JP4104018B2 - 茶エキスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、殺菌工程後にも優れた香りや風味を有し、しかも味においても優れる茶エキスの製造方法に関する。
茶は、その製造法の違いから、大きく不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(烏龍茶)、完全発酵茶(紅茶)および後発酵茶(黒茶)に大別される。
即ち、不発酵茶は生茶葉を蒸熱または炒熱処理して殺青した後、揉捻、乾燥したものであり、生茶葉自身の持つ酵素群は失われている。一方、半発酵茶および完全発酵茶は、殺青を行わず、揉稔して生茶葉自体の持つ酵素群の作用で発酵を行わせた後、加熱により酵素群を失活せしめて乾燥したものであり、その発酵の程度により半発酵茶から完全発酵茶に分けられる。又、後発酵茶は、殺青処理した不発酵茶を原料にカビを植え付け、堆積して麹菌発酵を行わせたもので、長期間発酵させたものが珍重される。
通常、これらの不発酵茶(緑茶)、半発酵茶(烏龍茶)、完全発酵茶(紅茶)及び後発酵茶(黒茶)を温水又は熱水により水抽出したものが茶飲料として供されることとなる。
茶飲料は、品質として風味、特に味と香りが重要視される飲料である。缶やペットボトルに充填された茶飲料は、一般に茶葉を熱水或いは温水抽出して得られる茶エキスを飲料濃度まで希釈した後、缶等の容器に充填して殺菌するという工程を経て製造される。
しかしながら、(上記)通常の熱水或いは温水抽出法により得られる茶エキス中には茶葉に含まれている香気成分が十分に抽出されておらず、しかもこの茶エキスを用いて製造される茶飲料は殺菌処理により香りや味が劣化してしまうため、風味や香りなどの点において品質的に満足できるものではなかった。
更に得られた茶エキスを茶飲料として提供する為には、通常、殺菌処理前に該茶エキスを飲料濃度にまで希釈しなければならず(特許文献1、2)、前記香気成分が更に薄まってしまう結果となる。茶葉を多く使用すれば香りを増大させることはできるが、この場合、呈味成分も増大するため苦味・雑味が多くなり、飲用には耐え難くなってしまうという欠点があり、優れた味を保ちつつ、香味成分のみを増大させることは困難であった。
その為、豊富な香気成分と呈味成分が適度に含まれており、殺菌処理後にも風味が豊かで美味しい茶エキスを製造する方法の創出が望まれていた。
特開2000−135059号公報 特開2001−258524号公報
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、殺菌工程後にも優れた香りや風味を有し、しかも味においても優れた(香気が増強され、苦渋味も軽減された嗜好性の高い)茶エキスの製造方法を提供することを目的とする。
即ち、請求項1に係る発明は、以下の(1)乃至(4)の工程を経ることを特徴とする茶エキスの製造方法に関する。
(1)茶葉を40℃〜100℃の温水で浸漬もしくは湿潤させる工程、
(2)工程(1)の茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程、
(3)工程(2)の溜出残渣を水で抽出し、抽出液を回収する工程、
(4)工程(2)の溜出液と、工程(3)の抽出液とを混合する工程。
請求項2に係る発明は、前記工程(4)で得られた茶エキスに、更にpH調整剤及び/又はアスコルビン酸を添加することを特徴とする請求項1記載の茶エキスの製造方法に関する。
請求項3に係る発明は、前記pH調整剤が、重曹、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムからなる群より選択されるいずれか一種類である請求項2記載の茶エキスの製造方法に関する。
請求項4に係る発明は、前記工程(1)乃至(4)の全工程を脱酸素条件下で実施することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の茶エキスの製造方法に関する。
請求項5に係る発明は、前記脱酸素条件が、不活性ガス雰囲気下での実施、不活性ガスの吹き込み、不活性ガスによる置換、の少なくとも一つによるものである請求項4記載の茶エキスの製造方法に関する。
請求項6に係る発明は、前記不活性ガスが、窒素、二酸化炭素、アルゴンガス、ヘリウムからなる群より選択されるいずれか一種以上である請求項5記載の茶エキスの製造方法に関する。
請求項7に係る発明は、前記温水に酸化防止剤が添加されてなることを特徴とする請求項1乃至6記載の茶エキスの製造方法に関する。
請求項8に係る発明は、前記酸化防止剤が、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、無水亜硫酸、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ローズマリー抽出物、金銀花抽出物、茶生葉抽出物、マテ茶抽出物からなる群より選択されるいずれか一種以上である請求項7記載の茶エキスの製造方法に関する。
本発明にかかる茶エキスの製造方法は、最初に茶葉を湿らせた後、水蒸気蒸留して得られる所定量の溜出液と、蒸留残渣を水抽出して得られる抽出液とを混合されてなるものであるところ、該製造方法により得られた茶エキスは、殺菌工程後にも優れた香りや風味を有するとともに、味においても優れた(香気が増強され、苦渋味も軽減された)ものとなる。
本発明に係る茶エキスの製造方法は、(必要に応じて、焙煎粉砕、若しくは醗酵粉砕した)茶葉をあらかじめ温水で浸漬もしくは湿潤させた後、該茶葉を水蒸気抽出し、所定量の溜出液を得る。
溜出残渣については水抽出することにより、得られた抽出液を回収する。
その後、前記溜出液と前記水抽出により得られた抽出液とを混合することにより、茶エキスを得る。
即ち、本発明に係る製法は、
(1)茶葉(必要に応じ、焙煎粉砕・醗酵粉砕等、行う)を40℃〜100℃の温水で浸漬、若しくは湿潤させる工程、
(2)工程(1)で浸漬させた茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程、
(3)工程(2)の溜出残渣を水で抽出し、抽出液を回収する工程、
(4)工程(2)の溜出液と、工程(3)の抽出液とを混合する工程からなり、
上記(1)乃至(4)の工程をこの順序によって行うことにより得られた茶エキスは、殺菌工程後にも優れた香りや風味を有し、しかも味においても優れる上、飲料に適した濃度であるところ、希釈工程を経ることなく殺菌処理後そのまま茶飲料としての用途に供される。
本発明に係る茶エキスの製造方法においては、最初に、茶葉を温水で浸漬もしくは湿潤させる工程〔工程(1)〕を、水蒸気抽出〔工程(2)〕、水抽出〔工程(3)〕を経る前に行う。
茶葉に含まれる香気成分を十分に抽出するためには、水蒸気抽出の後〔工程(2)〕に水抽出〔工程(3)〕を行うべきであるが、この場合、水蒸気抽出の際に原料となる茶葉が高温に長時間晒される結果、水抽出により抽出される呈味成分が劣化してしまい、味において優れた茶エキスとすることができない点に問題がある。
そこで、本発明者らは、前記工程(1)を経ることにより、茶葉が水蒸気抽出工程において高温に長期間晒されても、呈味成分が劣化しないことを見出し、最初に工程(1)を経た後、以下に述べる工程(2)乃至(4)を順に経ることを特徴とする茶エキスの製造方法を完成させた。
これにより茶葉が高温に長時間晒されても呈味成分が劣化するといった弊害を防止することができ、殺菌工程後にも優れた香りや風味を有するとともに味においても優れた茶エキスを得ることができる。
以下、工程(1)乃至(4)について順に説明する。
本発明に係る茶エキスの製造方法に用いられる原材料としては、特に限定されるものではなく、不醗酵茶(緑茶)、半醗酵茶(ウーロン茶)、醗酵茶(紅茶)の原料となる茶(Camellia sinensis)の葉、麦茶の原料となる大麦(Hordeum vulgare)、健康茶の原料として知られているルイボス(Aspalathus linears)の葉、杜仲(Eucommiaceae ulmoides)の葉やハトムギ(Coix lachryma-jobi L.)、更に玄米茶の原料となる玄米などが列挙できる。特に、旨味、コク味を要求される不発酵茶および半発酵茶が好適である。ここで使用される茶葉は粉砕されているものであっても、そうでなくても良い。
又、二種以上の原料を用いることも可能である。
原料の使用形態は、特に限定されるものではなく、生のまま使用しても、焙煎したものや醗酵させたものを使用してもよい。又、これらを更に粉砕したものを用いてもよく、原料の種類に応じて、最適な形態で使用すればよい。
例えば、茶(Camellia sinensis)の葉やルイボス(Aspalathus linears)の葉、杜仲(Eucommiaceae ulmoides)の葉などの茶葉を使う場合には、必要に応じて醗酵させた後、その細片を用いるのが好ましい。又、大麦(Hordeum vulgare)や玄米などを使う場合には、焙煎して用いるのが好ましい。
工程(1)において使用される温水の温度は40℃〜100℃である。
その理由は、100℃を超えると、品質が悪くなる為、好ましくないからである。
茶葉を温水で浸漬させる時間は、特に限定されるものではないが、1分〜30分であるのが望ましい。
その理由は、1分未満であると、茶葉が均質に湿らせるのに十分でないからであり、30分を超えると、品質の劣化が始まる為、何れの場合も好ましくないからである。
浸漬させる温水の量についても、特に限定されるものではないが、茶葉そのものの水分を上げる為には、茶葉の重量1に対し、0.05〜3倍量であるのが望ましい。
その理由は、0.05未満であると、茶葉を均質に湿らせることができないからであり、3を超えると、容器内が液体の水で充足されるので、蒸気になる空隙がなくなり、以下の水蒸気蒸留〔工程(2)〕における設定条件に適さない為、いずれの場合も好ましくないからである。
尚、上述した条件で工程(1)において、染み出てくる茶葉抽出液中の固形分は、通常、浸漬前の茶葉重量の15%未満である。
次に、工程(2)について説明する。
工程(2)は、工程(1)で浸漬もしくは湿潤させた茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程である。
風味豊かな茶エキスを得る為には、茶葉に含まれる香気成分を抽出することが必要であり、前記香気成分は茶葉を水蒸気抽出することにより得られる。
水蒸気抽出により、以下の水抽出を含む工程(3)では抽出されない香気成分を確実に抽出することができる。
また、本発明に係る製法により得られた茶エキスは、水蒸気抽出の溜出液が用いられているので、殺菌後にも豊かな風味、香りを有している。
以上より、水蒸気抽出を含む工程(2)を経ることは、風味豊かな茶エキスを得る上でかかせないものとなる。
工程(2)は欠かせないものであるが、前提条件として工程(1)を経なければ、その
高温により、後の工程(3)で得られる茶抽出液の呈味が悪くなる。
以上より、工程(1)で得られた茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程(2)を経ることにより、回収された溜出液には茶葉中の優れた香りを有する香気成分が豊富に含まれ、且つ、以下の工程(3)で得られる抽出液にも豊富に呈味成分が含まれることとなるので、これらを混合〔工程(4)〕して得られる茶エキスは、優れた香りを有する香気成分を豊富に含みつつ、味にも優れたものとなる。
また、水蒸気抽出の際に原料が高温に長時間晒される結果、水抽出により抽出される呈味成分が劣化する弊害については事前に上記工程(1)を経ることにより回避することができる。
工程(2)において回収される溜出液には、香気成分として、種々の化合物が多く含まれるが、これら香気成分は、原料を従来の抽出法、即ち、熱水或いは温水抽出法により抽出して得られる茶エキスにも含まれており、本発明にかかる茶エキスの製造方法により得られた茶エキスにはこれら香気成分が、従来のものよりも多く含まれている。
次に、工程(3)について説明する。工程(3)は、前記工程(2)の溜出残渣を水で抽出し、茶エキスを回収する工程である。
茶葉の水抽出を行うことによって茶葉原料中の呈味成分を抽出する。
水抽出に用いられる水温については、特に限定されるものではないが、5〜100℃、より好ましくは30〜80℃であるのが望ましい。
その理由は、5℃より低いと呈味成分の抽出効率が悪く、100℃より高いと品質が劣化する恐れがあり、いずれの場合も好ましくないからである。
水抽出に用いる水の量や抽出時間についても特に限定されるものではなく、茶葉の種類などに応じて適宜設定すればよい。
例えば、茶(Camellia sinensis)を用いた場合、原料に対して約2.5倍量に相当する30〜80℃の温水を用いて15分間程度かけて抽出することにより、原料中の呈味成分が完全に抽出される。
本発明における抽出に際して使用する水としては、単なる水でもよいが、イオン交換樹脂に通すことにより水中にイオンとして溶解している物質を除去したイオン交換水、蒸留によりその沸点を利用して中性物質、有機物質、ごみなどの不純物を取り除いた蒸留水、特定の水源から採取された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないナチュラルウォーター、ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)を原水としたナチュラルミネラルウォーター、通常20mg/l程度の気体(空気)が溶け込んでいる状態から、この気体を除去した脱気水、予めアスコルビン酸を添加したアスコルビン酸溶解水、適当な酸・アルカリを用いて一定のpHに調整したpH調整水(緩衝液も含む)などを使用することもできる。
次に、工程(4)について説明する。工程(4)においては、前記水抽出により得られる抽出液と水蒸気抽出により得られる溜出液を混合することにより茶エキスを得る。
この茶エキスには抽出液中の呈味成分と溜出液中の香気成分が含まれているので、風味や香り、味において優れており、殺菌処理後にも品質が劣化することはない。
本発明においては、水抽出により得られる抽出液と、水蒸気抽出により得られる溜出液を混合して得られた茶エキス、即ち、前記工程(4)における茶エキスに、更にpH調整剤及び/又はビタミンCを添加することも可能である。
これらは茶エキスの風味を保持するために配合される。
pH調整剤としては、重曹、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムのいずれか1種類を例示することができるが、特に限定はされるものではない。
pH調整剤及び/又はビタミンCを配合する場合の配合量は特に限定されないが、pH調整剤とビタミンCの合計の配合量として、茶エキス中200〜500ppm程度配合するのが望ましい。
尚、pH調整剤とビタミンCの両方を配合する場合には、pHが5.5〜7.0になるように配合するのが望ましい。
本発明の茶エキスの製造方法においては、(1)乃至(4)の全工程に亘って脱酸素条件下で実施するのが好ましい。
脱酸素条件下で得られた茶エキスは、高圧処理した後においても、風香味の劣化(不快苦味成分の増加)が防止されるだけではなく、良好な風香味(良好な苦味成分)を増進させ、しかも、沈殿や凝集、茶オイルの浮上も防止されて、長期間保存してもきわめてきれいな外観を呈し、特に透明なPETボトル等透明容器に充填した場合に優れた効果が奏される。
ここでいう脱酸素状態とは、不活性ガス雰囲気下、不活性ガスの吹き込み、不活性ガスによる置換、空容器や容器内のヘッドスペースについての脱酸素状態も広く包含するものである。
不活性ガスとしては、二酸化炭素、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムからなる群より選択される1種又は2種以上が使用される。
一方、本発明に係る製法により得られる茶エキスについて、不活性ガス雰囲気下で製造することにより、酸化や劣化が本来防止されているのであるが、この作用効果は高圧処理によっても影響を受けず、しかも、高圧処理のみでは、保存中における茶飲料の酸化が進行し、これを防止することはできないところ、脱酸素雰囲気下で抽出を行うことにより、これを防止して風香味にも優れる。
さらに本発明に係る茶エキスの製造方法は全工程において、得られる茶エキスの酸化・変質を防止すべく、処理水として使用される温水に酸化防止剤を添加して行うことができる。前記酸化防止剤としては、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、無水亜硫酸、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ローズマリー抽出物、金銀花抽出物、茶生葉抽出物、マテ茶抽出物などが例示される。
上記方法により得られた茶エキスは、そのまま茶飲料として供される。
また、用途に応じて適宜希釈後用いることもできる。
以下、本発明に係る茶エキスの製造方法について、実施例及び比較例を挙げることにより一層明確に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら限定はされない。
<実施例1>
緑茶(Camellia sinensis)葉200gを容器に入れ、40℃の温水200gで、10分間、湿らせた。
この際、茶葉が均質に湿らせることができるよう、温水を40℃とした。
次に、湿らせた茶葉を容器内で水蒸気蒸留し、溜出液を300g回収した。
蒸留残渣については40℃の温水4000gで、抽出した。
前記溜出液300gと抽出液3700gとを混合させた。
得られた茶エキス4000gを実施例1の試料とした。
<実施例2>
実施例1で得られた茶エキス1000gに重曹0.2gを添加し、pH6.0に調整した。得られた茶エキス1001gを実施例2の試料とした。
<実施例3>
工程(1)乃至(4)の処理を窒素雰囲気下で行ったこと、及び工程(1)乃至(4)における処理水として脱酸素水を使用したこと以外は、実施例1と同一の工程で行った。
得られた茶エキスを実施例3の試料とした。
尚、脱酸素水はウルトラソニックを用いて製造した。
<実施例4>
工程(1)乃至(4)における処理水に、アスコルビン酸ナトリウムをその濃度が50ppmになるように添加したこと以外は、実施例1と同一の工程で行った。
得られた茶エキスを実施例4の試料とした。
<比較例1>
緑茶(Camellia sinensis葉100%)200gを容器に入れ、40℃の温水4000gで、抽出した。
得られた茶エキス3700gを比較例1の試料とした。
<比較例2>
緑茶(Camellia sinensis葉100%)200gを容器内で水蒸気蒸留し、溜出液を300g回収した。
蒸留残渣を40℃の温水4000gで、抽出した。
前記溜出液300gと抽出液3700gとを混合させた。
得られた茶エキス4000gを比較例2の試料とした。
<比較例3>
緑茶(Camellia sinensis葉100%)200gを40℃の温水4000gで、抽出した。
抽出残渣を水蒸気蒸留し、溜出液300gを回収した。
前記抽出液3700gと溜出液300gとを混合させた。
得られた茶エキス4000gを比較例3の試料とした。
上記実施例1〜4及び比較例1〜3で得られたエキスをBx.0.3になるように希釈し、重曹を添加しpH 6.3に調整したものを190gずつ缶に詰めた。次に、115℃で20分間殺菌したものをそれぞれパネラー10人に飲用してもらい、香りの強弱及び嗜好性と味について以下の基準で採点してもらった。
〔香り(強弱)〕
非常に強い…5点,強い…4点,普通…3点,やや弱い…2点,弱い…1点
〔香り(嗜好性)〕
非常に良い…5点,良い…4点,普通…3点,やや悪い…2点,悪い…1点
〔味〕
非常においしい…5点,おいしい…4点,普通…3点,ややおいしくない…2点,おいしくない…1点
10人のパネラーの合計点を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0004104018
表1の結果の通り、実施例1〜4のエキスのように、最初に茶を湿らせてから水蒸気蒸留して得られた蒸留液と、蒸留残渣を抽出して得られた抽出液が混合されてなるエキスを用いて製造された茶は、殺菌処理後にも豊かな風味、香りを有しており、味も良かった。
これに対し、比較例1のエキスのように、抽出により得られる抽出液からなるエキスを用いて製造された茶は、風味、香り、味の全てにおいて劣っていた。
また、比較例2のエキスのように茶を湿らさずに蒸留液を回収し、抽出して得られた抽出液が混合されてなるエキスを用いて製造された茶や、比較例3のエキスのように蒸留液の回収量を多くし、抽出して得られた抽出液が混合されてなるエキスを用いて製造された茶は香りの強さや嗜好性においては優れていたが、味が悪かった。
即ち、湿らし、水蒸気蒸留、抽出の順で抽出を行うことにより、豊かな風味、香りを有し、味においても優れた茶を製造することができた。

Claims (8)

  1. 以下の(1)乃至(4)の工程を経ることを特徴とする茶エキスの製造方法。
    (1)茶葉を40℃〜100℃の温水で浸漬もしくは湿潤させる工程、
    (2)工程(1)の茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程、
    (3)工程(2)の溜出残渣を水で抽出し、抽出液を回収する工程、
    (4)工程(2)の溜出液と、工程(3)の抽出液とを混合する工程。
  2. 前記工程(4)で得られた茶エキスに、更にpH調整剤及び/又はアスコルビン酸を添加することを特徴とする請求項1記載の茶エキスの製造方法。
  3. 前記pH調整剤が、重曹、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムからなる群より選択されるいずれか一種類である請求項2記載の茶エキスの製造方法。
  4. 前記工程(1)乃至(4)の全工程を脱酸素条件下で実施することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の茶エキスの製造方法。
  5. 前記脱酸素条件が、不活性ガス雰囲気下での実施、不活性ガスの吹き込み、不活性ガスによる置換、の少なくとも一つによるものである請求項4記載の茶エキスの製造方法。
  6. 前記不活性ガスが、窒素、二酸化炭素、アルゴンガス、ヘリウムからなる群より選択されるいずれか一種以上である請求項5記載の茶エキスの製造方法。
  7. 前記温水に酸化防止剤が添加されてなることを特徴とする請求項1乃至6記載の茶エキスの製造方法。
  8. 前記酸化防止剤が、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、無水亜硫酸、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ローズマリー抽出物、金銀花抽出物、茶生葉抽出物、マテ茶抽出物からなる群より選択されるいずれか一種以上である請求項7記載の茶エキスの製造方法。
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