JP2005525794A - Bacillussp(DSM14390)由来の新規なアルカリ性プロテアーゼならびに該新規なアルカリ性プロテアーゼを含有する洗浄および浄化製品 - Google Patents
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Abstract
本発明は、Bacillus sp.(DSM 14390)由来のスブチリシン型の新規なアルカリ性プロテアーゼならびにその種々の関連タンパク質および誘導体に関する。さらに本発明は、該スブチリシン型の新規なアルカリ性プロテアーゼ、その種々の関連タンパク質および誘導体を含有する洗浄および浄化剤、ならびに、対応する洗浄および浄化方法、ならびに、洗浄および浄化剤およびさらなる技術的用途におけるそれらの使用に関する。
Description
本発明は、Bacillus sp.(DSM 14390)由来の新規なスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ、ならびに、その十分に関連したタンパク質および誘導体に関する。さらに本発明は、この新規なスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ、その十分に関連したタンパク質および誘導体を含む洗浄および浄化製品、対応する洗浄および浄化方法、ならびに、洗浄および浄化製品におけるこれらの使用、ならびに、さらなる可能性ある技術的使用に関する。
スブチリシン型のプロテアーゼ(スブチラーゼ、スブチロペプチダーゼ、EC3.4.21.62)、特にスブチリシン類は、触媒活性なアミノ酸であるゆえに、セリンプロテアーゼに属すると分類されている。これらプロテアーゼは、微生物[特に、バシラス(Bacillus)の種]によって天然に産生され、かつ分泌される。これらプロテアーゼは、非特異的なエンドペプチダーゼとして作用する。即ち、これらプロテアーゼは、ペプチドまたはタンパク質の内部に位置する任意の酸アミド結合を加水分解する。これらプロテアーゼのpH最適条件は、通常は明らかにアルカリ性の範囲内である。このファミリーの概説は、例えば、R.BottおよびC.Betzel編の「Subtilisin enzymes」(ニューヨーク、1996)中の第75-95頁のR.Siezenによる「Subtilases:Subtilisin-like Proteases」という論文中に供されている。スブチリシンは、多様な可能性ある技術的用途に対して、化粧品の成分として、特に、洗浄剤または浄化剤の活性成分として適している。
酵素は、洗浄および浄化製品の確立された活性成分である。これに関連して、プロテアーゼは、浄化すべき材料(例えば、織物または硬表面など)においてタンパク質性汚れの分解をもたらす。好ましい場合には、関連製品の酵素と他の構成成分の間に相乗作用が存在する。これは、例えばUS6008178に記載されている。その好ましい酵素特性(例えば、安定性またはpH最適条件)のゆえに、スブチリシンは、洗浄および浄化製品プロテアーゼの中でも突出している。最も重要なスブチリシンおよびその技術的開発のための最も重要な戦略を以下に記載する。
洗浄製品プロテアーゼの開発は、好ましくは微生物によって産生される天然酵素に基づいている。これらは、自体既知の突然変異誘発法、例えば点突然変異誘発、欠失、挿入または他のタンパク質またはタンパク質部分との融合によって、あるいは、洗浄および浄化製品において使用するための他の修飾によって最適化される。
即ち、例えば国際特許出願WO93/07276によれば、Bacillus sp. 164-A1から得られ、Chemgen Corp.[Gaithersburg、MD、米国]およびVista Chemical Company[Austin、TX、米国]から供給されているプロテアーゼ164-A1が、洗浄および浄化製品において使用するのに適している。他の例は、NovozymesのBacillus sp. PD138(NCIMB 40338)由来のアルカリ性プロテアーゼ(WO93/18140)、Kao Corp.(東京、日本)のBacillus sp.(FERM BP-3376)由来のプロテイナーゼK-16(US5344770)、ならびに、WO96/25489(Procter & Gamble、Cincinnati、OH、米国)によれば、好冷生物 Flavobacterium balustinum由来のプロテアーゼである。洗浄および浄化製品において使用するのに適する微生物起源のさらなるプロテアーゼは、特許文献からも知られている。これらは、例えば、Pseudomonas由来のもの(WO00/05352)、Metarrhizium由来のもの(EP601005)、Bacillus alkalophilus DMS 6845またはDSM 5466由来のもの(DE4411223)ならびに種々の他の微生物由来のもの(WO95/07350、EP1029920、EP578712、WO01/00764、US6197740、WO01/16285)である。
Bacillus amyloliquefaciensおよびB.subtilisからそれぞれ導かれるスブチリシンBPN'が、Vasanthaら(1984)[J.Bacteriol.、Vol.159、p.811-819]およびJ.A.Wellsら(1983)[Nucleic Acids Research、Vol.11、p.7911-7925]による研究において開示されている。スブチリシンBPN'は、特に位置の番号付与の点で、スブチリシンの参照酵素となる。カナダ特許出願CA2049097は、この分子の多数の突然変異体、特に洗浄および浄化製品におけるその安定性に関連した突然変異体を開示している。この酵素のループ領域における点突然変異によって得られ、低下した基質への結合と同時に増大した加水分解速度を有する変異体が、例えば、国際特許出願WO95/07991およびWO95/30010に示されている。このようなBPN'変異体を含む洗浄製品が、例えば、国際特許出願WO95/29979に開示されている。
E.L.Smithら(1968)[J.Biol.Chem.、Vol.243、p.2184-2191]およびJacobsら(1985)[Nucl.Acids Res.、Vol.13、p.8913-8926]による刊行物は、プロテアーゼ スブチリシン・カールスバーグ(Carlsberg)を紹介している。これは、Bacillus licheniformisによって天然に産生され、それぞれ、商標名 MaxataseRのもとでGenencor International Inc.[Rochester、New York、米国]から、および商標名 AlcalaseRのもとでNovozymes A/S[Bagsvaerd、デンマーク国]から得られる。点突然変異によって得られ、低下した基質への結合と同時に増大した加水分解速度を有するその変異体が、例えば、国際特許出願WO96/28566により開示されている。これらは、この分子のループ領域において単一または複数の置換が為された変異体である。
プロテアーゼPB92は、好アルカリ性細菌 Bacillus nov. spec. 92によって天然に産生され、商標名 MaxacalRのもとでGist-Brocades[Delft、オランダ国]から得られる。その元の配列が、欧州特許出願EP283075A2に記載されている。点突然変異によって得られ、洗浄剤および浄化剤において使用するのに適する該酵素の変異体が、例えば、特許出願WO94/02618およびEP328229に開示されている。
スブチリシン147および309が、それぞれ商標名 EsperaseRおよびSavinaseRのもとでNovozymesから市販されている。これらは、元来、英国特許出願GB1243784により開示されたBacillus菌株から導かれる。洗浄および浄化製品における使用に関連して点突然変異誘発により開発された該酵素の変異体が、例えば、国際特許出願WO94/02618(上記を参照)、WO89/06279、WO95/30011およびWO99/27082に開示されている。国際特許出願WO89/06279は、比較的高い酸化安定性、増大したタンパク質分解速度、および増強された洗浄性能の達成を目的としていた。この出願は、特定位置における置換が、スブチリシン147または309分子の物理的または化学的特性を変化させることを明らかにしている。国際特許出願WO95/30011は、分子のループ領域において点突然変異を有し、こうして低下した基質への吸着と同時に増大した加水分解速度を示すスブチリシン309の変異体を紹介している。国際特許出願WO99/27082は、例示のために、少なくとも1個のアミノ酸の挿入により活性ループを大きくすることによって洗浄性能を増強したスブチリシン309の変異体を開発している。
B.lentusアルカリ性プロテアーゼは、Bacillus種由来の高アルカリ性プロテアーゼである。野生型酵素は、好アルカリ性バシラス菌株から得られ、それ自体が、酸化および洗浄剤の作用に対して比較的高い安定性を示す。この菌株は、国際特許出願WO91/02792(EP493398およびUS5352604)によれば、番号DSM 5483のもとで寄託されている。同出願によれば、この酵素は、宿主Bacillus licheniformisにおいて異種発現させることができる。その3次元構造が、Goddetteらの刊行物(1992)[J.Mol.Biol.、Vol.228、p.580-595]:「The crystal structure of the Bacillus lentus alkaline protease, Subtilisin BL, at 1.4 Å resolution」に記載されている。点突然変異によって得られ、洗浄および浄化製品において使用するのに適する該酵素の変異体が、WO92/21760(US5340735、US5500364およびUS5985639)ならびにWO95/23221(US5691295、US5801039および5855625)に開示されている。WO95/23221の基礎を為す戦略、即ち、基質結合ポケットの近くの電荷状態の意図的な改変が、US6197589において説明されている。このプロテアーゼのさらなる変異体が、未だ公開されていない独国特許出願DE10121463およびDE10153792に記載されている。
スブチリシンDYは、Nedkovら(1985)[Biol.Chem Hoppe-Seyler、Vol.366、p.421-430]により初めて記載された。例えば国際特許出願WO96/28557によれば、これを、洗浄剤および浄化剤において使用するために、活性ループにおける特異的な点突然変異によって最適化することができ、低下した吸着および増大した加水分解速度を有する変異体を得ることができる。
Thermoactinomyces vulgarisによって天然に産生され、もはやスブチリシンではなくスブチラーゼに帰属させるべき[R.Siezen、「Subtilisin enzymes」中のp.75-95、R.BottおよびC.Betzelにより公表、New York、1996を参照]である酵素サーミターゼが、Melounら[FEBS Lett.、1983、p.195-200]により初めて記載された。例えば国際特許出願WO96/28558は、ループ領域中の置換により、低下した吸着および増大した加水分解速度を有する変異体を開示している。しかし、サーミターゼは、配列全体がその他のスブチリシンの配列から相当に逸脱している分子である。
プロテイナーゼKも、例えばB.lentusアルカリ性プロテアーゼに対して相当に低い相同性を有するスブチラーゼである。プロテイナーゼKは、微生物 Tritirachium album Limberから得られ、K.-D.JanyおよびB.Mayer(1985)[Biol.Chem.Hoppe-Seyler、Vol.366、p.485-492]により記載された。国際特許出願WO96/28556は、点突然変異誘発によって得られ、低下した基質への吸着および増大した加水分解速度を有するプロテイナーゼKの多くの変異体を開示している。
最後に、WO88/07581は、特に洗浄および浄化製品において使用するための、極めて類似したプロテアーゼTW3およびTW7を開示している。
例えば、特許出願EP199404、EP251446、WO91/06637およびWO95/10591は、技術的使用、特に洗浄剤および浄化剤において使用するのに適するさらなるプロテアーゼを記載している。欧州特許出願EP199404のプロテアーゼは、欧州特許EP130756に基づく種々のBPN'変異体である。EP251446は、個々のアミノ酸を交換することによって得られる多くのBPN'変異体を開示している。国際特許出願WO91/06637のプロテアーゼは、123位および/または274位におけるBPN'の点突然変異によって区別される。WO95/10591は、76位および他の位置においても突然変異を有する、主にBacillus lentusプロテアーゼの変異体を開示している。
他の既知のプロテアーゼは、例えば、商標名 DurazymR、RelaseR、EverlaseR、Nafizym、NatalaseR、KannaseRおよびOvozymesRのもとでNovozymesから、商標名 MaxapemR、PurafectR、Purafect OxPRおよびProperaseRのもとでGenencorから、商標名 ProtosolRのもとでAdvanced Biochemicals Ltd.[Thane、インド]から、ならびに、商標名 WuxiRのもとでWuxi Snyder Bioproducts Ltd.[China]から得られる酵素である。
スブチリシンの洗浄性能を増強するための1つの戦略は、既知の分子において個々のアミノ酸を他のアミノ酸によりランダムにまたは特異的に置換すること、ならびに、得られた変異体をその洗浄性能寄与について試験することである。この戦略は、上記のそれぞれの場合(例えばEP130756)に示したさらなる開発の一部によって追求されている。また、酵素のアレルゲン性を、例えばWO99/49056、WO99/49057およびWO01/07575に従って、ある種のアミノ酸の交換または欠失によって改善することもできる。
スブチリシンの洗浄性能を増強するために、多くの特許出願が、活性ループに追加のアミノ酸を挿入する戦略を採っている。即ち、例えば、既に挙げたWO99/27082の他に、国際特許出願番号WO00/37599、WO00/37621〜WO00/37627およびWO00/71683〜WO00/71691で公開された特許出願もこの戦略を採っている。この戦略を、原則的に下位群I-S1(真のスブチリシン)またはI-S2(高アルカリ性スブチリシン)のいずれかに属する全てのスブチリシンに、相応して適用することができるはずである。
性能を増強する別の戦略は、分子の表面電荷および/または等電点を修飾し、これにより、基質とのその相互作用を改変することである。この種の変異体は、例えば、US5665587ならびに特許出願EP405901、EP945502A1、WO91/00334およびWO91/00345により開示されている。WO92/11348は、分子電荷におけるpH依存性変異を減少させるための点突然変異を開示している。国際特許出願WO00/24924は、この原理から、洗浄および浄化製品において使用するのに恐らくは適するであろう変異体を同定するための方法を導いている(これに開示されている全ての変異体は、103位に少なくとも1つの置換を有しており、好ましいのは、本願に関係する置換を含まない複数の変異体である)。WO96/34935によれば、洗浄および浄化製品における性能を増強する目的で、分子の疎水性を増大させることもでき、これが酵素の安定性に影響を与えることができる。
国際特許出願WO99/20727は、国際特許出願WO00/24924の方法によって得られるようなスブチリシン変異体を開示している(これらの全ては、複数の他の可能な置換と組合せて、103位に少なくとも1つの置換を含む)。国際特許出願WO99/20723およびWO99/20726は、アミラーゼまたは漂白剤をさらに含有する洗浄および浄化製品のための同じ突然変異体を開示している。
プロテアーゼの有効性を調節するための別の方法は、融合タンパク質を形成させることである。即ち、例えば国際特許出願WO98/13483およびWO00/01831は、プロテアーゼおよびインヒビター(例えばStreptomycesスブチリシンインヒビター)からなる融合タンパク質を開示している。別の可能性は、例えばWO97/28243またはWO99/57250によれば、セルラーゼに由来するセルロース結合ドメイン(CBD)に結合させて、基質のすぐ近くの活性酵素の濃度を増大させることである。WO99/48918によれば、ペプチドリンカーおよびそれへのポリマーの結合によって、アレルゲン性または免疫原性を減少させる。
ランダムに生成させたアミノ酸交換およびその後の選択のゆえに改善された性能を有する変異体が、例えばWO99/20769に開示されている。洗浄および浄化製品において使用するためにプロテアーゼを進化させるための、ファージ表示系に基づくランダム法が、例えば国際特許出願WO97/09446に開示されている。
酵素開発における最近の方向は、統計学的方法により、互いに関連する既知のタンパク質からのエレメントを組合せて、以前には達成されていなかった特性を有する新規な酵素を得ることである。この種の方法は、進化を指向する一般的用語のもとでも挙げられており、例えば、以下の方法を包含する:StEP法[Zhaoら(1998)、Nat.Biotechnol.、Vol.16、p.258-261]、ランダムプライミング組換え[Shaoら(1998)、Nucleic Acids Res.、Vol.26、p.681-683]、DNAシャッフリング[Semmer,W.P.C.(1994)、Nature、Vol.370、p.389-391]または反復配列組換え[RSR;WO98/27230、WO97/20078、WO95/22625)またはRACHITT[Coco,W.M.ら(2001)、Nat.Biotechnol.、Vol.19、p.354-359]。また、このような方法の概論は、先行論文「Gerichtete Evolution und Biokatalyse」[Powellら(2001)、Angew.Chem.、Vol.113、p.4068-4080]にも示されている。
別の特に相補性の戦略は、関連のプロテアーゼの安定性を増大させ、こうしてその有効性を増大させることである。例えばUS5230891は、化粧品において使用されるプロテアーゼのための、ポリマーへの結合による安定化を記載している(この安定化は皮膚適合性の増強を伴う)。他方において、特に洗浄剤および浄化剤のためには、点突然変異による安定化がより普通である。即ち、US6087315およびUS6110884によれば、特定のチロシン残基を他の残基で置換することによって、プロテアーゼを安定化することができる。WO89/09819およびWO89/09830は、アミノ酸置換によって得られる比較的熱安定性のBPN'変異体を記載している。
記載されている点突然変異誘発による安定化の他の可能な例は、次の通りである:
・特定のアミノ酸残基をプロリンで置換する(WO92/19729、それぞれEP583339およびUS5858757、ならびにEP516200による);
・より高極性の基またはより高電荷の基を分子表面に導入する(EP525610、EP995801およびUS5453372による);
・金属イオンの結合を、特にカルシウム結合部位の突然変異誘発によって増強する(例えば、国際特許出願WO88/08028およびWO88/08033の教示による);
・修飾または突然変異誘発によって自己分解をブロックする(例えば、WO98/20116またはUS5543302による);
・複数の安定化戦略を組合せる(欧州特許出願EP398539A1に開示);
・US5340735、US5500364、US5985639およびUS6136553によれば、安定化に関連する位置を、3次元構造の分析によって見い出すことができる。
・特定のアミノ酸残基をプロリンで置換する(WO92/19729、それぞれEP583339およびUS5858757、ならびにEP516200による);
・より高極性の基またはより高電荷の基を分子表面に導入する(EP525610、EP995801およびUS5453372による);
・金属イオンの結合を、特にカルシウム結合部位の突然変異誘発によって増強する(例えば、国際特許出願WO88/08028およびWO88/08033の教示による);
・修飾または突然変異誘発によって自己分解をブロックする(例えば、WO98/20116またはUS5543302による);
・複数の安定化戦略を組合せる(欧州特許出願EP398539A1に開示);
・US5340735、US5500364、US5985639およびUS6136553によれば、安定化に関連する位置を、3次元構造の分析によって見い出すことができる。
例えば、文献EP755999およびWO98/30669は、洗浄または浄化性能を増強するために、プロテアーゼを、α-アミラーゼおよび他の洗浄製品酵素と一緒に使用しうることを開示している。例えばEP791046は、リパーゼとの組合せの可能性を開示している。例えば国際特許出願WO95/10592は、洗浄製品において使用するためのWO95/10591に先に記載された変異体が、漂白剤において使用するのにも適していることを開示している。例えば、US6121226は、洗浄製品におけるプロテアーゼと汚れ遊離剤の同時使用を開示している。
例えば国際特許出願WO97/07770は、洗浄製品において使用するために確立されたプロテアーゼの一部が、化粧目的にも適することを開示している。プロテアーゼのさらなる可能性ある技術的使用は、例えば欧州特許出願EP380362A1に示されている。これは有機化学合成に関連し、この出願によれば、これに適すると言及されているスブチリシンは、点突然変異誘発によって安定化されたスブチリシンである。
例示のためにここに示されている使用の多様な技術領域は、異なる特性(例えば、反応条件、安定性または基質特異性に関連する)を有するプロテアーゼを必要とする。逆に、例えば洗浄または浄化製品の配合においては、プロテアーゼの技術的使用の可能性は、さらなる因子、例えば高温、酸化剤に対する酵素の安定性、界面活性剤によるその変性、折り畳み効果または他の成分との所望の相乗作用に依存する。
従って、技術的に使用することができ、多数の応用分野のゆえに、全体として広範囲の特性(性能の極めて微妙な相違を含む)を保持するプロテアーゼが極めて必要とされ続けている。
このための基礎が、特定の応用分野を標的としたさらなる開発が可能な新規なプロテアーゼによって広がる。
このための基礎が、特定の応用分野を標的としたさらなる開発が可能な新規なプロテアーゼによって広がる。
即ち、本発明は、未だ知られていないさらなるプロテアーゼを見い出すという目的に基づくものであった。この野生型酵素は、好ましくは、適当な製品において使用したときに、この目的に確立されている酵素に少なくとも似ているという点で区別されることを意図した。この点で特に重要なことは、洗浄または浄化製品の性能に対する寄与であった。
さらなる副次的な目的は、この種のプロテアーゼをコードしている核酸を提供すること、ならびに、この種のプロテアーゼを得るために使用しうるベクター、宿主細胞および調製方法を提供することであった。さらに、対応する製品(特に、洗浄および浄化製品)、対応する洗浄および浄化方法ならびに対応するこの種のプロテアーゼの可能な使用を提供することを意図した。最後に、見い出したプロテアーゼの可能な技術的使用を規定することを意図した。
この目的は、配列番号2として挙げた配列に示されるアミノ酸配列に少なくとも98.5%同一であるアミノ酸配列を有するスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼによって達成される。
それぞれの場合に、Bacillus sp.(DSM 14390)由来の新規なアルカリ性プロテアーゼとの同一性の程度が増大しているものほど、好ましさが増大する。
それぞれの場合に、Bacillus sp.(DSM 14390)由来の新規なアルカリ性プロテアーゼとの同一性の程度が増大しているものほど、好ましさが増大する。
上記の目的または副次的目的のさらなる達成、即ちそれぞれ本発明の固有の側面は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に十分に類似する配列または本発明のプロテアーゼをコードしている配列を有する核酸、ならびに、適当なベクター、細胞または宿主細胞および製造方法からなる。また、対応する製品(特に、対応する洗浄および浄化製品)および対応するこの種のプロテアーゼの可能な使用も提供される。最後に、見い出したプロテアーゼの可能な技術的使用が規定される。
本願によれば、「タンパク質」とは、天然アミノ酸から構成され、実質的に線状構造を有し、通常は3次元構造を採ってその機能を発揮するポリマーを意味する。本願においては、タンパク質を生成する19個の天然L-アミノ酸を、国際的に使用されている1文字コードおよび3文字コードによって言及する。これらの名称と数の任意の組合せは、特定のタンパク質がそれぞれの位置において保持するアミノ酸残基を示す。同様の表示が点突然変異に対して確立されている。他に記すことがなければ、示した位置は、それぞれ当該タンパク質の成熟形態、即ちシグナルペプチドを含まない形態に言及している(後記を参照)。
本願によれば、「酵素」とは、特定の生化学機能を発揮するタンパク質を意味する。例えば、「タンパク質分解酵素」またはタンパク質分解機能を有する酵素とは、タンパク質の酸アミド結合(特に、タンパク質の内側に位置する結合)を加水分解し、従ってエンドペプチダーゼとも称される酵素を一般に意味する。スブチリシンプロテアーゼは、グラム陽性細菌によって天然に産生され、通常は分泌されるエンドペプチダーゼであるか、または、これから例えば分子生物学的方法によって誘導され、部分領域(例えば、構造形成領域または機能担持領域)を介して天然のスブチリシンプロテアーゼと相同化しうるエンドペプチダーゼである。これらはスブチラーゼに割り当てられる。これらは、例えば、「Subtilisin enzymes」[R.BottおよびC.Betzel編、New York、1996]中、第75-95頁のR.Siezenによる論文「Subtilases: Subtilisin-like Proteases」に記載されている。
多くのタンパク質は、「プレタンパク質」として、即ち「シグナルペプチド」と一緒に形成される。これはタンパク質のN-末端部分を意味し、その機能は、通常、産生されたタンパク質の産生細胞からペリプラズムまたは周囲培地への輸出および/またはその正しい折り畳みを確実にすることである。次いで、このシグナルペプチドは、シグナルペプチダーゼによって天然条件下に残りのタンパク質から除去され、こうして該タンパク質は、最初に存在したN-末端アミノ酸なしでその実際の触媒活性を発揮する。
その酵素活性のゆえに、技術的応用のためには、プレタンパク質よりも「成熟タンパク質」が、即ち、その調製後にプロセシングされた酵素が好ましい。
「プロタンパク質」は、タンパク質の不活性前駆体である。シグナル配列を含む前者の前駆体は、「プレプロタンパク質」と称される。
「プロタンパク質」は、タンパク質の不活性前駆体である。シグナル配列を含む前者の前駆体は、「プレプロタンパク質」と称される。
本願によれば、「核酸」とは、天然にヌクレオチドから構成され、情報担持体として働き、タンパク質または酵素の線状アミノ酸配列をコードしている分子を意味する。これらは、一本鎖として、該一本鎖に相補性の一本鎖として、または二本鎖として存在することができる。分子生物学的研究のためには、天然により耐久性の高い情報担持体として、核酸DNAが好ましい。対照的に、RNAは、天然環境(例えば発現細胞など)において、本発明を実行するために産生され、従って、本発明にとって重要なRNA分子は、同様に本発明の態様である。また、これから例えば逆転写によって、(c)DNA分子を導くことができる。
本願によれば、核酸の情報単位(これはタンパク質に対応する)は、「遺伝子」とも称される。DNAの場合、両相補鎖の配列のそれぞれにおいて3つ全ての可能な読み枠を考慮しなければならない。また、異なるコドントリプレットが同じアミノ酸をコードすることができるので、特定のアミノ酸配列を複数の異なるヌクレオチド配列(これは恐らくは低い同一性しか有さない)から導くことができるということも考慮しなければならない(遺伝暗号の縮重)。さらに、種々の生物は、これらコドンの使用の点で異なる。これらの理由から、アミノ酸配列とヌクレオチド配列の両方が保護範囲に含まれなければならず、示したヌクレオチド配列のそれぞれは、例示のために特定のアミノ酸配列をコードしているにすぎないとみなされるべきである。
当業者なら、現在では広く知られている方法、例えば化学合成またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などを、分子生物学的標準法および/またはタンパク質化学標準法と組合せることにより、既知のDNA配列および/またはアミノ酸配列に基づいて、完全な遺伝子を調製することができる。この種の方法は、例えば、「Lexikon der Biochemie (生化学の辞典)」[Spektrum Akademischer Verlag、Berlin、1999、Vol.1、p.267-271およびVol.2、p.227-229]から既知である。これは、特に、菌株コレクションに寄託された菌株を利用しうるときに可能になる。例えば、既知の配列に基づいて合成しうるPCRプライマーを用いて、そして/または単離したmRNA分子を用いて、該菌株から当該遺伝子を、合成、クローン化、および所望によりさらに処理、例えば突然変異誘発することができる。
例えば、自体既知の分子生物学的方法によって生成させうるヌクレオチド配列の変化は、「突然変異」と称される。変化の種類に依存して、例えば、「欠失突然変異」、「挿入突然変異」もしくは「置換突然変異」、または、種々の遺伝子もしくは遺伝子の一部が、互いに「融合」された突然変異(「シャッフリング」)が知られている(これらは遺伝子突然変異である)。対応する生物は、「突然変異体」と称される。突然変異した核酸由来のタンパク質は、「変異体」と称される。即ち、例えば、欠失、挿入、置換突然変異または融合は、欠失突然変異した遺伝子、挿入突然変異した遺伝子、置換突然変異した遺伝子または融合遺伝子を与え、そしてタンパク質レベルでは、対応する欠失変異体、挿入変異体もしくは置換変異体または融合タンパク質を与える。
「ベクター」とは、本発明によれば、核酸からなるエレメントであって、特徴的な核酸領域として目的の遺伝子を含むエレメントを意味する。これらは、数世代または細胞分裂にわたって種またはセルラインにおいて残りのゲノムとは独立して複製する安定な遺伝子エレメントとして、目的の遺伝子を確立することができる。ベクターとは、特に細菌において使用する場合には、特別のプラスミド、即ち環状の遺伝子エレメントである。遺伝子操作では、一方において、貯蔵のために使用され、ある程度までは遺伝子操作の研究のために使用されるベクターである「クローニングベクター」と、他方において、宿主細胞において目的の遺伝子を確立する機能、即ち、該当タンパク質の発現を可能にする機能を発揮するベクターとの間を区別する。これらのベクターは、「発現ベクター」と称される。
上記のベクターを含む細菌細胞および真核細胞の両方を、それらの相違とは関係なく、一般的に「細胞」と称する。ベクター、特に発現ベクターを含み、従ってトランス遺伝子を発現するように誘導しうる細胞を「宿主細胞」と称する(これらが関連の遺伝子系を保持しているため)。
「相同化(ホモロジゼーション)」とは、ある核酸またはアミノ酸配列と既知の遺伝子またはタンパク質の配列との比較である。これは、例えば整列(アラインメント)によって行われる。相同性の尺度は、「同一性」の割合(%)であり、これは、例えばD.J.LipmanおよびW.R.Pearsonにより示された方法[Science 227 (1985)、p.1435-1441]によって測定することができる。この情報は、完全なタンパク質またはそれぞれの場合に割り当てられる領域に向けることができる。また、より広い相同性の概念である「類似性」は、保存された変異、即ち同様の化学活性を有するアミノ酸をも考慮に含む。これは、これらが通常はタンパク質内で同様の化学活性を発揮するためである。核酸の場合、同一性の割合(%)だけが知られる。
相同化により、アミノ酸またはヌクレオチド配列から考慮下の完全酵素の酵素活性および個々の配列領域の「機能」を推論することができる。異なるタンパク質の相同領域は、同等の機能を有する領域であり、これを、一次アミノ酸配列における同一性または保存された交換によって認識することができる。これらは、単一のアミノ酸、極めて小さな領域、いわゆるボックスを含み、これは、一次アミノ酸配列において数個のアミノ酸長さから長い領域までにわたる。即ち、相同領域の機能は、完全タンパク質によって発揮される機能の極めて副次的な部分的機能、例えば、個々の水素結合の形成または基質または遷移複合体の複合化などを含むと理解すべきである。実際の酵素反応に関与しないタンパク質の他の領は、これらを定性的または定量的に修飾することができる。これは、例えば酵素安定性、活性、反応条件または基質特異性に関連する。
従って、「タンパク質分解酵素」または「プロテアーゼ」という用語は、触媒活性部位の数個のアミノ酸残基の機能に加えて、実際の触媒活性領域上の残りのタンパク質全体または残りのタンパク質の1またはそれ以上の部分の作用から生じるあらゆる機能を意味する。本発明によれば、このような修飾機能または部分活性も、それらがタンパク質分解反応を支援する限り、単独でタンパク質分解活性とみなされる。このような補助的機能または部分活性には、例えば、基質、中間体または最終産物の結合、加水分解活性に対する調節的影響の活性化または阻害または媒介が含まれる。別の可能性ある例は、活性部位から遠く離れて位置する構造エレメントの形成である。しかし、本発明に係るタンパク質分解タンパク質であるための第2の前提条件は、実際に活性な残基単独での化学的挙動またはさらに修飾部分の作用が、ペプチド結合の加水分解を生じることである。例えば、本発明のタンパク質の1またはそれ以上の部分が、他のプロテアーゼの活性を質的または量的に修飾することもさらに可能である。この他の要因の影響は、同様にタンパク質分解活性とみなされる。また、タンパク質分解活性な酵素とは、その活性が所定の時点で、例えばインヒビターによってブロックされるプロテアーゼである。対応するタンパク質分解反応に対する主適合性は重要である。
「フラグメント」とは、天然のタンパク質または完全に翻訳された遺伝子に対応するタンパク質よりも小さく、例えば合成によっても得ることができる任意のタンパク質またはペプチドを意味する。そのアミノ酸配列のゆえに、これらは、対応する完全なタンパク質に関連付けることができる。これらは、例えば、同一の構造をとることもでき、またタンパク質分解活性または部分活性を発揮することもできる。出発タンパク質のフラグメントおよび欠失変異体は、原則的に極めて類似している。フラグメントは、相対的にかなり小さいピース(小片)であるが、欠失突然変異体は、短い領域を欠いているだけであり、そのため個々の部分的な機能を欠いているだけである。
「キメラ」または「ハイブリッド」タンパク質とは、本願によれば、同じ生物または異なる生物からの異なるポリペプチド鎖に天然に由来するエレメントから構成されるタンパク質を意味する。この操作は、「シャッフリング」または「融合突然変異誘発」とも称される。このような融合の目的は、例えば、本発明の融合されたタンパク質部分の助けを借りて酵素機能を生じさせるか、または修飾することである。
「挿入突然変異」によって得られたタンパク質とは、出発配列にタンパク質フラグメントまたは核酸フラグメントを挿入することによって、自体既知の方法により得られたタンパク質変異体を意味する。これらは、原則的にその類似性のゆえに、キメラタンパク質と分類されるべきである。これらは、単に、タンパク質全体のサイズに対する未変更タンパク質部分のサイズの点で、後者とは異なる。このような挿入突然変異されたタンパク質における外来タンパク質の割合は、キメラタンパク質における割合よりも低い。
「反転突然変異誘発」、即ち部分的配列転換は、欠失および挿入の両方の特別な形態とみなすことができる。同じことが、元のアミノ酸配列から逸脱する種々の分子部分の再編成に当てはまる。このような再編成は、元のタンパク質の欠失変異体、挿入変異体およびシャッフリング変異体とみなすことができる。
「誘導体」とは、本願によれば、純粋なアミノ酸鎖が、化学的に修飾されているタンパク質を意味する。これらの誘導体化は、例えば、宿主生物によるタンパク質生合成と関連して生物学的に行うことができる。ここで、例えば関連の修飾を確実にする遺伝子との同時形質転換などの分子生物学的方法を使用することができる。しかし、誘導体化を、化学的に、例えば、アミノ酸側鎖の化学的転換によって、あるいはタンパク質への別の化合物の共有結合によって行うこともできる。このような化合物は、例えば、本発明のタンパク質に二官能性化合物を介して結合される他のタンパク質であってもよい。この種の修飾は、例えば、基質特異性もしくは基質に対する結合強度に影響を与えるか、または酵素活性の一過性のブロックを引き起こす(結合される物質がインヒビターである場合)。これは、例えば、貯蔵期間にとって有用である。同様に、誘導体化とは、巨大分子支持体に対する共有結合を意味する。
本発明によれば、全ての酵素、タンパク質、フラグメント、融合タンパク質および誘導体は、それらがそうであると明白に言及される必要がなければ、「一般的用語タンパク質」に含まれる。
「酵素の性能」とは、それぞれの場合に考慮される技術領域におけるその効力、好ましくは対応して指向される製品の範囲内でのその効力を意味する。このような性能は、実際の酵素活性に基づくが、さらに、特定のプロセスに関連するさらなる要因に依存する。これらには、例えば、安定性、基質結合、該基質を支持する物質との相互作用、または他の成分との相互作用(特に、相乗作用)が含まれる。
「洗浄または浄化製品の洗浄または浄化性能」とは、本願によれば、汚れた物品(例えば、織物または硬表面を有する物体)において調べた、該製品によって発揮される効果を意味する。このような製品の個々の成分、例えば、個々の酵素は、洗浄または浄化製剤全体の「洗浄または浄化性能に対する寄与」の点で評価される。その理由は、酵素の酵素特性から、製品の洗浄性能に対する該酵素の寄与を推定することが、容易にはできないためである。ここで、ある役割を果たす他の要因の例は、安定性、基質結合、浄化されるべき物質への結合、および該洗浄または浄化製品の他の成分との相互作用(特に、汚れ除去における相乗作用)である。
天然に産生されるスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ(本発明はこれに基づいている)は、実施例から確かめることができるように、菌株「Bacillus sp.(DSM 14390)」の培養上清から得ることができる。
この菌株は、1997年4月28日の「微生物の寄託」の国際的承認に関するブダペスト条約に従って、2001年3月1日に、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH [Mascheroder Weg 1b、38124 Brunswick (http://www.dsmz.de)]に寄託された。その表示はID 01-191であり、受託番号はDSM 14390である。この生物学的物質の特徴に関する標準情報(2001年4月19日にDSMZにより寄託時に測定された)は、表1(実施例1)にまとめられている。
本特許出願は、プロテアーゼ産生微生物、従って天然産生の酵素(上記した要件をできるだけ完全に満たす)を、天然生息地において見い出す戦略に従った。
このような酵素を、本願の実施例に記載のように、Bacillus sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの形態で見い出すことができた。
このような酵素を、本願の実施例に記載のように、Bacillus sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの形態で見い出すことができた。
Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbHによって行われた生化学的特性化の範囲を越えて確かめることができ、そして実施例1の表1に示されているように、この菌株はタンパク質分解活性を分泌する。これを、本願の例示態様に従って調べ、次のように記載することができる。これは、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によれば26kDのタンパク質であり、等電点電気泳動で測定したときに等電点11を有する。基質AAPFに対する比活性は69U/mgであり、50℃で測定した最適pHはpH11である。
本発明のBacillus sp.(DSM 14390)由来の新規なアルカリ性プロテアーゼのヌクレオチド配列を、本願の配列表に配列番号1として示す。これは1143bpを含有する。これから導かれるアミノ酸配列を配列番号2に示す。これは380個のアミノ酸を含有し、これに停止コドンが続く。その最初の111個のアミノ酸は、恐らくは成熟タンパク質中には存在しないので、成熟タンパク質の考察される長さは、269個のアミノ酸である。
実施例2に記載したように、これらの配列を、誰でもアクセスできるデータベースであるSwiss-Prot[Geneva Bioinformatics (GeneBio) S.A.、Geneva、スイス国;http://www.genebio.com/sprot.html]およびGenBank[National Center for Biotechnology Information NCBI、National Institutes of Health、Bethesda、MD、米国]から入手できるプロテアーゼ配列と比較した。
この手段により、DNAレベルにおいて、以下の3つの遺伝子が、完全遺伝子について最も類似しているものとして同定された:(1)Bacillus alkalophilus由来のスブチリシンP92(ID ELYA BACAO)(90%同一)、(2)Bacillus Ya-B由来のアルカリ性エラスターゼ(ID ELYA BACSP)(72%同一)、ならびに、(3)Bacillus Sendai由来のスブチリシンSendai(ID Q45522)(69%同一)。
アミノ酸レベルにおいて、完全プレプロタンパク質について最も類似しているものとして同定されたものは次の通りである:(1)Bacillus alkalophilus由来のスブチリシンP92(ID ELYA BACAO)(98%同一)、(2)Bacillus Ya-B由来のアルカリ性エラスターゼ(ID ELYA BACSP)(80%同一)、ならびに、(3)Bacillus Sendai由来のスブチリシンSendai(ID Q45522)(73%同一)。
アミノ酸レベルにおいて、成熟タンパク質について最も類似しているものとして同定されたものは次の通りである:(1)Bacillus lentus由来のスブチリシン309(SavinaseR)(ID SUBS BACLE) (99%同一、これは、成熟タンパク質中に3個の異なるアミノ酸だけを有すると言える);続いてBacillus alkalophilus由来のスブチリシンP92(ID ELYA BACAO)(98%同一または5つの異なる位置を有する)、ならびに、(3)Bacillus lentus DSM 5483由来のB.lentusアルカリ性プロテアーゼ(ID SUBB BACLE)(97%同一または8個の異なるアミノ酸を有する)。
さらなる類似の酵素が、実施例2の表2に挙げられており、図1の整列において成熟タンパク質のアミノ酸配列に関して、Bacillus sp.(DSM 14390)由来の本発明のアルカリ性プロテアーゼと比較されている。
同定される一致に基づいて、および他の示したスブチリシンとの関係に基づいて、このアルカリ性プロテアーゼは、スブチリシンとみなすべきである。
同定される一致に基づいて、および他の示したスブチリシンとの関係に基づいて、このアルカリ性プロテアーゼは、スブチリシンとみなすべきである。
即ち、本発明の1つの対象は、配列番号2に示されるアミノ酸配列に少なくとも98.5%同一であるアミノ酸配列を有するあらゆるスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼである。
これらの中で、順に増大して好ましいのは、そのアミノ酸配列が、少なくともそれぞれの場合に、配列番号2に示されるアミノ酸配列に98.6%、98.7%、98.75%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%および100%同一であるものである。
これは、これらの特性が、B.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの特性に、この順に増大して類似していると予測されるためである。
これらの中で、順に増大して好ましいのは、そのアミノ酸配列が、少なくともそれぞれの場合に、配列番号2に示されるアミノ酸配列に98.6%、98.7%、98.75%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%および100%同一であるものである。
これは、これらの特性が、B.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの特性に、この順に増大して類似していると予測されるためである。
既に記したように、N-末端配列の比較に基づいて、アミノ酸1〜111は、恐らくはリーダーペプチドとみなすべきであり、成熟タンパク質は、配列番号2に従って112位から380位まで伸びているものと考察される。従って、381位は停止コドンによって占められ、実際にはアミノ酸に対応しない。しかし、コード領域の末端に関する情報は、アミノ酸配列の重要な成分であるとみなすことができるので、この位置は、本発明によれば成熟タンパク質に対応する領域中に含まれる。
従って、本発明のこの側面の1つの態様は、配列番号2に示されるアミノ酸配列に112〜381位において少なくとも99.3%同一であるアミノ酸配列を有する、あらゆるスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼである。
これらの中で、順に増大して好ましいのは、そのアミノ酸配列が、少なくともそれぞれの場合に、配列番号2に示されるアミノ酸配列に112〜381位において99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%および100%同一であるものである。
これらの中で、順に増大して好ましいのは、そのアミノ酸配列が、少なくともそれぞれの場合に、配列番号2に示されるアミノ酸配列に112〜381位において99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%および100%同一であるものである。
例えばBacillus sp.(DSM 14390)によりインビボで放出されるタンパク質分解タンパク質のN-末端配列決定によって、切断部位が配列番号2に従って111番目および112番目のアミノ酸の間に位置しておらず、どこか他の位置にあることが明らかになった場合には、これらの記述は、実際の成熟タンパク質に関する。
本発明のこの側面の1つの態様は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に配列番号2中の112〜381位に対応する部分領域にわたり、少なくとも92.5%同一であるヌクレオチド配列から導かれるあらゆるスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼである。
これらの中で、順に増大して好ましいのは、少なくともそれぞれの場合に、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に配列番号2の112〜381位に対応する部分領域にわたり、93%、93.5%、94%、94.5%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.2%、98.4%、98.6%、98.8%、99%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%および100%同一であるヌクレオチド配列から導かれるものである。
これは、これらの核酸が、B.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼ(特に成熟タンパク質)の特性に、この順に増大して類似している特性を有するタンパク質をコードしていると予測されるためである。この場合にも、以下の態様の全てに関して、タンパク質の切断部位が上記した位置以外のどこかの位置にあることが明らかになった場合には、これらの記述は実際の成熟タンパク質に関すると言える。
本発明のこの態様の最も好ましい態様は、配列番号2に示されるアミノ酸配列の全体と、好ましくは112〜381位において、同一であるアミノ酸配列、および/または、配列番号1に示されるヌクレオチド配列から導かれるアミノ酸配列の全体と、好ましくは配列番号2の112〜381位において、同一であるアミノ酸配列を有する全てのスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼである。
これは、このようなプロテアーゼが、本願により利用可能になったBacillus sp.(DSM 14390)由来の新規に見い出されたアルカリ性プロテアーゼを構成するためである。
これは、このようなプロテアーゼが、本願により利用可能になったBacillus sp.(DSM 14390)由来の新規に見い出されたアルカリ性プロテアーゼを構成するためである。
このプロテアーゼは、先行技術においてこれまで知られていない。これを、実施例に示したように、単離、製造および使用することができる。これをさらに、同様に実施例に記載したように、この目的に確立された酵素の性能に近づけるかまたは一部の場合にはそれを越えさせることによって、適当な製品における使用時に異なるものにする。
微生物によって天然に産生される酵素のように、これは、特に洗浄製品において使用しうる工業用プロテアーゼの開発のための出発点となることができ、自体既知の突然変異誘発法(例えば、点突然変異誘発、フラグメント化、欠失、挿入または他のタンパク質もしくはンパク質部分との融合)によって、あるいは他の修飾によって、所望の使用のために最適化するための出発点となることができる。このような最適化は、例えば、温度、pH変動、酸化還元条件および/または他の影響(その技術的使用領域に関連する)の作用の適合化であってよい。これら要求の例は、酸化に対する耐性の改善、変性剤もしくはタンパク質分解、高温、酸性もしくは強アルカリ性条件に対する安定性の改善、カルシウムイオンもしくは他の補助因子に対する感受性の変化、ならびに、免疫原性もしくはアレルゲン作用の減少である。
この目的のために、例えば、WO00/36069の教示を適用して、標的化点突然変異によって、触媒作用または基質結合に関与している表面電荷またはループを改変することができる。この後者は、例えば、WO95/30011、WO99/27082、WO00/37599、WO00/37621〜WO00/37627およびWO00/71683〜WO00/71691に開示されている。特に遺伝子操作法によって導入されるさらなる修飾は、例えば、国際特許出願WO92/21760およびWO95/23221の教示を適用して行うことができる。このための出発点は、本願の図1に示した整列である。これは、Bacillus sp.(DSM 14390)由来のプロテアーゼについて本願に記載した興味ある位置を、既知の酵素から推論することならびに自体既知の方法によって適切に変更することを可能にする。
突然変異誘発法は、配列番号1に示した関連のヌクレオチド配列、あるいは、これに十分に類似し、本発明の別の対象として後記に記載するヌクレオチド配列に基づく。適当な分子生物学的方法は、先行技術において、例えば、Fritsch、SambrookおよびManiatisの「Molecular cloning: a laboratory manual」[Cold Spring Harbour Laboratory Press、New York、1989]のマニュアルなどに記載されている。
特に好ましい態様において、点突然変異は、対応するプロテアーゼの性能改善、特に、対応する製品の洗浄または浄化性能に対するその寄与の改善を導く。本願の実施例は、B.sp.(DSM 14390)由来の本発明のタンパク質が、ある場合には、非常に類似したSavinaseR酵素およびB.lentusアルカリ性プロテアーゼよりも良好な性能を表すことを示す。図1の整列から推論することができるように、B.sp.(DSM 14390)由来のプロテアーゼは、SavinaseRとは3つの位置において異なっている:即ち、224位(配列番号1における本発明のプロテアーゼのアミノ酸番号付与に従う)において、それはAに代えてVを有し;250位においてSの代わりにGを有し;253位においてSの代わりにNを有する。同じ相違が、B.lentus(DSM 5483)由来のアルカリ性プロテアーゼとの比較により存在する。この酵素とのさらなる相違は、97位(配列番号1における本発明のプロテアーゼのアミノ酸番号付与に従う)におけるDの代わりのS、99位におけるRの代わりのS、101位におけるAの代わりのS、102位におけるIの代わりのVおよび157位におけるSの代わりのGである。即ち、特に好ましいのは、B.sp.(DSM 14390)由来のプロテアーゼに対応する1またはそれ以上のアミノ酸位置を有する、上記した保護の範囲内にあるプロテアーゼである。これらの中で、極めて好ましいのは、224位、250位および253位にそれぞれ3個のアミノ酸V、Gおよび/またはNの1つまたはそれ以上を有するプロテアーゼである。
本発明のさらなる態様は、上記したスブチリシン型の本発明のアルカリ性プロテアーゼから、フラグメント化または欠失突然変異誘発によって導かれ、順に増大して好ましくは、少なくとも225、230、235、240、245、250、260、265、270、275、280、285、290、300、310、320、330、340、343、350および360個のアミノ酸(これらは、出発分子において既に結合しており、出発アミノ酸配列の開始点、中間または末端に位置する)を有する全てのタンパク質またはフラグメント、あるいは、順に増大して好ましくは、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、320、340、343および360個のアミノ酸(これらは、出発分子において既に結合しており、配列番号1のアミノ酸番号付与に従って224位を含む)を有するものである。
図1の整列から、B.sp.(DSM 14390)由来の成熟プロテアーゼのアミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸番号付与に従って224位まで、または整列の番号付与に従って230位まで、B.lentus由来のプロテアーゼ(SUBS BACLE、SavinaseR)のアミノ酸配列と同一であることが明らかである。従って、フラグメント化または欠失突然変異誘発によって導かれる本発明のタンパク質またはフラグメントは、既知のプロテアーゼとは同一ではない比較的大きな領域を有するか、または識別に適するこの位置を有するものである。この目的のために、この後者は、Bacillus Ya-B由来のアルカリ性エラスターゼとの比較から明らかなように、少なくとも40個のアミノ酸長さでなければならない。これは、この最も類似しているプロテアーゼ(これも同様に、整列の番号付与において230位にVを有する)が、この領域において合計して39の位置にわたり、B.sp.(DSM 14390)由来のプロテアーゼと同一であるためである。
上記のフラグメントおよび/または欠失変異体は、好ましくは、配列番号2に従ってアミノ酸112〜381の領域(即ち、成熟タンパク質)に対応するものである。
これらは、順に増大して好ましくはそれぞれの場合に、配列番号2に示した相同配列に少なくともそれぞれ99.3%、99.5%、99.75%および100%同一である、フラグメント化または欠失突然変異誘発によって導かれるタンパク質またはフラグメントである。
これらは、順に増大して好ましくはそれぞれの場合に、配列番号2に示した相同配列に少なくともそれぞれ99.3%、99.5%、99.75%および100%同一である、フラグメント化または欠失突然変異誘発によって導かれるタンパク質またはフラグメントである。
本発明のフラグメントは、配列番号1または配列番号2に対応する相同タンパク質よりも小さいが、適当な部分配列においてそれらと一致する全てのタンパク質またはペプチドを意味する。これらのフラグメントは、例えば、単一のドメインまたは該ドメインとは一致しないセグメントであってよい。このようなフラグメントは、比較的低コストで製造することができるか、出発分子のある種の恐らくは不都合な特徴(例えば、恐らくは活性を低下させる調節機序)をもはや有さないか、あるいは、より好ましい活性プロフィールを示す。このようなタンパク質フラグメントを、非生合成的に製造することもできるが、例えば化学的に製造することもできる。化学的合成は、例えば、合成に続いて化学的修飾を行うべきときに有利である。
また、欠失突然変異によって得られるタンパク質も、それらが原則的に類似しているので、フラグメントに割り当てられるべきである。欠失突然変異誘発は、阻害領域を欠失させるのに特に有益である。欠失の結果を、タンパク質の応用範囲の特殊化および拡張の両方に関連させることができる。
また、N-末端アミノ酸の削除によってプレタンパク質から得られるタンパク質、およびシグナルペプチドも、天然に形成されるフラグメントまたは欠失突然変異タンパク質と見なすことができる。このような切断機序を用い、シグナルペプチダーゼによって認識される特定の配列領域の助けを借りて、例えば、組換えタンパク質中の特異的な切断部位を特定することができる。即ち、本発明のタンパク質のインビトロでの活性化および/または不活性化を行うことができる。
本発明のさらなる態様は、上記したスブチリシン型の本発明のアルカリ性プロテアーゼまたは対応するフラグメントから、挿入突然変異誘発によって、置換突然変異誘発によって、および/または少なくとも1つの他のタンパク質またはタンパク質フラグメントとの融合によって導かれる全てのタンパク質である。
本発明のキメラタンパク質は、最も広い意味においてタンパク質分解活性を示す。これを、本発明のタンパク質から導かれる分子部分によって発揮させるかまたは修飾することができる。即ち、キメラタンパク質は、上記した領域の外側に、その全長にわたって位置させることもできる。このような融合の要点は、本発明の融合したタンパク質部分の助けを借りて、例えば、特定の機能または部分機能を導入または修飾することである。これに関連して、このようなキメラタンパク質が、単一のポリペプチド鎖からなるかまたは複数のサブユニットからなるかは、本発明の目的にとって重要ではない。最後に挙げた態様を実施するために、例えば、単一のキメラポリペプチド鎖を、特異的なタンパク質分解切断によって翻訳後または精製工程の後に、複数のポリペプチドに分解することができる。
即ち、例えば、WO99/57254に基づいて、ペプチドリンカーを介して、または他のタンパク質からの結合ドメイン(例えば、セルロース結合ドメイン)との融合タンパク質として直接的に、本発明のタンパク質またはその部分を供することができ、こうして基質の加水分解をより効率的にすることができる。また、このような結合ドメインを、例えばプロテアーゼ基質への本発明のタンパク質の結合を増強するために、プロテアーゼから導くこともできる。これは局所プロテアーゼ濃度を増大させ、これが個々の適用において、例えば粗原料の処理において有利になることもある。また同様に、二重の機能を発揮させるために、本発明のタンパク質を、例えばアミラーゼまたはセルラーゼに結合させることもできる。
挿入突然変異によって得られる本発明のタンパク質は、それらが原則的に類似しているので、本発明のキメラタンパク質に割り当てられるべきである。またこれらには、置換変異体、即ち、分子の個々の領域が他のタンパク質からのエレメントによって置換されている変異体も含まれる。
挿入および置換突然変異誘発の要点は、ハイブリッド形成の場合のように、本発明のタンパク質の個々の特性、機能または部分機能を、他のタンパク質のものと組合せることである。またこれには、例えば、異なるプロテアーゼからの部分配列のシャッフリングまたは組換えによって得られる変異体も含まれる。このようにして、これまで記載されていなかったタンパク質を得ることができる。このような技術は、劇的ないし非常に微妙な活性の調節を可能にする。
このような突然変異を、好ましくは、指向される進化の領域に割り当てられるランダム法によって、例えば、StEP法[Zhaoら(1998)、Nat.Biotechnol.、Vol.16、p.258-261]、ランダムプライミング組換え[Shaoら(1998)、Nucleic Acids Res.、Vol.26、p.681-683]、DNAシャッフリング[Stemmer,W.P.C.(1994)、Nature、Vol.370、p.389-391]または反復配列組換え[RSR;WO98/27230、WO97/20078、WO95/22625]またはRACHITT法[Coco,W.M.ら(2001)、Nat.Biotechnol.、Vol.19、p.354-359]によって行う。これら種類の方法を、突然変異誘発および発現に続いて選択またはスクリーニング法と好都合に組合せて、所望の特性を有する変異体を同定する。これらの技術はDNAレベルに当てはまるので、それぞれの場合に関連する新規に得られた遺伝子は、生物工学的製造のための出発点を与える。
反転突然変異誘発(即ち、部分的な配列反転)は、欠失および挿入の両方の特別な形態であると見なすことができる。この種の変異体も同様に、標的化した様式でまたはランダムに得ることができる。
好ましいのは、それ自体がタンパク質を加水分解することができることを特徴とする、現在までに言及されている全てのタンパク質、タンパク質フラグメントまたは融合タンパク質である。
このような実体は、IUBMBの公式のEnzyme Nomenclature 1992に従って3.4(ペプチダーゼ)のもとでカテゴリー化されている。これらの中で、好ましいのは、エンドペプチダーゼ、特に、群3.4.21のセリンプロテイナーゼ、3.4.22のシステインプロテイナーゼ、3.4.23のアルパルテートプロテイナーゼおよび3.4.24のメタロプロテイナーゼのエンドペプチダーゼである。これらの中で、セリンプロテイナーゼ(3.4.21)が特に好ましく、これらの中でスブチラーゼ、これらの中でさらに具体的にはスブチリシンが好ましい[「Subtilisin enzymes」(R.BottおよびC.Betzel編、New York、1996)中の「Subtilases: Subtilisin-like proteases」(R.Siezen、p.75-95)を参照]。またこれらの中で、好ましいのは、群IS-2のスブチリシン、高アルカリ性スブチリシンである。
これに関連して、活性な分子は不活性な分子よりも好ましいが、これは特に、実施されるタンパク質分解が、例えば後記に詳しく説明する使用領域において重要であるためである。
また、上記したフラグメントは、最も広い意味においてタンパク質分解活性を、例えば加水分解に必要な基質の複合化または構造エレメントの形成のために有する。これらは、これら自体を、さらなるプロテアーゼ成分の存在を必要とすることなく、別のタンパク質の加水分解のために使用することができるときに好ましい。これは、プロテアーゼ自体によって発揮することができる活性に関係する(同時に必要になるであろう緩衝物質、補助因子などの存在は、これにより影響を受けないままである)。
タンパク質の加水分解のための分子の異なる部分の相互作用は、天然には、フラグメントにおけるよりも欠失突然変異体において多く存在し、特に融合タンパク質、さらに具体的には関連タンパク質のシャッフリングから導かれる融合タンパク質において現れる。これが、最も広い意味においてタンパク質分解機能の維持、修飾、特異化または他の第1の獲得の結果を与えるときに、これらの欠失変異体および融合タンパク質は本発明のタンパク質である。これらの中で、本発明のこの側面の好ましい代表例は、さらなるプロテアーゼ成分の存在を必要とすることなく、それ自体がタンパク質基質を加水分解することができるものである。
好ましい態様は、さらに誘導体化されていることを特徴とする、現在までに言及されている全てのタンパク質、タンパク質フラグメントまたは融合タンパク質である。
誘導体とは、上記したタンパク質からさらなる修飾によって導かれるタンパク質を意味する。このような修飾は、例えば、安定性、基質特異性もしくは基質への結合強さまたは酵素活性に影響を及ぼすことができる。また、このような修飾を用いて、タンパク質のアレルゲン性および/または免疫原性を低下させ、こうして例えば皮膚との適合性を増大させることができる。
誘導体とは、上記したタンパク質からさらなる修飾によって導かれるタンパク質を意味する。このような修飾は、例えば、安定性、基質特異性もしくは基質への結合強さまたは酵素活性に影響を及ぼすことができる。また、このような修飾を用いて、タンパク質のアレルゲン性および/または免疫原性を低下させ、こうして例えば皮膚との適合性を増大させることができる。
このような誘導体化は、例えば生物学的に、例えば産生宿主生物によるタンパク質生合成に関連して起こることがきる。これに関連して、低分子量化合物(例えば、脂質またはオリゴ糖)の結合が、特に強調されるべきである。
しかし、誘導体化を、化学的に、例えば側鎖の化学的転換によって、またはタンパク質への別の例えば巨大分子化合物の共有結合によって行うこともできる。化学的修飾は、例えば独国特許出願DE4013142に記載されている。酵素のカルボキシル基にアミンを結合させて等電点を改変することが、例えばWO95/26398に開示されている。例えば、巨大分子(例えばタンパク質)を、例えば2官能化合物を介して、本発明のタンパク質に結合させることができる。即ち、例えば、WO99/57154〜WO99/57159、WO00/18865およびWO00/57155の教示を適用することによって、本発明のタンパク質特異的な結合ドメインを有するリンカーを介して本発明のタンパク質を得ることができる。このような誘導体は、洗浄または浄化製品において使用するのに特に適する。また、WO00/01831と同様にして、リンカー(特にアミノ酸リンカー)を介して、プロテアーゼインヒビターを本発明のタンパク質に結合させることもできる。他の巨大分子化合物(例えば、ポリエチレングリコール)との結合は、さらなる特性(例えば、安定性または皮膚適合性)の点で分子を改善する。このような修飾は、例えば、米国特許US5230891に、化粧品において使用するためのプロテアーゼについて記載されている。
また、本発明のタンパク質の誘導体は、最も広い意味において、これら酵素の調製物を意味することもある。単離、加工または調製に依存して、タンパク質は、例えば産生微生物の培養物に由来する種々の他の物質と結合することができる。また、タンパク質を、例えばその貯蔵安定性を増大させるために、ある種の他の物質と故意に混合することもできる。従って、本発明は、本発明のタンパク質の全ての調製物に関する。またこれは、この酵素活性が実際に特定の調製物において示されるか否かとは無関係である。これは、貯蔵中にはごくわずかの活性しか持たないかまたは全く活性を持たず、使用時にのみタンパク質分解機能を示すのが望ましいこともあるためである。これを、例えば適当な付随物質によって制御することができる。特に、プロテアーゼとプロテアーゼインヒビターとの結合調製物が、先行技術(WO00/01826)において知られている。
好ましい態様は、さらに安定化されていることを特徴とする、現在までに言及されている全てのタンパク質、タンパク質フラグメントまたは融合タンパク質である。
これは、貯蔵中および/または使用中(例えば洗浄過程中)の安定性を増大させるので、活性が長く持続し、従って増強される。本発明のプロテアーゼの安定性を、例えばポリマーに結合させることによって増大させることができる。この種の方法は、例えばUS5230891に記載されている。これは、タンパク質を、適当な製剤において使用する前に、化学結合行程によってポリマーに結合することを必要とする。
好ましいのは、分子それ自体の点突然変異誘発によって可能な安定化である。これは、タンパク質の取得後に、さらなる処理工程を必要としないためである。これに適するいくつかの点突然変異が、先行技術から自体既知である。即ち、US6087315およびUS6110884によれば、特定のチロシン残基を他の残基で置換することによって、プロテアーゼを安定化することができる。
他の可能性は、例えば以下の通りである:
・特定のアミノ酸残基をプロリンで置換する(EP583339に従う);
・より高極性またはより高電荷の基を分子の表面に導入する(EP995801に従う);
・金属イオンの結合、特にカルシウム結合部位を改変する(例えば、国際特許出願WO88/08028およびWO88/08033の教示に従う)。
・特定のアミノ酸残基をプロリンで置換する(EP583339に従う);
・より高極性またはより高電荷の基を分子の表面に導入する(EP995801に従う);
・金属イオンの結合、特にカルシウム結合部位を改変する(例えば、国際特許出願WO88/08028およびWO88/08033の教示に従う)。
これら文献の第1によれば、カルシウム結合に関与するアミノ酸残基の1またはそれ以上を、負電荷のアミノ酸で置換しなければならず;国際特許出願WO88/08033の教示によれば、カルシウム結合による安定化のために2つの残基アルギニン/グリシンの配列の少なくとも1つにおいて、点突然変異を同時に導入しなければならず;
・US5453372によれば、変性剤(例えば界面活性剤)の作用に対して表面における特定の突然変異によって、タンパク質を保護することができる。
さらなる同等の可能性は、US5340735、US5500364、US5985639およびUS6136553に示されている。
・US5453372によれば、変性剤(例えば界面活性剤)の作用に対して表面における特定の突然変異によって、タンパク質を保護することができる。
さらなる同等の可能性は、US5340735、US5500364、US5985639およびUS6136553に示されている。
高温および界面活性剤の作用に対する安定化の別の可能性は、WO92/21760ならびに未だ公開されていない独国特許出願DE10121463およびDE10153792の教示を適用して、N末端の近くに位置するアミノ酸を、別のアミノ酸(非共有の相互作用によって分子の残りと接触し、こうして球状構造の維持に寄与する)と交換することによる安定化であろう。
好ましい態様は、分子が複数の方法で安定化されているものである。これは、例えばWO89/09819によれば、複数の安定化突然変異によって加法効果を仮定することができるためである。
好ましい態様は、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかと共通する少なくとも1つの抗原決定基を有することを特徴とする、全てのタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体である。
これは、タンパク質の二次構造エレメントおよびその3次元折り畳みが、酵素活性に重要であるためである。即ち、一次構造において互いに明らかに異なるドメインが、実質的に空間的に一致し、従って同一の酵素挙動を可能にする構造を形成することができる。二次構造におけるこのような共通の特徴は、通常、抗血清または純粋もしくはモノクローナルな抗体による抗原決定基を一致させるものと認識される。従って、互いに類似しているタンパク質または誘導体を、免疫化学的な交差反応によって、検出および割当することができる。このため、上に定義した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体に、一次構造における相同性のレベルからは恐らく割当てることができないが、免疫化学的な関係からは割当てることができるタンパク質も、特に、本発明の保護の範囲内に含まれる。
好ましい態様は、天然供給源(特に微生物)から得られることを特徴とする、現在までに言及されている全てのタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体である。
これらは、例えば、単細胞の菌類または細菌であってよい。これは、通常はこれらを、多細胞生物または多細胞生物から導いた細胞培養物よりも容易に単離および操作することができるためである。しかし、この後者は、特定の態様のためには価値ある選択肢になることがあり、従って、原則的に本発明の対象から除外されない。
天然の産生体が本発明の酵素を産生することができるが、この後者は、最初に確立された条件下では、少ない量でのみ周囲培地に発現および/または放出される。しかし、このことは、実験的に確立することができる適当な環境条件または他の因子の影響下に、本発明のタンパク質の経済的に価値ある産生まで刺激する可能性を排除するものではない。このような調節機序を、生物工学的な製造のために故意に使用することができる。この後者も不可能であるときには、関連遺伝子を単離するために、これらをなお使用することができる。
これらの中で、グラム陽性細菌からのものが特に好ましい。
これは、これらが外側膜を持たず、従って分泌されたタンパク質を直接的に周囲培地に放出するためである。
バシラス属のグラム陽性細菌からのものが極めて特に好ましい。
これは、これらが外側膜を持たず、従って分泌されたタンパク質を直接的に周囲培地に放出するためである。
バシラス属のグラム陽性細菌からのものが極めて特に好ましい。
バシラス菌のプロテアーゼは、最初から、種々の可能な技術的使用に好ましい特性を有している。これらには、高温、酸化剤または変性剤に対するある種の安定性が含まれる。さらに、多くの経験が、微生物プロテアーゼにより、その生物工学的製造に関連して、例えば、適当なクローニングベクターの構築、宿主細胞の選択および増殖条件またはリスク(例えばアレルゲン性など)の評価に関連して得られている。さらに、バシラス菌は、工業プロセスにおいて特に高い産生効率を有する産生生物として確立されている。さらに、これらプロテアーゼの調製および使用のために得られた知識の量は、例えば、他の化学物質(例えば、洗浄または浄化製品の成分など)との適合性に関連して、これら酵素をさらに開発するのに有益である。
また、バシラス種からのものの中で好ましいのは、Bacillus属の種からのもの、特にBacillus sp.(DSM 14390)菌株からのものである。
これは、本発明の酵素の態様がそれから最初に得られたためである。その関連配列は配列表に示され、その酵素特性は実施例に記載されている。これからまたは関連の菌株から、特に分子生物学的標準法(例えば、自体既知のPCR法および/または点突然変異誘発法など)を適用することによって、上記の変異体を調製することができる。
これは、本発明の酵素の態様がそれから最初に得られたためである。その関連配列は配列表に示され、その酵素特性は実施例に記載されている。これからまたは関連の菌株から、特に分子生物学的標準法(例えば、自体既知のPCR法および/または点突然変異誘発法など)を適用することによって、上記の変異体を調製することができる。
さらなる目的の達成、即ち本発明の固有の側面は、本発明の実施に有用な核酸である。
核酸は、実質的に全ての分子生物学的研究およびタンパク質の開発およびその製造のための出発点である[特に、遺伝子の配列決定および対応するアミノ酸配列の誘導、あらゆる種類の突然変異誘発(上記を参照)およびタンパク質の発現を含む]。
核酸は、実質的に全ての分子生物学的研究およびタンパク質の開発およびその製造のための出発点である[特に、遺伝子の配列決定および対応するアミノ酸配列の誘導、あらゆる種類の突然変異誘発(上記を参照)およびタンパク質の発現を含む]。
特定の特性を有するタンパク質を開発するための突然変異誘発は、「タンパク質工学」とも称される。最適化すべき特性の例は上に記した。このような突然変異誘発を、標的化した様式でまたはランダム法によって、例えば活性に指向した後の同定および/または選択法(スクリーニングおよび選択)を用いて、クローン化した遺伝子において、例えば核酸プローブとのハイブリダイゼーションによって、あるいは、遺伝子産物であるタンパク質において、例えばその活性によって行うことができる。また、本発明のプロテアーゼのさらなる開発を、特に、刊行物「Protein engineering」[P.N.Bryan (2000)、Biochim.Biophys.Acta.、Vol.1543、p.203-222]に示されているアイデアに向けることもできる。
即ち、本発明の1つの対象は、スブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼをコードしている核酸であって、そのヌクレオチド配列が、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に334〜1143位の部分領域にわたり、少なくとも92.5%同一である全ての核酸である。
これらの中で、順に増大して好ましいのは、そのヌクレオチド配列が、少なくともそれぞれの場合に、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に334〜1143位の部分領域にわたり、93%、93.5%、94%、94.5%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.2%、98.4%、98.6%、98.8%、99%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%および100%同一であるものである。上記したことは、対応して成熟タンパク質および停止コドンの位置に当てはまる。
これは、これらの核酸が、B.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの特性に、この順に増大して類似している特性を有するタンパク質をコードしていると予測されるためである。
これは、これらの核酸が、B.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの特性に、この順に増大して類似している特性を有するタンパク質をコードしていると予測されるためである。
本発明のこの側面のさらなる代表例は、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかをコードしている全ての核酸である。
上記した好ましい形態をコードしている核酸、特に突然変異誘発によって得られる核酸が、対応して好ましい。
上記した好ましい形態をコードしている核酸、特に突然変異誘発によって得られる核酸が、対応して好ましい。
特に、タンパク質フラグメントをコードしている核酸は、明らかに本発明の保護の範囲内に含まれる。このようなオリゴヌクレオチドについて、3つ全ての読み枠を、センスおよびアンチセンスの両方向において考慮しなければならない。これは、これらを、特にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、関連の核酸の合成のための出発点として、例えば天然生物からの関連遺伝子の増幅のために使用することができるためである。また、これらを用いて、PCRに基づくシャッフリング法によってキメラを製造することもできる。さらに、他のシャッフリング法、例えば、国際特許出願WO00/09679に開示されている組換え連結反応(RLR)なども、ランダムまたは特異的に選択されたタンパク質フラグメントに対応するオリゴヌクレオチドに基づいている。また、アンチセンス オリゴヌクレオチドを、例えば、発現を調節するために使用することもできる。
上記によれば、上記した本発明の核酸の中で、以下のものが順に増大して好ましい:
・天然供給源、特に微生物から得られることを特徴とする核酸;
・これらの中で、微生物がグラム陽性細菌であることを特徴とする核酸;
・これらの中で、グラム陽性細菌がバシラス属の細菌であることを特徴とする核酸;および
・これらの中で、バシラス属の種がBacillus sp.、特にBacillus sp.(DSM 14390)であることを特徴とする核酸。
・天然供給源、特に微生物から得られることを特徴とする核酸;
・これらの中で、微生物がグラム陽性細菌であることを特徴とする核酸;
・これらの中で、グラム陽性細菌がバシラス属の細菌であることを特徴とする核酸;および
・これらの中で、バシラス属の種がBacillus sp.、特にBacillus sp.(DSM 14390)であることを特徴とする核酸。
上記した本発明の核酸領域のいずれか、特に、上に定義した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかをコードしている核酸領域を含有するベクターは、本発明の固有の側面を形成する。
本発明に関連する核酸を取り扱うために、特に、本発明のタンパク質の製造用に調製するために、これらをベクター中に連結するのが好都合である。このようなベクターおよび関連の作業方法は、先行技術に詳しく記載されている。ベクターは、クローニング用および発現用の両方に対して、多数および多種類で市販されている。これらには、例えば、細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来もしくはウイルス由来のベクター、または大部分が合成のベクターが含まれる。さらに、これらは、それらを確立することができる細胞型の性質に従って、例えばグラム陰性細菌用、グラム陽性細菌用、酵母用または高等真核生物用のベクターに区別される。これらは、例えば、分子生物学的および生化学的研究のため、ならびに、当該遺伝子または対応するタンパク質の発現のための適当な出発点である。
1つの態様において、本発明のベクターはクローニングベクターである。
クローニングベクターは、所望の遺伝子の貯蔵、生物学的増幅または選択に加えて、その分子生物学的な特性化に適している。同時に、これらは、特許請求されている核酸の輸送可能および貯蔵可能な形態であり、また、細胞に関係しない分子生物学的技術(例えば、PCRまたはインビトロ突然変異誘発法など)の出発点である。
クローニングベクターは、所望の遺伝子の貯蔵、生物学的増幅または選択に加えて、その分子生物学的な特性化に適している。同時に、これらは、特許請求されている核酸の輸送可能および貯蔵可能な形態であり、また、細胞に関係しない分子生物学的技術(例えば、PCRまたはインビトロ突然変異誘発法など)の出発点である。
好ましくは、本発明のベクターは発現ベクターである。
この種の発現ベクターは、生物学的な製造系において対応する核酸を働かせ、これによって、対応するタンパク質を製造するための基礎となるものである。本発明のこの対象の好ましい態様は、発現に必要な遺伝子エレメント、例えば該遺伝子の上流に元から位置する天然プロモーターまたは別の生物からのプロモーターを担持する発現ベクターである。該エレメントを、例えば、「発現カセット」の形態で配置することができる。別の可能性は、調節エレメントのいずれかまたは全部を、それぞれの場合に宿主細胞から得ることである。これら発現ベクターを、特に好ましくは、さらなる特性、例えば選択した発現系(特に宿主細胞)に対する最適コピー数などに関連して適合させる(後記を参照)。
この種の発現ベクターは、生物学的な製造系において対応する核酸を働かせ、これによって、対応するタンパク質を製造するための基礎となるものである。本発明のこの対象の好ましい態様は、発現に必要な遺伝子エレメント、例えば該遺伝子の上流に元から位置する天然プロモーターまたは別の生物からのプロモーターを担持する発現ベクターである。該エレメントを、例えば、「発現カセット」の形態で配置することができる。別の可能性は、調節エレメントのいずれかまたは全部を、それぞれの場合に宿主細胞から得ることである。これら発現ベクターを、特に好ましくは、さらなる特性、例えば選択した発現系(特に宿主細胞)に対する最適コピー数などに関連して適合させる(後記を参照)。
高い発現率のために、発現ベクターは、可能であれば関連遺伝子だけを挿入体として含有し、比較的大きい5'および3'非コード領域を含有しないのがさらに有利である。このような挿入体は、例えば、制限酵素で出発菌株の染色体DNAをランダム処理した後に得られるフラグメントを、配列決定後かつ発現ベクターへの組込み前に、もう一度意図して切断したときに得られる。
発現ベクターの1つの例は、本願の図2に示され、実施例2の開示のように使用しうるpAWA22である。さらなるベクターは、当業者にとっては先行技術から利用可能であり、多数が市販されている。
上に定義した本発明の核酸領域のいずれか、特に、上に定義した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかをコードしている核酸領域を、好ましくは上に定義した本発明のベクターのいずれかにおいて含有する細胞は、本発明の固有の側面を形成する。
これは、これらの細胞が、本発明のタンパク質の合成のための遺伝情報を含んでいるためである。これらは、例えば、対応する遺伝子が増幅されるだけでなく、突然変異誘発または転写され、そして翻訳され、最終的に関連のタンパク質が生物工学的に製造されることを可能にする。この遺伝情報は、固有の遺伝子エレメントとして染色体外に、即ち細菌においてはプラスミド上に位置して存在することができるか、あるいは、染色体中に組込まれることができる。適当な系の選択は、その目的、例えば、生物または遺伝子の貯蔵の様式および期間、あるいは、突然変異誘発または選択の様式などに依存する。即ち、例えばバクテリオファージ(およびその特異的な宿主細胞)に基づく突然変異誘発および選択法が、先行技術(WO97/09446)において洗浄製品用の酵素の開発のために記載されている。
ここで好ましいのは、上に記載した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかを、特に上に定義した本発明の核酸領域のいずれかを用いて、さらに具体的には上に定義した発現ベクターを用いて、発現するかまたは発現するように誘導しうる宿主細胞である。
該タンパク質を産生する宿主細胞は、その生物工学的な製造を可能にする。この目的のために、これらは、好都合には上記ベクターのいずれかにより、当該遺伝子を受け入れていなければならず、また、その転写、翻訳、および好ましくは可能性ある追加の修飾行程が可能でなければならない。
タンパク質発現に適する宿主細胞は、原則的には全ての生物、即ち、原核生物、真核生物または藍藻植物門(Cyanophyta)である。好ましいのは、例えば、発現ベクターによる形質転換またはその安定な確立および発現の調節に関連して、容易に遺伝子操作することができる宿主細胞(例えば、単細胞菌類または細菌)である。さらに、好ましい宿主細胞は、良好な微生物学的および生物工学的な操作性によって区別される。これは、例えば、容易な培養性、高い増殖速度、発酵培地に対する低い要求性、ならびに、良好な外来タンパク質の産生および分泌速度に関連する。発現を目的とする実験室菌株を選択するのが好ましい。このような菌株は、市販品から、または誰でもアクセスできる菌株コレクションから入手することができる。このようにして、あらゆる本発明のタンパク質を、理論的には多数の宿主生物から得ることができる。先行技術に従って利用可能な多数の異なる系から、個々の場合に最適な発現系を実験的に決定することが必要である。
自体プロテアーゼ陰性であり、従って産生されたタンパク質を分解しない宿主細胞が、特に有利である。このような宿主細胞の1つは、実施例2において使用したBacillus subtilis DB 104菌株である。
好ましい態様は、適当な遺伝子エレメントのゆえに、例えば、化学物質の制御された添加によって、培養条件の変更によって、または特定の細胞密度の関数として、活性を調節することができる宿主細胞である。この制御可能な発現は、所望のタンパク質の極めて経済的製造を可能にする。好都合には、遺伝子、発現ベクターおよび宿主細胞は、例えば、発現に必要な遺伝子エレメント(リボソーム結合部位、プロモーター、ターミネーター)またはコドン使用の点で互いにマッチしている。例えば、この後者を、遺伝子において、当該宿主によって乏しくのみ翻訳されるコドンを、特定の宿主によってより普通に使用されるコドン(それぞれの場合に同じ意味を有する)で置換することによって、最適化することができる。
これらの中で好ましいのは、細菌、特に、産生されたタンパク質を周囲培地に分泌する細菌であることを特徴とする宿主細胞である。
細菌は、短い世代時間および培養条件に対する低い要求性によって自体区別される。これは、コスト効果の高い方法の確立を可能にする。さらに、細菌発酵技術における豊富な経験が利用できる。個々の場合に実験的に決定すべき多種多様の理由(例えば、栄養供給源、生成物の生成速度、所要の時間など)のため、グラム陰性またはグラム陽性細菌が、特定の製造に適しているであろう。
グラム陰性細菌(例えば大腸菌など)は、多数のタンパク質をペリプラズム中に分泌する。これは、特別の適用のためには有利であろう。対照的に、グラム陽性細菌(例えば、バシラス菌など)は、分泌されたタンパク質を、細胞周囲の栄養培地に直接的に放出し、これから、発現された本発明のタンパク質を、別の好ましい態様に従って直接的に精製することができる。
国際特許出願WO01/81597は、発現されたタンパク質のグラム陰性細菌による輸出をも達成する方法を開示している。このような系も、本発明のタンパク質の製造に適している。従って、好ましい宿主細胞は、大腸菌(Escherichia coli)種またはクレブシエラ(Klebsiella)種の宿主細胞、特に、以下の菌株の宿主細胞である:大腸菌JM 109、大腸菌DH 100B、大腸菌DH 12SまたはKlebsiella planticola (Rf)。これらは、産生されたタンパク質の放出を可能にするために、本願に記載した適当な微生物学的な修飾および/または適当なベクターを必要とする。
宿主細胞として好ましい細菌は、それがグラム陽性細菌であること、特にそれがバシラス属に属すること、さらに具体的にはバシラス・レンタス(Bacillus lentus)種、バシラス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)種、バシラス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)種、バシラス・スブチリス(Bacillus subtilis)種またはバシラス・アルカロフィラス(Bacillus alcalophilus)種に属することを特徴とする細菌である。
本発明の1つの態様は、本発明のタンパク質を(同種)発現させるために、B.sp.、特にB.sp.(DSM 14390)それ自体を利用する。しかし、他方において異種発現が好ましく、このためにバシラス(Bacillus)属の細菌が好ましい。これは、これらが、製造に関してグラム陽性細菌の中で最も特性化されているためである。これに含まれるのは、特に、B.licheniformis種、B.amyloliquefaciens種、B.subtilis種または他の種の細菌またはB.alcalophilusの菌株である。これは、これらの種によるプロテアーゼ製造に関する関連の経験が、例えば国際特許出願WO91/02792の教示から利用可能であるためである。また、この出願は、多くの可能な発現ベクターをも開示している。これらの関連した種は、さらに、同様のコドン使用を有し、それ自体が同等のスブチリシンを産生するので、そのタンパク質合成系は天然に適応している。
別の利点は、本発明のタンパク質とこれら宿主菌株によって内生的に産生されるスブチリシンとの混合物が、この方法によって得られる可能性である。このような同時発現は、国際特許出願WO91/02792にも同様に開示されている。これが所望ではないときには、宿主細胞中に天然に存在するプロテアーゼ遺伝子を、永久的または一時的に不活性化することが必要であろう(上記を参照)。
さらに好ましいのは、真核細胞、特に、産生されたタンパク質を翻訳後修飾する真核細胞であることを特徴とする宿主細胞である。
適当な真核生物の例は、菌類(例えば放線菌)または酵母(例えば、SaccharomycesまたはKluyveromyces)である。好熱性菌類の発現系が、例えばWO96/02653に示されている。これらは、耐熱性の変異体を発現させるのに特に適している。真核性の系が特にタンパク質合成に関連して行う修飾には、低分子量化合物(例えば、膜アンカーまたはオリゴ糖など)の結合が含まれる。この種のオリゴ糖修飾は、例えば、アレルゲン性を減少させるために望ましいであろう。また、このような細胞によって天然に産生される酵素(例えばセルラーゼなど)との同時発現も有利であろう。
本発明のタンパク質の製造方法は、本発明の別の対象である。
即ち、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を、上記した本発明の核酸を用いて、および/または上記した本発明のベクターを用いて、および/または上記した本発明の細胞のいずれかを用いて製造するためのあらゆる方法が特許請求されている。
これらには、例えば化学的合成法が含まれ、これは、特に比較的短いフラグメントのために経済的に有用である。
即ち、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を、上記した本発明の核酸を用いて、および/または上記した本発明のベクターを用いて、および/または上記した本発明の細胞のいずれかを用いて製造するためのあらゆる方法が特許請求されている。
これらには、例えば化学的合成法が含まれ、これは、特に比較的短いフラグメントのために経済的に有用である。
しかし、個々の側面において既に上記し、先行技術において確立されている、全ての分子生物学的、微生物学的または生物工学的な製造方法が後者に好ましい。即ち、例えば上に定義したDNAおよびアミノ酸配列(例えば配列表からも推定することができる)に基づいて、好ましくは配列番号1および2からの配列それ自体に基づいて、対応するオリゴヌクレオチドおよびオリゴペプチドを、自体既知の分子生物学的方法に従って、完全な遺伝子およびタンパク質まで合成することができる。
既知のスブチリシン産生微生物から出発して、例えば本願の実施例に従って、さらなる天然のスブチリシン産生体を同定および単離し、そのスブチリシン遺伝子および/またはアミノ酸配列を決定し、これらを本発明において行った条件に従って開発することもできる。この種の細菌種を、適当な製造方法のために培養することもできる。同様に、新規な発現ベクターを、国際特許出願WO91/02792に開示されたベクターのモデルに従って開発することもできる。また、インビトロでタンパク質生合成を行う細胞不含の発現系も、対応する核酸配列に基づいて、本発明の態様になりうる。既に上記したあらゆるエレメントを組合せて、本発明のタンパク質を製造するための新規な方法を得ることもできる。これに関連して、それぞれの本発明のタンパク質のための方法行程の多数の可能な組合せが考えられるので、最適な方法は、それぞれの特定の個々の場合のために、実験的に決定しなければならない。
本発明の別の対象は、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を含有することを特徴とする製品からなる。
上記した本発明のタンパク質の添加によって利用性が改善される、あらゆる種類の製品、特に混合物、配合物、溶液などが、ここに本発明の保護の範囲内に含まれる。使用分野に依存して、これらは、例えば固体混合物、例えば凍結乾燥またはカプセル封入したタンパク質を含む粉末、あるいは、ゼラチン様または液体製品であってよい。好ましい配合物は、例えば、プロテアーゼの緩衝物質、安定剤、反応物質および/または補助因子および/または該プロテアーゼと相乗性の他の成分を含有する。これらは、特に、後記において詳しく説明する使用分野の製品を含んでいると理解されるべきである。さらなる使用分野は、先行技術から明らかであり、例えばH.Uhligのマニュアル「Industrial enzymes and their applications」[Wiley出版、New York、1998]に記載されている。
本発明のこの対象に含まれる好ましい態様は、上に記載した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかを含有することを特徴とする洗浄または浄化製品である。
これは、本願の例示態様に示したように、B.sp.(DSM 14390)由来の特に好ましいアルカリ性プロテアーゼが、即ち野生型酵素であっても、対応する洗浄または浄化製品において使用したときに、洗浄または浄化性能に対するその寄与において、この目的に確立された酵素に少なくとも近いものであるか、またはある場合には実際にそれを越えるという点で区別されることが驚くべきことに見い出されたためである。
本発明のこの対象には、全ての考えられる種類の浄化製品が含まれ、濃厚物および希釈されない形態で使用される製品の両方が含まれる(産業規模で洗浄機械において使用するためのもの、あるいは、手による洗濯または浄化のためのもの)。これらには、例えば、織物、カーペットまたは天然繊維のための洗浄製品が含まれ、これらに対して、本発明においては用語「洗浄製品」を使用する。またこれらには、例えば、食器洗浄機用の食器洗浄剤または手による食器洗浄剤もしくは硬表面(例えば、金属、ガラス、磁器、セラミック、タイル、石、被覆された表面、プラスチック、木材または皮革)のための浄化剤も含まれ、これらに対して、本発明においては用語「浄化製品」を使用する。本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体が添加されている限り、あらゆる種類の洗浄または浄化製品が本発明の態様である。
本発明の態様は、先行技術において確立され、そして/または適している本発明の洗浄または浄化製品のあらゆる提供形態を含んでなる。これらには、例えば、固体、粉末、液体、ゲル様またはペースト様の製剤が含まれ、適切であれば、これらは多数の相からなるか、圧縮されているか、または未圧縮であってよい。さらなる例には、大きな容器に入れられたかまたは少量ずつ入れられた押出物、顆粒、タブレットまたはポーチが含まれる。
好ましい態様において、本発明の洗浄または浄化製品は、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を、製品1gあたり、2μg〜20mg、好ましくは5μg〜17.5mg、特に好ましくは20μg〜15mg、なお特に好ましくは50μg〜10mgの量で含有する。
この種の製品におけるプロテアーゼ活性は、文献[Tenside、Vol.7 (1970)、p.125-132]に記載されている方法に従って測定することができ、従ってプロテアーゼ単位(PE=Protease-Einheiten)で示される。
本発明のタンパク質、フラグメント、融合タンパク質または誘導体とは別に、本発明の洗浄または浄化製品は、適切であれば、さらなる成分、例えば酵素安定剤、界面活性剤、例えば非イオン性、陰イオン性および/または両性界面活性剤、および/または漂白剤、および/またはビルダー、ならびに、適切であれば、さらなる通常の成分を含有する。これらを以下に挙げる。
使用される非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルコキシル化され、有利にはエトキシル化されており、特に、好ましくは8〜18個の炭素原子、および、平均して、1モルのアルコールあたり1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を有する第一アルコールである。ここで、このアルコール基は、オキソアルコール基において普通に存在するように、直鎖もしくは好ましくは2位でメチル分岐していてもよく、また、直鎖基およびメチル分岐基を混合して含んでいてもよい。しかし、特に好ましいのは、12〜18個の炭素原子を有する天然起源のアルコール(例えば、ココナツ、パーム、獣脂、またはオレイルアルコール)の直鎖基および平均してアルコール1モルあたり2〜8個のEOを含む、アルコールエトキシレートである。好ましいエトキシル化アルコールには、例えば、3個のEOまたは4個のEOを有するC12-14アルコール、7個のEOを有するC9-11アルコール、3個のEO、5個のEO、7個のEO、または8個のEOを有するC13-15アルコール、3個のEO、5個のEO、または7個のEOを有するC12-18アルコール、およびこれらの混合物(例えば、3個のEOを有するC12-14アルコールと、5個のEOを有するC12-18アルコールとの混合物)が含まれる。与えられるエトキシル化の程度は、統計的な平均であり、これは、特定の産物について整数または分数であってよい。好ましいアルコールエトキシレートは狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12個より多いEOを有する脂肪アルコールを使用することもできる。その例は、14個のEO、25個のEO、30個のEO、または40個のEOを有する獣脂脂肪アルコールである。
唯一の非イオン性界面活性剤として、または他の非イオン性界面活性剤との組合せのいずれかで使用され、好適に使用される非イオン性界面活性剤のさらなる群は、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはエトキシル化およびプロポキシル化され、好ましくはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を有する脂肪酸アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステルである。
有利に使用することができる非イオン性界面活性剤のさらなる群は、アルキルポリグリコシド(APG)である。使用しうるアルキルポリグリコシドは、一般式:RO(G)Zを満たし、ここでRは、直鎖または分岐鎖の、特に2位でメチル分岐した、飽和または不飽和の、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪族基であり、そしてGは、5または6個の炭素原子を有するグリコース単位、好ましくはグルコースを意味する記号である。グリコシル化の程度であるzは、ここでは、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.0、特に1.1〜1.4である。直鎖アルキルポリグルコシド、即ち、ポリグリコシル基がグルコース基であり、アルキル基がn-アルキル基であるアルキルポリグリコシドを用いるのが好ましい。
アミンオキシド型の非イオン性界面活性剤、例えば、N-ヤシ油アルキル-N,N-ジメチルアミンオキシドおよびN-獣脂アルキル-N,N-ジヒドロキシエチルアミンオキシド、および脂肪酸アルカノールアミドの界面活性剤も適当である。これらの非イオン性界面活性剤の割合は、好ましくはエトキシル化脂肪アルコールより少なく、特にその半分以下である。
さらなる適当な界面活性剤は、以下の式(II):
[式中、RCOは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、R1は、水素、アルキル、またはヒドロキシアルキル基(1〜4個の炭素原子を有する)であり、そして[Z]は、3〜10個の炭素原子および3〜10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分岐鎖のポリヒドロキシアルキル基である]
で示されるポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。
このポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンを用いた還元糖の還元的アミノ化、およびその後の、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物を用いたアシル化によって通常得られる既知の物質である。
で示されるポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。
このポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンを用いた還元糖の還元的アミノ化、およびその後の、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物を用いたアシル化によって通常得られる既知の物質である。
また、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群は、以下の式(III):
[式中、Rは、7〜12個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルまたはアルケニル基であり、R1は、直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基またはアリール基(2〜8個の炭素原子を有する)であり、R2は、直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基またはアリール基、またはオキシ-アルキル基(1〜8個の炭素原子を有する)であり、ここでC1-4アルキルまたはフェニル基が好ましく、そして[Z]は、直鎖ポリヒドロキシアルキル基(そのアルキル鎖は、少なくとも2つのヒドロキシル基によって置換されている)であるか、またはアルコキシル化、好ましくはエトキシル化もしくはプロポキシル化されたこの基の誘導体である]
で示される化合物を包含する。
で示される化合物を包含する。
[Z]は、好ましくは、還元糖(例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロース)の還元的アミノ化によって得られる。N-アルコキシ置換化合物またはN-アリールオキシ置換化合物は、触媒としてアルコキシドの存在下で、例えば脂肪酸メチルエステルとの反応によって、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに転化することができる。
使用される陰イオン性界面活性剤は、例えば、スルホネート型およびスルフェート型のものである。スルホネート型の適当な界面活性剤は、好ましくは、C9-13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート(即ち、アルケンおよびヒドロキシアルカンスルホネートの混合物)、およびジスルホネート(これは、例えば、末端または内部の二重結合を有するC12-18モノオレフィンから、ガス状三酸化イオウを用いたスルホン化、およびその後の、スルホン化産物のアルカリ性もしくは酸性の加水分解によって得られる)である。また適するのは、C12-18アルカンから、例えば、スルホクロロ化またはスルホキシド化とその後の加水分解または中和によって得られるアルカンスルホネートである。同様に適するのは、α-スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば、水素化されたココナツ、パーム核または獣脂脂肪酸のα-スルホン化メチルエステルである。
さらなる適当な陰イオン性界面活性剤は、スルフェート化脂肪酸グリセロールエステルである。脂肪酸グリセロールエステルとは、1〜3モルの脂肪酸を用いたモノグリセロールのエステル化による調製中に、または0.3〜2モルのグリセロールを用いたトリグリセリドのエステル交換中に得られるモノエステル、ジエステルおよびトリエステル、ならびにこれらの混合物を意味する。ここで、好ましいスルフェート化脂肪酸グリセロールエステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸)のスルフェート化生成物である。
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、C12-C18脂肪アルコール(例えば、ココナツ脂肪アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコール)の、またはC10-C20オキソアルコールの硫酸モノエステル、およびこれら鎖長の第二アルコールのモノエステルの、アルカリ金属(特に、ナトリウム)塩である。さらに好ましいのは、この鎖長のアルキル(アルケニル)スルフェートであって、脂肪化学原料に基づく等価な化合物と類似の分解挙動を有する合成の石油化学に基づく直鎖アルキル基を含むスルフェートである。洗浄性能の観点から、C12-C16アルキルスルフェート、およびC12-C15アルキルスルフェート、およびC14-C15アルキルスルフェートが好ましい。2,3-アルキルスルフェートも適当な陰イオン性界面活性剤である。
また、1〜6モルのエチレンオキシド(EO)でエトキシル化された直鎖または分岐鎖のC7-21アルコールの硫酸モノエステル、例えば、平均して3.5モルのEOを有する2-メチル分岐したC9-11アルコールまたは1〜4個のEOを有するC12-18脂肪アルコールも適する。これらの高い発泡挙動のゆえに、これらは、比較的少量でのみ、例えば、5重量%まで、通常は1〜5重量%の量で浄化剤に使用される。
さらに適する陰イオン性界面活性剤は、アルキルスルホコハク酸の塩であり、これはスルホスクシネートまたはスルホコハク酸エステルとも称され、スルホコハク酸とアルコール(好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシル化脂肪アルコール)とのモノエステルおよび/またはジエステルである。好ましいスルホスクシネートは、C8-18脂肪アルコール基またはその混合物を含む。特に好ましいスルホスクシネートは、それ自体が非イオン性界面活性剤であるエトキシル化脂肪アルコール由来の脂肪アルコール基を含む(説明については上記を参照)。ここで、脂肪アルコール基が、狭い同族体分布を有するエトキシル化脂肪アルコール由来であるスルホスクシネートが特に好ましい。同様に、アルキル(アルケニル)鎖中に好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)コハク酸またはその塩を使用することもできる。
さらに適する陰イオン性界面活性剤は、特に石鹸である。飽和脂肪酸石鹸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、水素化エルカ酸、およびベヘン酸の塩)、特に、天然の脂肪酸(例えば、ココナツ、パーム核、または獣脂脂肪酸)由来の石鹸混合物が適当である。
石鹸を含む陰イオン性界面活性剤は、そのナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩の形態で、また、有機塩基(例えば、モノ、ジまたはトリエタノールアミン)の可溶性塩として存在することができる。陰イオン性界面活性剤は、好ましくは、そのナトリウム塩またはカリウム塩の形態、特に、ナトリウム塩の形態にある。
界面活性剤は、本発明の洗浄または浄化製品中に、最終製品に対して、好ましくは5〜50重量%、特に8〜30重量%の全体的量で存在することができる。
本発明の洗浄または浄化製品は漂白剤を含むことができる。漂白剤として働き、かつ水中でH2O2を生成する化合物の中で、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム四水和物、および過ホウ酸ナトリウム一水和物が特に重要である。使用しうる他の漂白剤は、例えば、ペルオキソピロリン酸塩、クエン酸塩過水和物およびH2O2生成過酸塩または過酸(例えば、過硫酸塩または過硫酸)である。また有用なのは、式:H2N-CO-NH2・H2O2で示すことができる尿素ペルオキソ水和物ペルカルバミドである。特に、硬表面を浄化するために、例えば、機械による食器洗浄のために使用する場合、この製剤は、所望により、有機漂白剤の群からの漂白剤を含むことができる(これらの使用は、原則的に、織物を洗浄するための製剤においても可能である)。代表的な有機漂白剤は、過酸化ジアシル(例えば過酸化ジベンゾイルなど)である。さらなる代表的な有機漂白剤はペルオキシ酸であり、具体的な例は、アルキルペルオキシ酸およびアリールペルオキシ酸である。好ましい代表例は、ペルオキシ安息香酸およびその環置換誘導体(例えば、アルキルペルオキシ安息香酸)であるが、以下のものを使用することもできる:ペルオキシ-α-ナフトエ酸およびモノペルオキシフタル酸マグネシウム、脂肪族または置換脂肪族ペルオキシ酸、例えば、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸(フタルイミドペルオキシヘキサン酸、PAP)、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドペルアジピン酸、およびN-ノネニルアミドペルコハク酸、ならびに脂肪族およびアリール脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば、1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイル-ジ(6-アミノペルカプロン酸)。
洗浄または浄化製品の漂白剤含量は、有利には過ホウ酸塩一水和物または過炭酸塩を用いて、1〜40重量%、特に10〜20重量%であることができる。
60℃以下の温度で洗浄する場合に、特に洗濯の前処理の場合に、改善された漂白作用を達成するために、本製剤は、漂白活性化剤を含んでいてもよい。使用しうる漂白活性化剤は、過加水分解条件下において、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸および/または置換もしくは未置換の過安息香酸を与える化合物である。上記の数の炭素原子のO-アシル基および/またはN-アシル基および/または置換もしくは未置換のベンゾイル基を保持する物質が適当である。以下のものが好ましい:ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル類、特に1,3,4,6-テトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド類、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネートもしくはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-NOBSもしくはイソ-NOBS)、アシル化ヒドロキシカルボン酸、例えばトリエチル O-アセチルシトレート(TEOC)、カルボン酸無水物、特に無水フタル酸、無水イサトイン酸および/または無水コハク酸、カルボキサミド、例えばN-メチルジアセトアミド、グリコリド、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート、イソプロペニルアセテート、2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、およびエノールエステル(独国特許出願DE19616693およびDE19616767に開示される)、ならびにアセチル化ソルビトールおよびマンニトール、またはこれらの混合物[欧州特許出願EP0525239(SORMAN)に開示される]、アシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース、ならびに、アセチル化され所望によりN-アルキル化されたグルカミンまたはグルコノラクトン、トリアゾールもしくはトリアゾール誘導体、および/または特にカプロラクタムおよび/またはカプロラクタム誘導体、好ましくはN-アシル化ラクタム、例えばN-ベンゾイルカプロラクタムおよびN-アセチルカプロラクタム(国際特許出願WO94/27970、WO94/28102、WO94/28103、WO95/00626、WO95/14759、およびWO95/17498に開示される)。独国特許出願DE19616769に開示される親水性置換されたアシルアセタール、ならびに、独国特許出願DE19616770および国際特許出願WO95/14075に記載されたアシルラクタムも、同様に好ましく使用される。独国特許出願DE4443177に開示される従来の漂白活性化剤の組合せを使用することもできる。ニトリル誘導体、例えば、シアノピリジン、ニトリルクワット(nitrile quat)、例えば、N-アルキルアンモニウムアセトニトリル、および/またはシアノアミド誘導体を使用することもできる。好ましい漂白活性化剤は、4-(オクタノイルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、n-ノナノイルオキシベンゼンスルホネートまたはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-NOBSまたはイソ-NOBS)、ウンデセノイルオキシベンゼンスルホネート(UDOBS)、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(DOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA、OBC10)、および/またはドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(OBS12)、ならびに、N-メチルモルホリニウムアセトニトリル(MMA)である。このような漂白活性化剤は、全組成物に対して、通常は0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に1〜10重量%の範囲の量で存在することができる。
従来の漂白活性化剤に加えて、またはそれらの代わりに、「漂白触媒」が存在することもできる。これらの物質は、漂白増強遷移金属塩または遷移金属錯体、例えば、Mn、Fe、Co、RuまたはMoサレン錯体またはカルボニル錯体である。Mn、Fe、Co、Ru、Mo、Ti、VおよびCu錯体(N含有三脚リガンドを含む)、ならびに、Co、Fe、CuおよびRuのアミン錯体も、漂白触媒として適しており、DE19709284A1に記載される化合物を使用するのが好ましい。
本発明の洗浄または浄化製品は、通常は1またはそれ以上のビルダー、特に、ゼオライト、ケイ酸塩、炭酸塩、有機の補助ビルダー、そして使用に反対する環境的な理由がなければ、リン酸塩をも含有する。この後者は、特に、機械食器洗浄用の浄化製品における使用に好ましいビルダーである。
ここで挙げることができる化合物は、一般式:NaMSixO2x+1・yH2O[式中、Mは、ナトリウムまたは水素であり、xは、1.6〜4、好ましくは1.9〜4.0の数であり、yは、0〜20の数であり、そしてxの好ましい値は、2、3または4である]で示される結晶性の層状ケイ酸ナトリウムである。この種の結晶性フィロケイ酸塩は、例えば、欧州特許出願EP164514に記載されている。示した式の好ましい結晶性フィロケイ酸塩は、Mがナトリウムであり、xが2または3の値をとるフィロケイ酸塩である。特に、βナトリウムおよびδナトリウムの両方の二ケイ酸塩Na2Si2O5・yH2Oが好ましい。この種の化合物は、例えば、SKSR(Clariant)の名称で販売されている。即ち、SKS-6Rは、主に式:Na2Si2O5・yH2Oを有する二ケイ酸δナトリウムであり、SKS-7Rは、主に二ケイ酸βナトリウムである。二ケイ酸δナトリウムと、酸(例えば、クエン酸またはカルボン酸)との反応によって、カネマイトNaHSi2O5・yH2Oが得られる[それぞれ、SKS-9RおよびSKS-10Rの名称で販売されている(Clariant)]。このようなフィロケイ酸塩の化学的修飾体を使用するのが有利であることもある。即ち、例えば、フィロケイ酸塩のアルカリ度に、適切に影響を与えることができる。リン酸塩または炭酸塩を用いてドープ処理されたフィロケイ酸塩は、変化した結晶形態を有し(二ケイ酸δナトリウムと比較して)、さらに迅速に溶解し、増大したカルシウム結合能力を示す(二ケイ酸δナトリウムと比較して)。即ち、一般実験式:xNa2O・ySiO2O・zP2O5で示されるフィロケイ酸塩(ここで、x対yの比は、0.35〜0.6の数であり、x対zの比は、1.75〜1200の数であり、そしてy対zの比は、4〜2800の数である)が、独国特許出願DE19601063に記載されている。フィロケイ酸塩の溶解性を、特に微細に顆粒化されたフィロケイ酸塩を用いることによって増大させることもできる。結晶性フィロケイ酸塩と他の成分とのコンパウンドを使用することもできる。ここで挙げることができるコンパウンドは、特に、セルロース誘導体とのコンパウンド(有利な崩壊作用を有し、特に洗浄剤タブレットにおいて使用される)、ならびに、ポリカルボキシレート(例えばクエン酸)またはポリマー性ポリカルボキシレート(例えばアクリル酸コポリマー)とのコンパウンドである。
1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、特に1:2〜1:2.6のNa2O:SiO2のモジュラスを有する無定形ケイ酸ナトリウム(これは、遅延した溶解および二次洗浄特性を有する)を用いることもできる。従来の無定形ケイ酸ナトリウムと比較したときの溶解の遅延は、種々の手段によって、例えば、表面処理、コンパウンド化、圧密/圧縮によって、または過剰乾燥によって、誘導することができる。本発明の範囲内で、「無定形」という用語は、「X線無定形」をも意味する。このことは、X線回折実験において、ケイ酸塩は、結晶性物質に典型的な鋭いX線屈折を生じないが、代わりに、せいぜいこれら散乱X線の1またはそれ以上の最大値(数度単位の回折角度の幅を有する)を与えることを意味する。しかし、特に良好なビルダー特性は、電子回折実験において、ケイ酸塩粒子が、十分に規定されないかまたは鋭い回折最大値を与える場合に、得られるであろう。これは、この生成物が、10〜数百nm(せいぜい50nmまで、特にせいぜい20nmまでの値が好ましい)のサイズを有する微結晶性領域を有する効果であると解釈されるべきである。圧縮/圧密された無定形ケイ酸塩、コンパウンド化された無定形ケイ酸塩、および過剰乾燥されたX線無定形ケイ酸塩が特に好ましい。
微細結晶性の結合水含有の合成ゼオライト(適切な場合に使用することができる)は、好ましくはゼオライトAおよび/またはPである。ゼオライトPとしては、ゼオライトMAPR(Crosfieldからの市販製品)が特に好ましい。しかし、ゼオライトXならびにA、Xおよび/またはPの混合物も適している。市販されており、かつ本発明の範囲内で好ましく使用しうる製品は、例えば、ゼオライトXおよびゼオライトAの共結晶化物(ゼオライトXが約80重量%)であり、これは、CONDEA Augusta S.p.A.から商標名VEGOBOND AXRとして販売されており、かつ式:nNa2O・(1-n)K2O・Al2O3・(2-2.5)SiO2・(3.5-5.5)H2Oで示すことができる。
適当なゼオライトは、10μm未満の平均粒子サイズ(容積分布;測定方法:Coulterカウンター)を有しており、好ましくは18〜22重量%、特に20〜22重量%の結合水を含有する。
ビルダー物質として広く知られているリン酸塩の使用は、このような使用が環境的な理由から回避されるべきでなければ、当然ながら可能である。多様な市販のリン酸塩の中で、洗浄剤および浄化剤の産業においては、アルカリ金属リン酸塩が最も重要であり、三リン酸五ナトリウムまたは三リン酸五カリウム(トリポリリン酸ナトリウムまたはカリウム)が特に好ましい。
この点に関して、アルカリ金属リン酸塩は、種々のリン酸のアルカリ金属塩(特に、ナトリウム塩およびカリウム塩)の総称的な用語であり、メタリン酸(HPO3)nおよびオルトリン酸H3PO4、ならびに、さらに高分子量のものとの間を区別することができる。これらリン酸塩は、いくつかの利点を兼ね備える。即ち、これらは、アルカリの担体として働き、機械部分に対する石灰分の沈着および織布における石灰分の付着を妨げ、そしてさらに浄化性能に寄与する。
リン酸二水素ナトリウムNaH2PO4は、二水和物(密度1.91g/cm3、融点60℃)および一水和物(密度2.04g/cm3)として存在する。両方の塩とも白色粉末であり、水に極めて容易に溶解し、加熱によってその結晶水を失い、200℃で弱い酸性の二リン酸(二リン酸水素二ナトリウムNa2H2P2O7)に転化し、高温で三メタリン酸ナトリウム(Na3P3O9)およびMaddrellの塩(以下を参照)に転化する。NaH2PO4は酸性である(これは、リン酸を水酸化ナトリウム溶液を用いてpH4.5に調整し、スラリーを噴霧したときに生成する)。リン酸二水素カリウム(第一または一塩基性のリン酸カリウム、二リン酸カリウム、KDP)KH2PO4、は、密度2.33g/cm3の白色塩であり、253℃の融点を有し[ポリリン酸カリウム(KPO3)xの生成を伴って分解]、そして水中で容易に溶解する。
リン酸水素二ナトリウム(第二リン酸ナトリウム)Na2HPO4は、無色結晶性の塩であり、水に極めて容易に溶解する。これは、無水型で、ならびに、2モルの水(密度2.066g/cm3、95℃で水を損失)、7モルの水(密度1.68g/cm3、融点48℃、5H2Oの損失を伴う)、および12モルの水(密度1.52g/cm3、融点35℃、5H2Oの損失を伴う)と共に存在し、100℃で無水になり、さらに強制的な加熱によって二リン酸塩Na4P2O7に転化する。リン酸水素二ナトリウムは、指示薬としてフェノールフタレインを用いて、炭酸ナトリウム溶液によってリン酸を中和することによって調製される。リン酸水素二カリウム(第二または二塩基性のリン酸カリウム)K2HPO4は、無定形の白色塩であり、水に容易に溶解する。
リン酸三ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、Na3PO4は、無色の結晶であり、これは、12水和物型では、1.62g/cm3の密度、および73〜76℃の融点(分解)を有し、10水和物型(19〜20%P2O5に対応する)では、100℃の融点を有し、無水型(39〜40%P2O5に対応する)では、2.536g/cm3の密度を有する。リン酸三ナトリウムは、アルカリ性反応を伴って水に容易に溶解し、正確に1モルのリン酸二ナトリウムおよび1モルのNaOHの溶液を蒸発させることによって調製される。リン酸三カリウム(第三または三塩基性のリン酸カリウム)K3PO4は、白色であり、密度2.56g/cm3の潮解性の顆粒粉末であり、1340℃の融点を有し、アルカリ性反応を伴って水に容易に溶解する。これは、例えば、トーマススラグを炭素および硫酸カリウムと加熱したときに生成する。価格が高いにもかかわらず、より容易な溶解性であり、従って非常に効果的であるリン酸カリウムは、浄化剤産業においては、対応するナトリウム化合物よりも好ましいことが多い。
二リン酸四ナトリウム(ピロリン酸ナトリウム)Na4P2O7は、無水型(密度2.534g/cm3、融点988℃、また880℃も知られている)で、および10水和物(密度1.815〜1.836g/cm3、融点94℃で水を損失)として存在する。両物質とも無色の結晶であり、アルカリ性反応を伴って水に溶解する。Na4P2O7は、リン酸二ナトリウムを>200℃に加熱したときに生成するか、またはリン酸と炭酸ナトリウムを化学量論比で反応させ、この溶液を噴霧により脱水することによって生成する。この10水和物は、重金属塩および硬度成分を錯化し、これにより水の硬度を低下させる。二リン酸カリウム(ピロリン酸カリウム)K4P2O7は、三水和物型で存在しており、無色の密度2.33g/cm3の吸湿性粉末であり、水に可溶性であり、25℃で1%濃度の溶液のpHが10.4である。
NaH2PO4およびKH2PO4の縮合によって、それぞれ、高分子量のリン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムが生成する。これらの中で、環状の代表物であるそれぞれメタリン酸ナトリウムおよびメタリン酸カリウム、ならびに、鎖様の型であるそれぞれポリリン酸ナトリウムおよびポリリン酸カリウムは、区別することができる。特に後者については、多様な名称が用いられている(即ち、メルトリン酸塩またはサーマルリン酸塩、グラハムの塩、クロールの塩、およびマドレールの塩)。全ての高級リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムは、縮合リン酸塩と総称される。
工業的に重要な三リン酸五ナトリウムNa5P3O10(トリポリリン酸ナトリウム)は、非吸湿性の白色の水溶性塩であり、これは、無水または6H2Oを有する結晶であり、一般式:NaO-[P(O)(ONa)-O]n-Na(ここでn=3)の塩である。100gの水中で、約17gの塩(結晶水を含まない)が室温で溶解し、60℃で約20gが溶解し、100℃で約32gが溶解する。この溶液を100℃で2時間加熱すると、約8%のオルトリン酸塩および15%の二リン酸塩が加水分解により生成する。三リン酸五ナトリウムの調製の際には、リン酸を、炭酸ナトリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液と化学量論比で反応させ、この溶液を噴霧によって脱水する。グラハムの塩および二リン酸ナトリウムと同様に、三リン酸五ナトリウムは、多くの不溶性の金属化合物(石灰石鹸などを含む)を溶解する。三リン酸五カリウムK5P3O10(トリポリリン酸カリウム)は、例えば、50重量%濃度の溶液(>23%P2O5、25%K2O)の形態で市販されている。ポリリン酸カリウムは、洗浄剤および浄化剤の産業において広範に使用されている。さらに、本発明の範囲内で同様に使用しうるトリポリリン酸ナトリウムカリウムも存在する。これらは、例えばトリメタリン酸ナトリウムをKOHで加水分解したときに、以下のように生成する:
本発明によれば、これらを、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、またはこれら2つの混合物と全く同様に使用することができる。また、トリポリリン酸ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物、またはトリポリリン酸カリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物、またはトリポリリン酸ナトリウムおよびトリポリリン酸カリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物を、本発明に従って使用することもできる。
本発明の洗浄および浄化製品において使用しうる有機補助ビルダーは、特に、ポリカルボキシレートまたはポリカルボン酸、ポリマー性ポリカルボキシレート、ポリアスパラギン酸、ポリアセタール、所望により酸化されたデキストリン、さらなる有機補助ビルダー(以下を参照)、およびホスホネートである。これらの物質群を以下に説明する。
使用しうる有機ビルダー物質は、例えば、ナトリウム塩の形態で使用しうるポリカルボン酸である。このポリカルボン酸という用語は、1を越える酸官能基を保持するカルボン酸を意味する。これらの例は、その使用が環境上の理由から回避されるべきでない限り、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、およびこれらの混合物である。好ましい塩は、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸、およびこれらの混合物のようなポリカルボン酸の塩である。
酸自体を使用することもできる。酸は、そのビルダー作用に加えて、酸性化成分の特性をも有するのが普通であり、これにより、残りの成分の混合物に起因するpHが望ましくない限り、洗浄剤または浄化剤の低いpHおよび中程度のpHの確立を助ける。系に適合し、環境的に安全な酸を、ここで具体的に挙げると、例えば、クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびこれらの任意の混合物である。しかし、無機酸、特に硫酸、または塩基、特にアンモニウム、またはアルカリ金属の水酸化物も、pH調整剤として働くことができる。本発明の製剤は、このような調整剤を、好ましくは20重量%以下、特に1.2〜17重量%の量で含有する。
また、適当なビルダーはポリマー性ポリカルボキシレートである。これらは、例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩であり、例えば、500〜70000g/モルの相対分子量を有するものである。
本明細書の目的のために、ポリマー性ポリカルボキシレートに対して付与される分子量は、UV検出器を用いてゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって常に測定された、それぞれの酸型の重量平均分子量Mwである。測定は、外部のポリアクリル酸標準(調べたポリマーに対する構造的類似性のゆえに、現実的な分子量の値を与える)に対して行った。これらの数値は、標準としてポリスチレンスルホン酸を用いて得た分子量の値とはかなり異なる。ポリスチレンスルホン酸に対して測定した分子量は、本明細書に示した分子量よりも通常はかなり高い。
適当なポリマーは、特にポリアクリレートであり、これは、好ましくは2000〜20000g/モルの分子量を有する。優れた溶解性のゆえに、この群において好ましいのは、短鎖ポリアクリレートであり、これは、2000〜10000g/モル、特に好ましくは3000〜5000g/モルの分子量を有する。
また適するのは、コポリマー性のポリカルボキシレート、特に、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、およびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸とのコポリマーである。特に適することがわかったコポリマーは、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーであって、50〜90重量%のアクリル酸および50〜10重量%のマレイン酸を含むコポリマーである。これらの相対分子量は、遊離酸に基づいて、一般に2000〜70000g/モル、好ましくは20000〜50000g/モル、特に30000〜40000g/モルである。(コ)ポリマー性ポリカルボキシレートは、粉末としてまたは水溶液として使用することができる。(コ)ポリマー性ポリカルボキシレートは、製品の0.5〜20重量%、特に1〜10重量%であってよい。
水中での溶解性を改善するため、このポリマーは、モノマーとしてアリルスルホン酸、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタアリルスルホン酸などを含有することもできる。
2を越える異なるモノマー単位の生分解性ポリマー、例えば、モノマーとしてアクリル酸の塩およびマレイン酸の塩ならびにビニルアルコールもしくはビニルアルコール誘導体を含むポリマー、あるいは、モノマーとしてアクリル酸の塩および2-アルキルアリルスルホン酸の塩および糖誘導体を含むポリマーが特に好ましい。
さらなる好ましいコポリマーは、好ましくは、モノマーとしてアクロレインおよびアクリル酸/アクリル酸塩またはアクロレインおよび酢酸ビニルを有するコポリマーである。
また、挙げることができるさらなる好ましいビルダー物質は、ポリマー性アミノジカルボン酸、その塩またはその前駆体物質である。ポリアスパラギン酸またはその塩および誘導体が特に好ましい。
さらなる適当なビルダー物質は、ポリアセタールであり、これは、ジアルデヒドとポリカルボン酸(5〜7個の炭素原子および少なくとも3個のヒドロキシル基を有する)との反応によって得ることができる。好ましいポリアセタールは、ジアルデヒド(例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドおよびこれらの混合物)から、およびポリオールカルボン酸(例えば、グルコン酸および/またはグルコヘプトン酸)から得られる。
さらなる適当な有機ビルダー物質は、デキストリン、例えば、デンプンの部分的加水分解によって得られる炭水化物のオリゴマーまたはポリマーである。この加水分解は、通常のプロセス、例えば、酸-触媒プロセスまたは酵素-触媒プロセスによって行うことができる。この加水分解生成物は、好ましくは、400〜500000g/モルの範囲の平均分子量を有する。この場合、0.5〜40、特に2〜30の範囲内のデキストロース当量(DE)を有するポリサッカリドが好ましい。ここでDEとは、100のDEを有するデキストロースと比較したときの、ポリサッカリドの還元作用の通常の指標である。3〜20のDEを有するマルトデキストリンおよび20〜37のDEを有する乾燥グルコースシロップ、ならびに、2000〜30000g/モルの範囲内の高い分子量を有する「黄色デキストリン」および「白色デキストリン」を使用することできる。
このようなデキストリンの酸化された誘導体は、サッカリド環の少なくとも1つのアルコール官能基をカルボン酸官能基に酸化しうる酸化剤とデキストリンとの反応生成物である。本発明の製剤に特に好ましい有機ビルダーは、それぞれ、EP472042、WO97/25399およびEP755944の酸化されたデンプンおよびその誘導体である。
オキシジスクシネートおよびジスクシネートの他の誘導体、好ましくはエチレンジアミンジスクシネートも、さらなる適当な補助ビルダーである。ここで、エチレンジアミンN,N'-ジスクシネート(EDDS)は、好ましくは、そのナトリウム塩またはマグネシウム塩の形態で使用される。これに関連して、グリセロールジスクシネートおよびグリセロールトリスクシネートがさらに好ましい。ゼオライト含有、炭酸塩含有および/またはケイ酸塩含有の配合物における適当な使用量は、3〜15重量%である。
使用しうるさらなる有機補助ビルダーは、例えば、アセチル化ヒドロキシカルボン酸またはその塩であり、これらは、適切であればラクトン形態で存在していてもよく、また、少なくとも4個の炭素原子および少なくとも1つのヒドロキシ基および多くとも2つの酸基を含んでいる。
補助ビルダーの特性を有する物質の別の群は、ホスホネートである。これらは、特に、ヒドロキシアルカンホスホネートおよびアミノアルカンホスホネートである。ヒドロキシアルカンホスホネートの中で、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネート(HEDP)は、補助ビルダーとして特に重要である。これは、好ましくはナトリウム塩として使用され、二ナトリウム塩は中性であり、四ナトリウム塩はアルカリ性である(pH9)。適当なアミノアルカンホスホネートは、好ましくは、エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート(DTPMP)、およびこれらの高級同族体である。これらは、好ましくは、中性のナトリウム塩の形態で、例えば、EDTMPの6ナトリウム塩として、またはDTPMPの7ナトリウム塩および8ナトリウム塩として使用される。ここで好ましいのは、ホスホネートの群からのビルダーとして、HEDPを使用することである。さらに、アミノアルカンホスホネートは、顕著な重金属結合能力を有する。従って、特に製剤が漂白剤をも含有する場合には、アミノアルカンホスホネート、特にDTPMPまたは該ホスホネートの混合物を使用するのが好ましいこともある。
さらに、アルカリ土類金属イオンと錯体を形成しうる全ての化合物を、補助ビルダーとして使用することができる。
本発明の洗浄または浄化製品は、ビルダー物質を、適切であれば、90重量%までの量で含有していてよく、好ましくは75重量%までの量で含有する。本発明の洗浄製品は、特に、5〜50重量%のビルダー含量を有する。硬表面を浄化するため、特に、食器を機械浄化するための本発明の製品において、ビルダー物質の含量は、特に5〜88重量%であり、好ましくは、このような製品において水不溶性ビルダー物質を使用しない。特に、食器の機械浄化のための本発明の製品の好ましい態様は、20〜40重量%の水溶性有機ビルダー、特にアルカリ金属クエン酸塩、5〜15重量%のアルカリ金属炭酸塩、および20〜40重量%のアルカリ金属二ケイ酸塩を含有する。
洗浄および浄化製品の液体ないしゼラチン様の組成物において使用しうる溶媒は、例えば、一価もしくは多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルの群からのものである(これらが、所定の濃度範囲内で水と混和性であるとき)。好ましくは、これら溶媒は、エタノール、n-またはi-プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチルまたはプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、ジイソプロピレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、メトキシ、エトキシまたはブトキシトリグリコール、1-ブトキシエトキシ-2-プロパノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、プロピレングリコールt-ブチルエーテル、およびこれら溶媒の混合物から選択される。
溶媒は、本発明の液体ないしゼラチン様の洗浄および浄化製品において、0.1〜20重量%、好ましくは15重量%以下、特に10重量%以下の量で使用することができる。
粘度を調節するために、1またはそれ以上の増粘剤または増粘剤系を、本発明の組成物に添加することができる。これらの高分子量物質(膨潤剤とも称される)は、通常、液体を吸収し、その過程で膨潤し、最終的には粘稠な真のまたはコロイド性の溶液に変換する。
適当な増粘剤は、無機またはポリマー性の有機化合物である。無機の増粘剤には、例えば、ポリケイ酸、粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、ゼオライト、シリカおよびベントナイト)が含まれる。有機の増粘剤は、天然ポリマー、修飾された天然ポリマーおよび全合成ポリマーの群からのものである。このような天然ポリマーは、例えば、寒天、カラゲーン、トラガカント、アラビアゴム、アルギン酸塩、ペクチン、ポリオース、グアール粉末、イナゴマメ種子粉末、デンプン、デキストリン、ゼラチンおよびカゼインである。増粘剤として使用される修飾された天然物質は、主に、修飾されたデンプンおよびセルロースの群からのものである。ここで挙げることができる例は、カルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースならびにイナゴマメ粉末エーテルである。全合成の増粘剤は、ポリマー、例えば、ポリアクリル化合物およびポリメタクリル化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミドならびにポリウレタンである。
増粘剤は、最終の組成物に対して、5重量%まで、好ましくは0.05〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1.5重量%の量で存在することができる。
本発明の洗浄および浄化製品は、適切であれば、さらなる通常の成分として、金属イオン封鎖剤、電解質、およびさらなる助剤、例えば、蛍光増白剤、灰色化抑制剤、銀腐食抑制剤、色移行抑制剤、発泡抑制剤、研磨剤、染料および/または芳香剤、および微生物活性物質、UV吸収剤および/または酵素安定剤を含有することができる。
本発明の織物洗浄製品は、蛍光増白剤として、ジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体またはそのアルカリ金属塩を含んでいてもよい。適するのは、例えば、4,4'-ビス(2-アニリノ-4-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ)スチルベン-2,2'-ジスルホン酸または同様に構築された化合物(モルホリノ基の代わりに、ジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基または2-メトキシエチルアミノ基を保持する)である。さらに、置換されたジフェニルスチリル型の増白剤、例えば、4,4'-ビス(2-スルホスチリル)ジフェニル、4,4'-ビス(4-クロロ-3-スルホスチリル)ジフェニル、または4-(4-クロロスチリル)-4'-(2-スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ金属塩が存在することもできる。上記の蛍光増白剤の混合物を使用することもできる。
灰色化抑制剤は、織物繊維から剥落した汚れを、液中に懸濁したまま維持する機能を有する。この目的に適するのは、通常は有機性の水溶性コロイド、例えばデンプン、にかわ、ゼラチン、デンプンもしくはセルロースのエーテルカルボン酸またはエーテルスルホン酸の塩、あるいは、セルロースもしくはデンプンの酸性硫酸エステルの塩である。酸性の基を含む水溶性ポリアミドもこの目的に適する。さらに、上記したもの以外のデンプン誘導体、例えば、アルデヒドデンプンを用いることもできる。好ましいのは、セルロースエーテル、例えば、カルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、および混合エーテル、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、およびこれらの混合物である。これらは、例えば、製剤に基づいて、0.1〜5重量%の量にある。
銀腐食から保護するために、銀腐食抑制剤を、本発明の食器浄化製品において使用することができる。このような抑制剤は、先行技術において既知である[例えば、ベンゾトリアゾール、塩化鉄(III)またはCoSO4]。例えば、欧州特許EP0736084B1に開示されているように、酵素と一緒に使用するのに特に適する銀腐食抑制剤は、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルトまたはセリウムの塩、および/または、これらの特定した金属が、酸化状態II、III、IV、VまたはVIのいずれかで存在する錯体である。このような化合物の例は、MnSO4、V2O5、V2O4、VO2、TiOSO4、K2TiF6、K2ZrF6、Co(NO3)2、Co(NO3)3、およびこれらの混合物である。
汚れ遊離活性成分または汚れ忌避剤は、通常はポリマーであり、これは、洗浄製品において使用したときに、洗濯物の繊維に対して汚れ忌避特性を付与し、そして/または他の洗浄成分が汚れを剥落する能力を助ける。また、硬表面用の浄化製品においてこれらを使用したときに、同等の効果を観察することができる。
特に効果的であり、かつ以前から既知である汚れ遊離活性成分は、ジカルボン酸、アルキレングリコールおよびポリアルキレングリコール単位を有するコポリエステルである。これらの例は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリオキシエチレングリコールのコポリマーまたは混合ポリマーである(それぞれ、DT1617141およびDT2200911)。独国特許出願公開DT2253063は、特に、二塩基性カルボン酸とアルキレンまたはシクロアルキレンポリグリコールのコポリマーを含有する酸性の製剤を開示している。独国特許出願DE2857292およびDE3324258ならびに欧州特許EP0253567は、エチレンテレフタレートおよびポリエチレンオキシドテレフタレートのポリマー、ならびに、洗浄製品におけるそれらの使用を記載している。欧州特許EP066944は、特定のモル比の、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、芳香族ジカルボン酸、およびスルホン化芳香族ジカルボン酸のコポリエステルを含有する製品に関する。欧州特許EP0185427は、メチル基またはエチル基で末端キャップしたポリエステルであって、エチレンおよび/またはプロピレンテレフタレートおよびポリエチレンオキシドテレフタレート単位を有するポリエステル、ならびに、このような汚れ遊離ポリマーを含有する洗浄剤を開示している。欧州特許EP0241984は、オキシエチレン基およびテレフタル酸単位に加えて、置換されたエチレン単位およびグリセロール単位を含むポリエステルを開示している。欧州特許EP0241985は、オキシエチレン基およびテレフタル酸単位に加えて、1,2-プロピレン、1,2-ブチレンおよび/または3-メトキシ-1,2-プロピレン基ならびにグリセロール単位を含み、かつC1〜C4アルキル基で末端キャップされたポリエステルを開示している。欧州特許出願EP0272033は、ポリプロピレンテレフタレートおよびポリオキシエチレンテレフタレート単位を有するポリエステルであって、C1-4アルキル基またはアシル基によって少なくとも部分的に末端基キャップされたポリエステルを開示している。欧州特許EP0274907は、スルホエチルで末端基キャップされたテレフタレート含有の汚れ遊離ポリエステルを記載している。欧州特許出願EP0357280によれば、不飽和末端基のスルホン化によって、テレフタレート、アルキレングリコールおよびポリC2-4グリコール単位を有する汚れ遊離ポリエステルが製造されている。国際特許出願WO95/32232は、汚れを剥落しうる酸性の芳香族ポリエステルに関する。国際特許出願WO97/31085は、綿からなる材料のための非ポリマー性の汚れ忌避活性成分であって、複数の機能性単位を有するものを開示している(第1の単位は、陽イオン性であってよく、例えば、静電的な相互作用によって綿の表面に吸着することができ、そして第2の単位は、疎水性であり、水/綿の界面に残存する活性成分の原因となる)。
本発明の洗濯洗浄製品において使用するのに適する色移行抑制剤には、特に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリマー性Nオキシド、例えば、ポリ(ビニルピリジンN-オキシド)、およびビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーが含まれる。
機械浄化プロセスにおいて使用するためには、関連の製品に発泡抑制剤を添加するのが有利であろう。適当な発泡抑制剤の例は、高い割合のC18-C24脂肪酸を有する天然または合成起源の石鹸である。適当な非界面活性剤型の発泡抑制剤の例は、有機ポリシロキサンおよびこれと微細な所望によりシラン処理されたシリカとの混合物、ならびに、パラフィン、ワックス、微結晶性ワックスおよびこれらとシラン処理されたシリカまたはビス-ステアリル-エチレンジアミドとの混合物である。異なる発泡抑制剤の混合物、例えば、シリコーン、パラフィンまたはワックスの混合物を使用するのも有利である。これらの発泡抑制剤、特に、シリコーンおよび/またはパラフィンを含有する発泡抑制剤を、好ましくは、顆粒状の水溶性または水分散性の支持物質に結合させる。ここで特に好ましいのは、パラフィンおよびビス-ステアリルエチレンジアミドの混合物である。
硬表面のための本発明の浄化製品は、さらに、研磨作用を有する成分(特に、石英粉末、木材粉末、ポリマー粉末、チョークおよびガラスミクロビーズならびにこれらの混合物からなる群からの成分)を含有する。研磨剤は、本発明の浄化製品中に、好ましくは20重量%以下、特に、5〜15重量%で存在する。
製品の審美的な外観を改善するため、ならびに、洗浄および浄化性能に加えて、視覚的かつ感覚的に「典型的かつ錯誤のない」製品を消費者に提供するために、染料および芳香剤を、洗浄および浄化製品に添加する。芳香油および/または芳香剤として、個々の臭気化合物、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の合成生成物を使用することができる。エステル型の臭気化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが含まれ;アルデヒドには、例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびボージュナールが含まれ;ケトンには、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンが含まれ;アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールが含まれ;炭化水素には、主にテルペン(例えば、リモネンおよびピネン)が含まれる。しかし、好ましいのは、一緒になって魅力的な香気を生じる異なる臭気剤の混合物を使用することである。また、このような芳香油は、植物供給源から得られるような天然の臭気剤混合物、例えば、松根油、柑橘油、ジャスミン油、パチョリ油、バラ油またはイランイラン油を含んでいてもよい。同様に適するのは、マスカテル、セージ油、カモミール油、チョウジ油、バルサム油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ネズ実油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油およびラブダナム油、さらに、オレンジ花油、ネロリ油、オレンジ果皮油およびビャクダン油である。洗浄剤および浄化剤の染料含量は、配合物全体の通常は0.01重量%未満であり、芳香剤は配合物全体の2重量%までを構成していてよい。
芳香剤は、洗浄および浄化製品中に直接導入することができる。しかし、浄化すべき材料への芳香剤の吸着を増強する担体に芳香剤を適用し、より遅い芳香剤の放出によって、特に処理された織物の長く持続する芳香を確実にすることも有利であろう。このような担体として確立された材料は、例えばシクロデキストリンであり、さらに、シクロデキストリン-芳香剤の複合体を、さらなる助剤で被覆することもできる。芳香剤のための別の好ましい担体は、界面活性剤の代わりにまたは界面活性剤と混合して、芳香剤を吸収することができる上記のゼオライトXである。即ち、上記のゼオライトXおよび芳香剤(これは、好ましくは、少なくとも部分的にゼオライト上に吸着されている)を含む洗浄および浄化製品が好ましい。
好ましい染料(その選択は、当業者にとって何の困難もない)は、高い貯蔵安定性および製品の他の成分および光に対する非感受性を有しており、また、織物繊維を染色することがないようにそれに顕著な親和性を有さない。
微生物を制御するため、洗浄および浄化製品は、抗微生物活性成分を含有することができる。ここで、抗微生物スペクトルおよび作用機序に依存して、静菌剤と殺菌剤、静菌類剤と殺菌類剤の間などで区別が為される。これらの群の重要な物質の例は、塩化ベンズアルコニウム、アルキルアリールスルホネート、ハロゲンフェノールおよび酢酸フェノール水銀である。抗微生物作用および抗微生物活性成分という用語は、本発明の教示の範囲内では先行技術における普通の意味を有し、これは、例えば、K.H.Wallhaeusserの「Praxis der Sterilisation、Desinfektion-Konservierung: Keimidentifizierung-Betriebshygiene」[第5版、-Stuttgart;ニューヨーク:Thieme、1995]に記載されており、そこに記載された抗微生物作用を有する全ての物質を使用することができる。適当な抗微生物活性成分は、好ましくは、以下の群から選択される。即ち、アルコール、アミン、アルデヒド、抗微生物性の酸またはそれらの塩、カルボン酸エステル、酸アミド、フェノール、フェノール誘導体、ジフェニル、ジフェニルアルカン、尿素誘導体、酸素アセタール、窒素アセタール、ならびに、酸素および窒素のホルマール、ベンズアミジン、イソチオアゾリン、フタルイミド誘導体、ピリジン誘導体、抗微生物性の界面活性化合物、グアニジン、抗微生物性の両性化合物、キノリン、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、ヨード-2-プロピルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨードフォア、ペルオキソ化合物、ハロゲン化合物、ならびに上記の任意の混合物から選択される。
抗微生物活性成分は、以下から選択することができる。即ち、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1,3-ブタンジオール、フェノキシエタノール、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、ウンデシレン酸、安息香酸、サリチル酸、ジヒドロ酢酸、o-フェニルフェノール、N-メチルモルホリノアセトニトリル(MMA)、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2,2'-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、4,4'-ジクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(ジクロサン)、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、クロロヘキシジン、N-(4-クロロフェニル)-N-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、N,N'-(1,10-デカンジイルジ-1-ピリジニル-4-イリデン)-ビス(1-オクタンアミン)ジヒドロクロリド、N,N'-ビス(4-クロロフェニル)-3,12-ジイミノ-2,4,11,13-テトラアザテトラデカンジイミドアミド、グルコプロタミン、抗微生物性の界面活性第四級化合物、グアニジン(ビグアニジンおよびポリグアニジンを含む)、例えば、1,6-ビス(2-エチルヘキシルビグアニドヘキサン)ジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-フェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-フェニル-N1,N1-メチルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-2,6-ジクロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-[N1,N1'-β-(p-メトキシフェニル)ジグアニド-N5,N5']ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-α-メチル-β-フェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-p-ニトロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、ω:ω-ジ-(N1,N1'-フェニルジグアニド-N5,N5')-ジ-n-プロピルエーテルジヒドロクロリド、ω:ω'-ジ-(N1,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')-ジ-n-プロピルエーテルテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-2,4-ジクロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-p-メチルフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-2,4,5-トリクロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-[N1,N1'-α-(p-クロロフェニル)エチルジグアニド-N5,N5']-ヘキサンジヒドロクロリド、ω:ω-ジ-(N1,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')m-キシレンジヒドロクロリド、1,12-ジ-(N1,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')ドデカンジヒドロクロリド、1,10-ジ-(N1,N1'-フェニルジグアニド-N5,N5')デカンテトラヒドロクロリド、1,12-ジ-(N1,N1'-フェニルジグアニド-N5,N5')ドデカンテトラヒドロクロリド、1,6-ジ-(N1,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンジヒドロクロリド、1,6-ジ-[N1,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N5,N5')ヘキサンテトラヒドロクロリド、エチレン-ビス(1-トリルビグアニド)、エチレン-ビス(p-トリルビグアニド)、エチレン-ビス(3,5-ジメチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(p-tert-アミルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(ノニルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(フェニルビグアニド)、エチレン-ビス(N-ブチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(2,5-ジエトキシフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(2,4-ジメチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(o-ジフェニルビグアニド)、エチレン-ビス(混合アミルナフチルビグアニド)、N-ブチルエチレン-ビス(フェニル-ビグアニド)、トリメチレンビス(o-トリルビグアニド)、N-ブチル-トリメチル-ビス(フェニルビグアニド)、ならびに、対応する塩、例えば、酢酸塩、グルコン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、亜硫酸水素塩、フッ化物、ポリマレイン酸塩、N-ヤシ油アルキルサルコシン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、パーフルオロオクタン酸塩、ケイ酸塩、ソルビン酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、イミノ二酢酸塩、桂皮酸塩、チオシアン酸塩、アルギン酸塩、ピロメリト酸塩、テトラカルボキシ酪酸塩、安息香酸塩、グルタル酸塩、モノフルオロリン酸塩、パーフルオロプロピオン酸塩、ならびに、これらの任意の混合物から選択することができる。また適するのは、ハロゲン化キシレンおよびクレゾール誘導体(例えば、p-クロロメタクレゾールまたはp-クロロメタキシレン)、ならびに植物起源(例えば、スパイスまたはハーブ由来)、動物起源および微生物起源の天然の抗微生物活性成分である。好ましくは、抗微生物性の界面活性第四級化合物、植物起源の天然の抗微生物活性成分および/または動物起源の天然の抗微生物活性成分、最も好ましくは、カフェイン、テオブロミンおよびテオフィリンを含む群からの植物起源の少なくとも1つの天然の抗微生物活性成分、ならびに、精油(例えば、オイゲノール、チモールおよびゲラニオール)、および/または、酵素(例えば、ミルクタンパク質、リゾチームおよびラクトペルオキシダーゼ)を含む群からの動物起源の少なくとも1つの天然の抗微生物活性成分、および/または、少なくとも1つの抗微生物性の界面活性第四級化合物(アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ヨードニウムまたはアルソニウム基を有する)、ペルオキソ化合物、ならびに塩素化合物を使用することができる。微生物起源の物質「バクテリオシン」を使用することもできる。
抗微生物活性成分として適する第四アンモニウム化合物(QAC)は、一般式:(R1)(R2)(R3)(R4)N+X−を有する[ここで、R1〜R4は、同一または異なって、C1-C22アルキル基、C7-C28アラルキル基または複素環式基であり、ここで、2つの基またはピリジンのように芳香族導入されている場合には3つの基は、窒素原子と一緒になって、複素環、例えばピリジニウムまたはイミダゾリニウム化合物を形成し、そしてX−は、ハロゲンイオン、硫酸イオン、水酸化物イオンまたは同様の陰イオンである]。最適の抗微生物作用のためには、これらの基の少なくとも1つは、好ましくは8〜18個、特に12〜16個の炭素原子の鎖長を有する。
QACは、第三アミンとアルキル化剤(例えば、塩化メチル、塩化ベンジル、硫酸ジメチル、臭化ドデシル、それ以外ではエチレンオキシド)との反応によって調製することができる。1つの長いアルキル基および2つのメチル基を有する第三アミンのアルキル化は特に容易に進行し、2つの長い基および1つのメチル基を有する第三アミンの四級化も、温和な条件下で塩化メチルの補助によって行うことができる。3つの長いアルキル基またはヒドロキシ置換アルキル基を有するアミンは、反応性が低く、硫酸ジメチルを用いて四級化するのが好ましい。
適当なQACの例は、塩化ベンズアルコニウム(N-アルキル-N,N-ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、CAS番号8001-54-5)、ベンズアルコンB(m,p-ジクロロベンジルジメチル-C12-アルキルアンモニウムクロリド、CAS番号58390-78-6)、塩化ベンズオキソニウム(ベンジルドデシル-ビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド)、臭化セトリモニウム(N-ヘキサデシル-N,N-トリメチルアンモニウムブロミド、CAS番号57-09-0)、塩化ベンズエトニウム(N,N-ジメチル-N-[2-[2-[p-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシ]エトキシ]エチル]ベンジルアンモニウムクロリド、CAS番号121-54-0)、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、例えば、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド(CAS番号7173-51-5-5)、臭化ジデシルジメチルアンモニウム(CAS番号2390-68-3)、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、1-セチルピリジニウムクロリド(CAS番号123-03-5)およびヨウ化チアゾリン(CAS番号15764-48-1)、ならびにこれらの混合物である。特に好ましいQACは、C8-C18アルキル基を有する塩化ベンズアルコニウム、特に、C12-C14アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドである。
ハロゲン化ベンズアルコニウムおよび/またはハロゲン化置換ベンズアルコニウムは、例えば、BarquatR(Lonzaより)、MarquatR(Masonより)、VariquatR(Witco/Sherexより)、HyamineR(Lonzaより)、およびBardacR(Lonzaより)として市販されている。さらなる市販の抗微生物活性成分は、N-(3-クロロアリル)ヘキサミニウムクロリド、例えばDowicideRおよびDowicilR(Dowより)、塩化ベンズエトニウム、例えばHyamineR 1622(Rohm & Haasより)、塩化メチルベンズエトニウム、例えばHyamineR 10X(Rohm & Haasより)、塩化セチルピリジニウム、例えば塩化セパコール(Merrell Labsより)である。
抗微生物活性成分は、0.0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.8重量%、特に好ましくは0.005〜0.3重量%、そして特に0.01〜0.2重量%の量で使用される。
本発明の洗浄または浄化製品は、処理された織物に付着し、繊維の光安定性および/または他の配合物成分の光安定性を改善するUV吸収剤を含有することができる。UV吸収剤とは、紫外線放射を吸収し、吸収したエネルギーを再び長波長放射の形態(例えば、熱)で放射しうる有機物質(光保護フィルター)を意味する。
これらの所望の特性を有する化合物は、例えば、無放射の不活性化により活性である化合物、ならびに、2位および/または4位に置換基を有するベンゾフェノンの誘導体である。さらに、置換されたベンゾトリアゾール、3位でフェニル置換されたアクリレート(2位にシアノ基を有するかまたは有さない桂皮酸誘導体)、サリチル酸塩、有機Ni錯体および天然物質(例えば、ウンベリフェロンおよび内因性ウロカニン酸)も適している。特に重要な物質は、ビフェニル誘導体および特にスチルベン誘導体[例えば、EP0728749Aに記載され、CibaよりTinsorbR FDまたはTinosorbR FRとして市販されている]である。挙げることができるUV-B吸収剤は、以下のものである:3-ベンジリデンカンファーまたは3-ベンジリデンノルカンファーおよびこれらの誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)カンファー(EP0693471B1に記載);4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-オクチルおよび4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミル;桂皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、4-メトキシ桂皮酸プロピル、4-メトキシ桂皮酸イソアミル、2-シアノ-3,3-フェニル桂皮酸2-エチルヘキシル(オクトクリレン);サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4-メトキシベンズマロン酸ジ-2-エチルヘキシル;トリアジン誘導体、例えばEP0818450A1に記載される2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジンおよびオクチルトリアゾン、またはジオクチルブタアミドトリアゾン[UvasorbR HEB];プロパン-1,3-ジオン、例えば、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン;ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体(EP0694521B1に記載)。さらに適するのは、以下のものである:2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸およびそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルクアンモニウムの塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸ならびにこれらの塩。
適当な代表的UV-Aフィルターは、特にベンゾイルメタンの誘導体、例えばDE19712033A1(BASF)に記載されているような1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)、1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、およびエナミン化合物である。また、UV-AおよびUV-Bフィルターは、当然ながら混合物で用いることもできる。このような可溶性物質に加えて、不溶性の光保護顔料、即ち、微細に分散させた好ましくはナノ化された金属の酸化物または塩も、この目的に適する。適当な金属酸化物の例は、特に酸化亜鉛および二酸化チタンであり、さらに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物ならびにこれらの混合物である。使用しうる塩は、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛である。酸化物および塩は、皮膚ケアおよび皮膚保護エマルジョンおよび美容化粧品の形態で既に使用されている。ここで、粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に15〜30nmの平均直径を有すべきである。これらは、球の形状を有することができるが、楕円形状または球形態からいくらか逸脱した形状を有する粒子を使用することもできる。また、顔料を表面処理することもできる(即ち、親水性または疎水性にすることができる)。代表的な例は、被覆された二酸化チタン[例えば、二酸化チタンT805(Degussa)またはEusolexR T2000(Merck)など]である。ここで、適当な疎水性の被覆剤は、好ましくはシリコーンであり、特に好ましくはトリアルコキシオクチルシランまたはシメチコーンである。ミクロ化した酸化亜鉛を用いるのが好ましい。さらに適するUV光保護フィルターは、P.Finkelによる概説[SOEFW-Journal 122 (1996)、p.543]に見い出すことができる。
UV吸収剤は、通常は0.01〜5重量%、好ましくは0.03〜1重量%の量で使用される。
一般に、洗浄および浄化製品に普通に使用される成分には、それぞれ洗浄活性および浄化活性の酵素も含まれる。
即ち、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体に加えて、さらなる酵素によっても特徴付けられる洗浄または浄化製品が本発明の好ましい態様である。これらには、特に、他のプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、例えばβ-グルカナーゼ、オキシドレダクターゼ、例えばラッカーゼ、クチナーゼ、および/またはリパーゼだけでなく、エステラーゼおよびこの使用分野に対して先行技術に記載されている他の全ての酵素が含まれる。
即ち、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体に加えて、さらなる酵素によっても特徴付けられる洗浄または浄化製品が本発明の好ましい態様である。これらには、特に、他のプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、例えばβ-グルカナーゼ、オキシドレダクターゼ、例えばラッカーゼ、クチナーゼ、および/またはリパーゼだけでなく、エステラーゼおよびこの使用分野に対して先行技術に記載されている他の全ての酵素が含まれる。
プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼまたはセルラーゼなどの酵素は、洗浄および浄化製品における活性成分として数十年にわたって使用されている。当該製剤のそれぞれ洗浄および浄化性能に対するこれらの特定の寄与は、プロテアーゼの場合には、タンパク質性汚れを分解する能力であり、アミラーゼの場合には、デンプン含有汚れの分解であり、リパーゼの場合には、脂肪切断活性である。セルラーゼは、その汚れ除去性能、即ち一次洗浄および浄化性能に加えて、特に、洗浄製品の二次洗浄性能へのその寄与のゆえに、および織物に対するその繊維作用のゆえに、洗浄製品において使用するのが好ましい。特定の加水分解生成物は、他の洗浄または浄化製品の成分によって攻撃、溶解、乳化または懸濁されるか、あるいは、そのより高い溶解性のゆえに、洗浄液とともに洗い流され、酵素と他の成分の間の相乗効果が有利に得られる。
プロテアーゼは、天然繊維(特に、羊毛または絹)に対して、洗浄製品の二次洗浄性能に対するセルラーゼによる寄与に匹敵する作用を発揮することができる。このような生地の表面構造に対するその作用のゆえに、プロテアーゼは、この材料に対して滑らかにする作用を発揮し、それによってフェルト化を相殺することができる。
他の酵素は、それらのそれぞれの特定の酵素性能によって、適当な製品の浄化性能を広げる。これらの例には、ヘミセルラーゼ、例えばβ-グルカナーゼ(WO99/06515およびWO99/06516)、オキシドレダクターゼ、例えばラッカーゼ(WO00/39306)またはペクチン溶解酵素(WO00/42145)が含まれる(これらは、特に、特別の洗浄製品において使用される)。
本発明の洗浄または浄化製品に使用するのに適する酵素は、主に微生物(例えば、細菌または菌類)からの酵素である。これらは、適当な微生物から、自体既知の方法により、例えば、独国特許出願公開明細書DE1940488およびDE2121397、米国特許US3623957、US4264738、欧州特許出願EP006638ならびに国際特許出願WO91/02792に記載された発酵法によって得られる。
特に貯蔵中に、存在する本発明のタンパク質および/または他のタンパク質を、例えば物理的影響、酸化またはタンパク質分解切断による、例えば変性、崩壊または不活性化から、安定剤によって保護することができる。これは、本発明の全ての製品(特に、洗浄および浄化製品)に当てはまる。
安定剤の1つの群は、製品を洗浄液中で希釈したときに解離する可逆性プロテアーゼインヒビターの群である。ベンズアミジン塩酸塩およびロイペプチンがこの目的に確立されている。ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸(boronic acid)またはこれらの塩もしくはエステルが使用されることが多く、特に芳香族基を有する誘導体、例えば、WO95/12655によればオルト置換された、WO92/19707によればメタ置換された、また、US5972873によればパラ置換されたフェニルボロン酸またはこれらの塩もしくはエステルが含まれる。特許出願WO98/13460およびEP583534は、ペプチドアルデヒド、即ち還元C末端を有するオリゴペプチド、具体的には2〜50モノマーのオリゴペプチドを、洗浄および浄化製品プロテアーゼの可逆性阻害のために開示している。これらペプチド性の可逆性プロテアーゼインヒビターには、特に、オボムコイド(WO93/00418)が含まれる。例えば、国際特許出願WO00/01826は、プロテアーゼ含有製剤において使用するためのプロテアーゼ スブチリシンの特異的な可逆性ペプチドインヒビターを開示し、WO00/01831は、プロテアーゼとインヒビターからなる対応する融合タンパク質を開示している。
さらなる酵素安定剤は、アミノアルコール、例えばモノ、ジ、トリエタノールおよびプロパノールアミンおよびこれらの混合物、C12までの脂肪族カルボン酸(例えば、特許出願EP0378261およびWO97/05227に開示)、例えばコハク酸、他のジカルボン酸またはこれら酸の塩である。独国特許出願DE19650537は、この目的のために末端基キャップした脂肪アミドアルコキシレートを開示している。WO97/18287に開示されているように、ビルダーとして使用される特定の有機酸は、含有される酵素をさらに安定化することができる。
低級脂肪族アルコール、特にポリオール、例えばグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはソルビトールなどは、他のよく使用される酵素安定剤である。また、カルシウム塩、例えば酢酸カルシウムまたはギ酸カルシウム(この目的のためにEP028865に開示)およびマグネシウム塩(例えば欧州特許出願EP378262による)も使用される。
ポリアミドオリゴマー(WO99/43780)またはポリマー化合物、例えばリグニン(WO97/00932)、水溶性ビニルコポリマー(EP828762)、あるいは、EP702712に開示されているように、セルロースエーテル、アクリルポリマーおよび/またはポリアミドは、特に物理的影響またはpH変動に対して、酵素調製物を安定化する。ポリアミンN-オキシドを含有するポリマー(EP587550およびEP581751)は、酵素安定剤および色移行抑制剤として同時に働く。他のポリマー性の安定剤は、WO97/05227に他の成分に加えて開示されている直鎖C8-C18ポリオキシアルキレンである。国際特許出願WO97/43377およびWO98/45396におけるように、アルキルポリグリコシドは、本発明の製品の酵素成分を安定化することができ、さらにその性能を増大させることができる。架橋したN含有の化合物は、WO98/17764に開示されているように、汚れ遊離剤および酵素安定剤として二重の機能を満たす。疎水性の非イオン性ポリマーは、国際特許出願WO97/32958によれば、他の安定剤との混合物において、セルラーゼを安定化するように作用するので、これらの成分または同様の成分も、本発明に必須の酵素に適するであろう。
特にEP780466に開示されているように、還元剤および酸化防止剤は、酸化崩壊に対する酵素の安定性を増大させる。イオウ含有の還元剤は、例えば、EP080748およびEP080223に開示されている。他の例は、亜硫酸ナトリウム(EP533239)および還元糖(EP656058)である。
また、よく使用されるのは、安定剤の組合せ、例えば、ポリオール、ホウ酸および/またはホウ砂の組合せ(国際特許出願WO96/31589)、ホウ酸またはホウ酸塩、還元性塩およびコハク酸または他のジカルボン酸の組合せ(欧州特許出願EP126505)、あるいは、ホウ酸またはホウ酸塩とポリオールまたはポリアミノ化合物との、および還元性塩との組合せ(欧州特許出願EP080223に開示)である。WO98/13462によれば、ペプチドアルデヒド安定剤の作用は、ホウ酸および/またはホウ酸誘導体およびポリオールとの組合せによって増大し、WO98/13459によれば、カルシウムイオンの追加使用によってさらに増強される。
安定化された酵素活性を含有する製品は、本発明の好ましい態様である。特に好ましいのは、示した多くの方法で安定化した酵素を含有する製品である。
本発明の製品は、あらゆる考えられる形態で供することができるので、特定の製品に添加するのに適する任意の配合物の形態にある本発明の酵素またはタンパク質は、本発明のそれぞれの態様である。その例には、液体配合物、固体顆粒またはカプセルが含まれる。
カプセル化された形態は、酵素または他の成分を他の成分(例えば漂白剤など)から保護するか、または制御された放出を可能にする手段である。その大きさに依存して、該カプセルはミリカプセル、ミクロカプセルおよびナノカプセルに分けられ、ミクロカプセルが酵素にとって特に好ましい。このようなカプセルは、例えば、特許出願WO97/24177およびDE19918267に開示されている。可能なカプセル化法は、タンパク質溶液とデンプンまたはデンプン誘導体の溶液または懸濁液との混合物から出発して、この物質中でタンパク質をカプセル化することである。国際特許出願WO01/38471は、このようなカプセル化法を記載している。
固体製品の場合、タンパク質を、例えば、乾燥、顆粒化および/またはカプセル化した形態で使用することができる。これらを、別々に、即ち独立した相として、または他の成分と一緒に同じ相において、圧縮するかまたは圧縮せずに添加することができる。ミクロカプセル化した酵素を固体形態に加工するときには、処理によって得られる水溶液から、先行技術から既知の方法(例えば、噴霧乾燥、遠心除去または再可溶化)を用いて、水を除去することができる。このようにして得られた粒子は、通常、大きさが50〜200μmである。
本発明の液体、ゲル様またはペースト様の製品に、酵素および本発明のタンパク質(先行技術に従って行うタンパク質回収から出発する)、および調製物を、濃縮された水溶液もしくは非水性溶液、懸濁液またはエマルジョンにおいて、さらにゲル形態もしくはカプセル化した形態において、または乾燥粉末として添加することができる。通常、本発明のこのような洗浄または浄化製品は、成分を単純に混合することによって調製され、成分を固体または溶液として自動ミキサーに導入することができる。
一次洗浄性能とは別に、さらに、洗浄製品中に存在するプロテアーゼは、例えばWO94/29426またはEP747471に開示されているように、タンパク質分解切断によって他の酵素成分を活性化するか、または適当な作用期間の後に該酵素成分を不活性化する機能をも満たすことができる。また、同等の調節機能が本発明のタンパク質により可能である。本発明の別の態様は、プロテアーゼ感受性材料のカプセルを含有する製品であって、このカプセルが、例えば、意図した時間において本発明のタンパク質によって加水分解され、その内容物が放出される製品に関する。同等の効果を、他の多相製品において達成することもできる。
上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかを、単独でまたは他の活性成分に加えて含有することを特徴とする、織物原料の処理のためまたは織物ケアのための製品、特に天然成分を含有する繊維または織物のため、さらに具体的には羊毛または絹を含有する繊維または織物のための製品は、本発明のさらなる態様である。
天然繊維(特に、例えば羊毛または絹など)は、特徴的な顕微鏡的な表面構造によって区別される。このような表面構造は、例えばR.Breierによる先行論文[Melliand Textilberichte、4.1.2000 (p.263)]において羊毛について例示的に議論されているように、長期間で望ましくない効果(例えば、フェルト化など)を生じることができる。このような効果を回避するために、天然原料を本発明の製剤で処理すると、本発明の製剤は、例えば、タンパク質構造に基づいて剥離した表面構造を滑らかにするように寄与し、これによってフェルト化を相殺する。
1つの好ましい態様において、本発明のプロテアーゼを含有する製品を、例えば、洗浄過程に添加することによって、洗浄後または洗浄とは独立して適用することによって、ケア剤として規則的に使用しうるように設計する。所望の効果は、長期間にわたって織物の滑らかな表面構造を得ること、および/または生地の損傷を防止および/または軽減することである。
織物または硬表面を機械浄化するための方法であって、その行程の少なくとも1つにおいて、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体が、特に1回の適用あたり、40μg〜4g、好ましくは50μg〜3g、特に好ましくは100μg〜2g、なお特に好ましくは200μg〜1gの量で活性になることを特徴とする方法は、本発明の別の対象である。
これら方法には、手による方法および機械による方法の両方が含まれるが、機械による方法の方が、例えば使用量および作用時間の点で、より正確に制御することができるので好ましい。
一般に、織物を浄化するための方法は、種々の浄化活性物質を浄化すべき材料に適用することおよび作用時間の後にそれらを洗い流すことを含むいくつかの工程によって、あるいは、浄化すべき材料が洗浄剤または該製剤の溶液によって他のいずれかの方法で処理されることによって区別される。同じことが、硬表面なる用語のもとに分類される他のいずれかの材料を浄化するための方法に当てはまる。本発明のタンパク質を、全ての考えられる洗浄または浄化方法の工程の少なくとも1つに添加することができ、これらの方法は本発明の態様となる。
本発明の好ましい酵素は、既に天然にタンパク質溶解活性を保持しており、また、該活性をそれ以外には洗浄力を持たない媒体(例えば、純粋な緩衝液)において示すので、織物の機械浄化のための該方法の個々の部分工程は、所望により安定化化合物、塩または緩衝物質に加えて、本発明の酵素を、単一の浄化活性成分として適用することからなっていてよい。これが、本発明の特に好ましい態様である。
このような方法のさらに好ましい態様において、本発明の関連酵素が、本発明の製品(好ましくは、本発明の洗浄または浄化製品)のために上記した配合物のいずれかに供される。
織物原料の処理のためまたは織物ケアのための方法であって、その行程の少なくとも1つにおいて、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体が、特に天然成分を含有する織物原料、繊維または織物のために、さらに具体的には羊毛または絹を含有する織物原料、繊維または織物のために活性になることを特徴とする方法は、本発明のこの対象の好ましい態様である。
これらは、例えば、材料を織物における使用のため、例えば抗フェルト仕上げのために調製する方法、あるいは、例えば、ケア成分を着古した織物の浄化に添加する方法であってよい。天然のタンパク質含有の原料に対するプロテアーゼの上記作用のゆえに、特定の態様は、織物原料、繊維または織物(天然成分、特に羊毛または絹を含有する)を処理するための方法からなる。
織物または硬表面を浄化するための、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用は、本発明の別の対象である。
上記した濃度範囲は、この使用に好ましく当てはまる。
上記した濃度範囲は、この使用に好ましく当てはまる。
本発明のタンパク質を、特に、上記した特性および上記した方法に従って、織物または硬表面からタンパク質性汚れを除去するために使用することができる。その態様は、例えば、織物または硬表面からの汚れの手洗いまたは手による除去あるいは機械法に関連した使用である。
この使用の好ましい態様において、本発明の関連酵素が、本発明の製品(好ましくは、洗浄または浄化製品)のために上記した配合物のいずれかに供される。
洗浄または浄化製品の成分を活性化または不活性化するための、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用は、本発明のこの対象のさらなる態様である。
既知のように、洗浄または浄化製品のタンパク質成分を、プロテアーゼの作用によって不活性化することができる。本発明は、このそれ以外ではむしろ望ましくない作用を特別に使用することに関する。同様に、上記したように、タンパク質分解が実際に別の成分を活性化することもできる。これは、例えば、該成分が、例えば国際特許出願WO00/01831に開示されているように、実際の酵素と対応するインヒビターのハイブリッドタンパク質である場合である。この種の調節の別の例は、活性成分が、その活性を保護または制御するために、タンパク質分解攻撃に対して感受性である物質中にカプセル化されている場合である。即ち、本発明のタンパク質を、特に多相製品において、不活性化反応、活性化反応または放出反応のために使用することができる。
その多様性にもかかわらず、洗浄および浄化という課題の外側にある他の全ての技術的方法、使用および対応する製剤は、それらが本発明のタンパク質によって特徴付けられる限り、後記の本発明の1つの対象になる。この要約は、排他的なリストと解するべきではなく、本発明のプロテアーゼの最も重要な現在認識しうる可能な使用をリストするものである。同様に包含されるさらなる可能な使用の指標は、例えば、H.Uhligによるマニュアル「Industrial enzymes and their applications」[Wiley出版、New York、1998]に供されている。他の技術分野を、本発明のプロテアーゼを用いてさらに開発しうることがわかったときには、該分野は、本発明の保護の範囲内に含まれる。
本発明のこの対象の1つの態様は、低分子量化合物またはタンパク質を生化学的に分析または合成するための、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用である。
この使用は、好ましくは、対応する製品または方法の範囲内で行う。本発明ならびにRoemppの「Lexikon Chemie」[バージョン2.0、Stuttgart/New York: Georg Thieme Verlag、1999]によれば、酵素分析とは、特異的な酵素または基質を用いて、一方において基質の正体または濃度、あるいは、他方において酵素の正体または活性を測定するためのあらゆる生化学的分析を意味する。応用分野は、生化学、特に分子生物学およびタンパク質化学に関連するあらゆる研究分野である。この使用は、好ましくは、酵素分析法の範囲内で行う。本発明のこの対象の好ましい態様は、配列分析において末端基を決定するための使用である。
天然物質または生物学的有用物質を調製、精製または合成するための、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用は本発明の対象である。
この使用は、好ましくは、対応する製品または方法の範囲内で行う。即ち、例えば天然物質または生物学的有用物質を精製する過程において、該物質からタンパク質汚染物質(その例は低分子量化合物、任意の細胞構成成分もしくは貯蔵物質またはタンパク質である)を除去することが必要になることがある。これを、例えば有用物質の生物工学的製造の後に、実験室規模および工業的規模の両方で行うことができる。
本発明のタンパク質分解酵素を、それらが天然に触媒する反応を逆にすることによって、タンパク質または他の低分子量化学化合物の合成のために使用する。これは、例えば、タンパク質フラグメントを互いに結合することまたはアミノ酸を主にタンパク質から構成されていない化合物に結合することを意図する場合である。この種の可能な使用は、例えば、欧州特許出願EP380362に従って可能である。
本発明のこの対象のさらなる態様は、天然原料の処理のため、特に表面の処理のため、さらに具体的には皮革の処理のための方法における、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用である。
この使用は、好ましくは、対応する製品または方法の範囲内で行う。これは、例えば、タンパク質汚染物質を天然原料から除去すべきであるときに必要である。これは、主に非微生物学的に、例えば農業から得られる原料を意味するだけでなく、発酵によって生物工学的に製造される物質(例えば抗生物質など)をも意味する。
好ましい態様は、表面の処理のための使用、さらに具体的には経済的に重要な原料皮革の処理のための方法における使用である。即ち、水溶性タンパク質を、なめし過程中、特にアルカリ浸漬の行程中に、タンパク質分解酵素の助けを借りて、皮革原料から除去する[Roempp、「Lexikon Chemie」、バージョン2.0、Stuttgart/New York: Georg Thieme Verlag、1999]。本発明のプロテアーゼは、特に、アルカリ性条件下および/または変性剤の存在下でこれに適する。
織物製造における原料または中間体の取得または処理のため、特に生地から保護層を除去するための、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用は、本発明のこの対象の別の態様である。
この使用は、好ましくは、対応する製品または方法の範囲内で行う。織物製造における原料または中間体の取得または処理の例は、サイジングと称される過程において朔果成分を除去することが必要になる綿の加工である。別の例は、羊毛の処理である。原料絹の加工も同様である。酵素による方法またはその使用は、特にその環境適合性の点で、比較すべき化学的方法よりも優れている。
好ましい態様において、本発明のタンパク質を、織物から、特に中間生成物または有用物質から保護層を除去するため、またはその表面を滑らかにするために使用する(後の加工行程においてさらに処理する前に)。
本発明のこの対象のさらなる態様は、織物原料の処理または織物ケアのため、特に羊毛または絹あるいは羊毛または絹を含有する織物ブレンドの処理のための、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用である。
この使用は、好ましくは、対応する製品または方法の範囲内で行う。上記したことに従って、プロテアーゼにより関連の織物原料から汚染物質を除去する。さらに、少なくとも部分的にタンパク質からなる材料は、タンパク質分解酵素の表面を滑らかにする特性および表面ケア特性によって利益を受ける。このために、関連材料のケアのための使用も包含される。従って、羊毛または絹あるいは羊毛または絹を含有する織物ブレンドの表面処理が、特に特許請求されている。これは、このような織物の製造および使用中のケア(例えば織物の浄化に関連する)の両方に当てはまる(上記を参照)。
写真フィルムの処理のため、特にゼラチン含有層または同様の保護層を除去するための、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用は、本発明のこの対象の別の態様である。
この使用は、好ましくは、対応する製品または方法の範囲内で行う。例えば、X線フィルムなどのフィルムは、上記のような保護層、特に銀塩含有のゼラチンエマルジョンから得られる保護層によって被覆されている。これらの層を、暴露後に裏打ち材料から除去する必要がある。このために、本発明のプロテアーゼを、特にアルカリ性またはわずかに変性する反応条件下で使用することができる。
食品または動物飼料を調製するための、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用は、本発明のこの対象の別の態様である。
この使用は、好ましくは、対応する製品または方法の範囲内で行う。即ち、プロテアーゼは、大昔から食品の調製に使用されている。この例は、チーズまたは他のミルク製品の熟成過程のためのレンネット剤の使用である。本発明のタンパク質を添加または使用して、このような過程を完全に行うことができる。炭水化物に富む食品または非栄養目的のための食品原料(例えば、穀物粉またはデキストリンなど)を、適当なプロテアーゼで処理して、それらから付随タンパク質を除去することもできる。本発明のプロテアーゼは、このような適用に、特にこれをアルカリ性またはわずかに変性する条件下で行うべきであるときにも適している。
これは、動物飼料の調製にも対応して当てはまる。ここで、タンパク質の完全除去に加えて、タンパク質性の出発物質または出発物質混合物をプロテアーゼで短時間のみ処理して、これらを家畜動物にとってより容易に消化しうるようにするのも重要になりうる。また、このような処理を、例えば発酵微生物のための培地成分を製造するために使用することもできる。
本発明のこの対象の別の態様において、上記した本発明のタンパク質を化粧目的に使用する。
即ち、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を含有する化粧品、あるいは、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を組み込んだ化粧方法、あるいは、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の、化粧目的のための、特に対応する方法の枠内での、または対応する製品における使用が特許請求されている。
即ち、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を含有する化粧品、あるいは、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を組み込んだ化粧方法、あるいは、上記した本発明のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の、化粧目的のための、特に対応する方法の枠内での、または対応する製品における使用が特許請求されている。
またプロテアーゼは、ヒト皮膚の剥離において重要な役割を果たすので[T.Egelrudら、Acta Derm.Venerol.、Vol.71 (1991)、p.471-747]、プロテアーゼを、皮膚ケア製品における生物活性成分として使用して、乾燥皮膚において増大して存在するデスモソーム構造の分解を支援する(例えば、国際特許出願WO95/07688およびWO99/18219に従う)。例えば、WO97/07770は、化粧目的のためのスブチリシン プロテアーゼの使用を記載している。本発明のプロテアーゼ(特に、その活性が、例えば突然変異誘発後に、またはそれと相互作用する適当な物質の添加により制御されているプロテアーゼ)は、皮膚または毛髪浄化組成物あるいはケア組成物における活性成分としても適している。特に好ましいのは、上記したように、例えば巨大分子支持体への結合によって安定化されており(US5230891を参照)、そして/または、そのヒト皮膚との適合性が増大するように高アレルゲン性の位置における点突然変異によって誘導体化されている該酵素の調製物である。
従って、化粧目的のため、特に、適当な製品(例えば、シャンプー、石鹸または洗浄ローションなど)または例えばクリームの形態で供されるケア組成物における、この種のタンパク質分解酵素の使用も、本発明のこの対象に含まれる。また、剥離薬剤における使用またはその調製物も、この対象に含まれる。
既に上で説明したように、Bacillus sp.(DSM 14390)由来の本発明のプロテアーゼは、B.lentus由来の確立されたプロテアーゼ SavinaseRおよびB.lentusアルカリ性プロテアーゼとは、それぞれアミノ酸 224V、250Gおよび253N、ならびに、97S、99S、101S、102V、157G、224V、250Gおよび253Nによって異なる。実施例から明らかなように、ある種の適用においては驚くべきことに、それは、これらの確立されたプロテアーゼよりも良好な洗浄または浄化性能を示す。この理由により、プロテアーゼ、好ましくはスブチラーゼ、なお特に好ましくはスブチリシンへの1またはそれ以上のこれら位置の意図的な導入は、その性能を改善するための有望なアプローチであるとみなされるべきである。これは、特に、対応する製品の洗浄または浄化性能に対するそれぞれの寄与に関連する。この種の変更は、先行技術において確立されている突然変異誘発法によって行うことができる。
B.lentus DSM 5483由来のアルカリ性プロテアーゼの場合、このような交換を、例えば、図1の整列に示した野生型酵素において、または洗浄および浄化製品における性能の点で野生型と比較して既に改善されている変異体において行うことができる。挙げることができるこのような変異の例は、国際特許出願WO95/23221に記載されている変異、特にM130、M131およびF49である。この後者は、本願の実施例における比較酵素となる。そのためのさらなる候補は、未だ公開されていない独国特許出願DE10121463およびDE10153792の変異体であると考えられる。
従って、プロテアーゼの性能を改善するための全ての方法が、特に対応する製品の洗浄および/または浄化性能に関連して、本発明の別の対象として特許請求されている。これらは、プロテアーゼが、点突然変異誘発により、配列番号1のアミノ酸番号付与に従って1またはそれ以上のアミノ酸 97S、99S、101S、102V、157G、224V、250Gおよび253Nを獲得していること、即ち、成熟タンパク質の好ましくは1またはそれ以上のアミノ酸 224V、250Gおよび253Nを獲得していることを特徴とする。
また、この保護は、点突然変異誘発により、配列番号1のアミノ酸番号付与に従って、1またはそれ以上のアミノ酸 97S、99S、101S、102V、157G、224V、250Gおよび253N、好ましくは1またはそれ以上のアミノ酸 224V、250Gおよび253Nを獲得していることを特徴とする全てのプロテアーゼにも対応して当てはまる。
同様にこの保護に含まれるのは、対応する単一または複数の保存された交換、例えば、102および224位におけるV以外の疎水性アミノ酸、253位におけるN以外の塩基性アミノ酸、97、99、101位におけるTおよび/または157および250位におけるAである。
全ての分子生物学的な作業工程は、例えば、Fritsch、SambrookおよびManiatisによるマニュアル「Molecular cloning: a laboratory manual」[Cold Spring Harbour Laboratory Press、New York、1989]あるいは同等の関連研究において示されているような標準法に従う。酵素およびキットは、それぞれの製造元の指示書に従って使用した。
実施例1:タンパク質分解活性を有する細菌菌株の単離および同定
土壌試料(0.1g)を、滅菌0.9%濃度NaCl溶液(1ml)に懸濁させ、ミルク粉末を含有する寒天プレート[1.5%寒天、0.5%NaCl、0.1%K2HPO4、0.1%酵母エキス、2%ペプトン(ICN、Eschwede、Cat.No.104808)、1%ミルク粉末(スキムミルク;Difco、Heidelberg、Cat.No.232100)、pH10]上にプレーティングした。30℃で72時間インキュベートした後、透明ゾーンを有するコロニーが、ミルク寒天において明らかであった。単一コロニーをこれから取り、エルレンマイヤーフラスコ中、Horikoshi培地[0.1%K2HPO4、0.5%酵母エキス、1%ペプトン、0.02%MgSO4、0.3%Na2CO3、pH9]において、37℃で200rpmにて振盪しながら培養した。
土壌試料(0.1g)を、滅菌0.9%濃度NaCl溶液(1ml)に懸濁させ、ミルク粉末を含有する寒天プレート[1.5%寒天、0.5%NaCl、0.1%K2HPO4、0.1%酵母エキス、2%ペプトン(ICN、Eschwede、Cat.No.104808)、1%ミルク粉末(スキムミルク;Difco、Heidelberg、Cat.No.232100)、pH10]上にプレーティングした。30℃で72時間インキュベートした後、透明ゾーンを有するコロニーが、ミルク寒天において明らかであった。単一コロニーをこれから取り、エルレンマイヤーフラスコ中、Horikoshi培地[0.1%K2HPO4、0.5%酵母エキス、1%ペプトン、0.02%MgSO4、0.3%Na2CO3、pH9]において、37℃で200rpmにて振盪しながら培養した。
これらクローンの1つを、2001年3月1日に、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ)[Mascheroder Weg 1b、38124 Brunswick]に寄託した。そこでの表示はID 01-191であり、受託番号はDSM 14390である。この生物学的物質の特徴の標準情報(2001年4月19日にDSMZにより寄託時に測定)を、以下の表1にまとめる。
実施例2:成熟プロテアーゼのクローニングおよび配列決定
Bacillus sp.(DSM 14390)由来の染色体DNAを、標準法によって調製し、制限酵素Sau3Aで処理し、得られたフラグメントをベクターpAWA22中にクローン化した。これは、バシラス種において使用するためのpBC16から導いた発現ベクターである[Bernhardら(1978)、J.Bacteriol.、Vol.133(2)、p.897-903]。このベクターを、プロテアーゼ陰性の宿主菌株 Bacillus subtilis DB 104 [KawamuraおよびDoi (1984)、J.Bacteriol.、Vol.160 (1)、p.442-444]に導入した。
Bacillus sp.(DSM 14390)由来の染色体DNAを、標準法によって調製し、制限酵素Sau3Aで処理し、得られたフラグメントをベクターpAWA22中にクローン化した。これは、バシラス種において使用するためのpBC16から導いた発現ベクターである[Bernhardら(1978)、J.Bacteriol.、Vol.133(2)、p.897-903]。このベクターを、プロテアーゼ陰性の宿主菌株 Bacillus subtilis DB 104 [KawamuraおよびDoi (1984)、J.Bacteriol.、Vol.160 (1)、p.442-444]に導入した。
形質転換体を、初めに、DM3培地[8g/L寒天、0.5Mコハク酸、3.5g/L K2HPO4、1.5g/L KH2PO4、20mM MgCl2、5g/Lカザミノ酸、5g/L酵母エキス、6g/Lグルコース、0.1g/L BSA]において再生し、次いで、TBYスキムミルクプレート[10g/Lペプトン、10g/Lミルク粉末(上記を参照)、5g/L酵母エキス、5g/L NaCl、15g/L寒天]に移した。タンパク質分解活性を有するクローンを、その溶解ゾーンから同定した。タンパク質分解活性を有する得られたクローンの1つ(p/B-5)を選択し、そのプラスミドを単離し、挿入体を標準法によって配列決定した。
大きさが約2.9kbの挿入体は、約1kbのオープン読み枠を含んでいた。この配列を、配列表配列番号1のもとで配列表に示す。これは1143bpからなる。これから導かれるアミノ酸配列は380個のアミノ酸を含有し、これに停止コドンが続く。これを、配列番号2のもとで配列表に示す。その最初の111個のアミノ酸は、恐らくは成熟タンパク質中には存在しないので、成熟タンパク質は、269個のアミノ酸の長さを有すると考察される。
これらの配列を、2001年8月に、誰でもアクセスできるデータベースであるSwiss-Prot[Geneva Bioinformatics (GeneBio) S.A.、Geneva、スイス国;http://www.genebio.com/sprot.html]およびGenBank[National Center for Biotechnology Information NCBI、National Institutes of Health、Bethesda、MD、米国]から入手できるプロテアーゼ配列と比較した。これにより同定された最も類似している酵素は、以下の表2にまとめる酵素である。
実施例3:アルカリ性プロテアーゼの精製および特性化
Horikoshi培地(上記を参照)(100ml)を、500mlのエルレンマイヤーフラスコに入れ、実施例2におけるように形質転換したバシラス菌株の1つのコロニーを接種し、増殖の定常期に到達するまで37℃で72時間培養した。
この培養物の上清から以下の精製工程によって単一のタンパク質分解酵素を単離することができた:20mM HEPES/NaOH緩衝液(pH7.6)に対する上清の透析;Q-SepharoseR(Pharmacia-Amersham Biotech、スウェーデン国)における負アニオン交換クロマトグラフィー;HEPES/NaOHの勾配緩衝液(0〜1M NaCl、pH7.6)で溶離するS-SepharoseR(Pharmacia-Amersham)における通過物のカチオン交換クロマトグラフィー。プロテアーゼは、0.2M NaClで溶出し、次いでこれを、溶離液としてHEPES/NaOH(pH7.6)を用いるResource SR(Pharmacia-Amersham)におけるカチオン交換クロマトグラフィーによって濃縮した。
SDSゲル電気泳動およびクーマッシー染色によれば純粋であるタンパク質を、このようにして得た。
Horikoshi培地(上記を参照)(100ml)を、500mlのエルレンマイヤーフラスコに入れ、実施例2におけるように形質転換したバシラス菌株の1つのコロニーを接種し、増殖の定常期に到達するまで37℃で72時間培養した。
この培養物の上清から以下の精製工程によって単一のタンパク質分解酵素を単離することができた:20mM HEPES/NaOH緩衝液(pH7.6)に対する上清の透析;Q-SepharoseR(Pharmacia-Amersham Biotech、スウェーデン国)における負アニオン交換クロマトグラフィー;HEPES/NaOHの勾配緩衝液(0〜1M NaCl、pH7.6)で溶離するS-SepharoseR(Pharmacia-Amersham)における通過物のカチオン交換クロマトグラフィー。プロテアーゼは、0.2M NaClで溶出し、次いでこれを、溶離液としてHEPES/NaOH(pH7.6)を用いるResource SR(Pharmacia-Amersham)におけるカチオン交換クロマトグラフィーによって濃縮した。
SDSゲル電気泳動およびクーマッシー染色によれば純粋であるタンパク質を、このようにして得た。
実施例4:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動および等電点電気泳動
実施例2および3におけるようにして得たB.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼは、PHASTR系(Pharmacia-Amersham Biotech、スウェーデン国から供給)における変性SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動において、26kDの分子量を示す。
同様にPHASTR系(Pharmacia-Amersham Biotechから供給)における等電点電気泳動によれば、B.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの等電点は11である。
実施例2および3におけるようにして得たB.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼは、PHASTR系(Pharmacia-Amersham Biotech、スウェーデン国から供給)における変性SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動において、26kDの分子量を示す。
同様にPHASTR系(Pharmacia-Amersham Biotechから供給)における等電点電気泳動によれば、B.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの等電点は11である。
実施例5:酵素特性
比活性
実施例2および3におけるようにして精製したB.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの比活性を、基質 Suc-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド(AAPF;Bachem Biochemica GmbH、Heidelbergから)を用いて測定した。それは、pH8.6および25℃で5分間インキュベートしたときに、69U/mgの活性を示した。この場合、1Uは、1μモルの切断された基質/分に等しい。
pH依存性
Bacillus sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼのpHプロフィールを、pH範囲6〜12にわたって記録した。この目的のために、基質としてカゼインを用いて、50℃でそれぞれの整数pH値について活性を測定した。これによれば、pH最適値はpH11にある。50℃で15分間のインキュベート後に残存する活性は、pH12で5%、pH6で17%およびpH9で69%である。
比活性
実施例2および3におけるようにして精製したB.sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼの比活性を、基質 Suc-Ala-Ala-Pro-Phe-p-ニトロアニリド(AAPF;Bachem Biochemica GmbH、Heidelbergから)を用いて測定した。それは、pH8.6および25℃で5分間インキュベートしたときに、69U/mgの活性を示した。この場合、1Uは、1μモルの切断された基質/分に等しい。
pH依存性
Bacillus sp.(DSM 14390)由来のアルカリ性プロテアーゼのpHプロフィールを、pH範囲6〜12にわたって記録した。この目的のために、基質としてカゼインを用いて、50℃でそれぞれの整数pH値について活性を測定した。これによれば、pH最適値はpH11にある。50℃で15分間のインキュベート後に残存する活性は、pH12で5%、pH6で17%およびpH9で69%である。
実施例6:洗浄性能に対する寄与
Eidgenoessische Material-Pruefungs- und -Versuchsanstalt(St.Gallen、スイス国;EMPA)あるいはWaeschereiforschungsanstalt(Krefeld、独国)から入手し、標準化された方法で汚した織物を、この実施例に使用した。以下の汚れおよび織物を使用した:A(血液/ミルク/すす;綿)、B(血液/ミルク/インク;綿)、C(血液/ミルク/インク;ポリエステル-綿ブレンド)、D(ミルク/ココア;綿)およびE(血液;綿)。
この試験材料を用い、洗濯計(launderometer)を用いて、種々の洗浄製品配合物の洗浄性能を試験した。この目的のために、液比をそれぞれ1:12に設定し、洗浄を40℃の温度で30分間行った。用量は、1Lの洗浄液あたり、5.88gの特定の製品であった。水硬度は、16°ドイツ硬度であった。
Eidgenoessische Material-Pruefungs- und -Versuchsanstalt(St.Gallen、スイス国;EMPA)あるいはWaeschereiforschungsanstalt(Krefeld、独国)から入手し、標準化された方法で汚した織物を、この実施例に使用した。以下の汚れおよび織物を使用した:A(血液/ミルク/すす;綿)、B(血液/ミルク/インク;綿)、C(血液/ミルク/インク;ポリエステル-綿ブレンド)、D(ミルク/ココア;綿)およびE(血液;綿)。
この試験材料を用い、洗濯計(launderometer)を用いて、種々の洗浄製品配合物の洗浄性能を試験した。この目的のために、液比をそれぞれ1:12に設定し、洗浄を40℃の温度で30分間行った。用量は、1Lの洗浄液あたり、5.88gの特定の製品であった。水硬度は、16°ドイツ硬度であった。
使用した対照の洗浄製品は、以下の組成からなる基本の洗浄製品配合物であった(全ての値は重量%である):4%直鎖アルキルベンゼンスルホネート(ナトリウム塩)、4%C12-C18脂肪アルコールスルフェート(ナトリウム塩)、5.5%C12-C18脂肪アルコール+7EO、1%ナトリウム石鹸、11%炭酸ナトリウム、2.5%無定形二ケイ酸ナトリウム、20%過ホウ酸ナトリウム・4水和物、5.5%TAED、25%ゼオライトA、4.5%ポリカルボキシレート、0.5%ホスホネート、2.5%発泡抑制剤顆粒、5%硫酸ナトリウム、残り:水、光学増白剤、塩。この配合物を、異なる実験系列のために、以下のプロテアーゼと混合して、それぞれの場合に、1Lの洗浄液あたり、2.250PEタンパク質分解活性の最終濃度が得られるようにした:B.lentusアルカリ性プロテアーゼF49(WO95/23221;製造元:Biozym、Kundl、オーストリア国)、SavinaseR(Novozymes A/S、Bagsvaerd、デンマーク国)およびB.sp.(DSM 14390)由来の本発明のプロテアーゼ。
洗浄後、洗浄した織物の白さの程度を、硫酸バリウムの白さ(これを100%に規格化した)と比較して測定した。測定を、Datacolor SF500-2分光計において、460nm(UVブロックフィルター3)、30°mmダイヤフラム、光沢なし、D65光源、10°、d/8°で行った。以下の表3は、反射率(%)として、即ち、硫酸バリウムと比較したときの割合(%)として得られた結果を、それぞれの出発値とともにまとめるものである。それぞれ4回の測定の平均を挙げる。これらは、使用した製品の洗浄性能に対する、存在する酵素の寄与について、直ちに結論を導くことを可能にする。
これらのデータは、B.sp.(DSM 14390)由来の本発明のプロテアーゼが、試験した全ての汚れに対して、確立されたプロテアーゼであるB.lentusアルカリ性プロテアーゼF49およびSavinaseRよりも明らかに良好な性能を呈するか、または少なくともそれらに近づくことを示す。
実施例7:使用する活性が低いときの浄化性能に対する寄与
硬く滑らかな表面を有する容器を、標準化した方法で、混合デンプン(FおよびG)ならびに頑固な挽肉(H)と接触させ、市販の家庭用食器洗浄機により洗浄した。試料FおよびHは、MieleR G 676型の食器洗浄機の通常プログラムを用いて45℃で洗浄し、試料Gは、BoschR SGS 4002型の食器洗浄機の通常プログラムを用いて55℃で洗浄した。20gの食器洗浄剤を、それぞれ1回の食器洗浄試行あたりに使用した。水硬度は、16°ドイツ硬度であった。
硬く滑らかな表面を有する容器を、標準化した方法で、混合デンプン(FおよびG)ならびに頑固な挽肉(H)と接触させ、市販の家庭用食器洗浄機により洗浄した。試料FおよびHは、MieleR G 676型の食器洗浄機の通常プログラムを用いて45℃で洗浄し、試料Gは、BoschR SGS 4002型の食器洗浄機の通常プログラムを用いて55℃で洗浄した。20gの食器洗浄剤を、それぞれ1回の食器洗浄試行あたりに使用した。水硬度は、16°ドイツ硬度であった。
使用した食器洗浄剤は、以下の基本配合を有していた(全ての値はそれぞれ重量%である):55%トリポリリン酸ナトリウム(無水物として計算)、4%無定形二ケイ酸ナトリウム(無水物として計算)、22%炭酸ナトリウム、9%過ホウ酸ナトリウム、2%TAED、2%非イオン性界面活性剤、残り:水、染料、芳香剤。この基本配合物を、種々の実験に対して、同じ活性で、種々のプロテアーゼ、即ちB.lentusアルカリ性プロテアーゼF49、ProperaseRおよび本発明のBacillus sp.(DSM 14390)のプロテアーゼと混合して、それぞれの場合に、1回の食器洗浄試行あたりに10000PEの活性が得られるようにした。これは、それぞれの場合に、1gの浄化製品濃厚物あたり約0.1mgのプロテアーゼタンパク質に相当した。
洗浄後、汚れの除去を、試験FおよびGについては、重量法によりパーセント(%)で測定した。この目的のために、汚した後に濯いだ容器の重量と該容器の出発重量の間の差異を、未洗浄容器の重量と出発重量の重量差に関連付けた。この関連を、除去率(%)とみなすことができる。汚れHについては、洗浄に続いて尺度0(=変化なし、即ち、極めて重度の汚れ)ないし10(=認識しうる汚れなし)で視覚的に評価した。それぞれの場合に得られた結果を、以下の表4にまとめる(それぞれ8回の測定の平均を挙げる)。これらは、使用した製品の洗浄性能に対する、存在する酵素の寄与について、直ちに結論を導くことを可能にする。
これらの結果は、本発明のBacillus sp.(DSM 14390)プロテアーゼの性能が、機械食器洗浄剤において、試験した他のプロテアーゼの性能と少なくとも同等であり、これが、比較的低い活性を使用したときであってもそうであることを示す。
実施例8:使用する活性が比較的高いときの浄化性能に対する寄与
実施例7におけるように、容器を、標準化した方法によりミルク(I)および頑固な挽肉(J)で汚し、それぞれ同じ浄化製品配合物を用いて同じ方法で洗浄した。これらを、MieleR G676型の食器洗浄機の通常プログラムを用いて45℃で洗浄した。実施例7との唯一の相違は、それぞれの場合に、20000PEの各プロテアーゼを使用したことである。これは、それぞれの場合に、浄化製品濃厚物において約0.2mgのプロテアーゼに相当した。
実施例7におけるように、容器を、標準化した方法によりミルク(I)および頑固な挽肉(J)で汚し、それぞれ同じ浄化製品配合物を用いて同じ方法で洗浄した。これらを、MieleR G676型の食器洗浄機の通常プログラムを用いて45℃で洗浄した。実施例7との唯一の相違は、それぞれの場合に、20000PEの各プロテアーゼを使用したことである。これは、それぞれの場合に、浄化製品濃厚物において約0.2mgのプロテアーゼに相当した。
洗浄後、実施例7と同様にして、尺度0(=変化なし、即ち、極めて重度の汚れ)ないし10(=認識しうる汚れなし)で視覚的に評価することによって、結果を得た。これらを、以下の表5にまとめる。これに、それぞれ8回の測定の平均を示す。
機械食器洗浄製品のために確立されたプロテアーゼであるB.lentusアルカリ性プロテアーゼF49およびProperaseRと比較して、関連製品の全体の浄化性能に対する本発明のプロテアーゼの、より高いかまたは少なくとも同等の寄与が、使用したプロテアーゼ活性が比較的高いときにも明らかである。
図面の説明
図1は、Bacillus sp.(DSM 14390)由来の本発明のプロテアーゼと、表2にまとめた最も類似する最も重要な既知のスブチリシン(それぞれ、成熟形態、即ちプロセシングされた形態にある)とのアミノ酸配列の整列図である。
以下の数字は、以下のプロテアーゼを意味する(カッコ内は、それぞれデータベース受入のIDである;実施例2の表2をも参照):
図2は、pBC16から導かれ、B.licheniformis由来のプロモーター(PromPLi)およびその下流にBclI制限切断部位を有する発現ベクターpAWA22の模式図である[実施例2およびBernhardら(1978)、J.Bacteriol.、133(2)、p.897-903を参照]。
図1は、Bacillus sp.(DSM 14390)由来の本発明のプロテアーゼと、表2にまとめた最も類似する最も重要な既知のスブチリシン(それぞれ、成熟形態、即ちプロセシングされた形態にある)とのアミノ酸配列の整列図である。
以下の数字は、以下のプロテアーゼを意味する(カッコ内は、それぞれデータベース受入のIDである;実施例2の表2をも参照):
Claims (53)
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列に少なくとも98.5%同一であるアミノ酸配列を有するスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列に少なくとも98.75%同一であるアミノ酸配列を有するスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列に、112〜381位において、少なくとも99.3%同一であるアミノ酸配列を有するスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列に、112〜381位において、少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を有するスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ。
- 配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に配列番号2中の112〜381位に対応する部分領域にわたり、少なくとも92.5%同一であるヌクレオチド配列から導かれるスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ。
- 配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に配列番号2中の112〜381位に対応する部分領域にわたり、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列から導かれるスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ。
- 配列番号2に示されるアミノ酸配列の全体と、好ましくは112〜381位において、同一であるアミノ酸配列、および/または、配列番号1に示されるヌクレオチド配列から導かれるアミノ酸配列の全体と、好ましくは配列番号2中の112〜381位において、同一であるアミノ酸配列を有するスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼ。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼからフラグメント化または欠失突然変異誘発によって導かれ、出発分子において既に結合した少なくとも225個、好ましくは少なくとも250個、特に好ましくは少なくとも275個のアミノ酸を有するか、あるいは、配列番号1のアミノ酸番号付与に従って224位を含む出発分子において既に結合した少なくとも40個、好ましくは少なくとも100個、特に好ましくは少なくとも150個のアミノ酸を有するタンパク質またはフラグメント。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のスブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼあるいは誘導タンパク質またはフラグメントから、挿入突然変異誘発によって、置換突然変異誘発によって、および/または少なくとも1つの他のタンパク質またはタンパク質フラグメントとの融合によって導かれたタンパク質。
- それ自体がタンパク質を加水分解しうることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメントまたは融合タンパク質。
- さらに誘導体化されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメントまたは融合タンパク質。
- さらに安定化されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体。
- 請求項1〜12のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかと共通する少なくとも1つの抗原決定基を有することを特徴とする、タンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体。
- 天然供給源、特に微生物から得られることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体。
- 微生物がグラム陽性細菌であることを特徴とする、請求項14に記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体。
- グラム陽性細菌がバシラス属のいずれかであることを特徴とする、請求項15に記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体。
- バシラスの種がBacillus sp.、特にBacillus sp.(DSM 14390)であることを特徴とする、請求項16に記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体。
- スブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼをコードしている核酸であって、そのヌクレオチド配列が、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に334〜1143位の部分領域にわたり、少なくとも92.5%同一である核酸。
- スブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼをコードしている核酸であって、そのヌクレオチド配列が、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に334〜1143位の部分領域にわたり、少なくとも95%同一である核酸。
- スブチリシン型のアルカリ性プロテアーゼをコードしている核酸であって、そのヌクレオチド配列が、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に、特に334〜1143位の部分領域にわたり、同一である核酸。
- 請求項1〜14のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかをコードしている核酸。
- 天然供給源、特に微生物から得られることを特徴とする、請求項18〜21のいずれかに記載の核酸。
- 微生物がグラム陽性細菌であることを特徴とする、請求項22に記載の核酸。
- グラム陽性細菌がバシラス属のいずれかであることを特徴とする、請求項23に記載の核酸。
- バシラスの種がBacillus sp.、特にBacillus sp.(DSM 14390)であることを特徴とする、請求項24に記載の核酸。
- 請求項18〜25のいずれかに記載の核酸領域、特に、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかをコードしている核酸を含んでなるベクター。
- 請求項26に記載のクローニングベクター。
- 請求項26に記載の発現ベクター。
- 請求項18〜25のいずれかに記載の核酸領域、特に、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかをコードしている核酸を、好ましくは請求項26〜28のいずれかに記載のベクター上に含んでなる細胞。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかを、特に請求項18〜25のいずれかに記載の核酸領域を用いることにより、さらに具体的には請求項28に記載の発現ベクターを用いることにより、発現するかまたは発現するように誘導しうる宿主細胞。
- 細菌、特に産生したタンパク質を周囲培地に分泌する細菌であることを特徴とする、請求項30に記載の宿主細胞。
- グラム陽性細菌、特にバシラス属の細菌、さらに具体的にはBacillus lentus種、Bacillus licheniformis種、Bacillus amyloliquefaciens種、Bacillus subtilis種またはBacillus alcalophilus種の細菌であることを特徴とする、請求項31に記載の細菌。
- 真核細胞、特に産生したタンパク質を翻訳後修飾する真核細胞であることを特徴とする、請求項29または30に記載の細胞。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体のいずれかを、請求項18〜25のいずれかに記載の核酸を用いて、および/または請求項26〜28のいずれかに記載のベクターを用いて、および/または請求項29〜33のいずれかに記載の細胞を用いて製造する方法。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を含有することを特徴とする製品。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を含有することを特徴とする洗浄または浄化製品。
- タンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を、製品1gあたり、2μg〜20mg、好ましくは5μg〜17.5mg、特に好ましくは20μg〜15mg、なお特に好ましくは50μg〜10mgの量で含有することを特徴とする請求項36に記載の製品。
- さらなる酵素、特に他のプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、オキシドレダクターゼおよび/またはリパーゼをさらに含有することを特徴とする請求項36または37に記載の製品。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を、単独でまたは他の活性成分に加えて含有することを特徴とする、織物原料の処理のためまたは織物ケアのための製品、特に天然成分を含有する繊維または織物のため、さらに具体的には羊毛または絹を含有する繊維または織物のための製品。
- 織物または硬表面を機械浄化するための方法であって、その行程の少なくとも1つにおいて、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体が、好ましくは1回の適用あたり、40μg〜4g、好ましくは50μg〜3g、特に好ましくは100μg〜2g、なお特に好ましくは200μg〜1gの量で活性になることを特徴とする方法。
- 織物原料の処理のためまたは織物ケアのための方法であって、その行程の少なくとも1つにおいて、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体が、特に天然成分を含有する織物原料、繊維または織物のために、さらに具体的には羊毛または絹を含有する織物原料、繊維または織物のために活性になることを特徴とする方法。
- 特に1回の適用あたり40μg〜4g、好ましくは50μg〜3g、特に好ましくは100μg〜2g、なお特に好ましくは200μg〜1gの量で織物または硬表面を浄化するための、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質分解活性なタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 洗浄または浄化製品の成分を活性化または不活性化するための、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 低分子量化合物またはタンパク質を合成するためまたは生化学的に分析するための、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 天然物質または生物学的有用物質を調製、精製または合成するための、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 天然原料の処理のため、特に表面の処理のため、さらに具体的には皮革の処理のための方法における、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 織物製造における原料または中間体の取得または処理のため、特に生地から保護層を除去するための、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 織物原料の処理のためまたは織物ケアのため、特に羊毛または絹あるいは羊毛または絹を含有する織物ブレンドの処理のための、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 写真フィルムの処理のため、特にゼラチン含有層または同様の保護層を除去するための、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 食品または動物飼料を調製するための、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の使用。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を含有する化粧品、あるいは、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体を組み込んだ化粧方法、あるいは、請求項1〜17のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質フラグメント、融合タンパク質または誘導体の、化粧目的のための、特に対応する方法の枠内での、または対応する製品における使用。
- プロテアーゼの性能を改善するため、特にこのプロテアーゼを含有する製品の洗浄および/または浄化性能に関連して改善するための方法であって、該プロテアーゼが、点突然変異誘発により、配列番号1のアミノ酸番号付与に従って、1またはそれ以上のアミノ酸 97S、99S、101S、102V、157G、224V、250Gおよび253N、好ましくは1またはそれ以上のアミノ酸 224V、250Gおよび253Nを獲得していることを特徴とする方法。
- 点突然変異誘発により、配列番号1のアミノ酸番号付与に従って、1またはそれ以上のアミノ酸 97S、99S、101S、102V、157G、224V、250Gおよび253N、好ましくは1またはそれ以上のアミノ酸 224V、250Gおよび253Nを獲得したことを特徴とするプロテアーゼ。
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