JPH07108182B2 - 濃厚飲用茶液の製造法 - Google Patents

濃厚飲用茶液の製造法

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JPH07108182B2
JPH07108182B2 JP4353574A JP35357492A JPH07108182B2 JP H07108182 B2 JPH07108182 B2 JP H07108182B2 JP 4353574 A JP4353574 A JP 4353574A JP 35357492 A JP35357492 A JP 35357492A JP H07108182 B2 JPH07108182 B2 JP H07108182B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲用成分の濃度が高く
て、保存中の変敗がなく、淹れたてのお茶に特有の香味
を保持していて、冷水または湯で希釈して飲用すること
の出来る飲用茶液を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年は、茶から飲用成分を抽出して粉末
にし、これに湯を注いで飲むようにした、所謂インスタ
ント粉末茶が試みられている。このインスタント粉末茶
は、先ず茶を、その10倍乃至30倍程度の湯に10分乃至20
分間浸して、茶に含まれる旨味成分や香味成分等の飲用
成分を湯中に溶出させ、これを濾過して濃度1〜2%程
度の抽出液として取り出し、次いで、この茶葉に再び湯
を加えて残余の飲用成分を濃度1〜2%程度の抽出液と
して取り出し、更に、それぞれの抽出液を減圧濃縮法や
逆浸透法等によって濃縮した後、噴霧乾燥法や凍結乾燥
法により乾燥して製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したインスタント
粉末茶は、急須等の茶器を用いて淹れる従来のお茶に比
べて、淹れる操作が極めて簡便で手軽であるが、飲用成
分を粉末にしたことにより、保管中に旨味や香味が短時
間で逸失するため、味の薄い低品位のものとなると云う
欠点がある。殊に茶は、一定時間以上湯に浸すと渋み成
分が溶出するため、それだけお茶が不味くなるし、又、
淹れたお茶は時間が経過するにしたがって香が損なわれ
る性質があるが、上記したインスタント粉末茶の製造法
では、飲用成分の抽出を二度繰り返すため、茶は数十分
間湯に浸されて煮られた状態になり、その抽出液は旨味
や香味が損なわれて渋みの強いものとなる。しかも、そ
の抽出液は濃縮が行われている間中、少なくとも60〜70
℃程度に保たれているので、この段階でも香味が損なわ
れるのである。加えて、この香味は濃縮された抽出液を
乾燥する工程で更に失われるので、製品粉末茶には旨味
や香味が殆んど含まれなくなるのである。
【0004】
【発明の目的】本発明は、一度の抽出操作により飲用成
分の濃度の高い抽出液を得て、これを製品濃厚飲用茶液
とする事により、茶の浸漬時間を短縮し、抽出液の濃縮
工程、乾燥工程、粉末処理工程等を省略して、旨味や香
味が失われる要因を無くして、製品濃厚飲用茶液を品位
の高いものにすると共に、製造効率を高め、コストを低
減することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に使用する材料茶
は、緑茶、焙じ茶、紅茶、烏龍茶等として一般に用いら
れているものである。 先ず、抽出装置に所定量の材料茶を充填し、これに
茶の2〜3倍量の水を加える。茶はこの水に湿潤して膨
潤し、飲用成分が溶出し易い状態になる。尚、水の温度
については特に限定はしない。その温度は、材料茶が例
えば玉露のような比較的低い温度で飲用成分が溶出する
ものである場合は、常温の水、又は60℃程度の湯が適
し、深蒸し茶のように熱湯で飲用成分が溶出する茶では
70〜80℃程度の湯が適している。 材料茶に水を加えてから、少なくとも10分以内、好
ましくは4〜5分経過した後、これに茶の2〜5倍量
の、80〜95℃の熱湯を注いで、茶中の飲用成分をこれに
溶出させ、この溶出液を濾過して抽出液とする。尚、抽
出装置は、カラム式の抽出装置のように茶の充填室が筒
状、又は樋状に形成されていて、これに湯を注ぐと、湯
が充填室の一方側から入り込み、茶の間を通過して他方
側から抜け出るように構成されているものが望ましい。
この形式の抽出装置を用いて、5〜25分を懸けて茶に熱
湯を通過させると、可溶性固形分濃度5〜10Bx%の抽出
液が得られる。 次いで、この抽出液を少なくとも20分以内に30℃以
下、好ましくは20℃以下に冷却して製品濃厚飲用茶液と
する。この飲用茶液は、濃厚であるために、特に加熱、
その他の無菌処理を施さなくても、製造直後はもとよ
り、その後も無菌の状態を維持しており、変敗の畏れの
ないものである。即ち、飲用成分の抽出に使用する水や
材料茶中に含まれる微生物は、濃厚な抽出液中で短時間
に死滅しており、その後の保存中でも増殖しないことが
確かめられた。茶の抽出液が特定の食中毒菌や数種の細
菌類に対して抗菌作用に有することについては知られて
いたが(原征彦、他.日食工誌 36,375.36,951.36,99
6)、濃厚な茶抽出液が一般雑菌に対しても増殖抑制力
を有することが分かった。その抑制力は、茶の抽出液の
濃度により差があり、例えば煎茶の場合は、0.5 〜0.8
Bx%では一般雑菌の増殖阻止は不充分であり、5Bx%以
上では増殖がほゞ完全に阻止されることが分かった。お
茶は水分、温度、空気中の酸素、及び光の因子により褐
色化し、香味の劣化が起きるものである。従来、濃厚飲
用茶液は可溶成分の濃度が高いために、変質が起こり易
いものであるとされていたが、本発明の方法により製造
した濃厚飲用茶液は、通常の缶ドリンクの保管温度(5
℃前後)はもとより、常温(25℃)でも長期保存性を
有することが分かった。殊に、この濃厚飲用茶液にL−
アスコルビン酸、及びその塩を0.025 〜0.1 %を添加
し、容器中の空気を窒素ガスと置換すると、5℃保存で
は7ヶ月間、常温25℃保存では3ヶ月間、香味や水色
の劣化は殆んど認められず、安定なものであった。
【0006】
【実施例1】縦型のジャケット付きの保温カラムの下に
冷却器を連結させて抽出器とし、このカラムに緑茶500
g を充填し、それに60℃の温湯1500mlを加えて、5分間
湿潤させた。次いで、これに85℃の熱湯1750mlを注ぎ、
カラム中の緑茶の間を25分間で通過させると共に、カラ
ムを経て冷却器に流下する抽出液を25℃に冷却して取り
出した。得られた抽出液(濃厚飲用茶液)は、淡黄緑色
で殆んど澄明であり、濃度6.3Bx%、得量1800mlであっ
た。この抽出液を二分し、その一方をガラス容器に分注
して保存下における一般細菌数測定の検体とし、他方は
L−アスコルビン酸ナトリウム25mg/100 mlを添加し
て、窒素ガスを充填し、保存後における官能検査の検体
とした。尚、この作業は特別の無菌環境下ではなく、通
常の室内で実施した。1の検体液を25℃で90日間保存し
て、一般細菌数(個/ml)をSPC法(35℃、48時間培
養)により測定した。その結果一般細菌は、検体の調整
直後において既に死滅しており、検体液は90日間の保存
中無菌状態で推移した。2の検体液を25℃で保存し、12
倍の温湯で希釈して飲用濃度として、これを8名の検査
員により、香味と水色の変化を検査した。その結果、2
ヶ月経過後に1名の検査員が僅かな変化を認め、3ヶ月
経過後には2名の検査員が僅かな変化を認めた。又、上
記した検体液を5℃で保存したところ、2ヶ月経過後で
は変化が全く認められず、5ヶ月経過後に1名の検査員
が僅かな変化を認め、7ヶ月経過後には2名の検査員が
僅かな変化を認めた。
【実施例2】実施例1と同様の縦型の抽出器のカラムに
火入れをした緑茶500 g を充填し、これに65℃の温湯12
50mlを加えて、5分間湿潤させた。次いで、これに90℃
の熱湯2000mlを注ぎ、カラム中の緑茶の間を17分間で通
過させると共に、カラムを経て冷却器に流下する抽出液
を25℃に冷却して、濃度5.8Bx%、1850mlの淡黄緑色澄
明な抽出液を得た。この抽出液を実施例1と同様に二分
し、その一方をガラス容器に分注して保存下における一
般細菌数測定の検体とし、他方はL−アスコルビン酸ナ
トリウム25mg/100 mlを添加して、窒素ガスを充填し、
保存後における官能検査の検体とした。その結果、1の
検体液の一般細菌は、90日間の保存中無菌状態で推移し
た。2の検体液を25℃で保存して、12倍の温湯で希釈し
て飲用濃度にして、これを8名の検査員により、香味と
水色の変化を検査した。その結果、2ヶ月経過後では変
化が認められず、3ヶ月経過後に1名の検査員が僅かな
変化を認めた。又、5℃で保存した検体液については、
7ヶ月経過後に1名の検査員が僅かな変化を認めたに過
ぎなかった。
【実施例3】実施例1と同様の縦型の抽出器のカラムに
緑茶500 g を充填し、それに60℃の温湯1500mlを加え
て、5分間湿潤させた後、これに85℃の適当量の熱湯を
注ぐことにより、濃度0.4 、 0.7 、 1.5 、 4.0 、 5.0 、
5.5 、 8.0 Bx%の淡黄緑色澄明な抽出液を調整し、別
に、水300 mlに緑茶10gを加えて5分間懸濁させて、飲
用成分を溶出させた後、これを濾過し、その濾液を室内
で30分間露出放置して植菌液とした。そして、上記した
夫々の濃度の抽出液を100 mlずつ広口壜にとり、それぞ
れに植菌液を10mlずつ添加し、栓をして一般細菌数測定
の検体とし、一般細菌数(個/ml)をSPC法(35℃、
48時間培養)により測定した。その結果、濃度 5.0 〜
8.0 Bx%の抽出液は、表1に示したように、混入した一
般細菌の増殖を完全に抑制した。
【表1】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、先ず、材
料茶に2〜3倍量の水を加え、数分間経過したところで
2〜5倍量の、80〜95℃の熱湯を注いで、茶中の飲用成
分をこれに溶出させ、この溶出液を濾過して取り出した
のち、直ちに冷却するもので、材料茶は最初に加えられ
た水によって湿潤して、飲用成分の極めて溶出し易い状
態となり、少量の熱湯を加えることにより、茶中の飲用
成分が充分に溶出して、高濃度の溶出液が得られる。殊
に、熱湯の注加量が少ないため、溶出液の濾過に要する
時間が短縮されるので、茶が熱湯に浸漬されている状態
がそれだけ短縮されて、渋みが少なく、香味の強い高品
位の溶出液が得られるのである。又、熱湯の注加量が少
ないため、カラム方式の抽出装置を使用することが可能
となり、飲用成分を溶出させると同時にこれを濾過して
取り出すことが出来るので、茶が熱湯に浸漬されている
状態が著しく短縮されて、高濃度で香味成分の含有量が
多く、通常の淹れたてのお茶と殆んど変わらない風味を
持った抽出液が得られる利点がある。更に、この抽出液
が高濃度であるため、これを濃縮したり、乾燥したりす
ることなく、直ちに冷却するようにしたので、旨味や風
味が損なわれることのない製品が得られるのであり、し
かも製造工程が簡単で、作業効率が高いのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料茶に、その2〜3倍量の水を加えて
    数分間湿潤させ、次いでこれに茶の2〜5倍量の、80〜
    95℃の熱湯を注いで、茶中の飲用成分をこの熱湯に溶出
    させて濃度5〜10Bx%の溶出液にし、この溶出液を直ち
    濾過して抽出液として、速やかに30℃以下に冷却して
    濃厚飲用茶液とすることを特徴とする濃厚飲用茶液の製
    造法。
  2. 【請求項2】 濃厚飲用茶液の抽出処理は、カラム方式
    の抽出法により行うことを特徴とする請求項1の濃厚飲
    用茶液の製造法。
JP4353574A 1992-12-14 1992-12-14 濃厚飲用茶液の製造法 Expired - Lifetime JPH07108182B2 (ja)

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