JP4494913B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形型の成形面における接触角を測定し、得られたデータに基づいて、プレス成形に使用する成形型を選択することで、カン・ワレなどの破壊欠陥を生じることなく、加熱軟化したガラス素材をプレス成形して光学素子を製造できる方法に関する。光学素子としては、例えば、レンズ、ミラー、グレーティング、プリズム、積層型回折光学素子等のガラスおよびガラスを含む複合体が挙げられる。
成形後に光学機能面に対する研磨を施すことなしに、ガラス素材のプレス成形のみによって光学素子を製造する技術は、近年、レンズのみならずプリズムその他のガラスよりなる光学素子の製造に使用されるようになってきた。この技術は、従来の製造において必要とされた複雑な工程をなくし、簡単且つ安価にレンズを製造することを可能にした。
このようなガラス光学素子のプレス成形に使用される型材に要求される性質としては、硬度、耐熱性、離型性、鏡面加工性等に優れていることが挙げられる。例えば、成形面の型材に炭素を含む膜を成膜するものとして、以下のものが知られている。例えば、特開昭61−183134号(特許文献1)、特開昭61−281030号(特許文献2)、特開平1−301864号(特許文献3)にはダイヤモンド薄膜もしくはダイヤモンド状炭素膜(DLC膜)が開示されている。特開昭64−83529号(特許文献4)、特開平8−259241号(特許文献5)、特開平8−151217号(特許文献6)には硬質炭素膜が開示されている。特開平2−199036号(特許文献7)には、iカーボン膜が開示されている。特開平9−110441公報(特許文献8)には水素で安定化した炭素のネットワーク構造と酸素で安定化したケイ素のネットワーク構造からなる膜材料(C:H- Si: O膜)が開示されている。さらに、特開平9−71426公報(特許文献9)にはリチウム、カリウム及びナトリウムよりなる1種類以上の元素を含有する炭素を主成分とする炭素膜(アルカリ-C膜)、窒素イオンを注入した炭素を主成分とする膜材料(C:N膜)が開示されている。
特開昭61−183134号 特開昭61−281030号公報 特開平1−301864号公報 特開昭64−83529号公報 特開平8−259241号公報 特開平8−151217号公報 特開平2−199036号公報 特開平9−110441公報公報 特開平9−71426公報公報
しかしながら、前述した公知の炭素薄膜の中で、膜質の優れたものを成形面に成膜した成形型を複数個用いてガラス素材をプレス成形すると、その炭素薄膜の成膜条件によって、又は、成膜条件が同じであっても、使用した成形型によって、光学素子にカン・ワレなどの破壊欠陥が多く発生する場合と、破壊欠陥が殆ど発生しない場合とがあり、安定的に良品をプレス成形し得る成形型のみを判別することができなかった。このため、製造現場において、最適な成膜条件を見出すのみでなく、炭素薄膜を成形面に成膜した複数の成形型を用いてテスト成形を行い、得られた光学素子を検査し、破壊欠陥の発生の少ない成形型のみを選択して量産成形するといった手順で成形型の判別を行っていた。それ故、テスト成形に要する材料費、製造時間、工数等に起因して、最終製品のコストの高騰を招来する結果となっていた。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ガラスよりなる光学素子のプレス成形に用いる光学素子成形用型において、ガラス成形品にカン・ワレなどの破壊欠陥が生じることなく、かつ、耐久性に優れた光学素子成形用型を確実に判別して、その光学素子成形用型により安定的に良品をプレス成形し得る成形型を提供することを目的とする。さらに、本発明は、成形用型を、成形工程に適用する前に的確に評価し、良否を識別すること、および、連続プレスによって消耗する炭素薄膜の寿命を、簡便に評価判定する方法を用いた光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[請求項1] 成形面に炭素薄膜を形成した、光学素子成形用成形型を用意し、
前記成形面における、2種類の異なる接触角測定用液体に対する接触角を測定し、
上記2種類の異なる接触角測定用液体を用いて得られた接触角の測定値からOwens-Wendt-Kaelble法により求められる表面自由エネルギー55mJ/m2以下である成形型を選択し、選択した成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形することを特徴とする、光学素子の製造方法。
[請求項] 前記接触角の測定値は、水、CH2I2、グリセリン、イソペンタンおよびパーフルオロヘキサンから成る群から選ばれる2種の接触角測定用液体を用いて行う請求項に記載の製造方法。
[請求項] 成形面に炭素薄膜を形成した光学素子成形用成形型を用意し、
加熱軟化した複数のガラス素材を前記成形型により、プレス成形することを含む光学素子の製造方法において、
前記成形型の成形面における、2種類の異なる接触角測定用液体に対する接触角を定期的に測定し、上記2種類の異なる接触角測定用液体を用いて得られた接触角の測定値からOwens-Wendt-Kaelble法により求められる表面自由エネルギーが55mJ/m2以下である成形型を用いて前記プレス成形を行う
前記製造方法。
[請求項] 接触角を測定した成形型の成形面における前記接触角の測定値が、次回の接触角測定までに、表面自由エネルギーが55mJ/m2を超えるものとなることが予想される成形型は、炭素薄膜再生工程に付される請求項に記載の製造方法。
[請求項] 炭素薄膜再生工程に付される成形型に代えて、表面自由エネルギーが55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を用いて、プレス成形が継続される請求項に記載の製造方法。
[請求項] 前記光学素子が、0.6mm以下の最小肉厚部位を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明によれば、ガラス成形品が肉薄であっても、成形面の表面自由エネルギーが55mJ/m2以下である、炭素膜もしくは水素化炭素膜などの炭素薄膜を形成した光学素子成形用型を用いてプレス成形を行うことにより、長時間繰返してプレス成形してもカン・ワレなどの破壊欠陥のない良好なガラス成形品を得ることができる。
本発明の光学素子の製造方法は、成形面に炭素薄膜を形成した、光学素子成形用成形型を用意し、前記成形面における、接触角測定用液体に対する接触角を測定し、前記接触角の測定値が、表面自由エネルギーに換算して55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を選択し、選択した成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形することを特徴とする。この製造方法を、以下、本発明の第一の方法ということがある。
本発明の第一の方法では、成形型の成形面における、接触角測定用液体に対する接触角を測定し、接触角の測定値が、表面自由エネルギーに換算して55mJ/m2以下を示す成形型を選択する。接触角の測定は、成形面上の液滴の液滴端での接線と、水平線(固液界面)とのなす角を測定することで行われる。この測定は、公知の接触角測定装置によって行うことができる。
接触角の測定値から成形面の表面自由エネルギーを求めることができる。また、表面自由エネルギーの算出は、Owens-Wendt-Kaelble法により行うことができる。Owens-Wendt-Kaelble法による表面自由エネルギーの算出は、2つの接触角測定用液体による接触角を測定し、得られた測定値を用いて行う。詳細については後述する。接触角測定用液体としては、例えば、水、CH2I2、グリセリン、イソペンタンおよびパーフルオロヘキサンを用いることができる。接触角測定用液体はこれらの液体に限らない。液体のエネルギー値(後述)について文献値が得られるものを、適宜用いることができる。後述する表面自由エネルギーの算出法においては、一例として、接触角測定用液体として水とジヨードメタン(CH2I2)を用いる方法を示す。
そして、本発明では、上記接触角の測定値が、表面自由エネルギーに換算して55mJ/m2以下を示す成形型を選択し、選択した成形型を用いてプレス成形を行う。本発明においては、接触角の測定値から、常に、表面自由エネルギー算出する必要はない。接触角の測定値と表面自由エネルギーとの関係が予め求められていれば、接触角の測定値から、成形面が有する表面自由エネルギーを想定し、その後の操作を行うことができる。即ち、表面自由エネルギーを算定することなく、接触角の測定値に基づいて成形薄膜の評価を行い、成形型を選択することができる。
接触角の測定値から求めた表面自由エネルギーが55mJ/m2以下を示す成形型を選択するが、好ましくは、表面自由エネルギーが20〜54mJ/m2を示す成形型を選択する。
このような成形型を選択し、プレス成形に使用することで、カン・ワレなどの破壊欠陥が生じないガラス成形品を安定して廉価に製造することが可能となる。上記範囲の表面自由エネルギーを示す成形型が好ましい詳しい理由については、後述する。
尚、本発明において、カンとは、主として成形体の表面に入る非連続的な破壊であり、ワレとは連続的な破壊である。
本発明の第一の方法は、特に、薄肉の光学素子であっても安定に成形できるという特徴がある。即ち、本発明の成形方法は、光学素子が、0.6mm以下の最小肉厚部位を有する、カン・ワレの生じやすい形状の光学素子を成形する場合であっても、カン・ワレを生じることなく安定して光学素子を製造できる。例えば、光学素子が凹レンズの場合であれば、中心肉厚が薄い製品、凸レンズの場合であれば、周縁部の肉厚が薄い製品であっても、カン・ワレを生じることなく安定して光学素子を製造できる。
本発明において炭素薄膜とは、炭素を主成分とするものであり、具体的には炭素を50mol%以上含有するものをいう。他に水素等の成分を含有していても良い。
前記炭素薄膜は、ダイヤモンド膜、ダイヤモンド状炭素膜(以下、DLC膜)、水素化ダイヤモンド状炭素膜(以下、DLC:H膜)、テトラヘドラルアモルファス炭素膜(以下、ta-C:H膜)、水素化テトラヘドラルアモルファス炭素膜(以下、ta-C:H膜)、アモルファス炭素膜(以下、a-C膜)、水素化アモルファス炭素膜(以下、a-C:H膜)、有機材料を用いた自己組織化膜から選択される1種もしくは2種以上の組み合わせであることが好ましい。これらの炭素薄膜を成形面に形成した光学素子成形用型は、長時間成形を行っても性能が劣化せず、耐久性に優れたものである。
特に、炭素薄膜は、ダイヤモンド膜、DLC膜、DLC:H膜、ta-C膜、ta-C:H膜、a-C膜、a-C:H膜、自己組織化膜から選ばれる少なくとも2種以上の層からなる多層膜であることが好ましい。このような炭素薄膜を成形面に有する光学素子成形用型は、非常に耐久性に優れる。
炭素薄膜の膜厚は、例えば、0.5nm以上1000nm以下であることができる。炭素薄膜の膜厚が0.5nm未満であると、十分な離型性や耐久性が得られにくく、逆に膜厚が1000nmを超えると、炭素薄膜と型母材との密着性が低下する傾向がある。上記範囲内であれば、離型性や耐久性が良好で、かつ炭素薄膜と型母材との密着性に優れる。炭素薄膜の膜厚は、好ましくは、10〜200nmである。
選択した成形型を用いて加熱軟化したガラス素材をプレス成形する方法は、公知の方法をそのまま用いて行うことができる。成形に適した粘度(105.5〜109dPa・s)に加熱軟化した成形素材(ガラスプリフォームなど)を、上下の成形型間で、適切な荷重をかけてプレス成形し、成形面を転写する。成形面との密着を維持したまま、転移点付近、好ましくは転移点以下まで所定の冷却速度で冷却し、離型し、取出す。このとき、成形素材を上下の成形型間に配置してから、成形型と共に昇温、加熱してもよく、又は、成形型の外で加熱した成形素材を、加熱した成形型間に供給し、プレス成形してもよい。好ましくは、成形型の外で加熱した成形素材を、それより低い温度に加熱した成形型間に供給し、ただちに上下成形型を接触させ、荷重をかけてプレス成形する方法がよい。このようにすることで、成形型を過度に高温にせず、成形装置の昇温〜冷却の熱サイクルを短くすることができ、成形型のライフを延長するとともに、成形サイクルタイムを短縮することが可能である。
更に、本発明は、成形面に炭素薄膜を形成した光学素子成形用成形型を用意し、加熱軟化した複数のガラス素材を、連続して前記成形型に供給し、プレス成形することを含む光学素子の製造方法において、前記成形型の成形面における接触角測定用液体に対する接触角を定期的に測定し、前記接触角の測定値から求めた表面自由エネルギーが55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を用いて前記プレス成形を行う方法を包含する。この方法を、以下、本発明の第二の方法ということがある。
本発明の第二の方法では、成形型の成形面における接触角測定用液体に対する接触角を定期的に測定し、プレス成形に使用されている成形型が、良好な成形面である表面自由エネルギーが55mJ/m2以下を示すことを確認しながら、プレス成形を行うことができる。
本発明の第二の方法においては、「成形面に炭素薄膜を形成した光学素子成形用成形型」、「加熱軟化したガラス素材のプレス成形」「接触角測定用液体」、「接触角の測定」、「表面自由エネルギーの好ましい値」については、本発明の第一の方法と同様である。ただし、本発明の第二の方法においては、複数の加熱軟化したガラス素材を前記成形型に供給し、プレス成形するが、この点についても公知の方法をそのまま利用することができる。
本発明の第二の方法においては、連続して行われるプレス成形において、成形型の成形面における接触角測定用液体に対する接触角を定期的に測定する。測定の頻度は、成形型に設けられた炭素薄膜の種類、ガラス素材の種類、成形条件等を勘案して適宜決定されるが、例えば、プレス成形500〜10,000回に1度程度である。
さらに、本発明の第二の方法においては、接触角を測定した成形型の成形面における接触角の測定値が、次回の接触角測定までに、表面自由エネルギーに換算して55mJ/m2を超えることが予想される成形型は、炭素薄膜再生工程に付すこともできる。本発明によれば、炭素薄膜の再生時期を的確に判断することができ、その結果、カン・ワレなどの破壊欠陥が生じないガラス成形品を安定して廉価に製造することが可能となる。次回の接触角測定までに、表面自由エネルギーに換算して55mJ/m2を超えることが予想される成形型とは、例えば、単位プレス数当たりの表面自由エネルギーの増加を予め把握することにより行うことができる。
炭素薄膜再生工程は、以下のように行うことができる。例えば、炭素薄膜を、酸素プラズマアッシングにより除去した後、表面酸化層をフッ化水素またはその塩の水溶液により洗浄して、膜除去を行い、新たに炭素薄膜を製膜する方法、または、プラズマエッチング処理後にダイヤモンド・ペーストを用いた研磨によって膜除去を行い、炭素薄膜を再成膜する方法、または、酸素プラズマエッチング処理後、アルゴンガスのプラズマによるエッチングを行って膜を除去した後に、炭素薄膜を再成膜する方法などがある。
プレス成形に使用する成形型を炭素薄膜再生工程に付す場合、炭素薄膜再生工程に付される成形型に代えて、表面自由エネルギーが55mJ/m2以下を示す成形型を用いて、プレス成形が継続されることが好ましい。表面自由エネルギーが55mJ/m2以下を示す成形型は、本発明の第一の方法と同様に選択することができる。
本発明の第二の方法は、製造される光学素子が、0.6mm以下の最小肉厚部位を有するものであるときに、特に有効であることは、本発明の第一の方法と同様である。
本発明は、成形用型に関する発明も包含し、この成形用型は、成形面に炭素薄膜が形成された光学素子成形用型であって、前記炭素薄膜は、接触角法より求めた表面自由エネルギーが55mJ/m2以下であることを特徴とする。
発明者らは以下のようなプレス成形実験を試みることにより、接触角法より求めた炭素薄膜の表面自由エネルギーが55mJ/m2以下の成形型を用いれば、効果的にカン・ワレなどの破壊欠陥を抑止し、ガラス成形品を安定して廉価に製造できることを見出した。
図1は、本発明の表面に炭素薄膜を成膜した成形用型の構成を模式的に示す断面図である。SiCからなる型母材23を上型、下型それぞれ6個用意し、公知のイオンプレーティング法成膜装置を用いて、各型母材23の成形面に離型膜として炭素薄膜28、より具体的にはDLC:H膜(水素化ダイヤモンドカーボン膜)を成膜した。
炭素原料としては、炭化水素系のガス(CH4ガス、C2H2、C6H6ガス)を用いた。基板加熱を室温(25℃)〜330℃の範囲とし、炭化水素系のガスをアルゴンガスに含有させて供給した。6組の型母材(No.1〜No.6)へのDLC:H膜の成膜で使用した炭素原料、基板温度を表1に示す。
Figure 0004494913
このようにして成形面にDLC:H膜の成膜を施した6組の成形型について、後述する、接触角法により表面自由エネルギーを求めたところ、表2の「プレス前」の欄に示すように、各成形型の表面自由エネルギーに差異が認められた。すなわち、プレス前のNo.1〜No.6の成形型における接触角法より求めた表面自由エネルギーは、それぞれ、61,60,58,54,56,53mJ/m2であった。接触角法より求めた表面自由エネルギーは、接触角測定用液体として水とジヨードメタン(CH2I2)を用い、Owens-Wendt-Kaelble法により求めた。詳細については後述する。
つぎに、上記6組の成形型を用いて、バリウムホウ酸塩ガラスからなる、球形のガラス素材から、中心肉厚0.4mm、口径φ12mmの凹メニスカスレンズをプレス成形した。プレス成形にあたって、6個同時プレスが行える成形装置に、それぞれ、上型と下型からなる成形型(No.1〜6)を設置し、同一条件下でのプレス成形を20回行い、各成形型から20個ずつ、合計120個の凹メニスカスレンズを得た。なお、プレス成形に際しては、成形型温度を、ガラス粘度で、1010dPa・S相当の温度に予熱し、また、ガラス素材は、109dPa・Sに予熱し、成形型に供給し、直ちにプレス成形を行った。150kg/cm2 の圧力で1分間加圧し、また加圧開始と同時に冷却を開始し、転移温度以下に冷却された後に、上下型を離間して、成形体を取り出した。尚、上記成形条件は、カン・ワレが発生し易いように、プレス成形に最適な範囲より低温領域を適用した。
各成形型を用いて成形した凹メニスカスレンズについてカン・ワレの発生数を検査した結果、並びに各成形型のプレス後の表面自由エネルギーを接触角法より求めた結果を表2に示す。
Figure 0004494913
表1の結果から判るように、カン・ワレの発生と接触角法より求めた成形面の表面自由エネルギーとの間に明確な相関が認められ、成形面の表面自由エネルギーが低い場合に、カン・ワレが防止できることを見出した。これは、成形面の表面活性がより低く、成形素材との間に相互作用を起こしにくい条件である為と考えられる。従って、表面自由エネルギーは、基体(成形面)上における、炭素薄膜の被覆率、及び膜質を反映し、離型膜として重要な特性である、化学的低活性、および好適な潤滑性の指標として用いることが可能であることが見出された。
更に、接触角法より求めた成形面の表面自由エネルギーが、55mJ/m2以下であるときに、カン・ワレの発生が著しく抑制されることが判明した。
表1において、No.4とNo.6の成形型はいずれもプレス成形前および成形後の表面自由エネルギーが55mJ/m2以下であり、カン・ワレの発生は見られなかったが、No.1〜3
、5の成形型はいずれもプレス成形前および成形後の表面自由エネルギーが55mJ/m2を超えており、カン・ワレの発生が認められた。
なお、炭素材料としては、C2H2や C6H6のようにCとHの分子数が等しいものが好ましく、成膜時の基板温度としては、比較的高温(300℃前後)の方が、結果的に表面自由エネルギーが低くなったが、本発明は炭素材料の分子数や基板温度をこれらに限定するものではない。
本実験では、接触角法による表面自由エネルギーの評価は以下に記述する方法で行った。
[接触角法による表面自由エネルギーの評価]
表面自由エネルギーは公知の接触角測定器を用いて測定することができる。即ち、2種類の異なる液体を用いて、測定対象の表面の接触角(接触角)を測定し、それらの接触角から求めことができる。
ここでは、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いた表面自由エネルギーの評価を以下のように行った。
表面自由エネルギー(γ)は、固体又は液体の分散力(Dispersion Force)γdと固体又は液体の極性相互作用力(Polar Interaction Force)γpとの和で与えられる。
Figure 0004494913
(1)式を固体の表面自由エネルギー(γs)で考えると、
Figure 0004494913
(2)となる。ここで添字のsはSolidを表わす。
また、同様に液体では
Figure 0004494913
であり、添字LはLiquidを表す。
膜の表面自由エネルギーは、水とCH2I2(ジヨードメタン)の2種類の液体を用い、それぞれを固体上に同量滴下し、求めた接触角から表面自由エネルギーを算出する。
Owens-Wendt-Kaelble法により、以下の計算式を用いた。
Figure 0004494913
尚、2種類の液体のγL d及びγL pはそれぞれ表1の文献値を使用し、(3)式より2種類の液体それぞれのγLを求める。
Figure 0004494913
例えば、水の接触角が104.9°、ジヨードメタンの接触角は72.0°であれば、(4)式のθに代入し、その他のエネルギー値は表1の値を用いる。
その結果
Figure 0004494913
上式(6)によって得られたγsdを(5)式に代入すると
Figure 0004494913
となり、これら(6)及び(7)式の値を(2)式に代入することにより
Figure 0004494913
従って、固体の表面自由エネルギーγsが22.35mJ/m2と求められる。
本発明において成形型は、主に型母材および成形面に設けられる炭素薄膜とからなる。型母材として用いられる材料としては、例えば、SiC、WC、TiC、TaC、BN、TiN、AlN、Si34、SiO2 、Al23 、ZrO2 、W、Ta、Mo、サーメット、サイアロン、ムライト、カーボン・コンポジット、カーボンファイバー、WC−Co合金、ステンレス、結晶化ガラスを含むガラス等から選ばれる。
特に型母材がSiC、WC、TiC、TaC、WC−Co合金、ステンレスである場合、プレス成形したガラスと成形面と炭素薄膜との密着性が強くなるため離型膜としての耐久性が優れるという理由で好ましい。
型母材の成形面に設けられる炭素薄膜は、例えば、炭素膜および水素化炭素膜などの硬質炭素薄膜であることができ、例えば、ダイヤモンド膜、ダイヤモンド状炭素膜(以下、DLC)、水素化ダイヤモンド状炭素膜(以下、DLC:H)、テトラヘドラルアモルファス炭素膜(以下、ta-C)、水素化テトラヘドラルアモルファス炭素膜(以下、ta-C:H)、アモルファス炭素膜(以下、a-C)、水素化アモルファス炭素膜(以下、a-C:H)、自己組織化膜(後述)等から選ばれる。
型母材との密着性をさらに強化するために、炭素薄膜を成膜する下地として中間層を型母材の表面に成膜してもよい。
また、これらの炭素薄膜の成膜は、DC−プラズマCVD法、RF−プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、ECR−プラズマCVD法、光CVD法、レーザーCVD法等のプラズマCVD法、イオンプレーティング法などのイオン化蒸着法、スパッタ法、蒸着法、FCA(Filtered Cathodic Arc)法やディッピング等の手法によって行うことができる。
例えば、DC−プラズマCVD法の場合の成膜条件は、公知のDC−プラズマCVD法成膜装置を用い、例えば炭素原料としては炭化水素系のガスを用いることができる。例えば、基板加熱を室温〜300℃の範囲とし、真空度を0.1〜500Paの範囲、ガス原料を含有するアルゴンガス流量は、0.1〜10ml/minの範囲、DCパワーは1W〜300Wとすることができる。
イオンプレーティング法の場合の成膜条件は、公知のイオンプレーティング法成膜装置を用い、例えば炭素原料としては炭化水素系のガスを用いることができる。基板加熱を室温〜400℃の範囲とし、真空度を0.1〜1Paの範囲、炭化水素系のガスを含有するアルゴンガス流量は、例えば、1〜500ml/minの範囲、炭化フッ素系のガスの流量は例えば、0.0001〜0.1 ml/minの範囲とすることができる。
スパッタ法では、公知のスパッタ装置により、炭素源としてカーボンターゲットを用いることができる。真空度は例えば、0.1〜10Paの範囲、アルゴンガス流量は1〜50ml/minの範囲、炭化フッ素系ガスの流量は、例えば、0.001〜0.05 ml/minの範囲、RF(またはDC)パワーは100〜500Wの範囲、基板は室温〜500℃の範囲とすることができる。
自己組織化膜について、以下に説明する。自己組織化膜とは、杉村博之、高井治;日本学術振興会薄膜第131委員会第199回研究資料 平成12.2.1 p.34-39、Seunghwan Lee, Young-Seok Shon, Ramon Colorado, Jr.,Rebecca L. Guenard, T. Randall Lee and Scott S. Perry;Langmuir 16巻(2000), p.2220-2224等の文献により知られている。具体的には、図2に示すように、溶液1中の分子2の官能基が自己的に型母材3の成形面と反応して、型母材3の成形面上に自己的に配列・組織化して形成された膜4である。
自己組織化膜は、型母材の成形面の最表面において、分子配列がそろった有機分子会合体を形成しており、接触する物体との摩擦を極めて低くすることができる。例えば、特定の有機分子2を選択し、その有機分子2を所定濃度で溶解した有機溶液1(コーティング溶液)に型3の成形面を浸漬し、反応条件を整えることにより、有機分子2の配向性がそろった有機単分子膜5が形成される。有機分子2が、被成膜基材3の表面の基と反応して配列することで膜4が形成されるため、極めて被覆率が高い成膜が可能である。成膜を効率的に行なうための前処理を行なってもよい。
尚、自己組織化膜は英語ではself-assembled monolayer(SAM)と呼ばれており、一度の成膜処理で表面に形成される単分子層を指す場合もあるが、成膜を繰り返すことによる多分子層の成膜も可能であり、本発明の自己組織化膜は、図3の様な多分子層6を含む。なお、図3において、符号7は型母材3の表面に自己的に配列・組織化された自己組織化膜の分子Aであり、符号8はこの自己組織化膜の分子Aの上層に配列された自己組織化膜の分子Bである。さらに、かかる多分子層においては、自己組織化膜の分子が3種以上散在する多分子層であってもよい。
有機分子としては、例えば反応性の有機ケイ素含有化合物、有機硫黄含有化合物、及び有機窒素含有化合物に、フッ素を含有させたものを挙げることができる。これら有機化合物が、有機ケイ素含有化合物では主に−Cl基、有機硫黄含有化合物では主に−H基、又は(S−S)基、有機窒素含有化合物では主に−H基を官能基として、基体上に自己的に反応し、膜が形成される。
材料としては、クロロトリアルキルシラン化合物、ジクロロジアルキルシラン化合物、トリクロロアルキルシラン化合物、アルキルジメチル(ジメチルアミノ)シラン化合物、アルカンチオール化合物、ジアルキルスルフィド化合物、ジアルキルジスルフィド化合物、ジメチルアンモニウム化合物などを用いることができる。
自己組織化は、ESCAおよびIR-RASで分析・解析することができる。表面層の膜厚は、たとえばESCAによって測定することができる。本発明に係る自己組織化膜は、たとえば、特定の有機分子を選択し、この有機分子を含有する溶液に型母材を浸漬し、反応条件を整えることにより、有機分子の配向性がそろった有機単分子膜が形成される。このような自己組織化膜も、本発明でいう炭素薄膜として使用することが可能である。
ところで、発明者らによると、同一の成膜条件で成膜された炭素薄膜であっても、成膜環境(成膜装置の経時による不純物の混入、又は装置内での吸着不純物の脱離など)によって、わずかな膜質の変化が、プレス成形時の歩留まりに影響することが見出された。すなわち、不可避の膜質変化に対して、成膜後の成形型をプレス成形に供する前に、適切な性能評価が行われる必要が生じた。これに対して、本発明による、接触角測定による表面自由エネルギーの評価が有効に用いられることができる。
すなわち、炭素薄膜を形成後、プレス成形に供する前の成形型について、測定した接触角から求めた表面自由エネルギーに基づいて、成形型の良否を判定することができる。55mJ/m2以下であれば、実質的にカン、ワレを抑止しつつ、安定にプレス成形を行うことができる。
また、このような成形型を用いて、連続プレスを行う場合、数100〜数1000回ショットを経過すると、成形面の炭素薄膜は消耗し、部分的な剥離や欠落を生じるようになる。その場合、プレス成形においては、カン・ワレが頻発するようになり、また、場合によっては成形型母材の寿命にも影響する。炭素薄膜の寿命は、用いる硝材によって大きく異なり、反応性の高い硝材を用いた場合には、炭素薄膜の寿命は短くなる。
発明者らによると、このように炭素薄膜が連続プレスによって消耗し、劣化するとともに、被覆率が低下し、これと共に、表面自由エネルギーが上昇していることが見出された。これに対し、前述のように、予め、所定の硝材を用いたプレス成形によって、何ショットの連続プレスが、所定の表面自由エネルギー範囲(例えば55mJ/m2以下)を越えるかを求め、そのショット数を越えない範囲で、連続プレスを行えば、カン、われによる不良品を出す前に、かつ、成形母型にダメージを与える前に、適切なタイミングで型の交換、又は、炭素薄膜の再生を行うことができる。炭素薄膜の再生は、所定の工程で、成形面の炭素薄膜を完全に剥離し、再度、成膜処理を行うものである。成形面の炭素薄膜の剥離は、公知の方法で行うことができる。
以上のように、カン・ワレを十分に抑止してプレス成形が行える、炭素薄膜の表面状態は、表面自由エネルギーの高低によって評価され、この値は、成形素材や成形体形状によらず、ほぼ一定であるため、炭素薄膜の性能を一定範囲に管理し、評価する手法として、接触角の測定による表面自由エネルギーの評価を有効に用いることができる。
実施例1
型母材として、CVD法により作製した多結晶のSiCの成形面をRmax=12nmに鏡面研磨したものを用いた(粗さ測定はAFM)。この型を良く洗浄した後、イオンプレーティング法成膜装置を用いて、炭素原料はC6H6ガスを用い、基板温度は300℃、成膜速度は0.01nm/minの条件にて、成形面にDLC:H膜を成膜した。エリプソ法による膜厚測定の結果、膜厚は33nmであった。
また、純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いて評価した表面自由エネルギーは53mJ/m2であった(純水の接触角:78度、CH2I2の接触角:7度)。さらに、成膜後の型は、窒素ガスを満たした、クラス1000のクリーンケースに保管し、清浄度の高い環境に保管した。硝材を所定の量に配合した光学ガラス(バリウムホウケイ酸塩光学ガラス、転移点Tg=500℃、軟化点Ts=540℃)の球状ガラス素材(プリフォーム)を型のキャビティー内に置き、これを成形装置内に設置した。
窒素ガス雰囲気中で、620℃まで加熱して150kg/cm2 の圧力で1分間加圧する(620℃でのガラスの粘性は108dPa・s程度)。圧力を解除した後、冷却速度を−50℃/分で480℃になるまで冷却し、その後は−200℃/分以上の速度で冷却を行い、プレス成形物の温度が200℃以下に下がったら、成形物を取り出す。上記のようにして、中心肉厚0.7mm、外径φ14mmの凹メニスカスレンズを成形した。1000回を越える連続成形においても、カン・ワレの発生がなく、良好な成形品を得ることができた。なお、プレス後の型面について接触角法により測定した表面自由エネルギーは54 mJ/m2であった(純水の接触角:73度、CH2I2の接触角:8度)。
比較例1
炭素原料としてCH4ガスを用い、基板加熱温度が100℃、成膜速度が1nm/minの条件で、実施例1と同様にイオンプレーティング法成膜装置を用いて、成形面にDLC:H膜を26nm成膜した。成膜前のSiC成形面の表面粗さはRmax=18nmであった。純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いて評価した表面自由エネルギーは58mJ/m2であった(純水の接触角:63度、CH2I2の接触角:6度)。
実施例1と同様に、光学ガラスM-BACD12の連続成形を開始したところ、100回程度のプレスから、微小なカン・ワレが発生し始め、200回程度のプレスを超えてから、カン・ワレが連続して発生するようになった。230回でプレスを終了し、プレス後の型面について接触角法により測定した表面自由エネルギーは62 mJ/m2であった(純水の接触角:55度、CH2I2の接触角:8度)。
実施例2
FCA(Filtered Cathodic Arc)法成膜装置を用いて、第一層として型成形面に厚み30nmのta-C膜(ta-C源:カーボン)を成膜した後、イオンプレーティング法成膜装置を用いて、第二層としてta-C膜の上に厚み50nmのDLC:Hを成膜した。基板温度はともに300℃であり、成膜速度はFCA法では0.05nm/min、イオンプレーティング法では0.09nm/minであった。第二層目を成膜したイオンプレーティング法成膜の炭素源はC6H6ガスを用いた。純水およびCH2I2の接触角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いて評価した表面自由エネルギーは51mJ/m2であった(純水の接触角:85度、CH2I2の接触角:7度)。さらに、成膜後の型は、窒素ガスを満たした、クラス1000のクリーンケースに保管し、清浄度の高い環境に保管した。なお、型材はCVD法で合成したSiCであり、成膜前のSiC成形面の表面粗さはRmaxは28nmであった。
実施例1と同様に、光学ガラス(ホウケイ酸塩ガラス、転移点Tg=560℃、軟化点Ts=600℃)のプリフォームを周辺肉厚0.3mm、外径φ15mmのレンズ形状を連続プレス成形を行った。1000回までの連続成形において、カン・ワレのない良質なレンズを製造することができた。成形後の型面について、接触角法により測定した表面自由エネルギーは54 mJ/m2であった(純水の接触角:73度、CH2I2の接触角:8度)。
本発明は、レンズ、ミラー、グレーティング、プリズム、積層型回折光学素子等のガラスおよびガラスを含む複合体等の光学素子の生産分野に広く利用できる。
表面層に硬質炭素薄膜を有する成形用型の説明図 自己組織化膜の説明図 複分子層からなる自己組織化膜の説明図
符号の説明
1 自己組織化膜の出発原料を含み溶液(コーティング溶液)
2 溶液中の分子
3 予備成形されたガラス(プリフォーム)
4 自己組織化膜
5 自己組織化膜の分子
6 複層化した自己組織化膜
7 自己組織化膜の分子A
8 自己組織化膜の分子B
23 型母材
28 炭素薄膜

Claims (6)

  1. 成形面に炭素薄膜を形成した、光学素子成形用成形型を用意し、
    前記成形面における、2種類の異なる接触角測定用液体に対する接触角を測定し、
    上記2種類の異なる接触角測定用液体を用いて得られた接触角の測定値からOwens-Wendt-Kaelble法により求められる表面自由エネルギー55mJ/m2以下である成形型を選択し、選択した成形型を用いて、加熱軟化したガラス素材をプレス成形することを特徴とする、光学素子の製造方法。
  2. 前記接触角の測定値は、水、CH2I2、グリセリン、イソペンタンおよびパーフルオロヘキサンから成る群から選ばれる2種の接触角測定用液体を用いて行う請求項に記載の製造方法。
  3. 成形面に炭素薄膜を形成した光学素子成形用成形型を用意し、
    加熱軟化した複数のガラス素材を前記成形型により、プレス成形することを含む光学素子の製造方法において、
    前記成形型の成形面における、2種類の異なる接触角測定用液体に対する接触角を定期的に測定し、上記2種類の異なる接触角測定用液体を用いて得られた接触角の測定値からOwens-Wendt-Kaelble法により求められる表面自由エネルギーが55mJ/m2以下である成形型を用いて前記プレス成形を行う
    前記製造方法。
  4. 接触角を測定した成形型の成形面における前記接触角の測定値が、次回の接触角測定までに、表面自由エネルギーが55mJ/m2を超えるものとなることが予想される成形型は、炭素薄膜再生工程に付される請求項に記載の製造方法。
  5. 炭素薄膜再生工程に付される成形型に代えて、表面自由エネルギーが55mJ/m2以下に相当することを示す成形型を用いて、プレス成形が継続される請求項に記載の製造方法。
  6. 前記光学素子が、0.6mm以下の最小肉厚部位を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
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