以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3等を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体H(機体)と、を備えている。また、外枠2は、図2に示すように、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1及び図2を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図2に示すように、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5及び下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図44)を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、図1に示すように、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。また、図2においては、外枠2、本体枠3と、前面枠4と、皿部材5A(上皿部材5、下皿部材6)を図示し、遊技盤10と、裏機構盤102の図示を省略している。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図44参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、遊技球を上皿部材5に払い出すための遊技球払出装置109が、裏機構盤102に配設されている(図44)を参照)。
前面枠4は、図2に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)を前方から視認可能な形状に開設(略吊り鐘形状に開設)され、前面枠4を閉じたときにその背後に位置する遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43(図3を参照)と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)と、を備えている。また、本遊技機1では、図2に示すように、「上皿部材5及び下皿部材6を一体化した皿部材5A」が、前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、本実施例と異なり、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5及び下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
図1及び図2に示すように、前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2(図46参照)が装着され、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図46参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。
図2に示すように、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図45参照)及び演出ボタン基板228(図46参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている(図2を参照)。
図2に示すように、皿部材5Aにおいて上皿部材5の下方の部位が、下皿部材6を構成している。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット(図示を省略)が配設されており、この発射装置ユニットに、下皿部材6の右端に位置する発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20、下部ユニット80等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。また、遊技盤本体10Aの前面部によって遊技盤面が構成される。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。なお、遊技領域11の左上部(遊技領域11の中央部を基準に、左斜め上方に位置する部分)が、発射経路Yに開放されており、発射経路Yを通過した遊技球が、遊技領域11に進入するための入口部11Vを構成する。なお、「周壁部材」としては、「外側レール及び内側レールとで構成されるレール部材」、「単一のレールで構成されるレール部材」等を例示できる。
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20(所謂、センター役物)と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1の始動入賞装置17aと、第2の始動入賞装置17bと、下部ユニット80と、多数の障害釘18と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備える。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、図4に示すように、遊技領域11の中央及び上方右側部分を占めている。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって、遊技領域11の中央に位置する演出表示装置27の表示内容を遊技者側から視認可能とする為の表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
また、図4に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には、装飾部材21Aが前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左側縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右側縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。また、左側装飾部21Lの下端側には、ワープ部材21Tが一体化されている。
このワープ部材21Tは、略筒形状とされつつ軸心を右下り傾斜とする部材であり、内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wを形成している。つまり、左側装飾部21Lの左側面部(ワープ部材21T)の上端部において、このワープ通路21wの進入口(ワープ部材21Tの一方の開口部)が、左斜め上方に向かって開口し、ワープ通路21wの出口(ワープ部材21Tの他方の開口部)が、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に向かって開口している。すなわち、ワープ通路21wは、遊技領域11を流下する遊技球を上端の進入口で受け入れた後、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。
また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で、後述する「第1の始動入賞装置17a」に入賞する。尚、本実施例では、ステージ部21p上を転動しなければ、第1の始動入賞装置17aに入賞することができないが(図4を参照)、メイン役物装置20に進入せずに(ステージ部21p上を転動しなくても)第1の始動入賞装置17aに入賞可能な構成を採用することもできる。
演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものである。この演出表示装置27においては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示及び停止表示に連動する演出表示(図柄変動演出)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60(第1の特別図柄表示部62a、第2の特別図柄表示部62b)が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を用いて図柄変動遊技を行う「図柄変動遊技実行手段」(本表示手段)を構成し、演出表示装置27が、疑似図柄(演出要素の一具体例を示す。)を用いて図柄変動演出を行う「図柄変動演出実行手段」(演出図柄表示手段)を構成する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aでは、図5に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dにおいて疑似図柄(演出要素の一具体例)を表示しつつ、その背景において疑似図柄とは別の種々の演出要素を表示することによって、図柄変動遊技の進行(本図柄の変動表示および停止表示)に伴う図柄変動演出を行う。また、疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aの所定の部位(略中央や隅部等)において横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて「疑似図柄」を用いた変動表示と停止表示がなされる。
また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dを表示したり、大当り遊技時の演出表示(大当り演出)を表示する際には、この表示画面27aに、種々の演出要素が表示される。つまり、上述の疑似図柄を表示したり、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)Z1を表示したり、キャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)Z2を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。また、この表示画面27aで、称号名称の表示(コメント表示)Z3を行ったり、状態表示(例えば、連チャン回数表示)Z4を行ったりすることがある。ここで、これらの演出要素(「疑似図柄」、「背景図柄」、「キャラクタ図柄」、「実写映像」、「称号名称の表示」、「状態表示」等)は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出図柄」の一具体例を示すものであり、これらの演出要素によって「図柄変動遊技の進行に伴う図柄変動演出」が実現される。
この「演出要素」とは、図柄変動遊技の進行に伴う表示演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「表示演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う音声演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「音声演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う発光演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「発光演出要素」のことを意味する。そのうち「表示演出要素」としては、例えば、遊技機が備える演出表示装置に表示される「疑似図柄(図柄変動遊技の結果を演出的に示す図柄」「文字(称号、コメント、演出説明、スローガン、標語等の一定の意味を有するものが望ましい。)」「背景図柄」「キャラクタ図柄」「実写映像」等を例示できる。なお、これら「疑似図柄」「文字」「背景図柄」「キャラクタ図柄」「実写映像」等の演出表示装置に表示される要素(表示演出要素)は、総じて「演出図柄」として捉えることができる。
また、「音声演出要素」としては、例えば、遊技機が備える音声出力装置から出力される「楽曲」「効果音」「言葉(セリフ)」等を例示できる。また、「発光演出要素」としては、例えば、遊技機を構成する「前面枠」や「遊技盤」に設けられる発光体の様々な発光態様(発光色、発光回数、発光順序、発光時間等の発光パターン)を例示できる。
下部ユニット80は、図7(a)及び(b)に示すように、遊技盤本体10Aの下部に設けられた取付孔10Eを用いて、遊技盤本体10に取り付けられている。この下部ユニット80は、図8及び図9等を用いて示すように、収納部材81(81a及び81b)と、ベース部材82と、装飾板85と、球通路部材86A、86Bと、左下表示装置50(図4を参照)と、右下表示装置60(図4を参照)と、第1大入賞口ユニット31(図10を参照)と、第1の始動入賞装置17aと、前方開閉扉ユニット90と、後方開閉扉ユニット95と、を備える。
収納部材81は、図8〜図10に示すように、遊技盤本体10Aの背後に配設されるとともに、前方開閉扉ユニット90、後方開閉扉ユニット95等の開閉扉を構成する装置や、球通路部材86A、86B等を収納している。また、この収納部材81は、図11に示すように、前方に開口する略箱形状に構成された外郭部材81aと、外郭部材81aの内側に挿入配置された駆動ユニットベース部81bと、を備える。なお、駆動ユニットベース部81bは、「前方に開口する略箱形状から、その底部を除いた形状」を備えている。
図11に示すように、外郭部材81aの上壁部と、駆動ユニットベース部81bの上壁部との間には、空間部81xが設けられている。但し、外郭部材81aの上壁部のうちで、中央部寄りの部分が、その左右に比べて上方に突出する突出部81cとされているため、突出部81cの下方において空間部81x(駆動ユニットベース部81bの上壁部との間に形成される空間部81x)の上下幅が大きくされている。そして、駆動ユニットベース部81bの上壁部において、突出部81cの直下に位置する部位が、第1大入賞口ユニット31(図10を参照)を設置するための設置部位81dとされている。つまり、本下部ユニット80においては、突出部81cと、設置部位81dとの間に形成される空間を用いて、第1大入賞口ユニット31(図10等を参照)が設置される。
図11に示すように、外郭部材81aの上壁部と、駆動ユニットベース部81bの上壁部との間に形成される空間部81xのうちで、設置部位81dの左側方に位置する部位に、左側の球通路部材86Aが設置され、設置部位81dの右側方に位置する部位に、右側の球通路部材86Bが設置されている。
図12(a)に示すように、外郭部材81aの内部奥側の略中央には、後述する球通路部材86A、86Bから排出される遊技球を転動させるための転動面81eが前方(図12(a)の紙面手前側)に向かって下り傾斜状に設けられている。また、図11に示すように、駆動ユニットベース部81bの後壁部の略中央には開口部81fが設けられるとともに、この後壁部において開口部81fの下縁部を形作る部位からは、傾斜板81gが前方(図11の紙面手前側)に突出している。更に、外郭部材81aの下壁部の前縁部側の略中央には、略矩形状の切り欠部81hが設けられている。
そして、図13及び図14に示すように、転動面81eと傾斜板81gの上面部とは、前後に連続する下り傾斜面を構成するとともに、傾斜板81gの上面部の前端部が、切り欠部81hと上下に位置合わせされるため、転動面81eに到達する遊技球は、傾斜板81gの上面部を転動した後、切り欠部81hに向かって落下する。なお、駆動ユニットベース部81bの前面であって、開口部81fの正面前方に位置する部位には、透明な素材で構成されるセンターカバー85Vが配設されている。
図11に示すように、外郭部材81aの上壁部の左端側には、後述する第2の始動入賞装置17bに入球した遊技球を進入させるための進入口81jが設けられている。この進入口81jは、所定の樋部材(遊技球を通過させる部材であり、遊技盤10の後方に配設されているが、図示を省略する。)を用いて、第2の始動入賞装置17bの下流側部分(遊技球の通過方向に沿った下流側部分)に接続されている。このため、第2の始動入賞装置17bに入球する遊技球は、当該樋部材を介して進入口81jに進入した後、左側の球通路部材86Aの内部を通過する。この後、左側の球通路部材86Aからその右側方に排出され、転動面81eと、傾斜板81gの上面部とを転動した後、切り欠部81hに向かって落下する。
図15に示すように、駆動ユニットベース部81bに設けられた設置部位81d(第1大入賞口ユニット31(図10を参照)を設置するための設置部位81d)において、その左端側と右端側には、第1大入賞口31a(後述する。)に遊技球が入球したことを検出するための大入賞口入賞検出スイッチ31s、31t(図45を参照)が配置されている。つまり、第1大入賞口31a(後述する。)に入球した遊技球は、何れかの大入賞口入賞検出スイッチ31s、31tに向かって到達して検出される。
両大入賞口入賞検出スイッチ31s、31tは、略円形の通過孔311s、311tを備えており、何れかの大入賞口入賞検出スイッチ31s、31tの通過孔311s、311tを遊技球が通過することで、遊技球が大入賞口31(後述する。)に入球したことが検出される。そして、両通過孔311s、311tは、その軸心(中心軸)を鉛直方向に向けつつ、切り欠部81hの鉛直上方に配置されるため(図13及び図14を参照)、何れの通過孔311s、311tを通過した遊技球も、切り欠部81hに向かって落下する。
図12及び図15に示すように、外郭部材81aにおいて、突出部81cの前端に位置する部位には、第1の始動入賞装置17a(後述する。)に入球した遊技球を通過させる通路81kが設けられている。この通路81kは、左端で遊技球を受け入れるとともに、右方向に下り傾斜に構成されている。そして、通路81kの下端部は、下方に向かって開放されているとともに、この下端部には始動口入賞検出スイッチ17s(図45参照)が配設されている。この始動口入賞検出スイッチ17sは、略円形の通過孔171sを備えており、この通過孔171sを遊技球が通過することで、第1の始動入賞装置17aに遊技球が入球したことが検出される。そして、通過孔171sは、その軸心(中心軸)を鉛直方向に向けつつ、転動面81eの右端側の鉛直上方に配置されている(図14を参照)。
このように、本遊技機1では、(A)球通路部材86A、86Bから排出される遊技球(後述する遊技球受入口A1〜A5,A7〜A11のうちの何れかに入球した遊技球、若しくは、第2の始動入賞装置17bに入球した遊技球)と、(B)第1の始動入賞装置17aに入球した遊技球と、(C)第1大入賞口31aに入球した遊技球が、全て「開口部81fの前方の空間部81W(図13参照)に到達した後、切り欠部81hに向かって落下する。つまり、本遊技機1においては、遊技盤面(遊技領域11)を流下して、機外に排出されようとする全ての遊技球が、空間部81Wの前方に到達した後、切り欠部81hに向かって落下する。なお、空間部81W(開口部81fの前方の空間部81W)によって、「球通過領域」の具体例を構成する。
ベース部材82は、図8及び図9に示すように、収納部材81の前面部側に配置されるもので、後方側の部分を取付孔10Eに挿入し、前方側の部分を遊技盤本体10Aの前面部の前方に突出させた状態で配置される。このベース部材82は、図16に示すように、取付孔10Eを封止する状態に配置されるベース体82aと、ベース本体82aの前面部から前方に突出する受取案内部82bと、基板部82aの後面部から後方に突出する排出案内部82cと、を備える。
ベース本体82aは、図16に示すように、円弧状に構成される基体部82dと、基体部82dの左端部側から「基体部82dの曲率中心」の方向に設けられる左装着部82eと、基体部82dの右端部側から「基体部82dの曲率中心」の方向に設けられる右装着部82fと、基体部82dの両端に掛け渡される領域形成板82gとを備える。また、基体部82dは、内側レール13と略同一の曲率半径を有しており、その前面部を遊技盤本体10Aの前面部(遊技盤10の盤面、つまり、遊技領域11)と略面一な状態としつつ(図28、図29を参照)、略円弧状の下縁部を、内側レール13の下端側の部位(最下部を含む略円弧状となる部位)の内側に沿わせた状態で配置される。
左装着部82eには、左下表示装置50と装飾部材(図示を省略)が装着され、右装着部82fには、右下表示装置60装飾部材(図示を省略)が装着される。なお、左下表示装置50及び右下表示装置60の詳細については後述する。
領域形成板82gは、図17に示すように、左右に長尺な略板状体で構成されている。そして、「遊技領域11を流下した遊技球を流入させる遊技球流入領域」を遊技領域11の最下部の左右両端に亘って形成する部材である。換言すると、本遊技機1では、遊技盤10の盤面を流下する遊技球が到達する最下部(つまり、遊技領域11の最下部)が、内側レール13の最下部ではなく、内側レール13よりも上方において水平に配置される帯状の部分(領域形成板82gによって構成される部分)とされる。すなわち、内側レール13の最下部を含む略円弧状となる部位に対して、弦を構成する状態で、遊技領域11の最下部を構成している。
領域形成板82gには、横方向に向かって計11個の貫通孔が設けられ、各貫通孔が遊技球受入口A1〜A11を構成している。また、領域形成板82gの中央部からは、上方に向かって取付部82hが延出されており、この取付部82hには、後述する第1の始動入賞装置17aが取り付けられている(図28、図29を参照)。そして、遊技球受入口A1〜A11は、領域形成板82gの前後を貫通する状態に設けられており、何れも、遊技球を受入(通過)可能な大きさとなっている。また、領域形成板82gの中央部は、領域形成板82gの他の部位に比べて高くされ(取付部82hを除いても高くされ)、中央に位置する遊技球受入口A6の高さは、他の遊技球受入口A1〜A5、A7〜A11に比べて高くされている。なお、領域形成板82gに設けられる遊技球受入口A1〜A11は、遊技球流入領域に並設される「複数の遊技球受入口」の具体例を示している。
中央に位置する遊技球受入口A6の開口形状(正面視)は略山型とされている。つまり、この遊技球受入口A6は、略水平に構成される頂部と、その両端から略ハの字状に垂れ下る部分と、略水平な底部とを備えている。そして、この遊技球受入口A6は、大当り遊技中に開放状態(遊技球受入可能状態)に変化する第1大入賞口31aを構成している。また、第1大入賞口31a以外の遊技球受入口A1〜A11の開口形状は、略円形若しくは略長円型とされている。つまり、第1大入賞口31aの左隣に位置する遊技球受入口A5及び右隣に位置する遊技球受入口A7は、横長の長円型の開口形状を備えている。これらの遊技球受入口A5、A7は、遊技領域11内の何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域11外に排出するためのアウト口32a、32bを構成する。
第1大入賞口31aの左隣に位置するアウト口32aの左隣に配置される遊技球受入口A4と、第1大入賞口31aの右隣に位置するアウト口32bの右隣に配置される遊技球受入口A8は、何れも略円形の開口形状を備え、一般入賞口41、43を構成する。この「一般入賞口」は、「大当り遊技中に開放状態となる第1大入賞口31a」及び「大当り遊技を実行するか否かの判定の実行契機に関与する始動入賞口」以外の入賞口、つまり、遊技機1の遊技状態に関わらず、単に、賞球払出の実行契機に関与する入賞口である。なお、本遊技機1において、始動入賞口は、第1の始動入賞装置17aによって構成される入賞口と、第2の始動入賞装置17bによって構成される入賞口となっている。
一般入賞口41の左隣に位置する遊技球受入口A3と、一般入賞口43の右隣に位置する遊技球受入口A9は、何れの略円形の開口形状を備え、アウト口33a、33bを構成する。また、アウト口33aの左隣に位置する遊技球受入口A2と、アウト口33bの右隣に位置する遊技球受入口A10は、何れも略円形の開口形状を備え、一般入賞口40、44を構成する。更に、一般入賞口40の左隣に位置する遊技球受入口A1と、一般入賞口43の右隣に位置する遊技球受入口A11は、横長の長円型の開口形状を備え、アウト口34a、34bを構成する。
次に、図16及び図18に示すように、受取案内部82bは、領域形成板82gの前面部から前方に突出する状態に配置され、排出案内部82cは、領域形成板82gの後面部から後方に突出する状態に配置されている。そして、受取案内部82bに流下した遊技球は、何れかの遊技球受入口A1〜A11(図17を参照)を通じて排出案内部82cに案内(誘導)されることで、遊技領域11外に配置される。
受取案内部82bは、遊技領域11を流下した遊技球を進入させるための入口(遊技球を進入させる開口部)を上方に開口させたポケット部82k、82mを、遊技球受入口A1〜A11(図17を参照)と同数だけ並設した構成を備える。また、排出案内部82cは、受取案内部82bに流下した遊技球を、後述する球通路部材86A、86Bに受け渡すための部材である(図18を参照)。そして、排出案内部82cは、第1大入賞口31aの後方を除く位置に、上方に開口する樋形状部82pを並設した構成を備える。また、ポケット部82k、82m及び樋形状部82pの底部は、何れも、後方に向かって下り傾斜を有している。以下、ポケット部82k、82m及び樋形状部82pについて更に詳細に説明する。
図18及び図19に示すように、第1大入賞口31aの前方には、略コの字状の断面を備えるポケット部82kが設けられている。このポケット部82kは、第1大入賞口31aを通過して、領域形成板82gの後方に至る状態に設けられている。つまり、ポケット部82kの前後方向中間部では、底部と、下端側の両側縁を第1大入賞口31aと共用する構成とされている。そして、遊技球がポケット部82kにおいて、第1大入賞口31aの前方に位置する部位に落下すると、遊技球はポケット部82kの底部の下り傾斜を利用し、第1大入賞口31aの方向に転動した後、第1大入賞口31aを通過して、ポケット部82kの後方に向かって転動する。
下部ユニット80において、ポケット部82kの背後の位置には、図30に示すように、遊技球が進入する空間部が設けられており、この空間部によって第1大入賞口31aが構成されている。そして、図30及び図31に示すように、第1大入賞口31aに進入した遊技球は、左右何れかの大入賞口入賞検出スイッチ31s、31t(図45を参照)によって検出された後、切り欠部81hに向かって落下し、下部ユニット80外に排出される(図13を参照)。
図17に示すように、「第1大入賞口31aを構成する遊技球受入口A6」以外の遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11であって、図17を参照)の前方(正面側)には、略Uの字状の断面を備えるポケット部82m(図18を参照)が各々設けられている。これらのポケット部82mの底部の後端縁は、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)の下端縁と同一高さに揃えられる。また、これらのポケット部82mの内部空間は、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)と連通している。このため、遊技球が、これらのポケット部82mのうちの何れかに落下すると、その底部の下り傾斜を利用し、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)の方向に転動した後、当該遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)を通過して、領域形成板82gの後方に到達する(図18を参照)。
これらのポケット部82mの底部のうちで、前端縁側に位置する部位からは、ポケット部82mに落下した遊技球を、後方に誘導し易くなるための突起82nが立ち上げられている(図18、図19を参照)。この突起82nは、「側面視で略直角三角形状のリブ」によって構成されるとともに、斜辺(上端面)を後方に向かう下り傾斜に配置しつつ、斜辺(上端面)の後端をポケット部82mの底部に一体化させている。また、ポケット部82mの高さは遊技球の直径(約11mm)を超えるものとされており、左右に隣合うポケット部82mが、互いの側壁を隣接配置しつつ区画されているため、何れのポケット部82mに落下した遊技球が、他のポケット部82mに移動することはない。
図18に示すように、第1大入賞口31aの左右に位置するアウト口32a、32b(遊技球受入口A5、A7であって、図17を参照)の前方に位置するポケット部82kの横幅と、受取案内部82bの左右両端に位置するアウト口34a、34b(遊技球受入口A1、A11であって、図17を参照)の前方に位置するポケット部82mの横幅(遊技球の直径の約2倍の幅)は、他の遊技球受入口(A2〜A7、A8〜A10であって、図17を参照)の前方に位置するポケット部82mの横幅(遊技球の直径を僅かに超える幅)よりも大きくされている。
また、図18に示すように、第1大入賞口31aの左右に位置するアウト口32a、32bの前方に位置するポケット部82mにおいては、第1大入賞口31aとの境界に、第1大入賞口31aの側からポケット部82mの側に下る傾斜面82rが設けられている。この傾斜面82rの高さは、遊技球の直径よりも低くされている(第1大入賞口31aとの境界となる傾斜面82rが低くされている。)。そして、第1大入賞口31aが閉鎖状態であるときに、後述のシャッター部材31e(図10、図25参照)の上面を転動した遊技球を、ポケット部82kの側方に位置するポケット部82mの方向に誘導し易くしている。
図20に示すように、「第1大入賞口31aを構成する遊技球受入口A6」以外の遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11)の後方(背面側)には、略Uの字状の断面を備える樋形状部82p(図18を参照)が各々配置されている。これらの樋形状部82pの底部の前端縁は、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)の下端縁と同一高さに揃えられる。また、これらの樋形状部82pの内部空間は、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)と連通している。
このため、遊技球受入口A1〜A5、A7〜A11のうちの何れかを通過し、その通過した遊技球受入口に対応する樋形状部82pの後方に到達した遊技球は、対応する球通路部材86A、86Bを通過する。そして、球通路部材A、86Bを通過した遊技球は転動面81eに排出され、転動面81e、傾斜板81gの上面部を転動した後、切り欠部81hに向かって落下して、下部ユニット80外(機外)に排出される(図12(a)、図13を参照)。なお、一般入賞口40、41、43、44を通過した遊技球が進入する球通路部材86A、86Bには、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44sが配置されており、それらスイッチによって、いずれかの一般入賞口40、41、43、44に遊技球が入賞したことが検出される。
図16に示すように、領域形成板82gの後面(背面)うちで、第1大入賞口31aの周縁に位置する部位からは、連結壁82oが後方に向かって突出している。この連結壁82oは、「山型から、その底部を排除した形状(屋根型の形状)」を備え、領域形成板82gの後方において、第1大入賞口31aの底部を除く略全域を包囲している。そして、図9に示すように、この連結壁82oの後端面には、後述する裏カバー部材31dの前端面が当接し、前後に略連続する屋根型のカバー(後述するシャッター部材31eを隠蔽するカバー)を構成する。
左装着部82eに装着された左下表示装置50は、図4に示すように、遊技領域11の周縁部寄りであって、メイン役物装置20の左斜め下方の部位に配設されている。この左下表示装置50は、図6(a)に示すように、遊技盤10の前面部に配設される取付板51と、取付板51の前面部に装着された装飾部材(図示を省略)とを備える。また、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、第1特別図柄保留表示部55、第2特別図柄保留表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、後述する普通図柄表示部63において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、第1特別図柄保留表示部55は、「第1の始動入賞装置17a(後述する。)に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。また、第2特別図柄保留表示部56は、「第2の始動入賞装置17b(後述する。)に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(つまり、保留)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部(62a若しくは62b)において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部52と、第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
また、右装着部82f(図16参照)に装着された右下表示装置60は、図4に示すように、遊技領域11の周縁部寄りであって、メイン役物装置20の右斜め下方の部位に配設されている。この右下表示装置60は、図6(c)に示すように、遊技盤10の前面部に配設される取付板61と、取付板61の前面部に装着された装飾部材(図示を省略)とを備える。そして、この取付板61には、第1の特別図柄表示部62aと、第2の特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と等が設けられている。
第1の特別図柄表示部62a、第2の特別図柄表示部62b及び普通図柄表示部63は、何れも、「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1の特別図柄表示部62aでは、第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞したことに起因して実行される当否判定(第1の大当り抽選)の結果を示す第1の特別図柄が、図柄変動(変動表示)を経て停止表示する。また、第2の特別図柄表示部62bでは、第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したことに起因して実行される当否判定(第2の大当り抽選)の結果が変動表示を経て停止表示する。但し、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bのうちの少なくとも一方において、大当り抽選の結果とともに、小当り抽選の結果を示す特別図柄が、変動表示を経て停止表示してもよい。尚、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。また、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bにおいて表示される遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される遊技の結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
普通図柄表示部63は、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、これらの変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の停止図柄が一定時間実行される。このとき、停止図柄が「奇数数字」である場合、当り図柄であり、停止図柄が「偶数数字」である場合、外れ図柄である。この普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。
装飾板85は、図8に示すように、横方向に長尺な板状体を用いて構成され、受取案内部82b(図16参照)の前方(正面側)に配置されている。この装飾板85は、着色された半透明な板の前面及び後面にエンボス加工を施した構成を備えるとともに、前面に模様が付されている。この装飾板85は、図23及び図24に示すように、全ての遊技球受入口A1〜A11の手前側(正面側)において、後面を受取案内部82bの前端部に当接する状態で配置されている。なお、装飾板85は、受取案内部82bの両端に設けられた取付孔82T(図9参照)にビスを螺合することで、受取案内部82bの前端面に固定されている。
この装飾板85は、図8及び図19に示すように、第1大入賞口31aを構成する遊技球受入口A6の上部を除く部位(遊技球受入口A6の下端から上端に向かって1/3〜2/3の部分)を覆うとともに、他の「遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11)」(図17参照)の全体を覆っている。このため、装飾板85が、第1大入賞口31aの左右両側のアウトロ32a、32bの全部を覆い且つ第1大入賞口31aの上部を除く部位を覆う状態となっている。そして、装飾板85は、透視度を低下させる処理が施された半透明板な板であるため、遊技者がその後方の状態を識別することが困難である。このため、装飾板85の前方(正面側)からは、第1大入賞口31aと、その左右両側のアウトロ32a、32bとの境界を識別することが困難となっている。
左側の球通路部材86Aは、図9に示すように、第1大入賞口31aの左側において、ベース部材82の後方に配設され、第1大入賞口31aの左側の遊技球受入口(A1〜A5であって、図17等を参照)の後方に「遊技球の通路」を構成する。具体的には、図21(a)に示すように、遊技球受入口A1に対応する通路B1と、遊技球受入口A2に対応する通路B2と、遊技球受入口A3に対応する通路B3と、遊技球受入口A4に対応する通路B4と、遊技球受入口A5に対応する通路B5とを、各々後方に向かって下り傾斜状に備える。また、図21(b)に示すように、左側の球通路部材86Aの右側面には、2つの出口部86a、86bが前後に設けられ、これらの出口部86a、86bは、前述の転動面81eに向かって開放されている(図14を参照)。なお、通路B1、B3、B5は、球通路部材86Aの後方側に設けられた通路(以下、「第1通路」というが、図示を省略)を用いて、前方の出口部86aに連絡されている。また、通路B2、B4は、球通路部材86Aの後方側において、第1通路とは別に設けられた通路(以下、「第2通路」というが、図示を省略)を用いて、後方の出口部86bに連絡されている。
また、図21(a)に示すように、左側の球通路部材86Aの左端(左端の通路B1の更に左)には、球受部86cが上方に向かって開口している。この球受部86cは、前述の進入口81j(図11参照)に進入した遊技球を受け入れ可能な状態に、進入口81jに接続されている。また、球受部86cは、その底面によって下り傾斜となる通路を構成するが、この通路の終端部(後端部)は、前述の第2通路に連絡されている。
このため、遊技球受入口A1、遊技球受入口A3若しくは遊技球受入口A5で受け入れられた遊技球は、前方の出口部86aを介して転動面81eに排出され、遊技球受入口A2若しくは遊技球受入口A4で受け入れられた遊技球や、進入口81jに進入した遊技球は、後方の出口部86bを介して転動面81eに排出される。
右側の球通路部材86Bは、図9に示すように、第1大入賞口31aの右側において、ベース部材82の後方に配設され、第1大入賞口31aの右側の遊技球受入口(A7〜A11であって、図17等を参照)の後方に遊技球の通路を構成する。具体的には、図22(a)に示すように、遊技球受入口A7に対応する通路B7と、遊技球受入口A8に対応する通路B8と、遊技球受入口A9に対応する通路B9と、遊技球受入口A10に対応する通路B10と、遊技球受入口A11に対応する通路B11とを、各々後方に向かって下り傾斜状に備える。また、図22(b)に示すように、右側の球通路部材86Bの左側面には、2つの出口部86e、86fが前後に設けられ、これらの出口部86e、86fは、前述の転動面81eに向かって開放されている(図14を参照)。なお、通路B7、B9、B11は、球通路部材86Bの後方側に設けられた通路(以下、「第3通路」というが、図示を省略)を用いて、前方の出口部86eに連絡されている。また、通路B8、B10は、球通路部材86Bの後方側において、第3通路とは別に設けられた通路(以下、「第4通路」というが、図示を省略)を用いて、後方の出口部86fに連絡されている。
遊技球受入口A7、遊技球受入口A9若しくは遊技球受入口A11で受け入れられた遊技球は、前方の出口部86eを介して転動面81eに排出され、遊技球受入口A8若しくは遊技球受入口A10で受け入れられた遊技球は、後方の出口部86fを介して転動面81eに排出される。
図8に示すように、第1の始動入賞装置17aは、領域形成板82gの中央部から上方に延出された取付部82h(図17参照)に取り付けられ、遊技領域11において、ステージ部21p(転動面)の中央部の略鉛直下方の位置に配設されている(図4を参照)。この第1の始動入賞装置17aは、非可変式(固定式)の始動入賞装置であり、上方に開口部171a(つまり、第1の始動入賞口)を開口させたポケット形状を備えている。ここで、「第1の始動入賞装置17aを構成する開口部171a(第1の始動入賞口)」と、後述する「第2の始動入賞装置17bを構成する開口部17f(第2の始動入賞口であって、図4及び6を参照)」は、遊技球流入領域より上方の部位に設けられる「上部遊技球受入口」の具体例を構成する。そして、これらの上部遊技球受入口(開口部171a、開口部17f)は、何れも、領域形成板82g(遊技球受入口A1〜A11(第1遊技球受入口)よりも上方に配設されているとともに、遊技領域11を流下する遊技球を受け入れ可能とされている。
ステージ部21p(転動面)の中央部から落下する遊技球は、第1の始動入賞装置17aの開口部(第1の始動入賞口)を通じて、第1の始動入賞装置17aに入賞する確率が高くされている。また、図12(b)に示すように、取付部82hの後方には、「開口部171a(第1の始動入賞口)」と前述の「通路81k(外郭部材81aに設けられた通路81k)」とを接続する通路821hが、後方に向かって下り傾斜状に設けられている。そして、開口部171a(第1の始動入賞口)に入球した遊技球は、この通路821hを介して、通路81kに進入し、前述の始動口入賞検出スイッチ17s(図45参照)によって検出される。この後、始動口入賞検出スイッチ17sの通過孔171sの下方に落下して、転動面81eに到達する。
第2の始動入賞装置17bは、遊技球受入口の大きさが変化する可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、図4に示すように、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側(表示画面の左側)であって、ワープ部材21Tの上方に位置する部位に配設されている。この第2の始動入賞装置17bは、図43(a)に示すように、左斜め上方に開口しつつ遊技領域11を流下する遊技球を受け入れ可能な開口部17f(つまり、第2の始動入賞口)と、この開口部17f(第2の始動入賞口)の開閉を行う普通電動役物17dとを備える。
普通電動役物17dは、遊技盤11の盤面に垂直な支軸171eによって下端側を支持された開閉部材17eと、開閉部材17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図16参照)とを備えている。そして、開閉部材17eは、下方側の支軸171eを中心に回動することで、遊技球の入賞不可能となるように開口部17f(第2の始動入賞口)を閉鎖する閉鎖状態と、遊技球の入賞可能となるように開口部17f(第2の始動入賞口)を開放する開放状態とに変化することができる。つまり、普通電動役物ソレノイド17cの駆動を開始して、開閉部材17cが反時計回り(正面視)に回転すると、第2の始動入賞装置17bは閉鎖状態から開放状態に変化する。そして、普通電動役物ソレノイド17cの駆動を停止すると、開閉部材17cが正面視で時計回り(正面視)に回転するため、第2の始動入賞装置17bは閉鎖状態に戻される。
なお、第2の始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検出する始動口入賞検出スイッチ17t(図16参照)が配設されている。また、第2の始動入賞装置17bとしては、所謂「チューリップ式の始動入賞装置」を用いることもできる。つまり、普通電動役物17dを、左右に配設された一対の可動翼片と、一対の可動翼片を作動させるための普通電動役物ソレノイドとを備えるものとしてもよい。この場合、両可動翼片はそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片が立設状態となる閉鎖状態にあるときに、両可動翼片の上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイドを駆動して、両可動翼片を、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、両可動翼片の上端部間の間隔が拡大され、開放状態とされる。また、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bに入賞した遊技球は、遊技球受入口A1〜A11で受け入れられた遊技球と同様に、下部ユニット80外に排出される。
本遊技機1においては、第2の始動入賞装置17bが開放状態となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は、遊技領域11を流下する遊技球が第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて高くなっている。そして、遊技機1の遊技モードが開放延長モード(後述する。)となり、第2の始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなると、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長モードにおける第2の始動入賞装置17bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長モード(通常開放モード)における第2の始動入賞装置17bの開放時間を「0.2秒」としている。
一方、前述のように、第2の始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。すなわち、遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなると、遊技球が第1の始動入賞装置17aに入賞するケースはレアケースとなり、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞するケースはレアケースである。
ここで、「開放状態の第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞する確率」は、「第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞する確率」よりも遙かに高くされている。このため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードにあるときには、非開放延長モード(通常開放モード)にあるときに比べて、始動入賞を生ずる確率が高くなり、右下表示装置60及び演出表示装置27において、特別図柄の図柄変動を実行する頻度(つまり、図柄変動の実行頻度)が向上する。つまり、本遊技機1においては、開放延長モードとなると、図柄変動の実行頻度が通常(非開放延長モードにあるとき)に比べて向上する遊技が行われる。
第1大入賞口ユニット31は、前述の第1大入賞口31aの開閉を行う。そして、この第1大入賞口ユニット31は、第1大入賞口31aとともに、第1大入賞装置の具体例を構成する。この第1大入賞口ユニット31は、図9に示すように、下部ユニット80に組み込まれ、第1の始動入賞装置17aの下方に配置されている。つまり、前述の設置部位81d(図11参照)に設置されて、下部ユニット80に組み込まれている。そして、図10に示すように、第1大入賞口ユニット31の主要な構成部品は、第1大入賞口31aの背後であって、左側の球通路部材86Aと、右側の球通路部材86Bとの間に挟まれた状態で配置されている。
この第1大入賞口ユニット31は、図23〜図25に示すように、裏カバー部材31dと、シャッター部材31eと、取付部材31fと、大入賞口ソレノイド31cを備えている。以下、第1大入賞口ユニット31の詳細を説明する。なお、図23及び図24では、図示の便宜のため、シャッター部材31eの一部にハチング表示を施している。
裏カバー部材31dは、図26(a)に示すように、シャッター部材31eを前後動可能に支持する前方支持部31gと、取付部材31fを固定状態で支持する後方支持部31hとを備える。このうち、前方支持部31gは、第1大入賞口31aよりも一回り大きな山型で、底部に開口部を設けた枠形状に構成される外壁部31jを備える。また、裏カバー部材31dの前端部(つまり、外壁部31jの前端部)は、図9に示すように連結壁82oの後端部と接続され、前後に略連続する屋根型のカバー(後述するシャッター部材31eを隠蔽するカバー)を構成する。なお、外壁部31jは、所定のブラケットB等を用いて、収納部材81の上面部に固定される(図28、図29を参照)。
シャッター部材31eは、図26(b)に示すように、略山型に構成される開閉本体部31pと、開閉本体部31pの後方において略山型設けられた伝達部31qと、伝達部31qの後端部から後方に突出するガイド片31r、31rとを備える。このうち、開閉本体部31pは、外壁部31jの内側(内部)に挿入され、前後動可能とされている(図19及び図25を参照)。また、開閉本体部31pは、第1大入賞口31aよりも一回り小さな山型に構成され、外壁部31jの内部を摺動して前方に動作すると、第1大入賞口31aの前方に突出した状態となる(図24、図29、図31を参照)。なお、開閉本体部31pは「作動片」の具体例を構成する。
図26(b)に示すように、伝達部31qの後端部中央には、大入賞口ソレノイド31cの駆動力が伝達される筒状部(四角筒形状)31uが設けられている。また、両ガイド片31r、31rは、前後に長尺な板状に構成され、肉厚方向(左右方向)に貫通するガイド孔31tを、前後に2個ずつ備えている。このガイド孔31tは、前後に長尺な長孔を用いて構成されている。
取付部材31fは、図25に示すように、裏カバー部材31gの後方支持部31h上に支持されるとともに、大入賞口ソレノイド31cを固定状態に支持しつつ、シャッター部材31eのガイド片31r、31rを前後動可能に支持する部材である。この取付部材31fは、図27(a)に示すように、平面形状が略矩形の底板部87aを備え、この底板部87aの略中央に大入賞口ソレノイド31cを搭載した状態で、後方支持部31h上に支持されている。
底板部87aの上面部であって、大入賞口ソレノイド31cの左右両脇に位置する部位は、各々底板部87aの上方にガイドピン87bを回転可能な状態に支持するための支持部87cが、前後に2個ずつ設けられている。この支持部87cは、底板部87aの上方で所定の間隔をおいて左右に対向する各一対の軸受部材87d、87dで構成され、軸心を左右に向けたガイドピン87bを回転可能な状態に支持している。そして、このガイドピン87bに装着されて、各一対の軸受部材87d、87d間に配設されたブッシュ87eが、ガイドピン87bの軸心周りに回転可能とされている。
図23に示すように、大入賞口ソレノイド31cの左側の軸受部材87d、87dの間には、左側のガイド片31rが挿入され、大入賞口ソレノイド31cの右側の軸受部材87d、87d間には、右側のガイド片31rが挿入されている。その際、図28に示すように、各ガイド片31rにおいて前方側に設けられたガイド孔31tには、前方側に配置されたブッシュ87eが摺動可能な状態で挿入され、各ガイド片31rにおいて後方側に設けられたガイド孔31tには、後方側に配置されたブッシュ87eが摺動可能な状態で挿入されている。
図28に示すように、ガイド孔31tは、前後に長尺な長孔を用いて構成されているため、シャッター部材31eは、ブッシュ87e及びガイドピン87bを介して取付部材31fに支持されつつ、前後動可能な状態とされている。そして、シャッター部材31eを後方に移動して、ガイド孔31tの前端にブッシュ87eを当接させたときに、開閉本体部31pの前端が、第1大入賞口31aよりも前方へ突出しない位置となり、第1大入賞口31aを開放状態とする(図23を参照)。つまり、開閉本体部31p(作動片)は、遊技領域11よりも奥側(遊技者から見た奥側)に没入した状態となる。
第1大入賞口31aが開放状態にあるとき、シャッター部材31eを前方に移動すると、図29に示すように、開閉本体部31pが第1大入賞口31aよりも前方へ突出し、開閉本体部31pの前端側が「第1大入賞口31aの前方に位置するポケット部82k」の上方に移動する。そして、ガイド孔31tの後端にブッシュ87eを当接させたときに、開閉本体部31pの前端が、ポケット部82kの上方を覆い隠すとともに、装飾板85に近接する(遊技球の直径の1/10以下の距離に接近する。)。これにより、第1大入賞口31aは、遊技球を入賞させることが不可能な閉鎖状態となる(図24を参照)。つまり、開閉本体部31p(作動片)は、遊技領域11よりも手前側(遊技者から見た手前側)に突出した状態となる。
第1大入賞口31aが閉鎖状態となると、図31に示すように、開閉本体部31pがポケット部82kの上方を覆い隠す。そして、開閉本体部31pは略山型に構成されており、第1大入賞口31aの左右両側のアウト口32a、32bの前方に位置するポケット部82mにおいては、第1大入賞口31aとの境界に、第1大入賞口31aの側からポケット部82mの側に下る傾斜面82rが設けられている。そして、この傾斜面82rと、開閉本体部31pの左右に下り傾斜となる上面(天面)とが、遊技球を転動させる下り傾斜を形成するため、第1大入賞口31aが閉鎖状態にあるときに、開閉本体部31p上に落下する遊技球はポケット部82mの方向に誘導され易くなっている(図31、図33を参照)。
一方、図30に示すように、開閉本体部31pがポケット部82kの上方から退避して、第1大入賞口31aが開放状態となると、第1の始動入賞装置17aの左側部近傍若しくは右側部近傍を通過する遊技球は、ポケット部82kに落下し易くなっている(図32を参照)。
図27(a)に示すように、取付部材31fの底板部87aの上面部であって、大入賞口ソレノイド31cの配設箇所の前方に部位には、大入賞口ソレノイド31cの駆動力をシャッター部材31eに伝達するためのクランク部材87mを傾動可能に支持するための支持部87nが設けられている。また、クランク部材87mの上端部は、伝達部31qの筒状部31u(図26(b)参照)に挿入されている。
大入賞口ソレノイド31cは、図27(b)に示すように、取付部材31fの底板部87aの上面部に固定される本体部31vと、本体部31vの内部で軸受(図示を省略)によって前後にスライド可能に支持されて本体部31vの前方への突出量を変化可能なプランジャ30wと、プランジャ30wの前端側に一体化され、プランジャ30wとともに前後するプランジャヘッド30xと、プランジャ30wの外周位置に配置されたソレノイドコイル(図示を省略)と、復帰手段(復帰バネであって、図示を省略)とを備えている。
プランジャ30wの前端側には、図27(a)及び(b)に示すように、略コの字状の係止部30yが設けられており、この係止部30yが、クランク部材87mの中間部を挟み込んだ状態で、クランク部材87mに係止されている。
この第1大入賞口ユニット31では、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ソレノイドコイルからプランジャ30wへ、電流に比例した大きさの牽引力を生ずるため、図28に示すように、プランジャ30w及びプランジャヘッド30xが復帰手段(復帰バネ)の付勢力に対抗しつつ、後方に移動する。そして、クランク部材87mの中間部がプランジャヘッド30xによって後方に引っ張られるため、クランク部材87mは後方に傾いた状態となり、クランク部材87mの上端部が筒状部31uを後方に押圧する。これにより、シャッター部材31eは後方に移動して、第1大入賞口31aは開放状態となる。
一方、ソレノイドコイルへの通電を停止すると、図29に示すように、プランジャ30w及びプランジャヘッド30xが復帰手段(復帰バネ)の付勢力によって、前方に移動する。このため、クランク部材87mの中間部がプランジャヘッド30xによって前方に押されるため、クランク部材87mは前方に傾いた状態となり、クランク部材87mの上端部が筒状部31uを前方に押圧する。これにより、シャッター部材31eは前方に移動して、第1大入賞口31aは閉鎖状態となる。
図4に示すように、メイン役物装置20の周縁部であって、表示画面27aの左斜め上方の部位には、第2大入賞口ユニット35が配設されている。この第2大入賞口ユニット35は、図43(b)に示すように、第2大入賞口35aと、遊技盤11の盤面に垂直な支軸351bによって下端側を支持された開閉部材35bと、開閉部材35bを作動させるための大入賞口ソレノイド35c(図45を参照)とを備えている。そして、第2大入賞口35aと、その開閉を行う第2大入賞口ユニット35は第2大入賞装置の具体例を構成する。開閉部材35bは、第2大入賞口35aの開閉を行うための部材であり、下方側の支軸351bを中心に回動することで、第2大入賞口35aへの遊技球の入賞が不可能となるように第2大入賞口35aを閉鎖する閉鎖状態と、第2大入賞口35aへの遊技球の入賞が可能となるように第2大入賞口35aを開放する開放状態とに変化することができる。
つまり、大入賞口ソレノイド35cの駆動を開始して、開閉部材35bを反時計回り(正面視)に回転させ、開閉部材35bを「左斜め上方に上がり傾斜となる傾動姿勢」に変化させると、第2大入賞口35aは開放状態に変化し、遊技球の入賞が可能となる。一方、大入賞口ソレノイド35cの駆動を停止すると、開閉部材35bが正面視で時計回り(正面視)に回転するため、第2大入賞口35aは閉鎖状態に変化し、遊技球の入賞が不可能となる。
メイン役物装置20には、図43(b)に示すように、第2大入賞口35aに入賞した遊技球を通過させ、機外に排出するための通過路35tが設けられている。そして、この通過路35tの経路方向に沿った中間部には、第2大入賞口35aに入賞した遊技球を検出するための大入賞口検出スイッチ35sが配設されている。なお、本実施例と異なり、第1大入賞口31a及び第2大入賞口35aのうちの少なくとも一方または両方を、アタッカータイプの開閉部材で開閉する構成としてもよい。つまり、開閉部材の下端部を回動可能に支持し、対象となる大入賞口を閉鎖する起立姿勢と、対象となる大入賞口を開放する前傾姿勢とに姿勢変更可能とすることもできる。
図4に示すように、遊技盤10の前面部であって、遊技領域11を構成する部位には、多数の障害釘18が各盤部品との位置バランスを考慮しつつ植設されている。そして、本遊技機1では、障害釘18の幾つかを用いて、第1大入賞口31aの周囲に、第1誘導路11S、11Tと、第2誘導路11L、11Rとが、互いに近接した状態で設けられている。つまり、図32及び図33に示すように、第1の始動入賞装置17aの左右近傍には、遊技領域11を流下する遊技球を第1大入賞口31aに誘導する第1誘導路11S、11Tが設けられ、これらの左側方及び右側方には、遊技領域11上を流下する遊技球をアウト口32a、32bに誘導する第2誘導路11L、11Rが設けられている。
図4に示すように、下部ユニット80において、装飾板85(領域形成板82g)の下方の部位が、装飾領域90Sとされている。つまり、内側レール13の下端側の部位(内側レール13の最下部を中央部とする略円弧状の部位)と、装飾板85(領域形成板82g)を弦とする部分とで囲まれる部位(装飾板85の下方であって遊技領域11の最下端に亘る部位)を装飾領域90Sとしている。そして、図8に示すように、この装飾領域90Sに、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95が配設されている。
前方開閉扉ユニット90は、第1大入賞口31aの下方に前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を開閉可能な状態に配置するためのユニット(装置)であり、第1開閉扉装置の具体例を構成する。また、後方開閉扉ユニット95は、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)の奥側に、後方開閉扉(左側扉95L及び右側扉95R)を開閉可能な状態に配置するためのユニット(装置)であり、第2開閉扉装置の具体例を構成する。更に、前方開閉扉ユニット90と、後方開閉扉ユニット95とによって、「演出用開閉扉装置」の具体例が構成される。そして、図34に示すように、後方開閉扉ユニット95は、前方開閉扉ユニット90の後方に配設されている。次に、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95等について説明する。
図34に示すように、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95は、4個の支持部材(左から右に、支持部材90a、支持部材90c、支持部材90d、支持部材90bの順)を左右方向に間隔を設けつつ備えている。これらの支持部材90a〜90dは、図35に示すように、駆動ユニットベース部81bの後壁部の前面における上端側に装着されている(但し、図35では支持部材90bのみを図示)。そして、図34に示すように、左端の支持部材90aの前端部と、右端の支持部材90bの前端部との間には、第1ロッド90eが支持されている。この第1ロッド90eは円柱状とされつつ、軸心を左右に向けた状態で、駆動ユニットベース部81b内の上方側に配設されている。
図34に示すように、左端の支持部材90aの前後方向中間と、支持部材90aの右隣の支持部材90cの前端部との間には、第2ロッド90fが支持され、右端の支持部材90bの前後方向中間と、支持部材90bの左隣の支持部材90dの前端部との間には、第3ロッド90gが支持されている。これらのロッド90f、90g(第2ロッド90f、第3ロッド90g)も、第1ロッド90eと同様に、円柱状とされつつ、軸心を左右に向けた状態で駆動ユニットベース部81b内の上方側に配設されている。但し、第2ロッド90f及び第3ロッド90gは、第1ロッド90eよりも後方であって、第1ロッド90eよりも下方に配置されている。
図34に示すように、支持部材90cと、支持部材90dとの間に位置する部位は、空き空間90hとされている。そして、この空き空間90hの後方には、「図13を用いて前述した開口部81f」が配設されるとともに、空き空間90hの左右方向中間部と、第1大入賞口31aの左右方向中間部とは、上下に位置合わせされている(図38の中心線Xを参照)。
図36に示すように、前方開閉扉ユニット90は、左側扉91Lと、右側扉91Rと、前述の第1ロッド90eと、第1前方アーム板金92aと、第2前方アーム板金92bと、第1モータ92cと、第2モータ92dとを備える。また、図34に示すように、左側扉91Lの後面左端側と、右側扉91Rの後面右端側には、係止部材92e、92fが装着されている。この係止部材92e、92fの後端部には、軸心を左右に向けつつ第1ロッド90eを摺動状態で挿通する挿通部(図示を省略)が設けられている。そして、左側扉91L及び右側扉91Rの上端側が、係止部材92e、92fを介して第1ロッド90eに支持されることで、左側扉91L及び右側扉91Rは、第1ロッド90eの軸心方向に移動可能とされている。なお、左側扉91L及び右側扉91Rは、正面視が略矩形の板状体によって構成されている。また、「左側扉91L及び右側扉91Rで構成される前方開閉扉」によって、「第1開閉扉」の具体例を構成する。
図36に示すように、第1前方アーム板金92aは、断面(紙面に垂直な断面)が略Lの字状で左右に長尺な本体部92jと、本体部92jの右端部から上方に延出された連結部92kとを備えている。そして、連結部92kの前面部を、左側扉91Lの後面下端側に連結しつつ、本体部92jを略水平に配置している。また、第2前方アーム板金92bも、断面(紙面に垂直な断面)が略Lの字状で左右に長尺な本体部92jと、本体部92jの左端部から上方に延出された連結部92kとを備えている。そして、連結部92kの前面部を、右側扉91Rの後面下端側に連結しつつ、本体部92jを略水平に配置している。
図41(a)に示すように、第1前方アーム板金92a及び第2前方アーム板金92bは、その下面(本体部92jの下面)を水平に配置される支持レール92m、92nによって支持され、左右に摺動可能とされている。つまり、縦断面形状(紙面に垂直な縦断面)が略コの字状で、左右に長尺な支持レール92mが、外郭部材81aの底壁部左端側の上面に設置され、第1前方アーム板金92aを左右に摺動可能な状態に支持している。また、縦断面形状(紙面に垂直な縦断面)が略コの字状で、左右に長尺な支持レール92nが、外郭部材81aの底壁部右端側の上面に設置され、第2前方アーム板金92bを左右に摺動可能な状態に支持している。なお、支持レール92m、92nの底面に複数個のローラを配置して、第1前方アーム板金92a及び第2前方アーム板金92bの摺動の円滑化を図ってもよい。
図36に破線で示すように、駆動ユニットベース部81bの前方側には、カバー部材81L、81R(図10を参照)が設置されている。そして、一方のカバー部材(以下、「左カバー部材」という。)81Lは、駆動ユニットベース部81bの前面側における左端側に装着され、他方のカバー部材(以下、「右カバー部材」という。)81Rは、駆動ユニットベース部81bの前面側における右端側に装着されている。また、左側扉91Lと、右側扉91Rは、左カバー部材81Lの装着箇所と、右カバー部材81Rの装着箇所に設けられる空間部の前方に配設されている。
図36に示すように、第1モータ92cは、左カバー部材81Lの後方において、その駆動軸921cを前方に向けた状態で設置され、第2モータ92dは右カバー部材81Rの後方において、その駆動軸921dを前方に向けた状態で設置されている。また、第1前方アーム板金92aを構成する本体部92jの底板部921jの左端側上面には、ラック部材(ラックが設けられた部材の意味で使用する。)92qが装着されている。同様に、第2前方アーム板金92bを構成する本体部92jの底板部921jの右端側上面にも、ラック部材92rが装着されている。これらのラック部材92q、92rは、歯先を上方に向けつつ、歯を横方向に並べている。そして、第1モータ92cの駆動軸921cに装着されたギア92sと、第1前方アーム板金92aのラック部材92qとは、中間ギア92vを介して噛合し、第2モータ92dの駆動軸921dに装着されたギア92tと、第2前方アーム板金92bのラック部材92rとも、中間ギア92wを介して噛合している。
ところで、前方開閉扉ユニット90を作動させないときには、図36に示すように、左側扉91Lの右端部と、右側扉91Rの左端部とが当接する状態とされる。つまり、図38の破線で示すように、前方開閉扉ユニット90を用いた演出を行わないときには、左側扉91Lの右端部と、右側扉91Rの左端部とが、第1大入賞口31aの中心から下方に延びる中心線X上で当接した近接した状態(つまり、閉状態)となる。そして、前方開閉扉ユニット90を開状態とする場合には、第1モータ92cの駆動軸921cを第1の所定方向に第1所定量だけ駆動するとともに、第2モータ92dの駆動軸921dを第2の所定方向に第1所定量と同一量だけ、駆動する。
これにより、図37に示すように、左側扉91Lが左方向にスライドするとともに、右側扉91Rが右方向にスライドして、左側扉91Lの右端部と、右側扉91Rの左端部とが中心線Xから離間した状態となる。このとき、図38に示すように、左側扉91Lの右端部と、右側扉91Rの左端部と距離Y1が、第1大入賞口31aの左右開口幅Y2よりも大きくなる。また、前方開閉扉ユニット90が開状態にあるときに、第1モータ92cの駆動軸921cを第1の所定方向と反対方向に第1所定量と同一量だけ駆動するとともに、第2モータ92dの駆動軸921dを第2の所定方向と反対方向に第1所定量と同一量だけ、駆動すると、前方開閉扉ユニット90が閉状態に戻される。なお、以下の説明において、「左側扉91Lが前方開閉扉ユニット90の閉状態を構成する位置にある」ことを「左側扉91Lが閉状態位置にある」と称し、「右側扉91Rが前方開閉扉ユニット90の閉状態を構成する位置にある」ことを「右側扉91Rが閉状態位置にある」と称することがある。また、「左側扉91Lが前方開閉扉ユニット90の開状態を構成する位置にある」ことを「左側扉91Lが開状態位置にある」と称し、「右側扉91Rが前方開閉扉ユニット90の開状態を構成する位置にある」ことを「右側扉91Rが開状態位置にある」と称することがある。
また、第1モータ92c及び第2モータ92dは、ステッピングモータであり、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続され(図46を参照)、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220から送信される制御信号を用いて制御される(図46を参照)。また、図34〜図36において図示を省略するが、前方開閉扉ユニット90は、左側扉91Lが閉状態位置にあることを検出するためのセンサS1と、右側扉91Rが閉状態位置にあることを検出するためのセンサS2と、左側扉91Lが開状態位置にあることを検出するためのセンサS3と、右側扉91Rが開状態位置にあることを検出するためのセンサS4とを備えている。これらのセンサS1〜S4は、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続され(図46を参照)、その検出信号はサブ制御基板220に入力される。
図39に示すように、後方開閉扉ユニット95は、左側扉95Lと、右側扉95Rと、前述の第2ロッド90fと、前述の第3ロッド90gと、第1後方アーム板金95aと、第2後方アーム板金95bと、第3モータ95cと、第4モータ95dと、LEDランプ4K(図37参照)とを備える。また、左側扉95Lは、右から左に向かって前面部及び後面部を2段階に後退させる階段形状(3段の階段形状)を備えている。つまり、左側扉95Lは、左側扉91Lの後方に配置される左扉本体95Mと、左側扉95Lの左端側を構成する左支持板95Nと、略L字状に屈曲しつつ左扉本体95M及び左支持板95Nを連結する連結部95Pとを備える。なお、左扉本体95M及び左支持板95Nは正面視で略矩形の板状態に構成されている。
また、右側扉95Rは、左から右に向かって前面部及び後面部を2段階に後退させる階段形状(3段の階段形状)を備えている。つまり、右側扉95Lは、右側扉91Rの後方に配置される右扉本体95Qと、右側扉95Rの右端側を構成する右支持板95Sと、略L字状に屈曲しつつ右扉本体95Q及び右支持板95Sを連結する連結部95Tとを備える。なお、右扉本体95Q及び右支持板95Sは正面視で略矩形の板状態に構成されている。また、「左側扉95L及び右側扉95Rで構成される後方開閉扉」によって「第2開閉扉」の具体例を構成する。
左扉本体95Mの後面に係止部材95eが装着され、右扉本体95Qの後面に係止部材95fが装着されている。そして、これらの係止部材95e、95fの後端部には、軸心を左右に向けつつ第1ロッド90eを摺動状態で挿通する挿通部(図示を省略)が設けられている。そして、左扉本体95Mは、その上端側は係止部材95eを介して第1ロッド90eによって支持されることで、第1ロッド90eの軸心方向に移動可能とされ、右扉本体95Qは、その上端側が係止部材95fを介して第1ロッド90eによって支持されることで、第1ロッド90eの軸心方向に移動可能とされている。但し、これらの係止部材95e、95fは、前方開閉扉ユニット90を構成する係止部材91e、91fの間に配置されている。
左支持板95Nの後面に係止部材95Eが装着され、右支持板95Sの後面に係止部材95Fが装着されている。そして、係止部材95Eの後端部には、軸心を左右に向けつつ第2ロッド90fを摺動状態で挿通する挿通部(図示を省略)が設けられている。また、係止部材95Fの後端部には、軸心を左右に向けつつ第3ロッド90gを摺動状態で挿通する挿通孔(図示を省略)が設けられている。そして、左支持板95Nは係止部材95Eを介して第2ロッド90fによって支持されることで、第2ロッド90fの軸心方向に移動可能とされている。また、右支持板95Sは、係止部材95Fを介して第3ロッド90gによって支持されることで、第3ロッド90gの軸心方向に移動可能とされている。
図40に示すように、第1後方アーム板金95aは、背面視で略逆L状の金属板で構成されている。つまり、左右に長尺な略矩形板状の本体部95jと、背面視で本体部95jの左端部(正面視で右端部)から上方に延出された連結部95kとを備えている。そして、連結部92kの前面部を、左支持板95Nの後面下端側に連結しつつ、本体部95jを略水平に配置している。また、第2後方アーム板金95bは、第1後方アーム板金95aと左右に鏡面対象な形状(背面視で略L状)の金属板で構成されている。つまり、左右に長尺な略矩形板状の本体部95jと、背面視で本体部95jの右端部(正面視で左端部)から上方に延出された連結部92kとを備え、連結部92kの前面部を、右支持板95Sの後面下端側に連結しつつ、本体部95jを略水平に配置している。
第1後方アーム板金95aを構成する本体部95jの下端面は、駆動ユニットベース部81b内の下端側であって、しかも、駆動ユニットベース部81bの中央部よりも左側において、所定間隔をおいて同一高さに設置された3個のワッシャーブッシュ95mによって支持されている。同様に、第2後方アーム板金95bを構成する本体部95jの下端面は、駆動ユニットベース部81b内の下端側であって、しかも、駆動ユニットベース部81bの中央部よりも右側において、所定間隔をおいて同一高さに設置された3個のワッシャーブッシュ95nによって支持されている。
ここで、図41(b)に示すように、駆動ユニットベース部81bの後壁部に設けられた支持部812bと、駆動ユニットベース部81bの前方側に設置されるカバー部材81L、81Rとの間には、ワッシャーブッシュ95m、95nと同数の支持ピン95pが、それらの軸心を前後に向けつつ支持されている。なお、左カバー部材81Lは、駆動ユニットベース部81bの前面側における左端側に装着され、右カバー部材81Rは、駆動ユニットベース部81bの前面側における右端側に装着されている。そして、左側扉91L、右側扉91R、左扉本体95M及び右扉本体95Qは、左カバー部材81Lの装着箇所と、右カバー部材81Rの装着箇所との間に配設される。
ワッシャーブッシュ95m、95nは、対応する支持ピン95pを挿通することで、支持ピン95pで支持されつつ回転可能とされている。更に、第1後方アーム板金95aを構成する本体部95jの下端面はワッシャーブッシュ95mに対してその上方から当接し、第2後方アーム板金95bを構成する本体部95jの下端面は、ワッシャーブッシュ95nに対してその上方から当接している。そして、左側扉95Lが第2ロッド90fの軸心方向に移動するときに、ワッシャーブッシュ95mは回転しつつ第1後方アーム板金95aを構成する本体部95jを支持し、右側扉95Rが第2ロッド90fの軸心方向に移動するときに、ワッシャーブッシュ95nは回転しつつ第2後方アーム板金95aを構成する本体部95jを支持する。なお、図41(b)に示すように、ワッシャーブッシュ95m、95nは、本体部95jを支持する円板状の部分の前後に、それよりも外形が大きな円板状の部分(フランジ)を備え、本体部95jの前後面下端側が、外形が大きな円板状の部分に摺動可能とされるため、本体部95jの前後方向への「がたつき」を防止できる。
図40に示すように、第3モータ95cは、左カバー部材81Lの後方において、その駆動軸951cを鉛直下方に向けた状態で設置され、第4モータ95dは右カバー部材81Rの後方において、その駆動軸951dを鉛直下方に向けた状態で設置されている。また、第1後方アーム板金95aを構成する本体部95jの後面部左端側(背面視で右端側)には、ラック部材(ラックが設けられた部材の意味で使用する。)95qが装着されている。同様に、第2後方アーム板金95bを構成する本体部95jの後面部右端側(背面視で左端側)にも、ラック部材95rが装着されている。これらのラック部材95q、95rは、歯先を後方に向けつつ、歯を横方向に並べている。そして、第3モータ95cの駆動軸951cに装着されたギア95sと、第1後方アーム板金95aのラック部材95qとが噛合し、第2モータ95dの駆動軸951dに装着されたギア95tと、第2後方アーム板金95bのラック部材95rとが噛合している。
後方開閉扉ユニット95を作動させないときには、図39及び図40に示すように、左側扉95Lの右端部と、右側扉95Rの左端部とが当接する状態とされる。つまり、後方開閉扉ユニット95を用いた演出を行わないときには、図38に示すように、左側扉95Lの右端部と、右側扉95Rの左端部とが、第1大入賞口31aの中心から下方に延びる中心線X上で当接した近接した状態(つまり、閉状態)となる。そして、前方開閉扉ユニット95を開状態とする場合には、第3モータ95cの駆動軸951cを第3の所定方向に第2所定量だけ駆動するとともに、第4モータ95dの駆動軸951dを第4の所定方向に第2所定量と同一量だけ、駆動する。
これにより、図42に示すように、左側扉95Lが左方向にスライドするとともに、右側扉95Rが右方向にスライドして、左側扉95Lの右端部と、右側扉95Rの左端部とが中心線Xから離間した状態となる。このとき、左側扉95Lの右端部と、右側扉95Rの左端部と距離が、第1大入賞口31aの左右開口幅Y2よりも大きくなる。
また、後方開閉扉ユニット95が開状態にあるときに、第3モータ95cの駆動軸951cを第3の所定方向と反対方向に第2所定量と同一量だけ駆動するとともに、第4モータ95dの駆動軸951dを第4の所定方向と反対方向に第2所定量と同一量だけ、駆動すると、後方開閉扉ユニット90が閉状態に戻される。なお、後方開閉扉ユニット95が開状態であるか、閉状態であるかを問わず、第1後方アーム板金95aの本体部95jと、第2後方アーム板金95bの本体部95jは、何れも、3個のワッシャーブッシュ95m、95nによって支持された状態が維持される。
以下の説明において、「左側扉95Lが後方開閉扉ユニット95の閉状態を構成する位置にある」ことを「左側扉95Lが閉状態位置にある」と称し、「右側扉95Rが後方開閉扉ユニット95の閉状態を構成する位置にある」ことを「右側扉95Rが閉状態位置にある」と称することがある。また、「左側扉95Lが後方開閉扉ユニット95の開状態を構成する位置にある」ことを「左側扉95Lが開状態位置にある」と称し、「右側扉95Rが後方開閉扉ユニット95の開状態を構成する位置にある」ことを「右側扉95Rが開状態位置にある」と称することがある。
なお、本実施例では、係止部材95e、95fが、前方開閉扉ユニット90を構成する係止部材92e、92fの間に配置されているため、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット90が閉状態にあるときに、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動せずに、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、後方開閉扉ユニット95を開状態としようとすると、係止部材95eが係止部材92eを左方向に押圧し、係止部材95fが係止部材92fを右方向に押圧する。このため、本実施例では、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動せずに、前方開閉扉ユニット90を開状態とすることもできる。一方、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット90が開状態にあるときに、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動せずに、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して前方開閉扉ユニット90を閉状態としようとすると、係止部材92eが係止部材95eを右方向に押圧し、係止部材92fが係止部材95fを右方向に押圧する。このため、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動せずに、後方開閉扉ユニット95が開状態とすることもできる。
また、第3モータ95c及び第4モータ95dは、ステッピングモータであり、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続され(図46を参照)、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220から送信される制御信号を用いて制御される。また、図39〜図42において図示を省略するが、後方開閉扉ユニット95は、「左側扉95Lが閉状態位置」にあることを検出するためのセンサS5と、「右側扉95Rが閉状態位置」にあることを検出するためのセンサS6と、「左側扉95Lが開状態位置」にあることを検出するためのセンサS7と、「右側扉95Rが開状態位置」にあることを検出するためのセンサS8とを備えている。これらのセンサS5〜S8は、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続され(図46を参照)、その検出信号はサブ制御基板220に入力される。
図37に示すように、左扉本体95M及び右扉本体95Qの前面部には、レンズ95V、95Wが装着されている。そして、後方開閉扉ユニット95が閉状態となり、左扉本体95Mの右端部及び右扉本体95Qの左端部が当接すると、レンズ95V、95Wは一体化して、略長円形状のレンズ(95V、95W)を形成する。また、レンズ95V、95Wの背後には、前述のLEDランプ4Kが配置され、これらのLEDランプ4Kが発光すると、「一体化して略長円形状とされたレンズ(95V、95W)」の表面に所定の図柄(本実施例では、「極」の文字)が強調表示される構成とされている。なお、LEDランプ4Kは、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続されており(図46を参照)、「演出部材」の具体例を構成する。
本実施例では、前方開閉扉ユニット90と後方開閉扉ユニット95とが開状態となると、駆動ユニットベース部81bの略中央が前方側(遊技者側)から視認可能となる(図13及び図59(b)を参照)。つまり、駆動ユニットベース部81bを構成する後壁部略中央の開口部81fと、傾斜板81gと、「切り欠部81hの鉛直上方に位置する空間部81W」とが、前方側(遊技者側)から視認可能となる。すなわち、装飾板85の下方に設けられる「左側扉95L及び右側扉95R」の奥側(内部)に、遊技領域11(盤面)に存在する全ての球受入口に流入した遊技球が通過する共通の球通路(空間部81W)を設け、大当り遊技中に前方開閉扉ユニット90と後方開閉扉ユニット95とが開状態となった際に、「空間部81Wで構成される球通過領域(球通路)」を通過する遊技球(排出球)を遊技者側から視認可能とする。
本実施例では、このような構成を有するため、遊技領域11(遊技盤面)に存在する全ての遊技球受入口に流入した遊技球が、全て共通の球通過領域(空間部81W)を通過して遊技機1外(盤裏側)に排出され、遊技者は、その排出の様子を大当り遊技中に第1大入賞口31a周辺(開状態となった前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95の奥側)で目視することができる。
つまり、第1大入賞口31aに流入した遊技球のみならず、それ以外の遊技球受入口(アウト口32a、32b、33a、33b、34a、34b、一般入賞口40、41、43、44など)に流入した遊技球や、上部遊技球受入口(第1の始動入賞口を構成する開口部171a、第2の始動入賞口を構成する開口部17f)に流入した遊技球が、全て共通の球通過領域(空間部81W)で通過する様子を目視することができる。これにより、第1大入賞口31aへの入賞数が少ないとしても、多くの遊技球が第1大入賞口31aに入賞している印象を、遊技者により与え易くなる。
発射ハンドル9を操作することで、遊技領域11の左側下方から略鉛直上方に発射された遊技球は、遊技領域11の左側において、外側レール12及び内側レール13に挟まれつつ円弧状に上昇する発射経路Yを通過して(図4を参照)、遊技領域11の左側上部(前述の入口部11V)に到達した後、遊技領域11に進入する。そして、遊技領域11に進入した遊技球には、メイン役物装置20の左側を通過するもの(以下、「左打ち球」という。)と、メイン役物装置20の右側を通過するもの(以下、「右打ち球」という。)がある。
「左打ち球」のうちで第1大入賞口31aの周囲に到達するものは、第1の始動入賞装置17aの左側部近傍を通過し、「右打ち球」のうちで第1大入賞口31aの周囲に到達するものは、第1の始動入賞装置17aの右側部近傍を通過する。そして、第1誘導路11S、11Tと、第2誘導路11L、11Rとが、互いに近接した状態で設けられているとともに、装飾板85が第1大入賞口31aの上部を除く部位を覆い、第1大入賞口31aの左右両側のアウトロ32a、32bの全部を覆う状態となっている。しかも、装飾板85に透視度を低下させる処理が施され、その前方からは、第1大入賞口31aと、その左右両側のアウトロ32a、32bとの境界を識別することが困難となっている。
従って、第1大入賞口31aの周囲に到達する遊技球が、「左打ち球」及び「右打ち球」のうちの何れであっても、遊技球が第1大入賞口31aに入賞したのか、或いは、その側方のアウトロ32a、32bに受け入れられたのかを識別することが困難となっている。例えば、図32に示すように、第1大入賞口31aが開放状態にあるとき、第1の始動入賞装置17aの左側部近傍に到達した遊技球W1が、第1誘導路11Sに誘導され、第1大入賞口31aに入賞したのか、その左側方のアウトロ32aに受け入れられたのかを識別することが困難となっている。また、図33に示すように、第1大入賞口31aが閉鎖状態にあるとき、第1誘導路11Sに誘導された遊技球W2が、第1大入賞口31aに入賞したのか、その左側方のアウトロ32aに受け入れられたのかを識別することが困難となっている。なお、本実施例と異なり、「右打ち球」は全て「アウト球」として機外に排出されることとしてもよい。
なお、遊技盤10の盤面構成を選択すること等によって、第1大入賞口31aへの入賞確率を「左打ち球」に比べて「右打ち球」の方を高くしてもよい。つまり、第1大入賞口31aを用いた第1大当り遊技を、所謂「右打ち専門の大当り遊技」とすることもできる。なお、第1大入賞口31aへの入賞確率を「左打ち球」に比べて「右打ち球」の方を高くするための手法としては、「遊技領域11内の障害釘の配置態様を選択する手法(第1大入賞口31aよりも左側に配設される障害釘を、第1大入賞口31aへ遊技球を誘導し難い状態とし、第1大入賞口31aよりも右側に配設される障害釘を、第1大入賞口31aへ遊技球を誘導し易い状態とする手法)」や、「遊技領域11内に所定通路を構成する部材を配置する手法(第1大入賞口31aよりも右側に、第1大入賞口31aへ遊技球を誘導するワープ通路を設ける手法)」等を例示できる。この場合、遊技者は、第1大入賞口31aを用いた第1大当り遊技の際に「右打ち」を行い、第2大入賞口35aを用いた第2大当り遊技若しくは第3大当り遊技の際に「左打ち」を行うことになるため(大当り遊技の種類に応じて、遊技球の発射態様を選択することになるため)、遊技の減り張りを付けることが容易である。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図44を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。なお、遊技球払出装置109は賞球払出手段の具体例を構成する。
また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図44において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図45及び図46を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路(電子制御装置)は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されるとともに、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されるとともに、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されるとともに貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されるとともに遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(222A、260A)とが存在する。つまり、本遊技機1は、遊技の基本的な進行を司る主制御部200Aと、遊技上の演出を制御する副制御部(サブ制御部220A)とを含んで構成される電子制御装置(制御回路)を備えている。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算及び算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図45及び図46中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図45においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、大入賞口ソレノイド35c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。ここで、主制御部200A(主制御基板200)は、確変状態設定手段(確率変動手段)、開放延長状態設定手段(開放演出手段)、第1大当り遊技実行手段、第2大当り遊技実行手段及び第3大当り遊技実行手段の具体例を構成する。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。なお、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は演出表示装置27での変動遊技(疑似図柄の変動)を実現するための「表示制御手段」、装飾領域90Sに設けられる開閉扉(本実施例では、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95)の駆動を制御する駆動制御手段等として機能する。ここで、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、第1バトル演出実行手段、第2バトル演出実行手段及び第3バトル演出実行手段の具体例を構成する。
このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図46に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220cには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信するとともに、ROM220cに記憶されたプログラムに従って受信した表示制御コマンドを解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信された表示制御コマンドに基づき新たに生成したコマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを、図柄制御コマンドとして演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板(4b〜4h、4j〜4r、4K等)が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。また、装飾駆動基板226には、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c、第4モータ95dが接続されており、サブ制御基板220は、各モータ92c、92d、95c、95dに駆動信号(駆動パルス)を供給する。
また、サブ制御基板220Aには、装飾駆動基板226を介して位置検出用のセンサ(光学センサ)S1〜S8が接続されている。そして、「左側扉91Lが閉状態位置」にあるときにはセンサS1から検出信号が出力され、「右側扉91Rが閉状態位置」にあるときにはセンサS2から検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、これらの検出信号を受信することで、前方開閉扉ユニット90が閉状態にあることを把握できる。また、「左側扉91Lが開状態位置」にあるときにはセンサS3から検出信号が出力され、「右側扉91Rが開状態位置」にあるときにはセンサS4から検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、これらの検出信号を受信することで、前方開閉扉ユニット90が開状態にあることを把握できる。
更に、「左側扉95Lが閉状態位置」にあるときにはセンサS5から検出信号が出力され、「右側扉95Rが閉状態位置」にあるときにはセンサS6から検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、これらの検出信号を受信することで、後方開閉扉ユニット95が閉状態にあることを把握できる。また、「左側扉95Lが開状態位置」にあるときにはセンサS7から検出信号が出力され、「右側扉95Rが開状態位置」にあるときにはセンサS8から検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、これらの検出信号を受信することで、後方開閉扉ユニット95が開状態にあることを把握できる。
このように、本実施例では、前方開閉扉ユニット90の左側扉91L及び右側扉91Rと、後方開閉扉ユニット95の左側扉95L及び右側扉95Rの位置を、それぞれ位置検出用のセンサ(光学センサ)S1〜S8で検出する態様を例示するが、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c、第4モータ95dの駆動軸921c、921d、951c、951dの回転位置を検出することで、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L、右側扉95Rの位置を検出することもできる。例えば、駆動軸921c、921d、951c、951dに、その基準回転位置(例えば、各扉を閉状態位置にする回転位置或いは開状態位置にする回転位置)を検出するための被検出体(インデックス部材)を装着する。そして、この被検出体(インデックス部材)が位置検出用センサの検出範囲に到達すると、位置検出用センサ(光学センサ)から検出信号が出力されるようにしてもよい。
但し、本実施例では、各モータ92c、92d、95c、95dとしてステッピングモータを使用するため、サブ制御基板220は、各モータ92c、92d、95c、95dに供給する駆動信号(駆動パルス)の総数をカウントすることによっても、各扉の位置(駆動軸の回転位置)を把握することができる。また、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L、右側扉95Rを駆動するためのアクチュエータとしては、モータ以外のもの(ソレノイド)等を使用することもできる。
払出制御部240Aには、図44に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。なお、遊技球払出装置109は賞球払出手段の具体例を構成する。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示及び停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示及び停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h等の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED4b〜4h等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞すること(以下、「始動入賞」という。)に基づいて行われる当否判定(大当り抽選)の結果を示す停止図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる図柄変動表示とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び演出表示装置27)において略同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62b)において表示される特別図柄(7セグメント表示体に次々に変更表示される特別図柄)は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
なお、本実施例では、本表示手段(つまり、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62b)と、その表示制御を行う主制御部200Aとが協働して「図柄変動遊技実行手段」の具体例を構成する。また、本実施例では、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して行われる当否判定(つまり、第1の当否判定)及び第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して行われる当否判定(つまり、第2の当否判定)が大当り抽選のみによって構成されるが、少なくとも一方の当否判定(特に、第1の当否判定)が大当り抽選及び小当り抽選によって構成されてもよい。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいて表示される「疑似図柄」は、「主制御部200Aからの各種指令に基づき遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。「疑似図柄」の変動表示は「本図柄」のそれと同一の時間だけ実行され、その変動表示の終了によって停止表示される「疑似図柄の停止図柄」の表示内容(大当り、外れ等)は、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bにおける「本図柄の停止図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄の変動表示中(図柄変動遊技中)にリーチ表示などの図柄変動演出表示を行う場合、その図柄変動演出表示は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容について簡単に説明する。なお、本実施例では、演出表示装置27と、その表示制御を行うサブ制御部220Aとが協働して「図柄変動演出実行手段」の一具体例を構成する。
c−1.本図柄
第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因する特別図柄の変動表示及び停止表示(確定表示)は第1の特別図柄表示部62aにおいて行われ、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因する特別図柄の変動表示及び停止表示(確定表示)は第2の特別図柄表示部62bにおいて行われる。特別図柄の変動表示は、図6(b)に示すように、第1の特別図柄表示部62aを構成する7セグメント表示体及び第2の特別図柄表示部62bを構成する7セグメント表示体によって、「算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)」の「循環表示」を行うことで実現される。尚、以下の説明において、第1の特別図柄表示部62aに表示される特別図柄(本図柄)を「第1の特別図柄」と称し、第2の特別図柄表示部62bに表示される特別図柄(本図柄)を「第2の特別図柄」と称することがある。
本実施例では、低確率モード(通常確率モード)において、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して行われる当否判定(第1の大当り抽選)の結果として「大当り」が導出される確率(図柄変動遊技の結果が大当りになる確率)は、約「1/400」となっている。そして、大当りを示す判定結果が導出されると、大当り遊技実行手段が作動を開始し、本遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。そして、大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「第1大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行されるか、大入賞口ソレノイド35cの駆動及び駆動停止を行うことで「第2大入賞口35aを開閉する開閉動作」が実行される。なお、遊技状態が大当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。これに対し、「大当り遊技状態移行前」や「大当り遊技状態終了後」の大当り遊技が行われていない状態は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われる状態、すなわち、図柄変動遊技が実行可能な状態(図柄変動遊技状態)となる。
ここで、「第1大入賞口31aの開放」は、大入賞口ソレノイド31cを駆動してシャッター部材31eを後方に移動させ、開閉本体部31p(作動片)を遊技領域11よりも奥側(遊技者から見た奥側)に没入とさせることで行われる。そして、大入賞口ソレノイド31cを駆動する時間(駆動時間)に応じて、第1大入賞口31aを開放状態に維持する時間(開放時間)が規定される。逆に、「第1大入賞口31aの閉鎖」は、第1大入賞口31aが開放状態であるときに、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止してシャッター部材31eを前方に移動させ、開閉本体部31p(作動片)を遊技領域11よりも手前側(遊技者から見た手前)に突出させることで行われる。そして、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止する時間(駆動停止時間)に応じて、第1大入賞口31aを閉鎖状態に維持する時間(閉鎖時間)が規定される。
また、「第2大入賞口35aの開放」は、第2大入賞口35aが閉鎖状態にあるときに、大入賞口ソレノイド35cを駆動して開閉部材35bを反時計回り(正面視)に回転させ、開閉部材35bを「左斜め上方に上がり傾斜となる傾動姿勢」に変化させることで行われる。そして、大入賞口ソレノイド35cを駆動する時間(駆動時間)に応じて、第2大入賞口35aを開放状態に維持する時間(開放時間)が規定される。逆に、「第2大入賞口35aの閉鎖」は、第2大入賞口35aが開放状態であるときに、大入賞口ソレノイド35cの駆動を停止して開閉部材35bを正面視で時計回り(正面視)に回転させ、第2大入賞口35aを閉鎖すること(開閉部材35bで、第2大入賞口35aを封鎖すること)で行われる。そして、大入賞口ソレノイド35cの駆動を停止する時間(駆動停止時間)に応じて、第2大入賞口35aを閉鎖状態に維持する時間(閉鎖時間)が規定される。
本遊技機1は、第1大入賞口31aや第2大入賞口35aを開閉するための開閉パターン(以下、「大当り動作」)として、各々2通りのパターンを有している。つまり、第1大入賞口31aを開閉するための「大当り動作」としては、図47(a)及び(b)に示すように、(A)第1大入賞口31aを「0.2秒」開放状態に変化させること(以下、「短開放」という。)を2回繰り返した後、第1大入賞口31aを「9.6秒」開放状態に変化させること(以下、「中開放」という。)を1回行うことを内容とする大当り動作(以下、「第1大当り動作A」という。)と、(B)第1大入賞口31aを「26秒」開放状態に変化させること(以下、「第1長開放」という。)を内容とする大当り動作(以下、「第2大当り動作A」という。)とが設定されている。
第2大入賞口35aを開閉するための「大当り動作」としては、図47(c)及び(d)に示すように、(C)第2大入賞口35aを「0.2秒」開放状態に変化させること(短開放)を2回繰り返すことを内容とする大当り動作(以下、「第1大当り動作B」という。)と、(D)第1大入賞口35aを「20秒」開放状態に変化させること(以下、「第2長開放」という。)を内容とする大当り動作(以下、「第2大当り動作B」という。)とが設定されている。
ここで、「第1大当り動作B」は、遊技球が入球困難な態様で第2大入賞口35aを開放状態に変化させる大当り動作(開放動作)である。この第1大当り動作Bを行うことで、第2大入賞口35aは瞬間的に開放状態となるだけなので、遊技球が遊技領域11に連続的に発射されていても、第2大入賞口35aに遊技球が入球する可能性は極めて低くなっている(例えば、入球可能性0.1%)。つまり、「第1大当り動作B」は、第2大入賞口35aへの遊技球の入球を許容するものの、遊技球の入球を確実に発生させる動作(入球可能性100%の開放動作)ではなく、専ら、「報知」や「演出」のための動作である。つまり、第2大入賞口35aへの遊技球の入球に基づく賞球の払い出しを予定しない大当り動作である。
「第1大当り動作A」は、第1大当り動作Bに比べて遊技球の入球容易な態様で第1大入賞口31aを開放状態に変化させる大当り動作である。この第1大当り動作Aを行っているときに、遊技球が遊技領域11に連続的に発射され、その遊技球の殆どが第1大入賞口31aに向かって流下すると、「1〜8球」の遊技球が第1大入賞口31aに遊技球が入球する可能性がある(遊技球の発射タイミングが良いと8球入球する可能性がある)。つまり、「第1大当り動作A」は、遊技領域11に発射される遊技球が連続的に第1大入賞口31aに入球するとすれば、「第1大入賞口31aに8個(本実施例の規定数)の遊技球を入球させることが可能な大当り動作」である。要するに、「第1大入賞口31aに少なくとも1個の遊技球を入球させることはできるものの、規定数(本実施例では8個)の遊技球を入球させることは困難な大当り動作」である。このような「第1大当り動作A」は、第1大入賞口31aへの遊技球の入球に基づく賞球の払い出しを予定する大当り動作といえる。
「第2大当り動作A」は、第1大当り動作A及び第1大当り動作Bに比べて遊技球の入球容易な態様で第1大入賞口31aを開放状態に変化させる大当り動作である。換言すると、遊技球の入球がきわめて容易な態様で、第1大入賞口31aを開放状態に変化させる大当り動作である。この「第2大当り動作A」を行っているときに、遊技球が遊技領域11に連続的に発射されると、ほぼ確実に「8個」の遊技球が第1大入賞口31aに入球する。つまり、「第2大当り動作A」は、「第1大入賞口31aに規定数(本実施例では8個)の遊技球をほぼ確実に入球させることができる開放動作」である。この「第2大当り動作A」も、第1大入賞口31aへの遊技球の入球に基づく賞球の払い出しを予定する大当り動作(開放動作)といえる。但し、「第2大当り動作A」により第1大入賞口31aが開放状態となる場合には、「第1大当り動作A」により開放状態となる場合に比べ多く遊技球が第1大入賞口31aに入球する可能性が高くなる。このことから、「第2大当り動作A」は、「第1大当り動作A」に比べ多くの賞球の払い出しを予定する大当り動作ともいえる。
「第2大当り動作B」も、「第1大当り動作A」及び「第1大当り動作B」に比べて遊技球の入球容易な態様で第2大入賞口35aを開放状態に変化させる大当り動作である。換言すると、遊技球の入球が極めて容易な態様で、第2大入賞口35aを開放状態に変化させる大当り動作である。この「第2大当り動作B」を行っているときに、遊技球が遊技領域11に連続的に発射されると、ほぼ確実に「5〜7個」の遊技球が第2大入賞口35aに入球する。この「第2大当り動作B」も、第2大入賞口35aへの遊技球の入球に基づく賞球の払い出しを予定する大当り動作(開放動作)といえる。但し、「第2大当り動作B」により第2大入賞口35aが開放状態となる場合には、「第1大当り動作B」により開放状態となる場合に比べ多く遊技球が第2大入賞口35aに入球する可能性が高くなる。このことから、「第2大当り動作B」は、「第1大当り動作B」に比べ多くの賞球の払い出しを予定する大当り動作ともいえる。なお、「第1大当り動作A」は参考発明2に示す「第1大当り動作」の具体例を構成し、「第2大当り動作A」は参考発明2に示す「第2大当り動作」の具体例を構成する。
なお、「第1大当り動作A」、「第1大当り動作B」、「第2大当り動作A」及び「第2大当り動作B」における開放時間は、本実施例に示すものに限定されない。例えば、「第2大当り動作A」及び「第2大当り動作B」の開放時間を20秒〜30秒のうちの何れかの時間とすることができ、「第1大当り動作A」の「中開放」の継続時間を5秒〜11秒のうちの何れかの時間とすることができる。また、「第1大当り動作A」及び「第1大当り動作B」において、「短開放」の継続時間を0.05〜0.5秒のうちの何れかの時間とすることができる。更に、「第1大当り動作A」、「第1大当り動作B」、「第2大当り動作A」及び「第2大当り動作B」のうちの何れかにおいて、開放時間が異なるものを混在させ、この開放時間が異なる開放動作を、一回の大当り遊技若しくは一回の大当りラウンド(1ラウンド)で実行してもよい。
本実施例の遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、「4回(4ラウンド)」に亘る「大当りラウンド」若しくは「16回(16ラウンド)」に亘る「大当りラウンド」を実行する。そして、最終(4ラウンド目若しくは16ラウンド目)の「大当りラウンド」を終了すると、大当り遊技が終了し、遊技機1の遊技状態が図柄変動遊技状態(図柄変動遊技が実行可能な状態)となる。なお、本実施例では、各大当りラウンドの開始及び終了毎に、主制御基板200からサブ制御基板220に「開放指定コマンド(ラウンド数指定コマンドであって、ラウンドの開始や、その開始されるラウンド数を示すコマンド)」及び「大入賞口閉鎖指定コマンド(ラウンド終了コマンドであって、ラウンドが終了したことを示すコマンド)」が送信される。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、主制御基板200からの「ラウンド数指定コマンド」及び「ラウンド終了コマンド」に基づき、現在実行中の大当り遊技(大当りラウンド)の進行状況を判断し、その進行状況に応じた種々の大当り遊技関連演出を演出表示装置27等により実行する。
ところで、主制御基板200に搭載されたROM203には、「大当り遊技の態様を特定するためのデータ」が「大当り図柄(後述する。)の種類」に対応付けて記憶されている。この「大当り遊技の態様」は、「大当りラウンドの実行回数(ラウンド数)」と「各大当りラウンドの内容」によって特定される。なお、本実施例では、大当り図柄の種類によらず、一律に「大当りラウンドの回数」は「一定数(例えば、16ラウンド)」としてもよい。
また、本実施例では、大当り遊技において実行する各大当りラウンドの終了条件は以下のように定められている。つまり、各大当りラウンドにおいて予定されている「第1大入賞口31aの開放時間」若しくは「第2大入賞口35aの開放時間」(1回のラウンドで複数回開放する場合は、その複数回の開放の合計開放時間)が経過するか、遊技球の入球数が規定数(本実施例では8個)に到達すると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この終了条件の成立によって1回の大当りラウンドが終了し、その後、所定の待機時間(例えば、2秒)が経過すると、次の大当りラウンドが開始される。そして、本実施例では、大当り遊技を開始した後、大当りラウンドを所定回数(4ラウンド若しくは16ラウンド)繰り返すと、大当り遊技を終了する。更に、「大当り終了に係る演出(エンディング演出)」を行った後、遊技状態が図柄変動遊技状態に戻される。
本実施例では、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄の態様に応じて、実行される大当り遊技(大当りラウンド)の内容や、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態(図柄変動遊技状態における遊技モード)が異なったものとなる。つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄に応じて、遊技者に対して異なった利益が付与される。以下、この点について詳細に説明する。
ここで、以下の説明において、「16R確変大当り」は、大当りラウンドを「16ラウンド(16回)」行う大当り遊技の開始契機となるとともに、大当り遊技終了後に確率変動手段を作動させる契機(確変状態設定手段が遊技状態を確変状態に設定する契機)となる大当りを示す。また、「4R確変大当り」とは、大当りラウンドを「4ラウンド(4回)」行う大当り遊技の開始契機となるとともに、大当り遊技終了後に確率変動手段を作動させる契機(確変状態設定手段が遊技状態を確変状態に設定する契機)となる大当りを示す。更に、「16R通常大当り」は、大当りラウンドを「16ラウンド」行う大当り遊技の開始契機となるとともに、大当り遊技終了後に確率変動手段を作動させない(確変状態設定手段が遊技状態を確変状態に設定しない)大当りを示し、「4R通常大当り」とは、大当りラウンドを「4ラウンド」行う大当り遊技の開始契機となるとともに、大当り遊技終了後に確率変動手段を作動させない大当りを示す。
また、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄(16R確変大当りを示す大当り図柄、4R確変大当りを示す大当り図柄、16R通常大当りを示す大当り図柄、4R通常大当りを示す大当り図柄)に応じて、異なる内容の大当り遊技(対象とする大入賞口の種類、予定賞球数)や、異なる内容の大当り演出(例えば、バトル演出の種類、バトル演出の勝ち負け)が実行される。なお、本実施例では、各大当り図柄に対応する各種大当り(16R確変大当り、4R確変大当り、16R通常大当り、4R通常大当り)を、末尾にアルファベット付して区別することとする。
第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第1の大当り抽選)が行われ、大当りを示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によって、図48に示すように、「大当りの種類(大当り図柄の種類)」が、「16R確変大当りA」、「4R確変大当りB」、「4R通常大当りA」、「4R確変大当りC」、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」、「16R通常大当りA」及び「16R確変大当りH」のうちの何れかに決定される。
この「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第1の大当り抽選の結果が落選の場合、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい
また、図48に示す大当りのうち、「4R確変大当りB」、「4R通常大当りA」、「4R確変大当りC」は、第2大入賞口35aを開閉して行う大当り遊技の開始契機となる大当りであり、「16R確変大当りA」、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」、「16R通常大当りA」及び「16R確変大当りH」は、第1大入賞口31aを開閉して行う大当り遊技の開始契機となる大当り(図48及び図49を参照)である。ここで、本実施例では、第2大入賞口35aを開閉して行う大当り遊技として、「第2大当り遊技」、「第3大当り遊技」、「第3型大当り遊技」、「第5大当り遊技」及び「第5型大当り遊技」が設定され、第1大入賞口31aを開閉して行う大当り遊技として、「第1大当り遊技」、「第1型大当り遊技」及び「第4大当り遊技」が設定されている(図48及び図49を参照)。なお、図48及び図49中の「上」は「第2大入賞口35aを開閉して行う大当り遊技」を示し、「下」は「第1大入賞口31aを開閉して行う大当り遊技」を示している。
第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第2の大当り抽選)が行われ、大当りを示す判定結果が導出された場合も、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によって、図49に示すように、「大当りの種類(大当り図柄の種類)」が、「4R確変大当りA」、「4R通常大当りB」、「4R確変大当りE」、「16R確変大当りB」、「16R確変大当りC」、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」、「16R通常大当りA」、「16R確変大当りH」及び「16R確変大当りL」のうちの何れかに決定される。
この「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)も、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第2の大当り抽選の結果が落選の場合、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。また、第2の大当り抽選の結果が当選である場合の「振分抽選」においては、第1の大当り抽選の結果が当選である場合の「振分抽選」に比べて、遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。つまり、本実施例では、第2の大当り抽選の結果が当選である場合の「振分抽選」においては、第1の大当り抽選の結果が当選である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている(図48、図49を参照)。なお、第2の大当り抽選の結果が当選である場合の「振分抽選」において、第1の大当り抽選の結果が当選である場合の「振分抽選」に比べて、「確変大当り」が選択される確率がより高くなっていてもよい(図48、図49を参照)。
また、図49に示す大当りのうち、「4R確変大当りA」、「4R通常大当りB」、「4R確変大当りE」、「16R確変大当りB」及び「16R確変大当りC」は、第2大入賞口35aを開閉して行う大当り遊技の開始契機となる大当りであり、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」、「16R通常大当りA」、「16R確変大当りH」及び「16R確変大当りL」は、第1大入賞口31aを開閉して行う大当り遊技の開始契機となる大当りである。
ここで、前述の「電サポ付き確変状態」とは、開放延長手段及び確率変動手段が作動する遊技状態である。また、大当り遊技の中には、「当該大当り遊技の終了後に電サポ状態の設定を伴う大当り遊技」と、「当該大当り遊技の終了後に電サポ状態の設定を伴わない大当り遊技」とが存在する。そして、図48及び図49に示す各大当り遊技(「第1大当り遊技」、「第2大当り遊技」、「第3大当り遊技」、「第4大当り遊技」及び「第5大当り遊技」)において、電サポ付き確変状態の設定を伴うもの(高確率短縮変動モードへのモード移行を行うもの)の末尾には「1」の数字を付し、「確率変動手段を作動させない電サポ状態」の設定を伴うもの(低確率短縮変動モードへのモード移行を行うもの)の末尾には「2」の数字を付す。
また、図48及び図49に示す「第1型大当り遊技」、「第3型大当り遊技」及び「第5型大当り遊技」は、原則として潜伏確変状態(電サポ無しの確変状態)の設定を伴う大当り遊技(高確率通常変動モードへのモード移行を行う大当り遊技)であり、その末尾には「3」の数字を付す。なお、本実施例では、開放延長手段の作動時に「第1型大当り遊技」、「第3型大当り遊技」若しくは「第5型大当り遊技」の実行契機となる大当り(潜伏確変大当りであって、「4R確変大当りC」、「16R確変大当りH」若しくは「4R確変大当りE」)を生じた場合においては、大当り遊技終了後、「電サポ付き確変状態」に設定すること(対応する大当り遊技の終了後に開放延長手段及び変動時間短縮手段が作動すること)としている(図82参照)。また、図48及び図49に示すように、「第1型大当り遊技(16R確変大当りHの発生を契機に実行される大当り遊技)を行う場合と、「第3型大当り遊技(4R確変大当りEの発生を契機に実行される大当り遊技)を行う場合にはバトル演出が実行されるが、何れの場合も遊技者の敵キャラクタが勝利する演出(味方がキャラクタが敗北する演出)行われる。
図48〜図53に示すように、本遊技機1では、大当り遊技として、変則タイプ(複数の大当り動作を組み合わせたタイプ)の大当り遊技と、基本タイプ(単一の大当り動作で構成されるタイプ)の大当り遊技とを設定している。そして、図48及び図49に示すように、「第1大当り遊技」としては、予定賞球数(つまり、予定賞球払出量)が「第1払出量(2037)」の第1大当り遊技と、予定賞球数が「第2払出量(249球)の大当り遊技とを設定している。ここで、予定賞球数が「第1払出量(2037)」の大当り遊技は、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」若しくは「16R確変大当りF」の発生(非潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される変則タイプの大当り遊技(以下、「第1大当り遊技・変則タイプ・1」と表記する。)である。一方、予定賞球数(予定賞球払出量)が「第2払出量(249)」の大当り遊技は、「16R通常大当りA」の発生を契機として実行される変則タイプの大当り遊技(以下、「第1大当り遊技・変則タイプ・2」と表記する。
また、「第1大当り遊技」は、「第1大当り遊技・変則タイプ・1」と「第1大当り遊技・変則タイプ・2」とで構成される。そして、「第1大当り遊技・変則タイプ・1」が実行される場合には、第1バトル演出において味方キャラクタが勝利し、「第1大当り遊技・変則タイプ・2」が実行される場合には、第1バトル演出において敵キャラクタが勝利する。
なお、「16R確変大当りH」の発生(潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される「第1型大当り遊技」も、変則タイプの大当り遊技(以下、「第1型大当り遊技・変則タイプ・3」と表記する。)であり、「第1大当り遊技・変則タイプ・2」と同一の態様で第1大入賞口31aを開閉するとともに、予定賞球数(予定賞球払出量)を「第2払出量(249球)」としている。そして、「第1型大当り遊技・変則タイプ・3」が実行される場合には、第1バトル演出と同一のバトル演出が実行されるとともに、敵キャラクタが勝利する演出が行われる。
図48及び図49に示す「第4大当り遊技」は、「16R確変大当りA」若しくは「16R確変大当りL」の発生(非潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される変則タイプの大当り遊技(以下、「第4大当り遊技・変則タイプ・1」と表記する。)であり、予定賞球数(予定賞球払出量)が「1286球」に設定されている。そして、「第4大当り遊技・変則タイプ・1」が実行されても、バトル演出は実行されないが、本実施例と異なり、バトル演出を実行することとしてもよい。
図49に示すように、「第2大当り遊技」としては、予定賞球数(予定賞球払出量)が「第4払出量(1286球)」の大当り遊技と、予定賞球数(予定賞球払出量)が「第3払出量(741球)」の大当り遊技とを設定している。ここで、予定賞球数(予定賞球払出量)が多い方(第4払出量)の大当り遊技は、「16R確変大当りB」の発生(非潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される変則タイプの大当り遊技(以下、「第2大当り遊技・変則タイプ・1M」と表記する。)である。また、予定賞球数(予定賞球払出量)が少ない方(第3払出量)の大当り遊技は、「16R確変大当りC」の発生(非潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される変則タイプの大当り遊技(以下、「第2大当り遊技・変則タイプ・1L」と表記する。)である。
また、「第2大当り遊技」は、「第2大当り遊技・変則タイプ・1M」と「第2大当り遊技・変則タイプ・1L」とで構成される。そして、「第2大当り遊技・変則タイプ・1M」が実行される場合には、第2バトル演出において味方キャラクタが勝利し、「第2大当り遊技・変則タイプ・1L」が実行される場合には、第2バトル演出において敵キャラクタが勝利する。
図49に示すように、「第3大当り遊技」としては、予定賞球数(予定賞球払出量)が「第5払出量(499)」の大当り遊技を設定している。この「第3大当り遊技」としては、「4R確変大当りA」の発生(非潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される基本タイプの大当り遊技(以下、「第3大当り遊技・基本タイプ・1」と表記する。)と、「4R通常大当りB」の発生を契機として実行される基本タイプの大当り遊技(以下、「第3大当り遊技・基本タイプ・2」と表記する。)とが設定されている。
また、「第3大当り遊技」は、「第3大当り遊技・基本タイプ・1」と「第3大当り遊技・基本タイプ・2」で構成される。そして、「第3大当り遊技・基本タイプ・1」が実行される場合には、第3バトル演出において味方キャラクタが勝利し、「第3大当り遊技・基本タイプ・2」が実行される場合には、第3バトル演出において敵キャラクタが勝利する。
なお、「4R確変大当りE」の発生(潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される「第3型大当り遊技」も、基本タイプの大当り遊技(以下、「第3型大当り遊技・基本タイプ・3」と表記する。)であり、「第3大当り遊技・基本タイプ・1」と同一の態様で第2大入賞口35aを開閉するとともに、予定賞球数(予定賞球払出量)を「第5払出量(499球)」としている。そして、「第3型大当り遊技・基本タイプ・3」が実行される場合には、第3バトル演出と同一のバトル演出が実行されるとともに、敵キャラクタが勝利する演出が行われる。
図48に示すように、「第5大当り遊技」としては、予定賞球数(予定賞球払出量)が「第5払出量(499)」の大当り遊技を設定している。この「第5大当り遊技」としては、「4R確変大当りB」の発生(非潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される基本タイプの大当り遊技(以下、「第5大当り遊技・基本タイプ・1」と表記する。)と、「4R通常大当りA」の発生を契機として実行される基本タイプの大当り遊技(以下、「第5大当り遊技・基本タイプ・2」と表記する。)とが設定されている。
また、「第5大当り遊技」は、「第5大当り遊技・基本タイプ・1」と「第5大当り遊技・基本タイプ・2」で構成され、何れも、「第3大当り遊技・基本タイプ・1」と同一の態様で第2大入賞口35aを開閉するとともに、予定賞球数(予定賞球払出量)を「第5払出量(499球)」としている。また、「4R確変大当りC」の発生(潜伏型の確変大当りの発生)を契機として実行される「第5型大当り遊技」も、基本タイプの大当り遊技(以下、「第5型大当り遊技・基本タイプ・3」と表記する。)である。そして、「第5大当り遊技・基本タイプ・1」、「第5大当り遊技・基本タイプ・2」及び「第5型大当り遊技・基本タイプ・3」のうちの何れが実行されてもバトル演出は実行されないが、本実施例と異なり、バトル演出を実行することとしてもよい。
次に、図50〜図53を用いて各大当り遊技の内容を説明する。先ず、「第1大当り遊技・変則タイプ・1」においては、図50(a)に示すように、「第1大当りラウンド(1R)」及び「第1大当りラウンド(2R)」において、第1大当り動作Aを実行する。そして、「第3大当りラウンド(3R)」から「第16大当りラウンド(16R)」までの各大当りラウンドにおいて、第2大当り動作Aを実行する。この「第1大当り遊技・変則タイプ・1」においては、第1大入賞口31aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R及び2Rでは合計「10秒」、3R〜16Rでは「26秒」)となる前に、第1大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。そして、1R及び2Rでは3R〜16Rの各大当りラウンドに比べて、第1大入賞口31aに遊技球が入賞する確率は低い。
「第1大当り遊技・変則タイプ・2」及び「第1型大当り遊技・変則タイプ・3」においては、図50(b)に示すように、「第1大当りラウンド(1R)」から「第16大当りラウンド(16R)」までの各大当りラウンドにおいて、第1大当り動作Aを実行する。これらの大当り遊技においては、第1大入賞口31aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R〜16Rは合計「10秒」)となる前に、第1大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。
「第4大当り遊技・変則タイプ・1」においては、図51に示すように、「第1大当りラウンド(1R)」〜「第8大当りラウンド(8R)」において、第1大当り動作Aを実行する。そして、「第9大当りラウンド(9R)」から「第16大当りラウンド(16R)」までの各大当りラウンドにおいて、第2大当り動作Aを実行する。この「第4大当り遊技・変則タイプ・1」においても、第1大入賞口31aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R〜8Rでは合計「10秒」、9R〜16Rでは「26秒」)となる前に、第1大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。そして、1R〜8Rでは9R〜16Rに比べて、第1大入賞口31aに遊技球が入賞する確率は低い。
「第2大当り遊技・変則タイプ・1M」においては、図52(a)に示すように、「第1大当りラウンド(1R)」から「第10大当りラウンド(10R)」までの各大当りラウンドにおいて、第2大当り動作Bを実行する。そして、「第11大当りラウンド(11R)」から「第16大当りラウンド(16R)」までの各大当りラウンドにおいて、第1大当り動作Bを実行する。この「第2大当り遊技・変則タイプ・1M」においては、第2大入賞口35aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R〜10Rでは「20秒」、11R〜16Rでは合計「0.4秒」)となる前に、第2大入賞口35aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。但し、11R〜16Rでは、第2大入賞口35aに遊技球が入賞する可能性は低い。
「第2大当り遊技・変則タイプ・1L」においては、図52(a)に示すように、「第1大当りラウンド(1R)」から「第6大当りラウンド(6R)」までの各大当りラウンドにおいて、第2大当り動作Bを実行する。そして、「第7大当りラウンド(7R)」から「第16大当りラウンド(16R)」までの各大当りラウンドにおいて、第1大当り動作Bを実行する。この「第2大当り遊技・変則タイプ・1L」においては、第2大入賞口35aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R〜6Rでは「20秒」、7R〜16Rでは合計「0.4秒」)となる前に、第2大入賞口35aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。但し、7R〜16Rでは、第2大入賞口35aに遊技球が入賞する可能性は低い。
「第3大当り遊技・基本タイプ・1」、「第3大当り遊技・基本タイプ・2」、「第3型大当り遊技・基本タイプ・3」、「第5大当り遊技・基本タイプ・1」、「第5大当り遊技・基本タイプ・2」及び「第5型大当り遊技・基本タイプ・3」においては、図53に示すように、「第1大当りラウンド(1R)」から「第4大当りラウンド(4R)」までの各大当りラウンドにおいて、第2大当り動作Bを実行する。これらの大当り遊技においては、第2大入賞口35aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R〜4Rで「20秒」)となる前に、第2大入賞口35aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。
何れの確変大当りを生じても、対応する大当り遊技を実行した後には、当否判定の結果が大当りとなる確率(第1の大当り抽選の結果が当選となる確率及び第2の大当り抽選の結果が当選となる確率)が高確率とされる。このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる遊技状態が「高確率モード(高確率状態)」である。また、何れの通常大当りを生じても、対応する大当り遊技を実行した後には、当否判定の結果が大当りとなる確率(第1の大当り抽選の結果が当選となる確率と第2の大当り抽選の結果が当選となる確率)が低確率(通常確率)とされる。
図48に示すように、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因する当否判定(以下、「第1当否判定」という。)の結果が大当りとなり、これに基づいて「第1大当り遊技」を実行する場合においては、当該第1大当り遊技の終了後に「確変状態」となる確率が「86%(第1当否判定に対応する第1確率)」とされる。つまり、図48に示す第1大当り遊技の振分率の合計「22%」のうち「19%」(19%/22%≒86.4%)が「確変状態」の設定を伴う大当り遊技となる。なお、「第1当否判定」の結果が大当りとなり、これに基づいて「第1大当り遊技」若しくは「第1型大当り遊技」を実行する場合においては、当該大当り遊技の終了後に「確変状態」となる確率が「88%(図48の確変率の欄の括弧書を参照)」とされる(振分率の合計「25%」のうち「22%」が「確変状態」の設定を伴う)。
図49に示すように、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因する当否判定(以下、「第2当否判定」という。)の結果が大当りとなり、これに基づいて「第1大当り遊技」を実行する場合においては、当該第1大当り遊技の終了後に「確変状態」となる確率が「84%(第2当否判定に対応する第1確率)」とされる。つまり、図49に示す第1大当り遊技の振分率の合計「51%」のうち「43%」(43%/51%≒84.3%)が「確変状態」の設定を伴う大当り遊技となる。なお、「第2当否判定」の結果が大当りとなり、これに基づいて「第1大当り遊技」若しくは「第1型大当り遊技」を実行する場合においては、当該大当り遊技の終了後に「確変状態」となる確率が「85%(図49の確変率の欄の括弧書を参照)」とされる(振分率の合計「53%」のうち「45%」が「確変状態」の設定を伴う)。
図49に示すように、「第2当否判定」の結果が大当りとなり、これに基づいて「第2大当り遊技」を実行する場合においては、当該第2大当り遊技の終了後に「確変状態」となる確率が「100%」とされる。つまり、図49に示す第2大当り遊技の振分率の合計「16%」のうち「16%」(16%/16%=100%)が「確変状態」の設定を伴う大当り遊技となる。また、図49に示すように、「第2当否判定」の結果が大当りとなり、これに基づいて「第3大当り遊技」を実行する場合においては、当該第3大当り遊技の終了後に「確変状態」となる確率が「44%(第2確率)」とされる。つまり、図49に示す第3大当り遊技の振分率の合計「27%」のうち「12%」(12%/27%≒44%)が「確変状態」の設定を伴う大当り遊技となる。なお、「第2当否判定」の結果が大当りとなり、これに基づいて「第3大当り遊技」若しくは「第3型大当り遊技」を実行する場合においては、当該大当り遊技の終了後に「確変状態」となる確率が「50%(図49の確変率の欄の括弧書を参照)」とされる(振分率の合計「30%」のうち「15%」が「確変状態」の設定を伴う)。
c−2.疑似図柄
演出表示装置27の表示画面27aにおいても、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの入賞(始動入賞)に起因して図柄変動開始条件が成立すると、疑似図柄の変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。そして、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が一定時間(約0.6秒間)実行される。この疑似図柄の停止表示(確定表示)は、前述の右下表示装置60(第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62b)による停止表示(本図柄の確定図柄)と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
演出表示装置27の表示画面27aにおいては、疑似図柄の変動表示を開始する際に3つの疑似図柄表示部が出現し、各疑似図柄表示部において「疑似図柄」の変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と停止表示(停止した疑似図柄の表示)がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字(数字図柄)と、後述するバトル演出の開始を示唆する「バ」の文字(以下、バトル図柄という)と、後述するスペシャルボーナスの開始を示唆する「星印」のマーク(以下、スペシャルボーナス図柄という)と、をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字、「アルファベットのAの文字」、「バ」の文字及び「星印」をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部に確定表示される確定図柄には、「外れを示す停止図柄」と、「大当りを示す停止図柄」がある。
ここで、前述のように、本遊技機1においては、「大当り」として、図48及び図49に示すように、複数種類の大当りの各々に対応して本図柄の停止図柄(大当り図柄)を設定している。一方、図54(a)に示すように、疑似図柄の停止図柄(疑似図柄を用いた大当り図柄)は以下のように定めている。つまり、「確率変動手段」及び「開放延長手段」が非作動のとき(所謂、「初当り時」)に生じた「16R確変大当りA」を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の図柄」を3個並べて構成される。また、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第1の大当り抽選)が大当りであることに起因して発生した「4R確変大当りB」、「4R確変大当りC」及び「4R通常大当りA」を示す停止図柄は、3つの図柄のうち最後に停止される図柄(本実施例では中図柄)が「アルファベットのAの文字」となる図柄組合せによって構成される。更に、「16R確変大当りL(スペシャルボーナス)」を示す停止図柄は、3つの図柄のうち最後に停止される図柄(本実施例では中図柄)が「星印」となる図柄組合せによって構成される。
また、その他の大当り(以下、「バトル大当り」という。)を示す停止図柄は、3つの図柄のうち最後に停止される図柄(本実施例では中図柄)が「バトル図柄」となる図柄組合せによって構成される。更に、「外れ図柄」は、図54(b)に示すように、「バトル図柄」を除く数字図柄によって構成されるものであって、3つの疑似図柄表示部のうちの少なくとも1つに他と異なる数字図柄を表示して構成される。
本実施例では、「バトル大当り」を生ずると、大当り遊技中に演出表示装置27においてバトル演出が実行される(後述する。)。この場合、バトル演出においては、遊技者にとって味方となるキャラクタ(味方キャラクタ)と、遊技者にとって敵となるキャラクタ(敵キャラクタ)とが出現して、両キャラクタがバトル(対決)を行う演出が実行される。そして、バトル演出の結果として「味方キャラクタが勝利する場合」と「味方キャラクタが敗北する場合(敵キャラクタが勝利する場合)」とがあり、味方キャラクタが勝利する場合には、味方キャラクタが敗北する場合に比べ、後の遊技展開が遊技者にとって有利となるように構成されている。例えば、勝利パターンのバトル演出が行われると、大当り遊技の終了後に「開放延長手段が作動する確変モード」となり、敗北パターンのバトル演出が行われると、大当り遊技の終了後に「通常確率モード」となったり「潜伏確変モード」となったりする。
また、本実施例では、バトル演出として3種類の演出パターンを設けている。つまり、図48及び図49に示すように、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」若しくは「16R通常大当りA」の発生を契機として「第1大当り遊技」を開始すると、表示画面27aに「地上を示す背景図柄」を表示しつつバトル演出が開始される(以下、「陸上バトル」という。)。また、「16R確変大当りH」の発生を契機として「第1型大当り遊技」を開始した場合も、「陸上バトル」が開始される。このバトル演出は、第1大当り動作Aを実行しつつ行われ、味方キャラクタが勝利すると(「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」若しくは「16R確変大当りF」の場合)、第2大当り動作A(所謂「フルオープン」)が開始され、出球が多い大当り遊技(第1大当り遊技の変則タイプ・1)が実現される。
一方、味方キャラクタが敗北すると(「16R確変大当りH」若しくは「16R通常大当りA」の場合)、第1大当り遊技若しくは第1型大当り遊技の終了まで第1大当り動作Aが継続され、出球が少ない大当り遊技が実現される。なお、図48及び図49中の「(1・勝)」及び「(1・負)」とは、バトルの勝敗が引き分けを挟むことなく、1回で得られる場合(1ターンで得られる場合)を示し、「(2・勝)」及び「(2・負)」とは、バトルの勝敗が1回の引き分けを挟んで得られる場合(2ターンで得られる場合)を示す。なお、「16R確変大当りH」の発生を契機として「第1型大当り遊技」を開始した場合、第1型大当り遊技の終了後に、原則として「開放延長手段が非作動の状態の高確率モード」となるが、開放延長手段の作動時に「16R確変大当りH」を発生した場合には、第1型大当り遊技の終了後に「開放延長手段が作動した状態の高確率モード」となる。
図49に示すように、「16R確変大当りB」若しくは「16確変大当りC」の発生を契機として「第2大当り遊技」を開始すると、表示画面27aに「海中を示す背景図柄」を表示しつつバトル演出が開始される(以下、「海中バトル」という。)。このバトル演出は、第1大当り動作Bを実行しつつ行われ、味方キャラクタが勝利すると(「16R確変大当りB」の場合)、第2大当り動作B(所謂「フルオープン」)を10ラウンド行うことで、出球が多い大当り遊技(第2大当り遊技Uの変則タイプ・1M)が実現される。一方、味方キャラクタが敗北すると(「16確変大当りC」の場合)、第2大当り動作Bを6ラウンドだけ行うことで、出球が少ない大当り遊技(第2大当り遊技の変則タイプ・1L)が実現される。なお、「海中バトル」の結果が何れであっても、当該大当り遊技の終了後には、開放延長手段が作動する確変モードとなる。
図49に示すように、「4R確変大当りA」若しくは「4R通常大当りB」の発生を契機として「第3大当り遊技」を開始すると、表示画面27aに「空中を示す背景図柄」を表示しつつバトル演出が開始される(以下、「空中バトル」という。)。このバトル演出は、第2大当り動作Bを実行しつつ行われ、味方キャラクタが勝利すると(「4R確変大当りA」の場合)、第3大当り遊技(基本タイプ)の終了後に「開放延長手段が作動した状態の高確率モード」となる。一方、味方キャラクタが敗北すると(「4R通常大当りB」の場合)、第3大当り遊技U(基本タイプ)の終了後に、「開放延長手段が作動する低確率モード(「4R通常大当りB」の場合)」となる。また、「4R確変大当りE」の発生を契機として「第3型大当り遊技」を開始した場合も「空中バトル」が開始される。この場合、第3型大当り遊技の終了後に、原則として「開放延長手段が非作動の状態の高確率モード」となるが、開放延長手段の作動時に「4R確変大当りE」を発生した場合には、第3型大当り遊技の終了後に「開放延長手段が作動した状態の高確率モード」となる。
また、演出表示装置27において、図54(a)に示す大当り図柄(3個同一の図柄組合せ、アルファベット文字を含む図柄組合せ、スペシャルボーナス図柄を含む図柄組合せ、バトル図柄を含む図柄組合せ)を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、演出表示装置27において「外れ示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示(つまり、外れ変動)の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄を同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とする演出表示である。
(4)演出の概要
本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中及び大当り遊技中に、演出表示装置27で次のような演出を行う。
a.図柄変動遊技中の演出
第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞(始動入賞)を生ずると、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する。これにより、対応する特別図柄表示部62a、62bで本図柄の変動表示(図柄変動遊技)を開始するとともに、図55(a)、(b)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出を開始する。
この図柄変動遊技および図柄変動演出の実行時間(変動時間)は、対応する特別図柄表示部62a、62bでの本図柄の変動表示開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって異なるが、この実行時間が経過すると、何れかの特別図柄表示部62a、62bにおいて本図柄の停止図柄が停止表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が停止表示される。
図柄変動遊技の結果が外れとなる場合(当否判定の結果が外れである場合)、表示画面27aにおいて、図55(a)に示すように、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)が行われるか、図55(b)に示すように、「リーチ演出を伴う外れ表示(所謂「外れリーチ」)」が行われる。ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(図柄変動遊技)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄がすべて同一であると大当り表示が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させた状態で「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す演出表示を指す。
次に、図柄変動遊技の結果が大当りとなる場合(当否判定の結果が大当りである場合)について説明する。この場合も、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞(始動入賞)を生ずると、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する。これにより、対応する特別図柄表示部62a、62bで本図柄の変動表示(図柄変動遊技)を開始するとともに、図55(c)、図56(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出を開始する。
この図柄変動遊技および図柄変動演出の実行時間(変動時間)は、対応する特別図柄表示部62a、62bでの本図柄の変動表示開始時に決定される変動パターンによって異なる(後述する。)が、この実行時間が経過すると、何れかの特別図柄表示部62a、62bにおいて本図柄の停止図柄が停止表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が停止表示される。
ここで、疑似図柄の停止図柄として、「確率変動手段及び開放延長手段が非作動のときに生じた16R確変大当りA(つまり、初当りとしての16R確変大当りA)」を示す停止図柄を表示する場合には、図55(c)に示すようにリーチ演出を行った後、「3個同一の図柄を組合せた大当り図柄」が表示される。また、疑似図柄の停止図柄として、「4R確変大当りB」、「4R確変大当りC」及び「4R通常大当りA」の何れかを示す停止図柄を表示する場合には、図56(a)に示すようにリーチ演出を行った後、「アルファベットのAの文字からなる中図柄」を停止表示させた大当り図柄が表示される。更に、「16R確変大当りL(スペシャルボーナス)」を示す停止図柄を表示する場合には、図56(b)に示すようにリーチ演出を行った後、「星印からなる中図柄」を停止表示させた大当り図柄が表示される。また、「バトル大当り」を示す停止図柄を表示する場合には、図56(c)に示すようにリーチ演出を行った後、「バトル図柄を構成する中図柄」を停止表示させた大当り図柄が表示される。
b.大当り遊技中の演出
何れの大当りを生ずる場合においても、演出表示装置27の表示画面27aにおいて、大当り開始表示(ファンファーレ表示)を行った後「大当り遊技」が開始され、その後、第1大入賞口31a若しくは第2大入賞口35aが所定の開放パターン(所定の大当り動作)に従って開放状態となり、これに伴い表示画面27aにおいて「第1の大当りラウンド(1R)に係る演出表示」を行う。そして、「第1の大当りラウンド(1R)」の終了条件が成立すると、表示画面27aにおいてインターバル表示を行う。
この後、所定のインターバル時間(つまり、待機時間の約2秒)を経て「第2の大当りラウンド(2R)」が開始され、第1大入賞口31a若しくは第2大入賞口35aが所定の開放パターン(所定の大当り動作)に従って開放状態となり、これに伴い表示画面27aにおいて「第2の大当りラウンド(2R)に係る演出表示」を開始する。そして、「第2の大当りラウンド(2R)」の終了条件が成立すると、表示画面27aにおいてインターバル表示を行う。以降、同様にして「大当りラウンド」が最終の大当りラウンドまで「インターバル時間」及び「インターバル表示」を挟みつつ繰り返される。そして、最終の大当りラウンドが終了し、更に、エンディング表示が終了すると、遊技機1の遊技モードが「終了した大当り遊技の実行契機となった大当り図柄(本図柄)」に対応して定められる。つまり、「高確率短縮変動モード」、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率通常変動モード」の何れかに設定される。
但し、演出表示装置27の表示画面27aに「バトル図柄(バトル大当りを示す停止図柄)」を表示して開始された大当り遊技(第1大当り遊技、第2大当り遊技、第3大当り遊技、第1型大当り遊技若しくは第3型大当り遊技)では、大当り演出において「遊技者にとって味方となるキャラクタ(味方キャラクタ)」と「遊技者にとって敵となるキャラクタ(敵キャラクタ)」とが出現して、両キャラクタがバトル(対決若しくは競争)を行う演出(バトル演出)が実行される。以下、このバトル演出について説明する。
c.陸上バトルの場合
図57〜図59に示すように、演出表示装置27の表示画面27aに「バトル図柄」が表示され、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」若しくは「16R通常大当りA」が発生すると(a1)、大当り開始表示(ファンファーレ表示)を行った後(a2)、遊技者に遊技球の発射を催促する表示(例えば、「ねらえ」という表示)を行う(a3)。このとき、第1大入賞口31aの下方において、後方開閉扉(左側扉95L及び右側扉95R)を閉状態に維持しつつ、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を開閉する演出(0.5秒の間、開放状態として閉鎖状態に戻す演出であって、以下、「前方開閉扉の開閉演出」という。)が行われる。
この後、「第1大当り遊技(「第1大当り遊技の変則タイプ・1」若しくは「第1大当り遊技の変則タイプ・2」)が開始され、演出表示装置27において「第1の大当りラウンド(1R)に係る演出表示」を行いつつ、陸上バトル演出を実行するとともに(a4)、第1大入賞口31aを第1大当り動作Aに従って開放状態とする。この第1大当り動作Aの実行中に遊技球が第1大入賞口31aに入球すると、それに連動して、前方開閉扉の開閉演出が行われる。つまり、後方開閉扉(左側扉95L及び右側扉95R)を閉状態に維持しつつ、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を開閉する演出が行われる。このとき、演出表示装置27では「第1の大当りラウンド(1R)に係る演出表示」として、味方キャラクタと敵キャラクタが対決する上述の「陸上バトル」が引き続き行われる。
そして、「第1の大当りラウンド(1R)」の終了条件が成立すると、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を閉状態に戻すとともに、所定のインターバル時間(つまり、前述の待機時間の約2秒)の間に、陸上バトルの結果(勝ち、負け、引き分け)の表示を行う。つまり、陸上バトル演出が前述の「2ターンタイプ」である場合には、「第1の大当りラウンド(1R)」の終了後のインターバル表示を利用して、陸上バトルの結果が「引き分け」である旨の表示を行った後(a5)、陸上バトルの決着を「第2の大当りラウンド(2R)」以降に持ち越す。なお、この陸上バトルを「1ターンタイプ」で行う場合には、最終的に遊技者の味方キャラクタが勝利する演出(以下、「勝ちパターンの演出」という。)のみが実行される。また、「2ターンタイプ」として行う場合には、「勝ちパターンの演出」または「最終的に遊技者の味方キャラクタが敗北する演出(以下、「負けパターンの演出」という。)」が、発生した大当りの種類に応じて択一的に実行される(図48、図49を参照)。
「勝ちパターンの陸上バトル」が「2ターンタイプ」として実行される場合において、「第2の大当りラウンド(2R)に係る演出表示」が開始されると、陸上バトル演出の続きを行うとともに(a6)、第1大入賞口31aを第1大当り動作Aに従って開放状態とする。この場合も、第1大当り動作Aの実行中に遊技球が第1大入賞口31aに入球すると、それに連動して、前方開閉扉の開閉演出が行われる。そして、「第2の大当りラウンド(2R)」の終了条件が成立すると、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を閉状態に戻すとともに、所定のインターバル時間(つまり、前述の待機時間の約2秒)の間に、陸上バトル演出の決着(勝ち、負け)の表示を行う(a7、b7)。
つまり、「勝ちパターンの陸上バトル」では、図59に示すように、第2の大当りラウンド(2R)終了後のインターバル時間において、演出表示装置27の表示画面27aにおいて「味方キャラクタが勝利した旨の表示」と、「ボーナス遊技が開始される旨の表示(図示を省略)」を行うとともに、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して、左側扉91L及び右側扉91Rの位置を閉状態位置から開状態位置に変更するとともに、LEDランプ4Kの発光を開始する(a7)。これにより、遊技者に対して、演出表示装置27を用いて「ボーナス遊技が開始される旨の表示」を視認させるとともに、図63(b)に示すように、レンズ95V、95Wの表面に強調表示される図柄(本実施例では、「極」の文字)を視認させて、これから「第2大当り動作A(所謂「フルオープン」)」が開始されることを報知する。
更に、インターバル時間が経過する前に、LEDランプ4Kの発光を停止させるとともに、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して、左側扉91L及び右側扉91Rの位置を開状態位置から閉鎖態位置に戻す。そして、インターバル時間が経過すると、「第3の大当りラウンド(3R)に係る演出表示」を開始し、第1大入賞口31aを第2大当り動作Aに従って開放状態とするとともに、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)及び後方開閉扉(左側扉95L及び右側扉95R)を開放状態に変化させる演出(26秒の間、開放状態として閉鎖状態に戻す演出)を行う(a8)。そして、「第3の大当りラウンド(3R)」の終了条件が成立すると、第2大当り動作Aを終了するとともに、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)及び後方開閉扉(左側扉95L及び右側扉95R)を閉鎖状態に戻した後、「第3の大当りラウンド(3R)に係る演出表示」を終了し、所定のインターバル時間(約2秒)の経過を待つ(a9)。以後、同様に、「大当りラウンド」のラウンド数が「16」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド演出表示」と「第2大当り動作A」と「前方開閉扉及び後方開閉扉を開放状態に変化させる演出」とが、インターバルを挟みつつ繰り返される。この後、「第1大当り遊技(「第1大当り遊技の変則タイプ・1)」を終了し、演出表示装置27でエンディング表示を行い(a11)、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
「負けパターンの陸上バトル」を実行する場合(発生した大当りが「16R通常大当りA」であった場合)において、「第2の大当りラウンド(2R)を開始する前の演出」は、「勝ちパターンの陸上バトルを2ターンタイプとして行う場合」と同様である。そして、図60に示すように、「第2の大当りラウンド(2R)」の終了条件が成立すると、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を閉状態に戻すとともに、所定のインターバル時間(つまり、前述の待機時間の約2秒)の間に、遊技者の敵キャラクタが勝利する表示を行う(b7)。
この場合、「左側扉91L及び右側扉91Rの位置を開状態位置に変更しつつLEDランプ4Kを発光させる演出」および「ボーナス遊技が開始される旨の表示」を行うことがない。そして、「第3の大当りラウンド(3R)」以降の各ラウンドにおいて、「第1大当り動作A」が実行される。この場合も、この第1大当り動作Aの実行中に遊技球が第1大入賞口31aに入球すると、それに連動して「前方開閉扉の開閉演出」が行われる。更に、「第1大当り遊技の変則タイプ・2」が終了すると、演出表示装置27でエンディング表示を行い(a11)、遊技機1の確率モードが通常確率モードとなる。なお、第1型大当り遊技を実行する場合においても、「第1大当り遊技の変則タイプ・2」と同様な演出が行われる。
勝ちパターンの陸上バトルを「1ターンタイプ」として行う場合、つまり、発生した大当りが「16R確変大当り」D若しくは「16R確変大当りE」であった場合においては、図61に示すように、「第1の大当りラウンド(1R)」の終了後のインターバル表示を利用して、「陸上バトル演出によって遊技者の味方キャラクタが勝利した」旨の表示を行った後(c5)、演出表示装置27の表示画面27aに「ボーナス遊技が開始される旨」を表示する(図示を省略)。
そして、図62に示すように、「第2の大当りラウンド(2R)」の終了後のインターバル時間において、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して左側扉91L及び右側扉91Rの位置を閉状態位置から開状態位置に変更するとともに、LEDランプ4Kの発光を開始する。これにより、遊技者に対して演出表示装置27上の「ボーナス遊技が開始される旨の表示」を視認させるとともに、レンズ95V、95Wの表面に強調表示される図柄を視認させて、これから第2大当り動作Aが開始されることを報知する。その後の処理は、陸上バトル演出が「勝ちパターンの陸上バトルを2ターンタイプとして行う場合」と同様である。
d.海中バトルの場合
図64〜図66に示すように、演出表示装置27の表示画面27aに「バトル図柄」が表示され、「16R確変大当りB」若しくは「16R確変大当りC」が発生すると(d1)、大当り開始表示(ファンファーレ表示)を行った後(d2)、「第2大当り遊技(「第2大当り遊技の変則タイプ・1M」若しくは「第2大当り遊技の変則タイプ・1L」)が開始され、第2大入賞口35aが第2大当り動作Bに従って開放状態とされる。このとき、演出表示装置27では、「第1の大当りラウンド(1R)に係る演出表示」が行われ、味方キャラクタと敵キャラクタとが登場する(d3)。但し、味方キャラクタと敵キャラクタは横並びに表示されるだけ、バトルを開始することはない。
そして、「第1の大当りラウンド(1R)」の終了条件が成立すると、所定のインターバル時間(つまり、前述の待機時間の約2秒)の経過を待って、「第2の大当りラウンド(2R)」が開始され、「第2の大当りラウンド(2R)に係る演出表示」が開始されると、第2大入賞口35aが第2大当り動作Bに従って開放状態とされる。以後、同様に、「大当りラウンド」のラウンド数が「5」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド表示」と「第2大当り動作B」とが、インターバルを挟みつつ繰り返される(d5)。そして、インターバル時間を経て「第6の大当りラウンド(1R)」が開始されたところで、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを開始する(d7)。この後、「第6の大当りラウンド(6R)」の終了条件が成立すると、所定のインターバル時間(つまり、前述の待機時間の約2秒)の間に、海中バトル演出の決着(勝ち、負け)の表示を行う(d8、e8)。
この海中バトル演出によって遊技者の味方キャラクタが勝利した場合(発生した大当りが「16R確変大当りB」であった場合)には、演出表示装置27の表示画面27aで「味方キャラクタの勝利を示す表示」を行う(d8)。そして、「大当りラウンド」のラウンド数が「10」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド演出表示」と「第2大当り動作B」とが、インターバルを挟みつつ繰り返される。その後、「大当りラウンド」のラウンド数が「16」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド演出表示」と「第1大当り動作B」とが、インターバルを挟みつつ繰り返される(d8〜d11)。この後、「第2大当り遊技(「第2大当り遊技の変則タイプM1)」を終了し、演出表示装置27でエンディング表示を行い(d12)、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
一方、この海中バトル演出によって遊技者の敵キャラクタが勝利した場合(発生した大当りが「16R確変大当りC」であった場合)には、演出表示装置27の表示画面27aで「敵キャラクタの勝利を示す表示」を行う(e8)。そして、「大当りラウンド」のラウンド数が「16」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド演出表示」と「第1大当り動作B」とが、インターバルを挟みつつ繰り返される(e8〜e11)。この後、「第2大当り遊技(「第2大当り遊技の変則タイプL1)」を終了し、演出表示装置27でエンディング表示を行い(e12)、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
e.空中バトルの場合
図67〜図70に示すように、演出表示装置27の表示画面27aに「バトル図柄」が表示され、「4R確変大当りA」若しくは「4R通常大当りB」が発生すると(g1)、大当り開始表示(ファンファーレ表示)を行った後(g2)、第3大当り遊技(「第3大当り遊技の基本タイプ・1」若しくは「第3大当り遊技の基本タイプ・2」)が開始され、第2大入賞口35aが第2大当り動作Bに従って開放状態とされる(g3)。このとき、演出表示装置27では、「第1の大当りラウンド(1R)に係る演出表示」が行われる。
そして、「第1の大当りラウンド(1R)」の終了条件が成立すると、所定のインターバル時間(つまり、前述の待機時間の約2秒)の経過を待って、「第2の大当りラウンド(2R)」が開始され(g4)、「第2の大当りラウンド(2R)に係る演出表示」が開始されると、第2大入賞口35aが第2大当り動作Bに従って開放状態とされる。以後、同様に、「大当りラウンド」のラウンド数が「4」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド表示」と「第2大当り動作B」とが、インターバルを挟みつつ繰り返される。
ところで、第3大当り遊技(「第3大当り遊技の基本タイプ・1」若しくは「第3大当り遊技の基本タイプ・2」)の実行中においては、表示画面27a上に味方キャラクタと敵キャラクタとが所定のタイミングで(例えば、第4の大当りラウンド(4R)が終了するまでの所定時期に)登場して、味方キャラクタが敵キャラクタに追い回される演出(以下、「チェイスバトル演出」という。)が開始される(図69;z01)。そして、「チェイスバトル演出」が開始されると、「演出ボタンSWを連打するタイミング」である旨の表示(以下、「連打テロップ表示」という。)が表示画面27a上で行われる(図67;h1、図69;z02)。なお、表示画面27aに「連打テロップ表示」がなされると、この表示画面27aには「レベルメータ27M」が表示される(図69を参照)。
遊技者が「連打テロップ表示」に対応して演出ボタンSWを連打すると(h2)、サブ制御基板220のCPU220aは、「レベルメータ27Mの目盛りを徐々に上昇させる表示」を行う(図69;z03a、z04a、z03b、z04b)。そして、サブ制御基板220のCPU220aが「第3大当り遊技の基本タイプ・1」を実行していると判断すると(図67;h3)、味方キャラクタが「チェイスバトル」に勝利した旨の表示(味方キャラクタが敵キャラクタから逃げ切れた旨の表示)を行う(図67;h4、図69;z05a)。この後、「第3大当り遊技の基本タイプ・1」を終了し、演出表示装置27でエンディング表示を行い(図68;h9、図70;z08a)、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
サブ制御基板220のCPU220aが、(i)演出ボタンSWが連打されたと判断し(図67;h2)、かつ「第3大当り遊技の基本タイプ・2」を実行していると判断した場合(図67;m3)と、(ii)演出ボタンSWが連打されなかったと判断した場合(図67;k2)には、敵キャラクタが「チェイスバトル」に勝利した旨の表示(味方キャラクタが敵キャラクタに捕まった旨の表示)を行う(図67;m4、図69;z05b)。
この「敵キャラクタがチェイスバトルに勝利した旨の表示(m4、z05b)」の後であって第3大当り遊技が終了するまでの所定の時期に、「演出ボタンSWを単打するタイミング」である旨の表示(以下、「単打テロップ表示」という。)が表示画面27a上で行われる(図68;m5、図70;z06b)。そして、遊技者が「単打テロップ表示」に対応して演出ボタンSWを単打した場合(図68;m6)において、サブ制御基板220のCPU220aが「第3大当り遊技の基本タイプ・1」を実行していると判断すると(図68;m7)、味方キャラクタが「チェイスバトル」に勝利した旨の表示を行う(図68;m8、図70;z07b)。この後、「第3大当り遊技の基本タイプ・1」を終了し、演出表示装置27でエンディング表示を行い(図68;m9、図70;z08a)、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
遊技者が「単打テロップ表示」に対応して演出ボタンSWを単打した場合(図68;m6)において、サブ制御基板220のCPU220aが「第3大当り遊技の基本タイプ・2」を実行していると判断すると(図68;m10)、敵キャラクタが「チェイスバトル」に勝利した旨の表示を行う(図68;m11、図70;z07c)。この後、「第3大当り遊技の基本タイプ・2」を終了し、演出表示装置27でエンディング表示を行い(図68;m12、図70;z08b)、遊技機1の確率モードが低確率モードとなる。
遊技者が「単打テロップ表示」に対応して演出ボタンSWを単打しなかった場合(図68;n6)において、サブ制御基板220のCPU220aが「第3大当り遊技の基本タイプ・2」を実行していると判断すると(図68;n7)、敵キャラクタが「チェイスバトル」に勝利した旨の表示を行う(図68;n8、図70;z07d)。この後、「第3大当り遊技の基本タイプ・2」を終了し、演出表示装置27でエンディング表示を行い(図68;n9、図70;z08b)、遊技機1の確率モードが低確率モードとなる。
遊技者が「単打テロップ表示」に対応して演出ボタンSWを単打しなかった場合(図68;n6)において、サブ制御基板220のCPU220aが「第3大当り遊技の基本タイプ・1」を実行していると判断すると(図68;n10)、敵キャラクタが「チェイスバトル」に勝利した旨の表示を行う(図68;n11、図70;z07e)。この後、「第3大当り遊技の基本タイプ・1」を終了し、演出表示装置27でエンディング表示を行うが、このエンディング表示の際に「実は、味方キャラクタがチェイスバトルに勝利していた旨の表示(逆転演出)」を行う(図68;n12、図70;z08c)。そして、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
なお、第3型大当り遊技を実行する場合においても、「第3大当り遊技の変則タイプ・2」と同様の演出が行われる。
図71及び図72に示すように、陸上バトル(第1バトル演出)では、味方キャラクタが勝利する場合には、予定賞球払出量が第1払出量(2037個)となる「第1大当り遊技の変則タイプ・1」が行われるとともに、この大当り遊技の終了後に確変状態が設定され、一方、敵キャラクタが勝利する場合には、予定賞球払出量が第2払出量(249個)となる「第1大当り遊技の変則タイプ・2」が行われるとともに、この大当り遊技の終了後に確変状態が非設定とされる。つまり、陸上バトル(第1バトル演出)では、勝敗に応じて目先の利益(賞球量)が極端に異なるとともに、将来の利益(確変)の獲得(継続)の可否を決することになる。このため、陸上バトル(第1バトル演出)が開始されると、遊技者は確変設定への高い信頼を抱きつつ、「期待感」と「わくわく感」とが同居した遊技を体感することができる。
海中バトル(第2バトル演出)では、確変獲得(確変継続)が保証された状況の下、味方キャラクタが勝利する場合には、予定賞球払出量が第4払出量(1286個)となる「第2大当り遊技の変則タイプ・1M」が行われ、敵キャラクタが勝利する場合には、予定賞球払出量が第3払出量(741個)となる「第2大当り遊技の変則タイプ・1L」が行われる。つまり、海中バトル(第2バトル演出)では、確変獲得(確変継続)が保証された状態にて、賞球量の多少を決する第2バトル演出(遊技者が安心して、ゆったりと見ていられるバトル演出)を行う。このため、海中バトル(第2バトル演出)が開始されると、遊技者は「安心感」を抱きつつ、ゆったりと遊技を行うことになる。
空中バトル(第3バトル演出)では、目先の利益(賞球量)を一定(第5払出量;499個)としつつ、確変獲得(確変継続)の可否を決する演出を行う。つまり、空中バトル(第3バトル演出)は、それ程の賞球を期待できない状況の下で遊技者が肝を冷やす演出である。このため、空中バトル(第3バトル演出)が開始されると、遊技者は確変設定への低い信頼を抱きつつ、「リスキー」で「スリリング」な遊技を行うことになる。そして、遊技者に「この演出が早く無事に(確変獲得の状態で)終わって欲しい」と感じさせ、無事に終わると「安堵感(危なかったという気持ち)」を強く感じさせることになる。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「変動演出表示(図柄変動演出表示)」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図73(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図73(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドであり、始動入賞時に使用している変動パターンテーブルに応じて、通常変動用の変動パターン(後述する。)及び短縮変動用の変動パターン(後述する。)のうちの何れかが特定される。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させるとともに、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図74は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)、大当り動作開始コマンド出力処理(S800)、入球コマンド出力処理(S850)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図74のS80〜S850の処理を実行するように構成されている。つまり、図74のS80〜S850の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図74のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入賞検出スイッチ17s、17t若しくは一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入賞検出スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)が開始されると、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図74の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図74の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)であるのか、或いは、作動させる図柄でないのか(普通図柄の外れ図柄)を判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図74の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.2秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図74の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図75は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図75の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2の始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2の始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2の始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは5秒、通常開放モードでは0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2の始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2の始動入賞装置17b)の開放中に、第2の始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。また、本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17dを構成する第2の始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2の始動入賞部17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理(S300)
次に、図76〜図80を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図76に示すように、先ず、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したか否かが判断される(S302a、S302b)。そして、S302aの処理及びS302bの処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合(S302a;NO、S302b;NO)、そのまま図77に示すS308以降の処理に移行する。
一方、第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞したと判断されると(S302a;YES)、「第1の始動入賞装置17に対応する特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304a)。このS304aの処理において、所定個数未満と判断されると(S304a;YES)、第1の始動入賞装置17aへの入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「第1の始動入賞装置17aに対応する特別図柄の保留数」が「+1」される(S306a)。
ここで、本実施例の遊技機1は、始動入賞装置として、第1の始動入賞装置17aと、第2の始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1の始動入賞装置17aに対応する特別図柄(第1の特別図柄。以下、「特図1」ともいう。)と、第2の始動入賞装置17bに対応する特別図柄(第2の特別図柄。以下、「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1の始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく判定用乱数と、第2の始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく判定用乱数とが記憶された状況の下では、後者が優先的に処理される(後述する。)。
また、CPU201によって行われる処理のうちで、「第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)」と、「第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞することに起因して実行する各処理(以下、特図2に関する処理という。)」のうちで、同様な処理に関して、図76〜図80においては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては、「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図1大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1大当り抽選乱数」という。)、(b)第1の特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図1図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図1小当り抽選」という。)を行う場合、S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図1小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
また、第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したと判断されると(S302b;YES)、「第2の始動入賞装置17dに対応する特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304b)。このS304bの処理において、所定個数未満と判断されると(S304b;YES)、第2の始動入賞装置17bに関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「第2の始動入賞装置17bに対応する特別図柄の保留数」が「+1」される(S306b)。この後、S308以降の処理に移行する。
S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図2大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2大当り抽選乱数」という。)、(b)第2の特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図2図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図2小当り抽選」という。)を行う場合、S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図2小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
S308の処理では、図77に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図78のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段(制御プログラムであって、ROM203に格納されている。)」が作動中であることを示すものである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図74の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1の特別図柄及び第2の特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1の特別図柄に関する保留数」と、「第2の特別図柄に関する保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことであるが、本実施例のCPU201は、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306bで取得したもので、特図2大当り抽選乱数)を読み出し(S316b)、第2の特別図柄に関する当否判定処理(特図2当否判定処理)を行う(S320b)。
この特図2当否判定処理(S320b)においては、図79に示すように、大当り抽選に関する処理(第2の大当り抽選に関する処理)を行う。つまり、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、「特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2の始動入賞装置17b(普通電動役物)の開放延長機能を作動させる場合」と、「変動短縮機能及び開放延長機能を作動させない場合」がある(後述する。)。
S324またはS326の処理で行われる当否判定の結果が大当りである場合(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320b)を終了し、「第2の特別図柄に関する変動開始処理(以下、特図2図柄変動開始処理という。)」に移行する(図80のS500b)。また、当否判定の結果が外れである場合(S330;NO)、「外れフラグ(大当りを生じなかったことを示すフラグ)をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される「第1の特別図柄に関する当否判定処理(S320a)」も、最も古い判定用乱数(S306aで取得したもので、特図1大当り抽選乱数)を読み出して(S316a)、図79に従って同様に行われる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図80に示すように、先ず、当否判定処理(S320b)の結果を下に、変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、S306bの処理(図76を参照)において取得した図柄決定乱数を読み出して、第2の特別図柄表示部62b(後述する特図1図柄変動開始処理(S500a)においては、第1の特別図柄表示部62a)に停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後、「決定された大当り図柄の態様と、遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。
一方、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306bの処理(図76を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード(高確率短縮変動モード)」及び「通常確率開放延長モード(通常確率短縮変動モード)」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。また、S510若しくはS540で選択される変動パターンテーブルには、多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、当否判定の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動モードの設定時に特定される変動時間」は、「短縮変動モードの非設定時に特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮される。つまり、特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。なお、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
このS510若しくはS540の処理の後、CPU201は第2の特別図柄表示部62bにて特別図柄(特図2)の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって第2の特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、第2の特別図柄に係る「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図74の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図73に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が何れであるか(図48に示す大当りの種類、後述する特図1図柄変動開始処理(S500a)においては図49に示す大当りの種類)を知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図77に戻り、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306aで取得したもので、特図1大当り抽選乱数)を読み出し(S316a)、当否判定処理を行い(S320a)、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図74の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる当否判定処理(特図1当否判定処理)も、S320bと同様に図79に示す当否判定処理に従って行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理も、S500bと同様に図80に示す図柄変動開始処理に従って行われる。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図77参照)で、第1の特別図柄又は第2の特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図74に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1の特別図柄又は第2の特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図74に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図78のS352)。
S352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(図48及び図49に示す大当りのうちの何れであるのかなど)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ONに設定」されているか、「OFFに設定」されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態(遊技モード)を示すデータがセットされる。また、「確変フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が高確率モード(確率変動手段が作動するモード)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が変動短縮モード(図柄変動表示の実行時間が短くなる可能性が高くなるモード)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(本実施例の第2の始動入賞装置17bのような「可変式の始動入賞装置」の開放時間を長くするモード)にあることを示すフラグである。
S354の処理に続いて、発生した大当りの態様に応じて、大入賞口(第1大入賞口31a若しくは第2大入賞口35a)の開放パターンをセットする処理を行う(S370)。すなわち、発生した大当りの種類に応じて、「予定出球数が多くなる開放パターン」若しくは「予定出球数が少なくなる開放パターン」をセットした後(S370)、S378以降の処理に移行する。そして、S378の処理大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)。
ここで、S370においてセットされる「予定出球数(予定賞球払出量)が多くなる開放パターン」は、図48及び図49に示すように、(a)「16R確変大当りA」若しくは「16R確変大当りL」の発生を契機とする「第4大当り遊技の変則タイプ・1」を実行するための開閉パターン、(b)「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」若しくは「16R確変大当りF」の発生を契機とする「第1大当り遊技の変則タイプ・1」を実行するための開閉パターン、(c)「16R確変大当りB」の発生を契機とする「第2大当り遊技の変則タイプ・1M」を実行するための開閉パターン、のうちの何れかである。なお、「第4大当り遊技の変則タイプ・1」は、図51に示すように「1R〜8R」まで第1大当り動作Aを実行し、「9R〜16R」まで第2大当り動作Aを実行することを内容する大当り遊技である。また、「第1大当り遊技の変則タイプ・1」は、図50(a)に示すように「1R〜2R」まで第1大当り動作Aを実行し、「3R〜16R」まで第2大当り動作Aを実行することを内容する大当り遊技である。更に、「第2大当り遊技の変則タイプ・1M」は、図52(a)に示すように「1R〜10R」まで第2大当り動作Bを実行し、「11R〜16R」まで第1大当り動作Bを実行することを内容する大当り遊技である。
また、S370においてセットされる「予定出球数(予定賞球払出量)が少なくなる開放パターン」は、図48及び図49に示すように、(d)「16R通常大当りA」の発生を契機とする「第1大当り遊技の変則タイプ・2」を実行するための開閉パターン、(e)「16R確変大当りH」の発生を契機とする「第1型大当り遊技の変則タイプ・3」を実行するための開閉パターン、(f)「16R確変大当りC」の発生を契機とする「第2大当り遊技の変則タイプ・1L」を実行するための開閉パターン、(g)「4R確変大当りA」の発生を契機とする「第3大当り遊技の基本タイプ・1」を実行するための開閉パターン、(h)「4R通常大当りB」の発生を契機とする「第3大当り遊技の基本タイプ・2」を実行するための開閉パターン、(i)「4R確変大当りE」の発生を契機とする「第3型大当り遊技の基本タイプ・3」を実行するための開閉パターン、(j)「4R通常大当りA」の発生を契機とする「第5大当り遊技の基本タイプ・2」を実行するための開閉パターン、(k)「4R確変大当りC」の発生を契機とする「第5型大当り遊技の基本タイプ・3」を実行するための開閉パターン、のうちの何れかである。なお、「第1大当り遊技の変則タイプ・2」及び「第1型大当り遊技の変則タイプ・3」は、図50(b)に示すように「1R〜16R」まで第1大当り動作Aを実行することを内容する大当り遊技である。また、「第2大当り遊技の変則タイプ・1L」は、図52(b)に示すように「1R〜6R」まで第2大当り動作Bを実行し、「7R〜16R」まで第1大当り動作Bを実行することを内容する大当り遊技である。更に、「第3大当り遊技の基本タイプ・1」、「第3大当り遊技の基本タイプ・2」、「第3型大当り遊技の基本タイプ・3」、「第5大当り遊技の基本タイプ・2」及び「第5型大当り遊技の基本タイプ・3」は、図53に示すように、「1R〜4R」まで第2大当り動作Bを実行することを内容する大当り遊技である。
S378の処理に続いて、S380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)が、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、S384の処理に移行する。そして、S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図74の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図74の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図74の遊技制御処理に復帰すると、後述する大当り遊技処理(図63)が開始され、大当り遊技が実行される。なお、S380の処理の肯定判断とS382の処理を経て、S384の処理で否定的な判断がなされる場合、遊技機1の当該大当りの発生前における遊技状態(遊技モード)は「高確率通常変動モード」、つまり「潜伏確変モード」である。
次に、図78のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合(S398;YES)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図74の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図74の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は「変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数」の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、次回の特別図柄の変動において短縮変動は行われない。
これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わるか、或いは、高確率短縮変動モードから高確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図74の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理では、低確率通常変動モード或いは高確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。但し、「低確率短縮変動モード」、「高確率短縮変動モード」の何れかの遊技モードにおいて「確変大当り」を生ずると、変動短縮カウンタの初期値が「10,000」にセットされるので、この場合には、S404の肯定判断を生ずることはあり得ないため、そのような状況下から「高確率通常変動モード」を生ずることはない。
E.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図74の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図81に示す大当り遊技処理(S600)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。この処理により、本遊技機1では、「第1大当り遊技の変則タイプ・1」、「第1大当り遊技の変則タイプ・2」、「第1型大当り遊技の変則タイプ・3」、「第2大当り遊技の変則タイプ・1M」、「第2大当り遊技の変則タイプ・1L」、「第3大当り遊技の基本タイプ・1」、「第3大当り遊技の基本タイプ・2」、「第3型大当り遊技の基本タイプ・3」、「第4大当り遊技の変則タイプ・1」、「第5大当り遊技の基本タイプ・2」及び「第5型大当り遊技の基本タイプ・3」の何れかが実現される。
図81は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。各大当りラウンドが開始されると、前述のように、各大当りラウンドにおいて予定されている大当り動作を完了するか、遊技球の入球数が規定数(本実施例では8個)になると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この後、所定の待機時間(例えば、2秒)を経て、「大当り遊技の終了条件」が成立していなければ、次の「大当りラウンド」が開始される。そして、この「大当りラウンド」を所定回数(本実施例では15回)繰り返すと、大当り遊技を終了する。以下、図81〜図82を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技を開始すると(S602;YES)、先ず、「大当りラウンド」を実行中か否かを判断する(S604)。ここで、大当り遊技の対象となる大入賞口(第1大入賞口31a若しくは第2大入賞口35a)は、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態(図柄変動遊技状態)」では閉鎖状態を維持しており、大当り遊技の開始直後は、未だ「大当りラウンド」を実行していない。このため、大当り遊技の開始直後は、「大当りラウンド」を実行中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当りラウンドの実行回数」が対応する大当り遊技の設定回数(本実施例では15回若しくは4回)に達したか否かを判断する(S612)。
但し、大当り遊技が開始された直後は、大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。このため、S614の処理に移行して、待機時間(インターバル時間であって、例えば、2秒)が経過したか否かを判断する(S614)。つまり、大当りラウンドの待機時間(インターバル時間)が経過したか否かを判断する(S614)。そして、大当り遊技が開始された直後は、大当りラウンドを実行していない状態となっているから、必然的に、待機時間が経過していると判断され(S614;YES)、大当りラウンドを開始させた後(S616)、図81に示した大当り遊技処理を一旦終了して、図74の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図74に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図74に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図81に示す大当り遊技処理(S600)も、約4msec毎に繰り返して実行される。そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると、「当該大当りラウンドにおける大当り動作」を完了したか否かが判断される(S606)。例えば、当該大当りラウンドにおいて予定されている大当り動作が「第1大当り動作A」であれば、第1大入賞口31aの合計の開放時間が10秒になったか否か(0.2秒の開放を2回行った後、9.6秒の開放を完了したか否か)が判断される。また、当該大当りラウンドにおいて予定されている大当り動作が「第2大当り動作A」であれば、第1大入賞口31aの開放時間が26秒になったか否かが判断される。更に、当該大当りラウンドにおいて予定されている大当り動作が「第1大当り動作B」であれば、第2大入賞口35aの合計の開放時間が0.4秒になったか否か(0.2秒の開放を2回行ったか否か)が判断される。また、当該大当りラウンドにおいて予定されている大当り動作が「第2大当り動作B」であれば、第2大入賞口35aの開放時間が20秒になったか否かが判断される。
S606の処理で肯定的な判断がされると、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図81に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図74の遊技制御処理に復帰する。一方、S606の処理で否定的な判断がなされる場合は(606;NO)、大当り遊技の対象となっている大入賞口(第1大入賞口31a若しくは第2大入賞口35a)に入賞した遊技球が規定数(8個)に達しているか否かを判断する(S608)。そして、遊技球の入賞数が規定数に達した場合も(S608;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図81に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図74の遊技制御処理に復帰する。つまり、遊技球の入賞数が規定数に達すると、「大当りラウンドにおいて予定されている大当り動作の完了を待たずに、「大当り遊技の対象となっている大入賞口(第1大入賞口31a若しくは第2大入賞口35a)」を閉鎖する。
一方、「当該大当りラウンドにおいて予定されている大当り動作」が完了せず(S606;NO)、しかも、入賞数が規定数に達していない場合は(S608;NO)、大当りラウンドを継続させたまま、図81の大当り遊技処理を抜けて、図74の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(S602;YES)、図74の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、S606の処理で肯定的な判断がなされるか、若しくは、S608の処理で肯定的な判断がなされる。こうして、1回の大当りラウンドを終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において「大当りラウンド」を実行中でないと判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、何れの大当り遊技においても、その大当り遊技中に実行した「大当りラウンド数」が「最終ラウンドとして設定されているラウンド数(「16」若しくは「4」)に達したか否かが判断される。そして、実行した「大当りラウンド」の回数(ラウンド数)が設定されているラウンド数に到達していなければ(S612;NO)、インターバル時間(例えば、2秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、新たな大当りラウンドを実行する(S616)。
一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合は(S612;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S800)」を行った後、大当り遊技処理(S600)を終了し、図74の遊技制御処理に復帰する。この大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、図82に示すように、大当り遊技フラグ(図78のS378を参照)を解除(OFFに設定)した後(S805)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図78のS354を参照)」を参照することによって、「今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)」の種類に関する情報を取得し(S810)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モードを設定する処理等を行う。
つまり、「今回の大当り図柄(図77のS344の処理で停止した図柄)」が「通常大当り図柄」であった場合(S820;NO)には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S840)と、変動短縮フラグをセットする処理(S850)と、開放延長フラグをセットする処理(S855)とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。なお、「通常大当り図柄」は、「4R通常大当りA」、「16R通常大当りA」及び「4R通常大当りB」のうちの何れかを示す大当り図柄である。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄」である場合は(S820;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S822)を行った後、S825の処理に移行する。ここで、「確変大当り図柄」は、「16R確変大当りA」、「4R確変大当りB」、「4確変大当りC」、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」、「16R確変大当りH」、「16R確変大当りB」、「16R確変大当りC」、「16R確変大当りL」、「4R確変大当りA」及び「4R確変大当りE」のうちの何れかに対応する大当り図柄である。また、これらのうちで、「4R確変大当りCに対応する大当り図柄」と、「16R確変大当りHに対応する大当り図柄」と、「4R確変大当りEに対応する大当り図柄」が、「潜伏確変大当りに対応する大当り図柄(つまり、潜伏確変図柄)」である。
S825の処理では、今回の大当り図柄が「潜伏確変図柄」であるか否かを判断する(S825)。そして、「潜伏確変図柄」でないと判断される場合(S825;NO)には、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理(S835)と、変動短縮フラグをセットする処理(S850)と、開放延長フラグをセットする処理(S855)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。
一方、S825の処理で「潜伏確変図柄」であると判断される場合(S825;YES)には、大当り発生時に開放延長フラグがセット(ONに設定)されていたか否かを判断し(S830)、セット(ONに設定)されていた場合(S830;YES)には、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理(S835)と、変動短縮フラグをセットする処理(S850)と、開放延長フラグをセットする処理(S855)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。つまり、開放延長手段が作動している状態で「潜伏確変大当り」を生じた場合には、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードを「高確率通常変動モード」とするのではなく、「高確率短縮変動モード」とする。
また、S825の処理で「潜伏確変図柄」であると判断され(S825;YES)、かつ、大当り発生時に開放延長フラグが解除(OFFに設定)されていた場合(S830;NO)には、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率通常変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S860)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。
F.大当り動作開始コマンド出力処理(S800)
次に、図83を用いて大当り動作開始コマンド出力処理(S800)の概要を説明する。つまり、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図74の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、開閉本体部31p(作動片)を作動して、第1大入賞口31aを開放させる動作(つまり、第1大入賞口31aを開放させる大当り動作)が開始されたと判断すると(S802;YES)、S810以降の処理を行う。ここで、第1大入賞口31aを開放させる大当り動作の実行開始は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、「第1大当り動作A」若しくは「第2大当り動作A」の開始に従って、大入賞口ソレノイド31cの駆動を開始させる時点である。
S810以降の処理では、「大当り動作態様を示す動作態様情報が付加されたコマンド」を、サブ制御基板220に向かって送信(出力)する処理が行われる(S810、S815、S820)。つまり、開始される大当り動作が「第1大当り動作A」である場合(S810;YES)には、「第1大当り動作Aに対応した大当り動作開始コマンド(開始される開放動作態様が第1大当り動作Aである旨を示す動作態様情報が付加されたコマンド)」をサブ制御基板220に向かって出力した後(S815)、大当り動作開始コマンド出力処理(S800)を終了し、図74の遊技制御処理に復帰する。
一方、開始される開放動作が「第2大当り動作A」である場合(S810;NO)には、「第2大当り動作に対応した大当り動作開始コマンド(開始される開放動作態様が第2大当り動作である旨を示す動作態様情報が付加されたコマンド)」をサブ制御基板220に向かって出力した後(S820)、大当り動作開始コマンド出力処理(S800)を終了し、図74の遊技制御処理に復帰する。
G.入球コマンド出力処理(S850)
次に、図84を用いて、「入球コマンド出力処理(S850)」の概要を説明する。つまり、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図74の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、「第1大入賞口31aに遊技球の入球があった」と判断すると(S855;YES)、S860以降の処理を行う。
S860の処理では、「第1大入賞口31aへの遊技球の入球時」に、開閉本体部31p(作動片)が第1大当り動作Aを行っていたか否かが判断され(S860)、肯定的な判断がなされる場合(S860;YES)には、「第1大当り動作A」に対応した入球コマンド(開放動作態様が第1大当り動作Aである旨を示す動作態様情報が付加されたコマンド)」をサブ制御基板220に向かって出力した後(S915)、入球コマンド出力処理(S850)を終了し、図74の遊技制御処理に復帰する。
「第1大入賞口31aへの遊技球の入球時」に、開閉本体部31p(作動片)が第2大当り動作Aを行っていたと判断される場合(S860;NO)には、第2大当り動作Aに対応した入球コマンド(開放動作態様が第2開放動作Aである旨を示す動作態様情報が付加されたコマンド)」をサブ制御基板220に向かって出力した後(S870)、入球コマンド出力処理(S850)を終了し、図74の遊技制御処理に復帰する。
H.大当り遊技関連コマンド出力処理(S900)
次に、図85を用いて大当り遊技関連コマンド出力処理(S900)の概要を説明する。大当り遊技関連コマンド出力処理(S900)は、大当り遊技の進行に伴って行われるもので、特別図柄遊技処理(S300)および大当り遊技処理(S600)のサブルーチンとして、主制御部200A(主制御基板200に搭載されたCPU201)が行う処理である。この処理では、大当り遊技の進行に伴って、後述する「大当り演出処理」(図88〜図91を参照)の実行を制御するためのコマンドがサブ制御部220Aに向けて送信される。
図85に示すように、主制御基板200に搭載されたCPU201(主制御部200A)は、大当り遊技の開始タイミングが到来したと判断すると(S910;YES)、「大当り遊技開始指定コマンド」をサブ制御基板220に向かって送信した後(S920)、大当り遊技関連コマンド出力処理(S900)を終了する。ここで、大当り遊技の開始タイミングは、主制御基板200のCPU201が「大当り遊技フラグ」をONに設定するとともに「第1大入賞口31a若しくは第2大入賞口35aの開放パターン」をセットするタイミング(図78のS370、S378を参照)で到来する。なお、「大当り遊技開始指定コマンド」は、サブ制御部220Aに「大当り遊技の開始を示す演出(所謂「ファンファーレ演出」)」の開始を指示するためのコマンドである。
主制御基板200に搭載されたCPU201が、大当りラウンドの開始タイミングが到来したと判断すると(S910;NO、S925;YES)、「開放指定コマンド(ラウンド数指定コマンド)」をサブ制御基板220に向かって送信した後(S930)、大当り遊技関連コマンド出力処理(S900)を終了する。つまり、本実施例では、大当りの種類によって、「大当りラウンドの実行回数」が「16回」若しくは「4回」となっている。このため、CPU201は、発生した大当りの種類に応じて「開放指定コマンド(ラウンド数指定コマンド)」、つまり「開始される各ラウンド数を指定するラウンド数指定コマンド」を、合計16回または合計4回出力する。なお、大当りラウンドの開始タイミングは、主制御基板200のCPU201が図81に示す大当り遊技処理の「S616の処理」を行うタイミングで到来する。
また、CPU201が、大当りラウンドの終了タイミングが到来したと判断すると(S910;NO、S925;NO、S935;YES)、「大入賞口閉鎖指定コマンド(ラウンド終了コマンド)」をサブ制御基板220に向かって送信した後(S940)、大当り遊技関連コマンド出力処理(S900)を終了する。「大入賞口閉鎖指定コマンド(ラウンド終了コマンド)」は、サブ制御部220Aに「インターバル表示」を開始させるためのコマンドである。なお、大当りラウンドの終了タイミングは、CPU201が図81に示す大当り遊技処理の「S610の処理」を行うタイミングで到来する。
CPU201が、大当り遊技終了タイミングが到来したと判断すると(S910;NO、S925;N0、S935;N0、S945;YES)、「大当り遊技終了指定コマンド」をサブ制御基板220に向かって送信した後(S950)、大当り遊技関連コマンド出力処理(S900)を終了する。ここで、大当り遊技終了タイミングは、主制御基板200のCPU201が「大当り遊技の終了条件」の成立を判断するタイミング(図81のS612;YES)で到来する。なお、サブ制御部220Aに「大当り遊技終了指定コマンド」が送信されると、サブ制御部220Aは演出表示装置27等において「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行する(図68のS1385を参照)。
(7)演出制御処理
図86を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理」の概要について説明する。なお、図86には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。この演出制御処理では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると(950;YES)、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間(S2300で肯定判断されるまでの間)、図柄変動演出処理(S1100)、大当り演出処理(S1200)、初期演出処理(S1400)、入球時演出処理(S1500)、極演出処理(S1600)、連動演出処理(S1700)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図86の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図86のフロー図に従ってサブ制御処理について説明する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)においては、図87に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
ここで、サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「大当り演出の変動パターン(演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(演出表示装置27の表示画面27aで大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1115)、S1160の処理に移行する。
更に、当否判定の結果が外れある場合(S1110;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「外れ演出の変動パターン(演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(演出表示装置27の表示画面27aで外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1118)、S1160の処理に移行する。
S1120の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)に基づいて、S1115若しくはS1118で決定した「変動パターン(演出パターン)」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示(変動遊技)を開始させる(S1120)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出表示を開始させる(S1160)。
そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1125;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1170)。
b.大当り演出処理(S1200)
大当り演出処理(S1200)は、本遊技機1が大当り遊技を行うときになされるものである。この大当り演出処理(S1200)においては、図88に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、「大当り遊技開始指定コマンド」を受信すると(S1205;YES)、S1210以降の処理が実行される。
ここで、本遊技機1においては、大当りを生ずると、主制御部200Aからサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドが送信される(図73、図85を参照)。つまり、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)するとともに「第1大入賞口31a若しくは第2大入賞口35aの開放パターン」をセットするタイミングで(図78のS370、S378を参照)、サブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドを送信する(図85のS920を参照)。
大当り遊技開始指定コマンドを受信したサブ制御部220Aは、受信した大当り遊技開始指定コマンドを解析して、今回の大当りの種類を特定し、今回の大当り開始演出(ファンファーレ演出)と大当り演出とエンディング演出の態様を特定する。なお、大当り遊技開始指定コマンドに基づき特定される大当りの種類(大当り図柄の種類)は、「16R確変大当りA」、「4R確変大当りA」、「4R通常大当りB」、「4R確変大当りE」、「16R確変大当りB」、「16R確変大当りC」、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」、「16R通常大当りA」、「16R確変大当りH」及び「16R確変大当りL」の何れかである。
今回発生した大当りが「第1大当り遊技(陸上バトル演出)」若しくは「第1型大当り遊技(陸上バトル演出)」の実行契機となる大当り(「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」、「16R確変大当りF」、「16R通常大当りA」若しくは「16R確変大当りH」)である場合(S1210;YES)には、第1大当り遊技用のファンファーレ演出を実行し(S1215)、更に第1バトル演出処理(S1250)を実行した後、大当り演出処理(S1200)を終了する。また、今回発生した大当りが「第2大当り遊技(海中バトル演出)」の実行契機となる大当り(「16R確変大当りB」若しくは「16R確変大当りC」)である場合(S1210;NO、S1220;YES)には、第2大当り遊技用のファンファーレ演出を実行し(S1225)、更に第2バトル演出処理(S1300)を実行した後、大当り演出処理(S1200)を終了する。
今回発生した大当りが「第3大当り遊技(空中バトル演出)」若しくは「第3型大当り遊技(空中バトル演出)」の実行契機となる大当り(「4R確変大当りA」、「4R通常大当りB」若しくは「4R確変大当りE」)である場合(S1210;NO、S1220;NO、S1230;YES)には、第3大当り遊技用のファンファーレ演出を実行し(S1235)、更に第3バトル演出処理(S1350)を実行した後、大当り演出処理(S1300)を終了する。また、今回発生した大当りが「第4大当り遊技」、「第5大当り遊技」若しくは「第5型大当り遊技」の実行契機となる大当り(「16R確変大当りA」、「16R確変大当りL」、「4R確変大当りB」、「4R通常大当りB」若しくは「4R確変大当りC」)である場合(S1210;NO、S1220;NO、S1230;NO)には、通常のファンファーレ演出(バトル演出を伴わないファンファーレ演出)を実行し(S1240)、更に通常演出処理(S1380)した後、大当り演出処理(S1200)を終了する。
次に、図89〜図92を用いて、通常演出処理(S1380)と、第1バトル演出処理(S1250)と、第2バトル演出処理(S1300)と、第3バトル演出処理(S1350)とについて説明する。以下の説明において、N回目の大当りラウンドを「NR」と表記する。例えば、1回目の大当りラウンドを「1R」と表記する。
図89に示すように、通常演出処理(S1380)において、サブ制御部220Aは、ラウンド数指定コマンドを受信する度に(S1382;YES)、演出表示装置27の表示画面27a等においてラウンド演出(大当り遊技の種類に応じた大入賞口の開放時の演出)を行う(S1384)。そして、ラウンド演出終了後に(サブ制御部220Aが図85に示すラウンド終了指定コマンドを受信すると)、インターバル演出を実行する(S1384)。更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド数指定コマンド」を受信する毎に「インターバル表示」を終了して「ラウンド演出」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル演出」を挟みつつ、最終ラウンドの演出を行うまで繰り返される。
このように、大当り遊技を実行するなかで、最終ラウンドを終了するタイミングで、主制御部200Aからサブ制御部220Aに向かって「大当り遊技終了指定コマンド」が送信されると(図85のS945;YES、S950)、サブ制御部220Aは、その「大当り遊技終了指定コマンド」を受信する(S1386;YES)。そして、演出表示装置27等において「大当りエンディング演出」を実行した後(S1395)、大当り演出処理(S1200)を終了する。
図90に示すように、第1バトル演出処理(S1250)において、サブ制御部220Aはラウンド数指定コマンドを受信すると(S1255;YES)、このラウンド数指定コマンドが「陸上バトルの実行契機となるコマンド」であるか、「通常のラウンド演出の実行契機となるコマンド」であるかを判断する(S1260)。そして、S1255の処理で受信したラウンド数指定コマンドが「1Rを指定するラウンド数指定コマンド」であるか「2ターンタイプの2Rを指定するラウンド数指定コマンド(1Rで陸上バトルの決着が付かなかった場合の2Rを指定するラウンド数指定コマンド)」である場合に、S1260の処理で肯定的な判断がなされる。なお、「2ターンタイプの2Rを指定するラウンド数指定コマンド」は、「16R確変大当りF」、「16R通常大当りA」若しくは「16R確変大当りH」が発生したことを契機に実行される大当り遊技においてサブ制御部220Aが受信する「2Rを指定するラウンド数指定コマンド」である。換言すると、「16R確変大当りD」、「16R確変大当りE」若しくは「16R確変大当りF」が発生したことを契機に実行される大当り遊技においてサブ制御部220Aが受信した「2Rを指定するラウンド数指定コマンド」に対しては、S1260の処理で否定的な判断がなされる。
S1260の処理で肯定的な判断がなされると、陸上バトルの結果を振り分ける処理を行う。先ず、今回実行している大当り遊技が「大量賞球を伴う確変大当りを契機として実行している大当り遊技」である場合(S1265;YES)には、実行している陸上バトル演出が「1ターンタイプ」であるか否かを判断する(S1267)。具体的には、今回の大当りが「16R確変大当りD」若しくは「16R確変大当りE」である場合には、S1267の処理で肯定的な判断がなされる。
S1267の処理で肯定的な判断がなされると(S1267;YES)、「1R」を終了した後のインターバル時間において、味方キャラクタが勝利する演出を実行する(S1270)。また、S1267の処理で否定的な判断がなされると(S1267;NO)、現在「1R」を実行中であるか否かを判断し(S1269)、現在「2R」を実行中である場合には(S1269;NO)、味方キャラクタが勝利する演出を実行する(S1270)。一方、S1269の処理で、現在「1R」を実行中であると判断すると(S1269;YES)、味方キャラクタと敵キャラクタによるバトルの結果が引き分けであることを示す演出を実行する(S1273)。なお、今回実行している大当り遊技が「大量賞球を伴う確変大当りを契機として実行している大当り遊技」でない場合(S1265;NO)には、実行している陸上バトル演出が「2ターンタイプ」であることになる。つまり、今回の大当りが「16R通常大当りA」若しくは「16R確変大当りH」である場合には、陸上バトル演出が「2ターンタイプ」として行われる。
S1265の処理で否定的な判断がなされると(S1265;NO)、現在「2R」を実行中であるか否かを判断し(S1272)、現在「1R」を実行中である場合(S1272;NO)には、味方キャラクタと敵キャラクタによるバトルの結果が引き分けであることを示す演出を実行する(S1273)。一方、S1272の処理で、現在「2R」を実行中であると判断すると(S1272;YES)には、味方キャラクタが敗北する演出を実行する(S1275)。
陸上バトルの結果が出た後(S1270、S1273若しくはS1275の処理が実行された後)に、ラウンド数指定コマンドを受信すると(S1255;YES)、S1260の処理において否定的な判断がなされる。そして、受信したラウンド数指定コマンドに対応するラウンド演出が実行される(S1280)。更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド数指定コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を終了して「ラウンド演出」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル演出」を挟みつつ、最終ラウンドの表示を行うまで繰り返される。この後、サブ制御部220Aが「大当り遊技終了指定コマンド」を受信すると(S1285;YES)、演出表示装置27等において「大当りエンディング演出」を実行し(S1290)、大当り演出処理(S1200)を終了する。
図91に示すように、第2バトル演出処理(S1300)においても、サブ制御部220Aはラウンド数指定コマンドを受信すると(S1305;YES)、このラウンド数指定コマンドが「海中バトルの実行契機となるコマンド」であるか、「通常のラウンド演出の実行契機となるコマンド」であるかを判断する(S1310)。ここで、S1310の処理では、「6R」を指定するラウンド数指定コマンドを受信した場合のみ肯定的な判断がなされる。
つまり、第2バトル演出処理(S1300)においては、「1R」を指定するラウンド数指定コマンドを受信すると(S1305;YES、1310;NO)、「1R」に対応するラウンド演出を実行した後(S1330)、「インターバル表示」を実行する。そして、後続する「ラウンド数指定コマンド」を受信する毎に「インターバル表示」を終了して「ラウンド演出」を開始し(S1330)、後続する「ラウンド終了コマンド」を受信する毎に、「ラウンド演出」を終了して「インターバル演出」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル演出」を挟みつつ、「5R」まで繰り返される。
そして、サブ制御部220Aが「6R」を指定する「ラウンド数指定コマンド」を受信すると(S1305;YES、S1310;YES)、今回実行している大当り遊技が「大量賞球を伴う確変大当りを契機として実行している大当り遊技」であるか否かを判断する(S1315)。ここで、S1315の処理では、今回発生した大当りが「16R確変大当りB」である場合には肯定的に判断され、「16R確変大当りC」である場合には否定的に判断される。
S1315の処理で肯定的な判断がされると(S1315;YES)、海中バトルを開始する(S1320)。そして、「6R」を終了した後のインターバル時間において、味方キャラクタが勝利する演出を実行する(S1320)。また、S1315の処理では否定的な判断がされる場合(S1315;NO)にも海中バトルを開始する(S1325)。そして、「6R」を終了した後のインターバル時間において、「味方キャラクタが敗北する演出」を実行する(S1325)。
この後、「7R」を指定するラウンド数指定コマンドを受信すると(S1305;YES、1310;NO)、「7R」に対応するラウンド演出を実行した後(S1330)、「インターバル演出」を実行する。そして、後続する「ラウンド数指定コマンド」を受信する毎に「インターバル表示」を終了して「ラウンド演出」を開始し(S1330)、後続する「ラウンド終了コマンド」を受信する毎に「ラウンド演出」を終了して「インターバル演出」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル演出」を挟みつつ、「16R」まで繰り返される。この後、サブ制御部220Aが「大当り遊技終了指定コマンド」を受信すると(S1335;YES)、演出表示装置27等において「大当りエンディング演出」を実行する(S1340)。そして、「大当りエンディング演出」を終了すると、大当り演出処理(S1200)を終了する。
図92に示すように、第3バトル演出処理(S1350)においては、「1R」を指定するラウンド数指定コマンドを受信すると(S1352;YES)、「1R」に対応するラウンド演出を実行した後、「インターバル演出」を実行する。そして、後続する「ラウンド数指定コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を終了して「ラウンド演出」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド」を受信する毎に「ラウンド演出」を終了して「インターバル演出」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル演出」を挟みつつ、最終ラウンド(4R)まで繰り返される。
但し、第3バトル演出処理(S1350)は、「1Rを開始してから最終ラウンド(4R)を終了するまでの間」から選択(例えば、乱数抽選等を用いて選択)される何れかの時期に、演出ボタンSWを操作するタイミングが生ずるとともに、空中バトルが実行される。つまり、発生した大当りが「4R確変大当りA」、「4R通常大当りB」若しくは「4R確変大当りE」である場合には、演出ボタンSWを操作するタイミングが大当り遊技中に生ずるとともに、空中バトルが実行される。
第3バトル演出処理(S1350)においては、演出ボタンSWを連打するタイミングが到来すると(S1354;YES)、サブ制御部220Aは演出ボタンSWを有効化する(演出ボタンSWの操作有効期間を開始する)とともに、演出表示装置27の表示画面27aにて演出ボタンSWの連打を促進するための表示を行う。そして、演出ボタンSWが有効化されている間(操作有効期間内)に演出ボタンSWが連打された場合には(S1356;YES)、今回発生した大当りが「4R確変大当りA」であるか否かを判断する(S1358)。
今回の大当りが「4R確変大当りA」である場合(S1358;YES)には、空中バトル演出を実行するとともに、この空中バトル演出で味方キャラクタが勝利する演出(味方キャラクタが敵キャラクタから逃げ切る演出)を行う(S1360)。一方、演出ボタンSWが有効化されている間に演出ボタンSWが連打されなかった場合(S1356;NO)と、今回発生した大当りが「4R確変大当りA」でない場合(S1358;NO)にも空中バトル演出を実行するが、これらの場合には、空中バトル演出で敵キャラクタが勝利する演出(味方キャラクタが敵キャラクタに捕まる演出)を行う(S1362)。
また、S1362の処理が行われた場合には、「最終ラウンド(4R)を終了するまでの間」から選択(例えば、乱数抽選等を用いて選択)される何れかの時期に、演出ボタンSWを単発的に操作するタイミングが生ずるとともに、空中バトルが実行される。なお、S1360の処理が行われた場合には、この演出ボタンSWを単発的に操作するタイミングが生ずることはない。
演出ボタンSWを単発的に操作するタイミングが到来すると(S1364;YES)、サブ制御部220Aは演出ボタンSWを有効化する(演出ボタンSWの操作有効期間を開始する)とともに、演出表示装置27の表示画面27aにて演出ボタンSWの単発操作を促進するための表示を行う。そして、演出ボタンSWが有効化されている間(操作有効期間内)に演出ボタンSWが単発的に操作されると(S1364;YES、S1366;YES)、今回発生した大当りが「4R確変大当りA」であるか否かが判断される(S1368)。
そして、今回の大当りが「4R確変大当りA」である場合(S1368;YES)には、空中バトル演出を実行するとともに、この空中バトル演出で味方キャラクタが勝利する演出(味方キャラクタが敵キャラクタから逃げ切る演出)を行う(S1370)。一方、演出ボタンSWが有効化されている間に演出ボタンSWの単発操作が行われなかった場合(S1366;NO)と、今回発生した大当りが「4R確変大当りA」でない場合(S1366;YES、S1368;NO)にも空中バトル演出を実行するが、これらの場合には、空中バトル演出で敵キャラクタが勝利する演出(味方キャラクタが敵キャラクタに捕まる演出)を行う(S1372)。
この後、サブ制御部220Aが「大当り遊技終了指定コマンド」を受信すると(S1374;YES)、演出表示装置27等において「大当りエンディング演出」を実行する(S1376)。そして、大当り演出処理(S1200)を終了する。但し、今回発生した大当りが「4R確変大当りA」である際にS1372の処理が実行された場合には、「大当りエンディング演出」の実行中に所謂「逆転演出」を行う。つまり、今回発生した大当りが「4R確変大当りA」であるにもかかわらず、「先の演出ボタンSWの操作有効期間内」に演出ボタンSWの連打が行われず(S1356;NO)、かつ「後の演出ボタンSWの操作有効期間内」に演出ボタンSWの単発操作が行われなかったため(S1366;NO)、最終的に空中バトル演出で敵キャラクタが勝利する演出が行われた場合(S1372)には、「実は味方キャラクタが勝利している旨を示す演出」が実行される。
c.初期演出処理(S1400)
初期演出処理(S1400)は、大当り開始表示(ファンファーレ表示)を開始した後であって、第1大当り遊技若しくは第1型大当り遊技を開始する前に、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を用いて行う演出を制御するための処理である。つまり、図93(a)に示すように、この初期演出処理(S1400)が起動すると、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)は、初期演出タイマが所定値(例えば、1秒の経過を示す値)に達しているか否かを判断する(S1405)。ここで、この初期演出タイマは、サブ制御部220Aが大当り遊技開始指定コマンドを受信した後に経過した時間を計測するためのタイマであり、その値が所定値に達すると(つまり、大当り開始表示を開始した後、所定時間が経過すると)、初期演出が実行される。
S1405の処理で否定的な判断がなされる場合(S1405;NO)においては、主制御部200Aからの大当り遊技開始指定コマンドを受信したか否かを判断し(S1414)、大当り遊技開始指定コマンドを受信したと判断すると(S1414;YES)、今回の大当りが「大当り遊技中に陸上バトル演出を実行する大当り」であるか否かを判断する(S1415)。このS1415の処理では、今回の大当りが「16R確変大当りF」、「16R通常大当りA」若しくは「16R確変大当りH」の何れかである場合に肯定的な判断がなされる。
S1415の処理で否定的な判断がなされると(S1415;NO)、そのまま初期演出処理(S1400)を終了して、図86に示す演出制御処理に復帰する。一方、S1415の処理で肯定的な判断がなされると(S1415;YES)、初期演出タイマをセットする処理(初期演出開始までの時間計測を開始する処理)を行った後(S1416)、一旦、初期演出処理(S1400)を終了して、図86に示す演出制御処理に復帰する。
そして、サブ制御部220Aが、図86の演出制御処理を繰り返して行ううちに、初期演出タイマが所定値に達した判断すると(S1405;YES)、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を開閉するとともに、初期演出タイマを初期化する処理を行った後(S1410)、初期演出処理(S1400)を終了する。つまり、このS1410の処理により、「第1大当り遊技(第1大当り動作A)若しくは第1型大当り遊技(第1大当り動作A)の開始前における前方開閉扉の開閉演出(つまり、初期演出)」が行われる。
d.入球時演出処理(S1500)
入球時演出処理(S1500)は、第1大当り動作Aの実行中に、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を用いて行う演出を制御するための処理である。つまり、図93(b)に示すように、この入球時演出処理(S1500)において、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)は、主制御部200Aからの入球コマンドを受信すると(S1506;YES)、S1507以降の処理を実行する。上述したように、大当り遊技中に遊技球が第1大入賞口31aに入球すると、主制御部200Aは、その「第1大入賞口31aへの遊技球の入球時」に行われていた大当り動作の種類に応じた入球コマンドをサブ制御部220Aに送信する(図83参照)。S1506の処理では、その「入球コマンド」を受信したか否かの判断を行い、入球コマンドを受信したと判断すると(S1506;YES)、S1507以降の処理を実行する。
S1507の処理では、受信した入球コマンドが、第1大当り動作Aの実行時における第1大入賞口31aへの入球に基づく入球コマンドであるか否かが判断される(S1507)。このS1507の処理で否定的な判断がなされる場合(S1507;NO)には、そのまま入球時演出処理(S1500)を終了して、図86の「演出制御処理」に復帰する。一方、S1507の処理で肯定的な判断がなされる場合(S1507;YES)には、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を開閉する処理を行った後(S1515)、入球時演出処理(S1500)を終了して、図86の「演出制御処理」に復帰する。このS1515の処理により、第1大当り動作Aの実行中における「前方開閉扉の開閉演出」が行われる。なお、この「前方開閉扉の開閉演出」は、「第1大当り遊技」や「第1型大当り遊技」の実行中だけでなく、「第4大当り遊技」の実行中においても、第1大当り動作Aを行っている第1大入賞口31aへの入球が生ずると実行される。
e.極演出処理(S1600)
極演出処理(S1600)は、「第1大当り遊技の変則パターン・1」において、第1大当り動作Aの終了後、それに続く第2大当り動作Aを開始する前に、後方開閉扉(左側扉95L及び右側扉95R)等を用いて行う演出を制御するための処理である。つまり、図94(a)に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)は、「陸上バトルの勝ちパターンに対応する大当り遊技(第1大当り遊技の変則パターン・1)」において、第2大当りラウンド(2R)の終了タイミングが到来したか否かを判断する(S1605)。
S1605の処理で肯定的な判断がなされると(S1605;YES)、極演出を行った後(S1610)、極演出処理(S1600)を終了して、図86の「演出制御処理」に復帰する。上述したように、第2大当り動作Aの開始直前に行われる「第1大当り動作A」が終了すると、主制御部200Aは、そのタイミングで「ラウンド終了コマンド」をサブ制御部220Aに送信する。S1605の処理では、このラウンド終了コマンド(第2大当りラウンドの終了を指定するコマンド)を受信したと判断すると(S1605;YES)、S1610の処理を実行する。
ここで、極演出(S1610)は、「第1大当り遊技の変則パターン・1」の実行中において、第2大当り動作Aの直前に行われる第1大当り動作Aが終了したときに、「第2大当り動作を実行する直前であること」を報知するための演出である。具体的には、第2大当り動作Aを開始する前の所定時間において、前方開閉扉(左側扉91L及び右側扉91R)を開状態とするとともに、LEDランプ4Kを点灯させ、レンズ95V、95Wの表面に図柄(「極」の文字)を強調表示させる演出である。そして、この極演出(S1610)は、第2大当り動作Aの開始に伴って(第2大当り動作A開始直前のインターバル時間の終了に伴って)終了する。
f.連動演出処理(S1700)
連動演出処理(S1700)は、第2大当り動作A(第2大当り動作Aに従って開閉本体部31p(作動片)を作動させて第1大入賞口31aを開放させる動作)に連動して実行される。つまり、図94(b)に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、大当り動作開始コマンドを受信すると(S1703;YES)、陸上バトルに対応する大当り遊技(第1大当り遊技若しくは第1型大当り遊技)を実行中か否かを判断する(S1705)。そして、S1705の処理で肯定的な判断がなされる場合にS1706以降の処理が実行される。
上述したように、大当り動作の開始に際して、主制御部200Aは、その開始する大当り動作の種類(第1大当り動作A、第2大当り動作A)に対応する「大当り動作開始コマンド」をサブ制御部220Aに送信する(図83参照)。S1703の処理では、その「大当り動作開始コマンド」を受信したか否かの判断を行い、大当り動作開始コマンドを受信したと判断すると(S1703;YES)、S1705以降の処理を実行する。
S1706の処理では、S1703の処理で受信した大当り動作開始コマンドが「第2大当り動作Aに対応した大当り動作開始コマンド」であるか否かが判断される。そして、肯定的な判断がされる場合(S1706;YES)には、前方開閉扉(左側扉91L、右側扉91R)及び後方開閉扉(左側扉95L、右側扉95R)を開状態とする処理を行った後(S1711)、連動演出処理(S1700)を終了して、図86の演出制御処理に復帰する。
つまり、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220aは、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置を閉状態位置から開状態位置に変更する。この後、第2所定時間(26秒)が経過するか、第2所定時間の経過前に1回の第2大当り動作が終了すると、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置を開状態位置から閉状態位置に戻す。
この場合、第1大入賞口31aが第2大当り動作Aに基づき開放状態となっている間(最大26秒間)、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95は開状態に維持される。これにより、第2大当り動作Aに従って第1大入賞口31aが開放状態となっている間は、球通過領域(空間部81W)が透明なセンターカバー81Vを透かして、遊技機1の前方から視認可能となる(図13を参照)。よって、遊技領域11(遊技盤面)に存在する全ての遊技球受入口に流入した遊技球が、全て共通の球通過領域(空間部81W)を通過して遊技機1外(盤裏側)に排出され、遊技者は、その排出の様子を大当り遊技中に第1大入賞口31a周辺、すなわち、開状態となった前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95の奥側で目視することができる。つまり、第1大入賞口31aに流入した遊技球のみならず、それ以外の遊技球受入口(アウト口32a、32b、33a、33b、34a、34b、一般入賞口40、41、43、44、第1の始動入賞口を構成する開口部171a、第2の始動入賞口を構成する開口部17f)に流入した遊技球が、全て共通の球通過領域(空間部81W)を通過する様子を目視することができる。
(8)実施例の効果
本遊技機1では、「目的」や「遊技者が感ずるイメージ」が異なる3種類の大当り遊技を遊技者に体感させることで、遊技興趣を効果的に高めることができる。具体的には、(1)確変獲得(継続)率を高くしつつ、確変不確定の状況下で、勝てば「賞球量が最大量の第1払出量」で確変による利益を獲得でき、負ければ「賞球量が最少量の第2払出量」で確変による利益を獲得でない第1バトル演出(陸上バトル演出)と、(2)確変確定の状況下で、勝てば「賞球量が比較的多量の第4払出量」となり、負ければ「賞球量が比較的少量の第3払出量」となる第2バトル演出(海中バトル演出)と、(3)確変獲得(継続)率を低くしつつ、確変不確定の状況下で、しかも、賞球量を第3払出量と第4払出量の間の一定量(第5払出量)としつつ、勝てば確変を獲得(確変獲得若しくは確変継続)でき、負ければ確変を獲得(確変獲得若しくは確変継続)できない第3バトル演出(空中バトル演出)と、の3種類のバトル演出を遊技者に体感させることができる。
つまり、本遊技機1では、(a)勝率を高くしつつ、勝敗に応じて目先の利益(賞球量)が極端に異なるとともに、将来の利益(確変)の獲得(継続)の可否を決する第1バトル演出(勝ち負けによる利益の差が最も大きく、遊技者に大きな期待感と、大きなインパクトを与えることができるバトル演出)と、(b)確変獲得(確変継続)が保証された状態にて、賞球量多少を決する第2バトル演出(遊技者が安心して見ていられるバトル演出)と、(c)勝率を低くし、目先の利益(賞球量)を一定としつつ、確変獲得(確変継続)の可否を決する第3バトル演出(それ程の賞球を期待できない状況の下、遊技者が肝を冷やすバトル演出)と、の何れかが大当り遊技の進行に伴って発生し得る。
そのような3種類のバトル演出を実行可能とすることで、「互いに遊技性が異なる3種類の大当り遊技」を搭載した遊技機を得ることができる。すなわち、(A)バトルの勝敗に対応して得られる利益の高低を極端に設定し、しかも利益高となる確率(勝利する確率)を高く設定することで、演出開始に伴って遊技者に「期待感」や「わくわく感」を与えることができる遊技性の大当り遊技(第1バトル演出)と、(B)確変獲得(確変継続)が保証された状態に設定することで、演出開始に伴って遊技者に「安心感」や「ゆったり感」を与えることができる遊技性の大当り遊技(第2バトル演出)と、(C)バトルの勝敗に対応して得られる賞球払出量の差を少なくし、しかも、勝利する確率を低く設定することで、演出開始に伴って遊技者に「リスキー」で「スリリング」な感じを与え、当該演出が早く無事に(確変獲得の状態で)終わって欲しいと感じさせ、無事に終わると「安堵感」を強く与えることができる遊技性の大当り遊技(第3バトル演出)と、を1台の遊技機で実現できる。このように、本実施例の遊技機1では、「目的(趣旨)」や「遊技者が感ずるイメージ」が大きく異なる3種類の大当り遊技を遊技者に体感させることができるため、遊技興趣を効果的に高めることができる。
また、遊技モードが「高確率開放延長モード(高確率短縮変動モード)」であるときには、変動時間短縮機能(時短機能)および開放延長機能が作動することから、図柄変動演出の実行時間が短くされるとともに、特別図柄の保留数が増え易くなり、その結果、図柄変動演出が短時間のうちに次々から次へと進行)し、遊技が単調となる傾向が強くなる。かかる状況の下、大当り演出を従来の画一的な態様で行うとすれば、「遊技中の遊技機において実行される演出が単調である」との印象を遊技者に対して与え易くなる。つまり、大当り演出を従来の態様で行うとすれば、「電サポ付き確変状態での図柄変動演出」、「大当り遊技状態」、「電サポ付き確変状態での図柄変動演出」、「大当り遊技状態」…の順で繰り返される期間(以下、「連チャン期間」という。)において、画一的な大当り演出が繰り返して出現することになる。そして、「連チャン期間」には「単調な図柄変動演出」と「画一的な大当り演出」が繰り返されるため、連チャン期間中の遊技興趣の向上を図ることは特に困難である。
ところが、本遊技機1では、大当り発生時において「目的」や「遊技者が感ずるイメージ」が異なる3種類の大当り遊技を遊技者に体感させることができるため、「連チャン期間」の演出が単調であるとの印象を遊技者に与え難くすることができる。つまり、「とかく単調となり易い連チャン期間の演出」の多様化を図ることで、当該連チャン期間中の遊技興趣を高めることができる。
また、本遊技機1では、通常大当りの発生を契機とする大当り遊技(「第1大当り遊技・変則タイプ・2」、「第3大当り遊技・基本タイプ・2」)の実行時と、潜伏確変大当りの発生を契機とする大当り遊技(「第1型大当り遊技・変則タイプ・3」、「第3型大当り遊技・基本タイプ・3」)の実行時において、同一内容(勝敗)のバトル演出を行うため、遊技者にとって、通常大当りを生じたか、潜伏確変大当りを生じたかが判り難くなっている。よって、本遊技機1では、この点からも、遊技興趣を高めることができる。