JP4518232B2 - 建設機械の吊りワイヤ連結装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルや、その他の建設機械をクレーン等で吊り上げて、地下工事等の現場に搬入したり、現場から搬出したりするために、クレーン等の吊りワイヤに着脱可能に連結される吊りワイヤ連結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設機械として、油圧ショベルのうち、例えば近年急速に普及しつつある小旋回型の油圧ショベルは、図12に示したように構成される。即ち、上部旋回体Uの旋回半径が下部走行体Dの履帯Cの長さ及び幅内に収まるようにしたものである。従って、最小限、履帯Cが載置されるスペースがあれば、例えば地下工事等、極めて狭い作業現場でも土砂の掘削等、所要の作業を格別支障なく行える。
【0003】
油圧ショベルを、このように地下工事の現場等に搬入し、また工事の終了後に工事現場から搬出したりする際には、掘削手段等を有するフロント作業機Fを上部旋回体Uに連結した状態のままで、クレーン等により吊り下げる、所謂丸吊り状態にして上げ下しする。このように、油圧ショベルを丸吊りにするために、吊りワイヤが油圧ショベルに連結される。通常、油圧ショベルを吊り上げるには、クレーンの巻上ワイヤWの下端部から3本または4本の吊りワイヤHを延在させ、これら各吊りワイヤの端部にフック等を設けて、各々のフックを油圧ショベルの所定の位置に着脱可能に係着する。
【0004】
油圧ショベルを吊り上げた状態で、安定的に保持するために各々の吊りワイヤHの係着位置は限定される。即ち、吊りワイヤHの係着位置のうち、前方の位置は上部旋回体Uに連結して設けたフロント作業機Fとし、また後方における2箇所は、上部旋回体Uの後端部に設置されるカウンタウエイトCに設けられることになる。従来においては、図12にも示したように、カウンタウエイトCの上面に吊りワイヤHの係着部Rを設ける構成としている。この係着部Rは、例えば、カウンタウエイトCにおけるケーシングを形成する際に、所定の形状をした鋼材を鋳込むようにしたもの、カウンタウエイトCの表面にねじ座を設けて、このねじ座に係着部材を固定するもの等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カウンタウエイトは、周知のように、所定の形状をしたケーシングの内部に重量物を充填したもので構成される。カウンタウエイトのケーシングの形状としては、外観上において滑らかさを出すために、円みを帯びた形状とするのが一般的である。とりわけ、小旋回型の油圧ショベルにあっては、上部旋回体をできるだけコンパクトに形成しなければならない。上部旋回体のスペースを有効活用する等の関係から、運転室及びフロント作業機の後部側に位置し、各種の機械や機器類等を収納する建屋及びカウンタウエイトは複雑に入り交じった形状となる。このように、複雑な形状のカウンタウエイトを安価に、しかも容易に形成するために、そのケーシングは鋳物により製造するのが一般的である。ところで、鋳物にはすが発生するのを防止できず、また高い強度を必要とする部材を製造するのに適したものではない。カウンタウエイトのケーシングには、格別大きな荷重が作用する訳ではなく、内部に重量物を収納する容器である。近年においては、むしろ意匠的な要素を重視する傾向にあり、この意味では鋳物製のケーシングでも十分な目的を達成する。ただし、ケーシングに係着部材を連結して、油圧ショベルを丸吊りする場合には、ケーシングに極めて大きな荷重が作用することになり、その結果、ケーシングを損傷させる可能性がある等、必ずしも十分な信頼性が得られない。
【0006】
勿論、カウンタウエイトを構成するケーシングの強度を向上させるために、鋼板を曲げ加工する等によっても製造できる。しかしながら、用途としては限定された地下工事等のために、このケーシングの強度を過剰に高めるというのは、必ずしも合理的ではない。とりわけ、小旋回型の油圧ショベル等のように、カウンタウエイトの形状が複雑なものである場合には、ケーシングの加工は極めて複雑かつ面倒になってしまう。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、油圧ショベル等の建設機械を極めて安定した状態で丸吊りでき、この丸吊り時に作用する荷重により、また吊りワイヤによりカウンタウエイトが損傷するのを確実に防止できるようにした吊りワイヤワイヤ連結装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、建設機械を吊り上げるために、吊りワイヤをこの建設機械の後端部側に連結させるためのものであって、前記建設機械の上部旋回体のフレームの後端部下面に固定して設けた支持部材と、この支持部材に装着され、前記上部旋回体に設置したカウンタウエイトの後端面に近接・離間する方向及びこの方向と直交する方向に所定角度傾動可能な杆部材と、この杆部材の先端に設けられ、前記吊りワイヤが係脱可能に連結されるワイヤ係着部と、前記杆部材に取り付けられ、前記カウンタウエイトの後端面に当接可能な弾性部材を有する押し当て部材とを備える構成としたことをその特徴とするものである。
【0009】
杆部材に吊りワイヤが連結され、吊り上げた時に生じる荷重は上部旋回体のフレームに受承させる構成とした。フレームは上部旋回体の構造部材であり、従って強度の高い鋼材で形成される。従って、たとえ建設機械の全荷重がこのフレームに作用しても損傷等が生じるおそれはない。上部旋回体のフレームは、一般に、その全長にわたってメインフレームが2本設けられており、フロント作業機はこのメインフレームに連結され、またカウンタウエイトはこれら2本のメインフレーム上に設置されている。従って、極めて高い強度を有している。また、上部旋回体に設置された各種の機器類、特に重量物であるエンジンを支持するために建屋ベッドが設けられ、この建屋ベッドも、メインフレームと同様、高い強度を有する構造部材である。さらに、構造部材の下部はアンダカバーに覆われている。従って、杆部材を支持する支持部材は、これら構造部材であるメインフレームまたは建屋ベッドの下面部に溶接乃至ボルト止め等の手段により連結・固定するのが望ましい。吊りワイヤ連結装置は、後部側に2箇所設けられるが、この2箇所の吊りワイヤ連結装置は相互にできるだけ離れた位置に設ける方が、吊った状態での建設機械の安定性が向上する。
【0010】
吊りワイヤは巻上ワイヤに連結されるが、吊りワイヤの長さは必ずしも一定ではない。短い吊りワイヤを用いた場合と、長い吊りワイヤを用いた場合とでは、この吊りワイヤが張った時に、その巻上ワイヤに対して、その連結部から建設機械の係着部に至る角度が異なる。どのような長さの吊りワイヤを用いても、杆部材はある程度吊りワイヤの角度に倣うように、理想的には杆部材は吊りワイヤの延長線となる姿勢状態を取らせる方が、杆部材における荷重の軽減を図る上で好ましい。このために、杆部材は上部旋回体のフレームに取り付けた支持部材をフレームに対して、少なくともカウンタウエイトと近接・離間する方向及びこの方向と直交する方向との2方向に所定角度傾動可能としている。支持部材と杆部材の端部との間を例えば自在継手等を介して連結するように構成することができるが、杆部材を回動軸に枢着することによって、この杆部材の一方向への傾動を可能とし、またこの回動軸を支持部材に対して軸回りに回動可能に装着する構成とすることによって、それと直交する方向への傾動が可能となる。回動軸は直接支持部材に挿通させるか、または支持部材にスライド部材を摺動可能に挿嵌させて設け、このスライド部材に回動軸を装着することもできる。
【0011】
杆部材は支持部材を介して上部旋回体のフレームに連結されているが、この杆部材には押し当て部材が装着されてる。この押し当て部材はカウンタウエイトの後端面に当接可能である。押し当て部材は少なくともカウンタウエイトへの当接部が弾性を有する部材で構成される。この押し当て部材をカウンタウエイトに当接させることによって、杆部材及びそれに係着される吊りワイヤをカウンタウエイトの後端面及び上面等から離間させた状態に保持でき、カウンタウエイトに傷等が発生するのを防止できる。押し当て部材は、従ってスペーサとして機能するものであるから、その全体をゴム等の弾性部材で形成することもできるが、カウンタウエイトと面接触させるために、ブロック状本体の表面にゴム等の弾性部材からなる押し当てパッドを貼り付けるように構成することもできる。そして、このブロック状本体を球面継手を介して杆部材に連結するのが望ましい。また、建設機械を吊り上げた時に、この建設機械を安定的に保持するためには、押し当てパッドの杆部材への装着位置をできるだけ高い位置、好ましくはカウンタウエイトの後端面において、上面への移行部となる湾曲部分の直下位置に当接する高さ位置となるように設定する。
【0012】
吊りワイヤ連結装置を構成する杆部材はカウンタウエイトの後端面から突出している。従って、建設機械として、例えば小旋回型の油圧ショベルを吊り上げて、所定の位置に配置した後に、この杆部材を突出させたままでいると、小旋回という機能にとってマイナスとなる。従って、杆部材を支持部材に対して着脱可能な構成とするか、または上部旋回体のフレームの下面内に収納可能な構成とするのが望ましい。杆部材が回動軸に対して概略90°から所定角度曲折できるように構成し、かつ回動軸は支持部材に対して軸回りに回動する構成とした場合には、杆部材をカウンタウエイトの後端面に沿って立てた作動位置から、フレーム下面とほぼ平行な姿勢を取らせることができる。回動軸は支持部材に摺動可能に嵌合させたスライド部材に装着し、杆部材を回動軸に対してほぼ90°となり、かつフレームの下面とほぼ平行とした上で、スライド部材を支持部材に対して摺動させて、フレームの下面側に押し込むことにより、カウンタウエイトの後方に突出しない状態に格納できる。カウンタウエイトの後端部には2本の杆部材が設けられるが、これら2本の杆部材を概略平行な状態にして、クランプ部材でクランプさせると、両杆部材はフレームの下面内で固定的に格納することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、建設機仮の一例として、小旋回型の油圧ショベルをクレーン等により吊り上げた状態を図1及び図2に示す。図2は油圧ショベルを前方から見た図であり、しかもフロント作業機を省略している。なお、図示した油圧ショベルは小旋回型のものであるが、本発明による吊りワイヤ連結装置が装着されるのは、この小旋回型の油圧ショベルに限定されないことは言うまでもない。
【0014】
油圧ショベル1は、クローラ式の走行手段を有する下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に設置した上部旋回体4とから大略構成されるものである。上部旋回体4には運転室5及びフロント作業機6が設けられている。これら運転室5及びフロント作業機6の後方位置は、エンジン,油圧ポンプ等といった各種の機器類が収納されている建屋7が設けられ、さらに後端位置にはカウンタウエイト8が設置されている。
【0015】
油圧ショベル1は、フロント作業機6を装着したままの状態で丸吊りされて、掘削等により生じた窪地等の低地や、高所に搬入できるようになっている。油圧ショベル1を吊り上げるためにクレーンが用いられる。クレーンのウィンチ(図示せず)から巻上ワイヤ10が繰り出されるようになっており、この巻上ワイヤ10の先端に取付金具11が連結して設けられている。取付金具11には3本または4本の吊りワイヤ12が連結されており、これら各吊りワイヤ12の下端部にはフック13(図3参照)が設けられている。従って、吊りワイヤ12のフックを油圧ショベル1の適宜の位置に係着して、巻上ワイヤ10を巻取ることにより油圧ショベル1が吊り上げられる。
【0016】
今、3本の吊りワイヤ12が巻上ワイヤ10に連結されているものとする。この場合には、油圧ショベル1の前後方向において、1本の吊りワイヤは前方側、他の2本の吊りワイヤは後部側に係着される。前方側の吊りワイヤ12はフロント作業機6に連結される。フロント作業機6のブーム6aには油圧シリンダ9の先端が連結される。例えば、この油圧シリンダ9の連結部を前方側の吊りワイヤ12の係着位置とすることができる。また、後部側の2本の吊りワイヤ12は、カウンタウエイト8の後面部であって、相互に所定の間隔だけ離間させた位置に係着される。このために、上部旋回体4のフレーム4aにおける強度の高い部位、即ち、フロント作業機6が連結され、かつカウンタウエイト8が設置されるメインフレームまたは建屋7内に装着したエンジン等の機器を支持する建屋ベッド(共に図示せず)に吊りワイヤ連結装置20が取り付けられており、この吊りワイヤ連結装置20に吊りワイヤ12が係着される。従って、吊りワイヤ連結装置20はカウンタウエイト8の後部位置に左右に2箇所設けられる。
【0017】
吊りワイヤ連結装置20の一つの具体例を図3乃至7に示す。図示した吊りワイヤ連結装置20は、図3及び図6に示したように、支持部材としてのボス部材21を有する。ボス部材21は、上部旋回体4のフレーム4a下面に溶接,ねじ止め等の固定手段で固定して設けられる。ボス部材21の内部にはスライド筒22が摺動可能に挿嵌されている。このスライド筒22も方形筒状の部材からなり、その一端部にはストッパ板23が取り付けられている。スライド筒22の内部には回動ロッド24が設けられ、この回動ロッド24はスライド筒22に対して軸線方向には移動不能で、回動可能となっている。回動ロッド24は回動軸を構成するものであり、スライド筒22において、ストッパ板23が取り付けられている端部とは反対側の端部から突出している。
【0018】
25は杆部材であり、この杆部材25は、その下端部に回動ロッド24への連結金具26が固着して設けられている。一方、回動ロッド24の先端部24aは、その左右両面が平坦化されており、杆部材25はこの回動ロッド24の先端部を跨ぐようにして、枢着ピン27を介して連結されている。従って、杆部材25は枢着ピン27の軸回りに所定角度回動でき、回動ロッド24に対して、少なくとも概略直角の状態から、回動ロッド24に近接する方向に向けて所定角度傾動可能となる。また、回動ロッド24は軸回りに回動できることから、この回動ロッド24を回動させると、杆部材25は、ボス部材21に対して、前述した傾動方向と直交する方向、つまり前後方向及び左右方向の2方向に傾動できることになる。
【0019】
杆部材25の先端部には係着ピン28が、この杆部材25の軸線と直交する方向に延在されており、吊りワイヤ12の下端部に設けたフック13が係脱可能に掛着される。また、この係着ピン28の装着位置の直下の位置には、カウンタウエイト8の外面に圧接可能な押し付け部材29が取り付けられている。この押し付け部材29は、図7に示したように、ブロック状本体30の表面にゴム等の弾性部材からなる押し当てパッド31が固着して設けたものである。従って、この押し当てパッド31がカウンタウエイト8の後端における外面に当接することになる。しかも、この押し当てパッド31をカウンタウエイト8に対して確実に面接触させるために、杆部材25には支軸32が突出するように設けられており、この支軸32の先端は球形部32aとなっており、ブロック状本体30はこの球形部32aと係合し、これらによって押し当てパッド31は所定の角度だけ首振り自在になっている。また、押し付け部材29は杆部材25に対して着脱可能となっている。このために、支軸32にはねじが形成され、この支軸32のねじ部には蝶ナット33が螺合されている。
【0020】
さらに、カウンタウエイト8の後部位置の左右に装着される吊りワイヤ連結装置20は、不使用時には、図8に示したように、上部旋回体4のフレームの下部位置に格納される。フレーム4aに固定したボス部材21内にスライド筒22を設け、このスライド筒22をボス部材21に対してスライド可能としたのはこのためである。而して、杆部材25を水平状態となるように倒して、スライド筒22をボス部材21内に引き込む。これによって、この吊りワイヤ連結装置20は上部旋回体4と下部走行体2との間の空間で、カウンタウエイト8から後方に突出しない状態に格納できる。
【0021】
一方の吊りワイヤ連結装置20(図8の左側の吊りワイヤ連結装置)には、スライド筒22を上部旋回体4の後方に突出させてストッパ板23がボス部材21の端部に当接した作動位置と、上部旋回体4の下部に引き込んだ格納位置とにそれぞれ保持する機構が設けられている。即ち、図9に示したように、スライド筒22には前後に2箇所ピン挿通孔34a,34b(図面上ではピン挿通孔34aは表れない)が穿設されており、またボス部材21には1箇所にピン挿通孔35が設けられている。ピン挿通孔35にはストッパピン36が挿通されるようになっており、このストッパピン36がスライド筒22のピン挿通孔34aに挿通されると、スライド筒22は作動位置に固定され、またピン挿通孔34bに挿通されると、格納位置に固定されることになる。なお、37はストッパピン36の脱落防止カバーである。
【0022】
而して、油圧ショベル1を吊り上げるための巻上ワイヤ10から延在させた1本の吊りワイヤ12はフロント作業機6を構成するブーム6aの油圧シリンダ9に係着される。他の2箇所の吊りワイヤ12の係着部は吊りワイヤ連結装置20により構成される。スライド筒22を作動位置に変位させて、回動ロッド24を後方に突出させ、概略90°回動させる。これによって、杆部材25はカウンタウエイト8の後端面に沿って立ち上がるようになる。杆部材25の先端位置には係着ピン28が設けられているので、吊りワイヤ12のフック13を係着ピン28に引っ掛けることによって、後部側に2箇所設けた吊りワイヤ連結装置20が吊りワイヤ12と係着される。
【0023】
この状態で巻上ワイヤ10を巻取ると、まず各吊りワイヤ12に張力が作用して、下方に向けて開くようになる。これに追従して、杆部材25が吊りワイヤ12の角度とほぼ一致する状態となるように、回動ロッド24がスライド筒22内で回動変位する。従って、図3に仮想線で示したように、左右に設けた一対の杆部材25は概略ハの字状となるように傾く。また、吊りワイヤ12の張力により杆部材25がその回動ロッド24との枢着部を中心として、カウンタウエイト8の後端面に近接する方向に傾動する。ここで、巻上ワイヤ10に連結される3本または4本の吊りワイヤ12は同じ長さに調整されているが、その長さ寸法は必ずしも全て一定ではなく、クレーン等によっては吊りワイヤの長さが変化する。吊りワイヤ12の長さに応じて張力が発生したときの角度が変化する。吊りワイヤ12の長さが変化しても、それに応じて回動ロッド24の回動角と、この回動ロッド24に対する杆部材25の傾動角が変化するから、杆部材25は常にほぼ吊りワイヤ12の延長線となる姿勢状態を取る。
【0024】
杆部材25には押し付け部材29が設けられているから、杆部材25がカウンタウエイト8の後端面に直接当接せず、押し付け部材29の押し当てパッド31が当接する。そして、押し付け部材29は杆部材25に対して首振り自在となっているので、押し当てパッド31はカウンタウエイト8の後面に密着するように倣うことになる。つまり、押し当てパッド31はそのほぼ全面でカウンタウエイト8に当接し、杆部材25はカウンタウエイト8とは非接触状態に保持される。また、杆部材25の先端に設けた係着ピン28はカウンタウエイト8の上面より僅かに低い位置か、若しくは多少突出する位置に配置されており、この吊りワイヤ12もカウンタウエイト8とは非接触状態に保持される。その結果、カウンタウエイト8に杆部材25が接触して引っ掻き傷が発生したり、吊りワイヤ12が擦れて摩擦による塗装の剥離等が発生することはない。
【0025】
油圧ショベル1が吊り上げられると、杆部材25には油圧ショベル1の重量に応じた引っ張り力が作用する。この荷重は杆部材25から回動ロッド24及びスライド筒22を介してボス部材21に伝達される。ボス部材21は上部旋回体4のフレーム4aにおいて、高い強度を有する部位に固定されているので、油圧ショベル1における吊りワイヤ連結装置20の取付部が損傷したり、この吊りワイヤ連結装置20が脱落したりする不都合を生じることはない。
【0026】
フロント作業機6を装着した油圧ショベル1の全体を丸吊り状態にして吊り上げる際に、この油圧ショベル1を安定的に保持する必要がある。このためには、3本の吊りワイヤ12による油圧ショベル1の3箇所の係着位置を結ぶ三角形の重心位置を、油圧ショベル1全体の重心位置とほぼ一致させる。またこれらの重心位置は巻上ワイヤ10の延長線位置とほぼ一致させ、かつ各係着位置は相互にできるだけ離間した位置とする。そこで、後部側に設けられる吊りワイヤ連結装置20の左右方向の位置を調整することによって、油圧ショベル1はほぼ水平な状態で吊り上げることができる。後部側の吊りワイヤ連結装置20は、ボス部材21がフレームの構造部材に固定されるという条件を満たす限り任意の位置に設けることができるので、両吊りワイヤ連結装置20,20間を所望の間隔だけ離間させた位置に取り付けることができる。
【0027】
また、油圧ショベル1を吊り上げて移動させる際に、油圧ショベル1の揺れ等を最小限に抑制するには、吊りワイヤ12の係着位置をできるだけ高所に配置する必要がある。吊りワイヤ連結装置20の杆部材25はほぼカウンタウエイト8の上面位置乃至その近傍位置で吊りワイヤ12に係着しており、しかも吊りワイヤ12の係着位置の直下位置に押し付け部材29が配置されている。そして、この押し付け部材29の押し当てパッド31がカウンタウエイト8に圧接されている。従って、実質的に荷重が支承されるのはボス部材21であるが、杆部材25に設けた押し付け部材29がカウンタウエイト8の上部位置に対面している。そして、吊りワイヤ12の張力により押し付け部材29がカウンタウエイト8の上部位置に圧接されるから、この押し付け部材29により吊り下げ時における油圧ショベル1の揺れ防止機能が発揮する。その結果、油圧ショベル1を極めて安定した状態で移動することができる。
【0028】
そして、油圧ショベル1を吊り上げて、所定の位置に設置した後、吊りワイヤ12のフック13を係着ピン28から脱着すれば、杆部材25は自由状態になる。そこで、回動ロッド24を回動させて、杆部材25が上部旋回体4のフレームと平行な状態にする。そして、スライド筒22をボス部材21内に引き込む。これにより、杆部材25がフレームの下部で、それと下部走行体2との間の空間に格納される。吊りワイヤ連結装置20は2箇所設けられているので、両吊りワイヤ連結装置20の杆部材25を平行になるようにして、クランプ部材38によりクランプさせる。これによって、杆部材25が格納状態に保持され、カウンタウエイト8の後方に突出しなくなる。
【0029】
次に、図10及び図11は本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、スライド筒を用いず、杆部材25に傾動可能に連結した回動ロッド124をボス部材121に直接回動可能に挿入する構成としている。そして、回動ロッド124の杆部材25の連結部側は大径部124aとなし、またそれとは反対側の端部にボルト100を螺挿する構成としている。このボルト100の頭部100aはボス部材121の回動ロッド124を挿通する貫通孔121aの孔径より大きくなっている。従って、ボルト100を回動ロッド124に螺挿することによって、ボス部材121の両端部が回動ロッド124の大径部124aとボルト100の頭部100aとに挟み込まれる。その結果、回動ロッド124はボス部材121に対して回動可能に固定される。また、ボルト100を取り外せば、杆部材25と回動ロッド124とを連結した状態でボス部材121から抜き取ることができる。そして、杆部材25を水平状態にして、回動ロッド124を前述とは反対方向からボス部材121内に挿入し、左右に位置する杆部材25,25間を平行な状態として、前述した第1の実施の形態で示したと同様のクランプ部材38を用いてクランプすれば、格納状態に保持できる。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、建設機械を極めて安定した状態で丸吊りでき、この丸吊り時に作用する荷重により、また吊りワイヤによりカウンタウエイトが損傷するのを確実に防止できる等の諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸吊り状態にした油圧ショベルの外観図である。
【図2】フロント作業機を省略して示す図1の左側面図である。
【図3】上部旋回体に装着した吊りワイヤ連結装置の正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図3の底面図である。
【図6】吊りワイヤ連結装置の外観斜視図である。
【図7】押し付け部材を杆部材に装着した状態の断面図である。
【図8】吊りワイヤ連結装置を格納させた状態を示す図5と同様の底面図である。
【図9】ボス部材とスライド筒22との間のストッパ機構を示す構成説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す吊りワイヤ連結装置の分解斜視図である。
【図11】第2の実施の形態の吊りワイヤ連結装置の装着状態での断面図である。
【図12】従来技術の方式で丸吊り状態にした油圧ショベルの外観図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル 2 下部走行体
4 上部旋回体 4a フレーム
6 フロント作業機 8 カウンタウエイト
10 巻上ワイヤ 11 取付金具
12 吊りワイヤ 13 フック
20 吊りワイヤ連結装置 21,121 ボス部材
22 スライド筒 24,124 回動ロッド
25 杆部材 26 連結金具
27 枢着ピン 28 係着ピン
29 押し付け部材 31 押し当てパッド

Claims (2)

  1. 建設機械を吊り上げるために、吊りワイヤをこの建設機械の後端部側に連結させるためのものにおいて、
    前記建設機械の上部旋回体のフレームの後端部下面に固定して設けた支持部材と、
    この支持部材に装着され、前記上部旋回体に設置したカウンタウエイトの後端面に近接・離間する方向及びこの方向と直交する方向に所定角度傾動可能な杆部材と、
    この杆部材の先端に設けられ、前記吊りワイヤが係脱可能に連結されるワイヤ係着部と、
    前記杆部材に取り付けられ、前記カウンタウエイトの後端面に当接可能な弾性部材を有する押し当て部材と
    を備える構成としたことを特徴とする建設機械の吊りワイヤ連結装置。
  2. 前記杆部材は前記カウンタウエイトの後端面に沿って立直状態にした作動位置と、前記上部旋回体のフレーム下面と前記下部走行体との間に格納する格納位置とに変位可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載の建設機械の吊りワイヤ連結装置。
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