以下、本発明に係る遊技機の実施の形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ機1の外部構造を示す正面図、図2は、センター飾り23を拡大して示す正面図である。なお、本実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第1種特別電動役物及び所謂第2種特別電動役物の双方を使用した1種2種パチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物のみを使用した第2種パチンコ遊技機にも適用可能であることは勿論である。
本パチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、始動チャッカー27への入賞を契機とする抽選に基づき大当たりが発生した状態でアタッカー5への入賞に対応して賞球を行う所謂第1種としての機能を備え、大当たり入賞口83(図3参照)への入球で大当たりが発生した状態で、入球役物としてのセンター飾り23内への入賞に対応して賞球を行う所謂第2種としての機能を備えている。なお、大当たり種別選定手段83は、開閉体49の開放時に導入されて所定の条件を満たした(即ち、後述のクルーン部材32又は33のV収容凹部32a又は33aを経由した)遊技球が入球したとき大当たりを発生させる大当たり入球口を構成している。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、遊技盤3を支持した形で筐体6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が、前扉7の遊技盤保持枠(図示せず)に対して開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右、及び下部の皿ユニット16の左右には、スピーカー(図示せず)を有する放音装置12がそれぞれ配設されている。そして、前扉7の上部における放音装置12の間には、演出用照明装置8が配設されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を筐体6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、図1中の符号14は、発射装置72によって打ち出された遊技球Baを遊技盤3側に案内するガイドレールを示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口(図示せず)に進入した遊技球Baをパチンコ機1の背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球Baが供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央左部には、該皿ユニット16上の遊技球Baを発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aが配設されており、皿ユニット16の中央下部には、皿ユニット16上の遊技球Baを球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bが配設されている。また、前扉7における皿ユニット16の右方下部には、上記発射装置を操作して遊技球Baを遊技盤3に向けて打ち出すための発射ハンドル2が設けられている。更に、皿ユニット16の下部左方には灰皿21が配設されている。
遊技領域3aの中央部分には、ステージ77を有するセンター飾り23が配設されている。センター飾り23の左下方には、大当たり抽選に寄与しない入賞が行われる一般入賞口25aが配設されている。センター飾り23の直下方には、所謂第1種機能のための始動チャッカー27とアタッカー5とが順次配設されている。また、センター飾り23の開閉体49の下方には、所謂第2種機能のためのスルーゲート95及び始動チャッカー28が配設されている。この始動チャッカー28の上部には複数本(本実施形態では3本)の障害釘94が打ち込まれており、該障害釘94の存在により始動チャッカー28は、開放時にのみ入賞が許容される。スルーゲート95と始動チャッカー28との間には、一般入賞口25bが配設されている。
上記スルーゲート95への入球(通過)を契機として第2抽選手段93(図5参照)による開閉抽選が行われ、該抽選で当選した場合には、始動チャッカー開閉ソレノイド70(図5参照)の作動により始動チャッカー28の開閉部(所謂チューリップ)が所定時間(例えば0.2秒程度)開放された後に閉止するように駆動される。この際に、始動チャッカー28への入賞があれば、開閉体49が、開閉体開閉ソレノイド73(図5参照)の作動により回動支点50を中心として所定時間(例えば0.2秒程度)開放された後に閉止するように駆動される。
センター飾り23の左右上方と左下方にはそれぞれ風車31が配設されている。遊技領域3aにおけるセンター飾り23、一般入賞口25a,25bや始動チャッカー27,28等の周囲には、センター飾り23のステージ77から零れた遊技球や、発射されてからステージ77等に関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘が打ち込まれている。
始動チャッカー27は、所謂第1種として大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、その直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。アタッカー5は、所謂第1種としての大当たり発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球Baを入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
センター飾り23は、図1及び図2に示すように、遊技盤3側に固定された図柄表示装置35の画面35aを露出する開口36を中央部に、放電演出装置79を上部に、ワープ導入口37を左中央部に、所定の契機で開閉動作する開閉体49を右中央部に、それぞれ有している。ワープ導入口37の対向位置には、一対の障害釘39が打ち込まれている。センター飾り23は更に、ワープ導入口37から導入された遊技球をステージ77に放出する放出口(図示せず)を左下部に、ステージ77を開口36の下側にそれぞれ有している。図柄表示装置35の画面とステージ77との間には可動演出装置22が配設されており、該可動演出装置22の左右には第1及び第2クルーン部材32,33が配設されている。上記ステージ77は、所謂第2種としての遊技を行う可動演出装置22側に関与することはなく、上記放出口から放出された遊技球を、始動チャッカー27を上方から臨むように切り欠き形成された切欠き部78落下させるだけの機能を有する。
なお、上記「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
ステージ77の中央部は、可動演出装置22側から前方に向かって末広がり状に窪む凹部82が形成されており、この凹部82の中央部には、転動してきた遊技球を切欠き部78の中央側に寄せる働きをする案内凹部82aが形成されている。切欠き部78から落下する遊技球は、落下時の左右方向のブレに起因して、障害釘(命釘)30の中央を上手く通過して始動チャッカー27に入賞したり、障害釘30に接触して弾き返されて入賞できなかったりする。
開閉体49は、始動チャッカー28への入賞時に作動する開閉体開閉ソレノイド73(図5参照)により、センター飾り23の入球開口48を所定時間開放した後閉止する。遊技領域3aに打ち出されてセンター飾り23の右側流路を流下する遊技球が、開放した開閉体49に拾われた場合、この遊技球は、立体造形物26の下部に位置する大当たり入賞口83に入球する第1方向と入球しない第2方向とに、振分け装置4によって振り分けられる。なお、符号49aは、開閉体49の開放時に実際に遊技球をセンター飾り23内に案内する案内部49aを示している。
上記振分け装置4は、開閉体49により取り込まれた遊技球Baを大当たり入賞口83に向かうように案内し得る第1及び第2案内路G1,2Gと、第1案内路G1により案内された遊技球Baを第1方向又は第2方向に振り分けるように低速で一方向回転する第1クルーン部材32と、第2案内路G2により案内された遊技球を第2方向に向かわせるか否かを選択するように作動するブリッジ部58と、該ブリッジ部58の作動で落下した遊技球Baを第1方向又は第2方向に振り分けるように低速で一方向回転する第2クルーン部材33と、を有している。ブリッジ部58は、パチンコ機1の主電源がオンしたときから、案内部49aの左端部の奥側に隠れている回動中心(図示せず)を中心として矢印E方向に定期的に回動するように構成されている。
上記ブリッジ部58は、第1クルーン部材32への第1案内路G1を、時計方向に最大に回動した状態で案内部49aに連通させ、また反時計方向に最大に回動した状態で案内部49aとの連通を遮断する。開閉体49が開放して遊技球を取り込んだとき、ブリッジ部58が時計方向に回動して案内部49aを第1案内路G1に連通していれば、この遊技球は第1クルーン部材32に向けて流下する。その際、該クルーン部材32に備えた複数の収容凹部のうちのV収容凹部32aに入った場合には、案内路75を経て、立体造形物26によって覆われた大当たり入賞口83(図3参照)に確実に入球することになる。
一方、開閉体49が開放して遊技球を取り込んだとき、ブリッジ部58が反時計方向に回動して第1案内路G1を遮断していれば、この遊技球は、下方に位置する案内路69に落下して、ブリッジ部74側か第2クルーン部材33側に振り分けられる。すなわち、ブリッジ部74は、パチンコ機1の主電源がオンしたときから、立体造形物26側に向いた一端部を回動支点として矢印H方向に定期的に回動しており、上側に最大に回動した状態で、立体造形物26の奥側に設けられた排出口(図示せず)に案内路69を連通させて、遊技球を遊技領域3a外方に排出させる。また、下側に最大に回動した状態では、遊技球を案内路69から第2クルーン部材33側に落下させる。その際、該クルーン部材33に備えた複数の収容凹部のうちのV収容凹部33aに入った場合には、案内路76を経て、立体造形物26によって覆われた大当たり入賞口83(図3参照)に確実に入球することになる。
なお、上記クルーン部材32,33に備えたV収容凹部32a,33aは、それぞれ底面を有する有底状に構成されるが、その周囲にある他の収容凹部はいずれも無底状に構成されており、それら収容凹部に入った遊技球は、クルーン部材32,33の下方にそれぞれ形成された排出路に直ちに落下して遊技領域3a外方に排出される。
次に、上記可動演出装置22について図3を参照して詳細に説明する。同図は、可動演出装置22の構造を詳細に示す斜視図であり、可動演出装置22の下部内方に配置された回動用モータ101及び上下振動用モータ102等の機構部を視認可能に露出させると共に、大当たり入賞口83を視認可能にするために立体造形物26を実際よりも上方に持ち上げた状態で記載している。
すなわち、図3に示すように、センター飾り23におけるステージ77の奥側の平面部34には、開閉体49の開放時に導入された遊技球Baの入球を大当たり発生の契機とする大当たり入賞口83が形成されている。可動演出装置22は、この大当たり入賞口83への遊技球Baの入球状況を覆い隠し、かつ該大当たり入賞口83に遊技球が入球した際に所定の動作を行う立体造形物26を有している。大当たり入賞口83の周囲には、平面部34及びステージ77の何れよりも低い凹部96が形成されており、この凹部96の前側は、案内路75,76上を転動してきた遊技球Baがステージ77側に落下しないように規制する段差部92を構成している。
平面部34における大当たり入賞口83のやや後方には、平面部34を上下方向に貫通する貫通孔85が形成されている。この貫通孔85には、センター飾り23の上下方向に延びて立体造形物26の底部中央を支持する支軸(軸)84が貫通している。立体造形物26は、所謂ドクロ状を呈しており、左右の眼球の位置にフルカラーLED29が装着されると共に、左右に開放された遊技球導入部26aを上顎部の位置に有している。更に、立体造形物26は、上顎部の前歯にあたる部位が、図2の配置状態においてステージ77側からの遊技球の進入を規制する規制部26bを構成している。
上記支軸84は、断面四角状に形成されて貫通孔85に回動自在に挿通されており、平面部34の下側には、平面部34の裏面との間にコイルバネ91を縮設するためのバネ押え板97が固定され、最下部に円板89が固定されており、これらバネ押え板97と円板89との間にフェースギヤ88が摺動自在に嵌挿されている。このフェースギヤ88は、支軸84の外形サイズより僅かに大きいサイズで上下方向に貫通された四角状の貫通穴88aを中心部に有すると共に、不図示の支持部によって図3の位置からの上下方向移動を規制されており、貫通穴88aに貫通された支軸84の上下移動を許容した状態で矢印B方向に自在に回動するように構成されている。
平面部34の下方に延在する支軸84に近接する位置に支持部90が設けられており、この支持部90には、回動用モータ101と上下振動用モータ102とが上下に並ぶように固定されている。回動用モータ101の回転軸101aに固定されたピニオンギヤ86がフェースギヤ88の歯部に噛合しており、上下振動用モータ102の回転軸102aに固定された板カム87が円板89の底面に当接している。この状態において、支軸84はバネ押え板97を介してコイルバネ91の付勢力及び立体造形物26の重量を常に受けている。これにより、円板89は、矢印C方向に連続回転する回転板カム87に底面を常に接触させた状態で追随し、矢印D方向に滑らかに振動することができる。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図4を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
図4に示すように、パチンコ機1の筐体6の背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、サブ制御基板38、主制御基板40、及び払出し制御基板51がこの順に配置されている。また、筐体背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、この外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置用の発射制御基板53がこの順に配置されている。パチンコ機1の筐体背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図5に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
本制御系は、遊技制御装置54と、該遊技制御装置54に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71、開閉体開閉ソレノイド73、放音装置12、演出用照明装置8,11、図柄表示装置35、第1クルーン回転モータ98、第2クルーン回転モータ99、可動演出装置22、及び放電演出装置79と、を備えている。
遊技制御装置54は、図4に示した主制御基板40やサブ制御基板38等から構成されている。主制御基板40は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、サブ制御基板38は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
遊技制御装置54は、入賞入球判定手段55、入賞入球信号出力手段56、第1抽選手段57、第2抽選手段93、遊技制御手段59、保留手段60、作動制御手段61、作動判定手段62、作動決定手段63、演出制御手段64、表示制御手段65、開閉体制御手段66、クルーン作動手段67、可動演出制御手段(駆動制御手段)68、及び信頼度決定手段100を備えている。
入賞入球判定手段55は、発射ハンドル2の操作で作動する発射装置によって遊技領域3aに打ち出された遊技球が始動チャッカー27,28、一般入賞口25a,25b、アタッカー5、及び大当たり入賞口83等の何れかに入賞したとき、或いはスルーゲート95を遊技球が通過したとき、それら入賞或いは入球があった旨を判定する。
入賞入球信号出力手段56は、入賞入球判定手段55によって入賞、入球が判定されたとき、対応する始動チャッカー27,28、一般入賞口25a,25b、アタッカー5、大当たり入賞口83、スルーゲート95に入賞、入球した旨の信号を出力する。
第1抽選手段57は、入賞入球信号出力手段56からの信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として大当たりに当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。そして、第1抽選手段57は、大当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、図柄が図柄表示装置35の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。第1抽選手段57はまた、第1抽選手段57での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。
第2抽選手段93は、スルーゲート95に関する入球信号を入賞入球信号出力手段56から入力した際に、最大保留球数(例えば4個)未満での入球を契機として開閉抽選を実行し、該抽選で当選した場合に、開閉体制御手段66を介して始動チャッカー開閉ソレノイド70を作動させて始動チャッカー28を開閉動作させる。
遊技制御手段59は、放音装置12、及び演出用照明装置8,11に放音、発光の演出をさせる契機となる指令を演出制御手段64に送ると共に、予め設定された演出データや、第1抽選手段57での抽選結果に応じて、図柄表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を表示制御手段65に送る。
保留手段60は、第1抽選手段57から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー27への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、不図示の抽選保留表示装置に、最大4個の保留球となるように点灯表示される。保留手段60は、保留球数が4個になっているか否かを常時判定し、保留球数が4個表示されている間は、始動チャッカー27への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段60は、保留(記憶)している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、保留球の消費に応じて保留球数が4個未満となった場合、第1抽選手段57で行われる始動チャッカー27への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送って該ソレノイド70を作動させ、始動チャッカー28を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段61は、アタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送って該ソレノイド71を作動させ、第1抽選手段57での抽選による大当たり発生時にアタッカー5を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段62は、始動チャッカー開閉ソレノイド70及びアタッカー開閉ソレノイド71を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド70にあって、始動チャッカー27の開閉の「条件を満たす」時とは、第1抽選手段57の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド71にあって、アタッカー5の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー5の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段63は、作動判定手段62からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71の作動開始を夫々に決定する。
演出制御手段64は、遊技制御手段59からの指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置8,11を発光させ、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。
表示制御手段65は、遊技制御手段59からの信号に従って、図柄表示装置35を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
開閉体制御手段66は、上記開閉抽選に当選して開放した始動チャッカー28に入賞した旨の入賞信号を入賞入球信号出力手段56から入力した際に、開閉体開閉ソレノイド73に駆動信号を出力し、開閉体49を所定時間(例えば0.2秒程度)開放した後に閉止させる開閉動作を1回のみ行わせる。また、開閉体制御手段66は、大当たり入賞口83への入賞によって大当たりが確定した場合、開閉体開閉ソレノイド73に駆動信号を出力し、開閉体49を所定時間(例えば0.2秒程度)開放した後に閉止させる開閉動作を、10回ずつ15ラウンド繰り返させる。この大当たり確定による大当たり発生時、センター飾り23では、ブリッジ部58が図2の反時計方向に回動した状態で停止され、かつブリッジ部74が上昇して案内路69を立体造形物26側に連通した状態で停止され、この状態で、立体造形物26の奥側に設けられた上述の排出口(図示せず)に配置された近接センサ(図示せず)にて排出時の遊技球が検出され、該検出遊技球数に対応する賞球が皿ユニット16に対して行われる。なお、上述の1回のみの動作回数は、2回、3回など、製造時の設計に応じて適宜変更し得るものであり、また大当たり発生時の動作回数も、10回ずつ15ラウンドに限らず、製造時の設計に応じて適宜変更し得るものである。
クルーン作動手段67は、パチンコ機1の主電源がオンした時点から第1及び第2クルーン回転モータ98,99をそれぞれに駆動して、第1及び第2クルーン部材32,33をそれぞれ一方向に低速回転させる。
可動演出制御手段68は、始動チャッカー28への入賞に応じて開放した開閉体49に拾われた遊技球がセンター飾り23内に導入された後、第1クルーン部材32又は第2クルーン部材33を介して大当たり入賞口83に入賞した瞬間に、回動用モータ101、上下振動用モータ102及びフルカラーLED29の少なくとも1つを駆動させる抽選を行って決定する。これにより、大当たり入賞口83への入賞時には、回動用モータ101の駆動で立体造形物26が図3矢印F方向に振動動作したり、上下振動用モータ102の駆動で立体造形物26が支軸84を中心として図2矢印B方向に往復回動したり、フルカラーLED29の発光駆動で立体造形物26の両眼に相当する部位が種々の色調で発光したりする。そして、これら各駆動は、可動演出制御手段68による上記抽選結果に対応して、個別に或いは複合的に実行される。
信頼度決定手段100は、第1抽選手段57での大当たり抽選の結果とは別に、予めテーブルデータとして用意された信頼度乱数から抽選によって、大当たりが当選する見かけ上の確率、つまり、大当たり抽選の結果に関する大当たりとなる確率を示す信頼度を、10%、20%、・・・80%、90%等のような数値として決定する。該信頼度決定手段100は、信頼度乱数からの抽選を行うか否かを、始動チャッカー27への入賞後に別途行う抽選によって決める。信頼度決定手段100によって決められた確率の程度は演出制御手段64へ信号として送られ、該演出制御手段64の制御により放電演出装置79が放電発光駆動される。その際、信頼度が高い場合は放電発光強度を高くし(即ち、高輝度)、信頼度が低い場合は放電発光強度を低く(即ち、低輝度)する信号として送られる。
可動演出装置22は、支軸84で作動可能に支持された立体造形物26(図3参照)と、この立体造形物26を作動させるための回動用モータ101、上下振動用モータ102及びフルカラーLED29を有している。
放電演出装置79は、図2に示すように、透明パネル81で前面を閉止された空間内に、可動演出装置22における頭部状の立体造形物26に関連する手状の立体造形物80を有している。この立体造形物80は、演出上の所定の契機で放電発光するように構成されている。放電演出装置79は、信頼度決定手段100による信頼度抽選に応じた演出制御手段64の制御により放電発光駆動される。なお、立体造形物80自身が放電発光するのではなく、この造形物80の背面部分が放電発光するように構成することもできる。
次に、本パチンコ機1による作用について、図6及び図7のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。なお、図6は所謂第1種としての遊技を示すフローチャートであり、図7は所謂第2種としての遊技を示すフローチャートである。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、不図示の発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や一般入賞口25a,25bに適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
つまり、遊技領域3aに向けて打ち出された多数の遊技球は、その一部がワープ導入口37から導入されてステージ77上に放出された後、切欠き部78から始動チャッカー27に向けて落下する。この際、遊技球は、障害釘30への当接状況によって始動チャッカー27に入賞したり、入賞できなかったりする。この際、当該遊技球は、落下方向が、始動チャッカー27上の一対の障害釘30の間を通過して入球し得る方向と異なっても、障害釘30の左右に打ち込まれた所謂ジャンプ釘(図示せず)や、このジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾き返されることで、障害釘30に絡んでその間を落下して始動チャッカー27に入賞することもある。
ところで、始動チャッカー27、一般入賞口25a,25b、スルーゲート95の何れかに入賞又は入球した場合には、入賞入球判定手段55が入賞又は入球を判定し、且つ入賞入球信号出力手段56が信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段60は、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段59を介して表示制御手段65に順次送信し、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、当該保留球の消費に応じて、第1抽選手段57で行われる始動チャッカー27への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
ステップS3において、大当たり抽選で当選した場合、第1抽選手段57のうち該当する側が当たりフラグをオンすると、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別に対応する変動パターンが決定される。これにより、ステップS4において、図柄表示装置35に表示されるべき当たり図柄がセットされ、第1抽選手段57は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置35に表示される外れ図柄がセットされ、第1抽選手段57は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段59が、図柄表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段65に送信することに基づき、表示制御手段65は、図柄表示装置35を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
上記のような図柄表示装置35での演出表示において、遊技制御手段59が、演出制御手段64に、放電演出装置79を放電発光駆動させる契機となる指令を送っていれば、演出制御手段64は、指令を契機として、遊技中に発生したリーチの大当たり当落の信頼度報知のために、信頼度決定手段100からの信号に応じ、信頼度に応じた発光状態(低輝度、中輝度、高輝度)となるように放電演出装置79を放電発光させる。このため、大当たり抽選結果に関する内容が、遊技者の期待感を高める形で視覚的に訴えられる。これにより、遊技者は、スーパーリーチ等の演出の展開中に、まさかと思う部分が発光することで、しかも点滅や点灯状況が変化するその発光状態に新鮮さや高い興趣を感じつつ、遊技を楽しむことができる。
そして、図柄表示装置35の画面35a上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、当該ソレノイド71を作動させてアタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
以上が所謂第1種としての弾球遊技であるが、この遊技と同時進行的に、所謂第2種としての弾球遊技が実行される。すなわち、ステップS11において遊技領域3aに打ち出された遊技球がスルーゲート95に入球すると(ステップS12)、その入球信号を入賞入球信号出力手段56から入力した第2抽選手段93が開閉抽選を行い(ステップS13)、該抽選で当選した場合に、開閉体制御手段66を介して始動チャッカー開閉ソレノイド70を作動させて始動チャッカー28を開閉動作させる(ステップS14)。ここで、開放した始動チャッカー28に遊技球が入賞すると、その入賞信号を入賞入球信号出力手段56から入力した開閉体制御手段66が、開閉体開閉ソレノイド73に駆動信号を出力し、開閉体49を所定時間開放した後に閉止させる(ステップS15)。
上記開閉体49の開閉動作が繰り返される中で、センター飾り23の右側をタイミング良く流下する遊技球が開閉体49を介して入球開口48に取り込まれると、その遊技球は、ブリッジ部58の回動位置に応じて第1及び第2案内路G1,2Gのいずれかに進む。そして、遊技球が第1案内路G1に進んだ場合、該遊技球は、第1案内路G1の下流側で一方向回転している第1クルーン部材32のV収容凹部32a又は他の収容凹部の何れかに収容される。遊技球がV収容凹部32a以外の収容凹部に進入すると、そのまま遊技領域外方に排出される。また、遊技球がV収容凹部32aに進入すると、回転する第1クルーン部材32に保持されて同方向に回転移動し、案内路75上に放出されて、立体造形物26の左側の遊技球導入部26aから導入されて大当たり入賞口83に入賞する。この際の入賞光景を遊技者は視認することはできず、それに代えて、立体造形物26の振動動作、回動動作、発光駆動によって認識させられる(ステップS16)。
一方、開閉体49を介して入球開口48に取り込まれた遊技球が、ブリッジ部58の回動位置に応じて第2案内路G2に落下すると、更に該遊技球は、ブリッジ部74の回動位置に応じて遊技領域外方に排出され、或いは第2案内路G2の下流側で一方向回転している第2クルーン部材33のV収容凹部33a又は他の収容凹部の何れかに収容される。その場合、遊技球がV収容凹部33a以外の収容凹部に進入すると、そのまま遊技領域外方に排出されるが、V収容凹部33aに進入すると、回転する第2クルーン部材33に保持されて同方向に回転移動し、案内路76上に放出されて、立体造形物26の右側の遊技球導入部26aから導入されて大当たり入賞口83に入賞する。この際の入賞光景も遊技者は視認することができず、それに代えて、立体造形物26の種々の動作で認識させられる(ステップS16)。
すなわち、大当たり入賞口83に入賞したとき、可動演出制御手段68が、回動用モータ101、上下振動用モータ102及びフルカラーLED29の少なくとも1つを駆動させる抽選を行って決定し、回動用モータ101の駆動で立体造形物26を図3矢印F方向に振動動作させ、上下振動用モータ102の駆動で立体造形物26を図2矢印B方向に往復回動させ、或いは、フルカラーLED29の発光駆動で立体造形物26の両眼の色調を変化させて発光させる。更に、これら各駆動を、個別に或いは複合的に実行させたりする。
以上のように大当たり入賞口83への入賞で大当たりが確定した場合、開閉体制御手段66が開閉体開閉ソレノイド73に駆動信号を出力して、開閉体49の開閉動作を、10回ずつ15ラウンドだけ繰り返させる。これにより、センター飾り23内に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる。
以上説明のように本実施の形態では、可動演出装置22に備えた立体造形物26が、大当たり入賞口83への遊技球の入球状況を覆い隠し、かつ該大当たり入賞口83に遊技球が入球した際に所定の動作を行うので、立体造形物26で大当たり入賞口83を覆うだけの簡素な構成からなるものでありながら、大当たり入賞口83への入球の瞬間を直接に視認させずに立体造形物26の動作で大当たり確定の演出を表現して強く印象付け、大当たり発生時の遊技者の喜悦感を従来に比して増大させ、その余韻を持続させることができる。
また、可動演出制御手段68が、大当たり入賞口83に遊技球が入球した際に、立体造形物26をセンター飾り23の上下方向に振動動作させたり、立体造形物26をセンター飾り23の上下方向に延びる支軸84中心として往復回動させたり、立体造形物26の所定部位を発光駆動させたりするので、大当たり確定の瞬間を遊技者に強く印象付ける動作が実現できる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。