JP4838780B2 - 容器詰飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、高濃度の非重合体カテキン類を含有し、かつ苦味の抑制された容器詰飲料に関する。
カテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(例えば、特許文献1、2参照)。カテキン類のこのような生理効果を発現させるためには、より簡便に大量のカテキン類を摂取することが必要であることから、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれている。この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物(例えば、特許文献3〜5参照)などを利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法がある。
しかしながら、市販の緑茶抽出物の濃縮物をそのまま用いると、緑茶抽出物の濃縮物に含まれる成分が影響して苦味が強く、また喉越しが悪くなった。さらにカテキン類による生理効果を発現させる上で必要となる長期間の飲用には向かなかった。このように、高濃度カテキン類配合飲料特有のカテキン類由来の苦味を低減する飲料が望まれていた。
高濃度カテキン類含有飲料の苦味を抑制するためサイクロデキストリンを配合する技術(特許文献6)等がある。
特開昭60−156614号公報 特開平3−133928号公報 特開2002−142677号公報 特開平8−298930号公報 特開平8−109178号公報 特開平1−174328号公報
しかしながら、サイクロデキストリンの添加により苦味を抑制するには多量のサイクロデキストリンの添加が必要になり、多量のサイクロデキストリンを添加すると、サイクロデキストリンによる異味が生じるという問題が生じる。
従って、本発明の目的は、茶本来の風味を損ねることなく、高濃度カテキン含有容器詰飲料の苦味を抑制する手段を提供することにある。
そこで本発明者は、茶由来の成分に着目して種々検討した結果、火入れした茶葉に含まれる成分の中にカテキン類の苦味を抑制する成分があることを見出した。そしてさらに検討した結果、この成分を一定量配合し、かつ、カテキン類中のガレート体率を調整することにより、苦味が抑制でき、かつ風味の良好な容器詰飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)非重合体カテキン類 0.05〜0.6質量%、
(B)ピラジン類、及び
(C)アルコール類
を含有し、非重合体カテキン類中のガレート体率が5〜95質量%であり、かつ、飲料中の(B)/(C)(ガスクロマトグラフのエリア比)が0.10〜0.55である容器詰飲料を提供するものである。
本発明によれば、高濃度にカテキン類を含有し、かつ苦味の抑制された容器詰飲料が得られる。また得られた容器詰飲料は、風味が良好であり、他の添加物のような異味がない。
本発明で(A)非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称である。ここでいう非重合体カテキン類の濃度は、上記の8種の合計量に基づいて定義される。
本発明の容器詰飲料中には、(A)非重合体カテキン類を、好ましくは0.05〜0.6質量%、より好ましくは0.07〜0.5質量%、さらに好ましくは0.08〜0.4質量%、最も好ましくは0.09〜0.3質量%含有する。非重合体カテキン類がこの範囲内であれば多量の非重合体カテキン類を容易に摂取し易く、非重合体カテキン類が効果的に体内に吸収されやすい。
本発明の容器詰飲料中の非重合体カテキン類にはエピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピカテキンからなるエピ体と、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、ガロカテキン及びカテキンからなる非エピ体がある。本発明の容器詰飲料に使用できる(A)非重合体カテキン類中の(D)非重合体カテキン類の非エピ体類の割合([(D)/(A)]×100)は20〜70質量%が好ましく、さらに30〜65質量%、特に40〜60質量%であることが色調安定性の観点から好ましい。
本発明の容器詰飲料中の非重合体カテキン類にはエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体がある。ガレート体は苦味が強いことから、本発明の容器詰飲料に使用できる(A)非重合体カテキン類中の非重合体カテキン類のガレート体類の割合(ガレート体率(質量%)=[非重合体カテキン類のガレート体/(A)非重合体カテキン類の全量]×100)は5〜95質量%、さらに10〜50質量%であることが苦味抑制の観点から好ましい。
本発明の容器詰飲料には、(B)ピラジン類及び(C)アルコール類から選ばれる成分を含有する。これらの成分は、火入れた茶葉中に含まれる成分であるが、カテキン類の苦味に対してどのような作用をするかについては知られていない。(B)/(C)のエリア比率は、苦味抑制効果及び風味の点から、容器詰飲料中で0.10〜0.55である。より好ましくは(B)/(C)のエリア比率を0.15〜0.50、さらに0.20〜0.50に調整するのが好ましい。(B)/(C)のエリア比率が上記範囲にあると十分な苦味抑制効果が得られる。
ここで、エリア比率とは、飲料のガスクロマトグラフの各ピークの面積の比率をいう。
また本発明容器詰飲料中の成分(B)ピラジン類は、火入れ加工茶抽出物を用いることにより飲料中に含有させることができる。火入れ加工茶抽出物は可溶性固形分量として飲料中に0.07質量%〜0.60質量%、より好ましくは0.07質量%〜0.50質量%含有するのが良い。
これらの(B)ピラジン類成分は、市販品を用いることもでき、化学合成することもできるが、火入れした茎や茶葉から抽出して用いるのが好ましい。
(B)ピラジン類成分としては、火入れ加工を施した茎や茶葉から抽出することができる(火入れ加工茶)。茎又は茶葉としては、Camellia属、例えばC.sinensis、C. assamica、やぶきた種及びそれらの雑種から得られる茶葉から製茶されたものが用いられる。製茶手段、すなわち発酵度合いとしては不発酵、半発酵、発酵が挙げられるが、不発酵のものが特に好ましい。
また、火入れ加工の原料としては、飲料の苦味改善の点から、葉より、茎の方が好ましい。
ピラジン類とは、メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、エチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、エチルメチルピラジン、3−エチル−2,5−ジメチルピラジンを指し、これらの総和をピラジン類と定義する。ピラジン類については、茶の火入れ加工により生成する。
アルコール類とは、2−ペンテン−1−オール、フェノール、リナロオール、α−テルペンオール、4−ビニルフェノール、ゲラニオール、ネロール、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、カディノールを指し、これらの総和をアルコール類と定義する。これらのアルコール類は、緑茶葉及び火入れ加工茶抽出物に含まれる。
飲料に対して、ピラジン類を含有する火入れ加工茶抽出物を一定量配合し、また、緑茶葉及び火入れ加工茶抽出物由来のアルコール類を配合することにより、飲料中の(B)ピラジン類/(C)アルコール類比率を調節することができる。
(B)成分を抽出する茎や茶葉は、そのまま用いるのではなく火入れ加工を施したものを用いるのがよく、その火入れ度は色合いがきつね色に変わる(新茶業全書 昭和55年8月10日 6版改訂発行 静岡県茶業会議所、352頁)のが、苦味抑制効果及び風味の点から好ましい。火入れ度が不足すると苦味抑制効果が十分でなく、火入れ度が高すぎると風味が低下する。このような火入れ度になるように火入れするには、例えば150〜300℃、さらに170〜230℃の温度で、1〜15分、さらに1〜10分加熱するのが好ましい。
次に火入れした茎や茶葉(火入れ加工茶)から(B)成分を含有する茶抽出液を得るには、水、熱水、含水エタノール等を用いて抽出するのが好ましい。抽出温度は40〜100℃、特に50〜70℃が好ましい。また抽出倍率(茶葉に対する溶媒の量比)は13〜260、特に16〜70が好ましい。抽出時間は、5〜50分、さらに20〜40分が好ましい。抽出手段は、通常の茶葉からの抽出手段がすべて採用できる。
また、火入れした茎や茶葉から(B)成分を含有する茶抽出液は、上記製法に限定されるものではない。(B)成分を濃縮あるいは粉末化して容器詰飲料に配合することもでき、また、抽出時に揮散する香気成分を回収し抽出液に戻して使用して良い。
本発明における高濃度の非重合体カテキン類を有する容器詰飲料は、茶抽出物の濃縮物、特に緑茶抽出物の濃縮物を精製したものを配合して非重合体カテキン類濃度を調整して得ることができる。具体的には、緑茶抽出物の濃縮物、あるいは当該緑茶抽出物の濃縮物に緑茶抽出液、半発酵茶抽出液又は発酵茶抽出液を配合したものが挙げられる。ここでいう緑茶抽出物の濃縮物とは、緑茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出した溶液から水分を一部除去し、場合によっては精製して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。
また緑茶抽出物の製造に用いる茶葉は、原料の緑茶に火入れした茶葉を用いたものであってもよい。
非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出物の精製物としては市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などから選択でき、またこれらをさらに精製してもよい。精製の方法としては、例えば緑茶抽出物の濃縮物を水又は水とエタノールなどの有機溶媒の混合物に懸濁して生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法がある。あるいは茶葉から熱水もしくはエタノールなどの水溶性有機溶媒により抽出した抽出物を濃縮したものをさらに精製したもの等を用いてもよい。
本発明に用いる非重合体カテキン類は、緑茶抽出物をタンナーゼ処理により、ガレート体率を低下することができる。タンナーゼ処理は、緑茶抽出物の非重合体カテキン類に対してタンナーゼを0.5〜10質量%の範囲になるように添加することが好ましい。タンナーゼ処理の温度は、酵素活性が得られる15〜40℃が好ましく、さらに好ましくは20〜30℃である。タンナーゼ処理時のpHは、酵素活性が得られる4〜6が好ましく、さらに好ましくは4.5〜6であり、特に好ましくは5〜6である。
本発明の容器詰飲料における(A)非重合体カテキン類と(E)カフェインとの含有質量比(E)カフェイン/(A)非重合体カテキン類は0.0001〜0.16が好ましく、より好ましくは0.001〜0.15、さらに好ましくは0.01〜0.014、さらに好ましくは0.05〜0.13である。非重合体カテキン類に対するカフェインの比率が低すぎると、風味バランス上好ましくない。また非重合体カテキン類に対するカフェインの比率が高すぎると、飲料本来の外観を害し好ましくない。カフェインは、原料として用いる緑茶抽出物及び他の成分中に天然で存在するカフェインであっても、新たに加えられたカフェインであってもよい。
本発明の容器詰飲料では、保存安定性の観点でpHが5〜7の範囲である。さらに好ましくは、pHが5.5〜6.5であれば、さらに保存安定性が保持される。
本発明の容器詰飲料ではさらにミネラルとしてナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を使用することができる。本発明に用いられるナトリウムとしては、アスコルビン酸ナトリウム、ナトリウム塩化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等及びそれらの混合物のような容易に入手しうるナトリウム塩を配合することができる。又、ナトリウムは茶の成分由来のものも含まれる。ナトリウム濃度が高くなるほど、苦味が低減し、飲料の変色する度合いが高くなる。安定性の観点から、本発明の容器詰飲料中のナトリウム含有量は、0.001〜0.5質量%が好ましく、より好ましくは0.002〜0.4質量%、さらに好ましくは0.003〜0.2質量%である。
本発明に用いられるカリウムとしては、茶抽出液に含有するカリウム以外の化合物を添加してその濃度を高めることができる。例えば、カリウム塩化物、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩を配合してもよいし、加えられた果汁又は香料由来のものも含まれる。カリウム濃度は、ナトリウム濃度に比べて、長期間高温保存時での色調への影響が大きい。このように安定性の観点から、本発明の容器詰飲料中のカリウム含有量は、0.001〜0.2質量%が好ましく、より好ましくは0.002〜0.15質量%、さらに好ましくは0.003〜0.12質量%である。
ここで、ナトリウム及びカリウムの合計濃度は、0.001〜0.5質量%が好ましく、この合計濃度がこの0.001質量%未満であると、飲む場面によっては味的に物足りなく感じる傾向があり、好ましくない。一方、0.5質量%を超えると、塩類自体の味が強く、長期間の飲用に好ましくない傾向がある。
本発明の容器詰飲料ではさらにナトリウム、カリウム以外のミネラルを使用することができる。例えばカルシウムは、正常な骨格系、健康な骨と歯の成長に必要であり、細胞や神経系の情報伝達に重要な働きをする。カルシウムの金属塩は、クエン酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、焼成カルシウム(うに殻焼成カルシウム、貝殻焼成カルシウム、骨焼成カルシウム)等及びそれらの混合物のような容易に入手しうる塩を配合する。本発明の容器詰飲料で使用するカルシウム総量としては、1日所要量(米国RDI基準:US2005/0003068記載:U.S.Reference Daily Intake)の少なくとも10質量%以上である0.0012〜0.12質量%であることが好ましい。
マグネシウムの金属塩は、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム等及びそれらの混合物のような容易に入手しうる塩を配合する。本発明の容器詰飲料で使用するマグネシウム総量としては、1日所要量(米国RDI基準)の少なくとも10質量%以上である0.00012〜0.006質量%であることが好ましい。
亜鉛の金属塩は、亜鉛塩類、グルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛等及びそれらの混合物のような容易に入手しうる塩を配合する。本発明で使用する亜鉛総量としては、1日所要量(米国RDI基準)の少なくとも10質量%以上である0.000048〜0.0024質量%であることが好ましい。
鉄の金属塩は、塩化第二鉄、クエン酸鉄、ピロリン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄液、硫酸第一鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄等及びそれらの混合物のような容易に入手しうる塩を配合する。本発明の容器詰飲料で使用する鉄総量としては、1日所要量(米国RDI基準)の少なくとも10質量%以上である0.00004〜0.002質量%であることが好ましい。
本発明の容器詰飲料には、ビタミンをさらに含有させることができる。好ましくは、ビタミンA、ビタミンB及びビタミンEが加えられる。またビタミンDのような他のビタミンを加えてもよい。ビタミンBとしてはイノシトール、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、リボフラビン、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、ナイアシン、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、ピリドキシ塩酸塩、シアノコバラミンから選ばれるビタミンB群があげられ、葉酸、ビオチンミネラルも本発明の飲料に用いることができる。これらのビタミンBは1日所要量(米国RDI基準)の少なくとも10質量%以上であることが好ましい。
このように本発明の容器詰飲料には、茶由来の成分にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
本発明の容器詰飲料は、非炭酸飲料とすることができるが、炭酸飲料とすることもできる。すなわち、炭酸ガスにより適度な起泡性を有することにより、非重合体カテキン類の苦味を抑制させることができ、さらにソフト感及び清涼感を継続して付与することもできる。茶系飲料としては、緑茶飲料等の不発酵茶飲料、烏龍茶飲料等の半発酵茶飲料、紅茶飲料等の発酵茶飲料が挙げられる。また、本発明の容器詰飲料は、機能性飲料とすることもでき、例えばエンハンスドウォーター、スポーツドリンク、ニアウォーター等の非茶系飲料とすることもできる。
本発明の容器詰飲料としては、茶系飲料のほかに豆乳飲料、ミルクコーヒー、ミルクココアなどの乳化飲料とすることもできる。
乳化飲料や豆乳飲料を製造する際に、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸モノ及びジグリセリド、モノ及びジグリセリドの酢酸エステル、モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、エステルガム、酵素分解レシチン、植物レシチン胆汁末分別レシチン、卵黄レシチンが使用できる。
さらに、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、カゼインNa、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガティーガム、カードラン、カラギーナン、加工ユーケマ藻類、精製カラギナンユーケマ藻末、ポリソルベート80添加カラギーナン塩、カラヤガム、カロブビーンガム(ローカストビ−ンガム)、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、トラガンドガム、微小繊維状セルロース(微結晶セルロース)、ファーセレラン、ペクチン、寒天、シクロデキストリン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリデキストロース等の増粘安定剤が使用できる。
本発明の容器詰飲料に使用できる容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
また本発明の容器詰飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。さらに、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことも可能である。
(非重合体カテキン類の測定)
フィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った(通常カテキン類の濃度は、質量/体積%(%[w/v])で表すが、実施例中の含有量は液量を掛けて質量で示した)。
(ピラジン類、アルコール類の測定)
分析サンプル調整
サンプル5mLをバイアル瓶に充填
バイアル瓶;10mL Screw Cap Vial(SUPELCO社製)
分析方法
SPMEファイバーを浸漬して抽出を行った後、GC/MSにて分析
SPME;Solid Phase Microextraction
使用ファイバー;CarboxenTM/Polidimethylsiloxane 85μm(SUPELCO社製)
浸漬条件;温度・・・30℃/時間・・・35分
GC条件
機種;Agilent社製 HP6890 Series GC System
使用カラム;DB-1(J&W社製)長さ60m×内径0.32mm 膜厚1μm
昇温条件;40℃(4min hold)−6℃/min−60℃−3℃/min−280℃(20min)
MS条件
機種;Agilent社製 5973 Mass Selective Detector
電圧;70eV
(苦味、風味の評価法)
製造した容器詰飲料の苦味の評価は、次の方法で行った。
3名の専門パネラーが、下記評価基準で官能評価した。
(評価基準)
苦味:評価点
6;強い(硫酸キニーネ 0.00388g/100mL相当)
5;やや強い(硫酸キニーネ 0.00241g/100mL相当)
4;ちょうど良い(硫酸キニーネ 0.00157g/100mL相当)
3;やや弱い(硫酸キニーネ 0.00094g/100mL相当)
2;弱い(硫酸キニーネ 0.00050g/100mL相当)
全体評価
○;使用上問題がない
×;使用上問題がある
火入れ加工茶抽出物の製造法
<茎からの火入れ加工茶抽出物の製造法>
火入れ加工した茎茶33.3gを65℃のイオン交換水1000gに浸漬した。全浸漬時間は5分とした。まず30秒間の攪拌を行い、次に90秒静置し、次に10秒間攪拌し、その後、浸漬開始から5分間を経過するまで静置した。その後濾過により茎と抽出液を固液分離し、茎抽出液(茎抽出液中の可溶性固形物量0.23質量%)を得た。
以下に各実施例、比較例で用いた茶葉の火入れ条件を記載する。
茎使用:実施例1、2、比較例1、2;火入れ温度220℃、時間150秒
<緑茶抽出物の精製物の製造法>
カテキン含量が30%の緑茶抽出物にタンナーゼ処理(タンナーゼ濃度0.8%;反応温度20℃、反応液のBRIX20)を行い、スプレードライ法により噴霧乾燥させる。得られたパウダーをエタノールと水の混合溶媒(水:エタノール=40:60)でカテキンを抽出した後に混合液に対して8質量部の活性炭を添加して精製を行って得られたカテキン製剤の水分量を調整したもの。ガレート体率は45質量%。
緑茶抽出物の精製物のカテキン濃度;15%
実施例及び比較例
緑茶抽出物の精製物を水で非重合体カテキン量180mg/100mLに調整し、これに火入れ加工茶抽出物を添加し、容器詰飲料を調製した。なお、pHは炭酸水素ナトリウムを用いて、6.4に調整した。
得られた飲料の苦味評価を実施した結果を表1に示す。
表1からわかるように硫酸キニーネを標準とした苦味の定量の結果、緑茶抽出物の精製物のみを配合した飲料に対して、ピラジン類を含有する火入れ加工茶抽出物を一定量配合し、飲料中のピラジン類/アルコール類比率を調節することにより、カテキン類由来の苦味強度が緩和されることがわかった。

Claims (3)

  1. (A)非重合体カテキン類 0.05〜0.6質量%、
    (B)ピラジン類、及び
    (C)アルコール類
    を含有し、非重合体カテキン類中のガレート体率が5〜95質量%であり、かつ
    150〜230℃で火入れ加工を施した火入れ加工茶抽出物を可溶性固形分量として0.07〜0.50質量%含有させることにより、飲料中の(B)/(C)(ガスクロマトグラフのエリア比)0.10〜0.55とした容器詰飲料。
  2. 茶抽出物の濃縮物を配合したものである請求項1記載の容器詰飲料。
  3. pHが5〜7である請求項1又は2記載の容器詰飲料。
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