JP4503753B2 - X線コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一被検体に関して複数スライスの画像を連続して収集し、これらを時系列的に表示するX線コンピュータ断層撮影装置に関する。また、複数列によって構成された検出器を有し、スキャンに要する時間よりも短い時間で複数枚の画像を検出器データに基づいて再構成するとともに、これらをリアルタイムで表示するX線コンピュータ断層撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1スキャンに要する時間よりも短い時間で複数枚(必ずしも検出器列の数とは対応しない)の断層画像を一度に再構成し、これらの画像をほぼリアルタイムで表示(CT透視)することが可能なCTとしてマルチスライスCTが知られている。
【0003】
いわゆる従来のシングルスライスCTでは、1枚の断層像しか透視を行えなかったが、マルチスライスCTでは同時に複数枚(複数スライス)のCT透視が可能である。CT透視においては、あたかもリアルタイムで断層像が表示される。
【0004】
マルチスライスCT透視は、このように同時に複数枚の断層像を観察できることから種々の診断、例えば生検等において生検針のはみ出し検知に有用である。
【0005】
一例として、3列の検出器列から成るマルチスライス検出器を有する従来のマルチスライスCTにおいて、X線管から放射されたX線(放射線)は、プリコリメータによって3スライス分に相当する厚さにコリメートされる。コリメータされたX線は被検体を透過した後、マルチスライス検出器に入射する。そして、各々の検出器列に対応した画像がディスプレイに別々に表示される。
【0006】
そして、穿刺等を行う場合は、穿刺の操作者は架台(ガントリ)の近くに立ち、架台の近くにあるディスプレイを見ながら作業を行うことになる。
【0007】
上述したようなマルチスライスCT透視を行なえるように構成された従来のX線コンピュータ断層撮影装置には、次のような問題点があった。
【0008】
(1)画像の表示順序の問題
図50に示すように、検出器列1、2、3に対応して再構成された画像を左から順に画像1、2、3と並べて表示した場合を考える。図51に示すように位置Aに観察者が立っている場合には、観察者から見て、スライス方向の断層像の実際の順番と、ディスプレイに表示されている順番とが一致しているので穿刺は問題なく行える。
【0009】
しかしながら、図52に示す位置Bに観察者がいる場合には、観察者から見た場合の断層像の実際の順番と、ディスプレイに表示されている順番とが反対になってしまう。これにより観察者は画像の順番を頭の中で並べ替えなければならず、穿刺が非常にやりにくいという問題が発生する。
【0010】
また、穿刺のみならず、一般に透視像を観察しているときでも、ややもすれば画像の順番を被検体の位置に対して勘違いしてしまう可能性もある。ここではディスプレイを被検体の近くに配置される場合を例に挙げたが、コンソールに載置されたディスプレイ等についても同様の問題が発生する。
【0011】
また、図52に示す位置C及びDのように、観察者が架台側に立った場合でも同様のことが起こる。
【0012】
(2)画像の表裏問題
さらに、図52において観察者の位置Aと位置Cとを比べてみる。位置Aで観察した場合における被検体の断面は、被検体を寝台側より見ている感覚(被検体のつま先から頭頂を見た方向)となる。このとき、画像としては足側(寝台側)から見ている画像が表示されなければならない。
【0013】
一方、位置Cで観察した場合における被検体の断面は、頭側より見ている感覚となる。このとき、画像としては頭側(架台側)から見ている画像が表示されなければならない。このことは観察者の位置Bと位置Dについても同様である。
【0014】
例えば穿刺を行う場合を考えると、ディスプレイに表示されている画像が寝台側から見た画像であるのか、それとも頭側(架台)から見た画像であるのかを考えながら観察者は穿刺作業を行わなければならない。穿刺するべき方向に対して勘違いをしたり、またその結果として穿刺作業が非効率となり、時間がかかったりする問題を生じるおそれがある。穿刺のみならず、一般に透視像を観察しているときでも、ややもすれば誤診を招く可能性もある。
【0015】
また、マルチスライスCT透視において、再構成された画像を単に並列に表示するのみでは、観察者に対し多数枚の画像を同時に観察することを強いることになるので、観察者は現在どのような状況下にあるのかを迅速且つ適切に把握することが困難となる。特に透視画像の枚数が多くなるとこの問題はより顕著となる。
【0016】
例えば穿刺においては、3枚の画像を並べて表示させ、中央の画像に沿って穿刺針を挿入し、その両端の画像を穿刺針のはみ出し検知に用いる場合が多い。
【0017】
しかしながら、同時に3枚の画像を詳細に観察することは熟練者であってもかなりの負担がかかることであり、穿刺針の挿入経路がずれるといった状況の認識が遅れてしまう可能性がある。これを防止するために穿刺作業をゆっくりと時間をかけて行えば、作業に時間がかかるばかりでなく、被検体への被爆量の増加を招いてしまう。
【0018】
したがって、従来より、マルチスライスCT透視下において穿刺等の作業を適切且つ迅速に行えるような新たな仕組みが望まれている。
【0019】
また、次のような問題点もある。
マルチスライスCT透視において、再構成された画像を単に並列に表示させた場合、個々の画像は必然的に縮小して表示させることになり、このため詳細に観察しにくくなるという問題点がある。例えば同時に3枚の画像を並べて表示する場合、その1枚のみを表示させる場合と比較して画像のサイズは3分の1となってしまう。
【0020】
穿刺等の作業を行う場合、ターゲット部位の近傍では特に詳細な観察が必要であるとされている。穿刺針先端位置の認識を術者が誤ると、例えばバイオプシではターゲット部位ではない組織を切り取ってしまうといったことが起こる可能性がある。
【0021】
さらに、図53に示すような3列の検出素子列から成るマルチスライス検出器を有する従来のマルチスライスCTにおいては、シングルスライスCTによるCT透視に比べて、スライス方向にビーム幅を拡大しただけ被検体の被爆量が大きくなるという問題点もある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した事情に対処すべくなされたものであり、その目的は、観察者の観察位置等に応じて表示順序又は表裏を適正化して複数スライスの画像を表示するX線コンピュータ断層撮影装置を提供することである。
また本発明の他の目的はマルチスライスCT透視下において穿刺等の作業を適切且つ迅速に行えるようにしたX線コンピュータ断層撮影装置を提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、マルチスライスCT透視する場合における被検体への被爆量低減を図ったX線コンピュータ断層撮影装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために本発明は次のように構成されている。
【0024】
(1)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、X線発生ユニットから曝射され被検体を透過した透過X線を検出する検出ユニットと、前記検出ユニットにより得られる検出データに基づいて前記被検体の異なる断面に係る複数枚の断層画像を再構成する再構成ユニットと、前記再構成ユニットにより再構成された断層画像を並べて表示する表示ユニットと、前記被検体に対する観察者の立ち位置に応じて、前記表示ユニットにおける複数枚の断層画像の並べ方を変更する前記表示ユニットを制御する表示制御ユニットと、を具備する。
【0025】
)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()に記載の装置であって、且つ前記表示制御ユニットは、前記表示ユニットが表示する複数枚の断層画像の表示位置を変更することを特徴とする。
)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()に記載の装置であって、且つ前記表示制御ユニットは、前記表示ユニットが複数枚の断層画像を横並びに表示する場合、その並びの左右を逆転させることを特徴とする。
)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記(1)に記載の装置であって、且つ前記複数枚の断層画像のうち、少なくとも1枚の断層画像は、少なくとも複数列の検出素子列からのデータが束ねられたものに基づくことを特徴とする。
)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()乃至()のいずれかに記載の装置であって、且つ前記表示制御ユニットは、前記観察者の位置に応じて、前記再構成ユニットが再構成した断層画像の表裏を変換する変換ユニットを含むことを特徴とする。
)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()乃至()のいずれかに記載の装置であって、且つ前記表示制御ユニットは、前記観察者から見た前記被検体のスライス面の並びと同様に、前記再構成ユニットが再構成した複数枚の断層画像の並びを変更することを特徴とする。
)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()乃至()のいずれかに記載の装置であって、且つ前記観察者の位置を指定する指定ユニットをさらに具備し、前記表示制御ユニットは、前記指定ユニットにより指定された観察者の位置に応じて、前記表示ユニットに表示される複数枚の断層画像の並べ方を変更することを特徴とする。
)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()乃至()のいずれかに記載の装置であって、且つ前記観察者の位置を検出する位置検出ユニットをさらに具備し、前記表示制御ユニットは、前記位置検出ユニットにより検出された観察者の位置に応じて、前記表示ユニットに表示される複数枚の断層画像の並べ方を変更することを特徴とする。
)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()に記載の装置であって、且つ前記指定ユニットは、少なくとも前記被検体及び前記X線発生ユニットに対する観察者の位置を指定するものであることを特徴とする。
10)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()に記載の装置であって、且つ前記位置検出ユニットは、少なくとも、前記X線発生ユニットを搭載するガントリに対する前記表示ユニットの位置及び前記表示ユニットの表示画面の向きを検出することを特徴とする。
11)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記()乃至(10)のいずれかに記載の装置であって、且つ前記表示制御ユニットは、前記表示ユニットに表示される複数の断層画像のうちの特定の断層画像の表示サイズを他の断層画像とは異なる表示サイズに変更することを特徴とする。
【0029】
12)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の装置であって、且つ前記再構成ユニットは、1スキャンに要する時間よりも短い時間で少なくとも1枚の断層画像を再構成することを特徴とする。
13)本発明のX線コンピュータ断層撮影装置は、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の装置であって、且つ前記検出ユニットにより得られる検出データ及び前記再構成ユニットにより得られる画像データのうちの少なくとも一方を記憶する記憶ユニットを備え、前記表示制御ユニットはデータ収集の後に前記記憶ユニットに記憶されている検出データ及び画像データの少なくとも一方を読み出して前記断層画像の表示形態を変化させることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0031】
図1は本発明のX線コンピュータ断層撮影装置の一実施形態に係るマルチスライスCT透視システムの外観を示す図、図2はこのシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0032】
図1及び図2に示すように、マルチスライスCT透視システムは、ガントリ1、寝台2、制御キャビネット3、入力器6、電源4、ディスプレイ5,7、および各種コントローラ31〜33を備え、例えばR−R方式で駆動されるようになっている。コントローラとしては、高電圧コントローラ31、架台コントローラ33,および寝台コントローラ32が備えられる。
【0033】
ここで、図1に示す如く、寝台2の長手方向をスライス方向(または回転軸方向)Zとして、これに直交する2方向をチャンネル方向XおよびX線ビーム曝射方向Yとしてそれぞれ定義する。
【0034】
寝台2の上面には、その長手方向(スライス方向Z)にスライド可能に支持された状態で天板2aが配設されており、その天板2aの上面に被検体Pが載置される。天板2aは、サーボモータに代表される寝台駆動装置2bの駆動によってガントリ1の診断用開口部に進退可能に挿入される。この寝台駆動装置2bには、コントローラ32からの駆動信号が供給される。寝台2はまた、天板2aの寝台長手方向の位置を電気信号で検出するエンコーダなどの位置検出器(図示せず)を備えており、この検出信号を寝台制御用の信号としてコントローラ32に送るようになっている。
【0035】
ガントリ1は、その内部に略円筒状の回転フレームを有する。回転フレームの内側には上述の診断用開口部が位置する。回転フレームには、図2に示すように上記診断用開口部に挿入された被検体を挟んで互いに対向するようにX線管10及びマルチスライス検出器11が設けられる。さらに、回転フレームの所定位置には、高電圧発生器21、プリコリメータ22、プリコリメータコントローラ221、データ収集装置(DAS)24、および架台駆動装置25が備えられる。
【0036】
プリコリメータ22は、スライス方向の可変開口を有し、X線管10から発生されたX線のスライス方向のビーム幅を規定するものであり、この可変開口幅はプリコリメータコントローラ221によって制御されるものとなっている。
【0037】
X線源として機能するX線管10は、例えば回転陽極X線管の構造を成し、高電圧発生器21からフィラメントに電流を流すことによりフィラメントが加熱され、熱電子がターゲットに向かって放出される。この熱電子はターゲット面に衝突して実効焦点が形成され、ターゲット面の実効焦点の部位からX線ビーム(ファンビーム)が曝射される。
【0038】
高電圧発生器21には、低圧スリップリング26を介して電源装置4から低電圧電源が供給されるとともに、光信号伝送システム27を介して高電圧コントローラ31からX線曝射の制御信号が与えられる。このため、高電圧発生器21は、供給される低圧電源から高電圧を生成するとともに、この高電圧から制御信号に応じたパルス状の管電圧を生成し、これをX線管10に供給する。
【0039】
また、マルチスライス検出器11は、図3に示すように、複数の検出チャンネルを有する検出器列111をスライス方向に複数列配(本実施形態では6列)した2次元検出器から成る。
【0040】
X線管10とX線検出器11は回転フレームの回転によってガントリ1内で、診断用開口部における軸方向の回転中心軸の囲りに回転可能になっている。マルチスライス検出器11の各検出素子は、入射する透過X線をこれに相当する電流信号に変換するシンチレータおよびフォトダイオードの個体検出器構造を有する。この検出器11が検出した微弱電流信号はDAS24に送られる。
【0041】
DAS24は、検出器11から送られてくる透過X線の検出信号としての微弱電流信号を増幅してA/D変換し、これを収集データとしてデータ伝送部28に送る。これを行うため、DAS24は、検出器11が2次元検出器であることを考慮して、図示しないが、「nチャンネル×f素子列」の検出信号(n,fは「1」より大きい正の整数)から列選択信号に応じてチャンネルごとに1列分の検出信号を選択し、これを束ね合わせるデータ選択部と、このデータ選択部により各々選択された検出信号を増幅したりA/D変換するデータ収集部とを備える。列選択信号は例えば後述するメインコントローラから与えられる。
【0042】
データ伝送部28はガントリ1内の回転側と固定側の信号経路を接続するものであり、ここでは一例として、非接触で信号伝送する光伝送システムが使用される。
【0043】
補正ユニット34は、メインコントローラ30からの処理指令に応じて、DAS24から送られてくるデジタル量の収集データに各種の補正処理を施す。この補正処理された収集データはメインコントローラ30の書き込み指令によって、データ保存ユニット35に一旦格納・保存される。この保存データは、メインコントローラ30の所望タイミングでの読み出し指令に応じてデータ保存ユニット35から読み出され、再構成ユニット36に転送される。再構成ユニット36はメインコントローラ30の管理下において、再構成用の収集データが転送されたきた段階で、例えばコンボルーションバックプロジェクション法に基づきスライス毎の再構成処理を行い、断層像を生成する。
【0044】
断層像データは、メインコントローラ30の制御により、必要に応じてデータ保存ユニット35に保存される一方、表示プロセッサ37にも送出される。表示プロセッサ37は、この断層像データにカラー化処理、アノテーションデータやスキャン情報の重畳処理などの必要な処理を行い、ディスプレイ5に供給する。ディスプレイ5においては、画像データがD/A変換され、断層像として表示される。入力器6は、スキャン条件(検出器の検出器列の数及びその位置、スキャン部位及び位置、スライス厚、X線管電圧及び電流、被検体に対するスキャン方向などを含む)、画像表示条件などの種々の指定を操作者が行うための手段である。
【0045】
本実施形態のシステムは、マルチスライスCT透視を実施することが可能となっており、すなわち、上述した再構成ユニット36は1スキャンに要する時間よりも短い時間で関心画像及び非関心画像を含む少なくとも1又は複数枚(必ずしも検出器列の数とは対応しない)の画像(断層像)を再構成する。再構成された各々の画像は、ほぼリアルタイムでディスプレイ5に表示される。
【0046】
いわゆる穿刺等の生検を実施する場合には、穿刺の操作者(術者)はガントリ1の近くに立ってディスプレイ5の表示画像を観察しながら作業を行う。
【0047】
以下、本実施形態のマルチスライスCT透視システムの特徴点に係る第1及び第2の実施形態について説明する。
【0048】
(第1実施形態)
第1実施形態は、観察者の立ち位置に応じて画像の表示順序を手動により切り替えられるようにしたマルチスライスCT透視システムに関する。
【0049】
本実施形態のシステムでは、スライス位置に対応した画像の表示枚数、及び画像のスライス厚を任意に設定可能となっている。より具体的には、例えば中央4列(2番目乃至5番目)の検出器列からのデータを束ねて1枚目の画像を得るようにし、1番目の検出器列のデータから2枚目の画像を得るようにし、6番目の検出器列のデータから3枚目の画像を得るようにし、これにより合計で3枚の画像による透視モードを実施するものとなっている。
【0050】
[第1の入力器]
図4は、第1の入力器を示す図である。第1の入力器は、使用する検出器例と画像束ねを指定するための手段であって、入力器6内に設けられる。尚、入力器6は、ガントリ1、寝台2、又は図1に示したように制御キャビネット3上のいずれかの箇所に設けられる。
【0051】
図4において、40は検出器列の番号、架台側と寝台側、及び画像の番号を示すアイコン(絵図)であり、41は内部にLEDを備え、検出器列の番号と画像の番号とを対応付けるための複数のボタンを示している。
【0052】
操作者がいずれかのボタン41を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、各画像に対し必要な検出器列を割り当てることができる。
【0053】
複数の検出器列が一つの画像に対して選択された場合には、それらの検出器列からの収集データは束ねられて一つの画像となる(画像束ね)。
【0054】
この第1の入力器による指定の一例を図5に示す。
【0055】
点灯しているボタン(ハッチングによって示す)は、そのボタンが操作者により押下されたことを意味する。尚、ここではボタンによって上述した条件を指定する場合であるが、これがディスプレイとタッチパネルにより実現されてもいいし、マウスカーソルをディスプレイ画面において所定の場所に移動させてクリックすることでタッチパネルの代用としても良い。
【0056】
以上、第1の入力器によるボタンの押下情報を表す信号がメインコントローラ30に送られる。
【0057】
[第2の入力器]
図6は、第2の入力器を示す図である。この第2の入力器は、観察者の立ち位置を指定するための手段であって、上記第1の入力器と同様に入力器6内に設けられる。すなわち、入力器6は、ガントリ1、寝台2、又は図1に示したように制御キャビネット3上のいずれかの箇所に設けられる。
【0058】
同図において、60は架台、寝台、及び観察者の立ち位置(A,B,C,D)を表すアイコン(絵図)であり、61は、観察者の立ち位置に応じた画像の表示方法の切替を指定するためのスイッチである。スイッチ61は、アイコン60における観察者の立ち位置A,B,C,Dに対応し、その各々の内部にLEDを内蔵する複数のスイッチから構成される。
【0059】
操作者がスイッチ61のいずれかを押下することで、アイコン61に示された立ち位置A,B,C,Dのいずれかに対応する表示方法を指定することがきる。
【0060】
スイッチ61の押下情報はメインコントローラ30に送られる。メインコントローラ30は、この押下情報に基づいて画像の表示方法を切り替える。ここではスライス方向に沿った画像の表示順序を変えるように表示プロセッサ37を制御する。
【0061】
図7は、このような画像の表示順序の切替制御方法の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、第2の入力器(観察者の立ち位置の指定)からの信号を受けて、メインコントローラ30が行う判断過程等を示したものである。
【0062】
まずステップS1に示すようにスキャン条件を入力する。次にステップS2において、上述した第1の入力器によって、使用する検出器列と画像束ねに関する指定を行う。
【0063】
次に、ステップS3において、第2の入力器から位置A,B,C,Dを入力する。
【0064】
ステップS4においては入力位置の判定が行われる。すなわち、ステップS3において入力された位置が「A」である場合はステップS5に進み、そうでない場合はステップS8に進む。
【0065】
まずステップS5に進んだ場合は、補正ユニット34に対する収集データの束ね方の指示が行われる。次にステップS6において、再構成ユニット36に対する画像再構成の仕方の指示が行われる。ここでは、位置「A」の場合であるから寝台側から見た画像となるような画像方向で画像枚数分の再構成を行うように指示がなされる。次にステップS7において、表示プロセッサ37に対する表示方法の指示が行われる。すなわち、寝台側の画像を左端として画像枚数分だけ順番に表示するような指示がなされる。
【0066】
ここで、「寝台側から見た画像となるような画像方向」とは、被検体のつま先から頭頂を見た方向のことであって、逆に、「架台側から見た画像となるような画像方向(後述する)」とは被検体の頭頂からつま先を見た方向のことである。これらの場合のように画像方向が異なる場合、表示画面上における被写体の左右は逆転する(断層像の表裏)。
【0067】
一方、ステップS4からステップS8に進んだ場合は、さらに入力位置の判定が行われる。すなわち、ステップS3において入力された位置が「B」である場合はステップS9に進み、そうでない場合はステップS12に進む。
【0068】
まずステップS9に進んだ場合は、補正ユニット34に対する収集データの束ね方の指示が行われる。次にステップS10において、再構成ユニット36に対する画像再構成の仕方の指示が行われる。ここでは、位置「B」の場合であるから、寝台側から見た画像となるような画像方向で画像枚数分の再構成を行うように指示がなされる。次にステップS11において、表示プロセッサ37に対する表示方法の指示が行われる。すなわち、架台側の画像を左端として画像枚数分だけ順番に表示するような指示がなされる。
【0069】
一方、ステップS8からステップS12に進んだ場合は、さらに入力位置の判定が行われる。すなわち、ステップS3において入力された位置が「C」である場合はステップS13に進み、そうでない場合はステップS16に進む。
【0070】
まずステップS13に進んだ場合は、補正ユニット34に対する収集データの束ね方の指示が行われる。次にステップS14において、再構成ユニット36に対する画像再構成の仕方の指示が行われる。ここでは、位置「C」の場合であるから、架台側から見た画像となるような画像方向で画像枚数分の再構成を行うように指示がなされる。次にステップS15において、表示プロセッサ37に対する表示方法の指示が行われる。すなわち、寝台側の画像を左端として画像枚数分だけ順番に表示するような指示がなされる。
【0071】
一方、ステップS16に進んだ場合は、補正ユニット34に対する収集データの束ね方の指示が行われる。次にステップS17において、再構成ユニット36に対する画像再構成の仕方の指示が行われる。ここでは、位置「D」の場合であるから、架台側から見た画像となるような画像方向で画像枚数分の再構成を行うように指示がなされる。次にステップS18において、表示プロセッサ37に対する表示方法の指示が行われる。すなわち、架台側の画像を左端として画像枚数分だけ順番に表示するような指示がなされる。
【0072】
ここで、図8(a)及び8Bに示すような初期状態を考える。
図9(a)に示すように、プリコリメータ22は検出器6列分に相当する開口幅を設定し、マルチスライスCT透視が開始される。
この時、6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、図9(b)に示すように、中央の4列が束ねられて3画像分に相当する収集データを得る。メインコントローラ30からの指示に従って上記指定された画像方向でスキャンに要する時間より短い時間で3枚の画像が再構成され、表示プロセッサ37に送られる。
【0073】
[ディスプレイへの表示]
表示プロセッサ37ではメインコントローラ30からの表示順番の指示に従って、ディスプレイ5への表示を行う。この場合、図9(c)に示すように表示されることになる。
【0074】
つまり、第2の入力器により位置A(寝台C側)が指定入力された場合は、3枚の断層像が順番に配列されて表示され、一方、位置B(寝台C側)が指定入力された場合は、3枚の断層像がこれとは逆順に配列されて表示される。
【0075】
同様に、第2の入力器により位置C(架台G側)が指定入力された場合は、3枚の断層像が順番に配列されて表示され、一方、位置D(架台G側)が指定入力された場合は、3枚の断層像がこれとは逆順に配列されて表示される。
【0076】
このような第1実施形態によれば、観察者がA,B,C,Dのいかなる方向から見た場合であっても、被検体の断層像のある方向や位置と一致して、適切な順序で画像が表示されるので、穿刺作業を行う場合の術者の勘違いを防止できる。結果として穿刺作業が効率的となり、作業時間を短縮できる。これにより、穿刺のみならず一般に透視像を観察しているときでも誤診を防ぐことができる。
【0077】
なお、ここではディスプレイ5が被検体の近くに配置される場合を例に挙げて説明したが、制御キャビネット3上に載置されたディスプレイ等に対し本発明の表示順序制御を行った場合でも同様の効果が得られる。
【0078】
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態において説明したシステムに対し、観察者の立ち位置を自動検出する手段を付加したものである。
【0079】
[全体の構成]
図10は、本発明の第2実施形態に係るマルチスライスCT透視システムの概略構成を示すブロック図である。この構成では、観察者の立ち位置を検出するための、角度検出マイクロ・スイッチ(SW)及び位置検出マイクロ・スイッチ(SW)が追加されており、図6に示した第2の入力器が設けられていないという点を除いては、第1実施形態の構成と同様である。
【0080】
[観察者の立ち位置の検出]
図11は、本実施形態の特徴点に係る観察者の立ち位置を検出する機構を示す図である。
【0081】
ディスプレイ5はガイドレール111(このガイドレール111は中心軸上に設けられる)に懸架されており、回転軸方向に移動可能になっている。このディスプレイ5は、鉛直方向に伸縮する部材112を備えており、この部材112を伸縮させることにより適切な高さに設定することも可能となっている。
【0082】
また、観察者が見やすい表示方向を設定するために、ディスプレイ5は、伸縮部材112を中心軸として360°回転させることが可能となっている。
【0083】
ディスプレイ5には、位置検出マイクロSWが設けられている。このスイッチは、ディスプレイ5が架台の手前にあるか、それとも奥にあるかを検出する手段であり、ここでは、ディスプレイ5が上述したA又はBの位置にあるか、それともC又はDの位置にあるかを検出するための手段とする。
【0084】
ディスプレイ5と伸縮部材112との接続部には、角度検出マイクロSWが取り付けられている。このスイッチは、ディスプレイ5に固定されており、ディスプレイ5と一体で回転するものとなっている。この角度検出マイクロSWはディスプレイ5がどちらの方向を向いているかを検出するための手段であって、ここでは、ディスプレイ5が上述したA又はCの位置にあるか否かをその回転角度によって検出する手段とする。
【0085】
これら二つのマイクロSWによれば、観察者の位置A,B,C,Dを区別して自動検出できる。かかる自動検出の流れを図12のフローチャートに示す。
【0086】
まずステップS1において、位置検出マイクロSWと角度検出マイクロSWからの検出情報を読み込む。
【0087】
次にステップS2に進み、位置検出マイクロSWからの検出位置に基づき、ディスプレイ5が位置A又はBの側に位置するか否かを判定する。
【0088】
ここで、ディスプレイ5が位置A又はBの側に位置すると判定された場合はステップS6に進み、そうでない場合はステップS3に進む。
【0089】
まず、ステップS3において、角度検出マイクロSWからの検出角度に基づきディスプレイ5が位置A又はC側を向いているか否かを判定する。
【0090】
ここで、ディスプレイ5が位置A又はC側を向いている場合、観察者の位置は「C」であると検出し(ステップS5)、そうでない場合、観察者の位置は「D」であると検出する(ステップS4)。
【0091】
一方、ステップS2からステップS6に進んだ場合、ステップS6において、ステップS3と同様に角度検出マイクロSWからの検出角度に基づきディスプレイ5がA又はC側を向いているか否かを判定する。
【0092】
ここで、ディスプレイ5が位置A又はC側を向いている場合、観察者の位置は「A」であると検出し(ステップS8)、そうでない場合、観察者の位置は「B」であると検出する(ステップS7)。
以上のようにして観察者の立ち位置を自動検出できる。
【0093】
検出された観察者の立ち位置の情報に基づき、メインコントローラ30は、画像の表示方法を切り替える。この動作は、上述した第1実施形態と同様である。
【0094】
このような第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、断層像の表裏及び観察方向を勘案して適切な順序で透視画像を並べて表示できる。
【0095】
さらに、観察者の立ち位置を自動検出するので、第1実施形態において説明した入力器による観察者の立ち位置の入力が不要となる。
【0096】
ここで、第2実施形態の変形例について述べる。
【0097】
[観察者の立ち位置の別の検出に係る変形例]
第2実施形態では、観察者の立ち位置の検出のためにディスプレイ部に2つのマイクロSWを設ける構成としたが、同等の検出を行うための構成はこれらマイクロSWに限定されず、他の手段を用いても良い。
【0098】
例えば、観察者を直接的に検知するフォトセンサを用いたり、レーザー光を空間に照射してそれをフォトダイオード等で受光させる非接触センサを位置A,B,C,Dの近傍に取り付け、観察者によるレーザ光の遮断をフォトダイオードにより検出することで立ち位置を検出するようにしても良い。
【0099】
また、通常、人間は「動き」を伴うので位置A,B,C,Dの近くにモーションセンサを設けるようにしても良い。これにより、ディスプレイ設置の仕方に制約が無くなり、例えばローラーのついた台車の上にモニターを載せるといった構成を採用することが可能となり、ディスプレイの設置費用を安価にできるというメリットがある。
【0100】
次に、上述した第1及び第2実施形態の全般に係る種々の変形例を述べる。
【0101】
[画像の表示枚数]
画像の表示枚数及びそのスライス厚は任意である。例えば中央2列(検出器列3、4)を束ねて1画像とし、前後2列づつ(検出器列1と2と5と6)を加え、合計5枚の透視モードとした場合であっても本発明は実施可能である。この場合の実施形態を図13(a)乃至13(d)に示す。
【0102】
また、例えば前後3列づつ(検出器例1〜3、4〜6)を束ねて1画像づつとし、合計2枚の透視モードとした場合も同様である。この場合の実施形態を図14(a)乃至14(d)に示す。
【0103】
[関心画像の拡大]
上述した本発明の原理に従って画像の順序を制御するとともに、図9(d)や図13(d)に示すように、関心画像(中央の画像)を拡大して表示させても良い。
【0104】
また、画面の中央上付近に表示する関心画像は全画像より選択可能になっていてもよい。選択された以外の画像は寝台側又は架台側画像を左端とし順番に表示する。これにより、全画像が表示されつつも肝心の画像が拡大表示されるので、画像を観察しやすくなり、診断能や操作性を向上できる。
【0105】
[表示方法]
上述した実施形態では、全ての画像を一つのディスプレイに表示することとして説明したが、画像の表示方法はこれに限定されない。例えば複数の画像を1枚づつ別のディスプレイに表示するようにしてもよい。これにより個々の画像を大きく表示できるというメリットが得られる。
【0106】
あるいはプロジェクタータイプの大型のディスプレイを用いても良い。これにより画像を大きく表示させることができ、表示を見やすくできるというメリットがある。
【0107】
また、ヘッドマウントディスプレイに表示させてよい。どちらの方向を向いても常に視界の範囲に画像が表示されるので、穿刺作業等を行う場合にはいちいちディスプレイを見るために振り向く必要がなくなるため作業性が向上するというメリットがある。
【0108】
[シングルスライスCTへの適用]
シングルスライスCTへの適用例を図15に示す。この場合、位置AとBは寝台側から見た画像が一枚だけ表示され、位置CとDでは架台側から見た画像が一枚だけ表示されることになる。画像の表裏が正しく表示されることになるので、間違いや誤診を防止できる。
【0109】
[CTの種類]]
上述した実施形態では、第3世代CT(X線発生源と検出器が同期して被検体の周囲を回転する)として示したが、この限りではない。本発明は第4世代CT(検出器が円筒状に配列されており、X線発生源が回転する)にも適用可能であるし、第5世代CT(電子ビームをリング又は円筒状に配列した固定されたターゲットに当てX線を発生させ、固定された検出器でそれを受ける)に対しても適用可能である。
【0110】
[検出器の種類(50列、面検出器)]
上述した実施形態では、6列の検出器例を有するCTとしたが、検出器の列数はこれに限定されない。例えば50列のマルチスライス検出器を有する場合においても適用可能であるし、イメージインテンシファイアを代表とするような面検出器であっても構わない。
【0111】
[再構成条件]
一部の画像の再構成条件のみ優れた又は異なる再構成条件としてもいい。例えば、図9(d)又は図13(d)における関心画像のように、拡大表示される画像のみ再構成マトリックスを512×512とし、他の画像の再構成マトリクスを256×256とすることで画像間で再構成条件を変えるようにしても良い。また、画像の更新間隔を関心画像以外は遅くして、敢えて時間分解能を下げても良い。これにより、指定された以外の画像は再構成条件が緩和され、再構成ユニットの計算パワーを小さく抑えることができる。したがって、再構成装置のコストを抑えることができる。
【0112】
[再構成方法]
本発明は特定の画像再構成方法に依存しない。例えば、回転軸方向へのビームの角度(コーン角度)を考慮しない通常のフィルターバックプロジェクションを行う再構成方法を適用しても良いし、Feldkampらの提案したように、回転軸方向へのビームの角度を考慮して、収集したデータをその収集経路に応じてバックプロジェクションして再構成されるような再構成方法を適用しても良い。このFeldkamp再構成を行う場合には、上述した補正ユニットによって各列の収集データが束ねられるのではなく、再構成時に指定されたスライス厚の画像を再構成することになる。この再構成法によれば、検出器列がより多い場合における再構成画像の画質を向上させることができる。
【0113】
[束ねる場所]
上述した実施形態では、データを束ねるユニットは補正ユニットであるとして説明を行ったが、データを束ねるユニットは補正ユニットのみに限定されない。例えば、データ収集装置(DAS)が行ってもいいし、再構成装置が画像を再構成をする以前に行ってもいいし、再構成装置が個々の画像を再構成した後に画像束ねが行なわれても良い。これらの変形を行ったとしても、装置としては同様の効果が得られる。
【0114】
以上説明したように、本発明の第1及び第2実施形態によれば、マルチスライスCT透視において、観察者の観察位置に応じて表示順序又は表裏を適正化して各々のスライスの透視像を表示するX線コンピュータ断層撮影装置を提供できる。
【0115】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、関心/非関心画像の設定に応じたプリコリメータの開口制御及び検出器データの「束ね」に特徴を有する。その他の構成については上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様である。
【0116】
図16は、関心画像を指定するための指定手段の構成を示す図である。この指定手段は、ガントリ1、寝台2、あるいは制御キャビネット3のいずれかに設けられるが、本実施形態では入力器6がこれに相当する。
【0117】
上述したように、本実施形態のマルチスライス検出器11の検出素子列数は6列であり、これに応じ、各々の内部にLEDが設けられた6つのボタンからなる関心画像指定スイッチ61を備える。各々のボタンは検出素子列の各々に対応しており、このスイッチ61を介して操作者が関心画像に対応する検出素子列のボタンを押すと、そのボタン内のLEDが点灯する。これにより、関心画像を指定できる。すなわち、スライス方向に沿った関心画像の位置及びスライス厚を指定できる。
【0118】
また、1回押す毎に関心画像の位置をスライス方向に沿って全体的に横に1列分だけ移動するための関心画像移動スイッチ62を備える。
【0119】
これらのスイッチ61、62による指定結果はメインコントローラ30に送られる。
【0120】
メインコントローラ30は、スイッチ61、62による指定結果に基づいて、関心画像、非関心画像の位置及びスライス厚を算出する。プリコリメータコントローラ221は、その算出結果を用い、関心画像及び非関心画像が含まれるようにコリメータ22の開口幅を制御する。
【0121】
図17(a)は、X線管から被検体に向けて曝射されたX線がマルチスライス検出器に入射する様子を横から見た図である。同図において、Nは被検体Pに経皮的に挿入された針を示し、Sは検査対象である生体組織を示している。
【0122】
X線管10から発生したX線100は、プリコリメータ22によりそのスライス方向のビーム幅が制御された後、被検体Pを透過してマルチスライス検出器11に入射する。同図は、スイッチ61、62による指定結果に応じてプリコリメータ22によりX線100のスライス方向のビーム幅が制限され、その結果マルチスライス検出器11の第5及び第6の検出素子列にはX線が入射しない場合を示している。
【0123】
プリコリメータ22によるビーム幅の制御は、プリコリメータコントローラ221からの制御に依る。ここで、プリコリメータコントローラ221は、非関心画像のスライス厚が関心画像のスライス厚よりも薄くなるようにプリコリメータ22のスライス方向の開口幅を制御する。
【0124】
各々の検出素子列からの検出データは、DAS24等を介して補正ユニット34に送出されるものとなっているが、この補正ユニット34は、関心画像についてはマルチスライス検出器11の複数の検出素子列からのデータを第1の束数で束ね、非関心画像については当該検出器11の複数の検出素子列からのデータを第1の束数よりも小さい第2の束数で束ねる。
【0125】
図17の例の場合、関心画像についてはマルチスライス検出器11の2番目の検出素子列からのデータと3番目の検出素子列からのデータとを束ねるようにし、束ねたデータを再構成ユニット36に出力する。また、非関心画像については、同検出器11の1番目及び4番目の検出素子列からの各々のデータをそのまま再構成ユニット36に出力するようにし、データの束ねは行わない。
【0126】
束ねられたデータは、再構成ユニット36に送られる。再構成ユニット36は、束ねられたデータ基づいて関心画像(断層像)を、ほぼリアルタイムで再構成し、及び非関心画像(断層像)をリアルタイムで再構成する。再構成された画像は表示プロセッサ37を介してディスプレイ5に供給され、リアルタイム表示に供される。
【0127】
図17(b)は関心画像及び非関心画像の表示の仕方を示す図である。
【0128】
2番目と3番目の検出データを束ねて得たデータに基づいて再構成された関心画像は、ディスプレイ5の第2の表示領域に表示される。
【0129】
1番目の検出素子列からの検出データに基づいて再構成された非関心画像(関心画像両端のうちの一方)はディスプレイ5の第1の表示領域に表示される。
【0130】
4番目の検出素子列からの検出データに基づいて再構成された非関心画像(関心画像両端のうちの他方)はディスプレイ5の第3の表示領域に表示される。
【0131】
ところで、プリコリメータ開口及び束ねの設定に関して本実施形態のメインコントローラ30は次のように動作する。
【0132】
図18はプリコリメータ開口及び束ねの設定の動作を示すフローチャートである。
【0133】
まずステップS1において、関心画像として指定された検出素子列の最大値と最小値が変数MAX及びMINに代入される。ここでは、変数MAX及びMINは1〜6のいずれかの値を取る。
【0134】
次にステップS2において、MINの値が1であるか否かを判定する。
【0135】
ここで、MINの値が1でない場合はステップS3に進み、1である場合はステップS8に進む。
【0136】
ステップS3においてはMAXの値が6であるか否かを判定する。
【0137】
ステップS3においてMAXの値が6でない場合は、メインコントローラ30は次の動作をする。すなわち、プリコリメータ22の開口を(MIN−1)〜(MAX+1)列に相当する開口とするように架台コントローラ33に指示する(ステップS4)とともに、
1列目=MIN−1列のデータ
2列目=MIN〜MAX列を束ねたデータ
3列目=MAX+1列のデータ
を出力するように補正ユニット34に対して指示する。
【0138】
一方、ステップS3においてMAXが6である場合はステップS6に進み、プリコリメータ22の開口を(MIN−1)〜MAX列に相当する開口とするように架台コントローラ33に指示するとともに、
1列目=MIN−1列のデータ
2列目=MIN〜MAX列を束ねたデータ
を出力するように補正ユニット34に対して指示する。
【0139】
先のステップS2において、MINの値が1でありステップS8に進んだ場合は、MAXの値が6であるか否かを判定する。
【0140】
ここで、MAXの値が6である場合はステップS9に進み、プリコリメータ22の開口をMIN〜(MAX+1)列に相当する開口とするように架台コントローラ33に指示するとともに、
1列目=MIN〜MAX列を束ねたデータ
2列目=MAX+1列のデータ
を出力するように補正ユニット34に対して指示する。
【0141】
一方、ステップS8においてMAXが6である場合はステップS11に進み、プリコリメータ22の開口をMIN〜MAX列に相当する開口とするように架台コントローラ33に指示するとともに、
1列目=MIN〜MAX列を束ねたデータ
2列目=MIN+1列のデータ
を出力するように補正ユニット34に対して指示する。
【0142】
図19はプリコリメータコントローラがプリコリメータの開口幅を制御する機構を示す図である。
【0143】
プリコリメータコントローラ221は、プリコリメータ22の2枚のブレード22a、22bの回転軸方向の位置を独立して制御する。一方、プリコリメータ22は、2枚のブレード22a、22bの動作位置を示すパルスを出力する。
【0144】
ステッピングモータ(又はサーボモータ)73はそのパルスに応じ減速機を介してピニオンギア72を回転駆動する。ピニオンギア72の回転力はラックギア72に伝達され、これにより回転運動が直線運動に変換され、プリコリメータ22のそれぞれのブレード22a、22bの位置を制御できる。
【0145】
図19に示したプリコリメータの開口幅制御のための機構はあくまで一例であり、開口幅のみならずプリコリメータの位置を制御できれば、他のいかなる方法であっても構わない。
【0146】
次に以上のように構成された本実施形態においてマルチスライスCT透視を実施した場合の一連の動作を説明する。
【0147】
[初期条件における動作]
例えば図20に示すように、検出素子6列分に相当する開口幅がプリコリメータ22の初期条件として設定されていたとする。
【0148】
この設定の元でのマルチスライスCT透視は次のようなものとなる。すなわち、検出素子6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られ、中央の4列が束ねられて関心画像のデータとなり、1列と6列のデータがそれぞれディフォルトの非関心画像のデータとなる。これにより3画像分に相当するデータが得られるとともに、3枚の画像がスキャンに要する時間より短い時間で再構成され、これらの画像はリアルタイムでディスプレイ5に表示される。
【0149】
[動作例1(1/4/1→1/3/1)]
現在表示されている関心画像を更に薄いスライス厚で詳細に観察したい場合には、入力器6の関心画像指定スイッチ61を操作することで関心画像のスライス厚を変更できる。
【0150】
例えば、中央3列(検出素子列2,3,4)を関心画像として指定する。自動的に前後各1列づつ(検出素子列1と5)がデフォルトの非関心画像として加えられ、合計3枚の透視モードとなる。
【0151】
この場合のコリメータと束ねのための動作は次のようになる。
図21に示すようにプリコリメータ22は検出素子5列分(検出素子列1〜5列分)に相当する開口幅に設定され、6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、6列目のデータは破棄される。そして、1列、2と3と4列の束ね、及び5列のデータが3画像分に相当する収集データとなり、3枚の画像がスキャンに要する時間より短い時間で再構成され、これらの画像がリアルタイムでディスプレイ5に表示される。なお、検出素子3、4列の中央に相当する被検体Pの部分が、3列目の中央に位置するように、天板2aを移動させてもよい。
【0152】
[動作例2(1/3/1→1/2/1)]
関心画像のスライス厚をさらに薄くして観察したい場合には、再びスライス厚の変更を入力器6の関心画像指定スイッチ61によって行う。例えば中央2列(検出素子列3、4)を関心画像に指定し直す。自動的に前後各1列づつ(検出素子列2と5)がデフォルトの非関心画像として加えられ、合計3枚の透視モードとなる。この場合のコリメータと束ねのための動作は次のようになる。
【0153】
図22に示すようにプリコリメータ22は検出素子4列分(検出素子列2〜5列)に相当する開口幅に設定され、検出素子6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、両端の1、6列のデータは破棄される。2列、3列と4列の束ね、及び5列が3画像分に相当する収集データとなり、3枚の画像がスキャンに要する時間より短い時間で再構成され、これらの画像がほぼリアルタイムでディスプレイ5に表示される。
【0154】
[動作例3(1/2/1のまま関心画像移動1)]
関心画像を横の位置にずらして見たい場合には、関心画像移動スイッチ62を利用する。あるいは、再びスライス厚の変更を関心画像指定スイッチ61により行っても良い。例えば2列(検出素子列2、3)を関心画像として指定し直す。自動的に前後各1列づつ(検出器列1と4)がデフォルトの非関心画像として加えられ、合計3枚の透視モードとなる。
【0155】
図23に示すようにプリコリメータ22は検出素子4列分(検出素子列1〜4列分)に相当する開口幅に設定され、6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、両端の5、6列のデータは破棄される。1列、2と3列の束ね、及び4列が3画像分に相当する収集データとなり、3枚の画像がスキャンに要する時間より短い時間で再構成され、これらの画像がほぼリアルタイムでディスプレイ5に表示される。
【0156】
[動作例4(1/2/1のまま関心画像移動2)]
さらに、関心画像を横の位置にずらして見たい場合には、関心画像移動スイッチ62を操作するか、あるは関心画像指定スイッチ61によって再びスライス厚の変更を行う。例えば2列(検出素子列1、2)を関心画像に指定し直す。自動的に検出素子列3がデフォルトで非関心画像として加えられ、合計2枚の透視モードとなる。
【0157】
図24に示すように、プリコリメータ22は検出素子3列分(検出素子列1〜3列分)に相当する開口幅に設定され、6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、両端の4、5、6列のデータは破棄される。1列と2列の束ね、及び3列が2画像分に相当する収集データとなり、2枚の画像がスキャンに要する時間より短い時間で再構成され、これらの画像がほぼリアルタイムでディスプレイ5に表示される。
【0158】
ところで、図25に示すように、関心画像両端の非関心画像に対応する検出素子列に入射するX線ビームのスライス方向幅を、当該関心画像の中心方向に沿って所定量だけ狭めるようにプリコリメータ22の開口幅を制御するように構成しても良い。
【0159】
以上説明した本実施形態のマルチスライスCT透視システムは、非関心画像のスライス厚が関心画像のスライス厚よりも薄くなるようにコリメータ22の開口幅を制御し、非関心画像のための検出素子データの束数を関心画像よりも少なくするようにしたので、非関心画像のスライス厚が関心画像のスライス厚よりも薄くなった分だけ被検体への曝射量を低減できる。
【0160】
非関心画像についてはスライス厚が薄くなるので画質が幾分劣化するが、針のはみ出しは十分確認できる。このため所要の機能を劣化することなく被検体への被爆を低減できる。
【0161】
ここで、第3実施形態の種々の変形例を述べる。
(1)非関心画像のスライス厚
自動的に関心画像の両端1列の画像としたが、必ずしもこれに限定はされない。例えば全部で20列の検出素子列を有するマルチスライスCTの場合、デフォルトとして2列の検出素子データを束ねて1枚の非関心画像としてもよい。これにより画像ノイズを小さくすることができる。また、デフォルトの列数が被写体の大きさに応じて異なるように設定される構成としても良い。例えば、頭部の撮影条件では1列に、腹部の撮影条件では2列というようにする。
【0162】
(2)非関心画像の枚数
ここでは前後1枚ずつとしたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば全部で20列の検出素子列を有するマルチスライスCTの場合、関心スライスの前後各々について5枚の非関心画像を得るようにし、非関心画像5枚ずつのCT透視がなされてもよい。これにより、スライス方向に分解能を向上したCT透視を実現可能となる。
【0163】
(3)マニュアルによる表示画像の変更機能
上述した透視の画像枚数3枚というのは、あくまでデフォルトの設定であり、透視画像の枚数をマニュアルにより設定可能であるものとしてもよい。例えば、図26(b)のように、3画像透視を行っていたときに、図26(c)に示すように1枚に束ねたり、図26(d)に示すように2枚に束ねたりすることも可能とする。すなわち関心画像の前後に1枚づつという設定以外にも表示画像は任意に設定可能とする。これにより透視の自由度を向上でき、様々な診断ケースに対応することが可能となる。
(4)コリメータの代わりに天板の移動(1/2/1のまま移動)
入力器6の関心画像移動スイッチ62の操作に従い、コリメータ22及び補正ユニット34の処理内容を変化させることによる関心画像の移動(すなわち束ねの移動)について上述したが、この代わりに検出素子1列に相当する量だけ天板2をステップ移動させる。
【0164】
この場合、コリメータ22及び補正ユニット34の動作を変更させなくても、被検体Pから見て相対的に1列ずつ画像の各々の位置が移動することになり、同等の結果が得られる。これには、コーン角度を最小に抑えることができるというメリットがある。
【0165】
また、図27に示すように、入力器6に設けられるコリメータ及び補正ユニットでの束ねの移動用の関心画像移動スイッチ62に加え、天板移動用の関心画像移動スイッチ63を別途設けても良い。同図において、621は関心画像移動スイッチ62の作用を表すアイコン表示を示し、622は関心画像移動スイッチ63の作用を表すアイコン表示を示している。
【0166】
このように両者を区別して使用することにより、手術のように被検体Pを極力動かしてはならない状況と、通常の検査のように動かしてもよい場合とに応じて異なる動作モードによる検査を行うことが可能となるので、操作性をより向上できる。
【0167】
次に、第3実施形態をより拡大した場合の種々の変形例を述べる。
【0168】
(1)CTの種類
上述した実施形態では第3世代CT(X線発生源と検出器が同期して被検体の周囲を回転する)を例に挙げたて説明を行ったが、CTの種類は第3世代のもののみに限定されない。本発明は第4世代CT(検出器が円筒状に配列されており、X線発生源が回転する)にも適用可能であるし、第5世代CT(電子ビームをリング又は円弧状に配列した固定されたターゲットに当てX線を発生させ、固定された検出器でそれを受ける)に対しても適用可能である。
【0169】
(2)検出器の種類(50列、面検出器)
上述した実施形態では、6列の検出素子列を有するマルチスライス検出器を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば50列のマルチスライス検出器を有する場合においても適用可能であるし、イメージインテンシファイアに代表される面検出器であっても本発明は適用可能であり、上記と同様の効果が得られる。
【0170】
(3)関心画像の再構成条件
関心画像の方が非関心画像よりも優れた再構成条件とし、又は両者の再構成条件を異ならせても良い。例えば、再構成マトリックスを関心画像は512×512とし、非関心画像は256×256として良い。また、非関心画像については画像の更新間隔を関心画像よりも遅くすることで時間分解能をあえて低下させ、これにより再構成条件を緩和して再構成ユニットの動作負荷を軽減しても良い。この場合は再構成装置の価格(コスト)を抑えることができる。
【0171】
(4)再構成方法
本発明は特定の画像再構成手段に依存するものではない。例えば回転軸方向へのビームの角度(コーン角度)を考慮しない通常のフィルターバックプロジェクションを行うものでも良いし、Feldkampらによって提案された、回転軸方向へのビームの角度を考慮し、収集した各データを、その収集経路に応じてバックプロジェクションして再構成するような再構成を行うものでもよい。この場合には、上述したように補正ユニットにより各列のデータが束ねられるのではなく、再構成時に指定されたスライス厚の画像を再構成することになる。これにより、検出器素子列がより多い場合において画質を向上できる。
【0172】
(5)表示方法
上述した実施形態では、全ての画像を単一のディスプレイに表示することとして説明したが、これに限定されない。例えば、複数の画像を1枚づつ別々のディスプレイに表示するようにしてもよい。これにより各々の画像の表示領域を拡大できるメリットが得られる。
【0173】
例えば、プロジェクター型のディスプレイを用いても良く、この場合は画像をきわめて大きく表示させることができ、見易くなるというメリットがある。
【0174】
また、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いてもよい。この場合は、観察者がどちらの方向を向いても常に視界の範囲内に画像が表示されることになる。穿刺作業等を行う場合において、ディスプレイを見るためにその都度振り向く必要がなくなり、術者への負担が軽減され、作業性が向上するというメリットが得られる。
【0175】
(6)束ねる場所
上述した実施形態では、データを束ねるユニットを補正ユニット34としたが、これに限定されない。例えば、データ収集装置(DAS)24がデータ束ねに係る処理を行ってもいいし、これを再構成ユニット36が画像を再構成する以前に行ってもいいし、個々の画像を再構成した後に画像束ねが行われてもよい。いずれにしても上記と同様の効果が得られる。
【0176】
(7)画像の重ね合わせ表示
上述した実施形態では、複数枚の画像を並べて表示する場合について説明したが、画像の表示方法はこれに限定されない。スライス位置の異なる3枚の画像をそれぞれRGBに対応させて作成するとともに、これらを重畳して1枚の画像として表示してもよい。
【0177】
図28はこのようなRGB重畳表示の例を示す図である。
画像1はR(赤)に、画像2はG(緑)に、画像3はB(青)とし、それぞれを次式(1)に示すようようにCT値に対応させる。関心画像は緑色で表示される。
【0178】
画像1:CT値=MIN→MAX:RED=0→255
画像2:CT値=MIN→MAX:GREEN=0→255
画像3:CT値=MIN→MAX:BLUE=0→255 (式1)
ここで、MINとMAXは、表示されるCT値のウインドウ幅に対応しており、観察者が任意に設定可能である。これにより画像は次式(2)の通りとなる。
【0179】
RED=CT値(画像1)
GREEN=CT値(画像2)
BLUE=CT値(画像3) (式2)例えば画像1又は3に対応するスライス位置に針がはみ出した場合、針の色が赤又は青に変化して表示される。すなわち、画像上の針の色の変化に基づいて針のはみだしを検知できる。
【0180】
ここでは3枚を例として示したが、これに限定されるのものではない。画像枚数が2枚又は4枚以上に対しても適用可能である。これにより、観察するべき画像は1枚となり、かつその色により、挿入物(針)の位置が明確に表されるようになるので、挿入物の観察をより容易に行えるというメリットが得られる。
【0181】
以上説明したように、本発明の第3実施形態によれば、関心画像、及び当該関心画像近傍の非関心画像をマルチスライスCT透視する場合における被検体への被爆量低減を図ったX線コンピュータ断層撮影装置を提供できる。
【0182】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
第4実施形態は差分処理画像の表示を行うマルチスライスCT透視に関する。
【0183】
本実施形態のシステムでは、スライス位置に対応した画像の表示枚数、及び画像のスライス厚を任意に設定可能となっている。ここでは、例えば検出器列の1列目と2列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、同様に3列目と4列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、さらに5列目と6列目からのデータを束ねて1枚の画像を得ることで、合計3枚の画像の透視モードを実施する。
【0184】
[入力器]
図29は、本実施形態の入力器を示す図である。この入力器は、使用する検出器例と画像束ね、及び差分処理画像を指定するための手段であって、入力器6内に設けられる。尚、入力器6は、ガントリ1、寝台2、又は図1に示したように制御キャビネット3上のいずれかの箇所に設けられる。
【0185】
図29において、40は検出器列の番号、架台側と寝台側、及び画像の番号を示すアイコン(絵図)であり、41は内部にLEDを備え、検出器列の番号と画像の番号とを対応付けるための複数のボタンであり、42は41と同様に内部にLEDを備え、差分処理する画像をその画像番号によって指定するための複数のボタンである。
【0186】
操作者がいずれかのボタン41を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、各画像に対し必要な検出器列を割り当てることができる。
【0187】
複数の検出器列が一つの画像に対して選択された場合には、それらの検出器列からの収集データは束ねられて一つの画像となる(画像束ね)。
【0188】
また、操作者がいずれかのボタン42を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで差分処理する画像を指定できる。
【0189】
この入力器6による指定の一例を図30に示す。
点灯しているボタン(ハッチングによって示す)は、そのボタンが操作者により押下されたことを意味する。尚、ここではボタンによって上述した条件を指定する場合であるが、これがディスプレイとタッチパネルにより実現されてもいいし、マウスカーソルをディスプレイ画面において所定の場所に移動させてクリックすることでタッチパネルの代用としても良い。
【0190】
入力器6によるボタンの押下情報を表す信号はメインコントローラ30に送られる。メインコントローラ30はこの押下情報に基づいて次のように動作する。
【0191】
図31は、メインコントローラ30の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、入力器6からの指定を受けて、メインコントローラ30が行う判断過程等を示したものである。
【0192】
先ずステップS1において、術者は、使用する検出器列と画像束ね及び差分処理する画像を入力器6を用いて指定する。次にステップS2において、使用する検出器列に応じてプリコリメータ制御信号を架台コントローラ33に出力する。次に、ステップS3において、補正ユニット34に対し束ねる収集データを指示する。次に、ステップS4において、再構成ユニット36に対し画像枚数分の再構成を行うように指示する。そして、表示プロセッサ37に対し差分処理する画像を指示する。
【0193】
[プリコリメータ開口制御]
図32はプリコリメータの開口幅を制御する機構を示す図である。
【0194】
プリコリメータコントローラ221は、プリコリメータ22の2枚のブレード22a、22bの回転軸方向の位置を独立して制御する。一方、プリコリメータ22は、2枚のブレード22a、22bの動作位置を示すパルスを出力する。
【0195】
ステッピングモータ(又はサーボモータ)73はそのパルスに応じ減速機を介してピニオンギア72を回転駆動する。ピニオンギア72の回転力はラックギア72に伝達され、これにより回転運動が直線運動に変換され、プリコリメータ22のそれぞれのブレード22a、22bの位置を制御できる。
【0196】
図32に示したプリコリメータの開口幅制御のための機構は、あくまで一例であり、開口幅のみならずプリコリメータの位置を制御できれば他のいかなる方法であっても構わない。
【0197】
[束ねの動作]
次に、上記の設定に従い、図33(a)に示すように、プリコリメータ22は検出器6列分に相当する開口幅とし、マルチスライスCT透視が開始される。
【0198】
この時、6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、図33(b)に示すように、中央の4列が束ねられて3画像分に相当する収集データを得る。メインコントローラ30からの指示に従って上記指定された画像方向でスキャンに要する時間より短い時間で3枚の画像が再構成され、表示プロセッサ37に送られる。
【0199】
[束ねと再構成]
次に、上記の設定に従い、図33(a)に示すように、プリコリメータ22は検出器6列分に相当する開口幅とし、マルチスライスCT透視が開始される。
【0200】
この時、6列分の収集データはそのまま補正ユニット34に送られるが、図33(b)に示すように、検出器列の1列目と2列目、3列目と4列目、及び5列目と6列目の各々のデータが束ねられて3画像分に相当する収集データが得られる。そして、メインコントローラ30からの指示に従い、1回のスキャンに要する時間よりも短い時間で3枚の画像が再構成され、この再構成画像は表示プロセッサ37に送られる。
【0201】
[差分処理]
本実施形態における「差分処理」とは、再構成ユニット36が再構成した複数断面の画像のうちの少なくとも一枚の画像を特定画像と差分処理して差分画像を生成することである。この場合の「特定画像」とは、再構成ユニット36が画像収集の最初に再構成した同一断面位置の画像である。
【0202】
[ディスプレイへの表示]
表示プロセッサ37はメインコントローラ30からの指示に従って、再構成された3枚の画像をディスプレイ5に表示させる。図33(b)に示すディスプレイ5はこの場合の表示例を示す。
[穿刺における第1の表示例:中央画像に沿って穿刺]
図34は本実施形態のマルチスライスCT透視システムを利用して穿刺を行った場合における第1の表示例を示す図である。この表示例は、被検体に穿刺針を挿入し始めてからこの穿刺針がターゲットに到達するまでの一連の表示例を示しており、術者は画像2に表示されているターゲットに対し、画像2のスライス幅からはみ出さないように穿刺針を挿入する。
【0203】
図34(a)は穿刺針の挿入直前の状態を示しており、画像2の両脇の画像(画像1及び3)は未だ差分処理がなされていない。ここで、術者はターゲットと穿刺針が画像2に入っていることを確認する。
【0204】
図34(b)に示すように、画像2の両脇の画像を差分表示に切り替えてから穿刺作業を開始する。差分表示への切替は上述した入力器6を用いて行われる。
【0205】
図34(c)は、穿刺針の先端が画像3側にずれた状態を示している。ここで画像3(及び画像1)は差分表示に切り替えられている。
【0206】
再構成ユニット36により再構成された画像と画像収集の最初の一枚目との差分処理を行った場合、最初の一枚目には穿刺針は描出されていないため、生成される差分処理画像(すなわち画像3)は穿刺針のみを鮮明に表す画像となる。
【0207】
したがって、穿刺の術者は画像3を観察することで穿刺針の挿入方向の画像3方向へのずれを明確に把握し、適切な修正を行える。
【0208】
一方、図34(d)は穿刺針の先端が画像1側にずれた状態を示している。ここで画像1は画像3と同様に差分表示に切り替えられている。生成される差分処理画像(この場合、画像1)は画像3と同様に穿刺針のみを鮮明に表す画像となる。このため、穿刺の術者は画像1を観察することで穿刺針の挿入方向の画像1方向へのずれを明確に把握し、適切な修正を行える。
【0209】
以上のように、穿刺針の挿入方向が図34(c)又は(d)に示したようにずれた場合、穿刺の術者は差分画像に基づいて穿刺針の挿入方向のずれを明確に把握し、適切な修正を行える。したがって、図34(e)に示すように、穿刺針を腫瘍等のターゲットに確実に到達させることができるようになる。
【0210】
[穿刺における第2の表示例:斜めに穿刺]
図35は本実施形態のマルチスライスCT透視システムを利用して穿刺を行った場合における第2の表示例を示す図である。この表示例は、肋骨等を避けるため被検体に対し斜めに穿刺針を挿入する場合の表示例を示しており、術者は画像3に表示されているターゲットに対し、画像1及び画像2に表示される位置を経て穿刺針を挿入する。
【0211】
図35(a)は穿刺針の挿入直前の状態を示しており、術者は穿刺針の先端が画像1に入っていることを確認し、またターゲットが画像3に入っていることを確認する。
【0212】
穿刺針の先端が画像2に到達したことを明確に知るために画像2を差分表示に切り替えてから穿刺を開始する(図35(b))。なお、画像3はターゲットを表示させる必要があるため差分表示は行わない。
【0213】
図35(c)に示すように、術者は、差分表示されている画像2を観察することで穿刺針の先端が画像2の位置に到達したことを知る。
【0214】
次に、画像2を詳細に観察するために入力器6を操作して画像2の差分表示を解除する(図35(d))。なお、再び穿刺針が戻ってこないことを確認するため画像1は差分表示に切り替えておく。
【0215】
次に図35(e)に示すように、術者は、差分表示されている画像3を観察することで穿刺針の先端が画像3の位置に到達したことを知る。
【0216】
以上のように、肋骨等を避けるため穿刺針を被検体に対し斜めに挿入する場合、穿刺針の挿入経路に位置する画像を適宜差分表示に切り替えることで、穿刺針の先端を明確に把握しながら挿入を行うことができる。したがって、図35(f)に示すように、穿刺針を腫瘍等のターゲットに確実に到達させることができるようになる。
【0217】
以上説明したように、第4実施形態によれば、再構成画像の差分表示に基づいて穿刺における穿刺針のような挿入物の位置を明確に把握して作業を行えるようになる。これにより穿刺針等が被検体の臓器等に誤って刺さされるという危険を容易に回避することができるようになり、高精度の穿刺作業を迅速に行えるようになる。したがって、被検体に与える被爆を最小限に抑えることができる。
【0218】
ここで、第4実施形態の変形例を述べる。
【0219】
[差分対象の画像]
上述した実施形態は、画像収集の最初に再構成された同一断面位置の画像との差分を取るものであったが、直前あるいは所定時間前に再構成された画像との差分を取るようにしても良い。これにより、ぜん動や穿刺針の挿入による臓器の移動等による影響が差分画像に表れてしまうことを防止でき、差分画像が観察しやすくなる。
【0220】
[警告表示]
差分表示を指定した画像について、その差分値が所定の閾値を超えた場合は、図36に示すように、警告を表示(図36の例では「注意」という表示)させても良い。図36(a)は画像3に穿刺針が到達し、画像3の差分値が閾値を超えた結果、画像3の下部にメッセージが表示された場合を示し、図36(b)は画像1に穿刺針が到達し、画像1の差分値が閾値を超えた結果、画像1の下部にメッセージが表示された場合を示している。
【0221】
このように閾値を超過したことを観察者に対し積極的に知らせることにより、例えば穿刺針等の挿入物が隣の画像に入ってしまったこと等を、より確実に把握できるようになる。
【0222】
警告は、文字表示のみに限定されず、例えば、画像の背景色を変化させたり、画面の背景を点滅させたり、あるいは警告音を発するようにしても良い。
【0223】
さらに、差分表示を指定した画像毎で異なる警告を行わせても良い。例えば、画面の背景色を変化させる構成であれば、差分画像毎で異なる色を割り付ける。また、音による警告を行う構成であれば、差分画像毎で異なる音を割り付ける。
【0224】
このように、画像表示のみならず他の手段により穿刺針の挿入を明確に把握できるようになるので、穿刺針の挿入作業がより効率的に行えるようになる。
【0225】
(第5実施形態)
第5実施形態は閾値処理画像の表示を行うマルチスライスCT透視に関する。
【0226】
本実施形態のシステムでは、スライス位置に対応した画像の表示枚数、及び画像のスライス厚を任意に設定可能となっている。ここでは、例えば検出器列の1列目と2列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、同様に3列目と4列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、さらに5列目と6列目からのデータを束ねて1枚の画像を得ることで、合計3枚の画像の透視モードを実施する。
【0227】
[入力器]
図37は、本実施形態の入力器を示す図である。この入力器は、使用する検出器例と画像束ね、及び閾値処理画像を指定するための手段であって、入力器6内に設けられる。尚、入力器6は、ガントリ1、寝台2、又は図1に示したように制御キャビネット3上のいずれかの箇所に設けられる。
【0228】
図37において、40は検出器列の番号、架台側と寝台側、及び画像の番号を示すアイコン(絵図)であり、41は内部にLEDを備え、検出器列の番号と画像の番号とを対応付けるための複数のボタンであり、42は41と同様に内部にLEDを備え、閾値処理する画像をその画像番号によって指定するための複数のボタン及び閾値処理画像毎に閾値を設定するためのダイヤルである。
【0229】
操作者がいずれかのボタン41を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、各画像に対し必要な検出器列を割り当てることができる。
【0230】
複数の検出器列が一つの画像に対して選択された場合には、それらの検出器列からの収集データは束ねられて一つの画像となる(画像束ね)。
【0231】
また、操作者がいずれかのボタン42を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで差分処理する画像を指定できる。また、ダイヤルを操作することで閾値を数値指定することができる。
【0232】
この入力器6による指定の一例を図38に示す。
【0233】
点灯しているボタン(ハッチングによって示す)は、そのボタンが操作者により押下されたことを意味する。尚、ここではボタンによって上述した条件を指定する場合であるが、これがディスプレイとタッチパネルにより実現されてもいいし、マウスカーソルをディスプレイ画面において所定の場所に移動させてクリックすることでタッチパネルの代用としても良い。
【0234】
入力器6によるボタンの押下情報を表す信号はメインコントローラ30に送られる。メインコントローラ30はこの押下情報に基づいて次のように動作する。
【0235】
図39は、メインコントローラ30の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、入力器6からの指定を受けて、メインコントローラ30が行う判断過程等を示したものである。
【0236】
先ずステップS1において、術者は、使用する検出器列と画像束ね及び差分処理する画像を入力器6を用いて指定する。次に、ステップS2において、使用する検出器列に応じてプリコリメータ制御信号を架台コントローラ33に出力する。次に、ステップS3において、補正ユニット34に対し束ねる収集データを指示する。次に、ステップS4において、再構成ユニット36に対し画像枚数分の再構成を行うように指示する。そして、表示プロセッサ37に対し閾値処理する画像を指示する。
【0237】
[閾値処理]
本実施形態における「閾値処理」とは、再構成ユニット36が再構成した複数断面の画像のうちの少なくとも一枚の画像の画素の値を所定の閾値と比較し、この閾値を超えた画素のみからなる画像を生成することである。閾値は、被検体と被検体への挿入物(ここでは穿刺針)とを弁別可能とする特定の画素の値(例えばCT値)であり、例えば本実施形態ではCT値500を閾値として設定する。
【0238】
[ディスプレイへの表示]
表示プロセッサ37はメインコントローラ30からの指示に従って、再構成された3枚の画像をディスプレイ5に表示させる。この場合の表示例は第4実施形態の図34と同様であり、画像1及び画像3が閾値処置画像である。閾値処理画像においてはCT値が500以上の部分のみが表示される。このため、CT値が500以上である穿刺針のみが表示されることになる。
【0239】
このような第5実施形態によれば、CT値が高い穿刺針が閾値処理により抽出されて表示されることになる。つまり第4実施形態における差分処理と同様の画像が得られる。したがって、上述した第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0240】
ここで、第5実施形態の変形例を述べる。
【0241】
[警告表示]
第5実施形態においても、第4実施形態と同様に警告表示を行っても良い。
【0242】
[閾値超過の着色]
上述した第5実施形態では、画素値が閾値を超えた画素値からなる閾値処理画像を得るものとして説明したが、次のような画像を得るようにしても良い。
【0243】
すなわち、閾値を超えた画素を特定の色に着色し、この画素と閾値を超えなかった画素とからなる画像を得る。これにより、いわゆるハイライト表示を行う。
【0244】
図40は、このようなハイライト表示の一例を示す図である。この表示例は両脇の画像(画像1及び画像3)に閾値を設定したものである。画像1と画像3において、閾値を超える穿刺針は、例えば赤色で表示されることになる。
【0245】
この構成によれば、ターゲット周辺の画像自体も観察できる上、穿刺針がどちらにそれたかを明確に知ることができ、周囲(この場合は画像1と3)に触れてはならない部位等が存在するような場合であっても安全に穿刺針を挿入できるようになる。
【0246】
なお、画像1と画像3のみにこのような処理を施しても良い。これにより穿刺針等の挿入物が常にハイライト表示されることになるので、穿刺針の位置の把握がより容易になるというメリットが得られる。
【0247】
次に、上述した第1及び第5実施形態の全般に係る種々の変形例を述べる。
【0248】
[重ね合わせ表示]
上述した実施形態では、複数枚の画像を並べて表示する場合について説明したが、画像の表示方法はこれに限定されない。スライス位置の異なる3枚の画像をそれぞれRGBに対応させて作成するとともに、これらを重畳して1枚の画像として表示してもよい。
【0249】
図41はこのようなRGB重畳表示の例を示す図である。
【0250】
画像1はR(赤)に、画像2はG(緑)に、画像3はB(青)とし、それぞれを次式(1)に示すようようにCT値に対応させる。関心画像は緑色で表示される。
【0251】
画像1:CT値=MIN→MAX:RED=0→255
画像2:CT値=MIN→MAX:GREEN=0→255
画像3:CT値=MIN→MAX:BLUE=0→255 (式1)
ここで、MINとMAXは表示されるCT値のウインドウ幅に対応しており、観察者が任意に設定可能である。これにより画像は次式(2)の通りとなる。
【0252】
RED=CT値(画像1)
GREEN=CT値(画像2)
BLUE=CT値(画像3) (式2)
例えば画像1又は3に対応するスライス位置に針がはみ出した場合、穿刺針の色が赤又は青に変化して表示される。すなわち、画像上の色の変化に基づいて穿刺針のはみだしを検知できる。
【0253】
ここでは3枚を例として示したが、これに限定されるのものではない。画像枚数が2枚又は4枚以上に対しても適用可能である。これにより、観察するべき画像は1枚となり、かつその色により、挿入物(穿刺針)の位置が明確に表されるようになるので、挿入物の観察をより容易に行えるというメリットが得られる。
【0254】
(第6実施形態)
第6実施形態は、合計3枚のマルチスライスCT透視における関心画像の拡大表示に関する。すなわち、本実施形態のマルチスライスCT透視システムは、再構成ユニットによって再構成された複数断面の画像のうち、少なくとも一枚の画像を他の画像よりも拡大して表示する。ここで、本実施形態のシステムは、断面位置がほぼ中央の画像を拡大表示するが、被検体に挿入された挿入物の位置を検出し、その検出位置に対応する画像を拡大表示する。
【0255】
上述した第1及び第5実施形態と同様に、本実施形態のマルチスライスCT透視システムは、スライス位置に対応した画像の表示枚数、及び画像のスライス厚を任意に設定可能となっている。ここでは、例えば検出器列の1列目と2列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、同様に3列目と4列目からのデータを束ねて1枚の画像を得るようにし、さらに5列目と6列目からのデータを束ねて1枚の画像を得ることで、合計3枚の画像の透視モードを実施する。
【0256】
[入力器]
図42は、本実施形態の入力器を示す図である。この入力器は、使用する検出器例と画像束ね、及び拡大表示画像を指定するための手段であって、入力器6内に設けられる。尚、入力器6は、ガントリ1、寝台2、又は図1に示したように制御キャビネット3上のいずれかの箇所に設けられる。
【0257】
図42において、40は検出器列の番号、架台側と寝台側、及び画像の番号を示すアイコン(絵図)であり、41は内部にLEDを備え、検出器列の番号と画像の番号とを対応付けるための複数のボタンであり、42は41と同様に内部にLEDを備え、拡大表示する画像をその画像番号によって指定するための複数のボタンである。
【0258】
操作者がいずれかのボタン41を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、各画像に対し必要な検出器列を割り当てることができる。
【0259】
複数の検出器列が一つの画像に対して選択された場合には、それらの検出器列からの収集データは束ねられて一つの画像となる(画像束ね)。
【0260】
また、操作者がいずれかのボタン42を押下すると、そのボタン内部のLEDが点灯するようになっており、この操作を行うことで、拡大表示する画像を指定できる。
【0261】
この入力器6による指定の一例を図43に示す。
【0262】
点灯しているボタン(ハッチングによって示す)は、そのボタンが操作者により押下されたことを意味する。尚、ここではボタンによって上述した条件を指定する場合であるが、これがディスプレイとタッチパネルにより実現されてもいいし、マウスカーソルをディスプレイ画面において所定の場所に移動させてクリックすることでタッチパネルの代用としても良い。
【0263】
以上、入力器6によるボタンの押下情報を表す信号がメインコントローラ30に送られる。メインコントローラ30は、この押下情報に基づいて画像の表示を制御する。
【0264】
図44は、メインコントローラにより行われる制御の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、入力器6からの信号を受けて、メインコントローラ30が行う判断過程等を示したものである。
【0265】
先ずステップS1において、入力器6より使用する検出器列と画像束ね、及び拡大する画像の指定する。次に、ステップS2において、使用する検出器列に応じてプリコリメータ制御信号を架台コントローラ33に出力する。次に、ステップS3において、補正ユニット34に対し束ねる収集データを指示する。次に、ステップS4において、再構成ユニット36に対し画像枚数分の再構成を行うように指示する。そして、表示プロセッサ37に対し拡大する画像を指示する。
【0266】
[ディスプレイへの表示]
図45は、本実施形態のマルチスライスCT透視システムによる画像表示例を示す図である。図45(a)は、入力器6により画像1が操作者により指定され、この画像が画像2及び画像3よりも拡大して表示された場合を示し、図45(b)は同様に画像2が指定され、この画像が画像1及び画像3よりも拡大して表示された場合を示し、図45(c)は同様に画像3が指定され、この画像が画像1及び画像2よりも拡大して表示された場合を示している。
【0267】
以上説明した第6実施形態によれば、操作者により指定された画像が他の画像よりも拡大して表示されるので、再構成画像を単に並列に表示した場合において、個々の画像が小さくなり、観察しにくくなるという問題が回避される。
【0268】
肝心の画像を大きく表示しつつ、他の画像も観察できるので、穿刺やバイオプシ(生検)等の作業を行う場合に本発明は特に有用である。すなわち、ターゲット部位の近傍において詳細な観察を容易に行うことができるようになり、術者がターゲット部位への穿刺針の到達の認識を間違うことが無くなる。また、バイオプシにおいては、ターゲット部位を確実に認識して対象組織を取り出すことができるようになる。このように本発明によれば、マルチスライスCT透視における診断能や操作性を向上できる。
【0269】
ここで、第6実施形態の変形例について述べる。
【0270】
[画像の配列方法]
画像の配列方法は、図45(a),(b),及び(c)に示したもののみに限定されない。例えば、図45(d),(e),及び(f)に示すように、拡大画像を画面のほぼ中央上半分に表示し、他の画像を画面の下半分にスライス方向に沿って並べて表示させても良い。
【0271】
[挿入物の自動検出]
上記第6実施形態は、拡大表示する画像を操作者が入力器を用いて指定するものであったが、拡大画像を自動的に選択する、次のような構成としても良い。
【0272】
拡大して表示する画像は、被検体への挿入物(ここでは穿刺針)の先端を表す画像である場合が多い。そこで、穿刺針の先端を含む画像を所定の画像処理により特定し、その画像を自動的に拡大表示するように構成しても良い。画像上における挿入物の抽出に関する画像処理は公知(しきい値法や輪郭抽出法など)であるので詳細な説明は省略する。
【0273】
この構成によれば、被検体への例えば穿刺針の挿入に追従して適切な画像が拡大表示されることになるので、拡大する画像をいちいち指定する手間が不要となり、術者は表示操作に煩わされることなく穿刺作業に集中できるようになる。これにより術者の負担は軽減され、診断能が向上する。
【0274】
[第1及び第5実施形態との組み合わせ]
第6実施形態は、上述した第1又は第5実施形態と組み合わせて実施可能である。例えば、関心画像を指定して拡大表示させ、他の画像は上述した差分処理又は閾値処理して小さく表示するようにしても良い。例えば、図46(b)において、関心画像を画像2として拡大表示し、画像1及び画像3は差分処理又は閾値処理を行って小さく同図のように小さく表示しても良い。
【0275】
また、ターゲット及びこのターゲットへ向けて挿入している穿刺針を画像2が表示している場合、この穿刺針がターゲットに向けて確実に挿入されていることを術者が明確に認識できるようになる。このため、穿刺針が対象外の臓器等に誤って挿入されるという危険を防止できる。また、仮にそのような危険が生じそうな場合でも、画像1及び画像3を確認して速やかに穿刺針の挿入方向を修正可能となり、穿刺作業に要する時間を短縮できる。また、穿刺針のターゲットへの到達を拡大表示された画像2に基づいて容易に確認できる。
【0276】
次に、上述した第1乃至第6実施形態の全般に係る種々の変形例を述べる。
【0277】
[画像の表示枚数]
画像の表示枚数及びそのスライス厚は任意である。例えば中央2列(検出器列3、4)を束ねて1画像とし、前後2列づつ(検出器列1と2と5と6)を加え、合計5枚の透視モードとした場合であっても本発明は実施可能である。この場合の例を図47に示す。
【0278】
また、例えば前後3列づつ(検出器例1〜3、4〜6)を束ねて1画像づつとし、合計2枚の透視モードとした場合も同様である。この場合の例を図48に示す。
【0279】
[表示方法]
上述した実施形態では、全ての画像を一つのディスプレイに表示することとして説明したが、画像の表示方法はこれに限定されない。例えば複数の画像を1枚づつ別のディスプレイに表示するようにしてもよい。これにより個々の画像を大きく表示できるというメリットが得られる。
【0280】
あるいはプロジェクタータイプの大型のディスプレイを用いても良い。これにより画像を大きく表示させることができ、表示を見やすくできるというメリットがある。
【0281】
また、ヘッドマウントディスプレイに表示させてよい。どちらの方向を向いても常に視界の範囲に画像が表示されるので、穿刺作業等を行う場合にはいちいちディスプレイを見るために振り向く必要がなくなるため作業性が向上するというメリットがある。
【0282】
[CTの種類]
上述した実施形態では、第3世代CT(X線発生源と検出器が同期して被検体の周囲を回転する)として示したが、この限りではない。本発明は第4世代CT(検出器が円筒状に配列されており、X線発生源が回転する)にも適用可能であるし、第5世代CT(電子ビームをリング又は円筒状に配列した固定されたターゲットに当てX線を発生させ、固定された検出器でそれを受ける)に対しても適用可能である。
【0283】
[検出器の種類(50列、面検出器)]
上述した実施形態では、6列の検出器例を有するCTとしたが、検出器の列数はこれに限定されない。例えば50列のマルチスライス検出器を有する場合においても適用可能であるし、イメージインテンシファイアを代表とするような面検出器であっても構わない。
【0284】
[再構成条件]
一部の画像の再構成条件のみ優れた又は異なる再構成条件としてもいい。例えば、図45又は図46における関心画像のように、拡大表示される画像のみ再構成マトリックスを512×512とし、他の画像の再構成マトリクスを256×256とすることで画像間で再構成条件を変えるようにしても良い。また、画像の更新間隔を関心画像以外は遅くして、敢えて時間分解能を下げても良い。これにより、指定された以外の画像は再構成条件が緩和され、再構成ユニット36の計算パワーを小さく抑えることができる。したがって、再構成装置のコストを抑えることができる。
【0285】
[再構成方法]
本発明は特定の画像再構成方法に依存しない。例えば、回転軸方向へのビームの角度(コーン角度)を考慮しない通常のフィルターバックプロジェクションを行う再構成方法を適用しても良いし、Feldkampらの提案したように、回転軸方向へのビームの角度を考慮して、収集したデータをその収集経路に応じてバックプロジェクションして再構成されるような再構成方法を適用しても良い。このFeldkamp再構成を行う場合には、上述した補正ユニットによって各列の収集データが束ねられるのではなく、再構成時に指定されたスライス厚の画像を再構成することになる。この再構成法によれば、検出器列がより多い場合における再構成画像の画質を向上させることができる。
【0286】
[束ねる場所]
上述した実施形態では、データを束ねるユニットは補正ユニット34であるとして説明を行ったが、データを束ねるユニットはこの補正ユニット34のみに限定されない。例えば、データ収集装置(DAS)24が行ってもいいし、再構成ユニット36が画像を再構成をする以前に行ってもいいし、再構成ユニット36が個々の画像を再構成した後に画像束ねが行なわれても良い。これらの変形を行ったとしても、装置としては同様の効果が得られる。
【0287】
以上説明したように、本発明の第4乃至第6実施形態によれば、再構成画像の差分表示又は閾値表示に基づいて穿刺における穿刺針のような挿入物の位置を明確に把握して作業を行えるようになる。これにより穿刺針等が被検体の臓器等に誤って刺さされるという危険を容易に回避することができるようになり、高精度の穿刺作業を迅速に行えるようになる。したがって、被検体に与える被爆を最小限に抑えることができる。
【0288】
また、操作者が指定した画像が他の画像よりも拡大して表示されるので、再構成画像を単に並列に表示した場合において、個々の画像が小さくなり、観察しにくくなるという問題が回避される。肝心の画像を大きく表示しつつ、他の画像も観察できるので、穿刺やバイオプシ(生検)等の作業を行う場合に本発明は特に有用である。すなわち、ターゲット部位の近傍において詳細な観察を容易に行うことができるようになり、術者がターゲット部位への穿刺針の到達の認識を間違うことが無くなる。また、バイオプシにおいては、ターゲット部位を確実に認識して対象組織を取り出すことができるようになる。このように本発明によれば、マルチスライスCT透視における診断能や操作性を向上できる。
【0289】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を説明する。
【0290】
上述した複数の実施形態は、マルチスライスCT透視を行う装置に関するものであった。つまり、X線曝射を伴う画像収集及び収集画像(再構成画像)の表示がほぼリアルタイムに行われる。一方、本実施形態は画像収集の事後において実施される画像再表示に、本発明の原理を適用するものである。
【0291】
本実施形態では、スライス方向の位置が異なる複数枚の断層像のセットを収集し、これを繰り返すことで時期の異なる複数セットの画像を得るとともにこれを記憶する。記憶された複数セットの画像は適宜読み出されて再表示に供される。
【0292】
図49は第7実施形態に係るマルチスライスCTシステムの概略構成を示すブロック図である。このシステムが上述した第1乃至第6実施形態と異なる点は、画像保存ユニット301及び画像読み出しユニット302が追加されている点である。
【0293】
補正ユニット34は、メインコントローラ30からの処理指令に応じて、DAS24から送られてくるデジタル量の収集データに各種の補正処理を施す。この補正処理された収集データはメインコントローラ30の書き込み指令によって、データ保存ユニット35に一旦格納・保存される。この保存データは、メインコントローラ30の所望タイミングでの読み出し指令に応じてデータ保存ユニット35から読み出され、再構成ユニット36に転送される。再構成ユニット36はメインコントローラ30の管理下において、再構成用の収集データが転送されたきた段階で、例えばコンボルーションバックプロジェクション法に基づきスライス毎の再構成処理を行い、断層像を生成する。
【0294】
断層像データは、メインコントローラ30からの制御により画像保存ユニット301において保存される。以上の動作に基づき、時期の異なる複数セットの断層像が得られ、これらは恒久的に利用可能となる。なお、再構成された断層像データではなく、生データが画像保存ユニット301にて保存されるように構成しも良い。
【0295】
入力器6より、操作者から所定の再表示指令が入力されると、画像読み出しユニット302は画像保存ユニット301から複数セットの断層像の画像データを読み出し、表示プロセッサ37に供給する。ここで、上述した実施形態にて説明したように、観察者の立ち位置に応じた表示順序の制御や、関心画像の拡大表示等が実行される。
【0296】
言うまでもなく、本実施形態は再表示に関するものでありリアルタイム表示を行うものではないから、再表示中は上述したバイオプシー等の検査手技は行われない。
【0297】
例えば本実施形態は、造影検査後の画像再表示に有用である。より詳しくは被検体に注入した造影剤の浸透状況等を造影検査後に再度観察するような場合に有用である。画像保存ユニット301に保存された画像データは、画像読み出しユニット302により何時でも読み出すことができ、より精確で幅広い医用診断の実現に寄与する。
【0298】
また、本実施形態は、リアルタイム再構成ユニット(上述した第1乃至第6実施形態の再構成ユニット36がこれに相当する)を具備しない、非リアルタイムのCTシステムにも本発明の原理を適用して上記効果が得られうことを意味する。
【0299】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず種々変形して実施可能である。例えば上述した第1乃至第7実施形態を適宜に組み合わせても良い。
【0300】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、表示順序又は表裏を適正化して複数スライスの画像を表示するX線コンピュータ断層撮影装置を提供できる。
【0301】
また、マルチスライスCT透視下において穿刺等の作業を適切且つ迅速に行えるようにしたX線コンピュータ断層撮影装置を提供できる。
【0302】
また、マルチスライスCT透視する場合における被検体への被爆量低減を図ったX線コンピュータ断層撮影装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチスライスCTシステムの外観を示す図
【図2】本発明の実施形態に係るマルチスライスCTシステムの概略構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施形態に係るマルチスライス検出器の構成を示す図
【図4】本発明の第1実施形態に係る第1の入力器を示す図
【図5】本発明の第1実施形態に係る第1の入力器による指定の一例を示す図
【図6】本発明の第1実施形態に係る第2の入力器を示す図
【図7】本発明の第1実施形態に係る表示順序の切替制御方法の流れを示すフローチャート
【図8】(a)は、本発明の第1実施形態に係り、マルチスライスCT透視開始時の初期状態を示すであって、プリコリメータの開口を示す図
(b)は、本発明の第1実施形態に係り、マルチスライスCT透視開始時の初期状態を示すであって、被検体の複数スライス及びその画像表示を示す図
【図9】(a)は本発明の第1実施形態に係るマルチスライスCT透視を示す図であって、被検体へのX線の曝射状態を示す図
(b)は、本発明の第1実施形態に係るマルチスライスCT透視を示す図であって、被検体の複数スライス及びその画像表示を示す図
(c)は、本発明の第1実施形態に係るマルチスライスCT透視を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた表示の一例を示す図
(d)は、本発明の第1実施形態に係るマルチスライスCT透視を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた表示の他の例を示す図
【図10】本発明の第2実施形態に係るマルチスライスCT透視システムの概略構成を示すブロック図
【図11】(a)は、本発明の第2実施形態に係り、観察者の立ち位置を検出する機構を示す図
(b)は、本発明の第2実施形態に係り、観察者の立ち位置を検出する機構のうち、位置検出マイクロスイッチを示す図
(c)は、本発明の第2実施形態に係り、観察者の立ち位置を検出する機構のうち、角度検出マイクロスイッチを示す図
【図12】本発明の第2実施形態に係る観察者の立ち位置の自動検出方法を示すフローチャート
【図13】(a)は、本発明の変形例に係り、5枚の透視モードとした場合を示す図であって、被検体へのX線の曝射状態を示す図
(b)は、本発明の変形例に係り、5枚の透視モードとした場合を示す図であって、被検体の複数スライス及びその画像表示を示す図
(c)は、本発明の変形例に係り、5枚の透視モードとした場合を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた表示の一例を示す図
(d)は、本発明の変形例に係り、5枚の透視モードとした場合を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた表示の他の例を示す図
【図14】(a)は、本発明の変形例に係り、合計2枚の透視モードとした場合を示す図であって、被検体へのX線の曝射状態を示す図
(b)は、本発明の変形例に係り、合計2枚の透視モードとした場合を示す図であって、被検体の複数スライス及びその画像表示を示す図
(c)は、本発明の変形例に係り、合計2枚の透視モードとした場合を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた表示の一例を示す図
【図15】(a)は、本発明をシングルスライスCTに適用した場合を示す図であって、被検体へのX線の曝射状態を示す図
(b)は、本発明をシングルスライスCTに適用した場合を示す図であって、被検体のスライス及びその画像表示を示す図
(c)は、本発明をシングルスライスCTに適用した場合を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた表示の一例を示す図
【図16】関心画像を指定するための指定手段の構成を示す図
【図17】(a)は、X線管から被検体に向けて曝射されたX線がマルチスライス検出器に入射する様子を横から見た図
(b)は関心画像及び非関心画像の表示の仕方を示す図
【図18】プリコリメータ開口及び束ねの設定の動作を示すフローチャート
【図19】プリコリメータコントローラがプリコリメータの開口幅を制御する機構を示す図
【図20】(a)は、初期状態における被検体へのX線曝射を示す図
(b)は、初期状態における被検体の複数スライス及びその画像表示を示す図
【図21】(a)は、動作例1におけるプリコリメータ及び検出器の状態を示す図
(b)は、動作例1における複数スライスの画像表示を示す図
【図22】(a)は、動作例2におけるプリコリメータ及び検出器の状態を示す図
(b)は、動作例2における複数スライスの画像表示を示す図
【図23】(a)は、動作例3におけるプリコリメータ及び検出器の状態を示す図
(b)は、動作例3における複数スライスの画像表示を示す図
【図24】(a)は、動作例4におけるプリコリメータ及び検出器の状態を示す図
(b)は、動作例4における複数スライスの画像表示を示す図
【図25】プリコリメータの開口幅を狭めるように構成する場合を示す図
【図26】(a)は、マニュアルによる表示画像の変更機能を説明するための図であって、被検体へのX線の曝射状態を示す図
(b)は、マニュアルによる表示画像の変更機能を説明するための図であって、第1の表示状態を示す図
(c)は、マニュアルによる表示画像の変更機能を説明するための図であって、第2の表示状態を示す図
(d)は、マニュアルによる表示画像の変更機能を説明するための図であって、第3の表示状態を示す図
【図27】天板移動用の関心画像移動スイッチを別途設けた場合を示す図
【図28】(a)は、重畳表示の例を示す図であって、第1の表示状態を示す図
(b)は、重畳表示の例を示す図であって、第2の表示状態を示す図
【図29】第4実施形態に係る入力器を示す図
【図30】第4実施形態に係る入力器による指定の一例を示す図
【図31】第4実施形態に係るメインコントローラ30の動作を示すフローチャート
【図32】第4実施形態に係るプリコリメータの開口幅を制御する機構を示す図
【図33】(a)は、第4実施形態に係るマルチスライスCT透視の様子を示す図であって、プリコリメータによるX線曝射の制御を示す図
(b)は、第4実施形態に係るマルチスライスCT透視の様子を示す図であって、被検体の複数スライス及びその画像表示を示す図
【図34】(a)乃至(e)は、第4実施形態のマルチスライスCT透視システムを利用して穿刺を行った場合における第1の表示例を示す図
【図35】(a)乃至(f)は、第4実施形態のマルチスライスCT透視システムを利用して穿刺を行った場合における第2の表示例を示す図
【図36】(a)は、第4実施形態における警告表示の一例を示す図
(b)は、第4実施形態における警告表示の他の例を示す図
【図37】第5実施形態に係る入力器を示す図
【図38】第5実施形態に係る入力器による指定の一例を示す図
【図39】第5実施形態に係るメインコントローラの動作を示すフローチャート
【図40】(a)は、第5実施形態に係るハイライト表示の一例を示す図
(b)は、第5実施形態に係るハイライト表示の他の例を示す図
【図41】(a)は、第5実施形態に係るRGB重畳表示の一例を示す図
(b)は、第5実施形態に係るRGB重畳表示の他の例を示す図
【図42】第6実施形態に係る入力器を示す図
【図43】第6実施形態に係る入力器による指定の一例を示す図
【図44】第6実施形態に係るメインコントローラにより行われる制御の流れを示すフローチャート
【図45】(a)乃至(f)は、第6実施形態のマルチスライスCT透視システムによる画像表示の例を示す図
【図46】(a)は、拡大表示対象の画像の切替を示す図であって、第1の状態を示す図
(b)は、拡大表示対象の画像の切替を示す図であって、第2の状態を示す図
(c)は、拡大表示対象の画像の切替を示す図であって、第3の状態を示す図
【図47】(a)は、画像束ねの他の例を示す図であって、被検体へのX線の曝射状態を示す図
(b)は、画像束ねの他の例を示す図であって、被検体の複数スライス及びその画像表示を示す図
(c)は、画像束ねの他の例を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた画像表示の一例を示す図
(d)は、画像束ねの他の例を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた画像表示の他の例を示す図
【図48】(a)は、画像束ねのさらに他の例を示す図であって、被検体へのX線の曝射状態を示す図
(b)は、画像束ねのさらに他の例を示す図であって、被検体の複数スライス及びその画像表示を示す図
(c)は、画像束ねのさらに他の例を示す図であって、観察者の立ち位置に応じた画像表示の一例を示す図
【図49】本発明の第7実施形態に係るマルチスライスCTシステムの概略構成を示すブロック図
【図50】本発明の従来例に係るマルチスライスCT透視を示す図
【図51】本発明の従来例に係るマルチスライスCT透視における観察者の立ち位置を示す図
【図52】本発明の従来例に係るマルチスライスCT透視における観察者の他の立ち位置を示す図
【図53】本発明の従来例に係るマルチスライス検出器の構成を示す図
【符号の説明】
1…ガントリ
2…寝台
2a…天板
3…制御キャビネット
4…電源
5…ディスプレイ
6…入力器
7…ディスプレイ

Claims (13)

  1. X線発生ユニットから曝射され被検体を透過した透過X線を検出する検出ユニットと、
    前記検出ユニットにより得られる検出データに基づいて前記被検体の異なる断面に係る複数枚の断層画像を再構成する再構成ユニットと、
    前記再構成ユニットにより再構成された断層画像を並べて表示する表示ユニットと、
    前記被検体に対する観察者の立ち位置に応じて、前記表示ユニットにおける複数枚の断層画像の並べ方を変更する表示制御ユニットと、を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記表示制御ユニットは、前記表示ユニットが表示する複数枚の断層画像の表示位置を変更することを特徴とする請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記表示制御ユニットは、前記表示ユニットが複数枚の断層画像を横並びに表示する場合、その並びの左右を逆転させることを特徴とする請求項2に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記複数枚の断層画像のうち、少なくとも1枚の断層画像は、少なくとも複数列の検出素子列からのデータが束ねられたものに基づくことを特徴とする請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  5. 前記表示制御ユニットは、前記観察者の位置に応じて、前記再構成ユニットが再構成した断層画像の表裏を変換する変換ユニットを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  6. 前記表示制御ユニットは、前記観察者から見た前記被検体のスライス面の並びと同様に、前記再構成ユニットが再構成した複数枚の断層画像の並びを変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  7. 前記観察者の位置を指定する指定ユニットをさらに具備し、前記表示制御ユニットは、前記指定ユニットにより指定された観察者の位置に応じて、前記表示ユニットに表示される複数枚の断層画像の並べ方を変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  8. 前記観察者の位置を検出する位置検出ユニットをさらに具備し、前記表示制御ユニットは、前記位置検出ユニットにより検出された観察者の位置に応じて、前記表示ユニットに表示される複数枚の断層画像の並べ方を変更することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  9. 前記指定ユニットは、少なくとも前記被検体及び前記X線発生ユニットに対する観察者の位置を指定するものであることを特徴とする請求項7に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  10. 前記位置検出ユニットは、少なくとも、前記X線発生ユニットを搭載するガントリに対する前記表示ユニットの位置及び前記表示ユニットの表示画面の向きを検出することを特徴とする請求項8に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  11. 前記表示制御ユニットは、前記表示ユニットに表示される複数の断層画像のうちの特定の断層画像の表示サイズを他の断層画像とは異なる表示サイズに変更することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  12. 前記再構成ユニットは、1スキャンに要する時間よりも短い時間で少なくとも1枚の断層画像を再構成することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  13. 前記検出ユニットにより得られる検出データ及び前記再構成ユニットにより得られる画像データのうちの少なくとも一方を記憶する記憶ユニットを備え、前記表示制御ユニットはデータ収集の後に前記記憶ユニットに記憶されている検出データ及び画像データの少なくとも一方を読み出して前記断層画像の表示形態を変化させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
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