JPH1111878A - 車両搭載クレーンのジブ格納装置 - Google Patents

車両搭載クレーンのジブ格納装置

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JPH1111878A
JPH1111878A JP16717297A JP16717297A JPH1111878A JP H1111878 A JPH1111878 A JP H1111878A JP 16717297 A JP16717297 A JP 16717297A JP 16717297 A JP16717297 A JP 16717297A JP H1111878 A JPH1111878 A JP H1111878A
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JP
Japan
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jib
boom
shaft
lever
holding position
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JP16717297A
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Inventor
Toshihiro Toyosaki
智弘 豊崎
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Tadano Ltd
Original Assignee
Tadano Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジブをブーム下方の下抱位置から横抱位置ま
で引き上げるようにしたジブ格納装置において、公知の
ものではジブ引き上げ動作時に、ジブ保持部材をその軸
に対してこねるような作用が働き且つジブの姿勢が不安
定になる。 【解決手段】 ジブを下抱位置から横抱位置まで引き上
げて格納するジブ格納装置において、ジブ引き上げ手段
50として、油圧シリンダ51と、レバー53と、ジブ
8側にあってレバー作用部56と衝合する衝合体58と
で構成し、ジブ引き上げ時に油圧シリンダ51の操作力
がレバー53及び衝合体58を介して直接ジブ8に伝達
されるようにすることにより、ジブ保持部材21に対し
てこねる作用を軽減させ、又、ジブ引き上げ時にレバー
作用部56でジブ側の衝合体58を外側斜め下方に押圧
することにより、鉛直方向にも押圧力を発生させてジブ
とブーム間に設けた規制部材48でジブを支持しながら
該ジブを上方回動させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、車両上にジブつ
きのブームを備えた車両搭載クレーンに関し、さらに詳
しくはそのような車両搭載クレーンにおけるジブ格納装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の車両搭載クレーンにおいては、
ジブをブームに沿って格納した位置からブーム先端部の
前方に振り出す際のジブ振り出し方法として、ジブをブ
ーム側面からブーム側方を経て前方に旋回させる横振り
出しとジブをブーム下面からブーム下方を経て前方に旋
回させる下振り出しの2通りの方法がある。ジブ横振り
出し式の場合は、ジブ振り出し(あるいは格納)に際し
てブームの側方にジブ旋回のための空間部が必要とな
り、横方向の余剰空間の少ない作業現場では不向きであ
るという問題がある。又、ジブ下振り出し式の場合は、
ジブ振り出しに際してブーム側方にジブ振り出しのため
の余剰空間は不要となるが、ジブ格納状態において該ジ
ブがブームの下面に位置するようになり、ブームと車両
との間にジブ格納のためのスペースが必要となる(車高
が高くなる)とともに、車両走行時に運転室からの側方
視界が妨げられるという問題がある。
【0003】ところで、公知のジブつき車両搭載クレー
ンの中には、図16〜図18に示すようにジブ下振り出
し式であって且つジブ8をブーム4の側面に沿って格納
し得るようにしたものが知られている(実公平7−85
48号公報)。この公知の車両搭載クレーンにおいて
は、ジブ8をブーム先端部(先端ブーム13の先端部)
13bの前方に張り出させた使用位置からブーム側面に
格納する際には、前方突出位置にあるジブを下方に旋回
させて図16において実線図示(符号8)するようにブ
ーム4の下面に沿わせる位置(下抱位置)まで移動さ
せ、その下抱位置において該ジブ8をジブ支持手段20
の連結軸31で枢支し、ジブ基端部8aとブーム先端部
13bとの連結を解除した後、図17及び図18に示す
ようにジブ引き上げ手段50で下抱位置にあるジブ8を
略角度90°だけ上方に回動させることにより、ジブを
符号8′で示すようにブーム側面(基端ブーム11の側
面)に沿って格納し得るようになっている。
【0004】ジブ支持手段20は、図17及び図18に
示すように、基端ブーム11の側面に前後に間隔をもっ
て設けられた2枚の取付板24,24間に設けられたジ
ブ保持部材21と、該ジブ保持部材21にジブ8を連結
する連結装置30とを有している。連結装置30は、ジ
ブ保持部材21のブラケット32とジブ8側のブラケッ
ト33と両ブラケット32,33を枢着する連結軸31
とを有している。ジブ保持部材21は、両取付板24,
24間においてブーム4に沿う軸22で枢着されてい
て、該軸22のまわりを略角度90°の範囲で上下に起
伏自在となっている。
【0005】ジブ引き上げ手段50には、油圧シリンダ
51が採用されている。この油圧シリンダ51は、その
ロッド先端部51bをジブ保持部材21のブーム基端側
(図17の符号8b側)側面に軸55で連結している。
尚、ロッド先端部51bの枢着部は、図17に示すよう
にジブ保持部材21のブラケット32とジブ側ブラケッ
ト33との枢着位置(連結軸31)より若干長さだけブ
ーム基端側に偏位している。そして、このジブ引き上げ
手段50は、油圧シリンダ51の伸長状態ではジブ保持
部材21を下方に倒伏させ、該油圧シリンダ51の縮小
状態ではジブ保持部材21を略角度90°だけ上方に回
動させるようになっている。
【0006】ジブ8側のブラケット33の軸穴は、ジブ
8の重心位置Gより所定長さW0だけジブ基端部8a側
に偏位させた位置(ジブ基端部寄り位置R)に設けてい
る。従って、ジブ8側のブラケット33とジブ保持部材
21のブラケット32との枢着部(連結軸31)は、ジ
ブ重心位置Gよりジブ長さ方向に所定長さW0だけジブ
基端部8a側に偏位した位置(ジブ基端部寄り位置R)
となる。そして、ジブ側ブラケット33をジブ保持部材
側ブラケット32に連結軸31で枢支し、且つジブ基端
部8aをブーム先端部13bから離脱させた状態では、
ジブ8の自重により該枢支部(連結軸31)を中心にし
てジブ基端部8a側が上方回動しようとする。
【0007】他方、ジブ基端部8a寄り位置と基端ブー
ム11の下面との間には、図16に示すように、基端ブ
ーム11側の衝合部材41とジブ8側のローラ48とで
構成されるジブ下抱位置定位停止手段40が設けられて
いる。このジブ下抱位置定位停止手段40は、ジブ8が
下抱位置において連結軸31で枢支され且つジブ基端部
8aがブーム先端部13bから離脱したときに、ジブ8
側のローラ48が基端ブーム11側の衝合部材41に衝
合して、ジブ軸線をジブ保持部材21の軸22とほぼ平
行に維持させるように機能するものである。尚、衝合部
材41は、ジブ8を使用状態から下抱位置まで移動させ
る際に、平面視においてジブ8の軸線をブーム軸線に対
して若干角度だけ反運転室側に偏位させる機能もある。
【0008】そして、この公知例のジブ格納装置では、
図16に示すように、ジブ8を下抱位置において連結軸
31で連結し且つジブ基端部8aをブーム先端部13b
から分離させた状態で油圧シリンダ51を縮小させる
と、軸22を中心にしてジブ8がジブ保持部材21とと
もに上方に回動されて、該ジブ8を符号8′で示す横抱
位置まで上動させることができる。尚、ジブ8を符号
8′で示す横抱位置まで上動させた状態で、ジブ中間部
を前側のジブ横抱固定手段70Aで、又ジブ先端部8b
側を後側のジブ横抱固定手段70Bでそれぞれブーム側
面に固定することにより、該ジブをブーム側面に沿わせ
た状態で支持することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図16〜図
18に示す公知の車両搭載クレーンにおいては、ジブ引
き上げ動作の初期段階において、ジブ基端側のローラ4
8が基端ブーム11の下面に衝合しているが、ジブ8が
ブーム下方からブーム側方に移動せしめられる途中にお
いて該ローラ48がブーム外面から外れるようになる。
すると、ジブ8は連結軸31部分での1点支持となり、
そのときジブ枢支部(連結軸31部分)と油圧シリンダ
51による引き上げ部(ロッド先端部51bの枢支部)
とがブーム長さ方向に略W0の長さだけ位置ずれしてい
ることにより、ジブ8の重量モーメントでジブ保持部材
21をその軸22に対して上記と同様なこねる作用が働
くようになる。
【0010】従って、図16〜図18に示す公知のジブ
格納装置では、ジブ引き上げ動作が円滑に行われないと
ともに、ジブ保持部材21に不自然な力(上記こねる作
用)が働くので該ジブ保持部材21、軸22あるいは該
軸22の軸受等の耐久性が低下するという問題があっ
た。
【0011】又、ジブ引き上げ手段50によりジブ8を
上方に引き上げるときに、ジブ8は連結軸31で1点枢
支され且つ該枢支位置(符号R位置)がジブ重心位置G
よりジブ基端部8a寄りにあることにより、ジブ基端部
8a側のローラ48が基端ブーム11の下面に衝合した
状態で行われるが、該ジブ基端部8aの上動作用はジブ
重心位置Gと上記枢支位置Rとの偏位差だけで発生する
ので、何らかの理由でジブ8に対してジブ基端部8a側
を押し下げるような外力が加わったときには、ジブ8が
連結軸31部分を中心にして上下にバタつくおそれがあ
る。このように、ジブ引き上げの際に、該ジブ8が上下
にバタつくとジブ引き上げ作業がしにくくなるととも
に、不足の事態が発生する(例えばジブ8が付近の部材
に衝突する)おそれがあるという問題もあった。
【0012】本願発明は、上記した従来の車両搭載クレ
ーンの問題点に鑑み、ジブをブーム下面側の下抱位置か
らブーム側面側の横抱位置に変位させることができるよ
うにした車両搭載クレーンのジブ格納装置において、ジ
ブ引き上げ動作時に、ジブが連結されるジブ保持部材に
対してこねるような不自然な力が加わらないようにする
とともに、該ジブを常に安定した姿勢で上方回動させる
ことができるようにすることを目的としてなされたもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するための手段として次の構成を有している。
【0014】本願請求項1の発明 本願請求項1の発明は、車両に起伏動自在に設置された
ブームの先端部にジブの基端部を上下方向に回動自在で
且つ着脱自在に連結し、該ジブをブームの下面側に折畳
んだ下抱位置からブーム下方を経て前方に振り出し得る
ように装着した車両搭載クレーンに関し、さらにジブを
ブーム下面側の下抱位置からブーム側面に沿う横抱位置
まで引き上げて、ジブを横抱姿勢で格納し得るようにし
たジブ格納装置を対象にしている。
【0015】そして、本願請求項1のジブ格納装置で
は、ブームとジブとの間に設けられていて下抱位置にあ
るジブをブームに支持させるジブ支持手段と、ブーム側
にあってジブ支持手段によって下抱位置に支持されてい
るジブをブームの一側面に沿う位置まで引き上げるジブ
引き上げ手段とを備えている。
【0016】ジブ支持手段は、ブームの一側面において
下抱位置にあるジブの軸線と平行に設置された軸を介し
て取付けられ且つ該軸のまわりを略角度90°の範囲で
起伏可能なジブ保持部材と、該ジブ保持部材の倒伏状態
において下抱位置にあるジブをジブ軸線に対して水平方
向から直交する連結軸を介して上下方向に揺動自在に連
結し得る連結装置とを有している。
【0017】他方、ジブ引き上げ手段は、ブーム側に支
持された油圧シリンダと、ジブ保持部材の軸と同軸上に
ある軸で取付けられていて油圧シリンダにより該軸のま
わりを略角度90°の範囲で上下に揺動せしめられるレ
バーと、ジブ側にあって該ジブの下抱位置において油圧
シリンダのジブ引き上げ動作に伴って作動せしめられる
レバーの作用部と衝合する衝合体とを有している。
【0018】又、レバーの作用部と衝合体とは、下抱位
置にあるジブの連結装置による連結位置よりジブ先端部
寄り位置において衝合させるようにしている。そして、
レバーの作用部における衝合体との衝合面は、レバーの
ジブ引き上げ側回動時において下抱位置にあるジブの衝
合体に対して外側斜め下方に押圧するような傾斜面とし
ている。
【0019】さらに、ジブにおける前記連結位置よりさ
らにジブ基端部側の適所とブームとの間には、ジブが下
抱位置にある状態で該ジブ基端部側が上動するのを規制
する規制部材を設けている。
【0020】この請求項1のジブ格納装置では、ジブ引
き上げ動作時において、ジブ引き上げ手段となる油圧シ
リンダの操作力がレバー及び衝合体を介して直接ジブに
作用するようになっているので、ジブ基端側がブーム外
面から外れてジブをジブ枢支部で1点支持した状態にお
いて、ジブ保持部材に対してジブの重量モーメントによ
るこねる作用が働かない。従って、ジブ引き上げ動作時
において、ジブ保持部材は円滑に上方回動するようにな
るとともに、ジブ保持部材及びその関連部材(ジブ保持
部材の軸やその軸受等)の耐久性が良好となる。
【0021】又、下抱位置にあるジブに対してジブ引き
上げ手段で上方に引き上げる際には、レバー作用部の衝
合体衝合面を傾斜面にして、ジブ側の衝合体を外側斜め
下方に押圧するようにしている。ところで、レバー作用
部による外側斜め下方の押圧力は、外側水平方向の押圧
力と鉛直方向の押圧力とに分力され、その鉛直方向の押
圧力によって、ジブ枢支部(連結軸部分)よりジブ先端
側を下方に押し下げようとする。すると、その反力でジ
ブ基端側を上動させるような作用が働く。このように、
ジブ基端側が上方に押されると、該ジブ基端側とブーム
間にある規制部材が機能してジブ基端側の上動動作を規
制するようになり、ジブが連結軸で1点枢支されたもの
であってもジブ引き上げ時におけるジブの姿勢が安定す
るようになる。
【0022】本願請求項2の発明 本願請求項2の発明では、上記請求項1のジブ格納装置
において、レバーの作用部と衝合体とは、下抱位置にあ
るジブの連結装置による連結位置よりジブ基端部寄り位
置において衝合させるようにする一方、レバー作用部に
おける衝合体との衝合面を、レバーのジブ引き上げ側回
動時に下抱位置にあるジブの衝合体に対して外側斜め下
方に押圧するような傾斜面とするとともに、ジブにおけ
る前記連結位置よりさらにジブ先端部側の適所とブーム
との間に、ジブが下抱位置にある状態で該ジブ先端部側
が上動するのを規制する規制部材を設けている。
【0023】この請求項2のジブ格納装置でも、上記請
求項1のジブ格納装置と同様に、ジブ引き上げ動作時に
おいて、ジブ引き上げ手段となる油圧シリンダの操作力
がレバー及び衝合体を介して直接ジブに作用するように
なっており、ジブ先端側がブーム外面から外れてジブを
ジブ枢支部で1点支持した状態において、ジブ保持部材
に対してこねるような作用は働かなくなる。又、ジブ引
き上げ動作時において、レバーの作用部がジブ側の衝合
体に対して外側斜め下方に押圧することにより、鉛直方
向の分力が発生して、その鉛直方向の押圧力でジブ枢支
部(連結軸部分)よりジブ基端側を下方に押し下げ(ジ
ブ先端側が上方付勢される)、該ジブ先端部側とブーム
間にある規制部材が機能してジブ先端側の上動動作を規
制するようになる。従って、この請求項2のジブ格納装
置でも、ジブ引き上げ動作時にジブの姿勢が安定する。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜図15を参照して本願発明
の実施形態を説明すると、図1〜図12には本願の第1
実施形態、図13〜図15には同第2実施形態のジブ格
納装置が示されている。
【0025】図1〜図12に示す第1実施形態の車両搭
載クレーンは、車両1上に水平旋回自在に設けられた旋
回台2上に運転室3と多段伸縮式のブーム4とを備える
とともに、ブーム4の先端部13bにジブ8を着脱自在
に装着し得るようにして構成されている。尚、図1及び
図2において、符号5はブーム4用の起伏シリンダ、6
は荷上げ用のウインチ装置を示している。
【0026】ブーム4は、この第1実施形態では基端ブ
ーム11と合計3本の中間ブーム12A〜12Cと先端
ブーム13とを順次テレスコープ状に連続させて構成さ
れている。
【0027】先端ブーム13の先端部(以下、単にブー
ム先端部という)13bには、その両側面の下端部にそ
れぞれ側方に突出するジブ連結軸14,14がブーム先
端部13bに対して回動自在に設けられている。尚、こ
のジブ連結軸14,14は、ブーム水平姿勢において基
端ブーム11の下面より下方に位置させている。この各
ジブ連結軸14,14には、図6に示すようにジブ8の
基端部8aの各突出棒81,81を嵌挿・連結するため
の穴15,15が設けられている。そして、該各穴1
5,15内にそれぞれジブ基端部8aの突出棒81,8
1を嵌挿させた後に該突出棒81,81の先端部に抜け
止めピン82,82を挿し込むことによって、ブーム先
端部13bにジブ8の基端部8aを連結することができ
るようになっている。尚、ジブ8をブーム先端部13b
から連結解除する場合には、図4に示すようにジブ8を
ブーム4の下面側に折畳み且つ後述するようにジブ8を
ブーム下面に保持させた状態で、抜け止めピン82,8
2を抜き、続いて図5に示すように先端ブーム13を少
し伸長させればよい。
【0028】この車両搭載クレーンにおいては、ジブ8
をブーム4の前方に突出させる使用位置とブーム4の下
面に沿って折畳んだ折畳み位置との間で変位させるの
に、図2に示すように該ジブ8をブーム下面の下方を経
て行う下振り出し方式で行われる。即ち、ジブ8をブー
ム4の下面に折畳んだ位置(図2の符号8Aの位置)か
ら前方突出位置まで振り出す際には、ジブ8の基端部8
aをブーム先端部13bに連結し、ジブ8の先端部13
bをウインチ装置6から繰り出されたロープ7の先端部
(ブーム先端を迂回させ且つ基端ブーム11の基端寄り
側面に設けたシーブ17に巻掛けされている)で支持し
た状態でブーム4を所定角度まで立ち起こし、ウインチ
装置6からロープ7を徐々に繰り出してジブ8を自重に
より鉛直姿勢(符号8Bの位置)に吊り下げ、ロープ7
をシーブ17から外してジブ先端部8bにロープ7の先
端を連結し直した後、ウインチ装置6でロープ7を巻上
げることにより、ジブ8を下振り出し方式でブーム前方
に張り出させることができる。尚、ジブ8はブーム前方
に張り出させた状態でテンションロッド89により支持
される。又、ブーム前方に突出させたジブ8(図2の実
線図示状態)をブーム下面に折畳む際には、上記の前方
張り出し順序を逆順序で行えばよい。このように、ジブ
8を下振り出し方式でブーム前方に突出させたりあるい
はブーム下面に折畳んだりし得るようにしたものでは、
ブーム側方にジブ横振り出し用のスペースがない作業現
場においても該ジブを自由に前方に振り出したり折畳ん
だりすることができる。
【0029】この車両搭載クレーンには、ブーム下面側
の下抱位置にあるジブ8をブーム側面の横抱位置に格納
するためのジブ格納装置が備えられている。この第1実
施形態のジブ格納装置は、下抱位置にあるジブ8を基端
ブーム11に支持させるジブ支持手段20と、ジブ8を
前方突出状態から下抱位置まで折畳んだときに該ジブ8
を前記ジブ支持手段20で支持し得る位置に停止させる
ジブ下抱位置定位停止手段40と、ジブ支持手段20に
よって下抱位置に支持されているジブ8をブーム側面に
沿う横抱位置まで引き上げるジブ引き上げ手段50と、
該ジブ引き上げ手段50でブーム側方に引き上げられた
ジブ8をブーム側方横抱位置に停止させるジブ横抱位置
定位停止手段60と、該ジブ横抱位置定位停止手段60
によって横抱位置に停止せしめられているジブ8をその
横抱姿勢のまま固定するためのジブ横抱固定手段70
A,70Bとを備えている。
【0030】ところで、ジブ8をブーム下面の下抱位置
に折畳む際には、該ジブ8は平面視においてブーム4に
重合する位置を旋回するようになっているが、このまま
ジブ8がブーム下面に近接するまで折畳まれると、該ジ
ブ8の先端側がブーム下面に連結されている起伏シリン
ダ5に衝合する関係上、ジブ8を下抱位置まで折畳んだ
状態では該ジブ8を図3に示すように平面視(図3では
下面視)においてブーム4に対して若干角度だけ傾斜
(反運転室3側に傾斜)させた状態で折畳む必要があ
る。
【0031】この第1実施形態では、前記ジブ下抱位置
定位停止手段40で、ジブ8がブーム4下面に近接する
まで折畳まれたときに該ジブ8を自動的に反運転室3側
に逃がすためのガイドに兼用している。即ち、該ジブ下
抱位置定位停止手段40は、基端ブーム11の先端寄り
下面に取付けられた板状の衝合部材41とジブ8の一側
部に取付けられたローラ48とを有している。このロー
ラ48は、特許請求範囲中の規制部材に該当するもので
ある。又、衝合部材41は、図7に示すように基端ブー
ム11下面の幅方向中央部より運転室3側(図7の右
側)に偏位した位置において下向きに突出する如くして
取付けられている。この衝合部材41の下部側にはブー
ム幅方向の外側に向けて傾斜する傾斜ガイド部42が形
成されている。そして、このジブ下抱位置定位停止手段
40は、ジブ8が下抱位置まで折畳まれる少し前におい
て、先ず該ジブ8側のローラ48が衝合部材41の傾斜
ガイド部42の外端寄り下面に衝合し(図7においてジ
ブが符号8Dで示す位置にある)、続いてジブ8がさら
に基端ブーム下面に近接されるとローラ48が傾斜ガイ
ド部42に沿って反運転室3側(図7の左側)に移動せ
しめられながら上動し、これによって平面視においてジ
ブ8をブーム4に対して自動的に若干角度だけ傾斜せし
めた状態で折畳むことができるようになる。尚、上記の
ようにジブ8がブーム4に対して若干角度だけ傾斜する
のを許容するために、図6に示すように各ジブ連結軸1
4,14の穴15の径、ジブ基端部の各突出棒81,8
1の長さ、及び各抜け止めピン82,82の位置などを
適宜寸法及び位置に調整している。又、ジブ8が完全に
ブーム下面に折畳まれた状態では、図7に示すようにジ
ブ8側のローラ48が衝合部材41の基端部に設けた垂
直部43の側面と基端ブーム11の下面11aに衝合す
るようになっており、それによってジブ8が下抱位置の
所定位置で位置保持されるようになる。
【0032】尚、この実施形態では、ジブ下抱位置定位
停止手段40として、ジブ8側にローラ48を設け、基
端ブーム11側に衝合部材41を設けているが、他の実
施形態では、基端ブーム11側にローラを設け、ジブ8
側に衝合部材を設けるようにしてもよい。又、該ローラ
48は、特許請求範囲中の規制部材となるものである
が、この規制部材は、後述するように、ジブ基端側の上
動を規制するものであれば、ローラでなくてもよい。
【0033】前記ジブ支持手段20は、図8〜図11に
示すように、基端ブーム11の一側面におけるブーム長
さ方向のほぼ中間部においてブーム長さ方向に適宜小間
隔をもって縦向きに設置された2枚の取付板24,24
と、該両取付板24,24間に架設された軸22のまわ
りを略角度90°の範囲で起伏可能に取付けたジブ保持
部材21と、下抱位置にあるジブ8の軸線に対して水平
方向から直交する連結軸31を介して該ジブ8を上下揺
動自在に連結する連結解除可能な連結装置30と、該連
結装置30によって連結されたジブ8の揺動を規制する
ジブ下抱位置定位停止手段40とを備えて構成されてい
る。又、この第1実施形態では、ジブ8を連結装置30
によってブーム側に連結する前に、該ジブ8をブーム側
に自動的に仮連結させるための自動ピン35が設けられ
ている。この自動ピン35は、下抱位置にあるジブ8の
上面側において前後2つのピン支持部材37,38によ
って該ジブ8の軸線と平行に向けて設置されている。
又、この自動ピン35はバネ36によって係合方向に付
勢されている。他方、ジブ保持部材21側には自動ピン
35の先端部35aを嵌入させるピン受部材39が設け
られている。このピン受部材39にはピン穴が設けられ
ている。そして、上記自動ピン35は、ジブ8が下抱位
置まで折畳まれたときに、該自動ピン35の先端部35
aがピン受部材39のピン穴内に自動的に嵌入するよう
になっており、それによってジブ8をブームに仮連結し
得るようになっている。
【0034】ジブ支持手段20の連結装置30は、ジブ
保持部材21側に設けたブラケット32と下抱位置にあ
るジブ8の上面に設けたブラケット33と該両ブラケッ
ト32,33を連結するための連結軸31とを有してい
る。ジブ8側のブラケット33の軸穴33a(特許請求
範囲中の連結位置Pとなる)は、下抱位置にあるジブ8
の重心位置Gより若干幅W1(図8)だけジブ基端部8
a側に偏位した位置に設けられている。又、ジブ保持部
材21側のブラケット32の軸穴32aとジブ8側のブ
ラケット33の軸穴33aとは、図3及び図4に示すよ
うにジブ8を下抱位置まで折畳んだとき(ジブ下抱位置
定位停止手段40によってジブ8がブーム下面の所定位
置に位置決めされている)に、自動的に完全重合するよ
うに位置決めされており、該ジブ8を下抱位置まで折畳
んだ状態で該両軸穴32a,33aに共通の連結軸31
を抜き挿し自在に挿し込むことができるようになってい
る。そして、この連結軸31で両ブラケット32,33
を連結した状態で、ジブ8の先端部8b及び基端部8a
を自由状態にすると、ジブ8の枢支部(連結軸31部
分)がジブ8の重心位置Gよりジブ基端部8a寄り位置
に偏位していることによりジブ基端部側がジブの自重で
上方に移動しようとする。
【0035】ところで、ジブ8を下抱位置において連結
軸31で枢支し且つジブ8の先端部8b及び基端部8a
を自由状態にしたときには、上記のように該ジブ8の基
端部8a側が連結軸31による枢支部を中心にして上動
しようとするが、この第1実施形態では、ジブ8の基端
部8a寄り部分にジブ下抱位置定位停止手段40のロー
ラ48(特許請求範囲中の規制部材となる)が設けられ
ており、図7に示すように該ローラ48が基端ブーム1
1の下面11aに衝合し、ジブ8が2点支持されるよう
になっている。又、この状態では、図9及び図10に示
すように、ジブ8の重心位置Gがジブ保持部材21の枢
支部(軸22)の直下より外側に位置しているので、ジ
ブ8の自重により該ジブ8を左回動させるような作用が
働くが、基端ブーム11の側面には、ジブ8の幅方向線
が水平になる位置で該ジブ8を静止させるための位置決
め用ストッパー18が設けられている。従って、ジブ8
を下抱位置において連結軸31で枢支し且つジブの基端
部8a及び先端部8bを自由にした状態でも、該ジブ8
は連結軸31とジブ下抱位置定位停止手段40と位置決
め用ストッパー18とで3点支持されて安定姿勢に維持
されるようになっている。又、ジブ8が下抱位置にある
状態では、ジブ8の軸線は、前記両取付板24,24間
に架設されたジブ保持部材21枢着用の軸22と平行に
なるように設定されている。
【0036】ジブ引き上げ手段50は、油圧シリンダ5
1と、該油圧シリンダ51によって上下揺動操作される
レバー53と、ジブ8側に取付けた衝合体58とで構成
されている。
【0037】ジブ8側の衝合体58は、下抱位置にある
ジブ8の上面側であってジブの略重心位置Gに対応し且
つジブの幅方向中央付近において、例えば溶接によって
取付けている。尚、該衝合体58は、図示例のように、
ジブの略重心位置Gに対応するように設置するのが好ま
しいが、他の実施形態では、該衝合体58の設置位置は
必ずしもジブ重心位置Gに対応させなくてもよい。
【0038】ジブ引き上げ手段50の油圧シリンダ51
は、そのロッド51aが下向きとなる姿勢でシリンダ上
端を前記取付板24に支持させている。
【0039】ジブ引き上げ手段50のレバー53は、図
9〜図11に示すように、ブーム軸線方向から見て略三
角形状に形成したものを使用している。このレバー53
は、図8に示すようにジブ保持部材21のブーム基端側
近傍において該レバー53の1つの角部付近を取付板2
4に軸54で枢着して、該軸54のまわりを上下に揺動
し得るように取付けられている。このレバー53の軸5
4は、前記ジブ保持部材21を枢着している軸22と同
軸上に位置している。尚、この第1実施形態では、ジブ
保持部材21の軸22とレバー53の軸54とを1本の
軸で共用している。
【0040】レバー53における枢着部より外側に位置
する角部には、油圧シリンダ51のロッド先端部51b
が軸55で枢着されている。そして、このレバー53
は、油圧シリンダ51を伸縮動作させることにより、軸
54を中心にして略角度90°の範囲で上下に揺動せし
め得るようになっている。
【0041】油圧シリンダ51の伸長状態におけるレバ
ー53の下向き突出部分は、このレバー53の作用部5
6となるものである。この作用部56は、図8〜図10
に示すように、下抱位置にあるジブ8の前記衝合体58
に対して内側(ブーム側)から衝合し得るようになって
いる。従って、図示例の作用部56は、下抱位置にある
ジブ8の略重心位置Gに対応するようなっている。尚、
ジブ8側の衝合体58をジブ重心位置Gからずれた位置
に設置した場合には、レバー53の作用部56も当然に
ジブ8の重心位置Gに対応しなくなる。
【0042】又、この第1実施形態では、ジブ8が下抱
位置にある状態で、レバー53の作用部56と衝合体5
8とがブーム軸線方向から見て、略角度45°の傾斜面
で衝合するようにしている。即ち、図9及び図10に示
すように、衝合体58の衝合面をブーム側から見て略角
度45°だけ上り傾斜させた傾斜面58aとする一方、
作用部56の衝合面も同じくブーム側から見て略角度4
5°だけ上り傾斜させた傾斜面56aとしている。尚、
レバー作用部56と衝合体58との衝合面をそれぞれ傾
斜面56a,58aとした理由については後述する。
【0043】この第1実施形態のジブ引き上げ手段50
は、次のように作用する。即ち、油圧シリンダ51が伸
長状態にあるときには、図9及び図10に示すようにジ
ブ8側の衝合体58の傾斜面58aがレバー53の作用
部56の傾斜面56aの外側に衝合(又は近接)してい
る。そして、この状態から油圧シリンダ51を縮小させ
る(縮小力F1)と、図10においてレバー53が軸5
4を中心にして右回転し、該レバー53の作用部56
(傾斜面56a)で衝合体58を外側(F2方向)に押
圧するようになり、それによって図11に示すように軸
22を中心としてジブ保持部材21及びジブ8を略角度
90°だけ立ち起こす(ジブ8を横抱位置に位置させ
る)ように作用する。
【0044】ジブ横抱位置定位停止手段60は、ジブ引
き上げ手段50によって横抱位置まで引き上げられたジ
ブ8を定位置で停止させるためのもので、図12に示す
ように基端ブーム11の側面(ジブ格納側の側面)にお
ける前記ジブ支持手段20設置位置よりブーム基端部寄
り位置において、ジブ8を衝合させるための衝合部材6
1を横向きに突出形成して構成されている。即ち、下抱
位置にあるジブ8がジブ引き上げ手段50によって横抱
位置まで引き上げられたときに、ジブ8におけるジブ支
持手段20設置位置よりジブ先端側に所定距離だけ離れ
た位置の一部が該衝合部材61の下面に衝合して、ジブ
8がそれ以上、上方に回動するのを規制するようになっ
ている。
【0045】ジブ横抱固定手段70A,70Bは、この
実施形態ではジブ支持手段20の設置位置とジブ横抱位
置定位停止手段60の設置位置の前後2箇所に設置され
ている。
【0046】ジブ支持手段20設置位置に設けられてい
る前側のジブ横抱固定手段70Aは、図8〜図11に示
すようにジブ保持部材21側に設けた係合片71と取付
板24,24間に設けた係合片72と該両係合片71,
72の各軸穴71a,72aに挿通される手動式のピン
73とで構成されている。手動式のピン73は、一方の
取付板24に取付けられているガイド棒74にガイドさ
れてブーム長さ方向にスライドし得るようになってい
る。尚、前側のジブ横抱固定手段70Aにおいて、ジブ
保持部材21に設けた係合片71は、前記レバー53の
適所あるいは直接ジブ8の適所に取付けてもよい。
【0047】他方、後側のジブ横抱固定手段70Bは、
図12に示すようにジブ8側に設けた係合片75とジブ
横抱位置定位停止手段60の衝合部材61の下面に設け
た係合片76と該両係合片75,76の各軸穴75a,
76aに挿通されるピン77とで構成されている。
【0048】そして、この前、後の各ジブ横抱固定手段
70A,70Bは、ジブ8がジブ横抱位置定位停止手段
60により横抱姿勢の所定位置で停止されている状態に
おいて、前後の両係合片(71と72、75と76)の
それぞれ2つの軸穴(71aと72a、75aと76
a)が相互に重合するように位置決めされており、その
重合している前後の各2つの軸穴(71aと72a、7
5aと76a)にそれぞれピン(73,77)を挿し込
むことによって、ジブ8を横抱位置で固定し得るように
なっている。
【0049】次に、図1〜図12に示す第1実施形態の
車両搭載クレーンにおけるジブ格納装置の使用方法並び
に作用について説明すると、ジブ8を使用位置(図2)
からブーム側方の横抱位置に格納する際には次の(1)〜
(7)の順序で行なわれる。
【0050】(1) 図2の実線図示状態から、ブーム4を
下方に倒して地上においてテンションロッド89を外す
とともに、ウインチ装置6から繰り出されたロープ7の
先端をジブ8の先端部8bに固定しておき、その状態で
ブーム4を再度立ち起こして、ウインチ装置6から徐々
にロープ7を繰り出させるとジブ8がその自重で符号8
B(図2)で示す鉛直姿勢まで回動する。
【0051】(2) ロープ7の先端側を基端ブーム11の
基端寄り側面に設けたシーブ17に巻掛けした後、該ロ
ープ7の先端を再度ジブ先端部8bに固定する。
【0052】(3) ウインチ装置6を巻上げてロープ7を
引っ張ると、鉛直位置(符号8B)にあったジブが符号
8Cの位置を経て符号8Aで示すようにブーム下面に沿
う下抱位置まで移動する。このときジブ8が符号8Cで
示す位置までブーム下面側近づいたときに、図7に示す
ようにジブ下抱位置定位停止手段40によりジブ8が強
制的に反運転室3側に傾斜せしめられ、ジブ8が下抱位
置まで移動せしめられたときには、該ジブ8がジブ支持
手段20の連結装置30を操作し得る位置で位置保持さ
れるようになる。
【0053】(4) ブーム4を水平姿勢まで倒して、ジブ
8側のブラケット33とジブ保持部材21側のブラケッ
ト32とを連結軸31で連結した後、図5に示すように
ジブ基端部8aとブーム先端部13bとの連結を解除す
るとともにジブ先端部8bからロープ7を外す。尚、ジ
ブ基端部8aとブーム先端部13bとは、抜け止めピン
82を取外した状態で先端ブーム13を前方に進出させ
ることによって分離させ得る。
【0054】(5) 上記(4)のように連結装置30でジブ
8を支持した後、ジブ基端部8aを自由にすると、ジブ
連結位置P(連結軸31部分)がジブ重心位置Gよりジ
ブ基端部8a側に偏位していることにより、ジブ8の自
重でジブ基端部8a側が上動して、該ジブ基端部8a側
のローラ48が基端ブーム11の下面11aに衝合する
(図7)。尚、この状態では、ジブ8は、ジブ重心位置
Gよりジブ基端部8a寄りの位置が連結軸31で枢支さ
れ、ジブ下抱位置定位停止手段40のローラ48が基端
ブーム11の下面11aに衝合し(図7)、ジブ保持部
材21が位置決め用ストッパー18に衝合している(図
9、図10)ので、安定した姿勢に保持されている。
【0055】(6) 次に、ジブ引き上げ手段50の油圧シ
リンダ51を縮小させると、ジブ8が図10の下抱位置
から図11の横抱位置までの略角度90°の範囲で立ち
起こされる。このとき、図7に示すようにジブ基端部8
a側のローラ48が基端ブーム11の外面を転動するの
で、ジブ8の基端部8a側は、ブーム4の下面に近接し
た状態で順次変位していく。又、ジブ8が横抱位置まで
持ち上げられたときには、ジブ8の一部がジブ横抱位置
定位停止手段60の衝合部材61に衝合して該ジブ8が
そこで位置保持されるようになり、次に行なわれるジブ
横抱固定手段70A,70Bの操作が容易に行えるよう
になる。
【0056】(7) 前側のジブ横抱固定手段70Aの両係
合片71,72の各軸穴71a,72bにピン73を、
又後側のジブ横抱固定手段70Bの両係合片75,76
の各軸穴75a,76aにピン77をそれぞれ挿し込め
ば、ジブ8を安定した状態で横抱姿勢で固定でき、ジブ
格納作業が完了する。
【0057】又、横抱位置に格納しているジブ8を使用
位置(前方突出位置)に装着するには、上記(1)〜(7)の
操作を逆順序で行えばよい。
【0058】ところで、この第1実施形態では、下抱位
置にあるジブ8を連結軸31で枢支する位置(連結位置
P)を、ジブ重心位置Gより所定長さW1だけジブ基端
部8a側に偏位させており、他方、ジブ8における該連
結位置Pよりさらにジブ基端部8a側の適所に、基端ブ
ーム11の下面に衝接し得るローラ(規制部材)48を
設けている。従って、連結軸31でジブ8をジブ保持部
材21に枢支させたときに、連結位置Pとジブ重心位置
Gとの偏位差によってジブ基端部8a側が上動して、該
ローラ48が基端ブーム11の下面11aに衝接するよ
うになり、連結軸31による1点枢支であってもジブ重
心位置Gとの関係で該ジブ8を安定姿勢に維持させるこ
とができる。
【0059】又、油圧シリンダ51の縮小力F1(図1
0)は、レバー53及び衝合体58を介して直接ジブ8
を上方に回動させるようになっている。このようにする
と、ジブ引き上げ時に、ジブ基端部8a側のローラ48
が基端ブーム11の下面から外れてジブ8をジブ枢支部
(連結軸31部分)で1点支持した状態においてジブ保
持部材21に対してこねるような作用は働かない。従っ
て、該ジブ保持部材21、その軸22あるいは該軸22
の軸受等に不自然な(こねるような)作用が加わらず、
それらの部材の耐久性が向上するという利点がある。
【0060】さらに、この第1実施形態のジブ引き上げ
手段50では、レバー53の作用部56とジブ側衝合体
58とがそれぞれ傾斜面56a,58aで衝合するよう
になっており、図10においてレバー53が軸54を中
心にして右回転するときに、そのレバー53による押圧
力F2が鉛直方向の力Faと水平方向の力Fbとに分力
される。そのとき、その鉛直方向の分力Faでジブ重心
位置Gよりジブ先端部8b側を下方に押圧するようにな
り、ジブ基端部8a側のローラ48を基端ブーム11の
下面11aに押付けながらジブ8を上方回動させるよう
になる。従って、ジブ8を連結軸31で1点枢支した状
態で上方回動させるものであっても、該ジブ8の姿勢が
安定した状態で上方回動する。即ち、ジブ8の上方回動
時には、上記レバー作用部56による下向き押圧力によ
って連結位置Pよりジブ先端側位置が下方に押圧されて
いるので、もし何らかの理由でジブ先端部8b側を上動
させるような外力が加わっても、不用意にジブ基端部8
a側が基端ブーム下面11aから離間することがない。
【0061】図13〜図15に示す第2実施形態のジブ
格納装置は、連結軸31による枢支位置と油圧シリンダ
51によるレバー53の操作位置とをブーム長さ方向に
逆にしたものである。即ち、この第2実施形態のもので
は、連結装置30による連結位置Qを、下抱位置にある
ジブ8の重心位置Gより所定長さW2(このW2は第1実
施形態のW1と同じでよい)だけジブ先端部寄りに位置
させ、又、油圧シリンダ51で操作されるレバー53の
作用部56をジブ8の略重心位置Gに対応するように位
置させている。このようにすると、ジブ8を連結軸31
で1点枢支した状態では、該ジブ連結位置Qがジブ重心
位置Gよりジブ先端部8b寄りに偏位している関係で、
ジブ8の自重でジブ先端部8bが上動するようになる。
ところで、この第2実施形態では、連結軸31で枢支さ
れる連結位置Qよりさらにジブ先端部8b側に、ジブ下
抱位置定位停止手段40の一部となるローラ(特許請求
範囲中の規制部材となる)48を設けている。このロー
ラ48は、上記第1実施形態の場合と同様に、基端ブー
ム11の下面11a側の適所に衝接し得るものである。
尚、この場合、ジブ下抱位置においては、図3に示すよ
うに、ジブ先端部8b側がブーム側面より外方にはみ出
している関係上、この第2実施形態では、基端ブーム1
1側の衝合部材41をブーム側面よりさらに外方に突出
させて、ジブ下抱状態において該衝合部材41の下面に
ジブ側のローラ48が衝接するようにするとよい。又、
この第2実施形態では、基端ブーム11側にローラを設
ける一方、ジブ先端部8b側に衝合部材を設けるように
してもよい。
【0062】尚、この第2実施形態のジブ支持手段20
は、概ね、第1実施形態のジブ支持手段20を裏返しに
して組付けたものであるが、次の点で第1実施形態のも
のと相違している。即ち、この第2実施形態では、スト
ッパー装置34を構成する自動ピン35をジブ保持部材
21側に取付ける一方、ジブ8側に該ジブを下抱位置ま
で格納した状態において自動ピン35の先端部35aを
自動的に係止させるピン穴付きのピン受け部材39を設
けている。尚、この第2実施形態において、第1実施形
態のものと同符号を付した各種装置・部材は、それぞれ
同じ機能を有する。
【0063】そして、この第2実施形態のジブ格納装置
でも、油圧シリンダ51によるジブ引き上げ動作時に、
レバー53及び衝合体58を介して直接ジブ8を上方回
動させることができ、従ってジブ先端部8b側のローラ
48が基端ブーム11の外面から外れてジブ8をジブ枢
支部(連結軸31部分)で1点支持した状態において、
ジブ保持部材21に対してジブ8の自重モーメントによ
るこねる作用が働かなくなる。さらに、この第2実施形
態のジブ格納装置でも、第1実施形態と同様に、レバー
53はジブ保持部材21の軸22と同軸上の軸54で枢
支され(図示例では軸22と軸54とが共通)、又油圧
シリンダ51によって操作されるレバー53の作用部5
6は下抱位置にあるジブ8の略重心位置Gに対応させて
いるので、該レバー作用部56による押圧力が無理なく
ジブ8側に伝達されるようになり、油圧シリンダ51に
よる操作力を軽減させることができる。又、レバー作用
部56における衝合体衝合面は、第1実施形態の場合と
同様に傾斜面56aとしており、ジブ引き上げ動作時に
ジブ側の衝合体58を外側斜め下方に押圧し得るように
している。従って、この第2実施形態の場合には、ジブ
引き上げ動作時において、ジブ先端部8b側のローラ4
8を基端ブーム11の下面11aに圧接させながらジブ
8を上方回動させることができ、第1実施形態の場合と
同様に、ジブ8を安定した姿勢で引き上げることができ
る。
【0064】
【発明の効果】本願請求項1及び請求項2の各発明のジ
ブ格納装置によれば、下抱位置にあるジブ8を連結軸3
1で枢支した状態で、該ジブ8をジブ引き上げ手段50
の油圧シリンダ51で上方に引き上げる際に、油圧シリ
ンダ51の引上力F1をレバー53及びジブ側の衝合体
58を介して直接ジブ8に伝達するようにしているの
で、ジブ引き上げ動作時に、ジブ8の端部側(基端部8
a側あるいは先端部8b側)がブーム外面から外れてジ
ブ8をジブ枢支部(連結軸31部分)で1点支持した状
態において、ジブ保持部材21に対してジブ8の重量モ
ーメントによるこねる作用が働かない。従って、本願の
各発明によれば、ジブ引き上げ動作時において、ジブ保
持部材21やその軸22あるいは該軸22の軸受部分に
無理な(こねるような)作用が働かず、それらの部材の
耐久性が向上するという効果がある。
【0065】又、本願各発明では、レバー作用部56の
衝合体衝合面を傾斜面56aにして、ジブ引き上げ動作
時にジブ8側の衝合体58を外側斜め下方に押圧するよ
うにしている。従って、その外側斜め下方の押圧力のう
ちの鉛直方向押圧力で、ジブ8の基端部8a側あるいは
先端部8b側を規制部材48により上動規制させた状態
でジブ8を上方回動させることができ、ジブ8が連結軸
31で1点枢支されたものであっても、ジブ引き上げ時
におけるジブの姿勢が安定するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態にかかるジブ格納装置
を備えた車両搭載クレーンの側面図である。
【図2】図1の車両搭載クレーンの使用状態説明図であ
る。
【図3】図1の−矢視図である。
【図4】図1の車両搭載クレーンにおけるジブ下抱状態
の一部側面図である。
【図5】図4からの状態変化図である。
【図6】図3の部拡大図である。
【図7】図5の−拡大矢視図である。
【図8】図5の部拡大図である。
【図9】図8の−矢視図である。
【図10】図9の一部拡大図である。
【図11】図10からの状態変化図である。
【図12】図5の12−12拡大矢視図である。
【図13】本願発明の第2実施形態にかかるジブ格納装
置を備えた図4相当図である。
【図14】図13からの状態変化図である。
【図15】図14の15部拡大図である。
【図16】公知の車両搭載クレーンの一部側面図であ
る。
【図17】図16の17部拡大図である。
【図18】図17の18−18矢視図である。
【符号の説明】
1は車両、4はブーム、8はジブ、8aはジブ基端部、
8bはジブ先端部、13bはブーム先端部、20はジブ
支持手段、21はジブ保持部材、22は軸、30は連結
装置、31は連結軸、40はジブ下抱位置定位停止手
段、41は衝合部材、48は規制部材(ローラ)、50
はジブ引き上げ手段、51は油圧シリンダ、53はレバ
ー、54は軸、56は作用部、56aは傾斜面、58は
衝合体、58aは傾斜面である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両(1)に起伏動自在に設置されたブ
    ーム(4)の先端部(13b)にジブ(8)の基端部
    (8a)を上下方向に回動自在で且つ着脱自在に連結
    し、該ジブ(8)をブーム(4)の下面側に折畳んだ下
    抱位置からブーム下方を経て前方に振り出し得るように
    装着した車両搭載クレーンにおいて、 前記ブーム(4)とジブ(8)との間に設けられていて
    下抱位置にあるジブ(8)をブーム(4)に支持させる
    ジブ支持手段(20)と、ブーム(4)側にあって前記
    ジブ支持手段(20)によって下抱位置に支持されてい
    るジブ(8)をブーム(4)の一側面に沿う位置まで引
    き上げるジブ引き上げ手段(50)とを備え、 前記ジブ支持手段(20)は、ブーム(4)の一側面に
    おいて下抱位置にあるジブ(8)の軸線と平行に設置さ
    れた軸(22)を介して取付けられ且つ該軸(22)の
    まわりを略角度90°の範囲で起伏可能なジブ保持部材
    (21)と、該ジブ保持部材(21)の倒伏状態におい
    て下抱位置にあるジブ(8)をジブ軸線に対して水平方
    向から直交する連結軸(31)を介して上下方向に揺動
    自在に連結し得る連結装置(30)とを有し、 前記ジブ引き上げ手段(50)は、ブーム(4)側に支
    持された油圧シリンダ(51)と、前記ジブ保持部材
    (21)の軸(22)と同軸上にある軸(54)で取付
    けられていて前記油圧シリンダ(51)により該軸(5
    4)のまわりを略角度90°の範囲で上下に揺動せしめ
    られるレバー(53)と、ジブ(8)側にあって該ジブ
    (8)の下抱位置において前記油圧シリンダ(51)の
    ジブ引き上げ動作に伴って作動せしめられる前記レバー
    (53)の作用部(56)と衝合する衝合体(58)と
    を有し、 前記レバー(53)の作用部(56)と前記衝合体(5
    8)とは、下抱位置にあるジブ(8)の前記連結装置
    (30)による連結位置(P)よりジブ先端部寄り位置
    において衝合させるようにする一方、 前記作用部(56)における前記衝合体(58)との衝
    合面を、レバー(53)のジブ引き上げ側回動時に下抱
    位置にあるジブ(8)の衝合体(58)に対して外側斜
    め下方に押圧するような傾斜面(56a)とするととも
    に、 ジブ(8)における前記連結位置(P)よりさらにジブ
    基端部(8a)側の適所とブーム(4)との間に、ジブ
    (8)が下抱位置にある状態で該ジブ基端部(8a)側
    が上動するのを規制する規制部材(48)を設けた、 ことを特徴とする車両搭載クレーンのジブ格納装置。
  2. 【請求項2】 車両(1)に起伏動自在に設置されたブ
    ーム(4)の先端部(13b)にジブ(8)の基端部
    (8a)を上下方向に回動自在で且つ着脱自在に連結
    し、該ジブ(8)をブーム(4)の下面側に折畳んだ下
    抱位置からブーム下方を経て前方に振り出し得るように
    装着した車両搭載クレーンにおいて、 前記ブーム(4)とジブ(8)との間に設けられていて
    下抱位置にあるジブ(8)をブーム(4)に支持させる
    ジブ支持手段(20)と、ブーム(4)側にあって前記
    ジブ支持手段(20)によって下抱位置に支持されてい
    るジブ(8)をブーム(4)の一側面に沿う位置まで引
    き上げるジブ引き上げ手段(50)とを備え、 前記ジブ支持手段(20)は、ブーム(4)の一側面に
    おいて下抱位置にあるジブ(8)の軸線と平行に設置さ
    れた軸(22)を介して取付けられ且つ該軸(22)の
    まわりを略角度90°の範囲で起伏可能なジブ保持部材
    (21)と、該ジブ保持部材(21)の倒伏状態におい
    て下抱位置にあるジブ(8)をジブ軸線に対して水平方
    向から直交する連結軸(31)を介して上下方向に揺動
    自在に連結し得る連結装置(30)とを有し、 前記ジブ引き上げ手段(50)は、ブーム(4)側に支
    持された油圧シリンダ(51)と、前記ジブ保持部材
    (21)の軸(22)と同軸上にある軸(54)で取付
    けられていて前記油圧シリンダ(51)により該軸(5
    4)のまわりを略角度90°の範囲で上下に揺動せしめ
    られるレバー(53)と、ジブ(8)側にあって該ジブ
    (8)の下抱位置において前記油圧シリンダ(51)の
    ジブ引き上げ動作に伴って作動せしめられる前記レバー
    (53)の作用部(56)と衝合する衝合体(58)と
    を有し、 前記レバー(53)の作用部(56)と前記衝合体(5
    8)とは、下抱位置にあるジブ(8)の前記連結装置
    (30)による連結位置(P)よりジブ基端部寄り位置
    において衝合させるようにする一方、 前記作用部(56)における前記衝合体(58)との衝
    合面を、レバー(53)のジブ引き上げ側回動時に下抱
    位置にあるジブ(8)の衝合体(58)に対して外側斜
    め下方に押圧するような傾斜面(56a)とするととも
    に、 ジブ(8)における前記連結位置(P)よりさらにジブ
    先端部(8b)側の適所とブーム(4)との間に、ジブ
    (8)が下抱位置にある状態で該ジブ先端部(8b)側
    が上動するのを規制する規制部材(48)を設けた、 ことを特徴とする車両搭載クレーンのジブ格納装置。
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