JP4056010B2 - プレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、およびガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

プレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、およびガラス光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、特にフツリン酸塩系、リン酸塩系、ホウリン酸塩系およびホウ酸塩系ガラスからなるガラスプリフォームを連続的に精密プレス成形してガラス光学素子を製造する際に、ガラスプリフォームと成形型との融着を防止してガラス光学素子のカン、ワレやガラス光学素子表面へのクモリの発生を防止することができるプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法に関する。
また、本発明は、かかるガラスプリフォームを用いたガラス光学素子の製造方法に関する。
非球面レンズなどのガラス光学素子を精密プレス成形によって作製する技術は、研削、研磨を必要とせずに目的とする最終製品の形状を精密に成形し得るため、工業上非常に重要である。この技術においては、精密プレス成形に供するガラス素材と成形型とがプレス成形時に融着するのを防止する為に、ガラス素材または成形型の表面に予め炭素膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特公平2−31012号公報
また、ガラスブランク表面の炭素膜の膜厚を50オングストローム未満としてリヒートプレス時の融着を防止する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−286625号公報
更に、成形用ガラス素材表面に炭化水素膜を形成することにより、離型性を向上する方法が提案されている(特許文献3参照)。
特公平7−45329号公報
これらの方法によれば、ガラスプリフォーム表面の炭素膜や炭化水素膜等の炭素含有膜が、精密プレスの成形過程を通じてガラスプリフォームと成形型の成形面との接触を防止して、ガラスプリフォームと成形型との融着防止や成形型の損傷防止に一定の効果を得ることができる。
しかしながら、用いるガラスプリフォームによって、または10000ショットを越える連続精密プレスにおいては、微少融着や、融着に起因するガラス光学素子のカン、ワレ、およびガラス光学素子表面のクモリ発生を防止することは容易ではなく、得られるガラス光学素子の品質は必ずしも満足すべきものではない場合があった。この現象は、特に、フツリン酸塩系、リン酸塩系、ホウリン酸塩系、又はホウ酸塩系ガラスからなるガラスプリフォームや、ガラス成分として酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマス、塩素、フッ素のいずれかを含有するガラスからなるガラスプリフォームを用いた場合に顕著に現れる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、特定のガラスからなるガラスプリフォームを精密プレス成形し、または10000ショットを超えてガラスプリフォームを連続的に精密プレス成形してガラス光学素子を製造する際に、ガラスプリフォームと成形型との融着を防止してガラス光学素子のカン、ワレやガラス光学素子表面へのクモリの発生を防止することができるプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、かかるガラスプリフォームを用いたガラス光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、表面に炭素含有膜を有するガラスプリフォームを連続精密プレス成形する場合、ガラスプリフォームと成形型との界面において非常に微量のガスが生成し、このガスに起因して炭素含有膜が損傷し、成形型の成形面との融着が生じはじめ、ガラス光学素子のカン、ワレやガラス光学素子表面へのクモリ等の外観不良が発生することを見出した。
ガラスからのガス発生とガラス光学素子の外観不良との関係は、図1に示すガラスA、Bからなるガラスプリフォームを用いた精密プレス試験結果からも明らかである。
図1は、ガラスA(TiO、Nb、WOを含むリン酸塩系ガラス、ガラス転移温度465℃、屈伏点515℃)の表面に炭素数18の自己組織化膜を形成したガラスプリフォームAとガラスB(ホウケイ酸塩系ガラス、TiO、Nb、WOを含有せず、ガラス転移点500℃、屈伏点540℃)の表面に炭素数18の自己組織化膜を形成したガラスプリフォームBの表面温度を変化させた場合の脱ガス量の変化を示す。なお、炭素数18の自己組織化膜の形成には、CH(CH)17SiCl(n−オクタデシルトリクロロシラン)を用いた。
尚、脱ガス量の測定は、真空下に設置された試料を一定速度で加熱し、試料から発生するガス(脱離した化学種)の質量及び量の変化を、質量分析計により計測する脱離ガス分析により行った。
図1で示す通り、ガラスAからなるガラスプリフォームAは、ガラスBからなるガラスプリフォームBより脱ガス量が多いことが分かる。
ガス発生量の多いガラスAからなるガラスプリフォームAを精密プレスした場合、プレスショット数1000回程度から2%程度の頻度でレンズのカン、ワレが発生し、1200回程度からレンズ表面にクモリが認められ、4000回程度から、クモリが光学性能を阻害しない限度を上回るようになった。一方、ガス発生量の少ないガラスBからなるガラスプリフォームBにおいては、プレスショット数5000回まで、レンズ表面のクモリの悪化はわずかであった。プレスショット数5000回までのレンズの歩留は、ガラスプリフォームAの場合は62%、ガラスプリフォームBの場合は98%であった。
上記の結果から、ガラスからの脱ガス量とガラス光学素子のカン、ワレやガラス光学素子表面へのクモリ発生が関係することが判明した。また、上記ガスの発生は、特にフツリン酸塩系、リン酸塩系、ホウリン酸塩系およびホウ酸塩系ガラスからなるガラスプリフォームや、ガラス成分として酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマスから選ばれるいずれか1種を含有するガラスからなるガラスプリフォームに起こり易いことが判明した。
フツリン酸塩系、リン酸塩系、ホウリン酸塩系およびホウ酸塩系ガラスからなるガラスプリフォームを精密プレス成形する場合、精密プレス成形に先立つガラスプリフォームの加熱過程もしくは精密プレス成形過程において、成形面近傍でガラス中からHOが発生しやすく、HOと炭素含有膜との化学的な変性作用により、ガラス素材表面に設けられた炭素含有膜中の炭素原子相互間に円滑なスベリ移動が抑止されたり、ガラスプリフォームの炭素含有膜の一部または全部が消失する等して炭素含有膜が損傷すると考えられる。
また、ガラス成分として酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマスから選ばれるいずれか1種を含有するガラスからなるガラスプリフォームを精密プレス成形する場合には、精密プレス成形時にガラス中の水素が炭素含有膜などと反応して炭化水素ガスを発生し、塩素またはフッ素を含有するガラスからなるガラスプリフォームを精密プレス成形する場合には、塩素ガスやフッ素ガスが発生して、同様に炭素含有膜を損傷すると考えられる。
上述の通り、上記何れかの現象が単独または複数発生して、炭素含有膜の変性あるいは消失といった炭化水素膜の損傷を生じる結果、ガラスプリフォームと成形型の成形面との接触が起こり、成形面へのガラス融着防止が不十分となって、ガラス光学素子のカン、ワレやガラス光学素子表面にクモリが発生し易くなる。更に融着が生じ始めると、成形型の成形面(離型膜が形成されている場合はその離型膜)表面を損傷し、プレス数を重ねるごとに更に融着を誘発し、またガラス光学素子のカン、ワレやガラス光学素子表面にクモリを顕著に生じ易くなる。
そこで、本発明者等はプレス成形時の脱ガス量を制御すれば、ガラス光学素子のカン、ワレやガラス光学素子表面のクモリの発生を防止することができると考えた。
一方、これまでの知見では、HOや炭化水素などのガスの発生が、ガラスプリフォーム表面の炭素含有膜にどの程度影響を及ぼし、どのような脱ガス条件によりガラスプリフォーム表面の炭素含有膜の損傷を防止し得るかについては、炭素含有膜は極薄膜であるため、直接評価することは困難であり、ガラスプリフォームを連続的に精密プレス成形して、ガラス光学素子の歩留から間接的に評価するしかなかった。
しかし、本発明者等は、純水、ジヨードメタン(CH)、グリセリン、イソペンタン、パーフルオロヘキサン等の濡れ角を接触角解析装置により測定することで把握される表面自由エネルギーにより、炭素含有膜の損傷の程度を定量的に評価できることを見出した。接触角の測定には、公知の接触角測定機を用いることができ、表面自由エネルギーの値を得るには、上記液体の中から2種類の異なるものを用いて、測定対象の表面の濡れ角(接触角)を測定し、算定することができる。
本発明では、例としてOwens-Wendt-Kaelble法を用いて表面自由エネルギーを評価した。純水およびジヨードメタンの濡れ角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いた表面自由エネルギーの評価方法を、以下に説明する。
表面自由エネルギーの評価
表面自由エネルギーの値は、一般的には、純水、ジヨードメタン、グリセリン、イソペンタン、パーフルオロヘキサン等を用いた濡れ角測定より定量的に評価でき、市販の接触角測定器を用いることにより評価することができる。表面自由エネルギーの値を得るには、上記液体の中から2種類の異なるものを用いて、測定対象の表面の濡れ角(接触角)を測定し、算定することができる。
例えば、純水およびジヨードメタンの濡れ角測定よりOwens-Wendt-Kaelble法を用いた表面自由エネルギーの評価を以下のように行うことができる。
表面自由エネルギー(γ)は、固体又は液体の分散力(Dispersion Force)γと固体又は液体の極性相互作用力(Polar Interaction Force)γとの和で与えられる。
Figure 0004056010
(1)式を固体の表面自由エネルギー(γ)で考えると、下記式(2)となる。ここで添字のsは固体(Solid)を表わす。また、同様に液体では下記式(3)となり、添字Lは液体(Liquid)を表す。
Figure 0004056010
Figure 0004056010
膜の表面自由エネルギーは、水とジヨードメタンの2種類の液体を用い、それぞれを固体上に同量滴下し、求めた接触角から表面自由エネルギーを算出する。
Owens-Wendt-Kaelble法により、以下の計算式を用いた。
Figure 0004056010
尚、2種類の液体のγL 及びγL はそれぞれ表1の文献値を使用し、(3)式より2種類の液体それぞれのγLを求める。
Figure 0004056010
例えば、水の接触角が104.9°、ジヨードメタンの接触角が72.0°である場合、(4)式にθとして水の接触角104.9°を代入するとともに表1に示される水の各エネルギー値(γL 、γL 及びγL)を代入して、以下の(5)式を得ることができ、
Figure 0004056010
また、(4)式にθとしてジヨードメタンの接触角72.0°を代入するとともに表1に示されるジヨードメタンの各エネルギー値(γL 、γL 及びγL)を代入して、以下の(6)式を得ることができる。
Figure 0004056010
(6)式によって得られたγ を(5)式に代入すると
Figure 0004056010
となり、これら(6)式及び(7)式により得られたγ 、γ を(2)式に代入することにより下記の結果が得られる。
Figure 0004056010
従って、固体の表面自由エネルギーγが22.35mJ/m2と求められる。
図2に、上記ガラスプリフォームA、Bを、Nガス雰囲気中で各温度にて10分間加熱した後の表面自由エネルギーを測定した結果を示す。ガス発生量の多いガラスプリフォームAの場合、黒丸のプロットで示す通り400℃以上の加熱により表面自由エネルギーが急激に増大する。一方、ガス発生量の少ないガラスプリフォームBの場合、黒三角のプロットで示すとおり、400℃以上の加熱による表面自由エネルギーの増加量は小さい。
すなわち、精密プレス成形時、成形界面における温度は400℃以上に達するが、ガラスからのガス発生量が少なくガラスプリフォーム表面の炭素含有膜が正常であると、表面自由エネルギーの増加量が小さく、ガラスからのガス発生量が多く炭素含有膜に損傷が発生すると、表面自由エネルギーの増加量が大きくなると考えられる。
次に、ガス発生量の多いガラスAを予備成形したガラス素材(炭素含有膜を有しない)を、表2に示す各温度・雰囲気下で加熱処理した後、ガラス素材の表面に炭素含有膜として炭素数12の自己組織化膜を形成して、ガラスプリフォームとした。本ガラスプリフォームを400℃以上に加熱し、ガラスプリフォームの加熱処理前後における表面自由エネルギー変化を測定したところ、事前に一定の雰囲気下で加熱処理したガラス素材を用いたガラスプリフォームにおいては、表面自由エネルギーの増加量が10mJ/m未満と小さく(表2で○評価で示す)、炭素含有膜の損傷防止に一定の効果を奏すると考えられた。なお、炭素数12の自己組織化膜の出発原料はCH(CH)11SiCl(n−ドデシルトリクロロシラン)である。
実際に、ガラスAからなるガラス素材を、表2で○評価の条件で加熱処理した後、ガラス素材表面に炭素数18の自己組織化膜を成膜したガラスプリフォームを連続的にプレス成形したところ、プレスショット数5000回までレンズのカン、ワレやレンズ表面のクモリは発生せず、レンズの歩留は100%へ向上した。なお、炭素数18の自己組織化膜の形成には、CH(CH)17SiCl(n−オクタデシルトリクロロシラン)を用いた。
上記の検討では自己組織化膜を設けたガラスプリフォームを用いたが、炭素を原料としてスパッターによってプリフォーム上に成膜した炭素含有膜の場合、炭化水素ガスのプラズマ分解によってプリフォーム上に成膜した炭素含有膜の場合、炭化水素の熱分解による炭素含有膜の場合、及び炭素を原料として真空蒸着によってプリフォーム上に成膜した炭素含有膜の場合においても、上記自己組織化膜を設けた場合と同様の傾向が得られた。
Figure 0004056010
以上の知見により、本発明者等は、ガラス素材を所定の雰囲気下で加熱処理した後、ガラス光学素材表面に炭素含有膜を形成してガラスプリフォームを製造すれば、ガラスプリフォーム表面の炭素含有膜を損傷することなくガラス光学素子のカン、ワレを防止し、ガラス光学素子表面のクモリ発生を防止し得ることを明らかとし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)予備成形されたガラス素材を加熱処理した後、ガラス素材表面に炭素含有膜を形成する、プレス成形用ガラスプリフォームの製造方法であって、
上記加熱処理が、水素濃度が0〜0.1容量%、H O濃度が0〜0.1容量%、圧力が0.01気圧〜2気圧の雰囲気中で、上記加熱処理温度を200℃〜上記ガラス素材の軟化点にして行われることを特徴とするプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法
(2)上記ガラス素材が、フツリン酸塩系、リン酸塩系、ホウリン酸塩系およびホウ酸塩系から選ばれるいずれか1種のガラスからなる、上記(1)に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、
(3)上記ガラス素材が、ガラス成分として酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマス、塩素およびフッ素から選ばれるいずれか1種を含有するガラスからなる、上記(1)に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、
(4)上記ガラス素材が、モル%表示で、ガラス成分としてWO 2〜45%、Nb 0〜25%、TiO 0〜10%(但し、WOとNbとTiOの合計含有量が20〜45%)を含有するP−WO系ガラスからなる、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、
)上記加熱処理後、炭素含有膜の形成前に、ガラス素材の表面に水素捕獲膜を形成する、上記(1)〜()のいずれか1項に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、
)上記ガラス素材表面への炭素含有膜の形成が、蒸着法、スパッタ法、プラズマ分解法、イオンプレーティング法および自己組織化膜成膜法から選ばれるいずれか一種の方法によって行われる、上記(1)〜()のいずれか1項に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法、
)上記(1)〜()のいずれか1項に記載のプレス成形用ガラスプリフォームを加熱軟化した状態で、成形型によりプレス成形することを特徴とする、ガラス光学素子の製造方法、および
)上記成形型が成形面に炭素を含有する離型膜を有し、上記成形型を所定温度に、プレス成形用ガラスプリフォームを成形型より高い所定温度に加熱する工程を有する、上記()に記載のガラス光学素子の製造方法、
を提供するものである。
以上説明したように、本発明によれば、予備成形されたガラス素材を実質的に水素を含有しない乾燥雰囲気中で加熱処理した後、ガラス素材表面に炭素含有膜を形成することにより、成形型との融着を防止し得るプレス成形用ガラスプリフォームを製造することが可能となる。
また、かかるプレス成形用ガラスプリフォームをプレス成形することにより、ガラス光学素子のカン、ワレやガラス光学素子表面へのクモリの発生を抑えることが可能となる。
本発明においては、予備成形されたガラス素子を、実質的に水素を含有しない乾燥雰囲気中で加熱処理した後、ガラス素材表面に炭素含有膜を形成して、プレス成形用ガラスプリフォームとする。
次いで、かかるプレス成形用ガラスプリフォームを加熱軟化した状態で、成形型によりプレス成形することにより光学素子を得るものである。以下、本発明について詳述する。
I.プレス成形用ガラスプリフォームの製造方法
[ガラスプリフォーム成形用ガラス素材を構成するガラスの硝種、成分、組成、特性]
まず、ガラスプリフォーム成形用ガラス素材を構成するガラスの硝種、ガラス成分、ガラス組成、およびガラスの特性について説明する。
本発明で用いるガラス素材としては、各種のガラスを用いることができる。ガラスの硝種は特に制限されないが、プレス成形時に炭素含有膜を損傷するガスを発生するガラスや、プレス成形時に炭素含有膜を損傷するガスを発生するか否か不明なガラスからなるガラスプリフォームをプレス成形する場合に、本発明の方法が特に好ましく適用される。
ガラスの硝種としては、好ましくはフツリン酸塩系、リン酸塩系、ホウリン酸塩系、およびホウ酸塩系ガラスから選ばれる何れか1種以上のガラスが挙げられ、より好ましくはフツリン酸塩系、リン酸塩系ガラスが挙げられる。前述のように、これ等のガラスからなるガラス素材は、ガラス中からHOを発生しやすく、HOと炭素含有膜との化学的な変性作用により、ガラス素材表面に設けられた炭素含有膜中の炭素原子相互間に円滑なスベリ移動が抑止されたり、ガラスプリフォームの炭素含有膜が消失する等してガラスプリフォームを損傷すると考えられる。
フツリン酸塩系ガラスは、リン酸とフッ化物を主成分とし、主として
低屈折率、低分散性を有するガラスである。ガラス成分として、Ba(PO、AlF、MgF、CaF、SrFを含有するガラスが好ましく、上記ガラス成分を含有し、屈折率nが1.42〜1.50、アッベ数νが80〜97であるガラスがより好ましい。
リン酸塩系ガラスは、リン酸をネットワークフォーマーとするガラスで、例えば高屈折率、高分散性を有するP−WO系ガラスが挙げられる。Pはガラスを形成するのに必要な成分であり、ガラスに製造可能な安定性を持たせるための成分である。ガラス組成として、モル%表示で、P 12〜34%、B 0.2〜15%、WO 0〜45%、Nb 0〜25%、LiOとNaOとKOの合計含有量が4〜45%、BaOとZnOとSrOの合計含有量が0%以上30%未満であって上記成分の合計含有量が94%以上であるガラスが好ましく、上記ガラス組成を有し屈折率nが1.75〜2.0、アッベ数νが20〜28.5、屈伏点温度Tsが580℃以下であるガラスがより好ましい。
ホウリン酸塩系ガラスは、リン酸とホウ酸をネットワークフォーマーとするガラスである。ガラス組成として、重量%表示で、P 12〜32%、B 0.5〜16%、LiO 0.3〜6%、NaO 2〜22%、Nb 8〜52%含有するガラスが好ましく、上記ガラス組成を有し屈折率nが1.69〜1.83、アッベ数νが21〜32、屈伏点Tsが570℃以下のガラスがより好ましい。
ホウ酸塩系ガラスは、ネットワークフォーマーとしてホウ酸を成分とするガラスである。ガラス組成として、重量%表示で、B 18〜35%、La 10〜45%、ZnO 15〜50%、TaとNbが合計で3〜20%、WO 0〜10%、ZrO 0〜7.5%、TiO 0〜8.5%、SiO 0〜10%、Al 0〜4%含有するガラスが好ましく、上記ガラス組成を有し屈折率nが1.69〜1.84、アッベ数νが34〜51、屈伏点Tsが600℃以下のガラスがより好ましい。
高屈折率、高分散を与えるためのガラス成分としては、好ましくは酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステンおよび酸化ビスマスから選ばれるいずれか1種以上が挙げられる。前述のように、これ等の成分を含有するガラス素材からなるガラスプリフォームを精密プレス成形する場合には、ガラス転移温度よりもはるかに低い350℃付近の温度から、ガラス中の水素原子が炭素含有膜などと反応して炭化水素ガスを発生し、ガラスを損傷すると考えられる。
酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマスを含むガラスは、ガラス転移温度以下の温度であっても水素(原子状)を担体としてTiイオン、Nbイオン、Wイオン、Biイオンを迅速に還元する。この為、プレス成形前のガラス素材には、非常に微量ながらTiイオン、Nbイオン、Wイオン、Biイオン、Wイオンを還元している水素が存在し、プレス成形時に界面での反応を促すと考えられる。
酸化チタンとしては、TiOが挙げられる。TiOはガラスに多く非架橋酸素をもたらすことができる成分であるためガラスの屈折率(n)と分散を高める作用を有し、失透安定性を向上させる。しかし、ガラス中のTiOの含有量が10モル%を超えると、ガラスの失透安定性が急激に悪化し、屈伏点温度も液相温度も急上昇し、精密プレス時にガラスが着色しやすくなる。そこで、TiOの含有量は0〜10モル%が好ましく、より好ましくは0〜9モル%、更に好ましくは1〜9モル%である。
酸化ニオブとしては、Nbが挙げられる。Nbはガラスに多量の非架橋酸素をもたらすことができる成分であり、PbOを使用せずにガラスに高屈折率・高分散などの特性を付与することができる。しかし、Nbの含有量が25モル%を超えると、ガラスの転移温度や屈伏点温度が高くなり、安定性も悪化し、また高温溶解性も悪くなり、精密プレス時に発泡や着色しやすくなる。そこで、Nbの含有量は0〜25モル%が好ましく、より好ましくは5〜23モル%、更に好ましくは10〜23モル%である。
酸化タングステンは、水素原子による還元性が強いため、炭化水素ガス発生による影響が顕著に現れると考えられるが、PbOを使用することなしに、低融点でしかも高屈折率・高分散特性を付与するために最も有効な成分である。酸化タングステンとしては、WOが挙げられる。WOは、ガラスに多くの非架橋酸素をもたらすとともにアルカリ金属酸化物と同様にガラスの転移温度や屈伏点温度を下げる働きを示し、屈折率(n)を上げる効果がある。さらに、ガラスと成形型材との濡れ性を抑制する効果があるため、精密プレス成形の際にガラスの型離れが非常によくなるという効果を奏する。しかし、WOの含有量が45モル%を超えると、ガラスが融着したり、ガラスが着色したりする恐れがあり、かつ、ガラスの高温粘性も低くなるので、精密プレス用ガラスプリフォームの作成が難しくなる。一方、WOの含有量が2モル%未満ではガラスの転移温度や屈伏点温度が高くなり、精密プレス時にガラスが発泡しやすくなる場合がある。そこで、WOの含有量は2〜45モル%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜40モル%、更に好ましくは5〜25モル%の範囲である。なお、WOの含有量が2モル%未満であっても、アルカリ金属酸化物の含有量を増やしたり、Nbおよび/またはTiOの量を減らすなど、他の成分を調整することにより、ガラス転移点や屈伏点の上昇やガラスの発泡を抑制することができる。
酸化ビスマスは、水素原子による還元性が強いため、炭化水素ガス発生による影響が顕著に現れると考えられるが、屈折率を上げ、ガラス軟化点を下げる作用があり、ガラス成分として有用である。酸化ビスマスとしてはBiが挙げられる。Biの含有量は5〜36モル%の範囲が好ましく、より好ましくは6〜30モル%の範囲である。
また、ガラス成分として塩素またはフッ素を含有するガラスからなるガラスプリフォームを精密プレス成形する場合には、塩素ガスやフッ素ガスが発生して、同様に炭素含有膜を損傷すると考えられる。
塩素は揮発成分であり、成形面に付着しやすいことなどから、ガラスプリフォームと成形型との融着を起こしやすいと考えられるが、低屈折率、低分散成分として有用である。Clの含有量は、0.1〜10wt%の範囲が好ましい。
フッ素は揮発成分であり、成形面に付着しやすいことなどから、ガラスプリフォームと成形型との融着を起こしやすいと考えられるが、低屈折率、低分散成分として有用である。Fの含有量は、20〜45wt%の範囲が好ましく、より好ましくは30〜40wt%の範囲である。
また、上記のガラス成分に加えて、適宜以下の成分を含有することができる。
は、ガラスの溶融性の向上やガラスの均質化に非常に有効な成分であると同時に、少量のBの導入でガラス内部にあるOHの結合性を変え、プレス時にガラスを発泡させない非常に有効な成分である。BaOやZnOは、ガラスの屈折率(n)を高め、失透安定性を向上させ、液相温度を低下させるために有効な成分である。LiO、NaO、およびKOなどのアルカリ金属酸化物は、いずれもガラスの耐失透性を良くし、屈伏点温度や液相温度を低下させ、ガラスの高温溶融性をよくするために導入される成分である。CaO、SrO、Y及びAlを少量ガラスに導入すると、ガラスの液相温度の低下、安定性の向上に効果がある。また、PbOも適宜含有して良いが、環境上使用しないことが好ましい。更に、ガラス成分以外の成分を含有しても良く、ガラスの清澄剤としてSbとAsを含有することができる。
ガラス組成としては各種の組成が挙げられるが、好ましくは、P−WO系ガラスからなり、モル表示で、ガラス成分としてWO 2〜45%、Nb 0〜25%、TiO 0〜10%(但し、WOとNbとTiOの合計含有量が20〜45%)を含有する、高屈折率、高分散ガラスが挙げられる。
より好ましくは、モル%表示で、ガラス成分としてP 12〜34%、B 0.2〜15%(但しPとBの合計含有量が15〜35%)、WO 2〜45%、Nb 0〜25%、TiO 0〜10%(但し、WOとNbとTiOの合計含有量が20〜45%)、BaO 0〜11%、ZnO 0〜20%(但し、BaOとZnOの合計含有量が30%未満)、LiO 2〜30%、NaO 2〜30%、KO 0〜15%(但し、LiOとNaO、KOの合計含有量が29〜45%)、CaOを0〜10%、SrOを0〜10%、Alを0〜5%、Yを0〜5%、Sbを0〜1%、Asを0〜1%含有し、前記成分の合計含有量が94%以上であるガラスが挙げられる。上記各ガラス成分の合計含有量は、好ましくは97モル%以上、より好ましくは98モル%以上であり、不純物は別として上記各成分のみからなるものが更に好ましい。
上記P−WO系ガラスのうち、モル%表示したときに、ガラス成分として、Pを14〜32%、Bを0.5〜13%(但し、PとBの合計含有量が16〜32%)、WOを5〜40%、Nbを5〜23%、TiOを0〜9%(但し、WOとNbとTiOの合計含有量が21〜42%)、BaOを0〜8%、ZnOを0〜17%(但し、BaOとZnOの合計含有量が0〜25%)、LiOを5〜27%、NaOを3〜27%KOを0〜13%(但し、LiOとNaOとKOの合計含有量が32〜45%)、CaOを0〜8%、SrOを0〜8%、Alを0〜4%、Yを0〜4%、Sbを0〜1%、Asを0〜1%含み、前記成分の合計含有量が94%以上のものがより好ましい。この範囲では、上記成分の合計含有量が98モル%以上であることがさらに好ましく、不純物は別にして上記成分のみからなるものがより好ましい。
上記P−WO系ガラスのうち、モル%表示したときに、ガラス成分として、Pを17〜30%、Bを1〜10%(但し、PとBの合計含有量が18〜32%)、WOを5〜25%、Nbを10〜23%、TiOを1〜9%(但し、WOとNbとTiOの合計含有量が25〜42%)、BaOを2〜8%、ZnOを1〜10%(但し、BaOとZnOの合計含有量が3〜18%)、LiOを5〜22%、NaOを4〜22%、KOを0.5〜7%(但し、LiOとNaOとKOの合計含有量が29〜38%)含み、前記成分の合計含有量が94%以上の範囲のものが更に好ましい。この範囲では、上記成分の合計含有量が98モル%以上であることがさらに好ましく、不純物は別にして上記成分のみからなるものが特に好ましい。さらに、SiO、La、Y、Gd、ZrO、Ta、Bi、TeO、CaO、MgO、及びCeOなどの成分も本発明の
目的を損なわない程度であれば6%までの導入は可能である。
ガラス素材の物性としては、ガラス成分として、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマスを含有する高屈折率、高分散性ガラスにおいては、高屈折率とは、例えば屈折率[n]1.75〜2.0、高分散とはアッベ数[ν]20〜28.5である場合が挙げられる。また、ガラス成分として、塩素やフッ素を含有する低屈折率、低分散性のガラスでは、低屈折率とは、例えば屈折率[n]1.42〜1.50、低分散とはアッベ数[ν]80〜97である場合が挙げられる。
また、ガラスの液相温度における粘性が0.4Pa・s以上であることが、ガラス素材を予備成形する上で好ましい。また、精密プレス成形する型材の選択などの点から、ガラス転移温度(Tg)が540℃以下であることが好ましい。
[ガラス素材の予備成形]
本発明においては、上記のガラス素材は、後記の加熱処理に先立って予備成形される。
予備成形とは、ガラス素材を得ようとするガラスプリフォームの形状に対応する形状に予め成形することを言う。予備成形の具体的方法としては、溶融ガラスを、適切な粘度で型に流下又は滴下することによって所定体積の球、又は扁平球などの形状とする(熱間成形)方法、又は、カットしたガラスを研磨して所定体積の球などに加工する(冷間加工)方法が挙げられる。いずれの方法も適用できるが、簡便に欠陥のないガラス表面が得られる点、研磨に起因する水和層が表面に形成されない点などのため、熱間成形が好ましい。
[加熱処理]
上記予備成形されたガラス素材は、実質的に水素を含有しない乾燥雰囲気中で加熱処理される。
ここで、実質的に水素を含有しないとは、水素を全く含有しない場合だけでなく、操作過程で不可避的に混入する極微量の水素を含有する場合も含むものであるが、好ましい水素濃度は0〜0.1容量%である。加熱雰囲気中に0.1容量%を越えて水素が存在すると、ガラス素材が反応性の高い水素により汚染され、この反応性の高い水素による浸食反応により、成形型表面の劣化が促進され、クモリの成因になりやすいと考えられる。従って、加熱雰囲気中に水素不純物濃度は0〜0.1容量%が好ましく、0〜0.01容量%がより好ましい。
また、加熱雰囲気は乾燥雰囲気であることが必要であり、HO濃度が0.1容量%を超えると、炭素含有膜の損傷防止が不十分となりやすい。従って、加熱雰囲気中に水素不純物濃度は0〜0.1容量%が好ましく、0〜0.05容量%がより好ましい。
加熱雰囲気の圧力は、0.01気圧未満であると、ガラス素材の表層部に存在するHOや炭化水素などのガスの発生源は除去されるものの、ガラス素材の内部から新たな発生源が表層部へ移動し、ガラス素材の表層部のガス発生源の量は十分に減少しない場合がある。また、2気圧を超えると耐圧構造を具備した装置が必要になる。この為、加熱雰囲気の圧力は、絶対圧で、0.01〜2気圧が好ましく、より好ましくは0.01〜1.1気圧、特に好ましくは0.1〜1.1気圧である。
ガラス素材の加熱処理温度は、200℃未満では、プレス成形に際しての化学的な変性作用による炭素含有膜中の炭素原子相互の間の円滑なスベリ移動の抑止、ガラス素材の炭素含有膜損傷の主因となるHOや炭化水素などのガス発生源の除去が不十分となりやすい。また、ガラスの軟化点を超えるとガラス素材が熱変形し、プレス成形において支障を生じる。従って、ガラス素材の加熱温度は、200℃〜ガラス素材の軟化点が好ましく、300℃〜ガラス素材のガラス転移点がより好ましい。ここで、ガラス軟化点とは、ガラス粘度で、107.6ポアズ相当の温度(リトルトン点)である。
加熱時間は、好ましくは10分〜20時間、より好ましくは30分〜8時間である。
[炭素含有膜の形成]
本発明においては、精密プレスの際にガラス素材と成形型との摩擦係数を小さくしてガラス素材の伸びを良くする為に、また離型性を向上させる為に、上記加熱処理の後にガラス素材表面に炭素含有膜を形成する。
この場合、ガラス素材表面に直接炭素含有膜を形成してもよいし、間接的に形成してもよいが、直接形成することが好ましい。なお、ここで間接的に形成するとは、ガラス素材表面と炭素含有膜との間に後述する水素捕獲膜や接着層等の他の層が介在することを言う。
炭素含有膜は、成形面でのガラス素材のすべり性を確保し、融着を防止して、離型性を向上させるものであれば特に限定されないが、炭素を主成分(30at%〜100at%、好ましくは50at%〜100at%)として含有する膜であって、C−C結合のみ、またはC−C結合とC−H結合を有するものを含む。
例えば、非晶質および/または結晶質のグラファイト、非晶質および/または結晶質のダイヤモンドから選ばれる少なくとも1種類を単一成分層又は混合層とする炭素膜を挙げることができる。炭素含有膜は、炭素以外にも出発原料に由来する水素、ケイ素、フッ素、イオウなどの炭素以外の原子を含む場合もあるが、こうした膜も本発明の炭素含有膜に含まれるものとする。
炭素含有膜の膜厚は、目的とする離型性の程度に応じて適宜調製することができるが、好ましくは0.1〜500nm、より好ましくは0.1〜10nmである。また、該膜厚範囲内で適宜積層しても良い。
炭素含有膜を形成する方法については特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビームデポジション法、有機化合物(例えば炭化水素)の熱分解法、自己組織化膜成膜法等の公知の方法を用いることができるが、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、自己組織化膜制膜法が好ましく、自己組織化膜製膜法がより好ましい。
真空蒸着法を用いる場合は、公知の蒸着装置を用い、10−4Torr程度の真空雰囲気中で、離型機能膜として成膜しようとする材料に電子ビーム、直接通電もしくはアークにより加熱し、材料から蒸発および昇華により発生する蒸気をガラス基材の上に輸送し凝縮・析出させることにより離型機能膜を形成する。例えば、直接通電の場合、断面積0.1cm程度の炭素材料に100V−50A程度の電気を通電し、離型機能膜として成膜しようとする材料を加熱することができる。ガラス基材の加熱温度は室温〜400℃程度が好ましい。ただし、基材のガラス転移温度(Tg)が450℃以下の場合、基材加熱の上限温度はTg−
50℃とすることが好ましい。この場合、炭素含有膜の膜厚は、通常の光学薄膜と同様に、モニターガラス上の蒸着膜の反射率変化、透過率変化もしくはQCM(水晶振動子マイクロバランス)による実測から、シャッターの開閉により炭素含有膜の膜厚を制御することができる。
スパッタ法を用いる場合は、市販のスパッター装置を用いて、10−2〜10−3Torr程度のアルゴン雰囲気中で、炭素を含有するターゲット材料をアルゴンイオンでスパッタリングし、スパッタされた炭素粒子を輸送し、基材表面上に炭素粒子を析出して炭素薄膜を形成する。基材加熱温度は室温〜400℃程度が好ましい。ただし、基材のガラス転移温度(Tg)が450℃以下の場合、基材加熱の上限温度はTg−50℃となる。この場合、通常の光学薄膜と同様に、モニターガラス上のスパッター膜の反射率もしくは透過率の変化から、シャッターの開閉により炭素膜厚を制御することができる。
プラズマ分解法を用いる場合は、市販のプラズマ分解装置を用いて、10−2〜10−3Torr程度の減圧雰囲気中で、炭化水素など炭素を含有するガス材料をRF電気パワーでプラズマ状態に分解し、炭素系のプラズマから基材表面上に炭素系粒子を析出して炭素含有薄膜を形成する。基材加熱温度は室温〜200℃程度が好ましい。この場合、モニターガラス上のプラズマ分解膜の反射率もしくは透過率の変化から、RFパワーの印加時間により炭素含有膜の膜厚を制御することができる。
イオンプレーティング法による場合には、市販のイオンプレーティング装置を用いて、10−2〜10−4Torr程度のアルゴン雰囲気中で、炭素材料を電子ビームにより加熱し、材料から蒸発および昇華により発生する炭素蒸気を、負にバイアスされた基材上に蒸着させることにより炭素薄膜を形成する。フィラメントと基板電極との間のグロー放電により、蒸着の付着強度や均一性が向上する。基材加熱温度は室温〜400℃程度が好ましい。ただし、基材のガラス転移温度(Tg)が450℃以下の場合、基材加熱の上限温度はTg−50℃となる。
この場合、通常の光学薄膜と同様に、モニターガラス上のイオンプレーティング膜の反射率変化、透過率変化もしくはQCM(水晶振動子マイクロバランス)による実測から、シャッターの開閉により炭素膜厚を制御することができる。
次に、自己組織化膜成膜法について説明する。
自己組織化膜とは、被成膜基材の表面と反応して、被成膜基材上に、例えば炭素鎖が自己的に配列・組織化して形成された膜であり、杉村博之、高井治;日本学術振興会薄膜第131委員会第199回研究資料平成12.2.1 p.34−39、Seunghwan Lee, Young-Seok Shon, Ramon Colorado, Jr.,Rebecca L. Guenard, T. Randall Lee and Scott S. Perry;Langmuir 16巻(2000)、p.2220−2224等の文献により知られるものである。
本発明において、自己組織化膜が設けられたガラス素材は、その最表面において、分子配列がそろった有機分子会合体を形成しており、接触する物体との摩擦を極めて低くすることができる。
自己組織化膜は英語ではself-assembled monolayer(SAM)と呼ばれており、一度の成膜処理で表面に形成される単分子層を指す場合もあるが、成膜を繰り返し処理することことで、多分子層の成膜も可能であり、本発明の自己組織化膜は、単分子層のみではなく、多分子層を含む。
自己組織化膜は熱力学的にも安定であり、用いた有機分子によりその末端の官能基の性質に依存した物理・化学的性質(例えば表面自由エネルギー)を制御することが可能である。
本発明で、ガラス素材表面に自己組織化膜を形成する自己組織化膜成膜法とは、自己組織化膜の出発原料を溶解した有機溶液(以下、コーティング溶液)に予備成形されたガラス素材を浸漬することにより成膜する方法や、気相反応によって成膜する方法を含む。
コーティング溶液に予備成形されたガラス素材を浸漬する場合は、例えば、自己組織化膜の出発原料として特定の原料を選択し、この自己組織化膜の出発原料を含有するコーティング溶液にガラス素材を浸漬することにより自己組織化膜を形成することができる。好ましくは、自己組織化膜の出発原料を有機溶媒中に所定濃度含有するコーティング溶液にガラス素材を浸漬した後、ガラス素材を洗浄、乾燥することにより自己組織化膜を形成することができる。この場合、膜形成を効率的に行なうために、ガラス素材表面の前処理を行なってもよい。
この方法では、自己組織化膜の出発原料である有機化合物分子が、ガラス素材の表面の基と反応して配列することで膜が形成されるため、極めて被覆率が高く、有機化合物分子の配向性がそろった有機単分子膜の成膜が可能になる。
後述するように、自己組織化膜の出発原料としては、反応性の有機ケイ素含有化合物、有機硫黄含有化合物、有機フッ素含有化合物及び有機窒素含有化合物などを挙げることができる。
上記コーティング溶液の溶媒は、無水有機溶媒であることが好ましい。これは、出発原料の有機化合物分子が水分子と反応することによってその反応性を失うことを避けるためである。また、極性基をもつ溶媒を用いると、同様に有機化合物分子との結合を形成して、有機化合物分子が反応性を失うことがあるため、溶媒としては非極性のものを選択することが好ましい。すなわち、用いる溶媒は、自己組織化膜の出発原料である有機化合物分子の反応性を維持し得るものから選択されることが好ましい。
具体的には、例えばヘキサン等の無水非極性有機溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルムなどの無水有機溶媒、およびこれらの混合溶媒であることが好ましい。
コーティング溶液における自己組織化膜の出発原料の濃度は、0.1〜10wt%であることが好ましい。
上記コーティング溶液へのガラス素材の浸漬時間は1分程度が好ましい。また、コーティング溶液への浸漬後、ガラス素材の乾燥温度は室温〜100℃であることが好ましく、乾燥時間は30分程度であることが好ましい。
気相反応によって自己組織化膜を成膜する場合は、例えば、ガラス素材を容器内にセットし容器内を排気した後、上記コーティング溶液を配置し又は噴霧することによって自己組織化膜の出発原料を気化させ、その蒸気にガラス素材を曝露することにより、自己組織化膜の出発原料とガラス表面と間に反応を生じさせ、自己組織化膜を形成することができる。
コーティング溶液における、自己組織化膜の出発原料の種類、溶媒の種類、自己組織化膜の出発原料の濃度は上記と同様である。容器内での自己組織化膜の出発原料の蒸気量は、プリフォーム表面を自己組織化膜で覆うために必要な量の1倍〜10000倍であることが好ましく、10〜1000倍であることがより好ましい。ガラス素材の表面を自己組織化膜で覆うための自己組織化膜原料物質の必要量は、自己組織化膜原料物質の有機分子1分子の占有面積と、ガラス素材の表面積から求めることができる。
容器内の圧力は0.1気圧程度が好ましく、ガラス素材を自己組織化膜の出発原料の蒸気に曝露する時間は数分間程度であることが好ましい。
自己組織化膜が形成された場合には、規則性をもった原子の配列に対し、その結合状態のIR活性を反映したピークを呈するIR-RAS(赤外反射吸収分光法)などの表面分析により検出することができる。換言すれば、IR-RAS分析において、自己組織化膜が形成された場合は、例えば図3のように、分子の規則的配列に由来するピークが観察される。しかし、自己組織化膜ではなく規則的な分子の配列がない膜の場合にはピークは観察されない。
自己組織化膜の出発原料としては、特に制限はないが、例えばトリアルキルシラン化合物、ジアルキルシラン化合物、アルキルシラン化合物、アルキルジメチルシラン化合物、アルカンチオール化合物、ジアルキルスルフィド化合物、ジアルキルジスルフィド化合物、ジメチルアンモニウム化合物等から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
トリアルキルシラン化合物としては、クロロトリアルキルシラン化合物が好ましく、クロロトリアルキルシラン化合物としては、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、(3−シアノプロピル)ジメチルクロロシラン、クロロトリフルオロメチルシラン等およびこれらの誘導化合物が挙げられる。
ジアルキルシラン化合物としては、ジクロロジアルキルシラン化合物が好ましく、ジクロロジアルキルシラン化合物としては、ジクロロジメチルシラン、ジクロロメチルビニルシラン、ジクロロジフルオロメチルシラン、ジクロロ−n−オクタデシルメチルシラン、n−オクチルメチルジクロロシラン、ジクロロシクロヘキシルメチルシラン等およびこれらの誘導化合物が挙げられる。
アルキルシラン化合物としては、トリクロロアルキルシラン化合物やトリクロロアリールシラン化合物が好ましく、トリクロロアルキルシラン化合物としては、トリクロロビニルシラン、n−オクタデシルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、n−オクタフルオロデシルトリクロロシラン、シアノヘキシルトリクロロシラン等およびこれらの誘導化合物が挙げられる。トリクロロアリールシラン化合物としてフェニルトリクロロシランが挙げられる。
アルキルジメチルシラン化合物としては、アルキルジメチル(ジメチルアミド)シラン化合物が好ましく、アルキルジメチル(ジメチルアミド)シラン化合物としては、トリメチル(ジメチルアミド)シラン、トリエチル(ジメチルアミド)シラン、ペンタフルオロフェニルジメチル(ジメチルアミド)シラン、トリフルオロメチル(ジメチルアミド)シラン、tert−ブチルジメチル(ジメチルアミド)シラン、(3−シアノプロピル)ジメチル(ジメチルアミド)シラン等およびこれらの誘導化合物を挙げることができる。
アルカンチオール化合物としては、1‐ブタンチオール、1‐デカンチオール、1‐フルオロデカンチオール、o‐アミノチオフェノール、2‐メチル‐2‐プロパンチオール、n‐オクタデカンチオール等およびこれらの誘導化合物を挙げることができる。
ジアルキルスルフィド化合物としては、エチルメチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、n‐ヘキシルスルフィド、フルオロエチルメチルスルフィド、フェニルビニルスルフィド等およびこれらの誘導化合物やエチルフェニルスルフィド及びその誘導化合物を挙げることができる。
ジアルキルジスルフィド化合物としては、p‐トリルジスルフィド、ジアリルジスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、フルオロメチルプロピルジスルフィド、ジフルフリルジスルフィド等およびこれらの誘導化合物やメチルフェニルジスルフィドおよびその誘導化合物を挙げることができる。
ジメチルアンモニウム化合物としては、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムアセテート、ジオクタデシルジメチルアンモニウムアセテート、臭化ジエイコシルジメチルアンモニウム、ヨウ化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジオクタフルオロデシルジメチルアンモニウムアセテート、ヨウ化ジメチルジオレイルアンモニウム等およびこれらの誘導化合物を挙げることができる。
自己組織化膜の膜厚は、文献:Pehong Cong, Takashi Igari and Shigeyuki Mori, “Effects of film characterisyics on frictional properties of carboxylic acid monolater”, Tribology Letters 9 (2000)p175−179記載のとおり、用いる出発原料の炭素鎖の長さによって所定の膜厚に制御することができる。
ガラス素材表面への炭素含有膜の形成は、上記予備成形されたガラス素材の加熱処理後、一定時間経過した後に行っても良いし、連続的に行っても良い。ガラス素材の過熱処理後、炭素含有膜の形成を連続的に行う場合は、ガラス素材の加熱処理後、炭素含有膜形成前のガラス素材の洗浄操作を省略することができる。
上述の通り、炭素含有膜の損傷の一因として、ガラス素材から放出される反応性の高い水素による浸食反応が考えられる。したがって、本発明の炭素含有膜をガラス素材表面に成膜する際、ガラス素材のガラス表面から深さ500nmまでのガラス表面層部分の水素含有量が、成膜によって5at%以上増加しないようにすることが好ましい。
真空蒸着法やスパッタ法、イオンプレーティング法によって炭素含有膜を形成する場合には、膜の原料となる成膜材料の水素不純物濃度を5at%以下に、成膜雰囲気中の水素濃度を5容量%以下にすることにより、成膜による水素含有量の増加を5at%以下に抑止することができる。自己組織化膜成膜法により炭素含有膜を形成する場合には、成膜によってガラス素材中の水素含有量は増加しないため、好ましい。尚、成膜前に洗浄工程を設ける場合、その乾燥段階に乾燥雰囲気中の水素濃度を5容量%以下にすることにより、成膜による水素含有量の増加を5at%以下に抑止することができる。
[水素捕獲膜]
酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマスから選ばれる何れか1種のガラス成分を含有するガラス素材からなるガラスプリフォームを、炭素を含有する離型膜を有する成形型によってプレス成形すると、ガラス転移温度よりもはるかに低い350℃付近の温度から、ガラスと成形型の界面において非常に微量のガスが生成され、このガスがガラスと成形面の界面で精密プレス中に引き伸ばされることにより、成形されるガラス光学素子の表面に直線状の痕(以下、これを線状痕という)を形成し、また成形面が損傷を受けてクモリの原因となることがある。特に、WOを含有するガラスを用いたときにこの傾向が顕著
である。
酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマスを含有するガラスは、ガラス転移温度以下の温度であっても水素(原子状)を担体としてTiイオン、Nbイオン、Wイオン、Biイオンを迅速に酸化還元することが可能である。これらの中でも特にWイオンは還元傾向が強い。このため、プレス成形前のガラス素材には、非常に微量ながらTiイオン、Nbイオン、Wイオン、Biイオンを還元している水素が存在しており、この水素がプレス成形の際に、ガラス素材の表面の炭素含有膜、又は成形型表面に形成された炭素を含有する離型膜と反応し、炭化水素ガスを生成して、炭素含有膜や炭素を含有する離型膜を損傷する
ものとみられる。
本発明においては、ガラス中から水素が移動して成形面における反応を防止するために、予備成形されたガラス素材の加熱処理後、炭素含有膜の形成前にガラス素材から出てくる水素を捕獲する膜(水素捕獲膜)をガラス素材表面に形成することにより、上記の様な界面での反応を抑えることができる。
ガラス素材表面に形成される水素捕獲膜は、精密プレス成形可能な温度範囲でガラス素材から発生する水素を捕獲し、捕獲した水素を実質的に放出せず、成形面で実質的に水素と炭素の反応を生じさせないものであることが求められ、またプレス温度でガラスと反応せず、あるいは反応しても成形する光学素子の外観品質を劣化させないものであることが求められる。水素捕獲膜は、このような性質を有するものであれば特に制限されず使用することができる。
水素捕獲膜を構成する水素捕獲物質としては、例えば金属(合金を含む)が挙げられる。金属には、精密プレス温度で水素と反応して安定に水素化物を形成し、成形型の炭素離型膜とも反応しないものがある。また、金属膜はガラスプリフォームの変形に伴って伸長するため、精密プレス前のガラス素材に適切な厚みで膜を形成させておくことにより、プレス成形中にガラス素材の表面に常に存在し、炭素離型膜とガラスが実質的に接触することはない。
このような水素捕獲膜を形成する水素捕獲物質としては、ニッケル、チタン、パラジウムが挙げられるが、ニッケルが好ましい。水素捕獲膜中の水素捕獲物質の含有量としては50〜100wt%が好ましく、より好ましくは80〜100wt%である。
水素捕獲膜の膜厚は、精密プレスの条件にもよるが、好ましくは10−150Å、より好ましくは20−100Åである。150Åより大きいと、水素捕獲膜として金属を使用する場合にはガラス中に入り込む金属量が増加するためガラス光学素子の表面にクモリが生じ易く、10Å未満であるとガラス素材と成形型が接触して線状痕が発生し易くなる。
なお、ガラス素材表面でHOガスの発生があると、水素捕獲膜が剥離もしくは劣化することが推測され、ガラス素材表面に水素捕獲膜を形成しても、線状痕の発生を完全には防止できない。そこで、水素捕獲膜は、ガラス素材の加熱処理後、炭素含有膜の形成前に、ガラス素材の表面に形成することが好ましい。
水素捕獲膜は、上述した炭素含有膜の形成方法と同様に、真空蒸着法や、スパッタ法、プラズマ分解法、イオンプレーティング法等公知の方法を用いることにより得ることができる。
[プレス成形用ガラスプリフォーム]
本発明においては、ガラス素材の予備成形体の形状が基礎的な形状となって、その後ガラス素材表面に炭素含有膜が形成されてプレス成形用ガラスプリフォームが製造される。
プレス成形用ガラスプリフォームとしては、例えば、直径2−20mm程度の球状物や楕円型球状物、扁平形状物が挙げられるが、球状物や楕円型球状物、扁平形状物の大きさ、重量は、最終製品の大きさを考慮して適宜に決定される。仕上がり形状が凸または凹のレンズである場合、プレス成形用ガラスプリフォームは、容積がレンズとほぼ等しい円盤状、円柱状、球面状の形状を有するものを用いることが好ましい。
II.ガラス光学素子の製造方法
本発明による、ガラス光学素子の製造方法について、以下説明する。
本発明では、上述した通り、予備成形されたガラス素材を一定の雰囲気下で加熱処理した後、ガラス素材表面に炭素含有膜を形成して得られたプレス成形用ガラスプリフォームを、プレス成形用ガラスプリフォームを加熱軟化した状態で、成形型によりプレス成形処理することにより、ガラス光学素子を製造する。
例えば、精密に形状加工した対向する上型と下型からなる成形型にガラス素材を導入し、ガラス素材の粘度が10〜1012ポアズ相当の粘度となる温度で型とともに加熱、軟化し、これを成形型で押圧することによって、型の成形面をガラス素材に転写する。もしくは、あらかじめ、その粘度が10〜1012ポアズ相当の温度に昇温したガラス素材を精密に形状加工した対向する上型と下型からなる成形型に導入し、これを押圧することによって、型の成形面をガラス素材に転写する。特に、加熱した成形型に、成形型より高温に加熱したガラス素材を導入し、直ちに成形型によって荷重をかけて成形する、いわゆる非等温プレスにおいて本発明を適用すると、成形サイクルタイムを短くし、面精度の高い光学素子が得られる。この場合、成形型の温度はガラス粘度で、10〜1012ポアズ相当とし、ガラス素材を10〜10ポアズ相当とすることが好ましい。
プレス成形時の圧力及び時間は、ガラスの粘度などを考慮して適宜決定することができ、例えば、圧力は約5〜15MPa、時間は10〜300秒とすることができる。
成形型の型母材としては、特に制限はないが、SiC、WC、TiC、TaC、BN、TiN、AlN、Si、SiO、Al 、ZrO 、W、Ta、Mo、サーメット、サイアロン、ムライト、カーボン・コンポジット(C/C)、カーボンファイバー(CF)、WC−Co合金、結晶化ガラスを含むガラス素材、ステンレス系高耐熱性金属等から選ばれる1種以上の材料から選択することができる。
成形型の型母材表面には炭素を含有する離型膜が設けられていることが好ましい。炭素を含有する離型膜としては、特に制限はないが、ダイヤモンド状炭素膜(以下、DLC)、水素化ダイヤモンド状炭素膜(以下、DLC:H)、テトラヘドラルアモルファス炭素膜(以下、ta−C)水素化テトラヘドラルアモルファス炭素膜(以下、ta−C:H)、アモルファス炭素膜(以下、a−C)、水素化アモルファス炭素膜(以下、a−c:H)、窒素を含有するカーボン膜等の炭素系膜を挙げることができ、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、タングステン(W)、及びタンタル(Ta)から選ばれる少なくとも一つの金属を含む合金膜を併用しても良い。
また、炭素を含有する離型膜の成膜は、DC−プラズマCVD法、RF−プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、ECR−プラズマCVD法、光CVD法、レーザーCVD法等のプラズマCVD法、イオンプレーティング法などのイオン化蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法やFCA(Filtered Cathodic Arc)法等の手法が用いることができる。
成形型の炭素を含有する離型膜及びガラス素材表面の炭素含有膜の酸化を防ぐため、プレス成形は非酸化性雰囲気下で行われることが好ましい。非酸化性雰囲気としては、アルゴン、窒素等の不活性ガス、水素等の還元性ガス又はその混合ガスを使用することができ、好ましくは窒素ガスまたは少量の水素ガスが混合された窒素ガスを使用することができる。加圧雰囲気に水素が存在すると、その濃度によってはガラス素材表面の炭素含有膜や成形型表面の炭素を含有する離型膜を損傷する場合もあるため、水素ガスが混合された窒素ガスを使用する場合には、水素濃度が低い(例えば10ppm以下)ことが好ましい。
プレス成形後、成形型とガラスプリフォームを冷却し、好ましくはTg以下の温度となったところで、離型し、成形されたガラス光学素子を取り出し、適宜ガラス光学素子上の炭素含有膜が除去される。
このようにして得られるガラス光学素子としては、光学器械を構成するガラス部品、例えばレンズ、ミラー、グレーティング、プリズム、マイクロレンズ、積層型回折光学素子等のガラス光学素子が挙げられ、好ましくはレンズ、より好ましくは非球面を有する光学レンズを挙げることができる。
レンズの形状は特に制限なく、両凸レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ、両凹レンズ等が挙げられる。光学素子の大きさも特に制限されないが、レンズの場合は直径2mm程度から35mm程度が好ましい。2mm以下では光学素子成形用ガラス素材が冷え易くなって、割れ易くなるためであり、35mm以上では成形に時間を要するとともに、良好な面を得るのが困難となるためである。光学素子の形状は球面、非球面あるいはこれらの組み合わせが可能である。
レンズの光学性能としては、透過率λ80が500nm以下、かつ透過率λ5が385nm以下であることが好ましい。
次に本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、本実施例、比較例において使用されたガラスを表3に示すが、これらのガラスはいずれも光学ガラスであって、精密プレス成形に適したものである。
実施例1
(1)第1工程:予備成形されたガラス素材の加熱処理
第1工程として、直径4.5mmの球状に予備成形されたガラス素材(組成:TiO、Nb、WOを含むリン酸塩ガラス、Tg=465℃、Ts=515℃;ガラスA)を、市販の管状電気炉をもちいて、1気圧のNガス(HO不純物濃度:0.001容量%、水素不純物濃度:0.001容量%)を100mL/min流動させながら、400℃で8時間加熱処理した。
(2)第2工程:炭素含有膜の形成
第1工程において加熱処理を行ったガラス素材を、光学洗浄を行った後、20℃のオクタデシルトリクロロシラン1wt%のヘキサン溶液中に10分間浸漬し、ヘキサンでリンス洗浄後、クラス1000のクリーンルーム内で放置して乾燥した。
IR−RAS分析によって、ガラス素材表面に自己組織化膜が形成されていることを確認した。また、接触角解析装置を用いて純水およびCHの接触角測定より算出した表面自由エネルギーの値は25mJ/mであった。
本工程で得られた炭素含有膜を有するガラス素材を、プレス成形用ガラスプリフォームとした。
(3)第3工程:ガラス光学素子(レンズ)の製造
第2工程で得られたプレス成形用ガラスプリフォームを、直径7.5mm、第1面の曲率が7mm、第2面の曲率が5mm、コバ厚が0.7mmである両凸レンズ形状を基に精密加工した成形面を有する成形装置内に設置した。窒素ガス雰囲気中で、580℃まで加熱して150kg/cmの圧力で1分間加圧した。
圧力を解除した後、冷却速度を−50℃/minで460℃になるまで冷却し、その後は−200℃/min以上の速度で冷却を行い、プレス成形物の温度が200℃以下に下がった時点で、成形物である両凸レンズを取り出した。
なお、成形型としては、CVD法により作製した多結晶SiCの成形面をRmax=18nmに鏡面研磨したものを用いた後、イオンプレーティング法成膜装置を用いて、成形面にDLC:H膜を成膜したものを用いた。
同一型にて10000ショットまで連続プレスしたが、レンズのカン、ワレの発生はなかった。また、レンズの外観は、全数、良好であり、目視できるクモリの発生はみられなかった。
比較例1
実施例1と同様のガラス素材を用い、第1工程において、1気圧の加湿したNガス(HO不純物濃度:5容量%、水素不純物濃度:0.0001容量%)を100mL/min流動させながら、400℃で2時間熱処理した以外は、実施例1と同様にして、プレス成形用ガラスプリフォームを得た。
本ガラスプリフォームをN雰囲気中で加熱処理した結果、加熱処理後のガラスプリフォームの表面自由エネルギーは400℃以上で急激に増大した。
得られたガラスプリフォームを実施例1と同様にして連続プレス成形したところ、1200ショットでレンズにカン、ワレが発生し始め、かつ、レンズ面のクモリが増加し始めた。さらに、2200ショットで、レンズ面のクモリは基準レベルを越え、これ以降のプレスでは、良品は得られなかった。
比較例2
実施例1と同様のガラス素材を用い、第1工程において、1気圧の乾燥空気(HO不純物濃度:0.001容量%、水素不純物濃度:0.5容量%)を100mL/min流動させながら、400℃で2時間熱処理した以外は、実施例1と同様にして、プレス成形用ガラスプリフォームを得た。
本ガラスプリフォームをN雰囲気中で加熱処理した結果、加熱処理後のガラスプリフォームの表面自由エネルギーは400℃以上で急激に増大した。
得られたガラスプリフォームを実施例1と同様にして連続プレス成形したところ、800ショットでレンズにカン、ワレが発生し始め、かつ、レンズ面のクモリが増加し始めた。さらに、1600ショットで、レンズ面のクモリは基準レベルを越え、これ以降のプレスでは、良品は得られなかった。
比較例3
実施例1において、第1工程の加熱処理を行わない以外は実施例1と同様にしてプレス成形用ガラスプリフォームを得た。
プレス成形を続けたところ、1000ショットでレンズにカン、ワレが発生し始め、かつ、レンズ面のクモリが増加し始めた。さらに、2000ショットで、レンズ面のクモリは基準レベルを越え、これ以降のプレスでは、良品は得られなかった。
Figure 0004056010
実施例2−10
成形用ガラス素材、加熱処理条件、炭素含有膜の成膜法などを表4および表5のとおり変更した以外は、実施例1と同様にしてプレス成形用ガラスプリフォームを製造し、得られたガラスプリフォームを実施例1と同様にして10000ショットまで連続プレスした。
レンズの外観を観察した結果、表4および表5のとおり、全数、カン、ワレはなく、クモリを含めた外観品質は良好もしくは極めて良好であった。
Figure 0004056010
Figure 0004056010
本発明の方法により得られたガラスプリフォームは、精密プレス成形による微小融着や融着に起因するガラス光学素子のカン、ワレおよびガラス光学素子表面のクモリ発生を防止することができるので、非球面レンズなどの光学素子の製造に好適に用いることができる。
ガラスA,Bからなるガラスプリフォームを加熱処理した際の脱ガス量の説明図である。 ガラスA、Bからなるガラスプリフォームを加熱処理した際の表面自由エネルギーの説明図である。 自己組織化膜が形成されていることを示すIR−RASスペクトルある。

Claims (8)

  1. 予備成形されたガラス素材を加熱処理した後、ガラス素材表面に炭素含有膜を形成する、プレス成形用ガラスプリフォームの製造方法であって、
    前記加熱処理が、水素濃度が0〜0.1容量%、H O濃度が0〜0.1容量%、圧力が0.01気圧〜2気圧の雰囲気中で、前記加熱処理温度を200℃〜前記ガラス素材の軟化点にして行われることを特徴とするプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法
  2. 前記ガラス素材が、フツリン酸塩系、リン酸塩系、ホウリン酸塩系およびホウ酸塩系から選ばれるいずれか1種のガラスからなる、請求項1に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法。
  3. 前記ガラス素材が、ガラス成分として酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ビスマス、塩素およびフッ素から選ばれるいずれか1種を含有するガラスからなる、請求項1に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法。
  4. 前記ガラス素材が、モル%表示で、ガラス成分としてWO 2〜45%、Nb 0〜25%、TiO 0〜10%(但し、WOとNbとTiOの合計含有量が20〜45%)を含有するP−WO系ガラスからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法。
  5. 前記加熱処理後、炭素含有膜の形成前に、ガラス素材の表面に水素捕獲膜を形成する、請求項1〜のいずれか1項に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法。
  6. 前記ガラス素材表面への炭素含有膜の形成が、蒸着法、スパッタ法、プラズマ分解法、イオンプレーティング法および自己組織化膜成膜法から選ばれるいずれか一種の方法によって行われる、請求項1〜のいずれか1項に記載のプレス成形用ガラスプリフォームの製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のプレス成形用ガラスプリフォームを加熱軟化した状態で、成形型によりプレス成形することを特徴とする、ガラス光学素子の製造方法。
  8. 前記成形型が成形面に炭素を含有する離型膜を有し、前記成形型を所定温度に、プレス成形用ガラスプリフォームを成形型より高い所定温度に加熱する工程を有する、請求項に記載のガラス光学素子の製造方法。
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