以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3等を参照して説明する。この遊技機1は、図1および図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体H(機体)とを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1および図2を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図2に示すように、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5および下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図3を参照)等を主要部としている。
また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、図1に示すように、本体枠3の右端側には施錠装置7が装着されている。また、図2においては、外枠2、本体枠3と、前面枠4と、皿部材5Aを図示し、遊技盤10と、裏機構盤102の図示を省略している。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には裏機構盤102(図3参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、裏パック102は中枠3に開閉可能に軸支されているとともに、この裏パック102には、「遊技球が蓄えられる遊技球タンク」、「遊技球を上皿部材5には、払い出すための遊技球払出装置」、「各種制御基板(後述する主制御基板200)を収納したケース」等が搭載されている。
前面枠4は、図2に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)を前方から視認可能な形状に開設(略吊り鐘形状に開設)され、前面枠4を閉じたときにその背後に位置する遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43(図3を参照)と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)と、を備えている。また、本遊技機1では、図2に示すように、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5および下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
図1および図2に示すように、前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2(図32参照)が装着され、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図32参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、図2に示すように、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図31参照)および演出ボタン基板228(図32参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている(図2を参照)。
図2に示すように、皿部材5Aにおいて上皿部材5の下方の部位が、下皿部材6を構成している。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図4を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。
また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。なお、本実施例の発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を「100発/分」の設定に従って略鉛直上方に発射して遊技領域11に到達させる。このため、後述する球流下装置70に向かって遊技球を連続発射した場合、「0.6秒」間隔で当該球流下装置70に遊技球が到達することになる。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は、図4に示すように、正面視で略矩形状で透明な板状体を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)とを備える。また、遊技盤本体10Aにおける下側の略中央後方には可動役物70が配設されるとともに、遊技盤本体10Aの後方が樹脂製の収納体28(図5を参照)で覆われている。なお、本実施例と異なり、可動役物70を遊技盤本体10Aの前方に配設する態様、例えば、遊技盤本体10Aの前面部や、本体枠3、前面枠4等に配設する態様も例示できる。なお、可動役物70は「貯留装置」の具体例を構成する。
ここで、本実施例では、遊技盤本体10Aの全域を無色透明な樹脂板(例えば、アクリル樹脂製の板)で構成する態様を例示するが、遊技盤本体10Aの全域を無色透明なガラス板で構成する態様、遊技盤本体10Aの全域を有色透明な樹脂板若しくは有色透明なガラス板で構成する態様を例示することもできる。また、遊技盤本体10Aの一部(例えば、可動役物70の配設部位の前方)のみを透明部とする態様も例示できる。また、収納体28の後方には制御基板を収納した基板ケース等の裏部品が配置され、収納体28の内部にも基板等の部品が配置されている。さらに、遊技盤本体10Aの後方であって収納体28の内部には可動役物70以外の役物、電飾装置、フィギア等の各種の装飾部品が収納されている。そして、収納体28の後方や内部に配置された裏部品や装飾部品などの各種部品が前方から視認可能となることを防止するために、収納体28を不透明に構成している。但し、図5においては、それらの裏部品や装飾部品の図示を省略している。尚、この遊技盤本体10Aを不透明な板状体(合板、金属板、樹脂板等)で構成するとともに、その前面部にセル画が印刷されたシート状物を貼着することもできる。この場合、遊技盤本体10Aの前方に可動役物70を配設する態様や、遊技盤本体10Aの一部を透明部とし、その透明部の後方に可動役物70を配設する態様を例示することができる。
収納体28は、図5に示すように、略箱形状に構成され、略矩形状の開口部28Kを前方に向けた状態で配置されている。そして、遊技盤本体10Aは、その前面部を前方に向けた状態とされつつ、収納体28の開口部28Kを略封止する状態に配設されている。また、収納体28は、正面視で略矩形板に構成されつつ立設配置される背板部28aと、背板部28aの外周縁から前方に突出する周壁部28bとを備える。そして、背板部28aにおける上方側の部位には、正面視で略矩形状とされつつ背板部28aの肉厚方向を貫通する装着部28cが設けられている。
図4に示すように、遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板若しくは樹脂製の帯状体を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部(遊技盤面)は、この外側レール12および内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤本体10Aは左上部に配設されるとともに、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。そして、外側レール12において、内側レール13の外側に配置される部分は、外側レール12の左端部から左斜め上方に上がる経路を描き、内側レール13の右端部の側方に到達したところで、その経路を内側レール13と略平行な円弧状の経路に改めつつ上昇し、球進入口11Sの側方を越えて、遊技盤本体10Aの右上部まで到達している。
内側レール13の外側面部には、補助レール13Bの上端部が一体化されている。そして、「補助レール13Bと、これに略平行な外側レール12の部分の間に形成される通路」と、その上方の「外側レール12と内側レール13とに挟まれつつ球進入口11Sに至る通路」とが連続して誘導経路Yを構成している。この誘導経路Yは、その下端部が「発射装置ユニット90の球出口96j」と連通するとともに、下端部から左上がり傾斜状に「内側レール13の外側(左側方)」を上昇した後、内側レール13の外側を時計回転方向に通過して、球進入口11Sに到達している。
領域形成部10B(遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17aと、第2始動入賞装置17bと、大入賞装置31と、下部表示装置60と、2個の一般入賞装置40、41と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され(図5を参照)、図4に示すように、遊技領域11の上半部中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
図4に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが設けられ、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に設けられている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lには、遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。つまり、左側装飾部21Lの左側面部において、この通路21wの進入口21zが、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口21zで受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。そして、詳細な図示を省略するが、この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、図5に示すように、転動面の中央部21rは上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされ、この隆起部は後方に向かう下り傾斜を有している。また、転動面の中央部21rの後方には、時計回転方向に半周回して、遊技盤本体10Aの前面部に到達する排出通路21qの入口部が開口している。以下の説明においては、排出通路21qの出口部を排出口21yと称する。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動して、遊技球の勢いが衰えたところで、メイン役物装置20外に排出される。そして、転動面の中央部21rで遊技球の勢いが衰えると、排出通路21qに流入する確率が高くなるが、この排出通路21qに流入した遊技球は排出口21yを通じてメイン役物装置20外に排出される。このように、排出口21yから排出される遊技球の多くは、高い確率で第1始動入賞装置17aに入賞する。但し、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17aに入賞する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17aに入賞するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17aに入賞するものがある。なお、図示を省略するが、ステージ部21pに設けられる転動面においては、中央部21rの両脇に高さ位置が最も低くなる部位が設けられている。また、ステージ部21pの前壁を構成する部分のうち、当該「低くなる部位」の前方が切り欠かれ、排出部21x、21xとされている。そして、転動面を転動する遊技球のうち、排出通路21qに進入できなかったものは、何れかの排出部21x、21xを通じてメイン役物装置20外に排出されるが、これらの遊技球の多くは、アウト口18を通じて遊技機1外に排出される。
演出表示装置27は「演出表示手段」の具体例を構成するものであり、液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する図柄変動演出を実行する。本実施例では、下部表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技を行い、演出表示装置27が、疑似図柄(演出要素の一具体例を示す。)を用いて図柄変動演出を行う。ここで、図柄変動演出は、図柄変動遊技の結果を遊技者に示すために、図柄変動遊技の進行(特別図柄の変動表示,停止表示)に合わせて行う演出であり、「判定演出」の具体例を構成するものである。なお、以下の説明において、第1特別図柄表示部62aに表示される特別図柄(本図柄)を「第1特別図柄」と称し、第2特別図柄表示部62bに表示される特別図柄(本図柄)を「第2特別図柄」と称する。また、第1特別図柄および第2特別図柄の詳細に関して後述する。
図5に示すように、演出表示装置27は、当該演出表示装置27を構成する液晶パネル27Pの前面部(つまり、表示画面27a)を前方に向けつつ、背板部28aの装着部28cに装着されている。また、演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を遊技者が視認可能となるように表示可能である。この表示画面27aでは、図7に示すように、3つ(3桁)の疑似図柄が表示される疑似図柄表示領域27bと、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)が表示される背景表示領域27cとが出現することがある。疑似図柄表示領域27bでは、疑似図柄が横方向に3つ並んで表示され、それら「疑似図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景表示領域27cには、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。これら「疑似図柄」等は演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出表示要素」の具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「表示演出」が実現される。
ここで、図柄変動遊技の進行に伴う図柄変動演出(判定演出)を実現する「演出要素」としては、図柄変動遊技の進行に伴う表示演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「表示演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う音演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「音演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う発光演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「発光演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う可動演出を実現する「可動演出要素」等を挙げることができる。そのうち「表示演出要素」としては、例えば、遊技機が備える演出表示手段(演出表示装置27)に表示される「疑似図柄(図柄変動遊技の結果を演出的に示す図柄」「文字(称号、コメント、演出説明、スローガン、標語等の一定の意味を有するものが望ましい。)」「背景図柄」「キャラクタ図柄」「実写映像」等を例示できる。なお、これら「疑似図柄」「文字」「背景図柄」「キャラクタ図柄」「実写映像」等の表示演出要素は、総じて「演出図柄」として捉えることができる。
また、「音演出要素」としては、例えば、遊技機が備える音出力手段(スピーカSP1〜SP4)から出力される遊技者が聴取可能な「楽曲」、「効果音」、「言葉(セリフ)」等を例示できる。また、「発光演出要素」としては、例えば、遊技機を構成する「前面枠4」や「遊技盤10」に設けられる発光手段(図示を省略)が発する遊技者が視認可能な光や、遊技者が視認可能な光の発光態様等を例示できる。更に、「可動演出要素」としては、「前面枠4」や「遊技盤10」に設けられる可動手段(可動役物70)を用いて実行される、遊技者が視認可能な演出的な動作等を例示できる。なお、図柄変動演出を実現する「演出要素」は、複数の演出要素が複合したものであってもよい。例えば、発光手段を備える可動手段が可動しつつ発光を行う態様や、音出力手段を備える可動手段が可動しつつ効果音を発声する態様等を例示できる。
また、図7に示すように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、後述する第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、後述する第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。これらの補助図柄表示領域A、Bでは、モザイク模様を用いた補助図柄が、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)と連動して変動表示を行った後、対応する特別図柄表示部62a、62bと同時に変動表示を停止する。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。但し、その停止図柄の種類が多く、しかも、各停止図柄が紛らわしい態様であるため、その停止図柄の意味する内容(大当りか、外れか、確率変動大当りか等)を遊技者が理解することが困難である。また、補助図柄表示領域A、Bに確定表示される停止図柄によって特定される内容は、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止表示によって特定される内容と同一内容とされる。
また、図7に示すように、表示画面27aのうち、左縁部寄りの上方側の位置には第1保留表示領域(D1、D2、D3、D4)が出現し、右縁部寄りの上方側の位置には第2保留表示領域(E1、E2、E3、E4)が出現することがある。そして、第1保留表示領域(D1〜D4)に、第1始動入賞装置17aへの入賞に起因して生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示し、第2保留表示領域(E1〜E4)に、第2始動入賞装置17bへの入賞に起因して生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示する。なお、第1保留数を表示するための表示部と、第2保留数を表示するための表示部を表示画面27a外に設けることもできる。また、以下の説明において、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することと、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することを「始動入賞」と称することがある。
第1保留表示領域(D1〜D4)は、下方から上方に向かって第1表示部D1と、第2表示部D2と、第3表示部D3と、第4表示部D4とを並べた構成を備える。また、第2保留表示領域(E1〜E4)も、下方から上方に向かって、第1表示部E1と、第2表示部E2と、第3表示部E3と、第4表示部E4とを並べた構成を備える。そして、各表示部(D1〜D4、E1〜E4)には、球(真円)をあしらった図形を表示することができる。
何れの保留表示領域(D1〜D4、E1〜E4)も、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を、「使用中の表示部D1〜D4、E1〜E4」の数によって表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に「未消化の遊技球」の数(保留数)を、順次、デクリメントして表示するものである。具体的には、保留数が「1」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)のみを使用し、保留数が「2」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)と、添え字2を付した表示部(D2、E2)を使用する。更に、保留数が「3」の場合、添え字4を付した表示部以外の表示部(D1〜D3、E1〜E3)を使用し、保留数が「4」の場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)を使用する。また、保留数が「4」から「3」に減った場合、添え字4を付した表示部(D4、E4)の使用を止め、保留数が「3」から「2」に減った場合、添え字3を付した表示部(D3、E3)の使用を止める。また、保留数が「2」から「1」に減った場合、添え字2を付した表示部(D2、E2)の使用を止め、保留数が「1」から「ゼロ」に減った場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)の使用を止めることとされている。なお、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、対応する特別図柄表示部62a、62bにおいて当該入賞に伴う図柄変動遊技がなされていない遊技球を指す。
第1始動入賞装置17aは非可変式(固定式)の始動入賞装置であり、図5に示すように、後述する可動役物70に組み込まれた構成を有する。また、第1始動入賞装置17aは、図6(a)に示すように、第1樋部材71cと、第2樋部材88cと、この第2樋部材88cに組み込まれた始動入賞検出スイッチ17s(図31参照)とを備える。このうち、第1樋部材71cは、上方に開口部(以下、「第1始動口17A」という。)を開口させつつ遊技盤本体10Aの前方に突出する状態で配置されるポケット部71dを前端側に有している。そして、第1始動口17Aは、ステージ部21p(転動面)の中央部に設けられた排出口21yの略鉛直下方に位置するため、排出口21yから落下する遊技球は、この第1始動口17A(第1始動入賞装置17a)に入賞する確率が高くされている。なお、第1始動口17Aの大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。このため、第1始動口17Aは常時、遊技球が入賞可能な状態に保たれており、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞可能性は一定とされている。
第1樋部材71cの底面は後方に向かう下り傾斜面とされているため、第1樋部材71cは第1始動口17Aで受け取った遊技球を後方に転動させ、後方に向かって排出する。また、第2樋部材88cも、その底面を後方に向かう下り傾斜面としており、第1樋部材71cから後方に排出される遊技球を受け入れ、後方に転動させる。そして、第2樋部材88cの経路途中には、第1始動口17Aへの遊技球の入賞を検出するための始動入賞検出スイッチ17s(図31参照)が配設されている。なお、ポケット部71dは「猫の鼻」をあしらった形状とされつつ遊技盤本体10Aの前方に突出している。
図4に示すように、第2始動入賞装置17b(第2始動口17B)は可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、第1始動入賞装置17a(第1始動口17A)の右斜め上方に配設されている。この第2始動入賞装置17bは、図6(b)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17cと、取付板17cの前面部に装着されて第2始動入賞装置17bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17cの前面部に装着された障害部材17Kと、を備えている。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図31参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態(第1状態)にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態(第2状態)とされる。つまり、両可動翼片17e、17eの上端間に、上方に開口しつつ開口幅が変化する第2始動口17Bが形成される。
障害部材17Kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。また、第2始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17t(図31参照)が配設されている。そして、始動入賞検出スイッチ17t(図31参照)によって検出された遊技球は、連絡樋17u(図28を参照)を介して後述する可動役物70に到達する。
図6(b)に示すように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態(第1状態)になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K1が形成されるが、この空間部K1の鉛直上方に障害部材17Kが配設されている。このため、閉鎖状態(第1状態)にある第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することは不可能されている。一方、図6(c)に示すように、第2始動入賞装置17bが開放状態(第2状態)になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K1が、障害部材17Kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2始動入賞装置17bへ入賞することが可能となる。
本遊技機1においては、第2始動入賞装置17bが開放状態(第2状態)となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞可能となる。そして、遊技機1の遊技モードが開放延長モード(後述する。)となり、第2始動入賞装置17bが開放状態(第2状態)となる時間が長くなると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長モードにおける第2始動入賞装置17bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長モード(通常開放モード)における第2始動入賞装置17bの開放時間を「0.2秒」としている。
一方、前述のように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態(第1状態)になると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。すなわち、遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなると、遊技球が第1始動入賞装置17aに入賞するケースはレアケースとなり、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞するケースはレアケースである。
図4に示すように、第2始動入賞装置17bの下方であって第1始動入賞装置17aの右側方に位置する部位には大入賞装置31が配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は「大入賞口入賞通路(図示を省略)」に連絡されている。なお、「大入賞口入賞通路」は大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、大入賞口31aに入賞した遊技球は大入賞口入賞通路を通過した後、本遊技機1の機外に排出される。
図4に示すように、大入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図31参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞検出スイッチ31s(図31参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖状態(第1状態)とするため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aは開放状態(第2状態)となり、前傾姿勢にある開閉板31bの後面部(背面部)は、遊技領域11を流下して大入賞装置31に到達した遊技球を大入賞口31aへ誘導する誘導部を構成する。
ここで、図4に示すように、メイン役物装置20の外周縁と遊技領域11の外周縁とは所定の距離(複数個の遊技球の直径分の距離)を隔てた状態とされており、メイン役物装置20の外周縁と遊技領域11の外周縁との間を遊技球が通過可能とされている。ここで、本実施例では、遊技領域11を、メイン役物装置20を基準に4つの領域部11L、11R、11U、11Dに区分することができる。つまり、メイン役物装置20の左側に位置する左領域部11Lと、メイン役物装置20の右側に位置する右領域部11Rと、メイン役物装置20の上側に位置する上領域部11Uと、メイン役物装置20の下側に位置する下領域部11Dとに区分することができる。そして、第2始動入賞装置17bおよび大入賞装置31は右領域部11Rに配置され、第1始動入賞装置17aは下領域部11Dに配置されている。
また、第1始動入賞装置17aは、遊技領域11を左右に等分する仮想線(図示を省略)上に配置され、第2始動入賞装置17bおよび大入賞装置31は前述の仮想線よりも右側(遊技領域11における右側)に配置されている。このため、第1始動入賞装置17aは第2始動入賞装置17bの左側に配置されている。そして、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入球を狙う遊技者は、遊技球が左領域部11Lを介して下領域部11Dに至るルートを通過するように、当該遊技球を発射すること(以下、「左打ち」という。)を行う。また、第2始動入賞装置17b若しくは大入賞装置31への遊技球の入球を狙う遊技者は、遊技球が右領域部11Rに至るルートを通過するように、当該遊技球を発射すること(以下、「右打ち」という。)を行う。
図4に示すように、下部表示装置60は第1始動入賞装置17aの左斜め下方に配置されている。この下部表示装置60は、図8(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。なお、第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bは「特別図柄表示手段」の具体例を構成する。
図8(a)に示すように、第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定の結果を示す「第1特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入賞検出スイッチ17tによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定の結果を示す「第2特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。なお、第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。また、第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
普通図柄表示部63は、図8(a)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、何れかの普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、これらの変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の停止図柄が一定時間実行される。このとき、停止図柄が「奇数数字」である場合、当り図柄であり、停止図柄が「偶数数字」である場合、外れ図柄である。この普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。
第1特別図柄保留表示部64aおよび第2特別図柄保留表示部64bは、それぞれ2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、それぞれ4個を上限として表示するものである。つまり、第1特別図柄保留表示部64aは、第1の始動入賞装置17aに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個を上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。また、第2特別図柄保留表示部64bは、第2の始動入賞装置17bに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個を上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(つまり、保留)」とは、始動入賞装置(17a若しくは17b)に入賞したが、特別図柄表示部(62a若しくは62b)において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部65も2個のLEDを用いて構成され、普通図柄作動ゲート16を通過したが、未だ未消化の遊技球の数(保留数)を、4個を上限数として表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に、未消化の遊技球の数(保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、普通図柄表示部63において当該通過に伴う抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、7セグメント表示体を用いた表示)とがなされていない遊技球を指す。
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64bおよび普通図柄保留表示部65では、それぞれ同様な態様で保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、(b)1個のLEDを点灯させつつ1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを示し、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを示し、(d)1個のLEDを点滅させつつ1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを示し、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを示す。なお、前述の第1保留表示領域(D1〜D4)の表示内容は第1特別図柄保留表示部64aの表示内容に対応し、前述の第2保留表示領域(E1〜E4)の表示内容は第2特別図柄保留表示部64bの表示内容に対応する。
図4に戻り、2個の一般入賞装置40、41は、メイン役物装置20の左側に配置されている。そして、各一般入賞装置40、41の内部には、遊技球の入賞を検出するための一般入賞検出スイッチ40s、41s(図31参照)が配設されている。また、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。
次に、図9〜図28を用いて可動役物70について説明する。この可動役物70は、図9〜図11を用いて示されるように、前方部材71と、顔面部材72と、役物本体73とを備える。このうち、図10に示すように、前方部材71は、板状本体71aと、板状本体71aの前方に突出する突出部71bと、前述の第1樋部材71cとを備える。
板状本体71aは表面を前方に向け、裏面を後方に向けた状態に配置されるとともに、表裏を貫通する略長円状の貫通口71eを、長軸を横方向に向けた状態に備える。また、突出部71bは、板状本体71aの前方に突出するリブ状の壁体によって構成され、正面視で下方に開口する略コの字の経路を描いている。また、第1樋部材71cは板状本体71aの上縁部の略中央において、その経路線(遊技球を転動させる経路)を前後に向けて配設されている。また、第1樋部材71cの前端側を構成するポケット部71dは、突出部71bの更に前方に配置され、第1樋部材71cの後端部は板状本体71aの後方に突出している。なお、図11に示すように、前方部材71は、突出部71bの前端面を遊技盤本体10Aの裏面に当接させるとともに、遊技盤本体10Aの貫通孔10Kを通じてポケット部71dが遊技盤本体10Aの前方に突出するように配置されている。
顔面部材72は、図10に示すように、可動役物70の顔面部等を構成する部材であり、顔面本体72aと、顔面本体72aの外縁部から後方に突出する周壁部72bとを備える。また、周壁部72bのうち、下方側の約半分の部分では、顔面本体72aからの後方への突出量が、周壁部72bの他の部分よりも多くされている。
顔面本体72aにおける下方側の約半分の部分には、大型の貫通口72cが1個設けられ、顔面本体72aにおける上方側の約半分の部分には、小型の貫通口72d、72eが2個設けられている。これらの貫通口72c、72d、72eは顔面本体72aの表裏を貫通する状態に設けられるとともに、何れも長軸を横方向に向けた略長円状の開口形状を備える。また、顔面部材72の下方に位置する大型の貫通口72cは、前方部材71を顔面部材72の前面側に装着したとき、前方部材71の貫通口71bと前後に位置合わせされる。また、小型の貫通口72d、72eは左右に設けられ、後述する目玉ユニット73j、73kを構成する左右の目玉部材73b、73cが挿入配置される。
顔面本体72aにおいて貫通口72d、72eの中間に位置する部位には、通過口72gが顔面本体72aの表裏を貫通する状態に設けられている。そして、第1樋部材71cの後端から排出される遊技球は通過口72gを通過した後、図11に示すように、役物本体73に設けられた第2樋部材88cに流入する構成とされている。
役物本体73は、図12に示すように、上部ユニット73aと、下部ユニット73bとを上下に積み重ねた構成を備える。このうち、上部ユニット73aは、可動ベース73eを備え、この可動ベース73eには帽子ユニット73f、左右の耳ユニット73g、73h、および、左右の目玉ユニット73j、73kを備える。なお、上部ユニット73aの詳細については省略する。
下部ユニット73bは、図13および図14を用いて示されるように、ベース部材75と、通路部材76と、カバー部材77と、上口部材78と、下口部材79と、第1モータ85と、第2モータ86と、第3モータ87と、第2樋部材88cと、を備える。なお、本実施例では、第1モータ85、第2モータ86および第3モータ87としてステッピングモータを使用している。また、第1モータ85、第2モータ86および第3モータ87は装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220(図32を参照)に接続され、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220(図32を参照)から出力される制御信号を用いて制御される。
ベース部材75は、図15および図16(a)に示すように、上方に開口する皿形状に構成され、底面部に2個の突出部75a、75bを備えている。また、一方の突出部75aは底面部の左端側において前後方向に長尺に設けられ、他方の突出部75bは底面部の右端側において前後方向に長尺に設けられている。そして、各突出部75a、75bの前端側および後端側には車輪75cが装着され、この車輪75cは、遊技盤本体10Aの後方を覆う前述の収納体28の底板28vに設けられたガイド溝28w、28wに挿入されている。これらのガイド溝28wは底板28vの左右に間隔をおいた部位に前後に長尺となるように設けられている。また、ガイド溝28w、28wの長手幅(経路長)は対応する突出部75a、75bの長手幅(経路長)よりも長くされている。そして、車輪75cがガイド溝28w内を転動可能されているため、ベース部材75はガイド溝28wに案内され、後方に後退したり、前方に戻ることが可能とされている。
ベース部材75の右側面には、前後に長尺なラック75fが装着されている。また、ベース部材75の周囲には、所定のブラケット(図示を省略)を介して第1モータ85が配置され、この第1モータ85の駆動軸85aに装着されたギア(ピニオン)85bがラック75fに噛合している。このため、ベース部材75が基準位置(後述する下貯留部の貯留状態を維持する位置)にあるとき、第1モータ85の駆動軸85aを第1回転方向に第1所定量回転させると、ベース部材75は後方に移動し、後退位置に到達する。また、ベース部材75が後退位置(後述する下貯留部の貯留状態を解除する位置)にあるとき、第1モータ85の駆動軸85aを第1回転方向と反対方向に第1所定量回転させると、ベース部材75は前方に移動し、基準位置に到達する。また、図15に示すように、ベース部材75の前面部および両側面部前方側には、収納溝75gが開口している。この収納溝75gは、ベース部材75の前面部で略U字で長尺な経路を描いて開口しており、下口部材79が下方に傾動して(右側方から見て半時計回りに回転して)開口状態(後述する)を構成したとき、下口部材79の下端側が進入する。また、ベース部材75の前面部の上方側を傾斜状の封止面75hとしている。なお、この封止面75hは、後述する下貯留部(貯留空間K)の下端部に当接若しくは近接することで下貯留部(貯留空間K)を封止して下貯留部(貯留空間K)の貯留状態を維持する。一方、下貯留部(貯留空間K)の下端部との間に「1個の遊技球の直径」を超える幅の空間を設けることで、下貯留部(貯留空間K)の貯留状態を解除する面である。
通路部材76は、図17に示すように、上方板状部76aと、流下壁部76bとを備える。このうち、上方板状部76aは略平板状に構成される本体部76cを備え、この本体部76cの左右方向中間部であって後方側に位置する部位には、球抜き孔76dを備えている。また、本体部76cの上面部であって、球抜き孔76dの両脇に位置する部位からは、左右一対の球保持壁76e、76fが立ち上げられている。これらの球保持壁76e、76fはリブ形状に構成され、本体部76cの上面部から突出長が遊技球の直径(11mm)を超える長さとされている。
一対の球保持壁76e、76fは平面視で略ハの字状の経路を描くとともに、左側の球保持壁76eの前端部は、本体部76cの前端縁左端側に位置し、右側の球保持壁76fの前端部は、本体部76cの前端縁右端側に位置している。そして、本体部76cの前端縁において左端側および右端側を除く部位は前方に向かって開放された開放部76jとされている。また、本体部76cの前端縁の中央寄りは直線状に構成された直縁部76vとされ、本体部76cの前端縁の両端側は略円弧状に形成された曲端縁76w、76xとされている。
流下壁部76bは、本体部76cの前端縁の下方に略半周(直縁部76vの略直下において、左右に設けられる軸心周りで本体部76cの前端縁よりも前方に突出するように略半周)する状態の壁体を構成する壁本体部76zと、壁本体部76zおよび直縁部76vを連結する連結部76Rとを備える。また、壁本体部76zは、略樽形状の筒体をその軸心を通過する仮想面で切断したような形状を備える。つまり、壁本体部76zの曲率半径は、その左右方向に沿った中央部で最大となり、両端側に向かって徐々に減少している。
図17に示すように、本体部76cの上面部であって、球保持壁76e、76fに挟まれた部位(以下、「貯留用底部76k」という。)は球抜き孔76dに抜かって徐々に上がり傾斜となる傾斜面とされている(図20(a)を参照)。また、貯留用底部76kの幅(左右方向幅)は球抜き孔76dの形成位置に向かって徐々に狭くされ、球抜き孔76dの両端において、球抜き孔76dの幅(左右方向幅)と略等しくなっている。
図17に示すように、本体部76cの上面部であって、球抜き孔76dよりも後方に位置する部位には、1個の軸挿通部76mと、3個の軸受部76p、76q、76rとが設けられている。つまり、軸挿通部76mは本体部76cの右端後方側において、本体部76cを貫通する円筒状に設けられ、軸受部76p、76q、76rは軸挿通部76mの左側において横方向に並びつつ本体部76cを貫通する円筒状に設けられている。また、図18に示すように、本体部76cの右端後方側の上部には、所定のブラケット(図示を省略)を用いて第2モータ86が装着されている。更に、図18に示すように、第2モータ86の駆動軸86aは先端部を下方に向けた状態で軸挿通部76mに挿通され、本体部76cの下方に突出している。そして、本体部76cの下方において、駆動軸86aに駆動ギア86bが装着されている。
図18に示すように、軸挿通部76mの左隣に位置する軸受部76pには軸体86cが回転可能な状態に支持され、この軸体86cには本体部76cの下方において中間ギア86gが装着されている。また、左端に位置する軸受部76rには軸体86Eが回転可能な状態に支持され、この軸体86Eには本体部76cの下方において第1開閉部材81(図19参照)を構成する開閉ギア81cが装着されている。更に、軸受部76pと軸受部76rの間に位置する軸受部76qには、軸体86Dが回転可能な状態に支持され、この軸体86Dには本体部76cの下方において第2開閉部材82(図19参照)を構成する開閉ギア82cが装着されている。
図19(a)に示すように、第1開閉部材81および第2開閉部材82は、開放部76j(図17参照)の開閉を行うための部材である。このうち、第1開閉部材81は、図19(b)に示すように、アーム部81aと、アーム部81aの一端に一体化された開閉本体部81bと、アーム部81aの他端に一体化された開閉ギア81cと、を備える。また、第2開閉部材82も、図19(b)に示すように、アーム部82aと、アーム部82aの一端に一体化された開閉本体部82bと、アーム部82aの他端に一体化された開閉ギア82cと、を備える。なお、第1開閉部材81および第2開閉部材82は鏡面対象な構造を備える。
アーム部81a、82aは長尺な略平板状に構成され、開閉本体部81b、82bは略円弧状の曲板を用いて構成される。また、第1開閉部材81を構成する開閉本体部81bの右端下方側が略矩形状に切り欠かれ、上方に向かって凹む凹部81fとされている。また、第2開閉部材82を構成する開閉本体部82bの左端下方側が略矩形状に切り欠かれ、上方に向かって凹む凹部82fとされている。そして、第1開閉部材81を構成するアーム部81aの一端は、開閉本体部81bの下縁左端側(凹部81fを避けた部位)に一体化され、第2開閉部材82を構成するアーム部82aの一端は、開閉本体部82bの下縁右端側(凹部82fを避けた部位)に一体化されている。
アーム部81a、82aには、前述の軸体86D、86E(図19(b)では図示を省略)が一体回転可能な状態に装着されている。そして、第1開閉部材81を構成する開閉ギア81cは軸体86Eに一体回転可能な状態に装着され、第2開閉部材82を構成する開閉ギア82cは軸体86Dに一体回転可能な状態に装着されている。
図21に示すように、第2開閉部材82を構成する開閉ギア82cは、その右側に位置する中間ギア86gと噛合するとともに、その左側に位置する「第1開閉部材81を構成する開閉ギア81c」と噛合している。また、図21(a)に示す初期状態(上貯留部の貯留状態を維持する状態)においては、第1開閉部材81を構成する開閉本体部81bの右端面と、第2開閉部材82を構成する開閉本体部82bの左端面とが当接する状態とされる。このとき、図19(a)に示すように、開閉本体部81bの凹部81fと、開閉本体部82bの凹部82fとが一体となって構成される空間部に直縁部76vが嵌り込むとともに、開閉本体部81bの裏面下端側のうち凹部81fの左側に位置する部位が曲端縁76wに当接し、開閉本体部82bの裏面下端側のうち凹部82fの左側に位置する部位が曲端縁76xに当接することになる。このため、両開閉本体部81b、82bによって、開放部76jが閉鎖された状態となる。
一方、第2モータ86の駆動軸86aが所定回転方向に所定量回転すると、第2開閉部材82を構成する開閉ギア82cと、第1開閉部材81を構成する開閉ギア81cとが逆方向に回転する。これにより、図21(a)に示すように、第1開閉部材81を構成する開閉本体部81bの右端面と第2開閉部材82を構成する開閉本体部82bの左端面とが離間し、開放部76jが開放された状態となる。このため、貯留用底部76kに遊技球が存在すれば、その遊技球は貯留用底部76kの前方への下り傾斜を利用して前方に放出される。ここで、貯留用底部76kと、左右一対の球保持壁76e、76fと、左右の開閉本体部81b、82bによって構成される空間が「上貯留部」となり、この「上貯留部」は「第1貯留部」の一具体例を構成する。また、上貯留部による貯留を解除するための条件、つまり「上貯留解除条件」が「第1貯留解除条件」の一具体例を構成する。そして、図21(a)に示すように、開閉本体部81bの右端面と開閉本体部82bの左端面とが離間し、開放部76jが開放されると、上貯留部による貯留状態が解除される。なお、第1開閉部材81と第2開閉部材82とが開放部76jを閉鎖する状態にあるとき、上貯留部が貯留状態(閉鎖状態)にあると称し、第1開閉部材81と第2開閉部材82とが開放部76jを開放する状態にあるとき、上貯留部が貯留解除状態(開放状態)にあると称する。また、上貯留部が貯留解除状態(開放状態)にあるとき、第2モータ86の駆動軸86aを前述の所定回転方向と反対方向に対して、前述の所定量と同量回転させると上貯留部が貯留状態(閉鎖状態)に戻される。
ここで、通路部材76は、上方板状部76aの上面が上方に向き、流下壁部76bの軸心が左右を向くように固定される。この通路部材76の固定方法は種々選択できるが、例えば、図16(a)に示すように、顔面部材72の周壁部72b等に固定したブラケットBを用いて、本体部76cの側縁側等を保持することで、通路部材76の固定を行う態様を例示できる。
カバー部材77は、図13に示すように、透明な樹脂を用いて構成されており、その前方から後方に位置する壁本体部76zを透かして視認することが可能である。そして、このカバー部77は、図22および図23に示すように、通路部材76を構成する壁本体部76zと略相似形とされたカバー本体77aと、略扇形の板形状とされるとともにカバー本体77aの両端部に配置された側板部77b、77cとを備える。また、左側の側板部77bにおいて、その略曲率中心に位置する部位からは左方向に向かって支持突起77dが突出し、右側の側板部77cにおいて、その略曲率中心に位置する部位からは右方向に向かって支持突起77dが突出している。
図23に示すように、カバー部材77は壁本体部76zを収納する状態に配置され、カバー本体77aの後面部77Bと、壁本体部76zの前面部76Fとの間には、複数個の遊技球を貯留可能な貯留空間Kが形成されている。この貯留空間Kは、この空間内の左右方向およびカバー本体77aを周回する方向に複数個の遊技球を収納可能となっており、カバー本体77aの曲率半径の方向には、1個の遊技球を収納可能となっている。また、この貯留空間Kの右端近傍には側板部77bが配設され、貯留空間Kの左端近傍には側板部77cが配設されているため、貯留空間Kの端部から遊技球が零れ出ることが防止される。ここで、貯留空間Kは「下貯留部」を構成し、この下貯留部は「第2貯留部」の一具体例を構成し、下貯留部による貯留を解除するための条件が「第2貯留解除条件」の一具体例を構成する。
両開閉本体部81b、82bによって、開放部76jが閉鎖された状態にあるとき(上貯留部が貯留状態にあるとき)、貯留用底部76k上に遊技球が存在すれば、この遊技球は貯留用底部76k上に貯留される。但し、貯留用底部76kに貯留される遊技球の数が上限個数(本実施例では、15個)となると、それ以上の遊技球(以下、「余剰球」という。)は球抜き孔76dを通じて、貯留用底部76kの外部に放出される。なお、球抜き孔76dを開閉する弁を設け、貯留用底部76kに貯留される遊技球の数が上限個数になる度に球抜き孔76dを開放し、余剰球を球抜き孔76dから放出することとしてもよい。
上貯留部の貯留状態を解除すると、貯留用底部76k上の遊技球は、貯留用底部76kの前方への下り傾斜を利用して前方に転動し、開放部76jから排出され、貯留空間Kに流入することになる。なお、カバー部材77の固定方法は種々選択できる。例えば、図23に示すように、壁本体部76zの後方に嵌合可能であるとともに、左端面89bを壁本体部76zの左端から突出させ、右端面89cを壁本体部76zの右端から突出させる芯部材89を用意する。そして、芯部材89の前面89aを壁本体部76zの後面に接着し、左端面89bを左側の側板部77bに接着するとともに、右端面89cを右側の側板部77cに接着することで、カバー部材77を固定する方法を例示することができる。
上口部材78および下口部材79は、貯留空間Kの前方に配置されるシャッターとして機能する部材であり、貯留空間Kの前方を閉鎖して貯留空間Kを前方から視認不能とする閉鎖状態と、貯留空間Kの前方を開放して貯留空間Kを前方から視認可能とする開放状態とを実現する。なお、上口部材78および下口部材79は不透明に構成されている。
図22に示すように、上口部材78および下口部材79は、樽形状の構造体をその軸心周りに複数に分割したもののうちの1に相当する外形を備える。つまり、上口部材78および下口部材79は、前面壁78a、79aと、前面壁78a、79aの左端部から後方に突出する左側壁部78b、79bと、前面壁78a、79aの右端部から後方に突出する右側壁部78c、79cと、を備える。このうち、前面壁78a、79aは、樽形状の外周壁をその軸心周りに複数に分割したうちの1つに相当する外形を備える曲板によって構成される。
左側壁部78b、79bおよび右側壁部78c、79cは略扇形の板状体で構成され、円弧状となる部位を前面壁78a、79aの対応する端部に対して略直交する状態で一体化されている。また、左側壁部78b、79bおよび右側壁部78c、79cは、その略曲率中心となる部位に支持孔78d、79dを備えている。更に、図24に示すように、左側壁部78b、79bは、係合突起78k、79kを左方向に向かって突出させている。なお、左側壁部78b、79bおよび右側壁部78c、79cは円弧を構成する縁部と、上方に位置する側縁部と、下方に位置する側縁部とを備えるが、上方に位置する側縁部と下方に位置する側縁部が交差する部位に支持孔78d、79dを備える。また、上口部材78を構成する左側壁部78bにおいては、上方に位置する側縁部に係合突起78kを備え、下口部材79を構成する左側壁部79bにおいては、下方に位置する側縁部に係合突起79kを備える(図24等を参照)。
上口部材78および下口部材79は、カバー部材77に対して傾動可能(鋭角の回転角だけ回転可能)な状態に支持されている。つまり、図23に示すように、下口部材79の左側壁部79bの支持孔79dに対して、カバー部材77の左側の側板部77bの支持突起77dが挿入され、下口部材79の右側壁部79cの支持孔79dに対して、カバー部材77の右側の側板部77cの支持突起77dが挿入されている。更に、上口部材78の左側壁部78bの支持孔78dに対して、カバー部材77の左側の側板部77bの支持突起77dが挿入され、上口部材78の右側壁部78cの支持孔78dに対して、カバー部材77の右側の側板部77cの支持突起77dが挿入されている。なお、本実施例では、下口部材79をカバー部材77に装着した後、上口部材78をカバー部材77に装着する態様を例示したが、上口部材78をカバー部材77に装着した後、下口部材79をカバー部材77に装着する態様も例示することができる。
次に、上口部材78および下口部材79の初期姿勢(カバー部材77の前面部を閉鎖する閉鎖姿勢)と、開放姿勢について説明する。上口部材78および下口部材79の初期姿勢(閉鎖姿勢)は、図25(b)や図27(a)に示すように、上口部材78の下端縁と下口部材79の上端縁とを同一の高さ位置とすることで両者近接した状態とし、これにより「可動役物70を、あたかも口を閉じたような外観」とする姿勢である。この場合、上口部材78および下口部材79が貯留空間Kの前方を閉鎖する状態となるため、前方から貯留空間Kを視認することが不可能となる。なお、上口部材78および下口部材79が口を閉じた状態を呈する姿勢となることを、「上口部材78および下口部材79が閉口状態にある」若しくは「可動役物70が閉口状態にある」という。
一方、上口部材78および下口部材79の開放姿勢は、図26(a),(b)に示すように、上口部材78の下端縁と下口部材79の上端縁とを離間させることによって、「可動役物70を、あたかも口を開いたような外観」とする姿勢である。つまり、上口部材78を支持突起77d、78dを基準に上方に傾動させ、下口部材79を支持突起77d、78dを基準に下方に傾動させることで、貯留空間Kの前方を開放する姿勢である。この場合、上口部材78および下口部材79が貯留空間Kの前方を開放する状態となるため、前方から貯留空間Kを視認することが可能となる。なお、上口部材78および下口部材79が貯留空間Kの前方を開放する状態となることを「上口部材78および下口部材79が開口状態となる」若しくは「可動役物70が開口状態にある」という。
次に、上口部材78および下口部材79を動作させるための駆動機構について説明する。この駆動機構は、図24および図25に示すように、前述の第3モータ87と、開閉カム91と、駆動伝達部材92とを備える。このうち、開閉カム91は略円板状に構成されるカム本体91aと、カム本体91aの表裏一方の面においてカム本体91aの軸心位置から突出するボス91bと、カム本体91aの表裏他方の面においてカム本体91aの軸心位置から偏心した位置(周縁寄りの位置)から突出する押圧突起91cとを備える。そして、開閉カム91のボス91bには、第3モータ87の駆動軸87bが一体回転可能な状態に装着されているため、駆動軸87bを回動させると、開閉カム91はカム本体91aの軸心周りに回動する。
駆動伝達部材(口開閉スライダ)92は、図24および図25に示すように、開閉カム91の従動節(フォロワ)を構成する部材であり、開閉カム91と協働して、第3モータ87から出力される駆動力を上口部材78および下口部材79に伝達する。この駆動伝達部材92は、図25に示すように、表裏面を左右に向けて配置される略コの字状の板状体であり、上方において横長に構成される上板部92aと、下方において横長に構成される下板部92bと、上板部92aの後端部および下板部92bの後端部を掛け渡す中板部92cとを備える。
駆動伝達部材92は、図24に示すように、開閉カム91と、両左側壁部78b、79bとの間に配置され、前後動可能な状態に支持されている。ここで、駆動伝達部材92の支持方法は特に問わないが、例えば、図18に示すように、略コの字状の断面を備えつつ上板部92aの上端側を前後に摺動な状態で支持する上部レール部材95aと、略コの字状の断面を備えつつ下板部92bの下端側を前後に摺動な状態で支持する下部レール部材95bとを用いて支持する態様を例示することができる。この場合、上部レール部材95aおよび下部レール部材95bは前後に長尺に構成される。
駆動伝達部材92には、図25に示すように、3個のスライド孔92d、92e、92fが表裏を貫通しつつ上下方向に長尺に設けられている。つまり、中板部92cには、前述の押圧突起91cを上下にスライド可能な状態に挿入する第1スライド孔92dが設けられている。また、上板部92aにおける前方の部位には、上口部材78を構成する左側壁部78bの係合突起78kを、上下にスライド可能な状態に挿入する第2スライド孔92eが設けられ、下板部92bにおける前方の部位には、下口部材79を構成する左側壁部79bの係合突起79kを、上下にスライド可能な状態に挿入する第3スライド孔92fが設けられている。
上口部材78および下口部材79は、以上の駆動機構を用いて以下のように駆動する。まず、図24および図27(a)は、上口部材78および下口部材79が初期姿勢(閉鎖姿勢)にある場合を示している。ここで、上口部材78および下口部材79を初期姿勢(閉鎖姿勢)とする押圧突起91cの回転駆動位置を初期位置と称することとする。このとき、第3モータ87の駆動を停止した状態を維持すると、第1スライド孔92d内の押圧突起91cが「駆動伝達部材92がスライドしない状態」に維持するとともに、第2スライド孔92e内の係合突起78kと第3スライド孔92f内の係合突起79kとが、上口部材78と下口部材79の閉口状態を維持する。
上口部材78および下口部材79が初期姿勢(閉鎖姿勢)にあるときに、図26および図27(b)に示すように、第3モータ87の駆動軸87aを特定回転方向に回転させ、押圧突起91cが開閉カム91の左方から観察して半時計回りに回転するように開閉カム91を回転すると、押圧突起91cは第1スライド孔92d内を下方に移動(スライド)しつつ、中板部92cにおいて第1スライド孔92dを形作る壁面のうち、後方に位置する部分を後方に押圧する。このため、駆動伝達部材92は後方にスライドする。
このとき、上口部材78の係合突起78kが第2スライド孔92e内を上方に移動(スライド)しつつ上板部92aにおいて第2スライド孔92eを形作る壁面のうち、後方に位置する部分を後方に押圧するため、上口部材78は支持突起77dを基準に上方に傾動する。同時に、下口部材79の係合突起79kが第3スライド孔92f内を下方に移動(スライド)しつつ下板部92bにおいて第2スライド孔92fを形作る壁面のうち、後方に位置する部分を後方に押圧するため、下口部材79は支持突起77dを基準に下方に傾動する。
そして、第3モータ87の駆動軸87aの特定回転方向への回転量が第1特定量となったところで、上口部材78および下口部材79が開口状態となり、貯留空間Kが前方から視認可能となる。この状態で、第3モータ87の駆動を停止すると、第1スライド孔92d内の押圧突起91cが「駆動伝達部材92がスライドしない状態」を維持するとともに、第2スライド孔92e内の係合突起78kと、第3スライド孔92f内の係合突起79kとが、上口部材78と下口部材79の開口状態を維持する。
また、上口部材78と下口部材79が開口状態にあるとき、第3モータ87の駆動軸87aを特定回転方向と反対方向に回転させ、押圧突起91cが開閉カム91の左方から観察して時計回りに回転するように開閉カム91を回転すると、押圧突起91cは第1スライド孔92d内を上方に移動(スライド)しつつ、中板部92cにおいて第1スライド孔92dを形作る壁面のうち、前方に位置する部分を後方に押圧する。このため、駆動伝達部材92は前方にスライドする。
このとき、上口部材78の係合突起78kが、第2スライド孔92e内を下方に移動(スライド)しつつ上板部92aにおいて第2スライド孔92eを形作る壁面のうち、前方に位置する部分を前方に押圧するため、上口部材78は支持突起77d、78dを基準に下方に傾動する。同時に、下口部材79の係合突起79kが、第3スライド孔92f内を上方に移動(スライド)しつつ下板部92bにおいて第2スライド孔92fを形作る壁面のうち、前方に位置する部分を前方に押圧するため、下口部材79は支持突起77d、78dを基準に上方に傾動する。
そして、第3モータ87の駆動軸87aの特定回転方向とは反対方向への回転量が第1特定量となったところで、上口部材78および下口部材79が閉口状態となり、貯留空間Kが前方から視認不可能となる。この状態で、第3モータ87の駆動を停止すると、第1スライド孔92d内の押圧突起91cが「駆動伝達部材92がスライドしない状態」を維持するとともに、第2スライド孔92e内の係合突起78kと第3スライド孔92f内の係合突起79kとが、上口部材78と下口部材79の閉口状態を維持する。
第2樋部材88cは、図11および図13に示すように、通路部材76の略中央部の上方に搭載されている。この第2樋部材88cの前端は、通過口72gの後方に位置合わせされているため、第1樋部材71cの後端から排出される遊技球は通過口72gを通過した後に第2樋部材88cに流入する。また、第2樋部材88cの底部および第1樋部材71cの底部は後方に向かう下り傾斜を有しているため、第1樋部材71cに受け入れられた遊技球は、第2樋部材88cの後端に向かって転動する。
図11および図13に示すように、第2樋部材88cの底部の後端側には排出口88dが上下に貫通する状態に設けられている。このため、第2樋部材88cに流入した遊技球は、この排出口88dを通じて、貯留用底部76kの前後方向中間部(球抜き孔76dの形成位置よりも前方)に落下する。また、通過口72gと、第2樋部材88cの前端との間には第1始動口入賞検出スイッチ17sが配置され、このスイッチ17sによって、通過口72gを通過して第2樋部材88cに流入する遊技球が検出される。
図28示すように、下部ユニット73bにおいて、流下壁部76bの右側方の位置には連絡樋17uの端末部17wが開口している。そして、第2始動入賞装置17bに入賞し、この連絡樋17uを通過した遊技球は、端末部17wから流下壁部76bに流入した後、貯留空間Kに流入する。つまり、第2始動入賞装置17bに入賞した遊技球は貯留用底部76k(上貯留部)を通過することなく、直接、貯留空間Kに流入する。なお、本実施例においては、貯留空間Kに貯留される遊技球の数を制限するための手段を設けることもできる。例えば、カバー部材77を構成する両側板部77b、77cのうちの少なく一方において、貯留空間Kの上端側を構成する位置に球抜き孔を設け、貯留空間Kに貯留される遊技球が所定数を超えたとき、この所定数を超えて貯留される遊技球を、球抜き孔を通じて外部に放出することとしてもよい。
次に、図29および図30を用いて可動役物70の使用例を説明する。
図29(a)に示すように、両開閉本体部81b、82b(図19参照)によって開放部76jが閉鎖された状態のとき、つまり「上貯留部」が貯留状態を維持しているとき、第1始動口17Aに遊技球が入賞すると、この入賞した遊技球は「15球」を限度に上貯留部(貯留用底部76k上)に貯留される。そして、図29(b)に示すように、所定のタイミングで、上口部材78と下口部材79の状態を閉口状態から開口状態に変更すると、貯留空間K(下貯留部)が視認可能な状態となる。
この後、図30(a)に示すように、両開閉本体部81b、82bによる開放部76jの閉鎖を解除し、開放部76jを開放して「上貯留部」の貯留状態を解除すると、貯留用底部76k上の遊技球が貯留空間Kに流れ込む。このとき、貯留空間K(下貯留部)の下端部がベース部材75の前端部で封止された状態となるため、貯留空間Kに流入した遊技球は貯留空間Kに貯留されるとともに、前方から視認可能な状態となる。
更に、図30(b)に示すように、ベース部材75を後方に駆動すると、貯留空間Kの下端部と、ベース部材75の前端部(貯留空間Kからの遊技球の排出を防止するために貯留空間Kの下端部を封止する封止面75h)との間に、遊技球の直径を超える幅の空間Jが設けられるため、貯留空間Kに貯留された遊技球は、この空間Jを通じて落下し、可動役物70外に排出される。この後、上口部材78と下口部材79の状態が、図29(a)に示すように閉口状態に戻される。なお、空間Jの前後幅を調節したり、空間Jの形成時間を調節することで、貯留空間Kから排出する貯留球の数、貯留球の排出速度を調整することができる。
(2)制御回路の構成
次に、図31〜図33を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、表示演出、音演出(効果音等)、発光演出(LEDの点灯・点滅等)、可動演出(可動役物等)の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成される演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図15〜図17中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図15においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、大入賞口入賞検出スイッチ31s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図32に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226および演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
図33に示すように、演出表示制御基板222には、CPU222aと、制御ROM222bと、制御RAM222cと、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)222dと、ワークRAM222eと、表示用ROM(キャラクタROM)222gと、ビデオRAM222hとが搭載されている。また、VDP222dには演出表示装置27が電気的に接続されている。
CPU222aは、サブ制御基板220から送信された各種表示制御用の信号(コマンド)を受信すると共に制御ROM222bに記憶されたプログラムに従って受信した信号(コマンド)を解析する。そして、CPU222aはその解析結果をVDP222dに送信する。尚、制御ROM222bには遊技機1の遊技状態等に応じた各種の画像表示制御用のプログラムが記憶され、制御RAM222cには各種のデータを一時的に記憶する記憶領域や作業領域等が設けられている。また、表示用ROM222gには、演出表示装置27の表示画面27aに表示される各種演出図柄の表示に関するデータ(変動表示される疑似図柄のデータ等)が記憶されている。
VDP222dは、CPU222aによる上記「解析結果」に基づいて、演出表示ROM222gに記憶されたデータを読み出し、この読み出したデータに基づいてワークRAM222eで画像データを生成し、ビデオRAM222hに一時的に記憶させる。この後、送信部222kから、ビデオRAM222hに記憶された画像データを信号(RGB画像信号)に載せて演出表示装置27に送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板や装飾用(演出用)のアクチュエータが接続されている。また、この装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行う。つまり、前述の可動役物70を構成する第1モータ85、第2モータ86および第3モータ87(何れもステッピングモータ)が接続されている。
払出制御部240Aには、図31に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h、4j〜4r等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能となるように構成されている。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる当否判定の結果を示す停止図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを、下部表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄と、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る「主制御部200Aにおいて「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
なお、本実施例では、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されること(以下、「第1始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第1当否判定」という。)と、第2始動口入賞検出スイッチ17tによって遊技球が検出されること(以下、「第2始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第2当否判定」という。)は、何れも「大当り抽選」のみによって構成されるが、第1当否判定および第2当否判定のうちの少なくとも一方が「大当り抽選」と、大当り抽選の結果が外れの場合に実行される「小当り抽選」とによって構成されてもよい。また、大当りや小当りに係る当否判定(特別遊技を開始するか否かの判定)の他に、始動入賞に基づいて行われる判定として、大当り遊技のラウンド数を決定するためのラウンド判定や、大当り遊技終了後に確変遊技(高確率状態)を開始するか否かを決定するための確変判定や、大当り遊技終了後に時短遊技(時短状態)を開始するか否かを決定するための時短判定や、大当り遊技終了後に開放延長遊技(開放延長状態)を開始するか否かを決定するための開放延長判定や、それら確変遊技や時短遊技や開放延長遊技の実行期間を決定するための期間判定などが例示できる。なお、確変遊技や時短遊技や開放延長遊技は、大当り遊技や小当り遊技と同様に、遊技者にとって有利な遊技であることから、大当り遊技、小当り遊技、確変遊技、時短遊技および開放延長遊技は、いずれも「特別遊技」として捉えることができる。また、本実施例では、「大当り遊技」によって参考発明3又は参考発明4に示す「当り遊技」の具体例を構成するが、大当り遊技および小当り遊技を実行する遊技機では、大当り遊技および小当り遊技のうち少なくとも一方によって参考発明3又は参考発明4に示す「当り遊技」の具体例を構成することもできる。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「疑似図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部220A」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ等)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では、第1始動入賞に起因して、第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、第2始動入賞に起因して、第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って、演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出」の概要について説明した後、本実施例の「図柄変動演出」の特徴について説明する。
a.図柄変動遊技
「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄の変動表示および停止表示によって構成され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄の変動表示および停止表示によって構成される。これらの変動表示は、図8(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。そして、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって第1当否判定の結果が表示され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって第2当否判定の結果が表示される。
ところで、図34および図35に示すように、遊技機1の確率モードが低確率モード(通常確率モード)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/400」とされる。また、遊技機1の確率モードが高確率モードである場合(高確率遊技を実行中の場合)には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/40」とされる。そして、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段が作動を開始して大当り遊技が実行される。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動および駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。なお、遊技状態が大当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。これに対し、「大当り遊技状態移行前」や「大当り遊技状態終了後」の大当り遊技が行われていない状態は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われる状態、すなわち、図柄変動遊技が実行可能な状態(図柄変動遊技状態)となる。
ここで、「大入賞装置31の開放」は大入賞口ソレノイド31cを駆動して、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、大入賞口31aを開放状態に変化させることによって実現され、「大入賞装置31の閉鎖」は、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止して開閉板31bを起立姿勢に戻し、大入賞口31aを閉鎖状態に戻すことによって実現される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒若しくは0.2秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
本遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、所定回数(4ラウンド、8ラウンド若しくは16ラウンド)に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、大当り終了に係る演出(エンディング演出)を行った後、遊技状態が図柄変動遊技状態に戻される。なお、本実施例では、各ラウンド遊技の開始および終了毎に、主制御基板200からサブ制御基板220に「ラウンド開始指定コマンド」および「ラウンド終了指定コマンド」が送信される。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、主制御基板200からの「ラウンド開始指定コマンド」および「ラウンド終了コマンド」に基づき、現在実行中の大当り遊技(ラウンド遊技)の進行状況を判断し、その進行状況に応じた種々の大当り遊技演出を演出表示装置27等により実行する。また、「ラウンド開始指定コマンド」はラウンド遊技の開始や、その開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すコマンドであり、「ラウンド数指定コマンド」とも言う。また、「ラウンド終了指定コマンド」は大当りラウンドが終了したことを示すコマンドである。
本実施例では、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄の態様に応じて、実行される大当り遊技(ラウンド遊技)の内容や、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態が異なったものとなる。以下、この点について詳細に説明する。ここで、以下の説明において、「16R確変大当り」および「16R通常大当り」はラウンド遊技を「16ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技A」という。)の開始契機となる大当りであり、「8R確変大当り」および「8R通常大当り」はラウンド遊技を「8ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技B」という。)の開始契機となる大当りである。そして、「4R確変大当り」および「4R通常大当り」はラウンド遊技を「4ラウンド」行う大当り遊技(以下、「大当り遊技C」という。)の開始契機となる大当りである。更に、何れの大当り遊技においても、各ラウンド遊技で大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球すると「150個」の遊技球が払い出される。このため、「大当り遊技A」の払出予定賞球数は「2,400個」、「大当り遊技B」の払出予定賞球数は「1,200個」、「大当り遊技C」の払出予定賞球数は「600個」とされている(図34,図35を参照)。
第1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(つまり、振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、図34に示すように、「大当りの種類」が「16R確変大当り」、「16R通常大当り」、「8R確変大当り」、「8R通常大当り」、「4R確変大当り」および「4R通常大当り」のうちの何れかに決定される。「振分抽選」を行うための乱数(以下、「図柄決定用乱数」という。)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第1当否判定の結果が大当りでない場合も、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。
第2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出された場合も、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選によっても、図35に示すように、「大当りの種類」が「16R確変大当り」、「16R通常大当り」、「8R確変大当り」、「8R通常大当り」、「4R確変大当り」および「4R通常大当り」のうちの何れかに決定される。この「振分抽選」を行うための「図柄決定用乱数」も、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第2当否判定の結果が大当りでない場合も、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。
第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。つまり、本実施例では、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている(図34、図35を参照)。このため、遊技者にとっては、第2当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第2当否判定を主体とする遊技」という。)を行う場合の方が、第1当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第1当否判定を主体とする遊技」という。)を行う場合よりも有利度が高いと言える。
「16R確変大当り」、「8R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。つまり、第1当否判定の結果が大当りとなる確率および第2当否判定の結果が大当りとなる確率が、それぞれ高確率とされる。このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる遊技状態が「高確率モード(高確率状態)」である。また、「16R確変大当り」、「8R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、開放延長手段および変動時間短縮手段が作動する遊技モード、つまり「開放延長モード」となる。なお、開放延長手段は高頻度状態発生手段の具体例を構成し、開放延長モード(開放延長状態)は高頻度状態の具体例を構成する。
この開放延長モードは、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「10,000回」になるまで継続される。但し、遊技機(パチンコ機)において通常定められる大当りの当選確率(大当り確率)を考慮すると、変動表示の累積回数が「10,000回」になるまで開放延長モードが継続することは、実質的に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続すること」を意味する。よって、以下、当該ケースに関しては単に「次回の大当りを生ずるまで開放延長モードが継続する」と表現する(図34、図35を参照)。
一方、「16R通常大当り」、「8R通常大当り」若しくは「4R通常大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。つまり、第1当否判定の結果が大当りとなる確率および第2当否判定の結果が大当りとなる確率が、それぞれ低確率(通常確率)とされる。また、対応する大当り遊技の終了後に遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなり、第2始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなる。そして、この開放延長モードは対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される変動表示(図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になるまで継続される。
b.図柄変動演出(判定演出)の概要
本遊技機1は、図柄変動演出(判定演出)等の遊技演出を行う手段(演出手段)として、演出表示装置27と、可動役物70、スピーカSP1〜SP4等を備える。ここで、演出表示手段としての演出表示装置27は表示演出を行い、音出力手段としてのスピーカSP1〜SP4は音演出を行う。また、可動演出手段としての可動役物70は可動演出を実行する。以下、可動役物70による可動演出を伴わない図柄変動演出(判定演出)を「第1図柄変動演出」と称する。また、開放延長手段未作動時に可動役物70による可動演出を伴って実行される図柄変動演出(判定演出)を「第2図柄変動演出」と称し、開放延長手段作動時に可動役物70による可動演出を伴って実行される図柄変動演出(判定演出)を「第3図柄変動演出」と称する。
b−1.第1図柄変動演出
第1図柄変動演出は、第1始動入賞装置17a(第1始動口17A)若しくは第2始動入賞装置17b(第2始動口17B)への遊技球の入球(始動入賞)に起因して開始される。この第1図柄変動演出では、図36(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの所定の部位において疑似図柄表示領域27bが出現し、疑似図柄の変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。また、表示画面27aには、図36(a)〜(c)に示すように、所定のキャラクタ画像(背景画像の一種)が表示される(ここでは猫のキャラクタ画像を表示)。
そして、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が一定時間(約0.6秒間)実行される。この疑似図柄の停止表示は、前述の右下表示装置60(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
図36(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでは、疑似図柄表示領域27bに3つ(3桁)の疑似図柄を表示しつつ疑似図柄の変動表示と停止表示がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。また、疑似図柄表示領域27bに確定表示される確定図柄には、「外れを示す停止図柄」と「大当りを示す停止図柄」がある。
ここで、前述のように、本遊技機1においては、「大当り」として、図34および図35に示すように、複数種類の大当りの各々に対応して本図柄の停止図柄(大当り図柄)を設定している。一方、図37(a)に示すように、疑似図柄の停止図柄(大当り図柄)を以下のように定めている。つまり、「16R確変大当り」、「8R確変大当り」若しくは「4R確変大当り」の発生を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の奇数数字」を3個並べて構成される。また、「16R通常大当り」、「8R通常大当り」若しくは「4R通常大当り」の発生を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の偶数数字」を3個並べて構成される。更に、「外れ図柄」は、図37(b)に示すように、疑似図柄表示領域27bに停止表示される3つの疑似図柄のうちの少なくとも1つを、他と異なる数字図柄として構成される。
演出表示装置27において、図37(a)に示す大当り図柄を表示する場合、図36(c)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ演出(リーチ表示)を行う。また、図37(a)および(b)に示すように、演出表示装置27において「外れを示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ演出を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ演出を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ演出は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄を同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とする演出表示である。また、本遊技機1では、リーチ演出として、演出内容が単純なリーチ演出(以下、演出内容が演出途中で発展しない「非発展演出」等の「ノーマルリーチ演出」)と、演出内容が演出途中で発展する「発展演出」を伴うリーチ演出と、所謂「疑似連続予告」を伴うリーチ演出(以下、「疑似連演出」という。)とのうちの何れかを実行する。
なお、図6を用いて前述したように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、第1特別図柄表示部62aに対応する第1補助図柄表示領域Aと、第2特別図柄表示部62bに対応する第2補助図柄表示領域Bとが出現する。そして、図柄変動遊技を実行中の特別図柄表示部(62a若しくは62b)と対応する補助図柄表示領域に表示される補助図柄が、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示に伴って変動表示を行う。そして、特別図柄の変動表示の終了に伴い補助図柄が変動表示を終了すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。また、表示画面27aの背景画面表示領域27cでは、疑似図柄の変動を盛り上げるための演出が「背景図柄」、「キャラクタ図柄」、「実写映像」等を表示しつつ繰り広げられる(図6を参照)。この演出は、原則として図柄変動演出の開始時に決定した演出パターンに従って行われる。なお、演出表示の実行時間(変動時間)は、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって決定される。
以上の「第1図柄変動演出」を実行しているときには、図39(a)に示すように、上口部材78と下口部材79の状態を閉口状態に維持するとともに、上貯留部の「貯留状態」を維持する。そして、上貯留部(貯留用底部76k、球保持壁76e、76f、開閉本体部81b、82b)に貯留される遊技球の個数が上限個数(本実施例では、15個)を超えると、その超える分の遊技球は球抜き孔76dを通じて可動役物70外に排出される。
b−2.第2図柄変動演出
次に、開放延長手段が作動していない状態で、可動役物70による可動演出を伴って実行される図柄変動演出(判定演出)、つまり、第2図柄変動演出について説明する。この第2図柄変動演出においても、第1始動入賞装置17a(第1始動口17A)若しくは第2始動入賞装置17b(第2始動口17B)への遊技球の入球(始動入賞)に起因して開始される。但し、第2図柄変動演出は、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターンが、第1特定変動パターン(後述する。)若しくは第2特定変動パターン(後述する。)である場合に実行される。また、第2図柄変動演出においては、その途中に必ずリーチ演出が実行される。
この第2図柄変動演出では、演出表示装置27の表示画面27aにおいてリーチ演出が開始される前において、前述の第1図柄変動演出と同一態様で行われるため、以下、リーチ演出が開始される前の部分については説明を省略する。また、図柄変動遊技の開始時に決定される変動パターンが第1特定変動パターンである場合には、リーチ演出の開始後に演出内容が発展する「発展演出」が実行され、当該決定される変動パターンが第2特定変動パターンである場合には、リーチ演出の開始後に演出内容が発展しない「非発展演出」が実行される。なお、本実施例において例示する「発展演出」では、演出表示装置27の表示画面27aの表示されるキャラクタ(猫)の数が徐々に増加し、疑似図柄の停止表示を行う直前にその数は10になる(図示を省略)。
第2図柄変動演出においては、図38に示すように、演出表示装置27の表示画面27aにおいてリーチ演出が開始されると、可動役物70を開口状態に変化させる(a1)。つまり、上口部材78と下口部材79の状態を、図39(a)に示す閉口状態から図39(b)に示す開口状態に変化させる。これにより、貯留空間K(下貯留部)が前方から視認可能となる。そして、「非発展演出」を実行する場合には(図38のb2)、上貯留部の貯留解除を行うことなく、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)の経過待って、疑似図柄の停止表示(確定表示)を行う(図38のb3)。このとき、サブ制御基板220のCPU220aは、図柄停止コマンド(後述する。)を受信すると、下貯留部の貯留状態を解除する動作(下貯留部に貯留球が存在するか否かにかかわらず、この解除する動作を行う。)を「2秒間」行い、下貯留部を貯留状態に戻す際に可動役物70を閉口状態に戻すことを行う(図38のb4)。つまり、本実施例では、疑似図柄の停止時間として「約0.6秒間」を予定するため、停止時間経過後において後続する図柄変動演出が開始される場合には、当該後続する図柄変動演出が開始されてから「1.4秒」経過した時点で、下貯留部が貯留状態に戻されるとともに可動役物70が閉口状態に戻される(図38のb4)。
これに対して、「発展演出」を実行する場合には、演出が発展すると同時に上貯留部の貯留解除を行う(図38のa2)。これにより、図40(a)に示すように、上貯留部に貯留されていた遊技球が、下貯留部(貯留空間K)に流入する。そして、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)の経過待って、疑似図柄の停止表示(確定表示)を行う。このときも、サブ制御基板220のCPU220aは、図柄停止コマンド(後述する。)を受信すると、下貯留部の貯留状態を解除する動作を「2秒間」行い、下貯留部を貯留状態に戻す際に可動役物70を閉口状態に戻すことを行う(図38のa4)。つまり、サブ制御基板220のCPU220aは、図柄停止コマンド(後述する。)を受信すると、図40(b)に示すように、ベース部材75を後方に駆動するため、貯留空間K内に貯留球が存在する場合には、この貯留球は可動役物70外に排出される(図38のa3)。なお、第2図柄変動演出においては「リーチ演出が発展すること」によって上貯留解除条件(第1貯留解除条件)が成立する。
b−3.第3図柄変動演出
次に、開放延長手段が作動している状態で、可動役物70による可動演出を伴って実行される図柄変動演出(判定演出)、つまり、第3図柄変動演出について説明する。この第3図柄変動演出は、可動役物70による可動演出を伴うことを除いて、前述の第1図柄変動演出と同一態様で行われる。このため、以下においては、第3図柄変動演出に係る可動演出についてのみ説明する。
この第3図柄変動演出に係る可動演出は、図41に示すように、開放延長手段の作動中において定期的に実行される。この可動演出は開放延長手段が作動状態となると開始される(c1)。つまり、開放延長手段が作動を開始すると、上貯留部の貯留が解除される。この後、一定時間(本実施例では60秒)が経過するのをまって可動役物70を開口状態とする(c3)。ここで、開放延長手段の作動時には第2始動口17Bへの入賞頻度が高いとともに、第2始動口17Bに入賞する遊技球は上貯留部を通過することなく、直接、下貯留部(貯留空間K)に流入する。しかも、開放延長手段が作動を開始してから一定時間(本実施例では60秒)が経過している。このため、可動役物70を開口状態とすると、下貯留部(貯留空間K)に多量の遊技球が貯留されていることを遊技者が視認する可能性は高くなる。
また、図42に示すように、可動役物70を開口状態は「2秒間」継続されるが、可動役物70の開口状態を終了するまでの間の僅かな時間(0.5秒)だけベース部材75を後方に駆動することで、貯留空間Kに貯留された遊技球を僅かな量だけ可動役物70外に排出する(c4)。これにより、遊技者は下貯留部(貯留空間K)に貯留されていた遊技球が減少することを視認することになる。そして、僅かな時間(0.5秒)だけ、可動役物70を閉口状態とした後(c5)、可動役物70を開口状態とする(c6)。
この開口状態も「2秒」継続されるが、可動役物70の開口状態を終了するまでの間の僅かな時間(0.5秒)だけベース部材75を後方に駆動することで、貯留空間Kに貯留された遊技球を、更に僅かな量だけ可動役物70外に排出する(c7)。これにより、遊技者は下貯留部(貯留空間K)に貯留されていた遊技球が更に減少することを視認することになる。そして、図43に示すように、僅かな時間(0.5秒)だけ可動役物70を閉口状態とした後(c8)、可動役物70を開口状態とする(c9)。
この開口状態も「2秒」継続されるが、可動役物70の開口状態が終了するまでの間、ベース部材75を後方に駆動した状態が維持されるため、貯留空間Kに貯留された遊技球は概ね可動役物70外に排出される(c9、c10)。これにより、遊技者は下貯留部(貯留空間K)に貯留されていた遊技球が完全に無くなること若しくは殆ど無くなること等を視認することになる。そして、図44に示すように、僅かな時間(0.5秒)だけ可動役物70を閉口状態とした後(c11)、可動役物70を開口状態とし、遊技者に下貯留部(貯留空間K)の状態を確認させる(c12)。この後、一定時間(本実施例では60秒)が経過するのをまって、図41〜図44の「c3」〜「c12」の処理を繰り返す。
この第3図柄変動演出によると、可動役物70が口を「もぐもぐ」と動かして、下貯留部(貯留空間K)に貯留された多量の遊技球を「そしゃく(咀嚼)」するが如き可動演出を行うことができる。
c.大当り遊技演出
図45に示すように、演出表示装置27の表示画面27aに「大当りを示す停止図柄」が表示されると(d1)、演出表示装置27の表示画面27aにおいてファンファーレ演出表示(大当り開始表示)を行うとともに、スピーカSP1〜SP4を用いてファンファーレ音を発生した後(d2)、「大当り遊技」が開始される。そして、大当り遊技が開始されると、大入賞装置31に対して所定の開閉パターンに従う開閉動作が施され、これに伴い表示画面27aにおいて「第1ラウンドに係る演出表示(ラウンド演出表示)」を行う(d3)。そして、「第1ラウンド」の終了条件が成立すると、表示画面27aにおいてインターバル演出表示を行う(d4)。
この後、所定のインターバル時間(待機時間の約2秒)を経て「第2ラウンド」が開始されると(d5)、大入賞装置31に対して所定の開閉パターンに従う開閉動作が施される。これに伴い表示画面27aにおいて「第2ラウンドに係る演出表示(ラウンド演出表示)」を開始する。そして、「第2ラウンド」の終了条件が成立すると、表示画面27aにおいてインターバル演出表示を行う(d6)。以降、同様にして「ラウンド演出表示」が最終ラウンドまで「インターバル時間」および「インターバル演出表示」を挟みつつ繰り返される。そして、最終の大当りラウンド(第4ラウンド、第8ラウンド、若しくは第16ラウンド)が終了し(d7)、更にエンディング演出表示が終了すると(d8)、大当り遊技終了後の遊技モードが「終了した大当り遊技の実行契機となった大当り図柄(本図柄)」に対応して定められる。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図46(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図46(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドであり、始動入賞時に使用している変動パターンテーブルに応じて、通常変動用の変動パターン(後述する。)および短縮変動用の変動パターン(後述する。)のうちの何れかが特定される。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させるとともに、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、モード指定コマンドは、「遊技モード設定手段としての主制御部200A(主制御基板200)」が設定している遊技モードを指定するコマンドである。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図47は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図47のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図47のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図47のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入賞検出スイッチ17s、17tや大入賞口入賞検出スイッチ31sや一般入賞検出スイッチ40s、41sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入賞検出スイッチ17s、17t等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したことを契機に普通図柄表示部63にて普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図47の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図47の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)、或いは、作動させない図柄(普通図柄の外れ図柄)の何れであるかを判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.2秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図48は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図48の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは5秒、通常開放モードでは0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2始動入賞装置17b)の開放中に(S202;NO)、第2始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。なお、本遊技機1では普通電動役物17dの作動に際して普通電動役物ソレノイド17cが駆動されると、普通電動役物17dを構成する第2始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2始動入賞装置17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理(S300)
次に、図49〜図53を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図49に示すように、先ず、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したか否かが判断される(S302a、S302b)。そして、S302aの処理およびS302bの処理において否定的な判断がなされる場合(S302a;NO、S302b;NO)、そのまま図50に示すS308以降の処理に移行する。
一方、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞したと判断されると(S302a;YES)、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄の保留数(第1保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S304a)。このS304aの処理において、所定個数未満と判断されると(S304a;YES)、第1始動入賞装置17aへの入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得する(S306a)。この判定用乱数は主制御基板200に搭載されたRAM202に設けられたメモリ(以下、「第1判定用乱数メモリ」と称する)に記憶され、これにより「第1保留数」が「+1」される。この後、図50に示すS308a以降の処理に移行する。
ここで、本遊技機1は始動入賞装置として、第1始動入賞装置17aと第2始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)と、第2始動入賞装置17bに対応する第2特別図柄(以下「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく判定用乱数と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく判定用乱数とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。
また、図49〜図53においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」および「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
S306aの処理において取得して記憶される判定用乱数としては、(a)第1当否判定、つまり第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図1大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1大当り抽選乱数」という。)、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数(特図1図柄決定用乱数)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(特図1小当り抽選)を行う場合、S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図1小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
また、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したと判断されると(S302b;YES)、第2始動入賞装置17dに対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S303b)。このS304bの処理において、所定個数未満と判断されると(S303b;YES)、第2始動入賞装置17bに関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得する(S306b)。この判定用乱数は主制御基板200に搭載されたRAM202に設けられたメモリ(以下、「第2判定用乱数メモリ」と称する)に記憶され、これにより「第2保留数」が「+1」される。この後、図50に示すS308a以降の処理に移行する。
また、S306bの処理において取得して記憶される判定用乱数としては、(a)第2当否判定、つまり第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図2大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2大当り抽選乱数」という。)、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定するための図柄決定用乱数(特図2図柄決定用乱数)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図2小当り抽選」という。)を行う場合、S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図2小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
S308の処理では、図50に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図51のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と、「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、主制御基板200に搭載されたRAM202に設けられた「第2判定用乱数メモリ」から最も古い判定用乱数を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数は、S306bで取得したものであって、特図2大当り抽選乱数や特図2図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
この第2当否判定処理(S320b)では、図52に示すように、先ず、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、特別図柄および普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2始動入賞装置17b(普通電動役物)の開放延長機能を作動させる(後述する。)。但し、高確率モードにおいては変動短縮機能および開放延長機能を作動させない場合を別途設定することもできる。
S324又はS326の処理で行われる当否判定の結果が大当りである場合には(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、第2特別図柄に関する変動開始処理(以下、「特図2図柄変動開始処理」という。)に移行する(図50のS500b)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S330;NO)、「外れフラグ」、つまり「大当りを生じなかったことを示すフラグ」をセット(ONに設定)した後(S339)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1特別図柄に関する当否判定処理(S320a;第1当否判定処理)は、主制御基板200に搭載されたRAM202に設けられた「第1判定用乱数メモリ」から最も古い判定用乱数(S306aで取得した特図1大当り抽選乱数)を読み出して(S316a)、図52に従って同様に行われる。なお、S316aで読み出す判定用乱数は、S304aで取得したものであって、特図1大当り抽選乱数や特図1図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図53に示すように、先ず、第2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、第2当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、前述のS316bの処理で読み出した判定用乱数に含まれる図柄決定乱数(特図2図柄決定乱数)を読み出して、その乱数を用いた乱数抽選の結果に基づき第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)する処理と、決定された大当り図柄の態様と遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される変動パターンテーブルを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。なお、特図2図柄決定乱数を用いた乱数抽選によって第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)する処理と、特図1図柄決定乱数を用いた乱数抽選によって第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)する処理は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「大当り態様実行手段」として行う処理の具体例を構成する。
ここで、変動パターンの設定(決定)に際し、大当り確率が低確率であって通常変動を行う遊技状態(低確率通常変動モード)では、図54の「低確率・通常」と表記する欄の変動パターンテーブルが用いられ、大当り確率が低確率であって短縮変動を行う遊技状態(低確率短縮変動モード)では、図54の「低確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルが用いられる。また、大当り確率が高確率であって短縮変動を行う遊技状態(高確率短縮変動モード)では、図54の「高確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルが用いられる。
なお、本実施例と異なり、所謂「潜伏確変大当り」を生じ得る場合には、大当り確率が高確率であって通常変動を行う遊技状態(高確率通常変動モード)となる場合がある。この場合においては、第2当否判定処理(S320b)若しくは第1当否判定処理(S320a)の結果が大当りである場合に使用される変動パターンテーブルとして、図50に示す変動パターンテーブルの他に、「高確率通常変動モード」用の変動パターンテーブルが付加される。また、第2当否判定処理(S320b)若しくは第1当否判定処理(S320a)の結果が外れである場合に使用される変動パターンテーブルとして、図55に示す変動パターンテーブルの他に、「高確率通常変動モード」用の変動パターンテーブルが付加される。更に、図54〜図55には説明の便宜のため、少数の変動パターンを記憶した変動パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの変動パターンテーブルには「変動パターン決定乱数の値」に対応付けられた多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。
一方、S502の処理にて、第2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブルを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S304bの処理(図49を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
S540の処理において用いる変動パターンテーブルは以下のように選択される。つまり、S316bの処理(図50を参照)で読み出した判定用乱数に含まれるリーチ乱数に基づいて、リーチ演出の実行有無を判断する。そして、遊技機1の遊技状態が「低確率通常変動モード」であってリーチ演出を行わない場合には、図55の「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2保留数)に対応する変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合には、図55の「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。
また、遊技機1の遊技状態が「低確率短縮変動モード」であってリーチ演出を行わない場合には、図55の「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2保留数)に対応する変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合には、図55の「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。さらに、遊技機1の遊技状態が「高確率短縮変動モード」であってリーチ演出を行わない場合には、図55の「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数(第2保留数)に対応する変動パターンテーブルがセットされ、図55の「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。
ここで、図54〜図55に示す変動パターンのうち、変動短縮機能が作用しているときに選択される変動パターンによって特定される変動時間は、変動短縮機能が作用していないときに選択される変動パターンによって特定される変動時間に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄に関する保留数と、リーチ演出の有無を考慮して変動時間の長短が決定される。つまり、リーチ演出を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ演出を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる。また、特別図柄の保留数が少ない場合(例えば、「ゼロ」若しくは「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、「2」〜「4」の場合)には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される。
また、図54〜図55に示す各変動パターンテーブルは、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。また、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すものである。そして、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード(高確率短縮変動モード)」および「通常確率開放延長モード(通常確率短縮変動モード)」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。
また、図54〜図55に示す各変動パターンテーブルに記憶された変動パターンのうち「丸印」を付加したものが「第1特定変動パターン」であり、「三角印」を付加したものが「第2特定変動パターン」である。そして、変動パターンとして「第1特定変動パターン」若しくは「第2特定変動パターン」が選択されると、前述の「第2図柄変動演出」が実行される。なお、本実施例では、リーチ演出を伴う変動パターンのうち、十分な変動時間(例えば、25秒以上)を確保可能な変動パターンを、「第1特定変動パターン」および「第2特定変動パターン」としている。
図53に戻って更に説明すると、S510若しくはS540の処理の後、CPU201は第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動表示を開始するとともに(S590)、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって特図2の変動表示の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、CPU201は、サブ制御基板220に向かって第2特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「第2保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するための保留数指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、特図2図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドは、図46に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が何れであるかを知ることができる。つまり、特図2図柄変動開始処理(S500b)においては図35に示す大当りの種類を知ることができ、後述する特図1図柄変動開始処理(S500a)においては図34に示す大当りの種類を知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図50に戻り、「第2特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1判定用乱数メモリ202aから最も古い判定用乱数を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理も、S320bと同様に図52に従って行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図52に従って行われる。つまり、S320aの第1当否判定処理では、図52に示すフロー図に従って第1当否判定が実行され、S500aの特図1図柄変動開始処理では、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき、変動パターンを設定する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を設定する処理等を行った後(S510、S540)、S590、S592、S595の処理が実行される。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図50参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図47の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図51のS352)。
図51のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態(遊技モード)を示すデータがセットされる。また、「確変フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が高確率モード(確率変動手段が作動するモード)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が変動短縮モード(図柄変動表示の実行時間が短くなる可能性が高くなるモード)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(本実施例の第2始動入賞装置17bのような「可変式の始動入賞装置」の開放時間を長くするモード)にあることを示すフラグである。
S354の処理に続いて、発生した大当りの態様に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。つまり、「4R通常大当り」若しくは「4R確変大当り」が発生した場合には、前述のラウンド遊技を「4ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「8R通常大当り」若しくは「8R確変大当り」が発生した場合には、前述のラウンド遊技を「8ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。更に、「16R通常大当り」若しくは「16R確変大当り」が発生した場合には、前述のラウンド遊技を「16ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。
S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技開始指定コマンド(図中、開始Cと表記)を送信する。
S378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、S384の処理に移行する。そして、S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図47の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図54)が開始され、大当り遊技が実行される。
次に、図51のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;YES)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると次回の特別図柄の変動において短縮変動は行われない。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り換わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図47の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理では、低確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
E.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図47の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図56に示す大当り遊技処理(S600)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。この処理により、本遊技機1では「大当り遊技A」、「大当り遊技B」若しくは「大当り遊技C」が実現される。なお、大当り遊技処理(S600)は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「大当り遊技実行手段」として行う処理の具体例を構成する。
図56は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。各大当りラウンドが開始されると、前述のように、各大当りラウンドにおいて予定されている大入賞口31aの開放動作を完了するか、大入賞口31aへの遊技球の入球数が規定入賞数(10個)になると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この後、所定の待機時間(例えば2秒)を経て、「大当り遊技の終了条件」が成立していなければ、次の「大当りラウンド」が開始される。そして、この「大当りラウンド」を所定回数(4回、8回若しくは16回)繰り返すと大当り遊技を終了する。以下、図56〜図57を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技を開始すると(S602;YES)、先ず、「大当りラウンド」を実行中か否かを判断する(S604)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態(図柄変動遊技状態)」では閉鎖状態を維持しており、大当り遊技の開始直後は、未だ「大当りラウンド」を実行していない。このため、大当り遊技の開始直後は「大当りラウンド」を実行中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当りラウンドの実行回数」が対応する大当り遊技の設定回数に達したか否かを判断する(S612)。
但し、大当り遊技が開始された直後は大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。このため、S614の処理に移行して待機時間が経過したか否かを判断する(S614)。ここで、「待機時間」は大入賞口31aが閉鎖状態を維持するとともに、演出表示装置27の表示画面27aにおいて「インターバル演出表示」が実行される時間、つまり、「インターバル時間」であって、本実施例では2秒に設定している。ところが、大当り遊技が開始された直後は、大当りラウンドを実行していない状態となっているから、必然的に、待機時間が経過していると判断され(S614;YES)、大当りラウンドを開始させた後(S616)、図56に示した大当り遊技処理を一旦終了して図47の遊技制御処理に復帰する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド(ラウンド遊技)」を開始させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「ラウンド開始指定コマンド(図中、R開始Cと表記)」を送信する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図51に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図51に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図56に示す大当り遊技処理(S600)も、約4msec毎に繰り返して実行される。
そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると「当該大当りラウンドにおける開放動作」を完了したか否かが判断される(S606)。つまり、大入賞口31aの開放時間が30秒になったか否かが判断される。そして、S606の処理で肯定的な判断がされると、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図56に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、S606の処理で否定的な判断がなされる場合は(S606;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定入賞数に達しているか否かを判断する(S608)。
そして、遊技球の入賞数が規定入賞数に達した場合も(S608;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図56に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて図47の遊技制御処理に復帰する。つまり、遊技球の入賞数が規定入賞数に達すると、大当りラウンドにおいて予定されている開放動作の完了を待たずに当該ラウンド遊技において開閉対象となっている大入賞口31aを閉鎖する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド」、つまり「ラウンド遊技」を終了させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了指定コマンド(図中、R終了Cと表記)」を送信する。
一方、当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作が完了せず(S606;NO)、しかも、入賞数が規定入賞数に達していない場合は(S608;NO)、大当りラウンドを継続させたまま、図56の大当り遊技処理を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(S602;YES)、図47の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、S606の処理で肯定的な判断がなされるか、若しくは、S608の処理で肯定的な判断がなされる。こうして、1回の大当りラウンドを終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において「大当りラウンド」を実行中でないと判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、その大当り遊技中に実行した「大当りラウンド数」が、前述のS370の処理によって最終ラウンドとして設定されているラウンド数(4、8若しくは16)に達したか否かが判断される。そして、実行した「大当りラウンド」の回数(ラウンド数)が最終ラウンドのラウンド数に到達していなければ(S612;NO)、待機時間(2秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、新たな大当りラウンドを実行する(S616)。
一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合は(S612;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S800)」を行った後、大当り遊技処理(S600)を終了し、図47の遊技制御処理に復帰する。この大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、図57に示すように、大当り遊技フラグ(図51のS378を参照)を解除(OFFに設定)した後(S805)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図51のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)の種類に関する情報を取得し(S810)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モードを設定する処理等を行う。
つまり、今回の大当り図柄(図50のS344の処理で停止した図柄)が「通常大当り図柄」であった場合には(S820;NO)、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S840)と、変動短縮フラグをセットする処理(S850)と、開放延長フラグをセットする処理(S855)とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は(S820;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S822)と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理(S835)と、変動短縮フラグをセットする処理(S850)と、開放延長フラグをセットする処理(S855)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。なお、主制御部200Aは、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)する(S805)タイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技終了指定コマンド(図中、R終了Cと表記)」を送信する。
(7)演出制御処理(S900)
次に、図58を用いて、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図58には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。
この演出制御処理(S900)では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間、図柄変動演出処理(S1100)、役物駆動処理(S1200)、特別駆動管理処理(S1500)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図58の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図58のフロー図に従ってサブ制御処理について説明する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)では、図59に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時のコマンドを受信することで(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)および特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、大当り時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1115)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S1110;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、外れ時の演出パターンテーブルを振り分ける処理を行う(S1120)。
サブ制御基板220のCPU220aは、S1115若しくはS1120の処理を終了すると、S1140の処理を行う。このS1140の処理では、S1115若しくはS1120の処理でセットされた演出パターンテーブル(大当り時用若しくは外れ時用)を用いて、乱数抽選を行い、演出パターンを決定する(S1140)。ここで、S1115の処理を経たS1140の処理では、S1115の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様、リーチ演出の具体的な態様等が決定される(S1140)。具体的には、各リーチ演出(「非発展演出」等の「ノーマルリーチ演出」、「発展演出」、「疑似連演出」)の具体的な内容(背景図柄の種類、登場させるキャラクタ等)、リーチ演出を構成する疑似図柄の種類等が決定される(S1140)。また、S1115の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等が選択・セットされる(S1140)。
また、S1120の処理を経て実行されるS1140の処理では、演出表示装置27の表示画面27aで実行される表示演出の具体的な実行態様、リーチ演出の実行有無、リーチ演出を実行する場合のリーチ演出態様等を決定する処理を行う。具体的には、S1120の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、各リーチ演出や疑似連演出の具体的な内容、リーチ演出を構成する疑似図柄の種類(リーチ演出を行う場合)等が決定される(S1140)。また、S1120の処理でセットした演出パターンテーブルを用いて、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等も選択・セットされる(S1140)。
CPU220aはS1140の処理を行うと、停止図柄(疑似図柄)をセットする処理を行った後(S1145)、S1150の処理に移行する。ここで、S1115の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様や、補助図柄の停止態様が選択・セットされる。また、S1120の処理およびS1140の処理を経て実行されるS1145の処理では、「外れ停止図柄」として「外れを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様や、補助図柄の停止態様が選択・セットされる。
S1150の処理では、S1140の処理で決定した「演出パターン」およびS1145の処理で決定した「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示を開始させる(S1150)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出を開始させる。
この後、S1160の処理において、サブ制御部220Aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止コマンド(CZE)を受信したと判断すると(S1160;YES)、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させ(S1165)、図柄変動演出を終了させる。これにより、表示演出要素以外の演出要素(音演出要素、発光演出要素、可動演出要素等)を用いた図柄変動演出も終了する。
b.役物駆動処理(S1200)および特別駆動管理処理(S1500)
図60に示すように、サブ制御基板220のCPU220aは、役物駆動処理(S1200)を開始すると、まず、開放延長手段が作動中であるか否かを判断し(S1205)、作動中であれば(S1205;YES)、第2特別駆動処理(S1300)を実行する。ここで、第2特別駆動処理(S1300)は、開放延長手段の作動時における「可動役物70による可動演出を伴う図柄変動演出」、つまり、「第3図柄変動演出」を実行するための処理である。なお、第2特別駆動処理(S1300)およびそれに付随する特別駆動管理処理(S1500)については後述する。
一方、開放延長手段が作動中でなければ(S1205;NO)、特定変動パターン(第1特定変動パターン若しくは第2特定変動パターン)を指定する変動パターン指定コマンドを受信しているか否かを判断する(S1215)。そして、特定変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを受信していなければ(S1215;NO)、そのまま役物駆動処理(S1200)を終了する。この場合、図柄変動演出(S1100)が、可動役物70による可動演出を伴わない図柄変動演出、つまり、「第1図柄変動演出」として実行される。また、特定変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを受信していれば(S1215;YES)、第1特別駆動処理(S1250)を実行する。ここで、第1特別駆動処理(S1250)は、開放延長手段の未作動時における「可動役物70による可動演出を伴う図柄変動演出」、つまり、「第2図柄変動演出」を実行するための処理である。
図61に示すように、第1特別駆動処理(S1250)では、まず、リーチ演出の開始タイミングが到来したか否かを判断する(S1255)。ここで、本遊技機1では、リーチ演出の開始タイミングを、図柄変動演出開始後、「5秒」以降としているため、図柄変動演出開始直後は、S1255の処理では必然的に否定的な判断がなされ(S1255;NO、S1265;NO、S1275;NO)、一旦、図58に示す演出制御処理(S900)に復帰する。その後、S1500およびS1800の処理を経て、S1100の処理に戻る。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、S1100〜S1800の処理を2msec周期で行い、その周期的な処理を行うなか、S1255の処理で肯定的な判断がなされると、可動役物70を開口状態に移行させた後(S1270)、図58に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
サブ制御基板220のCPU220aは、この後、リーチ演出の発展タイミングが到来したか否かを判断する(S1265)。ここで、S1105の処理で受信した変動パターン指定コマンドが「第1特定変動パターン」を指定するものであれば、リーチ演出の発展タイミングが到来することになるが(S1265;YES)、「第2特定変動パターン」を指定するものであれば、リーチ演出の発展タイミングは到来しないことになる(S1265;NO)。
このため、S1105の処理で受信した変動パターン指定コマンドが「第2特定変動パターン」を指定するものである場合、サブ制御基板220のCPU220aは、図柄停止コマンドの受信タイミングが到来したか否かを判断し(S1275)、到来したと判断すると(S1275;YES)、下貯留部の貯留状態を2秒間解除した後、可動役物70を閉口状態に移行させる処理を行い(S1285)、第1特別駆動処理(S1250)を終了する。ここで、S1285の処理では、下貯留部(貯留空間K)に遊技球が貯留されていなくても、下貯留部の貯留解除を2秒間解除することを行う。また、下貯留部の貯留解除は、ベース部材75を後方に駆動して貯留空間K内に貯留された遊技球を可動役物70外に排出可能とする処理である。
これに対して、S1105の処理で受信した変動パターン指定コマンドが「第1特定変動パターン」を指定するものである場合、リーチ演出の発展タイミングが到来すると(S1265;YES)、サブ制御基板220のCPU220aは、上貯留部の貯留を解除して、上貯留部に貯留された遊技球を下貯留部(貯留空間K)に放出する処理(S1270)を「2秒間」実行した後、第1特別駆動処理(S1250)を終了して図58に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
この後、サブ制御基板220のCPU220aは、図柄停止コマンドの受信タイミングとなると(S1275;YES)、下貯留部の貯留状態を2秒間解除した後、可動役物70を閉口状態に移行させる処理を行い(S1285)、第1特別駆動処理(S1250)を終了する。
次に、サブ制御基板220のCPU220aが行う第2特別駆動処理(S1300)および特別駆動管理処理(S1500)について説明する。
図62に示すように、第2特別駆動処理(S1300)では、まず、駆動タイマがタイムアップしているか否かを判断する(S1305)。ここで、駆動タイマとは、後述するS1310に示す「そしゃく動作」の開始タイミングを管理するためのタイマであり、本実施例では、開放延長手段の作動開始から「60秒」が経過すると、可動役物70が「そしゃく動作」を実行し、以後、「そしゃく動作」の終了から「60秒」が経過する毎に、「そしゃく動作」を実行する。つまり、本実施例では、開放延長手段の作動中において、図62に示す駆動タイマがタイムアップしていないとき(60秒経過を計測していないとき)、可動役物70が「そしゃく動作」を停止し、図62に示す駆動タイマがタイムアップしているとき(60秒経過を計測しているとき)、可動役物70が「そしゃく動作」を実行する。
また、図63に示すように、特別駆動管理処理(S1500)では、まず、開放延長手段の作動開始タイミングであるか否かを判断し(S1505)、作動開始タイミングである場合には(S1505;YES)、駆動管理タイマをセット(例えば、60秒をセット)する処理(S1510)と、上貯留部による貯留を解除する処理(S1515)とを行った後、特別駆動管理処理(S1500)を終了して、図58に示す演出制御処理(S900)に復帰する。
また、特別駆動管理処理(S1500)において、開放延長手段の作動終了タイミングであると判断すると(S1505;NO、S1520;YES)、駆動管理タイマをリセットする処理(S1530)と、上貯留部による貯留を開始する処理(S1540)とを行った後、特別駆動管理処理(S1500)を終了して、図58に示す演出制御処理(S900)に復帰する。このように、開放延長手段が作動中の場合(第3図柄変動演出を実行中の場合)には、上貯留部による貯留を解除した状態を継続するため、開放延長手段の作動中に第1始動口Aに入賞した遊技球も、上貯留部をそのまま通過して下貯留部に到達する。
図62に戻って更に説明すると、サブ制御基板220のCPU220aは、駆動タイマがタイムアップしていると判断すると(S1305;YES)、可動役物70に「そしゃく動作」を実行させた後(S1310)、駆動管理タイマをセット(例えば、60秒をセット)する処理(S1315)を行った後、第2特別駆動処理(S1200)を終了して、図58に示す演出制御処理(S900)に復帰する。そして、図58に示す一連の各種処理(S1100〜S1800)を行うなか、図62のS1305の処理で肯定的な判断がなされると、「そしゃく動作」を実行する。
ここで、S1310の処理に示す「そしゃく動作」とは、可動役物70が下貯留部に貯まった遊技球を食べているように見せる演出である。つまり、図41〜図45を用いて前述したように、可動役物70を開口状態とし、その開口状態を「2秒」継続するとともに、可動役物70の開口状態が終了するまでの間の僅かな時間(0.5秒)だけベース部材75を後方に駆動して、貯留空間Kに貯留された遊技球を僅かな量だけ可動役物70外に排出すること(以下、「第1単位動作」という。)を、短時間(0.5秒)の閉口状態を挟んで2回行う。続いて、一旦、可動役物70を閉口状態とした上で、再び開口状態とし、この状態を「2秒」継続する間、ベース部材75を後方に駆動して、貯留空間Kに貯留された遊技球を全て可動役物70外に排出すること(以下、「第2単位動作」という。)を1回行う。そして、最後に、可動役物70を閉口状態とした後に開口状態とすること(以下、「第3単位動作」という。)を1回行うと、1回の「そしゃく動作」を終了する。この「そしゃく動作」を行うと、可動役物70が、口を「もぐもぐ」と動かして、下貯留部(貯留空間K)に貯留された多量の遊技球を「そしゃく」するが如き可動演出を行うことができる。
d.大当り遊技演出処理(S1800)
大当り遊技演出処理(S1800)は、本遊技機1が大当り遊技を行うときになされるものである。この大当り遊技演出処理(S1800)では「大当り遊技開始指定コマンド」を受信すると(S1805;YES)、ファンファーレ演出を実行する(S1810)。ここで、本遊技機1においては、大当りを生ずると、主制御部200Aからサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドが送信される。つまり、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)するとともに大入賞口31aの開放パターンをセットするタイミングで(図51のS370)、サブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドを送信する(図51の「開始C」を参照)。
また、サブ制御部220Aは、ラウンド開始指定コマンドを受信する度に、演出表示装置27の表示画面27a等においてラウンド演出を実行する。つまり、大当りが発生した場合、主制御部200Aは大当り遊技開始指定コマンドを送信した後、大当りラウンドの開始タイミングで「ラウンド開始指定コマンド」をサブ制御部220Aに送信する(図56の「R開始C」を参照)。これにより、サブ制御部220Aは「第1ラウンドの開始を指定するラウンド開始指定コマンド」を受信することになるため(S1815)、表示画面27aにおいて「1ラウンドであることを示す演出」を行う(S1820)。
また、前述のように、主制御部200Aは、大当りラウンドを終了させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了指定コマンド」を送信する(図56の「R終了C」を参照)。そして、サブ制御部220Aは、この「ラウンド終了コマンド」を受信すると(S1830;YES)、実行中のラウンド演出を終了するとともに、演出表示装置27等において「インターバル演出」を開始する(S1835)。
更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド開始指定コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を終了して「ラウンド演出」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル演出」を挟みつつ、最終ラウンドに係る「ラウンド演出」を行うまで繰り返される。
このように、大当り遊技演出を実行するなか、最終ラウンドが終了するタイミングで主制御部200Aからサブ制御部220Aに向かって「大当り遊技終了指定コマンド」が送信されると(図57の「終了C」を参照)、サブ制御部220Aは、その「大当り遊技終了指定コマンド」を受信すると(S1840;YES)エンディング演出を実行した後(S1850)、大当り遊技演出(S1800)を終了する。
(8)実施例の効果
本遊技機1では、始動口17A、17Bに始動入賞した遊技球を貯留する貯留装置(可動役物70)を、上貯留部(第1貯留部)と下貯留部(第2貯留部)との上下二段構造とし、上貯留解除条件(第1貯留解除条件)が成立すると、上貯留部(第1貯留部)に貯留されている遊技球が下貯留部(第2貯留部)に流入して下貯留部(第2貯留部)に貯留される構成としている。そして、「上貯留部(第1貯留部)における遊技球の貯留解除」との関係で下貯留部(第2貯留部)を視認不可能な状態から視認可能な状態に切り換える構成としているため、遊技者に強いインパクトを与える演出を実行可能であるとともに、貯留球を用いた演出の多様化を図ることができる。
つまり、第1始動口17Aに始動入賞した遊技球を直接、下貯留部(第2貯留部)に貯留して直ちに遊技者に視認させるのではなく、一旦、上貯留部(第1貯留部)に貯留して遊技者から視認不可能な状態としておき(例えば、何球始動入賞したのであろうという想像を掻き立てる状態とする)、その後、上貯留解除条件(第1貯留解除条件)が成立するのを待って下貯留部(第2貯留部)に流入させる。しかも、下貯留部(第2貯留部)は常時視認可能とされているのではなく、「上貯留部(第1貯留部)における遊技球の貯留解除」との関係で定められる所定のタイミングで視認可能とされ、視認可能とされた段階で下貯留部(第2貯留部)に貯留された遊技球を視認可能として始動入賞した遊技球を一気に視認させる構成を採用する。このため、遊技者に強いインパクトを与えること(例えば、びっくりさせること、第2貯留部に貯留された遊技球の個数に意外性を感じさせること等)が可能であるため、遊技興趣を効果的に高めることができる。
また、本遊技機1によると、下貯留部(第2貯留部)において遊技者に視認させる複数の遊技球が、上下左右に広げた状態で貯留されるため、遊技者に対して「多数の遊技球が下貯留部に貯留された旨の印象」を与え易くなっている。特に、本実施例では、下貯留部(第2貯留部)において前後方向(下貯留部の奥行方向)の幅が遊技球1個分の幅(1球の遊技球のみの通過を許容する幅)とされ、所定量の遊技球をより広範な範囲に広げて貯留できるため、下貯留部(第2貯留部)に貯留される遊技球の数が少なくても、遊技者に対してより多くの遊技球が下貯留部(第2貯留部)に貯留されている印象を与え易くなる。
更に、本遊技機1によると、開放延長手段の未作動時(高頻度状態の未発生時)には第1始動口17Aへの始動入賞を狙う遊技が実行され、始動入賞の発生頻度が低くされる。また、開放延長手段の作動時(高頻度状態の発生時)には、第2始動口17Bへの始動入賞を狙う遊技が実行され、始動入賞の発生頻度が高くされる。そして、開放延長手段の未作動時には、第1始動口17Aに始動入賞した遊技球を一旦、上貯留部(第1貯留部)に貯留して、その貯留した遊技球を遊技者から視認不可能な状態とした後、上貯留解除条件(第1貯留解除条件)が成立するのを待って下貯留部(第2貯留部)に流入させるという、手の込んだ演出を実行する。これに対して、開放延長手段の作動時には、第2始動口17Bに始動入賞した遊技球を直接、下貯留部(第2貯留部)に流入させ、上貯留解除条件(第1貯留解除条件)の成立状況とは無関係に、下貯留部(第2貯留部)に流入させた遊技球の視認可否を変化させるという、簡潔な演出を実行する。つまり、「始動入賞の発生頻度が低い非電サポ時」と「始動入賞の発生頻度が高い電サポ時」とで、「貯留球を用いた演出」の実行パターンを変えることができるため、可動役物70(貯留装置)を用いる演出の多様化を図ることができる。