JPH09240989A - 補助ジブ - Google Patents

補助ジブ

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JPH09240989A
JPH09240989A JP5167696A JP5167696A JPH09240989A JP H09240989 A JPH09240989 A JP H09240989A JP 5167696 A JP5167696 A JP 5167696A JP 5167696 A JP5167696 A JP 5167696A JP H09240989 A JPH09240989 A JP H09240989A
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Kiyoshi Ishimura
清 石村
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Ishikawajima Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地表との干渉に起因する部材の損傷を防止す
る。 【解決手段】 主巻用ポイントシーブ11を有するブー
ム8の先端近傍部分側面に設けたリアメンバ受け部材4
6と、基端部がリアメンバ受け部材46と同軸に位置す
るようにブーム8に枢支されたリンク45と、基端部が
ブーム8に対する主巻用ポイントシーブ11の枢支点4
3よりも上側に位置するようにブーム8に枢支されたフ
ロントメンバ47と、先端部よりもやや基端部寄りの部
分にブーム8の前方下側からリアメンバ受け部材46の
外周面に面接触する凹状嵌合部51aを有し基端部がフ
ロントメンバ47の先端部に枢支され且つ先端部がリン
ク45の先端部に枢支されたリアメンバ51と、フロン
トメンバ47の先端部に枢支された補巻用ポイントシー
ブ49とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は補助ジブに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図5は、クローラ式クレーンの一例をビ
ル建設工事等のような長い揚程が要求される揚重作業に
適したタワークレーン仕様に組み立てた状態を示すもの
である。
【0003】1は下部走行体であり、該下部走行体1
は、左右一対のクローラシュー2を有している。
【0004】3は上部旋回体であり、該上部旋回体3
は、下部走行体1の上面に旋回可能に設けられており、
この上部旋回体3の上面前端中央部分には、ブラケット
4が固着され、また、上部旋回体3の上面前端右側寄り
部分には、キャブ5が搭載されている。
【0005】6はウインチであり、該ウインチ6は、駆
動源であるエンジン(図示せず)とともに、上部旋回体
3の上面後端寄り部分に設けられた機器室7に内装され
ている。
【0006】8はブームであり、該ブーム8は、鋼管ト
ラス構造のインナブーム8a、適宜の数のインサートブ
ーム8b、アウタブーム8cを直列に接続したものであ
り、インナブーム8aの基端部は、上部旋回体3の幅方
向へ略水平に延びるピン(ブームフートピン)9によっ
て前記のブラケット4に枢支されている。
【0007】上記のアウタブーム8cの先端近傍部分の
背面(ブーム8の起伏角度が小さい状態においては上側
を向き且つブーム8の起伏角度が大きい状態においては
上部旋回体3の後方側を向く面)側には、主巻用ガイド
シーブ10が枢支され、また、アウタブーム8cの先端
部分には、主巻用ポイントシーブ11が枢支されてい
る。
【0008】12はAフレーム(起伏索支持フレーム)
であり、該Aフレーム12は、上部旋回体3の前後方向
へ揺動し得るように基端部が上部旋回体3の後端寄り部
分に枢支されたテレスコピック構造の伸縮リンク12a
と、上部旋回体3の前後方向へ揺動し得るように基端部
が上部旋回体3の中央近傍部分に設けたブラケット13
に枢支され且つ先端部が前記の伸縮リンク12aの先端
部に枢支されたリンク12bと、基端部が前記のブラケ
ット13に枢支され且つ先端部がリンク12bの中間部
分に枢支された起伏用シリンダ12cとにより構成され
ており、該起伏用シリンダ12cのヘッド側流体室ある
いはロッド側流体室に流体圧を付与すると、Aフレーム
12が上部旋回体3に対して起伏するようになってい
る。
【0009】また、Aフレーム12の伸縮リンク12
a、リンク12bの両先端部が相互に枢支されている箇
所には、ガイドシーブ14が枢支され且つ複数のシーブ
を有するイコライザ15が連結されている。
【0010】16はブーム起伏用ペンダントロープであ
り、該ブーム起伏用ペンダントロープ16の一端は、前
記のアウタブーム8cの先端部分の背面側に係止され、
また、ブーム起伏用ペンダントロープ16の他端は、複
数のシーブを有するイコライザ17に連結されている。
【0011】18はブーム起伏用ロープであり、該ブー
ム起伏用ロープ18は、先に述べたウインチ6のブーム
用ドラム(図示せず)に巻き付けられている。
【0012】ブーム起伏用ロープ18の繰り出し端寄り
の部分は、Aフレーム12に枢支されているガイドシー
ブ14に巻き掛けられたうえ、ブーム起伏用ペンダント
ロープ16に連結されているイコライザ17のシーブと
Aフレーム12に連結されているイコライザ15のシー
ブとに交互に巻き掛けられ、更に、繰り出し端がイコラ
イザ15に係止されている。
【0013】このタワークレーン仕様のクローラ式クレ
ーンでは、ウインチ6のブーム用ドラムにブーム起伏用
ロープ18を巻き取ると、Aフレーム12に連結されて
いるイコライザ15にブーム起伏用ペンダントロープ1
6に連結されているイコライザ17が近接し、これによ
り、ブーム8の起伏角度が大きくなる。
【0014】また、ウインチ6のブーム用ドラムからブ
ーム起伏用ロープ18を繰り出すと、Aフレーム12に
連結されているイコライザ15からブーム起伏用ペンダ
ントロープ16に連結されているイコライザ17が離反
し、これにより、ブーム8の起伏角度が小さくなる。
【0015】19はスプリング等の弾性体を内装したテ
レスコピック構造のスタビライザ(煽り止め)であり、
該スタビライザ19の一端は、前記のブラケット13に
枢支され、また、スタビライザ19の他端は、インナブ
ーム8aの先端近傍部分の背面側に枢支されている。
【0016】20はジブであり、該ジブ20は、鋼管ト
ラス構造のインナジブ20a、適宜の数のインサートジ
ブ20b、アウタジブ20cを直列に接続したものであ
り、インナジブ20aの基端部は、上部旋回体3の幅方
向へ略水平に延びるピン(ジブフートピン)21によっ
て、先に述べたアウタブーム8c先端近傍部分の背面
(ブーム8の起伏角度が小さい状態においては上側を向
き且つブーム8の起伏角度が大きい状態においては上部
旋回体3の後方側を向く面)側に枢支されている。
【0017】上記のアウタジブ20cの先端部分には、
先端部には、主巻用ポイントシーブ22が枢支されてい
る。
【0018】23はストラットであり、該ストラット2
3は、上部旋回体3の前後方向へ揺動し得るように基端
部がアウタブーム8cの先端部に枢支されたAストラッ
ト23aと、該Aストラット23aの後方側に位置する
ように配置され且つ上部旋回体3の前後方向へ揺動し得
るように基端部がアウタブーム8cの先端部に枢支され
たBストラット23bと、一端がAストラット23aの
先端部に連結され且つ他端がBストラット23bの先端
部に連結されたCストラット23cとにより構成されて
いる。
【0019】24はジブ支持用ペンダントロープであ
り、該ジブ支持用ペンダントロープ24の一端は、前記
のアウタジブ20cの先端部分の背面側に係止され、ま
た、ジブ支持用ペンダントロープ24の他端は、Aスト
ラット23aの先端部に係止されている。
【0020】25はストラット支持用ペンダントロープ
であり、該ストラット支持用ペンダントロープ25の一
端は、Cストラット23cの先端部に係止され、また、
ストラット支持用ペンダントロープ25の他端は、複数
のシーブを有するイコライザ26に連結されている。
【0021】27はジブ支持用ロープであり、該ジブ支
持用ロープ27は、先に述べたウインチ6のジブ用ドラ
ム(図示せず)に巻き付けられている。
【0022】ジブ支持用ロープ27の繰り出し端寄りの
部分は、ストラット支持用ペンダントロープ25に連結
されているイコライザ26のシーブと上部旋回体3に設
けられているイコライザ(図示せず)のシーブとに交互
に巻き掛けられ、更に、繰り出し端が上部旋回体3に設
けられているイコライザに係止されている。
【0023】このタワークレーン仕様のクローラ式クレ
ーンでは、ウインチ6のジブ用ドラムにジブ支持用ロー
プ27を巻き取ると、上部旋回体3に設けられているイ
コライザにストラット支持用ペンダントロープ25に連
結されているイコライザ26に近接し、後方側へ回動す
るストラット23の変位がジブ支持用ペンダントロープ
24を介してジブ20に伝達されることにより、ジブ2
0の起伏角度が大きくなる。
【0024】また、ウインチ6のジブ用ドラムからジブ
支持用ロープ27を繰り出すと、上部旋回体3に設けら
れているイコライザからストラット支持用ペンダントロ
ープ25に連結されているイコライザ26が離反し、ジ
ブ20の重量によって前方側へ回動するストラット23
の変位がジブ支持用ペンダントロープ24を介してジブ
20に伝達されることにより、ジブ20の起伏角度が小
さくなる。
【0025】28は主巻用ロープであり、該主巻用ロー
プ28は、先に述べたウインチ6の主巻用ドラム(図示
せず)に巻き付けられている。
【0026】主巻用ロープ28の繰り出し端寄りの部分
は、アウタブーム8cに枢支されている主巻用ガイドシ
ーブ10、アウタジブ20cに枢支されている主巻用ポ
イントシーブ22に巻き掛けられてアウタジブ20cの
先端部より垂下し、更に、フックブロック29のシーブ
に下方から巻き掛けられたうえ、繰り出し端がアウタジ
ブ20cの先端部に係止されている。
【0027】このタワークレーン仕様のクローラ式クレ
ーンでは、ウインチ6の主巻用ドラムに主巻用ロープ2
8を巻き取ると、アウタジブ20cの先端部に向ってフ
ックブロック29が上昇し、ウインチ6の主巻用ドラム
から主巻用ロープ28を繰り出すと、アウタジブ20c
の先端部に対してフックブロック29が下降する。
【0028】図6は、クローラ式クレーンの一例を一般
的な揚重作業に適した標準仕様に組み立てた状態を示す
もので、図中、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム8
の構成、及びAフレーム12、ブーム起伏用ペンダント
ロープ16、ブーム起伏用ロープ18等によって構成さ
れるブーム起伏機構は、図5に示すものと同等であり、
図5と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
【0029】クローラ式クレーンを標準仕様として組み
立てる場合には、ブーム8を構成しているアウタブーム
8cに先に述べたジブ20及びストラット23(図5参
照)を枢支しない。
【0030】また、主巻用ロープ28の繰り出し端寄り
の部分を、アウタブーム8cに枢支されている主巻用ガ
イドシーブ10、主巻用ポイントシーブ11に巻き掛け
てアウタブーム8cの先端部より垂下させ、更に、フッ
クブロック29のシーブに下方から巻き掛けたうえ、繰
り出し端をアウタブーム8cの先端部に係止する。
【0031】この標準仕様のクローラ式クレーンでは、
ウインチ6の主巻用ドラムに主巻用ロープ28を巻き取
ると、アウタブーム8cの先端部に向ってフックブロッ
ク29が上昇し、ウインチ6の主巻用ドラムから主巻用
ロープ28を繰り出すと、アウタブーム8cの先端部に
対してフックブロック29が下降する。
【0032】図7は標準仕様に組み立てたクローラ式ク
レーンの一例にタワークレーン仕様(図5参照)におけ
るジブ起伏機構の一部を利用した補巻機能を付加させた
状態を示すもので、図中、図5及び図6と同一の符号を
付した部分は同一物を表している。
【0033】標準仕様のクローラ式クレーンに補巻機能
を付加する場合には、アウタブーム8cの先端近傍部分
の背面側に補巻用ガイドシーブ30を、ブーム8の起伏
角度が揚重作業領域に設定されている状態において補巻
用ガイドシーブ30が主巻用ガイドシーブ10の上方側
に位置するようにメンバ32を介して枢支し、また、ア
ウタブーム8cの先端部分に補巻用ポイントシーブ31
を、ブーム8の起伏角度が揚重作業領域に設定されてい
る状態において補巻用ポイントシーブ31が主巻用ポイ
ントシーブ11(ブーム8)の前方側に位置するように
メンバ33を介して枢支する。
【0034】また、補巻用ロープとしてジブ支持用ロー
プ27の繰り出し端寄りの部分を、アウタブーム8cに
枢支されている補巻用ガイドシーブ30、補巻用ポイン
トシーブ31に巻き掛けアウタブーム8cの先端部より
垂下させ、更に、ジブ支持用ロープ27の繰り出し端に
フック34を係止する。
【0035】この補巻機能を付加した標準仕様のクロー
ラ式クレーンでは、ウインチ6のジブ用ドラムにジブ支
持用ロープ27を巻き取ると、アウタブーム8cの先端
部に向ってフック34が上昇し、ウインチ6のジブ用ド
ラムからジブ支持用ロープ27を繰り出すと、アウタブ
ーム8cの先端部に対してフック34が下降する。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図7に示す
補巻機能を付加した標準仕様のクローラ式クレーンで
は、補巻用ロープとしてのジブ支持用ロープ27と主巻
用ロープ28との干渉を防止するために、ブーム8の起
伏角度が揚重作業領域に設定されている状態において、
主巻用ポイントシーブ11の前方側に補巻用ポイントシ
ーブ31が位置するようになっており、ブーム8の起伏
角度が揚重作業領域よりも小さくなった場合には、図7
に二点鎖線で示すように、補巻用ポイントシーブ31が
主巻用ポイントシーブ11の下方側に位置することにな
る。
【0037】従って、クローラ式クレーンの撤収等にあ
たり、ブーム8と地表Gとの間に架台等を介在させるこ
となく、ブーム8の起伏角度を更に小さくすると、補巻
用ポイントシーブ31が地表Gに当接し、該補巻用ポイ
ントシーブ31を支持しているメンバ33にブーム8の
重量が作用してメンバ33に損傷が生じることがある。
【0038】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、地表との干渉に起因する部材の損傷を防止すること
が可能な補助ジブを提供することを目的としている。
【0039】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の補助ジブにおいては、主巻用ポイントシーブ
11を有するブーム8の先端近傍部分側面に設けたリア
メンバ受け部材46と、基端部がリアメンバ受け部材4
6と同軸に位置するようにブーム8に枢支されたリンク
45と、基端部がブーム8に対する主巻用ポイントシー
ブ11の枢支点43よりも上側に位置するようにブーム
8に枢支されたフロントメンバ47と、先端部よりもや
や基端部寄りの部分にブーム8の前方下側からリアメン
バ受け部材46の外周面に面接触する凹状嵌合部51a
を有し基端部がフロントメンバ47の先端部に枢支され
且つ先端部がリンク45の先端部に枢支されたリアメン
バ51と、前記のフロントメンバ47の先端部に枢支さ
れた補巻用ポイントシーブ49とを備え、該補巻用ポイ
ントシーブ49のフロントメンバ47に対する枢支点5
0からフロントメンバ47の基端部のブーム8に対する
枢支点48までの距離L1が、主巻用ポイントシーブ1
1のブーム8に対する枢支点43からフロントメンバ4
7の基端部のブーム8に対する枢支点48までの距離L
2、及びリアメンバ51の凹状嵌合部51aがリアメン
バ受け部材46の外周面に面接触している状態での主巻
用ポイントシーブ11のブーム8に対する枢支点43か
ら補巻用ポイントシーブ49のフロントメンバ47に対
する枢支点50までの距離L3よりも長くなるように形
成している。
【0040】本発明の補助ジブでは、ブーム8の起伏角
度が揚重作業領域に設定されている状態においては、リ
アメンバ51の凹状嵌合部51aがブーム8の先端近傍
部分側面のリアメンバ受け部材46にブーム8の前方下
側から面接触し、これにより、フロントメンバ47の先
端部に枢支されている補巻用ポイントシーブ49が主巻
用ポイントシーブ11よりもブーム8の前方側に位置す
る。
【0041】一方、ブーム8の起伏角度が揚重作業領域
よりも小さくなることにより補巻用ポイントシーブ49
が地表に当接した後、更に、ブーム8の起伏角度が小さ
くなると、フロントメンバ47が枢支点48を中心とし
てフロントメンバ47が該フロントメンバ47にブーム
8の荷重が作用しない方向に回動し、これにより、リア
メンバ51の凹状嵌合部51aがリアメンバ受け部材4
6の外周面から離反するとともにリンク45が回動す
る。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。
【0043】図1から図4は本発明の補助ジブの実施の
形態の一例を適用したクレーンブームを示すもので、図
中、図5から図7と同一の符号を付した部分は同一物を
表している。
【0044】35はブラケットであり、該ブラケット3
5は、インナブーム(図示せず)及びインサートブーム
8bとともにブーム8を構成する鋼管トラス構造のアウ
タブーム8cの先端部近傍の背面に固着されている。
【0045】このブラケット35には、主巻用ガイドシ
ーブ10がブーム8の幅方向に略水平に延びるピン36
によって枢支されている。
【0046】37はメンバであり、該メンバ37は、ブ
ーム8の起伏角度が小さい状態において上方側へ突出す
るように前記ブラケット35に固着されている。
【0047】このメンバ37には、補巻用ガイドシーブ
30が前記のピン36と平行なピン38によって枢支さ
れている。
【0048】また、メンバ37には、主巻用ガイドシー
ブ10及び補巻用ガイドシーブ30のシェル39,40
が、メンバ37に対して固定され、補巻用ガイドシーブ
30のシェル40とアウタブーム8cの所要箇所とは、
コンプレッションメンバ41を介して連結されている。
【0049】42はブラケットであり、該ブラケット4
2は、アウタブーム8cの先端部に固着されている。
【0050】このブラケット42には、主巻用ポイント
シーブ11が前記のピン36と平行なピン43によって
枢支されている。
【0051】44は保護板であり、該保護板44は、ブ
ーム8を略直立させた際にアウタブーム8cに主巻用の
フックブロック29(図5から図7参照)が接触しない
ように、アウタブーム8cの腹面側に取り付けられてい
る。
【0052】45は略卵形状に形成されたリンクであ
り、該リンク45の基端部(大半径端部)は、先に述べ
た主巻用ポイントシーブ11を支持しているピン43に
ブラケット42の外側に位置するように枢支されてい
る。
【0053】46は短円筒状に形成されたリアメンバ受
け部材であり、該リアメンバ受け部材46は、前記のピ
ン43の端部に同軸に外嵌されている。
【0054】このフロントメンバ受け部材46は、ピン
43に対してリンク45とともに一体的に回動する構
成、または、ピン43に対してリンク45とは別箇に回
動する構成としてもよいし、あるいは、リンク45の回
動を阻害しないようにピン43に固着した構成としても
よい。
【0055】47はフロントメンバであり、該フロント
メンバ47の基端部は、ブーム8の起伏角度が小さい状
態であっても、ブーム8が直立状態に近い状態であって
も、ブーム8の側方から見て主巻用ポイントシーブ11
を枢支するピン43の上方側に位置するように、該ピン
43と平行なピン48によってアウタブーム8cの先端
部分に枢支されている。
【0056】従って、ブーム8の起伏角度が小さい状態
であっても、ブーム8が直立状態に近い状態であって
も、フロントメンバ47には、その重量(正確には後述
の補巻用ポイントシーブ49及びピン50の重量の含ま
れる)によって先端部がアウタブーム8cに近接する方
向(図1から図4においては時計回りの方向)へフロン
トメンバ47を回動させようとする力F1が常時作用す
ることになる。
【0057】49は補巻用ポイントシーブであり、該補
巻用ポイントシーブ49は、前記のピン43と平行なピ
ン50によってフロントメンバ47の先端部に枢支され
ている。
【0058】この補巻用ポイントシーブ49を枢支する
ピン50の中心からフロントメンバ47の基端部を枢支
するピン48の中心までの距離L1は、主巻用ポイント
シーブ11を枢支するピン43の中心から上記のピン4
8の中心までの距離L2よりも長くなっている。
【0059】51はリアメンバであり、該リアメンバ5
1の先端部よりもやや基端部寄りの部分には、前記のリ
アメンバ受け部材46の外周面に前方下側から面接触可
能な凹湾曲面状の凹状嵌合部51aが形成されている。
【0060】このリアメンバ51の基端部は、先に述べ
た補巻用ポイントシーブ49を支持しているピン50に
フロントメンバ47の先端部と補巻用ポイントシーブ4
9のシェル52との間に位置するように枢支されてい
る。
【0061】リアメンバ51の先端部は、フロントメン
バ47の先端部が主巻用ポイントシーブ11を枢支して
いるピン43よりもブーム8の前方側に位置し且つリン
ク45の回動に伴って凹状嵌合部51aがリアメンバ受
け部材46の外周面に前方下側から当接し得るように前
記のピン43と平行なピン53によってリンク45の先
端部(小半径端部)に枢支されている。
【0062】従って、リアメンバ51には、先に述べた
フロントメンバ47をその先端部がピン43に近接する
ように回動させようとする力F1に起因して、リアメン
バ51をピン43に向って付勢する力F2が作用するこ
とになり、リンク45が図1から図4において時計回り
に回動する方向へ付勢されて、リアメンバ51の凹状嵌
合部51aがリアメンバ受け部材46の外周面に前方下
側から面接触した状態になる。
【0063】上記のリアメンバ51の凹状嵌合部51a
がリアメンバ受け部材46の外周面に面接触している状
態(図1及び図3参照)における主巻用ポイントシーブ
11を支持するピン43の中心から補巻用ポイントシー
ブ49を枢支するピン50の中心までの距離L3は、前
記のピン50の中心からピン48の中心までの距離L1
よりも短くなっている。
【0064】一方、フロントメンバ47に前記の力F1
に抗する逆方向の力F3が作用したとすると、リアメン
バ51にも前記の力F2とは逆方向にリアメンバ51を
ピン43に対して離反させる方向へ付勢する力F4が作
用し、リンク45が図1から図4において反時計回りに
回動する方向へ付勢されて、リアメンバ51の凹状嵌合
部51aがリアメンバ受け部材46の外周面から離反す
ることになる。
【0065】上記のリアメンバ51の凹状嵌合部51a
がリアメンバ受け部材46の外周面から離反した状態
(図2及び図4参照)における主巻用ポイントシーブ1
1を支持するピン43の中心から補巻用ポイントシーブ
49を枢支するピン50の中心までの距離L4は、先に
述べた距離L3よりも、予め設定されたピン43を中心
とするピン53の回動半径R及びリンク45の回動量に
応じた分だけ延びることになる。
【0066】54はストッパであり、該ストッパ54
は、フロントメンバ47に先に述べた力F3が作用し
て、補巻用ポイントシーブ49が主巻用ポイントシーブ
11から所定の距離だけ離反した際に、リアメンバ51
の先端部に下方から面接触し得るように前記のリンク4
5の所定箇所に固着されている。
【0067】また、前記の補巻用ポイントシーブ49の
シェル52の底板所定箇所には、補巻用ポイントシーブ
49に補巻用ロープとして巻き掛けるジブ支持用ロープ
27(図7参照)を挿通させるための開口部52aが設
けられており、このシェル52は、リアメンバ51に対
して固定されている。
【0068】以下、図1から図4に示す補助ジブの作動
を説明する。
【0069】補巻用ポイントシーブ49のシェル52が
地表G等の障害物に当接することにより、フロントメン
バ47にその先端部がアウタブーム8cに離反する方向
へフロントメンバ47を回動させようとする力F3が作
用していないときには、ブーム8の起伏角度が小さい状
態であっても、ブーム8が直立状態に近い状態であって
も、フロントメンバ47には、フロントメンバ47、補
巻用ポイントシーブ49等の重量によって先端部がアウ
タブーム8cに近接する方向(図1から図4においては
時計回りの方向)へフロントメンバ47を回動させよう
とする力F1が常時作用している。
【0070】また、リアメンバ51には、フロントメン
バ47を回動させようとする力F1に起因して、リアメ
ンバ51をピン43に向って付勢する力F2が作用し、
リンク45が図1から図4において時計回りに回動する
方向へ付勢されて、リアメンバ51の凹状嵌合部51a
がリアメンバ受け部材46の外周面に前方下側から面接
触した状態になる(図1及び図3参照)。
【0071】このとき、補巻用ポイントシーブ49を枢
支するピン50の中心からフロントメンバ47の基端部
を枢支するピン48の中心までの距離L1が、主巻用ポ
イントシーブ11を枢支するピン43の中心から上記の
ピン48までの中心の距離L 2よりも長く、また、主巻
用ポイントシーブ11を支持するピン43の中心から補
巻用ポイントシーブ49を枢支するピン50の中心まで
の距離L3が、前記のピン50の中心からピン48の中
心までの距離L1よりも短くなっているので、ブーム8
の側方から見て補巻用ポイントシーブ49は、主巻用ポ
イントシーブ11よりもブーム8の腹側へ突出した状態
に位置することになる。
【0072】従って、ブーム8の起伏角度が揚重作業領
域に設定されている状態においては、補巻用ポイントシ
ーブ49が主巻用ポイントシーブ11よりもブーム8の
前方側に位置し、補巻用ロープとしてのジブ支持用ロー
プ27(図7参照)と主巻用ロープ28(図7参照)と
が相互に干渉せず、主巻作業及び補巻作業の双方を行う
ことができる。
【0073】また、補巻作業を行う際に補巻用ロープと
してのジブ支持用ロープ27(図7参照)を介してフロ
ントメンバ47に作用する力F1と同方向の力は、リア
メンバ51、リアメンバ受け部材46を介してブーム8
を構成するアウタブーム8cに伝達される(リアメンバ
51に圧縮力が作用する)ことになる。
【0074】一方、ブーム8の起伏角度が揚重作業領域
よりも小さくなると、補巻用ポイントシーブ49が主巻
用ポイントシーブ11の下方側に位置する。
【0075】この状態で補巻用ポイントシーブ49が地
表に当接した後、更に、ブーム8の起伏角度が小さくな
ると、補巻用ポイントシーブ49のシェル52が地表G
に当接して、フロントメンバ47にその先端部がアウタ
ブーム8cに離反する方向へフロントメンバ47を回動
させようとする力F3が作用する。
【0076】フロントメンバ47に前記の力F1に抗す
る逆方向の力F3が作用すると、リアメンバ51にも前
記の力F2に抗する逆方向の力F4が作用し、リアメンバ
51の凹状嵌合部51aがリアメンバ受け部材46の外
周面が離反するとともに、リンク45が図1から図4に
おいて反時計回りに回動する方向へ付勢される(図2及
び図4参照)。
【0077】このとき、主巻用ポイントシーブ11を支
持するピン43の中心から補巻用ポイントシーブ49を
枢支するピン50の中心までの距離L4は、先に述べた
距離L3よりも、予め設定されたピン43を中心とする
ピン53の回動半径R及びリンク45の回動量に応じた
分だけ延びるので、ブーム8の側方から見ると補巻用ポ
イントシーブ49は、力F3に起因するフロントメンバ
47の回動に伴って上方へ移動する。
【0078】従って、ブーム8の起伏角度が小さくなっ
て補巻用ポイントシーブ49のシェル52が地表Gに当
接した場合には、先端部が上方へ変位するようにフロン
トメンバ47が回動するので、リンク45、フロントメ
ンバ47、リアメンバ51にブーム8の重量に起因する
損傷が生じない。
【0079】また、フロントメンバ47に先に述べた力
3が作用して、フロントメンバ47が回動して補巻用
ポイントシーブ49が主巻用ポイントシーブ11から所
定の距離だけ離反すると、リンク45の所定箇所に固着
されているストッパ54がリアメンバ51の先端部に下
方から面接触し、ピン53を中心としたリンク45とリ
アメンバ51との相対的な変位が抑止され、これによ
り、ピン43を中心としたリンク45の過回転が防止さ
れる。
【0080】なお、本発明の補助ジブは上述した実施例
のみに限定されるものではなく、主巻用ポイントシーブ
のブームに対する枢支点とリンクの基端部のブームに対
する枢支点とが同軸に位置しない構成とすること、補巻
用ポイントシーブのフロントメンバに対する枢支点とリ
アメンバのフロントメンバに対する枢支点とを同軸に位
置しない構成とすること、その他、本発明の要旨を逸脱
しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0081】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の補助ジブに
おいては、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【0082】(1)ブーム8の起伏角度が揚重作業領域
に設定されている状態においては、リアメンバ51の凹
状嵌合部51aがブーム8の先端近傍部分側面のリアメ
ンバ受け部材46にブーム8の前方下側から面接触し、
これにより、フロントメンバ47の先端部に枢支されて
いる補巻用ポイントシーブ49が主巻用ポイントシーブ
11よりもブーム8の前方側に位置するので、主巻用ポ
イントシーブ11から垂下させるべき主巻用ロープと補
巻用ポイントシーブ49から垂下させるべき補巻用ロー
プとが相互に干渉せず、主巻作業及び補巻作業の双方を
行うことができる。
【0083】(2)ブーム8の起伏角度が揚重作業領域
よりも小さくなることにより補巻用ポイントシーブ49
が地表に当接した後、更に、ブーム8の起伏角度が小さ
くなると、フロントメンバ47が枢支点48を中心とし
てフロントメンバ47が該フロントメンバ47にブーム
8の荷重が作用しない方向に回動し、これにより、リア
メンバ51の凹状嵌合部51aがリアメンバ受け部材4
6の外周面から離反するとともにリンク45が回動する
ので、リンク45、フロントメンバ47、リアメンバ5
1にブーム8の重量に起因する損傷が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補助ジブの実施の形態の一例を装着し
たブームにおいて補巻用ポイントシーブが地表に当接し
ていない状態を示す右側面図である。
【図2】本発明の補助ジブの実施の形態の一例を装着し
たブームにおいて補巻用ポイントシーブが地表に当接し
た後、更にブームの起伏角度が小さくなった状態を示す
右側面図である。
【図3】図1に示すフロントメンバ、リアメンバ、主巻
用ポイントシーブ、補巻用ポイントシーブの枢支点とフ
ロントメンバ、リアメンバ、リアメンバ受け部材の相対
位置を示す詳細図である。
【図4】図2に示すフロントメンバ、リアメンバ、主巻
用ポイントシーブ、補巻用ポイントシーブの枢支点とフ
ロントメンバ、リアメンバ、リアメンバ受け部材の相対
位置を示す詳細図である。
【図5】クローラ式クレーンの一例をタワークレーン仕
様に組み立てた状態を示す右側面図である。
【図6】クローラ式クレーンの一例を標準仕様に組み立
てた状態を示す右側面図である。
【図7】標準仕様に組み立てたクローラ式クレーンの一
例にタワークレーン仕様におけるジブ起伏機構の一部を
利用した補巻機能を付加させた状態を示す右側面図であ
る。
【符号の説明】
8 ブーム 11 主巻用ポイントシーブ 43 ピン(枢支点) 45 リンク 46 リアメンバ受け部材 47 フロントメンバ 48 ピン(枢支点) 49 補巻用ポイントシーブ 50 ピン(枢支点) 51 リアメンバ 51a 凹状嵌合部 L1 距離 L2 距離 L3 距離

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主巻用ポイントシーブ(11)を有する
    ブーム(8)の先端近傍部分側面に設けたリアメンバ受
    け部材(46)と、基端部がリアメンバ受け部材(4
    6)と同軸に位置するようにブーム(8)に枢支された
    リンク(45)と、基端部がブーム(8)に対する主巻
    用ポイントシーブ(11)の枢支点(43)よりも上側
    に位置するようにブーム(8)に枢支されたフロントメ
    ンバ(47)と、先端部よりもやや基端部寄りの部分に
    ブーム(8)の前方下側からリアメンバ受け部材(4
    6)の外周面に面接触する凹状嵌合部(51a)を有し
    基端部がフロントメンバ(47)の先端部に枢支され且
    つ先端部がリンク(45)の先端部に枢支されたリアメ
    ンバ(51)と、前記のフロントメンバ(47)の先端
    部に枢支された補巻用ポイントシーブ(49)とを備
    え、該補巻用ポイントシーブ(49)のフロントメンバ
    (47)に対する枢支点(50)からフロントメンバ
    (47)の基端部のブーム(8)に対する枢支点(4
    8)までの距離(L1)が、主巻用ポイントシーブ(1
    1)のブーム(8)に対する枢支点(43)からフロン
    トメンバ(47)の基端部のブーム(8)に対する枢支
    点(48)までの距離(L2)、及びリアメンバ(5
    1)の凹状嵌合部(51a)がリアメンバ受け部材(4
    6)の外周面に面接触している状態での主巻用ポイント
    シーブ(11)のブーム(8)に対する枢支点(43)
    から補巻用ポイントシーブ(49)のフロントメンバ
    (47)に対する枢支点(50)までの距離(L3)よ
    りも長くなるように形成したことを特徴とする補助ジ
    ブ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006282361A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Tadano Ltd 継足しジブ付きクレーン装置
JP2006306546A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Tadano Ltd ジブ付きクレーン装置
JP2012240805A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Kobelco Cranes Co Ltd クレーンの補助シーブ装置
JP2019177969A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 コベルコ建機株式会社 クレーンおよびクレーンの組立方法
JP2019182568A (ja) * 2018-04-04 2019-10-24 コベルコ建機株式会社 クレーンおよびクレーンの組立方法

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