JP2010268765A - 焙じウーロン茶及びこれを用いた茶飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱殺菌及び長期保存を伴う容器詰めウーロン茶飲料における品質劣化を抑制し、花香を長期間維持できる容器詰めウーロン茶飲料を提供する。
【解決手段】ウーロン茶原料を特定の条件で焙煎して焙じウーロン茶を得、この焙じウーロン茶を熱水抽出して焙じウーロン茶抽出液を得る。さらにこれをウーロン茶飲料の一部に含有させることで、加熱殺菌処理後の加熱臭を低減し、長期保存における風味劣化、具体的には酸化劣化臭を低減し、ウーロン茶特有の豊かな花香が維持された容器詰めウーロン茶飲料を調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウーロン茶を直火焙煎して得られる焙じウーロン茶葉及びこれを用いた茶飲料に関し、特に保存中の香気劣化が抑制された容器詰茶飲料に関する。
茶はアジアを中心に世界各国で広く栽培され、コーヒー、ココアと並び三大非アルコール性嗜好飲料として世界中で広く飲用されている。茶飲料は無糖であるうえに、抗酸化作用や抗癌作用などに代表される健康保持機能を有しており、近年の健康ブームにあいまってその需要の伸びは著しいものがある。
お茶は不発酵茶(緑茶)、発酵茶(紅茶)、半発酵茶(ウーロン茶等)の三つに大別される。これらはいずれも、ツバキ科ツバキ属の茶樹(学名:Camellia sinensis)の葉を原料とするものであるが、原料茶葉の加工方法、主に酸化発酵させる程度の違いによって、全く違った色、香り、味のお茶になる。
ウーロン茶の特徴の一つは、重厚な花の香り(花香)にある。味覚として舌で感じる味のみではなく、嗅覚として鼻で感じる香気成分は、半発酵茶飲料の美味しさを構成する要素として大いに貢献している。この花香は、リナロール、ゲラニオール、ネロリドールなどのテルペン系アルコール、ジャスミンラクトン、メチルジャスモネート、シス−ジャスモン、インドールなどの香気成分で構成されていると言われている。
近年、嗜好性の高まりから、上記花香成分を多く含む茶飲料が開発されている。例えば、特許文献1には、茶葉の冷温水処理工程と熱水抽出工程とを含むウーロン茶飲料の製造方法が開示され、この方法で得られるウーロン茶飲料がネロリドールを高濃度で含むことが記載されている。特許文献2には、アスコルビン酸ナトリウムが溶解された85℃から100℃の間の温度の温水を用いて、半発酵茶葉の抽出を行う抽出工程を含む、半発酵茶飲料の製造方法が開示され、この方法で得られる半発酵茶飲料が、半発酵茶本来の香りが引き出された茶飲料であり、純水で抽出したものと比較して総香気量が1.05倍になったことが記載されている。
また、ウーロン茶葉に加水・加熱処理を施した後、あるいはそれと同時に粗揉処理を施し、その後加熱乾燥することを特徴とするウーロン茶の品質改良法も報告されている(特許文献3)。この方法によると、風味、色調が良好で、特に冷水用として有効なウーロン茶が得られることが記載されている。
一方、緑茶の一種としてほうじ茶が知られている。ほうじ茶は、焙煎により茶葉本来の香気が失われる代わりに、香ばしい焙煎香を味わうものである。特許文献4には、ほうじドラム機を用いて緑茶葉を焙煎した場合に、緑茶特有の爽快な香り成分(シス−3−ヘキセノール)及び緑茶の主要となる成分(リナロールやネロリドール)が減少し、火入れによる香り成分(2,5−ジメチルピラジン、トリメチルピラジン)が生成されたことが記載されている。
特開2004−248672号公報 特開2005−124499号公報 特開昭61−234737号公報 特開2001−286260号公報
容器詰め茶飲料は、通常は茶葉を主原料とし、加熱殺菌処理や長期保存に伴う品質劣化を抑制する目的で、茶抽出液に重曹と、アスコルビン酸又はその塩とを添加し、殺菌・充填され製品となる。容器詰めウーロン茶飲料も同様に製造されるが、重曹やアスコルビン酸等の添加だけでは、加熱殺菌処理や長期保存に伴う品質劣化を抑制することができず、特にウーロン茶特有の花香の減少という問題を十分に解決する方法は存在していなかった。また、上記従来技術に記載の方法も花香を選択的に強めることはできず、ウーロン茶の持つ好ましくない香りや苦渋味成分までも多く抽出されることとなり、長期保存を行った場合には、かえって品質劣化が顕著になる可能性もあった。
本発明の課題は、加熱殺菌及び長期保存を伴う容器詰めウーロン茶飲料における品質劣化を抑制することであり、また花香を長期間維持できる容器詰めウーロン茶飲料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ウーロン茶原料を特定の条件で焙煎して焙じウーロン茶を得、この焙じウーロン茶を熱水抽出して焙じウーロン茶抽出液を得て、これをウーロン茶飲料の一部に含有させることで、加熱殺菌処理後の加熱臭を低減し、さらに長期保存における風味劣化、具体的には酸化劣化臭を低減でき、ウーロン茶特有の豊かな花香を維持できることを見出した。
また、ウーロン茶を特定の条件で焙煎すると、焙煎により茶葉特有の爽快な香りが減少し焙煎香が生成するという従来の知見に反して、ウーロン茶特有の花香として知られる香気成分の総量が増加し、変質しやすく好ましくない香りであることが知られる2,4−ヘプタジエナールが減少するという驚くべき知見を得た。そして、この特定の焙煎により香気成分の組成が変化した焙じウーロン茶を用いることによって、上記の花香の維持された容器詰めウーロン茶飲料が製造できることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]ウーロン茶原料を直火焙煎して焙じウーロン茶を得る工程と、
該焙じウーロン茶から熱水抽出して焙じウーロン茶抽出液を得る工程と、
該焙じウーロン茶抽出液を加熱殺菌処理する工程
とを備えた、容器詰めウーロン茶飲料の製造方法。
[2]ウーロン茶原料を3〜10mmの大きさに粉砕し、これを直火焙煎することを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[3]ウーロン茶原料を直火焙煎して得られる、焙じウーロン茶。
加熱殺菌および長期保存を行っても豊かな花香を維持し、保存中における風味劣化が抑制された容器詰めウーロン茶飲料を得ることができる。豊かな花香の付与、風味劣化の抑制に有用な成分は、ウーロン茶原料を特定の条件で焙煎した焙じウーロン茶であり、ウーロン茶飲料の自然な風味に影響を及ぼすことがないという利点もある。
(焙じウーロン茶)
ウーロン茶は、生葉を、日干し及び陰干し(萎調)した後、竹かごなどの内部で茶葉を揺すって酸化発酵させ、酸化発酵が30%〜70%程度まで進んだところで釜での加熱処理により発酵を止め荒茶とし、その後揉捻などを施したものを乾燥(火入れ)して仕上げ茶となる。本発明の焙じウーロン茶は、ウーロン茶の荒茶に、直火焙煎処理を施したものをいう。ウーロン茶の生葉としてはツバキ科、ツバキ属のC.sinensisであれば何でも利用可能であり、例えばvar.sinensis(中国種)を好適な態様の一つとして用いることができる。また、ウーロン茶として市販のウーロン茶(仕上げ茶)を用いることもでき、このウーロン茶には、紅烏龍、膨風茶、催時茶、武夷水仙、武夷奇種、広東鳳凰水仙、鉄観音、黄金桂、色種、烏龍、台湾凍頂、堆外茶、葫蘆堆茶など、いずれのものを用いてもよい。
原料となる生葉の部位は葉、茎、またはその混合部などいずれを用いてもよいが、茎を選択して用いることが好ましい。焙煎によりピラジン類などの焙煎香が生成されるが、このピラジン類は、カテキン類及び/又はカフェインの苦渋味を相加的或いは相乗的に増加させる。ベースとなるウーロン茶飲料の自然な風味に影響を及ぼさず、加熱殺菌や長期保存の品質劣化を抑制する目的で焙じウーロン茶を使用するという観点からは、カテキン及びカフェイン含量の少ない茎を用いるのが好ましい。
本発明の焙じウーロン茶は、焙煎にドラム焙煎機を使用し、直火焙煎を行うことを特徴とする。ドラム焙煎機を使用した直火焙煎を行うことで、ウーロン茶特有の花香として知られる香気成分(リナロール、ゲラニオール、ネロリドール、ジャスミンラクトン、メチルジャスモネート、シス−ジャスモン、インドール)の総量が増加し、変質しやすく嫌な香りであることが知られる2,4−ヘプタジエナールが減少する。ドラム焙煎機は、連続式焙煎機であってもバッチ式焙煎機であってもよい。ドラム焙煎機の中でも、回転ドラム式遠赤焙煎機は好適な態様の一つとして挙げられる。
直火焙煎の条件は、原料の質(例えば、水分含量等)と投入量により決められるが、一般的には、温度(焙煎機の設定温度)は150〜250℃、好ましくは160〜180℃であり、焙煎時間は3〜10分間、好ましくは5〜9分間程度であり、また、出口における茶葉品温は120〜180℃である。
なお、焙煎を行うにあたっては、ウーロン茶を3〜10mm程度の大きさに粉砕しておくと、均一な焙煎が行いやすい。焙煎機も何ら限定されないが、均一な焙煎が行いやすいことから回転ドラム式遠赤焙煎機を用いることが好ましい。上記のとおり、本発明の焙じウーロン茶は、荒茶に直火焙煎処理を施すことにより得られるものであるが、荒茶をドラム式乾燥機またはマイクロ波乾燥機等で乾燥し、茶葉中の水分含量を約5%以下としておくと、直火焙煎で均一な焙煎となり好ましい。

このように、荒茶、乾燥、ドラム焙煎を行った焙じウーロン茶は、焙煎の前後で、花香の総量は、約1.1倍に増加する。茶葉として緑茶を用いた場合には、これら花香成分は大きく減少することから、花香成分の増加はウーロン茶と直火焙煎の組合せによる特異的な現象であると考えられる。
花香の中でも、特に、シス−ジャスモン、ジャスミンラクトン及びメチルジャスモネートの増加は著しく、シス−ジャスモンは1.5倍以上に、ジャスミンラクトン及びメチルジャスモネートは、2倍以上に増加する。また、リナロールは、従来の抽出方法や直火焙煎以外の焙煎では増加がみられない香気成分であるが、直火焙煎を行うと、約1.3倍にまで増加するという特徴もある。さらに、花香の中でインドールは加熱殺菌時において、加熱臭の原因となることが知られている成分である(特開2004−147606号公報、請求項2参照)が、本発明の直火焙煎を行った焙じウーロン茶では、このインドールが約0.7倍に減少するという特徴もある。
すなわち、本発明の直火焙煎によると、ウーロン茶の花香の組成が変化する。具体的には、インドールを除く花香(A)(リナロール、ゲラニオール、ネロリドール、ジャスミンラクトン、メチルジャスモネート、シス−ジャスモン)(A1)の香気成分の総量が、焙煎前の約1.2倍になり、インドール(A2)に対する花香(A1)の割合((A1)/(A2))が、焙煎前2.9から焙煎後5.1に変化する。さらに、本発明の直火焙煎を行うと、ウーロン茶中に含まれる変質しやすい香気成分である2,4−ヘプタジエナール(B)が約0.65倍に減少する。
本発明の焙じウーロン茶において、加熱殺菌後も好ましいウーロン茶の花香を有する香気成分(A1)と、加熱や保存中に変質して異臭となりやすい香気成分(A2,B)との割合((A1)/(A2+B))が1以上、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上である。この範囲の組成を有するウーロン茶を用い、その抽出液を茶飲料に含有させることで、加熱殺菌や長期保存を行っても、豊かな花香を維持し、品質劣化の抑制された茶飲料となる。
(容器詰めウーロン茶飲料)
本発明の容器詰めウーロン茶飲料は、上記焙じウーロン茶を用いることを特徴とする。すなわち、ウーロン茶原料を直火焙煎して焙じウーロン茶を得る工程と、該焙じウーロン茶から熱水抽出して焙じウーロン茶抽出液を得る工程と、該焙じウーロン茶抽出液を加熱殺菌処理する工程とを備える。
焙じウーロン茶の抽出は、70℃以上、好ましくは80〜95℃、特に好ましくは85〜95℃の熱水を用いて、1〜20分、好ましくは2〜15分、特に好ましくは3〜10分行われる。抽出温度が低すぎると焙じウーロン茶の香気成分、特に花香が良く抽出されず、また抽出温度が高すぎたり抽出時間が長すぎると焙じウーロン茶のピラジン類やその他の苦渋み成分までもが多く抽出されてしまう。抽出時には攪拌操作を行ってもよいし、抽出溶媒(熱水)にアスコルビン酸ナトリウム等の有機酸または有機酸塩類を添加してもよい。焙じウーロン茶と抽出溶媒(熱水)の混合比は、好ましくは1:15〜1:100程度である。
なお、本発明の茶飲料では、焙じウーロン茶の抽出液全量で茶飲料としてもよいが、焙煎による焙煎香がウーロン茶本来の風味に影響を及ぼすことがあることから、茶飲料の一部に焙じウーロン茶抽出液が含有されるように配合することが好ましい。この場合、焙じウーロン茶の抽出液と茶飲料のベースとなるウーロン茶抽出液を別々に調製して混合してもよいし、抽出原料(ウーロン茶葉)に焙じウーロン茶を混合して、熱水抽出してもよい。ベースとなるウーロン茶には、紅烏龍、膨風茶、催時茶、武夷水仙、武夷奇種、広東鳳凰水仙、鉄観音、黄金桂、色種、烏龍、台湾凍頂、堆外茶、葫蘆堆茶など、いずれのものを用いてもよい。焙じウーロン茶とベースとなるウーロン茶葉、或いは焙じウーロン茶抽出液とベースとなるウーロン茶抽出液の混合割合は、ベースとなるウーロン茶の種類、抽出温度、目的とする茶飲料の風味などによって、適宜調節すればよいが、通常、焙じウーロン茶(又は焙じウーロン茶抽出液)を抽出原料全量(又は茶飲料全量)に対し1〜100重量%、好ましくは、1.5〜50重量%程度含有させる。
次いで、得られた抽出液を冷却した後に濾過を行う。濾過の方法としては遠心分離機、金属メッシュ、ネル布、珪藻土、セラミック膜などが用いられる。上記濾過液に、必要に応じアスコルビン酸類を添加して調合液とし、加熱殺菌処理を行う。アスコルビン酸類を添加することで、ウーロン茶飲料の加熱殺菌及び長期保存における品質劣化をさらに抑制することができる。アスコルビン酸類は、調合液中、100ppm以上、好ましくは300ppm以上、より好ましくは400ppm以上の濃度となるように添加する。なお、本明細書におけるアスコルビン酸類とは、アスコルビン酸、その異性体、それらの誘導体及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上をいう。
加熱殺菌処理は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば缶飲料とする場合には、上記調合液を缶に所定量充填し、レトルト殺菌(例えば、1.2mmHg、121℃、7分)を行う。ペットボトルや紙パック、瓶飲料とする場合には、例えば120〜150℃で1〜数十秒保持するUHT殺菌等を行う。
このようにして得られるウーロン茶飲料は、焙じウーロン茶の豊かな花香を有し、かつピラジン類の香ばしい香りがあいまって、その香気がより芳醇かつ重厚なものになる。したがって、香料を添加せずとも、ウーロン茶特有の花香を長期間(1年間、好ましくは6ヶ月以上、より好ましくは4ヶ月以上)に渡り、維持できる容器詰め飲料となる。
以下、実験例及び実施例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1:焙じウーロン茶の製造
ウーロン茶葉(水仙種)の荒茶を用い、茎の部分を回収して3〜10mmの大きさに細砕し、120℃で45分間、熱風乾燥(一般的な火入れ)した。乾燥後の水分含量は5%以下であった。その後、乾燥された茎茶(100g)を、内部の温度が180℃程度まで加温されたドラム焙煎機に投入し、約5分間焙煎を行った。最終茶葉品温145℃に到達した時点で取り出し、冷却して焙じウーロン茶を製造した。
実施例2:焙じウーロン茶抽出液
実施例1で得られた焙じウーロン茶10gに1Lの熱水(90℃)を用いて、5分間抽出を行った。また、実施例1の直火焙煎処理を施していない茎茶、すなわち荒茶から茎茶部分を回収したもの(非焙煎)と、茎茶に熱風乾燥を行ったもの(一般的火入れ)を用い、同様に抽出を行った。得られた抽出液の香気成分について、SBSE(Stir Bar Sorptive Extraction)法を用い、Twister(Stir Bar にpolydimethylsiloxaneをコーティングしたもの;GERSTEL社製)による攪拌吸着で分析した。分析条件は以下のとおり。
(分析試料の調整)
試料(秤量):10g
吸着温度:25℃(室温)
吸着時間:30分
(分析機器および条件)
TDS condition (Thermo Desorption System, 加熱脱着装置)
DesorptionTemp. 20℃(0.5min) 〜 200℃(60℃/min, 4.5min hold)
Splitless
Instrument GERSTEL TDS2
GC-MS condition
Column Inert Cap WAX-HT (60m×0.25mm I.D., Film 0.25μm)
Column Temp. 70℃(5min) 〜 260℃ (3℃/min)
Injection Temp. -150℃ 〜 240℃ (12℃/sec, 5min hold)
Flow Rate 1.9mL/min
Splitless 1min
Instrument Agilent GC 6890, MSD 5973N
結果を表1に示す。表1より明らかなとおり、直火焙煎を行うと、花香リナロール、ゲラニオール、ネロリドール、ジャスミンラクトン、メチルジャスモネート、シス−ジャスモン、インドール)の総量は1.1倍に増加した。特に、インドールを除く花香(A1)の総量は、1.24倍と大きく増加し、中でもシス−ジャスモン、ジャスミンラクトン及びメチルジャスモネートの増加は著しく、シス−ジャスモンは1.5倍以上に、ジャスミンラクトン及びメチルジャスモネートは、2倍以上に増加した。リナロールは、一般的な乾燥(火入れ)では全く増加がみられなかったが、直火焙煎により約1.3倍に増加した。
一方、直火焙煎により、インドール(A2)は約0.7倍に、2,4−ヘプタジエナール(B)の総量は約0.65倍に減少した。
インドール(A2)に対する花香(A1)の割合((A1)/(A2))を算出すると、非焙煎が2.9であるのに対し、一般的な乾燥(火入れ)では4.1、直火焙煎では5.1と焙煎、特に直火焙煎により好ましい花香の割合が増加した。さらに、加熱殺菌後も好ましいウーロン茶の花香を有する香気成分(A1)と、加熱や保存中に変質して異臭となりやすい香気成分(A2,B)との割合((A1)/(A2+B))を算出すると、非焙煎が0.86であるのに対し、一般的な乾燥(火入れ)では0.94、直火焙煎では1.60となった。
Figure 2010268765
次に、一般的な乾燥(火入れ)ウーロン茶抽出液と、直火焙煎した本願発明の焙じウーロン茶抽出液を用いて、4名による官能評価を行った。その結果、一般的な乾燥(火入れ)ウーロン茶抽出液では、香ばしいがトップの香りが弱いとの評価であり、本願発明の焙煎ウーロン茶抽出液では、トップに香ばしい香りがあり、かつ味わいに甘みがあるとの評価(すなわち、トップの香りとラストの香りが増強されているとの評価)が得られた。
トップの香り(トップノートともいう)とは、揮発度により相対的に3つのパートに分類される香りの一つで、一般には低沸点の揮発性が高い物質で構成される、飲料の最初の印象を決める香り成分である。ここでは、飲用前に鼻から感じられる香り、口に含んだ瞬間に鼻孔から感じられる香りをトップの香りという。また、ラストの香り(ラストノートともいう)とは、香りの深みと味覚に関係し、一般には揮発性が低く比較的高沸点の物質によって構成されている成分であり、ここでは飲用時に味覚として感じられる香りをいう。
実施例3.容器詰め茶飲料
実施例1で製造した焙じウーロン茶1gと、水仙及び色種の混合茶葉59gを混合し、抽出原料とした。抽出原料(60g)を、90℃の熱水1.2Lで5分間攪拌しながら抽出し、抽出液を回収し、これを粗濾過後20℃以下に冷却し、遠心分離による濾過を行った後、アスコルビン酸(最終配合で300ppmとなる量)を添加し、さらに茶飲料のpHが6.0程度になるよう重曹を添加した。5Lまで加水して調合液とし、これに140℃15秒間の殺菌を行って82℃にて缶に充填し、ウーロン茶飲料を得た(焙じウーロン茶添加飲料)。また、比較として焙じウーロン茶無添加、すなわち水仙及び色種の混合茶葉(60g)を用いて茶飲料を同様に調製した(通常ウーロン茶飲料)。製造直後及び保存後の茶飲料について、その香味を官能評価した。
製造直後の香味を比較すると、焙じウーロン茶を添加した飲料は、トップの香りが増強され、コク、甘味も付与されており、トップの香りとラストの香りが調和して全体的なバランスが取れた、新鮮で良好な香味を有するウーロン茶飲料であった。
また、保存後の茶飲料の香味についての官能評価結果を表2に示す。表2より明らかなとおり、報じウーロン茶抽出液を含む容器詰ウーロン茶飲料は、いずれの温度帯で保存しても、無添加と比較して、良好な香味を示した。
以上の結果から、焙じウーロン茶抽出液を含有させるよう製造した容器詰ウーロン茶飲料は、花香が増強され、すっきりしており、その良好な香味が長期保存後にも維持され、保存に伴う酸化劣化臭の発生が抑制され、1年に渡る長期保存であっても商品価値を維持することが示唆された。
Figure 2010268765

Claims (3)

  1. ウーロン茶原料を直火焙煎して焙じウーロン茶を得る工程と、
    該焙じウーロン茶から熱水抽出して焙じウーロン茶抽出液を得る工程と、
    該焙じウーロン茶抽出液を加熱殺菌処理する工程
    とを備えた、容器詰めウーロン茶飲料の製造方法。
  2. ウーロン茶原料を3〜10mmの大きさに粉砕し、これを直火焙煎することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. ウーロン茶原料を直火焙煎して得られる、焙じウーロン茶。
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