JP4498691B2 - 面付けシステムおよび方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷の技術分野に属し、特に刷版作成工程における面付けシステムおよび方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、刷版を作成する工程における面付けを行う作業は、作業者が、刷版の大きさ、折順、各センサーを働かせるために付加するマークの位置などの印刷機の仕様を考慮しながら、刷版上のどの位置に各頁イメージおよびマークを配置するかを決定している。
【0003】
また、従来、面付け作業の時間と労力を低減し、誤作業を排除するために、頁データと、仕様データに基づいて面付けの計算を行い、刷版イメージを作成する自動面付装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−326473号公報
【0005】
これらの面付け作業は、例えば、印刷機の仕様により、あるマークが用紙右端から5mmに入るといった場合であっても、作業者が、刷版の大きさ、用紙の大きさ、刷版と用紙の位置関係を考慮しながら、刷版のくわえ側左端を基準とした配置位置を計算して指示しなければならないという問題がある。
【0006】
特に、印刷機の変更や用紙の変更などが行われた場合、作業員が、その変更内容に応じて、刷版上の各頁の配置位置や付加マークの配置を再計算する必要があり、多大な時間と労力が必要で、大きな負荷となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、印刷機や用紙が変更された場合においても、作業員が、刷版上の各頁の配置位置や付加マークの配置を再計算することがないようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、 印刷刷版に対して、面付け部品を配置する面付けシステムであって、 刷版上に配置する面付け部品を階層に分け、各部品を、その部品が属する階層よりも一つ上位の階層に属する他の部品に関連付けるか、あるいは、各部品を、同じ階層に属する他の部品の1つにそれぞれ関連付けるかし、各部品を配置する刷版上の位置を、関連付けた他の部品の配置基準からのオフセット値として設定した管理情報を記憶する記憶手段と、 刷版に対する最上位階層の面付け部品の配置位置を再計算し、それより下位または同位の階層に属する面付け部品の刷版上の配置位置は、前記記憶手段を参照して各面付け部品の間の前記配置基準からのオフセット値から算出することにより、該面付け部品を刷版上へ配置する配置手段と、を設けたものである。
【0009】
本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る面付けシステムにおいて、前記配置手段が、該面付け部品を配置する配置基準を設定する基準設定手段と、 前記配置基準からのオフセット値により該面付け部品を配置する刷版上の位置を算出する位置算出手段と、 前記記憶手段に記憶した情報により、該面付け部品を回転する回転手段と、 該面付け部品を刷版上に配置する面付け部品配置手段と、を設けたものである。
【0010】
本発明の第3の態様は、上述の第1または2の態様に係る面付けシステムにおいて、前記面付け部品が、頁イメージ、製版面付イメージを含む刷版部品と、刷版上に仮想的に想定するする仮想部品と、刷版上に配置するマークと、により構成するようにしたものである。
【0011】
本発明の第4の態様は、上述の第1から3の態様に係る面付けシステムにおいて、前記記憶手段に、前記刷版部品および前記仮想部品の管理情報を記憶する部品記憶手段と、前記マークの管理情報を記憶するマーク記憶手段とを設けたものである。
【0012】
本発明の第5の態様は、上述の第1から4の態様に係る面付けシステムにおいて、前記部品記憶手段が、前記刷版部品および前記仮想部品を配置する階層情報と、同一階層における各部品間の識別を行う部品番号と、該部品に関連付けられた上位階層の他の部品を示す上位部品番号と、該部品の上位階層の部品の配置基準である原点位置からのオフセット値と、該部品の上位階層の部品に対する部品配置向き情報と、により構成するようにしたものである。
【0013】
本発明の第6の態様は、上述の第1から5の態様に係る面付けシステムにおいて、前記マーク記憶手段が、該マークを配置する階層情報と、該マークを配置する前記階層上の特定部品を指定する部品番号と、該マークの配置位置を算出するための配置基準である原点位置情報と、該マークの前記は原点位置からのオフセット値と、により構成するようにしたものである。
【0014】
本発明の第7の態様は、上述の第1から6の態様に係る面付けシステムにおいて、前記基準設定手段に、配置する面付け部品が前記刷版部品または前記仮想部品の場合に、前記部品記憶手段を参照し、該配置部品の上位階層部品を特定し、該上位階層部品の予め定めた原点位置の刷版上における配置座標を該面付け部品の配置基準として設定する部品基準設定手段を設けたものである。
【0015】
本発明の第8の態様は、上述の第1から7の態様に係る面付けシステムにおいて、前記基準設定手段に、配置する面付け部品が前記マークの場合に、前記マーク記憶手段を参照し、該マークを配置する階層を特定し、前記マーク記憶手段に記憶する前記原点位置情報の刷版上における配置座標を該マークの配置基準として設定するマーク基準設定手段を設けたものである。
【0016】
本発明の第9の態様は、上述の第1から8の態様に係る面付けシステムにおいて、前記位置算出手段が、前記設定した配置基準から、前記部品記憶手段または前記マーク記憶手段に記憶するオフセット値を加算して、該面付け部品の刷版上の配置位置を算出する、ように構成したものである。
【0017】
本発明の第10の態様は、上述の第1から9の態様に係る面付けシステムにおいて、前記回転手段が、配置する面付け部品が前記刷版部品の場合に、前記部品記憶手段を参照し、前記部品配置向き情報に基づき該刷版部品を回転するように構成したものである。
【0018】
本発明の第11の態様は、 印刷刷版に対して、面付け部品を配置する面付け方法であって、 刷版上に配置する面付け部品を階層に分け、各部品を、その部品が属する階層よりも一つ上位の階層に属する他の部品に関連付けるか、あるいは、各部品を、同じ階層に属する他の部品の1つにそれぞれ関連付けるかし、各部品を配置する刷版上の位置を、関連付けた他の部品の配置基準からのオフセット値として設定した管理情報を記憶する段階と、 前記記憶した面付け部品の管理情報を参照して、該面付け部品の配置位置を算出する基準となる配置基準を設定する段階と、 前記設定した配置基準から、前記記憶手段に記憶するオフセット値を加算して、該面付け部品の刷版上の配置位置を算出する段階と、を行うようにしたものである。
【0019】
本発明の第12の態様は、上述の第11の態様に係る面付け方法において、配置手段と刷版上に配置する刷版部品および刷版上に基準として仮想的に想定する基準部品の管理情報を上位階層の他部品と関連付けて記憶する段階と、刷版上に配置するマークの管理情報を配置する刷版上の階層情報と関連付けて記憶する段階とを行うようにしたものである。
【0020】
本発明の第13の態様は、上述の第11または12の態様に係る面付け方法において、前記配置基準を設定する段階において、配置する面付け部品が前記刷版部品または前記仮想部品の場合に、前記部品記憶手段を参照し該面付け部品の上位階層部品を特定する段階と、該上位階層部品の予め定めた原点位置の刷版上における配置座標を該面付け部品の配置基準として設定する段階とを行うようにしたものである。
【0021】
本発明の第14の態様は、上述の第11から13の態様に係る面付け方法において、前記配置基準を設定する段階において、上位階層の面付け部品から下位階層の面付け部品の順に、前記配置基準を設定するようにしたものである。
【0022】
本発明の第15の態様は、上述の第11から14の態様に係る面付け方法において、前記配置基準を設定する段階において、配置する面付け部品が前記マークの場合に、前記マーク記憶手段を参照し該マークを配置する階層を特定する段階と、前記マーク記憶手段に記憶する前記原点位置情報の刷版上における配置座標を配置基準として設定する段階とを行うようにしたものである。
【0023】
本発明の第16の態様は、上述の第11から15の態様に係る面付け方法において、前記配置する面付け部品が前記刷版部品の場合、前記記憶手段を参照し、部品配置向き情報に基づき該刷版部品を回転する段階を行うようにしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の面付けシステムの一実施例を示す構成図である。
【0025】
面付けシステムは、実際にはコンピュータシステムであり、ハードウェアの観点からみると、情報を記録するコンピュータ用の記録装置(磁気ディスク、光ディスクなど)、コンピュータに指示を与える入力装置(キーボード、マウス、バーコードリーダなど)、演算を行うCPU、結果を表示するCRTなどの表示装置、他装置と情報を交換する通信装置などを備えており、ソフトウェアの観点からみると、記憶手段1、配置手段2を備えている。
【0026】
記憶手段1は、部品記憶手段3、マーク記憶手段4を備えており、刷版に配置する頁イメージや製版面付けイメージなどの刷版部品、用紙のように仮想的に配置する仮想部品、マークなど、刷版上に配置する面付け部品の管理情報を記憶装置に記憶するものである。
【0027】
部品記憶手段3は、刷版部品と仮想部品の管理情報(各部品のサイズ情報などを含む。図示せず)を記憶し、各部品は、階層情報と部品番号により識別可能である。
【0028】
また、部品記憶手段3は、上位部品番号により、上位階層にある部品を特定可能にし、オフセット値により、上位階層の部品の予め決められている原点からの配置位置座標を示す。
【0029】
また、上位階層部品に対して天地が逆転する刷版部品が存在する場合は、部品配置向き情報により、上位階層の部品の向きとの差を、例えば「180°」のような角度などで指定する。
【0030】
マーク記憶手段4は、マークの管理情報(各マークのサイズ情報などを含む。図示せず)を記憶するもので、該マークを配置する階層と部品を、階層情報と部品番号により指定する。
【0031】
また、原点位置情報は、上述の階層情報および部品番号により特定した、該マークを配置する部品のどの位置を原点とするか指定するものであり、オフセット値は、該原点位置からの位置座標を示す。
【0032】
配置手段2は、基準設定手段5、位置算出手段6、回転手段7、面付け部品配置手段8を備えており、記憶手段1の記憶内容や予め作成されている面付けのテンプレート、仕様データなどを用いて、面付けを行うものである。
【0033】
基準設定手段5は、部品記憶手段3およびマーク記憶手段4の記憶項目に基づき、面付け部品を配置する配置基準を設定するものであり、部品基準設定手段9およびマーク基準設定手段10を備えている。
【0034】
部品基準設定手段9は、配置する面付け部品が刷版部品または仮想部品の場合に、部品記憶手段3を参照し、該面付け部品の上位階層部品を特定し、該上位階層部品の予め定めた原点位置の刷版上における配置座標を該面付け部品の配置基準として設定するものである。
【0035】
マーク基準設定手段10は、配置する面付け部品がマークの場合に、マーク記憶手段4を参照し、該マークを配置する階層を特定し、マーク記憶手段4に記憶する原点位置情報の刷版上における配置座標を配置基準として設定するものである。
【0036】
位置算出手段6は、基準設定手段5により設定した配置基準に基づき、記憶手段1に記憶するオフセット値を演算することにより、該面付け部品の刷版上の配置位置を算出するものである。
【0037】
回転手段7は、配置する面付け部品が刷版部品の場合に、部品記憶手段3に記憶されている部品配置向き情報を参照し、指定されている部品配置向き情報に基づき、該刷版部品を上位階層部品に対して回転するものである。
【0038】
面付け部品配置手段8は、全ての面付け部品に対する配置位置の算出が終了した後、各面付け部品を刷版に実際に配置するものである。
【0039】
ここで、本発明の面付けシステムが作成する刷版を、図2に例を示す一般的な16頁折の刷版により説明する。
【0040】
図2の刷版11において、1、8、9、16の4頁は、第1の製版面付け12の左端下を基準に、4、5、12、13の4頁を、第2の製版面付け13の左端下を基準に、各々の製版面付け上に配置する。
【0041】
用紙14の左端下を基準に、第1の製版面付け12および第2の製版面付け13を、各々用紙14上の所定の位置に配置する。
【0042】
用紙14は、実際に刷版11上に配置されるものではないが、製版面付けを配置する際の基準となるものであり、刷版11の左端下を基準として、刷版11上に仮想的に配置する。
【0043】
第1のマーク15は、刷版情報を示すような刷版に対して付加するマークであり、例えば、刷版11の左端下を基準として、刷版11の左上に配置する。
【0044】
第2のマーク16は、背丁のような製版面付けに対して付加するマークであり、例えば、第1の製版面付け12の左端下を基準として、第1の製版面付け12の中央に配置する。
【0045】
第3のマーク17は、見当マークのような印刷機のセンサーなどで使用するマークであり、例えば、用紙14の左端下を基準として、用紙14の右上に配置する。
【0046】
刷版11における刷版部品および仮想部品の管理情報の例を図3に示す。刷版11は、階層情報を「1」とし、同一階層内の部品は1つだけであるから部品番号を「1」とし、最上位階層であるから他の項目は空欄でよい。
【0047】
次に、用紙14は、刷版11の下位階層であるから、階層情報を「2」とし、同一階層内の部品は1つだけであるから部品番号を「1」とし、上位部品番号は刷版11の部品番号の「1」を指定する。
【0048】
刷版11と用紙14は、配置の向きが同じであるから、部品配置向き情報は「0°」をセットし、更に、刷版11の左端下からのオフセット値「(10,40)」を指定する。
【0049】
次に、用紙14に配置する製版面付けの管理情報を決定する。第1の製版面付け12および第2の製版面付け13とも、用紙14の下位階層であるから、階層情報を「3」とし、上位部品情報は、用紙14の部品番号の「1」を指定し、上位階層と同じ向きに配置するので、部品配置向き情報を「0°」とする。
【0050】
用紙14上に2つの製版面付けを配置するのであるから、第1の製版面付け12の部品番号を「1」、第2の製版面付け13の部品番号を「2」とし、各々の用紙14の左端下からのオフセット値「(10,10)」と「(450,10)」をセットする。
【0051】
最後に製版面付け上に配置される各頁の管理情報を決定する。上位階層は、各製版面付けであるから、各頁の階層情報は「4」となり、各頁毎に連番や頁番号を部品番号としてセットする。
【0052】
上位階層の第1の製版面付け12に配置される、1、8、9、16の各頁は、第1の製版面付け12の部品番号「1」を指定し、第1の製版面付け12の左端下からの各々のオフセット値をセットする。
【0053】
上位階層の第2の製版面付け13に配置される、4、5、12、13の各頁は、第2の製版面付け13の部品番号「2」を指定し、第2の製版面付け13の左端下からの各々のオフセット値をセットする。
【0054】
5、8、9、12頁のように、上位階層である製版面付けと天地が逆転する頁については、部品配置向き情報として「180°」を指定し、製版面付けと同じ天地の他の頁は部品配置向き情報に「0°」を指定する。
【0055】
刷版11におけるマークの管理情報の例を図4に示す。第1のマーク15は、刷版11上の左上に配置されるマークであるから、図3の部品記憶手段3を参照し、刷版11の階層情報「1」と部品番号「1」を各々セットする。
【0056】
次に、刷版11のどの位置を原点に該第1のマーク15を配置するかをセットする。例えば、図2のように、刷版11の左上から(10,−10)離れた位置に第1のマーク15を配置する場合、原点位置情報に「左上」、オフセット値に「(10,−10)」をセットする。
【0057】
第2のマーク16は、第1の製版面付け12に配置するから、第1の製版面付け12の階層情報「3」と部品番号「1」を各々セットし、例えば、第1の製版面付け12の中央から(0,20)離れた位置に第2のマーク16を配置する場合、原点位置情報に「中央」、オフセット値に「(0,20)」をセットする。
【0058】
第3のマーク17は、用紙14に配置するから、用紙14の階層情報「2」と部品番号「1」を各々セットし、例えば、用紙14の右上端から(−10,−10)離れた位置に第3のマーク17を配置する場合、原点位置情報に「右上」、オフセット値に「(−10,−10)」をセットする。
【0059】
次に、図5のフローチャートに基づき、図3および図4の管理情報を用いて図2の刷版11の面付けを行う動作について説明する。
【0060】
面付け処理は、1)刷版部品および仮想部品の配置、2)マークの配置の順で行い、どちらの配置も上位階層から順に行うため、必要に応じて、階層情報の昇順に並び替えておく。
【0061】
部品記憶手段3の最初の面付け部品は、階層情報が「1」である刷版11である。刷版11は、最上位階層であるから、刷版11自体の左端下の(0,0)を用紙14の配置基準として設定する。
【0062】
配置基準は、部品記憶手段3の各レコードに領域を追加してそこへ記憶してもよいし、階層情報および部品番号と関連付けられた状態で別な記憶領域に記憶してもよい。
【0063】
次に、部品記憶手段3から順次面付け部品の管理情報を読み込み、階層情報を1だけ減算して上位階層部品の階層を取得し、該上位階層部品の階層の中で部品記憶手段3に記憶した上位部品番号に合致する部品番号を持つ上位階層の部品の配置基準に対して、オフセット値を加算し、該面付け部品の配置基準として設定し、全ての面付け部品の管理情報が終了するまで繰り返す。
【0064】
この時、該面付け部品の配置方向が、上位階層部品に対して天地が逆転している場合は、部品配置向き情報に指定されている角度に基づき、該面付け部品を回転する。
【0065】
例えば、読み込んだ面付け部品の管理情報が用紙14の場合、階層情報「2」から「1」を減算して上位部品の階層「1」を取得し、階層情報が「1」で、上位部品番号に指定されている「1」を部品番号に持つ刷版11の配置基準(0,0)に対して、オフセット値(10,40)を演算して、用紙14の配置基準を(10,40)に設定する。
【0066】
更に読み込んだ面付け部品の管理情報が第1の製版面付け12の場合、階層情報「3」から「1」を減算して上位部品の階層「2」を取得し、階層情報が「2」で、上位部品番号に指定されている「1」を部品番号に持つ用紙14の配置基準(10,40)に対して、オフセット値(10,10)を演算して、第1の製版面付け12の刷版上の配置基準を(20,50)に設定する。
【0067】
用紙14の配置基準(10,40)は、刷版11の原点に対して、用紙14のオフセット値を演算した結果であるから、用紙14の位置基準に対して、第1の製版面付け12のオフセット値を演算したものは、刷版11の原点からみた第1の製版面付け12の刷版11上の配置位置となる。
【0068】
また、8頁は、部品配置向き情報に「180°」が指定されており、これは、上位階層の第1の製版面付け12に対し8頁の天地が逆転していることを示しているので、配置の際には「180°」回転させる。
【0069】
次に、マークの配置について説明する。マーク記憶手段4から順次マークの管理情報を読み込み、マーク記憶手段4に記憶した階層情報と部品番号に合致する面付け部品の配置基準に対して、原点位置情報を考慮したオフセット値を加算し、該マークの配置基準として設定し、全てのマークの管理情報が終了するまで繰り返す。
【0070】
例えば、読み込んだマークの管理情報が第1のマーク15の場合、階層情報「1」と部品番号「1」に該当する刷版11の配置基準(0,0)に対して、原点位置情報が「左上」であるから、刷版11の縦長(例えば、700)を加味した(0,700)に、オフセット値(10,−10)を演算して、第1のマーク15の刷版上の配置基準を(10,690)に設定する。
【0071】
記憶手段1に記憶されている全ての刷版部品、仮想部品、マークの管理情報について配置位置を算出した後、算出した配置位置に基づいて、各部品を刷版上に配置する。
【0072】
以上、本発明を実施の形態に基づいて、刷版、用紙、製版面付け、頁という単位の階層管理について詳細に説明してきたが、作業内容、方法などにより、上述の階層の深さや種類を変更して用いることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明に係る面付けシステムおよび方法によれば、上位階層や該階層における相対的な位置を指定することにより、作業員が行う通常の作業と同様に、例えば、「用紙の端から何mm内側に入れる」というような指定が可能となる。
【0074】
また、面付けに必要な部品を階層的に管理し、上位階層や該階層における相対的な位置を指定することにより、印刷機の変更や用紙の変更があった場合においても、変更になる部品に関連する部品の管理情報を修正するだけで、刷版上の配置を作業員が計算することなく、再配置することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の面付けシステムの構成図である。
【図2】 本発明で扱う刷版の説明図である。
【図3】 本発明の部品記憶手段の一実施例である。
【図4】 本発明のマーク記憶手段の一実施例である。
【図5】 本発明の面付けシステムの面付け部品の配置位置を算出する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 記憶手段
2 配置手段
3 部品記憶手段
4 マーク記憶手段
5 基準設定手段
6 位置算出手段
7 回転手段
8 面付け部品配置手段
9 部品基準設定手段
10 マーク基準設定手段
11 刷版
12 第1の製版面付け
13 第2の製版面付け
14 用紙
15 第1のマーク
16 第2のマーク
17 第3のマーク
Claims (16)
- 印刷刷版に対して、面付け部品を配置する面付けシステムであって、
刷版上に配置する面付け部品を階層に分け、各部品を、その部品が属する階層よりも一つ上位の階層に属する他の部品に関連付けるか、あるいは、各部品を、同じ階層に属する他の部品の1つにそれぞれ関連付けるかし、各部品を配置する刷版上の位置を、関連付けた他の部品の配置基準からのオフセット値として設定した管理情報を記憶する記憶手段と、
刷版に対する最上位階層の面付け部品の配置位置を再計算し、それより下位または同位の階層に属する面付け部品の刷版上の配置位置は、前記記憶手段を参照して各面付け部品の間の前記配置基準からのオフセット値から算出することにより、該面付け部品を刷版上へ配置する配置手段と、
を備えることを特徴とする面付けシステム。 - 請求項1記載の面付けシステムであって、前記配置手段が、該面付け部品を配置する配置基準を設定する基準設定手段と、
前記配置基準からのオフセット値により該面付け部品を配置する刷版上の位置を算出する位置算出手段と、
前記記憶手段に記憶した情報により、該面付け部品を回転する回転手段と、
該面付け部品を刷版上に配置する面付け部品配置手段と、
を備えることを特徴とする面付けシステム。 - 請求項1または2記載の面付けシステムであって、前記面付け部品が、頁イメージ、製版面付イメージを含む刷版部品と、刷版上に仮想的に想定するする仮想部品と、刷版上に配置するマークと、から成ることを特徴とする面付けシステム。
- 請求項1から3のいずれかに記載の面付けシステムであって、前記記憶手段が、前記刷版部品および前記仮想部品の管理情報を記憶する部品記憶手段と、
前記マークの管理情報を記憶するマーク記憶手段と、
を備えたことを特徴とする面付けシステム。 - 請求項1から4のいずれかに記載の面付けシステムであって、
前記部品記憶手段が、前記刷版部品および前記仮想部品を配置する階層情報と、同一階層における各部品間の識別を行う部品番号と、該部品に関連付けられた上位階層の他の部品を示す上位部品番号と、該部品の上位階層の部品の配置基準である原点位置からのオフセット値と、該部品の上位階層の部品に対する部品配置向き情報と、を備えることを特徴とする面付けシステム。 - 請求項1から5のいずれかに記載の面付けシステムであって、前記マーク記憶手段が、該マークを配置する階層情報と、該マークを配置する前記階層上の特定部品を指定する部品番号と、該マークの配置位置を算出するための配置基準である原点位置情報と、該マークの前記は原点位置からのオフセット値と、を備えることを特徴とする面付けシステム。
- 請求項1から6のいずれかに記載の面付けシステムであって、
前記基準設定手段が、配置する面付け部品が前記刷版部品または前記仮想部品の場合に、前記部品記憶手段を参照し、該面付け部品の上位階層部品を特定し、該上位階層部品の予め定めた原点位置の刷版上における配置座標を該面付け部品の配置基準として設定する部品基準設定手段、を備えることを特徴とする面付けシステム。 - 請求項1から7のいずれかに記載の面付けシステムであって、前記基準設定手段が、配置する面付け部品が前記マークの場合に、前記マーク記憶手段を参照し、該マークを配置する階層を特定し、前記マーク記憶手段に記憶する前記原点位置情報の刷版上における配置座標を該マークの配置基準として設定するマーク基準設定手段、を備えることを特徴とする面付けシステム。
- 請求項1から8のいずれかに記載の面付けシステムであって、前記位置算出手段が、前記設定した配置基準から、前記部品記憶手段または前記マーク記憶手段に記憶するオフセット値を加算して、該面付け部品の刷版上の配置位置を算出する、ことを特徴とする面付けシステム。
- 請求項1から9のいずれかに記載の面付けシステムであって、
前記回転手段が、配置する面付け部品が前記刷版部品の場合に、前記部品記憶手段を参照し、前記部品配置向き情報に基づき、該刷版部品を回転する、ことを特徴とする面付けシステム。 - 印刷刷版に対して、面付け部品を配置する面付け方法であって、
刷版上に配置する面付け部品を階層に分け、各部品を、その部品が属する階層よりも一つ上位の階層に属する他の部品に関連付けるか、あるいは、各部品を、同じ階層に属する他の部品の1つにそれぞれ関連付けるかし、各部品を配置する刷版上の位置を、関連付けた他の部品の配置基準からのオフセット値として設定した管理情報を記憶する段階と、
前記記憶した面付け部品の管理情報を参照して、該面付け部品の配置位置を算出する基準となる配置基準を設定する段階と、
前記設定した配置基準から、前記記憶手段に記憶するオフセット値を加算して、該面付け部品の刷版上の配置位置を算出する段階と、
を設けたことを特徴とする面付け方法。 - 請求項11記載の面付け方法であって、配置手段と刷版上に配置する刷版部品および刷版上に基準として仮想的に想定する基準部品の管理情報を、上位階層の他部品と関連付けて記憶する段階と、
刷版上に配置するマークの管理情報を、配置する刷版上の階層情報と関連付けて記憶する段階と、
を設けたことを特徴とする面付け方法。 - 請求項11または12記載の面付け方法であって、前記配置基準を設定する段階において、配置する面付け部品が前記刷版部品または前記仮想部品の場合に、前記部品記憶手段を参照し、該面付け部品の上位階層部品を特定する段階と、
該上位階層部品の予め定めた原点位置の刷版上における配置座標を該面付け部品の配置基準として設定する段階と、を設けたことを特徴とする面付け方法。 - 請求項11から13のいずれかに記載の面付け方法であって、
前記配置基準を設定する段階において、上位階層の面付け部品から下位階層の面付け部品の順に、前記配置基準を設定する、ことを特徴とする面付け方法。 - 請求項11から14のいずれかに記載の面付け方法であって、前記配置基準を設定する段階において、配置する面付け部品が前記マークの場合に、前記マーク記憶手段を参照し、該マークを配置する階層を特定する段階と、
前記マーク記憶手段に記憶する前記原点位置情報の刷版上における配置座標を配置基準として設定する段階と、
を設けたことを特徴とする面付け方法。 - 請求項11から15のいずれかに記載の面付け方法であって、前記配置する面付け部品が前記刷版部品の場合、前記記憶手段を参照し、部品配置向き情報に基づき、該刷版部品を回転する段階、を設けたことを特徴とする面付け方法。
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