JP4505337B2 - 改善されたペルヒドロラーゼ活性を有するスブチリシン変異体 - Google Patents

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Description

本発明は、プロテアーゼ カールスバーグ(Carlsberg)から特定位置におけるアミノ酸交換によって導くことができる新規なペルヒドロラーゼ(perhydrolase)に関する。さらに本発明は、該新規なペルヒドロラーゼの製造方法、該新規なペルヒドロラーゼを含有する物品、特に、化粧品および美容製品、医薬品、洗浄剤および浄化剤、ならびに、該新規なペルヒドロラーゼの対応する使用に関する。
通常は、無機の高アルカリ性の過酸化水素供給源(例えば、過炭酸塩および過ホウ酸塩)を、漂白増強剤(TAEDまたはNOBS)と組合せて用いて、通常の化学的な洗濯漂白剤を製造する。しかし、この通常の漂白系は、60℃およびそれ以上の温度でおいてのみ完全な効果を発揮する。低温領域に利用可能な最適漂白系は存在しない。さらに、着色織物において、局所的な「スポット」が生じることが多い。漂白成分である過酸化水素は、塩の自然分解によって生成し、これが短期間の高濃度を迅速に与える。従って、この方法で比較的穏やかなpHにおいて、穏やかな制御された放出の漂白を得るのは通常は不可能である。
同様に、弱アルカリ性の洗剤マトリックス(例えば液体配合物)において使用するのに利用可能な最適漂白系は存在しない。
通常の毛髪染色剤においては、漂白剤を適用して、着色前のグレー色調を過酸化水素とアンモニアで平衡させる。アルカリ性pHと組合せた短時間高濃度の過酸化水素は、顕著な毛髪損傷を導く。不快なアンモニア臭がなく、中性または弱アルカリ性pHにおいて過酸化水素を連続的に放出する前処理は、現在のところ利用不可能である。
過酸化水素の助けを借りて、プロテアーゼは、過カルボン酸エステルから漂白剤として過カルボン酸を放出することができる:
Figure 0004505337
現在まで、この二次プロテアーゼ反応は、洗浄剤および浄化剤における漂白酵素としてプロテアーゼを産業的に使用するのには不適当であった。
プロテアーゼ、特にスブチリシン類は、これまで、そのタンパク質分解活性のゆえに、洗浄剤および浄化剤中の活性物質として使用されていた。これには、非特許文献1および2に記載されているプロテアーゼ スブチリシン・カールスバーグ(subtilisin Carlsberg)も含まれる。これは、Bacillus licheniformisから天然に産生され、商標名 MaxataseのもとでGenencor International Inc.(Rochester、New York、米国)から、および商標名 AlcalaseのもとでNovozymes A/S(Bagsvaerd、デンマーク国)から入手可能である。
また、この酵素の点突然変異によって得られる変異体が、洗浄剤および浄化剤におけるその使用に関連して、タンパク質分解活性の最適化のみに照準をあてて記載されている。即ち、例えば、カールスバーグ変異体が特許文献1から知られており、これは、基質への結合の低下を有しており、それと同時に加水分解速度の増大を有している。
E.L.Smithら、(1968)、J.Biol.Chem.、Vol.243、p.2184-2191 Jacobsら、(1985)、Nucl.Acids Res.、Vol.13、p.8913-8926 国際公開第96/28566号パンフレット
本発明は、新規なペルヒドロラーゼを提供する。さらに本発明は、該新規なペルヒドロラーゼの製造方法、該新規なペルヒドロラーゼを含有する物品、ならびに、該新規なペルヒドロラーゼの対応する使用を提供する。
驚くべきことに、ランダム突然変異誘発の結果として、ここに、特別のプロテアーゼ スブチリシン・カールスバーグ(本願の配列番号22および23に記載)を点突然変異誘発によって修飾することにより、関連の従来技術に伴われる欠点を回避しながら漂白系において使用しうるペルヒドロラーゼを創製しうることを発見した。これは、導入部に概説した技術分野、即ち、洗浄剤および浄化剤、化粧品および美容製品、特に毛髪ケア製品の分野に特に関係する。
即ち、本発明の対象は、ペルヒドロラーゼであって、そのアミノ酸配列が、配列番号22に示した配列に対応するが、11、15、21、38、50、54、58、77、83、89、93、96、107、117、120、134、135、136、140、147、150、154、155、160、161、171、179、180、181、194、205、208、213、216、217、238、239、251、253、257、261位において1つまたはそれ以上のアミノ酸交換を有するペルヒドロラーゼである。
従って、本発明の出発点は、本願の配列番号22および23に記載したプロテアーゼ スブチリシン・カールスバーグである。これらの記載に基づいて、この酵素を、確立された分子生物学的方法および生物工学的方法を用いて製造することができる。本願の実施例1の記載に従って、Bacillus licheniformis菌株(例えば、B.licheniformis DSM 461;German Collection of Microorganisms and Cell Cultures、Mascheroder Weg 1b、D-38124 Braunschweigから入手可能;http://www.dsmz.de)の染色体DNAから、PCRにより、即ち、プライマーとして2つのオリゴヌクレオチドPSC-sおよびPSC-as(配列番号19または20)を用いて、関連の核酸領域を増幅することができる。
本発明の変異体を得るために実施例2においてランダム突然変異誘発が記載されているが、標的化した点突然変異を、本発明により、本明細書の配列プロトコールに開示した配列に示した位置において行うこともできる。
このようにして、過加水分解(ペルヒドロリシス)に必要な基質(過カルボン酸のエステルおよび過酸化水素)に対する、スブチリシン・カールスバーグの過加水分解特性が改善される。即ち、過酸化水素を用いて過カルボン酸エステルを過酸に過加水分解する酵素の能力が増大し、従って産業上利用できる漂白酵素が得られる。
これまでこの酵素の使用の先端にあった実際の主反応は、これらの突然変異によって必ずしも減少することはない。しかし、本発明は、改善された過加水分解特性に焦点をあてるものである。特に、実施例4は、ある種の変異体については、多くの場合にプロテアーゼ活性が失われないことを示す。本発明において、特に好ましい変異体は、増大した過加水分解活性と共に、なお高いタンパク質分解活性を保持する変異体である。これは、対応する製剤中の関連の酵素が2重の機能を発揮するためである。
実施例4において、そこに記載された条件下での測定は、未変化のスブチリシン・カールスバーグ(対照)について、0.8U(AAPF)/μgのタンパク質分解活性を明らかにした。この測定によれば、この野生型酵素は、0.33ppm AO/μg酵素の過加水分解二次活性を有する。
実施例4において試験されたペルヒドロラーゼ、即ち、スブチリシン・カールスバーグの示された特定の変異体のそれぞれは、プロテアーゼ活性の低下を示した。他方において、アミノ酸置換は、過加水分解二次活性の増大を導き、この反応バッチに対して、少なくとも0.57および最良の場合には0.98ppm AO/μg酵素の値を与えた。野生型酵素についての0.33ppm AO/μgと比較すると、これは少なくとも1.7倍の増大である。
即ち、本願において、「ペルヒドロラーゼ」とは、未変化のスブチリシン・カールスバーグと比較して、少なくとも1.7のファクターで増大した過加水分解活性を示す酵素を意味する。有利には、これは、実施例3に記載した方法を用いて測定される。
該位置におけるアミノ酸交換は、自体既知の分子生物学的方法を用いて、好ましくは関連のヌクレオチド配列(例えば、配列番号22に示したような)のレベルにおいて、点突然変異の形態で行うことができる。不正対合プライマーによる部位指向性の突然変異誘発のための市販キットが、このために適している(例えば、QuickChangeキット;Stratagene、La Jolla、米国)。これら位置の番号付与は、成熟カールスバーグタンパク質を参照するものであり、+1位は、配列番号22に従う316〜318位のコドンGCGに対応する。これは、配列番号23に記載のプロセシングされていないタンパク質の番号付与における106位である。即ち、ある突然変異(特に本発明に従う突然変異)を既に有する遺伝子に、本発明に従う1つまたはそれ以上の追加の突然変異を供して、本発明の多数の変異体を得ることもできる。
本願において、「タンパク質」は、天然アミノ酸から構成される本質的に線状構造を有するポリマーを意味し、通常は、その機能を発揮するために3次元構造をとる。本願において、19個のタンパク質構成性の天然L-アミノ酸は、通常の国際的な1文字および3文字コードによって表される。
本願において、「酵素」は、特定の生物触媒機能を発揮するタンパク質を意味する。
多くのタンパク質は、不活性な前駆体として、いわゆる「プレタンパク質」または「プレプロタンパク質」として、即ち、シグナルペプチドおよび/またはプロペプチドと一緒に産生される。シグナルペプチドとは、タンパク質のN末端部分を意味し、その機能は、産生されたタンパク質の産生細胞から細胞周辺腔または周囲培地への移動を確実にすることである。次いで、このシグナルペプチドは、残りのプロタンパク質から、天然条件下にシグナルペプチダーゼによって切断される。このプロペプチドは、タンパク質の正しい折り畳みを確実にし、成熟触媒活性タンパク質から自己触媒的に切断される。技術的適用のためには、成熟ペプチド、即ち、製造後にプロセシングされた酵素が、その酵素活性のゆえにプレタンパク質よりも好ましい。
本願において、「核酸」とは、情報を伝達し、タンパク質または酵素における線状アミノ酸配列をコードする、ヌクレオチドから構成される天然分子を意味する。これらは、一本鎖、該一本鎖に相補性の一本鎖または二本鎖で存在することができる。分子生物学的操作のためには、核酸DNAが、天然のより耐久性の情報担体として好ましい。対照的に、天然の条件下で本発明を実施するためには、例えば発現細胞においては、RNAが産生される。これが、本発明に必須であるRNA分子も本発明の態様を表す理由である。
DNAの場合には、それぞれ3つの可能な開放読み枠(オープンリーディングフレーム)にある両相補鎖の配列を、考慮に入れなければならない。また、異なるコドントリプレットが同じアミノ酸をコードすることができるので、特定のアミノ酸配列を、いくつかの異なるヌクレオチド配列(これらは同一性が低いであろう)から導くことができることも考慮しなければならない(遺伝コードの縮重)。さらに、異なる生物は、これらのコドンを異なる様式で利用する。この理由から、アミノ酸配列およびヌクレオチド配列の両方が発明の範囲内に含まれなければならず、示したヌクレオチド配列は、それぞれ単に特定のアミノ酸配列をコードする例とみなすべきである。
本願において、1つのタンパク質に対応する情報単位は、「遺伝子」とも称される。
本発明は、「組換えタンパク質」の製造を包含する。本発明によれば、これには、適する宿主生物への関連タンパク質のための遺伝子の挿入ならびにその後の該遺伝子の転写および翻訳に関連する、全ての遺伝子操作および微生物学的操作が含まれる。関連遺伝子の挿入は、ベクター、特に発現ベクターにより行うのが適切であるが、別法によれば、宿主生物において関連遺伝子を既存の遺伝子要素(例えば、染色体または他のベクター)中に挿入することを可能にするものによってもよい。本発明によれば、遺伝子、プロモーターおよび可能性ある追加の遺伝子要素からなる機能単位を、発現カセットと称する。しかし、これは、必ずしも物理的単位でなければならないという訳ではない。
現在広く知られている方法を用いて、例えば、化学合成またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を分子生物学および/またはタンパク質化学の通常の方法と組合せて用いて、当業者なら、既知のDNAおよび/またはアミノ酸配列に基づいて、対応する核酸から完全な遺伝子に至るまで製造することができる。これらの方法は、従来技術において詳しく記載されている。
ヌクレオチド配列の変化、例えば、既知の分子生物学的方法によって引き起こされる変化は、「突然変異」と記載される。この変化の性質に依存して、これらは欠失、挿入または置換突然変異と称される。異なる遺伝子または遺伝子部分を一緒に融合するかまたは組み換えたときに、これらは遺伝子突然変異と称される。関連の生物は「突然変異体」と称される。突然変異した核酸から導かれるタンパク質は、「変異体」と称される。即ち、欠失、挿入または置換突然変異あるいは融合は、欠失-、挿入-または置換-突然変異遺伝子あるいは融合遺伝子を導き、タンパク質レベルにおいては、対応する欠失、挿入または置換変異体あるいは融合タンパク質を導く。
次の慣習を用いて、正確なアミノ酸位置との関連で「点突然変異」を記載する。即ち、最初に天然アミノ酸を標準の国際的な1文字コードを用いて記載し、次いで関連の配列位置を記載し、最後に挿入されたアミノ酸を記載する。従って、L89Sは、89位において元のアミノ酸ロイシンがセリンによって置換されていることを意味する。同じポリペプチド鎖中のいくつかの交換は、斜線スラッシュによって互いに独立させる。
「フラグメント」とは、天然タンパク質よりも小さいあらゆるタンパク質またはペプチド、あるいは、完全に翻訳された遺伝子に対応し、例えば合成によっても得ることができるあらゆるタンパク質またはペプチドを意味する。これらは、そのアミノ酸配列に基づいて、関連の完全タンパク質に割り当てることができる。これらは、例えば、同じ構造とることができるか、あるいは、酵素活性または部分活性(例えば基質の複合化)を発揮することができる。出発タンパク質のフラグメントおよび「欠失変異体」は、本質的に同一であるが、フラグメントは比較的小さい傾向にあり、欠失突然変異体からは短い部分のみが、従って個々の部分機能のみが欠けている。
核酸レベルにおいて、「部分配列」はフラグメントに相当する。
本願において、「キメラタンパク質」または「ハイブリッドタンパク質」とは、異なる生物から、または同じ生物の異なる染色体位置から天然に得られる核酸鎖によってコードされているタンパク質を意味する。この操作は、「組換え突然変異誘発」としても知られており、その目的は、例えば、融合したタンパク質部分の助けを借りて、特異的な酵素機能を引き起こすかまたは修飾することである。従って、本発明においては、このようなキメラタンパク質が単一のポリペプチド鎖からなるか、またはいくつかのサブユニット(これに異なる機能を分布させることができる)からなるかは無関係である。
「挿入突然変異」によって得られるタンパク質は、自体既知の方法を用いて出発配列に核酸またはタンパク質フラグメントを挿入することによって得られる変異体である。その基本的な類似性のゆえに、これらはキメラタンパク質に相当する。これらは、完全タンパク質の大きさに対する未変更タンパク質部分の大きさの比の点で異なるにすぎない。このような挿入突然変異によって得られるタンパク質においては、外来タンパク質の割合は、キメラタンパク質におけるよりも低い。
「反転突然変異誘発」、即ち、配列の部分的反転は、欠失または挿入のいずれかの特別の形態とみなすことができる。これは、異なる分子部分の再群分け(元のアミノ酸配列とは異なる)に当てはまる。これは、元のタンパク質の欠失変異体、挿入変異体またはシャッフル変異体とみなすことができる。
本願において、「誘導体」とは、純粋なアミノ酸鎖を化学的に修飾したタンパク質を意味する。このような誘導体化は、例えば、宿主生物によるタンパク質生合成と関連して生物学的に行うことができる。これを、分子生物学的方法を用いて行うことができる。化学的方法、例えば、アミノ酸側鎖の化学的変換またはタンパク質への別化合物の共有結合を使用することもできる。この化合物は、例えば、2官能性化学結合によって本発明のタンパク質に結合される他のタンパク質からなっていてもよい。これら種類の修飾は、例えば、基質特異性または基質への結合強さに影響を与えることができるか、あるいは、結合させた物質が阻害剤であるときには、酵素活性を一時的にブロックすることができる。これは、貯蔵期間にとって意味あるものにすることができる。また、誘導体化は、巨大分子担体への共有結合を意味すると解される。
また、タンパク質を、抗血清または特異的抗体と反応させることにより、「免疫学的に関連したタンパク質の群」を構成するようにまとめることができる。ある群に属するタンパク質は、1つの抗体によって認識される同一の抗原決定基を有することを特徴とする。
本発明において、全ての酵素、タンパク質、フラグメントおよび誘導体は、これらを明確にそのように言及する必要がなければ、一般的用語「タンパク質」で言及する。
本発明において、「ベクター」とは、特徴的な核酸領域として関連の遺伝子を含有する核酸からなる要素である。これらは、種またはセルラインにおいて、いくつかの世代または細胞分裂中に、遺伝子が安定な遺伝子要素として確立されることを可能にする。特に細菌中で使用するときのベクターは、特別のプラスミド、即ち環状の遺伝要素である。遺伝子工学においては、貯蔵および遺伝子研究のためのベクター(これらは「クローニングベクター」と称される)と、宿主細胞における当該遺伝子の確立のためのベクター、即ち、関連タンパク質の発現を可能にするベクター(これらは「発現ベクター」と称される)の間で区別が為される。他のベクター、両方の目的に使用することができる他のベクターも存在する。
考慮下の酵素の酵素活性を、誰でもアクセスできるデータバンクに寄託されている既知の酵素との比較によって、アミノ酸またはヌクレオチド配列から推定することができる。この活性を、実際の反応に関与しないタンパク質の他の領域によって、定性的または定量的に修飾することができる。これにより、例えば、酵素安定性、活性、反応条件または基質特異性に影響を及ぼすことができる。比較は、考慮下のタンパク質のヌクレオチドまたはアミノ酸配列における類似配列を関連付けることによって行う。これは「相同化(ホモロジゼーション)」と称される。関連位置の表による分類は、整列と称される。ヌクレオチド配列を分析するときには、2つの相補鎖ならびに3つの可能な開放読み枠のそれぞれを考慮しなければならない(遺伝コードの縮重および生物特異的なコドン利用についても同様である)。現在、整列は、コンピュータープログラム、例えばアルゴリズムFASTAまたはBLASTの助けを借りて作成されている。この方法は、D.J.LipmanおよびW.R.Pearson (1985) [Science、Vol.227、pp.1435-1441]により記載されている。好ましい方法は、アルゴリズムを使用することであり、現在では、市販のコンピュータープログラムがこれを使用している。これには、例えば、プログラム Vector NTI Suite 7.0[InforMax,Inc.、Bethesda、米国]が含まれる(好ましくは所与の初期パラメーターを有する)。
比較した配列中の全対合位置を編集したものは、「コンセンサス配列」と称される。
また、このような比較は、比較した配列間の類似性または「相同性」について言及することを可能にする。これは、パーセント同一性、即ち、同一位置における同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の割合で表される。相同性の別の定義には、この数値における保存されたアミノ酸交換が含まれる。これはパーセント類似性と称される。これらと同様の言及を、完全なタンパク質および遺伝子について、あるいはその個々の領域について行うことができる。
「整列(アラインメント)」の作成が、配列空間を規定する際の第1工程である。この仮定空間は、個々の位置における並べ換えによって導かれる全ての配列を包含する(これは、整列の関連の個々の位置に現れる全ての変異を考慮して得られる)。それぞれの仮定的に可能なタンパク質分子は、この配列空間において点を形成する。例えば、ほとんど同一であるが、2つの異なる箇所においてのみそれぞれ2つの異なるアミノ酸を有する2つのアミノ酸配列は、4つの異なるアミノ酸配列の配列空間を確立する。追加の相同配列が空間中のそれぞれ個々の配列に対して見出されるときには、極めて大きい配列空間が得られる。それぞれ対で存在するこのような高い相同性のゆえに、極めて低い相同性の配列を、ある配列空間に属するとみなすこともできる。
異なるタンパク質の「相同領域」は、アミノ酸配列における関連によって規定される。これは、数個のアミノ酸のみを含み、全体活性にとってほとんど必須である機能を発揮する最小の領域(ボックスとして知られる)における完全な同一性まで広がる。相同領域の機能とは、完全タンパク質によって発揮される機能の最小の部分機能(例えば、基質または遷移複合体の複合化のための個々の水素結合型結合の形成など)を指す。
本発明のペルヒドロラーゼは、好ましくは、過カルボン酸生成の高い特異的速度を有する。これは、好ましくは、実施例3の記載のように測定され、ppm AO/μg酵素で示される。
本発明の酵素のpHプロフィールは、好ましくは、技術的使用に必要なpHに適合し、かつ、例えば洗浄剤および浄化剤ならびに毛髪染色剤における通常の成分とも適合する。多くの場合、これはアルカリ性環境であり、出発酵素であるスブチリシン・カールスバーグも、好ましくはアルカリ性プロテアーゼである。即ち、意図する技術的な適用分野に依存して、好ましい本発明のペルヒドロラーゼは、およそpH7〜12のアルカリ性範囲内のpH最適値を有するのが好ましく、pH8〜10が特に好ましい。
好ましい本発明のペルヒドロラーゼの温度最適値は、20〜60℃、特に約30〜50℃の範囲内であり、これも同様に、意図する技術的な適用分野に依存する。
好ましい本発明のペルヒドロラーゼは、そのアミノ酸配列が、配列番号22に示したアミノ酸配列に対応するが、11、58、77、89、96、117、120、134、135、136、140、147、150、161、208、216、217、238から選択される配列位置に1つまたはそれ以上のアミノ酸交換を有するペルヒドロラーゼである。
さらに好ましい本発明のペルヒドロラーゼは、そのアミノ酸配列が、配列番号22に示したアミノ酸配列に対応するが、58、89、96、117、216、217から選択される配列位置に1つまたはそれ以上のアミノ酸交換を有するペルヒドロラーゼである。これは、これらの位置に交換を有する変異体が、本願の実施例において成功裏に試験されたためである。
さらに、好ましい本発明のペルヒドロラーゼは、1つまたはそれ以上のアミノ酸交換 T58AまたはT58Q、L89S、N96D、G117D、L216WおよびN217Dを特徴とするものである。これは、これらの交換を有する変異体が、本願の実施例において成功裏に試験されたためである。
さらに、好ましい本発明のペルヒドロラーゼは、配列番号2(L89S/L216W/N217D)、配列番号4(L216W/N217D)、配列番号6(T58A/L89S/L216W/N217D)、配列番号8(T58A/G117D/L216W/N217D)、配列番号10(T58A/L89S/L216W)、配列番号12(T58A/L89S/N96D/L216W)、配列番号14(T58A/L216W)、配列番号16(T58Q/L89S/L216W)および配列番号18(L89S/L216W)によって示されるアミノ酸配列のいずれかを有するものである。これは、これらの変異体が、本願の実施例3および4において成功裏に試験されたためである。そこに示されているように、これらは、プロテアーゼ カールスバーグの野生型酵素に対して示される値よりも少なくとも1.7倍高いペルヒドロラーゼ活性(ppm AO/μg酵素で示される)を有する。
さらに、順に増大して好ましい本発明の態様は、アミノ酸配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16または18に示したアミノ酸配列のいずれかと、順に増大して好ましくはそれぞれ少なくとも70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、97.5%、特に好ましくは100%一致するペルヒドロラーゼである。この例および以下において、用語「少なくともX%」は、「X%〜100%(基準数字Xおよび100ならびにその間の全ての整数および非整数%値を含む)」を意味する。
同様に、ペルヒドロラーゼをコードしている特に好ましい核酸は、そのヌクレオチド配列が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15または17に示したヌクレオチド配列のいずれかにそれぞれ、順に増大して好ましくは少なくとも60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、92.5%、95%、97.5%、非常に特に好ましくは100%同一である部分を含有する核酸である。これは、特に関連の核酸のクローニングおよび発現によって、本発明のペルヒドロラーゼが、以下に示すように技術的適用に必要な量で利用可能になるためである。
さらなる本発明の態様は、上記したペルヒドロラーゼのいずれかから、1つまたはそれ以上の保存性アミノ酸交換によって得られる、好ましくはアミノ酸およびヌクレオチド配列について本明細書中に示した相同性の値の範囲内にあるペルヒドロラーゼである。保存性アミノ酸交換とは、以下のアミノ酸の群の範囲内の交換を意味する:
・脂肪族アミノ酸:G、A、V、L、I;
・イオウ含有アミノ酸:C、M;
・芳香族アミノ酸:F、Y、W;
・ヒドロキシル基アミノ酸:S、T;
・酸アミド基アミノ酸:N、Q;
・酸性アミノ酸:D、E;
・アルカリ性アミノ酸:H、K、R、P。
さらなる本発明の態様は、上記のペルヒドロラーゼのいずれかから、誘導体化、断片化、欠失突然変異または挿入突然変異によって得られる、好ましくはアミノ酸およびヌクレオチド配列について上に示した相同性の値の範囲内にあるペルヒドロラーゼである。
配列番号19〜21に示した配列を有するオリゴヌクレオチドが、本願のさらなる対象である。これらのオリゴヌクレオチドの助けを借りて、本願の実施例1および2に示されたように、野生型スブチリシン・カールスバーグをコードしているヌクレオチド配列、およびさらに、点変異体をコードしているヌクレオチド配列を、対応する遺伝子要素において検出することができ、特に、PCRによって増幅することができ、突然変異させることができる。即ち、これらを、分子生物学的加工に、特に、可能なさらなる点突然変異誘発に利用することができる。
また、本発明の対象に含まれるのは、1つまたはそれ以上の配列番号19〜21に示したオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして使用すること、特に、新規なペルヒドロラーゼを同定および/または製造するために使用することである。これらは、実施例において記載されているように、PSC-sおよびPSC-as(それぞれ配列番号19および20)の対で、ならびに、P300-sおよびPSC-as(それぞれ配列番号21および20)の対で使用するのが好ましい。
本願のさらなる対象は、上記したペルヒドロラーゼのいずれかを、別のタンパク質との融合または結合のために、特に、新規酵素を開発する目的で使用することである。即ち、例えば、ポリペプチド鎖の直接融合によって、または化学結合によって、2機能性分子を得ることができる。これらは、例えば、ペルヒドロラーゼとしての本発明のカールスバーグ変異体から、およびタンパク質分解成分としての別のプロテアーゼ(例えばカールスバーグ)変異体からのものなどである。別の選択肢は、セルロース結合ドメインに結合させて、ペルヒドロラーゼと例えば綿含有織物との相互作用を改善することである。
本願のさらなる対象は、上記したペルヒドロラーゼのいずれかをコードしている核酸を、別の核酸との融合のために、特に、新規酵素を開発する目的で使用することである。上記のように、2機能性タンパク質を、このようにして得ることができる。
本発明のペルヒドロラーゼをコードする上記した核酸領域のいずれかを含有するベクター(特に、クローニングまたは発現ベクター)が、本願のさらなる対象である。これには、例えば、細菌プラスミド、ウイルスもしくはバクテリオファージから導かれるベクター、あるいは、異なる起源の要素を含有する主として合成のベクターまたはプラスミドが含まれる。他の既存の遺伝子要素をそれぞれの場合に用いて、ベクターを、数世代にわたりそれぞれの宿主細胞において安定な単位として確立することができる。即ち、本発明において、ベクターを単一の染色体外単位として確立するか、またはベクターを染色体中に組込むかは問題ではない。従来技術から既知である多くの系のどれを選択するかは、個々の場合に依存する。その決定因子は、例えば、達成しうるコピー数、利用可能な選択系(特に、抗生物質耐性を含む)、またはベクターを受容しうる宿主細胞の培養性であってよい。
ベクターは、当該遺伝子および関連タンパク質の分子生物学的研究および生化学的研究のため、さらなる本発明の開発のため、および、本発明のタンパク質の増幅および製造のための適当な出発点を構成する。
クローニングベクターは本発明の好ましい態様である。当該遺伝子の貯蔵、生物学的増幅または選択の点で適切であることに加えて、これらは、例えば制限地図の作成または配列決定による、当該遺伝子の特性化にも適している。即ち、クローニングベクターは、所望のDNAの輸送可能および貯蔵可能な形態であるので、本発明の好ましい態様である。またこれらは、細胞が関与しない分子生物学的手法、例えばポリメラーゼ連鎖反応のための好ましい出発点でもある。
発現ベクターは、クローニングベクターに化学的に類似しているが、その部分配列(これは、タンパク質産生に対して最適化した宿主生物における複製ならびにその中での含有される遺伝子の発現を可能にする)によって区別することができる。発現ベクターの好ましい態様は、発現に必要な遺伝子要素を保持するものである。発現は、例えば、遺伝子の転写を調節するプロモーターの影響を受ける。即ち、発現を、この遺伝子の外側に元から位置する天然プロモーターによって、さらに遺伝子工学融合を介して、発現ベクター上の宿主細胞プロモーターによって、および修飾されたかまたは別の生物由来の完全に異なるプロモーターによって行うことができる。
好ましい態様は、培養条件の変更または特定化合物の添加(例えば、細胞密度または特定因子)によって調節することができる発現ベクターである。発現ベクターは、関連タンパク質を異種で、即ち、該タンパク質を天然に産生しうる生物以外の生物において産生させることを可能にする。適当なベクターにより遺伝子を天然に発現する宿主細胞からのタンパク質の同種産生も、本発明の範囲内にある。これは、翻訳に関連する天然の修飾反応が、天然に行われるのと全く同じように、得られたタンパク質において行われることを可能にするという利点を有するであろう。
好ましくは上記した発現ベクターのいずれかを用いて、上記した本発明のタンパク質または誘導体のいずれかを発現するか、または発現するように活性化しうる宿主細胞は、本発明のさらなる対象である。
また、本発明の態様には、タンパク質生合成をインビトロで行う細胞不含の発現系も含まれる。この種の発現系は、従来技術において既に確立されている。しかし、本発明の酵素のインビボ合成、即ち、生細胞による合成が好ましい。これは、関連遺伝子を宿主細胞に移行させることを必要とする(これは形質転換として知られる)。原則的に全ての生物、即ち、原核生物、真核生物または古細菌が適する宿主細胞となる。好ましい宿主細胞は、形質転換および発現ベクターの安定な確立に関して遺伝学的に取扱いが容易な宿主細胞、例えば、単細胞の菌類または細菌などである。好ましい宿主細胞は、さらに微生物学的および生物工学的な取扱いが良好であることを特徴とする。これは、例えば、培養の容易性、高い増殖速度、発酵培地に関する低い要求ならびに外来タンパク質の良好な産生および分泌速度に関連する。個々の場合に最適な発現系を見い出すために、従来技術に従って利用可能な異なる系の範囲で実験を行うことが必要になることも多い。本発明の各タンパク質を、このように多くの宿主生物から産生させることができる。
宿主細胞の好ましい態様は、その活性を、例えば発現ベクター上に存在するか、あるいは、最初からこれら細胞中に存在しうる遺伝子調節要素によって調節することができる宿主細胞である。例えば、活性化剤として働く化学物質の制御された添加によって、培養条件の変更によって、あるいは、特定の細胞密度が達成されたときに、これら細胞において発現を活性化することができる。これは、当該タンパク質を非常に経済的に産生させることを可能にする。好ましい宿主細胞は、対応する原核または細菌細胞である。
即ち、好ましい宿主細胞は、それらが細菌、特に生成したタンパク質または誘導体を周囲培地中に分泌する細菌であることを特徴とする。これは、細菌が、通常は比較的短い世代時間および培養条件に関する比較的低い要求により、真核生物とは区別されるためである。こうして、本発明のタンパク質を産生させるための経済的な方法を確立することができる。グラム陰性細菌(例えば、E.coli;大腸菌)は、多くのタンパク質を細胞周辺腔に、即ち、細胞を取り囲む2つの膜の間の区画中に分泌する。これは、特別の適用のために有益となりうる。対照的に、グラム陽性細菌、例えばバシラス類または放線菌類あるいは放線菌群に属する他の細菌は外部膜を持たず、従って、分泌されたタンパク質は、細胞周囲の栄養培地中に直ちに放出される。発現された本発明のタンパク質は、別の好ましい態様に従って、これから直ちに精製される。
追加の遺伝子(例えば、他のベクター上に存在する遺伝子)が本発明のタンパク質の産生に影響を与える発現系は、この実験原理の変化形態である。これらは、修飾された遺伝子産物または本発明のタンパク質と一緒に精製された産物(例えば、その酵素機能に影響を与えるためのもの)であってよい。これらは、他のタンパク質または酵素、阻害剤あるいは他の要素(異なる基質との相互作用に影響を与える)であってよい。
好ましい宿主細胞は、Bacillus属、好ましくは、Bacillus licheniformis種、Bacillus amyloliquefaciens種、Bacillus subtilis種またはBacillus alcalophilus種に属する細胞である。これは、この属および/または種の発酵タンパク質製造に関連して豊富な知識が存在するため、および、これらがB.licheniformisそれ自体(これに、スブチリシン・カールスバーグが由来する)と同様に好アルカリ性であるためである。
真核細胞が宿主細胞の別の態様であり、これは、好ましくはSaccharomyces属の細胞、特に産生されたタンパク質を翻訳後に修飾する細胞である。これは、真核細胞も本発明のタンパク質の産生に適するためである。この例は、SaccharomycesまたはKluyveromycesなどの酵母の他に、菌類、例えば放線菌類などである。これは、タンパク質がその合成に関連して特別の修飾を受けるべきであるときに、特に有利になりうる。これには、例えば、低分子化合物(例えば、膜アンカーまたはオリゴ糖)の結合が含まれる。
本発明の方法の宿主細胞を、自体既知の方法、例えば不連続または連続の系において培養および発酵させる。前者の場合には、適する栄養培地に細胞を接種し、次いで、生成物を、規定した期間の後に培地から収穫する。他方、連続発酵を用いると、定常状態に到達し、そこでは比較的長い期間にわたって、一部の細胞は死滅するが再増殖もし、同時に生成物を培地から収穫することができる。
発酵法は、従来技術から自体周知であり、実際の大スケール製造工程を表し、これに適当な精製法が続く。
従って、組換えタンパク質の製造のために上記した方法のいずれかに基づく全ての発酵法が本発明の対象の好ましい態様である。
それぞれの場合に、指定した製造方法のためおよび宿主細胞および/または製造すべきタンパク質のための最適条件は、関連菌株の以前に最適化された培養条件、ならびに、例えば発酵容量、培地組成、酸素供給または撹拌速度に関連する当業者の知識の両方に基づいて、実験によって決定しなければならない。
また、供給戦略を用いて行う発酵法も考えられる。この方法は、連続培養によって消費される培地成分を供給または充填することを含み、補給戦略とも称される。この方法を用いて、細胞密度、生物質の乾燥重量および/または特に当該タンパク質の活性の大きな増加を達成することができる。
同様に、望ましくない代謝産物が濾去されるように、あるいは緩衝剤または適当な対イオンの添加によって中和されるように、発酵を構築することができる。
次いで、製造されたタンパク質を発酵培地から収穫することができる。この発酵法は、乾燥物から生成物を処理するのが好ましいが、適当な分泌マーカーおよび輸送系が存在することを必要とする。
分泌がなければ、細胞塊からタンパク質を精製することが必要になることもある。これを行うためのいくつかの既知の方法が存在する。これらは、例えば硫酸アンモニウムまたはエタノールによる沈殿あるいはクロマトグラフィー精製(所望により均質になるまで行う)などである。しかし、記載された方法の多くは、豊富化され安定化された調製物を必要とする。
上記した要素の全てを、本発明のタンパク質を製造するための方法と組合せることができる。即ち、本発明のタンパク質のそれぞれに対して、多数の可能な製造工程の組合せが存在する。それぞれの個々の場合の最適な方法は、実験によって決定されなければならない。
その場で過カルボン酸を生成する物質としての、先に記載した本発明のペルヒドロラーゼのいずれかの使用は、本発明の実際の対象である。スブチリシン・カールスバーグそれ自体およびこの酵素の変異体は、これまで、特にタンパク質分解成分として使用されていたが、記載したアミノ酸交換によって得られるペルヒドロラーゼ活性の増大は、本発明の変異体の新規な適用を明らかにした。好ましくは、この適用は、それぞれの目的のために配合された適切に設計された製剤を用いて有効になるであろう。
この適用は、漂白剤および殺菌剤において、特に、殺菌剤またはフィルター媒体、織物、毛皮、紙、皮膚および皮革を漂白および殺菌するための製剤において使用することができる。
また、この適用は、洗浄剤または浄化剤、特に、洗濯洗剤、浄化剤、濯ぎ剤、手洗浄剤、洗浄液または食器洗浄剤において、とりわけ、洗濯洗剤のための色移行抑制剤として使用することができる。後者の場合、ペルヒドロラーゼは、洗浄液中の着色した粒子を漂白し、洗浄液中の織物の再着色を強力に妨げる。
また、この適用は、化粧品および美容製品において、特に、身体ケア製品、シャンプー、毛髪ケア製品、毛髪染色剤もしくは漂白剤、口、歯および義歯ケア製品において使用することができる。
本発明のペルヒドロラーゼは、合計量が、0.05〜5ppm AO/μg、好ましくは0.2〜1.2ppm AO/μgのペルヒドロラーゼ活性を有するような量で使用するのが好ましい。例えば、このような範囲内のペルヒドロラーゼ活性を有する洗剤は、通常の欧州の機械洗浄操作のために十分に迅速に過カルボン酸を放出する(活性の増大を達成するためにペルヒドロラーゼ量を増加させても、通常は、漂白性能の対応する増大をもたらさない)。関連の製剤中のペルヒドロラーゼ基質の量は、所望の漂白結果を達成するのに必要な過カルボン酸の量に対応し、当業者なら必要に応じて調整することができる。
上記した本発明のペルヒドロラーゼのいずれかを含有する製剤が、本発明のさらなる対象である。これらには、特に、該ペルヒドロラーゼを含有する身体ケア製品、シャンプー、毛髪ケア製品、毛髪染色剤もしくは漂白剤、口、歯および義歯ケア製品、化粧品および美容製品、洗濯洗剤、浄化剤、濯ぎ剤、手洗浄剤、洗浄液、食器洗浄洗剤、殺菌剤、ならびに、フィルター媒体、織物、毛皮、紙、皮膚および皮革を漂白および殺菌するための製剤が含まれる。
これらの中で、好ましいのは、製剤の適用条件下で過カルボン酸を生成しうる漂白系、および所望により、合成界面活性剤、有機および/または無機ビルダーおよび漂白剤または洗剤の他の通常の成分を含有する洗剤または漂白剤である。この漂白系は、上記した本発明のペルヒドロラーゼのいずれか、過酸化水素供給源および該ペルヒドロラーゼのための基質を含有することを特徴とする。
好ましい洗剤または漂白剤は、基質がブタン酸、ヘキサン酸またはオクタン二酸のメチル、エチルおよびグリセロールエステル、好ましくは酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチルおよびトリオクタニン(trioctanin)、特に好ましくは酪酸メチルに由来するものである。即ち、酪酸メチルが、実施例3および4に従ってペルヒドロラーゼ活性を測定するために反応バッチにおいて使用され、また、同じエステルが、実施例5および6の適用測定において存在する。
他の好ましい洗剤および漂白剤は、過酸化水素供給源が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムまたはモノ過硫酸カリウム三重塩、過炭酸塩/過硫酸カリウム(1:3の比;pH5.5)、過炭酸塩/過硫酸カリウム(1:1の比;pH7.5)、過炭酸塩/過硫酸カリウム(3:1の比;>pH9)の塩混合物、特に好ましくはH22から選択されるものである。即ち、H22が、実施例3、4、5および6の対応する反応バッチにおいて、過酸化水素の供給源として使用されている。
上記によれば、好ましい本発明の洗剤または漂白剤は、0.05〜5ppm AO/μg、好ましくは0.2〜1.2ppm AO/μgの範囲内の過加水分解活性を有する。
上記によれば、好ましい本発明の洗剤または漂白剤は、タブレット、顆粒または自由流動性粉末(300〜1200g/L、特に500〜900g/Lの範囲内の嵩密度を有する)の形態にある。これは、特に食器洗浄機洗剤および洗濯洗剤に当てはまる。
他の同様に好ましい洗剤または漂白剤は、ペーストまたは液体の形態にある。
以下において、好ましい態様は、非水性であることを特徴とする。
別の好ましい態様は、ペルヒドロラーゼおよび/またはこの酵素のための基質および/または過酸化水素供給源が、室温でまたは水の不存在下で該酵素および/またはその基質に対して不透過性である物質中に封入されているが、該物質が、製剤の適用条件下で該酵素および/またはその基質に対して透過性になる、これまでに説明した全ての本発明の製剤である。これは、一方において、例えば大気中酸素または湿気との反応による早すぎる失活から構成成分を保護すること、他方において、これらの攻撃的な構成成分による酸化から当該製剤の他の成分を保護することを目的とするものである。さらにまたは別法として、製剤を容器中に充填することもでき、これから、例えば洗浄操作の適用の直前または適用中に放出させることができる。
これまでに説明した全ての本発明の洗剤または漂白剤の別の好ましい態様は、漂白系に加えて以下の成分を含有するものである:
・5〜70重量%、特に10〜50重量%の界面活性剤、
・10〜65重量%、特に12〜60重量%の水溶性、水分散性の無機ビルダー物質、
・1〜10重量%、特に2〜8重量%の水溶性の無機ビルダー物質、
・15重量%以下の固体の無機および/または有機酸または酸性塩、
・5重量%以下の重金属錯化剤、
・5重量%以下の灰色化抑制剤、
・5重量%以下の色移行抑制剤、
・5重量%以下の発泡抑制剤、および
・他の所望の成分。
大きな技術的重要性のゆえに、本発明の洗浄剤および浄化剤(即ち、上記のペルヒドロラーゼを特徴とする洗浄剤および浄化剤)の異なる側面および他の成分を、上記した特に好ましい態様を補足するために、ここに詳しく説明する。
浄化に関して、織物と固体表面の間で世界的に区別が為されている。選択すべき条件、特に他の成分によって制御されるべき条件(例えば、温度、pH値、イオン濃度、レドックス比または機械的因子)は、それぞれ個々の浄化問題に対して最適化されるべきである。即ち、洗浄剤および浄化剤のための標準温度は、手による洗浄のためには10〜40℃、機械洗浄または技術的適用のためには60〜95℃の範囲内にある。最近の洗濯機および食器洗浄機においては、通常は温度を連続的に調節することができるので、全ての中間レベルの温度も含まれる。当該製剤の成分は、互いに適合しているのが好ましい。好ましくは、浄化性能に関して相乗作用が存在する。
本発明のペルヒドロラーゼは、大消費者または産業ユーザーのための製品ならびに個人的消費者のための製品の両方に適用することができ、従来技術において確立されたあらゆる種類の浄化剤が本発明の態様に包含される。これには、例えば、以下のものが含まれる:(a)洗浄機において産業スケールで、または手による洗浄および浄化のために、未希釈形態で使用される濃厚物および製剤、(b)織物、カーペットまたは天然繊維のための洗剤(これに対しては、本発明に従って用語「洗剤」を使用する)、ならびに、(c)食器洗浄機洗剤、洗浄液および硬表面、例えば、金属、ガラス、磁器、セラミック、タイル、石、塗装表面、プラスチック、木材または皮革のための浄化剤(これに対しては、本発明に従って用語「浄化剤」を使用する)。
本発明の態様は、全ての確立されたおよび/または全ての適当な装填形態を包含する。これには、例えば、所望によりいくつかの相にある圧縮または未圧縮の固体、粉末、液体、ゲルおよびペーストが含まれる。さらに、これには、個々にまたは大量に充填された押出物、顆粒、タブレットおよびサシエも含まれる。
本発明のペルヒドロラーゼを、本発明の製剤において、以下に挙げる成分の1つまたはそれ以上と混合する:非イオン性、陰イオン性または陽イオン性界面活性剤、(所望によりさらに)、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、ビルダーおよび/または補助ビルダー、溶媒、増粘剤、金属イオン封鎖剤、電解質、蛍光増白剤、灰色化抑制剤、腐食抑制剤、特に銀保護剤、汚れ解放剤、色移行抑制剤、発泡抑制剤、研磨剤、着色剤、芳香剤、抗微生物剤、UV保護剤、酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼおよびオキシダーゼ)、安定剤、特に酵素安定剤、ならびに、当分野で既知の他の成分。
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化された、有利にはエトキシル化された、特に第一アルコールであり、好ましくは8〜18個の炭素原子および平均して1モルのアルコールあたりに1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を有する第一アルコールである。ここで、このアルコール基は、直鎖もしくは好ましくは2位でメチル分岐していてよく、また、オキソアルコール基において普通に存在するように混合物の形態で、直鎖基およびメチル分岐基を含んでいてもよい。しかし、特に好ましいのは、12〜18個の炭素原子を有する天然アルコール(例えば、ヤシ油、パーム油、獣脂、またはオレイルアルコール)の直鎖基および平均してアルコール1モルあたり2〜8個のEOを有する、アルコールエトキシレートである。好ましいエトキシル化アルコールには、例えば、3個のEOまたは4個のEOを有するC12-14アルコール、7個のEOを有するC9-11アルコール、3個のEO、5個のEO、7個のEOまたは8個のEOを有するC13-15アルコール、3個のEO、5個のEOまたは7個のEOを有するC12-18アルコール、およびこれらの混合物(例えば、3個のEOを有するC12-14アルコールと5個のEOを有するC12-18アルコールとの混合物)が含まれる。記載したエトキシル化の程度は、統計学的な平均値であり、特定の生成物に対して整数または分数であることができる。好ましいアルコールエトキシレートは、狭範囲のエトキシレート(NRE)である。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12個より多いEOを有する脂肪アルコールを使用することもできる。その例は、14個のEO、25個のEO、30個のEO、または40個のEOを有する獣脂アルコールである。
個々に使用することができるか、または他の非イオン性界面活性剤と組合せて使用することができる好ましい非イオン性界面活性剤のさらなる群は、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはエトキシル化およびプロポキシル化された、好ましくはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を有する脂肪酸アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルである。
好ましい非イオン性界面活性剤のさらなる群は、アルキルポリグリコシド(APG)である。適するアルキルポリグリコシドは、一般式:RO(G)Zで示される(式中、Rは、直鎖または分岐した、特に2位でメチル分岐した、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する飽和または不飽和の脂肪族基であり、Gは、5または6個の炭素原子を有するグリコース単位、好ましくはグルコースである)。グリコシル化の程度であるzは、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.0、特に1.1〜1.4である。直鎖アルキルポリグルコシド、即ち、ポリグリコシド基がグルコース基であり、アルキル基がn-アルキル基であるアルキルポリグリコシドが好ましい。
アミンオキシド型の非イオン性界面活性剤、例えば、N-ヤシ油アルキル-N,N-ジメチルアミンオキシドおよびN-獣脂アルキル-N,N-ジヒドロキシエチルアミンオキシド、および脂肪酸アルカノールアミド型の非イオン性界面活性剤も適している。これらの非イオン性界面活性剤の割合は、好ましくはエトキシル化脂肪アルコールの割合以下であり、特にその半分以下である。
他の適する界面活性剤は、以下の式(II):
Figure 0004505337
[式中、RCOは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、R1は、水素、アルキル、またはヒドロキシアルキル基(1〜4個の炭素原子を有する)であり、[Z]は、3〜10個の炭素原子および3〜10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分岐鎖のポリヒドロキシアルキル基である]
で示されるポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。
このポリヒドロキシ脂肪酸アミドは既知の物質であり、通常は、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンを用いた還元糖の還元的アミノ化、およびその後の、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物を用いたアシル化によって得られる。
また、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群は、以下の式(III):
Figure 0004505337
[式中、Rは、7〜12個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基であり、R1は、直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基またはアリール基(2〜8個の炭素原子を有する)であり、R2は、直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基またはアリール基、またはオキシアルキル基(1〜8個の炭素原子を有する)であり、ここでC1-4アルキルまたはフェニル基が好ましく、そして[Z]は、直鎖ポリヒドロキシアルキル基(そのアルキル鎖は、少なくとも2つのヒドロキシル基によって置換されている)であるか、またはアルコキシル化、好ましくはエトキシル化もしくはプロポキシル化されたこの基の誘導体である]
で示される化合物を包含する。
[Z]は、好ましくは、還元糖(例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロース)の還元的アミノ化によって得られる。次いで、N-アルコキシ置換化合物またはN-アリールオキシ置換化合物を、触媒としてのアルコキシドの存在下に脂肪酸メチルエステルとの反応によって、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換することができる。
例えば、スルホネート型またはスルフェート型の陰イオン性界面活性剤が使用される。スルホネート型の界面活性剤は、好ましくは、C9-13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート(即ち、アルケンスルホネートとヒドロキシアルカンスルホネートの混合物)、ならびに、ジスルホネート(これは、例えば、末端または内部の二重結合を有するC12-18モノオレフィンから、ガス状三酸化イオウを用いたスルホン化、およびその後の、スルホン化生成物のアルカリ性もしくは酸性の加水分解によって得られる)が含まれる。例えば、C12-18アルカンからスルホクロロ化またはスルホキシド化とその後の加水分解または中和によって得られるアルカンスルホネートも適している。また、α-スルホ脂肪酸のエステル(スルホネートエステル)、例えば、水素化されたヤシ油、パーム油または獣脂脂肪酸のα-スルホン化メチルエステルも適している。
スルフェート化した脂肪酸グリセロールエステルが、他の適する陰イオン性界面活性剤である。これらには、例えば、1〜3モルの脂肪酸によるモノグリセロールのエステル化によって、または0.3〜2モルのグリセロールによるトリグリセリドのエステル交換によって得られるモノエステル、ジエステルおよびトリエステルならびにこれらの混合物が含まれる。この場合の好ましいスルフェート化脂肪酸グリセロールエステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸(例えば、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸)のスルフェート化生成物である。
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、C12-18脂肪アルコール(例えば、ヤシ油脂肪アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコール)から、またはC10-20オキソアルコールから導かれた硫酸半エステル、およびこれら鎖長の第二アルコールの硫酸半エステルのアルカリ金属塩(特にナトリウム塩)である。さらなる好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、石油化学工業により製造された合成の直鎖アルキル基を含み、かつ脂肪化学原料に由来する適当な化合物と類似の分解挙動を示す、記載した鎖長のアルキル(アルケニル)スルフェートである。C12-C16アルキルスルフェートおよびC12-C15アルキルスルフェートならびにC14-C15アルキルスルフェートが、洗濯性能の理由から好ましい。2,3-アルキルスルフェートも適する陰イオン性界面活性剤である。
また、1〜6モルのエチレンオキシド(EO)でエトキシル化された直鎖または分岐鎖のC7-21アルコール、例えば、平均して3.5モルのEOを有する2-メチル分岐したC9-11アルコールまたは1〜4個のEOを有するC12-18脂肪アルコールから導かれた硫酸モノエステルも適する。これらの高い発泡性能のゆえに、これらは、比較的少量でのみ、例えば、5重量%まで、通常は1〜5重量%の量で浄化剤において使用される。
他の適する陰イオン性界面活性剤は、アルキルスルホコハク酸の塩(これはスルホスクシネートまたはスルホコハク酸エステルとも呼ばれる)、ならびに、スルホコハク酸とアルコール(好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシル化脂肪アルコール)とのモノエステルおよび/またはジエステルである。好ましいスルホスクシネートは、C6-18脂肪アルコール基またはその混合物を含んでいる。特に好ましいスルホスクシネートは、非イオン性界面活性剤であるエトキシル化脂肪アルコール由来の脂肪アルコール基を含んでいる(上記を参照)。ここでも、特に好ましいスルホスクシネートは、脂肪アルコール基が、狭い同族体分布を有するエトキシル化脂肪アルコール由来であるスルホスクシネートである。また、アルキル(アルケニル)鎖中に好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)コハク酸またはその塩を使用することもできる。
特に石鹸が、さらなる陰イオン性界面活性剤として挙げられる。飽和脂肪酸の石鹸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、水素化エルカ酸およびベヘン酸の塩)、ならびに、特に天然の脂肪酸(例えば、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸または獣脂脂肪酸)由来の石鹸混合物が適している。
石鹸を含む陰イオン性界面活性剤は、そのナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩の形態で、また、有機塩基(例えば、モノ、ジまたはトリエタノールアミン)の可溶性塩の形態であってよい。陰イオン性界面活性剤は、好ましくはそのナトリウム塩またはカリウム塩の形態、特にそのナトリウム塩の形態にある。
界面活性剤は、本発明の洗浄剤または浄化剤中に、最終製品に依存して、好ましくは5〜50重量%、特に8〜30重量%の合計量で含有されていてよい。
本発明の製剤はさらに漂白剤を含むことができる。漂白剤として働き、かつ水中でH22を生成する化合物の中で、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム四水和物、および過ホウ酸ナトリウム一水和物が特に重要である。他の適する漂白剤は、例えば、ペルオキシピロリン酸塩、クエン酸塩過水和物およびH22生成過酸塩または過酸(例えば、過硫酸塩または過硫酸)である。また、式:H2N-CO-NH2・H22で示される尿素ペルオキシ水和物ペルカルバミドも有用である。特に、硬表面を浄化するために使用するとき、例えば食器洗浄機において使用するときには、製剤は、有機漂白剤の群からの漂白剤を含むこともできる(これらを、原則的に、洗濯用製剤においても使用することもできる)。代表的な有機漂白剤は、過酸化ジアシル(例えば過酸化ジベンゾイル)である。さらなる代表的な有機漂白剤はペルオキシ酸であり、特に、アルキルペルオキシ酸およびアリールペルオキシ酸である。ここで使用しうる好ましい代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸およびその環置換誘導体(例えばアルキルペルオキシ安息香酸)、さらに、ペルオキシ-α-ナフトエ酸およびモノペルフタル酸マグネシウム、(b)脂肪族または置換脂肪族ペルオキシ酸、例えば、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸(フタロイミノペルオキシヘキサン酸、PAP)、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドペルアジピン酸、およびN-ノネニルアミドペルコハク酸、ならびに、(c)脂肪族およびアリール脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば、1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイル-ジ(6-アミノペルカプロン酸)である。
製剤の漂白剤含量は、好ましくは過ホウ酸塩一水和物または過炭酸塩を用いて、1〜40重量%、特に10〜20重量%であることができる。国際特許出願公開WO99/63036およびWO99/63037は、アミラーゼと過炭酸塩またはアミラーゼと過カルボン酸の相乗的な使用を開示している。
60℃以下の温度で洗浄するため、特に洗濯予備処理においては、改善された漂白作用を達成するために、本製剤は、漂白活性化剤を含むこともできる。適する漂白活性化剤は、過加水分解条件下において、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸および/または所望により置換された過安息香酸を生成する化合物である。上記した数の炭素原子のO-アシル基および/またはN-アシル基および/または所望により置換されたベンゾイル基を保持する物質が適している。以下のものが好ましい:ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル類、特に1,3,4,6-テトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド類、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネートもしくはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-NOBSもしくはイソ-NOBS)、アシル化ヒドロキシカルボン酸、例えばトリエチル O-アセチルシトレート(TEOC)、カルボン酸無水物、特に無水フタル酸、無水イサトイン酸および/または無水コハク酸、カルボン酸アミド、例えばN-メチルジアセトアミド、グリコリド、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート、イソプロペニルアセテート、2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、およびエノールエステル(独国特許出願DE19616693およびDE19616767に開示される)、ならびに、アシル化ソルビトールおよびマンニトールまたはこれらの混合物[欧州特許出願EP0525239(SORMAN)に開示される]、アシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース、ならびに、アシル化され所望によりN-アルキル化されたグルカミンまたはグルコノラクトン、トリアゾールもしくはトリアゾール誘導体、および/または粒状カプロラクタムおよび/またはカプロラクタム誘導体、特にN-アシル化ラクタム、例えばN-ベンゾイルカプロラクタムおよびN-アセチルカプロラクタム(国際特許出願公開WO94/27970、WO94/28102、WO94/28103、WO95/00626、WO95/14759およびWO95/17498に開示される)。同様に、独国特許出願DE19616769に開示される親水性置換されたアシルアセタール、ならびに、独国特許出願DE19616770および国際特許出願WO95/14075に開示されるアシルラクタムも好ましく使用される。また、独国特許出願DE4443177に開示される通常の漂白活性化剤の組合せを使用することもできる。同様に、ニトリル誘導体、例えば、シアノピリジン、ニトリルクワット(nitrile quat)、例えば、N-アルキルアンモニウムアセトニトリル、および/またはシアノアミド誘導体を使用することもできる。好ましい漂白活性化剤は、4-(オクタノイルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、n-ノナノイルオキシベンゼンスルホネートまたはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-NOBSまたはイソ-NOBS)、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホネート(UDOBS)、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(DOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA、OBC10)、および/またはドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(OBS12)、ならびに、N-メチルモルホリン-アセトニトリル(MMA)である。これらの漂白活性化剤は、全配合物を基準に、通常は0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に1〜10重量%の量で存在する。
また、本配合物は、通常の漂白活性化剤に加えて、またはその代わりに、漂白触媒を含有することもできる。これらは、漂白増強遷移金属塩または遷移金属錯体、例えば、Mn、Fe、Co、RuまたはMoサレン錯体またはカルボニル錯体である。他の適する漂白触媒は、Mn、Fe、Co、Ru、Mo、Ti、VおよびCu錯体(N含有三脚リガンドを含む)、ならびに、Co、Fe、CuおよびRuアンミン錯体であり、DE19709284A1に開示される化合物が特に好ましい。
また、WO99/63038およびWO99/63041によれば、それぞれアセトンニトリル誘導体および漂白活性化遷移金属錯体化合物が、アミラーゼとの組合せで、漂白活性化剤として作用することができる。
本発明の製剤は、通常は1つまたはそれ以上のビルダー、特に、ゼオライト、ケイ酸塩、炭酸塩、有機補助ビルダー、さらに、使用を妨げる環境上の理由がなければ、リン酸塩をも含有する。この最後のものは、特に食器洗浄機の洗剤において好ましい。
適するケイ酸塩ビルダーは、一般式:NaMSix2x+1・yH2O[式中、Mは、ナトリウムまたは水素であり、xは、1.6〜4、好ましくは1.9〜4.0の数であり、yは、0〜20の数であり、そしてxの好ましい値は、2、3または4である]で示される結晶性の層状ケイ酸ナトリウムである。これら種類の結晶性層状ケイ酸塩は、例えば、欧州特許出願EP0164514に記載されている。示した式の中で好ましい結晶性層状ケイ酸塩は、Mがナトリウムであり、xが2または3の値をとるケイ酸塩である。βナトリウムおよびδナトリウムの両方の二ケイ酸塩 Na2Si25・yH2Oが特に好ましい。これら種類の化合物は、例えば、SKS(Clariant)の名称で市販されている。SKS-6は、主に式:Na2Si25・yH2Oを有する二ケイ酸δナトリウムであり、SKS-7は、主に二ケイ酸βナトリウムである。酸(例えば、クエン酸または炭酸)と反応させたときに、二ケイ酸δナトリウムはカネマイト NaHSi25・yH2Oを与える[これは、SKS-9およびSKS-10の名称で市販されている(Clariant)]。これらの層状ケイ酸塩の化学的修飾体を使用するのが有利であることもある。即ち、例えば、層状ケイ酸塩のアルカリ度に、適切に影響を与えることができる。リン酸塩または炭酸塩を用いて修飾した層状ケイ酸塩は、修飾された結晶形態を有し(二ケイ酸δナトリウムと比較して)、より迅速に溶解し、より高いカルシウム結合能力を示す(二ケイ酸δナトリウムと比較して)。即ち、一般式:xNa2O・ySiO2・zP25で示される層状ケイ酸塩(式中、x対yの比は、0.35〜0.6の数であり、x対zの比は、1.75〜1200の数であり、そしてy対zの比は、4〜2800の数である)が、独国特許出願DE19601063に記載されている。層状ケイ酸塩の溶解性を、特に微細に分散された層状ケイ酸塩を用いることによって増大させることもできる。結晶性層状ケイ酸塩と他の成分とのコンパウンドを使用することもできる。セルロース誘導体とのコンパウンド(有利な崩壊作用を有し、特に洗浄剤タブレットにおいて使用される)、ならびに、ポリカルボキシレート(例えばクエン酸)またはポリマー性ポリカルボキシレート(例えばアクリル酸コポリマー)とのコンパウンドを、ここで特に挙げることができる。
他の有用なビルダーは、1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、より好ましくは1:2〜1:2.6のモジュラス(Na2O:SiO2の比)を有する無定形ケイ酸ナトリウムである(これは、遅延して溶解し、複数洗浄サイクル特性を示す)。通常の無定形ケイ酸ナトリウムと比較したときの溶解の遅延は、種々の方法によって、例えば、表面処理、コンパウンド化、圧密/圧縮によって、または過剰乾燥によって得ることができる。本発明において、「無定形」という用語は、「X線無定形」を包含すると解される。換言すると、ケイ酸塩は、X線回折実験において結晶性物質に典型的な鋭いX線屈折を生じないが、代わりに、せいぜい散乱X線の1つまたはそれ以上の最大値を与える(数度の回折角度の幅を有する)を与える。しかし、特に良好なビルダー特性は、ケイ酸塩粒子が、電子回折実験において、不明瞭であるかまたはさらに鋭い回折最大値を与える場合に得られるであろう。これは、この生成物が、10〜数百nm(多くとも50nmまで、特に多くとも20nmまでの値が好ましい)のサイズを有する微結晶性領域を有することを意味すると解することができる。圧縮/圧密された無定形ケイ酸塩、コンパウンド化された無定形ケイ酸塩、および過剰乾燥されたX線無定形ケイ酸塩が特に好ましい。
所望により適する微細結晶性の結合水含有の合成ゼオライトの中で、ゼオライトAおよび/またはPが好ましい。特に好ましいゼオライトPは、ゼオライトMAP(Crosfieldからの市販製品)である。しかし、ゼオライトXならびにA、Xおよび/またはPの混合物も適している。市販されており、かつ本発明において好ましい製品は、例えば、ゼオライトXおよびゼオライトAの共結晶化物(約80重量%のゼオライトX)であり、これは、Condea Augusta S.p.A.からVEGOBOND AXの名称で市販されており、かつ以下の式で示すことができる:
Figure 0004505337
適するゼオライトは、10μm未満の平均粒子サイズ(容積分布、Coulterカウンター法によって測定)を有しており、好ましくは18〜22重量%、より好ましくは20〜22重量%の結合水を含有する。
また、広く知られているリン酸塩を、当然にビルダーとして添加することができる(このような使用が環境的な理由から回避されるべきでないとき)。洗浄剤および浄化剤の産業において、多くの市販のリン酸塩の中で、アルカリ金属リン酸塩が最も重要であり、三リン酸五ナトリウムまたは三リン酸五カリウム(トリポリリン酸ナトリウムまたはカリウム)が特に好ましい。
「アルカリ金属リン酸塩」は、種々のリン酸のアルカリ金属塩(特に、ナトリウム塩およびカリウム塩)の総称的な用語であり、メタリン酸(HPO3)nおよびオルトリン酸H3PO4、ならびに、さらに高分子量のものを包含する。これらリン酸塩は、いくつかの利点を兼ね備える。即ち、これらは、アルカリ性の供給源として働き、機械部分への石灰分の沈着および織布における石灰分の付着を妨げ、そしてさらに浄化効果に寄与する。
リン酸二水素ナトリウムNaH2PO4は、二水和物(密度1.91g/cm3、融点60℃)および一水和物(密度2.04g/cm3)として存在する。両方の塩とも白色の易水溶性の粉末であり、加熱時にその結晶水を失い、200℃で弱酸性の二リン酸(二リン酸水素二ナトリウムNa2227)に転化し、さらに高温で三メタリン酸ナトリウム(Na339)およびMaddrellの塩(以下を参照)に転化する。NaH2PO4は酸性反応を示す。これは、リン酸を水酸化ナトリウムを用いてpH4.5に調整し、得られた「マッシュ」を噴霧することにより生成する。リン酸二水素カリウム(第一または一塩基性のリン酸カリウム、二リン酸カリウム、KDP)KH2PO4は、密度2.33g/cm3の白色塩であり、253℃の融点を有し[ポリリン酸カリウム(KPO3)xの生成を伴って分解]、そして水に容易に溶解する。
リン酸水素二ナトリウム(第二リン酸ナトリウム)Na2HPO4は、無色の易水溶性の結晶性塩である。これは、無水型で、ならびに、2モルの水(密度2.066g/cm3、95℃で水を損失)、7モルの水(密度1.68g/cm3、融点48℃、5H2Oの損失を伴う)、および12モルの水(密度1.52g/cm3、融点35℃、5H2Oの損失を伴う)と共に存在し、100℃で無水になり、さらに強制的な加熱によって二リン酸塩Na427に転化する。リン酸水素二ナトリウムは、指示薬としてフェノールフタレインを用いて、ソーダ溶液によってリン酸を中和することによって調製される。リン酸水素二カリウム(第二または二塩基性のリン酸カリウム)K2HPO4は、無定形の白色塩であり、水に容易に溶解する。
リン酸三ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、Na3PO4は、無色の結晶であり、12水和物型では、1.62g/cm3の密度および73〜76℃の融点(分解)を有し、10水和物型(19〜20%P25に対応する)では、100℃の融点を有し、無水型(39〜40%P25に対応する)では、2.536g/cm3の密度を有する。リン酸三ナトリウムは、アルカリ性反応を介して水に容易に溶解し、正確に1モルのリン酸二ナトリウムおよび1モルのNaOHの溶液を蒸発により濃縮することによって調製される。リン酸三カリウム(第三または三塩基性のリン酸カリウム)K3PO4は、密度2.56g/cm3を有する白色の潮解性の顆粒粉末であり、1340℃の融点を有し、アルカリ性反応を介して水に容易に溶解する。これは、例えば、トーマススラグを炭素および硫酸カリウムと共に加熱したときに生成する。価格が高いにもかかわらず、より容易な溶解性であり、従って非常に効果的であるリン酸カリウムは、浄化剤産業においては、対応するナトリウム化合物よりも好ましいことが多い。
二リン酸四ナトリウム(ピロリン酸ナトリウム)Na427は、無水型(密度2.534g/cm3、融点988℃、また880℃とも記載されている)で、および10水和物(密度1.815〜1.836g/cm3、融点94℃で水を損失)として存在する。両物質とも無色の結晶であり、アルカリ性反応を介して水に溶解する。Na427は、リン酸二ナトリウムを>200℃に加熱したときに生成するか、またはリン酸とソーダを化学量論比で反応させ、この溶液を噴霧乾燥することにより生成する。この10水和物は、重金属塩および硬度塩を錯化し、これにより水の硬度を低下させる。二リン酸カリウム(ピロリン酸カリウム)K427は、三水和物型で存在し、密度2.33g/cm3を有する無色の吸湿性粉末であり、水に可溶性であり、25℃での1%溶液のpHは10.4である。
NaH2PO4またはKH2PO4の縮合によって、比較的高分子量のリン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムが生成する。これらを、環状型、即ちメタリン酸ナトリウムおよびメタリン酸カリウム、ならびに、鎖型であるポリリン酸ナトリウムおよびポリリン酸カリウムに分けることができる。特に鎖型は、種々の異なる名称で知られている(即ち、溶融または焼成リン酸塩、グラハム塩、クロール塩、およびマドレール塩)。全ての高級リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムは、縮合リン酸塩として総称して知られている。
工業的に重要な三リン酸五ナトリウムNa5310(トリポリリン酸ナトリウム)は、無水または6H2Oを有する結晶であり、非吸湿性の白色の水溶性塩であり、一般式:NaO-[P(O)(ONa)-O]n-Na(ここでn=3)で示される。100gの水中に、室温で約17gの結晶水を含まない塩が溶解し、60℃で約20gが溶解し、100℃で約32gが溶解する。この溶液を100℃で2時間加熱すると、約8%のオルトリン酸塩および15%の二リン酸塩が加水分解により生成する。三リン酸五ナトリウムの調製の際には、リン酸を、ソーダ溶液または水酸化ナトリウムと化学量論比で反応させ、この溶液を噴霧乾燥する。グラハム塩および二リン酸ナトリウムと同様に、三リン酸五ナトリウムは、多くの不溶性金属化合物(石灰石鹸などを含む)を溶解する。三リン酸五カリウムK5310(トリポリリン酸カリウム)は、例えば、50重量%溶液(>23%P25、25%K2O)の形態で市販されている。ポリリン酸カリウムは、洗剤産業において広く使用されている。さらに、トリポリリン酸ナトリウムカリウムも存在し、これを本発明に従って使用することもできる。これらは、例えばトリメタリン酸ナトリウムをKOHで加水分解したときに、以下のように生成する:
Figure 0004505337
本発明によれば、これらを、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、またはこれらの混合物と全く同様に使用することができる。また、トリポリリン酸ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物、またはトリポリリン酸カリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物、またはトリポリリン酸ナトリウムおよびトリポリリン酸カリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物を、本発明に従って使用することもできる。
本発明の洗浄剤および浄化剤において使用しうる有機補助ビルダーには、特に、ポリカルボキシレートまたはポリカルボン酸、ポリマー性ポリカルボキシレート、ポリアスパラギン酸、ポリアセタール、所望により酸化されたデキストリン、他の有機補助ビルダー(以下を参照)、およびホスホン酸塩が含まれる。これら群の物質を以下に説明する。
有用な有機ビルダーは、例えば、ナトリウム塩の形態で使用しうるポリカルボン酸である。ここで、ポリカルボン酸とは、1を超える酸官能基を保持するカルボン酸であると解される。これらには、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、およびこれらの混合物が含まれる(その使用が環境上の理由から回避されるべきでないとき)。好ましい塩は、ポリカルボン酸、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸、およびこれらの混合物の塩である。
酸自体を使用することもできる。酸は、そのビルダー作用に加えて、酸性化成分の特性をも有するのが普通であり、これにより洗浄剤または浄化剤における比較的低いpHおよび穏やかなpHの確立を助ける(他の成分の混合物に起因するpHが望ましくないとき)。系に適合し、環境的に適合する酸、例えば、クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびこれらの混合物が、ここで特に挙げられる。しかし、無機酸、特に硫酸、または塩基、特にアンモニウムまたはアルカリ水酸化物も、pH調整剤として働くことができる。このような調整剤は、本発明の製剤中に、好ましくは20重量%以下、特に1.2〜17重量%の量で含有される。
他の適当なビルダーはポリマー性ポリカルボキシレートである。これらは、例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩であり、例えば、500〜70000g/モルの相対分子量を有するものである。
ポリマー性ポリカルボキシレートのために本明細書に挙げた分子量は、特定の酸型の重量平均分子量Mwであり、これは基本的にUV検出器を装着したゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって常に測定されたものである。測定は、外的なポリアクリル酸標準に対して行った(これは、調べたポリマーに対する構造的類似性のゆえに、現実的な分子量の値を与える)。これらの値は、標準としてのポリスチレンスルホン酸に対して測定した分子量とは明らかに異なる。ポリスチレンスルホン酸に対して測定した分子量は、本明細書中に挙げた分子量よりも通常は高い。
特に適するポリマーは、好ましくは2000〜20000g/モルの分子量を有するポリアクリレートである。優れた溶解性のゆえに、この群の好ましい代表例は、2000〜10000g/モル、特に3000〜5000g/モルの分子量を有する短鎖ポリアクリレートである。
他の適するコポリマー性ポリカルボキシレートは、特に、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、およびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸とのコポリマーである。50〜90重量%のアクリル酸および50〜10重量%のマレイン酸を含むアクリル酸とマレイン酸のコポリマーが特に適することがわかった。これらの相対分子量は、遊離酸に基づいて、通常は2000〜70000g/モル、好ましくは20000〜50000g/モル、特に30000〜40000g/モルの範囲内である。(コ)ポリマー性のポリカルボキシレートは、粉末または水溶液の形態で使用することができる。組成物の(コ)ポリマー性ポリカルボキシレート含量は、好ましくは0.5〜20重量%、特に1〜10重量%である。
また、水溶性を改善するために、これらポリマーは、モノマーとしてアリルスルホン酸、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタアリルスルホン酸を含有することもできる。
他の特に好ましいポリマーは、2を超える異なるモノマー単位の生分解性ポリマー、例えば、モノマーとしてアクリル酸およびマレイン酸の塩ならびにビニルアルコールもしくはビニルアルコール誘導体を含むポリマー、あるいは、モノマーとしてアクリル酸および2-アルキルアリルスルホン酸の塩および糖誘導体を含むポリマーである。
他の好ましいコポリマーは、好ましくは、モノマーとしてアクロレインおよびアクリル酸/アクリル酸塩またはアクロレインおよび酢酸ビニルを含むコポリマーである。
同様に、他の好ましいビルダーは、ポリマー性アミノジカルボン酸、その塩またはその前駆体である。ポリアスパラギン酸またはその塩および誘導体が特に好ましい。
他の適するビルダーは、ポリアセタールであり、これは、ジアルデヒドとポリオールカルボン酸(5〜7個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する)との反応によって得ることができる。好ましいポリアセタールは、ジアルデヒド(例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドおよびこれらの混合物)から、およびポリオールカルボン酸(例えば、グルコン酸および/またはグルコヘプトン酸)から得られる。
他の適する有機ビルダーは、デキストリン、例えば、デンプンの部分的加水分解によって得られる炭水化物のオリゴマーまたはポリマーである。この加水分解は、通常の方法によって、例えば、酸触媒または酵素触媒の方法によって行うことができる。最終の生成物は、好ましくは、400〜500000g/モルの平均分子量を有する加水分解生成物である。デキストロース当量(DE)が0.5〜40、特に2〜30である多糖が好ましい。ここでDEとは、100のDEを有するデキストロースと比較したときの、多糖の還元作用の容認された尺度である。3〜20のDEを有するマルトデキストリンおよび20〜37のDEを有する乾燥グルコースシロップ、ならびに、2000〜30000g/モルの比較的高い分子量を有するいわゆる黄色デキストリンおよび白色デキストリンを使用することができる。
このようなデキストリンの酸化された誘導体は、糖環の少なくとも1つのアルコール官能基をカルボン酸官能基に酸化しうる酸化剤とデキストリンとの反応生成物である。本発明の製剤に特に好ましい有機ビルダーは、EP472042、WO97/25399およびEP755944の酸化されたデンプンまたはその誘導体である。
他の適する補助ビルダーは、オキシジスクシネートおよびジスクシネートの他の誘導体、好ましくはエチレンジアミンジスクシネートである。エチレンジアミン-N,N'-ジスクシネート(EDDS)は、好ましくは、そのナトリウム塩またはマグネシウム塩の形態で使用される。これに関連して、グリセロールジスクシネートおよびグリセロールトリスクシネートも好ましい。ゼオライト含有および/またはケイ酸塩含有の配合物において使用される量は、3〜15重量%である。
他の有用な有機補助ビルダーは、例えば、アセチル化ヒドロキシカルボン酸またはその塩であり、これらは、所望によりラクトン形態で存在していてもよく、そして、少なくとも4個の炭素原子、少なくとも1つのヒドロキシ基、および多くとも2つの酸基を含んでいる。
補助ビルダー特性を有する別群の物質は、ホスホン酸塩、特に、ホスホン酸ヒドロキシアルカンおよびホスホン酸アミノアルカンである。ホスホン酸ヒドロキシアルカンの中で、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネート(HEDP)が、特に重要な補助ビルダーである。これは、好ましくはナトリウム塩の形態で使用され、二ナトリウム塩は中性の反応を示し、四ナトリウム塩はアルカリ性の反応を示す(pH9)。好ましいホスホン酸アミノアルカンは、エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート(DTPMP)、およびこれらの高級同族体である。これらは、好ましくは、中性のナトリウム塩の形態で、例えば、EDTMPの6ナトリウム塩として、またはDTPMPの7ナトリウム塩および8ナトリウム塩として使用される。これらホスホン酸塩の中で、HEDPをビルダーとして使用するのが好ましい。さらに、ホスホン酸アミノアルカンは、顕著な重金属結合能力を有する。従って、特に製剤が漂白剤をも含有する場合には、ホスホン酸アミノアルカン、特にDTPMPまたは列挙したホスホン酸塩の混合物を使用するのが有利であることもある。
さらに、アルカリ土類金属イオンとの錯体を形成しうるあらゆる化合物を、補助ビルダーとして使用することができる。
本発明の製剤は、所望により、ビルダーを90重量%までの量で、好ましくは75重量%までの量で含有することができる。本発明の洗浄剤は、特に、5〜50重量%のビルダー含量を有する。硬表面を浄化するため、特に、食器を自動浄化するための本発明の製剤において、ビルダー物質の含量は5〜88重量%の範囲であり、このような製剤に水不溶性ビルダー物質を添加しないのが有利である。好ましい態様において、本発明の製剤、特に自動食器洗浄機のための製剤は、20〜40重量%の水溶性有機ビルダー、特にクエン酸アルカリ、5〜15重量%の炭酸アルカリ、および20〜40重量%の二ケイ酸アルカリを含有する。
洗浄剤および浄化剤の液体ないしゲル様の組成物に添加しうる溶媒は、例えば、一価もしくは多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルの群からのものである(これらが、所定の濃度で水と混和しうるとき)。好ましくは、これら溶媒は、エタノール、n-またはi-プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチルまたはプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルまたはエチルエーテル、ジイソプロピレングリコールメチルまたはエチルエーテル、メトキシ、エトキシまたはブトキシトリグリコール、1-ブトキシエトキシ-2-プロパノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、プロピレングリコールt-ブチルエーテル、ならびに、これら溶媒の混合物から選択される。
溶媒は、液体ないしゲル様の洗浄剤および浄化剤に、0.1〜20重量%、好ましくは15重量%以下、特に10重量%以下の量で添加することができる。
粘度を調節するために、1つまたはそれ以上の増粘剤または増粘剤系を、本発明の組成物に添加することができる。これら高分子量の物質(膨潤剤とも呼ばれる)は、通常は液体を吸収し、それによって膨潤し、次いで粘稠な真のまたはコロイド性の溶液に変換する。
適する増粘剤は、無機またはポリマー性の有機化合物である。無機の増粘剤には、例えば、ポリケイ酸、粘土(例えば、モンモリロナイト、ゼオライト、シリカおよびベントナイト)が含まれる。有機の増粘剤は、天然ポリマー、修飾された天然ポリマーおよび合成ポリマーの群から導かれる。このような天然ポリマーは、例えば、寒天、グアールゴム、アラビアゴム、アルギン酸塩、ペクチン、ポリオース、キサンタンゴム、カラヤゴム、イナゴマメ粉末、デンプンおよびセルロースである。その例は、カルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースならびに粉末エーテルである。全合成の増粘剤は、ポリマー、例えば、ポリアクリル化合物およびポリメタクリル化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミドならびにポリウレタンである。
増粘剤は、最終の調製物を基準に、5重量%まで、好ましくは0.05〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1.5重量%の量で存在することができる。
本発明の洗浄剤および浄化剤は、所望により、他の成分、例えば金属イオン封鎖剤、電解質、およびさらなる助剤を含有することができる。
織物のための洗浄剤は、蛍光増白剤として、ジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体またはそのアルカリ金属塩を含むことができる。適する蛍光増白剤は、例えば、4,4'-ビス(2-アニリノ-4-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ)スチルベン-2,2'-ジスルホン酸の塩または同様の構造の化合物(モルホリノ基の代わりに、ジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基または2-メトキシエチルアミノ基を含む)である。また、置換されたジフェニルスチリル型の増白剤、例えば、4,4'-ビス(2-スルホスチリル)ジフェニル、4,4'-ビス(4-クロロ-3-スルホスチリル)ジフェニル、または4-(4-クロロスチリル)-4'-(2-スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ金属塩が存在することもできる。上記の増白剤の混合物を使用することもできる。
灰色化抑制剤は、繊維から剥落した汚れを、液中に懸濁したまま維持する機能を有する。この目的に適するのは、通常は有機性の水溶性コロイドであり、その例は、デンプン、にかわ、ゼラチン、デンプンもしくはセルロースのエーテルカルボン酸またはエーテルスルホン酸の塩、あるいは、セルロースもしくはデンプンの酸性硫酸エステルの塩である。酸性の基を含む水溶性ポリアミドもこの目的に適する。さらに、上記したもの以外の可溶性デンプン調製物およびデンプン生成物、例えばアルデヒドデンプンを使用することもできる。しかし好ましくは、セルロースエーテル、例えば、カルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、および混合エーテル、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、およびこれらの混合物を使用する。これらは、例えば、製剤を基準に0.1〜5重量%の量で添加することができる。
銀腐食保護を実現するために、銀保護剤を、本発明の食器用浄化剤に添加することができる。例えば、ベンゾトリアゾール、塩化鉄(III)またはCoSO4が従来技術から既知である。例えば、欧州特許EP0736084B1から既知であるように、酵素と一緒に使用するのに特に適する銀保護剤は、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルトまたはセリウムの塩および/または錯体(これらの金属が、原子価状態II、III、IV、VまたはVIで存在する)である。このような化合物の例は、MnSO4、V25、V24、VO2、TiOSO4、K2TiF6、K2ZrF6、Co(NO3)2、Co(NO3)3、およびこれらの混合物である。
「汚れ解放」活性物質または「汚れ忌避剤」は、通常はポリマーであり、これは、洗浄剤において使用したときに、洗濯物の繊維に対して汚れ忌避特性を付与し、そして/または通常の洗浄剤成分の汚れ解放力を増強する。また、硬表面用の浄化剤においてこれらを使用することにより、同等の効果を観察することができる。
特に効果的であり、かつ以前から既知である汚れ解放剤は、ジカルボン酸、アルキレングリコールおよびポリアルキレングリコール単位を有するコポリエステルである。これらの例は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリオキシエチレングリコールのコポリマーまたは混合ポリマーである(それぞれ、DT1617141およびDT2200911)。独国特許出願公開DT2253063は、特に、二塩基酸とアルキレンまたはシクロアルキレンポリグリコールのコポリマーを含有する酸組成物を開示している。独国特許出願DE2857292およびDE3324258ならびに欧州特許EP0253567は、エチレンテレフタレートおよびポリエチレンオキシドテレフタレートのポリマー、ならびに、洗浄剤におけるそれらの使用を記載している。欧州特許EP066944は、特定のモル比の、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、芳香族ジカルボン酸、およびスルホン化芳香族ジカルボン酸のコポリエステルを含有する製剤に関する。欧州特許EP0185427は、メチル基またはエチル基で末端キャップしたポリエステルであって、エチレンおよび/またはプロピレンテレフタレート単位およびポリエチレンオキシドテレフタレート単位を有するポリエステル、ならびに、このような汚れ解放ポリマーを含有する洗浄剤を開示している。欧州特許EP0241984は、オキシエチレン基およびテレフタル酸単位に加えて、置換されたエチレン単位およびグリセロール単位を含むポリエステルに関する。欧州特許EP0241985は、オキシエチレン基およびテレフタル酸単位に加えて、1,2-プロピレン、1,2-ブチレンおよび/または3-メトキシ-1,2-プロピレン基ならびにグリセロールを含み、かつC1〜C4アルキル基で末端キャップされたポリエステルを開示している。欧州特許出願EP0272033は、ポリプロピレンテレフタレート単位およびポリオキシエチレンテレフタレート単位を有するポリエステルであって、C1-4アルキル基またはアシル基によって少なくとも部分的に末端キャップされたポリエステルを開示している。欧州特許EP0274907は、スルホエチル基で末端キャップされたテレフタレート含有の汚れ解放ポリエステルを記載している。欧州特許出願EP0357280によれば、不飽和末端基のスルホン化によって、テレフタレート単位、アルキレングリコール単位およびポリC2-4グリコール単位を有する汚れ解放ポリエステルが製造されている。国際特許出願公開WO95/32232は、汚れを忌避する酸性の芳香族ポリエステルに関する。国際特許出願公開WO97/31085は、綿材料のための、複数の機能性単位を有する非ポリマー性の汚れ忌避剤を開示している(第1の単位は、陽イオン性であってよく、例えば、静電的な相互作用によって綿の表面に吸着することができ、そして第2の単位は、疎水性であり、水/綿の界面における活性成分の保持の原因となる)。
本発明の織物用洗浄剤において使用しうる色移行抑制剤には、特に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリマー性Nオキシド、例えば、ポリビニルピリジン-N-オキシドおよびビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーが含まれる。
自動浄化プロセスにおいて製剤を使用する際には、発泡抑制剤を添加するのが有利になりうる。適する発泡抑制剤には、例えば、高含量のC18-C24脂肪酸を有する天然または合成起源の石鹸が含まれる。適する非界面活性剤型の発泡抑制剤は、例えば、有機ポリシロキサンおよびこれと微細な所望によりシラン処理されたシリカとの混合物、ならびに、パラフィン、ワックス、微結晶性ワックスおよびこれらとシラン処理されたシリカまたはビス-ステアリルエチレンジアミドとの混合物である。異なる発泡抑制剤の混合物、例えば、シリコーン、パラフィンまたはワックスの混合物を使用するのも有利である。これらの発泡抑制剤、特に、シリコーンおよび/またはパラフィンを含有する発泡抑制剤を、好ましくは、顆粒状の水溶性または水分散性の担持物質に付加する。この場合には特に、パラフィンおよびビス-ステアリルエチレンジアミドの混合物が好ましい。
さらに、本発明の硬表面用の浄化剤は、研磨作用を有する成分(特に、石英粉末、木材粉末、プラスチック粉末、チョークおよびガラスミクロビーズならびにこれらの混合物からなる群からの成分)を含有する。本発明の浄化剤中は、好ましくは20重量%以下、特に、5〜15重量%の研磨物質を含有する。
製品の審美的な印象を改善するため、ならびに、消費者に所望の性能だけでなく、視覚的かつ感覚的に「典型的かつ錯誤のない」製品を提供するために、着色剤および芳香剤を、洗浄剤および浄化剤に添加することができる。適する芳香油または芳香剤には、個々の芳香化合物、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の合成生成物が含まれる。エステル型の芳香化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが含まれ;アルデヒドには、例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびボージュナールが含まれ;ケトンには、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンが含まれ;アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールが含まれ;炭化水素には、特にテルペン(例えば、リモネンおよびピネン)が含まれる。しかし、一緒になって魅力的な香気を生じる異なる芳香剤の混合物を使用するのが好ましい。また、このような芳香油は、植物供給源から得られる天然の芳香剤混合物、例えば、松根油、柑橘油、ジャスミン油、パチョリ油、バラ油またはイランイラン油を含んでいてもよい。また適するのは、マスカテル油、セージ油、カモミール油、チョウジ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ビャクシン実油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油およびラブダナム油、さらに、オレンジ花油、ネロリ油、オレンジ果皮油およびビャクダン油である。通常、染料の含量は、洗浄剤および浄化剤の配合物全体の0.01重量%未満であり、芳香剤は配合物全体の2重量%までを構成していてよい。
芳香剤は、洗浄剤および浄化剤中に直接導入することができるが、芳香剤を担体に適用するのが有利になることもある。この後者は、洗浄時の芳香剤の吸着を強化し、従って、芳香剤の解放を減少させることによって織物上の長く持続する芳香を確実にする(特に、処理した織物に対して)。適する担体物質は、例えばシクロデキストリンであることがわかった(シクロデキストリン/芳香剤の複合体を所望により他の助剤で被覆する)。芳香剤のための別の好ましい担体は、上記したゼオライトXであり、これは、界面活性剤の代わりにまたは界面活性剤と混合して、芳香剤を吸収することができる。即ち、好ましい洗浄剤および浄化剤は、上記したゼオライトXおよび芳香剤(これは、少なくとも部分的にゼオライト上に吸着されているのが好ましい)を含有する。
好ましい着色剤(その選択は、当業者にとって困難ではない)は、高い貯蔵安定性を有しており、洗剤の他の成分および光によって影響を受けず、そして、織物繊維に対する顕著な染色性を持たずそれを着色することがない。
微生物を制御するため、洗浄剤または浄化剤は、抗微生物剤を含有することができる。抗微生物スペクトルおよび作用機序に依存して、抗微生物剤は、静菌剤および殺菌剤、静菌類剤および殺菌類剤などと分類される。これらの群の重要な代表例は、塩化ベンズアルコニウム、スルホン酸アルキルアリール、ハロゲンフェノールおよび酢酸フェノール水銀である。本発明の教示の範囲内では、「抗微生物活性」および「抗微生物剤」という用語は、通常の技術的意味を有し、これは、例えば、K.H.Wallhaeusserの「Praxis der Sterilisation, Desinfektion-Konservierung: Keimidentifizierung-Betriebshygiene」[第5版、Stuttgart/New York:Thieme、1995]に規定されており、そこに記載された抗微生物活性を有する全ての物質を使用することができる。適する抗微生物剤は、好ましくは、以下の群から選択される。即ち、アルコール、アミン、アルデヒド、抗微生物性の酸またはその塩、カルボン酸エステル、酸アミド、フェノール、フェノール誘導体、ジフェニル、ジフェニルアルカン、尿素誘導体、酸素および窒素のアセタールおよびホルマール、ベンズアミジン、イソチアゾリン、フタルイミド誘導体、ピリジン誘導体、抗微生物性の界面活性化合物、グアニジン、抗微生物性の両性化合物、キノリン、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、ヨード-2-プロピルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨードフォア、ペルオキシ化合物、ハロゲン化合物、ならびに上記の混合物から選択される。
抗微生物活性物質は、以下から選択することができる。即ち、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、1,3-ブタンジオール、フェノキシエタノール、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、ウンデシレン酸、安息香酸、サリチル酸、ジヒドロ酢酸、o-フェニルフェノール、N-メチルモルホリン-アセトニトリル(MMA)、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2,2'-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、4,4'-ジクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(ジクロサン)、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、クロロヘキシジン、N-(4-クロロフェニル)-N-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、N,N'-(1,10-デカンジイルジ-1-ピリジニル-4-イリデン)-ビス(1-オクタンアミン)ジヒドロクロリド、N,N'-ビス(4-クロロフェニル)-3,12-ジイミノ-2,4,11,13-テトラアザテトラデカンジイミドアミド、グルコプロタミン、抗微生物性の界面活性第四級化合物、グアニジン(ビグアニジンおよびポリグアニジンを含む)、例えば、1,6-ビス(2-エチルヘキシルビグアニドヘキサン)ジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-フェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-フェニル-N1,N1-メチルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-2,6-ジクロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-[N1,N1'-β-(p-メトキシフェニル)ジグアニド-N5,N5']ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-α-メチル-β-フェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-p-ニトロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、ω:ω-ジ-(N1,N1'-フェニルジグアニド-N5,N5')-ジ-n-プロピルエーテルジヒドロクロリド、ω:ω-ジ-(N1,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')-ジ-n-プロピルエーテルテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-2,4-ジクロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-p-メチルフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-2,4,5-トリクロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-[N1,N1'-α-(p-クロロフェニル)エチルジグアニド-N5,N5']ヘキサンジヒドロクロリド、ω:ω-ジ-(N1,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')m-キシレンジヒドロクロリド、1,12-ジ-(N1,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')ドデカンジヒドロクロリド、1,10-ジ-(N1,N1'-フェニルジグアニド-N5,N5')デカンテトラヒドロクロリド、1,12-ジ-(N1,N1'-フェニルジグアニド-N5,N5')ドデカンテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-[N1,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンテトラヒドロクロリド、エチレン-ビス(1-トリルビグアニド)、エチレン-ビス(p-トリルビグアニド)、エチレン-ビス(3,5-ジメチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(p-tert-アミルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(ノニルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(フェニルビグアニド)、エチレン-ビス(N-ブチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(2,5-ジエトキシフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(2,4-ジメチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(o-ジフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(混合アミルナフチルビグアニド)、N-ブチルエチレン-ビス(フェニルビグアニド)、トリメチレンビス(o-トリルビグアニド)、N-ブチルトリメチレン-ビス(フェニルビグアニド)、ならびに、対応する塩、例えば、酢酸塩、グルコン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、亜硫酸水素塩、フッ化物、ポリマレイン酸塩、N-ヤシ油アルキルサルコシン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、パーフルオロオクタン酸塩、ケイ酸塩、ソルビン酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、イミノ二酢酸塩、桂皮酸塩、チオシアン酸塩、アルギン酸塩、ピロメリト酸塩、テトラカルボキシ酪酸塩、安息香酸塩、グルタル酸塩、モノフルオロリン酸塩、パーフルオロプロピオン酸塩、ならびに、これらの任意の混合物から選択することができる。さらに、ハロゲン化キシレンおよびクレゾール誘導体(例えば、p-クロロメタクレゾールまたはp-クロロメタキシレン)、ならびに植物起源(例えば、スパイスまたはハーブ由来)、動物起源および微生物起源の天然の抗微生物活性成分が適している。好ましい抗微生物剤は、抗微生物性の界面活性第四級化合物、植物起源の天然の抗微生物剤および/または動物起源の天然の抗微生物剤であり、最も好ましくは、カフェイン、テオブロミンおよびテオフィリンを含む群からの植物起源の少なくとも1つの天然の抗微生物剤、ならびに、精油(例えば、オイゲノール、チモールおよびゲラニオール)、および/または、酵素(例えば、ミルクタンパク質、リゾチームおよびラクトペルオキシダーゼ)を含む群からの動物起源の少なくとも1つの天然の抗微生物剤、および/または、少なくとも1つの抗微生物性の界面活性第四級化合物(アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ヨードニウムまたはアルソニウム基を有する)、ペルオキシ化合物、ならびに塩素化合物である。微生物起源の物質、いわゆるバクテリオジンを使用することもできる。
抗微生物剤として適する第四アンモニウム化合物(QUATS)は、一般式:(R1)(R2)(R3)(R4)N+-を有する[ここで、R1〜R4は、同一または異なっていてよく、C1-22アルキル基、C7-28アラルキル基または複素環式基であり、ここで、2つの基またはピリジンなどの芳香族化合物の場合には3つの基は、窒素原子と一緒になって、複素環、例えばピリジニウムまたはイミダゾリニウム化合物を形成し、そしてX-は、ハロゲンイオン、硫酸イオン、水酸化物イオンまたは同様の陰イオンである]。最適の抗微生物活性のためには、これら置換基の少なくとも1つは、好ましくは8〜18個、より好ましくは12〜16個の炭素原子の鎖長を有する。
QUATSは、第三アミンとアルキル化剤(例えば、塩化メチル、塩化ベンジル、硫酸ジメチル、臭化ドデシル、さらにエチレンオキシドなど)との反応によって得ることができる。1つの長いアルキル鎖および2つのメチル基を有する第三アミンのアルキル化が特に容易である。2つの長い鎖および1つのメチル基を有する第三アミンの四級化も、塩化メチルを用いて温和な条件下で行うことができる。3つの長いアルキル鎖またはヒドロキシ置換アルキル鎖を有するアミンは、反応性が低く、硫酸ジメチルを用いて四級化するのが好ましい。
適当なQUATSは、例えば、塩化ベンズアルコニウム(N-アルキル-N,N-ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、CAS番号8001-54-5)、ベンザルコンB(m,p-ジクロロベンジルジメチル-C12-アルキルアンモニウムクロリド、CAS番号58390-78-6)、塩化ベンズオキソニウム[ベンジルドデシル-ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド]、臭化セトリモニウム(N-ヘキサデシル-N,N-トリメチルアンモニウムブロミド、CAS番号57-09-0)、塩化ベンズエトニウム(N,N-ジメチル-N-[2-[2-[p-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシ]エトキシ]エチル]ベンジルアンモニウムクロリド、CAS番号121-54-0)、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、例えば、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド(CAS番号7173-51-5-5)、臭化ジデシルジメチルアンモニウム(CAS番号2390-68-3)、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、1-セチルピリジニウムクロリド(CAS番号123-03-5)およびヨウ化チアゾリン(CAS番号15764-48-1)、ならびにこれらの混合物である。特に好ましいQUATSは、C8-18アルキル基を有する塩化ベンズアルコニウム、特に、C12-14アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドである。
ハロゲン化ベンズアルコニウムおよび/またはハロゲン化置換ベンズアルコニウムは、例えば、Barquat(Lonzaより)、Marquat(Masonより)、Variquat(Witco/Sherexより)、Hyamine(Lonzaより)、およびBardac(Lonzaより)として市販されている。他の市販の抗微生物剤は、N-(3-クロロアリル)ヘキサミニウムクロリド、例えばDowicideおよびDowicil(Dowより)、塩化ベンズエトニウム、例えばHyamine 1622(Rohm & Haasより)、塩化メチルベンズエトニウム、例えばHyamine 10X(Rohm & Haasより)、塩化セチルピリジニウム、例えば塩化セパコール(Merrell Labsより)である。
抗微生物剤は、0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.8重量%、特に好ましくは0.005〜0.3重量%、最も好ましくは0.01〜0.2重量%の量で使用される。
本組成物は、処理された織物に付着し、繊維の光安定性および/または他の配合物成分の光安定性を改善するUV吸収剤を含有することもできる。UV吸収剤とは、紫外線放射を吸収し、吸収したエネルギーを長波長放射の形態(例えば、熱)で放射しうる有機化合物(光保護フィルター)を意味すると解される。
これらの所望の特性を有する化合物は、例えば、2位および/または4位に置換基を有するベンゾフェノンの有効な無放射の不活性化誘導体である。また適するのは、置換されたベンゾトリアゾール、3位でフェニル置換されたアクリレート(所望により2位にシアノ基を有する桂皮酸誘導体)、サリチル酸塩、有機Ni錯体ならびに天然物質(例えば、ウンベリフェロンおよび内因性ウロカニン酸)である。ビフェニルおよび特にスチルベン誘導体[例えば、EP0728749Aに記載され、CibaよりTinsorb FDまたはTinosorb FRとして市販されている]が特に重要である。挙げることができるUV-B吸収剤は、以下のものである:3-ベンジリデンカンファーまたは3-ベンジリデンノルカンファーおよびこれらの誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)カンファー(EP0693471B1に記載);4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシルエステル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-オクチルエステルおよび4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;桂皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシ桂皮酸2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシ桂皮酸プロピルエステル、4-メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、2-シアノ-3,3-フェニル桂皮酸2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸4-イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル;ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4-メトキシベンズマロン酸ジ-2-エチルヘキシルエステル;トリアジン誘導体、例えばEP0818450A1に記載される2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジンおよびオクチルトリアゾン、またはジオクチルブタアミドトリアゾン[Uvasorb HEB];プロパン-1,3-ジオン、例えば、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン;ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体(EP0694521B1に記載)。さらに適するのは、以下のものである:2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸およびそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルクアンモニウムの塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸ならびにこれらの塩。
代表的なUV-Aフィルターには、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えばDE19712033A1(BASF)に記載されているような1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)、1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、およびエナミン化合物が含まれる。また、UV-AおよびUV-Bフィルターは、当然ながら混合物として添加することもできる。このような可溶性物質に加えて、不溶性の光保護顔料、即ち、微細に分散させた好ましくはナノ化された金属酸化物または塩も、この目的に考慮することができる。適する金属酸化物の例は、特に酸化亜鉛および酸化チタンであり、さらに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物ならびにこれらの混合物である。ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛を、塩として添加することができる。これら酸化物および塩は、皮膚ケアおよび皮膚保護エマルジョンおよび美容化粧品のための顔料として既に使用されている。ここで、粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に15〜30nmの平均直径を有すべきである。これらは、球形であってよいが、楕円形または他の形状の粒子を使用することもできる。また、顔料を表面処理することもできる(即ち、親水性化または疎水性化することができる)。代表的な例は、被覆された二酸化チタン[例えば、Titandioxid Z 805(Degussa)またはEusolex T2000(Merck)など]である。ここで、疎水性の被覆剤には、好ましくはトリアルコキシオクチルシランまたはシリコーンが含まれる。ミクロ化した酸化亜鉛を使用するのが好ましい。さらに適するUV光保護フィルターは、P.Finkelによる概説[SOEFW-Journal 122 (1996)、p.543]に見い出すことができる。
UV吸収剤は、通常は0.01〜5重量%、好ましくは0.03〜1重量%の量で使用される。
本発明の製剤は、その洗浄力または浄化力を増大させるために、本発明の酵素に加えて、追加の酵素(原則的に、この目的に使用しうることが当分野で確立されているあらゆる酵素)を含有することができる。これらには、特に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼまたはオキシドレダクターゼならびに好ましくはこれらの混合物が含まれる。原則的に、これらの酵素は天然起源のものであるが、天然分子に基づく改善された変異体が洗浄剤および浄化剤において使用するために利用可能であり、これらが好ましい。本発明の製剤は、酵素を、活性なタンパク質を基準に、1×10-6〜5重量%の合計量で含有しているのが好ましい。タンパク質濃度は、既知の方法、例えばBCA法(ビシンコニン酸;2,2'-ビシノリル-4,4'-ジカルボン酸)またはビウレット法[A.G.Gornall、C.S.BardawillおよびM.M.David、J.Biol.Chem.、177 (1948)、p.751-766]を用いて測定することができる。
好ましいプロテアーゼは、スブチリシン型のものである。これらの例は、スブチリシンBPN'およびCarlsberg、プロテアーゼPB92、スブチリシン147および309、Bacillus lentus由来のアルカリ性プロテアーゼ、スブチリシンDY、ならびに、より厳格な意味においてスブチリシン類とはもはや分類されないスブチラーゼ類の酵素、サーミターゼ、プロテイナーゼKおよびプロテアーゼTW3およびTW7である。さらに開発した形態にあるスブチリシンCarlsbergが、商標名 AlcalaseのもとでNovozymes A/S(Bagsvaerd、デンマーク)から入手可能である。スブチリシン147および309は、商標名 EsperaseおよびSavinaseのもとでNovozymes社から市販されている。Bacillus lentus DSM 5483(WO91/02792A1)由来のプロテアーゼから導いた変異体は、BLAPと称され、特に、WO92/21760A1、WO95/23221A1、WO02/088340A2およびWO03/038082A2に記載されている。種々のBacillus sp.およびB.gibsoniiに由来する別の使用しうるプロテアーゼが、国際特許出願公開WO03/054185A1、WO03/056017A2、WO03/055974A2およびWO03/054184A1から明らかである。
他の使用しうるプロテアーゼは、例えば、商標名 Durazym、Relase、Everlase、Nafizym、Natalase、KannaseおよびOvozymesのもとでNovozymes社から入手しうる酵素、商標名 Purafect、Purafect OxPおよびProperaseのもとでGenencorから入手しうる酵素、商標名 ProtosolのもとでAdvanced Biochemicals Ltd.(Thane、インド)から入手しうる酵素、商標名 WuxiのもとでWuxi Snyder Bioproducts Ltd.(中国)から入手しうる酵素、商標名 ProleatherおよびProtease PのもとでAmano Pharmaceuticals Ltd.(名古屋、日本)から入手しうる酵素、ならびに、名称 Proteinase K-16のもとでKao Corp.(東京、日本)から入手しうる酵素である。
本発明に係る別の使用しうるアミラーゼの例は、Bacillus licheniformis由来、B.amyloliquefaciens由来およびB.stearothermophilus由来のα-アミラーゼ、ならびに、洗浄剤および浄化剤において使用するためにさらに改善されたこれらの開発体である。B.licheniformis由来の酵素は、Novozymes社から名称 Termamylのもとで、およびGenencor社から名称 Purastar STのもとで入手可能である。このα-アミラーゼの他の開発生成物が、Novozymes社から商標名 DuramylおよびTermamyl ultraのもとで、Genencor社から名称 Purastar OxAmのもとで、およびDaiwa Seiko Inc.社(東京、日本)からKeistaseとして入手可能である。B.amyloliquefaciens由来のα-アミラーゼは、Novozymes社により名称 BANのもとで市販されており、B.stearothermophilus由来のα-アミラーゼから導いた変異体は、名称 BSGおよびNovamylのもとで、これらもNovozymes社から市販されている。
さらに、上記目的のために、国際特許出願公開WO02/10356A2に開示されているBacillus sp. A7-7 (DSM 12368)由来のα-アミラーゼならびにWO02/44350A2に開示されているB.agaradherens (DSM 9948)由来のシクロデキストリン-グルカノトランスフェラーゼ(CGTアーゼ)に注目すべきである。国際特許出願公開WO03/002711A2に規定されているα-アミラーゼの配列空間に属するアミロース分解酵素、ならびに、国際特許出願公開WO03/054177A2に記載されているものを使用することもできる。同様に、記載された分子の融合生成物、例えば、独国特許出願公開DE10138753A1に記載された融合生成物を使用することもできる。
さらに、Novozymes社から商標名 Fungamylのもとで入手しうるAspergillus nigerおよびA.oryzae由来のα-アミラーゼのさらなる開発体も適している。他の適する市販生成物は、例えばAmylase-LTである。
本発明の製剤は、リパーゼまたはクチナーゼを、特にこれらのトリグリセリド切断活性のゆえに、さらに適当な予備工程から過酸をその場で生成するために、含有することができる。これらには、Humicola lanuginosa (Thermomyces lanuginosus)由来の入手可能かまたはさらに開発されたリパーゼ、特にアミノ酸置換D96Lを有するものが含まれる。これらは、例えば、Novozymes社から商標名 Lipolase、Lipolase Ultra、LipoPrime、LipozymeおよびLipexのもとで市販されている。さらに、適するクチナーゼは、例えばFusarium solani pisiおよびHumicola insolensから初めて単離されたクチナーゼである。同様に使用しうるリパーゼは、Amano社から名称 Lipase CE、Lipase P、Lipase B、およびLipase CES、Lipase AKG、Bacillis sp. Lipase、Lipase AP、Lipase M-APおよびLipase AMLのもとで入手可能である。適するリパーゼまたはクチナーゼ(その出発酵素がPseudomonas mendocinaおよびFusarium solaniiから初めて単離された)は、例えばGenencor社から入手可能である。挙げることができる他の重要な市販生成物は、Gist-Brocades社からの市販調製物 M1 LipaseおよびLipomax、Meito Sangyo株式会社(日本)からの市販酵素 Lipase MY-30、Lipase OFおよびLipase PL、ならびに、Genencor社からの生成物 Lumafastである。
本発明の製剤は、特にそれらを織物処理に使用するときには、それらの目的に応じてセルラーゼを、純粋酵素として、酵素調製物として、または混合物(個々の成分がそれらの種々の効果を有利に補足する)の形態で含有することができる。これらの効果には、特に、生成物の一次洗浄性能、二次洗浄性能への寄与(再付着防止活性または灰色化抑制)、柔軟化または増白化(織物に対する効果)、「石洗い」効果の発揮が含まれる。
使用しうる菌類エンドグルカナーゼ(EG)に富むセルラーゼ調製物またはそのさらなる開発体は、Novozymes社から商標名 Celluzymeのもとで提供されている。また、H.insolens DSM 1800由来の50kD-EG、43kD-EGにそれぞれ基づく、生成物 EndolaseおよびCarezymeもNovozymes社から入手可能である。この後者は国際特許出願公開WO96/29397A1に基づく。改善された性能を有するセルラーゼ変異体が、例えば国際特許出願公開WO98/12307A1に記載されている。同様に、国際特許出願公開WO97/14804A1に開示されているセルラーゼを使用することもできる。例えば、Melanocarpus由来の20kD-EGセルラーゼが、AB Enzymes社(フィンランド)から商標名 EcostoneおよびBiotouchのもとで入手可能である。AB Enzymes社からの他の市販生成物は、EconaseおよびEcopulpである。Bacillus sp.由来の他の適するセルラーゼ CBS 670.93およびCBS 669.93が、国際特許出願公開WO96/34092に開示されており、Bacillus sp.由来のCBS 670.93は、Genencor社から商標名 Puradaxのもとで入手可能である。Genencor社からのさらなる市販生成物は、「Genencor 洗剤セルラーゼL」およびIndiageNeutraである。
本発明の製剤は、特に具体的な問題である汚れを除去するために、用語「ヘミセルラーゼ」のもとでまとめられる追加の酵素を含有することができる。これらには、例えば、マンナナーゼ、キサンタンリアーゼ、ペクチンリアーゼ(=ペクチナーゼ)、ペクチンエステラーゼ、ペクタットリアーゼ(pectatlyase)、キシログルカナーゼ(=キシラナーゼ)、プルラナーゼおよびβ-グルカナーゼが含まれる。適するマンナナーゼは、例えば、名称 GamanaseおよびPektinex ARのもとでNovozymes社から、名称 Rohapec B1LのもとでAB Enzymesから、および名称 PyrolaseのもとでDiversa Corp.社(San Diego、CA、米国)から入手可能である。B.alcalophilus由来の適するβ-グルカナーゼは、例えば国際特許出願公開WO99/06573A1に記載されている。B.subtilisから抽出したβ-グルカナーゼは、名称 CerefloのもとでNovozymes社から入手可能である。
漂白作用を増大させるために、本発明の洗浄剤または浄化剤は、オキシドレダクターゼ、例えばオキシダーゼ、オキシゲナーゼ、ケタラーゼ、ペルオキシダーゼ、例えばハロゲン-、クロロ-、ブロモ-、リグニン-、グルコース-またはマンガン-ペルオキシダーゼ、ジオキシゲナーゼまたはラッカーゼ(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)を含有することができる。適する市販生成物は、Novozymes社からのDenilite 1および2である。有利には、酵素と相互作用して、関連のオキシドレダクターゼの活性を増強(エンハンサー)するか、または大きく異なるレドックス電位にわたって酸化性酵素と汚れの間の電子の流れを促進(メディエーター)する、追加の好ましくは有機の、特に好ましくは芳香族の化合物を添加する。
本発明の製剤において使用される酵素は、微生物、例えばBacillus、Streptomyces、HumicolaまたはPseudomonasの種から初めに得られ、そして/または、既知の生物工学的方法に従い、適する微生物を用いて、例えば糸状菌類またはBacillus種のトランスジェニック発現宿主によって製造される。
次いで、関連酵素の精製を、確立された方法を用いて、例えば液相の沈殿、沈降、濃縮、濾過、ミクロ濾過、限外濾過、化学物質との混合、脱臭またはこれら工程の適当な組合せを用いて好都合に行う。
酵素を、従来技術に従ってそれぞれ確立された形態にある本発明の製剤に添加することができる。ここで包含されるのは、例えば、顆粒化、押出または凍結乾燥によって得られる固体調製物、あるいは、特に液体製剤またはゲル形態の製剤、酵素溶液(有利には、高濃縮され、低含水量であり、そして/または、安定剤と混合されている)である。
別の適用形態として、酵素を、例えば、好ましくは天然ポリマーと共に酵素溶液を噴霧乾燥または押出することによって、あるいは、カプセルの形態(例えば、酵素が固化されたゲル中に埋入されている形態)で、またはコア-シェル型の形態(酵素含有コアが水-、空気-および/または化学物質-不浸透性の保護層で被覆されている形態)で封入することができる。他の活性成分、例えば、安定剤、乳化剤、顔料、漂白剤または着色剤を、追加の層で適用することができる。このようなカプセルを、既知の方法を用いて、例えば、振動顆粒化またはロール圧密によって、あるいは、流動床法によって製造する。有利には、これら種類の顆粒(例えば、ポリマー皮膜形成剤が適用された顆粒)は、ほこりのないものであり、被覆の結果として、貯蔵安定性である。
さらに、単一の顆粒が複数の酵素活性を示すように、2つまたはそれ以上の酵素を一緒に配合することができる。
含有される酵素、特に含有されるコリンオキシダーゼのタンパク質濃度は、既知の方法、例えばBCA法(ビシンコニン酸;2,2'-ビキノリル-4,4'-ジカルボン酸)またはビウレット法[A.G.Gornall、C.S.BardawillおよびM.M.David、J.Biol.Chem.、177 (1948)、p.751-766]を用いて測定することができる。
本発明の製剤中のタンパク質および/または酵素を、特に貯蔵中に、品質低下(例えば不活性化、変性または分解などであり、例えば物理的影響、酸化またはタンパク質分解切断による)から保護することができる。特に組成物がプロテアーゼをも含有しているときには、タンパク質および/または酵素の微生物調製中のタンパク質分解の抑制が特に好ましい。本発明の好ましい組成物は、この目的のために安定剤を含有する。
安定剤の1つの群は、可逆的プロテアーゼ阻害剤である。このために、ベンズアミジン塩酸塩、ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸またはこれらの塩もしくはエステルが使用されることが多い。特に、芳香族基を有する誘導体、例えばオルト置換、メタ置換またはパラ置換されたフェニルボロン酸、またはこれらの塩もしくはエステルが使用されることが多い。また、ペプチドアルデヒド、即ち還元されたC末端を有するオリゴペプチド、特に2〜50個のモノマーのオリゴペプチドも適している。特に、オボムコイドおよびロイペプチンが、ペプチド性の可逆的プロテアーゼ阻害剤に属する。また、プロテアーゼ スブチリシンのための特異的な可逆性ペプチド阻害剤ならびにプロテアーゼと特異的ペプチド阻害剤からの融合タンパク質も適している。
さらなる酵素安定剤は、アミノアルコール(例えば、モノ、ジ、トリエタノールおよびプロパノールアミンならびにこれらの混合物)、C12までの脂肪族カルボン酸、例えばコハク酸、他のジカルボン酸またはこのような酸の塩である。また、末端キャップした脂肪酸アミドアルコキシレートもこの目的に適する。国際特許出願公開WO97/18287に開示されているように、ビルダーとして使用される特定の有機酸は、含有される酵素を追加で安定化することができる。
低級脂肪族アルコール、特にポリオール(例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはソルビトールなど)は、さらに使用されることが多い酵素安定剤である。また、リン酸ジグリセロールも、物理的影響による変性から保護する。同様に、カルシウム塩および/またはマグネシウム塩も使用される(例えば、酢酸カルシウムまたはギ酸カルシウムなど)。
ポリアミドオリゴマーまたはポリマー性化合物、例えばリグニン、水溶性ビニルコポリマーまたはセルロースエーテル、アクリルポリマーおよび/またはポリアミドは、酵素調製物を、物理的影響またはpH変動に対して安定化する。ポリアミンN-オキシド含有ポリマーは、酵素安定剤として、および色移行抑制剤として同時に作用する。他のポリマー性安定剤は直鎖C8-18ポリオキシアルキレンである。また、アルキルポリグリコシドは、本発明の製剤の酵素成分を安定化することができ、さらにその性能を有利に増大させることもできる。架橋した窒素含有化合物は、汚れ解放剤としておよび酵素安定剤として、二重の機能を有利に発揮する。疎水性の非イオン性ポリマーは、特に、所望により存在するセルラーゼを安定化する。
還元剤および酸化防止剤は、酸化分解に対する酵素の安定性を増大させる。この場合、イオウ含有還元剤が使用されるのが普通である。他の例は、亜硫酸ナトリウムおよび還元糖である。
安定剤の組合せ、例えば、ポリオール、ホウ酸および/またはホウ砂の組合せ、ホウ酸またはホウ酸塩、還元性の塩およびコハク酸または他のジカルボン酸の組合せ、あるいは、ホウ酸またはホウ酸塩と、ポリオールまたはポリアミノ化合物との、および還元性の塩との組合せの使用が特に好ましい。ペプチド-アルデヒド安定剤の効果は、ホウ酸および/またはホウ酸誘導体およびポリオールとの組合せによって好都合に増大し、二価陽イオン(例えばカルシウムイオンなど)の追加効果によってなおさらに増大する。
好ましい態様において、本発明の製剤は、含有される活性成分を互いに独立して、例えば異なる時間にまたは異なる場所で放出させるために、1を超える相からなることを特徴とする。これは、異なる集合体中の相に関係することができるが、特に同じ集合体中の相に関係する。
1を超える固体成分を含んでなる本発明の製剤は、大量の種々の固体成分、特に、粉末、顆粒または押出物(種々の成分および/または異なる放出挙動を有する)を一緒に混合することによって、容易に製造することができる。本発明の1つまたはそれ以上の相を有する固体製剤の製造は、既知の方法によって、例えば噴霧乾燥または顆粒化によって行うことができ、この場合、酵素および可能性ある他の熱感受性成分(例えば漂白剤など)は、所望により独立して添加する。高い嵩密度、特に650〜950g/Lの範囲の嵩密度を有する本発明の製剤を製造するための好ましい方法は、欧州特許EP0486592から既知である押出工程を含む方法である。顆粒化法を用いる他の好ましい製造は、欧州特許EP0642576に記載されている。
固体製剤のためには、タンパク質を、例えば、乾燥した、顆粒化した、カプセル化した、またはカプセル化してさらに乾燥した形態で使用することができる。これらを、独立して、即ち1つの相として添加するか、または、他の成分と一緒に同じ相中で添加することができる(圧密するかまたはしない)。マイクロカプセル化した固体酵素を使用するときには、従来技術から既知の方法(例えば、噴霧乾燥、遠心または再溶解)を用いることによって、処理に起因する水溶液から水を除去することができる。このようにして得られた粒子は、通常は50〜200μmの粒子サイズを有する。
カプセル化された形態は、上記のように、他の成分(例えば漂白剤)から酵素を保護するように、または制御された放出を可能にするように働く。これらのカプセルは、そのサイズにより、ミリカプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセルに分類されるが、マイクロカプセルが酵素には特に好ましい。このようなカプセルは、例えば、国際特許出願公開WO97/24177および独国特許出願公開DE19918267A1に開示されている。別の可能性あるカプセル化方法は、酵素溶液とデンプンまたはデンプン誘導体の溶液または懸濁液との混合物から出発して、洗浄剤または浄化剤に適する酵素をデンプンまたはデンプン誘導体中に封入することである。このようなカプセル化法は、DE19956382に記載されている。
また、少なくとも2つの固体相を、互いに混合することができる。即ち、本発明の固体製剤を、圧縮または圧密によってタブレットに調製することができる。このようなタブレットは、単相または多相タブレットであってよい。即ち、この提供形態は、本発明の2つの固体相を有する固体製剤を提供する可能性をも与える。本発明のタブレット形態の製剤(これは、単相もしくは多相、単色もしくは多色であることができ、そして/または、1つまたはいくつかの層からなることができる)を製造するために、全ての成分(所望により各層について)を、好ましくはミキサー中で一緒に混合し、この混合物を、通常のタブレット成型機(例えば、外心プレスまたは回転プレス)を用いて、約50〜100kN/cm2、好ましくは60〜70kN/cm2の範囲内の圧縮力で圧縮する。特に多層タブレットの場合には、少なくとも1つの層を予備圧縮するのが有利でありうる。これは、5〜20kN/cm2、特に10〜15kN/cm2の圧縮力を用いて行うのが好ましい。このように調製したタブレットは、好ましくは10〜50g、特に15〜40gの重量を有する。このタブレットは、任意の形状(丸形、卵形または角形)であってよく、中間形状であってもよい。
多相製剤については、相の少なくとも1つが、アミラーゼ感受性物質(特にデンプン)を含有しているか、あるいは、これによって少なくとも部分的に封入または被覆されているのが特に有利である。このようにして、この相は、外部の影響から機械的に安定化および/または保護され、同時に、洗浄液中に存在する活性アミラーゼによって攻撃されて、成分の放出が促進される。
同様に、好ましい本発明の製剤は、それらが液体、ゲルまたはペーストの形態にあることを特徴とする。タンパク質、好ましくは本発明のタンパク質を、このような製剤に添加する。このタンパク質は、好ましくは、当分野のタンパク質抽出および調製の事情に由来するものであり、濃縮された水性または非水性溶液で、例えば液体形態(例えば、溶液、懸濁液またはエマルジョン)で得られるが、ゲル形態または封入もしくは乾燥された粉末としても得られる。通常の溶媒中の溶液の形態にある本発明のこの種の洗浄剤または浄化剤は、通常は、自動ミキサー中に溶液としてまたは物質中に添加することができる成分の単純な混合によって調製される。
本発明の1つの態様は、本発明にとって必須である封入されたタンパク質および/または他の含有されるタンパク質のいずれかおよび/またはミクロカプセルの形態にある他の含有される成分のいずれかを添加した、上記のような液体、ゲルまたはペースト製剤である。これらの中で、アミラーゼ感受性物質を用いて封入された製剤が特に好ましい。洗浄剤または浄化剤においてアミラーゼ感受性物質とアミロース分解酵素の組合せを使用すると、デンプン分解酵素がミクロカプセルの破壊を助け、これにより、封入された成分の放出過程を制御し、その結果として、放出が貯蔵中および/または浄化過程の開始時に起こらず、その代わりに規定された時間において起こるというような相乗効果を示すことができる。この機序により、複雑な洗浄剤および浄化剤の系は、最も多様な成分および最も多様なカプセル型に基づくことができ、これが本発明の特に好ましい態様である。
洗浄剤および浄化剤の成分を、少なくとも2つの異なる相、例えばタブレット化された洗浄剤または浄化剤の2つまたはそれ以上の固体結合相あるいは同一粉末製剤中の異なる顆粒に分配したときに、同等の効果が得られる。二相または多相の浄化剤は、当分野では自動食器洗浄機ならびに洗浄剤の両方において使用されている。先に活性化される相中のアミロース分解酵素の活性は、後の相の活性化のための前提条件である(後の相が、アミラーゼ感受性のシェルまたは被覆によって囲まれているか、あるいは、このアミラーゼ感受性物質が固体相の構成部分であり、その部分または完全加水分解が関連の相を崩壊させるとき)。
洗浄剤および浄化剤の各成分は、互いの性能を適切に助けることができる。即ち、補助ビルダーとして添加しうるポリマー(例えばアルキルポリグリコシド)が、含有される酵素の活性および安定性を、同時に安定化および増強しうることが国際特許出願公開WO98/45396から既知である。従って、本発明に係るCarlsberg変異体を、上記した通常の成分のいずれかによって修飾するのが、特に安定化するのが、および/または、洗浄剤または浄化剤の性能に対するその寄与を増大させるのが好ましい。
織物または硬表面を浄化するための方法は、本発明のさらなる対象を構成し、上記した本発明のペルヒドロラーゼ変異体が、浄化工程の少なくとも1つにおいて活性であることを特徴とする。
この態様において、本発明は、本発明の改善された酵素特性が、原則的に各浄化過程における改善の点で利用されることにより実現される。各浄化過程は、それが少なくとも1つの工程において存在するときに、関連の活性において増強される。このような方法は、機械、例えば通常の家庭用自動食器洗浄機または家庭用洗濯機において実現される。好ましい方法は、上記した詳細に従って対応して好ましい。他の好ましい方法は、ペルヒドロラーゼ変異体を、上記の製剤中に添加する方法である。
本発明のさらなる対象は、上記した本発明のペルヒドロラーゼのいずれかを含有するシャンプーおよび/または毛髪ケア剤である。本発明のこの対象の製剤に適する本発明に係る成分を、以下に詳しく説明する。
ペルヒドロラーゼを含有するシャンプーおよび/または毛髪ケア製品ならびに発泡浴剤、シャワー浴剤、クリーム、ゲル、ローション、アルコール溶液および水性アルコール溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪コンパウンド、スティック、粉末または軟膏は、穏やかな界面活性剤、油、乳化剤、グリース、真珠色化ワックス、稠度付与剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、油脂、ワックス、安定剤、生物起源の活性成分、脱臭剤、発汗防止剤、ふけ防止剤、皮膜形成剤、膨潤剤、UV光保護因子、酸化防止剤、ヒドロトロープ剤、保存剤、虫忌避剤、日焼け剤、可溶化剤、芳香油、着色剤などを、助剤および添加剤として含有することができる。
適する穏やかな界面活性剤、即ち、特に皮膚に適合する界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノおよび/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタインおよび/またはタンパク質-脂肪酸縮合物(これはコムギタンパク質に基づくのが好ましい)である。
例えば、以下のものを油として挙げることができる:6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6-22脂肪酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖C6-13カルボン酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルエルケート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネートおよびエルシルエルケート。さらに、適するエステルは、直鎖C6-22脂肪酸と分岐鎖アルコール(特に2-エチルヘキサノール)とのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル(特にジオクチルマレエート)、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸とポリヒドロキシアルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6-10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6-18脂肪酸に基づく液体のモノ/ジ/トリグリセリド混合物、C6-18脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(特に安息香酸)とのエステル、C2-12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル、植物油、分岐鎖の第一アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分岐鎖のC6-22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐鎖C6-22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv TN)、アルキル基あたりに6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の対称または非対称のジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素(例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン)である。
乳化剤は、例えば、以下の群の少なくとも1つに由来する非イオン性界面活性剤から選択することができる:
(1)8〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールへの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸への、アルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、ならびに、アルキル基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルアミンへの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
(2)グリセロールへのエチレンオキシド1〜30モルの付加生成物のC12/18脂肪酸モノおよびジエステル;
(3)6〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノおよびジエステルならびにソルビトールモノおよびジエステル、ならびに、そのエチレンオキシド付加生成物;
(4)アルキル(アルケニル)基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニルモノおよびオリゴグリコシド、ならびに、そのエトキシル化類似体;
(5)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド15〜60モルの付加生成物;
(6)ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル;
(7)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド2〜15モルの付加生成物;
(8)直鎖、分岐鎖、飽和または不飽和のC6/22脂肪酸、リシノール酸および12-ヒドロキシステアリン酸ならびにグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)に基づく部分エステル;
(9)モノ、ジおよびトリアルキルホスフェートならびにモノ、ジおよび/またはトリ-PEG-アルキルホスフェートおよびその塩;
(10)羊毛ワックスアルコール;
(11)ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマーまたは対応する誘導体;
(12)ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル(DE1165574PS)および/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくは、グリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;
(13)ポリアルキレングリコール;および
(14)グリセロールカーボネート。
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノおよびジエステルならびにソルビトールモノおよびジエステルへの、またはヒマシ油への、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、既知の市販生成物である。これらは同族体の混合物であり、その平均のアルコキシル化度は、付加反応に使用したエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド量と基質量の比に対応する。グリセロールへのエチレンオキシドの付加生成物のC12/18脂肪酸モノおよびジエステルは、化粧品調製物のための脂肪化剤として知られている(DE2024051PS)。
アルキルおよび/またはアルケニルモノおよびオリゴグリコシド、その製造およびその使用は、従来技術から既知である。これらは、特に、グルコースまたはオリゴ糖と8〜18個の炭素原子を有する第一アルコールとの反応によって得られる。グリコシド基に関する限り、モノグリコシド(環状の糖基が脂肪アルコールにグリコシド結合している)ならびにオリゴマーグリコシド(好ましくは約8のオリゴマー化度を有する)の両方が適している。ここで、このオリゴマー化度は、このような工業用製品に典型的な同族体分布に基づく統計学的平均値である。
適するポリグリセロールエステルの代表例は、ポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls PGPH)、ポリグリセリル-3 ジイソステアレート(Lameform TGI)、ポリグリセリル-4 イソステアレート(Isolan GI 34)、ポリグリセリル-3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3 ジイソステアレート(Isolan PDI)、ポリグリセリル-3 メチルグルコース ジステアレート(Tego Care 450)、ポリグリセリル-3 蜜蝋(Cera Bellina)、ポリグリセリル-4 カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル(Chimexane NL)、ポリグリセリル-3 ジステアレート(Cremophor GS 32)、ポリグリセリル ポリリシノレエート(Admul WOL 1403)、ポリグリセリル ジメレート イソステアレートおよびこれらの混合物である。
さらに、双性イオン性界面活性剤を乳化剤として使用することができる。双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1つの第四アンモニウム基および少なくとも1つのカルボキシレート基および1つのスルホネート基を保持する界面活性化合物である。特に適する双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタインであり、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(アルキル基またはアシル基に8〜18個の炭素原子を有する)、ならびにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタイン(Cocamidopropyl Betaine)のCTFA名称のもとで既知である脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
同様に、両性界面活性剤も適する乳化剤である。両性界面活性剤は、分子中にC8/18アルキル基またはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つのCOOH基またはSO3H基を含有し、内部塩を形成することができる界面活性化合物を包含すると解される。適する両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(それぞれのアルキル基に約8〜18個の炭素原子を有する)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。
両性界面活性剤の他に、第四級乳化剤も適しており、エステルクアット(ester quat)型の乳化剤、好ましくはメチルで第四級化したジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
脂肪化剤として、ラノリンおよびレシチン、さらにポリエトキシル化またはアシル化したラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドなどの物質を使用することができる。脂肪酸アルカノールアミドは、同時に発泡安定剤としても働く。
真珠色化ワックスには、以下のものが含まれる:アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多官能性の所望によりヒドロキシ置換されたカルボン酸と、6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;合計して少なくとも24個の炭素原子を有する脂肪化合物、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールによる開環生成物;およびこれらの混合物である。
稠度剤には、主に、12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、さらに部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸が含まれる。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N-メチルグルカミド(同じ鎖長)および/またはポリグリセロール ポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。
適する増粘剤は、例えば、エーロジル型(親水性ケイ酸)、多糖、特にキサンタンゴム、グアール、寒天、アルギネートおよびチロース(tylose)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに比較的高分子量の脂肪酸のポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート(例えば、GoodrichからのCarbopolまたはSigmaからのSynthalen)、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤(例えば、エトキシル化脂肪酸グリセリド)、脂肪酸とポリオール(例えば、ペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭い同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、ならびに、電解質(例えば、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウム)である。
適する陽イオン性ポリマーは、例えば、陽イオン性セルロース誘導体、例えば第四級化したヒドロキシエチルセルロース(AmercholからPolymer JR 400の商標名で入手できる)、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化したビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(BASF)、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、第四級化したコラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat L、Gruenau)、第四級化したコムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretine、Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(Merquat 550、Chemviron)、ポリアミノポリアミド(例えば、フランス特許出願公開FR2252840Aに記載)およびその架橋した水溶性ポリマー、陽イオン性キチン誘導体、例えば第四級化したキトサン(所望により、微結晶分散している)、ジハロゲン化アルキレン(例えばジブロモブタン)とビス-ジアルキルアミン(例えばビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン)との縮合生成物、陽イオン性グアールゴム(例えば、CelaneseからのJaguar CBS、Jaguar C-17、Jaguar C-16)、第四級化したアンモニウム塩ポリマー(例えば、MiranolからのMirapol A-15、Mirapol AD-1、Mirapol AZ-1)である。
陰イオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーには、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋のポリアクリル酸およびポリオール架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、ならびに、所望により誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンが含まれる。
適するシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環式シリコーン、ならびに、アミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-および/またはアルキル-修飾したシリコーン化合物である(これらは、室温で液体または樹脂様のいずれかであることができる)。また、シメチコーン(これは、水素化シリケートおよび200〜300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンの混合物である)も適している。適する揮発性シリコーンの詳細な概説は、Toddらの文献[Cosm.Toil.、91、27 (1976)]中に見られる。
油脂の代表例はグリセリドである。ワックスには、特に天然ワックス、例えばカンデリラワックス、カルナバワックス、木蝋、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマ(guaruma)ワックス、コメ胚油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリー(ouricury)ワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛ワックス)、尾羽脂、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ペトロラタム、パラフィンワックス、ミクロワックス;化学修飾したワックス(硬ワックス)、例えばモンタンエステルワックス、サゾール(sasol)ワックス、水素化ジョジョバワックス、ならびに、合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスが含まれる。
脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛塩を、安定剤として使用することができる。
生物起源の活性物質とは、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、ピタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、偽セラミド、精油、植物抽出物ならびにビタミン複合体を意味すると解される。
化粧品用脱臭剤は、体臭に対して作用し、それを遮蔽または除去する。体臭は、アポクリン発汗における皮膚細菌の作用によって生じ、これにより不快臭を有する分解生成物が生成することになる。従って、脱臭剤は、殺微生物剤、酵素阻害剤、臭気吸収剤または臭気遮蔽剤として作用する活性成分を含有する。
本発明の化粧品に所望により添加することができる殺微生物剤として、基本的に、グラム陽性細菌に対して活性であるあらゆる物質が適している。これらは、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸およびその塩およびエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、抗細菌芳香物質、メントール、ミント油、フェノキシエタノール、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド(例えば、サリチル酸n-オクチルアミドまたはサリチル酸n-デシルアミド)などである。
酵素阻害剤を、本発明の化粧品に添加することもできる。可能な適する酵素阻害剤の例は、エステラーゼ阻害剤である。クエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、および特に、クエン酸トリエチル(Hydagen CAT;Henkel KgaA、デュッセルドルフ/独国)が好ましい。これらの物質は、酵素活性を阻害し、こうして臭気の生成を減少させる。エステラーゼ阻害剤とみなすことができる他の物質は、ステロールスルフェートまたはホスフェート(例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびシトステロールスルフェートまたはホスフェートなど)、ジカルボン酸およびそのエステル(例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸、アジピン酸モノエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸およびマロン酸ジエチルなど)、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルなど)、ならびに亜鉛グリシネートである。
適する臭気吸収剤は、臭気生成化合物を吸収し、それを強固に保持する物質である。これらは、個々の成分の分圧を低下させ、こうしてその拡散速度を低下させる。これにより芳香物質が悪影響を受けないことが重要である。臭気吸収剤は、細菌に対して活性ではない。これらは、主成分として、例えば、特定のアビエチン酸誘導体またはラブダナムもしくはエゴノキの抽出物などの固定剤として当業者に知られている特定のほぼ中性臭気の芳香物質またはリシノール酸の錯亜鉛塩を含有する。芳香物質または芳香油は、遮蔽剤として働き、その遮蔽剤としての機能に加えて、その特定の芳香を脱臭剤に与える。芳香油には、例えば、天然および合成の芳香物質の混合物が含まれる。天然の芳香物質には、花、茎および葉、果実、果皮、根、枝、ハーブおよび草、針状葉および小枝ならびに樹脂およびバルサムの抽出物が含まれる。さらに、動物原料、例えばジャコウおよびビーバーを使用することもできる。通常の合成芳香化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。
発汗防止剤は、エクリン汗腺の活性に影響を及ぼすことによって発汗を減少させ、こうして腋下湿気および体臭に対して作用する。通常、水性または無水の発汗防止配合物は、以下の成分を含有する:
(a)収斂性の成分;
(b)油成分;
(c)非イオン性乳化剤;
(d)共乳化剤;
(e)構造付与剤;
(f)助剤(例えば、増粘剤または錯化剤など);および/または
(g)非水性溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコールおよび/またはグリセロールなど)。
アルミニウム、ジルコニウムまたは亜鉛の塩が、主に適する収斂性の発汗防止剤の活性成分である。このような適する抗ヒドロ(antihydrotic)活性物質は、例えば、アルミニウムクロリド、水和アルミニウムクロリド、水和アルミニウムジクロリド、水和アルミニウムセスキクロリド、および、これらと例えば1,2-プロピレングリコールとの複合体、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、および、これらと例えばアミノ酸(例えばグリシン)との複合体である。
また、発汗防止剤は、通常の油溶性および水溶性の助剤を少量で含有することもできる。このような油溶性の助剤は、例えば、以下のものである:
・抗炎症性、皮膚保護性または芳香性の精油;
・合成の皮膚保護活性物質;および/または
・油溶性の芳香油。
通常の水溶性の添加剤は、例えば、防腐剤、水溶性芳香物質、pH調節剤、例えば緩衝混合物、水溶性増粘剤、例えば水溶性の天然または合成ポリマー、例えばキサンタンゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたは高分子量ポリエチレンオキシドである。
クリムバゾール(Climbazole)、オクトピロックス(octopirox)、および亜鉛ピリチオンを、ふけ防止剤として使用することができる。
使用しうる皮膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系列のポリマー、第四級化セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩および同様の化合物である。
水相のための膨潤剤として、モンモリロナイト、無機粘土、ペムレン(Pemulen)およびカルボポール(Carbopol)型(Goodrich)を使用することができる。他の適するポリマーおよび膨潤剤は、R.Lochheadの概説[Cosm.Toil.、108、95 (1993)]中に見ることができる。
UV光保護因子とは、例えば、室温で液体または固体であり、かつ、UV放射を吸収することができ、吸収したエネルギーをより長波長の放射(例えば熱)の形態で放出することができる有機物質(保護性光フィルター)であると解される。UV-Bフィルターは、油溶性または水溶性であることができる。油溶性物質として、以下のものを挙げることができる:
・3-ベンジリデンカンファーまたは3-ベンジリデンノルカンファーおよびその誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)カンファー(欧州特許EP0693471B1に記載);
・4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシルエステル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-オクチルエステルおよび4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;
・桂皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシ桂皮酸2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシ桂皮酸プロピルエステル、4-メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、2-シアノ-3,3-フェニル桂皮酸2-エチルヘキシルエステル(Octocrylene);
・サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸4-イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル;
・ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4-メトキシベンザルマロン酸ジ-2-エチルヘキシルエステル;
・トリアジンの誘導体、例えば2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジンおよびオクチルトリアゾン(欧州特許出願公開EP0818450A1に記載)またはジオクチルブタアミドトリアゾン(UVAsorb HEB);
・プロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン;
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体(欧州特許EP0694521B1に記載)。
水溶性物質には、以下のものが含まれる:
・2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、ならびに、そのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルクアンモニウム塩;
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;
・3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸およびその塩。
通常のUV-Aフィルターには、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)、1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、ならびに、エナミン化合物(独国特許出願公開DE19712033A1に記載)(BASF)などが含まれる。勿論、これらUV-AおよびUV-Bフィルターを、混合物として添加することもできる。
上記した可溶性物質に加えて、不溶性の光保護顔料(即ち、微細に分散させた金属酸化物または塩)も、この目的に使用することができる。適する金属酸化物の例は、特に、酸化亜鉛および酸化チタン、さらに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、ならびにこれらの混合物である。ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛を、塩として添加することができる。これらの酸化物および塩は、皮膚ケアおよび皮膚保護エマルジョンおよび美容化粧品のための顔料の形態で既に使用されている。ここで、これら粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、より好ましくは15〜30nmの平均直径を有しているべきである。これらは球形であってよいが、楕円形または他の形状の粒子を使用することもできる。また、顔料を、表面処理すること、即ち親水性化または疎水性化することもできる。その代表例は、被覆した二酸化チタン、例えば、Titandioxid T 805(Degussa)またはEusolex T2000(Merck)である。疎水性被覆剤には、好ましくはトリアルコキシオクチルシランまたはシメチコーンが含まれる。日光保護剤は、好ましくはミクロ顔料またはナノ顔料を含有する。ミクロ化した酸化亜鉛を使用するのが好ましい。他の適するUV光保護フィルターは、P.Finkelの概説[SOEFW-Journal、第122巻 (1996)、第543頁]中に見ることができる。
上記した両群の一次光保護物質に加えて、酸化防止剤型の二次光保護物質を使用することもできる。この二次光保護物質は、UV放射が皮膚に貫通したときに開始される光化学連鎖反応を遮断する。その代表例は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびその誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲニン酸およびその誘導体、リポン酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポン酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびに、そのグリコシル-、n-アセチル-、メチル-、エチル-、プロピル-、アミル-、ブチル-、およびラウリル-、パルミトイル-、オレイル-、γ-リノレイル-、コレステリル-およびグリセリル-エステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに、スルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-およびヘプタ-チオニンスルホキシイミン)[これらは、極めて少ない許容用量(例えば、pモル〜μモル/kg)で使用される]、さらに、(金属)キレート化剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシド-ジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレン-メチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)、ならびに、これら列挙した活性物質の本発明に適する誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
流れ特性を改善するために、ヒドロトロープ剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールをさらに添加することもできる。考慮されるポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。これらポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含有することができ、また、窒素で修飾することもできる。その代表例は、以下の通りである:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および、ポリエチレングリコール(100〜1000ダルトンの平均分子量を有する);
・1.5〜10の自己縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば40〜50重量%のジグリセロール含量を有する工業用ジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えば特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を有するもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を有する糖、例えばグルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
適する防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸およびKosmetikverordnung(化粧品指針)の付属書6のパートAおよびBに挙げられている他の群の物質である。
虫忌避剤には、N,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオールまたはブチルアセチルアミノプロピオン酸エチルが含まれる。
適する自己褐変剤には、ジヒドロキシアセトンが含まれる。
芳香油として、天然および合成の芳香物質の既知混合物を挙げることができる。天然の芳香物質は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、果実(アニス、コエンドロ、ヒメウイキョウ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ニクズク、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、カルムス)、木(マツ、ビャクダン、ユソウボク、シーダー材、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナックス)の抽出物である。さらに、動物原料、例えばジャコウおよびビーバーなどを使用することもできる。通常の合成芳香化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。
着色剤として、例えば、刊行物「Kosmetische Faerbemittel」[Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft、Verlag Chemie、Weinheim、1984、p.81-106]に挙げられている、化粧品目的に認められかつ適している物質を使用することができる。通常、これらの着色剤は、混合物全体を基準に、0.001〜0.1重量%の濃度で使用される。
助剤および添加剤の合計含量は、組成物を基準に、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であってよい。
組成物の製造は、通常の熱間法または冷間法を用いて行うことができ、好ましくは、相反転温度法によって行う。
本発明のさらなる対象は、上記した本発明のペルヒドロラーゼのいずれか、過酸化水素供給源およびペルヒドロラーゼの基質を含有する、ケラチン繊維(特に毛髪)を染色するための酸化性着色剤あるいは毛髪染料である。ケラチン繊維とは、羊毛、羽毛、皮膚、および特にヒト毛髪を意味すると解される。
上記使用のための基質は、好ましくは、酪酸、カプロン酸またはオクタン酸のメチル、エチルまたはグリセロールエステルから、特に、酪酸、カプロン酸およびオクタン酸のメチルエステルまたはトリオクタノインから選択される。酪酸のメチルエステルが特に好ましい。
過酸化水素供給源は、特に、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムまたはモノ過硫酸カリウム三重塩、過炭酸塩/過硫酸カリウムの混合物(1:3の比にある;pH5.5)、過炭酸塩/過硫酸カリウムの混合物(1:1の比にある;pH7.5)、過炭酸塩/過硫酸カリウムの混合物(3:1の比にある;pH>9)から選択される。ここで、H22が特に好ましい。
本発明の酸化剤を製造するために、酸化性染料前駆体およびペルヒドロラーゼを、適当な水性担体中に導入する。このような担体には、例えば、増粘した水性溶液、クリーム(エマルジョン)、ゲルまたは界面活性剤含有の発泡調製物、例えば、シャンプーまたは発泡エーロゾルまたは毛髪に使用するのに適する他の調製物が含まれる。
基本的に、水を含まない粉末も担体として適する。この場合には、酸化性染料物質を、使用直前に水に分散または溶解させるのが普通である。好ましい担体成分には、以下のものが含まれる:
・湿潤剤および乳化剤、
・増粘剤、
・還元剤(酸化防止剤)、
・毛髪ケア添加剤、
・芳香物質、および
・溶媒(例えば、水、グリコールまたは低分子量アルコールなど)。
適する湿潤剤および乳化剤には、例えば、陰イオン性、双性イオン性、両性および非イオン性の界面活性剤が含まれる。また、陽イオン性の界面活性剤を、特別の効果を得るために使用することもできる。
適する増粘剤は、水溶性の高分子量多糖誘導体またはポリペプチド、例えば、セルロースまたはデンプンエーテル、ゼラチン、植物ゴム、バイオポリマー(キサンタンゴム)、または水溶性合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリアクリレートなどである。
さらに、界面活性剤含有の調製物を、極性脂質の可溶化または乳化によって増粘させることもできる。このような脂質の例は、例えば、12〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコール、12〜18個の炭素原子を有する(遊離)脂肪酸、脂肪酸の部分グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、低分子量のオキシエチル化した脂肪酸または脂肪アルコール、レシチン、ステリンである。最後に、ゲル形態の担体を、水性石鹸ゲル(例えばオレイン酸アンモニウム)をベースに製造することもできる。
毛髪に使用する前の染料の早すぎる酸化反応を防止するために担体に添加される還元剤(酸化防止剤)は、例えば、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムであってよい。
毛髪ケア成分には、例えば、脂、油またはワックス(乳化された形態にある)、構造付与添加剤、例えば、グルコースまたはピリドキシン、増白成分、例えば、水溶性タンパク質、タンパク質分解生成物、アミノ酸、水溶性の陽イオン性ポリマー、シリコーン、ビタミン、パンテノールまたは植物抽出物が含まれる。
最後に、芳香物質および溶媒、例えばグリコール、例えば1,2-プロピレングリコール、グリセロール、グリコールエーテル、例えばブチルグリコール、エチルジグリコールまたは低級一価アルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノールが、成分であることもできる。
さらに、酸化性染料の安定性および使用特性を改善するために他の添加剤を存在させることもできる。これらは、例えば錯化剤、例えばEDTA、NTAまたは有機ホスホネート、膨潤剤および浸透剤、例えば尿素、グアニジン、炭酸水素塩、緩衝塩、例えば塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムまたはアルキルアンモニウム塩および所望により噴射剤である。
本発明のさらなる対象は、本発明の上記したペルヒドロラーゼのいずれか、過酸化水素供給源およびペルヒドロラーゼの基質を含有する歯ケア剤、特に義歯浄化剤である。これらの製剤は、特に、当該物品の漂白または殺菌をもたらす。
上記使用のための基質は、好ましくは、酪酸、カプロン酸またはオクタン酸のメチル、エチルまたはグリセロールエステルから、特に、酪酸、カプロン酸およびオクタン酸のメチルエステルまたはトリオクタノインから選択される。酪酸のメチルエステルが特に好ましい。
過酸化水素供給源は、特に、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムまたはモノ過硫酸カリウム三重塩、過炭酸塩/過硫酸カリウムの混合物(1:3の比にある;pH5.5)、過炭酸塩/過硫酸カリウムの混合物(1:1の比にある;pH7.5)、過炭酸塩/過硫酸カリウムの混合物(3:1の比にある;pH>9)から選択される。ここで、H22が特に好ましい。
部分的な人工補欠物または義歯の場合には、義歯浄化タブレットまたは口腔洗剤または濯ぎ剤または歯ペーストとしての提供も適している。
本発明の口腔、歯または義歯ケア製剤は、例えば、口腔洗剤、ゲル、液体歯浄化剤、固い歯ペースト、義歯浄化剤または義歯接着クリームとして利用することができる。
このために、本発明のペルヒドロラーゼを、適する担体に導入することが必要である。
例えば、粉末形態の調製物または水-アルコール溶液は、担体として働くことができ、これは、口腔洗剤については0〜15重量%のエタノール、1〜1.5重量%の香味油および0.01〜0.5重量%の甘味剤を含有することができるか、あるいは、使用前に水で希釈される口腔洗剤濃厚物については15〜60重量%のエタノール、0.05〜5重量%の香味油、0.1〜3重量%の甘味剤ならびに所望により他の添加剤を含有することができる。これら成分の濃度は、希釈後に使用時濃度が上記範囲の下限以下に低下しないように、十分に高く選択しなければならない。
また、柔軟なプラスチック容器またはチューブから絞り出され、歯ブラシの助けを借りて歯に適用されるゲルならびに多かれ少なかれ流動性のペーストも、担体として働くことができる。このような製品は、比較的多量の湿潤剤および結合剤または安定剤および磨き剤を含有する。さらに、芳香油、甘味剤および水も、このような調製物中に含有される。
湿潤剤には、例えば、グリセロール、ソルビトール、キシリット、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールまたはこれらポリオールの混合物、特に分子量が200〜800(400〜2000)であるポリエチレングリコールが含まれる。好ましい湿潤剤は、25〜40重量%の量のソルビトールである。
アルカリ塩の形態、好ましくはナトリウムまたはカリウム塩の形態にある縮合リン酸塩を、沈殿防止剤および脱塩抑制剤として含有させることができる。これらリン酸塩の水性溶液は、加水分解作用のゆえにアルカリとして反応する。酸を添加したときに、本発明の口腔、歯および/または義歯ケア製剤のpH値は、好ましい範囲である7.5〜9に維持される。
種々の縮合リン酸塩または水和した縮合リン酸塩の混合物を使用することもできる。しかし、特定した量である2〜12重量%は無水の塩を指す。好ましい縮合リン酸塩は、組成物の5〜10重量%の量のトリポリリン酸ナトリウムまたはカリウムである。
好ましい活性成分は、虫歯を抑制するフッ素化合物、好ましくはフッ素の量が0.1〜0.5重量%であるフッ化物またはモノフルオロリン酸塩の群からの化合物である。適するフッ素化合物には、例えば、モノフルオロリン酸ナトリウム(Na2PO3F)、モノフルオロリン酸カリウム、フッ化ナトリウムまたはカリウム、フッ化第一スズまたは有機アミノ化合物のフッ化物が含まれる。
結合剤および安定剤には、例えば天然および合成の水溶性ポリマー、例えばカラゲーナン、トラガント、グアール、デンプンおよびこれらの非イオン性誘導体、例えばヒドロキシプロピルグアール、ヒドロキシエチルデンプン、セルロースエーテル、例えばヒドロキシエチルセルロースまたはメチルヒドロキシプロピルセルロースが含まれる。寒天、キサンタンゴム、ペクチン、水溶性カルボキシビニルポリマー(例えば、Carbopol型)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、高分子量ポリエチレングリコール(分子量103〜106D)を使用することもできる。粘度を制御するのに適する他の物質には、層状ケイ酸塩、例えばモンモリロナイト、コロイド状膨潤性シリカ、例えばエーロゲルシリカまたは熱分解法シリカが含まれる。
磨き成分には、この目的に知られている全ての磨き剤が含まれるが、好ましくは沈殿およびゲルシリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム三水和物、不溶性メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、白亜、ヒドロキシアパタイト、ヒドロタルサイト、タルカム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、例えばゼオライトA、または有機ポリマー、例えばポリメタクリレートが含まれる。これら磨き剤は、好ましくは比較的少量で、例えば1〜10重量%で使用される。
本発明の歯および/または口腔ケア製品は、香味油および甘味剤の添加によって改善された官能品質を有することができる。香味油には、口腔、歯または義歯のケアのための製品において使用される全ての天然および合成の香味剤が含まれる。天然の香味剤は、薬物から単離したエーテル性油の形態または薬物から単離した個々の成分の形態で使用することができる。好ましくは、ペパーミント油、萎縮ミント油、アニス油、キャラウェイ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、シナモン油、ゼラニウム油、セージ油、タイム油、マヨラナ油、バジル油、柑橘油、ヒメコウジ油の群からの少なくとも1つの香味油、あるいは、これらの油から単離され、合成により製造された1つまたはそれ以上の成分が含まれるべきである。上記した油の中で最も重要な成分は、例えば、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、オイゲノール、シンナムアルデヒド、ゲラニオール、シトロネロール、リナロール、サルベン、チモール、テルピネン、テルピノール、メチルカビコールおよびサリチル酸メチルである。他の適する香味剤には、例えば、酢酸メンチル、バニリン、イオノン、酢酸リナリル、ロジノールおよびピペリトンが含まれる。天然の糖(例えば、スクロース、マルトース、ラクトースおよびフルクトース)または合成甘味剤(例えば、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウムまたはアスパルターム)を、甘味付与のために使用することができる。
使用しうる界面活性剤には、特にアルキル-および/またはアルケニル-(オリゴ)グリコシドが含まれる。これらの製造および界面活性剤としての使用は、例えば、米国特許US-A-3839318、US-A-3707535、US-A-3547828、独国特許出願公開DE-A-1943689、DE-A-2036472およびDE-A-3001064ならびに欧州特許出願公開EP-A-77167から周知である。グリコシド残基に関しては、モノグリコシド(x=1)(ペントースまたはヘキソース残基が、4〜16個の炭素原子を有する第一アルコールにグリコシド結合している)およびオリゴグリコシド(10までのオリゴマー化度を有する)の両方が適している。この場合、このオリゴマー化度は、統計学的平均であり、これが通常は、上記のような工業製品において、同族体分布の基礎となる。
適するアルキル-および/またはアルケニル-(オリゴ)グリコシドは、好ましくは、式:RO(C610O)x-H [式中、Rは、8〜14個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニル基であり、xは平均値1〜4である]で示される。水素化C12/14ヤシ油アルコールに基づくアルキル-オリゴ-グルコシド(1〜3のDPを有する)が特に適している。アルキル-および/またはアルケニル-グリコシド界面活性剤は、非常に経済的に使用することができ、0.005〜1重量%の量で十分である。
上記のアルキルグルコシド界面活性剤に加えて、他の非イオン性、両性および陽イオン性の界面活性剤を含有させることができる。これらは、例えば、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノグリセリドエーテルスルフェート、モノアルキルおよび/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イソチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、エーテルカルボン酸、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタインおよび/またはタンパク質/脂肪酸縮合物(この後者はコムギタンパク質に基づくのが好ましい)。特に、主として水不溶性の香味油を溶解するときには、界面活性剤の群からの非イオン性溶媒が必要になることもある。オキシエチル化脂肪酸グリセリド、オキシエチル化脂肪酸ソルビトール部分エステルまたはグリセロールもしくはソルビトールオキシエチレートの脂肪酸部分エステルが、この目的に特に適する物質の例である。オキシエチル化脂肪酸グリセリドの群からの溶媒には、特に、12〜18個の炭素原子を有する直鎖脂肪酸のモノおよびジグリセリドへの、あるいは、ヒドロキシ脂肪酸(例えば、オキシステアリン酸またはリシノール酸)のトリグリセリドへのエチレンオキシド20〜60モルの付加生成物の全てが含まれる。他の適する溶媒には、オキシエチル化脂肪酸ソルビトール部分エステル、好ましくは、12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸のソルビトールモノエステルおよびソルビトールジエステルへのエチレンオキシド20〜60モルの付加生成物が含まれる。また、グリセロールおよびソルビトールオキシエチレートの脂肪酸部分エステルも適する溶媒であり、1モルのグリセロールまたは1モルのソルビトールへのエチレンオキシド20〜60モルの付加生成物とC12-18脂肪酸のモノエステルおよびジエステルが好ましい。
本発明の口腔、歯および/または義歯ケア製品は、好ましくは、水素化または非水素化ヒマシ油(即ち、オキシステアリン酸またはリシノール酸のトリグリセリド)への、グリセロールモノおよび/またはジステアレートへの、あるいは、ソルビトールモノおよび/またはジステアレートへのエチレンオキシド20〜60モルの付加生成物を含有する(これらは、所望により含有される香味油のための溶媒として働く)。
口腔、歯および義歯ケア製品への他の通常の添加剤の例には、以下のものが含まれる:
・顔料、例えば二酸化チタン、および/または着色剤;
・pH調節剤および緩衝剤、例えば、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、クエン酸、リン酸または酸塩、例えば、NaH2PO4
・傷治癒および抗炎症物質、例えば、アラントイン、尿素、パンテノール、アズレンまたはカミツレ抽出物;
・他の沈殿防止物質、例えば有機ホスホネート、例えばヒドロキシエタンジホスホネートまたはアザシクロヘプタンジホスホネート;
・防腐剤、例えば、ソルビン酸塩、p-ヒドロキシ安息香酸エステル;
・歯苔抑制剤、例えば、ヘキサクロロフェン、クロロヘキシジン、ヘキセチジン、トリクロサン、ブロモクロロフェン、フェニルサリチル酸エステル。
具体的な態様は、口腔洗剤、濯ぎ剤、義歯浄化剤または歯接着剤の組成物である。
また、本発明の好ましい義歯浄化剤、特に、義歯浄化タブレットおよび粉末のためには、口腔、歯および/または義歯ケア製品のために既に挙げた成分に加えて、過化合物、例えばペルオキシホウ酸塩、ペルオキシモノ硫酸塩または過炭酸塩も適している。これらは、漂白作用に加えて、同時に脱臭および/または殺菌するように働くという利点を有する。このような過化合物は、義歯浄化剤において、0.01〜10重量%、特に0.5〜5重量%で使用される。
酵素、例えばプロテアーゼおよびカルボヒドラーゼも、タンパク質および炭水化物の分解のための適する成分である。pH値は、pH4〜12の範囲内、特にpH5〜11の範囲内であってよい。
他のさらなる添加剤が、義歯浄化タブレットのために必要である。これらは、例えば発泡を引き起こす物質、例えばCO2放出物質、例えば炭酸水素ナトリウム、充填剤、例えば硫酸ナトリウムまたはデキストロース、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、流れ調節剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、ならびに、顆粒化剤、例えば上記した高分子量ポリエチレングリコールまたはポリビニルピロリドンである。
義歯固定剤を、粉末、クリーム、フィルムまたは液体として供することができ、これらは義歯の接着を助ける。
天然および合成供給源からの物質が、活性物質として適している。アルギネートに加えて、天然物質には、植物ゴム、例えばアラビアゴム、トラガカントゴムおよびカラヤゴム、ならびに天然ゴムが含まれる。特に、アルギネートおよび合成物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、高分子量エチレンオキシドコポリマー、ビニルエーテル-マレイン酸コポリマーの塩、およびポリアクリルアミドが使用される。
疎水性の基剤が、ペーストおよび液体製品のための添加剤として特に適している。これらは、特に炭化水素、例えば白色ワセリン(DAB;German Pharmacopoeia)または鉱油である。
以下に挙げる実施例は、本発明を説明するものであるが、本発明を限定するものではない。
全ての分子生物学的操作は、例えば、Fritsch、SambrookおよびManiatisによるマニュアル「Molecular cloning:a laboratory manual」[Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York、1989]に記載されている標準化された方法、あるいは、同等の関連の研究に従った。酵素およびキットは、製造元の指示に従って使用した。
実施例1:Bacillus licheniformis DSM 641由来のスブチリシン・カールスバーグ プロテアーゼの発現
スブチリシン・カールスバーグプロテアーゼをコードしている領域(プロモーター配列を含む)を、PCRにより、Bacillus licheniformis [Deutschen Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH、Mascheroder Weg 1b、38124 Braunschweig (http://www.dsmz.de)から得た菌株DSM 461]の染色体DNAから増幅した。反応を、適切な反応調製物においてGibcoからのTaq-ポリメラーゼを使用して、以下のPCRプログラムに従って行った:94℃における変性、4分;30サイクル 94℃、30秒、50℃、30秒、72℃、100秒、そして最後に72℃、7分。オリゴヌクレオチドPSC-sおよびPSC-as(配列番号19および20)の両方を、PCRプライマーとして使用した。
得られたアンプリコンを、AvaI制限エンドヌクレアーゼで切断し、pBC16ベクター(Deutschen Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHからNumber 4424として入手可能;図1を参照;このベクターもAvaIで線状化した)中にクローニングして、pBC-SCベクター(図2を参照)を創製し、次いで、通常のプロトプラスト形質転換プロトコールに従って、Bacillus subtilis DB 104中に導入した[KawamuraおよびDoi (1984)、J.Bacteriol.、Vol.160 (1)、p.442-444]。
形質転換体を、初めに、テトラサイクリン含有DM3培地pH7.3(8g/L 寒天、0.5M コハク酸、3.5g/L K2HPO4、1.5g/L KH2PO4、20mM MgCl2、5g/L カザミノ酸、5g/L 酵母エキス、6g/L グルコース、0.1g/L ウシ血清アルブミン、15mg/L テトラサイクリン)において再生し、次いで、テトラサイクリン含有TBYスキムミルクプレート(10g/L トリプトン、5g/L 酵母、5g/L NaCl、15g/L 寒天、10g/L ミルク粉末、15mg/L テトラサイクリン)上に接種した。
この培養物からの単一コロニーを、寒天不含であるがその他は同一である液体培地に移し、標準化された条件下に37℃で培養した。
実施例2:変異性(誤りがち)突然変異誘発を用いるスブチリシン・カールスバーグ由来のペルヒドロラーゼの製造
挿入体含有のプラスミドを、常法により、実施例1に従って確立した液体培養物から単離し、変異性突然変異誘発にかけた。
変異性PCRのための出発混合物(100μl)は、10x-突然変異誘発緩衝液(Taq緩衝液、Gibco)(10μl)、dNTP-ミックス(それぞれ200μモル/Lの最終濃度)(4μl)、dGTP/dATP(1mモル/L)(1μl)、0.2μモルの各プライマー(配列については以下を参照)、鋳型DNA(プラスミドDNA)(スブチリシン・カールスバーグ)(5〜15ng)、MgCl2(2mモル/L)(4μl)、MnCl2(0.35mモル/L)(0.7μl)および適切量のH2Oを含有していた。次いで、Taq-ポリメラーゼ(5U)を添加し、混合物を以下の温度プログラムにかけた:94℃における変性、4分;30サイクル 94℃、30秒、50℃、30秒、72℃、100秒、次いで72℃、7分。このようにして、両オリゴヌクレオチド P300-sおよびPSC-as(配列番号21および20)を、PCRプライマーとして使用した。
反応の終了後に、PCR生成物を、Qiaquick PCR Purification Kit (Qiagen)を用いて精製し、制限消化後にBacillus発現ベクターpBC-SCのNheI-/XhoI消化部位中にクローニングし、プロトプラスト形質転換により市販のBacillus subtilis菌株DB104に導入した。得られた突然変異体を、初めに、15μg/ml テトラサイクリンを含むTBY培地(10g/L トリプトン、5g/L 酵母エキス、5g/L NaCl)の寒天プレートから単離し、次いで、標準化された条件下、対応する液体培地において37℃で培養した。
実施例3:Bacillus subtilis DB104におけるペルヒドロラーゼの発現および過加水分解活性および加水分解活性のスクリーニング
実施例2に従って得られた突然変異体を、15μg/ml テトラサイクリンを含むTBY培地(10g/L トリプトン、5g/L 酵母エキス、5g/L NaCl)(1ml)において、37℃および800rpmで48時間インキュベートした。
ペルヒドロラーゼを、バッチ法における培養上清から、バシトラシン(Aldrich、Cat No.85,186-8)飽和したSepharose 4B (Pharmacia-Biotech、Cat No.17-0430-01)を用いる親和性クロマトグラフィーによって精製した。この目的のために、Sepharose 4B(1g)を、100mM NaHCO3、500mM NaClにおいて、バシトラシン(100mg)と共に4℃で14時間インキュベートし、次いで1M エタノールアミンと共に4℃で2時間インキュベートし、次いで100mM エタノールアミン、10mM CaCl2、pH6.5を用いて1:4に希釈した。溶離を、1M NaClおよび25%イソプロパノールを含む100mM エタノールアミンpH6.5を用いて行った。次いで、このようにして精製した培養上清を以下の試験に使用した。
タンパク質含量は、Micro-BCA Protein Assay Reagent Kit (Pierce)を用いて測定した。即ち、キット試薬(150μl)を、水(75μl)および精製した培養上清(75μl)と共に37℃で2時間インキュベートし、タンパク質含量を、検量線を用いて562nmにおける吸収から算出した。
加水分解(タンパク質分解)活性を評価するために、精製した培養上清(25μl)を、DMSO中、20mM トリス/HCl緩衝液pH8.6(222.5μl)および110mM suc-Ala-Ala-Pro-Phe-pNA (AAPF;Bachem Biochemika GmbH、Heidelberg、独国)(2.5μl)と混合した。405nmにおける吸収の増加を10分間モニターし、検量線を用いてタンパク質1μgあたりの単位(AAPF)に変換した。
過加水分解活性を評価するために、精製した培養液上清(100μl)を、100mM リン酸緩衝液(pH9)(30μl)、200mM 酪酸メチルエステル(Aldrich)(50μl)および313mM 過酸化水素(20μl)と混合し、37℃で15分間インキュベートした。次いで、0.03mg/ml ヨウ化カリウムを含む1.5M 酢酸(50μl)を、0.14mM 2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンズチアゾリン-6-スルホン酸)ジアンモニウム塩(Sigma)(50μl)と共に添加し、この混合物を室温でさらに10分間インキュベートし、吸収を405nmで測定した。次いで、得られた値を、検量線を用いてタンパク質1μgあたりのppm AOに変換した。ここで、1ppm AOは、62.5μモル/Lの過酸化水素に相当する。
実施例4:発見したペルヒドロラーゼの加水分解(タンパク質分解)活性および過加水分解活性
実施例3に記載した活性試験を、合計9つの変異体について行った。それぞれの結果を、表1に一緒に示す。
Figure 0004505337
未変化のスブチリシン・カールスバーグ(対照)は、予測されたようにタンパク質分解活性[ここでは0.8U(AAPF)/μgと評価された]を有することに加えて、あるレベルの二次的な過加水分解活性(この反応調製物においては、0.33ppm AO/μg酵素であると測定された)をも有することがわかる。
試験した9つ全てのペルヒドロラーゼ、即ち、表示したスブチリシン・カールスバーグの特定の変異体は、プロテアーゼ活性の低下を示した。他方、アミノ酸置換は、ペルヒドロラーゼ(二次的)活性の増大を与え、これは、この反応調製物においては、少なくとも0.57ppm AO/μg酵素(調製物3)、また最良の場合には0.98ppm AO/μg酵素(調製物5)であると測定された。この後者の場合には、過加水分解活性は、58、89および216位における3つの置換(T58A/L89S/L216W)によりほぼ3倍であった。この点で、新規なペルヒドロラーゼと言うのが正当である。
これらの変異体を含む他の対照調製物および以下の応用に向けた実施例は、この結果を確証した。
実施例5:ペルヒドロラーゼによる典型的な織物汚れの漂白
実施例3で得られたペルヒドロラーゼ活性の上清を、洗浄試験において、100mM 酪酸メチルエステルおよび313mM 過酸化水素と一緒に、50mM リン酸緩衝液(pH9)の溶液中、10μg/mlの濃度で使用した。
この漂白溶液(12.74ml)を、10cm2の市販の漂白可能な汚れた綿に適用した。使用した汚れは、Eidgenoessischen Material-Pruefungs- und Versuchsanstalt[St.Gallen、スイス国 (EMPA)]からのタイプ E-114(赤ワイン)およびE-167(茶)、または、Henkelからの対応する自己適用汚れ、即ちA(赤ワイン)およびB(茶)であった。これらの調製物を、600rpmおよび30℃で30分間撹拌し、流水で濯ぎ、室温で空気乾燥した。
処理した綿布の明度(L値)を、Cm508d比色計(Minolta)を用いて測定し、酵素不含の調製物の漂白結果と比較した。測定は、測定角度10°を用いて光タイプD65(昼光)中で行った。測定データを、L=100(白)およびL=0(黒)に対して調整した。
以下のΔL値(各測定値を平均し、表2に示す)を、こうして上記したペルヒドロラーゼについて得ることができる。
Figure 0004505337

試験した9つ全てのペルヒドロラーゼ、即ち、スブチリシン・カールスバーグの表示した特定の変異体は、標準化された市販の織物汚れに対して、未変化スブチリシン・カールスバーグの内因性二次的活性の漂白効果よりも明らかに優れた漂白効果を有することがわかる。同等の汚れを有する対照調製物は、この結果を確証した。
実施例6:洗浄剤中のペルヒドロラーゼによる典型的な汚れの漂白
実施例3で得られたペルヒドロラーゼ活性を有する上清を、洗浄試験において、100mM 酪酸メチルエステルおよび313mM 過酸化水素と一緒に、洗剤配合物(441mg)を含有する10ml溶液中、10μg/mlの濃度で使用した。この洗剤配合物は、以下の組成を有していた:0.3〜0.5重量% キサンタンゴム、0.2〜0.4重量% 消泡剤、6〜7重量% グリセロール、0.3〜0.5重量% エタノール、4〜7重量% FAEOS、24〜28重量% 非イオン性界面活性剤(FAEO、APGなど)、1重量% ホウ酸、1〜2重量% クエン酸ナトリウム×2H2O、2〜4重量% 苛性ソーダ、14〜16重量% ヤシ油脂肪酸、0.5重量% HEDP、0〜0.4重量% PVP、0〜0.05重量% 蛍光増白剤、0-0.001重量% 着色剤、0〜2重量% 芳香剤、残りの水および付随物質。
この漂白溶液(12.74ml)を、10cm2の市販の漂白可能な汚れた綿に適用した。使用した汚れは、前の実施例と同様、Eidgenoessischen Material-Pruefungs- und Versuchsanstalt[St.Gallen、スイス国 (EMPA)]からのタイプ E-114(赤ワイン)およびE-167(茶)、またはHenkelからの対応する自己適用汚れ、即ちA(赤ワイン)およびB(茶)であった。これらの調製物を、600rpmおよび30℃で30分間撹拌し、流水で濯ぎ、室温で空気乾燥した。
処理した綿布の明度(L値)を、Cm508d比色計(Minolta)を用いて再び測定し、酵素不含の調製物の漂白結果と比較した。測定は、測定角度10°を用いて光タイプD65(昼光)中で行った。測定データを、L=100(白)およびL=0(黒)に対して調整した。
以下のΔL値(各測定値を平均し、表3に示す)を、こうして上記したペルヒドロラーゼについて得ることができる。
Figure 0004505337

他の成分の中で特に界面活性剤およびビルダーを含有する洗剤配合物中の試験した全てのペルヒドロラーゼは、標準化された市販の織物汚れに対して、未変化スブチリシン・カールスバーグの内因性二次的活性の漂白効果よりも明らかに優れた漂白効果を有することがわかる。同等の汚れを有する対照調製物は、この結果を確証した。
BacillusベクターpBC16の模式図である。このベクターは、Deutschen Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH、Mascheroder Weg 1b、38124 Braunschweig (http://www.dsmz.de)から、No.4424として入手可能である。 BacillusベクターpBC-SCの模式図である。このベクターは、実施例1に従ってBacillusベクターpBC16から得られる。

Claims (26)

  1. 配列番号2(L89S/L216W/N217D)、
    配列番号4(L216W/N217D)、
    配列番号6(T58A/L89S/L216W/N217D)、
    配列番号8(T58A/G117D/L216W/N217D)、
    配列番号10(T58A/L89S/L216W)、
    配列番号12(T58A/L89S/N96D/L216W)、
    配列番号14(T58A/L216W)、
    配列番号16(T58Q/L89S/L216W)および
    配列番号18(L89S/L216W)
    に記載したアミノ酸配列のいずれかからなるペルヒドロラーゼ。
  2. ペルヒドロラーゼをコードしている核酸であって、そのヌクレオチド配列が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15または17に記載したヌクレオチド配列のいずれかに100%同一である核酸。
  3. 別のタンパク質との融合または結合のための、請求項1に記載のペルヒドロラーゼの使用。
  4. 別の核酸との融合のための、請求項に記載の核酸の使用。
  5. 請求項に記載した核酸のいずれかを含有するベクター。
  6. 請求項1に記載したタンパク質のいずれかを発現するか、または発現するように刺激しうる宿主細胞。
  7. 菌である請求項に記載の宿主細胞。
  8. Bacillus属に属する請求項に記載の宿主細胞。
  9. 真核細胞である請求項に記載の宿主細胞。
  10. その場で過カルボン酸を生成する製剤としての、請求項1に記載のペルヒドロラーゼの使用。
  11. 漂白または殺菌のための製剤における請求項10に記載の使用。
  12. 洗剤または浄化剤における請求項10に記載の使用。
  13. 化粧品調製物における請求項10に記載の使用。
  14. 請求項1に記載のペルヒドロラーゼを含有する製剤であって、身体ケア製品、シャンプー、毛髪ケア製品、毛髪染色剤もしくは漂白剤、口腔ケア、歯ケアもしくは義歯ケア製品、化粧品調製物、織物洗剤、浄化剤、濯ぎ剤、手洗浄洗剤、手食器洗浄洗剤、機械食器洗浄洗剤、殺菌剤、ならびに、フィルター媒体、織物、毛皮、紙、皮膚または皮革の漂白または殺菌処理のための製剤からなる群から選択される製剤
  15. 製剤の使用条件下で過カルボン酸を生成しうる漂白系を含有する洗剤または漂白剤であって、該漂白系が、請求項1に記載のペルヒドロラーゼ、過酸化水素供給源および該ペルヒドロラーゼのための基質からなる洗剤または漂白剤。
  16. 基質が、酪酸、カプロン酸またはオクタン酸のメチル、エチルまたはグリセロールエステルから選択される請求項15に記載の製剤。
  17. 過酸化水素供給源が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムまたはモノ過硫酸カリウム三重塩、過炭酸塩/過硫酸カリウム(1:3の比;pH5.5)、過炭酸塩/過硫酸カリウム(1:1の比;pH7.5)、過炭酸塩/過硫酸カリウム(3:1の比;>pH9)の塩混合物、および22から選択される請求項15または16に記載の製剤。
  18. 0.05〜5ppm AO/μgの過加水分解活性を示す請求項15〜17のいずれかに記載の製剤。
  19. 300〜1200g/Lの嵩密度を有するタブレット、ペレットまたは流動性粉末の形態にある請求項15〜18のいずれかに記載の製剤。
  20. ペーストまたは液体製剤の形態にある請求項15〜18のいずれかに記載の製剤。
  21. 非水性形態にある請求項20に記載の製剤。
  22. ペルヒドロラーゼおよび/またはこの酵素のための基質および/または過酸化水素供給源が、室温でまたは水の不存在下で該酵素および/またはその基質に対して不透過性である物質中に封入され、該物質が、製剤の使用条件下で該酵素および/またはその基質に対して透過性になる請求項14〜21のいずれかに記載の製剤。
  23. 漂白系に加えて、
    ・5〜70重量%の界面活性剤、
    ・10〜65重量%の水溶性、水分散性の無機ビルダー物質、
    ・1〜10重量%の水溶性の有機ビルダー物質、
    ・15重量%以下の固体の無機および/または有機酸または酸性塩、
    ・5重量%以下の重金属錯化剤、
    ・5重量%以下の灰色化抑制剤、
    ・5重量%以下の染料移行抑制剤、
    ・5重量%以下の発泡抑制剤、および
    漂白剤または洗剤の他の成分、
    を含有する請求項15〜22のいずれかに記載の製剤。
  24. 請求項1に記載のペルヒドロラーゼを含有するシャンプーおよび/または毛髪ケア製品。
  25. 請求項1に記載のペルヒドロラーゼ、過酸化水素供給源および該ペルヒドロラーゼのための基質を含有する、ケラチン繊維を染色するための酸化染料。
  26. 請求項1に記載のペルヒドロラーゼ、過酸化水素供給源および該ペルヒドロラーゼのための基質を含有する、義歯ケアのための製剤。
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