JP5218472B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関し、特に、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球式の遊技機に関する。
弾球式の遊技機(パチンコ機)は、通常、「始動入賞装置」と、「開閉部材を備える大入賞装置(可変入賞装置)」とを遊技領域内に配設している。かかる遊技機においては、遊技球が始動入賞装置に入球(入賞)することに起因して当否判定が実行され、この当否判定の結果は可変表示装置において停止表示される。そして、当否判定の結果が「大当り」である旨の停止図柄(つまり、大当り図柄)が停止表示されると、遊技機は大当り遊技を開始して、開閉部材の開放動作を行い、閉鎖状態にある大入賞装置を開放状態に変化させる。
この開放動作は所定の開閉パターン(1回だけ開放動作を行う一般的な開閉パターンや、閉鎖動作を挟みつつ複数回の開放動作を行う変則的な開閉パターン)に従って実行される。この開放動作を開始した後、大入賞装置に所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過することにより、一旦、開放動作を完了し、1回の「大当りラウンド」を終了する。そして、この「大当りラウンド」が、所定の回数(所謂、「大当りラウンド数」)だけ繰り返されると、この遊技機は大当り遊技を終了する。
この種の遊技機の中には、可変表示装置に停止表示される大当り図柄が確率変動図柄である場合、大当り遊技を終了した後に、所謂「確変遊技(確率変動遊技)」を開始し、当否判定の結果が大当りとなる確率を通常確率から高確率に変動させるもの(以下、「確変機」という。)がある。そして、この種の確変機においては確変遊技への移行頻度を高めるほど、より遊技上の興趣を高められる。ところが、「在来型の確変機」においては確変遊技に移行するための前提として、一律に多量の賞球払出を伴う大当り遊技を実行することが必要であったため、確変遊技への移行頻度を高めると、賞球払出数が必要以上に増加し、遊技の健全性を損なう可能性があった。このため、本出願人は、「確変遊技への移行頻度を高めて遊技上の興趣を高めるべき要請」と、「健全な遊技性を確保すべき要請」を同時に満足できる遊技機についての提案を行っている(以下、「従来例1」という。特許文献1を参照)。
この従来例1に係る遊技機においては、「確変遊技への移行の契機となる確率変動大当り」として、(a)各大当りラウンドにおいて、大入賞装置を長時間(例えば、25秒)開放する長時間開放動作を行うことで、賞球払出の可能性を高くした確率変動大当り(以下、「出球あり確率変動大当り」という。)の他に、(b)各大当りラウンドにおいて、大入賞装置を短時間(例えば、0.2秒)開放する短時間開放動作を行うことで、賞球払出の可能性を低くした確率変動大当り(以下、「出球なし確率変動大当り」という。)を設定する。これにより、賞球払出数を必要以上に増加させることなく、確変遊技への移行頻度を高める自由度を高くすることができる。
また、このように、「出球あり確率変動大当り」と「出球なし確率変動大当り」を併存させる確変機の中には、「出球あり確率変動大当り」に係る大当り遊技を、「短時間開放動作」と「長時間開放動作」とを混在させて行うものがある(以下、「従来例2」という。特許文献2を参照)。つまり、この従来例2には、「出球あり確率変動大当りに係る大当り遊技において、大入賞装置を短時間開放する短時間開放動作を行った後、大入賞装置を長時間開放する長時間開放動作を行う旨の構成」が開示されている。そして、この従来例2によると、「出球あり確率変動大当り」が発生した場合、遊技者に「賞球払出の可能性を低い大当り(出球なし大当り)」が発生したと思わせた後に、「出球あり大当り」の発生を認識させることができるので、「大当りが昇格する遊技性」を実現できる。
特許第3974142号公報 特開2009−34477号公報
この従来例2の遊技機においては、「短時間開放動作中」に大入賞装置に遊技球が入賞する可能性が極めて低く、遊技者にとって遊技球を発射するメリットはないので、遊技者は遊技球発射を停止する傾向がある。つまり、「出球あり確率変動大当り」に係る大当り遊技が開始されても、「短時間開放動作」が行われている間は、遊技球の入賞可能性が極めて低くなるため、遊技者は遊技球発射を停止する傾向がある。従って、「出球あり確率変動大当り」に係る大当り遊技おいて、「短時間開放動作」を混在させることが、「遊技機の稼働低下」の原因となる、といった問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、「出球あり確率変動大当り」と「出球なし確率変動大当り」とを併存させた遊技機において、稼働効率の向上を図ることである。
請求項1に記載の遊技機は、
始動入賞装置に遊技球が入球することに起因して大当りか否かを当否判定し、該当否判定の結果が大当りである場合に、閉鎖状態にある可変入賞装置を開放状態に変化させる大当り遊技を実行する遊技機であって、
遊技球が入球困難な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第1開放動作および前記第1開放動作に比べて入球容易な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第2開放動作が行われる第1ラウンド遊技と、前記第2開放動作に比べて入球容易な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第3開放動作が行われる第2ラウンド遊技とから構成される第1大当り遊技を、前記大当り遊技として実行する第1大当り遊技実行手段と、
前記可変入賞装置を開放状態に変化させる開放動作として、前記第1開放動作および前記第2開放動作のみを行う第2大当り遊技を、前記大当り遊技として実行する第2大当り遊技実行手段と、
を備え、
前記第1大当り遊技実行手段は、
前記第1大当り遊技の開始に伴って前記第1ラウンド遊技を開始した後、所定の第1ラウンド遊技期間が経過した場合には、前記第1ラウンド遊技を終了して前記第2ラウンド遊技を開始するとともに、
前記第1ラウンド遊技期間が経過する前に、前記第1開放動作中および前記第2開放動作中における前記可変入賞装置への遊技球の入球数の合計が所定数に達した場合には、前記第1ラウンド遊技期間が経過していなくても前記第1ラウンド遊技を終了して前記第2ラウンド遊技を開始することを特徴とする。
請求項1の発明の遊技機では、第1ラウンド遊技を行っているときに、遊技球の発射を行うと、第2ラウンド遊技が早期に開始される可能性を生ずることになる。つまり、第2ラウンド遊技に比べて、遊技者にとってメリットの低い第1ラウンド遊技中においても、遊技球を積極的に発射することで、第2ラウンド遊技が早期に開始される可能性を生ずることになる。すなわち、第1ラウンド遊技中における遊技球の発射によって、「第2ラウンド遊技の開始有無の早期確認」や「第2ラウンド遊技の早期開始」を図ることができ、このことが遊技球発射の促進につながり、結果として、遊技機の稼働向上を図ることができる。
従って、請求項1の発明によると、「出球あり確率変動大当り」と「出球なし確率変動大当り」とを併存させた遊技機において、遊技機の稼働向上を図ることができる。また、請求項1の発明の遊技機では、「第1ラウンド遊技を経て第2ラウンド遊技が開始される場合と、第1開放動作および第2開放動作が行われても第2ラウンド遊技が開始されない場合とがある」だけではなく、「第2ラウンド遊技が開始される場合には、その開始時期を遊技球発射により前倒しできる可能性がある」といった新規な遊技性を実現することもできる。このため、請求項1の発明によると、遊技者の遊技興趣を高めることができる。
ここで、第1開放動作は、遊技球の入球が困難な態様(実質的に入球不可能な態様)で可変入賞装置を開放状態に変化させる動作であり、可変入賞装置を短時間(請求項2の発明に示すように、0.05〜0.5秒のうちの何れかの時間)の開放状態に変化させたり、可変入賞装置の開放量(遊技球を受け入れる受入口の大きさ・寸法)が小さい小開放の開放状態に変化させたりする動作である。また、第3開放動作は、遊技球の入球が極めて容易な態様で可変入賞装置を開放状態に変化させる動作であり、可変入賞装置を長時間(請求項2の発明に示すように、20〜30秒のうちの何れかの時間)の開放状態に変化させたり、可変入賞装置の開放量(遊技球を受け入れる受入口の大きさ・寸法)が大きい大開放の開放状態に変化させたりする動作である。そして、第2開放動作は、第1開放動作よりも、遊技球の入球が容易ではあるが、第3開放動作に比べると遊技球の入球が困難な態様で可変入賞装置を開放状態に変化させる動作であり、可変入賞装置を中時間(請求項2の発明に示すように、5〜11秒のうちの何れかの時間)の開放状態に変化させたり、可変入賞装置の開放量(遊技球を受け入れる受入口の大きさ・寸法)が第1開放動作よりも大きく第3開放動作よりも小さい中開放の開放状態に変化させたりする動作である。つまり、第2開放動作は、運が良ければ、「大当りラウンドの終了条件を構成する規定数(後述する。)」の遊技球が可変入賞装置に入球可能となるような開放動作であり、第3開放動作は、よほど盤面の釘調整が厳しくなければ、「大当りラウンドの終了条件を構成する規定数(後述する。)」の遊技球が、可変入賞装置に余裕をもって入球可能となるような開放動作である。更に、第1開放動作は、可変入賞装置が開放動作に移る直前に、可変入賞装置の真上近傍に遊技球が存在するなど、「よほど良いタイミング」で遊技球が可変入賞装置の近傍に存在しない限り、遊技球の入球を許容しない開放動作である。
大当り遊技が複数の大当りラウンドに渡って行われる場合、第1ラウンド遊技は、複数の「大当りラウンド」に渡って行われてもよいし、単一の大当りラウンドで行われてもよい。また、第1ラウンド遊技を、複数の「大当りラウンド」に渡って行う場合において、各大当りラウンド内で第1開放動作および第2開放動作が行われてもよいし、各大当りラウンドにおいて第1開放動作および第2開放動作のうちの一方のみが行われてもよい。例えば、所定の大当りラウンド内で第1開放動作のみを行い、後続する他の大当りラウンドにおいて、第2開放動作を行ってもよい。
「第1ラウンド遊技期間」とは、「第1ラウンド遊技の終了タイミング」を期間によって規制するためのものである。つまり、第1ラウンド遊技が、単一の大当りラウンドで行われる場合、「当該大当りラウンドの終了タイミングを規制する期間」が、これに該当し、第1ラウンド遊技が、複数の大当りラウンドで行われる場合、当該「第1ラウンド遊技を構成する最終の大当りラウンドの終了タイミングを規制する期間」が、これに該当する。ここで、大当りラウンドの終了タイミングは、可変入賞装置の開放動作を、予め定められたパターンによって予定実行回数完了するか、可変入賞装置に規定数の遊技球が入球することを条件に到来する。
つまり、第1ラウンド遊技が単一の大当りラウンドで行われる場合、当該大当りラウンドにおいて、可変入賞装置の開放動作を予め定められたパターンによって予定実行回数完了すること(換言すると、予定されている開放動作が完了する時間になること)を条件に「第1ラウンド遊技期間」が経過する。また、第1ラウンド遊技が複数の大当りラウンドで行われる場合、当該「第1ラウンド遊技を構成する最終の大当りラウンド」において、可変入賞装置の開放動作を予め定められたパターンによって予定実行回数完了すること(換言すると、予定されている開放動作が完了する時間になること)を条件に「第1ラウンド遊技期間」が経過する。なお、この「第1ラウンド遊技期間」は、「対象となる大当りラウンドにおいて、可変入賞装置の開放動作を予め定められたパターンによって予定実行回数完了すること」と同時に経過してもよいし、「対象となる大当りラウンドにおいて、可変入賞装置の開放動作を予め定められたパターンによって予定実行回数完了し、更に所定の待機時間が経過すること」で経過してもよい。
請求項2の発明の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記第1開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、0.05〜0.5秒のうちの何れかの時間とされ、
前記第2開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、5〜11秒のうちの何れかの時間とされ、
前記第3開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、20〜30秒のうちの何れかの時間とされる
ことを特徴とする。
請求項2の発明の遊技機では、第1開放動作と、第2開放動作と、第3開放動作の具体例を示している。つまり、通常、可変入賞装置は、「入賞口」と、「この入賞口への遊技球の入賞を不能とする姿勢と、遊技球の入賞を可能とする姿勢との間で姿勢変更が可能な開閉部材」と、を備える。そして、開閉部材が入賞口への遊技球の入賞を不能とする姿勢になることで閉鎖状態を構成し、開閉部材が入賞口への遊技球の入賞を可能とする姿勢になることで開放状態を構成する。この種の可変入賞装置においては、開閉部材が入賞口への遊技球の入賞を可能とする姿勢になる時間(可変入賞装置が開放状態となる時間)を調整することで、第1開放動作と、第2開放動作と、第3開放動作を実現することができる。
請求項3の発明の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、
前記当否判定の結果が大当りである場合に、発生させる大当りの態様を決定する大当り態様決定手段と、
前記大当り遊技の実行後に作動を開始して、前記当否判定の結果が大当りとなる確率を高確率に変動させる確率変動手段と、
を備え、
前記大当り態様決定手段が前記大当りの態様を第1特定大当りに決定すると、前記第2大当り遊技実行手段が前記第2大当り遊技を実行した後に前記確率変動手段が非作動となり、前記大当り態様決定手段が前記大当りの態様を第2特定大当りに決定すると、前記第2大当り遊技実行手段が前記第2大当り遊技を実行した後に前記確率変動手段が作動することを特徴とする。
請求項3の発明によると、遊技者の遊技興趣を更に高めることができる。つまり、請求項3の発明によると、「第1ラウンド遊技を経て第2ラウンド遊技が開始される場合と、第1開放動作および第2開放動作が行われても第2ラウンド遊技が開始されない場合とがある」ばかりか、「第2ラウンド遊技が開始されない場合」において、第2大当り遊技の実行後に、確率変動状態になる場合とならない場合とが混在する。つまり、請求項3の発明の遊技機では、先ず、遊技者の興味の中心を「第2ラウンド遊技の開始有無」に向ける。そして、第2ラウンド遊技が開始されないことで遊技者が一旦落胆した場合にも、落胆させるや否や、遊技者の興味の中心を「確率変動の実行の有無」に向けさせることができる。すなわち、請求項3の発明の遊技機によると、遊技者の興味の中心を矢継ぎ早に変更することができるため、遊技者の遊技興趣を更に高めることができる。
本明細書において参考的に開示する第1の発明(以下、参考発明1という。)に係る遊技機は、
始動入賞装置に遊技球が入球することに起因して大当りか否かを当否判定し、該当否判定の結果が大当りである場合に、閉鎖状態にある可変入賞装置を開放状態に変化させる大当り遊技を実行する遊技機であって、
遊技球が入球困難な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第1開放動作および前記第1開放動作に比べて入球容易な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第2開放動作が行われる第1ラウンド遊技と、前記第2開放動作に比べて入球容易な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第3開放動作が行われる第2ラウンド遊技とから構成される第1大当り遊技を、前記大当り遊技として実行する第1大当り遊技実行手段と、
前記第1ラウンド遊技だけで構成される第2大当り遊技を、前記大当り遊技として実行する第2大当り遊技実行手段と、
を備え、
前記第1大当り遊技実行手段は、
前記第1大当り遊技の開始に伴って前記第1ラウンド遊技を開始した後、所定の第1ラウンド遊技期間が経過した場合には、前記第1ラウンド遊技を終了して前記第2ラウンド遊技を開始するとともに、
前記第1ラウンド遊技期間が経過する前に、前記第1開放動作中および前記第2開放動作中における前記可変入賞装置への遊技球の入球数の合計が所定数に達した場合には、前記第1ラウンド遊技期間が経過していなくても前記第1ラウンド遊技を終了して前記第2ラウンド遊技を開始することを特徴とする。
本明細書において参考的に開示する第2の発明(以下、参考発明2という。)に係る遊技機は、参考発明1の遊技機において、
前記第1開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、0.05〜0.5秒のうちの何れかの時間とされ、
前記第2開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、5〜11秒のうちの何れかの時間とされ、
前記第3開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、20〜30秒のうちの何れかの時間とされる
ことを特徴とする。
本明細書において参考的に開示する第3の発明(以下、参考発明3という。)に係る遊技機は、参考発明1又は参考発明2の遊技機において、
前記当否判定の結果が大当りである場合に、発生させる大当りの態様を決定する大当り態様決定手段と、
前記大当り遊技の実行後に作動を開始して、前記当否判定の結果が大当りとなる確率を高確率に変動させる確率変動手段と、
を備え、
前記大当り態様決定手段が前記大当りの態様を第1特定大当りに決定すると、前記第2大当り遊技実行手段が前記第2大当り遊技を実行した後に前記確率変動手段が非作動となり、前記大当り態様決定手段が前記大当りの態様を第2特定大当りに決定すると、前記第2大当り遊技実行手段が前記第2大当り遊技を実行した後に前記確率変動手段が作動することを特徴とする。
本明細書において参考的に開示する第4の発明(以下、参考発明4という。)に係る遊技機は、参考発明1〜参考発明3のうちの何れかの発明に係る遊技機において、
前記第1ラウンド遊技における前記第1開放動作および前記第2開放動作の出現パターンを複数記憶した出現パターン記憶手段を備え、
前記第1ラウンド遊技を実行する際の前記第1開放動作および前記第2開放動作の出現パターンが、前記出現パターン記憶手段に記憶された出現パターンの中から選択されることを特徴とする。
参考発明4によると、第1ラウンド遊技を実行する際に、第1開放動作および第2開放動作の出現パターンが選択されるため、大当り遊技の幅を広げることができる。従って、遊技者の遊技興趣を更に一層、高めることができる。
本明細書において参考的に開示する第5の発明(以下、参考発明5という。)に係る遊技機は、参考発明1〜参考発明4のうちの何れかの発明に係る遊技機において、
前記第1大当り遊技実行手段は、前記第3開放動作をM回(Mは自然数)行うことで前記第2ラウンド遊技を終了するとともに、前記第2ラウンド遊技の終了後に前記第1ラウンド遊技を再度行うことで前記第1大当り遊技を終了し、
前記第1ラウンド遊技と前記第2ラウンド遊技とから構成される第3大当り遊技を、前記大当り遊技として実行する第3大当り遊技実行手段を備え、
前記第3大当り遊技実行手段は、
前記第3開放動作をM回(Mは自然数)行うことで前記第2ラウンド遊技を終了した後、前記第1ラウンド遊技を開始するとともに、
特定の第1ラウンド遊技期間が経過した場合には、前記第1ラウンド遊技を終了して前記第2ラウンド遊技を再開するとともに、前記特定の第1ラウンド遊技期間が経過する前に、前記第1開放動作中および前記第2開放動作中における前記可変入賞装置への遊技球の入球数の合計が特定数に達した場合には、前記特定の第1ラウンド遊技期間が経過していなくても前記第1ラウンド遊技を終了して前記第2ラウンド遊技を再開することを特徴とする。
参考発明5の遊技機では、第2ラウンド遊技を一旦終了し、第1ラウンド遊技を実行した再開した後、第2ラウンド遊技を再開する可能性がある遊技機において、再開中の第1ラウンド遊技において遊技球の発射を行うと、第2ラウンド遊技が早期に再開される可能性を生ずることになる。すなわち、再開した第1ラウンド遊技中における遊技球の発射によって、「第2ラウンド遊技の再開の有無の早期確認」や「第2ラウンド遊技の早期再開」を図ることができ、このことが遊技球発射の促進につながり、結果として、遊技機の稼働を更に向上させることができる。
なお、第3大当り遊技実行手段が実行する大当り遊技(以下、「第3大当り遊技」という。)は、「第3開放動作をM回行うことを内容とする第2ラウンド遊技」の前に、第1ラウンド遊技を実行するか否かを問わない。
本明細書において参考的に開示する第6の発明(以下、参考発明6という。)に係る遊技機は、参考発明1〜参考発明5のうちの何れかの発明に係る遊技機において、
前記第1大当り遊技および前記第2大当り遊技において、前記可変入賞装置の開放動作が予定実行回数行われること又は前記可変入賞装置に規定数の遊技球が入球することを条件に終了する大当りラウンドを複数回実行するように構成され、
前記第1大当り遊技を構成する前記第1ラウンド遊技は、前記第1大当り遊技の開始から第1回目の大当りラウンドが終了するまでの間、若しくは、前記第1大当り遊技の開始から第2回目の大当りラウンドが終了するまでの間に行われることを特徴とする。
遊技者が賞球払出を期待する第1大当り遊技において、「第1ラウンド遊技に費やされる大当りラウンド数」が過剰となると、遊技者を「うんざり」させる可能性があるが、参考発明6では、「第1ラウンド遊技に費やされる大当りラウンド数」を適当な数に抑制するため(1ラウンド若しくは2ラウンドに抑制するため)、遊技者の遊技上の興趣を維持することが容易である。
本明細書において参考的に開示する第7の発明(以下、参考発明7という。)に係る遊技機は、参考発明6に係る遊技機において、
前記第1大当り遊技における前記大当りラウンドの実行回数と、前記第2大当り遊技における前記大当りラウンドの実行回数とが同一とされ、
前記第1大当り遊技および前記第2大当り遊技において、前記第1ラウンド遊技における前記第1開放動作および前記第2開放動作の合計実行回数が前記大当りラウンドの実行回数以上とされるとともに、
前記第1ラウンド遊技における前記第1開放動作および前記第2開放動作の出現パターンが揃えられていることを特徴とする。
参考発明7では、「第1大当り遊技において実行される大当りラウンド数」と、「第2大当り遊技において実行される大当りラウンド数」とを揃え、「第1大当り遊技を構成する第1ラウンド遊技」と、「第2大当り遊技を構成する第1ラウンド遊技」とにおいて、第1開放動作および第2開放動作の合計実行回数を大当りラウンド数以上とし、第1開放動作および第2開放動作の出現パターンを揃えるため、遊技者にとって「大当り種別」の把握が困難となる。このため、参考発明7によると、遊技者の遊技興趣を更により一層高めることができる。
なお、「ラウンド報知ランプ(実行する大当りラウンド数を報知する報知手段)」を有する遊技機においては、「第1大当り遊技を構成する第1ラウンド遊技」と、「第2大当り遊技を構成する第1ラウンド遊技」とにおいて、第1開放動作および第2開放動作の出現パターンを揃えても、「第1大当り遊技において実行される大当りラウンド数」と、「第2大当り遊技において実行される大当りラウンド数」とが異なっていると、遊技者は「ラウンド報知ランプ」等を確認することで、「大当り種別(第1大当り遊技の実行契機となる大当りか、第2大当り遊技の実行契機となる大当りか等)」の把握が容易である。一方、参考発明7では、「第1大当り遊技において実行される大当りラウンド数」と、「第2大当り遊技において実行される大当りラウンド数」とが揃えられており、「第1大当り遊技」および「第2大当り遊技」において、同一の大当りラウンド数を報知すれば足りるため、遊技者にとって「大当り種別」の把握が困難となる。また、各請求項の発明の遊技機においては、「実行する可能性のある大当り遊技」の大当りラウンド数を揃えることで、遊技機から「ラウンド報知ランプ(報知手段)」を排除し、当該遊技機の構造の簡略化を図ることもできる。
なお、各請求項の発明の遊技機は、
遊技の基本進行を司るとともに前記当否判定手段を構成する主制御手段と、
前記主制御手段によって表示制御され、前記当否判定の結果を、図柄変動表示を経て停止表示する本図柄変動表示手段と、
前記主制御手段から送信される表示制御コマンドを受信する前記演出制御手段によって表示制御され、前記当否判定の結果を、図柄変動表示を経て前記本図柄表示手段の表示内容よりも遊技者にとって認識容易な態様で停止表示する演出図柄変動表示手段と、
前記当否判定の結果が大当りである場合に、前記本図柄変動表示手段に表示する大当り図柄の態様を決定する大当り図柄定手段と、
を備え、
前記大当り図柄定手段によって決定される大当り図柄には、
実行する大当り遊技を前記第1大当り遊技に特定する第1大当り図柄と、実行する大当り遊技を前記第2大当り遊技に特定する第2大当り図柄と、
が含まれるとともに、
前記本図柄変動表示手段に、前記第1大当り図柄と前記第2大当り図柄との何れか停止表示される場合においても、前記演出図柄変動表示手段には同一の大当り図柄が停止表示されることとしてもよい。
この場合、大当り種別(第1大当り遊技の実行契機となる大当りか、第2大当り遊技の実行契機となる大当りか等)の把握がより一層困難となる。ここで、本図柄変動表示手段及び演出図柄変動表示手段としては、液晶表示装置(液晶ディプレイ)、プラズマディプレイ、CRTディプレイ、7セグメントLED表示体等の各種表示装置等を例示できる。この場合、本図柄表示手段と演出図柄表示手段とが別個の表示装置で構成されてもよいし、同一の表示装置によって構成されてもよい。つまり、「演出図柄表示手段を構成する演出表示装置」とは別の表示装置によって本図柄表示手段を構成してもよいし、「演出表示装置の表示画面の一部」によって本図柄表示手段を構成してもよい。また、本図柄表示手段と演出図柄表示手段とを備える遊技機では、通常、演出図柄表示手段の表示内容の方が、本図柄表示手段の表示内容よりも遊技者にとって認識容易とされる。例えば、(a)演出図柄表示手段の方が本図柄表示手段よりも大きな図柄を表示すること、(b)演出図柄表示手段では文字・数字として成立する図柄を表示し、本図柄表示手段では文字・数字として成立しない図柄を表示すること、(c)本図柄表示手段よりも演出図柄表示手段の方を遊技盤面の中央寄りに配設すること、或いは、(a)〜(c)のうちの2つ以上を行うこと等によって、演出図柄表示手段の表示内容の方が本図柄表示手段の表示内容よりも認識容易とされる。なお、表示制御コマンドとしては、変動パターン決定手段が決定した変動パターンを特定するための変動パターン指定コマンド、特別図柄停止情報指定コマンド(後述する。)、停止図柄指定コマンド(後述する。)などを例示できる。
各請求項の発明の遊技機においては、第1大当り遊技及び第2大当り遊技の他に、「第2ラウンド遊技のみで構成される大当り遊技」を実行してもよい。また、各請求項の発明の遊技機は、「始動入賞に起因して、大当りを発生させるか否かを当否判定によって判断する遊技機(大当り抽選及び小当り抽選のうちで大当り抽選のみを行う遊技機)」であってもよいし、「始動入賞に起因して、大当り抽選を行うとともに、小当り(大当りに比べて遊技者にとって得られる利益が少ない当り)を発生させるか否かの抽選を小当り抽選として行う遊技機(つまり、当否判定によって、大当り抽選及び小当り抽選を行う遊技機)」であってもよい。なお、前者の場合、当り遊技として大当り遊技のみが行われ、後者の場合、当り遊技として大当り遊技若しくは小当り遊技が行われる。また、後者の場合、小当り抽選に用いる抽選用の乱数として、大当り抽選のための乱数とは別の乱数を用いることとしもよい、大当り抽選のための乱数を用いること(大当り抽選で外れとなる乱数値から小当り抽選の当選値を選択すること)としてもよい。
ここで、本明細書において、「前」及び「表」は、「遊技機を基準とする前方(つまり、遊技者に近接する方向)」を示し、「後」及び「裏」は、遊技機を基準とする後方(つまり、遊技者から離間する方向)」を示す。また、「左」とは、遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは「遊技者から見て右」であることを示す。更に、本体枠、前面枠、上皿部材、下皿部材等のように、「扉の如く、開閉可能な部材(以下、「扉型部材」という。)」において、「左」、「右」、「前」、「後」等は、これらの扉型部材が使用状態にある場合、つまり、閉鎖された状態にある場合を基準としたものである。
以上記述したように各請求項の発明によると、「出球あり確率変動大当り」と「出球なし確率変動大当り」とを併存させた遊技機において、稼働効率の向上を図ることができる。
本発明の各実施例に係る遊技機を示す斜視図である。 本発明の各実施例に係る遊技機を示す正面図である。 本発明の各実施例に係る遊技機の本体枠等を説明するための概略的な説明図である。 本発明の各実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。 (a)は各実施例に係る遊技機の特別図柄保留表示装置を概略的に示す正面図であり、(b)及び(c)は各実施例に係る遊技機の可変式の始動入賞装置を概略的に示す正面図である。 (a)は各実施例に係る遊技機の下部表示装置を概略的に示す正面図であり、(b)は各実施例に係る遊技機の下部表示装置で実行される特別図柄の変動表示態様を示す説明図であり、(c)は各実施例に係る遊技機の演出表示装置の表示画面を概略的に示す正面図である。 本発明の各実施例に係る遊技機を示す裏面図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 本発明の各実施例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 (a)は各実施例に係る遊技機の通常確率モードにおける大当り抽選の確率等を説明するための説明図であり、(b)は各実施例に係る遊技機の高確率モードにおける大当り抽選の確率等を説明するための説明図である。 (a)は第1開放動作を説明するための説明図であり、(b)は第2開放動作を説明するための説明図であり、(c)は第3開放動作を説明するための説明図であり、(d)は開放動作の変形例を説明するための説明図である。 (a)は可変入賞装置の具体例を説明するための説明図であり、(b)は可変入賞装置の他の具体例を説明するための説明図である。 (a)は大当りラウンドを説明するための説明図であり、(b)は第1ラウンド遊技期間を説明するための説明図である。 各実施例に係る遊技機の特図1大当り抽選(第1の大当り抽選)で使用するデータテーブルを説明するための説明図である。 各実施例に係る遊技機の特図2大当り抽選(第2の大当り抽選)で使用するデータテーブルを説明するための説明図である。 (a)は「基本的な大当り遊技」における大入賞装置の開閉パターンを説明するための説明図であり、(b)は「第1大当り遊技(Aタイプ)」における大入賞装置の開閉パターンを説明するための説明図である。 (a)は「第2大当り遊技」における大入賞装置の開閉パターンを説明するための説明図であり、(b)は「第1大当り遊技(Bタイプ)」における大入賞装置の開閉パターンを説明するための説明図である。 (a)は図17(a)に続く「第2大当り遊技」における大入賞装置の開閉パターンを説明するための説明図であり、(b)は図17(b)に続く「第1大当り遊技(Bタイプ)」における大入賞装置の開閉パターンを説明するための説明図である。 (a)は図18(a)に続く「第2大当り遊技」における大入賞装置の開閉パターンを説明するための説明図であり、(b)は図18(b)に続く「第1大当り遊技(Bタイプ)」における大入賞装置の開閉パターンを説明するための説明図である。 (a)及び(b)は各実施例の特徴を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は疑似図柄の内容を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は本発明の各実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動表示を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は本発明の各実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動表示を説明するための説明図である。 本発明の各実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動表示等を説明するための説明図である。 本発明の各実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動表示等を説明するための説明図である。 本発明の各実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動表示等を説明するための説明図である。 本発明の各実施例に係る遊技機によって実行される図柄変動表示等を説明するための説明図である。 (a)及び(b)は各実施例に係る遊技機において主制御部からコマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。 各実施例に係る遊技機の遊技制御処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の普通電動役物遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の特別図柄遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の当否判定処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の図柄変動開始処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の大当り遊技開始設定処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の大当り遊技処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の大当り遊技終了時処理を示すフロー図である。 各実施例に係る遊技機の演出制御処理を説明するためのフロー図である。 各実施例に係る遊技機の図柄変動演出関連処理を示すフロー図である。 各実施例の大当り遊技演出処理を示すフロー図である。 各実施例の大当り遊技演出処理を示すフロー図である。 各実施例の大当り遊技演出中の主要なコマンドの送受信を示す説明図である。 実施例2を説明するための説明図である。 実施例3を説明するための説明図である。
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図7を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図7参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、遊技球を上皿部材5に払い出すための遊技球払出装置109が、裏機構盤102に配設されている(図7を参照)。
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図9参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図9参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図8参照)及び演出ボタン基板228(図9参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている(図1を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
発射ハンドル9は、その後方の発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を、遊技領域11に発射するためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1の始動入賞装置17aと、第2の始動入賞装置17bと、大入賞装置31と、下部表示装置60と、3個の一般入賞装置40、41、43と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27と、特別図柄保留表示装置25とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、図4に示すように、遊技領域11の上半部中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
図4に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左側縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右側縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lの内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。つまり、左側装飾部21Lの左側面部において、この通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で第1の始動入賞装置17aに入賞する。尚、遊技領域11を流下して第1の始動入賞装置17aに入賞する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1の始動入賞装置17aに入賞するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1の始動入賞装置17aに入賞するものがある。
演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものであり、後述する下部表示装置60と同様に、可変表示手段の具体例を構成する。但し、この演出表示装置27においては、下部表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(変動表示および停止表示)を実行する演出表示装置として機能する。尚、本実施例では、下部表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を用いて変動遊技を行う「本図柄変動表示手段」を構成し、演出表示装置27が、疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を用いて変動遊技を行う「演出図柄変動表示手段」を構成する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図6(c)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた演出表示(変動表示)と、停止表示等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景図柄と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができる。これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出図柄」の一具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動表示(図柄変動)」が実現される。
図4に示すように、特別図柄保留表示装置25は表示画面27aの下方に配設されている。この特別図柄保留表示装置25は、図5(a)に示すように、左側に配設された「第1の特別図柄保留表示部25a」と、右側に配設された「第2の特別図柄保留表示部25b」と、を備えている。また、何れの特別図柄保留表示部25a、25bも4個のLEDを用いて構成されている。そして、第1の特別図柄保留表示部25aは、第1の始動入賞装置17aへの入賞に起因して生ずる「特別図柄(つまり、第1の特別図柄)に関する保留数」を、4個を上限個数として表示するものである。また、第2の特別図柄保留表示部25bは、第2の始動入賞装置17bへの入賞に起因して生ずる「特別図柄(つまり、第2の特別図柄)に関する保留数」を、4個を上限個数として表示するものである。
つまり、何れの特別図柄保留表示部25a、25bも、「対応する始動入賞装置17a、17bに入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を「点灯させるLEDの数」によって表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、下部表示装置60等において、「当該入賞に伴う大当り抽選の結果の表示」と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
第1の始動入賞装置17aは非可変式の始動入賞装置の具体例を構成するものであり、上方に開口部(第1の始動口)を開口させたポケット形状を備えている。そして、この第1の始動口は、ステージ部21p(転動面)の中央部の略鉛直下方に位置するため、その中央部から落下する遊技球は、この第1の始動口を通じて、第1の始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。また、第1の始動入賞装置17の内部には遊技球の通過を検出する始動口入賞検出スイッチ17s(図8参照)が配設されている。
第2の始動入賞装置17bは可変式(開閉式)の始動入賞装置の具体例を構成するものであり、第1の始動入賞装置17aの直下に配設されている。この第2の始動入賞装置17bは、図5(b)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17cと、取付板17cの前面部に装着されて第2の始動入賞装置17bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17cの前面部に装着された障害部材17kと、を備えている。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図8参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態とされる。また、障害部材17kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。また、第2の始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検出する始動口入賞検出スイッチ17t(図8参照)が配設されている。
図5(b)に示すように、第2の始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K1が形成されるが、この空間部K1の鉛直上方に障害部材17kが配設されている。このため、遊技球は第2の始動入賞装置17bに入賞することが不可能されている。一方、図5(c)に示すように、第2の始動入賞装置17bが開放状態になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K1が、障害部材17kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2の始動入賞装置17bへ入賞することが可能となる。
本遊技機1においては、第2の始動入賞装置17bが開放状態となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は、遊技領域11を流下する遊技球が第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて高くなっている。そして、遊技機1の遊技モードが開放延長モード(後述する。)となり、第2の始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなると、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。
一方、前述のように、第2の始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。すなわち、遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなると、遊技球が第1の始動入賞装置17aに入賞するケースはレアケースとなり、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞するケースはレアケースである。
ここで、「開放状態の第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞する確率」は、「第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞する確率」よりも遙かに高くされている。このため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードにあるときには、非開放延長モード(通常開放モード)にあるときに比べて、始動入賞を生ずる確率が高くなり、下部表示装置60及び演出表示装置27において、特別図柄の図柄変動を実行する頻度(つまり、図柄変動の実行頻度)が向上する。つまり、本遊技機1においては、開放延長モードとなると、図柄変動の実行頻度が通常(非開放延長モードにあるとき)に比べて向上する遊技(特定遊技)が行われる。
大入賞装置31は可変入賞装置の具体例を構成するものであり、第2の始動入賞装置17bの下方に配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡されている。
そして、大入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図11参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞検出スイッチ31s(図8参照)と、を備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
図4に示すように、下部表示装置60は大入賞装置31の左側方に配置されている。この下部表示装置60は、図6(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1の特別図柄表示部62aと、第2の特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、普通図柄保留表示部65等が設けられている。
第1の特別図柄表示部62a、第2の特別図柄表示部62b及び普通図柄表示部63は、何れも、「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1の特別図柄表示部62aでは、第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞したことに起因して実行される当否判定(第1の大当り抽選)の結果を示す第1の特別図柄が、図柄変動(変動表示を)経て停止表示する。また、第2の特別図柄表示部62bでは、第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したことに起因して実行される当否判定(第2の大当り抽選)の結果が変動表示を経て停止表示する。但し、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bのうちの少なくとも一方において、大当り抽選の結果とともに、小当り抽選の結果を示す特別図柄が、変動表示を経て停止表示してもよい。尚、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。また、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bにおいて表示される遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される遊技の結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
普通図柄表示部63は、図6(a)に示すように、「7セグメント表示体」によって構成され、何れかの普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、これらの変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の停止図柄が一定時間実行される。このとき、停止図柄が「奇数数字」である場合、当り図柄であり、停止図柄が「偶数数字」である場合、外れ図柄である。この普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。
普通図柄保留表示部65も、4個のLEDを用いて構成され、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、普通図柄表示部63において、当該通過に伴う抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、7セグメント表示体を用いた表示)とがなされていない遊技球を指す。
図4に戻り、3個の一般入賞装置40、41、43は、メイン役物装置20の左右に配置されている。そして、各一般入賞装置40、41、43の内部には、遊技球の入賞を検出するための一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s(図8参照)が配設されている。また、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図7を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。なお、遊技球払出装置109は賞球払出手段の具体例を構成する。
また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図6において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図8及び図9を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(222A、260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図8及び図9中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図7においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。なお、主制御部200Aは、第1大当り遊技実行手段、第2大当り遊技実行手段、大当り態様決定手段、確率変動手段、出現パターン記憶手段、第3大当り遊技実行手段の具体例を構成する。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。なお、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は演出表示装置27での変動遊技(疑似図柄の変動)を実現するための「変動遊技制御手段」として機能する。
このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図9に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220cには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220cに記憶されたプログラムに従って受信した表示制御コマンドを解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信された表示制御コマンドに基づき新たに生成したコマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを、図柄制御コマンドとして演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
払出制御部240Aには、図8に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。なお、遊技球払出装置109は賞球払出手段の具体例を構成する。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h、4Gの駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED4b〜4h、4G等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)図柄変動表示の態様
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる当否判定(大当り抽選)の結果を示す停止図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる図柄変動表示とを、2種類の図柄表示装置(下部表示装置60及び演出表示装置27)において略同時に実行する。ここで、下部表示装置60(つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62b)において表示される特別図柄(7セグメント表示体に次々に変更表示される特別図柄)は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。なお、本実施例では、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して行われる当否判定(つまり、第1の当否判定)及び第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して行われる当否判定(つまり、第2の当否判定)が大当り抽選のみによって構成されるが、少なくとも一方の当否判定(特に、第1の当否判定)が大当り抽選及び小当り抽選によって構成されてもよい。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される特別図柄である。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は、「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄を用いたリーチ表示などの図柄変動演出表示(変動遊技)を行う場合、その図柄変動演出表示は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容について簡単に説明する。
c−1.本図柄
第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因した特別図柄の図柄変動表示および停止表示(確定表示)は第1の特別図柄表示部62aにおいて行われ、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因した特別図柄の図柄変動表示および停止表示(確定表示)は第2の特別図柄表示部62bにおいて行われる。つまり、第1の特別図柄表示部62aにおいては、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して、特別図柄の図柄変動表示を開始する。この図柄変動表示は、図6(b)に示すように、第1の特別図柄表示部62aを構成する7セグメント表示体によって、「算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)」の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。尚、以下の説明において、第1の特別図柄表示部62aに表示される図柄(特別図柄)を「第1の特別図柄」と称することがある。
低確率モード(通常確率モード)において、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第1の大当り抽選)が行われると、図10(a)に示すように、この大当りを示す判定結果が導出される確率(大当り抽選の結果が当選となる確率、つまり、「当選確率」)が約「1/400」とされる。そして、大当りを示す判定結果が導出されると、大当り遊技実行手段が作動を開始し、本遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)する。そして、大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが、大入賞口ソレノイド31cの駆動および駆動停止を行って、「大入賞装置31の開閉動作」が実行される。
ここで、「大入賞装置31の開放動作」は、閉鎖状態とされている大入賞口31aを開放状態に変化させる動作である。つまり、大入賞口ソレノイド31cを駆動して、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とすることで、大入賞口31aを開放状態に変化させる動作である。そして、大入賞口ソレノイド31cを駆動する時間(駆動時間)に応じて、大入賞口31aを開放状態に維持する時間(開放時間)が規定される。逆に、「大入賞装置31の閉鎖動作」は、開放状態とされている大入賞口31aを閉鎖状態に変化させる動作である。つまり、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止して、前傾姿勢にある開閉板31bを起立姿勢に戻すことで、大入賞口31aを閉鎖状態に戻す動作である。
本遊技機1は、「大入賞装置31の開放動作」として、以下の3通りの開放動作を行う。つまり、図11(a)〜(c)に示すように、(i)大入賞装置31を「0.1秒」開放状態に変化させる第1開放動作(開閉板31bを「0.1秒」前傾姿勢に姿勢変更する第1開放動作)と、(ii)大入賞装置31を「10秒」開放状態に変化させる第2開放動作(開閉板31bを「10秒」前傾姿勢に姿勢変更する第2開放動作)と、(iii)大入賞装置31を「25秒」開放状態に変化させる第3開放動作(開閉板31bを「25秒」前傾姿勢に姿勢変更する第3開放動作)とを行う。
「第1開放動作」は、図11(a)に示すように、遊技球が入球困難な態様で大入賞装置31を開放状態に変化させる開放動作である。この第1開放動作を行うことで、大入賞口31aは、「一瞬」開放状態となるだけであるため、遊技球が遊技領域11に連続的に発射されていても、大入賞口31aに遊技球が入球する可能性はきわめて低くなっている(例えば、入球可能性0.1%)。つまり、「第1開放動作」は、大入賞口31aへの遊技球の入球を許容するものの、遊技球の入球を確実に発生させる動作(入球可能性100%の開放動作)ではなく、専ら、「報知」や「演出」のための動作である。
「第2開放動作」は、図11(b)に示すように、第1開放動作に比べて、遊技球の入球容易な態様で大入賞装置31を開放状態に変化させる開放動作である。この第2開放動作を行っているときに、遊技球が遊技領域11に連続的に発射され、その遊技球の殆どが大入賞装置31に向かって流下すると、「1〜8球」の遊技球が大入賞口31aに遊技球が入球する可能性がある(遊技球の発射タイミングが良いと8球入球する可能性がある)。つまり、「第2開放動作」は、遊技領域11に発射される遊技球が連続的に大入賞口31aに入球するとすれば、「大入賞口31aに8個(本実施例の規定数)の遊技球を入球させることが可能な開放動作」である。要するに、「大入賞口31aに少なくとも1個の遊技球を入球させることはできるものの、規定数(本実施例では8個)の遊技球を入球させることは困難な開放動作」である。
「第3開放動作」は、図11(c)に示すように、第2開放動作に比べて、遊技球の入球容易な態様で大入賞装置31を開放状態に変化させる開放動作である。換言すると、遊技球の入球がきわめて容易な態様で、大入賞装置31を開放状態に変化させる開放動作である。この第3開放動作を行っているときに、遊技球が遊技領域11に連続的に発射されると、ほぼ確実に「8個」の遊技球が大入賞口31aに入球する。つまり、「第3開放動作」は、「大入賞口31aに規定数(本実施例では8個)の遊技球をほぼ確実に入球させることができる開放動作」である。
なお、「第1開放動作」、「第2開放動作」及び「第3開放動作」における開放時間は、本実施例に示すものに限定されない。例えば、図11(d)に示すように、「第3開放動作」の開放時間T3を20秒〜30秒のうちの何れかの時間とすることができ、「第2開放動作」の開放時間T2を5秒〜11秒のうちの何れかの時間とすることができる。また、「第1開放動作」の開放時間T1を0.05〜0.5秒のうちの何れかの時間とすることができる。更に、「第1開放動作」、「第2開放動作」及び「第3開放動作」のうちの何れかにおいて、開放時間が異なるものを混在させ、この開放時間が異なる開放動作を、一回の大当り遊技若しくは一回の大当りラウンド(1ラウンド)で実行してもよい。
また、本実施例の大入賞装置31は、図12(a)に示すように、遊技領域11の前面側に開口する大入賞口31aと、大入賞口31aの下端縁側に傾動可能に支持された開閉板31bとを備えている。この開閉板31bは、大入賞口31aを閉鎖する起立姿勢(基本姿勢)と、大入賞口31aを開放する前傾姿勢(傾動姿勢)との間で姿勢変更が可能とされ、開閉板31bが起立姿勢となることで、大入賞装置31の閉鎖状態が構成され、開閉板31bが前傾姿勢となることで、大入賞装置31の開放状態が構成される。この開閉板31bの横方向に沿った幅は、遊技球の直径(約11mm)の約3〜6倍とされ、開閉板31bの縦方向に沿った幅は、遊技球の直径(約11mm)の約1.5〜2.5倍とされている。また、開閉板31bが前傾姿勢となったとき、開閉板31bの水平面に対する傾斜角(D)は、「10〜20度」とされている。但し、大入賞装置31の構造は本実施例に示すものに限定されず、例えば、図12(b)に示すように、遊技領域11と略平行な方向に開口する大入賞口31aと、大入賞口31aの周縁部側(例えば、下端縁側等)に傾動可能に支持され、遊技領域11と略平行に傾動する開閉板31bと、を備えるものあってもよい。更に、各請求項の発明の遊技機が、異なるタイプの大入賞装置31(例えば、図11に示す2つのタイプの大入賞装置31)を備え、大当り図柄の種類によって、開放動作を行う大入賞装置31を選択してもよい。
本実施例の遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、一律に「15回(ラウンド)」に亘る「大当りラウンド」を実行する。そして、「15回目(15ラウンド目)」の「大当りラウンド」を終了すると、大当り遊技が終了し、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態となる。なお、本実施例では、各大当りラウンドの開始および終了毎に、主制御基板200からサブ制御基板220に「ラウンド数指定コマンド(ラウンドの開始や、その開始されるラウンド数を示すコマンド)」および「ラウンド終了コマンド(ラウンドが終了したことを示すコマンド)」が送信される。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、主制御基板200からの「ラウンド数指定コマンド」および「ラウンド終了コマンド」に基づき、現在実行中の大当り遊技(大当りラウンド)の進行状況を判断し、その進行状況に応じた種々の大当り遊技関連演出を演出表示装置27等により実行する。
ところで、主制御基板200に搭載されたROM203には、「大当り遊技の態様を特定するためのデータ」が、「大当り図柄(後述する。)の種類」に対応付けて記憶されている。この「大当り遊技の態様」は、「大当りラウンドの実行回数(ラウンド数)」と、「各大当りラウンドの内容」によって特定される。但し、本実施例では、大当り図柄の種類によらず、一律に「大当りラウンドの回数」は「15回(15ラウンド)」とされている。また、「大当りラウンド」の内容は、実行する開放動作の種類、開放動作を行うタイミング(開放動作の実行間隔)及び開放動作実行回数によって特定される。例えば、『所定の大当りラウンドにおいて、当該大当りラウンド開始してから所定時間経過後に、第1開放動作を第1の所定間隔で5回行った後、第2開放動作を第1の所定間隔で2回行う。そして、その後の大当りラウンドにおいて、その大当りラウンドの開始から所定時間経過後に、第3開放動作を1回のみ行う。』等の内容を特定するためのデータが、ROM203に記憶されている(図41〜図43を参照)。
なお、本実施例では、大当り遊技において実行する各大当りラウンドの終了条件は以下のように定められている。つまり、各大当りラウンドにおいて予定されている開放動作のうちで最後に行われる開放動作(開放動作を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放動作)が実行されるか、遊技球の入球数が規定数(本実施例では8個)に到達した後、所定の待機時間(例えば、0.5秒)が経過すると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。そして、本実施例では、大当り遊技を開始した後、大当りラウンドを「15回(ラウンド)」繰り返すと、大当り遊技を終了する。更に、「大当り終了に係る演出(エンディング演出)」を行った後、遊技状態が通常遊技状態に戻される。
本実施例では、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄の態様に応じて、実行される大当り遊技(大当りラウンド)の内容や、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態が異なったものとなる。つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄に応じて、遊技者に対して異なった利益が付与される。以下、この点について詳細に説明する。
第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第1の大当り抽選)が行われ、大当りを示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によって、図14に示すように、「大当りの態様(種類)」が「基本的な第1の確変大当り(以下、単に「第1確変大当り」若しくは「15R確変大当り」という。)」、「一方の変則的な第1の確変大当り(以下、「Aタイプの15R変則確変大当り」という。)」、「他方の変則的な第1の確変大当り(以下、「Bタイプの15R変則確変大当り」という。)」、「通常大当り(以下、「15R変則通常大当り」ということもある。)」及び「第2確変大当り(以下、「15R潜伏確変大当り」ということもある。)」のうちの何れかに定められる。この「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第1の大当り抽選の結果が落選の場合、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。ここで、「15R変則通常大当り」が「第1特定大当り」の具体例を構成し、「15R潜伏確変大当り」が「第2特定大当り」の具体例を構成する。
以下の説明において、「第1確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「基本的大当り遊技」と称し、この「基本的大当り遊技」は「第2ラウンド遊技」のみで構成される。また、「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「第2大当り遊技(若しくは「変則的な第2大当り遊技」)と称し、この「第2大当り遊技」「大入賞装置31の開放動作」として、第1開放動作および第2開放動作のみを行う。更に、「Aタイプの15R変則確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」と称し、「Bタイプの15R変則確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」と称する。そして、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」及び「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」は、「第1ラウンド遊技」及び「第2ラウンド遊技」で構成される。なお、「第1ラウンド遊技」とは、上述の「第1開放動作」、「第2開放動作」及び「第3開放動作」のうち「第1開放動作」と「第2開放動作」とが行われる大当りラウンドを指し、「第2ラウンド遊技」とは、「第1開放動作」、「第2開放動作」及び「第3開放動作」のうち「第3開放動作」が行われる大当りラウンドを指す。
また、何れの確変大当りを生じても(第1確変大当り、15R潜伏確変大当り、Aタイプの15R変則確変大当り、及び、Bタイプの15R変則確変大当りのうちの何れを生じても)、対応する大当り遊技を実行した後に当否判定の結果が大当りとなる確率(第1の大当り抽選の結果が当選となる確率および第2の大当り抽選の結果が当選となる確率)が高確率とされる。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる遊技状態が、「高確率モード(高確率状態)」である。
「基本的大当り遊技」は、賞球払出の実行可能性が極めて高くなる大当り遊技であり、第3開閉動作を所定のインターバルを挟みつつ15回(15ラウンド)繰り返すことを内容とする大当り遊技である。つまり、図14及び図16(a)に示すように、この「基本的大当り遊技」では、第2ラウンド遊技のみが実行され、この第1の大当り遊技を構成する各大当りラウンドにおいて、ただ一回の第3開閉動作が実行される。そして、各大当りラウンドは、大入賞装置31(大入賞口31a)の開放時間が「25秒」となって、第3開放動作の予定実行時間が経過するか、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「8個」に到達すると終了する。更に、図13(a)に示すように、所定の待機時間t(例えば、0.5秒)が経過するとともに、終了した大当りラウンドが最終ラウンドでなければ、後続する大当りラウンドを開始する。この「基本的大当り遊技」における各大当りラウンドにおいて、大入賞装置31が開放状態を維持する時間(開放時間)が「25秒」となる前に、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する{図13(a)を参照)。
また、「変則的な第1大当り遊技」は、賞球払出の実行可能性が高くなるものの、「基本的大当り遊技」に比べて賞球払出量が少なくなる大当り遊技である。つまり、図14、図16(b)、図17(b)、図18(b)及び図19(b)に示すように、この「変則的な第1大当り遊技」では、第1ラウンド遊技及び第2ラウンド遊技が行われる。この第1大当り遊技では、「第1の大当りラウンド(1R)」と「第2の大当りラウンド(2R)」とにおいて「第1ラウンド遊技」が行われ、第3〜第15の各大当りラウンド(3R〜15R)おいて「第2ラウンド遊技」が行われる。
但し、本実施例の遊技機1では、2通りの「変則的な第1大当り遊技」を設定している。つまり、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」は、図16(b)に示すように、「第1の大当りラウンド(1R)」において、「第1開放動作」と「第2開放動作」とを行うが、「第2の大当りラウンド(2R)」において「第2開放動作」のみを行う。また、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」は、図17(b)、図18(b)及び図19(b)に示すように、第1の大当りラウンド(1R)及び第2の大当りラウンド(2R)において、「第1開放動作」と「第2開放動作」とを行う。また、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」においては、第1ラウンド遊技において最後に実行予定の「第2開放動作(第2の大当りラウンドにおいて実行する第2開放動作)」を行った後も、未だ、第1ラウンド遊技を実行中である場合(第2の大当りラウンドの終了条件が未成立の場合)、「第1開放動作」を行うことが予定されている{図19(b)を参照}。
何れの「変則的な第1大当り遊技」も、第3〜第15の各大当りラウンド(3R〜15R)の終了条件は、「基本的大当り遊技」の各大当りラウンドの終了条件と等しくされている。一方、第1及び第2の各大当りラウンドの終了条件は、各大当りラウンドにおいて最後に行われる開放動作(第1開放動作若しくは第2開放動作)の予定実行時間が経過するか、各大当りラウンドにおける大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると終了する。そして、図13(a)に示すように、所定の待機時間t(例えば、0.5秒)が経過すると、後続する大当りラウンドが開始する。
「15R変則通常大当り」を生ずると、大入賞装置31への遊技球の入球が困難な第2大当り遊技を実行するとともに、この第2大当り遊技終了後に、当否判定の結果が大当りとなる確率(第1の大当り抽選の結果が当選となる確率と第2の大当り抽選の結果が当選となる確率)が低確率(通常確率)とされる。また、「15R潜伏確変大当り」を生ずると、第2大当り遊技を実行するとともに、この第2大当り遊技終了後に、当否判定の結果が大当りとなる確率(第1の大当り抽選の結果が当選となる確率と第2の大当り抽選の結果が当選となる確率)が高確率とされる。
ここで、「第2大当り遊技」は、賞球払出の実行可能性が極めて低くなる大当り遊技であり、図14、図17(a)、図18(a)及び図19(a)に示すように、「大入賞装置31の開放動作」として、第1開放動作および第2開放動作のみが実行される。また、この第2大当り遊技において、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」と一見して区別が困難な開閉動作を行う。つまり、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」の「第1及び第2の大当りラウンド(1R目、2R目)」では、合計16回の開放動作を予定している{図17(b)、図18(b)、図19(b)を参照}。そして、これらの開放動作うちで、第1回〜第13回目までの開放動作{図17(b)、図18(b)を参照}が、第2大当り遊技を構成する「第1〜第13の各大当りラウンド(1R〜13R)」における各ラウンドの開放動作{図17(a)、図18(a)を参照}として行われ、第14回〜第16回目の開放動作{図19(b)を参照}が、第2大当り遊技を構成する「第14の大当りラウンド(14R)」の開放動作{図19(a)を参照}として行われる。
つまり、本実施例では、第2大当り遊技の「第1〜第14の各大当りラウンド(1R〜14R)」に実行される開放動作と、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」の「第1〜第2の各大当りラウンド(1R、2R)」に実行される開放動作とが同一となっている(開放動作の出現パターンが揃えられている。)。しかも、「15R変則通常大当り」を生じた場合と、「15R潜伏確変大当り」を生じた場合との双方において、同一内容の「第2大当り遊技」を実行する。従って、「第2大当り遊技」または「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」の開始後しばらくの間は、大入賞装置31(開閉板31b)の開放動作を目視しただけでは、「15R変則通常大当り」と、「15R潜伏確変大当り」と、「Bタイプの15R変則確変大当り」とのうちの何れを生じたのかを判断することが困難である。
第2大当り遊技を構成する各大当りラウンドは、「各大当りラウンドにおいて予定されている開放動作のうちで最後に行われる開放動作(開放動作を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放動作)」の予定実行時間が経過するか、大入賞口31aへの遊技球の入球数が規定数(8個)に到達すると終了する。そして、図13(a)に示すように、所定の待機時間t(例えば、0.5秒)が経過するとともに、終了した大当りラウンドが最終ラウンドでなければ、後続する大当りラウンドが開始する。
一方、第2の特別図柄表示部62bにおいては、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して、特別図柄の変動表示(変動遊技)を開始する。この変動表示も、第1の特別図柄表示部62aと同様な態様で行われる。そして、通常確率モードにおいて、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第2の大当り抽選)が行われた場合も、図10(a)に示すように、この大当りを示す判定結果が導出される確率が、約「1/400」とされる。この場合も、大当りを示す判定結果が導出されると、大当り遊技が開始される。
第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第2の大当り抽選)が行われ、大当りを示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選によって決定する。この乱数抽選は「第2の大当り態様決定手段が行う乱数抽選」の具体例を構成するものであり、図15に示すように、この乱数抽選によっても、「大当りの態様(種類)」が「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」のうちの何れかに定められる。この「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第2の大当り抽選の結果が落選の場合、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。
「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」の内容や、これらの大当りを契機に実行される大当り遊技の内容は、第1の大当り抽選(第1の特別図柄の当否判定)に係る各大当りや、各大当り遊技と同様である(図14,15参照)。
ここで、A、B各タイプの「変則的な第1大当り遊技」においては、図13(b)に示すように、「2回目の大当りラウンド(第2ラウンド)において実行予定の開放動作が全て終了するまでの予定実行時間」が経過するまでの期間が、「第1ラウンド遊技期間」となる。つまり、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」では、図16(b)に示すように、第2ラウンドにおいて、ただ一度行われる「第2開放動作」が完了するまでの予定期間が、「第1ラウンド遊技期間」となる。また、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」では、図19(b)に示すように、第2ラウンドにおいて、2回の「第2開放動作」に引き続いて行われる「第1開放動作」が完了するまでの予定期間が、「第1ラウンド遊技期間」となる。つまり、何れの場合も、第2の大当りラウンド(第2ラウンド)の実行中に遊技球が発射されなかったり、大入賞口31aに規定数の遊技球が入球しなかったと仮定すると、第2の大当りラウンド(2R)で最後に行われる開放動作(1回の開放動作しか行わない場合は、当該開放動作)が完了するまでの予定期間が、「第1ラウンド遊技期間」となる。なお、上記「〜予定実行時間」が経過し、更に、待機時間(例えば、0.5秒)が経過するまでの期間を、「第1ラウンド遊技期間」とすることもできる。
本実施例の遊技機1では、図20(a)に示すように、「第1ラウンド遊技期間」が経過するまでの間に、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「8個」に到達しないと、「第1ラウンド遊技期間」を終了し、更に、所定の待機時間(例えば、0.5秒)の経過を待って、第3の大当りラウンド(3R)に移行する。一方、図20(b)に示すように、「第1ラウンド遊技期間」が経過するまでの間に、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「8個」に到達すると、「第2の開放動作」を直ちに終了する。そして、所定の待機時間(例えば、0.5秒)が経過すると、第3の大当りラウンド(3R)に移行し、第2ラウンド遊技を開始する。つまり、第2の大当りラウンド(2R)における開放動作として「第2開放動作」を採用するため、第2の大当りラウンド(2R)の実行期間を短縮した上で、第2ラウンド遊技を開始することができる。
c−2.疑似図柄
演出表示装置27の表示画面27aにおいても、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの入賞(始動入賞)に起因して図柄変動開始条件が成立すると、疑似図柄の図柄変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動表示)を開始する。そして、これらの図柄変動表示の実行時間が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が一定時間(約0.6秒間)実行される。このとき、疑似図柄の停止表示(確定表示)と、前述の下部表示装置60(第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62b)による停止表示(本図柄の確定図柄)と同様に、当否判定の結果を表示する。
また、演出表示装置27の表示画面27aにおいては、疑似図柄の図柄変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部が出現し、各疑似図柄表示部において、「疑似図柄」を用いた図柄変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。この疑似図柄の図柄変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部に確定表示される確定図柄には、「外れを示す停止図柄」と、「大当りを示す停止図柄」がある。
ここで、前述のように、本遊技機1においては、「大当り」として「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」を予定している。但し、図21(a)に示すように、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」を示す停止図柄(疑似図柄)は同一の図柄とされている。
図21(a)に示すように、「第1確変大当り(15R確変大当り)」を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一数字」を3個並べて構成される。一方、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」を示す停止図柄は、「異なる数字」を左から右へ昇順に並べて構成される(以下、「バトル共通図柄」という。)。また、「外れ図柄」は、3つの疑似図柄表示部のうちの少なくとも1つに他と異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「バトル共通図柄」を除いたものである。
なお、本実施例では、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」の何れかを生ずると、大当り遊技中に演出表示装置27においてバトル演出が実行される(後述する。)。この場合、「Aタイプ確変大当り」若しくは「Bタイプ確変大当り」に基づくバトル演出、つまり、「第1大当り遊技」中に実行されるバトル演出においては、遊技者の味方のキャラクタが勝利する演出が実行される。これに対して、「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り」に基づくバトル演出、つまり、「第2大当り遊技(変則的な第2大当り遊技)」中に実行されるバトル演出においては、遊技者の敵のキャラクタが勝利する演出が実行される。なお、本実施例では、「15R潜伏確変大当り」に基づく「第2大当り遊技」を終了した場合、演出表示装置27等において、「遊技機1に確率モードが確変モードである」旨の報知を行わないが(つまり、潜伏確変状態とするが)、当該報知を行うこととしてもよい。
また、演出表示装置27において「大当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、演出表示装置27において「外れ示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示(つまり、外れ変動)の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄が同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とすることを内容とする表示である。
(4)演出表示の概要
本実施例の遊技機1では、図柄変動表示中及び大当り遊技中に、演出表示装置27で次のような演出を行う。なお、以下の説明においては、大入賞装置31の開放動作の態様についても合わせて説明する。
a.外れの場合
第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞(始動入賞)を生ずると、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する。これにより、対応する特別図柄表示部62a、62bで本図柄の図柄変動(変動遊技)を開始すると共に、図22(a)〜(b)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。
この図柄変動(変動遊技)の実行時間(変動時間)は、対応する特別図柄表示部62a、62bでの図柄変動開始時に決定される変動パターン(通常変動パターン、短縮変動パターン)によって異なる(後述する。)が、この実行時間が経過すると、何れかの特別図柄表示部62a、62bにおいて本図柄の停止図柄が停止表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が停止表示される。
ここで、図22(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)であり、図22(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う外れ表示(所謂「外れリーチ」)」である。ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(変動遊技)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄がすべて同一であると大当り表示が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させた状態で「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す演出表示を指す。
b.大当りの場合
大当りの場合も、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞(始動入賞)を生ずると、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する。これにより、対応する特別図柄表示部62a、62bで本図柄の図柄変動(変動遊技)を開始すると共に、図23(a)〜(b)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。
この図柄変動(変動遊技)の実行時間(変動時間)は、対応する特別図柄表示部62a、62bでの図柄変動開始時に決定される変動パターン(通常変動パターン、短縮変動パターン)によって異なる(後述する。)が、この実行時間が経過すると、何れかの特別図柄表示部62a、62bにおいて本図柄の停止図柄が停止表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が停止表示される。
ここで、疑似図柄の停止図柄が、「第1確変大当り(15R確変大当り)」を示す停止図柄」である場合、図24に示すように、演出表示装置27において、大当り開始表示(ファンファーレ表示)を実行する。更に、基本的大当り遊技が開始された後、演出表示装置27において「第1の大当りラウンド(1R)に係る表示」がなされ、大入賞装置31が第3開放動作に従って開放状態となる。そして、「第1の大当りラウンド(1R)」の終了条件が成立すると、大入賞装置31が第3開放動作を終了した後、「第1の大当りラウンド(1R)に係る表示」を終了し、所定のインターバル時間(つまり、前述の待機時間の約0.5秒)の経過を待つ。
更に、「第2の大当りラウンドに係る表示(2R)」を開始した後、大入賞装置31が第3開放動作に従って開放状態となり、「第2の大当りラウンド(2R)」の終了条件が成立すると、大入賞装置31が第3開放動作を終了し、所定のインターバル時間(約0.5秒)の経過を待つ。以後、同様に、「大当りラウンド」のラウンド数が「15」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド表示」と「大入賞装置31の第3開放動作」とが行われる。この後、基本的な「第1大当り遊技」を終了し、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
また、疑似図柄の停止図柄が「バトル共通図柄」である場合も、図25に示すように、演出表示装置27において大当り開始表示(ファンファーレ表示)を実行する。更に、第1大当り遊技若しくは第2大当り遊技が開始された後、演出表示装置27において「バトル演出」が開始される。具体的には、疑似図柄表示部27b〜27d(図6を参照)を縮小するとともに、表示画面27aの略全域で所謂「バトル演出」を実行する。つまり、遊技者の味方を示す「イカのキャラクタ図柄」と、遊技者の敵を示す「タコのキャラクタ図柄」とが登場し、決闘(バトル)を開始する。また、「バトル演出」が開始されると同時に、「第1ラウンド遊技(大入賞装置31で、第1開放動作と、第2開放動作を行うことを内容とするラウンド遊技)」が開始される。
そして、発生した大当りが「Aタイプの15R変則確変大当り」若しくは「Bタイプの15R変則確変大当り」である場合、図26に示すように、演出表示装置27において、遊技者の味方を示す「イカのキャラクタ」が、遊技者の敵を示す「タコのキャラクタ」に勝利する画像が表示される。更に、「第2の大当りラウンド(2R)」の終了条件が成立すると、以後、「第15の大当りラウンド(15R)」の終了条件が成立するまで、大入賞装置31が第3開放動作を繰り返す。つまり、「第15の大当りラウンド(15R)」の終了条件が成立するまで「第2ラウンド遊技」が実行される。更に、この「第2ラウンド遊技」を終了すると、「第1大当り遊技」を終了し、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
一方、発生した大当りが「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り」である場合、図27に示すように、演出表示装置27において、遊技者の敵を示す「タコのキャラクタ」が、遊技者の味方を示す「イカのキャラクタ」に勝利する画像が表示される。更に、「第2の大当りラウンド(2R)」の終了条件が成立すると、「第2大当り遊技」を終了する。この場合、発生した大当りが「通常大当り(15R変則通常大当り)」であった場合、遊技機1の確率モードが通常確率モードとされ、発生した大当りが「第2確変大当り(15R潜伏確変大当り)」である場合、遊技機1の確率モードが高確率モードとされる。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「変動演出表示(図柄変動演出表示)」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図28(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図28(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドであり、始動入賞時に使用している変動パターンテーブルに応じて、通常変動用の変動パターン(後述する。)及び短縮変動用の変動パターン(後述する。)のうちの何れかが特定される。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、モード指定コマンドは、遊技モード設定手段が設定している遊技モードを指定したり、遊技機1が特殊変動モードであることを指定するためのコマンドである。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図29は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図29のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図29のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出用スイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s等)などの状態を検出する処理などが行われる。そして、図29に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等を実施する。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図29のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入賞検出スイッチ17s、17t若しくは一般入賞検出スイッチ40s、41s、43sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入賞検出スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)が開始されると、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図29の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図29の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)であるのか、或いは、作動させる図柄でないのか(普通図柄の外れ図柄)を判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の3秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図29の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図29の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
D.普通電動役物遊技処理(S200)
図30は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図29の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2の始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2の始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2の始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは3秒、通常開放モードでは0.5秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2の始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2の始動入賞装置17b)の開放中に、第2の始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。また、本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17dを構成する第2の始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2の始動入賞部17bが開放状態となる。
E.特別図柄遊技処理
次に、図31〜図36を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図31に示すように、先ず、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したか否かが判断される(S302a、S302b)。そして、S302aの処理及びS302bの処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合(S302a;NO、S302b;NO)、そのまま図32に示すS308以降の処理に移行する。
一方、第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞したと判断されると(S302a;YES)、「第1の始動入賞装置17に対応する特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304a)。このS304aの処理において、所定個数未満と判断されると(S304a;YES)、第1の始動入賞装置17aへの入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「第1の始動入賞装置17aに対応する特別図柄の保留数」が「+1」される(S306a)。
ここで、本実施例の遊技機1は、始動入賞装置として、第1の始動入賞装置17aと、第2の始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1の始動入賞装置17aに対応する特別図柄(第1の特別図柄。以下、「特図1」ともいう。)と、第2の始動入賞装置17bに対応する特別図柄(第2の特別図柄。以下、「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1の始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく判定用乱数と、第2の始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく判定用乱数とが記憶された状況の下では、後者が優先的に処理される(後述する。)。
また、CPU201によって行われる処理のうちで、「第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)」と、「第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞することに起因して実行する各処理(以下、特図2に関する処理という。)」のうちで、同様な処理に関して、図31〜図36においては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては、「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図1大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1大当り抽選乱数」という。)、(b)第1の特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図1図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図1小当り抽選」という。)を行う場合、S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図1小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
また、第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したと判断されると(S302b;YES)、「第2の始動入賞装置17dに対応する特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304b)。このS304bの処理において、所定個数未満と判断されると(S304b;YES)、第2の始動入賞装置17bに関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「第2の始動入賞装置17bに対応する特別図柄の保留数」が「+1」される(S306b)。この後、S308以降の処理に移行する。
S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図2大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2大当り抽選乱数」という。)、(b)第2の特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図2図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図2小当り抽選」という。)を行う場合、S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図2小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
S308の処理では、図32に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図36のS460の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段(制御プログラムであって、ROM203に格納されている。)」が作動中であることを示すものである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図29の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1の特別図柄及び第2の特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1の特別図柄に関する保留数」と、「第2の特別図柄に関する保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことであるが、本実施例のCPU201は、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306bで取得したもので、特図2大当り抽選乱数)を読み出し(S316b)、第2の特別図柄に関する当否判定処理(特図2当否判定処理)を行う(S320b)。
この当否判定処理(S320b)においては、図34に示すように、大当り抽選に関する処理(第2の大当り抽選に関する処理)を行う。つまり、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて、この「大当り抽選」が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて、この大当り抽選が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、「特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2の始動入賞装置17b(普通電動役物)の開放延長機能を作動させる場合」と、「変動短縮機能及び開放延長機能を作動させない場合」がある(後述する。)。
S324またはS326の処理で行われる大当り抽選の結果が大当りである場合(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320b)を終了し、「第2の特別図柄に関する変動開始処理(以下、特図2図柄変動開始処理という。)」に移行する(図32のS500b)。また、大当り抽選の結果が外れである場合(S330;NO)、「外れフラグ(大当りを生じなかったことを示すフラグ)をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される当否判定処理(S320a)も、最も古い判定用乱数(S306aで取得したもので、特図1大当り抽選乱数)を読み出して(S316a)、図34に従って同様に行われる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図35に示すように、先ず、当否判定処理(S320b)の結果を下に、変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、S306bの処理(図31を参照)において取得した図柄決定乱数を読み出して、特別図柄表示部82に停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後、「決定された大当り図柄の態様と、遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。
一方、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306bの処理(図29を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード」及び「通常確率開放延長モード」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。また、S510若しくはS540で選択される変動パターンテーブルには、多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、当否判定の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動モードの設定時に特定される変動時間」は、「短縮変動モードの非設定時に特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮される。つまり、特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。なお、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
このS510若しくはS540の処理の後、CPU201は、特別図柄表示部82にて特別図柄の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図29の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図28に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が、「15R変則通常大当りを示す大当り図柄」、「第1確変大当りを示す大当り図柄」、「Aタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」、「Bタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」及び「15R潜伏確変大当りを示す大当り図柄」の何れであるかを知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図32に戻り、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306aで取得したもので、特図1大当り抽選乱数)を読み出し(S316a)、当否判定処理を行い(S320a)、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図29の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる当否判定処理も、S320bと同様に図32に示す当否判定処理に従って行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理も、S500bと同様に図35に示す図柄変動開始処理に従って行われる。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図32参照)で、第1の特別図柄又は第2の特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図29に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1の特別図柄又は第2の特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図29に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図33のS352)。
S352の処理で肯定的な判断がなされると、「大当り遊技開始設定処理(S450)」を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図29に示す遊技制御処理に復帰する。この「大当り遊技開始設定処理(S450)」を開始すると、図36に示すように、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S454)。具体的には、「大当りの種類(15R変則通常大当り、15R確変大当り、Aタイプの15R変則確変大当り、Bタイプの15R変則確変大当り、15R潜伏確変大当りのうちの何れであるのかなど)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S454)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S454の処理で用いるバッファとして機能する。
ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S454の処理においては、これらのフラグが「ONに設定」されているか、「OFFに設定」されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態(遊技モード)を示すデータがセットされる。また、「確変フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が高確率モード(確率変動手段が作動するモード)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が変動短縮モード(図柄変動表示の実行時間が短くなる可能性が高くなるモード)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(本実施例の第2の始動入賞装置17bのような「可変式の始動入賞装置」の開放時間を長くするモード)にあることを示すフラグである。
S454の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S460)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)。この後、発生した大当りの態様に応じて、大入賞口31aの開放パターンをセットする処理を行う。すなわち、発生した大当りが「15R変則確変大当り」である場合(S472;YES)、「フルオープンあり変則開放パターン」をセットした後(S476)、S482以降の処理に移行する。ここで、「フルオープンあり変則開放パターン」には、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技を行うための変則開放パターン」と、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技を行うための変則開放パターン」とが存在するが、大当り図柄の態様を考慮して、何れかの変則開放パターンが設定される。なお、「フルオープン」の開放動作とは、第3開放動作を意味している。
また、発生した大当りが「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り」である場合(S472;NO、S474;YES)、「フルオープンなし変則開放パターン」をセットした後(S478)、S482以降の処理に移行する。ここで、「フルオープンあり変則開放パターン」には、「フルオープンなし変則開放パターン」は、「第2大当り遊技を行うための変則開放パターン」、つまり「第1開放動作と第2開放動作に基づく開放パターン」である。
更に、発生した大当りが「第1確変大当り(15R確変大当り)」である場合(S472;NO、S474;NO)、「通常開放パターン(フルオープンのみの開放パターン)」をセットした後(S480)、S482以降の処理に移行する。ここで、「通常開放パターン」は、「基本的大当り遊技を行うための開放パターン」であり、「第3開放動作に基づく開放パターン」に相当する。
次に、S482以降の処理について説明する。ここで、S460の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)が、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S482以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S482の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S482)、セットされていない場合は(S482;NO)、そのままS484の処理に移行し、セットされている場合は(S482;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S483)、S484の処理に移行する。そして、S484の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S484;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図29の遊技制御処理に復帰する。一方、S484の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S484;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S486、S487)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図29の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図29の遊技制御処理に復帰すると、後述する大当り遊技処理(図37)が開始され、大当り遊技が実行される。なお、S482の処理の肯定判断とS483の処理を経て、S484の処理で否定的な判断がなされる場合、遊技機1の当該「大当りの発生」前における遊技状態(遊技モード)は、「高確率通常変動モード」、つまり、「潜伏確変モード」となる。
次に、図33のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合(S398;YES)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図29の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図29の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は、「変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数」の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、次回の特別図柄の変動において短縮変動は行われない。
これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わるか、或いは、高確率短縮変動モードから高確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S417)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図29の遊技制御処理に復帰する。なお、S417の処理では、低確率通常変動モード或いは高確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。但し、「低確率短縮変動モード」、「高確率短縮変動モード」の何れかの遊技モードにおいて「確変大当り」を生ずると、変動短縮カウンタの初期値が「10,000」にセットされるので、この場合には、S404の肯定判断を生ずることはあり得ないため、そのような状況下から「高確率通常変動モード」を生ずることはない。
F.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図29の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図37に示すように、「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技処理を開始させ(S600)、「大当り遊技(第1大当り遊技若しくは第2大当り遊技)」が実現される。
図37は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。各大当りラウンドが開始されると、前述のように、「各大当りラウンドにおいて予定されている開放動作のうちで最後に行われる開放動作(開放動作を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放動作)」が実行を完了するか、遊技球の入球数が規定数(本実施例では8個)になると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この後、所定の待機時間(例えば、0.5秒)を経て、「大当り遊技の終了条件」が成立していなければ、次の「大当りラウンド」が開始される。そして、この「大当りラウンド」を所定回数(本実施例では15回)繰り返すと、大当り遊技を終了する。以下、図37〜図38を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技(「基本的大当り遊技」、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」若しくは「第2大当り遊技」)を開始すると、先ず、「大当りラウンド」を実行中か否かを判断する(S604)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態」では閉鎖状態を維持しており、大当り遊技の開始直後は、未だ「大当りラウンド」を実行していない。このため、大当り遊技の開始直後は、「大当りラウンド」を実行中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当りラウンドの実行回数」が対応する大当り遊技の設定回数(本実施例では15回)に達したか否かを判断する(S612)。
但し、大当り遊技が開始された直後は、大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。このため、S614の処理に移行して、待機時間(インターバル時間であって、例えば、0.5秒)が経過したか否かを判断する(S614)。つまり、大当りラウンドの停止時間が経過したか否かを判断する(S614)。そして、大当り遊技が開始された直後は、大当りラウンドを実行していない状態となっているから、必然的に、待機時間が経過していると判断され(S614;YES)、大当りラウンドを開始させた後(S616)、図37に示した大当り遊技処理を一旦終了して、図29の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図29に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図29に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図37に示す大当り遊技処理(S600)も、約4msec毎に繰り返して実行される。
そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると、「当該大当りラウンドにおける開放動作」を完了したか否か、つまり、「当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作のうちで最後に行われる開放動作(開放動作を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放動作)」が予定する開放時間に従って実行されたか否かが判断される(S606)。すなわち、大当りラウンドにおいて予定されている開放動作のうちで最後に行われる開放動作(開放動作を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放動作)が「第1開放動作」であれば、大入賞装置31が「0.1秒間」開放状態となったか否かが判断され、「第2開放動作」であれば、大入賞装置31が「10秒間」開放状態となったか否かが判断され、「第3開放動作」であれば、大入賞装置31が「25秒間」開放状態となったか否かが判断される。
「当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作のうちで最後に行われる開放動作(開放動作を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放動作)」が完了していれば(S606;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図37に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図29の遊技制御処理に復帰する。一方、S606の処理で否定的な判断がなされる場合は(606;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定数(8個)に達しているか否かを判断する(S608)。そして、遊技球の入賞数が規定数に達した場合も(S608;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図38に示した当り遊技処理(S600)を抜けて、図29の遊技制御処理に復帰する。つまり、遊技球の入賞数が規定数に達すると、「大当りラウンドにおいて予定されている開放動作のうちで最後に行われる開放動作(開放動作を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放動作)」の完了を待たずに、大入賞装置31の開放動作を終了して、大入賞口31aを閉鎖する。
一方、「当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作のうちで最後に行われる開放動作(開放動作を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放動作)」が完了せず(S606;NO)、しかも、入賞数が規定数に達していない場合は(S608;NO)、大当りラウンドを継続させたまま、図37の大当り遊技処理を抜けて、図29の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(大当り遊技フラグがセットされている場合)、図29の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、S606の処理で肯定的な判断がなされるか、若しくは、S608の処理で肯定的な判断がなされる。こうして、1回の大当りラウンドを終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において「大当りラウンド」を実行中でないと判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、何れの大当り遊技(「基本的大当り遊技」、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」若しくは「第2大当り遊技」)においても、その大当り遊技中に実行した「大当りラウンド数」が「15」に達したか否かが判断される。そして、実行した「大当りラウンド」の回数(ラウンド数)が設定回数に到達していなければ(S612;NO)、インターバル時間(例えば、0.5秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、新たな大当りラウンドを実行する(S616)。
一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合は(S612;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S700)」を行った後、大当り遊技処理(S600)を終了し、図29の遊技制御処理に復帰する。この大当り遊技終了時処理(S700)が起動すると、CPU201は、図38に示すように、大当り遊技フラグ(図36のS460を参照)を解除(OFFに設定)した後(S705)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図36のS454を参照)」を参照することによって、「今回の当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)」の種類(「15R変則通常大当り」、「15R確変大当り」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」及び「15R潜伏確変大当り」)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モード等を設定する処理を行う。
つまり、「今回の大当り図柄(図32のS344の処理で停止した図柄)」が「15R変則通常大当りを示す大当り図柄」であった場合(S720;NO)には、変動短縮カウンタに「40」をセットする処理(S770)と、変動短縮フラグをセットする処理(S775)と、開放延長フラグをセットする処理(S780)とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S785)、大当り遊技終了時処理(S700)を終了する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄(「15R確変大当りを示す大当り図柄」、「Aタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」、「Bタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」及び「15R潜伏確変大当りを示す大当り図柄」のうちの何れか)である場合は(S720;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S725)を行った後、S730の処理に移行する。このS730の処理では、今回の大当り図柄が「潜伏確変図柄」、つまり、「15R潜伏確変大当りを示す大当り図柄」であるか否かを判断する(S730)。そして、S730の処理で肯定判断される場合、変動短縮カウンタに「40」をセットする処理(S770)と、変動短縮フラグをセットする処理(S775)と、開放延長フラグをセットする処理(S780)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S795)、大当り遊技終了時処理(S700)を終了する。
一方、S730の処理で否定的な判断される場合(つまり、今回の大当り図柄が「15R確変大当りを示す大当り図柄」、「Aタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」若しくは「Bタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」である場合)、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理(S760)と、変動短縮フラグをセットする処理(S775)と、開放延長フラグをセットする処理(S780)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S785)、大当り遊技終了時処理(S700)を終了する。
(7)演出制御処理
図39を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理」の概要について説明する。なお、図39には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。この演出制御処理では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると(950;YES)、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間(S2300で肯定判断されるまでの間)、図柄変動演出関連処理(S1100)、大当り遊技演出処理(S1300)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図39の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図39のフロー図に従ってサブ制御処理について説明する。
a.図柄変動演出関連処理(S1100)
図柄変動演出関連処理(S1100)においては、図40に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
ここで、サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「大当り演出の変動パターン(演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(演出表示装置27の表示画面27aで大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1115)、S1120の処理に移行する。
更に、当否判定の結果が外れある場合(S1110;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「外れ演出の変動パターン(演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(演出表示装置27の表示画面27aで外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1145)、S1120の処理に移行する。
S1120の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)に基づいて、S1115若しくはS1145で決定した「変動パターン(演出パターン)」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示(変動遊技)を開始させる(S1120)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出表示を開始させる(S1120)。
そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1125;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1130)。
b.大当り遊技演出処理(S1300)
大当り遊技演出処理(S1300)は、本遊技機1が大当り遊技を行うときになされるものである。この大当り遊技演出処理(S1300)においては、図41に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、「大当り遊技開始指定コマンド」を受信すると(S1305;YES)、S1310以降の処理が実行される。
ここで、本遊技機1においては、大当りを生ずると、主制御部200Aからサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンド(COR)が送信される。つまり、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)するとともに「大入賞口31aの開放パターン」をセットするタイミングで(図36のS460,S476,S478,S480を参照)、サブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンド(COR)を送信する。
大当り遊技開始指定コマンドを受信したサブ制御部220Aは、受信した大当り遊技開始指定コマンドを解析して、今回の大当りの種類(「15R変則通常大当り」、「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」及び「15R潜伏確変大当り」のうちの何れか)を特定し、演出表示装置27等において、今回の大当りの種類に対応した大当り開始演出(ファンファーレ演出)を実行する(S1310)。なお、本実施例では、「Bタイプの15R変則確変大当り」を生じた場合の大当り開始演出と、「15R潜伏確変大当り」を生じた場合の大当り開始演出と、「15R変則通常大当り」を生じた場合の大当り開始演出とが共通化されている。従って、遊技者は、現在の遊技モードが高確率モードにあるか否かについての想像を働かせつつ、遊技を行うことになるため、遊技者の興趣を更に高めることができる。
次いで、CPU220aは、今回の大当りの種類に対応して「大当り遊技の演出パターン(ラウンド演出パターン)」を設定する処理を行う。すなわち、今回の大当りが「15R変則確変大当り」である場合(S1315;YES)には、「15R変則確変大当り用のラウンド演出パターン」を設定した後(S1320)、S1375以降の処理に移行する。ここで、S1320の処理においては、「Aタイプの15R変則確変大当り」を発生した場合と「Bタイプの15R変則確変大当り」を発生した場合とで、内容の異なる「15R変則確変大当り用のラウンド演出パターン」が設定される。
今回の大当りが「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り(第2の確変大当り)」である場合(S1315;NO、S1325;YES)には、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」で共通に用いられる「共通ラウンド演出パターン」を設定した後(S1330)、S1375以降の処理に移行する。また、今回の大当りが「15R確変大当り」である場合(S1315;NO、S1325;NO)には、「15R確変大当りのラウンド演出パターン」を設定した後(S1365)、S1375以降の処理に移行する。
ところで、大当りが発生した場合、主制御部200Aは大当り遊技開始指定コマンド(COR)を送信した後、「大当りラウンドを開始させるタイミング(図37のS616及び図43を参照)」で「ラウンド数指定コマンド(CRS)」をサブ制御部220Aに送信する。これにより、図42に示すように、サブ制御部220Aは「第1回目のラウンド数指定コマンド(第1ラウンドの開始を特定するコマンド)」を受信することになるため(S1375)、演出表示装置27等において「設定したラウンド演出パターンに基づきラウンド演出(1ラウンドであることを示す演出)」を開始する(S1380)。
この後、主制御部200Aは「大当りラウンドを終了させるタイミング(図37のS610及び図43を参照)」でサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了コマンド(CRE)」を送信する。これにより、サブ制御部220Aは「第1ラウンド」の終了を検出するため、一旦、「ラウンド演出」を終了し、演出表示装置27等において「インターバル表示(各ラウンド間の演出表示)」を開始する。更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド数指定コマンド(CRS)」を受信する毎に「インターバル表示」を終了して「ラウンド演出」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信する毎に「インターバル表示」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル表示」を挟みつつ、最終ラウンドの表示を行うまで繰り返される。
このように、大当り遊技を実行するなかで、最終ラウンドを終了するタイミングで、主制御部200Aからサブ制御部220Aに向かって「大当り終了指定コマンド(COE)」が送信されると、サブ制御部220Aは、その「大当り終了指定コマンド(COE)」を受信する(S1390;YES)。そして、「大当り終了指定コマンド(COE)」を受信したサブ制御部220Aは、演出表示装置27等において「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行する(S1395)。そして、「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行した後、大当り遊技演出を終了する。
(8)実施例の効果
本実施例の遊技機1では、第1ラウンド遊技を行っているときに遊技球の発射を行うと、第2ラウンド遊技が早期に開始される可能性を生ずることになる。つまり、第2ラウンド遊技に比べて、遊技者にとってメリットの低い第1ラウンド遊技中においても、遊技球を積極的に発射することで、第2ラウンド遊技が早期に開始される可能性を生ずることになる。すなわち、第1ラウンド遊技中における遊技球の発射によって、「第2ラウンド遊技の開始有無の早期確認」や「第2ラウンド遊技の早期開始」を図ることができ、このことが遊技球発射の促進につながり、結果として、遊技機の稼働向上を図ることができる。
従って、本実施例によると、「出球あり確率変動大当り」と「出球なし確率変動大当り」とを併存させた遊技機1において、遊技機1の稼働向上を図ることができる。また、本実施例の遊技機では、「第1ラウンド遊技を経て第2ラウンド遊技が開始される場合と、第1開放動作および第2開放動作が行われても第2ラウンド遊技が開始されない場合とがある」だけではなく、「第2ラウンド遊技が開始される場合には、その開始時期を遊技球発射により前倒しできる可能性がある」といった新規な遊技性を実現することもできる。このため、本実施例によると、遊技者の遊技興趣を高めることができる。
次に、実施例2の遊技機について説明する。この実施例2の遊技機は、「第1ラウンド遊技」を「第1の大当りラウンド(1R)」のみで行う点と、大当り図柄に応じて「第1の大当りラウンド(1R)」の態様が多数(5通り)の中から選択される点とが実施例1と異なり、その他は実施例1と同様である。
実施例2の遊技機においても、実施例1と同様に、図35のS510に従って、「大当り図柄(本図柄)」が決定(設定)される。但し、実施例2では、「15R変則確変大当りを示す大当り図柄(本図柄)」が5種類用意されており、それら図柄の種類に応じて「第1ラウンド遊技」の実行態様が異なる内容に設定される。つまり、図44に示すように、決定される大当り図柄(本図柄)の種類に応じて、大入賞口31aの開放パターンがそれぞれ異なるものとなる。
ここで、実施例2における「15R変則確変大当りを示す大当り図柄(本図柄)」に対応する大入賞口31aの開放パターンのうち、「パターン1」は、「第1ラウンド遊技中に第2開放動作(9秒開放)を一回のみ行うパターン」であり、「パターン2」は、「第1ラウンド遊技中にパターン1よりも開放時間が短くされた第2開放動作(6秒開放)を2回行うパターン」である。そして、「パターン1」では第2開放動作の回数が一回とされ、「パターン2」では「第2開放動作の開放時間」が「パターン1」よりも短くされるため、何れのパターンも、「第1ラウンド遊技」の実行中に規定数(8個)の遊技球を大入賞口31aに入球させることが困難である。このため、「第2ラウンド遊技の開始時期」を「前倒し」できる可能性が低くなっている。
「パターン3」は、実施例1の「Bタイプの変則的な第1大当り遊技を実行するためのパターンと同様なパターン(但し、第1ラウンド遊技のラウンド数は1ラウンドに減縮されている。)である。この「パターン3」では、「第1ラウンド遊技」の実行中に「十分な長さの第2開放動作(10秒開放)を2回行うパターン」であり、「第1ラウンド遊技」の実行中に規定数(8個)の遊技球を大入賞口31aに入球させることが比較的容易である。このため、「第2ラウンド遊技の開始時期」を「前倒し」できる可能性が高くなっている。しかも、最後に行われる「第2開放動作」の後に、「第1開放動作」を実行することとして、当該最後に行われる「第2開放動作」の予定終了期間と、「第1ラウンド遊技」の予定終了期間との間に十分な時間を確保している。例えば、最後の第2開放動作の完了予定される時期と、第1開放動作の開始が予定される時期との間に、「第2開放動作の予定実行期間」や「第3開放動作の予定実行期間」を超える期間を確保している。このため、「第2ラウンド遊技の開始時期」を「前倒し」できた場合、その「前倒しの度合い(第1の大当りラウンドの終了時期が早くなる度合い)」が大きなものとなる。
「パターン4」は、「パターン1」と同じ開放時間の第2開放動作(9秒開放)を2回行うパターンであって、その2回の第2開放動作の実行間隔を「パターン3」に比べ短くしたパターンである。この「パターン4」では、第2開放動作が短い間隔で連続するため、「第1ラウンド遊技」の実行中に規定数(8個)の遊技球を大入賞口31aに入球させることが更に容易となる。つまり、第2開放動作に従って開放する大入賞口31aの1回当りの開放時間は「パターン3」に比べ「1秒」短いものの、その第2開放動作の実行間隔(大入賞口31aの開放間隔)が短いことから、「パターン4」では、大入賞口31aが18秒間続けて開放するものと略同等である。これにより、規定数(8個)の遊技球を効率よく大入賞口31aに入球させることが可能となり、その結果、「第1ラウンド遊技」の実行中に規定数(8個)の遊技球を大入賞口31aに入球させることが上述の「パターン1〜3」に比べて更に容易となる。このため、「第2ラウンド遊技の開始時期」を「前倒し」できる可能性が更に高くなっている。しかも、第2開放動作の実行間隔が短くなることで、遊技者は「大入賞口31aへの遊技球の入球可能性」が高くなったと意識して、2回の第2開放動作が完了するまで遊技球を連続的に発射することが予測される。従って、この「パターン4」によると、遊技機の稼働効率を更に高めることができる。なお、「パターン4」における「2回の第2開放動作の実行間隔」としては、第2開放動作の予定実行時間よりも短く、第1開放動作の予定実行時間よりも長い時間を例示できる。例えば、「2〜5秒」のうちの何れかの時間を例示できる。
「パターン5」は、2回の第2開放動作の実行間隔を上述の「パターン2〜4」に比べて長くしたパターンであり、「第1ラウンド遊技」の開始間際および終了間際に第2開放動作が1回ずつ実行される。この「パターン5」も、「第1ラウンド遊技」の実行中に十分な長さの第2開放動作を2回行うパターン(8秒開放及び12秒開放を行うパターン)であり、「第1ラウンド遊技」の実行中に規定数(8個)の遊技球を大入賞口31に入球させることが比較的容易である。しかも、2回の第2開放動作が「第1ラウンド遊技」の開始間際と終了間際とに行われる。更に、「第1ラウンド遊技」の開始間際に行われる「先の第2開放動作」の実行時間(8秒を例示)よりも、「第1ラウンド遊技」の終了間際に行われる「後の第2開放動作」の実行時間(12秒を例示)の方が長いため、例えば、「先の第2開放動作」で大入賞口31aに規定数(8個)の遊技球を入球させることができなかった場合、その「リベンジ」を「後の第2開放動作」において果たすことが容易となる。
実施例2によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例2の遊技機では、「第1の大当りラウンド(1R)」の態様選択の自由度が高くなるため、より幅の広い遊技を行うことができる。
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3では、大当り遊技の態様が付加されている点を除いて実施例1と同様である。つまり、実施例3においては、図45に示す「3通りの大当り遊技」が付加されている点が、実施例1と異なっている。
実施例3の遊技機において、付加されている大当り遊技の態様は以下の通りである。先ず、図45(a)に示すように、第2大当り遊技として、「第2開放動作」若しくは「第1開放動作」を各大当りラウンドにおいて1回ずつ実行するものが付加されている。
また、図45(b)に示すように、変則的な第1大当り遊技として、第1の大当りラウンド(1R)において第1ラウンド遊技を行い、第2〜第7の各大当りラウンド(2R〜7R)において第2ラウンド遊技を行うとともに、最終の第8の大当りラウンド(8R)において第1ラウンド遊技を行うものが付加されている。更に、図45(c)に示すように、変則的な第3大当り遊技として、第1の大当りラウンド(1R)において第1ラウンド遊技を行い、第2〜第7の各大当りラウンド(2R〜7R)において第2ラウンド遊技を行うとともに、第8の大当りラウンド(8R)において第1ラウンド遊技を行い、更に、第9〜第15の各大当りラウンド(9R〜15R)において第2ラウンド遊技を行うものが付加されている。
実施例3によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例3の遊技機では、第1ラウンド遊技を経て第2ラウンド遊技が開始され、当該第2ラウンド遊技の終了後、再び第1ラウンド遊技を経て第2ラウンド遊技が再開される可能性のある遊技機1において、第2ラウンド遊技が終了した後の再度の第1ラウンド遊技の実行中において遊技球の発射を行うと、第2ラウンド遊技が早期に再開される可能性を生ずることになる。すなわち、第1ラウンド遊技を経て開始された第2ラウンド遊技が終了した後の再度の第1ラウンド遊技中における遊技球の発射によって、「第2ラウンド遊技の再開の有無の早期確認」や「第2ラウンド遊技の早期再開」を図ることができ、このことが遊技球発射の促進につながり、結果として、遊技機の稼働を更に向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
すなわち、各実施例の遊技機では、「ラウンド報知ランプ(実行する大当りラウンド数を報知する報知手段)」を有してもよいし、有していなくてもよい。但し、実施例1の遊技機1では、「各大当り遊技において実行される大当りラウンド数」が揃えられているため(各大当り遊技のラウンド数を15Rに統一しているため)、遊技機から「ラウンド報知ランプ(報知手段)」を排除することができる。
各実施例では、一個の可変式の始動入賞装置(第2の始動入賞装置17b)と、一個の非可変式の始動入賞装置(第1の始動入賞装置17a)とを備える遊技機1を例示したが、一個の可変式の始動入賞装置のみを有する遊技機、複数個の可変式の始動入賞装置のみを有する遊技機、複数個の可変式の始動入賞装置と一個若しくは複数個の非可変式の始動入賞装置を備える遊技機、一個の可変式の始動入賞装置と複数個の非可変式の始動入賞装置とを備える遊技機について、各請求項の発明を適用できる。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
1;遊技機(弾球遊技機)、
2;外枠、
17a;第1の始動入賞装置(始動入賞装置)、
17b;第2の始動入賞装置(始動入賞装置)、
27;演出表示装置、
27a;表示画面、
31;大入賞装置(可変入賞装置)、
200;主制御部(第1大当り遊技実行手段、第2大当り遊技実行手段、大当り態様決定手段、確率変動手段、出現パターン記憶手段、第3大当り遊技実行手段)、
220A;サブ制御部、
222A;演出表示制御部。

Claims (3)

  1. 始動入賞装置に遊技球が入球することに起因して大当りか否かを当否判定し、該当否判定の結果が大当りである場合に、閉鎖状態にある可変入賞装置を開放状態に変化させる大当り遊技を実行する遊技機であって、
    遊技球が入球困難な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第1開放動作および前記第1開放動作に比べて入球容易な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第2開放動作が行われる第1ラウンド遊技と、前記第2開放動作に比べて入球容易な態様で前記可変入賞装置を開放状態に変化させる第3開放動作が行われる第2ラウンド遊技とから構成される第1大当り遊技を、前記大当り遊技として実行する第1大当り遊技実行手段と、
    前記可変入賞装置を開放状態に変化させる開放動作として、前記第1開放動作および前記第2開放動作のみを行う第2大当り遊技を、前記大当り遊技として実行する第2大当り遊技実行手段と、
    を備え、
    前記第1大当り遊技実行手段は、
    前記第1大当り遊技の開始に伴って前記第1ラウンド遊技を開始した後、所定の第1ラウンド遊技期間が経過した場合には、前記第1ラウンド遊技を終了して前記第2ラウンド遊技を開始するとともに、
    前記第1ラウンド遊技期間が経過する前に、前記第1開放動作中および前記第2開放動作中における前記可変入賞装置への遊技球の入球数の合計が所定数に達した場合には、前記第1ラウンド遊技期間が経過していなくても前記第1ラウンド遊技を終了して前記第2ラウンド遊技を開始することを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、0.05〜0.5秒のうちの何れかの時間とされ、
    前記第2開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、5〜11秒のうちの何れかの時間とされ、
    前記第3開放動作が1回行われると、前記可変入賞装置が開放状態に変化する時間は、20〜30秒のうちの何れかの時間とされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記当否判定の結果が大当りである場合に、発生させる大当りの態様を決定する大当り態様決定手段と、
    前記大当り遊技の実行後に作動を開始して、前記当否判定の結果が大当りとなる確率を高確率に変動させる確率変動手段と、
    を備え、
    前記大当り態様決定手段が前記大当りの態様を第1特定大当りに決定すると、前記第2大当り遊技実行手段が前記第2大当り遊技を実行した後に前記確率変動手段が非作動となり、前記大当り態様決定手段が前記大当りの態様を第2特定大当りに決定すると、前記第2大当り遊技実行手段が前記第2大当り遊技を実行した後に前記確率変動手段が作動することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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