JP4540788B2 - 移動式クレーンのジブ格納装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、移動式クレーンのジブ格納装置に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
一般に、移動式クレーンに備えられるジブは、クレーン作業時には伸縮ブームの基端ブームの側方に横抱き状態で格納保持される一方、ジブ作業時にはその格納状態からブーム先端前面側へ張り出して固定されるようになっている。
【0004】
このジブの張出・格納方式としては従来より種々提案されており、例えば、下方チルト側方回動方式と上方チルト側方回動方式とがあり、またこれら二つの張出・格納方式においては、張出・格納時の動作に対応して、分割型のジブ、即ち、ブーム先端部に着脱されるジブ基台と該ジブ基台に対して起伏自在に連結されたジブ本体とからなるジブが採用されるのが通例である。
【0005】
ここで、下方チルト側方回動方式とは、例えばジブ格納時には、先ず伸縮ブームを起仰させてその下方にジブ張出用のスペースを確保した後、上記ジブ本体を上記ジブ基台に対して下方へチルトさせる。次に、上記ジブ基台を上記ジブ本体と一体的に側方へ回動させてこれを伸縮ブームの先端部の前面側から該先端部の側方に移動させ、しかる後、ジブ本体を上方へチルトさせて上記ジブを基端ブームの側方に位置する格納姿勢に設定する方式である。
【0006】
一方、上方チルト側方回動方式とは、例えばジブ格納時には、先ず、伸縮ブームを倒伏させた状態で、ジブ基台に対してジブ本体を上方へチルトさせる。次に、上記ジブ基台を上記ジブ本体と一体的に側方へ回動させてこれを伸縮ブームの先端部の前面側から該先端部の側方に移動させ、しかる後、ジブ本体を下方へチルトさせて上記ジブを基端ブームの側方に位置する格納姿勢に設定する方式である。
【0007】
ところで、これら上記二方式の何れにおいても、ジブの格納時には、伸縮ブームを最縮小位置よりも少しだけ伸長させた状態で、上記ジブを該伸縮ブームの側方にその先端部を該伸縮ブームの基端部側に向けた状態で位置させ、しかる後、上記伸縮ブームを最縮小側に縮小させ、この伸縮ブームの縮小動に伴ってこれと一体的に移動するジブの軸方向中間位置を、該伸縮ブームの断面高さ方向にその軸線方向をもつ揺動支持部において該伸縮ブームの基端ブーム側に連結支持させる。さらに、この状態で、上記ジブ基台と伸縮ブームの先端ブームの先端部との間を回動自在に連結している回動支点ピンを取り外して該ジブ基台(即ち、ジブ基台とジブ本体とが一体化されてなるジブ)を該先端ブーム側から離脱させ、しかる後、人力によって上記ジブを上記揺動支持部を中心として適宜に揺動させてこれを上記基端ブームに対して適正な格納位置に位置決めするとともに、これら両者を上記揺動支持部から適宜離間した位置に設けた固定部材によって連結固定するようになっている。尚、ジブの格納状態からの張出作業は、上記格納作業と逆の手順にて行われる。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記各張出・格納方式においては、ジブの張出・格納作業における上記揺動支持部の連結・連結解除に伸縮ブームの伸縮動作を利用するものであることから、該張出・格納作業においてはジブのチルト操作と回動操作に加えて、伸縮ブームの伸縮操作が必要であり、操作の簡略化という点において改善の余地がある。特に、下方チルト側方回動方式にあっては、さらに伸縮ブームの起伏操作を必要とすることから尚更である。
【0009】
一方、伸縮ブームの縮小動によって上記揺動支持部の連結を自動的に行う場合、下方チルト側方回動方式にあっては、伸縮ブームを起仰させた状態で作業が行われるので、該伸縮ブームの先端部と上記ジブのジブ基台とを連結している上記回動支点ピンよりもジブの重心位置が下方に位置し、該ジブにはその自重によってこれを基端ブーム側へ回動させる方向のモーメントが作用し、該ジブは基端ブーム側に沿って配置され、上記揺動支持部の伸縮ブーム側支持点とジブ側支持点とが可及的に伸縮ブームの伸縮方向の同一線上に並ぶこととなる。従って、伸縮ブームの縮小動によってジブが基端ブームに対して相対移動する際、該伸縮ブーム側支持点とジブ側支持点とが容易に嵌合し上記揺動支持部での連結が迅速に且つ的確に行われることになる。
【0010】
これに対して、上方チルト側方回動方式にあっては、特に、伸縮ブームの格納状態において該伸縮ブームが先端下がりの姿勢とされる所謂「スラントブーム」にあっては、該伸縮ブームが倒伏しているので該伸縮ブームの先端部と上記ジブのジブ基台とを連結している上記回動支点ピンよりもジブの重心位置が上方に位置しており、該ジブにはその自重によってこれを基端ブームから離間する方向へ回動させるモーメントが作用し、上記揺動支持部の伸縮ブーム側支持点とジブ側支持点とが該伸縮ブームの伸縮方向の同一線上に並ぶことなく側方へオフセットした状態となる。このため、上記伸縮ブームを縮小動させて上記伸縮ブーム側支持点とジブ側支持点とを嵌合させる場合、その位置合わせが困難となり、上記揺動支持部での連結をスムーズに行えないという問題がある。
【0011】
このように、揺動支持部における連結・連結解除作業における作業性という点においては、上方チルト側方回動方式よりも下方チルト側方回動方式の方が優れていると言える。しかし、上方チルト側方回動方式には、下方チルト側方回動方式のように伸縮ブームの起伏操作を必要とすることなくジブの張出・格納作業を行えるという利点があることから、ジブの張出・格納作業全体という広い観点からすれば、上方チルト側方回動方式の方が下方チルト側方回動方式よりも実用上優れているといえる。
【0012】
このような事情から、ジブ付き移動式クレーンにおいては、ジブの張出・格納方式として上方チルト側方回動方式を採用した上で、ジブの張出・格納操作時における揺動支持部の連結・連結解除を容易且つ確実に行うための技術の開発が要請されているところである。
【0013】
また一方、ジブの格納状態での保持は、上記揺動支持部の外に、少なくとも他の一点で該ジブと基端ブームとを連結固定する必要がある。この場合、上記揺動支持部は、ジブの揺動操作を行う必要上、できるだけジブ重心位置に近い部位に位置設定する必要がある。そうとすると、他の固定部は、ジブ支持の安定性という観点からして、上記揺動支持部から離れた位置とすることが望ましく、従来はこれを伸縮ブームの基端部側に位置設定するのが通例であった。
【0014】
ところが、このように伸縮ブームの基端部側に上記固定部を設定すると、該固定部における固定作業(ピン差し作業)を移動式クレーン上において行わなければならず、作業性及び作業上の安全性という点において好ましくない。
【0015】
そこで本願発明では、以上の如き種々の問題点に鑑み、上方チルト側方回動方式のジブを備えた移動式クレーンにおいて、ジブの張出・格納作業における作業の簡略化と作業性の向上等を図ることを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0017】
本願の第1の発明では、移動基台1上に旋回動自在に搭載された旋回台2にその基端部3aが起伏動自在に連結された伸縮ブーム3と、該伸縮ブーム3の先端部3bに着脱自在に連結されるジブユニット4とを備えるとともに、該ジブユニット4はこれを、上記伸縮ブーム3の先端部3bに該伸縮ブーム3を最倒伏させた格納状態においてその軸線方向が略鉛直又は該伸縮ブーム3の下面に略垂直となるように配置された回動支点ピン15によってその基端部5aが回動自在に枢支され該伸縮ブーム3の先端部3bの側方においてその先端部5bを該伸縮ブーム3の基端部3a側に向けた後方指向姿勢と該伸縮ブーム3の先端部3bの前面側においてその先端部5bを該伸縮ブーム3の伸縮方向前方側へ向けた前方指向姿勢との間において姿勢変更可能とされるとともに上記前方指向姿勢においては着脱自在な固定ピン16によって上記伸縮ブーム3の先端部3bに固定可能とされたジブ基台5と、上記ジブ基台5の先端部5bに対してその基端部6aが略水平方向に向けて配置した水平ピン10により起伏動自在に連結され、上記ジブ基台5から上方へ起仰した回動時姿勢と、該ジブ基台5から下方へ斜めに倒伏した作業時姿勢の間で起仰姿勢が変更設定可能とされたジブ本体6とを備え、上記伸縮ブーム3側への格納時には、上記ジブ基台5が後方指向姿勢とされ且つ上記ジブ本体6が上記回動時姿勢側から上記作業時姿勢側へ倒伏されて上記伸縮ブーム3の側面3cに沿ってその基端部3a側に延出する格納姿勢に姿勢設定されるようにした移動式クレーンにおいて、上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aと上記ジブ本体6の軸方向中間部位との間に、上記ジブユニット4を上記格納姿勢において上記基端ブーム3A側に連結する第1ジブ連結手段Pを備えるとともに、該第1ジブ連結手段Pを、上記ジブ本体6の上記格納姿勢側への倒伏動に伴って該ジブ本体6と上記基端ブーム3Aとを連結するとともにこの連結状態においては該第1ジブ連結手段Pを中心として上記ジブユニット4が上記伸縮ブーム3の側面3cに対して接離する方向へ揺動するのを許容する一方、上記ジブ本体6の上記格納姿勢からの起仰動に伴って該ジブ本体6と上記基端ブーム3Aとの連結を解除するように構成したことを特徴としている。
【0018】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる移動式クレーンのジブ格納装置において、上記第1ジブ連結手段Pを、上記基端ブーム3Aの側面3Aa又は上記ジブ本体6の側面6cの何れか一方側に設けられた第1連結部21と、何れか他方側に設けられた第2連結部31とを備えるとともに、上記第1連結部21は、上下方向に延びる嵌挿ピン22と、該嵌挿ピン22と同軸上に設けられ該嵌挿ピン22よりも大径の嵌合部23とを、該第1連結部21が上記基端ブーム3A側に設けられたときには上記嵌合部23が上記嵌挿ピン22の下端部側に位置し、該第1連結部21が上記ジブ本体6側に設けられたときには上記嵌合部23が上記嵌挿ピン22の上端部側に位置するように設けて構成し、上記第2連結部31は、上記嵌挿ピン22が嵌合されるピン嵌合孔32と、該ピン嵌合孔32と同軸上に位置して上記嵌合部23が嵌合する嵌合受部34とを、上記第2連結部31が上記ジブ本体6側に設けられたときには上記嵌合受部34の上方側に上記ピン嵌合孔32が位置するように、また上記第2連結部31が上記基端ブーム3A側に設けられたときには上記ピン嵌合孔32の上方側に上記嵌合受部34が位置するように、それぞれ設けて構成したことを特徴としている。
【0019】
本願の第3の発明では、上記第2の発明にかかる移動式クレーンのジブ格納装置において、上記第2連結部31の上記嵌合受部34を、略U字の切欠溝で構成し且つ上記第2連結部31が上記ジブ本体6側に設けられたときにはその開口を上記基端ブーム3A側に指向させ、上記第2連結部31が上記基端ブーム3A側に設けられたときにはその開口を上記ジブ本体6側に指向させたことを特徴としている。
【0020】
本願の第4の発明では、上記第1の発明にかかる移動式クレーンのジブ格納装置において、上記伸縮ブーム3はその格納状態ではその先端下がりに倒伏される一方、上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの先端部3Abと上記ジブユニット4の上記ジブ本体6の基端部6aとの間には、上記ジブユニット4の格納姿勢においてこれら両者間を連結する第2ジブ連結手段Qを備えるとともに、上記第2ジブ連結手段Qはこれを、上記基端ブーム3Aの先端部3Abと上記ジブ本体6の基端部6aの何れか一方側に設けられた受け台46と、何れか他方側に設けられた当接部40とを備えて構成し、上記当接部40は上記ジブユニット4が格納姿勢に設定された状態において上記受け台46によって支持されるとともに、上記ジブユニット4の上記第1ジブ連結手段P回りの揺動に伴って移動可能で且つ所定位置において上記受け台46と連結固定される構成としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0022】
(1) 本願の第1の発明にかかる移動式クレーンのジブ格納装置によれば、上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aと上記ジブ本体6の軸方向中間部位との間に、上記ジブ本体6の上記格納姿勢側への倒伏動に伴って該ジブ本体6と上記基端ブーム3Aとを連結するとともにこの連結状態においては該第1ジブ連結手段Pを中心として上記ジブユニット4が上記伸縮ブーム3の側面3cに対して接離する方向へ揺動するのを許容する一方、上記ジブ本体6の上記格納姿勢からの起仰動に伴って該ジブ本体6と上記基端ブーム3Aとの連結を解除するように構成された第1ジブ連結手段Pを備えているので、上記ジブユニット4の張出状態からの格納作業に際しては、該ジブユニット4における上記ジブ本体6の格納姿勢側への倒伏動に伴って上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aと上記ジブ本体6の軸方向中間部位とが連結され、また上記ジブユニット4の格納状態からの張出作業に際しては、該ジブユニット4における上記ジブ本体6の格納姿勢からの起仰動に伴って上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aと上記ジブ本体6の軸方向中間部位との連結が解除されるものであり、しかも上記ジブ本体6の倒伏・起仰動は上記ジブユニット4の姿勢調整上、本来的に不可欠な操作であることから、例えば、従来のようにジブの張出・格納作業に際して、姿勢調整のためのジブの起仰動と、ジブと伸縮ブーム側との連結・連結解除のための該伸縮ブームの伸縮動とを必要とする構成の場合に比して、ジブユニットの張出・格納作業の簡略化及び該作業における作業性の向上が期待できるものである。
【0023】
(2) 本願の第2の発明にかかる移動式クレーンのジブ格納装置によれば、上記第1ジブ連結手段Pを、上記基端ブーム3Aの側面3Aa又は上記ジブ本体6の側面6cの何れか一方側に設けられた第1連結部21と、何れか他方側に設けられた第2連結部31とを備えるとともに、上記第1連結部21は、上下方向に延びる嵌挿ピン22と、該嵌挿ピン22と同軸上に設けられ該嵌挿ピン22よりも大径の嵌合部23とを、該第1連結部21が上記基端ブーム3A側に設けられたときには上記嵌合部23が上記嵌挿ピン22の下端部側に位置し、該第1連結部21が上記ジブ本体6側に設けられたときには上記嵌合部23が上記嵌挿ピン22の上端部側に位置するように設けて構成し、上記第2連結部31は、上記嵌挿ピン22が嵌合されるピン嵌合孔32と、該ピン嵌合孔32と同軸上に位置して上記嵌合部23が嵌合する嵌合受部34とを、上記第2連結部31が上記ジブ本体6側に設けられたときには上記嵌合受部34の上方側に上記ピン嵌合孔32が位置するように、また上記第2連結部31が上記基端ブーム3A側に設けられたときには上記ピン嵌合孔32の上方側に上記嵌合受部34が位置するように構成したので、上記ジブ本体6の倒伏に伴って、上記第1連結部21の上記嵌挿ピン22が上記ピン嵌合孔32に嵌合するとともに、上記嵌合受部34には上記第1連結部21側の嵌合部23が嵌合し、これら上下の嵌合部によって上記ジブ本体6は水平方向への移動が規制される。
【0024】
(3) 本願の第3の発明にかかる移動式クレーンのジブ格納装置によれば、上記第2の発明にかかる移動式クレーンのジブ格納装置において、上記第2連結部31の上記嵌合受部34を、略U字の切欠溝で構成し且つ上記第2連結部31が上記ジブ本体6側に設けられたときにはその開口が上記基端ブーム3A側に指向し、上記第2連結部31が上記基端ブーム3A側に設けられたときにはその開口が上記ジブ本体6側に指向させているので、上記ジブ本体6が倒伏するとき、上記第1連結部21の上記嵌挿ピン22は上記第2連結部31の嵌合受部34を非接触状態で通過し、該嵌合受部34の上側に位置する上記ピン嵌合孔32に嵌合することができる。
【0025】
(4) 本願の第4の発明にかかる移動式クレーンのジブ格納装置によれば、上記伸縮ブーム3が先端下がりに倒伏された状態において、該伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの先端部3Abと格納姿勢にある上記ジブユニット4の上記ジブ本体6の基端部6aとを、これら両者間に設けた上記第2ジブ連結手段Qによって連結固定するようにしているので、例えば該第2ジブ連結手段Qが上記基端ブーム3Aの基端部3a側に設けられているような場合に比して、該第2ジブ連結手段Qの地上高さが可及的に低くなり、従って該第2ジブ連結手段Qの操作を作業員が地上から行うことが可能となり、それだけ上記ジブユニット4の張出・格納作業時における作業上の安全性が向上することになる。
【0026】
また、上記第2ジブ連結手段Qが、上記基端ブーム3Aの先端部3Abと上記ジブ本体6の基端部6aの何れか一方側に設けられた受け台46と、何れか他方側に設けられた当接部40とを備えて構成され、しかも上記当接部40は上記ジブユニット4が格納姿勢に設定された状態において上記受け台46によって支持されるとともに、上記ジブユニット4の上記第1ジブ連結手段P回りの揺動に伴って移動可能で且つ所定位置において上記受け台46と連結固定されるようになっているので、上記ジブユニット4を上記第1ジブ連結手段P回りに揺動させてこれを格納姿勢に姿勢設定する場合、作業者は該ジブユニット4に対してその揺動方向にのみ操作力をかければ良く、例えば、上記ジブユニット4の上記第1ジブ連結手段P回りの揺動操作時における上記基端ブーム3Aの先端部3Abと上記ジブ本体6の基端部6aとの間の支持機構がなく該ジブユニット4のモーメント荷重を作業者が支持する必要があるような場合に比して、上記第2ジブ連結手段Qの操作に係わる作業が容易で、且つ作業上の安全性も確保されることになる。
【発明の実施の形態】
【0027】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0028】
図1には、本願発明にかかるジブ格納装置Xを備えた移動式クレーンZが示されている。この移動式クレーンZは、移動基台1上に旋回動自在に搭載した旋回台2に、伸縮ブーム3の基端部3aをブーム支点ピン9によって起伏動自在に連結し且つこれを上記旋回台2との間に配置した起伏シリンダ7によって起伏駆動可能として構成されるものであって、該伸縮ブーム3の側部には後述のジブユニット4が横抱き状態で格納保持されている。
【0029】
伸縮ブーム3
上記伸縮ブーム3は、最基端側に位置し上記旋回台2側に連結された基端ブーム3Aの内部に、二段目ブーム3B、三段目ブーム3C、四段目ブーム3D、五段目ブーム3E及び先端ブーム3Fを、順次伸縮自在に嵌挿して構成される。この伸縮ブーム3は、図1に示すように、これを最縮小位置まで縮小させ、且つその基端部3aから先端部3bに向かって下降傾斜する先端下がり状態に倒伏した姿勢で上記移動基台1側に格納される(以下、この格納状態における伸縮ブーム3の姿勢を「ブーム格納姿勢」という)。
【0030】
上記伸縮ブーム3の先端側には、後述のジブユニット4が着脱自在に装着可能とされる。このため、図2及び図4に示すように、該伸縮ブーム3の先端部3b(即ち、上記先端ブーム3Fの先端部)の左右両隅の一方には上下一対の支持ブラケット11,11が、他方には上下一対の支持ブラケット12,12が、それぞれ側方へ突出状態で取り付けられている。これら各支持ブラケット11,11と支持ブラケット12,12のうち、上記先端部3bの一方の隅部に設けられた上下一対の上記支持ブラケット11,11には回動支点ピン15が着脱自在に装着され、また上記先端部3bの他方の隅部に設けられた上下一対の支持ブラケット12,12には固定ピン16が着脱自在に装着される。
【0031】
上記回動支点ピン15は、後述のジブユニット4を回動自在に支持するものであって、図1に示すように、上記伸縮ブーム3が「ブーム格納姿勢」に設定された状態においてその軸線Lが略鉛直となるようにその装着方向が設定されている。また、上記固定ピン16は、上記ジブユニット4が上記伸縮ブーム3の先端部3bの前面側に振り出された状態において上記回動支点ピン15と共に該ジブユニット4を固定するものであって、上記回動支点ピン15と平行に配置
ジブユニット4
上記ジブユニット4は、図1〜図4に示すように、次述のジブ基台5とジブ本体6とからなる二分割構造とされている。
【0032】
上記ジブ基台5は、図2及び図4に示すように、略三角状の側面形態をもつ構造体であって、その一辺寄り部位を基端部5a、該基端部5aに対向する頂点寄り部位を先端部5bとしている。このジブ基台5は、その基端部5aの左右両隅部に、それぞれ上下一対の支持ブラケット13,13及び同14,14を備えている。そして、これら各支持ブラケット13,13及び同14,14は、上記伸縮ブーム3側の上記各支持ブラケット11,11及び同12,12に対応するようにその取付位置が設定されており、該支持ブラケット13,13は上記回動支点ピン15によって上記伸縮ブーム3側の支持ブラケット11,11に連結され、また上記支持ブラケット14,14は上記固定ピン16によって上記伸縮ブーム3側の上記支持ブラケット12,12に連結されるようになっている。
【0033】
また、上記ジブ基台5は、上記回動支点ピン15を中心として上記伸縮ブーム3の先端部3bの側方において前後方向に回動自在とされ、図1及び図2に実線図示するように該ジブ基台5が上記伸縮ブーム3の先端部3bの側方においてこれと略平行で且つその先端部5bを該伸縮ブーム3の基端部3a側に向けた姿勢(以下、この時の姿勢を「後方指向姿勢」という)と、同各図において鎖線図示(符号5´参照)するように該ジブ基台5が上記伸縮ブーム3の先端部3bの前面側に振り出されてその先端部5bを該伸縮ブーム3の前方へ向けた姿勢(以下、この時の姿勢を「前方指向姿勢」という)との間で姿勢変更可能とされている。そして、上記「前方指向姿勢」においては、上記固定ピン16によって上記ジブ基台5側の支持ブラケット14と上記伸縮ブーム3側の支持ブラケット12とが連結され、これによって上記ジブ基台5は上記伸縮ブーム3の基端部3aに対して上記固定ピン16と上記回動支点ピン15の両者で固定されることになる。尚、上記ジブ基台5の回動は、図示しない回動駆動手段によって行われる。
【0034】
上記ジブ本体6は、伸縮構造とされ、その基端部6aは、上記ジブ基台5の先端部5bに上記回動支点ピン15と直交するように水平方向に向けて設けた水平ピン10によって該先端部5bに対して起伏自在に連結されている。そして、このジブ本体6は、上記ジブ基台5との間に配置したチルトシリンダ8の伸縮働によって起伏駆動され、図1において鎖線図示(符号6A,6B参照)するように上記ジブ基台5から上方へ直交に近い位置まで起仰した姿勢(以下、この姿勢を「回動時姿勢」という)と、同図に鎖線図示(符号6C参照)するように上記ジブ基台5から下方へ斜めに倒伏した姿勢(以下、この姿勢を「作業時姿勢」という)との間で起仰姿勢が変更設定可能とされる。また、この「回動時姿勢」と「作業時姿勢」の中間の起仰姿勢として、図1に実線図示するように、側面視において上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの側面3Aaに重合した姿勢をとり得るようになっている。この中間の起仰姿勢では、上記ジブ本体6は上記ジブ基台5の先端部5bからその前方へ延出した姿勢となっており、このときの上記ジブユニット4全体の姿勢が特許請求の範囲の「格納姿勢」に該当する。尚、図1においては、説明の便宜上、上記「作業時姿勢」を上記伸縮ブーム3が格納されている状態において示しているが、実際には該伸縮ブーム3がその格納状態から起仰した状態において初めてとられる姿勢であることは言うまでもない。
【0035】
尚、図1及び図4において符号Gは、上記ジブ本体6が全縮状態(即ち、格納状態)にあるときの該ジブ本体6の重心位置を示している。
【0036】
ジブ格納装置X
上記ジブ格納装置Xは、上記ジブユニット4を上記伸縮ブーム3側に格納し且つこれを保持するためのものであって、次述する第1ジブ連結手段Pと第2ジブ連結手段Q及び揺動規制手段Rとを備えて構成される。
【0037】
第1ジブ連結手段P
上記第1ジブ連結手段Pは、上記ジブユニット4の格納時にその軸方向の中間部位(具体的には、図1及び図4に示すように、上記ジブ本体6の重心Gよりも所定寸法だけその先端部6b寄り部位)を上記基端ブーム3A側に支持させてこれを連結するとともに、該第1ジブ連結手段Pを中心とする該ジブユニット4の横方向への揺動を許容するものであって、その具体的構成は以下の通りである。
【0038】
即ち、上記第1ジブ連結手段Pは、後述するように、上記ジブ本体6を「回動時姿勢」から倒伏させて上記ジブユニット4を上記「格納姿勢」に姿勢設定する動作に伴って該ジブ本体6の軸方向中間部位と上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの側面3Aaとを連結し且つその連結状態において該ジブユニット4の揺動を許容するとともに、該ジブユニット4が「格納姿勢」にある状態において上記ジブ本体6を「回動時姿勢」側へ起仰させる時にはその起仰動作に伴って該ジブ本体6の軸方向中間部位と上記伸縮ブーム3の基端ブーム3Aの側面3Aaとの連結を解除するように構成されるものであって、次述の第1連結部21と第2連結部31とを備えて構成される。
【0039】
上記第1連結部21は、図7に拡大図示するように、その先端部22aを尖頭形状とした所定長さの嵌挿ピン22と、該嵌挿ピン22の下端にこれと同軸上に連続して設けられ且つ該嵌挿ピン22よりも大径の短軸形状をもつ嵌合部23と、該嵌合部23下端にこれと同軸上に連続して設けられ且つ該嵌合部23よりも大径のジブ受部24とを備えてなり、ベース25上に立設固定されるとともに、上記嵌挿ピン22の側部には鉤形のアーム部28を設けて構成される。また、上記嵌挿ピン22の軸心に対する上記アーム部28の延出方向に略直交する方向において上記ジブ受部24の中心を挟んで対向する該ジブ受部24の両側面にはガイドシュー26とストッパー27がそれぞれ設けられている。そして、この第1連結部21は、図5及び図6に示すように、上記基端ブーム3Aの側面3Aaに側方へ延出配置した下側ブラケット62上に、上記アーム部28を該側面3Aa側に向けた状態で上記ベース25を衝合させ且つこれを固定ボルト64,64,・・により締結固定することで該基端ブーム3A側に取り付けられている。また、この第1連結部21の上部側は、上記アーム部28を上記基端ブーム3Aの側面3Aaに延設された上側ブラケット63に対して、対向配置された一対の調整ボルト66,66によって挟着固定されている。
【0040】
尚、上記ベース25は上記下側ブラケット62上において、例えば長穴構造により、左右方向に位置調整可能とされており、従って、上記第1連結部21は、該ベース25側の位置調整と上記各調整ボルト66,66による上記アーム部28側における左右方向の位置調整とによって、上記基端ブーム3Aの側面3Aaからの離間距離が調整可能とされている。また、上記第1連結部21の固定状態においては、上記ガイドシュー26とストッパー27は、上記伸縮ブーム3の軸方向に略平行な方向に並ぶように配置されている。
【0041】
上記第2連結部31は、図8に示すように、上記ジブ本体6の側面6cの上端部位に側方へ向けて延設された第1プレート33と下端部位に側方へ向けて延設された第2プレート35とを備えている。そして、上記第1プレート33には、上記第1連結部21の嵌挿ピン22が嵌合されるピン嵌合孔32が設けられている。また、上記第2プレート35の上記第1プレート33のピン嵌合孔32と同軸上位置には、外方に向かって開口する略U字状の切欠溝で構成され上記第1連結部21の嵌合部23が嵌合される嵌合受部34が設けられている。さらに、この第2プレート35の上記嵌合受部34の開口部の両側部の一方には上記第1連結部21のガイドシュー26と係合する傾斜状のガイド面36aをもつガイド部材36が、他方には上記ストッパー27と係合するストッパー37が、それぞれ設けられている。また、上記第1プレート33と第2プレート35の中間位置には、ストッパー38が上記嵌合受部34側に適宜突出した状態で設けられている。
【0042】
尚、この実施形態においては、上述のように、上記第1連結部21を上記基端ブーム3A側に、上記第2連結部31を上記ジブ本体6側にそれぞれ設けているが、本願発明はかかる配置構成に限定されるものではなく、この実施形態とは逆に、上記第1連結部21を上記ジブ本体6側に上記第2連結部31を上記基端ブーム3A側にそれぞれ設けることも可能なことは勿論である。但し、この場合には、上記第1連結部21は上記嵌挿ピン22の先端部22aを下方に向けた倒立状態で、また上記第2連結部31は上記第1プレート33が上記第2プレート35の下側に位置する倒立状態で、それぞれ配置することが必要である。
【0043】
第2ジブ連結手段Q
上記第2ジブ連結手段Qは、上記ジブユニット4のジブ本体6が上記第1ジブ連結手段Pによって上記基端ブーム3A側に支持された状態において、該基端ブーム3Aの先端部3Abにおいて(即ち、上記第1ジブ連結手段Pに対してジブ本体6の重心Gを挟んだ反対側部位において)該ジブ本体6の基端部6aを連結固定するためのものであって、図9に示すように、当接部40と受け台46とを備えて構成されている。
【0044】
上記受け台46は、上記基端ブーム3Aの先端部3Abにおいてその側面3Aaから側方へ延出状態で配置され且つその上面を受面46aとしている。そして、この受面46aの先端部にはブーム側ブラケット43とストッパー45がそれぞれ設けられている。
【0045】
上記当接部40は、上記ジブ本体6の基端部6aに設けられて上記受け台46の受面46aに載置されることで該ジブ本体6の基端部6aを上記基端ブーム3Aの先端部3Ab側に支持させるものであって、ローラ42を備えたジブ側ブラケット41を、該ローラ42が上記ジブ本体6の軸方向に略直交する面に沿って転動し得るように固定ボルト65によって上記ジブ本体6側に固定して構成される。また、このジブ側ブラケット41の先端は上記受け台46側の上記ストッパー45と係合するストッパー面41aとされている。さらに、上記ジブ側ブラケット41と上記受け台46側の上記ブーム側ブラケット43とは、上記ストッパー45に上記ジブ側ブラケット41のストッパー面41aが当接した状態においてこれら両者を連結固定する連結ピン44が着脱自在に設けられている。
【0046】
尚、この実施形態においては、上記受け台46を上記基端ブーム3A側に、上記当接部40を上記ジブ本体6側に、それぞれ設けているが、本願発明はかかる配置構成に限定されるものではなく、これとは逆に上記受け台46を上記ジブ本体6側に、上記当接部40を上記基端ブーム3A側に設けることも可能なことは勿論である。
【0047】
揺動規制手段R
上記揺動規制手段Rは、後述するように、上記ジブユニット4が「格納姿勢」に設定され且つ上記第1ジブ連結手段Pと第2ジブ連結手段Qによって上記基端ブーム3A側に連結された状態において、例えば移動式クレーンZの走行時に走行振動によって上記ジブ本体6の先端部6b側部分が跳ね上がるのを規制するためのものであって、図10に示すように、上記基端ブーム3Aの側面3Aaから側方へ向けて延設されたブーム側係合部51と、上記ジブ本体6の側面6cから側方へ向けて延設されたジブ側係合部52とを備えて構成され、上記ジブユニット4の「格納姿勢」においては、上記ブーム側係合部51の下側に上記ジブ側係合部52が近接対向するようにこれらの取付け位置が相対的に設定されている。
【0048】
作動説明
続いて、上記ジブ格納装置Xを備えた移動式クレーンZにおける上記ジブユニット4の張出・格納操作時における作動を、格納操作を例にとって説明する。
【0049】
上記ジブユニット4の格納操作は、上記伸縮ブーム3を使用しての作業状態から開始される。即ち、上記伸縮ブーム3を使用した作業状態においては、該伸縮ブーム3は適宜伸長し且つ適宜起仰した状態とされ、また該伸縮ブーム3の先端部3bの前面側には上記ジブユニット4が張出され且つこれが適宜に倒伏した「作業時姿勢」に設定されている。
【0050】
この作業状態から上記ジブユニット4を格納するには、先ず、その準備操作として、上記伸縮ブーム3を最小長さまで縮小させ、しかる後、上記ジブユニット4のジブ本体6をその「作業時姿勢」から「回動時姿勢」側へ起仰させながら上記伸縮ブーム3を最大倒伏位置まで倒伏させてこれを「ブーム格納姿勢」に設定する。この状態が図1に示す状態であり、このとき上記ジブユニット4のジブ基台5は同図に鎖線図示(符号5´)する前方指向姿勢にあり、また上記ジブ本体6は同図に鎖線図示(符号6B)する前方向きの「回動時姿勢」にある。
【0051】
次に、上記ジブ本体6を「回動時姿勢」に設定したまま、上記固定ピン16を取り外し、上記ジブ基台5を回動可能とする。そして、この状態で、上記ジブ基台5を前方指向姿勢から回動させてこれを後方指向姿勢に設定する。この状態では、上記ジブ基台5は図1に実線図示する姿勢にあり、また上記ジブ本体6は同図に鎖線図示(符号6A)する後方向きの「回動時姿勢」にある。
【0052】
次に、上記チルトシリンダ8によって上記ジブ本体6を「回動時姿勢」から倒伏させてこれを上記ジブユニット4の「格納姿勢」に対応する起伏位置に設定する。このジブ本体6の「格納姿勢」に対応する起伏位置への倒伏動作に伴って上記ジブ本体6が上記第1ジブ連結手段Pによって上記基端ブーム3A側に連結される。
【0053】
即ち、上記ジブ基台5が後方指向姿勢に設定された状態で、上記ジブ本体6が「回動時姿勢」から倒伏されると、このジブ本体6の倒伏動作に伴って上記第1ジブ連結手段Pの上記基端ブーム3A側に設けられた上記第1連結部21に対して上記ジブ本体6側に設けられた上記第2連結部31が、図6に示す弧状の軌跡L0を描きながら次第に接近する。この場合、上記伸縮ブーム3が先端下がりの姿勢で格納されていても、上記ジブ本体6の平面視における倒伏軌跡は上記ジブ基台5によって鉛直面に沿うように規制されていることから、上記伸縮ブーム3が先端下がりの姿勢で格納されていてもこれに何ら影響を受けず、上記基端ブーム3Aに対して予定した位置(図2に示す位置)に降下し、上記第1連結部21と上記第2連結部31とは同一鉛直面上に可及的に合致することになる。また、上記第2連結部31の嵌合部23は上記第1連結部21の嵌挿ピン22より大径とされており、上記第1連結部21に対して上記第2連結部31が弧状の軌跡をとって接近してもこれら両者が接触することはない。
【0054】
従って、上記ジブ本体6の倒伏に伴って、先ず、上記第2連結部31側の上記ガイド部材36のガイド面36aが上記第1連結部21側のガイドシュー26と係合し、上記第1連結部21と上記第2連結部31との位置決めがなされる。この位置決め状態でさらに上記ジブ本体6が倒伏することで、上記第1連結部21の上記嵌挿ピン22が上記第2連結部31の嵌合受部34を非接触状態で通過し、該嵌合受部34の上側に位置する上記ピン嵌合孔32に嵌合するとともに、上記嵌合受部34には上記第1連結部21側の嵌合部23が嵌合し、これら上下の嵌合部によって上記ジブ本体6は水平方向への移動が規制される。また、この際、上記第2連結部31の第2プレート35の下面が上記第1連結部21側の上記ジブ受部24の上面に当接することで該ジブ本体6の自重の一部が上記第1ジブ連結手段Pにおいて支持される。この状態が、図2、図5及び図6に示す状態である(尚、正確には、図5は、この支持状態からさらに上記ジブユニット4を上記嵌挿ピン22を中心として揺動させた状態を示している)。
【0055】
この支持状態においては、上記回動支点ピン15によって上記ジブ基台5が上記先端ブーム3F側に連結された状態となっているため、次に、この固定ピン15を取り外す。そして、この状態で、上記ジブユニット4を人力によって上記第1ジブ連結手段Pの上記第1連結部21を中心として上記ジブ基台5が上記先端ブーム3Fから離間する方向へ揺動させ、該ジブユニット4を所定の「格納姿勢」に位置設定する。このジブユニット4の揺動操作によって、図5に示すように、上記第2連結部31側のストッパー37がその揺動方向において上記第1連結部21側のストッパー27に当接又は近接し、これら両者の係合によって上記第1連結部21部分において上記ジブユニット4が上記基端ブーム3Aから離間する方向へ移動するのが規制される。この状態が図3に示す状態である。
【0056】
尚、上記ジブユニット4の揺動操作に際しては、上記第1ジブ連結手段Pと第2ジブ連結手段Qの中間に上記ジブユニット4の重心Gが位置しているため、該ジブユニット4の揺動操作は、該ジブユニット4の基端側、即ち、上記ジブ基台5側が浮き上がることもなく、スムーズに且つ軽快に行われることになる。
【0057】
上記ジブユニット4の揺動に伴って上記第2ジブ連結手段Qにおいては、図9に示すように、上記ジブ本体6側の上記当接部40のローラ42が上記基端ブーム3A側の上記受け台46上を転動し、上記ジブ側ブラケット41のストッパー面41aが上記受け台46側のストッパー45に当接した時点で位置決めされる。この位置決め状態において、上記連結ピン44によって上記ジブ側ブラケット41とブーム側ブラケット43とを連結固定することで、上記ジブユニット4は上記第1ジブ連結手段Pと第2ジブ連結手段Qの双方において上記基端ブーム3A側に連結固定され、姿勢保持される。この場合、上記第2ジブ連結手段Qが上記ジブユニット4の基端側に設けられているので、例えば該第2ジブ連結手段Qが該ジブユニット4の先端側に設けられている場合に比して、上記第1ジブ連結手段Pと第2ジブ連結手段Qとの距離が短く、それだけ上記第2ジブ連結手段Qにおける上記ジブ基台5の移動量が少なくなり、その結果、上記下側ブラケット462の長さを短く且つ低強度構造とすることができ、重量面あるいはコスト面において有利である。
【0058】
一方、上記揺動規制手段R側においては、図10に示すように、上記基端ブーム3A側のブーム側係合部51の下面に上記ジブ本体6側の上記ジブ側係合部52の上面が近接対向しており、これら両者が上下方向において係合することで上記ジブユニット4の走行振動に起因する上下方向のガタツキが防止されるものである。
【0059】
以上で、上記ジブユニット4の伸縮ブーム3側への格納作業が完了する。
【0060】
尚、上記ジブユニット4の伸縮ブーム3への格納状態からの張出作業は、上記格納作業と逆手順によって行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかるジブ格納装置を備えた移動式クレーンの側面図である。
【図2】図1に示した伸縮ブーム及びジブ部分の拡大平面図である。
【図3】図2の状態変化図である。
【図4】図1に示した伸縮ブーム及びジブ部分の拡大側面図である。
【図5】図4のV−V拡大矢視図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】図5に示した第1連結部の拡大斜視図である。
【図8】図5に示した第2連結部の拡大斜視図である。
【図9】図4のIX−IX拡大矢視図である。
【図10】図4のX−X拡大矢視図である。
【符号の説明】
1は移動基台、2は旋回台、3は伸縮ブーム、4はジブユニット、5はジブ基台、6はジブ本体、7は起伏シリンダ、8はチルトシリンダ、9はブーム支点ピン、10は水平ピン、11〜14は支持ブラケット、15は回動支点ピン、16は固定ピン、21は第1連結部、22は嵌挿ピン、23は嵌合部、24はジブ受部、25はベース、26はガイドシュー、27はストッパー、28はアーム部、31は第2連結部、32はピン嵌合孔、33は第1プレート、34は嵌合受部、35は第2プレート、36はガイド部材、37はストッパー、38はストッパー、40は当接部、41はジブ側ブラケット、42はローラ、43はブーム側ブラケット、44は連結ピン、45はストッパー、46は受け台、51はブーム側係合部、52はジブ側係合部、62は下側ブラケット、63は上側ブラケット、64及び65は固定ボルト、66は調整ボルト、Pは第1ジブ連結手段、Qは第2ジブ連結手段、Rは揺動規制手段、Xはジブ格納装置、Zは移動式クレーンである。

Claims (4)

  1. 移動基台(1)上に旋回動自在に搭載された旋回台(2)にその基端部(3a)が起伏動自在に連結された伸縮ブーム(3)と、
    該伸縮ブーム(3)の先端部(3b)に着脱自在に連結されるジブユニット(4)とを備えるとともに、
    該ジブユニット(4)は、上記伸縮ブーム(3)の先端部(3b)に該伸縮ブーム(3)を最倒伏させた格納状態においてその軸線方向が略鉛直又は該伸縮ブーム(3)の下面に略垂直となるように配置された回動支点ピン(15)によってその基端部(5a)が回動自在に枢支され該伸縮ブーム(3)の先端部(3b)の側方においてその先端部(5b)を該伸縮ブーム(3)の基端部(3a)側に向けた後方指向姿勢と該伸縮ブーム(3)の先端部(3b)の前面側においてその先端部(5b)を該伸縮ブーム(3)の伸縮方向前方側へ向けた前方指向姿勢との間において姿勢変更可能とされるとともに上記前方指向姿勢においては着脱自在な固定ピン(16)によって上記伸縮ブーム(3)の先端部(3b)に固定可能とされたジブ基台(5)と、上記ジブ基台(5)の先端部(5b)に対してその基端部(6a)が略水平方向に向けて配置した水平ピン(10)により起伏動自在に連結され、上記ジブ基台(5)から上方へ起仰した回動時姿勢と、該ジブ基台(5)から下方へ斜めに倒伏した作業時姿勢の間で起仰姿勢が変更設定可能とされたジブ本体(6)とを備え、
    上記伸縮ブーム(3)側への格納時には、上記ジブ基台(5)が後方指向姿勢とされ且つ上記ジブ本体(6)が上記回動時姿勢側から上記作業時姿勢側へ倒伏されて上記伸縮ブーム(3)の側面(3c)に沿ってその基端部(3a)側に延出する格納姿勢に姿勢設定されるようにした移動式クレーンにおいて、
    上記伸縮ブーム(3)の基端ブーム(3A)と上記ジブ本体(6)の軸方向中間部位との間に、上記ジブユニット(4)を上記格納姿勢において上記基端ブーム(3A)側に連結する第1ジブ連結手段(P)を備えるとともに、
    該第1ジブ連結手段(P)は、上記ジブ本体(6)の上記格納姿勢側への倒伏動に伴って該ジブ本体(6)と上記基端ブーム(3A)とを連結するとともにこの連結状態においては該第1ジブ連結手段(P)を中心として上記ジブユニット(4)が上記伸縮ブーム(3)の側面(3c)に対して接離する方向へ揺動するのを許容する一方、上記ジブ本体(6)の上記格納姿勢からの起仰動に伴って該ジブ本体(6)と上記基端ブーム(3A)との連結を解除するように構成されていることを特徴とする移動式クレーンのジブ格納装置。
  2. 請求項1において、
    上記第1ジブ連結手段(P)が、上記基端ブーム(3A)の側面(3Aa)又は上記ジブ本体(6)の側面(6c)の何れか一方側に設けられた第1連結部(21)と、何れか他方側に設けられた第2連結部(31)とを備えるとともに、上記第1連結部(21)は、上下方向に延びる嵌挿ピン(22)と、該嵌挿ピン(22)と同軸上に設けられ該嵌挿ピン(22)よりも大径の嵌合部(23)とを、該第1連結部(21)が上記基端ブーム(3A)側に設けられたときには上記嵌合部(23)が上記嵌挿ピン(22)の下端部側に位置し、該第1連結部(21)が上記ジブ本体(6)側に設けられたときには上記嵌合部(23)が上記嵌挿ピン(22)の上端部側に位置するように設けて構成され、
    上記第2連結部(31)は、上記嵌挿ピン(22)が嵌合されるピン嵌合孔(32)と、該ピン嵌合孔(32)と同軸上に位置して上記嵌合部(23)が嵌合する嵌合受部(34)とを、上記第2連結部(31)が上記ジブ本体(6)側に設けられたときには上記嵌合受部(34)の上方側に上記ピン嵌合孔(32)が位置するように、また上記第2連結部(31)が上記基端ブーム(3A)側に設けられたときには上記ピン嵌合孔(32)の上方側に上記嵌合受部(34)が位置するように、それぞれ設けて構成されていることを特徴とする移動式クレーンのジブ格納装置。
  3. 請求項2において、
    上記第2連結部(31)の上記嵌合受部(34)は、略U字の切欠溝で構成され且つ上記第2連結部(31)が上記ジブ本体(6)側に設けられたときにはその開口を上記基端ブーム(3A)側に指向させ、上記第2連結部(31)が上記基端ブーム(3A)側に設けられたときにはその開口を上記ジブ本体(6)側に指向させたことを特徴とする移動式クレーンのジブ格納装置。
  4. 請求項1において、
    上記伸縮ブーム(3)はその格納状態ではその先端下がりに倒伏される一方、上記伸縮ブーム(3)の基端ブーム(3A)の先端部(3Ab)と上記ジブユニット(4)の上記ジブ本体(6)の基端部(6a)との間には、上記ジブユニット(4)の格納姿勢においてこれら両者間を連結する第2ジブ連結手段(Q)を備えるとともに、
    上記第2ジブ連結手段(Q)は、上記基端ブーム(3A)の先端部(3Ab)と上記ジブ本体(6)の基端部(6a)の何れか一方側に設けられた受け台(46)と、何れか他方側に設けられた当接部(40)とを備え、上記当接部(40)は上記ジブユニット(4)が格納姿勢に設定された状態において上記受け台(46)によって支持されるとともに、上記ジブユニット(4)の上記第1ジブ連結手段(P)回りの揺動に伴って移動可能で且つ所定位置において上記受け台(46)と連結固定される構成であることを特徴とする移動式クレーンのジブ格納装置。
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