以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されるとともに遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図43を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。
つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図43参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、遊技球を上皿部材5に払い出すための遊技球払出装置109が、裏機構盤102に配設されている(図43を参照)。
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の遊技盤面(遊技盤10の前面部)に形成された遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図45参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図45参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図44参照)及び演出ボタン基板228(図45参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている(図1を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット(図示を省略)が配設されており、この発射装置ユニットに、下皿部材の右端に位置する発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20、下部ユニット80等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。また、遊技盤本体10Aの前面部によって遊技盤面が構成される。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。なお、外側レール12及び内側レール13は請求項2の発明に示す「周壁部材」の具体例を構成するとともに、遊技領域11は、請求項2の発明に示す「領域部」の具体例を構成する。また、遊技領域11の左上部(遊技領域11の中央部を基準に、左斜め上方に位置する部分)が、発射経路Yに開放されており、発射経路Yを通過した遊技球が、遊技領域11に進入するための入口部11Vを構成する。つまり、この入口部11Vは、請求項2の発明に示す「入口部」の具体例を構成する。
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20(所謂、センター役物)と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1の始動入賞装置17aと、第2の始動入賞装置17bと、下部ユニット80と、多数の障害釘18と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備える。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、図4に示すように、遊技領域11の中央及び上方右側部分を占めている。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって、遊技領域11の中央に位置する演出表示装置27の表示内容を遊技者側から視認可能とする為の表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
また、図4に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には、装飾部材21Aが前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左側縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右側縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。また、左側装飾部21Lの下端側には、ワープ部材21Tが一体化されている。
このワープ部材21Tは、略筒形状とされつつ軸心を右下り傾斜とする部材であり、内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wを形成している。つまり、左側装飾部21Lの左側面部(ワープ部材21T)の上端部において、このワープ通路21wの進入口(ワープ部材21Tの一方の開口部)が、左斜め上方に向かって開口し、ワープ通路21wの出口(ワープ部材21Tの他方の開口部)が、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に向かって開口している。すなわち、ワープ通路21wは、遊技領域11を流下する遊技球を上端の進入口で受け入れた後、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。
また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で、後述する「第1の始動入賞装置17a」に入賞する。尚、本実施例では、ステージ部21p上を転動しなければ、第1の始動入賞装置17aに入賞することができないが(図4を参照)、メイン役物装置20に進入せずに(ステージ部21p上を転動しなくても)第1の始動入賞装置17aに入賞可能な構成を採用することもできる。
演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものであり、後述する右下表示装置60と同様に、可変表示手段の具体例を構成する。但し、この演出表示装置27においては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示及び停止表示に連動する演出表示(変動表示及び停止表示)を実行する演出表示装置として機能する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を用いて変動遊技を行う「本図柄変動表示手段」を構成し、演出表示装置27が、疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を用いて変動遊技を行う「演出図柄変動表示手段」を構成する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図5(c)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた演出表示(変動表示)と、停止表示等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景図柄とともにキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができる。これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出図柄」の一具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動表示(図柄変動)」が実現される。
下部ユニット80は、図7(a)及び(b)に示すように、遊技盤本体10Aの下部に設けられた取付孔10Eを用いて、遊技盤本体10に取り付けられている。この下部ユニット80は、図8及び図9等を用いて示すように、収納部材81(81a及び81b)と、ベース部材82と、装飾板85と、球通路部材86A、86Bと、左下表示装置50(図4を参照)と、右下表示装置60(図4を参照)と、大入賞口ユニット31(図10を参照)と、第1の始動入賞装置17aと、前方開閉扉ユニット90と、後方開閉扉ユニット95と、を備える。
収納部材81は、図8〜図10に示すように、遊技盤本体10Aの背後に配設されるとともに、前方開閉扉ユニット90、後方開閉扉ユニット95等の演出部材や、球通路部材86A、86B等を収納している。また、この収納部材81は、図11に示すように、前方に開口する略箱形状に構成された外郭部材81aと、外郭部材81aの内側に挿入配置された駆動ユニットベース部81bと、を備える。なお、駆動ユニットベース部81bは、「前方に開口する略箱形状から、その底部を除いた形状」を備えている。
図11に示すように、外郭部材81aの上壁部と、駆動ユニットベース部81bの上壁部との間には、空間部81xが設けられている。但し、外郭部材81aの上壁部のうちで、中央部寄りの部分が、その左右に比べて上方に突出する突出部81cとされているため、突出部81cの下方において空間部81x(駆動ユニットベース部81bの上壁部との間に形成される空間部81x)の上下幅が大きくされている。そして、駆動ユニットベース部81bの上壁部において、突出部81cの直下に位置する部位が、大入賞口ユニット31(図10を参照)を設置するための設置部位81dとされている。つまり、本下部ユニット80においては、突出部81cと、設置部位81dとの間に形成される空間を用いて、大入賞口ユニット31(図10等を参照)が設置される。
図11に示すように、外郭部材81aの上壁部と、駆動ユニットベース部81bの上壁部との間に形成される空間部81xのうちで、設置部位81dの左側方に位置する部位に、左側の球通路部材86Aが設置され、設置部位81dの右側方に位置する部位に、右側の球通路部材86Bが設置されている。
図12(a)に示すように、外郭部材81aの内部奥側の略中央には、後述する球通路部材86A、86Bから排出される遊技球を転動させるための転動面81eが前方(図12(a)の紙面手前側)に向かって下り傾斜状に設けられている。また、図11に示すように、駆動ユニットベース部81bの後壁部の略中央には開口部81fが設けられるとともに、この後壁部において開口部81fの下縁部を形作る部位からは、傾斜板81gが前方(図11の紙面手前側)に突出している。更に、外郭部材81aの下壁部の前縁部側の略中央には、略矩形状の切り欠部81hが設けられている。
そして、図13及び図14に示すように、転動面81eと傾斜板81gの上面部とは、前後に連続する下り傾斜面を構成するとともに、傾斜板81gの上面部の前端部が、切り欠部81hと上下に位置合わせされるため、転動面81eに到達する遊技球は、傾斜板81gの上面部を転動した後、切り欠部81hに向かって落下する。なお、駆動ユニットベース部81bの前面であって、開口部81fの正面前方に位置する部位には、透明な素材で構成されるセンターカバー85Vが配設されている。
図11に示すように、外郭部材81aの上壁部の左端側には、後述する第2の始動入賞装置17bに入球した遊技球を進入させるための進入口81jが設けられている。この進入口81jは、所定の樋部材(遊技球を通過させる部材であり、遊技盤10の後方に配設されているが、図示を省略する。)を用いて、第2の始動入賞装置17bの下流側部分(遊技球の通過方向に沿った下流側部分)に接続されている。このため、第2の始動入賞装置17bに入球する遊技球は、当該樋部材を介して進入口81jに進入した後、左側の球通路部材86Aの内部を通過する。この後、左側の球通路部材86Aからその右側方に排出され、転動面81eと、傾斜板81gの上面部とを転動した後、切り欠部81hに向かって落下する。
図15に示すように、駆動ユニットベース部81bに設けられた設置部位81d(大入賞口ユニット31(図10を参照)を設置するための設置部位81d)において、その左端側と右端側には、大入賞口31a(後述する。)に遊技球が入球したことを検出するための大入賞口入賞検出スイッチ31s、31t(図44を参照)が配置されている。つまり、大入賞口31a(後述する。)に入球した遊技球は、何れかの大入賞口入賞検出スイッチ31s、31tに向かって到達して検出される。
両大入賞口入賞検出スイッチ31s、31tは、略円形の通過孔311s、311tを備えており、何れかの大入賞口入賞検出スイッチ31s、31tの通過孔311s、311tを遊技球が通過することで、遊技球が大入賞口31a(後述する。)に入球したことが検出される。そして、両通過孔311s、311tは、その軸心(中心軸)を鉛直方向に向けつつ、切り欠部81hの鉛直上方に配置されるため(図13及び図14を参照)、何れの通過孔311s、311tを通過した遊技球も、切り欠部81hに向かって落下する。
図12及び図15に示すように、外郭部材81aにおいて、突出部81cの前端に位置する部位には、第1の始動入賞装置17a(後述する。)に入球した遊技球を通過させる通路81kが設けられている。この通路81kは、左端で遊技球を受け入れるとともに、右方向に下り傾斜に構成されている。そして、通路81kの下端部は、下方に向かって開放されているとともに、この下端部には始動口入賞検出スイッチ17s(図44参照)が配設されている。この始動口入賞検出スイッチ17sは、略円形の通過孔171sを備えており、この通過孔171sを遊技球が通過することで、第1の始動入賞装置17aに遊技球が入球したことが検出される。そして、通過孔171sは、その軸心(中心軸)を鉛直方向に向けつつ、転動面81eの右端側の鉛直上方に配置されている(図14を参照)。
このように、本遊技機1では、(A)球通路部材86A、86Bから排出される遊技球(後述する遊技球受入口A1〜A5,A7〜A11のうちの何れかに入球した遊技球、若しくは、第2の始動入賞装置17bに入球した遊技球)と、(B)第1の始動入賞装置17aに入球した遊技球と、(C)大入賞口31aに入球した遊技球が、全て「開口部81fの前方の空間部81W(図13参照)」に到達した後、切り欠部81hに向かって落下する。つまり、本遊技機1においては、遊技盤面(遊技領域11)を流下して、機外に排出されようとする全ての遊技球が、空間部81Wの前方に到達した後、切り欠部81hに向かって落下する。
ベース部材82は、図8及び図9に示すように、収納部材81の前面部側に配置されるもので、後方側の部分を取付孔10Eに挿入し、前方側の部分を遊技盤本体10Aの前面部の前方に突出させた状態で配置される。このベース部材82は、図16に示すように、取付孔10Eを封止する状態に配置されるベース体82aと、ベース本体82aの前面部から前方に突出する受取案内部82bと、基板部82aの後面部から後方に突出する排出案内部82cと、を備える。
ベース本体82aは、図16に示すように、円弧状に構成される基体部82dと、基体部82dの左端部側から「基体部82dの曲率中心」の方向に設けられる左装着部82eと、基体部82dの右端部側から「基体部82dの曲率中心」の方向に設けられる右装着部82fと、基体部82dの両端に掛け渡される領域形成板82gとを備える。また、基体部82dは、内側レール13と略同一の曲率半径を有しており、その前面部を遊技盤本体10Aの前面部(遊技盤10の盤面、つまり、遊技領域11)と略面一な状態としつつ(図28、図29を参照)、略円弧状の下縁部を、内側レール13の下端側の部位(最下部を含む略円弧状となる部位)の内側に沿わせた状態で配置される。
左装着部82eには、左下表示装置50と装飾部材(図示を省略)が装着され、右装着部82fには、右下表示装置60装飾部材(図示を省略)が装着される。なお、左下表示装置50及び右下表示装置60の詳細については後述する。
領域形成板82gは、図17に示すように、左右に長尺な略板状体で構成されている。そして、「遊技領域11を流下した遊技球を流入させる遊技球流入領域」を遊技領域11の最下部の左右両端に亘って形成する部材である。換言すると、本遊技機1では、遊技盤10の盤面を流下する遊技球が到達する最下部(つまり、遊技領域11の最下部)が、内側レール13の最下部ではなく、内側レール13よりも上方において水平に配置される帯状の部分(領域形成板82gによって構成される部分)とされる。すなわち、内側レール13の最下部を含む略円弧状となる部位に対して、弦を構成する状態で、遊技領域11の最下部を構成している。
領域形成板82gには、横方向に向かって計11個の貫通孔が設けられ、各貫通孔が遊技球受入口A1〜A11を構成している。また、領域形成板82gの中央部からは、上方に向かって取付部82hが延出されており、この取付部82hには、後述する第1の始動入賞装置17aが取り付けられている(図28、図29を参照)。そして、遊技球受入口A1〜A11は、領域形成板82gの前後を貫通する状態に設けられており、何れも、遊技球を受入(通過)可能な大きさとなっている。また、領域形成板82gの中央部は、領域形成板82gの他の部位に比べて高くされ(取付部82hを除いても高くされ)、中央に位置する遊技球受入口A6の高さは、他の遊技球受入口A1〜A5、A7〜A11に比べて高くされている。
中央に位置する遊技球受入口A6の開口形状(正面視)は略山型とされている。つまり、この遊技球受入口A6は、略水平に構成される頂部と、その両端から略ハの字状に垂れ下る部分と、略水平な底部とを備えている。そして、この遊技球受入口A6は、大当り遊技中に開放状態(遊技球受入可能状態)に変化する大入賞口31aを構成している。
大入賞口31a以外の遊技球受入口A1〜A11の開口形状は、略円形若しくは略長円型とされている。つまり、大入賞口31aの左隣に位置する遊技球受入口A5及び右隣に位置する遊技球受入口A7は、横長の長円型の開口形状を備えている。これらの遊技球受入口A5、A7は、遊技領域11内の何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を、遊技領域11外に排出するためのアウト口32a、32bを構成する。
大入賞口31aの左隣に位置するアウト口32aの左隣に配置される遊技球受入口A4と、大入賞口31aの右隣に位置するアウト口32bの右隣に配置される遊技球受入口A8は、何れも略円形の開口形状を備え、一般入賞口41、43を構成する。この「一般入賞口」は、「大当り遊技中に開放状態となる大入賞口31a」及び「大当り遊技を実行するか否かの判定の実行契機に関与する始動入賞口」以外の入賞口、つまり、遊技機1の遊技状態に関わらず、単に、賞球払出の実行契機に関与する入賞口である。なお、本遊技機1において、始動入賞口は、第1の始動入賞装置17aによって構成される入賞口と、第2の始動入賞装置17bによって構成される入賞口となっている。
一般入賞口41の左隣に位置する遊技球受入口A3と、一般入賞口43の右隣に位置する遊技球受入口A9は、何れの略円形の開口形状を備え、アウト口33a、33bを構成する。また、アウト口33aの左隣に位置する遊技球受入口A2と、アウト口33bの右隣に位置する遊技球受入口A10は、何れも略円形の開口形状を備え、一般入賞口40、44を構成する。更に、一般入賞口40の左隣に位置する遊技球受入口A1と、一般入賞口43の右隣に位置する遊技球受入口A11は、横長の長円型の開口形状を備え、アウト口34a、34bを構成する。
次に、図16及び図18に示すように、受取案内部82bは、領域形成板82gの前面部から前方に突出する状態に配置され、排出案内部82cは、領域形成板82gの後面部から後方に突出する状態に配置されている。そして、受取案内部82bに流下した遊技球は、何れかの遊技球受入口A1〜A11(図17を参照)を通じて排出案内部82cに案内(誘導)されることで、遊技領域11外に配置される。
受取案内部82bは、遊技領域11を流下した遊技球を進入させるための入口(遊技球を進入させる開口部)を上方に開口させたポケット部82k、82mを、遊技球受入口A1〜A11(図17を参照)と同数だけ並設した構成を備える。また、排出案内部82cは、受取案内部82bに流下した遊技球を、後述する球通路部材86A、86Bに受け渡すための部材である(図18を参照)。そして、排出案内部82cは、大入賞口31aの後方を除く位置に、上方に開口する樋形状部82pを並設した構成を備える。また、ポケット部82k、82m及び樋形状部82pの底部は、何れも、後方に向かって下り傾斜を有している。以下、ポケット部82k、82m及び樋形状部82pについて更に詳細に説明する。
図18及び図19に示すように、大入賞口31aの前方には、略コの字状の断面を備えるポケット部82kが設けられている。このポケット部82kは、大入賞口31aを通過して、領域形成板82gの後方に至る状態に設けられている。つまり、ポケット部82kの前後方向中間部では、底部と、下端側の両側縁を大入賞口31aと共用する構成とされている。そして、遊技球がポケット部82kにおいて、大入賞口31aの前方に位置する部位に落下すると、遊技球はポケット部82kの底部の下り傾斜を利用し、大入賞口31aの方向に転動した後、大入賞口31aを通過して、ポケット部82kの後方に向かって転動する。
下部ユニット80において、ポケット部82kの背後の位置には、図30に示すように、遊技球が進入する空間部が設けられており、この空間部によって大入賞口31aが構成されている。そして、図30及び図31に示すように、大入賞口31aに進入した遊技球は、左右何れかの大入賞口入賞検出スイッチ31s、31t(図44を参照)によって検出された後、切り欠部81hに向かって落下し、下部ユニット80外に排出される(図13を参照)。
図17に示すように、「大入賞口31aを構成する遊技球受入口A6」以外の遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11であって、図17を参照)の前方(正面側)には、略Uの字状の断面を備えるポケット部82m(図18を参照)が各々設けられている。これらのポケット部82mの底部の後端縁は、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)の下端縁と同一高さに揃えられる。また、これらのポケット部82mの内部空間は、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)と連通している。このため、遊技球が、これらのポケット部82mのうちの何れかに落下すると、その底部の下り傾斜を利用し、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)の方向に転動した後、当該遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)を通過して、領域形成板82gの後方に到達する(図18を参照)。
これらのポケット部82mの底部のうちで、前端縁側に位置する部位からは、ポケット部82mに落下した遊技球を、後方に誘導し易くなるための突起82nが立ち上げられている(図18、図19を参照)。この突起82nは、「側面視で略直角三角形状のリブ」によって構成されるとともに、斜辺(上端面)を後方に向かう下り傾斜に配置しつつ、斜辺(上端面)の後端をポケット部82mの底部に一体化させている。また、ポケット部82mの高さは遊技球の直径(約11mm)を超えるものとされており、左右に隣合うポケット部82mが、互いの側壁を隣接配置しつつ区画されているため、何れのポケット部82mに落下した遊技球が、他のポケット部82mに移動することはない。
図18に示すように、大入賞口31aの左右に位置するアウト口32a、32b(遊技球受入口A5、A7であって、図17を参照)の前方に位置するポケット部82kの横幅と、受取案内部82bの左右両端に位置するアウト口34a、34b(遊技球受入口A1、A11であって、図17を参照)の前方に位置するポケット部82mの横幅(遊技球の直径の約2倍の幅)は、他の遊技球受入口(A2〜A7、A8〜A10であって、図17を参照)の前方に位置するポケット部82mの横幅(遊技球の直径を僅かに超える幅)よりも大きくされている。
また、図18に示すように、大入賞口31aの左右に位置するアウト口32a、32bの前方に位置するポケット部82mにおいては、大入賞口31aとの境界に、大入賞口31aの側からポケット部82mの側に下る傾斜面82rが設けられている。この傾斜面82rの高さは、遊技球の直径よりも低くされている(大入賞口31aとの境界となる傾斜面82rが低くされている。)。そして、大入賞口31aが閉鎖状態であるときに、後述のシャッター部材31e(図10、図25参照)の上面を転動した遊技球を、ポケット部82kの側方に位置するポケット部82mの方向に誘導し易くしている。
図20に示すように、「大入賞口31aを構成する遊技球受入口A6」以外の遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11)の後方(背面側)には、略Uの字状の断面を備える樋形状部82p(図18を参照)が各々配置されている。これらの樋形状部82pの底部の前端縁は、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)の下端縁と同一高さに揃えられる。また、これらの樋形状部82pの内部空間は、対応する遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11のうちの何れか)と連通している。
このため、遊技球受入口A1〜A5、A7〜A11のうちの何れかを通過し、その通過した遊技球受入口に対応する樋形状部82pの後方に到達した遊技球は、対応する球通路部材86A、86Bを通過する。そして、球通路部材A、86Bを通過した遊技球は転動面81eに排出され、転動面81e、傾斜板81gの上面部を転動した後、切り欠部81hに向かって落下して、下部ユニット80外(機外)に排出される(図12(a)、図13を参照)。なお、一般入賞口40、41、43、44を通過した遊技球が進入する球通路部材86A、86Bには、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44sが配置されており、それらスイッチによって、いずれかの一般入賞口40、41、43、44に遊技球が入賞したことが検出される。
図16に示すように、領域形成板82gの後面(背面)うちで、大入賞口31aの周縁に位置する部位からは、連結壁82oが後方に向かって突出している。この連結壁82oは、「山型から、その底部を排除した形状(屋根型の形状)」を備え、領域形成板82gの後方において、大入賞口31aの底部を除く略全域を包囲している。そして、図9に示すように、この連結壁82oの後端面には、後述する裏カバー部材31dの前端面が当接し、前後に略連続する屋根型のカバー(後述するシャッター部材31eを隠蔽するカバー)を構成する。
左装着部82eに装着された左下表示装置50は、図4に示すように、遊技領域11の周縁部寄りであって、メイン役物装置20の左斜め下方の部位に配設されている。この左下表示装置50は、図6(a)に示すように、遊技盤10の前面部に配設される取付板51と、取付板51の前面部に装着された装飾部材(図示を省略)とを備える。また、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、第1特別図柄保留表示部55、第2特別図柄保留表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、後述する普通図柄表示部63において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、第1特別図柄保留表示部55は、「第1の始動入賞装置17a(後述する。)に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。また、第2特別図柄保留表示部56は、「第2の始動入賞装置17b(後述する。)に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(つまり、保留)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部(62a若しくは62b)において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部52と、第1特別図柄保留表示部55及び第2特別図柄保留表示部56においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
また、右装着部82f(図16参照)に装着された右下表示装置60は、図4に示すように、遊技領域11の周縁部寄りであって、メイン役物装置20の右斜め下方の部位に配設されている。この右下表示装置60は、図5(a)に示すように、遊技盤10の前面部に配設される取付板61と、取付板61の前面部に装着された装飾部材(図示を省略)とを備える。そして、この取付板61には、第1の特別図柄表示部62aと、第2の特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と等が設けられている。
第1の特別図柄表示部62a、第2の特別図柄表示部62b及び普通図柄表示部63は、何れも、「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1の特別図柄表示部62aでは、第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞したことに起因して実行される当否判定(第1の大当り抽選)の結果を示す第1の特別図柄が、図柄変動(変動表示)を経て停止表示する。また、第2の特別図柄表示部62bでは、第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したことに起因して実行される当否判定(第2の大当り抽選)の結果が変動表示を経て停止表示する。但し、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bのうちの少なくとも一方において、大当り抽選の結果とともに、小当り抽選の結果を示す特別図柄が、変動表示を経て停止表示してもよい。尚、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。また、第1の特別図柄表示部62a及び第2の特別図柄表示部62bにおいて表示される遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される遊技の結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
普通図柄表示部63は、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、これらの変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の停止図柄が一定時間実行される。このとき、停止図柄が「奇数数字」である場合、当り図柄であり、停止図柄が「偶数数字」である場合、外れ図柄である。この普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。
装飾板85は、図8に示すように、横方向に長尺な板状体を用いて構成され、受取案内部82b(図16参照)の前方(正面側)に配置されている。この装飾板85は、着色された半透明な板の前面及び後面にエンボス加工を施した構成を備えるとともに、前面に模様が付されている。この装飾板85は、図23及び図24に示すように、全ての遊技球受入口A1〜A11の手前側(正面側)において、後面を受取案内部82bの前端部に当接する状態で配置されている。なお、装飾板85は、受取案内部82bの両端に設けられた取付孔82T(図9参照)にビスを螺合することで、受取案内部82bの前端面に固定されている。
この装飾板85は、図8及び図19に示すように、大入賞口31aを構成する遊技球受入口A6の上部を除く部位(遊技球受入口A6の下端から上端に向かって1/3〜2/3の部分)を覆うとともに、他の「遊技球受入口(A1〜A5、A7〜A11)」(図17参照)の全体を覆っている。このため、装飾板85が、大入賞口31aの左右両側のアウトロ32a、32bの全部を覆い且つ大入賞口31aの上部を除く部位を覆う状態となっている。そして、装飾板85は、透視度を低下させる処理が施された半透明板な板であるため、遊技者がその後方の状態を識別することが困難である。このため、装飾板85の前方(正面側)からは、大入賞口31aと、その左右両側のアウトロ32a、32bとの境界を識別することが困難となっている。
左側の球通路部材86Aは、図9に示すように、大入賞口31aの左側において、ベース部材82の後方に配設され、大入賞口31aの左側の遊技球受入口(A1〜A5であって、図17等を参照)の後方に「遊技球の通路」を構成する。具体的には、図21(a)に示すように、遊技球受入口A1に対応する通路B1と、遊技球受入口A2に対応する通路B2と、遊技球受入口A3に対応する通路B3と、遊技球受入口A4に対応する通路B4と、遊技球受入口A5に対応する通路B5とを、各々後方に向かって下り傾斜状に備える。また、図21(b)に示すように、左側の球通路部材86Aの右側面には、2つの出口部86a、86bが前後に設けられ、これらの出口部86a、86bは、前述の転動面81eに向かって開放されている(図14を参照)。なお、通路B1、B3、B5は、球通路部材86Aの後方側に設けられた通路(以下、「第1通路」というが、図示を省略)を用いて、前方の出口部86aに連絡されている。また、通路B2、B4は、球通路部材86Aの後方側において、第1通路とは別に設けられた通路(以下、「第2通路」というが、図示を省略)を用いて、後方の出口部86bに連絡されている。
また、図21(a)に示すように、左側の球通路部材86Aの左端(左端の通路B1の更に左)には、球受部86cが上方に向かって開口している。この球受部86cは、前述の進入口81j(図11参照)に進入した遊技球を受け入れ可能な状態に、進入口81jに接続されている。また、球受部86cは、その底面によって下り傾斜となる通路を構成するが、この通路の終端部(後端部)は、前述の第2通路に連絡されている。
このため、遊技球受入口A1、遊技球受入口A3若しくは遊技球受入口A5で受け入れられた遊技球は、前方の出口部86aを介して転動面81eに排出され、遊技球受入口A2若しくは遊技球受入口A4で受け入れられた遊技球や、進入口81jに進入した遊技球は、後方の出口部86bを介して転動面81eに排出される。
右側の球通路部材86Bは、図9に示すように、大入賞口31aの右側において、ベース部材82の後方に配設され、大入賞口31aの右側の遊技球受入口(A7〜A11であって、図17等を参照)の後方に遊技球の通路を構成する。具体的には、図22(a)に示すように、遊技球受入口A7に対応する通路B7と、遊技球受入口A8に対応する通路B8と、遊技球受入口A9に対応する通路B9と、遊技球受入口A10に対応する通路B10と、遊技球受入口A11に対応する通路B11とを、各々後方に向かって下り傾斜状に備える。また、図22(b)に示すように、右側の球通路部材86Bの左側面には、2つの出口部86e、86fが前後に設けられ、これらの出口部86e、86fは、前述の転動面81eに向かって開放されている(図14を参照)。なお、通路B7、B9、B11は、球通路部材86Bの後方側に設けられた通路(以下、「第3通路」というが、図示を省略)を用いて、前方の出口部86eに連絡されている。また、通路B8、B10は、球通路部材86Bの後方側において、第3通路とは別に設けられた通路(以下、「第4通路」というが、図示を省略)を用いて、後方の出口部86fに連絡されている。
遊技球受入口A7、遊技球受入口A9若しくは遊技球受入口A11で受け入れられた遊技球は、前方の出口部86eを介して転動面81eに排出され、遊技球受入口A8若しくは遊技球受入口A10で受け入れられた遊技球は、後方の出口部86fを介して転動面81eに排出される。
図8に示すように、第1の始動入賞装置17aは、領域形成板82gの中央部から上方に延出された取付部82h(図17参照)に取り付けられ、遊技領域11において、ステージ部21p(転動面)の中央部の略鉛直下方の位置に配設されている(図4を参照)。この第1の始動入賞装置17aは、非可変式(固定式)の始動入賞装置であり、上方に開口部171a(つまり、第1の始動入賞口)を開口させたポケット形状を備えている(図12(b)を参照)。
ステージ部21p(転動面)の中央部から落下する遊技球は、第1の始動入賞装置17aの開口部(第1の始動入賞口)を通じて、第1の始動入賞装置17aに入賞する確率が高くされている。また、図12(b)に示すように、取付部82hの後方には、「開口部171a(第1の始動入賞口)」と前述の「通路81k(外郭部材81aに設けられた通路81k)」とを接続する通路821hが、後方に向かって下り傾斜状に設けられている。そして、開口部171a(第1の始動入賞口)に入球した遊技球は、この通路821hを介して、通路81kに進入し、前述の始動口入賞検出スイッチ17s(図44参照)によって検出される。この後、始動口入賞検出スイッチ17sの通過孔171sの下方に落下して、転動面81eに到達する。
第2の始動入賞装置17bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、図4に示すように、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側であって、ワープ部材21Tの上方に位置する部位に配設されている。この第2の始動入賞装置17bは、図6(b)に示すように、左斜め上方に開口しつつ遊技領域11を流下する遊技球を受け入れ可能な開口部17f(つまり、第2の始動入賞口)と、この開口部17f(第2の始動入賞口)の開閉を行う普通電動役物17dとを備える。
普通電動役物17dは、遊技盤11の盤面に垂直な支軸171eによって下端側を支持された開閉部材17eと、開閉部材17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図44参照)とを備えている。そして、開閉部材17eは、下方側の支軸171eを中心に回動することで、遊技球の入賞不可能となるように開口部17f(第2の始動入賞口)を閉鎖する閉鎖状態と、遊技球の入賞可能となるように開口部17f(第2の始動入賞口)を開放する開放状態とに変化することができる。つまり、普通電動役物ソレノイド17cの駆動を開始して、開閉部材17cが反時計回り(正面視)に回転すると、第2の始動入賞装置17bは閉鎖状態から開放状態に変化する。そして、普通電動役物ソレノイド17cの駆動を停止すると、開閉部材17cが正面視で時計回り(正面視)に回転するため、第2の始動入賞装置17bは閉鎖状態に戻される。
なお、第2の始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検出する始動口入賞検出スイッチ17t(図44参照)が配設されている。また、第2の始動入賞装置17bとしては、所謂「チューリップ式の始動入賞装置」を用いることもできる。つまり、普通電動役物17dを、左右に配設された一対の可動翼片と、一対の可動翼片を作動させるための普通電動役物ソレノイドとを備えるものとしてもよい。この場合、両可動翼片はそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片が立設状態となる閉鎖状態にあるときに、両可動翼片の上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイドを駆動して、両可動翼片を、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、両可動翼片の上端部間の間隔が拡大され、開放状態とされる。また、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bに入賞した遊技球は、遊技球受入口A1〜A11(図17参照)で受け入れられた遊技球と同様に、収納部材81の中央後方寄りに形成される通過経路(図示を省略)を通過し、下部ユニット80外に排出される。
本遊技機1においては、第2の始動入賞装置17bが開放状態となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は、遊技領域11を流下する遊技球が第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて高くなっている。そして、遊技機1の遊技モードが開放延長モード(後述する。)となり、第2の始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなると、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長モードにおける第2の始動入賞装置17bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長モード(通常開放モード)における第2の始動入賞装置17bの開放時間を「0.2秒」としている。
一方、前述のように、第2の始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞する確率は第1の始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。すなわち、遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなると、遊技球が第1の始動入賞装置17aに入賞するケースはレアケースとなり、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2の始動入賞装置17bに入賞するケースはレアケースである。
ここで、「開放状態の第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞する確率」は、「第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞する確率」よりも遙かに高くされている。このため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードにあるときには、非開放延長モード(通常開放モード)にあるときに比べて、始動入賞を生ずる確率が高くなり、右下表示装置60及び演出表示装置27において、特別図柄の図柄変動を実行する頻度(つまり、図柄変動の実行頻度)が向上する。つまり、本遊技機1においては、開放延長モードとなると、図柄変動の実行頻度が通常(非開放延長モードにあるとき)に比べて向上する遊技(特定遊技)が行われる。
大入賞口ユニット31は、前述の大入賞口31aの開閉を行うためのユニット(装置)であり、大入賞口31aとともに大入賞装置を構成する。この大入賞口ユニット31は、図9に示すように、下部ユニット80に組み込まれ、第1の始動入賞装置17aの下方に配置されている。つまり、前述の設置部位81d(図11参照)に設置されて、下部ユニット80に組み込まれている。そして、図10に示すように、大入賞口ユニット31の主要な構成部品は、大入賞口31aの背後であって、左側の球通路部材86Aと、右側の球通路部材86Bとの間に挟まれた状態で配置されている。
この大入賞口ユニット31は、図23〜図25に示すように、裏カバー部材31dと、シャッター部材31eと、取付部材31fと、大入賞口ソレノイド31cを備えている。以下、大入賞口ユニット31の詳細を説明する。なお、図23及び図24では、図示の便宜のため、シャッター部材31eの一部にハチング表示を施している。
裏カバー部材31dは、図26(a)に示すように、シャッター部材31eを前後動可能に支持する前方支持部31gと、取付部材31fを固定状態で支持する後方支持部31hとを備える。このうち、前方支持部31gは、大入賞口31aよりも一回り大きな山型で、底部に開口部を設けた枠形状に構成される外壁部31jを備える。また、裏カバー部材31dの前端部(つまり、外壁部31jの前端部)は、図9に示すように連結壁82oの後端部と接続され、前後に略連続する屋根型のカバー(後述するシャッター部材31eを隠蔽するカバー)を構成する。なお、外壁部31jは、所定のブラケットB等を用いて、収納部材81の上面部に固定される(図28、図29を参照)。
シャッター部材31eは、図26(b)に示すように、略山型に構成される開閉本体部31pと、開閉本体部31pの後方において略山型設けられた伝達部31qと、伝達部31qの後端部から後方に突出するガイド片31r、31rとを備える。このうち、開閉本体部31pは、外壁部31jの内側(内部)に挿入され、前後動可能とされている(図19及び図25を参照)。また、開閉本体部31pは、大入賞口31aよりも一回り小さな山型に構成され、外壁部31jの内部を摺動して前方に動作すると、大入賞口31aの前方に突出した状態となる(図24、図29、図31を参照)。なお、開閉本体部31pは「作動片」の具体例を構成する。
図26(b)に示すように、伝達部31qの後端部中央には、大入賞口ソレノイド31cの駆動力が伝達される筒状部(四角筒形状)31uが設けられている。また、両ガイド片31r、31rは、前後に長尺な板状に構成され、肉厚方向(左右方向)に貫通するガイド孔31tを、前後に2個ずつ備えている。このガイド孔31tは、前後に長尺な長孔を用いて構成されている。
取付部材31fは、図25に示すように、裏カバー部材31gの後方支持部31h上に支持されるとともに、大入賞口ソレノイド31cを固定状態に支持しつつ、シャッター部材31eのガイド片31r、31rを前後動可能に支持する部材である。この取付部材31fは、図27(a)に示すように、平面形状が略矩形の底板部87aを備え、この底板部87aの略中央に大入賞口ソレノイド31cを搭載した状態で、後方支持部31h上に支持されている。
底板部87aの上面部であって、大入賞口ソレノイド31cの左右両脇に位置する部位は、各々底板部87aの上方にガイドピン87bを回転可能な状態に支持するための支持部87cが、前後に2個ずつ設けられている。この支持部87cは、底板部87aの上方で所定の間隔をおいて左右に対向する各一対の軸受部材87d、87dで構成され、軸心を左右に向けたガイドピン87bを回転可能な状態に支持している。そして、このガイドピン87bに装着されて、各一対の軸受部材87d、87d間に配設されたブッシュ87eが、ガイドピン87bの軸心周りに回転可能とされている。
図23に示すように、大入賞口ソレノイド31cの左側の軸受部材87d、87dの間には、左側のガイド片31rが挿入され、大入賞口ソレノイド31cの右側の軸受部材87d、87d間には、右側のガイド片31rが挿入されている。その際、図28に示すように、各ガイド片31rにおいて前方側に設けられたガイド孔31tには、前方側に配置されたブッシュ87eが摺動可能な状態で挿入され、各ガイド片31rにおいて後方側に設けられたガイド孔31tには、後方側に配置されたブッシュ87eが摺動可能な状態で挿入されている。
図28に示すように、ガイド孔31tは、前後に長尺な長孔を用いて構成されているため、シャッター部材31eは、ブッシュ87e及びガイドピン87bを介して取付部材31fに支持されつつ、前後動可能な状態とされている。そして、シャッター部材31eを後方に移動して、ガイド孔31tの前端にブッシュ87eを当接させたときに、開閉本体部31pの前端が、大入賞口31aよりも前方へ突出しない位置となり、大入賞口31aを開放状態とする(図23を参照)。つまり、開閉本体部31p(作動片)は、遊技領域11よりも奥側(遊技者から見た奥側)に没入した状態となる。
大入賞口31aが開放状態にあるとき、シャッター部材31eを前方に移動すると、図29に示すように、開閉本体部31pが大入賞口31aよりも前方へ突出し、開閉本体部31pの前端側が「大入賞口31aの前方に位置するポケット部82k」の上方に移動する。そして、ガイド孔31tの後端にブッシュ87eを当接させたときに、開閉本体部31pの前端が、ポケット部82kの上方を覆い隠すとともに、装飾板85に近接する(遊技球の直径の1/10以下の距離に接近する。)。これにより、大入賞口31aは、遊技球を入賞させることが不可能な閉鎖状態となる(図24を参照)。つまり、開閉本体部31p(作動片)は、遊技領域11よりも手前側(遊技者から見た手前側)に突出した状態となる。
大入賞口31aが閉鎖状態となると、図31に示すように、開閉本体部31pがポケット部82kの上方を覆い隠す。そして、開閉本体部31pは略山型に構成されており、大入賞口31aの左右両側のアウト口32a、32bの前方に位置するポケット部82mにおいては、大入賞口31aとの境界に、大入賞口31aの側からポケット部82mの側に下る傾斜面82rが設けられている。そして、この傾斜面82rと、開閉本体部31pの左右に下り傾斜となる上面(天面)とが、遊技球を転動させる下り傾斜を形成するため、大入賞口31aが閉鎖状態にあるときに、開閉本体部31p上に落下する遊技球はポケット部82mの方向に誘導され易くなっている(図31、図33を参照)。
一方、図30に示すように、開閉本体部31pがポケット部82kの上方から退避して、大入賞口31aが開放状態となると、第1の始動入賞装置17aの左側部近傍若しくは右側部近傍を通過する遊技球は、ポケット部82kに落下し易くなっている(図32を参照)。
図27(a)に示すように、取付部材31fの底板部87aの上面部であって、大入賞口ソレノイド31cの配設箇所の前方に部位には、大入賞口ソレノイド31cの駆動力をシャッター部材31eに伝達するためのクランク部材87mを傾動可能に支持するための支持部87nが設けられている。また、クランク部材87mの上端部は、伝達部31qの筒状部31u(図26(b)参照)に挿入されている。
大入賞口ソレノイド31cは、図27(b)に示すように、取付部材31fの底板部87aの上面部に固定される本体部31vと、本体部31vの内部で軸受(図示を省略)によって前後にスライド可能に支持されて本体部31vの前方への突出量を変化可能なプランジャ30wと、プランジャ30wの前端側に一体化され、プランジャ30wとともに前後するプランジャヘッド30xと、プランジャ30wの外周位置に配置されたソレノイドコイル(図示を省略)と、復帰手段(復帰バネであって、図示を省略)とを備えている。
プランジャ30wの前端側には、図27(a)及び(b)に示すように、略コの字状の係止部30yが設けられており、この係止部30yが、クランク部材87mの中間部を挟み込んだ状態で、クランク部材87mに係止されている。
この大入賞口ユニット31では、ソレノイドコイルへの通電を行うと、ソレノイドコイルからプランジャ30wへ、電流に比例した大きさの牽引力を生ずるため、図28に示すように、プランジャ30w及びプランジャヘッド30xが復帰手段(復帰バネ)の付勢力に対抗しつつ、後方に移動する。そして、クランク部材87mの中間部がプランジャヘッド30xによって後方に引っ張られるため、クランク部材87mは後方に傾いた状態となり、クランク部材87mの上端部が筒状部31uを後方に押圧する。これにより、シャッター部材31eは後方に移動して、大入賞口31aは開放状態となる。
一方、ソレノイドコイルへの通電を停止すると、図29に示すように、プランジャ30w及びプランジャヘッド30xが復帰手段(復帰バネ)の付勢力によって、前方に移動する。このため、クランク部材87mの中間部がプランジャヘッド30xによって前方に押されるため、クランク部材87mは前方に傾いた状態となり、クランク部材87mの上端部が筒状部31uを前方に押圧する。これにより、シャッター部材31eは前方に移動して、大入賞口31aは閉鎖状態となる。
図4に示すように、遊技盤10の前面部であって、遊技領域11を構成する部位には、多数の障害釘18が各盤部品との位置バランスを考慮しつつ植設されている。そして、本遊技機1では、障害釘18の幾つかを用いて、大入賞口31aの周囲に、第1誘導路11S、11Tと、第2誘導路11L、11Rとが、互いに近接した状態で設けられている。つまり、図32及び図33に示すように、第1の始動入賞装置17aの左右近傍には、遊技領域11を流下する遊技球を大入賞口31aに誘導する第1誘導路11S、11Tが設けられ、これらの左側方及び右側方には、遊技領域11上を流下する遊技球をアウト口32a、32bに誘導する第2誘導路11L、11Rが設けられている。
図4に示すように、下部ユニット80において、装飾板85(領域形成板82g)の下方の部位が、装飾領域90Sとされている。つまり、内側レール13の下端側の部位(内側レール13の最下部を中央部とする略円弧状の部位)と、装飾板85(領域形成板82g)を弦とする部分とで囲まれる部位(装飾板85の下方であって遊技領域11の最下端に亘る部位)を装飾領域90Sとしている。そして、図8に示すように、この装飾領域90Sに、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95が配設されている。
前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95は、大入賞口31aの下方に開閉扉を配置するためのユニットである。そして、図34に示すように、後方開閉扉ユニット95は、前方開閉扉ユニット90の後方に配設されている。次に、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95等について説明する。なお、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95は、演出部材の具体例を構成する。
図34に示すように、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95は、4個の支持部材(左から右に、支持部材90a、支持部材90c、支持部材90d、支持部材90bの順)を左右方向に間隔を設けつつ備えている。これらの支持部材90a〜90dは、図35に示すように、駆動ユニットベース部81bの後壁部の前面における上端側に装着されている(但し、図35では支持部材90bのみを図示)。そして、図34に示すように、左端の支持部材90aの前端部と、右端の支持部材90bの前端部との間には、第1ロッド90eが支持されている。この第1ロッド90eは円柱状とされつつ、軸心を左右に向けた状態で、駆動ユニットベース部81b内の上方側に配設されている。
図34に示すように、左端の支持部材90aの前後方向中間と、支持部材90aの右隣の支持部材90cの前端部との間には、第2ロッド90fが支持され、右端の支持部材90bの前後方向中間と、支持部材90bの左隣の支持部材90dの前端部との間には、第3ロッド90gが支持されている。これらのロッド90f、90g(第2ロッド90f、第3ロッド90g)も、第1ロッド90eと同様に、円柱状とされつつ、軸心を左右に向けた状態で駆動ユニットベース部81b内の上方側に配設されている。但し、第2ロッド90f及び第3ロッド90gは、第1ロッド90eよりも後方であって、第1ロッド90eよりも下方に配置されている。
図34に示すように、支持部材90cと、支持部材90dとの間に位置する部位は、空き空間90hとされている。そして、この空き空間90hの後方には、「図13を用いて前述した開口部81f」が配設されるとともに、空き空間90hの左右方向中間部と、大入賞口31aの左右方向中間部とは、上下に位置合わせされている(図38の中心線Xを参照)。
図36に示すように、前方開閉扉ユニット90は、左側扉91Lと、右側扉91Rと、前述の第1ロッド90eと、第1前方アーム板金92aと、第2前方アーム板金92bと、第1モータ92cと、第2モータ92dとを備える。また、図34に示すように、左側扉91Lの後面左端側と、右側扉91Rの後面右端側には、係止部材92e、92fが装着されている。この係止部材92e、92fの後端部には、軸心を左右に向けつつ第1ロッド90eを摺動状態で挿通する挿通部(図示を省略)が設けられている。そして、左側扉91L及び右側扉91Rの上端側が、係止部材92e、92fを介して第1ロッド90eに支持されることで、左側扉91L及び右側扉91Rは、第1ロッド90eの軸心方向に移動可能とされている。なお、左側扉91L及び右側扉91Rは、正面視が略矩形の板状体によって構成されている。
図36に示すように、第1前方アーム板金92aは、断面(紙面に垂直な断面)が略Lの字状で左右に長尺な本体部92jと、本体部92jの右端部から上方に延出された連結部92kとを備えている。そして、連結部92kの前面部を、左側扉91Lの後面下端側に連結しつつ、本体部92jを略水平に配置している。また、第2前方アーム板金92bも、断面(紙面に垂直な断面)が略Lの字状で左右に長尺な本体部92jと、本体部92jの左端部から上方に延出された連結部92kとを備えている。そして、連結部92kの前面部を、右側扉91Rの後面下端側に連結しつつ、本体部92jを略水平に配置している。
図41(a)に示すように、第1前方アーム板金92a及び第2前方アーム板金92bは、その下面(本体部92jの下面)を水平に配置される支持レール92m、92nによって支持され、左右に摺動可能とされている。つまり、縦断面形状(紙面に垂直な縦断面)が略コの字状で、左右に長尺な支持レール92mが、外郭部材81aの底壁部左端側の上面に設置され、第1前方アーム板金92aを左右に摺動可能な状態に支持している。また、縦断面形状(紙面に垂直な縦断面)が略コの字状で、左右に長尺な支持レール92nが、外郭部材81aの底壁部右端側の上面に設置され、第2前方アーム板金92bを左右に摺動可能な状態に支持している。なお、支持レール92m、92nの底面に複数個のローラを配置して、第1前方アーム板金92a及び第2前方アーム板金92bの摺動の円滑化を図ってもよい。
図36に破線で示すように、駆動ユニットベース部81bの前方側には、カバー部材81L、81R(図10を参照)が設置されている。そして、一方のカバー部材(以下、「左カバー部材」という。)81Lは、駆動ユニットベース部81bの前面側における左端側に装着され、他方のカバー部材(以下、「右カバー部材」という。)81Rは、駆動ユニットベース部81bの前面側における右端側に装着されている。また、左側扉91Lと、右側扉91Rは、左カバー部材81Lの装着箇所と、右カバー部材81Rの装着箇所に設けられる空間部の前方に配設されている。
図36に示すように、第1モータ92cは、左カバー部材81Lの後方において、その駆動軸921cを前方に向けた状態で設置され、第2モータ92dは右カバー部材81Rの後方において、その駆動軸921dを前方に向けた状態で設置されている。また、第1前方アーム板金92aを構成する本体部92jの底板部921jの左端側上面には、ラック部材(ラックが設けられた部材の意味で使用する。)92qが装着されている。同様に、第2前方アーム板金92bを構成する本体部92jの底板部921jの右端側上面にも、ラック部材92rが装着されている。これらのラック部材92q、92rは、歯先を上方に向けつつ、歯を横方向に並べている。そして、第1モータ92cの駆動軸921cに装着されたギア92sと、第1前方アーム板金92aのラック部材92qとは、中間ギア92vを介して噛合し、第2モータ92dの駆動軸921dに装着されたギア92tと、第2前方アーム板金92bのラック部材92rとも、中間ギア92wを介して噛合している。
ところで、前方開閉扉ユニット90を作動させないときには、図36に示すように、左側扉91Lの右端部と、右側扉91Rの左端部とが当接する状態とされる。つまり、図38の破線で示すように、前方開閉扉ユニット90を用いた演出を行わないときには、左側扉91Lの右端部と、右側扉91Rの左端部とが、大入賞口31aの中心から下方に延びる中心線X上で当接した近接した状態(つまり、閉状態)となる。そして、前方開閉扉ユニット90を開状態とする場合には、第1モータ92cの駆動軸921cを第1の所定方向に第1所定量だけ駆動するとともに、第2モータ92dの駆動軸921dを第2の所定方向に第1所定量と同一量だけ、駆動する。
これにより、図37に示すように、左側扉91Lが左方向にスライドするとともに、右側扉91Rが右方向にスライドして、左側扉91Lの右端部と、右側扉91Rの左端部とが中心線Xから離間した状態となる。このとき、図38に示すように、左側扉91Lの右端部と、右側扉91Rの左端部と距離Y1が、大入賞口31aの左右開口幅Y2よりも大きくなる。また、前方開閉扉ユニット90が開状態にあるときに、第1モータ92cの駆動軸921cを第1の所定方向と反対方向に第1所定量と同一量だけ駆動するとともに、第2モータ92dの駆動軸921dを第2の所定方向と反対方向に第1所定量と同一量だけ、駆動すると、前方開閉扉ユニット90が閉状態に戻される。なお、以下の説明において、「左側扉91Lが前方開閉扉ユニット90の閉状態を構成する位置にある」ことを「左側扉91Lが閉状態位置にある」と称し、「右側扉91Rが前方開閉扉ユニット90の閉状態を構成する位置にある」ことを「右側扉91Rが閉状態位置にある」と称することがある。また、「左側扉91Lが前方開閉扉ユニット90の開状態を構成する位置にある」ことを「左側扉91Lが開状態位置にある」と称し、「右側扉91Rが前方開閉扉ユニット90の開状態を構成する位置にある」ことを「右側扉91Rが開状態位置にある」と称することがある。
また、第1モータ92c及び第2モータ92dは、ステッピングモータであり、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続され(図45を参照)、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220から送信される制御信号を用いて制御される(図45を参照)。また、図34〜図36において図示を省略するが、前方開閉扉ユニット90は、左側扉91Lが閉状態位置にあることを検出するためのセンサS1と、右側扉91Rが閉状態位置にあることを検出するためのセンサS2と、左側扉91Lが開状態位置にあることを検出するためのセンサS3と、右側扉91Rが開状態位置にあることを検出するためのセンサS4とを備えている。これらのセンサS1〜S4は、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続され(図45を参照)、その検出信号はサブ制御基板220に入力される。
図39に示すように、後方開閉扉ユニット95は、左側扉95Lと、右側扉95Rと、前述の第2ロッド90fと、前述の第3ロッド90gと、第1後方アーム板金95aと、第2後方アーム板金95bと、第3モータ95cと、第4モータ95dとを備える。また、左側扉95Lは、右から左に向かって前面部及び後面部を2段階に後退させる階段形状(3段の階段形状)を備えている。つまり、左側扉95Lは、左側扉91Lの後方に配置される左扉本体95Mと、左側扉95Lの左端側を構成する左支持板95Nと、略L字状に屈曲しつつ左扉本体95M及び左支持板95Nを連結する連結部95Pとを備える。なお、左扉本体95M及び左支持板95Nは正面視で略矩形の板状態に構成されている。
また、右側扉95Rは、左から右に向かって前面部及び後面部を2段階に後退させる階段形状(3段の階段形状)を備えている。つまり、右側扉95Lは、右側扉91Rの後方に配置される右扉本体95Qと、右側扉95Rの右端側を構成する右支持板95Sと、略L字状に屈曲しつつ右扉本体95Q及び右支持板95Sを連結する連結部95Tとを備える。なお、右扉本体95Q及び右支持板95Sは正面視で略矩形の板状態に構成されている。
左扉本体95Mの後面に係止部材95eが装着され、右扉本体95Qの後面に係止部材95fが装着されている。そして、これらの係止部材95e、95fの後端部には、軸心を左右に向けつつ第1ロッド90eを摺動状態で挿通する挿通部(図示を省略)が設けられている。そして、左扉本体95Mは、その上端側は係止部材95eを介して第1ロッド90eによって支持されることで、第1ロッド90eの軸心方向に移動可能とされ、右扉本体95Qは、その上端側が係止部材95fを介して第1ロッド90eによって支持されることで、第1ロッド90eの軸心方向に移動可能とされている。但し、これらの係止部材95e、95fは、前方開閉扉ユニット90を構成する係止部材91e、91fの間に配置されている。
左支持板95Nの後面に係止部材95Eが装着され、右支持板95Sの後面に係止部材95Fが装着されている。そして、係止部材95Eの後端部には、軸心を左右に向けつつ第2ロッド90fを摺動状態で挿通する挿通部(図示を省略)が設けられている。また、係止部材95Fの後端部には、軸心を左右に向けつつ第3ロッド90gを摺動状態で挿通する挿通孔(図示を省略)が設けられている。そして、左支持板95Nは係止部材95Eを介して第2ロッド90fによって支持されることで、第2ロッド90fの軸心方向に移動可能とされている。また、右支持板95Sは、係止部材95Fを介して第3ロッド90gによって支持されることで、第3ロッド90gの軸心方向に移動可能とされている。
図40に示すように、第1後方アーム板金95aは、背面視で略逆L状の金属板で構成されている。つまり、左右に長尺な略矩形板状の本体部95jと、背面視で本体部95jの左端部(正面視で右端部)から上方に延出された連結部95kとを備えている。そして、連結部92kの前面部を、左支持板95Nの後面下端側に連結しつつ、本体部95jを略水平に配置している。また、第2後方アーム板金95bは、第1後方アーム板金95aと左右に鏡面対象な形状(背面視で略L状)の金属板で構成されている。つまり、左右に長尺な略矩形板状の本体部95jと、背面視で本体部95jの右端部(正面視で左端部)から上方に延出された連結部92kとを備え、連結部92kの前面部を、右支持板95Sの後面下端側に連結しつつ、本体部95jを略水平に配置している。
第1後方アーム板金95aを構成する本体部95jの下端面は、駆動ユニットベース部81b内の下端側であって、しかも、駆動ユニットベース部81bの中央部よりも左側において、所定間隔をおいて同一高さに設置された3個のワッシャーブッシュ95mによって支持されている。同様に、第2後方アーム板金95bを構成する本体部95jの下端面は、駆動ユニットベース部81b内の下端側であって、しかも、駆動ユニットベース部81bの中央部よりも右側において、所定間隔をおいて同一高さに設置された3個のワッシャーブッシュ95nによって支持されている。
ここで、図41(b)に示すように、駆動ユニットベース部81bの後壁部に設けられた支持部812bと、駆動ユニットベース部81bの前方側に設置されるカバー部材81L、81Rとの間には、ワッシャーブッシュ95m、95nと同数の支持ピン95pが、それらの軸心を前後に向けつつ支持されている。なお、左カバー部材81Lは、駆動ユニットベース部81bの前面側における左端側に装着され、右カバー部材81Rは、駆動ユニットベース部81bの前面側における右端側に装着されている。そして、左側扉91L、右側扉91R、左扉本体95M及び右扉本体95Qは、左カバー部材81Lの装着箇所と、右カバー部材81Rの装着箇所との間に配設される。
ワッシャーブッシュ95m、95nは、対応する支持ピン95pを挿通することで、支持ピン95pで支持されつつ回転可能とされている。更に、第1後方アーム板金95aを構成する本体部95jの下端面はワッシャーブッシュ95mに対してその上方から当接し、第2後方アーム板金95bを構成する本体部95jの下端面は、ワッシャーブッシュ95nに対してその上方から当接している。そして、左側扉95Lが第2ロッド90fの軸心方向に移動するときに、ワッシャーブッシュ95mは回転しつつ第1後方アーム板金95aを構成する本体部95jを支持し、右側扉95Rが第2ロッド90fの軸心方向に移動するときに、ワッシャーブッシュ95nは回転しつつ第2後方アーム板金95aを構成する本体部95jを支持する。なお、図41(b)に示すように、ワッシャーブッシュ95m、95nは、本体部95jを支持する円板状の部分の前後に、それよりも外形が大きな円板状の部分(フランジ)を備え、本体部95jの前後面下端側が、外形が大きな円板状の部分に摺動可能とされるため、本体部95jの前後方向への「がたつき」を防止できる。
図40に示すように、第3モータ95cは、左カバー部材81Lの後方において、その駆動軸951cを鉛直下方に向けた状態で設置され、第4モータ95dは右カバー部材81Rの後方において、その駆動軸951dを鉛直下方に向けた状態で設置されている。また、第1後方アーム板金95aを構成する本体部95jの後面部左端側(背面視で右端側)には、ラック部材(ラックが設けられた部材の意味で使用する。)95qが装着されている。同様に、第2後方アーム板金95bを構成する本体部95jの後面部右端側(背面視で左端側)にも、ラック部材95rが装着されている。これらのラック部材95q、95rは、歯先を後方に向けつつ、歯を横方向に並べている。そして、第3モータ95cの駆動軸951cに装着されたギア95sと、第1後方アーム板金95aのラック部材95qとが噛合し、第2モータ95dの駆動軸951dに装着されたギア95tと、第2後方アーム板金95bのラック部材95rとが噛合している。
後方開閉扉ユニット95を作動させないときには、図39及び図40に示すように、左側扉95Lの右端部と、右側扉95Rの左端部とが当接する状態とされる。つまり、後方開閉扉ユニット95を用いた演出を行わないときには、図38に示すように、左側扉95Lの右端部と、右側扉95Rの左端部とが、大入賞口31aの中心から下方に延びる中心線X上で当接した近接した状態(つまり、閉状態)となる。そして、前方開閉扉ユニット95を開状態とする場合には、第3モータ95cの駆動軸951cを第3の所定方向に第2所定量だけ駆動するとともに、第4モータ95dの駆動軸951dを第4の所定方向に第2所定量と同一量だけ、駆動する。
これにより、図42に示すように、左側扉95Lが左方向にスライドするとともに、右側扉95Rが右方向にスライドして、左側扉95Lの右端部と、右側扉95Rの左端部とが中心線Xから離間した状態となる。このとき、左側扉95Lの右端部と、右側扉95Rの左端部と距離が、大入賞口31aの左右開口幅Y2よりも大きくなる。
また、後方開閉扉ユニット95が開状態にあるときに、第3モータ95cの駆動軸951cを第3の所定方向と反対方向に第2所定量と同一量だけ駆動するとともに、第4モータ95dの駆動軸951dを第4の所定方向と反対方向に第2所定量と同一量だけ、駆動すると、後方開閉扉ユニット90が閉状態に戻される。なお、後方開閉扉ユニット95が開状態であるか、閉状態であるかを問わず、第1後方アーム板金95aの本体部95jと、第2後方アーム板金95bの本体部95jは、何れも、3個のワッシャーブッシュ95m、95nによって支持された状態が維持される。
以下の説明において、「左側扉95Lが後方開閉扉ユニット95の閉状態を構成する位置にある」ことを「左側扉95Lが閉状態位置にある」と称し、「右側扉95Rが後方開閉扉ユニット95の閉状態を構成する位置にある」ことを「右側扉95Rが閉状態位置にある」と称することがある。また、「左側扉95Lが後方開閉扉ユニット95の開状態を構成する位置にある」ことを「左側扉95Lが開状態位置にある」と称し、「右側扉95Rが後方開閉扉ユニット95の開状態を構成する位置にある」ことを「右側扉95Rが開状態位置にある」と称することがある。
なお、本実施例では、係止部材95e、95fが、前方開閉扉ユニット90を構成する係止部材92e、92fの間に配置されているため、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット90が閉状態にあるときに、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動せずに、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、後方開閉扉ユニット95を開状態としようとすると、係止部材95eが係止部材92eを左方向に押圧し、係止部材95fが係止部材92fを右方向に押圧する。このため、本実施例では、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動せずに、前方開閉扉ユニット90を開状態とすることもできる。一方、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット90が開状態にあるときに、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動せずに、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して前方開閉扉ユニット90を閉状態としようとすると、係止部材92eが係止部材95eを右方向に押圧し、係止部材92fが係止部材95fを右方向に押圧する。このため、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動せずに、後方開閉扉ユニット95が開状態とすることもできる。
また、第3モータ95c及び第4モータ95dは、ステッピングモータであり、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続され(図45を参照)、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220から送信される制御信号を用いて制御される。また、図39〜図42において図示を省略するが、後方開閉扉ユニット95は、「左側扉95Lが閉状態位置」にあることを検出するためのセンサS5と、「右側扉95Rが閉状態位置」にあることを検出するためのセンサS6と、「左側扉95Lが開状態位置」にあることを検出するためのセンサS7と、「右側扉95Rが開状態位置」にあることを検出するためのセンサS8とを備えている。これらのセンサS5〜S8は、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続され(図45を参照)、その検出信号はサブ制御基板220に入力される。
図37に示すように、左扉本体95M及び右扉本体95Qの前面部には、レンズ95V、95Wが装着されている。そして、後方開閉扉ユニット95が閉状態となり、左扉本体95Mの右端部及び右扉本体95Qの左端部が当接すると、レンズ95V、95Wは一体化して、略長円形状のレンズ(95V、95W)を形成する。また、レンズ95V、95Wの背後には、LEDランプ4Kが配置され、これらのLEDランプ4Kが発光すると、「一体化して略長円形状とされたレンズ(95V、95W)」の表面に所定の図柄(本実施例では、「極」の文字)が強調表示される構成とされている。なお、LEDランプ4Kは、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220に接続されている(図45を参照)。
本実施例では、前方開閉扉ユニット90と後方開閉扉ユニット95とが開状態となると、駆動ユニットベース部81bの略中央が前方側(遊技者側)から視認可能となる(図13及び図59(b)を参照)。つまり、駆動ユニットベース部81bを構成する後壁部略中央の開口部81fと、傾斜板81gと、「切り欠部81hの鉛直上方に位置する空間部81W」とが、前方側(遊技者側)から視認可能となる。すなわち、装飾板85の下方に設けられる「左側扉95L及び右側扉95R」の奥側(内部)に、遊技領域11(盤面)に存在する全ての球受入口に流入した遊技球が通過する共通の球通路(空間部81W)を設け、大当り遊技中に前方開閉扉ユニット90と後方開閉扉ユニット95とが開状態となった際に、「空間部81Wで構成される球通過領域(球通路)」を通過する遊技球(排出球)を遊技者側から視認可能とする。
本実施例では、このような構成を有するため、遊技領域11(盤面)に存在する全ての球受入口のうち大入賞口31aに流入した遊技球と、それ以外の球受入口(アウト口32a、32b、33a、33b、34a、34b、始動口(開口部171a、17f)、一般入賞口40、41、43、44など)に流入した遊技球が、すべて共通の球通過領域(空間部81W)を通過して遊技機1外(盤裏側)に排出され、遊技者は、その排出の様子を大当り遊技中に大入賞口31a周辺で目視することができる。これにより、大入賞口31aへの入賞数が少ないとしても、多くの遊技球が大入賞口31aに入賞している印象を、遊技者により与え易くなる。
発射ハンドル9を操作することで、遊技領域11の左側下方から略鉛直上方に発射された遊技球は、遊技領域11の左側において、外側レール12及び内側レール13に挟まれつつ円弧状に上昇する発射経路Yを通過して(図4を参照)、遊技領域11の左側上部(前述の入口部11V)に到達した後、遊技領域11に進入する。そして、遊技領域11に進入した遊技球には、メイン役物装置20の左側を通過するもの(以下、「左打ち球」という。)と、メイン役物装置20の右側を通過するもの(以下、「右打ち球」という。)がある。
「左打ち球」のうちで大入賞口31aの周囲に到達するものは、第1の始動入賞装置17aの左側部近傍を通過し、「右打ち球」のうちで大入賞口31aの周囲に到達するものは、第1の始動入賞装置17aの右側部近傍を通過する。そして、第1誘導路11S、11Tと、第2誘導路11L、11Rとが、互いに近接した状態で設けられているとともに、装飾板85が大入賞口31aの上部を除く部位を覆い、大入賞口31aの左右両側のアウトロ32a、32bの全部を覆う状態となっている。しかも、装飾板85に透視度を低下させる処理が施され、その前方からは、大入賞口31aと、その左右両側のアウトロ32a、32bとの境界を識別することが困難となっている。
従って、大入賞口31aの周囲に到達する遊技球が、「左打ち球」及び「右打ち球」のうちの何れであっても、遊技球が大入賞口31aに入賞したのか、或いは、その側方のアウトロ32a、32bに受け入れられたのかを識別することが困難となっている。例えば、図32に示すように、大入賞口31aが開放状態にあるとき、第1の始動入賞装置17aの左側部近傍に到達した遊技球W1が、第1誘導路11Sに誘導され、大入賞口31aに入賞したのか、その左側方のアウトロ32aに受け入れられたのかを識別することが困難となっている。また、図33に示すように、大入賞口31aが閉鎖状態にあるとき、第1誘導路11Sに誘導された遊技球W2が、大入賞口31aに入賞したのか、その左側方のアウトロ32aに受け入れられたのかを識別することが困難となっている。なお、本実施例と異なり、「右打ち球」は全て「アウト球」として機外に排出されることとしてもよい。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図43を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。なお、遊技球払出装置109は賞球払出手段の具体例を構成する。
また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図43において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図44及び図45を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されるとともに、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されるとともに、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されるとともに貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されるとともに遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(222A、260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算及び算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図44及び図45中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図44においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。なお、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は演出表示装置27での変動遊技(疑似図柄の変動)を実現するための「表示制御手段」、装飾領域90Sに設けられる演出部材(本実施例では、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95)の駆動を制御する演出部材駆動制御手段等として機能する。
このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図45に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220cには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信するとともに、ROM220cに記憶されたプログラムに従って受信した表示制御コマンドを解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信された表示制御コマンドに基づき新たに生成したコマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを、図柄制御コマンドとして演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板(4b〜4h、4j〜4r、4K等)が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。また、装飾駆動基板226には、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c、第4モータ95dが接続されており、サブ制御基板220は、各モータ92c、92d、95c、95dに駆動信号(駆動パルス)を供給する。
また、サブ制御基板220Aには、装飾駆動基板226を介して位置検出用のセンサ(光学センサ)S1〜S8が接続されている。そして、「左側扉91Lが閉状態位置」にあるときにはセンサS1から検出信号が出力され、「右側扉91Rが閉状態位置」にあるときにはセンサS2から検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、これらの検出信号を受信することで、前方開閉扉ユニット90が閉状態にあることを把握できる。また、「左側扉91Lが開状態位置」にあるときにはセンサS3から検出信号が出力され、「右側扉91Rが開状態位置」にあるときにはセンサS4から検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、これらの検出信号を受信することで、前方開閉扉ユニット90が開状態にあることを把握できる。
更に、「左側扉95Lが閉状態位置」にあるときにはセンサS5から検出信号が出力され、「右側扉95Rが閉状態位置」にあるときにはセンサS6から検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、これらの検出信号を受信することで、後方開閉扉ユニット95が閉状態にあることを把握できる。また、「左側扉95Lが開状態位置」にあるときにはセンサS7から検出信号が出力され、「右側扉95Rが開状態位置」にあるときにはセンサS8から検出信号が出力される。このため、サブ制御基板220は、これらの検出信号を受信することで、後方開閉扉ユニット95が開状態にあることを把握できる。
このように、本実施例では、前方開閉扉ユニット90の左側扉91L及び右側扉91Rと、後方開閉扉ユニット95の左側扉95L及び右側扉95Rの位置を、それぞれ位置検出用のセンサ(光学センサ)S1〜S8で検出する態様を例示するが、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c、第4モータ95dの駆動軸921c、921d、951c、951dの回転位置を検出することで、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L、右側扉95Rの位置を検出することもできる。例えば、駆動軸921c、921d、951c、951dに、その基準回転位置(例えば、各扉を閉状態位置にする回転位置或いは開状態位置にする回転位置)を検出するための被検出体(インデックス部材)を装着する。そして、この被検出体(インデックス部材)が位置検出用センサの検出範囲に到達すると、位置検出用センサ(光学センサ)から検出信号が出力されるようにしてもよい。
但し、本実施例では、各モータ92c、92d、95c、95dとしてステッピングモータを使用するため、サブ制御基板220は、各モータ92c、92d、95c、95dに供給する駆動信号(駆動パルス)の総数をカウントすることによっても、各扉の位置(駆動軸の回転位置)を把握することができる。また、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L、右側扉95Rを駆動するためのアクチュエータとしては、モータ以外のもの(ソレノイド)等を使用することもできる。
払出制御部240Aには、図44に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。なお、遊技球払出装置109は賞球払出手段の具体例を構成する。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示及び停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示及び停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h等の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED4b〜4h等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞すること(以下、「始動入賞」という。)に基づいて行われる当否判定(大当り抽選)の結果を示す停止図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる図柄変動表示とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び演出表示装置27)において略同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62b)において表示される特別図柄(7セグメント表示体に次々に変更表示される特別図柄)は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。なお、本実施例では、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して行われる当否判定(つまり、第1の当否判定)及び第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して行われる当否判定(つまり、第2の当否判定)が大当り抽選のみによって構成されるが、少なくとも一方の当否判定(特に、第1の当否判定)が大当り抽選及び小当り抽選によって構成されてもよい。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される特別図柄である。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は、「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄を用いたリーチ表示などの図柄変動演出表示(変動遊技)を行う場合、その図柄変動演出表示は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容について簡単に説明する。
c−1.本図柄
第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因した特別図柄の図柄変動表示及び停止表示(確定表示)は第1の特別図柄表示部62aにおいて行われ、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因した特別図柄の図柄変動表示及び停止表示(確定表示)は第2の特別図柄表示部62bにおいて行われる。つまり、第1の特別図柄表示部62aにおいては、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して、特別図柄の図柄変動表示を開始する。この図柄変動表示は、図5(b)に示すように、第1の特別図柄表示部62aを構成する7セグメント表示体によって、「算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)」の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。尚、以下の説明において、第1の特別図柄表示部62aに表示される図柄(特別図柄)を「第1の特別図柄」と称することがある。
低確率モード(通常確率モード)において、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第1の大当り抽選)が行われると、図46(a)に示すように、この大当りを示す判定結果が導出される確率(大当り抽選の結果が当選となる確率、つまり、「当選確率」)が約「1/400」とされる。そして、大当りを示す判定結果が導出されると、大当り遊技実行手段が作動を開始し、本遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)する。そして、大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが、大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行って、「大入賞口31aを開閉する開閉動作(以下、単に「開閉動作」ということがある。)」が実行される。
ここで、「大入賞口31aの開放」は、大入賞口ソレノイド31cを駆動して、シャッター部材31eを後方に移動させ、開閉本体部31p(作動片)を遊技領域11よりも奥側(遊技者から見た奥側)に没入とさせることで行われる。そして、大入賞口ソレノイド31cを駆動する時間(駆動時間)に応じて、大入賞口31aを開放状態に維持する時間(開放時間)が規定される。逆に、「大入賞口31aの閉鎖」は、大入賞口31aが開放状態であるときに、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止させ、シャッター部材31eを前方に移動させ、開閉本体部31p(作動片)を遊技領域11よりも手前側(遊技者から見た手前)に突出させることで行われる。そして、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止する時間(駆動停止時間)に応じて、大入賞口31aを閉鎖状態に維持する時間(閉鎖時間)が規定される。
本遊技機1は、「開放動作」を以下の3通りの動作態様(開閉パターン)に従って行う。つまり、図47(a)〜(c)に示すように、(i)「大入賞口31aを「0.2秒」開放状態に変化させること(以下、「短開放」という。)を2回繰り返した後、大入賞口31aを「9.6秒」開放状態に変化させること(以下、「中開放」という。)を1回行うことを内容とする開放動作(以下、「第1開放動作A」という。)と、(ii)「短開放」を2回繰り返すことを内容とする開放動作(以下、「第1開放動作B」という。)と、(iii)大入賞口31aを「26秒」開放状態に変化させることを内容とする開放動作(以下、「第2開放動作」という。)とを行う。
「第1開放動作B」は、遊技球が入球困難な態様で大入賞口31aを開放状態に変化させる開放動作である。この第1開放動作Bを行うことで、大入賞口31aは、「一瞬」開放状態となるだけであるため、遊技球が遊技領域11に連続的に発射されていても、大入賞口31aに遊技球が入球する可能性はきわめて低くなっている(例えば、入球可能性0.1%)。つまり、「第1開放動作B」は、大入賞口31aへの遊技球の入球を許容するものの、遊技球の入球を確実に発生させる動作(入球可能性100%の開放動作)ではなく、専ら、「報知」や「演出」のための動作である。つまり、大入賞口31aへの遊技球の入球に基づく賞球の払い出しを予定しない開放動作である。
「第1開放動作A」は、第1開放動作Bに比べて遊技球の入球容易な態様で大入賞口31aを開放状態に変化させる開放動作である。この第1開放動作Aを行っているときに、遊技球が遊技領域11に連続的に発射され、その遊技球の殆どが大入賞口31aに向かって流下すると、「1〜8球」の遊技球が大入賞口31aに遊技球が入球する可能性がある(遊技球の発射タイミングが良いと8球入球する可能性がある)。つまり、「第1開放動作B」は、遊技領域11に発射される遊技球が連続的に大入賞口31aに入球するとすれば、「大入賞口31aに8個(本実施例の規定数)の遊技球を入球させることが可能な開放動作」である。要するに、「大入賞口31aに少なくとも1個の遊技球を入球させることはできるものの、規定数(本実施例では8個)の遊技球を入球させることは困難な開放動作」である。このような「第1開放動作A」は、大入賞口31aへの遊技球の入球に基づく賞球の払い出しを予定する開放動作といえる。
「第2開放動作」は、第1開放動作A及び第1開放動作Bに比べて遊技球の入球容易な態様で大入賞口31aを開放状態に変化させる開放動作である。換言すると、遊技球の入球がきわめて容易な態様で、大入賞口31aを開放状態に変化させる開放動作である。この第2開放動作を行っているときに、遊技球が遊技領域11に連続的に発射されると、ほぼ確実に「8個」の遊技球が大入賞口31aに入球する。つまり、「第2開放動作」は、「大入賞口31aに規定数(本実施例では8個)の遊技球をほぼ確実に入球させることができる開放動作」である。この「第2開放動作」も、大入賞口31aへの遊技球の入球に基づく賞球の払い出しを予定する開放動作といえる。但し、「第2開放動作」により大入賞口31aが開放状態となる場合には、「第1開放動作A」により開放状態となる場合に比べ多く遊技球が大入賞口31aに入球する可能性が高くなる。このことから、「第2開放動作」は、「第1開放動作A」に比べ多くの賞球の払い出しを予定する開放動作ともいえる。
なお、「第1開放動作A」、「第1開放動作B」及び「第2開放動作」における開放時間は、本実施例に示すものに限定されない。例えば、「第2開放動作」の開放時間T3を20秒〜30秒のうちの何れかの時間とすることができ、「第1開放動作A」の「中開放」の継続時間を5秒〜11秒のうちの何れかの時間とすることができる。また、「第1開放動作A」及び「第2開放動作B」において、短開放の継続時間を0.05〜0.5秒のうちの何れかの時間とすることができる。更に、「第1開放動作」、「第2開放動作」及び「第3開放動作」のうちの何れかにおいて、開放時間が異なるものを混在させ、この開放時間が異なる開放動作を、一回の大当り遊技若しくは一回の大当りラウンド(1ラウンド)で実行してもよい。
本実施例の遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、一律に「15回(ラウンド)」に亘る「大当りラウンド」を実行する。そして、「15回目(15ラウンド目)」の「大当りラウンド」を終了すると、大当り遊技が終了し、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態となる。なお、本実施例では、各大当りラウンドの開始及び終了毎に、主制御基板200からサブ制御基板220に「ラウンド数指定コマンド(ラウンドの開始や、その開始されるラウンド数を示すコマンド)」及び「ラウンド終了コマンド(ラウンドが終了したことを示すコマンド)」が送信される。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、主制御基板200からの「ラウンド数指定コマンド」及び「ラウンド終了コマンド」に基づき、現在実行中の大当り遊技(大当りラウンド)の進行状況を判断し、その進行状況に応じた種々の大当り遊技関連演出を演出表示装置27等により実行する。
ところで、主制御基板200に搭載されたROM203には、「大当り遊技の態様を特定するためのデータ」が、「大当り図柄(後述する。)の種類」に対応付けて記憶されている。この「大当り遊技の態様」は、「大当りラウンドの実行回数(ラウンド数)」と、「各大当りラウンドの内容」によって特定される。但し、本実施例では、大当り図柄の種類によらず、一律に「大当りラウンドの回数」は「15回(15ラウンド)」とされている。
なお、本実施例では、大当り遊技において実行する各大当りラウンドの終了条件は以下のように定められている。つまり、各大当りラウンドにおいて予定されている「大入賞口31aの開放」のうちで最後に行われる開放(開放を1回しか行わない大当りラウンドでは、当該開放)が実行されるか、遊技球の入球数が規定数(本実施例では8個)に到達した後、所定の待機時間(例えば、2秒)が経過すると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。そして、本実施例では、大当り遊技を開始した後、大当りラウンドを「15回(ラウンド)」繰り返すと、大当り遊技を終了する。更に、「大当り終了に係る演出(エンディング演出)」を行った後、遊技状態が通常遊技状態に戻される。
本実施例では、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄の態様に応じて、実行される大当り遊技(大当りラウンド)の内容や、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態が異なったものとなる。つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄に応じて、遊技者に対して異なった利益が付与される。以下、この点について詳細に説明する。
第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第1の大当り抽選)が行われ、大当りを示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によって、図48に示すように、「大当りの種類(大当り図柄の種類)」が「基本的な第1の確変大当り(以下、単に「第1確変大当り」若しくは「15R確変大当り」という。)」、「Aタイプの変則的な第1の確変大当り(以下、「Aタイプの15R変則確変大当り」という。)」、「Bタイプの変則的な第1の確変大当り(以下、「Bタイプの15R変則確変大当り」という。)」、「Cタイプの変則的な第1の確変大当り(以下、「Cタイプの15R変則確変大当り」という。)」、「通常大当り(以下、「15R変則通常大当り」ということもある。)」及び「第2確変大当り(以下、「15R潜伏確変大当り」ということもある。)」のうちの何れかに決定される。
この「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第1の大当り抽選の結果が落選の場合、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい
以下の説明において、「第1確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「基本的大当り遊技」と称し、この「基本的大当り遊技」は「第2開放動作」を「ラウンド遊技(大当りラウンド)」として行う大当り遊技である。また、「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「第2大当り遊技(若しくは「変則的な第2大当り遊技」)と称し、この「第2大当り遊技」は、「第1開放動作B」を行う「ラウンド遊技(大当りラウンド)」を実行した後、「第1開放動作A」を行う「ラウンド遊技(大当りラウンド)」を実行する。
「Aタイプの15R変則確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」と称し、「Bタイプの15R変則確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」と称し、「Cタイプの15R変則確変大当り」の発生を契機として実行される大当り遊技を「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」と称する。そして、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」は、「第2開放動作」を行う「ラウンド遊技(大当りラウンド)」を実行した後、「第1開放動作B」を行う「ラウンド遊技(大当りラウンド)」を実行する。また、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」及び「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」では、「第1開放動作A」を行う「ラウンド遊技(大当りラウンド)」を実行した後、「第2開放動作」を行う「ラウンド遊技(大当りラウンド)」を実行する。
また、何れの確変大当り(第1確変大当り、15R潜伏確変大当り、Aタイプの15R変則確変大当り、Bタイプの15R変則確変大当り、及び、Cタイプの15R変則確変大当りのうちの何れか)を生じても、対応する大当り遊技を実行した後には、当否判定の結果が大当りとなる確率(第1の大当り抽選の結果が当選となる確率及び第2の大当り抽選の結果が当選となる確率)が高確率とされる。このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる遊技状態が、「高確率モード(高確率状態)」である。
「基本的大当り遊技」は、賞球払出の実行可能性が極めて高くなる大当り遊技であり、第2開閉動作を所定のインターバルを挟みつつ15回(15ラウンド)繰り返すことを内容とする大当り遊技である。つまり、図50(a)に示すように、この「基本的大当り遊技」では、各大当りラウンドにおいて、第2開閉動作が実行される。そして、各大当りラウンドは、大入賞口31aの開放時間が「26秒」となって、第2開放動作の予定実行時間が経過するか、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「8個」に到達すると終了する。そして、所定の待機時間(例えば、2秒)が経過するとともに、終了した大当りラウンドが最終ラウンドでなければ、後続する大当りラウンドを開始する。この「基本的大当り遊技」における各大当りラウンドにおいて、大入賞口31aが開放状態を維持する時間(開放時間)が「26秒」となる前に、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。
また、「変則的な第1大当り遊技」は、賞球払出の実行可能性が高くなるものの、「基本的大当り遊技」に比べて賞球払出量が少なくなる大当り遊技である。つまり、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」は、図50(b)に示すように、「第1大当りラウンド(1R)」から「第10大当りラウンド(10R)」までの各大当りラウンドにおいて、第2開閉動作を実行する。そして、「第11大当りラウンド(11R)」から「第15大当りラウンド(15R)」までの各大当りラウンドにおいて、第1開閉動作Bを実行する。この「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」においても、大入賞口31aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R〜10Rでは「26秒」、11R〜15Rでは合計「0.4秒」)となる前に、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。但し、11R〜15Rでは、大入賞口31aに遊技球が入賞する可能性は低い。
「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」は、図51(a)に示すように、「第1大当りラウンド(1R)」において、第1開閉動作Aを実行する。そして、「第2大当りラウンド(2R)」から「第15大当りラウンド(15R)」までの各大当りラウンドにおいて、第2開閉動作を実行する。この「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」においても、大入賞口31aが開放状態を維持する時間が所定時間(1Rでは合計「10秒」、2R〜15Rでは合計「26秒」)となる前に、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。
「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」は、図51(b)に示すように、「第1大当りラウンド(1R)及び第2大当りラウンド(2R)」において、第1開閉動作Aを実行する。そして、「第3大当りラウンド(3R)」から「第15大当りラウンド(15R)」までの各大当りラウンドにおいて、第2開閉動作を実行する。この「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」においても、大入賞口31aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R及び2Rでは合計「10秒」、3R〜15Rでは合計「26秒」)となる前に、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。
「15R変則通常大当り」を生ずると、大入賞装置31への遊技球の入球が困難な第2大当り遊技を実行するとともに、この第2大当り遊技終了後に、当否判定の結果が大当りとなる確率(第1の大当り抽選の結果が当選となる確率と第2の大当り抽選の結果が当選となる確率)が低確率(通常確率)とされる。また、「15R潜伏確変大当り」を生ずると、第2大当り遊技を実行するとともに、この第2大当り遊技終了後に、当否判定の結果が大当りとなる確率(第1の大当り抽選の結果が当選となる確率と第2の大当り抽選の結果が当選となる確率)が高確率とされる。
ここで、「第2大当り遊技」は、賞球払出の実行可能性が「第1大当り遊技」に比べて低くなる大当り遊技であり、図52に示すように、「第1大当りラウンド(1R)〜第13大当りラウンド(13R)」において、第1開閉動作Bを実行する。そして、「第14大当りラウンド(14R)」及び「第15大当りラウンド(15R)」において、第1開閉動作Aを実行する。この「第2大当り遊技」においても、大入賞口31aが開放状態を維持する時間が所定時間(1R〜13Rでは合計「0.4秒」、14R及び15Rでは合計「10秒」)となる前に、大入賞口31aへの遊技球の入賞数が「規定数(8個)」に到達すると、その大当りラウンドは終了する。但し、1R〜13Rでは、大入賞口31aに遊技球が入賞する可能性は低い。
第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して当否判定(第2の大当り抽選)が行われ、大当りを示す判定結果が導出された場合も、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によっても、図49に示すように、「大当りの種類(大当り図柄の種類)」が「基本的な第1の確変大当り(第1確変大当り、15R確変大当り)」、「Aタイプの変則的な第1の確変大当り(Aタイプの15R変則確変大当り)」、「Bタイプの変則的な第1の確変大当り(Bタイプの15R変則確変大当り)」、「Cタイプの変則的な第1の確変大当り(Cタイプの15R変則確変大当り)」、「通常大当り(15R変則通常大当り)」及び「第2確変大当り(15R潜伏確変大当り)」のうちの何れかに定められる。
この「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)も、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第2の大当り抽選の結果が落選の場合、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。また、第2の大当り抽選の結果が当選である場合の「振分抽選」においては、第1の大当り抽選の結果が当選である場合の「振分抽選」に比べて、「第1の確変大当り(15R確変大当り)」が選択される確率が高くなっている(図65、図66を参照)。
c−2.疑似図柄
演出表示装置27の表示画面27aにおいても、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの入賞(始動入賞)に起因して図柄変動開始条件が成立すると、疑似図柄の図柄変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動表示)を開始する。そして、これらの図柄変動表示の実行時間が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が一定時間(約0.6秒間)実行される。このとき、疑似図柄の停止表示(確定表示)と、前述の右下表示装置60(第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62b)による停止表示(本図柄の確定図柄)と同様に、当否判定の結果を表示する。
また、演出表示装置27の表示画面27aにおいては、疑似図柄の図柄変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部が出現し、各疑似図柄表示部において、「疑似図柄」を用いた図柄変動表示(順次、変更される疑似図柄の表示)と、停止表示(停止した疑似図柄の表示)等がなされる。この疑似図柄の図柄変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字(数字図柄)と、後述するバトル演出の開始を示唆する「バ」の文字(以下、バトル図柄という)をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字及び「バ」の文字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部に確定表示される確定図柄には、「外れを示す停止図柄」と、「大当りを示す停止図柄」がある。
ここで、前述のように、本遊技機1においては、「大当り」として「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「Cタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」を設定している。但し、図53(a)に示すように、「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「Cタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」を示す停止図柄(疑似図柄)は同一の図柄とされている。
図53(a)に示すように、「Aタイプの15R変則確変大当り」を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の数字図柄」を3個並べて構成される。一方、「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「Cタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」を示す停止図柄は、3つの図柄のうち最後に停止される図柄(本実施例では中図柄)が「バトル図柄」となる図柄組合せによって構成される。また、「外れ図柄」は、図53(b)に示すように、「バトル図柄」を除く数字図柄によって構成されるものであって、3つの疑似図柄表示部のうちの少なくとも1つに他と異なる数字図柄を表示して構成される。
なお、本実施例では、「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「Cタイプの15R変則確変大当り」、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」の何れかを生ずると、大当り遊技中に演出表示装置27においてバトル演出が実行される(後述する。)。この場合、「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Bタイプの15R変則確変大当り」若しくは「Cタイプの15R変則確変大当り」に基づくバトル演出、つまり、「第1大当り遊技」中に実行されるバトル演出においては、遊技者にとって味方となるキャラクタ(味方キャラクタ)が勝利する演出が実行される。これに対して、「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り」に基づくバトル演出、つまり、「第2大当り遊技(変則的な第2大当り遊技)」中に実行されるバトル演出においては、遊技者にとって敵となるキャラクタ(敵キャラクタ)が勝利する演出、換言すると、味方キャラクタが敗北する演出が実行される。なお、本実施例では、「15R潜伏確変大当り」に基づく「第2大当り遊技」を終了した場合、演出表示装置27等において、「遊技機1に確率モードが確変モードである」旨の報知を行わないが(つまり、潜伏確変状態とするが)、当該報知を行うこととしてもよい。
また、演出表示装置27において「大当り図柄(3個同一の図柄組合せ若しくはバトル図柄を含む図柄組合せ)」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、演出表示装置27において「外れ示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示(つまり、外れ変動)の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄が同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とすることを内容とする表示である。
(4)演出の概要
本実施例の遊技機1では、図柄変動表示中及び大当り遊技中に、演出表示装置27で次のような演出を行う。なお、以下の説明においては、大入賞装置31の開放動作の態様についても合わせて説明する。また、演出部材(前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95等)を用いて実行される演出の概要についても合わせて説明する。
a.外れの場合
第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞(始動入賞)を生ずると、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する。これにより、対応する特別図柄表示部62a、62bで本図柄の図柄変動(変動遊技)を開始するとともに、図54(a)、(b)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。
この図柄変動(変動遊技)の実行時間(変動時間)は、対応する特別図柄表示部62a、62bでの図柄変動開始時に決定される変動パターン(通常変動パターン、短縮変動パターン)によって異なる(後述する。)が、この実行時間が経過すると、何れかの特別図柄表示部62a、62bにおいて本図柄の停止図柄が停止表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が停止表示される。
ここで、図54(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)であり、図54(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う外れ表示(所謂「外れリーチ」)」である。ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(変動遊技)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄がすべて同一であると大当り表示が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させた状態で「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す演出表示を指す。
b.大当りの場合
大当りの場合も、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞(始動入賞)を生ずると、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する。これにより、対応する特別図柄表示部62a、62bで本図柄の図柄変動(変動遊技)を開始するとともに、図55(a)、(b)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。
この図柄変動(変動遊技)の実行時間(変動時間)は、対応する特別図柄表示部62a、62bでの図柄変動開始時に決定される変動パターン(通常変動パターン、短縮変動パターン)によって異なる(後述する。)が、この実行時間が経過すると、何れかの特別図柄表示部62a、62bにおいて本図柄の停止図柄が停止表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が停止表示される。
ここで、図55(a)に示すように、疑似図柄の停止図柄が、「Aタイプの15R変則確変大当り」を示す停止図柄(3個同一の図柄組合せ)である場合、図56に示すように、演出表示装置27において、大当り開始表示(ファンファーレ表示)を実行する。更に、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」が開始された後、演出表示装置27において「第1の大当りラウンド(1R)に係る表示」がなされ、大入賞口31aが第2開放動作に従って開放状態となる。そして、「第1の大当りラウンド(1R)」の終了条件が成立すると、大入賞口31aが第2開放動作を終了した後、「第1の大当りラウンド(1R)に係る表示」を終了し、所定のインターバル時間(つまり、前述の待機時間の約2秒)の経過を待つ。
更に、「第2の大当りラウンドに係る表示(2R)」を開始した後、大入賞口31aが第2開放動作に従って開放状態となり、「第2の大当りラウンド(2R)」の終了条件が成立すると、第2開放動作を終了し、所定のインターバル時間(約2秒)の経過を待つ。以後、同様に、「大当りラウンド」のラウンド数が「10」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド表示」と「第2開放動作」とが行われる。この後、「大当りラウンド」のラウンド数が「15」になるまで、「演出表示装置27におけるラウンド表示」と「第1開放動作B」とがインターバル時間を挟みつつ行われ、「第15の大当りラウンド(15R)」が終了すると、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」の終了となって、その後、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
また、図55(b)に示すように、疑似図柄の停止図柄が「バトル図柄」を含む図柄組合せ(バトル開始図柄)である場合も、図57に示すように、演出表示装置27において大当り開始表示(ファンファーレ表示)を実行する。更に、「基本的大当り遊技」、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」若しくは「第2大当り遊技」が開始された後、演出表示装置27において「バトル演出」が開始される。具体的には、表示画面27aの略全域で、遊技者の味方を示す「イカのキャラクタ図柄」と、遊技者の敵を示す「タコのキャラクタ図柄」とが決闘(バトル)する動画を表示する所謂「バトル演出」を実行する。
そして、図58に示すように、発生した大当りが「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「Bタイプの15R変則確変大当り」若しくは「Cタイプの15R変則確変大当り」である場合には、演出表示装置27において、遊技者の味方を示す「イカのキャラクタ」が、遊技者の敵を示す「タコのキャラクタ」に勝利する画像が表示される。そして、「第15の大当りラウンド(15R)」の終了条件が成立するまで「大当りラウンド」が実行される。そして、「第15の大当りラウンド(15R)」の終了条件が成立すると、「基本的大当り遊技」、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」若しくは「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」の終了となって、その後、遊技機1の確率モードが高確率モードとなる。
一方、発生した大当りが「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り」である場合には、演出表示装置27において、遊技者の敵を示す「タコのキャラクタ」が、遊技者の味方を示す「イカのキャラクタ」に勝利する画像が表示される。そして、「第15の大当りラウンド(15R)」の終了条件が成立すると、「第2大当り遊技」を終了する。この場合、発生した大当りが「通常大当り(15R変則通常大当り)」であった場合、遊技機1の確率モードが通常確率モードとされ、発生した大当りが「第2確変大当り(15R潜伏確変大当り)」である場合、遊技機1の確率モードが高確率モードとされる。
なお、本実施例では、上述したように、演出表示装置27において疑似図柄の停止図柄が「バトル図柄」を含む図柄組合せ(バトル開始図柄)が表示されると、「基本的大当り遊技」、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」、「第2大当り遊技」の何れかが実行される。このうち、「基本的大当り遊技」が実行される場合の「バトル演出」としては、大入賞口31aが第2大当り動作に従って開放状態となる「第1の大当りラウンド(1R)」が開始されるまでに、味方キャラクタの勝利を示す演出が行われる。この場合の「バトル演出」の実行時間は、演出表示装置27における「大当り開始表示(ファンファーレ表示)」が行われてから「第1の大当りラウンド(1R)」が開始されるまでの比較的短い時間となる。よって、この場合の「バトル演出」は、バトル演出開始後、直ちに決着がつく(味方キャラクタが勝利する)プレミア的な演出となる。
また、本実施例の「第2大当り遊技」の実行時間(開始から終了までの時間)は、「第1の大当りラウンド(1R)」から「第13の大当りラウンド(13R)」までの大入賞口31aの開放時間(0.4秒×13R=5.2秒)と、「第14の大当りラウンド(14R)」及び「第15の大当りラウンド(15R)」における大入賞口31aの開放時間(10秒×2R=20秒)との合計時間である「25.2秒」に、第2大当り遊技中に大入賞口31aが閉鎖しているときの時間(インターバル時間を含めた閉鎖時間)を加えて、「60秒」としており、この場合の閉鎖時間(インターバル時間含む)は「34.8秒」となっている。よって、「第2大当り遊技」が実行される場合の「バトル演出」では、開始から60秒後にバトル演出の結果を示す演出(味方キャラクタの敗北を示す演出)が行われる。
そして、本実施例の「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」及び「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」のうち、第1大当り動作Aに従って大入賞口31aが開放状態となる「大当りラウンド」の実行時間は、「第2大当り遊技」の実行時間(60秒)と略同一となるように構成している。すなわち、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」で第1大当り動作Aが行われるのは「第1の大当りラウンド(1R)」であり、その「第1の大当りラウンド(1R)」が終了するまでに要する時間を、「第2大当り遊技」の実行時間(60秒)と略同一となるように構成している。つまり、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」における「第1の大当りラウンド(1R)」の実行時間は、大入賞口31aの合計開放時間「10秒」に、大入賞口31aが閉鎖しているときの時間(閉鎖時間)を加えて「60秒」としており、この場合の閉鎖時間(インターバル時間含む)は「50秒」となっている。また、「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」で第1大当り動作Aが行われるのは「第1の大当りラウンド(1R)」及び「第2の大当りラウンド(2R)」であり、その「第1の大当りラウンド(1R)」及び「第2の大当りラウンド(2R)」が終了するまでに要する時間を、「第2大当り遊技」の実行時間(60秒)と略同一となるように構成している。つまり、「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」における「第1の大当りラウンド(1R)」及び「第2の大当りラウンド(2R)」の実行時間は、大入賞口31aの合計開放時間「20秒」に、大入賞口31aが閉鎖しているときの時間(閉鎖時間)を加えて「60秒」としており、この場合の閉鎖時間(インターバル時間含む)は「40秒」となっている。
このように、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」及び「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」のうち、第1大当り動作Aに従って大入賞口31aが開放状態となる「大当りラウンド」の実行時間を、「第2大当り遊技」の実行時間(60秒)と略同一となるように構成することで、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」及び「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」が実行される場合の「バトル演出」においても、開始から60秒後にバトル演出の結果を示す演出(味方キャラクタの勝利を示す演出)が行われる。このため、演出表示装置27に「バトル開始図柄」が表示された場合には、「基本的大当り遊技」が行われる場合を除き、「バトル演出」の結果が明らかになるまで、今回行われる大当り遊技が「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」及び「第2大当り遊技」の何れであるのかを、遊技者は認識することが困難(不可能)となる。これにより、「バトル開始図柄」が表示されて「バトル演出」が行われる際の遊技興趣を高めることができる。
c.演出部材を用いた演出の概要
本遊技機1は、演出部材(前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95等)を用いた演出を以下のように実行する。なお、本遊技機1において、演出部材(前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95等)を用いた演出を行わないときには、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置は、閉状態位置に維持されるとともに、LEDランプ4Kは消灯状態に維持される。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、上述の第1開放動作Aが実行されると、図59(a)に示すように、第1演出パターンに従う演出を実行し、上述の第2開放動作が実行されると、図59(b)に示すように、第2演出パターンに従う演出を実行する。なお、本実施例では、上述の第1開放動作Bが実行されても、演出部材(前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95等)を用いた演出を実行しないこととしているが、実行することとしてもよい。
第1演出パターンに従う演出は、第1開放動作Aの実行開始に伴って、前方開閉扉ユニット90を開状態に変化させ、この開状態を10秒間維持した後、前方開閉扉ユニット90を閉状態に戻すことを内容とする演出である。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、第1開放動作Aの実行開始を検出(主制御基板200から送信されるコマンドを受信することで検出)すると、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して、左側扉91L及び右側扉91Rの位置を閉状態位置から開状態位置に変更する。
このとき、左側扉95L及び右側扉95Rの位置が閉状態位置に維持されるため、レンズ95V、95Wは前方(遊技者方向)に露呈するが、第1演出パターンに従う演出においては、左側扉91L及び右側扉91Rの位置を開状態位置に変更すると同時に、LEDランプ4Kの発光を開始する。このため、遊技者は、レンズ95V、95Wの表面に強調表示される図柄(本実施例では、「極」の文字)を視認することが可能となる。そして、左側扉95L及び右側扉91Rの位置を開状態位置としてから第1所定時間(10秒)が経過すると、LEDランプ4Kの発光を停止させるとともに、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して、左側扉91L及び右側扉91Rの位置を開状態位置から閉鎖状態位置に戻すことで、第1演出パターンに従う「1回の演出」を終了する。なお、前方開閉扉ユニット90が開状態となってから、第1所定時間(10秒)の経過前に、第1開放動作Aに従って開放状態となっている大入賞口31aへの遊技球の入球数が規定数に到達した場合には、この到達によって大入賞口31aが開放状態から閉鎖状態に戻ることに伴って第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して、左側扉91L及び右側扉91Rの位置を開状態位置から閉鎖状位置に戻す。
第2演出パターンに従う演出は、第2開放動作の実行開始に伴って、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95を開状態に変化させ、この開状態を26秒間維持した後、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95を閉状態に戻すことを内容とする演出である。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、第2開放動作の実行開始を検出(主制御基板200から送信されるコマンドを受信することで検出)すると、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置を閉状態位置から開状態位置に変更する。
これにより、「開口部81fの前方の空間部81W」が、前方(遊技者)から視認可能となるため、遊技者は、「遊技球受入口A1〜A5,A7〜A11のうちの何れかに入球した遊技球」、「第2の始動入賞装置17bに入球した遊技球」、「第1の始動入賞装置17aに入球した遊技球」若しくは「大入賞口31に入球した遊技球」であって、空間部81W(遊技球通過領域)を通過して切り欠部81hに落下しようとする遊技球(排出球)を視認することが可能となる。つまり、本遊技機1では、演出専用に設置される部材(左側扉91L、95L、右側扉91R、95R、レンズ95V、95W)ばかりか、「機外に排出される遊技球」をも「演出用の手段」として利用している。
左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置が開状態位置とされてから第2所定時間(26秒)が経過すると、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置を開状態位置から閉状態位置に戻すことで、第2演出パターンに従う「1回の演出」を終了する。なお、前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95が開状態となってから、第2所定時間(26秒)の経過前に、第2開放動作に従って開放状態となっている大入賞口31aへの遊技球の入球数が規定数に到達した場合には、この到達によって大入賞口31aが開放状態から閉鎖状態に戻ることに伴って第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置を開状態位置から閉状態位置に戻す。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「変動演出表示(図柄変動演出表示)」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図60(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図60(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドであり、始動入賞時に使用している変動パターンテーブルに応じて、通常変動用の変動パターン(後述する。)及び短縮変動用の変動パターン(後述する。)のうちの何れかが特定される。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させるとともに、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、モード指定コマンドは、遊技モード設定手段が設定している遊技モードを指定したり、遊技機1が特殊変動モードであることを指定するためのコマンドである。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図61は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)、開放動作実行コマンド出力処理(S800)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図61のS80〜S800の処理を実行するように構成されている。つまり、図61のS80〜S800の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図61のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入賞検出スイッチ17s、17t若しくは一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入賞検出スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)が開始されると、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図61の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図61の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)であるのか、或いは、作動させる図柄でないのか(普通図柄の外れ図柄)を判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図61の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.2秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図61の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図62は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図62の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2の始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2の始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2の始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは5秒、通常開放モードでは0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2の始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2の始動入賞装置17b)の開放中に、第2の始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。また、本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17dを構成する第2の始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2の始動入賞部17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理(S300)
次に、図63〜図68を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図63に示すように、先ず、第1の始動入賞装置17a若しくは第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したか否かが判断される(S302a、S302b)。そして、S302aの処理及びS302bの処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合(S302a;NO、S302b;NO)、そのまま図64に示すS308以降の処理に移行する。
一方、第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞したと判断されると(S302a;YES)、「第1の始動入賞装置17に対応する特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304a)。このS304aの処理において、所定個数未満と判断されると(S304a;YES)、第1の始動入賞装置17aへの入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「第1の始動入賞装置17aに対応する特別図柄の保留数」が「+1」される(S306a)。
ここで、本実施例の遊技機1は、始動入賞装置として、第1の始動入賞装置17aと、第2の始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1の始動入賞装置17aに対応する特別図柄(第1の特別図柄。以下、「特図1」ともいう。)と、第2の始動入賞装置17bに対応する特別図柄(第2の特別図柄。以下、「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1の始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく判定用乱数と、第2の始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく判定用乱数とが記憶された状況の下では、後者が優先的に処理される(後述する。)。
また、CPU201によって行われる処理のうちで、「第1の始動入賞装置17aに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)」と、「第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞することに起因して実行する各処理(以下、特図2に関する処理という。)」のうちで、同様な処理に関して、図63〜図68においては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては、「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図1大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1大当り抽選乱数」という。)、(b)第1の特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図1図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図1小当り抽選」という。)を行う場合、S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図1小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
また、第2の始動入賞装置17bに遊技球が入賞したと判断されると(S302b;YES)、「第2の始動入賞装置17dに対応する特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304b)。このS304bの処理において、所定個数未満と判断されると(S304b;YES)、第2の始動入賞装置17bに関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「第2の始動入賞装置17bに対応する特別図柄の保留数」が「+1」される(S306b)。この後、S308以降の処理に移行する。
S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図2大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2大当り抽選乱数」という。)、(b)第2の特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図2図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第2の始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図2小当り抽選」という。)を行う場合、S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図2小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
S308の処理では、図64に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図64のS460の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段(制御プログラムであって、ROM203に格納されている。)」が作動中であることを示すものである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図61の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1の特別図柄及び第2の特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1の特別図柄に関する保留数」と、「第2の特別図柄に関する保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことであるが、本実施例のCPU201は、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306bで取得したもので、特図2大当り抽選乱数)を読み出し(S316b)、第2の特別図柄に関する当否判定処理(特図2当否判定処理)を行う(S320b)。
この当否判定処理(S320b)においては、図66に示すように、大当り抽選に関する処理(第2の大当り抽選に関する処理)を行う。つまり、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて、この「大当り抽選」が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて、この大当り抽選が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、「特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2の始動入賞装置17b(普通電動役物)の開放延長機能を作動させる場合」と、「変動短縮機能及び開放延長機能を作動させない場合」がある(後述する。)。
S324またはS326の処理で行われる大当り抽選の結果が大当りである場合(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320b)を終了し、「第2の特別図柄に関する変動開始処理(以下、特図2図柄変動開始処理という。)」に移行する(図64のS500b)。また、大当り抽選の結果が外れである場合(S330;NO)、「外れフラグ(大当りを生じなかったことを示すフラグ)をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1の始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される当否判定処理(S320a)も、最も古い判定用乱数(S306aで取得したもので、特図1大当り抽選乱数)を読み出して(S316a)、図67に従って同様に行われる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図67に示すように、先ず、当否判定処理(S320b)の結果を下に、変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、S306bの処理(図63を参照)において取得した図柄決定乱数を読み出して、特別図柄表示部82に停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後、「決定された大当り図柄の態様と、遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。
一方、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306bの処理(図63を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード」及び「通常確率開放延長モード」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。また、S510若しくはS540で選択される変動パターンテーブルには、多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)が記憶されている。そして、当否判定の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動モードの設定時に特定される変動時間」は、「短縮変動モードの非設定時に特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮される。つまり、特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。なお、各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
このS510若しくはS540の処理の後、CPU201は、特別図柄表示部82にて特別図柄の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図61の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンド及び特別図柄停止情報指定コマンドは、図60に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が、「第1確変大当り(15R確変大当り)を示す大当り図柄」、「Aタイプの15R変則確変大当り」を示す大当り図柄」、「Bタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」、「Cタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」、「15R変則通常大当りを示す大当り図柄」及び「15R潜伏確変大当りを示す大当り図柄」の何れであるかを知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動・停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図64に戻り、「第2の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1の特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306aで取得したもので、特図1大当り抽選乱数)を読み出し(S316a)、当否判定処理を行い(S320a)、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図61の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる当否判定処理も、S320bと同様に図66に示す当否判定処理に従って行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理も、S500bと同様に図67に示す図柄変動開始処理に従って行われる。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図64参照)で、第1の特別図柄又は第2の特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図61に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1の特別図柄又は第2の特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図61に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図65のS352)。
S352の処理で肯定的な判断がなされると、「大当り遊技開始設定処理(S450)」を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図61に示す遊技制御処理に復帰する。この「大当り遊技開始設定処理(S450)」を開始すると、図68に示すように、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S454)。具体的には、「大当りの種類(15R変則通常大当り、15R確変大当り、Aタイプの15R変則確変大当り、Bタイプの15R変則確変大当り、Cタイプの15R変則確変大当り、15R潜伏確変大当りのうちの何れであるのかなど)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S454)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S454の処理で用いるバッファとして機能する。
ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S454の処理においては、これらのフラグが「ONに設定」されているか、「OFFに設定」されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態(遊技モード)を示すデータがセットされる。また、「確変フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が高確率モード(確率変動手段が作動するモード)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が変動短縮モード(図柄変動表示の実行時間が短くなる可能性が高くなるモード)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(本実施例の第2の始動入賞装置17bのような「可変式の始動入賞装置」の開放時間を長くするモード)にあることを示すフラグである。
S454の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S460)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)。この後、発生した大当りの態様に応じて、大入賞口31aの開放パターンをセットする処理を行う。すなわち、発生した大当りが「15R確変大当り」である場合(S472;YES)、「通常開放パターン(フルオープンのみの開放パターン)」をセットした後(S476)、S482以降の処理に移行する。ここで、「通常開放パターン」は、「基本的大当り遊技を行うための開放パターン」であり、「第2開放動作に基づく開放パターン」に相当する。なお、「フルオープン」の開放動作とは、第2開放動作を意味している。
発生した大当りが「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り」である場合(S472;NO、S474;YES)、「フルオープンなし変則開放パターン」をセットした後(S478)、S482以降の処理に移行する。ここで、「フルオープンなし変則開放パターン」は、「第2大当り遊技を行うための変則開放パターン」、つまり「第1開放動作Aと第1開放動作Bに基づく開放パターン」である。
発生した大当りが「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」若しくは「Cタイプの15R変則確変大当り」である場合(S472;NO、S474;NO)、「フルオープンあり変則開放パターン」をセットした後(S476)、S482以降の処理に移行する。ここで、「フルオープンあり変則開放パターン」には、図67(b)、図68(a)、(b)に示すものが存在するが、大当り図柄の態様を考慮して、何れかの変則開放パターンが設定される。
次に、S482以降の処理について説明する。ここで、S460の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)が、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S482以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S482の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S482)、セットされていない場合は(S482;NO)、そのままS484の処理に移行し、セットされている場合は(S482;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S483)、S484の処理に移行する。そして、S484の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S484;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図61の遊技制御処理に復帰する。一方、S484の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S484;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S486、S487)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図61の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図61の遊技制御処理に復帰すると、後述する大当り遊技処理(図69)が開始され、大当り遊技が実行される。なお、S482の処理の肯定判断とS483の処理を経て、S484の処理で否定的な判断がなされる場合、遊技機1の当該「大当りの発生」前における遊技状態(遊技モード)は、「高確率通常変動モード」、つまり、「潜伏確変モード」となる。
次に、図65のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1の特別図柄表示部62a若しくは第2の特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合(S398;YES)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図61の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図61の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は、「変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数」の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、次回の特別図柄の変動において短縮変動は行われない。
これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わるか、或いは、高確率短縮変動モードから高確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S417)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図61の遊技制御処理に復帰する。
なお、S417の処理では、低確率通常変動モード或いは高確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。但し、「低確率短縮変動モード」、「高確率短縮変動モード」の何れかの遊技モードにおいて「確変大当り」を生ずると、変動短縮カウンタの初期値が「10,000」にセットされるので、この場合には、S404の肯定判断を生ずることはあり得ないため、そのような状況下から「高確率通常変動モード」を生ずることはない。
E.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図61の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図69に示すように、「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技処理を開始させ(S600)、「大当り遊技(第1大当り遊技若しくは第2大当り遊技)」が実現される。
図69は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。各大当りラウンドが開始されると、前述のように、「各大当りラウンドにおいて予定されている開放動作の実行を完了するか、遊技球の入球数が規定数(本実施例では8個)になると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この後、所定の待機時間(例えば、2秒)を経て、「大当り遊技の終了条件」が成立していなければ、次の「大当りラウンド」が開始される。そして、この「大当りラウンド」を所定回数(本実施例では15回)繰り返すと、大当り遊技を終了する。以下、図69〜図70を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技(「基本的大当り遊技」、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」、若しくは「第2大当り遊技」)を開始すると(S602;YES)、先ず、「大当りラウンド」を実行中か否かを判断する(S604)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態」では閉鎖状態を維持しており、大当り遊技の開始直後は、未だ「大当りラウンド」を実行していない。このため、大当り遊技の開始直後は、「大当りラウンド」を実行中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当りラウンドの実行回数」が対応する大当り遊技の設定回数(本実施例では15回)に達したか否かを判断する(S612)。
但し、大当り遊技が開始された直後は、大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では、必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。このため、S614の処理に移行して、待機時間(インターバル時間であって、例えば、2秒)が経過したか否かを判断する(S614)。つまり、大当りラウンドの待機時間が経過したか否かを判断する(S614)。そして、大当り遊技が開始された直後は、大当りラウンドを実行していない状態となっているから、必然的に、待機時間が経過していると判断され(S614;YES)、大当りラウンドを開始させた後(S616)、図69に示した大当り遊技処理を一旦終了して、図61の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図61に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図61に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図69に示す大当り遊技処理(S600)も、約4msec毎に繰り返して実行される。
そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると、「当該大当りラウンドにおける開放動作」を完了したか否かが判断される(S606)。例えば、当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作が「第1開放動作A」であれば、大入賞口31aの合計の開放時間が10秒になったか否か(0.2秒の開放を2回行った後、9.6秒の開放を完了したか否か)が判断される。また、当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作が、第1開放動作Bであれば、大入賞口31aの合計の開放時間が0.4秒になったか否か(0.2秒の開放を2回行ったか否か)が判断される。更に、当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作が、第2開放動作であれば、大入賞口31aの開放時間が26秒になったか否かが判断される。
S606の処理で肯定的な判断がされると、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図69に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図61の遊技制御処理に復帰する。一方、S606の処理で否定的な判断がなされる場合は(606;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定数(8個)に達しているか否かを判断する(S608)。そして、遊技球の入賞数が規定数に達した場合も(S608;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図69に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図61の遊技制御処理に復帰する。つまり、遊技球の入賞数が規定数に達すると、「大当りラウンドにおいて予定されている開放動作」の完了を待たずに、開放動作を終了して、大入賞口31aを閉鎖する。
一方、「当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作」が完了せず(S606;NO)、しかも、入賞数が規定数に達していない場合は(S608;NO)、大当りラウンドを継続させたまま、図69の大当り遊技処理を抜けて、図61の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(S602;YES)、図61の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、S606の処理で肯定的な判断がなされるか、若しくは、S608の処理で肯定的な判断がなされる。こうして、1回の大当りラウンドを終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において「大当りラウンド」を実行中でないと判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、何れの大当り遊技(「基本的大当り遊技」、「Aタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Bタイプの変則的な第1大当り遊技」、「Cタイプの変則的な第1大当り遊技」若しくは「第2大当り遊技」)においても、その大当り遊技中に実行した「大当りラウンド数」が「15」に達したか否かが判断される。そして、実行した「大当りラウンド」の回数(ラウンド数)が設定回数に到達していなければ(S612;NO)、インターバル時間(例えば、2秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、新たな大当りラウンドを実行する(S616)。
一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合は(S612;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S700)」を行った後、大当り遊技処理(S600)を終了し、図61の遊技制御処理に復帰する。この大当り遊技終了時処理(S700)が起動すると、CPU201は、図70に示すように、大当り遊技フラグ(図68のS460を参照)を解除(OFFに設定)した後(S705)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図68のS454を参照)」を参照することによって、「今回の当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)」の種類(「15R変則通常大当り」、「15R確変大当り」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「Cタイプの15R変則確変大当り」及び「15R潜伏確変大当り」)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モード等を設定する処理を行う。
つまり、「今回の大当り図柄(図64のS344の処理で停止した図柄)」が「15R変則通常大当りを示す大当り図柄」であった場合(S720;NO)には、変動短縮カウンタに「40」をセットする処理(S770)と、変動短縮フラグをセットする処理(S775)と、開放延長フラグをセットする処理(S780)とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S785)、大当り遊技終了時処理(S700)を終了する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄(「15R確変大当りを示す大当り図柄」、「Aタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」、「Bタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」、「Cタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」及び「15R潜伏確変大当りを示す大当り図柄」のうちの何れか)である場合は(S720;YES)、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S725)を行った後、S730の処理に移行する。このS730の処理では、今回の大当り図柄が「潜伏確変図柄」、つまり、「15R潜伏確変大当りを示す大当り図柄」であるか否かを判断する(S730)。そして、S730の処理で肯定判断される場合、変動短縮カウンタに「40」をセットする処理(S770)と、変動短縮フラグをセットする処理(S775)と、開放延長フラグをセットする処理(S780)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S795)、大当り遊技終了時処理(S700)を終了する。
一方、S730の処理で否定的な判断される場合(つまり、今回の大当り図柄が「15R確変大当りを示す大当り図柄」、「Aタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」、「Bタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」若しくは「Cタイプの15R変則確変大当りを示す大当り図柄」である場合)、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理(S760)と、変動短縮フラグをセットする処理(S775)と、開放延長フラグをセットする処理(S780)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S785)、大当り遊技終了時処理(S700)を終了する。
F.開放動作実行コマンド出力処理(S800)
次に、図71を用いて開放動作実行コマンド出力処理(S800)の概要を説明する。つまり、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図61の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、開閉本体部31p(作動片)を作動させて、大入賞口31aを開放させる動作(つまり、大入賞口31aを開放させる開放動作であって、以下、単に「開放動作」という。)が開始されたと判断すると(S802;YES)、S810以降の処理を行う。ここで、開放動作の実行開始は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、「第1開放動作A」、「第1開放動作B」若しくは「第2開放動作」の開始に従って、大入賞口ソレノイド31cの駆動を開始させる時点である。
S810以降の処理では、「開放動作態様を示す動作態様情報が付加されたコマンド」を、サブ制御基板220に向かって送信(出力)する処理が行われる(S810、S815、S818、S820、S845)。つまり、開始される開放動作が「第1開放動作A」である場合(S810;YES)には、「第1開放動作Aに対応した開放動作実行コマンド(開始される開放動作態様が第1開放動作Aである旨を示す動作態様情報が付加されたコマンド)」をサブ制御基板220に向かって出力した後(S815)、開放動作実行コマンド出力処理(S800)を終了し、図61の遊技制御処理に復帰する。
一方、開始される開放動作が「第1開放動作B」である場合(S810;NO、S818;YES)には、「第1開放動作Bに対応した開放動作実行コマンド(開始される開放動作態様が第1開放動作Bである旨を示す動作態様情報が付加されたコマンド)」をサブ制御基板220に向かって出力した後(S820)、開放動作実行コマンド出力処理(S800)を終了し、図61の遊技制御処理に復帰する。また、開始される開放動作が「第2開放動作」である場合(S810;NO、S818;NO)には、「第2開放動作に対応した開放動作実行コマンド(開始される開放動作態様が第2開放動作である旨を示す動作態様情報が付加されたコマンド)」をサブ制御基板220に向かって出力した後(S820)、開放動作実行コマンド出力処理(S800)を終了し、図61の遊技制御処理に復帰する。
(7)演出制御処理
図72を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理」の概要について説明する。なお、図72には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。この演出制御処理では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると(950;YES)、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間(S2300で肯定判断されるまでの間)、図柄変動演出処理(S1100)、大当り遊技演出処理(S1300)、連動演出処理(S1400)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図72の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図72のフロー図に従ってサブ制御処理について説明する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)においては、図73に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理が実行される。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。
ここで、サブ制御部220Aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合(S1110;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「大当り演出の変動パターン(演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(演出表示装置27の表示画面27aで大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1115)、S1160の処理に移行する。
更に、当否判定の結果が外れある場合(S1110;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、「外れ演出の変動パターン(演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(演出表示装置27の表示画面27aで外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1118)、S1160の処理に移行する。
S1120の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)に基づいて、S1115若しくはS1118で決定した「変動パターン(演出パターン)」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示(変動遊技)を開始させる(S1120)。つまり、演出表示装置27の表示画面27aにおける図柄変動演出表示を開始させる(S1160)。
そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される演出停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1125;YES)、サブ制御部220Aは、受信した演出停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27において、疑似図柄と背景図柄の演出表示を停止させる(S1170)。
b.大当り遊技演出処理(S1300)
大当り遊技演出処理(S1300)は、本遊技機1が大当り遊技を行うときになされるものである。この大当り遊技演出処理(S1300)においては、図74に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、「大当り遊技開始指定コマンド」を受信すると(S1305;YES)、S1310以降の処理が実行される。
ここで、本遊技機1においては、大当りを生ずると、主制御部200Aからサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドが送信される(図60を参照)。つまり、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)するとともに「大入賞口31aの開放パターン」をセットするタイミングで(図68のS460,S476,S478,S480を参照)、サブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドを送信する。
大当り遊技開始指定コマンドを受信したサブ制御部220Aは、受信した大当り遊技開始指定コマンドを解析して、今回の大当りの種類(「第1確変大当り(15R確変大当り)」、「15R変則通常大当り」、「Aタイプの15R変則確変大当り」、「Bタイプの15R変則確変大当り」、「Cタイプの15R変則確変大当り」及び「15R潜伏確変大当り」のうちの何れか)を特定し、演出表示装置27等において、今回の大当りの種類に対応した大当り開始演出(ファンファーレ演出)を実行する(S1310)。なお、本実施例では、「15R潜伏確変大当り」と、「15R変則通常大当り」を生じた場合の大当り開始演出とが共通化されている。従って、遊技者は、現在の遊技モードが高確率モードにあるか否かについての想像を働かせつつ、遊技を行うことになるため、遊技者の興趣を更に高めることができる。
次いで、CPU220aは、今回の大当りの種類に対応して「大当り遊技の演出パターン(ラウンド演出パターン)」を設定する処理を行う。すなわち、今回の大当りが「15R確変大当り」である場合(S1315;YES)には、「15R確変大当り用のラウンド演出パターン」を設定した後(S1320)、S1375以降の処理に移行する。
今回の大当りが「15R変則通常大当り」若しくは「15R潜伏確変大当り(第2の確変大当り)」である場合(S1315;NO、S1325;YES)には、「15R変則通常大当り」及び「15R潜伏確変大当り」で共通に用いられる「共通ラウンド演出パターン」を設定した後(S1330)、S1375以降の処理に移行する。また、今回の大当りが「15R変則確変大当り」である場合(S1315;NO、S1325;NO)には、「15R変則確変大当りのラウンド演出パターン」を設定した後(S1365)、S1375以降の処理に移行する。ここで、S1365の処理においては、「Aタイプの15R変則確変大当り」を発生した場合と、「Bタイプの15R変則確変大当り」を発生した場合と、「Cタイプの15R変則確変大当り」を発生した場合とで、内容の異なる「15R変則確変大当り用のラウンド演出パターン」が設定される。
ところで、大当りが発生した場合、主制御部200Aは大当り遊技開始指定コマンドを送信した後、「大当りラウンドを開始させるタイミング(図69のS616)」で「ラウンド数指定コマンド」をサブ制御部220Aに送信する。これにより、図75に示すように、サブ制御部220Aは「第1回目のラウンド数指定コマンド(第1ラウンドの開始を特定するコマンド)」を受信することになるため(S1375)、演出表示装置27等において「設定したラウンド演出パターンに基づきラウンド演出(1ラウンドであることを示す演出)」を開始する(S1380)。
この後、主制御部200Aは「大当りラウンドを終了させるタイミング(図69のS610)」でサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了コマンド」を送信する。これにより、サブ制御部220Aは「第1ラウンド」の終了を検出するため、一旦、「ラウンド演出」を終了し、演出表示装置27等において「インターバル表示(各ラウンド間の演出表示)」を開始する。更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド数指定コマンド」を受信する毎に「インターバル表示」を終了して「ラウンド演出」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド(CRE)」を受信する毎に「インターバル表示」を開始する。このように、「ラウンド演出」は「インターバル表示」を挟みつつ、最終ラウンドの表示を行うまで繰り返される。
このように、大当り遊技を実行するなかで、最終ラウンドを終了するタイミングで、主制御部200Aからサブ制御部220Aに向かって「大当り終了指定コマンド」が送信されると、サブ制御部220Aは、その「大当り終了指定コマンド」を受信する(S1390;YES)。そして、「大当り終了指定コマンド」を受信したサブ制御部220Aは、演出表示装置27等において「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行する(S1395)。そして、「大当り終了演出(大当りエンディング演出)」を実行した後、大当り遊技演出を終了する。
c.連動演出処理(S1400)
連動演出処理(S1400)は、「開閉本体部31p(作動片)を作動させて大入賞口31aを開放させる動作(開放動作)」に連動して実行される。つまり、図76に示すように、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、開放動作実行コマンドを受信すると(S1403;YES)、S1405以降の処理が実行される。
S1405の処理では、S1403の処理で受信した開放動作実行コマンドが、「第1開放動作Aに対応した開放動作実行コマンド」であるか否かが判断される。そして、S1403の処理で受信した開放動作実行コマンドが、「第1開放動作Aに対応した開放動作実行コマンド」である場合(S1405;YES)には、前述の「第1演出パターンに従う演出(図59(a)を参照)」を実行した後(S1408)、連動演出処理(S1400)を終了して、図72の演出制御処理に復帰する。
つまり、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220aは、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して、左側扉91L及び右側扉91Rの位置を閉状態位置から開状態位置に変更するとともに、LEDランプ4Kを発光させる(S1408)。そして、第1所定時間(10秒)が経過すると、LEDランプ4Kの発光を停止させるとともに、第1モータ92c及び第2モータ92dを駆動して、左側扉91L及び右側扉91Rの位置を開状態位置から閉状態位置に戻して、連動演出処理(S1400)を終了する。
S1403の処理で受信した開放動作実行コマンドが、「第2開放動作に対応した開放動作実行コマンド」である場合(S1405;NO、S1410;YES)には、前述の「第2演出パターンに従う演出(図59(b)を参照)」を実行した後(S1412)、連動演出処理(S1400)を終了して、図72の演出制御処理に復帰する。つまり、サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220aは、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置を閉状態位置から開状態位置に変更する。この後、第2所定時間(26秒)が経過すると、第1モータ92c、第2モータ92d、第3モータ95c及び第4モータ95dを駆動して、左側扉91L、右側扉91R、左側扉95L及び右側扉95Rの位置を開状態位置から閉状態位置に戻して、連動演出処理(S1400)を終了する。
S1403の処理で受信した開放動作実行コマンドが、「第1開放動作Bに対応した開放動作実行コマンド」である場合(S1405;NO、S1410;NO)には、演出部材(前方開閉扉ユニット90、後方開閉扉ユニット95等)を用いた演出を行うことなく、そのまま連動演出処理(S1400)を終了して、図72の演出制御処理に復帰する。但し、本実施例と異なり、「第1開放動作Bに対応した開放動作実行コマンド」を受信した場合にも、連動演出を行うこととしてもよい。
(8)実施例の効果
本実施例の遊技機1では、大入賞口31aと、アウト口32a、32bとを横方向に隣合う状態に配設するとともに、大入賞口31aの上部を除く部位と、アウトロ32a、32bの全部とを装飾板85で覆う構成を採用している。しかも、遊技球を大入賞口31aに誘導する第1誘導路11S、11Tと、遊技球をアウト口32a、32bに誘導する第2誘導路11L、11Rとを互いに近接した状態で設けるため、遊技者にとって、大入賞口31a周辺に流下する遊技球が、大入賞口31aに入賞したのか、無効球となってアウトロ32a、32bから排出されたのかを識別困難とすることができる。
つまり、大入賞口31aが開放状態にあるときには、大入賞口31aの周辺に到達した遊技球が、第1誘導路11S、11Tによって大入賞口31aに誘導されたのか、あるいは、第2誘導路11L、11Rによってアウト口32a、32bに誘導されるのかを識別することが、従来の遊技機(大入賞口及びアウト口の略全体を視認可能な状態に上下に並べる遊技機)に比べて困難となる。また、大入賞口31aを開放状態と閉鎖状態とに切り替えるためのシャッター部材31eは、遊技盤10の前後方向に摺動(スライド移動)するものであって、遊技盤面の手前側と奥側に出没する構成となっているので、遊技盤10の手前側に位置する(座っている)遊技者にとっては、装飾板85で覆われている大入賞口31aの周辺を一見しただけでは、その大入賞口31aが開放状態と閉鎖状態の何れにあるのかを識別することは困難となる。このため、大入賞口31aが閉鎖状態にあるときにも、第1誘導路11S、11Tに誘導された遊技球が、大入賞口31aに入賞したのか、その左側方のアウトロ32aに受け入れられたのかを識別することが困難となっている。よって、大当り遊技中に大入賞口31a周辺に流下する遊技球の多くが、大入賞口に入賞している印象(無効球が発生していない印象)を遊技者に与えることができる。
また、本遊技機1では、「装飾体85で覆われる大入賞口31a及びアウト口32a、32b」の下方に装飾領域90Sを設けて、この装飾領域90Sに、大当り遊技の進行に伴って作動する演出部材(前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95等)を配設する。よって、「大当り遊技中に大入賞口31a周辺に集中する遊技者の視線」を、演出部材(前方開閉扉ユニット90と後方開閉扉ユニット95等)が設けられた装飾領域90Sにも向けることができるので、この点からも、「大入賞口31aへの入賞」と「アウトロ32a、32bからの排出」との識別(区別)を困難にして、無効球が発生していない印象をより遊技者に与えることができる。
このように、大入賞口31a、アウトロ32a、32b、装飾板85の各々の配置構成による効果と、大当り遊技の進行に伴って作動する演出部材(前方開閉扉ユニット90及び後方開閉扉ユニット95等)による効果とが相俟って、大当り遊技中における無効球の発生を遊技者にとって認識困難とすることができる。従って、本遊技機1によると、「大当り遊技中において発生する無効球(無駄球)を原因とする遊技興趣の低下」を抑制できる。