JP4256017B2 - 補助ジブ付き移動式クレーン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、補助ジブ付き移動式クレーン装置に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
従来より、補助ジブを備え、これを必要に応じて伸縮ブームの先端に継ぎ足し可能とした補助ジブ付き移動式クレーン装置が提案されているが、かかる従来の補助ジブ付き移動式クレーン装置においては、補助ジブの非使用時には、該補助ジブの先端部を上記伸縮ブームの基端部側に向けた状態で該伸縮ブームの側方に横抱き状態で格納保持する一方、その使用時には、上記伸縮ブームの先端部の側方に位置している補助ジブの基端部を該伸縮ブームの先端部に対して鉛直面内で回動自在に枢支し、この状態で上記伸縮ブームを起仰させながら上記補助ジブを次第に下方へ振り出し、最終的には該伸縮ブームの前端面側に装着する、所謂「下方振り出し方式式」の装着方法をとるのが一般的である。
【0004】
ところが、かかる「下方振り出し方式」においては、補助ジブの装着時に伸縮ブームを起仰させてその下方から補助ジブを振り出すものであるため、該補助ジブの装着作業に比較的大きな作業スペースを必要とし、作業現場の周辺事情によっては補助ジブの装着作業が困難な場合もあった。
【0005】
かかる背景から、例えば特開平9−104588号公報に示されるような、補助ジブの「上方振り出し方式」が提案されている。
【0006】
即ち、この「上方振り出し方式」は、伸縮ブームの先端に旋回可能に取り付けられた旋回体と、該旋回体に対してチルト可能に連結されたジブ本体とで補助ジブを構成する一方、補助ジブの上面にシリンダを配置するとともに、該シリンダと旋回体とをテンションロッドを介して連結し、該補助ジブの装着に際しては、伸縮ブームを倒伏させた状態で上記シリンダを縮小させて上記ジブ本体を上記旋回体に対して上方へ起立状態にチルトさせ、かかるチルト状態のまま上記旋回体を旋回させて伸縮ブームの前方側に振り出し、この状態から上記シリンダを伸長させて上記ジブ本体を伸縮ブームの前方側へ倒伏させるものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上掲の公知例に示される「上振り出し方式」の補助ジブ装着方法においては、シリンダと旋回体とをテンションロッドによって直接連結する構造を採用していることから、上記シリンダの伸縮によって上記補助ジブをチルトさせる場合、該補助ジブのチルト変化に伴う上記テンションロッドと補助ジブのチルト支点(即ち、上記旋回体と補助ジブとを連結するピン)との間隔(即ち、チルト支点回りのモーメントアーム)の変化が大きく、しかもこのモーメントアームは上記補助ジブが上方にチルトされるほど(即ち、補助ジブの上方振り出し時ほど)ほど大きくなり、下方にチルトされるほど(即ち、補助ジブの使用時ほど)小さくなるような特性をもつものである。
【0008】
一方、チルト支点回りのモーメント(即ち、上記シリンダが負担すべきモーメント荷重)は、補助ジブが伸縮ブームの前方側に張り出された作業時姿勢で且つ荷重の吊り下げが行われている状態において最大となるものである。
【0009】
従って、上記シリンダの設計に際しては、補助ジブ使用時のモーメントを、小さなモーメントアームの下で確保し得るようにシリンダ出力を設定することとなり、その結果、大きなシリンダ出力が必要となり、それだけシリンダの製造コストの上昇、あるいはシリンダの重量アップによる吊り上げ能力の低下等の問題を招来することになる。
【0010】
そこで本願発明では、補助ジブ付き移動式クレーン装置において、チルト用の油圧シリンダの出力を有効に活用してその小型軽量化を促進し、以て、装置全体の低コスト化と能力向上とを実現することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として、車両1上に起伏自在に設けられた伸縮ブーム3の先端部3bに、ジブ基台11と該ジブ基台11に連結されたジブ本体12とからなる補助ジブ10を装着可能とし、上記ジブ基台11を、上記伸縮ブーム3の先端部3bの一側にその高さ方向に向けて設けた回動支点ピン25を中心として回動可能とするとともに、上記ジブ本体12を、上記ジブ基台11との間に配置されたジブチルト駆動手段15により該ジブ基台11に対して上下方向にチルト可能とした補助ジブ付き移動式クレーン装置において、上記ジブチルト駆動手段15を、上記ジブ本体12の回動面に平行な面内において揺動可能に上記ジブ基台11に取り付けたマスト18と、該マスト18の揺動端と上記ジブ本体12との間に設けた油圧シリンダ16と、折曲・展延可能に連結された少なくとも一対のリンク17A,17Bを備え且つその折曲状態が保持可能とされ上記マスト18の揺動端と上記ジブ基台11とを連結する長さ調節可能なリンク機構17とで構成し、上記リンク機構17の長さを小さくした状態で上記油圧シリンダ16を縮小作動させることで上記ジブ本体12を上記ジブ基台11から上方へチルトされ、上記リンク機構17の長さを大きくした状態で上記油圧シリンダ16を伸長作動させることで上記ジブ本体12を上記ジブ基台11から下方へチルトさせることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0013】
この発明にかかる補助ジブ付き移動式クレーン装置によれば、上記リンク機構17の長さを小さくした状態においては、上記マスト18の揺動端を介して該リンク機構17によって連結されていた上記ジブ基台11と上記ジブ本体12側の上記油圧シリンダ16との間隔が短くなり該マスト18は上記ジブ基台11側に近づけられる。この結果、上記油圧シリンダ16が直接上記ジブ基台11に連結されている状態に可及的に近づき、従って、上記油圧シリンダ16を縮小させて上記ジブ本体12を上方へチルトさせる場合におけるチルト支点(即ち、上記ジブ基台11とジブ本体12との連結点)と上記油圧シリンダ16との間隔、即ち、該チルト支点回りのモーメントアームが小さく抑えられる。
【0014】
一方、上記リンク機構17の長さを大きくした状態においては、上記マスト18がその揺動端を上記ジブ基台11から大きく離間させた状態で立設され、該ジブ基台11とリンク機構17とマスト18の三者で三角形の構造体が形成される。そして、この構造体の頂点に位置する上記マスト18の揺動端に上記油圧シリンダ16が連結されるとともに、この揺動端の上記ジブ基台11に対する相対位置が一定に維持される。従って、上記油圧シリンダ16を伸長させてジブ基台11に対して上記ジブ本体12を上下方向にチルトさせる場合においては、上記ジブ本体12のチルト支点と上記油圧シリンダ16との間隔、即ち、該チルト支点回りのモーメントアームが大きくなる一方、上記ジブ本体12のチルト変化に伴うモーメントアームの変化は小さく抑えられる。
【0015】
即ち、上記油圧シリンダ16が負担すべきモーメント荷重が小さいジブ本体12の上方チルト時にはそのチルト支点回りのモーメントアームが小さくなり、上記油圧シリンダ16が負担すべきモーメント荷重が大きいジブ本体12の下方チルト時にはモーメントアームが大きくなるものである。従って、上記油圧シリンダ16の設計の基準となる下方チルトにおける必要出力は、モーメントアームが大きい分だけこれを小さく設定でき、その結果、上記油圧シリンダ16の小型軽量化が図れ、延いてはクレーン装置の低コスト化及び能力向上が期待できる。
【0016】
尚、上方チルト時には、モーメントアームは小さいものの、油圧シリンダ16が負担すべきモーメント荷重も少ないため、上方チルト時のモーメント荷重を基準に設定されたシリンダ出力によって上記ジブ本体12を確実に上方にチルトさせることができる。
【0017】
さらに、この発明にかかる補助ジブ付き移動式クレーン装置によれば、上記リンク機構17を、折曲・展延可能に連結された少なくとも一対のリンク17A,17Bを備え且つその折曲状態が保持可能とされる構成とすることで、構造が簡単で且つ小型軽量でしかも折曲状態での形態(即ち、格納時形態)がコンパクトであるというリンク機構17の特性が、クレーンの能力維持という点においてその小型軽量化が要求されるジブチルト駆動手段15の要求特性に可及的にマッチし、上記効果がさらに促進される。
【発明の実施の形態】
【0018】
以下、本願発明にかかる補助ジブ付き移動式クレーン装置を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0019】
図1には、本願発明の実施形態にかかる補助ジブ付き移動式クレーン装置Zを示している。この移動式クレーン装置Zは、車両1のフレーム1a上に旋回自在に搭載された旋回台2に、伸縮ブーム3の基端部3a(即ち、ベースブーム3Aの基端部)をブーム支点軸8により枢支し、且つこれを起伏用油圧シリンダ5により起伏駆動するようになっている。
【0020】
上記伸縮ブーム3は、図1に示すように、全縮状態で車両1側に格納されるが、この伸縮ブーム3の格納状態においては、その基端部3aから先端部3bに向かって下降傾斜した姿勢とされる。また、上記伸縮ブーム3の先端部3bには、次述の補助ジブ10が着脱自在に装着される。
【0021】
尚、この補助ジブ10の装着を可能とするために、図4に示すように、上記伸縮ブーム3の先端部3b、即ち、トップブーム3Bの先端に設けられたブームヘッド4の一方の側面には上下一対のブーム側第1ブラケット21,21が、他方の側面には上下一対のブーム側第2ブラケット22,22が、それぞれ設けられている。
【0022】
上記補助ジブ10は、次述するジブ基台11とジブ本体12とからなる二分割構造とされている。
【0023】
上記ジブ基台11は、上記伸縮ブーム3の先端部3bに位置する上記ブームヘッド4の前面側に着脱自在に装着されるものであって、図2及び図4に示すように、その基端部11aの一方の側面には上下一対のジブ側第1ブラケット23,23が、また他方の側面には上下一対のジブ側第2ブラケット24,24が、それぞれ設けられている。
【0024】
また、このジブ基台11は、図4及び図6に示すように、上記一方の側面に設けた上記ジブ側第1ブラケット23,23が、回動支点ピン25により上記ブームヘッド4の一方の側面に設けた上記ブーム側第1ブラケット21,21にそれぞれ連結されており、該回動支点ピン25を中心として回動されることで、上記ブームヘッド4の側方に位置し且つその先端部11bを上記伸縮ブーム3の基端部3a側に指向する「後方指向姿勢」(図4に示す姿勢)と、上記ブームヘッド4の前面側に振り出されてその先端部11bを上記伸縮ブーム3の伸縮方向前方へ指向する「前方指向姿勢」(図6に図示する姿勢)との間で姿勢変更可能とされている。そして、上記ジブ基台11が「前方指向姿勢」に設定された状態では、上記ブームヘッド4側のブーム側第2ブラケット22,22と該ジブ基台11側のジブ側第2ブラケット24,24とが上下方向に重合しており、これら両者間を固定ピン26によって連結することで、該ジブ基台11は上記ブームヘッド4の前面側において「前方指向姿勢」で固定されることになる。
【0025】
尚、上記ジブ基台11の「前方指向姿勢」と「後方指向姿勢」との間での姿勢変更は、図4〜図6に示す転回駆動機構50によって行われる。即ち、上記転回駆動機構50は、上記ジブ基台11側に配置された油圧シリンダ51と一対のレバー52,53とで構成されるものであり、上記油圧シリンダ51は、そのチューブ側端部が上記ジブ基台11の中央部に連結される一方、そのロッド側端部は該ジブ基台11の基端部11aにその一端が連結された第2レバー53の他端に連結されている。また、該第2レバー53には、その一端が上記ブームヘッド4側に連結された第1レバー52の他端に連結されている。そして、上記油圧シリンダ51の伸縮動により、上記ジブ基台11は上記各レバー52,53を介して回転駆動され、図4に示す「後方指向姿勢」と図6に示す「前方指向姿勢」とに、図5に示す過渡姿勢を経て択一的に設定される。
【0026】
一方、図2に示すように、上記ジブ基台11の先端部11bの下部位置には、所定長さをもつ伸縮式のビーム体で構成されたジブ本体12の基端部12aが、ジブ枢支軸13により上下方向に回動可能に枢支されており、該ジブ本体12は該ジブ枢支軸13を中心として上下方向にチルト可能となっている。そして、上記ジブ基台11とジブ本体12との間には、該ジブ本体12を上記ジブ基台11に対して上下方向にチルト駆動するための次述するジブチルト駆動手段15が配置されている。
【0027】
上記ジブチルト駆動手段15は、次述するチルト用油圧シリンダ16とリンク機構17とマスト18とを備えて構成される。
【0028】
上記マスト18は、図2及び図3に示すように、その基端部18aが上記ジブ基台11に設けたブラケット41に対して上記ジブ枢支軸13と略平行に配置したピン33を介して枢支される一方、その先端部18bにはブラケット40及びブラケット43が設けられている。そして、このブラケット40には、次述するリンク機構17の一端がピン35により連結されるとともに、チルト用油圧シリンダ16のロッド側端部がピン32によって連結される。また、上記ブラケット43にはピン受孔39が設けられている。尚、図3において、符号19は、ジブ作業用ワイヤーが巻掛けられるシーブであって、上記マスト18の先端部18bに設けられている。
【0029】
上記チルト用油圧シリンダ16は、上述のようにそのロッド側端部が上記マスト18の先端部18bに連結されるとともに、そのチューブ側端部は上記補助ジブ10の上面に設けたブラケット44に対してピン31により連結されている。
【0030】
上記リンク機構17は、ピン36により折曲・展延自在に連結された第1リンク17Aと第2リンク17Bを備えてなる。そして、上記第1リンク17Aの一端は上記ジブ基台11の上端部に設けたブラケット42にピン34を介して連結される一方、上記第2リンク17Bの一端は上記マスト18の先端部18bに設けた上記ブラケット40にピン35を介して連結されている。
【0031】
従って、図3に示すように、上記各リンク17A,17Bが直線状に延出した上記リンク機構17の展延状態(特許請求の範囲中における「リンク機構の長さが大きい状態」に該当する)においては、該リンク機構17と上記マスト18と上記ジブ基台11とによって三角形状の構造体が構成される。これに対して、図2に示すように、上記リンク機構17の各リンク17A,17Bが折曲した状態(特許請求の範囲中における「リンク機構の長さが小さい状態」に該当する)では、該第1リンク17Aと第2リンク17Bとが側面視において略重合するように折り畳まれる。
【0032】
尚、このリンク機構17をその折曲状態で固定保持するために、この実施形態においては、図3に示すように、上記マスト18側のブラケット43に上述のように上記ピン受孔39を設ける一方、上記ジブ基台11側の上記ブラケット42には、上記リンク機構17の折曲状態において該ピン受孔39と重合するようにしてピン受孔38を設けている。そして、図2に示すように、上記リンク機構17の折曲状態において、相互に重合した上記各ピン受孔38,39にピン37を嵌挿することで、該リンク機構17は折曲状態のまま固定保持される。換言すれば、上記ピン37の嵌挿によって、上記チルト用油圧シリンダ16が上記マスト18を介して上記ジブ基台11に直接的に連結され、該マスト18及び折曲状態にある上記リンク機構17は共に上記ジブ基台11側に近接した位置で格納保持される。
【0033】
以上の如き構成のジブチルト駆動手段15を備えると、先ず、上記リンク機構17が折曲状態に保持された状態で上記チルト用油圧シリンダ16が伸縮すると、上記ジブ本体12は、図2に実線図示するように上記ジブ基台11からその前方へ延出する姿勢(図1において符号10Aを付して実線図示する「格納姿勢」に相当する)と、図2に鎖線図示するように上記ジブ基台11から上記ジブ枢支軸13を中心として上方へ起立状態にチルトした姿勢(図1において符号10Bを付して鎖線図示する「第1の起仰納姿勢」と符号10Cを付して鎖線図示する「第2の起仰納姿勢」に相当する)との間でチルトされる。
【0034】
一方、上記リンク機構17が展延された状態で上記チルト用油圧シリンダ16が伸縮すると、上記ジブ本体12は、図3に実線図示するように上記ジブ基台11からその前方へ延出する姿勢(図1において符号10Dを付して鎖線図示する「前延姿勢」に相当する)と、図3に鎖線図示するように上記ジブ基台11から上記ジブ枢支軸13を中心として下方へ倒伏するようにチルトした姿勢(図1において符号10Eを付して鎖線図示する「作業時姿勢」に相当する)との間でチルトされる。尚、図2における「第2の起仰姿勢」と「前延姿勢」との間における作動は後述する。
【0035】
続いて、上述の如き構成をもつ移動式クレーン装置Zにおける上記補助ジブ10の格納・装着作業における実際の作動等を説明する。
【0036】
上記移動式クレーン装置Zにおいては、上記補助ジブ10の非使用時には、図1に実線図示するように、該補助ジブ10は上記伸縮ブーム3の側方に横抱き状態で格納保持される。尚、この場合、上記補助ジブ10のジブ基台11は、上記伸縮ブーム3のブームヘッド4から分離され、該補助ジブ10は適宜の固定機構(図示省略)によって上記伸縮ブーム3側に格納保持されている。また、この「格納姿勢」においては、上記ジブチルト駆動手段15のリンク機構17は折曲状態とされ、且つ上記チルト用油圧シリンダ16は全伸状態とされている(図1及び図2を参照)。
【0037】
この「格納姿勢」から、上記補助ジブ10を上記伸縮ブーム3の先端部3bの前方側に張り出し且つ所定のチルト角度をもつ「作業時姿勢」(図1において符号「10E」で示す姿勢)に設定するジブ装着作業においては、先ず、上記各固定機構のうち、該補助ジブ10の横方向への揺動を規制する機構を解除し、該補助ジブ10を上記伸縮ブーム3の側方において横方向に揺動可能とし、この状態で上記ジブ基台11を上記伸縮ブーム3のブームヘッド4側に近付ける。
【0038】
そして、図4に示すように、回動支点ピン25によって、上記ジブ基台11側のジブ側第1ブラケット23,23を上記ブームヘッド4側の上記ブーム側第1ブラケット21,21に連結する。しかる後、上記各固定機構の全てを解除し、上記補助ジブ10を上記回動支点ピン25のみによって上記ブームヘッド4側に支持した状態とする。
【0039】
次に、上記チルト用油圧シリンダ16を全縮位置まで縮小させる。すると、この状態では図2に示すように、上記リンク機構17が折曲状態とされ且つこの折曲状態が上記ピン37によって固定保持され、上記チルト用油圧シリンダ16のロッド側端部は直接上記ジブ基台11側に連結された状態となっていることから、上記チルト用油圧シリンダ16を縮小させると、上記補助ジブ10のジブ本体12は上記ジブ枢支軸13を回転支点として上方へチルトされ、該チルト用油圧シリンダ16が全縮した状態において、図1に符号10Bを付して鎖線図示する「第1の起仰姿勢」に設定される。
【0040】
次に、上記転回駆動機構50を作動させて上記ジブ基台11を「後方指向姿勢」から「前方指向姿勢」へ展開させ、図6に示すように、該ジブ基台11側のジブ側第2ブラケット24,24と上記ブームヘッド4側のブーム側第2ブラケット22,22とを固定ピン26により連結固定し、該ジブ基台11を上記ブームヘッド4の先端側に固定配置する。この状態においては、上記補助ジブ10は、図1において符号10Cを付して鎖線図示するように、上記ジブ本体12が上記ブームヘッド4の前方側に延出した状態で起立した「第2の起仰姿勢」に設定される。
【0041】
次に、上記「第2の起仰姿勢」から、上記チルト用油圧シリンダ16を全伸位置まで伸長させる。すると、上記ジブ本体12は、上記ジブ基台11に対して上記ジブ枢支軸13を中心として下方へチルトされる。この場合、上記チルト用油圧シリンダ16の全伸位置の近傍で、上記ジブ本体12を地上側から支持し、且つ上記リンク機構17を折曲状態で固定保持していた上記ピン37を抜き取って該リンク機構17を展延可能とする。しかる後、上記チルト用油圧シリンダ16を全縮位置まで縮小させると、該チルト用油圧シリンダ16の縮小に伴って上記リンク機構17が折曲状態から次第に展延され、該チルト用油圧シリンダ16が全縮位置の近傍に達した時点で上記リンク機構17は展延状態とされる。この状態が、図1において符号10Dを付して鎖線図示し、また図3において符号10Dを付して実線図示した「前延姿勢」である。
【0042】
次に、上記伸縮ブーム3を起仰させながら、上記チルト用油圧シリンダ16を次第に伸長させる。すると、上記ジブ本体12はジブ基台11に対して次第に下方へチルトされ、図1に符号10Eを付して鎖線図示し、また図3において符号10Eを付して実線図示する「作業時姿勢」に設定される。尚、図1においては、作図の便宜上、上記伸縮ブーム3が倒伏状態のまま上記ジブ本体12が下方へチルトされた状態となっているが、実際には上記伸縮ブーム3が起仰されているので上記ジブ本体12が地上側に干渉しないものであることは言うまでもない。
【0043】
以上が上記補助ジブ10の張り出し作業の手順であるが、該補助ジブ10の張り出し状態からの格納作業は、上記手順の逆手順において行われるものであるので、ここでの説明は省略する。
【0044】
以上の如く構成され且つ作動する上記移動式クレーン装置Zにおいては、上記ジブチルト駆動手段15の構成に基づいて、次のような特有の作用効果が得られるものである。
【0045】
即ち、この移動式クレーン装置Zにおいては、上記ジブ本体12を上記ジブ基台11に対してチルトさせるための上記ジブチルト駆動手段15を、そのチューブ側の一端が上記ジブ本体12側に連結された上記チルト用油圧シリンダ16と、折曲と展延とによりその実効長さ長短二段階で可変とされるとともにその一端が上記ジブ基台11側に連結されたリンク機構17と、上記ジブ基台11の先端部11bに揺動可能に立設配置されてその揺動端18bにおいて上記チルト用油圧シリンダ16のロッド側の端部と上記リンク機構17の他端とを連結せしめるマスト18とで構成したことを構成上の最大の特徴としている。
【0046】
そして、上記リンク機構17を折曲させた状態においては、図2に示すように、上記マスト18の揺動端18bを介して該リンク機構17によって連結されていた上記ジブ基台11と上記チルト用油圧シリンダ16との間隔が短くなり、該マスト18は上記ジブ基台11側に近づけられ、該チルト用油圧シリンダ16が直接上記ジブ基台11に連結されている状態に可及的に近づくことになる。この結果、例えば、上記チルト用油圧シリンダ16を縮小させて上記ジブ本体12を上方へチルトさせる場合におけるチルト支点、即ち、上記ジブ枢支軸13と上記チルト用油圧シリンダ16との間隔で規定されるチルト支点回りのモーメントアーム(図2の寸法「S1」を参照)が小さく抑えられる。
【0047】
一方、上記リンク機構17を展延させた状態においては、図3に示すように、上記マスト18がその揺動端18bを上記ジブ基台11から大きく離間させた状態で立設され、該ジブ基台11とリンク機構17とマスト18の三者で三角形の構造体が形成される。そして、この構造体の頂点に位置する上記マスト18の揺動端18bに上記チルト用油圧シリンダ16が連結され、且つこの揺動端18bの上記ジブ基台11に対する相対位置が一定に維持されることになる。この結果、上記チルト用油圧シリンダ16を例えば伸長させてジブ基台11に対して上記ジブ本体12を上下方向にチルトさせる場合においては、該ジブ本体12のチルト支点と上記油圧シリンダ16との間隔で規定されるチルト支点回りのモーメントアーム(図3の寸法「S2」を参照)が大きくなる一方、上記ジブ本体12のチルト変化に伴うモーメントアームの変化は小さく抑えられる。
【0048】
即ち、上記チルト用油圧シリンダ16が負担すべきモーメント荷重が小さいジブ本体12の上方チルト時にはそのチルト支点回りのモーメントアームが小さくなり、上記チルト用油圧シリンダ16が負担すべきモーメント荷重が大きいジブ本体12の下方チルト時にはモーメントアームが大きくなる(「S2」>「S1」)ものである。
【0049】
この結果、上記チルト用油圧シリンダ16が負担すべきモーメント荷重が大きいことから該チルト用油圧シリンダ16の設計の基準となる下方チルトにおける該チルト用油圧シリンダ16の必要出力は、モーメントアーム(S2)が大きい分だけこれを小さく設定することができ、それだけ該チルト用油圧シリンダ16の小型軽量化が図れ、延いてはクレーン装置Zの低コスト化及び能力向上が期待できることになる。
【0050】
尚、上方チルト時には、モーメントアーム(S1)は小さいものの、上記チルト用油圧シリンダ16が負担すべきモーメント荷重も少ないため、上方チルト時のモーメント荷重を基準に設定されたシリンダ出力によって上記ジブ本体12を確実に上方にチルトさせることができ、何ら支障は生じない。
【0051】
また、この実施形態のように、上記ジブチルト駆動手段15の構成要素の一つとして、上記リンク機構17を採用すれば、構造が簡単で且つ小型軽量でしかも折曲状態での形態(即ち、格納時形態)がコンパクトであるというリンク機構17の特性が、クレーンの能力維持という点においてその小型軽量化が要求される上記ジブチルト駆動手段15の要求特性に可及的にマッチすることから、上述の如き効果がより一層顕著になるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかる補助ジブ付き移動式クレーン装置の実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示した補助ジブの第1の動作状態説明図である。
【図3】 図1に示した補助ジブの第2の動作状態説明図である。
【図4】 図1のIV−IV拡大矢視図である。
【図5】 図4の状態変化図である。
【図6】 図4の状態変化図である。
【符号の説明】
1は車両、1aはフレーム、2は旋回台、3は伸縮ブーム、3Aはベースブーム、3Bはトップブーム、4はブームヘッド、5は起伏用油圧シリンダ、6はメインフック、7はサブフック、8はブーム支点軸、10は補助ジブ、11はジブ基台、12はジブ本体、13はジブ枢支軸、15はジブチルト駆動手段、16はチルト用油圧シリンダ、17はリンク機構、18はマスト、19はシーブ、21はブーム側第1ブラケット、22はブーム側第2ブラケット、23はジブ側第1ブラケット、24はジブ側第2ブラケット、25は回動支点ピン、26は固定ピン、31〜37はピン、38及び39はピン受孔、40〜44はブラケット、50は転回駆動機構、51は油圧シリンダ、52は第1レバー、53は第2レバー、L1は転回中心軸、Zは移動式クレーン装置である。
Claims (1)
- 車両(1)上に起伏自在に設けられた伸縮ブーム(3)の先端部(3b)に、ジブ基台(11)と該ジブ基台(11)に連結されたジブ本体(12)とからなる補助ジブ(10)を装着可能とし、上記ジブ基台(11)を、上記伸縮ブーム(3)の先端部(3b)の一側にその高さ方向に向けて設けた回動支点ピン(25)を中心として回動可能とするとともに、上記ジブ本体(12)を、上記ジブ基台(11)との間に配置されたジブチルト駆動手段(15)により該ジブ基台(11)に対して上下方向にチルト可能とした補助ジブ付き移動式クレーン装置であって、
上記ジブチルト駆動手段(15)を、上記ジブ本体(12)の回動面に平行な面内において揺動可能に上記ジブ基台(11)に取り付けたマスト(18)と、該マスト(18)の揺動端と上記ジブ本体(12)との間に設けた油圧シリンダ(16)と、折曲・展延可能に連結された少なくとも一対のリンク(17A),(17B)を備え且つその折曲状態が保持可能とされ上記マスト(18)の揺動端と上記ジブ基台(11)とを連結する長さ調節可能なリンク機構(17)とで構成し、
上記リンク機構(17)の長さを小さくした状態で上記油圧シリンダ(16)を縮小作動させることで上記ジブ本体(12)を上記ジブ基台(11)から上方へチルトされ、上記リンク機構(17)の長さを大きくした状態で上記油圧シリンダ(16)を伸長作動させることで上記ジブ本体(12)を上記ジブ基台(11)から下方へチルトさせることを特徴とする補助ジブ付き移動式クレーン装置。
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