JP4535190B2 - 燃料ポンプ - Google Patents

燃料ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP4535190B2
JP4535190B2 JP2008320083A JP2008320083A JP4535190B2 JP 4535190 B2 JP4535190 B2 JP 4535190B2 JP 2008320083 A JP2008320083 A JP 2008320083A JP 2008320083 A JP2008320083 A JP 2008320083A JP 4535190 B2 JP4535190 B2 JP 4535190B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terminal
brush
fuel
positive
negative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008320083A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009209929A (ja
Inventor
元也 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2008320083A priority Critical patent/JP4535190B2/ja
Priority to US12/362,676 priority patent/US8651832B2/en
Priority to DE102009000687.7A priority patent/DE102009000687B4/de
Publication of JP2009209929A publication Critical patent/JP2009209929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4535190B2 publication Critical patent/JP4535190B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M37/00Apparatus or systems for feeding liquid fuel from storage containers to carburettors or fuel-injection apparatus; Arrangements for purifying liquid fuel specially adapted for, or arranged on, internal-combustion engines
    • F02M37/04Feeding by means of driven pumps
    • F02M37/08Feeding by means of driven pumps electrically driven

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)

Description

本発明は、燃料を圧送する電動の燃料ポンプに関する。
従来より、ケース部材の内部にポンプ部およびモータ部を配置した燃料ポンプが知られている(特許文献1、2参照)。図19は、特許文献1の構造を説明する燃料ポンプの全体図であり、この図19に示すように、燃料の吐出口1011が形成されている吐出側カバー1010と、吸入口1031が形成されているケース部材1020、1030とは、内部に燃料通路1013、1042を形成する。また、吐出側カバー1010内には吐出側カバー1010の内側に配置され、モータ部1050の整流子と接触することにより正極ターミナルおよび負極ターミナル1012に供給された電力をモータ部1050に供給する正極ブラシおよび負極ブラシを保持するホルダ1040が配置されている。
そして、インペラ1061などにより構成されるポンプ部1060は、電機子1051などにより構成されるモータ部1050により駆動され、燃料を吸入口1031から吸入して吐出口1011に向けて圧送する。
図20は、図19における吐出側カバー1010およびホルダ1040の分解図であり、この図20に示すように、ホルダ1040には正極ターミナルおよび負極ターミナル1012が組み付けられている。これらの正極ターミナルおよび負極ターミナル1012には、モータ部1050の駆動源となる電力が外部から供給される。
図19中の矢印L1〜L4は燃料の流れを示すものであり、ポンプ部1060が駆動すると吸入口1031から燃料が吸入され(矢印L1参照)、ハウジング1020内部の燃料通路1042を流通し(矢印L2参照)、その後、吐出側カバー1010内部の燃料通路1013を流通して(矢印L3参照)、吐出口1011から吐出される(矢印L4参照)。
特開平7−91343号公報 特表2002−544425号公報
ここで、特許文献1に記載の燃料ポンプは、ガソリン燃料用のポンプであるのに対し、近年では、高濃度アルコール混合燃料、バイオエタノールおよびエタノール100%燃料などのガソリンの代替燃料の需要が高まっている。そして、これらのガソリン代替燃料には導電性の高い成分が燃料中に含まれているため、従来のガソリン燃料用のポンプをそのままガソリン代替燃料を対象とした燃料ポンプに適用させようとすると、次に説明する問題が発生する。
すなわち、特許文献1に記載の燃料ポンプでは、ホルダ1040の上面にターミナルを設置した構造であり、ターミナルが燃料通路1013内に露出しているため、ターミナルの全体が燃料に晒されている(図19中の矢印L3参照)。上述の如く導電性の高い成分が燃料中に含まれていると、正極ターミナルと負極ターミナル1012との間の燃料に電流が流れる(以下、この電流のことを漏れ電流と呼ぶ)。これにより、ターミナルの燃料に晒されている部分には電気化学的腐食(以下、単に電気腐食と呼ぶ)が生じ、ひいては、ターミナル部品の導通不良や折損を招いてしまう。
本発明の目的は、高導電性成分が燃料中に含まれている場合であっても、ターミナル部品の電気腐食を抑制できる燃料ポンプを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、燃料の吐出口が形成されている吐出側カバーと、吐出側カバーに接続され、吐出口に連通する燃料通路が内部に形成されるとともに燃料の吸入口が形成されているケース部材と、燃料通路に配置され、燃料を吸入口から吸入して吐出口に向けて圧送するポンプ部と、ケース部材の内部に配置され、ポンプ部を駆動させるモータ部と、吐出側カバーの内部から外部に向けて延出するとともに、モータ部の駆動源となる電力が外部から供給される正極ターミナルおよび負極ターミナルと、吐出側カバーの内側に配置され、モータ部の整流子と接触することにより正極ターミナルおよび負極ターミナルに供給された電力をモータ部に供給する正極ブラシおよび負極ブラシを保持するホルダと、ホルダによって保持されるとともに、正極ターミナルおよび負極ターミナルと正極ブラシおよび負極ブラシとの間に配置され、正極ターミナルおよび負極ターミナルからの電流を中継する正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルと、を備え、
正極ターミナルは正極ブラシターミナルと接続する正極側接続部を有し、負極ターミナルは負極ブラシターミナルと接続する負極側接続部を有し、正極側接続部および負極側接続部の少なくともいずれか一方は、その周囲を他方と隔離するようにして、吐出側カバーの内壁とホルダにおける吐出側カバーの内壁と対向する外壁とによって、挟み込まれていることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、正極ターミナルの正極側接続部および負極ターミナルの負極側接続部の少なくともいずれか一方の周囲は、吐出側カバーの内壁とホルダにおける吐出側カバーの内壁と対向する外壁とによって、挟み込まれている。これにより、正極側接続部および負極側接続部の少なくともいずれか一方の接続部内部への燃料の流入が阻止され、正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品との間が隔離される。このため、正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品との間の漏れ電流を低減される。また、接続部内部への燃料の流入を完全に阻止できなくとも、流入する量は低減できる。このため、電気的な抵抗を増大させることができ、漏れ電流は制限される。これらの結果、高導電性成分を燃料中に含むガソリン代替燃料を対象とした場合であっても、ターミナル部品の電気腐食を抑制でき、ターミナル部品の導通不良や折損を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、正極側接続部および負極側接続部は、それぞれ正極ターミナルおよび負極ターミナルの端部に形成されており、両接続部は、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有しており、少なくとも一方の孔部の周囲は、樹脂部にて覆われており、樹脂部は、吐出側カバーの内壁とホルダの外壁とによって、挟み込まれていることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、正極側接続部および負極側接続部は、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有している。そして、少なくとも一方の孔部の周囲は樹脂部で覆われており、その樹脂部は吐出側カバーの内壁とホルダの外壁とによって挟み込まれている。このため、正極側接続部および負極側接続部と、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルとの接続部位を極力燃料から隔離することが可能となる。その結果、よりターミナル部品の電気腐食の抑制効果が高まる。
請求項3に記載の発明は、孔部の周囲を覆う樹脂部は、金型内に孔部を設置し、金型に溶融樹脂を注入することによって形成され、樹脂部には、孔部を通って貫通する貫通孔が形成されていることを特徴としている。
ここで、ターミナルとブラシターミナルとの接続構造をターミナルに設けた孔部にブラシターミナルを圧入する構造とし、さらに、孔部の周囲を金型内に孔部を設置した後、溶融樹脂を注入することによって形成される樹脂部にて覆う場合、樹脂部の構造は、孔部にブラシターミナルを圧入させられればよいため、挿入側の端部が孔部に連通するように開口していれば良い。このような樹脂部をインサート成形で形成する場合、金型に、孔部の内壁に溶融樹脂の流入を阻止するための孔部に挿入される突起部が必要となる。
しかしながら、このような金型にて樹脂部を形成すると、ブラシターミナルと電気的な接触を図る孔部の内壁に樹脂部が形成され、接触不良を起こすおそれがある。これは、金型に溶融樹脂を供給する際、孔部の内壁と、金型に設けられた溶融樹脂の流入を阻止するための突起部との微小な隙間に溶融樹脂が流入するためである。溶融樹脂がその隙間に流入すると、孔部の内壁とブラシターミナルとの接触不良を招く。
このような樹脂部の構造では、ターミナルの歩留まりが悪化する。歩留まりの悪化を改善するには、金型の突起部および孔部の内径の寸法精度を高め、溶融樹脂の上述した隙間への流入を阻止するという方法が考えられる。しかしながら、この方法では製造コストが増大してしまうという別の問題が発生する。
請求項3の発明によれば、樹脂部は、金型内に孔部を設置し、金型内に溶融樹脂を注入することにより形成され、樹脂部には、孔部を通って貫通する貫通孔が形成されている。
孔部を通って貫通する貫通孔を有する樹脂部を金型に溶融樹脂を注入することにより形成する場合、金型は、必然的に孔部の両端面の周囲を金型にて挟み込み、その挟み込んだ部位の外周側に樹脂部となるキャビティーを形成する構造となる。挟み込んだ部位にて溶融樹脂が外周側から孔部の内壁へ流入するのを阻止することができる。
すなわち、この樹脂部の構造によれば、金型に孔部の内壁に溶融樹脂の流入を阻止するための突起部を設けずとも、孔部の内壁への溶融樹脂の流入を阻止することができる。このため、両ターミナルの歩留まりを、製造コストを増大させることなしに高めることができる。
請求項4に記載の発明は、孔部の内壁には、突起部が形成されていることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、孔部の内壁には、突起部が形成されている。これによれば、孔部にブラシターミナルを圧入する際の力を軽減することができる。また、圧入の際、孔部の突起部の先端がブラシターミナルによってつぶれるため、圧入の際の応力が孔部の周囲におよびにくくなる。このため、孔部の周囲を覆っている樹脂部の割れを抑制することができ、割れた部分から燃料が侵入することによる電気腐食の発生を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、正極側接続部および負極側接続部は、それぞれ正極ターミナルおよび負極ターミナルの端部に形成されており、両接続部は、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有しており、ホルダの外壁には、吐出側カバーの内壁に向かって延び、内部にそれぞれ正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルを収容するとともに正極側ブラシおよび負極側ブラシを軸方向に移動可能に保持するホルダ側筒部が形成され、吐出側カバーの内壁には、それぞれのホルダ側筒部の端部に向かって延びるカバー側筒部が形成され、正極側接続部および負極側接続部は、それらの周囲がホルダ側筒部およびカバー側筒部によって挟み込まれていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、ホルダ側筒部は、その内部にブラシターミナルおよびブラシを収容するとともに、その端部とカバー側筒部の端部によってブラシターミナルと接続する接続部を挟み込んでいる。この構成によれば、ホルダ側筒部およびカバー側筒部の内部への燃料の流入が阻止され、両筒部に収容される正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品との間が隔離される。これにより、正極側の接続部からブラシまでのターミナル部品と負極側の接続部からブラシまでのターミナル部品との間の漏れ電流を低減することができる。また、ホルダ側筒部およびカバー側筒部の内部への燃料の流入を完全に阻止できなくとも、流入する量は低減できる。このため、電気的な抵抗を増大させることができ、漏れ電流は制限される。これらの結果、高導電性成分を燃料中に含むガソリン代替燃料を対象とした場合であっても、ホルダ側筒部およびカバー側筒部の内部に収容されるターミナル部品の電気腐食を抑制でき、導通不良や折損を抑制できる。
また、ホルダ側筒部は、ブラシを保持する機能、およびカバー側筒部との間で接続部を挟み込み筒部内部に燃料が流入するのを抑制する機能の2つの機能を有している。このためため、ホルダの構造が簡単となる。
請求項6に記載の発明は、ブラシターミナルは、筒状に形成されており、ホルダ側筒部の内壁に固定されていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、ブラシターミナルはホルダ側筒部の内壁に固定されているため、接続部の孔部をブラシターミナルに接続する際の作業が容易となる。
請求項7に記載の発明は、ブラシターミナルは、筒状に形成されており、ホルダ側筒部の内壁に圧入することで固定され、ホルダ側筒部のブラシターミナルが圧入される部分の内壁には、突起部が形成されていることを特徴としている。
請求項7の発明によれば、ブラシターミナルが圧入されるホルダ側筒部の内壁には、突起部が形成されているため、ブラシターミナルをホルダ側筒部の内壁に圧入する際の力を軽減することができる。また、圧入の際、突起部の先端が、ブラシターミナルによってつぶれるため、圧入の際の応力は、筒部の外壁までおよびにくくなる。このため、筒部の割れを抑制することができ、割れた部分から燃料が侵入することによる電気腐食の発生を抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、吐出側カバーおよびホルダにおける、吐出側カバーとホルダとを組み合わせた状態で両者の相対的な移動を規制する軸方向を向く面は、正極側接続部および負極側接続部を挟み込む部分を除いて、互いに離れていることを特徴としている。
請求項8の発明によれば、吐出側カバーおよびホルダにおける、吐出側カバーとホルダとを組み合わせた状態で両者の相対的な移動を規制する軸方向を向く面は、接続部を挟み込む部分を除いて、互いに離れている。この構成によれば、吐出側カバーおよびホルダを組み合わせたときの軸方向の力を正極側接続部および負極側接続部を挟み込む部分に集中させることができる。このため、接続部内部への燃料の流入を極力阻止することができ、電気腐食の抑制効果を高めることができる。
請求項9に記載の発明は、燃料の吐出口が形成されている吐出側カバーと、吐出側カバーに接続され、吐出口に連通する燃料通路が内部に形成されるとともに燃料の吸入口が形成されているケース部材と、燃料通路に配置され、燃料を吸入口から吸入して吐出口に向けて圧送するポンプ部と、ケース部材の内部に配置され、ポンプ部を駆動させるモータ部と、吐出側カバーの内部から外部に向けて延出するとともに、モータ部の駆動源となる電力が外部から供給される正極ターミナルおよび負極ターミナルと、吐出側カバーの内側に配置され、モータ部の整流子と接触することにより正極ターミナルおよび負極ターミナルに供給された電力をモータ部に供給する正極ブラシおよび負極ブラシを保持するホルダと、ホルダによって保持されるとともに、正極ターミナルおよび負極ターミナルと正極ブラシおよび負極ブラシとの間に配置され、正極ターミナルおよび負極ターミナルからの電流を正極ブラシおよび負極ブラシに供給する正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルと、を備え、
正極ターミナルの正極ブラシターミナル側の端部および負極ターミナルの負極ブラシターミナル側の端部のそれぞれには、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルを圧入させる孔部が形成されており、正極ターミナルの孔部および負極ターミナルの孔部の周囲は、金型内に孔部を設置し、金型に溶融樹脂を注入することによって形成される樹脂部にて覆われており、樹脂部には、孔部を通って貫通する貫通孔が形成されていることを特徴としている。
請求項9の発明によれば、正極ターミナルの正極ブラシターミナル側の端部および負極ターミナルの負極ブラシターミナル側の端部のそれぞれには、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルを圧入させる孔部が形成されており、正極ターミナルの孔部および負極ターミナルの孔部の周囲は、樹脂部にて覆われている。
そのため、両ターミナルをホルダに組み付けただけの従来構造に比べて、燃料通路内における両ターミナルの露出面積を小さくできる。或いは、露出しないようにできる。よって、高導電性成分を燃料中に含むガソリン代替燃料を対象とした場合であっても、両ターミナルの電気腐食を抑制でき、ターミナル部品の導通不良や折損を抑制できる。
ここで、両ターミナルに形成されている孔部は、その孔部にそれぞれのブラシターミナルが圧入される構造を呈している。そして、孔部の周囲には、ターミナルの露出面積を小さくするため、樹脂部が設けられている。この樹脂部は、孔部にブラシターミナルを圧入させられればよく、挿入側の端部が孔部に連通するように開口していれば良い。このような樹脂部をインサート成形で形成する場合、金型に、孔部の内壁に溶融樹脂の流入を阻止するための孔部に挿入される突起部が必要となる。
しかしながら、このような金型にて樹脂部を形成すると、ブラシターミナルと電気的な接触を図る孔部の内壁に樹脂部が形成され、接触不良を起こすおそれがある。これは、金型に溶融樹脂を供給する際、孔部の内壁と、金型に設けられた溶融樹脂の流入を阻止するための突起部との微小な隙間に溶融樹脂が流入するためである。溶融樹脂がその隙間に流入すると、孔部の内壁とブラシターミナルとの接触不良を招く。
このような樹脂部の構造では、ターミナルの歩留まりが悪化する。歩留まりの悪化を改善するには、金型の突起部および孔部の内径の寸法精度を高め、溶融樹脂の上述した隙間への流入を阻止するという方法が考えられる。しかしながら、この方法では製造コストが増大してしまうという別の問題が発生する。
請求項9の発明によれば、あえて、両ターミナルの孔部の周囲を覆う樹脂部に、孔部を通って貫通する貫通孔を形成している。孔部を通って貫通する貫通孔を有する樹脂部を金型に溶融樹脂を注入することにより形成する場合、金型は、必然的に孔部の両端面の周囲を金型にて挟み込み、その挟み込んだ部位の外周側に樹脂部となるキャビティーを形成する構造となる。挟み込んだ部位にて溶融樹脂が外周側から孔部の内壁へ流入するのを阻止することができる。
すなわち、この樹脂部の構造によれば、金型に孔部の内壁に溶融樹脂の流入を阻止するための突起部を設けずとも、孔部の内壁への溶融樹脂の流入を阻止することができる。このため、両ターミナルの歩留まりを、製造コストを増大させることなしに高めることができる。
請求項16に記載の発明は、燃料タンク内に搭載され、燃料タンク内部の燃料を当該タンクの外部に向けて圧送する燃料ポンプであって、内部に燃料通路が形成されるとともに、燃料通路に連通し、燃料を燃料通路に吸入する吸入口が形成されているケース部材と、燃料通路に配置され、燃料を吸入口から吸入し、燃料通路の出口側に向けて圧送するポンプ部と、ケース部材の内部に配置され、ポンプ部を駆動させるモータ部と、外部からの電力をモータ部に供給する正極ブラシおよび負極ブラシと、正極ブラシおよび負極ブラシへ電力を供給する正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルと、外部より電力を受け、正極ブラシおよび負極ブラシへ供給する正極ターミナルおよび負極ターミナルであって、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルのそれぞれに接続され、外部より受けた電力を正極ブラシターミナルおよび負極ターミナルへ供給する正極側接続部および負極側接続部を有する正極ターミナルおよび負極ターミナルと、ケース部材に取付けられ、正極ブラシ、負極ブラシ、正極ブラシターミナル、および負極ブラシターミナルを内部に保持する保持部、および燃料通路からの燃料をケース部材の外部に吐出する吐出口を有するホルダと、正極側接続部と正極ブラシターミナル、および負極側接続部と負極ブラシターミナルを接続することにより、保持部に取付けられ、保持部の外部と、正極側接続部と正極ブラシターミナルとの接続部位、および負極側接続部と負極ブラシターミナルとの接続部位のいずれかの接続部位とを仕切る仕切部を有する絶縁部材と、を備えることを特徴としている。
請求項16に記載の発明によれば、絶縁部材は、正極側接続部と正極ブラシターミナル、および負極側接続部と負極ブラシターミナルを接続することにより保持部に取付けられ、保持部の外部と、正極側接続部と正極ブラシターミナルの接続部位、および負極側接続部と負極ブラシターミナルとの接続部位のいずれかの接続部位とを仕切る仕切部を有しているので、正極側の接続部位および負極側の接続部位のいずれかの接続部位への燃料の流入が阻止され、正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品とが隔離される。このため、正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品との間の漏れ電流が低減される。また、仕切部を設けたいずれかの接続部位への燃料の流入を完全に阻止できなくとも、接続部位へ流入する燃料の量は低減できる。これにより、電気的な抵抗を増大させることができ、漏れ電流を低減させることができる。
ゆえに、高導電性成分を燃料中に含むガソリン代替燃料を対象とした場合であっても、ターミナル部品の電気腐食を抑制でき、ターミナル部品の導通不良や折損を抑制できる。
また、この構成によれば、ホルダが吐出口を有しているため、請求項1から15の発明に必要な吐出側カバーを廃止することができ、燃料ポンプの部品点数を削減できる。
請求項17に記載の発明は、正極側接続部および負極側接続部は、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有しており、仕切部は、いずれかの孔部の周囲を覆い、正極側接続部および負極側接続部のそれぞれの孔部に正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルが圧入された状態で保持部と当接する当接部と、当接部における保持部との当接する部位とは反対側の部位を覆う蓋部とを有していることを特徴としている。
請求項17に記載の発明によれば、仕切部は、いずれかの正極側・負極側接続部の孔部の周囲を覆い、正極側・負極側接続部のそれぞれの孔部に正極・負極ブラシターミナルが圧入された状態で保持部と当接する当接部と、当接部における保持部との当接する部位とは反対側の部位を覆うことにより、保持部の外部と接続部位とを仕切る蓋部とを有しているので、接続部位への燃料の侵入経路は当接部と保持部との当接部分のみとなる。つまり、燃料の侵入経路は一つのみとなる。この構成によれば、単に、接続部を保持部と仕切部にて挟み込んで接続部位への燃料の侵入を阻む構造のものと比べ、接続部位への燃料の侵入経路を減らすことができ、よりターミナル部品の電気腐食の抑制効果が高まる。
請求項18に記載の発明は、孔部の内壁には、突起部が形成されていることを特徴としている。
請求項18に記載の発明によれば、孔部にブラシターミナルを圧入する際の力を軽減することができる。また、圧入の際、孔部に形成された突起部の先端がブラシターミナルによってつぶされるため、圧入の際の応力が孔部の周囲におよびにくくなる。このため、孔部の周囲を覆っている当接部の割れを抑制することができ、割れた部分から燃料が侵入することによる電気腐食の発生を抑制することができる。
請求項19に記載の発明は、正極側接続部および負極側接続部は、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有しており、保持部は、内部にそれぞれ正極ブラシターミナルおよび負極ブラシを収容するとともに正極ブラシおよび負極ブラシを軸方向に移動可能に保持するように筒状に形成されており、仕切部は、保持部における正極ブラシターミナル側または負極ブラシターミナル側のいずれかの開口部を孔部とともに塞ぐように保持部に取付けられていることを特徴としている。
請求項19に記載の発明によれば、筒状に形成されている保持部におけるブラシターミナル側の開口部を仕切部にて覆うという簡単な構成で保持部の外部と、接続部位とを仕切ることができる。
請求項20に記載の発明は、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルは、筒状に形成されており、保持部の内壁に固定されていることを特徴としている。
請求項20に記載の発明によれば、ブラシターミナルは筒状に形成された保持部の内壁に固定されているため、接続部の孔部をブラシターミナルに接続する際の作業が容易となる。
請求項21に記載の発明は、正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルは、筒状に形成されており、保持部の内壁に圧入することで固定され、保持部の正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルが圧入される部分の内壁には、突起部が形成されていることを特徴としている。
請求項21に記載の発明によれば、ブラシターミナルが圧入される保持部の内壁に突起部が形成されているため、ブラシターミナルを保持部に圧入する際の力を軽減させることができる。また、圧入の際、突起部の先端が、ブラシターミナルによってつぶされるため、圧入の際の応力が保持部の外壁までおよびにくくなる。このため、保持部の割れを抑制することができ、割れた部分から燃料が侵入することによる電気腐食の発生を抑制することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料ポンプを図1〜図15に基づいて説明する。燃料ポンプ10は、例えば車両などの燃料タンクの内部に搭載されるインタンク式のポンプである。燃料ポンプ10は、燃料タンクの内部の燃料をエンジンへ供給する。なお、対象とする燃料は、高濃度アルコール混合燃料、バイオエタノールおよびエタノール100%燃料などの導電性の高い成分が含まれた燃料である。
はじめに燃料ポンプ10の全体構造を説明する。図1は、燃料ポンプ10全体を示す断面図である。燃料ポンプ10は、モータ部20と、モータ部20により駆動して吸入した燃料を加圧するポンプ部40とを備えている。
モータ部20は、ブラシ付きの直流モータである。燃料ポンプ10は、略円筒状のハウジング21を備えている。ハウジング21の内壁面には、周方向へ永久磁石22が環状に配置されている。永久磁石22の内周側には、環状の永久磁石22と同心円上に電機子23が配置されている。ハウジング21の内部空間には電機子23が回転可能に収容されている。
電機子23は、コア231と、コア231の外周に巻かれたコイル(図示せず)とを有している。整流子24は、円板状に形成されており、電機子23のポンプ部40とは反対側に設置されている。また、整流子24は、回転方向に並べて配置された複数のセグメント241を有している。セグメント241は、例えばカーボンで形成されており、セグメント241同士は、空隙および絶縁樹脂材料により電気的に絶縁されている。
また、整流子24は、弾性部材としてのブラシスプリング31a、31b(図2参照)によって押し付けられている正極ブラシ32a、負極ブラシ32b(図2参照)と接触する。ブラシスプリング31aおよび正極ブラシ32aは正極側、ブラシスプリング31bおよび負極ブラシ32bは負極側を示す。なお、図1では、ブラシスプリング31a、31bおよびブラシ32a、32bの図示を省略している。
ポンプ部40は、ケーシング41およびポンプカバー42の間に配置されるインペラ43などを有している。ケーシング41およびポンプカバー42は、略C字形状のポンプ流路421を形成している。ケーシング41およびポンプカバー42の間には、インペラ43が回転可能に収容されている。
ケーシング41は、ハウジング21の軸方向において、一方の端部側に圧入により固定されている。ケーシング41の中央部には、ベアリング44が設置されている。ポンプカバー42は、ケーシング41に被せられた状態でハウジング21の一方の端部にかしめなどにより固定されている。
電機子23のシャフト232は、一方の端部がベアリング44により回転可能に径方向に支持されている。シャフト232の他方の端部は、ベアリング59により回転可能に径方向に支持されている。
ポンプカバー42は燃料を吸入する吸入口423を有している。ポンプ流路421において周縁部に羽根溝を有するインペラ43が回転すると、図示しない燃料タンクの内部の燃料は吸入口423からポンプ流路421に吸入される。ポンプ流路421に吸入された燃料は、インペラ43の回転により加圧され、モータ部20の空間211へ吐出される。
ハウジング21の他方の端部、すなわちケーシング41およびポンプカバー42とは反対側の端部には、ベアリングホルダ50および吐出側カバー60が設置されている。ベアリングホルダ50は、特許請求の範囲に記載のホルダに相当する。
ベアリングホルダ50は吐出側カバー60とハウジング21との間に挟み込まれて固定され、吐出側カバー60はかしめによりハウジング21に固定されている。なお、特許請求の範囲に記載のケース部材は、本実施形態ではハウジング21およびポンプカバー42から構成されている。
吐出側カバー60は、燃料吐出部62を有している。燃料吐出部62は、燃料通路621を開閉する逆止弁622を有している。そして、燃料ポンプ10の内部における燃料の圧力が所定値よりも大きくなると、逆止弁622は燃料通路621を開放する。ポンプ部40により加圧された燃料は燃料吐出部62の吐出口623から、該吐出口623に接続された図示しない配管を通じて燃料ポンプ10の外部に供給される。
図2は、ベアリングホルダ50、吐出側カバー60および吐出側カバー60の内部に配置された種々の部品を示す分解図であり、図2(a)は側面を、図2(b)は正面を示す2面図である。
図2に示すように、ベアリングホルダ50と吐出側カバー60との間には、後に説明するモールド体70が挟み込まれて固定されている。また、ベアリングホルダ50には、正極ブラシ32aおよび負極ブラシ32bが軸方向に移動可能に組み付けられている。
それぞれのブラシ32a、32bの上端面には、接続線33a、33bが接続されている。接続線33a、33bのブラシ32a、32bとは反対側の端部には、正極ブラシターミナル34aおよび負極ブラシターミナル34bが接続されている。ブラシターミナル34a、34bは、ベアリングホルダ50に圧入固定されている。ブラシ32a、32bの上端面は、ブラシスプリング31a、31bにより下方に付勢されている。ブラシスプリング31a、31bの上端面は、ブラシターミナル34a、34bに当接している。
次に、本実施形態のモールド体70の構造を、図4〜図11を用いて説明する。図4はモールド体70の斜視図である。図5はモールド体70の3面図であり、図5(a)は側面図、図5(b)は正面図、図5(c)は上面図である。図6は樹脂にてモールド体70を形成する前の組付体80の斜視図である。図7はその組付体80の2面図であり、図7(a)は正面図、図7(b)は側面図である。モールド体70は、図6および図7に示す組付体80を樹脂にてモールドすることにより図4および図5に示す状態に形成される。
<組付体80の構造>
まず、組付体80の構造を、図6〜図9を用いて説明する。図8および図9は、図6および図7に示す組付体80の分解斜視図である。図8は組付体80を正面から見た状態を示しており、図9は組付体80を背後から見た状態を示している。図8に示すように、組付体80は、外部電源から電力を受ける正極ターミナル82、負極ターミナル83およびチョークコイル84を絶縁体のボデー81に組み付けて構成されている。なお、図9においては、ボデー81とチョークコイル84のみを示している。
正極ターミナル82は、板状の導電性材料により形成され、外部電源に接続される受電部821、正極ブラシターミナル34aと接続するリレーターミナル部822およびボデー81に正極ターミナル82を固定する固定部826を有している。正極ターミナル82は、外観が略L字形状となるように、受電部821とリレーターミナル部822との間が折り曲げられている。固定部826は、図8に示すように、その折り曲げられた部位から下方に延びるように形成されている。
リレーターミナル部822は、孔部823を有している。この孔部823には、正極ブラシターミナル34aが圧入される(図2、図3参照)。孔部823の内壁824には、孔部823の内側に向かって延びる突起部825が形成されている。これにより、正極ブラシターミナル34aを孔部823に圧入する際の力を軽減することができる。このリレーターミナル部822が特許請求の範囲に記載の正極側接続部に相当する。
負極ターミナル83は、外部電源に接続される受電部831、負極ブラシターミナル34bと接続するリレーターミナル部834を有している。受電部831およびリレーターミナル部834は別体となっており、いずれも板状の導電性材料より形成されている。受電部831とリレーターミナル部834との間には、チョークコイル84が電気的に接続されている。受電部831は、外部電源からの電力を受ける端部とは反対側の端部に、ボデー81に受電部831を固定する固定部833を有している。リレーターミナル部834は、略L字形状に折り曲げて形成されている。リレーターミナル部834は、一方の端部に孔部835を有し、他方の端部にボデー81にリレーターミナル部834を固定する固定部839を有している。
リレーターミナル部834の孔部835には負極ブラシターミナル34bが圧入される(図2、図3参照)。孔部835の内壁836には、孔部835の内側に向かって延びる突起部837が形成されている。これにより、負極ブラシターミナル34bを孔部835に圧入する際の力を軽減することができる。このリレーターミナル部834が特許請求の範囲に記載の負極側接続部に相当する。
チョークコイル84は、ブラシ32a、32bが整流子24の各セグメント241と順次摺動するときに発生する電気雑音(例えば高周波成分)を低減するためのものである。チョークコイル84は、円柱状のコア841に巻線842を巻き回して構成されている。巻線842の一方の端部843は受電部831に接続され、他方の端部844はリレーターミナル部834に接続される。
図8および図9に示すように、ボデー81は、例えばPOM(ポリアセタール)樹脂材料により略直方体に形成されている。ボデー81には、三つの挿入孔811、812、813がボデー81の上面側から形成されている。その挿入孔811、812、813には、それぞれ正極ターミナル82の固定部826、負極ターミナル83のリレーターミナル部834における固定部839、負極ターミナル83の受電部831における固定部833が圧入される。図6および図7に示すように、正極ターミナル82および負極ターミナル83は、それぞれの受電部821、831がボデー81の上面側に延びるようにボデー81に固定され、それぞれのリレーターミナル部822、834がボデー81の正面に延びるようにボデー81に固定されている。
図9に示すように、ボデー81の背面には、収容部816が形成されている。その収容部816にはチョークコイル84が挿入されている。チョークコイル84は、その長手方向が受電部821、831とほぼ同じ方向を向くようにボデー81の側壁に沿ってボデー81に配置されている。図6〜図8に示すように、チョークコイル84の一方の端部843は受電部831の接続部832に熱かしめ、またはヒュージングにて接続され、他方の端部844はリレーターミナル部834の接続部838に熱かしめ、またはヒュージングにて接続されている。
図2、図9に示すように、受電部821、831、チョークコイル84およびブラシ32a、32bは何れも縦長の部材であって、何れも長手方向が同じ方向を向くように配置されている。このため、吐出側カバー60内の限られたスペースの中に効率的にこれらの部品を収容することができる。
<モールド体70の構造>
次に、上述の如く構成された組付体80を樹脂モールドすることにより形成されるモールド体70の構造を、図4、図5、図10および図11を用いて説明する。
図4および図5に示すように、モールド体70は、樹脂モールド部71および組付体80から構成されている。モールド体70は、組付体80のうち、少なくとも受電部821、831、孔部823、835の内壁824、836を露出させるようにボデー81の上部を樹脂モールド部71にて覆うことにより形成される。
モールド体70は、例えばインサート成形により形成される。樹脂モールド部71は、例えば組付体80のボデー81と同じ樹脂材料(POM樹脂材料)から構成されている。なお、この樹脂モールド部71が特許請求の範囲の樹脂部に相当する。
樹脂モールド部71の上面からは、図4および図5(a)〜(c)にて斜線を付した受電部821、831が延出している。樹脂モールド部71の下面からは、ボデー81が延出している。また、樹脂モールド部71は、図5(a)、(c)に示すようにチョークコイル84全体を覆っている。樹脂モールド部71は、チョークコイル84の一方の端部843と接続部832、およびチョークコイル84の他方の端部844と接続部838も覆っている。樹脂モールド部71は、孔部823、835の内壁824、836を露出させるように孔部823、835の周囲を覆っている。また、図4および図5(c)に示すように、この部分における樹脂モールド部71には、孔部823、835を通って貫通する貫通孔72が形成されている。
これにより、電気的な接続を図る受電部821、831、孔部823、835の内壁824、836以外を樹脂モールド部71の内部に収容させることができる。このため、単にターミナルをホルダに組み付けただけの従来構造に比べて、ベアリングホルダ50および吐出側カバー60との間におけるターミナル82、83の露出面積を極力小さくできる。このため、高導電性成分を燃料中に含むガソリン代替燃料を対象とした場合であっても、ターミナル82、83の電気腐食を抑制でき、ターミナル部品の導通不良や折損を抑制できる。
<モールド体70のモールド工程>
次に、モールド体70のモールド工程を、図10を用いて説明する。図10は、モールド工程時の孔部823近傍を拡大した断面を示している。図10(a)は、金型90に組付体80を設置した状態を示し、図10(b)は、金型90内のキャビティー98に溶融樹脂を注入した状態を示している。
モールド体70は、上下に分割される金型の間にインサート品としての組付体80を設置し、金型90内に形成されるキャビティー98に溶融樹脂を注入することにより形成される。孔部835付近の構造は、孔部823付近の構造と同じであるため、ここでは、孔部823の周囲に形成される樹脂モールド部71についてのみ説明する。
図10(a)に示すように、金型90は、孔部823を境に孔部823の軸方向に分割されている。以下、図中、上側の金型90を上型91と呼び、下側の金型90を下型94と呼ぶ。
図10(a)に示すように、上型91は、下方に向かって開口し、孔部823の外周部を囲むようにして形成される凹溝部92と、その凹溝部92の内周側に形成され、孔部823の外周部に当接する当接部93とを有している。下型94は、上方に向かって開口し、孔部823の外周部を囲むようにして形成される凹溝部95と、その凹溝部95の内周側に形成され、孔部823の外周部に当接する当接部96を有している。また、下型94は、当接部96のさらに内周側に、孔部823を位置決めする凸部97を有している。
図10(b)に示すように、上型91および下型94にて孔部823を挟み込んだ後、凹溝部92、95にて形成されるキャビティー98に溶融樹脂を注入する。そして、注入した溶融樹脂が固化した後、金型90からモールド体70を取り出す。上述のような金型90にて樹脂モールド部71を形成すると、孔部823の周囲の樹脂モールド部71には、孔部823を通って貫通する貫通孔72が形成される(図4および図5(c)参照)。
上述の如く、ブラシターミナル34a、34bと孔部823、835との接続は、ブラシターミナル34a、34bを孔部823、835の下方から圧入することにより達成されている。このため、樹脂モールド部71に貫通孔72、72を形成する必要がない。つまり、貫通孔72、72の上方が塞がった形状となっていても良い。
ここで、仮に樹脂モールド部71が貫通孔72、72の上方が塞がっている形状であったとすると、金型100は図11に示すような構造とせざるを得なくなる。図11(a)は、図10(a)に対応する図であり、図11(b)は、図10(b)に対応する図である。なお、この図において、本実施形態の構成と同一部分または同一機能を有する部分は、本実施形態と同じ符号を付与する。また、ここでは、特に、孔部823の周囲に形成される樹脂モールド部71aについてのみ説明する。
具体的には、図11(a)に示すように、上型101は、下方に向かって開口し、孔部823全体を覆う凹部102を有している。下型103は、上方に向かって開口し、孔部823の外周部を囲むようにして形成される凹溝部104と、その凹溝部104の内周側に形成され、孔部823の内壁824に挿入される突起部105を有する。
図11(b)に示すように、上型101および下型103を合わせた後、凹部102および凹溝部104にて形成されるキャビティー106に溶融樹脂を注入する。そして、注入した溶融樹脂が固化した後、金型100からモールド体70aを取り出す。上述したような金型100にて樹脂モールド部71aを形成すると、孔部823の周囲の樹脂モールド部71aは、下方が開口し、上方が塞がる形状となる。
ところが、図11(b)に示すように、下型103の突起部105は、単に孔部823の内壁824に挿入するだけの構造となっているため、キャビティー106に溶融樹脂を注入すると、突起部105の側面と孔部823の内壁824との隙間に溶融樹脂が流入することがある。溶融樹脂がこの隙間に流入すると、孔部823の内壁824に固化した樹脂が残ることがある。この状態で、孔部823にブラシターミナル34aを圧入しても電気的な導通を図ることができず、接触不良を招く。モールド体70aの歩留まりが悪化する。
モールド体70aの歩留まりの悪化を改善するには、下型103の突起部105と孔部823の内径の寸法精度を高め、溶融樹脂の上述した隙間への流入を阻止するという方法が考えられる。しかしながら、この方法では製造コストが増大してしまうという別の問題が発生する。
図10に示すように、本実施形態では、上述の如く、樹脂モールド部71に孔部823を通って貫通孔72を形成させている。このため、図11に示すような金型100とする必要がない。つまり、下型103に、孔部823に挿入する突起部105を設ける必要がない(図11参照)。
本実施形態では、図10に示すように、上型91および下型94の凹溝部92、95の内周側に、孔部823の外周部に当接する当接部93、96を設けている。このため、上型91および下型94を合わせることにより、凹溝部92、95から溶融樹脂が孔部823へ流入するのを阻止することができる。このため、モールド体70の歩留まりを、製造コストを増大させることなく高めることができる。
次に、本実施形態のベアリングホルダ50の構造を、図2、図12および図13を用いて説明する。図12はブラシ32a、32b、ブラシスプリング31a、31bおよびブラシターミナル34a、34bを組み付けた状態のベアリングホルダ50の斜視図である。図13は図12のベアリングホルダ50の4面図であり、図13(a)は上面図であり、図13(b)は側面図であり、図13(c)は正面図であり、図13(d)は底面図である。
ベアリングホルダ50は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂材料により形成されている。図12および図13に示すように、ベアリングホルダ50は、略円板状の基部51を有する。その基部51の上端面の中央部には、吐出側カバー60(図2参照)に向かって延びる筒部52a、52bが2つ並んで形成されている。
これらの筒部52a、52bには、それぞれ下方からブラシ32a、32b、ブラシスプリング31a、31bおよびブラシターミナル34a、34bがこの順序で収容されている(図2参照)。ブラシ32a、32bは、それぞれの筒部52a、52b内で軸方向に移動可能に収容されている。ブラシターミナル34a、34bは、ブラシターミナル34a、34bの接続線33a、33bが接続された状態で筒部52a、52bの内壁に圧入することにより固定される。ブラシターミナル34a、34bの頭部は、孔部823、835を圧入可能とするために、筒部52a、52bの端部から突き出た状態となっている。
また、図13(a)に示すように、これら筒部52a、52bの内壁には、筒部52a、52bの内側に向かって延びる突起部53、53が形成されている。このため、ブラシターミナル34a、34bを筒部52a、52bの内壁に圧入する際の力を軽減することができる。また、圧入の際、突起部53、53の先端が、ブラシターミナル34a、34bによってつぶれるため、圧入の際の応力は筒部52a、52bの外壁までおよびにくくなる。このため、筒部52a、52bの割れを抑制することができ、割れた部分から燃料が侵入することによる電気腐食の発生を抑制することができる。
図13(a)、(b)に示すように、基部51には、モールド体70の底部に形成されている凸部815(図2および図5(a)、(b))が嵌る凹部54が形成されている。図2に示すように、モールド体70は、孔部823、835を筒部52a、52bに向けて基部51の上端面に配置される。このとき、ブラシターミナル34a、34bの頭部が孔部823、835に圧入される。
また、ブラシターミナル34a、34bが筒部52a、52bの内壁に固定されているため、孔部823、835をブラシターミナル34a、34bに圧入する際の作業が容易となる。
なお、本実施形態では、ブラシターミナル34a、34bを筒部52a、52bに固定する際、圧入という方法を採用したが、固定する方法は圧入に限らない。例えば、ブラシターミナル34a、34bをインサート成形にて固定しても良いし、接着剤にて固定しても良い。
図4および図5(c)に示すように、孔部823、835の内壁824、836には突起部825、837が形成されているため、ブラシターミナル34a、34bの頭部を孔部823、835に圧入する際の力を軽減することができる。また、圧入する際、突起部825、837の先端が、ブラシターミナル34a、34bによってつぶれるため、圧入の際の応力が孔部823、835の周囲におよびにくくなる。このため、孔部823、835の周囲を覆っている樹脂モールド部71の割れを抑制することができ、割れた部分から燃料が侵入することによる電気腐食の発生を抑制することができる。
図12および図13(a)、(d)に示すように、基部51の凹部54が形成されている部位の筒部52a、52bを挟んだ反対側の部位には、ハウジング21内部の燃料を吐出側カバー60の内部に流入させる孔55が形成されている。
また、図12および図13(b)、(c)に示すように、基部51の凹部54が形成されている側の下端面には、下方に延びる係止部56が形成されている。係止部56は、永久磁石22を周方向に係止して位置決めする。図13(d)に示すように、基部51の中央部には、ベアリング59を保持するベアリング保持孔57が形成されている。また、基部51の外周部には、全周に亘って径方向に延びるフランジ部58が形成されている。
次に、本実施形態の吐出側カバー60の構造を、図2、図14および図15を用いて説明する。図14は吐出側カバー60の斜視図である。図15は吐出側カバー60の4面図であり、図15(a)は上面図であり、図15(b)は側面図であり、図15(c)は正面図であり、図15(d)は底面図である。
吐出側カバー60は、例えば、PPS樹脂材料またはPOM樹脂材料により形成されている。図14および図15(a)〜(c)に示すように、吐出側カバー60は、筒状に形成されており、上部に上壁部61を有している。上壁部61の中心より外周側には、中心部を挟んでコネクタ部63と、燃料吐出部62とが上壁部61から上方に突出するように形成されている。
図15(a)、(d)に示すように、コネクタ部63は、内部が2つの空間に仕切られており、コネクタ部63の底部には、正極ターミナル82の受電部821および負極ターミナル83の受電部831が貫通する孔64、64が形成されている。図15(a)中、図面に向かって右側が正極ターミナル82の受電部821を通す孔64であり、左側が負極ターミナル83の受電部831を通す孔64である。
図14および図15(b)、(c)に示すように、吐出側カバー60の下端部には、全周に亘って径方向に延びるフランジ部65が形成されている。このフランジ部65は、上述したベアリングホルダ50のフランジ部58と軸方向で対面するようになっている。
図15(b)〜(d)に示すように、吐出側カバー60の内部、上壁部61の裏側には、上壁部61の裏側から下方に延びる筒部66a、66bが2つ形成されている。これらの筒部66a、66bは、ベアリングホルダ50の筒部52a、52bの上端部に向かって延びるように形成されている。
図3は、図12および図13に示すベアリングホルダ50に図4および図5に示すモールド体70を組付け、さらにモールド体70側から図14および図15に示す吐出側カバー60を被せた状態を示す断面図である。
図3に示すように、ベアリングホルダ50、モールド体70および吐出側カバー60を軸方向に組み付けることにより、孔部823、835の周囲に形成されている樹脂モールド部71がベアリングホルダ50の筒部52a、52bおよび吐出側カバー60の筒部66a、66bによって挟み込まれる。
この構成によれば、吐出側カバー60内部を流れる高導電性成分を含む燃料のリレーターミナル部822、834とブラシターミナル34a、34bとが接続されている部位への流入が阻止され、正極側のリレーターミナル部822およびブラシターミナル34aなどのターミナル部品と、負極側のリレーターミナル部834およびブラシターミナル34bなどのターミナル部品との間が隔離される。このため、上述の正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品との間の漏れ電流が低減される。また、リレーターミナル部822、834とブラシターミナル34a、34bとが接続されている部位への燃料の流入が完全に阻止できなくとも、流入する量は低減できる。このため、電気的な抵抗を増大させることができ、漏れ電流は制限される。これらの結果、高導電性成分を燃料中に含むガソリン代替燃料を対象とした場合であっても、これらリレーターミナル部822、834やブラシターミナル34a、34bなどのターミナル部品の電気腐食を抑制でき、ターミナル部品の導通不良や折損を抑制できる。
また、本実施形態の構造によれば、リレーターミナル部822、834とブラシターミナル34a、34bとは、リレーターミナル部822、834に形成されている孔部823、835にブラシターミナル34a、34bを圧入することにより電気的に接続されている。
そして、リレーターミナル部822、834の孔部823、835の周囲は、樹脂モールド部71にて覆われており、その樹脂モールド部71は、上下方向からベアリングホルダ50の筒部52a、52bおよび吐出側カバー60の筒部66a、66bにて挟み込まれている。
この構造によれば、リレーターミナル部822、834とブラシターミナル34a、34bとの接続部位を極力燃料から隔離することができる。その結果、よりターミナル部品の電気腐食の抑制効果が高まる。
また、本実施形態の構造によれば、ブラシターミナル34a、34b、接続線33a、33bおよびブラシ32a、32bは、筒部52a、52bに収容され、かつリレーターミナル部822、834は、筒部52a、52bと筒部66a、66bとの間に挟まれている。
この構造によれば、筒部52a、52bおよび筒部66a、66bの内部への燃料の流入が阻止され、筒部52a、52bおよび筒部66a、66bに収容されるリレーターミナル部822からブラシ32aまでの正極側のターミナル部品とリレーターミナル部834からブラシ32bまでの負極側のターミナル部品との間が隔離される。これにより、正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品との間の漏れ電流を低減することができる。また、筒部52a、52bおよび筒部66a、66bの内部に収容される両ターミナル部品への燃料の流入を完全に阻止できなくとも、流入する量は低減できる。これらの結果、筒部52a、52bおよび筒部66a、66bの内部に収容されるターミナル部品の電気腐食を抑制でき、導通不良や折損を抑制できる。
また、筒部52a、52bは、ブラシ32a、32bを保持する機能、および筒部66a、66bとの間でリレーターミナル部822、834を挟み込み両筒部52a、52b、66a、66b内部に燃料が流入するのを抑制する機能の2つの機能を有している。このため、ベアリングホルダ50の構造が簡単となる。
図3に示すように、ベアリングホルダ50および吐出側カバー60は、両者を組み合わせ、筒部52a、52bおよび筒部66a、66bにてリレーターミナル部822、834を挟み込むとき、図13(b)、(c)に示すベアリングホルダ50のフランジ部58の上端面と、図15(b)、(c)に示す吐出側カバー60のフランジ部65の下端面との間に微小隙間L1が形成されるような構造となっている。この構造によれば、ホルダ50およびカバー60を組み合わせたとき、筒部52a、52bおよび筒部66a、66bがリレーターミナル部822、834を挟み込むまで、向かい合うフランジ部58、65によるホルダ50およびカバー60の軸方向の相対的な移動が制限されない。つまり、リレーターミナル部822、834を確実に筒部52a、52bおよび筒部66a、66bにて挟み込むことができる。その結果、筒部52a、52bおよび筒部66a、66b内部への燃料の流入を極力阻止することができ、電気腐食の抑制効果を高めることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、組付体80は、負極側のみにチョークコイル84を備えていたが(図6〜図9参照)、第2実施形態の組付体80aは負極側だけでなく、正極側にもチョークコイルを備えている。図16は第2実施形態による組付体80aの3面図であり、図16(a)は側面図、図16(b)は正面図、図16(c)は上面図である。
図16(a)〜(c)に示すように、組付体80aは、外部電源から電力を受ける正極ターミナル82a、負極ターミナル83aおよびそれぞれのターミナル82a、83aに接続されるチョークコイル84a、84bを絶縁体のボデー81aに組み付けて構成されている。
正極、負極ターミナル82a、83aは、受電部821a、831aおよびリレーターミナル部824a、834aを有している。受電部821a、831aおよびリレーターミナル部824a、834aは別体となっており、いずれも板状の導電性材料より形成されている。受電部821a、831aとリレーターミナル部824a、834aとの間には、チョークコイル84a、84bが電気的に接続されている。
受電部821a、831aは、外部電源からの電力を受ける端部とは反対側にボデー81aに受電部821a、831aを固定する固定部823a、833aを有している。リレーターミナル部824a、834aは、略L字形状に折り曲げて形成されている。リレーターミナル部824a、834aは、一方の端部に孔部825a、835aを有し、他方の端部にボデー81aにリレーターミナル部824a、834aを固定する固定部829a、839aを有している。
リレーターミナル部824a、834aの孔部825a、835aにはブラシターミナル34a、34bが圧入される。孔部825a、835aの内壁826a、836aには、孔部825a、835aの内側に向かって延びる突起部827a、837aが形成されている。これにより、ブラシターミナル34a、34bを孔部825a、835aに圧入する際の力を軽減することができる。
チョークコイル84a、84bは、円柱状のコア841a、841bに巻線842a、842bを巻き回して構成されている。巻線842aの一方の端部843aは受電部821aに接続され、他方の端部844aはリレーターミナル部824aに接続される。巻線842aと同様、巻線842bの一方の端部843bは受電部831aに接続され、他方の端部844bはリレーターミナル部834に接続される。
ボデーは、例えばPOM樹脂材料より略直方体に形成されている。ボデー81aには、四つの挿入孔811a、812a、813a、814aと二つの収容部816a、816bが形成されている。四つの挿入孔811a、812a、813a、814aは、ボデー81aの上面側から形成されている。二つの収容部816a、816bは、ボデー81aの側壁部に形成されている。
挿入孔811a、812a、813a、814aには、図16(c)において右側から、受電部821aの固定部823a、リレーターミナル部824aの固定部829a、リレーターミナル部834aの固定部839a、および受電部831aの固定部833aが圧入される。
各固定部823a、829a、839a、833aが挿入孔811a、812a、813a、814aに圧入されることにより、受電部821a、831aは、ボデー81aの上面から上方に延び、リレーターミナル部824a、834aは、ボデー81aの上面から正面側に延びる。
図16(b)、(c)において右側の収容部816aにはチョークコイル84aが挿入され、左側の収容部816bにはチョークコイル84bが挿入されている。チョークコイル84a、84bは、その長手方向が受電部821a、831aとほぼ同じ方向を向くようにボデー81aの側壁に沿ってボデー81aに配置されている。
チョークコイル84aの一方の端部843aは受電部821aの接続部822aに熱かしめ、またはヒュージングにて接続され、他方の端部844aはリレーターミナル部824aの接続部828aに熱かしめ、またはヒュージングにて接続されている。
同じく、チョークコイル84bの一方の端部843bは受電部831aの接続部832aに熱かしめ、またはヒュージングにて接続され、他方の端部844bはリレーターミナル部834aの接続部838aに熱かしめ、またはヒュージングにて接続されている。
このように組み付けられた組付体80aを図10に示すような金型90に設置し、金型90に形成されるキャビティー98に溶融樹脂を注入することで、組付体80aに受電部821a、831a、孔部825a、835aを露出させる樹脂モールド部が形成される。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。図17、18に示すように本発明の第3実施形態は、燃料吐出部62を有する吐出側カバー60を備えていない点で第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第1実施形態および第2実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
図17は、本発明の第3実施形態に係る燃料ポンプ10aにおける、ベアリングホルダ50a、モールド体70bおよびベアリングホルダ50aに配置された種々の部品が分解された状態を示す側面図である。図18は、図17における燃料ポンプ10aのベアリングホルダ50a、モールド体70bおよびベアリングホルダ50aに配置された種々の部品を組み付けた状態を示す断面図である。
本発明の第3実施形態における燃料ポンプ10aは、図示しない燃料タンク内に搭載される燃料ポンプであって、燃料タンク内部の燃料を当該タンクの外部に向けて圧送する。図17、18に示すように、本発明の第3実施形態では、燃料ポンプ10aの吐出側の端部は、ベアリングホルダ50a、モールド体70b、ブラシターミナル34a、34b、ブラシスプリング31a、31b、接続線33a、33b、ブラシ32a、32bから構成されている。
図17に示すように、ベアリングホルダ50aは、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂材料により形成されている。ベアリングホルダ50aは、略円板状の基部51を有する。その基部51の上端面の中央部には、筒部52a、52bが2つ並んで形成されている。さらに、基部51の上端面には、上端部に吐出口623aを有する燃料吐出部62aが形成されている。この吐出口623aは、ハウジング21の内部に形成されている空間211と接続されている。
図18に示すように、これらの筒部52a、52bには、それぞれ下方からブラシ32a、32b、ブラシスプリング31a、31b、およびブラシターミナル34a、34bが、この順序で収容されている。この図に示すように、ブラシ32a、32bは、それぞれの筒部52a、52b内で軸方向に移動可能に収容されている。ブラシターミナル34a、34bは、接続線33a、33bが接続された状態で筒部52a、52bの内壁52c、52dに圧入することにより固定される。ブラシターミナル34a、34bの頭部は、リレーターミナル部824a、834aの孔部825a、835aを圧入可能とするために、筒部52a、52bの開口部52e、52fから突き出た状態となっている。
図17、18には示していないが、筒部52a、52bの内壁52c、52dには、図13(a)に示したような突起部53、53が形成されている。この構成によれば、ブラシターミナル34a、34bを筒部52a、52bの内壁52c、52dに圧入する際の力を軽減させることができる。
また、ブラシターミナル34a、34bが筒部52a、52bの内壁52c、52dに固定されているため、リレーターミナル部824a、834aの孔部825a、835aをブラシターミナル34a、34bに圧入する際の作業が容易となる。
なお、本実施形態では、ブラシターミナル34a、34bを筒部52a、52bに固定する際、圧入という方法を採用したが、固定する方法は圧入に限らない。例えば、ブラシターミナル34a、34bをインサート成形にて固定しても良いし、接着剤にて固定しても良い。
ブラシターミナル34a、34bとブラシ32a、32bとの間には、それぞれブラシターミナル34a、34bとブラシ32a、32bとを引き離す方向に付勢するブラシスプリング31a、31bが配置されている。ブラシターミナル34a、34bは、上述したように筒部52a、52bに固定されているため、ブラシスプリング31a、31bの付勢力によりブラシ32a、32bを整流子24に押圧させることができる。
モールド体70bは、ターミナル82a、83a、リレーターミナル部824a、834a、およびチョークコイル84a、84bからなる組付体80b、および樹脂部73から構成されている。なお、この実施形態におけるターミナル82a、83a、リレーターミナル部824a、834a、およびチョークコイル84a、84bの構造、および各部品の接続は図16に示した各部品と同じであるため、説明を省略する。樹脂部73は、組付体80bを覆うように設けられる。組付体80bは、インサート成型により樹脂部73内に挿入される。
図17、18に示すように、樹脂部73は、コネクタ部74、および仕切部75a、75bを有する。コネクタ部74は、ターミナル82a、83aの受電部821a、831aの周囲に、図に示していない給電コネクタと接続可能に形成される。
図18に示すように、仕切部75a、75bは、それぞれのリレーターミナル部824a、834aの孔部825a、835aの周囲を覆うとともに、筒部52a、52bの端部と当接する当接部76a、76b、および当接部76a、76bにおける筒部52a、52bの端部と当接する部位とは反対側の部位を覆う蓋部77a、77bを有する。
仕切部75a、75bは、筒部52a、52bにブラシターミナル34a、34b、ブラシスプリング31a、31b、接続線33a、33b、およびブラシ32a、32bを収容させた後、それぞれのリレーターミナル部824a、834aの孔部825a、835aにブラシターミナル34a、34bを圧入させることにより、筒部52a、52bに取付けられる。仕切部75a、75bが筒部52a、52bに取付けられている状態では、当接部76a、76bは筒部52a、52bの端部に当接した状態となっている。このようにして仕切部75a、75bが筒部52a、52bに取付けられることにより、筒部52a、52bの外部と、孔部825a、835aとブラシターミナル34a、34bとのそれぞれの接続部位とが仕切られる。
本実施形態の孔部825a、835aにも図16(c)に示した突起部827a、837aが形成されている。この構成によれば、孔部825a、835aにブラシターミナル34a、34bを圧入する際の力を軽減させることができる。
筒部52a、52bに仕切部75a、75bが取付けられることにより、筒部52a、52bの外部に存在する燃料のブラシターミナル34a、34bとリレーターミナル部824a、834aとの接続部位への流入が阻止され、正極側のブラシターミナル34aおよびリレーターミナル部824aなどのターミナル部品と、負極側のブラシターミナル34bおよびリレーターミナル部834aなどのターミナル部品とが隔離される。これにより、正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品との間の漏れ電流が低減される。また、上記接続部位への燃料の流入を完全に阻止できなくとも、仕切部75a、75bを筒部52a、52bに取付けるという構成によれば、燃料の流入量は低減できる。これにより、電気的な抵抗を増大させることができ、漏れ電流を低減させることができる。ゆえに、高導電性成分を燃料中に含むガソリン代替燃料を対象とした場合であっても、ターミナル部品の電気腐食を抑制でき、導通不良や折損を抑制できる。
この実施形態では、仕切部75a、75bは、正極側、負極側の筒部52a、52bにそれぞれ取付けられる構造となっているが、いずれかの筒部52a、52bに取付けられれば良い。このように、いずれかの筒部52a、52bに仕切部75a、75bを取付け、いずれかの上記接続部位への燃料の流入を阻止するだけでも正極側のターミナル部品と負極側のターミナル部品との間の漏れ電流を低減できる。
また、この実施形態によれば、ベアリングホルダ50aが吐出口623aを有しているため、第1、第2実施形態における燃料ポンプ10が備えている吐出側カバー60を廃止することができ、燃料ポンプ10aの部品点数を削減できる。
また、この実施形態によれば、筒状に形成されている筒部52a、52bのブラシターミナル34a、34b側の開口部52e、52fを仕切部75a、75bにて覆うという簡単な構成で筒部52a、52bと上記接続部位とを仕切ることができる。
また、当接部76a、76bは、孔部825a、835aの周囲を覆い、筒部52a、52bの端部に当接するように構成されている。そして、仕切部75a、75bは、当接部76a、76bにおける筒部52a、52bの端部と当接する部位とは反対側の部位を覆う蓋部77a、77bを有する。このため、仕切部75a、75bを筒部52a、52bに取付けた状態における上記接続部位への燃料の侵入経路は、この当接部76a、76bと筒部52a、52bの端部との当接部分のみとなる。つまり、燃料の侵入経路は一つのみとなる。
この構成によれば、単に、孔部825a、835aの周囲を当接部76a、76bにて覆わずに、孔部825a、835aを仕切部75a、75bと筒部52a、52bにて挟み込んで上記接続部位への燃料の侵入を阻む構造のものと比べ、上記接続部位への燃料の侵入経路を減らすことができ、よりターミナル部品の電気腐食の抑制効果が高まる。
本実施形態では、筒部52a、52bに突起部53、53が形成されているので、筒部52a、52bへのブラシターミナル34a、34bの圧入の際、突起部53、53の先端が、ブラシターミナル34a、34bによってつぶされる。このため、圧入の際の応力が筒部52a、52bの外壁までおよびにくくなる。その結果、筒部52a、52bの割れを抑制することができ、割れた部分から燃料が筒部52a、52bの内部に侵入することによる電気腐食の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、孔部825a、835aに突起部827a、837aが形成されているので、孔部825a、835aへのブラシターミナル34a、34bの圧入の際、突起部827a、837aの先端が、ブラシターミナル34a、34bによってつぶされる。このため、圧入の際の応力が当接部76a、76bまでおよびにくくなる。その結果、当接部76a、76bの割れを抑制することができ、割れた部分から燃料が筒部52a、52bの内部に侵入することによる電気腐食の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、筒部52a、52bが特許請求の範囲の保持部に相当し、樹脂部73が特許請求の範囲の絶縁部材に相当する。
本発明の第1実施形態に係る燃料ポンプを示す断面図である。 ベアリングホルダ、吐出側カバー、モールド体および吐出側カバーの内部に配置された種々の部品が分解された状態を示す2面図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。 ベアリングホルダ、吐出側カバー、モールド体および吐出側カバーの内部に配置された種々の部品を組付けた状態を示す断面図である。 モールド体の斜視図である。 図4に示すモールド体の3面図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図であり、(c)は上面図である。 樹脂にて図4に示すモールド体を形成する前の組付体の斜視図である。 図6に示す組付体の2面図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 図6および図7に示す組付体の分解斜視図である。 図6および図7に示す組付体のうち、ボデーとチョークコイルのみを示す分解斜視図である。 図6から図9に示す組付体を樹脂にてモールドする際の工程を説明する図であり、(a)は組付体を金型に設置した状態を示す図であり、(b)は溶融樹脂を金型に注入した状態を示す図である。 図10の比較例を説明する図であり、(a)は組付体を金型に設置した状態を示す図であり、(b)は溶融樹脂を金型に注入した状態を示す図である。 ベアリングホルダの斜視図である。 図12に示すベアリングホルダの4面図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図であり、(d)は底面図である。 吐出側カバーの斜視図である。 図14に示す吐出側カバーの4面図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図であり、(d)は底面図である。 本発明の第2実施形態に係る組付体の3面図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図であり、(c)は上面図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料ポンプにおける、ベアリグホルダ、モールド体およびベアリングホルダに配置された種々の部品が分解された状態を示す側面図である。 図17における燃料ポンプのベアリングホルダ、モールド体およびベアリグホルダに配置された種々の部品を組み付けた状態を示す断面図である。 特許文献1の構造を説明する燃料ポンプの断面図である。 図19に示すベアリングホルダおよび吐出側カバーの分解図である。
符号の説明
10 燃料ポンプ、20 モータ部、21 ハウジング(ケース部材)、24 整流子、241 セグメント、31a ブラシスプリング、31b ブラシスプリング、32a 正極ブラシ、32b 負極ブラシ、33a 接続線、33b 接続線、34a 正極ブラシターミナル、34b 負極ブラシターミナル、40 ポンプ部、41 ケーシング、42 ポンプカバー(ケース部材)、421 ポンプ流路、423 吸入口、43 インペラ、50 ベアリングホルダ、51 基部、52a 筒部(ホルダ側筒部)、52b 筒部(ホルダ側筒部)、53 突起部、54 凹部、55 孔、56 係止部、57 ベアリング保持孔、58 フランジ部、60 吐出側カバー、61 上壁部、62 燃料吐出部、621 燃料通路、622 逆止弁、623 吐出口、63 コネクタ部、64 孔、65 フランジ部、66a 筒部(カバー側筒部)、66b 筒部(カバー側筒部)、70 モールド体、71 樹脂モールド部、72 貫通孔、80 組付体、81 ボデー、82 正極ターミナル、821 受電部、822 リレーターミナル部(正極側接続部)、823 孔部、824 内壁、825 突起部、826 固定部、83 負極ターミナル、831 受電部、832 接続部、833 固定部、834 リレーターミナル部(負極側接続部)、835 孔部、836 内壁、837 突起部、838 接続部、839 固定部、84 チョークコイル、841 コア、842 巻線、90 金型、91 上型、92 凹溝部、93 当接部、94 下型、95 凹溝部、96 当接部、97 凸部、98 キャビティー

Claims (21)

  1. 燃料の吐出口が形成されている吐出側カバーと、
    前記吐出側カバーに接続され、前記吐出口に連通する燃料通路が内部に形成されるとともに燃料の吸入口が形成されているケース部材と、
    前記燃料通路に配置され、燃料を前記吸入口から吸入して前記吐出口に向けて圧送するポンプ部と、
    前記ケース部材の内部に配置され、前記ポンプ部を駆動させるモータ部と、
    前記吐出側カバーの内部から外部に向けて延出するとともに、前記モータ部の駆動源となる電力が外部から供給される正極ターミナルおよび負極ターミナルと、
    前記吐出側カバーの内側に配置され、前記モータ部の整流子と接触することにより前記正極ターミナルおよび前記負極ターミナルに供給された電力を前記モータ部に供給する正極ブラシおよび負極ブラシを保持するホルダと、
    前記ホルダによって保持されるとともに、前記正極ターミナルおよび前記負極ターミナルと前記正極ブラシおよび前記負極ブラシとの間に配置され、前記正極ターミナルおよび前記負極ターミナルからの電流を前記正極ブラシおよび前記負極ブラシに供給する正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルと、を備え、
    前記正極ターミナルは前記正極ブラシターミナルと接続する正極側接続部を有し、前記負極ターミナルは前記負極ブラシターミナルと接続する負極側接続部を有し、
    前記正極側接続部および前記負極側接続部の少なくともいずれか一方は、その周囲を他方と隔離するようにして、前記吐出側カバーの内壁と前記ホルダにおける前記吐出側カバーの前記内壁と対向する外壁とによって、挟み込まれていることを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 前記正極側接続部および前記負極側接続部は、前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有しており、
    少なくとも一方の前記孔部の周囲は、樹脂部にて覆われており、
    前記樹脂部は、前記吐出側カバーの前記内壁と前記ホルダの前記外壁とによって、挟み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
  3. 前記孔部の周囲を覆う前記樹脂部は、金型内に前記孔部を設置し、前記金型に溶融樹脂を注入することによって形成され、
    前記樹脂部には、前記孔部を通って貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料ポンプ。
  4. 前記孔部の内壁には、突起部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料ポンプ。
  5. 前記正極側接続部および前記負極側接続部は、前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有しており、
    前記ホルダの前記外壁には、前記吐出側カバーの前記内壁に向かって延び、内部にそれぞれ前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルを収容するとともに前記正極側ブラシおよび前記負極側ブラシを軸方向に移動可能に保持するホルダ側筒部が形成され、
    前記吐出側カバーの前記内壁には、それぞれの前記ホルダ側筒部の端部に向かって延びるカバー側筒部が形成され、
    前記正極側接続部および前記負極側接続部は、それらの周囲が前記ホルダ側筒部および前記カバー側筒部によって挟み込まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
  6. 前記ブラシターミナルは、筒状に形成されており、前記ホルダ側筒部の内壁に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料ポンプ。
  7. 前記ブラシターミナルは、筒状に形成されており、前記ホルダ側筒部の内壁に圧入することで固定され、
    前記ホルダ側筒部の前記ブラシターミナルが圧入される部分の前記内壁には、突起部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料ポンプ。
  8. 前記吐出側カバーおよび前記ホルダにおける、前記吐出側カバーと前記ホルダとを組み合わせた状態で両者の相対的な移動を規制する軸方向を向く面は、前記正極側接続部および前記負極側接続部を挟み込む部分を除いて、互いに離れていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
  9. 燃料の吐出口が形成されている吐出側カバーと、
    前記吐出側カバーに接続され、前記吐出口に連通する燃料通路が内部に形成されるとともに燃料の吸入口が形成されているケース部材と、
    前記燃料通路に配置され、燃料を前記吸入口から吸入して前記吐出口に向けて圧送するポンプ部と、
    前記ケース部材の内部に配置され、前記ポンプ部を駆動させるモータ部と、
    前記吐出側カバーの内部から外部に向けて延出するとともに、前記モータ部の駆動源となる電力が外部から供給される正極ターミナルおよび負極ターミナルと、
    前記吐出側カバーの内側に配置され、前記モータ部の整流子と接触することにより前記正極ターミナルおよび前記負極ターミナルに供給された電力を前記モータ部に供給する正極ブラシおよび負極ブラシを保持するホルダと、
    前記ホルダによって保持されるとともに、前記正極ターミナルおよび前記負極ターミナルと前記正極ブラシおよび前記負極ブラシとの間に配置され、前記正極ターミナルおよび前記負極ターミナルからの電流を前記正極ブラシおよび前記負極ブラシに供給する正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルと、を備え、
    前記正極ターミナルの前記正極ブラシターミナル側の端部および前記負極ターミナルの前記負極ブラシターミナル側の端部のそれぞれには、前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルを圧入させる孔部が形成されており、
    前記正極ターミナルの前記孔部および前記負極ターミナルの前記孔部の周囲は、金型内に前記孔部を設置し、前記金型に溶融樹脂を注入することによって形成される樹脂部にて覆われており、
    前記樹脂部には、前記孔部を通って貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする燃料ポンプ。
  10. 前記樹脂部は、前記吐出側カバーの内壁と前記ホルダにおける前記吐出側カバーの前記内壁と対向する外壁とによって、挟み込まれていることを特徴とする請求項9に記載の燃料ポンプ。
  11. 前記孔部の内壁には、突起部が形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の燃料ポンプ。
  12. 前記ホルダにおける前記吐出側カバーの内壁と対向する外壁には、前記吐出側カバーの前記内壁に向かって延び、内部にそれぞれ前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルを収容するとともに前記正極側ブラシおよび前記負極側ブラシを軸方向に移動可能に保持するホルダ側筒部が形成され、
    前記吐出側カバーの前記内壁には、それぞれの前記ホルダ側筒部の端部に向かって延びるカバー側筒部が形成され、
    前記樹脂部は、前記ホルダ側筒部および前記カバー側筒部によって挟み込まれていることを特徴とする請求項9から11のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
  13. 前記両ブラシターミナルは、筒状に形成されており、前記ホルダ側筒部の内壁に固定されていることを特徴とする請求項12に記載の燃料ポンプ。
  14. 前記両ブラシターミナルは、筒状に形成されており、前記ホルダ側筒部の内壁に圧入することで固定され、
    前記ホルダ側筒部の前記内壁には、突起部が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の燃料ポンプ。
  15. 前記吐出側カバーおよび前記ホルダにおける、前記吐出側カバーと前記ホルダとを組み合わせた状態で両者の相対的な移動を規制する軸方向を向く面は、前記樹脂部を挟み込む部分を除いて、互いに離れていることを特徴とする請求項9から14のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
  16. 燃料タンク内に搭載され、前記燃料タンク内部の燃料を当該タンクの外部に向けて圧送する燃料ポンプであって、
    内部に燃料通路が形成されるとともに、前記燃料通路に連通し、燃料を前記燃料通路に吸入する吸入口が形成されているケース部材と、
    前記燃料通路に配置され、燃料を前記吸入口から吸入し、前記燃料通路の出口側に向けて圧送するポンプ部と、
    前記ケース部材の内部に配置され、前記ポンプ部を駆動させるモータ部と、
    外部からの電力を前記モータ部に供給する正極ブラシおよび負極ブラシと
    前記正極ブラシおよび前記負極ブラシへ電力を供給する正極ブラシターミナルおよび負極ブラシターミナルと、
    外部より電力を受け、前記正極ブラシおよび前記負極ブラシへ供給する正極ターミナルおよび負極ターミナルであって、前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルのそれぞれに接続され、外部より受けた電力を前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ターミナルへ供給する正極側接続部および負極側接続部を有する正極ターミナルおよび負極ターミナルと、
    前記ケース部材に取付けられ、前記正極ブラシ、前記負極ブラシ、前記正極ブラシターミナル、および前記負極ブラシターミナルを内部に保持する保持部、および前記燃料通路からの燃料を前記ケース部材の外部に吐出する吐出口を有するホルダと、
    前記正極側接続部と前記正極ブラシターミナル、および前記負極側接続部と前記負極ブラシターミナルを接続することにより、前記保持部に取付けられ、前記保持部の外部と、前記正極側接続部と前記正極ブラシターミナルとの接続部位、および前記負極側接続部と前記負極ブラシターミナルとの接続部位のいずれかの接続部位とを仕切る仕切部を有する絶縁部材と、を備えることを特徴とする燃料ポンプ。
  17. 前記正極側接続部および前記負極側接続部は、前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有しており、
    前記仕切部は、いずれかの前記孔部の周囲を覆い、前記正極側接続部および前記負極側接続部のそれぞれの前記孔部に前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルが圧入された状態で前記保持部と当接する当接部と、前記当接部における前記保持部との当接する部位とは反対側の部位を覆う蓋部とを有していることを特徴とする請求項16に記載の燃料ポンプ。
  18. 前記孔部の内壁には、突起部が形成されていることを特徴とする請求項17に記載の燃料ポンプ。
  19. 前記正極側接続部および前記負極側接続部は、前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルが圧入される孔部を有しており、
    前記保持部は、内部にそれぞれ前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシを収容するとともに前記正極ブラシおよび前記負極ブラシを軸方向に移動可能に保持するように筒状に形成されており、
    前記仕切部は、前記保持部における正極ブラシターミナル側または負極ブラシターミナル側のいずれかの開口部を前記孔部とともに塞ぐように前記保持部に取付けられていることを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の燃料ポンプ。
  20. 前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルは、筒状に形成されており、前記保持部の内壁に固定されていることを特徴とする請求項19に記載の燃料ポンプ。
  21. 前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルは、筒状に形成されており、前記保持部の内壁に圧入することで固定され、
    前記保持部の前記正極ブラシターミナルおよび前記負極ブラシターミナルが圧入される部分の前記内壁には、突起部が形成されていることを特徴とする請求項19に記載の燃料ポンプ。
JP2008320083A 2008-02-07 2008-12-16 燃料ポンプ Active JP4535190B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008320083A JP4535190B2 (ja) 2008-02-07 2008-12-16 燃料ポンプ
US12/362,676 US8651832B2 (en) 2008-02-07 2009-01-30 Electric fuel pump with dicharge-side cover that is isolated from the fuel passage
DE102009000687.7A DE102009000687B4 (de) 2008-02-07 2009-02-06 Elektrische Kraftstoffpumpe

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008028041 2008-02-07
JP2008320083A JP4535190B2 (ja) 2008-02-07 2008-12-16 燃料ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009209929A JP2009209929A (ja) 2009-09-17
JP4535190B2 true JP4535190B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=40847477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008320083A Active JP4535190B2 (ja) 2008-02-07 2008-12-16 燃料ポンプ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8651832B2 (ja)
JP (1) JP4535190B2 (ja)
DE (1) DE102009000687B4 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4535190B2 (ja) * 2008-02-07 2010-09-01 株式会社デンソー 燃料ポンプ
US9476392B2 (en) * 2011-02-04 2016-10-25 Ti Group Automotive Systems, Llc Fuel pump assembly
US9261096B2 (en) * 2011-07-29 2016-02-16 Regal Beloit America, Inc. Pump motor combination
JP5672510B2 (ja) * 2012-06-01 2015-02-18 株式会社デンソー ブラシレスモータ、および、それを用いた燃料ポンプ
JP6379782B2 (ja) * 2013-07-26 2018-08-29 株式会社デンソー モータ
JP6064847B2 (ja) * 2013-09-17 2017-01-25 株式会社デンソー 燃料ポンプ
JP6056719B2 (ja) * 2013-09-17 2017-01-11 株式会社デンソー 燃料ポンプ
CN103821644B (zh) * 2014-02-19 2017-01-11 江门市威宇系统技术有限公司 一种外置式电动汽油泵的出线结构
WO2016205792A1 (en) * 2015-06-19 2016-12-22 Clarcor Engine Mobile Solutions, Llc Integrated motor-pump
JP6215993B2 (ja) * 2016-03-29 2017-10-18 株式会社ケーヒン フューエルポンプモジュール
DE102016221460B4 (de) * 2016-11-02 2022-05-19 Vitesco Technologies GmbH Verfahren zur Herstellung eines mit einer Kunststoffumspritzung versehenen Steckers für eine in einem Kraftstoffbehälter eines Kraftfahrzeugs anzuordnende Kraftstoffpumpe
CN211975239U (zh) * 2020-03-25 2020-11-20 浙江双良汽车零部件有限公司 一种燃油泵组件

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001323856A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Mitsuba Corp 燃料ポンプの給電ターミナル組付け構造
JP2002544425A (ja) * 1999-05-11 2002-12-24 マンネスマン ファウ デー オー アクチエンゲゼルシャフト 自動車の燃料ポンプ用のコネクタ
JP2008005689A (ja) * 2006-05-24 2008-01-10 Denso Corp 燃料ポンプ

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4845393A (en) 1988-01-20 1989-07-04 Burgess James P Radio frequency suppression for fuel pump
JP3521449B2 (ja) * 1993-09-27 2004-04-19 株式会社デンソー インタンク式燃料ポンプ
JP3213465B2 (ja) * 1993-11-19 2001-10-02 株式会社ミツバ 燃料供給ポンプ
US5697769A (en) * 1995-09-25 1997-12-16 Walbro Corporation Fuel pump outlet assembly
JP2001263187A (ja) * 2000-03-17 2001-09-26 Denso Corp エンジン用燃料供給装置のチェックバルブ
DE10213995C1 (de) * 2002-03-27 2003-09-25 Siemens Ag Anschlussstück für eine Kraftstoffpumpe
JP4069760B2 (ja) * 2002-04-30 2008-04-02 株式会社デンソー 燃料ポンプ
DE102004003146B4 (de) * 2003-01-22 2023-08-24 Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha Motor, Kraftstoffpumpe, Kommutator und Verfahren zur Herstellung eines Kommutators
JP4013254B2 (ja) * 2003-06-11 2007-11-28 株式会社デンソー 燃料ポンプ
JP4534677B2 (ja) 2003-10-31 2010-09-01 株式会社デンソー 燃料ポンプ
JP2005204387A (ja) * 2004-01-14 2005-07-28 Denso Corp 整流子とそれを用いた電動機および燃料ポンプ
JP2006250040A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Aisan Ind Co Ltd 燃料ポンプ
DE102005021597A1 (de) 2005-05-10 2006-11-16 Siemens Ag Kraftstoffpumpe
DE102007000287A1 (de) * 2006-05-24 2008-02-14 Denso Corp., Kariya Elektromotor und Kraftstoffpumpe mit diesem Elektromotor
JP2008064029A (ja) 2006-09-07 2008-03-21 Denso Corp 燃料ポンプ
JP4587129B2 (ja) 2006-09-07 2010-11-24 株式会社デンソー 燃料ポンプおよびその製造方法。
US8202069B2 (en) * 2006-09-07 2012-06-19 Denso Corporation Electric fuel pump
JP2008064030A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Denso Corp 燃料ポンプ
EP2053721A2 (en) * 2007-10-23 2009-04-29 Hitachi Ltd. Rotating machine
DE102007052747A1 (de) * 2007-11-06 2009-05-07 Robert Bosch Gmbh Elektrisches Gerät und Stecker für ein elektrisches Gerät
JP4535190B2 (ja) * 2008-02-07 2010-09-01 株式会社デンソー 燃料ポンプ
JP4623326B2 (ja) * 2008-05-28 2011-02-02 株式会社デンソー 燃料ポンプおよびその製造方法
JP2012055054A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Denso Corp 燃料ポンプ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002544425A (ja) * 1999-05-11 2002-12-24 マンネスマン ファウ デー オー アクチエンゲゼルシャフト 自動車の燃料ポンプ用のコネクタ
JP2001323856A (ja) * 2000-05-16 2001-11-22 Mitsuba Corp 燃料ポンプの給電ターミナル組付け構造
JP2008005689A (ja) * 2006-05-24 2008-01-10 Denso Corp 燃料ポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009209929A (ja) 2009-09-17
US8651832B2 (en) 2014-02-18
US20090202368A1 (en) 2009-08-13
DE102009000687A1 (de) 2009-08-13
DE102009000687B4 (de) 2020-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4535190B2 (ja) 燃料ポンプ
US20080063546A1 (en) Electric fuel pump
JP4623326B2 (ja) 燃料ポンプおよびその製造方法
US8202069B2 (en) Electric fuel pump
JP4737300B2 (ja) 燃料供給装置
US7195466B2 (en) Fuel pump having electric motor integrally contained in single housing
US20130119799A1 (en) Fuel pump
JP2011222410A (ja) 電磁スイッチ
CN101260853B (zh) 燃料供给装置
JP5402801B2 (ja) 燃料供給装置
CN100502207C (zh) 电动机和使用该电动机的流体泵
JP4587129B2 (ja) 燃料ポンプおよびその製造方法。
JP2008038649A (ja) 燃料ポンプ
JP2008064029A (ja) 燃料ポンプ
JP5014297B2 (ja) 燃料供給装置
JPH0571436A (ja) 車両用燃料供給装置
US20110229355A1 (en) Fuel pump
JP5325881B2 (ja) 燃料ポンプ
JP5370113B2 (ja) 燃料供給装置
JP2008215121A (ja) 燃料ポンプ
JP5025560B2 (ja) 電動燃料ポンプ装置
WO2010116777A1 (ja) 燃料供給装置の給電構造
JP6851851B2 (ja) ステータ及びブラシレスモータ
JP2003193926A (ja) 燃料供給装置
JP2019167923A (ja) 燃料供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4535190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140625

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250