JP4457050B2 - 烏龍茶抽出液の製造法 - Google Patents
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Description
また、烏龍茶葉を籠体に入れて抽出した後、茶葉を洗浄することによってこくのある烏龍茶が得られることが知られている(特許文献4)。
しかしながら、これらの方法を用いても烏龍茶抽出液の発酵感は少なく風味は薄く、十分満足できるものではなく、特に容器詰烏龍茶飲料とした場合、発酵感がなく、深みのある風味が得られなかった。また、非重合体カテキン類の抽出効率も十分ではなかった。
(1)カラム抽出機に熱水を供給後、烏龍茶葉を仕込む工程、
(2)カラム抽出機内に仕込んだ烏龍茶葉と熱水とが接触を開始してから0.5〜20分後に、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを0.2〜19重量%溶解した水溶液供給する工程、
(3)カラム抽出機に供給し抽出液を抜き出す工程
を含む烏龍茶抽出液の製造法及び該製造法にて製造した烏龍茶抽出液を容器に充填した容器詰烏龍茶飲料を提供するものである。
カテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称を指す。
茶葉をカットする方法としては、カッターミル、ハンマーミル、摩砕等の粉砕方式がある。好ましくはカッターミルタイプの粉砕機で、例えば、(株)ホーライ ZI−420型、SR−360型等が使用できる。
例えば三友機器(株)製コーヒー抽出機SK−EXT10、SK-EXT−15や(株)イズミフードマシナリ製多機能抽出装置TEX1512、TEX2015等が使用できる。
例えばシャワーノズルは(株)いけうち製JJXP26、JJXP40等が使用できる。
尚、必要により該熱水を供給する前に、カラム抽出機を熱水にて予め加温し、その温水をブロー後、該熱水を供給するのが、カラム抽出機内の温度低下を防止できるので好ましい。
茶葉をカラム抽出機内に仕込んだ後にカラム抽出機下部から熱水を供給する場合、該下部熱水供給口と該上部分離盤(4)との距離h1(図1参照)とカラム抽出機内径Dの比率h1/Dが0.2以下であって、上昇流体の線速度(=流量/カラム抽出機断面積)が速すぎる場面では烏龍茶葉の膨潤が不均一となる。また図2のようにメッシュが円錐形状をしている場合には下部から熱水を供給すると、円錐頂点付近から熱水が噴出し易くなるため、烏龍茶葉の膨潤が不均一となる。
好ましい茶葉仕込み量は、使用する抽出機の高さをL(m)、その抽出機が空の状態で茶葉を仕込んだときの茶葉の厚みをT(m)とした場合に、比T/Lが0.01〜0.8の範囲である。茶葉の仕込み時間は0.1〜10分、好ましくは0.1〜2分、更には0.1〜1.5分が好ましい。
ここで、炭酸ナトリウムを使用する場合は、水溶液のpHを、塩酸、クエン酸等の無機酸又は有機酸で7〜10、特に好ましくは8〜9に調整して使用する。炭酸ナトリウムの上記供給量は、炭酸水素ナトリウムに換算して決められる。
株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」、サントリー(株)「サンウーロン」等が挙げられる。そのほか、カテキンは他の原料起源のもの、カラム抽出機精製品及び化学合成品でも使用できる。
風味評価
製造した烏龍茶抽出液を非重合体カテキン類濃度が0.019重量%になるようにイオン交換水で希釈し、4名の専門パネラーが、下記評価基準で風味を評価した。なお、表にはその平均評価結果を示す。
(評価基準)
◎:発酵感と深みが豊富で、非常に良好。
〇:発酵感と深みがあり、良好。
△:発酵感と深みが乏しく薄く感じられ、やや不良。
×:発酵感がなくアロマも乏しく薄く感じられ、不良。
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム抽出機(図1)にイオン交換水(90℃)をカラム抽出機下部から供給し、仕込み烏龍茶葉重量(a)(kg)と金網最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が5.5になったときに給湯を停止した。その後、烏龍茶葉205gをカラム抽出機上部から投下し、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。使用した烏龍茶葉は、目開き0.5mmの篩によって篩分けられた篩下重量分布が18重量%であった。熱水中への茶葉投下開始から2〜6分後(以下、この時間を熱水浸漬時間と記載する)に濃度2重量%の炭酸水素ナトリウムイオン交換水溶液(以下、重曹水と記載する)(70℃)を、烏龍茶葉仕込み重量に対して1倍重量を1分間かけて供給し、その後、重曹水供給開始から3分間保持し(以下、この時間を重曹保持時間と記載する)、次いでカラム抽出機上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム抽出機下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.5になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価の結果を表1に示す。
熱水浸漬時間を0.1、25分とする以外は実施例1と同様に抽出をおこない分析をおこなった。製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価の結果を表1に示す。
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム抽出機(図1)にイオン交換水(90℃)をカラム抽出機下部から供給し、仕込み烏龍茶葉重量(a)(kg)と金網最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が5.5になったときに給湯を停止した。その後、烏龍茶葉205gをカラム抽出機上部から投下し、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。熱水浸漬4分後に0.2〜9.12重量%重曹水(70℃)を、烏龍茶葉仕込み重量に対して0.22〜10倍重量を1分間かけて供給し、その後、重曹保持時間を3分間とり、次いでカラム抽出機上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム抽出機下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.5になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価の結果を表2に示す。
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム抽出機(図1)にイオン交換水(90℃)をカラム抽出機下部から供給し、仕込み烏龍茶葉重量(a)(kg)と金網最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が5.5になったときに給湯を停止した。その後、烏龍茶葉205gをカラム抽出機上部から投下し、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。熱水浸漬4分後に2重量%重曹水(70℃)を、烏龍茶葉仕込み重量に対して1倍重量を0.1〜5.5分間かけて供給し、その後、重曹保持時間を3分間とり、次いでカラム抽出機上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム抽出機下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.5になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価の結果を表3に示す。
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム抽出機(図1)にイオン交換水(90℃)をカラム抽出機下部から供給し、仕込み烏龍茶葉重量(a)(kg)と金網最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が5.5になったときに給湯を停止した。その後、烏龍茶葉205gをカラム抽出機上部から投下し、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。熱水浸漬4分後に2重量%重層水(70℃)を、烏龍茶葉仕込み重量に対して1倍重量を1分間かけて供給し、その後、重曹保持時間を0〜6分間とり、次いでカラム抽出機上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム抽出機下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.5になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価の結果を表4に示す。
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム抽出機(図1)にイオン交換水(90℃)をカラム抽出機下部から供給し、仕込み烏龍茶葉重量(a)(kg)と金網最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が5.5になったときに給湯を停止した。その後、烏龍茶葉205gをカラム抽出機上部から投下し、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。熱水浸漬4分後に2重量%重曹水50〜90℃を、烏龍茶葉仕込み重量に対して1倍重量を1分間かけて供給し、その後、重曹保持時間を3分間とり、次いでカラム抽出機上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム抽出機下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.5になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価の結果を表5に示す。
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム抽出機(図1)にイオン交換水(90℃)をカラム抽出機下部から供給し、仕込み烏龍茶葉重量(a)(kg)と金網最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が0〜15になったときに給湯を停止した。その後、烏龍茶葉205gをカラム抽出機上部から投下し、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。熱水浸漬4分後に2重量%重曹水(70℃)を、烏龍茶葉仕込み重量に対して1倍重量を1分間かけて供給し、その後、重曹保持時間を3分間とり、次いでカラム抽出機上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム抽出機下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が0〜15になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
製造操作条件、抽出液中の非重合体カテキン類濃度及び風味評価の結果を表6に示す。
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム抽出機(図1)にイオン交換水(90℃)をカラム抽出機下部から供給し、仕込み烏龍茶葉重量(a)(kg)と金網最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が5.5になったときに給湯を停止した。その後、烏龍茶葉205gをカラム抽出機上部から投下し、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。次いでカラム抽出機上方からイオン交換水(90℃)をシャワーして供給しながら、抽出液をカラム抽出機下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.5になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
80メッシュの金網を備えた内径97mmのカラム抽出機式抽出機(図1)にイオン交換水(90℃)をカラム抽出機下部から供給し、仕込み烏龍茶葉重量(a)(kg)と金網最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が5.5になったときに給湯を停止した。その後、烏龍茶葉205gをカラム抽出機上部から投下し、高さが均一になるように茶葉上面を平らにした。熱水浸漬4分後に0.1重量%重曹水(90℃)を、カラム抽出機上方からシャワーして供給しながら、抽出液をカラム抽出機下方から抜き出した。この間(b)/(a)比が5.5になるように抜出速度を調整した。抜き出した抽出液の重量が仕込み烏龍茶葉重量の50倍になったところで終了し、烏龍茶抽出液を均一に混合して分析を行った。
実施例1で製造した烏龍茶抽出液を夫々1600g計量し、βシクロデキストリン28g、アスコルビン酸ナトリウム5.6g及び炭酸水素ナトリウム0.4gを配合し、市販茶抽出物の精製濃縮物(ポリフェノンHG:三井農林社製)を添加した後イオン交換水で全体を8000gにした。茶抽出物の添加量は、非重合体カテキン類濃度が0.18重量%になるように調整した。これを加熱殺菌し、PETボトルに充填した。風味は、いずれも発酵感と深みがあって良好であった。
1A シャワーノズル(1個以上、上下移動、回転可能)
2 炭酸水素ナトリウム熱水溶液供給ライン
3 熱水供給ライン
4 茶葉分離盤
5 烏龍茶抽出液抜き出しライン
6 烏龍茶葉
7 熱水供給ライン
8 攪拌翼(均し、抽出中攪拌、上下可能)
Claims (10)
- カラム抽出機を用い、下記工程を含む烏龍茶抽出液の製造法;
(1)カラム抽出機に熱水を供給後、烏龍茶葉を仕込む工程、
(2)カラム抽出機内に仕込んだ烏龍茶葉と熱水とが接触を開始してから0.5〜20
分後に、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを0.2〜19重量%溶解した水溶液を供給する工程、
(3)熱水をカラム抽出機に供給し抽出液を抜き出す工程。 - 炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム水溶液を烏龍茶葉仕込み重量に対して0.1〜10倍重量を供給する請求項1記載の烏龍茶抽出液の製造方法。
- 炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムを溶解した水溶液をカラム抽出機内に供給する時間が5分以内である請求項1又は2記載の烏龍茶抽出液の製造方法。
- カラム抽出機内の烏龍茶葉仕込み重量(a)(kg)とメッシュ最上部より上部の熱水体積(b)(L)の比(b)/(a)が0〜15になるように熱水を供給する請求項1〜3記載いずれか1項記載の烏龍茶抽出液の製造法。
- 炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム水溶液の供給を開始してから5分以内後に、熱水供給と抽出液の抜き出しを開始する請求項1〜4項いずれか1項記載の烏龍茶抽出液の製造方法。
- 炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウム水溶液の温度が50〜100℃である請求項1〜5項いずれか1項記載の烏龍茶抽出液の製造方法。
- カットした烏龍茶葉である請求項1〜6項のいずれか記載の烏龍茶抽出液の製造法。
- 目開き0.5mmの篩いによって篩い分けられた篩い下重量分布が40重量%以下である烏龍茶葉を使用する請求項1〜7項のいずれか1項記載の烏龍茶抽出液の製造法。
- 請求項1〜8項のいずれか1項記載の烏龍茶抽出液の製造法により製造された烏龍茶抽出液をそのまま或いは希釈して又は非重合体カテキン類を添加して得られる容器詰烏龍茶飲料。
- 非重合体カテキン類濃度が0.05〜0.5重量%である請求項9記載の容器詰烏龍茶飲料。
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