS606では、MPU62は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置90に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第1保留ランプ部53の点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置90は、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数の減少に伴って、第1保留ランプ部53の点灯個数を減少させる。
次に、ステップS607〜ステップS611の第2結果表示部用のデータ設定処理について説明する。
ステップS607では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNの値に1を減算して更新する。
ステップS608では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2エリアRb1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS609では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRb1〜Rb4に格納されている保留情報を第1エリアRb1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU62は、第2エリアRb2の保留情報を第1エリアRb1にシフトし、第3エリアRb3の保留情報を第2エリアRb2にシフトし、第4エリアRb4の保留情報を第3エリアRb3にシフトする。
ステップS610では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグをセットする。このステップS610では、MPU62は、第2結果表示部フラグをセットしているので、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示している。
ステップS611では、MPU62は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置90に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第2保留ランプ部54の点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置90は、下作動口37に入賞した遊技球の保留個数の減少に伴って、第2保留ランプ部54の点灯個数を減少させる。
図15は、変動開始処理のフローチャートを示す図である。
変動開始処理では、MPU62は、図15に示すように、ステップS701〜S718を実行する。
ステップS701では、MPU62は、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS701にて当否抽選モードが高確率モードでないと判定した場合には、ステップS702において、低確率モード用の当否テーブル(図7(a)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出し、ステップS701にて当否抽選モードが高確率モードであると判定した場合には、ステップS703において、高確率モード用の当否テーブル(図7(b)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出す。
ステップS702またはステップS703の処理を実行した後、MPU62は、ステップS704において、当否判定処理を実行する。この当否判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップS702またはステップS703にて読み出した当否テーブルとを比較することによって、当否抽選の結果(当否結果)を判定する。なお、前述したように、当否結果は、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」のいずれかであり、当否抽選モードが低確率モードであっても高確率モードであっても同様である。
ステップS705では、MPU62は、ステップS704にて判定した当否結果が「大当たり当選」であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS706以降の処理を実行し、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定した場合には、ステップS712以降の処理を実行する。
まず、ステップS705において、MPU62にて当否結果が「大当たり当選」であると判定された場合の処理(ステップS706以降の処理)について説明する。
ステップS706では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS706にてRAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、上作動口36への遊技球の入賞に基づく第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、ステップS707において、第1振分テーブル(図8(a)参照)をROM63の振分テーブル記憶エリア63bから読み出す。
これに対して、MPU62は、ステップS706にてRAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、下作動口37への遊技球の入賞に基づく第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、ステップS708において、第2振分テーブル(図8(b)参照)をROM63の振分テーブル記憶エリア63bから読み出す。
ステップS707またはステップS708の処理を実行した後、MPU62は、ステップS709において、振分判定処理を実行する。この振分判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり種別カウンタC2の値と、ステップS707またはステップS708にて読み出した振分テーブルとを比較することによって、振分抽選の結果(振分結果)を判定する。
ステップS710では、MPU62は、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。この大当たり結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報をステップS709にて判定した振分結果に応じて決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果と、ROM63に予め記憶された大当たり結果用の停止結果テーブルとを比較することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この大当たり結果用の停止結果テーブルは、メイン表示部45に停止表示させる絵柄の態様を振分結果ごとに相違させて規定している。
ステップS711では、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果に応じたフラグをRAM64にセットする。具体的には、MPU62は、振分結果が「低確結果」であることを特定した場合には、低確結果フラグをセットし、「非明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合には、非明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合には、明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「最有利結果」であることを特定した場合には、最有利結果フラグをセットする。その後、MPU62は、ステップS716以降の処理を実行する。
なお、以下の各処理において、MPU62は、これらのフラグを参照することによって、振分結果の判定を実行する。
次に、ステップS705において、MPU62にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定された場合の処理(ステップS712以降の処理)について説明する。
ステップS712では、MPU62は、ステップS704にて判定した当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS712にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS713以降の処理を実行し、ステップS712にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS715以降の処理を実行する。
ステップS713では、MPU62は、特別外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この特別外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された特別外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS714では、MPU62は、特別外れフラグをRAM64にセットする。
なお、以下の各処理において、MPU62は、この特別外れフラグを参照することによって、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かの判定を実行する。
これに対して、ステップS715では、MPU62は、通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この通常外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された通常外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この通常外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルおよび特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS711、ステップS714、およびステップS715のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS716において、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
表示継続時間の設定処理では、MPU62は、RAM64の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値を取得する。
また、表示継続時間の設定処理では、MPU62は、図柄表示装置51にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果が「低確結果」または「最有利結果」である場合、並びにステップS704にて判定した当否結果が「通常外れ結果」であるとともに、リーチ発生抽選に当選した場合には、リーチ表示が発生すると判定する。なお、MPU62は、ROM63に予め記憶されたリーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ発生抽選を実行する。
MPU62は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63に記憶されたリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
これに対して、MPU62は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM63に記憶されたリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
具体的には、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を短くするように設定されている。したがって、上作動口36に係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、上作動口36に係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。そして、下作動口37に係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、下作動口37に係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。また、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、低頻度サポートモードである場合と比較して、表示継続時間を短くするように設定されている。換言すれば、保留個数が同じであれば、高頻度サポートモードである場合の表示継続時間は、低頻度サポートモードである場合のそれよりも短い。
さらに、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間は、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは異なっている。
なお、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を長くなる等のように前述した関係とは逆の関係に設定されていてもよく、保留個数やサポートモードに応じて変動しない構成としてもよい。また、リーチ発生用表示継続時間テーブルおよびリーチ非発生用表示継続時間テーブルは同一であってもよい。さらに、当否結果および振分結果のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルを設定してもよい。
ステップS717では、MPU62は、変動用コマンドおよび種別コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS717にて設定した変動用コマンドおよび種別コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動用コマンドおよび種別コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
変動用コマンドは、表示継続時間に係る情報を含んでいる。また、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を含んでいない。
ここで、前述したように、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間と、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは互いに異なっている。
したがって、リーチ表示が発生するか否かの情報を変動用コマンドに含めなかったとしても、表示継続時間に係る情報に基づいて、サブ側の制御装置である音声発光制御装置90にてリーチ表示が発生するか否かを判定することは可能である。この意味では、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を間接的に含んでいるとも言える。なお、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を直接的に含んでいてもよい。
種別コマンドは、当否結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、当否結果に係る情報として、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」に係る各情報を含んでいる。また、種別コマンドは、振分結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、振分結果に係る情報として、「低確結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、および「最有利結果」に係る各情報を含んでいる。
なお、以下の説明では、当否結果および振分結果を総称して遊技結果とする。換言すれば、種別コマンドは、遊技結果に係る情報を含んでいる。
ステップS718では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定し、その判定結果に基づいてメイン表示部45に変動表示を開始させる。その後、MPU62は、変動開始処理を終了する。
具体的には、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、第1結果表示部45aに変動表示を開始させる。
これに対して、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、第2結果表示部45bに変動表示を開始させる。
遊技回制御処理の説明に戻り、図13を参照してステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理について説明する。
MPU62は、ステップS502において、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定し、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS506では、MPU62は、変動開始処理のステップS716にてセットした表示継続時間が経過したか否かを判定する。具体的には、MPU62は、RAM64の表示継続時間カウンタにセットされた値が「0」になったか否かを判定する。なお、この表示継続時間カウンタの値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
MPU62は、ステップS506にて表示継続時間が経過していないと判定した場合には、ステップS507において、変動表示用処理を実行する。この変動表示用処理では、MPU62は、変動表示中のメイン表示部45の表示を更新する。その後、MPU62は、遊技回制御処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS506にて表示継続時間が経過していると判定した場合には、ステップS508において、変動終了処理を実行する。この変動終了処理では、MPU62は、メイン表示部45に変動表示を開始させる際に実行された変動開始処理のステップS710、ステップS713、およびステップS715のいずれかの処理においてRAM64に記憶した情報(メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報)を特定する。そして、MPU62は、遊技回の終了に際し、この特定した情報に対応した絵柄を変動表示中のメイン表示部45に表示させるようにメイン表示部45の表示制御を実行する。
ここで、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄は、遊技結果の種類ごとに異なっている。したがって、遊技場の管理者などは、遊技回の終了に際してメイン表示部45を目視することによって、遊技結果を確認することができる。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
また、メイン表示部45は、図柄表示装置51の表示画面Gと比較して表示領域が狭く、メイン表示部45に停止表示させる絵柄は、図柄表示装置51の表示画面Gに停止表示させる図柄列Z1〜Z3と比較して遊技者にとって認識しにくいものとなっている。したがって、遊技者は、遊技回の終了に際し、メイン表示部45ではなく図柄表示装置51の表示画面Gを確認することによって、大当たり抽選に当選したか否か等を判断することになるので、表示画面Gへの注目度を高めることができる。
ステップS509では、MPU62は、変動終了コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS509にて設定した変動終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、遊技回制御処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動終了コマンドに基づいて、その遊技回の演出を終了させるための処理を実行する。ここで、音声発光制御装置90は、変動終了コマンドの受信を必要とすることなく、独自に遊技回の演出を終了するように構成されていてもよい。
<遊技状態移行処理>
図16は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、図16に示すように、ステップS801〜S814を実行する。
ステップS801では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS802以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS811以降の処理を実行する。
まず、ステップS801において、MPU62にて開閉実行モード中でないと判定された場合の処理(ステップS802以降の処理)について説明する。
ステップS802では、MPU62は、メイン表示部45の変動表示が終了したか否かを判定する。MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了していないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了したと判定した場合には、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、MPU62は、当否結果が「大当たり当選」または「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、RAM64に開閉実行モード中フラグをセットした後、ステップS804以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものでないと判定した場合(当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合)には、遊技状態移行処理を終了する。
ステップS804では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS805において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた開閉カウンタSOCに「2」をセットする。この開閉カウンタSOCは、開閉実行モードへの移行に際して可変入賞装置38の大入賞口38aを開閉する総回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
これに対して、MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS806において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、ステップS807において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「2」をセットする。また、MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合、すなわち振分結果が「低確結果」または「最有利結果」であると判定した場合には、ステップS808において、ラウンドカウンタRCに「15」をセットする。このラウンドカウンタRCは、開閉実行モードへの移行に際してラウンド遊技の回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
ここで、パチンコ機10は、終了条件が互いに異なる複数の開閉実行モードを有している。具体的には、パチンコ機10は、開閉実行モードとして、当否結果が「大当たり当選」である場合に移行するラウンド数規定モードと、当否結果が「特別外れ結果」である場合に移行する開閉数規定モードとを有している。
ラウンド数規定モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を実行したことを条件として終了する。ここで、ラウンド遊技の回数は、ラウンドカウンタRCにセットした値に対応している。
開閉数規定モードは、予め定められた総回数の大入賞口38aの開閉を実行したこと、または予め定められた個数の遊技球が大入賞口38aに入賞したことを条件として終了する。ここで、大入賞口38aの開閉の総回数は、開閉カウンタSOCにセットした値に対応している。この開閉数規定モードは、ラウンド遊技の実行回数を条件として終了することはない。
なお、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口38aの開閉を実行する。また、1回のラウンド遊技は、以下の2つの条件のうち、いずれかの条件を満たすまで継続する。換言すれば、パチンコ機10は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、以下の2つの条件のうち、いずれかの条件を満たすことによって、開閉扉38bを再び閉鎖状態に設定する。
(1)予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること
(2)大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること
ステップS805、ステップS807、およびステップS808のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS809において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、オープニング用の待機時間は2secとなる。なお、待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
このように、MPU62は、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、遊技結果の種類に関わらずタイマカウンタTにオープニング用の待機時間をセットする。換言すれば、オープニング用の待機時間は、遊技結果の種類に関わらず同一である。
なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、オープニング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS810では、MPU62は、オープニングコマンドを設定する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。このオープニングコマンドは、開閉実行モードへの移行の契機となった遊技結果の情報を含んでいる。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS810にて設定したオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードへの移行を認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップS801において、MPU62にて開閉実行モード中であると判定された場合の処理(ステップS811以降の処理)について説明する。
ステップS811では、MPU62は、大入賞口開閉処理を実行する。
図17は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、図17に示すように、ステップS901〜S924を実行する。
ステップS901では、MPU62は、大入賞口38aが開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS901にて大入賞口38aが開放中でないと判定した場合には、ステップS902以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS901にて大入賞口38aが開放中であると判定した場合には、ステップS906以降の処理を実行する。
まず、ステップS901において、MPU62にて大入賞口38aが開放中でないと判定された場合の処理(ステップS902以降の処理)について説明する。
ステップS902では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS902にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」であると判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS902にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」ではないと判定した場合には、ステップS903において、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS903にてタイマカウンタTの値が「0」ではないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS903にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS904において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS904の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図18は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、図18に示すように、ステップS1001〜S1009を実行する。
ステップS1001では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1001にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1002において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1003において、タイマカウンタTに「85」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は0.17secとなる。
これに対して、MPU62は、ステップS1001にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1004において、入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1005において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1005にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、前述したステップS1003において、タイマカウンタTに「85」をセットする。
これに対して、MPU62は、ステップS1005にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合には、ステップS1006において、ラウンドカウンタRCの値が「1」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1006にてラウンドカウンタRCの値が「1」であると判定した場合には、ステップS1007において、特別演出コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1007にて設定した特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
ここで、ステップS1006にてラウンドカウンタRCの値が「1」であると判定された場合には、そのラウンド遊技は、15回目のラウンド遊技(15R目)、すなわち最後のラウンド遊技であるということを意味している。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される特別演出コマンドに基づいて、MPU62にてラウンドカウンタRCの値が「1」であると判定されたことを認識し、特別演出処理を実行する。この特別演出処理については後に詳細に説明する。
MPU62は、ステップS1007の処理を実行した後、またはステップS1006にてラウンドカウンタRCの値が「1」でないと判定した場合には、ステップS1008において、タイマカウンタTに「15000」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は30secとなる。
ステップS1003またはステップS1008の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1009において、大入賞口38aの開放実行処理を実行する。この開放実行処理では、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行することによって、開閉扉38bを開放状態に設定する。その後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
なお、ステップS1002またはステップS1004にて入賞カウンタPCにセットされた値は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限を規定している。
また、ステップS1003またはステップS1008にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでの上限継続時間を規定している。したがって、MPU62は、前述したように、タイマカウンタTに「85」または「15000」をセットすることによって、長さの異なる2種類の上限継続時間を設定している。具体的には、MPU62は、上限継続時間を30secに設定した長時間態様(長期間態様)と、上限継続時間を長時間態様のそれよりも短い0.17secに設定した短時間態様(短期間態様)とを設定している。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、0.6secの周期で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。また、MPU62は、前述したように、入賞カウンタPCに「8」をセットすることによって、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限を8個に設定している。
したがって、長時間態様の上限継続時間は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも十分に長いので、上限である8個の遊技球を大入賞口38aに入賞させることは容易である。
これに対して、短時間態様の上限継続時間は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも短い(更に言及すれば遊技球の発射周期よりも短い)ので、遊技球を大入賞口38aに入賞させることは困難である。なお、タイミングによっては1個程度の遊技球を大入賞口38aに入賞させることは可能である。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図17を参照してステップS905以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS904の大入賞口開放処理を実行した後、ステップS905において、開放コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS905にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放コマンドに基づいて、開閉扉38bを開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS901において、MPU62にて大入賞口38aが開放中であると判定された場合の処理(ステップS906以降の処理)について説明する。
ステップS906では、MPU62は、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1003またはステップS1008にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS906にてタイマカウンタTの値が「0」でないと判定した場合には、ステップS907以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS906にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS918以降の処理を実行する。
まず、ステップS906において、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」でないと判定された場合の処理(ステップS907以降の処理)について説明する。
ステップS907では、MPU62は、大入賞口38aへの入賞が発生したか否かを判定する。なお、大入賞口38aへの入賞が発生したか否かの判定は、大入賞口38aに対応した検知センサ50dの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS907にて大入賞口38aへの入賞が発生していないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS907にて大入賞口38aへの入賞が発生したと判定した場合には、ステップS908において、入賞カウンタPCの値に1を減算して更新する。
ステップS909では、MPU62は、入賞カウンタPCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS909にて入賞カウンタPCの値が「0」でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS909にて入賞カウンタPCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS910において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、可変入賞駆動部38cの駆動制御を実行することによって、開閉扉38bを閉鎖状態に設定する。
ステップS911では、MPU62は、閉鎖コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS911にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される閉鎖コマンドに基づいて、開閉扉38bを閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS912では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS912にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、後述するステップS923以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS912にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS913以降の処理を実行する。
ステップS913では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新し、ステップS914において、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS914にてラウンドカウンタRCの値が「0」でないと判定した場合には、ステップS915において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS915にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉38bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び開閉扉38bを開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。なお、本実施形態では、開放待機時間は1secである。この開放待機時間は、開閉実行モードの種類や進行状況に関わらず同一である。
これに対して、MPU62は、ステップS914にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS916以降の処理を実行する。
ステップS916では、MPU62は、タイマカウンタTにエンディング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、前述したように、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、エンディング用の待機時間は4secとなる。なお、待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
エンディング用の待機時間は、オープニング用の待機時間と同様に、遊技結果の種類に関わらず同一である。すなわち、このエンディング用の待機時間は、開閉実行モードの種類に関わらず同一である。
なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、エンディング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS917では、MPU62は、エンディングコマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS917にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS906おいて、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定された場合の処理(ステップS918以降の処理)について説明する。
ステップS918では、MPU62は、前述したステップS910と同様に閉鎖実行処理を実行する。
ステップS919では、MPU62は、前述したステップS911と同様に閉鎖コマンドを設定する。
ステップS920では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS920にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS921以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS920にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS923以降の処理を実行する。
まず、ステップS920において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定された場合の処理(ステップS921以降の処理)について説明する。
ステップS921では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS922では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS922にてラウンドカウンタRCの値が「0」でないと判定した場合には、前述したステップS915以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS922にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、前述したS916以降の処理を実行する。
次に、ステップS912またはステップS920において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定された場合の処理(ステップS923以降の処理)について説明する。
ステップS923では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値に1を減算して更新する。
ステップS924では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS924にて開閉カウンタSOCの値が「0」でないと判定した場合には、前述したステップS915以降の処理を実行する。
また、MPU62は、ステップS924にて開閉カウンタSOCの値が「0」であると判定した場合には、前述したS916以降の処理を実行する。
遊技状態移行処理の説明に戻り、図16を参照してステップS812以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS811の大入賞口開閉処理を実行した後、ステップS812において、開閉カウンタSOCの値が「0」であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS812にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」ではないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS812にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」であると判定した場合には、ステップS813において、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS813にてタイマカウンタTの値が「0」でないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS813にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS814において、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグをクリアした後、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。
以下、開閉実行モード終了時の移行処理について詳細に説明する。
図19は、開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。
開閉実行モード終了時の移行処理では、MPU62は、図19に示すように、ステップS1101〜S1112を実行する。
ステップS1101では、MPU62は、振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1101にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1102以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1101にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1105以降の処理を実行する。
まず、ステップS1101において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1102以降の処理)について説明する。
ステップS1102では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1103では、MPU62は、RAM64に記憶された回数制限フラグをクリアする。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされていない場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
ステップS1104では、MPU62は、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
なお、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する際には、MPU62は、振分結果に応じてRAM64にセットしたフラグ(低確結果フラグ、非明示少ラウンド高確結果フラグ、明示少ラウンド高確結果フラグ、および最有利結果フラグ)や、特別外れフラグをクリアする。また、前述した変動開始処理のステップS701では、MPU62は、RAM64に高確率モードフラグがセットされているか否かを判定することによって、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定している。
次に、ステップS1101において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1105以降の処理)について説明する。
ステップS1105では、MPU62は、振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1105にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1106以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1105にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1108以降の処理を実行する。
まず、ステップS1105において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1106以降の処理)について説明する。
ステップS1106では、MPU62は、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1106にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていると判定した場合には、前述したステップS1103以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1106にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1107において、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
次に、ステップS1105において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1108以降の処理)について説明する。
ステップS1108では、MPU62は、振分結果が「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1108にて振分結果が「低確結果」でないと判定した場合(当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合)には、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1108にて振分結果が「低確結果」であると判定した場合には、ステップS1109以降の処理を実行する。
ステップS1109では、MPU62は、高確率モードフラグをクリアする。これによって、MPU62は、当否抽選モードを低確率モードに設定する。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となって、振分結果が「低確結果」以外になるまで継続する。
ステップS1110では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1111では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた遊技回数カウンタの値に「100」をセットする。
ステップS1112では、MPU62は、回数制限フラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に回数制限フラグがセットされている場合には、これを維持する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされている場合には、遊技回数カウンタにセットされた終了基準回数である100回の遊技回を消化するまで継続する。MPU62は、100回の遊技回を消化した場合には、高頻度サポートフラグおよび回数制限フラグをクリアする。これによって、MPU62は、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。
なお、MPU62は、これらの処理を通常処理のステップS305において、電役サポート用処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
このように、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
これに対して、現在のサポートモードが低頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、低頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび低頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「低確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続し、高頻度サポートモードは、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した場合には、低頻度サポートモードに移行する。
また、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合、すなわち当否抽選において当否結果が「特別外れ結果」または「通常外れ結果」となった場合には、遊技状態は移行しない。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図20は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、図20に示すように、ステップS1201〜S1215を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS1201では、MPU92は、MPU62から送信された変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1201にて各コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1209以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1201にて各コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1202において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1202にて遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」であると判定した場合には、ステップS1203において、遊技結果の種類に対応した図柄決定処理を実行する。この図柄決定処理では、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定し、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、奇数および偶数の数字は、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、ステップS1202にて遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」でないと判定した場合には、ステップS1204において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「通常外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1204にて遊技結果が「通常外れ結果」でないと判定した場合、すなわち遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、および「明示少ラウンド高確結果」のいずれかである場合には、ステップS1205において、共通用の図柄決定処理を実行する。この共通用の図柄決定処理では、MPU92は、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)を決定する。なお、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一である。
これに対して、MPU92は、ステップS1204にて遊技結果が「通常外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1206において、通常外れ用の図柄決定処理を実行する。この通常外れ用の図柄決定処理では、MPU92は、変動用コマンドの内容に基づいて、リーチ表示が発生するか否かを判定する。
MPU92は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果としてリーチ表示の図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、リーチ表示の図柄の組み合わせは、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として前述した各図柄の組み合わせとは異なる図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせ、特別な図柄の組み合わせ、およびリーチ表示の図柄の組み合わせのいずれとも異なる組み合わせの図柄を抽選などによってランダムに決定する。
ステップS1203、ステップS1205、およびステップS1206のいずれかの処理を実行した後、MPU92は、ステップS1207において、演出パターンの決定処理を実行する。この演出パターンの決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、変動用コマンドおよび種別コマンドに対応する演出パターンを選択する。具体的には、MPU92は、演出パターンとして、演出継続時間(演出継続期間)および演出の内容を選択する。また、MPU92は、選択した演出パターンに基づいて、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。なお、ステップS1207では、MPU92は、予告表示を発生させるか否かの抽選も実行する。
ステップS1208では、MPU92は、ステップS1203、ステップS1205、およびステップS1206のいずれかの処理にて決定した停止結果に係る情報を含む停止結果コマンドと、ステップS1207にて選択した演出パターンを含むパターンコマンドとを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された停止結果コマンドおよびパターンコマンドに基づいて、遊技回用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された演出パターンに基づく遊技回用の演出を実行するとともに、MPU92にて決定された停止結果を有効ラインL上に最終的に停止表示させる。
MPU92は、ステップS1208の処理を実行した後、またはステップS1201にて変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1209以降の処理を実行する。
ステップS1209では、MPU92は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1209にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1213以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1209にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1210において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定する。
ステップS1211では、MPU92は、ステップS1210にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。開閉実行モード用の演出の決定処理では、MPU92は、ステップS1210にて遊技結果が「特別外れ結果」または「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Aを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Bを選択する。
また、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Cまたは演出Dを選択する。具体的には、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であり、ステップS1203にて有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Cを選択する。これに対して、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であり、ステップS1203にて有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Dを選択する。
また、MPU92は、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Dを選択する。
なお、演出Aおよび演出Bの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口38aの開閉を短時間態様で2回実行する場合の時間と対応している。また、演出Cおよび演出Dの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口38aの開閉を長時間態様で15回実行する場合の時間と対応している。
さらに、ステップS1211では、MPU92は、演出A〜演出Dの選択結果に基づいて、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS1212では、MPU92は、ステップS1211にて選択した開閉実行モード用の演出に係る情報を含む開閉実行モード用コマンドを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
ここで、前述したように、大入賞口開放処理のステップS1006にてラウンドカウンタRCの値が「1」であると判定された場合(振分結果が「最有利結果」または「低確結果」である場合)には、MPU62は、特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
そこで、表示制御装置100は、ステップS1211にて開閉実行モード用の演出として演出Cまたは演出Dを選択した場合には、この特別演出コマンドに基づいて、15R目に特別な演出を実行することを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。なお、表示制御装置100は、この画像を、15R目の終了前のタイミングで解除する。
MPU92は、ステップS1212の処理を実行した後、またはステップS1209にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1213以降の処理を実行する。
ステップS1213では、MPU92は、特別演出コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1213にて特別演出コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1215以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1213にて特別演出コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1214において、特別演出処理を実行する。
以下、特別演出処理について詳細に説明する。
図21は、特別演出処理のフローチャートを示す図である。
特別演出処理では、MPU92は、図21に示すように、ステップS1301〜S1307を実行する。
ステップS1301では、MPU92は、上プレート開放処理を実行する。この上プレート開放処理では、MPU92は、プレート駆動部401cの駆動制御を実行することによって、上プレート401aを開放状態に設定する。
ここで、前述したように、大入賞口開放処理のステップS1006にてラウンドカウンタRCの値が「1」であると判定された場合には、そのラウンド遊技は、15回目のラウンド遊技(15R目)、すなわち最後のラウンド遊技であるということを意味している。また、下プレート401bは、閉鎖状態に設定されているので、上プレート401aを開放状態に設定することによって、釘44aの右側を通過した遊技球を保持部401に入球させることができる。
なお、本実施形態では、MPU92は、15R目にのみ上プレート401aを開放状態に設定し、釘44aの右側を通過した遊技球を保持部401に入球させることができるようにしているが、1R目に上プレート401aを開放状態に設定してもよく、オープニング用の待機時間やエンディング用の待機時間などの他のタイミングで上プレート401aを開放状態に設定してもよい。また、1回の開閉実行モード中に上プレート401aを複数回にわたって開放状態に設定してもよく、1回のラウンド遊技中に上プレート401aを複数回にわたって開放状態に設定してもよい。
また、本実施形態では、MPU92は、開閉実行モード中に上プレート401aを開放状態に設定し、釘44aの右側を通過した遊技球を保持部401に入球させることができるようにしているが、例えば、遊技回制御処理の実行中などの他のタイミングで上プレート401aを開放状態に設定してもよい。
ステップS1302では、MPU92は、保持部401に遊技球が入球したか否かを判定する。なお、保持部401への入球が発生したか否かの判定は、保持部401に対応した検知センサ50hの検知結果に基づいて実行される。
MPU92は、ステップS1302にて保持部401に遊技球が入球したと判定した場合には、ステップS1303以降の処理を実行する。
これに対して、ステップS1302にて保持部401に遊技球が入球していないと判定した場合には、ステップS1306以降の処理を実行する。
まず、ステップS1302において、MPU92にて保持部401に遊技球が入球したと判定した場合の処理(ステップS1303以降の処理)について説明する。
ステップS1303では、MPU92は、上プレート閉鎖処理を実行するとともに、遊技球保持フラグをRAM94にセットする。この上プレート閉鎖処理では、MPU92は、プレート駆動部401cの駆動制御を実行することによって、上プレート401aを閉鎖状態に設定する。なお、下プレート401bは、閉鎖状態に設定されているので、上プレート401aを閉鎖状態に設定することによって、保持部401は、保持空間に1個の遊技球を保持しておくことができる。
ここで、遊技球保持フラグは、保持部401に遊技球が入球しているか否かを特定するためのフラグである。具体的には、MPU92は、RAM94に遊技球保持フラグがセットされている場合には、保持部401に遊技球が入球していると特定し、RAM94に遊技球保持フラグがセットされていない場合には、保持部401に遊技球が入球していないと特定する。
ステップS1304では、MPU92は、案内部材の回動処理を実行する。この案内部材の回動処理では、MPU92は、案内部材駆動部402eの駆動制御を実行することによって、案内部材402dを上入球状態および下入球状態のいずれかに設定する。
具体的には、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」である場合には、案内部材402dを上入球状態に設定し、遊技結果が「低確結果」である場合には、案内部材402dを下入球状態に設定する。
なお、案内部材の回動処理では、MPU92は、案内部材駆動部402eの駆動制御を実行することによって、案内部材402dを上入球状態および下入球状態に繰り返し設定した後、次のステップS1305を実行する前に、遊技結果が「最有利結果」である場合には、案内部材402dを上入球状態に設定し、遊技結果が「低確結果」である場合には、案内部材402dを下入球状態に設定してもよい。これによれば、パチンコ機10は、遊技結果が「低確結果」である場合であっても振分抽選において「最有利結果」に振り分けられたのではないかと遊技者に期待させることができる。
ステップS1305では、MPU92は、下プレートの開閉処理を実行する。この下プレートの開閉処理では、MPU92は、プレート駆動部401cの駆動制御を実行することによって、下プレート401bを開放状態に設定し、所定の期間が経過した後、下プレート401bを再び閉鎖状態に設定する。そして、MPU92は、RAM94に記憶された遊技球保持フラグをクリアする。これによって、保持部401は、保持空間に保持している遊技球を情報付与部402に入球させる。その後、MPU92は、特別演出処理を終了する。
なお、本実施形態では、MPU92は、下プレート401bを開放状態に設定し、所定の期間が経過した後、下プレート401bを再び閉鎖状態に設定しているが、保持部401に対応した検知センサ50hの検知結果に基づいて、保持部401に遊技球が入球しているか否かを判定し、保持部401に遊技球が入球していない(遊技球を落下させて情報付与部402に入球させた後)と判定した場合に下プレート401bを再び閉鎖状態に設定してもよい。
また、本実施形態では、MPU92は、ステップS1304にて案内部材の回動処理を実行した直後に下プレートの開閉処理を実行し、保持部401に保持した遊技球を情報付与部402に入球させているが、例えば、15R目の終了後に下プレートの開閉処理を実行してもよく、上プレート401aを開放状態に設定し、保持部401に遊技球を入球させることができるようにした後であれば、これ以外のタイミングで下プレートの開閉処理を実行してもよい。
情報付与部402に入球した遊技球は、案内部材402dの傾斜を利用して案内部材402dの上面を伝って上入球口402bおよび下入球口402cのいずれかに入球する。
具体的には、遊技球は、案内部材402dが上入球状態に設定されている場合、すなわち遊技結果が「最有利結果」である場合には、上入球口402bに入球する。
これに対して、遊技球は、案内部材402dが下入球状態に設定されている場合、すなわち遊技結果が「低確結果」である場合には、下入球口402cに入球する。
そして、MPU92は、上入球口402bに対応した検知センサ50iが遊技球の入球を検知したか否かを判定し、検知したと判定した場合には、遊技結果が「最有利結果」であったことを遊技者に報知するために、最有利演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、MPU92から送信された最有利演出実行コマンドに基づいて、振分結果が「最有利結果」であったことを遊技者に報知するために開閉実行モード用の演出を演出Dから演出Cに変更するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
また、MPU62は、下入球口402cに対応した検知センサ50jが遊技球の入球を検知したか否かを判定し、検知したと判定した場合には、遊技結果が「低確結果」であったことを遊技者に報知するために、低確演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。そして、表示制御装置100は、MPU92から送信された低確演出実行コマンドに基づいて、振分結果が「低確結果」であったことを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
次に、ステップS1302において、MPU92にて保持部401に遊技球が入球していないと判定した場合の処理(ステップS1306以降の処理)について説明する。
ステップS1306では、MPU92は、上プレート開放上限期間である10secが経過したか否かを判定する。MPU92は、ステップS1302にて10secが経過していないと判定した場合には、ステップS1302の処理を繰り返し実行する。また、MPU92は、ステップS1302にて10secが経過したと判定した場合には、ステップS1307以降の処理を実行する。
ここで、MPU92は、ステップS1302の処理の実行回数をカウントすることによって10secが経過したか否かを判定する。例えば、ステップS1302の処理を繰り返し実行する間隔が0.1msecである場合には、MPU92は、ステップS1302の処理の実行回数をカウントして100000回に達したときに10secが経過したと判定する。なお、本実施形態では、MPU92は、上プレート開放上限期間を10secに設定しているが、これ以外の期間に設定してもよい。また、上プレート開放上限期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロックを用いて上プレート開放上限期間を測定してもよい。
ステップS1307では、MPU92は、特別演出終了処理を実行する。この特別演出終了処理では、MPU92は、プレート駆動部401cの駆動制御を実行することによって、上プレート401aを閉鎖状態に設定するとともに、保持部401に遊技球が入球していないことを遊技者に報知するために、非演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。そして、表示制御装置100は、MPU92から送信された非演出実行コマンドに基づいて、保持部401に遊技球が入球していないことを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。その後、MPU92は、特別演出処理を終了する。
演出決定処理の説明に戻り、図20を参照してステップS1215以降の処理について説明する。
MPU92は、ステップS1214の処理を実行した後、またはステップS1213にて特別演出コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1215以降の処理を実行する。
ステップS1215では、MPU92は、その他の処理を実行する。その他の処理では、MPU92は、例えば、MPU62から送信された開放コマンド、閉鎖コマンドおよびエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を進行させるための処理を実行する。その後、MPU92は、演出決定処理を終了する。
<遊技結果と遊技状態等との関係について>
以下、遊技結果と、各種処理の実行に基づく遊技状態等との関係について説明する。
図22は、遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図である。具体的には、図22は、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図であり、遊技結果を列方向に並べ、遊技状態等を行方向に並べている。
パチンコ機10は、図22に示すように、「通常外れ結果」を除く遊技結果として、「大当たり当選」および「特別外れ結果」の当否結果と、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、「最有利結果」、および「低確結果」の振分結果とを有している。
ここで、「特別外れ結果」は、図22の表2列目に示すように、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合(図中記号×)に選択される遊技結果である。また、振分結果は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合(図中記号○)に選択される遊技結果である。
以下、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係について説明する。なお、本実施形態では、パチンコ機10は、遊技結果と、遊技状態等との関係を以下のように設定しているが、遊技結果と、遊技状態等との組み合わせ、遊技結果の内容、および遊技状態等の内容については任意である。
「特別外れ結果」では、開閉実行モードは、ラウンド数規定モードではなく、開閉数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「特別外れ結果」では、当否抽選モードは移行しない。
「非明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「非明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。
このように、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モードの種類は異なるが、大入賞口38aの開閉が短時間態様で2回実行される点においては共通している。
また、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに、開閉実行モード用の演出は、演出Aとなる。さらに、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは移行しない。また、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」のいずれであるかを把握することはできない。換言すれば、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」となって高確率モードに移行した場合であっても、図柄表示装置51は、開閉実行モード終了後の遊技回では、当否抽選モードは移行していないかのごとく偽装を施す。
このため、遊技者は、当否抽選モードが高確率モードに移行したか否かの予測を楽しみながら遊技を行うことができる。
このように、本実施形態では、「特別外れ結果」は、遊技者にとって不利な遊技状態(当否抽選モードは移行しない)となる第1の内部抽選結果として機能する。
また、「非明示少ラウンド高確結果」は、「特別外れ結果」にて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態(当否抽選モードは高確率モードに移行する)となるとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果として機能する。
「明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。また、「明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに、開閉実行モード用の演出は、演出Bとなる。また、「明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。さらに、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。
したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であることを把握することができる。
「最有利結果」および「低確結果」では、開閉実行モードは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、長時間態様で15回実行される。
ここで、「最有利結果」では、停止結果は、同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、高確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Cまたは演出Dとなる。具体的には、停止結果が同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Cとなり、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。
また、「低確結果」では、停止結果は、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、低確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。さらに、「最有利結果」および「低確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。
したがって、遊技者は、停止結果が同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、遊技結果が「最有利結果」であることを把握することができる。しかしながら、遊技者は、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。
ここで、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合であっても、遊技者は、保持部401に遊技球が入球した場合には、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することができる。具体的には、遊技者は、保持部401にて保持された遊技球が上入球口402bに入球した場合には、振分結果が「最有利結果」であり、保持部401にて保持された遊技球が下入球口402cに入球した場合には、振分結果が「低確結果」であることを把握することができる。
したがって、本実施形態では、上入球口402bは、自己への遊技球の入球を検知することによって、遊技者にとって有利な遊技状態であることを報知する有利側入球口として機能し、下入球口402cは、自己への遊技球の入球を検知することによって、遊技者にとって不利な遊技状態であることを報知する不利側入球口として機能する。
なお、上入球口402bの右側には、遊技結果が「最有利結果」であった場合に高確率モードに移行することを意味する「確変」の文字が記載されている。また、下入球口402cの右側には、遊技結果が「低確結果」であった場合に低確率モードに移行することを意味する「残念」の文字が記載されている(図3参照)。
また、遊技球が上入球口402bに入球した場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Dから演出Cに変更されるので、遊技者は、振分結果が「最有利結果」であることを確実に把握することができる。そして、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Cであれば、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。
これに対して、遊技者は、保持部401に遊技球が入球しなかった場合には、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。そして、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
具体的には、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示することなく、高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行することを報知する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、振分抽選において「最有利結果」となった場合であっても、図柄表示装置51は、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく偽装を施す。
このように、本実施形態では、「低確結果」は、遊技者にとって不利な遊技状態(当否抽選モードは低確率モードに移行する)となる第1の内部抽選結果として機能する。
また、「最有利結果」は、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、「低確結果」にて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態(当否抽選モードは高確率モードに移行する)となるとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果として機能する。
そして、振分結果が「最有利結果」であった場合には、図柄表示装置51は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した後に高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、図柄表示装置51は、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく施していた偽装を解除する。
このように、遊技者は、保持部401に遊技球が入球しなかった場合には、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまで遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。
ここで、前述したように、本実施形態では、大入賞口38aは、遊技球を入球させるために遊技領域に設けられた入球手段であるとともに、賞球の払い出しを受けることができるという有利な結果を遊技球の入球に際して遊技者に付与する有利側入球手段として機能する。
また、第2アウト口39bは、遊技球を入球させるために遊技領域に設けられた入球手段であるとともに、賞球の払い出しを受けることができないという不利な結果(大入賞口38aにて付与される有利な結果よりも不利な結果)を遊技球の入球に際して遊技者に付与する不利側入球手段として機能する。
そして、可変入賞装置38の近傍に植設された多数の釘44のうち、大入賞口38aおよび第2アウト口39bの上方に設けられた釘44aは、遊技球を大入賞口38aおよび第2アウト口39bのいずれかに振り分けて入球させる振分手段として機能するとともに、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されている。
したがって、釘44aを設定することによって、大入賞口38aに多くの遊技球を振り分けるようにすれば、遊技者にとっては有利となり、逆に第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるようにすれば、遊技者にとっては不利となる。
しかしながら、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合には、遊技者にとっては不利になるので、遊技者は快適に遊技をすることができないという問題がある。
これに対して、大入賞口38aに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合には、遊技者にとっては有利になるので、遊技者は快適に遊技をすることができる。しかしながら、遊技者に快適に遊技をさせるために、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定することができないとなれば、釘44aを設定する自由度は低下するという問題がある。
本実施形態では、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、遊技球保持機構40と協働することによって、特別な演出を実行する特別演出実行手段として機能する。したがって、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合には、大入賞口38aに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合と比較して、遊技者は、多くの演出を楽しむことができる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)本実施形態のパチンコ機10によれば、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、遊技球保持機構40と協働することによって、特別な演出を実行する特別演出実行手段として機能するので、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、釘44aを設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)釘44aは、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
(3)遊技球保持機構40は、遊技球を保持する保持部401と、保持部401にて保持された遊技球を利用して遊技者に情報を付与する情報付与部402とを備えているので、遊技者は、保持部401に遊技球が保持されたか否かに最初に注目し、その後、情報付与部402にて遊技球が上入球口402bに入球するか否かに段階的に注目することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、開閉実行モード中の遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)保持部401は、大入賞口38aおよび第2アウト口39bの間に設けられているので、遊技者は、第2アウト口39bに遊技球が入球するか否かよりも大入賞口38aおよび保持部401に遊技球が入球するか否かに注目しやすくなる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、釘44aを設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)本実施形態のパチンコ機10によれば、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合であっても、遊技者は、保持部401に遊技球が入球した場合には、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することができる。また、遊技者は、保持部401に遊技球が入球しなかった場合には、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまで遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできないので、保持部401に遊技球が入球するか否かに大きく注目することになる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、開閉実行モード中の遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、パチンコ機10は、有利側入球手段としての大入賞口38aと、不利側入球手段としての第2アウト口39bと、振分手段としての釘44aとを備えていた。これに対して、有利側入球手段、不利側入球手段、および振分手段は、これら以外であってもよい。要するに、有利側入球手段は、有利な結果を遊技球の入球に際して遊技者に付与するものであればよく、不利側入球手段は、有利側入球手段にて付与される有利な結果よりも不利な結果を遊技球の入球に際して遊技者に付与するものであればよい。そして、振分手段は、遊技球を有利側入球手段および不利側入球手段のいずれかに振り分けて入球させるものであるとともに、遊技球を有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、遊技球を不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていればよい。この点については、後述する他の実施形態においても同様である。
具体的には、例えば、パチンコ機10は、有利側入球手段としての下作動口37と、不利側入球手段としての上作動口36とを備えていてもよい。
なお、前述したように、上作動口36への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照される第1振分テーブルと、下作動口37への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照される第2振分テーブルとを比較すると、第2振分テーブルは、第1振分テーブルよりも遊技者にとって有利である。具体的には、第2振分テーブルは、振分結果が「最有利結果」となりやすく第1振分テーブルよりも遊技者にとって有利である。
この点を鑑みれば、高頻度サポートモードでは、所定の期間に上作動口36に入球した遊技球個数に対する下作動口37に入球した遊技球の個数の比率が高くなるように釘44を設定すればするほど遊技者に有利な結果を付与することになる。したがって、下作動口37は、有利な結果を遊技球の入球に際して遊技者に付与する有利側入球手段として機能し、上作動口36は、下作動口37にて遊技者に付与される有利な結果よりも不利な結果を遊技球の入球に際して遊技者に付与する不利側入球手段として機能している。
また、例えば、パチンコ機10は、有利側入球手段としての上作動口36と、不利側入球手段としての第1アウト口39aとを備えていてもよい。
なお、上作動口36は、賞球の払い出しを受けることができるという有利な結果を遊技球の入球に際して遊技者に付与する有利側入球手段として機能し、第1アウト口39aは、賞球の払い出しを受けることができないという不利な結果(上作動口36にて付与される有利な結果よりも不利な結果)を遊技球の入球に際して遊技者に付与する不利側入球手段として機能している。
また、本実施形態では、パチンコ機10は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、遊技球保持機構40と協働することによって、特別な演出を実行する特別演出実行手段(音声発光制御装置90および表示制御装置100)を備えていた。これに対して、特別演出実行手段による特別な演出の種類は、これ以外であってもよい。要するに、特別演出実行手段は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられた場合に、特別な演出を実行するものであればよい。
具体的には、例えば、特別演出実行手段は、遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」である場合に移行した開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまでの所定のタイミングで振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知することによって、偽装を解除する特別な演出を実行してもよい。
また、例えば、特別演出実行手段は、遊技結果が「特別外れ結果」または「非明示少ラウンド高確結果」である場合に移行した開閉実行モードの終了後の所定のタイミングで振分結果が「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」のいずれであったかを遊技者に報知することによって、偽装を解除する特別な演出を実行してもよい。
また、本実施形態では、「特別外れ結果」は、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する第1の内部抽選結果として機能し、「非明示少ラウンド高確結果」は、「特別外れ結果」にて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行するとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果として機能していた。さらに、本実施形態では、「低確結果」は、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する第1の内部抽選結果として機能し、「最有利結果」は、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、「低確結果」にて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行するとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果として機能していた。これに対して、第1の内部抽選結果および第2の内部抽選結果は、これら以外であってもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10は、長時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を4回実行する開閉実行モードと、長時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードとの2つの開閉実行モードを備えていてもよい。そして、ラウンド遊技を4回実行する開閉実行モードを、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する第1の内部抽選結果として機能させ、ラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードを、ラウンド遊技を4回実行する開閉実行モードにて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行するとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果として機能させてもよい。換言すれば、内部抽選においてラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードとなった場合であっても、図柄表示装置51は、内部抽選においてラウンド遊技を4回実行する開閉実行モードとなったかのごとく偽装を施してもよい。この場合には、特別演出実行手段は、開閉実行モード中の所定のタイミングでラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードであったことを遊技者に報知することによって、偽装を解除する特別な演出を実行すればよい。
また、本実施形態では、特別演出実行手段は、15R目にのみ特別演出処理を実行し、情報付与部402に入球した遊技球を上入球口402bおよび下入球口402cのいずれかに入球させていた。これに対して、特別演出実行手段は、15R目に加えて4R目や、8R目や、12R目などの他のラウンド遊技の実行中にも特別演出処理を実行し、遊技結果が「最有利結果」である場合には、いずれかの特別演出処理の実行に際して上入球口402bに入球させるとともに、それ以前の特別演出処理の実行に際しては下入球口402cに入球させてもよい。なお、特別演出処理の実行回数は、例えば、所定の期間に有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率に応じて決定することができる。そして、どの特別演出処理の実行に際して上入球口402bに入球させるかは、抽選などによってランダムに決定することができる。
また、本実施形態では、遊技球保持機構40は、遊技球を保持する保持部401と、保持部401にて保持された遊技球を利用して遊技者に情報を付与する情報付与部402とを備え、開閉実行モード中の遊技者の遊技への注目度を2段階で段階的に向上させていたが、1段階でもよく、3段階以上であってもよい。
また、本実施形態では、保持部401は、大入賞口38aおよび第2アウト口39bの間に設けられていたが、これ以外の位置に設けられていてもよい。要するに、遊技球保持機構40は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、その遊技球を利用して遊技者に情報を付与することができればよい。
また、本実施形態では、情報付与部402は、上入球口402bと、下入球口402cと、情報付与部402に入球した遊技球を上入球口402bまたは下入球口402cに案内する案内部材402dと、案内部材402dを駆動する案内部材駆動部402eとを備えていたが、これ以外の構成であってもよい。要するに、情報付与部は、遊技者に情報を付与することができればよい。
具体的には、例えば、情報付与部402は、保持部401にて保持された遊技球を利用して遊技者に情報を付与していたが、第2アウト口39bに入球した遊技球を利用して遊技者に情報を付与してもよい。また、例えば、情報付与部402は、案内部材402dを回動させることによって、遊技者に情報を付与していたが、図柄表示装置51や、セグメント表示器や、ドット表示器などの表示装置を利用して遊技者に情報を付与してもよい。
また、本実施形態では、遊技者は、保持部401に遊技球が入球しなかった場合には、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまで遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。換言すれば、パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に有用な情報を付与していた。これに対して、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、特典を付与してもよく、必ずしも遊技者に有用な情報または特典を付与しなくてもよい。要するに、特別演出実行手段は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられた場合に、特別な演出を実行すればよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、上作動口36への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して第2振分テーブルを参照することによって大当たりの種別の抽選を実行するように設定することによって、遊技者に特典を付与するように構成してもよい。
ここで、前述したように、第2振分テーブルは、振分結果が「最有利結果」となりやすく第1振分テーブルよりも遊技者にとって有利である。したがって、本実施形態では、下作動口37は、有利な内部抽選が自己への入球を契機として実行される有利側作動口として機能し、上作動口36は、下作動口37への入球を契機として実行される有利な内部抽選よりも不利な内部抽選が自己への入球を契機として実行される不利側作動口として機能する。
また、例えば、パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、各種入賞口への入球が発生した場合に払い出す賞球個数を増やすことによって遊技者に特典を付与してもよい。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図23は、本発明の第2実施形態に係る可変入賞装置の近傍を拡大した図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、遊技領域の下部右側に設けられた可変入賞装置38と、この可変入賞装置38の右側に設けられた第2アウト口39bと、可変入賞装置38および第2アウト口39bの間に設けられた遊技球保持機構40とを備えていた。
これに対して、本実施形態では、図23に示すように、遊技盤31Aは、遊技領域の下部右側に設けられた可変入賞装置38と、この可変入賞装置38の右側に設けられた第2アウト口39bとを備え、遊技球保持機構40を備えていない点で前記第1実施形態における遊技盤31とは異なる。換言すれば、釘44aの右側を通過した遊技球は、全て第2アウト口39bに入球する。
また、本実施形態では、主制御装置60、音声発光制御装置90、および表示制御装置100は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、遊技状態移行処理、大入賞口開閉処理、大入賞口開放処理、および演出決定処理の各処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における各処理の内容について順を追って説明する。
<遊技状態移行処理>
図24は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、前記第1実施形態と略同様に、ステップS801〜S814を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図24に示すように、ステップS813を実行した後、ステップS814を実行する前に、ステップS815A〜S817Aを実行し、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。これらのステップS815A〜S817Aの処理については後に詳述する。
ステップS801では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS802以降の処理を実行する。なお、ステップS802以降の処理(ステップS802〜S810)は、前記第1実施形態と同様である。
これに対して、MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS811以降の処理を実行する。
ステップS811では、MPU62は、大入賞口開閉処理を実行する。
図25は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、前記第1実施形態と略同様に、ステップS901〜S924を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図25に示すように、ステップS906を実行した後、ステップS907を実行する前に、ステップS925A,S926Aを実行し、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。これらのステップS925A,S926Aの処理については後に詳述する。
ステップS901では、MPU62は、大入賞口38aが開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS901にて大入賞口38aが開放中でないと判定した場合には、ステップS902以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS901にて大入賞口38aが開放中であると判定した場合には、ステップS906以降の処理を実行する。
まず、ステップS901において、MPU62にて大入賞口38aが開放中でないと判定された場合の処理(ステップS902以降の処理)について説明する。ステップS902,S903の処理は、前記第1実施形態と同様である。
MPU62は、ステップS902にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」ではないと判定し、ステップS903にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS904において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS904の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図26は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、図26に示すように、ステップS1001〜S1009を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、前記第1実施形態におけるステップS1006,S1007に代えて、ステップS1006A,S1007Aを実行し、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。
ステップS1006Aでは、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「14」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1006AにてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定した場合には、ステップS1007Aにおいて、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた非入賞カウンタNPCの値に「0」をセット(非入賞カウンタNPCの値をリセット)する。この非入賞カウンタNPCは、不利側入球手段としての第2アウト口39bに入球した遊技球を計数する遊技球計数手段として機能する。
ここで、ステップS1006AにてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定された場合には、そのラウンド遊技は、2回目のラウンド遊技(2R目)であるということを意味している。
なお、本実施形態では、MPU62は、非入賞カウンタNPCの値を2R目の開始前にリセットしているが、どのようなタイミングでリセットしてもよく、第2アウト口39bに入球した遊技球を計数する直前にリセットすればよい。換言すれば、本実施形態では、MPU62は、第2アウト口39bに入球した遊技球を2R目に計数しているが、第2アウト口39bに入球した遊技球を1R目に計数してもよく、第2アウト口39bに入球した遊技球を複数のラウンド遊技に跨って計数してもよく、これら以外のタイミングで第2アウト口39bに入球した遊技球を計数してもよい。
MPU62は、ステップS1007Aの処理を実行した後、またはステップS1006AにてラウンドカウンタRCの値が「14」でないと判定した場合には、ステップS1008以降の処理を実行する。ステップS1008以降の処理は、前記第1実施形態と同様である。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図25を参照してステップS905以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS904の大入賞口開放処理を実行した後、前記第1実施形態と同様に、ステップS905を実行する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
次に、ステップS901において、MPU62にて大入賞口38aが開放中であると判定された場合の処理(ステップS906以降の処理)について説明する。
ステップS906では、MPU62は、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1003またはステップS1008にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS906にてタイマカウンタTの値が「0」でないと判定した場合には、ステップS925A以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS906にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS918以降の処理を実行する。なお、ステップS918以降の処理(ステップS918〜S924)は、前記第1実施形態と同様である。
ステップS925Aでは、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「14」であるか否か(すなわち、2R目のラウンド遊技であるか否か)を判定するとともに、第2アウト口39bへの入球が発生したか否かを判定する。なお、第2アウト口39bへの入球が発生したか否かの判定は、第2アウト口39bに対応した検知センサ50gの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS925AにてラウンドカウンタRCの値が「14」であり、かつ第2アウト口39bへの入球が発生したと判定した場合には、ステップS926Aにおいて、非入賞カウンタNPCの値に1を加算して更新する。
これに対して、MPU62は、ステップS925AにてラウンドカウンタRCの値が「14」でないと判定した場合または第2アウト口39bへの入球が発生していないと判定した場合には、ステップS907以降の処理を実行する。なお、ステップS907以降の処理(ステップS907〜S917)は、前記第1実施形態と同様である。
遊技状態移行処理の説明に戻り、図24を参照してステップS812以降の処理について説明する。ステップS812,S813の処理は、前記第1実施形態と同様である。
MPU62は、ステップS812にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」であると判定し、ステップS813にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS815Aにおいて、非入賞カウンタNPCの値が2以上であるか否かを判定する。換言すれば、MPU62は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であったか否かを判定する。
MPU62は、ステップS815Aにて非入賞カウンタNPCの値が2以上であると判定した場合には、ステップS816Aにおいて、特別演出コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS816Aにて設定した特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される特別演出コマンドに基づいて、MPU62にて非入賞カウンタNPCの値が2以上であると判定されたことを認識し、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
これに対して、MPU62は、ステップS815Aにて非入賞カウンタNPCの値が2以上でないと判定した場合には、ステップS817Aにおいて、非特別演出コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS817Aにて設定した非特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される非特別演出コマンドに基づいて、MPU62にて非入賞カウンタNPCの値が2以上でないと判定されたことを認識し、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
MPU62は、ステップS816AまたはステップS817Aの処理を実行した後、ステップS814において、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。なお、ステップS814の処理は、前記第1実施形態と同様である。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図27は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、図27に示すように、ステップS1201〜S1215を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。なお、本実施形態では、MPU92は、前記第1実施形態におけるステップS1212〜S1214に代えて、ステップS1212A〜S1214Aを実行し、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。
ステップS1212Aでは、MPU92は、ステップS1211にて決定した開閉実行モード用の演出に係る情報を含む開閉実行モード用コマンドを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、音声発光制御装置90のMPU92にて決定された開閉実行モード用の演出を実行する。
ここで、前述したように、大入賞口開放処理のステップS1006AにてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定された場合(振分結果が「最有利結果」または「低確結果」である場合)には、MPU62は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bへの入球が発生したか否かを判定する。そして、MPU62は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であった場合には、ステップS816Aにおいて、特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
そこで、表示制御装置100は、ステップS1211にて開閉実行モード用の演出として演出Dを選択した場合には、2R目のラウンド遊技に際して2個以上の遊技球を第2アウト口39bに入球させるべきであることを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。なお、表示制御装置100は、この画像を、遅くとも3R目のラウンド遊技の開始前に解除する。
MPU92は、ステップS1212Aの処理を実行した後、またはステップS1209にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1213A以降の処理を実行する。
ステップS1213Aでは、MPU92は、特別演出用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU92は、特別演出コマンドおよび非特別演出コマンドのいずれかの特別演出用コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、特別演出コマンドは、遊技状態移行処理のステップS815Aにおいて、MPU62にて非入賞カウンタNPCの値が2以上であると判定された場合、すなわち2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であった場合にMPU62から送信される。非特別演出コマンドは、遊技状態移行処理のステップS815Aにおいて、MPU62にて非入賞カウンタNPCの値が2以上でないと判定された場合にMPU62から送信される。
MPU92は、ステップS1213Aにて特別演出用コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1214Aにおいて、特別演出結果報知処理を実行する。この特別演出結果報知処理では、MPU92は、特別演出コマンドおよび非特別演出コマンドのいずれの特別演出用コマンドを受信したかに基づいて、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であったか否かを報知する。また、MPU92は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であった場合には、種別コマンドの内容に基づいて、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知する。
具体的には、MPU92は、ステップS1213Aにて特別演出コマンドを受信していると判定した場合には、種別コマンドの内容に基づいて、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを判定するとともに、開閉実行モード用の演出が演出Dであるか否かを判定する。
MPU92は、振分結果が「最有利結果」であると判定するとともに、開閉実行モード用の演出が演出Dであると判定した場合には、振分結果が「最有利結果」であったことを遊技者に報知するために、最有利演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、振分結果が「最有利結果」であったことを遊技者に報知するために開閉実行モード用の演出を演出Dから演出Cに変更するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
また、MPU92は、振分結果が「低確結果」であると判定した場合には、振分結果が「低確結果」であったことを遊技者に報知するために、低確演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。そして、表示制御装置100は、振分結果が「低確結果」であったことを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1213Aにて非特別演出コマンドを受信していると判定した場合には、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上でなかったことを遊技者に報知するために、非演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。そして、表示制御装置100は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上でなかったことを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。そして、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
具体的には、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示することなく、高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行することを報知する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、振分抽選において「最有利結果」となった場合であっても、図柄表示装置51は、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく偽装を施す。
そして、振分結果が「最有利結果」であった場合には、図柄表示装置51は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した後に高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、図柄表示装置51は、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく施していた偽装を解除する。
このように、遊技者は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上でなかった場合には、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまで遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。
MPU92は、ステップS1214Aの処理を実行した後、またはステップS1213Aにて特別演出用コマンドを受信してないと判定した場合には、ステップS1215以降の処理を実行する。なお、ステップS1215以降の処理は、前記第1実施形態と同様である。
ここで、MPU62は、開閉実行モードの終了時に非入賞カウンタNPCの値が2以上であると判定した場合には、遊技状態移行処理のステップS816Aにおいて、特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信する。そして、MPU92は、特別演出コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1214Aにおいて、特別演出結果報知処理を実行する。
したがって、本実施形態では、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、非入賞カウンタNPCにて所定の期間に計数された遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行する特別演出実行手段として機能する。なお、本実施形態では、MPU62は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であると判定した場合に特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信していたが、1個であっても3個以上の複数であってもよい。
ここで、前述したように、「最有利結果」および「低確結果」の振分結果では、開閉実行モードは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口38aの開閉は、長時間態様で15回実行される。また、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1004において、入賞カウンタPCに「8」をセットすることによって、1回のラウンド遊技に際して大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限を8個に規定している。そして、長時間態様の上限継続時間は、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも十分に長いので、1回のラウンド遊技に際して上限である8個の遊技球を大入賞口38aに入賞させることは容易である。したがって、2R目のラウンド遊技に際して大入賞口38aに入球する遊技球の個数は8個になると想定できる。
したがって、本実施形態では、特別演出実行手段は、入賞カウンタPCにて所定の期間に計数された遊技球の個数が8個に到達する前に非入賞カウンタNPCにて所定の期間に計数された遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行している。換言すれば、本実施形態では、特別演出実行手段は、入賞カウンタPCにて所定の期間に計数された遊技球の個数に対する非入賞カウンタNPCにて所定の期間に計数された遊技球の個数の比率に応じて特別な演出を実行している。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)主制御装置60は、第2アウト口39bに入球した遊技球を計数する遊技球計数手段としての非入賞カウンタNPCを備え、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、非入賞カウンタNPCにて所定の期間に計数された遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行する特別演出実行手段として機能する。したがって、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合には、大入賞口38aに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合と比較して、遊技者は、多くの演出を楽しむことができる。換言すれば、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、釘44aを設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)釘44aは、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
(3)本実施形態のパチンコ機10によれば、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合であっても、遊技者は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であれば、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することができる。また、遊技者は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上でなければ、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまで遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできないので、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であるか否かに大きく注目することになる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、開閉実行モード中の遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、主制御装置60は、第2アウト口39bに入球した遊技球を計数する遊技球計数手段としての非入賞カウンタNPCを備え、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、非入賞カウンタNPCにて所定の期間に計数された遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行する特別演出実行手段として機能していた。
これに対して、例えば、不利側入球手段としての第2アウト口39bに入球した遊技球を計数するとともに、有利側入球手段としての大入賞口38aに入球した遊技球を計数するように遊技球計数手段を構成し、特別演出実行手段は、この遊技球計数手段にて所定の期間に計数された大入賞口38aに入球した遊技球の個数に対する第2アウト口39bに入球した遊技球の個数の比率に応じて特別な演出を実行するように構成してもよい。要するに、特別演出実行手段は、遊技球計数手段にて所定の期間に計数された不利側入球手段に入球した遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行するように構成すればよい。この点については後述する第3実施形態においても同様である。
また、本実施形態では、パチンコ機10は、非入賞カウンタNPCにて所定の期間に計数された遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知することによって、偽装を解除する特別な演出を実行する特別演出実行手段(音声発光制御装置90および表示制御装置100)を備えていた。これに対して、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する条件や、特別演出実行手段による特別な演出の種類は、これ以外であってもよい。要するに、特別演出実行手段は、遊技球計数手段にて所定の期間に計数された不利側入球手段に入球した遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行するものであればよい。
具体的には、例えば、特別演出実行手段は、遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」である場合に移行した開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまでの所定の期間に、下作動口37に入球した遊技球の個数に対する上作動口36に入球した遊技球の個数の比率が所定の比率よりも高い場合に、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知することによって、偽装を解除する特別な演出を実行してもよい。
また、例えば、特別演出実行手段は、遊技結果が「特別外れ結果」または「非明示少ラウンド高確結果」である場合に移行した開閉実行モードの終了後の所定の期間に、上作動口36に入球した遊技球の個数に対する第1アウト口39aに入球した遊技球の個数の比率が所定の比率よりも高い場合に、振分結果が「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」のいずれであったかを遊技者に報知することによって、偽装を解除する特別な演出を実行してもよい。
また、本実施形態では、「特別外れ結果」は、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する第1の内部抽選結果として機能し、「非明示少ラウンド高確結果」は、「特別外れ結果」にて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行するとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果として機能していた。さらに、本実施形態では、「低確結果」は、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する第1の内部抽選結果として機能し、「最有利結果」は、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、「低確結果」にて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行するとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果として機能していた。これに対して、第1の内部抽選結果および第2の内部抽選結果は、これら以外であってもよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10は、長時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を4回実行する開閉実行モードと、長時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードとの2つの開閉実行モードを備えていてもよい。そして、ラウンド遊技を4回実行する開閉実行モードを、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する第1の内部抽選結果として機能させ、ラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードを、ラウンド遊技を4回実行する開閉実行モードにて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行するとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果として機能させてもよい。換言すれば、内部抽選においてラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードとなった場合であっても、図柄表示装置51は、内部抽選においてラウンド遊技を4回実行する開閉実行モードとなったかのごとく偽装を施してもよい。この場合には、特別演出実行手段は、開閉実行モード中の所定のタイミングでラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードであったことを遊技者に報知することによって、偽装を解除する特別な演出を実行すればよい。
また、本実施形態では、遊技者は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上でなければ、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまで遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。換言すれば、パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に有用な情報を付与していた。これに対して、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、特典を付与してもよく、必ずしも遊技者に有用な情報または特典を付与しなくてもよい。要するに、特別演出実行手段は、遊技球計数手段にて所定の期間に計数された不利側入球手段に入球した遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行すればよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、上作動口36への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して第2振分テーブルを参照することによって大当たりの種別の抽選を実行するように設定することによって、遊技者に特典を付与するように構成してもよい。
ここで、前述したように、第2振分テーブルは、振分結果が「最有利結果」となりやすく第1振分テーブルよりも遊技者にとって有利である。したがって、本実施形態では、下作動口37は、有利な内部抽選が自己への入球を契機として実行される有利側作動口として機能し、上作動口36は、下作動口37への入球を契機として実行される有利な内部抽選よりも不利な内部抽選が自己への入球を契機として実行される不利側作動口として機能する。
また、例えば、パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、各種入賞口への入球が発生した場合に払い出す賞球個数を増やすことによって遊技者に特典を付与してもよい。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図28は、本発明の第3実施形態に係る上作動口の断面を拡大した図である。
前記第2実施形態では、遊技盤31Aは、遊技領域の開口部に設けられた上作動口36を有していた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Bは、図28に示すように、遊技領域の開口部に設けられた上作動口36Bを有し、この上作動口36Bは、前記第2実施形態における上作動口36とは相違する構成を備えている点で前記第2実施形態における遊技盤31Aとは異なる。
上作動口36Bは、遊技領域を流下する遊技球を入球可能とすべく上向きに開口する有底筒状に形成されるとともに、上作動口36Bに入球した遊技球を開口部に導くために背面側に形成された通路36B1を有している。また、上作動口36Bは、この通路36B1を通過した遊技球が必ず通過する位置に形成された入賞用通過部36B2と、入賞用通過部36B2を通過する遊技球を検知する前述の検知センサ50bとを備えている。さらに、上作動口36Bは、開閉自在に設けられるとともに、閉鎖することによって底面部を形成する底面開閉扉36B3を備えている。
底面開閉扉36B3は、遊技盤31Bの背面側に搭載された底面駆動部36B4に連結されている。この底面開閉扉36B3は、底面駆動部36B4にて駆動されることによって、閉鎖状態および開放状態のいずれかに設定される。閉鎖状態は、底面開閉扉36B3を閉鎖して上作動口36Bの底面部を形成することによって、上作動口36Bの開口に入球した遊技球を入賞用通過部36B2に導く状態である(図中実線位置)。開放状態は、底面開閉扉36B3を開放して上作動口36Bの底面部を除去することによって、上作動口36Bの開口に入球した遊技球を落下させて下作動口37に入球させる状態である(図中二点鎖線位置)。
したがって、上作動口36Bの開口に入球した遊技球は、底面開閉扉36B3を閉鎖状態に設定した場合には、上作動口36Bに入賞し、底面開閉扉36B3を開放状態に設定した場合には、下作動口37に入賞する。
なお、上作動口36Bは、底面開閉扉36B3および底面駆動部36B4を備えている点についてのみ前記第2実施形態における上作動口36とは異なっている。
また、本実施形態では、主制御装置60、音声発光制御装置90、および表示制御装置100は、前記第2実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、遊技状態移行処理および演出決定処理の各処理は、前記第2実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における各処理の内容について順を追って説明する。
<遊技状態移行処理>
図29は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、図29に示すように、前記第2実施形態と同様に、ステップS801〜S814を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、前記第2実施形態におけるステップS816A,S817Aに代えて、ステップS816B,S817Bを実行し、その他のステップを前記第2実施形態と同様に実行する。
MPU62は、ステップS815Aにて非入賞カウンタNPCの値が2以上であると判定した場合には、ステップS816Bにおいて、特別演出コマンドを設定するとともに、底面開放フラグをRAM64にセットする。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS816Bにて設定した特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される特別演出コマンドに基づいて、MPU62にて非入賞カウンタNPCの値が2以上であると判定されたことを認識し、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
これに対して、MPU62は、ステップS815Aにて非入賞カウンタNPCの値が2以上でないと判定した場合には、ステップS817Bにおいて、非特別演出コマンドを設定するとともに、RAM64に記憶された底面開放フラグをクリアする。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS817Bにて設定した非特別演出コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される非特別演出コマンドに基づいて、MPU62にて非入賞カウンタNPCの値が2以上でないと判定されたことを認識し、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
ここで、底面開放フラグは、底面開閉扉36B3を閉鎖状態および開放状態のいずれに設定するかを規定するためのフラグである。
具体的には、MPU62は、RAM64に底面開放フラグがセットされている場合には、底面駆動部36B4の駆動制御を実行することによって、底面開閉扉36B3を開放状態に設定する。
これに対して、MPU62は、RAM64に底面開放フラグがセットされていない場合には、底面駆動部36B4の駆動制御を実行することによって、底面開閉扉36B3を閉鎖状態に設定する。
なお、MPU62は、遊技結果が「低確結果」である場合に移行した開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化した場合には、高頻度サポートフラグおよび回数制限フラグとともに底面開放フラグをクリアする。
したがって、MPU62は、遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」である場合に移行した開閉実行モードの2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であれば、その開閉実行モードの終了後に移行した高頻度サポートモードが継続している場合に限って底面開閉扉36B3を開放状態に設定する。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図30は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、図30に示すように、ステップS1201〜S1215を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、前記第2実施形態におけるステップS1214Aに代えて、ステップS1214Bを実行し、その他のステップを前記第2実施形態と同様に実行する。
ステップS1214Bでは、MPU92は、特別演出結果報知処理を実行する。この特別演出結果報知処理では、MPU92は、特別演出コマンドおよび非特別演出コマンドのいずれの特別演出用コマンドを受信したかに基づいて、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であったか否かを報知する。また、MPU92は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であった場合には、種別コマンドの内容に基づいて、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知する。
具体的には、MPU92は、ステップS1213Aにて特別演出コマンドを受信していると判定した場合には、種別コマンドの内容に基づいて、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを判定するとともに、開閉実行モード用の演出が演出Dであるか否かを判定する。
MPU92は、振分結果が「最有利結果」であると判定するとともに、開閉実行モード用の演出が演出Dであると判定した場合には、振分結果が「最有利結果」であったことを遊技者に報知するために、最有利演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、振分結果が「最有利結果」であったことを遊技者に報知するために開閉実行モード用の演出を演出Dから演出Cに変更するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
また、MPU92は、振分結果が「低確結果」であると判定した場合には、振分結果が「低確結果」であったことを遊技者に報知するために、低確演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。そして、表示制御装置100は、振分結果が「低確結果」であったことを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
さらに、MPU92は、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかの判定や、開閉実行モード用の演出が演出Dであるか否かの判定の結果に関わらず、その開閉実行モードの終了後に移行した高頻度サポートモードが継続している場合に限って底面開閉扉36B3を開放状態に設定することを遊技者に報知するために、底面開放実行コマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、その開閉実行モードの終了後に移行した高頻度サポートモードが継続している場合に限って底面開閉扉36B3を開放状態に設定することを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1213Aにて非特別演出コマンドを受信していると判定した場合には、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上でなかったことを遊技者に報知するために、非演出実行コマンドを表示制御装置100に送信する。そして、表示制御装置100は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上でなかったことを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。そして、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
具体的には、図柄表示装置51は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示することなく、高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行することを報知する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、振分抽選において「最有利結果」となった場合であっても、図柄表示装置51は、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく偽装を施す。
そして、振分結果が「最有利結果」であった場合には、図柄表示装置51は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した後に高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、図柄表示装置51は、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく施していた偽装を解除する。
このように、遊技者は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上でなかった場合には、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまで遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。
ここで、前述したように、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比較して、遊技球は、下作動口37に入賞しやすくなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、遊技球は、下作動口37よりも上作動口36に入賞する確率が高くなる。また、高頻度サポートモードでは、遊技球は、上作動口36よりも下作動口37に入賞する確率が高くなる。そして、下作動口37への入賞を検知した場合には、所定数の賞球の払い出しが実行されるので、高頻度サポートモードでは、遊技者は、遊技球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
また、前述したように、MPU62は、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報があると判定した場合には、上作動口36Bへの遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報があるか否かに関わらず第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定する。
さらに、前述したように、上作動口36Bへの入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照される第1振分テーブルと、下作動口37への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照される第2振分テーブルとを比較すると、第2振分テーブルは、第1振分テーブルよりも遊技者にとって有利である。具体的には、第2振分テーブルは、振分結果が「最有利結果」となりやすく第1振分テーブルよりも遊技者にとって有利である。
したがって、高頻度サポートモードでは、遊技者は、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報のみによって遊技回を消化していくことを期待して遊技をすることになる。
しかしながら、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて遊技回を消化していく速度よりも下作動口37に遊技球が入賞していく速度が遅い場合には、高頻度サポートモードであるにも関わらず、上作動口36Bへの遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報によって遊技回を消化していくことになるので、遊技者は、快適に遊技をすることができなくなる。
これに対して、MPU62は、開閉実行モードの終了時に非入賞カウンタNPCの値が2以上であると判定した場合(換言すれば、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であると判定した場合)には、遊技状態移行処理のステップS816Bにおいて、底面開放フラグをRAM64にセットする。そして、MPU62は、RAM64に底面開放フラグがセットされている場合には、底面駆動部36B4の駆動制御を実行することによって、底面開閉扉36B3を開放状態に設定する。
上作動口36Bの開口に入球した遊技球は、底面開閉扉36B3を開放状態に設定した場合には、下作動口37に入賞する。これによれば、遊技者は、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報のみによって遊技回を消化していくことができるので、快適に遊技をすることができる。
ここで、前記第1実施形態および前記第2実施形態では、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に有用な情報を付与していた。具体的には、遊技者は、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化することなく、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することができるという有用な情報を付与されていた。
しかしながら、遊技者は、開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化することによって、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを結局は把握することができる。換言すれば、前記第1実施形態および前記第2実施形態では、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に有用な情報を付与するものの遊技者に直接的な利益を付与していない。
これに対して、本実施形態では、パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、底面開閉扉36B3を開放状態に設定するので、上作動口36Bの開口に入球した遊技球は、下作動口37に入賞することになる。したがって、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて遊技回を消化していく速度よりも下作動口37に遊技球が入賞していく速度が遅い場合であっても、遊技者は、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報のみによって遊技回を消化していくことができる。
換言すれば、MPU62は、振分結果が「最有利結果」となりやすく、第1振分テーブルよりも遊技者にとって有利な第2振分テーブルのみを参照することによって大当たり種別の抽選を実行することになる。すなわち、本実施形態では、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に直接的な利益(特典)を付与している。
このような本実施形態においても、前記第2実施形態と同様の作用・効果を奏することができる他、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に特典を付与しているので、遊技者は、2R目のラウンド遊技に際して第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が2個以上であるか否かに更に大きく注目することになる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、開閉実行モード中の遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(2)遊技盤31Bは、遊技領域の開口部に設けられた上作動口36Bを有し、上作動口36Bは、開閉自在に設けられるとともに、閉鎖することによって底面部を形成する底面開閉扉36B3を備えている。そして、パチンコ機10は、底面開閉扉36B3を開放状態に設定することによって、上作動口36Bの開口に入球した遊技球を下作動口37に入賞させて遊技者に特典を付与している。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、簡素な構成で遊技者に特典を付与することができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、パチンコ機10は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、底面開閉扉36B3を開放状態に設定することによって、上作動口36Bの開口に入球した遊技球を下作動口37に入賞させて遊技者に特典を付与していたが、遊技者に特典を付与するという点にのみ着目すれば、これとは異なる場合に、遊技者に特典を付与してもよい。要するに、パチンコ機10は、底面駆動部36B4にて底面開閉扉36B3を開放状態に設定することによって、上作動口36Bの開口に入球した遊技球を下作動口37に入賞させて遊技者に特典を付与すればよい。
具体的には、例えば、パチンコ機10は、底面開閉扉36B3を開放状態に設定するか否かを抽選する底面開閉抽選を実行するとともに、この底面開閉抽選の結果に基づいて、底面駆動部36B4にて底面開閉扉36B3を開放状態または閉鎖状態に設定するように構成してもよい。
また、例えば、パチンコ機10は、上作動口36Bに係る保留個数が上限(前記各実施形態では4個)に達したことを契機として底面駆動部36B4にて底面開閉扉36B3を開放状態に設定するように構成してもよい。
また、本実施形態では、第2振分テーブルは、振分結果が「最有利結果」となりやすく第1振分テーブルよりも遊技者にとって有利であったが、第1振分テーブルおよび第2振分テーブルを同一の内容としてもよい。なお、このように構成したとしても上作動口36Bの開口に入球した遊技球は、底面駆動部36B4にて底面開閉扉36B3を開放状態に設定した場合には、下作動口37に入球することになるので、下作動口37への入球の経路を多様化することができるという作用・効果を奏することができる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図31は、本発明の第4実施形態に係る可変入賞装置の近傍を拡大した図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、可変入賞装置38および第2アウト口39bの間に設けられた遊技球保持機構40を備えていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Cは、図31に示すように、可変入賞装置38Cおよび第2アウト口39bの間に設けられた遊技球振分機構47を備えている点で前記第1実施形態とは異なる。
遊技球振分機構47は、大入賞口38aの下方に設けられた振分部471を備えている。また、遊技球振分機構47は、釘44aにて第2アウト口39bに振り分けられた遊技球を入球させるべく上向きに形成された入口と、この入口から入球した遊技球を振分部471に向かって落下させて入球させるべく下向きに形成された出口とを有する通路を備え、この通路は、大入賞口38aおよび第2アウト口39bの間に設けられている。
振分部471は、略直方体状の振分空間に形成されるとともに、釘44aにて第2アウト口39bに振り分けられた遊技球を入球可能とすべく上向きに開口している。この振分部471は、振分空間の左側に設けられるとともに、水平方向右側に向かって突出する突出片471aと、突出片471aの上方に設けられた上入球口471bと、突出片471aの下方に設けられた下入球口471cと、突出片471aと隣り合って設けられるとともに、振分部471に入球した遊技球を上入球口471bまたは下入球口471cに案内する案内部材471dと、案内部材471dを駆動する案内部材駆動部471eとを備えている。
上入球口471bおよび下入球口471cは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部に設けられている。上入球口471bは、遊技球の入球を検知する検知センサ50kを備え、下入球口471cは、遊技球の入球を検知する検知センサ50lを備えている。これらの検知センサ50k,50lは、遊技盤31Cの背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、上入球口471bまたは下入球口471cへの入球が発生した場合には、第1アウト口39aおよび第2アウト口39bへの入球が発生した場合と同様に、賞球の払い出しを実行しないが、賞球の払い出しを実行するように構成してもよい。
案内部材471dは、右端を中心として左端を上下方向(図中両矢印方向)に回動可能とするように振分空間の略中央位置に設けられている。この案内部材471dは、左端を突出片471aに近接させることによって、遊技球を上入球口471bに案内する上入球状態(図中実線位置)と、左端を振分空間の底面に近接させることによって、遊技球を下入球口471cに案内する下入球状態(図中二点鎖線位置)とを有している。この案内部材471dは、上入球状態および下入球状態のいずれに設定された場合であっても各入球口471b,471c側に向かうにしたがって下降するように傾斜して設けられている。したがって、遊技球は、案内部材471dの傾斜を利用して案内部材471dを伝って各入球口471b,471cに入球する。
案内部材駆動部471eは、案内部材471dを駆動することによって、案内部材471dを上入球状態および下入球状態のいずれかに設定する。
また、前記第1実施形態では、可変入賞装置38は、開閉扉38bと、開閉扉38bを駆動する可変入賞駆動部38cとを備え、開閉扉38bは、矩形板状に形成されるとともに、大入賞口38aの開口を閉鎖するようにして遊技盤31に設けられていた。
これに対して、本実施形態では、可変入賞装置38Cは、開閉扉38dと、開閉扉38dを駆動する可変入賞駆動部38eとを備え、開閉扉38dは、矩形板状に形成されるとともに、第2アウト口39b側の一部を下方に折り曲げて形成されることによって、大入賞口38aと、遊技球振分機構47の入口とを閉鎖するようにして遊技盤31Cに設けられている点で前記第1実施形態とは異なる。
開閉扉38dは、釘44aの直下を最頂部として大入賞口38a側および第2アウト口39b側に向かうにしたがって下降するように傾斜して設けられている。この開閉扉38dは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31Cから突出することによって、大入賞口38aと、遊技球振分機構47の入口とを閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31Cの内部に向かって後退して遊技盤31Cに埋没することによって、大入賞口38aと、遊技球振分機構47の入口とを開放する開放状態とを有している。
したがって、開閉扉38dを開放状態に設定することによって、釘44aの左側を通過した遊技球を大入賞口38aに入球させることができ、釘44aの右側を通過した遊技球を振分部471に入球させることができる。すなわち、振分部471は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、振分空間に遊技球を入球させることができる。
また、開閉扉38dを閉鎖状態に設定することによって、釘44aの右側を通過した遊技球は、開閉扉38dに向かって流下した後、開閉扉38dの傾斜を利用して開閉扉38dの上面を伝って第2アウト口39bに入球する。
図32は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態では、MPU92の入力ポートは、複数の検知センサ50h〜50jに接続され、出力ポートは、プレート駆動部401cと、案内部材駆動部402eとに接続されていた。
これに対して、本実施形態では、MPU92の入力ポートおよび出力ポートは、図32に示すように、これらに接続されていない点で前記第1実施形態とは異なる。
また、前記第1実施形態では、MPU62の入力ポートは、複数の検知センサ50a〜50gに接続され、出力ポートは、可変入賞駆動部38cに接続されていた。
これに対して、本実施形態では、MPU62の入力ポートは、複数の検知センサ50a〜50g,50k,50lに接続され、出力ポートは、可変入賞駆動部38eと、案内部材駆動部471eとに接続されている点で前記第1実施形態とは異なる。
また、前記第1実施形態では、ROM63は、当否テーブル記憶エリア63aと、振分テーブル記憶エリア63bとを有していた。
これに対して、本実施形態では、ROM63は、当否テーブル記憶エリア63aのみを有している点で前記第1実施形態とは異なる。
図33は、内部抽選に用いられる各カウンタの内容を示す図である。
前記第1実施形態では、MPU62は、大当たり種別カウンタC2を備え、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用していた。
これに対して、本実施形態では、MPU62は、図33に示すように、大当たり種別カウンタC2を備えていない点で前記第1実施形態とは異なる。なお、本実施形態では、MPU62は、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に遊技球振分機構47を使用する。これについては後に詳述する。
図34は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルを示す図である。
前記第1実施形態では、パチンコ機10は、「特別外れ結果(小当たり結果)」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有していた。
これに対して、本実施形態では、パチンコ機10は、図34に示すように、「通常外れ結果」のみの外れ結果を有している点で前記第1実施形態とは異なる。
また、本実施形態では、主制御装置60、音声発光制御装置90、および表示制御装置100は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、変動開始処理、遊技状態移行処理、大入賞口開閉処理、大入賞口開放処理、開閉実行モード終了時の移行処理、および演出決定処理の各処理は、前記第1実施形態とは異なっている。なお、本実施形態では、MPU62は、大当たり種別カウンタC2を備えていないので、タイマ割込み処理および作動口用の入賞処理において、大当たり種別カウンタC2の更新は実行しない。以下、本実施形態における各処理の内容について順を追って説明する。
図35は、変動開始処理のフローチャートを示す図である。
変動開始処理では、MPU62は、図35に示すように、ステップS1401〜S1410を実行する。
ステップS1401では、MPU62は、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1401にて当否抽選モードが高確率モードでないと判定した場合には、ステップS1402において、低確率モード用の当否テーブル(図34(a)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出し、ステップS1401にて当否抽選モードが高確率モードであると判定した場合には、ステップS1403において、高確率モード用の当否テーブル(図34(b)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出す。
ステップS1402またはステップS1403の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1404において、当否判定処理を実行する。この当否判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップS1402またはステップS1403にて読み出した当否テーブルとを比較することによって、当否抽選の結果(当否結果)を判定する。なお、前述したように、当否結果は、「大当たり当選」および「通常外れ結果」のいずれかであり、当否抽選モードが低確率モードであっても高確率モードであっても同様である。
ステップS1405では、MPU62は、ステップS1404にて判定した当否結果が「大当たり当選」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1405にて当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS1406において、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。この大当たり結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された大当たり結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。
これに対して、MPU62は、ステップS1405にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定した場合には、ステップS1407において、通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この通常外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された通常外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この通常外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS1406またはステップS1407の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1408において、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
表示継続時間の設定処理では、MPU62は、RAM64の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値を取得する。
また、表示継続時間の設定処理では、MPU62は、図柄表示装置51にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、MPU62は、ステップS1405にて判定した当否結果が「大当たり当選」である場合、並びにステップS1405にて判定した当否結果が「通常外れ結果」であるとともに、リーチ発生抽選に当選した場合には、リーチ表示が発生すると判定する。なお、MPU62は、ROM63に予め記憶されたリーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ発生抽選を実行する。
MPU62は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63に記憶されたリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
これに対して、MPU62は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM63に記憶されたリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
なお、リーチ発生用表示継続時間テーブルおよびリーチ非発生用表示継続時間テーブルの内容は、前記第1実施形態と同様である。
ステップS1409では、MPU62は、変動用コマンドおよび種別コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1409にて設定した変動用コマンドおよび種別コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動用コマンドおよび種別コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
変動用コマンドは、表示継続時間に係る情報を含んでいる。また、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を含んでいない。これらの点については、前記第1実施形態と同様である。
種別コマンドは、当否結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、当否結果に係る情報として、「大当たり当選」および「通常外れ結果」に係る各情報を含んでいる。
ステップS1410では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定し、その判定結果に基づいてメイン表示部45に変動表示を開始させる。その後、MPU62は、変動開始処理を終了する。
具体的には、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、第1結果表示部45aに変動表示を開始させる。
これに対して、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、第2結果表示部45bに変動表示を開始させる。
<遊技状態移行処理>
図36は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、図36に示すように、ステップS1501〜S1512を実行する。
ステップS1501では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1501にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS1502以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS1508以降の処理を実行する。
まず、ステップS1501において、MPU62にて開閉実行モード中でないと判定された場合の処理(ステップS1502以降の処理)について説明する。
ステップS1502では、MPU62は、メイン表示部45の変動表示が終了したか否かを判定する。MPU62は、ステップS1502にてメイン表示部45の変動表示が終了していないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1502にてメイン表示部45の変動表示が終了したと判定した場合には、ステップS1503において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、MPU62は、当否結果が「大当たり当選」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1503にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものでないと判定した場合(当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合)には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、ステップS1503にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、RAM64に開閉実行モード中フラグをセットした後、ステップS1504において、案内部材471dの回動開始処理を実行する。
この案内部材471dの回動開始処理では、MPU62は、案内部材駆動部471eの駆動制御を実行することによって案内部材471dを上入球状態および下入球状態に繰り返し設定する。なお、本実施形態では、案内部材471dを上入球状態に設定している期間は、下入球状態に設定している期間よりも短い期間に規定されている。また、案内部材471dを上入球状態に設定している期間および下入球状態に設定している期間は一定である。
ステップS1505では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「15」をセットする。このラウンドカウンタRCは、開閉実行モードへの移行に際してラウンド遊技の回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS1506では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、オープニング用の待機時間は2secとなる。なお、待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
ステップS1507では、MPU62は、オープニングコマンドを設定する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1507にて設定したオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるオープニングコマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップS1501において、MPU62にて開閉実行モード中であると判定された場合の処理(ステップS1508以降の処理)について説明する。
ステップS1508では、MPU62は、大入賞口開閉処理を実行する。
図37は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、図37に示すように、ステップS1601〜S1620を実行する。
ステップS1601では、MPU62は、大入賞口38aが開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1601にて大入賞口38aが開放中でないと判定した場合には、ステップS1602以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1601にて大入賞口38aが開放中であると判定した場合には、ステップS1606以降の処理を実行する。
まず、ステップS1601において、MPU62にて大入賞口38aが開放中でないと判定された場合の処理(ステップS1602以降の処理)について説明する。
ステップS1602では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1602にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1602にてラウンドカウンタRCの値が「0」ではないと判定した場合には、ステップS1603において、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1603にてタイマカウンタTの値が「0」ではないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1603にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1604において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS1604の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図38は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、図38に示すように、ステップS1701〜S1703を実行する。
ステップS1701では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた入賞カウンタPCに「8」をセットする。
ステップS1702では、MPU62は、タイマカウンタTに「15000」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は30secとなる。
ステップS1703では、MPU62は、大入賞口38aの開放実行処理を実行する。この開放実行処理では、MPU62は、可変入賞駆動部38eの駆動制御を実行することによって、開閉扉38dを開放状態に設定する。その後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
ここで、MPU62は、可変入賞駆動部38eの駆動制御を実行することによって、開閉扉38dを開放状態に設定すると、釘44aの左側を通過した遊技球を大入賞口38aに入球させることができ、釘44aの右側を通過した遊技球を振分部471に入球させることができる。そして、前述した案内部材471dの回動開始処理では、MPU62は、案内部材駆動部471eの駆動制御を実行することによって案内部材471dを上入球状態および下入球状態に繰り返し設定するので、振分部471に入球した遊技球は、案内部材471dの傾斜を利用して案内部材471dの上面を伝って上入球口471bおよび下入球口471cのいずれかに入球する。
具体的には、遊技球は、案内部材471dが上入球状態に設定されている場合には、上入球口471bに入球する。
これに対して、遊技球は、案内部材471dが下入球状態に設定されている場合には、下入球口471cに入球する。
そして、MPU62は、上入球口471bに対応した検知センサ50kが遊技球の入球を検知したか否かを判定し、検知したと判定した場合には、RAM64に高確結果フラグをセットするとともに、振分部471の振分結果が「高確結果」となったことを遊技者に報知するために、高確演出実行コマンドを設定する。この高確フラグは、振分部471の振分結果が「高確結果」となったか否かを特定するためのフラグである。MPU62は、通常処理のステップS301において、この高確演出実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される高確演出実行コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
なお、MPU62は、上入球口471bに対応した検知センサ50kが遊技球の入球を検知したと判定した場合には、案内部材駆動部471eの駆動制御を実行することによって、案内部材471dを上入球状態に設定した後、案内部材駆動部471eの駆動制御を停止する。これによって、振分部471に入球した遊技球は、上入球口471bにのみ入球するようになる。
また、MPU62は、下入球口471cに対応した検知センサ50lが遊技球の入球を検知したか否かを判定し、検知したと判定した場合には、振分部471の振分結果が「高確結果」とならなかったことを遊技者に報知するために、残念演出実行コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、この残念演出実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される残念演出実行コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
このように、振分部471は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、案内部材駆動部471eにて案内部材471dを駆動して遊技球を上入球口471bまたは下入球口471cに案内することによって、当否抽選モードが高確率モードに移行するか否かを決定する特別な振分を実行する。
例えば、ステップS1504の案内部材471dの回動開始処理において、案内部材471dを上入球状態に設定している期間と、下入球状態に設定している期間との比を1:4に規定した場合には、振分部471に入球した遊技球は、20%の確率で上入球口471bに入球し、80%の確率で下入球口471cに入球する。換言すれば、振分部471に1球の遊技球が入球するごとに、振分部471の振分結果は、20%の確率で「高確結果」となる。これによれば、振分部471に5球の遊技球が入球すると、振分部471の振分結果は、それぞれの遊技球につき20%の確率で「高確結果」となるので、全体として約67%の確率で「高確結果」となる。したがって、振分部471の振分結果は、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定すればするほど、「高確結果」となる確率が高くなる。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図37を参照してステップS1605以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS1604の大入賞口開放処理を実行した後、ステップS1605において、開放コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1605にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放コマンドに基づいて、開閉扉38dを開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1601において、MPU62にて大入賞口38aが開放中であると判定された場合の処理(ステップS1606以降の処理)について説明する。
ステップS1606では、MPU62は、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1702にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1606にてタイマカウンタTの値が「0」でないと判定した場合には、ステップS1607以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1606にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1617以降の処理を実行する。
まず、ステップS1606において、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」でないと判定された場合の処理(ステップS1607以降の処理)について説明する。
ステップS1607では、MPU62は、大入賞口38aへの入賞が発生したか否かを判定する。なお、大入賞口38aへの入賞が発生したか否かの判定は、大入賞口38aに対応した検知センサ50dの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS1607にて大入賞口38aへの入賞が発生していないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1607にて大入賞口38aへの入賞が発生したと判定した場合には、ステップS1608において、入賞カウンタPCの値に1を減算して更新する。
ステップS1609では、MPU62は、入賞カウンタPCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1609にて入賞カウンタPCの値が「0」でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1609にて入賞カウンタPCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1610において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、可変入賞駆動部38eの駆動制御を実行することによって、開閉扉38dを閉鎖状態に設定する。
ステップS1611では、MPU62は、閉鎖コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1611にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される閉鎖コマンドに基づいて、開閉扉38dを閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS1612では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新し、ステップS1613において、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1613にてラウンドカウンタRCの値が「0」でないと判定した場合には、ステップS1614において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS1614にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉38dを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び開閉扉38dを開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。なお、本実施形態では、開放待機時間は1secである。この開放待機時間は、進行状況に関わらず同一である。
これに対して、MPU62は、ステップS1613にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1615以降の処理を実行する。
ステップS1615では、MPU62は、タイマカウンタTにエンディング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、前述したように、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、エンディング用の待機時間は4secとなる。なお、待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
ステップS1616では、MPU62は、エンディングコマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1616にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1606おいて、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定された場合の処理(ステップS1617以降の処理)について説明する。
ステップS1617では、MPU62は、前述したステップS1610と同様に閉鎖実行処理を実行する。
ステップS1618では、MPU62は、前述したステップS1611と同様に閉鎖コマンドを設定する。
ステップS1619では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1620では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1620にてラウンドカウンタRCの値が「0」でないと判定した場合には、前述したステップS1614以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1620にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、前述したS1615以降の処理を実行する。
遊技状態移行処理の説明に戻り、図36を参照してステップS1509以降の処理について説明する。
MPU62は、大入賞口開閉処理を実行した後、ステップS1509において、ラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1509にてラウンドカウンタRCの値が「0」ではないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1509にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1510において、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1510にてタイマカウンタTの値が「0」でないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1510にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1511において、案内部材471dの回動停止処理を実行する。この案内部材471dの回動停止処理では、MPU62は、案内部材駆動部471eの駆動制御を実行することによって、案内部材471dを上入球状態に設定した後、案内部材駆動部471eの駆動制御を停止する。
ステップS1512では、MPU62は、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグをクリアした後、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。
以下、開閉実行モード終了時の移行処理について詳細に説明する。
図39は、開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。
開閉実行モード終了時の移行処理では、MPU62は、図39に示すように、ステップS1801〜S1808を実行する。
ステップS1801では、MPU62は、振分部471の振分結果が「高確結果」となったか否かを判定する。具体的には、MPU62は、RAM64に記憶された高確結果フラグを参照することによって、振分部471の振分結果が「高確結果」となったか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1801にて振分部471の振分結果が「高確結果」となったと判定した場合(高確結果フラグがセットされていた場合)には、ステップS1802以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1801にて振分部471の振分結果が「高確結果」とならなかったと判定した場合(高確結果フラグがクリアされていた場合)には、ステップS1805以降の処理を実行する。
まず、ステップS1801において、MPU62にて振分部471の振分結果が「高確結果」となったと判定された場合の処理(ステップS1802以降の処理)について説明する。
ステップS1802では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1803では、MPU62は、RAM64に記憶された回数制限フラグをクリアする。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされていない場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
ステップS1804では、MPU62は、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
なお、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する際には、MPU62は、高確結果フラグをクリアする。また、前述した変動開始処理のステップS1401では、MPU62は、RAM64に高確率モードフラグがセットされているか否かを判定することによって、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定している。
次に、ステップS1801において、MPU62にて振分部471の振分結果が「高確結果」とならなかったと判定された場合の処理(ステップS1805以降の処理)について説明する。
ステップS1805では、MPU62は、高確率モードフラグをクリアする。これによって、MPU62は、当否抽選モードを低確率モードに設定する。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
ステップS1806では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1807では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた遊技回数カウンタの値に「100」をセットする。
ステップS1808では、MPU62は、回数制限フラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に回数制限フラグがセットされている場合には、これを維持する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされている場合には、遊技回数カウンタにセットされた終了基準回数である100回の遊技回を消化するまで継続する。MPU62は、100回の遊技回を消化した場合には、高頻度サポートフラグおよび回数制限フラグをクリアする。これによって、MPU62は、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。
なお、MPU62は、これらの処理を通常処理のステップS305において、電役サポート用処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
このように、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分部471の振分結果が「高確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モードの終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分部471の振分結果が「高確結果」とならなかった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モードの終了後に、低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続し、高頻度サポートモードは、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した場合には、低頻度サポートモードに移行する。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図40は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、図40に示すように、ステップS1901〜S1912を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS1901では、MPU92は、MPU62から送信された変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1901にて各コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1907以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1901にて各コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1902において、種別コマンドの内容に基づいて、当否結果が「大当たり当選」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1902にて当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS1903において、大当たり当選用の図柄決定処理を実行する。この大当たり当選用の図柄決定処理では、MPU92は、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定する。
これに対して、MPU92は、ステップS1902にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定した場合(当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合)には、ステップS1904において、通常外れ用の図柄決定処理を実行する。この通常外れ用の図柄決定処理では、MPU92は、変動用コマンドの内容に基づいて、リーチ表示が発生するか否かを判定する。
MPU92は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果としてリーチ表示の図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、リーチ表示の図柄の組み合わせは、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として前述した各図柄の組み合わせとは異なる図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせ、およびリーチ表示の図柄の組み合わせのいずれとも異なる組み合わせの図柄を抽選などによってランダムに決定する。
ステップS1903またはステップS1904の処理を実行した後、MPU92は、ステップS1905において、演出パターンの決定処理を実行する。この演出パターンの決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、変動用コマンドおよび種別コマンドに対応する演出パターンを選択する。具体的には、MPU92は、演出パターンとして、演出継続時間(演出継続期間)および演出の内容を選択する。また、MPU92は、選択した演出パターンに基づいて、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。なお、ステップS1905では、MPU92は、予告表示を発生させるか否かの抽選も実行する。
ステップS1906では、MPU92は、ステップS1903またはステップS1904の処理にて決定した停止結果に係る情報を含む停止結果コマンドと、ステップS1905にて選択した演出パターンを含むパターンコマンドとを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された停止結果コマンドおよびパターンコマンドに基づいて、遊技回用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された演出パターンに基づく遊技回用の演出を実行するとともに、MPU92にて決定された停止結果を有効ラインL上に最終的に停止表示させる。
MPU92は、ステップS1906の処理を実行した後、またはステップS1901にて変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1907以降の処理を実行する。
ステップS1907では、MPU92は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1907にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1910以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1907にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1908において、開閉実行モード用演出の実行処理を実行する。この開閉実行モード用演出の実行処理では、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。なお、この開閉実行モード用の演出の継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口38aの開閉を長時間態様で15回実行する場合の時間と対応している。
ステップS1909では、MPU92は、開閉実行モード用コマンドを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、開閉実行モード用の演出を実行する。
ここで、前述したように、MPU62は、可変入賞駆動部38eの駆動制御を実行することによって、開閉扉38dを開放状態に設定すると、釘44aの左側を通過した遊技球を大入賞口38aに入球させることができ、釘44aの右側を通過した遊技球を振分部471に入球させることができる。そして、前述した案内部材471dの回動開始処理では、MPU62は、案内部材駆動部471eの駆動制御を実行することによって案内部材471dを上入球状態および下入球状態に繰り返し設定するので、振分部471に入球した遊技球は、案内部材471dの傾斜を利用して案内部材471dの上面を伝って上入球口471bおよび下入球口471cのいずれかに入球する。
また、前述したように、MPU62は、上入球口471bに対応した検知センサ50kが遊技球の入球を検知したと判定した場合には、RAM64に高確結果フラグをセットするとともに、振分部471の振分結果が「高確結果」となったことを遊技者に報知するために、高確演出実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
さらに、前述したように、MPU62は、下入球口471cに対応した検知センサ50lが遊技球の入球を検知したと判定した場合には、振分部471の振分結果が「高確結果」とならなかったことを遊技者に報知するために、残念演出実行コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
そこで、表示制御装置100は、高確演出実行コマンドまたは残念演出実行コマンドに基づいて、特別な演出を実行することを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。なお、表示制御装置100は、この画像を、15R目の終了前のタイミングで解除する。
MPU92は、ステップS1909の処理を実行した後、またはステップS1907にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1910以降の処理を実行する。
ステップS1910では、MPU92は、高確演出実行コマンドまたは残念演出実行コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1910にて高確演出実行コマンドまたは残念演出実行コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1912以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS1910にて高確演出実行コマンドまたは残念演出実行コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1911において、特別演出結果報知処理を実行する。
この特別演出結果報知処理では、MPU92は、ステップS1910にて高確演出実行コマンドを受信していると判定した場合には、振分部471の振分結果が「高確結果」となったことを遊技者に報知するために、所定のコマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、MPU92から送信された所定のコマンドに基づいて、振分部471の振分結果が「高確結果」となったことを遊技者に報知するために図柄表示装置51の表示制御を実行する。
また、MPU92は、ステップS1910にて残念演出実行コマンドを受信していると判定した場合には、振分部471の振分結果が「高確結果」とならなかったことを遊技者に報知するために、所定のコマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、MPU92から送信された所定のコマンドに基づいて、振分部471の振分結果が「高確結果」とならなかったことを遊技者に報知するために図柄表示装置51の表示制御を実行する。
MPU92は、ステップS1911の処理を実行した後、またはステップS1910にて高確演出実行コマンドまたは残念演出実行コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1912以降の処理を実行する。
ステップS1912では、MPU92は、その他の処理を実行する。その他の処理では、MPU92は、例えば、MPU62から送信された開放コマンド、閉鎖コマンドおよびエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を進行させるための処理を実行する。その後、MPU92は、演出決定処理を終了する。
このように、本実施形態では、遊技球振分機構47は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、案内部材駆動部471eにて案内部材471dを駆動して遊技球を上入球口471bまたは下入球口471cに案内することによって、当否抽選モードが高確率モードに移行するか否かを決定する特別な振分を実行する特別振分実行手段として機能する。
また、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、遊技球振分機構47にて実行された振分結果に基づいて、振分部471の振分結果が「高確結果」となったか否かを遊技者に報知するために、特別な演出を実行する特別演出実行手段として機能する。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)遊技球振分機構47は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、特別な振分を実行する。そして、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、遊技球振分機構47にて実行された振分結果に基づいて、特別な演出を実行する。これによれば、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合には、大入賞口38aに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合と比較して、遊技者は、多くの抽選と、多くの演出とを楽しむことができる。換言すれば、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本実施形態によれば、釘44aを設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)釘44aは、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
(3)遊技球振分機構47は、大入賞口38aと、第2アウト口39bとの間に設けられているので、遊技者は、第2アウト口39bに遊技球が入球したか否かよりも大入賞口38aおよび遊技球振分機構47に遊技球が入球したか否かに注目しやすくなる。したがって、本実施形態によれば、釘44aを設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)遊技球振分機構47は、案内部材駆動部471eにて案内部材471dを駆動して遊技球を上入球口471bまたは下入球口471cに案内することによって、当否抽選モードが高確率モードに移行するか否かを決定する特別な振分を実行することができる。したがって、本実施形態によれば、遊技者は、遊技球の行方に注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、遊技球振分機構47は、大入賞口38aおよび第2アウト口39bの間に設けられていたが、これ以外の位置に設けられていてもよい。要するに、遊技球振分機構47は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、その遊技球を利用して特別な振分を実行することができればよい。
また、本実施形態では、遊技球振分機構47は、上入球口471bと、下入球口471cと、振分部471に入球した遊技球を上入球口471bまたは下入球口471cに案内する案内部材471dと、案内部材471dを駆動する案内部材駆動部471eとを備えていたが、これ以外の構成であってもよい。要するに、特別振分実行手段は、特別な振分を実行することができればよい。
具体的には、例えば、遊技球振分機構47は、振分部471に入球した遊技球を利用して特別な振分を実行していたが、第2アウト口39bに入球した遊技球を利用して特別な振分を実行してもよい。また、例えば、振分部471は、案内部材471dを回動させることによって、特別な振分を実行していたが、図柄表示装置51や、セグメント表示器や、ドット表示器などの表示装置を利用して特別な振分を実行してもよい。
また、本実施形態では、案内部材471dの回動開始処理において、案内部材471dを上入球状態に設定している期間は、下入球状態に設定している期間よりも短い期間に規定されていたが、案内部材471dを上入球状態に設定している期間と、下入球状態に設定している期間とは同じであってもよく、案内部材471dを上入球状態に設定している期間は、下入球状態に設定している期間よりも長い期間に規定されていてもよい。
また、本実施形態では、案内部材471dの回動開始処理において、案内部材471dを上入球状態に設定している期間および下入球状態に設定している期間は一定であったが、一定でなくてもよい。例えば、案内部材471dを上入球状態に設定している期間および下入球状態に設定している期間は、抽選などによってランダムに変動させてもよく、所定の期間に大入賞口38aに入球した遊技球の個数に対する第2アウト口39bに入球した遊技球の個数の比率に応じて変動させてもよい。
具体的には、遊技球振分機構47は、所定の期間に大入賞口38aに入球した遊技球の個数に対する第2アウト口39bに入球した遊技球の個数の比率が所定の比率よりも高い場合に(または、所定の期間に第2アウト口39bに入球した遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に)、案内部材471dを上入球状態に設定している期間が案内部材471dを下入球状態に設定している期間よりも長くなるように設定してもよい。これによれば、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合には、大入賞口38aに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合と比較して、パチンコ機10は、遊技者にとって有利な遊技状態(高確率モード)に移行しやすくなる。
また、本実施形態では、案内部材471dの回動開始処理において、MPU62は、案内部材駆動部471eの駆動制御を実行することによって案内部材471dを上入球状態および下入球状態に繰り返し設定していたが、大入賞口38aの開放実行処理を実行した後、発射ハンドル27の回転操作量を最大にして遊技球を継続して発射している時間を測定し、所定の時間を経過したときに下入球状態から上入球状態に切り替えるようにしてもよい。これによれば、大入賞口38aの1回の開放時間は、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定すればするほど(大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達しにくくなるほど)長くなるので、振分部471の振分結果は、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定すればするほど、「高確結果」となる確率が高くなる。
〔第5実施形態〕
以下、本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図41は、本発明の第5実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
前記第1実施形態では、前扉枠13は、窓部21の下方に設けられた上側膨出部25を備え、この上側膨出部25は、上皿25aを有していた。
これに対して、本実施形態では、前扉枠13は、図41に示すように、窓部21の下方に設けられた上側膨出部25Dを備え、この上側膨出部25Dは、上皿25aと、正面の左側部に設けられた押ボタン25bとを有している点で前記第1実施形態における上側膨出部25とは異なる。
押ボタン25bは、その内部に光源(図示略)を備えている。そして、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、押ボタン25bに内蔵された光源を点灯させることができる。
なお、押ボタン25bは、遊技者に押下されても機能することがないように通常は無効となっている。この押ボタン25bを有効とする契機については後に詳細に説明する。
図42は、一般入賞口の近傍を拡大した図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、遊技領域の左側部に設けられた一般入賞口35を備えていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Dは、図42に示すように、遊技領域の左側部に設けられた一般入賞口35Dと、一般入賞口35Dを囲むようにして設けられた保留装置48(保留手段)とを備えている点で前記第1実施形態における遊技盤31とは異なる。
一般入賞口35Dは、その配設位置を除いて前記第1実施形態における一般入賞口35と同様の機能を有している。具体的には、一般入賞口35Dは、遊技球の入球を検知する検知センサ50a(図43参照)を備え、この検知センサ50aは、遊技盤31Dの背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、一般入賞口35Dへの入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しを実行する。
保留装置48は、一般入賞口35Dの上方に設けられるとともに、一般入賞口35Dへの遊技球の入球を保留する保留部481と、保留部481を囲むようにして遊技盤31Dに設けられたパネル部482とを備えている。なお、遊技盤31Dと、パネル部482との間の距離は、遊技球1個分よりも広くなっている。これによって、遊技球は、遊技盤31Dと、パネル部482との間を落下していくことができる。
保留部481は、遊技球を入球させるべく上向きに形成された入口と、この入口から入球した遊技球を一般入賞口35Dに向かって落下させて入球させるべく下向きに形成された出口とを有する通路を備え、この通路は、保留装置48の上方に設けられた複数の釘44Dと、一般入賞口35Dとの間に設けられている。また、この通路は、自己の左側に配設された左壁部481Lと、自己の右側に配設されるとともに、その上端を左壁部481Lの上端よりも低い位置に設定した右壁部481Rとを備え、左壁部481Lおよび右壁部481Rは、遊技盤31Dと、パネル部482との間に配設されている。なお、左壁部481Lと、複数の釘44Dとの間隔は、遊技球1個分よりも狭く、右壁部481Rと、複数の釘44Dとの間隔は、遊技球1個分よりも広くなっている。
また、保留部481は、左壁部481Lの上端位置から右壁部481Rの上端位置にかけて設けられた上プレート481aと、上プレート481aの下方に設けられた下プレート481bと、上プレート481aおよび下プレート481bを駆動するプレート駆動部481cとを備えている。
上プレート481aは、保留部481の入口を閉鎖するようにして遊技盤31Dに設けられている。また、上プレート481aは、保留部481の左壁部481L側から右壁部481R側に向かうにしたがって下降するように傾斜して設けられている。この上プレート481aは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31Dから突出することによって、保留部481の入口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31Dの内部に向かって後退して遊技盤31Dに埋没することによって、保留部481の入口を開放する開放状態とを有している。
下プレート481bは、保留部481の出口を閉鎖するようにして遊技盤31Dに設けられている。この下プレート481bは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31Dから突出することによって、保留部481の出口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31Dの内部に向かって後退して遊技盤31Dに埋没することによって、保留部481の出口を開放する開放状態とを有している。
プレート駆動部481cは、上プレート481aおよび下プレート481bを駆動することによって、各プレート481a,481bを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
ここで、各プレート481a,481bを共に閉鎖状態に設定すると、各プレート481a,481bによって区画された保留空間を保留部481の通路内に形成することができる。この保留空間は、上下に2個の遊技球を保留することができる広さを有している。
したがって、保留部481は、上プレート481aを開放状態に設定し、下プレート481bを閉鎖状態に設定することによって、複数の釘44Dを通過した遊技球を保留空間に入球させることができる。また、保留部481は、2個目の遊技球の入球を検知する検知センサ50m(図43参照)を備え、この検知センサ50mは、遊技盤31Dの背面側に配設されるとともに、2個目の遊技球と対応する位置に配設されている。なお、パチンコ機10は、保留部481への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
なお、本実施形態では、保留部481は、2個目の遊技球の入球を検知する検知センサ50mを備えていたが、例えば、1個目および2個目の遊技球の入球をそれぞれ検知する2つの検知センサを備えていてもよい。この場合には、各検知センサは、遊技盤の背面側に配設されるとともに、1個目および2個目の遊技球と対応する位置にそれぞれ配設されていればよい。要するに、保留部481は、保留空間に2個の遊技球が入球したことを検知することができればよい。
また、保留部481は、保留空間に2個の遊技球を入球させた後、すなわち検知センサ50mにて保留空間への2個目の遊技球の入球を検知した後、上プレート481aを閉鎖状態に設定することによって、保留部481に向かって流下してくる遊技球を保留空間に入球させないようにすることができる。ここで、複数の釘44Dを通過した遊技球は、保留部481に向かって流下した後、上プレート481aの傾斜を利用して上プレート481aの上面を伝って保留部481の右壁部481Rと、複数の釘44Dとの間を通過していくことになる。さらに、下プレート481bを開放状態に設定すると、保留部481は、保留空間に保留した遊技球を落下させて一般入賞口35Dに入球させることができる。
なお、本実施形態では、保留部481は、上プレート481aと、下プレート481bとを備え、複数の釘44Dを通過した遊技球は、保留部481に向かって流下した後、上プレート481aの傾斜を利用して上プレート481aの上面を伝って保留部481の右壁部481Rと、複数の釘44Dとの間を通過していた。これに対して、保留部481は、上プレート481aを備えていなくてもよい。この場合には、複数の釘44Dを通過した遊技球が保留部481に向かって流下した後、保留空間に入球した遊技球の上部を伝って保留部481の右壁部481Rと、複数の釘44Dとの間を通過するように、保留部481の入口と、下プレート481bとの間隔を調整すればよい。
図43は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態では、MPU62の入力ポートは、複数の検知センサ50a〜50gに接続されていた。
これに対して、本実施形態では、MPU62の入力ポートは、図43に示すように、複数の検知センサ50a〜50g,50mと、押ボタン25bと、払出制御装置70とに接続されている点で前記第1実施形態とは異なる。また、本実施形態では、出力ポートは、プレート駆動部481cに接続されている点で前記第1実施形態とは異なる。
また、本実施形態では、主制御装置60、音声発光制御装置90、および表示制御装置100は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、タイマ割込み処理、メイン処理、通常処理、開閉実行モード終了時の移行処理、および演出決定処理の各処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における各処理の内容について順を追って説明する。
<タイマ割込み処理>
図44は、タイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
タイマ割込み処理では、MPU62は、図44に示すように、ステップS101D〜S106Dを定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、ステップS102〜S105を前記第1実施形態と同様に実行する。また、本実施形態では、MPU62は、前記第1実施形態におけるステップS101に代えてステップS101Dを実行する。さらに、本実施形態では、MPU62は、ステップS105の作動口用の入賞処理を実行した後、ステップS106Dの保留装置開閉処理を実行する。
ステップS101Dでは、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50g,50mの読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50g,50mの状態を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM64に保存する。MPU62は、各種入賞口に対応した検知センサ50a〜50dが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置70に送信する。例えば、MPU62は、可変入賞装置38に対応した検知センサ50dが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、特定単位個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。
なお、払出制御装置70は、MPU62から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置71に賞球の払い出しを実行させる払出制御を行う。
<保留装置開閉処理>
図45は、保留装置開閉処理のフローチャートを示す図である。
保留装置開閉処理では、MPU62は、図45に示すように、ステップS2001〜S2010を実行する。
ステップS2001では、MPU62は、保留装置48に対応した検知センサ50mが遊技球の入球を検知したか否か(保留装置48に2個目の遊技球が入球したか否か)を判定することによって、保留装置48に遊技球が入球したか否かを判定する。
MPU62は、保留装置48に2個目の遊技球が入球したと判定した場合には、ステップS2002において、上プレート閉鎖処理を実行する。この上プレート閉鎖処理では、MPU62は、プレート駆動部481cの駆動制御を実行することによって、上プレート481aを閉鎖状態に設定する。
これに対して、MPU62は、保留装置48に2個目の遊技球が入球していないと判定した場合(保留部481の保留空間に遊技球が入球していない場合、または保留部481の保留空間に1個目の遊技球のみが入球している場合)には、ステップS2003において、上プレート開放処理を実行する。この上プレート開放処理では、MPU62は、プレート駆動部481cの駆動制御を実行することによって、上プレート481aを開放状態に設定する。
ステップS2002またはステップS2003の処理を実行した後、MPU62は、ステップS2004において、押ボタン25bが有効となっているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS2004にて押ボタン25bが有効となっていないと判定した場合には、ステップS2005以降の処理を実行することなく、保留装置開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS2004にて押ボタン25bが有効となっていると判定した場合には、ステップS2005以降の処理を実行する。
なお、MPU62は、RAM64に記憶された押ボタン有効フラグを参照することによって、押ボタン25bが有効となっているか否かを判定している。ここで、押ボタン有効フラグは、押ボタン25bが有効となっているか否かを特定するためのフラグである。具体的には、MPU62は、RAM64に押ボタン有効フラグがセットされている場合には、押ボタン25bが有効となっていると特定し、RAM64に押ボタン有効フラグがセットされていない場合には、押ボタン25bが有効となっていない(押ボタン25bが無効となっている)と特定する。押ボタン25bを有効または無効にする契機については後に詳細に説明する。
ステップS2005では、MPU62は、押ボタン25bの押下を検知したか否かを判定する。
MPU62は、押ボタン25bの押下を検知していないと判定した場合には、ステップS2006以降の処理を実行することなく、保留装置開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、押ボタン25bの押下を検知したと判定した場合には、ステップS2006において、下プレート開放処理を実行する。この下プレート開放処理では、MPU62は、プレート駆動部481cの駆動制御を実行することによって、下プレート481bを開放状態に設定する。
ステップS2007では、MPU62は、下プレート481bを開放状態に設定して保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35Dに入球させることを遊技者に報知するために、保留開放コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、この保留開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される保留開放コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
ステップS2008では、MPU62は、下プレート開放用期間である5secが経過したか否かを判定する。MPU62は、ステップS2008にて5secが経過していないと判定した場合には、ステップS2008の処理を繰り返し実行する。また、MPU62は、ステップS2008にて5secが経過したと判定した場合には、ステップS2009以降の処理を実行する。
ここで、MPU62は、ステップS2008の処理の実行回数をカウントすることによって5secが経過したか否かを判定する。例えば、ステップS2008の処理を繰り返し実行する間隔が0.1msecである場合には、MPU62は、ステップS2008の処理の実行回数をカウントして50000回に達したときに5secが経過したと判定する。なお、下プレート開放用期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロックを用いて下プレート開放用期間を測定してもよい。
ステップS2009では、MPU62は、下プレート閉鎖処理を実行する。この下プレート閉鎖処理では、MPU62は、プレート駆動部481cの駆動制御を実行することによって、下プレート481bを閉鎖状態に設定する。
ステップS2010では、MPU62は、RAM64に記憶された押ボタン有効フラグをクリアして押ボタン25bを無効に変更する。
このように、MPU62は、押ボタン25bが有効となっていると判定した後、押ボタン25bの押下を検知したと判定した場合には、下プレート481bを開放状態に設定し、下プレート開放用期間(5sec)が経過した後、下プレート481bを再び閉鎖状態に設定するとともに、押ボタン25bを無効にする。
これによって、保留部481は、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35Dに入球させる。具体的には、保留装置48は、2個の遊技球を保留可能に構成されるとともに、保留装置48による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球(最大2個)のうち、全ての遊技球を一般入賞口35Dに入球させる。換言すれば、下プレート開放用期間は、2個の遊技球を落下させて一般入賞口35Dに入球させるのに十分な期間に設定されている。
したがって、押ボタン25bは、保留装置48による遊技球の保留を遊技者の操作に基づいて解除する解除装置として機能する。なお、本実施形態では、解除装置として押ボタン25bを採用しているが、ボタン以外の他の入力装置を採用してもよく、静電容量式のタッチセンサなどの非接触の入力装置を採用してもよい。要するに、解除装置は、保留手段による遊技球の保留を遊技者の操作に基づいて解除することができればよい。
なお、本実施形態では、MPU62は、下プレート481bを開放状態に設定し、下プレート開放用期間(5sec)が経過した後、下プレート481bを再び閉鎖状態に設定しているが、保留装置48に対応した検知センサ50mの検知結果に基づいて、保留部481に遊技球が入球しているか否かを判定し、保留部481に遊技球が入球していないと判定した場合に下プレート481bを再び閉鎖状態に設定してもよい。
また、本実施形態では、保留装置48は、2個の遊技球を保留可能に構成されているが、1個の遊技球を保留可能に構成されていてもよく、3個以上の複数の遊技球を保留可能に構成されていてもよい。
<メイン処理>
図46は、メイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理では、MPU62は、図46に示すように、ステップS401〜S412を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、ステップS408またはステップS410の処理を実行した後、ステップS411を実行する前に、ステップS413Dの保留装置の初期化処理を実行し、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。
ステップS413Dでは、MPU62は、保留装置48の各プレート481a,481bの初期化処理を実行する。具体的には、MPU62は、プレート駆動部481cにて上プレート481aおよび下プレート481bを駆動することによって、保留装置48の動作確認を実行する。また、MPU62は、保留装置48の動作確認の実行後、プレート駆動部481cにて上プレート481aおよび下プレート481bを駆動することによって、上プレート481aおよび下プレート481bを閉鎖状態に設定する。
ここで、ステップS413Dでは、MPU62は、プレート駆動部481cの駆動制御を実行することによって、上プレート481aおよび下プレート481bを開放状態および閉鎖状態に繰り返し設定して保留装置48の動作確認を実行するので、保留装置48にて保留中の遊技球(パチンコ機10の電源を投入する前に既に保留部481に入球していた遊技球)は、一般入賞口35Dに入球することになる。この際、払出装置71にて賞球の払い出しが実行されると、遊技場の管理者は、パチンコ機10の電源を投入した際に払出装置71にて払い出された遊技球をパチンコ機10から回収することになり、その作業には手間がかかる。
そこで、ステップS413Dでは、MPU62は、払出装置71が動作可能な状態になる前に保留装置48の動作確認を実行する。これによれば、MPU62は、保留装置48の動作確認に際して保留装置48にて保留中の遊技球が一般入賞口35Dに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにすることができる。したがって、パチンコ機10の電源を投入した際に払出装置71にて賞球の払い出しは実行されないので、遊技場の管理者は、遊技球をパチンコ機10から回収しなくてもよくなり、作業の負担を軽減することができる。
なお、本実施形態では、MPU62は、払出装置71が動作可能な状態になる前に保留装置48の動作確認を実行することによって、保留装置48の動作確認に際して保留装置48にて保留中の遊技球が一般入賞口35Dに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにしていた。これに対して、例えば、MPU62は、検知センサ50mが動作可能な状態になる前に保留装置48の動作確認を実行することによって、保留装置48の動作確認に際して保留装置48にて保留中の遊技球が一般入賞口35Dに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにしてもよい。要するに、MPU62は、保留装置48の動作確認に際して保留装置48にて保留中の遊技球が一般入賞口35Dに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにすることができればよい。
また、本実施形態では、MPU62は、保留装置48の動作確認に際して保留装置48にて保留中の遊技球が一般入賞口35Dに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにしていた。これに対して、保留装置48にて保留中の遊技球は、本来はパチンコ機10から払い出されるべき遊技球であるとの観点に立てば、MPU62は、保留装置48の動作確認に際して保留装置48にて保留中の遊技球が一般入賞口35Dに入球した場合に払出装置71に賞球の払い出しを実行させるようにしてもよい。
<通常処理>
図47は、通常処理のフローチャートを示す図である。
通常処理では、MPU62は、前記第1実施形態と略同様に、ステップS301〜S313を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図47に示すように、ステップS306を実行した後、ステップS307を実行する前に、ステップS314Dの出玉率算出処理を実行し、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。
<出玉率算出処理>
図48は、出玉率算出処理のフローチャートを示す図である。
出玉率算出処理では、MPU62は、図48に示すように、ステップS2101〜S2109を実行する。
ステップS2101では、MPU62は、高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。具体的には、MPU62は、RAM64に記憶された高頻度サポートフラグを参照することによって、高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS2101にて高頻度サポートモード中でないと判定した場合には、ステップS2102以降の処理を実行することなく、出玉率算出処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS2101にて高頻度サポートモード中であると判定した場合には、ステップS2102以降の処理を実行する。
ステップS2102では、MPU62は、ステップS301にて送信された賞球コマンドに基づいて払出装置71から払い出された賞球数ICNを取得する。ここで、賞球数ICNは、今回の通常処理のステップS301において、払出制御装置70に送信された賞球コマンドに基づいて払出装置71から払い出された賞球の合計数である。換言すれば、賞球数ICNは、前回の通常処理のステップS301において、払出装置71に賞球を払い出させた後、今回の通常処理のステップS301において、新たに払出装置71に払い出させた賞球の合計数である。具体的には、MPU62は、払出制御装置70から賞球数ICNを取得する。
ステップS2103では、MPU62は、ステップS2102にて取得した賞球数ICNをRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた賞球数カウンタICに加算する。なお、賞球数カウンタICの値は、開閉実行モード終了時の移行処理の実行時にクリアされる。
ステップS2104では、MPU62は、ステップS306の遊技球発射制御処理にて遊技球発射機構81に発射させた遊技球の発射数OCNを取得する。ここで、発射数OCNは、今回の通常処理のステップS306において、遊技球発射機構81に発射させた遊技球の合計数である。換言すれば、前回の通常処理のステップS306において、遊技球発射機構81に遊技球を発射させた後、今回の通常処理のステップS306において、新たに遊技球発射機構81に発射させた遊技球の合計数である。具体的には、MPU62は、各種入賞口に入球した遊技球と、第1アウト口39aおよび第2アウト口39bに入球した遊技球との合計数を取得することによって、発射数OCNを取得する。
ここで、パチンコ機10は、各種入賞口に入球した遊技球と、第1アウト口39aおよび第2アウト口39bに入球した遊技球とを合流させて遊技場の島に排出するための通路(図示略)を有している。そして、この通路は、遊技球の排出数を検知する検知センサ(図示略)を備えている。本実施形態では、MPU62は、この検知センサにて検知された遊技球の排出数を取得することによって、発射数OCNを取得する。
なお、本実施形態では、MPU62は、遊技球を遊技場の島に排出するための通路に設けられた検知センサにて検知された遊技球の排出数を取得することによって、発射数OCNを取得していた。これに対して、例えば、誘導レール34にて遊技領域の上部に案内された遊技球の個数を検知する検知センサを新たに遊技盤31Dに設けておき、MPU62は、この検知センサにて検知された遊技球の個数を取得することによって、発射数OCNを取得してもよい。要するに、MPU62は、ステップS306の遊技球発射制御処理にて遊技球発射機構81に発射させた遊技球の発射数OCNを取得することができればよい。
ステップS2105では、MPU62は、ステップS2104にて取得した発射数OCNをRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた発射数カウンタOCに加算する。なお、発射数カウンタOCの値は、開閉実行モード終了時の移行処理の実行時にクリアされる。
ステップS2106では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた遊技回消化カウンタPGCの値に1を減算して更新する。ここで、遊技回消化カウンタPGCは、高頻度サポートモードに滞在している間に消化された遊技回の回数を計数するカウンタである。本実施形態では、MPU62は、開閉実行モードの終了後に、高頻度サポートモードに移行した場合に、遊技回消化カウンタPGCに「50」をセットし、高頻度サポートモードに滞在して遊技回を消化する都度、前回値に1を減算して更新する。
ステップS2107では、MPU62は、遊技回消化カウンタPGCの値が「0」以下であるか否かを判定する。換言すれば、MPU62は、高頻度サポートモードに移行した後、50回の遊技回を消化したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS2107にて遊技回消化カウンタPGCの値が「0」以下でないと判定した場合(高頻度サポートモードに移行した後、50回の遊技回を消化していないと判定した場合)には、ステップS2108以降の処理を実行することなく、出玉率算出処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS2107にて遊技回消化カウンタPGCの値が「0」以下であると判定した場合(高頻度サポートモードに移行した後、50回の遊技回を消化したと判定した場合)には、ステップS2108において、出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定する。ここで、出玉率BAは、賞球数カウンタICの値を発射数カウンタOCで除した値(BA=IC/OC)である。したがって、出玉率BAが1よりも小さければ(1未満であれば)遊技者の持ち球は減少していることを意味し、出玉率BAが1であれば遊技者の持ち球は増減していないことを意味し、出玉率BAが1よりも大きければ遊技者の持ち球は増加していることを意味している。
このように、MPU62は、発射ハンドル27にて遊技領域に向かって発射された遊技球の発射数(発射数カウンタOC)と、払出装置71にて払い出された遊技球の賞球数(賞球数カウンタIC)とを取得するとともに、遊技球の賞球数を遊技球発射数で除して遊技球の出玉率BAを算出する出玉率算出手段として機能する。
また、ステップS2108では、MPU62は、出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定した後、賞球数カウンタICおよび発射数カウンタOCをクリアするとともに、遊技回消化カウンタPGCに再び「50」をセットする。これによって、MPU62は、高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化する都度、ステップS2108において、出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定することができる。
なお、本実施形態では、MPU62は、遊技回消化カウンタPGCに「50」をセットしているが、これ以外の値を遊技回消化カウンタPGCにセットしてもよく、抽選などによってランダムに決定した値を遊技回消化カウンタPGCにセットしてもよい。
MPU62は、ステップS2108にて出玉率BAが0.9よりも小さくないと判定した場合には、ステップS2109以降の処理を実行することなく、出玉率算出処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS2108にて出玉率BAが0.9よりも小さいと判定した場合には、ステップS2109において、RAM64に押ボタン有効フラグをセットして押ボタン25bを有効に変更する。また、MPU62は、押ボタン25bを有効にしたことを遊技者に報知するために、ボタン有効コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、このボタン有効コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、出玉率算出処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるボタン有効コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
前述したように、MPU62は、押ボタン25bが有効となっていると判定した後、押ボタン25bの押下を検知したと判定した場合には、下プレート481bを開放状態に設定し、下プレート開放用期間(5sec)が経過した後、下プレート481bを再び閉鎖状態に設定するとともに、押ボタン25bを無効にする。これによって、MPU62は、高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化する都度、ステップS2108において、出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定し、出玉率BAが0.9よりも小さいと判定した場合には、ステップS2109において、押ボタン25bを有効に変更することができる。
また、MPU62にて下プレート481bが開放状態に設定されると、保留部481は、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35Dに入球させる。具体的には、保留装置48は、2個の遊技球を保留可能に構成されるとともに、保留装置48による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球(最大2個)のうち、全ての遊技球を一般入賞口35Dに入球させる。具体的には、パチンコ機10は、一般入賞口35への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しを実行するので、例えば、保留装置48にて保留中の遊技球が2個である場合には20個の賞球の払い出しを実行する。
ところで、この20個の賞球は、高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化し、出玉率BAが0.9であった場合に減少した遊技者の持ち球の個数に相当している。換言すれば、遊技者は、保留装置48による遊技球の保留を解除した場合に、高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化することによって減少した持ち球を補填して出玉率BAを1に近づけることができる。
このように、保留装置48にて保留可能な遊技球の個数(本実施形態では2個)や、遊技回消化カウンタPGCにセットされる値(本実施形態では50)や、ステップS2108において設定されていた出玉率BAの閾値(本実施形態では0.9)は、遊技者の持ち球が増減していないことを意味する出玉率BA=1を基準として設計されている。
なお、本実施形態では、MPU62は、高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化する都度、賞球数カウンタICおよび発射数カウンタOCをクリアしているが、クリアしなくてもよい。これによれば、MPU62は、開閉実行モードの終了後に、高頻度サポートモードに移行したときから現時点までの出玉率BAの累積を算出することができる。そして、MPU62は、高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化する都度、この出玉率BAの累積が0.9よりも小さいか否かを判定し、出玉率BAが0.9よりも小さいと判定した場合には、ステップS2109において、押ボタン25bを有効に変更することができる。したがって、例えば、高頻度サポートモードに滞在して51回〜100回の遊技回を消化したときの出玉率BAが0.9よりも大きかった場合であっても高頻度サポートモードに滞在して1回〜100回の遊技回を消化したときの出玉率BAの累積が0.9よりも小さければ、MPU62は、押ボタン25bを有効に変更することができるので、遊技者は、保留装置48による遊技球の保留を解除した場合に、高頻度サポートモードに滞在して遊技回を消化することによって減少した持ち球を補填して出玉率BAを1に近づけることができる。
また、本実施形態では、MPU62は、高頻度サポートモードに移行した後、50回の遊技回を消化したと判定した場合に、ステップS2108において、出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定し、ステップS2108にて出玉率BAが0.9よりも小さいと判定した場合には、ステップS2109において、RAM64に押ボタン有効フラグをセットして押ボタン25bを有効に変更している。
これに対して、例えば、MPU62は、高頻度サポートモードに移行した後、50回の遊技回を消化する前(例えば、30回の遊技回を消化したときや、40回の遊技回を消化したときなど)に、出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定し、押ボタン25bが有効に変更される可能性を遊技者に報知してもよい。この場合には、出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定する都度、押ボタン25bが有効に変更される可能性を遊技者に報知するために、ボタン有効示唆コマンドを設定し、通常処理のステップS301において、このボタン有効示唆コマンドを音声発光制御装置90に送信すればよい。また、例えば、MPU62は、遊技回の消化数と、出玉率BAとの関係の遷移をグラフとして遊技者に報知するようにしてもよい。
したがって、MPU62は、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更することによって、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段として機能する。また、MPU62は、出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAに基づいて、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える。
なお、本実施形態では、MPU62は、ステップS2108において、出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定し、ステップS2108にて出玉率BAが0.9よりも小さいと判定した場合には、ステップS2109において、RAM64に押ボタン有効フラグをセットして押ボタン25bを有効に変更している。これに対して、例えば、MPU62は、出玉率BAが1未満であるか否かを判定し、出玉率BAが1未満であると判定した場合にRAM64に押ボタン有効フラグをセットして押ボタン25bを有効に変更してもよい。また、例えば、MPU62は、出玉率BAが1以上であるか否かを判定し、出玉率BAが1以上であると判定した場合にRAM64に押ボタン有効フラグをセットして押ボタン25bを有効に変更してもよい。要するに、出玉率BAと、押ボタン25bの解除設定との関係は、自由に設計すればよい。
また、本実施形態では、MPU62は、ステップS314Dの出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAに基づいて、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更することによって、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えている。これに対して、MPU62は、例えば、押ボタン25bの押下を検知したか否かに関わらず、出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAに基づいて、保留装置48による遊技球の保留を解除してもよい。この場合には、パチンコ機10は、押ボタン25bを備えていなくてもよい。要するに、切替手段は、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えればよい。
また、本実施形態では、MPU62は、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更することによって、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えていた。これに対して、MPU62は、押ボタン25bの押下を検知したと判定したことのみに基づいて、保留装置48による遊技球の保留を解除してもよい。要するに、切替手段は、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えればよい。
図49は、開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。
開閉実行モード終了時の移行処理では、MPU62は、前記第1実施形態と略同様に、ステップS1101〜S1112を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図49に示すように、ステップS1102に代えてステップS1102Dを実行し、ステップS1110に代えてステップS1110Dを実行する。また、本実施形態では、MPU62は、ステップS1106にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1102D以降の処理を実行する。そして、MPU62は、その他のステップを前記第1実施形態と同様に実行する。
ステップS1101では、MPU62は、振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1101にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1102D以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1101にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1105以降の処理を実行する。
まず、ステップS1101において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1102D以降の処理)について説明する。
ステップS1102Dでは、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。また、ステップS1102Dでは、MPU62は、賞球数カウンタICおよび発射数カウンタOCをクリアするとともに、遊技回消化カウンタPGCに「50」をセットする。なお、ステップS1103以降の処理(ステップS1103,S1104)は、前記第1実施形態と同様である。
次に、ステップS1101において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1105以降の処理)について説明する。
ステップS1105では、MPU62は、振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1105にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1106以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1105にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1108以降の処理を実行する。
まず、ステップS1105において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1106以降の処理)について説明する。
ステップS1106では、MPU62は、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1106にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていると判定した場合には、前述したステップS1102D以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1106にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1107において、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
次に、ステップS1105において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1108以降の処理)について説明する。なお、ステップS1108以降の処理(ステップS1108〜S1112)は、ステップS1110Dの処理を除いて前記第1実施形態と同様である。
ステップS1110Dでは、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。また、ステップS1110Dでは、MPU62は、賞球数カウンタICおよび発射数カウンタOCをクリアするとともに、遊技回消化カウンタPGCに「50」をセットする。
このように、MPU62は、開閉実行モードの終了後に、高頻度サポートモードに移行した場合に、賞球数カウンタICおよび発射数カウンタOCをクリアするとともに、遊技回消化カウンタPGCに「50」をセットしている。
なお、本実施形態では、MPU62は、遊技回消化カウンタPGCに「50」をセットしているが、これ以外の値を遊技回消化カウンタPGCにセットしてもよく、抽選などによってランダムに決定した値を遊技回消化カウンタPGCにセットしてもよい。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図50は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、前記第1実施形態と略同様に、ステップS1201〜S1215を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。なお、本実施形態では、MPU92は、図50に示すように、
前記第1実施形態におけるステップS1212に代えて、ステップS1212Dを実行する。また、本実施形態では、MPU92は、ステップS1214を実行した後、ステップS1215を実行する前に、ステップS1216D〜S1219Dを実行する。
ステップS1212Dでは、MPU92は、ステップS1211にて選択した開閉実行モード用の演出に係る情報を含む開閉実行モード用コマンドを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
ここで、前述したように、出玉率算出処理のステップS2108にて出玉率BAが0.9よりも小さいと判定された場合(高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化したときに遊技者の持ち球が減少していた場合)には、MPU62は、ボタン有効コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
そこで、表示制御装置100は、ステップS1211にて開閉実行モード用の演出として演出B〜Dを選択した場合(開閉実行モードの終了後に、高頻度サポートモードに移行する場合)には、高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化したときに下プレート481bを開放状態に設定して保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35Dに入球させるか否かを判定することを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
ステップS1216Dでは、MPU92は、ボタン有効コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、ボタン有効コマンドは、出玉率算出処理のステップS2108において、MPU62にて出玉率BAが0.9よりも小さいと判定された場合、すなわち高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化したときに遊技者の持ち球が減少していた場合にMPU62から送信される。
MPU92は、ステップS1216Dにてボタン有効コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1217Dにおいて、ボタン有効報知処理を実行する。このボタン有効報知処理では、MPU92は、押ボタン25bを有効にしたことを遊技者に報知する。具体的には、MPU92は、押ボタン25bを有効にしたことを遊技者に報知するために、ボタン有効報知コマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御と、押ボタン25bに内蔵された光源を点灯させるための発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、MPU92から送信されたボタン有効報知コマンドに基づいて、押ボタン25bを有効にしたことを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
なお、本実施形態では、MPU92は、ステップS1216Dにてボタン有効コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1217Dにおいて、ボタン有効報知処理を実行している。これに対して、MPU92は、ボタン有効コマンドを除くMPU62から送信された各種コマンドや、遊技球を遊技場の島に排出するための通路に設けられた検知センサなどに基づいて、自ら出玉率BAを算出するとともに、この出玉率BAが0.9よりも小さいか否かを判定し、出玉率BAが0.9よりも小さいと判定した場合にボタン有効報知処理を実行してもよい。これによれば、MPU62は、ボタン有効コマンドを送信しなくてもよくなるので、MPU62の処理負荷を軽減することができる。
MPU92は、ステップS1217Dの処理を実行した後、またはステップS1216Dにてボタン有効コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1218D以降の処理を実行する。
ステップS1218Dでは、MPU92は、保留開放コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、保留開放コマンドは、出玉率算出処理のステップS2109にて押ボタン25bを有効にした後、MPU62にて押ボタン25bの押下が検知された場合にMPU62から送信される。
MPU92は、ステップS1218Dにて保留開放コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1219Dにおいて、保留開放報知処理を実行する。この保留開放報知処理では、MPU92は、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35Dに入球させることを遊技者に報知する。具体的には、MPU92は、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35Dに入球させることを遊技者に報知するために、保留開放報知コマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御と、押ボタン25bに内蔵された光源を消灯させるための発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、MPU92から送信された保留開放報知コマンドに基づいて、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35Dに入球させることを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
MPU92は、ステップS1219Dの処理を実行した後、またはステップS1218Dにて保留開放コマンドを受信していないと判定した場合には、前記第1実施形態と同様にステップS1215以降の処理を実行する。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、一般入賞口35Dへの遊技球の入球を保留する保留装置48を備えているので、遊技球は、遊技領域を流下して一般入賞口35Dに入球する際、保留装置48に一旦は保留されることになる。そして、パチンコ機10は、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段(MPU62)を備えているので、遊技領域を流下して一般入賞口35Dに入球する遊技球の経路を多様化することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)パチンコ機10は、保留装置48による遊技球の保留を遊技者の操作に基づいて解除する押ボタン25bを備えているので、遊技者の意図したタイミングで遊技球を一般入賞口35Dに入球させることができる。また、切替手段は、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更することによって、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えるので、パチンコ機10は、遊技球を一般入賞口35Dに入球させることができるタイミングを遊技者の意図に関わらず自由に設定することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)切替手段は、ステップS314Dの出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAに基づいて、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える。したがって、遊技者は、遊技球の出玉率BAに注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(4)切替手段は、ステップS314Dの出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAが0.9よりも小さいと判定した場合(遊技球の出玉率BAが1未満である場合)、すなわち遊技者の持ち球が減少している場合に保留装置48による遊技球の保留を解除できるように切り替えるので、遊技者は、減少していた持ち球を増加させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(5)保留装置48は、保留装置48による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球(最大2個)のうち、全ての遊技球を一般入賞口35Dに入球させるので、一度に大量の遊技球を払出装置71に払い出させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、保留装置48は、2個の遊技球を保留可能に構成されるとともに、保留装置48による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球(最大2個)のうち、全ての遊技球を一般入賞口35Dに入球させるように構成されていた。これに対して、保留手段は、複数の遊技球を保留可能に構成されるとともに、保留手段による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、1個の遊技球を入球手段に入球させるように構成されていてもよい。これによれば、保留手段は、保留手段による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、1個の遊技球を入球手段に入球させるので、複数回に分けて遊技球を払出装置に払い出させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。なお、この場合には、保留手段による遊技球の保留を解除する回数を抽選などによってランダムに決定してもよい。
また、本実施形態では、MPU62は、出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAに基づいて、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更することによって、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段として機能していた。これに対して、切替手段は、遊技球の出玉率を算出することなく、遊技球の出玉率に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えてもよい。この点については、後述する他の実施形態においても同様である。
例えば、MPU62は、電動役物37aの開閉状態に基づいて、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えてもよい。
具体的には、MPU62は、電動役物37aを閉鎖状態に設定したときに、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットして押ボタン25bを有効に変更し、電動役物37aを開放状態に設定したときに、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をクリアして押ボタン25bを無効に変更することによって、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えてもよい。
また、MPU62は、電動役物37aを閉鎖状態に設定している期間を測定し、その期間が所定の時間(例えば、遊技者の持ち球が増減していないことを意味する出玉率BA=1を基準として設計された時間)よりも長いと判定したときに、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットして押ボタン25bを有効に変更し、その期間が所定の時間よりも短いと判定したときに、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をクリアして押ボタン25bを無効に変更することによって、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えてもよい。
ここで、電動役物37aの開閉状態は、遊技球の出玉率と相関関係にある。すなわち、MPU62にて電動役物37aを閉鎖状態に設定している期間が長い場合には、遊技球は、下作動口37よりも上作動口36に入賞する確率が高くなるので、出玉率は低くなり、MPU62にて電動役物37aを閉鎖状態に設定している期間が短い場合には、遊技球は、下作動口37に入賞しやすくなるので、出玉率は高くなる。
したがって、MPU62は、電動役物37aの開閉状態に基づいて、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることによって、遊技球の出玉率を算出することなく、遊技球の出玉率に基づいて、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることができる。
要するに、切替手段は、遊技球の出玉率に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更ことによって、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えればよい。
図51は、スルーゲートの近傍に保留装置を設けた一例を示す図である。
また、本実施形態では、遊技球の出玉率BAと、保留装置48による遊技球の保留の貯まりやすさとを関連付けていなかったが、これらを関連付けるようにしてもよい。
具体的には、例えば、遊技盤31Zは、図51に示すように、スルーゲート41の近傍に設けられた保留装置48Zと、保留装置48Z(保留手段)の下方に設けられた一般入賞口35Zとを備えていてもよい。
一般入賞口35Zは、その配設位置を除いて本実施形態における一般入賞口35Dと同様の機能を有している。具体的には、一般入賞口35Zは、遊技球の入球を検知する検知センサ50a(図43参照)を備え、この検知センサ50aは、遊技盤31Zの背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、一般入賞口35Zへの入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しを実行する。
保留装置48Zは、一般入賞口35Zの上方に設けられるとともに、一般入賞口35Zへの遊技球の入球を保留する保留部481Zを備えている。
保留部481Zは、遊技球を入球させるべく上向きに形成された入口と、この入口から入球した遊技球を一般入賞口35Zに向かって落下させて入球させるべく下向きに形成された出口とを有する通路を備え、この通路は、スルーゲート41の左側に設けられている。また、この通路は、自己の左側に配設された左壁部481LZと、自己の右側に配設されるとともに、その上端を左壁部481LZの上端よりも低い位置に設定した右壁部481RZとを備えている。なお、左壁部481LZおよび左壁部481LZは、複数の釘によって形成されている。
また、保留部481Zは、左壁部481LZの上端位置から右壁部481RZの上端位置にかけて設けられた上プレート481aと、上プレート481aの下方に設けられた下プレート481bと、上プレート481aおよび下プレート481bを駆動するプレート駆動部481cとを備えている。
したがって、保留部481Zは、左壁部481LZおよび左壁部481LZを除き、本実施形態における保留部481と同様の機能を有している。
スルーゲート41および保留装置48Zの近傍に植設された多数の釘44のうち、スルーゲート41および保留装置48Zの間に設けられた釘44zは、遊技球をスルーゲート41および保留装置48Zのいずれかに振り分けて入球させる振分手段として機能する。
具体的には、釘44zの左側を通過した遊技球は、保留装置48Zに向かって落下し、釘44zの右側を通過した遊技球は、スルーゲート41に向かって落下していくことになる。したがって、釘44zに向かって落下してきた遊技球が釘44zの左側を通過しやすくなるように釘44zを設定することによって、釘44zは、遊技球を保留装置48Zに振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球をスルーゲート41に振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第1の状態)。また、釘44zに向かって落下してきた遊技球が釘44zの右側を通過しやすくなるように釘44zを設定することによって、釘44zは、遊技球をスルーゲート41に振り分けて入球させる割合を高くするとともに、遊技球を保留装置48Zに振り分けて入球させる割合を低くすることができる(第2の状態)。
換言すれば、釘44zは、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を保留装置48Zに振り分けて入球させる割合と、遊技球をスルーゲート41に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されている。
ここで、電動役物37aは、各スルーゲート41への入賞をトリガとして実行された内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した結果であった場合には、所定の態様で開放状態となる。また、前述したように、電動役物37aの開閉状態は、遊技球の出玉率と相関関係にある。
したがって、釘44zに向かって落下してきた遊技球が釘44zの右側を通過しやすくなるように釘44zを設定した場合には、MPU62にて電動役物37aを閉鎖状態に設定している期間は短くなり、遊技球の出玉率は高くなる。そして、釘44zに向かって落下してきた遊技球が釘44zの右側を通過しやすくなるように釘44zを設定することによって、遊技球の出玉率を高く設定した場合には、遊技球は保留装置48Zに貯まりにくくなる。
これに対して、釘44zに向かって落下してきた遊技球が釘44zの左側を通過しやすくなるように釘44zを設定した場合には、MPU62にて電動役物37aを閉鎖状態に設定している期間は長くなり、遊技球の出玉率は低くなる。そして、釘44zに向かって落下してきた遊技球が釘44zの左側を通過しやすくなるように釘44zを設定することによって、遊技球の出玉率を低く設定した場合には、遊技球は保留装置48Zに貯まりやすくなる。
このように、遊技球の出玉率BAと、保留装置48Zによる遊技球の保留の貯まりやすさとを関連付けることによって、遊技球の出玉率を高く設定した場合には、遊技球は保留装置48Zに貯まりにくく、遊技球の出玉率を低く設定した場合には、遊技球は保留装置48Zに貯まりやすくなるようにしてもよい。
これによれば、保留装置48Zによる遊技球の保留を解除することによって、遊技者は、持ち球を増加させることができるので、釘44zに向かって落下してきた遊技球が釘44zの左側を通過しやすくなるように釘44zを設定した場合(遊技球の出玉率を低く設定した場合)であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。
また、本実施形態では、MPU62は、出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAに基づいて、保留装置48による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更することによって、保留装置48による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段として機能していた。これに対して、切替手段は、出玉率算出手段にて算出された遊技球の出玉率とは異なる基準に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更することによって、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えてもよい。
具体的には、例えば、切替手段は、遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36および下作動口37)への入球を契機とした内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更してもよい。例えば、MPU62は、当否抽選において当否結果が「通常外れ結果」となって、リーチ発生抽選に当選した場合に、ボタン有効フラグ(解除設定)をセットして押ボタン25bを有効に変更してもよく、このリーチ発生抽選に当選したときに設定された表示継続時間に応じてボタン有効フラグ(解除設定)をセットして押ボタン25bを有効に変更してもよい。これによれば、切替手段は、作動口への入球を契機とした内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更するので、遊技球を入球手段に入球させることができるタイミングを多様化することができる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
また、例えば、遊技機は、この遊技機とは異なる他の遊技機の遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、この遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口への入球を契機とした内部抽選の結果を取得する他機結果取得手段を備え、切替手段は、他機結果取得手段にて取得された内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更してもよい。例えば、パチンコ機10は、このパチンコ機10とは異なる他のパチンコ機(複数のパチンコ機を並設して構成された遊技場の島において、このパチンコ機10に隣接して設置されたパチンコ機など)の作動口への入球を契機とした内部抽選の結果を、ネットワーク(他機結果取得手段)を介して取得し、この内部抽選の結果に基づいて、ボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更してもよく、例えば、他のパチンコ機が大当たり抽選に当選した場合にボタン有効フラグ(解除設定)をセットして押ボタン25bを有効に変更してもよい。これによれば、切替手段は、他機結果取得手段にて取得された内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更するので、遊技球を入球手段に入球させることができるタイミングを多様化することができる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
〔第6実施形態〕
以下、本発明の第6実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図52は、本発明の第6実施形態に係る可変入賞装置の近傍を拡大した図である。
前記第5実施形態では、遊技盤31Dは、遊技領域の下部右側に設けられた可変入賞装置38と、この可変入賞装置38の右側に設けられた第2アウト口39bと、可変入賞装置38および第2アウト口39bの間に設けられた遊技球保持機構40とを備えていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Eは、図52に示すように、可変入賞装置38と、第2アウト口39bと、可変入賞装置38および第2アウト口39bの間に設けられた保留装置49と、この保留装置49の下方に設けられた一般入賞口35Eとを備え、遊技球保持機構40を備えていない点で前記第5実施形態とは異なる。
一般入賞口35Eは、その配設位置を除いて前記第5実施形態における一般入賞口35Dと同様の機能を有している。具体的には、一般入賞口35Eは、遊技球の入球を検知する検知センサ50n(図53参照)を備え、この検知センサ50nは、遊技盤31Eの背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、一般入賞口35Eへの入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しを実行する。
保留装置49は、一般入賞口35Eへの遊技球の入球を保留する保留部491を備えている。
保留部491は、遊技球を入球させるべく上向きに形成された入口と、この入口から入球した遊技球を一般入賞口35Eに向かって落下させて入球させるべく下向きに形成された出口とを有する通路を備えている。また、この通路は、入口から下方に向かって延在した後、左側に折れ曲がり、出口に向かうにしたがって下降するように傾斜して延在している。この通路の入口に入球した遊技球は、入口から下方に向かって落下した後、通路の傾斜を利用して傾斜の上面を伝って出口に向かっていくことになる。
また、保留部491は、開閉扉38bと隣り合って設けられた上プレート491aと、上プレート491aの左下方に設けられた下プレート491bと、上プレート491aおよび下プレート491bを駆動するプレート駆動部491cとを備えている。
上プレート491aは、保留部491の入口を閉鎖するようにして遊技盤31Eに設けられている。また、上プレート491aは、大入賞口38a側から第2アウト口39b側に向かうにしたがって下降するように傾斜して設けられている。この上プレート491aは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31Eから突出することによって、保留部491の入口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31Eの内部に向かって後退して遊技盤31Eに埋没することによって、保留部491の入口を開放する開放状態とを有している。
下プレート491bは、保留部491の出口を閉鎖するようにして遊技盤31Eに設けられている。この下プレート491bは、窓パネル22に向かって前進して遊技盤31Eから突出することによって、保留部491の出口を閉鎖する閉鎖状態と、遊技盤31Eの内部に向かって後退して遊技盤31Eに埋没することによって、保留部491の出口を開放する開放状態とを有している。
プレート駆動部491cは、上プレート491aおよび下プレート491bを駆動することによって、各プレート491a,491bを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
ここで、各プレート491a,491bを共に閉鎖状態に設定すると、各プレート491a,491bによって区画された保留空間を保留部491の通路内に形成することができる。この保留空間は、8個の遊技球を保留することができる広さを有している。
したがって、保留部491は、上プレート491aを開放状態に設定し、下プレート491bを閉鎖状態に設定することによって、釘44aの右側を通過した遊技球を保留空間に入球させることができる。また、保留部491は、8個目の遊技球の入球を検知する検知センサ50o(図53参照)を備え、この検知センサ50oは、遊技盤31Eの背面側に配設されるとともに、8個目の遊技球と対応する位置に配設されている。なお、パチンコ機10は、保留部491への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
なお、本実施形態では、保留部491は、8個目の遊技球の入球を検知する検知センサ50oを備えていたが、例えば、1個目から8個目までの遊技球の入球をそれぞれ検知する8つの検知センサを備えていてもよい。この場合には、各検知センサは、遊技盤の背面側に配設されるとともに、1個目から8個目までの遊技球と対応する位置にそれぞれ配設されていればよい。要するに、保留部491は、保留空間に8個の遊技球が入球したことを検知することができればよい。
また、保留部491は、保留空間に8個の遊技球を入球させた後、すなわち検知センサ50oにて保留空間への8個目の遊技球の入球を検知した後、上プレート491aを閉鎖状態に設定することによって、保留部491に向かって流下してくる遊技球を保留空間に入球させないようにすることができる。ここで、釘44aの右側を通過した遊技球は、保留部491に向かって流下した後、上プレート491aの傾斜を利用して上プレート491aの上面を伝って第2アウト口39bに入球する。すなわち、保留部491は、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、保留空間に遊技球を入球させることができる。さらに、上プレート491aを閉鎖状態に設定した後、下プレート491bを開放状態に設定すると、保留部491は、保留空間に保持した遊技球を落下させて一般入賞口35Eに入球させることができる。
したがって、本実施形態では、大入賞口38aは、遊技球を入球させるために遊技領域に設けられた入球手段であるとともに、有利な結果(賞球の払い出しを受けることができる)を遊技球の入球に際して遊技者に付与する第1の入球手段として機能する。また、第2アウト口39bは、遊技球を入球させるために遊技領域に設けられた入球手段であるとともに、第1の入球手段にて付与される有利な結果よりも不利な結果(賞球の払い出しを受けることができない)を遊技球の入球に際して遊技者に付与する第2の入球手段として機能する。そして、一般入賞口35Eは、振分手段にて遊技球が第2の入球手段に振り分けられた場合に、遊技球を入球させる振分入球手段として機能する。
なお、本実施形態では、保留部491は、上プレート491aと、下プレート491bとを備え、釘44aの右側を通過した遊技球は、保留部491に向かって流下した後、上プレート491aの傾斜を利用して上プレート491aの上面を伝って第2アウト口39bに入球していた。これに対して、保留部491は、上プレート491aを備えていなくてもよい。この場合には、釘44aの右側を通過した遊技球が保留部491に向かって流下した後、保留空間に入球した遊技球の上部を伝って第2アウト口39bに入球するように、保留部491の入口と、下プレート491bとの間隔を調整すればよい。
図53は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
前記第5実施形態では、MPU62の入力ポートは、複数の検知センサ50a〜50g,50mに接続されていた。
これに対して、本実施形態では、MPU62の入力ポートは、図53に示すように、複数の検知センサ50a〜50g,50m,50nに接続されている点で前記第5実施形態とは異なる。
また、前記第5実施形態では、MPU92の入力ポートは、検知センサ50h〜50jに接続され、出力ポートは、プレート駆動部401cと、案内部材駆動部402eに接続されていた。
これに対して、本実施形態では、MPU92の入力ポートは、検知センサ50oに接続され、出力ポートは、プレート駆動部491cに接続されている点で前記第5実施形態とは異なる。
また、本実施形態では、主制御装置60、音声発光制御装置90、および表示制御装置100は、前記第5実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、大入賞口開閉処理、大入賞口開放処理、および演出決定処理の各処理は、前記第5実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における各処理の内容について順を追って説明する。
ここで、MPU62は、前記第5実施形態と同様に、メイン処理のステップS408またはステップS410の処理を実行した後、ステップS411において、サブ側の制御基板(音声発光制御基板91等)に対して初期コマンドを送信する。
サブ側の制御基板は、ステップS411にて送信された初期コマンドを受信することによって、主制御基板61との通信が正常に行われていることを認識するとともに、所定の処理を実行する。具体的には、例えば、音声発光制御基板91は、プレート駆動部491cにて上プレート491aおよび下プレート491bを駆動することによって、保留装置49の動作確認を実行する。また、音声発光制御基板91は、保留装置49の動作確認の実行後、プレート駆動部491cにて上プレート491aおよび下プレート491bを駆動することによって、上プレート491aおよび下プレート491bを閉鎖状態に設定する。
ここで、MPU92は、プレート駆動部491cの駆動制御を実行することによって、上プレート491aおよび下プレート491bを開放状態および閉鎖状態に繰り返し設定して保留装置49の動作確認を実行するので、保留装置49にて保留中の遊技球(パチンコ機10の電源を投入する前に既に保留部491に入球していた遊技球)は、一般入賞口35Eに入球することになる。この際、払出装置71にて賞球の払い出しが実行されると、遊技場の管理者は、パチンコ機10の電源を投入した際に払出装置71にて払い出された遊技球をパチンコ機10から回収することになり、その作業には手間がかかる。
そこで、MPU92は、払出装置71が動作可能な状態になる前に保留装置49の動作確認を実行する。これによれば、MPU92は、保留装置49の動作確認に際して保留装置49にて保留中の遊技球が一般入賞口35Eに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにすることができる。したがって、パチンコ機10の電源を投入した際に払出装置71にて賞球の払い出しは実行されないので、遊技場の管理者は、遊技球をパチンコ機10から回収しなくてもよくなり、作業の負担を軽減することができる。
なお、本実施形態では、MPU92は、払出装置71が動作可能な状態になる前に保留装置49の動作確認を実行することによって、保留装置49の動作確認に際して保留装置49にて保留中の遊技球が一般入賞口35Eに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにしていた。これに対して、例えば、MPU92は、検知センサ50nが動作可能な状態になる前に保留装置49の動作確認を実行することによって、保留装置49の動作確認に際して保留装置49にて保留中の遊技球が一般入賞口35Eに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにしてもよい。要するに、MPU92は、保留装置49の動作確認に際して保留装置49にて保留中の遊技球が一般入賞口35Eに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにすることができればよい。
また、本実施形態では、MPU92は、保留装置49の動作確認に際して保留装置49にて保留中の遊技球が一般入賞口35Eに入球した場合であっても払出装置71に賞球の払い出しを実行させないようにしていた。これに対して、保留装置49にて保留中の遊技球は、本来はパチンコ機10から払い出されるべき遊技球であるとの観点に立てば、MPU92は、保留装置49の動作確認に際して保留装置49にて保留中の遊技球が一般入賞口35Eに入球した場合に払出装置71に賞球の払い出しを実行させるようにしてもよい。
図54は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、前記第5実施形態と略同様に、ステップS901〜S924を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図54に示すように、ステップS914(MPU62にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定された場合)、ステップS922(MPU62にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定された場合)、およびステップS924(MPU62にて開閉カウンタSOCの値が「0」であると判定された場合)のいずれかの処理を実行した後、ステップS925Eを実行する。
ステップS901では、MPU62は、大入賞口38aが開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS901にて大入賞口38aが開放中でないと判定した場合には、ステップS902以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS901にて大入賞口38aが開放中であると判定した場合には、ステップS906以降の処理を実行する。
まず、ステップS901において、MPU62にて大入賞口38aが開放中でないと判定された場合の処理(ステップS902以降の処理)について説明する。
ステップS902では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS902にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」であると判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS902にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」ではないと判定した場合には、ステップS903において、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS903にてタイマカウンタTの値が「0」ではないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS903にてタイマカウンタTの値が「0」であると判定した場合には、ステップS904において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS904の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図55は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、前記第5実施形態と略同様に、ステップS1001〜S1009を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図55に示すように、ステップS1006,S1007に代えて、ステップS1010E,S1011Eを実行する。
ステップS1001では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1001にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1002以降の処理を実行する。なお、ステップS1002以降の処理(ステップS1002〜S1009)は、前記第5実施形態と同様である。
これに対して、MPU62は、ステップS1001にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1004において、入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1005において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1005にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、ステップS1003以降の処理を実行する。なお、ステップS1003以降の処理(ステップS1003,S1009)は、前記第5実施形態と同様である。
これに対して、MPU62は、ステップS1005にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合には、ステップS1010Eにおいて、ラウンドカウンタRCの値が「14」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1010EにてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定した場合には、ステップS1011Eにおいて、保留開始コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1011Eにて設定した保留開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される保留開始コマンドに基づいて、MPU62にてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定されたことを認識し、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
ここで、ステップS1010EにてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定された場合には、そのラウンド遊技は、2回目のラウンド遊技(2R目)であるということを意味している。
MPU62は、ステップS1011Eの処理を実行した後、またはステップS1010EにてラウンドカウンタRCの値が「14」でないと判定した場合には、ステップS1008以降の処理を実行する。なお、ステップS1008以降の処理(ステップS1008,S1009)は、前記第5実施形態と同様である。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図54を参照してステップS905以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS904の大入賞口開放処理を実行した後、ステップS905において、開放コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS905にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放コマンドに基づいて、開閉扉38bを開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS901において、MPU62にて大入賞口38aが開放中であると判定された場合の処理(ステップS906以降の処理)について説明する。なお、ステップS906以降の処理(ステップS906〜S924)は、前述したように、ステップS925Eを除いて前記第5実施形態と同様である。
MPU62は、ステップS914(MPU62にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定された場合)、ステップS922(MPU62にてラウンドカウンタRCの値が「0」であると判定された場合)、およびステップS924(MPU62にて開閉カウンタSOCの値が「0」であると判定された場合)のいずれかの処理を実行した後、ステップS925Eを実行する。
ステップS925Eでは、MPU62は、保留終了コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS925Eにて設定した保留終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
ここで、MPU62にてラウンドカウンタRCまたは開閉カウンタSOCの値が「0」であると判定された場合には、最後のラウンド遊技を終了したということを意味している。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される保留終了コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図56は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、前記第5実施形態と略同様に、ステップS1201〜S1215を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。なお、本実施形態では、MPU92は、図56に示すように、
前記第5実施形態におけるステップS1213,S1214に代えて、ステップS1220E〜S1223Eを実行する。また、本実施形態では、MPU92は、前記第5実施形態におけるステップS1212D,S1219Dに代えて、ステップS1212E,S1219Eを実行する。
ステップS1212Eでは、MPU92は、ステップS1211にて選択した開閉実行モード用の演出に係る情報を含む開閉実行モード用コマンドを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置51にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置51は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
ここで、前述したように、出玉率算出処理のステップS2108にて出玉率BAが0.9よりも小さいと判定された場合(高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化したときに遊技者の持ち球が減少していた場合)には、MPU62は、ボタン有効コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
そこで、表示制御装置100は、ステップS1211にて開閉実行モード用の演出として演出B〜Dを選択した場合(開閉実行モードの終了後に、高頻度サポートモードに移行する場合)には、高頻度サポートモードに滞在して50回の遊技回を消化したときに下プレート481b,491bを開放状態に設定して保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35D,35Eに入球させるか否かを判定することを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
また、前述したように、大入賞口開放処理のステップS1010EにてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定された場合(振分結果が「最有利結果」または「低確結果」である場合)には、MPU62は、保留開始コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
そこで、表示制御装置100は、ステップS1211にて開閉実行モード用の演出として演出C,Dを選択した場合(振分結果が「最有利結果」または「低確結果」である場合)には、2R目以降のラウンド遊技に際して遊技球を保留装置49に入球させるべきであることを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
ステップS1220Eでは、MPU92は、保留開始コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、保留開始コマンドは、大入賞口開放処理のステップS1010EにてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定された場合にMPU62から送信される。
MPU92は、ステップS1220Eにて保留開始コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1221Eにおいて、上プレート開放処理を実行する。この上プレート開放処理では、MPU92は、プレート駆動部491cの駆動制御を実行することによって、上プレート491aを開放状態に設定する。
ここで、前述したように、大入賞口開放処理のステップS1010EにてラウンドカウンタRCの値が「14」であると判定された場合には、そのラウンド遊技は、2回目のラウンド遊技(2R目)であるということを意味している。また、下プレート491bは、閉鎖状態に設定されているので、上プレート491aを開放状態に設定することによって、釘44aの右側を通過した遊技球を保留部491に入球させることができる。
なお、本実施形態では、MPU92は、2R目に上プレート491aを開放状態に設定し、釘44aの右側を通過した遊技球を保留部491に入球させることができるようにしているが、1R目に上プレート491aを開放状態に設定してもよく、オープニング用の待機時間やエンディング用の待機時間などの他のタイミングで上プレート491aを開放状態に設定してもよい。また、1回の開閉実行モード中に上プレート491aを複数回にわたって開放状態に設定してもよく、1回のラウンド遊技中に上プレート491aを複数回にわたって開放状態に設定してもよい。
また、本実施形態では、MPU92は、開閉実行モード中に上プレート491aを開放状態に設定し、釘44aの右側を通過した遊技球を保留部491に入球させることができるようにしているが、例えば、遊技回制御処理の実行中などの他のタイミングで上プレート491aを開放状態に設定してもよい。
MPU92は、ステップS1221Eの処理を実行した後、またはステップS1220Eにて保留開始コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1222E以降の処理を実行する。
ステップS1222Eでは、MPU92は、保留終了コマンドを受信しているか否かを判定するとともに、保留部491に入球した遊技球の保留個数が上限(本実施形態では8個)に達したか否か、すなわち保留限度に達したか否かを判定する。ここで、保留終了コマンドは、大入賞口開閉処理のステップS914、ステップS922、およびステップS924のいずれかの処理を実行し、MPU62にてラウンドカウンタRCまたは開閉カウンタSOCの値が「0」であると判定された場合(MPU62にて最後のラウンド遊技を終了したと判定された場合)に、ステップS925EにてMPU62から送信される。また、MPU92は、保留装置49に対応した検知センサ50oが遊技球の入球を検知したか否か(保留装置49に8個目の遊技球が入球したか否か)を判定することによって、保留部491に入球した遊技球の保留個数が上限に達したか否かを判定する。
MPU92は、ステップS1222Eにて保留終了コマンドを受信したと判定した場合、または保留限度に達したと判定した場合には、ステップS1223Eにおいて、上プレート閉鎖処理を実行する。この上プレート閉鎖処理では、MPU92は、プレート駆動部491cの駆動制御を実行することによって、上プレート491aを閉鎖状態に設定する。なお、下プレート491bは、閉鎖状態に設定されているので、上プレート491aを閉鎖状態に設定することによって、保留部491は、保留空間に遊技球を保持しておくことができる。
このように、MPU92は、2回目のラウンド遊技の開始時に上プレート491aを開放状態に設定し、最後のラウンド遊技の終了時に上プレート491aを閉鎖状態に設定する。また、MPU92は、2回目のラウンド遊技の開始時から最後のラウンド遊技の終了時までの間に、保留部491に入球した遊技球の保留個数が上限に達した場合には、最後のラウンド遊技の終了を待つことなく上プレート491aを閉鎖状態に設定する。
MPU92は、ステップS1223Eの処理を実行した後、またはステップS1222Eにて否定判定した場合(保留終了コマンドを受信していないと判定した場合および保留限度に達していないと判定した場合)には、ステップS1216D以降の処理を実行する。なお、ステップS1216D,1217Dの処理は、前記第5実施形態と同様である。
MPU92は、ステップS1217Dの処理を実行した後、またはステップS1216Dにてボタン有効コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1218D以降の処理を実行する。
ステップS1218Dでは、MPU92は、保留開放コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、保留開放コマンドは、出玉率算出処理のステップS2109にて押ボタン25bを有効にした後、MPU62にて押ボタン25bの押下が検知された場合にMPU62から送信される。
MPU92は、ステップS1218Dにて保留開放コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS1219Eにおいて、保留開放報知処理を実行する。この保留開放報知処理では、MPU92は、プレート駆動部491cの駆動制御を実行することによって、下プレート491bを開放状態に設定し、下プレート開放用期間(5sec)が経過した後、下プレート491bを再び閉鎖状態に設定する。
これによって、保留部491は、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35Eに入球させる。具体的には、保留装置49は、8個の遊技球を保留可能に構成されるとともに、保留装置49による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球(最大8個)のうち、全ての遊技球を一般入賞口35Eに入球させる。換言すれば、下プレート開放用期間は、8個の遊技球を落下させて一般入賞口35Eに入球させるのに十分な期間に設定されている。
なお、本実施形態では、MPU92は、下プレート491bを開放状態に設定し、下プレート開放用期間(5sec)が経過した後、下プレート491bを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、保留部491は、1個目の遊技球の入球を検知する検知センサを備え、MPU92は、この検知センサの検知結果に基づいて、保留部491に遊技球が入球しているか否かを判定し、保留部491に遊技球が入球していないと判定した場合に下プレート491bを再び閉鎖状態に設定してもよい。
また、本実施形態では、保留装置49は、8個の遊技球を保留可能に構成されているが、1個の遊技球を保留可能に構成されていてもよく、8個とは異なる数の複数の遊技球を保留可能に構成されていてもよい。
また、保留開放報知処理では、MPU92は、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35D,35Eに入球させることを遊技者に報知する。具体的には、MPU92は、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35D,35Eに入球させることを遊技者に報知するために、保留開放報知コマンドを表示制御装置100に送信する。この際、MPU92は、表示ランプ部23の発光制御と、押ボタン25bに内蔵された光源を消灯させるための発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。そして、表示制御装置100は、MPU92から送信された保留開放報知コマンドに基づいて、保留空間に保持している遊技球を一般入賞口35D,35Eに入球させることを遊技者に報知するための画像を表示するように図柄表示装置51の表示制御を実行する。
ここで、MPU62は、タイマ割込み処理のステップS101Dにおいて、複数の検知センサ50a〜50g,50mの読み込み処理を実行するとともに、一般入賞口35Eに対応した検知センサ50nの読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、複数の検知センサ50a〜50g,50m,50nの状態を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM64に保存する。MPU62は、各種入賞口に対応した検知センサ50a〜50d,50nが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置70に送信する。例えば、MPU62は、一般入賞口35Eに対応した検知センサ50nが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、10個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。
なお、払出制御装置70は、MPU62から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置71に賞球の払い出しを実行させる払出制御を行う。
MPU92は、ステップS1219Eの処理を実行した後、またはステップS1218Dにて保留開放コマンドを受信していないと判定した場合には、前記第5実施形態と同様にステップS1215以降の処理を実行する。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、一般入賞口35D,35Eへの遊技球の入球を保留する保留装置48,49を備えているので、遊技球は、遊技領域を流下して一般入賞口35D,35Eに入球する際、保留装置48,49に一旦は保留されることになる。したがって、遊技領域を流下して一般入賞口35D,35Eに入球する遊技球の経路を多様化することができる。また、一般入賞口35Eは、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、遊技球を入球させるので、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合には、大入賞口38aに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合と比較して、多くの遊技球を保留装置49に保留させることができる。そして、保留装置49による遊技球の保留を解除することによって、遊技者は、持ち球を増加させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)釘44aは、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を大入賞口38aに振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2アウト口39bに振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
(3)一般入賞口35Eは、釘44aにて遊技球が第2アウト口39bに振り分けられた場合に、遊技球を入球させるので、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合には、大入賞口38aに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合と比較して、多くの遊技球を保留装置49に保留させることができる。そして、保留装置49による遊技球の保留を解除することによって、遊技者は、持ち球を増加させることができるので、第2アウト口39bに多くの遊技球を振り分けるように釘44aを設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、釘44aを設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)保留装置49は、大入賞口38aおよび第2アウト口39bの間に設けられているので、遊技者は、第2アウト口39bに遊技球が入球するか否かよりも大入賞口38aおよび保留装置49に遊技球が入球するか否かに注目しやすくなる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、釘44aを設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)パチンコ機10は、保留装置48,49による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段(MPU62)を備えているので、遊技領域を流下して一般入賞口35D,35Eに入球する遊技球の経路を多様化することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)パチンコ機10は、保留装置48,49による遊技球の保留を遊技者の操作に基づいて解除する押ボタン25bを備えているので、遊技者の意図したタイミングで遊技球を一般入賞口35D,35Eに入球させることができる。また、切替手段は、保留装置48,49による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更することによって、保留装置48,49による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えるので、パチンコ機10は、遊技球を一般入賞口35D,35Eに入球させることができるタイミングを遊技者の意図に関わらず自由に設定することができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(7)切替手段は、ステップS314Dの出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAに基づいて、保留装置48,49による遊技球の保留を解除するか否かを切り替える。したがって、遊技者は、遊技球の出玉率BAに注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(8)切替手段は、ステップS314Dの出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAが0.9よりも小さいと判定した場合(遊技球の出玉率BAが1未満である場合)、すなわち遊技者の持ち球が減少している場合に保留装置48,49による遊技球の保留を解除できるように切り替えるので、遊技者は、減少していた持ち球を増加させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
(9)保留装置48,49は、保留装置48,49による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、全ての遊技球を一般入賞口35D,35Eに入球させるので、一度に大量の遊技球を払出装置71に払い出させることができる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、保留装置48,49は、複数の遊技球を保留可能に構成されるとともに、保留装置48,49による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、全ての遊技球を一般入賞口35D,35Eに入球させるように構成されていた。これに対して、保留手段は、複数の遊技球を保留可能に構成されるとともに、保留手段による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、1個の遊技球を入球手段に入球させるように構成されていてもよい。これによれば、保留手段は、保留手段による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、1個の遊技球を入球手段に入球させるので、複数回に分けて遊技球を払出装置に払い出させることができる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。なお、この場合には、保留手段による遊技球の保留を解除する回数を抽選などによってランダムに決定してもよい。
また、本実施形態では、MPU62は、出玉率算出処理にて算出された遊技球の出玉率BAに基づいて、保留装置48,49による遊技球の保留を押ボタン25bにて解除できるか否かを規定するボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更することによって、保留装置48,49による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段として機能していた。これに対して、切替手段は、出玉率算出手段にて算出された遊技球の出玉率とは異なる基準に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更することによって、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えてもよい。
具体的には、例えば、切替手段は、遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36および下作動口37)への入球を契機とした内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更してもよい。例えば、MPU62は、当否抽選において当否結果が「通常外れ結果」となって、リーチ発生抽選に当選した場合に、ボタン有効フラグ(解除設定)をセットして押ボタン25bを有効に変更してもよく、このリーチ発生抽選に当選したときに設定された表示継続時間に応じてボタン有効フラグ(解除設定)をセットして押ボタン25bを有効に変更してもよい。これによれば、切替手段は、作動口への入球を契機とした内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更するので、遊技球を入球手段に入球させることができるタイミングを多様化することができる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
また、例えば、遊技機は、この遊技機とは異なる他の遊技機の遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、この遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口への入球を契機とした内部抽選の結果を取得する他機結果取得手段を備え、切替手段は、他機結果取得手段にて取得された内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更してもよい。例えば、パチンコ機10は、このパチンコ機10とは異なる他のパチンコ機(複数のパチンコ機を並設して構成された遊技場の島において、このパチンコ機10に隣接して設置されたパチンコ機など)の作動口への入球を契機とした内部抽選の結果を、ネットワーク(他機結果取得手段)を介して取得し、この内部抽選の結果に基づいて、ボタン有効フラグ(解除設定)をセットまたはクリアして押ボタン25bを有効または無効に変更してもよく、例えば、他のパチンコ機が大当たり抽選に当選した場合にボタン有効フラグ(解除設定)をセットして押ボタン25bを有効に変更してもよい。これによれば、切替手段は、他機結果取得手段にて取得された内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更するので、遊技球を入球手段に入球させることができるタイミングを多様化することができる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
また、本実施形態では、MPU92は、ステップS1211にて開閉実行モード用の演出として演出Dを選択した場合(開閉実行モードの終了後100回の遊技回を消化するまで遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを遊技者が把握することができない場合)において、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知していない点で前記各実施形態とは異なっているが、これを報知するようにしてもよい。
具体的には、例えば、MPU92は、ステップS1222Eにて保留部491に入球した遊技球の保留個数が上限(本実施形態では8個)に達したと判定した場合には、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知するようにしてもよい。
また、例えば、MPU92は、ステップS1218Dにて保留開放コマンドを受信していると判定した場合には、振分結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであったかを遊技者に報知するようにしてもよい。
〔各実施形態の変形例〕
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
(1)前記各実施形態では、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口38aの開閉を実行していた。これに対して、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、複数回の大入賞口38aの開閉を実行してもよい。
(2)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38b,38dを開放状態に設定した後、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、または大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達することによって、開閉扉38b,38dを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、上限個数は、上限継続時間に応じて変動するようにしてもよく、開閉扉38b,38dを再び閉鎖状態に設定するための条件は任意である。
(3)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38b,38dを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数である8個に達することによって、開閉扉38b,38dを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、上限個数を8個以外の任意の個数に設定してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、振分結果に応じて上限個数を相違させて設定してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、1回の開閉実行モード中におけるラウンドごとに上限個数を相違させて設定してもよい。
(4)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38b,38dを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達することによって、開閉扉38b,38dを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、遊技球が入球したことを契機として開閉扉38b,38dを閉鎖状態に設定する終了契機口を備え、予め定められた時間が経過することによって、この終了契機口への入球を可能とするように構成されていてもよい。
(5)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38b,38dを開放状態に設定した後、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過することによって、開閉扉38b,38dを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、開閉扉38b,38dを開放状態に設定した後、大入賞口38aへの入賞が発生したときから予め定められた時間が経過することによって、開閉扉38b,38dを再び閉鎖状態に設定してもよい。
(6)前記各実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉38b,38dを開放状態に設定した後、開閉扉38b,38dを再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、開閉扉38b,38dを開放状態に設定した後、開閉扉38b,38dを再び閉鎖状態に設定することなく、次回のラウンド遊技に移行するようにしてもよい。
(7)前記各実施形態では、短時間態様の上限継続時間は、遊技球の発射周期よりも短く設定されていた。これに対して、例えば、短時間態様の上限継続時間は、遊技球の発射周期以上の時間であって、遊技球の発射周期のn倍(n=1,2,3のいずれか)以下の時間に設定されていてもよい。
(8)前記第1実施形態〜前記第3実施形態、前記第5実施形態、および前記第6実施形態では、パチンコ機10は、2種類の開閉実行モードを有していた。具体的には、パチンコ機10は、短時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を2回実行する開閉実行モードと、長時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードとを有していた。これに対して、パチンコ機10は、上限継続時間の態様や、ラウンド遊技の実行回数について、これらとは相違する開閉実行モードを有していてもよい。また、パチンコ機10は、上限継続時間の態様を相違させることによって、複数種類の開閉実行モードを設定する構成に代えて、半開や全開といったように開閉扉38bの開放の度合いを相違させることによって、複数種類の開閉実行モードを設定する構成としてもよい。さらに、上限継続時間の態様は、遊技者からは同一の態様に見えるものの正確な上限継続時間は相違するように設定してもよい。
(9)前記各実施形態では、遊技結果と、開閉実行モード用の演出とは、1対1で対応するように予め設定されていた。これに対して、例えば、開閉実行モード用の演出は、遊技結果に対応させることなく、複数種類の演出からランダムに選択して設定するようにしてもよく、複数種類の演出から抽選などによって選択して設定し、その選択率を遊技結果に応じて相違させるようにしてもよい。
(10)前記第1実施形態〜第3実施形態、前記第5実施形態、および前記第6実施形態では、MPU92は、遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、および「明示少ラウンド高確結果」のいずれかである場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定し、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一であった。これに対して、MPU92は、停止結果に係る情報をランダムに決定し、いずれの遊技結果であるかを遊技者に把握しにくいようにしてもよい。
(11)前記第1実施形態〜第3実施形態、前記第5実施形態、および前記第6実施形態では、MPU62は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用していた。これに対して、MPU62は、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用してもよい。この場合には、大当たり種別カウンタC2は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられていなくてもよい。
(12)前記第1実施形態〜第3実施形態、前記第5実施形態、および前記第6実施形態では、パチンコ機10は、「特別外れ結果」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有し、MPU62は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行していた。換言すれば、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1の値を使用することによって、「特別外れ結果」に係る抽選を実行していた。これに対して、MPU62は、「特別外れ結果」に係る抽選を実行するためにRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた大当たり乱数カウンタC1とは異なる新たなカウンタを使用することによって、「特別外れ結果」に係る抽選を実行してもよい。
(13)前記第1実施形態〜第3実施形態、前記第5実施形態、および前記第6実施形態では、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、「特別外れ結果」となる乱数の値は2個であり、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、「特別外れ結果」となる乱数の値は1個であった。換言すれば、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードでは、高確率モードよりも高くなるように設定されていた。これに対して、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードでは、高確率モードよりも低くなるように設定されていてもよく、低確率モードおよび高確率モードで同一となるように設定されていてもよい。また、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードおよび高確率モードの少なくともいずれかで0となるように設定されていてもよい。
(14)前記各実施形態では、パチンコ機10は、当否抽選モードおよびサポートモードを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
(15)前記各実施形態では、パチンコ機10は、上作動口36,36Bに係る保留情報を第1結果表示部用保留エリアRaに格納し、下作動口37に係る保留情報を第2結果表示部用保留エリアRbに格納することによって、上作動口36,36Bに係る保留情報と、下作動口37に係る保留情報とを別々に格納していた。これに対して、パチンコ機10は、上作動口36,36Bに係る保留情報と、下作動口37に係る保留情報とを一緒に格納してもよい。
(16)前記各実施形態では、MPU62は、上作動口36,36Bに係る保留情報があるか否かに関わらず下作動口37に係る保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定していた。これに対して、MPU62は、上作動口36,36Bに係る保留情報と、下作動口37に係る保留情報とを、それぞれの保留情報の入賞順に遊技回の消化用に設定してもよい。
(17)前記各実施形態では、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、そのコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信することによって、表示制御装置100の制御を実行していた。これに対して、主制御装置60は、表示制御装置100にコマンドを送信し、表示制御装置100は、そのコマンドを解析した結果のコマンドを音声発光制御装置90に送信することによって、音声発光制御装置90の制御を実行してもよい。なお、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドや、音声発光制御装置90から表示制御装置100に送信されるコマンドは、前記各実施形態に記載したコマンドに限らず任意である。
(18)前記各実施形態では、パチンコ機10は、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを別々の制御装置として備えていた。これに対して、例えば、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを同一の制御装置として備えていてもよく、音声発光制御装置90および表示制御装置100の少なくともいずれかの制御装置を主制御装置60と同一の制御装置として備えていてもよい。
(19)前記各実施形態では、図柄表示装置51は、上作動口36,36Bまたは下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向きに周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行していた。これに対して、遊技回用の演出は、前記各実施形態に記載した演出に限らず任意である。例えば、パチンコ機10は、遊技盤31A〜31E,31Zに設けられた可動式の装飾部材を動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、遊技盤31A〜31E,31Zに設けられた発光手段を発光させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、図柄表示装置51と、これらの装飾部材および発光手段とを組み合わせて動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。
(20)前記各実施形態では、パチンコ機10は、上作動口36,36Bまたは下作動口37への入賞に基づいて、内部抽選(当否抽選および振分抽選)を実行し、その後、メイン表示部45および図柄表示装置51は、変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36,36Bまたは下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示していた。これに対して、例えば、メイン表示部45および図柄表示装置51は、内部抽選を実行する前に変動表示を開始し、その変動表示の停止結果として、変動表示を開始した後に行われた内部抽選の結果を表示してもよい。この場合には、変動表示を開始した後、その変動表示を停止する前に、内部抽選を実行するとともに、停止結果等の設定を実行すればよい。
(21)前記各実施形態では、パチンコ機10は、メイン表示部45を備え、メイン表示部45は、絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、内部抽選の結果を表示していた。これに対して、例えば、メイン表示部45は、その変動表示の停止結果として、内部抽選の結果に関わらず同一の停止結果を表示してもよく、ランダムに停止結果を表示することによって、内部抽選の結果を識別できないようにしてもよい。また、例えば、パチンコ機10は、メイン表示部45を備えていなくてもよい。
(22)前記各実施形態では、図柄表示装置51は、上作動口36,36Bまたは下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1〜Z3の図柄を所定の向きに周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行していた。これに対して、図柄表示装置51は、内部抽選の結果を明示する図柄(絵柄)を表示することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行してもよい。
例えば、図柄表示装置51は、各図柄列Z1〜Z3の図柄を表示する領域よりも狭い領域および各図柄列Z1〜Z3の図柄を表示する領域の周縁の領域の少なくともいずれかに所定の領域を設定し、各図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示を停止する際に、この所定の領域に内部抽選の結果を明示する図柄を表示してもよい。この所定の領域に表示する図柄は、各図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示中には、変動表示を実行していてもよく、非表示となっていてもよい。
ここで、所定の領域に表示する図柄は、遊技者にとって識別しにくい文字や、色や、模様を採用してもよく、これらの組み合わせを採用してもよい。また、遊技者にとって識別しにくい文字や、色や、模様ではなくても、相互に類似する図柄や、その組み合わせを採用することによって、遊技者にとって識別しにくいようにしてもよい。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、遊技回の終了に際してメイン表示部45を目視することなく、図柄表示装置51を目視することによって、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
(23)前記各実施形態では、パチンコ機10は、単独で動作するように構成されていたが、携帯電話機などの外部機器と連動させることによって、情報を送受信するように構成されていてもよい。例えば、遊技者が遊技機に設けられたボタン等を操作することによって、光学コードを出力することができるように遊技機を構成するとともに、この光学コードの情報を携帯電話等に設けられたカメラにて撮像して読み取り、ウェブサイトにアクセスすることによって、遊技機の情報をウェブサーバーに送信できるように遊技機を構成してもよい。また、遊技者がウェブサイトにアクセスすることによって発行されたパスワードを遊技機に設けられたボタン等を操作して遊技機に入力することによって、ウェブサーバーの情報を受信できるように遊技機を構成してもよい。このような構成によれば、例えば、ウェブサーバーの管理者である遊技機の製造者は、所定の期間に有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率に係る情報を光学コードに含めて出力するように遊技機を構成することによって、振分手段の設定(遊技球を有利側入球手段に振り分けて入球させる割合および遊技球を不利側入球手段に振り分けて入球させる割合の設定)についての情報を取得することができる。
(24)前記各実施形態では、本発明の遊技機としてパチンコ機10を例示して説明していた。これに対して、本発明の遊技機は、パチンコ機10とは異なる他のタイプのパチンコ機であってもよく、例えば、本発明の遊技機は、特定の領域に遊技球が入球すると、電動役物を所定の回数だけ開放させるパチンコ機や、特定の領域に遊技球が入球すると、大当たりの権利を発生させるパチンコ機などであってもよい。また、本発明の遊技機は、アレンジボール機や、雀球等の他のタイプの遊技機であってもよい。
〔各実施形態から抽出される発明群〕
以下、前記各実施形態から抽出される発明群の特徴を説明する。なお、本発明群の特徴のうち、前記各実施形態において対応する構成を括弧書きで示すが、本発明群の特徴は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明群の特徴の目的を達成できる範囲での変形、改良等や、各特徴の組み合わせは本発明群の特徴に含まれるものである。
<特徴A群>
特徴A1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技球を入球させるために前記遊技領域に設けられた複数の入球手段(大入賞口38aおよび第2アウト口39b)と、前記遊技球を前記複数の入球手段のいずれかに振り分けて入球させる振分手段(釘44a)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記複数の入球手段は、
有利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与する有利側入球手段(大入賞口38a)と、
前記有利側入球手段にて付与される有利な結果よりも不利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与する不利側入球手段(第2アウト口39b)とを備え、
前記遊技機は、
前記振分手段にて前記遊技球が前記不利側入球手段に振り分けられた場合に、特別な演出を実行する特別演出実行手段(音声発光制御装置90および表示制御装置100)を備え、
前記振分手段は、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A1によれば、特別演出実行手段は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられた場合に、特別な演出を実行する。これによれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、有利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、遊技者は、多くの演出を楽しむことができる。換言すれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本発明群の特徴A1によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A2.
本発明群の特徴A1に記載された遊技機において、
前記振分手段は、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合が低くなる第1の状態と、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合が高くなる第2の状態とを切り替えて設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A2によれば、振分手段は、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、遊技球を不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本発明群の特徴A2によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴A3.
本発明群の特徴A1または特徴A2に記載された遊技機において、
前記特別演出実行手段は、
前記振分手段にて前記不利側入球手段に振り分けられた前記遊技球を保持する遊技球保持機構(遊技球保持機構40)を備え、
前記遊技球保持機構は、
前記振分手段にて前記不利側入球手段に振り分けられた前記遊技球を入球させることによって保持する保持部(保持部401)と、
前記保持部にて保持された遊技球を利用して遊技者に情報を付与する情報付与部(情報付与部402)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A3によれば、特別演出実行手段は、入球した遊技球を保持する保持部と、保持部にて保持された遊技球を利用して遊技者に情報を付与する情報付与部とを備えているので、遊技者は、保持部に遊技球が保持されたか否かに最初に注目し、その後、情報付与部にて付与される情報に段階的に注目することができる。したがって、本発明群の特徴A3によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A4.
本発明群の特徴A3に記載された遊技機において、
前記保持部は、前記有利側入球手段と、前記不利側入球手段との間に設けられていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A4によれば、保持部は、有利側入球手段と、不利側入球手段との間に設けられているので、遊技者は、不利側入球手段に遊技球が入球したか否かよりも有利側入球手段および保持部に遊技球が入球したか否かに注目しやすくなる。したがって、本発明群の特徴A4によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A5.
本発明群の特徴A3または特徴A4に記載された遊技機において、
前記保持部は、
前記振分手段にて前記不利側入球手段に振り分けられた前記遊技球を入球させる入口と、当該入口から入球した遊技球を前記情報付与部に入球させる出口とを有する通路(大入賞口38aおよび第2アウト口39bの間に設けられた通路)と、
前記保持部の入口を開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する第1のプレート(上プレート401a)と、
前記保持部の出口を開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する第2のプレート(下プレート401b)と、
第1のプレートおよび第2のプレートを駆動するプレート駆動部(プレート駆動部401c)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A5によれば、第1のプレートおよび第2のプレートを共に閉鎖状態に設定すると、遊技球を保持することができる保持空間を保持部の通路内に形成することができる。そして、保持部は、第1のプレートを開放状態に設定し、第2のプレートを閉鎖状態に設定することによって、保持空間に遊技球を入球させることができる。その後、第2のプレートを開放状態に設定すると、保持部は、保持空間に保持した遊技球を情報付与部に入球させることができる。したがって、本発明群の特徴A5によれば、本発明群の特徴A3または特徴A4に記載された遊技機の保持部の構成を簡素にすることができる。
特徴A6.
本発明群の特徴A3から特徴A5のいずれかに記載された遊技機において、
前記情報付与部は、
自己への遊技球の入球を検知することによって、遊技者にとって有利な遊技状態であることを報知する有利側入球口(上入球口402b)と、
自己への遊技球の入球を検知することによって、遊技者にとって不利な遊技状態であることを報知する不利側入球口(下入球口402c)と、
前記保持部にて保持された遊技球を前記有利側入球口または前記不利側入球口に案内する案内部材(案内部材402d)と、
前記案内部材を駆動する案内部材駆動部(案内部材駆動部402e)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A6によれば、情報付与部は、案内部材駆動部にて案内部材を駆動して保持部にて保持された遊技球を有利側入球口または不利側入球口に案内することによって、遊技者にとって有利な遊技状態であるか不利な遊技状態であるかを報知することができる。したがって、本発明群の特徴A6によれば、遊技者は、遊技球の行方に注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A7.
本発明群の特徴A1から特徴A6のいずれかに記載された遊技機において、
前記特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に有用な情報または特典を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A7によれば、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に有用な情報または特典を付与するので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A8.
本発明群の特徴A7に記載された遊技機において、
遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36および下作動口37)を備え、前記作動口への入球を契機とした内部抽選を実行し、
遊技者にとって不利な遊技状態(当否抽選モードは移行しない、または当否抽選モードは低確率モードに移行する)となる第1の内部抽選結果(「特別外れ結果」または「低確結果」)と、
前記第1の内部抽選結果にて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態(当否抽選モードは高確率モードに移行する)となるとともに、前記不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果(「特別外れ結果」に対しての「非明示少ラウンド高確結果」、または「低確結果」に対しての「最有利結果」)とを有し、
前記特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、前記偽装を解除して前記第2の内部抽選結果であったことを遊技者に報知することによって、遊技者に有用な情報を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A8によれば、遊技機は、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する第1の内部抽選結果と、遊技者にとって不利な遊技状態よりも有利な遊技状態に移行するとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果とを有しているので、遊技者は、遊技機の挙動を確認することによって、第1の内部抽選結果および第2の内部抽選結果のいずれであるかを把握することはできない。
しかしながら、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、偽装を解除して第2の内部抽選結果であったことを遊技者に報知するので、遊技者は、特別演出実行手段にて特別な演出が実行されることによって、第1の内部抽選結果および第2の内部抽選結果のいずれであるかを把握することができる。したがって、本発明群の特徴A8によれば、遊技者は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられるか否かに注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A9.
本発明群の特徴A7に記載された遊技機において、
遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36および下作動口37)を備え、前記作動口への入球を契機とした内部抽選を実行し、
前記作動口は、
有利な内部抽選が自己への入球を契機として実行される有利側作動口(下作動口37)と、
前記有利側作動口への入球を契機として実行される有利な内部抽選よりも不利な内部抽選が自己への入球を契機として実行される不利側作動口(上作動口36)とを備え、
前記遊技機は、
前記特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、前記不利側作動口への入球を契機として前記有利な内部抽選を実行するように設定することによって、遊技者に特典を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A9によれば、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、不利側作動口への入球を契機として有利な内部抽選を実行するように設定するので、遊技者は、特別演出実行手段にて特別な演出が実行されることによって、不利側作動口に入球した場合であっても遊技機に有利な内部抽選を実行させることができる。したがって、本発明群の特徴A9によれば、遊技者は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられるか否かに大きく注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
このような本発明の特徴A群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた作動口を備え、この作動口に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、作動口に入球しなかった遊技球は、遊技領域に設けられたアウト口にて回収されることになるので、大当たり抽選などの内部抽選を実行する契機や、絵柄の変動表示を開始する契機とはならない。したがって、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴B群>
特徴B1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技球を入球させるために前記遊技領域に設けられた複数の入球手段(大入賞口38aおよび第2アウト口39b)と、前記遊技球を前記複数の入球手段のいずれかに振り分けて入球させる振分手段(釘44a)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記複数の入球手段は、
有利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与する有利側入球手段(大入賞口38a)と、
前記有利側入球手段にて付与される有利な結果よりも不利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与する不利側入球手段(第2アウト口39b)とを備え、
前記遊技機は、
前記不利側入球手段に入球した前記遊技球を計数する遊技球計数手段(非入賞カウンタNPC)を備え、
前記遊技球計数手段にて所定の期間に計数された前記不利側入球手段に入球した前記遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行する特別演出実行手段(音声発光制御装置90および表示制御装置100)を備え、
前記振分手段は、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B1によれば、遊技機は、不利側入球手段に入球した遊技球を計数する遊技球計数手段を備えている。また、特別演出実行手段は、遊技球計数手段にて所定の期間に計数された不利側入球手段に入球した遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、特別な演出を実行する。これによれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、有利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、遊技者は、多くの演出を楽しむことができる。換言すれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本発明群の特徴B1によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B2.
本発明群の特徴B1に記載された遊技機において、
前記振分手段は、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合が低くなる第1の状態と、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合が高くなる第2の状態とを切り替えて設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B2によれば、振分手段は、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、遊技球を不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本発明群の特徴B2によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴B3.
本発明群の特徴B1または特徴B2に記載された遊技機において、
前記遊技球計数手段(入賞カウンタPCおよび非入賞カウンタNPC)は、前記不利側入球手段に入球した遊技球を計数するとともに、前記有利側入球手段に入球した遊技球を計数し、
前記特別演出実行手段は、前記遊技球計数手段にて所定の期間に計数された前記有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する前記不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率に応じて特別な演出を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B3によれば、特別演出実行手段は、遊技球計数手段にて所定の期間に計数された有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率に応じて特別な演出を実行する。したがって、遊技者は、どの程度の比率で有利側入球手段および不利側入球手段に遊技球が入球するかに注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
なお、本発明群の特徴B3では、特別演出実行手段は、前記遊技球計数手段にて所定の期間に計数された有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率が所定の比率よりも高い場合に特別な演出を実行してもよく、所定の比率よりも低い場合に特別な演出を実行してもよく、所定の比率と同じ場合に特別な演出を実行してもよい。
特徴B4.
本発明群の特徴B3に記載された遊技機において、
前記特別演出実行手段は、前記遊技球計数手段にて所定の期間に計数された前記有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する前記不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率が所定の比率よりも高い場合に特別な演出を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B4によれば、特別演出実行手段は、遊技球計数手段にて所定の期間に計数された有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率が所定の比率よりも高い場合に特別な演出を実行するので、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、有利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、遊技者は、多くの演出を楽しむことができる。換言すれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本発明群の特徴B4によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B5.
本発明群の特徴B1から特徴B4のいずれかに記載された遊技機において、
前記特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に有用な情報または特典を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B5によれば、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に有用な情報または特典を付与するので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B6.
本発明群の特徴B5に記載された遊技機において、
遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36および下作動口37)を備え、前記作動口への入球を契機とした内部抽選を実行し、
遊技者にとって不利な遊技状態(当否抽選モードは移行しない、または当否抽選モードは低確率モードに移行する)となる第1の内部抽選結果(「特別外れ結果」または「低確結果」)と、
前記第1の内部抽選結果にて移行する不利な遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態(当否抽選モードは高確率モードに移行する)となるとともに、前記不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果(「特別外れ結果」に対しての「非明示少ラウンド高確結果」、または「低確結果」に対しての「最有利結果」)とを有し、
前記特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、前記偽装を解除して前記第2の内部抽選結果であったことを遊技者に報知することによって、遊技者に有用な情報を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B6によれば、遊技機は、遊技者にとって不利な遊技状態に移行する第1の内部抽選結果と、遊技者にとって不利な遊技状態よりも有利な遊技状態に移行するとともに、不利な遊技状態であるかのごとく偽装を施した第2の内部抽選結果とを有しているので、遊技者は、遊技機の挙動を確認することによって、第1の内部抽選結果および第2の内部抽選結果のいずれであるかを把握することはできない。
しかしながら、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、偽装を解除して第2の内部抽選結果であったことを遊技者に報知するので、遊技者は、特別演出実行手段にて特別な演出が実行されることによって、第1の内部抽選結果および第2の内部抽選結果のいずれであるかを把握することができる。したがって、本発明群の特徴B6によれば、遊技者は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられるか否かに注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B7.
本発明群の特徴B5に記載された遊技機において、
遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36および下作動口37)を備え、前記作動口への入球を契機とした内部抽選を実行し、
前記作動口は、
有利な内部抽選が自己への入球を契機として実行される有利側作動口(下作動口37)と、
前記有利側作動口への入球を契機として実行される有利な内部抽選よりも不利な内部抽選が自己への入球を契機として実行される不利側作動口(上作動口36)とを備え、
前記遊技機は、
前記特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、前記不利側作動口への入球を契機として前記有利な内部抽選を実行するように設定することによって、遊技者に特典を付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B7によれば、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、不利側作動口への入球を契機として有利な内部抽選を実行するように設定するので、遊技者は、特別演出実行手段にて特別な演出が実行されることによって、不利側作動口に入球した場合であっても遊技機に有利な内部抽選を実行させることができる。したがって、本発明群の特徴B7によれば、遊技者は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられるか否かに大きく注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴B8.
本発明群の特徴B1から特徴B4のいずれかに記載された遊技機において、
遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36Bおよび下作動口37)を備え、
前記作動口は、
前記遊技球を入球可能とすべく上向きに開口する上作動口(上作動口36B)と、
前記上作動口の下方に設けられるとともに、前記遊技球を入球可能とすべく上向きに開口する下作動口(下作動口37)とを備え、
前記上作動口は、
開閉自在に設けられるとともに、閉鎖することによって底面部を形成する底面開閉扉(底面開閉扉36B3)と、
前記底面開閉扉を駆動することによって、前記底面開閉扉を閉鎖状態および開放状態のいずれかに設定する底面駆動部(底面駆動部36B4)とを備え、
前記上作動口の開口に入球した遊技球は、前記底面駆動部にて前記底面開閉扉を閉鎖状態に設定した場合には、前記上作動口に入球し、前記底面駆動部にて前記底面開閉扉を開放状態に設定した場合には、前記下作動口に入球し、
前記遊技機は、
前記特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、前記底面駆動部にて前記底面開閉扉を開放状態に設定することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B8によれば、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定するので、上作動口の開口に入球した遊技球は、下作動口に入球することになる。したがって、本発明群の特徴B8によれば、下作動口への入球の経路を多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B9.
本発明群の特徴B8に記載された遊技機において、
前記上作動口および前記下作動口への遊技球の入球を契機とした内部抽選を実行し、
前記下作動口への入球を契機とした内部抽選は、前記上作動口への入球を契機とした内部抽選よりも遊技者にとって有利であることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B9によれば、遊技機は、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定することによって、上作動口の開口に入球した遊技球を遊技者にとって有利な内部抽選を実行する契機となる下作動口に入球させることができる。したがって、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、遊技者に特典を付与することができ、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
このような本発明の特徴B群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた作動口を備え、この作動口に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、作動口に入球しなかった遊技球は、遊技領域に設けられたアウト口にて回収されることになるので、大当たり抽選などの内部抽選を実行する契機や、絵柄の変動表示を開始する契機とはならない。したがって、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴C群>
特徴C1.
遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36Bおよび下作動口37)を備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記作動口は、
前記遊技球を入球可能とすべく上向きに開口する上作動口(上作動口36B)と、
前記上作動口の下方に設けられるとともに、前記遊技球を入球可能とすべく上向きに開口する下作動口(下作動口37)とを備え、
前記上作動口は、
開閉自在に設けられるとともに、閉鎖することによって底面部を形成する底面開閉扉(底面開閉扉36B3)と、
前記底面開閉扉を駆動することによって、前記底面開閉扉を閉鎖状態および開放状態のいずれかに設定する底面駆動部(底面駆動部36B4)とを備え、
前記上作動口の開口に入球した遊技球は、前記底面駆動部にて前記底面開閉扉を閉鎖状態に設定した場合には、前記上作動口に入球し、前記底面駆動部にて前記底面開閉扉を開放状態に設定した場合には、前記下作動口に入球することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C1によれば、上作動口の開口に入球した遊技球は、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定した場合には、下作動口に入球することになるので、下作動口への入球の経路を多様化することができる。
特徴C2.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記上作動口および前記下作動口への遊技球の入球を契機とした内部抽選を実行し、
前記下作動口への入球を契機とした内部抽選は、前記上作動口への入球を契機とした内部抽選よりも遊技者にとって有利であることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C2によれば、遊技機は、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定することによって、遊技者にとって有利な内部抽選を実行する契機となる下作動口に、上作動口の開口に入球した遊技球を入球させることができる。したがって、遊技機は、遊技者に特典を付与することができる。
特徴C3.
本発明群の特徴C1または特徴C2に記載された遊技機において、
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技球を入球させるために前記遊技領域に設けられた複数の入球手段(大入賞口38aおよび第2アウト口39b)と、前記遊技球を前記複数の入球手段のいずれかに振り分けて入球させる振分手段(釘44a)とを備え、
前記複数の入球手段は、
有利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与する有利側入球手段(大入賞口38a)と、
前記有利側入球手段にて付与される有利な結果よりも不利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与する不利側入球手段(第2アウト口39b)とを備え、
前記遊技機は、
前記振分手段にて前記遊技球が前記不利側入球手段に振り分けられた場合に、特別な演出を実行する特別演出実行手段(音声発光制御装置90および表示制御装置100)を備え、
前記特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、前記底面駆動部にて前記底面開閉扉を開放状態に設定し、
前記振分手段は、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C3によれば、特別演出実行手段は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられた場合に、特別な演出を実行する。これによれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、有利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、遊技者は、多くの演出を楽しむことができる。換言すれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本発明群の特徴C3によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、本発明群の特徴C3によれば、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定するので、上作動口の開口に入球した遊技球は、下作動口に入球することになる。したがって、下作動口への入球の経路を多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特に、上作動口および下作動口への入球を契機とした内部抽選を実行し、下作動口への入球を契機とした内部抽選は、上作動口への入球を契機とした内部抽選よりも遊技者にとって有利であるように遊技機を構成した場合には、遊技機は、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定することによって、上作動口の開口に入球した遊技球を遊技者にとって有利な内部抽選を実行する契機となる下作動口に入球させることができる。したがって、遊技機は、特別演出実行手段にて特別な演出を実行する場合に、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定することによって、遊技者に特典を付与することができる。
特徴C4.
本発明群の特徴C1または特徴C2に記載された遊技機において、
前記底面開閉扉を開放状態に設定するか否かを抽選する底面開閉抽選を実行するとともに、前記底面開閉抽選の結果に基づいて、前記底面駆動部にて前記底面開閉扉を開放状態または閉鎖状態に設定することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C4によれば、遊技機は、底面開閉扉を開放状態に設定するか否かを抽選する底面開閉抽選を実行するとともに、底面開閉抽選の結果に基づいて、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定するので、上作動口の開口に入球した遊技球は、下作動口に入球することになる。したがって、下作動口への入球の経路を多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特に、上作動口および下作動口への入球を契機とした内部抽選を実行し、下作動口への入球を契機とした内部抽選は、上作動口への入球を契機とした内部抽選よりも遊技者にとって有利であるように遊技機を構成した場合には、遊技機は、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定することによって、上作動口の開口に入球した遊技球を遊技者にとって有利な内部抽選を実行する契機となる下作動口に入球させることができる。したがって、遊技機は、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定することによって、上作動口の開口に入球した遊技球を下作動口に入球させて遊技者に特典を付与することができる。
特徴C5.
本発明群の特徴C1または特徴C2に記載された遊技機において、
前記上作動口および前記下作動口への遊技球の入球を契機とした内部抽選を実行するとともに、前記上作動口への遊技球の入球を少なくとも1個保留し、
前記遊技機は、前記上作動口に係る保留個数が上限に達したことを契機として前記底面駆動部にて前記底面開閉扉を開放状態に設定することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C5によれば、遊技機は、上作動口に係る保留個数が上限に達したことを契機として底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定するので、上作動口の開口に入球した遊技球は、下作動口に入球することになる。したがって、下作動口への入球の経路を多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるとともに、上作動口に係る保留個数が上限に達した場合であっても下作動口への遊技球の入球を契機として遊技機に内部抽選を実行させることができる。
特に、上作動口および下作動口への入球を契機とした内部抽選を実行し、下作動口への入球を契機とした内部抽選は、上作動口への入球を契機とした内部抽選よりも遊技者にとって有利であるように遊技機を構成した場合には、遊技機は、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定することによって、上作動口の開口に入球した遊技球を遊技者にとって有利な内部抽選を実行する契機となる下作動口に入球させることができる。したがって、遊技機は、底面駆動部にて底面開閉扉を開放状態に設定することによって、上作動口の開口に入球した遊技球を下作動口に入球させて遊技者に特典を付与することができる。
このような本発明の特徴C群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた作動口を備え、この作動口に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、遊技球は、作動口に入球した後、全て回収されることになるので、遊技者は、その後の遊技球の行方に対する関心を失うことになる。したがって、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴D群>
特徴D1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技球を入球させるために前記遊技領域に設けられた複数の入球手段(大入賞口38aおよび第2アウト口39b)と、前記遊技球を前記複数の入球手段のいずれかに振り分けて入球させる振分手段(釘44a)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記複数の入球手段は、
有利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与する有利側入球手段(大入賞口38a)と、
前記有利側入球手段にて付与される有利な結果よりも不利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与する不利側入球手段(第2アウト口39b)とを備え、
前記遊技機は、
前記振分手段にて前記遊技球が前記不利側入球手段に振り分けられた場合に、特別な振分を実行する特別振分実行手段(遊技球振分機構47)と、
前記特別振分実行手段にて実行された振分結果に基づいて、特別な演出を実行する特別演出実行手段(音声発光制御装置90および表示制御装置100)とを備え、
前記振分手段は、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D1によれば、特別振分実行手段は、振分手段にて遊技球が不利側入球手段に振り分けられた場合に、特別な振分を実行する。そして、特別演出実行手段は、特別振分実行手段にて実行された振分結果に基づいて、特別な演出を実行する。これによれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、有利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、遊技者は、多くの抽選と、多くの演出とを楽しむことができる。換言すれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本発明群の特徴D1によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D2.
本発明群の特徴D1に記載された遊技機において、
前記振分手段は、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合が低くなる第1の状態と、前記遊技球を前記有利側入球手段に振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、前記遊技球を前記不利側入球手段に振り分けて入球させる割合が高くなる第2の状態とを切り替えて設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D2によれば、振分手段は、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を有利側入球手段に振り分けて入球させる割合と、遊技球を不利側入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本発明群の特徴D2によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴D3.
本発明群の特徴D1または特徴D2に記載された遊技機において、
前記特別振分実行手段は、前記有利側入球手段と、前記不利側入球手段との間に設けられていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D3によれば、特別振分実行手段は、有利側入球手段と、不利側入球手段との間に設けられているので、遊技者は、不利側入球手段に遊技球が入球したか否かよりも有利側入球手段および特別振分実行手段に遊技球が入球したか否かに注目しやすくなる。したがって、本発明群の特徴D3によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D4.
本発明群の特徴D1から特徴D3のいずれかに記載された遊技機において、
前記特別振分実行手段は、
自己への遊技球の入球を検知することによって、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する(当否抽選モードが高確率モードに移行する)有利側入球口(上入球口471b)と、
自己への遊技球の入球を検知することによって、遊技者にとって有利な遊技状態に移行しない(当否抽選モードが高確率モードに移行しない)不利側入球口(下入球口471c)と、
前記有利側入球口または前記不利側入球口に遊技球を案内する案内部材(案内部材471d)と、
前記案内部材を駆動する案内部材駆動部(案内部材駆動部471e)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D4によれば、特別振分実行手段は、案内部材駆動部にて案内部材を駆動して遊技球を有利側入球口または不利側入球口に案内することによって、遊技者にとって有利な遊技状態に移行するか否かを決定する特別な振分を実行することができる。したがって、本発明群の特徴D4によれば、遊技者は、遊技球の行方に注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D5.
本発明群の特徴D4に記載された遊技機において、
前記不利側入球手段に入球した前記遊技球を計数する遊技球計数手段(非入賞カウンタNPC)を備え、
前記特別振分実行手段は、前記遊技球計数手段にて所定の期間に計数された前記不利側入球手段に入球した前記遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、前記有利側入球口に前記遊技球を入球させる割合が前記不利側入球口に前記遊技球を入球させる割合よりも大きくなるように設定することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D5によれば、遊技機は、不利側入球手段に入球した遊技球を計数する遊技球計数手段を備えている。また、特別振分実行手段は、遊技球計数手段にて所定の期間に計数された不利側入球手段に入球した遊技球の個数が所定の個数よりも多い場合に、有利側入球口に遊技球を入球させる割合が不利側入球口に遊技球を入球させる割合よりも大きくなるように設定する。これによれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、有利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、遊技機は、遊技者にとって有利な遊技状態に移行しやすくなる。したがって、本発明群の特徴D5によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D6.
本発明群の特徴D4に記載された遊技機において、
前記遊技球計数手段(入賞カウンタPCおよび非入賞カウンタNPC)は、前記不利側入球手段に入球した遊技球を計数するとともに、前記有利側入球手段に入球した遊技球を計数し、
前記特別振分実行手段は、前記遊技球計数手段にて所定の期間に計数された前記有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する前記不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率が所定の比率よりも高い場合に、前記有利側入球口に前記遊技球を入球させる割合が前記不利側入球口に前記遊技球を入球させる割合よりも大きくなるように設定することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D6によれば、遊技機は、遊技球計数手段にて所定の期間に計数された有利側入球手段に入球した遊技球の個数に対する不利側入球手段に入球した遊技球の個数の比率が所定の比率よりも高い場合に、有利側入球口に前記遊技球を入球させる割合が不利側入球口に遊技球を入球させる割合よりも大きくなるように設定する。これによれば、不利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、有利側入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、遊技機は、遊技者にとって有利な遊技状態に移行しやすくなる。したがって、本発明群の特徴D6によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
このような本発明の特徴D群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた作動口などの各種入賞口を備えている。遊技機は、作動口に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、各種入賞口に遊技球が入球することによって、所定数の賞球の払い出しを実行する。また、遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、大当たり抽選などの内部抽選は、作動口に遊技球が入球することのみを契機とし、賞球の払い出しは、各種入賞口に遊技球が入球することのみを契機としているので、遊技者は、各種入賞口に遊技球が入球するか否かのみに注目してしまうことになる。したがって、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴E群>
特徴E1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技球を入球させるために前記遊技領域に設けられた入球手段(一般入賞口35D)と、前記入球手段への入球が発生した場合に賞球の払い出しを実行する払出装置(払出装置71)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段への前記遊技球の入球を保留する保留手段(保留装置48)と、
前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段(主制御装置60)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E1によれば、遊技機は、入球手段への遊技球の入球を保留する保留手段を備えているので、遊技球は、遊技領域を流下して入球手段に入球する際、保留手段に一旦は保留されることになる。そして、遊技機は、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段を備えているので、遊技領域を流下して入球手段に入球する遊技球の経路を多様化することができる。したがって、本発明群の特徴E1によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴E2.
本発明群の特徴E1に記載された遊技機において、
前記保留手段による前記遊技球の保留を遊技者の操作に基づいて解除する解除装置(押ボタン25b)を備え、
前記切替手段は、前記保留手段による前記遊技球の保留を前記解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更することによって、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E2によれば、遊技機は、保留手段による遊技球の保留を遊技者の操作に基づいて解除する解除装置を備えているので、遊技者の意図したタイミングで遊技球を入球手段に入球させることができる。また、切替手段は、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更することによって、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えるので、遊技機は、遊技球を入球手段に入球させることができるタイミングを遊技者の意図に関わらず自由に設定することができる。したがって、本発明群の特徴E2によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴E3.
本発明群の特徴E1または特徴E2に記載された遊技機において、
前記切替手段は、前記遊技球の出玉率に基づいて、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E3によれば、切替手段は、遊技球の出玉率に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える。したがって、遊技者は、遊技球の出玉率に注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴E4.
本発明群の特徴E3に記載された遊技機において、
前記発射手段にて前記遊技領域に向かって発射された前記遊技球の発射数(発射数カウンタOC)と、前記払出装置にて払い出された前記遊技球の賞球数(賞球数カウンタIC)とを取得するとともに、前記賞球数を前記発射数で除して前記遊技球の出玉率(出玉率BA)を算出する出玉率算出手段(主制御装置60)を備え、
前記切替手段は、前記出玉率算出手段にて算出された前記遊技球の出玉率に基づいて、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E4によれば、切替手段は、出玉率算出手段にて算出された遊技球の出玉率に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える。したがって、遊技者は、遊技球の出玉率に注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴E5.
本発明群の特徴E4に記載された遊技機において、
前記切替手段は、前記出玉率算出手段にて算出された前記遊技球の出玉率が1未満である場合に前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるように切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E5によれば、切替手段は、出玉率算出手段にて算出された遊技球の出玉率が1未満である場合、すなわち遊技者の持ち球が減少している場合に保留手段による遊技球の保留を解除できるように切り替えるので、遊技者は、減少していた持ち球を増加させることができる。したがって、本発明群の特徴E5によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴E6.
本発明群の特徴E1から特徴E5のいずれかに記載された遊技機において、
前記保留手段は、複数の前記遊技球を保留可能に構成されるとともに、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除した場合に、保留中の前記遊技球のうち、全ての前記遊技球を前記入球手段に入球させることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E6によれば、保留手段は、保留手段による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、全ての遊技球を入球手段に入球させるので、一度に大量の遊技球を払出装置に払い出させることができる。したがって、本発明群の特徴E6によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴E7.
本発明群の特徴E1から特徴E5のいずれかに記載された遊技機において、
前記保留手段は、複数の前記遊技球を保留可能に構成されるとともに、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除した場合に、保留中の前記遊技球のうち、1個の前記遊技球を前記入球手段に入球させることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E7によれば、保留手段は、保留手段による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、1個の遊技球を入球手段に入球させるので、複数回に分けて遊技球を払出装置に払い出させることができる。したがって、本発明の特徴E7によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴E8.
本発明群の特徴E1から特徴E7のいずれかに記載された遊技機において、
遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36および下作動口37)を備え、
前記切替手段は、前記作動口への入球を契機とした内部抽選の結果に基づいて、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E8によれば、切替手段は、作動口への入球を契機とした内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えるので、例えば、大当たり抽選に当選した場合などに、保留手段による遊技球の保留を解除できるように切り替えることができ、遊技球を入球手段に入球させることができるタイミングを多様化することができる。したがって、本発明群の特徴E8によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴E9.
本発明群の特徴E1から特徴E7のいずれかに記載された遊技機において、
前記遊技機とは異なる他の遊技機の遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、当該遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口への入球を契機とした内部抽選の結果を取得する他機結果取得手段を備え、
前記切替手段は、前記他機結果取得手段にて取得された内部抽選の結果に基づいて、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E9によれば、切替手段は、他機結果取得手段にて取得された内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えるので、例えば、自己と隣り合って設置された他の遊技機が大当たり抽選に当選した場合などに、保留手段による遊技球の保留を解除できるように切り替えることができ、遊技球を入球手段に入球させることができるタイミングを多様化することができる。したがって、本発明群の特徴E9によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
このような本発明の特徴E群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた一般入賞口、作動口、および可変入賞装置などの各種入賞口を備え、この各種入賞口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出している。また、遊技機は、作動口に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、遊技球は、遊技領域を流下して各種入賞口に入球する際、常に単調な経路を通って入球することになるので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴F群>
特徴F1.
遊技盤に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技球を入球させるために前記遊技領域に設けられた複数の入球手段(一般入賞口35E,35Z、大入賞口38a、スルーゲート41、第1アウト口39a、および第2アウト口39b)と、前記遊技球を前記複数の入球手段のいずれかに振り分けて入球させる振分手段(釘44a,44z)と、前記入球手段(一般入賞口35E,35Zおよび大入賞口38a)への入球が発生した場合に賞球の払い出しを実行する払出装置(払出装置71)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記複数の入球手段は、
第1の入球手段(大入賞口38aおよびスルーゲート41)と、
第2の入球手段(第1アウト口39aおよび第2アウト口39b)と、
前記振分手段にて前記遊技球が前記第2の入球手段に振り分けられた場合に、前記遊技球を入球させる振分入球手段(一般入賞口35E,35Z)とを備え、
前記遊技機は、前記振分入球手段への前記遊技球の入球を保留する保留手段(保留装置49,48Z)を備え、
前記振分手段は、前記遊技球を前記第1の入球手段に振り分けて入球させる割合と、前記遊技球を前記第2の入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F1によれば、遊技機は、振分入球手段への遊技球の入球を保留する保留手段を備えているので、遊技球は、遊技領域を流下して振分入球手段に入球する際、保留手段に一旦は保留されることになる。したがって、遊技領域を流下して振分入球手段に入球する遊技球の経路を多様化することができる。また、振分入球手段は、振分手段にて遊技球が第2の入球手段に振り分けられた場合に、遊技球を入球させるので、第2の入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、第1の入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、多くの遊技球を保留手段に保留させることができる。そして、保留手段による遊技球の保留を解除することによって、遊技者は、持ち球を増加させることができる。したがって、本発明群の特徴F1によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴F2.
本発明群の特徴F1に記載された遊技機において、
前記振分手段は、前記遊技球を前記第1の入球手段に振り分けて入球させる割合が高くなるとともに、前記遊技球を前記第2の入球手段に振り分けて入球させる割合が低くなる第1の状態と、前記遊技球を前記第1の入球手段に振り分けて入球させる割合が低くなるとともに、前記遊技球を前記第2の入球手段に振り分けて入球させる割合が高くなる第2の状態とを切り替えて設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F2によれば、振分手段は、第1の状態と、第2の状態とを切り替えて設定することによって、遊技球を第1の入球手段に振り分けて入球させる割合と、遊技球を第2の入球手段に振り分けて入球させる割合とを設定することができる。したがって、本発明群の特徴F2によれば、振分手段の構成を簡素にすることができる。
特徴F3.
本発明群の特徴F1または特徴F2に記載された遊技機において、
前記第1の入球手段は、有利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与し、前記第2の入球手段は、前記第1の入球手段にて付与される有利な結果よりも不利な結果を前記遊技球の入球に際して遊技者に付与することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F3によれば、振分入球手段は、振分手段にて遊技球が第2の入球手段に振り分けられた場合に、遊技球を入球させるので、第2の入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合には、第1の入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合と比較して、多くの遊技球を保留手段に保留させることができる。そして、保留手段による遊技球の保留を解除することによって、遊技者は、持ち球を増加させることができるので、第2の入球手段に多くの遊技球を振り分けるように振分手段を設定した場合であっても遊技者は快適に遊技をすることができる。したがって、本発明群の特徴F3によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴F4.
本発明群の特徴F3に記載された遊技機において、
前記保留手段は、前記第1の入球手段と、前記第2の入球手段との間に設けられていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F4によれば、保留手段は、第1の入球手段と、第2の入球手段との間に設けられているので、遊技者は、第2の入球手段に遊技球が入球したか否かよりも第1の入球手段および保留手段に遊技球が入球したか否かに注目しやすくなる。したがって、本発明群の特徴F4によれば、振分手段を設定する自由度を低下させることなく、遊技者が快適に遊技をすることができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴F5.
本発明群の特徴F1から特徴F4のいずれかに記載された遊技機において、
前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段(主制御装置60)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F5によれば、遊技機は、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える切替手段を備えているので、遊技領域を流下して振分入球手段に入球する遊技球の経路を多様化することができる。したがって、本発明群の特徴F5によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴F6.
本発明群の特徴F5に記載された遊技機において、
前記保留手段による前記遊技球の保留を遊技者の操作に基づいて解除する解除装置(押ボタン25b)を備え、
前記切替手段は、前記保留手段による前記遊技球の保留を前記解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更することによって、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F6によれば、遊技機は、保留手段による遊技球の保留を遊技者の操作に基づいて解除する解除装置を備えているので、遊技者の意図したタイミングで遊技球を入球手段に入球させることができる。また、切替手段は、保留手段による遊技球の保留を解除装置にて解除できるか否かを規定する解除設定を有効または無効に変更することによって、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えるので、遊技機は、遊技球を振分入球手段に入球させることができるタイミングを遊技者の意図に関わらず自由に設定することができる。したがって、本発明群の特徴F6によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴F7.
本発明群の特徴F5または特徴F6に記載された遊技機において、
前記切替手段は、前記遊技球の出玉率に基づいて、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F7によれば、切替手段は、遊技球の出玉率に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える。したがって、遊技者は、遊技球の出玉率に注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴F8.
本発明群の特徴F7に記載された遊技機において、
前記発射手段にて前記遊技領域に向かって発射された前記遊技球の発射数(発射数カウンタOC)と、前記払出装置にて払い出された前記遊技球の賞球数(賞球数カウンタIC)とを取得するとともに、前記賞球数を前記発射数で除して前記遊技球の出玉率(出玉率BA)を算出する出玉率算出手段(主制御装置60)を備え、
前記切替手段は、前記出玉率算出手段にて算出された前記遊技球の出玉率に基づいて、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F8によれば、切替手段は、出玉率算出手段にて算出された遊技球の出玉率に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替える。したがって、遊技者は、遊技球の出玉率に注目することになるので、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴F9.
本発明群の特徴F8に記載された遊技機において、
前記切替手段は、前記出玉率算出手段にて算出された前記遊技球の出玉率が1未満である場合に前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるように切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F9によれば、切替手段は、出玉率算出手段にて算出された遊技球の出玉率が1未満である場合、すなわち遊技者の持ち球が減少している場合に保留手段による遊技球の保留を解除できるように切り替えるので、遊技者は、減少していた持ち球を増加させることができる。したがって、本発明群の特徴F9によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴F10.
本発明群の特徴F1から特徴F9のいずれかに記載された遊技機において、
前記保留手段は、複数の前記遊技球を保留可能に構成されるとともに、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除した場合に、保留中の前記遊技球のうち、全ての前記遊技球を前記振分入球手段に入球させることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F10によれば、保留手段は、保留手段による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、全ての遊技球を振分入球手段に入球させるので、一度に大量の遊技球を払出装置に払い出させることができる。したがって、本発明群の特徴F10によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴F11.
本発明群の特徴F1から特徴F9のいずれかに記載された遊技機において、
前記保留手段は、複数の前記遊技球を保留可能に構成されるとともに、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除した場合に、保留中の前記遊技球のうち、1個の前記遊技球を前記振分入球手段に入球させることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F11によれば、保留手段は、保留手段による遊技球の保留を解除した場合に、保留中の遊技球のうち、1個の遊技球を振分入球手段に入球させるので、複数回に分けて遊技球を払出装置に払い出させることができる。したがって、本発明の特徴F11によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴F12.
本発明群の特徴F5から特徴F11のいずれかに記載された遊技機において、
遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口(上作動口36および下作動口37)を備え、
前記切替手段は、前記作動口への入球を契機とした内部抽選の結果に基づいて、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F12によれば、切替手段は、作動口への入球を契機とした内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えるので、例えば、大当たり抽選に当選した場合などに、保留手段による遊技球の保留を解除できるように切り替えることができ、遊技球を振分入球手段に入球させることができるタイミングを多様化することができる。したがって、本発明群の特徴F12によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
特徴F13.
本発明群の特徴F5から特徴F11のいずれかに記載された遊技機において、
前記遊技機とは異なる他の遊技機の遊技盤に形成された遊技領域に設けられるとともに、当該遊技領域を流下する遊技球を入球させる作動口への入球を契機とした内部抽選の結果を取得する他機結果取得手段を備え、
前記切替手段は、前記他機結果取得手段にて取得された内部抽選の結果に基づいて、前記保留手段による前記遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F13によれば、切替手段は、他機結果取得手段にて取得された内部抽選の結果に基づいて、保留手段による遊技球の保留を解除できるか否かを切り替えるので、例えば、自己と隣り合って設置された他の遊技機が大当たり抽選に当選した場合などに、保留手段による遊技球の保留を解除できるように切り替えることができ、遊技球を振分入球手段に入球させることができるタイミングを多様化することができる。したがって、本発明群の特徴F13によれば、遊技者の遊技への注目度を更に向上させることができる。
このような本発明の特徴F群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技領域に設けられた一般入賞口、作動口、および可変入賞装置などの各種入賞口を備え、この各種入賞口に遊技球が入球することによって、所定数の遊技球を払い出している。また、遊技機は、作動口に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、遊技球は、遊技領域を流下して各種入賞口に入球する際、常に単調な経路を通って入球することになるので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。