JP3578421B2

JP3578421B2 - 燃料タンクにおける給油管構造

Info

Publication number: JP3578421B2
Application number: JP04436895A
Authority: JP
Inventors: 耕一肥田野; 和美山▲崎▼; 輝男若城; 武志原; 健彰中島; 正昭堀内
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1995-03-03
Filing date: 1995-03-03
Publication date: 2004-10-20
Anticipated expiration: 2019-10-20
Also published as: JPH08238944A; US5860460A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、タンク本体に、該タンク本体から上方に延びるとともに給油ガンの給油ノズルを挿入可能な給油口を上端部に備える給油管が連設されて成る燃料タンクにおいて、給油ノズルから給油された燃料をタンク本体に円滑に導くための構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、給油ノズルから給油された燃料が給油管の内面に衝突して飛散し、その飛散燃料が給油ノズルの自動給油停止検知部に当たって給油ノズルによる給油が自動停止状態となることを回避するために、給油管の軸線にほぼ沿う複数の整流部材が給油管の内面に設けられたもの（特開昭６０−１５６９６４号公報）や、螺旋状に形成された給油ガイドが給油管の内面に設けられたもの（実開昭５７−１０９２１号公報）等が既に知られている。
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、給油ノズルから給油された燃料が整流部材や給油ガイドに衝突することが避けられず、その衝突により給油管内での燃料の蒸発量が比較的多くなる。而して蒸発燃料が発生すると、給油時の燃料タンクからの蒸発燃料の漏れが多くなったり、給油時の蒸発燃料をキャニスタで吸着するようにしたものではキャニスタの容量を大きくする必要がある。
【０００３】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、給油時の給油管内での蒸発燃料の発生を抑え、燃料をタンク本体に円滑に導き得るようにした燃料タンクにおける給油管構造を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１記載の発明は、タンク本体に、該タンク本体から上方に延びるとともに給油ガンの給油ノズルを挿入可能な給油口を上端部に備える給油管が連設されて成る燃料タンクにおいて、給油管内の給油口付近には、該給油口に挿入した給油ノズルの先端からの燃料流が給油管内面に沿って螺旋状に旋回しながらタンク本体に導かれるように、該燃料流を、給油管の内面に沿って螺旋状に旋回する方向に流れ方向を規制しつつ給油管の内面に向けて案内する流れ方向規制手段が、該手段の燃料流に対する案内面を給油管の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜させて、設けられることを特徴とする。
【０００５】
また請求項２記載の発明は、タンク本体に、該タンク本体から上方に延びるとともに給油ガンの給油ノズルを挿入可能な給油口を上端部に備える給油管が連設されて成る燃料タンクにおいて、給油管内の給油口付近には、該給油口に挿入した給油ノズルの先端からの燃料流が給油管内面に沿って螺旋状に旋回しながらタンク本体に導かれるように、該給油ノズルの給油口への挿入姿勢を給油管の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜させて該燃料流の流れ方向を給油管の内面に沿って螺旋状に旋回する方向に規制する挿入姿勢規制手段が設けられることを特徴とする。
【０００６】
【作用】
上記請求項１記載の発明の構成によれば、給油ノズルから給油される燃料が、流れ方向規制手段によって給油管の内面に円滑に案内され、給油管の内面に沿って螺旋状に旋回しつつタンク本体に導かれることになり、燃料の飛散が抑えられることにより蒸発燃料の発生も抑えられる。
【０００７】
また請求項２記載の発明の構成によれば、給油ノズルの挿入姿勢が挿入姿勢規制手段で規制されることにより、給油ノズルの燃料が給油管の内面に沿って螺旋状に旋回しつつタンク本体に導かれることになり、燃料の飛散が抑えられることにより蒸発燃料の発生も抑えられる。
【０００８】
【実施例】
以下、図面により本発明の実施例について説明する。
【０００９】
図１ないし図６は本発明の第１実施例を示すものであり、図１は燃料タンク全体の一部切欠き側面図、図２は給油管の給油口付近の切欠き拡大斜視図、図３は給油管の給油口付近の横断平面図、図４は図３の４−４線断面図、図５は図４の５−５線断面図、図６は蒸発燃料発生量を従来のものと対比して示すグラフである。
【００１０】
先ず図１において、車両に搭載される燃料タンクＴは、燃料を貯留するタンク本体１５と、該タンク本体１５に連設されて上方に延びる給油管１６とを備え、給油管１６の上端には、給油ガンの給油ノズル１７を挿入し得る給油口１８が設けられる。
【００１１】
図２ないし図５を併せて参照して、給油管１６の給油口１８には、燃料タンクＴに貯留すべき燃料とは異なる燃料用の給油ノズルが挿入されることを防止する従来周知の異種燃料給油防止ガイド１９が設けられており、この異種燃料給油防止ガイド１９の内端には、給油ノズル１７を、その軸線がたとえば給油口１８の軸線に平行となるように挿入させる円筒状の姿勢安定ガイド部材２０が固着される。しかも姿勢安定ガイド部材２０の先端部には、該ガイド部材２０の先端を閉塞する方向にばね２１で付勢されたシャッター弁２２が開閉可能に枢支されており、給油ノズル１７が姿勢安定ガイド部材２０に挿入されたときには該給油ノズル１７の先端でシャッター弁２２が強制的に開弁されるが、給油ノズル１７の非挿入時にはシャッター弁２２の閉弁状態が保持される。
【００１２】
本発明に従えば、給油管１６内の給油口１８付近には流れ方向規制手段２３₁が設けられる。この流れ方向規制手段２３₁は、上部を開放した横断面略Ｕ字状に形成されるものであり、姿勢安定ガイド部材２０を囲むようにして該流れ方向規制手段２３₁の基端が異種燃料給油防止ガイド１９に固着される。しかも流れ方向規制手段２３₁は、その先端側に向かうにつれて細狭まりとなるとともに、給油ノズル１７の先端からの燃料流を螺旋状に旋回する方向に導いて給油管１６の内面に向けて案内するように形成され、即ち、その流れ方向規制手段２３ ₁ の前記燃料流に対する案内面は、給油管１６の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜している。
【００１３】
また流れ方向規制手段２３₁の中間下部には開口部２４が設けられる。この開口部２４は、オートストップ機構を有する給油ガンにおいて、その給油ノズル１７の下部に設けられている検出孔２５（図１参照）に対応するものであり、検出孔２５が流れ方向規制手段２３₁で閉塞されない構成となっている。
【００１４】
次にこの第１実施例の作用について説明すると、給油管１６への給油ノズル１７による給油時には、給油ノズル１７の先端部から吐出される燃料が流れ方向規制手段２３₁により流れ方向を規制されて給油管１６の内面に向けて導かれる。而して流れ方向規制手段２３₁は、給油ノズル１７の先端からの燃料流を螺旋状に旋回させつつ給油管１６の内面に導くものであるから、給油ノズル１７からの燃料流は給油管１６の内面に沿って螺旋状に旋回しつつタンク本体１５に導かれることになり、給油管１６内での燃料の飛散が抑えられ、それにより給油管１６内での蒸発燃料の発生も抑えられることになる。
【００１５】
而して、流れ方向規制手段２３₁を有しない従来の給油管と、流れ方向規制手段２３₁を有する本発明のものとで給油管１６内での蒸発燃料発生量を比較すると、図６で示すようになり、本発明のものの蒸発燃料発生量が約１７パーセント低減されることが実験結果によって証明された。
【００１６】
図７は本発明の第２実施例を示すものであり、給油管１６内の給油口１８付近には流れ方向規制手段２３₂が設けられる。この流れ方向規制手段２３₂は、上記第１実施例の流れ方向規制手段２３₁と基本的には同一の形状を有するものであるが、上記第１実施例では流れ方向規制手段２３₁が異種燃料給油防止ガイド１９に固着されるのに対し、流れ方向規制手段２３₂は、支持板２６により給油管１６の内面に固着される。
【００１７】
図８ないし図１１は本発明の第３実施例を示すものであり、図８は給油管の給油口付近の切欠き拡大斜視図、図９は給油管の給油口付近の横断平面図、図１０は給油管の給油口付近の縦断側面図、図１１は図１０の１１−１１線断面図であり、第１実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【００１８】
給油管１６内の給油口１８付近には流れ方向規制手段２３₃が設けられる。この流れ方向規制手段２３₃は、先端側に向かうにつれて細狭まりとなる筒状に形成され、姿勢安定ガイド部材２０を囲撓するようにして異種燃料防止ガイド１９に連設されるものであり、給油ノズル１７の先端からの燃料流を螺旋状に旋回する方向に導いて給油管１６の内面に向けて案内するように形成され、即ち、その流れ方向規制手段２３ ₁ の前記燃料流に対する案内面もまた、給油管１６の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜している。
【００１９】
この第３実施例によっても、上記各実施例と同様に、給油ノズル１７の先端からの燃料流が流れ方向規制手段２３₃によって給油管１６の内面に沿って螺旋状に旋回するように規制され、その結果、給油管１６内での燃料の飛散を抑え、給油管１６内での蒸発燃料の発生も抑えることができる。
【００２０】
上記第１ないし第３実施例において、姿勢安定ガイド部材２０は異種燃料給油防止ガイド１９の内端から突出するように配設されているが、異種燃料給油防止ガイド１９の内方に位置するようにして該異種燃料給油防止ガイド１９の内端に連設されていてもよい。
【００２１】
図１２は本発明の第４実施例を示すものであり、上記各実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【００２２】
給油管１６内の給油口１８付近には給油ノズル１７の給油口１８への挿入姿勢を規制する挿入姿勢規制手段２７が設けられる。
【００２３】
この挿入姿勢規制手段２７は、給油ノズル１７を挿入可能な挿入孔２８を有する円筒状にして異種燃料防止ガイド１９に連設されるものであり、挿入姿勢規制手段２７の先端部には、給油管１６の挿入孔２８への挿入に応じて開放するシャッター弁２２が配設される。而して挿入孔２８は、給油管１６の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜した軸線を有するものであり、挿入孔２８に挿入された給油ノズル１７からの燃料流は給油管１６の内面に沿って螺旋状に旋回する方向に規制される。
【００２４】
この第４実施例によれば、給油ノズル１７の挿入姿勢が挿入姿勢規制手段２７で規制されることにより、給油ノズル１７の燃料が給油管１６の内面に沿って螺旋状に旋回しつつタンク本体１５に導かれることになり、燃料の飛散が抑えられることにより蒸発燃料の発生も抑えられる。
【００２５】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【００２６】
【発明の効果】
以上のように請求項１の発明によれば、給油管内の給油口付近には、該給油口に挿入した給油ノズルの先端からの燃料流が給油管内面に沿って螺旋状に旋回しながらタンク本体に導かれるように、該燃料流を、給油管の内面に沿って螺旋状に旋回する方向に流れ方向を規制しつつ給油管の内面に向けて案内する流れ方向規制手段が、該手段の燃料流に対する案内面を給油管の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜させて、設けられるので、給油ノズルから給油される燃料が、流れ方向規制手段によって給油管の内面に円滑に案内され、給油管の内面に沿って螺旋状に旋回しながらタンク本体に導かれることになり、給油管内での燃料の飛散を抑えることによって蒸発燃料の発生を抑えることができる。また請求項２の発明によれば、給油管内の給油口付近には、該給油口に挿入した給油ノズルの先端からの燃料流が給油管内面に沿って螺旋状に旋回しながらタンク本体に導かれるように、該給油ノズルの給油口への挿入姿勢を給油管の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜させて該燃料流の流れ方向を給油管の内面に沿って螺旋状に旋回する方向に規制する挿入姿勢規制手段が設けられるので、給油ノズルの挿入姿勢が挿入姿勢規制手段で規制されることにより、給油ノズルの燃料が給油管の内面に沿って螺旋状に旋回しながらタンク本体に導かれることになり、給油管内での燃料の飛散を抑えることにより蒸発燃料の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施例の燃料タンク全体の一部切欠き側面図である。
【図２】給油管の給油口付近の切欠き拡大斜視図である。
【図３】給油管の給油口付近の横断平面図である。
【図４】図３の４−４線断面図である。
【図５】図４の５−５線断面図である。
【図６】蒸発燃料発生量を従来のものと対比して示すグラフである。
【図７】第２実施例における給油管の給油口付近の切欠き拡大斜視図である。
【図８】第３実施例における給油管の給油口付近の切欠き拡大斜視図である。
【図９】給油管の給油口付近の横断平面図である。
【図１０】給油管の給油口付近の縦断側面図である。
【図１１】図１０の１１−１１線断面図である。
【図１２】第４実施例における給油管の給油口付近の横断平面図である。
【符号の説明】
１５・・・タンク本体
１６・・・給油管
１７・・・給油ノズル
１８・・・給油口
２３₁，２３₂，２３₃・・・流れ方向規制手段
２７・・・挿入姿勢規制手段
Ｔ・・・・燃料タンク

Claims

タンク本体（１５）に、該タンク本体（１５）から上方に延びるとともに給油ガンの給油ノズル（１７）を挿入可能な給油口（１８）を上端部に備える給油管（１６）が連設されて成る燃料タンクにおいて、
給油管（１６）内の給油口（１８）付近には、該給油口（１８）に挿入した給油ノズル（１７）の先端からの燃料流が給油管（１６）内面に沿って螺旋状に旋回しながらタンク本体（１５）に導かれるように、該燃料流を、給油管（１６）の内面に沿って螺旋状に旋回する方向に流れ方向を規制しつつ給油管（１６）の内面に向けて案内する流れ方向規制手段（２３₁，２３₂，２３₃）が、該手段（２３ ₁ ，２３ ₂ ，２３ ₃ ）の燃料流に対する案内面を給油管（１６）の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜させて、設けられることを特徴とする、燃料タンクにおける給油管構造。
タンク本体（１５）に、該タンク本体（１５）から上方に延びるとともに給油ガンの給油ノズル（１７）を挿入可能な給油口（１８）を上端部に備える給油管（１６）が連設されて成る燃料タンクにおいて、
給油管（１６）内の給油口（１８）付近には、該給油口（１８）に挿入した給油ノズル（１７）の先端からの燃料流が給油管（１６）内面に沿って螺旋状に旋回しながらタンク本体（１５）に導かれるように、該給油ノズル（１７）の給油口（１８）への挿入姿勢を給油管（１６）の軸線に対し上下及び左右方向に傾斜させて該燃料流の流れ方向を給油管（１６）の内面に沿って螺旋状に旋回する方向に規制する挿入姿勢規制手段（２７）が設けられることを特徴とする、燃料タンクにおける給油管構造。