JP4504885B2 - 茶抽出液の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、茶抽出液の製造法に関する。
烏龍茶や緑茶などを抽出する際に炭酸水素ナトリウムや炭酸ナトリウムを溶解した熱水でアルカリ抽出すると、風味が良好な抽出液が得られることが知られている(特許文献1〜3)。また、烏龍茶葉を籠体に入れて抽出した後、茶葉を洗浄することによってこくのある烏龍茶が得られることが知られている(特許文献4)。
しかしながら、これらの方法を用いても抽出液の風味は薄く、十分満足できるものではなく、特に容器詰茶飲料とした場合、深みのある風味が得られなかった。また、非重合体カテキン類の抽出効率も十分ではなかった。
特開昭57−16649号公報 特開昭60−192548号公報 特開平6−319453号公報 特開平1−289447号公報
本発明の目的は、非重合体カテキン類の抽出効率が高く、かつ、深みがあって雑味のない良好な風味の茶抽出液の製造法及び該製造法で製造した抽出液を用いた容器詰茶飲料を提供することにある。
本発明者は、カラム式抽出機内に茶葉を仕込み、次いで炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを0.2〜19重量%溶解した水又は熱水を茶葉仕込み重量に対して0.1〜10倍重量を供給し、更に水又は熱水をカラム内に供給しながら抽出液を抜き出すと、非重合体カテキン類の抽出効率が高く、かつ深みがあって、雑味のない良好な風味を持つ茶抽出液が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、カラム式抽出機内に茶葉を仕込み、次いで炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを0.2〜19重量%溶解した水又は熱水を茶葉仕込み重量に対して0.1〜10倍重量を供給し、更に水又は熱水をカラム内に供給しながら抽出液を抜き出す茶抽出液の製造法及び本発明の製造法で製造した茶抽出液を容器に充填した容器詰茶飲料を提供するものである。
本発明の茶抽出液の製造法は、非重合体カテキン類の抽出効率が高く、かつ、深みがあって、雑味のない風味が良好な、透明な茶抽出液が得られ、特に容器詰茶飲料とすることにより深みがあって、雑味がなく風味がよい茶飲料が得られる。
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称を指す。
本発明に使用する茶葉としては、Camellia属、例えばC.sinensis及びC.assaimica、やぶきた種又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された、煎茶、玉露、てん茶等の緑茶類や;総称して烏龍茶と呼ばれる鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の半発酵茶;紅茶と呼ばれるダージリン、アッサム、スリランカ等の発酵茶の茶葉が挙げられる。茶葉としては、特に烏龍茶葉が、得られる烏龍茶の風味の向上効果が高く好ましい。
本発明の茶葉からの茶の抽出は、カラム式の抽出機内に茶葉、又は茶葉と水もしくは熱水を仕込み、次いで炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを0.2〜19重量%溶解した水又は熱水を茶葉仕込み重量に対して0.1〜10倍重量供給し、水又は熱水をカラム内に供給しながら抽出液を抜き出すことにより行われる。
カラム式の抽出機としては、カラム上部から水等を供給するタイプ、カラム下部から水等を供給するタイプが利用できる。好ましい抽出機としては、図1に示すように、カラム内部に金網を備え、上部に水等の供給口、下部に水等の供給口及び抜き出し口を有するものが好ましい。例えば三友機器(株)製コーヒー抽出機SK−EXT10、SK-EXT−15や(株)イズミフードマシナリ製多機能抽出装置TEX1512、TEX2015等が使用できる。茶葉を保持する金網(メッシュ)は、フラット、円錐状、角錐状等の形状の物を用いることができる。
まず、金網(メッシュ)を備えたカラム式抽出機に茶葉を仕込み、平らにならす。
茶葉をカラム式抽出機に仕込んだ際、カラム内部に水又は熱水を供給し、メッシュ下の空気溜りをなくしておくと抽出が安定に進行し好ましい。特に、カラム下部から水又は熱水をカラム内に上昇流で供給すると、茶葉が上方に向かって膨潤していくため、圧密化することがなく好ましい。供給する水又は熱水の温度は、0〜100℃、更に3〜98℃、特に5〜95℃であるのが好ましい。この水又は熱水は、カラム内の茶葉仕込み重量(a)(kg)とメッシュより上部の水又は熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が0〜15、好ましくは2〜12、さらに好ましくは3〜10になるように供給する。この比率の範囲であると茶葉層が十分に膨潤し、適度の抽出液の抜き出し速度が得られ、非重合体カテキン類の抽出効率もよい。メッシュより上部の水又は熱水体積(b)(L)は、カラムに供給した全水又は熱水体積からカラム内のメッシュより下の容積を引いて求められる。
水又は熱水供給時の上昇流体の線速度(=流量/カラム断面積)は10〜120mm/min、好ましくは30〜100mm/min、さらに好ましくは40〜90mm/minがよい。速すぎると茶葉の膨潤が不均一になる。遅すぎると操作時間が長くなって生産性が低くなる。
供給する水又は熱水には、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを添加してもよい。また、アスコルビン酸ナトリウム等の有機酸又は有機酸塩類を添加してもよい。添加量は、水又は熱水中に0.2重量%以下、更に0.001〜0.15重量%であるのが好ましい。
次いで、カラム式抽出機には、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを溶解した水又は熱水溶液が供給される。炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム熱水溶液は、カラム内に仕込んだ茶葉と水又は熱水が接触を開始してから0.1〜30分、更に0.3〜25分後にカラム上部から供給するのが好ましい。また、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム熱水溶液は0.1〜5分で供給するのが好ましい。炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム熱水溶液の濃度は、0.2〜19重量%であるが、更に0.3〜15重量%、特に0.4〜10重量%であるのが、得られる茶抽出液の風味の点で好ましい。炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム熱水溶液の温度は、50〜100℃、更に60〜98℃、特に65〜95℃であるのが、風味の点で好ましい。炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム水又は熱水溶液の供給量は、茶葉仕込み重量の0.1〜10倍重量、更に0.2〜8倍重量、特に0.5〜5倍重量供給するのが好ましい。供給は、カラム上方からシャワーするのが好ましい。
炭酸ナトリウムを使用する場合は、水溶液のpHを、塩酸、クエン酸等の無機酸又は有機酸で7〜10、特に好ましくは8〜9に調整して使用するのが好ましい。
次いで、カラム式抽出機の上部から水又は熱水を供給しながら、カラム下部から茶抽出液を抜き出す。抽出液の抜き出しは、前工程の炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム熱水溶液の供給と同時に開始してもよいが、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム水又は熱水溶液を供給終了後、0.5〜2.8分後、特に1.0〜2.5分後に水又は熱水の供給と抽出液の抜出を開始するのが、風味の点で好ましい。水又は熱水の温度は、0〜100℃、更に3〜98℃、特に5〜95℃であるのが風味の点で好ましい。水又は熱水には、アスコルビン酸ナトリウム等の有機酸又は有機酸塩類を添加してもよい。カラム上部から水又は熱水を供給するにはシャワーを使用するのが好ましい。
カラム下部からの茶抽出液の抜き出し速度は、カラム内の茶葉仕込み重量(a)(kg)とメッシュより上部の水又は熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が0〜15、更に2〜12、特に3〜10の範囲内になるように、カラム上部からの水又は熱水の供給量及び抽出液の抜き出し速度を調整するのが好ましい。この茶抽出液の抜き出し比率範囲内であると、茶葉層が圧密化して抽出液抜き出し速度が低下することなく、また閉塞してしまうこともなく、安定な抽出を行うことができ、更に茶葉が不必要に膨潤しすぎず、非重合体カテキンの抽出効率が高い茶抽出液が得られる。
このような製造プロセスをとることにより、茶葉層を圧密化せずに均一に膨潤させることができ、茶葉による閉塞もなく、安定した通液抽出操作で、非重合体カテキン類を抽出効率よく抽出し、深みのある、透明で雑味のない風味のよい茶抽出液を製造することができる。
本発明の茶抽出液の製造法における抽出倍率(カラムから出た茶抽出液重量/茶葉の仕込み重量)は、大きすぎると非重合体カテキン類の抽出率は高まるが、得られる茶抽出液中の非重合体カテキン類濃度は低くなり、一方小さすぎると得られる茶抽出液中の非重合体カテキン類濃度は高くなるが、非重合体カテキン類の抽出率は低い。この抽出倍率としては、非重合体カテキン類を高濃度に含有する風味の良好な茶抽出液を得る観点から、茶葉仕込み重量に対して10〜100倍重量、好ましくは15〜80倍重量、特に20〜65倍重量であるのが好ましい。
本発明方法における抽出処理時間は、非重合体カテキン類の濃度により決定されるが、6〜100分、更に10〜60分、特に20〜50分が好ましい。
本発明方法においては、非重合体カテキン類濃度0.05〜0.7重量%の茶抽出液が得られる。非重合体カテキン類濃度が0.05重量%未満では、高濃度カテキン含有飲料の製造に利用できない。また、非重合体カテキン類濃度0.7重量%を超えると、低濃度に希釈しても風味が低下する。
このようにして得られた茶抽出液は、0.05〜0.7重量%という高濃度の非重合体カテキン類を含有し、かつ、深みがあり、雑味がなく風味がよいので、このまま又は希釈することにより容器詰茶飲料とすることができる。また、非重合体カテキン類を加えて濃度調整して容器詰茶飲料としてもよい。カテキン濃度の調整方法としては、前記茶抽出液と茶抽出物の濃縮物とを併用することができる。茶抽出物の濃縮物を溶解する媒体は、水、炭酸水、市販されているレベルのカテキン類を含有する茶類の抽出液等が挙げられる。また、ここでいう茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであって、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に詳細に例示されている方法で調製したものをいう。市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」、サントリー(株)「サンウーロン」等が挙げられる。そのほか、カテキンは他の原料起源のもの、カラム精製品及び化学合成品でも使用できる。
容器詰茶飲料の非重合体カテキン類濃度を0.05〜0.5重量%、好ましくは0.06〜0.5重量%、更に0.08〜0.5重量%、更に好ましくは0.092〜0.4重量%、殊更に好ましくは0.11〜0.3重量%、特に好ましくは0.12〜0.3重量%に調整すると、深みがあり、雑味がなく良好な風味の容器詰茶飲料が得られるの点で好ましい。
また、本発明の容器詰茶飲料中のカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートからなる総称ガレート体の全非重合体カテキン類中での割合が35〜100重量%、更に35〜98重量%、特に35〜95重量%の方が、非重合体カテキン類の生理効果の有効性上好ましい。
本発明の容器詰茶飲料は、苦渋味抑制剤を配合すると飲用しやすくなり好ましい。用いる苦渋味抑制剤としては、サイクロデキストリンが好ましい。サイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。サイクロデキストリンは飲料中に0.005〜0.6重量%、好ましくは0.01〜0.4重量%含有するのがよい。本発明の容器詰茶飲料には、茶由来の成分にあわせて、処方上添加してよい成分として、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、ビタミン、アミノ酸、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独、あるいは併用して配合してもよい。
本発明の容器詰茶飲料のpHは、25℃で3〜7、好ましくは4〜7、特に5〜7とするのが味及びカテキン類の安定性の点で好ましい。
本発明の容器詰茶飲料においても、カテキンの生理効果を得るための一日当りの必要摂取量を確保する意味からも、本発明の容器詰飲料1本(350〜500mL)当り300mg以上、好ましくは450mg以上、更に好ましくは500mg以上の配合量であるものがよい。
本発明の容器詰茶飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。
本発明の容器詰茶飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造されるが、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻す等の操作も可能である。
実施例1
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム式抽出機(図1)に烏龍茶葉281gを仕込み、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。イオン交換水(90℃)をカラム下部から供給し、烏龍茶葉仕込み重量(a)(kg)とメッシュより上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が5.3になったときに給湯を停止した。0.40重量%炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液(70℃)を、カラム上方からシャワーして供給すると同時に、抽出液をカラム下方から抜き出した。烏龍茶葉仕込み重量に対して5倍重量を供給した後、シャワーをイオン交換水(90℃)に変えて供給しながら、ひき続き抽出液をカラム下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.3になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
実施例2
実施例1と同様にカラム内に烏龍茶葉を仕込んだ。イオン交換水(90℃)をカラム下部から供給し、比(b)/(a)が5.3になったときに給湯を停止した。1.96重量%炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液(72℃)をカラム上方からシャワーして供給した。烏龍茶葉仕込み重量に対して1倍重量を供給した後、1分間保持し、次いでカラム上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.3になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
実施例3
実施例2と同様の操作を行った。ただし炭酸水素ナトリウムを90℃のイオン交換水に溶解した後、温度を25℃に調整してシャワーした。
比較例1
実施例1と同様にカラム内に烏龍茶葉を仕込んだ。0.04重量%炭酸水素ナトリウムイオン交換水(90℃)をカラム下部から供給し、比(b)/(a)が4.4になったときに供給を停止した。次いで同濃度の炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液(90℃)をカラム上方からシャワーして供給すると同時に、抽出液をカラム下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が4.4になるように抜出速度を調整した。抜き出した烏龍茶抽出液の重量が仕込み茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
比較例2
実施例1と同様にカラム内に烏龍茶葉を仕込んだ。イオン交換水(90℃)をカラム下部から供給し、比(b)/(a)が4.4になったときに給湯を停止した。0.10重量%炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液(76℃)をカラム上方からシャワーして供給すると同時に、抽出液をカラム下方から抜き出した。烏龍茶葉仕込み重量に対して20倍重量を供給した後、カラム上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、ひき続き抽出液をカラム下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が4.4になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
比較例3
実施例1と同様にカラム内に烏龍茶葉を仕込んだ。イオン交換水(90℃)をカラム下部から供給し、比(b)/(a)が4.4になったときに給湯を停止した。次いでイオン交換水(90℃)をカラム上方からシャワーして供給すると同時に、抽出液をカラム下方から抜き出した。抜き出した抽出液の重量が仕込み茶葉重量の40倍になったところで供給を止めた。次いで1.96重量%炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液(70℃)をカラム上方からシャワーして供給しながら、抽出液をカラム下方から抜き出した。烏龍茶茶葉仕込み重量に対して1倍重量を供給した後、カラム上方から再びイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、ひき続き抽出液をカラム下方から抜き出した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
以上の烏龍茶抽出液の製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価結果を表1に示す。
風味の評価は、次の方法で行った。
風味評価
烏龍茶抽出液を非重合体カテキン類濃度が0.019重量%になるようにイオン交換水で希釈し、4名の専門パネラーが次の評価基準で風味を評価した。なお、表1にはその平均評価結果を示す。
(評価基準)
◎:発酵感と深みが豊富で、非常に良好。
〇:発酵感と深みがあり、良好。
△:発酵感と深みが乏しく薄く感じられ、やや不良。
×:発酵感がなくアロマも乏しく薄く感じられ、不良。
本発明の茶抽出液の製造法で調製した烏龍茶抽出液は、非重合体カテキン濃度が高く、発酵感と深みがある風味で良好であった。一方、比較例は烏龍茶抽出液中の非重合体カテキン類濃度が高かったが、発酵感及び深みの風味が劣っていた。
実施例4
実施例1〜3で製造した烏龍茶抽出液を夫々1600g計量し、βシクロデキストリン28gおよびアスコルビン酸ナトリウム5.6gおよび炭酸水素ナトリウム0.4gを配合し、市販茶抽出物の精製濃縮物を添加した後イオン交換水で全体を8000gにした。茶抽出物の添加量は、非重合体カテキン類濃度が0.18重量%になるように調整した。これを加熱殺菌し、PETボトルに充填した。風味は、いずれも発酵感と深みがあって良好であった。
実施例5
実施例1と同様にカラム内に烏龍茶葉を仕込んだ。イオン交換水(90℃)をカラム下部から供給し、比(b)/(a)が4.4になったときに給湯を停止した。1.96重量%炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液(72℃)をカラム上方からシャワーして供給した。烏龍茶葉仕込み重量に対して1倍重量を供給した後、0〜5分間保持し、次いでカラム上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム下方から抜き出した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。このときの製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価結果を表2に示す。
炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液を供給後の保持時間が0分の場合は発酵感があって良好であったがコクが少なかった。保持時間が0.5、1、2分の場合はいずれも発酵感と深みが豊富で、非常に良好であった。保持時間が5分の場合にはコクがあり良好であったがアロマが低減していた。
実施例6
実施例1と同様にカラム内に緑茶葉376gを仕込んだ。イオン交換水(75℃)をカラム下部から供給し、比(b)/(a)が4.4になったときに給湯を停止した。1.96重量%炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液(80℃)をカラム上方からシャワーして供給すると同時に、抽出液をカラム下方から抜き出した。緑茶葉仕込み重量に対して0.45倍重量を供給した後、カラム上方からイオン交換水(75℃)をシャワーして供給しながら、ひき続き抽出液をカラム下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が4.4になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み茶葉重量の13.5倍になったところで終了し、緑茶抽出液を均一に混合して分析を行った。抽出液のpHは6.6であった。
比較例4
実施例1と同様にカラム内に緑茶葉376gを仕込んだ。イオン交換水(75℃)をカラム下部から供給し、比(b)/(a)が4.4になったときに給湯を停止した。次いでカラム上方からイオン交換水(75℃)をシャワーして供給しながら、ひき続き抽出液をカラム下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が4.4になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み茶葉重量の13.5倍になったところで終了し、緑茶抽出液を均一に混合して分析を行った。抽出液のpHは5.8であった。
以上の緑茶抽出液の製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価結果を表3に示す。
風味の評価は、次の方法で行った。
風味評価
緑茶抽出液を非重合体カテキン類濃度が0.06重量%になるようにイオン交換水で希釈した。比較例5で得た抽出液は炭酸水素ナトリウム溶液を用いてpHを6.6に調整した。4名の専門パネラーが次の評価基準で風味を評価し、表3にはその平均評価結果を示す。
(評価基準)
◎:緑茶の深みが豊富で、非常に良好。
〇:緑茶の深みがあり、良好。
△:緑茶の深みが乏しく薄く感じられ、やや不良。
×:深みがなくアロマも乏しく薄く感じられ、不良。
本発明の茶抽出液の製造法で調製した緑茶抽出液は、非重合体カテキン濃度が高く、緑茶特有の深みが豊富で良好な風味であった。一方、比較例は緑茶抽出液中の非重合体カテキン類濃度が高かったが、深みが乏しく薄く感じられた。
実施例7
実施例6で製造した緑茶抽出液を1330g計量し、βシクロデキストリン28gおよびアスコルビン酸ナトリウム5.6gおよび炭酸水素ナトリウムを配合し、市販茶抽出物の精製濃縮物を添加した後イオン交換水で全体を8000gにした。茶抽出物の添加量は、非重合体カテキン類濃度が0.18重量%になるように調整した。これを加熱殺菌し、PETボトルに充填した。風味は、深みが豊富で良好であった。
カラム抽出機を用いた抽出方法の概略を示す図である。
符号の説明
1 カラム式抽出機
2 炭酸水素ナトリウム水又は熱水溶液供給ライン
3 水又は熱水供給ライン
4 茶葉保持金網
5 茶抽出液抜き出しライン
6 茶葉
7 水又は熱水供給ライン

Claims (8)

  1. カラム式抽出機内に茶葉を仕込み、次いで炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを0.2〜19重量%溶解した水又は熱水を茶葉仕込み重量に対して0.1〜10倍重量を供給し、更に水又は熱水をカラム内に供給しながら抽出液を抜き出す茶抽出液の製造法。
  2. カラム式抽出機内に茶葉を仕込む際に、水又は熱水を仕込む請求項1記載の茶抽出液の製造法。
  3. 茶葉が、烏龍茶葉である請求項1又は2記載の茶抽出液の製造法。
  4. 炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム熱水溶液を供給した後、0.5〜2.8分後に水又は熱水供給と抽出液の抜き出しを開始する請求項1〜3記載の茶抽出液の製造法。
  5. カラム内の茶葉仕込み重量(a)(kg)とメッシュより上部の水又は熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が0〜15になるように茶葉と水又は熱水を供給し、次いで炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを溶解した水又は熱水をカラム上部から供給し、水又は熱水をカラム上部から供給しながら抽出液をカラム下部から抜き出す請求項1〜4記載の茶抽出液の製造法。
  6. 炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを溶解した水又は熱水の温度が50〜100℃である請求項1〜5のいずれか1項記載の茶抽出液の製造法。
  7. 請求項1〜6項のいずれか1項記載の茶抽出液の製造法により製造された茶抽出液をそのまま或いは希釈して又は非重合体カテキン類を添加して得られる容器詰茶飲料。
  8. 非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.5重量%である請求項記載の容器詰茶飲料。
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