JP2003232294A - 中空品成形法によって組立てるためのブロワファン分割体 - Google Patents
中空品成形法によって組立てるためのブロワファン分割体Info
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Abstract
法によって容易かつ確実に行うことを可能とするブロワ
ファン分割体を提供すること。 【解決手段】 円形基板部および中心に空気取入口が形
成されたドーナツ状の蓋部材を形成する内面との間に放
射状に延びる羽根部によって、互いに隣接する羽根部の
間に放射状の送風通路が形成された合成樹脂製ブロワフ
ァンを、中空品成形法によって組立てるためのブロワフ
ァン分割体であって、円形基板部と羽根部とを有する第
一分割体と、内面を有する第二分割体と、を有し、該第
二分割体の第一分割体に対して反対側の外面には、第一
分割体の羽根部と整列して放射状に延びる、溶融合成樹
脂で満たすための溜め部が形成されており、更に、該溜
め部を形成する底壁部には、第一分割体と第二分割体と
を組立てた状態において、第一分割体の羽根部の先端面
が、溜め部の中に露出するように、先端部を挿入可能、
かつ、互いに緊密嵌合する貫通孔が形成されている、こ
とを特徴とするブロワファン分割体。
Description
る工程によって、合成樹脂製のブロワファンを形成する
ための分割体であって、より詳細には、円形基板部と、
中心に空気取入口が形成されたドーナツ状の蓋部を形成
する内面との間に、放射状の送風通路が形成された合成
樹脂製ブロワファンを、前記中空品成形法によって形成
するための分割体に関する。
布機などの作業機において、気流を生成するための送風
機が使用されている。該送風機は、例えば、空冷式2サ
イクル内燃機関によって回転駆動されるブロワファンを
有する。該ブロワファンはいずれも、ほぼ同様な構造を
有し、円形基板部と、中心に空気取入口が形成されたド
ーナツ状の蓋部を形成する内面との間に放射状に延びる
羽根部によって、互いに隣接する前記羽根部の間に放射
状の送風通路が形成されている。従来の典型的なブロワ
ファンの前記内面を有する蓋部材は、前記羽根部の一部
分の壁厚を厚くして形成されたボスに対して、ビス止め
やリベット止めで固定されている。
風性能は、前記羽根部で形成される送風通路の形状によ
って大きく左右される。従来のやり方では、前記羽根部
に前記ボスを形成しなければならならず、設計上、著し
い制約となる。また、ビス止め等の二次工程が必要であ
り、製造に手間と時間を要する。
ニカル」(2000年5月号第122頁乃至第127
頁)、特公平2−38377号公報、および、特開平1
1−138584号公報に記載されているような中空品
成形法が知られている。前記文献に記載されている中空
品成形法について簡単に説明すると、まず、互いに接合
すべき二つの分割体を、溶融合成樹脂で金型を用いて一
次成形する。引き続き、前記分割体を離型させずにその
まま前記金型を移動させて、前記分割体を互いに突き合
わせ、前記分割体がまだ熱い状態で、前記分割体の突き
合わせ周縁部に形成された空間に溶融合成樹脂を射出充
填して二次成形する。これによって、前記分割体の前記
突き合わせ周縁部が、前記溶融合成樹脂の熱で溶けるこ
とによって、また、前記溶融合成樹脂自体によって、互
いに一体的に溶着される。なお、本明細書において、
「中空品成形法」の用語は、上記の方法を意味するもの
とする。
て使用する金型の運動方向によって、DSI(Die Slide
Injection)とDRI(Die Rotating Injection)の、二
つの方法がある。DSIは、一次成形品を成形した後
に、該一次成形品をキャビティ内に残したまま金型を開
き、前記一次成形品金型をスライド(直線運動)させ
て、二つの分割体を互いに突き合わせ、前記二次成形工
程によって互いに溶着する。また、DRIは、二つの分
割体をキャビティ内に残した状態で金型を回転させ、二
つの分割体を互いに突き合わせ、接合面の間に形成され
た空間に前記溶融合成樹脂を射出注入し、互いに溶着す
る。本明細書において、「中空品成形法」の用語は、こ
のような金型の運動方向にかかわらず、前記の方法を意
味するものとする。本発明は、ブロワファンの一体化組
立てを、前記中空品成形法によって容易かつ確実に行う
ことを可能とするブロワファン分割体を提供することを
目的とする。
形基板部および中心に空気取入口が形成されたドーナツ
状の蓋部を形成する内面との間に放射状に延びる羽根部
によって、互いに隣接する前記羽根部の間に放射状の送
風通路が形成された合成樹脂製ブロワファンを、中空品
成形法によって組立てるためのブロワファン分割体であ
って、前記円形基板部と前記羽根部とを有する第一分割
体と、前記内面を有する第二分割体と、を有し、該第二
分割体の前記第一分割体に対して反対側の外面には、前
記第一分割体の前記羽根部と整列して放射状に延びる、
溶融合成樹脂で満たすための溜め部が形成されており、
更に、該溜め部を形成する底壁部には、前記第一分割体
と前記第二分割体とを組立てた状態において、前記第一
分割体の前記羽根部の先端面が、前記溜め部の中に露出
するように、先端部を挿入可能、かつ、互いに緊密嵌合
する貫通孔が形成されている、ことを特徴とするブロワ
ファン分割体によって達成することができる。
にして成形され、また、接合される。まず、適宜の構成
とした成形用金型の、前記第一分割体と前記第二分割体
とを形成する各キャビティの中に、溶融合成樹脂を注入
して、前記第一分割体と前記第二分割体を一次成形す
る。
記第一分割体と前記第二分割体を他方の半部の中に残し
た状態とする。これによって、前記第二分割体は、前記
上面を形成する側の前記キャビティの中に残される。引
き続き、前記第一分割体の前記羽根部と前記第二分割体
の前記貫通孔とを、互いに対向整列させるように金型同
志を相対移動せしめ、前記羽根部の前記先端部を前記貫
通孔の中に挿入する。これによって、前記貫通孔が前記
羽根部の前記先端部によって閉じられる。この状態にお
いて、前記羽根部の前記先端面が前記溜め部の中に露出
する。また、前記第二分割体が残された前記キャビティ
の面によって、前記溜め部は、前記羽根部の先端部によ
って閉じられた側と反対側において閉じられるようにせ
しめておけば、その中に溶融合成樹脂を流す流路が画成
される。すなわち、本発明においては、金型面を利用し
て、前記溜め部を閉じて流路を画成するものである。ま
た、前記第二分割体側の前記金型半部には、前記溜め部
又は前記流路に開口する、前記溶融合成樹脂を注入する
ための注入口と、大気に開放するガス抜き用孔とが適宜
に設けられる。
ら充填する。前記溶融合成樹脂は、前記溜め部又は流路
の中を流れる。前記溜め部内の空気は、前記溶融合成樹
脂によって、前記金型に形成された前記両ガス抜き用孔
を介して大気側へ押し出される。前記溶融合成樹脂は、
前記溜め部内で、その内壁面および前記羽根部の前記先
端面と接触し、その熱によって、これらの壁面が適宜の
程度まで溶かされる。前記両分割体の合成樹脂が溶ける
際に発生したガスも、前記ガス抜き用孔から大気に放出
される。前記溜め部または流路を完全に充填することが
できる量の前記溶融合成樹脂を注入して、射出注入を終
える。引き続き、前記ブロワファンを前記金型から外
す。作業者は、前記溜め部が前記溶融樹脂で完全に満た
されているかを、外側から簡単に目視確認できる。
工程によって、前記ブロワファンを一体形成することが
でき、製造工程が簡素化される。また、前記中空品成形
法によって、前記羽根部の前記先端部を前記第一分割体
に対して溶着接合するので、従来の構造のように、前記
羽根部近傍に、ドーナツ状蓋部材(側板)の取り付け用
のボス部などを設ける必要がなく、前記送風通路の設計
上の制約が著しく少なくなり、前記ブロワファンの性能
の観点から、ブロワファンの構造を自由に設計すること
ができる。更に、前記溶融合成樹脂を注入する流路を、
開放した前記溜め部によって構成し、それを前記金型面
を利用して閉じるようにして、閉ざされた前記流路を形
成するようにしているので、厚さに制限のある前記第二
分割体に前記流路を閉じるための壁部を残す必要がな
く、前記流路の容積を大きくすることができる。したが
って、前記溶融合成樹脂の急激な温度低下を防止するこ
とができ、十分な量の前記溶融合成樹脂を注入でき、前
記溶融合成樹脂の熱によって、前記流路内の各壁面を確
実に必要十分な程度に溶かすことができ、結合強度を高
めることができる。
部の前記先端部には、前記組立状態において、前記溜め
部の中に突出する突出部が設けられており、該突出部の
外周面と前記溜め部の内周面との間に隙間が形成され
る。また、本発明の実施の形態においては、前記突出部
の前記溜め部の中への突出高さを増大させるため、前記
溜め部を深くするように、前記底壁部は、前記組立状態
において、前記第一分割体の前記羽根部に向かう方向に
隆起している。更に、本発明の実施の形態においては、
前記羽根部の前記先端部の基部の周囲には、前記羽根部
の厚さ方向内方に向かって延びる段部が形成されてお
り、該段部は、前記組立状態において、前記第二分割体
の前記内面の、前記貫通孔を取囲む面に当接する。
本発明にかかる中空品成形法によって組立てるブロワフ
ァン分割体の実施の形態について説明する。本実施形態
にかかるブロワファン分割体3,4は、例えば、除草剤
や肥料等を散布するための薬剤散布機や、枯れ葉等を吹
き飛ばすためのパワーブロワ等に設けられた送風機に使
用するブロワファン2を成形するのに使用される。該ブ
ロワファン2は、一般的に、円形基板部6および中心に
空気取入口5が形成されたドーナツ状の蓋部を形成する
内面との間に放射状に延びる羽根部8によって、互いに
隣接する前記羽根部8の間に、放射状の送風通路Pが形
成されている。
施の形態にかかる第一分割体の正面図である。図1を参
照して、本実施形態にかかる第一分割体3の構成を説明
する。該第一分割体3は、前記ブロワファン2として組
み込んだ状態において、回転駆動する駆動部(図示せ
ず)側に配置される円形基板部6と、複数の羽根部8
と、を有する。前記円形基板部6と前記羽根部8とは、
合成樹脂によって互いに一体的に成形されている。前記
円形基板部6の中心には、ハブ部10が、また、該ハブ
部10の周りには、ビスによって前記駆動部に対して取
付けるための取付け孔12が形成されている。図1を見
て分かるように、前記羽根部8は、前記円形基板部6の
上面6aに放射状に延びいる。
記第一分割体3の断面図である。図2を見て分かるよう
に、前記円形基板部6の前記上面6aは、前記ハブ部1
0から半径方向外方に向かって斜め下方に傾斜してい
る。また、前記羽根部8は、半径方向内側部分に前記ハ
ブ部10に隣接して設けられた、高さの低い気流偏向部
分8aと、該気流偏向部分8aの半径方向外方に一体的
に連設された、高さの高い通路形成部分8bと、を有す
る。後に詳述するように、蓋部材(側板)を構成する第
二分割体4が取付けられた状態において、前記気流偏向
部分8aは、前記第二分割体4の中心に設けられた空気
取入口5から流入した空気の向きを半径方向外方に差し
向ける。また、前記第二分割体4の内面4aと前記羽根
部8の前記通路形成部分8bとによって、放射状に延び
る送風通路Pが形成される。ドーナツ状の前記第二分割
体4の幅Wは、前記羽根部8の前記通路形成部分8bの
長さ寸法と等しく、組立て状態において、前記通路形成
部分8bの全体を覆って、前記送風通路Pを形成する。
め、半径方向外側部分の出口面積が、前記空気取入口5
の近傍の入口面積よりも小さくなければならない。図1
を見て分かるように、前記通路形成部分8bは、前記円
形基板部6の半径方向外方に向けて放射状に延びてお
り、互いに隣接する前記通路形成部分8bの間の距離
は、半径方向内側における距離d1よりも、半径方向外
側における距離d2の方が広くなっている。図2に示す
ように、前記羽根部8の前記通路形成部分8bの上縁
は、半径方向外方に向かって、前記円形基板部6の前記
上面6aの前記傾斜角度より大きい角度で傾斜し、高さ
がh1からh2に低くなっている。これによって、前記
第二分割体4を組立てた状態において、前記出口面積が
前記入口面積よりも小さくなる。
た、図4は、第二分割体の背面図である。更に、図5
は、図4に示す背面図の部分拡大図である。更に、図6
は、第一分割体3と第二分割体4とを組立てた状態で
の、直径方向における断面図であり、また、図7は、図
6に示すVII-VII線に沿った横断面図である。図1に示
す前記第一分割体3の上に、図3および図4に示す、前
記蓋部材を構成する第二分割体4が取付けられる。該第
二分割体4は、前記第一分割体3と等しい外径Dを有し
ており、中心に前記空気取入口5が形成されており、全
体的にドーナツ形状をなしている。前記第二分割体4
は、前記第一分割体3と同じ合成樹脂によって成形され
ている。図3を見て分かるように、前記第二分割体4の
前記第一分割体3に対して反対側の外面4dには、前記
第一分割体3と第二分割体4とを組立てた状態(以下、
「組立状態」という)において、前記羽根部8と整列し
て放射状に延びる溝状の溜め部Rが形成されている。
底壁部22には、前記第一分割体3の前記羽根部8の先
端面8eが後述する溜め部Rの中に露出するように先端
部8fを挿入可能な貫通孔14が形成されている。該貫
通孔14は、前記羽根部8と整列して放射状に延びる前
記溜め部Rに沿って、放射状に延びている。後に説明す
るように、前記溜め部Rの中に前記溶融合成樹脂を注入
して、前記第一分割体3と前記第二分割体4とを互いに
一体的に溶着接合するが、最大限の構造上の強度を得る
ため、前記貫通孔14の長さ寸法を、できるだけ、前記
羽根部8と同じ長さ寸法とするようにし、前記羽根部8
の全体にわたって挿入可能とすることが望ましい。すな
わち、前記貫通孔14を、前記第二分割体4の実質的に
外側縁部4bから内側縁部4cまで、実質的に前記第二
分割体4の幅W全体にわたって設けるのが望ましい。ま
た、前記羽根部8の前記先端部8fには、これに伴っ
て、前記貫通孔14の長さ寸法L1と略同じ長さL2に
合わせた位置に、切欠き8cが設けられて形成される。
8の前記先端部8fの形状について更に詳細に説明す
る。前記羽根部8には、両端角部のそれぞれに、前記切
欠き8cが形成されており、該二つの切欠き8cの間
に、前記貫通孔14の中に挿入される部分(先端部8
f)が設けられている。該先端部8fの周囲には、段部
8h(図7参照)が形成されており、それによって、前
記先端部8fが、その基部の壁厚tよりも薄くされてい
る。前記貫通孔14は、肉薄の前記先端部8fと相補的
形状を有し、挿入したとき、前記貫通孔14の中に密接
に嵌合される。これによって、前記貫通孔14が閉じら
れ、後に説明するように、溶融合成樹脂を注入するため
の前記溜め部Rが形成される。また、前記段部8hは、
前記組立状態において、前記第二分割体4の前記第一分
割体3と対向する内面4aの、前記貫通孔14を取囲む
面22aに密接に当接するように形成されている。
の肉薄部分の先端は、前記組立状態において、前記溜め
部Rの中に突出する突出部8gとなっている。該突出部
8gの厚さ寸法は、前記溜め部Rの幅寸法より小さく、
前記突出部8gの周りには、前記溜め部Rの内周壁との
間に隙間Gが形成される。また、前記突出部8gの高さ
寸法は、前記溜め部Rの深さ寸法より小さい。後に説明
するように、前記溜め部Rの中に溶融合成樹脂が注入さ
れると、前記隙間Gの中に流れ込み、また、前記突出部
8gの上方も、前記溶融合成樹脂によって満たされる。
根部8の前記突出部8gの前記溜め部Rの中への突出高
さを増大させるため、前記溜め部Rを深くするように、
前記第二分割体4の前記底壁部22は、前記組立状態に
おいて、前記第一分割体3の前記羽根部8に向かう方向
に隆起している。図7を見て分かるように、前記貫通孔
14は、その横断面において、前記溜め部Rの幅寸法よ
りも狭くされており、前記溜め部Rと前記貫通孔14と
で、段付き矩形孔を構成している。なお、図3に示す如
く、前記第二分割体4の外面4d側には、成形性を高め
るとともに、重量軽減用の肉盗み部22aが、前記底壁
部22の隆起に対応せしめて、配設されている。
体は、以下のようにして形成され、更に、組立てられて
ブロワファン2が形成される。本実施形態にかかるブロ
ワファン分割体は、前記DSI法によって成形される。
成形用金型は、図示しないが、固定型と、可動型と、前
記固定型と前記可動型との間に挟まれて配置されたスラ
イド型と、を有する。該スライド型は、前記固定型の面
に密着した状態を保ちながら、シリンダによって下方位
置と上方位置との間でスライド可能に設けられている。
また、前記可動型は、開閉装置によって前後移動可能に
設けられている。前記可動型と前記スライド型の対向面
には、前記可動型の上部の面に前記第一分割体3の雌型
が、一方、前記スライド型の上部の面には第一分割体3
の雄型が形成され、また、前記可動型の下部の面に前記
第二分割体4の雄型が、一方、前記スライド型の下部の
面には前記第二分割体4の雌型が形成されている。ここ
で、前記スライド型に形成された前記第二分割体4の前
記雌型キャビティ面は、前記第二分割体4の前記外面4
dと同一形状の環状形をなし、また、前記溜め部Rと対
向する面は、前記外面4dと面一の面をなしている。ま
た、前記可動型に形成された前記雄型キャビティ面に
は、前記第二分割体4の前記内面4aと同一形状の環状
形をなし、かつ、前記貫通孔14を形成するための放射
状に延びる突条が形成されている(金型は図示せず)。
前記スライド型を前記可動型と合わせ、前記両キャビテ
ィ内に溶融合成樹脂を注入して前記第一分割体3および
前記第二分割体4を一次成形する。引き続き、前記可動
型を前記スライド型から遠ざかる後方向に移動させ、前
記第一分割体3および前記第二分割体4を型内に残した
まま、前記スライド型を前記シリンダによって前記上方
位置に移動させて、前記第二分割体4を前記第一分割体
3と整列させる。次に、前記可動型を前記スライド型に
向かって前方向に移動させ、前記第一分割体3と前記第
二分割体4とを当接させる。それによって、前記羽根部
8の前記先端部8fが前記貫通孔14の中に挿入され
て、前記突出部8gの前記先端面8eと周面が、前記溜
め部Rの中に露出する。また、前記羽根部8の前記段部
8hが前記貫通孔14を取囲む面22aに当接して、前
記貫通孔14が液密に閉じられる。なお、この状態にお
いて、前記溜め部Rの開放部は、前記第二分割体4を形
成する前記スライド型のキャビティ壁によって閉じられ
ているので、内部に溶融合成樹脂を注入する前記溜め部
R又は流路Fが画成される。
割体4を形成する前記スライド型には、前記溶融合成樹
脂を前記流路Fの中に注入せしめるための流出口16
と、大気に開放した金型ガス抜き用孔となる通気孔20
と、が形成されている。これら流出口16と通気孔20
の位置を点線で示している。前記流出口16は、前記溜
め部Rまたは前記流路Fの一端部に開口する位置してお
り、また、前記通気孔20は他端部に開口する位置に設
けられている。
する前記注入口16の中に、射出機によって、前記第一
分割体3および前記第二分割体4を形成している合成樹
脂と同じ溶融合成樹脂を射出注入する。前記溜め部R
が、前記溶融合成樹脂によって前記注入口16が設けら
れた上流側から充填される。前記溶融合成樹脂は、前記
溜め部Rの中を下流端まで流れる。この際、前記羽根部
8の前記先端部8fの前記突出部8gと前記溜め部Rの
内壁面との間の前記隙間Gと、前記突出部8gの前記先
端面8eの上方空間とが、前記溶融合成樹脂によって満
たされる。前記溜め部R内の空気は、前記溶融合成樹脂
によって前記ガス抜き用通気孔20を介して大気へ押し
出される。前記溶融合成樹脂は、前記溜め部Rを画成す
る壁面と接触し、その熱によって、これらの壁面が所定
の程度迄溶ける。合成樹脂が溶ける際に発生したガス
も、前記ガス抜き用通気孔20から大気に放出される。
前記溜め部Rを完全に充填することができる所定量の前
記溶融合成樹脂を注入して、前記射出注入を終える。
2を前記金型から外す。作業者は、前記溜め部Rが前記
合成樹脂によって満たされているかを目視検査すること
によって、前記第一分割体3と前記第二分割体4とが、
互いに確りと溶着されたか否かの確認を行う。何らかの
理由で、前記溶融合成樹脂の注入量が充分でなく、前記
溜め部Rの一部だけしか充填されなかった場合は、前記
羽根部8の接合不良により、必要な構造上の強度を得ら
れないことになるので、前記目視検査において不合格で
ある前記ブロワファン2は排除する。
前記羽根部8の前記先端部8fが、前記貫通孔14に密
接に嵌合されるので、また、前記段部8hが前記貫通孔
14を取囲む面22aに当接するので、前記溶融合成樹
脂が、注入圧によって前記溜め部Rの外に漏れ出るのが
防止される。また、前記羽根部8の前記先端部8fを前
記貫通孔14の中に挿入することによって、前記第二分
割体4を前記第一分割体3に対して容易に位置決めする
ことができる。
8の前記突出部8gが前記溜め部Rの中に突出するの
で、前記溜め部Rの中に注入される前記溶融合成樹脂と
の接触面積を大きくすることができるので、より大きな
結合強度を得ることができる。更に、本実施形態におい
ては、前記底壁部22が隆起しているので、前記第二分
割体4の壁厚に制限されることなく、前記溜め部Rの深
さを必要に応じて深くすることができる。したがって、
それに伴って、前記突出部8gの長さも長くすることが
できるので、前記溶融樹脂との接触面積を容易に増大す
ることができ、より大きな結合強度を得ることができ
る。また、前記溜め部Rの深さを深くすることによっ
て、前記溜め部Rの容積を大きくすることもでき、中に
注入する前記溶融合成樹脂の急激な温度低下を防止する
ことができ、前記羽根部8の前記先端部8fの溶かし込
みを確実にすることができ、接着強度をより向上させる
ことができる。
8の前記先端部8fの略全体を、前記溜め部Rの中に挿
入して、互いに結合するようにしているので、強い溶着
強度を得ることができる。更に、本実施形態によれば、
前記溶融合成樹脂が注入される前記溜め部Rが、外側に
露出しているので、前記羽根部8全体にわたって良好に
溶着されているかどうかの目視確認を容易に行うことが
できる。
8は、前記回転駆動部側によって駆動される前記円形基
板部6と一体的に成形されているので、前記回転駆動部
によって与えられる力に対する必要強度を確保すること
ができる。一方、大きな外力の加わらない前記蓋部材と
なる第二分割体4と、前記各羽根部8との間を溶着する
ようにしているので、前記ブロワファン2の全体として
の必要な強度を得ることができる。本発明は、以上の実
施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載
された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それら
も本発明の範囲内に包含されるものであることはいうま
でもない。
は、前記第一分割体3および前記第二分割体4を形成し
ているものと同じ合成樹脂を使用しているが、これらは
同種類である必要はなく、前記第一分割体3および前記
第二分割体4を形成している合成樹脂と、互いに確りと
溶着される合成樹脂であれば、いかなる種類のものであ
ってもよい。また、本実施形態においては、前記溜め部
Rの前記底壁部22が隆起しており、前記溜め部Rの深
さ及び容積を増加させる点で有利であるが、面を溶かす
ため、前記溶融合成樹脂の温度を所定の高温に維持でき
るように前記溜め部R内の容積を確保できれば、前記底
壁部22は必ずしも隆起させる必要はない。
肉薄の前記突出部8gを設けることによって、前記溶融
合成樹脂との接触面積を大きくすることができるが、前
記突出部8gを設けず、前記羽根部8の前記先端面8e
だけを前記溜め部Rの中に露出するようにしてもよい。
更に、前記溜め部Rは、前記羽根部8の長手方向に並べ
て配置された複数の溜め部で構成されていてもよい。な
お、前記第二分割体4を形成する前記金型に設けられた
前記注入口16と前記ガス抜き用通気孔20の位置は、
前記溜め部Rに連通していれば、長手方向の別の位置に
あってもよい。
組立てを中空品成形法によって容易かつ確実に行うこと
を可能にするブロワファン分割体を提供することができ
る。
にかかる第一分割体の正面図である。
面図である。
ける、直径方向における断面図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 円形基板部(6)および中心に空気取入
口(5)が形成されたドーナツ状の蓋部材を形成する内
面(4a)との間に放射状に延びる羽根部(8)によっ
て、互いに隣接する前記羽根部(8)の間に放射状の送
風通路(P)が形成された合成樹脂製ブロワファン
(2)を、中空品成形法によって組立てるためのブロワ
ファン分割体(3,4)であって、 前記円形基板部(6)と前記羽根部(8)とを有する第
一分割体(3)と、前記内面(4a)を有する第二分割
体(4)と、を有し、該第二分割体(4)の前記第一分
割体(3)に対して反対側の外面(4d)には、前記第
一分割体(3)の前記羽根部(8)と整列して放射状に
延びる、溶融合成樹脂で満たすための溜め部(R)が形
成されており、更に、該溜め部(R)を形成する底壁部
(22)には、前記第一分割体(3)と前記第二分割体
(4)とを組立てた状態において、前記第一分割体
(3)の前記羽根部(8)の先端面(8e)が、前記溜
め部(R)の中に露出するように、先端部(8f)を挿
入可能、かつ、互いに緊密嵌合する貫通孔(14)が形
成されている、ことを特徴とするブロワファン分割体。 - 【請求項2】 前記羽根部(8)の前記先端部(8f)
には、前記組立状態において、前記溜め部(R)の中に
突出する突出部(8g)が設けられており、該突出部
(8g)の外周面と前記溜め部(R)の内周面との間に
隙間(G)が形成される、ことを特徴とする請求項1に
記載のブロワファン分割体。 - 【請求項3】 前記突出部(8g)の前記溜め部(R)
の中への突出高さを増大させるため、前記溜め部(R)
を深くするように、前記底壁部(22)は、前記組立状
態において、前記第一分割体(3)の前記羽根部(8)
に向かう方向に隆起している、ことを特徴とする請求項
2に記載のブロワファン分割体。 - 【請求項4】 前記羽根部(8)の前記先端部(8f)
の基部の周囲には、前記羽根部(8)の厚さ方向内方に
向かって延びる段部(8h)が形成されており、該段部
(8h)は、前記組立状態において、前記第二分割体
(4)の前記内面(4a)の、前記貫通孔(14)を取
囲む面(22a)に当接する、ことを特徴とする請求項
1乃至3のいずれか一項に記載のブロワファン分割体。
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