JP4499076B2 - 液体容器の注入接続具及び注入口構造 - Google Patents
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Description
また、シリンダヘッドカバーにおいて、注入口から潤滑油が外部に飛散するのを防止するために、シリンダヘッドカバー内部の注入口の下方に位置する部分に、プロテクタを注入口の一端部にカシメで固定し、プロテクタの先端部(自由端部)に潤滑油の注入路方向に交差する方向の制止片を段差状に設けた注入口構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この際、注入路内で、排出気体の流れが潤滑油の注入方向とは逆方向となる。また、排出気体が流れる部分と潤滑油が注入される部分が同一位置であるため、潤滑油の注入方向の流動が排出気体によって阻害され、スムーズに潤滑油を注入できない。
内部に注入路を有するほぼ筒状の本体部と、前記本体部の下端側に一体に形成されかつ前記注入路の下端開口部を前記液体容器の注入口に整合させて接続可能な下端接続部と、前記本体部の上端側に一体に形成されかつ前記注入路の上端開口部を開閉可能に塞ぐ蓋が装着可能な蓋装着部とを備え、
前記本体部に形成された注入路の上端と下端との間において前記注入路の内周壁面の一部から中心部に向けて突出しかつ上側の面に前記注入路の中心に向くと共に下側に向けて傾斜するガイド面を有するガイド片が一体に形成されこのガイド片により前記注入路が部分的に塞がれ、
前記ガイド片が形成された前記注入路の部分には、前記ガイド片の下側の面と前記注入路の内周壁面により気体誘導部が形成され、
前記注入接続具が前記液体容器の注入口に接続されて使用されるとき、前記ガイド片の突出先端が前記注入路の内周壁面側の根元よりも重力方向で下側に位置し、前記注入路に注入された液体が前記ガイド面に案内されて中心側に向けて流れる一方、前記気体誘導部は前記ガイド片の突出先端よりも重力方向上側に位置し、前記容器内の気体は前記気体誘導部の周方向端末から前記注入方向と反対側に排出されるように形成されていることを特徴とする。
一方、液体容器内に液体を注入する際、液体の注入量に対応する分だけ液体容器内の気体(空気)が注入路から排出される。
この際、排出気体の流れは液体の注入方向とは逆方向となるが、ガイド片の先端よりも重力方向で上側に位置する気体誘導部に液体が入り込むことがないので、排出気体は、注入路の中心側を流下する液体との干渉を避けて気体誘導部からガイド片の縁の根元側と注入路の周壁面側を通って注入路の上端開口部へ排出される。
このようにして、液体容器の注入口に接続された注入接続具の注入路の上端開口部から液体を注入する際に、液体と液体容器内からの排出気体との干渉を抑制しながら液体を案内して円滑に注入することができる。
また、液体が注入された液体容器の使用状態、例えば、液体容器がエンジンであり、シリンダヘッドカバーの注入口に注入接続具が接続されて使用される場合などにおいて、シリンダヘッドやシリンダヘッドカバー内の液体としての潤滑油が注入接続具の注入路の下端開口部に向けて飛び散ったときには、ガイド片の下側に当たり、注入路の上側に向けて飛び散らない。
また、ガイド片は注入接続具の注入路の周壁面に一体に形成されているため、ガイド片を別に製作して組み付ける手間を省くことができると共に、注入接続具の注入路の周壁面に別体のガイド片を取り付けるための台座部を形成する必要もない。
注入路の内周壁面は、ガイド片の根元を境として当該境界部から上端開口部及び下端開口部に向けてそれぞれ徐々に大きくなるテーパー状に形成されていることを特徴とする。
注入路の内周壁面から中心側に向けて突出するガイド片の突出先端位置は、前記注入路の中心を越えない範囲に形成されていることを特徴とする。
ガイド片は、注入路の内周壁面の一ヶ所から突出していることを特徴とする。
ガイド片は、注入路の内周壁面の周方向に互いに離れかつ対向する二ヶ所から突出していることを特徴とする。
また、液体注入接続具を液体容器に取り付ける際に、両ガイド片が対向して存在するため、ガイド片が突出する向きを確認する必要がない。
ガイド片の上側の面のガイド面は円錐の内面の一部によって形成されていることを特徴とする。
ガイド片の突出先端は、凹状の円弧に形成されていることを特徴とする。
下端接続部の外周の複数箇所には、液体容器に取り付けるための取付部が半径方向外側にそれぞれ突出して一体に形成されていることを特徴とする。
下端接続部の下面には、注入路の下端開口部の周囲に沿ってシール部材が嵌込み可能な環状の凹溝が形成されていることを特徴とする。
注入路は、中心線が一直線に形成されていることを特徴とする。
注入路は、中心線がガイド片の根元を境として所定角度で交差するように形成されていることを特徴とする。
下端接続部の外周側面には肉抜き凹部が形成されていることを特徴とする。
下端接続部の下端部内周には、注入路の下端開口部に連通する内部空間を有する有底筒状の先端ガイド部材が設けられ、
前記先端ガイド部材の周壁部には、内部空間を液体容器内に連通する開口孔が形成されていることを特徴とする。
一方、液体容器内に液体を注入する際、液体の注入量に対応する分だけ液体容器内の気体(空気)が、先端ガイド部材の開口孔から内部空間に流入し、注入路を通して排出される。
また、液体が注入された液体容器の使用状態、例えば、液体容器がエンジンであり、シリンダヘッドカバーの注入口に注入接続具が接続されて使用される場合などにおいて、シリンダヘッドやシリンダヘッドカバー内の液体としての潤滑油が注入接続具に向けて飛び散ったときには、飛び散った潤滑油は先端ガイド部材の底壁部下面及び周壁部外周面に当たって落下する。このため、飛び散った潤滑油が、先端ガイド部材の内部空間を通して注入路に浸入することを防止することができる。
仮に、飛び散った潤滑油の一部が先端ガイド部材の開口孔から内部空間を通して注入路の下端開口部に向けて飛散したとしても、飛散した潤滑油は、注入路内のガイド片の下側に当たり、注入路の上側に向けて飛び散らない。
すなわち、注入路の下端開口部に配設された先端ガイド部材と、注入路内のガイド片によって、潤滑油の飛散を二重に防止することができる。
下端接続部の下端部内周には環状凹部が形成され、
先端ガイド部材の上端部外周には、前記環状凹部の底面に一体的に接合されるフランジが形成されていることを特徴とする。
例えば、接続具本体及び先端ガイド部材を、相溶性を有する熱可塑性合成樹脂材でそれぞれ形成した場合には、下端接続部の環状凹部の底面に先端ガイド部材の上端部外周のフランジを、接着剤、高周波溶着、超音波溶着等によって確実にかつ強固に接合固定することができる。
前記シリンダヘッドカバーの上部に一体に形成され、内部に注入路を有するほぼ筒状の本体部と、前記本体部の上端側に一体に形成されかつ前記注入路の上端開口部を開閉可能に塞ぐ蓋が装着可能な蓋装着部とを備え、
前記本体部に形成された注入路の上端と下端との間において前記注入路の内周壁面の一部から中心部に向けて突出しかつ上側の面に前記注入路の中心に向くと共に下側に向けて傾斜するガイド面を有するガイド片が一体に形成されこのガイド片により前記注入路が部分的に塞がれ、
前記ガイド片が形成された前記注入路の部分には、前記ガイド片の下側の面と前記注入路の内周壁面により気体誘導部が形成され、
前記ガイド片の突出先端は前記注入路の内周壁面側の根元よりも重力方向で下側に位置し、前記注入路に注入された潤滑油が前記ガイド面に案内されて中心側に向けて流れる一方、前記気体誘導部は前記ガイド片の突出先端よりも重力方向上側に位置し、前記シリンダヘッドカバー内の気体は前記気体誘導部の周方向端末から前記注入方向と反対側に排出されるように形成されていることを特徴とする。
シリンダヘッドカバー内に潤滑油を注入する際、潤滑油の注入量に対応する分だけシリンダヘッドカバー内の気体(空気)が注入路から排出される。
この際、排出気体の流れが潤滑油の注入方向とは逆方向となるが、ガイド片の先端よりも重力方向で上側に位置する気体誘導部に潤滑油が入り込むことがないので、排出気体は、注入路の中心側を流下する潤滑油との干渉を避けて気体誘導部からガイド片の縁の根元側と注入路の周壁面側を通って注入路の上端開口部へ排出される。
このようにして、潤滑油とシリンダヘッドカバー内からの排出気体との干渉を抑制しながら潤滑油を案内して円滑に注入することができる。
また、シリンダヘッドカバー内の潤滑油が注入路の下端開口部に向けて飛び散ったときには、ガイド片の下側に当たり、注入路の上側に向けて飛び散らない。
また、シリンダヘッドカバーの上部に、注入路を有するほぼ筒状の本体部及びガイド片及び気体誘導部を一体に形成するので、部品点数や組付工数を削減することができる。
図1はこの発明の実施例1に係る注入接続具がエンジンのシリンダヘッドカバーの注入口に接続された状態を簡略して示す斜視図である。図2は注入接続具の取付部の一部を破断して示す正面図である。図3は注入接続具を上方から示す平面図である。図4は注入接続具を下方から示す底面図である。図5は図3のV−V線に沿う縦断面図である。図6は注入接続具の注入路に注入される潤滑油と排出気体の流れを示す説明図である。
図1と図2に示すように、この実施例1においては、液体容器の注入口としてのエンジン1のシリンダヘッドカバー3の注入口5に接続される注入接続具10を例示するものであり、注入接続具10は合成樹脂材の射出成形によって一体成形されている。
すなわち、この実施例1において、図5に示すように、下端接続部20には、本体部11の注入路40の出口40bを構成する下テーパー孔部44と下端孔部45とがそれぞれ形成されている。そして、下テーパー孔部44は、上端が注入路40の下端部と連通し、下端に向けてしだいに大きくなるテーパー孔状に形成されている。また、下端孔部45は、下テーパー孔部44の下端と連通している。
そして、上部に入口40a、下部に出口40bを有する注入路40は、中心線が一直線(鉛直線)に形成された直立型である。
また、注入路40の内周壁面55から中心側に向けて突出するガイド片50の突出先端53の位置は、注入路40の中心を越えない範囲に形成されている。
この実施例1において、ガイド片50は、注入路40の内周壁面55の周方向に互いに離れかつ対向する二ヶ所から突出して一対をなしている。そして、一対をなす両ガイド片50の上側の面のガイド面51は同一の円錐の内面の一部によって形成されている。
また、この実施例1において、図5に示すように、ガイド片50のガイド面51の垂直線に対する傾斜角度θ1は、120度前後に設定されている。
さらに、ガイド片50のガイド面51の突出先端部近傍から突出先端53の間にはガイド面51よりもさらに急勾配で傾斜する落下案内面52が形成されると共に、その落下案内面52の突出先端53は、図3に示すように、平面図において凹状の円弧(注入路40の中心と同一中心の円弧)に形成されている。
そして、図6に示すように、注入接続具10がシリンダヘッドカバー3の注入口5に接続されて使用されるとき、ガイド片50の突出先端53が注入路40の内周壁面55側の根元よりも重力方向で寸法Gに相当する分だけ下側に位置し、注入路40に注入された潤滑油(エンジンオイル)がガイド面51に案内されて中心側に向けて流れる一方、気体誘導部56は、ガイド片50の突出先端53よりも重力方向上側に位置し、シリンダヘッドカバー3内の気体は気体誘導部56の周方向端末から潤滑油の注入方向と反対の上側に排出されるように形成されている。
すなわち、図5に示すように、蓋受入部31の内径寸法をA、本体部11の上端内径寸法をB、本体部11のガイド片50の根元に相当する部分の内径寸法をC、両ガイド片50の突出先端53の間の距離寸法をD、本体部11の下端内径寸法をE、下端接続部20の下端孔部45の内径寸法をFとしたときに、
A>B>C>D、F>E
の関係となるように設定されている。
そして、各取付部21には、貫通孔23がそれぞれ貫設され、これら貫通孔23には取付ボルト28の雄ねじが挿通される孔を有する金属製カラー22が嵌込まれ、これによって取付部21に過度の応力が発生しない。
また、この実施例1において、図3に示すように、車両の前後方向に平行しかつ注入路40の中心を通る線L1に対し、貫通孔23の中心を結ぶ線L2は角度θ2をなす位置に設定され、2個のガイド片50が、前記線L1に直交しかつ注入路40の中心を通る線L3を軸として対称に形成されている。
また、図4と図5に示すように、下端接続部20の外周側面及び下面には、偏肉に伴う樹脂成形時のソリやヒケの発生を防止するための肉抜き凹部26、27が形成され、これら肉抜き凹部26、27によって下端接続部20下面の平坦が保たれている。
また、図6に示すように、下端接続部20の下面には、注入路40の下端開口部の周囲に沿ってシール部材(例えば、弾性体よりなるOリング)25が嵌込み可能な環状の凹溝24が形成されている。
したがって、図1と図2に示すように、シリンダヘッドカバー3の注入口5の廻りに形成された台座部6に注入接続具10の下端接続部20が載置されると共に、下端接続部20の各取付部21の金属製カラー22の孔が台座部6の雌ねじに位置合わせされる。ここで、取付ボルト28が取付部21のカラー22を通して台座部6の雌ねじにねじ込まれて締め付けられることによって、シリンダヘッドカバー3の注入口5に注入接続具10の注入路40の出口40bが位置合わせされて接続される。
前記したように、シリンダヘッドカバー3の注入口5に注入接続具10が接続された状態において、図6に示すように、注入接続具10の蓋受入部31から蓋35が取り外されて、注入路40の入口40aの上端開口部から潤滑油が注入される。
すると、潤滑油は大部分がガイド片50の上側の面のガイド面51に案内されて注入路40の中心側に向けて流れた後、落下案内面52の突出先端53から流下しシリンダヘッドカバー3内を通してエンジン1内に注入されてエンジン1下部のオイルパン内に貯められる。
この際、排出気体の流れが潤滑油の注入方向とは逆方向となるが、ガイド片50の突出先端53よりも重力方向で上側に位置する気体誘導部56の部分に潤滑油が入り込むことがないので、排出気体は、注入路40の中心側を流下する潤滑油との干渉を避けて気体誘導部56からガイド片50の縁の根元側と注入路40の内周壁面55側を通って注入路40の入口40aから外部へ排出される。
また、潤滑油が注入されたエンジン1の使用状態において、エンジン(シリンダヘッドカバー3も含む)1内の潤滑油が注入接続具10の注入路40の出口40bに向けて飛び散ったときには、ガイド片50の下側の面54に当たり、注入路40の上側に向けて飛び散らない。
また、ガイド片50は注入接続具10の注入路40の内周壁面55に一体に形成されているため、ガイド片50を別に製作して組み付ける手間を省くことができると共に、注入接続具10に別体のガイド片50を取り付けるための台座部(取付部)を形成する必要もない。
すなわち、図5に示すように、「A>B>C>D、F>E」の関係となるように設定されている。このため、例えば、注入路40に対応する上下の両中子型を有する射出成形型のキャビティ内に合成樹脂材料を充填して注入接続具10を一体成形した後、注入接続具10の注入路40から上下の両中子型を容易に型抜きすることができる。
また、注入接続具10をシリンダヘッドカバー3の注入口5に取り付ける際に、両ガイド片50が対向して存在するため、ガイド片50が突出する向きを確認する必要がなく取付可能となる。
図7はこの発明の実施例2に係る注入接続具がエンジンのシリンダヘッドカバーの注入口に接続された状態を簡略して示す斜視図である。図8は注入接続具を示す正面図である。図9は注入接続具を上方から示す平面図である。図10は図9のX−X線に沿う縦断面図である。図11は注入接続具の注入路に注入される潤滑油と排出気体の流れを示す説明図である。
図7と図8に示すように、この実施例2においては、エンジン101のシリンダヘッドカバー103の注入口105が斜め上向きに傾いて開口され、その注入口105の廻りに形成された台座部106は、水平線に対し角度θ3だけ傾いて形成されている。
そして、下端接続部120の下面は、台座部106の傾きと同じにして水平線に対し角度θ3だけ傾いて形成されている。
この実施例2において、ガイド片150は、注入路140の内周壁面155の一ヶ所から、図9に示すように所定の角度θ4(例えば、180度〜220度程度の角度)の範囲にわたって突出している。また、注入路140の内周壁面155から中心側に向けて突出するガイド片150の突出先端153の位置は、注入路140の中心を越えない範囲に形成されている。
また、ガイド片150の上側の面のガイド面151は円錐の内面の一部によって形成されている。さらに、ガイド片150のガイド面151の突出先端部近傍から突出先端153の間にはガイド面151よりも急勾配で傾斜する落下案内面152が形成されると共に、落下案内面152の突出先端153は、図9に示すように、平面図において凹状の円弧(注入路140の中心と同一中心の円弧)に形成されている。
すなわち、図10に示すように、ガイド片150が形成された注入路140の部分には、ガイド片150の下側の面154と注入路140の内周壁面155により気体誘導部156が形成されている。そして、注入接続具110がシリンダヘッドカバー103の注入口105に接続されて使用されるとき、ガイド片150の突出先端153が注入路140の内周壁面155側の根元よりも重力方向で寸法Hに相当する分だけ下側に位置し、注入路140に注入された潤滑油(エンジンオイル)がガイド面151に案内されて中心側に向けて流れる一方、気体誘導部156は、ガイド片150の突出先端153よりも重力方向上側に位置し、シリンダヘッドカバー103内の気体が気体誘導部156の周方向端末から潤滑油の注入方向と反対の上側に排出されるように形成されている。
また、蓋装着部130には、本体部111の注入路140の入口140aを構成するための蓋受入部131が形成され、蓋受入部131の内周壁面には、蓋(図示しない)の雄ねじがねじ込まれる雌ねじ132が形成されている。
さらに、蓋装着部130と本体部111との間には、上端が蓋受入部131と連通し下端に向けてしだいに小さくなり、かつ下端が注入路140と連通する上テーパー孔部142を有する上テーパー筒部143が形成されている。
また、図11に示すように、下端接続部120の下面には、注入路140の下端開口部の周囲に沿ってシール部材(例えば、弾性体よりなるOリング)125が嵌込み可能な環状の凹溝124が形成されている。
すなわち、この実施例2においても、注入接続具110の注入路140の入口140aの上端開口部から潤滑油を注入する際に、潤滑油とシリンダヘッドカバー103内からの排出気体との干渉を抑制しながら潤滑油を案内して円滑に注入することができる。
また、潤滑油が注入されたエンジン101の使用状態において、シリンダヘッドやシリンダヘッドカバー103内の潤滑油が注入接続具110の注入路140の出口140bに向けて飛び散ったときには、ガイド片150の下側の面154に当たり、注入路140の上側に向けて飛び散らない。
また、この実施例2においては、蓋装着部130の下面は、シリンダヘッドカバー103の台座部106の傾きと同じにして水平線に対し角度θ3だけ傾いて形成されている。このため、シリンダヘッドカバー103の台座部106の中央部に設けられた注入口105が斜め上向きに傾いて開口されている場合に好適である。すなわち、シリンダヘッドカバー103の注入口105が斜め上向きに傾いて開口されている場合に、注入接続具110の下端接続部120を斜めの状態で取り付けることができる一方、注入路140の入口140aの上端開口部が上向きとなり、潤滑油を注入し易い。
図12はこの発明の実施例3に係るシリンダヘッドカバーの注入口構造を示す正面図である。図13はシリンダヘッドカバーの注入口構造を示す縦断面図である。
図12と図13に示すように、この実施例3においては、シリンダヘッドカバー3と、実施例1の注入接続具の本体部とを一体に形成したものである。すなわち、シリンダヘッドカバー3の上部には、内部に注入路40を有してほぼ筒状をなす本体部11が一体に形成(一体成形)されている。
この実施例3のその他の構成は実施例1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
シリンダヘッドカバー3内に潤滑油を注入する際、潤滑油の注入量に対応する分だけシリンダヘッドカバー3内の気体(空気)が注入路40から排出される。
この際、排出気体の流れが潤滑油の注入方向とは逆方向となるが、ガイド片50の先端よりも重力方向で上側に位置する気体誘導部56に潤滑油が入り込むことがないので、排出気体は、注入路40の中心側を流下する潤滑油との干渉を避けて気体誘導部56からガイド片50の縁の根元側と注入路40の周壁面側を通って注入路40の上端開口部へ排出される。
このようにして、シリンダヘッドカバー3内からの排出気体との干渉を抑制しながら潤滑油を案内して円滑に注入することができる。
また、シリンダヘッドカバー3内の潤滑油が注入路40の下端開口部に向けて飛び散ったときには、ガイド片50の下側に当たり、注入路40の上側に向けて飛び散らない。
また、シリンダヘッドカバー3の上部に、注入路40を有するほぼ筒状の本体部11及びガイド片50及び気体誘導部56を一体に形成するので、部品点数や組付工数を削減することができる。
図14はこの発明の実施例4に係る注入接続具がシリンダヘッドカバーの注入口に接続された状態を示す縦断面図である。図15は先端ガイド部材を示す側面図である。図16は図15のXVI−XVI線に沿う先端ガイド部材の横断面図である。
図14に示すように、この実施例4において、注入接続具310は、実施例1と同様の構造を有する本体部11と下端接続部20と蓋装着部30とを一体に有し、熱可塑性合成樹脂材の射出成形によって一体成形された接続具本体310aと、接続具本体310aとは別個でかつ相溶性を有する熱可塑性合成樹脂材の射出成形によって一体成形された先端ガイド部材60とを備えて構成されている。
すなわち、この実施例4においては、本体部11の注入路40の下端開口部である(出口に相当する)下端接続部20の下端部内周に、実施例1で述べた出口40b(図5参照)よりも大径の環状凹部29が形成され、この環状凹部29に、潤滑油(液体)の飛散を防止する先端ガイド部材60が設けられている。
この実施例4において、開口孔63は、図15と図16に示すように、周壁部61の略下半部(中央高さ位置から下端までの間)で、かつ周壁部61の全周の約1/4〜1/3程度の開口幅をもって形成されている。
そして、下端接続部20の環状凹部29内に先端ガイド部材60のフランジ65が嵌込まれ、環状凹部29の底面29aにフランジ65の上面が、接着剤、高周波溶着、超音波溶着等によって一体的に接合されることによって固定されている。
また、下端接続部20の環状凹部29に先端ガイド部材60のフランジ65が一体的に接合された状態において、下端接続部20の下面と、先端ガイド部材60の塞ぎ部64の下面が同一面をなしてシリンダヘッドカバー3の注入口5の上端面に隙間なく当接するように設定されている(図14参照)。
この実施例4のその他の構成は実施例1と同様にして構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記して説明は省略する。
したがって、シリンダヘッドカバー3の注入口5に注入接続具310を下端接続部20によって接続した状態において、注入路40の上端開口部から潤滑油を注入すると、潤滑油の大部分がガイド片50のガイド面51に案内されて注入路40の中心側に向けて流れた後、ガイド片50の先端から流下する。
その後、潤滑油は注入路40の下端開口部を経て先端ガイド部材60の内部空間60aに流入し、先端ガイド部材60の底壁部62に沿って流れた後、周壁部61の開口孔63を通してシリンダヘッドカバー3内に注入される。
一方、シリンダヘッドカバー3内に潤滑油を注入する際、潤滑油の注入量に対応する分だけシリンダヘッドカバー3内の気体(空気)が、先端ガイド部材60の開口孔63から内部空間60aに入り、実施例1と同様に注入路40を通して排出される。
前記したように、この実施例4においても、シリンダヘッドカバー3内からの排出気体との干渉を抑制しながら潤滑油を案内して円滑に注入することができる。
仮に、飛び散った潤滑油の一部が先端ガイド部材60の開口孔63から内部空間60aを通して注入路40の下端開口部に向けて飛散したとしても、飛散した潤滑油は、注入路40内のガイド片50の下側に当たり、注入路40の上側に向けて飛び散らない。
すなわち、この実施例4においては、注入路40の下端開口部に配設された先端ガイド部材60と、注入路40内のガイド片50によって、潤滑油の飛散を二重に防止することができる。
したがって、下端接続部20の環状凹部29の底面29aに、先端ガイド部材60のフランジ65の上面を接着剤や溶着によって安定よく固定することができる。
すなわち、この実施例4においては、接続具本体310a及び先端ガイド部材60が相溶性を有する熱可塑性合成樹脂材でそれぞれ形成されている。これによって、接続具本体310aの下端接続部20の環状凹部29の底面29aに先端ガイド部材60のフランジ65の上面を、接着剤、高周波溶着、超音波溶着等によって確実にかつ強固に接合固定することができる。
また、上記の固定以外に、環状凹部29の底面29aと、シリンダヘッドカバー3の注入口5の上端面との間に、先端ガイド部材60のフランジ65及び塞ぎ部64を挟持して下端接続部20の環状凹部29に先端ガイド部材60のフランジ65を固定することも可能である。
さらに、下端接続部20の下端には、環状凹部29の内周面と、先端ガイド部材60のフランジ65の下面と、塞ぎ部64の外周面によって、シール部材25が嵌め込まれる環状の凹溝24aが形成されている。そして、環状の凹溝24a内にシール部材25を容易に嵌込んで保持することができる。このため、注入接続具310の下端接続部20とシリンダヘッドカバー3との間から潤滑油が漏れ出すことを防止する。
例えば、この発明において、液体容器の注入口がシリンダヘッドカバー3(103)の注入口5(105)である場合を例示したが、液体容器としては、水、油、化学品、薬品等の液体を貯留したり保管する各種タンク、容器等であればこの発明を実施することができる。
5、105 注入口
10、110、210、310 注入接続具
11、111 本体部
20、120 下端接続部
21、121 取付部
24、124 環状の凹溝
28 取付ボルト
29 環状凹部
29a 底面
30、130 蓋装着部
35、135 蓋
40、140 注入路
40a、140a 入口
40b、140b 出口
50、150 ガイド片
51、151 ガイド面
53、153 突出先端
55、155 内周壁面
56、156 気体誘導部
60 先端ガイド部材
61 周壁部
62 底壁部
63 開口孔
65 フランジ
Claims (15)
- エンジンのシリンダヘッドカバーやタンク等の液体容器の注入口に接続して液体を前記容器内に注入するための注入接続具であって、
内部に注入路を有するほぼ筒状の本体部と、前記本体部の下端側に一体に形成されかつ前記注入路の下端開口部を前記液体容器の注入口に整合させて接続可能な下端接続部と、前記本体部の上端側に一体に形成されかつ前記注入路の上端開口部を開閉可能に塞ぐ蓋が装着可能な蓋装着部とを備え、
前記本体部に形成された注入路の上端と下端との間において前記注入路の内周壁面の一部から中心部に向けて突出しかつ上側の面に前記注入路の中心に向くと共に下側に向けて傾斜するガイド面を有するガイド片が一体に形成されこのガイド片により前記注入路が部分的に塞がれ、
前記ガイド片が形成された前記注入路の部分には、前記ガイド片の下側の面と前記注入路の内周壁面により気体誘導部が形成され、
前記注入接続具が前記液体容器の注入口に接続されて使用されるとき、前記ガイド片の突出先端が前記注入路の内周壁面側の根元よりも重力方向で下側に位置し、前記注入路に注入された液体が前記ガイド面に案内されて中心側に向けて流れる一方、前記気体誘導部は前記ガイド片の突出先端よりも重力方向上側に位置し、前記容器内の気体は前記気体誘導部の周方向端末から前記注入方向と反対側に排出されるように形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1に記載の液体容器の注入接続具であって、
注入路の内周壁面は、ガイド片の根元を境として当該境界部から上端開口部及び下端開口部に向けてそれぞれ徐々に大きくなるテーパー状に形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1又は2に記載の液体容器の注入接続具であって、
注入路の内周壁面から中心側に向けて突出するガイド片の突出先端位置は、前記注入路の中心を越えない範囲に形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
ガイド片は、注入路の内周壁面の一ヶ所から突出していることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
ガイド片は、注入路の内周壁面の周方向に互いに離れかつ対向する二ヶ所から突出していることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
ガイド片の上側の面のガイド面は円錐の内面の一部によって形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
ガイド片の突出先端は、凹状の円弧に形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
下端接続部の外周の複数箇所には、液体容器に取り付けるための取付部が半径方向外側にそれぞれ突出して一体に形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
下端接続部の下面には、注入路の下端開口部の周囲に沿ってシール部材が嵌込み可能な環状の凹溝が形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
注入路は、中心線が一直線に形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
注入路は、中心線がガイド片の根元を境として所定角度で交差するように形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
下端接続部の外周側面には肉抜き凹部が形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体容器の注入接続具であって、
下端接続部の下端部内周には、注入路の下端開口部に連通する内部空間を有する有底筒状の先端ガイド部材が設けられ、
前記先端ガイド部材の周壁部には、内部空間を液体容器内に連通する開口孔が形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - 請求項13に記載の液体容器の注入接続具であって、
下端接続部の下端部内周には環状凹部が形成され、
先端ガイド部材の上端部外周には、前記環状凹部の底面に一体的に接合されるフランジが形成されていることを特徴とする液体容器の注入接続具。 - エンジンのシリンダヘッドカバー内に潤滑油を注入するための注入口構造であって、
前記シリンダヘッドカバーの上部に一体に形成され、内部に注入路を有するほぼ筒状の本体部と、前記本体部の上端側に一体に形成されかつ前記注入路の上端開口部を開閉可能に塞ぐ蓋が装着可能な蓋装着部とを備え、
前記本体部に形成された注入路の上端と下端との間において前記注入路の内周壁面の一部から中心部に向けて突出しかつ上側の面に前記注入路の中心に向くと共に下側に向けて傾斜するガイド面を有するガイド片が一体に形成されこのガイド片により前記注入路が部分的に塞がれ、
前記ガイド片が形成された前記注入路の部分には、前記ガイド片の下側の面と前記注入路の内周壁面により気体誘導部が形成され、
前記ガイド片の突出先端は前記注入路の内周壁面側の根元よりも重力方向で下側に位置し、前記注入路に注入された潤滑油が前記ガイド面に案内されて中心側に向けて流れる一方、前記気体誘導部は前記ガイド片の突出先端よりも重力方向上側に位置し、前記シリンダヘッドカバー内の気体は前記気体誘導部の周方向端末から前記注入方向と反対側に排出されるように形成されていることを特徴とするシリンダヘッドカバーの注入口構造。
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