JP5655835B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関し、特に、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球式の遊技機に関する。
弾球式の遊技機(パチンコ機)としては、始動口と、大入賞口と、特別図柄表示手段等を遊技領域内に配設したものを例示できる。かかる遊技機においては遊技球が始動口に入賞することに基づいて、大当りを発生させるか否か等の判定(当否判定)を行い、判定の結果が大当りであると大当り遊技を実行する。
つまり、この種の遊技機においては、始動口への遊技球の入賞に基づいて発生する抽選用乱数を記憶する抽選用乱数記憶手段を備えている。そして、抽選用乱数の処理条件(つまり、当否判定の実行条件や図柄変動遊技の開始条件)が成立すると、抽選用乱数記憶手段に記憶されている抽選用乱数を記憶順に読み出して、大当りを発生させるか否かの判定(大当り抽選)が行われる。この判定が行われると、特別図柄表示手段を用いて図柄変動遊技(特別図柄の変動表示を行う遊技)が開始され、図柄変動遊技の実行時間が経過すると、この判定結果が特別図柄表示手段において停止表示される。ここで、始動口に遊技球が入賞する毎に取得(発生)する抽選用乱数(つまり、判定用乱数)には、大当りか否かを当否判定する際に使用する大当り抽選用乱数、大当り図柄を判定(決定)するための乱数、リーチ演出の実行の可否を判定(決定)するための乱数等が含まれる。
また、この種の遊技機は、通常、図柄表示手段として、前述の特別図柄表示手段の他に演出図柄表示手段を備え、この演出図柄表示手段において、演出図柄(疑似図柄等)を用いて図柄変動演出(演出図柄を用いた変動表示)を行う。そして、この演出図柄表示手段においても疑似図柄の確定表示を用いて「判定(当否判定)の結果」を報知する。更に、この種の遊技機においては、保留数記憶手段に記憶されている抽選用乱数の個数(保留数)が、演出図柄表示手段や別の表示手段を用いて表示されるのが一般的である。例えば、抽選用乱数が抽選用乱数記憶手段に記憶されると、演出図柄表示手段の表示画面において1個の保留図柄を追加表示し、抽選用乱数記憶手段に記憶されている抽選用乱数が処理されると、表示画面に表示されている保留図柄の個数を1個減少(減少表示)させることが行われている。なお、以下の説明において、抽選用乱数記憶手段に記憶されている抽選用乱数を用いて、判定等の処理が行われることを、「抽選用乱数が処理(消化)される」と称することがある。
かかる遊技機の中には、抽選用乱数記憶手段に記憶されている抽選用乱数について、処理条件が成立すること(当該抽選用乱数に基づく図柄変動遊技が開始されること)に先立って、事前判定(所謂、保留情報の先読み)を行うとともに、事前判定の結果を用いた演出(以下、「先読み演出」という。)を演出図柄表示手段等によって行うものがある。具体的には、演出図柄表示手段の表示画面において、事前判定の結果を示唆する画像(以下、「予告画像」という。)を保留図柄に対応付けた状態で表示する遊技機が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2001−178904号公報
ところが、この種の先読み演出は画一的になってきており、遊技興趣を高めることが困難となっている。つまり、従来の「先読み演出」は、それが適用される機種に応じて、表示される保留図柄や予告画像の態様、種類が異なるものの、保留図柄や予告画像の表示態様に応じて、大当りに対する期待度を示唆することは、何れも同じである。よって、従来の「先読み演出」では、演出が画一的で、意外性に乏しいため、遊技者の期待感を高めることが困難となっている。従って、遊技機の事前判定に関する機能を生かしつつ遊技興趣を高めることができる新たな演出手法の出現が望まれている。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、事前判定に関する機能を生かしつつ遊技興趣を高めることができる遊技機を提供することである。
請求項1に記載の遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて取得する抽選用乱数を記憶する抽選用乱数記憶手段と、
前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数のうち、処理条件が成立したものを読み出して判定を行う判定手段と、
記判定手段の判定結果に基づいて所定の図柄の変動表示を図柄表示手段で行う図柄変動実行手段と、
前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数に関し、前記判定結果が特定結果となる抽選用乱数であるか否かを、当該抽選用乱数に関する処理条件の成立前に事前判定する事前判定手段と、
前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数の個数に対応する保留図柄を表示可能であるとともに、前記処理条件が成立した抽選用乱数に対応する前記保留図柄を消去する保留表示領域と、
を備え、
前記判定結果が前記特定結果とならないと事前判定された抽選用乱数に対応する保留図柄として、通常態様の保留図柄を表示可能で、前記判定結果が前記特定結果となると事前判定された抽選用乱数に対応する保留図柄として、特定態様の保留図柄を表示可能な遊技機であって、
前記判定結果が前記特定結果となると事前判定された抽選用乱数に関する前記処理条件の成立に伴って、前記保留表示領域に表示されている特定態様の保留図柄を保留履歴表示領域に移動して表示する第1移動表示演出手段と、
前記判定結果が前記特定結果となると事前判定されると、当該事前判定の対象となった抽選用乱数に関する処理条件の成立前において、前記保留履歴表示領域に表示されている特定態様の保留図柄を前記保留表示領域に移動表示して表示する第2移動表示演出手段と、
を備え
前記第2移動表示演出手段は、
前記保留履歴表示領域に前記特定態様の保留図柄が表示されており、前記判定結果が前記特定結果となると事前判定される場合において、前記保留履歴表示領域に表示されている特定態様の保留図柄を前記保留表示領域に移動して表示することによって、当該事前判定の対象となった抽選用乱数に対応する保留図柄の前記保留表示領域への表示を開始するものであることを特徴とする。
本発明の遊技機では、特定態様の保留図柄(以下、特定保留図柄という。)に対応する抽選用乱数の消化に伴い、保留表示領域に表示されている特定保留図柄を保留履歴表示領域に移動して表示する。つまり、保留表示領域に表示されている特定保留図柄を、単に保留表示領域から消去するのではなく、この特定保留図柄を保留履歴表示領域において、保留表示領域に表示されていた保留図柄の履歴を示す図柄(保留履歴図柄)として残す演出を行う。その後、事前判定の結果に基づき、特定保留図柄を表示する際には、保留履歴表示領域に表示されている特定保留図柄(保留履歴図柄)を保留履歴表示領域から保留表示領域に移動して表示する演出を行う。
つまり、本発明の遊技機では、特定保留図柄を保留表示領域から保留履歴表示領域に移動して表示したり、この特定保留図柄を保留履歴表示領域から保留表示領域に移動して表示するという意外性に富んだ演出によって、遊技者に対して特典が付与されることを予告したり、示唆することができる。従って、本発明の遊技機によると、移動して表示された特定保留図柄に対応する抽選用乱数が消化される際に遊技者が抱く期待感(特典獲得に対する期待感)を高めることができるため、当該遊技機の事前判定に関する機能を生かしつつ遊技興趣を高めることができる。
また、本発明の場合、抽選用乱数が抽選用乱数記憶手段に記憶されたとき、事前判定が実行されるとともに、当該事前判定によって「判定結果が特定結果」となると判定されると、保留履歴表示領域に表示されている特定保留図柄(保留履歴図柄)を、保留履歴表示領域から保留表示領域に移動して表示することによって、当該抽選用乱数に対応する保留図柄の表示が開始される。
つまり、抽選用乱数が抽選用乱数記憶手段に記憶されることに伴って、保留表示領域に保留図柄を追加表示する際に、この追加表示する保留図柄が特定保留図柄である場合には、「移動して表示する演出手法」を用い、この追加表示する保留図柄が通常態様の保留図柄(以下、「通常保留図柄」という。)である場合には、「移動して表示する手法」を用いずに行う。よって、「特定保留図柄が保留履歴表示領域から保留表示領域に移動して表示されることで、保留表示領域に追加表示されること」に遭遇する遊技者は、特典獲得の可能性を強く実感できるため、当該遊技機の事前判定に関する機能を生かしつつ、この遊技機の遊技興趣を高めることができる。
本明細書において参考的に開示する第1の発明(以下、参考発明1という。)に係る遊技機は、
始動口への遊技球の入球に基づいて取得する抽選用乱数を記憶する抽選用乱数記憶手段と、
前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数のうち、処理条件が成立したものを読み出して判定を行う判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて所定の図柄の変動表示を図柄表示手段で行う図柄変動実行手段と、
前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数に関し、前記判定結果が特定結果となる抽選用乱数であるか否かを、当該抽選用乱数に関する処理条件の成立前に事前判定する事前判定手段と、
前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数の個数に対応する保留図柄を表示可能であるとともに、前記処理条件が成立した抽選用乱数に対応する前記保留図柄を消去する保留表示領域と、
を備え、
前記判定結果が前記特定結果とならないと事前判定された抽選用乱数に対応する保留図柄として、通常態様の保留図柄を表示可能で、前記判定結果が前記特定結果となると事前判定された抽選用乱数に対応する保留図柄として、特定態様の保留図柄を表示可能な遊技機であって、
前記判定結果が前記特定結果となると事前判定された抽選用乱数に関する前記処理条件の成立に伴って、前記保留表示領域に表示されている特定態様の保留図柄を保留履歴表示領域に移動して表示する第1移動表示演出手段と、
前記保留履歴表示領域に前記特定態様の保留図柄が表示されており、前記判定結果が特定結果となると事前判定される場合において、前記通常態様の保留図柄を前記保留表示領域に表示することで、当該事前判定の対象となった抽選用乱数に対応する保留図柄の前記保留表示領域への表示を開始する保留図柄表示開始手段と、
当該事前判定の対象となった抽選用乱数に関する処理条件の成立前に、前記保留履歴表示領域に表示されている特定態様の保留図柄を前記保留表示領域に移動し、当該事前判定の対象となった抽選用乱数に対応する保留図柄として前記保留表示領域に表示されている前記通常態様の保留図柄を、該移動した特定態様の保留図柄に変更する保留図柄変更演出を行う第2移動表示演出手段と、
を備えることを特徴とする。
参考発明1の遊技機では、特定態様の保留図柄(特定保留図柄)に対応する抽選用乱数の消化に伴い、保留表示領域に表示されている特定保留図柄を保留履歴表示領域に移動して表示する。つまり、保留表示領域に表示されている特定保留図柄を、単に保留表示領域から消去するのではなく、この特定保留図柄を保留履歴表示領域において、保留表示領域に表示されていた保留図柄の履歴を示す図柄(保留履歴図柄)として残す演出を行う。その後、事前判定の結果に基づき、特定保留図柄を表示する際には、保留履歴表示領域に表示されている特定保留図柄(保留履歴図柄)を保留履歴表示領域から保留表示領域に移動して表示する演出を行う。
つまり、参考発明1の遊技機では、特定保留図柄を保留表示領域から保留履歴表示領域に移動して表示したり、この特定保留図柄を保留履歴表示領域から保留表示領域に移動して表示するという意外性に富んだ演出によって、遊技者に対して特典が付与されることを予告したり、示唆することができる。従って、参考発明1の遊技機によると、移動して表示された特定保留図柄に対応する抽選用乱数が消化される際に遊技者が抱く期待感(特典獲得に対する期待感)を高めることができるため、当該遊技機の事前判定に関する機能を生かしつつ遊技興趣を高めることができる。
また、参考発明1の場合、「既に発生して抽選用乱数記憶手段に記憶されているとともに判定結果が特定結果となると事前判定される抽選用乱数」が処理(消化)されるまでの途中に、保留履歴表示領域に表示されている通常保留図柄を、保留履歴表示領域に表示されている特定保留図柄に変更する「保留図柄変更演出」を行う。つまり、消化待ちの通常保留図柄を、保留履歴表示領域に表示されている特定保留図柄に変更する演出により、遊技者に特典が付与されることを強く示唆することができるため、当該遊技機の事前判定に関する機能を生かしつつ、保留図柄を用いた演出のバリエーションを更に増すことができ、遊技興趣の向上に貢献することができる。
本明細書において参考的に開示する第2の発明(以下、参考発明2という。)に係る遊技機は、請求項1の発明又は参考発明1の遊技機において、
前記図柄表示手段が備える一の表示部に、前記保留表示領域と前記保留履歴表示領域を設けることを特徴とする。
このように、一の表示部に保留表示領域と保留履歴表示領域を設けると、遊技者が、第1移動表示演出や第2移動表示演出を見逃すことを防止できる。従って、第1移動表示演出や第2移動表示演出を用いて遊技興趣の向上を図ることができる。
本明細書において、「前」および「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」および「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
また、本明細書において、遊技盤面に設けられた各種入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを、「入賞」若しくは「入球」と表記することがある。このうち、「入賞」とは、賞球の払い出しの前提となる入賞口に遊技球が入球することを示すもので、入賞口に遊技球が入る(受け入れられる)ことを示す点では、「入球」と実質的に同義である。更に、後述する大入賞装置や第2始動入賞装置のように、入賞不能(若しくは、入賞困難)な状態と入賞可能(若しくは、入賞容易)な状態とに変化可能な入賞装置において、入賞不能(若しくは、入賞困難)な状態を第1状態と称し、入賞可能(若しくは、入賞容易)な状態を第2状態と称することがある。
以上記述したように本発明の遊技機によると、事前判定に関する機能を生かしつつ遊技興趣を高めることができる。
本発明の各実施例に係る遊技機を示す正面図である。 本発明の各実施例に係る遊技機において、外枠、本体枠、前面枠、皿部材(上皿部材、下皿部材)を示す斜視図である。 本発明の各実施例に係る遊技機において本体枠等を説明するための概略的な説明図である。 本発明の各実施例に係る遊技機において遊技盤を示す正面図である。 各実施例に係る遊技機の演出表示装置の表示画面を概略的に示す正面図である。 各実施例に係る遊技機の演出表示装置の表示画面の一部を概略的に示す正面図である。 (a)及び(b)は可変式の始動入賞装置を示す概略的に示す正面図である。 (a)は各実施例に係る遊技機の下部表示装置を概略的に示す正面図であり、(b)は各実施例に係る遊技機の下部表示装置で実行される特別図柄の変動表示態様を示す説明図であり、(c)は各実施例に係る遊技機の演出表示装置の表示画面で実行される補助図柄の変動表示態様を示す説明図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 特図1大当り抽選(第1の大当り抽選)で使用するデータテーブルおよび特図2大当り抽選(第2の大当り抽選)で使用するデータテーブルを説明するための説明図である。 (a)〜(c)は本発明の各実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動演出を説明するための説明図である。 (a)および(b)は本発明の各実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動演出を説明するための説明図である。 (a)および(b)は疑似図柄の内容を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 (a)および(b)は各実施例に係る遊技機において主制御部からコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。 各実施例に係る遊技機の遊技制御処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の普通電動役物遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の当否判定処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の図柄変動開始処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の大当り遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の大当り遊技終了時処理を示すフロー図である。 演出制御処理を説明するためのフロー図である。 保留発生時処理を説明するためのフロー図である。 図柄変動演出処理を示すフロー図である。 保留消化時処理を説明するためのフロー図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 演出制御処理を説明するためのフロー図である。 保留発生時処理を説明するためのフロー図である。 保留図柄入れ替え演出処理を説明するためのフロー図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 保留発生時処理を説明するためのフロー図である。 ガセ入れ替え演出関連処理を説明するためのフロー図である。 保留図柄入れ替え演出処理を説明するためのフロー図である。 特図1大当り抽選(第1の大当り抽選)で使用するデータテーブルおよび特図2大当り抽選(第2の大当り抽選)で使用するデータテーブルを説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 大当り遊技終了時処理を示すフロー図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 特別図柄遊技処理を説明するための説明図である。 大当り用変動パターンテーブルを示す説明図である。 外れ用変動パターンテーブルを示す説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 図柄変動演出を説明するための説明図である。 変形例1説明するための説明図である。 変形例2を説明するための説明図である。 変形例3を説明するための説明図である。
以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、求項に係る発明若しくは各参考発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3等を参照して説明する。この遊技機1は、図1および図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体H(機体)とを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1および図2を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図2に示すように、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5および下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図3を参照)等を主要部としている。
また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、図1に示すように、本体枠3の右端側には施錠装置7が装着されている。また、図2においては、外枠2、本体枠3と、前面枠4と、皿部材5Aを図示し、遊技盤10と、裏機構盤102の図示を省略している。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には裏機構盤102(図3参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、裏パック102は中枠3に開閉可能に軸支されているとともに、この裏パック102には、「遊技球が蓄えられる遊技球タンク」、「遊技球を上皿部材5には、払い出すための遊技球払出装置」、「各種制御基板(後述する主制御基板200)を収納したケース」等が搭載されている。
前面枠4は、図2に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)を前方から視認可能な形状に開設(略吊り鐘形状に開設)され、前面枠4を閉じたときにその背後に位置する遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43(図3を参照)と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)と、を備えている。また、本遊技機1では、図2に示すように、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5および下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
図1および図2に示すように、前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2(図10参照)が装着され、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図10参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、図2に示すように、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図9参照)および演出ボタン基板228(図10参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている(図2を参照)。
図2に示すように、皿部材5Aにおいて上皿部材5の下方の部位が、下皿部材6を構成している。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図4を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。
また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。なお、本実施例の発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を「100発/分」の設定に従って略鉛直上方に発射して遊技領域11に到達させる。このため、後述する球流下装置70に向かって遊技球を連続発射した場合、「0.6秒」間隔で当該球流下装置70に遊技球が到達することになる。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部(遊技盤面)は、この外側レール12および内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤本体10Aは左上部に配設されるとともに、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。そして、外側レール12において、内側レール13の外側に配置される部分は、外側レール12の左端部から左斜め上方に上がる経路を描き、内側レール13の右端部の側方に到達したところで、その経路を内側レール13と略平行な円弧状の経路に改めつつ上昇し、球進入口11Sの側方を越えて、遊技盤本体10Aの右上部まで到達している。
内側レール13の外側面部には、補助レール13Bの上端部が一体化されている。そして、「補助レール13Bと、これに略平行な外側レール12の部分の間に形成される通路」と、その上方の「外側レール12と内側レール13とに挟まれつつ球進入口11Sに至る通路」とが連続して誘導経路Yを構成している。この誘導経路Yは、その下端部が「発射装置ユニット90の球出口96j」と連通するとともに、下端部から左上がり傾斜状に「内側レール13の外側(左側方)」を上昇した後、内側レール13の外側を時計回転方向に通過して、球進入口11Sに到達している。
領域形成部10B(遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17aと、第2始動入賞装置17bと、大入賞装置31と、下部表示装置60と、3個の一般入賞装置40、41、43と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、図4に示すように、遊技領域11の上半部中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
図4に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lの内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。つまり、左側装飾部21Lの左側面部において、この通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で第1始動入賞装置17aに入賞する(後述する。)。尚、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17aに入賞する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17aに入賞するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17aに入賞するものがある。
演出表示装置27は「図柄表示手段」の具体例(演出図柄表示手段としての具体例)を構成するものであり、液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する図柄変動演出を実行する。本実施例では、下部表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技を行い、演出表示装置27が、疑似図柄(演出要素の一具体例を示す。)を用いて図柄変動演出を行う。ここで、図柄変動演出は、図柄変動遊技の結果を遊技者に示すために、図柄変動遊技の進行(特別図柄の変動表示,停止表示)に合わせて行う演出であり、「判定演出」の具体例を構成する。また、特別図柄は「判定図柄」の具体例を構成する。なお、以下の説明において、第1特別図柄表示部62aに表示される特別図柄(本図柄)を「第1特別図柄」と称し、第2特別図柄表示部62bに表示される特別図柄(本図柄)を「第2特別図柄」と称する。第1特別図柄および第2特別図柄の詳細に関して後述する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を遊技者が視認可能となるように表示可能である。この表示画面27aでは、図5に示すように、3つ(3桁)の疑似図柄が表示される疑似図柄表示領域27bと、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)が表示される背景表示領域27cとが出現することがある。疑似図柄表示領域27bでは、疑似図柄が横方向に3つ並んで表示され、それら「疑似図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景表示領域27cには、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。これら「疑似図柄」等は演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出表示要素」の具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「表示演出」が実現される。
ここで、図柄変動遊技の進行に伴う図柄変動演出(判定演出)を実現する「演出要素」としては、図柄変動遊技の進行に伴う表示演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「表示演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う音演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「音演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う発光演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「発光演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う可動演出を実現する「可動演出要素」等を挙げることができる。そのうち「表示演出要素」としては、例えば、遊技機が備える演出表示手段(演出表示装置27)に表示される「疑似図柄(図柄変動遊技の結果を演出的に示す図柄」「文字(称号、コメント、演出説明、スローガン、標語等の一定の意味を有するものが望ましい。)」「背景図柄」「キャラクタ図柄」「実写映像」等を例示できる。なお、これら「疑似図柄」「文字」「背景図柄」「キャラクタ図柄」「実写映像」等の表示演出要素は、総じて「演出図柄」として捉えることができる。
また、「音演出要素」としては、例えば、遊技機が備える音出力手段(スピーカSP1〜SP4)から出力される遊技者が聴取可能な「楽曲」、「効果音」、「言葉(セリフ)」等を例示できる。また、「発光演出要素」としては、例えば、遊技機を構成する「前面枠4」や「遊技盤10」に設けられる発光手段が発する遊技者が視認可能な光や、遊技者が視認可能な光の発光態様等を例示できる。更に、「可動演出要素」としては、「前面枠4」や「遊技盤10」に設けられる可動役物手段を用いて実行される、遊技者が視認可能な演出的な動作等を例示できる。なお、図柄変動演出を実現する「演出要素」は、複数の演出要素が複合したものであってもよい。例えば、発光手段を備える可動手段が可動しつつ発光を行う態様や、音出力手段を備える可動手段が可動しつつ効果音を発声する態様等を例示できる。
また、図5に示すように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、後述する第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、後述する第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。これらの補助図柄表示領域A、Bでは、モザイク模様を用いた補助図柄が、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)と連動して変動表示を行った後、対応する特別図柄表示部62a、62bと同時に変動表示を停止する。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。但し、その停止図柄の種類が多く、しかも、各停止図柄が紛らわしい態様であるため、その停止図柄の意味する内容(大当りか、外れか、確率変動大当りか等)を遊技者が理解することが困難である。また、補助図柄表示領域A、Bに確定表示される停止図柄によって特定される内容は、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止表示によって特定される内容と同一内容とされる。なお、本明細書においては、「大当り抽選用乱数」を用いて行う判定を「当否判定」と称することがある。
また、図5に示すように、表示画面27aのうち、上縁部寄りの左端側の位置には第1保留表示領域(D1、D2、D3、D4)27Dが出現し、上縁部寄りの右端側の位置には第2保留表示領域(E1、E2、E3、E4)27Eが出現することがある。そして、第1保留表示領域27Dに、第1始動入賞装置17aへの入賞に起因して生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示し、第2保留表示領域27Eに、第2始動入賞装置17bへの入賞に起因して生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示する。なお、第1保留表示領域27Dおよび第2保留表示領域27Eを表示画面27a外に設けることもできる。また、以下の説明において、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することと、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することを「始動入賞」と称することがある。更に、本遊技機1では、第1特別図柄および第2特別図柄を備えるため、第1特別図柄に対応する第1保留表示領域27Dと、第2特別図柄に対応する第2保留表示領域27Eを表示するが、特別図柄が1種の遊技機では、1種の保留表示領域のみが表示される。
第1保留表示領域(D1〜D4)27Dは、左から右に向かって第1表示部D1と、第2表示部D2と、第3表示部D3と、第4表示部D4とを並べた構成を備える。また、第2保留表示領域(E1〜E4)も、左から右に向かって、第1表示部E1と、第2表示部E2と、第3表示部E3と、第4表示部E4とを並べた構成を備える。そして、各表示部(D1〜D4、E1〜E4)には、球(真円)をあしらった図形を表示することができる。
何れの保留表示領域(D1〜D4、E1〜E4)27D、27Eも、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、未だ、未消化(処理条件が未成立)の遊技球の数(即ち、保留数)を、「使用中の表示部D1〜D4、E1〜E4」の数によって表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に「未消化の遊技球」の数(保留数)を、順次、デクリメントして表示するものである。具体的には、保留数が「1」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)のみを使用し、保留数が「2」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)と、添え字2を付した表示部(D2、E2)を使用する。更に、保留数が「3」の場合、添え字4を付した表示部以外の表示部(D1〜D3、E1〜E3)を使用し、保留数が「4」の場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)を使用する。また、保留数が「4」から「3」に減った場合、添え字4を付した表示部(D4、E4)の使用を止め、保留数が「3」から「2」に減った場合、添え字3を付した表示部(D3、E3)の使用を止める。また、保留数が「2」から「1」に減った場合、添え字2を付した表示部(D2、E2)の使用を止め、保留数が「1」から「ゼロ」に減った場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)の使用を止めることとされている。
なお、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、対応する特別図柄表示部62a、62bにおいて当該入賞に伴う図柄変動遊技がなされていない遊技球を指す。つまり、所定の遊技球が始動入賞装置17a、17bに入賞することに基づいて、抽選用乱数(判定用乱数)を取得した。ところが、当該抽選用乱数に関する「処理条件」が未成立であるため、図柄変動遊技が実行されていない遊技球を、「未消化の遊技球(保留球)」という。
図5および図6に示すように、第1保留表示領域27Dおよび第2保留表示領域27Eに表示される各表示部(D1〜D4、E1〜E4)のうち、使用中のもの(対応する抽選用乱数が記憶されているもの)を「白抜きの丸印」若しくは「ハッチングを付した丸印」を用いて表示し、未使用のもの(対応する抽選用乱数が記憶されていないもの)を「破線の丸印」を用いて表示している。また、使用中のもののうち「白抜きの丸印」は、事前判定した結果が「大当り」となる抽選用乱数に対応する保留図柄を示している。そして、この「白抜きの丸印」は「特定保留図柄V」の具体例を構成する。なお、「白抜きの丸印で示す特定保留図柄V」としては、「外形が円形で赤色に点灯する保留図柄」を例示できる。
また、使用中のもののうち「ハッチングを付した丸印」は、事前判定した結果が「外れ」となる抽選用乱数に対応する保留図柄を示している。そして、この「ハッチングを付した丸印」は「通常保留図柄W」の具体例を構成する。ここで、「大当り」は「判定結果が特定結果であること」の一具体例を示し、「外れ」は「判定結果が特定結果でないこと」の一具体例を示している。なお、本実施例では、抽選用乱数を用いた判定の結果(判定結果)によって「大当り」の発生の可否や、発生する大当り種類等を決定することができる。また、「ハッチングを付した丸印で示す通常保留図柄W」としては、「外形が円形で白色に点灯する保留図柄」を例示できる。
図5に示すように、表示画面27aのうち、下縁部寄りの左端側の位置には第1保留履歴表示領域(d1、d2、d3、d4)27dが出現し、下縁部寄りの右端側の位置には第2保留履歴表示領域(e1、e2、e3、e4)27eが出現することがある。そして、第1保留履歴表示領域27dには、第1保留表示領域(D1〜D4)27Dに表示されていた「特定保留図柄V」を、「4個」を上限個数として表示可能である。このため、第1保留履歴表示領域27dには、第1保留表示領域(D1〜D4)27Dに表示されていた「特定保留図柄V」が移動表示される4個の表示部d1〜d4が設けられる。また、第2保留履歴表示領域(e1、e2、e3、e4)27eには、第2保留表示領域(E1〜E4)27Eに表示されていた「特定保留図柄V」を、「4個」を上限個数として表示可能である。このため、第2保留履歴表示領域27eには、第2保留表示領域(E1〜E4)27Eに表示されていた「特定保留図柄V」が移動表示される4個の表示部e1〜e4が設けられる。
第1保留履歴表示領域27dは、第1保留表示領域27Dから「特定保留図柄V」が移動表示(後述する。)される毎に、当該「特定保留図柄V」を「4個」を上限個数として表示可能であるとともに、第1保留表示領域27Dに「特定保留図柄V」を移動表示する毎に、順次、デクリメントして表示するものである。また、第2保留履歴表示領域27eは、第2保留表示領域27Eから「特定保留図柄V」が移動表示(後述する。)される毎に、当該「特定保留図柄V」を「4個」を上限個数として表示可能であるとともに、第2保留表示領域27Eに「特定保留図柄V」を移動表示する毎に、順次、デクリメントして表示するものである。
何れの保留履歴表示領域27d、27eにおいても、表示する「特定保留図柄V」の数が「1」の場合、添え字1を付した表示部(d1、e1)のみを使用し、「特定保留図柄V」の数が「2」の場合、添え字1を付した表示部(d1、e1)と、添え字2を付した表示部(d2、e2)を使用する。更に、「特定保留図柄V」の数が「3」の場合、添え字4を付した表示部以外の表示部(d1〜d3、e1〜e3)を使用し、「特定保留図柄V」の数が「4」の場合、全ての表示部(d1〜d4、e1〜e4)を使用する。また、「特定保留図柄V」の数が「4」から「3」に減った場合、添え字4を付した表示部(d4、e4)の使用を止め、「特定保留図柄V」の数が「3」から「2」に減った場合、添え字3を付した表示部(d3、e3)の使用を止める。また、「特定保留図柄V」の数が「2」から「1」に減った場合、添え字2を付した表示部(d2、e2)の使用を止め、「特定保留図柄V」の数が「1」から「ゼロ」に減った場合、全ての表示部(d1〜d4、e1〜e4)の使用を止めることとされている。また、以下の説明において、各保留表示領域27D、27Eに表示される保留図柄(特定保留図柄V、通常保留図柄W)を単に「保留図柄」と称し、保留履歴表示領域27d、27eに表示される「保留図柄(特定保留図柄V)」を「保留履歴図柄」と称することで、両者を区別することがある。
第1始動入賞装置17aは非可変式(固定式)の始動入賞装置であり、上方に開口部(遊技球受入口)を開口させたポケット形状を備えている。この開口部(遊技球受入口)は第1始動口を構成する。そして、この開口部(第1始動口)は、ステージ部21p(転動面)の中央部の略鉛直下方に位置するため、その中央部から落下する遊技球は、この開口部(第1始動口)を通じて、第1始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。また、第1始動入賞装置17の内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図9参照)が配設されている。なお、第1始動入賞装置17aの開口部(第1始動口)の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。このため、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞可能性は一定とされている。
第2始動入賞装置17bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、第1始動入賞装置17aの直下に配設されている。この第2始動入賞装置17bは、図7(a)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17cと、取付板17cの前面部に装着されて第2始動入賞装置17bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17cの前面部に装着された障害部材17kと、を備えている。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図9参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態とされる。なお、可動翼片17e、17eの上端部間に構成される遊技球受入口が第2始動口を構成する。
障害部材17kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。また、第2始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17t(図9参照)が配設されている。
図7(a)に示すように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K1が形成されるが、この空間部K1の鉛直上方に障害部材17Kが配設されている。このため、閉鎖状態にある第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することは不可能されている。一方、図7(b)に示すように、第2始動入賞装置17bが開放状態になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K1(つまり、第2始動口の左右全幅)が、障害部材17Kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2始動入賞装置17bへ入賞することが可能となる。
本遊技機1においては、第2始動入賞装置17bが開放状態となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞可能となる。そして、遊技機1の遊技モードが開放延長モード(後述する。)となり、第2始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長モードにおける第2始動入賞装置17bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長モード(通常開放モード)における第2始動入賞装置17bの開放時間を「0.2秒」としている。
一方、前述のように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。すなわち、遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなると、遊技球が第1始動入賞装置17aに入賞するケースはレアケースとなり、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞するケースはレアケースである。
図4に示すように、第2始動入賞装置17bの下方には大入賞装置31が配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は「大入賞口入賞通路(図示を省略)」に連絡されている。なお、「大入賞口入賞通路」は大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、大入賞口31aに入賞した遊技球は大入賞口入賞通路を通過した後、本遊技機1の機外に排出される。
大入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図9参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞検出スイッチ31s(図9参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるとともに、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
図4に示すように、下部表示装置60は大入賞装置31の左側方に配置されている。この下部表示装置60は、図8(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。なお、第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bは、「図柄表示手段」の具体例(特別図柄表示手段としての具体例)を構成する。
図8(a)に示すように、第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定(大当り抽選)の結果を示す第1特別図柄(判定図柄)が、変動表示を経て停止表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入賞検出スイッチ17tsによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定(大当り抽選)の結果を示す第2特別図柄(判定図柄)が、変動表示を経て停止表示する。なお、第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。また、第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
普通図柄表示部63は、図8(a)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、何れかの普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄が停止表示されて、その停止表示が一定時間実行される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。この普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。
第1特別図柄保留表示部64aおよび第2特別図柄保留表示部64bは、それぞれ2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、それぞれ4個を上限として表示するものである。つまり、第1特別図柄保留表示部64aは、第1の始動入賞装置17aに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。また、第2特別図柄保留表示部64bは、第2の始動入賞装置17bに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(つまり、保留)」とは、始動入賞装置(17a若しくは17b)に入賞したが、特別図柄表示部(62a若しくは62b)において、当該入賞に伴う当否判定(大当り抽選用乱数を用いる判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部65も2個のLEDを用いて構成され、普通図柄作動ゲート16を通過したが、未だ未消化の遊技球の数(保留数)を、4個を上限数として表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に、未消化の遊技球の数(保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、普通図柄表示部63において当該通過に伴う抽選の結果の表示(普通図柄の停止表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、7セグメント表示体を用いた表示)とがなされていない遊技球を指す。
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64bおよび普通図柄保留表示部65では、それぞれ同様な態様で保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、(b)1個のLEDを点灯させつつ1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを示し、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを示し、(d)1個のLEDを点滅させつつ1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを示し、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを示す。なお、前述の第1保留表示領域(D1〜D4)の表示内容は第1特別図柄保留表示部64aの表示内容に対応し、前述の第2保留表示領域(E1〜E4)の表示内容は第2特別図柄保留表示部64bの表示内容に対応する。
図4に戻り、3個の一般入賞装置40、41、43は、メイン役物装置20の左右に配置されている。そして、各一般入賞装置40、41、43の内部には、遊技球の入賞を検出するための一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s(図8参照)が配設されている。また、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。
(2)制御回路の構成
次に、図9〜図11を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、表示演出、音演出(効果音等)、発光演出(LEDの点灯・点滅等)、可動演出(可動役物等)の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成される演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図9〜図11中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図8においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、大入賞口入賞検出スイッチ31s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定を行う当否判定手段と、変動パターンを決定する変動パターン決定手段、大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。ここで、主制御部200A(主制御基板200)は、「判定手段」、「第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62b(特別図柄表示手段)に対応する図柄変動実行手段」、「抽選用乱数記憶手段」、「事前判定手段」等として機能する。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図9に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、「演出表示装置27(演出図柄表示手段)に対応する図柄変動実行手段」等として機能する。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226および演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
図11に示すように、演出表示制御基板222には、CPU222aと、制御ROM222bと、制御RAM222cと、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)222dと、ワークRAM222eと、表示用ROM(キャラクタROM)222gと、ビデオRAM222hとが搭載されている。また、VDP222dには演出表示装置27が電気的に接続されている。
CPU222aは、サブ制御基板220から送信された各種表示制御用の信号(コマンド)を受信すると共に制御ROM222bに記憶されたプログラムに従って受信した信号(コマンド)を解析する。そして、CPU222aはその解析結果をVDP222dに送信する。尚、制御ROM222bには遊技機1の遊技状態等に応じた各種の画像表示制御用のプログラムが記憶され、制御RAM222cには各種のデータを一時的に記憶する記憶領域や作業領域等が設けられている。また、表示用ROM222gには、演出表示装置27の表示画面27aに表示される各種演出図柄の表示に関するデータ(変動表示される疑似図柄のデータ等)が記憶されている。
VDP222dは、CPU222aによる上記「解析結果」に基づいて、演出表示ROM222gに記憶されたデータを読み出し、この読み出したデータに基づいてワークRAM222eで画像データを生成し、ビデオRAM222hに一時的に記憶させる。この後、送信部222kから、ビデオRAM222hに記憶された画像データを信号(RGB画像信号)に載せて演出表示装置27に送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板や装飾用(演出用)のアクチュエータが接続されている。また、この装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行う。
払出制御部240Aには、図9に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h、4j〜4r等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能となるように構成されている。
次に、図12を用いて「始動入賞に基づいて発生する情報(保留情報)」を記憶するための各手段等について説明する。つまり、主制御基板200に搭載されたRAM202には、第1抽選用乱数メモリ202aと、第2抽選用乱数メモリ202bと、第1保留数メモリ202cと、第2保留数メモリ202dと、第1事前判定結果メモリ202eと、第2事前判定結果メモリ202fとが設けられている。また、サブ制御基板220に搭載されたRAM220bには、第1保留数情報メモリ223bと、第2保留数情報メモリ224bと、第1事前判定結果情報メモリ226bと、第2事前判定結果情報メモリ227bとが設けられている。なお、以下の説明において「有効な始動入賞」とは、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限個数でない状態で生じた始動入賞を指す。
第1始動入賞装置17aに対する有効な始動入賞を生ずると、抽選用乱数(以下、「第1抽選用乱数」ということがある。)が取得され、主制御基板200において、この取得された抽選用乱数が第1抽選用乱数メモリ202aにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数メモリ202cの値が累積的に記憶される。また、抽選用乱数が第1抽選用乱数メモリ202aに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が事前判定を行うとともに、この事前判定(以下、「第1事前判定」という。)の結果が第1事前判定メモリ202eにシフトメモリ形式で記憶される。このとき、始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。ここで、始動入賞時コマンドは第1事前判定の結果を示す情報と、当該始動入賞後の第1保留数等を示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、始動入賞時コマンドを受信すると、事前判定の結果を示す情報(第1事前判定結果情報)を第1事前判定結果情報メモリ226bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する。但し、本実施例と異なり、第1事前判定の結果を示す情報(コマンド)と、第1始動入賞装置17aへの始動入賞後の第1保留数を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
第2始動入賞装置17bに対する有効な始動入賞を生ずると、抽選用乱数(以下、「第2抽選用乱数」ということがある。)が取得され、主制御基板200において、この取得された抽選用乱数が第2抽選用乱数メモリ202bにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数メモリ202dの値が累積的に記憶される。また、抽選用乱数が第2抽選用乱数メモリ202bに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が事前判定を行うとともに、この事前判定(以下、「第2事前判定」という。)の結果が第2事前判定メモリ202fにシフトメモリ形式で記憶される。このとき、始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。ここで、始動入賞時コマンドは第2事前判定の結果を示す情報と、当該始動入賞後の第1保留数等を示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、始動入賞時コマンドを受信すると、事前判定の結果を示す情報(第2事前判定結果情報)を第2事前判定結果情報メモリ227bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する。但し、本実施例と異なり、第2事前判定の結果を示す情報(コマンド)と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞後の第2保留数を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
ここで、第1抽選用乱数メモリ202aと、第2抽選用乱数メモリ202bと、第1事前判定結果メモリ202eと、第2事前判定結果メモリ202fと、第1事前判定結果情報メモリ226bと、第2事前判定結果情報メモリ227bは、何れも、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域を備えている。そして、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で対応するデータを記憶可能となっており、第1始動入賞装置17aに対する有効な始動入賞、第2始動入賞装置17bに対する有効な始動入賞を生ずる毎に、対応するデータがシフトメモリ形式で記憶される。また、各抽選用乱数(第1抽選用乱数、第2抽選用乱数)の対象となるメモリにおいて、領域0のみにデータが記憶されている場合に、対象となる抽選用乱数(第1抽選用乱数、第2抽選用乱数)が消化されると、「領域0」が空き領域となる。また、各抽選用乱数(第1抽選用乱数、第2抽選用乱数)の対象となるメモリにおいて、領域0を含む複数の領域にデータが記憶されている場合には、対象となる抽選用乱数(第1抽選用乱数、第2抽選用乱数)が消化されると、領域0以外の領域(例えば、領域1〜3)に記憶されたデータは「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。ここで、本明細書では、対応する抽選用乱数メモリ(第1抽選用乱数メモリ202aと、第2抽選用乱数メモリ202b)から最先に記憶された1個の抽選用乱数を読み出し、当否判定(後述する。)やこの当否判定に基づく図柄変動遊技を行うこと(保留を消化すること)等を「抽選用乱数を消化する」と称する。更に、「抽選用乱数を消化する時期」は、当否判定が実行されるとともに、図柄変動遊技が開始される時期を例示できるが、図柄変動遊技が終了する時期等の他の時期であってもよい。
例えば、第2抽選用乱数メモリ202bと、第2事前判定結果メモリ202fと、第2判定結果情報メモリ227bとにおいて、「領域0」、「領域1」、「領域2」及び「領域3」の4つの記憶領域にデータを記憶した状態で、第2抽選用乱数が消化されると、第2抽選用乱数メモリ202bと、第2事前判定結果情報メモリ202fと、第2判定結果情報メモリ227bとにおいて、領域1〜3に記憶されたデータは「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。同様に、第1抽選用乱数メモリ202aと、第1事前判定結果情報メモリ202eと、第1事前判定結果情報メモリ226bとにおいて、「領域0」、「領域1」及び「領域2」の3つの記憶領域にデータを記憶した状態で、第1抽選用乱数が消化されると、第1抽選用乱数メモリ202aと、第1事前判定結果情報メモリ202eと、第1判定結果情報メモリ226bとにおいて、領域1〜2に記憶されたデータは「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。ここで、第1抽選用乱数メモリ202a、第2抽選用乱数メモリ202b、第1保留数メモリ202c、第2保留数メモリ202d、第1事前判定結果メモリ202e、第2事前判定結果メモリ202f、第1保留数情報メモリ223b、第2保留数情報メモリ224b、第1事前判定結果情報メモリ226b及び第2事前判定結果情報メモリ227bに記憶されるデータは、保留(第1保留若しくは第2保留)の具体例を構成し、本実施例では、それらの上限個数を「4個」としている。そして、当否判定(後述する。)やこの当否判定に基づく図柄変動遊技を開始する際に、最先に記憶された抽選用乱数が、1個ずつ消化(処理)される。
なお、後述するように、第1抽選用乱数メモリ202aや第2抽選用乱数メモリ202bに記憶される抽選用乱数(第1抽選用乱数、第2抽選用乱数)には、大当り抽選(特図1大当り抽選、特図2大当り抽選)に際して用いる抽選用乱数(特図1大当り抽選乱数、特図2大当り抽選乱数)のみならず、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)に停止表示される図柄を決定(判定)するための図柄決定用乱数(特図1図柄決定用乱数、特図2図柄決定用乱数)等も含まれる。また、第1事前判定結果メモリ202eや第2事前判定結果メモリ202fに記憶される事前判定結果情報(第1事前判定の結果を示すデータ、第2事前判定の結果を示すデータ)には、大当り抽選に関する事前判定の結果を示す情報(データ)のみならず、大当り図柄に関する事前判定の結果を示す情報(データ)も含まれる。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる当否判定(大当り抽選)の結果を示す停止図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを、下部表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄(判定図柄)と、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄(判定図柄)は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る主制御部200Aにおいて「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
なお、本実施例では、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されること(以下、「第1始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第1当否判定」という。)と、第2始動口入賞検出スイッチ17tによって遊技球が検出されること(以下、「第2始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第2当否判定」という。)は、何れも「大当り抽選」のみによって構成されるが、第1当否判定および第2当否判定のうちの少なくとも一方が「大当り抽選(大当りか否かの当否判定)」と、大当り抽選の結果が外れの場合に実行される「小当り抽選(小当りか否かの当否判定)」とによって構成されてもよい。なお、本実施例では、第1当否判定および第2当否判定が、本発明の「判定(抽選用乱数を用いた判定)」の一具体例を構成し、当否判定(第1当否判定および第2当否判定)の結果が大当りであることが、「判定結果が特定結果であること」に相当する。そして、当否判定(第1当否判定および第2当否判定)の結果が大当りである場合に、「大当り遊技の実行」という「遊技上の特典」を特典付与手段が遊技者に付与する。
ここで、大当りに係る当否判定や小当りに係る当否判定の他に、本発明の判定として、大当り遊技のラウンド数を決定するためのラウンドに関する判定(抽選)や、大当り遊技終了後に確変遊技(高確率状態)を開始するか否かを決定するための確変判定(確変抽選)や、大当り遊技終了後に時短遊技(時短状態)を開始するか否かを決定するための時短判定(時短抽選)や、大当り遊技終了後に開放延長遊技(開放延長状態)を開始するか否かを決定するための開放延長判定(開放延長抽選)や、それら確変遊技や時短遊技や開放延長遊技の実行期間を決定するための期間判定(期間抽選)などが例示できる。なお、確変遊技を実現する確変機能、時短遊技を実現する時短機能、および開放延長遊技を実現する開放延長機能の作動制御は、主制御基板200に搭載されたCPU201による後述の遊技制御処理のなかで行われる。なお、本実施例と異なり、始動入賞時に取得する抽選用乱数に「図柄変動遊技や図柄変動演出の実行時間を特定する変動パターン」を決定するための変動パターン決定用乱数を含む場合には、この変動パターン決定用乱数を用いて変動パターンを決定する処理も、本発明の判定に含めることができる(後述する実施例5を参照)。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「疑似図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部220A」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ等)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では、第1始動入賞に起因して、第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、第2始動入賞に起因して、第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って、演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出」の概要について説明する。
a.図柄変動遊技
図柄変動遊技は、遊技球が第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bに入賞(始動入賞)することを契機として開始される。この図柄変動遊技は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて特別図柄の変動表示を実行することを内容とする遊技であり、対応する特別図柄表示部62a、62bに停止図柄が確定表示されることで終了する。そして、特別図柄表示部62a、62bに確定表示される停止図柄が大当り図柄である場合には、大入賞装置31が開放状態(第2状態)となる大当り遊技が実行される。また、特別図柄表示部62a、62bに確定表示される停止図柄が外れ図柄である場合には、外れであり、大当り遊技は実行されない。
また、大当り遊技を終了すると、終了した大当り遊技の実行契機となった大当りが「確変大当り」である場合には、「大当りの発生確率が高確率(1/40)で、しかも開放延長機能が作動する高確率開放延長モード」が、次回の大当りを発生するまで継続する。また、その実行契機となった大当りが「通常大当り」である場合には、「大当りの発生確率が低確率(1/400)で、しかも開放延長機能が作動する低確率開放延長モード」が、特別図柄変動遊技を「100回」行うまで継続し、その後、「大当りの発生確率が低確率(1/400)となる低確率で、開放延長機能が作動しない低確率通常開放モード」が開始される。
ここで、図柄変動遊技の結果が大当りとなるか否か(始動入賞を契機に実行される当否判定)は、始動入賞時に取得される抽選用乱数を用いた乱数抽選(判定)により決定され、大当りの種類(確変大当りか、通常大当りか等)は始動入賞時に取得される図柄決定用乱数を用いた乱数抽選(判定)により決定される。
つまり、本遊技機1では、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに大当りを示す判定結果が導出されると、「大当り」を発生して大当り遊技が実行される。この大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。ここで、「大入賞装置31の開放」は大入賞口ソレノイド31cを駆動して、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、大入賞口31aを開放状態(第2状態)に変化させることによって実現され、「大入賞装置31の閉鎖」は、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止して開閉板31bを起立姿勢に戻し、大入賞口31aを閉鎖状態(第1状態)に戻すことによって実現される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(第2状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
本遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、所定回数(8ラウンド若しくは16ラウンド)に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、本実施例では、図13に示すように、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄の態様に応じて、実行される大当り遊技(ラウンド遊技)の内容や、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態が異なったものとなる。ここで、以下の説明において、「16R確変大当り」及び「16R通常大当り」はラウンド遊技を「16ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技A」という。)の開始契機となる大当りであり、「8R確変大当り」及び「8R通常大当り」はラウンド遊技を「8ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技B」という。)の開始契機となる大当りである。そして、何れの大当り遊技においても、各ラウンド遊技で大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球すると「150個」の遊技球の払い出しが予定され、「大当り遊技A」において予定する遊技球の払出数は「2,400個」とされ、「大当り遊技B」において予定する遊技球の払出数は「2,400個」とされている。
第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因する当否判定(以下、第1当否判定という。)によって「大当り」を示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(つまり、振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、図13の上覧(特図1大当り図柄決定用テーブル)に示すように、「大当りの種類」が「16R通常大当り」、「8R確変大当り」及び「8R通常大当り」のうちの何れかに決定される。「振分抽選」を行うための乱数(以下、「図柄決定用乱数」という。)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。
第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因する当否判定(以下、第2当否判定という。)によって「大当り」を示す判定結果が導出された場合も、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選によっても、図13の下覧(特図2大当り図柄決定用テーブル)に示すように、「大当りの種類」が「16R確変大当り」、「16R通常大当り」及び「8R通常大当り」のうちの何れかに決定される。この「振分抽選」を行うための「図柄決定用乱数」も、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。
「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定(第1当否判定及び第2当否判定)の結果が大当りとなる確率が高確率とされるとともに、対応する大当り遊技を実行した後、開放延長手段及び変動時間短縮手段が作動する遊技モード、つまり「開放延長モード」となる。この開放延長モードは、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10,000回」になるまで継続される。但し、遊技機(パチンコ機)において通常定められる大当りの当選確率(大当り確率)を考慮すると、この「10,000回」になるまで開放延長モードが継続することは、実質的に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続すること」を意味する。よって、以下、当該ケースに関しては単に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続する」と表現する(図13を参照)。
一方、「16R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定(第1当否判定及び第2当否判定)の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。そして、この開放延長モードは対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別柄変動遊技の累積回数が「100回」になるまで継続される。
b.図柄変動演出(判定演出)の概要
本遊技機1では、図柄変動演出として、第1移動表示演出や第2移動表示演出を伴わないもの(以下、「通常態様の図柄変動演出」と称することがある。)と、伴うもの(以下、「特殊態様の図柄変動演出」と称することがある。)とを予定している。以下、「通常態様の図柄変動演出」について説明した後、「特殊態様の図柄変動演出」について説明する。
b−1.通常態様の図柄変動演出
通常態様の図柄変動演出は、第1始動入賞装置17a(第1始動口)若しくは第2始動入賞装置17b(第2始動口)への遊技球の入球(始動入賞)に起因して開始される。この図柄変動演出では、図14(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの所定の部位において疑似図柄表示領域27bが出現し、疑似図柄の変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。また、表示画面27aの略全域に演出背景要素(「背景図柄」、「キャラクタ図柄」および「実写映像」のうちの少なくも何れか)が表示されるため(図示を省略)、疑似図柄表示領域27bの疑似図柄と、演出背景要素とは重ね合わせた状態で表示される。そして、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が一定時間(約0.6秒間)実行される。この疑似図柄の停止表示は、前述の右下表示装置60(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
図14(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでは、疑似図柄表示領域27bに3つ(3桁)の疑似図柄を表示しつつ疑似図柄の変動表示と停止表示がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。
ここで、本実施例の遊技機1では、演出表示装置27の表示画面27aに種々の態様の疑似図柄表示領域27bを出現させることができる。つまり、表示画面27aの種々の位置(略全域、略中央、縁部寄り等)に種々の大きさで疑似図柄表示領域27bを出現させることができるが、以下、図15(a)に示す具体的態様(3つの疑似図柄を横方向に並べる態様)を例にとって説明する。つまり、この具体的態様に係る疑似図柄表示領域27bは、左側に位置する疑似図柄(以下、「左疑似図柄」という。)の循環表示を行う左循環表示領域27Lと、中央に位置する疑似図柄(以下、「中疑似図柄」という。)の循環表示を行う中循環表示領域27Cと、右側に位置する疑似図柄(以下、「右疑似図柄」という。)の循環表示を行う右循環表示領域27Rとで構成されている。
左循環表示領域27L、中循環表示領域27Cおよび右循環表示領域27Rは、疑似図柄(算用数字)を上方から下方に向かって変動させる領域であり、何れも上下方向に長尺な略帯状に表示される。つまり、左循環表示領域27L、中循環表示領域27Cおよび右循環表示領域27Rの長手幅は表示画面27aの縦方向に沿った略全幅に相当する。一方、左循環表示領域27L、中循環表示領域27Cおよび右循環表示領域27Rの短手幅は、表示画面27aの横方向に沿った略全幅の「1/3」未満の幅に構成されるため、これらの循環表示領域27L、27C、27Rは、隣り合うもの同士が抵触(接触)しない状態で表示画面27a内に表示される。なお、各循環表示領域27L、27C、27Rは半透明若しくは透明に表示されるため、15(b)に示すように、遊技者は、各循環表示領域27L、27C、27Rの後方に演出背景要素を透かした状態で視認することになる。
図15(a)に示すように、左循環表示領域27L、中循環表示領域27Cおよび右循環表示領域27Rは、上下方向の略中央に位置する停止表示領域LH、CH、RHと、各停止表示領域LH、CH、RHの上方に位置する上方表示領域LU、CU、RUと、各停止表示領域LH、CH、RHの下方に位置する下方表示領域LD、CD、RDとを備える。そして、疑似図柄を構成する各数字図柄(「1」〜「9」の順)が、上方表示領域LU、CU、RU、停止表示領域LH、CH、RH、下方表示領域LD、CD、RDの順に高速で移動するように表示されることで、疑似図柄の変動表示(循環表示)が実現される。例えば、第1所定タイミングで左循環表示領域27Lの上方表示領域LUに表示されている「8」を第2所定タイミングで停止表示領域LHに表示し、更に、第3所定タイミングで下方表示領域LDに表示すること等を行うことで、疑似図柄の変動表示が実現される。
左循環表示領域27L、中循環表示領域27Cおよび右循環表示領域27Rの何れにおいても、疑似図柄が変動する速度は高速とされる。例えば、疑似図柄が上方表示領域LU、CU、RUから停止表示領域LH、CH、RHに移動(例えば、30mm)したり、停止表示領域LH、CH、RHから下方表示領域LD、CD、RDに移動(例えば、30mm)することを「60〜100ms」の時間で行う速度とされる。このため、遊技者は、左循環表示領域27L、中循環表示領域27Cおよび右循環表示領域27Rにおいて「循環表示(スクロール変動表示)」されている疑似図柄を認識することは困難若しくは不可能となっている。このため、遊技者の視線は主に演出背景要素に注がれることになる。なお、本遊技機1においては、疑似図柄が停止表示される直前に「疑似図柄の変動速度」を徐々に低速とすることで、疑似図柄を徐々に認識容易とする表示制御を行ってもよいし、疑似図柄の停止タイミングとなると変動表示(循環表示)を直ちに停止させ、疑似図柄を直ちに認識可能とする表示制御を行ってもよい。また、これらの表示制御は変動時間に合わせて択一的に行ってもよい。具体的には、変動時間が短時間の場合(例えば、5秒以内の場合)に後者の表示制御を行い、それよりも変動時間が長い場合には前者の表示制御を行う態様を例示できる。
本遊技機1では、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過する前において、左循環表示領域27Lおよび右循環表示領域27Rで、疑似図柄が停止表示される。つまり、左循環表示領域27Lの停止表示領域LHに「左疑似図柄」が停止表示され、右循環表示領域27Rの停止表示領域RHに「右疑似図柄」が停止表示される。更に、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、中循環表示領域27Cの停止表示領域CHに「中疑似図柄」が停止表示される。そして、「左疑似図柄」、「右疑似図柄」および「中疑似図柄」を用いた組み合わせ図柄によって、当否判定の結果を示す「確定図柄」が構成される。
疑似図柄表示領域27bに確定表示される確定図柄には、「外れを示す停止図柄」と「大当りを示す停止図柄」がある。ここで、前述のように、本遊技機1においては、「大当り」として、図13に示すように、複数種類の大当りの各々に対応して本図柄の停止図柄(大当り図柄)を設定している。一方、図16(a)に示すように、疑似図柄の停止図柄(大当り図柄)を以下のように定めている。つまり、「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」の発生を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の奇数数字」を3個並べて構成される。また、「16R通常大当り」若しくは「8R通常大当り」の発生を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の偶数数字」を3個並べて構成される。更に、「外れ図柄」は、図16(b)に示すように、疑似図柄表示領域27bに停止表示される3つの疑似図柄のうちの少なくとも1つを、他と異なる数字図柄として構成される。
演出表示装置27において、図16(a)に示す大当り図柄を表示する場合、図14(c)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、図14(a)および(b)に示すように、演出表示装置27において「外れを示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される3つの疑似図柄のうち左疑似図柄および右疑似図柄の2つを同一図柄で停止させ、他の1つの中疑似図柄を変動中とする演出表示である。また、本遊技機1では、リーチ表示後に行われる表示演出(以下、「リーチ演出」という。)として、演出内容が単純なリーチ演出(以下、演出内容が演出途中で発展しない「非発展演出」等の「ノーマルリーチ演出」)と、演出内容が演出途中で発展する「発展演出」と、所謂「疑似連続予告」を伴うリーチ演出(以下、「疑似連演出」という。)とのうちの何れかを実行する。
なお、図5を用いて前述したように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、第1特別図柄表示部62aに対応する第1補助図柄表示領域Aと、第2特別図柄表示部62bに対応する第2補助図柄表示領域Bとが出現する。そして、図柄変動遊技を実行中の特別図柄表示部(62a若しくは62b)と対応する補助図柄表示領域に表示される補助図柄が、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示に伴って変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了に伴い補助図柄が変動表示を終了すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。また、表示画面27aの背景画面表示領域27cでは、疑似図柄の変動を盛り上げるための演出が「背景図柄」、「キャラクタ図柄」、「実写映像」等の背景要素を表示しつつ繰り広げられる(図5を参照)。この演出は、原則として図柄変動演出の開始時に決定した演出パターンに従って行われる。なお、演出表示の実行時間(変動時間)は、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって決定される。
b−2.特殊態様の図柄変動演出
次に、図17〜図21を用いて、特殊態様の図柄変動演出を説明する。但し、「特殊態様の図柄変動演出」においても、第1移動表示演出や第2移動表示演出を実行することを除いて「通常態様の図柄変動演出」と同様である。このため、以下、第1移動表示演出および第2移動表示演出の内容を中心に説明する。なお、以下の説明において、当否判定(大当りか否かの判定)の結果が大当り(特定結果)となると事前判定された抽選用乱数を「当り保留乱数」と称し、当否判定(抽選)の結果が外れとなると(特定結果とならないと)事前判定された抽選用乱数を「外れ保留乱数」と称する。
第1移動表示演出は、「当り保留乱数」に関する当否判定が実行される際に(当り保留乱数が消化される際に)、当該「当り保留乱数」に対応する「特定保留図柄V」を、保留表示領域(27D若しくは27E)から保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に移動させ、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)において、この「特定保留図柄V」を表示することを内容とする演出である。なお、本実施例では、特定保留図柄Vを第2保留表示領域27Eから第2保留履歴表示領域27eに移動して表示する演出(以下、「前者の第1移動表示演出」という。)を中心に説明し、特定保留図柄Vを第1保留表示領域27Dから第1保留履歴表示領域27dに移動して表示する演出(以下、「後者の第1移動表示演出」という。)の説明を省略するが、「後者の第1移動表示演出」についても「前者の第1移動表示演出」と同様である。
また、第2移動表示演出は、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に特定保留図柄V(保留履歴図柄)が表示されている状況で、始動入賞に伴って「当り保留乱数」が発生したとき、当該「当り保留乱数」に対応する「特定保留図柄V」を移動して表示する演出である。つまり、「特定保留図柄V」を保留履歴表示領域(27d若しくは27e)から保留表示領域(27D若しくは27E)に移動させ、当該「特定保留図柄V」を保留表示領域(27D若しくは27E)に表示することで、「新たに取得した当り保留乱数に対応する保留図柄の表示」を完了する演出である。なお、本実施例では、特定保留図柄Vを第2保留履歴表示領域27eから第2保留表示領域27Eに移動して表示する演出(以下、「前者の第2移動表示演出」という。)を中心に説明し、特定保留図柄Vを第1保留履歴表示領域27dから第1保留表示領域27Dに移動して表示する演出(以下、「後者の第2移動表示演出」という。)の説明を省略するが、「後者の第2移動表示演出」についても「前者の第2移動表示演出」と同様である。
また、図17(b)に示すように、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に特定保留図柄V(保留履歴図柄)が表示されていない状況で「当り保留乱数」が発生したときには、第2移動表示演出を行うことなく、保留表示領域(27D若しくは27E)において、「特定保留図柄V」を表示する。なお、以下の説明において、保留表示領域(27D若しくは27E)に対して、第2移動表示演出を行うことなく、「特定保留図柄V」を表示することを「自力表示」という。但し、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に特定保留図柄V(保留履歴図柄)が表示されていない状況で「当り保留乱数」が発生したときには、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に「特定保留図柄V」を表示(自力表示)して、第2移動表示演出を行うこととしてもよい。
次に、図17(a)、図18および図19を用いて、第1移動表示演出の具体例(以下、「具体例1」という。)を説明する。この「具体例1」は、図17(a)および図18に示すように、第2保留表示領域27Eにおいて、第1表示部E1に特定保留図柄V(矢印「x1」を参照)が表示され、第2表示部E2および第3表示部E3に通常保留図柄Wが表示された状態を基準に、「当り保留乱数」を消化するケースを示している(図18のa1〜a3)。つまり、図18の「a1」は、第1表示部E1に特定保留図柄Vが表示され、第2表示部E2および第3表示部E3に通常保留図柄Wが表示された状態で、前回の図柄変動演出を終了した様子を示している。
この前回の図柄変動演出における疑似図柄の停止時間(約0.6秒)を経過すると、特定保留図柄Vに対応する「当り保留乱数」の処理が開始される(図18のa2、a3)。この「当り保留乱数」の処理が開始されると、図柄変動演出が開始されるとともに(図18のa2)、図17(a)に示すように、第1表示部E1に表示されていた特定保留図柄Vは、第1表示部E1(第2保留表示領域27E)から消去され、第2表示部E2に表示されていた通常保留図柄Wが第1表示部E1に表示され、第3表示部E3に表示されていた通常保留図柄Wが第2表示部E2に表示される(A1〜A3)。このように、第1表示部E1に表示の特定保留図柄Vに対応する「当り保留乱数」の処理に伴って、第2表示部E2に表示されていた通常保留図柄Wを第1表示部E1へ、第3表示部E3に表示されていた通常保留図柄Wを第2表示部E2へ、夫々上位(処理順番が早い位)の表示部にシフトするように表示される。但し、第2保留表示領域27Eから消去される特定保留図柄Vは、表示画面27aから消去されるのではなく、第2保留履歴表示領域27eに向かって移動する(A4)。
つまり、図18に示すように、第2保留表示領域27Eから消去される特定保留図柄Vは、疑似図柄表示領域27bおよび演出背景要素の前方を重畳的に表示されつつ(前方を縦断するような状態で表示されつつ)、所定の軌道を通過して、第2保留履歴表示領域27eに到達する(矢印「x2」を参照)。そして、図柄変動演出中においては、遊技者の視線は主に演出背景要素や疑似図柄表示領域27bに注がれているため、第2保留表示領域27Eに表示されていた特定保留図柄Vが、表示画面27aを縦断し、第2保留履歴表示領域27eに到達することを見逃し難くなっている。
また、第2保留表示領域27Eから第2保留履歴表示領域27eに移動表示される特定保留図柄Vに対面する遊技者は、今回の図柄変動演出が大当りの発生を報知する図柄変動演出(以下、「当り演出」という。)であることを実感することになる。そして、所定時間が経過すると、左疑似図柄を停止表示領域LHに停止表示し(図示を省略)、更に、右疑似図柄を停止表示領域RHに停止表示することで、リーチ表示が実行される(図19のa4)。この後、リーチ発展演出が実行された後(a5)、中循環表示領域27Cの停止表示領域CHに中疑似図柄が停止表示され、当否判定の結果(大当り)が表示される(a6)。このとき、遊技者は、第2保留表示領域27Eに表示されていた特定保留図柄Vが、第2保留履歴表示領域27eに移動して表示されると、現在、実行中の図柄変動演出(図柄変動遊技)の結果が、大当りとなるとともに、所定のリーチ発展演出が実行されることを体験することになる。
更に、図20および図21を用いて、第2移動表示演出の具体例(以下、「具体例2」という。)を説明する。この「具体例2」は、図20および図21に示すように、第2保留表示領域27Eにおいて、第1表示部E1および第2表示部E2に通常保留図柄Wが表示された状態を基準に、「当り保留乱数」が発生するケースを示している(図20のb1〜b3)。つまり、図20の「b1」は、第1表示部E1および第2表示部E2に通常保留図柄Wが表示され、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄Vが表示された状態で、図柄変動演出を開始した様子を示している(b1)。
この図柄変動演出の実行中において、「当り保留乱数」が発生すると、第2保留履歴表示領域27eに表示されていた特定保留図柄V(矢印「x3」を参照)を、第2保留表示領域27Eに移動する演出(移動表示)が実行される(b2〜b4)。つまり、第2保留履歴表示領域27eの第1表示部e1に表示されていた特定保留図柄Vは、この第1表示部e1から消去され、第2保留表示領域27Eに向かって移動する。このとき、第2保留表示領域27Eにおいて、その第1表示部E1および第2表示部E2に通常保留図柄Wが表示されているため、この特定保留図柄Vは第2表示部E3に向かって移動する。
この特定保留図柄Vの移動表示に対面する遊技者は、「当り保留乱数」が発生したこと(近々、大当りが発生すること)や、前述の第1移動表示演出の実行時において経験した「リーチ演出」を近々、体験できることを実感することになる。そして、現在実行中の図柄変動演出の結果が表示された後、当該「当り保留乱数」よりも前に発生した「外れ保留乱数」に対応する図柄変動演出を実行する。この後、当該「当り保留乱数」に係る図柄変動演出が実行されるが、その際、前述の第1移動表示演出が実行される。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図22(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図22(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動表示の開始に際して主制御部200Aで選択された特別図柄の変動パターン(変動時間)を示すコマンドであり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、このコマンドによって特定変動パターン(後述する。)が選択されているか否かを判断することができる。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させるとともに、疑似図柄の表示パターン(図柄変動演出の演出パターン)を指定するコマンドでもある。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図23は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図23のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図23のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図23のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入賞検出スイッチ17s、17tや大入賞口入賞検出スイッチ31sや一般入賞検出スイッチ40s、41sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入賞検出スイッチ17s、17t等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したことを契機に普通図柄表示部63にて普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図22の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図22の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)、或いは、作動させない図柄(普通図柄の外れ図柄)の何れであるかを判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図22の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.2秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図22の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図24は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図24の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは5秒、通常開放モードでは0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2始動入賞装置17b)の開放中に(S202;NO)、第2始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。なお、本遊技機1では普通電動役物17dの作動に際して普通電動役物ソレノイド17cが駆動されると、普通電動役物17dを構成する第2始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2始動入賞装置17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理(S300)
次に、図25〜図29を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図25に示すように、先ず、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図26に示すS308以降の処理に移行する。
一方、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞したと判断されると(S301a;YES)、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄の保留数(第1保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において、所定個数未満と判断されると(S302a;YES)、第1始動入賞装置17aへの入賞に関連する抽選用乱数を取得する(S303a)。この抽選用乱数は、前述の第1抽選用乱数メモリ202aに記憶され、これにより、第1保留数メモリ202cに記憶される「第1保留数」が「+1」される。以下、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することを「第1始動入賞」と称することがある。
ここで、S303aの処理において取得して記憶される抽選用乱数(判定用乱数)としては、(a)第1当否判定、つまり第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図1大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1大当り抽選乱数」という。)、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定する(判定する)ための図柄決定用乱数(特図1図柄決定用乱数)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定する(判定)ためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して小当りか否かを当否判定する場合、つまり、小当り抽選(特図1小当り抽選)を行う場合、S306aの処理において取得される抽選用乱数には、「特図1小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
CPU201は、S303aの処理に続いて、S303aの処理で取得した抽選用乱数(特図1大当り抽選乱数)を用いて、「特図1大当り抽選」に関する事前判定(第1事前判定)を行い、その結果を示す情報を第1事前判定結果メモリ202eに記憶する(S304a)。そして、始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S307a)、図26のS308の処理に移行する。ここで、始動入賞時コマンドは前述のように、第1事前判定の結果を示す情報と、第1始動入賞装置17aへの始動入賞後の第1保留数等を示すコマンドである。但し、本実施例と異なり、第1事前判定の結果を示す情報と、第1始動入賞装置17aへの始動入賞後の第1保留数を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
また、第1事前判定において特図1大当り抽選の結果が当選(大当り)となる場合には、この第1事前判定において、「特図1大当り抽選乱数」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行してもよい(図58の変形例2を参照)。この場合、S304aの処理は、事前判定の対象となる保留(抽選用乱数情報)毎に、当該保留が実際に処理(消化)されるとき(実際に図柄変動遊技が開始されるとき)の遊技状態を考慮して行われる。すなわち、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、低確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「低確率用のデータテーブル」を参照して実行される。また、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、高確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「高確率用のデータテーブル」を参照して実行される。
ここで、本遊技機1は始動入賞装置として、第1始動入賞装置17aと第2始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)と、第2始動入賞装置17bに対応する第2特別図柄(以下「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく抽選用乱数と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく抽選用乱数とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。
また、図30〜図34においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
また、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞装置17dに対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において、所定個数未満と判断されると(S302b;YES)、第2始動入賞装置17bに関連する抽選用乱数を取得する(S303b)。この抽選用乱数は、前述の第2抽選用乱数メモリ202bに記憶され、これにより、第2保留数メモリ202dに記憶される「第1保留数」が「+1」される。以下、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することを「第2始動入賞」と称することがある。
ここで、S303bの処理において取得して記憶される抽選用乱数としては、(a)第2当否判定、つまり第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図2大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2大当り抽選乱数」という。)、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定する(判定する)ための図柄決定用乱数(特図2図柄決定用乱数)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示(リーチ演出)を行うか否かを決定する(判定する)ためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して小当りか否かを当否判定する場合、つまり、小当り抽選(以下、「特図2小当り抽選」という。)を行う場合、S306bの処理において取得される抽選用乱数には、「特図2小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
CPU201は、S303bの処理に続いて、S303bの処理で取得した抽選用乱数(特図2大当り抽選乱数)を用いて、「特図2大当り抽選」に関する事前判定(以下、「第2事前判定」と称することがある)を行い、その結果を示す情報を第2事前判定結果メモリ202fに記憶する(S304b)。そして、始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S307b)、図31のS308の処理に移行する。ここで、始動入賞時コマンドは前述のように、第2事前判定の結果を示す情報と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞後の第2保留数等を示すコマンドである。但し、本実施例と異なり、第2事前判定の結果を示す情報と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞後の第2保留数を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。
また、第2事前判定においても、特図2大当り抽選の結果が当選(大当り)となる場合には、この第2事前判定において、「特図2大当り抽選乱数」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行してもよい(図58の変形例2を参照)。この場合、S304bの処理も、事前判定の対象となる保留(抽選用乱数情報)毎に、当該保留が実際に処理されるとき(実際に図柄変動遊技が開始されるとき)の遊技状態を考慮して行われる。すなわち、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、低確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「低確率用のデータテーブル」を参照して実行される。また、事前判定の対象となる保留を処理して開始する図柄変動遊技が、高確率モードで行われるものであれば、当該保留に関する事前判定は、前述の「高確率用のデータテーブル」を参照して実行される。
S308の処理では、図26に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図27のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図23の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と、「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、主制御基板200に搭載されたRAM202に設けられた「特図2抽選用乱数メモリ」から最も古い特図2抽選用乱数を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す特図2抽選用乱数は、S306bで取得したものであって、特図2大当り抽選乱数や特図2図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
この第2当否判定処理(S320b)では、図28に示すように、先ず、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、特別図柄および普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2始動入賞装置17b(普通電動役物)の開放延長機能を作動させる(後述する。)。但し、高確率モードにおいては変動短縮機能および開放延長機能を作動させない場合を別途設定することもできる。
S324又はS326の処理で行われる当否判定の結果が大当りである場合には(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、第2特別図柄に関する変動開始処理(以下、「特図2図柄変動開始処理」という。)に移行する(図26のS500b)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S330;NO)、「外れフラグ」、つまり「大当りを生じなかったことを示すフラグ」をセット(ONに設定)した後(S339)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1特別図柄に関する当否判定処理(S320a;第1当否判定処理)は、主制御基板200に搭載されたRAM202に設けられた「特図1抽選用乱数メモリ」から最も古い特図1抽選用乱数(S306aで取得した特図1大当り抽選乱数)を読み出して(S316a)、図28に従って同様に行われる。なお、S316aで読み出す抽選用乱数は、S306aで取得したものであって、特図1大当り抽選乱数や特図1図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図29に示すように、先ず、当否判定処理(S320b)の結果を下に、変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、S303bの処理(図25を参照)において取得した図柄決定乱数を読み出して、第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後、決定された大当り図柄の態様と遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される変動パターンテーブルを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理(つまり、変動パターンを判定する処理)を行う。
一方、S502の処理にて、当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S303bの処理(図25を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すものである。そして、開放延長機能が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード(高確率短縮変動モード)」及び「通常確率開放延長モード(通常確率短縮変動モード)」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。また、S510若しくはS540で選択される変動パターンテーブルには、多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、当否判定の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動モードの設定時に特定される変動時間」は、「短縮変動モードの非設定時に特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮される。つまり、特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。なお、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
このS510若しくはS540の処理の後、CPU201は第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって第2特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、第2特別図柄に係る「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図23の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図22に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が何れであるかを知ることができる。つまり、特図2図柄変動開始処理(S500b)においては図13の下欄に示す大当りの種類を知ることができ、後述する第1特別図柄に関する特図1図柄変動開始処理(S500a)においては図13の上欄に示す大当りの種類を知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図26に戻り、「第2特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1抽選用乱数メモリ202aから最も古い抽選用乱数を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図23の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理も、S320bと同様に図28に従って行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図29に従って行われる。つまり、S320aの第1当否判定処理では、図28に示すフロー図に従って第1当否判定が実行され、S500aの特図1図柄変動開始処理では、図29に示すフロー図に従って、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき第1特別図柄の変動パターンを選択(決定)する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を選択(決定)する処理等を行った後(S510、S540)、S590、S592、S595の処理が実行される。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図26参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図23の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図27のS352)。
図27のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態(遊技モード)を示すデータがセットされる。また、「確変フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が高確率モード(確率変動手段が作動するモード)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が変動短縮モード(図柄変動表示の実行時間が短くなる可能性が高くなるモード)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(本実施例の第2始動入賞装置17bのような「可変式の始動入賞装置」の開放時間を長くするモード)にあることを示すフラグである。
S354の処理に続いて、発生した大当りの態様に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。つまり、「8R通常大当り」若しくは「8R確変大当り」が発生した場合には、前述のラウンド遊技を「8ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。また、「16R通常大当り」若しくは「16R確変大当り」が発生した場合には、前述のラウンド遊技を「16ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。
S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技開始指定コマンド(図中、開始Cと表記)を送信する。
S378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、S384の処理に移行する。そして、S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図23の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図23の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図23の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図30)が開始され、大当り遊技が実行される。
次に、図27のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;YES)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図22の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図23の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると次回の特別図柄の変動において短縮変動は行われない。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り換わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図22の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理では、低確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
E.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図23の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図30に示す大当り遊技処理(S600)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。この処理により、本遊技機1では「大当り遊技A」若しくは「大当り遊技B」が実現される。なお、大当り遊技処理(S600)は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「大当り遊技実行手段」として行う処理の具体例を構成する。
図30は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。各大当りラウンドが開始されると、前述のように、各大当りラウンドにおいて予定されている大入賞口31aの開放動作を完了するか、大入賞口31aへの遊技球の入球数が規定入賞数(10個)になると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この後、所定の待機時間(例えば2秒)を経て、「大当り遊技の終了条件」が成立していなければ、次の「大当りラウンド」が開始される。そして、この「大当りラウンド」を所定回数(8回若しくは16回)繰り返すと大当り遊技を終了する。以下、図30〜図31を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技を開始すると(S602;YES)、先ず、「大当りラウンド」を実行中か否かを判断する(S604)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態(図柄変動遊技状態)」では閉鎖状態を維持しており、大当り遊技の開始直後は、未だ「大当りラウンド」を実行していない。このため、大当り遊技の開始直後は「大当りラウンド」を実行中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当りラウンドの実行回数」が対応する大当り遊技の設定回数に達したか否かを判断する(S612)。
但し、大当り遊技が開始された直後は大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。このため、S614の処理に移行して待機時間が経過したか否かを判断する(S614)。ここで、「待機時間」は大入賞口31aが閉鎖状態を維持するとともに、演出表示装置27の表示画面27aにおいて「インターバル演出」が実行される時間、つまり、「インターバル時間」であって、本実施例では2秒に設定している。ところが、大当り遊技が開始された直後は、大当りラウンドを実行していない状態となっているから、必然的に、待機時間が経過していると判断され(S614;YES)、大当りラウンドを開始させた後(S616)、図30に示した大当り遊技処理を一旦終了して図23の遊技制御処理に復帰する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド(ラウンド遊技)」を開始させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「ラウンド開始指定コマンド(図中、R開始Cと表記)」を送信する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図23に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図30に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図30に示す大当り遊技処理(S600)も、約4msec毎に繰り返して実行される。
そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると「当該大当りラウンドにおける開放動作」を完了したか否かが判断される(S606)。つまり、大入賞口31aの開放時間が30秒になったか否かが判断される。そして、S606の処理で肯定的な判断がされると、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図30に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図23の遊技制御処理に復帰する。一方、S606の処理で否定的な判断がなされる場合は(S606;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定入賞数に達しているか否かを判断する(S608)。
そして、遊技球の入賞数が規定入賞数に達した場合も(S608;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図30に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて図23の遊技制御処理に復帰する。つまり、遊技球の入賞数が規定入賞数に達すると、大当りラウンドにおいて予定されている開放動作の完了を待たずに当該ラウンド遊技において開閉対象となっている大入賞口31aを閉鎖する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド」、つまり「ラウンド遊技」を終了させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了指定コマンド(図中、R終了Cと表記)」を送信する。
一方、当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作が完了せず(S606;NO)、しかも、入賞数が規定入賞数に達していない場合は(S608;NO)、大当りラウンドを継続させたまま、図30」の大当り遊技処理を抜けて、図23の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(S602;YES)、図23の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、S606の処理で肯定的な判断がなされるか、若しくは、S608の処理で肯定的な判断がなされる。こうして、1回の大当りラウンドを終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において「大当りラウンド」を実行中でないと判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、その大当り遊技中に実行した「大当りラウンド数」が、前述のS370の処理によって最終ラウンドとして設定されているラウンド数(8若しくは16)に達したか否かが判断される。そして、実行した「大当りラウンド」の回数(ラウンド数)が最終ラウンドのラウンド数に到達していなければ(S612;NO)、待機時間(2秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、新たな大当りラウンドを実行する(S616)。
一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合は(S612;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S800)」を行った後、大当り遊技処理(S600)を終了し、図23の遊技制御処理に復帰する。この大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、図31に示すように、大当り遊技フラグ(図27のS378を参照)を解除(OFFに設定)した後(S805)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図27のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)の種類に関する情報を取得し(S810)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モードを設定する処理等を行う。
つまり、今回の大当り図柄(図26のS344の処理で停止した図柄)が「通常大当り図柄」であった場合には(S820;NO)、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S840)と、変動短縮フラグをセットする処理(S850)と、開放延長フラグをセットする処理(S855)とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は(S820;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S822)と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理(S835)と、変動短縮フラグをセットする処理(S850)と、開放延長フラグをセットする処理(S855)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。なお、主制御部200Aは、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)する(S805)タイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技終了指定コマンド(図中、R終了Cと表記)」を送信する。
(7)演出制御処理(S900)
次に、図32を用いて、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図32には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。
演出制御処理(S900)では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間、保留発生時処理(S1000)、図柄変動演出処理(S1100)、保留消化時処理(S1200)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図31の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図32のフロー図に示す各処理のうち、大当り遊技演出処理(S1800)についての説明は省略する。
a.保留発生時処理(S1000)
保留発生時処理(S1000)においては、図33に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、この始動入賞時コマンドによって特定される保留数に関する情報と、事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報を記憶する(S1010)。
つまり、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第1事前判定の結果に関する情報」を第1事前判定結果情報メモリ226bに記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する(図12を参照)。また、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第2事前判定の結果に関する情報」を第2事前判定結果情報メモリ227bに記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する(図12を参照)。
CPU220aは、S1010の処理に続いて、演出表示装置27の表示画面27aに保留数に関する画像を追加表示する処理(点灯表示中の表示部D1〜D4若しくはE1〜E4の数を1個増加させる処理)を行う(S1030、S1060若しくはS1080)。つまり、第1保留表示領域27D若しくは第2保留表示領域27Eに保留図柄(特定保留図柄V若しくは通常保留図柄W)を追加表示する処理を行う(S1030、S1060若しくはS1080)。つまり、移動表示によって追加表示する処理(図中、移動表示と表記)若しくは自立表示によって追加表示する処理(図中、追加表示と表記)を行う。
具体的には、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するとともに(S1005;YES)、第1事前判定の結果が大当りである場合には(S1015;YES)、第1保留履歴表示領域27dに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されているか否かを判断する(S1020)。そして、第1保留履歴表示領域27dに特定保留図柄Vが表示されている場合には(S1020;YES)、第1保留履歴表示領域27dに表示されている特定保留図柄Vを第1保留表示領域27Dに移動表示する処理(つまり、第2移動表示演出)と、当該移動表示に係る特定保留図柄Vを第1保留履歴表示領域27dから消去する処理とを行った後(S1030)、保留発生時処理(S1000)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
なお、本実施例では、第1保留履歴表示領域27dから第1保留表示領域27Dに特定保留図柄Vが移動表示したり、第2保留履歴表示領域27eから第2保留表示領域27Eに特定保留図柄Vが移動表示されると、当該移動表示に係る特定保留図柄Vを消去するが、この特定保留図柄Vを所定の条件下で、消去しないこととしてもよい。この所定の条件としては、対応する保留履歴表示領域27d、27eに表示されている特定保留図柄Vが、所定個数以下であることを例示することもできる。
また、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するととともに(S1005;YES)、第1事前判定の結果が大当りであり(S1015;YES)、しかも、第1保留履歴表示領域27dに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されていない場合には(S1020;NO)、第1保留表示領域27Dに直接、特定保留図柄Vを表示する処理(S1060)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。つまり、第2移動表示演出を行うことなく、第1保留表示領域27Dに特定保留図柄Vを直接、表示(自力表示)する処理(S1060)を行う。
更に、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するととともに(S1005;YES)、第2事前判定の結果が大当りである場合には(S1015;YES)、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄Vが表示されているか否かを判断する(S1020)。そして、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄Vが表示されている場合には(S1020;YES)、第2保留履歴表示領域27eに表示されている特定保留図柄Vを第2保留表示領域27Eに移動表示する処理(第2移動表示演出)と、当該移動表示に係る特定保留図柄Vを第2保留履歴表示領域27eから消去する処理とを行った後(S1030)、保留発生時処理(S1000)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
また、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するととともに(S1005;YES)、第2事前判定の結果が大当りであり(S1015;YES)、しかも、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されていない場合には(S1020;NO)、第2保留表示領域27Eに直接、特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)を表示する処理(S1060)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
更に、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するととともに(S1005;YES)、第1事前判定の結果が外れである場合には(S1015;NO)、第1保留表示領域27Dに直接、通常保留図柄Wを表示する処理(S1080)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。また、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するととともに(S1005;YES)、第2事前判定の結果が外れである場合には(S1015;NO)、第2保留表示領域27Eに直接、通常保留図柄Wを表示する処理(S1080)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。つまり、何れの場合も、第2移動表示演出を行うことなく、対応する保留表示領域27D、27Eに通常保留図柄Wを直接、表示(自力表示)する処理(S1080)を行う。
b.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)においては、図34に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)および特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、大当り時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1115)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S1110;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、外れ時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1120)。なお、S1115の処理およびS1120の処理については後述する。
サブ制御基板220のCPU220aは、S1115若しくはS1120の処理を終了すると、S1140の処理を行う。このS1140の処理では、S1115若しくはS1120の処理でセットされた演出パターンテーブル(大当り時用若しくは外れ時用)を用いて乱数抽選を行い、図柄変動演出の演出パターンを決定する(S1140)。ここで、S1115の処理を経たS1140の処理では、S1115の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様やリーチ表示の具体的な態様等、疑似図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される(S1140)。具体的には、リーチ演出(「ノーマルリーチ演出」、「疑似連演出」)の具体的な内容(背景図柄の種類、登場させるキャラクタ等)や、リーチ表示を構成する疑似図柄の種類、仮停止表示する疑似図柄の種類等が決定される(S1140)。また、S1115の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等が選択・セットされる(S1140)。
また、S1120の処理を経て実行されるS1140の処理では、演出表示装置27の表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等、疑似図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンを決定する処理を行う。具体的には、S1120の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、リーチ表示を行わない場合の「単純外れ演出」の具体的な内容や、リーチ表示を行う場合のリーチ演出(「ノーマルリーチ演出」、「疑似連演出」)の具体的な内容、リーチ表示を構成する疑似図柄の種類、仮停止表示する疑似図柄の種類等が決定される(S1140)。また、S1120の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等も選択・セットされる(S1140)。
CPU220aはS1140の処理を行うと、疑似図柄の停止図柄(確定表示する図柄)をセットする処理を行った後(S1145)、S1150の処理に移行する。ここで、S1115の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様や、補助図柄の停止態様が選択・セットされる。また、S1120の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「外れ停止図柄」として「外れを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様や、補助図柄の停止態様が選択・セットされる。
S1150の処理では、S1140の処理で決定した「演出パターン」およびS1145の処理で決定した「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を開始させる(S1150)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出を開始させる。
この後、S1160の処理において、サブ制御部220Aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止コマンド(CZE)を受信したと判断すると(S1160;YES)、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させ(S1165)、図柄変動演出を終了させる。これにより、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)を用いた図柄変動演出も終了する。
c.保留消化時処理(S1200)
保留発生時処理(S1100)においては、図35に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時コマンドを受信すると(S1205;YES)、このコマンド(特別図柄停止情報指定コマンド)によって、今回の図柄変動演出が、当り保留(当り保留乱数)が消化されて開始されるものであるか否かを判断する(S1215)。
つまり、「第1当否判定S320aの結果が大当りである旨を表示するための図柄変動演出(図柄変動遊技)」が開始される場合には(S1215;YES)、「第1保留表示領域27Dに表示されている特定保留図柄Vであって、当該図柄変動演出(図柄変動遊技)の開始に際して処理される当り保留(当り保留乱数)に対応するもの」を、第1保留履歴表示領域27dに移動表示する(第1移動表示演出を実行する)処理を行う(S1230)。
これにより、当該消化される当り保留(当り保留乱数)に対応する特定保留図柄Vが、第1保留表示領域27Dから消去されるとともに、第1保留表示領域27Dの下位の表示部(D2〜D4)に保留図柄が表示されている場合には、それらの保留図柄が表示される表示部が、1個下位の表示部(例えば、表示部D2から表示部D1)にシフトする。
そして、CPU220aは、S1230の処理の後、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「−1」する処理(図12を参照)と、当該消化される当り保留(当り保留乱数)に対応する事前判定の結果に関する情報を第1事前判定結果情報メモリ226bから消去するとともに、第1事前判定結果情報メモリ226bの下位の記憶領域に記憶されている事前判定の結果に関する情報を1個下位の記憶領域にシフトさせる処理(例えば、領域1から領域ゼロにシフトさせる処理)を行った後(S1290)、保留消化時処理(S1200)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
また、第2当否判定S320bの結果が大当りである旨を表示するための図柄変動演出(図柄変動遊技)が開始される場合には(S1215;YES)、「第2保留表示領域27Eに表示されている特定保留図柄Vであって、当該図柄変動演出(図柄変動遊技)の開始に際して処理される当り保留(当り保留乱数)に対応するもの」を、第2保留履歴表示領域27dに移動表示する(第1移動表示演出を実行する)処理を行う(S1230)。これにより、当該消化される当り保留(当り保留乱数)に対応する特定保留図柄Vが、第2保留表示領域27Eから消去されるとともに、第2保留表示領域27Eの下位の表示部(E2〜E4)に保留図柄が表示されている場合には、それらの保留図柄が表示される表示部が、1個下位の表示部(例えば、表示部E2から表示部E1)にシフトする。
そして、CPU220aは、S1230の処理の後、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「−1」する処理(図12を参照)と、当該消化される当り保留(当り保留乱数)に対応する事前判定の結果に関する情報を第2事前判定結果情報メモリ227bから消去するとともに、第2事前判定結果情報メモリ227bの下位の記憶領域に記憶されている事前判定の結果に関する情報を1個上位の記憶領域にシフトさせる処理(例えば、領域1から領域ゼロにシフトさせる処理)を行った後(S1290)、保留消化時処理(S1200)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
更に、「第1当否判定S320aの結果が外れである旨を表示するための図柄変動演出(図柄変動遊技)」が開始される場合には(S1215;NO)、「第1保留表示領域27Dに表示されている通常保留図柄Wであって、当該図柄変動演出(図柄変動遊技)の開始に際して処理される外れ保留(外れを示す保留乱数)に対応するもの」を、第1保留表示領域27Dから消去する処理を行う(S1260)。このとき、第1保留表示領域27Dの下位の表示部(D2〜D4)に保留図柄が表示されている場合には、それらの保留図柄が表示される表示部が、1個上位の表示部(例えば、表示部D2から表示部D1)にシフトする。
そして、CPU220aは、S1260の処理の後、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「−1」する処理(図12を参照)と、当該消化される外れ保留(外れ保留乱数)に対応する事前判定の結果に関する情報を第1事前判定結果情報メモリ226bから消去するとともに、第1事前判定結果情報メモリ226bの下位の記憶領域に記憶されている事前判定の結果に関する情報を1個上位の記憶領域にシフトさせる処理(領域1から領域ゼロにシフトさせる処理)を行った後(S1290)、保留消化時処理(S1200)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
また、第2当否判定S320bの結果が外れである旨を表示するための図柄変動演出(図柄変動遊技)が開始される場合には(S1215;YES)、「第2保留表示領域27Eに表示されている通常保留図柄Wであって、当該図柄変動演出(図柄変動遊技)の開始に際して処理される外れ保留(外れ保留乱数)に対応するもの」を、消去する処理を行う(S1260)。このとき、第2保留表示領域27Eの下位の表示部(E2〜E4)に保留図柄が表示されている場合には、それらの保留図柄が表示される表示部が、1個下位の表示部(例えば、表示部E2から表示部E1)にシフトする。
そして、CPU220aは、S1230の処理の後、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「−1」する処理(図12を参照)と、当該消化される外れ保留(外れ保留乱数)に対応する事前判定の結果に関する情報を第2事前判定結果情報メモリ227bから消去するとともに、第2事前判定結果情報メモリ227bの下位の記憶領域に記憶されている事前判定の結果に関する情報を1個下位の記憶領域にシフトさせる処理(例えば、領域1から領域ゼロにシフトさせる処理)を行った後(S1290)、保留消化時処理(S1200)を終了して、図32に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
(8)実施例の効果
本遊技機1では、特定保留図柄Vに対応する抽選用乱数の消化に伴い、その特定保留図柄Vと同一態様の保留図柄を保留履歴表示領域27d(27e)に移動し、特定保留図柄Vと同一態様の保留図柄を「保留履歴図柄」として保留履歴表示領域27d(27e)に表示する。つまり、保留表示領域に表示されている特定保留図柄Vが消化される際に、単に保留表示領域27D(27E)から消去するのではなく、この特定保留図柄Vを保留履歴表示領域27d(27e)において、保留表示領域27D(27E)に表示されていた保留図柄の履歴を示す図柄(保留履歴図柄)として残す演出(第1移動表示演出)を行う。その後、事前判定の結果に基づき、特定保留図柄Vを表示する際には、「保留履歴図柄」として保留履歴表示領域27d(27e)に表示されている特定保留図柄Vを保留履歴表示領域27d(27e)から保留表示領域27D(27E)に移動表示する演出を行う(第2移動表示演出)。
つまり、本遊技機1では、特定保留図柄Vを保留表示領域27D(27E)から保留履歴表示領域27d(27e)に移動表示したり、この特定保留図柄Vを保留履歴表示領域27d(27e)から保留表示領域27D(27E)に移動表示するという意外性に富んだ演出によって、遊技者に特典が付与されることを予告したり、示唆することができる。従って、本遊技機1によると、移動して表示された保留(図柄)が消化される際に遊技者が抱く期待感(特典獲得に対する期待感)を高めることができるため、当該遊技機1の事前判定に関する機能を生かしつつ遊技興趣を高めることができる。
また、本遊技機1では、1個の表示画面27aに保留表示領域27D(27E)と保留履歴表示領域27d(27e)を設けるため、遊技者が、第1移動表示演出や第2移動表示演出を見逃すことを防止できる。従って、この点からも、第1移動表示演出や第2移動表示演出を用いて遊技興趣の向上を図ることができる。
更に、本遊技機1では、特定保留図柄Vが保留履歴表示領域27d(27e)に表示された際に(当該特定保留図柄Vに係る当り保留乱数が消化された際に)、当該特定保留図柄Vに対応する図柄変動演出の内容が既に報知されている。そして、事前判定(先読み判定)の結果に基づき保留表示領域27D(27E)に特定保留図柄Vを表示されることに遭遇する遊技者は、その表示態様が保留履歴表示領域27d(27e)に表示されていた特定保留図柄Vと同一であることを認識することで、移動して表示された保留図柄(特定保留図柄V)に対応する図柄変動演出の内容を推測(期待)させることができるとともに、遊技結果(大当りの発生の有無)も推測させることができる。つまり、第1移動表示演出に伴って実行された図柄変動演出に関する記憶を元に、第2移動表示演出に係る抽選用乱数が処理(消化)される際に実行される図柄変動演出の内容を推測(期待)させたり、遊技結果(大当りの発生の有無)を推測させる遊技性を実現可能である。
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2は、図20および図21の代わりに図36および図37を用いる点と、図32の代わりに図38を用いる点と、図33の代わりに図39を用いる点と、図40が付加されている点を除いて実施例1と同様である。
先ず、図36および図37を用いて、実施例2の「特殊態様の図柄変動演出」について説明する。この実施例2の「特殊態様の図柄変動演出」においては、第2移動表示演出の内容が異なるが、第1移動表示演出については実施例1の第1移動表示演出と同一である。
実施例2の第2移動表示演出も、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に特定保留図柄V(保留履歴図柄)が表示されている状況で、始動入賞に伴って「当り保留乱数」が発生したとき、当該「当り保留乱数」に対応する「特定保留図柄V」を移動する表示演出である。但し、実施例2の第2移動表示演出においては、この移動表示を「対象となる当り保留乱数」の取得時ではなく、「取得後であって、当該対象となる当り保留乱数の消化前(処理前)」に行う点が、実施例1の第2移動表示演出と異なる。
また、(i)保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に特定保留図柄V(保留履歴図柄)が表示されていない状況で「当り保留乱数」が発生したときと、(ii)当該「当り保留乱数」に先だって消化(処理)される外れ保留乱数(以下、「前保留」という。)が記憶されない状況で「当り保留乱数」が発生したときには、特定保留図柄Vの移動表示(第2移動表示演出)を行うことなく、保留表示領域(27D若しくは27E)において、「特定保留図柄V」を表示(自力表示)する。
次に、図36〜図37を用いて、実施例2の第2移動表示演出の具体例(以下、「具体例3」という。)を説明する。この「具体例3」は、図36に示すように、第2保留表示領域27Eにおいて、第1表示部E1に通常保留図柄Wが表示された状態を基準に、「当り保留乱数」が発生するケースを示している(図36のc1〜c3)。つまり、図36の「c1」は、第1表示部E1に通常保留図柄Wが表示され、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄Vが表示された状態で、図柄変動演出を開始した様子を示している。
この図柄変動演出の実行中において、「当り保留乱数」を発生すると、第2保留表示領域27Eの第2表示部E2に通常保留図柄Wが表示される(図36のc2、c3において、白抜きの矢印を付した通常保留図柄Wを参照)。この後、発生した「当り保留乱数」よりも1個先に記憶された「外れ保留乱数」の処理(消化)が開始されると(図36のc4)、保留図柄を入れ替える「入れ替え演出」が実行される(図37のc5〜c8)。ここで、「入れ替え演出」は「変更演出」の具体例を構成する。
つまり、第2保留履歴表示領域27eに表示されていた特定保留図柄Vを、第2保留履歴表示領域27eから第2保留表示領域27Eに至る経路途中まで移動させる(図37c5)。そして、経路途中の特定保留図柄Vを、第2保留履歴表示領域27eの近傍に戻す表示を行った後(c6)、特定保留図柄Vを当該経路に沿って移動させ、第2保留表示領域27Eに到達させる演出を行う(c7)。これにより、実施例2の第2移動表示演出(第2移動表示演出手段が行う演出)を完了する。
次に、図38を用いて、実施例2の演出制御処理(S900)を説明する。この実施例2の演出制御処理(S900)においても、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間、保留発生時処理(S1000)、図柄変動演出処理(S1100)、保留消化時処理(S1200)、保留図柄入れ替え演出処理(S1300)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図38の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。
ここで、図38のフロー図に示す各処理のうち、保留消化時処理(S1200)は、実施例1の保留消化時処理(S1200)と同様であるため、以下、図38のフロー図に示す各処理のうち、保留発生時処理(S1000)および保留図柄入れ替え演出処理(S1300)のみについて説明する。ここで、「保留図柄入れ替え演出処理(S1300)」は「保留図柄変更処理」の具体例を構成する。
実施例2の保留発生時処理(S1000)においても、図39に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、この始動入賞時コマンドによって特定される保留数に関する情報と、事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報を記憶する(S1010)。つまり、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第1事前判定の結果に関する情報」を第1事前判定結果情報メモリ226bに記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する(図12を参照)。また、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第2事前判定の結果に関する情報」を第2事前判定結果情報メモリ227bに記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する(図12を参照)。
CPU220aは、S1010の処理に続いて、演出表示装置27の表示画面27aに、保留数に関する画像を追加表示する処理(点灯表示中の表示部D1〜D4若しくはE1〜E4の数を1個増加させる処理)、つまり、保留図柄を追加表示する処理を行う。具体的には、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するととともに(S1005;YES)、第1事前判定の結果が外れである場合には(S1015;NO)、第1保留表示領域27Dに直接、通常保留図柄Wを表示(自力表示)する処理(S1080)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。また、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するととともに(S1005;YES)、第2事前判定の結果が外れである場合には(S1015;NO)、第2保留表示領域27Eに直接、通常保留図柄Wを表示(自力表示)する処理(S1080)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するとともに(S1005;YES)、第1事前判定の結果が大当りであり(S1015;YES)、しかも、第1保留履歴表示領域27dに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されていない場合には(S1020;NO)、第1保留表示領域27Dに直接、特定保留図柄Vを表示(自力表示)する処理(S1060)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。また、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するとともに(S1005;YES)、第2事前判定の結果が大当りであり、しかも、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されていない場合には(S1020;NO)、第2保留表示領域27Eに直接、特定保留図柄Vを表示(自力表示)する処理(S1060)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
また、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するとともに(S1005;YES)、第1事前判定の結果が大当りであり(S1015;YES)、しかも、第1保留履歴表示領域27dに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されている場合には(S1020;YES)、第1保留表示領域27Dに保留図柄が表示されているか否かを判断する(S1022)。つまり、第1始動入賞に基づき、当り保留乱数を取得した場合において、当該当り保留乱数に先行する抽選用乱数(外れ保留乱数)が第1抽選用乱数メモリ202aに記憶されている状態にあるか否かを判断する(S1022)。具体的には、当該始動入賞時コマンドを受信する前において、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数が「1」以上であれば、S1022において肯定的に判断される。
第1保留表示領域27Dに保留図柄が表示されていない場合には(S1022;NO)、第1保留表示領域27Dに直接、特定保留図柄Vを表示(自力表示)する処理(S1060)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。これに対して、第1保留表示領域27Dに保留図柄が表示されている場合には(S1022;YES)、「入れ替え演出フラグ」をセット(ONに設定)する処理を行った後(S1024)、第1保留表示領域27Eに直接、通常保留図柄Wを表示(自力表示)する処理(S1035)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。ここで、「入れ替え演出フラグ」とは、後述する「入れ替え演出」を実行することを示すフラグである。
更に、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信するととともに(S1005;YES)、第2事前判定の結果が大当りであり(S1015;YES)、しかも、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されている場合には(S1020;YES)、第2保留表示領域27Eに保留図柄が既に表示されているか否か(前保留の有無)を判断する(S1022)。つまり、第2始動入賞に基づき、当り保留乱数を取得した場合において、当該当り保留乱数に先行する抽選用乱数(外れ保留乱数)が第2抽選用乱数メモリ202bに記憶されている状態であるか否かを判断する(S1022)。具体的には、当該始動入賞時コマンドを受信する前において、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数が「1」以上であれば、S1022において肯定的に判断される。
第2保留表示領域27Eに保留図柄が表示されていない場合には(S1022;NO)、第2保留表示領域27Eに直接、特定保留図柄Vを表示(自力表示)する処理(S1060)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。これに対して、第2保留表示領域27Eに保留図柄が表示されている場合には(S1022;YES)、「入れ替え演出フラグ」をセット(ONに設定)する処理を行った後(S1024)、第2保留表示領域27Eに直接、通常保留図柄Wを表示(自力表示)する処理(S1035)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
次に、図40を用いて保留図柄入れ替え演出処理(S1300)を説明する。この保留図柄入れ替え演出処理(S1300)が起動すると、サブ制御基板220のCPU220aは、「入れ替え演出フラグ」がセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S1305)、解除(OFFに設定)されている場合には(S1305;NO)、そのまま保留図柄入れ替え演出処理(S1300)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
一方、CPU220aが、「入れ替え演出フラグ」がセット(ONに設定)されていると判断すると(S1305;YES)、「直前保留」の消化時が到来したか否かを判断する(S1310)。ここで、「直前保留」とは、「第2移動表示演出」の対象となる「当り保留乱数」よりも、1個前に処理(消化)される「外れ保留乱数(外れ保留)」を示しており、この「直前保留」を処理(消化)するタイミングとなると、S1310の処理において肯定的な判断がなされる。
「入れ替え演出フラグ」がセット(ONに設定)されているが(S1305;YES)、未だ「直前保留」を処理(消化)するタイミングとなっていない場合には(S1320;NO)、一旦、保留図柄入れ替え演出処理(S1300)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。そして、演出制御処理(S900)を繰り返し行ううちに、「直前保留」を処理(消化)するタイミングに到達すると(S1310;YES)、入れ替え演出を実行した後(S1320)、「入れ替え演出フラグ」を解除(OFFに設定)し(S1350)、保留図柄入れ替え演出処理(S1300)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
ここで、入れ替え演出とは、前述のように、「当り保留乱数」の発生に伴って保留表示領域27D(27E)に仮に表示した通常保留図柄Wを、保留履歴表示領域27d(27e)に表示されている特定保留図柄Vと入れ替える演出である。つまり、保留履歴表示領域27d(27e)に表示されている特定保留図柄Vを、第2保留履歴表示領域27d(又は27e)から第2保留表示領域27D(又は27d)に至る経路途中まで移動させた後、保留履歴表示領域27d(又は27e)の近傍に戻す表示を行い、更に、当該特定保留図柄Vを当該経路に沿って移動させ、保留表示領域27D(又は27E)に到達させる演出を指す(図37を参照)。
実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例2では、「既に発生して記憶されているとともに判定結果が特定結果となると事前判定される抽選用乱数(当り保留)」が消化されるまでの途中に、保留表示領域27D(27E)に表示されている通常保留図柄Wと、保留履歴表示領域27d(27e)に表示されている特定保留図柄Vとを入れ替える「保留図柄入れ替え演出」を行う。よって、消化待ちの通常保留図柄Wが、保留履歴表示領域27d(27e)に表示されている特定保留図柄Vと入れ替わる移動表示(煽り演出)により、遊技者に特典が付与されることを強く示唆することができる。このため、保留図柄を用いた演出のバリエーションを更に増すことができ、遊技興趣の向上に貢献することができる。
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3の遊技機は、図41および図42が付加されている点と、図39の代わりに図43を用いる点と、図44が付加されている点と、図44の代わりに図45を用いる点が実施例2の遊技機と異なる。但し、その他の点に関しては、実施例2の遊技機1と同様である。
先ず、図36および図37を用いて、実施例2の「特殊態様の図柄変動演出」について説明する。この実施例2の「特殊態様の図柄変動演出」においては、第2移動表示演出の内容が異なるが、第1移動表示演出については実施例1の第1移動表示演出と同一である。
実施例3の第2移動表示演出も、実施例2の第2移動表示演出と同様である。つまり、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に特定保留図柄V(保留履歴図柄)が表示されている状況で、始動入賞に伴って「当り保留乱数(当り保留)」が発生したとき、当該「当り保留乱数(当り保留)」に対応する「特定保留図柄V」を、移動表示を用いて表示する演出である。この実施例3の第2移動表示演出も、実施例2の第2移動表示演出と同様であるため、その説明を省略する。
また、実施例3の遊技機は、第1移動表示演出および第2移動表示演出に加えて、第3移動表示演出を行う。つまり、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に特定保留図柄V(保留履歴図柄)が表示されている状況で、始動入賞に伴って「外れ保留乱数(外れ保留)」が発生し、しかも乱数抽選に当選したとき、保留履歴表示領域(27d若しくは27e)の「特定保留図柄V」を、保留表示領域27D(27E)に移動するように見せつつも、保留表示領域27D(27E)に移動しないことになる演出(ガセ入れ替え演出)を行う。
なお、(i)保留履歴表示領域(27d若しくは27e)に特定保留図柄V(保留履歴図柄)が表示されていない状況で「外れ保留乱数(外れ保留)」が発生したときと、(ii)当該「外れ保留乱数(外れ保留)」に先だって消化(処理)される外れ保留乱数(前保留)が記憶されない状況で「外れ保留乱数(外れ保留)」が発生したときには、特定保留図柄Vの移動表示(第3移動表示演出)を行うことなく、保留表示領域(27D若しくは27E)において、「通常保留図柄W」を表示(自力表示)する。
次に、図41〜図42を用いて、実施例3の第3移動表示演出の具体例(以下、「具体例4」という。)を説明する。この「具体例4」は、図41に示すように、第2保留表示領域27Eにおいて、第1表示部E1に通常保留図柄Wが表示された状態を基準に、「外れ保留乱数」を発生するケースを示している(図41のd1、d2)。つまり、図41の「d1」は、第1表示部E1に通常保留図柄Wが表示され、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄Vが表示された状態で、図柄変動演出を開始した様子を示している。
この図柄変動演出の実行中において、「外れ保留乱数」を発生すると、第2保留表示領域27Eの第2表示部E2に通常保留図柄Wが表示される(図41および図42において、白抜きの矢印を付した通常保留図柄Wを参照)。この後、発生した「外れ保留乱数」よりも1個先に記憶された「外れ保留乱数」の処理(消化)が開始されると、保留図柄を入れ替える演出が実行される(図41のd3、図42のd4〜d6)。
つまり、第2保留履歴表示領域27eに表示されていた特定保留図柄Vを、第2保留履歴表示領域27eから第2保留表示領域27Eに至る経路途中まで移動させる(図41のd3)。そして、経路途中の特定保留図柄Vを、第2保留履歴表示領域27eの近傍に戻す表示を行った後(図42のd4)、特定保留図柄Vを当該経路に沿って移動させ、経路途中に到達させる(図42のd5)。この後、特定保留図柄Vを経路途中から保留履歴表示領域27eに戻す演出を行う(図42のd6)。これにより、実施例3の第3移動表示演出を完了する。
次に、実施例3の演出制御処理(S900)も、実施例2と同様に、図38に従って実行される。但し、実施例2の演出制御処理(S900)とは、保留消化時処理(S1200)および保留図柄入れ替え演出処理(S1300)の内容が異なっている。このため、実施例3においては、図38のフロー図に示す各処理のうち、保留発生時処理(S1000)および保留図柄入れ替え演出処理(S1300)のみについて説明する。
実施例3の保留発生時処理(S1000)においても、図43に示すように、S1015の処理で否定的な判断がなされる場合(S1015;NO)、ガセ演出判断処理(S1070)を行った後、保留発生時処理(S1000)を終了する点が、実施例2の保留発生時処理(S1000)と異なる。
つまり、図43および図44に示すように、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信し(S1005;YES)、S1010の処理を実行するとともに、第1事前判定の結果が外れである場合には(S1015;YES)、第1保留履歴表示領域27dに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されているか否かを判断する(S1072)。そして、表示されていない場合には(S1072;NO)、第1保留表示領域27Dに通常保留図柄Wを表示する処理(S1078)を行った後、ガセ入れ替え演出関連処理(S1070)を終了し、更に保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
また、第1保留履歴表示領域27dに特定保留図柄V(当り保留図柄)が表示されている場合には(S1072;YES)、当該外れ保留乱数に先行する抽選用乱数が第1抽選用乱数メモリ202aに記憶されている状態にあるか否かを判断する(S1074)。具体的には、当該始動入賞時コマンドを受信する前において、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数が「1」以上であれば、S1072において肯定的に判断される。そして、S1074において否定的な判断がなされる場合には(S1074;NO)、第1保留表示領域27Dに通常保留図柄Wを表示する処理(S1078)を行った後、ガセ入れ替え演出関連処理(S1070)を終了し、更に保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
これに対して、S1074において肯定的な判断がなされる場合には(S1074;YES)、ガセ入れ替え演出を実行するか否かの抽選(乱数抽選)を行い(S1075)、この抽選(乱数抽選)の結果が落選の場合には(S1076;NO)、第1保留表示領域27Dに通常保留図柄Wを表示する処理(S1078)を行った後、ガセ入れ替え演出関連処理(S1070)を終了し、更に保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。一方、この抽選(乱数抽選)の結果が当選の場合には(S1076;YES)、第1保留表示領域27Dに通常保留図柄Wを表示する処理(S1077)と、ガセ入れ替え演出フラグをセット(NOに設定)する処理(S1079)とを行った後、ガセ入れ替え演出関連処理(S1070)を終了し、更に保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
ここで、ガセ入れ替え演出とは、前述のように、「特定保留図柄V」を、保留表示領域27D(27E)に移動するように見せつつも、保留表示領域27D(27E)に移動しないことになる演出を指す(図41、図42を参照)。また、ガセ入れ替え演出フラグとは、ガセ入れ替え演出を実行することを示すフラグであり、当該フラグがセット(NOに設定)されていると、後述する保留図柄入れ替え演出処理(S1300)において、ガセ入れ替え演出が実行される。
同様に、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に起因した始動入賞時コマンドを受信し(S1005;YES)、S1010の処理を実行するとともに、第2事前判定の結果が外れである場合には(S1015;YES)、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄V(つまり、当り保留図柄)が表示されているか否かを判断し(S1072)、表示されていない場合には(S1072;NO)、第2保留表示領域27Eに通常保留図柄Wを表示する処理(S1078)を行った後、ガセ入れ替え演出関連処理(S1070)を終了し、更に保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する(図43および図44を参照)。
また、第2保留履歴表示領域27eに特定保留図柄V(当り保留図柄)が表示されている場合には(S1072;YES)、当該外れ保留乱数に先行する抽選用乱数が第2抽選用乱数メモリ202bに記憶されている状態にあるか否かを判断する(S1074)。具体的には、当該始動入賞時コマンドを受信する前において、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数が「1」以上であれば、S1072において肯定的に判断される。そして、S1074において否定的な判断がなされる場合には(S1074;NO)、第2保留表示領域27Eに通常保留図柄Wを表示する処理(S1078)を行った後、ガセ入れ替え演出関連処理(S1070)を終了し、更に保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
これに対して、S1074において肯定的な判断がなされる場合には(S1074;YES)、ガセ入れ替え演出を実行するか否かの抽選(乱数抽選)を行い(S1075)、この抽選(乱数抽選)の結果が落選の場合には(S1076;NO)、第2保留表示領域27Eに通常保留図柄Wを表示する処理(S1078)を行った後、ガセ入れ替え演出関連処理(S1070)を終了し、更に保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。一方、この抽選(乱数抽選)の結果が当選の場合には(S1076;YES)、第2保留表示領域27Eに通常保留図柄Wを表示する処理(S1077)と、ガセ入れ替え演出フラグをセット(NOに設定)する処理(S1079)とを行った後、ガセ入れ替え演出関連処理(S1070)を終了し、更に保留発生時処理(S1000)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
次に、図45を用いて保留図柄入れ替え演出処理(S1300)を説明する。
実施例3の保留図柄入れ替え演出処理(S1300)が起動すると、サブ制御基板220のCPU220aは、「入れ替え演出フラグ」がセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S1305)、セット(ONに設定)されている場合には、S1310以降の処理を行う。ここで、S1310以降の処理は、実施例2の保留図柄入れ替え演出処理(S1300)と同様である。
実施例3の保留図柄入れ替え演出処理(S1300)においては、「入れ替え演出フラグ」が解除(OFFに設定)されていると判断すると(S1305;NO)、「ガセ入れ替え演出フラグ」がセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S1355)、解除(OFFに設定)されている場合には(S1355;NO)、そのまま保留図柄入れ替え演出処理(S1300)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
これに対して、CPU220aが、「ガセ入れ替え演出フラグ」がセット(ONに設定)されていると判断すると(S1355;YES)、「直前保留」の消化時が到来したか否かを判断する(S1354)。ここで、「直前保留」とは、「第3移動表示演出」の対象となる「外れ保留乱数」よりも、1個前に処理(消化)される「保留乱数(外れ保留乱数)」を示しており、この「直前保留」を処理(消化)するタイミングとなると、S1354の処理において肯定的な判断がなされる。
「ガセ入れ替え演出フラグ」がセット(ONに設定)されているが(S1352;YES)、未だ「直前保留」を処理(消化)するタイミングとなっていない場合には(S1354;NO)、一旦、保留図柄入れ替え演出処理(S1300)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。そして、演出制御処理(S900)を繰り返し行ううちに、「直前保留」を処理(消化)するタイミングに到達すると(S1354;YES)、ガセ入れ替え演出を実行した後(S1356)、「ガセ入れ替え演出フラグ」を解除(OFFに設定)し(S1358)、保留図柄入れ替え演出処理(S1300)を終了して、図38に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
実施例3によると、実施例2の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例3では、「既に発生して記憶されているとともに判定結果が特定結果とならないと事前判定される外れ抽選用乱数(外れ保留)」が消化されるまでの途中に、保留表示領域27D(27E)に表示されている通常保留図柄Vと、保留履歴表示領域27d(27e)に表示されている特定保留図柄Vとが「入れ替りそうで、入れ替わらないという煽り演出」を行う。しかも、「煽り演出」を第2移動表示演出(特定保留図柄Vが移動表示される、移動成功演出)および第3移動表示演出(特定保留図柄Vが移動表示されない、移動失敗演出)の双方で行うため、保留図柄を用いた演出のバリエーションを更に一層、増すことができ、遊技興趣の向上に貢献することができる。
次に、実施例4の遊技機について説明する。この実施例4は、所謂「全図柄確変のST機」への適用例を示している。つまり、図13の代わりに図46を用い得る点と、図18〜図21の代わりに図47および図48を用いる点と、図27の代わりに図49を用いる点と、図31の代わりに図50を用いる点とが実施例1と異なる。但し、その他の点に関しては、実施例1の遊技機1と同様である。
つまり、実施例4の遊技機は、発生した大当りの種類に係わらず、大当り遊技を終了すると、一律に高確率遊技(確率変動遊技)を開始し、大当りの発生確率を通常確率から高確率に変動させる。但し、高確率遊技を開始した後において大当りを生ずることなく実行された図柄変動遊技の回数が所定の上限回数(実施例4では、10回)となることで、高確率遊技を終了させる「回数切り確変機(所謂ST機)」がある。なお、「回数切り確変機」において、高確率遊技を実行する期間を、以下「ST期間」と称することがある。また、実施例4では、所謂「全図柄確変のST機(何れの種類の大当りを生じても確率変動の契機となるST機)」を例示するが、通常大当りを生じ得るST機に対しても、実施例4を適用することができる。
実施例4の遊技機では、図46に示すように、遊技機1の確率モードが低確率モード(通常確率モード)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/150」とされる。また、遊技機1の確率モードが高確率モードである場合(高確率遊技を実行中の場合)には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/15」とされる。
実施例4においても、図46に示すように、第1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出されると、大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、図46の上覧(特図1大当り図柄決定用テーブル)に示すように、「大当りの種類」が「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」のうちの何れかに決定される。また、第2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出された場合も、大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選によっても、図46の下覧(特図2大当り図柄決定用テーブル)に示すように、「大当りの種類」が「16R確変大当り」及び「8R確変大当り」のうちの何れかに決定される。なお、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、「16R確変大当り」に決定される確率が「8R確変大当り」に決定される確率よりも高くされ、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、「16R確変大当り」に決定される確率が「8R確変大当り」に決定される確率よりも低くされている。このため、第2当否判定の結果が「大当り」である場合は、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。
「16R確変大当り」若しくは「8R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定(第1当否判定及び第2当否判定)の結果が大当りとなる確率が「高確率モード」とされるとともに、対応する大当り遊技を実行した後、開放延長手段及び変動時間短縮手段が作動する遊技モード、つまり「開放延長モード」となる。この「高確率モード」および「開放延長モード」は、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「10回」になるまで継続される。
実施例4の遊技機においては、図47に示すように、大当り遊技(大当り遊技A若しくは大当り遊技B)を終了すると、ST突入演出を経て、ST期間が開始される(g1、g2)。ここで、図47および図48に示す「ST=X」における「X(1〜10の自然数)」は、一のST期間において何回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)であるかを示している。例えば、「ST=1」と表記する場合には「1回目」の図柄変動演出であることを示し、「ST=10」と表記する場合には「10回目」の図柄変動演出であることを示している。
図47および図48に示す具体例(以下、「具体例5」という。)においては、「ST=8」の図柄変動演出(図柄変動遊技)を終了するまで、大当りを発生しなかったケース(g3〜g6)を示している。そして、この具体例5では、「ST=9」の図柄変動演出(図柄変動遊技)の途中で「当り保留乱数」を取得し(g6)、第2移動表示演出を実行し(g7)、この「当り保留乱数」の消化時(処理時)に第1移動表示演出を実行する(g9)。更に、この「当り保留乱数」を消化した実行される図柄変動演出(図柄変動遊技)を終了すると、大当り表示がされる(g10)。更に、大当り遊技(大当り遊技A若しくは大当り遊技B)を実行した後、ST期間が開始される。
実施例4の特別図柄遊技処理(S300)は、図27の代わりに図49を用いる点が、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と異なる。なお、S352の処理で肯定的な判断がなされる場合に実行される処理は、実施例1の特別図柄遊技処理(S300)と同様であるため、その説明を省略する。このため、実施例4では、S352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。
図49に示すように、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S440)。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S440;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図23の遊技制御処理に復帰する。
一方、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合(S440;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合には、確変カウンタの値を「−1」した後(S443)、確変カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S445)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S445;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図23の遊技制御処理に復帰する。ここで、「確変カウンタ」は確変状態を維持しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると次回の特別図柄の変動において確変状態は行われない。また、本実施例では、確変状態を終了すると、変動短縮および開放延長を終了する態様を例示するが、確変状態の期間と、変動短縮や開放延長の期間が一致していなくともよい。例えば、確変状態を終了した後も、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、5回)になるまで、変動短縮および開放延長のうちの一方を維持してもよい。
これに対して、S445の処理で確変カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S45;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り換わることになる。このため、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S447)と、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S450)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S452)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S456)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図23の遊技制御処理に復帰する。なお、S456の処理では、低確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
また、実施例4においては、大当り遊技終了時処理(S800)を図50に従って行う点が実施例1と異なる。この実施例4の大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、S805の処理、S810の処理を行った後、確変フラグをセットする処理(S822)と、確変カウンタに「10」をセットする処理(S836)とを行う。更に、変動短縮フラグをセットする処理(S850)と、開放延長フラグをセットする処理(S855)とを行った後、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。
更に、実施例4では、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例4の遊技機によると、遊技者は、ST期間中に第2移動表示演出に対面すると、ST期間を更に実行するチャンスの獲得できる。よって、ST期間中においては、第2移動表示演出が開始されるか否かについて、固唾を飲んで見守ることになるため、遊技興趣が向上する。
次に、実施例5の遊技機について説明する。この実施例5は、図51〜図54が付加されている点と、図18〜図21の代わりに図55および図56を用いる点が実施例1と異なる。そして、実施例5の遊技機では、始動入賞時において、変動パターンに関する事前判定を行う点と、この事前判定の結果に基づいて、第1移動表示演出や第2移動表示演出を行う点が実施例1と異なる。
図51に示す具体例(以下、「具体例6」という。)は、所謂「疑似連演出」を4回行う図柄変動演出を示している。この具体例6に係る図柄変動演出では、当該図柄変動演出の開始後、所定のタイミングでリーチ表示がなされ(h1)、その後、「リーチ演出」を行う。つまり、リーチ表示を行うと同時に、味方キャラクタと敵キャラクタの姿勢を徒競走のスタート姿勢とする(h1)。この後、味方キャラクタと敵キャラクタが徒競走を繰り広げる(h2)。そして、演出表示装置27の表示画面27aにおいて、疑似連図柄を用いた仮停止表示(疑似連表示)を行う(h3)。この「仮停止表示」は、表示画面27a(疑似図柄表示領域27b)に、3つの疑似図柄を横方向に並べた3桁の組み合せ図柄で構成されるものであって、「右図柄」および「左図柄」を同一の数字図柄としつつ、「中図柄」を「疑似連図柄」として構成される。なお、「右図柄」及び「左図柄」は、現在進行中の図柄変動演出の終了時まで変更されない確定図柄であり、「中図柄」は現在進行中の図柄変動演出の終了時まで変更される可能性がある仮停止図柄である。また、「疑似連図柄」は「星と三日月を組み合わせた図柄」である。
この疑似連図柄を用いた仮停止表示(疑似連表示)に続いて、疑似連演出に係る変動表示が開始されるが(h4)、この疑似連演出に係る変動表示は、演出表示装置27の表示画面27aで、「右図柄」と「左図柄」とを同一の数字図柄に固定しつつ、「中図柄」の再変動を開始することによって実行されるとともに、味方キャラクタと敵キャラクタが徒競走を開始する(h4)。この後、演出表示装置27の表示画面27aにおいて、疑似図柄を用いた仮停止表示を行う(h5)。つまり、「右図柄」および「左図柄」と異なる数字図柄で「中図柄」を仮停止させる(h5。)
この後、「中図柄」に「疑似連図柄」を仮停止表示し、更に演出表示装置27の表示画面27aで、「右図柄」と「左図柄」とを同一の数字図柄に固定しつつ「中図柄」の再変動を開始するとともに、味方キャラクタと敵キャラクタが徒競走を開始し、疑似図柄を用いた仮停止表示を行う(h6,h7)。つまり、「右図柄」および「左図柄」と異なる数字図柄で「中図柄」を仮停止させることを「2回」行う(疑似連2回目、3回目)。更に、「中図柄」に「疑似連図柄」を仮停止表示し(h8)、更に演出表示装置27の表示画面27aで、「右図柄」と「左図柄」とを同一の数字図柄に固定しつつ「中図柄」の再変動を開始するとともに、味方キャラクタと敵キャラクタが徒競走を開始させる(h9)。そして、表示画面27aにおいて、味方キャラクタが徒競走に勝利した旨の表示を行った後(h10)、大当り表示を行って図柄変動演出を終了する(h11)。
また、実施例5においても、前述の図25〜図29に従って特別図柄遊技処理が実行される。但し、S303aおよびS303bの処理において取得して記憶される抽選用乱数には、変動パターンを決定(変動パターンを判定)するための抽選用乱数(以下、「変動パターン決定用乱数」という。)も含まれ、この変動パターン決定用乱数が、図29に示す図柄変動開始処理においても利用(参照)される。
つまり、実施例5においては、S303aの処理において取得して記憶される抽選用乱数には、「特図1大当り抽選乱数」、「特図1図柄決定用乱数」、「リーチ乱数」の他に「変動パターン決定用乱数」が含まれ、S303bの処理において取得して記憶される抽選用乱数には、「特図2大当り抽選乱数」、「特図2図柄決定用乱数」、「リーチ乱数」の他に「変動パターン決定用乱数」が含まれる。
つまり、実施例5の第1事前判定(図25のS304aを参照)や第2事前判定(図25のS304bを参照)においても、実施例1と同様に、大当り抽選(第1当否判定、第2当否判定)の結果に関する事前判定、大当りの種類(大当り図柄)に関する事前判定(大当り抽選の結果が大当りである旨の事前判定結果を得る場合)、リーチ表示の実行の有無に関する事前判定(大当り抽選の結果が外れである旨の事前判定結果を得る場合)がなされる。但し、実施例5の第1事前判定(図25のS304aを参照)や第2事前判定(図25のS304bを参照)においては、始動入賞時に取得する「変動パターン決定用乱数」を用いて、変動パターンに関する事前判定を行う点が実施例1と異なる。
つまり、大当り抽選の結果が大当りである旨の事前判定結果を得る場合においては、大当りの種類(大当り図柄)に関する事前判定結果と、当該始動入賞に基づいて取得した抽選用乱数が処理(消化)させる際の遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して変動パターンテーブルを選択する。そして、この選択した変動パターンテーブルと、始動入賞時に取得した「変動パターン決定用乱数」とを用いて、特別図柄の変動時において使用する変動パターンを、事前判定することが行われる。
また、大当り抽選の結果が外れである旨の事前判定結果を得る場合においては、リーチ表示の実行の有無に関する事前判定結果と、当該始動入賞に基づいて取得した抽選用乱数が処理(消化)させる際の遊技機1の遊技状態(遊技モード)および保留数と、を考慮して変動パターンテーブルを選択する。そして、この選択した変動パターンテーブルと、始動入賞時に取得した「変動パターン決定用乱数」とを用いて、特別図柄の変動時において使用する変動パターンを、事前判定することが行われる。
また、実施例5では、S307a若しくはS307bの処理において、CPU201がサブ制御基板220に送信する始動入賞時コマンドには、事前判定された変動パターンを示す情報も含まれる。
更に、実施例5の遊技機では、「16R確変大当り」、「16R通常大当り」、「8R確変大当り」及び「8R通常大当り」の他に、「2R確変大当り」を実行する点が、実施例1の遊技機1と異なっている。この2R確変大当りを発生すると、大入賞口31aを「0.2秒」間開放状態とすることを、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ2回(2ラウンド)繰り返す大当り遊技Cが実行される。この大当り遊技Cにおいては、大入賞口31aに遊技球を入球させることは実質的に不可能であり、この大当り遊技Cでは実質的に遊技球を払い出すことを予定しない。
ここで、図53および図54を用いて、特図1図柄変動開始処理(S500a)および特図2図柄変動開始処理(S500b)において使用する変動パターンテーブルについて説明する。先ず、図53は、当否判定(S320a、S320b)の結果が「大当り」であるとときに使用する「大当り用変動パターンテーブル」であり、図54は、当否判定(S320a、S320b)の結果が「外れ」であるとときに使用する「外れ用変動パターンテーブル」である。
大当りの種類が「16R大当り」若しくは「8R大当り」である場合の大当り用変動パターンテーブルの選択に際して、大当り確率が低確率であって通常変動を行う遊技状態(低確率通常変動モード)では、図53(a)の「低確率・通常」と表記する欄の変動パターンテーブルが用いられ、大当り確率が低確率であって短縮変動を行う遊技状態(低確率短縮変動モード)では、図53(a)の「低確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルが用いられる。また、大当り確率が高確率であって短縮変動を行う遊技状態(高確率短縮変動モード)では、図53(a)の「高確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルが用いられる。更に、大当りの種類は「2R大当り」である場合には、図53(b)の「変動パターンテーブルが用いられる。
また、当否判定(S320a、S320b)の結果が「外れ」である場合には、遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブルを用いる。つまり、S316a若しくはS316bの処理で読み出した抽選用乱数に含まれるリーチ乱数に基づいて、リーチ演出の実行有無を判断する。そして、遊技機1の遊技状態が「低確率通常変動モード」であってリーチ演出を行わない場合には、図54の「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数に対応する変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合には、図54の「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。
また、遊技機1の遊技状態が「低確率短縮変動モード」であってリーチ演出を行わない場合には、図54の「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(保留数)に対応する変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合には、図54の「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。さらに、遊技機1の遊技状態が「高確率短縮変動モード」であってリーチ演出を行わない場合には、図54の「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2保留数)に対応する変動パターンテーブルがセットされ、図54の「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。
ここで、図53および図54には、変動パターンテーブルに記憶された変動パターンと、疑似連演出の実行回数との関係を示している。但し、図53および図54中において、疑似連演出の実行回数の欄に示す「ゼロ回」とは疑似連演出を実行しないことを示している。
図53および図54によると、「16R大当り」若しくは「8R大当り」が発生した場合(多量の遊技球を獲得可能な大当りを発生した場合)に変動パターンA3、B4、D4(以下、これらの変動パターンを「特定変動パターン」という。)が選択される。そして、特定変動パターン(A3、B4、D4)に従う図柄変動演出中においては、疑似連演出が4回行われる。また、「2R大当り」若しくは「外れ」が発生した場合には、当否判定の結果を表示するための図柄変動演出中において、疑似連演出が4回行われることはない。従って、疑似連演出が4回行われることに遭遇した遊技者は、その時点で、当該図柄変動演出(図柄変動遊技)の結果が、大当りとなることを確信することになる。
実施例5において、図55の「k1」は、第1表示部E1に特定保留図柄Vが表示され、第2表示部E2および第3表示部E3に通常保留図柄Wが表示された状態で、前回の図柄変動演出を終了した様子を示している。この前回の図柄変動演出における疑似図柄の停止時間(約0.6秒)を経過すると、特定保留図柄Vに対応する「当り保留乱数」の処理が開始されるが(k2)、その際に変動パターンとして「特定変動パターン」が使用されるとする。
この「当り保留乱数」の処理が開始されると、図柄変動演出が開始されるとともに、第1表示部E1に表示されていた特定保留図柄Vが、第2保留履歴表示領域27eに向かって移動する第1移動表示演出が実行される(k2,k3)。そして、疑似連演出が4回繰り返された後(k4)、表示画面27aにおいて、大当り表示が行われ、大当り遊技A若しくは大当り遊技Bが実行される(図56のk5)。
また、図柄変動演出の実行中(k6)において、特定変動パターン(A3、B4、D4)が選択される旨の事前判定がなされると、第2保留履歴表示領域27eに表示されていた特定保留図柄Vを、第2保留表示領域27Eに移動する演出(第2移動表示演出)が実行される(k7,k8)。この特定保留図柄Vの移動表示に対面する遊技者は、「当り保留乱数」が発生したこと(近々、大当りを発生すること)や、前述の第1移動表示演出の実行時において経験した「疑似連演出」を近々、体験できることを実感することになる。
実施例5によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例5の遊技機1では、特定保留図柄Vが保留履歴表示領域27d(27e)に表示された際に(当該特定保留図柄Vに係る当り保留乱数が消化された際に)、当該特定保留図柄Vに対応する図柄変動演出の内容が既に報知されている。そして、事前判定(先読み判定)の結果に基づき保留表示領域27D(27E)に特定保留図柄Vを表示されることに遭遇する遊技者は、その表示態様が保留履歴表示領域27d(27e)に表示されていた特定保留図柄Vと同一となることを認識することで、移動して表示された保留図柄(特定保留図柄V)に対応する図柄変動演出の内容を推測(期待)することができるとともに、遊技結果(大当りの発生の有無)を推測させることができる。すなわち、図柄変動演出中に特定演出(例えば、疑似連演出)が所定回数(例えば、4回)出現すると、大当り確定若しくは大当り可能性が高い場合において、第1移動表示演出に伴って実行された図柄変動演出に関する記憶を元に、第2移動表示演出に係る抽選用乱数が処理(消化)される際に実行される図柄変動演出の内容を推測(あの演出に遭遇したいという期待)させたり、遊技結果(大当りの発生の有無)を推測させる遊技性を実現可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、求項に記載した範囲を逸脱しない限り、求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも、および、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
すなわち、各実施例では、第1移動表示演出や第2移動表示演出の移動態様として、特定保留図柄Vが表示画面27a上を移動する態様を例示したが、この移動態様は各実施例に示す態様に限定されない。例えば、図57の変形例1に示すように、保留履歴表示領域27e(27d)に表示されている特定保留図柄Vが、ワープして保留表示領域27E(27D)に移動する態様や、図示を省略するが、保留表示領域27E(27D)に表示されている特定保留図柄Vがワープして保留履歴表示領域27e(27d)に移動する態様を例示することができる。このワープする移動は、例えば、保留表示領域27Dに表示されている特定保留図柄Vが消えた直後に保留履歴表示領域27eに表示することで実現できる。なお、特定保留図柄Vが消えるとき、当該「消える特定保留図柄V」の周囲で煙幕等を装う表示を行ってもよい。
また、図58に示す変形例2のように、保留表示領域27D(27E)や保留履歴表示領域27d(27e)に表示される特定保留図柄Vを複数種類としてもよい。例えば、事前判定の結果が通常大当りとなる特定保留図柄V1と、事前判定の結果が確変大当りとなる特定保留図柄V2とを設け、事前判定の結果が通常大当りとなる当り保留乱数が発生すると、特定保留図柄V1が第2移動表示演出に供され、事前判定の結果が確変大当りとなる当り保留乱数が発生すると、特定保留図柄V2が第2移動表示演出に供されてもよい。また、図示を省略するが、事前判定の結果が通常大当りとなる当り保留乱数が消化されると、特定保留図柄V1が第1移動表示演出に供され、事前判定の結果が確変大当りとなる当り保留乱数が消化されると、特定保留図柄V2が第2移動表示演出に供されてもよい。なお、「特定保留図柄V1」としては、「外形が円形で青色に点灯する保留図柄」を例示でき、「特定保留図柄V2」としては、「外形が円形で赤色に点灯する保留図柄」を例示できる。
また、各実施例では、第1移動表示演出が実行されると、保留表示領域に一個の特定保留図柄が増加表示され、第2移動表示演出が実行されると、保留履歴表示領域の特定保留図柄Vが1減少する態様を例示したが、第2移動表示演出が実行されても、保留履歴表示領域の特定保留図柄Vが減少しない態様を例示することもできる。この場合、保留履歴表示領域に表示可能な特定保留図柄の上限個数を設けてもよいし、設けないこととしてもよい。
各実施例では、保留表示領域27D(27E)および保留履歴表示領域27d(27e)を同一の表示部(表示画面27a)に設ける態様を例示したが、図59に示す変形例3のように、保留表示領域27D(27E)および保留履歴表示領域27d(27e)を同一の表示部(表示画面27a)に設けない態様を例示することもできる。例えば、保留表示領域27D(27E)および保留履歴表示領域27d(27e)のうちの一方を表示画面27aに設け、他方を遊技盤10盤面や、前面枠4に設ける態様等を例示できる。この場合、保留表示領域27D(27E)および保留履歴表示領域27d(27e)を結ぶ経路に沿って複数個の発光部材(例えば、LED)80を設け、第1移動表示演出や第2移動表示演出の際に、同経路上の発光部材80を同経路に沿って順次点灯させ、特定保留図柄Vが移動する様子を醸し出すこともできる。
本発明において当否判定の結果が特定結果となることによって遊技者に付与される「遊技上の特典」として、「大当り遊技の実行」の他に、「確変遊技(高確率状態)の実行」、「時短遊技(時短状態)の実行」、「開放延長遊技(開放延長状態)の実行」等を例示でき、本発明に示す「演出上の特典」として、「疑似連演出の実行」、「プレミアム演出の実行」、「特定のリーチ演出の実行」等を例示できる。また、各実施例では、保留図柄として円形の図柄を例示したが、保留図柄をキャラクタ図柄で構成し、事前判定の結果に応じてキャラクタ図柄を変更したり、キャラクタ図柄の色等を変更してもよい。
また、各実施例では、図柄表示手段として、主制御部200Aに表示制御されて特別図柄の変動と停止表示(確定表示)を行う特別図柄表示手段(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)と、サブ制御基板220に表示制御されて疑似図柄(演出図柄)の変動と停止表示(確定表示)を行う演出図柄表示手段(演出表示装置)とを別個に備えるが、特別図柄表示手段および演出図柄表示手段を同一の表示装置(例えば、演出表示装置27の表示画面27aに、特別図柄を表示するための表示領域を設ける。)に設けることとしてもよい。更に、特別図柄表示手段(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)と演出図柄表示手段とを備える遊技機では、通常、演出図柄表示手段の表示内容の方が、特別図柄表示手段の表示内容よりも遊技者にとって認識容易とされる。例えば、(a)演出図柄表示手段の方が特別図柄表示手段よりも大きな図柄を表示すること、(b)演出図柄表示手段では文字・数字として成立する図柄(表示演出要素)を表示し、特別図柄表示手段では文字・数字として成立しない図柄を表示すること、(c)特別図柄表示手段よりも演出表示手段の方を遊技盤面の中央寄りに配設すること、或いは、(a)〜(c)のうちの2つ以上を行うこと等によって、演出図柄表示手段の表示内容の方が特別図柄表示手段の表示内容よりも認識容易とされる。
また、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益(遊技価値)を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。
例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。この種の遊技機(いわゆる封入式遊技機)においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
1;遊技機(弾球遊技機)、
2;外枠、
10;遊技盤、
11;遊技領域、
17a;第1始動入賞装置(始動口)、
17b;第2始動入賞装置(始動口)、
27;演出表示装置(演出表示手段)、
27a;表示画面、
27D、27E;保留表示領域
27d、27e;保留履歴表示領域、
31;大入賞装置、
62a;第1特別図柄表示部、
62b;第2特別図柄表示部、
200A;主制御部(抽選用乱数記憶手段、抽選手段、特典付与手段、事前判定手段)、
202a、202b;抽選用乱数メモリ(抽選用乱数記憶手段)、
220A;サブ制御部(第1移動表示演出手段、第2移動表示演出手段)、
222A;演出表示制御部。

Claims (1)

  1. 始動口への遊技球の入球に基づいて取得する抽選用乱数を記憶する抽選用乱数記憶手段と、
    前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数のうち、処理条件が成立したものを読み出して判定を行う判定手段と、
    記判定手段の判定結果に基づいて所定の図柄の変動表示を図柄表示手段で行う図柄変動実行手段と、
    前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数に関し、前記判定結果が特定結果となる抽選用乱数であるか否かを、当該抽選用乱数に関する処理条件の成立前に事前判定する事前判定手段と、
    前記抽選用乱数記憶手段に記憶された抽選用乱数の個数に対応する保留図柄を表示可能であるとともに、前記処理条件が成立した抽選用乱数に対応する前記保留図柄を消去する保留表示領域と、
    を備え、
    前記判定結果が前記特定結果とならないと事前判定された抽選用乱数に対応する保留図柄として、通常態様の保留図柄を表示可能で、前記判定結果が前記特定結果となると事前判定された抽選用乱数に対応する保留図柄として、特定態様の保留図柄を表示可能な遊技機であって、
    前記判定結果が前記特定結果となると事前判定された抽選用乱数に関する前記処理条件の成立に伴って、前記保留表示領域に表示されている特定態様の保留図柄を保留履歴表示領域に移動して表示する第1移動表示演出手段と、
    前記判定結果が前記特定結果となると事前判定されると、当該事前判定の対象となった抽選用乱数に関する処理条件の成立前において、前記保留履歴表示領域に表示されている特定態様の保留図柄を前記保留表示領域に移動表示して表示する第2移動表示演出手段と、
    を備え
    前記第2移動表示演出手段は、
    前記保留履歴表示領域に前記特定態様の保留図柄が表示されており、前記判定結果が前記特定結果となると事前判定される場合において、前記保留履歴表示領域に表示されている特定態様の保留図柄を前記保留表示領域に移動して表示することによって、当該事前判定の対象となった抽選用乱数に対応する保留図柄の前記保留表示領域への表示を開始するものであることを特徴とする遊技機。
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